ONESTORY

若き料理人が情熱を注いだ「ル・テタンジェ賞」2020日本大会、最終審査結果発表[厨BO!YOKOHAMA/神奈川県横浜市]

秋晴れの10月28日、正午過ぎに始まったのは、国際シグネチャーキュイジーヌコンクール「ル・テタンジェ賞」の日本大会。1967年に世界的なシャンパーニュ・メゾン「テタンジェ」のクロード・テタンジェが創設したこの賞は、若き料理人を顕彰し、フランスの美食文化を発展・継承していくことを主目的に設立され、ジョエル・ロブション氏、ミッシェル・ロスタン氏、ベルナール・ルプランス氏といった数多のスターシェフを輩出…

続きを読む

12月26日、27日限定!パリの『MAISON』渥美創太シェフが銀座のフードトラックに登場![GEN GEN AN幻/東京都中央区]

2020年12月、『銀座ソニーパーク』に10ヶ月限定でオープンした『GEN GEN AN 幻 in 銀座』。

「こんな時代だからこそ何かに挑戦したかった。自分も含め、実験的な場にしていきたい」と話すのは、主宰する丸若裕俊氏です。

その第一回となる実験、それがゲリラ的に登場するフードトラック『Taki-Dashi』。

腕を振るうのは、パリで活躍する『MAISON』の渥美創太シェフです。

20…

続きを読む

10ヶ月間限定、短期連載企画。『GEN GEN AN幻』が消えるまで。[GEN GEN AN幻/東京都中央区]

1966年開館、銀座のシンボルのひとつだった「ソニービル」は2017年に幕を閉じ、2018年に「銀座ソニーパーク」として開放しました。

その名の通り、公園のそこは、散歩を楽しんだり、お弁当を食べたり、はたまた通り抜けをしたり……。誰もが自由に使える場としてはもちろん、様々な表現を通して世間に驚きも与えてきました。

振り返れば、「買える公園」をコンセプトにプラントハン…

続きを読む

FRANCIACORTA(フランチャコルタ)&FARO(ファロ)、ふたつのFのコラボレーションがスタート。[東京都中央区/FARO]

イタリアの文化やモードの発信地・ミラノから車で約1時間の距離にあるワイン産地の名、かつ同地において瓶内二次発酵製法で醸造するスパークリングワインの名称でもあるフランチャコルタ。イタリアワインの格付けの最高峰、統制保証原産地呼称(D.O.C.G)に認定された歴史は数多いイタリアワインの銘醸地と比べれば最近であり、その歴史は50年あまり。しかし現在、世界のワイン消費が鈍化する中で快進撃を続け、マーケッ…

続きを読む

「人間はどう生きていくのか。生き抜いていくのか。今一度、真剣に考えていきたい」とおの屋 要/佐々木要太郎

「和食ではない。でもフレンチやイタリアンベースでもない料理は唯一無二」。

東京の飲食店や酒販店、ワイン関係者までもが声を揃えてそう絶賛するお店が岩手県遠野市にあります。
『とおの屋 要(よう)』がそれです。

店主の佐々木要太郎氏は、民話の里・遠野に初めてできた『民宿 とおの』の4代目も担います。

佐々木氏は、高校卒業後、飲食とは全く関係のない職に従事していましたが、久方ぶりに帰った故郷・遠野…

続きを読む

中村孝則さんを講師に迎える「オンライン料理教室」第2弾。抽選で限定5名が参加できるスペシャルイベント [NIIGATA PREMIUM LIVE KITCHEN vol.2/新潟県]

12月6日(日)、コラムニスト・中村孝則さんを講師に迎えたオンライン・クッキングイベント『NIIGATA PREMIUM LIVE KITCHEN vol.2』が開催されます。これは、「新潟ウチごはんプレミアム」とONESTORYのコラボレーションによって実現した特別企画。抽選を勝ち抜いた5名だけが参加を許される限定イベントです。
「新潟ウチごはんプレミアム」とは、新潟の食を支え育んできた生産者や…

続きを読む

『DINING OUT』から2年、琉球王朝時代からの聖地を舞台に地元スタッフだけでつくる幻のレストラン。[Sanctuary Dining/沖縄県南城市]

日本のどこかに数日間だけ現れるプレミアム野外レストラン『DININGOUT』。2018年11月に沖縄県南城市で開催された『DINING OUT RYUKYU-NANJO withLEXUS』は、琉球王朝創世の地を舞台に、『志摩観光ホテル』の総料理長・樋口宏江シェフが腕を振るい、参加したゲストを深い感動の渦に巻き込み、大盛況のうちに幕を閉じました。

15回目にして初めて女性シェフが厨房を預かること…

続きを読む

「本当の豊かさとは何か。今こそ、田舎に目を向けてもらいたい」pejite/仁平 透・君島北斗

150年以上も前に生まれた益子焼を始め、様々な分野の作家が活動する栃木県芳賀郡益子町。

東京から車で2時間ほどの「田舎」ですが、年2回行われている「陶器市」や個性のあるショップ、カフェが話題となり、県外からも高感度な人たちが多く集まってきます。

そんな益子を代表するお店のひとつ『pejite』は、『仁平古家具店』を運営する仁平透氏が2014年にオープンしたセレクトショップです。築60年以上の大…

続きを読む

「今でも必要としてくれるお客様がいる限り、私は小さな火を灯し続ける」nagaya./吉田絵美

徳島県徳島市沖浜町。JR徳島駅からふたつ目の二軒屋駅より歩いて10分ほどの何の変哲もない住宅街に『nagaya.』はあります。その舞台となるのは、その名の通り、築50年の「長屋」です。

オーナーの吉田絵美さんの祖父母が借家として長年使っていたというそこは、およそ10年間誰も住んでおらず、まもなくその役目を終えようとしていました。そんな時、吉田さんがここを『nagaya.』として蘇らせたのです。

続きを読む

「地域の結束力はより強固に。今もこれからも、瀬戸内の価値を信じている」瀬戸内リトリート青凪/吉成太一

標高450m、総面積3,500㎡に対し、客室はわずか7部屋。天然温泉も有するそこは、本館、別館から成り、その全てが規格外。

瀬戸内が持つ風光明媚を独占できる『瀬戸内リトリート青凪』を手がけたのは、日本を代表する建築家、安藤忠雄氏です。

『ONESTORY』が出会ったのは、遡ること2018年。その後、数々の快挙を成し遂げますが、新型コロナウイルスによって迎える試練は、例外なく訪れています。

「…

続きを読む

Vol.4 料理とシャンパーニュの、果てのない可能性。[NEW PAIRING OF CHAMPAGNE・アルテレーゴ/東京都千代田区神田神保町]

路地を入ると、杉玉の下がったお店がある。和食のお店だろうと通り過ぎようとして、「アルテレーゴ」の看板に気づいた。
 濃いグリーンの壁が印象的な、すっきりした店内だ。お店に入ってすぐ右手に大きな機械が置いてあり、私はてっきり飾りとしてミシンを置いているのかと思ったのだが、生ハムを切る器機だという。いろんなことがさりげなく意外なリストランテである。
 今日の料理は「ボタンエビのタルタル」。シェフの平山…

続きを読む

豊かな水資源に支えられ、多彩な米が育てられる行方市の多様性。[NAMEGATA VEGETABLE KINGDOM・愛鴨米/茨城県行方市]

関東一の米どころ・茨城県。近年は米どころとしての認知度も定着し、コシヒカリ、あきたこまち、ミルキークイーンといった定番品種から、茨城県のブランド米であるゆめひたちや一番星、さらに古代米や餅米、加工用米など、多種多様な米が育てられています。

もちろん霞ヶ浦と北浦という2つの湖を擁し、肥沃な土壌に恵まれた行方市でも米栽培は盛ん。そして平野部が広く広大な耕作地が持てることから、他の地域ではないアプロー…

続きを読む

日本一の農産物に与えられる栄誉「天皇杯」に輝いた、行方市を代表する農産物。[NAMEGATA VEGETABLE KINGDOM・サツマイモ/茨城県行方市]

年間60品目以上を生産し、通年新鮮な野菜を各地に出荷する行方市。そんな行方市を象徴する農産物をひとつだけ挙げるとしたら、サツマイモとなるでしょう。

なにしろサツマイモは『JAなめがたしおさい』の農業産出額およそ200億円のうち、実に約40億円を占めるほど。行方市では、多彩な品種を栽培し、そしてそれぞれの品種に合わせて熟成をかけることで、年間通じてサツマイモを出荷し続けているのです。

サツマイモ…

続きを読む

「近くの本屋を気にかけてもらいたい。僕らも地元の人々に助けられた」BOOKS AND PRINTS・新村 亮

昔からその場所にあったように佇む『BOOKS AND PRINTS』は、写真家・若木信吾氏が運営する本屋です。

場所は、若木氏の故郷・静岡の浜松です。数々の著名人を撮り、その被写体をも虜にする若木氏の写真には、業界内外にファンは多い。ゆえに東京からの来訪が大半を占めていたが、自粛に緊急事態宣言、それ以降も控えるよう促された不要不急の外出も手伝い、ゲストは激減しました。

そんな時、お店を助けてく…

続きを読む

「地方はすごい! 再びそう言ってもらえるよう、僕は新潟を思う存分表現してゆく」Restaurant UOZEN・井上和洋

「顔が見える生産者が育てる野菜で作る料理」。
「野菜がたっぷりの身体に重くないフレンチ」。

今ではスタンダードになりつつあるヘルスコンシャスな料理を10年以上前から提唱し話題を集めた池尻大橋『HOKU』。オーナーシェフを
務めるのは、井上和洋氏です。ところが開店から7年目、人気絶頂のさなかに突如、お店を閉め、東京から姿を消してしまいます。

2013年、井上氏がたどりついた新天地は、新潟県三条市…

続きを読む

「建築家として、人として。どこかのために、誰かのために、僕は生き続けたい」建築家・田根 剛

2020年3月、新型コロナウイルスによってパリはロックダウン。

「都会的な生活と都市機能は奪われました」。

そう話すのは、パリで活動する建築家・田根 剛氏です。

「当時、日常は一変してしまいました。ほとんどの移動手段は制限され、行動範囲も歩ける距離であり、生活の中心は家の中。“都市”だったパリは、まるで“村”のようでした」。

パリは大気汚染の…

続きを読む

平野紗季子×長田佳子 抽選で限定5名が参加できる「オンライン料理教室」を開催 [NIIGATA PREMIUM LIVE KITCHEN vol.1/新潟県]

11月7日(土)、フードエッセイスト・平野紗季子さんと菓子研究家・長田佳子さんによるオンライン・クッキングイベント『NIIGATA PREMIUM LIVE KITCHEN vol.1』が開催されます。これは、「新潟ウチごはんプレミアム」とONESTORYのコラボレーションによって実現した特別企画。抽選を勝ち抜いた限定5名が参加可能な、贅沢な料理教室です。
「新潟ウチごはんプレミアム」とは、新潟の…

続きを読む

平野紗季子×長田佳子 抽選で限定5名が参加できる「オンライン料理教室」を開催 [NIIGATA PREMIUM LIVE KITCHEN vol.1/新潟県]

11月7日(土)、フードエッセイスト・平野紗季子さんと菓子研究家・長田佳子さんによるオンライン・クッキングイベント『NIIGATA PREMIUM LIVE KITCHEN vol.1』が開催されます。これは、「新潟ウチごはんプレミアム」とONESTORYのコラボレーションによって実現した特別企画。抽選を勝ち抜いた限定5名が参加可能な、贅沢な料理教室です。
「新潟ウチごはんプレミアム」とは、新潟の…

続きを読む

食を分かち合うことから持続可能な平和を考える「サステナブルピーステーブル」。

「食卓を共にする」ことは、お互いの信頼と分かち合いの精神なしでは成立しないこと。持続可能な平和を未来へと繋ぐために、人々が分け隔てなくひとつの食卓を囲むことからできることを考える『Sustainable Peace Table(サステナブルピーステーブル)』が、国連の「国際平和デー」に定められた9月21日にキックオフミーティングを開催しました。

会場は、アジアのベストレストラン50で2018年に…

続きを読む

HOPE TO MEET AGAIN/旅の再開は、再会の旅へ。

様々なキャンペーンや施策が講じるも、自由に旅ができるかというと、それはまだ先になるかもしれません。

もし日常が戻った時、あなたはどんな旅をしてみたいですか?

広大な海を望む旅、堂々とそびえ立つ山々を愛でる旅、ゆっくりと湖畔で過ごす旅、温泉に癒される旅、アウトドアを堪能する旅、美食に興じる旅、はたまた海外……。

いつかに備え、想像を膨らませる日々かもしれませんが、『…

続きを読む

Vol.3 シャンパーニュと無数の扉[NEW PAIRING OF CHAMPAGNE・オード/東京都渋谷区広尾]

熱中症警戒アラートが発令されるくらい暑い日、できるだけ日陰をさがして移動しながらレストラン「オード」を目指す。グレーのカウンターがキッチンを囲むシンプルな店内。厨房への入り口に取りつけられた「オード」の提灯がチャーミングだ。キッチンに、見たことのあるようなないような機器が設置されている。あれはなんでしょうと、シェフの生井祐介氏に訊くと、かき氷製造機という意外な答えが返ってくる。フランス料理店にかき…

続きを読む

花は限りある命を懸命に全うする。自分の生き方もそうありたい。

世界的に活躍するフラワーアーティスト・東 信氏。その舞台は、日本よりも海外の比重が大きく、ニューヨーク、パリ、デュッセルドルフ、ミラノ、ベルギー、上海、メキシコ……。美術館からアートギャラリーまで、引く手数多です。

東氏の表現は、花が持つ美しさを芸術に昇華させ、更に価値化。そして、花に想像を超えた邂逅体験をさせる手法もまた、独自の世界観を生みます。宇宙へ飛び立つ「Ex…

続きを読む

全ては整った。長谷川在佑&川手寛康の短期密着連載・最終章! [デンクシフロリ/東京都港区]

改めて振り返ること、2020年8月。

『傳』の長谷川在佑氏と『フロリレージュ』の川手寛康氏がふたりでレストランを始めるという一本の連絡があってから約1ヶ月、それならば!と工事中の現場から密着し続けた短期連載も今回が最終章になります。

本プロジェクトの経緯やお店に携わる様々な人の声も吸い上げ、多角的な視点から『デンクシフロリ』ができるまでを綴ってきました。
当初、コンセプトを伺った時、「何か凄そ…

続きを読む

これを逃したら二度と味わえない!? サッポロ一番の無限の可能性を楽しむレストランが期間限定オープン。[サッポロ一番劇場/東京都港区]

たかがインスタントラーメン。

そう思っている方がいたら、そんな人にこそ、ぜひこの店に足を運んでほしい。
名だたるレストランのセカンドラインが軒を連ね、世のグルマンたちを夜な夜な魅了する『虎ノ門横丁』に9月25日(金)から10月10日(土)までの期間限定でオープンする『サッポロ一番劇場  @虎ノ門横丁』。『虎ノ門横丁』では、これまでにもポップアップレストランとしてさまざまな店を期間限定で…

続きを読む

これを逃したら二度と味わえない!? サッポロ一番の無限の可能性を楽しむレストランが期間限定オープン。[サッポロ一番劇場/東京都港区]

たかがインスタントラーメン。

そう思っている方がいたら、そんな人にこそ、ぜひこの店に足を運んでほしい。
名だたるレストランのセカンドラインが軒を連ね、世のグルマンたちを夜な夜な魅了する『虎ノ門横丁』に9月25日(金)から10月10日(土)までの期間限定でオープンする『サッポロ一番劇場  @虎ノ門横丁』。『虎ノ門横丁』では、これまでにもポップアップレストランとしてさまざまな店を期間限定で…

続きを読む

本で旅する物語。もうひとつの「森岡書店」。[森岡書店/東京都中央区]

───
旅には2しゅるいあります。
ひとつは、遠くまで行って、ちがう場所の空気をすうふつうの旅。
もうひとつは、本を読んで想像のせかいをめぐる心の旅です。
───
これは、建築家・安藤忠雄氏が手掛けたはじめて絵本『いたずらのすきなけんちくか』の一節です。

「改めて、自分が本と向き合うきっかけになった言葉です」。
そう話すのは、『森岡書店』の店主・森岡督行氏です。

「本の良いところは、まず形があ…

続きを読む

初公開!! 長谷川在祐と川手寛康が託したふたり。新シェフと女将の挑戦。[でんくしふろり/東京都港区]

『傳』の長谷川在祐氏と『フロリレージュ』の川手寛康氏が手がける新たなお店『でんくしふろり』。まだまだ謎は多く、未だその詳細は明らかにはなっていませんが、一番の注目は、誰がシェフを務めるのか。

ふたりは自店があるため、本プロジェクトのスタート時から「僕たちが立つお店にはしません」と公言。しかし、新シェフの存在については、これまでヴェールに包まれていました。
そのシェフは、『傳』や『フロリレージュ』…

続きを読む

「くし」でつながる仲間の声! Part.2 有田焼陶工・小鹿田焼陶工・フラワーデザイナー・染色家[でんくしふろり/東京都港区]

「ふたりと」は、『安楽窯』陶磁器製造の有田焼陶工・末村安孝氏と『柳瀬晴夫窯』14代目、小鹿田焼陶工・柳瀬元寿氏であり、相方とは「器」を指します。

今回、『でんくしふろり』の器全般は、ふたりが手がけます。
末村氏は陶器やご飯炊き鍋を、柳瀬氏は器を。両者とも『傳』からの付き合いになります。
「長谷川さんとは、有田焼創業400年事業がきっかけで出会いました。いつも笑顔が素敵で元気をもらっています」とは…

続きを読む

瑞々しく、香り豊か。パティシエの心を捉えた、水の都の恵みを湛えた滋賀県のお茶とフルーツ。[Local Fine Food Fair SHIGA/滋賀県、東京都]

都内で活躍する料理人たちが滋賀県産の食材を肌で感じ、その美味しさを最大限に引き出した料理をそれぞれの店で提供する期間限定の滋賀食材フェア『Local Fine Food Fair SHIGA』。9月11日(金)より都内の各レストランでフェアは始まっていますが、その開催に先立ち、滋賀の食材の本質と美味しさの裏に潜むストーリーを掘り下げるべく、参加する料理人や食材バイヤーが現地の生産者のもとを訪問しま…

続きを読む

「くし」でつながる仲間の声! Part.1 建築家・インテリアデザイナー・左官職人[でんくしふろり/東京都港区]

そう話すのは、『でんくしふろり』の空間を手がける、「株式会社エスキス」代表の建築家・インテリアデザイナーの甲斐晋介氏です。
「今回、ご縁をいただいたのは川手さんとの関係からです。最初の出会いは、自分が空間デザインを手がけた西麻布のフレンチ『OHARA ET CIE』だったと思います。まだ、大原正彦さんのもとで修行されている時代でした。その後、独立して開業した青山の『Florilege』と移転した今…

続きを読む

Vol.2 シャンパーニュととくべつな一ページ。[NEW PAIRING OF CHAMPAGNE・フロリレージュ/東京都渋谷区神宮前]

廊下を歩いて店内に入ると、オープンキッチンが舞台のセットみたいにうつくしく広がっている。シックでありながら華やかなそのキッチンに入るのに、ちょっとした勇気がいる。
 今日いただく料理はアンディーブのミルフィーユとアイスクリームの二部構成だと聞いていて、事前にレシピも説明してもらっていたのだが、じつは何も思い描けずにいた。川手寛康シェフが発酵したアンディーブの芯を取り除き、葉、一枚一枚のあいだにトリ…

続きを読む

産地を巡り、生産者と語り、本質を知る。滋賀県の食材の魅力を伝える都内レストランフェア開催。[Local Fine Food Fair SHIGA/滋賀県、東京都]

水、大地、気候、そして人。
良い食材を生み出すには、これらの条件が必要です。広い大地があっても水がなければ、穏やかな気候でも土が悪ければ、あるいはすべての自然条件を満たしてもそこに熱意ある生産者がいなければ、本当に素晴らしい食材は生まれません。
この条件を満たす食材を我々は「Local Fine Food」と呼んでいます。

今回舞台となった滋賀県には、言わずと知れた日本一の湖・琵琶湖があります。…

続きを読む

「でん」と「くし」と「ふろり」の関係。[東京都港区]

2020年8月、青山某所の工事現場から密着はスタート。

その内容は、ともに神宮前を拠点におく『傳』の長谷川在佑氏と『フロリレージュ』の川手寛康氏が創造するふたりのレストランです。

奇しくも共通点の多い長谷川氏と川手氏は、年齢も同じであり、ともに料理人の親に影響を受け、この道を志した歩みを持ちます。

更には、自店をオープンさせた年や「ミシュランガイド東京」にて星を獲得した年から落とした年、「ア…

続きを読む

津軽といえばりんご? いえ、“山”もです! 日常でも霊域でもある、岩木山の不思議。[TSUGARU Le Bon Marché・特別対談/青森県弘前市]

「津軽ボンマルシェ」の取材中、よく話題にのぼるテーマのひとつが“山”。津軽で山といえば、多くの場合、ある特定の山のことを指します。津軽平野の真ん中にそびえる標高1,625メートルの岩木山。その美しい姿から津軽富士とも呼ばれ、古くから山岳信仰の聖地として知られている霊山です。第一回目の対談時は、津軽各地の市町村で「うちから見る岩木山が一番きれい」と喧嘩になる話が登場。第四回目…

続きを読む

温暖な気候、肥沃な大地、豊富な水。年間60種以上の野菜が育つ、日本屈指の野菜王国。[NAMEGATA VEGETABLE KINGDOM/茨城県行方市]

茨城県行方市。
茨城県南東部、霞ヶ浦と北浦の間に広がる面積約166平方キロメートルのこの市のことをご存知でしょうか。
起伏の少ない広大な平地、豊富な水を湛える霞ヶ浦、関東ローム層の豊穣な大地、そして湖の保温効果による温暖な気候。そんな地理条件を聞いて何が思い浮かぶでしょうか。

そう、この行方市は日本でも指折りの野菜王国なのです。
さまざまな農業に適した条件が重なり、さらに首都圏から70kmという…

続きを読む

人と物が繋がる森、津軽の夏の始まりを告げるクラフト市。[TSUGARU Le Bon Marché・津軽森/青森県弘前市]

新型コロナウイルスの感染拡大により、多くのイベントが中止や延期となった今年の春。津軽でも、毎年数万人の動員数を誇る一大イベントの延期がアナウンスされました。霊峰・岩木山の登山道の入口にある岩木山桜林公園で、毎年5月末の2日間に渡り開催される『津軽森』。約130人の作家と20店舗以上の飲食店が出店する、界隈随一の規模のクラフトイベントです。

実は、「今年こそ『津軽森』の取材を!」とかなり前から意気…

続きを読む

津軽のアートの未来を担う美術館。場所に息づく100年の物語をひも解く。[TSUGARU Le Bon Marché・弘前れんが倉庫美術館/青森県弘前市]

つい先日の7月11日、弘前市に新たなスポットがグランドオープンしました。本来は今年の春に開館予定だった『弘前れんが倉庫美術館』。新型コロナウイルスの影響で開館延期となり、6月のプレオープンを経てからの全面オープンは、津軽にとって明るいビッグニュースとなりました。印象的なのは、味のある赤色のレンガ造りの建物。完成したばかりにもかかわらず、昔からあるような落ち着いた佇まいで周囲に馴染む理由には、元々こ…

続きを読む

“ヨソモノ”店主が営む津軽のカフェが、住宅街の拠り所となるまで。[TSUGARU Le Bon Marché・Coffeeshop Hachicafe/青森県弘前市]

その店があるのは、津軽エリアの中心・弘前市の繁華街から車で10分以上かかる場所。周囲には鉄道の駅もなく、正直アクセスがいいとはいえません。取材当日も、送ってくれたタクシー運転手の方が「本当にこんなところにカフェがあるの!?」と驚いたほど。そう、わざわざここに来ることを目的にしないと辿り着けない店、それが今回ご紹介する『Coffeeshop Hachicafe』。スウェーデンやフィンランドの伝統家屋…

続きを読む

ずっと変わらぬ思いで、江戸時代からの文化とともに、伝統の手仕事を受け継ぐ。[TSUGARU Le Bon Marché・御菓子司 大阪屋/青森県弘前市]

城下町と呼ばれるところには、昔ながらの和菓子屋が変わらぬ姿で残っていることがよくありますが、ここ弘前もそんな町のひとつです。城あるところ、銘菓あり。今や弘前はお菓子の町と言ってもいいくらいに、古き良き素朴な餅菓子を売る和菓子店はもちろんのこと、津軽のりんごをふんだんに使ったモダンなアップルパイを出すパティスリーまで、新旧、和洋、様々なタイプの店が、町中に無数にひしめいています。それでいて、どの店に…

続きを読む

コロナ禍によって見えてきた人類と自然の断絶。再び地球は蘇る。

世界的にロックダウンや自粛を余儀なくされた数ヵ月間、様々なことが一変してしまいました。

そんな中、「悪いことばかりではなかった」と語るのは、写真家の石川直樹氏です。写真家として作品を発表し続けてきましたが、登山家、冒険家、作家など、ひとつの肩書きに留まらない横断的な活動をしています。

「今回のコロナ禍によって国内やブラジルのサンパウロで行う予定だった写真展、パキスタンへのヒマラヤ遠征など、全て…

続きを読む

鬼神様に捧げられた青森にんにく発祥の地。物語があり、公共性があり、ビジョンがある、にんにくの話。[TSUGARU Le Bon Marché・鬼丸農園/青森県弘前市]

農業というフィールドで革新を打ち出す人は、大きく2つのタイプに分けられます。ひとつは、手間暇、採算を二の次に考え、ひたすら農産物の質を掘り下げる職人タイプ。もうひとつが、産物の質だけでなく販売ルートや加工品なども含めて戦略を練る経営者タイプ。もちろん、どちらのタイプも地域振興や農業の未来を考える上で、必要な存在です。
そして今回お会いした『鬼丸農園』の奈良慎太郎氏は、後者のタイプでした。

『ひろ…

続きを読む

アレックス・カーが耳打ちする「本当は教えたくない」祖谷の旅ツアー開催![徳島県三好市]

東洋文化研究家、作家として活躍するアレックス・カー氏が、徳島・祖谷の地に魅せられ、住居を構えたのは40年以上前のこと。深緑の山あいに佇む別世界は桃源郷さながら、悠久の時を閉じ込めたかのようにひっそりと人々が暮らすこの地は「千年のかくれんぼ」とも称され、古き良き原風景は訪れる人に感動を与え続けています。

2020年9月、アレックス氏自らがナビゲーターとなり、知られざる祖谷の風景や魅力をご紹介する「…

続きを読む

創業350年の伝統を誇る津軽打刃物を、次の世代へ伝え、世界に広げていく。[TSUGARU Le Bon Marché・二唐刃物鍛造所/青森県弘前市]

「鬼に金棒」といったら、怖いもの無しの強さを表す言葉ですが、鬼と金棒は、思った以上に深く結びついている、と津軽の地に来て知ることになりました。

名峰・岩木山の麓には、製鉄遺跡が多数発掘された一大地帯があります。大半は平安時代からのものといわれていますが、同時代の日本の他の地域とは異なる、独自の形式を有する遺跡もあり、もっと古くから製鉄が行われていたのではないかと考えられています。

この地域に多…

続きを読む

台湾の美食家たちを魅了した、全く新しいコンセプトの輪島塗と名店の料理のコラボレーション。[DESIGNING OUT Vol.2×祥雲龍吟/台湾台北市]

日本の伝統工芸や産業に現代のクリエイションを加え、新たな価値を創出するプロジェクト『DESIGNING OUT』。世界的建築家・隈研吾氏をプロデューサーに迎え、「輪島塗」をテーマにした『DESIGNING OUT Vol.2』は、1年以上の準備、製作期間を経て過去前例の無い輪島塗の器を『DINING OUT WAJIMA with LEXUS』(2019年10月開催)にてお披露目しました。

それ…

続きを読む

美しい景観を100年先に繋げるために。弘前公園の桜を守る、桜守という仕事。[TSUGARU Le Bon Marché・桜守/青森県弘前市]

毎年ゴールデンウィーク頃に開かれる日本一の桜まつり・弘前さくらまつり。人口約17万人の弘前市に、まつりの期間だけで例年200万人以上の人が訪れると聞けば、その盛り上がりようが窺えます。

残念ながら2020年の弘前さくらまつりは中止となってしまいましたが、お濠の向こうに咲き誇る桜が市民の心の支えとなったことは想像に難くありません。そしてさらに想像してみれば、遠くに見える桜の陰に、その美しさを守り続…

続きを読む

人にも自然にも限りなく優しい気持ちが、知の探求と津軽の未来を繋ぐ原動力に。[TSUGARU Le Bon Marché・医果同源りんご機能研究所/青森県弘前市]

弘前市内から出発して、もう一時間近く経っていました。車はどんどん森の奥へと進んで行きます。木々の生い茂る鬱蒼とした狭い山道が続き、やがて舗装されていないガタガタ道に差し掛かった頃、ハンドルを握る城田創氏がポツリと語り始めました。「僕、熊に会ったことあるんですよ」。悪路で体を上下左右に不規則に揺らしながら彼は続けます。「子熊を2頭連れた母熊に遭遇しちゃいまして。最初は僕を見つけた子熊が、無邪気にパー…

続きを読む

人にも自然にも限りなく優しい気持ちが、知の探求と津軽の未来を繋ぐ原動力に。[TSUGARU Le Bon Marché・医果同源りんご機能研究所/青森県弘前市]

弘前市内から出発して、もう一時間近く経っていました。車はどんどん森の奥へと進んで行きます。木々の生い茂る鬱蒼とした狭い山道が続き、やがて舗装されていないガタガタ道に差し掛かった頃、ハンドルを握る城田創氏がポツリと語り始めました。「僕、熊に会ったことあるんですよ」。悪路で体を上下左右に不規則に揺らしながら彼は続けます。「子熊を2頭連れた母熊に遭遇しちゃいまして。最初は僕を見つけた子熊が、無邪気にパー…

続きを読む

第一弾のレシピ動画が公開! 続く第二弾は7月中旬に公開予定。

遠方への旅行や頻繁な外食から少し足が遠のいた昨今。家庭での食事の機会も増え、毎日の料理のレパートリーに悩む方も多いことでしょう。

そんな今、レクサスが、名だたるシェフたちの手によるレシピ動画を公開します。

なぜモビリティ・ブランドのレクサスが、レシピ動画なのか? それは、レクサスがプレミアム野外レストラン『DINING OUT』のパートナーとして、数々の地域で一流シェフや真摯な生産者と繋がって…

続きを読む

農業を知的産業に。革新を打ち出すりんご農園が描く、農業の未来。[TSUGARU Le Bon Marché・もりやま園/青森県弘前市]

明治時代初期、3本の樹からはじまった弘前のりんご作り。その発祥の地の石碑にもほど近い場所に、一軒のりんご農園があります。名は『もりやま園』。広さ9.7ヘクタール、りんご農家としての歴史は100年以上、そして前事務所の所在地はりんご栽培に由来する「弘前市樹木」。規模も歴史も、りんごの街・弘前を代表するような農園です。しかしこの農園が注目を集めるのは、出荷量の多さや伝統を脈々と引き継いでいるという事だ…

続きを読む

ガラスと革。ふたつの素材が交わる時、夫婦ユニットならではの個性が生まれる。[ko-ma/鳥取県東泊郡湯梨浜町]

カバンを中心にした革職人の朝倉綱大氏と、オブジェやモビール(動く彫刻)を創作するガラス作家の柳原麻衣さん。夫婦ふたりの名前の頭文字をとったユニット名だから「ko-ma(コーマ)」。それが今回、ご紹介するユニークなおふたりです。多摩美術大学時代の同級生だったというふたり。活動の拠点は、鳥取県の中央に位置する湯梨浜町です。もともとは東京都と神奈川県の出身のおふたりは、なぜ鳥取に身を置き、創作活動を行う…

続きを読む

一本のワインで救える人がいる、つながるお店がある。「ボトルキープ」が叶える、未来の約束。

新型コロナウイルスの猛威は、今なお止まりません。

東京だけでなく、日本だけでなく、世界中が窮状に陥っています。それに伴い、各界が悲鳴を上げていることは言うまでもありません。

現状、特に一般の利用者を顧客として商う業種が逼迫しています。その代表例が飲食店だと思います。緊急事態宣言や外出自粛要請によって人々は街から消え、活気あった夜の灯も闇に姿を変えてしまいました。

もちろん、この至上最大の難局…

続きを読む

作家・角田光代が体験する「食べるシャンパン。」の特別連載エッセイ![NEW PAIRING OF CHAMPAGNE]

ファミリーの名をブランドに冠する今日では数少ない家族経営のシャンパーニュ・メゾン「テタンジェ」。

創業は1734年、長きにわたりテタンジェ家が培ってきた伝統と品質は、フランス大統領の主催する公式レセプションにも用いられるほどです。
そんな「テタンジェ」は、もちろん単体で飲むだけでもそのクラスを感じることをできますが、料理と合わせることによって、更にその味の奥行きやポテンシャルを発揮します。

今…

続きを読む

森と山と水と海と。繋がり、循環し、織りなされる御蔵島の自然。[東京“真”宝島/東京都 御蔵島]

高画質(4K Ultra HD)の映像は、こちらからご覧ください。
監督・編集:中野裕之
撮影:佐藤 宏 音楽:木下伸司御蔵島は、しっとりと濡れていました。

地中で濾過された水はあちこちから溢れ出し、ときには滝となって流れ出しています。伊豆諸島の多くは水はけの良い火山灰性の土壌で水が非常に貴重だったことを思えば、御蔵島独特の美しさといえるでしょう。

山に目を移してみても、御蔵島の魅力が見つかり…

続きを読む

届け、米田 肇の声。届け、料理人の声。届け、日本の声。

「本当に素晴らしいレストランを造る」をテーマに掲げる大阪のレストラン「HAJIME」のシェフ、米田 肇氏。緻密に計算された高い技術、革新性、妥協なき探究心をもとに細部までこだわったコンセプチュアルな料理は、国内外を問わず、人々に感動を与えています。しかし、今回はスポットを当てるのは、シェフ・米田 肇ではなく、人間・米田 肇です。

周知の通り、現在、地球上に猛威を振るう新型コロナウイルスによって、…

続きを読む

全ての価値は一度リセットされる。だけど、僕たちには料理しかない。[ASIA’S 50 BEST RESTAURANT]

ランクインしたレストランの数で、日本が国別最多数を記録した2020年の「アジアのベストレストラン50」。東京、大阪、福岡から12店がランクインし、世界中にアジアを代表するガストロノミー大国の実力を示した華々しい結果となりました。一方で、多くのシェフたちが「ランキング以上に、料理人の国を超えた連携が生まれるのがこのアワードの魅力」と、口を揃えます。世界中でレストラン業界が危機的な状況にさらされている…

続きを読む

全ての価値は一度リセットされる。だけど、僕たちには料理しかない。[ASIA’S 50 BEST RESTAURANT]

ランクインしたレストランの数で、日本が国別最多数を記録した2020年の「アジアのベストレストラン50」。東京、大阪、福岡から12店がランクインし、世界中にアジアを代表するガストロノミー大国の実力を示した華々しい結果となりました。一方で、多くのシェフたちが「ランキング以上に、料理人の国を超えた連携が生まれるのがこのアワードの魅力」と、口を揃えます。世界中でレストラン業界が危機的な状況にさらされている…

続きを読む

日本はふたつの特別賞を得るも、見えない敵と戦う難局のサヴァイヴ。 [ASIA’S 50 BEST RESTAURANT]

3月24日、オンラインストリームによるバーチャル・イベントとして、前例のない形での発表になった202年の「アジアのベストレストラン50」。レストラン業界がかつてない困難にさらされる状況下で、授賞したシェフたちの表情、コメントも祝祭ムード一色ではなかったのが印象に残りました。そんな中、ランキング結果以上に日本のシェフたちを沸かせたのがふたつの特別賞。大阪『ラ・シーム』髙田裕介シェフの「シェフズ・チョ…

続きを読む

神のエネルギーを導く花。利島が誇る日本一の宝・椿。[東京”真”宝島/東京都 利島]

高画質(4K Ultra HD)の映像は、こちらからご覧ください。
監督・撮影・編集:中野裕之
撮影:佐藤 宏 音楽:木下伸司「利島(としま)には、2回上陸しました」。
そう語るのは、映像作家の中野裕之監督です。そんな中野監督が利島でどうしても撮りたかったもの、それは椿。
古くから日本の椿は魔除けの花としても知られ、神のエネルギーを導く花として親しまれてきたといわれています。
「1回目は、緑が鮮や…

続きを読む

大見得を切るような造形美。その姿は、まるで島が歌舞いていた。[東京”真”宝島/東京都 三宅島]

高画質(4K Ultra HD)の映像は、こちらからご覧ください。
監督・撮影・編集:中野裕之
撮影:佐藤 宏 空撮:遠藤祐紀 音楽:木下伸司「とにかくこれまで回った島の中でも、一番“ジオ”を感じました」。
そう語るのは、映像作家の中野裕之監督です。
この「ジオ(=地球・土地)」をもう少し紐解くと、島の輪郭にそれを感じる風景が広がっていたと言います。
「例えば、赤場暁(あか…

続きを読む

80代にして未だ現役!右手で回し、左手で器を生む。[因久山焼/鳥取県八頭町]

ろくろに空いた小さな穴に棒を挿し、右手でぐるぐると勢いよく回し始めたかと思えば、ろくろに遠心力があるうちに左手のみで土を成形。あれよあれよと言う間に、みるみる器の形ができていきます。ですが、しばらくするとろくろの勢いは弱まり、また右手でぐるぐる。すぐさま左手一本で成形。その作業を数度繰り返すと、齢80を超えた陶芸家・芦澤良憲(あしざわよしのり)氏は、ようやく右手も使い仕上げ作業に入っていくのです。…

続きを読む