八村塁のルーツをたどる「ナイキ」“エア ジョーダン”が登場 ベナンと日本のデザインを融合

 「ナイキ(NIKE)」はNBAワシントン・ウィザーズ(Washington Wizards)に所属する男子バスケットボールの八村塁選手とコラボした“エア ジョーダン 34 PE”(2万1500円)を8月8日に日本限定で発売する。「ナイキ」公式ECサイトと一部の店舗で取り扱う。

 ベナン共和国出身の父と日本人の母を持つ八村をイメージし、左足はベナン共和国の、右足は日本の伝統のデザインからインスピレーションを受けたパターンを採用。シュータンにはそれぞれの国旗をあしらった。八村は「このデザインは僕の家族への思い。家族がいるからこそ頑張れる」とコメントした。

 「ナイキ」とのインタビューでは自身のファッションのこだわりやインスピレーションを語り、NBAロサンゼルス・レイカーズ(Los Angeles Lakers)のレブロン・ジェームス(LeBron James)選手の着こなしを称賛した。

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ワコールHDが創業来初の赤字 21年3月期見通し

 ワコールホールディングス(HD)は31日、2021年3月期連結業績(米国会計基準)の純損益が37億円の赤字(前期は34億円の黒字)になりそうだと発表した。新型コロナウイルスの感染拡大による打撃によって、1949年の創業以来初の赤字になる。

 売上高は1580億円(前期比15.4%減)、営業損益は50億円の赤字(前期は66億円の黒字)の見通し。4〜6月期は世界的な店舗休業の影響を受けた。地域差はあるものの経済活動は徐々に再開していることから、消費環境は夏以降おおむね回復すると見る。

 同日発表した20年4〜6月期連結業績は、売上高が前年同期比39.7%減の285億円、営業損益が44億円の赤字(前年同期が36億円の黒字)、純損益が31億円の赤字(同11億円の黒字)だった。国内ワコール事業でのEC売上高は前年同期に比べて91%増えた。

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「マルニ」、キャンペーンビジュアルが人種差別的だと批判を受け謝罪

 「マルニ(MARNI)」は、新作ビーチサンダルのキャンペーンビジュアルが人種差別的だと批判されたことを受けてそれを削除し、公式インスタグラムで謝罪文を発表した。

 キャンペーンビジュアルはブラジル人の写真家エドガー・アゼベド(Edgar Azevedo)がブラジルで撮影した。水着と民族的なアクセサリーを着用した数人の黒人モデルが砂浜でポーズを取っているものだが、そのうちの一人が足元にある鎖につながれているように見えることや、「ジャングルで裸足(Barefoot in the jungle)」「着飾った白の女王は従順かつ彫刻のようだ(The adorned White Queen appeared compliant yet sculptural)」などのフレーズが使われていたことから、SNSを中心に批判の声が続出した。またファッション界のご意見番アカウント、ダイエット プラダ(Diet Prada)も批判的なコメントを投稿したため非難の声がいっそう広まった。

 同ブランドはこれを受けて、「最新のキャンペーンに侮辱的な表現があったことを深くお詫び申し上げる。ブラジルの写真家エドガー・アゼベドの視点を通じてアフロ・ブラジル文化の美しさを称賛することを意図していたが、正反対の結果となってしまった。制作の段階で見過ごされたことは許されるものではなく、心から申し訳なく思っている。『マルニ』は包括性を推進しており、世界中の多様な文化の美しさを称えている。ファッションや人間らしさを通じてより公平な世界を実現するべく尽力しているが、そうした努力がさらなる痛みをもたらしてしまったことをとても遺憾に思う。今後はより思慮深く、常に公平性の視点を持って制作するように努める。また、さらに包括的で多様性に満ちたファッション業界をつくるため、多様な人々の声に耳を傾けて、有色人種のクリエイターを支援していく」と公式インスタグラムに投稿した。

 また「マルニ」のフランチェスコ・リッソ(Francesco Risso)=クリエイティブ・ディレクターも、自身のインスタグラムに手書きの謝罪文を投稿。「『マルニ』の最新キャンペーンを腹立たしく思った全ての方々に謝罪する。これはブラジルとトロピカリア(ブラジルで1960年代に起きた芸術運動)をテーマとした2020年春夏コレクションのために制作されたもので、その美しさを捉えるべくブラジル人の写真家であるエドガー・アゼベドが撮影した。しかし私たちはこうした意図を、敬意と思慮を持って的確に伝えることができなかった。明確さに欠け、細部への目配りができていなかったのは許されないことだ。今回のことは大きな痛みをもたらしたが、重要な学びを得ることができた。今後はさらに努力し、私の仕事やクリエイティビティーの中心に多様性があることを証明していきたい。多様性と包括性はファッション業界における重要な柱であり、その実現に向けて闘い続けていく考えだ」と述べた。なお、同氏は黒人デザイナーのローレンス・スティール(Lawrence Steele)と12年来の恋人関係にある。

 ここ数年、ラグジュアリーブランドによる人種差別的な表現や文化の盗用が問題となっている。18年には「プラダ(PRADA)」による“プラダマリア(PRADAMALIA)”シリーズの黒いサルのようなキャラクターが黒人への侮辱だとして批判され、製品が販売中止となった。19年には「グッチ(GUCCI)」がECサイトで販売していたバラクラバ帽風のトップスが黒人差別と物議を醸したほか、インドのシーク教徒が巻くターバン風のヘッドスカーフが文化の盗用だと批判を受けて謝罪している。

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「WWDビューティ」がオンラインで「ヘア&メイク トレンドセミナー 2020−21FW」を開催 今からでもアーカイブで視聴可能

 「WWDビューティ」は7月28日、オンラインで「ヘア&メイク トレンドセミナー 2020−21FW」を開催した。主に全国の美容師に向け、20−21年秋冬シーズンのコレクション映像を見ながら、村上要「WWD JAPAN.com」編集長と「WWDビューティ」コレクションスタッフが、最新のヘア&メイクトレンドを解説した。

 ファッション、ビューティともにパリ、ミラノ、ロンドン、ニューヨークのトレンドキーワードを中心に解説。ウィメンズでは“プロテクション&タフネス”のキーワードでは、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の影響で、デザイナーの間でも“外気から身を守る”ムードが高まったと紹介。「ステラ マッカートニー(STELLA McCARTNEY)」のように首まで完全に隠れるコートなどのアイテムがトレンドを形成したと解説した。

 “モダン ブルジョワ”のキーワードでは、アクセサリーやデザインディテールでアップデートしたトラディショナルで上品なルックが台頭したと話した。インナーとして登場したボウタイブラウスなどは“オンライン会議映え”するため、実際にセレクトショップで売れ始めていることにも言及した。

 ビューティトレンドでは“ボルドーリップ”というキーワードで、クラシックでエレガントなルックに合わせ、ひさびさに赤リップが戻ってきたことを解説。マットな赤リップが印象的だった「マーク ジェイコブス(MARC JACOBS)」のルックなどを紹介した。

 その後、協賛した15社のスポンサーが制作した、“イチオシアイテム”にスポットを当てた1分間動画の紹介を挟み、人気ヘアサロン「アルバム(ALBUM)」のNOBUプロデューサーとNATSUMIディレクターがゲストスピーカーとして登場。「“ウィズコロナ時代”の美容師の働き方」についてトークした。

 NOBUプロデューサーは、新型コロナによる営業自粛期間中に取り組んだこととして新人教育について言及。「5人の幹部それぞれが得意とする技術を、オンラインで新人にレクチャーした。それと合わせて各自がSNSでの発信に取り組み、2カ月の間にインスタグラムのフォロワー数を7万近く増やしたスタッフもいた」と語った。

 NATSUMIディレクターは、自粛期間中の自身のインスタグラムの投稿で、最も反響が大きかった“2分で小顔になれるマッサージ”動画を紹介。その制作意図とともに「保存数が6万2000にまで広がっている」と驚きの数字を紹介した。

 同トレンドセミナーは半年に1回行っており、次回は2021年2~3月に行う予定だ。

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ZOZO傘下入りの26歳のyutori社長を直撃 「30歳までの上場、いけるんじゃない?」

 インスタグラムを中核に古着やビンテージ風ウエアのファンによるコミュニティを創出した後、「ナインティナインティ(9090)」や「スプーン(SPOON)」などのD2Cブランドをスタート、さらにはバーチャルインフルエンサーのプロモートまでを手掛けるyutoriの片石貴展(たかのり)社長はこのほど、株式の51%をZOZOに売却した。「ZOZOのオンラインと、僕らのコンテンツでyutoriの上場を目指す」という。

 yutoriという社名から連想する「『緩やかな成長で満足』みたいな気持ちはない?」と投げかけると、「一切ない」と今年も27歳を迎える片石社長。ZOZOグループ入りの狙いは?

WWD:今回のZOZOグループ入りの背景は?

片石貴展yutori社長(以下、片石社長):「コロナ、ヤバい」という感覚が働き、2月くらいから資金を調達すべく、いろんな人にお会いしてきた。話しているうちに、ZOZOとは「一緒にやったほうが、相互補完できる」と思うようになった。最近のアパレル企業の上場と言えば、TOKYO BASEくらい。TOKYO BASEは、店舗というアセットがある“手堅いビジネスモデル”。ZOZOのインフラと、yutoriのコンテンツの双方が揃えば、めちゃくちゃ強くなれる。

WWD:具体的には、どんなビジョンを描いている?

片石社長:アパレルの商品企画や製造でシナジーが発揮できる。今あるD2Cブランドを大きくすることもできるし、数を増やすことも可能だ。僕らはこれまで、自分たちだけでブランドを作ってきた。蓄積してきたノウハウをシェアし、誰かと一緒にやるだけでも、新しい展望が待っている。

WWD:これまでのノウハウとは?

片石社長:レガシーブランドと違って、「知らない人に、知ってもらう」を考えながらビジネスを拡大してきた。インスタグラムのフォロワーを伸ばし、コンバージョンを上げ、売り上げを積み上げる経験を重ねている。小さな正方形の画面の中でブランドを伝えるには、ディテールではなく、アティチュードやメッセージ、グラフィックが大事。その文脈をどう作るのか?コンセプトとルック、プロモーションを立体的に組み合わせてきた。

WWD:ならば、業績は伸びている?

片石社長:去年の4~6月と比べると、今年のD2Cブランドの売り上げは9倍に達している。

WWD:yutoriという社名だから「こんなに成長しているし、もう十分」なんて思うことはない?

片石社長:一切ない(笑)。いい会社になってきたとは思うけれど、今回の資本・業務提携をきっかけにダイナミズムを追求し、自分たちの考えを広めたい。創業以来、「臆病な秀才の最初のきっかけを、創り続ける。」を目標に、洋服は好きだけど、アパレルの経験はない人たちと数字を作ってきた。自信が生まれ、火がついたり、変わったりしてきた子が増えている。作家より編集者タイプの僕は関わる人数が増えたほうが楽しいし、yutoriで自分に自信が持てるファッション好きが増えればと思う。ネットが当たり前のゆとり世代やZ世代は、数字とともに生きてきた。今の売り上げがもっと大きくなれば、それぞれの自信も大きくなるし、自信を持てる人が増えると思う。

WWD:例えば今のyutoriには、どんな風に自信を持ったスタッフがいる?

片石社長:ZOZOの会見で使ったグラフィックを作ったのは、今ハタチのスタッフ。渋谷の街でリアルに写真を撮り、それをデジタル上でコラージュした「デジタル・ストリート」なビジュアル。18歳で入社した彼は高校生の時、引きこもりだった。それが今はバーチャルインフルエンサー事業を手掛けるVIMでグラフィックデザインを担当するなど楽しそうで、自分のことを好きになっているカンジがする。創業時からのメンバーは今、大学のミスコンに出ている。それまでは部活動のマネジャーをやっていて、でも実はあんまり楽しくなくって、服は大好きだけど、業界には飛び込めないってカンジだった。それが今は、「ナインティナインティ」というブランドのクリエイティブを担当している。今は社員とアルバイトで30人程度の会社だが、これを機に新たな人材を獲得したい。

WWD:今欲しいのは、どんな人?

片石社長:正直、ビジネスの経験者が欲しい(笑)。これまでは本当に若い子たちだけで、一緒に育つ感覚だった。その感覚は必要。でも業界での経験が3、4年あれば、成長への道のりをショートカットできそう。今の最年長は28歳なので、30歳くらいの、しっかりした、ファッション好きが入ってくれれば。

WWD:片石社長の働き方も変わる?

片石社長:僕は今後、もっとZOZOと協働することになる。yutoriとZOZOを組み合わせたらどうなるかを想像して、実践する。既存ブランドや事業は、他のメンバーだけで大丈夫。得意な、人が楽しめる環境づくりにも今以上に注力したい。

WWD:上場はいつまでが目標?

片石社長:自分が30歳になる2023年のうちに上場したい。「いけるんじゃない?」って思う。起業して2年でこうなるとは思わなかったので、「みんなで頑張れば、いけるんじゃないかな?」と。

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グルッポタナカがLVMH傘下「パトゥ」の国内販売権を取得

 インポーターのグルッポタナカが、LVMH モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON)グループ傘下のコンテンポラリー・ブランド「パトゥ(PATOU)」の国内販売権を取得した。PRはグルッポタナカのグループ会社のイザが行い、ディストリビューション契約には田中タキ=イザ代表がブランドの日本展開のキーパーソンとなることが盛り込まれている。2020年プレ・フォールから、セレクトショップのイザのほかにエストネーション(ESTNATION)六本木ヒルズ店、ビオトープ(BIOTOP)代官山店、ユナイテッドアローズ(UNITED ARROWS)青山店、西武渋谷店のコンポラックス(COMPOLUX)、阪急梅田本店のD.エディット(D.EDIT)にて取り扱う。また、伊勢丹新宿本店、阪急梅田本店、イセタンサローネでのポップアップも決定している。

 ブランド再生のため「ジャン・パトゥ(JEAN PATOU)」は、2020年春夏シーズンからブランド名を「パトゥ」に改称。ギョーム・アンリ(Guillaume Henry)がアーティスティック・ディレクターに就任し、復活を遂げた。ブランドの魅力について田中代表は、「『カルヴェン(CARVEN)』時代からギョーム・アンリが最も得意とするクリエーションが『パトゥ』でよみがえった。かつて世界中の女性を魅了したパリのブランド『ジャン・パトゥ』と、パリをこよなく愛する21世紀に活躍するデザイナーのギョーム。眠れる森の美女が目を覚ますかのように、時空を超えて過去と現在のフレンチシックが結ばれた。ロマンティック&スポーティーでウエアラブルな実にパリらしいブランドだ」と話す。

 また新生「パトゥ」はサステナビリティにも注力する。「これからのファッションに最も求められるサステナビリティやトレーサビリティーをものづくりにおいて追求している。ワードローブにずっと置いておきたいと感じるような永遠のマストアイテムを集めた“エッセンシャル(essential)”ラインは毎シーズン展開していく」と田中代表。日本での今後の展望については、「“かわいくて、長く愛用でき、環境に優しいものを”のブランドコンセプトを大切に、新しいポジションのパイオニアを目指して育てていきたい。このタイミングでのスタートは大変なことばかりだが、だからこそ未来に向けたニュースタンダードを築くパリのリアルモードを、日本の女性たちにフレッシュにお届けしたい」と語った。

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グルッポタナカがLVMH傘下「パトゥ」の国内販売権を取得

 インポーターのグルッポタナカが、LVMH モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON)グループ傘下のコンテンポラリー・ブランド「パトゥ(PATOU)」の国内販売権を取得した。PRはグルッポタナカのグループ会社のイザが行い、ディストリビューション契約には田中タキ=イザ代表がブランドの日本展開のキーパーソンとなることが盛り込まれている。2020年プレ・フォールから、セレクトショップのイザのほかにエストネーション(ESTNATION)六本木ヒルズ店、ビオトープ(BIOTOP)代官山店、ユナイテッドアローズ(UNITED ARROWS)青山店、西武渋谷店のコンポラックス(COMPOLUX)、阪急梅田本店のD.エディット(D.EDIT)にて取り扱う。また、伊勢丹新宿本店、阪急梅田本店、イセタンサローネでのポップアップも決定している。

 ブランド再生のため「ジャン・パトゥ(JEAN PATOU)」は、2020年春夏シーズンからブランド名を「パトゥ」に改称。ギョーム・アンリ(Guillaume Henry)がアーティスティック・ディレクターに就任し、復活を遂げた。ブランドの魅力について田中代表は、「『カルヴェン(CARVEN)』時代からギョーム・アンリが最も得意とするクリエーションが『パトゥ』でよみがえった。かつて世界中の女性を魅了したパリのブランド『ジャン・パトゥ』と、パリをこよなく愛する21世紀に活躍するデザイナーのギョーム。眠れる森の美女が目を覚ますかのように、時空を超えて過去と現在のフレンチシックが結ばれた。ロマンティック&スポーティーでウエアラブルな実にパリらしいブランドだ」と話す。

 また新生「パトゥ」はサステナビリティにも注力する。「これからのファッションに最も求められるサステナビリティやトレーサビリティーをものづくりにおいて追求している。ワードローブにずっと置いておきたいと感じるような永遠のマストアイテムを集めた“エッセンシャル(essential)”ラインは毎シーズン展開していく」と田中代表。日本での今後の展望については、「“かわいくて、長く愛用でき、環境に優しいものを”のブランドコンセプトを大切に、新しいポジションのパイオニアを目指して育てていきたい。このタイミングでのスタートは大変なことばかりだが、だからこそ未来に向けたニュースタンダードを築くパリのリアルモードを、日本の女性たちにフレッシュにお届けしたい」と語った。

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ユナイテッドアローズがオリジナルスキンケア開発 ヤブ椿を使用した、ジェンダーフリー設計

 ユナイテッドアローズ(UNITED ARROWS以下、UA)は今夏、化粧品事業に本格参入し、オリジナルスキンケアブランド「ジュース(JUICE)」を立ち上げた。製品ラインアップは、肌や髪に使えるマルチオイル2品とリップや、ハンド・ボディーケアに使えるバーム、ボディークリームの4品6種(1800~9000円)。10月上旬にはボディ―スクラブとボディーウオッシュを追加する。7月10日からUAの原宿本店、青山ウィメンズストア、六本木ヒルズ店、エイチ ビューティ&ユースと公式オンラインストアで販売し、9月下旬から取り扱い店舗を拡大する。

 新ブランド「ジュース」は、3年をかけて開発。“真心と美意識のある明日をつくり、生活文化のスタンダードを創造し続ける”という経営理念のもと、美容はファッションの一部であるとの考え方からオリジナルコスメを開発した。ブランド名は“フレッシュなジュースを飲むことで肌が生き返るように”との思いに由来する。コンセプトは“肌と心の両方を満たすスキンケア”を掲げ、ヤブ椿オイルを中心に精油など厳選した原料を使用して、感性に訴える香りと心地よいテクスチャーによって洗練されたナチュラルケアとラグジュアリーな肌体験を提供する。

 キー成分の椿オイルの原料となるヤブ椿は佐賀県加唐島に自生する日本原種のカメリア・ジャポニカ種を使用。種から採れるオイルは皮脂の主成分と同じオレイン酸やビタミンEなどの美容成分を多く含み、高い保湿力がある。マルチユース性とジェンダーフリーにこだわり、気分や用途によって誰でも簡単に重ねづけやコーディネートを楽しめる処方を採用した。ボトルデザインは椿をイメージした深い緑を取り入れ、外国人客も意識して成分表示などを英字で印字した。

 また生産・製造過程ではサステナビリティを重視。農薬や肥料、除草剤などの化学成分を使用していないクリーンな土壌の原生林で育ったヤブ椿の実を島民が一つ一つ手摘みし、選別から搾油まで全て手作業で行い、搾りかすは肥料として土地に戻し循環させている。また高齢者が多い同島とパートナーシップを組むことで、地元の雇用創出と産業の発展に貢献するほか、島内で椿の植樹を行うなど持続可能な資源確保に向けた取り組みも行う。

 これまでUAは、国内外からセレクトしたスキンケアやヘアケア、キャンドルなどを展開してきた。「ビューティ&ユース ユナイテッドアローズ」ではオリジナルの香水を販売していたが、本格的にオリジナル化粧品を開発したのは初めて。

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目の疲れをとる簡単アイケア ゴッドハンド山崎有香が教える1分間動画セルフエステVol.1

 スパ・エステティック業界で、卓越した手技や接客術を持ち話題を集めている“ゴッドハンド”が、1分間でできるセルフエステを動画でレクチャーする当連載。第1回は、昨年行なわれたエステ業界最大級のコンテスト“エステティックグランプリ”の顧客満足サロン部門でグランプリを受賞した、山崎有香「メディカルサロン Dr.いろは」代表兼エステティシャンが登場する。

3つのポイントで
目の疲れを軽減

 レクチャーするのは、簡単にできる3つのアイケア方法だ。1つは“目を疲れさせないマスクのつけ方”。マスクの上端が視界に入ると、目は対象物を見ればいいのかマスクを見ればいいのか分からずに混乱してしまい、必要以上に疲れてしまう。それを防ぐ対策として、マスクの中央をしっかりと折って鼻に沿わせ、視界に入らないようにすることを提案している。

テレワークや
オンライン会議後のケアに

 2つ目と3つ目は、最近特にテレワークやオンライン会議などで酷使しがちな、目の疲れを軽減させるマッサージ方法。ごく簡単な方法なのですぐに覚えることができ、仕事の合間でもできるメソッドになっている。

 山崎代表は、結婚を機にエステを学びはじめ、エステティシャンとしてサロンに勤務した経験を経て、3年半後に自宅でエステサロンをオープン。その後、中野区中野坂上、港区六本木へと移転し、現在は一戸建て風の隠れ家サロン「メディカルサロン Dr.いろは」を運営しスタッフ3人を抱える。

 「メディカルサロン Dr.いろは」では“細胞教育フェイシャル”と呼ばれる、マッサージと化粧品と機器を組み合わせ、肌の活性化を導くメニューが1番人気。使用する化粧品には徹底的にこだわり、常により良い商材を探していて、現在は再生医療に関する医療技術の研究開発を行っているサイセイが提供する、幹細胞培養液を導入している。

■メディカルサロン Dr.いろは
住所:東京都港区麻布台3-2-8
営業時間:11:00~18:00
定休日:月曜日

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6人の部門長が語るこれからの「WWDジャパン」 ファッション × ビューティ、デジタル × 紙で“ONE WWD”始動 

 INFASパブリケーションズは9月、ファッションとビューティ、デジタルと紙をシームレスにつなぐ組織改編を行う。キーワードは、“ONE WWD JAPAN”。両者をシームレスにつなぐことで変化に強い組織を目指す。ウィークリー「WWDビューティ」の編集部は「WWD JAPAN.com」編集部と統合し、ビューティ関連コンテンツは村上要「WWD JAPAN.com」編集長の下でSNS、デジタル、ウィークリー、新たにスタートする月刊誌、イベントの全メディアへ展開する。「WWDジャパン」編集部は引き続き向千鶴編集長のリードでファッションコンテンツの多くに責任を持ち、同じく各メディアへ届ける。1979年創刊のファッション業界紙にルーツをもつ「WWDジャパン」はどこへ向かうのか? “ONE WWD JAPAN”を形成する6つの部門長が方針を語った。

櫻井啓裕・取締役ビジネスプランニング部部長(以下、櫻井啓):大きな転換期の今、「WWDジャパン」はポストコロナ以降のファッションおよびビューティ産業の新たな歴史を作っていくためのプラットフォームでありたいと思っています。“ONE WWD JAPAN”のステートメントを強力に発信しながら組織を再編し、全ての部署が同じビジョンの下で業務を進める。

村上要「WWD JAPAN.com」編集長(以下、村上):“ONE WWD JAPAN”については、「『WWD JAPAN.com』で先陣を切らせていただきます!」と宣言したい(笑)。そのくらいの覚悟と信念で取り組む、大きなテーマだと思っています。ウェブは従来からファッション × ビューティでしたが、「WWDビューティ」編集部との統合により、そしてウィークリーの「WWDジャパン」におけるビューティコンテンツや月刊化する「WWDビューティ」まで手掛ける部隊となって、まさにファッションとビューティ、デジタルとプリントを跨ぐ集団となります。ユーザーの利便性を重視しながら、動画やライブ配信、音声、そしてオン&オフラインイベントやセミナーまでのコンテンツを生み出したいですね。

向千鶴「WWDジャパン」編集長(以下、向):ウイークリー「WWDジャパン」の肩書はこれまで“ファッション業界紙”でしたが、9月からは“ファッションとビューティの業界メディア”です。ビューティ市場はここ10年成長が著しく、「WWDビューティ」は2007年から独立して発行することで存在感を高めてきました。これからはその知見をもって再び一つになり毎週月曜日に紙と電子版を発行します。そもそも洋服もメイクもヘアも、広義の意味ではファッションだから、消費者はその間に壁を立てて考えたりはしませんよね。こと業界間となるとほぼ没交渉なのは産業構造が違うからという、作り手の理屈だけ。改めてもったいない!ファッションとビューティを仕事にする人たちが互いの可能性をもっと知る機会が増えれば、最終的には消費者に喜ばれる商品やオン・オフの売り場作りにつながると思う。“ONE WWD JAPAN”はそこをつなぐブリッジのような、サロンのような存在になります。

荒川晃久デザイン部部長(以下、荒川):たとえばファッション撮影を成功させるにはモデルをはじめ、スタッフのキャスティング、ヘア、メイク、洋服と全ての要素が一つのコンセプトをもとにした方程式で成り立つ必要があります。その要素の中でファッションとビューティの関係性、相性はかなり重要な要素です。その切っても切れない2つの業界が別々のコンテンツであることに違和感を覚えていました。ファッション業界とビューティ業界の橋渡しになる“ONE WWD JAPAN”のコンセプトは自然な流れであり、相互が理解を深めることのきっかけになり、その相乗効果は必ず撮影のクオリティーにも反映されていくと思います。

永松哲治販売部部長(以下、永松):販売部の仕事は“刊行物を売る”から“サービスを提供する”に変わっており、定期購読者には“ONE WWD JAPAN”だからできるサービスの提供を日々追求しています。デジタルの成長が著しいですが、ウイークリーの売り上げも好調です。4~5月の新型コロナウイルス感染拡大に伴う商業施設の休業やリモートワークが推奨された時期には、近年では例がないほど大変多くの定期購読のお申し込みをいただきました。この反響には驚き感謝する一方で、逆境の中でも有益な情報を得たい、前に進むのだ、というファッション業界、ビューティ業界の皆さんの気概を感じ、とても身の引き締まる思いでした。働き方が転換期を迎えている今、読者の環境にどれだけ寄り添えるのか、価値ある情報をどのような形でお届けするかが問われていると思います。

櫻井雅弘デジタルマーケティング部部長(以下、櫻井雅):“読者の環境にどれだけ寄り添えるか”は、重要ですよね。マーケティング視点で“ONE WWD JAPAN”を捉えると読者へ一方通行だった旧来のメディアモデルから“一人の読者”を中心として、その読者の行動、感情、目的などを伴った生活サイクルの中で、一貫したメディア体験を提供するモデルへ変化するためのコンセプトと言えます。「読者中心」を考えるときに最も注意しているのは「読者に求められている」ということを「量」で判断せず、「質」の視点に重きをおいて考えることです。今後の「WWDジャパン」は今まで以上に、ファッション・ビューティ業界の発展に必要なオピニオンを届けるメディアであることが役割だと考えています。そのためには今起きていることや今後の展望などに“気づき・動機・裏付け”を与えることが重要です。過去に基づくデータだけで施策を決定するのではなく、その人の今と将来に必要な本質的な価値を届ける目的のためのデジタル(データ)・マーケティングであることを念頭に、読者の皆さん「一人ひとりの“将来”の意思決定」に役立つ“ONE WWD JAPAN”をお届けしたいです。

デジタルは「60%でローンチ。
その後アップデート」

荒川:新型コロナの影響もあり、10年かかるだろうオンライン化が急速に発展していますよね。幸いにも、ここ数年で弊社は旧出版社という体質からメディアビジネスという体質に変化してきました。現在では、「WWDジャパン」というタブロイド紙の本質がさらに問われると同時に、ウェブでの情報提供のクオリティー担保は業界で生き残るための最低限の体制改革です。“ONE WWD JAPAN”が提供しようとしている“強化された”ファッションとビューティのあらゆるコンテンツは、アパレル業界に留まらず、他業界も巻き込む成長戦略として発展していくと期待しています。

村上:緊急事態宣言下で挑戦したライブ配信は、ユーザーとクライアントの双方からご評価いただき、新しい時代のビジネスにつながるであろう可能性を強く感じています。ただ、勢いでスタートした感もあり、そろそろアップデートが必要です。携わる人間の仕事が「作業化」した瞬間から、その意識を強く抱きました。8月には早速、週に2回お届けしていた紙面紹介プログラムを刷新します。デジタルの世界を取材して「60%でローンチ。その後アプデ」という考え方を学びました。デジタルは、修正できます(笑)。その特性を最大限に生かし、編集部員が常に、新たな気持ちで、興奮しながらコンテンツを生み出せる環境を整えるつもりです。

櫻井雅:デジタルに限らず全体に言えることですが、具体的に取り組んでいくことは、コンテンツ、コミュニケーション、フォーマットの3つを適切にパーソナライズすること。その時にも読者の個性や興味・関心などの今や過去のデータから導かれる提案に加えて、未来に向けて次に知るべきことが届けられるように、関心を拡張し、新たな気づきを提供する“ギフト”があることが大切だと考えています。そのためには、いわゆる“データ”だけでなく、個々の意見や感想を得ること、それに対してわれわれも丁寧に反応を示し、コミュニケーションをきちんと取ることを重ねて、それこそ読者の皆さんが店頭で行っているような接客・提案のような体験を、さまざまなタッチポイントで感じていただけるような仕組みやサービス作りを進めます。

櫻井啓:広告ビジネスという点では数字やメニューも大切ですが、それよりもより巨視的かつ長期的に捉えて、どういったコンテクストをクライアントと共に作っていくかがポイントになると思っています。それによりミクロの視点ではブランドのビジネスソリューションが提案できるし、マクロの視点では業界の活性化につながるから。ミクロとマクロを組み合わせて、一つの大きな物語を描く。それができるファッションメディアはBtoBに強いウイークリーに加え、より多くのオーディエンスを抱えるデジタルメディアを持つ「WWDジャパン」しかない。

向:「WWDジャパン」が今後注力したいキーワードは、サステナビリティとテクノロジー、そしてこれから業界を創るネクストリーダーの存在です。これらはファッションとビューティ共通ですが特にファッション業界は今、大量生産・大量廃棄からの脱却という課題に直面しており、サステナビリティの視点を持って業界自体を再設計するタイミングです。そもそもビジネスをデジタル上で始める若い起業家が増えており、“業界”の定義そのものが変わりつつあります。われわれの財産の一つが社会問題への意識が高い若い世代をフォロワーに持つSNSの存在。社内外の若い世代の声を“業界”に届けて揺り動かし発展に寄与したい。

6部門の連動で生み出す“ONE”の価値

櫻井啓:今まで以上に部門間を越えて連動して行きたい。売り上げの主体は広告や制作、イベントプロデュースなどビジネスプランニング部主導の領域がほとんどだったけれど、そのスキームも変えて行くべきだし、「WWDジャパン」はもっとビジネスを拡張できるポテンシャルがある。その一つは「WWDジャパン」しかできないような主催イベントだと思う。1月に開催した「ファッションロー」のセミナーなどが良い例で、エデュケーショナルなコンテンツは業界の活性化につながるし、われわれにも学びになります。ここはコンテンツを制作する編集部や販売部が主体になっていくし、デジタルマーケティング部が持つデータも活用できる。コロナ禍でリアルイベントは難しいかもしれないけれど、われわれが今一番力を入れている動画配信で行えればと思います。

櫻井雅:豊かな提案や読者の皆さんに届ける体験の元になるのは、やはり社内の各部門がそれぞれ現場で感じ取ってくる反応や意見ほど参考になるものはありません。デジタルマーケティング部としては個々の読者の反応や、コンテンツのパフォーマンスといったデータを取得、分析することはできますが、それを読者に良い形で還元するには、広告主に向き合うビジネスプランニング部、購読者に向き合う販売部、そして何よりファッション・ビューティ業界に向き合う編集部と今まで以上に連携・協調することが必要です。部門を横断して必要なメンバーが集まり、新しい施策を検討し、スピーディーに、村上が言うようにまずは60%で形にして読者の皆さんの満足度を測る。すでにいくつかの取り組みが動き出していますが、そういったプロジェクト型の協業をたくさん積み重ねていきたいと考えています。

向:記者の仕事は、本質的には10年前と変わっておらず、アウトプット先が紙に加えSNS、ウェブ、イベント、動画、時にコンサルティングと多面的になっているだけ。なんて、言うは易しでバランスが難しいのですが……。試行錯誤でようやく道筋が見えてきました。重要なのは、情報をいつ、どう届けるかを関連部署が連動して「設計」する視点です。だから記者が持ち込んだ情報を客観的に“研究”し、アウトプットに導くデジタルマーケティング部の存在は大きい。編集部についていえば、昔と大きく違うのは、記者一人一人の顔が見えること。これだけ個のメディアがあふれる中、有料メディアを選んでもらう理由は「信頼」にほかならない。「取材に基づく事実+分析、解説、オピニオン」を提供できる、年齢も嗜好もバラバラで顔が見える信頼できる個の集団、それが「WWDジャパン」です。

学びと交流の場として
セミナー・イベントを強化

永松:普段の取材を通して記者が感じる業界の課題や新しいビジネスの芽生えなどは、これまで記事を通して伝えてきましたが、今後は読者と直接コミュニケーションが取れるセミナーを積極的に開催します。4月に本格始動させる予定でしたが、コロナ禍の影響により仕切り直しを余儀なくされました。しかし、この間デジタルを活用したさまざまなトライができました。そして情報収集や学びの場としてニーズをとても感じています。記者や有識者を招き、読者の皆さんが抱えている課題を解決するための道筋やヒントになるような場を作りたいです。

村上:SNSの普及により「個」の時代となりました。インスタグラムはもちろん、TikTokやLINE LIVE、今はあらゆるプラットフォームに、身近なオピニオンリーダーが存在し、小さなコミュニティーを動かしています。私たちもそうなりたい。業界の革命児、ゲーム・チェンジャーを追い続けたいと思っていますが、最近は自身もゲーム・チェンジャーになりたいと思っています。そして願わくは、真面目な業界紙の記者だった同僚にもそうなってほしい。閉塞感の否めない業界を真面目に取材し続けるからこそ、自身にも閉塞感を抱いているスタッフがいるのだとしたら、私たち幹部の仕事は、彼らの前で、私たち自身の垣根を破壊することだと思っています。

荒川:“ONE WWD JAPAN”プロジェクトの社内への影響は大きい。“ONE WWD JAPAN”にいたるきっかけの一つにファッションやビューティ、編集コンテンツやタイアップ、プリントやウェブ、さまざまなソーシャルコミュニケーションツールなど、幅広いアウトプットが増えたことがあります。案件内容、進行、リソース、役割分担など、これまではプロジェクトを達成するための整理されるべき要素が散らかり、連携が困難でロスが多かった。これらが解決できれば、高い費用対効果が期待できると思います。また、部署の垣根を越えてプロジェクトごとにチームを結成できると、刺激し合い、新しい発見や学びを得て、モチベーションを上げるきっかけになる。デザイン部は発注を受ける際、最小限の情報でデザインを制作していましたが、 今後は“ONE WWD JAPAN”の一員としてキックオフからプロジェクトにかかわることにより、大きな流れや価値を理解し、プロジェクト自体への責任を感じ、クオリティーの高いデザインを制作できるようになると思います。

永松:「WWDジャパン」はファッションやビューティを学ぶ多くの学生たちに教材としても読んでいただいています。若い世代にはファッションやビューティに携わることの魅力をもっと伝えたいし、多様で多才な人材がどんどん業界に希望をもって飛び込んできてほしい。今回のパンデミックを経て、教育現場の方々もデジタル化の必要性と活用について試行錯誤されながら、新しい人材教育の形を探られていると思います。われわれも今、デジタル領域でさまざまなトライをしているので、一緒にできることや微力ながら貢献できることがないかと考えています。若い世代から得られる創造力や視点、感性は財産です。これを業界の皆さんと共有することも「WWDジャパン」のメディアとしての役割だと思いますし、なにより業界の未来を創ることだと思っています。

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佐田真由美らがサステナブルなマスクをデザイン 豊島のチャリティープロジェクトに賛同して

 繊維商社の豊島が手掛ける“生産農場から紡績工場まで遡ることができる”トレーサブルなオーガニックコットン糸「トゥルーコットン(TRUECOTTON)」から、環境保護をテーマとしたチャリティープロジェクト「セーブ・ネイチャー・アンド・アニマル・プロジェクト(Save nature and the animals project)」がスタートする。

 この第1弾は、モデルの佐田真由美、竹下玲奈、山田優、そしてスタイリストの白幡啓がデザインしたマスクとそれを収納する巾着型のポーチのセット販売だ。このマスクの特徴は、「トゥルーコットン」に洗濯可能な抗菌加工を施し、シームレスに編み上げることで長時間の着用によるごわつきなどを軽減した着け心地のよさ。夏場のマスク内の温度上昇を抑えるため、内部に装着できる保冷剤と、抗菌効果をさらに高めるフィルターシートも付属で販売する。価格は3800円で、売り上げの一部は希少な野生動物や自然環境の保護を行う環境保全団体WWFジャパンに寄付される。

 佐田真由美がデザインした生成りのマスクは、鮮やかなブルーのひもがアクセントのマスクケースとのセット。佐田真由美は同プロジェクトに賛同した理由について、「医療従事者の防護服のための援助金に関するニュースを見て、みんなで乗り越えなければいけないという思いが強くなっていた。環境問題についても本当に大切なテーマだと、いつも考えているのでWWFジャパンへのチャリティーにもとても共感できた。マスクは、デイリーに使いやすくなるよう、また老若男女を問わず使ってもらえるようなデザインと色を心掛けた」と話した。これらのマスクは、eコマースサイト「STYLEVOICE.COM」で7月31日から予約販売される。

 このチャリティープロジェクトでは今後、国内外のブランドとのコラボレーションが計画されている。

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ビジュアル・マーチャンダイジングがウィズコロナ時代に必要なわけ

 営業が再開されて店頭に活気が戻りつつあるが、かつてのようなにぎわいを取り戻し、さらに発展するためには“集客装置”が必要だ。そこで名乗りを上げたのが、ビジュアル・マーチャンダイジング(以下、VM)のプロフェッショナルであるVISUAL MERCHANDISING STUDIO(以下VMS)の堀田健一郎社長。堀田社長の言う、“VMの本質はコミュニケーションだ”の真意とは?旧知の仲であるラジーブ・シャルマ(RAJIV SHARMA)=マーク ジェイコブス ジャパン ジェネラルマネージャー(以下、GM)とのトップ対談から、VMの潜在能力を探りたい。

営業が再開された店頭で
VMはどう機能する?

ラジーブ・シャルマ=マーク ジェイコブス ジャパンGM(以下、シャルマ):自粛期間中にネットショッピングが活性化し、オンラインで事足りることに気付いた人も多い。だからこそ実店舗にはVMが必要だ。空間作りやその一部である販売員との会話を通じて、ブランドやショップの思考を感じてもらいたい。

堀田健一郎VMS社長(以下、堀田):コロナショックを受けて、僕の両親世代でもECで買い物ができるようになった。これからは、いっそう実店舗の力が試される時代だ。店舗をメディア化し、ますます個性を出していく必要がある。

シャルマ:事前にウェブでリサーチしてから買い物へ、という動きはさらに一般化するだろう。しっかり“助走”した上でたどり着いた店頭で、お客さまを落胆させないためにもVMが重要な役割を果たす。オンライン上で、われわれは常にターゲティングされている。つまり、自分の好きなものの情報は集まってくるが、“未知のもの”に遭う確率は減少している。通勤や通学の際に見かけるショーウインドーは、アナログに見えるがインパクトや気付きを与えるのに十分な装置と言える。

堀田:一方で、ビーコンを使った動線解析データなどによって什器の配置を換えたりディスプレーを替えたりと、デジタルとVMを融合した戦略も活発になるはずだ。

“VMの本質は
コミュニケーションである”(堀田)

堀田:僕が信念としているのは、“VMの本質はコミュニケーションだ”ということ。

シャルマ:確かにVMは、それまでそのブランドやショップのことを知らなかった人に気付いてもらうための、また既知の人には世界観や物語、コアバリューを伝えるためのツールだと言える。

堀田:MDを視覚化するという考え方から“VMD”としていたものを、2012年ごろから“VM”と呼ぶようになった。かつてはMDが用意した商品をもとにビジュアルを作っていたが、“どう見せたいのか?”からイメージを膨らませ、それに合わせて必要なSKUをMDに伝えて商品を準備するフローになった。VMSでは、この動きに合わせてSNSでの打ち出し方も提案している。VMDがMDに管理されMDのために活動していた時代から、現在はマーケティング活動の中で重要な役割を担い、新客を作り、同時に既存客を維持しながら売り上げを伸ばすためのキーファンクションとして機能し始めている。

VMのプロ人材を養成する
「VMアカデミー」を今秋開校!

 VMSは東京で9月5日から、大阪で9月12日から、ビジュアル・マーチャンダイザーを養成する「VMアカデミー」を開校する。従来のVMDの考え方から脱却し、最新のVM手法を理解して実践できるプロの人材を育てるという。第1弾となる基礎編では、初歩的な陳列テクニックなどは身に付いていることを前提に、今日的なVM知識をレクチャーする。堀田VMS社長は、「座学のほかにデモストアを使ったワークショップ、受講生同士のグループディスカッションも行い、手と頭を動かしてVMの理解度を深めていく」と説明する。2時間×10回の座学と研修(ワークショップ)を修めると修了証書が授与され、さらにVMのスペシャリスト資格である「VMS認定ディプロマ」の試験を受けられるようになる。

 2021年度からは応用編の開設も予定する。「ラグジュアリーブランドやセレクトショップ、大手SPAメーカーのVM担当者をゲスト講師に、リアルなVM制作現場や彼らの知見や考えを聞くことができる場にする」という。

“VMを通じて生まれる客・
店・販売員に良い環境に期待”
(シャルマ)

堀田:シャルマGMと出会ったのは、VMの潮流が変化し始めた12年ごろ。僕がVM責任者としてルイ・ヴィトン ジャパンに入社し、シャルマGMは当時一番の規模と売り上げを持つショップの店長だった。そして、そこではスタッフ全員がディスプレー作りに携わっていた。“優秀なVMD担当者に一任する”がまだ主流だった時代に、シャルマ店長が先頭に立って販売員によるレイアウト変更を行っていた。全スタッフにブランドおよびショップのビジョンが共有されていなければできないことであり、VMを通じてコミュニケーションが取れていた。シャルマ店長がVM作業を通じて各スタッフの能力を見いだして伸ばしているのも分かり、とても感動したことを覚えている。VMSでも、VMは店舗スタッフ全員で行うことが大事だと訴えている。“VMの本質はコミュニケーション”と言ったが、VMはチームワークの結束や人材育成にも役立つ。

シャルマ:店長からしたら、VMは売り上げを期待して戦略的に作るもの。一方でVM担当者が重要視するのは美しさ。どうしてもアート的な感覚になる。またショップスタッフは、機能的で販売しやすい空間を望む。それぞれの主張をくむのは難しいが、良いバランスが取れれば良い売り場になる。だからこそVMでコミュニケーションを図り、皆が理解を一つにする必要がある。そうして生まれるのが、お客さまにとって気持ちのいい環境、スタッフが誇りを持って仕事ができる環境、売れる環境だと思う。

堀田:「マーク ジェイコブス(MARC JACOBS)」のショップに行くと、VMでコミュニケーションしていることがよく分かる。VMの専門家が設営すればその瞬間は美しいだろうが、絶えず流動する店頭をどう維持し、時にアレンジしていくかも課題となる。

シャルマ:例えばECサイトはいくらトラフィックがあっても見た目は変わらないが、実際のディスプレーは人が触れば崩れてしまう。触れたくなるディスプレーに仕上がったことはうれしいが、繁忙期こそ多くのお客さまにきちんとしたものを見せたいもの。そこでスタッフは接客する者、ストックを補充する者、それらをフォローする者といったふうに連携しなくてはならない。これもVMというコミュニケーションツールがあってこそ実現する。

堀田:VMによって店舗フローに芯ができ、全スタッフが共通のゴールを目指せるようになる。VMは点ではなく面、いや立体になってこそ、その力が最大限に引き出される。

PHOTO : TAKUYA FURUSUE
TEXT : KAORI TOMABECHI

問い合わせ先
VISUAL MERCHANDISING STUDIO
03-3320-2053

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「住民以外も巻き込んで、カルチャーを守る」 渋谷区が異例のクラウドファンディングを立ち上げた狙いを区長に直撃

 東京都渋谷区は、渋谷区商店会連合会、渋谷区観光協会、渋谷未来デザインと共に、新型コロナウイルス感染症拡大で影響を受けている区内のファッション、理美容、飲食、エンターテインメントなどの事業者を支援するために、「YOU MAKE SHIBUYA クラウドファンディング」を開始した。地方自治体がコロナで苦しんでいる産業支援のために給付金を支給する事例は多いが、渋谷区のようなクラウドファンディングでの商業振興は珍しい。渋谷区は全国で初めて同性のパートナーシップを認める(2015年)など、これまでも柔軟な取り組みが注目されてきた自治体。長谷部健区長に、クラウドファンディングの狙いを聞いた。

WWD:7月22日に、「YOU MAKE SHIBUYA クラウドファンディング」がCAMPFIRE上でスタートした。期間は9月6日までで、目標金額は渋谷区とかけた4289万円。集まった資金は区内の事業者の支援に充てられる。クラウドファンディングを立ち上げたのはどんな意図から?

長谷部健渋谷区長(以下、長谷部):意図は単純明快です。渋谷の街の魅力を構成する大きな要素である、ファッションや理美容、エンタメ、飲食といった業界が新型コロナの影響で困っていて、アクションが滞っている。僕自身も原宿で生まれ育っているので、周りにあった洋服屋などが(コロナで)つぶれているのも見ている。近年は中国を中心とした観光客の方が収益の中心だったので、売り上げが7割減になったといった声もきます。一方でオーバーツーリズムの問題は解決した部分もありますが、だからといってそれでよしとは思わない。やはりこの街は、ファッションやエンタメなど、さまざまなカルチャーの発信がアクティブにあるからこそ、僕も皆さんもシティプライドを持ってやってきた。だから、そういったカルチャーの分野はできるだけ応援しないといけない。

WWD:給付金での支援ではなく、クラウドファンディングという形がユニークだ。

長谷部:渋谷区は東京23区特別区ですが、地方自治体の仕事は基本的にはそこに住む生活者を支えることです。だから、どうしても住民の教育や福祉、それにまつわる土木などの事業が優先になるし、商業振興を行うにしてもその土地に住んでいる事業者を対象にしていることが多かった。ただ、渋谷のカルチャーの大きな原動力になっている人たちが、区民じゃないということもある。この街の昼間人口は、住民(約23万人)の何倍もいます。そこに大きなジレンマがありました。渋谷区は基本的に住民税で運営している自治体なので、(住民ではない事業者を含む)商業振興には原資をかけづらい。でも、商業振興も置き去りにできない。渋谷区の住民税だけで(商業振興を)まかなうのは財政的にきついし、この街には住んでいないけど関心を持っている人はたくさんいる。そういう人たちと一緒になって、この街のカルチャーを守っていきたい。それでクラウドファンディングという形になりました。

さらに言えば、ウィズコロナ、アフターコロナのライフスタイルを探っていく中で、社会が未来へ向かうスピードが速くなるという面もあると思うんです。インターネットとの親和性などによって、生活のあらゆる面がコロナで進む面もある。だから、単にコロナで苦しんでいる事業者を支援するということだけでなく、コロナを経た新しいライフスタイルや社会のあり方を見据える。そのために、区の予算としても1億円を拠出して、クラウドファンディングで集まった資金と共に商業振興を行っていきます。

「なぜ区が給付金を出して振興してくれないんだ」と言われてしまうかもしれませんが、それが一番誤解してほしくない部分。特別区としてできることを追求する中で、この街を発展させてきた区民じゃない方々にもできる限りのことをしたい。一緒になってやっていくために、クラウドファンディングとして力を貸してほしい。コロナは個人を主語にして乗り越えていくものではなく、社会を主語にして乗り越えていく課題。みなさんとまとまって力を出していきたい。

WWD:調達した金額と渋谷区の予算をあわせて、具体的に事業者にどのような支援を行っていくのか。

長谷部:たとえば飲食店などは、マスクやフェイスシールドが不足して困っているので配布します。ファッション関連の事業者は、来街者や観光客が減って商品が売れなくなっている。そこでECを作って売っていく。ただ、既に確立されている「ゾゾタウン(ZOZOTOWN)」などと同じことをやっても意味がないですから、街の魅力と一緒になったECにしていく。たとえば、街にリアルに出店している人しか出せないような仕組みなどを考えています。最初は既存のECモールの中に渋谷区の店としてまとまって出店するようなイメージを描いていますが、おいおいは5月にスタートした5Gの通信網を生かした渋谷区公認の仮想空間「バーチャル渋谷」の中で、ショッピングモールやコンサートを観る仕組みを作ることもできると思っています。そういう未来へのチャレンジを楽しみながら一緒に行ってもらえないかという呼びかけが、今回のクラウドファンディングですね。これまで、渋谷のスクランブル交差点でファッションショーをしたいという声などもありましたが、実際はなかなか難しい。そういったことも、バーチャル空間ではスムーズにできるようになるかもしれません。

WWD:ファッションや理美容などの事業者からは、コロナショックに伴ってさまざまな陳情が届いている?

長谷部:いろんな人から毎日情報は聞きますし、苦労しているお店、なくなっていくお店を実際見ています。同時に頑張っているなとも感じたりね。(陳情に来た人には)お金はサポートできないけど、(スクランブル交差点など)今までできなかった場所で何か行動をして、ノイズをあげるという行動なら積極的に応援すると伝えています。ただし、一つのブランドや店を盛り上げるためだけの行動では意味がなくて、(渋谷区のECモールなど)新しいサイトを作ったり、新しいムーブメントを生み出したりするためのきっかけになることなら、応援しますよと話している。

WWD:行政が、民間の事業者に対して何をどこまでやるのかというのは難しい部分もあると思う。

長谷部:繰り返しになりますが、渋谷を誇りに思ってくれている渋谷区民ではない人はたくさんいます。ハロウィンの翌朝の掃除などにまさにそれが表れていて、渋谷に住んでいない人たちが、自分たちの街として渋谷を掃除してくれる。ここはそういうパワーがある街です。そういう人たちは納税者ではないですが、渋谷区を応援することができるという空気を作りたい。そのようにいろんな人を巻き込んでいくという意味で行政の関わりはもちろんあると思うし、関わるべきだと考えています。渋谷区が政令指定都市並みの税制や権限を持っていたらもっと色々できると思いますが、今できる範囲内でのベストを考えている。渋谷区には給付金を配り続ける体力はない。だったら、釣った魚を渡すのではなく釣り竿を渡そうという考えです。ネット上で商品が買えるような仕組みができれば、万一コロナの第二波、第三波がきて実店舗が閉まっても売り上げにつながる。渋谷区公式のサイトとなれば、ECとしての見え方も違うんじゃないかと期待しています。

WWD:ファッションで言えば、渋谷区は個店も多い街。個店で自立心が強いゆえ、ファッション業界はなかなかまとまったパワーにならないという面もコロナでは明らかになった。

長谷部:(渋谷区の今の主だったファッション産業は)DCブランドのマンションメーカーからスタートしましたからね。現在も渋谷区は自立心のある人の集まる街、上を向いている人が集まる街だと思う。(ファッションの事業者があまり横とつながりたがらないのだとすれば)それこそ行政はやる意味があると思います。行政が(ECなどの事業を先導することが)一番フェアでしょう?

WWD:ファッション業界に対して要望はあるか。

長谷部:本当は、誰かに言えば業界全体に広がるといった仕組みになっているとありがたいですが……(笑)。たとえば理美容業だと、大手美容室も入っている区内のネットワークがあります。それは徒弟制度だからという部分もあるのかもしれないですが、ファッション業界はそういう(ネットワークがきっちりしている)部分もあるけれど全然そうじゃない部分もある。僕は絵本の「スイミー」みたいな組織になるといいと思うんです。区役所内の組織のあり方についてもよく言っていることなんですが、(ファッション業界も)みんなで大きな一つの船に乗るのではなく、個が集合することで大きな課題に立ち向かうことができる業界だと思う。コロナは、街とみんなと一緒になって乗り越えていかないといけない課題ですから。

今まで、区とファッション業界が膝を突き合わせて話をすることはあまりありませんでした。僕が区長になった後、(区内に本社を構える)ビームスやアダストリアとは協定を結んで、そういった大手企業との話し合いは少しずつ始まっていましたが、ファッション業界との連携をもっともっと進めていきたい。区役所の職員がクールビズでビームスが手掛けたポロシャツ着ていますが、所内が明るくなりました。やっぱりファッションの力ってありますよね。業界の側から、(行政と一緒になって何ができるか)もっともっとアイデアを寄せてほしいです。

WWD:長谷部区長が考える、ファッションビジネスのおもしろさとは?

長谷部:原宿で生まれて、小学生のころは竹の子族やロカビリー族がはやっていましたし、同級生の親にはDCブランドやマンションメーカーを手掛けていた人もいました。ぼんぼんビジネスを当てて行って、あっという間にいなくなった人もいましたが、そこから続けることは大変だけど、華やかですてきな業界だなと感じていました。もちろん、ファッションに限らず、デザイン関係、映画監督、カメラマンなどの親を持つ子どももいて、うちみたいなサラリーマンの家庭もあった。僕は自分自身がおしゃれだとは思わないですし、おしゃれとなるとどちらかというと気恥ずかしくなってしまうタイプですが、そういう街で揉まれて育ってきた中で、ファッションを通して成長していった仲間もたくさんいる。だから服自体というよりも、そういういろんな人たちが作り出すカルチャーには思い入れがあります。渋谷区では全国で初めて同性のパートナーシップを認めましたが、それもLGBTQの人たちが周りにいたから気付けたことです。そういうさまざまなカルチャーがある街は誇りなんですよね。街に育てられたという感覚はあります。

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「住民以外も巻き込んで、カルチャーを守る」 渋谷区が異例のクラウドファンディングを立ち上げた狙いを区長に直撃

 東京都渋谷区は、渋谷区商店会連合会、渋谷区観光協会、渋谷未来デザインと共に、新型コロナウイルス感染症拡大で影響を受けている区内のファッション、理美容、飲食、エンターテインメントなどの事業者を支援するために、「YOU MAKE SHIBUYA クラウドファンディング」を開始した。地方自治体がコロナで苦しんでいる産業支援のために給付金を支給する事例は多いが、渋谷区のようなクラウドファンディングでの商業振興は珍しい。渋谷区は全国で初めて同性のパートナーシップを認める(2015年)など、これまでも柔軟な取り組みが注目されてきた自治体。長谷部健区長に、クラウドファンディングの狙いを聞いた。

WWD:7月22日に、「YOU MAKE SHIBUYA クラウドファンディング」がCAMPFIRE上でスタートした。期間は9月6日までで、目標金額は渋谷区とかけた4289万円。集まった資金は区内の事業者の支援に充てられる。クラウドファンディングを立ち上げたのはどんな意図から?

長谷部健渋谷区長(以下、長谷部):意図は単純明快です。渋谷の街の魅力を構成する大きな要素である、ファッションや理美容、エンタメ、飲食といった業界が新型コロナの影響で困っていて、アクションが滞っている。僕自身も原宿で生まれ育っているので、周りにあった洋服屋などが(コロナで)つぶれているのも見ている。近年は中国を中心とした観光客の方が収益の中心だったので、売り上げが7割減になったといった声もきます。一方でオーバーツーリズムの問題は解決した部分もありますが、だからといってそれでよしとは思わない。やはりこの街は、ファッションやエンタメなど、さまざまなカルチャーの発信がアクティブにあるからこそ、僕も皆さんもシティプライドを持ってやってきた。だから、そういったカルチャーの分野はできるだけ応援しないといけない。

WWD:給付金での支援ではなく、クラウドファンディングという形がユニークだ。

長谷部:渋谷区は東京23区特別区ですが、地方自治体の仕事は基本的にはそこに住む生活者を支えることです。だから、どうしても住民の教育や福祉、それにまつわる土木などの事業が優先になるし、商業振興を行うにしてもその土地に住んでいる事業者を対象にしていることが多かった。ただ、渋谷のカルチャーの大きな原動力になっている人たちが、区民じゃないということもある。この街の昼間人口は、住民(約23万人)の何倍もいます。そこに大きなジレンマがありました。渋谷区は基本的に住民税で運営している自治体なので、(住民ではない事業者を含む)商業振興には原資をかけづらい。でも、商業振興も置き去りにできない。渋谷区の住民税だけで(商業振興を)まかなうのは財政的にきついし、この街には住んでいないけど関心を持っている人はたくさんいる。そういう人たちと一緒になって、この街のカルチャーを守っていきたい。それでクラウドファンディングという形になりました。

さらに言えば、ウィズコロナ、アフターコロナのライフスタイルを探っていく中で、社会が未来へ向かうスピードが速くなるという面もあると思うんです。インターネットとの親和性などによって、生活のあらゆる面がコロナで進む面もある。だから、単にコロナで苦しんでいる事業者を支援するということだけでなく、コロナを経た新しいライフスタイルや社会のあり方を見据える。そのために、区の予算としても1億円を拠出して、クラウドファンディングで集まった資金と共に商業振興を行っていきます。

「なぜ区が給付金を出して振興してくれないんだ」と言われてしまうかもしれませんが、それが一番誤解してほしくない部分。特別区としてできることを追求する中で、この街を発展させてきた区民じゃない方々にもできる限りのことをしたい。一緒になってやっていくために、クラウドファンディングとして力を貸してほしい。コロナは個人を主語にして乗り越えていくものではなく、社会を主語にして乗り越えていく課題。みなさんとまとまって力を出していきたい。

WWD:調達した金額と渋谷区の予算をあわせて、具体的に事業者にどのような支援を行っていくのか。

長谷部:たとえば飲食店などは、マスクやフェイスシールドが不足して困っているので配布します。ファッション関連の事業者は、来街者や観光客が減って商品が売れなくなっている。そこでECを作って売っていく。ただ、既に確立されている「ゾゾタウン(ZOZOTOWN)」などと同じことをやっても意味がないですから、街の魅力と一緒になったECにしていく。たとえば、街にリアルに出店している人しか出せないような仕組みなどを考えています。最初は既存のECモールの中に渋谷区の店としてまとまって出店するようなイメージを描いていますが、おいおいは5月にスタートした5Gの通信網を生かした渋谷区公認の仮想空間「バーチャル渋谷」の中で、ショッピングモールやコンサートを観る仕組みを作ることもできると思っています。そういう未来へのチャレンジを楽しみながら一緒に行ってもらえないかという呼びかけが、今回のクラウドファンディングですね。これまで、渋谷のスクランブル交差点でファッションショーをしたいという声などもありましたが、実際はなかなか難しい。そういったことも、バーチャル空間ではスムーズにできるようになるかもしれません。

WWD:ファッションや理美容などの事業者からは、コロナショックに伴ってさまざまな陳情が届いている?

長谷部:いろんな人から毎日情報は聞きますし、苦労しているお店、なくなっていくお店を実際見ています。同時に頑張っているなとも感じたりね。(陳情に来た人には)お金はサポートできないけど、(スクランブル交差点など)今までできなかった場所で何か行動をして、ノイズをあげるという行動なら積極的に応援すると伝えています。ただし、一つのブランドや店を盛り上げるためだけの行動では意味がなくて、(渋谷区のECモールなど)新しいサイトを作ったり、新しいムーブメントを生み出したりするためのきっかけになることなら、応援しますよと話している。

WWD:行政が、民間の事業者に対して何をどこまでやるのかというのは難しい部分もあると思う。

長谷部:繰り返しになりますが、渋谷を誇りに思ってくれている渋谷区民ではない人はたくさんいます。ハロウィンの翌朝の掃除などにまさにそれが表れていて、渋谷に住んでいない人たちが、自分たちの街として渋谷を掃除してくれる。ここはそういうパワーがある街です。そういう人たちは納税者ではないですが、渋谷区を応援することができるという空気を作りたい。そのようにいろんな人を巻き込んでいくという意味で行政の関わりはもちろんあると思うし、関わるべきだと考えています。渋谷区が政令指定都市並みの税制や権限を持っていたらもっと色々できると思いますが、今できる範囲内でのベストを考えている。渋谷区には給付金を配り続ける体力はない。だったら、釣った魚を渡すのではなく釣り竿を渡そうという考えです。ネット上で商品が買えるような仕組みができれば、万一コロナの第二波、第三波がきて実店舗が閉まっても売り上げにつながる。渋谷区公式のサイトとなれば、ECとしての見え方も違うんじゃないかと期待しています。

WWD:ファッションで言えば、渋谷区は個店も多い街。個店で自立心が強いゆえ、ファッション業界はなかなかまとまったパワーにならないという面もコロナでは明らかになった。

長谷部:(渋谷区の今の主だったファッション産業は)DCブランドのマンションメーカーからスタートしましたからね。現在も渋谷区は自立心のある人の集まる街、上を向いている人が集まる街だと思う。(ファッションの事業者があまり横とつながりたがらないのだとすれば)それこそ行政はやる意味があると思います。行政が(ECなどの事業を先導することが)一番フェアでしょう?

WWD:ファッション業界に対して要望はあるか。

長谷部:本当は、誰かに言えば業界全体に広がるといった仕組みになっているとありがたいですが……(笑)。たとえば理美容業だと、大手美容室も入っている区内のネットワークがあります。それは徒弟制度だからという部分もあるのかもしれないですが、ファッション業界はそういう(ネットワークがきっちりしている)部分もあるけれど全然そうじゃない部分もある。僕は絵本の「スイミー」みたいな組織になるといいと思うんです。区役所内の組織のあり方についてもよく言っていることなんですが、(ファッション業界も)みんなで大きな一つの船に乗るのではなく、個が集合することで大きな課題に立ち向かうことができる業界だと思う。コロナは、街とみんなと一緒になって乗り越えていかないといけない課題ですから。

今まで、区とファッション業界が膝を突き合わせて話をすることはあまりありませんでした。僕が区長になった後、(区内に本社を構える)ビームスやアダストリアとは協定を結んで、そういった大手企業との話し合いは少しずつ始まっていましたが、ファッション業界との連携をもっともっと進めていきたい。区役所の職員がクールビズでビームスが手掛けたポロシャツ着ていますが、所内が明るくなりました。やっぱりファッションの力ってありますよね。業界の側から、(行政と一緒になって何ができるか)もっともっとアイデアを寄せてほしいです。

WWD:長谷部区長が考える、ファッションビジネスのおもしろさとは?

長谷部:原宿で生まれて、小学生のころは竹の子族やロカビリー族がはやっていましたし、同級生の親にはDCブランドやマンションメーカーを手掛けていた人もいました。ぼんぼんビジネスを当てて行って、あっという間にいなくなった人もいましたが、そこから続けることは大変だけど、華やかですてきな業界だなと感じていました。もちろん、ファッションに限らず、デザイン関係、映画監督、カメラマンなどの親を持つ子どももいて、うちみたいなサラリーマンの家庭もあった。僕は自分自身がおしゃれだとは思わないですし、おしゃれとなるとどちらかというと気恥ずかしくなってしまうタイプですが、そういう街で揉まれて育ってきた中で、ファッションを通して成長していった仲間もたくさんいる。だから服自体というよりも、そういういろんな人たちが作り出すカルチャーには思い入れがあります。渋谷区では全国で初めて同性のパートナーシップを認めましたが、それもLGBTQの人たちが周りにいたから気付けたことです。そういうさまざまなカルチャーがある街は誇りなんですよね。街に育てられたという感覚はあります。

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顔認証とAIを駆使した無人店舗で化粧品を購入してみた

 以前から注目されていたものの、新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり期待感が増している無人店舗。「アットコスメ」と協業し東京・新宿住友ビル地下にオープンした「セキュア AI ストア ラボ(SECURE AI STORE LAB)」もそのひとつだ。会員情報と顔認識システムを紐付け、入店から購入、退店までをデータで管理する同店。そのシステムを探りに店舗を訪れてみた。

◾︎顔認識の技術は
どこまで進んでいるの?

 この店舗を運営するセキュアは、オフィスや店舗のセキュリティーシステムやAI、クラウドサービスの企画や開発、販売、運営を手がける会社で、一般消費者向けのストア運営は初めてだ。自社で扱う最先端のAI技術、セキュリティー技術を店舗運営に生かすための実証実験の場が欲しくて、自分たちで運営しようと決めたんだそう。「失敗してもいいと思っているし、実際にトラブルはあるかもしれない。それでも自分たちで運営して何かあったらスピード感を持って対応し、作り上げたものを小売店に見ていただいた方が良いと思った」と平本洋輔セキュア取締役。

 店舗の特徴は、オフィスのセキュリティーでおなじみの⼊退室管理のデータに顔認識システム、ディープランニングによるAI技術を用いている点。会員カードやQRコードをかざすなどの必要はなく、モニターに顔を向けるだけで個人を認識する。ちなみに、顔認証システムは以前からあったが、2001年の米国同時多発テロを契機に注目度が加速。「顔認証システムは目鼻の位置を読み取る技術のほかに、顔の凹凸まで読み取る3次元の顔認識システムが生まれて精度が飛躍的に向上した」(平本取締役)そうで、技術も大幅に進化している。

◾︎会員登録と顔認証登録を済ませ
いざ店舗へ!

 店舗に入るには事前に会員登録をする必要がある。そこで名前や年齢のほか、クレジットカードの登録をしていざ店舗へ。店舗横には顔登録端末があり、そこに会員情報のQRコードをかざし、あらかじめ登録していた会員情報に顔のデータを追加する。それが完了したら入店ゲートへ……。入り口横にあるモニターに顔を向けてマスクを外したら顔の読み取りが完了し、ゲートが開いた。なお、現在の顔認証システムはマスクをしたままでも顔を読み取れる設定にもできるとのこと。

 ゲートの先にあるこぢんまりとした店内には、「アットコスメ ニッポン(@COSME NIPPON)」の製品がずらりと並び並び、ポップアップストアのような印象だ。「『アットコスメ』の製品や口コミ情報は貴重で、ぜひやらせていただきたいと声をかけた」(平松取締役)そうで、無人店舗を支えるものはデータと技術であることを改めて思い知る。

 天井にはセンサーとカメラが備え付けられていて、これにより来店客の動線を可視化しているという。棚の前に立ち商品を手に取ると、棚上部にあるモニターに製品説明が表示され、「アットコスメ」の製品紹介文や口コミ情報がモニターに表示される。購入を決めた製品があればそのままバッグに入れてOK。なんだか万引きをしているような気分になるが、製品が今どこにあるのか?はセンサーにより管理されていて、退店時の顔認証でクレジットカードから自動的に決済される。決済できなければ店から出ることができない(製品を棚に戻すしかない)ため、無人店舗でも万引きができないという仕組みだ。

 このシステムの便利なところは、什器に触れたりカードをかざしたりしなくても、顔を向けるだけで認証されるためタッチパネルなどに触れる回数を大幅に減らせるほか、会員情報を元に入店・退店の管理が行えるため、店内の人数制限が容易に行える点だろう。来店客の動線や製品を手に取る回数なども可視化でき、取り扱い製品の構成や陳列の変更などもデータを見ながら行える。そのほか、技術的には顔を認証する際に体温測定も可能とのことなので、ウィズ・コロナの時代に重宝されそうだ。同店は2021年3月末までオープンしている。

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ジェシカ・ジュンの美の秘訣とは? 「レブロン」グローバルアンバサダー就任

 「レブロン(REVLON)」のグローバルアブランドンバサダーに歌手、作家、女優、モデル、ファッションデザイナーとして活躍するジェシカ・ジュン(Jessica Jung)が就任した。アジアを中心に同ブランドのアイコン製品である「スーパー ラストラス」や「カラー ステイ」シリーズのほか、新商品の広告キャンペーンに登場する予定だ。

 ジェシカはアメリカ・サンフランシスコに生まれ、11歳で韓国に移住。パフォーマーとしてデビュー後、大人気ガールズグループのメンバーとして一躍スターとなった。その後、自身のファッション&ビューティーブランド「Blanc&Eclare」を立ち上げるなど、多岐にわたって活躍している。マルチな才能を持つ彼女の美しさの秘訣やアンバサダー就任の感想などを聞いた。

WWD:「レブロン」のグローバルアブランドンバサダーに就任した感想は?

ジェシカ・ジュン(以下、ジェシカ):すごくうれしいのと同時に、光栄に思います。幼少期をアメリカで過ごし、その頃から「レブロン」の広告を見て育ったということもあり、さらに特別に感じています。まだ実感が湧いていなくて、すごくドキドキしていますね。

WWD:ジェシカさんにとって“美”とは?

ジェシカ:私にとっての美しさは自由に自分自身を表現することです。外面の美しさも大事ですが内面の美しさのほうが重要で、いつもハッピーな人が美しい人だと思いますね。

WWD:美を磨くために普段から気を付けていることは?

ジェシカ:まず美しさを維持するために一番重要なのは、大切な人や好きな人たちと共に過ごすことです。好きな人たちと一緒にいることで内面的に強くなれるし、そういった気持ちが外面にも現れてくると思います。ケアに関しては、やっぱりスキンケアとベースメイクが大事ですね。土台が整っていると全てがキレイに見えますし、この2つは大事にしています。

ジェシカ・ジュンのメイクテクニックや注目のトレンドは?

WWD:「レブロン」の製品でお気に入りのものは?

ジェシカ:新製品「レブロン カラーステイ クッション ロングウェア ファンデーション」は、暑くなるこれからの季節にすごく使いやすいアイテムです。私も使っているんですが、皮脂をコントロールするパウダーが配合されているので、程よいマット感で端正な肌に仕上がります。パフでぽんぽんとタッチするだけできちんとカバーもしてくれて、すごく使いやすいです。さらに密着感があって崩れにくいロングラスティングなので、これからの季節は汗もかきますし、マスクも必須なので「レブロン カラーステイ クッション ロングウェア ファンデーション」はおすすめですね。

あと、「レブロン キス グロウ リップ オイル」です。カラーバリエーションも豊富で、単品で使ってもかわいいですし、ほかのリップの上から重ね塗りしてもふっくらとした艶のある仕上がりになるのでおすすめです。

WWD:ジェシカさんが実際に取り入れているメイクテクニックは?

ジェシカ:ベースメイクを大事にしているのですが、その中でも私のおすすめのテクニックは2色のファンデーションを混ぜて使う方法です。リキッドファンデーションもクッションファンデーションも同じように使っているんですが、自分の肌よりワントーン明るい色と暗い色をミックスして、自分の肌にぴったり合う色に調整して使っています。

WWD:この夏、注目しているメイクトレンドは?

ジェシカ:最近リップをオーバー気味に塗るのがトレンドなんじゃないかなと思っています。私のお気に入りは、アイシャドウブラシを使ってリップラインをぼかしながらオーバー気味に塗る方法です。そうするとナチュラルにボリューム感のある唇に仕上がります。

WWD:性別にとらわれず、メイクを楽しむ男性も増えていますがどう感じていますか?

ジェシカ:メイクは自己表現のひとつの方法なのですごくよいと思います。メイクで自分の表現の幅が広がるのは素晴らしいことですよね。

WWD:グローバルブランドアンバサダーとして伝えたいことは?

ジェシカ:新型コロナウイルスの影響もある中でとても不安な日々が続いています。新しい生活に慣れていかなくてはいけない大変な時期ではありますが、ポジティブな気持ちを忘れずに過ごしてほしいと思っています。アンバサダーとして、メイクを通じて新たなチャレンジをしていくので、皆さんに楽しく笑顔になっていただきたいです。

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東京・馬喰町の老舗ファッション書店「アスカブックセラーズ」、繊維問屋とのつながりが生んだ意外な大ベストセラー

 「アスカブックセラーズ」と聞いてピンと来た人は相当なファッション通、というかけっこうコアな業界人だろう。東日本最大のアパレル問屋街である東京・馬喰町エリアの、東日本橋駅B3出口から徒歩10秒、大手繊維商社モリリン東京支社のすぐそばの書店だ。30坪の店舗は、入り口でマスクと子ども用の数十種類のバスボムが出迎え、中に入ると左側には児童書や子ども向けの雑貨、右側にはファッション雑誌、正面に進むと文庫やマンガ、ビジネス書が雑然と並び、書店とも雑貨店とも言えない独特の品ぞろえだ。が、同時にふらりと立ち寄ったサラリーマンやOLが立ち読みをしていたり、ランドセルを背負ったまま学校帰りの小学生が座り込んでおもちゃを見ていたりする、昔ながらの書店の居心地の良さも漂わせている。

 かつてはイースト東京エリアで随一を誇るファッション専門雑誌&書籍をそろえていたユニークな書店は、「WWDジャパン」「ファッションニュース」の袖看板に名残りをとどめつつ、繊維問屋跡地に次々と建ったマンション、今なお残る繊維問屋、古き良き下町情緒など新旧の変化を映し出すユニークな書店として街に彩りを添えている。「アスカブックセラーズ」店主の河邊健太郎トリオ&カンパニー代表取締役に話を聞いた。

WWDジャパン(以下、WWD):ファッション雑誌からマスク、子ども用の雑貨まで、多種多様な商品を取り扱っていますね。

河邊健太郎店主(以下、河邊):いやあ、今は子ども向けの雑貨や日用品が売れてます。この場所に移転オープンをした当時はまだ繊維問屋や商社が多くて、ファッション専門の書籍や専門誌をかなり充実させたファッション専門書店にしたんですけど、正直あまり売れなかった。数年後に、ひょんなことから雑誌の納入先の繊維問屋から日用雑貨を仕入れられるルートができて、近隣のオフィスに勤めている女性をターゲットに、生活雑貨やキッチン雑貨、子ども用の日用品なんかを入れたら、それが売れた。ちょうどその頃から繊維問屋が減って、その跡地にマンションがどんどん建っていったので、若い女性に加え、小さな子ども連れの若い夫婦が増えました。一番売れているのは、小さい子ども向けの雑貨やおもちゃですね。このビルの2階も公文教室だし。書籍の仕入れは減らしましたが、ファッションの専門誌の方はむしろ休刊が多くて取り扱いが減った感じですね。

とはいえ、今でも外商を含めると本・雑誌の売り上げが全体の7割です。日用品や雑貨に比べて雑誌や本の方が単価は高いので。児童書もよく売れてます。

WWD:新型コロナの影響は?

河邊:4月から周辺のオフィスがクローズしたので街の人の数は激減しました。けど、うちのお客はオフィスワーカーだけでないので、お店はずっとオープンしていました。3月・4月はマスクや消毒液が売れました。

WWD:よく仕入れられましたね。

河邊:先ほども言ったように雑貨や日用品はファッション誌の納入先の地元の繊維問屋から仕入れていて、マスクなどもその繊維問屋から仕入れられたので。隣のドラッグストアチェーンではずっと売り切れているのに、なぜか「アスカブックセラーズ」では売っていました。価格も安かったですし、飛ぶように売れましたね。

WWD:高くしようとは思わなかった?

河邊:うちみたいな小さな店舗は、信用・信頼が第一なんです。そのときに売れても、高い値付けで地元の顔なじみのお客に嫌われたら主力の本や雑貨が売れなくなっちゃいますよ。とはいえ、マスクや消毒液を買っていったのは顔なじみのお客というより、見たことのない新規のお客でした。うちはSNSやウェブサイトもないのに、商品を並べるとどこからともなくお客が買いに来るので不思議でしたね。

WWD:開店は朝8時とかなり早く、街行事間は21時までと長い。なぜですか?

河邊:早いですか?先代、先々代からずっとそうだったからなあ。昔からやっている書店なら普通だと思います。朝の出勤前に立ち寄るお客さんも多いですよ。ただ、閉店時間は22時だったのを5年前に21時に変えました。隣のドラッグストアやドトールもそのくらいなんでね。1時間早めてだいぶ楽になりました。

WWD:1日の平均的なスケジュールは?

河邊:朝7時に店舗に来て、人形町の日本橋図書館に納品に行って戻ってきたら開店準備をして、8時に店を開けます。9時にアルバイトが来たら外商先への配達はお願いして彼・彼女が戻ってきたら、私は週1〜3回くらいのペースで雑貨を仕入れに馬喰町の問屋さんに打ち合わせに行っています。21時に閉店して家に帰るのは22時前くらいですね。

WWD:客層は?

河邊:店舗の方は男女問わず、このあたりのオフィスワーカーと近隣に住む若い夫婦と子どもがメーンです。移転オープンから考えると、客層に若い夫婦とその子どもはかなり増えました。あと、この数年で増えたお客はヘアサロンの人ですね。よくファッション雑誌を買いに来ます。この馬喰町エリアにオシャレなサロンや飲食店、デザイン事務所などが増えたことを実感しています。

WWD:小さな書店と言えば外商が重要だが、やはり売り先は繊維問屋?

河邊:そうです。書店の場合、外商と言っても配達料は無料だし、それほど積極的に営業を掛けているわけではありません。それでも近隣の書店が廃業すると引き継いでいるので、配達エリアはこの東日本橋・馬喰町を中心に浅草橋、岩本町くらいまで広がっています。それでもピーク時の半分くらいかなあ。納品の主力はやっぱりファッション雑誌です。最大の売り先は豊島さんで、その他はエトワール海渡さん、ブルーミング中西さん、コスギ(旧小杉産業)さんも多い。ご近所ですがモリリンさんは少ないです(笑)。けど社員の方には、よくご来店いただいています。

WWD:最近の売れ筋は?

河邊:うちに限らずだと思いますが、児童書ですね。「どっちが強いの?」シリーズ(KADOKAWA)、「科学漫画サバイバルシリーズ」(朝日新聞出版)は置くと飛ぶように売れていきます。ファッション雑誌・本だと売れているのは「ジゼル(GISELe)」と「ファッジ(FUDGE)」です。外商だと「ファッジ」が強く、来店客だと「ジゼル」の伸びがすごいです。きちんと個性があるからかな、と。あとマスクや消毒液などのコロナグッズも売れています。

WWD:ファッション関連の書籍や雑誌も店舗を見ると、まだ多いようにも見えるが。

河邊:面陳(雑誌や本を棚に立て、背ではなく表紙を見せて陳列すること)しているから、多く見えるのだと思います。実際に雑貨に比べて単価も高いですし、特に雑誌はこの数年で、付録のある宝島社を筆頭に価格が高くなってますよね。

WWD:これまでの最大のベストセラーは?

河邊:書籍だと岡本太郎の「自分の中に毒を持て」(1993年、青春出版社)と松下幸之助の「道をひらく」(1968年、PHP研究所)です。開店以来、コンスタントにずっと売れ続けているので、数百冊は行っているんじゃないかな。

WWD:書店経営の醍醐味は?

河邊:サラリーマンと比べて気楽なところですかね。朝早いのも、サラリーマン時代も朝7時から勤務していたので、そんなに変わりはないですし。もちろん苦労もあります。僕が跡を継ぎ、住居を兼ねていた店舗を移転させるときは、父とだいぶ揉めました。借金までして家賃を払う必要がなんであるんだってね。移転前は、それこそ外商が売り上げの8割の小さなお店でしたから。当初はファッション専門書店、その後は雑貨も売るようになって。自分で全部決められるところはやっぱり面白いですよ。

WWD:最後に「WWDジャパン」のイチオシは?

河邊:雑誌特集はいつも熟読しています。ファッション雑誌をずっと売っていますが、なかなか中の人の顔が見える機会はないので。

■アスカブックセラーズ
創業:1950年
店舗面積:30坪
営業時間:8時〜21時
休日:不定休
住所:東京都中央区東日本橋2-2-4 東日本橋駅前ビル
電話番号:03-3863-3417

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出版・メディア業界がコロナ禍で見た光明と課題

 コロナ禍でデジタルシフトが進む中、多くの雑誌・メディアが新しいビジネスを模索し、新施策を始めている。しかしながら、それらの試み全てが成功するわけではないし、周りと同じことをしても生き残れない。時流を読み、新しいことにチャレンジする精神も大切だが、各媒体の“らしさ”を追求した、独自のコンテンツを生み出していくことの重要性を改めて認識すべきだろう。ここでは、出版・メディア界のニュースやさまざまな雑誌・メディアのキーパーソンたちへの取材から見えた、今後に向けての光明と課題をピックアップして紹介する。(この記事は「WWDジャパン」7月27日号の雑誌・メディア特集の記事の抜粋です)

動画コンテンツに活路 媒体の独自性がキモ

 コロナ禍で各媒体が積極的に取り組んだものの1つが動画だ。すでに動画を取り入れているメディアは少なからずあったが、コロナ禍でライブ配信を中心にさらに加速。大手出版社では、講談社の「ViVi」が“ViViモデル”を起用したライブ配信企画「ViViフェス ライブ」をスタートし、小学館の「美的」は「美的.com」「美的GRAND」3媒体の編集長たちがニュース発信をする動画企画“美的サマーニュース”を立ち上げ、「小学館アドポケット」内で公開する。集英社の「シュプール」はコロナ禍で店頭でのタッチアップが難しいビューティ業界に対する解決策として、広告メニュー「チュートリアルBeauty動画プラン」をスタート。新製品やおすすめ商品の魅力・使い方を訴求する同プランを2020年末までの実施案件限定でスタートしている。

 各社が動画に本格的に着手し始めたことで、コンテンツが多数乱立している。その中で視聴される動画とは、どのようなものなのか。動画事業を軸に拡大しているワンメディアの明石ガクト代表取締役CEOは、メディアビジネスにおいては「調達」「加工」「配信」の3つのレイヤーに分かれるとし、中でも「調達」が重要であると説く。「動画の作り方という『加工』の部分はすぐにまねをされてしまうし、逆にうまくいっているところの真似をすればいい。『配信』に関しても今や、誰もが発信できる。そんな中でファッションメディアで優位性があるなと感じるのは、ほかでは連れてこられないような、『このメディアだったら出るよ』というインフルエンサーなど。そういった人をいかに見つけられるかだと考えている。重要なのはどんな動画を作るかではなく、どんな人を連れてきて動画を作るかだ」。

「おうち時間」&「学び」の情報への需要が高まる

 自粛期間や、テレワークで効率的に仕事をすることが可能になり時間ができたことから、日常生活における「工夫」や新しいことに対する「学び」への意欲が世間的に非常に高まっている。そのような状況下で、集英社の「LEE web」での「新型コロナ私たちの工夫」といった企画や「おうち時間」系のコンテンツに加え、マガジンハウスの「ハナコ(Hanako)」による「ハナコカレッジ」、光文社の「ヴェリィ(VERY)」による「ヴェリィ アカデミー」、コンデナスト・ジャパンの「ワイアード(WIRED)」による「ワイアード ユニバーシティ」といった“学校”も多数スタートしている。特に“学校”での教育系コンテンツは、もともと予備校などでビデオ授業が行われていたように、デジタルとの親和性が非常に高い。このことは企業のウェブセミナーなどでの反響を見ても伺い知ることができる。さらには、コロナ禍で時間が取れるようになった人が少なからずいることで、学ぶことへのハードルが下がったことも要因となっているのだろう。

オウンドメディア化が加速 編集者・企業の取るべき道は?

 表は、ここ1年の雑誌・メディアの創刊(ローンチ)・休刊(休止)リストだ。これを見ると、意外にも創刊(ローンチ)が多いことに気づくが、出版社が新しいメディアを立ち上げているのかというとそうではない。休刊は基本的に出版社発の雑誌が中心なのに対し、創刊に関しては企業がオウンドメディアとして立ち上げているケースが大半を占めている。中でも「ユニクロ(UNIQLO)」の雑誌「LifeWear magazine」を元「ポパイ(POPEYE)」編集長の木下孝浩氏が手掛けたり、楽天の「アールエフ マグ」を元「ギンザ(GINZA)」編集長の中島敏子氏が手掛けたり、はたまたアーバンリサーチが自社メディアを小学館とタッグを組んで作っていたりと、編集者や出版社が絡んでいることも多い。

 この流れは当分続くのだろうか。ファッション誌やIT業界を経て、起業後はオウンドメディアの立ち上げや運営のほか、地方創生など「編集視点」で幅広く活動をしているPomaloの澄川恭子チーフ・コンテンツ・オフィサーは、企業のオウンドメディアについて「現在は、自社ブランドのブランディング向上に関与する内容であれば、自社ブランドのアイテムが必ずしも登場しないコンテンツでも配信している。ただ、今後は会員誌やPR誌、機内誌、企業が出版する雑誌など、企業専用にカスタマイズされた雑誌・メディアで、それ自体で収益を上げられるメディア=ブランドパブリッシングに変わっていくのではないか」と予測する。今後は企業のオウンドメディアが従来の出版社が発行していたメディアと肩を並べ、その裏で編集者が活躍する時代が来そうだ。

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「自衛隊で居酒屋をやると喜ばれるんです」三光マーケ長澤社長。コロナ前から先読みしたジミな収益源とは?

 新型コロナウイルス都内感染者が21日連続で三桁を推移しており、より一層の在宅勤務や外食自粛を要請され、オフィス街を中心に展開している大手居酒屋チェーンでは行き詰まりを感じている。多くの居酒屋チェーンが業態転換、ゴーストレストランなど活路を見出しているなか、株式会社三光マーケティングフーズ(東京・中央区)が、コロナ前から取り組んでいた第二の収益源に手応えを感じている。コロナを先読みしていたのか?長澤社長に話を聞いた。
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「バーバリー」がブランド初の“ソーシャルリテールストア”を中国にオープン SNSとリテールを融合させた購買空間

 「バーバリー(BURBERRY)」は7月31日、リアルとデジタルの世界を融合させたブランド初の“ソーシャルリテールストア”を中国・深セン市内のショッピングモール深セン湾MIXCにオープンする。テンセント社と共同開発したメッセンジャーアプリウィーチャット(微信、WeChat)用の専用プログラムを駆使して、パーソナライズされた購買体験を提供する。

 店舗面積は539平方メートルで、それぞれ異なるコンセプトを持つ10の部屋で構成する。2020年秋冬コレクションに着想を得た鏡張りの空間では、ブランドのシンボルである“TB”モノグラムが体の動きに合わせて形を変えるインタラクティブな仕掛けを用意した。また店内には3つのフィッティングルームを設け、ウィーチャットプログラムで事前の予約ができるほか、プレイリストから好みの曲を選択してカスタマイズされた空間を演出することができる。

 ブランド創業者のトーマス・バーバリー(Thomas Burberry)にちなんで名付けたカフェスペース「トーマス・カフェ」では、英国と中国のお茶文化を反映したメニューを提供する。重厚感のあるカーテンと鏡で装飾し、食器にもブランドの世界観を表す自然や動物の要素を取り入れた。同スペースでは今後、ワークショップや展覧会、ライブパフォーマンスなどを開催する予定で、ブランドコミュニティーの交流を促す。

 最大の特徴であるウィーチャットの専用プログラムは、店内のデジタルスクリーンと連動した商品のQRコードをスキャンしたり、カフェや店舗のイベントを予約するなどしてブランドとの交流を深めていくことで、“バーバリーソーシャル通貨”を獲得できる仕組みだ。獲得した通貨を使ってパーソナライズされたエクスクルーシブなアイテムにアクセスすることができるほか、カフェでの特別メニューのオーダーや“トレンチエクスペリエンス”と称する、トレンチコートをテーマにした特別画像やムービーを受け取ることができる。

 リカルド・ティッシ(Riccardo Tisci)=チーフ・クリエイティブ・オフィサーは、「私は自然とテクノロジーという対照的な要素のバランスと、両者を結び付けるエネルギーに関心を持っている。同店ではこの関係性を追求し、新しいエキサイティングな手法でデジタルとリアルを融合した。また店内デザインのディティールに自然を取り入れるなど、あらゆる要素を通じて自然界への愛を表現した。インタラクティブな発見の旅を通じてコミュニティーを結び付けたい」とコメントした。

 「バーバリー」はファッション業界におけるデジタルリーディングカンパニーとして数々の先進的な取り組みを行ってきた。同店は「バーバリー」がこれまで培ってきたデジタルの知見を最大限に発揮した店舗となる。

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異色のシューズブランド「オールバーズ」が投資家からも支持される理由

 「地球にやさしい」「サステナブルな〇〇」――こうしたキャッチフレーズを目にすることが増え、多くの企業が環境や社会に配慮した製品を提案するようになってきている。しかし生活者の視点でなるべくサステナブルな製品を選ぼうとすると、それらの表現が意味するところは極めてあいまいだ。そもそもサステナビリティの解釈は十人十色で正解はなく、数値化することも難しい。しかし、企業はその曖昧さを少しでもわかりやすく、そして顧客をはじめとするステークホルダーとどうコミュニケーションするか、その方法も問われ始めていると言えるだろう。

 そんな中で、明確なメッセージを発信し、わかりやすい形で示して支持を集める企業がある。サンフランシスコ発のシューズ企業オールバーズ(ALLBIRDS)だ。2020年4月から全製品にカーボンフットプリント(温室効果ガス排出量)を表示し、“カーボンニュートラルを目指す”と宣言。オールバーズは、サッカーの元ニュージーランド代表のティム・ブラウン(Tim Brown)とバイオテクノロジーの専門家ジョーイ・ズウィリンジャー(Joey Zwillinger)という異色のタッグが2016年に創業し、「カーボンフットプリントを抑えながら、自然由来の原料を用いたモノ作り」を推進する。スニーカーから始まり、20年6月にはアンダーウエアの販売を開始。今後もカテゴリーを広げるという。これまで累計1億4000万ドル以上(約148億円)の資金を調達し、現在、世界主要都市に直営の20店舗を展開するまでに成長した。20年5月にはアディダス(ADIDAS)とカーボンフットプリントの低いスポーツシューズ開発のためのパートナーシップを結んだことでも話題になった。

科学的にも学術的にも証明できる方法

 カーボンフットプリントの削減には創業当時から取り組んで計測してきたというが、その数値の公開を始めたのは19年のこと。「企業として責任を持つために公開を決めた。加えて、業界内でカーボンフットプリントの対話を推し進めたいという思いもあった」と、ハナ・カジムラ(Hana Kajimura)=サステナビリティ・マネジャーは公開に至った経緯を語る。彼女は28歳の若さで同社の核となるサステナビリティ分野のマネジャーを務める。同社には“カロリー表示のように地球のためにカーボンフットプリントを知る”ことを当たり前にしたいという考えがあった。近年、食品でのカーボンフットプリントの表示は少しずつ増えてきたが、ファッションアイテムでは初めてのことだ。

 カーボンフットプリントを重視したのは「気候変動対策が地球で生きていくために最も大きな要素だから」だ。「カーボン排出の削減 で寄与することが一番わかりやすく、感覚的にではなく、科学的にも学術的にも証明できると考えた」と説明する。

 現在、企業に“透明性”を求める動きが加速しているが、透明性の考え方についてはどう考えるのか。「アカウンタビリティー(説明責任)の要素が大きい。つまり、ステートメントや企業方針、進捗状況などを顧客と共有することだとも言える。私たちは環境における透明性から着手した。加えて、*Bコープを取得し、その基準に沿って取り組んでいる」。サプライヤーの選定に関してもBコープの基準に照らし合わせて選んでいるという。「私たちは顧客や株主だけでなく、サプライチェーンの人々や従業員を含めて、われわれのビジネスに関与するあらゆる数値を計測・公開することで透明性を担保している」。

*Benefit Corporationの略で、米非営利団体B Lubが運営する認証制度。環境、社会に配慮した事業活動を行っているかや、アカウンタビリティー、透明性などから評価される。具体的にはガバナンス、従業員、コミュニティー、環境、顧客の観点からなる200点満点の認証試験において80点を獲得することが条件

 カーボンフットプリントを抑えるために、例えば再生エネルギーを用いているサプライヤーを選んでいるのかというとそうではない。「目標はもちろん再生エネルギーを用いて環境基準を満たしている相手だけれど、今組んでいるパートナーとは日常会話レベルで改善を目指して取り組んでいる」という。「製造業におけるサステナビリティは比較的新しいコンセプトでしょう?だからサプライヤーの中には当初戸惑う人も少なくなかった。でも日々対話を重ねることで理解してもらえるようになり、今ではサプライヤーからアイデアが来るようになった。皆がサステナブルな思考になってくれたのが本当にうれしい」とハナは笑顔で話す。今では「廃棄物の削減やリサイクルを推進したり。環境負荷が低い素材の提案もしてくれている」という。

環境負荷の低い素材開発にも取り組む

 オールバーズでは、すでにある環境に配慮した素材を用いることはもちろん、自社開発にも取り組む。「靴底のフォームはもともと石油由来が多かったが、ブラジルでパートナーを見つけてサトウキビ由来の原料で作ることができるようになり、今では業界全体に供給できるようになった」。もちろん100%サトウキビ由来は難しいが、「機能性とのバランスを大切にしている。これからさらにサトウキビ由来の比率を高めるように改善していく」。機能性と環境への負荷とのバランスは非常に難しいとされていることに関しては、「アートと科学のバランスのようなところはあるわね。ブランドコンセプトとして、自然由来の素材とリサイクル素材の利用を重視しながら、カーボンフットプリントゼロを目指していく。どうやってゼロを目指していくのか、その過程も公開することこそ私たちの透明性への取り組みよ」。

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