最強開運日に向けた「フェンディ」の財布や「オニツカタイガー」×「チノ」のシューズなど! 来週発売のファッションアイテム7選【3/11〜3/17】

ファッションアイテムの発売情報を「WWDJAPAN」的視点でピックアップ!今回は3月11〜17日に発売するアイテムを紹介します。3月15日は、一粒の籾(もみ)が豊かに実り万倍もの稲穂になる“一粒万倍日“と、天が万物の罪を赦(ゆる)す“天赦日“、金運を招くとされる“寅の日“が重なる最強開運日。財布を買ったり、使い始めたり、プレゼントするのに適した日といわれています。その日のお財布の売り上げがアップするほど“最強開運日”の認知度が高まっていますね。「フェンディ(FENDI)」からはイエローやレッドなど、鮮やかなカラーがラインアップ。一方、「オニツカタイガー(ONITSUKA TIGER)」からは、「チノ(CINOH)」とのコラボシューズが発売になります。こちらもシューレースとアウトソールがビビッドカラーの自転車に着想を得たコレクション。どちらも持ったり履いたりすることで元気をもらえそうなカラーですね。

【3月11日発売】
ハレ
(HARE)

ルミネ池袋限定カラーのアイテム3型

「ハレ(HARE)」は3月11~24日の期間、ルミネ池袋でウィメンズ専門のリミテッドストアをオープンし、“イソザイMIXプリーツスカート”のグレー、“ビンテージシシュウワンピース”のブルー、“アートフラワーシアーシャツ”のマルチカラーなど各アイテムの限定カラーを販売する。

■商品詳細

“イソザイMIXプリーツスカート”(1万4960円)
“ビンテージシシュウワンピース”(1万4300円)
“アートフラワーシアーシャツ”(1万1000円)

【3月12日発売】
H&M ストゥディオ
(H&M STUDIO)

ハイエンドラインから春夏コレクション
1970年代の旅するミュージシャンに着想

「H&M」のハイエンドライン「H&M ストゥディオ(H&M STUDIO)」は、1970年代のリラックスしたスタイルを現代的にアップデートした春夏コレクション全47型を発売する。快適さと自由さをキーワードに、ペールブルーのレザーコートやスパンコールが散りばめられたルームウエア、レトロなスネークスキン柄のミニドレスなどをラインアップ。

■商品詳細

ウエアやアクセサリーなど(2499円〜)

【3月14日発売】
フェンディ
(FENDI)

日本限定色を含むウオレットやカードケースを発売

「フェンディ(FENDI)」は、3月15日の最強開運日に合わせ、ウオレットやカードケースなどのレザーアイテムを発売する。“ピーカブー”三つ折りウオレット・カードケースのラヴァレッドカラー、“FF ダイアモンド”ロングウオレットのビタミンイエローは日本限定色となる。

■商品詳細

“ピーカブー”三つ折りウオレット(9万7900円)
“ピーカブー”カードケース(6万2700円)
“FF ダイヤモンド”二つ折りウオレット(7万7000円)
“FF ダイヤモンド”三つ折りウオレット(7万7000円)
“FF ダイヤモンド”ロングウオレット(9万9000円)
※一部商品

【3月15日発売】
オニツカタイガー
(ONITSUKA TIGER)

「チノ」と第2弾コラボ
自転車に注目したシューズ

「オニツカタイガー(ONITSUKA TIGER)」は、「チノ(CINOH)」とのコラボシューズを発売する。競輪シューズにインスパイアされた補強形状を採用し、全体をレザーで仕上げて構築的なフォームを強調した。シャークソール前足部に用いられた高硬度素材がペダル操作をサポートするほか、自転車のチェーンに絡まないようシューレースホルダーがあしらわれている。

■商品詳細

コラボシューズ“タイガー トレーサーEX”(1万9800円)

【3月15日発売】
マリメッコ
(MARIMEKKO)

春に向けた色・柄の新作ウエア

「マリメッコ(MARIMEKKO)」は、ウエアライン“マリメッコ キオスキ”の新作を発売する。60周年を迎えたウニッコ柄をあしらったパーカやタンクトップ、ボーダーのTシャツ、ストライプのシャツなどをラインアップ。

■商品詳細

Tシャツ(2万2000円)
シャツ(3万8500円)
タンクトップ(1万5400円)
スエット(4万4000円)
パーカ(4万8400円)
ワンピース(3万5200円)
ショートパンツ(3万6300円)
スカーフ(7920円)

【3月15日発売】
セオリー
(THEORY)

“セオリープロジェクト”春コレクション

「セオリー(THEORY)」は、ルカ・オッセンドライバー(Lucas Ossendrijver)が手掛ける“セオリー プロジェクト バイ ルカ オッセンドライバー(THEORY PROJECT BY LUCAS OSSENDRIJVER)”の2024年春のカプセルコレクションを発売する。親しみやすいセンシュアリティーや、動きやすい構造に焦点を当てたコレクションだ。

【3月16日発売】
ビームス
(BEAMS)

クレイジーパターンのレザーが目を引く
「ニューバランス」別注スニーカー

ビームスは、「ニューバランス(NEW BALANCE)」に別注したスニーカーを発売。同ブランドが1980年代に発売したバスケットボールシューズを復刻した“BB550”を土台に、ネイビー、ビンテージインディゴ、アークティック、ライトアークティックのレザー4色をクレイジーパターンで組み合わせた。現在予約を受け付けている。

■商品詳細

別注スニーカー“BB550”(2万2000円)

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ベイクルーズの 「フリッパーズ」からふわふわパンケーキに乗った“クラシックテディ”のメニューが登場

ベイクルーズが運営するブランチカフェ「フリッパーズ(FLIPPER’S)」は3月14日、イギリス生まれの“クラシックテディ”とコラボレーションしたメニューを発売する。価格は990〜3190円。渋谷店を除く全店舗で展開し、アジア各国の店舗で同時に販売する。

ホットとアイスをそろえたスイーツドリンク“旅するテディのショコラミルクティー(ホット/アイス)”(単品 990円)は、アッサム茶葉を使ったミルクティーにチョコレートソーズを合わせたショコラミルクティー。カップの上にはワッフルケーキとチョコレートでできたテディを載せている。

フードの“旅するテディのふわふわパンケーキ”(2420円)は、テディの顔にダージリンのミルクティームースとベルガモットジュレを組み合わせ、お尻にはチョコレートアイスとチョコレートクリームをトッピング。雲に見立ててふわふわの綿あめも乗せた。さらに、いちごで贅沢に埋め尽くした“旅するテディの大好きいちご”(3190円)も日本限定で用意。両メニューともコラボメニューのスイーツドリンクが付いたセットだ。

“旅するテディのふわふわパンケーキ”の注文者限定で、「フリッパーズ」の制服を着た“クラシックテディ”の数量限定キーホルダーをプレゼントする。また、同キーホルダーのカプセルガチャを渋谷店限定で設置する。自由が丘店では、セットメニューどちらかを注文すると“クラシックテディ”がソファに並んだ専用シートを予約できる。

■クラシックテディコラボメニュー
販売期間:3月14日~5月末
展開店舗:「フリッパーズ」全店(渋谷店はカプセルガチャの設置のみ)
販売商品:
・“旅するテディのふわふわパンケーキ ショコラミルクティー(ホット/アイス)付き”(2420円)
・“旅するテディの大好きいちご ショコラミルクティー(ホット/アイス)付き”(3190円)
・“旅するテディのショコラミルクティー(ホット/アイス)”(単品 990円)
・“クラシックテディ”のガチャ(1000円)

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小嶋陽菜の「ハーリップトゥ ビューティ」がコフレ限定のバスソルトを定番化 ヌードパールの香りを全身にまとう

小嶋陽菜が手掛ける「ハーリップトゥ ビューティ(HER LIP TO BEAUTY)」は3月16日、2023年のホリデー限定アイテムとして発売したバスソルトを、定番商品としてコンセプトストア「ハウス オブ エルメ(HOUSE OF HERME)」および公式オンラインストアで発売する。また、3月8日に全国18店舗のイセタン ミラー メイクとコスメティクス・大阪ルクア イーレ店で先行販売する。

“クリスタルバスソルト ヌードパール”(400g、3960円)はブランドで最も人気の高い“ヌード パール”の香りを全身にまとえるフレグランスのようなバスソルト。可憐な甘さのあるティーローズをベースに、温もりとスパイシーさのあるアンバーやブラックペッパー、神聖なクラリセージをツイストした奥行きのある魅力を調香で表現している。

ミネラルの含有量が多いヒマラヤのクリスタルソルトに、うるおいの持続に関わるウユニ塩湖の希少なピラミッドソルトをブレンドした輝度の高さが特徴で、オリーブオイル、ホホバオイル、スクワランといったエイジングケア成分が全身の潤いをラッピングし、しっとり柔らかい肌に整える。入浴時からエイジングケアを行うことで、お風呂上がりにボディークリームやボディーバームで保湿する際にも馴染みやすく潤いのレイヤードがかなう。

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ビヨンセによる“カウボーイ・コア”がウエスタンウエア界に激震 「LV」効果でトレンド確実か

ビヨンセ(Beyonce)による“カウボーイ・コア”ファッションが、ウエスタンウエア界に激震を与えている。ビヨンセは2022年7月、6年ぶりにリリースしたアルバム「ルネッサンス(Renaissance)」で、磨き上げたボディーを露出し馬に乗るグラマラスな姿をジャケットで公開。大成功を収めた「ルネッサンス・ワールド・ツアー」でもステージ衣装にカウボーイハットやウエスタンブーツを着用するなど、彼女のニュールックに注目が集まっていた。

そんな中、今年2月4日(現地時間)にロサンゼルスで開催された第66回グラミー賞の授賞式に夫のジェイ・Z(Jay Z)と現れたビヨンセは、ファレル・ウィリアムス(Pharrell Williams)=メンズ・クリエイティブ・ディレクターによる「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」のカスタムルックに身を包んだ。そしてアクセントにしたのが、「ステットソン(STETSON)」の白いカウボーイハットだ。ビヨンセの私物だったこともあり、「ステットソン」も驚きを隠せなかったという。

また、11日の第58回スーパーボウルでは「ルネッサンス」の第二章をサプライズ発表。CMでカントリー調の新曲を流し、ビヨンセのウエスタンムードはさらに高まりを見せた。新曲「Texas Hold'em」のジャケットでも、「ステットソン」の黒いハットを着用。13日の「ルアール(LUAR)」のファッションショーでは、「ガウラヴ グプタ(GAURAV GUPTA)」のキラキラブレザーに合わせてカウボーイハットをセレクトした。

ビヨンセは21年、「アディダス(ADIDAS)」によるコラボコレクション「アディダス x アイビーパーク(ADIDAS x IVY PARK)」第4弾でウエスタンスタイルをオマージュした「アイビーパーク ロデオ(IVY PARK Rodeo)」を発表していた。カントリーミュージシャンとのコラボレーションなども披露してきたビヨンセにとっては、大きなインスピレーションの一つといえる。

ピンタレスト(Pinterest)によると、“Cowgirl aesthetic”(カウガール風)のワード検索が過去12カ月で181%増加し、“Western outfit ideas”(ウエスタン衣装のアイデア)は166%、“Country glam outfit”(カントリーグラム風の衣装)は同期間に200%以上と急増した。

「ステットソン」マーケティング部門のタイラー・ソレンソン(Tyler Thoreson)=バイス・プレジデントは、「私たちの原動力となっている価値観、つまりアメリカン・クオリティーと時代を超越したスタイルへのこだわりは、その時々の流行を超越したものである。とはいえ、“カウボーイ・コア”のトレンドが、私たちのすばらしいストーリーをより多くの人々に伝えるチャンスを与えてくれるのであれば、とても喜ばしいことだ」と語った。

約400店舗を展開するウエスタン小売店のブート・バーン(Boot Barn)のイシャ・ニコル(Isha Nicole)=クリエイティブ・ディレクター兼マーケティング担当上級副社長は、今後、帽子だけでなく、ポロタイやケンタッキータイ、ウエスタンベルトのバックルなどの売り上げアップも予測している。

“カウボーイ・コア”は、「ディーゼル(DIESEL)」や「バルマン(BALMAIN)」「カルバン・クライン(CALVIN KLEIN)」といったブランドが提案したことで、ここ数年のランウエイトレンドでもあった。今年1月には、ファレルによる「ルイ・ヴィトン」が2024-25年秋冬コレクションで“ラグジュアリー・ウエスタン”を打ち出し、話題となったばかり。ビヨンセから火が着いた“カウボーイ・コア”や、ファレルの「ルイ・ヴィトン」により、今年はさらにウエスタンブームの波が押し寄せそうだ。

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写真家・小野啓が東京ミッドタウンの「フジフィルム スクエア」で写真展

写真家・小野啓の展覧会「私のためのポートレート」展が、東京・六本木の東京ミッドタウンにあるフジフイルム スクエア(FUJIFILM SQUARE)で開催されている。3月21日まで。

本展は、2002年から全国を回って撮影し続けた高校生のポートレートシリーズの節目となる作品。中版カメラによるフィルム作品、約30点を展示している。小野は被写体をウェブやSNSで募集し、「自分自身を写真に残したい」と願う高校生からのコンタクトを受け、地域は問わず全国へできる限り撮影に赴いてきた。

小野は、1977年5月24日生まれ、滋賀県出身。立命館大学経済学部卒業後にビジュアルアーツ専門学校・大阪 写真学科卒業。主な作品集に2006年「青い光」(ビジュアルアーツ、青幻舎)、2013年「NEW TEXT」(赤々舎)、2017年「暗闇から手をのばせ」(silverbooks)、2019年「男子部屋の記録」(玄光社)など。

■小野啓写真展「私のためのポートレート」
期間:3月8〜21日
場所:フジフイルム スクエア(東京ミッドタウン内)
時間:10:00〜19:00(最終日は16時まで、会期中無休)
住所:東京都港区赤坂9丁目7番地3号 東京ミッドタウン・ウェスト1F
入場料:無料

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写真家・小野啓が東京ミッドタウンの「フジフィルム スクエア」で写真展

写真家・小野啓の展覧会「私のためのポートレート」展が、東京・六本木の東京ミッドタウンにあるフジフイルム スクエア(FUJIFILM SQUARE)で開催されている。3月21日まで。

本展は、2002年から全国を回って撮影し続けた高校生のポートレートシリーズの節目となる作品。中版カメラによるフィルム作品、約30点を展示している。小野は被写体をウェブやSNSで募集し、「自分自身を写真に残したい」と願う高校生からのコンタクトを受け、地域は問わず全国へできる限り撮影に赴いてきた。

小野は、1977年5月24日生まれ、滋賀県出身。立命館大学経済学部卒業後にビジュアルアーツ専門学校・大阪 写真学科卒業。主な作品集に2006年「青い光」(ビジュアルアーツ、青幻舎)、2013年「NEW TEXT」(赤々舎)、2017年「暗闇から手をのばせ」(silverbooks)、2019年「男子部屋の記録」(玄光社)など。

■小野啓写真展「私のためのポートレート」
期間:3月8〜21日
場所:フジフイルム スクエア(東京ミッドタウン内)
時間:10:00〜19:00(最終日は16時まで、会期中無休)
住所:東京都港区赤坂9丁目7番地3号 東京ミッドタウン・ウェスト1F
入場料:無料

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気鋭のキュレーターが語る「布をギャラリーで見せるということ」【NUNO 須藤玲子の見果てぬ布の旅 vol.7】

PROFILE: 高橋瑞木CHAT館長兼チーフキュレーター

高橋瑞木CHAT館長兼チーフキュレーター
PROFILE: (たかはし・みずき)/ロンドン大学東洋アフリカ学学院MAを修了後、森美術館開設準備室、水戸芸術館現代美術センターで学芸員を務め、2016年4月CHAT開設のため香港に移住。17年3月末に共同ディレクターに就任、20年3月から現職。主な国内外の企画として「Beuys in Japan:ボイスがいた8日間」(2009)「新次元:マンガ表現の現在」(2010)「クワイエット・アテンションズ 彼女からの出発」(2011)「高嶺格のクールジャパン」(2012)、「拡張するファッション」(2013、以上は水戸芸術館)「Ariadne`s Thread」(2016)「(In)tangible Reminiscence」(2017、以上はCHAT)など PHOTO:EMI NAKATA

須藤玲子「NUNO」代表兼ディレクターの大規模個展が2月17日から、水戸芸術館でスタートした。今回は、その最初の展覧会をキュレーションした香港のアートセンター「CHAT(Centre for Heritage, Arts and Textile)」の館長兼チーフキュレーターの高橋瑞木さんに、須藤さんと「NUNO」、そしてテキスタイルの展覧会のキュレーションについて聞いた。(文中敬称略)

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「布には可能性しかない」

昨年10月から香川県・丸亀市の丸亀市猪熊弦一郎現代美術館で開催された展覧会「須藤玲子:NUNOの布づくり」。2月17日からは茨城県・水戸市の水戸芸術館で巡回展が始まった(5月6日まで)。そもそもこの展覧会は、2019年に香港のミュージアム「CHAT(Centre for Heritage, Arts and Textile)」で開催されたもので、その後ロンドン、エディンバラ、ザンクトガレン(スイス)と欧州を巡回。丸亀と水戸ではそれぞれ新作も加えて展示している。長い旅路の出発点となったCHATの高橋瑞木館長兼チーフキュレーターも、水戸芸術館での開催に合わせて来日した。

香港からロンドン、スイス、丸亀を巡回し水戸へ「里帰り」 須藤玲子の「NUNO展」が2月17日から水戸芸でスタート

2019年に開館したCHATは名称に「テキスタイル」が入っていることからもわかるように、テキスタイルを中心に据えた展覧会を数多く開催している。かつての香港において、テキスタイルと衣料産業は重要な産業で、1950年代から80年代にかけての経済発展に大いに貢献した。建物も綿糸工場だったところをリノベーションしたもので、ヘリテイジビルディングである。その功績を後世に伝えるべく、常設展示室では香港のテキスタイル産業について紹介。一方、企画展では歴史を振り返ることにとどまらず、未来に向けて発信できる内容であることを旨としている。

高橋館長が須藤の展覧会を構想し始めたのは2016年、CHATの開館から3年の時間を遡る。開館に向けてのシンポジウムに登壇した須藤のプレゼンテーションに触れて、「テキスタイルに取り組む姿勢の斬新さと、チャレンジ精神に圧倒された」という。「世界という舞台で俯瞰したときにも、須藤さんのテキスタイルのユニークさは抜きん出ている。展覧会を開きたいと熱望しました」。

決め手は2018年の国立新美術館の「こいのぼりなう!」展

テキスタイル単体でとらえたときに、「一枚の布」がその完成形である。しかし、そこから一歩先に踏み出して、須藤の布の魅力を伝えるにはどういう展示にすべきか。思考をめぐらせているときに出合ったのが、2018年に東京・国立新美術館で開催されていた「こいのぼりなう!」展だ。須藤とライゾマティクス(現パノラマティクス)の齋藤精一氏、展示デザイナーのアドリアン・ガルデール氏が組んだ展覧会で、会場奥のギャラリーに、齋藤氏が撮影したテキスタイルの製造現場の映像が流れていた。「小さな画面でしたが、大きなパワーを感じました。カメラワークやスピード感あふれる編集と相まって、『布ってこうやってできるんだ』と興奮したのを覚えています。周辺の風景もおさまっていて、布づくりの現場の臨場感が伝わってくるのがまたよかった」(高橋氏)。

多くの美術館関係者がそうなのではと察するが、高橋氏にとって、テキスタイルは身近なものであるけれども、アートの視点でとらえたときには知らないことが多い分野だった。「歴史もあり、文化を形成する役割も担ってきたのに、その背景の知識となるとすとんと抜けている。技術に関しても把握できていません。身近すぎて意識しづらい素材と言えます。現代美術よりも難しい側面を持っている」と高橋氏は言う。そのため展覧会開催に向けて、須藤のテキスタイル制作を請け負ういくつかの工場を見学し、プロセスへの理解を深めた。

香港CHATが話題を呼び、イギリスとスイスを巡回

そうやって作りあげた展覧会は、実際の機と映像を組み合わせたりしながら、クリエイティブとテクニック、双方のプロセスが紹介されると同時に、インスタレーションとしても見応えのあるものとなった。一枚の布ができあがるまでにどれだけの人のどれほどのエネルギーが込められているかが伝わってきて、テキスタイルの知識が深い人はもちろん、そうでない人も引き込まれる内容で、身近にあるテキスタイルなのに初めて見るかのような、新鮮な印象を抱いた人が多かった。さらに独特のテクスチャーを持つNUNOのテキスタイルを直に触れることができたことも、評判を呼んだ。展覧会の巡回も、自ら仕掛けたのではなく、興味を持った各地のキュレーターや関係者からの打診やアドバイスからだったという。「振り返ると、私がテキスタイルの専門家でなかったことが、功を奏したのかもしれません。知っていると、リテラシーの範囲内でつくっていってしまう。そのリミットがなかったことで、リテラシーを共有していない人も面白がってくれたのだと思います」。産地の特性、工場の特性、そしてそれぞれの職人の個性を把握した上で挑む“須藤独自の布づくり”だから、プロセスが展示として成立することも大きいだろう。「さらに齋藤さんや、香港の展示をデザインしたガルデールさん、日本の会場構成を担当したたしろまさふみさんによって、プロセスがよりダイナミックに展開されています」。

巡回先となったうちのエディンバラとザンクトガレンはいずれもテキスタイル産業が栄えた地で、香港同様、ヘリテイジビルディングで開催された。実際にものづくりが行われてきた場所でプロセスを披露する展覧会に、産地の人は嬉しかったことでしょうと高橋氏は言う。そしてこの展覧会をぜひ日本でも開きたいと丸亀市猪熊弦一郎現代美術館に持ちかけた。実現が決まると巡回展を打診してきたのが水戸芸術館で、実は高橋氏は2016年まで水戸芸術館の主任学芸員を務めており、驚きと喜びの巡回となった。

アジアにおけるテキスタイル×アートの可能性

現代のテキスタイルデザイナーのなかで、「須藤は唯一無二の存在」だと高橋氏。「発想の豊かさに加えて、自分の枠におさまることなく、テキスタイルの新たな可能性を広げ続けている。私のような専門外の人間も受け入れるおおらかさ、若いクリエイターと積極的にかかわってまだ見ぬものを生みだすエネルギー、産地の人への変わらぬ敬意、すべてが須藤さんの魅力です」。

CHATはアンテプリマとのパートナーシップにより「アンテプリマ×CHAT コンテンポラリー・テキスタイル・アート賞」を2023年に立ち上げ、テキスタイルの未来を能動的に促進させようと動いている。「テキスタイルには可能性しかないと感じています。特にアジアからという視点が重要です」と高橋氏は言う。植民地としての歴史を持つアジアにおいて、テキスタイルは「痛みの歴史」と深く関連している。イギリス帝国が産業革命の際に持っていってしまったコットンの産業をインドが取り戻そうと起こした行動ひとつとってもそれは明快で、脱コロニアル主義の現代において、注目を浴びている。また、工場をはじめ女性を労働力として受け入れてきたことで、女性のコミュニティが生まれた。あるいはサステナビリティとも直結していて、「テキスタイルはいま我々が考えなくてはいけないすべてのことに関連しているのです」と力説する。

「ペインティングや彫刻といった分野に比べて、テキスタイルがなぜか低く見られていることに違和感を覚えますし、是正したい。これは大学のカリキュラムがどういう方針で教育してきたかにも関わっています。いままでの枠組みを批評的な眼差しで考えていくのにテキスタイルは最適な素材であり、ジャンルだと思っています」。

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気鋭のキュレーターが語る「布をギャラリーで見せるということ」【NUNO 須藤玲子の見果てぬ布の旅 vol.7】

PROFILE: 高橋瑞木CHAT館長兼チーフキュレーター

高橋瑞木CHAT館長兼チーフキュレーター
PROFILE: (たかはし・みずき)/ロンドン大学東洋アフリカ学学院MAを修了後、森美術館開設準備室、水戸芸術館現代美術センターで学芸員を務め、2016年4月CHAT開設のため香港に移住。17年3月末に共同ディレクターに就任、20年3月から現職。主な国内外の企画として「Beuys in Japan:ボイスがいた8日間」(2009)「新次元:マンガ表現の現在」(2010)「クワイエット・アテンションズ 彼女からの出発」(2011)「高嶺格のクールジャパン」(2012)、「拡張するファッション」(2013、以上は水戸芸術館)「Ariadne`s Thread」(2016)「(In)tangible Reminiscence」(2017、以上はCHAT)など PHOTO:EMI NAKATA

須藤玲子「NUNO」代表兼ディレクターの大規模個展が2月17日から、水戸芸術館でスタートした。今回は、その最初の展覧会をキュレーションした香港のアートセンター「CHAT(Centre for Heritage, Arts and Textile)」の館長兼チーフキュレーターの高橋瑞木さんに、須藤さんと「NUNO」、そしてテキスタイルの展覧会のキュレーションについて聞いた。(文中敬称略)

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「布には可能性しかない」

昨年10月から香川県・丸亀市の丸亀市猪熊弦一郎現代美術館で開催された展覧会「須藤玲子:NUNOの布づくり」。2月17日からは茨城県・水戸市の水戸芸術館で巡回展が始まった(5月6日まで)。そもそもこの展覧会は、2019年に香港のミュージアム「CHAT(Centre for Heritage, Arts and Textile)」で開催されたもので、その後ロンドン、エディンバラ、ザンクトガレン(スイス)と欧州を巡回。丸亀と水戸ではそれぞれ新作も加えて展示している。長い旅路の出発点となったCHATの高橋瑞木館長兼チーフキュレーターも、水戸芸術館での開催に合わせて来日した。

香港からロンドン、スイス、丸亀を巡回し水戸へ「里帰り」 須藤玲子の「NUNO展」が2月17日から水戸芸でスタート

2019年に開館したCHATは名称に「テキスタイル」が入っていることからもわかるように、テキスタイルを中心に据えた展覧会を数多く開催している。かつての香港において、テキスタイルと衣料産業は重要な産業で、1950年代から80年代にかけての経済発展に大いに貢献した。建物も綿糸工場だったところをリノベーションしたもので、ヘリテイジビルディングである。その功績を後世に伝えるべく、常設展示室では香港のテキスタイル産業について紹介。一方、企画展では歴史を振り返ることにとどまらず、未来に向けて発信できる内容であることを旨としている。

高橋館長が須藤の展覧会を構想し始めたのは2016年、CHATの開館から3年の時間を遡る。開館に向けてのシンポジウムに登壇した須藤のプレゼンテーションに触れて、「テキスタイルに取り組む姿勢の斬新さと、チャレンジ精神に圧倒された」という。「世界という舞台で俯瞰したときにも、須藤さんのテキスタイルのユニークさは抜きん出ている。展覧会を開きたいと熱望しました」。

決め手は2018年の国立新美術館の「こいのぼりなう!」展

テキスタイル単体でとらえたときに、「一枚の布」がその完成形である。しかし、そこから一歩先に踏み出して、須藤の布の魅力を伝えるにはどういう展示にすべきか。思考をめぐらせているときに出合ったのが、2018年に東京・国立新美術館で開催されていた「こいのぼりなう!」展だ。須藤とライゾマティクス(現パノラマティクス)の齋藤精一氏、展示デザイナーのアドリアン・ガルデール氏が組んだ展覧会で、会場奥のギャラリーに、齋藤氏が撮影したテキスタイルの製造現場の映像が流れていた。「小さな画面でしたが、大きなパワーを感じました。カメラワークやスピード感あふれる編集と相まって、『布ってこうやってできるんだ』と興奮したのを覚えています。周辺の風景もおさまっていて、布づくりの現場の臨場感が伝わってくるのがまたよかった」(高橋氏)。

多くの美術館関係者がそうなのではと察するが、高橋氏にとって、テキスタイルは身近なものであるけれども、アートの視点でとらえたときには知らないことが多い分野だった。「歴史もあり、文化を形成する役割も担ってきたのに、その背景の知識となるとすとんと抜けている。技術に関しても把握できていません。身近すぎて意識しづらい素材と言えます。現代美術よりも難しい側面を持っている」と高橋氏は言う。そのため展覧会開催に向けて、須藤のテキスタイル制作を請け負ういくつかの工場を見学し、プロセスへの理解を深めた。

香港CHATが話題を呼び、イギリスとスイスを巡回

そうやって作りあげた展覧会は、実際の機と映像を組み合わせたりしながら、クリエイティブとテクニック、双方のプロセスが紹介されると同時に、インスタレーションとしても見応えのあるものとなった。一枚の布ができあがるまでにどれだけの人のどれほどのエネルギーが込められているかが伝わってきて、テキスタイルの知識が深い人はもちろん、そうでない人も引き込まれる内容で、身近にあるテキスタイルなのに初めて見るかのような、新鮮な印象を抱いた人が多かった。さらに独特のテクスチャーを持つNUNOのテキスタイルを直に触れることができたことも、評判を呼んだ。展覧会の巡回も、自ら仕掛けたのではなく、興味を持った各地のキュレーターや関係者からの打診やアドバイスからだったという。「振り返ると、私がテキスタイルの専門家でなかったことが、功を奏したのかもしれません。知っていると、リテラシーの範囲内でつくっていってしまう。そのリミットがなかったことで、リテラシーを共有していない人も面白がってくれたのだと思います」。産地の特性、工場の特性、そしてそれぞれの職人の個性を把握した上で挑む“須藤独自の布づくり”だから、プロセスが展示として成立することも大きいだろう。「さらに齋藤さんや、香港の展示をデザインしたガルデールさん、日本の会場構成を担当したたしろまさふみさんによって、プロセスがよりダイナミックに展開されています」。

巡回先となったうちのエディンバラとザンクトガレンはいずれもテキスタイル産業が栄えた地で、香港同様、ヘリテイジビルディングで開催された。実際にものづくりが行われてきた場所でプロセスを披露する展覧会に、産地の人は嬉しかったことでしょうと高橋氏は言う。そしてこの展覧会をぜひ日本でも開きたいと丸亀市猪熊弦一郎現代美術館に持ちかけた。実現が決まると巡回展を打診してきたのが水戸芸術館で、実は高橋氏は2016年まで水戸芸術館の主任学芸員を務めており、驚きと喜びの巡回となった。

アジアにおけるテキスタイル×アートの可能性

現代のテキスタイルデザイナーのなかで、「須藤は唯一無二の存在」だと高橋氏。「発想の豊かさに加えて、自分の枠におさまることなく、テキスタイルの新たな可能性を広げ続けている。私のような専門外の人間も受け入れるおおらかさ、若いクリエイターと積極的にかかわってまだ見ぬものを生みだすエネルギー、産地の人への変わらぬ敬意、すべてが須藤さんの魅力です」。

CHATはアンテプリマとのパートナーシップにより「アンテプリマ×CHAT コンテンポラリー・テキスタイル・アート賞」を2023年に立ち上げ、テキスタイルの未来を能動的に促進させようと動いている。「テキスタイルには可能性しかないと感じています。特にアジアからという視点が重要です」と高橋氏は言う。植民地としての歴史を持つアジアにおいて、テキスタイルは「痛みの歴史」と深く関連している。イギリス帝国が産業革命の際に持っていってしまったコットンの産業をインドが取り戻そうと起こした行動ひとつとってもそれは明快で、脱コロニアル主義の現代において、注目を浴びている。また、工場をはじめ女性を労働力として受け入れてきたことで、女性のコミュニティが生まれた。あるいはサステナビリティとも直結していて、「テキスタイルはいま我々が考えなくてはいけないすべてのことに関連しているのです」と力説する。

「ペインティングや彫刻といった分野に比べて、テキスタイルがなぜか低く見られていることに違和感を覚えますし、是正したい。これは大学のカリキュラムがどういう方針で教育してきたかにも関わっています。いままでの枠組みを批評的な眼差しで考えていくのにテキスタイルは最適な素材であり、ジャンルだと思っています」。

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