ONESTORY

3種の合わせ技。そのひと手間が味の想像を超え、独自の世界を創造する。[和光アネックス/東京都中央区]

焼酎、馬節、山椒七味。3品の合わせを推奨するのは、第14代酒サムライであり、自身のお店『GEM by moto』を営む日本酒ソムリエの千葉麻里絵さんです。

まず焼酎は、鹿児島県『大和桜酒造』の新商品『new classic imo shochu』。

まだ若い原酒と8年古酒のブレンドという造られたそれは、まさに「new classic」。違うタイプの原酒をブレンドすることにより、更な…

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上級者の合わせか!? 魚のペアリング概念を覆す、未開拓の領域へ。[和光アネックス/東京都中央区]

魚は、その種類に関わらず、独特の香りを兼ね備えています。合わせるドリンクは、アルコールであれば日本酒や焼酎、白ワインやシャンパンが主流かもしれません。ノンアルコールであれば、多くの人がお茶を想像するでしょう。

しかし今回、その固定概念を覆す提案をしてくれたのは、東京都調布『Maruta』ほか、様々なドリンクディレクターを務める外山博之氏。

宮城県『及川商店』の『骨までおいしい焼き魚シリーズ』に…

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石川県が育んだ山海の饗宴。出合うことのなかった近くて遠かった味と味を結ぶ。[和光アネックス/東京都中央区]

『吉田酒造店』の『吉田蔵 石川門』と『しら井』の『食べる海藻図鑑セット』の合わせを提案するのは、第14代酒サムライであり、自身のお店『GEM by moto』を営む日本酒ソムリエの千葉麻里絵さんです。

石川県のオリジナル酒米「石川門」は、とても繊細で割れやすく、造り手泣かせの酒米です。しかし、醸された日本酒には、寄り添うような優しい甘味があり、飲むと穏やかな気持ちにさせてくれます。

「7…

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伝統的京野菜から全国区の人気者に。みず菜の普及と行方市の果たした役割。[NAMEGATA VEGETABLE KINGDOM・みず菜/茨城県行方市]

今日では、どのスーパーの店先にも並ぶおなじみの野菜・みず菜。しかし思い返してみると、関東以北で30代以上の方は、幼い頃にみず菜を食べた記憶はあまりないかもしれません。

実は伝統的京野菜のみず菜が全国に普及したのは、いまから20年ほど前のこと。そしてその普及の立役者こそ、いちはやく大量栽培に乗り出した行方市だったのです。現在、みず菜の出荷量は茨城県が全国1位。もちろん、野菜王国・行方市でも、日々お…

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ついに完成。もう一度立ち上がった酒職人・松本日出彦。

振り返ること、2020年12月。

自身の蔵元である『松本酒造』を父親とともに去ることになってしまった松本日出彦氏。

以降、心を閉ざしてしまった時期もありましたが、そんな時に「酒造りをやめるな。蔵がないなら一緒に酒造りをしよう」と松本氏に手を差し伸べたのは、5つの蔵元でした。

それは、「No.6」を手掛ける秋田『新政酒造』、「仙禽オーガニックナチュール」を手掛ける栃木『仙禽』、「七本鎗」を手掛…

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統括編集長・倉持裕一が振り返る、2021年の『ONESTORY』。

2020年2月。この時期を皮切りに、新型コロナウイルスという言語が一気に日本中を騒がせました。当時、まだその実態が分からず、死に追いやる感染病として国民の恐怖心は加速し、同時に経済も破綻。『ONESTORY』も例外ではなく、『DINING OUT』を含め、さまざまなプランは全て白紙に。

コロナ禍以前に取材した記事も遅延に遅延を重ねる結果になってしまいました。『エタデスプリ』、『グラン・ブルー・ギ…

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歴史は浅くも、こだわりは強い。シャキっと食感でピリッと辛い、行方市のわさび菜。[NAMEGATA VEGETABLE KINGDOM・わさび菜/茨城県行方市]

茨城県行方市は、年間80品目以上の野菜をはじめ、肉や魚まで、幅広い食材を産出する食材王国。我々ONESTORYは、その秘密や魅力的な食材を探るため、いばらき食のアンバサダーを務める『HATAKE AOYAMA』の神保佳永シェフとともに、行方市を訪ねました。

今回のターゲットは、わさび菜。
アブラナ科の葉物で、その名の通りわさびのような爽やかな香りと、ピリッとした辛味が特徴。数々の野菜を生産する行…

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日常の延長線上にある穏やかな時間。暮らすように滞在する、新潟の古民家宿。[里山十帖 THE HOUSE/新潟県南魚沼市]

日本を巡るツーリングエッセイ『Grand Touring NIPPON』はこちらから多くの場合、旅のプランの第一歩は宿を決めることから始まります。つまり旅の目的地は宿です。しかし考えてみると、旅において宿に滞在する時間は思うよりも短いもの。ならば宿には、何が求められるのでしょうか。

今回ご紹介する宿は、そんな疑問に答えを出してくれるかもしれません。宿の名は『里山十帖 THE HOUSE』。名宿『…

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自然とともに生きる昔ながらの生活を垣間見る。絶景の棚田を一望するツリーハウス。[星峠宿/新潟県十日町市]

架空の旅人が日本を巡るツーリングエッセイ『Grand Touring NIPPON』かの有名な星峠の棚田。

朝靄に煙る情景、柿色の夕焼け、紫の残照に照らされる日没。さまざまなメディアに登場する新潟県十日町市を代表する景観です。そんな星峠に、1日1組限定のツリーキャンプ施設ができました。美しい景色を眺めながらコーヒーを飲み、食事を食べ、眠りにつき、目覚めたることができるという素晴らしい施設をご紹介…

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水風呂は、日本海。海水浴場の跡地に誕生したサウナで味わう究極の開放感。[サウナ宝来洲(ホライズン)/新潟県柏崎市]

架空の旅人が日本を巡るツーリングエッセイ『Grand Touring NIPPON』新潟に海が見えるサウナがある。

そんな噂を聞きつけ、向かった先は、新潟県柏崎市。施設の名は『サウナ宝来洲(ホライズン)』。訪れてみるとそこは、“海が見える”どころではありませんでした。いうなれば海そのもの。道路を挟んで向かいにある『小竹屋旅館』で水着に着替え、水着のまま道路を渡れると、そこ…

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日本を走る。日本を旅する。グランドツーリングNIPPON[Grand Touring NIPPON]

架空の旅人が日本を巡るツーリングエッセイ『Grand Touring NIPPON』『ONESTORY』は、日本の自動車メーカー『SUBARU』とともに、日本を巡るオウンドメディア「グランドツーリングNIPPON」を立ち上げました。

本企画は、架空の旅人が日本に潜むまだ見ぬ感動を探す旅。忘れがたい旅の紀行を記録に書き留めるツーリングエッセイです。

それは、最果てにある宿かもしれません。
山間で…

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ドリンク、調味料、お菓子……。2021年を締めくくるベストギフト12選。[和光アネックス/東京都中央区]

年末年始は、各所へのご挨拶の時期でもあり、集いの時期でもあります。そんな時、少し気の利いたギフト選びをぜひ。

中でも、ドリンクは万能選手です。まずは、ひと味変わったアルコール3種。秋元商店「籠屋ブルワリー和轍」、完熟屋「ミサキミード」、吉田酒造店「手取川 Sparkling dot」です。

ビール、ミード、日本酒。種類の異なるアルコールは、こだわりのある独特な造りとそれによって豊かな味わい…

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年末年始のテーブルを特別に彩る、新たな提案型ギフト5選。[和光アネックス/東京都中央区]

未だ様々ある昨今ですが、年末年始はゆっくりと過ごしたい。そう思う人は多いと思います。

家族との集い、大切な人や気が置けない仲間との再会……。

シーンは様々ありますが、その時間を華やかに彩るのは、食事の時間です。

そんな時にお勧めしたいギフトは、ぜひ提案型のペアリングを。紹介してくれるのは、日本酒ソムリエ・『GEM by moto』店主・第14 代酒サムライの千葉麻…

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きめ細かい赤身と口溶けの良い脂。一貫生産へのこだわりが生んだ最高峰のブランド豚。[NAMEGATA VEGETABLE KINGDOM・美明豚/茨城県行方市]

全国圏屈指の野菜王国として数々の野菜を産出する茨城県行方市。我々ONESTORYは、一年に渡りこの行方市を繰り返し訪れ、生産者の話を伺ってきました。そしてたどり着いたひとつの仮説。行方市の野菜がおいしいのは、恵まれた気候や風土以上に、作り手の粘り強く、負けず嫌いな“行方気質”に由来するのではないか。そしてその説が正しいのなら、野菜以外の生産物もまた素晴らしいものなのではない…

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「国産 Non-Chemical レモン」×「クラウドファウンディング」。あるレモン農家の熱き挑戦。[CITRUSFARMS TATEMICHIYA/広島県尾道市]

レモン、好きですか?
レモンの、どんなところが好きですか?

ちょっと考えてしまった人は、もしかすると、まだ本当に美味しいレモンに出合ったことはないのかもしれません。食事に、ドリンクにと用途が広がり、身近になっているようで、意外と知られていないレモンという果物。

そう、料理人やバーテンダーら食のプロフェッショナルの間では、レモンを果物と捉え直し、積極的にレシピに採り入れる動きが広がっています。

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現場でしか知り得ぬ環境、気候、生産者の思い。神保佳永シェフが訪ねた行方市の生産者たち。[NAMEGATA VEGETABLE KINGDOM/茨城県行方市]

2021年秋。
茨城県行方市に『HATAKE AOYAMA』の神保佳永シェフの姿がありました。旅の目的は、行方市の食材を見て、味わい、生産者と話し、その魅力の本質を知ること。厨房を飛び出し、食材生産の現場に立つことで、新たなレシピの切り口を見つけることです。

茨城県行方市のさまざまな野菜の魅力をお伝えしてきた「NAMEGATA VEGETABLE KINGDOM」。我々『ONESTORY』は繰り…

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宝石のように透き通る身に旨味を湛えたシラウオ。そのおいしさの秘密を求め船上へ。[NAMEGATA VEGETABLE KINGDOM/茨城県行方市]

日本有数の水揚げ量を誇る霞ヶ浦のシラウオ。
その透き通った美しい身と、クセのないおいしさから首都圏の鮨店や和食店でも重宝される特産品です。

シラウオ漁の解禁は毎年7月21日。そこから12月末まで、霞ヶ浦の漁師は湖上に出て網を引きます。近年は輸送技術が発達し、この時期、スーパーなどでも獲れたてのシラウオを目にすることがあるかもしれません。

では霞ヶ浦のシラウオが有名な理由は、その漁獲高や鮮度のた…

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「武者修業」の延長戦。松本日出彦、クラフトジンの世界へ。

「百年の孤独」。

小説のタイトルとしても知られるその名は、明治18年創業の老舗焼酎蔵『黒木本店』が手がける人気銘柄です。

その五代目・黒木信作氏こそ、「自分も日出彦さんと一緒に酒が作りたい」と名乗りを上げた人物。

「日出彦さんとは昔から仲良くさせていただいており、ご自身の蔵を離れるかもしれないという話も伺っていました。まさか現実になってしまうとは……。その後の『武…

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鹿児島芋焼酎の新たな可能性。模索する若き蔵人たちの情熱に触れる旅。前編[World SAKE KAGOSHIMA/鹿児島県]

東京都内で活躍する料理人が、世界各地の酒と食に精通する美食家・本田直之氏と、日本有数のワインテイスターである大越基裕氏のアテンドで鹿児島の焼酎蔵を巡る2日間。その焼酎旅に参加したメンバーも、やはりすごい顔ぶれでした。目黒『鳥しき』の池川義輝氏、麻布十番『十番右京』の岡田右京氏、渋谷『酒井商会』の酒井英彰氏の3名という、いずれも東京を代表する名店の店主たちです。

この旅で最初に訪れた霧島市『中村酒…

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若き蔵人が守り抜く伝統と歴史。鹿児島の大地が生んだ麗しき芋焼酎。後編[World SAKE KAGOSHIMA/鹿児島県]

「鹿児島の蔵人が焼酎にこめる熱い思いに直にふれてほしい」
十数年に渡り世界を旅しながら各地の食や酒に精通してきた美食家・本田直之氏のそんな願いから始まった、酒蔵巡り。目黒『鳥しき』の池川義輝氏、麻布十番『十番右京』の岡田右京氏、渋谷『酒井商会』の3名とともに、5軒の焼酎蔵を訪ねました。

「いま、鹿児島の若手蒸溜家たちは、なんとかして焼酎業界を盛り上げようと並々ならぬ努力を積んでいます。その表現方…

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鹿児島から生まれる世界基準の芋焼酎。若き蔵元の情熱に、鹿児島焼酎の革新と核心を見た。[World SAKE KAGOSHIMA/鹿児島県]

焼酎王国、鹿児島。江戸時代中期に芋焼酎が広まり、現在、鹿児島県内では112軒の蔵元が焼酎造りをしています。すべての蔵の本格焼酎の銘柄をあわせると、その数は2000以上。どれも、鹿児島県内の各地域の風土や文化、酒蔵の個性がぎゅっと詰まった逸品です。

「近年、鹿児島の焼酎がますます洗練されてきて、全体的にフルーティーで香り豊かで飲みやすいものが増えています。かつ、蒸溜酒なので味わいがすっきりとしてい…

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「合餐」 これが私たちの正解。[Gohsan 7chefs in Fukuoka/福岡県福岡市]

去る11月某日。福岡にて、あるイベントが開催されました。

『合餐2021 ― 7Chefs in Fukuoka ―』。

発起人は、2021年「アジアのベストレストラン50」30位にもランクインする福岡の名店『La Maison de la Nature Goh(ラ・メゾン・ドゥ・ラ・ナチュール・ゴウ)』の福山 剛シェフです。

加えて、参加シェフにおいても世界レベル。

「ミシュランガイド東…

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3品の合わせ技。発見、驚き、楽しさ。ペアリングとは未知なる体験。[和光アネックス/東京都中央区]

2021年10月1日(金)にリニューアルした和光アネックス 地階のグルメサロンに『ONESTORY』は、そのプロデューサーとして参画しています。

「FIND OUT ABOUT NIPPON」をテーマに掲げ、日本全国から見つけ出した「おいしいニッポン」を集約。

日本酒ソムリエ・『GEM by moto』店主・第14 代酒サムライの千葉麻里絵さんや調布市『Maruta』のドリンクディレクター…

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似ている味、同系統の香り、相反する要素。決まった答えがないから、ペアリングはおもしろい。[和光アネックス/東京都中央区]

2021年10月1日(金)にリニューアルした和光アネックス 地階のグルメサロンに『ONESTORY』は、そのプロデューサーとして参画しています。

「FIND OUT ABOUT NIPPON」をテーマに掲げ、日本全国から見つけ出した「おいしいニッポン」を集約。

日本酒ソムリエ・『GEM by moto』店主・第14 代酒サムライの千葉麻里絵さんや調布市『Maruta』のドリンクディレクター…

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奈良井宿のリアルな一瞬を切り取り、伝える。「季節感」という言葉に込められた料理人の思い。[BYAKU-Narai-/長野県塩尻市]

奈良井宿の老舗酒蔵『杉の森酒造』を再生して生まれた宿泊施設『BYAKU -Narai-』。その同じ屋根の下に、レストラン『嵓 kura』はあります。塩尻市でレストラン『ラ・メゾン・グルマンディーズ』を営んでいた友森隆司氏をシェフに迎え、『傅』の長谷川在佑氏が監修を担う店。今回はその料理の内容を紐解いてみます。

「リアルな季節感を伝える料理」。

『嵓 kura』の料理長・友森隆司氏に料理のコンセ…

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料理、空間、ディテールにまで落とし込まれた、ゲストを喜ばせたい思い。[Grand Bleu Gamin/沖縄県宮古島市]

『Grand Bleu Gamin』のオーベルジュという立ち位置を考えれば、もちろん宿としてのハードの説明が必要でしょう。
『Grand Bleu Gamin』があるのは宮古島の北部、大浦湾にほど近い海沿いにあります。畑と緑に囲まれ、生い茂った木々を抜けた先には、宮古ブルーの海が広がるプライベートビーチ。
南仏にあるような白亜の館を思わせる建物は、ワンフロアで構成されたスーペリアスイート、メゾネッ…

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いまも変わらない。強くて、優しくて、義理人情に厚い木下威征という男の原点。[Grand Bleu Gamin/沖縄県宮古島市]

木下威征という男の半生を描けば、ここには書ききれないほどの物語に溢れています。
札付きのワルだった学生時代。悲しい思いをさせてしまった母親に対して変わった自分を見せようと邁進した調理師専門学校では、料理の知識がまったくなく入学したにもかかわらず、料理学校の東大といわれる調理学校を首席で卒業。フランス語がしゃべれないなか孤軍奮闘したフランス留学も木下氏に大きな影響を与えたのは間違いありません&hel…

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強く、優しく、熱い。木下威征という男の半生が、宮古島のオーベルジュの魅力を描き出す。[Grand Bleu Gamin/沖縄県宮古島市]

1990年代に美食家の話題を集めた『MAURESQUE(モレスク)』のシェフを務め、独立した『AU GAMIN DE TOKIO』では鉄板フレンチとして一斉を風靡したシェフ・木下威征(たけまさ)氏。料理人として幅広く活躍する一方で、東京では『TRATTORIA MODE』『深夜食堂はなれ』を展開するなど、GAMINグループのオーナーとして店舗経営にも手腕をみせています。

そんな木下氏が次なる一手…

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歴史に泊まる宿、百にひとつの宿。奈良井宿に誕生。[BYAKU -Narai-/長野県塩尻市]

知る人ぞ知る、日本最長の宿場町として名高い奈良井宿。しかし、その本質は長さだけでなく、町の風景にあります。

古き良き町並みを守り続けることは容易なことではありません。当時の面影を残す、もとい、そのままの姿を成しているのは、「作る」のではなく「直す」繰り返しをしてきたからこそ。まるで秘伝のタレのごとく、修復という名の継ぎ足し、継ぎ足しは、奈良井宿の味を変えず、保たれてきたのです。

それは、長きに…

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ミナ ペルホネン・皆川 明が体験する、創造的休暇。

この度の創造的休暇というテーマでの宿泊体験のご依頼はそのコンセプトの面白さになるほどと思う納得感と同時に自分がその時間を得た時に実際そのような創造的な時間、又は出来事が起こり得るだろうかとやや疑問だった。

 このコロナ禍以前は毎年6月頃一ヶ月程北欧へ出かけてまさに予定無しの時間を過ごしていた。その期間でも一週間ほどは現地でのリズムが気ぜわしくて落ち着かないのですがその後ようやく場に漂う気のままの…

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小説家・角田光代が体験する、創造的休暇。

奈良って奇妙なところだと、奈良を訪れるたびに思う。神社仏閣が多いのは京都や鎌倉と似ているけれど、それらの規模がいちいち大きい。公園や町に鹿がいるのもへんだし、夜がびっくりするほど暗くて、見たこともないのに、はるか昔にタイムスリップしたような気分になる。

 奈良は広く、テーマごとに異なるスポットへの旅ができる。私は以前、万葉の旅や古事記の旅をしたことがある。範囲が広いので、車で要所要所を訪ねる旅だ…

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写真家・石川直樹が体験する、創造的休暇。

一カ月近いネパール・ヒマラヤの旅から帰国し、初夏の奈良を訪れた。ヒマラヤでは森林限界を超えた標高4000メートル前後の空気の薄い山岳地帯に長く滞在し、ぼくは身も心も乾いていた。ヒマラヤでは高所順応が必要なように、日本に帰ってきたら低所順応をしなければならない。そんな疲れ果てた自分に、紀寺の家で過ごす日々はうってつけだった。

 ヒマラヤのロッジでは、小さく堅い木のベッドの上に敷いた寝袋にくるまって…

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飲む人も、飲まない人も、平等に楽しめる。香りを軸に思考する、論理的ペアリング。[和光アネックス/東京都中央区]

2021年10月1日(金)、『和光アネックス』地階のグルメサロンがリニューアルにあたり、日本の酒や食材の魅力に改めてスポットを当てるプロジェクト「FIND OUT ABOUT NIPPON」。

今回は調布市『Maruta』のドリンクディレクターを務める外山博之氏が、3種類の食品とドリンクの組み合わせを提案します。「香り」を軸にした独自のペアリングに定評のある外山氏は、果たしてどのような組み合わせ…

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食を愛す人、モノ、コトが銀座でつながる。「FIND OUT ABOUT NIPPON」プロジェクト始動。[和光アネックス/東京都中央区]

2021年10月1日(金)、「和光アネックス」地階のグルメサロンがリニューアル。

テーマは、「FIND OUT ABOUT NIPPON」です。

『ONESTORY』は、そのプロデュースとして参画。商品のキュレーションをはじめ、ソムリエや唎酒師らとの企画も展開し、これまでになかった多角的な空間の創造を目指します。

日本全国から見つけ出した「おいしいニッポン」は、アルコール及びノンアルコールの…

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料理人・谷口英司の叶えた夢と、芽生えた夢。新天地で再始動した富山『L’evo』。[L’evo/富山県南砺市]

2017年夏。富山市街のリゾートホテル内のレストランにいた谷口英司氏は、自身の愛する富山県をつぶさに案内してくれました。食材の生産者を訪ね、工芸品の職人と話し、自然の中を歩く。その際に谷口氏の顔に浮かんだ、心底楽しそうで、誇らしげな顔が記憶に残ります。

【関連記事】深い海、高い山、豊かな自然、伝統工芸。富山こそ料理人が、最高に輝ける場所。[L’evo/富山県富山市]

やがて旅はさら…

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水に癒やされ、アートに触れ、食を楽しむ。多彩な魅力がつまった信濃大町の歩き方。[湧水とアートがうるおす町/長野県大町市]

北アルプスの雪解け水が河川となり、湧水となり、やがて街をうるおす。あちこちから湧き出す水は清冽で、大小無数の川には澄んだ水が流れる。長野県大町市の魅力の根底には、この豊かな水にあります。

しかし、いくら“水が豊か”といっても、現地での具体的な楽しみは想像しにくいかもしれません。そこで今回は豊かな水が織りなす大町市のさまざまな魅力を、写真とともにご紹介してみます。

折しも…

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目指すのは、おいしさの先にある「快楽」。シチュエーションまで考慮する3種類のペアリング。[和光アネックス/東京都中央区]

2021年10月1日(金)、『和光アネックス』地階のグルメサロンがリニューアル。テーマは、日本の酒や食材の魅力に改めてスポットを当てる「FIND OUT ABOUT NIPPON」です。『ONESTORY』は、その企画プロデュースとして参画しています。

日本全国から見つけ出した「おいしいニッポン」は、アルコール及びノンアルコールのドリンクやデリカテッセンなど多種多様。しかし、本企画における特徴は…

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「武者修業」完結。仲間と醸した五蔵の酒、それは松本日出彦が生きた証。

2020年12月31日。自身の蔵元である『松本酒造』を父親とともに去ることになってから約9ヶ月。

紆余曲折しながら「武者修業」という題を自らに課し、酒造りを再開した松本日出彦氏ですが、それを成すことができたのは、仲間の支えがあったからこそ。

秋田『新政』、栃木『仙禽』、滋賀『七本鎗』、福岡『田中六五』、熊本『花の香』。

五蔵の「武者修業」は、決して平坦な道のりではありませんでした。しかし、も…

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映画監督・河瀨直美が体験する、創造的休暇。

紀寺で生まれ、紀寺で育った。紀寺はわたしの故郷である。この路地の先の長屋には、現実ときおくを行き来する空間がある。余分なものは一切無い。庭にある木々たちも、自らの場所をわきまえて存在している。枝葉を太陽に向かって伸ばしている姿は美しい。領域は無限だが、わきまえることで、その無限は無限たるに在る。季節ごとのしつらえも、あるがままに美しい。ひとりがこんなに贅沢なのは、物言わぬものたちが、その存在そのも…

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10年という節目に迎えた試練。導かれた「創造的休暇」という応え。

2021年10月、「紀寺の家」は、10周年を迎えます。

「本来であれば、様々な計画を練るところでありますが、ご存じの通り、2020年より人類を脅かす世界規模の難局が訪れてしまいました。以降、「新型コロナウイルス」という言葉を、ニュースや報道などにおいて目にしない日は一日もありません」。そう語るのは、『紀寺の家』の主人、藤岡俊平氏です。

突如現れたそれは、瞬く間に人類から日常や当たり前を奪ってし…

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ストレスなく育つことで、旨味を凝縮する長野のブランド鶏・信州黄金シャモ。[松下農園/長野県大町市]

豊かな自然と清冽な水に恵まれ、この土地ならではの食材を多数擁する長野県大町市。そのクリアな味わいは、イタリアンの巨匠たる『HATAKE AOYAMA』神保佳永シェフを唸らせました。
街を巡り、生産者と会話を交わしながら、食材を見極め、料理のイメージを膨らませた神保シェフ。そのイメージが形となり、後に神保シェフは3つの料理を仕立てました。野菜、魚、肉、それぞれが主役となる3皿。その食材と料理から、信…

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苦いものは苦く、辛いものは辛く。自然そのままの環境で力強く育つ信濃大町の野菜。[アルプス八幡農園/長野県大町市]

土壌や水質、寒暖差や日照時間。ある土地で育つ野菜には、その土地の風土がダイレクトに表れるもの。長野県大町市の野菜が各方面から高い評価を受けるのは、北アルプスの水、寒暖差のある気候、豊かな土壌などが野菜栽培に適していることの証明なのでしょう。
そんな大町市の野菜生産者を、『HATAKE AOYAMA』の神保佳永シェフが訪ねました。野菜料理に定評があり、“野菜の魔術師”の異名を…

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切っても脂が滲まない、臭みと無縁の味。至高の淡水魚・信州サーモン。[鹿島槍ガーデン/長野県大町市]

北アルプスの豊かな自然に囲まれ、力強くも澄んだ味わいの食材を生産する長野県大町市。そんな大町市で素晴らしい食材を探すべく、イタリアンの巨匠『HATAKE AOYAMA』神保佳永シェフが大町市を巡りました。
今回出合ったのは、研究者の探究心と生産者の熱意、そして長野の清冽な水が生んだ奇跡の淡水魚・信州サーモン。神保シェフは信州サーモンに何を感じ、そしてどんな料理を思いついたのでしょうか。時は20世紀…

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その味わい、軽やかにして、濃醇。輝き始めた石川県独自の新品種酒米「百万石乃白」。前編[Bon appétit Ishikawa !/石川県]

日本酒の新酒の搾りが最盛期を迎えた2月、とある共通点をもった日本酒が一堂に集められました。ずらりと並んだ21種の日本酒はすべて、石川県にある酒蔵が酒米「百万石乃白」を原料に使って醸したもの。2020年から本格的な醸造が始まったばかりの、まだあまり世に知られていない1本が勢ぞろいしています。

これらを一挙に唎(き)いてみようというのは大越基裕氏。フランスでワイン醸造を学び、グランメゾンでシェフソム…

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11年の歳月をかけて誕生した酒米「百万石乃白」の秘めたるチカラ。後編[Bon appétit Ishikawa !/石川県]

冬場の寒冷な気候や白山水系の清冽(せいれつ)な地下水脈など酒造りに適した環境に恵まれる石川県。日本の代表的な杜氏集団のひとつである能登杜氏を擁する酒どころで、37の蔵が酒造りを連綿と続けています。百万石乃白は県内の蔵元や杜氏たち待望の酒米。その誕生の秘密を探るために、金沢市才田町にある石川県農林総合研究センター農業試験場を訪ねました。百万石乃白の品種開発の歴史は、2005年までさかのぼります。

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石川の風土と人々の情熱が生んだルビーの輝き。奇跡のブドウ、ルビーロマン。前編[Bon appétit Ishikawa!/石川県]

夏のある日、石川県内のとあるブドウ畑。広がるブドウ棚の下には、大きな体をかがめ、たわわに実る房を入念に観察する世界的シェフの姿がありました。パティシエ、ショコラティエの辻口博啓(ひろのぶ)氏です。

辻口氏は、史上最年少23歳での「全国洋菓子技術コンテスト大会」優勝を皮切りに、パティシエのワールドカップと称される「クープ・デュ・モンド・ドゥ・ラ・パティスリー」など国内外の大きな大会で栄冠に輝いた希…

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ルビーロマン×パティシエ・辻口博啓氏。奇跡のブドウが巨匠渾身のスイーツに。後編[Bon appétit Ishikawa!/石川県]

石川県発の高級ブドウ「ルビーロマン」は現在、加賀市、小松市、金沢市、かほく市、羽咋(はくい)市、宝達志水(ほうだつしみず)町で栽培されています。ルビーロマンは辻口博啓氏にとってひときわ思い入れの深い果物です。2011年(平成23年)の東日本大震災の発災後、辻口氏はパティシエとして復興支援に何か貢献できないかと考えました。被災した宮城県の中学生を郷里である石川県七尾市和倉温泉の旅館『加賀屋』に招待し…

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能登の風土が育む至宝「のとてまり」と、究極のストイック系料理人・片折卓矢がついに出逢う。前編[Bon appétit Ishikawa!/石川県]

金沢、浅野川の畔に佇む日本料理『片折』。
毎日たった7席のために、店主の片折卓矢氏を筆頭に4名の料理人が日の出前から奔走する、金沢を代表する、いや今や日本を代表する和食の名店です。その食材への飽くなき追求は果てしなく、七尾市の藤瀬霊水を汲みにいき、県内や隣県の魚市場をめぐり、山菜や野草を摘みに山へ分け入る。その日にしか出合えない季節の食材を、全力をかけて調達し、ごくシンプルな調理法で供す店なのです…

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経験したことのない、圧倒的な風味、余韻に酔う。後編[Bon appétit Ishikawa!/石川県]

奥能登原木しいたけ活性化協議会初代会長の新五十八氏は、珠洲市で20歳の時から椎茸農家を50年間続けてきた、奥能登の椎茸栽培の草分け。取材班が訪れると、奥能登の椎茸の歴史を紐解いてくれました。

新氏は目ぼしい作物のない奥能登で営農する苦肉の策として、椎茸を選んだと話します。平地の少ない奥能登では米作りは難しい。今でこそ交通の利便性は上がったが、50年前は野菜を作っても新鮮なうちに遠い消費地へ運ぶこ…

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名酒を生む名手たるゆえん。最強チームに加わる最後の武者修業。

2021年2月より密着している松本日出彦氏の武者修業。

滋賀『富田酒造』、熊本『花の香酒造』、福岡『白糸酒造』、栃木『仙禽』と巡り、最後の蔵は、全ての酒造りおいて生酛を採用する秋田の『新政酒造』(以下、新政)です。

2021年4月。この日の仕込みは、蒸したお米を冷却する埋け飯(いけめし)と呼ばれる作業。速醸造りであれば、一気に冷却しますが、生酛造りは一足飛びにはいきません。米の表面を適度に乾か…

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これまでにない圧倒的な旨さ。ネクストレベルの和牛を求めて、能登牛の進化、着々と。後編[Bon appétit Ishikawa!/石川県]

石川県のブランド和牛「能登牛(のとうし)」は、1995年に「能登牛銘柄推進協議会」による認定制度がスタートした、ブランド和牛としては比較的新しい銘柄です。しかし、そのルーツは、明治期にまで遡るといいます。能登半島の日本海側である外浦一帯で製塩業が発展したのに伴い、大量に必要となった薪を搬出するための役牛を繁殖したのが始まりとされています。明治時代に兵庫県但馬地方から、大正時代に鳥取県から種牛が導入…

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生産者の想いは熱く、その味は洗練の極みに。珠玉の石川食材、めくるめく。[Bon appétit Ishikawa!/石川県]

北陸、石川。

日本海沿岸、本州のほぼ中央に位置する石川県の形を、思い浮かべることはできますか?
南北約200kmに細長く伸びる縦長の県土は、南部には広大な原生林と共に屹立する霊峰白山を擁し、北部は能登半島となって日本海に突き出ています。

荒波に削られた岩礁と断崖が続く能登外浦。それとは対照的に穏やかな能登湾に臨む能登内浦。多様な自然資源に恵まれた能登の里山里海は、土地の環境や生物多様性を生かし…

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ローカルガストロノミーの求道者『SHÓKUDŌ YArn』が惚れ込む、稀少なブランド和牛とは?前編[Bon appétit Ishikawa!/石川県]

地域の気候風土、歴史、文化を料理に表現する「ローカルガストロノミー」。この理念を独自の発想と遊び心で体現し、国内外のフーディたちから熱視線を浴びるレストランが、石川県小松市の郊外にあります。その名は『SHÓKUDŌ YArn(ヤーン)』。英語で「糸」を意味する「yarn」を冠する店は、かつて撚糸工場だった建物をリノベーションして2015年にオープンしました。どこか北欧をイメージさせる…

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北アルプスの懐に抱かれる信濃大町。豊かな水が育む、澄んだ味わいの食材を探しに。[湧水とアートがうるおす街/長野県大町市]

絵のように美しい町。
信濃大町駅に降り立つと、まずそんな思いが頭をよぎります。その絵は淡い水彩画ではなく、厚く塗り込めた油絵。3000m級の北アルプスの山々の威容、山の稜線でくっきりと区切られた空、豊かな緑の色彩、そして清冽な水。質量があり、奥行きがあり、現実感がある力強い美しさが、訪れる人を圧倒するのです。

命の源たる水が豊かで澄んでいるとうことは、そこで育つ食材もまた豊かであることを意味しま…

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イタリアン×フレンチ、長野×東京。個性の異なるふたりの料理人が挑むコラボレーションメニュー。[食育・料理体験イベント/長野県大町市]

2021年7月某日。立山黒部アルペンルートの玄関口であるJR大糸線信濃大町駅に、多くの登山客に紛れ、ひとりの人物が降り立ちました。数々のメディアでおなじみのその顔は『HATAKE AOYAMA』の神保佳永シェフ。とりわけ野菜の本質を見極め、その魅力を引き出す料理から“野菜の魔術師”と呼ばれるイタリアンの巨匠です。

今回、神保シェフが信濃大町を訪れた理由は2021年9月5日…

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料理人が滋賀の食材と真っ向に向き合う2日間。滋賀食材のポテンシャルを知る。[Local Fine Food Fair SHIGA/滋賀県、東京都]

東京都内で活躍する料理人やパティシエが、滋賀県産の食材を使った料理をそれぞれの店で提供する期間限定のフードフェア『Local Fine Food Fair SHIGA』。その食材を探すべく、4人のシェフとバイヤーが1泊2日で滋賀の生産者のもとを訪ねました。

米原駅に到着した一行が、まず向かったのは車で15分ほど走った長浜市布勢町。そこで待っていたのは、3ヘクタールもの見事な蓮畑でした。蓮は午前中…

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真のファーマーズ王国。付加価値でなく、美味しさを追求する生産者たち。[Local Fine Food Fair SHIGA/滋賀県、東京都]

東京都内で活躍する料理人やパティシエが、滋賀県産の食材を使った料理をそれぞれの店で提供する期間限定のフードフェア『Local Fine Food Fair SHIGA』。滋賀の食材を探求すべく、4人のシェフとバイヤーによる生産者巡りも2日目へ。一体、どんな食材との出会いが待っているのでしょうか。

2日目は、土砂降りのなか、ワイン原料のイメージが強いマスカットベリーAを「黒蜜葡萄」として生産する東…

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地域と向き合う覚悟。学び続けることによって答えを探し続ける責務。[SUGINOMORI REVIVAL/長野県塩尻市]

約1kmにわたる日本最長の宿場町、「奈良井宿」。そんな歴史ある町並みに200年以上身を構えていたのが『杉の森酒造』です。

2012年、惜しまれつつ閉業してしまったその建物は、宿泊施設『BYAKU』として再生され、2021年8月4日に開業を迎えます。

宿泊機能だけでなく、レストラン、バー、温浴施設、そして、酒蔵も内包。中でも注目したいのは、レストラン『嵓 kura』です。料理を監修するのは、日本…

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美味しいひと皿ではなく、感動するひと皿。大切なことは、キッチンの外にある。[SUGINOMORI REVIVAL/長野県塩尻市]

そう話すのは、宿泊施設『BYAKU』に内包するレストラン『嵓 kura』の料理長、友森隆司氏です。

友森氏は、同じ塩尻にある大門にて自身のレストラン『ラ・メゾン・グルマンディーズ』を構えるシェフです。2011年に『トムズレストラン』として開業し、2015年に現在の店名に改め、10年の節目を迎えた2021年。レストラン『嵓 kura』の料理長として、新たな料理人人生を歩む決断をしたのです。

「パ…

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壱岐の魅力を詰め込んだクラフトジンがいよいよ完成![IKI’S GIN PROJECT/長崎県壱岐市]

何はともあれ、まずは出来上がったばかりのジンをストレートで味わってみました。
すると、ファーストアタックで驚くほどイチゴの甘い香りが鼻腔に広がったのです。
「あ〜、取材をさせてもらったイチゴ農家の松村春幸さんの畑でにんまりとしたあの甘い香りと同じだ」。取材時の出来事が鮮明に思い出されます。
次に、香りで押し寄せたのは柚子。柚子の皮むき工場を訪れた際に教えてもらった『壱岐ゆず生産組合』の長嶋邦明氏の…

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