「ミズノ」がド派手ピンクの“ウエーブ ライダー 1” 「ベイト」「マーベル」とのトリプルコラボ

 「ミズノ(MIZUNO)」は、米・カリフォルニア発のストリート系ショップ「ベイト(BAIT)」と「マーベル・コミック(MARVEL COMICS)」とコラボしたスニーカー(税込、以下同1万9800円)を4月16日に発売する。「ベイト」公式オンラインストアや渋谷パルコ、心斎橋パルコなどで扱う。

 スニーカーは、「ミズノ」の定番スニーカー“ウエーブ ライダー 1(WAVE RIDER 1)”をベースに、「マーベル・コミック」の個性派ヒーロー“デッドプール”の派手好きな性格をショッキングピンクのカラーリングで表現した。インソールには“DEADPOOL”ロゴやペガサスに乗る同キャラクターをプリントしたほか、ヒールやシュータンにはブランドロゴを配した。サイズは26.0〜30.0cm。

 ほかにもTシャツ(6380円)とフーディー(1万5950円)は、フロントに“DEADPOOL”と“BAIT”のロゴを、バックには“デッドプール”のロゴマークを大胆に配してストリート感を盛り込んでいる。

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アディダスがキノコの菌から作った人工レザーの“スタンスミス”を発表 来年発売

 アディダス(ADIDAS)は4月15日、キノコの菌から作った人工レザー「マイロ(MYLO)」を用いた“スタンスミス”を発表した。来年には発売予定で、4月8日にオンラインで行ったプレスカンファレンスで明らかにした。

 「マイロ」は無限に再生可能なキノコ類の地下根系である菌糸体(マイセリウム)から作られており、約2週間で成長する素材。現在、米国カリフォルニア州エメリービル拠点のバイオテックベンチャーのボルトスレッズ(BOLT THREADS)が運用している。ボストスレッズによると、最先端分野の農業技術を活用したプロセスにより、1平方フィート(0.09平方メートル)単位で増産可能な空間効率の高いシステムでこの菌糸体を育てることができるという。

 アディダスは、カンファレンス終了直後に行った「WWDJAPAN」とのQ&Aセッションで、「マイロ」のケミカルリサイクル技術の研究も並行していることを明かしており、「アディダス」が掲げてきたモノ作りにおける“再生のループ”を自然由来の素材で実現する画期的な素材としても注目だ。

 また、アディダスによると「マイロ」は柔らかくてしなやかな素材で汎用性が高く、多種多様な着色や仕上げ、エンボス加工にも対応できるという。一方で、菌糸体から作られた人工レザーは強度への課題もあるが、それに対しては「可能性を広げるために現在幅広く調査していて、段階的に素材やその機能性を変化させていければと考えている」と話した。

 今回発表した“スタンスミス マイロ”は、アッパーの外側、パーフォレーション(穴飾り)を施したスリーストライプス、かかととベロ部分に「マイロ」を使用し、ミッドソールには天然素材のラバーを用いた。

 アディダスのエイミー・ジョンズ・ベテラウス(Amy Jones Vaterlaus)未来グローバル担当責任者「『マイロ』の登場は、プラスチック廃棄物をゼロにするという当社の大きな目標に向けた大きな一歩だ。この惑星の住人として、私たちが学ばなければならないのは、自然にあらがうのではなく、自然と手を携え、革新的なソリューションを見つけるために、あらゆる努力をして、資源が回復する持続可能なペースでモノ作りを行う責任があるということ。“マイロ スタンスミス”は地球の生態系との相乗効果をはかることできるようデザインした」と話した。

 一方、ボルトスレッズのジェイミー・バインブリッジ(Jamie Bainbridge)=バイスプレジデント・オブ・プロダクトディベロップメントは「アイコニックな“スタンスミス”のアッパーに『マイロ』を採用することにより、アディダスは、この革新的な素材の大きな可能性を示してくれた。イノベーションを実現するための開発パートナーシップを通じて、アディダスと提携していることに、私たちはとても興奮している。『マイロ』は現代に必要な実力と性能を兼ね備えている。これはフットウェアの開発を通じて、アディダスのチームからの助言や深い技術的な専門知識のおかげだ」とコメントを発表した。

 なお、3月には「エルメス(HERMES)」が米新興企業マイコワークス(MYCOWORKS)と協働開発した菌糸体から作られた人工レザー“シルヴァニア”を用いたバッグを発表。今年中に発売する予定だ。“シルヴァニア”はエルメスのなめし工房で仕上げることで、強度と耐久性を高めている。同じく3月にステラ マッカートニー(STELLA McCARTNEY)も「マイロ」を用いた衣服を2型発表している。

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LVMHジャパンが女性の再就職とキャリアアップを支援 モード学園と国際ファッション専門職大学と提携

 日本で「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」などのブランドを運営するLVMHジャパンは4月15日、女性の再就職とキャリアアップを支援する「ME LVMH JAPAN クライアント・アドバイザー・プログラム」をスタートした。対象は、これまで結婚や出産、育児、介護などの理由で離職せざるを得なかった女性や性自認が女性の人で、ファッション・ビューティ業界の業界経験者以外も受け付ける。ファッション、コスメティックス、ウオッチ&ジュエリー販売で、再就職に必要な専門的知識の学習機会とトレーニングのサポートを無償で行い、生活支援金として月10万円を支給する。15日に、さまざまな背景を持つ12人の第1期生がプログラムの受講を開始した。

 同プログラムでは、50年以上に渡ってファッションと美容業界に人材を輩出してきた学校法人日本教育財団のモード学園と、国際ファッション専門職大学と提携する。両校の校舎である新宿のコクーンタワーでトレーニングを実施。カリキュラムには、ファッションとビューティの基礎知識の座学をはじめ、接客、メイク、スタイリングの実践授業、国内外のビジネスリーダーの講義などが含まれている。またLVMH傘下ブランドやスペシャリストを招いて、インターンシップとして店舗での実務研修も予定する。初回のプログラムでは、「ブルガリ(BVLGARI)」「セリーヌ(CELINE)」「クリスチャン・ディオール・クチュール(CHRISTIAN DIOR COUTURE)」「フェンディ(FENDI)」「フレッド(FRED)」「ゲラン(GUERLAIN)」「ロエベ(LOEWE)」「ロロ・ピアーナ(LORO PIANA)」「ルイ・ヴィトン」「マーク ジェイコブス(MARC JACOBS)」「パルファン・クリスチャン・ディオール(PARFUMS CHRISTIAN DIOR)」「タグ・ホイヤー(TAG HEUER)」の12ブランドが参加している。受講は1年間で、トレーニング終了時には卒業証書が授与されるほか、同社傘下ブランドでの就職機会を得ることが可能だ。

 15日に開かれた記者会見で、ノルベール・ルレ(Norbert Leuret)LVMHジャパン社長は「日本には仕事の復帰について、悩んでいる女性たちがたくさんいる。このプログラムでは、そのような方たちと一緒に答えを見つけて行きたい。私たちは業界に種をまくことで、社会に貢献できることは大きいと考える。他企業に向けてメッセージを送るのであれば『Do it!、頑張れ!』。悩んでいる人たちに答えられるよう、革新的にもっと考え方の蓋を開けて、アクションを起こしてほしい。多くの人にファッションやビューティの世界を再発見してもらい、仕事かプライベートのどちらかを選ぶのではなく、2つを一緒にバランスを取っていける世の中になっていってほしいと思う」と話した。

 LVMHジャパンのステファン・ヴォワイエ(Stephane Voyer)人事担当シニア バイスプレジデントは、「日本で働く女性の約3分の2が結婚や出産で離職し、経済危機やリストラの影響も最初に受けやすい。多くの女性たちが不公平にも、育児や介護によってキャリアを諦めなければならないことがあり、そのブランクによって、スキルが失われてしまうことがある。ヨーロッパでも行ってきたこのMEプログラムを日本で実施するにあたり、理念に共感いただいた日本教育財団に協力いただけることになった。プロジェクトは小さなステップでスタートするが、今後大きく成長させていきたい」と言う。

 日本教育財団の後藤京子・理事は「LVMHジャパンから2020年5月にお声がけいただき、約1年をかけて受講内容を考えてきた。女性に新しい環境を作り出していく試みの一助となれることを期待している。設立3年目になった国際ファッション専門職大学は“社会人の学び直し”を一つの目標にしてきた。今回の取り組みを通して、日本でも女性だけでなく、一度社会に出た人たちが再び学び直しができる土壌が生まれることを願っている」と説明した。

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オンワードと国際ファッション専門職大学がデジタル人材育成で強力タッグ ワンランク上の産学連携

 オンワードホールディングスは、国際ファッション専門職大学との産学連携により、加速するデジタル化に対応したプロフェッショナル人材の育成を目的とする「ONWARDみらい人財プロジェクト」を4月から開始した。

 同プロジェクトは、4 カ月間の「オンワードベンチャーアワード」と「オンワードビジネスインターンシップ」の2つのプログラムから構成される。

 「オンワードベンチャーアワード」は同社のデジタル戦略を担うグループ会社オンワードデジタルラボが抱える実際の課題に学生チームと一緒に取り組み、企画提案を行いながら課題を解決する実践型授業。学生約120人が6~7人ずつのチームを編成し、同社の担当者からフィードバックを受けながら企画・立案作業を進めていく。そして企画の内容を審査して、全19チームの中から7チームを選出し、プレゼンテーションにより優秀チームを表彰。優れた企画案を同社のグループ企業において実際に採用することも計画している。

 「オンワードビジネスインターンシップ」は、従来型の企業側主導のインターンシップとは異なり、大学側主導のアイデアで企業におけるプログラムを作成し、実行するというもの。配属先はグループ企業の「デジタルマーケティング」「EC ブランド開発・コミュニケーション開発」「D2C カスタマイズビジネス」の各部門を予定している。このプログラムを修了した学生は、所定の単位が取得可能だ。

 保元道宣オンワードホールディングス社長は、「今後のビジネスの成長には、デジタル化と若者の活躍が欠かせない。人材育成は急務だ。学生と一緒に事業やブランドを作っていくこのプロジェクトは、即戦力の育成や新しいファッション教育の構築が期待できる。これまでにない取り組みなので試行錯誤はあると思うが、そのプロセスが新しい価値につながる。1年目から即戦力が表れて、オンワードから1つ、2つのブランドを出すという意気込みだ」と期待を話した。

 永澤陽一国際ファッション専門職大学学部長教授は、「加速するデジタル化を背景に、ベテランも若手も関係なく、情報やアイデアはフラット化して公平に扱われている。経験者が持つスキルと若者のフレッシュなアイデアをどうやって山のように積み上げていくかがこのプロジェクトのポイントだ。本学らしく世界を巻き込める人材育成を目指したい」と話した。

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有機的なデザインで業界をリードし続けた「ティファニー」のエルサ・ペレッティを偲ぶ

 「ティファニー(TIFFANY & CO)」のアイコニックなジュエリーといえば、“オープンハート”や“ビーン”などを思い浮かべる人が多いだろう。それらをデザインしたのはエルサ・ペレッティ(Elsa Peretti)だ。彼女はイタリア・フィレンツェで1940年5月1日に生まれ。スペインでモデルとして活躍した後に米・ニューヨークに渡り74年にティファニー入社。50年以上にわたり、「ティファニー」の数々のアイコンをデザインしてきた人物だ。彼女は3月18日に、スペイン・バルセロナ郊外の村で80歳で死去した。彼女の有機的で官能的なフォームのジュエリーは業界に革新をもたらし、今でも永遠の定番として多くの人々に愛され続けている。また、彼女は、父への献身として「ナンド・アンド・エルサ・ペレッティ」という財団法人を創設し、環境や社会福祉、人権保護、芸術や文化の継承を援助する活動を行ってきた。彼女のクリエイションはもちろんのこと、人徳の高さを偲ぶ人は多い。

 モデルとしてキャリアをスタートしたペレッティは、70年代にニューヨークに移り、「ホルストン(Halston)」のデザイナーであるロイ・ホルストン(Roy Halston)のミューズ的存在で、ティファニーに入社したのは彼の紹介だという説がある。伝説のナイトクラブ「スタジオ54(STUDIO 54)」の常連であり、ファッション・アイコンでもあったペレッティ。ローマでインテリア・デザインを学んだ影響か、彼女のジュエリーデザインのアプローチは極めて彫刻的。代表作の数々は日常、身の回りに見られるものからインスピレーションを得たものが多い。彼女の代表作の“ボーン”カフは、右手、左手でフォームが異なり、サイズも幾つかある。ジュエリーでサイズがあるのはリングくらいと思っていた私だが、“ボーン”カフの話を聞いたときは驚いたものだ。ペレッティとの作品の出合いが、私の「ティファニー」の扉を大きく開いたといったといっても過言ではない。

“ジュエリー=装飾”ではなく人々の日常を彩るジュエリー

 彼女は、ブライダル用かクラシックなジュエリーに使用されるダイヤモンドを日常に着用するジュエリーとしてデザイン。それが“ダイヤモンド バイ ザ ヤード(以下、DBY)”だ。素肌に軽やかに輝きをまとうかのようにデザインされた“DBY”は、一粒のダイヤモンドから複数ダイヤモンドがセッティングされたものなど幾つかのバリエーションがあり、予算により選択ができるのも魅力だ。ペレッティのジュエリーの素材はシルバー、ゴールドなどさまざま。ラッカー仕上げのインテリア小物などもある。“ジュエリー=装飾”という概念からはなく、人々の日常を彩るジュエリー、そしてオブジェなどをデザインしたのがペレッティだ。70年代の彼女の写真を見てみると、彼女自身のスタイルと卓越したクリエイションの背景がうかがえる。彼女のファッションだけでなく彼女を取り巻く環境、例えばデスクなどのインテリア。私は当時の写真を見て、「こんな環境にいれば、すばらしいクリエイションができるはずだ」と納得したものだ。

イタリア生まれ、芸術肌の肝っ玉母さん

 彼女の魅力は、その卓越したクリエイションだけではない。彼女を追悼する声には、人間性のすばらしさ、そして寛大さに対する数多くのコメントがある。彼女は、家族や友人をはじめ、芸術、文化、コミュニティーに対してきめ細やかに気を配り、それらを守る活動をしてきた。私が想像するペレッティは、スノッブな元モデルではなく、イタリア生まれ、芸術肌の肝っ玉母さんだ。彼女は、持って生まれた究極のスタイルを持ちつつ、あらゆる人々が手に取ることのできるジュエリーをデザインしたと同時に、クリエイションを通して人生における喜びを表現し続けた。だからこそ、彼女のジュエリーは普遍的であり、多くの人々を惹きつける力強いパワーがみなぎっている。ペレッティは亡くなったが、彼女の作品は、今後も永遠に生き続ける。ここでは、米「WWD」から抜粋した業界関係人の追悼を紹介する。

ペレッティの作品は時代、地域、世代を超えて愛され続ける

 「ティファニー」を昨年、150億8000万ドル(約1兆6286億円)で買収したベルナール・アルノー(Bernard Arnault)LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン会長兼最高経営責任者は、「ペレッティの死はとても悲しいことだ。彼女は驚くべき女性で、彼女のクリエイティビティー、ビジョン、大胆さ、そして優雅さを賞賛していた。彼女には、想像を超える才能と先見の明があり、彼女の作品は時代、地域、世代を超えて愛され続ける。自称“クラフツウーマン”と言っていた彼女は『ティファニー』の半世紀にも及ぶ成功に貢献した。彼女は寛大な人物で、環境問題や人権、教育、アートや文化などの援助を積極的に行った。われわれLVMHグループを代表し、ティファニーで彼女と働くことができた幸運な人々をはじめ、彼女の家族や友人にお悔やみを伝えたい」と述べた。

 インスタグラムでは、ぺレッティの長年の友人であった女優のイザベラ・ロッセリーニ(Isabella Rossellini)が、「最も寛大な友人で、ものすごい知性の持ち主だった。インスピレーションと才能に溢れた良きメンターよ、さようなら」とコメントしている。

 「ティファニー」で17年から昨年までチーフ・アーティスティック・ディレクターを務めたリード・クラッコフ(Reed Krakoff)は、「エルサはジュエリーだけでなく、女性の装いにも大きなインパクトを与えた。彼女は彫刻、アート、ジュエリーの間を行き来しながらアイコニックなデザインをしただけでなく、それを実現する技術開発をしたのは驚くべきことだ。“DBY”は、Tシャツとデニムに合わせるカジュアルなダイヤモンドとして登場し、ダイヤモンドの装い方を変えた」と語った。

 18年から「ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)」の宝飾・時計部門のアーティスティック・ディレクターを勤め、それ以前に「ティファニー」でジュエリーのデザインチームを率いていたフランチェスカ・アムフィテアトロフ(Francesa Amfitheatrof)は、「セント・マーチン美術大にいたとき、どんなキャリアを積みたいかと聞かれて、『ティファニー』のエルサ・ペレッティになりたいって答えたわ」とコメントしている。

 親族によると、ペレッティは老衰で死去したということだ。彼女は68年にスペイン・バルセロナ郊外のサン・マルティ・ヴェル村に家を購入し、亡くなるまで周囲野村の修復に投資してきたという。類稀な才能を持ち、人生の喜びと有機的な美を表現し続けてきたペレッティの死を惜しむ声は絶えない。

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「ルイ・ヴィトン」、中国第2位のEC企業JDドットコムと提携

 「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」は、中国第2位のEC企業JDドットコム(JD.COM)と提携した。

 これはJDドットコムのアプリ内で“LV”と検索すると、中国のインターネットサービス企業大手のテンセント(騰訊、TENCENT)が運営する人気SNSウィーチャット(微信、WeChat)上にある「ルイ・ヴィトン」の公式ミニプログラムストアに誘導されるというもので、4月15日(現地時間)からスタートする。なお、JDドットコムとテンセントは2014年3月に戦略的パートナーシップ契約を締結している。

 ケビン・ジャン(Kevin Jiang)JDファッション&ライフスタイル国際事業プレジデントは、「中国におけるラグジュアリーECをいっそう充実させるにあたり、『ルイ・ヴィトン』と提携することができて大変うれしく思う。今回のビジネスモデルはこれまでにないもので、高級志向の消費者にシームレスな買い物体験を提供できる」と語った。

 「ルイ・ヴィトン」は基本的に直営店および自社ECでのみ商品を販売しているが、およそ4億7000万の年間アクティブユーザーを抱えるJDドットコムとの提携により、中国市場でのリーチを拡大できる。

 同ブランドの親会社であるLVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)は、傘下の主要ブランドでオンラインショップを展開しているほか、傘下の百貨店ボン・マルシェ(LE BON MARCHE)が小規模なECサイト「24セーブル(24 SEVRES)」を手掛けているものの、ECにはあまり積極的でないことで知られている。アマゾン(AMAZON)が20年9月に公開したラグジュアリーブランドを取り扱うアプリ「ラグジュアリーストア(Luxury Stores)」は、LVMHが擁するブランドにも出店を打診したが、すげなく断られたという。

 LVMHは4月13日に2021年1~3月期(第1四半期)決算を発表しており、売上高は前年同期比31.7%増の139億5900万ユーロ(約1兆8146億円)だった。売り上げ全体の41%が中国を含むアジア地域によるものとなっている。

 ラグジュアリーブランドが中国のECプラットフォームに出店する際は、中国最大手EC企業のアリババ(ALIBABA)が運営する中国大手EC「Tモール(天猫、TMALL)」や、その完全招待制のラグジュアリーECサイト「ラグジュアリー パビリオン(LUXURY PAVILION)」を利用するケースが目立つ。19年7月には「シャネル(CHANEL)」、20年1月には「カルティエ(CARTIER)」、21年1月には「エルメス(HERMES)」が出店している。

 また20年11月には、アリババ、ラグジュアリーEC大手ファーフェッチ(FARFETCH)、そして「カルティエ」などを擁するコンパニー フィナンシエール リシュモン(COMPAGNIE FINANCIERE RICHEMONT)がグローバルな戦略的パートナーシップ契約を締結。提携の一環として、ファーフェッチはアリババの「ラグジュアリー・パビリオン」、同アウトレット専用プラットフォーム「ラグジュアリー ソーホー(LUXURY SOHO)」、同越境ECサイト「Tモールグローバル(TMALL GLOBAL)」に、ラグジュアリー専門のショッピングチャネルを開設した。

 一方、JDドットコムが提携しているほかのブランドとしては、「サルヴァトーレ フェラガモ(SALVATORE FERRAGAMO)」「トッズ(TOD'S)」「エルメネジルド ゼニア(ERMENEGILDO ZEGNA)」などが挙げられる。

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伊藤忠が東京・青山の本社敷地内にSDGsの情報発信拠点

 伊藤忠商事は16日、東京・青山の東京本社敷地内の伊藤忠ガーデン(ITOCHU GARDEN、旧シーアイプラザ)内に、SDGs発信拠点となる「ITOCHU SDGs STUDIO」をオープンする。同スペースは物販や撮影・収録などのできるスペースで、SDGsに取り組む企業やNGO/NPOなどに無償で貸与する。16日からはアッシュ・ペー・フランスが運営し、エシカルに配慮したグッズを販売する「エシカルコンビニ」が期間限定で出店する。エバンジェリストに任命された冨永愛は「SDGsに関してはまだ、自分から行動しないと知りえない情報も多い。情報発信拠点が行動のきっかけになる」と語った。

 「SDGs STUDIO」は伊藤忠アートスクエアの跡地で、面積は約410平方メートル(撮影・録音スタジオを除く)で、内装設計はブルーボトルコーヒーの店舗などを手がける建築家の長坂常。撮影・録音スタジオは、伊藤忠が冠スポンサーを務めるJ−WAVEのラジオ番組もここで収録するが、それ以外の日時は無償で貸与する。石井敬太社長COOは、「生活者一人ひとりがSDGsを意識できる企画を積極的に行っていく」という。

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バロック21年2月期は黒字で着地 正価販売の徹底、在庫コントロール、中国の復調が貢献

 バロックジャパンリミテッドの2021年2月期連結業績は売上高が前期比23.2%減の505億円、営業利益が同71.5%減の13億円、純利益が同86.9%減の3億7500万円だった。
 
 国内事業は新型コロナ禍の販売苦戦により、売上高は前期比24.8%減の444億円、粗利益は同27.1%減の259億円。一方、「年間通じてプロパー販売の徹底や在庫コントロールの適正化、販管費の削減(同20.3%減)に全社を挙げて注力した」(村井博之社長)ことに加え、EC販売の伸長(同21.2%増)もあり、6億4000万円の営業黒字となった。

 海外では、市場の回復が進む中国事業が業績を下支えした。現地企業のベル・インターナショナルと合弁で運営する中国事業は、売上高が前期比9.7%減の63億円、利益合計(小売事業、卸売事業の利益にロイヤリティを加えたもの)が同30.6%減の4億3000万円だった。SNSやライブコマースを駆使した通販事業の伸長(同21.5%増)も大きく寄与し、11月の中国最大のECセール「ダブルイレブン」の売り上げは同91%増だった。米国事業もデニムの好調を受けて黒字で着地した。

 22年2月期の連結業績は、売上高が前期比18.1%増の597億円、営業利益が同76%増の23億円、純利益が同247%増の13億円を予想する。

 国内ではブランドの世界観を表現できる大型店の出店を進める。3月には「アズール バイ マウジー(AZUL BY MOUSSY)」が横浜の「みなとみらい東急スクエア」に首都圏最大となる店舗を出したほか、4月には「スタイルミキサー(STYLEMIXER)も同じく最大規模の旗艦店を千葉の「ららぽーとTOKYO-BAY」に出店した。

 中国では今年1月に国内300店舗を達成した。「(中国において)『マウジー』をはじめとした当社ブランドの集客力は非常に期待されている。今後も立地を厳選しつつ出店を継続していく」。

 デジタルによる業務効率の改善も進める。「アズール バイ マウジー」では先行して、マーケティング支援のジェミニ(東京都中央区、山田政弘社長)が提供する業務デジタル化システムを導入。データを活用した商品企画精度の向上や、顧客関係管理に活用する。

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持っているだけで気分がアガる! 「YSL」クラッチバッグ風の10色アイシャドウ

 「イヴ・サンローラン(YVES SAINT LAURENT)」は4月23日、10色アイシャドウパレット「クチュール カラー クラッチ」(全2種、税込各1万3200円)と、単色アイシャドウ“サテン クラッシュ”(全6色、税込各4620円)を発売する。公式サイトと表参道フラッグシップブティックでは4⽉16⽇から先⾏発売を行う。

 グローバル ビューティ ディレクターのトム・ペシュー(Tom Pecheux)が2つの街に触発され作り上げた「クチュール カラー クラッチ」は、ピンクを基調に淡いゴールドやシルバーなど気品ある街並みをイメージした「パリ」、ブルーやグリーン、レッド、オレンジなど鮮やかなカラーをラインアップした「マラケシュ」を用意した。

 共にサテン、シマ―、メタリック、グリッターマットの質感をそろえ、単色使いでアイメイクのアクセントにしたり、ブレンドしてオリジナルカラーを生み出したりと、使う人の感性や個性を最大限に発揮できるカラーラインアップに。パレットケースはリュクスなレザー調のファブリックをベースにゴールドのブランドロゴを配し、ゴージャスなクラッチバッグのようなデザインに仕上がっている。

 クリアベージュやブラウン、コッパー、レッドなど全6色をラインアップする単色アイシャドウは “攻めのヌードカラー”が特徴。光を多⾓的に乱反射するパールとカラーピグメントをブランド史上最⾼レベルで配合。オイルインパウダーのため肌への密着度も高く、サテンシルクのような艶と輝きが持続する。

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ユニクロに今田美桜がセレクトする「ミオクロ」が登場

 ユニクロは4月15日〜7月1日、同社による着こなし発見アプリ「StyleHint」発の企画として、女優の今田美桜さんがセレクトした「ユニクロ(UNIQLO)」商品やスタイリング実例を集めたキャンペーン、「ミオクロ」を実施する。アプリ上で今田さんの私服を交えた全30スタイリングを発信すると共に、ECにも特設ページをオープン。ユニクロ原宿店内の「StyleHint原宿」も同キャンペーン仕様になっている。

 「StyleHint」は2019年10月に公式スタート。当初、アプリ上でスタイリングや商品の検索ができたのは「ユニクロ」「ジーユー(GU)」だったが、21年からは同じファーストリテイリング傘下の「セオリー(THEORY)」「プラステ(PLST)」も参加している。今田さんは、アプリスタート時から公式キャストとしてスタイリングを投稿している。

 キャンペーンは3テーマで構成。4月15日〜5月13日の第1弾では、ワンピース10着とそれに合わせるカラーアイテムなどをセレクト。第2弾(5月14日〜6月10日)は、「ユニクロ」×「JW アンダーソン(JW ANDERSON)」などのラボアイテムを中心に構成する。第3弾(6月11〜7月1日)はTシャツやショートパンツなど盛夏商品をアピールする。

 期間中、「StyleHint原宿」にある240台の全ディスプレーで、今田さんの着こなしやスペシャルムービーを発信する。店内にはSNS投稿用のフォトブースも設けている。また、15日は今田さんが1日店長として接客も実施した。キャンペーン立ち上げにあたり、「プレスルームに足を運んで、多くの春夏商品の中からテーマに合うスタイリングを何度も試着をしながら選んだ」と今田さん。「お客さまに『ユニクロ』でこんな着こなしもできるのか、というように楽しんでいただける企画を目指した。まさにヒントが詰まっていると思う」と、岡野まかみStyleHint編集長。

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「カカオの廃材」から生まれたサステナブルなチョコレートが登場

 ライフルは“地球料理 -アース・キュイジーヌ”プロジェクトの一環として、フーズカカオと協業し、“カカオの廃材”を使用したサステナブルで新しいチョコレート「エコレート」の予約発売を開始した。

 “地球料理 -アース・キュイジーヌ”は、地球上でまだ光を当てられていない素材にフォーカスし、その素材を食べることで地球のためになる、新たな食材を見つけるプロジェクト。

 チョコレートは、長年にわたり生産体制と環境への配慮が十分になされておらず、近年ではカカオの国際相場の低迷もあり、生産者であるカカオ農家の貧困問題は深刻。このままでは2050年までにチョコレートが食べられなくなる恐れがあるといわれている。

 そこで、人気若手シェフの江藤英樹氏と上妻正治氏の協力を得て、一般的にチョコレートの製造で用いられるカカオマスやココアバターを使用せず、通常廃棄されてしまうカカオ豆の殻・枝・葉を使用したサステナブルなチョコレートを開発した。

 ラインアップは、江藤シェフが開発した、カカオ豆の殻・枝・葉から生まれたひと⼝チョコレート“エコレート カレ”(税込2200円)と、上妻シェフが開発したカカオ廃材含有量33%の板チョコレート“エコレート タブレット”(税込1760円)の2種。

 ライフルは、主要サービスとして不動産・住宅情報サイトの運営を手掛ける一方、飲食事業の“ライフル テーブル”も展開。“地球料理 -アース・キュイジーヌ”は、同事業のサステナプロジェクトの一環の取り組みとなっている。

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「無印良品」生活圏に出店拡大 地方・郊外のスーパー隣接地など

 「無印良品」を展開する良品計画は、地方や郊外での出店を加速する。これまで大都市の商業施設や繁華街を主戦場にしてきたが、より消費者の生活圏に近い場所に店舗を増やす。スーパーマーケットの隣接地や店舗内を有力な出店先にする。

 14日にオンラインで行われた決算説明会(2020年9月〜21年2月期)で、24年8月期を最終年度とした中期経営計画の骨子を発表した。登壇した松崎暁社長は「日本と中国大陸、台湾、タイで出店戦略と店舗機能を刷新する」と話した。最終年度に日本で純増100店舗を出店できる体制を作る。国内店舗数は16年2月期末が414店舗、21年2月期末が443店舗だった。緩やかだった出店ペースが一気に上がることになる。

 出店先として地方都市やベッドタウンの生活圏を開拓する。スーパーマーケットやホームセンターのような近隣商圏に向けて営業する店舗の隣接地、あるいはスーパーマーケット内に出す。立地環境によって売り場面積や商品構成も柔軟に変えていく。

 「無印良品」は衣料品、日用品、雑貨、食品など7000品目以上の幅広い生活必需品を扱っているため、アパレル専門店やインテリア専門店などに比べて消費者の来店頻度が高い特徴を持つ。さらにこの数年は、購入頻度が高い食品を戦略的に強化してきた。消費者が週に何度も利用するスーパーマーケットとの買い回りが期待できる。

 すでに一部で検証を進めている。19年4月には石川県野々市市に初のロードサイド店舗を開いた。北陸を地盤にするスーパーのアルビスと組んで、スーパーの隣接地に約2000平方メートルの大型店を構える。20年7月には新潟県・直江津のGMS(総合スーパー)跡地に日本最大店舗をオープンした。同店は商品を詰め込んだバスで山間部での移動販売も行なっている。東京都板橋区の光が丘団地内には小型店を出店し、忙しい子育て世代や遠出のできないシニア世代の需要に応えている。

 同社は近年、地域に根ざした「個店経営」を掲げてきた。生活圏への出店拡大は、画一的なチェーンストアではなく、地域の課題に商品とサービスで貢献する新しいタイプの小売業モデルの模索といえる。

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「サマンサタバサ」から環境に配慮した新ライン アンバサダーに矢野未希子

 「サマンサタバサ(SAMANTHA THAVASA)」は4月14日、環境に配慮したファッションの新ライン“サマンサグリーン バイ サマンサタバサ(SAMANTHA GREEN BY SAMANTHA THAVASA 以下、サマンサグリーン)”を発表した。「自然体の心地よさ(Find Ethical Fashion for green)」をコンセプトに、オーガニックコットンなどの天然素材や、キュプラなどの再生素材をはじめ、廃棄される食品を染料に用いた素材などを使用したウエアや雑貨を打ち出す。

 ラインアップは草木染めのオーガニックコットンのTシャツ(税込6050円)やワンピース(1万5400円)のほか、再生素材を用いたシャツワンピース(1万8700円)、バッグはオーガニックコットンのトート(2万2000円)、抗菌作用があって土に還る素材を使用したiPhoneケース(7150円)など。商品には「リサイクル(Recycling)」「オーガニック(Organic)」「草木染め(Plant dyeing)」「地球に優しい(Eco Friendly)」の4種類のマークの中から、該当する内容を示す。

 デビューを記念して、ポップアップストアを名古屋、札幌、東京・有楽町で開く。5月1~16日に名古屋パルコと札幌パルコ、5月10~31日に有楽町マルイを予定。名古屋パルコと有楽町マルイの内装デザインは、堀田健一郎率いるヴィジュアル・マーチャンダイジング・スタジオ(VMS)が手掛ける。

 またブランドアンバサダーには、雑誌「ヴェリィ(VERY)」(光文社)のカバーモデルの矢野未希子を起用し、ビジュアルのスタイリングは辻直子が担当した。

■“サマンサグリーン”ポップアップストア 名古屋パルコ
会期:5月1〜16日
場所:名古屋パルコ 1階 ポップアップスペース
住所:愛知県名古屋市中区栄3-29-1

■“サマンサグリーン”ポップアップストア 札幌パルコ
会期:5月1〜16日
場所:札幌パルコ 1階 展示スペース
住所:北海道札幌市中央区南1条西3-3

■“サマンサグリーン”ポップアップストア 有楽町マルイ
会期:5/1(土)~5/16(日)
場所:有楽町マルイ 1階 ポップアップスペース
住所:東京都千代田区有楽町2-7-1

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kemioと考える、みんなに居心地のよいヘアサロン #PrideHairへの賛同サロンは1000店舗を超え拡大中

 P&Gのヘアケアブランド「パンテーン(PANTENE)」は、“あなたらしい髪の美しさを通じて、すべての人の前向きな一歩をサポートする”という理念のもと、“ヘアサロン向けLGBTQ+フレンドリーマニュアル”を公開した。同ブランドは昨年9月、就職活動で自分を偽らず自分らしさを表現できることを願うプロジェクト“#PrideHair”を始動すると、12月には個性に寄り添うヘアサロンを日本全国に広める“#PrideHair サロン”プロジェクトをスタート。ワークショップなどを踏まえて“ヘアサロン向けLGBTQ+フレンドリーマニュアル”を策定し、現在はセクシャルマイノリティーにも優しいヘアサロンを増やそうと、プロジェクトへの賛同サロンを募っており、その数はすでに1000店舗を突破した。

 今回は、kemioが、プロジェクトにいち早く賛同したヘアサロン「ミンクス(MINX)」を訪問。「苦手だった」とまで言うヘアサロンでの思い出を振り返りながら、賛同サロンにLGBTQ+フレンドリーになろうとした経緯や、具体的な心配りを聞いた。

きっかけは「SDGs」、
LGBTQ+フレンドリーは「延長線上」

 kemioが訪れたヘアサロン「ミンクス」の銀座店は、8年前にオープン。銀座で、60人のスタッフを抱える大きなサロンだ。店舗の指揮を執るのは、菅野久幸取締役エグゼクティブ・ディレクター。菅野ディレクターは“#PrideHairサロン”プロジェクトへの賛同のきっかけを、「サロンとしてSDGs(国連加盟国が2030年までに達成する持続可能な目標)、特に『ジェンダー平等を達成しよう』や『パートナーシップで目標を達成しよう』に取り組む中、LGBTQ+フレンドリーになることは、その延長線上にあると考えました」と振り返る。SDGsを意識するようになったのは、「激選区の銀座で戦うために視察したニューヨーク5番街のヘアサロンは、天然木のフローリングで、テーブルにはオーガニック栽培のリンゴが置いてありました。みんな、施述が終わると、一つもらって、歩きながら食べて帰るっていうんです。そんなナチュラルなライフスタイルを提案したいな」と思って以来。「パンテーン」が作成した“ヘアサロン向けLGBTQ+フレンドリーマニュアル”が提唱する、「美容室は、職場・家庭とは異なる『第三の居場所』」というメッセージにも共感した。

「気を使って、いろんな話をしてくれる」
から「遠ざかった」

 店舗を訪問する前は「ヘアサロンで不快な思いをしたことがない」と話していたkemioは、菅野ディレクターの話を聞いて少しずつ、昔の“居心地の悪さ”を思い出した。そして「kemioとして活動する前は、“10分間カット”に通っていたんです」と告白。「ご本人に悪気がないことはわかっているけれど、必要以上にいろんなコトを聞かれると、面接のように感じてしまって。カムアウトする前はとっさにウソをついてしまう時もあって、『次はなんて答えよう』とか『またウソをつかなくちゃならないのかな?』なんて考えるのもイヤでした。結果、“行きつけ”は作らず、最初はいろんな場所を転々として。でも、毎回、違うヘアサロンを探すのもイヤだったんです」と、セクシャルマイノリティーの当事者なら一度は感じる“居心地の悪さ”や“気まづさ”“本当なら楽しいハズの場所なのに、楽しめない無念”を吐露。そして日本と行き来するアメリカについて、「若い世代を中心にアメリカの消費者は、何かをサポートしていたり、社会に貢献したりの企業やブランドからモノやサービスを買うようになっています。日本も同じようになると思います」と続けた。

空間から接客まで総点検。
来店客からも「真剣」と好評

 SDGsや“#PrideHair サロン”プロジェクトを意識して以降、菅野ディレクターは、雰囲気づくりから接客までを総点検、さまざまを改善している。もともとジェンダー・ニュートラルを意識した内装だったが、1つのトイレは男女の区別なく、誰でも使えるように変更した。新型コロナの影響も手伝い、雑誌は、来店者が自由に選べるダブレット端末で楽しむ電子版に切り替え。接客では、「3回目までは、サロンからプライベートに踏み込まない」を心掛け、結婚や仕事、政治などの話は特に注意するようになった。

 日本では10人に1人はセクシャルマイノリティーと言われている。60人のスタッフが働く銀座店にも、複数のLGBTQ+がいるのだろう。そこでスタッフとのコミュニケーションも「随分変わった」と菅野ディレクター。人の心に土足で入り込み、「彼氏は?」や「彼女は?」と聞くことはなくなった。
 こうした対応は、来店客からも好評だ。特に銀座店の顧客には企業でダイバーシティーやSDGsの研修を受けている人も多く、「『ジェンダーに真剣に向き合っているんですね』と応援していただくことも多い」。

 今年は、銀座店でのSDGsやLGBTQ+フレンドリーの取り組みを「ミンクス」全店に拡大する。いち早く勉強してきた菅野ディレクターは全店を回り、勉強会を開催予定だ。

“#PrideHair”賛同サロンは、
早くも1000店舗超え

 「パンテーン」は、“#PrideHair”というハッシュタグのもと、実体験を伝えながら皆でより良い就活のあり方を考える活動をスタート。トランスジェンダーが就職活動の実体験を語る動画の再生回数は2000万回を超え、当事者のみならず、LGBTQ+をサポートしたいと願うアライの賛同も多かった。一方でジェンダーに対する誤解や思い込みは少なからず存在し、「知らなかった」「気づきを与えてくれてよかった」などの反響も届いたという。これを受け、同ブランドはヘアサロンが「誰もが、自分らしい髪になれる場所」になることを目指して年初にガイドラインを策定し、現在賛同サロンを募っている。反響は大きく、賛同サロンの店舗数は現在1000を大きく超えている。

 P&Gでは、役員や人事部門、面接官に対してLGBTQ+をはじめ、多様性への理解を深める研修を実施している。面接を行う社員の先入観を少しでも排除するため、14年からはエントリーシートの写真欄を削除、19年には性別欄に“その他”という選択肢を設定した。21年には生年月日情報も削除することで、年齢による先入観も排除する。

PHOTOS:KICHIRAKU YOHEI

問い合わせ先
パンテーン

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日本の中古高級ブランド品が“中国で爆売れ”のワケ 代官山「エディ」のやり方

 東京・代官山と大阪・南堀江に店を構える、高級ブランドのバッグやアパレルを販売するヴィンテージショップ「エディ(HEDY)」が、中国市場向けの販売を猛烈な勢いで拡大している。特にこの2年ほどで大きく伸びたのが、中国向けの自社運営の越境ECショップだ。対中国売り上げは前年同期比約4倍に成長。現在、越境ECショップの月商は1900万円を超え、日本国内ECの売り上げを上回った。

 急成長のきっかけは、中国版SNS「ウェイボー(微博)」上の口コミだ。ファイヤーワークスの布施杏奈「エディ」事業部長によると、口コミは自然発生的なものだったという。「全体売り上げの6割ほどがオンライン。もともと売り上げのメインは日本国内向けの自社ECで、越境ECはあったが本腰を入れていなかった。2019〜20年にかけて急に中国の売り上げが伸びたので調べたところ、小紅書(RED)などの中国SNSに『エディ』関連の多数の口コミがあった」という。中国の若者女性が集まるSNS、小紅書には当時既に1万件以上の投稿があった。

 中国のオンライン購買はTモール(TMALL、天猫)やタオバオ(TAOBAO)をはじめとした巨大ECモールが中心で、自社ECは集客面などで苦戦しやすい。ラグジュアリーブランドも、アリババが運営する高級品特化のECサイトである「ラグジュアリー ・パビリオン」や越境ECのTモールグローバル(TMALL GLOBAL、天猫国際)に出店している。そうしたこともあってブランド公式品を扱うモールに中古品は出品しにくく、消費者側も本物かどうか判断がつきにくい。「エディ」は口コミが有利に働いたことで、自社越境ECにユーザーが集まった。

 新型コロナ以前は店頭にも訪日中国人の客が多く来店し、代官山店のお客も7〜8割がインバウンド中国人客だった。「少なくない数の在日ソーシャルバイヤー(代購)にも来店いただいており、中にはその場でライブコマースを配信する方もいる。そういった方にはこちらからもバイヤーとして複数購入での値引きなどを持ちかけることもある」という。当初の受け身の姿勢から、今は中国へ積極的に売り込んでいる。

 公式ウィーチャットの開設後は自社でもライブコマースをスタート。2週に1度、中国人スタッフが出演して2時間程度の配信を行う。1配信で20点ほど紹介し、1点あたり10万円以上の高級ブランド品が半数は売れるという。

 昨年10月からは、中国市場のマーケティング支援を行うアライドアーキテクツと手を組み、公式ウィーチャット(WECHAT)を開設した。広告を出さず、開設から5か月で4万フォロワーを獲得。また小紅書、ウェイボー(WEIBO)も開設し、広く情報を発信している。「最も重視するのはブランディング。『エディ』は単なる中古品ではなく、質が高く洗練された印象のヴィンテージとして認識され、支持されている」と布施氏。コンテンツはアライドアーキテクツの提案を元に、自社の中国人スタッフが製作する。中国人同士だからこそ分かるツボを押さえたコンテンツが人気で、ウィーチャットは1記事の配信につき1000フォロワーほど増える。

 ファッション分野で支持されるKOLを起用したPR投稿も反響が大きく、「サーバーが落ちるほどアクセスがあった」という。またアライドアーキテクツが運営する在日中国人コミュニティ播日本(BO JAPAN)のメンバーによる口コミ投稿も実施した。

 自然発生した口コミはインバウンド客の来店によるものも多く、中には自ら足を運んだKOL(Key Opinion Leader)の投稿もあった。「そもそも代官山に出店したのは、インバウンド客を意識してのことだった」という。中国は日本以上に口コミが重視される国で、こうした口コミの多さが認知向上のみならず信頼にもつながった。

 口コミでは価格面や店舗の信頼性に加え、ヴィンテージの価値が強調されている。中国の消費者はレアなアイテムを好む傾向があり、すべて1点もののヴィンテージは希少性の高さから好まれている。「日本にはバブル期に増えた80年代のアイテムが多く、質のいい状態で残っている。そういったアイテムを求めて大量買いする人も多い」。

 また昨年、中国で大ヒットしたドラマ「三十而已(Nothing But Thirty)」では劇中に登場した「エルメス(HERMES)」のバッグが注目を浴びた。その熱は「エディ」にも飛び火し「ドラマに登場した“バーキン”は希少で新品を手に入れるのが難しいため、ヴィンテージを買い求める方が多く、ドラマ放送直後はよく売れた。流行れば高価でも食いつくのが中国客の特徴」だという。

手作業を駆使、販売の裏側

 中古品、高級品販売で求められるのが信頼だ。特に中国ではカスタマーサポートが重要で、「エディ」は自社の中国語スタッフを6人まで増やし、ユーザーから来るチャットに回答している。「中国客からは本物のブランド品か、傷はないか、他の写真も送って欲しいといった細かな質問が大量に送られてくる。土日で90件ほどはメッセージが溜まる」。ギャランティカードや正規の箱、シリアルナンバーなどが付かない商品に関しては、しっかりチャットで本物であることの説明を行うことで信頼を得ている。

 チャット対応のためメッセージのラリーも多く、手間はかかる。しかしチャット対応の強化後、返品率は4割から2割ほどに下がったという。それでも商品到着後に「本当に本物なのか」と疑って返品されるケースもあるというから、疑り深さはかなりのものだ。

 さらに地道な作業なのが在庫の連携だ。1点もののため店頭販売と国内、越境ECの在庫を常に連動させなければならず、「色々とシステムを考えてきたが、今まで手動で在庫を反映させてきた。店頭で売れたらその場でECの表示も動かす。越境ECは中国スタッフが操作するので、そのやりとりをスカイプでしている」という。

 手間を惜しんでも越境ECを動かし、発信し続けているのは今の売り上げのためだけではない。布施氏は「インバウンド復活後に向けて、認知をさらに広げたいと思っている。昨年10月にオープンした南堀江店もインバウンド客を意識しており、呼び込みたい」と展望を語った。

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「無印良品」、新疆綿問題についてコメント発表

 「無印良品」を運営する良品計画は14日、2020年9月〜21年2月期の決算発表に合わせて、「無印良品の綿とサプライチェーンについて」というタイトルの文書を自社サイト上で公開した。中国の新疆綿の使用と新疆地区でのウイグル人の人権問題について、この間さまざまな報道やSNS上での反応が広がっていることに対応したもの。同社が使用する新疆綿について「法令または弊社の行動規範に対する重大な違反は確認していない」(文書より)という。

 同社の綿製品は全てオーガニックコットン製であり、オーガニックコットンであることを明記するために「綿と綿糸について(国際労働機関=ILOの国際労働条約などを遵守し)世界基準である認証を得ている」「無印良品の綿を栽培する新疆地区の約5000ヘクタールの農場等については、畑や作業者のプロフィール、人員計画を把握し、栽培スケジュールに合わせて第三者機関を現地に派遣し、昨年も監査を行っている」といった内容が文書には含まれる。良品計画の担当者のこれまでの新疆の農場訪問記録(2006年以降8回、延べ68人)も、文書と共に公表した。

 14日の決算会見では、記者からの質問が新疆綿問題に集中。松﨑曉社長は質問には答えず、杉山孝太執行役員企画室長が今回発表した文書の内容を説明するのに止めた。

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「無印良品」、新疆綿問題についてコメント発表

 「無印良品」を運営する良品計画は14日、2020年9月〜21年2月期の決算発表に合わせて、「無印良品の綿とサプライチェーンについて」というタイトルの文書を自社サイト上で公開した。中国の新疆綿の使用と新疆地区でのウイグル人の人権問題について、この間さまざまな報道やSNS上での反応が広がっていることに対応したもの。同社が使用する新疆綿について「法令または弊社の行動規範に対する重大な違反は確認していない」(文書より)という。

 同社の綿製品は全てオーガニックコットン製であり、オーガニックコットンであることを明記するために「綿と綿糸について(国際労働機関=ILOの国際労働条約などを遵守し)世界基準である認証を得ている」「無印良品の綿を栽培する新疆地区の約5000ヘクタールの農場等については、畑や作業者のプロフィール、人員計画を把握し、栽培スケジュールに合わせて第三者機関を現地に派遣し、昨年も監査を行っている」といった内容が文書には含まれる。良品計画の担当者のこれまでの新疆の農場訪問記録(2006年以降8回、延べ68人)も、文書と共に公表した。

 14日の決算会見では、記者からの質問が新疆綿問題に集中。松﨑曉社長は質問には答えず、杉山孝太執行役員企画室長が今回発表した文書の内容を説明するのに止めた。

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「無印良品」、新疆綿問題についてコメント発表

 「無印良品」を運営する良品計画は14日、2020年9月〜21年2月期の決算発表に合わせて、「無印良品の綿とサプライチェーンについて」というタイトルの文書を自社サイト上で公開した。中国の新疆綿の使用と新疆地区でのウイグル人の人権問題について、この間さまざまな報道やSNS上での反応が広がっていることに対応したもの。同社が使用する新疆綿について「法令または弊社の行動規範に対する重大な違反は確認していない」(文書より)という。

 同社の綿製品は全てオーガニックコットン製であり、オーガニックコットンであることを明記するために「綿と綿糸について(国際労働機関の国際労働条約などを遵守し)世界基準である認証を得ている」「無印良品の綿を栽培する新疆地区の約5000ヘクタールの農場等については、畑や作業者のプロフィール、人員計画を把握し、栽培スケジュールに合わせて第三者機関を現地に派遣し、昨年も監査を行っている」といった内容が文書には含まれる。良品計画の担当者のこれまでの新疆の農場訪問記録(2006年以降8回、延べ68人)も、文書と共に公表した。

 14日の決算会見では、記者からの質問が新疆綿問題に集中。松﨑曉社長はそれらの質問には答えず、杉山孝太執行役員企画室長が今回発表した文書の内容を説明するのにとどめた。

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「無印良品」、新疆綿問題についてコメント発表

 「無印良品」を運営する良品計画は14日、2020年9月〜21年2月期の決算発表に合わせて、「無印良品の綿とサプライチェーンについて」というタイトルの文書を自社サイト上で公開した。中国の新疆綿の使用と新疆地区でのウイグル人の人権問題について、この間さまざまな報道やSNS上での反応が広がっていることに対応したもの。同社が使用する新疆綿について「法令または弊社の行動規範に対する重大な違反は確認していない」(文書より)という。

 同社の綿製品は全てオーガニックコットン製であり、オーガニックコットンであることを明記するために「綿と綿糸について(国際労働機関の国際労働条約などを遵守し)世界基準である認証を得ている」「無印良品の綿を栽培する新疆地区の約5000ヘクタールの農場等については、畑や作業者のプロフィール、人員計画を把握し、栽培スケジュールに合わせて第三者機関を現地に派遣し、昨年も監査を行っている」といった内容が文書には含まれる。良品計画の担当者のこれまでの新疆の農場訪問記録(2006年以降8回、延べ68人)も、文書と共に公表した。

 14日の決算会見では、記者からの質問が新疆綿問題に集中。松﨑曉社長はそれらの質問には答えず、杉山孝太執行役員企画室長が今回発表した文書の内容を説明するのにとどめた。

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渋谷109が目指す「若者と社会の架け橋カンパニー」への道

 ファッションビル「渋谷109」を運営するSHIBUYA109エンタテイメントは、商業施設デベロッパーから脱皮する。新ビジョンは、4月1日に着任した石川あゆみ社長が策定した。前任の木村知郎・前社長の「若者の夢を叶える」という企業理念を引継ぎつつ、「若者ソリューションカンパニー」を掲げ、商業施設運営だけにとらわれないマーケティングカンパニーへの進化に挑む。

 石川氏は1977年10月13日生まれ。名古屋大学経済学部を卒業後に新卒でNTTドコモに入社。その後KADOKAWAを経て、2008年11に東急電鉄(現東急)に入社した異色の経歴を持つ。SHIBUYA109エンタテイメントに出向する直前は東急グループのリテールを管掌するリテール事業部のリテールグループの課長を務めていた。ドコモ時代に当時スタートアップだったサイバーエージェントやDeNAなどのIT大手とのつながりを有しており、東急本体に在籍時にはサイバーエージェントとDeNA、GMOインターネット、ミクシィ、渋谷区教育委員会と共同でプログラミング教育プロジェクト「Kids VALLEY 未来の学びプロジェクト」の立ち上げにも関わった。

 SHIBUYA109エンタテイメントは17年4月の設立以来、渋谷109を拠点にZ世代のインサイトをリサーチする「渋谷109ラボ」、飲食業態の「イマダキッチン(IMADA KITCHEN)」、韓流アイドルやユーチューバーのグッズを販売する超高効率の独自編集ショップの「ディスプ!」などの新プロジェクトを立ち上げてきた。今後はこうした新プロジェクトを積極的に外部の企業や商業施設に展開するとともに、渋谷109自体でも22年度までにサイバーエージェントやミクシィなどのIT大手とコラボレーションした新業態を立ち上げる考え。石川新社長は「ファッションはもちろん、エンタメの分野でもすでに数多くの実績がある。こうした新規プロジェクトを商業施設の運営と同等、あるいはそれ以上に力を入れて外部にも“ソリューション“として提供する。一方でゲームや音楽、eスポーツ、SNSなどのデジタルプラットフォームとの連携は弱かった。こうした分野との連携も深め、渋谷109をデジタルとリアルが融合した場に進化させたい」と意気込む。

 渋谷109はコロナ禍で2020年は後退したものの、2019年には“ギャルの聖地”だった過去のピークを超え、970万人の来客数を獲得していた。新生・渋谷109は2024年度に1000万人超えを目指す。「渋谷109は、ファッションからエンタメ、飲食、文化、ビジネスまでさまざまなカルチャーが混合した渋谷の代名詞にもなり得る稀有な空間であり、かつ今では珍しい“若者に特化した商業施設”でもある。決して大きな商業施設ではないものの、知名度やブランド価値のポテンシャルは非常に大きい」。

 若者とファッションを掲げる渋谷109らしい施策の一つとして、“ジェンダーギャップ”も積極的に取り上げる。「これまでの調査で、過去に例がないほど若者はLGBTQを筆頭にジェンダーへの関心が非常に高い。真剣に若者の声に向き合い、未来を考えるためにもジェンダー問題に関しても果敢に情報発信していく」考え。

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「ダイナック」は吸収されるのに、同じサントリー系の「プロント」が元気なのはなぜ?

 サントリー系の上場飲食企業ダイナックが親会社のTOBにより、完全子会社となる。2020年12月期に80億円の最終赤字を計上し、成長戦略を描けないなか、介入してきた形だ。だが、同じサントリー系飲食企業「プロント」などを展開するプロントコーポレーションは元気だ。なぜ?
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メード・イン・ジャパンでありながらインポートランジェリーの魅力を表現する「ランジェリーク」の有馬智子 ランジェリー業界の開拓者 vol.6

 新型コロナウイルスの感染拡大は、従来の商品やサービスの在り方に変化をもたらしている。対面のフィッティング接客や機能ありきの商品を重視してきた下着業界にも影響を及ぼしているのは言うまでもない。ライフスタイルが大きく変わり、既成概念に縛られない新たな価値観が下着にも求められる。この連載では、コロナ禍に先んじて新領域の商品やサービスを生み出し業績を伸ばす下着業界の開拓者を紹介する。

 第6回に登場するのは、「ランジェリーク(LINGERIQUE)」の有馬智子クリエイティブディレクターだ。2010年に誕生した同ブランドは日本のブランドでは珍しく、ノンワイヤーブラやカップに裏当てのないノンパテッドブラにより、繊細なレースの美しさを前面に打ち出したミニマルなデザインを提案している。ヨーロッパのブランドのような軽いつけ心地と、日本のブランドならではの丁寧なモノ作りを兼ね備えたブラジャーは日本の下着業界に新風を吹き込んだ。19年からはラウンジウエアも強化している。

――「ランジェリーク」とはどんなブランドか?

有馬智子クリエイティブディレクター(以下、有馬):女性にそっと寄り添う存在。「ランジェリーク」は整った環境で、さらに良い方向に育てるように活動しているブランドだ。“シンプル、エレガント、スマート”というコンセプトだが、その捉え方は人それぞれ。この環境の中で、どうやって美しいものを作っていくか常に考えている。その思いで作ったものが顧客に好意的に受け入れられ、新作を楽しみにしてもらっている。それに応えられるものを創造したい。

――環境が整っているとは?
有馬:最大の強みは親会社であるカドリールニシダの生産体制だ。「ランジェリーク」の下着は100%カドリールニシダの中国・青島工場で縫製している。1969年創業という長い歴史があり、自社工場は著名なヨーロッパブランドの縫製を請け負うほどの非常に優れた技術力を持っているため、他の工場では難しいと思われる繊細な素材を選べる。それはクリエイティブディレクターとして何よりも心強いことだ。ブランド立ち上げのときも05年から続いていた「クロエランジェリー(CHLOE LINGERIE)」のライセンス契約満了に伴い、その市場を「ランジェリーク」で受け継ぎ、育てることができたのはありがたかった。ブランド設立以来、売り上げは常に前年を超えて成長し続けている。

ノンパテッドブラが日本の市場で難しいという概念はない

――ブランド設立時から日本の市場では難しいとされるノンワイヤーブラやノンパテッドブラを展開していたその理由は?
有馬:そもそもそれらが“難しい”という概念はなかった。私自身がインポートの下着が好きで、日頃からノンワイヤーやノンパテッドを愛用していたこともあり、快適に過ごせることや、美しいものを身につけたいと思う素直な気持ちからデザインしている。下着の仕事に関わる前もヨーロッパのブランドが好きで、そう思うのかもしれない。自分が作っている商品にピュアに向き合いデザインしている。自分が感化されるヨーロッパのランジェリーを見ること時間を費やして私自身が納得でき、顧客に満足してもらえるものを作ることに注力している。いろいろなものがあっていいと思うが、売れているからと似たようなものを作っても意味がなく、モノが増えるだけ。余計なモノは作りたくない。

――それでいて独りよがりにならない理由はどこにあるのか?
有馬:日常生活におけるいろいろなことを想像して作っているからかもしれない。見た目が美しいのはもちろん、生活のなかで求められる機能は何か、快適なフィッティングはどうあるべきかを追求することに集中している。ワイヤー入り、ノンワイヤー、ノンパテッドのブラジャーを展開するようになったのも、戦略ではなく顧客が求める機能を反映させた結果だ。そのニーズと美しさのバランスをデザインしている。

――素材の美しさを生かし、余分な装飾がないデザインコンセプトはどのように生まれたか?
有馬:デザインコンセプトというより、自分が理想だと思う形、素敵だと感じるものが余分な装飾をしないものだった。「ランジェリーク」の素材は美しく上質なものを使用している。全体の約6割はインポートのレースだ。フランスのカレーやコードリー地方のメーカーが生産するリバーレースは、それ自体が芸術品のようですばらしい。その美しさを生かすことが重要だと思っている。

パリのランジェリー展がモチベーションに

――ブランド設立から10年が経過したが?
有馬:10年間ひたすら前進してきたという感じだ。世界中がコロナ禍にある今は、まるで、方位磁石が狂ったような状態で、どちらの方向に進めばいいのか見極めるときだと思う。16年7月から連続して出展しているパリのランジェリー展が開催されないことも大きい。改めてランジェリー展がモチベーションになっていることを実感している。

――日本とパリの展示会は何が違う?
有馬:世界中の約400ブランドが並ぶ中、オリジナリティーがないとバイヤーの目に留まらず、商品に触れてももらえない。可能性があると思えば率直にアプローチがあり、それがブランドの英気を養っている。評価されてビジネスを広げていくための課題があり、それを解決するためにまた邁進する。その繰り返しで少しずつ取引先を増やしていった。

――ラウンジウエアにも力を入れている理由は?
有馬:ランジェリーがベースだが、ラウンジウエアは、ブランドの世界観を伝えるためにとても有効なアイテムだと思っている。18年にオープンしたニュウマン新宿や松屋銀座本店などで広いスペースの売り場ができたことで、下着だけでなくラウンジウエアを展開できる環境が整った。ファッションブランドに勤めていたこともあり、「こういう部屋着があったらいいな」と思いスタートした。売り場を限定しているため、まだあまり知られていないが売り上げに貢献している。

――今後の目標は?
有馬:成熟しながら実らせる、それを繰り返していくこと。「ランジェリーク」に関わるあらゆる人々から顧客に至るまで全ての人が充実した日々を送れること、その循環が有機的な進化を生むと考える。人もレースも、その素材の魅力を最大限に生かし、しっかり根をはり、それぞれの長所を生かしながら成長していきたい。

川原好恵:ビブレで販売促進、広報、店舗開発などを経て現在フリーランスのエディター・ライター。ランジェリー分野では、海外のランジェリー市場について15年以上定期的に取材を行っており、最新情報をファッション誌や専門誌などに寄稿。ビューティ&ヘルス分野ではアロマテラピーなどの自然療法やネイルファッションに関する実用書をライターとして数多く担当。日本アロマ環境協会認定アロマテラピーアドバイザー。文化服装学院ファッションマーチャンダイジング科出身

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