ONESTORY

北の大地のチーズ工房が目指すのは、旅の土産ではなく、旅の目的になるチーズ。[ニセコチーズ工房/北海道虻田郡]

日本を巡るツーリングエッセイ『Grand Touring NIPPON』はこちらから北海道・ニセコにある、世界的な評価も高いチーズ工房の噂をご存知でしょうか。
場所はニセコ町の一角、羊蹄山のふもと。北海道らしい雄大な自然の中に佇む黒い建物が、その『ニセコチーズ工房』です。

工房とショップが併設された建物でショップ部分のガラスのショーケースの中には、チーズが20種ほど並ひ、奥にはイートイン用のカウ…

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アジア・パシフィック予選突破。いよいよ本選へ向けてエンジン全開。

『ボキューズ・ドール』のフランス本選に出場するためには、各エリアの大会を勝ちぬかなければならないことは、前回も記した通りですが、今年のアジア・パシフィック大会は、異例での開催となりました。

4月の初旬までは、コロナ禍のためアジア大会は中止。直近の大会の順位を踏襲するというものでした。つまり、前々回一位だった日本は、自動的に世界大会の本選に進める予定だったのです。

それが突如、4月の半ばに、アジ…

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手軽に一流の味を。ふっくら、とろける、あなごの缶詰。[和光アネックス/東京都中央区]

東北・三陸産で獲れたあなご(イラコアナゴ)をじっくりと煮込んだ「木の屋石巻水産」の缶詰「三陸産あなご醤油煮」。

丁寧な仕込みのため、あなご特有の臭みはなく、小骨まで柔らか。少し甘めの上品な味が染みた醤油煮です。地元宮城県のメーカーの醤油や喜界島の粗糖、隠し味に国産山椒を使用しており、脂がのったあなごはふっくらでとろけるような食感が食欲をそそります。

「木の屋石巻水産」は、三陸沖の海の幸を原料に…

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山に触れ、山を知り、山に学ぶ。中山道34番目の宿場・奈良井宿を舞台にした19回目の「DINING OUT」速報。[DINING OUT KISO-NARAI/長野県塩尻市]

去る2022年7月23日、24日。約2年半ぶりに『DINING OUT』が開催されました。

舞台となったのは、古の宿場町の面影が色濃く残る奈良井宿。中山道34番目の宿場であり、深い山々に囲まれる木曽路の街に、二晩限りのレストランが現れました。

料理を担当するのは、「ミシュランガイド東京」2つ星、「ゴ・エ・ミヨ東京」3トック、「アジアのベストレストラン50」1位、「世界のベストレストラン50」2…

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フルーツ王国岡山の名品、清水白桃のコンポート。[和光アネックス/東京都中央区]

昭和10年創業。フルーツ王国岡山の老舗加工メーカー「角南製造所」が作る「フルーツコンポート 清水白桃」は、手作業にこだわった逸品です。

人の感性とも言うべき目、鼻、手で完熟度合いを判断し、最も美味しく加工できるタイミングを見極めます。中でも、特にこだわっているのが、湯剥き。その理由は、桃の果肉と皮の間の一番美味しいところを残すことができるからです。これは機械ではできず、「角南製造所」では、約60…

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スーパーフードとしても注目される、はだか麦の麦茶。[和光アネックス/東京都中央区]

「はだか麦茶」を製造する「福岡正信自然農園」では、他の作物同様、自然の循環を尊重しながら植物の力を最大限に引き出す手法で、はだか麦を栽培しています。

はだか麦とは、世界最古の栽培植物のひとつとして知られ、愛媛県では古くから栽培されている麦の一種。プチっとした食感が特徴的であり、脱穀すると簡単に殻が取れることからその名が付いたと言われています。

そんなはだか麦を、もっと身近に楽しんでいただきたい…

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金沢から新たな文化を。レストランという表現の地平を拓くシェフ・トリオ。[respiración/石川県金沢市]

ローカルガストロノミーのディスティネーションとして注目を集める石川県金沢市。全国的にも指折りの名店ひしめくこの美食の地で、近年一気に輝きを増したレストランがあります。

『respiración(レスピラシオン)』。
スペイン語で「呼吸」を意味する言葉を冠するこのレストランは、2017年に金沢市の中心部である近江町市場近くに開業したモダンスパニッシュの店です。

開業からわずか4年で…

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日本初、50位以内に4店舗ランクインの大躍進を見せた「ワールドベスト50」。

世界27の国と地域の食の識者40人ずつの投票によって、文字通りベスト50位のレストランが決まる『The World’s 50 Best Restaurants awards 2022』(以下、ワールドベスト50)。このランキングシステムが創設されたのは2002年。栄えある1回目のベスト1に輝いたのは、かの伝説のレストラン『エルブリ』です。それから今年でちょうど20年、去る7月18日にロ…

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桃を丸かじりしているようなジュース。その名の通り、ご褒美な逸品。[和光アネックス/東京都中央区]

新潟県新潟市で栽培された桃だけを搾った「エル・グリーンファーム」の「gohoubiまるごと桃ジュース」。

ジュースの原料となる桃は、新潟県産の日の出(白鳳系統)。芳醇な香りと適度な甘さはもちろん、特筆すべきはそのテクスチャー。とろりとした食感は、まるでペーストやピューレのよう。グラスに氷を入れて飲むも良しですが、デザートや前菜感覚でカップに注ぎ、スプーンでいただくのも乙。リッチな味わいを堪能でき…

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美容と健康にも良い、自然の恵み。おいしいを超えたジュース。[和光アネックス/東京都中央区]

ほどよい酸味と甘み、そしてみずみずしいパイナップル果汁が口いっぱいに広がる「ケレス沖縄」の「石垣島産パインジュース100%」。沖縄県石垣島で育ったパイナップルのジュースは、皮ごと搾汁し、砂糖や添加物などは一切使用せず仕上げています。

飲み方においても色々あり、ストレートはもちろん、サングリアやゼリーにしていただくのもおすすめ。ピナコラーダのようにカクテルにするのも上級者の楽しみ方です。

また、…

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地域に眠る名店を世界に伝える「Destination Restaurants」。その創設の想いを探る。

2022年6月末。東京・白金にて華やかなレセプションパーティが開催されていました。

壇上には富山『L’evo』の谷口英司氏や和歌山『villa aida』の小林寛司氏など、『ONESTORY』でもおなじみのシェフたちの姿。この日のレセプションは、ジャパンタイムズが主催するレストランセレクション『Destination Restaurants』発表の場でした。

『Destinatio…

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3種の沖縄食材を新感覚でいただくアイス。[和光アネックス/東京都中央区]

瓶のまま凍らせていただく、食べる新感覚のシャーベット、「ガトー・スヴニール」の「ソルベ・トロピカルアソート」。3種ある品は、全て沖縄県産の素材。

1種目は、石垣島産のティダパインを使用したパイナップル果肉たっぷりのシャーベット。2種目は、宮古島産のハイビスカスを使用した南国の風のように爽やかな花のシャーベット。3種目は、沖縄県産のシークヮーサーを皮ごと搾り、酸味と苦味が凝縮されたシャーベット。

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100年後にも続く農業を。静岡でオーガニック抹茶の生産を続ける若き生産者の挑戦。[MATCHA ORGANIC JAPAN/静岡県島田市]

日本を巡るツーリングエッセイ『Grand Touring NIPPON』はこちらから夏も近づく八十八夜。
茶摘みの情景を歌った“八十八夜”とは、5月初旬のこと。その新茶の時期から夏頃まで、お茶の収穫は続きます。つまりお茶王国・静岡がもっとも忙しくなる季節です。

静岡を旅していると、あちこちでお茶を振舞われることがあります。レストランや宿ではもちろん、ちょっと立ち寄った雑貨…

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余市のナチュラルワインが集結。造り手との出会いが人生の一本となる。[Ru Vin CANVAS 余市右岸編/北海道札幌市]

去る2022年6月某日。北海道余市町の6ワイナリーが集う『Ru Vin CANVAS 余市右岸編』が開催されました。

場所は、北海道札幌市の『ザ ロイヤルパーク キャンバス 札幌大通公園』。2021年10月に開業したそこは、『さっぽろテレビ塔』を見上げる好立地。しかし、特筆すべきは、北海道産木材を多用している高層ハイブリット型の木造建築であるということと、その構造材に使用する木材は国内最大規模だ…

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理論と理想に支えられる循環。美しきサイクルでまわる日本最大のキウイ農園。[キウイフルーツカントリーJAPAN/静岡県掛川市]

日本を巡るツーリングエッセイ『Grand Touring NIPPON』はこちらから日本最大のキウイ農園が静岡県にあることをご存知でしょうか。
その名は『キウイフルーツカントリーJapan』。キウイ収穫体験やBBQもできる体験型の農園です。キウイは収穫後に熟成が必要なため、もぎ取ったものが食べられるわけではありませんが、入園すれば園内で熟成されたキウイが食べ放題。さらに10ヘクタールに及ぶ園内は、…

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“焼き”もろこしの新たな可能性を引き出した、ピクルスという選択。[和光アネックス/東京都中央区]

愛媛県内子町を拠点に活動する「GOOD MORNING FARM」。ピクルス、ジャム、オイル漬け……。旬のおいしい野菜をたくさん食べてほしいという想いを込め、素材が持つ本来の味を生かしたひと瓶を作り続けています。

今回のひと瓶は、これからの季節にぴったりな「焼きもろこしピクルス」。夏祭りをイメージしたそれは、甘みのあるトウモロコシと焼き目の苦味がピクルスの酸味を交わり…

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人間に感動する「DINING OUT」。僕は、その世界を皆で創造したい。[DINING OUT KISO-NARAI/長野県塩尻市]

これは、『DINING OUT KISO-NARAI』のシェフを務める『傳』の長谷川在佑氏の言葉です。

「料理はもちろん大事ですが、お客様には総合的な体験を堪能していただければと思っています。なぜなら、味の記憶は薄れていくからです。例えば、食べた料理の味よりも誰と行ったかやどんな環境で食べたかなどの方が記憶に残っていることが多いと思います。今回は、いかに街に触れ、土地に触れ、人に触れる体験をご提…

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世界にも通用するお土産に選出された飲むお酢。[和光アネックス/東京都中央区]

全国果樹コンクールにおいて「農林水産大臣賞」を受賞。観光庁主催の世界にも通用する究極の手土産115商品にも選出された『大橋さくらんぼ園』のさくらんぼを100%使用した「さくらんぼ酢」。

日本一の大玉「サミット」、さくらんぼの王様「南陽」、さくらんぼの女王「月山錦」の3種セットは、味比べもでき、おすすめの逸品です。

『大橋さくらんぼ園』は、約40年前から有機肥料栽培を採用。ミネラル豊富な海洋深層…

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七尾湾が育む奇跡の滋味。美食家を唸らせる「能登とり貝」の比類なき旨さ。[Bon appétit Ishikawa !/石川県]

新崎漁港をあとにした『レスピラシオン』のオーナーシェフ・梅 達郎氏が向かったのは、能登半島屈指の良港である宇出津港の近くにある石川県水産総合センター。同センターは、石川県の資源管理型漁業の推進等を目的にした研究施設です。卵から出荷まで人の手で育てられる完全養殖で生産される能登とり貝は、こちらでの採卵と種苗生産に端を発します。

同センターの企画普及部長・濵上欣也氏は、能登とり貝養殖の黎明期から携わ…

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金沢発、孤高のスペイン料理店『レスピラシオン』、希少な「能登とり貝」と出合う。[Bon appétit Ishikawa !/石川県]

石川県・能登半島の東岸、七尾市と穴水町の沿岸には、能登島をすっぽりと包み込むように七尾湾が広がっています。その北湾に位置する新崎(にんざき)漁港は、地元の人でも訪れることは滅多にない人里離れたところ。そこへ、気鋭の料理人として注目される人物がやってきました。金沢市のモダンスパニッシュ・レストラン『respiración(レスピラシオン)』のシェフ・梅達郎氏です。

2017年に金沢の…

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拠点も名刺も持たず、ただ旬の食材だけを持って最高の料理を届ける。さすらいの料理人・カルロス。[出張料理人カルロス/広島県広島市]

日本を巡るツーリングエッセイ『Grand Touring NIPPON』はこちらから広島には、地元を拠点に活躍する、一風変わった出張料理人がいます。

その名は、カルロス。

店もホームページも名刺さえも持たず、ただ縁のあった人の元へ赴き、そして最高の料理を作り上げる料理人。その風貌から屋号としてカルロスと名乗っていますが、広島育ちの日本人。ファッションも、料理も、生き方も、すべてが自己流である、…

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さくらんぼの王様「佐藤錦」を、シンプルに、ダイレクトに。[和光アネックス/東京都中央区]

山形のさくらんぼを代表する「佐藤錦」を生んだ佐藤栄助翁を祖先に持つ『佐藤錦』。

さくらんぼの王様と形容される「佐藤錦」を100%使用した贅沢な「さくらんぼ佐藤錦100%ジュース」は、さくらんぼが持つすっきりとしたキレのある酸味とほのかな甘みが特徴です。

まるでルビーのような色合いは、自然が生んだ素材そのものの美しさ。栽培には非常に手間暇と時間がかかり、農家の高い技術も必要とされます。

丁寧に…

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大人が、全力で遊ぶために作られた秘密基地。瀬戸内の小島に佇む、海辺のヴィラ。[瀬戸内ヴィラ ダイアリー大芝島/広島県東広島市]

日本を巡るツーリングエッセイ『Grand Touring NIPPON』はこちらから広島で宿泊場所を探そうとすると、魅力的な施設が多いことに気付きます。

百万都市である広島市街には名だたる名門ホテルが並び、瀬戸内の島々にはオーベルジュからペンションまで、そして山間部には老舗の温泉宿も。選択肢が多すぎるのは、うれしい悩みでもあります。

絞り込みのために希望条件を追加してみましょう。瀬戸内の海を望…

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最強の缶詰。酒との相性抜群の肴。[和光アネックス/東京都中央区]

京都丹後地方は日本の中心部に位置し、冬の松葉ガニ、春の定置網、夏の丹後とり貝、岩牡蠣、秋の底引網、のどくろなど、四季ごとに様々な海産物が水揚げされます。

そんな土地をお膝元に海の美味追求をしているのが『魚政』です。

「このような自然環境に恵まれた中から、旬を大切に、味を大切に、今までの豊富な経験と知識を活かし、皆様に喜んでいただける松葉ガニや海産物をお届けします。蟹や魚には“何故そ…

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新天地は、故郷・京都伏見。ここから新しい物語が始まる。

2022年4月、ついに『日々醸造』の蔵が完成。松本日出彦氏にとって、第二の酒人生が始まりました。

新天地は、故郷・京都伏見。お世辞でも広いとは言えない酒蔵は、松本氏曰く、「数センチ単位で無駄をなくした」空間。平面図から酒造りの動線をイメージし、何度も脳内でシミレーションを行い、今の配置に。

建物は、ステップ式の2層構造。まず1層目には、発酵させるタンク、搾り機、蒸し場と洗い場を置きます。2層目…

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再開と再会。約2年半の時を経て、『DINING OUT』開催。[DINING OUT KISO-NARAI/長野県塩尻市]

新型コロナウイルスによって、繰り返された緊急事態宣言、自粛要請、ロックダウン。日本だけでなく、世界中が難局を迎え、約2年半が経ちました。

家にこもる生活、会社に行かない生活、リモートワークの生活、オンラインの生活。全てにおいてコミュニケシーションは遮断され、旅はおろか、人と会うことすらできない日々が続きました。

きっと、働き方だけでなく、生き方について、深く考えた人も少なくないでしょう。それは…

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世界に一石を投じた農の哲学から生まれた甘夏ジュース。[和光アネックス/東京都中央区]

農薬や化学肥料を使用しない自然農法の提唱者であり、『わら一本の革命』の著者、故・福岡正信氏。世界に一石を投じた農の哲学は、多くの人の共感を呼び、ものではなく心を求めた若者が世界各地から訪れ、今もその足は途絶えません。

その思いを愚直に守り続けているのは、三代目の福岡太樹氏です。太樹氏は、愛媛県伊予市の広大な柑橘畑にある『福岡正信自然農園』で、日々自然と対峙しています。

そんな作物から生まれたの…

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元祖カリカリ梅の梅干をシャキシャキ食べ比べ。[和光アネックス/東京都中央区]

創業100年以上の歴史を誇る老舗梅干し屋『紀州本舗』が作り出すプレミアムギフトシリーズ「食べるシャキシャキ梅 紀州うめノほし」。

商品名の「うめノほし」は、形を変えた細やかな梅の姿が、星のように見えたことから命名。「食べるシャキシャキ梅」の“シャキシャキ”は、フレッシュさとみずみずしさ、そして食べた時の表現によるものです。

見て納得、食べて納得。シャキシャキ食感は、お隣…

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ローカルガストロノミーの極み。エタデスプリ×ペシコ、最初で最後、宮古島でふたりが交わる。 [デスプリペシコ/沖縄県宮古島]

地域に根ざし、その地域でしか味わえない料理や時間を提供する、いわば今後の日本の未来を支えるシェフたちの活躍を追ってきたONESTORY。まだ地方ガストロノミーという言葉さえも曖昧だった時代から、各地で芽生えた若きシェフたちに光を当ててきたそのひとつの最適解とも言えるイベントが4月某日、宮古島で密かに行われました。

主催は『エタデスプリ』の渡真利泰洋シェフ。宮古島に生まれ育ち、その後フレンチの道を…

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瀬戸内は、地球からのギフト。我々は、その宝箱をまだ開けたばかり。[guntû/広島県尾道市]

そう話すのは、『ガンツウ』総支配人・小林 敦氏です。

「『ガンツウ』が就航したのは、2017年。開業に至る経緯は、オーナーの想いからでした。せとうちの文化、歴史、芸能、自然、食、人。この魅力に溢れた瀬戸内をどこから見るのが一番綺麗なのか? そう考えた時、海から見る景色が一番綺麗だったと言います。では、この景色をどうすれば世界の人々に伝えられるのか? それには客船が必要だった。そのために『ガンツウ…

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ガンツウ。それは、地球を旅する物語。[guntû/広島県尾道市]

瀬戸内と生きる旅、瀬戸内だからこそできる旅。瀬戸内海に浮かぶ小さな宿、『ガンツウ』。

それは、広島県尾道市にある『ベラビスタマリーナ』より出港、帰港されます。

『ベラビスタマリーナ』へは、広島空港より車で約60分。電車であれば、JR福山駅から約40分、尾道駅から約50分。

いずれの場所からも、気配り、心配りが成されたお迎えが用意され、到着後の手続きにおいても、ピエール・ジャンヌレ、シャルロッ…

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健やかな朝。体が喜ぶ、豊かなひと塗り。[和光アネックス/東京都中央区]

朝起きて食事をする前、コップ一杯の水を飲むと良いと言われています。

理由は、体内の余分なものを排出するデトックス効果と睡眠の間に失われた水分を補うという効果です。

1日の始まりに何を取り入れるか。それは体を目覚めさせる大事な行為なのかもしれません。

そう考えれば、水に限らず、朝食にも気を配りたいところ。そこでお勧めしたいのがジャム。忙しない時間にもちょっとひと塗りするだけで済むのはもちろん、…

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3分30秒の奇跡。老舗が届ける本格にゅうめん。[和光アネックス/東京都中央区]

創業300年。1200年余りにも及ぶ手延べの伝統技法。

そう聞くだけで、高い壁と威厳に満ちた印象を持ちますが、その惜しみない努力と歴史の味を『三輪山本』では幅広く提案しています。

その味とは、そうめん。

こだわりのそれは、皇室にも献上されるほど。小麦粉、塩、水、少量の綿実油を使用し、気温や湿度に合わせて配合。熟練のそうめん師の絶妙な加減で寒期に約36時間かけ、細いそうめんに仕上げていきます。…

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果物と野菜の可能性を引き立てる。ノンアルコールだからこそ出せる味。[和光アネックス/東京都中央区]

まるでワインを選ぶように、ジュースなどのノンアルコールも選びたい。いや、こだわりたい。

ひとつは、佐賀に根付いて創業100年の『川原食品』(MIFUKAN)。伝統を守るだけでなく、新たな食の楽しみを創造し、佐賀の美味しいもの作りに努めています。中でも名産の柚子こしょうは、半世紀以上に渡って生産しており、著名なシェフたちからの信頼も厚い。

今回、お勧めしたい「Yuzu Awa 10% ゆず果汁入…

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1400年前から引き継がれる、もてなしの心。 九州の先端・シブシで料理人が出会う、とっておきの人と美味。[鹿児島県志布志]

前面には紺碧の水面をたたえる志布志湾、また背後にはなだらかな丘陵が広がって、一年を通して燦々と陽光が降り注ぐ。鹿児島県の東部、大隈半島の付け根に位置する志布志市は、温暖な気候と豊かな自然に恵まれ、さまざまな海と山の幸を抱えた場所です。

「志布志」という少し変わった地名は、およそ1400年前に天智天皇がこの地を訪れた際に、地元の民から贈られた手布を称賛したことに由来します。そう、この街には来訪する…

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スパイスを使って、地元食材を引き立てる。“カレー”という名の佐賀県郷土料理。[カレーのアキンボ/佐賀県佐賀市]

日本を巡るツーリングエッセイ『Grand Touring NIPPON』はこちらから玄界灘の魚介、有明海の海苔や牡蠣、佐賀牛や豊富な野菜。豊かな食材に恵まれた佐賀県では、古くから滋味深く、味わい豊かな郷土料理が育まれてきました。そんな佐賀県の魅力を楽しみたいときに、おすすめのレストランがあります。その名は『カレーのアキンボ』です。

それは文字通りカレーとスパイスの店。もちろんカレーと郷土の味が結…

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贅を尽くした空間が、穏やかな時間を生み出す。日本を代表する銘酒・鍋島の世界観を伝える宿。[御宿 富久千代/佐賀県鹿島市]

日本を巡るツーリングエッセイ『Grand Touring NIPPON』はこちらから旅における宿は、ただ体を休める場所ではありません。荷物を下ろし、服を着替え、リラックスした時間を過ごす。それは旅人が、もっともその地域に近づける時間です。

そんな時間を楽しむための宿が、2021年にオープンしました。その一日一組限定の宿の名は『御宿 富久千代』。かの銘酒「鍋島」で知られる富久千代酒造が手掛け、宿泊…

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「傳」長谷川在祐、アジアNo.1に輝く。2022年「アジアのベストレストラン50」の歓喜。[ASIA’S 50 BEST RESTAURANTS 2022/東京]

2022年3月、『アジアのベストレストラン50』のランキングが発表されました。

その形態は、今なお続くコロナ禍を配慮し、バンコク、マカオ、東京の3都市にて同時生中継。会場を熱狂させた最大のトピックは、日本にアジアNo.1 の座をもたらした『傳』。

今回、日本は11店舗がランクイン。中でも、「Hight Climber Award」や「Highest New Entry Award」、「New …

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味わうだけでなく地域を体験するワイン・ツーリズムに出かけよう。[つくばワイン/茨城県つくば市]

茨城県つくば市をご存じでしょうか? 県南地域に位置する市で、都内なら秋葉原駅や北千住駅からつくばエクスプレスに乗ると、60分もあれば中心地にある「つくば駅」に到着します。

古代から名峰として信仰を集めた筑波山の麓に広がる田園地帯は、豊かな古の人々の生活を想起させる一方で、駅周辺は機能的に街が作られ、さながら近未来都市のような趣があります。さらに、つくば市が目指す未来型教育も注目され、移住者も増加…

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にごり酒がカフェラテに!? これもまた、千葉流のペアリング。[和光アネックス/東京都中央区]

「にごり酒がカフェラテのようになります」。そう話すのは、『GEM by moto』の店主・千葉麻里絵さんです。

一体、何のことか分からない言葉の意味は、「それ」を差し出されて納得。「それ」とは、にごり酒の中に凍らせたコーヒーを入れた杯。選んだ酒は、『榎酒酒造』の「華鳩 貴醸酒の生にごり酒」です。

「にごりの貴醸酒は、とても珍しく、甘いお米のクリームのようです。その中に製氷機で凍らせたコーヒー…

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米と米。ごはんに合う、おにぎりに合う酒。[和光アネックス/東京都中央区]

これは食事か!? はたまた、おつまみか!? そんな不思議なペアリングが今回の面白いところ。

提案するのは、『GEM by moto』の店主・千葉麻里絵さんです。

まず、軸となるお酒は、『福井弥平商店』の「萩乃露槽場直汲み 中汲み無ろ過生 辛口特別純」。

1本のお酒の中でもとびきり美味しい「中汲み」だけを搾り、すぐに瓶詰め。発酵に由来する自然の炭酸ガスがお酒に含まれ、トロリと深い味わいに溶け合…

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ビールとカレー。王道の合わせだけに、提案者の個性が光る。[和光アネックス/東京都中央区]

『GEM by moto』の店主・千葉麻里絵さんが提案するペアリングは、『平和酒造』の「平和クラフトSOUR ALE」と『アパッペ』の「レカマヤジフ craft curry can」4種セットです。

味の好相性はもちろんですが、高い受賞歴を持つ両者という背景にも注目。

「平和クラフトSOUR ALE」は、ビールの国際コンペティション「The International Beer Cup 201…

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驚きと発見、鯖の概念を覆す味と香り。フルーツと合わせることで、未知の領域に。[和光アネックス/東京都中央区]

独自の視点と哲学を持って理論的にペアリングを行うドリンクディレクターの外山博之氏。

今回、提案するのは、『かたすみ』の国産無添加ドライフルーツを使用した「COPECO」のいちごのフルーツティー3種セットと『丸荒』の宮城県「南三陸CANシリーズ さば水煮」です。

砂糖・香料・着色料を一切使用せずに仕上げたシンプルなフルーツティーのドライフルーツは、全て国産。低温で丁寧に乾燥し、旨味を凝…

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波佐見焼の里に1日限り現れた、長崎県産食材尽くしの野外料理会。[大人のピクニック・くらわんかくらわんか登窯/長崎県波佐見町]

長崎県のほぼ中央に位置し、県内の市町村で唯一海に面していない波佐見町。400年の伝統を持つ磁器、波佐見焼のふるさととして知られています。その波佐見町の中でも、波佐見焼の窯元がとりわけたくさん集まっているのが、山間の集落、中尾郷です。2月、中尾郷で1日限りの野外料理会『大人のピクニック くらわんかくらわんか登窯』が開催されました。

会場となったのは、集落を見下ろす急峻な山肌に広がる「中尾上登窯跡」…

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同じ土地が育んだ、日本酒とアートのペアリング。[下関酒造 × 写真家・野村佐紀子/山口県下関市]

1923年、下関市幡生の445人の地元農家によって設立された『下関酒造』は、蔵の地下160メートルに流れる水を汲み上げ、山口県産の酒米を使用する、地元に根付いた酒造です。

設立当時の幡生は田んぼが広がり水質も良く、酒は評価されて第一回目の「全国新酒鑑評会」から優等賞を受けています。地域の人々に気軽に楽しんでもらえる酒を提供してきましたが、近年、世界でも親しまれる酒造りを目指し、香り高く上質な純米…

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八戸で出合った一軒のイタリアン。正統派のようで驚きが潜む、ここだけの料理。[カーサ・デル・チーボ/青森県八戸市]

日本を巡るツーリングエッセイ『Grand Touring NIPPON』はこちらからそのレストランの所在地は、青森県八戸市。

北国の太平洋岸の住宅街の一角に、一見普通の住宅のように街に溶け込んで存在しています。長い道のりを辿って扉を開けば、まずはその包み込まれるような温かみに癒やされるはず。花瓶の花、磨き抜かれた無垢材の床、マダムの笑顔、そんなすべての要素が、長い道のりで凝り固まっていた心を解し…

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冬の青森で、雪に包まれたゲルに泊まる。日常から大きく離れた、記憶に刻まれる体験。[つがる地球村/青森県つがる市]

日本を巡るツーリングエッセイ『Grand Touring NIPPON』はこちらから「冬の青森でキャンプをする」。

そう聞くとまるで大冒険のように聞こえるかもしれません。しかしそれを可能にする場所があります。青森県つがる市『つがる地球村』。そこには、モンゴルから取り寄せた本物の「ゲル」が設置され、予約があれば冬でも利用可能なのです。

青森市から弘前市を経てつがる市に向かうルートは、津軽の象徴・…

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不足を工夫で補い、不便を心から楽しむ。改めて思い出す、キャンプの醍醐味。[水源の森 キャンプ・ランド/山梨県道志村]

日本を巡るツーリングエッセイ『Grand Touring NIPPON』はこちらからキャンプ場の聖地といわれる道志村に2021年、『水源の森 キャンプ・ランド』という新たなキャンプ場が誕生しました。総合プロデュースを務めるのは、アウトドアブランド『マウンテンリサーチ』を主宰する小林節正氏。

コンセプトは、「何を持って行くかより、何を持って行かないかを考える場所」。キャンプの原点に戻るような体験が…

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モノとモノの合わせだけでなく、少し手をかけ、料理にすれば、更に美味しさは広がる。[和光アネックス/東京都中央区]

ソムリエ・ドリンクディレクターの外山博之氏がまず取り出したのは、『エル・グリーン ファーム』の「gohoubi葡萄ジュース」。

都内未発売のため、希少な品ではありますが、フォーカスすべきはそこにあらず。新潟県南魚沼市大崎地域で自社栽培したワイン用ブドウ品種「カベルネ・ソーヴィニヨン」100%のジュースのそれは、無添加・無加糖というこだわりの味と製法。甘酸っぱさの中にカベルネ種特融の渋みが加わり、…

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私のお店でも合わせています。どぶろくとブルーチーズが交わる快楽。[和光アネックス/東京都中央区]

どぶろくと言えば、『とおの屋 要』。今回選んだのは、「とおの どぶろく 速醸火入れ」です。それに合わせるのは、『奥村佃煮』の「yoshio fermented foods鮒寿し×つやこブルー」。提案するのは、『GEM by moto』の店主・千葉麻里絵さんです。

まず、その名だけでは想像しがたい「yoshio fermented foods鮒寿し×つやこブルー」とは、卵の…

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京都の海を未来へつなぐ『Chefs for the Blue 京都』始動。[Chefs for the Blue 京都/京都府]

トップシェフが主導し、日本の漁業、水産資源の未来を考える一般社団法人『Chefs for the Blue』。
2021年、その京都チームが発足し、活動をスタート。メディア向けの試食会が2022年1月、京都で開催されました。

会場は、京都信用金庫『QUESTION』8階にあるコミュニティキッチン。試食会の主催者であり『Chefs for the Blue 京都』のリードシェフを務める『cenci…

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トップシェフとパティシエによる料理が伝えた、生産者も気付かなかった滋賀の食材の底力。[Local Fine Food Fair SHIGA/滋賀県、東京都]

東京都内で活躍する料理人やパティシエ、和菓子職人が、滋賀県産の食材を使った料理をそれぞれの店で提供するメニューフェア『Local Fine Food Fair SHIGA』。
2021年度は夏と冬の2回にわたって東京の料理人が滋賀を訪ね、食材が生産されている現場を視察しました。

そのなかで、ほぼすべての生産者が口にしたのが「食材が東京でどんなふうに料理されているのか、とても興味がある」という言葉…

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決め手は、「温度」。王道のペアリングに一石を投じる新提案。[和光アネックス/東京都中央区]

世のお父さん、日本の男性諸君のほとんどが食べ合わせた経験を持つであろう日本酒と塩辛。

今回、『GEM by moto』の店主・千葉麻里絵さんが提案してくれたのは、王道ともいえるそれですが、ものの選び方とひと手間で普通は普通でなくなります。

まず、ものの選び方。千葉さんが手に取るのは、『酒田酒造』の「上喜元 純米吟醸 赤磐雄町 きもと仕込 熟成生酒」と『気仙沼水産食品事業協同組合』の「八葉塩幸 …

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大地の香り、海の香り。嗅覚から味覚へ送る、美味しいシグナル。[和光アネックス/東京都中央区]

「木桶が持つヒノキの香りと鮎の青い香り、オイルの香りが食欲を掻き立てます」。

今回、提案するペアリングに対してそう分析するのは、ソムリエ・ドリンクディレクターの外山博之氏です。

合わせたのは、『秋元商店 籠屋ブルワリー』の「和轍」と『道の駅 よって西土佐』の「四万十川天然鮎のコンフィ」。

「和轍」は、杉の香りとモルトの旨みが凝縮された木桶仕込みのジャパニーズビールです。木桶は国産材ブランドで…

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雪深い北部から、快晴の南部へ。料理人が琵琶湖周辺をめぐる、食材探しの旅。[Local Fine Food Fair SHIGA/滋賀県、東京都]

東京都内で活躍する料理人や和菓子職人が、滋賀県産食材を使った料理をそれぞれの店で提供する期間限定のフードフェア『Local Fine Food Fair SHIGA』。滋賀に分け入り、食材が育つ環境、育てている人を自分の目で見に行くべく、4人のシェフとバイヤーによる生産者巡りもいよいよ2日目です。

2日目は、大雪のなかでの出発となりました。雪化粧をまとった滋賀の山々を眺めながら一行が向かったのは…

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料理人が見た知られざる冬の滋賀。寒い時期こそ出合える美味しさがある。[Local Fine Food Fair SHIGA/滋賀県、東京都]

東京都内で活躍する料理人や和菓子職人が、滋賀県産食材を使った料理をそれぞれの店で提供する期間限定のフードフェア『Local Fine Food Fair SHIGA』。食材が育まれる土地を自分の目で見て、生産者の思いを直接聞くため、4人のシェフとバイヤーが1泊2日で滋賀を訪ねました。

米原(まいばら)駅から車で移動すること約30分。滋賀に到着して一行がまず向かったのは、長浜市西上坂町の『ワボウ産…

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酵母とツナ。造り手の情熱が生んだ、「想い」のペアリング。[和光アネックス/東京都中央区]

日本酒をワイングラスでいただく。近年、ポピュラーになっている飲み方ですが、「ワイングラスでおいしい日本酒アワード」という大会の存在を知る人はまだ少ないはず。2021年、プレミアム純米部門でその金賞に輝いたのが、今回ご紹介する神奈川県『中沢酒造』の『松みどり S.tokyo』です。

まず、特筆すべきはその酵母。1909年に発見されるも日本酒造りに一切使われなかった幻の酵母こそ、酒名にもある「松み…

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酷寒の奈良井宿。枯と貧の先にある豊かさ。[BYAKU -Narai-/長野県塩尻市]

冬の奈良井宿は、酷寒です。歴史を振り返ってみても、食材は貧しく、ゆえに保存食や発酵が生まれた地域でもあります。

しかしながら、そんな過酷な環境の中にも豊かさを育んだ先人たちの知恵があります。

冬の料理は、そんな学びから始まりました。

「奈良井宿はもちろん、長野県全体も含め、冬は食べるものを得るのに最も厳しい季節だったと言われています。海もなく、気温はマイナス。山間においては吹雪も日常茶飯事。…

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食事の後に、湯の後に。漆の止まり木へ。[BYAKU -Narai-/長野県塩尻市]

『BYAKU -Narai-』には、レストラン『嵓 kura』、温浴施設『山泉』以外にも、実はバーが併設しています。

なぜ「実は」と表現したかの理由は、開業が同時ではなかったため。

酒処『TASTING BAR suginomori』は、2021年12月に開業を迎えました。

その空間は、『杉の森酒造』であった当時、味噌蔵だった場所。ゆえに規模は小さいが、逆に秘密の隠れ家のような空気が漂います…

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自然の味が際立つペアリング。ドライを通してつながる、熟成の食べ合わせ。[和光アネックス/東京都中央区]

東京都調布『Maruta』ほか、様々なドリンクディレクターを務める外山博之氏がノンアルコールのペアリングに選んだ軸足は、静岡県『マルモ森商店』が運営する茶専門店『chagama』の『焙じ茶+クローブ』。

クローブとは、熱帯・亜熱帯地方で生息する常緑樹のつぼみを乾燥させたスパイスのこと。クローブは、スパイスの中で最も強い刺激的な香りを持つと言われている一方、バニラのような甘さも秘めています。

そ…

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