Aki

無人タクシーの未来がここに!【完全解説】Zooxの驚きの技術とAmazonの野望

未来がもう来てた! これは、2022年に日本から来た友人がサンフランシスコにて、無人・自動運転タクシー、通称ロボタクシーのCruiseに乗った際の言葉。当時は、一般車両を利用していました。 それから約半年後。Google傘下のWaymoが実用化され、そして最近はもう一つの自動運転タクシーのZooxがついにサンフランシスコの街を走り出した! ついに見つけた!サンフランシスコの道を走る無人タクシーのZoox. 一般車両を使うWaymoに対して、こちらは完全に運転席の無い専用デザイン。そしてめっちゃ可愛い。 pic.twitter.com/uyVadQ0x91 — Brandon K. Hill | CEO of btrax 🇺🇸x🇯🇵/2 (@BrandonKHill) December 26, 2024 それでは、革新的なデザインと先進技術を備えた『Zoox』が、どのように未来のモビリティを形作ろうとしているのか。最新情報をもとに、その全貌に迫ります。 Zooxとは? Zooxは、Waymoと同様に自動運転タクシーの最前線を走る革新的な企業の1つです。「個人の移動手段を誰にとってもより安全に、よりクリーンに、そしてより快適なものにすること」を使命に2014年に設立され、2020年にAmazonと合併契約を結び、Amazonの完全子会社になりました。 従来の自動車メーカーとは異なり、Zooxは完全自律走行を前提とした車両をゼロから設計しています。高性能なセンサー、先進的なソフトウェア、厳密なテストにより、自動運転車両はこのような交通事故の94パーセントの原因となっているヒューマンエラーの影響を大幅に減少させ、最終的には排除することが可能となるとZooxは発表しています。 この独自のアプローチにより、Zooxは安全性、効率性、そして乗客の快適性を最大限に追求し、現在サンフランシスコやラスベガスなどの都市部でサービス展開を進めており、都市モビリティの革命を目指しています。 Zooxの自動運転車両の特徴 Zooxの車両は、従来の自動車の概念を覆す以下の4つの革新的なデザインを採用しています。 ①双方向デザイン 前後対称の「錠剤型」デザインにより、Uターンやバックが不要で、小回りが利くため狭い都市空間でも効率的な移動が可能です。 ②乗客快適性 ハンドルやブレーキは一切なく、4人乗りの広々とした室内空間を実現。各座席にタッチスクリーンを設置し、温度調整や音楽再生などの個別制御が可能です。カップホルダーやワイヤレス充電ポイントなども設置されています。 ③長時間稼働 133kWhの大容量バッテリーを搭載し、一回の充電で長距離走行が可能です。これにより、24時間稼働のサービス提供を目指しています。 ④革新的な内装 「車輪付きのリビングルーム」をコンセプトに、昼間は大きな天窓から自然光を取り入れ、夜間は星空のような照明で室内を演出します。 この独自設計により、Zooxは単なる移動手段を超えた、新しい都市生活体験を提供しようとしています。 先進的な安全技術 Zooxは安全性を最優先に設計されており、100以上の新しい安全技術を搭載しています。部品の1つが故障したとしても、システムの残りの部分は安全に動作し続けるように設計されており、航空業界からヒントを得て自動車の設計に取り組んでいるとのこと。 例えば以下の4つ。 ①エアバッグシステム 全方向から乗客を保護する独自のエアバッグシステムを開発。Zoox車両の独特な対面式シート配置により、乗員保護システムの抜本的な見直しが必要となりました。 それにより誕生した新しいエアバッグシステムは、エアバッグ制御ユニット(ACU)によって制御され、車両の進行方向や速度、衝突の程度を検知するセンサーデータを活用します。Zoox車両は双方向走行が可能なため、ACUは両方向の衝突を検知します。 従来のステアリングホイールやダッシュボードがない車両内装に適した新世代のエアバッグを開発しました。システムは以下の5つの異なるタイプのエアバッグで構成されています ● 馬蹄型カーテンエアバッグ:車両の両端での衝突時に、乗員が接触する前面エアバッグの反力面(安定した表面)を提供します。 ● フロントエアバッグ:天井から展開し、各座席の前に降下します。くぼみのあるポケットで2つのセクションに分かれており、乗員の頭部、首、胸部をより効果的に保護します。 ● リアエアバッグ:衝突した側の乗員ヘッドレスト後方から展開し、破片の客室内侵入を防ぎます。 ● サイドヘッドエアバッグ:側面衝突時に天井から展開し、座席と窓の間に降下して乗員の頭部と首を保護します。 ● シートサイドエアバッグ:各座席の側面に組み込まれており、高速での側面衝突時に展開します。シート内側に押し出されることで、シート表面が乗員の体に近づき、より安全に乗員を固定します。 また、窓側に向いたエアバッグシステムの表面には、救急隊員向けの指示が明確に表示されており、事故後の車両進入方法や乗員救助の手順が記載されています。 ②360度視野センサー LIDAR、レーダー、カメラを組み合わせた高性能センサーシステムにより、周囲150m以上を認識可能。 センサーによりすでに認識によって識別および分類されている他の「エージェント」(たとえば、車、歩行者、自転車)による潜在的な行動結果を予測します。その次に、車両が取るべき最適なルートを決定します。 ③補完システム 航空機産業にインスパイアされた設計で、システム障害時にも安全運行が継続可能。 ④シートベルト監視システム センサー、スイッチ、カメラを組み合わせた安全システムにより、全乗客のシートベルト着用を確認するまで走行を開始しません。 また、自動運転システムが衝突の可能性や差し迫った危険を検知した場合、シートベルトシステムは事前にベルトを引き締め、エアバッグの展開と保護に最適な姿勢に乗員を保持します。この機能により、常時すべての乗客に対して最高レベルのシートベルト安全性能を提供します。 これらの技術により、Zooxは自動運転車の安全基準を新たなレベルに引き上げています。 高度な自動運転システム Zooxの自動運転システムは、最先端のAI技術と豊富な実地テストデータに基づいています。 ①リアルタイム環境認識 高性能センサーとAIの組み合わせにより、車両は周囲の状況を即座に分析し、安全かつ効率的な判断を実行します。 Zooxは、新しいシナリオに遭遇すると、人間のドライバーと同じように慎重に近づきます。当社の車両は、地図にない工事現場など、一時的な環境の変化も理解します。 ②テレガイダンス 複雑な状況(例:工事現場)では、リモートオペレーターによる遠隔支援が可能です。これにより、AIの学習も促進されます。 ③シミュレーションテスト 現実世界では稀なケースも、仮想環境で徹底的に検証しています。 ④高速走行能力 最高速度は時速75マイル(約120km/h)に達し、高速道路での走行も可能です。 このようにZooxは7年以上にわたり、複数の都市で厳密なテストと検証を重ね、高度な自動運転システムの信頼性を支えています。 サービス展開状況 Zooxは2024年12月現在、以下のように段階的にサービスを拡大しています。 サンフランシスコ 2024年11月からSoMa地区で自社従業員向けのテスト運行を開始。今後、一般向けサービスへの拡大を計画しています。 ラスベガス ラスベガス・ストリップ周辺でテスト運行を実施中。商用サービス開始に向けて準備を進めています。 フォスターシティ カリフォルニア州DMVから許可を得て、本社周辺で時速35マイルまでの公道テストを実施しています。 2024年2月には、カリフォルニア州公益事業委員会(CPUC)から一般向け無料乗車サービスの許可を取得し、4,000人以上のゲストが自動運転を体験しました。 法規制への対応 Zooxは、自動運転車の安全性と信頼性を確保するため、厳格な法規制に積極的に対応しています。 ① FMVSS認証 2022年7月、Zooxは連邦自動車安全基準(FMVSS)に準拠した世界初の完全自動運転車両として認証を受けました。 ② カリフォルニア州許可 カリフォルニア州とネバダ州で無人運転テスト許可を取得。カリフォルニア州では2018年に自動運転車の公道テスト許可を取得した最初の企業となりました。 ③ CPUC許可 2024年2月、カリフォルニア州の公共サービスを監督し、規制する機関であるカリフォルニア州公益事業委員会(CPUC)から一般向け無料乗車サービスの許可を取得。 Zooxは「驚きなし、完全な透明性」の哲学に基づき、規制当局や地域コミュニティとの緊密な連携を重視しています。 Waymo, Cruiseとの比較 Zooxは、WaymoやCruiseといった競合他社とは異なるアプローチを採用しています。 既存の車両を改良するのではなく、ゼロから新しい車両を設計・開発することで、都市モビリティの未来を見据えた革新的なビジョンを実現しようとしています。この独自のアプローチにより、安全性を最優先にした設計が可能になっています。 現状の課題 ① 規模拡大 現在は数十台規模ですが、商用サービスの本格展開に向けて大量生産体制への移行が今後必要となります。 ② 公共受容性 自動運転車への不安や懸念を解消し、社会的受容を高めることが重要です。新しい設計による車尾を向いて座ることに対して乗客が不快感を感じる可能性や、見知らぬ人との相乗りによる社会的な不快感への対応が必要になる可能性があります。 ③ 技術的課題 2024年5月にNHTSAが調査を開始した後部衝突事故など、技術面での改善も継続的に必要です。 その他、複雑な都市環境での運用に関して高精度地図の事前作成や、予測困難な状況への対応など、複雑な都市環境での安全かつ効率的な運用に関する技術的課題があります。 […]

【btrax事例紹介】SUBARUとのブランド・エクスペリエンス・プロジェクト:顧客との新たなタッチポイントを創出

デジタル化が急速に進行し、他社との差別化がますます難しくなっている現代において、ブランド価値の向上は非常に重要です。 そんな中、SUBARUは従来の車両というハードウェア以上の価値をユーザーに提供し、新たなタッチポイントを創出することに成功しました。 この挑戦にbtraxがどのように貢献したのか、詳しくご紹介します。 *本記事は、日本ではなく全米で実施したプロジェクト事例になります。 Project Overview:時代や市場の変化に対応するために btraxは、SUBARUがデジタル化と競争激化する市場環境の中で、魅力的なブランドとして選ばれ続けるためのサポートを行いました。 具体的には、本プロジェクトで「ブランドコア」の定義から、新サービスのアイデア立案、プロトタイプ開発、そしてユーザーテストを通しての具現化までを包括的にサポートしました。 Brand Development:ブランドコアの言語化 SUBARUブランドの本質を理解し、ユーザーに提供すべき体験のビジョン(UXビジョン)を明確にするため、私たちは綿密なプロセスを踏みました。 まず、SUBARUを愛するユーザーに直接インタビューを行い、彼らがブランドのどこに魅力を感じているのかを深く掘り下げました。 「安全性」「走行性能」といった製品特性だけでなく、「outdoor」「family」「open-minded」など、SUBARUが提供する無形の価値についても丁寧に聴き取りました。 「安全性」「走行性能」といった製品特性だけでなく、「outdoor」「family」「open-minded」など、SUBARUが提供する無形の価値についても丁寧に聴き取り、インタビューを通してでたキーワードやポイントをまとめました。 そして、これらのユーザーインタビューやから得られたキーワードやポイントを慎重に分析し、SUBARUのコアブランド価値を抽出しました。 この過程で、「Versatile」「Open-minded」「Humble」といったSUBARUならではの特徴が浮かび上がり、SUBARUがこれから体現すべきブランド価値を明確にしました。 Service Design:ブランドコアに即した新たなサービスアイディア発想 次に、言語化されたブランドコアに基づいて、ワークショップ形式でサービスのアイディア発想を行いました。 日米双方のSUBARUユーザーへのヒアリングを通じてユーザーの声を聴き、その価値観を反映させながらアイディアを3案に絞り込みました。 Validation:ユーザーとの共創をベースにしたコンセプト立案 選定した3つのコンセプトについて、更なる具現化のためのインタビューをアメリカの生活者を対象に実施しました。 ユーザーのインサイトを分析し、最終コンセプトを1つに絞りました。その上で、ショートムービーやランディングページを作成し、コンセプトやサービス体験を視覚化しました。 Prototyping&User Testing:プロトタイプ開発とユーザーテストの実施 具体化したサービスアイディアを実体験できるよう、MVP(Minimum Viable Product)としてアプリのプロトタイプを開発しました。 この段階では、プロトタイプを用いて実際にユーザーテストを実施し、フィードバックを収集しました。これにより、ユーザー体験の向上に必要な調整を行いました。 Research:現地のイベントへの出展とアメリカ支社への提案​ SUBARUファンが多く集まるSubiefestに出展し、MVPを配布しました。それに加えて、対面でのフィードバックを集め、サービスの利便性や魅力をさらにブラッシュアップしました。 また、これまでの成果をSUBARU of Americaに提案し、新規サービス開発を通じた日米の協力を強化しました。 プロジェクトの成果と今後の展望 SUBARUとのブランド・エクスペリエンス・プロジェクトを通じて、btraxは「ブランドコア」の定義から、新サービスのアイデア立案、プロトタイプ開発、そしてユーザーテストまでを包括的にサポートしました。 このプロセスにより、SUBARUはユーザーとの新たな接点を創出し、ブランド体験の向上を実現しました。さらに、このプロジェクトは日米の組織間協業の架け橋となり、グローバルな視点でのブランド戦略構築に貢献しました。 この経験を活かし、btraxは今後も急速に変化する市場環境において、ブランドの本質を見つめ直し、ユーザーとの対話を重視した新しいサービス構築のアプローチを提供していきます。 btraxはこれまで多数のユーザーリサーチの実績を有し、ユーザーの本質的なニーズを理解するための知見を持っています。ぜひお気軽にお問い合わせください。 今回のSUBARUの事例紹介ページはこちら。

【btrax事例紹介】SUBARUとのブランド・エクスペリエンス・プロジェクト:顧客との新たなタッチポイントを創出

デジタル化が急速に進行し、他社との差別化がますます難しくなっている現代において、ブランド価値の向上は非常に重要です。 そんな中、SUBARUは従来の車両というハードウェア以上の価値をユーザーに提供し、新たなタッチポイントを創出することに成功しました。 この挑戦にbtraxがどのように貢献したのか、詳しくご紹介します。 *本記事は、日本ではなく全米で実施したプロジェクト事例になります。 Project Overview:時代や市場の変化に対応するために btraxは、SUBARUがデジタル化と競争激化する市場環境の中で、魅力的なブランドとして選ばれ続けるためのサポートを行いました。 具体的には、本プロジェクトで「ブランドコア」の定義から、新サービスのアイデア立案、プロトタイプ開発、そしてユーザーテストを通しての具現化までを包括的にサポートしました。 Brand Development:ブランドコアの言語化 SUBARUブランドの本質を理解し、ユーザーに提供すべき体験のビジョン(UXビジョン)を明確にするため、私たちは綿密なプロセスを踏みました。 まず、SUBARUを愛するユーザーに直接インタビューを行い、彼らがブランドのどこに魅力を感じているのかを深く掘り下げました。 「安全性」「走行性能」といった製品特性だけでなく、「outdoor」「family」「open-minded」など、SUBARUが提供する無形の価値についても丁寧に聴き取りました。 「安全性」「走行性能」といった製品特性だけでなく、「outdoor」「family」「open-minded」など、SUBARUが提供する無形の価値についても丁寧に聴き取り、インタビューを通してでたキーワードやポイントをまとめました。 そして、これらのユーザーインタビューやから得られたキーワードやポイントを慎重に分析し、SUBARUのコアブランド価値を抽出しました。 この過程で、「Versatile」「Open-minded」「Humble」といったSUBARUならではの特徴が浮かび上がり、SUBARUがこれから体現すべきブランド価値を明確にしました。 Service Design:ブランドコアに即した新たなサービスアイディア発想 次に、言語化されたブランドコアに基づいて、ワークショップ形式でサービスのアイディア発想を行いました。 日米双方のSUBARUユーザーへのヒアリングを通じてユーザーの声を聴き、その価値観を反映させながらアイディアを3案に絞り込みました。 Validation:ユーザーとの共創をベースにしたコンセプト立案 選定した3つのコンセプトについて、更なる具現化のためのインタビューをアメリカの生活者を対象に実施しました。 ユーザーのインサイトを分析し、最終コンセプトを1つに絞りました。その上で、ショートムービーやランディングページを作成し、コンセプトやサービス体験を視覚化しました。 Prototyping&User Testing:プロトタイプ開発とユーザーテストの実施 具体化したサービスアイディアを実体験できるよう、MVP(Minimum Viable Product)としてアプリのプロトタイプを開発しました。 この段階では、プロトタイプを用いて実際にユーザーテストを実施し、フィードバックを収集しました。これにより、ユーザー体験の向上に必要な調整を行いました。 Research:現地のイベントへの出展とアメリカ支社への提案​ SUBARUファンが多く集まるSubiefestに出展し、MVPを配布しました。それに加えて、対面でのフィードバックを集め、サービスの利便性や魅力をさらにブラッシュアップしました。 また、これまでの成果をSUBARU of Americaに提案し、新規サービス開発を通じた日米の協力を強化しました。 プロジェクトの成果と今後の展望 SUBARUとのブランド・エクスペリエンス・プロジェクトを通じて、btraxは「ブランドコア」の定義から、新サービスのアイデア立案、プロトタイプ開発、そしてユーザーテストまでを包括的にサポートしました。 このプロセスにより、SUBARUはユーザーとの新たな接点を創出し、ブランド体験の向上を実現しました。さらに、このプロジェクトは日米の組織間協業の架け橋となり、グローバルな視点でのブランド戦略構築に貢献しました。 この経験を活かし、btraxは今後も急速に変化する市場環境において、ブランドの本質を見つめ直し、ユーザーとの対話を重視した新しいサービス構築のアプローチを提供していきます。 btraxはこれまで多数のユーザーリサーチの実績を有し、ユーザーの本質的なニーズを理解するための知見を持っています。ぜひお気軽にお問い合わせください。 今回のSUBARUの事例紹介ページはこちら。

【日本が持つ奇跡の急成長産業】『アニメ』がもたらすマーケティング革命

7.5億人   世界人口(81億人)の約10分の1に匹敵するこの数字が何を意味するのかをご存知でしょうか? その答えは、 『全世界でアニメを観ている人数(アニメ人口)』です。 コロナ禍の外出自粛の時期をきっかけに日本国内のみならず世界中で人気を博した日本のアニメ・漫画。 なんと現在もそのアニメ人口は飛ぶ鳥を落とす勢いで増加し続けています。 200以上の国と地域に1300のアニメ作品を配信し、グローバルで1300万人の有料ユーザーを抱える米クランチロールのCEO ラウール・プリニ氏は、数年以内にはアニメ人口が10億人規模に到達すると述べています。 実際に、私がアメリカに1年弱滞在している中で周りの外国人の友達でアニメを全く知らないという人に一度も出会ったことがありません。 このように世界中で愛されている日本のアニメ。 実は、そのアニメ人気は企業のマーケティング戦略の変革に大きな影響を与え始めています。 アニメを活用したマーケティングとは? アニメを活用したマーケティングは、アニメーションコンテンツやキャラクターを通じて、国内に限らず国境を越えた市場にブランドメッセージを伝える戦略です。 アニメは、その視覚的な魅力と感情的な訴求力により、幅広い年齢層、特に10代20代などの若い世代の視聴者にもリーチすることが可能となります。 種類としては多岐に渡り「ワンピース」、「ジョジョの奇妙な冒険」などの王道人気アニメや「呪術廻戦」、「鬼滅の刃」、「SPY×FAMILY」などの新興アニメと国内外ブランドとのコラボレーションなどから、個々の企業が伝えたいメッセージをもとに独自のアニメ動画を制作する場合もあります。 特に日本のアニメは高い制作技術と独自のストーリーテリングで世界中に多くのファンを持っているため、日本企業にとって非常に効果的なマーケティングツールとなっています。 アニメを活用したマーケティングの4つの利点 ①感情的なつながりの強化 アニメはキャラクターやストーリーを通じて視聴者との感情的なつながりを強化します。 こちらは視聴者がブランドに対して親近感や愛着を持つことを促し、長期的なエンゲージメントを高めることに大きく繋がっています。 例)NESCAFÉ 独自のアニメコマーシャル ②ブランド認知度の向上 視覚的に印象的なアニメは、視聴者の記憶に残りやすく、ブランドの認知度を大幅に向上させます。 特に、有名・人気アニメを使った広告やプロモーションは話題性やメッセージ性が強く、通常の広告よりも高い注目度を得ることができます。 例)Uno × 進撃の巨人 コラボコマーシャル ③多様な市場へのアプローチ アニメは多様な文化や言語に対応しやすいため、グローバル市場におけるローカライズ戦略にも適しています。 これにより日本だけに限らず欧米やアジア諸国など異なる市場に対して一貫したブランドメッセージを伝えることが可能となります。 実は上記2つの動画も同様に、アニメを活用したCMは海外でも話題を呼びやすく、公式による翻訳に加えて視聴者が英語や中国語、スペイン語などの字幕をつけて拡散し、さらに国外で話題を呼ぶという事例が多くあります。 例)日清食品 × One Piece コラボコマーシャル ④若い世代へのリーチ アニメは世界中のZ世代(1996年~2012年生まれ)などの若い世代に大きな影響力を持っています。 日本に限らず世界中のZ世代はデジタルネイティブであり、インターネットで得られる大量の情報に触れ、モバイル端末やSNSを使いこなしています。 それに伴い、アニメや漫画にも慣れ親しんでいるため、アニメを通じたマーケティングはこの世代との強い結びつきを形成する有効な手段となります。 btraxの成功事例: ヤンマー「未ル(MIRU )」アニメプロジェクト ヤンマーホールディングス株式会社が、2022年11月に発表したアニメプロジェクト「未ル(MIRU)」。 btraxもこちらのプロジェクトに企画・協力として参画しました。そこで、本アニメプロジェクトの目的や成果についてご紹介します。 アニメプロジェクトの背景と目的 脱炭素社会への移行など、人と自然が共生する持続可能社会のあり方を模索する動きが世界的に加速しています。 そこでヤンマーとしては、困難なことがあっても、一人ひとりの挑戦によってより良い明日を作っていくという、持続可能な社会の実現に向けたヤンマーの思いを伝えたい。 また、就職活動中の学生をはじめ、これから世界を作る世代に、このアニメを通してヤンマーが描く未来への期待を感じてほしい、ヤンマーを知って欲しいという思いが込められています。 アニメ「未ル(MIRU)」のコンセプトとテーマ 本作では、「人と自然の対峙と調和」をテーマに、自然という私たちが生きていくために必要な住環境を守るべく、主人公が苦闘し成長していく姿、そこにあるロボットの姿をアニメで表現します。 また、主人公たちが「人の豊かさ」と「自然の豊かさ」を両立させた「未来」を切り開いていく姿をイメージし、アニメタイトルを「未ル」としました。 「未」は未来を表し、自分たちの力で積極的に動いていく姿を想起してもらえるように動詞化したものです。 また、「YANMARが描く未来を、これからの世界を作る世代に届けたい」そんな想いを親しみやすさと共に、アニメへと詰め込みました。 舞台は、私たちの住む『地球』。 YANMARに関心を抱いてくれた人が、アニメのキャラクターやストーリーを通じて、未来に期待を感じるような作品を目指しました。 🔽ヤンマー 取締役 ブランド部長 CBO 長屋明浩さん『ヤンマーがアニメをやろうとしている理由』 プロジェクトの実施プロセスと主要な成果 btraxは、ヤンマー社のオリジナルアニメプロジェクト「未ル(Miru)」のお披露目やグローバル市場での認知獲得のために、北米最大のアニメ祭典Anime Expo 2023への出展をご支援しました。 具体的には、アメリカのアニメファンの動向やAnime Expo来場者の動向分析、試作の効果分析を行い、会場のブース出展の体験設計からオンラインコミュニケーション設計までを一気通貫でご提案。 それに加え、各種クリエイティブ制作、企画・進行、マーケティング、広報の施策実行も合わせてご支援し、アニメの国内外での認知度向上に寄与しました。 実際に行われたパネルセッションでは、200人の会場のキャパを超える来場者に埋め尽くされ、アニメの今後の展開に対する期待感の大きさを強く感じました。 Anime Expo 2023への出展を通して、現地では約35万人への認知拡大さらに、SNSを活用したオンラインプロモーションを通じて国内外のアニメファンへの認知拡大と興味関心獲得の足掛かりをつかみました。 イベント自体に関するより詳しい詳細はこちらから。 参照: 『ヤンマーアニメプロジェクト公式ページ 』 『ヤンマーアニメプロジェクト ニュースリリース』 『「未ル」特設ページ』 『btrax :ヤンマー 「未ル」北米最大のアニメの祭典Anime Expo 2023 出展 紹介ページ』 今こそ日本企業がアニメを活用したマーケティングに取り組む意義 日本企業がアニメを活用したマーケティングに取り組む意義は多岐にわたります。 まず、日本のアニメは世界的に高い評価を受けており、その品質と創造性は他国からも絶賛されています。この優位性を活かし、国際市場でのブランド力を高めることができます。 ここで忘れてはいけないのは、世界中で愛されているアニメは「日本」という名称がついていないだけでほとんどが日本製であることです。 つまり、アニメは歴とした『日本最高の知的財産』として世界中で確立しています。 またアニメは日本文化の象徴でもあり、企業の文化的背景や価値観を効果的に伝える手段としても機能します。 それだけでなく、Z世代などの若い世代を中心にアニメの人気は非常に高く、次世代の消費者層にリーチするための有力なツールともなります。 以上のことから日本企業がマーケティングの新しい手段としてアニメを活用する意義は大きいと言えます。 btraxはアニメを活用したいあなたをサポートします! 最後に、 アニメを活用してみたいけどどうすれば良いのかわからない。 実際にどのような手順で国内外へのブランディング戦略を進めていけば良いのか? などアニメを活用したマーケティングやブランディング戦略に関するご相談などぜひお気軽にお問い合わせください。 弊社の経験豊富なプロフェッショナルチームが、丁寧にご対応させていただきます。

【3ヶ月間のインターン中に気づいた】全日本人がサンフランシスコに来るべき5つの理由

誰もが1度は耳にしたことがある都市「サンフランシスコ」。毎年10万人前後の日本人がこの街に訪れている。なぜこの街は日本人に限らず世界中の人を惹きつけるのか。実際にサンフランシスコに来るメリットや魅力とは何か?筆者が実際にサンフランシスコに3ヶ月滞在して感じたことを5つ共有する。

リテールテックの革新:アメリカ主要小売店の最新テクノロジーが描く顧客体験の未来

リテールテックがもたらす小売業界の革新 近年、急速に進化するデジタル技術は、小売業界において大きな変革をもたらしている。これにより、顧客体験の向上や業務効率化が実現され、小売店は新たな競争力を獲得することが可能となっている。 本記事では、アメリカの主要小売店で展開されている最新のリテールテックを紹介し、その効果について探っていく。 リテールテックの概要 リテールテックは、小売業界における最新のテクノロジーの活用を指す。このテクノロジーは、さまざまなカテゴリーに分類することができますが、特に注目されるのは以下のような分野である。 新しい決済方法 小売業界では、顧客の支払い体験を向上させるために新しい決済方法が導入されている。これにより、レジ待ち時間の短縮や支払いのスムーズ化が図られ、顧客はよりストレスフリーなショッピング体験を享受することができる。 Amazon Goの仕組みは脅威となるか?サンフランシスコ店へ行ってみた ロボット ロボット技術の進化により、小売店では在庫管理が大幅に効率化されている。自動化されたロボットが品揃えの確認や商品の位置の更新などの作業を行い、従来の手作業に比べて迅速かつ正確な在庫管理が実現されている。 ロボットハンバーガー店Creatorで感じたUXの改善点 ドローン配達 ドローンを活用した配達サービスは、小売店の配送プロセスを革新し、顧客により迅速かつ柔軟な配送オプションを提供している。遠隔地や交通の混雑する地域への配送も容易になり、顧客満足度の向上につながっている。 ドローン産業に起こるであろう4つの変革 Virtual Care(遠隔医療) 小売店では、オンライン上で医療相談や診断を受けることができるVirtual Careサービスも提供されている。顧客は店舗を訪れることなく、自宅から医療サポートを受けることができ、健康管理における利便性が向上している。 ヘルスケアのDX – Carbon Healthを試してみた【UX分析】 これらのカテゴリーにおける最新のリテールテックの導入により、小売業界はますます革新され、顧客体験の向上や業務効率化が実現されている。 事例紹介: アメリカ主要小売店が導入しているリテールテック 【新しい決済方法】 Whole Foods Market アメリカの大手スーパーマーケットチェーンWhole Foods Marketは、Amazonに買収されて以降Amazonが持つテクノロジーとWhole Foods Marketが持つ様々なデータを上手く掛け合わせたサービスを提供している。 手のひら決済 そのうちの一つに、Amazon oneというサービスを用いた「手のひら決済」という革新的な支払い方法がある。このシステムでは、顧客の手のひらをスキャンすることで支払いが完了し、レジ待ち時間を大幅に短縮することができる。 ちなみに、Amazon oneへの登録は非常に簡単である。順序は以下の4つで1分ほどで完了する。 ①Whole foods店舗内にある「Amazon One」の機械で登録開始 ②クレジットカードを差し込み登録する→ここまではオンラインで登録可能 ③両方の手のひらを機械にかざして登録する ④最後に電話番号を登録して終了 Amazon Dash Cart さらにWhole foods Marketは「Amazon Dash Cart」の機能を用いて、手に取った商品をカート内でスキャンするだけで支払いを行う事ができ、チェックアウトの列に並ぶ必要がない便利なサービスも提供している。 【ロボット】 Walmartの清掃ロボット 世界最大のスーパーマーケットチェーンWalmartは、店内の清掃作業を自動化するためにロボットを導入している。それだけでなく移動しながら清掃すると同時に、棚の在庫状況をチェックも同時並行で行う。 これにより、店舗スタッフはより効率的に在庫管理や顧客サービスに集中することができ、店内の清潔さと品質を維持することができている。 Krogerの在庫管理ロボット 全米最大のスーパーマーケットチェーンKrogerは、店内の在庫管理をロボットを利用して行っている。既に800機以上のロボットにより、毎日20,000件以上のオンラインオーダーに対応している。 このシステムにより、商品の在庫状況をリアルタイムで把握し、顧客が欲しい商品を素早く的確に提供することができる。また、従来の手作業に比べて効率が大幅に向上し、顧客満足度を高めている。 Krogerの無人トラック また、Krogerは自動運転車を提供しているGatik社と提携し、無人トラックによる配送業務の自動化&高速化を目指し試験運用している。 店舗受け取りや店内での買い物体験に加えて、新しいテクノロジーを用いた『ロボットによる在庫管理と自動運転による配送』を組み合わせることで、顧客にシームレスな体験の提供、それに伴う顧客満足度の向上とリピーターの増加を目指している。 Lowe’sの案内、警備、配達ロボット アメリカの大手ホームセンターLowe’sは、店内での在庫管理&案内、警備、配達の主に3つの作業にロボットを活用している。これにより、顧客は迅速かつ正確なサービスを受けることができ、店舗スタッフの負担を軽減することができている。 在庫管理&案内ロボット 高度な人工知能と3Dマッピング ソフトウェアを搭載したNAViiを利用している。NAViiは店舗内を歩き回り、正確にどの場所のどの商品を補充する必要があるかを知らせるだけでなく、価格が間違っていたり、間違った場所にある商品も識別することができる。 さらに、NAViiは顧客のサポート業務としても機能しており直接話しかけたり、NAViiに搭載されたディスプレイを用いて、特定の製品や部門の場所を尋ねると適切な場所に直接案内してくれる。 警備ロボット Lowe’sは盗難の防止や店舗の安全性向上のために自律型セキュリティロボットをテスト導入している。 このロボットは、周囲を移動しながら潜在的な問題を特定し、懸念事項を監視チームに報告する。また、顔認識機能はないが、熱異常検出及び人物検出センサーを装備しており、望ましくない侵入者をオペレーターに警告するなどの働きをしている。 移動中はヒューヒューという音を発することで視覚障害のある顧客への配慮もしている。また、ロボットを使用して助けを呼ぶことができるなど双方向通信システムを備えている。 配達ロボット Lowe’sは輸送サービスを提供している米国大手のFedExと提携し「SameDay Bot」という自律型ロボットを利用した同日配送サービスを試みている。 このボットは、歩道や道路脇で動作し、安定した状態を維持して障害物を回避しながら、縁石、未舗装路面、急カーブを通過できるように開発されており、段差も難なく進む事ができる。 このように米国ではロボット技術を用いた顧客体験の向上施策がどんどん進んでいる。 【ドローン】 Walmartのドローン配達 Walmartはスピード、安全性、持続可能性を重視するWingやZiplineなどの専門家と緊密に連携することによって、過去2年間でドローン配送をテキサスで試験的に実施し、20,000件を超える安全な配送を完了した。 ドローン配送により、顧客は今まで以上に迅速な配送オプションを利用できるようになり、商品は30分以内に届けられ、場合によっては10分ほどで届くこともある。利用料は無料であることも大きい。 これまで「忘れた食材や市販の風邪薬など急遽必要になったものや午後の甘いもの、カフェインの欲求を満たすスナックや飲み物、卵などの壊れやすい品物」など様々なジャンルの品物がオーダーされている。 その結果を受け、Walmartや提携先の企業は ”ドローン配送の需要は本物だという事が明らかになり、2024年がドローン配達の年になると信じている”と述べている。 Krogerのドローン配達 Krogerは2021年にドローン配送のPilot Testを実施したが、バッテリー、技術面、制限面などの問題から2024年2月時点ではドローン配送サービスの提供を停止している。 Pilot Test時のサービス内容は重さは5ポンド(2.26kg)まで&配達範囲は半径1マイル(約1.6km)などの制限があったものの、配送は無料で1時間以内に到着することを保証していた。 現在サービスは停止しているが、2023年にKrogerのドローンパートナーであるDrone Expressが資金調達を実施し、Krogerの顧客へのドローンサービスの再開と拡大に向け動いていると報道されたため、サービスの再開の日は近いかもしれない。 【Virtual Care(遠隔医療)】 Walmartのオンライン診断サービス Walmartは「Walmart Health Virtula Care」という遠隔医療サービスを一般会員に向けて提供している。そのサービスでは、電話またはビデオによる、資格のある認可を受けた医療提供者への24時間365日のアクセスを提供し、質の高いケアへのアクセスを増やすことで会員の満足度向上を目指している。 「緊急処置、男性&女性のプライベートな健康上の懸念、トークセラピー、ティーンセラピー、精神科」など様々なジャンルに対応したサービスがある。 さらに、ビジネス向けの遠隔医療サービスも提供しており、企業と協力して医療コストを削減し、遠隔プライマリケアなどの既存及び将来の従業員に特典を提供する遠隔医療ソリューションを開発&提供している。 Amazon Clinic Amazonもアメリカ国内で「Amazon Clinic」遠隔医療サービスを展開しており、顧客は24時間365日オンライン上で医師との面談や処方箋の受け取りを行うことができる。 これにより、顧客は緊急時の医療サポートを迅速に受けることができ、健康管理がより身近になっている。Amazon Pharmacyを選択することで処方箋も配送可能となり、診断から処方箋の受け取りまで一連の作業をVirtualで行うことも可能になっている。 Costcoの遠隔医療サービス Costcoはオンライン医療プロバイダーのSesameと提携することで会員に遠隔医療サービスを提供している。 […]

未来への一歩!Waymo無人タクシーがもたらす驚きの実乗車体験

未来の交通手段に一石を投じる革新が既に始まっている。 2023年8月10日、カリフォルニア州が承認した終日有料の無人タクシーサービスが、サンフランシスコ市内で驚きと期待を巻き起こしている。 この新しいタクシーサービスでは、運転手が一切必要なく、ライドシェアサービスですら必要ない。自動運転技術の進化がもたらす未来の一端に迫るこのサービス、一体どのような魅力があるのか。実体験を踏まえた詳細なレビューを通じて、その新しい交通手段の魅力に迫っていこう。 無人タクシー(Driverless taxi)とは? TechTargetの記事を参考にすると、”Driverless carとはセンサー、カメラ、レーダー、人工知能(AI)を組み合わせて使用し、人間のオペレーターなしで目的地間を移動する車両”とある。 実際にこれまでアウディ、BMW、フォード、グーグル、ゼネラルモーターズ、テスラ、ファルクスワーゲン、ボルボなどの企業が自動運転車を開発またはテストしている。 老舗自動車メーカー VS 自動運転時代 〜メルセデス, BMW, GMが起こす改革とは 2024年1月時点、サンフランシスコで代表的な無人タクシーは『Waymo』と『Cruise』だ。 Waymo  Waymoはカリフォルニア州マウンテンビューに本社を置く自動運転技術企業。Googleの親会社Alphabetの子会社であり、2009年よりGoogleの自動運転車プロジェクトとしてスタートした。 サンフランシスコやフェニックスなどの地域で24/7/365 完全自動運転タクシーサービスを展開中。 Cruise Cruiseは、カリフォルニア州サンフランシスコに本社を置く自動運転車の会社。General Motorsの子会社であり、SoftBank, Honda, Microsoftなどの投資家から92.5億ドル(1兆3000億円ほど)を調達し、自動運転車の技術をテスト及び開発している。 Cruise carには、360度見ることができる40以上のセンサーが搭載されており、数百フィート先やダブルパークされた車の周りなどを感知することができる。 話題の無人タクシー Cruiseをサンフランシスコで乗ってみた。その驚愕のユーザー体験とは! さっそく無人タクシーWaymoを使ってみた! サンフランシスコに来る前から無人タクシーの存在を知っていたので、到着した翌日にさっそく利用してみた。 その乗車体験があまりに驚くもので感動したので、乗車した際に得た知見を1つずつ紹介する。  手軽さが魅力!無人タクシーの使い方 何よりまずWaymoを利用して驚いたのは、アプリでWaymoを呼ぶところから目的地に到着するまでの必要とされる動作が明確かつ簡易であったこと。 当日の動作としてはスマホアプリでWaymoを呼び、乗車し目的地に着いたら降車するだけであった。初めて利用したが、利用方法で全く迷う場面がなかった。 退屈知らず!移動中の楽しみ方 乗車中も退屈しないように前席と後席にそれぞれ画像のようなタブレットがあり、各ジャンルの音楽を聴いたり、実際にどのようなルートを進んでいるのか、残りの乗車時間などを確認することができた。 タブレットには、人、車、オートバイなどが異なる大きさ、形で表示されておりしっかりと認知しているのだとわかった。 安全対策は万全! 無人タクシーということで、UberやLyftなどのサービスのように直接運転手に連絡できないため何か問題が生じた際にどうしようかと少し懸念していたが、杞憂に過ぎなかった。 万が一乗車中に問題が生じた際は画像のタブレットよりリアルタイムでサポートチームに連絡することができる。 さらに、何がしかの理由で早めに降車したい場合もタブレット上のボタンを押すことで近くて安全な場所に降車することができる。 プライバシー保護とストレスフリーな体験 個人的には、無人であることによるプライバシーが保たれていることやストレスフリーである点が非常に大きな利点であると感じた。 UberやLiftなどのサービスも非常に便利であるが、これまでドライバーとの会話であったり、時には車内の匂い、チップ制度などによって必要のないストレスを感じる瞬間が幾度もあった。 そのため、今回Waymoのサービスを利用し以上のストレスが一切なく、初めて利用したためテンションが上がり友達と車内で騒いでも誰にも迷惑をかけることがなく楽しく乗車することができた。 スムーズな移動体験! Waymoを利用して感じたのは、非常にスムーズであること。 機械が運転すると聞くと、勝手に時に不器用な動きなどが発生するのではないかと感じていたが街中で道が入り組んでいるサンフランシスコ市内でもスムーズに右折や停車をしていた。 それだけでなく、乗車、降車の際には並列駐車を避けたり、出発地付近のパーキング可能な場所に停まるなど他の歩行者や車の迷惑にならないように停車していたことも印象的であった。 急停止や急発進は一度もないのに加えて、予め推定時間は提示されているので特別遅いと感じることはなく推定時間よりも3分ほど早く到着した。 料金は格安!? Waymoの利用料金がどのくらいかを調べるためにUber、Liftとサンフランシスコ&東京のタクシー料金と比べてみた。(Cruiseはサービスを一時停止しているので比較できず) 条件は土曜日の18時で、東京のタクシーは距離をもとに料金を計算した。(参照記事 : 東洋経済ONLINE , taxisite) すると、意外なことにWaymoはちょうど中間の料金であることがわかった。サンフランシスコのタクシーを除いて他のライドシェアサービスと相場はほとんど同じであることがわかる。(Waymoは実際に乗車した際の料金でその他は諸費用が加算されるので、実質一番安価ではないかと思われる。) Waymoの進化は止まらない! Waymoはどんどん進化を遂げ、現在5th generation。 10 年以上にわたる公道での2,000万マイル(約3,218万km)の自動運転と100億マイル(約160億km)を超えるシミュレーションから得られた情報を分析し、多様で複雑な運転環境に取り組みように設計されている。 5th generationを構成する最新技術は以下の3つ。 Lidars : 車体のトップにあり、300メートルを超える範囲で360度の視野全体に渡る高解像度を提供。周囲の3D画像を描画し、車両の周囲にある物体のサイズと距離を正確に測定する。 Cameras : 500メートル以上離れた歩行者や一時停止標識などの重要な詳細を識別できる長距離カメラ+車体のPerimeter Lidarと連携して動作し、車両近くの物体を正確に検出し死角を減らすのに役立つ。 Radars : 雨、霧、雪などの厳しい気象条件でも物体の速度を瞬時に測定でき、数百メートル離れたところからバイク運転者を検出するなど遠く離れた物体も見ることができる。 結論 : Uberやタクシーよりも利便性が高い!非の打ちどころ無し。 非常に利用方法が明快であることに加えてタクシーなどを利用する際の無駄なストレスも感じることがなかったのが印象的であった。 そのため日本でタクシーを利用する人たちの需要(例えば早く移動したい、移動時間を有効活用したい、電車などの騒音から離れたいなど)を大きく捉えているのではないかと感じた。 値段もUberやタクシーよりも安いのに加えて、ストレスフリーで非の打ち所がない。ベータ版でこのクオリティなら将来どのように進化していくのか非常に楽しみになった。 なんと既にCruiseはHondaとJoint Ventureを作成して2026年度を目安に東京などの日本各地での自動運転車の商用化 を計画している。 日本でもこのような新しく素晴らしいサービスの解禁がされることを願うとともに、これからもサンフランシスコにいるからこそ体験できる最新のサービスを皆さんに共有していく。 補足 : 事故時の補償と責任の所在 最後に無人タクシーに関して疑問としてあるのが、事故が生じた際に誰が補償したり、責任を取るのか?という問題である。 そこで実際に以下のような質問文をCruiseとWaymoのカスタマーサポートに直接送ってみた。 すると、1週間も経たずに以下のようなメッセージを受け取った。 こちらの返信を読み取る限り、残念ながら将来的により内容をシェアするのを楽しみにしているというような曖昧な回答しか受け取ることができなかった。(Waymoは未だに返信なし) 恐らく特定の事象に関して言及するのは法的なリスクがあるため回答が難しいためではないかと思う。 ご参考までに以下にWaymo、Cruiseそれぞれの利用規約などを記載しておく。こちらに補償や責任に関して大きな概要が記載されている。 Waymo利用規約 Cruise 利用規約 参考までに安全性などに関してWaymoのCheif Product Officerが実際にWaymoに乗車しながら話している動画がこちら👇