宮永えいとが代表を務めるCiiKは、第三者割当増資により3000万円の資金調達を行った。引き受け先は、アパレルブランド「ウィンダンシー(WIND AND SEA)」経営者の赤坂優氏が代表を務めるAAファンド、主にライフスタイルやエンタメ、スポーツ領域に出資するWベンチャーズ(W ventures)、そしてyutoriの片石貴展代表取締役だ。資金は、宮永がプロデュースするメンズコスメブランド「レタッチ(RETOUCH)」の新規プロダクト開発などに充てる。
日本にも何度か来日をしているニューヨーク・ブルックリンのバンドがザ・ドラムス(THE DRUMS)です。彼らは、エディが「ディオール オム(DIOR HOMME)」を去った後に出版した写真集“Rock Diarie”(2009)にモデルとして出演しました。08年に結成したザ・ドラムスは、09年にアルバム「Let's Go Surfing」でデビュー。ニューヨークの街中から生まれたとは思えない「Oh,Mama I Wanna Go Surfing」というキャッチーなフレーズと、サーフポップの軽やかなメロディー、そしてスマートでスタイリッシュな彼らのルックスが絶妙にマッチして、これまでのインディポップシーンとは一線を画すバンドに成長していきました。デビュー間もない無名な彼らのアー写を、エディが自ら撮影するほど溺愛したのも納得!
カミナ:世の中の状況と、自分の経験。さまざまなことからインスピレーションを受けるから、私の音楽もいろんなジャンルにまたがっているんだと思う。影響を受けたアーティストはたくさんいるわ。スージー・スー(Siouxsie Sioux)、エム・アイ・エー(M.I.A.)、コーン(Korn)、システム・オブ・ア・ダウン(System of a Down)、そして両親が聴いていたもっと昔のバンドとか。中学生のころはエム・エフ・ドゥーム(MF DOOM)やウータン・クラン(Wu Tang Clan)を、大学生になってからはゲサフェルスタイン(Gesaffelstein)なんかのエレクトロ系のアーティストも聴いていたな。今となってはあまり聴いていないアーティストもいるけれど、ジャンルを問わず聴いてきた積み重ねが今の音楽性につながっているのは間違いないわ。
「ガニー」は2000年にカシミヤ製品を扱う店として創業し、09年にニコライ・レフストラップ(Nicolaj Reffstrup)とディッテ・レフストラップ(Ditte Reffstrup)夫妻がウィメンズブランドとしてリブランディングした。17年にはLVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON)傘下の投資会社Lキャタルトン(L CATTERTON)が出資している。
ユナイテッドアローズ(以下、UA)は16日、人気ユーチューバーの“かんだま”こと神田麻衣をディレクターに迎えた新ブランド「マルゥ ユナイテッドアローズ(MARU UNITED ARROWS)以下、マルゥ」を公式サイトとECモール限定で発売した。25〜34歳の女性をターゲットに「消費者目線のリアルクローズ」を提案する。
神田麻衣 PROFILE:(かんだ・まい)1990年4月21日生まれ。YouTubeチャンネル「かんだま劇場」の運営とタレント活動を軸に、コスメや生活雑貨等のプロデュースも行う。バロックジャパンリミッテドで約8年に渡り、販売から新規事業の立ち上げまでさまざまな実績があり、その経験を活かした等身大の発信が人気 PHOTO:KAZUSHI TOYOTA
イタリア発のファッションリテーラー「ルイーザヴィアローマ(LUISA VIA ROMA)」が好調だ。2020年のイタリアはコロナ禍でロックダウンを敢行したため店舗営業日数が半分だったが、20年度の年間売上高は前年比24%増の2億6000万ユーロ(約340億円)を達成。ECの売り上げが31%増という成長も後押しした。
二宮:天然と全く同じ組成で、「ネクストダイヤモンド」が扱うものの主な製法は、CVD(CHEMICAL VAPORDEPOSITION)と呼ばれる化学気相蒸着法とHPHT(HIGH PRESSURE AND HIGH TEMPERATURE)と呼ばれる高温高圧法の2種類が主流。アメリカやインド、中国などで製造されており、約5年前から市場で出回り始めた。
オリエンタルラジオの中田敦彦は8月8日、アパレルブランド「カール・フォン・リンネ (CARL VON LINNE)」を自身のユーチューブ「中田敦彦のYouTube大学」で発表した。動画内ではアパレルの廃棄問題や低賃金問題を解説。植物学者の名を冠した同ブランドについては村松啓市をデザイナーに迎え「未来のために、知性の上に着る」をコンセプトに設計し、作り手の顔が見える国内生産とサステナブルな素材使いが特徴であると語った。シャツ、Tシャツ、パーカー、ニットセーター、コートの5型の原価率は驚きの65%。予約販売は一晩で完売したときく。なぜ中田氏がサステナブル・アパレルなのか?その真意を聞いた。
恩地:実家が創業90年のうどん製造メーカーという環境で育ったせいか、小さい頃からビジネス運営に興味があった。そのせいか、大学1年生のときにSNSのコンサルテーション会社を立ち上げたが、コンサルよりもファッションがやりたいと思って1年後には社を畳んだ。それにより、まずビジネスの箱を作ることを学んだ。ニューヨークでは稲城さんのアシスタントをしながら、「ファーフェッチ(FARFETCH)」のマーケティング PRや委託販売サイト「ザ リアルリアル( THE REAL REAL)」のSNS担当などをしていた。私はデジタル世代であり、ほかの人とは違う経験を積んできたのでCEOに抜擢されたのだと思う。日本のファッション業界で経験がないから、ルールにとらわれず行動に起こせる推進力があると思われたのではと思う。知らないからこそ、できることはたくさんあるし、そうでなければ業界内で革命を起こせない。
楠:カルバン・クラインは他のファッションブランドよりも幅広いカテゴリーを持っている。そのためマーケットのチャネルごとのお客さまに最適な商品を届けるには、チャネルごとのマーチャンダイジング戦略が非常に重要だ。例えば、「カルバン・クライン」は主に百貨店で、「カルバン・クライン ジーンズ(CALVIN KLEIN JEANS)」は若者が集まるファッションビルやショッピングモールに出店するなど、ニーズに合ったラインを適切な顧客グループにアプローチしている。マーチャンダイジング戦略に柔軟性を持たせることで、マーケットのニーズに迅速に対応することができる。
ミレニアルズやZ世代と呼ばれる若者たちは今何を考え、ファッションやビューティと向き合い、どんな未来を描いているのだろうか。U30の若者たちにフォーカスした連載「ユース イン フォーカス(Youth in focus)」では、業界に新たな価値観を持ち込み、変化を起こそうと挑戦する若者たちを紹介する。連載の5回目は、サステナブルな社会の実現に向けて日本の若者たちと企業をつなげるプラットホームの運営や、企業、自治体、大学を連携させた、サステナブルプロジェクトの企画運営などを行う佐座槙苗SWiTCH代表理事(26)にフォーカスする。
今年1月には、一般社団法人SWiTCHを立ち上げ、未来の主人公となる20代の若者たちが目指すサステナブルな社会の実現を、大人世代と実現するためのプラットホームの運営や、1万人のサステナブルアンバサダー育成を目指した教育普及活動などを開始した。SWiTCHは、ロンドン芸術大学(University of the Arts London)の学生で構成するデザインチームも抱え、企業とコラボして廃棄物を用いたアートやオブジェなどを製作する。過去には「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」や「スワロフスキー(SWAROVSKI)」、セントマーチン美術大学(Central Saint Martins)とのコラボプロジェクトも手掛けた。グローバルなネットワークを生かし、サステナビリティ分野における若きリーダーとしてZ世代を率い、日本のサステナビリティの動きを加速させる。
坂田:タキヒヨーが、グアテマラでファストファッションブランドがデニムを安価で生産する際の落ち綿を反毛し、糸に戻して素材にする“ザ・ニューデニムプロジェクト(THE NEW DENIM PROJECT)”を行っていた。それをコットンでやりましょうと協力を依頼し、タキヒヨーの循環システム“ノーウエイスト”で実施することになった。同社は250年以上続く繊維商社で、生地に対する知識や技術、ノウハウを持っており、イメージの共有がしやすいのも決め手だった。スノーピークがアイテムを企画し、タキヒヨーに生地から製造までを一貫して担う仕組みだ。
坂田:タキヒヨーが、グアテマラでファストファッションブランドがデニムを安価で生産する際の落ち綿を反毛し、糸に戻して素材にする“ザ・ニューデニムプロジェクト(THE NEW DENIM PROJECT)”を行っていた。それをコットンでやりましょうと協力を依頼し、タキヒヨーの循環システム“ノーウエイスト”で実施することになった。同社は250年以上続く繊維商社で、生地に対する知識や技術、ノウハウを持っており、イメージの共有がしやすいのも決め手だった。スノーピークがアイテムを企画し、タキヒヨーに生地から製造までを一貫して担う仕組みだ。
ダイヨン兄弟:私たちが目指すのは、ファッションとラグジュアリーの世界において、「ソニア リキエル」にふさわしいポジションを維持すること。そのためには、革新とともに驚きをもたらし、その価値を守り続けていくことが重要だ。フランス国内だけでなく、世界中でブランドを輝かせたいと考えているが、最高のロケーションで展開していくために、ディストリビューションは質重視でコントロールしていく。また、メンズラインとセカンドラインの「ソニアバイ ソニア リキエル(SONIA BY SONIA RYKIEL)」も再始動したい。いつか、ブランドのデザインコードとアーカイブで飾られた“ホテルリキエル”をつくる日がくるかもしれない。
JUN YABUNO:1986年大阪生まれ。ロンドン・カレッジ・オブ・ファッションを卒業後、「WWDジャパン」の編集記者として、ヨーロッパのファッション・ウィークの取材をはじめ、デザイナーズブランドやバッグ、インポーター、新人発掘などの分野を担当。2017年9月ベルリンに拠点を移し、フリーランスでファッションとライフスタイル関連の記事執筆や翻訳を手掛ける。「Yahoo!ニュース 個人」のオーサーも務める。20年2月からWWDジャパン欧州通信員
福田さん:日本のアパレル産業は川上、川中、川下の全部がそろう稀有な国。他はフランスとイタリアくらいです。だけどその良さを生かせていない。川上の産地が生み出す生地や素材や川上・川中の職人が海外で支持されているが、川下の多くの国内アパレルは海外素材・生産に頼っている。需要と供給のねじれ、たすき掛け構造です。それを解消してつなげて日本のクリエイションを海外にもっと出してゆきたいと思っています。テキスタイル産業は弱っているとは言え、それでも年間3000億円以上を輸出しています。地場地場でよい企業があり、コロナもあり今後ローカル経済が注目されていく中で、エイガールズや第一織物のように、ローカルの雄の企業には人が集まる。それに対して完成品の製品輸出は500億円程度。「コム デ ギャルソン(COMME DES GARCONS)」のような国内生産で海外で売れるブランドを後10個以上作らないと。
同サービスを発案した飯﨑俊彦専務事業本部長COOは、エイベックス・グループが運営する大人のカルチャースクール「エイベックス・ライフデザインラボ(avex life design lab)」をはじめ、飲食やインテリアなどさまざまな業態で新規事業のプロデュースを手掛けてきた人物。飯﨑専務は「残りの人生をどう生きるかを考えるなかで、ゼロからイチを生み出すスキルを活かして、社会に役立つ何かを生み出したいという思いが強くなった」と話す。
細尾:今の時代にしかできない美を求めていきたい。私たちはモノづくりのビジョンに“More than Textile”と掲げています。織物の常識を超え続けていくという思いを込めました。西陣のDNAである究極の美を追い求めていくということでもありますが、その方法は時代によって異なってくると思うんですよ。150年前は、当時のハイテクノロジーであるジャカードを持ち込んでいたわけですが、当然、今も最先端のテクノロジーでしかできないアプローチがあるんじゃないかと思うんです。AIや機械学習などさまざまな技術を用いて、人が感動するようなものを作っていけるのか――それと古代から脈々と受け継がれている美と、全方位からやれることを全部やって美を求めていきたい。それこそがHOSOO STUDIESです。
そのときに西陣の命運を懸けて当時の最先端の織物の技術があるといわれていたフランスのリヨンに、3人の若い職人を船で派遣した。リヨンで何が起きていたか——1801年に1人の天才、ジョゼフ・マリー・ジャカール(Joseph Marie Jacquard)さんがジャカード織機を発明していた。パンチカードという穴が開いたボール紙を用いて、この穴が開いているところだけ縦糸が上がる仕組みを作った。人力で上げていた動きをプログラム化したわけですよね。これを何百枚も重ねて、人が一つ一つやっていたことが自動化されました。技術革新を起こすことによって、今まで1日数mmしか織れなかったものが1m、2mと織れるようになった。100年後には一般の高級帯として買えるようになり、一気にマスに広がりました。
廣川:11月に、大分・別府で行われる芸術祭に招待されています。「廣川玉枝 in BEPPU」という名称で、服飾の力を生かし、地域の祭りを作ることをテーマにしています。別府以外でも、各地でさまざまなプロジェクトに関わることが多くなってきました。各地でさまざまな人に出会って、一緒にモノ作りができるのはとても楽しいこと。最近、自分のことを“ファッションデザイナー”ではなく、“服飾デザイナー”と名乗っています。ファッションという言葉には、「(過ぎ去っていく)流行を語る」といったニュアンスがどうしてもあるように感じています。でも、服だっていいものを作れば、すぐに古びてしまうことはないと思う。ブランド立ち上げ以来、研究開発を続けている“スキンシリーズ”もその一つです。いいものを丁寧に作り、少しずつ時代に残していきたいと思っています。
廣川:11月に、大分・別府で行われる芸術祭に招待されています。「廣川玉枝 in BEPPU」という名称で、服飾の力を生かし、地域の祭りを作ることをテーマにしています。別府以外でも、各地でさまざまなプロジェクトに関わることが多くなってきました。各地でさまざまな人に出会って、一緒にモノ作りができるのはとても楽しいこと。最近、自分のことを“ファッションデザイナー”ではなく、“服飾デザイナー”と名乗っています。ファッションという言葉には、「(過ぎ去っていく)流行を語る」といったニュアンスがどうしてもあるように感じています。でも、服だっていいものを作れば、すぐに古びてしまうことはないと思う。ブランド立ち上げ以来、研究開発を続けている“スキンシリーズ”もその一つです。いいものを丁寧に作り、少しずつ時代に残していきたいと思っています。
例えば「ニコライ(NICOLAI)」というフランスのブランドは、ゲラン(GUERLAIN)一家のパトリシア・ドゥ・ニコライ(Patricia de Nicolai)という女性が手掛けている。彼女は1980年代後半に、フランス調香師協会の新人賞を女性で初めて獲ったのだが、調香の世界はもともと男性社会だったので、彼女は性別と名前を隠して作品を出品した。そのストーリーがセンセーションを巻き起こし、以来彼女は女性調香師もが活躍できる香水業界の時代を築いた人として評価されている。
例えば「ニコライ(NICOLAI)」というフランスのブランドは、ゲラン(GUERLAIN)一家のパトリシア・ドゥ・ニコライ(Patricia de Nicolai)という女性が手掛けている。彼女は1980年代後半に、フランス調香師協会の新人賞を女性で初めて獲ったのだが、調香の世界はもともと男性社会だったので、彼女は性別と名前を隠して作品を出品した。そのストーリーがセンセーションを巻き起こし、以来彼女は女性調香師もが活躍できる香水業界の時代を築いた人として評価されている。
PROFILE::(よしいずみ・さとし)デザインを通して「別の可能性をつくる」実験的な自主研究プロジェクトを行い、国内外の美術館や展覧会で発表・招聘展示。 その成果をベースにクライアントと多様なプロジェクトを展開している。主な受賞は、Dezeen Awards Emerging Designers of the year 2019、Design Miami/ Basel Swarovski Designers of the Future ミラノサローネで展示した作品「COMPOSITION」。このシリーズの作品は、香港の美術館M+(エムプラス)にも収蔵されている PHOTO:MASAYUKI HAYASHI
PROFILE::(よしいずみ・さとし)デザインを通して「別の可能性をつくる」実験的な自主研究プロジェクトを行い、国内外の美術館や展覧会で発表・招聘展示。 その成果をベースにクライアントと多様なプロジェクトを展開している。主な受賞は、Dezeen Awards Emerging Designers of the year 2019、Design Miami/ Basel Swarovski Designers of the Future ミラノサローネで展示した作品「COMPOSITION」。このシリーズの作品は、香港の美術館M+(エムプラス)にも収蔵されている PHOTO:MASAYUKI HAYASHI
PROFILE::(よしいずみ・さとし)デザインを通して「別の可能性をつくる」実験的な自主研究プロジェクトを行い、国内外の美術館や展覧会で発表・招聘展示。 その成果をベースにクライアントと多様なプロジェクトを展開している。主な受賞は、Dezeen Awards Emerging Designers of the year 2019、Design Miami/ Basel Swarovski Designers of the Future ミラノサローネで展示した作品「COMPOSITION」。このシリーズの作品は、香港の美術館M+(エムプラス)にも収蔵されている PHOTO:MASAYUKI HAYASHI
ダマン:どちらもだよ。サンプルもたくさん作ったし、ショッピングもたくさんした。パンデミック後のNYでのショッピング体験は変わり果てたものになっていたけどね。ショップ内の品数もバリエーションも少なくなっていたし、購入点数も減った。しかも工場が閉まっていて、生産すらされないコレクションもあった。ショッピングするまでちゃんと自覚してなかったけど「コロナによる予期せぬハードルは、私たちにはどうしようもない」と思った。だがそれがきっかけでオンラインショッピングとリサーチをたくさんして、「マイテレサ(MYTHERESA)」や「ザ・リアルリアル(THE REAL REAL)」に辿り着いたり、ファッションとラグジュアリーが今必要とされているのか調べたりした。
一番の違いは、人工的で華やかで誇張されたスタイルではなく、より社会や政治に影響を受けたミニマリストなスタイルになるということだ。服に主張や意見を忍ばせるのは、オリジナル版のストーリー、もしくはキャラクターでは無かったこと。ドラマはゴシップにあふれたまさに「ゴシップガール」的世界で、ファンは気に入ると思う。でも、セリーナ・ヴァンダーウッドセン(Serena van der Woodsen)が同じシーンで6回も違う「ティーブン デュエック(STEPHEN DWECK)」のネックレスで登場するようなことはない。無駄な要素は削り、街やこの世代で見られるようなミニマリストな感覚を楽しんだ。何かを“削る”という概念はオリジナルにはなかったね。
「WWDJAPAN」は6月26日に、イベント「WWDJAPAN Circle MIYAVIと一緒に考えよう、100年後の地球 Supported by GUCCI」を東京・新宿のキースタジオ(KEY STUDIO)で開催した。「WWDJAPAN Circle」とは、社会的な課題や関心を読者やユーザーとともに考え、ムーブメントを起こしていく趣旨のもと誕生した企画。環境問題をはじめ、正解のないテーマを黒か白で結論づけるのではなく、前進するためのアイデアを皆で出し合うことを目指す。
記念すべき第1回は「グッチ(GUCCI)」をサポーターに迎え、アーティストのMIYAVIと、国際環境NGOのキーマン日比保史コンサベーション・インターナショナル・ジャパン(CONSERVATION INTERNATIONAL JAPAN=以下、CIJ)代表理事兼CIバイスプレジデント(以下、CIJ代表理事)とともに、「100年後の地球」をテーマにトークを繰り広げた。トーク後はMIYAVIによるスペシャルライブも行われ、来場者を盛り上げた。
さらに話題はサーキュラーエコノミーへと広がり、日比CIJ代表理事は「サーキュラーエコノミーと聞くとリサイクルをメインに思いがちだが、大事なのは自然界からの原材料調達を減らし、環境への影響を減らすことだ。それはメーカーや企業だけの役割ではない。消費者がそこに価値を見いだすことが、企業への後押しとなる。東洋英和女学院大学の学生さんが言っていたのですが、“生産者と消費者”という関係ではなく消費者も“共同生産者”だと、つまり一緒に価値を作っていくことが本当の循環型だ」と、意義を語った。MIYAVIは日比CIJ代表理事の言葉に頷き、またこの日着ていた環境に配慮した素材のみを採用した「グッチ」初のサステナブル コレクション、“グッチ オフ ザ グリッド(GUCCI OFF THE GRID)”を例にあげ、「消費者も着心地だけでなく、アイテムの生産背景も含めて、その服を着ることがかっこいいと思う価値観に変えていくことが必要」と語った。
トーク後は、MIYAVIによるスペシャルライブが行われ、「What's My Name?」「Tears On Fire」「Long Nights」「Holy Nights」「Day1(Reborn)」の5曲が披露された。MCでMIYAVIは、「世界各国を巡り、地球が抱えている問題を目の当たりにするたびに無力さを感じてきた。でも、ただ嘆くだけでなく、自分が思うメッセージを声を上げて叫び、行動していきたい」と思いを語った。また、自身の難民支援活動にも触れ、「難民の方たちの生き方からインスパイアされ、力をもらっている。明日が来ると信じられるから、また頑張ろう、この長い夜も乗り越えようと思うことができる。環境問題も同じで、今は大変だが、これを乗り越えれば明るい未来が待っていると次の世代に示すことが大事だと思う」と、経験を交えながら話した。そして、「どんな状況でも自分たちができることをする。そして、いつからでも始めることができると信じている。皆さんが今日のイベントを通じて何かに気付き、始まりの日になってくれればうれしい」と締めくくった。
グローブスペックスは、イタリア・ミラノで開催される世界最大の国際眼鏡展「ミド(MIDO)」が、優秀なアイウエアショップに与える「ベストア・アワード」を17年、18年と2年連続で受賞する快挙を成し遂げた。岡田哲哉社長もテレビや雑誌にたびたび取り上げられ、業界では向かうところ敵なしの“岡田無双”状態だった。満を持して20年6月、話題の商業施設、新風館に出店。コロナショックが直撃したが、京都店はグローブスペックス23年の歴史のなかで単店の月間売り上げ最高を記録し、初年度は予算比20%増で着地した。京都店には、フランスの「アン・バレンタイン(ANNE ET VALENTIN)」や「ザビエル・デローム(XAVIER DEROME)」など、カラフルで突飛なデザインのフレームが並ぶ。今回の取材で「京都では派手な眼鏡が売れる」という話を何度も耳にしたが、新風館に近い三条の眼鏡店オーグリラコンテ(1986年創業)でも、近未来的でユニークな立体造形の「ファクトリー900(FACTORY900)」を壁一面にディスプレーしていた。出汁(だし)文化で知られる京都だが、実は「天下一品」などこってり味のラーメンを好む一面もあり、それは眼鏡も同様のようだ。
「リン」は、「持続可能なファッションを通して地球の自然環境に貢献すること」をミッションに掲げる。ブランド名は「Wastes(ごみを出さない)」「Recycle(資源を無駄にしない)」「Improve(生産者の生活環境を改善する)」「Nature(土壌を守る)」「No more animals(動物の毛皮を使用しない)」という「リン」のモノ作りの軸となる5つのキーワードの頭文字を並べた。
梶原加奈子カジハラデザインスタジオ代表(以下、梶原):まず①「製品からのリサイクル循環システム」は、廃棄素材からのアップサイクルを指します。ポリエステル素材の循環が先行していますが、ここにきてコットン製の古着や木材パルプ、農業廃棄物、さらに段ボールなどから誕生する画期的なセルロース繊維が登場しています。「リフィブラ(REFIBRA)」「スピノバ(SPINNOVA)」「インフィナ(INFINNA)」などがそう。本格的な製品化はこれからですが、期待しています。ステイホーム時代では宅配用段ボールの需要が増えるでしょうから、段ボールから再生した繊維は夢がありますよね。羽毛の再利用を進める「グリーン ダウン プロジェクト(Green Down Project)」にも注目しています。
安部:1~5月の売上高は前年比50%増でオンラインが好調だ。ブランド立ち上げ3周年を迎えた4月に限定ジュエリー数百点を発売したところ1日で完売した。昨年に東京・渋谷松濤にオープンした多目的スペースの「ジ アナザー ミュージアム(THE ANOTHER MUSEUM)」は、コロナの関係でイベント開催はできないが、毎月10日アポイントメント性で運営をしており、予算を達成している。