ゴールドウイン売上高が初の1000億円超え 中期経営計画を上方修正

ゴールドウインの2023年3月期連結業績の売上高は前期比17.1%増の1150億円だった。基幹ブランド「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」の勢いが継続し、創業来初めて1000億円の大台を超えた。2013年3月期の売上高は525億円だった。10年間で2倍に成長した。

事業区分別の売上高は、パフォーマンスカテゴリーが同14.2%増の392億円で、期初予想を大きく上回った。全国でスポーツイベントが復活し、高機能商材がよく売れた。ライフスタイルカテゴリーは同18.0%増の668億円で、キッズやウィメンズが動いた。ファッションカテゴリーは同23.6%増の89億円だった。

国内市場のインバウンドも急速に回復した。昨年10月の海外渡航制限の緩和以降、台湾や韓国、タイ、シンガポールからの来日客が目立ち、「ザ・ノース・フェイス」「ゴールドウイン ゼロ(GOLDWIN 0)」などが売れた。インバウンド売上高は全体の約1割を占め、コロナ前とほぼ同じ水準だという。

営業利益は同32.7%増の219億円で、営業利益率は19.0%の高水準になった。大幅な増収に加えて、物流拠点の基幹システムの更新の延期などにより、成長投資が抑えられた。経常利益は同38.4%増の280億円。韓国の持分法適用関連会社の好調が主因だ。

当期の業績を踏まえて、2026年3月期を最終年度とする中期経営計画の数値目標を上方修正する。修正後の売上高は1490億円(当初目標は1250億円)、営業利益は268億円(同210億円)、経常利益は334億円(同225億円)を見込む。

The post ゴールドウイン売上高が初の1000億円超え 中期経営計画を上方修正 appeared first on WWDJAPAN.

マッシュの「エミ」週替わりで表現する世界観 渋谷ヒカリエの期間限定店

マッシュスタイルラボの「エミ(EMMI)」は、7月末までの期間限定ストアを渋谷ヒカリエ・シンクスで開いている。期間中は2〜3週間ごと、「ヨガ」「トラベル」「フェス・アウトドア」など5つのテーマで商品やVMDを入れ替える。

「エミ」はアクティブシーンに対応するウエアや、そこから機能的なエッセンスを抽出した日常着などがそろう。期間限定ストアでは、幅広いMDを生かし、さまざまなシーンに合わせて商品を編集・展開することで、「ブランドの世界観を十分に表現できる場を作りたいと考えた」(吉田智恵エミディレクター)。売り場面積は約210平方メートルで、ニュウマン新宿の既存店と比較しても倍以上だ。

ストアのテーマは“プレイ イン ザ パーク”(4月7日〜)、“レッツトラベル”(4月27日〜5月31日)、“エミ フェス”(6月1日〜14日)、“レッツ ドゥ ヨガ”(6月15日〜)と続く。今春夏のブランドのMD計画も、このテーマとの連動を意識した新作や別注商品を多く企画したという。「リアルなファッショントレンドだけでなく、『この時期だったら、私たちは何がしたいか』『フェスに行くならどんな服が来たいか』と想像を膨らませながら(商品を)企画した」と吉田ディレクター。

期間限定ストアに合わせた
新作や別注商品を企画

ブラトップとビキニボトム、ショートパンツのセット(1万9800円)は、トップスのスクエアネックやパンツの末広がりのシルエットが大人の上品さを演出し、海やプール、ヨガでも着回せる。「ヘリー ハンセン(HELLY HANSEN)」とコラボしたワイドパンツ(1万6500円)は、再生ナイロンを使った素材でシワになりにくく、フェスやアウトドアにも対応する。深みのあるブラウンカラーはシティーユースも意識した。

今後は渋谷ヒカリエを試金石に、他のエリアでも同様の形で期間限定出店を検討していく考えだ。

The post マッシュの「エミ」週替わりで表現する世界観 渋谷ヒカリエの期間限定店 appeared first on WWDJAPAN.

「ゲラン」が原材料の産地からリサイクルまで追跡できるデジタルプラットフォームの日本語版を公開 LVMH傘下のビューティブランドでは初

「ゲラン(GUERLAIN)」は5月10日、商品のトレーサビリティープラットフォーム「ビーリスペクト(BEE RESPECT)」の日本語版を公開した。公式サイトからアクセスでき、スキンケアやメイクアップ、一部フレグランス商品の原材料の産地から輸送、販売、使用後にリサイクルされる場所まで追跡できる。2024年内に全てのフレグランスコレクションで利用可能となる。

サイトでは商品の成分や産地、パッケージの構成要素、生産地、納入業者など、商品にまつわる情報を閲覧できる。例えば、人気のリップ“キスキス ビー グロウ”は、原料の“ビーワックス”が中国、容器はスティック部分が中国、キャップはフランス、外箱はスペインが産地で、製造からリサイクルまではフランス国内で行われている。現在、152以上の商品、670以上の成分、40の生産者やパートナーを登録する。同ブランドが注力する商品のライフサイクル全体を積極的に開示する試みの一つだ。

「ビーリスペクト」は19年にフランス語版からスタートし、現在は英語、ドイツ語、イタリア語、スペイン語、中国語が対応する。トレーサビリティーツールの提供は、LVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON)傘下のラグジュアリービューティブランドでは初めて。

The post 「ゲラン」が原材料の産地からリサイクルまで追跡できるデジタルプラットフォームの日本語版を公開 LVMH傘下のビューティブランドでは初 appeared first on WWDJAPAN.

「バルミューダ」がスマホから撤退 参入から1年半で

バルミューダは12日、携帯端末事業から撤退すると発表した。2021年11月に4.9インチ5Gスマートフォン「バルミューダフォン」でスマホ市場に参入。トースターやオーブンレンジ、炊飯器など機能とデザインに優れた製品で人気の同社のスマホ参入として大きなニュースになったが、既存のスマホ市場に食い込むことができなかった。携帯端末事業の売上高は21年12月期で28億円、22年12月期は8億円に終わっていた。

販売不振に加えて、原料価格の高騰や円安の進行もあって、新製品開発を中止する決断に至った。今後は経営資源を家電事業に集中させていく。バルミューダフォンに関するサポートは継続する。

2023 年 12 月期第1四半期決算に、携帯端末事業の終了によって見込まれる費用 5億3600万円を事業整理損として特別損失に計上する。

The post 「バルミューダ」がスマホから撤退 参入から1年半で appeared first on WWDJAPAN.

東レ・繊維は大幅増益、事業利益が21.5%増の512億円 23年3月期

東レ・繊維部門の2023年3月期決算は、売上高が前期比19.5%増の9992億円、事業利益が同21.5%増の512億円だった。コロナ禍の収束に伴い、好調なスポーツ・アウトドア分野や、戦略パートナーである「ユニクロ」などへの縫製品供給が拡大したほか、原燃料の高騰分も転嫁できた。この数年構造改革を進めてきたASEAN子会社も大幅な増収増益になった。売上高は過去最高を更新した。

24年3月期の見通しは売上高が前期比1.8%減の9810億円、事業利益が同7.4%増の550億円。減収の主な理由は、上期に為替変動で採算の悪化した商品からの撤退するため。大矢光雄・副社長は「衣料品分野は一部で為替変動の影響を受けるものの、全般的には世界の衣料品市況は引き続き堅調に推移すると見ている」という。今年度の後半には、100億円を投じたスエード調人工皮革「ウルトラスエード」を増設分の稼働を予定する。

The post 東レ・繊維は大幅増益、事業利益が21.5%増の512億円 23年3月期 appeared first on WWDJAPAN.

アディダス、「イージー」の在庫を販売へ 収益はチャリティー団体に寄付

アディダス(ADIDAS)は、カニエ・ウェスト(Kanye West)ことイェ(Ye)と手掛けていた「イージー(YEEZY)」関連商品を販売し、その収益をチャリティー団体に寄付することを明らかにした。同社は2022年10月にイェとのパートナーシップを解消。これに伴い、「イージー」事業も終了しているため、およそ12億ユーロ(約1776億円)相当の在庫に関する対応が注目を集めていた。

「アディダス」とイェは15年2月に初めて協業して以来、継続してスニーカーやアパレルを発売して大きな成功を収めてきたが、イェの反ユダヤ主義的な発言を含むヘイトスピーチや相次ぐ問題行動から約7年半にわたる関係を解消した。23年1月に現職に就任したビョルン・グルデン(Bjorn Gulden)最高経営責任者(CEO)は、3月に22年12月期決算を発表した際、「イージー」の在庫について廃棄や被災地への寄付、リサイクルなどのさまざまな方法を検討していると述べていた。

今回の決定については、5月11日に行われた株主総会で明らかとなった。グルデンCEOは、収益はイェの発言や問題行動で傷ついた人々を代表する支援団体などに寄付すると説明。しかし、具体的な団体名や販売方法、収益の一部もしくは全額を寄付するのかなどの詳細については言及しなかったという。

アディダスの業績は、22年1~9月は好調に推移していたものの、イェとのパートナーシップ解消以降の10~12月期(第4四半期)の売上高は前年同期比1.3%増(現地通貨ベースでは同1%減)の52億500万ユーロ(約7703億円)と苦戦。同社はこれについて、「『イージー』事業の終了に伴うマイナスの影響が約6億ユーロ(約888億円)あったため」としている。なお、5月5日に発表した23年1~3月期(第1四半期)の売上高は同1%減(現地通貨ベースではほぼ横ばい)の52億7000万ユーロ(約7799億円)だった。

The post アディダス、「イージー」の在庫を販売へ 収益はチャリティー団体に寄付 appeared first on WWDJAPAN.

アルビオンが“スキコン”の限定キットを発売

アルビオンは6月1日、ロングセラー化粧水“アルビオン 薬用スキンコンディショナー エッセンシャル N(以下、スキコン)”と同社の新シリーズ“フラルネ”の乳液のミニサイズをセットにしたスターターキット(3850円)を数量限定で発売する。

季節の変わり目などで揺らぎやすい肌のコンディションを整えるハトムギエキスとハトムギオイルを配合した“スキコン”(110mL)と、潤いを与えハリのある肌に導く化粧水の前に使用する乳液“フラルネ ブライトリファイン ミルク EM”(36g)を一緒に試せるキット。さらに“フェイシャル コットン L(ソフト)”(10枚入り)もセットにした。

The post アルビオンが“スキコン”の限定キットを発売 appeared first on WWDJAPAN.

「アンブッシュ」デザイナーYOONが手がけるハードウェアウォレット“レッジャースタックス”が発売

インターネットと完全に分離することで、デバイスを用いて仮想通貨を安全に管理できるハードウェアウォレットを開発するレッジャーは「アンブッシュ(AMBUSH)」とコラボデザインした”レッジャースタックス”を今年秋冬に限定発売すると発表した。

”レッジャースタックス”の素材にはリキッドメタルを採用し、水滴の美しさにインスピレーションを得て流線的なシルエットに仕上げた。洗練された美しさ、直感的なインターフェース、最先端のセキュリティ機能を備えたこのデバイスは、安全でスムーズな暗号通貨の取引を保護することを保証する。レッジャーのチーフ・エクスペリエンス・オフィサーであるイアン・ロジャース(Ian Rogers)は「人々のテクノロジーの選択が、日を追うごとにその人のパーソナリティーを反映するようになってきている中で、YOONとVERBALはデジタルとリアルを行き来している」と語り、高品質な素材がデバイスを保護するだけでなく、スタイリッシュなアクセサリーとしての重要性を主張する。

デザイナーのYOONは「今回レッジャーとコラボレーションできることに興奮している。見た目の美しさだけではなく、コラボレーションが生み出すパワーとイノベーションを証明するものだ。みなさんにユニークな機能を体験してもらうのが待ちきれない」と語る。

レッジャーは今年、YOONとVERBALをWeb3のソートリーダー、クリエイター、アーティスト、技術者、開発者などのコレクティブ“レッジャー プロ チーム”のメンバーとして招いた。このチームは、Web3.0とデジタル資産の世界を構成する多様なコミュニティーを育成することを目標として掲げている。

The post 「アンブッシュ」デザイナーYOONが手がけるハードウェアウォレット“レッジャースタックス”が発売 appeared first on WWDJAPAN.

「アンブッシュ」デザイナーYOONが手がけるハードウェアウォレット“レッジャースタックス”が発売

インターネットと完全に分離することで、デバイスを用いて仮想通貨を安全に管理できるハードウェアウォレットを開発するレッジャーは「アンブッシュ(AMBUSH)」とコラボデザインした”レッジャースタックス”を今年秋冬に限定発売すると発表した。

”レッジャースタックス”の素材にはリキッドメタルを採用し、水滴の美しさにインスピレーションを得て流線的なシルエットに仕上げた。洗練された美しさ、直感的なインターフェース、最先端のセキュリティ機能を備えたこのデバイスは、安全でスムーズな暗号通貨の取引を保護することを保証する。レッジャーのチーフ・エクスペリエンス・オフィサーであるイアン・ロジャース(Ian Rogers)は「人々のテクノロジーの選択が、日を追うごとにその人のパーソナリティーを反映するようになってきている中で、YOONとVERBALはデジタルとリアルを行き来している」と語り、高品質な素材がデバイスを保護するだけでなく、スタイリッシュなアクセサリーとしての重要性を主張する。

デザイナーのYOONは「今回レッジャーとコラボレーションできることに興奮している。見た目の美しさだけではなく、コラボレーションが生み出すパワーとイノベーションを証明するものだ。みなさんにユニークな機能を体験してもらうのが待ちきれない」と語る。

レッジャーは今年、YOONとVERBALをWeb3のソートリーダー、クリエイター、アーティスト、技術者、開発者などのコレクティブ“レッジャー プロ チーム”のメンバーとして招いた。このチームは、Web3.0とデジタル資産の世界を構成する多様なコミュニティーを育成することを目標として掲げている。

The post 「アンブッシュ」デザイナーYOONが手がけるハードウェアウォレット“レッジャースタックス”が発売 appeared first on WWDJAPAN.

島精機は4期連続の営業赤字 23年3月期

島精機製作所の2023年3月期連結業績は、売上高が378億円と前期比22.2%増と大きく伸びた。一方、営業損益は赤字幅が縮小したものの、21億円の損失で4期連続の営業赤字となった。また、香港におけるのれんの一括償却を行ったため、特別損失として約34億円を計上し、純損失は56億円の最終赤字となった。赤字の要因は、売上総利益率が前年より3.7ポイント改善したものの、部品や原材料費、物流費、資源価格の高騰により、依然36%台にとどまっていることに加え、海外の人件費増で販管費が膨らんだことが挙げられる。

島三博社長は「赤字を脱却して必ず黒字化するという強い決意でのぞんだが、部品調達難や部材の高騰に襲われた。受注の引き合いがあるにもかかわらず、受注に結び付かない、納期が確定できないといったことが起き、非常に困難を極めた1年だった」と語る。部品調達は今年1月には正常に戻ったものの、価格の高止まりが続いており、原価押し上げの要因になっている。部材価格は徐々に下降すると予想するが、下がらないという前提で社内での自助努力によるコストダウンに取り組む考えだ。

事業セグメント別では、横編機事業の売上高が同32%増の273億円。イタリアを中心とした欧州市場と中東のトルコ市場で設備投資が活発になってきたほか、アセアンやバングラデシュの設備投資が回復した。ただ、ゼロコロナ政策の中国で設備投資が冷え込んだほか、部品調達難による納期遅延もあった。横編機の販売台数は7427台で前年より70%増。ただ中国のローカルアパレルでの設備投資が停滞したため、次世代の主力機と位置づける「ホールガーメント」横編機の販売は低調だった。デザインシステム関連事業の売上高は、同23%増の35億円。アパレルの3Dデザインシステム「エーペックスフィズ(APEX FIZ)」のライセンス契約数が452と前年より大幅に伸長し、主に欧州や日本のアパレルでサブスクリプション型ソフトウェアの採用が進んだ。自動裁断機「ピーキャム」は113台から137台に増えた。

地域別の売上高は、日本市場がほぼ横ばいの70億円、イタリアを中心とした欧州市場が同23%増の107億円、中東のトルコ市場が同35.5%増の29億円、アジア市場が同27.6%増の145億円。アセアンとバングラデシュでの旺盛な設備投資によって、中国での落ち込みをカバーした格好だ。

ただ、事業環境は依然厳しい状況が続いているため、24年3月期を最終年度とする中期経営計画の経営目標数値を下方修正した。これにより、24年3月期の連結業績は、売上高430億円、営業利益10億円、経常利益17億円、親会社株主に帰属する当期純利益は12億円を予想。粗利益率の向上と販管費の抑制に努め、5期ぶりの黒字を転換をめざす。

島社長は「この間、社内公募で始めた県産品農産物の販売サイトや女性活躍のための学童保育事業、リサイクル牛乳パックで作った糸の販売事業など新規事業がいい感じで育ってきている。新しい分野にもチャレンジし、若い世代を中心とした新生シマセイキで赤字から脱却したい」と決意を述べた。

The post 島精機は4期連続の営業赤字 23年3月期 appeared first on WWDJAPAN.

【スナップ】デムナ出身地トビリシはテクノ×Y2Kが新潮流 脱ストリート進む

「メルセデス・ベンツ・ファッション・ウイーク・トビリシ(MERCEDES-BENZ FASHION WEEK TBILISI)」がジョージアの首都トビリシで5月4〜8日に開催された。同イベントの実施はコロナ禍を経て約3年半ぶり。主にヨーロッパが拠点のエディターらが参加し、メディアは「ヴォーグ(VOGUE)」イタリア版と中国版のほか、「ヴォーグ ビジネス(VOGUE BUSINESS)」「デイズド(DAZED)」「ファッキン ヤング(FUCKING YOUNG)」「ファッション ネットワーク(FASHION NETWORK)」など。

デムナ(Demna)=「バレンシアガ(BALENCIAGA)」クリエイティブ・ディレクターの出身地であるトビリシでは、彼の世界観を感じさせるストリートスタイルが主流だった。今季はややフェミニンに変化し、Y2Kの雰囲気を取り入れたスタイルへと進化していた。トップスはオーバーサイズのフーディーに代わり、ボンバージャケットやテーラードジャケット、ライダースジャケットが目立った。ボトムスでは、今季のトレンドアイテムの一つであるカーゴパンツやダメージ加工が施されたワイドジーンズが人気を集めた。アウターの下にはクロップドTシャツやチューブトップスを合わせて肌を露出し、シャープなラインのサングラスとチューカーなどのアクセサリーで、テクノミュージックが盛んなトビリシらしい、アンダーグラウンドな雰囲気も特徴的だった。

The post 【スナップ】デムナ出身地トビリシはテクノ×Y2Kが新潮流 脱ストリート進む appeared first on WWDJAPAN.

「H&M」が銀座に再出店 国内初のコーヒーショップ併設で「体験」を重視

「H&M」は5月11日、銀座並木通りの「エストネーション(ESTNATION)」跡地に国内122店舗目となる新店舗をオープンした。売り場面積は約1300平方メートルで、1、2階をウィメンズ、3階をメンズフロアで構成する。アネタ・ポクシンスカ(Aneta Pokucinska)=H&M北東アジア社長は、同店を「さまざまな新しい施策を実験的に取り入れるラボ的店舗」と位置付け、日本で初めて導入するコーヒショップやオンライン限定で展開してきたインテリアブランドの「H&Mホーム」の取り扱いなどを通して、顧客体験を充実させる。

「従来の店舗とは一線を画すストアコンセプト」で、ラグジュアリー感のある内装や銀座のファッション感度の高い顧客層に合わせた商品ラインアップを、ゆとりを持たせて配置している点が特徴だ。1階エントランス横のコーヒーショップでは、オーガニックコーヒーやヴィーガンスイーツなどを販売するほか、同じ区画内で「H&Mホーム」の商品を販売する。同フロアでは、協業商品の特設売り場を設け、5月14日までは、「ミュグレー(MUGLER)」とのコラボコレクションを販売。同コレクションに合わせた期間限定のフォトブースなども設置した。

2階のウィメンズフロアは、オフィスカジュアル向けのコレクションやローカル戦略として力を入れる日本および韓国限定商品を大きく打ち出す。レジ横では、回収ボックスを設置し2013年から取り組んでいる古着回収サービスも実施する。3階のメンズフロアではオフィスカジュアル向けのコレクションのほか、ユニセックスで展開するスポーツウエアライン「H&M ムーブ」コレクションを販売する。

銀座には2018年に日本一号店を閉店して以来、5年ぶりの再出店となる。ポクシンスカ北東アジア社長は、「この特別な場所に再び戻ってこられたことをうれしく思う。一号店を閉店以降、再出店のタイミングを模索していた。銀座に客足が戻ってきたこと、最適な物件を見つけられたことが重なり、今回再出店を決めた。コロナを経て、私もいち消費者として、買い物の仕方が変わった。正直以前の店舗のことは考えず、もう一度いま求められている新しい顧客体験を考え直し、訪れたくなるような体験を重視した。ラグジュアリーなイメージがある銀座だが、私たちは“ファッションの民主化”を目指している。この場所で、より手頃な価格でたくさんの人にファッションを届けていきたい」とコメントした。また、日本は特に重要なマーケットであるとし、今後も出店を加速させていくという。

The post 「H&M」が銀座に再出店 国内初のコーヒーショップ併設で「体験」を重視 appeared first on WWDJAPAN.

ロート製薬が美容医療発想の新スキンケアブランド発売 医療研究と美容研究の知見を融合

ロート製薬は5月11日、美容医療視点で作り上げた新ブランド「ダーマセプトRX」の発売を開始した。製薬メーカーとして培ってきた医療機関での研究と、「オバジ(OBAGI)」「エピステーム(EPISTEME)」などを手掛けるスキンケア事業で培われた美容研究を融合。同社オンラインショップ専売の“RX”と医療機関専売の“RX ステムアドバンス”の2シリーズを用意し、コスメティックとメディカルを融合させた“機能性化粧品(コスメシューティカル)”を訴求していく。

コロナ禍を経て消費者の関心が高まるスキンケア市場だが、シミの治療補助となるハイドロキノン、ニキビの治療補助となるアゼライン酸、エイジングケアの治療補助となるビタミンA誘導体(レチノイン酸)、ビタミンA誘導体(レチノール)など、医療で使われている成分を高濃度で配合した海外化粧品も個人輸入などで手軽に手に入る現状があり、高濃度配合の商品を知識なく使用して肌トラブルを起こす状況も増えている。そこで、安全・安心な商品作りと販売フロー構築、消費者のリテラシー向上を目指し、製薬会社発想の高品質・高成分な商品と、それをオンラインで購入できる体制を整えた。今後は市民講座や美容皮膚科学会で機能性化粧品の在り方や正しいスキンケアの情報を発信していく。

オンライン専売品はハイドロキノンとデルタ型ビタミンEを配合した美容クリーム“HQセラム”(6g、7150円)、ピュアビタミンCとデルタ型ビタミンEを配合した美容液“VCEセラム”(10mL、7150円)、アゼライン酸を配合した美容クリーム“AZAセラム”(15g、4950円)のほか、保湿ミルクの“モイストミルク”(50mL、3850円)、SPF 50+、PA++++の日焼け止め“バリアUV”(25mL、、3850円)の5アイテムをラインアップ。オンライン購入時には医療機関で行う問診や使い方指導の考え方をベースにした独自のセルフスキンケアチェックを導入した。ほか、専任のスキンケアカウンセラーを常駐させた専用ダイヤルの開設や、使用前のセルフテストや3カ月使用したら3カ月肌を休ませるインターバル法の案内など、正しく商品を使用するためのサポート環境も用意している。

医療機関専売品は再生医療研究の知見で得た“幹細胞上清”を取り入れた美容液“ステムアドバンスセラム”とフェイスマスク“ステムアドバンスマスク”をそろえている。

同日に行われた発表会には杉本雅史ロート製薬社長も登壇。「当社ならではの強みは事業領域をつなぎ合わせられるという点がある。医薬品、スキンケア、機能性食品をコア事業として、医療眼科領域、再生医療、開発製造受託の6つを中期事業戦略に掲げているが、再生医療とスキンケアの事業は細胞を扱うという点で共通している。皮膚の細胞研究と医療、美容の着眼点で、これまでにない製品を開発できるようになった」と語り、「ロートスキンケアサイエンスと称して発表するのはこれが第1弾。6月以降も驚くような発表が控えている」と今後の展開について含みを持たせた。

The post ロート製薬が美容医療発想の新スキンケアブランド発売 医療研究と美容研究の知見を融合 appeared first on WWDJAPAN.

「ダイソン」が新木優子をアンバサダーに起用 ヘアケア製品強化キャンペーンで

「ダイソン(DYSON)」は、ヘアケア製品のアンバサダーに女優でモデルの新木優子を起用した。ビューティブランドとしての存在を強化する新キャンペーンを5月11日に開始する。

「ダイソン」は“ダイソン スーパーソニック(DYSON SUPERSONIC)”ヘアドライヤーを2016年に発売以降、22年にはビューティ研究、技術開発に約795億円(5億ポンド)を投じた。今後も4年間で20種類のビューティ製品の発売を計画している。強化するビューティ機器を「日本の顧客に分かりやすく伝えるため」に新木優子をアンバサダーに起用した。

テレビCMで新木は、4月25日に発売した日本限定の新モデル“ダイソン スーパーソニック シャイン(Dyson Supersonic Shine)”を使用している。

The post 「ダイソン」が新木優子をアンバサダーに起用 ヘアケア製品強化キャンペーンで appeared first on WWDJAPAN.

原宿に旗艦店をオープンする「フェンダー」が新アパレルラインもスタート 島津由行を起用

ギター/ベースの大手メーカー「フェンダー(FENDER)」が6月30日、初の旗艦店「フェンダーフラッグシップ東京(FENDER FLAGSHIP TOKYO)」を東京・原宿にオープンする。

同店は、原宿の象徴的な商業ビル「ジ アイス キューブス(THE ICE CUBES)」の地下1階から地上3階の全4フロア構成。地下1階ではカリフォルニアのコーヒーブランド「ヴァーヴ コーヒー ロースターズ(VERVE COFFEE ROASTERS)」が監修する、「フェンダー」初のオリジナルカフェを併設し、オリジナルコーヒーや紅茶、フードを提供する。エドワード・コール(Edward Cole)社長アジアパシフィック統括は、「 “楽器を売る店”ではなく、“音楽を愛するすべての人が気軽に立ち寄り、楽しめるストア”を目指す」とコメント。新たな音楽とカルチャーのトレンド発信地を目指す。

地上1階では、ギター/ベースの他、新アパレルブランド「エフ・イズ・フォー・フェンダー(F IS FOR FENDER)」を取り扱う。フロアの5分の1程度の面積を割き、積極的に販売する。ファッションディレクター&スタイリスト、デザイナーの島津由行をクリエイティブディレクターに迎え、高品質な日本製生地のみを使用して国内で製造することにこだわる。島津クリエイティブディレクターは「一旦ロックから離れ、自由にデザインした」とコメント。その一方で、ピックを入れやすいようにポケットを斜めにデザインしたシャツなど、自らもギター/ベースを弾く島津クリエイティブディレクターが「そうだったらいいな」と考えるデザインを施した。エドワード・コール社長アジアパシフィック統括は『フェンダー』が更に上のステージに辿り着くための起用。これを機に音楽業界全体が盛り上がれば」とコメントした。

5月10日のメディアイベントでは「フェンダー」の新進ミュージシャンをサポートするアーティスト開発プログラム「Fender NextTM」の2023年度アーティストに選ばれたチリビーンズ(Chilli Beans.)が登場。メンバー全員が「エフ・イズ・フォー・フェンダー」のTシャツを着用し演奏した。

The post 原宿に旗艦店をオープンする「フェンダー」が新アパレルラインもスタート 島津由行を起用 appeared first on WWDJAPAN.

「クロエ」ガブリエラ・ハーストに学生が素朴な疑問 初来日で見せた素顔

「クロエ(CHLOE)」のガブリエラ・ハースト(Gabriela Hearst)=クリエイティブ・ディレクターが4月、2020年の現職就任以降初めて来日した。滞在中は、東京・新宿の専門学校モード学園で、在校生と国際ファッション専門大学の学生に向けた特別講義を実施。彼女のクリエイションの原点であるルーツをはじめ、念願だった「クロエ」での仕事についてやデザインへのこだわり、環境問題や女性のエンパワーメントに取り組む理由などについて、向千鶴「WWDJAPAN」編集統括兼サステナビリティ・ディレクターとの対談を通じて熱く語った。後半には生徒からの質問も相次ぎ、ハーストは時間が許す限り丁寧に答えた。ここでは特別講義の内容を紹介し、「クロエ」のクリエイションを進化させるリーダーの素顔に迫る。
(この対談はガブリエラ・ハーストの特別講義から抜粋したものです)

母がクリエイションの原点
農業からものづくりを学んだ

向千鶴「WWDJAPAN」編集統括兼サステナビリティ・ディレクター(以下、WWD):クリエイションに大きく影響する、自身のルーツについて教えてください。

ガブリエラ・ハースト=「クロエ」クリエイティブ・ディレクター(以下、ハースト):私はウルグアイにある農場の7代目として生まれました。私のクリエイションの原点といえるのが、当時18歳だった母の写真。母はサドルもなく不安定な馬に乗っているのに、彼女の顔からは恐怖などみじんも感じられない。この力強さと美しさを兼ね備えた母の姿が大好きで、私の約20年に及ぶキャリアに大きな影響を与えています。

2枚目は、母(左)と子どものころの私。これも私のクリエイションを語る上で、キーになる写真です。母はこの写真を通じて二つのことを教えてくれていて、一つ目はおでことおでこを当てるエスキモー流のあいさつ。もう一つは母が着ている服です。彼女はミニマルな人で、服は全て家族による手作りでした。母が着ているこのウールのスーツには、両親のイニシャルがあしらわれています。派手さはないけれど、丁寧に作られたこのスーツに私は影響を受け、自身のブランド「ガブリエラ ハースト(GABRIELA HEARST)」のファーストコレクションでは、このスーツをモデルにしたルックを発表しました。

ハースト:これは私が譲り受けた約8000ヘクタールの農場と、昨年農場173周年を祝して娘と帰省したときの写真です。私の娘たちは、家系で初めてウルグアイ以外で生まれましたが、彼女たちは自分のルーツをしっかりと認識しています。そして何より特別なのが、この農場が1850年から現在まで、女性が運営し続けている点です。

WWD:育った環境がクリエイションに大いにつながっていると感じます。

ハースト:「ガブリエラ ハースト」は、農業的な価値観を重んじて発足したブランド。私は農業を通じて二つのことを学びました。一つ目は、実用的で高品質なものづくり。私の故郷は市内から遠く、物を気楽に買いに行けなかった。だからこそ、服一つにしても次の世代まで着られるものである必要がありました。華やかさや豪華さではなく、実用的なものづくりを学びました。二つ目はサステナビリティ。農業は最も循環を体現した仕事であり、サステナビリティを学ぶ上でこれ以上の環境はなかった。このような環境で育ったことが、「ガブリエラ ハースト」と「クロエ」で働く今、とても役に立っています。

WWD:2015年には自身の名前を冠したブランド「ガブリエラ ハースト」をニューヨークで立ち上げました。世界一の大都市での生活はどのような影響を与えていますか?

ハースト:人生の半分をウルグアイで、もう半分をニューヨークで過ごしていて、その全ての経験がデザインの根源になっています。私は自分が好きになる街を瞬時に感じ取ることができるんです。18歳でニューヨークを訪れたとき、「私はここで生きていく」と感じました。世界にはあなたを呼んでいる場所があり、そういう場所での生活は、あなたに膨大なエネルギーを与えてくれるはず。でも、ウルグアイの、特に私の農場から見える地平線と建物が一つもない風景を見ると、心が落ち着きますね。

ファッションは過去を
エネルギーは未来を見据える

WWD:そして、20年のコロナ真っただ中に「クロエ」のクリエイティブ・ディレクターに就任します。

ハースト:「クロエ」でのデビューコレクションは、創業者ギャビー・アギョン(Gaby Aghion)の生誕100周年となる3月3日に行いました。「クロエ」は大好きでずっと働きたかったブランド。コロナ禍でリアルなショーを開催することはできなかったけれど、パリのサン=ジェルマンでムービーを撮影しました。この場所は、ギャビーが最もお気に入りで、彼女が最初にコレクションを披露した場所でもあります。

たった2カ月の準備期間でしたが、誇れることを実現しました。ホームレスの人々の保護に取り組む非営利団体シェルタースーツ ファンデーション(Sheltersuit Foundation)とコラボレーションしたことです。コロナによって世界中でホームレスが増えてしまった。だからこそ、私たちは“シェルタースーツ”と呼ばれる、寝袋になるコートや最大2人を保護してくれるジャケットをデザインしました。こういった取り組みは、社会問題に声明を発表しているのと同義。誰かのためのアクションは大切にしたいです。

WWD:「クロエ」というブランドをどう解釈していますか?

ハースト:「クロエ」で現職に就く前に、10万点以上の写真に目を通しました。私の中では「クロエ」がアフロディーテで、「ガブリエラ ハースト」がアテナ。アフロディーテは愛の神で、アフロディーテを象徴するスカラップは「クロエ」のシンボルでもあります。私はロゴを大きく見せるのが好きではないので、スカラップといったシンボルなど、分かる人には伝わるデザインを意識しています。これは、「クロエ」を創り上げた、創業者ギャビーの細部にまでこだわる精神にも通じています。

WWD:クリエイションの根底にあるサステナビリティへの考えについて、これまで手掛けたコレクションを題材に、まずは環境面から聞かせてください。

ハースト:服の美しさはもちろんですが、デザイナーの視点でいうと、私はサステナビリティを優先してデザインしています。自問自答と研究を繰り返しながら、素材が環境に与える影響を学びました。「クロエ」のデザイナー就任後、私はまず最初に「ガブリエラ ハースト」での素材の研究結果をブランドに落とし込みました。そして「クロエ」で当時使われていた素材を、サステナブルな素材に切り替えました。コットンジャージーの使用を控え、リサイクルコットンを多用しました。コットン栽培は大量の水に加え、除草剤や殺虫剤も多量に使用するので、自然に甚大な影響を及ぼします。皮膚は“人体最大の臓器”といわれるほど私たちの体の多くを占めるからこそ、肌に直接触れる服の素材には気を使わなくてはなりません。

WWD:リネンをよく使用しているのも、コットンに代わる素材としてでしょうか?

ハースト:リネンはよく使いますね。特に柔らかいリネンがお気に入りです。先ほどお話ししたリサイクルコットンもよく使っていて、23年春夏コレクションで発表したデニムルックは、87%がリサイクルコットン、17%がヘンプを採用しています。

WWD:サステナビリティは特に化学の世界に近く、従来のデザインの感覚とは違う知識や判断力が求められていると思いますが、それについては?

ハースト:サステナビリティは決して複雑ではなく、できる限り自然由来の素材を使い、石油由来の素材を控えるなど、とてもシンプルです。最も古い素材がウールであることを皆さんご存じですか?ウールは8000年もの歴史があります。例えばローマ時代、ヨーロッパではレザー、リネン、ウールの三つの素材を主に使っていました。日本はシルクでしょうか。その土地に元々どんな素材があったのかを知るのは大切なこと。私はファッションは過去を、エネルギーは未来を見据えて考えるようにしています。

WWD:女性のエンパワーメントにも熱心に取り組んでいますね。23-24年秋冬コレクションはそれが大きなテーマでしたが、着想源は?

ハースト:コレクションテーマは、17世紀のアルテミジア・ジェンティレスキ(Artemisia Gentileschi)です。これまで生きてきて、こんなに迫害され、辱めを受けた女性を私は知りません。女性は多かれ少なかれ一度は虐げられたり、辱めを受けたりすることがあると思いますが、このような状況は直ちに終わらせなくてはいけません。

コレクションでは、アルテミジアの作品に出てくるエスター王女を題材にしました。彼女は自身の権力を使って王を動かし、ユダヤ人、そして国を救った女性です。そしてアルテミジアは、ルネサンス時代に女性をとても明るく、力強く描いていました。600年も前から女性のエンパワーメントのために闘っていたのです。その意思は今日まで受け継がれ、私のような人間が現在は闘っています。コレクションでは彼女の作品を刺しゅうで描き、女性の力強さを表現しました。

環境を優先しても
創造性は失われない

WWD:世界のクラフトや企業との協業にも積極的です。その一つが、コレクションでもタッグを組んでいる「アカンホ(Akanjo)」ですね。

ハースト:「アカンホ」は、「クロエ」の約15年にわたるパートナーです。22年春夏コレクションで発表した、サステナブルな素材と職人の手仕事を融合するプロジェクト“クロエ クラフト(Chloe Craft)”では、過去のコレクションの余剰在庫のシルクを使ってマルチカラーのドレスやアクセサリーを作りました。私たちは、余剰在庫という“ごみ”になり得るものから何かを作り出すことで、廃棄問題を解決したいと考えています。今、資源はどんどん枯渇していて、これからのデザイナーは、“ごみ”をどのように使ってものづくりができるかを考える必要があります。再生資源であっても美しいものは作れるし、それを証明してみせます。

WWD:オーシャンソール(Ocean Sole)とはビーチサンダル“ロウ(Lou)”を製作しました。

ハースト:オーシャンソールはケニアのNPO団体で、彼らは海辺に漂着したビーチサンダルを年間約100万足収拾し、リサイクルして彫刻などのアート作品を制作しています。また、ビーチサンダルの回収や雇用を通じて、1200人以上のケニア人を支援しているほか、医療提供や1万2000人以上の学生に海洋保護の教育も行っています。環境を優先しても素晴らしいものは作れるし、創造性が失われるとは思いません。

WWD:ほかにも、「クロエ」はラグジュアリーファッションとして初めてBコープ認証(社会や環境への配慮、透明性、説明責任、持続可能性において企業のパフォーマンスを評価した認証制度)を取得しましたよね。

ハースト:Bコープに登録するのは、中〜大企業になったタイミングがおすすめです。なぜなら、ブランド規模が小さいうちは全体を見通せて、サステナブルかどうか把握できるけれど、規模が大きくなるほどそれが難しくなるから。Bコープ認証は、使用する素材や社員への待遇など約300の項目について細かく評価されるので、自分たちのブランドを見直す良いきっかけになります。認証の取得は、会社としてサステナブルな責任を持つ上で重要です。

WWD:23年春夏コレクションでは、新たな取り組み“クロエ・バーティカル”もスタートしました。

ハースト:23年春夏コレクションの一環で発表しました。商品に埋め込まれたデジタルIDを読み取ると専用ページに移動し、服に使われている素材をはじめ、製造工程や手入れ、修理方法、所有者番号付きの製品保証書などを確認することができます。顧客が求める知識や需要はどんどん広がっています。私たちデザイナーは製品の製造工程を理解していますが、私たちだけでなく、顧客の皆さんに知ってもらうことも大事。ファーストローンチでは、バッグ、シューズ、レディ・トゥ・ウエアの3カテゴリーで展開し、「クロエ」のサプライヤーや製造業者も全工程で参加しています。25年までに全製品へのデジタルID導入を目指します。


【ハースト × ファッション学生】
服が持つパワーは偉大
私たちを自由に変身させてくれる

生徒:ファッションに興味を持ったきっかけは?

ハースト:小さいころに映画「シンデレラ」でネズミや鳥の変身シーンを見て、ファッションに魅了されました。服が持つパワーは偉大で、私たちをいかようにも変身させてくれる。例えば起きたときに落ち込んでいても、気分が上がる服を着れば気持ちごと変えてくれますよね。服にはそういう魅力が詰まっていると思います。

生徒:故郷・秋田の伝統工芸を調べていくうちに、数百年から千年続く染めや織りの技法があることを知りました。将来は秋田で自分のブランドを立ち上げるため、ファッションやクラフトに興味がない人に、伝統工芸の技術の素晴らしさをどう伝えればいいですか?

ハースト:私はウルグアイやボリビアのNPO団体ともたびたび協業しています。伝統技術を自分のデザインに落とし込むには、協力し合いながら、デザインの精度を深めていくのが近道。個人的に興味があるのは、過去と未来のデザインや工芸品をミックスすること。日本の工芸品は海外の人から見てもとても魅力的。現在と過去、そしてそれを通して見る未来にワクワクします。

生徒:ものづくりにかける時間や考え方、生き方、売り方など、農場と都市におけるものづくりの違いはありますか?

ハースト:農業から一番影響を受けたことは、農業での長期的な視点をニューヨークという早いペースで物事が進む都市で実行すること。ファッションはアイデアを思いつくところから始まります。ミュージシャンが1年かけてアルバムを作り、2年かけてツアーを行うように、私は6カ月かけて8分間のファッションショーを制作します。常に時間を求めていますが、時間に縛られてはいけません。

生徒:自分のブランドも持ちながら他のブランドのデザイナーを務めるのはハードなはず。なぜ「クロエ」の仕事もしようと決めたのですか?

ハースト:「クロエ」はずっと好きだったブランドで、私自身の美の基準と「クロエ」の美の基準に違いを感じなかったから。似ている部分が多いスペイン語とフランス語みたいなものでしょうか。私はデザイン面でその感覚を分かっていたので、簡単に理解することができました。「ガブリエラ ハースト」で培った知識や経験が、「クロエ」のような大きなブランドでも役に立つか最初は不安でしたが、実際役に立ちました。この選択をしてとても良かったと思います。

生徒:5年後に達成したい目標は?

ハースト:「クロエ」を環境や生物多様性に配慮しながら、さらにクリエイティブに発展させたいです。私たちは、化石燃料に代わるエネルギーとして、核融合エネルギーの必要性を考えていて、30年までに完成することを願っています。気候変動への影響低減を目指したこの取り組みは、娘たちのためでもあります。子どもたちが成長したときに、やりたいことをやりたいだけできる世界であるために、今この問題に取り組んでいます。

The post 「クロエ」ガブリエラ・ハーストに学生が素朴な疑問 初来日で見せた素顔 appeared first on WWDJAPAN.

ポーラ「B.A」の引き締め泡乳液が発売1カ月で予測の3倍売り上げ 「乳液の既成概念を覆す」と支持

ポーラは、最高峰ブランド「B.A」の引き締め泡乳液“ミルク フォーム”が発売から1カ月で予測の3倍の7万4000個を販売した。保湿や肌を柔らかくする機能に加え「肌を引き締める」という、通常の乳液とは異なる価値が支持された。

“ミルク フォーム”は、マスク生活の長期化などから、もたつき・ハリのなさなどによる顔印象を気にする声が年代問わず増加していることに着目して開発。2種のポリマーの組み合わせと、2種のガスで作られる滑らかな泡乳液がほぐれて引き締めベールに変わる新処方のバンテージングフォーム処方を採用。引き締まったハリ肌をかなえる乳液として誕生した。4月1日の発売初日から予想を上回る反響で、3カ月間の予測販売数を約1カ月で達成。1品で同社全乳液(10品)のトータルでの月平均販売数(2022年5月~23年4月の月平均販売)の約2.5倍の実績となった。

同社によると、マスクフリー生活が始まるとともに、もたつき・ハリのなさなどによる顔印象を気にしたり、マスクを外すことに抵抗を感じたりする悩みが増えているという。“ミルク フォーム”は乳液であるのに泡という剤型と保湿だけではなく、引き締めるベールに変わる処方を採用したことで、「乳液の既成概念を覆す」と支持を集めている。現在、入荷街の店舗が多数あるが、6月末~7月以降に順次入荷する予定。また各販売チャネルでも順次、予約受付を開始する。

The post ポーラ「B.A」の引き締め泡乳液が発売1カ月で予測の3倍売り上げ 「乳液の既成概念を覆す」と支持 appeared first on WWDJAPAN.

ポーラ「B.A」の引き締め泡乳液が発売1カ月で予測の3倍売り上げ 「乳液の既成概念を覆す」と支持

ポーラは、最高峰ブランド「B.A」の引き締め泡乳液“ミルク フォーム”が発売から1カ月で予測の3倍の7万4000個を販売した。保湿や肌を柔らかくする機能に加え「肌を引き締める」という、通常の乳液とは異なる価値が支持された。

“ミルク フォーム”は、マスク生活の長期化などから、もたつき・ハリのなさなどによる顔印象を気にする声が年代問わず増加していることに着目して開発。2種のポリマーの組み合わせと、2種のガスで作られる滑らかな泡乳液がほぐれて引き締めベールに変わる新処方のバンテージングフォーム処方を採用。引き締まったハリ肌をかなえる乳液として誕生した。4月1日の発売初日から予想を上回る反響で、3カ月間の予測販売数を約1カ月で達成。1品で同社全乳液(10品)のトータルでの月平均販売数(2022年5月~23年4月の月平均販売)の約2.5倍の実績となった。

同社によると、マスクフリー生活が始まるとともに、もたつき・ハリのなさなどによる顔印象を気にしたり、マスクを外すことに抵抗を感じたりする悩みが増えているという。“ミルク フォーム”は乳液であるのに泡という剤型と保湿だけではなく、引き締めるベールに変わる処方を採用したことで、「乳液の既成概念を覆す」と支持を集めている。現在、入荷街の店舗が多数あるが、6月末~7月以降に順次入荷する予定。また各販売チャネルでも順次、予約受付を開始する。

The post ポーラ「B.A」の引き締め泡乳液が発売1カ月で予測の3倍売り上げ 「乳液の既成概念を覆す」と支持 appeared first on WWDJAPAN.

マッシュスタイルラボがVMD・プレス・企画デザイナーなどの専門職を募集

 マッシュスタイルラボは、さらなる事業拡大に際し、専門職(VMD・プレス・企画デザイナー)を募集している。情熱を持って主体的にブランドを作れる人を求めており、配属ブランドは希望や適正に応じて検討する。

 VMD職は、必須要件をアパレルなどの店舗VMDの経験、もしくは店舗・展示会・ポップアップいずれかの空間デザイン経験とし、イラストレーターを使ったプレゼン資料や図面作成の経験を歓迎する。主な業務は、店舗VMDの管理や店舗ショーウィンドウの制作、商業施設のウィンドウやポップアップ店舗の制作・設営、展示会の参加など。

 プレス職においては、アパレル業界でのプレス経験(リース対応・撮影ディレクション等)と基本的なPCスキル(Excel・Word・PowerPoint)を必須要件としている。業務内容は、キャラバンやイベント、展示会等の企画・実施、イベントへのメディア誘致及び取材対応、メディアプラン作成など。そのほか、ターゲットメディア及びスタイリストへのアプローチ、掲載記事の確認・校正、リリース作成、インフルエンサー等とのリレーション構築なども担う。

 企画デザイナーは、カットソーや布帛、ニットをはじめとするウィメンズもしくはメンズウエアの企画デザイン経験を必須要件とし、SNSの使用や発信が得意である人を歓迎する。業務は、トレンドサーチから企画デザイン、サンプル制作および採寸を含む納品前のサンプルチェックなど。

 マッシュスタイルラボは、「ジェラート ピケ(GELATO PIQUE)」や「フレイ アイディー(FRAY I.D)」「リリー ブラウン(LILY BROWN)」など、多種多様なブランドを手掛ける。”私たちの発想を形にし、人々に幸せを届ける。”という企業理念と"ウェルネスデザイン"をスローガンに、明確なコンセプトのもと、多様な個性を持つブランドが次々にデビューしている。

募集職種
専門職(VMD・プレス・企画デザイナー)

雇用形態
正社員
※試用期間中は契約社員扱い

応募条件
①VMD
<必須要件>
下記のいずれか
・アパレルVMD経験
・店舗VMD業務経験(店長経験歓迎)
・店舗/展示会/ポップアップいずれかの空間デザイン経験
<歓迎要件>
・業務上でのillustratorを使用したプレゼン資料や図面作成経験
<求める人物>
・ファッションが好きで感度の高い方
・成長意欲の高い方
・マッシュブランドが好き、もしくは興味のある人

②プレス
<必須要件>
・アパレル業界でのプレス経験
※リース対応・撮影ディレクション等の経験必須
・基本的なPCスキル(Excel・Word・PowerPoint)
・マッシュスタイルラボのブランドが好き、もしくは興味がある人

③企画デザイナー
<必須要件>
・カットソー/布帛/ニットをはじめとするウィメンズウエアの企画デザイン経験
<歓迎要件>
・SNSの使用や発信が得意または好きな人
<求める人物像>
・トレンドに敏感な方、情報収集が得意な人
・誰とでもコミュニケーションが取れる人

勤務地
東京都千代田区麹町5-7-2 麹町ダイビル

給与・待遇
360万円以上(年俸制)
※詳細は前職(現職)給与、経験を加味し決定する

勤務時間
裁量労働制
※1日8時間、目安として10:00~19:00

休日休暇
・完全週休2日制(土日祝日)
・夏季休暇
・年末年始休暇
・有給休暇
・特別休暇
・子どもの看護休暇
・ウェルネス休暇(年4日)

待遇・福利厚生
・交通費支給(上限月額3万円まで)
・グループ内社員割引制度
・社会保険完備
・育児支援制度
・社員食堂/託児所あり
・産前/産後休暇
※試用期間あり(3カ月・条件変更無)

応募期限
3カ月間
本情報は4月21日時点の情報です。採用状況に応じて予告なしに応募や掲載が終了する場合がありますので、予めご了承ください。

The post マッシュスタイルラボがVMD・プレス・企画デザイナーなどの専門職を募集 appeared first on WWDJAPAN.

【2023年水着】「マリメッコ」からリサイクルナイロンを使用したスイムウエアコレクションが登場

 ルックが手掛けるフィンランドのデザインハウス「マリメッコ(MARIMEKKO)」は5月1日に表参道店とオンラインストアで、リサイクルナイロンを使用した新作スイムウエアを発売した。

 今夏の新作はワンピース(2万7500円)やビキニ(1万3200円)、ラッシュガード(2万7500円)、ボトムス(9900円)などさまざまなデザインの8アイテム。トップスとボトムスはミックスコーディネートも楽しめる。

 アクアフィル社の「エコニール(リサイクルナイロン)」を使用したボディーの柄地には、“ウニッコ”や“ヨーナス”などのアイコニックなプリントを施し、夏のクリーンで爽やかなムードを連想させる。

The post 【2023年水着】「マリメッコ」からリサイクルナイロンを使用したスイムウエアコレクションが登場 appeared first on WWDJAPAN.

パリ発ジュエリー「シャルロット シェネ」の美しい店づくり 日本出店も視野に

シャルロット・シェネ/「シャルロット シェネ」デザイナー

PROFILE:フランス・パリのスタジオ・ベルソーを卒業後、ニコラ・ジェスキエールが率いる「バレンシアガ」でアシスタントデザイナーを9年間務め、ジュエリーコレクションの立ち上げにも参画。2012年からは「ケンゾー」「パコ ラバンヌ」などでレザーグッズやアクセサリーのコンサルティングを担い、15年に自身のブランド「シャルロット シェネ」を設立した。同年にはフランス国立モード芸術開発協会主催の「ANDAMファッション・アワード」のアクセサリー部門でグランプリを受賞。21年12月に、パリ1区に初の旗艦店をオープンした

フランスのジュエリーブランド「シャルロット シェネ(CHARLOTTE CHESNAIS)」は、2015年の創設以降モード好きからキャリアウーマン、セレブリティまで幅広い女性から支持を得ている。現在の卸先は世界の有力店を中心に100以上で、自社ECも合わせてグローバルで販路を広げてきた。

また同ブランドは、卸とECだけでなく、直営店での購買体験も大切している。22年12月には、パリ6区のサンジェルマンデプレ大通りに2店舗目の直営店を開いた。デザイナーのシャルロット・シェネは、「子供の頃からなじみのある通りで、現在住んでいる左岸に店を持てたことは私の誇り」と語る。21年12月に初の旗艦店をパリ1区に開いたことがジュエリー制作にも影響を与えたほか、渡航制限が解除後に約3年ぶりに訪れた日本でもうれしい発見があったという。“小宇宙”をテーマにしたユニークな新店舗で、「シャルロット シェネ」のビジネスからクリエイションまでを聞いた。

小宇宙のような空間づくり

──1店舗目のオープンから約1年後という短い期間で、2店舗目を構えた経緯は?

シャルロット・シェネ(以下、シェネ):もともと予定していたわけではなかった。家に帰る時に自転車でサンジェルマンデプレ大通りを通ると、ある日空きテナントを見つけて、ここが2店舗目だと即決した。17歳でパリに移り住んだ時、最もパリらしい街並みだったのでサンジェルマンデプレ地区を選んだ。その後、多くの地区に引っ越したが、結局ここに戻ってきて今は左岸に暮らしている。この周辺は週末に家族で出かけるエリアだから、私にとってなじみある場所。ラグジュエリーブランドや新しいコンセプトのお店が続々とオープンし、クラシックでありながら進化しているエリアだ。それに、このスペースがとても気に入ったから、せっかくならと店を開く決意をした。

──新店の内装のこだわりは?

シェネ:新店では、1店舗目の内装でコラボレートした、オランダ人建築家アン・ホルトロップ(Anne Holtrop)と再びタッグを組んだ。天井の高い空間で、小さなジュエリーが主役になるというコントラストを生み出したかった。凍った滝のような半透明の一枚板でディスプレーするジュエリーは、時間的にも、空間的にも浮遊しているように見え、タイムレスな雰囲気を醸し出している。大通りから差し込む光が透明なリサイクルアクリル版に反射し、半透明の壁に微妙な影を落として、ジュエリーに陰影を与える。素材の質感と形を生かしたユニークな空間で、訪れる人に不思議な“体験”を提供したい。ここは私のファンタジーを投影した、パリの小宇宙のような場所だ。

──中2階の小さなスペースは、全く異なる内装だ。ここはどのようなコンセプトでデザインした?

シェネ:テナントを見つけた時、このスペースはファインジュエリーが並ぶプライベートサロンのような空間にしたいとすぐに思った。他の場所と切り離されたように感じる異空間で、何時間でもリラックスして過ごせる、プライベートなショッピング体験を提供したい。フェルト調の厚手のカーペットがエレガントで親密な感覚を表現し、漆塗りした深いひすい色のレトロな壁に、照明の光が柔らかく反射する。いつの時代とも表現できない空間を意識した。

──実店舗を構えた経験が、ブランドや自身にどのような影響を与えた?

シェネ:以前はイヤリングが最重要カテゴリーだったが、1店舗目を開いてからはリングに変わった。理由は、実店舗でサイズを試着できるというメリットと、テーブルに置いた際と身につけた時の見え方が違い、顧客がジュエリーの仕掛けを体験できるから。さらに「販売員はどのようなジュエリースタイリングをしているのだろう」「実際に着用したら似合うだろうか」とさまざまな期待を持って来店し、オンラインでは不可能な体験を求めて店に足を運んでくれる。コレクションだけでなく、空間や音楽、照明、パッケージなど、実店舗ならではの側面を通してブランドのDNAを表現できるというのは、私に新たな視点とアイデアをもたらし、クリエイションの幅を広げてくれた。

新店は日本以外考えていない

──昨年の秋に来日した際、日本でどのように過ごした?

シェネ:コロナ前は年3〜4回訪れていたが、今回は約3年ぶりの日本だった。東京に滞在してトランクショーを行い、たくさんの取材を受け、日本の友人に会うことができた。自由時間が24時間だけあり、京都に行って日本独自の文化と空気に触れられたけど、もっと長く滞在したかった。

──日本市場についてはどういう印象?

シェネ:日本市場はヨーロッパに続く上位のマーケットで、今も成長を続けている。西洋人に比べて小柄な日本人に合う、小ぶりなジュエリーをデザインしようと思えたのが今回の来日の成果。文化の全く異なる日本でジュエリーが愛され、需要が高まっているという事実は、私にとって自信と誇りにつながる。それに、日本市場に合うジュエリーを届けたいという意欲も駆り立てられた。東京で見知らぬ人が私のジュエリーを着用しているのを見た時も、パリとは違う特別なうれしさだった。日本の街並みや人々、建物から空気まで、さまざまな経験がクリエイティブなマインドを刺激してくれる旅だった。

──次に掲げるビジョンは?

シェネ:日本に3店舗目をオープンさせたい。物件探しは先の見えない旅のようだから、現段階では時期などの約束できないけれど。それでも、新店を開くなら日本以外考えていない。ブランドの世界観に没入できる実店舗での体験を、日本でも提供できる日を心待ちにしている。

The post パリ発ジュエリー「シャルロット シェネ」の美しい店づくり 日本出店も視野に appeared first on WWDJAPAN.

ナイキ傘下「RTFKT」唯一の日本人・アサギ東京 目指すのは“インフラのようなエンタメ”

2021年にナイキに買収された「アーティファクト(以下、RTFKT)」は、ファッション関係のNFTを手がける今最注目のデジタルブランドだ。中でも人気のプロジェクト「クローン X(CLONE X)」はクローン化した人間をテーマにしており、クローンの目や口、服などがランダムに組み合わされ、その組み合わせにより希少価値が異なる。

4月30日には村上隆が主催するGEISAIに連動して「RTFKT」もエキシビションを行ない、フィジカルスニーカー“RTFKT x Nike Air Force 1”を発表した。このスニーカーのプロモーションとして新宿駅前には圧巻の3D映像が仕掛けられ、渋谷の街中にはARが起動するポスターが貼られるなどトリッキーな取り組みを行い、まだWeb3.0を知らない人々の興味、関心を煽ったのだ。そしてこれらを手がけた1人が、「RTFKT」チーム唯一の日本人メンバーであるアサギ東京(Asagi)だ。 GEISAIを終えたばかりの5月2日にアサギ氏への取材を実施し、彼が考えるデジタルコンテンツの未来について聞いた。

WWD:ARに初めて触れたのはいつ頃?

アサギ東京(以下、アサギ):二十歳くらいの頃、大学の授業でプログラミングに触れる機会があって。当時メディアアートやデジタルアート、特にインタラクティブ(双方向性)なコンテンツーー例えば、人が動いたらそれに応じてビジュアルも変わる、みたいな作品に興味がありました。だから今もARだけではなくデジタルアート全般に興味があるし、そういった制作も行います。ARに関しては、スマホアプリでリアルタイムにARが出てくるという仕組みが、当時はすごく新しかったので面白みを感じてハマりました。

WWD:これまでに一番衝撃を受けたデジタルアートは?

アサギ:「ボーダー(border)」という、ライゾマティクス(Rhizomatiks)が作っている作品です。MRデバイスを着用した体験者にはリアルとVRの映像が両方が見えていると同時に、体験者の見ている向きと位置は全てトラッキングされています。だからリアルなオブジェクトに対し、CGもリアルタイムで位置がズレることなく表示できる。約8年前に体験したものですが、今まで体験したものの中で一番というくらい衝撃を受けました。「今見ているバーチャル映像が現実なのかも」と分からなくなり、リアルとバーチャルの区別がつかなくなってしまう。幻覚を見ているような体験でした。度肝を抜かれましたね。

WWD:制作に関わるインスピレーションはどのように得ている?

アサギ:大きく分けて2つあります。1つは日常から得られる現実的なもの。ARやCGでリアルな表現をしたいと思った時は、リアルなものを見るべきだからです。例えば今“葉が風で揺らいでいる”という光景を見たときに「どうやったら数学やプログラミングで再現できるか」と考える。植物は日に当たる様に葉を伸ばすので、上から見ると葉が重ならないように育っているんです。そういった自然現象からアルゴリズムのヒントが得られます。

2つ目は非現実的なこと。現実世界では起こり得ないストーリーの映画を見たり、ピンタレストでコラージュ作品を見たりしてARで再現できるか考える。映画はクリストファー・ノーラン(Christopher Nolan)監督の作品の概念が面白くて、「インセプション(Inception)」と「テネット(TENET)」が特に好きです。

コラージュはほとんどフォトショップやイラストレーターなどのソフトを使っていて、出来上がるのはほぼ静止画か動画。ARは静止画でも動画でもないので、コラージュ作品を見て「今ある技術を使ってARで体験できるとしたらどういう表現になるだろう」とインスピレーションの源にすることもあります。

僕はあまりリアルすぎるものを作りたくないんです。ARでリアルなものを再現した作品って結構多いのですが、リアルに寄れば寄るほどリアルだし「もはやARである意味がなくなってしまうのでは」と感じます。家具シミュレーションのようなユーティリティとしての観点では良いとは思いますが、やはり「リアルタイムでありながら非現実的なものをARで再現したい」というのが僕の制作の根本にありますね。

WWD:「RTFKT」唯一の日本人メンバーだが、加入した経緯とは?

アサギ:コレクティブNFTが流行り出した頃、勉強のために色々なディスコードに入っていたんですけど、なぜか「RTFKT」だけバンされてて入れなくて。共同創業者のブノワ(Benoit Pagott)が元々僕のARを見てフォローしてくれていたので直接DMでやりとりをして、その流れで「RTFKT」に入ることになりました。

「RTFKT」は、やっていることが単純に面白いし、集まっている人が魅力的。集団でありながら、ある意味個々が独立している感じが好きです。時代に合わせたピボットがうまくてNFT領域に入るのも早かったし、著名人とのコラボのやり方も戦略として良かった。デジタルファッションブランドとして素直にかっこいいと思っています。

WWD:「RTFKT」内ではどんなポジション?

アサギ:肩書きは一応“AR Freak”となっていますが、簡単に言うと“ARオタク”“何でも屋”って感じかなと個人的には捉えています。僕自身、正直あまり肩書きに興味はないし「RTFKT」には、いわゆる組織図みたいなものが存在しない。“〇〇担当”“〇〇部長”とかがなくて、すごくフラットな横のつながりです。「RTFKT」での仕事は、何かプロジェクトが始まる時にそれに見合ったメンバーがピックされるような感じで、基本的には「やるべきことをやっていれば自由」というスタンス。今はGEISAIも終わり少し落ち着いたので、「RTFKT」のリソースと自分の興味を組み合わせて何か面白いことができないかを考えています。

WWD:「RTFKT」のプロジェクト「クローン X」の魅力とは?

アサギ:「クローン X」はアバターを作ったということが面白いと思います。ブランドの服を買ったとしても、購入したアイテムとの関わりーーつまり当事者意識は低い。あくまで消費者としての観点が強いですよね。でも「クローン X」はアバターを最初に出したから、アイデンティティーと愛着心、そして当事者意識や帰属意識を生んだ。そこからシューズなどのアイテムが展開されていったのが面白い流れだったと思います。

デジタル領域でモラルがなくなりがちなのはきっと、個々のアカウントが実際に存在している自分と紐づいていないから。ツイッターでは裏アカを使って人を叩く人が多いし、メタバース空間でも痴漢やナンパが起きたりするーーそれをリアル空間でやるかというと、しない人の方が多いと思います。つまりは自分自身とアカウントが紐づいていないからそれが出来てしまうんです。もしモラルを求めるのであれば、その2つを紐づけなければいけない。そういった意味でもアイデンティティーがあるのは面白いです。

WWD:今後の「RTFKT」の取り組みとして、期待・注目していることは?

アサギ:正直、長期的な計画を僕たちが聞かされることはほぼないのでなんとも言えません。共同創業者達の間で細かな話はたくさんあると思いますが、「RTFKT」の今後についてはあまり聞かされないし、良い意味で期待していない。期待ばかりしていたらコミュニティーとしてよくないし、僕はあくまでクリエイターとして、自分の思想に基づいてやるべきことをやるだけ。それが「RTFKT」の考え方の延長線上に乗っているように感じています。

結果的には集まっている人たちのワークスタイルや思想が似ているんだと思います。クリエイターそれぞれが良い意味で「RTFKT」に依存していないし、必要以上の興味を持っていない。それでも根本的な部分が似ているから、お互いの考えが自然と共有できているような感じです。

WWD:最近自身が行なった取り組みで、やりがいを感じたのは?

アサギ:昨年末の「クローン X トーキョー(Clone X Tokyo)」のイベントで発表した「リアルタイム3Dプロジェクト」です。「RTFKT」の仕事とは関係なく、コミュニティーメンバー数人と一緒に有志で行いました。「クローン X」がプリントされたカードを魔法陣のようなところに置くとクローンが現れ、クローンのDNAや所有者の名前、ID、トレイツ(クローンのシャツや髪型などのプロパティ)などの情報も表示されるようになっています。このカード自体にNFCタグが入っていて、スマホで読み込むとNFTマーケットプレイス「オープンシー」上の自分のクローンのリンクに飛ぶ仕組み。裏面にはツイッターのQRコードも貼っています。

事前に申し込んでくれた人それぞれのクローンに応じたカードを作って、イベント当日にギフトしました。全部で150枚くらいかな?全てを作り終えるには1カ月くらいかかりましたが、結構いい反響が得られたと思います。

WWD:デジタル技術を活用した面白い取り組みをしていると感じるファッションブランドは?

アサギ:「アンリアレイジ(ANREALAGE)」はいつも先進的だなと思います。メタバースファッションウィークにも日本唯一のファッションブランドとして参加していましたね。ファッションショーもライゾマティクスと組んだりして、毎回面白いことをやっている印象です。「アンブッシュ(AMBUSH)」もメタバース空間「アンブッシュ シルバーファクトリー(AMBUSH SILVER FACTORY)」をリリースしていますが、本当にクオリティが高く、モバイルでサクサク動くので是非みなさんに試して欲しいです。ちなみに「アンブッシュ」を手掛けるバーバル(VERBAL)さんは腰が低く、テックギークで本当に素晴らしい人。もはや個人的なファンです(笑)。

WWD:ファッション&ビューティー業界に活かせるデジタル技術やアイデアは?

アサギ:バーチャルモデルのイマ(imma)やリア(Ria)が所属する、アウ(Aww)が先月、リアのLoRAファイルを無料配布しました。このファイルを活用すればプロンプト(テキストによる指示)だけで誰でもリアが作れ、商用利用もできる。最近こういったジェネラティブ(生成系)AIが話題で、僕も注目しています。音に関してはニュージーンズ(NewJeans)の「OMG」を歌ったAIによるドレイク(Drake)のフェイク音源等が問題になったりしていますが、最近アーティストのグライムス(Grimes)が音源の使用に関するツイートをしたのも話題になりました。実際にどのように機能するかはまだ分かりませんが、グライムスの声を自由に使って良い代わりに、それで得た収益の50%をレベニュー(報酬)シェアという形で還元するというやり方は面白い。個人的にはその基盤としてNFTが浸透するとより良い未来になったりするのかなと思っています。

そしてファッションブランドでも同じことができたら、ユニークな取り組みになるかもしれません。すごくわかりやすく言うと“ブランドロゴを自由に使ってOK。その代わりレベニューシェアしてね”ということ。それがロゴではなくて、アニメキャラクターみたいなIP(知的財産)でも良いわけです。すごくメチャクチャなことをされるかもしれないけど、新たな可能性が広がりますよね。

WWD:最新技術で興味のある分野は?

アサギ:今はやっぱりジェネラティブAIですね。それを使って何かを作りたい、というわけではなく、単純に発展過程を見るのが好きなので情報を追っている感じです。その先に価値観の話が出てくるのかな、と。

“AIが作ったものなのか”“存在するのかしないのか”――真偽が問えなくなる、つまり真偽を気にしなくなる時代が来るのかもしれない。この前、AIで作られた女の子の写真集がアマゾンランキングの1位を取りました。アニメの感覚に似ているのかもしれないけど、実在していなくても何も問題ない、ということになりますよね。また、ツイッターでAIで作られたすごくリアルな家族写真が出回っていて、それを見た人の中には「羨ましい」と思う人までいた。つまり、存在していないものを存在していると思って見ているーーある意味ずっと理想を見ているような感覚です。

そうやって、今まで真贋性を問えていたものがデジタルの進化によって“問えなくなってきた”“問う必要がなくなった”という時代で、NFTがどのようにアプローチしていくのか、さらにデジタル上にしか存在しないものに対して人々がどのように受け止めるのか、今後が気になります。

WWD:今後どんな取り組みを行なっていきたい?

アサギ:生活基盤に必要不可欠な、ある意味"インフラみたいなエンタメ”を作りたいーー体験として、ただ"面白い"以上のことをやっていきたいです。僕自身、AR自体にそこまで面白みは感じていなくて、あくまでエンタメの1つだと思っています。AR自体は昔からあるし、表層的なことだけをやっていても価値観はこの先もあまり変わらないんじゃないか、と。

少し飛躍しますが、例えば“車が空を飛ぶ”ということに対して、僕らはまだエンタメという目線を持っている。つまり、実用的ではないんです。でも未来の人たちにとって、それはエンタメではなく実用的。それに近しい領域のことを、ARもしくは他のデジタル技術で作りたいと考えています。そのために必要なのは“圧倒的な優位性”と“デバイスの進化”です。

“そこでしか体験できないもの=圧倒的な優位性”になる。例えばメタバース空間でのライブ。音楽ライブは実際にクラブやフェスに行った方が楽しいし、バーチャル空間でライブをただ再現してもあまり意味がないから、メタバースは多くの人に届かないんだと思います。トラヴィス・スコット(Travis Scott)が「フォートナイト(Fortnite)」で行ったライブで、巨人化したトラヴィスが現れたり、宇宙など現実ではあり得ない空間をステージにした。そういったバーチャルだからこそできる体験があれば、それがまさに“インフラのようなエンタメ”になると思う。

デバイスの進化に関しては、ガラパゴスケータイからスマートフォンに移行したのと同じ原理だと思います。多くの人がガラケーからスマホに移行したのはアップルのマーケティングもあったけど、やはり圧倒的な優位性があったからだと思います。ガラケーで月額料金を払ってテトリスをやっていたのが、スマホにしたら無料で使えるアプリが増えて、単純にエンタメが増えた。デバイスが進化し、それを使う必要性があったからこそ流行ったはず。

そしてスマホに代わるMR(Mixed Reality=複合現実)デバイスが進化し、定着していけば、ARがより人々に求められるエンタメになっていくと思います。「RTFKT」でもARが起動するポスターを作りましたが、現時点ではスナップチャットのアプリをダウンロードしなければいけないし、それがちょっとした障壁になってしまう。これをスマホを持つだけ、MRデバイスをつけるだけで体験できるような仕組みにしたい。そのためにデバイスの進化が必要なんです。結構未来的だし、そんな未来が来るかはわからない。でもそういうものに期待したいし、そういう未来を見ていたいし、そういうものを作っていきたい、と思っています。

The post ナイキ傘下「RTFKT」唯一の日本人・アサギ東京 目指すのは“インフラのようなエンタメ” appeared first on WWDJAPAN.

「ブリクストン」のロス旗艦店で帽子コーデをスナップ LA在住スタイリストのオシャレスナップ Vol.1

カリフォルニア生まれでヘッドウエアから始まった「ブリクストン(BRIXTON)」はこのほど、ロサンゼルス・スタジオシティでフラッグシップストアのグランド・オープニング・パーティを開催しました。「ブリクストン」は2004年、南カリフォルニアでスタート。トリオの創業者たちはバイカーやサーファー、スケーター、ミュージシャンら自分達を取り巻くカルチャーにインスパイアを受けたといいます。歴史あるアメリカのヴィンテージスタイルをベースに船乗りや飛行士、カウボーイ、ワーカーのスタイルを今に落とし込んでいます。時代を超越しつつ、価格帯も程よい人気ブランドです。現在はウエアも販売しています。

ロサンゼルス初の旗艦店には20〜40代の幅広い客層が集まり、カスタムハット作りを楽しんでいました。日本でも原宿にお店があるので、覗いてみてはいかがですか?きっとカリフォルニアが感じられると思います。

The post 「ブリクストン」のロス旗艦店で帽子コーデをスナップ LA在住スタイリストのオシャレスナップ Vol.1 appeared first on WWDJAPAN.

「ソフネット」×「ヴァンズ」新作スニーカーが2019年春夏以来の再登場

「ソフネット(SOPHNET.)」は、5月13日に「ヴァンズ(VANS)」とのコラボレーションスニーカーを発売する。今回は、東京の街の景色をイメージした2型のフットウエアでソフショップ、ヴァンズ原宿店、ヴァンズ オンラインストア、ビリーズ各店で、同日12時からソフ オンラインストアで取り扱う。

“オールドスクール(OLD SKOOL) 36 DX”(1万5400円)は、ブランドアイコンのひとつである“オールドスクール”をアップデート。上質なレザーとキャンバスを組み合わせてラグジュアリーに仕上げた。“オーセンティック(AUTHENTIC )44 DX” (1万4300円)は、上質なキャンバスに現代的なルックスと着用感を兼ね備えたハイエンドモデルだ。

アイコニックな型をベースに東京の街に着想を得たグレーのワントーンでまとめ、シティカモフラージュをコンセプトとした。半透明のアウトソールには東京の街並みを、シュータンには両ブランドのロゴが並んだラベルをあしらった。両ブランドのコラボレーションは、2019 年春夏コレクション以来となる。

The post 「ソフネット」×「ヴァンズ」新作スニーカーが2019年春夏以来の再登場 appeared first on WWDJAPAN.

「MoMA」と「カンゴール」がコラボ 特別モデルのバゲットハットを限定発売

ニューヨーク近代美術館(以下、MoMA)が手掛ける「モマ デザインストア(MoMA DESIGN STORE)」は6月1日から、帽子ブランド「カンゴール(KANGOL)」とコラボしたバケットハット(1万6280円)を「モマ デザインストア」各店、オンラインストアで販売する。今回はフロントに「MoMA」のロゴをあしらった特別モデルが登場。カラーはブラックのみでサイズはM、L、XLをそろえる。

MoMAと「カンゴール」のつながりは、2017年にMoMAで開催された「イズ ファッション モダン?(Is Fashion Modern?)」の展覧会で「カンゴール」のオリジナルバケットハットが展示されたことがきっかけだ。

バケットハットがポップカルチャーのアイコンとなったのは1970年代のこと。ベースとなった「カンゴール」の定番ベル型ハット“バミューダ カジュアル(BERMUDA CASUAL)”は、1980年代に誕生した。

The post 「MoMA」と「カンゴール」がコラボ 特別モデルのバゲットハットを限定発売 appeared first on WWDJAPAN.

ロート製薬「メラノCC」の酵素洗顔がヒット 発売8カ月で出荷額20億円突破

ロート製薬のビタミンCをコンセプトにしたスキンケアブランド「メラノCC」の“ディープクリア酵素洗顔”が売れている。2022年8月の発売以降、約8カ月(22年8月~23年4月)で出荷額が20億円を突破。同期間のブランド全体の出荷額は前年同期比1.8倍と伸長し、主力商品の美容液に次ぐ第2の柱としてヒットしている。

“ディープクリア酵素洗顔”(130g、715円※編集部調べ)は、全国のマツキヨココカラ&カンパニーグループ店舗(一部店舗を除く)やアマゾンなどで22年3月に先行発売したところ好評の声が多く、8月に全国へと販路を広げた。販売予想を大幅に上回る売り上げ状況が続き、全国拡大を実施した直後は欠品や品薄状態が続いた。現在は、「潤沢に供給可能な生産体制へ整え、多くの人に商品を提供できるよう努めている」という。

同商品は、「活きたままの酵素」で毛穴ケアができる独自の技術を採用したチューブタイプの酵素洗顔。タンパク分解酵素やビタミンC、クレイを配合し、潤いを守りながら毛穴汚れや古い角質を除去し、透明感のある健やかな肌へと導く。使用者からは、「メラノCCシリーズの商品を使っていて、洗顔も使ったら小鼻周りがツルっとした洗いあがりで感動しました」「こんなにコスパのよい洗顔に出会ったのは初めてで、リピートしています」(原文ママ)といった好評の声が上がり、SNSや口コミで話題を集めている。

「メラノCC」は国内需要が急成長

「メラノCC」は、05年に誕生した美容液“薬用メンソレータムメラノバスター”をルーツに持つ。09年にブランド名を「メラノCC」へとリニューアルし、浸透性技術でシミ予防を集中対策するシリーズへと生まれ変わった。その後、ラインアップを拡充し、14年に処方のリニューアルを実施。シミ予防へのアプローチを強化しながら、ニキビ跡のケアとしての提案も行っている。21年には男性のシミ予防対策シリーズ“メラノCC Men”が仲間入りし、23年に同ブランド初の日焼け止め“UV乳液”が誕生。美容液をはじめ、化粧水や乳液、フェイスマスクなどをラインアップする。

美容液アイテムをコアに、3人に2人が「次回も購入したい」(“メラノCC美容液”使用者936人/21年9月マクロミル調査)といった評価を集め、シミ予防だけではなく、ニキビ跡や肌荒れなどのケアを目的に選ばれているという。

22年3月期においては、「メラノCC」の売上高は前期比46%増の69億5000万円で、「2期前と比較しても210%の増収と国内の需要が急成長している」(斉藤雅也ロート製薬取締役副社長CFO)と、躍進が止まらない。

なお、昨年から美容液に酷似した模倣品の注意を呼びかけている。

The post ロート製薬「メラノCC」の酵素洗顔がヒット 発売8カ月で出荷額20億円突破 appeared first on WWDJAPAN.

ロート製薬「メラノCC」の酵素洗顔がヒット 発売8カ月で出荷額20億円突破

ロート製薬のビタミンCをコンセプトにしたスキンケアブランド「メラノCC」の“ディープクリア酵素洗顔”が売れている。2022年8月の発売以降、約8カ月(22年8月~23年4月)で出荷額が20億円を突破。同期間のブランド全体の出荷額は前年同期比1.8倍と伸長し、主力商品の美容液に次ぐ第2の柱としてヒットしている。

“ディープクリア酵素洗顔”(130g、715円※編集部調べ)は、全国のマツキヨココカラ&カンパニーグループ店舗(一部店舗を除く)やアマゾンなどで22年3月に先行発売したところ好評の声が多く、8月に全国へと販路を広げた。販売予想を大幅に上回る売り上げ状況が続き、全国拡大を実施した直後は欠品や品薄状態が続いた。現在は、「潤沢に供給可能な生産体制へ整え、多くの人に商品を提供できるよう努めている」という。

同商品は、「活きたままの酵素」で毛穴ケアができる独自の技術を採用したチューブタイプの酵素洗顔。タンパク分解酵素やビタミンC、クレイを配合し、潤いを守りながら毛穴汚れや古い角質を除去し、透明感のある健やかな肌へと導く。使用者からは、「メラノCCシリーズの商品を使っていて、洗顔も使ったら小鼻周りがツルっとした洗いあがりで感動しました」「こんなにコスパのよい洗顔に出会ったのは初めてで、リピートしています」(原文ママ)といった好評の声が上がり、SNSや口コミで話題を集めている。

「メラノCC」は国内需要が急成長

「メラノCC」は、05年に誕生した美容液“薬用メンソレータムメラノバスター”をルーツに持つ。09年にブランド名を「メラノCC」へとリニューアルし、浸透性技術でシミ予防を集中対策するシリーズへと生まれ変わった。その後、ラインアップを拡充し、14年に処方のリニューアルを実施。シミ予防へのアプローチを強化しながら、ニキビ跡のケアとしての提案も行っている。21年には男性のシミ予防対策シリーズ“メラノCC Men”が仲間入りし、23年に同ブランド初の日焼け止め“UV乳液”が誕生。美容液をはじめ、化粧水や乳液、フェイスマスクなどをラインアップする。

美容液アイテムをコアに、3人に2人が「次回も購入したい」(“メラノCC美容液”使用者936人/21年9月マクロミル調査)といった評価を集め、シミ予防だけではなく、ニキビ跡や肌荒れなどのケアを目的に選ばれているという。

22年3月期においては、「メラノCC」の売上高は前期比46%増の69億5000万円で、「2期前と比較しても210%の増収と国内の需要が急成長している」(斉藤雅也ロート製薬取締役副社長CFO)と、躍進が止まらない。

なお、昨年から美容液に酷似した模倣品の注意を呼びかけている。

The post ロート製薬「メラノCC」の酵素洗顔がヒット 発売8カ月で出荷額20億円突破 appeared first on WWDJAPAN.

「ミントデザインズ」が獲得 「JFW デジタル グランプリ」23-24年秋冬

日本ファッション・ウィーク推進機構(JFWO)は、昨年始動したデジタルコレクションのサポートプログラム「JFW デジタル グランプリ(JFW DIGITAL GRAND PRIX)」の2023年秋冬シーズンのグランプリに「ミントデザインズ(MINTDESIGNS)」を選出した。同ブランドは賞金50万円を獲得した。

審査対象は、3月に開催した2023-24年秋冬シーズンの「楽天 ファッション ウィーク東京」にデジタル形式で参加し、アワードの審査に同意した全14ブランド。審査委員会は「これまでのブランド独自のクリエイションをベースとしながら、意外性のある側面が表現されていた。今年20周年を迎えた『ミントデザインズ』の新たなチャレンジを評価した」と語る。審査には 「サルバム(SULVAM)」の藤田哲平デザイナーや映像ディレクターの児玉裕一、「エル・ジャポン(ELLE JAPON)」のデジタルファッションエディター山田知里らが参加した。

新型コロナの感染対策緩和を経て、フィジカルでの参加が増加傾向にあるが、審査委員会は「発表表現の一つとして確立されたデジタル形式が、より多くの人の注目につながれば」と期待する。

The post 「ミントデザインズ」が獲得 「JFW デジタル グランプリ」23-24年秋冬 appeared first on WWDJAPAN.

「カルティエ」の新グローバルアンバサダーにエル・ファニング グレース・ケリーが好んだジュエリーを「メットガラ」で着用

「カルティエ(CARTIER)」は新グローバルアンバサダーに女優のエル・ファニング(Elle Fanning)を起用した。彼女は5月1日米ニューヨークで開催された「メットガラ(MET GALA)」に、モナコ公妃であったグレース・ケリー(Grace Kelly)が愛したジュエリーの“グラン ドゥ カフェ”を着用。ファニングは、仏コートダジュールとケリーを想起させるキャンペーンの顔として登場する。コーヒー豆をイエローゴールドで表現し、ダイヤモンドとルベライトをあしらった“グラン ドゥ カフェ”はクリエイティブ・ディレクターであったジャンヌ・トゥーサン(Jeanne Toussaint)が手掛けたジュエリーで1950年代に存在感を放った。

The post 「カルティエ」の新グローバルアンバサダーにエル・ファニング グレース・ケリーが好んだジュエリーを「メットガラ」で着用 appeared first on WWDJAPAN.

「カルティエ」の新グローバルアンバサダーにエル・ファニング グレース・ケリーが好んだジュエリーを「メットガラ」で着用

「カルティエ(CARTIER)」は新グローバルアンバサダーに女優のエル・ファニング(Elle Fanning)を起用した。彼女は5月1日米ニューヨークで開催された「メットガラ(MET GALA)」に、モナコ公妃であったグレース・ケリー(Grace Kelly)が愛したジュエリーの“グラン ドゥ カフェ”を着用。ファニングは、仏コートダジュールとケリーを想起させるキャンペーンの顔として登場する。コーヒー豆をイエローゴールドで表現し、ダイヤモンドとルベライトをあしらった“グラン ドゥ カフェ”はクリエイティブ・ディレクターであったジャンヌ・トゥーサン(Jeanne Toussaint)が手掛けたジュエリーで1950年代に存在感を放った。

The post 「カルティエ」の新グローバルアンバサダーにエル・ファニング グレース・ケリーが好んだジュエリーを「メットガラ」で着用 appeared first on WWDJAPAN.

サンダル「シャカ」がリブランディング “旅”と“アウトドア”を融合

欧米のインポートブランドを扱うブルームーンカンパニーは、フットウエアブランド「シャカ(SHAKA)」を2023年春夏シーズンにリブランディングした。 「シャカ」はサンダルブランドとして1990年代に南アフリカ共和国で誕生し、2000年代に入ってブランドが一時休止していたところ、同社が2013年に復活させた。

ブランドの新たなキーワードは“旅”だ。アウトドアとトラベルを融合したフットウエアブランドへと舵を切り、ブランドロゴも刷新した。同ブランドを統括する髙橋敏朗ブルームーンカンパニー マーケティング部 部長は「コロナを経て、人とのつながりを求めた旅のニーズが高まっている。強みであるアーバンアウトドアと旅を掛け合わせて、他にないポジション確立を目指す」と語る。同ブランドの2022年の売上高は前年比20%増だった。刷新を機に、さらなる成長を狙う。

リブランディングを象徴するのが、新開発の“EXソール”。“長時間履いても疲れにくい機能”を追求し、イタリアのソールメーカー、フィンプロジェクト(FINPROJECT)と共同開発した。同社の独自素材“エクストラライト(Extralight)”を使うことで、従来のソールよりもクッション性とフィット感を向上させ、約25%の軽量化も実現。防滑性に優れ、雨天でも使用できる。

このソールを活用して、定番のスポーツサンダル2型をアップデートした。既存モデル“ネオ バンジー(NEO BUNGY)”をベースとした “ネオ バンジー EX”(1万7600円)と、“チル アウト(CHILL OUT)”をベースとした“チル アウト EX”(1万7600円)で、いずれもストラップの内側をメッシュ素材に変更し、速乾性も高めている。カラーはブラック、ベージュ、ブルーの3色だ。今後もブランドの目玉として、同ソールを使った商品を増やす予定だ。

4月27日には、新たなブランドの世界観を体感する関係者向けのイベントを神奈川・鎌倉で開催した。鎌倉観光協会と組んで、建長寺での坐禅体験や同エリアの名所をめぐるウオーキングツアーを企画した。夏には一般ユーザー向けにも実施予定だ。

The post サンダル「シャカ」がリブランディング “旅”と“アウトドア”を融合 appeared first on WWDJAPAN.

5月はフェアトレード月間 「ピープルツリー」がトークイベントやアイテム交換会を実施

フェアトレード専門ブランド「ピープルツリー(PEOPLE TREE)」は、フェアトレード月間の5月に2つのイベントを開催する。毎年5月の第2土曜日は「世界フェアトレード・デー」として世界中で、また日本では5月全体を「フェアトレード月間」として、フェアトレードを広めるためオンラインと「ピープルツリー」自由が丘店とオンラインで、購入の選択基準となるフェアトレードやさまざまな商品ラベルについてトークイベントを無料で開催する。スピーカーは山口真奈美・日本サステナブル・ラベル協会代表理事、潮崎真惟子NPO法人フェアトレード・ラベル・ジャパン事務局長。ファシリテーターは鈴木啓美ピープルツリー広報・啓発担当が務める。

「フェアトレードをはじめとする、さまざまな再生可能で社会的責任のあるビジネスを支援するために生活者にできることが、消費の選択基準とライフスタイルの見直しだ。新たに買うなら、環境や人権に配慮した生産背景のものを選ぶこと。その目安が、認証ラベルや保証マークとなる。もうひとつが“すでにつくられたもの”を捨てるのではなく、活用すること」と同社。そのため5月28日からの4日間は、同店でピープルツリーのアイテム交換会を実施する。着なくなった「ピープルツリー」の服を持参した人は期間中に使える1着分の引換券をもらえる。また1着につき500円で、3着を上限に持ち帰ることができる。イベントの収益はピープルツリーの母体NGO「グローバル・ヴィレッジ」へ寄付される。

■トークイベント「世界フェアトレード・デー」未来を創る、フェアトレードの暮らしー商品ラベルで選んでみるー
日時: 5月14日(日)  10:00~11:30
場所: ピープルツリー自由が丘店またはオンライン
参加費用: 無料※要申し込み

The post 5月はフェアトレード月間 「ピープルツリー」がトークイベントやアイテム交換会を実施 appeared first on WWDJAPAN.

5月はフェアトレード月間 「ピープルツリー」がトークイベントやアイテム交換会を実施

フェアトレード専門ブランド「ピープルツリー(PEOPLE TREE)」は、フェアトレード月間の5月に2つのイベントを開催する。毎年5月の第2土曜日は「世界フェアトレード・デー」として世界中で、また日本では5月全体を「フェアトレード月間」として、フェアトレードを広めるためオンラインと「ピープルツリー」自由が丘店とオンラインで、購入の選択基準となるフェアトレードやさまざまな商品ラベルについてトークイベントを無料で開催する。スピーカーは山口真奈美・日本サステナブル・ラベル協会代表理事、潮崎真惟子NPO法人フェアトレード・ラベル・ジャパン事務局長。ファシリテーターは鈴木啓美ピープルツリー広報・啓発担当が務める。

「フェアトレードをはじめとする、さまざまな再生可能で社会的責任のあるビジネスを支援するために生活者にできることが、消費の選択基準とライフスタイルの見直しだ。新たに買うなら、環境や人権に配慮した生産背景のものを選ぶこと。その目安が、認証ラベルや保証マークとなる。もうひとつが“すでにつくられたもの”を捨てるのではなく、活用すること」と同社。そのため5月28日からの4日間は、同店でピープルツリーのアイテム交換会を実施する。着なくなった「ピープルツリー」の服を持参した人は期間中に使える1着分の引換券をもらえる。また1着につき500円で、3着を上限に持ち帰ることができる。イベントの収益はピープルツリーの母体NGO「グローバル・ヴィレッジ」へ寄付される。

■トークイベント「世界フェアトレード・デー」未来を創る、フェアトレードの暮らしー商品ラベルで選んでみるー
日時: 5月14日(日)  10:00~11:30
場所: ピープルツリー自由が丘店またはオンライン
参加費用: 無料※要申し込み

The post 5月はフェアトレード月間 「ピープルツリー」がトークイベントやアイテム交換会を実施 appeared first on WWDJAPAN.

「ドルチェ&ガッバーナ」がデザインと家具の若い才能を支援 「ミラノサローネ 2023」

「ドルチェ&ガッバーナ(DOLCE & GABBANA)」は、デザインと家具の分野における若いクリエイターを支援するプロジェクト“Gen D(ジェネレーション・デザイナーズ)”の展示をミラノサローネ期間中に伊ミラノ市内で行った。世界中から選りすぐった10人のデザイナーがイタリアの伝統的な製造技術を使用したオブジェや家具などをデザイン。

参加デザイナーは、韓国人のリ・アリュン(Ahryn Lee)、日本人のリオ・コバヤシ、米アーティストのブラッドリー・バウワーズ(Bradley Bowers)、クリス・ウォルストン(Christ Wolston)、フランス人のマラクー・ルフェーブル(Malacou Lefebvre)、レバノン人のデザインデュオ、サヤール・ガリべ(Sayar & Garibeh)、イタリア人のアントニオ・アリコ(Antonio Arico)、ルシア・マッサーリ(Lucia Massari)、サラ・リシャルディ(Sara Ricciardi)で、イタリアのセラミックやレザーメーカーなど多くの企業が作品制作および素材の供給に携わった。

The post 「ドルチェ&ガッバーナ」がデザインと家具の若い才能を支援 「ミラノサローネ 2023」 appeared first on WWDJAPAN.

「ドルチェ&ガッバーナ」がデザインと家具の若い才能を支援 「ミラノサローネ 2023」

「ドルチェ&ガッバーナ(DOLCE & GABBANA)」は、デザインと家具の分野における若いクリエイターを支援するプロジェクト“Gen D(ジェネレーション・デザイナーズ)”の展示をミラノサローネ期間中に伊ミラノ市内で行った。世界中から選りすぐった10人のデザイナーがイタリアの伝統的な製造技術を使用したオブジェや家具などをデザイン。

参加デザイナーは、韓国人のリ・アリュン(Ahryn Lee)、日本人のリオ・コバヤシ、米アーティストのブラッドリー・バウワーズ(Bradley Bowers)、クリス・ウォルストン(Christ Wolston)、フランス人のマラクー・ルフェーブル(Malacou Lefebvre)、レバノン人のデザインデュオ、サヤール・ガリべ(Sayar & Garibeh)、イタリア人のアントニオ・アリコ(Antonio Arico)、ルシア・マッサーリ(Lucia Massari)、サラ・リシャルディ(Sara Ricciardi)で、イタリアのセラミックやレザーメーカーなど多くの企業が作品制作および素材の供給に携わった。

The post 「ドルチェ&ガッバーナ」がデザインと家具の若い才能を支援 「ミラノサローネ 2023」 appeared first on WWDJAPAN.

「ニューバランス」が“グレー デイ”を祝いグレーカラーの新作4型を発売

「ニューバランス(NEW BALANCE)」は“グレー デイ”を祝い5月12日に、「MADE in USA Grey Day Collection」を発売する。4型展開でニューバランスオフィシャルストアおよびニューバランス公式オンラインストアでは、先着順による一般販売を行う。

「ニューバランス」は、1906年にブランドが誕生してから1世紀以上にわたる歴史を祝うため毎年「グレー デイ」を設けている。今年は5月12日にブランドの代名詞である色「グレー」でその日を祝う。

ラインナアップは計4種類。「ニューバランス」を代表する「990」シリーズの人気モデル、ニューバランス990v4(3万7400 円)、同 990v6 (3万6300 円)、「990」シリーズの第3弾としてリリースしたロングセラーモデル同996 (3万5200 円)、 1993 年に「990」シリーズの第 5 弾としてデビューし本年 30 周年のアニバーサリーイヤーを迎える同998(3万7400 円)。

1970年代後半、ランナーの真っ白なシューズが都市の環境によって汚されてしまう問題を解決するために、グレーカラーのランニングシューズが生まれた。グレーのスエードは、耐久性を強化しながらもアスファルトの色にマッチし、人々のライフスタイルにフィット。その後、今日に至るまでグレーの製品は数多く発表されている。

The post 「ニューバランス」が“グレー デイ”を祝いグレーカラーの新作4型を発売 appeared first on WWDJAPAN.

「ニューバランス」が“グレー デイ”を祝いグレーカラーの新作4型を発売

「ニューバランス(NEW BALANCE)」は“グレー デイ”を祝い5月12日に、「MADE in USA Grey Day Collection」を発売する。4型展開でニューバランスオフィシャルストアおよびニューバランス公式オンラインストアでは、先着順による一般販売を行う。

「ニューバランス」は、1906年にブランドが誕生してから1世紀以上にわたる歴史を祝うため毎年「グレー デイ」を設けている。今年は5月12日にブランドの代名詞である色「グレー」でその日を祝う。

ラインナアップは計4種類。「ニューバランス」を代表する「990」シリーズの人気モデル、ニューバランス990v4(3万7400 円)、同 990v6 (3万6300 円)、「990」シリーズの第3弾としてリリースしたロングセラーモデル同996 (3万5200 円)、 1993 年に「990」シリーズの第 5 弾としてデビューし本年 30 周年のアニバーサリーイヤーを迎える同998(3万7400 円)。

1970年代後半、ランナーの真っ白なシューズが都市の環境によって汚されてしまう問題を解決するために、グレーカラーのランニングシューズが生まれた。グレーのスエードは、耐久性を強化しながらもアスファルトの色にマッチし、人々のライフスタイルにフィット。その後、今日に至るまでグレーの製品は数多く発表されている。

The post 「ニューバランス」が“グレー デイ”を祝いグレーカラーの新作4型を発売 appeared first on WWDJAPAN.

ドーバー ストリート マーケットがついにパリに出店 2024年3月、マレ地区にオープン予定

ドーバー ストリート マーケット(DOVER STREET MARKET、以下DSM)は2024年3月、パリ店を開く。ロケーションは、マレ地区のフラン・ブルジョア通り35-37番地(35-37 rue des Francs-Bourgeois)にある、17世紀に建てられたタウンハウス。これまではショーやイベントなどを行うカルチャーセンターの3537として利用してきたほか、同社が支援する若手ブランドを集めたドーバー ストリート リトル マーケット(DOVER STREET LITTLE MARKET)を運営してきた場所だ。DSMオープンに向けた改装のため、現在の施設は7月末にクローズを予定。

DSMの20周年に合わせた出店となるパリ店について、エイドリアン・ジョフィ(Adrian Joffe)=コム デ ギャルソン インターナショナル(COMME DES GARCONS INTERNATIONAL)最高経営責任(CEO)兼ドーバー ストリート マーケットCEOは詳細を伏せながらも、彼と川久保玲「コム デ ギャルソン(COMME DES GARCONS)」デザイナーは、「コム デ ギャルソン」傘下のさまざまなラインとラグジュアリーやストリートウエアが混在する“美しいカオス”をコンセプトに生み出されたDSMの再文脈化に取り組むことを示唆。「新たな形のドーバー・ストリートになるだろう」と話した。

DSMが1号店にオープンしたのは、ロンドン・メイフェア地区のドーバー・ストリートにあった平凡なオフィスビルだった。そして、同地区の寂れた一角を一変させた後、ピカデリー・サーカス近くのヘイマーケットにあるより大きな空間に移転。現在は、東京・銀座、ニューヨーク、ロサンゼルス、シンガポールにも大型店を構えるほか、香港の小売企業I.T.との提携により北京店を運営している。また、パリ店の予定地の近隣には、フレグランスやコスメなどのビューティに特化した小型店のドーバー ストリート パフューム マーケット(DOVER STREET PARFUMS MARKET)もある。

The post ドーバー ストリート マーケットがついにパリに出店 2024年3月、マレ地区にオープン予定 appeared first on WWDJAPAN.

登山ブランドは「あんな風に生きたい」と思わせる【今週の特集お届け隊】2023年5月8日号

 

 毎週発行している「WWDJAPAN」は、ファッション&ビューティの潮流やムーブメントの分析、ニュースの深堀りなどを通じて、業界の面白さ・奥深さを提供しています。巻頭特集では特に注目のキーワードやカテゴリー、市場をテーマに、業界活性化を図るべく熱いメッセージを発信。ここでは、そんな特集を担当記者がざっくばらんに振り返ります。(この記事は「WWDJAPAN」2023年月5月8日号からの抜粋です)

五十君:登山をするようになって、山の友人が“ウルトラライトハイキング(UL登山)”界隈のガレージブランドを熱弁する姿に衝撃を受けました。そこにはパリコレやルミネ、ユニクロといったわれわれが普段見ているファッション産業とは全く違う世界が広がっている。カルチャーのタコ壺化で、見えていなかったんだと実感しました。魅力的なブランドやショップも多く、熱量の高さとコミュニティー作りの手法を紹介することで、ビジネスのヒントにしてもらえればと特集を企画しました。

本橋:今回の取材の率直な感想は「あんな風に生きたいね」で一致でしたね(笑)。「ムーンライトギア」を運営するノマディクスの千代田高史社長も「自分が一番楽しんでいて、自分のためにやっている」と、とにかく自分たちが楽しんでいる姿が印象的でした。そのようなデザイナーやショップオーナーの生活を見て「こういう生き方をしたい!」とファンになって、ギアをそろえ、一緒に山へ行く――という感じで、自分がなりたい姿の解像度がすごく高いんですよね。

五十君:私、もう1つ衝撃だったのが、MYOG(ミョグ)。“Make Your Own Gear”の略で、つまりDIYなんだけど、より濃密に自然と触れ合うために山の装備を軽量化したい、しかし軽い道具がない、ならば作ろうということで始まったULの独自カルチャーです。日本でガレージブランドが多数興った2010年前後は軽い道具が本当にまだ市場に少なかったみたいだけど、とは言え現代はあらゆるモノがお金を出せば買える時代。その中でモノ作りの素人さんが自分で作って自分で売るカルチャーが生まれたのが驚き。しかも機能性が必要な山道具でですよ。1980年代のマンションアパレルや90年代の裏原宿、渋谷109カリスマ販売員ブランドの「欲しいものがないから自分たちで作る!」に似た熱いものを感じました。

本橋:僕は前職の静岡新聞時代に取材した「ブルーパー バックパックス」に再度取材しましたが、オーナーの植田徹さんの仕事ぶりは数年前と変わっていなくて。でも月40個作るザックは、お客さんの価値観の変化や成長に合わせて変わっていく。それが面白いんだそうです。作り手が半年ごとに「新しいもの」を作らなきゃと考えている世界とは違って新鮮でした。

五十君:是非こんな世界もあると知ってもらいたいです!

 

The post 登山ブランドは「あんな風に生きたい」と思わせる【今週の特集お届け隊】2023年5月8日号 appeared first on WWDJAPAN.

香港の研究所HKRITAがマイクロプラスチックを音波で分離する技術を開発 H&M財団の支援を受けて

 香港繊維アパレル研究所(HKRITA)はこのほど、H&M ファウンデーション(H&M Foundation)の支援を受けて、音波を利用して廃水からマイクロプラスチックを分離する技術「アコースイープ(Acousweep)」を開発したと発表した。この技術は特殊な形状の房室内(流体の安定した流れ、適切な音波の形成、捕捉されたマイクロプラスチックの回収を容易にする形状)で掃引音響波(小さな粒子を特定の方向へ引き寄せる音波)を利用し、排水からマイクロプラスチック繊維を捉えて効率的に分離するもの。化学物質や溶剤、生化学的な添加物は不要で、分離されたマイクロプラスチックは回収タンクに滴下される。

 一般的に、排水からのマイクロプラスチック回収には膜型フィルターを活用するため定期的な交換が必要だが、今回開発した装置では連続的な水処理とマイクロプラスチック繊維の回収が可能になる。現在、20um以上のマイクロプラスチックを80%の分離効率で捕獲することを目標に、設計と運転パラメーターの最適化を進めているという。

 HKRITAはかねてからマイクロプラスチックの回収に向けて、工場や排水施設で直接使用できるソリューションを探していた。「アコースイープ」はプラグを挿すだけで使用可能でどんな廃水施設にも簡単に持ち運び、接続することができる。

 HKRITAはこの技術の独占権を持たず、興味を持つ全ての人が活用できるように「アコースイープ」のライセンスと、エンジニアリングのコンサルタントを提供するという。

 研究チームは物理学、応用物理学、繊維工学、プロセス工学からシステム工学まで、多様な分野から構成。音響波に注目した理由は、文献調査から音響ピンセット(音響波で形成されるもの)が対象物のサイズ範囲を広くカバーでき、比較的低い入力電力で済むことから、応用に適した候補だと発見したからだという。

 海洋マイクロプラスチック汚染の主な原因は、合成繊維に由来しており、欧州環境機関によると、全体の約16%~35%を占めると言われている。そのほか、大きなプラスチック破片が段々と小さくなっていくものや、角質除去用の健康・美容製品や歯磨き粉などの洗浄剤に含まれているマイクロビーズなど、さまざまな原因から発生しており、世界的な問題になっている。

 HKRITAは2006年創設の公的資金を受けた応用研究センター。香港特別行政区政府のイノベーション・テクノロジー基金に資金援助を受けている5つの応用研究センターの1つ。繊維・衣料産業を支援し、サステナブルな改善を推進し、社会の向上を促進するための、ミッドストリーム、ダウンストリームの応用研究に携わっている。

 H&Mファウンデーションは業界全体の変革を目指す非営利団体。気候や水、海、生物多様性、土壌の全ての地球環境にプラスの影響を与えるプラネット・ポジティブなファッションの未来に貢献できる技術を見つけるという野心のもと活動している。

The post 香港の研究所HKRITAがマイクロプラスチックを音波で分離する技術を開発 H&M財団の支援を受けて appeared first on WWDJAPAN.

香港の研究所HKRITAがマイクロプラスチックを音波で分離する技術を開発 H&M財団の支援を受けて

 香港繊維アパレル研究所(HKRITA)はこのほど、H&M ファウンデーション(H&M Foundation)の支援を受けて、音波を利用して廃水からマイクロプラスチックを分離する技術「アコースイープ(Acousweep)」を開発したと発表した。この技術は特殊な形状の房室内(流体の安定した流れ、適切な音波の形成、捕捉されたマイクロプラスチックの回収を容易にする形状)で掃引音響波(小さな粒子を特定の方向へ引き寄せる音波)を利用し、排水からマイクロプラスチック繊維を捉えて効率的に分離するもの。化学物質や溶剤、生化学的な添加物は不要で、分離されたマイクロプラスチックは回収タンクに滴下される。

 一般的に、排水からのマイクロプラスチック回収には膜型フィルターを活用するため定期的な交換が必要だが、今回開発した装置では連続的な水処理とマイクロプラスチック繊維の回収が可能になる。現在、20um以上のマイクロプラスチックを80%の分離効率で捕獲することを目標に、設計と運転パラメーターの最適化を進めているという。

 HKRITAはかねてからマイクロプラスチックの回収に向けて、工場や排水施設で直接使用できるソリューションを探していた。「アコースイープ」はプラグを挿すだけで使用可能でどんな廃水施設にも簡単に持ち運び、接続することができる。

 HKRITAはこの技術の独占権を持たず、興味を持つ全ての人が活用できるように「アコースイープ」のライセンスと、エンジニアリングのコンサルタントを提供するという。

 研究チームは物理学、応用物理学、繊維工学、プロセス工学からシステム工学まで、多様な分野から構成。音響波に注目した理由は、文献調査から音響ピンセット(音響波で形成されるもの)が対象物のサイズ範囲を広くカバーでき、比較的低い入力電力で済むことから、応用に適した候補だと発見したからだという。

 海洋マイクロプラスチック汚染の主な原因は、合成繊維に由来しており、欧州環境機関によると、全体の約16%~35%を占めると言われている。そのほか、大きなプラスチック破片が段々と小さくなっていくものや、角質除去用の健康・美容製品や歯磨き粉などの洗浄剤に含まれているマイクロビーズなど、さまざまな原因から発生しており、世界的な問題になっている。

 HKRITAは2006年創設の公的資金を受けた応用研究センター。香港特別行政区政府のイノベーション・テクノロジー基金に資金援助を受けている5つの応用研究センターの1つ。繊維・衣料産業を支援し、サステナブルな改善を推進し、社会の向上を促進するための、ミッドストリーム、ダウンストリームの応用研究に携わっている。

 H&Mファウンデーションは業界全体の変革を目指す非営利団体。気候や水、海、生物多様性、土壌の全ての地球環境にプラスの影響を与えるプラネット・ポジティブなファッションの未来に貢献できる技術を見つけるという野心のもと活動している。

The post 香港の研究所HKRITAがマイクロプラスチックを音波で分離する技術を開発 H&M財団の支援を受けて appeared first on WWDJAPAN.

小松マテーレは12.7%の増収、海外高級ブランド向け好調 23年3月期

 染色加工大手の小松マテーレの2023年3月期の連結決算は、売上高が前期比12.7%増の354億円、営業利益が同0.7%増の16億円、経常利益が同21.8%減の16億円、純利益が同48.8%減の11億円だった。経常利益と純利益の減少は為替予約解約損が約6億円と、前年の有価証券売却益の反動によるもの。同社が強みを持つ高級向けの合繊テキスタイル販売が絶好調で、海外売上比率は前年から5.8ポイントアップし、40.3%に上昇した。佐々木久衛社長(70)は「海外、特に欧州のラグジュアリーブランド向けの販売が好調だった。この数年コロナ禍などで設備投資には慎重だったが、今年からは攻めに移る」として、設備投資を積み増す。23年3月期に約9億円だった設備投資を今期は18億円に引き上げる。

 部門別では衣料ファブリックが18.1%増の256億円。全体の6割を占める北米や欧州の有力ブランド向けのテキスタイル販売が20.7%増と大幅に伸びた。

 その一方で、原料及び燃料価格は前期から約20億円の上昇し、利益を圧迫、増収分をほぼ打ち消した。「染色時に大量に使用するLNGやC重油などの燃料価格は倍以上に上昇しており、現在も続いている。省エネ設備などを導入しているが、焼け石に水のような状況だ」として24年3月期は価格転嫁を強化する。

 24年3月期の見通しは売上高が前期比2.9%増の365億円、営業利益は12.7%減の14億円、経常利益は同15.8%減の19億円、純利益は同56.4%増の17億円の見通し。

 また、6月23日付で中山大輔・専務取締役(53)を、代表権のある代表取締役専務に昇格させる。これで代表権のある取締役は佐々木社長を含め2名体制になる。

The post 小松マテーレは12.7%の増収、海外高級ブランド向け好調 23年3月期 appeared first on WWDJAPAN.

ウィゴーがZ世代特化のシンクタンク設立 全国1800人の販売員を軸に“界隈”の情報抽出

 ウィゴー(WEGO)がZ世代に特化したマーケティング、シンクタンク事業を強化する。2020年秋から、Z世代の細分化した趣味嗜好に合わせたSNSの運用をZ世代スタッフを中心に開始。この5月には、シンクタンク「WE LABO [ヒト・コト・モノ・バ]研究所(以下、ウィゴー ラボ)」を立ち上げ、他社へのデータ提供などのB to B事業を目指す。「ウィゴーは全国に168店があり、約1800人のZ世代販売員が在籍している。それぞれが自身の趣味嗜好別の“界隈”に生息しており、(彼らを軸に)濃い新鮮な情報を抽出できる」と望月大作取締役ウィゴー事業本部長は話す。

 ウィゴーが運営しているZ世代向けSNSコミュニティーは、高校生活の楽しみ方を発信する“WEGO SCHOOL・ユース学園”(フォロワー数計14万7000人)、推し活にフォーカスした“推シゴトメディア”(6万3000人)、サブカル地雷系女子に向けた“サブカル地雷”(4万2000人)、ダンスカルチャーを発信する“WEGO DANCE UP”(1万8000人)などがある。これらの総計により、「高校生を対象としたSNSでは、年間リーチ数1億2000万で日本最大規模」(発表資料より)という。

 SNSを通した情報抽出に加え、リアルなコミュニケーションの場のアレンジも「ウィゴーラボ」として行っていく予定。同ラボの公式サイト上では、「地雷界隈の“推し”ランキング」「SNS世代が選ぶ これだけば見ちゃうテレビ番組ランキング」といった、SNSを通した調査結果を随時無料公開している。

The post ウィゴーがZ世代特化のシンクタンク設立 全国1800人の販売員を軸に“界隈”の情報抽出 appeared first on WWDJAPAN.

ユナイテッドアローズの温室効果ガス排出削減目標が認証取得 パリ協定にコミット

 ユナイテッドアローズはこのほど、温室効果ガス排出削減目標において、科学的根拠に基づき、パリ協定に準じたものであることを認定する国際的イニシアチブSBT(Science-Based Targets)の認定を取得した。

 2030年までに、スコープ1(自社による直接排出)と2(自社が購入したエネルギーによる間接排出)で19年度比30%、スコープ3(自社がかかわるサプライチェーン全体での間接排出)で同15%削減を目指す。これに向け、店舗やオフィスで使用する電力を再生可能エネルギーに切り替えを進めているほか、自社商品のカーボンフットプリントの算出にも着手した。

 同社は20年4月に、サステナビリティ推進の指針として5つのテーマと16の重要課題を公表した。特に「サーキュラリティー」「カーボンニュートラル」「ヒューマニティー」の3つのカテゴリーに焦点を絞り、30年を達成目標年度にそれぞれのカテゴリーに紐づく数値目標を設定。自社サイト内で進捗を報告している。

The post ユナイテッドアローズの温室効果ガス排出削減目標が認証取得 パリ協定にコミット appeared first on WWDJAPAN.

NCTドヨンが「ドルチェ&ガッバーナ」の日韓初のアンバサダーに就任

 K-POPグループNCTのドヨンが「ドルチェ&ガッバーナ(DOLCE & GABBANA)」の日本と韓国における初のアンバサダーに就任した。

 「ドルチェ&ガッバーナ」は「音楽とファッションの両方で常にユニークなスタイルを生み出してきた。『ドルチェ&ガッバーナ』のアンバサダーとして、芸術性の高さにこれからも期待し続けたいと思います」とコメント。

 一方でドヨンは、「『ドルチェ&ガッバーナ』ファミリーの一員となることに、とても興奮している。私とブランドの間には、素晴らしい相乗効果を生み出せるつながりがあると信じている。共に創り出すものを楽しみにしてほしい」と意欲をのぞかせた。

 NCTの派生ユニットで、ドヨンの属するNCT127は今年2月に「プーマ」の太平洋地域のアンバサダーに就任。その他にも、2022年9月にNCTのメンバーであるSHOTAROは「M・A・C」とのコラボレーションを行っている。

The post NCTドヨンが「ドルチェ&ガッバーナ」の日韓初のアンバサダーに就任 appeared first on WWDJAPAN.

LVMHアルノー会長の野望を追ったドキュメンタリー 「カシミヤを着た狼 〜Kingdom of Dreams〜」をHuluが独占配信 

 「ディオール(DIOR)」「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」「セリーヌ(CELINE)」「ジバンシィ(GIVENCHY)」などを擁するナンバーワン・ラグジュアリーコングロマリット、LVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON、以下LVMH)はどのように誕生したのか。”カシミヤを着た狼”の異名を持つベルナール・アルノー会長兼CEOがどのようにLVMH帝国を築いてきたかを知ることができるドキュメンタリー「カシミヤを着た狼 〜Kingdom of Dreams〜」全4話(英2022年)がオンライン動画配信サービスHuluで5月17日から独占配信される。

 第1話はLVMH草創期。「ディオール」や「ジバンシィ」など、輝きを失っていたブランドをアルノー会長が獲得する80年代から90年代半ばまでが描かれる。

 第2話はジョン・ガリアーノの起用とハンドバッグがビジネスの基幹になる契機となったメットガラでの出来事や、トム・フォードによって「グッチ」が復活する様子が紹介される。

 第3話は「ジバンシィ」に起用されたアレキサンダー・マックイーン、「グッチ」に対抗して「ルイ・ヴィトン」のウィメンズウエアを任されたマーク・ジェイコブス、「サンローラン」を手掛け酷評されたトム・フォードと、マネーゲームに翻弄され、重圧に耐えきれなくなっていくデザイナーたちの様子が描かれる。

 第4話は、トム・フォードが追い出されても人気が続く「グッチ」、ガリアーノが壊れていく一方で「売り上げが6倍になった」と喜ぶアルノー会長、重圧と孤独に耐えきれなくなり自殺したマックイーンと、華やかに見えるラグジュアリーブランドビジネスの陰の部分を明らかにしている。

 1990年代のガリアーノやマックイーン、トム・フォード、マーク・ジェイコブスによる才気あふれるコレクションはもちろん、アルノー会長が生家を訪れ、「ディオール」買収を父親と決断した時を振り返ったり、アルノー家のホームビデオが公開されるなど、貴重な映像が盛り沢山。デザイナーとブランドのフィクサーとして大きな影響力を持ったアナ・ウィンター米「ヴォーグ」編集長、ホワイトナイトとして「グッチ」をLVMHの買収から救ったPPR(現ケリング)のフランソワ・ピノー会長の当時の映像や、帽子デザイナーのスティーブン・ジョーンズやグッチCEOだったドメニコ・デ・ソーレなどが当時について語る映像が交錯し、ドキュメンタリーでありながら、まるでドラマを見るよう。その後の20年でさらに拡大したLVMH帝国の礎が理解できる。

The post LVMHアルノー会長の野望を追ったドキュメンタリー 「カシミヤを着た狼 〜Kingdom of Dreams〜」をHuluが独占配信  appeared first on WWDJAPAN.

ベルリンのリュクスなストア「ザ・スクエア・ベルリン」が大改装 退廃的、無機質、グレーな街と一線を画す

 退廃的、無機質、グレーもしくはブラック。ベルリンをイメージする時、よく使われる表現だ。確かにベルリンはお世辞にもキレイとは言えない落書きだらけの街だが、中世ヨーロッパの街並みを思わせる美しいエリアも存在する。ウンター・デン・リンデン通りは、王室や貴族の散歩道だった菩提樹の並木道を意味し、ベルリン大聖堂やベルリン国立歌劇場といった歴史的建築が立ち並ぶ。

 その一角にあるのが、今回紹介する「ザ・スクエア・ベルリン(THE SQUARE BERLIN)」だ。同店は、主にハイエンドなブランドを取り扱うコンセプトショップ「ザ・コーナー(THE CORNER)」として2008年にオープン。23年1月に店名も含め、大規模なリニューアルを行った。700平方メートルを誇る店内は、白を基調とした開放的な空間。ピエール・オーガスティン・ローズ(Pierre Augustin Rose)のソファやニコラス・ルフェーブル(Nicolas Lefebvre)の彫刻が存在感を放つ。

 ファッションだけでなく、家具やインテリア雑貨も含めたライフスタイル全般をコンセプトに取り入れたかったと語る創設者のエマニュエル・デ・バイザー(Emmanuel de Bayser)にリニューアルの経緯からデザイン、セレクト、ビジョンなどについて尋ねた。

WWDJAPAN:大々的なリニューアルを行った理由は?

エマニュエル・デ・バイザー創業者(以下、エマニュエル創業者):15年以上に渡り、ファッションブランドをメーンとしたコンセプトショップを運営してきたが、ビジュアルコンセプトとショッピング体験を根本的に変えたいと思った。以前のブルータリズムやインダストリアルな雰囲気から、シックなアパートメントのロフトに家具を完備した新鮮な空間に変更した。金属の生々しさや鋭い直角のイメージから柔らかいファブリックと自然で有機的なデザインへと変更し、全く新しい感覚の店舗として生まれ変わらせた。ずっとそこに滞在したくなる、夢のような家をイメージした。またアートやデザイン、家具、ホームオブジェ、書籍、コスメなど総合的なセレクトで、新しいショッピング体験を提供したいと考えた。店舗サービスも、新しいショッピング体験には重要なポイント。ショッピング中のお客さまには「心から歓迎され、大切にされている」と感じてもらいたいと思った。

WWDJAPAN:顧客の反応は?

エマニュエル創業者:予想以上の素晴らしい反響を頂き、とても嬉しい。アートエキシビジョンのように展示されている彫刻から、ピエール・オーガスティン・ローズのソファ、「リック オウエンス(RICK OWENS)」のホームアクセサリーなど、店内に入ればすぐに新しいコンセプトのエッセンスが感じ取れる。あらゆるジャンルの商品を取り揃えることで、さまざまなライフスタイルを一カ所で堪能できる。現代のニーズに応えることができた。

WWDJAPAN:リノベーションで最もこだわったところは?

エマニュエル創業者:広大なリビングスペースとショッピングスペースを融合すること。この2つをバランスよく融合させ、空間に自然な流れが生まれるデザインや配置にこだわった。と同時に、どちらか一方のスペースに圧倒されてしまわないよう落ち着ける空間作りを意識した。

WWDJAPAN:商品の中に自然と配置された彫刻家ニコラス・ルフェーブルの作品が印象的だ。

エマニュエル創業者:彫刻は高尚な空間で非常に機能的な役割を果たす立体アート。商品と同じ空間に置かれた作品たちは、非常にインパクトのある存在感を放っている。

WWDJAPAN:観光名所としても有名なジャンダルメンマルクトに店舗を構えている。観光客はコロナ前と同じぐらいに戻っている?

エマニュエル創業者:1年前からツーリストの数は確実に戻っている。近隣の観光名所も含め、完全に復活したと言えるだろう。ベルリン王宮の再建でエリアとしても完成を遂げた。新しくダイナミックなエネルギーが集まっているミッテ地区の一部であることを嬉しく思っている。

WWDJAPAN:一番人気のあるブランド、売れ筋アイテムは?

エマニュエル創業者:人気ブランドを1つに絞るのは難しいが、現時点でのトップ5は、「ディオール(DIOR)」「セリーヌ(CELINE)」「ロエベ(LOEWE)」「サカイ(SACAI)」「ロロ・ピアーナ(LORO PIANA)」。今の売れ筋は、すぐに完売してしまった「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」の新作バッグや「サンローラン(SAINT LAURENT)」のジャケットとバッグ、「リック オウエンス」「バレンシアガ(BALENCIAGA)」「メゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)」の靴、「アライア(ALAIA)」や「コペルニ(COPERNI)」のドレスなども人気だ。ベルリンの若者には、「ジャックムス(JACQUEMUS)」「AMI PARIS(アミ パリス)」「ディーゼル(DIESEL)」求めて来店する人が多い。

「ザ・スクエア・ベルリン」
住所:Französische Str.40 10117 Berlin, Germany
電話:+49(0)30 20649610

PHOTOS:MARK SEELEN

The post ベルリンのリュクスなストア「ザ・スクエア・ベルリン」が大改装 退廃的、無機質、グレーな街と一線を画す appeared first on WWDJAPAN.

ベルリンのリュクスなストア「ザ・スクエア・ベルリン」が大改装 退廃的、無機質、グレーな街と一線を画す

 退廃的、無機質、グレーもしくはブラック。ベルリンをイメージする時、よく使われる表現だ。確かにベルリンはお世辞にもキレイとは言えない落書きだらけの街だが、中世ヨーロッパの街並みを思わせる美しいエリアも存在する。ウンター・デン・リンデン通りは、王室や貴族の散歩道だった菩提樹の並木道を意味し、ベルリン大聖堂やベルリン国立歌劇場といった歴史的建築が立ち並ぶ。

 その一角にあるのが、今回紹介する「ザ・スクエア・ベルリン(THE SQUARE BERLIN)」だ。同店は、主にハイエンドなブランドを取り扱うコンセプトショップ「ザ・コーナー(THE CORNER)」として2008年にオープン。23年1月に店名も含め、大規模なリニューアルを行った。700平方メートルを誇る店内は、白を基調とした開放的な空間。ピエール・オーガスティン・ローズ(Pierre Augustin Rose)のソファやニコラス・ルフェーブル(Nicolas Lefebvre)の彫刻が存在感を放つ。

 ファッションだけでなく、家具やインテリア雑貨も含めたライフスタイル全般をコンセプトに取り入れたかったと語る創設者のエマニュエル・デ・バイザー(Emmanuel de Bayser)にリニューアルの経緯からデザイン、セレクト、ビジョンなどについて尋ねた。

WWDJAPAN:大々的なリニューアルを行った理由は?

エマニュエル・デ・バイザー創業者(以下、エマニュエル創業者):15年以上に渡り、ファッションブランドをメーンとしたコンセプトショップを運営してきたが、ビジュアルコンセプトとショッピング体験を根本的に変えたいと思った。以前のブルータリズムやインダストリアルな雰囲気から、シックなアパートメントのロフトに家具を完備した新鮮な空間に変更した。金属の生々しさや鋭い直角のイメージから柔らかいファブリックと自然で有機的なデザインへと変更し、全く新しい感覚の店舗として生まれ変わらせた。ずっとそこに滞在したくなる、夢のような家をイメージした。またアートやデザイン、家具、ホームオブジェ、書籍、コスメなど総合的なセレクトで、新しいショッピング体験を提供したいと考えた。店舗サービスも、新しいショッピング体験には重要なポイント。ショッピング中のお客さまには「心から歓迎され、大切にされている」と感じてもらいたいと思った。

WWDJAPAN:顧客の反応は?

エマニュエル創業者:予想以上の素晴らしい反響を頂き、とても嬉しい。アートエキシビジョンのように展示されている彫刻から、ピエール・オーガスティン・ローズのソファ、「リック オウエンス(RICK OWENS)」のホームアクセサリーなど、店内に入ればすぐに新しいコンセプトのエッセンスが感じ取れる。あらゆるジャンルの商品を取り揃えることで、さまざまなライフスタイルを一カ所で堪能できる。現代のニーズに応えることができた。

WWDJAPAN:リノベーションで最もこだわったところは?

エマニュエル創業者:広大なリビングスペースとショッピングスペースを融合すること。この2つをバランスよく融合させ、空間に自然な流れが生まれるデザインや配置にこだわった。と同時に、どちらか一方のスペースに圧倒されてしまわないよう落ち着ける空間作りを意識した。

WWDJAPAN:商品の中に自然と配置された彫刻家ニコラス・ルフェーブルの作品が印象的だ。

エマニュエル創業者:彫刻は高尚な空間で非常に機能的な役割を果たす立体アート。商品と同じ空間に置かれた作品たちは、非常にインパクトのある存在感を放っている。

WWDJAPAN:観光名所としても有名なジャンダルメンマルクトに店舗を構えている。観光客はコロナ前と同じぐらいに戻っている?

エマニュエル創業者:1年前からツーリストの数は確実に戻っている。近隣の観光名所も含め、完全に復活したと言えるだろう。ベルリン王宮の再建でエリアとしても完成を遂げた。新しくダイナミックなエネルギーが集まっているミッテ地区の一部であることを嬉しく思っている。

WWDJAPAN:一番人気のあるブランド、売れ筋アイテムは?

エマニュエル創業者:人気ブランドを1つに絞るのは難しいが、現時点でのトップ5は、「ディオール(DIOR)」「セリーヌ(CELINE)」「ロエベ(LOEWE)」「サカイ(SACAI)」「ロロ・ピアーナ(LORO PIANA)」。今の売れ筋は、すぐに完売してしまった「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」の新作バッグや「サンローラン(SAINT LAURENT)」のジャケットとバッグ、「リック オウエンス」「バレンシアガ(BALENCIAGA)」「メゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)」の靴、「アライア(ALAIA)」や「コペルニ(COPERNI)」のドレスなども人気だ。ベルリンの若者には、「ジャックムス(JACQUEMUS)」「AMI PARIS(アミ パリス)」「ディーゼル(DIESEL)」求めて来店する人が多い。

「ザ・スクエア・ベルリン」
住所:Französische Str.40 10117 Berlin, Germany
電話:+49(0)30 20649610

PHOTOS:MARK SEELEN

The post ベルリンのリュクスなストア「ザ・スクエア・ベルリン」が大改装 退廃的、無機質、グレーな街と一線を画す appeared first on WWDJAPAN.

魂を宿す! 大改造デニムビフォー&アフター in 児島

 目の前に広がる瀬戸内海。遠路はるばるやってきたここは、世界有数のデニムの産地、岡山県は児島だ。地元発祥のローカルブランドからラグジュアリーブランドまで、多くの銘品がこの街で生まれている。今回はデニムの加工工場として名高い「ニッセンファクトリー」の協力のもと、デニム加工を体験。街で見かけるダメージデニムの裏にこんな“匠の技”があったなんて……。劇的な変化に、かのゴッドファーザー、ロバート・“デニーム”もビックリ!? (この記事は「WWDJAPAN」2023年2月20日号からの抜粋です)

デニム加工の基本のキ

 加工に挑戦する前に「リーバイス(LEVI’S)」の“501”と“502”をゲット。いずれも街のジーンズショップで売られている1万5000円前後のもの。“501”は色落ちしているけど、加工がちょっと物足りないなという感じ。“502”はダメージなしのワンウオッシュだ。仕上がりをイメージしながらウキウキ!

 「ヒゲ」は太もものつけ根、「ハチノス」は膝裏にできるシワ。ビンテージデニムのような自然なはきジワをどう再現するのかと思いきや、凹凸がある型をアタリの出る部分に当てて、上からヤスリでこするのだ。型はオリジナルで何パターンもあり、工場のセンスが光る重要な部分。

 着用や洗濯により、インディゴで染めた縦糸の表面が削られ白く見えてくる。これが「タテ落ち」。ブラシが回転するこの機械で、太ももや膝などの色落ちしそうな場所にあてる。細かい色の濃淡はヤスリで微調整。

 裾やポケットのフチなどを“あえて”破る。破りたい部分を狙って、金属製の回転ヤスリを当てると穴が開く。やり過ぎ厳禁!帰宅時間も迫り、約1時間半で仕上げへ

「“大戦デニム”!?」と聞かれたい
リアルビンテージ風デニム

 ビンテージを想像しながら加工した“501”。ヒゲやハチノス、ヒップ、裾、ボタンフライの色落ちなど、リアルなアタリを再現した。加減に手こずり、やり過ぎた部分があるのも確かだが、愛情はどんなデニムより“濃紺”だ。

ワンウオッシュから色落ち加工で
流行のブルーデニムに激変

 ワンウオッシュの濃紺だった“502”は、最後に薬品による色落ち加工をプラスしたことで一変モードな雰囲気に。ポケットをはじめとする各所に細かい破れ加工も施した。1万5000円のデニムが5万円に見えたりして。

※ニッセンファクトリーでは、ときどき、染色などのワークショップを開催しています。コロナ禍でしばらく開催されていませんが、落ち着けば再開されるかも。HPのチェックを忘れずに!

The post 魂を宿す! 大改造デニムビフォー&アフター in 児島 appeared first on WWDJAPAN.

「コム デ ギャルソン」がパリ店を拡大移転 4フロアで計700平方メートルに

 「コム デ ギャルソン(COMME DES GARCONS)」は、パリ店を拡大移転する。2001年から、フォーブール・サントノレ通り54番地の通りからは目につきにくい中庭に店を構えてきたが、かつて「バーバリー(BURBERRY)」の旗艦店があった同じ通りの56番地に移す。

 通りに面するようになる新店舗は4フロア構成で、店舗面積は現在の1.5倍にあたる約700平方メートルに拡大。3月に増床リニューアルした東京の青山店同様、すべてのブランドを扱う。空間の構想やデザインは、川久保玲デザイナー自身が手掛けるという。10月初旬にオープン予定だ。

The post 「コム デ ギャルソン」がパリ店を拡大移転 4フロアで計700平方メートルに appeared first on WWDJAPAN.

身近な女性の死から自己の表現に向き合う 石内都×頭山ゆう紀の対談から見えたもの

 京都の街を舞台に14日まで開催されている「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭(以下、KYOTOGRAPHIE)」とパートナーシップを結ぶケリングによる、文化や芸術の世界に貢献する女性を称えるプログラムの一環「ウーマン・イン・モーション」。2023年に支援するのは、写真家の石内都と頭山ゆう紀による2人展 A dialogue between Ishiuchi Miyako and Yuhki Touyama「透視する窓辺」展だ。

 同展は石内が次世代の作家として頭山を選んだ対話的な2人展。石内は波乱の人生を歩んだ「母」を1人の女性としてとらえ、身につけていた衣類や使いかけの口紅、髪の毛のついた櫛といった遺品を撮影したシリーズ「Mother’s」を、頭山は2006年の「ひとつぼ展」に入選し、石内からも高い評価を受けた原点といえるシリーズ「境界線13」から家族がいる風景写真とコロナ禍に亡くした祖母の介護中に撮影した新作をそれぞれ展示している。

 展示会場となった老舗の帯問屋「誉田屋源兵衛 竹院の間」には、世代を超えた2人の作家の視線が交錯するように、写真に写真を重なるように作品が展示されている。「KYOTOGRAPHIE」開催初日に行われた2人の対談「石内都と頭山ゆう紀の視点」では、モデレーターに赤々舎代表でディレクターの姫野希美を迎え、展示写真についてと同展の構成から、身近な女性の死に直面し、ごく私的な写真が作品になるまでの境界についてのトークが交わされた。

石内都

1979年に「Apartment」で第4回木村伊兵衛写真賞を受賞。2005年、母親の遺品を撮影した「Mother’s」で第51回ヴェネチア・ビエンナーレ日本館代表作家に選出される。2007年より現在まで続けられる被爆者の遺品を撮影した「ひろしま」も国際的に評価されている。2013年紫綬褒章受章。2014年には「写真界のノーベル賞」と呼ばれるハッセルブラッド国際写真賞を受賞。近年の主な展覧会・出版物に、個展「Postwar Shadows」(J・ポール・ゲッティ美術館 ロサンゼルス 2015)、写真集『フリーダ 愛と痛み』(岩波書店 2016)、個展「肌理と写真」(横浜美術館 2017)、個展「石内 都」(Each Modern 2022 台湾)、個展「Ishiuchi Miyako」(Stills 2022 エディンバラ)、「六本木クロッシング」(森美術館 2022)等がある。作品は、東京国立近代美術館、東京都写真美術館、横浜美術館、ニューヨーク近代美術館、J・ポール・ゲッティ美術館、テート・モダン等に収蔵されている。

頭山ゆう紀

東京ビジュアルアーツ写真学科卒業。生と死、時間や気配など目に見えないものを写真に捉える。自室の暗室でプリント作業をし、時間をかけて写真と向き合うことで時間の束や空気の粒子を立体的に表現する。主な出版物に『境界線13』(赤々舎 2008)、『さすらい』(abp 2008)、『THE HINOKI Yuhki Touyama 2016−2017』(THE HINOKI 2017)、『超国家主義−煩悶する青年とナショナリズム』(中島岳志著、頭山ゆう紀写真/筑摩書房 2018)がある。

出会いと同展が2人展に至った背景

 2人の出会いは、頭山が写真学生の頃に沖縄で開催されていた石内のワークショップに訪れたこと。その後、石内が審査員をしていた「ひとつぼ展」に頭山が入選し、その後発表した作品集「境界線13」の帯のコメントも寄せている。今回、2人展の構成を打診された時に、センスの良さを確信していた頭山の名前が浮かんだという。

 「頭山さんと榛名湖アートレジデンスで会った時にお祖母さまの介護をしていた時の写真があるとは聞いていました。でも、写真は見ていなかったんです。今回、私からは「Mother’s」を出してほしいと言われていましたので、彼女のお祖母様と、その後お母様も急逝されてしまい、2人の身近な女性を亡くした。私の作品と共通するテーマでもあり、一緒にやりませんかと声を掛けて今回の展示になりました」と2人展の経緯を語った。

 頭山は「作品にするつもりはなかったんですが、ちょうど祖母を介護していた時に写真があったので発表したいという気持ちになり、姫野さんにも写真集にしたいという相談をしていたタイミングでした。石内さんから代表作も展示したほうが良いとアドバイスを頂いたこともありました。『境界線13』には家族の写真も結構入っているので、今回の写真を選びました」と、出展のきっかけとなった新作に加えて、2人の出会いであり、代表作でもある「境界線13」から家族のいる風景を選んだ。モノクロの同作と新作にはカラー写真もある。「そもそも、カラーの写真は作品にしようと思って撮っていなくて。コロナ禍の初期だったので、人にも会っていないし、買い物に行く途中に撮ったものなので、ちょっと爽やかというか、自然にカラーになった。ちょっとした気晴らしでもあったので、その流れでたくさん撮りためていった」。

 展示会場に入ると中央には、頭山のモノクロの写真が壁紙のように拡大され、その上に2人の作品が重ねられ、左側が石内の右側が頭山の作品を展示しているユニークな構成になっている。この演出はどのように考えられたのだろうか。それには石内が「Mother’s」を撮り始めた頃の記憶も関係しているという。

 「応接間のガラスの窓に両面テープを貼り付けて撮ったのが『Mother’s』の始まりなんです。最初の背景には庭が写ってた。頭山さんが庭を撮っていたと聞いた時に、ふと思いだしたので、モノクロだし、初心に戻るじゃないけど、一番初めの私の撮影を思い出してこの演出にしたんです。それに、頭山さんのお祖母様の介護をしていた時の部屋から庭を取ったモノクロの写真を拡大して、それぞれの写真を重ねて展示したいって何となく思ってました。1つの実験的な試みですね。私の『Mother’s』と彼女の作品の真ん中だけ写真がジョイントしています。実は、今回の写真はこれまで日本で展示しなかった作品もあります。階段の上にある長襦袢の写真は『ベネチア・ビエンナーレ』の展示用。和モノではないですが、ベネチアなので日本的な写真を展示しようと思って、今回の展示写真の着物に関する写真の展示はそれ以来です。『Mother’s』の中でもこれまで見たことのないような写真を展示しています。母が亡くなって23年が経ちます。ついこの間のような感覚もあり、かなり長い時間でもある。今回が最終の『Mother’s』の展示のような。同じシリーズですが、場所とテーマで見え方が変わります。今回は新しい母に再開した気持ちで展示しています」。

 創業約280年を迎える帯匠「誉田屋源兵衛」の空間を生かしたこと、展示で初めて建築家を加えたことが2人の作品が渾然一体となり、既視感のない印象の構成に至ったのだという。また、石内の作品は仕切りをくぐったり、低い位置に写真が展示されていたり、頭山の作品も壁紙の写真をプリントとして横にかかるような並びで展示されていることで、これまでの作品のトーンとは異なる鑑賞体験ができる。

 頭山は「『境界線13』と比べるとわかりやすいです。今回の窓の作品は、祖母の目線を作品にしたもの。介護中に祖母が外に出られなくなってしまったんです。幻覚が見えていたようで、その中で『壁に墨絵が見える』と言っていたことがありました。墨絵が見える世界ってどういうものか。家から出れなくなって、さらに墨絵が見える。その墨絵を意識してプリントしました。介護ではどうしても閉鎖的になってしまって、1人の時間というか、写真があることが救いになりました」と新作の制作過程の一端を明かした。

 石内は「さきほど頭山さんが話したことと全く一緒で、『Mother’s』も作品にするつもりはなかった。母親がもういないっていう現実を受け入れられなかった。その時に、彼女が残したものが本当にたくさんあって、それをどう処分するか考えた時に写真に収めればよいと思ったんです。今、対話だけるのはそこにあるものしかない。非常に切羽詰まった現実感から「Mother’s」が始まって、ようやくプリントして人に見せられたとしても、作品にするには時間がかかるので簡単ではない。写真って他人の目線が入ってきた時に問題意識が反映される。その個性がどんどん広がってくことは写真1つのあり方です。写真は見る人がいて成立するわけですから。その意味で、彼女と私が何か根底的に写真に対する考え方が似ているんです」とし、頭山は「母が亡くなった時に、母がいた風景を撮りたいと思いました。母が生まれた場所に行くと、目の前が海で育った景色も撮りたいという気持ちになった」とそれぞれの母への思いも語った。

“女性写真家”という言葉が持つ意味

 芸術分野における女性の地位と認識や評価への理解と変化を促進するためのプラットフォームとしての「ウーマン・イン・モーション」に繋がる話として、石内は1976年に企画した「百花繚乱」について、頭山は“女性写真家”というセグメントと介護中に感じた違和感について語った。

 「企業の女性支援は、現在の社会の成り立ちの1つになってしまったけれど、本来はない社会であるべき。1976年に企画した『百花繚乱』のテーマは“男”を脱がすこと。その時は写真業界では無視されました。なぜ、この企画を考えたかというと、少しずつ女性が社会進出しているような流れがあった時代だったものの、女性は結婚して子どもを産むと写真をやめなければいけない人が多かった。男性の考えが変わらない限り物事は変わらなかった。それに、女性写真家という表現が嫌いなんです。女性であることは1つの特徴であって、全てではないわけですから」と振り返る石内に頭山は「『ウーマン・イン・モーション』のテーマを考えた時に、以前は雑誌等で『若手女性写真家特集』が組まれていたことを思い出しました。自分ではあまり意識していなかったです。介護も女性の役割という意識もあるし、決め付けられている」と呼応した。

 これまで、さまざまな文脈と空間で展示されてきた写真は、鑑賞するたびに新しい気付きをもたらしてきた。石内と頭山それぞれの個展と2人の作品が重なるように展示された空間とトークで語られた言葉からは、身近な女性の死という経験から生じた個人的な意識とともに、社会が抱える普遍的な問題さえも浮き彫りにしていると感じられた。

■石内都/頭山ゆう紀 A dialogue between Ishiuchi Miyako and Yuhki Touyama「透視する窓辺」展
会期:5月14日まで
会場:誉田屋源兵衛 竹院の間
住所:京都府京都市中京区室町通三条下ル烏帽子屋町489
時間:10:00〜18:00
休日:5月10日
公式サイト:https://www.kyotographie.jp/


元記事を読む

The post 身近な女性の死から自己の表現に向き合う 石内都×頭山ゆう紀の対談から見えたもの appeared first on WWDJAPAN.

「アモスタイル」がタレントのYOUを起用 “カワイイに年齢制限なんてない”

 トリンプ・インターナショナル・ジャパンは、直営店ブランド「アモスタイル バイ トリンプ(AMOSTYLE BY TRIUMPH以下、アモスタイル)」のキャンペーンにタレントのYOUを起用した。同ブランドは、モットーである“カワイイを、攻めていく”をアップデート。“カワイイに年齢制限なんてない”を打ち出し、年齢を重ねるにつれて女性がぶつかる“カワイイの壁”を打ち破る。幾つになっても“カワイイ”を貫いているYOUの起用により、“年齢を理由にカワイイをあきらめない”“自分のカワイイは自分で決める”というメッセージをムービーなどで発信する。キャンペーン特設サイトでは、YOUのインタビューを掲載。彼女は、「自分にとってのカワイイは自分らしくいること」とコメントしている。

 「アモスタイル」では、ツイッターキャンペーンを21日まで開催。同ブランドの公式アカウントをフォローしてムービーの感想に#カワイイに年齢制限なんてないを添えて対象投稿をリツイートすると「アモスタイル」の店舗や「トリンプ(TRIUMPH)」の公式ECサイトのショッピングで使用できる期間限定ポイント5000円分を抽選で20人にプレゼントする。

The post 「アモスタイル」がタレントのYOUを起用 “カワイイに年齢制限なんてない” appeared first on WWDJAPAN.

「アモスタイル」がタレントのYOUを起用 “カワイイに年齢制限なんてない”

 トリンプ・インターナショナル・ジャパンは、直営店ブランド「アモスタイル バイ トリンプ(AMOSTYLE BY TRIUMPH以下、アモスタイル)」のキャンペーンにタレントのYOUを起用した。同ブランドは、モットーである“カワイイを、攻めていく”をアップデート。“カワイイに年齢制限なんてない”を打ち出し、年齢を重ねるにつれて女性がぶつかる“カワイイの壁”を打ち破る。幾つになっても“カワイイ”を貫いているYOUの起用により、“年齢を理由にカワイイをあきらめない”“自分のカワイイは自分で決める”というメッセージをムービーなどで発信する。キャンペーン特設サイトでは、YOUのインタビューを掲載。彼女は、「自分にとってのカワイイは自分らしくいること」とコメントしている。

 「アモスタイル」では、ツイッターキャンペーンを21日まで開催。同ブランドの公式アカウントをフォローしてムービーの感想に#カワイイに年齢制限なんてないを添えて対象投稿をリツイートすると「アモスタイル」の店舗や「トリンプ(TRIUMPH)」の公式ECサイトのショッピングで使用できる期間限定ポイント5000円分を抽選で20人にプレゼントする。

The post 「アモスタイル」がタレントのYOUを起用 “カワイイに年齢制限なんてない” appeared first on WWDJAPAN.

「アモスタイル」がタレントのYOUを起用 “カワイイに年齢制限なんてない”

 トリンプ・インターナショナル・ジャパンは、直営店ブランド「アモスタイル バイ トリンプ(AMOSTYLE BY TRIUMPH以下、アモスタイル)」のキャンペーンにタレントのYOUを起用した。同ブランドは、モットーである“カワイイを、攻めていく”をアップデート。“カワイイに年齢制限なんてない”を打ち出し、年齢を重ねるにつれて女性がぶつかる“カワイイの壁”を打ち破る。幾つになっても“カワイイ”を貫いているYOUの起用により、“年齢を理由にカワイイをあきらめない”“自分のカワイイは自分で決める”というメッセージをムービーなどで発信する。キャンペーン特設サイトでは、YOUのインタビューを掲載。彼女は、「自分にとってのカワイイは自分らしくいること」とコメントしている。

 「アモスタイル」では、ツイッターキャンペーンを21日まで開催。同ブランドの公式アカウントをフォローしてムービーの感想に#カワイイに年齢制限なんてないを添えて対象投稿をリツイートすると「アモスタイル」の店舗や「トリンプ(TRIUMPH)」の公式ECサイトのショッピングで使用できる期間限定ポイント5000円分を抽選で20人にプレゼントする。

The post 「アモスタイル」がタレントのYOUを起用 “カワイイに年齢制限なんてない” appeared first on WWDJAPAN.

英チャールズ国王の戴冠式 キャサリン皇太子妃は「アレキサンダー・マックイーン」のドレスで出席

 英チャールズ国王(King Charles III)の戴冠式が5月6日、ロンドンのウェストミンスター寺院(Westminster Abbey)で行われた。チャールズ国王は2022年9月に即位。故エリザベス女王(Queen Elizabeth II)が即位した際に開催されて以来70年ぶりとなった戴冠式には、英王室のメンバーをはじめ、世界各国の王室や政府要人、著名人らが参列した。

 チャールズ国王は、祖父であるジョージ6世(King George VI)が1937年の戴冠式で着用した儀式服を着用。カミラ王妃(Queen Camilla)は英国のデザイナー、ブルース・オールドフィールド(Bruce Oldfield)による白いシルクドレスをまとった。その袖や裾などには、英国の4つの国であるイングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドを表す花(バラ、アザミ、水仙、シャムロック)が金色の刺しゅうで施されている。胸元に輝くダイヤモンドのネックレスは、エリザベス女王が自身の戴冠式で着用していたもの。「ガラード(GARRAD)」が手掛け、1858年にヴィクトリア女王(Queen Victoria)に贈ったという歴史的な逸品だ。王冠は1911年に行われたジョージ5世(King George V)の戴冠式でメアリー女王(Queen Mary)がかぶったもので、現地メディアによれば、戴冠式で王妃のために新たな王冠が作られなかったのは18世紀以来初めてのことだという。

 キャサリン皇太子妃(Catherine, Princess of Wales)は、自身の結婚式でも着用した英国ブランド「アレキサンダー・マックイーン(ALEXANDER McQUEEN)」によるアイボリー色のドレスをセレクト。やはり英国の4つの国を表す花々が金色で刺しゅうされている。頭には、ティアラではなくクリスタルとシルバーで作られた葉のヘッドピースを着用。エリザベス女王が所有していたネックレスのほか、故ダイアナ・フランセス(Diana Frances)元英国皇太子妃(以下、ダイアナ元妃)のイヤリングを合わせた。このイヤリングは、ダイアナ元妃が90年に行われた天皇陛下(現在は上皇陛下)の即位式に出席した際に身に着けていたものだという。

 ウィリアム皇太子(William, Prince of Wales)夫妻の子どもであるジョージ王子(Prince George of Wales)、シャーロット王女(Princess Charlotte of Wales)、ルイ王子(Prince Louis of Wales)も、それぞれ儀礼に則った衣装で参列。皇太子の弟であるヘンリー王子(Prince Henry, Duke of Sussex)は、「ディオール(DIOR)」のメンズ・コレクションからカスタムメードのラペルテールコートなどを選択した。また、英王室のメンバーであるベアトリス王女(Princess Beatrice)は「ビューロ・ロンドン(BEULAH LONDON)」のピンク色のドレスを、ユージェニー王女(Princess Eugenie)は「フェンディ(FENDI)」によるネイビーのドレスを着用した。

The post 英チャールズ国王の戴冠式 キャサリン皇太子妃は「アレキサンダー・マックイーン」のドレスで出席 appeared first on WWDJAPAN.

世界のあらゆる“BORDER(境界)”を考える「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 2023」リポート

 京都の歴史的建造物や近現代建築の空間を用いて国内外の作家の貴重な写真作品を展示する「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真際」が5月14日まで開催している。今回で12回目を迎える同イベントのテーマは“BORDER(境界線)”で京都文化博物館別館や二条城 二の丸御殿台所・お清所、藤井大丸ブラックストレージ等、屋内外の14カ所で展示を行っている。

 メインプログラムには、石内都、頭山ゆう紀、マベル・ポブレット(Mabel Poblet)、高木由利子、ボリス・ミハイロフ(Boris Mikhailov)、山田学、ココ・カピタン(Coco Capitan)、ジョアナ・シュマリ(Joana Choumali)、山内悠、セザーヌ・デズフリ(Cesar Dezfuli)、松村和彦、ロジャー・エーベルハルト(Roger Eberhard)、パオロ・ウッズ&アルノー・ロベール(Paolo Woods&Arnaud Robert)、デニス・モリス(Dennis Morris)が参加している。

 次世代の写真家やキュレーターの発掘と支援を目的にした「KG+」も同時開催中だ。国外からの観光客が増えて活気を見せている京都市内では“BORDER”をテーマに、参加作家による作品から、さまざまな“境界”を見て取ることができる。

石内都/頭山ゆう紀
A dialogue between Ishiuchi Miyako and Yuhki Touyama「透視する窓辺」展

誉田屋源兵衛 竹院の間
With the support of KERING’S WOMEN IN MOTION

 ケリングが2015年に立ち上げた、アートやクリエイティブに関わる分野で活躍する女性たちに光を当てることを目的とした「ウーマン・イン・モーション」によって支援されているプログラムで、今回は石内都と頭山ゆう紀の2人展。会場には下着や口紅、櫛といった亡き母の遺品の数々を撮影した、石内による「Mother’s」と2年前、コロナ禍に亡くなった、祖母の介護を続ける中で撮りためた新作と2008年に発表した「境界線13」シリーズから家族にまつわる作品をセレクトし展示している。お互いに身近な女性の死を経験し、写真を通じて亡くなった相手とのコニュニケーションを試みている。2人の作品からは実際に写っていない人物やその関係性をまでを想像しながら、普遍的な記憶が呼び起こされるような体験となる。

マベル・ポブレット
「WHERE OCEANS MEET」

京都文化博物館 別館
Presented by CHANEL NEXUS HALL

 キューバの現代アートシーンで活動するマベル・ポブレットによる、プリントによる造形やシルクスクリーン、映像等を組み合わせた作品群の展示。同展のテーマは“水”と“海”。ともに島国である日本とキューバの共通点でもある海。海を渡る移民は現在のキューバ社会では身近な存在で、ポブレットの作品群でも重要な意味を持つ。自分と他者とを繋ぐ存在でもあり、一方で国境となる切り離す存在でもある海を通じて、鑑賞者に現代社会の課題を投げかけている。会場の中央には海の写真を透明のセロハンに印刷して切り抜かれたインスタレーションが設置されており、海の水面に反射する光のような印象を受ける。さまざまな手法で表現される海から、水と人間の関係性や境界を呼び起こすような展示になっている。

デニス・モリス
「Colored Black」

世界倉庫
With the support of agnes b.

 昨年オープンした、京都のクラブ「WORLD KYOTO」が手掛けるカルチャースポット、世界倉庫では、ボブ・マーリー(Bob Marley)やセックス・ピストルズ(Sex Pistols)のポートレートで知られるデニス・モリスによる、自身が育った1960〜70年代のイーストロンドンのカリブ系移民のコミュニティや生活風景を捉えた作品と当時のジャマイカのレゲエミュージシャンアズワルド等のオリジナルレコードも展示されている。当時の簡易スタジオでのレコーディング風景やポートレート、黒人解放運動の現場等の写真から、コミュニティの貧困や困難がありのままに写し出されている。一方で、さまざまな苦難に対して、よりよい生活への前向きな熱意に溢れた強い意志も感じ取ることができる。

セザール・デズフリ
Passengers(越境者)

Sfera
With the support of Cheerio Corporation Co., LTD.

 写真家でジャーナリストのセザール・デズフリは、2016年に難民救助船「イヴェンタ号」に3週間ほど乗船し、リビアからイタリアへ渡航するルートで助け出された難民達を追った記録作品を展示している。地中海を横断する難民が社会問題とされていた当時、リビア沖を漂流するゴムボートから118人の難民が救助された。デズフリは救助された全員のポートレイトを撮影し、1人ひとりの名前や出身地を聞いて回り、彼等のその後の人生を丁寧に辿ることで人格を与えたかったという。作品は会場中央の船のような形のスペースで展示され、写真の他に手書きのメモやリビアの紙幣、救命道具も展示されている。今も続く難民問題や、その後の彼等を取りまく環境への理解を考えるきっかけになるドキュメンタリーだ。

ココ・カピタン
「Ookini」

ASPHODEL、大西清右衞門美術館、東福寺仏塔 光明院
With the support of LOEWE FOUNDATION and HEARST Fujingaho

 アーティスト・イン・レジデンスとして2022年10月から約2ヵ月間、京都の出町柳を拠点に滞在制作を行っていたココ・カピタン。タイトルは撮影の協力者に向けられた言葉だ。作品はASPHODEL、大西清右衞門美術館、東福寺仏塔 光明院で展示されている。自身がゴールデンエイジと語る10代の少年少女を撮り続けた写真が展示されている。作品には学生や舞妓等、日常生活に伝統文化が根付いている人々から、偶然、鴨川を歩いている時に出会った若者も登場しており、十六代大西清右衛門の息子、清太郎のドキュメンタリー作品も展示されている。カピタンは「京都という伝統的な街を舞台に、ジェンダーやアイデンティティーがわずかな時間で変わっていくティーンエイジャーの姿に興味を持った」と話す。

ジョアナ・シュマリ
「Alba’hian」「Kyoto-Abidjan」

両足院、出町桝形商店街、DELTA/KYOTOGRAPHIE Permanent Space

 ジョアナ・シュマリもアーティスト・イン・レジデンスで京都での滞在制作を行った。子どもの頃から夜明けに起床し、散歩を続けてきたというシュマリは、朝の太陽の光と自身の心象がオーバーラップすることがあったという。その姿を目に焼き付けて、刺繍を加えていき作品に仕上げるのだという。作品の重要な要素である光について、日本の光はまばゆさと静謐さが同居している独特なものと表現し、今作は「特に自身の精神性が反映されている」と語る。写真作品に対して長時間かけて刺繍を施すという作品は、朝の散歩のようにゆっくりと時間を掛けて鑑賞してみてその美しさを改めて感じられるのかもしれない。出町桝形商店街とDELTA/KYOTOGRAPHIE Permanent Spaceでは、コートジボワールのマーケットと京都の商店街をリンクさせたように作品が展示されていて、両国の“BORDER”を曖昧にする試みがなされている。

山内悠
「自然 JINEN」

誉田屋源兵衛 黒蔵

 9年間で何度も屋久島に通い、1人で1カ月間山ごもりをしながら撮影された、山内悠の作品。単に自然の雄大さを伝えるのではない。雨水をすするような生活から地球との一体感を感じる一方で、得も言えない不安や恐怖という経験を、山内の視点で捉えた作品群が並ぶ。「自分でコントロールができない自然の中では、実家が落ち着くような感覚のように、意識が内側に向いた」と語り、「自然から距離を置き、都会が形成されている理由なのかもしれない」と推測する。1階奥の部屋ではヘッドライトを付けて歩き回った夜の屋久島の写真等、4つの展示スペースが用意されている。いずれも山内の屋久島で経験したことを追体験するような感覚を覚える。

松村和彦
「心の糸」

八竹庵(旧川崎家住宅)

 昨年のKG+SELECTに続き、メインプログラムでの発表となった、京都新聞社の写真記者、松村和彦による「心の糸」。同作は超高齢化社会の日本で、2025年に認知症患者が700万人に上る見込みの中で、自分の身近な人が認知症になる可能性も含めた状況の理解を提示しながら、松村が実際に学んだことを共有することが目的だ。「認知症になったら人生が終わる」という誤った認識を払拭するために展示構成はキュレーターの後藤由美等と作り上げたという。展示会場には、原稿が欠けた新聞や食卓がぼやけていくスライド等、認知症の世界、心情が疑似体験できる空間になっている。また、会場全体を繋ぐ糸は、とこどころ切れてしまったり、結び直されたりすることで認知症を苦しさを表現している一方でタイトルの通り、心ではみんなが繋がっている状況も示唆している。

高木由利子
「PARALLEL WORLD」

二条城 二の丸御殿 台所・御清所

 ファッションデザイナーとしても活動してきた高木由利子は、アジア、アフリカ、南米、中近東に撮影旅行を続けてきた。同展ではファッションと写真という高木がこれまで表現してきた両者を横断するようにパラレルな構成がなされている。1つは伝統的な服の重要性に気付き1998年にスタートした「Threads of Beauty」だ。世界12カ国で撮影された同作は、イランの遊牧民やインド、中国等の民族衣装をまとった人物のポートレイトがまとめられている。もう1つは「ディオール」のために撮り下ろしたという新作の他、「ヨウジヤマモト(YOHJI YAMAMOTO)」「イッセイ ミヤケ(ISSEY MIYAKE)」「ジョン ガリアーノ(JOHN GALLIANO)」等、1980年代から現在までのファッションを牽引してきたブランドやデザイナーのクリエイションを撮影した作品が展示されている。モノクロ写真という自身のルールに則り、モノクロ写真に直接着色したという作品もある。高木が考える服と写真という根源的な疑問を作品から感じ取れるのではないだろうか。

「レジリエンス ── 変化を呼び覚ます女性たちの物語」
世界報道写真展

京都芸術センター

 1955年に発足した「世界報道写真財団(World Press Photo Foundation)」が毎年実施している「世界報道写真コンテスト」の入選作品の中から展示されている同展。今回は2000〜2021年に受賞した、世界各国の女性・少女・コミュニティーにおけるレジリエンス(回復力)と彼女達の再起への挑戦を写した13カ国17人の写真家による作品を展示している。女性の権利やジェンダーの平等は、世界中で今もなお根深い問題とされながらも、日本は大きく遅れをとっている。性差別やジェンダーが原因の暴力等の問題に対峙する作品群から、これらの問題の目に見えづらい不均衡さと現在まで、どのように変化してきたかを知ることで、その深淵を考えるきっかけになるだろう。

パオロ・ウッズ&アルノー・ロベール
「Happy Pills──幸せの薬──」

くろちく万蔵ビル2F

 写真家のパオロ・ウッズとジャーナリストのアルノー・ロベールが、約5年間世界中を旅しながら、人々の幸せと薬(=製薬会社)の関係“幸せの薬”を追求した。その中で、「日常的に救いを求めているのは哲学や宗教よりも化学であり薬だ」とウッズは語る。ペルーの18歳未満の女性の約4人に1人が妊娠を経験している現状から避妊薬が多用されていたり、トルコとシリアの内戦で家族を亡くした人が服用している抗うつ薬等を撮影した作品からは、薬がさまざまな困難や受け入れがたい現実、制約に対しての解決策になっている現実の一端を知ることができる。展示の後半にはウッズ自らが、世界中で薬を買って制作されたポップなメディスンタワーも展示されている。

ロジャー・エーベルハイト
「Escapism」

嶋臺(しまだい)ギャラリー

 スイスのコーヒークリームの容器に付いているアルミの蓋に印刷された写真がインスピレーション源になっている、ロジャー・エーベルハイトの新作シリーズ

 「Escapism」。蓋に印刷されている写真の中から、風景写真を高解像度のカメラを使用しクローズアップして再撮影し印刷を行った作品群は、CMYKの網点のパターンが、鑑賞者の立ち位置によって見え方が変化する。コロナ禍のパンデミックの外出制限時に制作された同作のタイトル「Escapism」は現実逃避という意味を持つ。常時変化する世界の観光名所のイメージは、エーベルハイトなりの“現実逃避”なのかもしれない。

インマ・バレッロ
「Breaking Walls」

伊藤佑 町家跡地

 ニューヨーク在住のスペイン人アーティスト、インマ・バレッロは、京都市内の陶芸家や窯元、学生等の協力で集められた陶磁器の廃材となった破片を金属のメッシュフレームに詰めて巨大な壁「Breaking Walls」を制作した。バレッロは2019年に日本の伝統的な陶磁器の修復技法である金継ぎを京都で学んだ。金継ぎには金属の粉が使われる一方で、スペインの陶磁器は金属のかすがいが用いられる。壊れた陶磁器の破片を用いて完成した作品は、多様性と共存の意義、伝統や文化、コミュニティの重要性を示している。

ボリス・ミハイロフ
「Yesterday’s Sandwich」

藤井大丸ブラックストレージ

 MEP(ヨーロッパ写真美術館)との共同企画で開催される展覧会「Yesterday's Sandwich」。同展では、旧ソビエト、ウクライナ出身のボリス・ミハイロフがアーティストとしてのキャリアをスタートさせた1960年代末から1970年代にかけて制作された作品をスライドショーで展示している。2枚のカラースライドで構成される同作は、旧ソビエト社会主義体制の抑圧された環境の中、タブーとされていたヌード写真と、ソビエトの風景、日常の1コマが重ねて表現されている。

山田学
「生命 宇宙の華」

HOSOO GALLERY
Presented by Ruinart

 山田学はKYOTOGRAPHIEインターナショナルポートフォリオレビューの参加者から選ばれる「Ruinart Japan Award 2022」を受賞。同年秋に渡仏し、収穫期にシャンパーニュ地方のランスで滞在制作を行った。葡萄からできたシャンパーニュを熟成させる現象に生命の循環を感じたことが、同作の誕生につながったという。同展では写真作品とシャンパーニュの泡が弾ける響きやクレイエルで採取したサウンドを交えた映像のインスタレーションも展示している。

高橋恭司
「Void」

ARTRO

 新作はデジタルカメラで撮影した写真で、髙橋が日常的に愛用している「ライカ」M8を使い、自室にいながら見える範囲を切り取ったプライベートな視点で表現している。展覧会に合わせた写真集「Void」(Haden Books)が刊行され、個展会場でのみ通常版(¥5,500)を特別価格の¥5,000で、プリント付き特装版(10種各エディション5)も¥33,000も販売している。

活気が戻りつつある京都で総合的に芸術を楽しむ

 今回から姉妹イベントとして、ミュージックフェスティバル「KYOTOPHONIE」も開催されている。「調和」「多様性」「交流」「探求」をキーワードとし、イベントを通じた繋がりや対話、体験を生み出すことを目的とし、京都市内の寺院や庭園、クラブ等で「KYOTOGRAPHIE 2023」開催期間中の週末に行われている。活気が戻りつつある京都で街歩きができる喜びとともに、写真を中心にした作品鑑賞を楽しみたい。

■KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 2023
日程:5月14日まで
場所:京都市内


元記事を読む

The post 世界のあらゆる“BORDER(境界)”を考える「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 2023」リポート appeared first on WWDJAPAN.

ワークマン営業利益10%減 23年3月期、仕入れコスト上昇で

 ワークマンの2023年3月期業績は、本業のもうけを示す営業利益が前期比10.1%減の241億円だった。既存店売上高は同2.6%増と好調だったものの、「価格据え置き宣言」をしたプライベートブランド(PB)が円安や原料高などによって仕入れコストが上昇した。

 小売業の売上高に相当するチェーン全店売上高は、同8.5%増の1698億円。新商品のキャンプ用品が売れた。期末店舗数は純増37の981店舗。価格据え置きの効果もあって、既存店の客数、1日平均客数、客単価は前年実績を上回った。営業総収入は同10.3%増の1282億円、純利益は同9.0%減の166億円だった。

 今期(24年3月期)はチェーン全店売上高が前期比6.5%増の1809億円、営業総収入が同6.5%増の1365億円、営業利益が同6.7%増の257億円、純利益が同5.4%増の175億円を見込む。

The post ワークマン営業利益10%減 23年3月期、仕入れコスト上昇で appeared first on WWDJAPAN.

「ロコンド」がニャンと猫の家に魔改造できる配達用ダンボール 猫好き社員の片瀬那奈さんがプロデュース

 シューズとウエアの通販サイト「ロコンド」は5月8日から、配達用のダンボールを猫の家に改造できる新サービスをスタートする。ダンボールの切り取り線や折れ線に沿って折り曲げると猫の家に改造できる。商品購入時に通常版(無料)とキャットハウス版(110円)を選択できる。プロデュースしたのは、猫好きで知られ、昨年12月に社員になった元タレントの片瀬那奈さん。サイズは縦25cm、横35cm、高さ25cmで、猫がキャットハウスに入らなかった場合は「ロコンド」サイトなどで使用できるロココイン110円で返金もできる。

 ロコンドは会社の公式キャラクターにも猫の「ロコンニャ」を起用しており、猫好きな会社として知られている。

The post 「ロコンド」がニャンと猫の家に魔改造できる配達用ダンボール 猫好き社員の片瀬那奈さんがプロデュース appeared first on WWDJAPAN.

ワークマンの社外取締役にユーチューバーの「サリーさん」

 ワークマンは8日、ユーチューバーでブロガーの「サリーさん」こと濱屋理沙氏を社外取締役に起用すると発表した。6月29日の株式総会を経て正式に就任する。

 キャンプが趣味のサリーさんは、2018年からワークマンに関する情報をブログやユーチューブで発信してきた。キャンプブログ「ちょっとキャンプに行ってくる。」のほか、ユーチューブのチャンネル登録者は4.3万人いて、ワークマンに関する動画311本の再生回数は1356万回に達する。

 サリーさんの影響力に目をつけた同社は公式アンバサダーの第1号に起用して、溶接工のための燃えにくい作業服を応用したキャンプ用のアウターを共同開発した。同製品は累計販売40万着を超えるヒット商品になった。現在では“サリーパーカー”など自身の名前をつけた商品も出しており、ワークマンファンの間では知られた存在になっている。現在、出店拡大を進める戦略業態「#ワークマン女子」もサリーさんとの取り組みの中で企画された。

The post ワークマンの社外取締役にユーチューバーの「サリーさん」 appeared first on WWDJAPAN.

ロエベ財団が釜師の大西清右衛門家へ活動支援開始 京都で400年以上続く老舗

 ロエベ財団は、ロエベジャパン50周年の取り組みとして、江戸時代から茶の湯釜造りを生業としてきた大西家の継続的活動支援を目的とした資金援助を開始した。同財団は、世界中のクラフトやアートを前進させる活動を行っており、これもその一環。16代目大西清右衛門家に対して6年間の資金援助プログラムを行う。

 これに併せて清右衛門と15歳の息子、清太郎を写したドキュメンタリー映像を製作し、同家が茶の湯釜工芸に寄せる思いを記録し公開した。また、清太郎の姿を写真家のココ・カピタンが撮影し、同財団が協賛するKYOTOGRAPHIE京都国際写真祭2023において5月14日まで展示している。展示はアスフォデル(ASPHODEL)、大西清右衛門美術館、東福寺塔頭光明院でそれぞれ異なる題材で実施している。

The post ロエベ財団が釜師の大西清右衛門家へ活動支援開始 京都で400年以上続く老舗 appeared first on WWDJAPAN.

「グッチ」のフレグランス“ブルーム”の新作は月下美人の魅惑的な香り

 「グッチ(GUCCI)」は6月7日、フレグランスコレクション“グッチ ブルーム”の新作“グッチ ブルーム オードパルファム インテンス(以下、ブルーム インテンス)”を発売する。“グッチ ブルーム”のオードパルファムは、アルベルト・モリヤスが調香を担当。ジャスミンやチュベローズをブレンドした花そのものを感じる香りだ。新作の“ブルーム インテンス”は、オードパルファムのホワイトフローラルの香りをベースに、夜に開花する月下美人をブレンド。オレンジブロッサム アブソリュートのトップノートに続き、月下美人が香り、ラストは、パチョリエッセンスとクリスタルモスアコードがセンシュアルな余韻を残す。

 ブラックのラッカー仕上げのボトルには、宇宙をイメージしたラベルを配し、ボックスには夜のガーデンを描いたトワルドジュイのようなプリントを施している。

 税込価格は、50mLが1万6720円、100mLが2万3320円。

The post 「グッチ」のフレグランス“ブルーム”の新作は月下美人の魅惑的な香り appeared first on WWDJAPAN.

2024年クルーズ・シーズンが開幕 「シャネル」のLAでのショーを皮切りに

 世界各地で発表されるクルーズ・コレクションのショーシーズンが、今年も幕を開ける。まずは、「シャネル(CHANEL)」が5月9日にアメリカ・ロサンゼルスで2024年クルーズ・コレクションのショーを開催。16日には「グッチ(GUCCI)」が韓国・ソウルにある景福宮で、デザインチームによる新作を披露する。サバト・デ・サルノ(Sabato De Sarno)新クリエイティブ・ディレクターのデビューは、9月のミラノ・ファッション・ウイークになる。

 4月末にソウルで23年プレ・フォールのショーを行ったばかりの「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」は、5月24日にイタリア北部のマッジョーレ湖に浮かぶ小さな島イソラ・ベッラで、24年クルーズ・コレクションを発表予定。さらに、26日には「アルベルタ フェレッティ(ALBERTA FERRETTI)がリゾート地として知られるイタリア中部のリミニで、6月11日には「マックスマーラ(MAX MARA)」がスウェーデン・ストックホルムでショーを開く。なお、クルーズショーの常連である「ディオール(DIOR)」は、開催の有無や詳細をまだ明らかにしていない。

 有観客のクルーズショーは、昨年から本格的に再開。近年は、世界各地でプレ・フォールのショーを開いたり、メイン・コレクションのショーの再演などを行ったりするラグジュアリーブランドが増えており、世界中からセレブリティーやインフルエンサー、VIP顧客、メディアの編集長らを迎えて行うイベント合戦は加熱している。

The post 2024年クルーズ・シーズンが開幕 「シャネル」のLAでのショーを皮切りに appeared first on WWDJAPAN.

2024年クルーズ・シーズンが開幕 「シャネル」のLAでのショーを皮切りに

 世界各地で発表されるクルーズ・コレクションのショーシーズンが、今年も幕を開ける。まずは、「シャネル(CHANEL)」が5月9日にアメリカ・ロサンゼルスで2024年クルーズ・コレクションのショーを開催。16日には「グッチ(GUCCI)」が韓国・ソウルにある景福宮で、デザインチームによる新作を披露する。サバト・デ・サルノ(Sabato De Sarno)新クリエイティブ・ディレクターのデビューは、9月のミラノ・ファッション・ウイークになる。

 4月末にソウルで23年プレ・フォールのショーを行ったばかりの「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」は、5月24日にイタリア北部のマッジョーレ湖に浮かぶ小さな島イソラ・ベッラで、24年クルーズ・コレクションを発表予定。さらに、26日には「アルベルタ フェレッティ(ALBERTA FERRETTI)がリゾート地として知られるイタリア中部のリミニで、6月11日には「マックスマーラ(MAX MARA)」がスウェーデン・ストックホルムでショーを開く。なお、クルーズショーの常連である「ディオール(DIOR)」は、開催の有無や詳細をまだ明らかにしていない。

 有観客のクルーズショーは、昨年から本格的に再開。近年は、世界各地でプレ・フォールのショーを開いたり、メイン・コレクションのショーの再演などを行ったりするラグジュアリーブランドが増えており、世界中からセレブリティーやインフルエンサー、VIP顧客、メディアの編集長らを迎えて行うイベント合戦は加熱している。

The post 2024年クルーズ・シーズンが開幕 「シャネル」のLAでのショーを皮切りに appeared first on WWDJAPAN.

“植物タンニンなめし”の持続可能性を科学的に証明 無料セミナーをイタリア文化会館で開催

 イタリア植物タンニンなめし革協会は5月18日(木)16時から、セミナー「WELCOME TO 2050 君たちを待っていたよ. 1282年から」をイタリア文化会館で開催する。事前予約制で、入場無料。同時通訳付きで、定員は300人だ。

 セミナーでは、全て天然原料の植物タンニンなめしが「持続可能である」ことを科学的に証明する。エビデンスに用いられるのは、繊維・なめし革分野の特殊分析に特化した検査機関“Ars Tinctoria”を設立し、企業のエコロジー・プロセスの研究なども行う科学者、グスターヴォ・アドリアン・デフェオ(Gustavo Adrián Defeo)博士と、フィレンツェの国立光学研究所の2年間にわたるプロジェクト“Bio-based by nature”の研究結果だ。

 両者が共同開発した“SCAR分析装置”により、革や繊維、プラスチック、化学製品など、さまざまな素材に含まれるバイオマス由来の炭素含有量の測定に成功。考古学的発掘物の年代測定と同様の分析方法で、物質中の放射性炭素を測ることで、植物タンニンなめしの持続可能性をデータから読み解く。

 当日は、デフェオ博士本人が講師として登壇。セミナー後には、プレス発表会やカクテルパーティーなども予定する。

 イタリア植物タンニンなめし革協会は、13世紀から続くトスカーナの伝統的な植物タンニンなめし革の保存と普及のために1994年に設立。現在は、高品質でニッチな製品を作りながら、卓越した技術や伝統を継承する19社のアルチザンタンナーで構成されている。また「トスカーナ産植物タンニンなめし革」は、同協会の製造規則に準拠し、トスカーナの職人たちが主に手作業で生産した革の品質を保証するための商標でもある。

問い合わせ先
イタリア大使館 貿易促進部
03-3475-1401

The post “植物タンニンなめし”の持続可能性を科学的に証明 無料セミナーをイタリア文化会館で開催 appeared first on WWDJAPAN.

“植物タンニンなめし”の持続可能性を科学的に証明 無料セミナーをイタリア文化会館で開催

 イタリア植物タンニンなめし革協会は5月18日(木)16時から、セミナー「WELCOME TO 2050 君たちを待っていたよ. 1282年から」をイタリア文化会館で開催する。事前予約制で、入場無料。同時通訳付きで、定員は300人だ。

 セミナーでは、全て天然原料の植物タンニンなめしが「持続可能である」ことを科学的に証明する。エビデンスに用いられるのは、繊維・なめし革分野の特殊分析に特化した検査機関“Ars Tinctoria”を設立し、企業のエコロジー・プロセスの研究なども行う科学者、グスターヴォ・アドリアン・デフェオ(Gustavo Adrián Defeo)博士と、フィレンツェの国立光学研究所の2年間にわたるプロジェクト“Bio-based by nature”の研究結果だ。

 両者が共同開発した“SCAR分析装置”により、革や繊維、プラスチック、化学製品など、さまざまな素材に含まれるバイオマス由来の炭素含有量の測定に成功。考古学的発掘物の年代測定と同様の分析方法で、物質中の放射性炭素を測ることで、植物タンニンなめしの持続可能性をデータから読み解く。

 当日は、デフェオ博士本人が講師として登壇。セミナー後には、プレス発表会やカクテルパーティーなども予定する。

 イタリア植物タンニンなめし革協会は、13世紀から続くトスカーナの伝統的な植物タンニンなめし革の保存と普及のために1994年に設立。現在は、高品質でニッチな製品を作りながら、卓越した技術や伝統を継承する19社のアルチザンタンナーで構成されている。また「トスカーナ産植物タンニンなめし革」は、同協会の製造規則に準拠し、トスカーナの職人たちが主に手作業で生産した革の品質を保証するための商標でもある。

問い合わせ先
イタリア大使館 貿易促進部
03-3475-1401

The post “植物タンニンなめし”の持続可能性を科学的に証明 無料セミナーをイタリア文化会館で開催 appeared first on WWDJAPAN.

「ユニクロ」“ラウンドミニショルダーバッグ”が大バズり 英国のTikTok投稿がきっかけ

 「ユニクロ(UNIQLO)」の“ラウンドミニショルダーバッグ”(税込1500円)が売れている。最初に火がついたのは海外から。英バース在住の @caitlinphillimore が約1年前にアップしたバッグの大容量ぶりを紹介するTikTok投稿がバズり、それ以降売れ続け、「EU圏で非常に好調。特に英国が売れているが、同じくらい独、伊、オランダでも売れている。日本でもバッグカテゴリーの中で1位」(広報担当者)という。ファッションEC検索サイト「リスト(Lyst)」による、「2023年1〜3月に最も検索されたプロダクト」1位にも選ばれた。

 「リスト」の発表資料によると、同バッグは「20米ドル(約2680円)以下で売られており、われわれのランキングに登場したアイテムで史上最安値」。確かに、同バッグに続く2位は「リック・オウエンス(RICK OWENS)」のサングラス、3位は「スキムス(SKIMS)」のボディースーツといった具合だ。

 好調な売れ行きを、英一般紙の「ガーディアン(The Guardian)」やファッションビジネスメディア「ビジネス オブ ファッション(Business of Fashion以下、BoF)」なども記事にしている。「通常、“イットバッグ”は『ディオール(DIOR)』『プラダ(PRADA)』『グッチ(GUCCI)』といった一流のラグジュアリーブランドから生まれるが、今シーズンは違う」と「BoF」の記事。

The post 「ユニクロ」“ラウンドミニショルダーバッグ”が大バズり 英国のTikTok投稿がきっかけ appeared first on WWDJAPAN.

「コールマン」がアーティストとの新プロジェクト 第1弾はジュン・イノウエ

 「コールマン(COLEMAN)」は、アウトドアとアートを融合する新プロジェクト“コールマン アート プロジェクト(COLEMAN ART PROJECT)”を始動した。“アートを外へ持ち出そう!”をコンセプトに、作家の作品をグラフィックなどに採用したキャンプギアを販売する。中里豊コールマン ジャパン社長は「キャンプは1970年代から日本でも浸透し、当初は家族で楽しむのが一般的だった。しかし今、コロナを経て、若い友人同士やソロキャンプなど、スタイルやニーズが多様化している。一方でキャンプギアは、アースカラーをベースとした画一的なデザインばかり。もっといろんなデザインがあっていいのでは」とプロジェクトの意義を語る。

 同プロジェクトでは年に一度、1組のアーティストを起用する。第1弾は、現代アーティストのジュン・イノウエ(JUN INOUE)を起用した。“多様性”を表現したブラックベースのアートワークと、“色の力”をキーワードにしたカラフルなアートワークの2種類をアイテムに落とし込んだ。コンパクトテント(3万9600円税込、以下同)やシェルター(11万2200円)、シェード(1万9800円)といったキャンプギアのほか、クーラーボックス(8万9980円)、折りたたみ可能なチェア(9790円)やテーブル(2万6950円)、ピクニックマット(6050円)、ワゴン(1万9580円)と幅広いレジャーに使える全8アイテムをそろえる。イノウエは「これまでも複数の企業とコラボしてきたが、『コールマン』はユーザー数が段違い。自分のアートがより多くの人の手に渡ると思うと、今からワクワクする」とコメントした。

The post 「コールマン」がアーティストとの新プロジェクト 第1弾はジュン・イノウエ appeared first on WWDJAPAN.

フランス発ジュエリー「メシカ」の創業者に聞く“ダイヤモンドの解放”

 フランス発ジュエリー「メシカ(MESSIKA)」のヴァレリー・メシカ(Valerie Messika)創業者兼アーティスティックディレクターが来日した。同ブランドは、2005年に設立。日本には2020年に上陸した。ケイト・モス(Kate Moss)やジジ・ハディド(Gigi Hadid)とのコラボレーションなどでも知られるジュエリーブランドだ。約3年ぶりに来日したメシカに、クリエイションなどについて聞いた。

WWD:今回の来日の目的は?

ヴァレリー・メシカ「メシカ」創業者兼アーティスティック・ディレクター(以下、メシカ):イベントで顧客やメディアに会いにきた。日本で会社を設立したのが約3年前。コロナ禍で大変だったが、ブランドの認知度アップを図ってくれたチームのサポートも目的だ。販売員のトレーニングも行う。また、ブティックにふさわしい場所の視察も兼ねている。私は日本の文化が大好きで、家族で京都や富士山にも行くことを大変うれしく思う。

WWD:自身のブランドを立ち上げたきっかけは?

メシカ:父親がダイヤモンド商だったので、小さな頃からダイヤモンドに囲まれて育った。ダイヤモンドで遊んだり、とても身近なものだった。私が25歳になったときに感じたことは、ダイヤモンドの世界では伝統が重んじられるという点。若い女性がつけられるようなダイヤモンドのジュエリーがなかった。だから、ダイヤモンドに自由を与えてモダンでエッジのきいたジュエリーを作ろうと思った。

WWD:ブランドのフィロソフィーは?

メシカ:ダイヤモンドを解放すること。ダイヤモンドが輝きを増すようなセッティングを施したり、クールで心地良いファッションのようにエネルギッシュなものにしているという点。若い世代がつけられるジュエリーを提供している。ダイヤモンドは男性から贈られるものではなく、女性が自分で買えるものというメッセージをこめている。ダイヤモンドとは夫婦の間だけのものでなく、バッグやシューズのように手に取ってもらいたい。ダイヤモンドを通して女性が美しくパワフルになるのを願っている。

WWD:ダイヤモンドに特化したブランドにした理由は?

メシカ:ダイヤモンド商の父が、ブランド立ち上げのときに、「他のマネをせずに自分のスタイルにこだわるべきだ」と助言をしてくれた。家族みんながダイヤモンドに携わっているので、ある意味、われわれはダイヤモンドの専門家。弟は原石の調達を行っており、鉱山から消費者まで一貫して独自性を持ってダイヤモンドを提供できる。それが強みだと思っている。同じ石に毎回向き合うのは難しいこともあるが、ダイヤモンドはタイムレスで流行に左右されない貴石だ。

WWD:クリエイションのインスピレーション源は?

メシカ:ダイヤモンドからインスパイアされる。実際触れているので、どうすれば美しく引き立てることができるかと考える。だから、ダイヤモンドにオマージュを寄せたクリエイションもある。また、女性もインスピレーション源の一つ。母や祖母、娘などの家族から女優や歌手などさまざまな女性から影響される。ファッションも大きなインスピレーション源だ。パリは、イヴ・サンローラン(Yves Saint Laurent)やアズディン・アライア(Azzedine Alaia)、カール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)などによるクチュールの都だから。アートや建築、旅などから着想を得ることもある。

WWD:クリエイションの過程で最も苦労する点と楽しい点は?

メシカ:苦労するのは、アイデアを現実のものにするということ。夢を実現するにはステップ=技術が必要。技術を通してアイデアがポジティブなものに変わることもあり、それは楽しみでもある。とてもチャレンジングだ。楽しいのは、チームでそれぞれのクリエイティビティーを発揮して刺激し合うという点。そうすることで、皆ハッピーに感じていると思う。

WWD:現在何カ国で販売しているか?トップ3の市場は?

メシカ:75カ国で販売している。トップの市場はフランス、2位が中東、3位が中国とアメリカ。

WWD:日本市場における戦略は?

メシカ:「メシカ」らしくあること。「メシカ」のような洗練された製品を手に取りやすい価格で提供するブランドはない。日本の文化を尊重しつつ、「メシカ」が持っているロックンロールな部分をアピールしていく。

WWD:今後、ジュエリーの制作においてチャレンジしたい点は?

メシカ:人々を驚かせ続けたいと思っているので、一般的ではない提案をしたい。前回のランウェイショーでも発表したが、口や鼻など思いがけない体の部分をクールかつモダンに見せるジュエリーを作りたい。

WWD:ラボグロウンやモアサナイトの存在についてどのように考えるか?

メシカ:私は天然ダイヤモンドに囲まれて育ったので、何百万年もかけて地球が作り出した天然ダイヤモンドの魔法を実感している。ラボで人工的に作られたものに対してアンチとは言わないが、私のDNAやストーリーにはないものだ。天然ダイヤモンドと人工は本物の絵画とリトグラフのようなものだと思う。

The post フランス発ジュエリー「メシカ」の創業者に聞く“ダイヤモンドの解放” appeared first on WWDJAPAN.

業界人も通う横浜・白楽「ツイードブックス」 新刊書店にない、古本の面白さ

 大型連休には、普段行かない東京近郊のローカルショップに行ってみるのも面白い。横浜・白楽に店を構える「ツイードブックス(Tweed Books)」は、哲学、文学、民藝から写真、アートまで、さまざまなジャンルが並ぶ古本屋だ。店主がファッション好きなことから、ファッションフォトグラファーの作品集やメゾンブランドのカタログ、ニッチな雑誌のバックナンバーも扱い、業界人やクリエイターの客も多い。同店を営む細川克己さんは、日本でも指折りの売り上げを誇る新刊書店を経て、2014年にこの店を開いた。デジタル全盛の今、真逆の存在とも言える古本屋を営む理由とは。最後におすすめの雑誌・書籍も選んでもらった。

WWD:古本屋を始めた理由は?

細川:もともと出版社に勤務したのですが、人間関係で悩み、自分で店をスタートさせました。最初にアルバイトで入った新宿の新刊書店は、1日300万円くらい売り上げる人気店。一方今は年に1回はマズイ時期があるくらいギリギリです(笑)。でも、それも含めて面白い商いです。

WWD:新刊書店にない古本屋の面白さは?

細川:お客さんが店を作ることでしょうか。古本屋って、最初は店主の知識がそのまま品ぞろえに反映される。でも、もちろんそれだけじゃ売れないから、お客さんの反応を見てラインアップを変えていくんです。例えばウチの服飾はメンズのドレス系が多かったけど、今は2000年代以降のモード関連を積極的に置いているし、園芸や料理には全く興味がなかったのに、お客さんがよく読むから今では入り口にコーナーを設けています。自分の知識も広がって、一緒に成長する感覚です。ただ、売りだけを意識しては、自分で店をやる意味がない。面白いと思うものをブラさず、いかにアップデートしていくかが大事ですね。

WWD:細川さんの“譲れないもの”とは?

細川:分かりにくさから逃げないことかな。キャッチーな要素は大事だけど、自分で掘り下げたり、対峙したりするからこそ、忘れられない体験になることも多い。この店で言えば、動線に合わせて目を引く本を置きつつ、その横に少しだけ関連する本を並べたり、真逆のことを言っている本を持ってきたり。そういう面白味があると、もう一回訪れたいと思ってくれるかなと。あと、古本屋は新刊書店と異なり、同じタイトルの在庫を持たないから、1冊売れると並びが常に変わる。購入いただいたら、店全体のレイアウトを見直します。

WWD:新刊と古本では、店舗の運営も全く異なる?

細川:全然違います。まず、店を構えるために古物商の許可を取得する必要があります。宝石や車、服など、古物商にもいくつも種類があり、古本屋は書籍に該当します。ほかに大きく異なるのは仕入れで、主にはお客さんの持ち込みと交換会があります。

WWD:交換会とは?

細川:古書組合に所属する人だけが出入りできる古本の市場。全国47都道府県に組合が存在し、それぞれの交換会があります。神奈川は、ここからほど近い反町で行われます。東京は神保町です。神保町に古本屋が多い一つの理由ですね。

WWD:交換会に出回る古本はどこからやってくる?

細川:これが面白くて、同じ古本屋なんです。例えば、ウチにアイドル写真集の買い取りがあった場合、売れないからと断ることもできるけど、交換会に出せば欲しい人がいるかもしれないので、買い取りをします。その後、交換会に出すと、やはりアイドルやポップカルチャーに強いお店が競ってくれるんです。逆にそういった店に「ラフ・シモンズ(RAF SIMONS)」とか「アレキサンダー・マックイーン(ALEXANDER MCQUEEN)」とか、「メゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)」写真集なんかの買い取りが入ると、交換会に出回って、僕らがそれを競り落とす。古本屋同士が商品をやりとりするから“交換会”なんです。

WWD:この店には何冊の本がある?

細川:1万5000冊くらいでしょうか。普通の古本屋は3万冊くらいだから少ない部類です。でも、動線を意識したレイアウトを崩したくなくて、量を厳選しています。本が高く積まれた店って、宝探し感覚もあるけど、入りづらい人も多いですからね。

WWD:大型ネット販売に対して思うことは?

細川:利便性では絶対に敵いません。欲しいものが決まっている人にとっては、ネットの方が都合がいい。でも、デジタルにはない好奇心の広がりを提案できるのが、店舗の価値だと思います。読みたい本が決まってなくても、「本を読みたい」と漠然と思っている人は意外と多い。そういう人の琴線に触れる1冊を提案できればうれしいです。

WWD:最後に、細川店主が古本を読む理由とは?

細川:自分の知らないことを知って、ぶっ飛ばされたいから。未知との出会いは、自分自身を変容させるくらいの刺激になる。人との出会いも、芸術に触れるのも、全部理由は同じだけど、本が一番手っ取り早いと思うんです。もちろん失敗することもあるけど、買ってよかったと思う本もたくさんある。100円で買った本に人生を変えられるのって、最高じゃないですか?

おすすめのファッション書籍・雑誌

■Tweed Books
住所:神奈川県横浜市港北区篠原台町4-6 サージュ白楽 107
営業時間:11:00〜19:00
定休日:月曜

The post 業界人も通う横浜・白楽「ツイードブックス」 新刊書店にない、古本の面白さ appeared first on WWDJAPAN.

フレディ・マーキュリーの衣装やアートコレクションがオークションに 世界4都市で展覧会も開催

 競売会社「サザビーズ(SOTHEBY'S)」は8月31日~9月13日、世界的なロックバンド、クイーン(Queen)のフロントマンだったフレディ・マーキュリー(Freddie Mercury)の衣装や直筆の歌詞、生前に収集していた美術品などのオークションを行う。

 伝説的なボーカリストであると同時に、美術品のコレクターとしても知られていたフレディの自宅には多数のアンティークが飾られており、家に招かれた友人たちはそれを鑑賞するのも楽しみの1つだったという。今回は衣服や美術品、日用品など約1500点がオークションにかけられるが、フレディが1991年11月に45歳で死去して以来、これらの品々が公開されるのは初となる。

 また、同社はオークションに先駆け、展覧会“フレディ・マーキュリー:ア・ワールド・オブ・ヒズ・オウン(Freddie Mercury: A World of His Own)”をニューヨーク(6月1~8日)、ロサンゼルス(6月14~18日)、香港(6月26~30日)、ロンドン(8月4日~9月5日)で開催する。フレディが収集した絵画や美術品に加えて、フレディ自身がライブなどで着用していた王冠と赤いローブや、クイーンの代表曲の1つである「伝説のチャンピオン(We Are The Champions)」や「キラー・クイーン(Killer Queen)」の直筆の歌詞なども展示されるという。

The post フレディ・マーキュリーの衣装やアートコレクションがオークションに 世界4都市で展覧会も開催 appeared first on WWDJAPAN.

セルフプレジャーブランド「アイブ」がデビュー 「自分を受け入れる行為を広めたい」と開発

 ポジティブな“性の自由”を提案する商品を扱うanyteeは4月25日、セルフプレジャーブランド「アイブ(AIB)」を立ち上げた。YUKIE・ anytee社長が自身の経験を通じ、現代女性が抱える悩みと向き合う中で生まれた。ブランド誕生の経緯などをYUKIE社長に聞いた。

WWD:ブランドを立ち上げた経緯は?

YUKIE・ anytee社長(以下、YUKIE):自分自身、子育てをしているとつい自分のことを後回しにしてしまう。ライフステージの変化によって関わる人も、抱える悩みも変化して、大人になるにつれ心から相談できる相手が減ることもある。周囲との交流が減る中で悩みを打ち明けられず、つい“自分が悪いんだ”と感じてしまう人も多い時代だからこそ、自分を受け入れる行為としてセルフプレジャーを広めていきたいし、声を挙げて行きたいと感じるようになった。

WWD: 商品開発のためリサーチを進める中で、海外のフェムテック市場では多くの発見があった。

YUKIE:ナプキンの裏側についたQRコードを読み込むことで健康状態が分かるという技術や、バイブレーションの色や形、大きさを自分でカスタマイズするサービスもある。自分の体のことに対して、すごくポジティブな印象を受けた。“自分を愛することで周りの人も大切にできる”ーーそのような感覚が浸透しているのだと思う。そしてセルフプレジャーグッズは比較的手軽に買いやすい環境が作られており“隠れて買うものではないんだ”と実感できた。お客さまも店員も真剣に話しながら商品選びをしていて、自分もフェムテックと向き合いたいと強く感じた。

WWD:「アイブ」の第1弾プロダクトは、セルフプレジャーアイテム“チュリパ”(税込1万5400円)だ。

YUKIE:商品名の由来であるチューリップの花言葉は“思いやり”“博愛”。自己肯定感が低いと言われる日本人女性が自分を愛し、自分の体に対してポジティブに向き合えるよう名付けた。セルフプレジャーを和訳すると、“自慰行為”。自分を慰めると書くので、なんだかかわいそうなことをしているように感じてしまう人も多い。それよりも“自分を愛する行為”であることを伝えたい。

WWD:セルフプレジャーに抵抗がある日本人女性のために、“チュリパ”はシンプルな操作性とスタイリッシュなデザインにこだわった。

YUKIE:制作会社と情報交換をした中で、国によって好まれる商品傾向が違うことが分かった。人それぞれ好みは異なると思いますが、アメリカだとパワーの強さ、韓国だとデザインの細かなディテールにこだわる人が多い傾向があるとのこと。日本はまだ抵抗を感じている女性が多いからか、ぱっと見では“セルフプレジャーグッズ”だと分からないようなビジュアルのものが好まれる。“チュリパ”はスタイリッシュなデザインにこだわり、収納用に巾着をつけた。外箱もセルフプレジャーグッズだと分かりにくいデザインにこだわり、購入する人の心理的ハードルをなるべく下げるよう意識した。さらに初めてセルフプレジャーグッズを使う人への不安をなくすために音が静かで、バイブレーションの強度を自分好みに調整できるようにした。ボタンひとつでスイッチのオンオフ、強度調整までできるシンプルさも、ビギナーには向いているはず。このまま洗えるため使用後のお手入れのしやすさにもこだわった。

WWD: 第2弾プロダクトとして、人には言いにくいデリケートゾーンの悩みにアプローチする“ラブミークリーム”(同4800円)も販売した。

YUKIE:デリケートゾーンもきちんとケアをしなければ、乾燥や黒ずみ、たるみが起きてきてしまう。たっぷりの美容成分を配合し、みずみずしいジェルのようなテクスチャーで伸びやすい。汗のにおいと混じっても不快感がなく使えるフランキンセンスの香りは、フレグランス感覚で使いたくなると好評だ。

WWD:フェムテックに関するさまざまな情報を知る中で、日本の性教育についても疑問を感じている。

YUKIE:時代は変わりつつあるのに、実際はまだ世間一般的な常識が変わっていない部分が多くあると感じる。コンドームを使用するかどうかも、男性に主導権が握られていると感じる人がいまだにいる。しかし望まない妊娠をして体に負担がかかるのは女性だから、女性がもっと主体的に自分の体のことを知り、主張していける性教育が必要だ。

WWD:日本の性教育は非常に遅れていると言われている一方、デジタルネイティブ世代にとってはアダルトサイトは身近な存在だ。

YUKIE:歪んだ情報を見て、性に関する恐怖を感じる子どももいるはず。また、意外と親世代が性に対する話題に対して過剰にセンシティブになり、その影響で子どもにとっては性の話題がタブーであるように感じてしまうこともあるかもしれない。

WWD:母ならではの目線で、現代における性教育のあり方について考える。

 そういった日本と海外の性に関する感覚の“ズレ”を感じ、今後はより女性が自分自身の体を知り、向き合い、愛することができるよう商品開発と情報発信を続けたいと語る。さらに現在は“チュリパ”と一緒に使えるローションを開発している。肌フローラを整えるラ・フローラEC-12を配合し、健康な肌状態をキープできる。セルフプレジャーグッズとセルフケア商品を扱っているブランドは意外と少ないため、安心、安全して使えるものを提案していきたい。

 「アイブ」の第1一弾プロダクトとして登場するのは、セルフプレジャーアイテム“チュリパ”(税込1万5400円)だ。商品名の由来であるチューリップの花言葉は“思いやり”“博愛”。自己肯定感が低いと言われる日本人女性が自分を愛し、自分の体に対してポジティブに向き合えるよう名付けた。YUKIE社長は「セルフプレジャーを和訳すると、“自慰行為”。自分を慰めると書くので、なんだかかわいそうなことをしているように感じてしまう人も多い。それよりも“自分を愛する行為”であることを伝えていきたい」と言う。第2弾プロダクトとして、人には言いにくいデリケートゾーンの悩みにアプローチする“ラブミークリーム”(同4800円)も販売する。「デリケートゾーンもきちんとケアをしなければ、乾燥や黒ずみ、たるみが起きてきてしまう。たっぷりの美容成分を配合し、みずみずしいジェルのようなテクスチャーで伸びやすい。汗のにおいと混じっても不快感がなく使えるフランキンセンスの香りは、フレグランス感覚で使いたくなると好評だ」。

 セルフプレジャーに抵抗がある日本人女性のために、“チュリパ”はシンプルな操作性とスタイリッシュなデザインにこだわった。「制作会社と情報交換をした中で、国によって好まれる商品傾向が違うことが分かった。人それぞれ好みは異なると思いますが、アメリカだとパワーの強さ、韓国だとデザインの細かなディテールにこだわる人が多い傾向があるとのこと。日本はまだ抵抗を感じている女性が多いからか、ぱっと見では“セルフプレジャーグッズ”だと分からないようなビジュアルのものが好まれる。“チュリパ”はスタイリッシュなデザインにこだわり、収納用に巾着をつけた。外箱もセルフプレジャーグッズだと分かりにくいデザインにこだわり、購入する人の心理的ハードルをなるべく下げるよう意識した」。さらに初めてセルフプレジャーグッズを使う人への不安をなくすために「音が静かで、バイブレーションの強度を自分好みに調整できるようにした。ボタンひとつでスイッチのオンオフ、強度調整までできるシンプルさも、ビギナーの方には向いているはず。このまま洗えるため使用後のお手入れもしやすい」と工夫を凝らした。

 そんなYUKIE社長がブランドをローンチしようと思った背景について尋ねると、「自分自身、子育てをしているとつい自分のことを後回しにしてしまう。ライフステージの変化によって関わる人も、抱える悩みも変化して、大人になるにつれ心から相談できる相手が減ることもある。周囲との交流が減る中で悩みを打ち明けられず、つい“自分が悪いんだ”と感じてしまう人も多い時代だからこそ、自分を受け入れる行為としてセルフプレジャーを広めていきたいし、声を挙げて行きたいと感じるようになった」と答える。

 商品開発のためさまざまなリサーチを進める中で、海外のフェムテック市場では多くの発見があった。「ナプキンの裏側についたQRコードを読み込むことで健康状態がわかるという技術や、バイブレーションの色や形、大きさを自分でカスタマイズするサービスもある。自分の体のことに対して、すごくポジティブな印象を受けた。“自分を愛することで周りの人も大切にできる”ーーそのような感覚が浸透しているのだと思う。そしてセルフプレジャーグッズは比較的手軽に買いやすい環境が作られており“隠れて買うものではないんだ”と実感できた。お客さまも店員も真剣に話しながら商品選びをしていて、自分もフェムテックと向き合いたいと強く感じた」。

 フェムテックに関するさまざまな情報を知る中で、日本の性教育についても疑問を感じるように。「時代は変わりつつあるのに、実際はまだ世間一般的な常識が変わっていない部分が多くあると感じる。コンドームを使用するかどうかも、男性に主導権が握られていると感じる人がいまだにいる。しかし望まない妊娠をして体に負担がかかるのは女性だから、女性がもっと主体的に自分の体のことを知り、主張していける性教育が必要」と指摘する。日本の性教育は非常に遅れていると言われている一方、デジタルネイティブ世代にとってはアダルトサイトは身近な存在だ。「歪んだ情報を見て、性に関する恐怖を感じる子供もいるはず。また、意外と親世代が性に対する話題に対して過剰にセンシティブになり、その影響で子供にとっては性の話題がタブーであるように感じてしまうこともあるかもしれない」。母ならではの目線で、現代における性教育のあり方について考える。

 そういった日本と海外の性に関する感覚の“ズレ”を感じ、今後はより女性が自分自身の体を知り、向き合い、愛することができるよう商品開発と情報発信を続けたいと語る。さらに現在は“チュリパ”と一緒に使えるローションを開発している。肌フローラを整えるラ・フローラEC-12を配合し、健康な肌状態をキープできる。セルフプレジャーグッズとセルフケア商品を扱っているブランドは意外と少ないため、安心、安全して使えるものを提案していきたい」。

The post セルフプレジャーブランド「アイブ」がデビュー 「自分を受け入れる行為を広めたい」と開発 appeared first on WWDJAPAN.

原英莉花プロに何を着せるか ゴルフウエアメーカーの選手担当の仕事

 国内の女子プロゴルフツアーは賞金総額で男子を上回る人気ぶりだ。芝の上で激しい戦いを繰り広げているのは、選手だけでない。国内ツアーは市場規模1059億円(2022年見通し、矢野経済研究所調べ)と言われるゴルフウエアの覇権をめぐる舞台でもある。選手が試合で着るのは、そのシーズンの店頭と連動した強化品番。選手の活躍やSNSなどでの拡散が売り上げに結びつき、長期的なブランディングにもつながる。

 ヤクルトの三冠王・村上宗隆選手との熱愛報道でも話題の原英莉花プロは、ゴルフ界の“オシャレ番長”の異名を持つ。

 そのファッションが改めて注目されたのが昨年11月、大王製紙エリエールレディス(愛媛県・エリエールGC松山)だった。彼女の出で立ちは、豹柄のパンツとキャップ。女子プロが試合で着るウエアとしては異例だ。ブランドは、ゴルフウエア最大手TSIホールディングスの「パーリーゲイツ」である。特にちょこんと二つの耳がついたキャップはインパクト大で、スポーツ紙(ウェブ版)には「レオパード柄のパンツ、キャップ姿で視線くぎ付け」(日刊スポーツ)、「全身ヒョウ柄ウエアで攻める」(スポーツ報知)の見出しで報じられ、SNSで拡散された。

 「キャップは店頭ですぐに売れ切れました。ダメモトで『被ってくれたらいいな』と思って提案したのですが、原さんらしく最高にかっこよく着こなしてくれました」。原プロを担当するTSIの奥山ゆかりさんは振り返る。ちなみに豹柄と報道されたウエアは、正確には干支にちなんでデザインした寅柄だという。

 国内ツアーは3月から11月の週後半に全国各地を転戦する。TSIで選手担当の奥山さんは、原プロが宿泊するホテルに試合用のゴルフウエアを月曜着で送る。「たとえば2試合分であれば、10コーデ分くらい届けます。練習日に着るか、試合日に着るかの選択は本人次第。ただ、試合の時に着てほしいコーデはプッシュします。ゲン担ぎも大切です。原プロは紺と白、上田桃子プロは赤が今年の勝負カラー。ふだんから本人とLINEで画像を交えながらやりとりし、リクエストに応えます」――。

選手が着用するウエアは店頭のVMDと連動

 TSIは「パーリーゲイツ」「ジャックバニー」「ニューバランスゴルフ」「セントアンドリュース」「ピン」といったブランドを展開するゴルフウエア最大手だ。主力ブランド「パーリーゲイツ」の23年2月期の売上高は170億円(「マックスバニー」を含む)で、10年間で3倍に成長しており、TSIでも最大の稼ぎ頭でもある。同社の契約選手は男女合わせて45人前後。女子では「パーリーゲイツ」の上田桃子プロ、原英莉花プロ、「ニューバランスゴルフ」の稲見萌寧プロといった人気選手を擁する。

 有望な選手に対してはアマチュア時代からブランド間で熾烈な獲得競争が繰り広げられる。TSIは2012年から小学校および中学・高校生を対象にしたゴルフ大会「ジャックバニー・ジュニアゴルフツアー」を開催してきた。ここでの優勝者および上位入賞者にモニターとしてウエアを提供し、プロ入り後に本契約することも少なくない。原プロとの縁もこの大会から始まった。

 TSIの選手渉外の責任者であるスポーツマーケティングセレクション長の池田雅人さんは「ブランドの契約は運とタイミングも左右されます。新人の場合、将来、活躍できるかは誰にも分かりません。賭けでもあります。それにゴルフがうまいだけでなく、ブランドとの親和性を見極めることも大切です」と話す。

 ブランドにとって契約選手は広告塔であり、マーケティング戦略上も重要なポジションを占める。「ニューバランスゴルフ」担当の新戸沙矢香さんは、売れ行きについての正確な相関関係のデータはないと断りながらも「選手が優勝すれば(メディアを通じた)露出効果でブランドの認知は確実に高まる」という。

 「ニューバランスゴルフ」が契約する稲見萌寧プロは、21年の東京五輪で銀メダルを獲得して、ふだんゴルフを見ない人たちにも知られるようになった。その後、国内女子ツアーでも優勝を重ねて、同年の賞金女王に輝いた。彼女のメディア露出の急増も追い風になって、21年2月期に27億円だった「ニューバランスゴルフ」の売上高は23年2月期には44億円まで拡大した。

 「パーリーゲイツ」でも「ニューバランスゴルフ」でも選手が着用するウエアは、店頭の強化品番と連動する。「ジャックバニー」を担当する大柄富美子さんは「その新作が店頭に並ぶのと同じタイミングで服を渡します」と説明する。優勝時に着ていた服はブランドのSNSで拡散するとともに、店頭の陳列でも目立つところに置かれる。ウィメンズとメンズのデザインは連動しているため、女子プロが着ていたデザインのメンズ版が売れる現象も生まれる。

 選手自身の発信力も大きい。原プロはインスタグラムのフォロワーが40万を超える。彼女が活躍し、おしゃれなウエア姿がインスタに上がれば、瞬く間に拡散される。冒頭で紹介した豹柄はそういった事例の一つだ。
 

The post 原英莉花プロに何を着せるか ゴルフウエアメーカーの選手担当の仕事 appeared first on WWDJAPAN.

ファッションデザイナーのお気に入りの椅子9選 リック・オウエンス、トム・ブラウン、ジョナサン・アンダーソンまで

 多くのファッションデザイナーは、椅子に対してうるさいくらいに情熱的だ。生活感が少ないこだわりの家に住むリック・オウエンス(Rick Owens)は、椅子について、「空間にふさわしく、詩的で伝説的な歴史を持ちながら、非常に慎み深くなくてはいけない」と2014年発行のライフスタイル雑誌 「ハウトゥースペンドイット(How to Spend It)」 で語った。「私は椅子に多くのことを求めていると思う」と、その文章は締めくくられている。

 「バレンシアガ(BALENCIAGA)」を率いていた時代のニコラ・ジェスキエール(Nicolas Ghesquiere)は、あるシーズンにはウォーレン・プラットナー(Warren Platner)のワイヤースツールを何百脚も用意し、またあるシーズンには特別な仕上げを施した光沢のある木製ベンチを手配した。トム・フォード(Tom Ford)は「イヴ・サンローラン(YVES SAINT LAURENT)」時代にぜいたくなソファを愛用し、リカルド・ティッシ(Riccardo Tisci)は「バーバリー(BURBERRY)」のデビューコレクションの際、アールデコのアームチェアで観客を出迎えた。「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」のマチュー・ブレイジー(Matthieu Blazy)=クリエイティブ・ディレクターは2023-24年秋冬コレクションで、ジオ・ポンティ(Gio Ponti)が1957年にデザインしたウッドチェア“スーパーレジェーラ(Superleggera)”を並べた。

 ここでは、オウエンスが長旅の末に出合った理想の一脚をはじめ、さまざまなファッションデザイナーのお気に入りの椅子を紹介する。

リック・オウエンス 
お気に入りの椅子:エリエル・サーリネンのダイニングチェア

 「この椅子はエリエル・サーリネン(Eliel Saarinen)が1902年にフィンランドで家族のために特注したダイニングセットから来ている。私はアームレストが付いた椅子は二つしか持っていないが、付いていないものも6つ持っている。エリエル・サーリネンは好きな建築家の一人。これまで良いオフィスチェアを探していたが、キャスター付きのものには耐えられなかった。“Jugendstil(ユーゲント・シュティール )”とグーグルで検索していて、ついにこのダイニングセットを扱うディーラーを見つけた。椅子の上部には、頭蓋骨の丸い部分の真下に当たるような小さな細工が施されており、背中のクッションも正しい場所にフィットするので本当に座り心地がよい。(イタリア・コンコルディアにある)工場の隣のマンションに数脚、リド島のマンションにも残りのものを置いている。これは私が持っている唯一の椅子で、他にはベンチかソファだけだ」。

トリー・バーチ「トリー・バーチ」デザイナー 
お気に入りの椅子:ポール・ポワレ

 「お気に入りの椅子のひとつは、両親からのプレゼント。ポール・ポワレ(Paul Poiret)がデザインしたもので、洗練されたデザインと、自然からインスピレーションを得た珍しい色彩が絶妙に調和しているところが気に入っている」。

ヴェロニク・ニシャニアン「エルメス」メンズ・アーティスティック・ディレクター 
お気に入りの椅子:ピエール・ジャンヌレ

 「25年ほど前にインドを旅行したときに、(この椅子に)一目惚れした。運良く、インドのチャンディーガルでル・コルビュジェ(Le Corbusier)が設計した家に滞在しており、ピエール・ジャンヌレ(Pierre Jeanneret)のラウンジチェアが置いてあった。実際に椅子が作られた街で出合えたことが面白く、また、当時としては革新的な地元の素材を使ったサステナブルなアプローチも私にとって特別に感じる。チーク材の重厚な構造と、座面や背もたれのラタンの透明感のあるコントラストも楽しい。コンパスのような形の脚やアームレストのライン、背もたれの傾きなど、均衡がこのタイムレスなデザインに独自性を与えている。このデザインは、線の美しさを通して力強さと詩情を表現している」。

ピーター・ミュリエ「アライア」クリエイティブ・ディレクター 
お気に入りの椅子:“アルナッジョ”

 「私が初めて買った椅子で、何年も前から夢見ていた。アキッレ・カスティリオーニ(Achille Castiglioni) とピエル・ジャコモ・カスティリオーニ(Pier Giacomo Castiglioni)によるアウトドア用に作られたコンセプチュアルな名作で、長細い脚で空間を取り囲み、座るということを改めて定義した。革新的でありながら美しい仕事をするカスティリオーニ兄弟は、私の大好きなデザイナーだ」。

トム・ブラウン「トム ブラウン」デザイナー 
お気に入りの椅子:ゲインズバラの椅子

 ゲインズバラ(Gainsborough)の椅子は「時代を超えて魅力的だ。私が毎晩アンドリュー(キュレーターのアンドリュー・ボルトン)と座る椅子でもある。そして、愛犬のヘクターも気に入っている」。

ガブリエラ・ハースト「ガブリエラ ハースト」デザイナー兼「クロエ」クリエイティブ・ディレクター 
お気に入りの椅子:「ガブロン デュマ スタジオ」の椅子

 「ガブロン デュマ スタジオ(Gavron Dumas Studio)」がガブリエラ・ハースト(Gabriela Hearst)のためにデザインした“ノマド(Nomad)”コレクションから、韓国産のケヤキ材にレザーをあしらったアームチェア。「このコレクションは、ベンジー・ガブロン(Benji Gavron)とアントワーヌ・デュマ(Antoine Dumas)の手作りの品と伝統工芸への愛から生まれた。レザーの装飾は、(インテリアデザイナーの)レナ・デュマ(Rena Dumas)の作品に由来する。生産された6脚のうち、4脚は韓国の、2脚はアメリカの『ガブリエラ ハースト』の店舗に置いている」。

ジュリアン・ドッセーナ
「パコ ラバンヌ」クリエイティブ・ディレクター 
お気に入りの椅子:ガエターノ・ペッシェ

 ガエターノ・ぺッシェ(Gaetano Pesce)のコレクション“ノーバディーズ パーフェクト(Nobody’s Perfect)”から。「透明感や色、ペッシェの非常に純粋な表現、そして独自でハンドメイドであるというところが気に入っている」。

ヤン・リー「シャンシア」クリエイティブ・ディレクター 
お気に入りの椅子:倉俣史朗の“硝子の椅子”

 「倉俣は私にとってデザインの神様だ。1976年に発表された“硝子の椅子”は、当時の最先端を行くものだった。椅子を透明にするために特殊な方法でガラスを接着し、高度な職人技術を必要とした。そのためわずか40脚しか作られなかったという。この上に人が座ることができるなんて、魔法のようだ」。

ジョナサン・アンダーソン「ジェイ ダブリュー アンダーソン」創設者兼「ロエベ」クリエイティブ・ディレクター 
お気に入りの椅子:マック・コリンズの“イクルワ”

 デザイナーのマック・コリンズ(Mac Collins)のラウンジチェア“イクルワ(Iklwa)”。「この椅子には制作を通じたクラフツマンシップの要素があり、まるで機能的な芸術作品のようだという意味において彫刻的だ」。

The post ファッションデザイナーのお気に入りの椅子9選 リック・オウエンス、トム・ブラウン、ジョナサン・アンダーソンまで appeared first on WWDJAPAN.

春夏こそ柄パンツ! 遊び心をまとえる国内ブランド7選【2023年春夏トレンド】

 印象的なモチーフを全体にあしらった柄パンツは、初夏からの装いに華やかさやパワフルさをもたらしてくれます。薄着でもボトムスがしっかり主張してくれるので、退屈に見えません。ワンピースとの重ね着やジレとの組み合わせといった着こなしのバリエーションも広がってきました。お出かけを本気で楽しめるようになった、今の気分ともマッチします。

 「メゾン スペシャル(MAISON SPECIAL)」は、カラフルなハート柄で埋め尽くしたパンツでポジティブ感を前面に押し出しました。ハッピーな気分に誘う“ステートメントパンツ”です。トップスはデニムのベアショルダーでコンパクトにまとめ、パンツのインパクトを引き立てています。今回は、気鋭の国内ブランドの新作から選び抜いた、柄パンツの新スタイリングを紹介します。

ワンピースを重ねて落ち感マックス

 

 パンツルックの鮮度を上げるなら、ワンピースとのコンビネーションが効果的です。ワンピースを重ねると、落ち感が強まって、縦長イメージがしっかり出ます。パンツとの相乗効果を生むうえで、ワンピースの着丈は膝ぐらいまである長めレングスがおすすめ。“ロング&ロング”の伸びやかなスタイリングが決まります。

 「コトナ(KOTONA)」は、ストライプ柄のパンツの上から、ノースリーブワンピを重ね着。ワンピースの前を開けて、パンツの柄をたっぷり見せているので、シャープなイメージが引き立っています。ブルーグレーをキートーンに選んだ、クールで上品なたたずまい。すっきりしたシルエットや、肩口から垂れたフリンジも、スレンダーさを引き出しています。

 2枚目の写真「フィル ザ ビル(FILL THE BILL)」は、ほのかに透けるシアー素材のワンピースを使って、総柄パンツの存在感を印象付けました。ワンピースを重ねると、パンツが隠れがちですが、シアー素材ならうっすら透けて、細さが加わります。バンダナ風のモチーフが、ヒッピーライクなリラックス感を漂わせています。

メンズライクでクールさを強調

 柄をあしらったパンツは主張があるので、トップスはシンプルで済みます。薄着になるサマーシーズンに好都合の着こなしです。上半身は無地のダークトーンを選んで、パンツの色や柄を強調する組み合わせは、上下のコントラストを引き立ててくれます。メンズライクなアイテムが好相性です。

 「ワイズ(Y's)」のパンツを彩ったのは、絵画のような抽象的モチーフ。色数は少なくても、目を引くダイナミックな柄が装いの主役に。ジャケットは、無地のダークカラーでマスキュリンな風情。深めのVゾーンがエフォートレスでヌーディーさを醸し出し、グラフィカルなボトムスとのコントラストを印象付けました。

 パンツに迎える柄次第で装いの雰囲気をコントロールできるのが、柄パンツのうれしいところ。抽象的なモチーフは癖がないので、シーンを選びません。2枚目の写真「イン(IHNN)」は、細いラインで描いた曲線モチーフをパンツにプリント。センタープレスを利かせて、きれいめに仕上げました。マニッシュなクルーネックセーターと合わせて、穏やかで落ち着いた印象に整えています。

ジャケットやジレで夏のレイヤード

 夏は、Tシャツの出番が多くなるシーズン。Tシャツとパンツの組み合わせは、さっぱりしがちですが、柄パンツと合わせれば、ぐっとおしゃれに仕上がります。ジャケットやジレとのレイヤードにも生かせます。

 「ノントーキョー(NON TOKYO)」は、オレンジの花柄パンツをカーキベースのTシャツでコーデ。ジャケットとのセットアップですが、ジャケットはあえて羽織らず、“手持ちレイヤード”で動きを加えています。ミリタリー感を帯びたTシャツと、プレイフルなパンツとのミックスは、夏フェスのようなアクティブなシーンにも合いそうです。

 Tシャツの上にジレを重ねるパターンも使えます。2枚目の写真「ツイタチ(TUITACI)」は、ゆったりしたシルエットの花柄パンツにジレをオン。スリーブレスのジレは、汗ばむ季節も爽やかに過ごせるアイテム。Tシャツだけだとさびしく見えがちですが、パンツと同じモチーフを配したジレを羽織れば、まとまりが出ます。フラワープリントのTシャツがヒッピー感を添えています。

 彩りやモチーフがアイキャッチーな柄パンツは、それだけで装いのムードメーカーになるボトムスです。ワンピースやTシャツ、ジャケット、ジレとの組み合わせは、あっさりして見えがちな夏のレイヤードにうってつけ。大人シックやマニッシュ、ヒッピーライクなど、多彩なアレンジができる柄パンツで、お出掛けルックを盛り上げてみませんか。

The post 春夏こそ柄パンツ! 遊び心をまとえる国内ブランド7選【2023年春夏トレンド】 appeared first on WWDJAPAN.

メンズコスメの定着は、「落とす」を日常生活に取り入れてもらう工夫次第!?

 メンズコスメやジャンダーレスを謳うブランドの盛り上がりも手伝って、スキンケアは、男性の間でもかなり浸透してきた感があります。個人的には、それでも無頓着なコスメメーカーの男性社員や小売店の化粧品バイヤーは「どげんかせんといかん!」と思っていますが(いや、マジで)、若い世代を中心に男性がスキンケアについて語ることは珍しくなくなりました。

 次はベースメイク、そしてカラーメイクでしょうか?正直、カラーメイクが広く普及するにはまだまだ時間がかかりそうですが、ベースメイクは少しずつ広がっています。ファンデーションだけではありません。メンズのベースメイクが少しずつ広がってきたのは、ファンデーションという男性にとって“未知なるアイテム”のみならず、BBクリーム、色付きの美容液や日焼け止めなども登場し、選びやすくなっているからです。

 例えば、こちらの記事で紹介している「イロイク(IROIKU)」は、美容液感覚で使える全6色、各2200円のセラム。どうです?ファンデーション、特にコンパクトに収まったパウダーやクッションタイプのファンデーションはちょっとハードルが高いかもしれないけれど、コレなら、価格的にも、剤型的にも、機能的にも親近感が湧きやすいのではないでしょうか?

 と、メンズのベースメイク普及には各社が“あの手この手”の戦略を練っていますが、1つ、比較的見落とされがち、もしくは忘れられがちなポイントがあります。それは、ベースメイクを「塗る」だけじゃなく、「落とす」についても、思いを馳せた方がいいんじゃない?というコトです。男性は、ベースメイクを塗ることに慣れていません。となると当然、それを落とすことにも慣れていないのです。だからこそ、クレンジングにも一工夫が必要なのでは?そんな風に思っています。

 例えば、ACROが手がけるメンズをメーンとした総合メイクブランドの「ファイブイズム バイ スリー(FIVEISM × THREE)」は、コットンにクレンジング成分を含ませたメイクオフ商材を販売しています。最低限、このくらいの配慮は必要でしょう。もちろん美容感度の高い人は男性でも、液体上のクレンジングをコットンにつけたり、クレンジングオイルを顔に丁寧に塗布したりを行うかもしれません。でも、そんな新しい作業を面倒くさがらず、加えて気恥ずかしさも感じずに行うことができる男性は、正直あんまり多くないのでは?そんな風に考えます。だからこそ、汗拭きシート感覚で使えるクレンジング商材は、絶対に大事なのです。

 あ、業界人の皆さん「コイツ、めんどくさいなぁ〜」って思いましたか(笑)?いやいや、そんなことはありません。この「メイクオフが面倒だから、結局、メイクをやめてしまった」男性は、少なからず存在しています。だからこそこの行為を、男性の日常生活の延長線上にしてあげることは、とっても重要なのです。振り返れば「ファイブイズム バイ スリー」は、ファンデーションをスティック状にして世に送り出しました。スティック状なら、ひげ剃りと同じような動作でベースメイクを楽しんでもらえるのでは?という配慮です。楽しんだ商材のオフにも、同じような配慮が必要なのです。

 加えて誤解を恐れずに言えば、メイクオフは「プラスをゼロに戻す行為」です。メイクを塗布するという「ゼロをプラスにする行為」の真逆です。人間、誰が面倒な行為をして、「プラスをゼロに」戻したいでしょう(そう考えると、女性には改めて尊敬の念を抱きます)?だからこそ、本当に日常生活に溶け込ませることが重要なのです。

 その意味で参考にしたいのは、メイク業界のお隣にいる美容機器メーカーのヤーマンです。このヤーマンは、美容機器という新しい製品を日常生活に溶け込ませるため、いろんな工夫をしています。例えば、防水性能を高めてお風呂場でも使えるようにした脱毛器は代表例です。従来品は防水性能が低かったので、お風呂場では使えませんでした。でも、脱毛、特にVIOの脱毛は、たとえ一人でも、リビングでやるのは気恥ずかしいですよね(笑)?それがお風呂場でできたら、VIO脱毛器に対するハードル、それを使い続けるというハードルは、グッと下がるのではないでしょうか?

 男性に向けて送り出した、この美容機器も同じです。ひげ剃りという定着した日常行為の中で使うことができれば、美容機器も習慣化するのでは?と考えました。男性に向けては、クレンジングにおいてもこんな工夫が必要なのではないか?そんなふうに考えます。

The post メンズコスメの定着は、「落とす」を日常生活に取り入れてもらう工夫次第!? appeared first on WWDJAPAN.

「パトゥ」が仏スタートアップと連携 トレーサビリティーをスコア化

 LVMH モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)傘下の「パトゥ(PATOU)」は、仏スタートアップ企業のフェアリーメイド(FAIRLY MADE)と連携し、定番商品をそろえた“エッセンシャル(Les Essentiels)”ラインの64アイテムを対象にトレーサビリティーと環境インパクトのスコアを測定した。

 フェアリーメイドが提供するサービスは、環境インパクト、社会インパクト、トレーサビリティー、リサイクル可能性、サステナビリティの5つのカテゴリーでサプライチェーン全体を評価する。2018年の創業時からLVMHと協業しており、「パトゥ」は同社と提携した初のラグジュアリーブランドとなった。

 取り組みの第一弾として「パトゥ」は、トレーサビリティーとリサイクル可能性に絞ってスコアを計測したところ、5点満点中トレーサビリティーが2.84、リサイクル可能性が2.39だった。同社は、「『パトゥ』はこうした情報を消費者に提供する数少ないラグジュアリーブランドだ。この結果をもとにさらに努力を重ねていく」という。23年秋冬コレクションからは、すべてのアパレル製品および革小物において計測する。

 「パトゥ」はギョーム・アンリ(Guillaume Henry)=アーティスティック・ディレクターが就任以降、製品追跡アプリを独自に開発したり、それぞれの商品の製造方法などについて詳細な情報を知れるQRコードを付けて販売したりするなどトレーサビリティーの担保に注力してきた。

The post 「パトゥ」が仏スタートアップと連携 トレーサビリティーをスコア化 appeared first on WWDJAPAN.

パタゴニアが注目するオーガニックに代わる新基準 “リジェネラティブ・オーガニック”とは?

 パタゴニア(PATAGONIA)は、リジェネラティブ・オーガニック(RO)農法を日本で普及すべく4月13日に初のカンファレンスを主催した。同社がパートナー企業と協業して2020年に設立した第三者認証機関リジェネラティブ・オーガニック・アライアンスのエリザベス・ウィットロー(Elizabeth・Whitlow)代表をはじめ、原材料生産地でのRO農法を推進する「ドクターブロナー(DR.BRONNER'S)」のゲロ・レソン(Gero Leson)=スペシャルオペレーション・ヴァイスプレジデント、日本で土壌生態学や農業環境工学を研究する専門家らを招き、RO農法の可能性について議論した。

 パタゴニアが「気候危機への解決策」として注目するRO農法は、不起栽培で炭素を固定しながら健全な土壌を構築する有機農法で、土壌の健康に加えて動物福祉と労働者の公平性の3本柱で構成する。ROC認証を監修するエリザベス・ウィットロー=エグゼクティブディレクターに、RO農法に注目すべき理由を聞いた。

WWD:近年、 ファッション業界でも“リジェネラティブ(環境再生型)”という考え方に注目が集まっている。その理由は?

エリザベス・ウィットロー=リジェネラティブ・オーガニック・アライアンス・エグゼクティブディレクター(以下、ウィットロー):もともとこの言葉は、食品業界で流行ったのが始まりだ。確かにこれまではファッションと農業の関係を意識する人はあまりいなかったが、最近人々は口に入れるものだけでなく、肌に触れる衣服に対しても同様に意識を向け始めている。そこで、自分たちが身につけているコットンやリネン、ヘンプが育てられる過程が、地球に負担をかけていることを意識する人たちも増えている。

WWD:RO認証を設立した理由は?

ウィットロー:ヨーロッパやアメリカでは“リジェネラティブ”がバズワード化する一方で、明確な基準が世の中になかったために、消費者が混乱してしまっていたからだ。畑を耕さない不耕起栽培であれば“リジェネラティブ”とうたうような企業もあった。しかし、作物を育てるのに化学薬品、肥料、除草剤、防虫剤、遺伝子組み換えの種子などを使用していては、たとえ不耕起であっても土壌の劣化は避けられない。そこで私たちは、土壌だけでなく、その土地に住む生物、人々などコミュニティー全体を維持し再生する包括的な基準を設けることにした。

WWD:パタゴニア以外に、どんなアパレル関連企業が興味を示している?

ウィットロー:加盟企業は約100社で、そのうち繊維関連企業は約10社。これまでは原材料に携わる農家からの問い合わせが多かったが、最近はブランドから直接「どこでROC認証を取得した綿花が買えるのか」や「どうやったら農家の支援ができるのか」といった問い合わせも増えてきた。「アディダス(ADIDAS)」や「H&M」といった大手のほか、ラグジュアリーブランドからの連絡もある。「ティンバーランド(TIMBERLAND)」も最初から興味を示してくれているブランドだ。彼らはRO認証済みのゴムの生産に挑戦しようとしている。ゴムの生産工程では、児童労働の問題も隠れており、そうしたリスクから自分たちのサプライチェーンを守ろうとしているわけだ。今は綿花での認証が進んでいるが、シルクやカシミアについても基準を作ってほしいといった要望ももらっている。

WWD:パタゴニアはインドの150以上の綿花農家と提携し、ROコットンの生産を進めてきた。同社のように直接農家を支援したいという企業も多い?

ウィットロー:パタゴニアはインドの農家と5〜6年かけて取り組み、RO農法のノウハウだけでなく、ジェンダー平等に向けた教育プログラムなども実施してきた。私たちもブランドと農家の橋渡し役を目指しており、パタゴニアが良い事例だ。まだ農家の直接的な支援をしたいという声は多くはないが、直近では「アウターノウン(OUTERKNOWN)」がペルーとインドの綿花農家の支援を始めたりしている。

Z世代やミレニアル世代で広がり

WWD:欧米の消費者の間では“リジェネラティブ”の認知度はどれくらい高まっているのか?

ウィットロー:急速な広がりに私たちも驚いているくらいだ。ニールセンによる市場調査では実際に“リジェネラティブ”を基準に買い物する層が一定数いるという結果が出ている。中でもZ世代やミレニアル世代の関心が高い。特に家庭を持ったミレニアル世代は、子どもに安心・安全なものを与えたいと考えたときに“リジェネラティブ”に行き着くようだ。

WWD:これまでのオーガニックでは不十分だと。

ウィットロー:そうだ。近年オーガニックへの基準が下がり、さまざまな問題が指摘されている。2017年に水耕栽培(土の代わりに水と液体肥料を使う栽培法)にオーガニック表記が認められたことも決定的な事例だ。工場畜産にも認可がおりた。動物にオーガニックな飼料を与えてはいるが、狭い劣悪な環境で飼育されており動物福祉の観点は全く考慮されていないといった現状もある。

WWD:パタゴニアは日本でRO農法を推進しようとしている。日本の農業はどんな課題があると考える?

ウィットロー:日本でもRO農法への研究が進んでいて、土壌の質の改善や炭素貯蔵量の増加などが証明されていることに驚いた。パタゴニアが主催したカンファレンスでは、日本特有の生物多様性をどのように維持していくのか、不耕起農業で雑草をいかに減らしていくかがポイントだと学んだ。また全世界が直面している最大の課題が気候変動だ。私が住んでいる北カルフォルニアでは、年々山火事の被害が拡大し、時期も早くなっている。土壌の微生物を増やし、そうした異常気象にも耐えうる土壌を作るためにもRO農法が重要だ。

WWD:日本では具体的にどのようにROC認証を広めていく?

ウィットロー:素晴らしいパートナーであるパタゴニアの日本支社が中心になって進めてくれる。ただ日本のファッション企業に伝えたいのは、自分たちの活動に責任を持ってほしいということ。ROC認証に興味を持ってくれたら、ぜひ私たちに声をかけてほしい。

The post パタゴニアが注目するオーガニックに代わる新基準 “リジェネラティブ・オーガニック”とは? appeared first on WWDJAPAN.

パタゴニアが注目するオーガニックに代わる新基準 “リジェネラティブ・オーガニック”とは?

 パタゴニア(PATAGONIA)は、リジェネラティブ・オーガニック(RO)農法を日本で普及すべく4月13日に初のカンファレンスを主催した。同社がパートナー企業と協業して2020年に設立した第三者認証機関リジェネラティブ・オーガニック・アライアンスのエリザベス・ウィットロー(Elizabeth・Whitlow)代表をはじめ、原材料生産地でのRO農法を推進する「ドクターブロナー(DR.BRONNER'S)」のゲロ・レソン(Gero Leson)=スペシャルオペレーション・ヴァイスプレジデント、日本で土壌生態学や農業環境工学を研究する専門家らを招き、RO農法の可能性について議論した。

 パタゴニアが「気候危機への解決策」として注目するRO農法は、不起栽培で炭素を固定しながら健全な土壌を構築する有機農法で、土壌の健康に加えて動物福祉と労働者の公平性の3本柱で構成する。ROC認証を監修するエリザベス・ウィットロー=エグゼクティブディレクターに、RO農法に注目すべき理由を聞いた。

WWD:近年、 ファッション業界でも“リジェネラティブ(環境再生型)”という考え方に注目が集まっている。その理由は?

エリザベス・ウィットロー=リジェネラティブ・オーガニック・アライアンス・エグゼクティブディレクター(以下、ウィットロー):もともとこの言葉は、食品業界で流行ったのが始まりだ。確かにこれまではファッションと農業の関係を意識する人はあまりいなかったが、最近人々は口に入れるものだけでなく、肌に触れる衣服に対しても同様に意識を向け始めている。そこで、自分たちが身につけているコットンやリネン、ヘンプが育てられる過程が、地球に負担をかけていることを意識する人たちも増えている。

WWD:RO認証を設立した理由は?

ウィットロー:ヨーロッパやアメリカでは“リジェネラティブ”がバズワード化する一方で、明確な基準が世の中になかったために、消費者が混乱してしまっていたからだ。畑を耕さない不耕起栽培であれば“リジェネラティブ”とうたうような企業もあった。しかし、作物を育てるのに化学薬品、肥料、除草剤、防虫剤、遺伝子組み換えの種子などを使用していては、たとえ不耕起であっても土壌の劣化は避けられない。そこで私たちは、土壌だけでなく、その土地に住む生物、人々などコミュニティー全体を維持し再生する包括的な基準を設けることにした。

WWD:パタゴニア以外に、どんなアパレル関連企業が興味を示している?

ウィットロー:加盟企業は約100社で、そのうち繊維関連企業は約10社。これまでは原材料に携わる農家からの問い合わせが多かったが、最近はブランドから直接「どこでROC認証を取得した綿花が買えるのか」や「どうやったら農家の支援ができるのか」といった問い合わせも増えてきた。「アディダス(ADIDAS)」や「H&M」といった大手のほか、ラグジュアリーブランドからの連絡もある。「ティンバーランド(TIMBERLAND)」も最初から興味を示してくれているブランドだ。彼らはRO認証済みのゴムの生産に挑戦しようとしている。ゴムの生産工程では、児童労働の問題も隠れており、そうしたリスクから自分たちのサプライチェーンを守ろうとしているわけだ。今は綿花での認証が進んでいるが、シルクやカシミアについても基準を作ってほしいといった要望ももらっている。

WWD:パタゴニアはインドの150以上の綿花農家と提携し、ROコットンの生産を進めてきた。同社のように直接農家を支援したいという企業も多い?

ウィットロー:パタゴニアはインドの農家と5〜6年かけて取り組み、RO農法のノウハウだけでなく、ジェンダー平等に向けた教育プログラムなども実施してきた。私たちもブランドと農家の橋渡し役を目指しており、パタゴニアが良い事例だ。まだ農家の直接的な支援をしたいという声は多くはないが、直近では「アウターノウン(OUTERKNOWN)」がペルーとインドの綿花農家の支援を始めたりしている。

Z世代やミレニアル世代で広がり

WWD:欧米の消費者の間では“リジェネラティブ”の認知度はどれくらい高まっているのか?

ウィットロー:急速な広がりに私たちも驚いているくらいだ。ニールセンによる市場調査では実際に“リジェネラティブ”を基準に買い物する層が一定数いるという結果が出ている。中でもZ世代やミレニアル世代の関心が高い。特に家庭を持ったミレニアル世代は、子どもに安心・安全なものを与えたいと考えたときに“リジェネラティブ”に行き着くようだ。

WWD:これまでのオーガニックでは不十分だと。

ウィットロー:そうだ。近年オーガニックへの基準が下がり、さまざまな問題が指摘されている。2017年に水耕栽培(土の代わりに水と液体肥料を使う栽培法)にオーガニック表記が認められたことも決定的な事例だ。工場畜産にも認可がおりた。動物にオーガニックな飼料を与えてはいるが、狭い劣悪な環境で飼育されており動物福祉の観点は全く考慮されていないといった現状もある。

WWD:パタゴニアは日本でRO農法を推進しようとしている。日本の農業はどんな課題があると考える?

ウィットロー:日本でもRO農法への研究が進んでいて、土壌の質の改善や炭素貯蔵量の増加などが証明されていることに驚いた。パタゴニアが主催したカンファレンスでは、日本特有の生物多様性をどのように維持していくのか、不耕起農業で雑草をいかに減らしていくかがポイントだと学んだ。また全世界が直面している最大の課題が気候変動だ。私が住んでいる北カルフォルニアでは、年々山火事の被害が拡大し、時期も早くなっている。土壌の微生物を増やし、そうした異常気象にも耐えうる土壌を作るためにもRO農法が重要だ。

WWD:日本では具体的にどのようにROC認証を広めていく?

ウィットロー:素晴らしいパートナーであるパタゴニアの日本支社が中心になって進めてくれる。ただ日本のファッション企業に伝えたいのは、自分たちの活動に責任を持ってほしいということ。ROC認証に興味を持ってくれたら、ぜひ私たちに声をかけてほしい。

The post パタゴニアが注目するオーガニックに代わる新基準 “リジェネラティブ・オーガニック”とは? appeared first on WWDJAPAN.

「ラナ・プラザ」の悲劇から10年 1100人以上の命日当日に現場を訪れた日本人女性リポート

 バンコクを経由して7年ぶりに降り立ったダッカの空港は閑散としていて、まるで別の国に来たような気がした。普段なら2時間近くかかることもあるホテルまでの道のりもスムーズで、さながら映画の撮影のための通行止め区間を進む気分だ。ラマダン(イスラム教徒の断食)明けのイード・アル=フィトル(ラマダン明けのお祭り)を祝いに、人々は人口の約15%が暮らす首都ダッカからそれぞれの村に帰省中という。

 出発前にバングラデシュ人の以前の仕事仲間やツテを頼って聞いてはいたが、この様子だと追悼行事は本当にないのかもしれない。国境はまたぐが、同じベンガル文化をともにするインド・コルカタ出身の大学教授は言っていた。「私たち南アジア人は、過去の災害を忘れようとするものなのです」と。それでもかまわない。私は、当時ラナ・プラザ(RANA PLAZA)の事故後に建物の安全性に関わるプロジェクトに携わり、そして洋服を愛するひとりとして、犠牲になった人々に花を手向けにやってきただけなのだから。

 10年前に突如として崩落し、死者1100人以上と負傷者2500人という甚大な犠牲を生んだ産業災害は、世界中のアパレル産業に衝撃を与えただけでなく、ずっと私の中でくすぶっていた。就業時間が終わると一斉に工場から出てくる民族衣装だった女性たちの姿を、西洋の服を着た同じアジア人として見たからかもしれない。

 2023年4月24日のダッカは朝から快晴で、その日も暑くなりそうだった。前の週の気温は40度を超えていたらしい。今日はジャムダニ織り(13年にユネスコの無形文化遺産に登録された)のサリーを選んだから、きっと暑さには耐えられるはず。メディアの仕事をする現地の友人の車で事故現場に到着してドアを開けると、メガホンからのけたたましい音に思わず耳を塞ぎたくなった。幹線道路に面して建っていたビルの崩落後、両隣のビルの間にはぽっかりと空き地が残り、自生したのかタロイモの緑の葉が生い茂った後は、埃っぽい街とのコントラストが異質な場所になっていた。

 だが今日は、その緑の葉も見えないくらいの人だかりだった。日本で行われる厳かな追悼行事とはちがい、そこにはプラカードや横断幕を持ち、犠牲者への保証、労働環境の改善や待遇向上、そしてアコード(縫製産業における労働者の安全性と健康を改善するための多国籍企業と労働者団体の取り組み)への全ての企業からの署名を求める声をあげる人々の姿があった。事後現場に仮に建てられたという慰霊碑には、犠牲者の関係者や各政党の労働組合などからの献花が崩れ落ちそうなほど供えられていた。ラナ・プラザは忘れられていなかった。

 ホテルを出る前に用意した小さな花束を慰霊碑に供え、事故で亡くなった1136人のことを思った。そのほとんどが貧しい村から出稼ぎにきた女性たちだった。ムスリム社会での女性の地位は決して高くはないが、世界2位を誇るバングラデシュの縫製業は女性たちに働く機会を与えた。機械化が難しい服の縫製は、まだまだ人の手にかかる必要があるからだ。彼女たちにとって、日に1ドル(135円)代の稼ぎ(ホワイトカラーの初任給は、月給3万〜4万円ほど)でも家計の足しにはなるし、その安い労働力のおかげで私たちは普段のファッションを楽しむことができている。ときに買いすぎては捨てるを繰り返し、毎年東京ドーム1.5杯分の焼却炉をいっぱいにしてるが。

「今も毎日飲んでいる」と
袋に入った大量の薬

 強い語調で声高に繰り広げられるデモ会場となった事故現場の一角に、静かに座る女性たちがいた。ラナプラザ事故の負傷者たちだ。彼女たちは静かに座り、メディアのインタビューなどに応えていた。時折感情が昂るのか、泣き出す女性の姿もあった。コルセットを服の上からつけている人もいた。ひとりの女性と目が合い手招きをされ近寄ると、いつものように「どこから来たのか?」と聞かれる。外国人は日本からのYouTuberと私以外、見当たらなかった(ただし現地にいなくてもヨーロッパを中心にそれぞれの地域で活動してる人はたくさんいる)。日本から来たことを伝えると、47歳というアジャイラ・ベーグム(Ajaira Begum)の表情が優しくなった気がした。一日中瓦礫の中に閉じ込められて夜になってやっと救出されたという彼女は、私の手を取り、きっと当時怪我をしたのであろう頭や腕、太ももなど、身体のあちこちを触らせてくれた。今も毎日飲んでいると、袋に入った大量の薬を見せてくれた。

 現地のメディアや労働組合の要求によると、当時5つの縫製会社がビルに入居していたが勤務していた階により補償額などは異なり、今もまだ治療やリハビリ、そして金銭的な支援を必要としてる人がいるという。負傷者は事故後CRPという障害者の治療や職業訓練を行う付近のリハビリ施設に入所したが、全ての人が恩恵を受けたわけでないそうだ。「両親の正義を」と書かれたプラカードをもつ少年の姿もあり(この日は3人の孤児が事故現場に来ていた)、まだ未成年の孤児や片親を無くした子どもたちのことも気になった。

ファーストリテイリングは
衣料品寄贈から待遇向上を継続

 ラナプラザの犠牲者と全国衣料労働者連盟(NGWF)は共同声明をだし、ラナプラザの日(4月24日)を国民追悼の日と制定し、12のブランドからの未だない謝罪や補償を要求。犠牲者への支援、権利・交渉権・ストライキ権を含む3つの基本権の確保、女性労働者へのハラスメントと差別の撤廃、バイヤーによる透明かつ合理的で公平な購入慣行、正式な記念碑とアパレル労働者のための病院の建設などを求めている。今後も、ビルオーナーの保釈取り消しを求める高等裁判所前と、バングラデシュで活動するすべてのブランドに対するアコードへの署名を求めるヒューマン・チェーン、そして12のブランドに対する抗議の黒旗デモを予定している。

 バングラデシュにはファーストリテイリングをはじめ、ワコールやグンゼなどが進出しているが、中でも現地で店舗を拡大していたファーストリテイリングは事故同年のアコードだけでなく、21年に発行された後継の新アコードにも署名している。同社は今年に入り4店舗を閉鎖しているが、他のショップでの販売に加え、配達業務は継続すると発表、現地での生産も継続中だ。国内の生産拠点では、環境や労働環境に配慮した取り組みを実施し、労働者の安全や待遇の向上に取り組む一方で、サプライチェーン全体においても環境保護や労働基準の向上に寄与している。またロヒンギャ難民に対する支援も行っており、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)と提携し、約1000万ドル(約13億5000万円)相当の衣料品を寄贈、難民キャンプ内での教育や職業訓練提供などの支援を行っている。

 貧困層へのマイクロクレジットを提供することで経済的自立を促進するグラミン銀行と組んだ「グラミンユニクロ」は現地で温かく迎えられていたが、そもそもバングラデシュには親日家が多い。1971年の独立後にはすぐに外交関係を樹立し、その後は年間3000億円、累積額では世界で最も多額のODA(政府開発援助)を通じて現地への経済・人道支援を行ってきた。現在も空港設備やダッカメトロ(国内初の高速鉄道)の建設に日本政府と企業がかかわり、バングラデシュの発展に大きく寄与している。日本企業がバングラデシュでのビジネスを展開しやすくするためのインフラや規制環境が整備されている経済特区の共同開発も注目されている。またウクライナ戦争勃発後に重要度が増したバングラデシュの地政学的な動きからも目が離せない。

バングラディシュは26年
後発開発途上国を“卒業”予定

 GDPはこの10年で右肩上がりで、成長率は前年の7.1%から5.3%と予測されているものの、その伸びが0.8〜1.2%と鈍化している日本との差を感じる。特に、経済特区では日本企業をはじめとする外国企業の進出が加速し、投資や雇用創出が期待されることから、その成長率はさらに高まると考えられる。国連も26年のバングラデシュのLDC(後発開発途上国)の卒業を発表している。先述の経済特区開発や外交関係強化から、今後ますます日系企業の進出が容易になることを考えると、輸出の9割を占めるアパレル産業でのさらなる関係強化にも期待したい。

 消費者のサステナビリティへの意識の変化や国際的な環境保護、ラナ・プラザ事故などをきっかけとした労働環境の規制の強化に伴い、アパレル産業はさらに変革を迫られると予測される。その中で、日本企業は国内外でのエコ・エシカルな取り組みを拡大し、労働環境など消費者には見えにくい分野にも配慮することが求められるであろう。例えば、地域社会との連携を強化し、現地の労働者やコミュニティの福祉向上に貢献するプロジェクトや、技術移転を通じてバングラデシュの産業基盤を向上させる取り組み、日本の障害者雇用枠などのスキームを使った救済措置など、まだまだできることがありそうだ。そうした企業は今後、インバウンドを含む国際的な市場で選ばれていくだろう。バングラデシュの経済発展のためにも、ラナ・プラザ事故を教訓にした日系企業のグリーン・クリーンな展開がますます期待される。バングラデシュと日本企業との協力がさらに進むことで、アパレル産業におけるエコ・エシカルな取り組みが一層加速すれば、持続可能な未来に繋がる。

 読者の中にもラナ・プラザのメモリアルデーに心を寄せた人がいるに違いない。現地で手向けた花束は小さなものだったが、そこには皆さんの大きな思いが集まっていたはずだ。休憩をはさみ現地に戻ると、あれだけ騒がしかったラナ・プラザ跡地はいつもの静かな空き地に戻っていた。もう一度緑の葉の繁る工場跡地に手を合わせ、いつかこの場所に小さな「JAPAN」の文字が刻まれることを想像してみた。静かにハンガーストライキを続ける数人の女性たちに一礼し、その埃っぽい一角をあとにした。

The post 「ラナ・プラザ」の悲劇から10年 1100人以上の命日当日に現場を訪れた日本人女性リポート appeared first on WWDJAPAN.

ユニクロ4月度は1.7%増 月後半の気温低下で客数は5.4%減

 専門店チェーン、セレクトショップの2023年4月度売上高(既存店ベース)は、月前半が高気温で推移したことで、春物が動いたという声が目立った。

 国内ユニクロは前年同期比1.7%増。昨年4月が同15.8%増と大きく伸ばしていたこともあり、やや抑えめ。客数は同5.4%だった。「月後半に気温が下がり、客数に影響した。売れたのはタックワイドパンツやカーゴパンツ、ラウンドミニショルダーバッグなどの春夏の新作など」(広報担当者)。

 しまむらの「ファッションセンターしまむら」は同3.4%増。同社は3月21日〜4月20日の集計であり、3月下旬が暖かかったことで「婦人・紳士の初夏、夏物のアウター衣料や服飾雑貨が売り上げを伸ばした」(発表資料から)。

 良品計画の「無印良品」は同14.2%減と苦戦。先月は30%以上の大幅増だった衣服・雑貨カテゴリーも同4.4%減と再び前年実績割れとなった。前年4月に実施していた「無印良品週間」を3月に前倒ししていた影響が大きいという。

 アダストリアは同14.8%増。「気温上昇と共に春夏商品の販売が好調、大型連休に向けた外出需要増も寄与した」(発表資料から)。また、昨年は3月中に実施したポイント還元キャンペーンを月初〜10日まで行った効果も大きい。

 ユナイテッドアローズは同10.9%増だった。「気温上昇と共に春物や初夏物が動いた。ジャケット、スーツなどのビジネスアイテムに加え、カジュアルアイテムも動いた」(発表資料から)。

The post ユニクロ4月度は1.7%増 月後半の気温低下で客数は5.4%減 appeared first on WWDJAPAN.

ウエディングドレス最新トレンド 2024年春夏はカラードレスやワンショルダーが人気

 米国では、コロナ禍が落ち着きを見せた2022年後半から結婚式が急激に増加しており、その勢いは23年も続いている。米「WWD」によれば、白のクラシカルなウエディングドレスの人気が衰えることはないものの、24年春夏シーズンは淡いブルーやピンク、鮮やかなレッドやイエローなどのカラフルなドレスも台頭。結婚式後もさまざまなオケージョンに着用できることが、サステナビリティや経済的な観点から歓迎されているという。また、ワンショルダーやコルセットを取り入れた個性的なドレスもトレンドとなっている。ここでは、人気のデザインをピックアップした。

The post ウエディングドレス最新トレンド 2024年春夏はカラードレスやワンショルダーが人気 appeared first on WWDJAPAN.

「ナイキ」がウィメンズカテゴリー強化 本国VPがみる日本ならではの課題とは?

 「ナイキ(NIKE)」は、ウィメンズカテゴリーを強化している。2020年には、ウィメンズカテゴリーを監修するデザインリーダーを設け、商品開発を加速してきた。来日したケイトリン・キス=ウィメンズ・パフォーマンスアパレル・グローバル VPは、「この2~3年で、女性特有のニーズに包括的に応えられるようイノベーションに対する投資を倍増させている。あらゆるライフステージの女性たちに向けて提案する土台は整ったので、今後は顧客のフィードバッグを丁寧に聞きながら既存商品に修正を加えていく」と話す。

 これまでに、過去最多の30サイズをそろえた“フライニットブラ”、妊娠中や出産後の女性のニーズに沿って開発した“ナイキ (M)”コレクション、独自技術で汗染みを解消した“ナイキ ステルス エバポレーション”、サイズ展開を4Xまで広げたプラスサイズ向けのアパレルコレクションなどを発表。課題は豊富な商品バリエーションの中からそれぞれの機能性やターゲットの違いを的確に消費者に伝えていくコミュニケーション面だといい、店頭やEC、アプリなどのさまざまなチャネルで施策を練る。

 日本では、柔らかな履き心地の“ゼンビー レギンス”などが売れている。キス=ウィメンズ・パフォーマンスアパレル・グローバル VPは日本市場特有の課題について「欧米では女性がレギンスで街を歩いている姿をよく見かけるが、日本やアジアではフィットネスが好きな女性にとってそれは非常に心理的ハードルが高いようだ。私たちが日本で商品を販売する上でも興味深い課題で、もっと商品の心地よさを改善するべきなのか、レギンスやブラ以外の商品を開発するべきなのかなどを考えている」と話し、今後はローカルイベントなどを増やし、このような地域特有の課題やニーズを拾っていくという。

新作2型を発売 生理中の運動もサポート

 5月には生理中の運動をサポートする新作ショーツ“ピリオド”(税込7700円)と、新作シューズ“ナイキ モティバ”(同1万2100円)の発売も控える。5月上旬発売予定の“ピリオド”は、クロッチ部分に超薄型の吸水ライナーを搭載する。多くの検証や試着テストを行いながら、タンポン、ナプキンまたは月経カップと併用して着用できるよう生地の機能性を高めることに注力し、水分を吸収して留める2層のまちとライナーに漏れを防ぐ層を組み合わせた。

 また25日発売予定の“ナイキ モティバ”は、走行中の体重移動をサポートするロッキングチェアのような形状のソールと、着地時の衝撃を吸収する“クシュロン 3.0 フォーム”が特徴だ。アウトソールには、負荷がかかる位置を計算して凹凸を配置するなどし、運動中の疲労を軽減させる設計を追求した。

The post 「ナイキ」がウィメンズカテゴリー強化 本国VPがみる日本ならではの課題とは? appeared first on WWDJAPAN.

伊藤忠「繊維月報」、63年の歴史に幕 757号で休刊

 伊藤忠商事の繊維カンパニーが1960年以来、毎月発行してきた「繊維月報」が2023年5月の757号をもって休刊する。「繊維月報」は1960年の創刊以来、「繊維業界の半歩先を見据え、ビジネスのヒントを提供する」をコンセプトに、同社グループの社員だけでなく、有力企業のキーパーソンインタビューなども掲載。いまで言うところの企業によるオウンドメディアの先駆けであり、ネットが台頭するまではフレッシュなビジネス情報のソースにもなっており、同社の多岐に渡る取引先に無料で郵送していた。最終号の757号は、武内秀人・繊維カンパニープレジデントを筆頭に、繊維部門の4人の幹部対談、業界紙「繊維ニュース」の寄稿、伊藤忠ファッションシステムによるマーケット分析連載「ワールド レビュー」だった。

The post 伊藤忠「繊維月報」、63年の歴史に幕 757号で休刊 appeared first on WWDJAPAN.

伊藤忠「繊維月報」、63年の歴史に幕 757号で休刊

 伊藤忠商事の繊維カンパニーが1960年以来、毎月発行してきた「繊維月報」が2023年5月の757号をもって休刊する。「繊維月報」は1960年の創刊以来、「繊維業界の半歩先を見据え、ビジネスのヒントを提供する」をコンセプトに、同社グループの社員だけでなく、有力企業のキーパーソンインタビューなども掲載。いまで言うところの企業によるオウンドメディアの先駆けであり、ネットが台頭するまではフレッシュなビジネス情報のソースにもなっており、同社の多岐に渡る取引先に無料で郵送していた。最終号の757号は、武内秀人・繊維カンパニープレジデントを筆頭に、繊維部門の4人の幹部対談、業界紙「繊維ニュース」の寄稿、伊藤忠ファッションシステムによるマーケット分析連載「ワールド レビュー」だった。

The post 伊藤忠「繊維月報」、63年の歴史に幕 757号で休刊 appeared first on WWDJAPAN.

カール・ラガーフェルドへのオマージュが満開 メトロポリタン美術館の「ア・ライン・オブ・ビューティ」現地リポート

 アメリカ・ニューヨークのメトロポリタン美術館で5月2日(現地時間)の朝、2019年に亡くなったカール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)の偉業を讃える回顧展「ア・ライン・オブ・ビューティ」のオープニングイベントが行われた。メトロポリタン美術館コスチューム・インスティテュートの今年の特別展は、5日にスタート。7月16日までの期間限定でお披露目される。偉大なるデザイナーへオマージュを捧げる回顧展を一般公開に先駆けてリポートする。

メットガラ同日のプレスプレビューは
すでに熱気を帯びていた

 毎年エンターテインメントとしても注目の「メットガラ」当日の朝に行われた「ア・ライン・オブ・ビューティ」のオープニング。メトロポリタン美術館のエントランスは、カール・ラガーフェルドの横顔を模したイラストの大きなテントで覆われ、朝からセレブ待ちの人々やマスコミのカメラマンでごった返していた。オープニングイベントの会場も、立ち見が出るほど。カールにオマージュを捧げるべく、「シャネル(CHANEL)」に身を纏った人々があちこちで見受けられた。

 オープニングでは、今回キュレーターを務めたメトロポリタン美術館コスチューム・インスティテュートのアンドリュー・ボルトン( Andrew Bolton)や友人のカーラ・ブルーニ(Carla Bruni)が生前のカール・ラガーフェルドとのエピソードを交えながら挨拶した。オープニングにはアナ・ウィンター(Anna Wintour)米「ヴォーグ(VOGUE)」編集長兼コンデナスト(CONDENAST)アーティスティック・ディレクターをはじめ、トム・ブラウン(Thom Browne)の姿もあった。

 本展では、1950年代から生前最後となった2019年のコレクションから厳選した200点以上の作品がカールの直筆のデッサンとともにトリビュートとして展示されている。「シャネル」「フェンディ(FENDI)」「クロエ(CHLOE)」、そして自身のブランドとなる「カール・ラガーフェルド」といったさまざまな特徴を持つブランドを多彩なアイデアと精緻な手仕事で未来を見据えたデザインとして形にしてきた様子が垣間見える。一人のデザイナーの功績は、まるでファッションの一つの時代を切り取ったかのような見応えだ。

曲線が織りなす対比のクリエーション

 ドキドキとした心持ちで会場へ足を踏み入れると、カールの華麗なデッサンの様子を映し出したスクリーンが出迎えてくれた。今回の回顧展でもほとんどのルックにデッサンが添えられているが、彼のクリエイションはデッサンから始まると言っても過言ではないほど、要となるものなのだろう。ちなみに「ア・ライン・オブ・ビューティ」の展示スペースのデザインは、安藤忠雄が手がけている。両者の出会いは1996年というが、ラガーフェルドのアトリエを再現した展示スペースの中にも安藤の本が置かれているなど、生前から交流があったという。今回は直線と曲線が生み出すダイナミズムを表現している。

 展示スペースの最初の部屋は、カールのデッサンを緻密な手仕事によって具現化してきたプルミエールたちがラガーフェルドとの思い出をフランスの映像作家ロイック・プリジェン(Loïc Prigent)によるインタビューで語った映像とともにコレクションが紹介されている。ファーやスパンコールがさまざまなテクニックによってルックに落とし込まれているのを間近で見ることができるが、カールという一人のデザイナーが「シャネル」「フェンディ」「クロエ」のメゾンの特徴を捉えながら、プルミエールが最高のテクニックで仕上げているチームプレーに感嘆する。

 テーマによってさまざまな部屋が登場するが、「ア・ライン・オブ・ビューティ」はロココ時代の画家ウィリアム・ホガース(William Hogarth)の「美の解析」から着想を得ている。カールのコレクションは直線と曲線からインスピレーションを得て二面性を強調していると言われているが、本展でもさまざまな曲線に焦点をあて、「フェミニン・ライン/マスキュリン・ライン」「ロマンティック・ライン/ミリタリー・ライン」「ヒストリカル・ライン/フューチャリスティック・ライン」など、対比するテーマを掲げたコレクションが一つの部屋に飾られている。実際に一つ一つのルックを間近で目にすると、オートクチュール並の精緻な技術に驚かされる。また「シャネル」や「フェンディ」など、元々メゾンが持つイメージをラガーフェルド流にデザインに落とし込んでいるのは理解できるが、一つの回顧展を通して見ると、そのクリエーションの幅の広さを改めて感じることができる。

常に未来を見据える。
ファッションには遊び心を

 約65年にも渡ってファッションデザイナーとしてトップを走り続けてきたカールは固定概念に捉われず、常に未来を見据えてきた。さまざまな年代が入り混じる回顧展を見回しても、全てのルックがタイムレスなものに見えてくる。メゾンのアーカイブを大切にしながらも、ファッションの楽しさを忘れないデザインを盛り込むなど、ここでも二面性を大切にしている。特に「カール・ラガーフェルド」では自身をキャラクター化するなど、ちょっとした皮肉や遊び心を最大限に活かしている。

 多くの偉大なるデザイナーの中でもさまざまなメゾンを手がけ、一時代を築いてきたカール・ラガーフェルド。彼へのオマージュとなる「ア・ライン・オブ・ビューティ」をお見逃しなく。

The post カール・ラガーフェルドへのオマージュが満開 メトロポリタン美術館の「ア・ライン・オブ・ビューティ」現地リポート appeared first on WWDJAPAN.

カール・ラガーフェルドへのオマージュが満開 メトロポリタン美術館の「ア・ライン・オブ・ビューティ」現地リポート

 アメリカ・ニューヨークのメトロポリタン美術館で5月2日(現地時間)の朝、2019年に亡くなったカール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)の偉業を讃える回顧展「ア・ライン・オブ・ビューティ」のオープニングイベントが行われた。メトロポリタン美術館コスチューム・インスティテュートの今年の特別展は、5日にスタート。7月16日までの期間限定でお披露目される。偉大なるデザイナーへオマージュを捧げる回顧展を一般公開に先駆けてリポートする。

メットガラ同日のプレスプレビューは
すでに熱気を帯びていた

 毎年エンターテインメントとしても注目の「メットガラ」当日の朝に行われた「ア・ライン・オブ・ビューティ」のオープニング。メトロポリタン美術館のエントランスは、カール・ラガーフェルドの横顔を模したイラストの大きなテントで覆われ、朝からセレブ待ちの人々やマスコミのカメラマンでごった返していた。オープニングイベントの会場も、立ち見が出るほど。カールにオマージュを捧げるべく、「シャネル(CHANEL)」に身を纏った人々があちこちで見受けられた。

 オープニングでは、今回キュレーターを務めたメトロポリタン美術館コスチューム・インスティテュートのアンドリュー・ボルトン( Andrew Bolton)や友人のカーラ・ブルーニ(Carla Bruni)が生前のカール・ラガーフェルドとのエピソードを交えながら挨拶した。オープニングにはアナ・ウィンター(Anna Wintour)米「ヴォーグ(VOGUE)」編集長兼コンデナスト(CONDENAST)アーティスティック・ディレクターをはじめ、トム・ブラウン(Thom Browne)の姿もあった。

 本展では、1950年代から生前最後となった2019年のコレクションから厳選した200点以上の作品がカールの直筆のデッサンとともにトリビュートとして展示されている。「シャネル」「フェンディ(FENDI)」「クロエ(CHLOE)」、そして自身のブランドとなる「カール・ラガーフェルド」といったさまざまな特徴を持つブランドを多彩なアイデアと精緻な手仕事で未来を見据えたデザインとして形にしてきた様子が垣間見える。一人のデザイナーの功績は、まるでファッションの一つの時代を切り取ったかのような見応えだ。

曲線が織りなす対比のクリエーション

 ドキドキとした心持ちで会場へ足を踏み入れると、カールの華麗なデッサンの様子を映し出したスクリーンが出迎えてくれた。今回の回顧展でもほとんどのルックにデッサンが添えられているが、彼のクリエイションはデッサンから始まると言っても過言ではないほど、要となるものなのだろう。ちなみに「ア・ライン・オブ・ビューティ」の展示スペースのデザインは、安藤忠雄が手がけている。両者の出会いは1996年というが、ラガーフェルドのアトリエを再現した展示スペースの中にも安藤の本が置かれているなど、生前から交流があったという。今回は直線と曲線が生み出すダイナミズムを表現している。

 展示スペースの最初の部屋は、カールのデッサンを緻密な手仕事によって具現化してきたプルミエールたちがラガーフェルドとの思い出をフランスの映像作家ロイック・プリジェン(Loïc Prigent)によるインタビューで語った映像とともにコレクションが紹介されている。ファーやスパンコールがさまざまなテクニックによってルックに落とし込まれているのを間近で見ることができるが、カールという一人のデザイナーが「シャネル」「フェンディ」「クロエ」のメゾンの特徴を捉えながら、プルミエールが最高のテクニックで仕上げているチームプレーに感嘆する。

 テーマによってさまざまな部屋が登場するが、「ア・ライン・オブ・ビューティ」はロココ時代の画家ウィリアム・ホガース(William Hogarth)の「美の解析」から着想を得ている。カールのコレクションは直線と曲線からインスピレーションを得て二面性を強調していると言われているが、本展でもさまざまな曲線に焦点をあて、「フェミニン・ライン/マスキュリン・ライン」「ロマンティック・ライン/ミリタリー・ライン」「ヒストリカル・ライン/フューチャリスティック・ライン」など、対比するテーマを掲げたコレクションが一つの部屋に飾られている。実際に一つ一つのルックを間近で目にすると、オートクチュール並の精緻な技術に驚かされる。また「シャネル」や「フェンディ」など、元々メゾンが持つイメージをラガーフェルド流にデザインに落とし込んでいるのは理解できるが、一つの回顧展を通して見ると、そのクリエーションの幅の広さを改めて感じることができる。

常に未来を見据える。
ファッションには遊び心を

 約65年にも渡ってファッションデザイナーとしてトップを走り続けてきたカールは固定概念に捉われず、常に未来を見据えてきた。さまざまな年代が入り混じる回顧展を見回しても、全てのルックがタイムレスなものに見えてくる。メゾンのアーカイブを大切にしながらも、ファッションの楽しさを忘れないデザインを盛り込むなど、ここでも二面性を大切にしている。特に「カール・ラガーフェルド」では自身をキャラクター化するなど、ちょっとした皮肉や遊び心を最大限に活かしている。

 多くの偉大なるデザイナーの中でもさまざまなメゾンを手がけ、一時代を築いてきたカール・ラガーフェルド。彼へのオマージュとなる「ア・ライン・オブ・ビューティ」をお見逃しなく。

The post カール・ラガーフェルドへのオマージュが満開 メトロポリタン美術館の「ア・ライン・オブ・ビューティ」現地リポート appeared first on WWDJAPAN.

オンライン試着「ユニサイズ」がUIデザイン刷新

 メイキップは、主力製品のオンライン試着サービス「ユニサイズ(UNISIZE)」の大幅なリニューアルを行う。デザイン雑誌「AXIS」を発行するアクシスの「AXISデザイン研究所」と組み、ロゴやUIデザインを刷新するほか、新機能も追加する。「ユニサイズ」は250サイト以上に導入され、200万MAU(月間アクティブユーザー数)を持つ。オンライン試着サービスでは、競合の「バーチャサイズ」とシェアを分け合っている。デザインの刷新で、海外展開とシェア拡大にはずみをつける。

 メイキップはセプティーニとドリコムを経て、塚本真吾社長CEOが2015年2月に創業、16年から簡単なアンケートに答えるだけで体型にあったサイズの商品をオススメする「ユニサイズ」をスタートした。2019年には日鉄物産(現MNインターファッション)が出資している。

 今回のデザイン刷新では、AXISデザイン研究所のサポートも受けながら国内外のユーザビリティー評価や感性評価だけでなく、定性分析やコレスポンデンス分析なども組み合わせている。

 6月中旬に実装を予定しているおり、今後は新機能の追加も行う。

The post オンライン試着「ユニサイズ」がUIデザイン刷新 appeared first on WWDJAPAN.

「メイベリン ニューヨーク」の人気マスカラ“スカイハイ”から新色2色登場

 「メイベリン ニューヨーク(MAYBELLINE NEW YORK)」は5月20日、昨年9月に日本上陸したマスカラ“スカイハイ”(税込1639円、編集部調べ)から“あさやけルビー”“ゆうやけオレンジ”の2色を全国のドラッグストアやバラエティーショップなどで発売する。アマゾンや楽天、@cosmeでは先行販売中だ。

 “スカイハイ”は、まつ毛を伸ばして1日中リフト効果持続できるとしてSNSを中心に話題を集め、2022年下半期のベストコスメを数々受賞するほど人気のアイテム。2月にはブラックに次ぐ新色として“たそがれブラウン”が登場し、アマゾンの「メイベリン ニューヨーク」公式店でブランド史上最大の予約販売数を記録した。今回打ち出す“あさやけルビー”“ゆうやけオレンジ”は、朝日、夕日に染まる空の色を反映。“あさやけルビー”は朝日に照らされパールがきらめく様子を表現、“ゆうやけオレンジ”は夕暮れでもしっかり発色する色となっている。

 新色2色も“スカイハイ”の特徴であるアーチ状に並んだ5列のコームを採用。まつ毛を逃さずマスカラ液を根元からしっかりとつけることができるほか、補修成分によりまつ毛を守る。ウォータープルーフ仕様で汗や水にも強くきれいな仕上がりが持続する。

The post 「メイベリン ニューヨーク」の人気マスカラ“スカイハイ”から新色2色登場 appeared first on WWDJAPAN.

「ディオール」と京都大学iPS細胞研究所が共同で肌老化研究に取り組む理由 LVMHリサーチ所長「ゴールは1つではない」

 「ディオール(DIOR)」の研究開発施設であるLVMHリサーチと京都大学iPS細胞研究所(CiRA、サイラ)は2019年から幹細胞に関する共同研究をスタートした。20年以上にわたり、肌の若々しさにかかわる表皮幹細胞の研究事業を続けてきた「ディオール」がCiRAとともに取り組む研究とは?

WWD:「ディオール」はスキンケア領域でR&Dに大きな投資を行なってきた。

ブリューノ・バヴーゼLVMHリサーチ所長(以下、バヴーゼ):良い商品を作るためにまずサイエンスの側面からアプローチした結果、R&Dを強化してきた経緯がある。1月には美容液“カプチュール トータル セラム”を発売した。同シリーズの初代商品が登場した1986年当時、私自身はこのプロジェクトに携わっていなかったが、相当な投資額だったことは言っておきたい。なぜそこまでになったかというと、通常であれば医学分野で活用される研究結果をコスメティクス分野に適用したほぼ最初の企業だったからだ。その中でさまざまな発見があり、もっと納得できる商品が作れるのではとの思いが強くなり、さらに探究を深める流れになった。もちろんサイエンスだけでなく、使う喜びの側面も追求している。

WWD:外部との連携にも積極的だ。

バヴーゼ:今の時代、1社だけで全ての解を見出すのは到底不可能だ。研究を加速させるためにパートナーシップの模索を続け投資額も増やしてきた。バイオプリントの分野でフランスのスタートアップと提携したり、バイオロジーの分野で幹細胞の研究をしたり投資額は増えている。バイオプリントの技術を幹細胞研究で応用したのも世界初で、これも偉業と言えるだろう。

WWD:ディオール サイエンス(LVMHリサーチ)とサイラ(CiRA)の共同研究の目的は?

クヌート・ウォルツェン京都大学iPS細胞研究所准教授(以下、ウォルツェン):共同研究は2019年からスタートしているが、当初面会した際に互いの研究内容をかなりオープンな形で意見交換した。その結果、肌の加齢の仕組みを理解したい思いが共通であることやそれぞれの視点が分かったので、研究が重複する部分についてはパートナーシップを組むことが有用であるとの判断に至った。もちろん究極的な目的は別かもしれないが、人間の体や健康のメカニズムを深く理解する点では一致している。

WWD:幹細胞研究は、従来の治療法では効果が得られなかった疾病の新たな治療の選択肢として期待されている段階だ。

ウォルツェン:幹細胞研究を疾病の治療に役立てるのはもちろん重要だがそれだけではいささか保守的で、もっと広範にテクノロジーを活用することをわれわれは願っている。この共同研究で皮膚の加齢プロセスを解明できれば、再生医療にとどまらず、もっと広いところでそれを応用できる可能性がある。患者だけでなく一般市民にも価値あるテクノロジーを理解してもらうことは大切だ。それが結果的に人類のためになっていくとわれわれは考えている。

WWD:共同研究のゴールや期間はどう考えているか。

バヴーゼ:ゴールは1つに絞っていない。この研究領域はグローバル規模でナレッジを蓄積し共有しあったその先に見えてくるものを目指している。その中で肌老化の仕組みや根本原因についてどんどん明らかになってきている。最も先進的な技術を扱っているからこそ、このパートナーシップは時間をかけていく必要があり、長きにわたり続くものになるだろう。徹底的に理解するプロトコルを定めて信頼できる結論付けを行なっていく過程そのものが非常に大切だ。研究対象である幹細胞は非常にポテンシャルが大きいと確信している。幹細胞に関する理解が深まり技術が進化を遂げれば医療だけでなく化粧品へ応用ができるし、化粧品の機能を押し上げる力になるだろう。

The post 「ディオール」と京都大学iPS細胞研究所が共同で肌老化研究に取り組む理由 LVMHリサーチ所長「ゴールは1つではない」 appeared first on WWDJAPAN.

「ディオール」と京都大学iPS細胞研究所が共同で肌老化研究に取り組む理由 LVMHリサーチ所長「ゴールは1つではない」

 「ディオール(DIOR)」の研究開発施設であるLVMHリサーチと京都大学iPS細胞研究所(CiRA、サイラ)は2019年から幹細胞に関する共同研究をスタートした。20年以上にわたり、肌の若々しさにかかわる表皮幹細胞の研究事業を続けてきた「ディオール」がCiRAとともに取り組む研究とは?

WWD:「ディオール」はスキンケア領域でR&Dに大きな投資を行なってきた。

ブリューノ・バヴーゼLVMHリサーチ所長(以下、バヴーゼ):良い商品を作るためにまずサイエンスの側面からアプローチした結果、R&Dを強化してきた経緯がある。1月には美容液“カプチュール トータル セラム”を発売した。同シリーズの初代商品が登場した1986年当時、私自身はこのプロジェクトに携わっていなかったが、相当な投資額だったことは言っておきたい。なぜそこまでになったかというと、通常であれば医学分野で活用される研究結果をコスメティクス分野に適用したほぼ最初の企業だったからだ。その中でさまざまな発見があり、もっと納得できる商品が作れるのではとの思いが強くなり、さらに探究を深める流れになった。もちろんサイエンスだけでなく、使う喜びの側面も追求している。

WWD:外部との連携にも積極的だ。

バヴーゼ:今の時代、1社だけで全ての解を見出すのは到底不可能だ。研究を加速させるためにパートナーシップの模索を続け投資額も増やしてきた。バイオプリントの分野でフランスのスタートアップと提携したり、バイオロジーの分野で幹細胞の研究をしたり投資額は増えている。バイオプリントの技術を幹細胞研究で応用したのも世界初で、これも偉業と言えるだろう。

WWD:ディオール サイエンス(LVMHリサーチ)とサイラ(CiRA)の共同研究の目的は?

クヌート・ウォルツェン京都大学iPS細胞研究所准教授(以下、ウォルツェン):共同研究は2019年からスタートしているが、当初面会した際に互いの研究内容をかなりオープンな形で意見交換した。その結果、肌の加齢の仕組みを理解したい思いが共通であることやそれぞれの視点が分かったので、研究が重複する部分についてはパートナーシップを組むことが有用であるとの判断に至った。もちろん究極的な目的は別かもしれないが、人間の体や健康のメカニズムを深く理解する点では一致している。

WWD:幹細胞研究は、従来の治療法では効果が得られなかった疾病の新たな治療の選択肢として期待されている段階だ。

ウォルツェン:幹細胞研究を疾病の治療に役立てるのはもちろん重要だがそれだけではいささか保守的で、もっと広範にテクノロジーを活用することをわれわれは願っている。この共同研究で皮膚の加齢プロセスを解明できれば、再生医療にとどまらず、もっと広いところでそれを応用できる可能性がある。患者だけでなく一般市民にも価値あるテクノロジーを理解してもらうことは大切だ。それが結果的に人類のためになっていくとわれわれは考えている。

WWD:共同研究のゴールや期間はどう考えているか。

バヴーゼ:ゴールは1つに絞っていない。この研究領域はグローバル規模でナレッジを蓄積し共有しあったその先に見えてくるものを目指している。その中で肌老化の仕組みや根本原因についてどんどん明らかになってきている。最も先進的な技術を扱っているからこそ、このパートナーシップは時間をかけていく必要があり、長きにわたり続くものになるだろう。徹底的に理解するプロトコルを定めて信頼できる結論付けを行なっていく過程そのものが非常に大切だ。研究対象である幹細胞は非常にポテンシャルが大きいと確信している。幹細胞に関する理解が深まり技術が進化を遂げれば医療だけでなく化粧品へ応用ができるし、化粧品の機能を押し上げる力になるだろう。

The post 「ディオール」と京都大学iPS細胞研究所が共同で肌老化研究に取り組む理由 LVMHリサーチ所長「ゴールは1つではない」 appeared first on WWDJAPAN.

【2023年夏コスメ】「ジルスチュアート ビューティ」がトロピカルフルーツのひんやりコスメ発売

 「ジルスチュアート ビューティ(JILL STUART BEAUTY)」は6月16日、フローズンタッチのローションや日焼け止めスプレーなど限定アイテム全4種を発売する。全商品に共通でトロピカルフルーツをベースにした夏らしい香りに仕上げている。

 新登場の頭皮用トリートメント“アイシーヘッドシャワー”(90g、税込1980円、以下同)はフローズンタッチのローションで、パチパチ弾ける感触が特徴。果実のエキスや花のエキスを配合し、紫外線を浴びた頭皮に潤いを与える。 そのほか、ベタつかない感触で夏でもさらりと使える“ハンドエッセンス”(30g、1320円)、全身用ミスト“エブリシングミスト”(200mL、3300円)、全身に使える日焼け止めスプレー“ エブリデイブライト UVプロテクター スプレー”[SPF50+/PA++++](60g、2200円)をラインアップする。

 共通の香りである“マンゴー&パッション ホワイトフローラル”は、マンゴーをはじめとしたトロピカルフルーツの甘い芳香からパッションフルーツやカシスなどの甘酸っぱい香りを経て、エキゾチックなジャスミンやプルメリアをアクセントにしたホワイトフローラルへと移る夏らしい香りに仕上げている。

The post 【2023年夏コスメ】「ジルスチュアート ビューティ」がトロピカルフルーツのひんやりコスメ発売 appeared first on WWDJAPAN.

プロレス沼にハマりまくっている令和の“プ女子” 清宮海斗と干場義雅も参戦し戦いのゴング鳴る

 「出る前に負けること考えるバカいるかよ」。かつてアントニオ猪木は、試合前のインタビュアーのネガティブな質問にそう言い放ち、ビンタを食らわせた。勝ちの美学もあれば負けの美学もあるプロレスに、定石通りの試合なんてない。戦いは常にシーソーゲーム。ジャイアントキリングや番狂わせに、ハラハラドキドキするのがプロレスだ。そのプロレスの魅力にどっぷりハマった女子がいる。それがプロレス好きな女子、通称“プ女子”。そろそろファッションもプロレスと繋がろうじゃないか。「時は来た!それだけだ」(橋本真也の名言から)。(この記事は「WWDJAPAN」2023年3月20日号からの抜粋です)

令和の“プ女子”は
プロレスをどう嗜む?

 元バッグブランドPRのタイガーネロさんは、2019年に仕事でたまたまプロレスを観戦して以来、見事にプ女子化してしまった。リングには華やかな衣装をまとった筋骨隆々のイケメンたち。彼らに向けて、ペンライトや顔写真と名前入りのボードを掲げる女子の黄色い声援が響く(もちろん往年のファンも!)。そこはまるで、アイドルのコンサート会場のようだったとか。想像していた、筋肉と汗による男の世界が一気に覆された。ネロさんに令和のプロレスの魅力を聞く。ちなみにマスクは、あのタイガーマスクを作ったこともあるご本人作!

プロレス観戦に欠かせない!
三種の神器とコレクション

 カメラは、試合中の選手の繰り出す技やかっこいい表情を切り取る必須アイテム。写真はSNSにアップして、ファン同士で楽しむ。ペンライトは、それぞれ推しのカラーを。コロナ禍で声援が禁止になったことをきっかけに、応援の気持ちを届けられるグッズとしてプロレス界に広まった。今やさまざまな団体が販売中。タオルは入場シーンで掲げる。プロレスTシャツは購入すると選手からサインがもらえたり、2ショットが撮れたりするサービスも。気付いたら30枚も持っているとか。写真集は男女問わずたくさん発売されている。試合中の躍動感あるカットからグラビアまで。そして、ファン垂涎の選手のアクリルスタンドやキーホルダーはプ女子仲間で持ち寄って“祭壇”に!NOAHのファンクラブ限定もあるとか。

選手をパシャリ!
シャッターチャンスは逃さない

倒れてもまた立ち上がる、
それがプロレスだ

 プロレスリング・ノア(NOAH)の清宮海斗選手は、爽やかなルックスと華麗なパフォーマンスで、プ女子からも絶大な人気を誇る。プ女子的には、ファッション誌で見せるちょっとアンニュイな表情もキュンとするとか。清宮選手とネロさんが語る令和のプロレスとは?

――令和のファンはどこでプロレス情報を集めるんですか?

タイガーネロ(以下、ネロ):ツイッターとかインスタグラムとかユーチューブなんかで情報を集めています。最近はティックトックを始める団体も増えていますよね。

清宮海斗選手(以下、清宮):ファンの方がSNSを見てくださっているので、そこでも自分をアピールしないと。言いたいことはツイッターで言うこともあります。

――マイクパフォーマンス的な?

ネロ:選手によってですけど、SNSで煽ったり意思表明したりして、それをファンはハラハラドキドキしながら見守っているんです。清宮さんも最近、新日本プロレスのオカダ・カズチカ選手とバチバチやられていて、すごかったですよ。日本を代表するトップレスラーのオカダさんに、若い清宮さんがどんどんかみつくっていう。

清宮:言える場所があるなら、とことんやってやるって感じですね。ツイッターなんかは、自分が発信するだけじゃなくてコメントもいただけるので、それがまた次のモチベーションにもつながるんですよ。ファンと支え合っている感覚です。

ネロ:SNSで選手のキャラクターを知ってから観ると、より楽しいんです。プロレスって競技人生が長いので、ある意味レスラーの人生も一緒に見ているような感じ。

――なるほど。ところで、痛くて逃げ出したくなることはないんですか?

清宮:いやぁ、さすがに(苦笑)。でも悶絶するぐらい本当に苦しいときはあります。それでも逃げ出そうとは思いませんけど。

ネロ:チョップがえぐいと本当にうっ血して、胸が裂けちゃったりしますもんね。見た目もすごく痛そうなんです。

――そこまでして戦うプロレスの魅力って……?

清宮:僕がプロレスを好きになった理由は、何度やられても立ち上がるプロレスラーの姿に感動したからなんです。もちろん、勝ち負けも重要だとは思うんですけど、戦いの中で見せる闘志みたいなものがすごく大事だと思うし、それを見てくれている人に伝えられればいいなと思っています。

ネロ:華やかな技やかっこいいビジュアルにも目を奪われますが、やっぱり一番はそこに感動するんです。仕事をしていると、どんなにその仕事が大好きでも心を折られることってあるじゃないですか。でもプロレスを見るようになって、何度も立ち上がるレスラーのマインドを知ったとき、分かったんです。失敗してもいいし、倒れてもまた立ち上がればいいんだって。だから、仕事を頑張っている人にこそプロレスを見てほしいです。

タイガーマスクの所有者、干場義雅さんが語るプロレス沼

 後楽園ホールにプロレスを観に行った際に、昔から大ファンだった初代タイガーマスク、佐山サトルさんから、直筆のサイン入りでいただいた僕の宝物です。男のカッコ良さを追い求め、現在は「フォルツァスタイル(FORZA STYLE)」の編集長、以前は「レオン(LEON)」や「オーシャンズ(OCEANS)」などの男性ライフスタイル誌の編集に携わってきましたが……。カッコイイ!を突き詰めていくと、とどのつまりは男はタイガーマスク!に至ります。 孤児として育った伊達直人は、虎の穴で悪役レスラー養成機関のタイガーマスクとなるんですが……。同じような生い立ちを持つ孤児たちに、同じ苦しみを味わせたくないという想いを抱くようになり、やがて伊達直人は出身施設である「ちびっこハウス」に賞金を寄付するようになるんです。表層的なファッションも大事、それを着る人間も大事ですが一番大事なのは「弱きを助け、強きをくじく」という精神性です。本当に強い人は、一番優しい。一番優しい人こそ、本当に強い。ということで、梶原一騎さんが作った漫画の世界を地で行っていたプロレスラーの佐山サトルさんに小学生の頃に憧れたのです。今でもユーチューブで見直しますが、ダイナマイト・キッドとの試合のときのタイガーステップや空中殺法は気絶ものですよ。

The post プロレス沼にハマりまくっている令和の“プ女子” 清宮海斗と干場義雅も参戦し戦いのゴング鳴る appeared first on WWDJAPAN.

アパレルEC最強の黒子企業が「WEB3.0」に本気で挑むワケ BBF田村淳社長に直撃

田村淳ビービーエフ社長

1974年10月3日生まれ、群馬県出身。ブロードバンドタワー在籍中の2005年にBBFを設立し、社長に就任。120サイト以上のEC運営支援を手掛けるBBFはファッションEC支援のトップ企業の一つ。BBFの21年8月期の業績は売上高385億円、経常利益8億5500万円、純利益5億5800万円。総資産99億400万円に対し、純資産は53億6600万円

 ファッションEC受託運営の最大手ビービーエフ(以下、BBF)は、ブロックチェーンやNFTを活用したウェブスリー事業支援に本格的に乗り出す。このほど第一弾として、既存のNFTをより有効に活用できる新しいプラットフォーム「シルル(SILURU)」をスタートした。

 2005年10月設立のBBFはファッション企業を中心に120サイト以上のECの運営支援を手掛け、直近の22年8月期の年商は405億円。アパレルのEC支援企業としては圧倒的なナンバーワン企業であり、東証プライム上場のヒト・コミュニケーションズ・ホールディングスの中核子会社の一つでもある。ただ、これまでは黒子に徹し、創業者の田村淳社長もメディアに出ることはなかった。なぜいまウェブスリーなのか、そしてファッションとウェブスリーの今後をどう見ているのか。ベールを脱ぎ捨て姿を表した、ファッションEC界最強の起業家の一人、田村社長の独占インタビューをお届けする。

WWD:なぜ今ウェブスリーを?

田村淳BBF社長(以下、田村):18年前にBBFを起業したのは、当時徐々に真の姿を表しつつあった、ECという“新しいインフラ”を作りたかったから。ECには、決済、物流、在庫運用、CRM、コミュニケーションなどビジネスのためのすべての機能やツールが必要になることがわかっていたが、そもそも服がECで売れるとすら思われていなかった。だからこそ商機もあった。けど今ECには、安価で便利なテクノロジーも増え、それ自体が「コモディティ化」している。2022年にGMV(流通総額)が1970億ドル(約26兆円)のECカートの最大手企業ショッピファイ(SHOPIFY)は、その象徴だろう。

WWD:というと?

田村:誤解を恐れずに言えば、フォロワー数の多いインスタグラマーとショッピファイのアカウントさえあれば、すぐにビジネスができてしまうということだ。BBFはこれまで、ECに必要なものはすべて提供することを目指してきた。だが、ツールが便利になって、我々のような運営代行企業は存在意義が問われている。危機感は相当強い。

ファッションブランドが「web3.0」に取り組むべき理由

WWD:ではファッションブランドが「ウェブ3.0」に取り組むべき理由は?

田村:この数年、ウェブスリーに関して自分でもNFTを購入したり、「アンブッシュ」と組んで共同でNFTの開発・運営も行ってきたが、そこで見えてきたのは、ファッションブランドは非常にウェブスリーと相性がいいということだった。ウェブスリーで重要なのは、基盤となる世界観で引きつけ、SNSなどのコミュニケーションを通し、コミュニティーを醸成すること。実際ファッションブランド運営とかなり近い。加えて、ウェブスリーの特性自体が既存のビジネスをさらに拡張できる可能性もある。例えば「転売」だが、ウェブスリーを使えば、転売されるごとにブランド側に一定の金額を得られるし、デジタルデータなので商品の劣化もない。

WWD:ファッション×ウェブスリー市場はどこまで伸びる?

田村:僕はウェブスリー全体やNFT市場の動向を語る立場にはない。ただ、一つ言えるのは、市場の規模としてはまだ夜明け前であり、けどものすごい大きな市場にになっていくことは見えてきたということ。つまり、まさにECが立ち上がるときのような、むしろもっともっと大きくなる市場がいままさに立ち上がろうとしているのだ。

 未整備な部分も多いし、いまアパレル企業が乗り出そすと、大変なことも多い。ブロックチェーンの仕組みも複雑だし、NFTの運用にも技術やノウハウが必要になる。だからこそ、ビジネス的にはめちゃくちゃ面白いし、僕らが取り組む意義がある。

「シルル」の狙いはNFTの再活性化
コラボ相手をマッチング

WWD:「シルル」はどういった仕組みなのか。

田村:「シルル」はいわば、既存のNFTをより活性化するための仕組み、プラットフォームのようなものだ。例えば、ファッションブランドが、NFT所有者だけが訪問できる限定ECサイトやメタバース空間の中で限定アイテムの販売をできたり、メタバース空間でのファッションショーや音楽ライブといった所有者限定のエンターテイメント体験を提供したりもできるし、すでにNFT化した作品のコラボレーション相手を探すことなども可能だ。

WWD:もう少し噛み砕くと…?

田村:先ほども言ったが、NFTは「作って流通させて終わり」ではなく、コミュニティを醸成し、価値を高め続けることも重要になる。「シルル」は、そのために必要な機能をプラットフォームのような形で提供している。ECサイトでも、決済のためのカートだけでなく、会員の購買履歴を分析するためのツールやウェブ上で試着できるサービスがあるが、それと同様に、NFTを作って、より価値を高めていくための色々なツールや仕組みを実装しているし、今後も拡張していく。

WWD:これまでは黒子に徹して、ほとんど表に出ることはなかった。

田村:BBFを立ち上げて18年になるが、実はこれまでプレスリリースを出したことすらなかった。会社の公式サイトもあえてできるだけ情報を絞って1ページの概要欄のみ。必要がなかったからだ。だが、先ほども言ったようにウェブスリーはまだ「夜明け前」。いまは顔を出し、メディアの力も借りて、仲間や同志を増やすタイミングだ。NFTも今はまだ限られた人だけのニッチな市場だが、いずれはファッションブランドのように多くの人が、好きなキャラクターやブランドのものを所有するような時代がすぐに来る。緻密に積み上げた数字ではないが、3年でNFT関連事業で当社も売上高100億円くらいは目指したい。

The post アパレルEC最強の黒子企業が「WEB3.0」に本気で挑むワケ BBF田村淳社長に直撃 appeared first on WWDJAPAN.

百貨店で存在感を増す「身の回り品」とは何か

 百貨店の売り上げ構成比が変化している。日本百貨店協会の2022年の統計によると、百貨店の売り上げ構成の1位は「食料品」の29.0%、2位が「衣料品」の26.6%、3位が「雑貨」の19.7%、4位が「身の回り品」の15.3%となる。百貨店では売り場面積が大きい「衣料品」が2000年頃まで40%以上のシェアを誇ってダントツの存在だったが、「ユニクロ」に代表されるSPA(製造小売業)の台頭やショッピングセンターとの競合激化でじわじわと衰退。コロナ下の20年に初めて「食料品」に1位の座を明け渡し、行動規制がだいぶ緩和された22年も1位の座を取り返すことはできなかった。

 興味深いのは「雑貨」と「身の回り品」である。

 百貨店業界の分類でいう「雑貨」とは、化粧品、美術・宝飾・貴金属、玩具など。22年の「雑貨」の売上高は前年比14.7%増の9829億円だった。10年前の12年に比べて売り上げ構成は5.9ポイント上昇している。マスク着用の継続もあって化粧品の売上高は9.1%増の3795億円と緩やかな回復だった。一方、美術・宝飾・貴金属は23.3%増の4526億円だった。美術・宝飾・貴金属には時計が含まれており、数百万円の高級時計が富裕層を中心によく売れた。

 「身の回り品」とは靴、バッグ、アクセサリー、財布・革小物、傘、旅行用品などを指す。22年の売上高は前年比26.1%の7630億円。物販系の伸び率でいえば最も高い。こちらも10年前に比べて売り上げ構成は3.0ポイント上昇している。けん引しているのは平場の靴売り場やバッグ売り場で売られている商品というよりも、ブティック形式で出店しているラグジュアリーブランドの商品である。コロナを経てラグジュアリーブランドは勢いを増す。バッグなど物によって10万円以上の値上げを行なっているにもかかわらず、動きは活発だ。昨年10月以降、回復してきた東南アジアや欧米からの訪日客が円安を背景に日本で高額品を買い求める。

 銀座店で売上高の約85%を稼ぐ松屋は、23年2月期決算で「身の回り品」の売上高が初めて「衣料品」を抜いた。立地柄、ラグジュアリーブランドの品ぞろえが強いことと、訪日客の回復したことが重なって、「身の回り品」の売上高は前期比78.3%増の275億円。売り上げ構成では8.1ポイント上昇の34.1%になった。

The post 百貨店で存在感を増す「身の回り品」とは何か appeared first on WWDJAPAN.

映画「スラムダンク」の知られざるアナザーストーリー バスケットボール音響監修/声優が明かす

 バスケットは…お好きですか?映画「THE FIRST SLAM DUNK」はやっぱりすごかった。本物のバスケの試合を見ているようなリアリティーは、25〜6年前に「少年ジャンプ」を読んでいた頃の興奮を呼び覚ます。その臨場感を際立たせる役目の“音”。映画の制作に「バスケットボール音響監修/声優」として参加したのが、リアル高校バスケ界最強、能代工業高校OBでモデルの新岡潤さんだ。劇中の“最強、山王”に命を吹き込んだ一人でもある。新岡さんに聞く制作秘話。要チェックや!(この記事は「WWDJAPAN」2023年4月24日&5月1日合併号からの抜粋です)

インターハイの臨場感をリアルに再現するために

 井上(雄彦)先生から「日本一の伝統を誇る高校バスケ部の雰囲気を教えてほしい」というオファーが来たんです。漫画の中では描かれていない部分も映像では必要になるので、最初は当時の応援を再現した声を録音して、送って欲しいとのことでした。

 そのサンプルを送ったところ、声優では表現できなかったみたいなんですね。声の中に「山王」というフレーズが入っていたり、動きに合わせた声が必要だったりで。それで俺の方で応援をアレンジすることになりました。その応援も大差で勝っているときと切羽詰まったときだと、どう違うのか、細かいリアルをどんどん追求しようと。本当に妥協のない現場なので、俺も妥協したくない。だから最終的に、能代工業のOBを10人集めたんです。当時の部員数は62人。ベンチに入れるのが12人なので、応援席には50人ぐらい。声を何度も重ねて50人の応援を表現しました。

 で、今度は名門校の振る舞いが分からない。例えば、インターハイ初出場の湘北高校は、シュートが1本入ると嬉しい。一方で、強豪校である山王工業は、勝つのが当たり前。ましてや初戦(山王はシードで2回戦から)で、無名の湘北高校が相手となれば、喜ぶとかは“無い”んです。応援席では、メガホンとペットボトルを持っていますが、メガホンの角度も全員乱れることなく、45度で統一。表情もほぼ無表情なんですよ。シュートの音やドリブルの音も俺とモーションアクターで録りました。

 だから、全部嘘じゃない。井上先生の妥協ない作品作りに同じ熱量で向かわせてもらいました。完成版を見て、脚本も素晴らしかったけれど、何よりアニメなのに過剰演出がない。それにも関わらず、観ている人をエキサイトさせる音と画力、実際に能代工業にいた俺から見ても全く違和感がなかった。原作コミックを超えてくる映画もなかなか無いと思うし、アニメ映画史上、最高傑作じゃないですか?

なぜ人は“エア ジョーダン”に惹かれるのか?

 ロングランヒットを記録する「スラムダンク」に続けと、4月に公開された「AIR/エア」はもう観た?バスケットの神様、マイケル・ジョーダン(Michael Jordan)のシグネチャーシューズ“エア ジョーダン(AIR JORDN、AJ)”の誕生に迫る物語。当時のナイキの社運をかけて、一発逆転の勝負に出た実話を映画化したものだけど、1985年の“エア ジョーダン1”のオリジナルカラーの一つ、赤×黒の通称“ブレッド”こそ、「スラムダンク」の作中で、桜木花道が履いているバッシュなのだ。というわけで、改めて“エア ジョーダン”を要チェックや!

3億円の値がついた話題の“AJ13”

 4月3~11日に開催された米「サザビーズ」で、マイケル・ジョーダン本人の着用した“AJ 13”が、なんと220万ドル(約2億9650万円)で落札された。1998年のNBAファイナル第2戦で着用した1足で、これはスニーカーの落札額として史上最高額。偶然にも“AJ 13”がジョーダンシリーズで最もお気に入りという新岡さん。こちらは新岡さんの私物の“AJ13”コレク ションだ。「小学3年生のときにバスケを始めて、そのときに女子部のエース2人が履いていたんです。それが初めて見た“エア ジョーダン”。ガチャガチャしていないシームレスなデザインと、ソリッドな配色が山王工業っぽくもある。小学校のときは高くてなかなか手に入れられなかったけど、ずっと憧れていて、大人になってからしょっちゅう履いています」。

桜木花道が100円で買ったあの“AJ1”、今おいくら?

 “エア ジョーダン”が誕生した1985年には、全部で18色の“AJ1”が市場に出回ったと言われている。その中でも、映画「スラムダンク」で桜木花道が履くこの“AJ1”は、赤と黒が湘北の色。この通称“ブレッド”には、シリーズの中でも伝説的なエピソードがある。

 1985年当時のNBAは「公式戦で選手が着用するバッシュは、70%以上が白の配色であること」と義務付けていた。これに違反すると1試合あたり5000ドル(当時のレートで約110万円)の罰金を払わなければならない。黒地のアッパーの“ブレッド”は明らかな異端。だが、規約違反のそのバッシュをマイケルは履き続け、その度にマイケルに科された5000ドルをナイキが肩代わりしていたというのだ。

 今となっては、このエピソードの真偽を知るのはマイケルのみだが、この規約を逆手にとったプロモーションは長く語り継がれている。ちなみに「スラムダンク」の作中で花道は、なんと100円で手に入れている。写真は、フラッシャー付きのデッドストック。数百万円はくだらないだろう。

The post 映画「スラムダンク」の知られざるアナザーストーリー バスケットボール音響監修/声優が明かす appeared first on WWDJAPAN.

「ザボディショップ」ビーガンメイクアップアイテムにティントタイプのリップ&チークが登場

 「ザボディショップ(THE BODY SHOP)」は5月18日、ビーガンメイクアップのアイテムからティントタイプの“シアータッチ リップ&チーク”(全3色、各8mL、税込各2750円)を発売する。赤み系の3色をそろえ、軽いつけ心地で、シアーでマットな仕上がりが長時間持続する。

 同商品は、リップにもチークにも使え、ひと塗りでしっかりと発色。唇と頬に同じ色をプラスすることで、統一感のあるフェイスを演出する。コミュニティフェアトレードで調達したメキシコ産のアロエベラなど自然由来成分を85%配合し、乾燥しがちな唇や頬を保湿する。パッケージは、リサイクルガラスを採用した。

The post 「ザボディショップ」ビーガンメイクアップアイテムにティントタイプのリップ&チークが登場 appeared first on WWDJAPAN.

「スティーブン・アラン」が日本出店10周年記念Tシャツを発売

 ユナイテッドアローズが展開する「スティーブン アラン(STEVEN ALAN)」は、日本国内への出店10周年を記念したTシャツ3種(メンズ2型、レディース1型)を発売した。4月27日から「スティーブン アラン」4店舗と「ユナイテッドアローズ オンライン」で販売中だ。価格はウィメンズ用Tシャツが税込9350円、メンズ用Tシャツ9900円、ロングTシャツ1万1500円。

 「スティーブン アラン」は、デザイナーのスティーブン・アラン(Steven Alan)により米・ニューヨークで創立されたブランド。1994年に自らの名前を冠したセレクトショップ「Steven Alan」をオープンし、オリジナル企画商品の展開もスタートした。2013年4月にユナイテッドアローズが日本国内の店舗出店と運営を開始。今回発売したTシャツは、13年4月に日本1号店としてオープンした「STEVEN ALAN TOKYO」の店内風景のイメージをデザインに落とし込んだものだ。

The post 「スティーブン・アラン」が日本出店10周年記念Tシャツを発売 appeared first on WWDJAPAN.