リアム・ギャラガー着用のパーカを限定復刻 「バーバリー」2018年春夏コレクションから

「バーバリー(BURBERRY)」は、アーティストのリアム・ギャラガー(Liam Gallagher)がステージで着用した、「バーバリー」2018年春夏コレクションのパーカを復刻し、数量限定で発売する。7月2日から「バーバリー」公式オンラインで先行予約を受け付け開始し、7月中旬から「バーバリー」一部店舗および公式オンラインで順次発売する。

キルティングナイロンのパーカ
裏地には“バーバリーチェック”

同パーカは、カーキグリーンのキルティングナイロンを採用、裏地にはサンドベージュの“バーバリーチェック”柄のコットンツイルを合わせた。ブラックレザーのトリムを施し、フードやウエスト部分にはドローコードを、またボタンをダブルブレスト仕様にまとめている。リアム・ギャラガーは、1990年代から2000年代初頭にかけ、“バーバリーチェック”を身にまとっていたことで知られ、6月に開始した「バーバリー」のキャンペーン動画にも、自身のパーカを着用し出演している。

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「アリーズ」のソフィア・プランテラに訊く、初のアーカイブブックからアーセナルFCとのコラボ秘話まで

ソフィア・プランテラ/「アリーズ」クリエイティブ・ディレクター

PROFILE:イタリア人の父親とイギリス人の母親のもとローマで育ち、高校卒業前に渡英し、ロンドン芸術大学セントラル・セント・マーチンズ校に入学。ロンドンのストリートおよびレイブシーンを目の当たりにし、卒業後もロンドンに残ることを決め、人気スケートショップ「スラム シティ スケーツ」で働きながらオリジナルスケートブランド「ホームズ」のデザイナーに就任。そして、1998年に「ホームズ」にも携わっていたラッセル・ウォーターマンと共に「サイラス」を立ち上げたのち、2009年にグラフィックデザイナーのファーガス・パーセルと共に「アリーズ」をスタートした。“正直であること”を心情に掲げており、1980年代から化粧はしていないとのこと PHOTO:SABI RYUSEI

「シュプリーム(SUPREME)」を着こなす男性がニューヨークでプロップスを得るなら、「アリーズ(ARIES)」を取り入れた女性がロンドンの象徴だ。

「アリーズ」は、1990年代後半~2000年代前半のUKストリートシーンを賑わせていた「サイラス(SILAS)」の仕掛け人であるソフィア・プランテラ(Sofia Prantera)が、「パレス スケートボード(PALACE SKATEBOARDS)」のトライアングルロゴも生み出した英国を代表するグラフィックデザイナーのファーガス・パーセル(Fergus Purcell)と共に、2009年に立ち上げたストリートブランドだ。プランテラのサブカルチャーへの深い造詣とエスプリを背景に、ジェンダーレスなアプローチとユニークなグラフィックを落とし込んだ唯一無二の世界観で、パトリアーキーなストリートシーンにおいて女性からの支持を集め、瞬く間にUK内のビッグネームに成長。また、ブランドのアイコンシリーズ「ノー プロブレム(NO PROBLEM)」は、その人気の高さから24年にブランドとして独立し、ロンドンの街中で「アリーズ」もしくは「ノー プロブレム」を見かけない日はないほどだ。

先日、そんな「アリーズ」の軌跡を辿る初のアーカイブブック「アリーズ アーカイブ(Aries Archive)」が、アメリカの名門出版社「リッゾーリ(Rizzoli)」(1万円)から発売された。これを祝した発売記念パーティーが世界各地で開催された中、東京・原宿のセレクトショップ「グレイト(GR8)」でのリリースイベントには、プランテラ本人が登場。そこで、イベント前の短い時間ではあったが、UKストリートシーンの変革者である彼女に、上梓の理由から「アリーズ」のイロハ、昨年話題を呼んだアーセナルFC(注:ロンドン北部を本拠地とする世界的フットボールクラブ)とのコラボまで話を聞いた。

気が進まなかったアーカイブックの上梓

ーーまずは、アーカイブックの上梓を決めた理由を教えてください。というのも、今はアーカイブの管理も情報収集もインターネットで完結してしまう時代です。

ソフィア・プランテラ(以下、ソフィア):「アリーズ」は2009年に誕生したブランドで、当時はインスタグラムが普及するずっと前の時代だったこともあり、最近ファンになってくださった方々は、私たちのグラフィックの歴史や過去に手掛けてきた山のようなプロジェクトに気付かず、オリジンを知らないと思っていました。何より、「アリーズ」は単なるストリートブランドではなく、異なる側面や実験的な意味合いを持ち合わせていることが多いので、時が経つにつれて変化してきた歴史と深いアーカイブを一つのカタチとして見せたかったんです。それに、今の時代は逆にグーグルで「アリーズ」を検索しても、コマーシャルな情報ばかりしか出てこないので(笑)。ただ、実をいうと私自身は過去を振り返ることが好きではないんですよ。

ーーということは、今回のアーカイブブックはリッツォーリ社から話が来たと。

ソフィア:そういうことになります。いつだって「次は何をしよう?」と考えていますが、まさかアーカイブブックを出版するとは思ってもいませんでした。

ーー話が来る前からアーカイブブックを作りたい気持ちはあったのでしょうか?

ソフィア:......なかったですね(笑)。一般的にアーカイブを見ることは興味深く、多くの方々にとってコンテクスト踏まえながら作品を振り返る行為は、リファレンスとしても重要なことだと思います。でも、私のように過去を振り返る行為に気持ちが進まない作り手側も一定数いるのが現実です。これがリタイア直前だったら話は別ですけどね。

ーーアーカイブブックとは別に、イメージブックやフォトブックは制作されていましたよね?

ソフィア:そうですね。デイヴィッド・シムズ(David Sims、英国出身の大御所ファッションフォトグラファー)と2冊、ジェレミー・デラー(Jeremy Deller、英国出身のアーティスト)と1冊、他にもジョシュア・ゴードン(Joshua Gordon、アイルランド出身の写真家)やミア・ハリファ(Mia Khalifa、元ポルノ女優の世界的インフルエンサー)らさまざまなアーティストと協業しながら、いろいろなカタチのブックを出版してきました。これらは新たに生み出した結果のモノで、今回はアーキビストが旅するようにアーカイブを遡り再発見してもらうコンペディアムのようなイメージで、特別何か手を加えたわけではありません。

ーーでは、新たなインタビューの収録などもないのでしょうか?

ソフィア:唯一の新しいコンテンツというと、アンジェロ・フラッカヴェント(Angelo Flaccavento、イタリアで最も影響力のあるファッションジャーナリストの1人)が書いてくれたイントロくらいです。あとは、ブツ撮りをいくつか撮り下ろしましたが、最も時間がかかって大変でしたね。

ーーブツ撮りは、シンプルの中で見せ方を模索する必要がありますよね。

ソフィア:まさに!洋服って、実際のところフォトジェニックではないですから。

ーーアートディレクターには雑誌「i-D」の元エディターであるジョニー・ルー(Jonny Lu)を起用されていますが、この理由は?

ソフィア:彼は素敵な友人であり、過去に何度かブックを制作したこともあったんです。アートディレクターにはさまざまなタイプがいて、その中には印刷物にこだわらずコンテンツ重視の方々もいますが、ジョニーは印刷物に長けていてプリントに対する美意識が強いからお願いしました。また、ブランドのCEOで私のビジネスパートナーであるニッキー・ビダー(Nicki Bidder)は雑誌「デイズド(DAZED)」の元エディターなので、彼女の存在も心強かったですね。

ーーちなみに、表紙には「ナイキ(NIKE)」の“エア マックス 90(AIR MAX 90)”が写っていますが、これは新作コラボのティザーなのでしょうか?

ソフィア:期待させて申し訳ないのですが、モデルが履いてきた私物をそのままスタイリングに使っただけなんです(笑)。

「星座の名前なんてダサくてキッチュだからこそピッタリ」

ーーここからは、「アリーズ」全体の話を伺いたいと思います。初歩的な質問になるのですが、なぜラテン語で牡羊座を意味するブランド名にしたのでしょうか?

ソフィア:設立を手伝ってくれたファーガス・パーセルの星座が牡羊座(3月21日~4月19日)で、私の星座は牡牛座(4月20日~5月20日)なのですが、あと4時間早く産まれれば私も牡羊座だったんですよ。それで、星座の名前のブランドなんてダサくてキッチュだからこそ、“狂ったクオリティー”を目指していたわれわれにはピッタリだな、と。後になって調べた星座占いでは、牡羊座の人間はリーダーシップが強く行動的でクリエイティブな人が多いらしいのですが、そういった部分は気にしていませんね。

ーーファーガスといえば、「アリーズ」のアイディンティティーのひとつであるグラフィックを数多く手掛けてきた人物です。今でも彼はグラフィック面などで関わっているのでしょうか?

ソフィア:おっしゃる通り、ブランド設立当初はファーガスと仕事をすることが多く、テンプルロゴやカラムロゴなど“共通言語”となるアイコニックなグラフィックを作ってもらっていましたが、2012年からは一緒に行動していませんね。といっても、彼と仲が悪くなったわけではなく、より多くのグラフィックデザイナーと仕事をするようになったんです。私が「サイラス」を手掛けていた頃にグラフィックをお願いしていたマーティン・ウェダーバーン(Martin Wedderburn)には、相変わらず手広くお願いしていますが、今では日本人を含む20人ほどのフリーランスと常に仕事をしていて、多くのインプットの機会が得られるようになりましたね。

ーーそのような人々は、どのように見つけ出しているのでしょうか?やはりSNSですか?

ソフィア:SNSもありますが、昔からの友人や自ら売り込んできた人もいます。少し前までは、専門学校で見つけた若いアーティストたちによくお願いしていたのですが、今では「シュプリーム」と仕事をしているようで、彼らのような若い才能が成功する過程のプラットフォームになれているのはうれしいですね。アーティストとは、持ちつ持たれつの関係で向き合うことが大切です。

ーー大半のストリートブランドは、その成り立ちからメンズアイテムが中心ですが、「アリーズ」はウィメンズもユニセックスのアイテムも数多くラインアップしています。これは設立当初から想定していたのか、それとも時代の流れを意識したからでしょうか?

ソフィア:初期はユニセックスのことは気にしていませんでしたが、“幅広いサイズを用意することで、誰もが好きなように着ることができる”という考えを持っていたので、大きいサイズは男性用、小さいサイズは女性用という感覚でしたね。当時は、コマーシャル的にもユニセックスのアイテムを売ることは簡単ではなかったのですが、私が女性ということもあってか自然とラインアップが拡充していった感じです。

ーー公式オンラインストアのメニューでは、“men”と“women”に加えて、“dont care”のセクションが設けられているのが印象的です。

ソフィア:先ほどお伝えした考えから、もともとは性別にとらわれず全てミックスした状態で見せていました。“men”と“women”のセクションは、多くの方々の判断基準の観点から設けましたが、「今日は男性的な気分だな」のようにジェンダーで分けたというよりもムードのイメージです。当然、“dont care”は気にしない方々のためですね。ロンドン・ソーホーの直営店でも、“men”と“women”にラックを分けて陳列することはしていません。

コラボレーターの選り分け方と、アーセナルFCとのコラボ秘話

ーー「アリーズ」の飛躍を語るうえで欠かせないのが、その幅広く多層的なコラボレーションの遍歴です。「プーマ(PUMA)」や「ニューバランス(NEW BALANCE)」から、イタリアのフットウエアブランド「ロア(ROA)」、モロッコを拠点とする女性の織物協同組合「アルチザン プロジェクト(ARTISAN PROJECT)」、キューバのラム酒ブランド「ハバナクラブ(HAVANA CLUB)」まで、どこに比重を置きコラボレーターを選り分けているのでしょうか?

ソフィア:「アリーズ」のコラボのほとんどは、相手側からのコンタクトから始まります。例えば、ビッグブランドはビジネス的な観点からコラボを画策しますが、それはあくまで一面に過ぎません。われわれは、単なる“ロゴブランド”ではない多面的な顔を持っているからこそ、他ブランドからコネクトできると考えてもらえることが多いんだと思います。コラボは生まれる結果がひとつではなく、予期せぬ効果ももたらしてくれる一種の爆発と考えるのがいいかもしれませんね。

ーーコラボレーターの規模感は配慮しますか?

ソフィア:ある程度は気にしますが、相手が求めていることと自分たちのやりたいことが合致していれば、規模が小さくても構わず積極的に進めます。とはいえ、相手の規模が大きいと知名度もバジェットもあるので魅力的だし、何か面白いことを実現するには無理にでも推し進める必要もありますが、“少しでもつまらないと思ったらコラボしないこと”と、“自分たちのプロジェクトであること”は常に意識しています。

ーーブランドの歴史の中でも、アーセナルFCとのコラボは最大規模のプロジェクトであると同時に、世界規模でセンセーショナルを巻き起こしたと感じましたが、実際はいかがでしたか?

ソフィア:とても有意義で素晴らしい経験でしたが、あまりにも大きなプロジェクトがゆえにコントロールが効かない部分もあり、正直なところ個人としては少し怖かったですね。

ーーやはり、あなたがグーナー(注:アーセナルサポーターの愛称)だからコラボを引き受けたのでしょうか?

ソフィア:……違うんです(笑)。

ーーええ!?てっきりグーナーだと思っていました……。

ソフィア:オフィスでは多くのグーナーが働き、アーセナルのホームスタジアムの近くに住んでいるので近所の人もグーナーばかりですが、私はイタリア人なのでASローマ(注:イタリア・ローマを本拠地とするフットボールクラブ)のサポーターで、夫と子どもはウェストハム・ユナイテッドFC(注:ロンドン東部を本拠地とするフットボールクラブ)の熱狂的なサポーターなんですよ。コラボが発売された頃、夫と2人でアーセナルとウェストハムの試合中継を車のラジオで聞いていた時、ウェストハムが3点差で勝って煽られましたが、「あっそ、別に気にしてないけど?」と、あしらいましたね(笑)。でも、夫はアーセナルとのコラボは「君の最大の誇りのひとつだ」と言ってくれますね。

ーー最後に、今後の「アリーズ」の展望を教えてください。

ソフィア:明確なビジョンがあるわけではないのですが、とにかく何か新しいことにチャレンジしたいですし、歳を重ねると“新しいことにチャレンジする必要”が出てくるんです。人によっては理解できないかもしれませんが、私にとっては大事なことなんです。おそらく、85歳の今も引退せずに現役の医者を続けている父親譲りの感覚ですね(笑)。

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「アリーズ」のソフィア・プランテラに訊く、初のアーカイブブックからアーセナルFCとのコラボ秘話まで

ソフィア・プランテラ/「アリーズ」クリエイティブ・ディレクター

PROFILE:イタリア人の父親とイギリス人の母親のもとローマで育ち、高校卒業前に渡英し、ロンドン芸術大学セントラル・セント・マーチンズ校に入学。ロンドンのストリートおよびレイブシーンを目の当たりにし、卒業後もロンドンに残ることを決め、人気スケートショップ「スラム シティ スケーツ」で働きながらオリジナルスケートブランド「ホームズ」のデザイナーに就任。そして、1998年に「ホームズ」にも携わっていたラッセル・ウォーターマンと共に「サイラス」を立ち上げたのち、2009年にグラフィックデザイナーのファーガス・パーセルと共に「アリーズ」をスタートした。“正直であること”を心情に掲げており、1980年代から化粧はしていないとのこと PHOTO:SABI RYUSEI

「シュプリーム(SUPREME)」を着こなす男性がニューヨークでプロップスを得るなら、「アリーズ(ARIES)」を取り入れた女性がロンドンの象徴だ。

「アリーズ」は、1990年代後半~2000年代前半のUKストリートシーンを賑わせていた「サイラス(SILAS)」の仕掛け人であるソフィア・プランテラ(Sofia Prantera)が、「パレス スケートボード(PALACE SKATEBOARDS)」のトライアングルロゴも生み出した英国を代表するグラフィックデザイナーのファーガス・パーセル(Fergus Purcell)と共に、2009年に立ち上げたストリートブランドだ。プランテラのサブカルチャーへの深い造詣とエスプリを背景に、ジェンダーレスなアプローチとユニークなグラフィックを落とし込んだ唯一無二の世界観で、パトリアーキーなストリートシーンにおいて女性からの支持を集め、瞬く間にUK内のビッグネームに成長。また、ブランドのアイコンシリーズ「ノー プロブレム(NO PROBLEM)」は、その人気の高さから24年にブランドとして独立し、ロンドンの街中で「アリーズ」もしくは「ノー プロブレム」を見かけない日はないほどだ。

先日、そんな「アリーズ」の軌跡を辿る初のアーカイブブック「アリーズ アーカイブ(Aries Archive)」が、アメリカの名門出版社「リッゾーリ(Rizzoli)」(1万円)から発売された。これを祝した発売記念パーティーが世界各地で開催された中、東京・原宿のセレクトショップ「グレイト(GR8)」でのリリースイベントには、プランテラ本人が登場。そこで、イベント前の短い時間ではあったが、UKストリートシーンの変革者である彼女に、上梓の理由から「アリーズ」のイロハ、昨年話題を呼んだアーセナルFC(注:ロンドン北部を本拠地とする世界的フットボールクラブ)とのコラボまで話を聞いた。

気が進まなかったアーカイブックの上梓

ーーまずは、アーカイブックの上梓を決めた理由を教えてください。というのも、今はアーカイブの管理も情報収集もインターネットで完結してしまう時代です。

ソフィア・プランテラ(以下、ソフィア):「アリーズ」は2009年に誕生したブランドで、当時はインスタグラムが普及するずっと前の時代だったこともあり、最近ファンになってくださった方々は、私たちのグラフィックの歴史や過去に手掛けてきた山のようなプロジェクトに気付かず、オリジンを知らないと思っていました。何より、「アリーズ」は単なるストリートブランドではなく、異なる側面や実験的な意味合いを持ち合わせていることが多いので、時が経つにつれて変化してきた歴史と深いアーカイブを一つのカタチとして見せたかったんです。それに、今の時代は逆にグーグルで「アリーズ」を検索しても、コマーシャルな情報ばかりしか出てこないので(笑)。ただ、実をいうと私自身は過去を振り返ることが好きではないんですよ。

ーーということは、今回のアーカイブブックはリッツォーリ社から話が来たと。

ソフィア:そういうことになります。いつだって「次は何をしよう?」と考えていますが、まさかアーカイブブックを出版するとは思ってもいませんでした。

ーー話が来る前からアーカイブブックを作りたい気持ちはあったのでしょうか?

ソフィア:......なかったですね(笑)。一般的にアーカイブを見ることは興味深く、多くの方々にとってコンテクスト踏まえながら作品を振り返る行為は、リファレンスとしても重要なことだと思います。でも、私のように過去を振り返る行為に気持ちが進まない作り手側も一定数いるのが現実です。これがリタイア直前だったら話は別ですけどね。

ーーアーカイブブックとは別に、イメージブックやフォトブックは制作されていましたよね?

ソフィア:そうですね。デイヴィッド・シムズ(David Sims、英国出身の大御所ファッションフォトグラファー)と2冊、ジェレミー・デラー(Jeremy Deller、英国出身のアーティスト)と1冊、他にもジョシュア・ゴードン(Joshua Gordon、アイルランド出身の写真家)やミア・ハリファ(Mia Khalifa、元ポルノ女優の世界的インフルエンサー)らさまざまなアーティストと協業しながら、いろいろなカタチのブックを出版してきました。これらは新たに生み出した結果のモノで、今回はアーキビストが旅するようにアーカイブを遡り再発見してもらうコンペディアムのようなイメージで、特別何か手を加えたわけではありません。

ーーでは、新たなインタビューの収録などもないのでしょうか?

ソフィア:唯一の新しいコンテンツというと、アンジェロ・フラッカヴェント(Angelo Flaccavento、イタリアで最も影響力のあるファッションジャーナリストの1人)が書いてくれたイントロくらいです。あとは、ブツ撮りをいくつか撮り下ろしましたが、最も時間がかかって大変でしたね。

ーーブツ撮りは、シンプルの中で見せ方を模索する必要がありますよね。

ソフィア:まさに!洋服って、実際のところフォトジェニックではないですから。

ーーアートディレクターには雑誌「i-D」の元エディターであるジョニー・ルー(Jonny Lu)を起用されていますが、この理由は?

ソフィア:彼は素敵な友人であり、過去に何度かブックを制作したこともあったんです。アートディレクターにはさまざまなタイプがいて、その中には印刷物にこだわらずコンテンツ重視の方々もいますが、ジョニーは印刷物に長けていてプリントに対する美意識が強いからお願いしました。また、ブランドのCEOで私のビジネスパートナーであるニッキー・ビダー(Nicki Bidder)は雑誌「デイズド(DAZED)」の元エディターなので、彼女の存在も心強かったですね。

ーーちなみに、表紙には「ナイキ(NIKE)」の“エア マックス 90(AIR MAX 90)”が写っていますが、これは新作コラボのティザーなのでしょうか?

ソフィア:期待させて申し訳ないのですが、モデルが履いてきた私物をそのままスタイリングに使っただけなんです(笑)。

「星座の名前なんてダサくてキッチュだからこそピッタリ」

ーーここからは、「アリーズ」全体の話を伺いたいと思います。初歩的な質問になるのですが、なぜラテン語で牡羊座を意味するブランド名にしたのでしょうか?

ソフィア:設立を手伝ってくれたファーガス・パーセルの星座が牡羊座(3月21日~4月19日)で、私の星座は牡牛座(4月20日~5月20日)なのですが、あと4時間早く産まれれば私も牡羊座だったんですよ。それで、星座の名前のブランドなんてダサくてキッチュだからこそ、“狂ったクオリティー”を目指していたわれわれにはピッタリだな、と。後になって調べた星座占いでは、牡羊座の人間はリーダーシップが強く行動的でクリエイティブな人が多いらしいのですが、そういった部分は気にしていませんね。

ーーファーガスといえば、「アリーズ」のアイディンティティーのひとつであるグラフィックを数多く手掛けてきた人物です。今でも彼はグラフィック面などで関わっているのでしょうか?

ソフィア:おっしゃる通り、ブランド設立当初はファーガスと仕事をすることが多く、テンプルロゴやカラムロゴなど“共通言語”となるアイコニックなグラフィックを作ってもらっていましたが、2012年からは一緒に行動していませんね。といっても、彼と仲が悪くなったわけではなく、より多くのグラフィックデザイナーと仕事をするようになったんです。私が「サイラス」を手掛けていた頃にグラフィックをお願いしていたマーティン・ウェダーバーン(Martin Wedderburn)には、相変わらず手広くお願いしていますが、今では日本人を含む20人ほどのフリーランスと常に仕事をしていて、多くのインプットの機会が得られるようになりましたね。

ーーそのような人々は、どのように見つけ出しているのでしょうか?やはりSNSですか?

ソフィア:SNSもありますが、昔からの友人や自ら売り込んできた人もいます。少し前までは、専門学校で見つけた若いアーティストたちによくお願いしていたのですが、今では「シュプリーム」と仕事をしているようで、彼らのような若い才能が成功する過程のプラットフォームになれているのはうれしいですね。アーティストとは、持ちつ持たれつの関係で向き合うことが大切です。

ーー大半のストリートブランドは、その成り立ちからメンズアイテムが中心ですが、「アリーズ」はウィメンズもユニセックスのアイテムも数多くラインアップしています。これは設立当初から想定していたのか、それとも時代の流れを意識したからでしょうか?

ソフィア:初期はユニセックスのことは気にしていませんでしたが、“幅広いサイズを用意することで、誰もが好きなように着ることができる”という考えを持っていたので、大きいサイズは男性用、小さいサイズは女性用という感覚でしたね。当時は、コマーシャル的にもユニセックスのアイテムを売ることは簡単ではなかったのですが、私が女性ということもあってか自然とラインアップが拡充していった感じです。

ーー公式オンラインストアのメニューでは、“men”と“women”に加えて、“dont care”のセクションが設けられているのが印象的です。

ソフィア:先ほどお伝えした考えから、もともとは性別にとらわれず全てミックスした状態で見せていました。“men”と“women”のセクションは、多くの方々の判断基準の観点から設けましたが、「今日は男性的な気分だな」のようにジェンダーで分けたというよりもムードのイメージです。当然、“dont care”は気にしない方々のためですね。ロンドン・ソーホーの直営店でも、“men”と“women”にラックを分けて陳列することはしていません。

コラボレーターの選り分け方と、アーセナルFCとのコラボ秘話

ーー「アリーズ」の飛躍を語るうえで欠かせないのが、その幅広く多層的なコラボレーションの遍歴です。「プーマ(PUMA)」や「ニューバランス(NEW BALANCE)」から、イタリアのフットウエアブランド「ロア(ROA)」、モロッコを拠点とする女性の織物協同組合「アルチザン プロジェクト(ARTISAN PROJECT)」、キューバのラム酒ブランド「ハバナクラブ(HAVANA CLUB)」まで、どこに比重を置きコラボレーターを選り分けているのでしょうか?

ソフィア:「アリーズ」のコラボのほとんどは、相手側からのコンタクトから始まります。例えば、ビッグブランドはビジネス的な観点からコラボを画策しますが、それはあくまで一面に過ぎません。われわれは、単なる“ロゴブランド”ではない多面的な顔を持っているからこそ、他ブランドからコネクトできると考えてもらえることが多いんだと思います。コラボは生まれる結果がひとつではなく、予期せぬ効果ももたらしてくれる一種の爆発と考えるのがいいかもしれませんね。

ーーコラボレーターの規模感は配慮しますか?

ソフィア:ある程度は気にしますが、相手が求めていることと自分たちのやりたいことが合致していれば、規模が小さくても構わず積極的に進めます。とはいえ、相手の規模が大きいと知名度もバジェットもあるので魅力的だし、何か面白いことを実現するには無理にでも推し進める必要もありますが、“少しでもつまらないと思ったらコラボしないこと”と、“自分たちのプロジェクトであること”は常に意識しています。

ーーブランドの歴史の中でも、アーセナルFCとのコラボは最大規模のプロジェクトであると同時に、世界規模でセンセーショナルを巻き起こしたと感じましたが、実際はいかがでしたか?

ソフィア:とても有意義で素晴らしい経験でしたが、あまりにも大きなプロジェクトがゆえにコントロールが効かない部分もあり、正直なところ個人としては少し怖かったですね。

ーーやはり、あなたがグーナー(注:アーセナルサポーターの愛称)だからコラボを引き受けたのでしょうか?

ソフィア:……違うんです(笑)。

ーーええ!?てっきりグーナーだと思っていました……。

ソフィア:オフィスでは多くのグーナーが働き、アーセナルのホームスタジアムの近くに住んでいるので近所の人もグーナーばかりですが、私はイタリア人なのでASローマ(注:イタリア・ローマを本拠地とするフットボールクラブ)のサポーターで、夫と子どもはウェストハム・ユナイテッドFC(注:ロンドン東部を本拠地とするフットボールクラブ)の熱狂的なサポーターなんですよ。コラボが発売された頃、夫と2人でアーセナルとウェストハムの試合中継を車のラジオで聞いていた時、ウェストハムが3点差で勝って煽られましたが、「あっそ、別に気にしてないけど?」と、あしらいましたね(笑)。でも、夫はアーセナルとのコラボは「君の最大の誇りのひとつだ」と言ってくれますね。

ーー最後に、今後の「アリーズ」の展望を教えてください。

ソフィア:明確なビジョンがあるわけではないのですが、とにかく何か新しいことにチャレンジしたいですし、歳を重ねると“新しいことにチャレンジする必要”が出てくるんです。人によっては理解できないかもしれませんが、私にとっては大事なことなんです。おそらく、85歳の今も引退せずに現役の医者を続けている父親譲りの感覚ですね(笑)。

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「ルイ・ヴィトン」2026年春夏メンズ・コレクション

「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」が2026年春夏メンズ・コレクションを発表した。

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「タサキ」と協業したニッコロ・パスカレッティが目指す“着用できるアート”のようなジュエリー

「タサキ(TASAKI)」から、デザイナーのニッコロ・パスカレッティ(Niccolò Pasqualetti)とコラボレーションしたジュエリーが登場した。パスカレッティは、イタリア・トスカーナ出身。2021年に自身のブランドを設立し、パリとトスカーナを拠点に活躍している。24年度 「LVMHヤング ファッション デザイナー プライズ(LVMH YOUNG FASHION DESIGNER PRIZE)」でファイナリストに選出されるなど、注目のデザイナーだ。「タサキ」がデザイナーとコラボレーションするのは久しぶり。彼がデザインしたジュエリーは、25日から伊勢丹新宿本店で開催される「タサキ」のポップアップで先行販売される。

「タサキ」の展示会で来日したパスカレッティに、今回のコラボレーションについて聞いた。コラボのきっかけについて彼は、「『タサキ』の世界と私のデザインには共通点が多く、コラボしたのは自然な成り行きだ」と話す。元々ファインジュエリーに興味があったというパスカレッティ。自身のファーストコレクションでは、半貴石やマーブルなどを使用したネックレスやイヤリング、カフなどのジュエリーをデザインしたという。今回「タサキ」とのコラボでは、“フルイド”“アンビバレン”“アンドロジナス”“パッセル”の4つのシリーズをデザインした。これら全て、有機的なフォームが印象的なパールジュエリーの既成概念を超えるデザインだ。

真珠の養殖場の風景や海がインスピレーション

彼は、「タサキ」の長崎にある真珠の養殖場から多くのインスピレーションを得たという。「養殖場の景色、真珠のテクスチャー、海が持つ両義性といったものをデザインに落とし込んだ。海の波をジオメトリックにパールの動きで表現したり、それぞれのアイデアを元に捻りを効かせたり、入念なデザインで仕上げている」。彼がパールを用いてデザインするのは初めてのこと。「パールは置く場所によって輝き方が変化する。パールが持つ発光性は素晴らしい。ダイヤモンドとは違うニュアンスで、パールの輝きを表現したかった」と話す。大ぶりの作品は、イメージ通りに仕上がるか心配だったが、意図した通り、軽やかに仕上がった。「私のアイデアを技術的に可能にする『タサキ』のクラフツマンシップに感動した」と話す。

着用できるアートのようなジュエリー

カテゴライズするのが好きではないという彼のデザイン哲学は、全ての人に向けたジュエリー。今回のコラボでも、年齢、性別問わず、誰もが着用できるようなジュエリーをデザインしたという。「ジュエリーを見て共感する人に着けてもらえれば。ジュエリーは、着ける人にとってエモーショナルなものであり、長く愛用してもらうべきものだ」。ファッションとジュエリーのデザインの違いは、「ジュエリーにはより文化的で、長く着けられるものでなくてはならないので、技術的な面が重要だ」と言う。今後については、「ジュエリーは着用できるアートのようなもの。彫刻のようなジュエリーをデザインしたい」と語った。

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“トラックオイル”からジャスミンの香りが登場 軽い質感で“さら艶髪”に仕上げる

ナチュラルケアブランド「トラック(TRACK)」は7月9日、ナチュラルケアオイル“トラックオイル”からジャスミンの香りを発売する。

“トラックオイル ジャスミン”(30mL、3190円/90mL、4620円)は、髪や顔、体に使用可能な天然由来成分配合のマルチ美容オイル。“トラックオイル”の中で最も軽い質感が特徴だ。ヒートケア成分配合で、ドライヤーやヘアアイロンの熱から髪を守りながら艶やかでさらりとした髪に整える。グレープフルーツやホワイトローズ、ムスク、ウッディを組み合わせた甘すぎず爽やかで芳醇なジャスミンの香り。

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「傘」ビジネスから見た気候変動 いつのまにか“主役“交代

PROFILE: 吉野哲/ウォーターフロント社長

吉野哲/ウォーターフロント社長
PROFILE: (よしの・さとし)1958年生まれ。中央大学経済学部卒業後、伊勢丹(現三越伊勢丹)に入社。サザビー(現サザビーリーグ)でのエストネーションの立ち上げ経て、レッグウエアの福助、タオルの小原およびタオル美術館の社長を歴任。23年3月にシューズセレクト(現ウォーターフロント)の社長に就任した

今年は6月だというのに真夏のように暑い日が多く、雨は比較的少なかった。気候変動による長い夏はアパレルビジネスに多大な影響を与えているが、雨が降ってこその傘ビジネスはどうなっているのか。大手傘メーカー、ウォーターフロント(東京)の吉野哲社長に聞いた。

WWD:6月中盤まで梅雨がどこかに行ってしまったかのような晴天と猛暑続きでした。傘ビジネスにとっては逆風ですか?

吉野哲ウォーターフロント社長(以下、吉野):いいえ、むしろ傘マーケットは好調です。傘は雨の日に使うものと考えがちですが、特にコロナが明け以降は晴雨兼用の折傘(折り畳み傘)が急速に市民権を得ました。当社も晴雨兼用の折傘がけん引する形で、今期(25年12月期)は過去最高の売り上げペースが続いています。

WWD:傘ビジネスはもはや雨頼みではない?

吉野:財務省の貿易統計をベースに、コロナ前の19年とコロナ後の24年で傘の市場がどう変化したか説明しましょう。傘は約99%が輸入品のため、貿易統計をみれば市場の概要をつかめます。

傘の輸入金額は19年が299億円でしたが、24年は405億円と約35%拡大しています。でも本数ベースでは19年に約1億本あったのが、24年には約14%減少している。つまり1本あたりの単価が1.5倍に上昇しているのです。

折り畳み傘が長傘を逆転

WWD:円安だからですか?

吉野:もちろん為替の影響は大きいのですが、それ以外の理由もあります。

一つは、ビニール傘の縮小。エコ意識の高まりもあって、使い捨てを前提にしたような安価なビニール傘から消費者が離れています。作る側もビニール傘の素材や強度を見直して、長く使用できる比較的高い商品を増やしたため、販売本数自体は減る傾向にあります。

二つめは、晴雨兼用の折傘を持つ人が急増している。夏の期間が長くなり、30度、35度を超えるような猛暑がずっと続きます。強い日差しから身を守るために日傘を使うのが当たり前になりました。突然のゲリラ豪雨もいまや日常です。紫外線のカットや遮熱効果のある日傘としての機能性。雨風に負けない雨傘としての機能性。この2つの機能性を兼ね備えた付加価値の高い晴雨兼用の折傘が売れ続けています。貿易統計でも金額ベースでみれば24年に初めて折傘が長傘を逆転しました(長傘が約196億円、折傘が約209億円)。

WWD:エコ意識と気候変動で傘に新しい需要が生まれていると?

吉野:かつて傘屋は雨が降らないと商売が干上がると言われていました。日傘のニーズ拡大でビジネスモデルがだいぶ変わったのです。晴雨兼用の折傘は、当社でもこの数年は倍増で成長しており、売り上げに占めるシェアも10数%まで上昇しました。傘業界でも毎年1.5倍くらいの速度で拡大しています。将来は晴雨兼用がスタンダードになる可能性もあります。

WWD:日傘は女性だけでなく男性の利用も増えていると聞きます。

吉野:日傘男子ですね。若い男性に限った話ではなく、最近は40代以上の男性も珍しくありません。週末に河川敷で子供のサッカーの練習を見守る父さんが日傘を差す姿をよく見かけます。夏のゴルフでも日傘は必需品です。日傘は男女に関係なく、熱中症から身を守るための備え。水筒やペットボトルと同じようにバッグに携帯するのが当たり前になるでしょう。

実は当社は男性向けの日傘では先駆者です。20年以上のロングセラー商品“銀行員の日傘“は、創業者の林秀信氏が当社担当の銀行員のために開発した傘です。大雨の日も炎天下の日も足繁く取引先を回る彼を喜ばせるために、男性が持っても違和感がないユニセックスデザインの晴雨兼用の折傘を作りました。ただ少し早すぎたようで、“銀行員の日傘“がヒットするのはだいぶ後のことでした。美白を意識した女優さんやモデルさんが愛用してくれて認知が広がったのです。

「傘は脇役でいい」

WWD:どんな商品が売れ筋なのですか?

吉野:“COKAGE +(コカゲプラス)“は、木陰のようなやさしさのある日傘をうたった高機能シリーズで、EC(ネット通販)で再入荷のたびに即日完売しています。UVカット率、遮光性、遮熱性に優れた東レの生地「サマーシールドⅡ」を使った機能性と洗練されたデザインが支持を集めています。弊社は卸売りが中心で平均的な価格は2000〜3000円台。一方“コカゲプラス“は7000円台。遮熱による涼しさを体感したという口コミがSNSで拡散され、この価格でも引っ張りだこです。

もう一つが“ZENTENKOU(ゼンテンコウ)“。UVカットに遮光性、そして風に強いのが特徴です。傘の骨にポリカーポネートというしなやかな素材を用いることで、強い雨風に耐えて壊れにくい。価格も2200円とお求めやすい。昨年は10万本以上を売りましたが、今年は30万本以上の受注を受けています。男女を選ばないユニセックスなデザインも好評です。“ゼンテンコウ“はファッションブランドとの協業も増えています。

WWD:とはいえ、晴雨兼用の折傘も競争が激化しています。どう差別化しますか。

吉野:大切なのは実用性とデザイン性です。私たちは傘をファッションアイテムとして売ろうとは考えていません。合理的な価格と機能美を追求します。傘は脇役でいい。服の邪魔をしてはいけない。でもデザインにはこだわる。クリエイティブディレクターを起用して、「ウォーターフロント」のブランディングに本腰を入れ始めたところです。ペールトーンの色の出し一つとっても独自の基準に従っています。

「ウォーターフロント」の躍進の一つのきっかけになった“ポケットフラット“は、畳むと厚さ2.5cmになる超薄型の折傘です。2004年の発売以来、累計2400万本を売っています。バッグに入れてもかさ張ることなく、しっかり雨傘として機能する。傘に新しい価値を与えたわけです。何を解決し、何を提供するか。傘専業メーカーとして地道に取り組んでいくつもりです。

WWD:2025年12月期は、売上高目標を40%増に設定しています。

吉野:晴雨兼用を中心に傘マーケット自体が成長軌道に乗っています。私たちも商品ラインナップの充実によってヒット商品がたくさん生まれているので、十分に可能と考えています。まだ当社のビジネス規模は小さいものの、中国や東南アジア市場も有望です。海外では雨が降っても日本ほど傘をささないと言われてきましたが、温暖化と猛暑化によって紫外線を避けたいと考える人が増えています。伸び代は大きいと思います。

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「なめらか本舗」が薬用エイジングケア2種発売 くすみ対策の泡洗顔&しわ改善ジェルクリーム

常盤薬品工業の豆乳スキンケアブランド「なめらか本舗」は8月5日、大人の肌悩みに着目した新製品“薬用WR泡洗顔 ホワイト”(200mL、990円/つめかえ用180mL、880円※編集部調べ、以下同)と“薬用リンクルジェルクリーム ホワイト”(100g、1760円/つめかえ用100g、1320円)を発売する。泡洗顔はくすみオフと毛穴ケアに着目し、ジェルクリームはしわ改善&シミ対策のWケアと、オールインワンケアの手軽さを実現した。

「たまほまれ」使用の豆乳発酵液を使用した大人のための肌ケア

同ブランドの人気アイテムである泡洗顔製品を大人の肌向けに作り上げた“薬用WR泡洗顔 ホワイト”は、肌荒れ防止の有効成分としてグリチルリチン酸ジカリウムを配合。年齢とともに肌くすみに悩む人が増えていること、肌負担が少なく感想しにくい洗顔を求めるニーズが高いことなどを受けて製品を開発した。エイジングケアラインにふさわしい大豆「たまほまれ」使用の豆乳発酵液に加え、ニコチン酸アミドとピュアレチノールを配合したほか、肌当たりの優しいアミノ酸系洗浄成分をベースに、うるおいキープ成分とセラミドを取り入れた。手を逆さにしても落ちない濃密でリッチな弾力泡で、洗顔後もつっぱらずにもっちりする使い心地をかなえる。

“薬用リンクルジェルクリーム ホワイト”は、化粧水、美容液、乳液、クリーム、パック、ネッククリーム、マッサージの7つの機能を集約した。洗顔料と同じく「たまほまれ」使用の豆乳発酵液とピュアレチノールを配合し、シワ改善の有効成分としてナイアシンアミドを採用。うるおいを抱え込む2種類のオイルがパックのように密着し、ハリと弾力感を与える。

■製品情報

“薬用WR泡洗顔 ホワイト”
価格:200mL、990円/つめかえ用180mL、880円(※編集部調べ)

“薬用リンクルジェルクリーム ホワイト”
価格:100g、1760円/つめかえ用100g、1320円(※編集部調べ)

公式サイト>>

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「コンバース」がアーティストのトウヤ・ホリウチとコラボ アートと「コンバース」のレガシーを融合した2型

「コンバース(CONVERSE)」は6月27日、アメリカ・ニューヨークを拠点に国内外で活動するアーティスト、トウヤ・ホリウチ(Toya Horiuchi)とコラボレーションした“オールスター スクエアトウ OX/トウヤ ホリウチ”(1万8700円)と“オールスター LGCY GP HI/トウヤ ホリウチ”(1万4850円)のスニーカー2型を発売する。サイズはどちらも22〜28.0、29.0、30.0cmを展開。

スクエアトウをヌバックレザーで再構築した
“オールスター スクエアトウ OX/トウヤ ホリウチ”

スクエアトウの“オールスター”をヌバックレザーで再構築した“オールスター スクエアトウ OX/トウヤ ホリウチ”は、全体を黒で統一し、ダルブラックのハトメや1つ目のハトメに施された星型のスタッズがさりげなく個性を主張する。シュータンの裏には、ホリウチが再解釈した“自由の女神×アンクルパッチ”のオリジナルアートワークをプリントした。

オールスターのフラッグシップモデルをキャンパスにグレープを描いた
“オールスター LGCY GP HI/トウヤ ホリウチ”

“オールスター LGCY GP HI/トウヤ ホリウチ”は、LGCYの名を冠した“オールスター”のフラッグシップモデルをベースにホリウチのアートワークを大胆に展開したモデル。ぶどうは新たなフロンティアを開拓しようとする希望と反骨のエネルギーのイメージ化であるというホリウチの思いからテーマは“グレープ”に。アッパー、シューレース、インソールにグレープのグラフィックをあしらい、キャンパス素材で凹凸まで再現した。ライニングには、“オールスター スクエアトウ OX/トウヤ ホリウチ”同様、 “自由の女神×アンクルパッチ”のホリウチ描き下ろしのアートワークをプリント。

トウヤ・ホリウチは、数々の日米ブランドやアーティストにグラフィックやデザインを提供するアメリカ・ニューヨーク在住のアーティストだ。グラフィックデザイン、シルクスクリーン、プリンター、スプレー、チャコール、オイルペインティングなど使うメディアは多岐にわたり、作るモノによって制作の方法はさまざま。カナダ NY ギャラリーをはじめとするニューヨークのギャラリーの展示にも参加し、日本ではコモン ギャラリーや旧ブックマークでも展示を行った。

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