ゴールドウインとスパイバーは2023-24年秋冬物から、「ザ・ノースフェイス(THE NORTH FACE)」「ゴールドウイン(GOLDWIN)」「ウールリッチ(WOOLRICH)」「ナナミカ(NANAMICA)」の4ブランドで、スパイバーが開発する人工タンパク質素材「ブリュード・プロテイン(BREWED PROTEIN、以下BP)」を使ったアイテムの販売を開始する。これまでは数十着の数量限定販売にとどまっていたが、スパイバーは昨年夏にタイで、世界初の人工タンパク質原料の量産工場の稼働をスタートしており、数千着を売り出す、"世界初”の量産販売になる。
岩嵜博論/武蔵野美術大学クリエイティブイノベーション学科教授、ビジネスデザイナー:イリノイ工科大学Institute of Design修士課程修了後、京都大学経営管理大学院博士後期課程修了、博士(経営科学)。リベラルアーツと建築・都市デザインを学んだ後、博報堂でマーケティング、ブランディング、イノベーション、事業開発、投資などに従事。2021年武蔵野美術大学クリエイティブイノベーション学科に着任。ストラテジックデザイン、ビジネスデザインを専門として研究・教育活動に従事しながら、ビジネスデザイナーとしての実務を行う。著書に『機会発見―生活者起点で市場をつくる』(英治出版)、共著に『パーパス 「意義化」する経済とその先』(NewsPicksパブリッシング)など
岩嵜博論/武蔵野美術大学クリエイティブイノベーション学科教授、ビジネスデザイナー:イリノイ工科大学Institute of Design修士課程修了後、京都大学経営管理大学院博士後期課程修了、博士(経営科学)。リベラルアーツと建築・都市デザインを学んだ後、博報堂でマーケティング、ブランディング、イノベーション、事業開発、投資などに従事。2021年武蔵野美術大学クリエイティブイノベーション学科に着任。ストラテジックデザイン、ビジネスデザインを専門として研究・教育活動に従事しながら、ビジネスデザイナーとしての実務を行う。著書に『機会発見―生活者起点で市場をつくる』(英治出版)、共著に『パーパス 「意義化」する経済とその先』(NewsPicksパブリッシング)など
18scott:父親が漫画家で、職業柄かは分かりませんが、とにかくいろいろなカルチャーを与えてくれる人で、小学校低学年の時に教えてもらった中の一つがヒップホップでした。最初は、KREVAさんやKICK THE CAN CREWさんなどジャパニーズ・ヒップホップ(以下、J-Rap)が中心で、自発的に音楽を吸収しようと思って聴き始めたタイミングでエミネム(Eminem)やリル・ウェイン(Lil Wayne)らのUSラッパーも教えてくれましたね。ほかにはプロレスが好きで、いわゆる日本で生まれ育つ一般的な小学生が通ってきたゲームやアニメにはあまり惹かれず、「ポケモン」の最新作をほしがるよりもプロレスを観たがる謎な子どもでした。
18scott:収録曲の中で一番最後に制作した「北口5分のマンション」でもラップしているんですけど、僕はジャック・ハーロウ(Jack Harlow、アメリカを拠点に活動するラッパー)が好きで、かなり影響を受けています。彼がまだティーンエイジャーだった頃の「Started From The Middre」って楽曲があって、言うまでもなくドレイク(Drake)の「Started From The Bottom」のリミックスなんですけど、ジャックが貧困層でも富裕層でもない中流階級で育ったことをラップしていて、そのMVを観た後に「First Class」(注:ラッパーとしての成功をラップした楽曲)とかを聴くとマジで食らうんです(笑)。僕も中流階級育ちで普通に学校に通って、部活に打ち込んで、夜は家族で晩飯を囲んでいた普通の少年だったので、そんな少年が時を経て1人のラッパーとして活躍していることを1枚の作品で表現できたらと思って「SCHOOLBOY」にしました。内容とタイトルのミスマッチな感じも気に入っていますね。
ーー「SCHOOLBOY」だけでなく、「Northside Love」や「People Around Me」でも地元・藤沢や家族をテーマにした楽曲が多く、等身大のリアルなリリックが印象的です。
18scott:MAD VIBES CASTは、クルーというよりもサークルに近くて(笑)。in-dがBIMを紹介してくれて、初めて3人で会ったのが確か「サイゼリヤ」で、その場のノリで結成しましたね。当時、iPhoneの「I Am T-Pain」ってアプリがあってラップを吹き込むとオートチューンがかかったりするんですけど、それで作った楽曲を2人に勝手にひたすら送り付けていました。この僕のラップに対する異常な熱量が2人を困らせていた部分があったと思うんですけど、後から聞いたらその熱量にBIMも食らっていた部分があったみたいで。彼らが本格的に活動し始めてからは、その勢いに僕の方が食らっちゃったんですけどね......。今回のBIMのヴァースには、そんな甘酸っぱいメモリーがまとまっている手紙のような内容になっています。でも、BIMは僕が作ったその頃の音源を未だに所持していて、飲んでいると不意に流してくるので勘弁してもらいたいです(笑)。
イタリアファッションは今、転換期を迎えており、歴史ある企業が新任CEOやデザイナーを迎えてブランドを次のステージへ進めようとしている。「エトロ(ETRO)」もその一つで、2021年に新たな最高経営責任者(CEO)にファブリッツォ・カルディナリ(Fabrizio Cardinali)が着任し、2023年春夏シーズンからはクリエイティブ・ディレクターにマルコ・デ・ヴィンチェンツォ(Marco De Vincenzo)が就任した。イタリアのファッションを代表する一企業である彼らはどこへ向かおうとしているのか?アイコンバッグ“ラブトロッター”のお披露目のため、2月に来日したヴィンチェンツォに話を聞いた。
では彼は老舗ブランドをどう変えてゆくのだろうか?自身のブランド「マルコ デ ヴィンチェンツォ(MARCO DE VINCENZO)」では、実験的な素材使いが特徴的だった。しかし「『エトロ』にもその革新性を吹き込んでいくのか?」と問うと、「あそこまではやらない」と返ってきた。「私自身のブランドでは私自身のコードを発信し、私自身のストーリーを語る場だから極端に急進的なこともしてきた。けれど『エトロ』においての革新性は別の切り口で表現すると思う。なぜなら『エトロ』には『エトロ』が築き上げたストーリーがあり、コードがあるから。私が加わったことで新しい視点を感じてはもらえるとは思うけど、やりすぎてはいけない。今まで培われたものをベースにゆっくりした歩調で一歩一歩進めていきたい」。
岩嵜博論/武蔵野美術大学クリエイティブイノベーション学科教授、ビジネスデザイナー:イリノイ工科大学Institute of Design修士課程修了後、京都大学経営管理大学院博士後期課程修了、博士(経営科学)。リベラルアーツと建築・都市デザインを学んだ後、博報堂でマーケティング、ブランディング、イノベーション、事業開発、投資などに従事。2021年武蔵野美術大学クリエイティブイノベーション学科に着任。ストラテジックデザイン、ビジネスデザインを専門として研究・教育活動に従事しながら、ビジネスデザイナーとしての実務を行う。著書に『機会発見―生活者起点で市場をつくる』(英治出版)、共著に『パーパス 「意義化」する経済とその先』(NewsPicksパブリッシング)など
ティマー:もちろん。最近は「3M」や「アンダーアーマー(UNDER ARMOUR)」「アークテリクス(ARC'TERYX)」といった世界中のブランドから声がかかっている。それでもまだまだ足りない。もし「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」のような大手アウトドアブランドが素材や商品を寄付してくれるなら大歓迎だ。
2022年にパリで発表した「シェルタースーツ」のファーストコレクション2022年にパリで発表した「シェルタースーツ」のファーストコレクション PHOTO : TONY DOCEKAL2022年にパリで発表した「シェルタースーツ」のファーストコレクション PHOTO : TONY DOCEKAL2022年にパリで発表した「シェルタースーツ」のファーストコレクション PHOTO : TONY DOCEKAL2022年にパリで発表した「シェルタースーツ」のファーストコレクション PHOTO : TONY DOCEKAL
花瓶やオブジェ、食器なども販売 PHOTO:KAZUSHI TOYOTA 花瓶やオブジェ、食器なども販売 PHOTO:KAZUSHI TOYOTA 花瓶やオブジェ、食器なども販売 PHOTO:KAZUSHI TOYOTA 花瓶やオブジェ、食器なども販売 PHOTO:KAZUSHI TOYOTA 花瓶やオブジェ、食器なども販売 PHOTO:KAZUSHI TOYOTA 花瓶やオブジェ、食器なども販売 PHOTO:KAZUSHI TOYOTA
「ブルガリ イル・チョコラート(BVLGARI IL CHOCOLATO以下、ブルガリ)」は2月2日、バレンタイン限定“ョコレートサン・ヴァレンティーノ 2023”の発表会をブルガリ銀座タワーで行った。同イベントでは、スペシャルアンバサダーとして俳優の三浦翔平が登場。今年のバレンタイン限定チョコレートのテーマは、SDGs。人と人、人と自然の間が“アモーレ(愛)”で満たされるようにという願いが込められている。トークショーで三浦は、限定チョコレートのテイスティングをテイスティングしたり、“アモーレ“などについて語ったりした。発表会後に、三浦に限定チョコレートやバレンタインなどについて聞いた。
近年アパレルのEC化が進み、オンライン上の競争が激化している。その中でチャットを用いたオンライン接客が注目を受け、大手アパレルやストリート系ECなどでチャットサービス「チャネルトーク」の導入が進んでいる。中でもジュン(JUN)はOMO(Online Merges with Offline)戦略の一環としてオンライン接客に注力しており、チャットを活用。満足度85%、コンバージョン率40%と成果をあげている。
近年アパレルのEC化が進み、オンライン上の競争が激化している。その中でチャットを用いたオンライン接客が注目を受け、大手アパレルやストリート系ECなどでチャットサービス「チャネルトーク」の導入が進んでいる。中でもジュン(JUN)はOMO(Online Merges with Offline)戦略の一環としてオンライン接客に注力しており、チャットを活用。満足度85%、コンバージョン率40%と成果をあげている。
High Link(ハイリンク)が運営するフレグランスのサブスクリプションサービス「カラリア」は、2019年1月のサービス開始から着実にファンを増やしている。同サービスの継続率は98%で、会員数は約50万人に達する。“香り”という目に見えず、オンライン上での表現が難しい商品特性に可能性を見いだし、これまでになかったフレグランスの定期購入というビジネスモデルを構築。購買行動データや口コミを活用し精度の高い商品レコメンドを行うなど、顧客に新たな購買体験を提供している。1月でサービス開始から丸4年となったカラリアは、発展途上にある日本のフレグランス市場にどのような変化をもたらすのか。同社の南木将宏・最高経営責任者(CEO)と岡本大輝・最高執行責任者(COO)に話を聞いた。
南木将宏High Link CEO(以下、南木):ファッションやコスメの領域はECでの購買体験が少しずつアップデートされていますよね。これだけ技術が進化している中で、フレグランスは目に見えないという特性上今までオフラインでの購入がメインとなっており、ブランドは購買に関するデータや、お客さまのその後の行動、趣味嗜好などを知ることが困難な状況にありました。五感の一つである嗅覚は、感情や本能にも直接関わる人間にとって重要な感覚でありながら購買体験がアップデートされていない。そこでフレグランスの購買行動データの蓄積と学習を活用したサービスにニーズと勝ち筋があると考え「香りの定期便」を立ち上げました。
岡本大輝High Link COO(以下、岡本):メリットは3つあります。1つ目は、ユーザーの購買行動データと口コミによる香りの趣味嗜好の分析をフィードバックし、可視化できていなかった定量的なデータを得られる点です。購入した商品に対してどう感じたかや、他ブランドで何を買っているかといった情報を把握・分析し、販促支援や商品開発に活用していただけます。
PROFILE:韓国・ソウル生まれ、米テキサス・オースティン育ち。ロンドンのセント・マーチン美術大学でメンズウエアとウィメンズウエアを学ぶ。2010年にフィービー・ファイロによる「セリーヌ」で3年間アシスタントデザイナーを経験後、フリーランスデザイナーとして「ルイ・ヴィトン」や「クロエ」のデザインを手掛ける。16年に自身のブランド「ロク」を立ち上げ、18年度の「LVMHプライズ」で特別賞を受賞。19-20年秋冬に初のランウエイショーをパリで発表。19年に「ビジネス・オブ・ファッション(The Business of Fashion)」の“世界を代表するファッション業界人500人”「BoF500」に選ばれる。PHOTO : KO TSUCHIYA
YC:NFTを購入したり、所有したりすることで、私が強調したい経験は3つあります。1つ目は「フォージング(Forging)」。この言葉はゲームからインスピレーションを受けており、RTFKTに関しては、NFTのオーナーがデジタルアイテムをフィジカルアイテムに変換し、両方のバージョンを持つことを意味します。例えば、“RTFKT x ナイキ スペースドリップ エア フォース 1”では、NFT所有者がフィジカルなシューズを手に入れました。
これらはいわゆる“ワールド・マージング NFC”で、フィジカルスニーカーにもNFC(=Near Field Communication)タグが搭載されているため、アイテムを受け取った後、フィジカルとデジタルの世界をつなげることができます。NFCタグとは、アプリの起動やWebページのURLなどの情報を登録しておくことで、スマートフォンをかざすだけで通信や動作を実行できます。
2つ目は「コミュニティーの活性化」。私は「クローン X トーキョー」のオーガナイザーではありませんが、コミュニティーのオーガナイザーとして、資金やコンテンツなど、彼らが必要とするものを全て提供し、サポートしました。ツイッターでバーチャル・コミュニティーを運営したりなど、オンライン上でコミュニティーを形成することも可能ですが、デジタルな関係だけでなく、フィジカルな関係も必要だと私たちは考えています。バーチャルとフィジカルが組み合わさることで、より強力な結束が生まれるのです。それぞれの地域文化、コミュニティーのリーダーやオーガナイザーによって、多様な取り組みが行われています。
YC:NFTを購入したり、所有したりすることで、私が強調したい経験は3つあります。1つ目は「フォージング(Forging)」。この言葉はゲームからインスピレーションを受けており、RTFKTに関しては、NFTのオーナーがデジタルアイテムをフィジカルアイテムに変換し、両方のバージョンを持つことを意味します。例えば、“RTFKT x ナイキ スペースドリップ エア フォース 1”では、NFT所有者がフィジカルなシューズを手に入れました。
これらはいわゆる“ワールド・マージング NFC”で、フィジカルスニーカーにもNFC(=Near Field Communication)タグが搭載されているため、アイテムを受け取った後、フィジカルとデジタルの世界をつなげることができます。NFCタグとは、アプリの起動やWebページのURLなどの情報を登録しておくことで、スマートフォンをかざすだけで通信や動作を実行できます。
2つ目は「コミュニティーの活性化」。私は「クローン X トーキョー」のオーガナイザーではありませんが、コミュニティーのオーガナイザーとして、資金やコンテンツなど、彼らが必要とするものを全て提供し、サポートしました。ツイッターでバーチャル・コミュニティーを運営したりなど、オンライン上でコミュニティーを形成することも可能ですが、デジタルな関係だけでなく、フィジカルな関係も必要だと私たちは考えています。バーチャルとフィジカルが組み合わさることで、より強力な結束が生まれるのです。それぞれの地域文化、コミュニティーのリーダーやオーガナイザーによって、多様な取り組みが行われています。
「トッズ(TOD’S)」は2023年2月、現代のイタリアン・ライフスタイルとその価値観を讃える書籍「アリア・ディタリア(Aria d'Italia)」のインターナショナル版を発売する。食卓から芸術にいたるまで、 あらゆる場面でクオリティ・オブ・ライフを追求するイタリアの才能と情熱、陽気な雰囲気と伝統に対する思いを閉じ込めた。本書は「喜び」や「タイムレス」「想像」「クラフトマンシップ」「情熱」「伝承」「大胆さ」などの8つのキーワードで、イタリアの文化やアイデンティティの本質に情熱を燃やし、それを象徴する若きアーティストやビジネスピープル、職人たちのプライベートや職業の物語を伝える。昨年日本で開催したイベントで、ディエゴ・デッラ・ヴァッレ(Diego Della Valle)会長に「アリア・ディタリア」への思いを聞いた。
WWD:自分らしさを表現するという点でいうと、2023年春夏コレクションは「WHO IS YOUR MUSE?(あなたのミューズは誰?)」をタイトルに掲げていた。提案したスタイルも、「パトゥ」らしさを感じるラッフルやバルーンスリーブが特徴的なルックやソフトなテーラリングから、スポーティーなスタイル、ミニマルなドレスまでが提案され、より幅広い女性像が描かれているようだった。
2019年に個人観光ビザの発給が解禁されるまで、“世界一訪れることが難しい国”といわれていたサウジアラビア。イスラム教やアラブ王国、石油、サッカーなど想像に難くないが、今なおベールに包まれているのがファッションだ。数年前に服装の規制は撤廃されているものの、全身を白や黒で覆う民族衣装のイメージはまだ強い。そんな謎多き国でこのほど行われたスニーカーイベント「スニークミー(SNEAK ME)」に、スニーカーコレクターであり「オールウェイズ アウト オブ ストック(ALWAYS OUT OF STOCK、以下A .O .O.S)」のディレクター、キングマサ(KING -MASA)が参加した。KING-MASAが見たサウジアラビアの現状を聞きながら、中東のファッションの未来を考察する。
――「スニークミー」へはなぜ参加することに?
KING -MASA:友人のティー(ロンドンのクリエイティブ集団「ビジョナリズム(VISIONARISM)」を主宰)がこのイベントのディレクションに関わっていて、彼から連絡が来たんです。「数年前まで渡航がオープンになっていなかったけど(2011〜19年まで観光ビザの発給が停止されていた)、今は逆に国がファッションを盛り上げようとしている。国のバックアップで旅費や宿泊費、輸送費などの経費、ビザの手配などをサポートしてくれるから『A.O.O.S』として出展してくれないか?」というものでした。ただ、会期が2週間と長かったので出展は厳しいと伝えたら、数日間、インフルエンサー枠としてだけでもいいから来て欲しいと。だから僕は今回インフルエンサーとして参加したんです。
――なるほど。サウジアラビアってどんな雰囲気なんですか?
KING -MASA:街はラスベガスかと思うぐらい煌びやかで、めちゃくちゃイケてる。でもファッションを見ても「シュプリーム(SUPREME)」や「ナイキ(NIKE)」のようなブランドを着ている人はいなくて、買う場所もほとんどなかったですね。実際、「ストックX(STOCK X)」のようなリセールサイトでもサウジアラビアへの配送はしていないみたいです。
KING -MASA:会場は屋外で、砂漠のど真ん中でした。昼間は暑過ぎて無理だから、夕方の16時から深夜0時までやるナイトマーケットみたいな感じです。そんな遅い時間にわざわざ人が来るのかなと思っていたら、20時ぐらいまではほとんど人がいないんですけど、逆に21時とか22時とかになったら人がバンバン来て。そういえば、フライトも夜の便で着いたんですけど、そのときも空港に人がたくさんいたし、夜型なんです。
――出展ブースは海外のスニーカーショップですか?
KING -MASA:イベントのメインは、海外のリセールショップでした。リテールは「アシックス(ASICS)」や「ビルケンシュトック(BIRKENSTOCK)」が出ていて、残りはワークショップ。50店以上出ていて、どこも巨大なブースを構えていましたね。イメージとしては、「スニーカーコン」と「コンプレックスコン(COMPLEXCON)」の間みたいな感じです。ちなみに、アジア人で参加していたのは僕だけでした。
――リセールプライスで売られているんですよね?やっぱり高いんですか?
KING -MASA:値付けはまあまあ高かったですけど、それでも売れるんだと思います。“イージー(YEEZY)”や「ディオール(DIOR)」דジョーダン”みたいな分かりやすいものが売れていた印象です。白い民族衣装を着ている人も多いんですけど、足元はスニーカーを履いているんですよね。民族衣装は強制ではないらしく、友人はファッションが好きだから特別なとき以外は着ないと言っていました。興味深かったのは、会場の中央のブースに中東で有名なインフルエンサー2人のスニーカーが数足展示してあったんですけど、中にはフェイクもあって、それも一眼で分かるようなもの。でも、正規店がないからそもそも比べようがないんですよ。海外旅行に行ったときとかにリセールで買うしか手に入れる手段がないので。
――確かに情報がないから、コアなビンテージなんかより、分かりやすいものがいいのかも。
KING -MASA:そうですね。実際、多少は古いスニーカー(数年前に出たもの)もあったんですけど、あんまり反応は良さそうではなかったです。それと、古いスニーカーを持ってきたら急激な温度変化で、突然“エア”(クッショニング性能を持つ踵のソールユニット)の部分が割れたという人もいました。本当に暑いので、そういう環境的な課題はあります。
KING -MASA:それはあるかもしれないですね。思ったよりもネガティブなイメージもないし、何より安全。出展ブースのスニーカーを2週間もどうするの?と聞いたら、一応ロッカーはあるけど、そのまま置いて帰っても大丈夫、と。もし盗難にあっても、そこら中にカメラが付いているから犯人はすぐに捕まるとか。サウジアラビアやドバイは今世界で1番安全な国だと言っていました。
――確かに、アメリカやヨーロッパだとそうはいかないですもんね。
KING -MASA:ファッションやスニーカーは欧米の主要都市では飽和状態ですけど、サウジアラビアも含めて中東はまだまだ進化していくだろうし、自分のブランドにも可能性を感じています。興味深いし、かなり面白かったですね。実際、「ハイプビースト(HYPEBEAST)」がミドルイースト(中東)版を運営していたり、ラスベガスにあるリセールショップ「アーバンネセシティーズ(URBAN NECESSITIES)」がサウジアラビアに近々店をオープンしたり、これからどんどん盛り上がっていくと思います。
三上大進(以下、三上さん):新卒で日本ロレアルに入社して、「ランコム(LANCOME)」と「キールズ(KIEHL'S SINCE 1851)」のマーケティングを担当しました。その後、ロクシタンジャポンに転職。製品開発とマーケティングに携わりました。そこから、2018年にNHKに入局。パラリンピックや、「あさイチ」の美容コーナーで4年ほどレポーターを担当しました。
絢 Aya/「メルト ザ レディ」ブランドディレクター (PROFILE):1996年生まれ、広島県出身。高校卒業後、小井手ファッションビューティ専門学校に入学、同時にモデルとしての活動も始める。2017年にメソニックデザインオフィスで「メルト ザ レディ」をスタートした PHOTO:MELT THE LADY
新宿ルミネエストの地下1階といえば、ヤング向けファッションの殿堂的フロアの1つだ。バロックジャパンリミテッドやマークスタイラーなどのブランドが並ぶ中に、少し毛色が異なるショップ「メルト ザ レディ(MELT THE LADY)」がある。大きな長テーブルが置かれた店頭の内装も販売員のスタイリングも個性的。売れ筋を追求した結果、似た商品が並ぶこともあるフロアの中で異質な雰囲気を放っている。それなのに、ルミネに取材すると好調ブランドとして名前が上がることがよくあり、商品入荷日には実際に女の子たちの行列ができている。
アメリー・フイン 「ドルセー」CEO(以下、フイン):フランスには古きも新しきも数多のフレグランスブランドが存在するが、「ドルセー」はオーナーが変わりながらもずっと続いてきた点に興味を持った。「ドルセー」は、フランスでは誰しも知っているブランドだが、1980年ごろには小規模になっていた。だから私はまるで“眠れる森の美女”を見つけたような気分だった。このまま眠らせておくのはもったいない。そして何より、「ドルセー」の創設者であるアルフレッド・ドルセー(Alfred d’Orsay)伯爵と、マルグリッド・ブレシントン(Marguerite de Blessington)との禁断の愛の物語が、事実に基づいたストーリーであることにも感銘を受け、買収を決意した。
アメリー・フイン 「ドルセー」CEO(以下、フイン):フランスには古きも新しきも数多のフレグランスブランドが存在するが、「ドルセー」はオーナーが変わりながらもずっと続いてきた点に興味を持った。「ドルセー」は、フランスでは誰しも知っているブランドだが、1980年ごろには小規模になっていた。だから私はまるで“眠れる森の美女”を見つけたような気分だった。このまま眠らせておくのはもったいない。そして何より、「ドルセー」の創設者であるアルフレッド・ドルセー(Alfred d’Orsay)伯爵と、マルグリッド・ブレシントン(Marguerite de Blessington)との禁断の愛の物語が、事実に基づいたストーリーであることにも感銘を受け、買収を決意した。