Yuji Ozawa

未来を創るAI・ロボット系スタートアップ5選 – マーケティングから物流まで

AIの進化が私たちの生活やビジネスに影響を与えており、ここ数年でのAIを活用した新たなサービスの出現には私自身驚きと興奮を感じています。 特に米国はサンフランシスコ・ベイエリアを中心にAIテクノロジーの発展においても中心地の一つ。 この数年でも多数のAI活用スタートアップが輩出されていて、こうしたAIスタートアップの新たなサービスは、私たちの社会や生活そのものを変革する力を持っています。 「これらのサービスがいかに私たちの日常を豊かにし、新たな価値を創出しているかを知って頂きたい!」 そのような想いで今回は特に『マーケティング・データ分析・自動運転』の分野での革新的なAIスタートアップ企業5社ご紹介します。 ①マーケティング Jasper – AIコピーライターでマーケティングを強化 Jasperは、米国テキサス州オースティンに拠点をおく2021年に設立され、AIコンテンツプラットフォームを提供。 Jasperが提供するAIコピーライターは、マーケティングコンテンツをAIによりテキスト生成するコピーライティングサービス。 企業のマーケティング担当者がJasperを使って、SEOに最適化されたブログ記事や広告文を自動生成し、SEOに最適化されたコンテンツを短時間で作成することができるようになります。 これにより、マーケティング担当者は効率よく広告効果を最大化するツールとして重宝されているのです。 ウェブサイト、Google広告、Facebook広告、ソーシャルメディアキャプション、Eメールなどのコンバージョンを重視させたい際のマーケティングコピーライティングに強い文章を作成することが出来きます。 ChatGPTとの大きな違いは、SEOに最適化された文章を生成する事ができることにあります。 ②データ分析 Scale AI – 高品質データでAIモデルの信頼性を向上 Scale AIは、2016年に設立され、サンフランシスコが拠点。AI技術の進化を支えるための高品質なデータ提供が専門。主なサービスは、行政、自動車等企業向けに、データラベリング、モデルの微調整、強化学習、AI評価を提供。 例えば、自動運転車の開発を行っている企業がScale AIのサービスを利用して、道路状況や歩行者の動きを正確に捉えたデータを収集し、AIモデルの精度を向上させています。 未来への一歩!Waymo無人タクシーがもたらす驚きの実乗車体験 Scale AIの提供する高品質なデータにより、自動運転技術の信頼性が高まり、安全性の向上が図られています。 また、AIモデルが必要とする大量かつ高品質なデータの生成と管理における課題を解決しています。 特に、データの偏りや不正確さを最小限に抑えることで、AIシステムの信頼性と効果を高めるサポートがされているのです。 Labelbox – AI開発の学習データ生成支援 Labelboxは、AIデータ管理・データラベリングプラットフォームを提供。2018年に設立されサンフランシスコが拠点。 AI研究者がLabelboxを使って大量の画像データに効率的に注釈を付け、短期間で高精度なAIモデルを生成するシーンでは、データ管理の複雑さが軽減され、迅速に高品質なAIモデルの開発が可能に。 例えば、医療分野では、研究者がLabelboxを使用して膨大な数の医療画像に注釈を付け、AIモデルを学習させています。これにより、疾病の早期発見や診断の精度向上に貢献しているのです。 AI開発では大量の学習データ生成が非常に重要である一方で学習に時間がかかる課題もあります。 生成AIを支えるテクノロジー【生成AI Vol. 3】 Labelboxのサービスは、画像、動画、テキストなどのデータに対する効率的な注釈付けを可能にし、AIモデルの精度を向上させることを目的としています。 本プラットフォームを使用することで、データ管理の複雑さが軽減され、迅速に高品質なAIモデルを開発することが可能になります。 ③自動運転 Kiwibot – 自律走行ロボットによる未来型デリバリー Kiwibotは、バークレイを拠点に2017年に設立され、最先端のロボット技術を利用した自律走行ロボットデリバリーサービスを提供。 Kiwibotのロボットは、最新のセンサー技術とAIを駆使して、自律的にルートを選び、障害物を回避し、安全に目的地まで商品を輸送。 利用シーンとしては、大学キャンパス内でKiwibotのロボットがキャンパス内を走り回り、学生や教職員の食事や飲み物を配達しています。 注文から配達までの過程をスマートフォンでリアルタイムに追跡でき、ロボットのフロントディスプレイには可愛い表情が表示されるため、学生たちに親しみを持たれています。 配送ロボットはコンパクトで軽量なデザインが特徴的です。歩道やキャンパス内での利用を想定しており、最新のセンサーとAI技術を搭載して障害物を回避。飲食物の配達に特化しており、大学キャンパスや都市部のレストランからの注文に対応しています。 配達の過程はリアルタイムで追跡可能で、利用者はスマートフォンアプリを通じて配達状況を確認できます。配送ロボットのフロントディスプレイに表情を表現できるようになっており、小型サイズも相まって、配送サービスにかわいく親近感を持つことができます。 Nuro – 人を運ばない、自動運転配送車でラストワンマイル配送 Nuroは、2016年にマウンテンビューで設立されたAIロボティクス企業。利用シーンとしては、Nuroは自動運転配送車により地元のスーパーから顧客の自宅まで食品を配送。 これにより、顧客は買い物に行く手間を省けるだけでなく、店舗側も配達効率を大幅に向上させることができます。 人の移動ではなく貨物配送用に特化した自動運転配送車を開発し、最終マイル配送の効率化を目指しています。 一般車両サイズの自動運転車を使用して大型商品の配送に最適です。 現在、カルフォルニアとテキサスの公道でこの完全自動運転車を走らせています。 また、同社の無人自動運転車両”Nuro Driver”は、UberやFedexといったグローバル企業の配送の無人自動運転車両としても活用されています。 まとめ 本記事では、米国でAIを活用して先進的なサービスを提供しているスタートアップを紹介しました。 今回の記事の中で紹介したサービスは、技術的な革新性だけでなく、その技術をどのように実際のサービスや製品に応用しているかが非常に興味深いと感じています。 例えば、Nuroの自動運転配送車が地元のスーパーから顧客の自宅まで食品を届ける姿を見て、技術が私たちの生活をどれほど楽にし、便利にしているかを強く実感します。 弊社では上記のような新規事業開発支援、プロダクト立ち上げのためのグローバル・ユーザー視点での市場リサーチからマーケティング・ブランディング戦略立案、サービス・プロダクトのUI/UXデザインなどをサポートしております。 ぜひ弊社のサービスや過去のプロジェクト事例をご覧ください。

XRPLの開発グラント取得 いま注目のWeb3サービス紹介

近年急速なNFTやDeFi領域の成長によりWeb3が注目されています。Web3は、ブロックチェーンを使用し、分散化されたデジタル資産の管理運用を目指しています。 Web3の台頭以前、Web2は、GAFAMなどの大手IT系企業がインターネット上のデータを独占する、いわば中央集権型でした。それゆえ、サイバー攻撃などのセキュリティリスクとプライバシーの侵害が大きな懸念でした。 それに対してWeb3は、(公に公開されるデータとは別に)データが個人に属し、個人に最終決定権があることが大きな強みです。 Web3はブロックチェーンを使用しているため暗号資産とも深く関係しています。そして暗号資産の中でも、送金処理がビットコインやイーサリアムなどの他の暗号資産と比較して非常に高速”XRP”が注目されています。 【Web3をより身近に】XRP LedgerでNFTアートを作ってみた XRP Legderとは XRP Ledger(以下、XRPL)はオープンソースの分散型台帳です。資産の高速かつ安全な取引を実現するために設計されています。 XRPLはXRP以外の通貨、米ドル・ユーロ・石油・金・リワードポイントなどの任意の資産をトークン化できるように構築されており、どんな通貨でもXRPL上で発行することができます。 XRPLの特徴は、世界中の様々な金融機関や決済サービスプロバイダーによって、国境を越えた決済や送金のために利用されていることです。 XRPLの大きな特徴は以下の2点です。 1: 消費エネルギーが少ない ビットコインが採用しているPOW[1]のように、エネルギーを消費しにくいコンセンサス・メカニズム[2]でトランザクションを承認する形式をとっている点 [1]POW:Proof of Workの略語。ネットワーク上のコンピューターが、膨大な計算力を使って、特定の問題を解決する。POWには高い計算能力が必要になり、エネルギー消費が大きいことが課題とされている。 [2]コンセンサス・メカニズム:一定の信頼性のあるノード(ブロックチェーンのデータを管理するコンピュータ)がネットワーク上のトランザクションを承認するために協力すること。トランザクションはネット上の多数決の結果に基づいて承認される。 2: 環境に優しくサステナブル カーボン・オフセットを活用したカーボンニュートラルなブロックチェーンで、サステナブルである点 XRPLの詳細は以下のリンク先ページをご覧ください。 https://xrpl.org/ja/ XRPLの活用サービス支援プログラム “XRPL Grants”とは XRPL Grantsは、XRPL上で動く新しいソフトウェアプロジェクトの開発を資金面も含めて支援することで、XRPL開発者コミュニティの育成を目指すプログラムです。2021年5月に設立されました。 XRPL Grantsでは、XRPL上に構築されXRPLコミュニティに利益をもたらす様々なタイプのプロジェクトのエントリーができます。 エントリー可能なプロジェクトの種類は、インフラ・セキュリティ・NFT・サイドチェーン・ソーシャルインパクト・持続可能性・ユーザビリティ・開発者ツールなど幅広いです。 XRPL Grantsにエントリーするには アイディアだけのプロジェクトではエントリーできず、短期間のハッカソンで作成するような最低限のレベルで動くプロトタイプ(コード)を提出する必要があります。 そして、応募にはプロジェクトのGithubリポジトリ(作成したファイルやディレクトリ等の開発状態を保存・記録しておく場所のこと)も必要です。 そのため、チームメンバーのエンジニアには、XRPLへの理解及びコーディングレベルが中級から上級レベルの知識を保有している方が望ましいといえます。 受賞で得られるメリット 審査によりXRPLコミュニティに貢献が期待されるとみなされたオープンソースプロジェクトには、応募時の申請額に応じて$10,000から$200,000の資金が提供されます。 今回は北米発、資金提供額が高いGrant獲得プロジェクトを7つまとめてご紹介します。 XRPL Grants受賞サービス紹介 1: Carbonland Trust 提供資金: $200,000 国: アメリカ プロジェクトタイプ: DAO, NFT, Sustainability 地球の自然を守り、カーボンニュートラルを目指す Carbonland Trustは、ESG[3]デジタル資産(資産として価値のあるESGのデジタルデータ。具体的には、炭素会計の取引データを指す)とWeb3 ReFi[4]プラットフォームです。 2050年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロにすることを目指す、ネットゼロを宣言した企業が、オフセット(企業の経済活動におけるCO2の排出削減への取り組みを、違った形で埋め合わせしようという考え方)のために購入するクレジットを提供します。 Carbonland Trustの炭素クレジット[5]はトークン化され、デジタル台帳技術によって取引が記録されるため、本サービス利用者は炭素会計の取り組みを簡単に開示できます。ブロックチェーン技術の透明性や信頼性を活かし、地球温暖化防止のための新しい支援モデルを提供しています。 なお、Carbonland TrustをはじめとしたさまざまなCarbon credit NFTは、基本的に「ボランタリーカーボンクレジット市場」(国連・政府ではなく、企業やNGOなどの民間が主導するカーボン・クレジットのこと)を対象としています。 [3]ESG: Environment: 環境、Social: 社会、Governance:統治の頭文字を取った言葉。 企業の持続的成長において重要な要素、投資家が投資先を選定する際に重視すべき要素のこと。 [4]ReFi : Regenerative Financeの略語。 ブロックチェーンの仕組みを利用し、世界の環境問題や社会問題の解決を目指すアプローチのこと。 [5]炭素クレジット:排出権として取引可能な証明書。温室効果ガス排出量を削減するプロジェクトによって発行される。 2: Ledger City 提供資金: $200,000 国: アメリカ プロジェクトタイプ: Gaming, DAO, NFT Sustainability XRPL3D空間内で可視化。まちづくりを通してXRPLをより身近に Ledger Cityは、XRPLを3D空間で可視化したゲームです。XRPLを3D都市の建物として表現し、ゲーム内の仮想空間では、暗号通貨の保有残高に応じた大きさの建物を所有できます。 NFTを開発元のDev Null Productionsから購入することで、仮想空間内の建物に銅像、ガーゴイル、旗竿、ビルボード、噴水、電波塔などを配置して、建物の外観を自由にカスタマイズできます。 このゲームのユーザーは、イノベーター理論の5つのタイプでいうところの、クリプトに対して初期から非常に興味を持っているイノベーター層だと推測できます。 XRPLが建物の大きさという指標で表現されることで、プレイヤーは遊び感覚で自分が建物や街を作っている手触り感が味わえるだけでなく、ビジュアルで可視化しづらいデータが街の大きさという分かりやすい指標で示されることにこのゲームの魅力があると筆者は考えています。 3: Chimoney 提供資金: $150,000 国: カナダ プロジェクトタイプ: E-Commerce/Finance, Infrastructure/Security XRP支払いで、現実世界で使えるギフトカード、通話、モバイルマネー等が購入可能 Chimoneyは、ユーザーが保有するXRP及びXRPL発行トークンでギフトカード、通話、モバイルマネーを購入できるアプリケーションです。 APIも提供しており、サードパーティのアプリケーション、ウェブサイト、ウォレットは、ユーザーが既に使用しているサービスに対してトークンを即座に使用できるようになります。 Chimoneyを利用することで、XRPとXRPLトークンの需要の増加、XRPが利用できることによるグローバルな商取引、現実世界での実際の商品の取引が増えることが期待されます。 4: […]

福岡市主催グローバルスタートアップ育成事業出身、世界を変えるスタートアップ企業紹介Part2

『Global Challenge! STARTUP TEAM FUKUOKA』とは 弊社が2016年から毎年支援している福岡市主催グローバルスタートアップ育成事業『Global Challenge! STARTUP TEAM FUKUOKA』は、福岡市内の起業家やその候補者などを対象とした研修プログラムだ。 参加者の成長や海外におけるビジネスの実現、海外エコシステムとのネットワーク形成を図ることを目的として国内及び訪米研修を行っている。 グローバルチャレンジ発STARTUPサービス紹介 このプログラムからは過去累計1,000名近くが福岡市内外から参加している。参加が創業や成長のきっかけとなった方も多い。Part1記事に引き続き、プログラム卒業生が立ち上げたスタートアップを紹介する。 Part1 記事は以下をご参照いただきたい。 福岡市主催グローバルスタートアップ育成事業出身、世界を変えるスタートアップ10選 Part1 1. Qurate Qurateは、2016年度に参加したTim Brooke氏が立ち上げた、デジタルマーケティングを支えるプラットフォームを提供するスタートアップだ。 多くの企業が抱えるデジタルコンテンツ管理の課題解決をはじめ、次世代のマーケティングプラットフォームの開発に取り組んでいる。 デジタルマーケティングに必要なサービスはバラバラに存在していることが多いが、Qurateでは、オウンドメディアの作成管理、SNSの管理、ソーシャルリスニングの監視、コンテンツマーケティングの運用といったすべてを単一のプラットフォームで一元管理ができることが特徴だ。 2. SmartInn SmartInnは、2020年度に参加した松木 駿氏が立ち上げた、「おもてなし」をデジタル体験に変革してサービス提供するスタートアップ。 さまざまな企業や業界が抱える課題を、「おもてなし」という部分にフォーカスして社会に変革を起こすサービスを提供している。 SmartInnは、宿泊台帳の取得からチェックイン時の施設案内を電子化するフロントレスチェックインを提供し、宿泊施設のペーパーレス運営とデータドリブン経営をサポートするサービスだ。 SmartInnは、導入時に従来のような、専用チェックインマシンやタブレット端末の設置を必要としない。 そのため、フロントを設置できない小規模宿泊施設、グランピングやキャンプ場などの屋外施設でのチェックインのデジタル化を可能にしている。 3. SMILE SCORE SMILE SCOREは、2017年度に参加した樋口 健介氏が立ち上げた、チームメンバーの毎日の気持ちを把握する感情コミュニケーションツールを提供するスタートアップだ。 従業員の気持ちを見える化する感情コミュニケーションツールを提供するスタートアップだ。 SMILE SCOREは、従業員が5種類のスマイルでその日の感情を表現し見える化することで社内での相談を促し、組織の信頼関係を高める。 従業員は1日1回スマイルを選択・投稿することで、リアルな気持ちを経営者に伝えることができる。 そうすることで、従業員やチーム内に潜むリスクを早期発見・ケアして、離職防止や企業の健康経営につなげることを可能にしている。 4. トルビズオン トルビズオンは、2018年度に参加した増本 衛氏が立ち上げた、『真の意味での空の自由化を目指す』というミッションのもとに設立されたスタートアップだ。 トルビズオンが提供するsora:shareは、2018年10⽉より開始したドローン事業者がドローンを安全に空を⾶⾏させるためのサービスだ。 sora:shareにより、ドローンが⾶ぶ地点を3次元のドメイン(住所)で管理し、「地権者合意」をつなぎ合わせることで、ドローン配送⽤の空の道をつくるプロジェクト「Sky:Road」。 また、⼟地所有者とドローンユーザーをつなぎ、ドローン空撮・練習をするための空域をシェアする「Sky:Market」を提供している。 ドローンユーザーは、今まで飛ばせなかった空域にもドローンを飛ばせるようになり、土地保有者は、その土地をドローンユーザーに貸し出し、新たな資産運用の可能性を得られるというメリットがある。 5. セレンディクス セレンディクスは、2020年度に参加した飯田 国大氏が2018年8月に創業した、3Dプリンター住宅「Sphere」の事業展開を手掛けるスタートアップだ。 Sphereは、3Dプリンターを用いて工期を短縮し、低価格帯で住宅を提供することを目指している。 Sphereの住宅開発における最大の特徴は、日本初の3Dプリンター技術を用いて球体構造の住宅を24時間以内に建築できるという点だ。 球体構造の住宅は、物理的に強度が高いだけでなく、表面積が少なく建築資材の無駄を最小限に抑えられるため、30坪300万円の価格帯での実現を目指している。2022年度に一般販売を計画している。 6. Tooon Tooonは、2017年度に参加した杉山 裕磨氏が立ち上げた、クリエイターの仕事依頼の効率化と安全な取引を実現する、自身の仕事用Webページ解説サービス個人ビジネスページ開設サービス「Tooon」を提供している。 新型コロナウイルス感染症の拡大以降、副(複)業・専業にかかわらず個人でビジネスを行う人材の数が急速に拡大する一方で、事業主と依頼主の間による未払いや支払い遅延、権利処理などのトラブル数が頻発している。 「Tooon(トゥーン)」は、個人間の取引安全性を高めるエスクロー決済(安心して決済取引するため、売り手と買い手の間に第三者を介在させることで取引の信頼性を担保する決済のこと)機能付きのビジネスページを提供し、オンラインで取引を行う個人事業主の安全な取引環境の実現を目指している。 7. xCura xCuraは、2020年度に参加した新嶋 祐一朗氏が立ち上げた、『テクノロジーによる、痛み・不安の軽減』という理念をもとに2021年に設立したスタートアップだ。 xCuraが提供する”XR Therapy”は、痛みや不安を我慢している患者にVRを装着しながら治療することにより、治療時の痛み・不安を軽減させる新しい医療体験を提供している。 診療時に患者にはVR映像により意識を映像に集中させ、 また、VR映像で呼吸の長さ・タイミングをガイドし、心理療法の技法をVR化するなどして、快適な治療体験を実現する工夫がなされている。 8. ヨクト ヨクトは、2018年度に参加した河野 敬文氏が立ち上げた、重圧センサーやAI解析などの最先端のテクノロジーを融合した新しいヨガ体験を提供するスタートアップだ。 ヨクトが開発しているyoctoMatは、重圧センサーやAI解析などの最先端のテクノロジーを融合したヨガマットだ。 yoctoMatの上でヨガを行うことで、自分の重心が可視化されて体のクセを理解しやすくなり、自分自身でポージングの改善に活用できる。 ヨクト代表の河野敬文氏自身、ヨガインストラクターでもあり、ヨガインストラクターとプログラマーとしての自身の経験を生かしてyoctoMatを開発している。 まとめ Part2記事では、『Global Challenge! STARTUP TEAM FUKUOKA』発のスタートアップを計8社ご紹介した。 今回紹介したスタートアップは、実世界での生活面での課題解決をテーマに扱い、生活の中で実際に活用する特徴を持ったスタートアップが中心であった。 近い将来には、今回ご紹介したサービスがさらに広く社会に溶け込み、広く利用されている事を期待したい。 本プログラムに興味を持った方は、プログラムの詳細をご覧いただける公式WebサイトやFacebookページをご参照ください。 公式Facebookページ: https://www.facebook.com/fukuokastartup/ 公式Webサイト: https://www.fukuokastartup.com/

福岡市主催グローバルスタートアップ育成事業出身、世界を変えるスタートアップ10選 Part1

『Global Challenge! STARTUP TEAM FUKUOKA』とは 弊社が2016年から毎年支援している福岡市主催グローバルスタートアップ育成事業『Global Challenge! STARTUP TEAM FUKUOKA』は、福岡市内の起業家やその候補者などを対象とした研修プログラムだ。 参加者の成長や海外におけるビジネスの実現、海外エコシステムとのネットワーク形成を図ることを目的として、国内及びアメリカ サンフランシスコ/シリコンバレーエリアでの研修を行っている。 スタートアップの聖地福岡市に学ぶ、本物の起業家になるための5つのマインドセット グローバルチャレンジ発スタートアップサービス紹介 本プログラムからは過去累計1,000名近くが福岡市内外から参加している。このプログラムへの参加が創業や成長のきっかけとなった方も多い。 今回は本プログラムの卒業生が立ち上げたスタートアップを10社紹介する。資金調達を行い事業を拡大させているスタートアップも多数ある。 今後福岡から世界を変えうる可能性を持ったスタートアップを見ていこう。 福岡スタートアッププログラムに学ぶ起業家に必要な4つの基本事項 Closer collEco workeasy キャンプ女子 dopang Holistia & Co. KAICO empowertec society Medmain Nyans 1. Closer Closerは、2020年度の参加者 樋口翔太氏が立ち上げた、スマートファクトリー化をAIロボティクス技術で支援するスタートアップだ。 Closerは、食品生産ラインにおける人的なリソースの削減に最適化された、小型・簡単操作・高拡張で導入・運用がしやすいロボットシステムを提供している。 小型で移動式のロボットシステムにより、少ないスペースで導入が可能。さらに、洗練されたユーザーインターフェースにより、難しい知識や訓練を必要とせず運用することができるシステムだ。 また、様々なロボットアームに対応したロボットコントローラーにより、多様な食品の事例に対応することが可能だ。 2.collEco collEcoは、2019年度の参加者 濱崎皓王氏が立ち上げたファッションレンタルサービスを提供するスタートアップだ。 国内外の人気ブランドの洋服を誰でも気軽にレンタルすることができる。 collEcoのサービスでは、今季の新作や定番アイテムを、数日間のお試しから月額制の長期利用まで、必要な期間だけレンタルすることができる。 レンタルした服が気に入ればそのまま購入も可能だ。 ユーザーにとってまずはアイテムを試せることで購買への障壁を低くしているだけでなく、ブランド側にとっては、レンタルという形でユーザーに気軽に洋服を試してもらうきっかけを作り、アイテムの価値を肌で感じてもらうことで、ブランドの新規ファン獲得も期待できるサービスだ。 3.workeasy workeasyは、2016年度の参加者 佐治浩一郎氏が立ち上げた、コミュニティサービスを提供するスタートアップだ。 workeasyの提供サービスであるcoromは、誰でも簡単にオンラインの部屋が無料でつくれる会話コミュニティアプリ。目的はないが誰かと話したい、仲間と気楽に集まりたい、そんな時にcoromで部屋を作って仲間と会話することができる。 同じ部屋に入るだけで通話が始まり、ユーザー同士のアイコンの距離が近づくと声が聞こえ、離れると声が聞こえない、というように音量が変わる。同じ部屋に居ながら同時に複数人との会話ができる。 アプリでありながらも、実際に同じ場所にいて会話をする時のような物理的な距離感が得られるのが特徴だ。 そのため、こっちで話して、あっちに話しかけに行く。というように、「そこに居る」ようなリアルな体験ができるサービスだ。 4.キャンプ女子 キャンプ女子は、2018年度に参加した橋本華恋氏と柴垣道宏氏が立ち上げた、キャンプコミュニティ「キャンジョ」を運営するスタートアップだ。 「キャンプ女子」と掲げつつも、女性に限らずキャンプを始めたい全ての方を対象に、キャンプの魅力を伝える活動の企画運営を行っている。 2018年より「キャンプ女子」 としてInstagramの運営をスタート。現在はフォロワー数7万人に上る。 国内最大の女子キャンプコミュニティ運営を筆頭に、キャンプ場運営はもちろんのこと、店舗プロデュースやイベント・セミナーを全国で開催している。 共同代表の二人は、キャンプの歌を歌うキャンジョバンドとしてアーティストとしても活動中だ。 キャンプを通して人々の生活を楽しく彩る活動を提供している。 5.dopang dopangは、2020年に福岡市へスタートアップビザを取得した最初のインドネシア人として移住し、同じく2020年度に本プログラムに参加したTania Mirella氏が、インドネシアと日本を結びつけることを目的に立ち上げたソーシャルスタートアップだ。 dopangの提供サービスであるDENTAYORIは、グローバルなデンタルコミュニティのための、総合的な学習・キャリアプラン構築プラットフォーム。 現在、インドネシアと日本では、それぞれ異なる理由で歯科技工士の不足に直面している。 インドネシアでは歯科技工士になるための学校や教材が不足しており、日本では歯科技工の分野で勉強したり働いたりすることに興味を持つ若者が不足している、という課題だ。 これらの課題を、若手デンタルコミュニティー向けのブレンド型学習と求人プラットフォームが、インドネシアと日本を繋ぐような役割を果たすことで解決しようとしている。 6. Holistia & Co. HOLISTIA Labは、ナチュラル&オーガニックのライフスタイルブランドとして2020年3月にローンチされたブランドだ。 『身体が健康で心も幸福感に満ち、自分のいる場所で輝く』をコンセプトに、感情に訴える香りのフレグランスを主なプロダクトとして提供するブランドだ。 がんを2度経験したオーナーのブーレンゆかり氏(2017年度参加)が、20年間海外でクリニカルアロマセラピー(臨床アロマセラピー)を学び、オリジナルフレグランスの製作と開発に携わっている。 今の自分の心の状態をどこに持っていきたいかに応じて香りを選択することで、心と身体のバランスを整えるフレグランスを提供している。 7.KAICO KAICOは、2019年度参加の大和健太氏が代表を務めるバイオテックスタートアップだ。 同社は、九州大学のオリジナルカイコを利用してカイコの難発現性タンパク質を生産し、創薬に活かす事業を展開している。「学術的な価値を社会の価値へ 農業から工業・商業化へ」をミッションに掲げている。 KAICOでは、カイコからできるタンパク質を低コストかつ大量生産できるプラットフォームを構築。医薬品メーカーや研究者と新しい医薬品の開発を目指している。 開発事例の一つとして、新型コロナウイルス抗体測定サービスを販売している。 このサービスでは、ワクチンを接種後に、コロナウイルスの免疫がまだ保持出来ているかを検査できる。 検査結果は抗体レベルの数値で示されるようになっており、1週間後にスマホ/PCから確認することが可能だ。 8. empowertec society empowertec societyは、2019年度に参加した廣重元子氏が立ち上げた、”We empower women and their family! Empower society!”をミッションに掲げる、女性のメンタルヘルスを解決するスタートアップだ。 働く女性の心身の健康を未然にケアするサービスであるMarberaは、女性のライフイベント(妊活、不妊治療、妊娠、子育て等)や人間関係、パートナー・家族問題によって心身に不調を感じる女性の課題に対して解決策を提供する。 デイリーログによる心身の状態の可視化、専門家への1on1オンライン相談、日常生活での健康行動を促進する情報配信等により、女性が上手に自身の心と身体の健康を守るためのコントロールができるようになるためのセルフケアプログラムを提供している。 9. Medmain Medmainは、2017年度に参加した飯塚 修氏が立ち上げたヘルステックスタートアップだ。 「テクノロジーでいつどこでも必要な医療が受けられる世界を」をミッションに掲げるMedmainが開発したPidPortは、AI技術を用いたがん細胞検出ソフトウェアである。 ディープラーニング(AIの技術の一つ)による独自の技法により、画像化された細胞や組織を短時間でAIが解析し、超高精度かつスピーディーに病変を判断する。 わずか1分という驚異的なスピードで、がんを検出することができる。 10. Nyans Nyansは、2016年度に参加した谷口紗喜子氏が立ち上げた、「全ての猫が生まれてきて良かったと思える世界」の実現に向けたサービス展開をしているスタートアップだ。 同社が提供するニャッチングというソーシャルブリーフィングサービスは、近所のみならず全国に、信頼できる「猫仲間」を作れる飼い主専用Webサービス。 例えば、急な出張や入院時などに、自分の猫を預けたり、逆に近所にいる猫仲間の猫を預かったりすることで、猫に寂しい思いをさせないで済む。 このように、困った時に頼れるネットワークを構築し、「街中の猫をみんなで見守る」ことが当たり前の社会になることを目指し、サービスを提供している。 […]

地方創生 × グローバル起業家育成 Japan Rising City Acceleratorとは?

btraxではこれまでに福岡県福岡市、石川県加賀市といった様々な自治体に向けてグローバル起業家育成を目的としたプログラムの企画運営・支援を行ってきました。 一つは、日本を代表するスタートアップ支援の先進都市である「福岡市」(人口約1,550,000人)と、もう一つは、「消滅可能性都市」に指定されたことをきっかけに高齢化や人口減少に歯止めをかけるべく、DXを活用した「スマートシティ加賀」を実現させようと尽力している「石川県加賀市」(人口約62,000人)です。 両都市では、スタートアップ起業家支援における自治体側の課題も異なっており、大変興味深く感じました。 福岡市、加賀市へプログラム支援を通して得た気づき 各自治体の持っている共通の課題感 自治体の規模は違えど両自治体の課題感としては共通しており、起業に関心がある人々が集うことで新しいアイデアが生まれ地元から会社が起きていくことです。 そして、時代の変化に対応したイノベーティブなスタートアップ企業が創業されること、そして、起業により雇用が生まれることを期待しています。 そのために、各自治体では様々な分野でチャレンジしようとしている起業家・起業家候補を地元内外から発掘し、多くの雇用を創出して若者など様々な人材の地元での就労機会を増やしていきたいと考えているのが現状です。 プログラム参加者(起業家/起業家候補)が求めていること 一方で、プログラム参加者が求めていることは、最初からグローバル視点を持ったスタートアップの起業について体系的に学べビジネスアイデアを具現化できるきっかけです。小規模自治体でも地元もしくは移住して事業を立ち上げようとする方は一定数いることがわかりました。 Japan Rising City Acceleratorについて btraxは、上記のような課題やニーズを受け、「Japan Rising City Accelerator」というプログラムの提供を開始しました。本プログラムは、地方自治体や地方の創業支援団体を対象としています。 グローバル起業家育成を通じて、地方から世界に挑戦する人材やスタートアップ企業の輩出を目指し、地域の活性化に繋げることが目的です。 Japan Rising City Acceleratorにおける3つの軸 Japan Rising City Acceleratorには3つの軸があります。 知識:スタートアップはグローバル展開に必要な知識を習得します。 実践:デザイン思考の体得やピッチを通じた実践的なスキルを習得します。 架け橋:サンフランシスコ/シリコンバレーとの関係構築を支援します。 また、オンラインで行う国内研修と、現地に赴くサンフランシスコ・シリコンバレー研修の2部構成となっています。 国内研修プログラムでは、海外等への事業展開を目指す自治体の方を 対象に、最低限必要となるグローバルビジネスへの知識、 シリコンバレー流のデザイン思考から発想するスタートアップビジネスアイデア、スタートアップマインドセットを形成します。 主なポイントは以下の4つです。 スタートアップに関する基礎知識 グローバルコミュニケーションのコツ 投資家たちの視点 デザイン思考を用いた生活者視点からのアイディア発想 初心者でもわかるスタートアップの基本 一方、サンフランシスコ・シリコンバレー研修プログラムは、グローバルな視点や考え方を養い、 現地でのフィールドワークやワークショップを通じ、新しい気づきを習得するプログラムです。 主なポイントは以下の4つです。 フィールドワークを通じたグローバルなビジネス環境の理解 スタートアップ訪問や現地でのネットワークの構築 現地のデモイベントやピッチコンテストへの参加 フィードバックをもとにしたサービスモデルの改善 実施することによる自治体へのメリット 昨今、地方自治体が起業家支援事業を実施することは、珍しいことではなくなりつつありますが、中小規模の自治体では、興味はあるが実施できていないという自治体もあるのではないでしょうか。 本プログラムを地方自治体が実施した際のメリットとしては以下の3つが挙げられます。 地方からグローバルに活躍できる起業家人材の育成 シリコンバレーとのコネクション確立 ビジネス創業の地としての対外的なPR効果 1. 地方からグローバルに活躍できる起業家人材の育成 スタートアップにおいて、同じプロダクトを作る場合でも対象が国内市場だけか、グローバル化でその後の展開の可能性が大きく異なります。 その一例として、スタートアップの中でも特にユニコーン企業に共通している点としては、最初からグローバル市場を念頭においてビジネスを展開しています。 プログラム参加者は、グローバルを視野に入れたスタートアップでビジネス展開するためのマインドセット変革、基本的な知識を得ることができるようになります。 どんなに頑張ってもお前がカバーできるのは世界の2% 2. シリコンバレーとのコネクション確立 サンフランシスコ・シリコンバレーエリアは、言わずと知れたスタートアップの聖地です。コロナ禍を経てもその事実は変わることなく、今でも水面化で着々とスタートアップが育っています。 サンフランシスコ・シリコンバレーでは、起業家以外にもVC、エンジニア・デザイナーなど優秀な人材が多数生活しています。そして、オープンマインドな文化を持つサンフランシスコでは人とコラボレーションしやすい環境が整っています。 弊社btraxを起点として、自治体及びプログラム参加者は、ベイエリアへのネットワークへコネクションが確立できることで、グローバル展開に向けたハブを得ることができます。 btraxは、2004年にサンフランシスコで創業以来、現地でのネットワーク・コネクションを数多く持っています。また、スタッフが実際に生活していることで、現地の最新トレンドをキャッチアップして還元することが可能です。 3. ビジネス創業の地としての対外的なPR効果 昨今は、関連人口という言葉が話題になっていますが、まさに関係人口を増やしていくこともこのプログラムの目標であり、期待できる効果です。地元で実際にスタートアップを起こす人が増えていくことで、メディア露出や人材交流が促進されます。 そして、その都市がスタートアップ支援に力を入れているという対外的な認知度が高まることで、スタートアップ支援に積極的な都市だという広報PR効果が期待できると考えています。 まとめ これまで培ってきたプログラム運営経験からJapan Rising City Acceleratorは誕生しました。 地方創生事業の一環として、何かアクションを起こす必要性を感じている一方で、予算や実施するための運営力が不足している。このような課題感を感じてる地方自治体のサポートをしていきたいと考えています。 btraxでは3月8日に、Japan Rising City Acceleratorのリリースに際して、日本におけるスタートアップ先進都市である福岡市からゲストをお招きし、イベントを実施します! 詳細は以下をご覧ください。

不動産業界におけるAR/VR活用:メリットと6つのサービス事例

拡張現実(AR)や仮想現実(VR)と聞いて、まず何を思い浮かべますか?ゲーム、エンターテインメントなどでの利用用途を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。 現在はゲームやエンターテインメントの領域を超え、様々な産業分野での活用されはじめており、その新たな体験は利用者にとって大きなメリットをもたらし、ビジネスのあり方を変えつつあります。 その魅力的な利用例のひとつとして不動産業界があります。AR/VR技術を活用したサービスにより、不動産業界での生活者の体験には、大きな変革が起こる可能性が期待されています。 この記事では、AR/VRの活用が不動産業界にもたらすメリットと、実際にAR/VRを用いたサービスを提供する企業をご紹介します。 不動産業界におけるAR / VR 活用のメリット 自分のVRヘッドセットを持っている人はまだ多くはありません。しかし、今後、VRヘッドセットが普及していけば、生活者は不動産会社へ行かずに、自宅にいながら、掲載されている物件を好きな時間に内覧できるようになるでしょう。不動産業界におけるAR/VR活用には、様々なメリットが期待されます。VRヘッドセットの例でそのメリットを3つ考えてみましょう。 1. 時間の節約 これが最大の利点のひとつです。VRサービスは、不動産業者と生活者の双方の時間を節約します。VRを利用することで、複数の物件を内覧したい時に実際に移動したり、内覧したい物件の予約時間に別の内覧者の予約が既に入っていたとしても、待つことなく閲覧することができます。 また、VRヘッドセットを装着するだけで、没入感のある内覧ツアーに参加することもできます。 2. 物件を細部まで見学可能 時間が限られている従来の訪問型の内覧とは異なり、VR内覧ツアーでは、都合の良い時間に時間制限なくツアーに参加することができるため、細部を細かく閲覧することができます。 そのため、実際にその物件での生活を具体的にイメージすることができるため、住み始めた後にイメージと違ったということが発生しにくなり物件選びの満足度が高くなります。 3. グローバルなリーチの提供 AR/VRを活用することで、家の購入や賃貸を検討している生活者の住む場所を選ばず、彼らに物件を紹介することができます。 生活者は直接物件に足を運ばなくても具体的なイメージを持ち契約判断ができるようになるため、不動産会社にとってはより多くの物件内覧希望の問い合わせに対して効率よく対応することができるようになります。 アメリカのAR / VR 活用企業・サービス紹介 1. Halstead Property ニューヨークを拠点とする不動産会社であるHalsteadPropertyは、VRヘッドセットと3Dガイド付きディスプレイをオフィスに導入することで、VRと不動産販売のコラボレーションを促進した最初の企業の1つです。 購入検討者はVRヘッドセットを使用して、家が実際に建てられる前であっても、VR空間内で精密に設計された建築後の物件が確認できます。VRヘッドセットにより家を離れることなく将来の家での体験を生活者に提供することで、効率が良い家探しができるようになりました。 2. Matterport Matterportはカリフォルニア州サニーベールを拠点とする、現実空間の3Dモデルを生成するためのハードウエアとソフトウエアを開発しているスタートアップです。3Dスキャン可能な専用カメラのみならずiPhoneからの撮影でも、ユーザーの現実空間の3D仮想空間を誰でも簡単に作成することができます。 Matterportのカメラで撮影することのメリットは、測定精度が高いため、実際の距離とほぼ誤差なく測定ができることです。この測定機能は、家具やインテリアの配置の確認などに役立ちます。 また、撮影した施設全体を俯瞰的に見渡すことができたり、VR空間内の指定した場所でインフォメーションを表示させたりすることができ、より臨場感のあるVR体験が可能になります。 3. roOomy roOomyはカリフォルニア州サンノゼを拠点として、不動産・インテリアデザイン向けのコンテンツ制作やバーチャルホームステージング、3Dモデリングを提供しています。 バーチャルホームステージングとは、物件を売るために実際に家具やインテリアを配置して見せる従来のホームステージングを仮想空間内で演出することです。また、3Dモデリングとは、立体空間上に建物などの物体を製図することを指します。 4. AmbiensVR AmbiensVRは、建築デザインをXR空間に作成するためのサービスを提供してます。これまで3000以上のプロジェクトを手掛けてきており、不動産の他にも、建築やその他製造業界にも活用されるVR技術を誇ります。 彼らのサービスは、生活者とインテリアデザイナーの間のコミュニケーションギャップを埋めるためのVR体験を作成。 具体的には、施工前の時点で、VRヘッドセットをつけ、1:1のスケールでのデザインのシミュレーションを行うことができるのです。事前にデザインのチェックができるため、イメージの違いや齟齬を最小限に防ぐことが可能になります。 5. AR-media AR-mediaはインテリアデザインの拡張現実(AR)に最適なツールです。このサービスを利用することで生活者は購入前に、自分の部屋へ気に入った家具やインテリアグッズを表示させ、シミュレーションすることができます。 6. Plnar Plnarは、AIとAR技術を活用して、物件契約者からのクレーム処理に対するプロセスを効率化する、保険会社向けの非接触型クレーム・プラットフォームを提供しています。 PLNAR SNAPスマホアプリから室内を撮影すると、寸法が正確に測定された3Dモデルが生成されます。アプリ上に生成された写真や3Dモデルから、検査担当者が実際に物件まで出向かなくても、詳細な測定値を含む適切なクレームデータを受け取ることができ、大幅な業務効率化になります。 急成長するXR市場の展望と活用サービス事例7選 まとめ 現在の世界的なコロナ禍の状況下では極力外に出歩かず、また、人との距離が密にならない行動が求められています。 物件の内覧やインテリアの検討時期にAR/VR関連サービスを活用することで、内覧のためにその場に行かずとも、実際にその場で見ているかのような精度で仮想体験ができるAR/VRサービスがより求められ、重要度が高まっていくのではないかと期待しています。 XR市場の未来予測:XRが変える3つの分野 参考記事 How AR/VR Are Transforming the Real Estate Industry A New Dimension in Home Buying: Virtual Reality Five Innovative Ways You Can Use Virtual Reality in the Real Estate Business PLNAR Joins Guidewire PartnerConnect Solution Alliance Program; Publishes Ready for Guidewire Integration for Virtual Interior Inspections | Guidewire