YKKの24年4〜6月期、ファスナー事業の営業利益が1.5倍 ASEAN・中国エリア復調

ファスナー大手のYKKの24年4〜6月のファスニング事業の業績(未上場)は、売上高が前年同期比23.6%増の1158億円、営業利益が同52.6%増の142億円だった。欧州と米国エリアは引き続き低調だったものの、ASEANとISAMEA(インド及び南アジア/中東/アフリカ)、中国エリアで24年秋冬物の受注が好調だった。ファスナーで高いシェアを持つ同社の業績は、世界のアパレル産業の先行指標の一つ。主要生産国である中国やASEANエリアの回復は、下半期に向け世界の衣料市場が回復に向かいつつあることを示している。

24年3月期通期では、売上高は同0.3%と横ばいだったものの、営業利益が同33.0%減と苦戦していた。欧米市場発の衣料市況の悪化に伴い、流通在庫の消化が進まず、主要生産地域であるASEANエリアが苦戦していた。

同社のファスニング事業は、四半期ベースでは24年1〜3月期から回復に転じており、「コロナ禍以降、高止まりしていたアパレルの在庫水準が低下している」という。ただ、ラグジュアリーブランドを主な販路とする欧州、ジーンズを主販路とする米国は引き続き低調だった。

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YKKの24年4〜6月期、ファスナー事業の営業利益が1.5倍 ASEAN・中国エリア復調

ファスナー大手のYKKの24年4〜6月のファスニング事業の業績(未上場)は、売上高が前年同期比23.6%増の1158億円、営業利益が同52.6%増の142億円だった。欧州と米国エリアは引き続き低調だったものの、ASEANとISAMEA(インド及び南アジア/中東/アフリカ)、中国エリアで24年秋冬物の受注が好調だった。ファスナーで高いシェアを持つ同社の業績は、世界のアパレル産業の先行指標の一つ。主要生産国である中国やASEANエリアの回復は、下半期に向け世界の衣料市場が回復に向かいつつあることを示している。

24年3月期通期では、売上高は同0.3%と横ばいだったものの、営業利益が同33.0%減と苦戦していた。欧米市場発の衣料市況の悪化に伴い、流通在庫の消化が進まず、主要生産地域であるASEANエリアが苦戦していた。

同社のファスニング事業は、四半期ベースでは24年1〜3月期から回復に転じており、「コロナ禍以降、高止まりしていたアパレルの在庫水準が低下している」という。ただ、ラグジュアリーブランドを主な販路とする欧州、ジーンズを主販路とする米国は引き続き低調だった。

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ワコールHD4~6月期、国内事業はブラジャー販売不振で6.5%減収

ワコールホールディングス(HD)の2024年4〜6月期連結業績(国際会計基準)は、売上高に相当する売上収益が前年同期比4.8%減の464億円、営業利益が同17.6%増の32億円、純利益が同6.8%増の30億円だった。営業利益の増益は、浅草橋ビルの固定資産売却益(14億円)を計上したため。

国内ワコール事業の売上収益は同6.5%減の222億円、営業利益は同94.1%増の10億円だった。「ウイング(WING)」の肌着がSNSを活用した販促施策により計画以上に推移したが、主力商品であるブラジャーの中価格帯が苦戦。自社ECは販促により好調だったが、実店舗は来店客数が伸び悩んだ。海外ワコールは、売上収益が同0.5%減の187億円、営業利益が同11.3%増の21億円だった。米国は他社ECが好調に推移したもの、実店舗や自社ECは低調に推移。欧州は、女性用インナーウエアが堅調だった一方で、スイムウエアが前年同期を大きく下回った。中国は、個人消費が伸び悩み苦戦した。

ピーチ・ジョン事業は、売上収益が同7.4%減の25億円、営業損益は仕入れ単価の高騰などにより700万円の赤字(前年同期は1億3000万円の黒字)だった。有名タレント起用による販促や30周年キャンペーンを実施したが苦戦した。

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ワコールHD4~6月期、国内事業はブラジャー販売不振で6.5%減収

ワコールホールディングス(HD)の2024年4〜6月期連結業績(国際会計基準)は、売上高に相当する売上収益が前年同期比4.8%減の464億円、営業利益が同17.6%増の32億円、純利益が同6.8%増の30億円だった。営業利益の増益は、浅草橋ビルの固定資産売却益(14億円)を計上したため。

国内ワコール事業の売上収益は同6.5%減の222億円、営業利益は同94.1%増の10億円だった。「ウイング(WING)」の肌着がSNSを活用した販促施策により計画以上に推移したが、主力商品であるブラジャーの中価格帯が苦戦。自社ECは販促により好調だったが、実店舗は来店客数が伸び悩んだ。海外ワコールは、売上収益が同0.5%減の187億円、営業利益が同11.3%増の21億円だった。米国は他社ECが好調に推移したもの、実店舗や自社ECは低調に推移。欧州は、女性用インナーウエアが堅調だった一方で、スイムウエアが前年同期を大きく下回った。中国は、個人消費が伸び悩み苦戦した。

ピーチ・ジョン事業は、売上収益が同7.4%減の25億円、営業損益は仕入れ単価の高騰などにより700万円の赤字(前年同期は1億3000万円の黒字)だった。有名タレント起用による販促や30周年キャンペーンを実施したが苦戦した。

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コーセー2024年1〜6月期は日本市場と「タルト」好調で増収増益 中国事業に課題残る

コーセーの2024年1〜6月期連結決算は、売上高が前年同期比10.3%増の1591億円、営業利益が同31.9%増の137億円、経常利益が同34.3%増の188億円、純利益が同33.5%増の116億円だった。中国事業が大幅に減収したが、日本市場と米発自然派コスメ「タルト(TARTE)」の好調が全体の売上高を引き上げた。プロダクトミックスの変化による原価率や販管費が増加したものの、大幅な売上高の増加により増益となった。

事業別では、化粧品事業は第一四半期に続いて「コスメデコルテ(DECORTE)」が中国で減収となったが日本市場では好調を維持し、「アルビオン(ALBION)」「雪肌精(SEKKISEI)」などの主力ブランドも順調に推移。欧米での「タルト」の売り上げ増加も貢献し、全体としては同8.3%増の1267億円で着地した。コスメタリー事業は、“メイクキープ”シリーズ、「ファシオ(FASIO)」や子会社のコスメポートが展開する「ソフティモ(SOFTYMO)」「クリアターン(CLEAR TURN)」「サンカット(SUNCUT)」が伸長し、同19.1%増の312億円だった。

地域別では、日本市場が百貨店と化粧品専門店に加えてドラッグストアなどのマス市場においても内需が伸長し、売上高が同15.6%増の1011億円となった。「コスメデコルテ」は1月に発売した“ルースパウダー”や”AQ”ラインの新商品が好調に推移。「アルビオン」「エレガンス(ELEGANCE)」もインバウンド需要により売り上げが伸長した。

アジア市場は、売上高が同27.0%減の233億円だった。中国では不況による消費の低迷や競争激化により店頭消化が弱まり在庫市場が滞留しており、本土、トラベルリテールともに減収となった。小林一俊コーセー社長は「中国国内の景気が悪く消費が落ちていることを加味しても、中国事業の事業改革は必須。現在、在庫の把握やGWP(販促用ギフト)ありきの販売といった売り方を見直している」とコメントした。

北米市場は、「タルト」が貢献し売上高が同40.7%増の304億円、欧州などのその他も「タルト」がけん引し、同32.3%増の41億円だった。

24年12月期連結売上高は、前期比3.9%増の3120億円、営業利益は同25.1%増の200億円、経常利益が同2.7%増の208億円、純利益が同8.0%増の126億円を見込む。

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コーセー2024年1〜6月期は日本市場と「タルト」好調で増収増益 中国事業に課題残る

コーセーの2024年1〜6月期連結決算は、売上高が前年同期比10.3%増の1591億円、営業利益が同31.9%増の137億円、経常利益が同34.3%増の188億円、純利益が同33.5%増の116億円だった。中国事業が大幅に減収したが、日本市場と米発自然派コスメ「タルト(TARTE)」の好調が全体の売上高を引き上げた。プロダクトミックスの変化による原価率や販管費が増加したものの、大幅な売上高の増加により増益となった。

事業別では、化粧品事業は第一四半期に続いて「コスメデコルテ(DECORTE)」が中国で減収となったが日本市場では好調を維持し、「アルビオン(ALBION)」「雪肌精(SEKKISEI)」などの主力ブランドも順調に推移。欧米での「タルト」の売り上げ増加も貢献し、全体としては同8.3%増の1267億円で着地した。コスメタリー事業は、“メイクキープ”シリーズ、「ファシオ(FASIO)」や子会社のコスメポートが展開する「ソフティモ(SOFTYMO)」「クリアターン(CLEAR TURN)」「サンカット(SUNCUT)」が伸長し、同19.1%増の312億円だった。

地域別では、日本市場が百貨店と化粧品専門店に加えてドラッグストアなどのマス市場においても内需が伸長し、売上高が同15.6%増の1011億円となった。「コスメデコルテ」は1月に発売した“ルースパウダー”や”AQ”ラインの新商品が好調に推移。「アルビオン」「エレガンス(ELEGANCE)」もインバウンド需要により売り上げが伸長した。

アジア市場は、売上高が同27.0%減の233億円だった。中国では不況による消費の低迷や競争激化により店頭消化が弱まり在庫市場が滞留しており、本土、トラベルリテールともに減収となった。小林一俊コーセー社長は「中国国内の景気が悪く消費が落ちていることを加味しても、中国事業の事業改革は必須。現在、在庫の把握やGWP(販促用ギフト)ありきの販売といった売り方を見直している」とコメントした。

北米市場は、「タルト」が貢献し売上高が同40.7%増の304億円、欧州などのその他も「タルト」がけん引し、同32.3%増の41億円だった。

24年12月期連結売上高は、前期比3.9%増の3120億円、営業利益は同25.1%増の200億円、経常利益が同2.7%増の208億円、純利益が同8.0%増の126億円を見込む。

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ユナイテッドアローズに見る大手セレクトの選択【小島健輔リポート】

ファッション業界のご意見番であるコンサルタントの小島健輔氏が、日々のニュースの裏側を解説する。今回のテーマは大手セレクトショップチェーン。衣料品市場はコロナから軒並み回復し、大都市ではインバウンド需要の追い風も増えている。ファッション性とトレンド力で若い世代の支持を得てきたセレクトショップはどうなっているのか。ここではセレクトショップの代表格であるユナイテッドアローズの業績を分析する。

ユナイテッドアローズはコロナ禍を乗り越えても売り上げの回復は鈍く、収益性もコロナ前の水準を回復していない。ラグジュアリーやインバウンドに押し上げられて我が世の春を謳歌する都心百貨店に比べれば病み上がりを否めず、未来へ向けて売り上げと利益を伸ばしていく展望もロジックも見えていない。それは同社に限らず、大手セレクトチェーンに共通する課題ではなかろうか。

回復が遅れたユナイテッドアローズ

大手セレクトチェーンにどこまでを含むかは異論があると思うが、かつて四家といわれたユナイテッドアローズ、ベイクルーズ、ビームス、シップスのうち上場して業績を開示しているのはユナイテッドアローズだけで、他社は売上高など部分的な開示にとどまるから、どうしてもユナイテッドアローズの業績を軸に大手セレクトチェーンを語らざるを得ない。

この四家の直近決算期の売上高合計は3776億1000万円(ビームスのみ23年2月期)とコロナ前19年の3993億3000万円の94.6%にとどまるが、パルグループの衣料品事業も大手セレクトに数えれば直近決算期売上高合計は4973億7700万円と19年の4964億3100万円をかろうじて0.2%上回る。パルグループの衣料品事業を除けば、大手セレクトチェーンはようやくコロナ前の売り上げに回復しつつある病み上がりと見るべきだろう。

大手セレクトチェーンと対比される国内ユニクロの売り上げもこの間(19年8月期〜23年8月期)に8729億5700万円から8904億2700万円と2.0%しか伸びていないから、大手セレクトから低価格チェーンに顧客が流れているわけでもない。インフレと社会負担増に賃金上昇が追いつかず実質賃金が減少を続ける中、衣料消費が抑制されているからで、好調を続ける全国百貨店の24年上半期売上高19年比も、総額こそ100.7と上回ったものの衣料品は89.4と回復が鈍い。商業動態統計「織物・衣服・身の回り品小売業」の24年上半期売上高も19年同期の75.7%にとどまるから、百貨店や大手セレクトはまだマシな方だ。

ユナイテッドアローズの24年3月期の連結売上高は1342億6900万円とコロナ前19年3月期の1589億1800万円の84.5%、単体小売売上高は82.6%、小売既存店べースでも90.2%にとどまるから、大手セレクト全体の回復に較べればやや遅れている。パルグループ衣料品の24年2月期売上高が19年2月期を24.6%も上回ったのと較べれば回復力には大差があり、営業利益率もパルグループ衣料品の13.9%に対してユナイテッドアローズは5.0%と格差が大きく、コロナ前19年3月期の7.0%にも距離があるから、収益力の回復も鈍いと言わざるを得ない。

財務は回復するも殻を破れず

幾度かの資金流失(本連載の21年4月5日掲載の「新経営陣はユナイテッドアローズを再建できるか」)で過小資本が指摘される同社だが、23年3月期以降は配当性向も30%強に抑制して自己資本比率を高め(24年3月期58.2%)、過小資本だからROE(同14.2%)もROA(同12.3%)も及第水準に近づいている。とはいっても現業の運営体質は「老舗の伝統」を色濃く残しており、殻を破っての進化も飛躍も見えない。

在庫回転こそ21年3月期の2.87回転から23年3月期は3.14回転に改善されたが24年3月期も同回転と停滞しており、期末在庫ベースでは2.99回と前期の3.05回からやや減速している。12年2月期までさかのぼっても在庫回転は3回転前後と変わらないから、同社の重在庫・売り減らし体質は長らく変わっていない。おそらく、調達プロセスも在庫運用スキームも販売手法もセレクト業界の伝統的慣習を頑なに守っているのだろう。その枠組みを出ない限り、業績の本格浮揚は難しいのではないか。

売掛債権回転は30.8日と前期から1.5日短縮されたがほぼ1カ月と長く、1〜2週間に収まるグローバルチェーンに比べると回収が遅い(売上金預かりのテナント出店が大半ゆえと思われる)。棚資産回転は122.5日と前期から2.8日延びたが、期末在庫の持ち方による差異の範囲。買掛債務回転も59.8日と前期から3.4日延びたが、これも運用差異の範囲。CCC(Cash Conversion Cycle)は93.4日と前期とほぼ変わらず、純資産に対する運転資金率も97.8%と久方ぶりに100%を切った。「伝統的慣習の枠組みの中では」という断りは付くが、財務的にはコロナ禍のダメージを抜けたのではないか。

荒療治の人件費抑制

売上高の回復に伴って粗利益率は51.7%とコロナ前の水準を超えたが、販管費率は前期と変わらず46.7%とコロナ前19年3月期の44.5%を2.2ポイントも上回る。19年3月期と比較して増加が目立つのは広告宣伝費の0.7ポイント、その他費用の2.4ポイント(おそらく物流費とキャッシュレス手数料?)で、賃借料と減価償却費はそれぞれ0.5ポイント落ちているから、店舗投資の抑制がうかがえる。

人件費率は19年3月期の15.6%を21年3月期で2.4ポイント、22年3月期で1.6ポイント、23年3月期も0.8ポイント上回って収益を圧迫したが、24年3月期は15.7%と0.1ポイント高に抑制して収益を確保している。20年3月期から従業員を868人削減し、19年3月期から21年3月期へ一人当たり人件費を10.9%圧縮した後、売上高の回復とともに23年3月期へ14.1%回復させたが、世間が賃上げラッシュとなった24年3月期は逆に2.9%切り下げて531.0万円(平均年収429.7万円/35.1歳)に落としている。

この水準は高いのか低いのか、アダストリアの396.2万円(24年2月期、正社員平均年収は442.3万円)、国内ユニクロの478.3万円(大幅賃上げ前の23年8月期)よりは高く、しまむらの539.9万円(24年2月期/平均年収476.3万円)に迫るから低くはないが、接客販売型で平均年齢も近い青山商事の平均年収458.7万円/36.8歳(24年3月期)より6.3%低い。

絶対水準は低くないとはいえ、コロナ前19年3月期から5年間(13年3月期からの11年間も同様)、全く水準が上がっておらず(19年3月期比−1.3%)、賃上げラッシュの24年3月期に2.9%も水準を切り下げたというのは組織活力を削ぎ、ガバナンスを揺るがす荒療治だったのではないか。この間の社会負担増やインフレも考慮すると、実質収入は生活を圧迫するほど減少したはずだ。そんな荒療治で売上対比の人件費率を15.7%と5年ぶりに19年水準(15.6%)に圧し戻したが、前期の16.4%からは相当な切り下げで、意欲を失う人や会社を去る人も少なからずあったのではないか。

人時生産性の壁をどう超えるか

そんな荒療治を必要とした背景は人時生産性(一人当たり粗利益額)の低下だったと思われる。人時生産性は一人当たり粗利益額を平均総労働時間で除して求めるが、総労働時間を開示する企業は滅多にないから、年間の一人当たり粗利益額で代替するしかない。

ユナイテッドアローズの一人当たり売上高は14年3月期の3814.7万円をピークに漸減傾向にあり、コロナ前19年3月期は3375.4万円まで落ちていた。それがコロナ下の売上急減で21年3月期は1967.7万円まで落ち込んだ後、年々回復して24年3月期は値上げも押し上げて3399.8万円と19年3月期水準を超えるまで戻しているが、14年3月期のピークと比べれば89.1%にとどまる。

これに粗利益率を掛ければ一人当たり粗利益額になるが、そのピークは13年3月期の1892.4万円で、一人当たり人件費が537.4万円でも売上対比人件費率は15.5%、対粗利益労働分配率は28.4%に収まっていた。15年3月期以降は漸減傾向で、19年3月期は1775.5万円まで戻したが、コロナ下の21年3月期は1185.5万円まで激減し、一人当たり人件費を479.5万円まで引き下げても売上対比人件費率は18.3%、対粗利益労働分配率は40.4%に跳ね上がった。24年3月期は1745.3万円と19年3月期水準近くまで戻し、対粗利益労働分配率も30.4%と平時に戻ったが、一人当たり粗利益額は13年3月期を7.8%下回る。

接客販売型小売業の人時生産性低下をもたらす最大の要因は客単価の低下で、セルフ販売型では一人当たり保守面積の縮小が人時生産性の低下に直結する。これに陳列方式と補充頻度によるマテハン作業量、精算作業量が続くが、ユナイテッドアローズの場合、客単価の低下をカバーするほど保守面積の拡大がなく、低単価事業でも高単価事業と大差ない接客販売が志向されたため、人時生産性が漸減していったと推察される。

ユニクロのようなセルフ販売の大型店ならRFIDタグ読み取りのセルフレジで精算作業量を圧縮できるが、手厚い接客販売を志向するユナイテッドアローズでは精算は販売の最終段階としてのクロージングであって、セルフ精算という選択はないだろう。重在庫で低回転だから見栄えやシワを考慮すれば全てを売り場に陳列できず、接客中に後方ストックとの出し入れが頻発してマテハン作業が接客を中断するというアイロニーを解消できておらず、人時生産性も販売効率も頭打ちにならざるを得ない。

「GLR」は両刃の剣だった

客単価の低下をもたらしたのは「グリーンレーベルリラクシング(GLR)」だったのではないか。ユナイテッドアローズとしては手頃価格で、郊外ターミナル中心に多店化して成長をけん引したが、人時効率を引き下げて収益を圧迫する両刃の剣でもあった。

「GLR」はユニクロのようなカジュアル業態ではなく、ユナイテッドアローズの品ぞろえ編成をPB(プライベートブランド)中心に手頃化したもので、子供服を拡充して郊外のニューファミリーを志向するかと思えば、通勤のビジカジやオケージョンを強化したりと、価格が通る出店立地の限界もあって政策の蛇行が続いた。価格はユナイテッドアローズの6掛け程度だったが、低価格なアパレルチェーンがそろう郊外の大型モールなどでは飛び抜けた高価格で、価格が通るのは相当にアップスケールな広域モールか郊外ターミナルの駅ビルなどに限られ、今日でも85店舗にとどまる。

陳列手法や接客スキームはユナイテッドアローズと大差なく、客単価が低い分、人時効率が低くならざるを得なかった。高価格な既存業態では出られなかった郊外のターミナルやアップスケールな広域モールに多店化して売上拡大には寄与したが、人時効率の低さで収益性の足を引っ張ったのではないか。

24年3月期の平米当たり販売効率はトレンドマーケット(「ユナイテッドアローズ」「ビューティ&ユース」)の172.5万円に対してミッド・トレンドマーケット(「GLR」)は94.0万円と54.5%にとどまる一方、一人当たり保守面積はトレンドマーケットの22.0平米に対してミッド・トレンドマーケットは29.7平米と1.35倍でしかなく、掛け合わせた一人当たり売上高はトレンドマーケットの3795.1万円に対してミッド・トレンドマーケット(「GLR」)は2791.2万円と前者の73.5%にとどまる。コロナ前19年3月期は平米当たり売上高が前者の184.8万円に対して後者は126.9万円(68.7%)、一人当たり保守面積が19.2平米に対して24.6平米(1.28倍)、一人当たり売上高が3539.0万円に対して3117.2万円と前者の88.1%だったから、人時効率格差は一段と開いている。

24年3月期の平米当たり売上高はトレンドマーケットが19年3月期の水準の93.3%まで回復したのに対してミッド・トレンドマーケットは同74.1%にとどまり、一人当たり売上も前者が19年3月期を7.2%上回るのに対して後者は89.5%と回復も鈍く、効率格差が拡大している。

直営店売上高に占めるミッド・トレンドマーケット(「GLR」)の比率は13年3月期の24.9%から拡大してコロナ前19年3月期の35.5%でピークを打ち、コロナ禍を経て販売効率が落ちて結果的に売り上げシェアも24年3月期は32.1%に低下し、それが収益回復を下支えしたと推察される。

人時効率が落ちていったのは「GLR」の拡大だけでなく、格段の高客単価で売り上げに貢献していたクロムハーツ事業を会社分割したダメージも大きかった。16年3月期に直営店売上高の12.2%を占めていたクロムハーツ事業を同年10月に会社分割した結果、16年3月期から18年3月期で一人当たり売上高は9.6%も低下している。

分割前16年3月期のクロムハーツ事業の一人当たり売上高は1億1660万円にも達していたから収益貢献も大きかったと推察されるが、代わりに高額なブランド事業ではなく単価の低い「GLR」や「コーエン」を拡大したから人時効率が低下し、収益の足を引っ張った。ユナイテッドアローズの現在に至る意思決定を振り返ると、経営陣が自社の運営体質と収益構造の本質を理解していないのではないかと疑いたくなるミスジャッジが幾度も見られる。

接客の付加価値を企業文化とうたうなら高客単価事業に集中すべき

創業期から同社の紆余曲折を見てきた筆者としては、資本政策の欠如からオーナーシップが失われてガバナンスが形骸化し、創業の理念が絵空事になっていった経緯が返す返す悔やまれる。

「進化する老舗」をうたってものづくりと接客販売を極めるという企業理念は、必然的に人手がかかる非効率な調達と販売が避けられず、収益を確保するには高単価・高付加価値な商材が大前提となる。その本質を理解するなら、「ユナイテッドアローズ」より高客単価の事業を広げるべきなのに、目先の売上拡大に目を奪われて低客単価の「GLR」、さらに低客単価の「コーエン」にまで手を広げてしまい、理念に共感して集まった接客スキルも給与水準も高い従業員たちの人時コストに見合わない仕事を押し付け、給与水準を切り下げるという大失態を演じた経営陣の責任は重い。

スキルも意識も給与期待も高い従業員たちに応え、収益性を高めて投資家の期待にも応えるには、まず第一にコーエンを切り離し(外部への売却が好ましい)、GLR事業の人時効率をトレンドマーケット事業の水準に嵩上げることが必定だ。新規開発のブランドや事業も現状より人時効率が高いことが絶対条件で、このルールを崩してはならない。

経営陣への三つの提案

GLR事業は「シテン」など魅力のあるインブランドの投入、機能性ビジネスウェア&ツール、ルームウエアやインナーウエア、ベッドリネンなどライフスタイルカテゴリーのラインロビングによる店舗規模の拡大で保守面積を飛躍的に拡大する一方、価格が通る出店立地に集約して店舗数は無理に増やさず、人時効率を高めて収益性を引き上げたい。ウィメンズ/メンズの2ブロック編成からウィメンズ/ライフスタイル/メンズの3ブロック編成に一新し、現状の平均284平米を440平米以上に拡大すれば、トレンドマーケット事業との一人当たり売上格差は解消される。

ラインロビングするカテゴリー毎に素材から開発して生産スペックを磨くサプライヤーとJB(ジョイントプライベートブランド)を取り組み、オンデマンドなVMIサプライを敷くなら、重在庫体質に陥ることなく事業を拡大できるのではないか。

もう一つの人時効率改善策は、せっかく倉庫運営・出荷まで自営化したECインフラの活用だ。元より自社運営ECの人時効率は店舗販売の数倍から十倍と格段に高いから、アダストリアやオンワードホールディングスの自社ECが手がけているようにマーケットプレイス化して他社商品を広げれば売り上げも人時効率も高まる。セレクトショップなのだから他社ブランドの扱いは顧客にも違和感がなく、在庫負担なく売り上げを拡大できる。

在庫を預かって出荷するフルフィル方式とサプライヤーの倉庫から出荷するドロップシッピング方式をカテゴリーの特質に合わせて組み合わせ、フルフィル方式では一括店舗物流で店受け取りも選択できるようにすれば、宅配物流費を抑制して来店客数を増やすOMO効果も得られる。

過小資本なのだから投資は人時効率を高める分野に集中すべきで、人時効率が望めない低客単価事業からは一刻も早く手を引くべきだ。クロムハーツに代わるような顧客型のラグジュアリー事業こそユナイテッドアローズの販売資本(人材)を生かす王道であり、顧客とブランディングを積み上げてきた「ドゥロワー」をラグジュアリービジネスの定石手法に乗せてカテゴリーを広げ、日本発のインベスティメントブランド※1.に育てるなら、いささか色褪せたユナイテッドアローズの「神話」も甦るのではないか。

※1.インベスティメントブランド…ラグジュアリーブランドの中でも再販価値の高い投資型ブランドで、「エルメス」や「シャネル」に代表される。

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ユナイテッドアローズに見る大手セレクトの選択【小島健輔リポート】

ファッション業界のご意見番であるコンサルタントの小島健輔氏が、日々のニュースの裏側を解説する。今回のテーマは大手セレクトショップチェーン。衣料品市場はコロナから軒並み回復し、大都市ではインバウンド需要の追い風も増えている。ファッション性とトレンド力で若い世代の支持を得てきたセレクトショップはどうなっているのか。ここではセレクトショップの代表格であるユナイテッドアローズの業績を分析する。

ユナイテッドアローズはコロナ禍を乗り越えても売り上げの回復は鈍く、収益性もコロナ前の水準を回復していない。ラグジュアリーやインバウンドに押し上げられて我が世の春を謳歌する都心百貨店に比べれば病み上がりを否めず、未来へ向けて売り上げと利益を伸ばしていく展望もロジックも見えていない。それは同社に限らず、大手セレクトチェーンに共通する課題ではなかろうか。

回復が遅れたユナイテッドアローズ

大手セレクトチェーンにどこまでを含むかは異論があると思うが、かつて四家といわれたユナイテッドアローズ、ベイクルーズ、ビームス、シップスのうち上場して業績を開示しているのはユナイテッドアローズだけで、他社は売上高など部分的な開示にとどまるから、どうしてもユナイテッドアローズの業績を軸に大手セレクトチェーンを語らざるを得ない。

この四家の直近決算期の売上高合計は3776億1000万円(ビームスのみ23年2月期)とコロナ前19年の3993億3000万円の94.6%にとどまるが、パルグループの衣料品事業も大手セレクトに数えれば直近決算期売上高合計は4973億7700万円と19年の4964億3100万円をかろうじて0.2%上回る。パルグループの衣料品事業を除けば、大手セレクトチェーンはようやくコロナ前の売り上げに回復しつつある病み上がりと見るべきだろう。

大手セレクトチェーンと対比される国内ユニクロの売り上げもこの間(19年8月期〜23年8月期)に8729億5700万円から8904億2700万円と2.0%しか伸びていないから、大手セレクトから低価格チェーンに顧客が流れているわけでもない。インフレと社会負担増に賃金上昇が追いつかず実質賃金が減少を続ける中、衣料消費が抑制されているからで、好調を続ける全国百貨店の24年上半期売上高19年比も、総額こそ100.7と上回ったものの衣料品は89.4と回復が鈍い。商業動態統計「織物・衣服・身の回り品小売業」の24年上半期売上高も19年同期の75.7%にとどまるから、百貨店や大手セレクトはまだマシな方だ。

ユナイテッドアローズの24年3月期の連結売上高は1342億6900万円とコロナ前19年3月期の1589億1800万円の84.5%、単体小売売上高は82.6%、小売既存店べースでも90.2%にとどまるから、大手セレクト全体の回復に較べればやや遅れている。パルグループ衣料品の24年2月期売上高が19年2月期を24.6%も上回ったのと較べれば回復力には大差があり、営業利益率もパルグループ衣料品の13.9%に対してユナイテッドアローズは5.0%と格差が大きく、コロナ前19年3月期の7.0%にも距離があるから、収益力の回復も鈍いと言わざるを得ない。

財務は回復するも殻を破れず

幾度かの資金流失(本連載の21年4月5日掲載の「新経営陣はユナイテッドアローズを再建できるか」)で過小資本が指摘される同社だが、23年3月期以降は配当性向も30%強に抑制して自己資本比率を高め(24年3月期58.2%)、過小資本だからROE(同14.2%)もROA(同12.3%)も及第水準に近づいている。とはいっても現業の運営体質は「老舗の伝統」を色濃く残しており、殻を破っての進化も飛躍も見えない。

在庫回転こそ21年3月期の2.87回転から23年3月期は3.14回転に改善されたが24年3月期も同回転と停滞しており、期末在庫ベースでは2.99回と前期の3.05回からやや減速している。12年2月期までさかのぼっても在庫回転は3回転前後と変わらないから、同社の重在庫・売り減らし体質は長らく変わっていない。おそらく、調達プロセスも在庫運用スキームも販売手法もセレクト業界の伝統的慣習を頑なに守っているのだろう。その枠組みを出ない限り、業績の本格浮揚は難しいのではないか。

売掛債権回転は30.8日と前期から1.5日短縮されたがほぼ1カ月と長く、1〜2週間に収まるグローバルチェーンに比べると回収が遅い(売上金預かりのテナント出店が大半ゆえと思われる)。棚資産回転は122.5日と前期から2.8日延びたが、期末在庫の持ち方による差異の範囲。買掛債務回転も59.8日と前期から3.4日延びたが、これも運用差異の範囲。CCC(Cash Conversion Cycle)は93.4日と前期とほぼ変わらず、純資産に対する運転資金率も97.8%と久方ぶりに100%を切った。「伝統的慣習の枠組みの中では」という断りは付くが、財務的にはコロナ禍のダメージを抜けたのではないか。

荒療治の人件費抑制

売上高の回復に伴って粗利益率は51.7%とコロナ前の水準を超えたが、販管費率は前期と変わらず46.7%とコロナ前19年3月期の44.5%を2.2ポイントも上回る。19年3月期と比較して増加が目立つのは広告宣伝費の0.7ポイント、その他費用の2.4ポイント(おそらく物流費とキャッシュレス手数料?)で、賃借料と減価償却費はそれぞれ0.5ポイント落ちているから、店舗投資の抑制がうかがえる。

人件費率は19年3月期の15.6%を21年3月期で2.4ポイント、22年3月期で1.6ポイント、23年3月期も0.8ポイント上回って収益を圧迫したが、24年3月期は15.7%と0.1ポイント高に抑制して収益を確保している。20年3月期から従業員を868人削減し、19年3月期から21年3月期へ一人当たり人件費を10.9%圧縮した後、売上高の回復とともに23年3月期へ14.1%回復させたが、世間が賃上げラッシュとなった24年3月期は逆に2.9%切り下げて531.0万円(平均年収429.7万円/35.1歳)に落としている。

この水準は高いのか低いのか、アダストリアの396.2万円(24年2月期、正社員平均年収は442.3万円)、国内ユニクロの478.3万円(大幅賃上げ前の23年8月期)よりは高く、しまむらの539.9万円(24年2月期/平均年収476.3万円)に迫るから低くはないが、接客販売型で平均年齢も近い青山商事の平均年収458.7万円/36.8歳(24年3月期)より6.3%低い。

絶対水準は低くないとはいえ、コロナ前19年3月期から5年間(13年3月期からの11年間も同様)、全く水準が上がっておらず(19年3月期比−1.3%)、賃上げラッシュの24年3月期に2.9%も水準を切り下げたというのは組織活力を削ぎ、ガバナンスを揺るがす荒療治だったのではないか。この間の社会負担増やインフレも考慮すると、実質収入は生活を圧迫するほど減少したはずだ。そんな荒療治で売上対比の人件費率を15.7%と5年ぶりに19年水準(15.6%)に圧し戻したが、前期の16.4%からは相当な切り下げで、意欲を失う人や会社を去る人も少なからずあったのではないか。

人時生産性の壁をどう超えるか

そんな荒療治を必要とした背景は人時生産性(一人当たり粗利益額)の低下だったと思われる。人時生産性は一人当たり粗利益額を平均総労働時間で除して求めるが、総労働時間を開示する企業は滅多にないから、年間の一人当たり粗利益額で代替するしかない。

ユナイテッドアローズの一人当たり売上高は14年3月期の3814.7万円をピークに漸減傾向にあり、コロナ前19年3月期は3375.4万円まで落ちていた。それがコロナ下の売上急減で21年3月期は1967.7万円まで落ち込んだ後、年々回復して24年3月期は値上げも押し上げて3399.8万円と19年3月期水準を超えるまで戻しているが、14年3月期のピークと比べれば89.1%にとどまる。

これに粗利益率を掛ければ一人当たり粗利益額になるが、そのピークは13年3月期の1892.4万円で、一人当たり人件費が537.4万円でも売上対比人件費率は15.5%、対粗利益労働分配率は28.4%に収まっていた。15年3月期以降は漸減傾向で、19年3月期は1775.5万円まで戻したが、コロナ下の21年3月期は1185.5万円まで激減し、一人当たり人件費を479.5万円まで引き下げても売上対比人件費率は18.3%、対粗利益労働分配率は40.4%に跳ね上がった。24年3月期は1745.3万円と19年3月期水準近くまで戻し、対粗利益労働分配率も30.4%と平時に戻ったが、一人当たり粗利益額は13年3月期を7.8%下回る。

接客販売型小売業の人時生産性低下をもたらす最大の要因は客単価の低下で、セルフ販売型では一人当たり保守面積の縮小が人時生産性の低下に直結する。これに陳列方式と補充頻度によるマテハン作業量、精算作業量が続くが、ユナイテッドアローズの場合、客単価の低下をカバーするほど保守面積の拡大がなく、低単価事業でも高単価事業と大差ない接客販売が志向されたため、人時生産性が漸減していったと推察される。

ユニクロのようなセルフ販売の大型店ならRFIDタグ読み取りのセルフレジで精算作業量を圧縮できるが、手厚い接客販売を志向するユナイテッドアローズでは精算は販売の最終段階としてのクロージングであって、セルフ精算という選択はないだろう。重在庫で低回転だから見栄えやシワを考慮すれば全てを売り場に陳列できず、接客中に後方ストックとの出し入れが頻発してマテハン作業が接客を中断するというアイロニーを解消できておらず、人時生産性も販売効率も頭打ちにならざるを得ない。

「GLR」は両刃の剣だった

客単価の低下をもたらしたのは「グリーンレーベルリラクシング(GLR)」だったのではないか。ユナイテッドアローズとしては手頃価格で、郊外ターミナル中心に多店化して成長をけん引したが、人時効率を引き下げて収益を圧迫する両刃の剣でもあった。

「GLR」はユニクロのようなカジュアル業態ではなく、ユナイテッドアローズの品ぞろえ編成をPB(プライベートブランド)中心に手頃化したもので、子供服を拡充して郊外のニューファミリーを志向するかと思えば、通勤のビジカジやオケージョンを強化したりと、価格が通る出店立地の限界もあって政策の蛇行が続いた。価格はユナイテッドアローズの6掛け程度だったが、低価格なアパレルチェーンがそろう郊外の大型モールなどでは飛び抜けた高価格で、価格が通るのは相当にアップスケールな広域モールか郊外ターミナルの駅ビルなどに限られ、今日でも85店舗にとどまる。

陳列手法や接客スキームはユナイテッドアローズと大差なく、客単価が低い分、人時効率が低くならざるを得なかった。高価格な既存業態では出られなかった郊外のターミナルやアップスケールな広域モールに多店化して売上拡大には寄与したが、人時効率の低さで収益性の足を引っ張ったのではないか。

24年3月期の平米当たり販売効率はトレンドマーケット(「ユナイテッドアローズ」「ビューティ&ユース」)の172.5万円に対してミッド・トレンドマーケット(「GLR」)は94.0万円と54.5%にとどまる一方、一人当たり保守面積はトレンドマーケットの22.0平米に対してミッド・トレンドマーケットは29.7平米と1.35倍でしかなく、掛け合わせた一人当たり売上高はトレンドマーケットの3795.1万円に対してミッド・トレンドマーケット(「GLR」)は2791.2万円と前者の73.5%にとどまる。コロナ前19年3月期は平米当たり売上高が前者の184.8万円に対して後者は126.9万円(68.7%)、一人当たり保守面積が19.2平米に対して24.6平米(1.28倍)、一人当たり売上高が3539.0万円に対して3117.2万円と前者の88.1%だったから、人時効率格差は一段と開いている。

24年3月期の平米当たり売上高はトレンドマーケットが19年3月期の水準の93.3%まで回復したのに対してミッド・トレンドマーケットは同74.1%にとどまり、一人当たり売上も前者が19年3月期を7.2%上回るのに対して後者は89.5%と回復も鈍く、効率格差が拡大している。

直営店売上高に占めるミッド・トレンドマーケット(「GLR」)の比率は13年3月期の24.9%から拡大してコロナ前19年3月期の35.5%でピークを打ち、コロナ禍を経て販売効率が落ちて結果的に売り上げシェアも24年3月期は32.1%に低下し、それが収益回復を下支えしたと推察される。

人時効率が落ちていったのは「GLR」の拡大だけでなく、格段の高客単価で売り上げに貢献していたクロムハーツ事業を会社分割したダメージも大きかった。16年3月期に直営店売上高の12.2%を占めていたクロムハーツ事業を同年10月に会社分割した結果、16年3月期から18年3月期で一人当たり売上高は9.6%も低下している。

分割前16年3月期のクロムハーツ事業の一人当たり売上高は1億1660万円にも達していたから収益貢献も大きかったと推察されるが、代わりに高額なブランド事業ではなく単価の低い「GLR」や「コーエン」を拡大したから人時効率が低下し、収益の足を引っ張った。ユナイテッドアローズの現在に至る意思決定を振り返ると、経営陣が自社の運営体質と収益構造の本質を理解していないのではないかと疑いたくなるミスジャッジが幾度も見られる。

接客の付加価値を企業文化とうたうなら高客単価事業に集中すべき

創業期から同社の紆余曲折を見てきた筆者としては、資本政策の欠如からオーナーシップが失われてガバナンスが形骸化し、創業の理念が絵空事になっていった経緯が返す返す悔やまれる。

「進化する老舗」をうたってものづくりと接客販売を極めるという企業理念は、必然的に人手がかかる非効率な調達と販売が避けられず、収益を確保するには高単価・高付加価値な商材が大前提となる。その本質を理解するなら、「ユナイテッドアローズ」より高客単価の事業を広げるべきなのに、目先の売上拡大に目を奪われて低客単価の「GLR」、さらに低客単価の「コーエン」にまで手を広げてしまい、理念に共感して集まった接客スキルも給与水準も高い従業員たちの人時コストに見合わない仕事を押し付け、給与水準を切り下げるという大失態を演じた経営陣の責任は重い。

スキルも意識も給与期待も高い従業員たちに応え、収益性を高めて投資家の期待にも応えるには、まず第一にコーエンを切り離し(外部への売却が好ましい)、GLR事業の人時効率をトレンドマーケット事業の水準に嵩上げることが必定だ。新規開発のブランドや事業も現状より人時効率が高いことが絶対条件で、このルールを崩してはならない。

経営陣への三つの提案

GLR事業は「シテン」など魅力のあるインブランドの投入、機能性ビジネスウェア&ツール、ルームウエアやインナーウエア、ベッドリネンなどライフスタイルカテゴリーのラインロビングによる店舗規模の拡大で保守面積を飛躍的に拡大する一方、価格が通る出店立地に集約して店舗数は無理に増やさず、人時効率を高めて収益性を引き上げたい。ウィメンズ/メンズの2ブロック編成からウィメンズ/ライフスタイル/メンズの3ブロック編成に一新し、現状の平均284平米を440平米以上に拡大すれば、トレンドマーケット事業との一人当たり売上格差は解消される。

ラインロビングするカテゴリー毎に素材から開発して生産スペックを磨くサプライヤーとJB(ジョイントプライベートブランド)を取り組み、オンデマンドなVMIサプライを敷くなら、重在庫体質に陥ることなく事業を拡大できるのではないか。

もう一つの人時効率改善策は、せっかく倉庫運営・出荷まで自営化したECインフラの活用だ。元より自社運営ECの人時効率は店舗販売の数倍から十倍と格段に高いから、アダストリアやオンワードホールディングスの自社ECが手がけているようにマーケットプレイス化して他社商品を広げれば売り上げも人時効率も高まる。セレクトショップなのだから他社ブランドの扱いは顧客にも違和感がなく、在庫負担なく売り上げを拡大できる。

在庫を預かって出荷するフルフィル方式とサプライヤーの倉庫から出荷するドロップシッピング方式をカテゴリーの特質に合わせて組み合わせ、フルフィル方式では一括店舗物流で店受け取りも選択できるようにすれば、宅配物流費を抑制して来店客数を増やすOMO効果も得られる。

過小資本なのだから投資は人時効率を高める分野に集中すべきで、人時効率が望めない低客単価事業からは一刻も早く手を引くべきだ。クロムハーツに代わるような顧客型のラグジュアリー事業こそユナイテッドアローズの販売資本(人材)を生かす王道であり、顧客とブランディングを積み上げてきた「ドゥロワー」をラグジュアリービジネスの定石手法に乗せてカテゴリーを広げ、日本発のインベスティメントブランド※1.に育てるなら、いささか色褪せたユナイテッドアローズの「神話」も甦るのではないか。

※1.インベスティメントブランド…ラグジュアリーブランドの中でも再販価値の高い投資型ブランドで、「エルメス」や「シャネル」に代表される。

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資生堂、純利益が99.9%減 早期退職費用など響く24年1〜6月期

資生堂の2024年1~6月期連結決算は、売上高が前年同期比2.9%増の5085億円、コア営業利益が同31.3%減の192億円、純利益が同99.9%減の1500万円だった。トラベルリテール・米州・中国事業の減速に加え、非経常項目で主に日本事業の早期退職支援プランに関する構造改革費用を計上したことが影響した。なお、通期見通しは据え置く。

事業別の売上高は、日本事業が同13.1%増(実質13.3%増)の1415億円だった。ブランドの選択と集中による投資のメリハリが奏功し、「シセイドウ(SHISEIDO)」「クレ・ド・ポー ボーテ(CLE DE PEAU BEAUTE)」「エリクシール(ELIXIR)」が力強く成長した。美容液ファンデーションの打ち出しも後押しし「シセイドウ」の“エッセンス スキングロウ ファンデーション”が好調に推移。中価格帯は全体を上回る高成長となった。インバウンド消費は中国を除き、着実に回復した。

トラベルリテール事業(空港・市中免税店などでの化粧品・フレグランスの販売)は同13.7%減(実質22.7%減)の668億円だった。日本では力強い回復を見せたが、中国海南島・韓国では、中国人旅行者の消費行動の変化や、消費意欲の低下が顕在化し、「想定以上に深いマイナスとなった」(廣藤綾子CFO)。

中国事業は、同0.8%増(実質6.6%減)の1316億円だった。価格競争に巻き込まれる中、「クレ・ド・ポー ボーテ」「NARS」は堅調に成長。一方で、ALPS処理水の海洋放出後の日本商品買い控えの影響が残った「シセイドウ」は苦戦を強いられた。

米州事業は、同8.4%増(実質5.4%減)の572億円だった。「ナーズ(NARS)」や「ドランク エレファント(DRUNK ELEPHANT)」において、一時的な生産減による出荷減が影響し、減収となった。欧州事業は同19.5%増(実質11.8%増)の628億円だった。「ドランクエレファント」が2ケタ成長を見せたほか、フレグランスも貢献した。アジアパシフィックは同12.3%増(実質5.9%増)の344億円だった。

下期は中国で「シセイドウ」をテコ入れ

下期は、足元が厳しい中国市場の対応を急ぐ。中国事業で売り上げ構成比の高い「シセイドウ」は、次なるヒーロープロダクトの積極的な開発と、戦略マーケティングの強化し、ブランドのテコ入れを図る。主力エイジングケアライン“バイタルパーフェクション”と最高シリーズ高峰シリーズ“フューチャーソリューション LX”のリニューアルに加え、“エッセンス スキングロウ ファンデーション”の発売を予定する。「持続的な成長のために、トラベルリテール市場にも目を配り、過度な価格競争の波に飲まれ悪循環に陥らないよう、バランスに気をつけたマーケティングなどを実施する」(廣藤CFO)。

インバウンドに関しては、資生堂ジャパンが7月に発足したインバウンド専用チーム“ツーリストマーケティングチーム”と、資生堂トラベルリテール、中国とその他アジア地域が連携し、日本から世界への情報発信の強化を図る。また、デジタルの投資強化や、戦略的M&Aの検討も進める。インドや中東などの新興市場への展開も強める。「現地法人の設立が完了したことで、より積極的な投資による高い成長の実現を目指す」(藤原憲太郎COO)。

11月には、中国消費の減速やリスクの顕在化といった課題に対し、新たな経営戦略を発表する予定だ。全社を挙げて、ブランドポートフォリオの再構築やAIを活用した開発、グローバル体制の見直しなどを行う。藤原COOは、「資産の選択と集中を進め、キャッシュフローも意識した経営オペレーションの組織浸透を図る」と意気込む。

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ユナイテッドアローズ24年4~6月期、売上高10.4%増 値上げと訪日客が貢献

ユナイテッドアローズの2024年4~6月期連結業績は、売上高が前年同期比10.4%増の354億円、営業利益が同10.6%増の27億円だった。主力の「ユナイテッドアローズ(UNITED ARROWS)」「ビューティ&ユース ユナイテッドアローズ(BEAUTY & YOUTH UNITED ARROWS」などのトレンドマーケットでは、商品の質を改善すると同時に販売価格を上げる価格戦略が奏功した。加えて、青山、渋谷、六本木、心斎橋エリアにおけるインバウンド売り上げの増加が貢献した。なお、コーエンの減損などを含む特別損失の増加に伴い純利益は同2.0%減の17億円で計画値はクリアした。

マーケット特性に応じた価格戦略が奏功

主力のトレンドマーケットではこの春夏、オリジナル品番の約30%で8〜10%値上げを実施した。より高級感のある色味への修正や下げ札のデザイン変更、コーディネートしやすい関連商品の企画といった包括的な質の改善が消費者に受け入れられ、客数は同4.5%増、客単価は同4.4%増と伸びた。秋冬はオリジナル品番の約20%で同様の上げ幅で計画している。

一方、手頃な価格帯を売りにしている「ユナイテッドアローズ グリーンレーベル リラクシング(UNITED ARROWS GREEN LABEL RELAXING)」(以下、「GLR」)は、販売価格はそのままにプロパー販売率を向上させる戦略で、客単価は維持しつつ客数を同10.9%増と伸ばした。苦戦が続いていた「GLR」だが、タレントのMEGUMIを起用したテレビCMなどの大型プロモーションに手応えがあった。ウィメンズは既存店売上高が同23.6%増と大幅に伸長した。秋冬に向けては、ウィメンズの成功事例をメンズやキッズにも応用していく。

インバウンド売り上げは同63.3%増の132億円、構成比は4.0%だった。個人情報保護の観点から海外客のデジタル上での情報収集が難しいといい、そのため店頭では購買商品や金額などの履歴を手書きで残すといった施策を強化し顧客化を図る。また中国で普及している決済アプリ「アリペイ」の導入も検討中だ。

売上総利益率は54.7%で、前年同期に対し0.3ポイント減。ユナイテッドアローズで会員制度変更によりVIP会員が増え、セール需要が前倒しとなったことや、コーエンのセール拡大・在庫評価減が響いた。

「アティセッション」「コンテ」は9月に実店舗出店

9月には新規ブランドの実店舗出店も控える。9月12日には若者向けの「アティセッション(ATTISESSION)」の1号店をルミネ新宿 ルミネ2にオープン。辺見えみりをディレクターに起用した「コンテ(CONTE)」は6日に青山に路面店、12日にルミネ新宿 ルミネ1店をオープンする計画だ。松崎善則社長執行役員CEOは、「両ブランドとも先行販売の段階で、計画を大きく上回る結果が出せており、期待ができる。また新卒採用の面接では、新規ブランドへの配属を希望する学生も出てきた。そうしたことからも取り組みの成果が見えてきた」と手応えを語った。

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ウイスキーの多様な楽しみ方に出合える 期間限定「ザ・ニッカウヰスキー トウキョウ」がオープン

アサヒビールとニッカウヰスキーは8月7日、「ザ・ニッカウヰスキー トウキョウ」を表参道にオープンした。12月25日までの期間限定店で、日本のトップバー13店とコラボしたカクテルを通じて、ウイスキーの多様な楽しみ方と体験を提供する。

店内には“ネオ・クラシック”をコンセプトにした気軽にカクテルを楽しめるエリア「ザ・ラウンジ-ミート-」と、“革新・イノベーション”をコンセプトにしたウヰスキーの奥深さを探求できるエリア「ザ・バー-エクスプロアー-」があり、ニッカウヰスキーのエンブレムやロゴが入ったTシャツやキャップなどをそろえる物販エリアも併設する。

「ニッカウヰスキーは今年90周年。“生きるを愉しむ”をコンセプトにやってきた」と初日に行われたオープニングパーティーで、ニッカウヰスキーの友吉直紀グローバル事業戦略部スポンサーシップ&イベントリーダー。「ウヰスキーやカクテル、バー文化を通じて人生をより楽しく生きてほしい。そんな願いを込めて作ったスペースだ」。

「ザ・ラウンジ-ミート-」では、「シングルモルト余市」をベースとし、桜チップスモークで煙を演出した“オールド ファッションド”(1600円)や、「ニッカ カフェグレーン」をベースにコーヒーリキュールを使った“エスプレッソ マティーニ”(1200円)といった海外のバーで定番のカクテルを、「ザ・バー-エクスプロアー-」では「ニッカ カフェグレーン」をベースにエスプレッソと炭酸を使ってエスプレッソマティーニをアレンジした“カフェ コン セルツ”(2200円)、「ニッカ カフェジン」をベースに花椒や牛乳、パイナップルなどを使ってクローバークラブをアレンジした“クローバークラブパンチ”(2200円)など独創的なカクテルが味わえる。

◼️THE NIKKA WHISKY TOKYO
期間:8月7日〜12月25日
住所:東京都港区北青山3-5-27 AOKI表参道ビル 1F
営業時間:平日17:00〜23:30、土日祝14:00〜23:30(ラストオーダーは全日23:00)

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阪急本店の売上高38%増 4〜6月期

エイチ・ツー・オー リテイリングの2024年4〜6月期連結業績は、総額売上高が前年同期比13.0%増の2764億円、営業利益が同94.7%増の93億円、純利益が同7.8倍の265億円だった。好調な百貨店事業が業績を押し上げた。大幅な最終増益は、政策保有株式の売却と子会社株式の段階取得に係る差益の計上などによるもの。

百貨店事業を運営する阪急阪神百貨店の業績は、総額売上高が前年同期比25.8%増の1555億円、営業利益が同17.4%増の80億円。阪急本店の4〜6月期売上高は、同37.9%増の916億円だった。免税売上高が前年同期の3.3倍となる326億円とけん引し、同店の売上高の3分の1以上を占める。そのほかの大型店も、博多阪急が同31.2%増、神戸阪急が同15.2%増と大きく伸長した。

エイチ・ツー・オー リテイリングは4〜6月期の好調を受け、通期の連結業績予想を上方修正する。修正後の通期予想は、総額売上高1兆1750億円(修正前は1兆1625億円)、営業利益295億円(同265億円)、純利益300億円(同260億円)。

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阪急本店の売上高38%増 4〜6月期

エイチ・ツー・オー リテイリングの2024年4〜6月期連結業績は、総額売上高が前年同期比13.0%増の2764億円、営業利益が同94.7%増の93億円、純利益が同7.8倍の265億円だった。好調な百貨店事業が業績を押し上げた。大幅な最終増益は、政策保有株式の売却と子会社株式の段階取得に係る差益の計上などによるもの。

百貨店事業を運営する阪急阪神百貨店の業績は、総額売上高が前年同期比25.8%増の1555億円、営業利益が同17.4%増の80億円。阪急本店の4〜6月期売上高は、同37.9%増の916億円だった。免税売上高が前年同期の3.3倍となる326億円とけん引し、同店の売上高の3分の1以上を占める。そのほかの大型店も、博多阪急が同31.2%増、神戸阪急が同15.2%増と大きく伸長した。

エイチ・ツー・オー リテイリングは4〜6月期の好調を受け、通期の連結業績予想を上方修正する。修正後の通期予想は、総額売上高1兆1750億円(修正前は1兆1625億円)、営業利益295億円(同265億円)、純利益300億円(同260億円)。

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エルメス、24年上半期も増収増益 やや減速しつつも2ケタ成長を維持

エルメス・インターナショナル(HERMES INTERNATIONAL以下、エルメス)の2024年1~6月期(上半期)決算は、売上高が前年同期比12.0%増の75億400万ユーロ(約1兆1856億円)、営業利益は同6.8%増の31億4800万ユーロ(約4973億円)、純利益は同6.4%増の23億6800万ユーロ(約3741億円)だった。

カテゴリー別での売上高は、主力のレザーグッズが同15.6%増の32億1500万ユーロ(約5079億円)、衣料・アクセサリー部門は同12.5%増の21億6200万ユーロ(約3415億円)と2ケタ成長を維持。香水・ビューティは同4.0%増の2億5900万ユーロ(約409億円)だった。マクロ経済の悪化などにより中間層の客足がやや減ったことから、シルク・テキスタイル部門は同1.8%減(現地通貨ベースでは1.5%増)の4億3600万ユーロ(約688億円)、中国市場における景気減速の影響を受けたウオッチは同2.8%減(現地通貨ベースでは0.2%減)の3億800万ユーロ(約486億円)だった。

地域別の売上高は、フランスが同14.7%増の6億8000万ユーロ(約1074億円)、フランス以外のヨーロッパは同16.0%増の9億7000万ユーロ(約1532億円)、南北アメリカは同12.2%増の13億2900万ユーロ(約2099億円)といずれも2ケタ成長。日本以外のアジア太平洋地域は同6.8%増の35億2100万ユーロ(約5563億円)、日本は同9.0%増(現地通貨ベースでは22.4%増)の6億9300万ユーロ(約1094億円)だった。なお、円安によるインバウンド需要が旺盛な日本市場だが、同社によれば「エルメス」は国内の顧客による売り上げが主だったという。

CEOが中国市場について言及

アクセル・デュマ(Axel Dumas)最高経営責任者は、「経済上および地政学上の先行き不透明感が増す中、24年上半期も確たる結果を残せたことは、エルメスのビジネスモデルの強さを示している。今後も当社の価値観を守りつつ自信を持って事業を進め、垂直統合や雇用促進のため投資を続けていく」と語った。

同氏はまた、アナリスト向けの説明会で中国市場について言及。「(景気が減速している中国の)消費者は、高品質な“本物”を求めている。また、必ずしもブランドロゴが付いていなくてもいいという消費者も増えており、いずれも『エルメス』にとってプラス要因だ」と説明した。

ラグジュアリー企業は軒並み苦戦 “王者”LVMHも減益に

ラグジュアリー需要の正常化、引き続く地政学上の先行き不透明感、そして中国市場の停滞などにより、ラグジュアリーブランドは軒並み苦戦している。これまで“絶対王者”として増収増益を重ねてきたLVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)も、24年上半期の決算は売上高が同1.3%減(現地通貨ベースでは2%増)の416億7700万ユーロ(約6兆5849億円)、営業利益は同8.1%減の106億2400万ユーロ(約1兆6785億円)、純利益は同14.3%減の72億6700万ユーロ(約1兆1481億円)と減益に。

「グッチ(GUCCI)」「サンローラン(SAINT LAURENT)」「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」を擁するケリング(KERING)の24年上半期決算は、売上高が同11.0%減の90億1800万ユーロ(約1兆4248億円)、営業利益は同42.2%減の15億8200万ユーロ(約2499億円)、純利益は同49.1%減の9億4000万ユーロ(約1485億円)と大幅な減収減益だった。

これらを踏まえると、今期も増収増益だったエルメスの強さが際立つ。しかし、23年上半期の同22.3%増収、22年上半期の同29.3%増収と比べると減速気味であることは否めないだろう。

LVMHやケリングの競合であり、「カルティエ(CARTIER)」「ヴァン クリーフ&アーペル(VAN CLEEF & ARPELS)」「クロエ(CHLOE)」などを擁するコンパニー フィナンシエール リシュモン(COMPAGNIE FINANCIERE RICHEMONT)は3月決算のため、24年上半期の決算を発表するのは11月初旬の予定。

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yutoriが小嶋陽菜の「ハー リップ トゥ」運営会社を子会社化 買収額は約17億円

yutori(東京、片石貴展社長)は、小嶋陽菜が代表を務めるheart relationを買収、子会社化する。株式譲渡の実施は9月30日。heart relationの株式の51%を取得する。買収額は16億9200万円。

18年創業のyutoriは、20年にZOZOグループ傘下入り、23年12月には東証グロース市場へアパレル企業史上最短上場を果たすなど、破竹の勢いで成長してきた。 SNSマーケティングを強みに「9090」「HTH」「パム(PAMM)」といった若者層に支持の高いD2Cブランドなど29ブランドを運営し、全国に25の実店舗を展開する。24年3月期の売上高は前期比74.9%増の43億2000万円、営業利益は3億8300万円(前期は4700万円の赤字)、純利益は2億2500万円(同6800万円の赤字)。

同じく18年設立のheart relationは、アパレルブランド「ハー リップ トゥ」を主力に、近年はランジェリーブランド「ロジア バイ ハーリップトゥ」やビューティブランド「ハーリップトゥ ビューティ」を立ち上げてビジネス領域を拡大している。直近の23年12月機の売上高は29億円、営業利益は3億円、純利益は1億6100万円。24年1〜6月期も前年同期比26.8%増と好調に推移している。小嶋の持ち株比率は79.5%。

主にストリートブランドを展開するyutoriと、フェミニンな女性向けブランドが強いheart relation。事業内容は対照的な両社だが、「これまで蓄積してきたブランド運営、企画及びマーケティングなどのノウハウを共有し、グループとして成長を目指す」としている。

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伊藤忠がデサントにTOB 完全子会社化へ

伊藤忠商事は、100%子会社のBSインベストメントを通し、デサントにTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。デサントの完全子会社化、上場廃止を目的とし、1株4350円で買い付けを行う。BSインベストメントは、現時点でデサント株の44.44%を所有している。

伊藤忠とデサントは、2019年にも敵対的TOBで業界内外で話題となった。TOB実施後はデサント内で伊藤忠グループ出身者や伊藤忠からの出向者を増やし、「経営・現場両面で相互理解を深め、協力関係を築」(発表資料から)いてきた。しかし、「コロナの流行以前から(中略)競合企業が成長するスピード感での市場への対応ができていない」と伊藤忠はデサントに対し考えていたという。完全子会社化によって、「企業価値の最大化を図る機動的かつ効果的な施策を実行する」。

TOB実施の発表と合わせて公開されたデサントの24年4〜6月期連結業績は、売上高が前年同期比1.2%増の274億円、営業利益が同65.0%減の6億円、純利益が同14.2%減の27億円と大幅減益だった。「日本は卸売業態の売り上げ減少に伴う減収と、販管費増加で営業減益」「韓国はゴルフ市場低迷で減益」「中国ではリブランディング費用の先行投資が続くも(中略)実態利益ベースでは増益」だった。

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【募集中】「サステナビリティ・コネクト」~人、情報、成長につながるセミナー&ワークショップ

2024年9月20日(金)開講
情報を更新し、人とつながり成長する
サステナビリティはまさに今、実践のとき

サステナビリティ×ビジネスは学びの段階を終え、実践のときにあります。同時に日進月歩の世界であるため、事業や個人が成長するには最新情報に常に触れ、知識やネットワークを更新する必要があります。「WWDJAPANサステナビリティ・コネクト」は、サステナビリティの基礎を学びつつ、バックキャストで未来を描くための視座を手に入れる場として、全6回の連続講座をご用意しました。

「何から始めていいかわからない」方も大丈夫。ワークショップでは十分な質疑応答の時間を設け、講義時間外もコミュニケーションツールを活用しスタッフへの質問や参加者同士の対話を通じてフォローアップします。

過去に参加された皆さんにお伝えしたいのは、「同じ講義内容、同じ議論は繰り返さない」約束です。講師陣は、ビジネスの現場でサステナビリティを実践する先駆者であると同時に、自身の知識や経験をアップデートし続ける“学びの人”ばかり。この場で2024年の今の課題と半歩先の未来を描いていただきます。

「サステナビリティはパスポートのようなものだ」と言われます。その意味は、持続可能な社会やビジネスを本気で模索し実践する人たちは、企業や産業や国の枠を超えて価値観を共有し、共通言語を持つからです。これからのビジネスでは、その「パスポート」を手に入れていることが成長の礎となることは間違いありません。ここは言わば、良質な「パスポート」を手に入る場所。

皆さんの参加をお待ちしております。

促進と創造のための
3つのプラットフォーム

「サステナビリティ・コネクト」では、“社会課題”と“ビジネスの成長”に向き合う皆さまと共に、継続したコミュニケーションをとるためのツールとプラットフォームをご用意しています。インプット、アウトプット、コネクション、エクスペリエンスを通して、ファッション業界がサステナビリティにおける先進的な業界になることを目指します。

1. WWDJAPAN Weekly & Digital Service

「WWDJAPAN Weekly」では、世界を取材対象に、業界の課題やそこから見えるビジョンを定義。さらにウェブでは、タイムリーに知るべき情報を届けます。

2. Seminar & Discussion

各回テーマを設け、前半はゲストを招へいし必要な情報をインプット。後半は、その課題について徹底的にディスカッションをします。企業の垣根をこえた様々な視点での話し合いは、サステナビリティとビジネスの両輪を回すためには不可欠です。

3. Group Chat

「サステナ・コネクト」のSlackを開設します。「WWDJAPAN」の記者たちが、最新の情報を共有するほか、ご参加の皆さまの交流や意見交換など、コミュニケーションにご活用ください。

このような人におすすめ

サステナビリティ領域に従事する方
企業やブランドの事業推進担当
CSRや経営理念を考え、実践する方
ファッション業界とつながりたい異業種の方

過去の受講者の声

講義はもちろん異業種の方々から多くの学びと気づき、繋がりをいただき、とても有意義な機会になった。(デベロッパー)

他社の状況や企業としての方針を知り、改めて自社の取り組み状況を見直すきっかけになった。社内で啓蒙していく際に実例を用いながら話ができるようになった。(スポーツウエア専門メーカー)

好きなものを仕事としている参加者たちの「良くしていきたい」というパッションがものすごい。(AIサービス開発)

申し込み▼

※ファッション・アパレル関連企業とつながりを持ちたい異業種の方は、
上記フォームよりお問い合わせください

プログラム

DAY1 9月20日(金)13:30~18:00

循環ファッションとは?
ビジネスやデザインの戦略をアップデートする

大量生産・消費・廃棄の直線型ビジネスから循環型ビジネスへ。産業や社会の在り方が転換する中、「循環ファッション」の意味と目指す先を体系的に理解することがビジネスパーソンの必須課題です。サーキュラーデザインの第一人者が、近未来の繊維・ファッション産業の在り方について、企業が抱えがちな課題を交えて解説。皆さんのビジネスやデザインの戦略をアップデートします。

水野大二郎/京都工芸繊維大学教授・慶應義塾大学大学院特別招聘教授
PROFILE:(みずの・だいじろう)1979年東京都生まれ。高校卒業後渡英、Royal College of Artで修士・博士課程修了(ファッションデザイン)。京都大学デザインスクール特任講師、慶應義塾大学環境情報学部准教授などを経て現職。帰国後は多岐にわたるデザインを対象としながら、ファッション教育・研究に従事。ファッションの批評誌「vanitas」(アダチプレス、2012~)、「Fashion Design for Living」(Routledge、14)、「ファッションは更新できるのか?会議」(フィルムアート、15)、「サーキュラーデザイン」(学芸出版社、22)、「サステナブル・ファッション」(学芸出版社、22)など著書多数
DAY2 10月25日(金)14:00~17:00

国際的に通用するサステナブルな素材とは?

環境配慮型の素材は日進月歩。そこには時代の価値観が反映されています。革新的な進化と同時に、天然素材や伝統技術の見直しも進み、随時、知識と理解のアップデートが欠かせません。本講では世界と日本をつなぎ活躍しているテキスタイルの専門家が「サステナブルな素材とは?」を解説。モノづくりに携わる人はもちろん、グローバルな価値基準を学びたい人に役立ちます。

梶原加奈子/KAJIHARA DESIGN STUDIO CEO
PROFILE:(かじはら・かなこ)北海道札幌市生まれ。多摩美術大学デザイン学部染織科卒業。イッセイ ミヤケ テキスタイル企画を経て渡英。Royal College of Artでファッション&テキスタイルデザイン修士課程修了。欧州のデザインコンペTEXPRINT2005で新境地開拓部門のグランプリ受賞。KAJIHARA DESIGN STUDIOを設立しファッション、インテリア、建築などさまざまな分野の企業と取り組み、クリエイティブ・ディレクターとしてテキスタイルデザインや製品のブランディングとグローバル発信に関わる。Kering Generation Award Advisory Board Members就任。「ファクトリーの未来づくり」活動監修。自然との共存をテーマとした「COQ」を立ち上げ、アパレル展開やショップ、ダイニング、ホテルの複合施設を北海道拠点に運営
DAY3 11月8日(金)10:00~18:00

農業体験を通じて循環を体感する
in クルックフィールズ

ア千葉県木更津市にある広さ30ヘクタールのクルックフィールズは、自然の中で、そして農業体験を通じて「循環」を体感することができる注目の施設です。オーガニックファーム、バイオジオフィルター、水の循環、太陽光発電などをめぐり環境に配慮されたサステナブルな仕組みを学びます。「SDGsを事業に生かすために、私たちができること」について考えを深めましょう。

KURKKU FIELDS/クルックフィールズ(千葉県木更津市矢那2503)

※朝から夕方まで終日のプログラムとなります。
※貸し切りバスでの送迎、昼食付き
DAY4 11月29日(金)14:00~17:00

行動変容につながる企業活動
エンドユーザーとの接点の作り方

サステナビリティの推進は企業からの一方的は発信ではなく、いかにエンドユーザーとつながり、価値を共有しムーブメントを起こすかが重要です。講師の坂野さんは徳島県上勝町の廃棄物政策を担うNPO法人ゼロ・ウェイストアカデミーに参画後、現在は循環商社ECOMMITの取締役・CSOなどとしても活躍。行政とも連携し、現場を多く見てきた実践者が、行動変容につながる企業活動を解説します。

坂野晶/一般社団法人ゼロ・ウェイスト・ジャパン代表理事、一般社団法人Green innovation 理事/共同代表、ECOMMIT 取締役CSO
PROFILE :(さかの・あきら)兵庫県西宮市生まれ、鳥好き。絶滅危惧種の世界最大のオウム「カカポ」をきっかけに環境問題に関心を持つ。大学で環境政策を専攻後、モンゴルのNGO、フィリピンの物流企業を経て、日本初の「ゼロ・ウェイスト宣言」を行った徳島県上勝町の廃棄物政策を担うNPO法人ゼロ・ウェイストアカデミーに参画。理事長として地域の廃棄物削減の取組推進と国内外におけるゼロ・ウェイスト普及に貢献する。米マイクロソフトCEOらとともに、2019年世界経済フォーラム年次総会(通称ダボス会議)共同議長を務める。2020年より一般社団法人ゼロ・ウェイスト・ジャパンにて循環型社会のモデル形成に取り組む。21年、脱炭素に向けた社会変革を起こす人材育成プログラムGreen Innovator Academyを共同設立。23年1月より資源循環のインフラを担う「循環商社」株式会社ECOMMITの取締役Chief Sustainability Officerに就任。京都大学大学院地球環境学修士。日経ウーマンオブザイヤー2022。BEYOND MILLENNIALS 2024。慶應義塾大学 SFC研究所 上席所員 (2023-)、NHK国際放送番組審議員(2023-)、Innovation for Cool Earth Forum Steering Committee (2024-)、経済産業省 サーキュラーエコノミーに関する産官学のパートナーシップ 地域循環モデルワーキンググループ 委員(2024-)など
DAY5 1月25日(金)14:00~17:00

ファッションローからみた欧州最新事情
グリーンウォッシュとどう向き合う?

規制が進む欧州を筆頭に、グリーンウォッシュへの関心が高まり、企業にも対応が求められています。萎縮しすぎることなくサステナビリティに取り組むためには知識のアップデートが欠かせません。実際、何が課題で、どう向き合ったらいいのか?欧米ならびに国内のサステナビリティ関連の法規制の最新事情と併せてファッションローの第一人者から学びます。

海老澤美幸/三村小松法律事務所 弁護士兼ファッションエディター
PROFILE :(えびさわ・みゆき)1998年自治省(現・総務省)入省。99年宝島社に入社し、ファッション雑誌の編集業務に携わる。2003年に渡英し、スタイリストのアシスタントを経験。帰国後は「エル・ジャポン」のコントリビューティング・エディターなどを務める。17年に弁護士登録、第二東京弁護士会所属。19年から現職。ファッションローに注力しながら、知財戦略から契約交渉、労働問題まで幅広く取り組む。22〜23年には経済産業省ファッション未来研究会ファッションローWG副座長として、日本初のファッションローガイドブック作成に携わる。高島屋社外取締役、タキヒヨー社外取締役
DAY6 2月7日(金)14:00〜17:00

カスタマイズ講座

参加者皆さまのご要望をお伺いして決定いたします。
【過去開催事例】
・省庁のファッション産業担当者とのディスカッション
・参加者によるプレゼンテーション大会

※講義内容は予告なく変更される場合がございます

INFORMATION

日時

2024年9月20日(金)開講
※講座開始30分前から会場受付開始

開催方法

会場
※講義のオンライン配信はございません

会場

DAY1、2:BENE(東京都港区南青山5丁目8-5 THE PLAYHOUSE)
DAY3:木更津クルックフィールズ(千葉県木更津市矢那2503)
DAY4、5、6:AP東京丸の内(東京都千代田区丸の内1丁目1-3 日本生命丸の内ガーデンタワー 3F)

募集人数

先着30名

募集期間

8/5(月)〜9/13(金)18:00

対象

ファッション・アパレル関連企業
上記対象以外の方

受講料金

一般価格:132,000円
過去のサステナビリティ講座参加者:99,000円
※表示価格は1名様分、税込です
※過去の講座参加者とは「サステナビリティ・ディレクター養成講座」(2021年)、「第2期サステナビリティ・ディレクター養成講座」(2022年)、「サステナビリティ・コネクト」(2023年)が対象です

申し込み▼

※ファッション・アパレル関連企業とつながりを持ちたい異業種の方は、
上記フォームよりお問い合わせください

<ご注意>
※表示価格は全て1名様分となります
※過去のサステナビリティ講座参加者割引は8月1日のメールをご確認ください
※割引価格はクーポンをご利用時に適用となります
※定期購読者で会員登録がお済みでない方はこちらからご登録ください
※お支払い方法はクレジットカード払い、または銀行振込(請求書発行)となります
問い合わせ先
株式会社INFASパブリケーションズ
お問い合わせフォームはこちら

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【募集中】「サステナビリティ・コネクト」~人、情報、成長につながるセミナー&ワークショップ

2024年9月20日(金)開講
情報を更新し、人とつながり成長する
サステナビリティはまさに今、実践のとき

サステナビリティ×ビジネスは学びの段階を終え、実践のときにあります。同時に日進月歩の世界であるため、事業や個人が成長するには最新情報に常に触れ、知識やネットワークを更新する必要があります。「WWDJAPANサステナビリティ・コネクト」は、サステナビリティの基礎を学びつつ、バックキャストで未来を描くための視座を手に入れる場として、全6回の連続講座をご用意しました。

「何から始めていいかわからない」方も大丈夫。ワークショップでは十分な質疑応答の時間を設け、講義時間外もコミュニケーションツールを活用しスタッフへの質問や参加者同士の対話を通じてフォローアップします。

過去に参加された皆さんにお伝えしたいのは、「同じ講義内容、同じ議論は繰り返さない」約束です。講師陣は、ビジネスの現場でサステナビリティを実践する先駆者であると同時に、自身の知識や経験をアップデートし続ける“学びの人”ばかり。この場で2024年の今の課題と半歩先の未来を描いていただきます。

「サステナビリティはパスポートのようなものだ」と言われます。その意味は、持続可能な社会やビジネスを本気で模索し実践する人たちは、企業や産業や国の枠を超えて価値観を共有し、共通言語を持つからです。これからのビジネスでは、その「パスポート」を手に入れていることが成長の礎となることは間違いありません。ここは言わば、良質な「パスポート」を手に入る場所。

皆さんの参加をお待ちしております。

促進と創造のための
3つのプラットフォーム

「サステナビリティ・コネクト」では、“社会課題”と“ビジネスの成長”に向き合う皆さまと共に、継続したコミュニケーションをとるためのツールとプラットフォームをご用意しています。インプット、アウトプット、コネクション、エクスペリエンスを通して、ファッション業界がサステナビリティにおける先進的な業界になることを目指します。

1. WWDJAPAN Weekly & Digital Service

「WWDJAPAN Weekly」では、世界を取材対象に、業界の課題やそこから見えるビジョンを定義。さらにウェブでは、タイムリーに知るべき情報を届けます。

2. Seminar & Discussion

各回テーマを設け、前半はゲストを招へいし必要な情報をインプット。後半は、その課題について徹底的にディスカッションをします。企業の垣根をこえた様々な視点での話し合いは、サステナビリティとビジネスの両輪を回すためには不可欠です。

3. Group Chat

「サステナ・コネクト」のSlackを開設します。「WWDJAPAN」の記者たちが、最新の情報を共有するほか、ご参加の皆さまの交流や意見交換など、コミュニケーションにご活用ください。

このような人におすすめ

サステナビリティ領域に従事する方
企業やブランドの事業推進担当
CSRや経営理念を考え、実践する方
ファッション業界とつながりたい異業種の方

過去の受講者の声

講義はもちろん異業種の方々から多くの学びと気づき、繋がりをいただき、とても有意義な機会になった。(デベロッパー)

他社の状況や企業としての方針を知り、改めて自社の取り組み状況を見直すきっかけになった。社内で啓蒙していく際に実例を用いながら話ができるようになった。(スポーツウエア専門メーカー)

好きなものを仕事としている参加者たちの「良くしていきたい」というパッションがものすごい。(AIサービス開発)

申し込み▼

※ファッション・アパレル関連企業とつながりを持ちたい異業種の方は、
上記フォームよりお問い合わせください

プログラム

DAY1 9月20日(金)13:30~18:00

循環ファッションとは?
ビジネスやデザインの戦略をアップデートする

大量生産・消費・廃棄の直線型ビジネスから循環型ビジネスへ。産業や社会の在り方が転換する中、「循環ファッション」の意味と目指す先を体系的に理解することがビジネスパーソンの必須課題です。サーキュラーデザインの第一人者が、近未来の繊維・ファッション産業の在り方について、企業が抱えがちな課題を交えて解説。皆さんのビジネスやデザインの戦略をアップデートします。

水野大二郎/京都工芸繊維大学教授・慶應義塾大学大学院特別招聘教授
PROFILE:(みずの・だいじろう)1979年東京都生まれ。高校卒業後渡英、Royal College of Artで修士・博士課程修了(ファッションデザイン)。京都大学デザインスクール特任講師、慶應義塾大学環境情報学部准教授などを経て現職。帰国後は多岐にわたるデザインを対象としながら、ファッション教育・研究に従事。ファッションの批評誌「vanitas」(アダチプレス、2012~)、「Fashion Design for Living」(Routledge、14)、「ファッションは更新できるのか?会議」(フィルムアート、15)、「サーキュラーデザイン」(学芸出版社、22)、「サステナブル・ファッション」(学芸出版社、22)など著書多数
DAY2 10月25日(金)14:00~17:00

国際的に通用するサステナブルな素材とは?

環境配慮型の素材は日進月歩。そこには時代の価値観が反映されています。革新的な進化と同時に、天然素材や伝統技術の見直しも進み、随時、知識と理解のアップデートが欠かせません。本講では世界と日本をつなぎ活躍しているテキスタイルの専門家が「サステナブルな素材とは?」を解説。モノづくりに携わる人はもちろん、グローバルな価値基準を学びたい人に役立ちます。

梶原加奈子/KAJIHARA DESIGN STUDIO CEO
PROFILE:(かじはら・かなこ)北海道札幌市生まれ。多摩美術大学デザイン学部染織科卒業。イッセイ ミヤケ テキスタイル企画を経て渡英。Royal College of Artでファッション&テキスタイルデザイン修士課程修了。欧州のデザインコンペTEXPRINT2005で新境地開拓部門のグランプリ受賞。KAJIHARA DESIGN STUDIOを設立しファッション、インテリア、建築などさまざまな分野の企業と取り組み、クリエイティブ・ディレクターとしてテキスタイルデザインや製品のブランディングとグローバル発信に関わる。Kering Generation Award Advisory Board Members就任。「ファクトリーの未来づくり」活動監修。自然との共存をテーマとした「COQ」を立ち上げ、アパレル展開やショップ、ダイニング、ホテルの複合施設を北海道拠点に運営
DAY3 11月8日(金)10:00~18:00

農業体験を通じて循環を体感する
in クルックフィールズ

ア千葉県木更津市にある広さ30ヘクタールのクルックフィールズは、自然の中で、そして農業体験を通じて「循環」を体感することができる注目の施設です。オーガニックファーム、バイオジオフィルター、水の循環、太陽光発電などをめぐり環境に配慮されたサステナブルな仕組みを学びます。「SDGsを事業に生かすために、私たちができること」について考えを深めましょう。

KURKKU FIELDS/クルックフィールズ(千葉県木更津市矢那2503)

※朝から夕方まで終日のプログラムとなります。
※貸し切りバスでの送迎、昼食付き
DAY4 11月29日(金)14:00~17:00

行動変容につながる企業活動
エンドユーザーとの接点の作り方

サステナビリティの推進は企業からの一方的は発信ではなく、いかにエンドユーザーとつながり、価値を共有しムーブメントを起こすかが重要です。講師の坂野さんは徳島県上勝町の廃棄物政策を担うNPO法人ゼロ・ウェイストアカデミーに参画後、現在は循環商社ECOMMITの取締役・CSOなどとしても活躍。行政とも連携し、現場を多く見てきた実践者が、行動変容につながる企業活動を解説します。

坂野晶/一般社団法人ゼロ・ウェイスト・ジャパン代表理事、一般社団法人Green innovation 理事/共同代表、ECOMMIT 取締役CSO
PROFILE :(さかの・あきら)兵庫県西宮市生まれ、鳥好き。絶滅危惧種の世界最大のオウム「カカポ」をきっかけに環境問題に関心を持つ。大学で環境政策を専攻後、モンゴルのNGO、フィリピンの物流企業を経て、日本初の「ゼロ・ウェイスト宣言」を行った徳島県上勝町の廃棄物政策を担うNPO法人ゼロ・ウェイストアカデミーに参画。理事長として地域の廃棄物削減の取組推進と国内外におけるゼロ・ウェイスト普及に貢献する。米マイクロソフトCEOらとともに、2019年世界経済フォーラム年次総会(通称ダボス会議)共同議長を務める。2020年より一般社団法人ゼロ・ウェイスト・ジャパンにて循環型社会のモデル形成に取り組む。21年、脱炭素に向けた社会変革を起こす人材育成プログラムGreen Innovator Academyを共同設立。23年1月より資源循環のインフラを担う「循環商社」株式会社ECOMMITの取締役Chief Sustainability Officerに就任。京都大学大学院地球環境学修士。日経ウーマンオブザイヤー2022。BEYOND MILLENNIALS 2024。慶應義塾大学 SFC研究所 上席所員 (2023-)、NHK国際放送番組審議員(2023-)、Innovation for Cool Earth Forum Steering Committee (2024-)、経済産業省 サーキュラーエコノミーに関する産官学のパートナーシップ 地域循環モデルワーキンググループ 委員(2024-)など
DAY5 1月25日(金)14:00~17:00

ファッションローからみた欧州最新事情
グリーンウォッシュとどう向き合う?

規制が進む欧州を筆頭に、グリーンウォッシュへの関心が高まり、企業にも対応が求められています。萎縮しすぎることなくサステナビリティに取り組むためには知識のアップデートが欠かせません。実際、何が課題で、どう向き合ったらいいのか?欧米ならびに国内のサステナビリティ関連の法規制の最新事情と併せてファッションローの第一人者から学びます。

海老澤美幸/三村小松法律事務所 弁護士兼ファッションエディター
PROFILE :(えびさわ・みゆき)1998年自治省(現・総務省)入省。99年宝島社に入社し、ファッション雑誌の編集業務に携わる。2003年に渡英し、スタイリストのアシスタントを経験。帰国後は「エル・ジャポン」のコントリビューティング・エディターなどを務める。17年に弁護士登録、第二東京弁護士会所属。19年から現職。ファッションローに注力しながら、知財戦略から契約交渉、労働問題まで幅広く取り組む。22〜23年には経済産業省ファッション未来研究会ファッションローWG副座長として、日本初のファッションローガイドブック作成に携わる。高島屋社外取締役、タキヒヨー社外取締役
DAY6 2月7日(金)14:00〜17:00

カスタマイズ講座

参加者皆さまのご要望をお伺いして決定いたします。
【過去開催事例】
・省庁のファッション産業担当者とのディスカッション
・参加者によるプレゼンテーション大会

※講義内容は予告なく変更される場合がございます

INFORMATION

日時

2024年9月20日(金)開講
※講座開始30分前から会場受付開始

開催方法

会場
※講義のオンライン配信はございません

会場

DAY1、2:BENE(東京都港区南青山5丁目8-5 THE PLAYHOUSE)
DAY3:木更津クルックフィールズ(千葉県木更津市矢那2503)
DAY4、5、6:AP東京丸の内(東京都千代田区丸の内1丁目1-3 日本生命丸の内ガーデンタワー 3F)

募集人数

先着30名

募集期間

8/5(月)〜9/13(金)18:00

対象

ファッション・アパレル関連企業
上記対象以外の方

受講料金

一般価格:132,000円
過去のサステナビリティ講座参加者:99,000円
※表示価格は1名様分、税込です
※過去の講座参加者とは「サステナビリティ・ディレクター養成講座」(2021年)、「第2期サステナビリティ・ディレクター養成講座」(2022年)、「サステナビリティ・コネクト」(2023年)が対象です

申し込み▼

※ファッション・アパレル関連企業とつながりを持ちたい異業種の方は、
上記フォームよりお問い合わせください

<ご注意>
※表示価格は全て1名様分となります
※過去のサステナビリティ講座参加者割引は8月1日のメールをご確認ください
※割引価格はクーポンをご利用時に適用となります
※定期購読者で会員登録がお済みでない方はこちらからご登録ください
※お支払い方法はクレジットカード払い、または銀行振込(請求書発行)となります
問い合わせ先
株式会社INFASパブリケーションズ
お問い合わせフォームはこちら

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「グッチ」の親会社、24年上半期は49%減益 下半期の営業利益は30%減の見込み

ケリング(KERING)の2024年1~6月期(上半期)決算は、売上高が前年同期比11.0%減の90億1800万ユーロ(約1兆4248億円)、営業利益は同42.2%減の15億8200万ユーロ(約2499億円)、純利益は同49.1%減の9億4000万ユーロ(約1485億円)と大幅な減収減益だった。

地域別の売上高では、アジア地域からの観光客が減少した西欧は同6.7%減の25億5500万ユーロ(約4036億円)、国内需要が低下している北米は同9.2%減の20億5700万ユーロ(約3250億円)だった。日本を除くアジア太平洋地域は、ケリングの売り上げの32%を占める最大の市場だが、中国の景気停滞および中国人の顧客が日本で買い物をしていることを受け、同21.9%減の28億9700万ユーロ(約4577億円)と2ケタ減。引き続き円安の恩恵を受けた日本は、同7.9%増(既存店および現地通貨ベースでは22%増)の7億3700万ユーロ(約1164億円)と好調だった。

ブランド別での売上高は、売り上げの半分程度を占める主力の「グッチ(GUCCI)」が同20.3%減の40億8500万ユーロ(約6454億円)、「サンローラン(SAINT LAURENT)」は同8.6%減の14億4100万ユーロ(約2276億円)と減収。「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」は同0.4%増の8億3600万ユーロ(約1320億円)と前年同期並みだった。

しかし、これを営業利益で見ると、「グッチ」は同44.4%減、「サンローラン」は同34.3%減、「ボッテガ・ヴェネタ」は同28.4%減と軒並み2ケタ減となっており、厳しい状況が浮き彫りに。こうした状況を踏まえ、同社は下半期の営業利益は30%減を見込むと発表した。

ケリング経営陣の見解は?

フランソワ・アンリ・ピノー(Francois-Henri Pinault)=ケリング会長兼CEOは、「難しい市場環境によって売上高と収益性が圧迫されているが、成長軌道に戻るべく尽力している。今後も状況を鑑みつつ、強い意志と自信を持って長期的な価値を生む投資を続けていく」と語った。

オペレーションおよび財務部門を統括するジャン・マルク・デュプレ(Jean-Marc Duplaix)副CEOは、アナリスト向けの決算説明会で、「6月から7月にかけてマクロ経済がさらに悪化した。小売環境が非常に不安定な中、下半期の見通しを示すことは難しい」と述べている。

「グッチ」は9月発売の新作バッグに期待

同社が成長軌道に戻るためには、主要ブランドである「グッチ」の復活が急務だ。4~6月期(第2四半期)における売り上げの約4分の3は定番商品によるものだが、価格が比較的安定していることもあり、客足の減少がそのまま売り上げ減に直結したという。なお、同ブランドの売り上げの半分程度をレザーグッズが占めているため、9月に発売予定の複数の新作バッグに大きな期待がかかっている。

ケリングはここ数年、傘下メゾンのさらなる高級化に取り組んでいるものの、ウエアやバッグの新作は幅広い顧客層や価格帯をカバーするものになるようだ。「サンローラン」の社長兼CEOも務めるフランチェスカ・ベレッティーニ(Francesca Bellettini)=ケリング副CEOは、「エントリープライスの商品をそろえることも重要だ。いずれの新商品も、それぞれ適切な顧客層に向けたコミュニケーション戦略に基づいて発表する」と説明。一方で、「『グッチ』の利益率は、品質のさらなる改善、店舗の改装、コミュニケーション分野などへの投資による影響を受けたが、短期的な利益のために長期的な目標に関する妥協はしない」と話した。

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花王「エッセンシャル」がベーシックシリーズを刷新 マス市場に攻勢

花王のヘアケアブランド「エッセンシャル(ESSENTIAL)」は8月31日、ベーシックシリーズをリニューアルする。全品に保湿成分として高純度ハニー&プロテインを新たに配合。パッケージはオーロラモチーフのデザインに刷新する。リニューアルを通じて、1400円未満のヘアケア市場で同社の存在感を高める狙いだ。

同社は今春から、ヘアケア事業変革の一環として主力の「エッセンシャル」を段階的にリブランディングしている。“ときめく”ヘアケア体験を提供するブランドとして、第1弾では“エッセンシャル ザビューティ”のバリアシリーズを刷新し、新たに“エッセンシャル プレミアム”シリーズとして展開。今回はその第2弾となる。TVやウェブ広告に加え、若年層が集まるスポットでのイベントや屋外広告を通して「新しい世界観を伝えていく」(同社)計画だ。

シャンプーとコンディショナー(2種、450mL、各765円/レフィル300mL、各457円※編集部調べ)、トリートメント(2種、250g、各710円※同)の3アイテムはそれぞれ“しっとりまとまる”と“ふんわりうるツヤ”の2タイプを用意する。このほか、ドライヤーでの速乾をかなえるヘアオイル“CCオイル”(60mL、836円※同)と、広がりを抑えるヘアミルク“CCミルク”(100mL、836円※同)をラインアップする。香りはシリーズ共通でフローラルブーケを採用した。

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花王「エッセンシャル」がベーシックシリーズを刷新 マス市場に攻勢

花王のヘアケアブランド「エッセンシャル(ESSENTIAL)」は8月31日、ベーシックシリーズをリニューアルする。全品に保湿成分として高純度ハニー&プロテインを新たに配合。パッケージはオーロラモチーフのデザインに刷新する。リニューアルを通じて、1400円未満のヘアケア市場で同社の存在感を高める狙いだ。

同社は今春から、ヘアケア事業変革の一環として主力の「エッセンシャル」を段階的にリブランディングしている。“ときめく”ヘアケア体験を提供するブランドとして、第1弾では“エッセンシャル ザビューティ”のバリアシリーズを刷新し、新たに“エッセンシャル プレミアム”シリーズとして展開。今回はその第2弾となる。TVやウェブ広告に加え、若年層が集まるスポットでのイベントや屋外広告を通して「新しい世界観を伝えていく」(同社)計画だ。

シャンプーとコンディショナー(2種、450mL、各765円/レフィル300mL、各457円※編集部調べ)、トリートメント(2種、250g、各710円※同)の3アイテムはそれぞれ“しっとりまとまる”と“ふんわりうるツヤ”の2タイプを用意する。このほか、ドライヤーでの速乾をかなえるヘアオイル“CCオイル”(60mL、836円※同)と、広がりを抑えるヘアミルク“CCミルク”(100mL、836円※同)をラインアップする。香りはシリーズ共通でフローラルブーケを採用した。

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サンリオとホラー漫画の鬼才・伊藤潤二とのコラボが実現 パルコで“ギャル富江×ハローキティ”などのグッズを販売

YTEはサンリオと共同で企画を行い、ホラー漫画の鬼才・伊藤潤二の世界とサンリオキャラクターズの異色のコラボレーションが実現した。伊藤先生の作品キャラクターとサンリオのキャラクターがタッグを組み、これまでにない新たな世界観を生み出す。

具体的には、伊藤先生が描き起こした「富江」「黒服の美少年」「白服の美少年」と、サンリオのキャラクターたちとのコラボグッズが登場。販売する期間限定ショップ“伊藤潤二×サンリオキャラクターズ ポップアップストア”が8月23日~9月9日まで渋谷パルコに、9月27日~10月14日まで心斎橋パルコにオープンする。

同コラボについて、伊藤先生は「サンリオさんのキャラクターたちとのコラボのお話をいただいた時、『なぜこのホラーな私に⁉』と思いつつも、サンリオの商品は妻と娘が大好き。父親の株を上げたいばかりに飛びついた。実際描いてみると、キティちゃんをはじめとするキャラクターたちのあのかわいさが、絶妙なデザインで成り立っていることに改めて気付かされた。そのセンスに脱帽するとともに、とても勉強になった」とコメントしている。

伊藤先生は、1963年7月31日、岐阜県中津川市生まれ。高校卒業後、歯科技工士の学校へ入学し職を得るも、「月刊ハロウィン」(朝日ソノラマ)新人漫画賞「楳図賞」の創設をきっかけに、楳図氏に読んでもらいたい一念で投稿。86年、投稿作「富江」で佳作受賞。本作がデビュー作となり、代表作になる。3年後、歯科技工士を辞め、漫画家業に専念。「道のない街」「首吊り気球」「双一」シリーズ、「死びとの恋わずらい」などの名作を生み出していく。98年から「ビッグコミックスピリッツ」(小学館)で「うずまき」の連載を開始。その後も「ギョ」や「潰談」など唯一無二の作品を発表し続ける。世界的に権威のある漫画賞のひとつである米国アイズナー賞で、2019年から通算4度受賞するという快挙を遂げる。

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ポケモンの“イーブイ”をモチーフにしたアフタヌーンティーが登場 個性と愛らしさをカラフルに表現したスイーツ&セイボリー

ザ ストリングス 表参道では、1階のカフェ&ダイニング ゼルコヴァで、世界中から愛されるポケットモンスター(以下、ポケモン)をテーマに、昨年大好評だった「ピカチュウ アフタヌーンティー」に続き、本年度は“イーブイフレンズ”をモチーフにしたアフタヌーンティーを提供する。期間は9月17日~11月30日。

“イーブイ”とその進化形“イーブイフレンズ”をモチーフにしたアフタヌーンティーは、個性と愛らしさをカラフルに表現したスイーツ&セイボリーがアフタヌーンティースタンドに並ぶ。同グループ会社が運営する施設では、9月末まで先行で開催中。ザ ストリングス 表参道では、一部オリジナルメニューもそろえる。

スイーツは全7種を用意。ポケモンをゲットするときに用いるモンスターボールが描かれたマカロンや、“イーブイ”のシルエットが愛らしい濃厚で滑らかなキャラメルムース。水に溶ける“シャワーズ”をイメージしたグラデーションが美しいジュレ、“サンダース”の放つ雷や怒ったときの針のようなものを飴細工やチョコレートで表現したケーキ。おでこの赤い玉が印象的な“エーフィ”からインスパイアされたほどよい酸味の大人なブルーベリーとカシスのレアチーズケーキ、“リーフィア”のカラーや葉を表現した爽やかさを感じさせる青りんごのムース、“ニンフィア”の揺れ動くリボンをイメージした桃と苺のタルトなどが彩る。

セイボリーは全3種。“ブースター”の炎をイメージさせるスパイシーなチキンとピリ辛のホットソースを合わせたタルトや、“ブラッキー”のような色の肉厚ミニバーガー、“グレイシア”の放つダイヤモンドダストを表現したジュレをのせたムースをラインアップ。

テラスエリアには、“イーブイフレンズ”がお迎えするフォトジェニックなスペシャルデコレーションシートが6席限定で登場。キュートで華やかに彩られた空間で、特別な時間を過ごすことができる。

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ユニクロ7月度は8.1%増、ブラトップやボトムスが売れ筋 「無印良品」は夏物在庫不足

専門店チェーン、セレクトショップの2024年7月度売上高(既存店ベース)は、高気温に後押しされて好調という声が目立つ。曜日の並びで前年よりも休日は少なかったものの、前年実績を超えたという企業が多い。

国内ユニクロは前年同月比8.1%増と、4カ月連続の前年超え。昨秋冬は暖冬で苦戦したが、春夏の好調によって取り戻している。ウィメンズでアメリカンスリーブやホルターネックなどブラトップのバリエーションがヒット。「ブラトップは1990円から昨春2290円に値上げしているが、デザイン性もあって価格が受け入れられている」と広報担当者。ほか、ウィメンズはワイドシルエットのジーンズ、クレープジャージーストレートパンツ、シフォンスカートなど、メンズはギアパンツ、ワイドフィットチノ、感動パンツなど、トレンドのボトムスも好調だ。「UT」も各種コラボが売れているという。

しまむらの「ファッションセンターしまむら」は同1.1%増と、やや弱めながら前年超え。「天然素材のブラウスやパンツ、ワンピースなどが売り上げをけん引。新規で投入した冷感インナーも売り上げを伸ばした」(発表リリースから)。酷暑を受け、雑貨では暑さ対策関連商品も高消化となった。

アダストリアは同1.2%増。昨年7月が同19.3%増と高伸長していた中でも前年実績を超えた。「値上げと共にセール期間も過度な値引きを抑え」(発表リリースから)、客単価は4.5%増となった。夏向けの機能性素材を使ったボトムスがウィメンズ、メンズともに好調という。

ユナイテッドアローズは同16.6%増と大きく伸ばした。「夏物軽衣料に加え、ビジネス衣料、服飾雑貨が定価販売、セールともに好調」(発表リリースから)といい、7カ月連続の前年実績超えとなった。

「無印良品」の良品計画は同0.9%増。化粧品などを含む生活雑貨が同12.4%増だったものの、衣服・雑貨は同10.5%減。「夏物の在庫不足で衣服は前年実績を下回った」(発表リリースから)。

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ネイチャーラボが新ヘアケア「マイブースターズ」発売 スキンケア発想で成分買い促進

ネイチャーラボは8月15日、スキンケア発想の新ヘアケアブランド「マイブースターズ(MYBOOSTARS)」を発売する。補修成分を高配合した“ケラチン”と潤いを補給する“コラーゲン”の2シリーズで、それぞれシャンプー(400mL、1540円)、ブースターミスト(80mL、1848円)、トリートメント(400mL、1540円)の3品をラインアップする。バラエティーショップとECサイトで先行発売し、9月15日から全国ドラッグストアで展開する。

美容液成分とブースター処方が特徴

同ブランドの特徴は、美容液成分の配合と、ブースター処方。ケラチンとコラーゲンをキー成分に配合し、日々のケアでサロン帰りのような髪を目指す。パッケージには成分名と配合濃度をプリントし、信頼感を表現した。また、髪の内部まで成分を届けるブースター処方“ネオソリューアクリオ”を採用する。水と油の層が交互に重なる髪の内部に、水溶性の美容成分を浸透させると油性膜に弾かれてしまうことから開発され、髪の内部まで浸透を促す。

ブースターミストで新習慣を提案

また、シャンプーとトリートメントの間に使用するブースターミストを提案する。油と水で二層に分かれた美容液成分を振って混ぜ、シャンプー後の髪にミストする。なじませた後、しばらく置いて浸透させてからトリートメントを使用することで、髪の内部までダメージケアをする。

ブランド名はブースター処方を意味する“booster”や、大切な人に呼び掛ける“my boo”、輝く星”star“を組み合わせた造語。恋人のように傍に寄り添い、一人一人を星のように輝かせるブランドになるようにと思いを込めた。

トレンドの“成分買い”をヘアケアにも

紺野幸子ブランドマネージャーは、「ヘアケアの技術は年々上がっており、市場には1500円前後のシャンプーが増え、それぞれの違いが分かりづらくなっている。『マイブースターズ』では表面的なボトルのかわいさだけでなく、商品の中身と見た目どちらにもこだわった。スキンケアを成分で選ぶように、ヘアケアも成分買いがあってもいいではないのか」と考え開発に至ったという。「ブースターミストを浸透させるのを待つ時間も楽しんでもらいたいという思いから、『幸福は、洗って待て』というキャッチコピーを掲げた」とコメントした。

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「シャネル」フレグランス&ビューティ部門の社長が退任 「コメット コレクティブ」の立役者

シャネル(CHANEL)はこのほど、フレグランス&ビューティ部門のアンヌ・キルビー(Anne Kirby)社長が年末に退職することを発表した。後任は追って発表される。キルビー社長は、フランスのランジェリーとスイムウエアのブランド「エレス(ERES)」やコスメブランド「ブルジョワ(BOURJOIS)」の社長を経て、2018年9月にシャネルに入社。ラグジュアリー業界に35年間身を置いている。

シャネルは声明の中で、「キルビーのリーダーシップの下、フレグランス&ビューティは好調な業績を達成し、特に商品開発と世界各地での流通を通じてクリエーションとイノベーションの文化を強化した」と述べる。「これらの活動は全て、『シャネル』のブランド・エクイティを強化し、新規顧客と既存顧客の両方にさらなる魅力を訴求した。キルビーは近年、『シャネル』のフレグランス市場における権威の確立にも貢献している。メイクアップでは、革新的な『コメット コレクティヴ(COMETES COLLECTIVE)』を始動し、異なる視点を融合させることで斬新なコンセプトを生み出す創造の可能性をけん引した」と続ける。

「コメット コレクティヴ」は、22年10月に発表した若手メイクアップアーティストの集団。まずは3人でスタートし、シャネル メークアップ クリエイティブ ストゥディオのクリエイティブな勢いを加速させ、コラボレーションによって美の多元的なビジョンを描くことを任務としている。

シャネルは、「キルビーの強力なイノベーション戦略と専門家による研究の相乗効果で、スキンケアカテゴリーが世界中で著しい成長を遂げた。キルビーは大規模なビジネス変革を先導し、サステナビリティの目標や人材育成、イノベーションへのコミットメントに貢献してきた」と述べる。

同社で長いキャリアを積んだベテラン幹部が退社するというニュースは、6月にメゾンを去ったヴィルジニー・ヴィアール(Virginie Viard)=元アーティスティック・ディレクターに続くものだ。また、ファブリス・ラウール(Fabrice Raoul)はシャネルSAS(CHANEL SAS)のマネジング・ディレクターに任命され、ブルーノ・パブロフスキー(Bruno Pavlovsky)=シャネルSAS社長兼ファッション部門社長の直属となった。ラウール=シャネルSASマネジング・ディレクターは、16年以上務めたリュック・ドニー(Luc Dony)の後任として、ヨーロッパとフランス事業の最高財務責任者(CFO)にも着任した。同氏は16年4月から、「シャネル」のフレグランス&ビューティ部門のグローバルCFOを務めていた。それ以前は、同部門の財務企画・分析ディレクターを務めていた。

リーナ・ネアー(Leena Nair)=シャネル グローバル最高経営責任者(CEO)は5月、23年の売上高が過去最高の197億ドル(約3兆141億円)だったと発表した後、06年以来シャネル・インク(CHANEL INC)の社長兼最高執行責任者(COO)を務めていたジョン・ギャランティック(John Galantic)をはじめ、日本やAPAC、英国、カナダ、ラテンアメリカの各地域のリーダーなど、昨年相次いだ幹部の退任について言及した。ネアー=グローバルCEOによると、21年に同氏が着任したことで動き出した長期的な後継者育成計画の一環だという。「リーダーシップの交代や引退は、ビジネスの自然なサイクルの一部だ。シャネルは、長いキャリアを築いた熟練のリーダーがいることは、とても光栄で幸運なことだと考えている」と話す。「それぞれが多大な貢献をし、新しい世代の才能を育てている。全ての変化は、シャネルでは何事でもそうであるように、準備され、計画され、思慮深く行われたものだ」と強調した。

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米百貨店サックス親会社がニーマンを買収 ビューティ業界への影響は?

米百貨店サックス・フィフス・アベニュー(SAKS FITH AVENUE以下、サックス)などを擁するカナダの小売り大手ハドソンズ・ベイ・カンパニー(HUDSON'S BAY COMPANY以下、HBC)はこのほど、米百貨店ニーマン・マーカス(NEIMAN MARCUS以下、ニーマン)やバーグドルフ・グッドマン(BERGDORF GOODMAN)を運営するニーマン マーカス グループ(NEIMAN MARCUS GROUP以下、NMG)を26億5000万ドル(約4054億5000万円)で買収することに合意した。今回の買収を支援する投資家の中にはアマゾン(AMAZON)も名を連ねる。百貨店という主要なビューティチャネルへの影響が予測される。

HBCの革新的な戦略が好影響か

フレグランスブランド「ネスト(NEST)」のエドガー・フーバー(Edgar Huber)CEOは、「この合併は、プレステージビューティに好影響を与えるだろう。HBCは過去数年間、店舗に投資し、新たな小売店やシェアオフィスを立ち上げ、現代的な商品戦略を構築してきた。アマゾンとの提携により、物流の効率化やデジタル化も進む可能性がある」と話す。近年、「クリニーク(CLINIQUE)」「キールズ(KIEHL'S SINCE 1851)」「トゥー フェイスド(TOO FACED)」などのブランドが、長年避けていたアマゾンに参入している。

両社の運営の差異や店舗数減少を懸念する声も

一方、懐疑的な見方もある。スキンケアブランド「リヴィーブ(REVIVE)」のエレナ・ドレル・ザイファー(Elana Drell-Szyfer)CEOは、両社の美容へのアプローチは異なることを強調する。「HBCは昨今、デジタルを通じてビジネスを推進することに重点を置いている。NMGのように店舗体験や上顧客向けの施策、アンバサダーによる店内イベントに力を入れていない。どのような影響を与えるかはまだわからない」と述べた。

米化粧品小売大手のアルタビューティ(ULTA BEAUTY)やセフォラ(SEPHORA)に出店していないプレステージブランドにとっては、流通チャネルが減少も見込まれる。不動産調査会社グリーンストリート(GREEN STREET)によると、サックスとニーマン双方の店舗があるショッピングモールは全米で8つある。このうち売り上げの低い店舗を閉鎖する可能性もあるだろう。「高級ブランドがビジネスを拡大する場所はますます減少している。両社の統合だけでなく、数年前にNMGが破産して13店舗を閉鎖したことにも関係している」とザイファーCEO。

WSLストラテジックリテール(WSL STRATEGIC RETAIL)のウェンディ・リーブマン(Wendy Liebmann)CEO兼チーフショッパーも、この合併がブランドの交渉力に与える影響を懸念する。「ブランドにとって、一社と取引することでビジネスが損なわれたり、相手の交渉力には叶わなかったりと懸念がある。大きく強大な会社は、個々のブランドストーリーにまで耳を傾けてくれるのだろうか?」という。

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「気づいたら終わってた…」 夏の百貨店セール、薄れる存在感

主要百貨店4社の2024年7月度業績は、おしなべて1割程度の増収だった。富裕層やインバウンドによる高額品購買が下支えし、猛暑の中で夏向けの衣料品や雑貨もよく売れた。

各百貨店の売上高は、三越伊勢丹が前年同月比11.3%増、高島屋が同7.4%増、大丸松坂屋百貨店が同10.0%増、阪急阪神百貨店が同15.0%増。

阪急阪神百貨店の阪急本店は前年同月比21%増。セールの開始は、例年より遅らせて7月16日からとし、盛夏アイテムの品ぞろえとスタイリングの打ち出しを強化した。「(月を通じて)定価商品の売上高が前年同月の2割以上増え、カテゴリー全体をけん引した」(同社)。カットソーやサンダル、サングラスなどが好調だった。

三越伊勢丹の旗艦店の伊勢丹新宿本店は、前年同月比13.3%増。サングラス、カットソー、ブラウスなど猛暑に対応する実需アイテムが好調に推移した。婦人服が前年同月比16.6%増、紳士服が同17.6%増だった。

大丸松坂屋も「サマーニットやカットソーなどの夏物衣料品が活発に動いた」(同社)。大丸心斎橋店が18.3%増と高伸長だった。高島屋も大阪店が同13.7%増、新宿店が12.3%増と、都心店舗を中心に大きく伸びた。

各社ともクリアランスのスタートを後ろ倒ししたり、期間を短縮したりする方向に動いた。暑さが長引く中、夏物の定価販売の期間を確保する算段だ。高島屋は6月28日〜7月9日、そごう・西武は6月28日〜7月8日の期間で実施した。松屋銀座本店は、これまで6月下旬から開催していたが、7月19日スタートに後ろ倒しした。

百貨店の夏の風物詩だったクリアランスセールも存在感が薄れている。8月1日、西武渋谷店を利用した50代の女性に話を聞くと、「昔はセールを楽しみにしていたが、今年の夏は何も買っていない。気付いたら、いつの間にか終わっていた」とこぼした。

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「服のリサイクル」のテーマパーク型店舗 オープン1年の手応えを聞く

三井不動産は「服のリサイクル」をテーマにした大型店舗「木更津コンセプトストア」(千葉県)を昨年6月に開いた。ファッション企業と連携して余剰在庫やB品、アップサイクル品をテーマパークのような空間で販売する。入店には入場料300円(中学生以下無料)を支払ってもらう。前例のない取り組みばかりでファッション業界で注目を集めた。オープンから1年。新しい事業モデルは確立されたのだろうか。

都心からクルマで東京湾のアクアラインを渡って1時間ほど。同社の旗艦モールの三井アウトレットパーク木更津(MOP木更津)の隣接地にある。木更津コンセプトストアは大掛かりな宣伝広告をしたわけではないが、MOPの集客力も生かしつつ、入店者数は初年度約10万人でほぼ計画通りだった。MOPのついでの立ち寄りではなく、木更津コンセプトストア自体を目的に東京や神奈川方面からやってくる人も想定以上に多かった。

リゾートやキャンプの催事も

入り口の券売機で300円の入場料を払う。同時に、その入場料および商品代金の一部を寄付するリサイクル企業や団体を選択する。

入場料を払うことで客の購買意欲にスイッチが入り、敷地面積7300平方メートルの編集売り場で宝探しのようなショッピングを楽しむ態勢になる。A〜Eのゾーンを一方通行で進む。プロジェクトを担当する三井不動産の伊藤榮輝氏は「ほとんどが一点もののため『とりあえずカートに入れる』というお客さまが多い。平均滞在時間は1時間半〜2時間なので、じっくり選んで下さっているようだ」という。

店舗プロデュースを手掛けるのは、ユニークなリサイクルビジネス「パス ザ バトン」のスマイルズ。オフプライスストアのように同一商品を積み上げることはしない。百貨店向けのブランドやショッピングセンター向けのブランドを棚に混在させて、ミックスコーディネートで展示する。ブランドや価格のイメージに縛られない新鮮な服との出会いを演出する。在庫の状況を見ながら、パンツのフェアを開催したり、リゾートやキャンプをテーマにしたVMDを組んだり、趣向を凝らすようにした。

店舗コンセプトに賛同するアパレル企業

木更津コンセプトストアの仕掛け人である三井不動産・商業施設本部長補の佐野川靖氏は、コロナ禍に商業施設が休業を強いられ、衣料品の在庫問題が浮上する状況に背中を押された。「ファッションと環境問題が世界的な注目を集める中、自分たちも何かをしなければと思い、アパレルメーカーに呼びかけた」と振り返る。オープン時に100社だった協力企業は、6月末時点で120社に増えた。「実際に木更津コンセプトストアを見ていただくと、こんな面白い店なら協力したいとの申し出が相次いだ」

集めた商品を売るだけではない。古着の繊維を発酵させた肥料で野菜を作ったり、古着から再生紙を作ったり、最新のリサイクル技術を紹介する。リサイクルのスタートアップ企業が自社の技術をアピールする場としても機能する。小学校や中学校の社会見学のコースや企業のサステナブル研修の場としても活用される。家族連れが気軽に参加できるようなワークショップも定期的に開く。

佐野川氏は「木更津コンセプトストアにとってサステナブルは大切なテーマだが、それ以上にまずは楽しい体験できる場にしたい。余剰在庫と呼ばれる服にもきらりと光る価値があるし、最先端のリサイクルを知ればワクワクする」と述べる。認知度を高めるべく、新しい店内イベントに知恵を絞る。

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「メゾン マルジェラ」から黒の“レプリカ” ガリアーノの幻想の世界観を表現したパルファン

「メゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)」のフレグランスライン“レプリカ”は9月26日、オートパルファンの“レプリカ オードパルファン ソウル オブ ザ フォレスト”と“同 ダンシング オン ザ ムーン”“同 フライング”の3種を発売する。価格はいずれも100mLで3万1680円。既存のオードパルファンに比べて8000円以上高くなる。8月26日に予約を開始し、9月19日には表参道のキャットストリートにあるフレグランスストアで先行販売する。

マルジェラの世界の白いトワレ
ガリアーノの世界の黒いパルファン

フレグランスライン“レプリカ”のオードトワレはこれまで、創業したマルタン・マルジェラ(Martin Margiela)の世界観を表現。理髪店やジャズクラブ、図書館、カフェなど、それぞれのシーンや記憶を香りで表現してきた。ボトルデザインには、シーンに合わせて思い出や雰囲気を呼び起こすための都市や年度などを印字している。パッケージデザインは、白が基調。イタリア、フィレンツェ地方の清々しく晴れた日曜の朝をイメージし、「柔らかな肌がまとうリネンの香り」を表現した“レイジーサンデー モーニング”はベストセラーだ。

一方でオードパルファンは、現在クリエイティブ・ディレクターを務めているジョン・ガリアーノ(John Galliano)の世界観。現実空間の記憶を着想源としていたオードトワレに対し、オードパルファンはガリアーノらしく、現実を超越した幻想の世界を具現化している。“レプリカ オードパルファン ソウル オブ ザ フォレスト”は、幻の古代樹の香りをシダーウッドエッセンスなどで表現。“同 ダンシング オン ザ ムーン”は月の粉の香りをアイリスで、“同 フライング”はオゾンの雲の香りをオレンジフラワーエッセンスなどで具現化した。ボトルは、幻想が膨らむ夜を意識した黒を基調としたグラデーションのデザイン。

フレグランスライン“レプリカ”のオードパルファンは、2016年に登場したが、その後は白を基調としたオードトワレのコレクションに注力してきた。今後は、昼と夜、光と闇のように相反しながらも引き立て合う2つのコレクションとすべく、オードパルファンでも新たな香りを順次発売予定だ。

一方、業界ではジョン・ガリアーノが「メゾン マルジェラ」を去るのでは?という噂が浮上している。フレグランスライン“レプリカ”は、ロレアルがライセンスで手がけている。

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「メゾン マルジェラ」から黒の“レプリカ” ガリアーノの幻想の世界観を表現したパルファン

「メゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)」のフレグランスライン“レプリカ”は9月26日、オートパルファンの“レプリカ オードパルファン ソウル オブ ザ フォレスト”と“同 ダンシング オン ザ ムーン”“同 フライング”の3種を発売する。価格はいずれも100mLで3万1680円。既存のオードパルファンに比べて8000円以上高くなる。8月26日に予約を開始し、9月19日には表参道のキャットストリートにあるフレグランスストアで先行販売する。

マルジェラの世界の白いトワレ
ガリアーノの世界の黒いパルファン

フレグランスライン“レプリカ”のオードトワレはこれまで、創業したマルタン・マルジェラ(Martin Margiela)の世界観を表現。理髪店やジャズクラブ、図書館、カフェなど、それぞれのシーンや記憶を香りで表現してきた。ボトルデザインには、シーンに合わせて思い出や雰囲気を呼び起こすための都市や年度などを印字している。パッケージデザインは、白が基調。イタリア、フィレンツェ地方の清々しく晴れた日曜の朝をイメージし、「柔らかな肌がまとうリネンの香り」を表現した“レイジーサンデー モーニング”はベストセラーだ。

一方でオードパルファンは、現在クリエイティブ・ディレクターを務めているジョン・ガリアーノ(John Galliano)の世界観。現実空間の記憶を着想源としていたオードトワレに対し、オードパルファンはガリアーノらしく、現実を超越した幻想の世界を具現化している。“レプリカ オードパルファン ソウル オブ ザ フォレスト”は、幻の古代樹の香りをシダーウッドエッセンスなどで表現。“同 ダンシング オン ザ ムーン”は月の粉の香りをアイリスで、“同 フライング”はオゾンの雲の香りをオレンジフラワーエッセンスなどで具現化した。ボトルは、幻想が膨らむ夜を意識した黒を基調としたグラデーションのデザイン。

フレグランスライン“レプリカ”のオードパルファンは、2016年に登場したが、その後は白を基調としたオードトワレのコレクションに注力してきた。今後は、昼と夜、光と闇のように相反しながらも引き立て合う2つのコレクションとすべく、オードパルファンでも新たな香りを順次発売予定だ。

一方、業界ではジョン・ガリアーノが「メゾン マルジェラ」を去るのでは?という噂が浮上している。フレグランスライン“レプリカ”は、ロレアルがライセンスで手がけている。

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ファストリが東大とバングラデシュの女子大の教育交流支援 恒例インターンには5000人が応募

ファーストリテイリングの柳井正会長兼社長は8月1日、「東京大学×アジア女子大学(以下、AUW) 教育交流プログラム」のセッションに登壇した。両大学の学生や矢口祐人 東京大学副学長らを前に、「自分の国以外で学ぶことは新しい発見の連続。そのように好奇心を持って一生学び続けること。夢は計画と準備によって実現できる。しかし、計画と準備をしただけではダメで、その上で即断・即決・即実行していくこと」などと話した。

ファーストリテイリンググループは2013年から、バングラデシュ・チッタゴンにあるAUWの学生のべ500人に奨学金を給付してきた。キャンパス新設に対して5億円の寄付も行っている。「われわれの生産地はアジアに多いが、現地は教育機会が行き届いていないことが多い。さまざまな国に進出してビジネスをしているが、その国で感謝されるような企業にならなければいけない。学びたいと思っている人の一助になれれば」と柳井会長。

08年に開学したAUWは、バングラデシュのほか、アフガニスタンやシリアなどの紛争国や難民出身の女子学生などを受け入れ、卒業生の約3割が欧米の有力大学院に進学している。ほか、政府系や国際機関やグローバル企業などにも就職していくという。AUWのそうした実績や多様性に東京大学も注目し、AUWとの教育交流プログラムを22年から実施し、ファーストリテイリンググループが支援している。両大学は昨年交換協定も結び、25年から交換留学も開始。東京大学にとって、南アジアの大学、女子大との交換協定の締結は初という。「東大ではこれまで学ぶことに苦労してきたという学生は少ないが、一方でAUWの学生は真逆の環境から来ている。一緒に学ぶことでお互いが変わる。若いうちから友達として異なる文化や環境で育った相手と関係を築いていくことが大切だと思っている」と、東京大学の矢口副学長。

今夏の教育交流プログラムは7月29〜8月8日に、東京大学で実施。ジェンダー平等や貧困、災害、紛争などについて議論を進めている。東大とAUWの学生各12人が参加し、加えてファーストリテイリング財団が支援する日本の大学で学ぶベトナム人留学生4人、柳井正財団の奨学生7人の計35人が参加している。

AUW支援財団理事メンバーでもあるキャシー松井ファーストリテイリング社外取締役も、セッションに来場。「アジアは成長性が大きく、日本の未来はアジアにある。アジアと日本の架け橋となる取り組みに投資することは、企業にとっても慈善事業ではない。女性への投資は家族や周囲にも波及し、非常にリターンが大きい。ファーストリテイリングだけでなく、他の企業もこうした取り組みに是非目を向けてほしい」などと語った。

夏休みに合わせ、ファーストリテイリングは世界19の国・地域から学生らが集まる6日間のインターンシッププログラム“グローバルマネジメントプログラム”も実施している。今年で6回目の開催で、5000以上の応募から選考された45人が参加している。

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ZOZOは4〜6月の経常利益が0.3%減、「早い夏」の影響じわり

「ゾゾタウン(ZOZOTOWN)」の24年4〜6月決算は、商品取扱高(その他のGMVを除く)が前年同期比7.5%増の1326億円、売上高が同9.8%増の503億円、営業利益は0.2%増の158億円、経常利益は0.3%減の158億円、純利益は0.8%減の111億円だった。利益率の高い広告事業(リテールメディア)事業の増加で営業利益は辛うじて増益を確保したものの、経常利益と純利益は配送費用の値上げや固定費の増加、広告費の増加が響き、わずかながら減益を強いられた。ただ、栁澤孝旨ZOZO副社長CFOは「4〜6月の減益はもともとの計画通りで、配送料の値上げによる販売数量減など、販売に関しての影響はほとんどなく、営業増益はむしろ想定より良かった。広告費も4〜6月に計画していたものは7月以降に持ち越しており、今年度に使い切る」と語った。

主力事業の内訳は、「ゾゾタウン」事業のGMVが同6.2%増の1150億円、LINEヤフーコマースが同24.3%増の144億円、広告事業が同22.0%増の26.5億円だった。販管費率は1.4ポイント上昇の23.4%。4月出荷分から配送業コストの上昇に伴い荷造運賃が10億円増加した他、物流拠点「つくば3」の稼働による減価償却費の増加が影響した。

粗利率は0.5ポイント改善の35.4%。気温上昇に伴うTシャツなどの低単価アイテムが増加が、物価上昇分を上回り、商品単価は前年同期比0.7%ダウンの3698円と2四半期ぶりに減少に転じた。一方、出荷単価は1〜3月期に続き、1万2000円以上の購入者に対する送料無料施策を実施。2.0%増の8343円と増加している。

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読みやすいから共感できる文章はどう書く? 「WWDJAPAN」がライティングスクールを開催

「WWDJAPAN」は6月4日と18日、「ライティングスクール」を東京・原宿のウィズ原宿で開催した。編集長の村上要が、スマホユーザーの情報への触れ方やメディアに属する人間の情報の取捨選択に関する実情を明かしながら、目を引き、読みやすいから、共感できる文章のテクニックを伝授した。

購入には事前にOneStreamの会員登録が必要です。
視聴期限:2025年7月22日(火)23:59 まで
「アカウント作成はこちら」から作成してください。
※10分間のお試し視聴ののち、「購入する」ボタンが表示されます。

1限目
ユーザーのリアルを踏まえたライティングスキルとは?

1限目は、デジタルメディアの基本的な価値指標の1つとされているPV(ページビュー)の深掘りからスタート。「どれくらい見られているか」を示す指標だが、PVを伸ばそうとするとマス向けのどこにでもありそうなネタに辿り着きがちだ。一方UU(ユニークユーザー)やSS(セッション)、PV/SS(ページビュー パー セッション)などに目を向けることで課題が明確になり、独自性のあるサイトや記事の強化につながる。また、記事を最後まで読んでくれる読者は少ないが、ターゲットや目的を具体化し、「読みづらい」と思われてしまうポイントを1つずつ潰していくと読了率を上げられる。

文章作りの基本は、「逆三角形」の法則。第1段落で最も重要なことを全て述べ、第2段落にはその次に重要なこと、第3段落以降はそれぞれの補足説明を記す。記事の前半を読めば、大半を理解できる構成だ。タイトルとリードは短く、ファーストビューに入るようにする。常に「削れるところはないか?」を考えて文章の構造をシンプルにし、本文も短くまとめることが重要だ。セミナーでは、避けるべき表現や言い換え方など、すぐに実践できるポイントもレクチャーした。

2限目
取材のノウハウとアウトプット

2限目は、取材のノウハウとアウトプットにおける鉄則を紹介した後、スタイリスト兼エディストリアルストア店主の小沢宏を招いて公開取材を実施。受講者には、公開取材をベースにインタビュー記事を書く課題を出した。

文章を書く際はまず、ゴールの解像度を高めることが重要だ。「誰に」向けて、「何を」伝え、「どう感じ」「どうしてほしい」のかを明確にし、記事を世に放つまで心に留めておく必要がある。そのゴールのために工夫を凝らし、記事を書き進めていくのだ。事前準備は、「発信したいもの」を見つける作業。想定する読者と彼らに望むアクションを踏まえ、読者が知りたそうなことや、読者に提供したい読後感などを想像しながら質問事項を考える。そして取材は、ギブ&テイクだ。相手の回答に対する感想や、取材中に思い出したほかの事例との比較、相手にとって役立つかもしれない関連トピックスなどを提供しながら取材を進めると、記事の差別化が図れる。記事を書く時は、読者は取材対象者や取材内容について何も知らないという前提で書き始めよう。取材内容を「全部盛り込む」と、結局「何も伝わらない」ため、一番伝えたいことと、それを補うことだけでまとめると良い記事になる。

3限目
共感を誘うメールと取材したくなるプレスリリースの書き方

「ライティングスクール」2日目は、プレスリリースについてのレクチャーからスタート。デジタルメディアの世界では1記事の滞在時間は平均約20秒だが、編集者が1つのプレスリリースに目を通す時間は20秒よりも短い。そのため、マイナーな企業やブランド名をメールタイトルに記すのはもったいない。また、「豪華セレブが来場!」より「●●や◇◇が来場!」のように具体性を持たせることで、編集者が手を止めるメールになる。プレスリリース本文は、端的かつ簡便に書くことを心掛けよう。冒頭に概要を数点列記し、「逆三角形」の構造でまとめると良い。

また3限目は、「WWDJAPAN」や「FASHION NEWS」「流行通信」などでファッションを担当し、現在はフリーランスのエディター兼ライターである粟田真紀子がゲストとして登壇。記事とプレスリリース、両方の執筆の経験から、取材したくなるプレスリリースの書き方を具体例を交えながら伝授した。

4限目
課題のフィードバックと質疑応答

4限目は、課題のフィードバックとブラッシュアップに関するアドバイスを行った。まずは、2限目の公開取材後に村上編集長が実際に書いた記事を紹介し、どのような意図を持ってどのように書いたかを解説。受講者からの質問も受け付けた。「どうしたら、人の気持ちを駆り立てる文章を書ける?」と尋ねられると、「嫌われることを恐れない。無関心よりは、たとえネガティブなものであったとしても感情を喚起させる方がいいかもしれない、くらいの度胸を持つことが大事。凡庸な記事は結果的に何も残さないので、大きな共感を得られるかもしれない小さなポイントを探し続けることを意識している」と答えた。セミナー後のミートアップでは、課題について村上編集長に個別でアドバイスをもらったり、参加者同士で交流して横のつながりを強化したりする受講者が見られた。

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読みやすいから共感できる文章はどう書く? 「WWDJAPAN」がライティングスクールを開催

「WWDJAPAN」は6月4日と18日、「ライティングスクール」を東京・原宿のウィズ原宿で開催した。編集長の村上要が、スマホユーザーの情報への触れ方やメディアに属する人間の情報の取捨選択に関する実情を明かしながら、目を引き、読みやすいから、共感できる文章のテクニックを伝授した。

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1限目
ユーザーのリアルを踏まえたライティングスキルとは?

1限目は、デジタルメディアの基本的な価値指標の1つとされているPV(ページビュー)の深掘りからスタート。「どれくらい見られているか」を示す指標だが、PVを伸ばそうとするとマス向けのどこにでもありそうなネタに辿り着きがちだ。一方UU(ユニークユーザー)やSS(セッション)、PV/SS(ページビュー パー セッション)などに目を向けることで課題が明確になり、独自性のあるサイトや記事の強化につながる。また、記事を最後まで読んでくれる読者は少ないが、ターゲットや目的を具体化し、「読みづらい」と思われてしまうポイントを1つずつ潰していくと読了率を上げられる。

文章作りの基本は、「逆三角形」の法則。第1段落で最も重要なことを全て述べ、第2段落にはその次に重要なこと、第3段落以降はそれぞれの補足説明を記す。記事の前半を読めば、大半を理解できる構成だ。タイトルとリードは短く、ファーストビューに入るようにする。常に「削れるところはないか?」を考えて文章の構造をシンプルにし、本文も短くまとめることが重要だ。セミナーでは、避けるべき表現や言い換え方など、すぐに実践できるポイントもレクチャーした。

2限目
取材のノウハウとアウトプット

2限目は、取材のノウハウとアウトプットにおける鉄則を紹介した後、スタイリスト兼エディストリアルストア店主の小沢宏を招いて公開取材を実施。受講者には、公開取材をベースにインタビュー記事を書く課題を出した。

文章を書く際はまず、ゴールの解像度を高めることが重要だ。「誰に」向けて、「何を」伝え、「どう感じ」「どうしてほしい」のかを明確にし、記事を世に放つまで心に留めておく必要がある。そのゴールのために工夫を凝らし、記事を書き進めていくのだ。事前準備は、「発信したいもの」を見つける作業。想定する読者と彼らに望むアクションを踏まえ、読者が知りたそうなことや、読者に提供したい読後感などを想像しながら質問事項を考える。そして取材は、ギブ&テイクだ。相手の回答に対する感想や、取材中に思い出したほかの事例との比較、相手にとって役立つかもしれない関連トピックスなどを提供しながら取材を進めると、記事の差別化が図れる。記事を書く時は、読者は取材対象者や取材内容について何も知らないという前提で書き始めよう。取材内容を「全部盛り込む」と、結局「何も伝わらない」ため、一番伝えたいことと、それを補うことだけでまとめると良い記事になる。

3限目
共感を誘うメールと取材したくなるプレスリリースの書き方

「ライティングスクール」2日目は、プレスリリースについてのレクチャーからスタート。デジタルメディアの世界では1記事の滞在時間は平均約20秒だが、編集者が1つのプレスリリースに目を通す時間は20秒よりも短い。そのため、マイナーな企業やブランド名をメールタイトルに記すのはもったいない。また、「豪華セレブが来場!」より「●●や◇◇が来場!」のように具体性を持たせることで、編集者が手を止めるメールになる。プレスリリース本文は、端的かつ簡便に書くことを心掛けよう。冒頭に概要を数点列記し、「逆三角形」の構造でまとめると良い。

また3限目は、「WWDJAPAN」や「FASHION NEWS」「流行通信」などでファッションを担当し、現在はフリーランスのエディター兼ライターである粟田真紀子がゲストとして登壇。記事とプレスリリース、両方の執筆の経験から、取材したくなるプレスリリースの書き方を具体例を交えながら伝授した。

4限目
課題のフィードバックと質疑応答

4限目は、課題のフィードバックとブラッシュアップに関するアドバイスを行った。まずは、2限目の公開取材後に村上編集長が実際に書いた記事を紹介し、どのような意図を持ってどのように書いたかを解説。受講者からの質問も受け付けた。「どうしたら、人の気持ちを駆り立てる文章を書ける?」と尋ねられると、「嫌われることを恐れない。無関心よりは、たとえネガティブなものであったとしても感情を喚起させる方がいいかもしれない、くらいの度胸を持つことが大事。凡庸な記事は結果的に何も残さないので、大きな共感を得られるかもしれない小さなポイントを探し続けることを意識している」と答えた。セミナー後のミートアップでは、課題について村上編集長に個別でアドバイスをもらったり、参加者同士で交流して横のつながりを強化したりする受講者が見られた。

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米「テバ」副社長が語る「トレイルランニング用サンダル」の可能性 

「サンダルの軽快さとトレイルランニングシューズの体験を融合させる」。こう話すのは、スポーツサンダル「テバ(TEVA)」を製造・販売する米デッカーズブランドのリー・コックス氏(テバ副社長兼ゼネラルマネージャー)である。6月に発売したトレイルランニング用サンダル“アベントレイル(メンズ、ウィメンズ各2万900円)”が売れている。発売2カ月足らずで早くも品薄になるほどの反響を得た。

整備されていない自然の山野を走るトレイルランニングシューズは、ランニングシューズのクッション性・反発性とトレッキングシューズの耐久性を掛け合わせて開発される。そこに「テバ」は、サンダルで軽快さを加えた。コンセプトは「つま先で、風を感じよう。」オープントゥのサンダル特有の開放感と新鮮さがランナーの心を捉える。

開発者は同じデッカーズブランド傘下の「ホカ(HOKA)」の創設者であるジャン・リュック・ディアード氏(イノベーション部門のグローバルVP)。トレランを知り尽くすディアード氏が「テバ」でサンダルのイノベーションに挑んだ。

過酷な山道を高速で走るトレランでのサンダル着用を最新鋭のテクノロジーで可能にした。アッパー部分にはソールの下をぐるりと巻き込むWストラッピングシステム。足をしっかりとホールドし、安定したフィット感を提供する。反発性とクッション性に優れたハイパーコンフォテクノロジーのミッドソール、グリップ力に優れた独自のスパイダーラバーのアウトソールによって、下り坂でも十分なサポートを実現する。

日本のトレランの競技人口は約 20 万と推定され、愛好者は増えている。地方での競技大会の新設も相次ぐ。デッカーズブランドの「ホカ」以外にも「サロモン」「アルトラ」、あるいは「ナイキ」「アディダス」といったブランドが激しい競争を繰り広げる市場だ。

「テバ」ではトレラン用サンダルというジャンルを確立すべく、マーケティングに力を入れる。リー・コックス氏は「実際のランナーがさまざまな地形でアベントレイルを使用する様子をリアルに紹介し、個人の目標や冒険を体験し達成するのを支援するかを伝える」と言う。

リー・コックス氏はデッカーズに入社する前は「イノヴェイト」「ニューバランス」「リーボック」で要職を歴任してきた。トライアスロン選手として世界的なレースに出場するアスリートとしての顔も持つ。そんな彼から見て、「テバ」のポテンシャルは大きく映る。「『テバ』はアウトドアに深く根付いており、さまざまなエキサイティングな冒険に対応する機能的なパフォーマンス製品を作ってきた」「トレイルランニング、ウォーターアクティビティー、キャンプでのリラックスシーンなど、あらゆる形の冒険にインスピレーションを与え、サポートするための製品を提供していきたい」と話す。

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米「テバ」副社長が語る「トレイルランニング用サンダル」の可能性 

「サンダルの軽快さとトレイルランニングシューズの体験を融合させる」。こう話すのは、スポーツサンダル「テバ(TEVA)」を製造・販売する米デッカーズブランドのリー・コックス氏(テバ副社長兼ゼネラルマネージャー)である。6月に発売したトレイルランニング用サンダル“アベントレイル(メンズ、ウィメンズ各2万900円)”が売れている。発売2カ月足らずで早くも品薄になるほどの反響を得た。

整備されていない自然の山野を走るトレイルランニングシューズは、ランニングシューズのクッション性・反発性とトレッキングシューズの耐久性を掛け合わせて開発される。そこに「テバ」は、サンダルで軽快さを加えた。コンセプトは「つま先で、風を感じよう。」オープントゥのサンダル特有の開放感と新鮮さがランナーの心を捉える。

開発者は同じデッカーズブランド傘下の「ホカ(HOKA)」の創設者であるジャン・リュック・ディアード氏(イノベーション部門のグローバルVP)。トレランを知り尽くすディアード氏が「テバ」でサンダルのイノベーションに挑んだ。

過酷な山道を高速で走るトレランでのサンダル着用を最新鋭のテクノロジーで可能にした。アッパー部分にはソールの下をぐるりと巻き込むWストラッピングシステム。足をしっかりとホールドし、安定したフィット感を提供する。反発性とクッション性に優れたハイパーコンフォテクノロジーのミッドソール、グリップ力に優れた独自のスパイダーラバーのアウトソールによって、下り坂でも十分なサポートを実現する。

日本のトレランの競技人口は約 20 万と推定され、愛好者は増えている。地方での競技大会の新設も相次ぐ。デッカーズブランドの「ホカ」以外にも「サロモン」「アルトラ」、あるいは「ナイキ」「アディダス」といったブランドが激しい競争を繰り広げる市場だ。

「テバ」ではトレラン用サンダルというジャンルを確立すべく、マーケティングに力を入れる。リー・コックス氏は「実際のランナーがさまざまな地形でアベントレイルを使用する様子をリアルに紹介し、個人の目標や冒険を体験し達成するのを支援するかを伝える」と言う。

リー・コックス氏はデッカーズに入社する前は「イノヴェイト」「ニューバランス」「リーボック」で要職を歴任してきた。トライアスロン選手として世界的なレースに出場するアスリートとしての顔も持つ。そんな彼から見て、「テバ」のポテンシャルは大きく映る。「『テバ』はアウトドアに深く根付いており、さまざまなエキサイティングな冒険に対応する機能的なパフォーマンス製品を作ってきた」「トレイルランニング、ウォーターアクティビティー、キャンプでのリラックスシーンなど、あらゆる形の冒険にインスピレーションを与え、サポートするための製品を提供していきたい」と話す。

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「阪急西宮ガーデンズ」沿線住民に愛されるグレード感 連載「ミステリーショッパーが行く!」

兵庫県西宮市に2008年開業した阪急西宮ガーデンズ(運営:阪急阪神ビルマネジメント)は、テナントの充実ぶりや売り上げ規模などからも関西を代表する郊外型ショッピングセンター(SC)と呼ばれている。(この記事は「WWDJAPAN」2024年7月29日号からの抜粋です)

■今回の調査員
黒田朱里(41)
PROFILE:広告代理店出身。結婚と 同時に大阪へ転居。現在はマネジメン ト業を営み、東京と大阪でのデュアルラ イフを送っている。関西に来てから百 貨店ファンに。買い物は、とことん吟味してから買う慎重派

福原大輔(47)
PROFILE:全国メディアに勤務。これまでに富山、大津、名古屋、大阪、東京、札幌に住み、出張も含めると47都道府県全てに行ったことがある。訪れた先々で百貨店や商店街、ショッピングセンターを巡るのがライフワーク

黒田調査員2024年7月5日(金)13:30~ 晴れ 30℃ 福原調査員2024年7月1日(月)11:00~ くもり 26℃
ILUUSTRATION:ERI KOJIMA

【建築デザイン・環境設計】

福原:西宮市は南から順番に阪神、JR、阪急の各鉄道路線が走っています。北にいくほど不動産価格が上がり、中でも阪急沿線は可処分所得の多い世帯が多い。関西弁で言うところの「ええとこ」です。

黒田:東京の二子玉川に近いかも。二子玉川に高島屋を核にした玉川高島屋S・Cがあるように、西宮北口には阪急百貨店を核にした阪急西宮ガーデンズがある。

福原:名前の通り緑が多いですね。屋上庭園「スカイガーデン」は六甲山系に自生する樹木や桜、果樹で緑化されています。館内の1階は、吹き抜けに高さ3~5mの植栽が並んでおり、街路樹が並ぶ屋外の通りを歩いているようです。

黒田:スカイガーデンの噴水で子供たちが水遊びしている光景はいいですね。休憩スペースも多い。平日とはいえたくさんの人が来店しており、多くの人が座っていましたが、そのわりに空席がある。

【MD】

福原:「日常のちょっとしたぜいたく」を提供する施設だと感じました。子育て世代が多いエリアだけに、ファミリー向けの店舗が多い。今春開店した子ども靴店「イフミー」は西日本初出店。インナーソールの指の位置にくぼみがあり、そこに指が収まるとジャストサイズ。子ども靴は成長や足の健康のためにも、いかにぴったりした靴を買うかが大変なので、これは助かります。

黒田:食品は「カルディ」「アコメヤ」「成城石井」「久世福商店」、そして大型スーパー「イズミヤ」。毎日の食品だけでなくこだわった食品も買いたい人の気持ちにしっかり寄り添っています。

福原:地元や関西の名店の顔ぶれには驚きました。クリームパンが人気の芦屋市の名店「ローゲンマイヤー」。新規出店した「三田屋本店-やすらぎの郷-」は、ハム・ソーセージの老舗「三田屋」が関西中心に出店するレストラン業態です。フードコートの「たけふく」は地元で知る人ぞ知る店で、カツ丼、親子丼が人気です。

【接客・サービス】

黒田:「コスメリメイク」で、私が商品名を思い出せずに形状を伝えたところ、きちんと言い当ててくれました(笑)。「当店にはありませんが、『プラザ』や『ロフト』なら取り扱っていますよ」と教えてくれました。親身な接客に好感を持ち、スキンケアの話を聞かせてほしいとリクエストすると、説得力のある商品説明をしてくれ、言われた商品を納得して購入。楽しい買い物体験ができました。

福原:子どもに対する接客は素晴らしい。買い物に飽きないように声をかけたり、あやしたり。ひざを折って姿勢を低くして話しかけているのはとてもいいなと感じました。子どもが楽しんでいると、親も楽しく、安心して買い物ができます。

黒田:「ラコステ」で贈り物を探していたら、サイズが欠品。スタッフは大丸梅田店の在庫を確認してくれました。私は帰り道に大丸梅田店に立ち寄って無事購入。テキパキと手配をしてくれました。

【全体】

福原:あえて注文をつければ街の歴史を紹介するような展示があってもいい。5階の小さなメモリアルコーナーでは阪急西宮スタジアムや阪急ブレーブスを紹介していますが、説明が不十分です。球場の模型には詳しい説明文がなく、若いお父さんが子どもに「甲子園球場やで」と話していたのは、とても悲しかった。

黒田:期待を超える充実ぶりでした。大阪にもこんなにきれいにまとまったモールはないし、都内にもないのでは?と感じています。日頃、百貨店でしか見かけないブランドも多くあるように感じ、阪急百貨店が併設されていることなどを考えると、「タイパが良い施設」でした。 

【合計得点】

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累計販売数5000万個突破の「ヨル」から初のボディーケア “夜間美容”で攻勢

I-neが展開するナイトケアビューティーブランド「ヨル(YOLU)」は今夏、ブランド初となるボディーケアアイテムを発売する。第1弾としてバスタブレット、ボディーソープ、ボディーミルクをラインアップ。8月から公式EC、バラエティーショップ、ドラッグストアで順次販売する。

「ヨル」は2021年に誕生。23年にはドラッグストア市場におけるシャンプー・リンスカテゴリーで“カームナイトリペア シャンプー・トリートメント”の売り上げシェアが日本で1位(23年1〜12月の販売金額、自社調べ)を獲得。ブランド累計販売数は5000万個を突破(21年8月〜24年5月、自社調べ)した。ブランドが提唱する夜間に行う美容習慣“夜間美容(ナイトケアビューティ)”が浸透したことを機に、全身の美容タイムを新たに提案すべく、ボディーケアアイテムを開発した。今後、“夜間美容”に関する商品ラインアップの拡充も視野に入れる。

9月2日に発売する“ドリーミング バスタブレット”(1錠入、308円/6錠入、1760円)は、美容液成分を配合した重炭酸バスタブレット。とろみのある処方で乾燥ダメージから肌を守る。日本初(自社調べ)となる、睡眠環境をサポートするドリームセンツの香料を採用したアロマティックフレグランスを採用した。楽天市場では8月15日から予約販売を開始する。

10月1日に発売する“ナイトケアボディソープ”(2種、440mL、各1100円)は、しっとり感タイプとくすみオフして透明感のある肌に導くタイプの2種をそろえる。プラザとロフトでは9月17日に先行発売する。9月3日に発売する“ナイトケアボディミルク”(2種、400g/400mL、各1540円)は数量限定で販売する。クリーミーとジェルの2つのテクスチャーをそろえる。2アイテム共通で、肌なじみが良いミルク由来のセラミドと水分を抱え込む類似NMF、ナイトスクワランを配合したオーバーナイトバリア処方を採用した。

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累計販売数5000万個突破の「ヨル」から初のボディーケア “夜間美容”で攻勢

I-neが展開するナイトケアビューティーブランド「ヨル(YOLU)」は今夏、ブランド初となるボディーケアアイテムを発売する。第1弾としてバスタブレット、ボディーソープ、ボディーミルクをラインアップ。8月から公式EC、バラエティーショップ、ドラッグストアで順次販売する。

「ヨル」は2021年に誕生。23年にはドラッグストア市場におけるシャンプー・リンスカテゴリーで“カームナイトリペア シャンプー・トリートメント”の売り上げシェアが日本で1位(23年1〜12月の販売金額、自社調べ)を獲得。ブランド累計販売数は5000万個を突破(21年8月〜24年5月、自社調べ)した。ブランドが提唱する夜間に行う美容習慣“夜間美容(ナイトケアビューティ)”が浸透したことを機に、全身の美容タイムを新たに提案すべく、ボディーケアアイテムを開発した。今後、“夜間美容”に関する商品ラインアップの拡充も視野に入れる。

9月2日に発売する“ドリーミング バスタブレット”(1錠入、308円/6錠入、1760円)は、美容液成分を配合した重炭酸バスタブレット。とろみのある処方で乾燥ダメージから肌を守る。日本初(自社調べ)となる、睡眠環境をサポートするドリームセンツの香料を採用したアロマティックフレグランスを採用した。楽天市場では8月15日から予約販売を開始する。

10月1日に発売する“ナイトケアボディソープ”(2種、440mL、各1100円)は、しっとり感タイプとくすみオフして透明感のある肌に導くタイプの2種をそろえる。プラザとロフトでは9月17日に先行発売する。9月3日に発売する“ナイトケアボディミルク”(2種、400g/400mL、各1540円)は数量限定で販売する。クリーミーとジェルの2つのテクスチャーをそろえる。2アイテム共通で、肌なじみが良いミルク由来のセラミドと水分を抱え込む類似NMF、ナイトスクワランを配合したオーバーナイトバリア処方を採用した。

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ビューティ企業がメキシコ市場を重視するべき理由とは エスティや「シーイン」など続々参入

ビューティ企業によるメキシコ市場への新規参入が加速している。調査会社のユーロモニター・インターナショナル(EUROMONITOR INTERNATIONAL)によると、メキシコのビューティおよびパーソナルケアの市場規模は2023年には150億ドル(約2兆2950億円)強に達し、フランスに次ぎ、イタリアをしのぐ世界9番目の大きな市場となった。18年の市場規模は約100億ドル(約1兆5300億円)だった。

ブラジルやインドを上回る新興市場として注視

6月に初の女性大統領としてクラウディア・シェインバウム(Claudia Sheinbaum)氏が就任したメキシコは、中国に次いで近年注目されていたブラジルやインドを上回る新興市場として注視されている。4月にセフォラ(SEPHORA)を通じてメキシコに進出した「グロシエ(GLOSSIER)」に続き、「エルフ ビューティ(E.L.F. BEAUTY)」もセフォラを通じて秋にメキシコへの初進出を予定している。「シーイン(SHEIN)」のコスメブランド「シーグラム(SHEGLAM)」は百貨店のリバプール(LIVERPOOL)でデビュー予定。また情報筋によれば、「シャーロット ティルブリー(CHARLOTTE TILBURY)」はメキシコシティにマーケティングオフィスを開設するという。

米小売大手アルタが初出店

米大手小売店アルタビューティ(ULTA BEAUTY)は、カナダ市場進出の計画を撤回した後、中南米を拠点とするグローバル・ブランド・オペレーター企業のアクソ(AXO)との合弁事業を通じて2025年にメキシコへ初出店することを発表した。同社の競合であるセフォラはすでにメキシコに30店舗以上を展開しており、店舗網を拡大している。

エスティ ローダー カンパニーズ(ESTEE LAUDER COMPANIES、以下ELC)のファブリツィオ・フリーダ(Fabrizio Freda)CEOはメキシコ市場について、「規模としては中国に及ばないが、新興市場は成長にとって重要。現時点でメキシコはブラジルよりも強力な市場だ」とコメントする。

トレンドに敏感な若年層が厚い

メキシコは米国のトレンドに影響を受ける若い世代が多く占め、美容やパーソナルケアの需要は高い。世界銀行のデータによると、22年のメキシコの人口は1億3200万人以上のうち14歳以下が25%であったのに対し、米国では18%、日本では12%ほどだった。「ヴォーグ メキシコ」「ヴォーグ ラテンアメリカ」のカーラ・マルティネス(Karla Martinez)コンテンツ責任者は、「メキシコは若者が多く、非常に向上心を持った彼らは、隣国である米国のトレンドに敏感だ。特に、知名度の高いカイリー・ジェンナー(Kylie Jenner)のメイクアップラインや、トップメイクアップアーティストとして知られるパット・マクグラス(Pat McGrath)によるコスメブランドの上陸は多くの若者が待ち望んでいた」と話す。

フレグランスカテゴリーに盛り上がりの兆し

中でも好調なカテゴリーの一つがフレグランスだ。調査会社サーカナ(CIRCANA)によれば、昨年メキシコに上陸したばかりの「キリアン(KILIAN)」は急速に人気が広がり、メキシコの高級フレグランスブランドカテゴリーにおけるトップ10にランクインした。ローカルブランドの成功も目立ち、ベロニカ・ペーニャ(Veronica Peña)、イグナシオ・カデナ(Ignacio Cadena)、エクトル・エスラウェ(Héctor Esrawe)によって共同創設されたニッチフレグランスブランド「シヌゥ(XINU)」は、現在メキシコに4店舗を持つほか、グローバル展開も視野に入れている。ペーニャ共同創設者は、「この5年間でメキシコに進出したニッチフレグランスは数多くあり、消費者は香水や美容全般にこれまで以上に関心を向けている」という。

「メキシコの消費支出の見通しは明るい」とエコノミスト

経済調査会社のキャピタル・エコノミクス(CAPITAL ECONOMICS)のウィリアム・ジャクソン(William Jackso)=新興企業チーフエコノミストはメキシコの経済について、「ここ数年、力強い成長が見られる。特に労働市場は堅調で、失業率も低い。賃金は急速に上昇しており、消費支出の見通しは明るいだろう」と楽観視する。さらに、「メキシコと米国は強力な関係で結ばれており、両国の製造業には深い貿易関係がある。現在世界経済で見られる地政学的分裂の恩恵をメキシコが受けるかもしれないという期待もある。また製造業者においては生産拠点を中国からメキシコのような友好国に移す動きも見られる」と付け加える。

懸念事項は不安定な情勢

一方で、メキシコの経済やシェインバウム大統領の計画が不透明であることから、リスクもある。金利は11%と高く、メキシコ中央銀行は最近、年間GDP予測を2.8%から2.4%に引き下げた。また11月に控える米国選挙の結果によっては両国の関係に影響を与える可能性がある。

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生成AIとファッション:記者談話室vol.138

「WWDJAPAN」ポッドキャストの「記者談話室」は、ファッション業界のその時々のニュースや話題について、3人の記者が分かりやすく解説したり、時には脱線したりしながら、掘り下げていきます。

138回のテーマは「生成AIとファッションビジネス」。グーグルやアマゾン、マイクロソフトなどの大手IT企業がこぞって参入する生成AIですが、ファッションビジネスにはどのような影響を与えるのでしょうか。ビジネスのリアルな現場での生成AI導入から今後まで、あれこれ考察しました。

「記者談話室」ではみなさまからのお便りをお待ちしております。ご感想ご意見を聞かせてください。メールアドレスは、danwashitu@infaspub.co.jp です。

この配信は以下のアプリでもご利用いただけます。
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プラザから初のPB化粧品ブランドが誕生 スキンケアで20代客を取り込む

スタイリングライフ・ホールディングス プラザスタイル カンパニーは8月2日、プラザ初となるスキンケアのプライベートブランド(以下、PB)「デュナミス(DUNAMIS)」を立ち上げる。第1弾では“落とすケア”の3アイテム(1320〜1760円)をラインアップ。既存のスキンケア購買層よりも若い20代前半に訴求する。

プラザの売り上げ構成比はメイクアップカテゴリーが半数を占め、主な購買層は19〜26歳で、20歳が最も多い。一方のスキンケアの売り上げは全体の25%で、メイクアップの半数にあたる。購買層は23〜27歳を中心に25歳が最も多く、メイクアップの購買層よりも比較的年齢層が高い客に支持されている。

本田悠里子H&B企画課課長によると、「20歳前後の若年層は、スキンケアに関してバズった商品は関心が高いが、自分の肌にあったものを正しく選択できていない」と分析。深刻な肌悩みも少なく、ドラッグストアで手頃な価格の商品を購入するケースが多い。そこで、プラザのコアターゲット層である19〜22歳のメイク好きな世代が「買いたいと思うスキンケア商品を開発したい」という思いから、1年以上かけてブランドを立ち上げた。

「デュナミス」は、プラザで取り扱う他ブランドのスキンケアとカニバリゼーション(共食い)を避ける価格帯や設計を意識。プラスワンアイテムとしても訴求する。「小売業としてPBを販売することは、他の仕入れ商品と差別化を図る必要がある。新ブランドを通じて“心拍数をあげる”体験をお届けしたい」と話す。

今後「デュナミス」を軸に、スキンケアセミナーやライブ配信でのお悩み相談会、Z世代向けのファッションイベントへの出店を予定する。「ターゲット世代は美容リテラシーが低く、美容の関する知識を学ぶ場所・機会が少ない。美容情報を積極的に発信し、1人でも多くのお客さまが自分に合ったスキンケアを見つけられることを願っている」。また、鈴木努スタイリングライフ・ホールディングス プラザスタイル カンパニー カンパニーエグゼクティブ プレジデントは、「若者の肌の悩みに寄り添うブランドとして、モノを売るのではなくコミュニケーションが取れるブランドとして育てていきたい」とコメントを寄せた。

「デュナミス」は、ギリシャ語でポテンシャルという意味を持つ。20歳前後の肌悩みであげられる皮脂テカリ、毛穴、ニキビに着目したアイテムを用意する。第1弾は、洗い流し不要で濃いアイメイクもオフする“ポイントメイクリムーバーパッド”(30枚入、1320円)、プラザオリジナル成分「グレイニー角栓オフオイル(水添ポリイソブテン、ミネラルオイル)」を配合したメイク落としと角栓除去効果を兼ね備えた“クレンズ&ウォッシュ トリートメントオイル”(150mL、1760円)、皮脂テカリをオフしニキビを防ぐ拭き取り洗顔トナーパッド“クリアワイプ ウォッシュ&トナーパッド”(32枚入、110mL、1650円)をそろえる。ブランド共通成分としてピリドキシンACを配合。全すべてアルコールフリー、グリセリンフリー、無香料、無着色の4つの処方を採用する。

年内には化粧水や乳液の展開を控え、将来的には美容液や日焼け止めなどラインアップを拡充する予定だ。初年度はプラザの各カテゴリー売り上げでそれぞれNo.1を目指す。

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アダストリアが「ジーナシス」の振袖を発表 京都丸紅と3度目のコラボで取り組みに手応え

アダストリアは、老舗着物メーカーの京都丸紅と協働して「ジーナシス(JEANASIS)」の振袖コレクションを発表した。従来の着物デザインにはあまりない、幾何学模様やパッチワーク柄が特徴で、2024年9月初旬から全国の着物専門店を中心に随時販売を始める。アダストリアと京都丸紅のコラボレーションは、24年2月に発表した「ローリーズファーム(LOWRYS FARM)」のキッズラインとの七五三着物、24年4月の「ヘザー(HEATHER)」との卒業式用の袴に続く、第3弾だ。

今コラボレーションは京都丸紅からの依頼で23年にスタートした。京都丸紅によると、1980年代に1兆8000億円あった和装業界の市場規模は、現在7分の1まで縮小。少子高齢化や人口減、ハレの服イメージの固定化といったさまざまな要因が重なり、需要は大幅に減少しているという。「和服の新しい価値を作って需要を創出し、着物の伝統文化を維持して守り続けていく必要がある。リアルとデジタルの基盤が整っており、若い世代への発信力を持つアダストリアとなら新しい価値を生み出せると考えた」と京都丸紅の渡辺一創ライフイベントきもの部部長は話す。実際に1弾目のコラボでは通常の3倍ほどの受注を獲得するなど、アダストリアのブランド力と発信力が効果を発揮している。

同取り組みをけん引するのが、アダストリアのBtoB事業のプロデュースを手掛けるアダストリア・ライフスタイル・クリエイション部。小林千晃執行役員ビジネスプロデュース本部長は「カジュアル服で取り扱っていた素材とは異なる和服素材への落とし込みは、現場のスタッフたちにとって新しい挑戦で表現できるデザインの広がりに喜んでいた。アダストリアが扱うファッションの幅も広がる意義のある取り組みとなった」と話す。

振袖は16万8000円の価格で、2柄3配色の計6種、袋帯は9万円の価格で2柄2〜3配色の計5種を取り扱う。

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SNSマーケの次なる狙い目はYouTubeショート? 米コスメブランドの再生回数が急増

短尺動画プラットフォームの先駆けであるTikTokの安全保障上の理由による利用禁止が議論されている今、米国ではYouTubeのショート動画機能(以下、YTショート)が注目を集めている。

YTショートは77%の高視聴維持率

YTショートの平均再生回数は、TikTokやインスタグラムのリールといった他のプラットフォームにおける短尺動画と比べると1/3程度ではあるが、ビジュアル・マーケティング・ソフトウエアを開発するダッシュ・ハドソン(DASH HUDSON)のデータによると2023年の10〜12月は前年同期に比べ24%増加している。TikTokとインスタグラムのリール機能はそれぞれ同18%減、3%減だった。また美容ブランドのコンテンツにおける視聴維持率は、TikTokが29%だったのに対し、YTショートは77%と高かった。

一方で、多くの美容ブランドが採用しているインスタグラムのリールの人気は安定しており、1投稿あたりの視聴回数は平均9万543回と、TikTokの9万3071回とほぼ同等。ダッシュ・ハドソンのクイン・ヨン(Quinn Yung)顧客インサイトマネージャーは、「YTショートを利用している美容ブランドは、TikTokやリールを利用する美容ブランドよりもはるかに少ないが、早期に参入したブランドは今急成長している」と話す。「24年の1〜3月にはYouTube上でコンテンツを発信する美容ブランドが3.1%増加。20年の歴史を持つプラットフォームとしてはかなり大きい数字だ。YTショートが成長をけん引している」と分析する。

高再生数は韓国発「ラネージュ」

インスタグラムとTikTokの両プラットフォームで高い再生数を誇るのは韓国の化粧品ブランド「ラネージュ(LANEIGE)」。YTショートで確立した成功の恩恵を受けているブランドの一つだ。またYouTubeの全盛期を過ぎた頃である17年にリアーナ(Rihanna)がローンチした「フェンティ ビューティ バイ リアーナ(FENTY BEAUTY BY RIHANNA)」が継続的に伸びているのは、長尺動画で培ったノウハウを微調整しながら、YTショートにも投資してきたことが大きい。

「ローラ ゲラー(LAURA GELLER)」や「ビリーフ(BELIF)」もYTショートの再生数が成長している美容ブランドだが、「彼らはTikTokやインスタグラムではトップパフォーマーと見なされていない」とヨン顧客インサイトマネージャー。「YTショートの多くは、他のSNSとクロス投稿されていることが多い」と付け加え、クロス投稿はブランドの成長に当面欠かせない戦略だという。

X世代とベビーブーマー世代が多数

YouTubeのもう一つの強みは世代を超えた幅広い利用者層だ。米市場調査会社のイーマーケター(EMARKETER)によると、他のプラットフォームよりもX世代(40代前半〜60代前半)とベビーブーマー(60代前半〜70代前半)世代の視聴者数が多い。インスタグラムやTikTokの視聴者層はアルファ世代(10歳以下)、Z世代(10代前半〜20代半ば)、ミレニアル世代(20代前後半〜40代前半)に偏っている。

ダッシュ・ハドソンのジリアン・ロビンソン(Jillian Robinson)グローバルコミュニケーションおよびイベントディレクターは、「データは、各ブランドがコミュニティを形成する場所を多様化していることを示している。SNSチャネルは今後何が起こるか読めない。複数プラットフォームへの投資が必要だ」と分析し、インスタグラムのリールやTikTokの再生回数の減少は、「飽和、競争、季節性、消費者行動の変化が原因である可能性が高い」と説明する。短尺動画プラットフォームの今後の進化や行く末は未知数だが、ここではYTショートで再生回数が多かった美容ブランドトップ5をランキングする。

■2024年1〜3月にYTショートの再生回数が多かった美容ブランドトップ5

1. 「ラネージュ」

• 投稿数: 98
• 合計再生回数: 4210 万回
• 平均再生回数: 42万9500回

2. 「グロウ レシピ(GLOW RECIPE)」

• 投稿数: 86
• 合計再生回数: 1580万回
• 平均再生回数: 18万3700回

3. 「フェンティ ビューティ バイ リアーナ」

• 投稿数: 93
• 合計再生回数: 640万回
• 平均再生回数: 5万8900回

4. 「セフォラ(SEPHORA)」

• 投稿数: 84
• 合計再生回数: 490万回
• 平均再生回数: 5万8900回

5. 「ドランク エレファント(DRUNK ELEPHANT)」

• 投稿数: 42
• 合計再生回数: 190万回
• 平均再生回数: 4万5000回

■2024年1〜3月にYTショートの再生回数が最も成長した美容ブランドトップ5

1. 「エレミス(ELEMIS)」

•+1973%
• 投稿数: 66
• 合計再生回数: 190万回
• 平均再生回数: 2万8600回

2. 「ビリーフ」

• +548%
• 投稿数: 34
• 合計再生回数: 22万4300回
• 平均視聴回数: 7000回

3. 「フェンティ ビューティ バイ リアーナ」

• +327%
• 投稿数: 93
• 合計再生回数: 640万回
•平均視聴回数: 6万8400回
Cap: COURTESY

4. 「ローラ ゲラー」

• +144%
• 投稿数: 74
• 合計再生回数: 16万7400回
• 平均視聴回数: 2300回

5. 「ミルク メイクアップ(MILK MAKEUP)」

• +100%
• 投稿数: 53
• 合計再生回数: 70万4400回
• 平均再生回数: 1万3300回

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SNSマーケの次なる狙い目はYouTubeショート? 米コスメブランドの再生回数が急増

短尺動画プラットフォームの先駆けであるTikTokの安全保障上の理由による利用禁止が議論されている今、米国ではYouTubeのショート動画機能(以下、YTショート)が注目を集めている。

YTショートは77%の高視聴維持率

YTショートの平均再生回数は、TikTokやインスタグラムのリールといった他のプラットフォームにおける短尺動画と比べると1/3程度ではあるが、ビジュアル・マーケティング・ソフトウエアを開発するダッシュ・ハドソン(DASH HUDSON)のデータによると2023年の10〜12月は前年同期に比べ24%増加している。TikTokとインスタグラムのリール機能はそれぞれ同18%減、3%減だった。また美容ブランドのコンテンツにおける視聴維持率は、TikTokが29%だったのに対し、YTショートは77%と高かった。

一方で、多くの美容ブランドが採用しているインスタグラムのリールの人気は安定しており、1投稿あたりの視聴回数は平均9万543回と、TikTokの9万3071回とほぼ同等。ダッシュ・ハドソンのクイン・ヨン(Quinn Yung)顧客インサイトマネージャーは、「YTショートを利用している美容ブランドは、TikTokやリールを利用する美容ブランドよりもはるかに少ないが、早期に参入したブランドは今急成長している」と話す。「24年の1〜3月にはYouTube上でコンテンツを発信する美容ブランドが3.1%増加。20年の歴史を持つプラットフォームとしてはかなり大きい数字だ。YTショートが成長をけん引している」と分析する。

高再生数は韓国発「ラネージュ」

インスタグラムとTikTokの両プラットフォームで高い再生数を誇るのは韓国の化粧品ブランド「ラネージュ(LANEIGE)」。YTショートで確立した成功の恩恵を受けているブランドの一つだ。またYouTubeの全盛期を過ぎた頃である17年にリアーナ(Rihanna)がローンチした「フェンティ ビューティ バイ リアーナ(FENTY BEAUTY BY RIHANNA)」が継続的に伸びているのは、長尺動画で培ったノウハウを微調整しながら、YTショートにも投資してきたことが大きい。

「ローラ ゲラー(LAURA GELLER)」や「ビリーフ(BELIF)」もYTショートの再生数が成長している美容ブランドだが、「彼らはTikTokやインスタグラムではトップパフォーマーと見なされていない」とヨン顧客インサイトマネージャー。「YTショートの多くは、他のSNSとクロス投稿されていることが多い」と付け加え、クロス投稿はブランドの成長に当面欠かせない戦略だという。

X世代とベビーブーマー世代が多数

YouTubeのもう一つの強みは世代を超えた幅広い利用者層だ。米市場調査会社のイーマーケター(EMARKETER)によると、他のプラットフォームよりもX世代(40代前半〜60代前半)とベビーブーマー(60代前半〜70代前半)世代の視聴者数が多い。インスタグラムやTikTokの視聴者層はアルファ世代(10歳以下)、Z世代(10代前半〜20代半ば)、ミレニアル世代(20代前後半〜40代前半)に偏っている。

ダッシュ・ハドソンのジリアン・ロビンソン(Jillian Robinson)グローバルコミュニケーションおよびイベントディレクターは、「データは、各ブランドがコミュニティを形成する場所を多様化していることを示している。SNSチャネルは今後何が起こるか読めない。複数プラットフォームへの投資が必要だ」と分析し、インスタグラムのリールやTikTokの再生回数の減少は、「飽和、競争、季節性、消費者行動の変化が原因である可能性が高い」と説明する。短尺動画プラットフォームの今後の進化や行く末は未知数だが、ここではYTショートで再生回数が多かった美容ブランドトップ5をランキングする。

■2024年1〜3月にYTショートの再生回数が多かった美容ブランドトップ5

1. 「ラネージュ」

• 投稿数: 98
• 合計再生回数: 4210 万回
• 平均再生回数: 42万9500回

2. 「グロウ レシピ(GLOW RECIPE)」

• 投稿数: 86
• 合計再生回数: 1580万回
• 平均再生回数: 18万3700回

3. 「フェンティ ビューティ バイ リアーナ」

• 投稿数: 93
• 合計再生回数: 640万回
• 平均再生回数: 5万8900回

4. 「セフォラ(SEPHORA)」

• 投稿数: 84
• 合計再生回数: 490万回
• 平均再生回数: 5万8900回

5. 「ドランク エレファント(DRUNK ELEPHANT)」

• 投稿数: 42
• 合計再生回数: 190万回
• 平均再生回数: 4万5000回

■2024年1〜3月にYTショートの再生回数が最も成長した美容ブランドトップ5

1. 「エレミス(ELEMIS)」

•+1973%
• 投稿数: 66
• 合計再生回数: 190万回
• 平均再生回数: 2万8600回

2. 「ビリーフ」

• +548%
• 投稿数: 34
• 合計再生回数: 22万4300回
• 平均視聴回数: 7000回

3. 「フェンティ ビューティ バイ リアーナ」

• +327%
• 投稿数: 93
• 合計再生回数: 640万回
•平均視聴回数: 6万8400回
Cap: COURTESY

4. 「ローラ ゲラー」

• +144%
• 投稿数: 74
• 合計再生回数: 16万7400回
• 平均視聴回数: 2300回

5. 「ミルク メイクアップ(MILK MAKEUP)」

• +100%
• 投稿数: 53
• 合計再生回数: 70万4400回
• 平均再生回数: 1万3300回

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スーパープレミアムジン“Tanqueray No.TEN”とナチュラルスキンケア「THANN」がコラボ “香り”をテーマにイベントを開催

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創業以来190年の歴史を誇るジンブランド「タンカレー(TANQUERAY)」の“タンカレー ナンバーテン(Tanqueray No.TEN)”は、フレッシュフルーツや手摘みしたボタニカルを原料に製造されるスーパープレミアムジンだ。このほど、その香りと味わいがもたらす豊かな時間に共感し、タイ生まれのスキンケアブランド「タン(THANN)」がコラボレーション。8月7〜9日の期間、表参道のバー・イベントスペースWALL & MOSAICで、招待者限定イベント“BOTANICAL SCENTED JOURNEY”を開催する。“タンカレー ナンバーテン”と「タン」によるお酒と香りのペアリングが、来場者をボタニカルな世界へといざなう。

香りを通じて出合う
“タンカレー ナンバーテン”の
オリジナルカクテル

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ポップアップイベント“BOTANICAL SCENTED JOURNEY”では、“タンカレー ナンバーテン”と「タン」の共通点である“香り”を通じて、新たなお酒の楽しみ方を提案。来場者は“タンカレー ナンバーテン”と「タン」のプロダクツから想起したオリジナルカクテルを楽しめるほか、「タン」のボディークリームを手に取り試すことができる。

About Tanqueray No.TEN
繊細な蒸溜技術で生まれる
唯一無二の味わい
“タンカレー ナンバーテン”

「タンカレー」の幕開けは1830年。創業者であるチャールズ・タンカレー(Charles Tanqueray)がイギリス・ロンドンのブルームズバリーに蒸留所を設立したのが始まりだ。「今までにない高品質のジンを作る」という信念を掲げ生まれたのが、エレガントで繊細、そして華やぎのある味わいが特徴の“タンカレー ナンバーテン”。現存する最古の蒸留器である小型単式蒸留器“タイニーテン”を用いた、世界で初めて蒸溜過程で生のフレッシュフルーツを使用したスーパープレミアムジンであり、詳しいレシピと製法は門外不出。詳細を知る職人は世界にたった6人といわれている。

“シトラスハート”と呼ばれる爽やかなフレーバーは、フルーツやハーブと合わせて香り豊かなカクテルを楽しむのに最適だ。ジントニックやマティーニなど、世界中でさまざまなカクテルレシピが生まれている。

「タンカレー」をはじめ多数のアルコールブランドを保有するディアジオ ジャパンは、持続可能な世界を実現する取り組みとして、2030年に向けてサステナビリティーの推進および“ポジティブ・ドリンキング”の啓発を計画している。その一環として、適正飲酒のためのアイデアやお酒の知識を学ぶことができるWebサイト「DRINKiQ」を公開中だ。

About THANN
潤いと香りで真のウェルネスをかなえる
タイ発ナチュラルスキンケアブランド
「タン」

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「タン」は素肌ケアから人々の生活を本質的な豊かさへと導く、タイ生まれのナチュラルスキンケアブランドだ。フェイシャル、ボディー、ヘアケア商品の原料は、コメヌカ油をはじめとした選りすぐりの植物の恵みによるもの。さらにキャンドルやディフューザーなどのアロマ雑貨もラインアップし、心身共に丁寧なケアを提案する。全ての商品には世界中から選りすぐりの天然精油をブレンドし、「タン」ならではの深く繊細な香りを追求した。一部商品を除き、パラベン・MIT、鉱物油、動物性原料、着色料、香料不使用にこだわり、サステナビリティー活動にも取り組む。

イベント
“BOTANICAL SCENTED JOURNEY”に
「タン」商品購入者をご招待

タンカレー,TANQUERAY,タンカレー ナンバーテン,Tanqueray No.TEN,タン,THANN,BOTANICAL SCENTED JOURNEYグリーンに満ちた癒しの空間で、他では体感できない“タンカレー ナンバーテン”と「タン」が共鳴する“BOTANICAL SCENTED JOURNEY”。来場者は、招待チケット1枚につき“タンカレー ナンバーテン”のオリジナルカクテル1杯と「タン」の商品を無料で体験できる。7月26日〜8月9日の期間、「タン」の対象店舗で税込8000円以上の商品を購入した人を本ポップアップイベントに招待する。

INFORMATION
イベント“BOTANICAL SCENTED JOURNEY”

日時:8月7〜9日
時間:17:00〜21:00(最終入場20:30)
場所:WALL & MOSAIC
住所:東京都港区南青山5丁目4-30 1階

※招待者限定イベント
※7月26日〜8月9日の期間、「タン」表参道ヒルズ店、麻布台ヒルズ店、東急プラザ銀座店、伊勢丹新宿店、公式オンラインショップで商品を税込8000円以上ご購入で、招待チケットを進呈
※オンライン購入者は上記対象店舗にて対象期間の購入履歴を提示で招待チケットを進呈
※チケット数は限りあり
※イベントは開催期間中好きな時間に入場可能

【注意事項】
・アルコールを提供するイベントにつき、20歳以上の方限定です。当日、身分証明書の提示を求めることがございます。
・20歳未満・飲酒運転の飲酒は法律で禁じられております。お車・バイク(同乗者含む)・自転車を運転してご来場の方、未成年及びお子さま連れの方はご利用頂けません。
・自転車を運転してご来場の方、未成年およびお子様連れの方はご利用頂けません。
・妊娠中・授乳期の飲酒はやめましょう。妊娠中や授乳期の方はご利用をご遠慮ください。
問い合わせ先
ディアジオ ジャパン
03-3470-8287

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「グッチ」元従業員が集団訴訟を提起 エキゾチックスキンの採取方法を巡る動物愛護団体の調査がきっかけ

「グッチ(GUCCI)」シカゴ店の元従業員トレイシー・コーエン(Tracy Cohen)は、消費者詐欺と虚偽の営業行為があったとして、グッチ アメリカ(GUCCI AMERICA)および同ブランドを擁するケリング アメリカ(KERING AMERICAS)に対して集団訴訟を提起した。

コーエンは、エキゾチックレザーを使用したバッグを顧客に提示する際に、“販売儀式”を行うよう訓練されたと主張している。具体的には、黒い手袋をはめ、「皮は倫理的に調達され、ヘビやワニは虐待されておらず、ヘビの皮は自然な脱皮プロセスで得られ、皮は食肉産業の副産物であり、動物の人道的扱いが認証されたサプライヤーとしか取引していない」と顧客に伝えることを含んでいたという。しかし、ケリング傘下のカラベル(CARAVEL)にエキゾチックレザーを供給したとされる、タイにある2つのパイソン農場を調査した動物愛護団体PETA(People for the Ethical Treatment of Animals)アジア部門の発表により、パイソンの暴力的な殺処分方法を知ったとし、このことを知っていたら、顧客を欺くことも、数年間にわたりパイソンの皮のバッグや靴を個人的に購入することもなかったと主張した。精神的苦痛による損害賠償や、コーエンが購入したエキゾチックレザーを使った「グッチ」製品の補償、顧客に販売された可能性のある製品の補償などを求めている。

グッチの担当者は、「コーエン氏が提起した訴訟について認識している。会社の方針として、係争中の訴訟についてコメントすることや、元従業員または現従業員について公に情報を開示することはしない。法廷でしっかりと反論する予定だ」と述べた。

18年間シカゴ店に勤務していたコーエンは、2006年8月に入社し、23年10月に退社。在職期間中、5000万ドル(約78億5000万円)以上を売り上げ、17年から23年まで6年間連続でシカゴ店のトップ販売員であったと主張している。コーエンは「『グッチ』の製品を販売することを本当に愛していた」、そして「いつかイタリアで働きたいという夢を持っていた」と述べている。

なお、コーエンが両社に対して法的措置を取るのは今年に入って2回目で、1回目は、コーエンが「グッチ」に在籍中、年齢やメンタルヘルスについて差別的な発言を受けたと主張している。

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「グッチ」元従業員が集団訴訟を提起 エキゾチックスキンの採取方法を巡る動物愛護団体の調査がきっかけ

「グッチ(GUCCI)」シカゴ店の元従業員トレイシー・コーエン(Tracy Cohen)は、消費者詐欺と虚偽の営業行為があったとして、グッチ アメリカ(GUCCI AMERICA)および同ブランドを擁するケリング アメリカ(KERING AMERICAS)に対して集団訴訟を提起した。

コーエンは、エキゾチックレザーを使用したバッグを顧客に提示する際に、“販売儀式”を行うよう訓練されたと主張している。具体的には、黒い手袋をはめ、「皮は倫理的に調達され、ヘビやワニは虐待されておらず、ヘビの皮は自然な脱皮プロセスで得られ、皮は食肉産業の副産物であり、動物の人道的扱いが認証されたサプライヤーとしか取引していない」と顧客に伝えることを含んでいたという。しかし、ケリング傘下のカラベル(CARAVEL)にエキゾチックレザーを供給したとされる、タイにある2つのパイソン農場を調査した動物愛護団体PETA(People for the Ethical Treatment of Animals)アジア部門の発表により、パイソンの暴力的な殺処分方法を知ったとし、このことを知っていたら、顧客を欺くことも、数年間にわたりパイソンの皮のバッグや靴を個人的に購入することもなかったと主張した。精神的苦痛による損害賠償や、コーエンが購入したエキゾチックレザーを使った「グッチ」製品の補償、顧客に販売された可能性のある製品の補償などを求めている。

グッチの担当者は、「コーエン氏が提起した訴訟について認識している。会社の方針として、係争中の訴訟についてコメントすることや、元従業員または現従業員について公に情報を開示することはしない。法廷でしっかりと反論する予定だ」と述べた。

18年間シカゴ店に勤務していたコーエンは、2006年8月に入社し、23年10月に退社。在職期間中、5000万ドル(約78億5000万円)以上を売り上げ、17年から23年まで6年間連続でシカゴ店のトップ販売員であったと主張している。コーエンは「『グッチ』の製品を販売することを本当に愛していた」、そして「いつかイタリアで働きたいという夢を持っていた」と述べている。

なお、コーエンが両社に対して法的措置を取るのは今年に入って2回目で、1回目は、コーエンが「グッチ」に在籍中、年齢やメンタルヘルスについて差別的な発言を受けたと主張している。

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ドレイクのツアーグッズが商標権侵害の恐れ 「メンバーズ オンリー」が提訴

1980年代に流行したジャケットブランド「メンバーズ オンリー(MEMBERS ONLY)」を運営するJRアパレル ワールド LLC(JR APPAREL WORLD LLC 以下、JRアパレル)は、ラッパーのドレイク(Drake)を商標権侵害で提訴した。アウェイ フロム ホーム ツアリング インク(AWAY FROM HOME TOURING, INC.)が制作したドレイクのツアーグッズにJRアパレルが保有する商標を無断で使用したと主張している。

問題となっている商品は主にTシャツで、“Members Only”という文字がプリントされている。これはドレイクのアルバム「For All the Dogs」に収録されている「Members Only」という曲に由来している。ドレイクは4月に「All A Blur」ツアーを終了し、その後すぐにこれらの衣類の販売を開始した。JRアパレルは、ドレイクとアウェイ フロム ホーム ツアリング インクに対して“Members Only”というマークを使用した衣類の製造販売の停止を求め、損害賠償を請求している。

訴状によると、JRアパレルはドレイクがTシャツに“Members Only”というマークを使用することは、「出所について、消費者に混乱や誤解を引き起こす可能性がある」と述べている。他方で、ドレイクが模倣品を販売していると非難しているわけではなく、JRアパレルが運営する「メンバーズ オンリー」ブランドに対する市場シェアの侵害やブランドを毀損する可能性があると主張する。また、ドレイクが“Members Only”Tシャツを制作したことで、オンラインマーケットプレイスにその模倣品が出回るなど、結果的に模倣品市場を活性化させ、「メンバーズ オンリー」ブランドにさらなる損害を与えていると主張する。

JRアパレルは、4月3日から6月6日の期間中、Tシャツを制作したアウェイ フロム ホーム ツアリング インクと直接問題を解決しようとしたが、合意には至らなかったという。現在はドレイクの公式ウェブサイトで“Members Only”マークを使用した商品は販売していない。

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ドレイクのツアーグッズが商標権侵害の恐れ 「メンバーズ オンリー」が提訴

1980年代に流行したジャケットブランド「メンバーズ オンリー(MEMBERS ONLY)」を運営するJRアパレル ワールド LLC(JR APPAREL WORLD LLC 以下、JRアパレル)は、ラッパーのドレイク(Drake)を商標権侵害で提訴した。アウェイ フロム ホーム ツアリング インク(AWAY FROM HOME TOURING, INC.)が制作したドレイクのツアーグッズにJRアパレルが保有する商標を無断で使用したと主張している。

問題となっている商品は主にTシャツで、“Members Only”という文字がプリントされている。これはドレイクのアルバム「For All the Dogs」に収録されている「Members Only」という曲に由来している。ドレイクは4月に「All A Blur」ツアーを終了し、その後すぐにこれらの衣類の販売を開始した。JRアパレルは、ドレイクとアウェイ フロム ホーム ツアリング インクに対して“Members Only”というマークを使用した衣類の製造販売の停止を求め、損害賠償を請求している。

訴状によると、JRアパレルはドレイクがTシャツに“Members Only”というマークを使用することは、「出所について、消費者に混乱や誤解を引き起こす可能性がある」と述べている。他方で、ドレイクが模倣品を販売していると非難しているわけではなく、JRアパレルが運営する「メンバーズ オンリー」ブランドに対する市場シェアの侵害やブランドを毀損する可能性があると主張する。また、ドレイクが“Members Only”Tシャツを制作したことで、オンラインマーケットプレイスにその模倣品が出回るなど、結果的に模倣品市場を活性化させ、「メンバーズ オンリー」ブランドにさらなる損害を与えていると主張する。

JRアパレルは、4月3日から6月6日の期間中、Tシャツを制作したアウェイ フロム ホーム ツアリング インクと直接問題を解決しようとしたが、合意には至らなかったという。現在はドレイクの公式ウェブサイトで“Members Only”マークを使用した商品は販売していない。

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大丸松坂屋も1月2日を休業に 25年ぶり見直し

大丸松坂屋百貨店は25日、全国15店舗で2025年1月2日を休業にすると発表した。元日・2日の2日間を休業日とし、3日から初売りを行う。2日を休業日にするのは2000年以来25年ぶり。小売業の人手不足が深刻化する中、商習慣を見直し、従業員の満足度を高める。

コロナをきっかけにした働き方の見直しで、元日・2日の2日間を休業日とする動きが相次いでいる。松屋は24年から実施し、高島屋も25年から実施することを発表した。百貨店業態ではないが、丸井は23年から元日・2日・3日の3日間を休業にした。

福袋商戦と冬物のクリアランスセールが始まる1月2日の初売りは、これまで百貨店にとって年間で最も売上高が多い日だった。だが近年は福袋やセールの集客力が落ちる傾向にある。初売りが稼ぎどきであることに変わりはないが、従業員の働きやすさを優先した方が長期的に見てメリットになると判断した。

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ニルヴァーナと「マーク ジェイコブス」の“スマイリーフェイス”裁判は和解で決着

「マーク ジェイコブス(MARC JACOBS)」を運営するマーク ジェイコブス インターナショナル(MARC JACOBS INTERNATIONAL 以下、MJI)が、ロックバンドのニルヴァーナ(NIRVANA)のアイコンともいえる、目が“X”の形をしたスマイリーフェイスのロゴの一部を変えて使用したことが著作権侵害だとして、2018年にニルヴァーナ側が提訴した件について、両者は和解することで合意した。訴訟提起から和解まで、6年が経過している。両者は今後、和解に向けた条件交渉に入る。

両者とも、メディアの取材には応じていない。

ニルヴァーナ側は、目が“X”の形をし、舌を出したスマイリーフェイスのデザインを使用していた。裁判の過程で、バンドの創設者でボーカルのカート・コバーン(Kurt Cobain)が1991年頃にロゴを作成したと主張している(コバーンはその3年後に死去)。

MJIは、ニルヴァーナのスマイリーフェイスの目の部分を“M”と“J”に変更し、Tシャツやセーター、靴下などにあしらった商品を展開。これをニルヴァーナは「実質的に同一または非常に類似している」と主張した。MJIはニルヴァーナにそもそも権利がないことなどを主張し、ニルヴァーナの訴えに正当な理由はないと反論していた。

7月10日に両者は和解について合意し、和解条件の決定までには3週間の猶予が設けられている。公開されている裁判資料では、和解条件などは明らかにされていない。

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髙島屋のコスメ専門オンラインストア「ティービューティー」誕生 ラグジュアリーからオーガニックコスメまで180ブランドを集積

髙島屋は8月7日、コスメ専門オンラインストア 「ティービューティー(TBEAUT)」をスタートする。開始時はラグジュアリーブランドのコスメのほか、ナチュラル・ オーガニックコスメなど約 180 ブランドをそろえる。また、既存の店舗情報発信サイト「タカシマヤビューティー」と統合し、リアル店舗の情報発信も行い、利便性を高めていく。

同社はこれまで、百貨店ならではの品ぞろえとサービスを備えた「髙島屋オンラインストア」を運営していたが、さらなる利便性向上、新客獲得に向けて「ティービューティー」を開設する。「タイパ良く、楽しくお買いものしたい」という消費者のニーズに応え、事前に好みのブランドや店舗を登録することで関連した情報が入手できる「マイルーム」機能を導入する。検索機能も充実し、商品の特徴やトレンドなど、化粧品特有のキーワードによる商品の 検索や絞り込みが可能となる。既存のカテゴリ別ランキングに加え、年代別の人気ランキングを新設。各アイテムの機能性やカラー、テクスチャーなど、年代ごとに変化する 人気アイテムの情報を発信することで、一人一人に合った商品提案が可能となる。

「髙島屋オンラインストア」で購入する際は、約 6 割を占める「ギフト用途」に合わせた購入手順(のし・包装体裁など)があったが、化粧品購入者の約 9 割は自宅用のため、商品をカートに入れてから最短 2 タップで注文が完了しストレスフリーで買い物ができる仕様とした。

そのほか、従来は店舗とオンラインストアの情報はそれぞれのサイトで発信していたが、 「ティービューティー」に集約。ショート動画や 「ティービューティー」公式LINEアカウントも開設し、短時間で有益な情報を提供する。

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「ナイキ」と「コンバース」が模倣品販売で100人以上を相手取り提訴

ナイキ(NIKE)が擁する「ナイキ」と「コンバース(CONVERSE)」は6月、100人以上を相手に、模倣品の宣伝および販売のためにナイキが保有する商標を「意図的かつ無許可で違法に使用」したとして訴訟を提起した。ナイキによると、訴えた人物の多くが中国やマレーシアなど、米国外に在住もしくは運営拠点を置いているという。

訴状によると、過去12カ月間で米国の消費者に対して「ナイキ」または「コンバース」の模倣品を宣伝または販売していた98のウェブサイトと267のソーシャルメディアアカウントを特定したと主張。ナイキの調査員がこれらのサイトから製品を購入し、それらが偽物であることを確認したという。侵害された商標の例として、「ナイキ」の“スウッシュ”や「コンバース」の“チャックテイラー”に使用される“オールスター”ロゴなどが含まる。

この訴訟は、スニーカーブランドやマーケットプレイスが模倣品の増加傾向を受けてとっている対応策の一例だ。スニーカーやストリートウエアのリセールマーケットプレイス「ストックX(STOCK X)」が出した「ブランドプロテクション&カスタマートラスト報告書」によると、2016年のサービス開始以来、専門家が5500万点以上の商品を検証し、6億ドル(約942億円)以上に相当する要件を満たさない商品を排除。排除した商品のうちの13%(8000万ドル、約125億円相当)は偽物と疑われたスニーカーだったという。

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【早割受付中】接客の心構えからビジネス拡張のヒントまで 盛り上がる富裕層ビジネスの捉え方&取り組み方を学ぶ

まだまだ増える!?
富裕層との出会い方、出迎え方、そして、もてなし方を学ぶ

二極化が進む日本では、「次世代富裕層」や「若年富裕層」と呼ばれる消費者が増加しています。彼らの獲得に成功している百貨店やラグジュアリー・ブランドは、インバウンド消費も重なり、過去最高の売上高を記録。日本のアパレルブランドも、「次世代富裕層」の日常服や、彼らに次ぐアッパーミドルを捉えようとする上質なモノ作りを志向しています。そこで「WWDJAPAN」は、先行企業と共に「次世代富裕層」との出会い方、出迎え方、そして「おもてなし」の方法までを考えるセミナーを開催します。「次世代富裕層」は、どんな価値観を持っているのか?だからこそ、接客はどうすべきなのか?などを考えながら、「次世代富裕層」とのエンゲージメントを高めることで新たなビジネスを創造するヒントを探ります。

このような人におすすめ

・今、「次世代富裕層」と関わっているVIP・VICカスタマー担当者
・これから「次世代富裕層」を出迎えたいと考えている小売店責任者
・「次世代富裕層」やアッパーミドルに向けたモノ作りを進めている企画担当者
・ファッション業界らしい「次世代富裕層」ビジネスの拡張法を知りたい異業種の皆さん

 

クーポンコードをご利用の方は、申し込み画面で入力してください。
早割クーポンコード【V2HGXLT8】/有料会員の方はこちらからクーポンコードを取得してください。

 


プログラム

【Session#1】11:00~11:20(20分)

ファッション&ビューティ業界が定義する
「次世代富裕層」と最新ビジネス動向

最初のパートでは、「次世代富裕層」の獲得にいち早く成功した、ラグジュアリー・ブランドと百貨店を取材する「WWDJAPAN」の担当記者が登壇し、「そもそも業界は、次世代富裕層をどんな人たちと捉えているのか?」「彼らは、昔の世代とどう違うのか?」「だからこそ、どんな接客を望んでいるのか?」「ブランドは、何を、どうアピールすることで彼らの支持を得ているのか?」などをおさらいします。また、国内アパレルやビューティ企業など、百貨店やラグジュアリー・ブランドに続いて次世代富裕層の開拓を目指す企業の動向もお伝えします。

スピーカー:村上 要/WWDJAPAN編集長
スピーカー:林 芳樹/WWDJAPANビジネスデスク
【Session#2】11:20~12:00(40分)

売上高1000億円突破の松屋に聞く、国内外の次世代富裕層の姿

セッション2では、国内外の「次世代富裕層」の獲得に成功している松屋銀座本店の服部延弘副店長にご登壇いただきます。昨年度、史上初めて売上高が1000億円を突破した松屋銀座本店は、上顧客向けイベントの「松美会」を筆頭に、宝飾・時計売り場の増床、高級冷食など、さまざまな「次世代富裕層」戦略に挑戦。今後はDXを通して、リアルのみならずデジタルでも「次世代富裕層」とのコミュニケーションを深めます。また、店内にイスラム教徒向けの礼拝室を設置するなど、「次世代富裕層」戦略を海外顧客にも広げようとしています。服部副店長には、来店する顧客の特徴から、出迎え方、そして、各店への接客におけるマインドセットの啓蒙や成功体験の共有などを伺います。

ゲストスピーカー:服部 延弘/株式会社松屋 銀座本店 副店長 兼 マーケティング担当
PROFILE:(はっとり・のぶひろ)1993年4月入社。紳士部門の営業、MD、販売促進等を経て2024年3月、新設されたマーケティング部門を統括する担当副店長に就任。傘下に顧客戦略部と外商部を配置し顧客基盤の拡大と深耕を一層推進し、CRM(顧客関係管理)の強化を図る。
スピーカー:林 芳樹/WWDJAPANビジネスデスク
【Session#3】12:00~12:40(40分)

「次世代富裕層」と経済圏を築いた「レオン」に学ぶビジネス拡張術

セッション3では、「次世代富裕層」も数多い読者との接点を増やし、「レオン経済圏」とも呼べる独自のマーケットを築いた「レオン」の石井洋編集長と同編集部メディアビジネスチームのメンバーにお話を伺います。「ラグジュアリーな世界観の中に、エンターテインメントと『モテたい』という本音を持ち込んで、楽しんでいただく」という「レオン経済圏」とは、どのような人たちで構成されているのでしょう?また、ECの「買えるレオン」を皮切りに、会員コミュニティーの「クラブ レオン」、そしてシンボリックなイベントまで、「レオン」らしく「次世代富裕層」ビジネスをどのように拡張しているのか?を伺います。

ゲストスピーカー:石井 洋/LEON/LEON.JP 編集長 
PROFILE:(いしい・ひろし)1974年、福島県生まれ。フリーランスのエディター兼ライターとして多岐に渡り活躍後、2001年「レオン」に参画。現在は「レオン」及びオフィシャルウェブサイト「LEON.JP」の編集長を兼任し、オフィシャルECサイト「買えるLEON」、SNSアカウント、LEON初の会員コミュニティー「Club LEON」といったアカウントを統括する
ゲストスピーカー:LEON編集部メディアビジネスチームより2名 
スピーカー:村上 要/WWDJAPAN編集長

※講義内容は予告なく変更となる場合があります。あらかじめご了承ください。

【Extra】12:45 ~13:30 (45分)

ミートアップ

会場受講の方はセミナー終了後、登壇記者も参加するミートアップにご参加いただけます。ドリンクを用意しておりますので、さらなるコミュニケーションの場としてご活用ください。

 


インフォメーション

日時

2024年8月20日(火)11:00〜13:30
※講座開始30分前から会場受付開始

実施方法

会場 または オンライン受講
※会場とオンラインの同時開催となります。
※セミナー終了後、会場&オンライン受講者へのアーカイブ配信の案内はありませんのでご了承ください。後日アーカイブ動画は、単体で購入することが可能です。
※オンライン受講の視聴用URLは、受講前日と当日に、お申し込み時に入力いただいたメールアドレスにお送りします。入力にお間違いがないようご注意ください。メールが届かない場合は迷惑メールフォルダなどもご確認ください。
※オンライン受講はOneStreamでの配信を予定しています。視聴環境をご確認ください。

会場

渋谷キャスト スペース
東京都渋谷区渋谷1-23-21

募集人数

会場:先着50名
オンライン:100名

募集期間

7/24(水)〜8/19(月)12:00まで
【早割10%OFFキャンペーン】
7/31(水)までのお申し込みで、一般価格から10%OFFで受講いただけます。
申し込み画面でクーポンコードを入力してください。
クーポンコード:V2HGXLT8

受講料金

一般価格:16,500円14,850円早割10%OFF
スタンダードプラン:
11,550円 30%OFF
ライトプラン:14,850円 10%OFF
※表示価格は全て1名様分、税込です。
※他のクーポンとの併用はできません。
※早割期間内であっても、募集人数に達し次第受け付けを締め切らせていただく場合がございます。

 

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複数人分を購入希望の方はこちら

 

特典

7月22日発行「“個”が主役の百貨店特集2024

 

注意事項

・受講料は会場とオンライン同額です。
・割引価格はクーポンをご利用時に適用となります。スタンダードとライトのクーポンコードはマイページをご確認の上、申し込み画面で入力してください。
・申し込みの受け付けは先着順です。募集人数に達し次第締め切らせていただきます。
・申し込み完了後のキャンセルは受け付けておりません。
・定期購読者で会員登録がお済みでない方はこちら
・本ページでのお支払いはクレジットカードのみとなります。コンビニ支払いをご希望の方はこちら
・適格請求書(領収書)の発行は、こちらから。記載のお宛名をご入力の上ご連絡ください。
弊社登録番号:T5-0110-0104-4278
・当日は会場内に撮影用のカメラが入ります。撮影した動画や写真は、「WWDJAPAN」Weeklyやウェブサイト、公式SNSなどで掲載する場合があります。ご了承いただける方のみお申し込みください。

 

当日、会場、オンラインともに受講できない方は、アーカイブ受講もご用意しております。

ご契約いただくと、全社員が「WWDJAPAN」のセミナーを受講できる法人プラン。

問い合わせ先
INFASパブリケーションズ カスタマーサポート
お問い合わせフォームはこちら

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【早割受付中】接客の心構えからビジネス拡張のヒントまで 盛り上がる富裕層ビジネスの捉え方&取り組み方を学ぶ

まだまだ増える!?
富裕層との出会い方、出迎え方、そして、もてなし方を学ぶ

二極化が進む日本では、「次世代富裕層」や「若年富裕層」と呼ばれる消費者が増加しています。彼らの獲得に成功している百貨店やラグジュアリー・ブランドは、インバウンド消費も重なり、過去最高の売上高を記録。日本のアパレルブランドも、「次世代富裕層」の日常服や、彼らに次ぐアッパーミドルを捉えようとする上質なモノ作りを志向しています。そこで「WWDJAPAN」は、先行企業と共に「次世代富裕層」との出会い方、出迎え方、そして「おもてなし」の方法までを考えるセミナーを開催します。「次世代富裕層」は、どんな価値観を持っているのか?だからこそ、接客はどうすべきなのか?などを考えながら、「次世代富裕層」とのエンゲージメントを高めることで新たなビジネスを創造するヒントを探ります。

このような人におすすめ

・今、「次世代富裕層」と関わっているVIP・VICカスタマー担当者
・これから「次世代富裕層」を出迎えたいと考えている小売店責任者
・「次世代富裕層」やアッパーミドルに向けたモノ作りを進めている企画担当者
・ファッション業界らしい「次世代富裕層」ビジネスの拡張法を知りたい異業種の皆さん

 

クーポンコードをご利用の方は、申し込み画面で入力してください。
早割クーポンコード【V2HGXLT8】/有料会員の方はこちらからクーポンコードを取得してください。

 


プログラム

【Session#1】11:00~11:20(20分)

ファッション&ビューティ業界が定義する
「次世代富裕層」と最新ビジネス動向

最初のパートでは、「次世代富裕層」の獲得にいち早く成功した、ラグジュアリー・ブランドと百貨店を取材する「WWDJAPAN」の担当記者が登壇し、「そもそも業界は、次世代富裕層をどんな人たちと捉えているのか?」「彼らは、昔の世代とどう違うのか?」「だからこそ、どんな接客を望んでいるのか?」「ブランドは、何を、どうアピールすることで彼らの支持を得ているのか?」などをおさらいします。また、国内アパレルやビューティ企業など、百貨店やラグジュアリー・ブランドに続いて次世代富裕層の開拓を目指す企業の動向もお伝えします。

スピーカー:村上 要/WWDJAPAN編集長
スピーカー:林 芳樹/WWDJAPANビジネスデスク
【Session#2】11:20~12:00(40分)

売上高1000億円突破の松屋に聞く、国内外の次世代富裕層の姿

セッション2では、国内外の「次世代富裕層」の獲得に成功している松屋銀座本店の服部延弘副店長にご登壇いただきます。昨年度、史上初めて売上高が1000億円を突破した松屋銀座本店は、上顧客向けイベントの「松美会」を筆頭に、宝飾・時計売り場の増床、高級冷食など、さまざまな「次世代富裕層」戦略に挑戦。今後はDXを通して、リアルのみならずデジタルでも「次世代富裕層」とのコミュニケーションを深めます。また、店内にイスラム教徒向けの礼拝室を設置するなど、「次世代富裕層」戦略を海外顧客にも広げようとしています。服部副店長には、来店する顧客の特徴から、出迎え方、そして、各店への接客におけるマインドセットの啓蒙や成功体験の共有などを伺います。

ゲストスピーカー:服部 延弘/株式会社松屋 銀座本店 副店長 兼 マーケティング担当
PROFILE:(はっとり・のぶひろ)1993年4月入社。紳士部門の営業、MD、販売促進等を経て2024年3月、新設されたマーケティング部門を統括する担当副店長に就任。傘下に顧客戦略部と外商部を配置し顧客基盤の拡大と深耕を一層推進し、CRM(顧客関係管理)の強化を図る。
スピーカー:林 芳樹/WWDJAPANビジネスデスク
【Session#3】12:00~12:40(40分)

「次世代富裕層」と経済圏を築いた「レオン」に学ぶビジネス拡張術

セッション3では、「次世代富裕層」も数多い読者との接点を増やし、「レオン経済圏」とも呼べる独自のマーケットを築いた「レオン」の石井洋編集長と同編集部メディアビジネスチームのメンバーにお話を伺います。「ラグジュアリーな世界観の中に、エンターテインメントと『モテたい』という本音を持ち込んで、楽しんでいただく」という「レオン経済圏」とは、どのような人たちで構成されているのでしょう?また、ECの「買えるレオン」を皮切りに、会員コミュニティーの「クラブ レオン」、そしてシンボリックなイベントまで、「レオン」らしく「次世代富裕層」ビジネスをどのように拡張しているのか?を伺います。

ゲストスピーカー:石井 洋/LEON/LEON.JP 編集長 
PROFILE:(いしい・ひろし)1974年、福島県生まれ。フリーランスのエディター兼ライターとして多岐に渡り活躍後、2001年「レオン」に参画。現在は「レオン」及びオフィシャルウェブサイト「LEON.JP」の編集長を兼任し、オフィシャルECサイト「買えるLEON」、SNSアカウント、LEON初の会員コミュニティー「Club LEON」といったアカウントを統括する
ゲストスピーカー:LEON編集部メディアビジネスチームより2名 
スピーカー:村上 要/WWDJAPAN編集長

※講義内容は予告なく変更となる場合があります。あらかじめご了承ください。

【Extra】12:45 ~13:30 (45分)

ミートアップ

会場受講の方はセミナー終了後、登壇記者も参加するミートアップにご参加いただけます。ドリンクを用意しておりますので、さらなるコミュニケーションの場としてご活用ください。

 


インフォメーション

日時

2024年8月20日(火)11:00〜13:30
※講座開始30分前から会場受付開始

実施方法

会場 または オンライン受講
※会場とオンラインの同時開催となります。
※セミナー終了後、会場&オンライン受講者へのアーカイブ配信の案内はありませんのでご了承ください。後日アーカイブ動画は、単体で購入することが可能です。
※オンライン受講の視聴用URLは、受講前日と当日に、お申し込み時に入力いただいたメールアドレスにお送りします。入力にお間違いがないようご注意ください。メールが届かない場合は迷惑メールフォルダなどもご確認ください。
※オンライン受講はOneStreamでの配信を予定しています。視聴環境をご確認ください。

会場

渋谷キャスト スペース
東京都渋谷区渋谷1-23-21

募集人数

会場:先着50名
オンライン:100名

募集期間

7/24(水)〜8/19(月)12:00まで
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「セルジオ ロッシ」に新クリエイティブ・ディレクター ポール・アンドリューが就任

イタリアのシューズブランド「セルジオ ロッシ(SERGIO ROSSI)」は7月24日、ポール・アンドリュー(Paul Andrew)がクリエイティブ・ディレクターに就任することを明らかにした。同ブランドがクリエイティブ・ディレクターを擁するのは、2015年の契約に基づきケリング(KERING)離れて以降、初めて。ブランドは現在、ランバングループの傘下にある。

アンドリューは「ダナ キャラン ニューヨーク(DONNA KARAN NEW YORK)」や「カルバン・クライン(CALVIN KLEIN)」「アレキサンダー・マックイーン(ALEXANDER McQUEEN)」などでキャリアを積み、2013年には自身の名前を冠にしたウィメンズのシューズブランドを始動。16年には、祖業がシューズの「サルヴァトーレ フェラガモ(SALVATORE FERRAGAMO. ブランド名は当時)」のウィメンズシューズのデザインディレクターに就任し、最終的には同ブランドの全プロダクトのクリエイティブ・ディレクターに就任した。

一方の「セルジオ ロッシ」は、フランチェスコ・ルッソ(Francesco Russo)やアンジェロ・ルジェリ(Angelo Ruggeri)が同職を担ってきたが、ケリングを離れてからは創業デザイナーのアイデンティティーを蘇らせることに注力していた。踏まえヘレン・ライト(Helen Wright)セルジオ ロッシ最高経営責任者は、アンドリューに対して「ブランドの伝統への深い敬意と、多様なオーディエンスへの理解、何よりも今日、そして明日の『セルジオ ロッシ』ウーマンのイメージを捉える活気ある創造性をもたらすだろう」との期待を寄せた。

アンドリュー新クリエイティブ・ディレクターは、「世界的に名高いシューズメイキングハウスにクリエイティブ・ディレクターとして迎えられたことは、大変嬉しく光栄。独自の革新性と高度なテクニックの精神をさらに発展させていきたい」との意気込みを示した。

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三宅健がアルバム「THE iDOL」をリリース 体現する唯一無二の“アイドル”像

三宅健
PROFILE:(みやけ・けん)/1979年7月2日生まれ、神奈川県出身。2023年7月最初のTOBEアーティストとして出発することを発表。 表現者として、新たなエンターテインメントの形に挑戦していくこと、そして新たな「アイドル像」を 描いていくことを表明した。6月22、23日には有明アリーナにて単独コンサート「2024 Live Performance The Otherside : Another Me Presented by KEN MIYAKE」を開催した
三宅健が6月5日、ソロアルバム「THE iDOL」をリリースした。30年のアイドル活動を経て三宅がたどり着いたのは、自らの職業であり生き様、そして紛れもなく現代日本を代表する文化である“アイドル”だ。

2020年代のJ-POPらしい多種多様な音楽ジャンルを詰め込んだ仕上がりながらも、何よりも印象的なのはアルバムとしての強いトータル感。そこには三宅が愛するアートへの強いリスペクトや情熱を感じずにいられない。そして、SIRUPやMicro、WurtSら数々のアーティストと共に作り上げた各楽曲にはどれも捻りが効いていて、さらりと聴き流すことも、深く掘り下げることもできるポップソングの理想的なバランスが実現されている。7月で事務所・TOBEに移籍して1年を迎えた。三宅健はどのように「THE iDOL」にたどり着いたのか?

三宅はインタビューの席に着きながら、腕に身につけた「ゴローズ(GORO’S)のバングルについて「14〜15歳の頃、ネイティブアメリカンに憧れて購入したんです。以来、『ゴローズ』以外のアクセサリーは身に着けないと決めたんです」と教えてくれた。「THE iDOL」にも、このインタビューでの発言にも、そんな三宅の初期衝動と継続への強い意思が通っている。

悲しさや苦悩までも包括した“アイドル”

WWD:三宅さんは以前、「好きなアーティストとコラボしながら、音楽を作っていきたい」といった思いを語っていました。今作にもそのコンセプトは当てはまりますか?

三宅健(以下、三宅):そうですね。普段好きで聴いているアーティストを中心に、今の自分や今の気分に合う人たちに楽曲を提供していただきました。ただ、前作であるミニアルバム「NEWWW」(2022年11月リリース)は全体的に暗めの楽曲が多かったこともあり、「今回はよりポップに」と考え、全体的に明るめの楽曲を集めたという違いはあります。

WWD:何よりも「THE iDOL」という直球ながらも含みの感じるタイトルが印象的です。メタ的に“アイドル”を掲げたのには、活動30周年という節目が関係しているのでしょうか?

三宅:今回は、若手など新進気鋭のクリエイターの方々に楽曲を提供してもらうことで、30年間アイドル業をやってきた僕の新たな一面を引き出してもらいたかった。もう一つはまだ具体的には言えないのですが、自分自身を題材としたプロジェクトを考えていて、それとリンクしたものにもなっています。
 グループとしての活動を終えて一人での活動を始めるにあたり、これからの自分について深く考えました。言ってしまえば、アイドルという選択をしなくてもよかった。でも、アイドルとしてやっていくことを決意した時に、「アイドル・三宅健とは何か?」という問いとすごく向き合うことになったんですね。そんな時期に作ったのが、シングルとしてリリースをした「Ready To Dance」と「iDOLING」です。それぞれSIRUPとMicroと一緒に作った曲ですけど、僕の頭の中と彼らの意見を重ねて試行錯誤しながら作ったので、この2曲にはリアルな僕が詰まっている。「Ready To Dance」と「iDOLING」を中心に他の楽曲が集まってきたことで、「THE iDOL」というアルバムが完成しました。

WWD:「iDOLING」はアイドルとしての華やかさだけじゃなく、苦悩までもがはっきりと描かれています。

三宅:「iDOLING」は、ファンのみんなが「三宅健という人間そのもの」を愛してくれているのか、「アイドル三宅健」としてラベリングされた自分を好きだと言ってくれているのか、それが分からなくなり苦しんだ時期に作った曲なんです。ソロでやる、と自分で決めてスタートしたはずなのに、新しい場所で活動を始めてみたら「自分がどう見えているのか」「どう思われているのか」と考え始めてしまった。そもそもこの曲は以前、Microと一緒に作ったソロ曲「悲しいほどにア・イ・ド・ル」の続編なのですが、あの曲は小泉今日子さんの名曲「なんてったってアイドル」の2010年版を作ろうと、当時の自分のアイドルに対する思いや恋愛観を込めた曲なんです。そんな曲の続きを再びMicroと作るなら、自分自身が今思っていることを含め、アイドル活動30年の過去・現在・未来を落としこまないと成立しない。そう考えて、そのタイミングでの自分のリアルな苦悩も取り入れた曲になりました。

WWD:“悲しむたびに IDOL”というフレーズが象徴するように、悩みすらも芸になるというアイドルが抱える矛盾までも歌詞になっているのが印象的です。

三宅:僕自身、メジャーとマイナーでいえば、マイナー調の曲の方が好きなんです。「悲しいほどにア・イ・ド・ル」もそうでしたが、今回の「iDOLING」も、1970年代頃のディスコをイメージして作っていて、「思わずビートを刻んじゃう、踊りたくなる曲なんだけど、流れてくるメロディーラインはちょっと切ない」という点はコンセプトとして狙っていました。そしてファンの人たちは、僕の中から出てくるちょっとした孤独感や寂しさも感じ取って見てくれていると思うんです。そういった感情の機微までも、ギリギリのラインまでは包み隠すことなく楽曲に込めるように作りました。

WWD:悩み、苦しんだ先に、結果的にはファンへの強い信頼を感じる作り方をされたのですね。

三宅:はい。アルバムの内容的にも今回は2つの軸があって、一つ目は「ファンのみんなへのメッセージ」です。12曲+ボーナストラック2曲の全14曲の中には、ファンに対する僕からの暗号がたくさん散りばめられていて、このアルバムを聴いてもらえれば暗号が解き明かされるように作っています。そしてもう一つは、「誰が聴いても楽しめる、普遍的な恋愛ソング集」というもの。この2つの軸をコンセプトとして作っているので、「THE iDOL」というタイトルにしています。

WWD:SIRUPさんとの「Ready To Dance」もMicroさんとの「iDOLING」も、三宅さんの思いやディレクションが込められている曲だと思います。それは他の楽曲でも同じですか?

三宅:いえ、全部の収録曲がそうなってしまうとつまらないので、全曲はあえてディレクションしないようにしています。例えば、「BOY」という曲がそうですね。よく行くカフェにDJをやっているスタッフさんがいて。話をしているうちに「知り合いから『ヤバいデモができた』って曲が送られてきたんですけど」と言われ、聴いてみたらものすごく良かった。そんな、偶然のつながりからできた楽曲です。

WWD:作為と無作為のバランスは、作品の内容やムードに大きな影響を与えますよね。

三宅:音楽に限らずアートもそうなのですが、僕は想像する余白がある作品や表現がすごく好きなんです。だから、自分の作品にもそういう余白は残しておきたいし、その遊びを楽しんでほしいなと思います。もちろん伏線が回収されていく気持ちよさみたいなものもありますが、全ての伏線が回収される必要もないと思うし、そこに面白さがあると思うんですよね。

WWD:三宅さんは以前「アーティストは何か生み出す存在であり、自分はあくまでアイドル」といった内容の発言をされていましたが、今作「THE iDOL」全体のコンセプト作りを含めたプロデュース/ディレクションワークからは、「アーティスト三宅健」が強くにじみ出ているように感じます。

三宅:グループがなくなったときに、自分を何者と名乗ろうか考えたんです。その時に、やっぱりアイドルという言葉が一番しっくりきたんですよね。言葉の捉え方は人それぞれですが、僕の場合は0から何かをクリエイトする人がクリエイターでありアーティストだという認識があるし、周りにも友だちにもそういう優秀なクリエイターやアーティストの人たちがいるんです。だから、「表現者?……違う」。「アーティスト?……違う」って。もちろん自分はアート思考でものを考えるのが好きだし、クリエイティブなことも好きなので、そこの追求はしたい。けれども、自分の中にクリエイターやアーティストへの強いリスペクトがあるからこそ「名乗りたくない」と思いました。改めてアイドルという言葉を辞書で調べたら、偶像や幻想という言葉が出てきて、それを見た時、「アイドル=何者にもなり得る存在」と捉えたんです。

WWD:なるほど。

三宅:だから今回の「THE iDOL」というアルバムは、タイムレスでジャンルレスな作品にしたいと思いました。なぜなら、アイドルという存在自体がボーダーを超えられる特性を持っているからです。何色にでも染まることができて、自由に色々な所を行き来できる存在=アイドル。それは音楽性だけの話じゃなく、仕事の面でもそうです。バラエティをやることもあれば、お芝居の仕事をすることもあれば、歌唱することもある。だから、僕は今改めて、アイドルと名乗りたいと思ったんです。

WWD:近年、三宅さんの発言や動きからは、アイドル文化への課題意識やその改善を目指す意思が感じられます。

三宅:おこがましいようであまり声高に言いたくはないのですが、自分自身が30年アイドルをやってきた中で、偉大な先輩たちがアイドルという仕事の枠を広げてくれた恩恵を強く感じていて、彼らへのリスペクトや感謝がある。そして、アイドルという文化に強い可能性を感じるからこそ、アップデートできたらと。というのも、どうしてもアイドルって専門性がないように見えて軽んじられたり、あるいは短期的に消費されたりする文化が日本には根付いている。この状況を良い方向性に変えてゆきたいという気持ちがあります。

WWD:短期的な消費という点は、特に女性アイドルにおいて指摘されるポイントだと思いますが、男性もそこは同じだと感じられますか?

三宅:そうですね。男性アイドルの場合、僕らの世代ではSMAPがすごく活動の場を広げてくれた存在です。その恩恵を僕らは受けている。でも、今は僕らの時以上にアイドル戦国時代で、いろんなアイドルの形があって、生き残っていくことは本当に大変な時代だと思います。そんな時代だからこそ、僕は、アイドルとその外側の何かを掛け合わせることで、後進のアイドルに新しい道を作ることができたらいいなと思っています。

WWD:たしかにSMAPは年齢的にも活動範囲の点でも、アイドルの枠組みを広げた存在ですよね。

三宅:SMAPは間違いなく僕の中での揺るぎないアイドル像であって、多感な時期を一緒に過ごすことができた青春そのものです。だから、それはずっと色褪せない存在ですね。

WWD:「iDOLING」のMVのダンスシーンには、三宅さんがリスペクトする中居正広さんを経由してマイケル・ジャクソンへ至るような、アイドル文化の歴史へのリスペクトを感じました。そうした「アイドル文化の継承」は、三宅さんが意識されているポイントですか?

三宅:「継承しよう」と意識して活動しているわけではないです。ただ、自分がアイドルとして30年活動してきた中で、自分がこれからのアイドルの道を構築していくのかを考えるべき立場や世代になってきたのは間違いないですね。日々、「自分は何をすればいいのか」「アイドル・三宅健には何ができるのか」といったことは考えています。三宅健が「アイドル・三宅健」を作っていく。それを生涯かけて続けることができれば、それはいつかどこかである種の「創作活動」になるのではないかと思っています。

CREDIT
ジャケット30万8000円、パンツ13万2000円/以上、リバーバレイト(イーライト03-6712-7034)、ベスト3万7400円/ティーエイチプロダクツ(TARO HORIUCHI Inc. contact@a-tconcepts.com) 、シューズ7万2600円/アデュー(バウ インク070-9199-0913)、その他、本人私物
PHTOS:SHUHEI TSUNEKAWA(SIGNO)
STYLING:MASAAKI IDA
HAIR & MAKEUP : KENJI IDE(UM)

INFORMATION

■「THE iDOL」

2024年6月5日リリース
9:00〜20:00(最終入場19:00)
3形態(初回限定盤A、初回限定盤B、通常盤)
収録曲:
M1 ホーンテッド
M2 Ready To Dance M3 100CANDLE
M4 DROP
M5 iDOLING
M6 ジェットコースター M7 I'm good
M8 circus
M9 mydoll
M10 Unzari
M11 ドラマチック M12 BOY
Bonus1 LOVE Bottle
Bonus2 星に願いを

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「ルイ・ヴィトン」の親会社、24年上半期は14%減益 中国市場の景気減速が響く

LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)の2024年1〜6月期(上半期)決算は、売上高が前年同期比1.3%減(現地通貨ベースでは2%増)の416億7700万ユーロ(約7兆1267億円)、営業利益は同8.1%減の106億2400万ユーロ(約1兆8167億円)、純利益は同14.3%減の72億6700万ユーロ(約1兆2426億円)だった。

部門別の売上高では、主要事業のファッション・レザーグッズ部門が同1.8%減(現地通貨ベースでは1%増)の207億7100万ユーロ(約3兆5518億円)だった。スターブランドの「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」と「ディオール(DIOR)」は引き続き好調で、「セリーヌ(CELINE)」「ロエベ(LOEWE)」「ロロ・ピアーナ(LORO PIANA)」などのブランドも売り上げに貢献した。

LVMHはブランド別での売上高は開示していないが、ジャン・ジャック・ギヨニー(Jean-Jacques Guiony)最高財務責任者(CFO)は、アナリスト向けの決算説明会で、米国では「ルイ・ヴィトン」より「ディオール」の、中国では逆に「ディオール」より「ルイ・ヴィトン」の業績がよかったと述べた。同氏はまた、「ルイ・ヴィトン」が7月上旬に2〜3%の値上げをしたという複数の海外メディアによる報道を事実だと認めた。同ブランドが値上げをしたのは、23年2月以来となる。

なお、6月には、LVMHが擁するクリスチャン ディオール クチュール(CHRISTIAN DIOR COUTURE)のイタリアの子会社で、「ディオール」のバッグなどの生産を行うマニュファクチャラーズ ディオール(MANUFACTURERS DIOR)のサプライヤーである中国系の下請け企業が、イタリアの生産工場で不法滞在の移民などを最低賃金以下で雇用し、「倫理的に認められない衛生状況下」で過負荷状態の機械を稼働させていたことなどが明らかに。当該の工場は人権侵害により1年間、行政の指導下に置かれることとなった。ギヨニーCFOは、本件について同ブランドに全ての責任があるとしながらも、サプライヤーのサブコントラクターなどにおける労働条件について認識していなかったと説明。今後は再発防止策として監査をより頻繁かつ厳密に行い、生産工程の垂直統合を急ぐと述べた。

「ティファニー(TIFFANY & CO.)」「ブルガリ(BVLGARI)」「タグ・ホイヤー(TAG HEUER)」などの人気ブランドを抱えるウオッチ&ジュエリー部門は、同5.1%減の51億5000万ユーロ(約8806億円)だった。「ティファニー」の店舗のうちおよそ30店を上半期に改装したことや、“ティファニー T”や“ティファニー ロック”などのアイコニックなコレクションにフォーカスするべくブランドのリポジショニングを行っていることなどが業績に影響したという。

香水&コスメティクス部門は同2.6%増の41億3600万ユーロ(約7072億円)、免税店のDFSや化粧品のセレクトショップ、セフォラ(SEPHORA)などを運営するセレクティブ・リテール部門は同3.3%増の86億3200万ユーロ(約1兆4760億円)だった。主に中国市場における高級酒の需要が減速しているワイン&スピリッツ部門は、同11.7%減の28億700万ユーロ(約4799億円)だった。

「日本での増収には利益面で代償もある」

地域別の売上高では、フランスが同3.4%増の32億8900万ユーロ(約5624億円)、フランスを除く欧州は同1.6%増の66億2800万ユーロ(約1兆1333億円)といずれもほぼ前年同期並みで、米国は同0.6%減の102億5600万ユーロ(約1兆7537億円)と微減だった。円安とインバウンド需要が続く日本は同27.5%増の37億7000万ユーロ(約6672億円)と2桁成長だったが、中国の消費者が日本でラグジュアリーグッズを購入していることから、日本を除くアジア太平洋地域は同12.5%減の123億6700万ユーロ(約2兆1147億円)となった。

ギヨニーCFOは、「日本市場での成長をうれしく思うが、利益や利益率の面で代償もある」と指摘。値上げを実施したものの、日本と他国における価格差や為替レートの影響を相殺してきれていないことや、日本で賃料や人件費が上昇していることによって利益が圧迫されていると説明した。

パリ五輪のスポンサー費用は256億円と情報筋

ベルナール・アルノーLVMH会長兼最高経営責任者は、「24年上半期の業績は、経済上および地政学上の先行き不透明感が続く中、各メゾンがそれに迅速に対応し、それぞれの強みを発揮したことを反映している。また、パリオリンピック・パラリンピックのパートナー企業として、各メゾンのクリエイティビティーやクラフツマンシップ、社会への深いコミットメントを共有することでこの大イベントを成功に導き、世界的な舞台でフランスが輝くことをサポートできて大変光栄に思う。社会情勢を慎重に注視しつつ、下半期も自信を持って事業を進め、ラグジュアリーグッズ分野におけるグローバルリーダーとしてのポジションを強化していく」と語った。

情報筋によれば、パリ五輪のプレミアム・パートナーであるLVMHが負担するスポンサー費用は、1億5000万ユーロ(約256億円)程度ではないかという。

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「ルイ・ヴィトン」の親会社、24年上半期は14%減益 中国市場の景気減速が響く

LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)の2024年1〜6月期(上半期)決算は、売上高が前年同期比1.3%減(現地通貨ベースでは2%増)の416億7700万ユーロ(約7兆1267億円)、営業利益は同8.1%減の106億2400万ユーロ(約1兆8167億円)、純利益は同14.3%減の72億6700万ユーロ(約1兆2426億円)だった。

部門別の売上高では、主要事業のファッション・レザーグッズ部門が同1.8%減(現地通貨ベースでは1%増)の207億7100万ユーロ(約3兆5518億円)だった。スターブランドの「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」と「ディオール(DIOR)」は引き続き好調で、「セリーヌ(CELINE)」「ロエベ(LOEWE)」「ロロ・ピアーナ(LORO PIANA)」などのブランドも売り上げに貢献した。

LVMHはブランド別での売上高は開示していないが、ジャン・ジャック・ギヨニー(Jean-Jacques Guiony)最高財務責任者(CFO)は、アナリスト向けの決算説明会で、米国では「ルイ・ヴィトン」より「ディオール」の、中国では逆に「ディオール」より「ルイ・ヴィトン」の業績がよかったと述べた。同氏はまた、「ルイ・ヴィトン」が7月上旬に2〜3%の値上げをしたという複数の海外メディアによる報道を事実だと認めた。同ブランドが値上げをしたのは、23年2月以来となる。

なお、6月には、LVMHが擁するクリスチャン ディオール クチュール(CHRISTIAN DIOR COUTURE)のイタリアの子会社で、「ディオール」のバッグなどの生産を行うマニュファクチャラーズ ディオール(MANUFACTURERS DIOR)のサプライヤーである中国系の下請け企業が、イタリアの生産工場で不法滞在の移民などを最低賃金以下で雇用し、「倫理的に認められない衛生状況下」で過負荷状態の機械を稼働させていたことなどが明らかに。当該の工場は人権侵害により1年間、行政の指導下に置かれることとなった。ギヨニーCFOは、本件について同ブランドに全ての責任があるとしながらも、サプライヤーのサブコントラクターなどにおける労働条件について認識していなかったと説明。今後は再発防止策として監査をより頻繁かつ厳密に行い、生産工程の垂直統合を急ぐと述べた。

「ティファニー(TIFFANY & CO.)」「ブルガリ(BVLGARI)」「タグ・ホイヤー(TAG HEUER)」などの人気ブランドを抱えるウオッチ&ジュエリー部門は、同5.1%減の51億5000万ユーロ(約8806億円)だった。「ティファニー」の店舗のうちおよそ30店を上半期に改装したことや、“ティファニー T”や“ティファニー ロック”などのアイコニックなコレクションにフォーカスするべくブランドのリポジショニングを行っていることなどが業績に影響したという。

香水&コスメティクス部門は同2.6%増の41億3600万ユーロ(約7072億円)、免税店のDFSや化粧品のセレクトショップ、セフォラ(SEPHORA)などを運営するセレクティブ・リテール部門は同3.3%増の86億3200万ユーロ(約1兆4760億円)だった。主に中国市場における高級酒の需要が減速しているワイン&スピリッツ部門は、同11.7%減の28億700万ユーロ(約4799億円)だった。

「日本での増収には利益面で代償もある」

地域別の売上高では、フランスが同3.4%増の32億8900万ユーロ(約5624億円)、フランスを除く欧州は同1.6%増の66億2800万ユーロ(約1兆1333億円)といずれもほぼ前年同期並みで、米国は同0.6%減の102億5600万ユーロ(約1兆7537億円)と微減だった。円安とインバウンド需要が続く日本は同27.5%増の37億7000万ユーロ(約6672億円)と2桁成長だったが、中国の消費者が日本でラグジュアリーグッズを購入していることから、日本を除くアジア太平洋地域は同12.5%減の123億6700万ユーロ(約2兆1147億円)となった。

ギヨニーCFOは、「日本市場での成長をうれしく思うが、利益や利益率の面で代償もある」と指摘。値上げを実施したものの、日本と他国における価格差や為替レートの影響を相殺してきれていないことや、日本で賃料や人件費が上昇していることによって利益が圧迫されていると説明した。

パリ五輪のスポンサー費用は256億円と情報筋

ベルナール・アルノーLVMH会長兼最高経営責任者は、「24年上半期の業績は、経済上および地政学上の先行き不透明感が続く中、各メゾンがそれに迅速に対応し、それぞれの強みを発揮したことを反映している。また、パリオリンピック・パラリンピックのパートナー企業として、各メゾンのクリエイティビティーやクラフツマンシップ、社会への深いコミットメントを共有することでこの大イベントを成功に導き、世界的な舞台でフランスが輝くことをサポートできて大変光栄に思う。社会情勢を慎重に注視しつつ、下半期も自信を持って事業を進め、ラグジュアリーグッズ分野におけるグローバルリーダーとしてのポジションを強化していく」と語った。

情報筋によれば、パリ五輪のプレミアム・パートナーであるLVMHが負担するスポンサー費用は、1億5000万ユーロ(約256億円)程度ではないかという。

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エスティ ローダー、経理・財務担当者がCFOに昇格 トラヴィスCFOの後任に

エスティ ローダー カンパニーズ(ESTEE LAUDER COMPANIES)は7月23日(現地時間)、エグゼクティブ・バイスプレジデント兼最高財務責任者(CFO)にアキル・スリヴァスタヴァ(Akhil Shrivastava)氏を任命した。11月1日付の人事と見られる。前任のトレイシー・トーマス・トラヴィス(Tracey Thomas Travis)現CFOと同様に、ウィリアム・P・ローダー(William P. Lauder)エグゼクティブ・チェアマンとファブリツィオ・フリーダ(Fabrizio Freda)最高経営責任者(CEO)の監督下となる。トラヴィスCFOは移行をサポートするため、退職する2025年6月30日まで同社に留まる。

スリヴァスタヴァ新CFOは15年に入社して以来、重要な財務役職を務めてきた。直近では、同社のシニア・バイスプレジデント兼経理・財務担当者に就任。また、「利益回復・成長計画」の一環として、在庫やコスト改善の監督を担っている。過去にはプロクター・アンド・ギャンブル(PROCTER & GAMBLE)に18年間勤務し、アジアや北米、グローバルビジネス全体で財務およびリーダーシップを担当した。

フリーダCEOは声明で、「25年以上の財務とリーダーシップの経験から、アキル氏は非常に優秀なリーダーで、財務および戦略的専門知識と見識で社を支えてきた。われわれの戦略を前進させる手助けをしてくれるだろう。より強固で持続可能な収益と売り上げ成長を続ける中で、共に働けることを楽しみにしている」と述べた。

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「キャプテン翼」連載43年の集大成 三越日本橋本店で原画展

三越日本橋本店は、人気漫画「キャプテン翼」の原画などを集めた企画展「キャプテン翼原画展〜FINAL そして未来へ〜」を24日から8月5日まで本館7階の催物会場で開催する。

国内外で累計9000万部以上を発行し、今年4月に43年にわたる雑誌連載を終えた同作品の歴史を堪能できるイベント。作者の高橋陽一さんのカラー原稿や漫画原稿、ネーム(下書き)まで150点以上が展示されるほか、高橋さんの仕事場を再現したコーナー、翼を愛する各国のスーパースターのサイン入りユニホームを見ることができる。24日から29日までは第2会場として本館1階の中央ホールでも特別展示が行われ、高橋さんのトークショーやアニメ主題歌「燃えてヒーロー」のパイプオルガン演奏も企画されている。

前日の23日には高橋さん、サッカー元日本代表で現在は南葛SCに所属する稲本潤一選手によるオープニングセレモニーが行われた。高橋さんは「印刷される前の生の原稿をぜひ見てほしい」とあいさつした。

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小林製薬の会長・社長が紅麹問題を受け引責辞任 後任は創業家外の専務

小林製薬は23日、紅麹サプリを巡る健康被害問題を受け、小林一雅会長(84)が23日付、小林章浩社長(53)が8月8日付で辞任し、後任の社長には山根聡専務(64)が昇格する人事を発表した。105年の歴史で、創業家外からトップが選ばれるのは今回が初。紅麹問題における一連の問題について、経営責任を明確にするため一雅会長は特別顧問、章浩社長は代表権のない取締役補償担当に退く。

山根専務は、サステナビリティ経営本部本部長を兼任しながらGOM(執行役員を主な構成員とするグループ執行審議会)にも参加している。同社によると「章浩社長とともに本件事案への危機対応を率先して行うべき地位にあり、その経営責任は重い」ことから専務として受領済みの月額報酬の40%相当額の6カ月分を自主的に返上するという。

章浩社長に関しては、「本件事案への危機対応においてリーダーシップを発揮するこ
とができず、結果として行政報告や公表の遅れを招いたことの経営責任は重大であり、代表取締役社長の地位を辞任することとなった」と説明。代表取締役社長として受領済みの月額報酬の50%相当額の6カ月分を自主的に返上する。

一雅会長に関しては、すでに経営の現場からは距離を置いており、本件事案への対
応に直接的に関与していたわけではないという。「しかし、代表取締役会長としての職責は重く、また、本件事案を公表した後における被害発生状況の行政報告の遅れに関する問題もあり、取締役会は同会長の経営責任は重いと判断した」とコメント。今後は同社の再建に向けて、会長の知見と経験などを生かすことが有用と判断し、特別顧問の職を委嘱したとしている。

同社は2016年に肌着メーカーのグンゼから紅麹関連の事業を譲り受け、紅麹原料の製造を大阪工場で始めた。それまで紅麹を扱った経験がなく、グンゼから設備の提供を受け、技術者にも入社してもらった。以降、紅麹原料を他社へ販売してきたが、21年4月に自社商品のサプリ“紅麹コレステヘルプ”を発売。今年の3月まで約103万個を販売した。しかし、“紅麹コレステヘルプ”を摂取した人が腎疾患などが発生したとの報告を受け、3月22日付けで紅麹関連製品を自主回収を発表した。

これら紅麹問題を受け、同社の24年1〜3月期連結業績では、38億6200万円の特別損失を計上。内訳は、製品回収関連の損失が6億4800万円、関連する製造設備の減損損失が2億1300万円。引き続き、対象商品3品の回収を実施している。

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小林製薬の会長・社長が紅麹問題を受け引責辞任 後任は創業家外の専務

小林製薬は23日、紅麹サプリを巡る健康被害問題を受け、小林一雅会長(84)が23日付、小林章浩社長(53)が8月8日付で辞任し、後任の社長には山根聡専務(64)が昇格する人事を発表した。105年の歴史で、創業家外からトップが選ばれるのは今回が初。紅麹問題における一連の問題について、経営責任を明確にするため一雅会長は特別顧問、章浩社長は代表権のない取締役補償担当に退く。

山根専務は、サステナビリティ経営本部本部長を兼任しながらGOM(執行役員を主な構成員とするグループ執行審議会)にも参加している。同社によると「章浩社長とともに本件事案への危機対応を率先して行うべき地位にあり、その経営責任は重い」ことから専務として受領済みの月額報酬の40%相当額の6カ月分を自主的に返上するという。

章浩社長に関しては、「本件事案への危機対応においてリーダーシップを発揮するこ
とができず、結果として行政報告や公表の遅れを招いたことの経営責任は重大であり、代表取締役社長の地位を辞任することとなった」と説明。代表取締役社長として受領済みの月額報酬の50%相当額の6カ月分を自主的に返上する。

一雅会長に関しては、すでに経営の現場からは距離を置いており、本件事案への対
応に直接的に関与していたわけではないという。「しかし、代表取締役会長としての職責は重く、また、本件事案を公表した後における被害発生状況の行政報告の遅れに関する問題もあり、取締役会は同会長の経営責任は重いと判断した」とコメント。今後は同社の再建に向けて、会長の知見と経験などを生かすことが有用と判断し、特別顧問の職を委嘱したとしている。

同社は2016年に肌着メーカーのグンゼから紅麹関連の事業を譲り受け、紅麹原料の製造を大阪工場で始めた。それまで紅麹を扱った経験がなく、グンゼから設備の提供を受け、技術者にも入社してもらった。以降、紅麹原料を他社へ販売してきたが、21年4月に自社商品のサプリ“紅麹コレステヘルプ”を発売。今年の3月まで約103万個を販売した。しかし、“紅麹コレステヘルプ”を摂取した人が腎疾患などが発生したとの報告を受け、3月22日付けで紅麹関連製品を自主回収を発表した。

これら紅麹問題を受け、同社の24年1〜3月期連結業績では、38億6200万円の特別損失を計上。内訳は、製品回収関連の損失が6億4800万円、関連する製造設備の減損損失が2億1300万円。引き続き、対象商品3品の回収を実施している。

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ジーユーが社内ロープレ大会を実施 グローバルブランド目指しトレンド提案力強化

「ジーユー(GU)」は、同社の販売員日本一を表彰する社内ロールプレーイングコンテスト“スター・セールス・スタッフ・グランプリ(以下、SSSG)”を開催した。半期に1度開催しているもので、半年前に開始して今回が2回目。ファーストリテイリングの東京・有明本部に全国8エリアの予選を勝ち抜いた8人の代表が集合し、声かけやトレンド提案の力を競った。優勝したのは、「ジーユー ヨドバシ博多店」のシニアパートナースタッフ、西尾圭子さん。副賞として10万円相当の宿泊体験ギフトが贈られた。

“SSSG”は全国の販売員やスーパーバイザーら計200人が有明本部に集まる研修に合わせて実施。一律のお題でロールプレーイングが行われ、個性を競う形を採っている。客役はMDやEC担当者が務め、審査員は大笘直樹ファーストリテイリンググループ執行役員ジーユー グローバルCOOや、営業部、教育部門の担当者のほか、R&Dや商品計画など、普段は直接客と接しない部門の担当者も務めている点がポイントだ。

商品力とサービスを磨いてグローバルに

優勝した西尾さんは、他業種での接客・販売職を経て2018年にジーユーに入社。「数あるアパレルショップの中でも『ジーユー』、さらにその中でも自店に訪れていただいたことを感謝し、それをお客さまにも伝えるようにしている。コロナ禍による店舗休業も経験し、改めてお客さまが店舗やわれわれのことを必要だと思って、訪れてくださることが本当にありがたい」とコメント。「ジーユー」の魅力は、「年齢を超えて、ブランド名の通り“自由”にファッションを楽しめること。自店には実際に70〜80代のお客さまもいらっしゃり、地域に根差した店になっていることがうれしい」と話した。

「ジーユー」は、「ユニクロ(UNIQLO)」と同様にセミセルフ接客を基本としているが、「『ジーユー』ならではとして、トレンドを伝えたり、スタイリング提案をしたりといった接客を強めている」と広報担当者。コーディネート提案を積極的に行うための独自の販売スタッフ認定制度“おしゃリスタ”も設け、店舗によっては、予約制で“おしゃリスタ”の接客をじっくり受けられるような仕組みも導入している。大笘COOは大会後の総評として、「ブランドとしてグローバルな存在になることを掲げているが、世界で認知されるために必要なものは商品とサービスの2つ。(中略)サービスは同じことをやり続けるのではなく、環境に合わせてどんどん進化させていくべき」と語った。

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暑い夏、長い夏:記者談話室vol.137

「WWDJAPAN」ポッドキャストの「記者談話室」は、ファッション業界のその時々のニュースや話題について、3人の記者が分かりやすく解説したり、時には脱線したりしながら、掘り下げていきます。

137回目のテーマは「暑い夏、長い夏」です。関東も梅雨明けし、いよいよ夏本番を迎えました。ファッションは気候に大きく左右される産業です。季節感や寒暖差のメリハリによって商品を動かしてきましたが、日本の四季は夏が長期化し、9月はもちろん、10月でも半袖で過ごせる日が多くなりました。商品カレンダーの見直しは、どのように進んでいるのでしょうか。

「記者談話室」ではみなさまからのお便りをお待ちしております。ご感想ご意見を聞かせてください。メールアドレスは、danwashitu@infaspub.co.jp です。

この配信は以下のアプリでもご利用いただけます。
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「トム フォード」のピーター・ホーキングス退任 創業デザイナーからバトンを受け取り2シーズン

「トム フォード(TOM FORD)」のクリエイティブ・ディレクターを務めるピーター・ホーキングス(Peter Hawkings)がブランドを去ることが明らかになった。創業デザイナーのトム・フォードからクリエイティブのトップのバトンを受け継いで、わずか2シーズンでの退任となる。9月に発表する2025年春夏シーズンについては、ミラノで展示会形式で発表予定。後任のデザイナーについては、間もなく発表するという。

ピーターは、トム・フォードが「グッチ」のトップを務めていた1998年、メンズウエアのデザインアシスタントとして「グッチ」に入社。その後、「グッチ」ではメンズのシニアデザイナーにまで昇格したが、トム・フォードが自身の名前を冠にしたブランドを立ち上げると2006年に移籍。最終的には「トム フォード」メンズのトップを務め、サングラスやバッグ、シューズ、ジュエリーなども監修した。トムからは全幅の信頼を得て、ブランド全体のクリエイティブのトップに就任したはずだった。

「トム フォード」は現在、「トム フォード ビューティ」ブランドのもとでフレグランスやカラーコスメなどを手掛けているビューティ企業のエスティ ローダーが知的財産などを取得しているが、同社はファッションの中核からは遠く、現在実質のビジネスはライセンス契約を踏まえてファッション事業全般の生産などを手掛けてきたエルメネジルド ゼニア(ERMENEGILDO ZEGNA)が担っている。ピーターの突然の退任は、同社のジルド・ゼニア(Gildo Zegna)代表取締役会長兼最高経営責任者の影響である可能性が高い。

ファッションの「トム フォード」を世界でトップ10のビューティブランドに育てたい意向のゼニア会長兼CEOは、レリオ・ガヴァッツァ(Lelio Gavazza)をトム フォード ファッションのCEOに任命している。トム フォード ファッションは買収や組織変更に伴い赤字決算だが、ファッション事業は順調に成長していた。一方、ピーターのクリエイションについては、賛否両論だったという。

ゼニアは現在、「エルメネジルド ゼニア」のほか、「トム ブラウン(THOM BROWNE)」を手掛けている。

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「トム フォード」のピーター・ホーキングス退任 創業デザイナーからバトンを受け取り2シーズン

「トム フォード(TOM FORD)」のクリエイティブ・ディレクターを務めるピーター・ホーキングス(Peter Hawkings)がブランドを去ることが明らかになった。創業デザイナーのトム・フォードからクリエイティブのトップのバトンを受け継いで、わずか2シーズンでの退任となる。9月に発表する2025年春夏シーズンについては、ミラノで展示会形式で発表予定。後任のデザイナーについては、間もなく発表するという。

ピーターは、トム・フォードが「グッチ」のトップを務めていた1998年、メンズウエアのデザインアシスタントとして「グッチ」に入社。その後、「グッチ」ではメンズのシニアデザイナーにまで昇格したが、トム・フォードが自身の名前を冠にしたブランドを立ち上げると2006年に移籍。最終的には「トム フォード」メンズのトップを務め、サングラスやバッグ、シューズ、ジュエリーなども監修した。トムからは全幅の信頼を得て、ブランド全体のクリエイティブのトップに就任したはずだった。

「トム フォード」は現在、「トム フォード ビューティ」ブランドのもとでフレグランスやカラーコスメなどを手掛けているビューティ企業のエスティ ローダーが知的財産などを取得しているが、同社はファッションの中核からは遠く、現在実質のビジネスはライセンス契約を踏まえてファッション事業全般の生産などを手掛けてきたエルメネジルド ゼニア(ERMENEGILDO ZEGNA)が担っている。ピーターの突然の退任は、同社のジルド・ゼニア(Gildo Zegna)代表取締役会長兼最高経営責任者の影響である可能性が高い。

ファッションの「トム フォード」を世界でトップ10のビューティブランドに育てたい意向のゼニア会長兼CEOは、レリオ・ガヴァッツァ(Lelio Gavazza)をトム フォード ファッションのCEOに任命している。トム フォード ファッションは買収や組織変更に伴い赤字決算だが、ファッション事業は順調に成長していた。一方、ピーターのクリエイションについては、賛否両論だったという。

ゼニアは現在、「エルメネジルド ゼニア」のほか、「トム ブラウン(THOM BROWNE)」を手掛けている。

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しまむら創業者、島村恒俊さんが死去 享年98

「ファッションセンターしまむら」を運営するしまむらの創業者、島村恒俊(しまむら・のぶとし)さんが老衰のため7月13日に死去した。享年98。通夜および葬儀は近親者で済ませた。後日、お別れの会を執り行う予定。

島村家は埼玉県小川町で呉服販売の個人商店を代々運営。1953年に恒俊さんが株式会社に組織変更し、島村呉服店として設立すると共に、取り扱い品目を呉服に加え、当時消費が急増していた既製服や生地、仕立てに拡大。60年代以降、チェーン化理論を取り入れて全国隅々に店舗を拡大してきた。72年にしまむらに社名変更。

しまむらの店舗数は、基幹の「ファッションセンターしまむら」のほか、「アベイル」など計5業態で国内2185店、台湾43店(5月20日時点)。2024年2月期売上高は前期比3.1%増の6350億円、営業利益は同3.8%増の553億円と、ファッション専業ではファーストリテイリングに次ぐ国内2位の規模となっている。

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高級ホテル「ラッフルズ」が日本初上陸 新・世界貿易センタービルに2028年開業

東京・浜松町の世界貿易センタービルディングの建て替えプロジェクトの概要が発表された。2027年から順次開業する「本館」「ターミナル」には、高級ホテルのラッフルズが日本初進出するほか、JR東日本の商業ビルのアトレが入る。JR、東京モノレール、東京メトロの結節点に位置する再開発で、オフィス、バスターミナル、観光施設、医療機関、住宅などの複合施設になる。

建て替えプロジェクトは、世界貿易センタービルディング、鹿島建設、東京モノレール、JR東日本が事業者となる。21年に閉館した世界貿易センタービルディング(1970年竣工)の跡地を中心に再開発を進める。21年に先行開業した「南館」(地上38階、高さ200m)に続き、本館(地上46階、高さ235m)、ターミナル(地上8階、高さ55m)などで構成する。駅と一体化した再開発によって、JR・東京モノレールの改札と3階が直結する。

28年開業予定の「ラッフルズ東京」は、本館の36〜46階に入る。全室60平方メートル以上のゆったりした130の客室のほか、レストラン、屋内プール、スパなどを完備する。ラッフルズの名物であるロングバーとライターズバーも営業する。羽田空港とのアクセスが良い浜松町で、国内外の観光客やビジネス客を呼び込む。

ラッフルズは1887年にシンガポールで創業。現在は仏アコーホテルズの最上級ブランドとして展開されており、パリ、ロンドン、ボストン、イスタンブール、ドバイ、ドーハ、モルディブなどにホテルがある。

アトレはターミナルの3〜5階、東京モノレール・浜松町駅2〜3階に27年度中にオープンする。延床面積は合計8400平方メートル前後の予定。リーシングの内容はまだ確定していないという。アトレがメインテナントとして入居するターミナルの屋上には芝生の広場が設けられる。

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高級ホテル「ラッフルズ」が日本初上陸 新・世界貿易センタービルに2028年開業

東京・浜松町の世界貿易センタービルディングの建て替えプロジェクトの概要が発表された。2027年から順次開業する「本館」「ターミナル」には、高級ホテルのラッフルズが日本初進出するほか、JR東日本の商業ビルのアトレが入る。JR、東京モノレール、東京メトロの結節点に位置する再開発で、オフィス、バスターミナル、観光施設、医療機関、住宅などの複合施設になる。

建て替えプロジェクトは、世界貿易センタービルディング、鹿島建設、東京モノレール、JR東日本が事業者となる。21年に閉館した世界貿易センタービルディング(1970年竣工)の跡地を中心に再開発を進める。21年に先行開業した「南館」(地上38階、高さ200m)に続き、本館(地上46階、高さ235m)、ターミナル(地上8階、高さ55m)などで構成する。駅と一体化した再開発によって、JR・東京モノレールの改札と3階が直結する。

28年開業予定の「ラッフルズ東京」は、本館の36〜46階に入る。全室60平方メートル以上のゆったりした130の客室のほか、レストラン、屋内プール、スパなどを完備する。ラッフルズの名物であるロングバーとライターズバーも営業する。羽田空港とのアクセスが良い浜松町で、国内外の観光客やビジネス客を呼び込む。

ラッフルズは1887年にシンガポールで創業。現在は仏アコーホテルズの最上級ブランドとして展開されており、パリ、ロンドン、ボストン、イスタンブール、ドバイ、ドーハ、モルディブなどにホテルがある。

アトレはターミナルの3〜5階、東京モノレール・浜松町駅2〜3階に27年度中にオープンする。延床面積は合計8400平方メートル前後の予定。リーシングの内容はまだ確定していないという。アトレがメインテナントとして入居するターミナルの屋上には芝生の広場が設けられる。

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【無料キャリアセミナー】「ユナイテッドアローズ」創設者 栗野上級顧問&若手社員が語るファッションを仕事にするやりがい

 \学生・第二新卒者向けセミナー/
セレクトショップ最大手のユナイテッドアローズから紐解く
「ファッションへの情熱を仕事にする楽しさ」

「WWDJAPAN」は8月23日、ユナイテッドアローズと学生・25歳以下の社会人を対象とした企業研究セミナーを開催します。創業は1989年、日本屈指のセレクトショップとして成長したユナイテッドアローズは現在4つの関連会社や法人サービスで1300億円以上の年商を誇っています。
社名に込めたのは、ひとつの目標に向かって直進する矢(ARROW)を束ねた(UNITED)もののようでありたいという、団結への思い。「お客さま第一主義」を貫きながら、ファッションへの情熱を燃やし直進する社員を束ねています。
今回の企業研究は、創業者の一人、栗野宏文ユナイテッドアローズ上級顧問が当時から変わらぬファッションへの愛と、社会と呼応するように変わり続けるその姿を伝授。束ねた矢の一本でありながら自身もチームを束ねる若手社員の活躍を聞きながら、ユナイテッドアローズで働くことの面白さも考えます。プログラム終了後のミートアップでは、登壇者はもちろん、現役社員と交流できます。ファッション業界の魅力はもちろん、その中核に位置するユナイテッドアローズの存在感、そして、その原動力となった一致団結して矢のように前進する社員の熱意が体感できます。

「WWDJAPAN」企業研究とは

「WWDJAPAN」企業研究ではファッションやビューティ業界の未来を担う若い世代の活躍を願い、業界の魅力を深く掘り下げ、多角的に企業理解を深めることができるオフラインイベントを開催します。本イベントでは、国内外の経営層から現場まで、さまざまな職種の業界人・企業人を取材している「WWDJAPAN」が、ファッション業界と企業、人々の魅力を伝え、まだ見ぬ「自分に合う会社」を見つけるきっかけを提供します。

 

参加費は無料!
申し込み締め切りは8/16(火)18:00まで

 


プログラム

【Session#1】11:00~11:45(45分)

【創業者 栗野上級顧問登壇】ファッションを仕事にする意義とは

セレクトショップの草分け的存在として1989年に始まったユナイテッドアローズ。創業者の1人、栗野宏文ユナイテッドアローズ上級顧問は日本のファッション業界を牽引してきた重要人物です。栗野上級顧問はそもそもどんな思いで同社を立ち上げたのか、そしてなぜ今なおファッション業界に惹かれるのか、村上要「WWDJAPAN」編集長が掘り下げます。

ゲストスピーカー:栗野 宏文/ユナイテッドアローズ上級顧問
PROFILE:(くりの・ひろふみ)1953年生まれ。東京、世田谷で育つ。大学では美学を学び、卒業後77年からファッション業界に身をおき、89年にUA現名誉会長の重松理氏らと共に株式会社ユナイテッドアローズを設立。販売促進部部長、クリエイティブディレクター、常務取締役兼CCO(最高クリエイティブ責任者)などを歴任。
スピーカー:村上 要/WWDJAPAN編集長
【Session#2】11:45~12:15(30分)

活躍する若手が語る、ユナイテッドアローズで挑戦する理由

ユナイテッドアローズは常に新たなカルチャーを創出することに挑戦してきました。そんな同社の原動力は現場で働く若手社員です。その活躍の仕方は多岐にわたります。たとえば、20代社員の四谷奈々可さんはファッションへの情熱とセンスを評価され、Z世代をターゲットに据えるオリジナルブランド「アティセッション」のブランドディレクターに抜擢されました。等身大の感性を取り入れた商品企画でユナイテッドアローズに新たな風を吹き込む四谷さんをはじめ、若くして活躍する社員にユナイテッドアローズで挑戦する理由を聞きます。

ゲストスピーカー:四谷 奈々可/「アティセッション」ブランドディレクター
PROFILE:(よつや・ななか)1998年生まれ、石川県出身。文化服装学院のファッション流通科を卒業後、2020年ユナイテッドアローズに新卒入社。ビューティー&ユース 渋谷公園通り店、ユナイテッドアローズ 渋谷スクランブルスクエア店にて販売業務に従事、22年春夏よりビューティー&ユース内にてWEB限定ラインの商品企画を行い、23年6月にBY商品部へ異動。24年1月より現職。Instagram : @7k0512
ゲストスピーカー:栁谷 百花/「ビューティー&ユース ユナイテッドアローズ」丸の内店 スタッフ
PROFILE:(やなぎや・ももか)1998年生まれ、北海道出身。2020年ユナイテッドアローズに新卒入社。グリーンレーベル リラクシング 札幌ステラプレイス店に配属、21年4月にビューティー&ユース ユナイテッドアローズへ異動、ユナイテッドアローズ 札幌店を経て、23年2月より現職。24年7月より販売スタッフとPRの兼務となる。Instagram : @momoka_yanagiya__by
ゲストスピーカー:高橋 怜奈/「ユナイテッドアローズ グリーンレーベル リラクシング」PR
PROFILE:(たかはし・れいな)1998年生まれ、東京都出身。文化学園大学の服装学部を卒業後、2020年ユナイテッドアローズに新卒入社。ビューティー&ユース ユナイテッドアローズ 池袋ウィメンズストア、渋谷スクランブルスクエア店にて約4年間、販売業務に従事。24年3月より現職。Instagram : @reinatakahashi_
スピーカー:村上 要/WWDJAPAN編集長
スピーカー:木村 和花/WWDJAPAN記者
【Extra】12:30~13:00(30分)

座談会

会場受講の方はセミナー終了後、ユナイテッドアローズ社員、WWDJAPAN記者も参加するミートアップにご参加いただけます。ドリンクを用意しておりますので、さらなるコミュニケーションの場としてご活用ください。

※講義内容は予告なく変更となる場合があります。あらかじめご了承ください。

インフォメーション

日時

8月23日(金)11:00〜13:00
※開始30分前から会場受付開始

会場

株式会社ユナイテッドアローズ
東京都港区赤坂8丁目1−19 日本生命赤坂ビル

募集人数

50名

募集期間

7/16(火)〜8/16(火)18:00まで

募集対象

ファッション業界でのキャリアに興味のある学生・第二新卒の方

 

参加費は無料!
申し込み締め切りは8/16(火)18:00まで

 

注意事項

・応募者数が多い場合は抽選とさせていただきます。ご来場いただける方のみにご登録のメールアドレスへお知らせいたします。
・申し込み完了後のキャンセルは原則受け付けておりません。
・メールアドレスに誤りがある場合、メールが届かない可能性がございます。
・当日は会場内に撮影用のカメラが入ります。撮影した動画や写真は、「WWDJAPAN」Weeklyやウェブサイト、公式SNSなどで掲載する場合があります。ご了承いただける方のみお申し込みください。
・個人情報の取扱いについて以下をご確認ください。ご不明な点がございましたら、プライバシーポリシーをご確認いただくか、直接お問い合わせください。本セミナーにお申し込みいただく際にご提供いただく個人情報は、株式会社INFASパブリケーションズおよび株式会社ユナイテッドアローズの両社で共同して利用させていただきます。これにより、両社のマーケティング活動および採用活動を目的として情報を共有いたします。お申し込みをもって、以下のプライバシーポリシーに同意いただいたものとみなします。
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>株式会社ユナイテッドアローズのプライバシーポリシーはこちら
問い合わせ先
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ディズニーのショースタッフがアパレルブランドを立ち上げたワケ

「カスリキッズ(KASUREKIDS)」は日本の伝統織物の久留米絣を用いて、こども服のサーキュラーエコノミー実践に取り組む。素材には久留米絣の規格外の端切れに加えて、GOTS認証を取得した綿糸を藍染めして織った生地を用い、製品を製造・販売するだけではなく修繕や染め直し、レンタルや下取りも行う。手掛けるのは東京ディズニーシーで野外ショースタッフとして働いていた長谷川まゆみオーネミューエ代表取締役。「サステナブルな子ども服の選択肢がない」と2023年に「カスリキッズ」を立ち上げた。

長谷川代表はなぜ未経験のアパレル業界で子ども服ブランドを立ち上げたのか。「気候変動に対してどんな行動ができるかを考えたときに、最も身近に感じたのが子供服だった。私自身2児の母で子育て中。服がサイズアウトしてももったいなくて捨てられないけれど、フリマアプリに出品する余裕もない。エシカル消費をしたいけれど日本のモノ作りが感じられるエシカルな子ども服が見当たらない。同じ課題を抱えている人は多いのではないかと考えた。気候変動の原因は先進国の消費行動にある。選択肢を増やすことで生活者の行動変容を促せるのではないか」。

屋外スタッフとして働く中で感じた気候変動

長谷川代表が気候変動をリアルに感じたのは2008年。「ディズニーシーの屋外ショーの公演判断を任された年だった。5分ごとに雲の流れを見ながら判断するので、気象に敏感になっていた。08年はゲリラ豪雨が頻繁に起こるようになった年で、ショーを途中で中止しなければいけないことが増え、気候変動を肌で感じた。入社から屋外ショースタッフとして働いてきたがこれまでにはなかったことだった」。その10年後の18年。「東京でも40度を記録するほど災害的猛暑の年で、長男の育休中に日課にしていた外遊びが暑すぎてできなくなった。外出に命の危険を感じ、日常生活に支障が出たことで焦燥感にかられた。このままでは子どもが気軽に外にでられない日常がやってくると。外遊びは子どもの健全な成長のために必要で、体力・運動能力の向上はもちろん、骨の健康な発育や自律神経機能の強化、能の発達による感情的発達や学習能力・社会適応力の向上などさまざまな効能がある。気候変動が子どもたちの成長を阻害するのではないかと強い危機感を抱きながら、短勤務で職場復帰したけれど、子どもを保育園に預けてまで働く理由が見つからなくなった。さまざまな情報に触れはじめ、22年には温暖化の影響で子どもたちの健康が害されるという研究発表を目にしてショックを受けた。働くなら社会に貢献したいと考えるようになった」。ボーダレスジャパン主催のボーダレスアカデミーの講座を受け、「ドローダウン」や「リジェネレーション」(山と渓谷社)を読んで知見を広げた。

エシカルな子ども服とは何か

子ども服ブランドを立ち上げるにあたり、重視したのは長く着続けることができる丈夫な生地だ。「リサーチする中で久留米絣に出合いこれだ!と思った。30以上の工程の多くを手作業で行っていて生地がしっかりしていて肉厚。天然素材で夏涼しく冬暖かいのでオールシーズン着用できる。着られなくなっても次の子に引き継ぐことができる耐久性がある。服の地産地消ができ、輸送のCO2排出の抑制につながる。幼い頃に日本の伝統技法を体験できるのもいいと思った」。久留米絣は生地としては安くはない。「織り工程の前後で経糸が切れるなど流通ルートにのらない12m以下の規格外の端切れを活用しようと考えた」。端切れを活用せずにゼロから作る服は、GOTS認証を得ている大阪市の大正紡績の綿糸を用いて福岡県筑後市の池田絣工房で藍染めして、福岡県八女市の久留米絣織元の下川織物で生地にした。縫製は東京・墨田区の小倉メリヤス製造所が行う。

デザインやパターンは元同僚の力を借りた。「コスチュームデザイナーで子ども服のデザイン経験もある方に伴走してもらっている」。現在提案するのは3型でデザインやパターンの工夫が多い。例えば、3WAYワンピースは5年着用することを想定した。「2歳のときはロング丈のワンピースとして、7歳になったら膝上丈のジレやワンピースになる」。ユニセックスパンツは「すぐに破れてしまう膝裏を柄生地で二重構造にし、大きめのサイズを着用してもずり落ちないようウエストには調整ボタンを付けた」。生地は耳まで使うことで裁断くずを極力減らしている。その裁断くずは工場から引き取り、現在は品川区のハンドメイドショップママズの家に提供してハンドメイド作家に活用してもらっているという。「今後もハンドメイド作家の方に活用いただける方法を模索したり、ご自身で修繕を希望されるお客さまに送料負担をいただき郵送させていただくなどを検討している」という。

抱える課題は認知度とトレーサビリティ

「カスリキッズ」の販路は自社ECに加えて、「行動したい(している)人の選択肢の一つになりたいと考えたから」と食品を量り売りで提供する大阪府府中市のビオぐるりと福井県初のゼロウエイストショップのグラムに卸している。そのほか、クラウドファンディングのマクアケなどを利用して受注生産を行う。目下の課題は「認知度向上」だ。「エシカル消費を志向する子育て世代の手に届きやすくするため、原価率を約50%としている。そのため基本的に自社ECが販路となるが、認知度を高めるために訪日外国人向けのギフトショップやセレクトショップ、百貨店など感度の高い方に向けてもアプローチしていきたい」と意欲的だ。「将来的にはクラウドファンディングによる受注生産を軸に必要な人に必要な分だけ届けたい」。販売は始まったばかりでマクアケでの購入者への納品は10月末を予定する。もう一つの課題はトレーサビリティだ。「トレーサビリティを担保したオーガニック綿糸で肉厚な生地を作るのが難しい。肉厚な生地を作ることを第一に考えれば他の糸の選択肢もあるかもしれないが、トレーサビリティは譲れない」。端切れのトレーサビリティ実現も難しい。「少なくともゼロから作る素材に関してはオーガニックでトレーサブルでありたい」。

立ち上げ時点で回収スキームを確立しているが仕組み作りは手間がかかるし簡単ではない。「アパレルブランドをやりたくて始めているのではなく、気候危機に対してアクションを起こすため、大量生産大量消費を是正したくて始めたから」。自身も子育てする中であると助かるサービスを実現したともいえる。「手放す先(回収サービス)があることが大切だと考えた。古物商許可を得たので中古販売やレンタルも行う予定だ。いいものを大事に着続ける場を提供したい」。例えば下取りは「再販価格の25%を予定しているというが、ポイントとして付与するのか、下取りはせずに回収のみとするかは検討中」だといい、染め直しは「池田絣工房や富山で藍から育てている企業仲間の『アイヤ(AIYA)』を検討している」という。「気候変動は『カスリキッズ』だけでは解決できる問題ではない。同じ志を持つ方々と協力しながらリジェネラティブな世界を目指したい」。

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ディズニーのショースタッフがアパレルブランドを立ち上げたワケ

「カスリキッズ(KASUREKIDS)」は日本の伝統織物の久留米絣を用いて、こども服のサーキュラーエコノミー実践に取り組む。素材には久留米絣の規格外の端切れに加えて、GOTS認証を取得した綿糸を藍染めして織った生地を用い、製品を製造・販売するだけではなく修繕や染め直し、レンタルや下取りも行う。手掛けるのは東京ディズニーシーで野外ショースタッフとして働いていた長谷川まゆみオーネミューエ代表取締役。「サステナブルな子ども服の選択肢がない」と2023年に「カスリキッズ」を立ち上げた。

長谷川代表はなぜ未経験のアパレル業界で子ども服ブランドを立ち上げたのか。「気候変動に対してどんな行動ができるかを考えたときに、最も身近に感じたのが子供服だった。私自身2児の母で子育て中。服がサイズアウトしてももったいなくて捨てられないけれど、フリマアプリに出品する余裕もない。エシカル消費をしたいけれど日本のモノ作りが感じられるエシカルな子ども服が見当たらない。同じ課題を抱えている人は多いのではないかと考えた。気候変動の原因は先進国の消費行動にある。選択肢を増やすことで生活者の行動変容を促せるのではないか」。

屋外スタッフとして働く中で感じた気候変動

長谷川代表が気候変動をリアルに感じたのは2008年。「ディズニーシーの屋外ショーの公演判断を任された年だった。5分ごとに雲の流れを見ながら判断するので、気象に敏感になっていた。08年はゲリラ豪雨が頻繁に起こるようになった年で、ショーを途中で中止しなければいけないことが増え、気候変動を肌で感じた。入社から屋外ショースタッフとして働いてきたがこれまでにはなかったことだった」。その10年後の18年。「東京でも40度を記録するほど災害的猛暑の年で、長男の育休中に日課にしていた外遊びが暑すぎてできなくなった。外出に命の危険を感じ、日常生活に支障が出たことで焦燥感にかられた。このままでは子どもが気軽に外にでられない日常がやってくると。外遊びは子どもの健全な成長のために必要で、体力・運動能力の向上はもちろん、骨の健康な発育や自律神経機能の強化、能の発達による感情的発達や学習能力・社会適応力の向上などさまざまな効能がある。気候変動が子どもたちの成長を阻害するのではないかと強い危機感を抱きながら、短勤務で職場復帰したけれど、子どもを保育園に預けてまで働く理由が見つからなくなった。さまざまな情報に触れはじめ、22年には温暖化の影響で子どもたちの健康が害されるという研究発表を目にしてショックを受けた。働くなら社会に貢献したいと考えるようになった」。ボーダレスジャパン主催のボーダレスアカデミーの講座を受け、「ドローダウン」や「リジェネレーション」(山と渓谷社)を読んで知見を広げた。

エシカルな子ども服とは何か

子ども服ブランドを立ち上げるにあたり、重視したのは長く着続けることができる丈夫な生地だ。「リサーチする中で久留米絣に出合いこれだ!と思った。30以上の工程の多くを手作業で行っていて生地がしっかりしていて肉厚。天然素材で夏涼しく冬暖かいのでオールシーズン着用できる。着られなくなっても次の子に引き継ぐことができる耐久性がある。服の地産地消ができ、輸送のCO2排出の抑制につながる。幼い頃に日本の伝統技法を体験できるのもいいと思った」。久留米絣は生地としては安くはない。「織り工程の前後で経糸が切れるなど流通ルートにのらない12m以下の規格外の端切れを活用しようと考えた」。端切れを活用せずにゼロから作る服は、GOTS認証を得ている大阪市の大正紡績の綿糸を用いて福岡県筑後市の池田絣工房で藍染めして、福岡県八女市の久留米絣織元の下川織物で生地にした。縫製は東京・墨田区の小倉メリヤス製造所が行う。

デザインやパターンは元同僚の力を借りた。「コスチュームデザイナーで子ども服のデザイン経験もある方に伴走してもらっている」。現在提案するのは3型でデザインやパターンの工夫が多い。例えば、3WAYワンピースは5年着用することを想定した。「2歳のときはロング丈のワンピースとして、7歳になったら膝上丈のジレやワンピースになる」。ユニセックスパンツは「すぐに破れてしまう膝裏を柄生地で二重構造にし、大きめのサイズを着用してもずり落ちないようウエストには調整ボタンを付けた」。生地は耳まで使うことで裁断くずを極力減らしている。その裁断くずは工場から引き取り、現在は品川区のハンドメイドショップママズの家に提供してハンドメイド作家に活用してもらっているという。「今後もハンドメイド作家の方に活用いただける方法を模索したり、ご自身で修繕を希望されるお客さまに送料負担をいただき郵送させていただくなどを検討している」という。

抱える課題は認知度とトレーサビリティ

「カスリキッズ」の販路は自社ECに加えて、「行動したい(している)人の選択肢の一つになりたいと考えたから」と食品を量り売りで提供する大阪府府中市のビオぐるりと福井県初のゼロウエイストショップのグラムに卸している。そのほか、クラウドファンディングのマクアケなどを利用して受注生産を行う。目下の課題は「認知度向上」だ。「エシカル消費を志向する子育て世代の手に届きやすくするため、原価率を約50%としている。そのため基本的に自社ECが販路となるが、認知度を高めるために訪日外国人向けのギフトショップやセレクトショップ、百貨店など感度の高い方に向けてもアプローチしていきたい」と意欲的だ。「将来的にはクラウドファンディングによる受注生産を軸に必要な人に必要な分だけ届けたい」。販売は始まったばかりでマクアケでの購入者への納品は10月末を予定する。もう一つの課題はトレーサビリティだ。「トレーサビリティを担保したオーガニック綿糸で肉厚な生地を作るのが難しい。肉厚な生地を作ることを第一に考えれば他の糸の選択肢もあるかもしれないが、トレーサビリティは譲れない」。端切れのトレーサビリティ実現も難しい。「少なくともゼロから作る素材に関してはオーガニックでトレーサブルでありたい」。

立ち上げ時点で回収スキームを確立しているが仕組み作りは手間がかかるし簡単ではない。「アパレルブランドをやりたくて始めているのではなく、気候危機に対してアクションを起こすため、大量生産大量消費を是正したくて始めたから」。自身も子育てする中であると助かるサービスを実現したともいえる。「手放す先(回収サービス)があることが大切だと考えた。古物商許可を得たので中古販売やレンタルも行う予定だ。いいものを大事に着続ける場を提供したい」。例えば下取りは「再販価格の25%を予定しているというが、ポイントとして付与するのか、下取りはせずに回収のみとするかは検討中」だといい、染め直しは「池田絣工房や富山で藍から育てている企業仲間の『アイヤ(AIYA)』を検討している」という。「気候変動は『カスリキッズ』だけでは解決できる問題ではない。同じ志を持つ方々と協力しながらリジェネラティブな世界を目指したい」。

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オンラインプラットフォーム上の模倣品を取り締まる法案“ショップセーフアクト”が米下院に再上程

4年の時を経て、電子商取引における模倣品を取り締まることを目的とした法案“ショップセーフアクト(正式名称:Stopping Harmful Offers on Platforms by Screening Against Fakes in E-Commerce Act 、通称:Shop Safe Act)”が米国下院に上程された。

同法案は2020年にも上程されたが成立せず、今年6月に再上程された。同法案は、オンラインプラットフォーム事業者に対して販売者および製品の厳格な審査を奨励し、再犯者による違法製品の流通を抑制することを目的としている。また、消費者に購入品の出所に関する情報を提供することも目指している。

同法案が成立すれば、オンラインプラットフォーム事業者は、模倣品を販売する業者の審査を怠った場合に責任を負うことになる。また、ブランドには商標やその他の製品情報、内部連絡先をオンラインプラットフォーム事業者に対して事前に通知する義務を課し、模倣品が消費者の手に渡る前に識別するのを助けることも求めている。

米アパレル&フットウエア協会(American Apparel & Footwear Association以下、AAFA)は、同法案を上程した議員宛に、同法案の迅速な成立を支持する公開書簡を送った。この書簡には、米国の靴業界団体のフットウエア・ディストリビューターズ・アンド・リテーラーズ・オブ・アメリカ(Footwear Distributors and Retailers of America、FDRA)やハロウィン&コスチューム協会(Halloween & Costume Association、HCA)、米国自動車イノベーション協会(Alliance for Automotive Innovation、AAI)など、十数以上の業界団体が署名し、模倣品が与える米国産業と米国内雇用への影響や危険性について説明した。

書簡の中で、「多くのブランドが、模倣品取引の被害を受けながら模倣品業者との闘いのコストを負担している。こうした問題に対処する時間やリソースを持たない小規模事業者に大きな影響を及ぼす。消費者を守るためにも、一貫した積極的な取り組みが不可欠だ」と述べている。

スティーブ・ラマー(Steve Lamar)AAFA最高経営責任者兼社長は、「正規ブランドは引き続きオンラインプラットフォーム事業者の取り組みをサポートする重要な役割を果たすが、消費者を危険にさらす模倣品の増加に対抗するためには、オンラインプラットフォーム事業者のコミットメントと協力が必要だ」と述べた。

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アディダスが中国支社の従業員2人を解雇 匿名の内部告発で不正が発覚

アディダス(ADIDAS)は、中国での汚職疑惑の調査を行い、事件に関連する従業員2人を解雇した。

アディダス本社は6月7日、従業員にコンプライアンス違反の可能性があることを示唆した匿名の手紙を受領。その送り主は「何十年もアディダス中国で働いてきた従業員たち」と名乗り、手紙は中国版インスタグラムの「シャオフォンシュウ(Xiaohongshu、小紅書)」で急速に広まった。

手紙には、当該の従業員による多額の横領や、サプライヤーからのリベート受領について記載されていた。このニュースはすぐにオンラインで広まり、アディダスは独立した外部調査委員会と共に調査を実施。「地元のベンダーとのやり取りにおいて、1人の従業員が会社の行動規範に違反した証拠が見つかった。別の従業員は、会社の“相互尊重と信頼を示す”というリーダーシップの基準を満たさなかった。その結果、両名は会社を退職した。調査はまだ進行中」だという。

中国での報道によると、解雇された両従業員はマーケティング部門の所属で、そのうちの1人はシニア・バイス・プレジデントのジュディ・リー(Judy Li)だとされている。匿名の手紙では、2022年からマーケティング部門の責任者を務めていたリーが、ベンダーからリベートを受け取り、職場でいじめを行っていたことを告発していた。また、他のマーケティングおよび小売チームのメンバーも名指しで汚職の疑いを指摘されていたという。

中国はアディダスにとって3番目に大きな市場であり、同国の23年の売上高は前期比8.2%増(現地通貨ベース、以下同)の31億9千万ユーロ(約5486億円)と、売り上げ全体の15%を占めた。24年1〜3月期(第1四半期)の同国における売上高は、前年同期比7.8%増の8億9700万ユーロ(約1542億円)だった。

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ユニクロが埼玉最大の店舗「イオンレイクタウンkaze店」を9月にオープン

ユニクロは、埼玉県・越谷市のイオンレイクタウン内にある「イオンレイクタウンmori店」を移転して増床した「ユニクロ イオンレイクタウンkaze店」を9月13日にオープンする。

売り場面積は約660坪から約750坪へと拡大し、「ユニクロ(UNIQLO)」のウィメンズ、メンズ、キッズ、ベビーをフルラインアップする。JR武蔵野線の越谷レイクタウン駅から徒歩5分という立地も魅力のひとつだ。

店舗概要

◼︎ユニクロ イオンレイクタウンkaze店

オープン日:9月13日予定
住所:埼玉県越谷市レイクタウン 4-2-2 イオンレイクタウンkaze 1階

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絶好調の花王「ケイト」、初旗艦店の狙い

花王の「ケイト(KATE)」が初の旗艦店を、東京・渋谷駅直結で25日に本格開業する渋谷サクラステージにオープンする。3階フロアの一角に位置し、売り場面積は126平方メートル。同社のブランドが展開する国内店舗の中でも上位の広さを誇る。デジタル融合型の体験を重視した店舗で、初年度は「情報発信地として売り上げを追う店舗ではないが、黒字化を目指す」(岩田有弘ブランドマネジャー)。

「ケイト」は、セルフメイク市場で20年連続売り上げNo.1(全インテージSRI+調べ)を堅持し、2021年以降の業績は「絶好調」と向かうところ敵なしの様相だ。23年の商況も前年比2ケタ増をマークし、右肩上がりで成長を続ける。

中心顧客は10〜20代の女性客で、新商品は常に話題を集めている。直近では4色のアイシャドウパレット“ポッピングシルエットシャドウ”がヒットし、アイメイクカテゴリーは前年比2ケタ増と好調に推移する。「一過性のヒットでは終わらせない、常にお客さまに驚いてもらえるような仕掛けづくりに力を注いでいる。その成果だ」と胸を張る。

グローバル化を加速

花王は「ケイト」を戦略投資ブランドの一つとして位置づけ、グローバル化を推し進めている。「ここ最近は、香港や台湾で手応えを感じている。今後はASEAN市場をもっと加速し、プロモーションの強化を図る」。

ブランド誕生27年目にして初の単独店舗は、グローバル化に向けて東京発のメイクブランドとしての存在感をアピールし、アジア圏の若年層(10〜20代)のファン拡大を狙う。まずは国内外のKOLを招き、SNSなどを通じて世界に発信する計画だ。

今後の出店は未定としているが、「この店舗がうまく拠点として回れば、日本にとどまらず出店はあり得る。例えば、マレーシアやタイに(出店の)重要性があると判断できれば、挑戦したい」と意欲を示す。

旗艦店はデジタル体験で“感性”を刺激

「KATE TOKYO 渋谷サクラステージ店」は、EC限定品を含めた全商品をラインアップする。店内は、アイブロウ、アイシャドウ、アイライナー、マスカラ、リップ、ベースメイクにグルーピングした棚が並ぶ。ウェブ限定色を含む108色のアイカラーや人気の“リップモンスター”全色などを取りそろえている。店頭には、5人(女4、男1)のスタッフに加え、韓国・中国・英語の通訳ができる2人のスタッフの計7人が常駐する。制服は、黒を基調とした私服コーディネートで、それぞれの個性を生かしたスタイルで店頭に立つ。

エントランス右側には、AR技術を駆使したモニターが出迎える。モニターに映り込んだ自分自身の服の色が“粒子”として抽出され、ブランドカラーの“赤”に混じり合っていく様子を楽しむことができる。その裏には、イラストレーターのNAKAKI PANTZ(ナカキパンツ)によるデザインを、自分好みに組み合わせて文字入れができるシール作成サービス“オリジナルチケット”を用意。公式のLINE友だち登録で無料で提供する。

入り口の左サイドには、AI技術でパーソナライズした4色のアイシャドウが自動販売機のように出てくる「KATE iCON BOX」を設置。21年に登場した世界に1台しかない同什器は、さまざまな店頭やイベントで運用してきたが、今回から同店常設となる。各棚にはEC連動のバーチャルメイク機能を搭載したタブレットを配置するほか、コーナーには撮影して自身のアバターを作成できるデジタルサイネージなどを設置した。

「コロナ禍でデジタル化が進んだが、一方でリアルの重要性も感じていた。その両方を融合した、情報発信地としてアプローチしていく」と、アジア圏を代表するブランドへと歩を進める。

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ファンケルが8年ぶりに男性用スキンケア新商品投入 広がるメンズ整肌料市場に期待

ファンケルが、男性向けスキンケア“ファンケル メン”シリーズから4アイテム目となる“オールインワン ウォーター”(100mL、2750円)の販売を開始した。新商品の投入は8年ぶり。300億円規模へと成長するメンズ整肌料市場(2024年見込み、富士経済調べ)を「魅力的な市場」(磯崎大輔ファンケル化粧品商品企画部担当)と捉え、同商品の広がりに期待を寄せる。

男性の皮膚生理に着目した“ファンケル メン”シリーズは2012年に誕生。16年に刷新し、泡洗顔料(180mL、1540円)とジェルタイプのオールインワン(2種、60mL、各2750円)の3アイテムを展開してきた。23年はアマゾンや楽天市場などEC売り上げが好調に推移し、同シリーズの売上高は前年比15%増と伸長した。これまでの既存商品は40代をターゲットにしてきたが、最近は30代の新規顧客が増加。そのポテンシャルを生かし、今回30代の男性に寄り添ったスキンケアの開発に着手した。

同社によると、30代の男性は「ヒゲ剃り関連のダメージ」と「毛穴目立ち」の肌悩みが目立つという。そこで“オールインワン ウォーター”は、男性肌特有のヒゲ剃りによる肌荒れに効果のあるCICAやグリチルリチン酸ジカリウムを配合。また、過剰な皮脂を抑え、毛穴を引き締めて黒ずみが目立たない肌に整えるプルーン酵素エキスや、潤い成分の浸透型ヒアルロン酸を採用した。アルコール無配合でヒゲ剃り後にひりつかず、清涼感のある肌に導く。

まずは自社ECと直営店で販売し、今後、楽天市場やアマゾン、Yahoo!ショッピングなどでも取り扱う予定だ。「直近5年で自主購買の成長率は8.3%と伸びているが、自社ECではメンズスキンケア特有の女性による代理購買がまだ多い。新商品をはじめ今後、男性客との接点拡大に注力する」と意気込む。

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夏休みの課題にも最適!? 伊藤忠のSDGsをアップル「Vision Pro」で体験

伊藤忠商事は7月18日から、東京本社(東京・青山)に隣接する「ITOCHU SDGs STUDIO」に、繊維カンパニーから食料品カンパニー、第8カンパニー(ファミリーマート)まで全8部門のSDGsの取り組みを紹介する「地球のあした観測所」をオープンする。「地球全体の課題を、当社の事業と絡めながら提示することで、来場者に課題をどう解決していくのか、その手がかりを提供したい」(同社広報)という。繊維事業であれば繊維to繊維のケミカルリサイクル事業「レニュー」など各部門の取り組みを映像中心のブース形式で紹介するとともに、「アップル・ビジョン・プロ(Apple Vision Pro)」を使った没入型のプレゼンテーションも行ない、子ども
体験しながら理解できるようになっている。「SDGs STUDIO」は期間限定のイベントが中心だったが、この「地球のあした観測所」は常設型の展示で、9月23日まで。

繊維カンパニーは「レニュー」のほか、混紡素材などの天然繊維と合繊がミックスされ循環型のリサイクルが難しい製品を、ス化して化学品原料などとして再利用する「アルケミープロジェクト」を紹介する。「アルケミープロジェクト」はプラスチックをガス化することで再資源化するもので、通常の化石燃料に比べて80%以上の二酸化炭素の排出量を削減できるもの。繊維カンパニーが主導する衣料分野では企業ユニフォームの回収などを中心に10社がすでに参加しており、「現在は100社近くが検討してている」(同社担当者)という。

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「シュプリーム」を世界最大のアイウエア企業が2370億円で買収

世界最大のアイウエア企業であるイタリアのエシロールルックスオティカ(ESSILORLUXOTTICA)は7月17日、VFコーポレーション(VF CORPORATION以下、VFC)から「シュプリーム(SUPREME)」を15億ドル(約2370億円)で買収することに合意したと発表した。規制当局などの承認が下りる時期にもよるが、取引は今年中に完了する予定で、支払いはキャッシュで行うという。

エシロールルックスオティカのフランチェスコ・ミレリ(Francesco Milleri)会長兼最高経営責任者(CEO)とポール・ドゥ・サイヤン(Paul du Saillant)副CEOは、「『シュプリーム』のようなアイコニックなブランドを獲得することは、素晴らしいビジネスチャンスだ。これは当社のイノベーションおよび開発姿勢とも合致しており、新たな顧客や言語、クリエイティビティーに直接つながることができる。『シュプリーム』のユニークなブランドアイデンティティー、D2Cおよび直営でのアプローチ、同ブランドならではの顧客体験を維持しつつ、当社の傘下ブランドとして独自のポジションで運営し、ほかの傘下ブランドを補完してくれるものと確信している。また、同ブランドは当社の専門的な知識、能力、運営プラットフォームを活用できるだろう」と語った。

VFCのブラッケン・ダレル(Bracken Darrell)社長兼CEOは、「当社の下、『シュプリーム』は中国および韓国市場での事業を拡大し、再び力強く収益をもたらすようになった。しかし戦略的な見直しを行った際、同ブランドの特徴的なビジネスモデルと当社におけるシナジーは限定的であり、次のステップとして売却が自然だという結論に達した。エシロールルックスオティカが擁するほかの素晴らしいブランドと共に、『シュプリーム』とその才能あるチームは、今後も成功を収めるだろう。また、今回の取引によって当社のバランスシートにより柔軟性が生まれるほか、長期的な成長や債務レベルの正常化にも寄与するものと考えている」と述べた。

業績不振が続くVFC

VFCは、ほかに「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」「ヴァンズ(VANS)」「ティンバーランド(TIMBERLAND)」などを保有している。2020年11月に21億ドル(約3318億円)で「シュプリーム」を買収したものの、コロナ禍の影響によるサプライチェーンの混乱などのため売り上げが鈍化。また、22年度には、「シュプリーム」の日本市場におけるビジネスなどに関して、VFCは「金利の上昇や為替レートなど営業外要因のため」に7億3500万ドル(約1161億円)相当の減損費用を計上している。

同社は、2月に23年10〜12月期(第3四半期)決算を発表した際、傘下ブランドの見直しを開始したことを公表。5月には、情報筋の話として、同社がアドバイザリーに米投資銀行ゴールドマン・サックス(GOLDMAN SACHS)を選定してブランドポートフォリオ戦略の見直しを行っていると報じられたことから、「シュプリーム」の売却を検討しているのではないかとの臆測が広まっていた。

なお、VFCの24年3月期決算は、売上高が前期比10.0%減の104億5460万ドル(約1兆6518億円)、営業損益は前年の3億2760万ドル(約517億円)の黒字から3400万ドル(約53億円)の赤字となった。純損益は、支払利息が増加したこともあり、同じく1億1850万ドル(約187億円)の黒字から9億6880万ドル(約1530億円)の赤字に転落している。

「シュプリーム」とエシロールルックスオティカについて

「シュプリーム」は、1994年にジェームス・ジェビア(James Jebbia)がスケートショップおよびオリジナルブランドとしてニューヨークで創業。世界中に熱狂的なファンがいるストリートブランドとして成長を続け、2017年には巨大投資ファンドのカーライル・グループ(CARLYLE GROUP)に株式の51%を5億ドル(約775億円)で売却した。20年11月にVFCの傘下となり、現在は米国、アジア、欧州で17店を運営している。

エシロールルックスオティカは、眼鏡用の部品メーカーとしてスタートしたルックスオティカ(LUXOTTICA)と、レンズメーカーのエシロール(ESSILOR)が合併して誕生した。「ジョルジオ アルマーニ(GIORGIO ARMANI)」「シャネル(CHANEL)」「プラダ(PRADA)」「ヴェルサーチェ(VERSACE)」「バーバリー(BURBERRY)」「ティファニー(TIFFANY & CO.)」など多くの一流ブランドとライセンス契約を締結しているほか、「レイバン(RAY-BAN)」や「オークリー(OAKLEY)」などのブランドも擁している。2022年の売上高は245億ユーロ(約4兆2140億円)。

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「シュプリーム」を世界最大のアイウエア企業が2370億円で買収

世界最大のアイウエア企業であるイタリアのエシロールルックスオティカ(ESSILORLUXOTTICA)は7月17日、VFコーポレーション(VF CORPORATION以下、VFC)から「シュプリーム(SUPREME)」を15億ドル(約2370億円)で買収することに合意したと発表した。規制当局などの承認が下りる時期にもよるが、取引は今年中に完了する予定で、支払いはキャッシュで行うという。

エシロールルックスオティカのフランチェスコ・ミレリ(Francesco Milleri)会長兼最高経営責任者(CEO)とポール・ドゥ・サイヤン(Paul du Saillant)副CEOは、「『シュプリーム』のようなアイコニックなブランドを獲得することは、素晴らしいビジネスチャンスだ。これは当社のイノベーションおよび開発姿勢とも合致しており、新たな顧客や言語、クリエイティビティーに直接つながることができる。『シュプリーム』のユニークなブランドアイデンティティー、D2Cおよび直営でのアプローチ、同ブランドならではの顧客体験を維持しつつ、当社の傘下ブランドとして独自のポジションで運営し、ほかの傘下ブランドを補完してくれるものと確信している。また、同ブランドは当社の専門的な知識、能力、運営プラットフォームを活用できるだろう」と語った。

VFCのブラッケン・ダレル(Bracken Darrell)社長兼CEOは、「当社の下、『シュプリーム』は中国および韓国市場での事業を拡大し、再び力強く収益をもたらすようになった。しかし戦略的な見直しを行った際、同ブランドの特徴的なビジネスモデルと当社におけるシナジーは限定的であり、次のステップとして売却が自然だという結論に達した。エシロールルックスオティカが擁するほかの素晴らしいブランドと共に、『シュプリーム』とその才能あるチームは、今後も成功を収めるだろう。また、今回の取引によって当社のバランスシートにより柔軟性が生まれるほか、長期的な成長や債務レベルの正常化にも寄与するものと考えている」と述べた。

業績不振が続くVFC

VFCは、ほかに「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」「ヴァンズ(VANS)」「ティンバーランド(TIMBERLAND)」などを保有している。2020年11月に21億ドル(約3318億円)で「シュプリーム」を買収したものの、コロナ禍の影響によるサプライチェーンの混乱などのため売り上げが鈍化。また、22年度には、「シュプリーム」の日本市場におけるビジネスなどに関して、VFCは「金利の上昇や為替レートなど営業外要因のため」に7億3500万ドル(約1161億円)相当の減損費用を計上している。

同社は、2月に23年10〜12月期(第3四半期)決算を発表した際、傘下ブランドの見直しを開始したことを公表。5月には、情報筋の話として、同社がアドバイザリーに米投資銀行ゴールドマン・サックス(GOLDMAN SACHS)を選定してブランドポートフォリオ戦略の見直しを行っていると報じられたことから、「シュプリーム」の売却を検討しているのではないかとの臆測が広まっていた。

なお、VFCの24年3月期決算は、売上高が前期比10.0%減の104億5460万ドル(約1兆6518億円)、営業損益は前年の3億2760万ドル(約517億円)の黒字から3400万ドル(約53億円)の赤字となった。純損益は、支払利息が増加したこともあり、同じく1億1850万ドル(約187億円)の黒字から9億6880万ドル(約1530億円)の赤字に転落している。

「シュプリーム」とエシロールルックスオティカについて

「シュプリーム」は、1994年にジェームス・ジェビア(James Jebbia)がスケートショップおよびオリジナルブランドとしてニューヨークで創業。世界中に熱狂的なファンがいるストリートブランドとして成長を続け、2017年には巨大投資ファンドのカーライル・グループ(CARLYLE GROUP)に株式の51%を5億ドル(約775億円)で売却した。20年11月にVFCの傘下となり、現在は米国、アジア、欧州で17店を運営している。

エシロールルックスオティカは、眼鏡用の部品メーカーとしてスタートしたルックスオティカ(LUXOTTICA)と、レンズメーカーのエシロール(ESSILOR)が合併して誕生した。「ジョルジオ アルマーニ(GIORGIO ARMANI)」「シャネル(CHANEL)」「プラダ(PRADA)」「ヴェルサーチェ(VERSACE)」「バーバリー(BURBERRY)」「ティファニー(TIFFANY & CO.)」など多くの一流ブランドとライセンス契約を締結しているほか、「レイバン(RAY-BAN)」や「オークリー(OAKLEY)」などのブランドも擁している。2022年の売上高は245億ユーロ(約4兆2140億円)。

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経済産業省が「コンテンツ制作のための生成AI利活用ガイドブック」を公開 パルコの事例も掲載

経済産業省は7月5日、「コンテンツ制作のための生成AI利活用ガイドブック」を公開した。同ガイドブックは、ゲーム・アニメ・広告の各産業における生成AIの利活用事例や制作過程における留意点を紹介し、各制作過程で留意すべき法的論点や注意点をまとめている。また、ガイドブックの表紙は生成AIを使用して作成したという。

本ガイドブックでは、広告産業の事例の一つとして、パルコ(PARCO)が2023年10月に生成AIを活用して制作したホリデーキャンペーンを取り上げている。この広告では、モデル撮影を行わず、生成AIで制作した人物を使用している。また、「クリスマスオーナメントやプレゼントボックスなどのモチーフを画像生成AIで制作するとともに、ムービー、ナレーション、音楽も含め、CM内の全ての要素に生成AIが活用されている」という。

本ガイドブックは、ゲーム・アニメ・広告に焦点を当ててまとめているが、「生成AIを用いて背景、キャラクター、オブジェクトなどの2D画像や3Dモデルを作成する」「音楽生成AIを利用して、BGMを作成する」「画像生成AIを利用して、デザインやロゴを作成し、商品のデザインやロゴとして利用する」など、ファッションやビューティー産業でも想定し得る利用シーンとその法的な留意点も多く掲載している。

生成AIの普及は、業務の効率化だけでなくクリエイティブの幅を広げる観点からも貢献している一方で、クリエイターからもAI開発事業者からも、そしてAIを活用して新たな創作を行う利用者からも、それぞれの立場から生成AIの利活用に関する懸念の声が上がっているという。具体的には、「知的財産権などの権利・利益を侵害する可能性や、誤った情報を流通させる可能性など、様々な懸念点・留意点が指摘」されているという。実際、こうした課題を踏まえ、最近ではさまざまな省庁や公的な検討会などでAIに関する方針を整備しようとする動きが見られる。

こうした声を受けて、本ガイドブックでは具体的な事例や利用シーンを想定した留意点や対応策を紹介し、“「AIとうまく付き合い、共生する」ためのヒント”として制作されている。

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業績停滞のバロックが新中計、中国は「利益追求型」にシフト

バロックジャパンリミテッドは16日、新中期経営計画を策定した。同日発表した3〜5月期連結業績は、売上高が前年同期比5.0%減の138億円、営業利益が同47.3%減の6億4600万円、純利益が同99.5%減の300万円。足元の業績が振るわない中、26年2月期までを「飛躍の準備期間」と定め、ブランドポートフォリオの再構築と店舗のスクラップ&ビルドに集中。利益が出せる体制を作り、30年2月期に最高益更新を目指す。

国内事業はブランドを投資フェーズによって4カテゴリーに分類し、それぞれに最適な成長戦略を適用する。「旗艦」「成熟」フェーズにある「アズールバイマウジー(AZUL BY MOUSSY)」「マウジー」「スライ(SLY)」などは収益改善に集中する。一方、「成長」「新規」のフェーズにある「リムアーク(RIM.ARK)」や「ヘリンドットサイ(HERIN.CYE)」には経営資源を重点的に配分し、戦略的撤退も視野に入れて投資にメリハリをつける。同社のブランドポートフォリオにおいては比較的手薄な、大人世代向けのカジュアルブランドの新規開発も計画。大人世代に支持の厚いディレクターをブランドの顔に据え、強みであるカリスマ店員の知識や経験も活用する。

海外では、けん引役だった中国事業の成長が鈍化している。24年2月期は82店舗純減と大胆にスクラップした。同国の経済成長が踊り場に来ていることを鑑みて、「売上高成長」から「利益追求」へ成長戦略をシフトする。今後は大都市は直営店戦略を推進し、本社直営による世界観を凝縮した旗艦店を出す。それ以外の地域では、「新しい運営形態での出店」を検討し、都市部と地方の店舗の役割を棲み分ける。また、現地のニーズに合わせた商品の開発を強化し、富裕層向けに高価格帯ジーンズが主力の「マウジービンテージ(MOUSSY VINTAGE)」を拡販する。オンライン販売ではティックトックを強化し、EC化率40%超えを目指す。

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アシックスの時価総額が一時2兆円を突破 業績上方修正を好感

アシックスの株価が今日7月16日、一時2758円を記録した(12日の終値は2564円)。これに伴い、時価総額は一時、2兆円を突破した。先週金曜の12日に、2024年12月期の連結業績予想の大幅な上方修正を発表したことが好感されたもの。

同社は12日に、業績予想の上方修正と共にグループで保有する政策保有株式を2024年内に全て売却することも発表。金融機関や取引先など事業会社による政策保有株式の大部分も削減するとしている。旧来的な株主構造から脱却し、「資本市場においてもフロントランナーになる」ことを掲げ、海外の機関投資家を呼び込む狙い。

修正後の業績予想は、売上高が前期比11.9%増の6600億円(修正前は5900億円)、営業利益が同63.8%増の950億円(同580億円)、純利益が同61.1%増の580億円(同360億円)。いずれの項目も過去最高となる見通し。

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「アンリアレイジ オム」立ち上げの本当の理由 岐阜企業とのタッグでメンズ服の可能性探る

「アンリアレイジ(ANREALAGE)」の森永邦彦デザイナーは、メンズライン「アンリアレイジ オム(ANREALAGE HOMME以下、オム)」を始動し、今年3月にファーストコレクションを披露した。スタイリストのTEPPEIや「ノリエノモト(NORIENOMOTO)」の榎本紀子デザイナーとコラボしたスタイリングやアイテムなどで話題を集めた。「アンリアレイジ」設立から21年が経つ今、なぜ森永デザイナーは「オム」を立ち上げたのか。目指すブランド像や、新たな取り組みなどについて聞いた。

WWD:「アンリアレイジ オム(以下、オム)」を始動した経緯を改めて教えてほしい。

森永邦彦「アンリアレイジ オム」デザイナー(以下、森永):今のメンズウエアにないものを作り、メンズウエアで“ファンタジー性”を描きたかったから。メンズはテーラード重視のスタイルなので、アイテムに制限が多い。ウィメンズウエアでは当たり前のものがないこともあるため、それを“ファンタジー”と呼んでいる。例えば、メンズウエアはレイヤードしたスタイリング提案がしづらいのを逆手に取り、ジャケットの上に着られるシャツを作れたら面白い。メンズ版の十二単のような、ドレスっぽいスタイルが生まれるかもしれない。

基本的に「アンリアレイジ」黎明期の洋服をベースにしているが、懐かしむだけでは意味がないため、どう更新していけるかが重要だ。制約を設けず、素材使いに工夫を加え、フェミニンではないレースの使い方を考えたり、ポップでカラフルな色使いを採用したりしたいと考える。「これぞメンズ」なクールなスタイルではなく、未熟で子どもっぽい人間像も具現化したい。

WWD:「オム」ではスタイリストのTEPPEIをビジネスパートナーに迎えた。どのように共に服作りをするのか?

森永:僕らの原風景は、2000年代の原宿にある。その頃のワクワクしていた気持ちに戻れる洋服をTEPPEIくんと一緒に作るつもりだ。当時のファッション雑誌を見ると、今でもすごく面白いと感じるものがあるから。通常、スタイリストは、デザイナーが作ったものをどう組み立てるかを考えるのが役目。でも、「オム」で彼は自分のことを“スタイルコンポーザー”と自称している。“コンポーザー(composer)”はいわば作曲家のこと。2人で「どういうスタイルを作るか?」を話し合い、ジャケットの丈やボトムのシルエットなどを調整していく。「アンリアレイジ」がコンセプトをベースに作るブランドならば、「オム」は理想のスタイルをベースにするブランドだ。

WWD:ファーストコレクションの反響は?

森永:想定外に大きかった。実は今回、初めて一般のお客さま向けにも展示会を開催した。トグルが付いたシャツや、ノリちゃん(榎本紀子デザイナー)と合作したスタジャンなど、まとまった数の受注が付いたアイテムがいくつもあったし、全面をボタンで覆ったジャケットのように、約300万円するアイテムをオーダーしてくれる人もいた。

WWD:なぜ一般向けに開催を?

森永:ウィメンズのパリのスケジュールに合わせた「アンリアレイジ」とは異なり、「オム」は、東京のファッション・ウイークを中心に動くブランド。だからこそ、日本のお客さまを巻き込んだブランド作りをすべきだと考えた。正直に言うと、ショーの座席は、ブランドと関係性の薄いインフルエンサーよりも、これまで実際に商品を買ってくれたお客さまに多く割り当てた。ランウエイを見て「この服が好きだ」と感じてくれた人が、そのまま展示会に来られる流れを作りたくて。

WWD:販路を自社ECと直営店主軸にしている理由は?

森永:もちろん、卸もやりたい気持ちはある。ただ、自分たちでマネジメントできる範囲で販売したいので、あくまでも主軸は自社ECサイトと直営店。だから、その第一歩として原宿に「オム」の店舗を8月にオープンすることに決めた。東京・青山にあり、7月15日に営業終了した「アンリアレイジ」本店とは雰囲気を大幅に変える。手仕事を追求していたブランドの原点に立ち返るような、手作り感溢れる店にしたい。下手なりに頑張って作る、ということを大事にしているため、もしかしたら店舗もDIYするかもしれない。

岐阜のアパレル企業とタッグ
「ブランドと工場を対等な関係に」

WWD:新ラインを作るため生産体制はどう調整する?

森永:自社の人員を増やすことはしないが、新たな生産背景にチャレンジする。OEMやODMを行う岐阜県のアパレル企業、サンエース(SUNACE)と協業することに決めた。90%を同社で生産し、残りの10%は「アンリアレイジ」が国立市に構えるアトリエで賄うつもり。サンエースは、モチベーションの高い若手社員がどんどん増えており、3Dパターンのような最新の仕組みが整っている。「この人たちと一緒に、ブランドを作るチームを形成したい」と思った。

工場名を公にするのは、ファッション業界内ではまだ珍しい試みのはずだ。通常であればブランドは、工場の価格競争を避けるために生産背景を公表しない。しかし、昨今は安く仕立ててくれる工場を探すうちに、海外に生産拠点が流れてしまうようになった。日本を拠点にブランドを営む上で、それは何か大きな損失であるような気がした。

WWD:サンエースとの協業内容は?

森永:在庫リスクを軽減するため、サンエースのラインを丸ごと買い取る契約をした。奇抜なデザインの服は売れ残りやすいから、ブランド側も小ロットで製造したがる。そうすると、どこの工場からも「採算が合わないので作れない」と断られてしまう。だから「オム」ではブランド専用のラインを工場内に作ってもらって、売れやすい商品もそうでない商品も発注しやすい環境を整えた。結果的に、複雑な構造の服も価格を抑えて販売することができると思う。

WWD:日本のモノ作りの課題は?

森永:これまでブランドと工場の関係性は、極端かもしれないが、ブランドが「指示を出したら、あとは出来上がりを待つだけ」というような一方向なコミュニケーションになりやすかった。ただ、やはり両者の間には対話が必要だ。「オム」ではそれを強化するため、サンエースに常駐する人員を一人派遣することにした。工場がブランドに対して「もっとこう縫ったほうがいい」「この仕様を変えたらはき心地が良くなる」と意見を出すなど、デザイナーと工場が互いに高め合うモノづくりをする。そうすれば、ブランドはさらに成長できると思う。

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「ベントレー」が新型“コンチネンタルGTスピード”を発表 本国幹部に聞く、自動車におけるラグジュアリーとは

英国の自動車ブランドである「ベントレー(BENTLEY)」が“コンチネンタルGTスピード”の新型モデルを日本向けに披露。ラグジュアリーブランドがコアバリューをどのようにプロダクトに落とし込んでいるのか。そしてどのように進化しようとしているのか。来日したベントレー モーターズ リミテッドのウェイン・ブルース=チーフ・コミュニケーション& D&Iオフィサーとニコ・クールマン=アジアパシフィックリージョナルディレクター、そして遠藤克之輔ベントレー モーターズ ジャパン ブランドダイレクターにインタビューを行った。

――ベントレーのフラッグシップである“コンチネンタルGT”のなかでも、よりパワフルなモデルである“コンチネンタルGTスピード”は、シリーズ誕生から4世代目となるクルマですが、この魅力について教えて下さい。

遠藤克之輔ベントレー モーターズ ジャパン ブランドダイレクター(以下、遠藤):まずデザインから触れるとわかりやすいだろう。「ベントレー」はデザイン哲学をアップデートし続けているブランドだ。自分たち自身にチャレンジしながら新しい哲学を再定義し、新しいものを生み出している。レスティングビースト(休息する肉食動物)をモチーフとしたボディのシルエット、直立するサラブレッドの美しい立ち姿をモチーフにしたフロントの先端のデザインなど、「ベントレー」らしさを形作ってきたモチーフを継承しながら時代にあわせてアップデートしている。今回発表した“コンチネンタルGTスピード”は、多くの人に愛されてきた要素をアップデートした最新モデルだ。

ウェイン・ブルース=ベントレー モーターズ リミテッド チーフ・コミュニケーション& D&Iオフィサー(以下、ウェイン):クルマについて詳しくはなくても、「ベントレー」というブランドとヘリテイジを深く理解しているお客さまが乗っている点が「ベントレー」の特徴だ。新型“コンチネンタルGTスピード”は、ハイブリッドパワートレインというテクノロジーと、「ベントレー」を特徴づけるクラフトマンシップのマジカルヒュージョンだ。

――「ベントレー」のフラッグシップである“コンチネンタルGT”がアップデートされた。4世代目となるということだが、外見上では先代からの大きな変化を控えたように見受けられる。これまでのモデルと最新の4世代目の違いは。

ウェイン:パワートレインを電気とガソリンエンジンのハイブリッドとしたことにより、車両の68%を占める部分が新しくなっている。そのほとんどは目に見えないところだが、電気モーターを搭載しバッテリーを積むには車両の内部で大幅な改良が必要だった。エクステリアデザインでは主にフロントやリアに変化を加えている。“コンチネンタルGT”にはいくつかのモデルがあり、この“スピード”はパワーにおいてトップにあるマシンであり、パワーに焦点を当てたモデルを最初に発表したという点が過去のモデルとは異なっている。

ニコ・クールマン=アジアパシフィックリージョナルディレクター(以下、ニコ):“コンチネンタルGT”は私達にとってのアイコンである。アイコンというのは劇的には変わらないものと考える。今回は劇的な変更は加えていない。というのもこれまで21年にわたりお客さまに愛されてきたモデルであり、既存のお客さまのニーズに応えることも重要だと考えるからだ。もちろん、これまで「ベントレー」に乗っていない人にも魅力的な充分新しいデザインに仕上がっている。あくまでも“コンチネンタルGT”はアイコン的モデルなので、われわれも慎重に取り扱った。

――自動車におけるラグジュアリーのひとつの傾向として、グランドツーリング(長距離のクルマによる旅)という用途に注目が集まっていることがいえる。グランドツーリングを関する“コンチネンタルGT”はこの領域におけるユニークな存在ではあるが、どのような優位性を持つと考えているのか。

ウェイン:デイリーなスーパーカーであることだ。

遠藤:日本でいうとグランドツーリングは「ベントレー」の出発点。移動という面で特にユーザビリティが高いことが特徴だ。そしてウェインが言うように汎用的でもある。長い距離を走り、その時間がなんて楽しいんだろうと感じる快適さが「ベントレー」にはある。お客さまにヒアリングすると「『ベントレー』は5000キロ乗っても疲れない」という声もあった。出張やロングドライブでドライブ、帰りはクルマなんて乗りたくない、電車や飛行機で帰ろうと思うような距離でも「ベントレー」なら疲れを感じることなく、むしろ過ごした時間が楽しいとおっしゃるお客さまがいる。「ベントレー」が持つグランドツーリングの特徴だ。クルマの中にいる時間が楽しく、快適で、そして一緒に過ごした方々との時間が忘れがたいものになり、また乗りたいと思う。それが「ベントレー」の大きな魅力だと捉えている。

ダイバーシティー&インクルージョンを積極支援

――ラグジュアリーライフスタイルブランドとして、未来に向けて描く姿は

ウェイン:ブランドが取り組んでいることは、ファッションの世界でも見られるように、買ってくださったお客さまと価値観を共有すること。われわれは2019年に創業100周年で立てた「Beyond100」戦略のもとに未来へと進んでいる。そのなかで「ベントレー」は「サスティナブルなラグジュアリーモビリティのリーダーになる」という目標を掲げていた。6年前には工場をカーボンニュートラル化した。そしてさまざまなリサイクル活動を行っている。排気ガスを出すクルマからハイブリッド化も進めており、今回の新型車両ではCO2排出量を10%にまで削減した。また、フォルクスワーゲングループの他のブランドと協力して進めていることだが、サプライチェーン全体でのCO2排出量削減にも取り組んでいる。同時に、コミュニティーに対する貢献も進めている。「ベントレー」の本社があるのはイングランド北西のクルーという場所で、決して裕福な地域ではない。ここでは「ベントレー」が雇用主として最大の会社であるという意味でコミュニティーへのサポートも進めている。さらに、10社のパートナーと環境財団を設立し、数百万ポンド(数億円)を寄付した。ダイバーシティー&インクルージョンの活動も社内外で進めている。

――ダイバーシティー&インクルージョンにベントレーでは積極的に取り組み、その成果を定期的に発信している。その狙いは。

ウェイン:2つの理由がある。それが正しいことだと信じているからだ。これまで買ったことのないお客さまを引きつけようと思ったら、そのような方々にとっても「ベントレー」が大事な存在でなければならない。そのためには正しいことをしないといけない。

そしてもう一つは、経営の観点だ。多様な人材、多様な考え方を受け入れることで会社を変える助けにしようという狙いがある。4年前には私の提案から地元のプライドフェスティバルを支援した。レインボーカラーにラッピングしたクルマも提供した。このような勇気ある発信はベントレーとして初めてだったので反響は非常に大きかった。LGBTQの社員も勇気を得て、自分たちも関わりたいと名乗り出た。いまでは社内に5つのインクルージョンに関するネットワークがある。1つはプライド系のネットワーク、そして女性活躍、さらに精神的に疾患を抱える人のネットワーク、4つめが多様な民族のネットワーク、5つめが、軍人、警察官出身のネットワークだ。それぞれのミッションは、4500人の社員にインクルージョンを啓蒙して伝えること。現在ではこのネットワークに700人の社員が関わっている。D&Iのアクティビストの招へいやLinkedinなどの公共に使えるチャネルで、自分たちの活動を発信したことにより、ベントレーの求人への応募における女性比率がかなり増えた。

――ラグジュアリーは時代によって定義が変わる。いま求められるラグジュアリーとはどのようなものだと考えるか「ベントレー」が提案したいラグジュアリーとはどのようなものか。

ニコ:ラグジュアリーは客観的なものではない。高価であることや、大きなロゴがついていることで測れるものではない。自分にとって特別であることがラグジュアリーだ。クルマでいえば自分の好みにあったドリームカーであること。ハンドステッチや素材、エクスクルーシブなクラフトマンシップといった生産工程に関わることもラグジュアリーを叶える要素だ。

ウェイン:マーケティングにおいては価格による明確なラグジュアリーの定義がある。すなわち18万ユーロ(約3132万円)から上がラグジュアリー。そして概念としては、ラグジュアリーとは希少価値があるもので、自分を甘やかすためのものだ。その点でわれわれは「ベントレー」の製品はデイリー・ラグジュアリーと言っているが、耐久性が高く、多少雑に使っても大丈夫という実用的なラグジュアリーだ。さらに、460億パターンのパーソナライズができ、自分だけの一台を作ることができる。この点もまたラグジュアリーであると考える。

遠藤:日本におけるラグジュアリーはさまざまな捉え方があるが、私が考える日本におけるラグジュアリーは、リベラルアーツや教養。芸術的な観点にどれだけ労力を割けるかにある。ただお金をかけるだけではなく、時間をかけたり、学び、そういうものを愛する目を養っていることが日本におけるラグジュアリー。ベントレーはもちろんラグジュアリーだが、クルマづくりにおいて手作業によるハンドステッチをあしらった革のパーツやダイヤモンド状のキルティングパターンを施した内装など、時間をかけて長年の歴史があるクラフトマンシップを注ぎ込んでいる。

遠藤:このように丁寧に作られた、長年の歴史があるものを普段遣いできる。これは日本におけるラグジュアリーだと言える。「ベントレー」の価値は、普段袖を通すTシャツやシャワー後に着るバスローブといったものを非常にクオリティーの高いものを使うように、自動車のなかでそういった物に触れられるところにあり、これこそ究極のラグジュアリーだと考えている。

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「ベントレー」が新型“コンチネンタルGTスピード”を発表 本国幹部に聞く、自動車におけるラグジュアリーとは

英国の自動車ブランドである「ベントレー(BENTLEY)」が“コンチネンタルGTスピード”の新型モデルを日本向けに披露。ラグジュアリーブランドがコアバリューをどのようにプロダクトに落とし込んでいるのか。そしてどのように進化しようとしているのか。来日したベントレー モーターズ リミテッドのウェイン・ブルース=チーフ・コミュニケーション& D&Iオフィサーとニコ・クールマン=アジアパシフィックリージョナルディレクター、そして遠藤克之輔ベントレー モーターズ ジャパン ブランドダイレクターにインタビューを行った。

――ベントレーのフラッグシップである“コンチネンタルGT”のなかでも、よりパワフルなモデルである“コンチネンタルGTスピード”は、シリーズ誕生から4世代目となるクルマですが、この魅力について教えて下さい。

遠藤克之輔ベントレー モーターズ ジャパン ブランドダイレクター(以下、遠藤):まずデザインから触れるとわかりやすいだろう。「ベントレー」はデザイン哲学をアップデートし続けているブランドだ。自分たち自身にチャレンジしながら新しい哲学を再定義し、新しいものを生み出している。レスティングビースト(休息する肉食動物)をモチーフとしたボディのシルエット、直立するサラブレッドの美しい立ち姿をモチーフにしたフロントの先端のデザインなど、「ベントレー」らしさを形作ってきたモチーフを継承しながら時代にあわせてアップデートしている。今回発表した“コンチネンタルGTスピード”は、多くの人に愛されてきた要素をアップデートした最新モデルだ。

ウェイン・ブルース=ベントレー モーターズ リミテッド チーフ・コミュニケーション& D&Iオフィサー(以下、ウェイン):クルマについて詳しくはなくても、「ベントレー」というブランドとヘリテイジを深く理解しているお客さまが乗っている点が「ベントレー」の特徴だ。新型“コンチネンタルGTスピード”は、ハイブリッドパワートレインというテクノロジーと、「ベントレー」を特徴づけるクラフトマンシップのマジカルヒュージョンだ。

――「ベントレー」のフラッグシップである“コンチネンタルGT”がアップデートされた。4世代目となるということだが、外見上では先代からの大きな変化を控えたように見受けられる。これまでのモデルと最新の4世代目の違いは。

ウェイン:パワートレインを電気とガソリンエンジンのハイブリッドとしたことにより、車両の68%を占める部分が新しくなっている。そのほとんどは目に見えないところだが、電気モーターを搭載しバッテリーを積むには車両の内部で大幅な改良が必要だった。エクステリアデザインでは主にフロントやリアに変化を加えている。“コンチネンタルGT”にはいくつかのモデルがあり、この“スピード”はパワーにおいてトップにあるマシンであり、パワーに焦点を当てたモデルを最初に発表したという点が過去のモデルとは異なっている。

ニコ・クールマン=アジアパシフィックリージョナルディレクター(以下、ニコ):“コンチネンタルGT”は私達にとってのアイコンである。アイコンというのは劇的には変わらないものと考える。今回は劇的な変更は加えていない。というのもこれまで21年にわたりお客さまに愛されてきたモデルであり、既存のお客さまのニーズに応えることも重要だと考えるからだ。もちろん、これまで「ベントレー」に乗っていない人にも魅力的な充分新しいデザインに仕上がっている。あくまでも“コンチネンタルGT”はアイコン的モデルなので、われわれも慎重に取り扱った。

――自動車におけるラグジュアリーのひとつの傾向として、グランドツーリング(長距離のクルマによる旅)という用途に注目が集まっていることがいえる。グランドツーリングを関する“コンチネンタルGT”はこの領域におけるユニークな存在ではあるが、どのような優位性を持つと考えているのか。

ウェイン:デイリーなスーパーカーであることだ。

遠藤:日本でいうとグランドツーリングは「ベントレー」の出発点。移動という面で特にユーザビリティが高いことが特徴だ。そしてウェインが言うように汎用的でもある。長い距離を走り、その時間がなんて楽しいんだろうと感じる快適さが「ベントレー」にはある。お客さまにヒアリングすると「『ベントレー』は5000キロ乗っても疲れない」という声もあった。出張やロングドライブでドライブ、帰りはクルマなんて乗りたくない、電車や飛行機で帰ろうと思うような距離でも「ベントレー」なら疲れを感じることなく、むしろ過ごした時間が楽しいとおっしゃるお客さまがいる。「ベントレー」が持つグランドツーリングの特徴だ。クルマの中にいる時間が楽しく、快適で、そして一緒に過ごした方々との時間が忘れがたいものになり、また乗りたいと思う。それが「ベントレー」の大きな魅力だと捉えている。

ダイバーシティー&インクルージョンを積極支援

――ラグジュアリーライフスタイルブランドとして、未来に向けて描く姿は

ウェイン:ブランドが取り組んでいることは、ファッションの世界でも見られるように、買ってくださったお客さまと価値観を共有すること。われわれは2019年に創業100周年で立てた「Beyond100」戦略のもとに未来へと進んでいる。そのなかで「ベントレー」は「サスティナブルなラグジュアリーモビリティのリーダーになる」という目標を掲げていた。6年前には工場をカーボンニュートラル化した。そしてさまざまなリサイクル活動を行っている。排気ガスを出すクルマからハイブリッド化も進めており、今回の新型車両ではCO2排出量を10%にまで削減した。また、フォルクスワーゲングループの他のブランドと協力して進めていることだが、サプライチェーン全体でのCO2排出量削減にも取り組んでいる。同時に、コミュニティーに対する貢献も進めている。「ベントレー」の本社があるのはイングランド北西のクルーという場所で、決して裕福な地域ではない。ここでは「ベントレー」が雇用主として最大の会社であるという意味でコミュニティーへのサポートも進めている。さらに、10社のパートナーと環境財団を設立し、数百万ポンド(数億円)を寄付した。ダイバーシティー&インクルージョンの活動も社内外で進めている。

――ダイバーシティー&インクルージョンにベントレーでは積極的に取り組み、その成果を定期的に発信している。その狙いは。

ウェイン:2つの理由がある。それが正しいことだと信じているからだ。これまで買ったことのないお客さまを引きつけようと思ったら、そのような方々にとっても「ベントレー」が大事な存在でなければならない。そのためには正しいことをしないといけない。

そしてもう一つは、経営の観点だ。多様な人材、多様な考え方を受け入れることで会社を変える助けにしようという狙いがある。4年前には私の提案から地元のプライドフェスティバルを支援した。レインボーカラーにラッピングしたクルマも提供した。このような勇気ある発信はベントレーとして初めてだったので反響は非常に大きかった。LGBTQの社員も勇気を得て、自分たちも関わりたいと名乗り出た。いまでは社内に5つのインクルージョンに関するネットワークがある。1つはプライド系のネットワーク、そして女性活躍、さらに精神的に疾患を抱える人のネットワーク、4つめが多様な民族のネットワーク、5つめが、軍人、警察官出身のネットワークだ。それぞれのミッションは、4500人の社員にインクルージョンを啓蒙して伝えること。現在ではこのネットワークに700人の社員が関わっている。D&Iのアクティビストの招へいやLinkedinなどの公共に使えるチャネルで、自分たちの活動を発信したことにより、ベントレーの求人への応募における女性比率がかなり増えた。

――ラグジュアリーは時代によって定義が変わる。いま求められるラグジュアリーとはどのようなものだと考えるか「ベントレー」が提案したいラグジュアリーとはどのようなものか。

ニコ:ラグジュアリーは客観的なものではない。高価であることや、大きなロゴがついていることで測れるものではない。自分にとって特別であることがラグジュアリーだ。クルマでいえば自分の好みにあったドリームカーであること。ハンドステッチや素材、エクスクルーシブなクラフトマンシップといった生産工程に関わることもラグジュアリーを叶える要素だ。

ウェイン:マーケティングにおいては価格による明確なラグジュアリーの定義がある。すなわち18万ユーロ(約3132万円)から上がラグジュアリー。そして概念としては、ラグジュアリーとは希少価値があるもので、自分を甘やかすためのものだ。その点でわれわれは「ベントレー」の製品はデイリー・ラグジュアリーと言っているが、耐久性が高く、多少雑に使っても大丈夫という実用的なラグジュアリーだ。さらに、460億パターンのパーソナライズができ、自分だけの一台を作ることができる。この点もまたラグジュアリーであると考える。

遠藤:日本におけるラグジュアリーはさまざまな捉え方があるが、私が考える日本におけるラグジュアリーは、リベラルアーツや教養。芸術的な観点にどれだけ労力を割けるかにある。ただお金をかけるだけではなく、時間をかけたり、学び、そういうものを愛する目を養っていることが日本におけるラグジュアリー。ベントレーはもちろんラグジュアリーだが、クルマづくりにおいて手作業によるハンドステッチをあしらった革のパーツやダイヤモンド状のキルティングパターンを施した内装など、時間をかけて長年の歴史があるクラフトマンシップを注ぎ込んでいる。

遠藤:このように丁寧に作られた、長年の歴史があるものを普段遣いできる。これは日本におけるラグジュアリーだと言える。「ベントレー」の価値は、普段袖を通すTシャツやシャワー後に着るバスローブといったものを非常にクオリティーの高いものを使うように、自動車のなかでそういった物に触れられるところにあり、これこそ究極のラグジュアリーだと考えている。

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松屋、訪日客の消費旺盛 25年2月期予想を上方修正

松屋は12日、訪日客を中心とした販売好調を受け、2025年2月期連結業績予想を上方修正した。修正後の予想は売上高480億円(修正前は435億円)、営業利益50億円(同25億円)、純利益30億円(同14億円)となる。前期実績との比較では売上高は16.3%増。円安を追い風にラグジュアリーブランドなどの高額品が訪日客に想定以上に売れた。

同日発表した3〜5月期は、売上高が前年同期比23.8%増の117億円、営業利益が同約2.9倍の11億円、純利益が同約2.3倍の7億2400万円だった。小売売上高に相当する総額売上高は同34.0%増の349億円。5月は訪日客による免税売上高が過去最高を記録し、松屋銀座本店では売上高に占める免税売上高の割合が5割を超えた。

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松屋、訪日客の消費旺盛 25年2月期予想を上方修正

松屋は12日、訪日客を中心とした販売好調を受け、2025年2月期連結業績予想を上方修正した。修正後の予想は売上高480億円(修正前は435億円)、営業利益50億円(同25億円)、純利益30億円(同14億円)となる。前期実績との比較では売上高は16.3%増。円安を追い風にラグジュアリーブランドなどの高額品が訪日客に想定以上に売れた。

同日発表した3〜5月期は、売上高が前年同期比23.8%増の117億円、営業利益が同約2.9倍の11億円、純利益が同約2.3倍の7億2400万円だった。小売売上高に相当する総額売上高は同34.0%増の349億円。5月は訪日客による免税売上高が過去最高を記録し、松屋銀座本店では売上高に占める免税売上高の割合が5割を超えた。

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「無印良品」23年9月〜24年5月期、スキンケアや日用消耗品が好調 業績予想を上方修正

「無印良品」を運営する良品計画は12日、2024年8月期連結業績予想を上方修正した。修正後は、売上高に相当する営業収益が6600億円(修正前は6400億円)、営業利益が530億円(同480億円)、純利益が360億円(330億円)とする。同日発表した23年9月〜24年5月期決算の好調を受けたもの。国内事業においてスキンケア用品や日用消耗品などが好調で、値下げも抑えられたことに加え、海外事業は円安が利益を押し上げた。

23年9月〜24年5月期の好調は、「一昨年、昨年の苦戦から通常に戻った。いい商品を作り、それをしっかりマーケティングして売っていくといった基本の部分が通常に戻ってきた」と堂前宣夫社長。国内事業は増収増益で、既存店売上高は前年同期比6.2%増で着地。「好調なスキンケアや日用消耗品、刷新中の衣料品が、郊外を中心に積極出店している大型店舗でしっかり見せられるようになり、そうした大型の売り場を前提に商品ラインアップの開発を進めていることがうまく回り始めた。大型店MDの成功パターンが分かってきた」。

中国事業は、昨年がコロナ禍からの回復で好調だったことを受け、既存店売上高は前年割れ。ただし、出店拡大や円安効果による押し上げがあった。中国は景気悪化が懸念されるが、「不況になって、お客さまの商品を吟味する目が厳しくなれば、その分われわれにとってはチャンスになり得る」。

23年9月〜24年5月期連結業績は、営業収益が同13.7%増の4956億円、営業利益が同87.3%増の424億円、純利益が同79.4%増の335億円だった。

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アシックス、資本構成もグローバルへ 自社で保有する政策保有株式を24年内に全て売却

アシックスは近年の業績伸長を受け、同社グループが保有する政策保有株式を2024年内に全て売却すると12日に発表した。また、金融機関や取引先など事業会社による政策保有株式の大部分も削減。旧来的な株主構造から脱却し、「資本市場においてもフロントランナーになる」(廣田康人会長CEO)。

アシックスは同日、2024年12月期の連結業績予想の大幅な上方修正も発表している。「アシックスは海外売上比率が80%超。日本発のグローバルブランドを目指しており、同様に資本構成もグローバルにしていく。海外の機関投資家に株式を長期保有して成長を見守っていただき、われわれも緊張感を持って経営に臨む。競合であるスポーツメーカーと同じような資本構成にしていきたい」。

政策保有株式とは一般的に、企業が純粋な投資としてではなく、取引先との関係維持や買収防衛といった経営戦略上の目的で長期で保有している株式のこと。株式の流動性が下がり、コーポレートガバナンスの低下にもつながる可能性があるため、海外の機関投資家からは厳しい評価を受けることが多い。

アシックスは政策保有株式の売却により、「60億円以上の売却益を得る」(林晃司 最高財務責任者)。これを成長投資や株主還元に充てていく。

アシックスの時価総額は、週明けには2兆円を突破するとみられる。これは年初(約8095億円)から2.5倍、コロナ禍前(19年12月末時点、約3317億円)から6倍。

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【早割受付中 | WWDコンテンツマーケティング講座】目標や悩みをコンテンツに変え、実行する思考法を学ぶ短期集中講座

全4回WWDJAPAN『コンテンツマーケティング講座』
「どうやって企画するの?」という永遠の命題を考えよう

「WWDJAPAN」はこの夏、SNSの投稿やオウンドメディアの記事から、ポップアップやイベントまで、全てをコンテンツと捉え、これらを企画する思考法と学ぶ「コンテンツマーケティング講座」を開催します。情報が溢れ、都市部ではイベントも百花繚乱な時代。SNSからイベントまでのコンテンツは、消費者とのエンゲージメントを地道に強化するためのものでありながら、一方でバズやハイプなどの熱狂も求められるようになりました。だからこそ、コンテンツの企画は日々難しくなっています。そこで「WWDJAPAN」は、クリエイティブな業界の中でさらに一線を画したコンテンツを企画したり、そのコンテンツを育み規模を拡大し続けたり、オンラインとオフラインを上手に循環させたりの企業に注目し、その思考法やノウハウを披露していただきます。「良いアイデアが思い浮かばない!」という皆さんの挑戦をお待ちしています。

このような人におすすめ

・新しくも、意味のあるイベントを企画したいイベント担当者の皆様
・SNSでフォロワーとのエンゲージメントを深めたいソーシャル担当の皆様
・オウンドメディアで、どんなコンテンツを作ったらいいのか悩んでいる皆様
・そんなチームを束ねているマーケティングを統括する皆様
・ファッション&ビューティ業界のマーケティングを知りたい異業種や代理店の皆様

\7/19(木)12:00まで早割キャンペーン実施中!/
クーポンコードをご利用の方は、申し込み画面で入力してください。

早割クーポンコード【A5DCYBLH】/有料会員の方はこちらからクーポンコードを取得してください。

 


プログラム

<DAY1>8月6日(火)13:00~16:00

1限目:13:00~14:00(60分)

編集制作トップに聞く、「WWDJAPAN」流コンテンツの作り方

1限目は、八木由希乃・編集制作編集マネジャーが「WWDJAPAN」らしいコンテンツの作り方を伝授します。八木マネジャーは普段、ラグジュアリーからマスブランドまで数々のクライアントとタイアップを企画・制作。コロナ明けはリアルイベントのプランニングからその中身の制作にも取り組み、紙面からデジタル、オフラインからオンラインまで、さまざまなコンテンツを企画・実行しています。「WWDJAPAN」は、クライアントのニーズをどうやって「WWDJAPAN」らしいコンテンツに変えているのか?また、ターゲット・オーディエンスをどう捉えて、イベントをチューニングしているのか?コンテンツに至るまでの思考法を披露します。

スピーカー:八木 由希乃/WWDJAPAN編集制作マネージャー
スピーカー:村上 要/WWDJAPAN編集長

 

2限目:14:10~15:10(60分)

IZA田中社長が明かす、思いから生まれたコンテンツの育み方

2限目は、「ニナ リッチ」や「ヌメロ ヴェントゥーノ」などを輸入・販売するIZAの田中タキ社長が登場します。IZAの名物コンテンツは、これまで16回開催している「イザ ピンク クリスマス」。ドレスなどを扱うセレクトショップとして、販売したアイテムを楽しんでいただく機会を提供すべくスタートしたイベントは、ピンクリボンや動物愛護などの社会的コンテンツも加えて規模を拡大し続けています。この時間は、田中社長に思いをどうイベントへと繋げ、拡大しているのか?を直撃。業界随一のアイデアウーマンには、携わるブランドのイベントを次々と仕掛けるアイデアや、その背後にある思いについても伺います。

ゲストスピーカー:田中 タキ/株式会社イザ 代表取締役社長 株式会社グルッポタナカ CMO 兼 取締役副社長
PROFILE:(たなか・たき)ヌメロヴェントゥーノ、ニナリッチ、パトゥ、デストレー、ボッターなど複数の海外コレクションブランドの 日本総代理店としてプレス・ホールセール・リテール全般を手掛けながら、セレクトショッ プ I Z A (東京/大阪)のオーナーバイヤーも兼任し、世界の最新モードを発信し続ける。ライフワークとして乳がんの正しい知識を啓蒙するピンクリボン運動を始め、動物愛護、 女性支援、LGBTQ支援、災害支援などさまざまな社会活動にも積極的に取り組む。 すべての命の幸せと尊厳を守ることを応援するファッションチャリティイベントIZA PINK CHRISTMAS®を2007年に立ち上げる。毎年12月にチャリティガラパーティーを主催。
スピーカー:村上 要/WWDJAPAN編集長

 

Extra:15:15~16:00(45分)

ミートアップ

講座終了後、登壇者も参加するミートアップにご参加いただけます。ドリンクを用意しておりますので、さらなるコミュニケーションの場としてご活用ください。

<DAY2>8月20日(火)15:30~19:00

3限目:15:30~16:30(60分)

インスタグラムはどうする? 情報過多時代におけるコンテンツの考え方

3時間目は、情報過多な時代におけるインスタグラム用のコンテンツ作りを考えます。まず登壇するのは、「WWDJAPAN」の浅野ひかるソーシャルデスク。フォロワー数が40万を超えたインスタグラムの運用責任者は、ユーザーのニーズを踏まえて設定した、ブランド公式とは異なる「WWDJAPAN」のIGアカウントの役割を解説。目的に沿ったコンテンツを作る上での心構えと具体例などを伝授します。後半は、ビューティブランドが登壇予定。インフルエンサーと協業しながら、ブランド公式と、美容部員やメイクアップアーティストのSNSアカウントをどのように使い分け、店頭やECに繋げようとしているのか?その思考法とテクニックを伺います。


スピーカー:浅野 ひかる/WWDJAPAN ソーシャルデスク・記者

 

4限目:16:40~18:20 (100分)

ワークショップに挑戦!
「若い世代に向けたエントリーアイテム、どうやって伝える?」

講座の最後は、グループに分かれてワークショップに挑戦していただきます。課題は、今多くのファッションブランドが取り組む、若い世代に向けたエントリーアイテムのプロモーション。今人気のブランドは、どんな商品を、誰に、どう伝えているのかを理解した上で、同じような役割を課すアイテムをSNSからイベントまで含めた立体的なコンテンツでプロモートしていただきます。チームで考えていただくプランは、ゲスト審査員&村上要「WWDJAPAN」編集長がレビューさせていただきます。


スピーカー:村上 要/WWDJAPAN編集長

 

Extra:18:30~19:00(30分)

質疑応答

全科目を通じての質問や疑問、また講義では触れられなかったコンテンツマーケティングについてなどできる限り皆様の質問にお答えいたします。

 

※講義内容は予告なく変更となる場合があります。あらかじめご了承ください。

 


インフォメーション

日時

・DAY1:2024年8月6日(火)13:00~16:00〈1限目、2限目〉
・DAY2:2024年8月20日(火)15:30~19:00 〈3限目、4限目〉

※講座開始30分前より会場受付開始

募集人数

【実践コース】先着48名
※会場ご参加のみとなります。オンライン配信(視聴コース)はございません。
※早割期間内であっても、定員に達し次第受け付けを締め切らせていただく場合がございます。
※講義終了後、本講座のアーカイブ販売を予定しております。

会場

・DAY1:イベントスペースEBiS303

東京都渋谷区恵比寿1-20-8 カンファレンススペース5F

・DAY2:渋谷キャスト スペース

東京都渋谷区渋谷1-23-21

※DAY1・DAY2で会場が異なりますのでご注意ください

募集期間

7/12(金)〜8/5(月)12:00まで
【早割10%OFFキャンペーン】
7/19(木)12:00までのお申し込みで、一般価格から10%OFFで受講いただけます。
申し込み画面でクーポンコードを入力してください。
クーポンコード:A5DCYBLH

受講料

一般価格:55, 000円49,500円 早割10%OFF
スタンダードプラン:
38,500円 30%OFF
ライトプラン:49,500円 10%OFF

※表示価格は全て1名様分、税込です。
※他のクーポンとの併用はできません。

 

クーポンコードをご利用の方は、申し込み画面で入力してください。
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注意事項

・割引価格はクーポンをご利用時に適用となります。スタンダードとライトのクーポンコードはマイページをご確認の上、申し込み画面で入力してください。
・申し込みの受け付けは先着順です。募集人数に達し次第締め切らせていただきます。
・定期購読者で会員登録がお済みでない方はこちら
・本ページでのお支払いはクレジットカードのみとなります。コンビニ支払いをご希望の方はこちら
・適格請求書(領収書)の発行は、こちらから。記載のお宛名をご入力の上ご連絡ください。
弊社登録番号:T5-0110-0104-4278
・当日は会場内に撮影用のカメラが入ります。撮影した動画や写真は、「WWDJAPAN」Weeklyやウェブサイト、公式SNSなどで掲載する場合があります。ご了承いただける方のみお申し込みください。

 

講座終了後、アーカイブ受講の販売を予定しております。

ご契約いただくと、全社員が「WWDJAPAN」のセミナーを受講できる法人プラン。

問い合わせ先
INFASパブリケーションズ カスタマーサポート
お問い合わせフォームはこちら

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快調アシックス、今期の業績予想を大幅上方修正 「営業利益800億円」の目標を2年前倒しでゴールへ

アシックスは足元業績の好調を受け、2024年12月期の連結業績予想を大幅に上方修正する。修正後の業績予想は、売上高が前期比11.9%増の6600億円(修正前は5900億円)、営業利益が同63.8%増の950億円(同580億円)、純利益が同61.1%増の580億円(同360億円)。いずれの項目も過去最高となる見通し。海外販売が好調に進捗し、円安の進行も有利に働いた。

第二四半期(1〜6月)の連結売上高(速報値)は、前年同期比21.8%増の1678億円。エリア別では、中華圏が同37.7%増、欧州が同26.9%増とけん引した。ライフスタイルスニーカーを展開する「アシックススポーツスタイル」が欧州の若者に支持を受けており、「中でも(人気モデルの)“ビンテージテック”が非常に好調。『オニツカタイガー』もアジアを中心に人気が高く、日本の店舗も観光客で常に盛況だ」と廣田康人CEO。そのほか、日本事業を展開するアシックスジャパンが前年同期比24.3%増、北米事業が同16.2%増、オセアニアが同22.1%増、東南アジア・南アジアが同30.3%増の84億円と、いずれの地域でも前年同期実績から2ケタ増となった。

通期では、今回上方修正した予想通り着地すれば、昨年11月に策定した中期経営計画(〜27年3月期)で掲げた目標値である「営業利益800億円」を2年前倒しで達成することになる。今夏にはパリ五輪も開催されるが、「売上高にそこまでの好影響は期待していない。そもそものブランド力が強くなっており、(上方修正後の)目標は十分達成できると考えている」と自信を深める。

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快調アシックス、今期の業績予想を大幅上方修正 「営業利益800億円」の目標を2年前倒しでゴールへ

アシックスは足元業績の好調を受け、2024年12月期の連結業績予想を大幅に上方修正する。修正後の業績予想は、売上高が前期比11.9%増の6600億円(修正前は5900億円)、営業利益が同63.8%増の950億円(同580億円)、純利益が同61.1%増の580億円(同360億円)。いずれの項目も過去最高となる見通し。海外販売が好調に進捗し、円安の進行も有利に働いた。

第二四半期(1〜6月)の連結売上高(速報値)は、前年同期比21.8%増の1678億円。エリア別では、中華圏が同37.7%増、欧州が同26.9%増とけん引した。ライフスタイルスニーカーを展開する「アシックススポーツスタイル」が欧州の若者に支持を受けており、「中でも(人気モデルの)“ビンテージテック”が非常に好調。『オニツカタイガー』もアジアを中心に人気が高く、日本の店舗も観光客で常に盛況だ」と廣田康人CEO。そのほか、日本事業を展開するアシックスジャパンが前年同期比24.3%増、北米事業が同16.2%増、オセアニアが同22.1%増、東南アジア・南アジアが同30.3%増の84億円と、いずれの地域でも前年同期実績から2ケタ増となった。

通期では、今回上方修正した予想通り着地すれば、昨年11月に策定した中期経営計画(〜27年3月期)で掲げた目標値である「営業利益800億円」を2年前倒しで達成することになる。今夏にはパリ五輪も開催されるが、「売上高にそこまでの好影響は期待していない。そもそものブランド力が強くなっており、(上方修正後の)目標は十分達成できると考えている」と自信を深める。

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エスティローダー、トレイシー・トラヴィスCFOの退任を発表

エスティ ローダー カンパニーズ(ESTEE LAUDER COMPANIES、以下ELC)はこのほど、トレイシー・トーマス・トラヴィス(Tracey Thomas Travis)最高財務責任者(CFO)が退任することを発表した。情報筋によると、年内に退任する。同社によると後任は決定しており、数週間以内に発表するという。

トラヴィスCFOはゼネラルモーターズ(GENERAL MOTORS)でエンジニアとしてキャリアをスタート。ラルフ ローレン(RALPH LAUREN)では、財務担当シニアバイスプレジデント兼CFOを務めた。また、エグゼクティブ・リーダーシップチームと投資開発委員会のメンバーも兼任した。12年にELCに入社し、グローバル・ファイナンスやIT、戦略、新規事業開発を統括している。

ファブリツィオ・フリーダ(Fabrizio Freda)最高経営責任者(CEO)は「トレイシーは、私や経営陣、取締役会にとってかけがえのないビジネスパートナーであり、信頼できるアドバイザーだ。強固で統合されたグローバルな財務・戦略組織を構築し、財務計画の最適化に貢献してきた。彼女の洞察力や卓越したオペレーションは、当社の成長に不可欠だった」と声明で述べた。

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英ブランド「マルベリー」のCEOが退任 後任は「ガニー」の前CEO

英国ブランド「マルベリー(MULBERRY)」を運営するマルベリー・グループ(MULBERRY GROUP以下、マルベリー)は、ティエリー・アンドレッタ(Thierry Andretta)最高経営責任者(CEO)の退任を発表した。後任には、アンドレア・バルドー(Andrea Baldo)=ガニー(GANNI)前CEOが9月1日付で就任する。

バルドー新CEOは、メゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)やディーゼル(DIESEL)でキャリアを積んだ後、2013年から16年まではマルニ(MARNI)の、16年から18年まではコチネレ(COCCINELLE)の要職を務めた。18年にデンマークのブランド、ガニーのCEOに就任。グローバルな販売網の強化や商品開発の推進によって事業拡大をけん引し、24年4月に退任した。

アンドレッタ前CEOは、ラグジュアリー業界で豊富な経験を持っており、ランバン(LANVIN)、モスキーノ(MOSCHINO)、ケリング(KERING)、LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON)、ブチェラッティ(BUCCELLATI)などで要職を歴任した。14年にマルベリーの社外取締役となり、15年にCEOに就任。デジタルやオムニチャネルを強化し、商品価格を国内外で統一するグローバルプライシングを導入したほか、リペアやリセールなどサステナビリティに関する取り組みも積極的に行った。

クリス・ロバーツ(Chris Roberts)=マルベリー会長は、「アンドレアは国際的なファッションブランドでの豊富な経験、クリエイティビティー、戦略的なマインドを持っており、マルベリーのCEOに適任だ。また、ティエリーのこれまでの貢献に感謝している」と語った。

バルドー新CEOは、「重要な時期にマルベリーに加わり、このアイコニックなラグジュアリーブランドが持つ、サステナビリティに関する高い信頼性をさらに育んでいけることをうれしく思う。同社のビジネスと優秀なチームを、次章へと率いていくことを楽しみにしている」と述べた。

23年度は4%減収の見込み

 

マルベリーは以前から成長が鈍化していたが、18年に卸先の英百貨店ハウス・オブ・フレーザー(HOUSE OF FRASER)が破綻したことによる300万ポンド(約6億円)の特別費用の計上、その後のコロナ禍、また英国がEUを離脱したことに伴い20年末に外国人買い物客向けの免税措置を廃止したことなどの影響で、さらに苦境に。業績を改善するべく、直営ビジネスの強化や、売り上げの約90%を占めるレザーグッズへの注力といった施策を取ってきたものの、結果は芳しくない。23年3月期の売上高は前期比4.4%増の1億5910万ポンド(約326億円)と増収だったが、コロナ禍前である19年の1億6630万ポンド(約340億円)を下回っている。また、同社が24年5月1日に発表した速報によれば、マクロ経済の悪化やラグジュアリー需要の低下などにより、24年3月期の売上高は同4%減(現地通貨ベースでは2.7%減)になる見込みだという。

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英ブランド「マルベリー」のCEOが退任 後任は「ガニー」の前CEO

英国ブランド「マルベリー(MULBERRY)」を運営するマルベリー・グループ(MULBERRY GROUP以下、マルベリー)は、ティエリー・アンドレッタ(Thierry Andretta)最高経営責任者(CEO)の退任を発表した。後任には、アンドレア・バルドー(Andrea Baldo)=ガニー(GANNI)前CEOが9月1日付で就任する。

バルドー新CEOは、メゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)やディーゼル(DIESEL)でキャリアを積んだ後、2013年から16年まではマルニ(MARNI)の、16年から18年まではコチネレ(COCCINELLE)の要職を務めた。18年にデンマークのブランド、ガニーのCEOに就任。グローバルな販売網の強化や商品開発の推進によって事業拡大をけん引し、24年4月に退任した。

アンドレッタ前CEOは、ラグジュアリー業界で豊富な経験を持っており、ランバン(LANVIN)、モスキーノ(MOSCHINO)、ケリング(KERING)、LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON)、ブチェラッティ(BUCCELLATI)などで要職を歴任した。14年にマルベリーの社外取締役となり、15年にCEOに就任。デジタルやオムニチャネルを強化し、商品価格を国内外で統一するグローバルプライシングを導入したほか、リペアやリセールなどサステナビリティに関する取り組みも積極的に行った。

クリス・ロバーツ(Chris Roberts)=マルベリー会長は、「アンドレアは国際的なファッションブランドでの豊富な経験、クリエイティビティー、戦略的なマインドを持っており、マルベリーのCEOに適任だ。また、ティエリーのこれまでの貢献に感謝している」と語った。

バルドー新CEOは、「重要な時期にマルベリーに加わり、このアイコニックなラグジュアリーブランドが持つ、サステナビリティに関する高い信頼性をさらに育んでいけることをうれしく思う。同社のビジネスと優秀なチームを、次章へと率いていくことを楽しみにしている」と述べた。

23年度は4%減収の見込み

 

マルベリーは以前から成長が鈍化していたが、18年に卸先の英百貨店ハウス・オブ・フレーザー(HOUSE OF FRASER)が破綻したことによる300万ポンド(約6億円)の特別費用の計上、その後のコロナ禍、また英国がEUを離脱したことに伴い20年末に外国人買い物客向けの免税措置を廃止したことなどの影響で、さらに苦境に。業績を改善するべく、直営ビジネスの強化や、売り上げの約90%を占めるレザーグッズへの注力といった施策を取ってきたものの、結果は芳しくない。23年3月期の売上高は前期比4.4%増の1億5910万ポンド(約326億円)と増収だったが、コロナ禍前である19年の1億6630万ポンド(約340億円)を下回っている。また、同社が24年5月1日に発表した速報によれば、マクロ経済の悪化やラグジュアリー需要の低下などにより、24年3月期の売上高は同4%減(現地通貨ベースでは2.7%減)になる見込みだという。

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エスエスケイが「ヒュンメル」のファッションラインに着手 ブランド100周年にちなんだ日本企画

京都のスポーツ用品メーカー、エスエスケイ(SSK)は、スポーツブランド「ヒュンメル(HUMMEL)」のデイリーウエアライン「ヒュンメルオー(HUMMEL 00)」を始動する。

「ヒュンメル」は、デンマークのコングロマリットであるトルニコ(THORNICO)が傘下にもつスポーツブランドで、日本における商標権は京都のスポーツ用品メーカーエスエスケイが保有している。1946年創業の同社はピンポン球などの販売店として創業し、野球用のユニホームや道具を中心に自社ブランド「エスエスケイ」商品の開発や販売を通して成長してきた。現在の年商は490億円で、売り上げの80%を「ナイキ(NIKE)」「アディダス(ADIDAS)」「プーマ(PUMA)」といった外資系スポーツブランドの輸入販売が、残りの20%を自社ブランドと「ヒュンメル」の販売・卸が占める。

同社と「ヒュンメル」の結びつきは、1991年に日本の販売代理店としてのライセンス契約を締結に始まり、2013年に商標権を獲得。「日本の販売現場を守り、本国と信頼関係を築いたことで商標権を得られた。本国は“スポーツを通して世界を変える(change the world through sport)”、エスエスケイは“スポーツを通じて健康で豊かな生活をサポート”を標ぼうしており、会社の方針が一致したことも大きかった」とエスエスケイの南剛ヒュンメル事業部上席部長は語る。

新ラインの卸先はセレクトショップ
「これまでの販路は使わない」

「ヒュンメルオー」によってファッション分野への参入に本腰を入れるのは、昨年「ヒュンメル」が創業100年を迎えたからだ。「100周年にちなんだ日本企画。次の100年を目指すにあたり、“スポーツを通して世界を変える”というブランドの精神性をより多くの人に広めたい。そのために、SNSなどで拡散力を持つファッション業界の人たちの力を借りようと判断した」。

ディレクターには、都内のセレクトショップのプライベートブランドや、国内デザイナーズブランドで企画・生産を経験し、現在は自身のメンズブランド「ブレインチャイルド(BRAINCHILD)」を手掛ける前野亮を迎えた。

ラインアップはトータルコーディネートを組めるほど充実しており、シャツやTシャツ、パジャマ風のセットアップ、パンツ、スカート、アウター、バッグなどをそろえる。スポーツブランドとしてのアイデンティティーは、機能性を重視した素材使いで現表現した。例えばテーラードジャケットには、伸縮性のあるポリエステル素材のソロテックスを使用したほか、はっ水加工をかけて天候を気にせず動きやすいウエアに仕上げた。バッグの底面にはコーデュラナイロンを採用し、耐久性のある作りを実現。デザインに一見して分かる「ヒュンメル」の面影はなく、クリーンさとカジュアルさを両立した仕上がりだ。ブランドの発祥地であるデンマークにちなみ、シャツには国鳥である白鳥をプリントしたり、ステッチでヒュンメルの頭文字の「H」を描いたりして、さりげなくブランドらしさを忍ばせている。

「ヒュンメルオー」では、従来、「ヒュンメル」が使用してきた販路を一切使用せず、アパレルのセレクトショップを中心に卸先を新規開拓する。現在、外部のセールスチームを3人雇用して全国を回っており、大手セレクトショップを含む5〜6件の商談が進行中だという。7月16〜20日には展示会を実施する。

エスエスケイは現在、「ヒュンメル」の裾野を拡大するため、ブランドのラインを増やしている。既存のスポーツラインの「ヒュンメル」、カジュアルライフスタイルライン「ヒュンメル プレイ(HUMMEL PLAY)」と「エイチエフシー(H.FC)」に、ファッションラインとして、「ヒュンメルオー」が加わる。さらに25年にはカジュアルライフスタイルラインに、ファッション性をプラスした「ヒュンメル プレイ プラス(HUMMEL PLAY PLUS)」(仮称)をスタートする予定だ。

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