アパレル経営者 ニュージェネレーションズ:記者談話室vol.132

「WWDJAPAN」ポッドキャストの「記者談話室」は、ファッション業界のその時々のニュースや話題について、3人の記者が分かりやすく解説したり、時には脱線したりしながら、掘り下げていきます。

132回目のテーマは「アパレル経営者 ニュージェネレーションズ」です。ファッションはトレンドもビジネスモデルも、時代で大きく移り変わるもの。時代の変化にドンピシャでチューニングした「次世代のスター経営者」について語ります。中心人物は、注目のアノ社長です。

「記者談話室」ではみなさまからのお便りをお待ちしております。ご感想ご意見を聞かせてください。メールアドレスは、danwashitu@infaspub.co.jp です。

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ZOZO×GAUSSY、2人のキーパーソンが語る「ロボット×アパレル物流」

ネット通販の拡大やフリマアプリの普及に伴い、国内の宅配便の数量は増加の一途をたどる一方で、「2024年問題」「人手不足」など課題も増えており、物流改革は待ったなしだ。解決のカギとされているのが最先端ロボットなどを駆使した自動化だ。今後も伸びが期待されるファッションとビューティ分野で、物流はどうあるべきか。年間の商品取扱高は5369億円(2024年3月期、その他商品取扱高を除く)、物流拠点の総面積は約55万㎡を擁し、ファッションECでは圧倒的なパワーを持つZOZOで、物流部門のキーパーソンの一人であるフルフィルメント本部オペレーションデザイン部の桐山慎一郎ディレクターと、物流スタートアップのガウシー(GAUSSY)の櫻井進悟社長/CEOに聞いた。

アパレル物流が抱える課題とは?

WWD:2024年問題や人手不足など物流を取り巻く環境は?

櫻井進悟ガウシー社長/CEO(以下、櫻井):マクロ的な話から始めると、日本の労働人口はどんどん減っており、配送業者の労働時間規制に伴う「2024年問題」のようにキャパシティーも減っていく流れにある。一方でECやフリマアプリの普及などで宅配荷物は増えている。需要は伸び続ける一方で、キャパは減少しており、さらにそのギャップは大きくなっていく。これが現状だ。その解決策として、鍵になるのが物流ロボットを絡めた効率化や自動化だ。

WWD:ファッションやビューティ分野ならではの課題は?

桐山慎一郎ZOZOフルフィルメント本部オペレーションデザイン部ディレクター(以下、桐山):当社は習志野に2つ、つくばに3つ、合計で5つの物流拠点を持ち、拠点の総面積は約55万㎡。年間の出荷件数は約5500万件で、商品取扱高は5369億円になる。櫻井さんがおっしゃっていた課題は、われわれも感じている。人手が足りないということはないが、以前よりも人が集まりにくくなっている。アパレル物流の他の業種との違いは多品種小ロットであること。季節によって扱うアイテムがガラリと変わり、例えば夏によく動くカットソーと、冬のダウンジャケットは大きさが全然違うので、仮に同じアイテム数でも必要な保管スペースはかなり変わるし、マテハンや仕分けなどの設備もそうした多彩なアイテムに対応する必要がある。これは自動化を考えるときの大きなポイントにもなる。

年間5500万件を出荷する
ZOZOの「凄み」と「強み」

WWD:24年3月期のZOZOの年間出荷数はなんと約5500万件。膨大な数のアイテムを出荷している。櫻井社長から見たZOZOの強みとは?

櫻井:この数年物流分野では、AI(人工知能)を搭載した新しいロボットなど、文字通り日進月歩でテクノロジーが進化しており、とにかく変化が激しい。こうした時代に重要なのは、キャッチアップしつつ、進化し、変化すること。当社はアパレルに限らず、物流のリーディングカンパニーを筆頭に、化粧品系、食品系などさまざまな取引先を持っているが、物流の改革・改善にとても意欲的と感じた。特にPoC(ピーオーシー、概念実証:アイデアや技術が実現可能かを検証すること)を積極的に行っていることに驚いた。

桐山:当社はファッション企業であると同時にテックカンパニーでもある。ECシステムはもちろん、物流拠点で使うWMS(拠点内の管理システム)も自社で設計・開発を行っている。これは当社の強みで、新しいロボットや設備を導入する際に、コスト面でもスピード面でもかなりのメリットがある。櫻井さんのご指摘の通り、新しいツールやロボットが出てくるので、常にリサーチし、かつなるべくスピード感を持って検証もしている。年単位の大きなものから、新しいソリューションやツールを試すような小規模なものまで含めると、5つの物流拠点で常に数十のプロジェクトが動いている。

数字以上の価値!?
「オムニソーター」は何を変える?

櫻井:アパレル物流は入荷から検品、仕分け、保管、撮影があり、注文が入るとピッキング、仕分け、梱包、出荷というのが一つの流れ。物流拠点は膨大な入荷と出荷を同時にこなさねばならない場所であり、もちろんミスも許されない。物流改革の現場では、こうした作業をこなしながら、改善・改革を行わなければならない。そうした中で年間約5500万件を処理しているZOZOが、並行して数十の改善プロジェクトを動かしているのは本当に驚異的なことだ。

WWD:「オムニソーター」の導入の経緯は?

櫻井:まず1台のオムニソーターをPoCとして購入いただいて、数か月間の実証を経て最終的に9台の本格導入に繋げていただいた。「オムニソーター」はいわゆる仕分けロボットで、ZOZOBASE習志野1では梱包前の仕分けに採用された。「オムニソーター」の特徴は約10坪からという省スペースと、1時間最大1200アイテムという処理能力の高さが評価された。

桐山:省人化を促進するにあたり、より効率的な仕分け方法を検討していた。ZOZOBASE習志野1で「オムニソーター」以前に使っていた仕分け機だと、作業者がしゃがんだり、横に動いたりと動作が多い。一つ一つは小さくても作業者は1日に何度も繰り返すわけで、かなり作業負担は大きかった。「オムニソーター」の導入でもちろん作業効率は上がったが、それと同じくらい作業者の負担が減ったことに手応えを感じている。こうしたことはなかなか数字で出すのは難しいが、全体の作業効率の向上にもつながる。あとは細かい部分だと、機械自体の設計の柔軟性。高さを調整したり、建物の構造に合わせて柱を囲うように機械を設置したりと、導入時にはかなり細かく仕様を調整してもらえた。当社でも同じZOZOBASEでも場所によってレイアウトはぜんぜん違う。現場からすると、こうした柔軟性はかなりありがたい。

アパレル物流改革のカギは
「アナログ&最先端テックの
ベストミックス」!?

WWD:物流はこれからどう変わる?

櫻井:物流にもトレンドのようなものがあって、今はやはり最先端のロボットを導入した「自動化」の流れが強い。実際、環境的にも宅配便は増え続ける一方で、物流現場の人手不足はますます進む。ただ、自動化はいいことばかりではなく、設備のキャパシティーを稼働のピークに合わせることになり、アパレルのように時期やシーズンで稼働が上下しやすい業種だと、繁閑差で稼働率がかなり変わってしまい、ROI(投資効率)が下がる。できるだけ省人化を進めながら、それぞれの企業が最適なベストミックスを探すことになる。

桐山:同感です。そもそも「2024年問題」や人手不足、それに伴うコスト増、さらに新しい設備やロボットのROIなど、物流の現場はパラメータ(変数)が多く、課題自体が非常に複雑になり、現場にいると「自動化」が魔法の杖のように全てを解決してくれるなんてことはまずないと日々実感している。当社の場合は一つ一つの課題に向き合いつつ、「ゆっくり配送」のような販売時の工夫など、物流部門だけでなく他部門との連携も増やしている。今後はさらに、ブランドとの連携や協業も増やしていきたい。

PHOTO :YUTA FUCHIKAMI

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pr_group01@hubs-poke.jp

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ZOZO×GAUSSY、2人のキーパーソンが語る「ロボット×アパレル物流」

ネット通販の拡大やフリマアプリの普及に伴い、国内の宅配便の数量は増加の一途をたどる一方で、「2024年問題」「人手不足」など課題も増えており、物流改革は待ったなしだ。解決のカギとされているのが最先端ロボットなどを駆使した自動化だ。今後も伸びが期待されるファッションとビューティ分野で、物流はどうあるべきか。年間の商品取扱高は5369億円(2024年3月期、その他商品取扱高を除く)、物流拠点の総面積は約55万㎡を擁し、ファッションECでは圧倒的なパワーを持つZOZOで、物流部門のキーパーソンの一人であるフルフィルメント本部オペレーションデザイン部の桐山慎一郎ディレクターと、物流スタートアップのガウシー(GAUSSY)の櫻井進悟社長/CEOに聞いた。

アパレル物流が抱える課題とは?

WWD:2024年問題や人手不足など物流を取り巻く環境は?

櫻井進悟ガウシー社長/CEO(以下、櫻井):マクロ的な話から始めると、日本の労働人口はどんどん減っており、配送業者の労働時間規制に伴う「2024年問題」のようにキャパシティーも減っていく流れにある。一方でECやフリマアプリの普及などで宅配荷物は増えている。需要は伸び続ける一方で、キャパは減少しており、さらにそのギャップは大きくなっていく。これが現状だ。その解決策として、鍵になるのが物流ロボットを絡めた効率化や自動化だ。

WWD:ファッションやビューティ分野ならではの課題は?

桐山慎一郎ZOZOフルフィルメント本部オペレーションデザイン部ディレクター(以下、桐山):当社は習志野に2つ、つくばに3つ、合計で5つの物流拠点を持ち、拠点の総面積は約55万㎡。年間の出荷件数は約5500万件で、商品取扱高は5369億円になる。櫻井さんがおっしゃっていた課題は、われわれも感じている。人手が足りないということはないが、以前よりも人が集まりにくくなっている。アパレル物流の他の業種との違いは多品種小ロットであること。季節によって扱うアイテムがガラリと変わり、例えば夏によく動くカットソーと、冬のダウンジャケットは大きさが全然違うので、仮に同じアイテム数でも必要な保管スペースはかなり変わるし、マテハンや仕分けなどの設備もそうした多彩なアイテムに対応する必要がある。これは自動化を考えるときの大きなポイントにもなる。

年間5500万件を出荷する
ZOZOの「凄み」と「強み」

WWD:24年3月期のZOZOの年間出荷数はなんと約5500万件。膨大な数のアイテムを出荷している。櫻井社長から見たZOZOの強みとは?

櫻井:この数年物流分野では、AI(人工知能)を搭載した新しいロボットなど、文字通り日進月歩でテクノロジーが進化しており、とにかく変化が激しい。こうした時代に重要なのは、キャッチアップしつつ、進化し、変化すること。当社はアパレルに限らず、物流のリーディングカンパニーを筆頭に、化粧品系、食品系などさまざまな取引先を持っているが、物流の改革・改善にとても意欲的と感じた。特にPoC(ピーオーシー、概念実証:アイデアや技術が実現可能かを検証すること)を積極的に行っていることに驚いた。

桐山:当社はファッション企業であると同時にテックカンパニーでもある。ECシステムはもちろん、物流拠点で使うWMS(拠点内の管理システム)も自社で設計・開発を行っている。これは当社の強みで、新しいロボットや設備を導入する際に、コスト面でもスピード面でもかなりのメリットがある。櫻井さんのご指摘の通り、新しいツールやロボットが出てくるので、常にリサーチし、かつなるべくスピード感を持って検証もしている。年単位の大きなものから、新しいソリューションやツールを試すような小規模なものまで含めると、5つの物流拠点で常に数十のプロジェクトが動いている。

数字以上の価値!?
「オムニソーター」は何を変える?

櫻井:アパレル物流は入荷から検品、仕分け、保管、撮影があり、注文が入るとピッキング、仕分け、梱包、出荷というのが一つの流れ。物流拠点は膨大な入荷と出荷を同時にこなさねばならない場所であり、もちろんミスも許されない。物流改革の現場では、こうした作業をこなしながら、改善・改革を行わなければならない。そうした中で年間約5500万件を処理しているZOZOが、並行して数十の改善プロジェクトを動かしているのは本当に驚異的なことだ。

WWD:「オムニソーター」の導入の経緯は?

櫻井:まず1台のオムニソーターをPoCとして購入いただいて、数か月間の実証を経て最終的に9台の本格導入に繋げていただいた。「オムニソーター」はいわゆる仕分けロボットで、ZOZOBASE習志野1では梱包前の仕分けに採用された。「オムニソーター」の特徴は約10坪からという省スペースと、1時間最大1200アイテムという処理能力の高さが評価された。

桐山:省人化を促進するにあたり、より効率的な仕分け方法を検討していた。ZOZOBASE習志野1で「オムニソーター」以前に使っていた仕分け機だと、作業者がしゃがんだり、横に動いたりと動作が多い。一つ一つは小さくても作業者は1日に何度も繰り返すわけで、かなり作業負担は大きかった。「オムニソーター」の導入でもちろん作業効率は上がったが、それと同じくらい作業者の負担が減ったことに手応えを感じている。こうしたことはなかなか数字で出すのは難しいが、全体の作業効率の向上にもつながる。あとは細かい部分だと、機械自体の設計の柔軟性。高さを調整したり、建物の構造に合わせて柱を囲うように機械を設置したりと、導入時にはかなり細かく仕様を調整してもらえた。当社でも同じZOZOBASEでも場所によってレイアウトはぜんぜん違う。現場からすると、こうした柔軟性はかなりありがたい。

アパレル物流改革のカギは
「アナログ&最先端テックの
ベストミックス」!?

WWD:物流はこれからどう変わる?

櫻井:物流にもトレンドのようなものがあって、今はやはり最先端のロボットを導入した「自動化」の流れが強い。実際、環境的にも宅配便は増え続ける一方で、物流現場の人手不足はますます進む。ただ、自動化はいいことばかりではなく、設備のキャパシティーを稼働のピークに合わせることになり、アパレルのように時期やシーズンで稼働が上下しやすい業種だと、繁閑差で稼働率がかなり変わってしまい、ROI(投資効率)が下がる。できるだけ省人化を進めながら、それぞれの企業が最適なベストミックスを探すことになる。

桐山:同感です。そもそも「2024年問題」や人手不足、それに伴うコスト増、さらに新しい設備やロボットのROIなど、物流の現場はパラメータ(変数)が多く、課題自体が非常に複雑になり、現場にいると「自動化」が魔法の杖のように全てを解決してくれるなんてことはまずないと日々実感している。当社の場合は一つ一つの課題に向き合いつつ、「ゆっくり配送」のような販売時の工夫など、物流部門だけでなく他部門との連携も増やしている。今後はさらに、ブランドとの連携や協業も増やしていきたい。

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死に在庫を生き生きとした「ライブ ストック」に スタイリストの挑戦、故郷の長野から全国に

故郷の長野県上田市でセレクトショップの「エディストリアル ストア(EDISTORIAL STORE)」を手掛ける、小沢宏スタイリストの「ライブ ストック」という考え方が広がっている。「エディストリアル ストア」は、アパレル企業が倉庫で寝かしている在庫を、小沢のスタイリストとしての審美眼を生かしてセレクトして販売。雑誌のシューティングページのような世界観の演出やミックスコーディネイトで思いを発信しながら、死に在庫だった「デッド ストック」に命を吹き込み、生き生きとした魅力を放つ「ライブ ストック」として販売する。業界人らしい“洋服愛”とスタイリストとして培った人脈やノウハウに基づく小沢の取り組みは、在庫問題に苦慮するアパレルメーカーやディストリビューター、商業施設などの賛同を得て、拡大中。「ライブ ストック」という考え方を発信する「エディストリアル ストア」のビジネスモデルは、上田市から長野県、そして都内へと広がっている。

オフプライスストアと一線を画す、
「逆張り」と「雑誌の3D化」

>「焦り」を感じていたスタイリスト小沢宏が、地元で審美眼を生かして在庫活用のセレクトショップ

小沢が「エディストリアル ストア」を立ち上げた経緯は、上のリンクの通り。アパレルメーカーなどから「新古品(一度は出荷されたが未使用の商品のこと)」を買い取って販売するビジネスモデルは、一般的には「オフプライス」業態と呼ばれるが、小沢は「(オフプライスとは)異なっている」と話す。

小沢がそう言い切れるのは、スタイリストやフリーの編集者として、長年ファッション誌で活躍してきたキャリアの賜物だろう。まず小沢は、「『エディストリアル ストア』では、時に(当時の)販売価格以上の値段をつけることがある」という。その理由は、「スタイリストならではの『逆張り』」と小沢。「例えばルーズフィット全盛のタイミングで、『いつ、タイトフィットを提案しようか?』と考えて実行するなど、スタイリストは常に時代の先を読んで、『逆張り』している」と続ける。通常のオフプライスストアは、「新古品」を“シーズン落ち”と捉え、価値は下がっているから当時よりも安く販売している。一方の「エディストリアル ストア」は、その「新古品」が再び、もしくは新たに価値を帯び始めるタイミングで販売しようと試みるから、時に価格は当時よりも高くなるというわけだ。

そして小沢は、新たな価値を、さまざまな手法で届ける。例えば商品には、一着一着に思いの丈を綴ったカードを下げたり、可動式の什器を活用するなどして空間を演出。ブランドの垣根を超えたミックスコーディネートも、新たな価値の表現方法の1つだ。小沢は、こうした手法を「雑誌の3D化」と呼ぶ。ミックスコーディネートや、可動式の什器を使った空間演出は、雑誌の世界では当たり前の新たな価値を伝えるための手段。二次元の雑誌での取り組みを、三次元の「エディストリアル ストア」で再現している感覚だ。思いを綴ったカードは、雑誌の文章やキャプションのような存在なのだろう。

編集長は小沢、イベントでは
ゲストエディターを招き異なる視点を発信

「エディストリアル ストア」のオープンから2年。小沢の思いや取り組みは今、少しずつ広がっている。同じ長野県の松本パルコを皮切りに、丸の内や渋谷、南青山で開催したイベントには、ビームスやユナイテッドアローズ、ディストリビューターのコロネットなどが参画した。

イベントについて小沢は、「自分は編集長。そこにゲストエディターを招いている」と、ここでもファッション誌の感覚を忘れない。例えば「リステア」の柴田麻衣子クリエイティブ・ディレクターや、シトウレイ=ストリート・スタイル・フォトグラファーをゲストエディターに招いて、彼女たちが選んだ「ライブ ストック」を集積して発信。まさに小沢が編集長を務めるファッション誌に、柴田やシトウは寄稿したり、ゲスト編集者としてページを作ったりの取り組みだ。

小沢は、在庫に新たな命を吹き込む「ライブ ストック」という考え方には、「他にも応用できる弾力性」があると捉えている。上田の「エディストリアル ストア」は、「ニューヨークのソーホーやブルックリン、パリのマレにあっても負けない存在」と小沢。引き続きさまざまなゲストエディター、ブランドや企業と共に、「ライブ ストック」という概念を上田から全国、そして世界に届ける。

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「有吉弘行の脱法TV」企画・演出の原田和実 フジテレビ入社5年目が目指す「見たことのない番組作り」

PROFILE: 原田和実/テレビディレクター

原田和実/テレビディレクター
PROFILE: (はらだ・かずとみ)1996年生まれ、静岡県出身。テレビディレクター。フジテレビ編成制作局バラエティ制作センター所属。2020年に入社し、翌21年に手掛けた「ここにタイトルを入力」が話題に。22年には「あえいうえおあお」などを企画・演出。23年には「ここにタイトルを入力」の新春特番や「有吉弘行の脱法TV」を手掛ける。PHOTO:TAMEKI OSHIRO

入社1年目で企画書を提出し、2年目で初めて企画・演出を務めたテレビ番組「ここにタイトルを入力」が大きな注目を集めた、フジテレビの原田和実。その後も話題作を作り続け、直近では「有吉弘行の脱法TV」が放送されたばかり。現在5年目、その発想の源と、企画を正しく実現するまでのこだわりを聞いた。

——もともと学生時代は放送作家になりたかったと?

原田和実(以下、原田):はい。大学では劇団を立ち上げて、脚本・演出をしていたのですが、当時テレビ東京で放送していたシチュエーションコメディの「ウレロ☆」シリーズが大好きで、その番組に脚本で参加していたシベリア少女鉄道という劇団を主宰する土屋亮一さんに憧れていました。自分の劇団で作・演出をやりながら、テレビ番組でも脚本やコントを書く、そういう仕事をしたいなって。

——「ウレロ☆」シリーズでは、放送作家であり脚本家のオークラさんも参加していました。

原田:オークラさんも尊敬する作家の1人です。バナナマン×東京03「handmade works live」や「崩壊シリーズ」は自分の人生に欠かせない大好きな作品だし、まさに舞台とテレビを行き来するような仕事をされていて。いまだに「ウレロ☆」シリーズを超えるコント番組はないと思っているくらいです。

——原田さんの手掛ける番組は、いわゆるメタ構造の企画が多いですが、それはシベリア少女鉄道からの影響ですか?

原田:そうですね。僕の中でバイブル的な存在です。シベリア少女鉄道のメタ的な視点に衝撃を受けたことが、「作り手」を意識するきっかけにもなってて。フジテレビに入社したときから、自分で番組を作るなら、テレビのフレームワークを利用したおもしろい企画をやりたいなと思っていました。

——あえて「ウレロ☆」以外だと、どんな番組がお好みですか?

原田:「全力!脱力タイムズ」(フジテレビ)を見たときは「うわ、やられた」と思いました。構造でうまく遊びながら、作り込みが丁寧で、あの出力のものを特番ではなく毎週レギュラーでやれるのがすごいなって。

演者ありきではなく、企画の時点で80点を目指す

——初めて企画・演出を手掛けた「ここにタイトルを入力」(2021年〜)は、若手のトライアル枠ということで、ターゲットなどのオーダーがなく、自由に個性を発揮できたと思うのですが。

原田:ありがたいことに、ゼロから最後まで自分の好きなようにやらせてもらいました。企画としては、それまで自分がテレビを見ながら抱いていた違和感がアイデアのもとになっていて、初めての企画・演出だったこともあり、その違和感と破壊衝動のようなものを結びつけて、言語化していく作業でした。

——テレビは良くも悪くも強固なフォーマットによって成立している番組がほとんどなので、破壊しがいがありますよね。

原田:僕自身そこまで熱心にたくさんのテレビ番組を見てきたわけではないので、そんな僕でもイメージできる範囲のテレビ像をネタにするということは意識していました。逆に、もし僕がコアなテレビ視聴者だったら、企画がニッチになりすぎていた可能性もあると思います。

——ちなみに、「ここにタイトルを入力」の中で、原田さんの個人的なお気に入り回は?

原田:霜降り明星のせいやさんを主役にした「その恋、買い取ってもいいですか?」ですかね。あまり自分の番組を見返すことはないんですけど、この回は何度か見返しちゃっています。シンプルに「恋愛を買い取る」という、あまりにもテレビでやってそうなコンセプト感が大喜利の回答として気に入ってます。

——番組を作る立場から見て、やはり芸人さんは演者として欠かせない存在ですか。

原田:重要な役割を担っていただくことが多いので、ものすごくリスペクトしています。そもそも、自分の企画の立て方として、出演者の方の力量ありきではなく、まずは企画の段階で80点くらいは目指せたらなと思ってるんです。枠組みやフォーマットだけで、ある程度まで笑えるものにはなってるよね、という。その企画をもとに、現場で出演者のみなさんの力をお借りして、100点満点中200点を狙っていけるような感覚。企画者である自分はあくまで趣旨を説明することまでしかできないので、それを出演者の方、特に芸人さんが、より分かりやすく、おもしろく、「伝えたいこと」を「伝わるもの」に仕上げてくれるイメージです。

——ご自身の企画と相性がいいなと思うのは、どういうタイプの演者ですか。

原田:基本的に僕が考える企画の特性が、テレビの構造を使ったボケ要素の強い企画なので、出演者はツッコミの方が相性いいと思っています。制作者がボケて、演者がツッコミを入れる、という構図になるので。

——企画にツッコミを入れるといえば、原田さんが企画・演出を手掛けた「あえいうえおあお」(22年)は、毎回フジテレビのアナウンサーの1人にフォーカスして、密着ドキュメンタリーを装いながら、最後は奇抜な着地をする番組でした。

原田:あの番組もある種のボケ企画ですが、テーマとしては局のアナウンサーの魅力を伝えることがお題だったので、どちらかというと広告を作るつもりで考えました。とはいえ、よくあるアナウンサー番組にはしたくなかったので、新しい魅力を引き出しつつ、企画として笑いのレイヤーを乗せることを意識した結果、ああいったドキュメンタリーから展開していく構成になりました。

人為的なコンプライアンスチェックの過程をそのまま企画に

——6月6日に第2弾が放送された「有吉弘行の脱法TV」は、「テレビでできないとされていること」をテーマに、コンプライアンスの境界を探る企画でした。

原田:企画を思いついたきっかけとしては、第1弾でも検証した乳首の落書きってどこまで映せるんだろう、というものです。幼稚園児が描いた下手なものはOKなはずだし、芸大生が描いた写真みたいにリアルなものはNGな気がするし、だったら、必ずそこには映せなくなる境界線が存在していて、逆に言えば、そのギリギリのラインは映せるはずだなと。YouTubeではAIを使ってある程度の規制をかけていますが、テレビは完全に人が判定しているんです。局内にコンプライアンスをチェックする専門の部署がある。機械ではなく人間が決める、その曖昧さがおもしろいなと思い、どう判定するのかをそのまま企画にしました。なので、番組制作中は、毎日その部署に通って「この絵に描かれた乳首は放送できますか? もう少しだけリアルでも大丈夫ですか?」など、繊細な微調整を繰り返して本当の限界値を探ってました。

——実際にコンプライアンスをチェックする部署の担当者は、どういう反応だったのですか。

原田:全然、邪険にはされなかったですね。当然ですが、コンプライアンスチェックの方もテレビをつまらなくしてやろうと思って仕事をしてるわけではないので、協力するからにはおもしろい番組にしたいと言っていただき、つまびらかな検証をしてもらいました。どうして放送できないのかをちゃんと言葉にしてもらえたので、建設的なやりとりができたと思います。

——そもそも、かつては放送できていたものが、今は放送できないというのは、放送法などのルール改正があったわけではなく、あくまで局の判断、自主規制の問題ですよね?

原田:そうです。違法性とかではなく、あくまで会社としての危機管理の問題。世間の空気感やSNSで起きた事件などの蓄積があって、人為的に判断しています。線引きは局によっても、放送する時間帯によっても違いますし、細かく言えば、その番組に出演している人によっても変わると思います。と、あまり裏話はしたくないのですが……「有吉弘行の脱法TV」の制作段階でも、放送に至らなかったアイデアはたくさんあるんです。いじってはダメな領域、そもそも線引きを検証すること自体がNGという。なので、企画が生まれたとしても社内で通すのが難しいというケースが少なからずありますね。

テレビをメタ的に解釈して企画にするのは禁じ手にも近い

——これまでに観てきた演劇などの影響があるとはいえ、入社1年目から、テレビのフレームそのものを疑う企画を連発しているのは、非常に特異な才能だと思います。

原田:もちろんキャリアを積んで、テレビ制作の基礎を学んだからこそ作れる素晴らしい番組もあると思います。ただ、大前提として、僕はテレビで見たことのない番組を作りたいし、まだやられていない方法で人を笑わせたい。そこが大きなモチベーションになっているので。自分の感覚としては、テレビの長い歴史の中で、もう大体のことはやり尽くされている。そうなると、どうしても決まった領域の中で、どんどん細かい大喜利でしか差別化できない番組作りが加速してしまう気がしていて。そういう意味では、テレビをメタ的に解釈して企画にするっていうのは、禁じ手に近い。領域を無理やり拡張してしまう、本来は最後にたどり着く大喜利でもあるという。

——終わりの始まり、ですよね。と同時に、例えばYouTubeなど別のメディアで、テレビを脱構築するような企画をやるのではなく、テレビ局員として内側から揺さぶっていることに意義があるなと。

原田:僕はテレビでテレビをいじるからこそ、おもしろいと思っているんです。なんだかんだテレビは共通言語が最も多いメディアだと思うので、たとえテレビをまったく見ていない人でも、テレビってこういうもの、というイメージくらいは持っている。それこそコンプラが厳しくなっている、とか。個々人が抱くそのイメージの良し悪しとは別に、構造や文脈が共有されているって、ものすごいアドバンテージです。普段触れていない人にまで、そのイメージが知れ渡っていることが、テレビが最も優位性を発揮できるところだと思っていて、だからこそ、ふざけがいがあるんです。

結局最初のアイデアが一番おもしろかった、とならないために

——企画を考える上で、こういうことはやらないようにしている、というのはありますか?

原田:実体験で言うと、スタートの時点で「 純粋なエンタメとしてのおもしろさ」以外のことを目標として設定しない、ということですかね。「視聴率が取れそう」はもちろん、レギュラーとして継続できそうとか、マネタイズができそうとか、純粋なおもしろさ以外を初期段階で目標にすると、どうしてもコンテンツとしての爆発力に欠けたものになるし、直線的な企画になってしまうんですよね。余白を持って漂わせてこそ企画はおもしろくなっていくと思うので。

その上で、最初に思いついたことは曲げないようにしています。企画を番組として成立させる過程では、どうしてもロジックがうまくいかない部分が出てきたりするので、現実的な落とし所を探ることになるんですけど、そこで路線を変えてしまうと、結局最初のアイデアが一番おもしろかった、という結果になりがちなんです。

——本来は完成形が一番おもしろくなっていないといけないのに。

原田:そう、思いついたときがピークって、それじゃあせっかく作る意味がなくなってしまう。

——原田さんの番組は、「ここにタイトルを入力」のバイキング小峠さんが半分になっているビジュアルや、「有吉弘行の脱法TV」の「海賊版ガチャピン」など、ネット映えする一枚絵やパワーワードがいつも用意されています。

原田:それは、企画を考えるときはたいてい絵から思い浮かべるっていうことが一つと、日々摂取しているものがどうしてもネット文脈のものが多いので、言葉に落とし込む段階で自然とそうなっているんだと思います。感覚としても、今のテレビバラエティの潮流よりも、ネットの文脈をなぞるほうが意識としては強いです。

——最後に。「有吉弘行の脱法TV」の第2弾では、冒頭にMCの有吉さんが、番組の方向性を決定づける大事な話をしていますよね。

原田:実際に現場でご一緒すると、有吉さんのすさまじい能力に驚かされます。瞬時に企画の趣旨を理解して、それを適切な言葉で伝えてくれる。第1弾で「大人のビデオ」をテーマにした企画があるのですが、料理してるお母さんをずっと映して、その後ろで男女がそういうことをするのが小さく見切れてるという。映像的にはお母さんがメインだから、っていう趣旨なんですけど、有吉さんがVTRを見た瞬間「お母さん、がんばれ」って言ったんです。この一言だけで、視聴者に企画の見方を完璧に説明してくれた。あの洞察力と言語化力には感動しました。この番組の企画性を考えても、もし有吉さんがMCじゃなかったら、まったく異なった見方をされたり、そもそも番組として成立していなかった可能性は大いにあると思うので、感謝しかありません。

PHOTOS:TAMEKI OSHIRO

「有吉弘行の脱法TV」#2
テレビを知り尽くした有吉弘行が「テレビで出来ないとされていること」を知恵を振り絞って抜け穴を考え、何とか実現しようとするギリギリ合法なバラエティー番組の第2弾。昨年放送された第1弾では、「地上波で映せる乳首の限界」、「訴えられないガチャピンの海賊版の境界線」などを検証。第2弾もさまざまなテーマで“脱法”を企てている。

6月19日までTVerで配信中
https://tver.jp/episodes/epv9zru7em

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「有吉弘行の脱法TV」企画・演出の原田和実 フジテレビ入社5年目が目指す「見たことのない番組作り」

PROFILE: 原田和実/テレビディレクター

原田和実/テレビディレクター
PROFILE: (はらだ・かずとみ)1996年生まれ、静岡県出身。テレビディレクター。フジテレビ編成制作局バラエティ制作センター所属。2020年に入社し、翌21年に手掛けた「ここにタイトルを入力」が話題に。22年には「あえいうえおあお」などを企画・演出。23年には「ここにタイトルを入力」の新春特番や「有吉弘行の脱法TV」を手掛ける。PHOTO:TAMEKI OSHIRO

入社1年目で企画書を提出し、2年目で初めて企画・演出を務めたテレビ番組「ここにタイトルを入力」が大きな注目を集めた、フジテレビの原田和実。その後も話題作を作り続け、直近では「有吉弘行の脱法TV」が放送されたばかり。現在5年目、その発想の源と、企画を正しく実現するまでのこだわりを聞いた。

——もともと学生時代は放送作家になりたかったと?

原田和実(以下、原田):はい。大学では劇団を立ち上げて、脚本・演出をしていたのですが、当時テレビ東京で放送していたシチュエーションコメディの「ウレロ☆」シリーズが大好きで、その番組に脚本で参加していたシベリア少女鉄道という劇団を主宰する土屋亮一さんに憧れていました。自分の劇団で作・演出をやりながら、テレビ番組でも脚本やコントを書く、そういう仕事をしたいなって。

——「ウレロ☆」シリーズでは、放送作家であり脚本家のオークラさんも参加していました。

原田:オークラさんも尊敬する作家の1人です。バナナマン×東京03「handmade works live」や「崩壊シリーズ」は自分の人生に欠かせない大好きな作品だし、まさに舞台とテレビを行き来するような仕事をされていて。いまだに「ウレロ☆」シリーズを超えるコント番組はないと思っているくらいです。

——原田さんの手掛ける番組は、いわゆるメタ構造の企画が多いですが、それはシベリア少女鉄道からの影響ですか?

原田:そうですね。僕の中でバイブル的な存在です。シベリア少女鉄道のメタ的な視点に衝撃を受けたことが、「作り手」を意識するきっかけにもなってて。フジテレビに入社したときから、自分で番組を作るなら、テレビのフレームワークを利用したおもしろい企画をやりたいなと思っていました。

——あえて「ウレロ☆」以外だと、どんな番組がお好みですか?

原田:「全力!脱力タイムズ」(フジテレビ)を見たときは「うわ、やられた」と思いました。構造でうまく遊びながら、作り込みが丁寧で、あの出力のものを特番ではなく毎週レギュラーでやれるのがすごいなって。

演者ありきではなく、企画の時点で80点を目指す

——初めて企画・演出を手掛けた「ここにタイトルを入力」(2021年〜)は、若手のトライアル枠ということで、ターゲットなどのオーダーがなく、自由に個性を発揮できたと思うのですが。

原田:ありがたいことに、ゼロから最後まで自分の好きなようにやらせてもらいました。企画としては、それまで自分がテレビを見ながら抱いていた違和感がアイデアのもとになっていて、初めての企画・演出だったこともあり、その違和感と破壊衝動のようなものを結びつけて、言語化していく作業でした。

——テレビは良くも悪くも強固なフォーマットによって成立している番組がほとんどなので、破壊しがいがありますよね。

原田:僕自身そこまで熱心にたくさんのテレビ番組を見てきたわけではないので、そんな僕でもイメージできる範囲のテレビ像をネタにするということは意識していました。逆に、もし僕がコアなテレビ視聴者だったら、企画がニッチになりすぎていた可能性もあると思います。

——ちなみに、「ここにタイトルを入力」の中で、原田さんの個人的なお気に入り回は?

原田:霜降り明星のせいやさんを主役にした「その恋、買い取ってもいいですか?」ですかね。あまり自分の番組を見返すことはないんですけど、この回は何度か見返しちゃっています。シンプルに「恋愛を買い取る」という、あまりにもテレビでやってそうなコンセプト感が大喜利の回答として気に入ってます。

——番組を作る立場から見て、やはり芸人さんは演者として欠かせない存在ですか。

原田:重要な役割を担っていただくことが多いので、ものすごくリスペクトしています。そもそも、自分の企画の立て方として、出演者の方の力量ありきではなく、まずは企画の段階で80点くらいは目指せたらなと思ってるんです。枠組みやフォーマットだけで、ある程度まで笑えるものにはなってるよね、という。その企画をもとに、現場で出演者のみなさんの力をお借りして、100点満点中200点を狙っていけるような感覚。企画者である自分はあくまで趣旨を説明することまでしかできないので、それを出演者の方、特に芸人さんが、より分かりやすく、おもしろく、「伝えたいこと」を「伝わるもの」に仕上げてくれるイメージです。

——ご自身の企画と相性がいいなと思うのは、どういうタイプの演者ですか。

原田:基本的に僕が考える企画の特性が、テレビの構造を使ったボケ要素の強い企画なので、出演者はツッコミの方が相性いいと思っています。制作者がボケて、演者がツッコミを入れる、という構図になるので。

——企画にツッコミを入れるといえば、原田さんが企画・演出を手掛けた「あえいうえおあお」(22年)は、毎回フジテレビのアナウンサーの1人にフォーカスして、密着ドキュメンタリーを装いながら、最後は奇抜な着地をする番組でした。

原田:あの番組もある種のボケ企画ですが、テーマとしては局のアナウンサーの魅力を伝えることがお題だったので、どちらかというと広告を作るつもりで考えました。とはいえ、よくあるアナウンサー番組にはしたくなかったので、新しい魅力を引き出しつつ、企画として笑いのレイヤーを乗せることを意識した結果、ああいったドキュメンタリーから展開していく構成になりました。

人為的なコンプライアンスチェックの過程をそのまま企画に

——6月6日に第2弾が放送された「有吉弘行の脱法TV」は、「テレビでできないとされていること」をテーマに、コンプライアンスの境界を探る企画でした。

原田:企画を思いついたきっかけとしては、第1弾でも検証した乳首の落書きってどこまで映せるんだろう、というものです。幼稚園児が描いた下手なものはOKなはずだし、芸大生が描いた写真みたいにリアルなものはNGな気がするし、だったら、必ずそこには映せなくなる境界線が存在していて、逆に言えば、そのギリギリのラインは映せるはずだなと。YouTubeではAIを使ってある程度の規制をかけていますが、テレビは完全に人が判定しているんです。局内にコンプライアンスをチェックする専門の部署がある。機械ではなく人間が決める、その曖昧さがおもしろいなと思い、どう判定するのかをそのまま企画にしました。なので、番組制作中は、毎日その部署に通って「この絵に描かれた乳首は放送できますか? もう少しだけリアルでも大丈夫ですか?」など、繊細な微調整を繰り返して本当の限界値を探ってました。

——実際にコンプライアンスをチェックする部署の担当者は、どういう反応だったのですか。

原田:全然、邪険にはされなかったですね。当然ですが、コンプライアンスチェックの方もテレビをつまらなくしてやろうと思って仕事をしてるわけではないので、協力するからにはおもしろい番組にしたいと言っていただき、つまびらかな検証をしてもらいました。どうして放送できないのかをちゃんと言葉にしてもらえたので、建設的なやりとりができたと思います。

——そもそも、かつては放送できていたものが、今は放送できないというのは、放送法などのルール改正があったわけではなく、あくまで局の判断、自主規制の問題ですよね?

原田:そうです。違法性とかではなく、あくまで会社としての危機管理の問題。世間の空気感やSNSで起きた事件などの蓄積があって、人為的に判断しています。線引きは局によっても、放送する時間帯によっても違いますし、細かく言えば、その番組に出演している人によっても変わると思います。と、あまり裏話はしたくないのですが……「有吉弘行の脱法TV」の制作段階でも、放送に至らなかったアイデアはたくさんあるんです。いじってはダメな領域、そもそも線引きを検証すること自体がNGという。なので、企画が生まれたとしても社内で通すのが難しいというケースが少なからずありますね。

テレビをメタ的に解釈して企画にするのは禁じ手にも近い

——これまでに観てきた演劇などの影響があるとはいえ、入社1年目から、テレビのフレームそのものを疑う企画を連発しているのは、非常に特異な才能だと思います。

原田:もちろんキャリアを積んで、テレビ制作の基礎を学んだからこそ作れる素晴らしい番組もあると思います。ただ、大前提として、僕はテレビで見たことのない番組を作りたいし、まだやられていない方法で人を笑わせたい。そこが大きなモチベーションになっているので。自分の感覚としては、テレビの長い歴史の中で、もう大体のことはやり尽くされている。そうなると、どうしても決まった領域の中で、どんどん細かい大喜利でしか差別化できない番組作りが加速してしまう気がしていて。そういう意味では、テレビをメタ的に解釈して企画にするっていうのは、禁じ手に近い。領域を無理やり拡張してしまう、本来は最後にたどり着く大喜利でもあるという。

——終わりの始まり、ですよね。と同時に、例えばYouTubeなど別のメディアで、テレビを脱構築するような企画をやるのではなく、テレビ局員として内側から揺さぶっていることに意義があるなと。

原田:僕はテレビでテレビをいじるからこそ、おもしろいと思っているんです。なんだかんだテレビは共通言語が最も多いメディアだと思うので、たとえテレビをまったく見ていない人でも、テレビってこういうもの、というイメージくらいは持っている。それこそコンプラが厳しくなっている、とか。個々人が抱くそのイメージの良し悪しとは別に、構造や文脈が共有されているって、ものすごいアドバンテージです。普段触れていない人にまで、そのイメージが知れ渡っていることが、テレビが最も優位性を発揮できるところだと思っていて、だからこそ、ふざけがいがあるんです。

結局最初のアイデアが一番おもしろかった、とならないために

——企画を考える上で、こういうことはやらないようにしている、というのはありますか?

原田:実体験で言うと、スタートの時点で「 純粋なエンタメとしてのおもしろさ」以外のことを目標として設定しない、ということですかね。「視聴率が取れそう」はもちろん、レギュラーとして継続できそうとか、マネタイズができそうとか、純粋なおもしろさ以外を初期段階で目標にすると、どうしてもコンテンツとしての爆発力に欠けたものになるし、直線的な企画になってしまうんですよね。余白を持って漂わせてこそ企画はおもしろくなっていくと思うので。

その上で、最初に思いついたことは曲げないようにしています。企画を番組として成立させる過程では、どうしてもロジックがうまくいかない部分が出てきたりするので、現実的な落とし所を探ることになるんですけど、そこで路線を変えてしまうと、結局最初のアイデアが一番おもしろかった、という結果になりがちなんです。

——本来は完成形が一番おもしろくなっていないといけないのに。

原田:そう、思いついたときがピークって、それじゃあせっかく作る意味がなくなってしまう。

——原田さんの番組は、「ここにタイトルを入力」のバイキング小峠さんが半分になっているビジュアルや、「有吉弘行の脱法TV」の「海賊版ガチャピン」など、ネット映えする一枚絵やパワーワードがいつも用意されています。

原田:それは、企画を考えるときはたいてい絵から思い浮かべるっていうことが一つと、日々摂取しているものがどうしてもネット文脈のものが多いので、言葉に落とし込む段階で自然とそうなっているんだと思います。感覚としても、今のテレビバラエティの潮流よりも、ネットの文脈をなぞるほうが意識としては強いです。

——最後に。「有吉弘行の脱法TV」の第2弾では、冒頭にMCの有吉さんが、番組の方向性を決定づける大事な話をしていますよね。

原田:実際に現場でご一緒すると、有吉さんのすさまじい能力に驚かされます。瞬時に企画の趣旨を理解して、それを適切な言葉で伝えてくれる。第1弾で「大人のビデオ」をテーマにした企画があるのですが、料理してるお母さんをずっと映して、その後ろで男女がそういうことをするのが小さく見切れてるという。映像的にはお母さんがメインだから、っていう趣旨なんですけど、有吉さんがVTRを見た瞬間「お母さん、がんばれ」って言ったんです。この一言だけで、視聴者に企画の見方を完璧に説明してくれた。あの洞察力と言語化力には感動しました。この番組の企画性を考えても、もし有吉さんがMCじゃなかったら、まったく異なった見方をされたり、そもそも番組として成立していなかった可能性は大いにあると思うので、感謝しかありません。

PHOTOS:TAMEKI OSHIRO

「有吉弘行の脱法TV」#2
テレビを知り尽くした有吉弘行が「テレビで出来ないとされていること」を知恵を振り絞って抜け穴を考え、何とか実現しようとするギリギリ合法なバラエティー番組の第2弾。昨年放送された第1弾では、「地上波で映せる乳首の限界」、「訴えられないガチャピンの海賊版の境界線」などを検証。第2弾もさまざまなテーマで“脱法”を企てている。

6月19日までTVerで配信中
https://tver.jp/episodes/epv9zru7em

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パルコ店長から百貨店店長に 大丸東京店・緒方店長がねらう「化学反応」

PROFILE: 緒方道則/大丸松坂屋百貨店執行役員大丸東京店長

緒方道則/大丸松坂屋百貨店執行役員大丸東京店長
PROFILE: (おがた・みちのり)1992年パルコ入社。地方店や大型店で経験を重ねたのち、仙台店・上野店・仙台2などの準備室に勤務。2013年から大丸松坂屋百貨店へ1年間出向。17年に心斎橋パルコ準備室長を経て、20年に開業した同店の店長に就く。24年3月から現職

3月1日付で大丸東京店の店長に就任した緒方道則氏の人事は、百貨店業界において異例のものだった。緒方氏は大丸松坂屋百貨店と同じJ.フロント リテイリング(JFR)傘下のパルコ出身で、直前まで心斎橋パルコの店長だった。百貨店の店長は現場を知り尽くしたプロパー社員が就くポジションだったが、その常識を覆す。「百貨店の伝統とパルコの革新の融合」こそがが自分の役割だと緒方氏は話す。

WWD:就任して2カ月半が過ぎた(取材時点)。パルコと大丸の違いをどう感じている?

緒方道則・大丸東京店長(以下、緒方):デベロッパーによるショッピングセンター(SC)、小売業による百貨店という業態の違いはもちろんある。だけど最大の違いは、のれんの重みだ。お客さまは洋服でもお菓子でも「大丸で買う」とおっしゃる。パルコの場合は、テナントの名前が前に出るケースが多い。お客さまから「大丸らしくない」「大丸ならこうあるべきだ」という厳しい声も届く。百貨店に求められるレベルは高い。それに応えようとスタッフも誇りを持って働いている。

有形無形の「のれんの力」

WWD:取り扱うカテゴリーも客層もパルコに比べて幅広い。

緒方:(ファッションが中心の)パルコは一定の年齢で卒業するお客さまが多い。自然に顧客世代がリセットさせる。だからテナントも大胆と変えることができる。一方、百貨店はお客さまとの関係が長く続く。大丸でランドセルを買ってもらった子供がやがて親になり、自分の子供のランドセルも大丸で求める。祖母が孫の就職祝いに財布を買ってあげる。3代にわたって大丸を利用してくださるお客さまも少なくない。長い歳月をかけて築かれる信頼関係は、百貨店の最大の財産だ。識別IDがなくても、密につながっているお客さまがたくさんいる。これも有形無形ののれんの力だ。

私が2月までいた心斎橋パルコは年間入店客数が1500万〜1600万人だった。大丸東京店は東京駅直結の立地のため約3000万人に上る。もちろん売上高も大きく違う。心斎橋パルコはパルコの上位店ではあるが259億円(24年2月期、テナント取扱高)。大丸東京店の783億円(同、総額売上高)と比べると差がある。

WWD:デベロッパー業であるパルコとは組織体制も異なる。

緒方:心斎橋パルコが社員25人前後で現場を回すのに対し、大丸東京店は230人前後が働く。パルコは渋谷、心斎橋、名古屋のような旗艦店の店長も部長級。大丸松坂屋の場合、主要店舗の店長は執行役員になる。店舗には人事機能もある。百貨店の店舗は一つの会社のようなものだと思う。

WWD:店長の仕事も異なるのか。

緒方:パルコの店長はプレイングマネージャーのような存在だ。店舗の改装も主導し、アパレルなどの取引先にも商談に行く。一方、社員が多い百貨店は組織の役割分担がしっかりしているので、店長の仕事はマネジメント型になるのかなと感じている。ただ、私が百貨店に呼ばれたのは化学変化を期待されてのこと。新しい店長の姿を探っていきたい。

WWD:毎朝の開店時に入り口に立って客入れもするのか。

緒方:店舗にいる時は可能な限り立つようにしている。これもパルコにはない新鮮な習慣だ。百貨店の店長の責任は重い。例えば、月1回の飲食店の衛生チェックも私が白衣を着て、厨房の確認に立ち会う。スプリンクラーや避難経路の確認など防災点検も店長の大切な仕事だ。店長が現場の隅々まで責任を持つ。お客さまからのクレーム対応も取引先ではなく、まず百貨店が受け付ける。百貨店は提供する商品とサービスの全てに責任を持つ。のれんとは、こうして長い時間をかけて築かれてきたのだと実感している。

異例の人事に「え?なんで?」

WWD:今回の異動では、緒方さんともう1人、渋谷パルコの店長だった塩山将人さんも大丸札幌店の店長になった。JFRとしての思惑があるはずだが、内示で何か言われたか。

緒方:JFRの好本達也社長(当時)に「大丸東京店の店長をやってくれ」と言われて、「え?なんで?」という感じだった。驚いたけれど、自分は何事もポジティブに受け取る性格だ。業態も違う、管理手法も違う。でもお客さまの期待に応える仕事の本質は変わらない。好本さんからは「これまでの経験も生かして、新しい目で東京店を見てくれ」と言われた。百貨店の伝統とパルコの革新の融合を託されたのだと解釈している。

WWD:心斎橋パルコの店長時代は、隣接する大丸心斎橋店とずっと連携してきた。

緒方:20年11月に開業した心斎橋パルコは、各フロアが連絡通路で大丸心斎橋店と連結していた。買い回るお客さまを増やし、シナジーを最大化しようと、常に協力し合ってきた。特に大丸心斎橋店の小室孝裕店長からは学ぶことが多かった。

実は13年から14年にかけて大丸松坂屋の本社(東京・木場)に出向した経験もある。JFRがパルコをグループ化して初の人事交流のメンバーの1人だった。パルコから出向した私は主に百貨店のMDを経験させてもらった。一方、大丸松坂屋からパルコに出向したのが現JFR社長の小野圭一さんだった。

役職に関係なく議論する「面白くする会」

WWD:大丸東京店をどんな店にしたい?

緒方:東京駅直結で全国のお客さまとつながる百貨店だ。ポテンシャルは大きい。徒歩圏にある日本橋の三越と高島屋は重厚な店舗を構え、百貨店の伝統をしっかり守っている。大丸はそれとは異なる路線を押し進めるべきだ。12年に建て替え開業してから基本的なフレームは変わっていない。八重洲・丸の内は再開発でこれからも街の姿が変わる。面白い仕掛けがいろいろとできる。

たとえば、地下1階のわれわれの隣で営業している東京駅一番街(JR東海の子会社・東京ステーション開発が運営)の「東京キャラクターストリート」には日本中から推し活の人が押し寄せている。大丸もカルチャーやエンタメとの結びつきを強化して、もっと新しいお客さまを呼びたい。大丸東京店でも3月から約1カ月間、人気コミック「メンタル強め美女 白川さん」をコラボした企画を店内の各所で展開した。6月5〜11日にはVチューバーグループ・にじさんじのライバーと組んだ「アンディメンション(UN-DIMENSION)」のポップアップも好評だった。ショッピングのエンタメ化に可能性を感じている。近年、JFRはeスポーツ分野への投資を強めているが、そんなフロアがあってもいい。

WWD:殻を破ることはできるか。

緒方:実は前店長の田中倫暁さん(現・大丸松坂屋常務執行役員経営戦略本部長)が昨年から風土改革に着手し、月に2回「東京店を面白くする会」を開いている。現場の従業員が集まって、役職に関係なくざっくばらんに議論を交わしている。変化を恐れずに新しいことに挑戦するマインドを醸成する。そんな流れを促していきたい。

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中尾明慶の生活を変えた“風” 「バルミューダ」でかなえる心地よい暮らし

俳優をはじめ、MCやユーチューバーなど、幅広く活躍する中尾明慶。プライベートではゴルフやバイク、車、釣りといったアウトドア好きで、多趣味でも知られている。休日は趣味で外出することが多い分、自宅ではゆったりと過ごすために空間作りにこだわるという。「バルミューダ(BALMUDA)」の扇風機“グリーンファンスタジオ(GreenFan Studio)”は、自宅での快適な時間を提供する新作だ。中尾が「これまでに感じたことがない」という柔らかな風と、その暮らしについて聞いた。

寝心地が一変するくつろぎの風

“グリーンファンスタジオ”最大の特長は、一般的な扇風機に比べて約4倍に広がる大きくて柔らかな風だ。この風を実現させたのが、二重構造の羽根からなる「バルミューダ」独自のグリーンファンテクノロジーである。優しく全身を包み込み、体を冷やすことなく、長時間浴びても疲れない風を作り出す。寝室で使用しているという中尾は、その風に夢中だ。「エアコンだと風邪をひきやすく、喉も痛めやすい。子どもや仕事への影響も考えて、寝室ではエアコンをつけないんです。寝苦しくなる今の時期に、この“グリーンファンスタジオ”を使ったところ、空気も寝心地も一変して。自然の中でそよ風を浴びているような心地よい風が部屋中に行き渡り、朝までぐっすり眠ることができています」。また音も静かで気にならないという。
“グリーンファンスタジオ”は、1台で扇風機とサーキュレーターの2役の顔を持つ。ウイルス対策のための空気循環や、湿気がこもるクローゼットや脱衣所の換気、雨の日の部屋干しにも役立つ。中尾のようなガレージ所有者にも使い勝手がいい。「釣り具のルアーの針を交換したり、タックルを組んだりとガレージに長時間こもることが多く、バイクのオイル交換をしていると匂いが充満することもあり、空気を入れ替えたいと思うことがよくあります。そんなとき、“グリーンファンスタジオ”を使って素早く換気させるのもアリですね。インダストリアルなデザインがガレージの雰囲気とマッチするし、インテリアのように置いても違和感がないです」。

風は心も体もリセットして
明日へと後押ししてくれる

中尾が“グリーンファンスタジオ”についてもう1つお気に入りとして挙げるのが、「バルミューダ」らしいタイムレスなデザインだ。家電は、妻である俳優・仲里依紗の意見を優先することが多いそう。「妻の方が料理など家事の分担比率が高いので、彼女が使いやすく、好みの家電を選ぶようにしていますね。妻が家で気持ちよく過ごしてくれるなら、僕もうれしいですし」と、夫婦円満の秘訣も教えてくれた。「僕は、おしゃれでシンプルなデザインの家電が好み。“グリーンファンスタジオ”は見た目や使いやすさだけでなく、家族の気分や家の環境も心地よくしてくれるから、長く使いたいと思わせてくれます。今度はリビングに置いて、気持ちいい風を浴びながら、家族で映画でも見たいですね」。
風は誰の生活にも身近にあり、風を意識することで日常ががらりと変わることもある。「風って、いいことがあれば気持ちをさらに盛り上げてくれて、逆に落ち込んでいるときはすっきりとリセットしてくれる感覚があります。人が気持ちを切り替えたいときに外に出たいと思うように、僕はバイクに乗って風を感じることで、頭の中や気分を切り替えています。風は僕にとって大事な存在ですね」と中尾。“グリーンファンスタジオ”は、自然に近い風を自宅で体感できる。「1日の終わりに『明日もまた頑張ろう』と思えるような風。おすすめしたいです」。
Profile
中尾明慶:(なかお・あきよし)1988年6月30日生まれ、東京都出身。ドラマ「3年B組金八先生」に出演し、注目を集める。ドラマ「ハイエナ」「ばらかもん」「PICU 小児集中治療室」など話題作に多数出演するほか、月曜〜木曜に放送中の「プチブランチ」ではMCを務めている。ユーチューブ公式チャンネル「中尾明慶のきつねさーん」は、登録者数78万人を超える(2024年6月現在)
LOOK 1:ハイネックTシャツ 1万9250円、レザーフロントカーディガン 3万8500円/以上、ソフトハイフン(ソフトハイフン 03-6418-1460)、パンツ、ルームシューズ/スタイリスト私物
LOOK 2:ダブルフロントシャツ 3万1900円/ソフトハイフン(ソフトハイフン)

優しさとパワーを兼備する
「バルミューダ」最高の風

「バルミューダ」独自のグリーンファンテクノロジーを搭載した“グリーンファン”シリーズは、2010年の発売以来、日本を含む12カ国で販売している。最新の“グリーンファンスタジオ”は、優しいそよ風から圧倒的な大風量まで、生活に便利な風を生み出す。高い静音性を実現し、動作音は風量1でわずか約10dBと、木の葉のふれあう音よりも小さいとされる静けさだ。新機能のジェットモードを使用すれば、20畳の部屋の空気を約4.5分で換気することができるパワフルさも併せ持つ。首振り範囲は用途に合わせて自由に設定でき、30〜150度に調整可能だ。長さ約3mの電源ケーブルは耐久性に優れているだけでなく、束ねて本体にかけるだけで美しくまとまる。日常生活に快適な風を届ける、オールシーズンファンが誕生した。
MODEL : AKIYOSHI NAKAO
PHOTOS : SEIJI FUJIMORI
STYLING : YUICHI SHIMIZU
HAIR & MAKEUP : YUKI KATO
SHOOTING COOPERATION : AYANA TAKEUCHI
TEXT : RIE KAMOI
問い合わせ先
バルミューダ
https://www.balmuda.com/jp/support/

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ヤーマン24年4月期は営業利益93.2%減 ヘルスケア分野の進出も検討

ヤーマンの2024年4月期連結業績は、売上高が前年比25.5%減の320億円、営業利益が同93.2%減の4億円、経常利益が同82.9%減の10億円、純利益が同89.8%減の3億円だった。中国でALPS処理水の影響やRF規制によるRF搭載美容機器の安売りによる市場の混乱などの影響が残り「想定以上に落ち込んだ」(同社)。

部門別では、通販部門は新商品の投入が遅れ、従来商品の販売が中心となったことから売上高が同36.8%減の42億円、セグメント利益が同60.4%減の9億円だった。店販部門は、人流回復が見られたが、競合が増えたことや新カテゴリーの先行投資が響き、売上高が同6.0%減の74億円、セグメント利益が同45.5%減の9億円だった。

直販部門は、新システム入替時での自社ECサイトの停止が影響し、売上高が同14.3%減の84億円、セグメント利益が同41.7%減の26億円だった。海外部門では、中国市場が大きく打撃を受け、売上高が同37.1%減の112億円、セグメント利益は同55.4%減の30億円だった。

25年4月期の予想は、売上高が前期比9.3%増の350億円、営業利益が同500.6%増の25億円、経常利益が同117.6%増の22億円、純利益が289.1%増の15億円。中国以外の海外市場開拓を加速するほか、日本市場ではオーラルケアや美容医療といった新カテゴリーのラインアップを強化。また、ヘルスケア分野への進出も検討する。

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キリンHDがファンケルを約2200億円で買収

キリンホールディングスは6月14日、ファンケルの普通株式と本新株予約権を公開買い付けすると発表した。年内に全株式を取得し子会社化する。買収総額は約2200億円。キリンHDがうたう「食から医にわたる領域で価値を創造し、世界のCSV先進企業となる」ことを実現するため、ファンケルの強みである化粧品関連事業、栄養補助食品関連事業と連携することで健康関連事業を強化する狙いだ。

両社は2019年に資本業務提携契約を締結し、キリンHDはファンケルの株式約33%を取得していた。以降、“食と医のキリン”と、“美と健康のファンケル”がタッグを組み、ファンケルのベストセラーサプリ“カロリミット”とキリンの飲料のコラボ商品などを発売してきた。今回の買収について南方健志キリンHD社長COOは「キリングループとファンケルグループは、共に社会課題の解決を軸に事業を行っている。健康課題の解決を通じて世の中に貢献するというビジョンを共有しており、お互いにとって未来に向けて成長戦略を実行するための最重要パートナーだ。本件が成立することで、両グループの強みがさらに生かされ、国内外のお客さまに新たな価値を提供することができると確信している。アジア・パシフィック最大級のヘルスサイエンスカンパニーを目指し、グループ全体の成長を実現していきたい」とコメント。

一方、島田和幸ファンケル社長執行役員CEOも「19年の資本業務提携以降、商品開発、チャネル・インフラ、人材交流などさまざまな分野でシナジーを生み出してきた。この5年間で、両社の相互理解は深まり信頼関係はより強く確かなものになった。本件が成立することで、これまで制限されてきた両グループ間でのノウハウ・技術情報などの共有が可能となり、シナジー効果をより短期間で最大化できると考えている。これからもファンケルグループは、経営と全従業員が一丸となって、世の中の『不』の解消に取り組み、『美と健康』を一体化した形で、世界中のお客さまに喜びと幸せをお届けしていきたい」と述べた。

ファンケルの24年3月期連結決算は売上高が前年比7%増の1108億円、営業利益が同60.3%増の125億円、純利益が77.7%増の88億円だった。

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キリンHDがファンケルを約2200億円で買収

キリンホールディングスは6月14日、ファンケルの普通株式と本新株予約権を公開買い付けすると発表した。年内に全株式を取得し子会社化する。買収総額は約2200億円。キリンHDがうたう「食から医にわたる領域で価値を創造し、世界のCSV先進企業となる」ことを実現するため、ファンケルの強みである化粧品関連事業、栄養補助食品関連事業と連携することで健康関連事業を強化する狙いだ。

両社は2019年に資本業務提携契約を締結し、キリンHDはファンケルの株式約33%を取得していた。以降、“食と医のキリン”と、“美と健康のファンケル”がタッグを組み、ファンケルのベストセラーサプリ“カロリミット”とキリンの飲料のコラボ商品などを発売してきた。今回の買収について南方健志キリンHD社長COOは「キリングループとファンケルグループは、共に社会課題の解決を軸に事業を行っている。健康課題の解決を通じて世の中に貢献するというビジョンを共有しており、お互いにとって未来に向けて成長戦略を実行するための最重要パートナーだ。本件が成立することで、両グループの強みがさらに生かされ、国内外のお客さまに新たな価値を提供することができると確信している。アジア・パシフィック最大級のヘルスサイエンスカンパニーを目指し、グループ全体の成長を実現していきたい」とコメント。

一方、島田和幸ファンケル社長執行役員CEOも「19年の資本業務提携以降、商品開発、チャネル・インフラ、人材交流などさまざまな分野でシナジーを生み出してきた。この5年間で、両社の相互理解は深まり信頼関係はより強く確かなものになった。本件が成立することで、これまで制限されてきた両グループ間でのノウハウ・技術情報などの共有が可能となり、シナジー効果をより短期間で最大化できると考えている。これからもファンケルグループは、経営と全従業員が一丸となって、世の中の『不』の解消に取り組み、『美と健康』を一体化した形で、世界中のお客さまに喜びと幸せをお届けしていきたい」と述べた。

ファンケルの24年3月期連結決算は売上高が前年比7%増の1108億円、営業利益が同60.3%増の125億円、純利益が77.7%増の88億円だった。

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高島屋前会長・鈴木弘治さんの「お別れの会」 1500人が参列

4月16日に亡くなった高島屋前会長の鈴木弘治さん(享年78)の「お別れの会」が東京・日比谷の帝国ホテルで14日に行われた。約1500人が参列した。

会場の「孔雀の間」には、バラなどの白い花で作られた祭壇に鈴木さんの遺影が飾られた。取締役、社長、会長時代の写真、家族や友人とのプライベートな写真のほか、2013年の「暮らしと美術と高島屋」展(世田谷美術館)で企画された鈴木さんと堤清二さん(セゾングループ創業者)の対談の動画も流された。参列者は強いリーダーシップで高島屋を率いた鈴木さんをしのんだ。

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コーセーが山梨県と連携、水由来エネルギーの“地産地消モデル”構築に着手

コーセーは14日、国内生産工場3拠点目となる山梨県の「南アルプス工場」の建設に伴い、生産子会社のコーセーインダストリーズと山梨県の3者で、山梨県の豊かな水資源を活用しながら持続可能な社会の構築に向けた連携について基本合意した。地域で生み出すエネルギーを活用した地産地消モデル工場として、カーボンニュートラル社会の実現と地域の活性化に取り組む。なお、スキンケア商品を中心に生産する南アルプス工場は、2024年7月に着工、26年上期中の稼働を目指す。

主な取り組みは、国内初の事例となる工場の建設段階から県営の水力発電所から供給されたCO2フリー電力を活用。また、米倉山電力貯蔵技術研究サイト(甲府市)が水素発生装置“やまなしモデルP2Gシステム”で製造した再生可能エネルギー100%のグリーン水素を、工場の熱エネルギーの燃料として利用する。工場の建設は鹿島建設が手がける。

19年に発表した南アルプス工場は、「清く澄んだ南アルプスの水を化粧品に活用し、コーセーのサステナブルな活動を象徴する工場」(小林一俊コーセー社長)として21年の稼動を予定していたが、コロナ禍の影響で数年間足踏みを余儀なくされた。しかし、「ピンチの後はチャンスあり、この期間に山梨県が取り組む地産地消の水由来のエネルギーと巡り合うことができた。新しい技術を通じて社会課題を解決する、良きパートナーとして歩みを進められるよう双方の発展に期待したい」と述べる。

コーセーインダストリーズの小林正典社長は、「山梨県の皆さまには全面的にご支援をお願いするとともに、水由来のエネルギー利用による地産地消モデル、工場として国内外の普及啓発、将来的な人材育成の場としての提供において協力していきたい」と話す。

山梨県では、グリーン水素の利用拡大を通じ、カーボンニュートラル社会の実現を積極的に推進しているという。長崎幸太郎・山梨県知事は、「山梨県全体のブランド価値を体現する南アルプス工場は先進的かつ高付加価値なモデル工場として、新たな企業の誘致など県内経済の発展に大きくつながると確信している。両社との連携で、脱炭素化に向けた国内外の流れをともにリードしていきたい」と意欲を燃やす。南アルプス工場では、山梨県へのUIJターン希望者も募り、地元定着の促進も図る。

南アルプス工場は、需要の変化や生産能力の増強に対応可能な、スキンケア商品を中心とした「多品種生産工場」として稼働。敷地面積は約11万1500平方メートルで従業員は300人を予定。投資額は250〜300億円。

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ユニリーバのプレステージ部門CEOが退任 設立から売上高2300億円達成までの立役者

ユニリーバ(UNILEVER)は、ヴァシリキ・ペトルー(Vasiliki Petrou)プレステージ部門最高経営責任者(CEO)が7月末をもって退任することを発表した。後任は明かされていない。ペトルーCEOは10年前にユニリーバ・プレステージを設立し、15年に「ダーマロジカ」を推定10億ドル(約156億円)で買収。以降、M&Aを主軸にした戦略で売上高14億ユーロ(約2352億円)規模まで同部門を成長させた。現在スキンケアブランド「ダーマロジカ(DERMALOGICA)」やラグジュアリースキンケアブランド「タッチャ(TATCHA)」、高級ヘアケアブランド「K18」など11ブランドを擁する。退任の理由については「長年の夢だった自身の投資ファンドを立ち上げるため」と、ビジネスSNS「リンクトイン(LinkedIn)」でコメントした。

ユニリーバは複数の部門から成り、2023年の売上高は「ラックス(LUX)」などのパーソナルケア部門が約140億ユーロ(約2兆3520億円)、プレステージを含むビューティ&ウェルビーイング部門は約120億ユーロ(約2兆160億円)だった。ユニリーバ・プレステージは19〜23年、年平均12%成長を続けるが、「ダヴ(DOVE)」や「ヴァセリン(VASELINE)」などのコンシューマープロダクトの売り上げには及ばない。一部のアナリストは、事業の大部分が北米に集中していることや、ブランドのグローバル化が遅れていることを指摘している。

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外から見えづらいMDの仕事とは?(2024年6月10日号)

毎週発行している「WWDJAPAN」は、ファッション&ビューティの潮流やムーブメントの分析、ニュースの深堀りなどを通じて、業界の面白さ・奥深さを提供しています。巻頭特集では特に注目のキーワードやカテゴリー、市場をテーマに、業界活性化を図るべく熱いメッセージを発信。ここでは、そんな特集を担当記者がざっくばらんに振り返ります。(この記事は「WWDJAPAN」2024年6月10日号からの抜粋です)

小田島:20年以上「WWDJAPAN」で働いてきて、デザイナー、バイヤー、販売員、経営者についての特集は何度か作ってきましたが、MDを掘り下げる特集は作ったことがありません。私自身、MDがどんな仕事かよく分かっていなかったのが、今回特集を企画したきっかけです。エキスパートによる解説と、3ブランドのMDを1シーズン追いかけてようやく見えてきました。

本橋:一般的にMDの仕事は商品計画と言われますが、その4文字が何を指すかは会社やブランドによって異なります。だから分かりづらい。モノ作りから店頭での客とのやり取りまで全て把握しているのがMDじゃないでしょうか。取材を通し、MDに共通して必要な資質は見えましたか?

ファッションビジネスの魅力が詰まった職種

小田島:いろいろなことを同時進行できるマルチな人でなければ難しいと感じました。ブランドや商品についての知識はもちろん、数字にも強く、さまざまな部署と関わるためコミュニケーション力も必要で、不測の事態に対応する柔軟性も欠かせない。すごく大変な仕事ゆえ、それを楽しく乗りこなすタフさも必要です。また、大きな金額を会社に任せてもらっているという、謙虚さも3人には共通していました。ファッションビジネスの魅力が詰まった職種なので、注目度がますます高まって、現役MDが自分たちの仕事を誇らしく思えるような特集になればいいなと思っています。

本橋:暖冬や為替の変化で、MDの仕事は近年ますます難しくなっていると思います。一方で、最近はAIで需要予測を立てるといった話も聞くようになりました。今後AIの精度が上がっていくと、MDの仕事はどうなるんでしょうか。

小田島:今回密着した3人は需要予測にAIは使っていないと言っていました。ただ、どんなに精緻に予測を立てても、必ず不測の事態は起こります。正確な計画をいかに立てるかより、計画から外れたときにいかに軌道修正するかが重要と強く感じました。

本橋:計画を立てるのが仕事、というのではなく、計画を立ててからが始まりですね。いかに計画通りに持っていくかが問われる。

小田島:そのための手札をたくさん持っている人が優秀なMDだと思います。1シーズン通して、何度も取材したからこそ気付けたことは多いですね。密着取材はまたやりたいです。

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麻布台ヒルズに「フロイデ・バイ・ビーエムダブリュー」がオープン BMWのもたらす多彩な「歓び」を体感

「駆け抜ける歓び」は、自動車のエンスージアスト(熱狂者)なら誰もが知っている、1916年にドイツ・ミュンヘンで創業した高級自動車&モーターサイクルメーカーBMWの魅力、特にドライビングプレジャーを表現した言葉だ。

かつてカーマニアの間で「シルキーシックス」と称えられた直列6気筒のガソリンエンジンを搭載した乗用車に象徴されるパワフルでスムーズ、しかもダイナミックなパフォーマンスで、BMWの自動車は世界中の人々を魅了してきた。

BMWは自動車メーカーの中でもいち早くクルマの電動化や水素自動車の開発など、地球の環境負荷を減らす取り組みも積極的に行い、自動車業界をリードする存在。目下、未来を見据えて、クルマのブランドからクルマを中心にした総合ライフスタイルブランドへと進化を遂げようとしている。「人生に、駆け抜ける歓びを。」というキャッチコピーの下、BMWの自動車がドライバーに提供してきた「歓び」を、ラグジュアリーでパワフルで心地よい極上の世界の体験を、ドライバーに限定することなくさまざまなカタチで世界に提供しようと、新たな取り組みを始めている。

6月1日に東京港区麻布台の「麻布台ヒルズ」にオープンした、BMWのブランド・ストア「フロイデ・バイ・ビーエムダブリュー(FREUDE by BMW)」は、日本におけるこの新たな取り組みの最初の発信源となるコンセプトストア。ちなみに「FREUDE」とはドイツ語の「歓び」のこと。つまりこのストア名には「BMWによる歓びを提供する場所」という意味が込められている。

オープン前日の5月31日にはストアで、ドイツ本社からカスタマー・セールス・ブランドの担当のヨッヘン・ゴラー取締役も出席して記者発表会を開催。「ここはBMWが考える人生のさまざまな“歓び”を提供する場所。BMWの世界観を体験できるサービスを提供し、皆様の人生を豊かにしたい」とビーエムダブリュー(日本)の長谷川正敏社長がスピーチした。

この長谷川社長の言葉通り、このブランド・ストアのいちばんの目的は、この場所を通じて100年を超える歴史の中で培われ発展してきたBMWの世界観を訪れた人々に発信し、BMWのクルマやモーターサイクル、そしてこうした製品の魅力をまだ知らない人々に知ってもらうこと。驚くべきことに、ここは自動車メーカーのストアなのに、試乗は受け付けるもののクルマの販売は行わない。

日本で初めてファッションアイテムを販売

ストアは2階建てで1階では、BMWがこれまで世に送り出してきた、自動車の歴史に燦然と輝く歴史的なモデルや最新モデルを展示。さらに大型スクリーンでBMWの世界に没入できる大型スクリーンを設置。

また、ドイツの伝統と日本の食材の魅力を融合させたオリジナルメニューを提供する、昼はランチ、午後は17時までカフェタイム、17時以降はバーとしてお酒が楽しめる画期的なカフェバー「CAFE&BAR B」で飲食が楽しめる。

加えて1階には試乗受付カウンターや、日本で初めてBMWライフスタイルコレクションのファッションアイテム、ジャケットやパンツ、バッグ、シューズなどを販売するコーナーも設置されている。

さらに1階と2階をつなぐ螺旋階段の中央には、BMWのデザインチームが製作した高さ約8mのアートピース“THE PORTAL”がラグジュアリーな輝きを放って、来訪者を2階フロアに誘う。

そして、階段を上がるとBMWのモーターサイクルが飾られた2階フロアには、BMWのクラフトマン・シップが体験できるアトリエや、インテリアやアート作品でBMWブランドの世界観を体現したラウンジエリア「エクスクルーシブ・ラウンジ」がある。

さらに2階フロアの奥には「無題」と名付けられた完全予約制、カウンター8席のみの日本料理レストランが7月にオープンする。ここは東京のミシュラン3つ星店をはじめ著名な料理店で研鑽を積んだ料理人による、最高の食材を使った既存の概念にとらわれない革新的な日本料理が提供される予定だ。

7月19日まで、このブランド・ストアのオープンを記念してキャンペーンページのアンケートに回答すると、抽選で21組42名にレストラン「無題」でのディナー+都内の5つ星ホテルの宿泊+BMWi7によるショーファーサービスなど、エクスクルーシブでラクジュアリーな体験が当たるキャンペーンも実施中。ご興味のある方はくれぐれもお見逃しなく。

自動車の存在価値が社会の中で大きな変革を迫られているいま、BMWのこのブランド・ショップは、食文化にフォーカスするなど、この種の取り組みの中でも新しく、画期的なものと言える。果たしてどんな成果が上がるのか、注目に値する。

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JFW推進機構に新理事長 TSIホールディングス社長の下地氏が就任

日本ファッション・ウィーク推進機構(JAPAN FASION WEEK ORGANIZATION以下、JFWO)は、TSIホールディングスの下地毅社長を新理事長に任命した。

6月10日に理事会と社員総会を開催し、理事長と併せて副理事長、理事、監事も確定した。なお、前理事長の三宅正彦TSIホールディングス名誉顧問は、同機構の名誉顧問に就任するという。

下地毅新理事長は、1985年に文化服装学院マーチャンダイジング科を卒業。97年に上野商会に入社し、「ドッグファイト(DOGFIGHT)」や「アヴィレックス(AVIREX)」のデザインを担当するなどしてキャリアを積んだ。上野商会がTSIホールディングスの完全子会社になった後、19年に同社執行役員を経て21年から現職。

【人事一覧】
★は新任

理事長:下地 毅・TSIホールディングス社長(★)
副理事長:沓澤 徹 東レ専務執行役員 繊維事業本部長(★)
副理事長:保元 道宣 オンワードホールディングス社長
理事:太田 伸之 MD03 代表取締役
理事: 鈴木 恒則=日本アパレル・ファッション産業協会 理事長
理事:武内 秀人 伊藤忠商事 執行役員 繊維カンパニープレジデント
理事:富???? 賢一 日本化学繊維協会 副会長
理事:永井 英明 ファッション産業人材育成機構 専務理事(★)
理事: 福田 三千男 アダストリア会長
理事:山川 貴史 東急 執行役員 生活サービス事業部 管掌(★)
理事:好本 達也 日本百貨店協会 会長(★)
監事:長谷川 裕治 日本アパレル・ファッション産業協会 専務理事
監事: 山下 健 日本ファッション協会 専務理事(★)

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「アディダス」のデジタルネックレスが300万円超え 「ロブロックス」がファッション産業にもたらすもの

コミュニケーションプラットフォーム「ロブロックス(ROBLOX)」は、2006年のサービス開始以来、アバタースタイリングを提案し続けてきた。先鋭的な機能やプロジェクト、ファッションブランドとのコラボレーションにより、デジタル上のファッションスタイルの選択肢を着実に広げている。メタバーストレンドの衰退を受け、企業側がバーチャルに関するもの全体を見直しているのは事実であるものの、「ロブロックス」のウィニー・バーク(Winnie Burke、以下ウィニー)グローバル・グループ・ディレクターが考える未来は真逆だ。ウィニーは米「WWD」の取材に対し、「ブランド・パートナーシップの数は増えており、数年単位での取り組みを持つほど関係性も深まっている」と語る。

PROFILE: ウィニー・バーク(Winnie Burke)/「ロブロックス」グローバル・グループ・ディレクター

ウィニー・バーク(Winnie Burke)/「ロブロックス」グローバル・グループ・ディレクター
PROFILE: ニューヨーク・タイムズ在籍後、ソニー・ピクチャーズエンタテインメントでデジタル広告セールス担当副社長を務めた。2015年にロブロックスに入社

広がるブランド・パートナーシップ
小売店とのコラボレーションも

「ロブロックス」上で販売された「アディダス(ADIDAS)」とのコラボによるデジタルネックレスは、今月200万Robux(約312万円※1ドル156円、6月10日時点)で落札された。それまで「ロブロックス」上で販売された限定バーチャルアイテムの最高額とされていた「ランボルギーニ(LAMBORGHINI)」の150万Robux(約234万円)のハットを超え、過去最高額となった。

「ロブロックス」のデイリーアクティブユーザー数は、23年12月末時点で7770万人━━これはイギリスの全人口よりも多い。膨大なユーザーを熱狂させ続けるのは、絶え間ない技術アップデートとユーザー体験、熱心なクリエイター・コミュニティーの構築、そして世界的ブランドとの長年にわたるコミュニケーションだ。「ロブロックス」は過去1年だけでも、「ヴェルサーチェ(VERSACE)」「ヒューゴ ボス(HUGO BOSS)」「ラブシャックファンシー(LOVESHACKFANCY)」「ジバンシイ(GIVENCHY)」、ロレアル、ヒルトンホテル、ウォルマート……その他多くのブランドや企業戦略のためのパートナーシップを築いた。

大きな盛り上がりを見せる「ロブロックス」だが、プラットフォームの成長においてはさらなる投資が必要だ。23年1〜9月の間、プラットフォーム上で販売されたデジタル商品は160万点を超え、前年同期比で15%増加した。一方で、同社の最新の第1四半期(24年1〜3月期)の業績報告書は、ユーザーの支出が減速していることを示唆した。同期の売上高は22%増の8億100万ドル(約1249億5600万円)に達したものの、第2四半期の予測を下方修正したことが投資家の不安を煽ったのだ。つまり「ロブロックス」は新たな収益源を見つける必要に迫られており、すでにその課題に着手している。今年4月、「ロブロックス」マーケットプレイスは申請プロセスを廃止し、資格基準を満たせば誰でもデジタルアイテムを販売できるようになった。先月には、仮想空間上のビルボードで動画広告配信を開始した。

そして次なるチャレンジは小売店への進出だ。かねてから取り組みを進めてきたウォルマートは、「ロブロックス」上でフィジカルとデジタル両方での商品販売をテストしている。先月「ロブロックス」クリエイター3人とコラボし、ウォルマートで実際に売っている「ノーバウンダリーズ(NO BOUNDARIES)」のバッグ、「TAL」のステンレスタンブラー、「オン(ONN)」のワイヤレスヘッドホンの3商品を「ロブロックス」仕様にデザイン。これらデジタルアイテムを「ロブロックス」上で購入すると、フィジカル商品が手元に届き、売り上げは直接ウォルマート側に支払われる仕組みだ。これらの取り組みは、eコマース上での取引がどれだけユーザー、特にZ世代に響くのかを試験するものだった。

「WWD」のインタビューの中で、ウィニーは“「ロブロックス」とファッションの関係”、そして“その関係がどのように成長しているか”、また“ゲームプラットフォームにおける最新の商品販売と広告”について語った。

WWD:「ロブロックス」は以前からファッションブランドとのパートナーシップを築いてきた。最近では「アディダス」との取り組みが良い例だ。

ウィニー・バーク(以下、ウィニー):「アディダス」は、このプラットフォームへのアプローチにおいて非常に理解がある先進的なブランドだ。私達と「アディダス」チームは密接に協力し戦略を練った。私達からはプラットフォーム上のトレンド傾向や「ロブロックス」上での仮想経済、仮想ビジネス、そして彼らが作成する商品の管理方法など、コンサルティング的なアプローチを提供した。

WWD:「アディダス」のほか、どれほどの企業と取り組みを行っている?

ウィニー:カテゴリーを問わず、300以上のブランドと話が進んでいる。私達のコミュニティーにおいて、自己表現とデジタル・アイデンティティーはとても重要なものだ。ウォルマートのような歴史のある小売業者から、「バーバリー(BURBERRY)」や「グッチ(GUCCI)」のようなラグジュアリーブランド、そして「アディダス」や「ナイキ(NIKE)」「プーマ(PUMA)」などのスポーツブランド、さらにファストファッションまで、多くのブランドや企業とプロジェクトに取り組んでいる。数えればきりがないほどだ。

多くのメタバースが衰退する中
「ロブロックス」が成長し続ける理由

WWD:「ロブロックス」は時にメタバースに分類される。しかし独立したプラットフォームであり、独立した仮想世界であるからこそ、他のエコシステムに依存せず、メタバースバブルの崩壊から隔離されているようにも感じる。

ウィニー:同感だ。しかし同時に、ゲームは限定的なものだと感じる。私達のプラットフォームで最も特徴的なことは、ゲーム、エンターテインメント、ソーシャライゼーション、そして友人と共に楽しめるアクティビティーや体験全てが1つに組み合わさっている部分だ。コンサートに参加したり、アーティストに会ったり、プライベートサーバーで気が知れた仲間とつながったり、ファッションショーに参加したり、アバターを着飾ったりすることもできる。中でもファッションスタイルを表現するゲーム“Dressed to Impress”は、「ロブロックス」上でもトップクラスに人気のコンテンツだ。

WWD:様々なコンテンツがそろった「ロブロックス」は、かなり自己完結的な環境とも言える。その一方で2万ドル(約312万円)ものバーチャルアイテムを買ったら、他のプラットフォームでも着用したくなりそうなものだ。他のゲームやプラットフォームとの相互運用性についての計画は?

ウィニー:第一に、私達はコミュニティーのために作られた組織である。現時点で私達が計画していることはないが、「商品をプラットフォーム外に持ち出すことで、コミュニティーに良い影響力をもたらすのか」という部分では常に注目し、検討しているテーマだ。「ロブロックス」の特徴の一つとして、そのアイテムの有用性がプラットフォーム上に存在することだと考えている。アイテムを身につけたり、ステータスとして見せたりしたい場合、「ロブロックス」上なら大勢のオーディエンスや仲間にアピールすることができる。7800万近いユーザーがいるため、絶大な自己表現の場になり得るのだ。プラットフォームそのものは独立的で閉鎖的に見えるかも知れないが、体験自体は非中央集権的であると言えるだろう。

“フィジタル”で実現する
インタラクティブなeコマース戦略

WWD:「ロブロックス」におけるファッションプロジェクトの軌跡とは?

ウィニー:ラグジュアリーブランドはこのプラットフォームに早い時期から参入していた。21年、「グッチ」のデジタル“ディオニュソス”バッグは二次流通でブームを起こし、約4115ドル(約64万1940円)で落札された。現実で販売されているバッグの価格3400ドル(約53万400円)を700ドル(約10万9200円)以上も上回ったのだ。
この「グッチ」の取り組みは、他のラグジュアリーブランドが取り組みを行うための良い指標となった。もちろん慎重に様子を伺うブランドは多いが、この業界ではよくあることだ。十数年前のソーシャルプラットフォームがたどった軌跡とよく似ている。今では、これから取り組みを始めるブランドだけではなく、すでにアクションを始めているブランドでさえ「自分達は遅れをとっているのでは」と焦っている。しかし進化し続けているプラットフォームだからそう感じるだけで、実際は遅れているなんてことはない。

WWD:広告についてはどのような戦略を持つ?

ウィニー:仮想空間上のビルボードを活用することで、デジタル上であっても現実世界と変わらないチャネルとして利用できる。これにより、ブランド側が金銭・時間的な負担を負うことなくプロモーションにつながるよう努めている。

WWD:eコマースプラットフォームとしての「ロブロックス」に至るまでの道のりとは?

ウィニー:ここ1年半ほどはコミュニティーだけでなく、マーケティング担当者やプラットフォームに参加しているブランドのニーズにも耳を傾けてきた。「ロブロックス」には、多くの時間を消費する膨大なオーディエンスがいる。instagram、Pinterest、TikTokなど、他のプラットフォームも実装してきたように、「ロブロックス」もeコマースプラットフォームとして確立していきたい。ブランドやユーザーがプラットフォームから離脱せずに商品の売買を行えるようにしたいと考えている。

WWD:ウォルマートとのプロジェクトは、eコマース事業のための試験的な取り組みだったのか?

ウィニー:確かにウォルマートとの取り組みは試験的に行った。実際にウォルマートが持つエコシステムの中で反響が大きく、トレンドになっている3つの商品をeコマースで提供することができた。「ロブロックス」上のバーチャルアイテムはフィジカルアイテムとは少し異なるが、それがカギだ。ここからインスピレーションを得て欲しい。「アディダス」が販売したデジタルネックレスを現実世界で生産していないのと同じだ。

「ロブロックス」は研究開発として活用するためのプラットフォームではないが、実際に企業はそのように考えているだろう。昨年行った「フェンティ ビューティ(FENTY BEAUTY)」とのコラボレーションでは、ユーザーが作成した様々なバージョンのリップからリアーナが選んだものをフィジカル商品として生産した。このように実際に“フィジタル”が実現した例はたくさんあるし、今後もっと増えていくだろう。

WWD:「アディダス」のデジタルネックレスにはフィジカルスニーカーが付属し、「ランボルギーニ」のデジタルハットはイタリアのランボルギーニ本社へのツアー特権が付属した。「ロブロックス」は今後も、さらなる“フィジタル”体験の提供を強化していく予定なのか。

ウィニー:最終的には私たちのテクノロジーによって、誰もがプラットフォーム上で販売者になれるようになることを目指している。ブランドにとっても、クリエイターにとっても、デジタル上の仲間と共にフィジカル商品の体験を共有できるようにしたい。今年はより正式なソリューションを確立し、複数の実験を行う予定だ。

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「マイケル・コース」の親会社カプリ、23年は赤字転落 タペストリーによる買収は停滞中

「マイケル・コース(MICHAEL KORS)」「ヴェルサーチェ(VERSACE)」「ジミー チュウ(JIMMY CHOO)」の親会社カプリ ホールディングス(CAPRI HOLDINGS以下、カプリ)の2023年3月期決算は、売上高が前期比8.0%減の51億7000万ドル(約8065億円)、営業損益は前年の6億7900万ドル(約1059億円)の黒字から2億4100万ドル(約375億円)の赤字に、純損益も6億1900万ドル(約965億円)の黒字から2億2900万ドル(約357億円)の赤字となった。

ブランド別に見ると、特にアジア太平洋地域や南北アメリカで不調だった「マイケル・コース」の売上高は同9.2%減の35億2200万ドル(約5494億円)だった。ラグジュアリー需要の低下の影響を受けた「ヴェルサーチェ」は同6.9%減の10億3000万ドル(約1606億円)、「ジミー チュウ」は同2.4%減の6億1800万ドル(約964億円)といずれも減収だった。

ジョン・アイドル(John Idol)会長兼最高経営責任者(CEO)は、「世界的なラグジュアリーグッズ需要の落ち込みもあり、期待外れの業績となった。小売りは回復の兆しがあるものの、卸は引き続き難しい状況だ」と述べた。

タペストリーによる買収は停滞中

同社は23年8月、「コーチ(COACH)」「ケイト・スペード ニューヨーク(KATE SPADE NEW YORK)」「スチュアート・ワイツマン(STUART WEITZMAN)」を擁するタペストリー(TAPESTRY)による買収に合意している。取引が完了すれば年商120億ドル(約1兆8720億円)の巨大ファッションコングロマリットが誕生するが、米連邦取引委員会(FTC)は24年4月、本件を停止する仮処分を求めて訴訟。裁判は現在も進行中で、タペストリーが“アクセシブル ラグジュアリー(Accessible luxury)”と呼ぶ市場の範囲や定義が争点の1つとなっている。

これに対し、年内の取引完了を目指すタペストリーのジョアン・クレヴォイセラ(Joanne Crevoiserat)CEOは、本件を前進させるために闘う用意があると発言。「本取引の利点に自信を持っており、法廷で主張するのを楽しみにしている。取引の完了に向け、迅速に物事を進めることが重要だ」と説明した。

今回の決算発表会で、アイドル会長兼CEOも、「保留となっている本取引を完了させるべく、タペストリーと共に法廷で精力的に闘う」と述べた。なお、本取引が保留となっていることから、カプリは24年度の業績に関する見通しは発表しなかった。

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「マイケル・コース」の親会社カプリ、23年は赤字転落 タペストリーによる買収は停滞中

「マイケル・コース(MICHAEL KORS)」「ヴェルサーチェ(VERSACE)」「ジミー チュウ(JIMMY CHOO)」の親会社カプリ ホールディングス(CAPRI HOLDINGS以下、カプリ)の2023年3月期決算は、売上高が前期比8.0%減の51億7000万ドル(約8065億円)、営業損益は前年の6億7900万ドル(約1059億円)の黒字から2億4100万ドル(約375億円)の赤字に、純損益も6億1900万ドル(約965億円)の黒字から2億2900万ドル(約357億円)の赤字となった。

ブランド別に見ると、特にアジア太平洋地域や南北アメリカで不調だった「マイケル・コース」の売上高は同9.2%減の35億2200万ドル(約5494億円)だった。ラグジュアリー需要の低下の影響を受けた「ヴェルサーチェ」は同6.9%減の10億3000万ドル(約1606億円)、「ジミー チュウ」は同2.4%減の6億1800万ドル(約964億円)といずれも減収だった。

ジョン・アイドル(John Idol)会長兼最高経営責任者(CEO)は、「世界的なラグジュアリーグッズ需要の落ち込みもあり、期待外れの業績となった。小売りは回復の兆しがあるものの、卸は引き続き難しい状況だ」と述べた。

タペストリーによる買収は停滞中

同社は23年8月、「コーチ(COACH)」「ケイト・スペード ニューヨーク(KATE SPADE NEW YORK)」「スチュアート・ワイツマン(STUART WEITZMAN)」を擁するタペストリー(TAPESTRY)による買収に合意している。取引が完了すれば年商120億ドル(約1兆8720億円)の巨大ファッションコングロマリットが誕生するが、米連邦取引委員会(FTC)は24年4月、本件を停止する仮処分を求めて訴訟。裁判は現在も進行中で、タペストリーが“アクセシブル ラグジュアリー(Accessible luxury)”と呼ぶ市場の範囲や定義が争点の1つとなっている。

これに対し、年内の取引完了を目指すタペストリーのジョアン・クレヴォイセラ(Joanne Crevoiserat)CEOは、本件を前進させるために闘う用意があると発言。「本取引の利点に自信を持っており、法廷で主張するのを楽しみにしている。取引の完了に向け、迅速に物事を進めることが重要だ」と説明した。

今回の決算発表会で、アイドル会長兼CEOも、「保留となっている本取引を完了させるべく、タペストリーと共に法廷で精力的に闘う」と述べた。なお、本取引が保留となっていることから、カプリは24年度の業績に関する見通しは発表しなかった。

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停滞していた「バンヤードストーム」、24年春の刷新で浮上 スタイリング提案に支持

6月3日号の「WWDJAPAN」で、アダストリア特集を担当した。コロナ禍以降波に乗り、2024年2月期に過去最高業績を更新した同社の好調の秘訣を深掘りしたが、特集テーマとしたのは同社幹部が自社の強みとしてよく口にする“修正力”だ。走りながら軌道修正を繰り返し、市場のニーズに合致させていく柔軟性、スピード感などを指している。そんな同社の“修正力”が目下発揮されているのが、子会社エレメントルールが運営するブランド「バンヤードストーム(BARNYARDSTORM)」(以下、バンヤード)。近年低迷が続いてきたが、24年春からリブランディングを進め、既に結果が出つつあるという。

「バンヤード」は雑誌「ヴェリィ(VERY)」とのコラボレーションブランドとして、09年にスタート。「ヴェリィ」がけん引するおしゃれなママファッションブームの中で成長した。現在は百貨店やファッションビルに32店を構え、エレメントルールの売り上げの4割弱を占める基幹ブランドになっている。同社ではいま、18年に開始した「カレンソロジー(CURENSOLOGY)」が絶好調というが、屋台骨である「バンヤード」が復調しない限りエレメントルールの業績も安定しづらい。実際、「バンヤード」の苦戦が響いてエレメントルールの24年2月期は赤字、「バンヤード」のテコ入れが課題となっていた。

24年春からの刷新に合わせ、エレメントルールの坂本貴之 執行役員営業本部長が同ブランドの事業部長も兼任、企画チームも変更した。「前年が停滞していたというのはもちろんあるが、今春夏の既存店売り上げは前年に対し2ケタの伸びで、計画以上の推移」(坂本執行役員)という。

セットアップでトータルコーデ提案

浮上した要因は、従来の単品売り中心の考え方から、雑貨を含めたスタイリング提案強化に舵を切ったこと。特に、長らく主力品番になっているジョガーパンツ(1万3200円)を軸にしたスタイリング提案が効いているという。同商品は通勤にも使えるきれいめのデザインながら、子どもの送り迎えのために自転車に乗った際なども動きやすく機能性が高いという打ち出しで、「ヴェリィ」ブームのころから支持され続けてきた。「もともとは、スエットやスニーカーといったカジュアルのイメージが強かったが、ジャケットなども企画し、トータルコーディネートで見せるように変えた」。

24年秋は、アスレチックとシックを組み合わせた造語“アスレシック”がテーマ。スタイリング提案強化の一環として、セットアップをバリエーション豊富にそろえ、テーラードジャケットとパンツのベーシックなスタイルだけでなく、デニムのフリルシャツとデニムのセンタークリースパンツ、ニットパーカとニットパンツなども企画した。パーカのサイドにスリットを入れて、中に合わせたシャツをチラ見せできるようにしたり、ベーシックなカーディガンはボタンの留め位置を変えるとカシュクール風になったりと、細部のデザインにも気を配った。

ラメニットやドレッシーなブラウスなど、やや華やかな場にも対応できるアイテムも拡大。ブランドの幅を広げて、新規客の取り込みを進めている。

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停滞していた「バンヤードストーム」、24年春の刷新で浮上 スタイリング提案に支持

6月3日号の「WWDJAPAN」で、アダストリア特集を担当した。コロナ禍以降波に乗り、2024年2月期に過去最高業績を更新した同社の好調の秘訣を深掘りしたが、特集テーマとしたのは同社幹部が自社の強みとしてよく口にする“修正力”だ。走りながら軌道修正を繰り返し、市場のニーズに合致させていく柔軟性、スピード感などを指している。そんな同社の“修正力”が目下発揮されているのが、子会社エレメントルールが運営するブランド「バンヤードストーム(BARNYARDSTORM)」(以下、バンヤード)。近年低迷が続いてきたが、24年春からリブランディングを進め、既に結果が出つつあるという。

「バンヤード」は雑誌「ヴェリィ(VERY)」とのコラボレーションブランドとして、09年にスタート。「ヴェリィ」がけん引するおしゃれなママファッションブームの中で成長した。現在は百貨店やファッションビルに32店を構え、エレメントルールの売り上げの4割弱を占める基幹ブランドになっている。同社ではいま、18年に開始した「カレンソロジー(CURENSOLOGY)」が絶好調というが、屋台骨である「バンヤード」が復調しない限りエレメントルールの業績も安定しづらい。実際、「バンヤード」の苦戦が響いてエレメントルールの24年2月期は赤字、「バンヤード」のテコ入れが課題となっていた。

24年春からの刷新に合わせ、エレメントルールの坂本貴之 執行役員営業本部長が同ブランドの事業部長も兼任、企画チームも変更した。「前年が停滞していたというのはもちろんあるが、今春夏の既存店売り上げは前年に対し2ケタの伸びで、計画以上の推移」(坂本執行役員)という。

セットアップでトータルコーデ提案

浮上した要因は、従来の単品売り中心の考え方から、雑貨を含めたスタイリング提案強化に舵を切ったこと。特に、長らく主力品番になっているジョガーパンツ(1万3200円)を軸にしたスタイリング提案が効いているという。同商品は通勤にも使えるきれいめのデザインながら、子どもの送り迎えのために自転車に乗った際なども動きやすく機能性が高いという打ち出しで、「ヴェリィ」ブームのころから支持され続けてきた。「もともとは、スエットやスニーカーといったカジュアルのイメージが強かったが、ジャケットなども企画し、トータルコーディネートで見せるように変えた」。

24年秋は、アスレチックとシックを組み合わせた造語“アスレシック”がテーマ。スタイリング提案強化の一環として、セットアップをバリエーション豊富にそろえ、テーラードジャケットとパンツのベーシックなスタイルだけでなく、デニムのフリルシャツとデニムのセンタークリースパンツ、ニットパーカとニットパンツなども企画した。パーカのサイドにスリットを入れて、中に合わせたシャツをチラ見せできるようにしたり、ベーシックなカーディガンはボタンの留め位置を変えるとカシュクール風になったりと、細部のデザインにも気を配った。

ラメニットやドレッシーなブラウスなど、やや華やかな場にも対応できるアイテムも拡大。ブランドの幅を広げて、新規客の取り込みを進めている。

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羽田空港に「CFCL」期間限定店 ジャパンラグジュアリー「JMC」内で

羽田空港第3ターミナル(国際線)の国産品セレクトショップ「ジャパン マスタリー コレクション(JAPAN MASTERY COLLECTION、以下JMC)」は、デザイナー高橋悠介のファッションブランド「CFCL」のポップアップストアを6月26日から8月27日まで開く。

「JMC」は日本空港ビルデングの子会社・羽田未来総合研究所(大西洋社長)によって昨年12月にオープン。“ジャパンラグジュアリー”をコンセプトに、選び抜かれた国産の衣料品、服飾雑貨、工芸品、アクセサリーなど販売する。ラグジュアリーブランドの免税店が並ぶ出国エリアに立地し、搭乗前の訪日客をターゲットにしている。

「JMC」内のポップアップスペースでは数週間単位でイベントが開催されてきたが、1つのファッションブランドを大々的に紹介するのは初めて。「CFCL」は日本の優れたニッティング技術を用いて独創的な服を作ることに加えて、サステナブルの国際認証Bコープを日本のアパレルで初めて取得するなど、先駆的な取り組みで知られる。

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羽田空港に「CFCL」期間限定店 ジャパンラグジュアリー「JMC」内で

羽田空港第3ターミナル(国際線)の国産品セレクトショップ「ジャパン マスタリー コレクション(JAPAN MASTERY COLLECTION、以下JMC)」は、デザイナー高橋悠介のファッションブランド「CFCL」のポップアップストアを6月26日から8月27日まで開く。

「JMC」は日本空港ビルデングの子会社・羽田未来総合研究所(大西洋社長)によって昨年12月にオープン。“ジャパンラグジュアリー”をコンセプトに、選び抜かれた国産の衣料品、服飾雑貨、工芸品、アクセサリーなど販売する。ラグジュアリーブランドの免税店が並ぶ出国エリアに立地し、搭乗前の訪日客をターゲットにしている。

「JMC」内のポップアップスペースでは数週間単位でイベントが開催されてきたが、1つのファッションブランドを大々的に紹介するのは初めて。「CFCL」は日本の優れたニッティング技術を用いて独創的な服を作ることに加えて、サステナブルの国際認証Bコープを日本のアパレルで初めて取得するなど、先駆的な取り組みで知られる。

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「Y/プロジェクト」の共同設立者が死去 享年58

「Y/プロジェクト(Y/PROJECT)」の共同設立者、ジャイルズ・エレイルフ(Gilles Elalouf)が6月9日に死去した。58歳だった。長年、闘病生活を送っていたという。

同氏は、コンサルティング会社ボストン コンサルティング グループ(BOSTON CONSULTING GROUP)でキャリアをスタート。その後、パリを拠点とする広告代理店ピュブリシス・グループ(PUBLICIS GROUPE)に移り、10年以上にわたってさまざまな要職を務めた。2010年に、デザイナーの故ヨハン・セルファティ(Yohan Serfaty)と共に「Y/プロジェクト」を設立。13年にセルファティ=デザイナーが死去したことに伴い、そのファーストアシスタントを務めていたグレン・マーティンス(Glenn Martens)をクリエイティブ・ディレクターに任命した。なお、故エレイルフ共同設立者は、医薬品のプロモーションを行うスタートアップなどを立ち上げているほか、フランス・オートクチュール&モード連盟(Federation de la Haute Couture et de la Mode以下、FHCM)やパリ・ファッション・ウイーク関連の業務にも携わっていた。

グレン・マーティンスやCEOが追悼

マーティンス=クリエイティブ・ディレクターは、自身のインスタグラムに、「メルシー、ジャイルズ。私を信じてくれて。共に魔法を作り出してくれて。10年にわたる最高の冒険をさせてくれて。永遠に寂しく思うよ、愛している」とコメントを投稿した。

同ブランドのパスカル・コンテ・ジョドラ(Pascal Conte-Jodra)最高経営責任者は、「ジャイルズは素晴らしい人物で、『Y/プロジェクト』をはじめとする仕事に献身的に打ち込んでいた。親しみやすく思いやり深かった彼の存在は、私たちの心の中にずっと残るだろう」と語った。

FHCMのパスカル・モラン(Pascal Morand)=エグゼクティブ・プレジデントは、「ジャイルズは、そのキャリアとエネルギーをファッションおよびクリエイティビティーに捧げた、素晴らしい起業家だった。優れた直感と論理的なマインドを持ち、若い才能を見出して育成することに長けていた」と述べた。

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「ジーユー」24年秋は“バレルレッグボトムス”推し カーゴパンツに続くヒットに

「ジーユー(GU)」は2024年秋物で、“バレルレッグボトムス”(2990円)を打ち出す。樽(barrel)をイメージさせるカーブしたシルエットのパンツで、デニムやコーデュロイ、チノなどさまざまな素材で企画。24年春に、試験的に国内の店舗でウィメンズのバレルパンツを販売したところ予想以上の反響があったため、秋はウィメンズに加えメンズ、ティーンズ、キッズでもそろえ、キャンペーンを組む。ここ1年ですっかり定着したパラシュートパンツやカーゴパンツに続くグローバルヒット商品になることを期待する。

パンツはセット購入が狙いやすいスタイリングのキーアイテムであり、サイズ感が気に入ればリピート購入も期待できる。そのため、「ジーユー」と同じファーストリテイリングの「ユニクロ(UNIQLO)」「プラステ(PLST)」、アダストリアの「グローバルワーク(GLOBAL WORK)」、オンワード樫山の「アンフィーロ(UNFILO)」など、SPAやアパレルメーカー各社がECレビューなどをもとにしたパンツの改善に毎シーズン注力している。「ジーユー」も15年に大ヒットさせた“ガウチョパンツ”に始まり、直近でもカラースラックスや“プルオンパンツ”、カーゴパンツ、パラシュートパンツと、多数のヒットを生んできた。

7サイズ展開×丈は3種類

今秋打ち出す“バレルレッグボトムス”は、腰回りはすっきりとしたハイライズで、膝からカーブを描き裾に向かってテーパードしていくボリュームのあるシルエットが特徴。“Y2K”ムーブメント以降支持されている、コンパクトなトップスとの相性もいい。ウィメンズの主力品番はXS〜3XLの7サイズ展開(一部はECのみでの販売)で、それぞれにつき丈をノーマル、長め、短めの3種類そろえる。さまざまな素材の中でも特にデニムを推しており、着古したようなビンテージ風や、カーゴポケット付きなどのデザインをそろえる。

今春、国内での試売で好評だったことから、購入した消費者によるレビュー内容などを受けてさらに改良。また、今秋に向け、23年9月に開設したニューヨークの商品本部でも、フィッティングの調整を繰り返した。カーブしたボリューム感のあるシルエットのパンツは、エレメントルールの「カレンソロジー(CURENSOLOGY)」などでもここしばらく売れ続けており、今秋に向けてマーケット全体に広がりそうだ。

秋はバレエコアやトラッドを提案

「ジーユー」の今秋のウィメンズは、7〜8月がバレエコアやブロケットコアの流れを取り入れた“ストリートバレエ”、8〜10月はビンテージライクなトラッドテイストの“ビンテージスクール”、10〜12月はフワフワもこもことした素材感とユーティリティーアイテムを組み合わせた“コージーアダプテーション”を提案する。

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西武池袋本店「百貨店区画」を半減 25年夏リニューアルオープン

そごう・西武は10日、西武池袋本店の改装計画を正式に発表した。2025年1月から段階的にリニューアルオープンを行い、同年夏にグランドオープンする。売り場面積を現在のほぼ半分に4万8000平方メートルに縮小し、ラグジュアリー、コスメ、デパ地下を中心にした百貨店へと再編する。現在、最大の面積を占める衣料品売り場は大幅に減らす。百貨店区画を集約して空いた区画にはヨドバシカメラの旗艦店が入る。

そごう・西武は昨年9月、親会社がセブン&アイ・ホールディングスから投資ファンドのフォートレス・インベストメントグループに変わった。フォートレスはヨドバシホールディングスと連携して、西武池袋本店を中心に各店舗のテコ入れを進める。旗艦店である西武池袋本店は百貨店区画を半分近くに減らした上で、ヨドバシカメラの旗艦店が入る予定だが、こちらのオープン時期などについては未定だ。

まず25年1月に地下1・2階、3階にデパ地下、コスメの売り場を開く。コスメは売り場面積を1.7倍に広げた上で、ユニセックスブランドを含む国内外約60ブランドを展開する。デパ地下は約180のショップで構成する。

25年春には1・2階、4〜6階にフレグランス、宝飾、時計、ラグジュアリーの売り場ができる。ラグジュアリーは約60ブランドを集め、メンズ・ウィメンズの複合ショップ展開にし、売り場面積を1.3倍にする。

25年夏から秋にかけては7・8階にファッション、雑貨、催事場、アートサロンなどを開く。アパレルは男女でフロアを分けるのではなく、同じフロアでの展開に切り替える。

売り場の品ぞろえだけでなく、施設全体も高級感のある空間づくりに注力し、高感度な客層の期待に応える。外商機能も引き続き強化していく。西武池袋本店のコンセプトを、そごう横浜店、そごう広島店など他の店舗にも広げていく考えだ。

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業界人がおすすめするロケ弁は?「第1回 日本ロケ弁大賞」、大賞はオーベルジーヌの“ビーフカレー” 

日本ロケ弁大賞 運営委員会が主催する「第1回 日本ロケ弁大賞」は、6月10日の“ロケ弁の日”に合わせて大賞と金賞を発表した。

「日本ロケ弁大賞」は映像・テレビ制作、広告撮影、雑誌撮影、イベント制作、舞台・公演などのさまざまなロケ現場にて、出演者やスタッフが食べるお弁当、通称「ロケ弁」をテーマに、特に業界内で支持されたお弁当を称えるというもの。第1回は、ロケ弁愛用者に対する“ロケ弁大賞にふさわしいと思うお弁当”のインターネット投票で集まった265種類のお弁当の中から、品評会を経て、対象と金賞が選ばれた。

結果、「大賞」には、オーベルジーヌの“ビーフカレー”(1296円)が選ばれた。同商品は、弱火で3日間煮込んだ玉ねぎブイヨンをベースに、国産牛のバラ肉をホロホロになるまで煮込み、バターと生クリームで仕上げた酸味と甘味と旨味を一度に味わえるオーベルジーヌのオリジナルカレーだ。

そのほか、「金賞」には、浅草今半の“牛玉重”(1080円)、五つ星のり弁 坊々樹の“鮭ハラス塩焼き弁当”(1080円)、喜山飯店の“お弁当A”(1134円)、京香の“【1メイン】銀鮭西京漬け2段弁当”(1080円)、SOMY’S DELIの“8種野菜のザクザクゴマ醤油サーモン弁当”(864円)、おにぎりチャカスの“おにぎり2個+惣菜3種Aセット”(520円)、塚田農場おべんとラボの“絶品!塚だまタルタル若鶏のチキン南蛮弁当”(900円)、とんかつ まい泉の“ヒレかつサンド”(453円)、海苔弁いちのやの“名物海苔弁”(1200円)の、9店舗9商品が選出された

金賞

浅草今半/牛玉重

肉のうまみが凝縮したタレでふんわりと仕上げた玉子と玉ねぎを、秘伝の割り下で煮上げた黒毛和牛とともにご飯の上に盛り付けた。旨味たっぷりの牛肉と玉子の優しい味わいが幅広い年齢層の方に人気の弁当。

五つ星のり弁 坊々樹/鮭ハラス塩焼き弁当

老舗米穀店五つ星マイスター直伝の極み炊飯製法で仕上げた「冷めてこそ美味しいごはん」が主役のお弁当。制作現場の皆様の使い勝手を考慮し、品質と価格のバランス、コンパクトさとボリュームの両立、全体的にほんのり濃口で飽きの来ない調味バランスを追求した。

喜山飯店/お弁当A

本格中華の味付けが大人気!調理から完成お届けまで温かいお弁当をご提供できるよう時間を工夫し手間をおしまない手作りの弁当。

京香/【1メイン】銀鮭西京漬け2段弁当

1段目には絶妙甘辛タレで焼き上げ旨みたっぷり銀鮭西京焼きと、彩り豊かで飽きの来ない惣菜の数々。2段目には可愛らしく飾られたこだわりのごはん。「蓋を開けた瞬間嬉しくなる」にとことんこだわった弁当。

SOMY’S DELI/8種野菜のザクザクゴマ醤油サーモン弁当

骨取りした大きなサーモンに、ザクザク食べる自家製のゴマ醤油を載せた。長時間煮込んだ肉煮込みは、冷めてもご飯が進む工夫が凝らされている。たっぷりの野菜と共に、バランス良く食べられる弁当。

おにぎりチャカス/おにぎり2個+惣菜3種Aセット

おにぎりは冷めても美味しい山形産ひとめぼれを使用し、1つ1つ優しく手握り。具材は20種類以上から選べる。おかずは特製ダレに漬けた唐揚げに、だし巻き玉子、焼売の3種類のおにぎり弁当。

塚田農場おべんとラボ/絶品!塚だまタルタル若鶏のチキン南蛮弁当

塚田農場の人気メニューをお弁当仕様にアレンジした人気No.1。ご飯が進む甘酢の味付けと、オリジナル卵をたっぷり使用したタルタルソースのチキン南蛮をメインに、肉じゃが、高菜明太、玉子焼きも主役級のおいしさ。

とんかつ まい泉/ヒレかつサンド

創業以来50年以上看板商品として、お子様はもちろん、幅広い年代の方々に世代を超えて愛されてきた。やわらかいヒレかつ、ふわふわのパン、秘伝ソースの美味しさが口の中いっぱいに広がる。

海苔弁いちのや/名物海苔弁

日本全国から厳選したこだわりの食材を使って、すべてのおかずが主役になるよう作り上げた海苔弁。おかず単体でのおいしさはもちろん、ご飯と海苔との調和もお楽しめる。

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業界人がおすすめするロケ弁は?「第1回 日本ロケ弁大賞」、大賞はオーベルジーヌの“ビーフカレー” 

日本ロケ弁大賞 運営委員会が主催する「第1回 日本ロケ弁大賞」は、6月10日の“ロケ弁の日”に合わせて大賞と金賞を発表した。

「日本ロケ弁大賞」は映像・テレビ制作、広告撮影、雑誌撮影、イベント制作、舞台・公演などのさまざまなロケ現場にて、出演者やスタッフが食べるお弁当、通称「ロケ弁」をテーマに、特に業界内で支持されたお弁当を称えるというもの。第1回は、ロケ弁愛用者に対する“ロケ弁大賞にふさわしいと思うお弁当”のインターネット投票で集まった265種類のお弁当の中から、品評会を経て、対象と金賞が選ばれた。

結果、「大賞」には、オーベルジーヌの“ビーフカレー”(1296円)が選ばれた。同商品は、弱火で3日間煮込んだ玉ねぎブイヨンをベースに、国産牛のバラ肉をホロホロになるまで煮込み、バターと生クリームで仕上げた酸味と甘味と旨味を一度に味わえるオーベルジーヌのオリジナルカレーだ。

そのほか、「金賞」には、浅草今半の“牛玉重”(1080円)、五つ星のり弁 坊々樹の“鮭ハラス塩焼き弁当”(1080円)、喜山飯店の“お弁当A”(1134円)、京香の“【1メイン】銀鮭西京漬け2段弁当”(1080円)、SOMY’S DELIの“8種野菜のザクザクゴマ醤油サーモン弁当”(864円)、おにぎりチャカスの“おにぎり2個+惣菜3種Aセット”(520円)、塚田農場おべんとラボの“絶品!塚だまタルタル若鶏のチキン南蛮弁当”(900円)、とんかつ まい泉の“ヒレかつサンド”(453円)、海苔弁いちのやの“名物海苔弁”(1200円)の、9店舗9商品が選出された

金賞

浅草今半/牛玉重

肉のうまみが凝縮したタレでふんわりと仕上げた玉子と玉ねぎを、秘伝の割り下で煮上げた黒毛和牛とともにご飯の上に盛り付けた。旨味たっぷりの牛肉と玉子の優しい味わいが幅広い年齢層の方に人気の弁当。

五つ星のり弁 坊々樹/鮭ハラス塩焼き弁当

老舗米穀店五つ星マイスター直伝の極み炊飯製法で仕上げた「冷めてこそ美味しいごはん」が主役のお弁当。制作現場の皆様の使い勝手を考慮し、品質と価格のバランス、コンパクトさとボリュームの両立、全体的にほんのり濃口で飽きの来ない調味バランスを追求した。

喜山飯店/お弁当A

本格中華の味付けが大人気!調理から完成お届けまで温かいお弁当をご提供できるよう時間を工夫し手間をおしまない手作りの弁当。

京香/【1メイン】銀鮭西京漬け2段弁当

1段目には絶妙甘辛タレで焼き上げ旨みたっぷり銀鮭西京焼きと、彩り豊かで飽きの来ない惣菜の数々。2段目には可愛らしく飾られたこだわりのごはん。「蓋を開けた瞬間嬉しくなる」にとことんこだわった弁当。

SOMY’S DELI/8種野菜のザクザクゴマ醤油サーモン弁当

骨取りした大きなサーモンに、ザクザク食べる自家製のゴマ醤油を載せた。長時間煮込んだ肉煮込みは、冷めてもご飯が進む工夫が凝らされている。たっぷりの野菜と共に、バランス良く食べられる弁当。

おにぎりチャカス/おにぎり2個+惣菜3種Aセット

おにぎりは冷めても美味しい山形産ひとめぼれを使用し、1つ1つ優しく手握り。具材は20種類以上から選べる。おかずは特製ダレに漬けた唐揚げに、だし巻き玉子、焼売の3種類のおにぎり弁当。

塚田農場おべんとラボ/絶品!塚だまタルタル若鶏のチキン南蛮弁当

塚田農場の人気メニューをお弁当仕様にアレンジした人気No.1。ご飯が進む甘酢の味付けと、オリジナル卵をたっぷり使用したタルタルソースのチキン南蛮をメインに、肉じゃが、高菜明太、玉子焼きも主役級のおいしさ。

とんかつ まい泉/ヒレかつサンド

創業以来50年以上看板商品として、お子様はもちろん、幅広い年代の方々に世代を超えて愛されてきた。やわらかいヒレかつ、ふわふわのパン、秘伝ソースの美味しさが口の中いっぱいに広がる。

海苔弁いちのや/名物海苔弁

日本全国から厳選したこだわりの食材を使って、すべてのおかずが主役になるよう作り上げた海苔弁。おかず単体でのおいしさはもちろん、ご飯と海苔との調和もお楽しめる。

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「ルイ・ヴィトン」の親会社LVMH、次期CFOは外部から 1年半かけて引き継ぎ

LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)は、新たな財務部長代理として、仏資産運用会社ティケオー・キャピタル(TIKEHAU CAPITAL)の副最高経営責任者(CEO)を務めていたセシル・カバニス(Cecile Cabanis)を任命した。6月10日付で就任した同氏は、ジャン・ジャック・ギヨニー(Jean-Jacques Guiony)LVMH最高財務責任者(CFO)の直属となり、1年半以内にその後任に就く予定だという。

ギヨニーCFOは、現在62歳。フランスの名門校HECビジネススクール(HEC Business School)を卒業し、1985年にパリ国立銀行(BANQUE NATIONALE DE PARIS、現BNPパリバ銀行)のアナリストとしてキャリアをスタート。複数の金融機関を経て、2003年に財務部長代理としてLVMHに加わった。04年にCFOに昇格。その後、11年のブルガリ(BVLGARI)、13年のロロ・ピアーナ(LORO PIANA)、19年のベルモンド(BELMOND)、20年のティファニー(TIFFANY & CO.)など、数多くの買収案件を成功に導いた。また、10年からは、LVMHが擁する老舗百貨店サマリテーヌ(LA SAMARITAINE)の社長兼CEOも務めている。なお、社内メモによれば、「(引き継ぎ後の)ギヨニーCFOの役職はいずれ発表する」という。

カバニス新財務部長代理は、1995年にロジスティクス・マネージャーおよびファイナンシャル・コントローラーとして、ロレアル サウスアフリカ(L'OREAL SOUTH AFRICA)に入社。2000年に仏電気通信会社オレンジ(ORANGE)に加わり、M&A担当部長代理を務めた。その後、ダノン(DANONE)で財務部門の要職を歴任し、15年にCFOに就任。21年に、ティケオー・キャピタルに副CEOとして入社した。なお、同氏は今回の人事に伴い、LVMHの執行委員会にも加わっている。

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「ルイ・ヴィトン」の親会社LVMH、次期CFOは外部から 1年半かけて引き継ぎ

LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)は、新たな財務部長代理として、仏資産運用会社ティケオー・キャピタル(TIKEHAU CAPITAL)の副最高経営責任者(CEO)を務めていたセシル・カバニス(Cecile Cabanis)を任命した。6月10日付で就任した同氏は、ジャン・ジャック・ギヨニー(Jean-Jacques Guiony)LVMH最高財務責任者(CFO)の直属となり、1年半以内にその後任に就く予定だという。

ギヨニーCFOは、現在62歳。フランスの名門校HECビジネススクール(HEC Business School)を卒業し、1985年にパリ国立銀行(BANQUE NATIONALE DE PARIS、現BNPパリバ銀行)のアナリストとしてキャリアをスタート。複数の金融機関を経て、2003年に財務部長代理としてLVMHに加わった。04年にCFOに昇格。その後、11年のブルガリ(BVLGARI)、13年のロロ・ピアーナ(LORO PIANA)、19年のベルモンド(BELMOND)、20年のティファニー(TIFFANY & CO.)など、数多くの買収案件を成功に導いた。また、10年からは、LVMHが擁する老舗百貨店サマリテーヌ(LA SAMARITAINE)の社長兼CEOも務めている。なお、社内メモによれば、「(引き継ぎ後の)ギヨニーCFOの役職はいずれ発表する」という。

カバニス新財務部長代理は、1995年にロジスティクス・マネージャーおよびファイナンシャル・コントローラーとして、ロレアル サウスアフリカ(L'OREAL SOUTH AFRICA)に入社。2000年に仏電気通信会社オレンジ(ORANGE)に加わり、M&A担当部長代理を務めた。その後、ダノン(DANONE)で財務部門の要職を歴任し、15年にCFOに就任。21年に、ティケオー・キャピタルに副CEOとして入社した。なお、同氏は今回の人事に伴い、LVMHの執行委員会にも加わっている。

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アサヒビールが本物のレモンスライス入り“未来のレモンサワー”を発売 東京・渋谷で飲用体験イベントを開催

アサヒビールは6月11日、本物のレモンスライス入り“未来のレモンサワー”(各345mL、各298円※希望小売価格)を数量限定で発売する。首都圏と関信越エリアの1都9県で取り扱い、レモン由来の果実感たっぷりな風味に加え、適度な酸味と苦みが調和した味わいの“オリジナルレモンサワー”と、糖と香料不使用*のサワー液でレモンの自然なおいしさが味わえる“プレーンレモンサワー”の2種を用意した。発売を記念して、東京・渋谷を中心に“未来のレモンサワー”を五感で体感できる期間限定イベントを開催する。

イベントは6月4〜16日、「本物で、未知との出会いを。」をテーマに渋谷パルコの1階と10階、「ベータ(B8TA)渋谷店」、ミヤシタパーク1階の「渋谷横丁」の3カ所で開催し、認知向上と飲用機会の創出を図る。渋谷パルコの10階にあるイベントスペースでは、未来の世界へ一歩踏み入れたような空間をイメージした「(no) more future bar」を開設。“未来のレモンサワー”とおつまみのペアセット(300円)を用意し、商品を購入できる高さ3mの光る巨大缶やヒト型ロボットを設置した。商品の魅力を五感で楽しめる世界を演出している。「ベータ渋谷店」では日本初上陸のAIロボット「ムーディー(Moodie)」と乾杯できるブースを設置し、「渋谷横丁」の各店舗では“未来のレモンサワー”を楽しむことが可能だ。

6月3日に渋谷パルコの10階で開催した発表会「SNS shot パーティー」には、はじめしゃちょーやDa-iCEの大野雄大と岩岡徹、菅本裕子らが来場。はじめしゃちょーは「未来を感じることができる会場で、ロボットが“未来のレモンサワー”を出してくれてビックリしました」とコメントし、“未来のレモンサワー”を一足先に試したDa-iCEの岩岡は「本物のレモンスライスが入っていて、そのまま食べることもできます。スライスは酸味とちょっとした苦みもあって、レモンサワーがさらに進むと思います」とアピールした。

※ 糖でコーティングしたレモンスライスを採用

問い合わせ先
アサヒビール
0120-011-121

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米ブランド管理会社ABGが「チャンピオン」を1800億円で買収

米ブランド管理会社オーセンティック・ブランズ・グループ(AUTHENTIC BRANDS GROUP以下、ABG)は、ヘインズブランズ(HANESBRANDS)から、「チャンピオン(CHAMPION)」を12億ドル(約1872億円)で買収する契約を締結した。

契約には知的財産権と一部の営業資産の買収のほか、「チャンピオン」の業績によって3億ドル(約468億円)をヘインズブランズに追加で支払う条件付き対価が含まれている。なお、4月2日には、10億ドル(約1560億円)強で買収する非公式な合意に至っていた。

ABGは今後、「チャンピオン」の製造、デザイン、物流、運営などを外注に切り替えるかもしれず、大規模な人員整理につながる可能性もありそうだ。

親会社も「チャンピオン」も業績不振

「チャンピオン」はここ数年にわたって業績が低迷しており、2023年10~12月期(第4四半期)におけるグローバルでの売上高は前年同期比23%減、直近の24年1~3月期(第1四半期)は同26%減だった。

親会社のヘインズブランズも不調で、23年12月期の売上高は前期比9.6%減の56億3652万ドル(約8792億円)、営業利益は同44.4%減の2億8878万ドル(約450億円)だった。純損失は前年の1億2720万ドル(約198億円)から1772万ドル(約27億円)と大幅に縮小したものの、引き続き31億ドル(約4836億円)程度の負債を抱えている。

24年第1四半期で見ると、売上高は前年同期比16.8%減の11億5620万ドル(約1803億円)、営業利益は同9.1%減の5210万ドル(約81億円)だった。純損失は前年の3440万ドル(約53億円)から3912万ドル(約61億円)へと赤字が拡大している。

ヘインズブランズによれば、今回の取引による売却益は負債の返済に充てるという。

ABGは「チャンピオン」買収でポジションをさらに強化

ジェイミー・ソルター(Jamie Salter)ABG会長兼最高経営責任者(CEO)は、「当社とパイオニア精神を共にする『チャンピオン』を買収することができ、とてもうれしく思う。ここ数年、新たなブランドの獲得やライブイベントの拡大を続けてきたことが奏功し、当社はスポーツおよびエンターテインメント分野のライセンシングにおける世界のリーディングカンパニーとなった。『チャンピオン』の買収は、当社のポジションをさらに強化してくれるだろう」と語った。

スティーブン・ブラッツピーズ(Stephen Bratspies)=ヘインズブランズCEOは、「今回の取引によって当社の事業構成はよりシンプルになり、運営や財務状態の改善が見込まれる。今後は、インナーウエア分野におけるリーダーシップを強化すると同時に、適切な運営体制を整えるなど新たなコスト削減策を打ち出し、さらなる株主還元を行っていく」と述べた。

ABGは、「フォーエバー21(FOREVER 21)」、「リーボック(REEBOK)」「バーニーズ ニューヨーク(BARNEYS NEW YORK)」「テッドベーカー(TED BAKER)」や、スポーツ月刊誌「スポーツ・イラストレイテッド(Sports Illustrated)」など、さまざまなカテゴリーで多数のブランドを保有している。23年4月には「クイックシルバー(QUIKSILVER)」「ビラボン(BILLABONG)」「ロキシー(ROXY)」「DCシューズ(DC SHOES)」などを擁する米サーフウエア会社ボードライダーズ(BOARDRIDERS)を、6月にはラバーブーツで知られる英ブランド「ハンター(HUNTER)」の知的財産権を買収。10月には、「フォーエバー21」のライフスタイルおよびファッションカテゴリーにおいて、グローバルSPAブランド「シーイン(SHEIN)」と長期的なパートナーシップ契約を締結した。

「チャンピオン」は1919年、ニューヨークのローチェスターで誕生。メンズおよびウィメンズのスポーツウエアやカジュアルウエア、フットウエアなどを製造販売している。日本では、2016年3月にゴールドウインが「チャンピオン」事業をヘインズブランズ ジャパンに譲渡している。

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米ブランド管理会社ABGが「チャンピオン」を1800億円で買収

米ブランド管理会社オーセンティック・ブランズ・グループ(AUTHENTIC BRANDS GROUP以下、ABG)は、ヘインズブランズ(HANESBRANDS)から、「チャンピオン(CHAMPION)」を12億ドル(約1872億円)で買収する契約を締結した。

契約には知的財産権と一部の営業資産の買収のほか、「チャンピオン」の業績によって3億ドル(約468億円)をヘインズブランズに追加で支払う条件付き対価が含まれている。なお、4月2日には、10億ドル(約1560億円)強で買収する非公式な合意に至っていた。

ABGは今後、「チャンピオン」の製造、デザイン、物流、運営などを外注に切り替えるかもしれず、大規模な人員整理につながる可能性もありそうだ。

親会社も「チャンピオン」も業績不振

「チャンピオン」はここ数年にわたって業績が低迷しており、2023年10~12月期(第4四半期)におけるグローバルでの売上高は前年同期比23%減、直近の24年1~3月期(第1四半期)は同26%減だった。

親会社のヘインズブランズも不調で、23年12月期の売上高は前期比9.6%減の56億3652万ドル(約8792億円)、営業利益は同44.4%減の2億8878万ドル(約450億円)だった。純損失は前年の1億2720万ドル(約198億円)から1772万ドル(約27億円)と大幅に縮小したものの、引き続き31億ドル(約4836億円)程度の負債を抱えている。

24年第1四半期で見ると、売上高は前年同期比16.8%減の11億5620万ドル(約1803億円)、営業利益は同9.1%減の5210万ドル(約81億円)だった。純損失は前年の3440万ドル(約53億円)から3912万ドル(約61億円)へと赤字が拡大している。

ヘインズブランズによれば、今回の取引による売却益は負債の返済に充てるという。

ABGは「チャンピオン」買収でポジションをさらに強化

ジェイミー・ソルター(Jamie Salter)ABG会長兼最高経営責任者(CEO)は、「当社とパイオニア精神を共にする『チャンピオン』を買収することができ、とてもうれしく思う。ここ数年、新たなブランドの獲得やライブイベントの拡大を続けてきたことが奏功し、当社はスポーツおよびエンターテインメント分野のライセンシングにおける世界のリーディングカンパニーとなった。『チャンピオン』の買収は、当社のポジションをさらに強化してくれるだろう」と語った。

スティーブン・ブラッツピーズ(Stephen Bratspies)=ヘインズブランズCEOは、「今回の取引によって当社の事業構成はよりシンプルになり、運営や財務状態の改善が見込まれる。今後は、インナーウエア分野におけるリーダーシップを強化すると同時に、適切な運営体制を整えるなど新たなコスト削減策を打ち出し、さらなる株主還元を行っていく」と述べた。

ABGは、「フォーエバー21(FOREVER 21)」、「リーボック(REEBOK)」「バーニーズ ニューヨーク(BARNEYS NEW YORK)」「テッドベーカー(TED BAKER)」や、スポーツ月刊誌「スポーツ・イラストレイテッド(Sports Illustrated)」など、さまざまなカテゴリーで多数のブランドを保有している。23年4月には「クイックシルバー(QUIKSILVER)」「ビラボン(BILLABONG)」「ロキシー(ROXY)」「DCシューズ(DC SHOES)」などを擁する米サーフウエア会社ボードライダーズ(BOARDRIDERS)を、6月にはラバーブーツで知られる英ブランド「ハンター(HUNTER)」の知的財産権を買収。10月には、「フォーエバー21」のライフスタイルおよびファッションカテゴリーにおいて、グローバルSPAブランド「シーイン(SHEIN)」と長期的なパートナーシップ契約を締結した。

「チャンピオン」は1919年、ニューヨークのローチェスターで誕生。メンズおよびウィメンズのスポーツウエアやカジュアルウエア、フットウエアなどを製造販売している。日本では、2016年3月にゴールドウインが「チャンピオン」事業をヘインズブランズ ジャパンに譲渡している。

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円安万来インバウンド消費:記者談話室vol.131

「WWDJAPAN」ポッドキャストの「記者談話室」は、ファッション業界のその時々のニュースや話題について、3人の記者が分かりやすく解説したり、時には脱線したりしながら、掘り下げていきます。

131回目のテーマは「円安万来インバウンド消費」です。銀座や表参道といったショッピングストリートは、有名ブランドの大きな紙袋を持った訪日客であふれています。百貨店では3月、4月、5月と3カ月連続で免税売上高が過去最高を更新しました。記録的な円安を追い風に、大きな盛り上がりを見せるインバウンド消費について、ざっくばらんに話し合いました。

「記者談話室」ではみなさまからのお便りをお待ちしております。ご感想ご意見を聞かせてください。メールアドレスは、danwashitu@infaspub.co.jp です。

この配信は以下のアプリでもご利用いただけます。
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「シンゾーン」が個人情報漏えいのおそれ 最大4万2000人分の個人情報が最長で9カ月間外部アクセス可能な状態に

「シンゾーン(SHINZONE)」は、個人情報漏えいのおそれがあるとしてその事実を発表した。同社が5月22日付けで掲載したリリースによると、社内用ポータルサイトが、クラウド環境の誤設定により公開状態になっていたため、ポータルサイト上で管理している顧客情報や同社の従業員情報が外部からアクセス可能な状態になっていたという。

外部からアクセス可能となっていた情報は、顧客の氏名、住所、電話番号、メールアドレス、生年月日、性別、購入履歴、問い合わせ内容、職業、婚姻歴。対象となる人数は最大で4万2400人。また、同社の従業員の氏名と顔写真も外部からアクセス可能となっていた。人数は最大で75人に上る。

外部からアクセス可能だった期間は最長で2023年8月2日から24年5月15日までの約9か月間にわたる。この状態が発覚したのは5月15日で、社外の取引先からの指摘で発覚した。現在はポータルサイトの非公開設定を行うとともに、ポータルサイトに紐づく関連システムのパスワードを変更する措置を実施したという。不正アクセスが原因ではなく、現時点では外部からアクセスされた形跡は見つかっていないという。また個人情報保護委員会への報告は済ませている。

「シンゾーン」の広報担当者は、「現在、全社を挙げて原因究明に努めるとともに、個人情報を取り扱う上での管理体制の一層の強化を含む再発防止策について真摯に検討を重ねている」とし、「お客さまに安心してご利用いただけるよう、速やかに適切な対策を講じていく」とコメントしている。

個人情報保護法に詳しい日置巴美弁護士は、「これを機に改めて法令順守や再発防止策をしっかり検討していく必要があるだろう。また、職業や婚姻歴など、必ずしも必要とはいえない情報は、可能な限り取得しないことで自衛できることもある」と指摘する。また、「現時点の公表内容では対象となった顧客や従業員の不安は払しょくできないだろう。今回のインシデントが発生した理由や、どんな範囲・状況で、どの態様で情報が公開されていたのかといった詳細が分かり次第明らかにして、対象者がリスクを判断できるようにするなど、対象者のケアを行うことが重要なのでは。また、強固なセキュリティを有するシステムであっても、人為的なミスでインシデントが発生することもある。ワークフローの見直しや、担当者の継続的な教育も重要だ」とコメントする。

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LVMHを率いるアルノー会長の三男、一族の持株会社の幹部に 支配体制をさらに強化

LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)を率いるベルナール・アルノー(Bernard Arnault)会長兼最高経営責任者(CEO)の三男、フレデリック・アルノー(Frederic Arnault)LVMHウオッチ部門CEOは、一族の主要な持株会社フィナンシエール・アガシュ(FINANCIERE AGACHE)のマネージング・ディレクターに就任した。これは、前任のニコラ・バジル(Nicolas Bazire)取締役の任期終了に伴うものだという。フレデリックはまた、フィナンシエール・アガシュの取締役会に、その親会社であるアガシュの代表として加わった。

フレデリックは2024年4月、アルノー会長兼CEOの次男であるアレクサンドル・アルノー(Alexandre Arnault)=ティファニー プロダクトおよびコミュニケーション部門 エグゼクティブ・バイス・プレジデントと共に、LVMHの取締役会に加わった。長女のデルフィーヌ・アルノー(Delphine Arnault)=クリスチャン ディオール クチュール会長兼CEOと、長男のアントワン・アルノー(Antoine Arnault)LVMHヘッド・オブ・コミュニケーション&イメージは、以前から取締役会に所属している。また、四男で末っ子のジャン・アルノー(Jean Arnault)=ルイ・ヴィトン ウォッチ部門 マーケティングおよびプロダクト・ディベロップメント・ディレクターも、いずれは取締役会に加わると見込まれている。

LVMHは近年、一族支配を強化している。22年5月には、当時73歳だったアルノーLVMH会長兼CEOが80歳まで続投できるよう、CEO職は75歳までと定められていた内規を変更。22年12月には、アントワンが一族の持株会社クリスチャン ディオールSE(CHRISTIAN DIOR SE)のCEO兼副会長に就任した。クリスチャン ディオールSEは、フィナンシエール・アガシュの傘下。フィナンシエール・アガシュは22年12月の時点でクリスチャン ディオールSEの株式資本の97.5%を保有している。これらを通じ、アルノー家は23年12月の時点で、LVMHの株式資本の48.6%と議決権の64.3%を保有している。

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「ザ・ノース・フェイス」が新トップを任命 親会社VFCの社外取締役

「ヴァンズ(VANS)」「ティンバーランド(TIMBERLAND)」「シュプリーム(SUPREME)」などを擁するVFコーポレーション(VF CORPORATION以下、VFC)は、同じく傘下に持つ「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」のグローバル・ブランド・プレジデントとして、VFCのキャロライン・ブラウン(Caroline Brown)社外取締役を任命した。ニコール・オットー(Nicole Otto)前グローバル・ブランド・プレジデントの後任として、6月10日の週に就任する。

ブラウン新グローバル・ブランド・プレジデントは、ジョルジオ アルマーニ(GIORGIO ARMANI)でキャリアをスタート。10年以上にわたり、マーケティングやコミュニケーション部門のリーダーとして活躍した。その後、キャロリーナ ヘレラ(CAROLINA HERRERA)の社長やダナ キャラン インターナショナル(DONNA KARAN INTERNATIONAL)の最高経営責任者(CEO)、循環経済にフォーカスした投資銀行クローズド・ループ・パートナーズ(CLOSED LOOP PARTNERS)のマネージング・ディレクターなどの要職を歴任。2024年2月からVFCの社外取締役を務めていたが、今回の人事のため、5月に退任している。

新たな社外取締役は“物言う株主”と協議して決定

これに伴い、VFCは5月30日、新たな社外取締役として投資会社およびアドバイザリーのコンセロ・グループ(CONSELLO GROUP)のミンディー・グロスマン(Mindy Grossman)=パートナーと、ウェンディーズ(WENDY'S)のカーク・タナー(Kirk Tanner)社長兼CEOを任命。この人選は、23年にVFCの株主となった、“物言う株主”として知られる米投資会社エンゲージド・キャピタル(ENGAGED CAPITAL)との協議に基づいて決定したという。

なお、エンゲージド・キャピタルは23年10月、VFCに「ヴァンズ」と「ザ・ノース・フェイス」以外の傘下ブランドの見直しや、経営陣の刷新などを要求したと海外メディアが報道。また、VFCが20年11月に21億ドル(約3297億円)で「シュプリーム」を買収したことは、「リスクマネジメントが崩壊したとしか思えない案件だ」とほかの投資家に説明したといわれている。

一方、VFCは、2月に23年10~12月期(第3四半期)決算を発表した際、傘下ブランドの見直しを開始したことを公表。5月には、情報筋の話として、同社がアドバイザリーに米投資銀行ゴールドマン・サックス(GOLDMAN SACHS)を選定してブランドポートフォリオ戦略の見直しを行っていると報じられたことから、「シュプリーム」の売却を検討しているのではないかとの臆測が広まった。しかし、現時点ではその後の動きは明らかになっていない。

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アダストリアはここがスゴい!(2024年6月3日号)

毎週発行している「WWDJAPAN」は、ファッション&ビューティの潮流やムーブメントの分2024年6月3日号析、ニュースの深堀りなどを通じて、業界の面白さ・奥深さを提供しています。巻頭特集では特に注目のキーワードやカテゴリー、市場をテーマに、業界活性化を図るべく熱いメッセージを発信。ここでは、そんな特集を担当記者がざっくばらんに振り返ります。(この記事は「WWDJAPAN」2024年6月3日号からの抜粋です)

五十君:アダストリア(ADASTRIA)が業績好調です。特にコロナ禍以降、ECの「ドットエスティ(.st)」がドライバーとなり、勝ち組になっています。昨年は創業70周年の節目でもありました。

林:「ユニクロ(UNIQLO)」擁するファーストリテイリング(FR)、しまむらに続いてアパレル企業としては国内3番目の規模。上位2社は「なぜ売れているのか」がよくメディアで解説されるが、アダストリアは扱うブランドの名は知っているけれど、社名は知らない人が多いのでは。

五十君:“修正力”をテーマに特集しましたが、木村治社長も会見や取材中に笑いを交えながら「うちは修正力が強みなので」と語りますし、思い返せば2018年3〜8月に赤字転落しても半年で巻き返していました。「ドットエスティ」の成長も、コロナで実店舗が閉まり、「さあどうする?」となってからの修正による部分が大きいです。

林:ブランド数は30以上。10数年前は若い女性向けの「ローリーズファーム(LOWRYS FARM)」が売り上げ筆頭でしたが、今はファミリー向けの「グローバルワーク(GLOBAL WORK)」が稼ぎ頭。ライフスタイルブランド「ニコアンド(NIKO AND...)」も大化けしました。FRもしまむらも1つの業態で伸ばしてきた中で、マルチブランドで臨機応変にやってきました。

人たらしの陽キャ集団

五十君:まさに今もアパレル小売りからプラットフォーマーへ転換しようという変革のタイミングです。修正できるのは、失敗していいという風土があることの裏返し。やりたいことがあるなら「失敗してもいいからやってみなよ」と全力で応援してもらえると、取材した若手6人が異口同音で語っていました。一方、経営幹部に聞くと、「現場との風通しの良さ」をすごく意識しています。店を撤退するような時こそ、「それでも一緒にやっていこう」と現場と直接コミュニケーションする。すごく人たらしの陽キャの集まりだと思いました。

林:FRの柳井正会長もアダストリアの福田三千男会長もほぼ団塊世代で、実家が地方の紳士服店。手法もキャラクターも違っていますが、オーナー会長なので、それが社風にも出ていますよね。ビジネス拡大への貪欲さは柳井会長と近しいと感じます。

五十君:紆余曲折はあったものの、アダストリアは木村社長とそのチームという、福田会長が事業を託せる次の世代が育った点も強みですね。これからも追っていきます!

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アダストリアはここがスゴい!(2024年6月3日号)

毎週発行している「WWDJAPAN」は、ファッション&ビューティの潮流やムーブメントの分2024年6月3日号析、ニュースの深堀りなどを通じて、業界の面白さ・奥深さを提供しています。巻頭特集では特に注目のキーワードやカテゴリー、市場をテーマに、業界活性化を図るべく熱いメッセージを発信。ここでは、そんな特集を担当記者がざっくばらんに振り返ります。(この記事は「WWDJAPAN」2024年6月3日号からの抜粋です)

五十君:アダストリア(ADASTRIA)が業績好調です。特にコロナ禍以降、ECの「ドットエスティ(.st)」がドライバーとなり、勝ち組になっています。昨年は創業70周年の節目でもありました。

林:「ユニクロ(UNIQLO)」擁するファーストリテイリング(FR)、しまむらに続いてアパレル企業としては国内3番目の規模。上位2社は「なぜ売れているのか」がよくメディアで解説されるが、アダストリアは扱うブランドの名は知っているけれど、社名は知らない人が多いのでは。

五十君:“修正力”をテーマに特集しましたが、木村治社長も会見や取材中に笑いを交えながら「うちは修正力が強みなので」と語りますし、思い返せば2018年3〜8月に赤字転落しても半年で巻き返していました。「ドットエスティ」の成長も、コロナで実店舗が閉まり、「さあどうする?」となってからの修正による部分が大きいです。

林:ブランド数は30以上。10数年前は若い女性向けの「ローリーズファーム(LOWRYS FARM)」が売り上げ筆頭でしたが、今はファミリー向けの「グローバルワーク(GLOBAL WORK)」が稼ぎ頭。ライフスタイルブランド「ニコアンド(NIKO AND...)」も大化けしました。FRもしまむらも1つの業態で伸ばしてきた中で、マルチブランドで臨機応変にやってきました。

人たらしの陽キャ集団

五十君:まさに今もアパレル小売りからプラットフォーマーへ転換しようという変革のタイミングです。修正できるのは、失敗していいという風土があることの裏返し。やりたいことがあるなら「失敗してもいいからやってみなよ」と全力で応援してもらえると、取材した若手6人が異口同音で語っていました。一方、経営幹部に聞くと、「現場との風通しの良さ」をすごく意識しています。店を撤退するような時こそ、「それでも一緒にやっていこう」と現場と直接コミュニケーションする。すごく人たらしの陽キャの集まりだと思いました。

林:FRの柳井正会長もアダストリアの福田三千男会長もほぼ団塊世代で、実家が地方の紳士服店。手法もキャラクターも違っていますが、オーナー会長なので、それが社風にも出ていますよね。ビジネス拡大への貪欲さは柳井会長と近しいと感じます。

五十君:紆余曲折はあったものの、アダストリアは木村社長とそのチームという、福田会長が事業を託せる次の世代が育った点も強みですね。これからも追っていきます!

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「グレース クラス」刷新 グレード高めて価格4割増しに

アイランドは、婦人服「グレース クラス(GRECE CLASS)」を2024-25年秋冬物からリブランディングする。素材、デザイン、縫製のグレードを高めて、価格も4割ほど上げる。上質な服を求める30〜40代の女性に応えるブランドとして再出発する。

「価格が上になっても、本当に良いものを大切に着続けたいと考える女性が増えている。そのニーズに応えるために全面的な見直しを図った」とアイランドの三芳克則・取締役企画生産本部長は説明する。ラグジュアリーブランドが使うイタリア製のインポート生地やシルク、ムートンなどをぜいたくに用いる。普段使いからパーティーなどのオケージョンまで幅広い場面に対応するようなコート、ジャケット、ワンピースを強化した。価格はコート8万8000〜36万3000円、ジャケット5万5000〜16万5000円、ワンピース5万5000〜12万1000円、シャツ4万4000〜6万6000円、ニット4万4000〜7万7000円。今後は注文服のアイテム数も増やす。

同社の基幹ブランド「グレースコンチネンタル(GRACE CONTINENTAL)」が百貨店などで運営する主要17店舗で扱うほか、ポップアップストアでの販売を予定する。それらが軌道に乗れば、独立したブランドショップの出店に乗り出す。

百貨店を主販路にする婦人服ブランドでは、既存商品よりもグレードを高めた派生ブランドや新ブランドを開発する動きが相次ぐ。アイランドと同じグループのオンワード樫山は「23区」から派生した「エステータ」を昨年秋から、ワールドも「アンタイトル」の2倍の価格帯の「オブリオ」を今年春から販売している。ラグジュアリーブランドやデザイナーブランドを買い求める所得に余裕のある女性をターゲットにする。

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「シャネル」のヴィルジニーが退任、後任候補にはエディ、ピエールパオロ、サラ・バートンの名前

「シャネル(CHANEL)」のアーティスティック・ディレクターを務めるヴィルジニー・ヴィアール(Virginie Viard)がメゾンを去る。「シャネル」は今後のクリエイティブ体制については、「やがて発表する」との声明を発表した。カール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)の後継者を務めたヴィルジニーは、現在62歳。「シャネル」は「ヘリテージに敬意を表しながら、メゾンのコードを更新してくれた。彼女の素晴らしい貢献に感謝している」と話した。ヴィルジニーは、カールの側近時代を含め、30年にわたり「シャネル」のクリエイションを担った。

6月25日に開催予定の2024-25年秋冬オートクチュール・コレクションは、予定通りに開催する。

ヴィルジニーが19年にカールの後任となって以来、「シャネル」のプレタポルテ(既成服)のビジネスは2.5倍に成長したと言われている。成功を受け、メゾンは今後の経営戦略に大きな変更はないと話したばかりだった。一方、マルセイユで開催したばかりのクルーズ・コレクションは、若い世代に向けたクリエイションに傾倒しているとしてSNSでは賛否両論だった。

後任候補には、噂は何度も浮上しているエディ・スリマンの名前

後任については、17年に最初の噂が浮上して以来、「シャネル」は何度も否定しているエディ・スリマン(Hedi Slimane)「セリーヌ」アーティスティック、クリエイティブ&イメージディレクターのほか、「ヴァレンティノ(VALENTINO)」を去ったピエールパオロ・ピッチョーリ(Pierpaolo Piccioli)、「アレキサンダー・マックイーン(ALEXANDER McQUEEN)」のトップを退任したサラ・バートン(Sarah Burton)などの名前が上がっている。

ヴィアール=アーティスティック・ディレクターは1962年にフランス・リヨン市で生まれ。創業者であるガブリエル・シャネル(Gabrielle Chanel)以来、女性として初めて同ブランドの舵取りを担った。地元の学校で舞台美術を学んだ後、衣装デザイナーのドミニク・ボルグ(Dominique Borg)のアシスタントとしてキャリアをスタートした彼女は、1987年にインターンとして「シャネル」に加わり、やがて刺しゅう部門の責任者となった。92~97年にカールと一緒に「クロエ(CHLOE)」で仕事をした後、2000年に共に「シャネル」に戻っている。以後、オートクチュールやウエア、アクセサリー部門を統括し、カールに「私の右腕であり、左腕でもある」と言わしめるほどの強い信頼関係を築いた。

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「アークテリクス」が新宿に国内最大店舗をオープン 11月にアルタ横に開業予定

アメアスポーツジャパンは11月、カナダ発のアウトドアブランド「アークテリクス(ARC’TERYX)」の日本最大となる旗艦店を、東京・新宿にオープンする。これにより、国内の直営店はアウトレットを除き16店となる。中国をはじめとした訪日客にも人気のブランドだけに、新宿店も大きな話題になりそうだ。また、10月には神戸店の移転増床も予定している。

新宿店は新宿アルタ横で現在建設中のビルに入るといい、全4フロアで売り場面積は約684平方メートル。ウエアに加え、強化中のフットウエアや、バックパック、ファッションラインの“ヴェイランス(VEILANCE)”を含むフルアイテムをそろえる。また、東京・丸の内、心斎橋の店舗に続き、リペアやケアサービスのための“リバード(ReBIRD)”カウンターも設ける。

神戸では2016年に旧居留地に出店していたが、既存店から徒歩5分の立地に移転。従来は2フロア構成だったが、1フロアで売り場面積も約364平方メートルに拡大する。

2024年の新規出店や移転はこの2店。昨年は秋にギンザシックス、心斎橋、福岡と計3店、22年は計4店新規出店していた。「25年以降もこれまでと同様のペースで積極出店していく」と、林克洋マーケティングマネージャー。「アークテリクス」はアメアスポーツ本国の主導で、5月に東京・代官山に開発拠点も開設。また4〜5月にかけては、アメアスポーツジャパンが大規模なブランド体験イベントを原宿で開催した。このようにグローバルで大型投資を続けている。

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「ヴァンズ」が新トップを任命 「ルルレモン」の前幹部が7月に就任

「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」「ティンバーランド(TIMBERLAND)」「シュプリーム(SUPREME)」などを擁するVFコーポレーション(VF CORPORATION以下、VFC)は、同じく傘下に持つ「ヴァンズ(VANS)」のグローバル・ブランド・プレジデントとして、ルルレモン・アスレティカ(LULULEMON ATHLETICA以下、ルルレモン)の最高製品責任者を務めていたミシェル(“サン”)・チョー(Michelle “Sun” Choe)を任命した。7月下旬に就任する予定。

前任のケヴィン・ベイリー(Kevin Bailey)前グローバル・ブランド・プレジデントが2023年10月に退任した後は、ブラッケン・ダレル(Bracken Darrell)VFC社長兼最高経営責任者(CEO)が「ヴァンズ」のトップの役割も担っていた。

チョー新グローバル・ブランド・プレジデントは、メリーランド大学(University of Maryland)を卒業。リーバイ・ストラウス(LEVI STRAUSS)、ギャップ(GAP)、ゲス(GUESS)、アーバンアウトフィッターズ(URBAN OUTFITTERS)などでキャリアを積み、メイドウェル(MADEWELL)とウエストエルム(WEST ELM)でシニア・バイス・プレジデントなどを務めた。15年に、マーク ジェイコブス(MARC JACOBS)のチーフ・グローバル・プロダクト・マーチャントに就任。16年にグローバル・マーチャンダイジング部門シニア・バイス・プレジデントとしてルルレモンに加わり、18年から24年5月まで最高製品責任者を務めた。

ダレルCEOは、「サンは消費者インサイトに造詣の深い、力強いリーダーだ。ブランドを盛り上げ、それを収益につなげる実績を持っており、『ヴァンズ』を次の段階へと導いてくれるだろう。今回の人事により、VFCはリーダーシップチームをさらに強化し、全てのブランドの成長を促進することで、株主やステークホルダーにとっての価値をいっそう高められたと確信している」と語った。

チョー新グローバル・ブランド・プレジデントは、「『ヴァンズ』は豊かな歴史と熱心なファンを持つ、素晴らしいブランドだ。クリエイティビティーと、信頼できる“本物”であるというブランドのアイデンティティーを生かし、世界中の消費者と意義のある長期的なつながりを築いていきたい」と述べた。

23年は親会社も「ヴァンズ」も2ケタ減収

VFCの2024年3月期決算は、売上高が前期比10.0%減の104億5460万ドル(約1兆6413億円)、営業損益は前年の3億2760万ドル(約514億円)の黒字から3400万ドル(約53億円)の赤字となった。純損益は、支払利息が増加したこともあり、同じく1億1850万ドル(約186億円)の黒字から9億6880万ドル(約1521億円)の赤字に転落した。

ブランド別での売上高では、「ザ・ノース・フェイス」が同1.7%増の36億7330万ドル(約5767億円)と微増だったものの、「ヴァンズ」は同24.4%減の27億8570万ドル(約4373億円)、「ティンバーランド」は同12.8%減の15億5690万ドル(約2444億円)といずれも2ケタ減収。「シュプリーム」が属するその他のブランド部門は、同0.7%増の18億2030万ドル(約2857億円)だった。

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「トミー ヒルフィガー」のCEOが退任 親会社PVHの24年2~4月期は9%減収

「カルバン・クライン(CALVIN KLEIN)」と「トミー ヒルフィガー(TOMMY HILFIGER)」を擁するPVHコープ(PVH CORP以下、PVH)は6月4日、マルタイン・ハグマン(Martijn Hagman)=トミー ヒルフィガー グローバルおよびPVHヨーロッパ最高経営責任者(CEO)の退任を発表した。同氏は引き継ぎのため、当面はアドバイザーとして同社に残るという。

今後は、リー・リッツ・ゴールドマン(Lea Rytz Goldman)=トミー ヒルフィガー グローバル・プレジデントが同ブランドを率いる。PVHヨーロッパについては、後任が正式に決定するまで、デイビッド・サブマン(David Savman)PVH最高サプライチェーン責任者が暫定的にCEOを務める。

ステファン・ラーソン(Stefan Larsson)PVH CEOは、「16年にわたり、当社に多大な貢献をしてくれたマルタインに感謝する。当社の欧州事業を、市場をリードする収益性の高いマルチブランドビジネスに育ててくれたキーパーソンだ。その後を引き継ぐデイビッドは、中期的な事業戦略“PVH+ プラン(PVH+ Plan)”全体を率いるなど、重要な役割を果たしている」と語った。

2024年2~4月期は見通しを上回る結果に

今回の人事と同日に、PVHは2024年2〜4月期(第1四半期)決算を発表。売上高は前年同期比9.5%減の19億5190万ドル(約3064億円)、EBIT(利払前・税引前損益)は同3.2%増の2億510万ドル(約322億円)、純利益は同11.3%増の1億5140万ドル(約237億円)と減収増益だった。

地域別に見ると、北米とアジアの売り上げは堅調だったものの、欧州が不調で全体の重しに。ブランド別に見ると、「トミー ヒルフィガー」の売上高は同9.9%減の10億1330万ドル(約1590億円)、「カルバン・クライン」は同0.1%減の8億8680万ドル(約1392億円)だった。

PVHが4月に発表した24年1月期決算と同様に、今期も主にコスト削減やサプライチェーンの合理化、在庫率の改善などにより増益となったものの、地政学上の先行き不透明感やマクロ経済の悪化による欧州市場の減速が売り上げに響いている。一方で、当初は今期の売上高の見通しを現地通貨ベースで同11%減としていたが、それをやや上回る結果となった。しかし、前期比6~7%減としていた通期の見通しについて上方修正はしないことを明らかにしている。

「カルバン・クライン」のコレクション事業が6年ぶりに復活

PVHは現在、過渡期にある。主力の「カルバン・クライン」と「トミー ヒルフィガー」に注力すべく、21年7月にヘリテージブランド事業を終了。23年11月には、傘下のアンダーウエアブランド「ワーナーズ(WARNER'S)」などを売却した。24年5月には、「カルバン・クライン」のコレクション・クリエイティブ・ディレクターとして、ヴェロニカ・レオーニ(Veronica Leoni)「クイラ(QUIRA)」創業デザイナーを任命。同氏は9月からメンズ、ウィメンズ、アンダーウエア、アクセサリーを手掛け、25年秋にデビューコレクションを発表する予定だが、これにより19年3月に撤退したコレクション事業が6年ぶりに復活することとなる。

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「トミー ヒルフィガー」のCEOが退任 親会社PVHの24年2~4月期は9%減収

「カルバン・クライン(CALVIN KLEIN)」と「トミー ヒルフィガー(TOMMY HILFIGER)」を擁するPVHコープ(PVH CORP以下、PVH)は6月4日、マルタイン・ハグマン(Martijn Hagman)=トミー ヒルフィガー グローバルおよびPVHヨーロッパ最高経営責任者(CEO)の退任を発表した。同氏は引き継ぎのため、当面はアドバイザーとして同社に残るという。

今後は、リー・リッツ・ゴールドマン(Lea Rytz Goldman)=トミー ヒルフィガー グローバル・プレジデントが同ブランドを率いる。PVHヨーロッパについては、後任が正式に決定するまで、デイビッド・サブマン(David Savman)PVH最高サプライチェーン責任者が暫定的にCEOを務める。

ステファン・ラーソン(Stefan Larsson)PVH CEOは、「16年にわたり、当社に多大な貢献をしてくれたマルタインに感謝する。当社の欧州事業を、市場をリードする収益性の高いマルチブランドビジネスに育ててくれたキーパーソンだ。その後を引き継ぐデイビッドは、中期的な事業戦略“PVH+ プラン(PVH+ Plan)”全体を率いるなど、重要な役割を果たしている」と語った。

2024年2~4月期は見通しを上回る結果に

今回の人事と同日に、PVHは2024年2〜4月期(第1四半期)決算を発表。売上高は前年同期比9.5%減の19億5190万ドル(約3064億円)、EBIT(利払前・税引前損益)は同3.2%増の2億510万ドル(約322億円)、純利益は同11.3%増の1億5140万ドル(約237億円)と減収増益だった。

地域別に見ると、北米とアジアの売り上げは堅調だったものの、欧州が不調で全体の重しに。ブランド別に見ると、「トミー ヒルフィガー」の売上高は同9.9%減の10億1330万ドル(約1590億円)、「カルバン・クライン」は同0.1%減の8億8680万ドル(約1392億円)だった。

PVHが4月に発表した24年1月期決算と同様に、今期も主にコスト削減やサプライチェーンの合理化、在庫率の改善などにより増益となったものの、地政学上の先行き不透明感やマクロ経済の悪化による欧州市場の減速が売り上げに響いている。一方で、当初は今期の売上高の見通しを現地通貨ベースで同11%減としていたが、それをやや上回る結果となった。しかし、前期比6~7%減としていた通期の見通しについて上方修正はしないことを明らかにしている。

「カルバン・クライン」のコレクション事業が6年ぶりに復活

PVHは現在、過渡期にある。主力の「カルバン・クライン」と「トミー ヒルフィガー」に注力すべく、21年7月にヘリテージブランド事業を終了。23年11月には、傘下のアンダーウエアブランド「ワーナーズ(WARNER'S)」などを売却した。24年5月には、「カルバン・クライン」のコレクション・クリエイティブ・ディレクターとして、ヴェロニカ・レオーニ(Veronica Leoni)「クイラ(QUIRA)」創業デザイナーを任命。同氏は9月からメンズ、ウィメンズ、アンダーウエア、アクセサリーを手掛け、25年秋にデビューコレクションを発表する予定だが、これにより19年3月に撤退したコレクション事業が6年ぶりに復活することとなる。

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アダストリアが「ブレイモア」を支援 “東大卒”イメージの脱却に挑む25歳の野心

PROFILE: 松井勇樹/「ブレイモア」デザイナー(右)

松井勇樹/「ブレイモア」デザイナー(右)
PROFILE: (まつい・ゆうき)1998年生まれ、神奈川県出身。2023年春夏シーズンにアパレルブランド「ブレイモア(BLAYMORE)」を立ち上げる。2021年に東京大学を23年に文化服装学院服装科を卒業。現在は東京大学大学院農学生命研究科に在籍し、サステナビリティファッションが社会に及ぼす影響について研究する。哲学や歴史をベースにしたコレクションを、服装造形の技術を用いながら制作する。デザインのほか、パターンやグラフィックなども幅広く手掛ける。24年6月、アダストリアの「リードプロジェクト」に参加し、24年春夏コレクションを発表した。PHOTO: TAMEKI OSHIRO

アダストリアは6月5日、若手クリエイターを支援する新規プロジェクト「リードプロジェクト(LEAD PROJECT)」の始動を発表した。アダストリアの村岡秀紀「リードプロジェクト」プロジェクトリーダーが中心となり、ファッション業界での活躍を夢見る若手クリエイターとタッグを組み、アダストリアの生産背景を提供して、クリエイターがそれぞれのブランドでやりたいことを具現化する。

第1弾の支援デザイナーは3人で、うち一人が「ブレイモア(BLAYMORE)」の松井勇樹デザイナーだ。「リードプロジェクト」の支援下では初となる2024年春夏コレクションにおいて、セットアップやショートパンツ、Tシャツ、バッグなど全14型をそろえた。アダストリアのECサイト「ドットエスティ(.ST)」で6月12日に発売する。

松井デザイナーは「ブレイモア(BLAYMORE)」を2023年に立ち上げ、洋服づくりの裏側を見せるSNS運営でファンを増やしてきた。現在のインスタグラムフォロワーは約8万。同氏は東京大学&文化服装学院卒業で、これまではその学歴が注目を浴びることも多かった。しかし、「東京大学卒業というイメージだけで終わりたくない」と、今回のプロジェクトに情熱を傾ける。松井デザイナーと、プロジェクトの仕掛け人である村岡に話を聞いた。

「イッセイ ミヤケ」の衝撃
表現者を目指し文化服装学院へ

WWDJAPAN(以下、WWD):これまでの経歴について改めて教えてほしい。

松井勇樹「ブレイモア」デザイナー(以下、松井デザイナー):ファッションに関心を抱いたのは、東京大学に入学してすぐ、友人に「イッセイミヤケ(ISSEY MIYAKE)」を紹介されたことがきっかけだ。それまでは受験勉強ばかりで、ファッションをあまり気にかけてこなかったため衝撃を受けた。

ただ、すぐにデザイナーを志したわけではない。就職活動時は一般企業にエントリーしていた。すでに内定も受けていたが、「やっぱり表現者としての側面を伸ばしたい」と考え直し、入社を急遽辞退した。東京大学院への進学に方向転換し、夜間コースで文化服装学院の服装科に通うことを決めた。入学前から実家のミシンでお直しやリメイクをたまにしていたが、文化服装学院に進学してから服飾の勉強を本格的に始めた。大学院では農学を専門に、サステナブルファッションが環境に及ぼす影響を定量調査している。

WWD:「ブレイモア」を立ち上げたのはいつ?

松井デザイナー:文化服装学院2年生の頃だ。当時、洋服作りのスキルだけでなく、ビジネス面の経験値を高める必要性を感じていた。知人のつてによって奇跡的に繊維商社の社長とつながり、スポンサーになってもらうことができたため、ブランドを立ち上げた。2シーズンにわたって支援を受けながら、企画から生産、販売まで関わった経験が下積みになったと思う。

WWD:ブランドの特徴は?

松井デザイナー:“右脳で引かれ左脳で納得のいくワードローブ”がコンセプト。直感的な判断をする右脳に訴えるような、圧倒的な見栄えを作りたいという思いを込めた。また、左脳は論理的思考を司る部位なので、自分が文化服装学院で学んだ服飾のテクニックを、着心地の良さなどに落とし込みたい。

特徴は、ルーズシルエット。ゆったり着られるけど、あくまでも体のシルエットに沿うような仕様にこだわっている。ほかにもステッチのコバを細かくしたり、ファスナーを見せないようにしたりして、ミニマルな見た目になるように工夫している。

インフルエンサーの夢を実現
「リードプロジェクト」とは

WWDJAPAN:「リードプロジェクト」の目的は?

村岡秀樹「リードプロジェクト」代表(以下、村岡代表): 「リードプロジェクト」はインフルエンサーの夢や志の具現化を図るプロジェクトだ。現代ではSNSの発展により、誰もが影響力を持てるようになった。コロナ禍でD2Cビジネスが勢いづく中、アパレル企業の多くは、インフルエンサーブランドが市場のシェアを奪う脅威と見なす傾向にあった。しかしわれわれは「手を取り合った方が新たなビジネスチャンスが生まれるのでは」と考え、魅力的なインフルエンサーを探し出し、彼らの夢を支援するプロジェクトを始めることにした。社員3人で構成するスモールチャレンジだ。

インフルエンサー個人とコラボする試みは、それほど珍しくない。ただ、「リードプロジェクト」がほかと異なるのは、参加するクリエイターがすでにブランドを持っているということ。あくまでも彼らがやりたいことを、アダストリアがバックアップする。

WWD:プロジェクトに参加するインフルエンサーの選定基準は?

村岡代表:志の高さを重視した。松井君は、一般的なインフルエンサーとは一線を画す存在だ。自身のブランド「ブレイモア」に対する思いや、彼のクリエイションにひもづく知識の多彩さが魅力的。将来のビジョンも明確であり、それをサポートしたいと感じた。松井君はインスタグラムで約8万のフォロワーを抱えている。これまでいろいろなインフルエンサーと話してきたが、彼ほどの上昇志向を持つ若手は珍しい。素直に「めっちゃ面白い子だ!」と心引かれた。

WWD:松井デザイナーの将来のビジョンとは?

松井デザイナー: パリコレに参加したい。三宅一生デザイナーや山本耀司デザイナーは、30代半ばでパリに進出した。今、自分は25歳なので、10年後までに挑戦したいと思っている。

WWD:アダストリアの支援を受けることで、ブランド運営は何が変わるか。

松井デザイナー:アダストリアの生産背景を使用できるため、効率化が図れる。価格帯を前シーズンの6〜7割である8000〜2万7000円に下げており、「ブレイモア」の洋服をこれまでより多くのお客さまに届けることができるはずだ。商品ラインアップも広がり、合皮素材を使ったアイテムやアクセサリーも開発可能になる。

また、コンセプトメーキングやデザインにさらに注力できるようになった。これまでは企画や生産、販売などにも携わっていたため、業務で手いっぱいになることが多かった。今後は自分の哲学を洋服に込めるための時間を増やせる。

村岡代表:基本的に、松井君は「ブレイモア」のディレクションをこれまで通り担う。商品企画のアイデアや、SNSプロモーションの進め方について意見してもらう予定だ。アダストリアが蓄積してきた経験やノウハウを使って、松井君のクリエイションイメージを具現化し、新たなトレンドを創出していきたい。

「リードプロジェクト」で初披露となる2024年春夏コレクションでは、セットアップやショートパンツ、Tシャツ、バッグなど全14型をそろえた。6月12日にアダストリアのECサイト「ドットエスティ(.ST)」で発売する。

WWD:今後の目標は?

松井デザイナー:全て納得が行くものを作り、できるだけ多くの人に洋服を手に取ってもらいたい。“東京大学”という見られ方だけで終わらないようにしたい。

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Z世代で何が流行っている? 「2024年上半期トレンドランキング」発表

「Z世代」を研究対象としたシンクタンク組織、Z総研は「Z総研2024年上半期トレンドランキング」を発表した。調査期間は2024年4月26日〜5月6日で、インターネット上で自社メディア「Nom de plume(ノンデプルーム)」LINE@会員を対象に行なった。複数回答式で、有効回答数は626人(全国、中学生110人、高校生245人、大学・専門学生159人、社会人112人)だった。

今回トレンドを、「言葉」「食べもの・飲みもの」「コスメ」「コト・モノ」「YouTubeチャンネル」「TikToker」「俳優・女優」「アイドル」「アーティスト」「曲」の10部門で発表した。また、「Nom de plume」のZ世代フォロワー12万人に聞いた編集部セレクトの「2024年下半期ネクストトレンド予想」も同時に発表する。

各部門の結果は以下の通り。

流行った言葉

1位:「それガーチャー?ほんまごめんやで」
※「それガチ?ほんとごめん」といった意味を指していると思われる、菊池が主演を務めた日本テレビ系土曜ドラマ「ゼイチョー ~「払えない」にはワケがある~」内のセリフ。
2位:「BeReal」
3位:「チーム友達」
※KOHHとしての活動を引退後、千葉雄喜として本名で活動を再開するとともにリリースされた楽曲「チーム友達」

流行った食べもの・飲みもの


1位:アサイーボウル
2位:シャインマスカットボンボン
3位:猫プリン

流行ったコスメ

1位:“ウォンジョンヨ フィクシングブラーパウダー”(ウォンジョンヨ)
2位:“プランぷくコーデアイズ”(キャンメイク)
3位:“グラスティングカラーグロス”(ロムアンド)

流行ったコト・モノ


1位:BeReal.
2位:猫ミーム
3位:おぱんちゅうさぎ

流行ったYouTubeチャンネル


1位:コムドット
2位:平成フラミンゴ
3位:とうあ

流行ったTikToker


1位:さくら
2位:MINAMI
3位:あいさ

流行った俳優・女優


1位:出口夏希
2位:高橋文哉
3位:宮世琉弥

流行ったアイドル


1位:ME:I(ミーアイ)
2位:ILLIT(アイリット)
3位:LE SSERAFIM(ル セラフィム)

流行ったアーティスト


1位:Mrs. GREEN APPLE
2位:Creepy Nuts
3位:YOASOBI

流行った曲


1位:「Bling-Bang-Bang-Born」Creepy Nuts
2位:「幾億光年」Omoinotake
3位:「Magnetic」ILLIT

Z世代12万人に聞いたネクストトレンド予想


・ガールズグループ「BABYMONSTER」
・ガールズグループ「IS:SUE」
・キャラクター「エスターバニー」
・スイーツ“オニワッサン”
・ヘアスタイル「カチモリヘア」
・コスメ「ニードルコスメ」
・東京ディズニーシー「ファンタジースプリングス」
・グッズ「モール人形」
・ファッション「リムレスメガネ」
・俳優「岩瀬洋志」

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ユニクロ5月度は8.4%増、客数も維持 ユナイテッドアローズは4月に続き2ケタ増

専門店チェーン、セレクトショップの2024年5月度売上高(既存店ベース)は、大型連休を含め好天に恵まれたことで、前年実績を超えたという声が中心となっている。

ユニクロの国内売上高は、前年同月比8.4%増と、同18.9%増の大幅増となった4月に続き好調。連休商戦や5月24日から実施した40周年感謝祭が盛況で、値上げ以降割り込むことが増えた客数も同0.2%増。「連休商戦、感謝祭とも期間は昨年と変わらない中で、客数が維持できている」(広報担当者)と、手応えを感じている。売れ筋はメンズはUT、エアリズムコットンオーバーサイズT、ポロシャツなど、ウィメンズはブラトップ、ウルトラストレッチボトムス、パラシュートパンツなど。

しまむらの「ファッションセンターしまむら」(4月21日〜5月20日で集計)は同5.7%増で、客数は同3.5%増。連休商戦や母の日の打ち出しにより「婦人衣料の“素肌涼やかパンツ”や実用品のアームカバー、サンダル、冷感ラグや敷きパッドなど、実需商品が売れた」(発表資料から)。

良品計画の「無印良品」は同3.5%増だったものの、客数は同1.0%減と微減。客数は前年4月も同17.0%減と大きく落としていた。改革を進めてきた衣服・雑貨カテゴリーの売上高は同3.6%増と引き続き復調傾向で、4カ月連続で前年実績を超えた。

アダストリアは同4.6%増で、客数は同1.0%増。昨年自社ECで実施したタイムセールに代えて、今年は5月15〜23日に会員向けポイント還元キャンペーンを実施したことが伸長に寄与した。売れ筋は夏用素材のパンツや半袖トップス、羽織りにもなるシャツ類。雑貨ではキャップやリュック、ボトルホルダー、アイスネックリングなどが売れた。

ユナイテッドアローズは、前年5月も同8.2%増と伸ばしていた中で同11.4%増と2ケタ伸長となり、5カ月連続で前年実績を超えた。2ケタ増は4月に続き2カ月連続。客数は同6.1%増だった。「在庫調達を増やしたことなどにより、自社ECを中心にECの伸びが目立っている」(発表資料から)。

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ダイドーリミテッドに株主提案するアクティビスト 朝刊に全面広告

アクティビスト(モノ言う株主)として知られるストラテジックキャピタルは、4日付の日本経済新聞朝刊に意見広告を出稿し、ダイドーリミテッドに対する株主提案の要旨をアピールした。

ストラテジックは、「ニューヨーカー」「ブルックスブラザーズ」などを国内展開するダイドーの筆頭株主。長期にわたって業績低迷するダイドーに対し、4月17日に経営陣の刷新を含めた大規模な改革を求めた。ダイドーは対抗策として5月24日に外部のコンサル会社から会長、社長を招聘する人事を発表したが、ストラテジックはこれに反対を表明していた。

ストラテジックは4日付の日本経済新聞朝刊にセンター見開きで「株主価値向上に向けて」という見出しで意見広告を出した。ダイドーリミテッド、東亜道路工業、極東開発工業、京阪神ビルディング、淀川製鋼所、大阪製鐵、日産車体の7社への株主提案の要旨をしているが、紙面の半分弱をダイドーに充てている。ダイドーが抱える問題点やダイドーの人事案に反対する理由、ストラテジックが提案する取締役候補などを紹介している。ストラテジックが提案する取締役候補には、元ブルックスブラザーズジャパン最高財務責任者(CFO)の中山俊彦氏、元オンワード樫山社長の大澤道雄氏らが名を連ねる。

ダイドーの6月27日の株主総会を前に、ストラテジックは対決姿勢を鮮明にした上で、他の株主に賛同を訴える。

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国内第3位のアパレル企業、アダストリアの強み:記者談話室vol.130

「WWDJAPAN」ポッドキャストの「記者談話室」は、ファッション業界のその時々のニュースや話題について、3人の記者が分かりやすく解説したり、時には脱線したりしながら、掘り下げていきます。

130回目となる今回は、国内第3位の規模を誇るアパレル小売業、アダストリアを取り上げます。「グローバルワーク(GLOBAL WORK)」「ニコアンド(NIKO AND…)」「ローリーズファーム(LOWRYS FARM)」などを展開する同社ですが、コロナ禍以降波に乗り、過去最高業績を更新。一体なぜ伸びてるの?ライバルであるファーストリテイリングやパルとの違い/類似点は?挑戦する社風はどうやって作られた?などなど、徒然に語ります。6月3日に発売した「WWDJAPAN」アダストリア特集を一緒に読むとさらに理解が深まります!

この配信は以下のアプリでもご利用いただけます。
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百貨店5月度は2~3割増収、主要4社の免税売上高が過去最高

百貨店主要4社の5月度の売上高は、2〜3割の増収だった。訪日客による高額品の購買が売り上げをけん引し、4社全てで免税売上高が過去最高を更新した。

売上高は三越伊勢丹が前年同月比23.4%増、高島屋が同23.2%増、大丸松坂屋百貨店が同21.3%増、阪急阪神百貨店が同29.1%増だった。

三越伊勢丹は基幹3店(伊勢丹新宿本店、三越日本橋本店、三越銀座店)の合計売上高が前年比26.6%増、コロナ前の19年比51.9%増となり、全体の売上高を引き上げた。訪日客によるラグジュアリーブランドのハンドバッグや財布、宝飾、時計、化粧品といった高額商品の購買が増え、基幹3店の客単価はコロナ前の19年比66.9%増に着地している。

高島屋は、大阪店の売上高が前年同月比42.8%増、京都店が同31.5%増で、訪日客が集う地域の店舗が大きく伸びた。前年同月の2.2倍をマークした免税売上高に加えて、気温の上昇に伴ってブラウスやカットソー、日傘、帽子などのカテゴリの国内顧客による購買も堅調に推移し、免税売上高を除いた店頭売上高もコロナ前を上回っている。

大丸松坂屋も訪日客による免税売上高が伸長。インバウンド需要が高い京都や大阪の店舗が売り上げを伸ばし、特に大丸心斎橋店の売上高は前年同月比54.1%増と大きく飛躍した。

阪急阪神百貨店の阪急本店(阪急うめだ本店、阪急メンズ大阪)は同46.1%増と過去最高の売上高を更新。アクセサリーやバッグ、インターナショナルファッション、宝飾品の売上高は5割を上回る伸び率だった。100万円以上の高額品の売上高は7割増となり、ラグジュアリーブランドをはじめとする高額品を購入する訪日客や国内の上顧客の活況が数字に出ている。

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百貨店5月度は2~3割増収、主要4社の免税売上高が過去最高

百貨店主要4社の5月度の売上高は、2〜3割の増収だった。訪日客による高額品の購買が売り上げをけん引し、4社全てで免税売上高が過去最高を更新した。

売上高は三越伊勢丹が前年同月比23.4%増、高島屋が同23.2%増、大丸松坂屋百貨店が同21.3%増、阪急阪神百貨店が同29.1%増だった。

三越伊勢丹は基幹3店(伊勢丹新宿本店、三越日本橋本店、三越銀座店)の合計売上高が前年比26.6%増、コロナ前の19年比51.9%増となり、全体の売上高を引き上げた。訪日客によるラグジュアリーブランドのハンドバッグや財布、宝飾、時計、化粧品といった高額商品の購買が増え、基幹3店の客単価はコロナ前の19年比66.9%増に着地している。

高島屋は、大阪店の売上高が前年同月比42.8%増、京都店が同31.5%増で、訪日客が集う地域の店舗が大きく伸びた。前年同月の2.2倍をマークした免税売上高に加えて、気温の上昇に伴ってブラウスやカットソー、日傘、帽子などのカテゴリの国内顧客による購買も堅調に推移し、免税売上高を除いた店頭売上高もコロナ前を上回っている。

大丸松坂屋も訪日客による免税売上高が伸長。インバウンド需要が高い京都や大阪の店舗が売り上げを伸ばし、特に大丸心斎橋店の売上高は前年同月比54.1%増と大きく飛躍した。

阪急阪神百貨店の阪急本店(阪急うめだ本店、阪急メンズ大阪)は同46.1%増と過去最高の売上高を更新。アクセサリーやバッグ、インターナショナルファッション、宝飾品の売上高は5割を上回る伸び率だった。100万円以上の高額品の売上高は7割増となり、ラグジュアリーブランドをはじめとする高額品を購入する訪日客や国内の上顧客の活況が数字に出ている。

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三井物産がビギHDを完全子会社化 新社長に物産出身の田中氏

三井物産は3日、ビギホールディングス(HD)の全株式を取得して完全子会社にしたと発表した。三井物産は2018年にビギHDに資本参画し、三井物産が33.4%、三井物産系のMSD企業投資が運営するMSD第一号投資事業有限責任組合が66.6%の株式を保有していた。今回、三井物産はMSDの保有株を取得し、出資比率を100%にした。

ビギHDは1日付で社長の武内一志氏が代表権のない会長に退き、三井物産出身でマックスマーラ ジャパンの社長経験がある田中雅人氏が社長に就任した。新体制のもと、三井物産が持つ世界的なネットワークやDX(デジタル・トランスフォーメーション)の知見を生かして、成長を目指す。

ビギHDは、1970年に大楠裕二氏が創業したビギやメルローズなど擁する持株会社。現在は「ヨシエイナバ」「モガ」のビギ、「ピンクハウス」「マルティニーク」「コンバーストウキョウ」のメルローズ、「メンズ・ビギ」のメンズ・ビギ、「パパス」「マドモアゼルノンノン」のパパス、「ジョンスメドレー」のリーミルズ エージェンシーなどの事業会社で構成される。23年2月期のグループ売上高は456億円。

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ゴールデン グースがIPOを申請 170億円規模の新株発行で6月上場を目指す

ゴールデン グース(GOLDEN GOOSE)は5月30日、ミラノ証券取引所にIPO(新規上場)の申請をすることを発表した。1億ユーロ(約170億円)相当の新株を発行するほか、同社のオーナーである英投資ファンド、ペルミラ(PERMIRA)も保有する株式を一部売り出す。

現時点では、公開価格や売り出しの株式数などの詳細は未定。2024年6月の上場を目指すとしており、調達した資金は資本構造の強化や債務の返済などに充てるという。

ゴールデン グース、23年は18%増収と好調

「ゴールデン グース」は、イタリア・ベネチアを拠点とするデザイナーのフランチェスカ・リナルド(Francesca Rinaldo)とアレッサンドロ・ギャロ(Alessandro Gallo)が00年に創業。ラグジュアリースニーカーの先駆け的存在で、最高品質の素材を使用し、伝統的な職人技を大切にしている。17年に米投資ファンド、カーライル・グループ(CARLYLE GROUP)が買収。20年に、ペルミラが12億8000万ユーロ(約2176億円)でカーライルから買収した。

ゴールデン グースの23年12月期決算は、売上高が前期比18%増の5億8700万ユーロ(約997億円)、調整後EBITDA(利払い前・税引き前・減価償却前利益)は同19%増の2億ユーロ(約340億円)、調整後営業利益は同22%増の1億4900万ユーロ(約253億円)と好調だった。

マルコ・ビッザーリ=グッチ前社長兼CEOが取締役に

ゴールデン グースは4月23日、グッチ(GUCCI)の社長兼最高経営責任者(CEO)を23年9月23日付で退任したマルコ・ビッザーリ(Marco Bizzarri)を取締役会に迎えたことを発表。同氏は24年2月に投資会社ネッシファッション(NESSIFASHION)を設立し、イタリア・ボローニャに本社を構えるブランド「エリザベッタ フランキ(ELISABETTA FRANCHI)」などに投資している。

ペルミラは主にIT、消費財、金融、ヘルスケア関連企業に投資をしており、アパレル業界では「ドクターマーチン(DR.MARTENS)」や「リフォメーション(REFORMATION)」などに投資している。

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ゴールデン グースがIPOを申請 170億円規模の新株発行で6月上場を目指す

ゴールデン グース(GOLDEN GOOSE)は5月30日、ミラノ証券取引所にIPO(新規上場)の申請をすることを発表した。1億ユーロ(約170億円)相当の新株を発行するほか、同社のオーナーである英投資ファンド、ペルミラ(PERMIRA)も保有する株式を一部売り出す。

現時点では、公開価格や売り出しの株式数などの詳細は未定。2024年6月の上場を目指すとしており、調達した資金は資本構造の強化や債務の返済などに充てるという。

ゴールデン グース、23年は18%増収と好調

「ゴールデン グース」は、イタリア・ベネチアを拠点とするデザイナーのフランチェスカ・リナルド(Francesca Rinaldo)とアレッサンドロ・ギャロ(Alessandro Gallo)が00年に創業。ラグジュアリースニーカーの先駆け的存在で、最高品質の素材を使用し、伝統的な職人技を大切にしている。17年に米投資ファンド、カーライル・グループ(CARLYLE GROUP)が買収。20年に、ペルミラが12億8000万ユーロ(約2176億円)でカーライルから買収した。

ゴールデン グースの23年12月期決算は、売上高が前期比18%増の5億8700万ユーロ(約997億円)、調整後EBITDA(利払い前・税引き前・減価償却前利益)は同19%増の2億ユーロ(約340億円)、調整後営業利益は同22%増の1億4900万ユーロ(約253億円)と好調だった。

マルコ・ビッザーリ=グッチ前社長兼CEOが取締役に

ゴールデン グースは4月23日、グッチ(GUCCI)の社長兼最高経営責任者(CEO)を23年9月23日付で退任したマルコ・ビッザーリ(Marco Bizzarri)を取締役会に迎えたことを発表。同氏は24年2月に投資会社ネッシファッション(NESSIFASHION)を設立し、イタリア・ボローニャに本社を構えるブランド「エリザベッタ フランキ(ELISABETTA FRANCHI)」などに投資している。

ペルミラは主にIT、消費財、金融、ヘルスケア関連企業に投資をしており、アパレル業界では「ドクターマーチン(DR.MARTENS)」や「リフォメーション(REFORMATION)」などに投資している。

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ビームスが初の常設VRワールド 居酒屋や高架下がある理由とは?

ビームスは5月31日、VR映画スタジオのカデシュ・プロジェクトと協業し、VRプラットフォームVRChat内に初のオリジナルワールド「トーキョームード by ビームス」を公開する。ビームスは2020年から世界最大級のVRイベント「バーチャルマーケット」に年2回参加してきたが、常設の自社ワールドを設け、今後拠点とする計画だ。

ワールドに入ると、そこは薄暗い高架下。ビームスのショップの姿はなく、新橋や裏原宿を思わせる居酒屋や飲食店、ゲームセンターやコンビニ、ミュージックホールなどが軒を連ねる路地に出る。高架上を電車が走り、その横には川が流れる。遠くに高層ビルが並び、わい雑感がありつつ、新旧入り混じる感じがいかにも東京らしい。路地を進むと、奥にモダンな建物のビームスのショップがある。

ウインドーには2023年末に発表したオリジナルバーチャル衣装が飾られ、店内にはこれまで発売したオリジナル3Dアイテムを展示して、一部着替えができるギミックを用意。店内のマネキンやディスプレーに手をかざすと出てくる「Use」をクリックすると、PCのブラウザ上でマーケットプレイスBOOTHへと遷移する。2階は撮影スタジオになっている。

「『バーチャルマーケット』に出展し続けたなかで、こだわったアバターがカッコよく撮影できる空間や、ユーザーが気軽に集えるような拠点が欲しいと考えるようになった」とビームスの木下香奈VR担当。ビームスのオリジナルバーチャルアイテムも制作するクリエイターを通じて、カデシュ・プロジェクトに出会い、ワールド制作を依頼した。

全ての建物や店に入れるわけではないが、街を歩くとさまざまな音が聞こえてくるし、5分ごとに電車が走る音もする。リアルな街っぽさにこだわった。「みながわいわい集え、おしゃれなリアルクローズが映える空間作りを心掛けた。ショップ裏の感じや川沿いの抜け感など細部にこだわっているので、ぜひ空間を楽しんでほしい」。

「10年愛されるワールド」を目指す

昨年9月から会議を始めて、目指したのは「10年愛されるワールド」。まずはオープンを記念して、31日夜にヤマハとのコラボで3組のアーティストを迎えてローンチイベントをする。また、VR空間で映画を撮り、ロールプレイングイベントも行う「ホテル・カデシュ」3周年を記念して、登場アバターをビームスがスタイリング。主人公役2人のスタイリングに使用した商品を3D化したアイテムも同日に発売する。

常設ワールドが盛り上がるためには、運営する側のコンスタントな仕掛けが必要だ。オープン後は、リアルクローズを着たアバターの集会「リアクロ集会」や新衣装発表会などのほか、インフルエンサーを起用した「一日店長」居酒屋イベントや撮影イベントなどを企画している。

VRChatは表現の自由度と精度が高く、人気のプラットフォームで、京セラやモスバーガー、日産自動車などが企業ワールドを設けているほか、カシオが「G-SHOCKストア」を設けている。没入感のある楽しみ方をする場合、ハイスペックなPCとVRゴーグルが必要なのと、現在iOSに未対応なため、良くも悪くもユーザーが限定されている。

ビームスは「バーチャルマーケット」で店舗スタッフを数十人単位でシフトを組んでバーチャル接客を3年間続け、ショップイベントも開催してきたため、ノウハウの蓄積とネットワークの構築ができている。「バーチャルマーケット」の店舗からリアル店舗への送客実績もある。原宿のビームス3階にVR部屋を設け、VR体験を提供したり、ユーザーとリアルな交流も行ってきた。バーチャルな拠点を今後どう活用していくのか、どうコミュニティーを広げていくのか注目したい。

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オンラインMTGのフィルターに負けないファンデ&リップで回復を狙う「M・A・C」事業部長 ライバルは、AI?

PROFILE: YK・リー/「M・A・C」事業部長

YK・リー/「M・A・C」事業部長
PROFILE: 韓国生まれ。2001年に梨花女子大学校を卒業。マーケティング領域で20年の経験を持ち、マーケティング戦略やイノベーション開発、キャンペーン企画などに携わってきた。02年、石けんを中心とする韓国の中堅財閥・愛敬グループでキャリアをスタートする。07年から10年、ソウル・チョンノグのマクドナルドでコア・メニュー・ブランド・マネジャーを務め、経営の50%の責任を受け持つ。日本の外食チェーン企業のすかいらーくやジョンソン・エンド・ジョンソンを経て、23年エスティ ローダーに入社し、現職 PHOTO : YUTA KATO

エスティ ローダー傘下の「M・A・C」は今年、ブランド設立40周年を迎える。そもそも「M・A・C」は、“メイクアップ・アート・コスメティクス”の頭文字を取ったもの。プロのメイクアップアーティストがカナダ・トロントで設立し、専門知識を強みにメイクアップとスキンケア商品を開発する。“すべての年齢、すべての人種、すべての性別”を信条に掲げ、ダイバーシティーやジェンダーフリーが叫ばれるようになるはるか前から、多様性と個性を尊重する商品を世に送り出してきた。現在同ブランドの日本における事業部長を務めるYK・リー(YK Lee)は、コロナ禍を通して大きく変化した消費動向と向き合い、「M・A・C」のさらなる成長戦略を練っている。3月に着任1年の節目を迎えたリー事業部長に、「M・A・C」の強みや日本でのビジネスなどについて聞いた。

WWDJAPAN(以下、WWD):事業部長着任後の1年間でどのようなことに取り組んだ?

YK・リー「M・A・C」事業部長(以下、リー):コロナ禍以降、大きく変化した消費動向に応じた商品開発に取り組んだ。コロナ禍は人と会う機会が少なく、オンラインではフィルターに頼れるのであまりメイクをしない人が多かった。一方コロナ禍が明けると、以前のようにまた人に会う機会が増え、人々は自己主張・自己表現をする機会を楽しんでいる。そこで対面で会うときにも、フィルターのようにふんわりした肌をかなえられるリキッドファンデーション“スタジオ フィックス フルイッド SPF25”[SPF25・PA++](全16色、各30mL、各7260円)を開発した。マスクを外せるようになったので、リップスティックの新作“マキシマル シルキー マット リップスティック”(全25色、各4620円)や“グロー プレイ テンダートーク リップ バーム”(全7色、各3960円)にも注力している。

WWD:これまでのキャリアをどう生かしている?

リー:これまで情熱を傾けてきたのは、課題のあるブランドをV字回復させること。成功したときの達成感には、中毒性がある。前職は、外資企業が買収した日本のブランド。親会社の意向と日本独特の文化が折り合わず、売り上げが落ちていた。そこでは、美容エディターや美容賢者らが愛用しているのに認知度が低い商品でテレビCMを打ち、改めて認知度を高め、売り上げを伸ばした。マーケティング領域での20年の経験を生かし、「M・A・C」もさらに成長させたい。

WWD:事業部長に着任した当時は、「M・A・C」も伸び悩んでいた?

リー:カラーメイクアップを主軸とするブランドはどこもあまり好調ではなかったので、声が掛かったときは悩んだ。しかし私自身、リップスティックをはじめとする「M・A・C」の化粧品を使っており、愛着のあるブランドだったので、挑戦してみたいと思った。

WWD:日本の現在の商況は?

リー:日本はリップとファンデーションが好調で、世界でトップ10に入る国だ。日本のお客さまは、買い物における失敗を恐れる傾向が強い。だからこそブランドスイッチが起こりづらく、同じ商品が長く愛されている。メイクアップに関しては、ビフォー/アフターをガラッと変えるものよりも、自分らしさを生かすものが人気だ。

WWD:今後のビジョンは?

リー:韓国コスメやプチプラブランドなど、手頃な価格でメイクアップを楽しめる選択肢が増えた。「M・A・C」だけが持つアーティストリーやストーリーを生かし、品質のさらなる向上に取り組むつもりだ。直近の新商品“グロー プレイ テンダートーク リップ バーム”や“グロー プレイ クッショニー ブラッシュ”、“スタジオ ラディアンス セラム ファンデーション”、“スタジオ フィックス フルイッド SPF25”などはスキンケア成分を高配合し、メイクアップブランドでありながらスキンケア効果にも注力して開発している。また、マイクロプラスチックの使用量を削減し、最先端の技術にこだわって製造している。「M・A・C」の品質の高さを、より訴求していきたい。

改めて「M・A・C」というブランドについて

WWD:「M・A・C」の強みは?

リー:専門家による卓越した技術だ。メイクアップアーティストがお客さまに寄り添って、メイクアップの楽しさを教えたり、悩みを解決したりする。コロナ禍では美容部員の接客に制限が多く、自信をなくしたり、スキルを伸ばせなかったりなどの課題を抱えていたので、事業部長着任後すぐに美容部員の教育チームを強化した。店舗での接客やメイクアップ技術のトレーニングなどを行っている。

また、以前は店舗間のつながりが強かったが、コロナ禍には距離が生まれてしまっていた。コミュニケーションの活性化を目指し、今年は全てのリテール・マネジャー(全国の「M・A・C」カウンターの店長)が対面で集まれるイベントを開催する予定だ。

WWD:「M・A・C」を通してどのようなメッセージを届けたい?

リー:「M・A・C」は、“すべての年齢、すべての人種、すべての性別”を重視している。今でこそダイバーシティー&インクルージョンは当たり前になったが、ブランドが誕生した40年前から、この価値観を貫いてきたことを誇りに思う。全ての女性と少女の平等な権利と、健康で安心な未来をサポートするビバ グラム基金は、「M・A・C」の価値観を象徴する。売り上げは100%、女性や少女、LGBTQIA+、HIV・エイズとともに生きる人々の支援に充てている。創設以来、世界で総額5億ドル(約775億円)以上を寄付し、今も増え続けている。

店の売り上げにならないので開始当初は百貨店の反発などもあったと聞いているが、「M・A・C」の価値観を根気強くコミュニケーションすることで理解してもらえた。今は、かつてに比べすんなり受け入れてもらえているし、百貨店側も積極的だ。6月には“ビバ グラム リップスティック”をリニューアルし、「M・A・C」のメッセージをさらに推し進める予定だ。

WWD:「M・A・C」の脅威は?

リー:日々進化しているAIだ。フィルターをつけるだけで、メイクの必要がない。メイクアップという行為自体を消し去ってしまうほどの力があるかもしれない。現在では人が提案するようなテクニックも、AIが提案する時代が来るだろう。だからこそ、教育・接客をさらに強化したい。

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オンラインMTGのフィルターに負けないファンデ&リップで回復を狙う「M・A・C」事業部長 ライバルは、AI?

PROFILE: YK・リー/「M・A・C」事業部長

YK・リー/「M・A・C」事業部長
PROFILE: 韓国生まれ。2001年に梨花女子大学校を卒業。マーケティング領域で20年の経験を持ち、マーケティング戦略やイノベーション開発、キャンペーン企画などに携わってきた。02年、石けんを中心とする韓国の中堅財閥・愛敬グループでキャリアをスタートする。07年から10年、ソウル・チョンノグのマクドナルドでコア・メニュー・ブランド・マネジャーを務め、経営の50%の責任を受け持つ。日本の外食チェーン企業のすかいらーくやジョンソン・エンド・ジョンソンを経て、23年エスティ ローダーに入社し、現職 PHOTO : YUTA KATO

エスティ ローダー傘下の「M・A・C」は今年、ブランド設立40周年を迎える。そもそも「M・A・C」は、“メイクアップ・アート・コスメティクス”の頭文字を取ったもの。プロのメイクアップアーティストがカナダ・トロントで設立し、専門知識を強みにメイクアップとスキンケア商品を開発する。“すべての年齢、すべての人種、すべての性別”を信条に掲げ、ダイバーシティーやジェンダーフリーが叫ばれるようになるはるか前から、多様性と個性を尊重する商品を世に送り出してきた。現在同ブランドの日本における事業部長を務めるYK・リー(YK Lee)は、コロナ禍を通して大きく変化した消費動向と向き合い、「M・A・C」のさらなる成長戦略を練っている。3月に着任1年の節目を迎えたリー事業部長に、「M・A・C」の強みや日本でのビジネスなどについて聞いた。

WWDJAPAN(以下、WWD):事業部長着任後の1年間でどのようなことに取り組んだ?

YK・リー「M・A・C」事業部長(以下、リー):コロナ禍以降、大きく変化した消費動向に応じた商品開発に取り組んだ。コロナ禍は人と会う機会が少なく、オンラインではフィルターに頼れるのであまりメイクをしない人が多かった。一方コロナ禍が明けると、以前のようにまた人に会う機会が増え、人々は自己主張・自己表現をする機会を楽しんでいる。そこで対面で会うときにも、フィルターのようにふんわりした肌をかなえられるリキッドファンデーション“スタジオ フィックス フルイッド SPF25”[SPF25・PA++](全16色、各30mL、各7260円)を開発した。マスクを外せるようになったので、リップスティックの新作“マキシマル シルキー マット リップスティック”(全25色、各4620円)や“グロー プレイ テンダートーク リップ バーム”(全7色、各3960円)にも注力している。

WWD:これまでのキャリアをどう生かしている?

リー:これまで情熱を傾けてきたのは、課題のあるブランドをV字回復させること。成功したときの達成感には、中毒性がある。前職は、外資企業が買収した日本のブランド。親会社の意向と日本独特の文化が折り合わず、売り上げが落ちていた。そこでは、美容エディターや美容賢者らが愛用しているのに認知度が低い商品でテレビCMを打ち、改めて認知度を高め、売り上げを伸ばした。マーケティング領域での20年の経験を生かし、「M・A・C」もさらに成長させたい。

WWD:事業部長に着任した当時は、「M・A・C」も伸び悩んでいた?

リー:カラーメイクアップを主軸とするブランドはどこもあまり好調ではなかったので、声が掛かったときは悩んだ。しかし私自身、リップスティックをはじめとする「M・A・C」の化粧品を使っており、愛着のあるブランドだったので、挑戦してみたいと思った。

WWD:日本の現在の商況は?

リー:日本はリップとファンデーションが好調で、世界でトップ10に入る国だ。日本のお客さまは、買い物における失敗を恐れる傾向が強い。だからこそブランドスイッチが起こりづらく、同じ商品が長く愛されている。メイクアップに関しては、ビフォー/アフターをガラッと変えるものよりも、自分らしさを生かすものが人気だ。

WWD:今後のビジョンは?

リー:韓国コスメやプチプラブランドなど、手頃な価格でメイクアップを楽しめる選択肢が増えた。「M・A・C」だけが持つアーティストリーやストーリーを生かし、品質のさらなる向上に取り組むつもりだ。直近の新商品“グロー プレイ テンダートーク リップ バーム”や“グロー プレイ クッショニー ブラッシュ”、“スタジオ ラディアンス セラム ファンデーション”、“スタジオ フィックス フルイッド SPF25”などはスキンケア成分を高配合し、メイクアップブランドでありながらスキンケア効果にも注力して開発している。また、マイクロプラスチックの使用量を削減し、最先端の技術にこだわって製造している。「M・A・C」の品質の高さを、より訴求していきたい。

改めて「M・A・C」というブランドについて

WWD:「M・A・C」の強みは?

リー:専門家による卓越した技術だ。メイクアップアーティストがお客さまに寄り添って、メイクアップの楽しさを教えたり、悩みを解決したりする。コロナ禍では美容部員の接客に制限が多く、自信をなくしたり、スキルを伸ばせなかったりなどの課題を抱えていたので、事業部長着任後すぐに美容部員の教育チームを強化した。店舗での接客やメイクアップ技術のトレーニングなどを行っている。

また、以前は店舗間のつながりが強かったが、コロナ禍には距離が生まれてしまっていた。コミュニケーションの活性化を目指し、今年は全てのリテール・マネジャー(全国の「M・A・C」カウンターの店長)が対面で集まれるイベントを開催する予定だ。

WWD:「M・A・C」を通してどのようなメッセージを届けたい?

リー:「M・A・C」は、“すべての年齢、すべての人種、すべての性別”を重視している。今でこそダイバーシティー&インクルージョンは当たり前になったが、ブランドが誕生した40年前から、この価値観を貫いてきたことを誇りに思う。全ての女性と少女の平等な権利と、健康で安心な未来をサポートするビバ グラム基金は、「M・A・C」の価値観を象徴する。売り上げは100%、女性や少女、LGBTQIA+、HIV・エイズとともに生きる人々の支援に充てている。創設以来、世界で総額5億ドル(約775億円)以上を寄付し、今も増え続けている。

店の売り上げにならないので開始当初は百貨店の反発などもあったと聞いているが、「M・A・C」の価値観を根気強くコミュニケーションすることで理解してもらえた。今は、かつてに比べすんなり受け入れてもらえているし、百貨店側も積極的だ。6月には“ビバ グラム リップスティック”をリニューアルし、「M・A・C」のメッセージをさらに推し進める予定だ。

WWD:「M・A・C」の脅威は?

リー:日々進化しているAIだ。フィルターをつけるだけで、メイクの必要がない。メイクアップという行為自体を消し去ってしまうほどの力があるかもしれない。現在では人が提案するようなテクニックも、AIが提案する時代が来るだろう。だからこそ、教育・接客をさらに強化したい。

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三陽商会「ザ・スコッチハウス」を年内で終了 半世紀の歴史に幕

三陽商会は29日、紳士服「ザ・スコッチハウス(THE SCOTCH HOUSE)」の販売を今年12月31日で終了すると発表した。同ブランドは主に百貨店で半世紀にわたって販売されてきた老舗。バーバリー・ジャパンとのライセンス契約で展開してきたが、三陽商会は自社ブランドの強化の方針のもと、現行の契約満了日をもって更新しないことを決めた。

「ザ・スコッチハウス」は、英バーバリーの子会社スコッチハウス社が所有するブランド。日本では三陽商会が1973年から販売してきた。2010年に婦人服と子供服を終了し、以後は紳士服のみで展開している。現在、百貨店を中心に現在72店舗のショップインショップを運営する。売上高は非公表。2025年2月期の「通期連結業績に与える影響は軽微」としている。

同社では「ザ・スコッチハウス」の代替として自社ブランド「ベイカーストリート(BAKER STREET)」を2025年春から販売する。

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三陽商会「ザ・スコッチハウス」を年内で終了 半世紀の歴史に幕

三陽商会は29日、紳士服「ザ・スコッチハウス(THE SCOTCH HOUSE)」の販売を今年12月31日で終了すると発表した。同ブランドは主に百貨店で半世紀にわたって販売されてきた老舗。バーバリー・ジャパンとのライセンス契約で展開してきたが、三陽商会は自社ブランドの強化の方針のもと、現行の契約満了日をもって更新しないことを決めた。

「ザ・スコッチハウス」は、英バーバリーの子会社スコッチハウス社が所有するブランド。日本では三陽商会が1973年から販売してきた。2010年に婦人服と子供服を終了し、以後は紳士服のみで展開している。現在、百貨店を中心に現在72店舗のショップインショップを運営する。売上高は非公表。2025年2月期の「通期連結業績に与える影響は軽微」としている。

同社では「ザ・スコッチハウス」の代替として自社ブランド「ベイカーストリート(BAKER STREET)」を2025年春から販売する。

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「ベネトン」が新CEOを任命か 創業者は現経営陣に「裏切られたと感じている」

情報筋によれば、ベネトン グループ(BENETTON GROUP以下、ベネトン)は新たな最高経営責任者(CEO)として、社外からクラウディオ・スフォルツァ(Claudio Sforza)を任命するようだ。現職のマッシモ・レノン(Massimo Renon)CEOの後任として、6月18日付で就任するという。

ベネトンの共同創業者であるルチアーノ・ベネトン(Luciano Benetton)=エグゼクティブ・プレジデントは5月25日、伊紙「コリエーレ・デラ・セラ(CORRIERE DELLA SERA)」のインタビューで、レノンCEOの名前は挙げなかったものの、「現在の経営陣は会社を赤字に追い込んだ。いかに状況が悪化しているのか、最近になってようやく発覚したが、彼らに裏切られたと感じている」と発言。また、自身も退任し、同社を離れるつもりであることを明らかにした。

ベネトンの業績の推移

ベネトンは36年にわたりミラノ証券取引所に上場していたが、創業家の持株会社であるエディツィオーネ(EDIZIONE)が株式の95%以上を買い付け、2012年5月に上場廃止となっている。

同社の22年度の決算は、売上高が前期比19%増の10億400万ユーロ(約1768億円)、EBITDA(利払い前・税引き前・減価償却前利益)は同70%増の1億300万ユーロ(約175億円)、純損失は8100万ユーロ(約137億円)だった。23年度の決算は取締役会の承認を得ており、6月18日の株主総会で発表するが、売上高は11億ユーロ(約1870億円)、純損失は2億3000万ユーロ(約391億円)程度と見込まれる。なお、14年の売上高は16億2000万ユーロ(約2754億円)、16年は13億7000万ユーロ(約2329億円)だった。

ルチアーノ共同創業者や新CEOと目される人物の経歴

現在89歳のルチアーノ=エグゼクティブ・プレジデントは、弟妹のジュリアナ(Giuliana Benetton)、ジルベルト(Gilberto Benetton)、カルロ(Carlo Benetton)と共に、1965年にベネトンを創業。「ユナイテッド カラーズ オブ ベネトン(UNITED COLORS OF BENETTON)」は、色鮮やかなニットウエアや斬新な広告で一世を風靡し、世界的なブランドとなった。2012年4月、上場廃止を前に、息子のアレッサンドロ(Alessandro Benetton)を後継者に指名して引退。その後は、コンテンポラリーアートを展示する「イマーゴ ムンディ(IMAGO MUNDI)」を世界中で開催することに注力した。しかし、2年後の14年にアレッサンドロが退社。創業以来初めて一族以外からトップが選ばれたが、売り上げの低迷を受け、18年2月に現職として復帰した。なお、カルロは18年7月に、ジルベルトは同年10月に死去している。

レノンCEOは、00年に世界最大のアイウエア企業ルックスオティカ(LUXOTTICA、現エシロールルックスオティカ)に入社。10年のキャリアを積んだ後、サフィロ(SAFILO)やケリング(KERING)のアイウエア部門を経て、大手アイウエア企業マルコリン(MARCOLIN)に加わった。17年にCEOに就任。20年4月、現職としてベネトンに入社した。

スフォルツァは、イタリアの郵便事業を行うポスタ・イタリアーネ(POSTA ITALIANE)の最高財務責任者やゲーム会社ゲームネット(GAMENET)のCEO、鉄鋼会社イルヴァ(ILVA)の最高執行責任者などの要職を歴任。財務部門の経験が豊富で、建設会社アスタルディー(ASTALDI)の経営破綻に伴う清算手続きなども手掛けた。情報筋によれば、同氏は「ベネトンの組織再編および事業再建」を担うことを期待されており、株主総会で新たに選任された取締役会により、正式にCEOに任命されるという。

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三井不動産「ららアリーナ」公開 南船橋、商業とスポーツの街づくり

三井不動産とMIXIは29日、千葉県船橋市に建設した「ららアリーナ東京ベイ(LALA ARENA TOKYO-BAY)」を関係者に公開した。1万人規模を収容する多目的アリーナ。プロバスケットボール・Bリーグ所属で、MIXIがオーナーである千葉ジェッツのホームアリーナになる。ららぽーと東京ベイと隣接しており、三井不動産は南船橋エリアの街づくりに取り組む。

三井不動産とMIXIが設立したTOKYO-BAYアリーナマネジメントが運営する。地上4階建てで、延床面積は約3万1000平方メートル。すり鉢型でコートと客席が近く、臨場感ある観戦ができる。観戦しながら食べるフードメニューも充実している。上層階には年間契約のVIPルームを複数設けた。バスケ以外にもアイスショーやコンサート、展示会の会場にもなる。7月6・7日のMr.Childrenのコンサートがこけら落としになる。

三井不動産はスポーツビジネスを新しい柱と位置づける。ららぽーとなどの商業施設を運営する「商業施設本部」を4月には「商業施設・スポーツ・エンターテイメント本部」に組織変更した。20年に子会社化した東京ドームの知見を活用しながら、スポーツビジネスと商業施設の相乗効果を高める。

ららアリーナにおいては、隣接するららぽーと東京ベイ、ららテラス東京ベイ、と連携する。スポーツ観戦した人に割引やポイント付与のサービスを提供したり、ららぽーと内でスポーツイベントやコンサートに関連したグッズを販売したりする。

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西武池袋本店、“ヨドバシ化”計画の1階にコスメ専門業態 6月オープン

「ヨドブルーム」は“体験型リテールストアを謳い”、OMO(オンラインとオフラインの融合)の売り場を構想する。メイクアップ11ブランド、スキンケア11ブランド、ヘアケア15ブランド、美容家電8ブランドをそろえ、主だった取り扱いブランドは「ノエビア(NOEVIR)」「ヤーマン(YA-MAN)」「リファ(REFA)」「シセイドウ プロフェッショナル(SHISEIDO PROFESSIONAL)」など。商品はECサイトにも掲出する。メイクアップアーティストやエステティシャン、美容師ら専門知識を持ったスタッフが駐在し、専用機材で肌や髪質を測定して客にぴったりの商品を提案する。メイクアップやヘアケアの体験サービスも提供する。

売り場の企画・運営はトレンドキャスケット(東京、二階堂京介社長)と協業する。同社は原宿でコスメのセレクトショップ「ティアランド(TIER LAND)」を手掛けている。

ヨドバシHDは米投資ファンドのフォートレス・インベストメント・グループと組み、23年にセブン&アイ・ホールディングス傘下のそごう・西武を買収。西武池袋本店の大規模改修により、25年には館の低層部分に「ヨドバシカメラ」の出店を予定している。「計画段階ではあるものの、『ヨドブルーム』は将来的に『ヨドバシカメラ』と隣接する見込み」(ヨドバシカメラ広報担当)。「ヨドブルーム」の出店は、西武池袋本店の“ヨドバシ化”により縮小する百貨店のMDを補完するとともに、西武池袋本店に長年親しんできた顧客の離反を少しでも抑える目論見がありそうだ。

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西武池袋本店、“ヨドバシ化”計画の1階にコスメ専門業態 6月オープン

「ヨドブルーム」は“体験型リテールストアを謳い”、OMO(オンラインとオフラインの融合)の売り場を構想する。メイクアップ11ブランド、スキンケア11ブランド、ヘアケア15ブランド、美容家電8ブランドをそろえ、主だった取り扱いブランドは「ノエビア(NOEVIR)」「ヤーマン(YA-MAN)」「リファ(REFA)」「シセイドウ プロフェッショナル(SHISEIDO PROFESSIONAL)」など。商品はECサイトにも掲出する。メイクアップアーティストやエステティシャン、美容師ら専門知識を持ったスタッフが駐在し、専用機材で肌や髪質を測定して客にぴったりの商品を提案する。メイクアップやヘアケアの体験サービスも提供する。

売り場の企画・運営はトレンドキャスケット(東京、二階堂京介社長)と協業する。同社は原宿でコスメのセレクトショップ「ティアランド(TIER LAND)」を手掛けている。

ヨドバシHDは米投資ファンドのフォートレス・インベストメント・グループと組み、23年にセブン&アイ・ホールディングス傘下のそごう・西武を買収。西武池袋本店の大規模改修により、25年には館の低層部分に「ヨドバシカメラ」の出店を予定している。「計画段階ではあるものの、『ヨドブルーム』は将来的に『ヨドバシカメラ』と隣接する見込み」(ヨドバシカメラ広報担当)。「ヨドブルーム」の出店は、西武池袋本店の“ヨドバシ化”により縮小する百貨店のMDを補完するとともに、西武池袋本店に長年親しんできた顧客の離反を少しでも抑える目論見がありそうだ。

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オルビスが完全食おにぎりを販売 栄養バランスと素材にこだわる専用ブランド「ココモグ」をスタート

オルビスがおにぎりの販売に乗り出す。初の完全食おにぎりブランド「ココモグ(COCOMOGU)」を立ち上げ、5月29日に専用オンラインストアで販売を開始した。1食2個で1日に必要な栄養素を効率的に摂取できる完全食の冷凍おにぎりで、メニューは「ほぐし焼きさばと煎りごまの大葉香るおにぎり」「ほくほく大豆とひじき煮の鶏五目おにぎり」「ナッツの食感楽しむ豚ひき肉と小松菜の中華風おにぎり」の3種類を用意している。

オルビスは「ビューティを支えるのは健康の領域であり、食は健康の中心を担う」という発想のもと、創業当時から栄養補助食品の販売を行っており、2023年10月には冷凍デリブランド「インナーカラーデリ(INNER COLOR DELI)」をスタートさせるなど食分野にも力を入れてきた。そんなブランドの方針と物価高やライフスタイルの変化による冷凍食品、冷凍惣菜市場の拡大や完全栄養食の人気を受け、手軽に食べられ栄養価も高い“完全食おにぎり”ブランドの立ち上げに至った。

添加物不使用で風味も豊かになるよう工夫

手軽に必要な栄養素を取り入れられる完全栄養食は、効率を重視すると風味や食感などといった“五感で食を楽しむ”行為や添加物などへの配慮が置き去りになることもある事を受け、「ココモグ」は心から満たされる食体験を軸に据えて開発。酸化防止剤や香料などの添加物を使用せず、発芽玄米を中心にさまざまな食材を組み合わせて1日に必要な栄養素を凝縮したほか、食感や香り、彩りにも工夫を凝らした。

おにぎりは2個で1食分となり、定期便コースは初回限定の6食プラン(3317円、送料無料)と、9食(6033円、送料別、以下同)、12食(7879円)、15食(9331円)のプランを用意。都度購入は9食(6220円)、12食(8294円)、15食(1万368円)の3プランをそろえている。

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ZOZOが描く「次世代リアル店舗」の青写真:記者談話室vol.129

「WWDJAPAN」ポッドキャストの「記者談話室」は、ファッション業界のその時々のニュースや話題について、3人の記者が分かりやすく解説したり、時には脱線したりしながら、掘り下げていきます。

129回目のテーマは「ZOZOが描く『次世代リアル店舗』の青写真」です。ZOZOがこの数年、力を入れてきた「似合う」の解明。AIや東京・表参道の店舗「似合うラボ」などを通して、ノウハウを蓄積してきた同社は、その先に何を狙うのか。ZOZOが公開した動画や澤田宏太郎社長へのインタビューなども踏まえつつ、3人の記者が語ります。

「記者談話室」ではみなさまからのお便りをお待ちしております。ご感想ご意見を聞かせてください。メールアドレスは、danwashitu@infaspub.co.jp です。

この配信は以下のアプリでもご利用いただけます。
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“守破離”の精神で進化する桃谷順天館 140年の思いと新たな挑戦

桃谷順天館は来年の創業140周年を目前に、4月に新スキンケアブランド「レグラージュ(REGLAGE)」を立ち上げた。同ブランドは、桃谷順天館が139年の歴史で研究・開発した6万通りの処方の中から厳選した、全87アイテムの商品をラインアップ。SNS分析などを得意とする若手社員を集めたデジタルマーケティングチームが主体となり、同社にとっても新しい取り組みとなった。新たな挑戦を続ける桃谷順天館の桃谷誠一郎社長兼CEOに話を聞いた。

WWDJAPAN(以下、WWD):新スキンケアブランド「レグラージュ」を立ち上げた理由は?

桃谷誠一郎社長兼CEO(以下、桃谷):それぞれの組織に属していたデジタルを得意とする若手社員を集めたデジタルマーケティングチームを1年前に発足した。このチームの得意分野でもあるデジタルの世界で最も伝わりやすいブランドを作ろうと考え、立ち上げたのが「レグラージュ」だ。

WWD:第1弾ではクレンジングからクリームまで一気に87の商品をそろえた。

桃谷:桃谷順天館には139年の歴史の中で研究・開発した6万通り以上の処方がある。取り扱いブランド・アイテム数も多く、長期間に渡り商品を愛用していただいているお客さまもいて、中には廃盤にした商品を「もう一度使いたい」という声がお客さま相談室に今も寄せられる。もう一方で、環境問題を考慮した際にドラッグストアの棚割で置くことが難しい規格の商品もある。それらを踏まえ、「レグラージュ」ではECを販路に設定し、6万通りの処方を活用した商品群で鮮度が高いうちに使い切れる容量の設計や環境に配慮したパッケージを採用。デザインやコピー、SNSを活用した施策など、若手社員が中心となってディレクションした。私や会長(藤本謙介会長兼CCO)は一切口を出さなかった。

WWD:若手社員の活躍の場を広げている。

桃谷:私は、社長が口出しすると失敗する確率が上がると思っている。「社長が言っているから」では、いいモノは生まれない。私がトライアンドエラーを積み重ねてきたように、若手には新鮮な気持ちでどんどん挑戦してもらいたい。若い人たちの力が発揮できる環境を整えるのが社歴の長いわれわれの仕事でもある。会社は人だ。社員が働きやすい環境を作るということに尽きる。

主軸のスキンケア好調で売上高10%増

WWD:直近の商況は?

桃谷:2023年は、グループ会社であるセルフ販売の明色化粧品とOEM /ODMのコスメテックジャパンが順調に伸長し、グループ全体の売上高は前年比10%増で着地した。明色化粧品では、昨年9月に発売した毛穴専門スキンケアシリーズ“ケアナボーテ”のピュアビタミンCを配合した美容液“VC15特濃美容液”(30mL、2530円)が非常に売れた。スキンケアの高まりを受け、処方が難しいと言われるピュアビタミンCを15%と高濃度で配合しながらも他ブランドよりも低価格で実現した同商品は、インフルエンサーのオーガニック投稿で人気に火がつき、継続して売れている。このほかにも、高機能エイジングケアシリーズ“メディショット”のナイアシンアミドを15%高配合した“メディショット NA15リンクル濃美容液”(30mL、1650円)も好調に伸びている。一方で、明色化粧品は豊富な商品をラインアップしているが、原料高や輸送コストなどの問題をクリアできる商品群に絞ろうと考えている。利益を出しながら研究開発に投資し、次のステージに向けて推し進める。

WWD:「人々のお悩みを解決したい」という創業者の桃谷政次郎氏の思いは変わらず継承されている。

桃谷:創業のきっかけとなったニキビを防ぐ“美顔水”(1885年~)は今もロングセラー商品として親しまれているが、これを販売しているだけでいいというわけではない。時代の変化に伴い、お客さまが求めることも変わってくる。お客さまのニーズに寄り添い、積極的に応えるというのが私の思いでもある。新しいことにはどんどん挑戦していく。

WWD:来年は創業140周年を迎える。今後の展望は。

桃谷:創業者の思いでもある「目の前で悩んでいる方のお悩みを解決する」という原点は守っていくが、「守破離」という言葉があるように“破る”ことも大切だ。私が社長に就いてから30年経つが、私自身が作ってきたものが呪縛になっているのではと感じることがある。ルールや時代に合わせて改革してきたそれらが年輪のように溜まり、1人歩きしているものがある。守破離のごとく、創業者の思いを体現するために何が必要かと原点に立ち返りながら、われわれ流の美のあり方を自分たちで考えた、新しい側面を持つ桃谷順天館へと成長させていきたい。

WWD:海外事業も広げていく。

桃谷:明色化粧品といえば、質の高い商品が1000円前後で売られているお買い得商品と認識されていて、今の為替含め海外でのチャンスは大きい。しかし今あるものではなく、グローバルを見据えたバリューのある商品やブランドを開発したいと考えている。10年後を見据え、スピードを上げながらグローバルでも活躍する企業を目指す。

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花王初、化粧品ボトルの水平リサイクルで商品化 「トワニー」で採用

花王は28日、回収した化粧品プラスチックボトルを水平リサイクルし、再生した素材で商品化したことを発表した。同グループのカネボウ化粧品が展開する「トワニー(TWANY)」の化粧品つけかえボトル容器“ローションⅡt(レフィル)”の一部に使用し、5月30日から順次、イオン系列146店舗で限定販売する。価格は5170円。

花王は、「一般的に着色や加飾が施された化粧品ボトル容器は、包装容器のPET素材へ再生することは難しいとされてきた」中で、2021年にJEPLANと協働を開始。同社が保有する独自のケミカルリサイクル技術を活用し、その実現に向けて取り組んできた。

21年6月には、JEPLANグループ傘下のペットリファインテクノロジーが使用済みペットボトルを用いて製造したケミカルリサイクルPET(ポリエチレンテレフタレート)素材を、「トワニー」のボトル容器に採用。その後、同素材を「カネボウ(KANEBO)」「リサージ(LISSAGE)」「ソフィーナiP(SOFINA iP)」などで採用し、順次拡大している。

今回商品化した化粧品つけかえボトル容器は、「トワニー」を扱うイオン店舗などにおいて、22年2〜7月の期間で回収した使用済み化粧品プラスチックボトルを水平リサイクルしたもの。バージンPETと同等品質のボトル容器に再生した素材を一部として使用した。

今後、“化粧品プラスチックボトルの水平リサイクルの取り組み”を持続可能な社会実装モデルとして確立し、使用済み化粧品プラスチックボトルの回収スキーム構築などインフラ整備を進める方針だ。また、21年10月からコーセーと進めているサステナビリティ領域における協働取り組みの一つとして、両社で協働することによるスケールアップを目指し、引き続き検討するという。

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「エルメス」“バーキン”の販売を巡る集団訴訟、「エルメス」が訴えの却下を申立て

2024年3月、「エルメス(HERMES)」がアイコンバッグである“バーキン(Birkin)”や“ケリー(Kelly)”を販売する方法が独占禁止法違反や不公正な商慣習に該当するとして、消費者2人が米カリフォルニア州でクラスアクション(集団訴訟)を起こした件について、「エルメス」は5月に訴えの却下を申し立てた。

原告2人は、「“バーキン”(注:原告らは“バーキン”と“ケリー”を総称して“バーキン”としている。)はオンラインで購入することはできず、店舗に陳列されることもほとんどない」「『エルメス』の店舗にふらっと立ち寄って“バーキン”を購入することもできない」と主張する。また、「エルメス」の販売員は「靴やスカーフ、ベルト、ジュエリー、ホームグッズといった付属的な商品について十分な購入履歴を確立している個人にのみに“バーキン”を提供するよう指示されている」と主張し、原告ら自身も「“バーキン”のバッグを手に入れるチャンス」を得るためには、そうした商品を購入する必要があると複数回言われたと主張している。上記のことから、「エルメス」が“バーキン”を購入するチャンスを得るためにその他の商品の購入を消費者に強制することは、“抱き合わせ販売”に当たり、違法行為だと主張する。これに対して「エルメス」は5月に提出した書面において、「原告らは根本的に独占禁止法を誤解している」と主張。「『エルメス』は、顧客が“バーキン”や“ケリー”を購入するためにその他のアイテムを購入することを要求していない。仮にしていたとしても、それ自体は独禁法違反には該当しない」と主張した。

原告らは、“バーキン”や“ケリー”だけで単一の市場を構成し、「エルメス」がその市場における支配力を持っており、その市場において“抱き合わせ販売”を促進することが独占禁止法に違反すると主張している。これに対して「エルメス」は、単一ブランドだけで市場を構成できるとする原告らの論理自体に誤りがあると主張。「仮に単一ブランドで市場が構成されることが理論上成り立つとしても、原告らは“バーキン”と“ケリー”だけで単一の市場を構成していることを示すのに十分な証拠を示せていない」などと反論している。

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伊藤忠が伊ラゲージ「FPM」の独占輸入販売権を取得 マッシュを通じて展開

伊藤忠商事は、イタリアの高級ラゲージブランド「ファブリカ ペレッテリエ ミラノ(FABBRICA PELLETTERIE MILANO、以下FPM)」の日本での独占輸入販売権を取得した。2025年春夏シーズンからマッシュスタイルラボを通じて国内展開を開始する。

「FPM」は、1946年にエンリコ・フレムダーが設立したイタリアの高級ラゲージブランド。2022年にはイタリア・ミラノにグローバル旗艦店をオープンし、「グッチ(GUCCI)」との継続的なコラボレーションも実施している。

今回の取り組みは、英ブランド 「バブアー(BARBOUR)」に続く、伊藤忠商事のブランドマーケティング部門とマッシュホールディングスの協業第2弾。今後は卸売に加えて直営店でも販売する予定だ。

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伊藤忠が伊ラゲージ「FPM」の独占輸入販売権を取得 マッシュを通じて展開

伊藤忠商事は、イタリアの高級ラゲージブランド「ファブリカ ペレッテリエ ミラノ(FABBRICA PELLETTERIE MILANO、以下FPM)」の日本での独占輸入販売権を取得した。2025年春夏シーズンからマッシュスタイルラボを通じて国内展開を開始する。

「FPM」は、1946年にエンリコ・フレムダーが設立したイタリアの高級ラゲージブランド。2022年にはイタリア・ミラノにグローバル旗艦店をオープンし、「グッチ(GUCCI)」との継続的なコラボレーションも実施している。

今回の取り組みは、英ブランド 「バブアー(BARBOUR)」に続く、伊藤忠商事のブランドマーケティング部門とマッシュホールディングスの協業第2弾。今後は卸売に加えて直営店でも販売する予定だ。

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「フェンディ」CEOが交代 後任は「ルイ・ヴィトン」メンズビジネス成長の立役者

フェンディ(FENDI)を6年間率いてきたセルジュ・ブランシュウィッグ(Serge Brunschwig)会長兼最高経営責任者(CEO)が退任する。米「WWD」が入手した社内メモによると、親会社であるLVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)グループ内で新たな職務に就く予定で、詳細については近日中に明らかになるようだ。ブランシュウィッグ会長兼CEOの後任には、LVMHファッショングループのピエール・エマニュエル・アンジェログロウ(Pierre-Emmanuel Angeloglou)=マネジング・ディレクターが、6月1日付で就任。現職と兼務する。

アンジェログロウ新CEOは、ロレアル(L’OREAL)に20年以上在籍し、「ロレアル パリ(L’OREAL PARIS)」のグローバル・ブランド・プレジデントを務めた後、2019年にルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)にファッション&レザーグッズ担当戦略ミッション・ディレクターとして入社。20 年からはメンズ部門を統括し、メンズビジネスを大きく成長させた立役者として知られる。22年には戦略ミッション担当エグゼクティブ・バイス・プレジデントに昇進。ウィメンズのアクセサリーやデジタル・イノベーション、ビジュアル・マーチャンダイジング、コミュニケーションなども担当した。

そして今年3月、マイケル・バーク(Michael Burke)=LVMHファッショングループ会長兼CEOに抜てきされ、同グループのマネジング・ディレクターに就任。現在、グループに属するブランドの中で「フェンディ」「ケンゾー(KENZO)」「マーク ジェイコブス(MARC JACOBS)」「プッチ(PUCCI)」「パトゥ(PATOU)」「オフ-ホワイト c/o ヴァージル アブロー(OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH)」、そしてパートナーシップを結んでいる「ステラ マッカートニー(STELLA McCARTNEY)」を統括している。

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「フェンディ」CEOが交代 後任は「ルイ・ヴィトン」メンズビジネス成長の立役者

フェンディ(FENDI)を6年間率いてきたセルジュ・ブランシュウィッグ(Serge Brunschwig)会長兼最高経営責任者(CEO)が退任する。米「WWD」が入手した社内メモによると、親会社であるLVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)グループ内で新たな職務に就く予定で、詳細については近日中に明らかになるようだ。ブランシュウィッグ会長兼CEOの後任には、LVMHファッショングループのピエール・エマニュエル・アンジェログロウ(Pierre-Emmanuel Angeloglou)=マネジング・ディレクターが、6月1日付で就任。現職と兼務する。

アンジェログロウ新CEOは、ロレアル(L’OREAL)に20年以上在籍し、「ロレアル パリ(L’OREAL PARIS)」のグローバル・ブランド・プレジデントを務めた後、2019年にルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)にファッション&レザーグッズ担当戦略ミッション・ディレクターとして入社。20 年からはメンズ部門を統括し、メンズビジネスを大きく成長させた立役者として知られる。22年には戦略ミッション担当エグゼクティブ・バイス・プレジデントに昇進。ウィメンズのアクセサリーやデジタル・イノベーション、ビジュアル・マーチャンダイジング、コミュニケーションなども担当した。

そして今年3月、マイケル・バーク(Michael Burke)=LVMHファッショングループ会長兼CEOに抜てきされ、同グループのマネジング・ディレクターに就任。現在、グループに属するブランドの中で「フェンディ」「ケンゾー(KENZO)」「マーク ジェイコブス(MARC JACOBS)」「プッチ(PUCCI)」「パトゥ(PATOU)」「オフ-ホワイト c/o ヴァージル アブロー(OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH)」、そしてパートナーシップを結んでいる「ステラ マッカートニー(STELLA McCARTNEY)」を統括している。

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「アークテリクス」が代官山の開発拠点を公開 高級住宅街に突如現れたミニ縫製工場

カナダ・バンクーバー発の「アークテリクス(ARC'TERYX)」といえば、アウトドアブランドとしてのパフォーマンス性とスタイリッシュさを両立したブランドとして、山でも街でもファンが多いブランドです。私も夏山用のシェルなどを愛用していますが、落ち着いたトーンの色出しや、もったりとしないシルエットがステキなんですよね。同ブランドを擁するアメアスポーツは、2018年に中国のスポーツメーカー大手のアンタなどで構成するファンドの傘下となっており、それもあって中国でも爆発的な人気。ギンザシックスの直営店は昨秋のオープン以来、中国からのお客さまが連日行列を作っていると聞きます。

そんな「アークテリクス」が、北米以外で初となる開発拠点トーキョークリエイションセンター(以下、TCC)を、このたび東京・代官山にオープンしました。アメアスポーツにはジャパン社もありますが、TCC開設はジャパン社ではなく本国が主導したもの。オープンレセプションには、ケイティ・ベッカー「アークテリクス」チーフクリエイティブオフィサーやハワード・リヒター バイスプレジデントなど、本国クリエイティブチームの主要メンバーも多数駆けつけていました。ケイティやハワードに、モノ作りについての信条やTCC開設意図を聞いたインタビュー記事も掲載していますので、以下から是非お読みください。

というわけで、今回の記事ではTCCがどんな空間になっているかを写真豊富にご紹介します。立地は蔦屋書店がある代官山T-SITEからすぐで、地下1階からルーフトップまでの4層の作り(総面積はルーフトップを含まず765平方メートル)。この好立地でこの広さとなると、家賃はかなりのものと推測します。トラフ建築設計事務所が担当したというモダンな内装も含め、率直に言ってかなりの投資をしているなと感じました。ブランドとしてそれだけTCCに期待しているということであり、TCCを拠点に、日本の山岳アスリートやガイド、素材メーカーの技術者、デザイナーらとコミュニケーションを深め、ブランドとしてステップアップしていくんだという気概が詰まった施設と言えます。

バンクーバーから熟練の縫製士も来日

ガラスの大きな扉から1階に入ると、まず目に飛び込んでくるのはアーカイブの“アルファSVジャケット”や、日本の工芸品、トイなどを飾ったウォールです。“アルファSVジャケット”は1998年に発売された「アークテリクス」の看板アイテムですが、オープン時に飾っていたこれらのアーカイブは、全て元ビームスのアウトドアバイヤーである廣沢慶さんの私物だそう。

廣沢さんは「アークテリクス」を25年にわたって買い集め続け(家に服だけでも200着はあるそうです)、ブランドをDIGり続けてきた経歴から、現在は「アークテリクス」本国のクリエイティブチームと契約し、製品開発のコンサルタントをしています。廣沢さんの私物のみで構成する「アークテリクス」アーカイブ展も、昨年11月に渋谷で開催されておりました。

本国クリエイティブチームとツーカーの仲の廣沢さんに、TCCオープンに合わせて来日していたクリエイティブの主要メンバーを何人か紹介してもらいましたが、その中に群を抜いてオーラのあるご夫婦の姿が。聞けば、ダン・ジャクソンさんと奥さまとのこと。ダンさんは、「アークテリクス」を象徴するアイテムの1つであるデイパックの“アロー”(街でよく見かける、センターにファスナーを配した立体的なデイパック)の生みの親として、ブランドファンの間ではよく知られています。廣沢さんは「巨匠」と呼んでいました。

さて、1階の大部分にはミシンや圧着機などが置かれ、ちょっとした縫製工場のよう。東京を代表する高級住宅地にこんな施設があるなんて、とかなりギャップを感じます。ミシンの前には、真剣な面持ちでやり取りをする男性と女性。彼らはバンクーバーの“アークワン”と呼ばれるマザー工場に勤める熟練の縫製士で、TCC開設に合わせて、ミシンのセットアップやTCCスタッフへの縫製トレーニングを行うために来日しているとのことでした。それにより、ウエアやバックパックに関してはTCCでもバンクーバーと同様にサンプル生産が可能。TCCで縫ったサンプルを日本の山に持って行って検証し、持ち帰って改善するということを繰り返し、製品の精度を高めていくそうです。

コミュニティーから吸収した
声をもとにサンプル作成

2階は中央に大きな作業台が置かれ、部屋の両脇のカウンターテーブルにはパソコンが並びます。主にデザイナーが作業するためのフロアということでした。ガラス張りのミーティングルームにはマンガをデフォルメしたアートが飾られ、大変おしゃれな空間です。ちなみにトイレもチェックしておきましたが、アメニティーは「イソップ(AESOP)」でした。

ルーフトップにはグリーンが植えられた屋外から階段でアプローチします。カリモクにオーダーしたという、倉庫に眠っていた古い日本のスギ材を生かした丸いベンチがここの主役。アスリートやガイド、素材メーカー担当者、デザイナーなどが集まって車座になって意見を出し合い、それを2階でデザインに落とし込み、1階でサンプルとして縫製する、というイメージとのこと。

最後に地下1階。こちらは各種イベントに大活躍しそうな広いフリースペースと、素材在庫などを置くストックルームなどで構成していました。ストックルームは日光下での生地の色がしっかり確かめられるよう、調光機能も備えられていました。

以上がTCCのフロア別紹介になりますが、TCCには「アスリート、ガイド、モノ作りの技術者、消費者など、ブランドを取り巻くコミュニティーが集う場所としての機能も強く期待している」と、チーフクリエイティブオフィサーのケイティが強調していたのが印象的です。バンクーバーとは全く異なる日本の高温多湿の気候の中で求められる製品がどんなものなのかをコミュニティーから吸い上げ、ブランド全体のモノ作りの精度を上げていくのがTCCのミッション。オープニングレセプションには280人近くの関係者が駆けつけており、注目度の高さをビシバシに感じました。

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「アークテリクス」が代官山の開発拠点を公開 高級住宅街に突如現れたミニ縫製工場

カナダ・バンクーバー発の「アークテリクス(ARC'TERYX)」といえば、アウトドアブランドとしてのパフォーマンス性とスタイリッシュさを両立したブランドとして、山でも街でもファンが多いブランドです。私も夏山用のシェルなどを愛用していますが、落ち着いたトーンの色出しや、もったりとしないシルエットがステキなんですよね。同ブランドを擁するアメアスポーツは、2018年に中国のスポーツメーカー大手のアンタなどで構成するファンドの傘下となっており、それもあって中国でも爆発的な人気。ギンザシックスの直営店は昨秋のオープン以来、中国からのお客さまが連日行列を作っていると聞きます。

そんな「アークテリクス」が、北米以外で初となる開発拠点トーキョークリエイションセンター(以下、TCC)を、このたび東京・代官山にオープンしました。アメアスポーツにはジャパン社もありますが、TCC開設はジャパン社ではなく本国が主導したもの。オープンレセプションには、ケイティ・ベッカー「アークテリクス」チーフクリエイティブオフィサーやハワード・リヒター バイスプレジデントなど、本国クリエイティブチームの主要メンバーも多数駆けつけていました。ケイティやハワードに、モノ作りについての信条やTCC開設意図を聞いたインタビュー記事も掲載していますので、以下から是非お読みください。

というわけで、今回の記事ではTCCがどんな空間になっているかを写真豊富にご紹介します。立地は蔦屋書店がある代官山T-SITEからすぐで、地下1階からルーフトップまでの4層の作り(総面積はルーフトップを含まず765平方メートル)。この好立地でこの広さとなると、家賃はかなりのものと推測します。トラフ建築設計事務所が担当したというモダンな内装も含め、率直に言ってかなりの投資をしているなと感じました。ブランドとしてそれだけTCCに期待しているということであり、TCCを拠点に、日本の山岳アスリートやガイド、素材メーカーの技術者、デザイナーらとコミュニケーションを深め、ブランドとしてステップアップしていくんだという気概が詰まった施設と言えます。

バンクーバーから熟練の縫製士も来日

ガラスの大きな扉から1階に入ると、まず目に飛び込んでくるのはアーカイブの“アルファSVジャケット”や、日本の工芸品、トイなどを飾ったウォールです。“アルファSVジャケット”は1998年に発売された「アークテリクス」の看板アイテムですが、オープン時に飾っていたこれらのアーカイブは、全て元ビームスのアウトドアバイヤーである廣沢慶さんの私物だそう。

廣沢さんは「アークテリクス」を25年にわたって買い集め続け(家に服だけでも200着はあるそうです)、ブランドをDIGり続けてきた経歴から、現在は「アークテリクス」本国のクリエイティブチームと契約し、製品開発のコンサルタントをしています。廣沢さんの私物のみで構成する「アークテリクス」アーカイブ展も、昨年11月に渋谷で開催されておりました。

本国クリエイティブチームとツーカーの仲の廣沢さんに、TCCオープンに合わせて来日していたクリエイティブの主要メンバーを何人か紹介してもらいましたが、その中に群を抜いてオーラのあるご夫婦の姿が。聞けば、ダン・ジャクソンさんと奥さまとのこと。ダンさんは、「アークテリクス」を象徴するアイテムの1つであるデイパックの“アロー”(街でよく見かける、センターにファスナーを配した立体的なデイパック)の生みの親として、ブランドファンの間ではよく知られています。廣沢さんは「巨匠」と呼んでいました。

さて、1階の大部分にはミシンや圧着機などが置かれ、ちょっとした縫製工場のよう。東京を代表する高級住宅地にこんな施設があるなんて、とかなりギャップを感じます。ミシンの前には、真剣な面持ちでやり取りをする男性と女性。彼らはバンクーバーの“アークワン”と呼ばれるマザー工場に勤める熟練の縫製士で、TCC開設に合わせて、ミシンのセットアップやTCCスタッフへの縫製トレーニングを行うために来日しているとのことでした。それにより、ウエアやバックパックに関してはTCCでもバンクーバーと同様にサンプル生産が可能。TCCで縫ったサンプルを日本の山に持って行って検証し、持ち帰って改善するということを繰り返し、製品の精度を高めていくそうです。

コミュニティーから吸収した
声をもとにサンプル作成

2階は中央に大きな作業台が置かれ、部屋の両脇のカウンターテーブルにはパソコンが並びます。主にデザイナーが作業するためのフロアということでした。ガラス張りのミーティングルームにはマンガをデフォルメしたアートが飾られ、大変おしゃれな空間です。ちなみにトイレもチェックしておきましたが、アメニティーは「イソップ(AESOP)」でした。

ルーフトップにはグリーンが植えられた屋外から階段でアプローチします。カリモクにオーダーしたという、倉庫に眠っていた古い日本のスギ材を生かした丸いベンチがここの主役。アスリートやガイド、素材メーカー担当者、デザイナーなどが集まって車座になって意見を出し合い、それを2階でデザインに落とし込み、1階でサンプルとして縫製する、というイメージとのこと。

最後に地下1階。こちらは各種イベントに大活躍しそうな広いフリースペースと、素材在庫などを置くストックルームなどで構成していました。ストックルームは日光下での生地の色がしっかり確かめられるよう、調光機能も備えられていました。

以上がTCCのフロア別紹介になりますが、TCCには「アスリート、ガイド、モノ作りの技術者、消費者など、ブランドを取り巻くコミュニティーが集う場所としての機能も強く期待している」と、チーフクリエイティブオフィサーのケイティが強調していたのが印象的です。バンクーバーとは全く異なる日本の高温多湿の気候の中で求められる製品がどんなものなのかをコミュニティーから吸い上げ、ブランド全体のモノ作りの精度を上げていくのがTCCのミッション。オープニングレセプションには280人近くの関係者が駆けつけており、注目度の高さをビシバシに感じました。

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「革」「レザー」の表記が厳格に JIS、動物由来に限定

「○○革」「○○レザー」といった表記の厳格化が進みそうだ。日本産業規格(JIS)は3月、「革」「レザー」の用語を規定した。「革」「レザー」と呼べるのは、動物由来の素材に限定する。近年増えているリンゴ、キノコ、サボテンなどを由来とした素材を「○○レザー」「○○革」と呼ぶことはJISに適合しない。さまざまな名称が氾濫しているため、消費者の誤解を招かない措置が必要と判断された。

JISは日本の国家規格。自由に放置すれば、無秩序化してしまう商品名や素材名などに対し、消費者の保護や市場の公平性の立場から統一した規格を定める。JIS自体に法的な強制力はないものの、法令などに引用された場合は強制力を持つ。

背景には近年の「○○レザー」「○○革」という言葉の世界的な増加がある。もともと「leather(革、レザー)」は牛や羊、あるいはワニやトカゲなど動物由来の素材を指していた。しかし近年はサステナブルをうたうビーガンレザーやエシカルレザー、あるいはマッシュルームレザー、アップルレザー、サボテンレザーなど、非動物由来の素材にも「レザー」という言葉が使われるケースが急増した。動物の皮を使わずに、革の質感を再現した素材だが、正確な理解が浸透しないまま、消費者が誤解するケースも増えていた。対応策として既に15年に欧州規格のEN、19年に国際規格のISOが「leather」の規格を定めている。

今回のJISも国際的な規格化の動きに沿ったものだ。皮革業界や消費者センター、百貨店など小売業界からの要望もあった。JISの規定では、植物由来で革の質感を再現した素材は「合成皮革」「人工皮革」に分類される。

今後、衣料品、バッグ、シューズなどの販売で表記が厳格化されることになる。JISに法的な強制力はないものの、百貨店など大手小売業を中心にJISに合わせ、「ビーガンレザー」「エシカルレザー」などの表記を避ける動きが広がりそうだ。

今回のJISの規定についてファッション・小売関係者の関心は高い。皮革の大型展示会「東京レザーフェア」(5月23、24日)内で開催された日本皮革産業連合会による説明会には、定員を上回る約160人が出席した。

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祝101歳!ポーラの最高齢美容部員がギネス更新 月平均売り上げも伸長中

昨年8月に100歳で「最高齢の女性ビューティーアドバイザー」としてギネスワールドレコーズリミテッドが認定するギネス世界記録に認定されたポーラ桜水ショップのビューティディレクター・堀野智子さんが4月9日に101歳の誕生日を迎え、自身が持つギネス記録を更新した。堀野さんはギネス記録認定後も研修や勉強会に休まず参加し、月の平均売り上げをさらに伸ばすなど精力的に活動を続けているという。

堀野さんは5人兄弟の長女として福島県に生まれ、21歳で結婚。専業主婦から電電公社での勤務を経て、1962年4月15日に「子育てしながら自由に働ける」ことから39歳でポーラのビューティディレクターをスタートした。堀野さんは現在も自宅から7キロ離れたポーラの営業所までバスで通勤している。

キャリア60年を超える堀野さんだが毎月のように発売される新商品や季節のビューティ提案なども行うなど熱心に日々働いており、働き出した62年4月から24年4月末までの累計売り上げは約1億2670万円。ギネス記録に認定された昨年8月から今年4月までの月平均売り上げも前年同月比で25%増を達成するなど第一線で活躍中だ。堀野さんは「これからも大好きなポーラの仕事を続けていきたい」と語っている。

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ショッピングセンターでも15万円のコートが売れる 「タケオキクチ」の百貨店にとらわれない出店戦略

ワールドグループのエクスプローラーズトーキョーが運営するメンズブランド「タケオキクチ(TAKEO KIKUCHI)」がマルチチャネル化を進めている。百貨店主販からショッピングセンター(SC)にも出店先を広げ、セカンドブランド「ティーケー タケオキクチ(TK. TAKEO KIKUCHI)」とミックスしたMDで提案の幅を広げる。グループ内で先行する海外展開においては、東南アジアで好感触を得る。

SCの上質化志向で
リーシングの引き合い高まる

従来は大人の男性がターゲットの「タケオキクチ」は百貨店向け、若者向けセカンドブランドの「ティーケー」はSCや駅ビル向けと、ブランドを明確に棲み分けていた。だが「タケオキクチ」は近年、出店チャネルをSCにも広げている。尾関修司エクスプローラーズトーキョー社長は「近年はMDの上質化を志向するSCが増え、『タケオキクチ』の(リーシングにおける)引き合いが高まっている」と背景を説明する。

現在、「タケオキクチ」の国内90店舗のうちSCが5店舗。ららぽーとTOKYO-BAY(千葉)、ららぽーと富士見(埼玉)、ららぽーと福岡、MARK IS みなとみらい(神奈川)、ららぽーと海老名(同)に店を出している。これらの店舗では「タケオキクチ」と「ティーケー」の商品を共存させている。

「われわれはこれまで、販路によって『売れる商品』『売れない商品』を決めつけすぎていた。SCだからといって、高い商材が売れないわけではない」。40周年を期に今春スタートした「タケオキクチ」の最上位レーベル“ザ・フラッグシップ(THE FLAGSHIP)”は、百貨店店舗だけでなくSC店舗にも導入している。「(“ザ・フラッグシップ”の)15万円のコートもSCで売れている。大事なことは百貨店と変わらず、丁寧な接客を通じて商品のクオリティーを伝えることだ」。

「タケオキクチ」は男性向けギフトとして、女性客の需要も大きい。百貨店店舗では女性客比率が平時で3割、クリスマスシーズンは7割に達する。SC店舗でもギフトニーズを刈り取れている。

タイのエグゼグティブに支持
50万のオーダースーツまとめ買い

東南アジアでは14店舗を構える。ビジネスチャンスが大きいのは、2017年から現地の流通大手・サハグループと組み、9店舗を出しているタイだ。すでに現地では認知が一定程度浸透しており、ブランドイメージもいい。マスボリューム層からも幅広く人気の日本と比較して、タイでは高級官職や資産家などの富裕層が顧客リストに連ねるなど、エグゼグティブ層からの支持がより厚い。青森・弘前の提携工場で作る「ジャパンメイド」を前面に謳ったオーダースーツの販売会が好評で、「客単価も非常に高く、1点あたり50万円程度するスーツを3着程度まとめ買いするお客さまもいらっしゃる」という。

海外での知名度向上により、国内店舗も恩恵を受けている。東京・渋谷明治通り本店はインバウンド客の比率が4割に達した。

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ダイドーリミテッドが株主提案に反対 次期社長の外部招へいで対抗

「ニューヨーカー」「ブルックスブラザーズ」などを展開するダイドーリミテッドは24日、鍋割宰社長が退任し、後任として外部から成瀬功一郎氏を招へいするトップ人事を発表した。成瀬氏はコンサル会社のジェミニストラテジーグループ出身。ダイドーをめぐっては、筆頭株主であるストラテジックキャピタルが取締役の刷新を求めていた。ダイドーはストラテジックの株主提案に対して「業績回復及び持続的な企業価値向上のためには不適切」と反対を表明し、独自の取締役候補を立てる。

6月27日開催予定の定時株主総会で承認されれば、成瀬氏を含む6人が新しい取締役に就く。新たに代表取締役会長兼CEOとして、同じくジェミニの山田政弘CEOを候補にした。一方、鍋割氏を含む現取締役の6人のうち5人は退く。

ストラテジックは業績や株価の低迷を問題視し、4月17日、取締役の刷新を求める株主提案を定時株主総会で行うと発表していた。ストラテジックが提案する取締役候補には、元ブルックスブラザーズジャパン最高財務責任者(CFO)の中山俊彦氏、元オンワード樫山社長の大澤道雄氏らが名を連ねていた。

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街角インバウンド取材を終えて(2024年5月20日号)

毎週発行している「WWDJAPAN」は、ファッション&ビューティの潮流やムーブメントの分析、ニュースの深堀りなどを通じて、業界の面白さ・奥深さを提供しています。巻頭特集では特に注目のキーワードやカテゴリー、市場をテーマに、業界活性化を図るべく熱いメッセージを発信。ここでは、そんな特集を担当記者がざっくばらんに振り返ります。(この記事は「WWDJAPAN」2024年5月20日号からの抜粋です)

横山:円安で街を見ていても明らかに旅行者が増え、百貨店を筆頭にインバウンド消費が盛り上がっていたこともあって、特集が決まりました。その際の、村上編集長からの唯一の注文は「リアルに何を買っているのか取材せよ」。そんなこともあって原宿、表参道、銀座などでの訪日客のハントを軸に特集を作ることになりました。

益成:私は、大阪・心斎橋と福岡で百貨店や訪日客を取材しました。東京はどんな感じでしたか?

横山:2015年にインバウンド特集をやった時は、団体客がバスで乗り付けては、高級品を買いまくっているという感じでしたが、今回はみんな「円安なので、好きなブランドを買いに来ました」という感じ。みんなオシャレで目当てがはっきりしていました。銀座や表参道の「シャネル(CHANEL)」「ディオール(DIOR)」「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」などのラグジュアリーブランドの大型店舗に行列を作る金持ち然とした人から、「ホカ(HOKA)」のスニーカーを大人買いするフィリピンからの人、キャットストリートの裏通りのマニアックなブランドの店舗前で1時間も待つ韓国人まで、バラエティーに富んでいる訪日客の姿が印象的でした。

心斎橋は“コト消費”がメイン

益成:今はインスタなどのSNSで各自、関心のある情報を得てから、遊びに来るのでしょうね。心斎橋ではショッパーを持っている人は意外と少なくて、食べ歩きなどの“コト消費”がメインのようでした。客層も東南アジアから祖父母を連れて家族で来ている人たちも結構いました。福岡は、空港から10分程度で街に出られ、繁華街の天神と複合施設のキャナルシティ博多、新幹線駅がある博多がコンパクトにまとまっていて、便利。国内旅行の延長という感じで韓国から来ている人がたくさんいました。

横山:僕は新人2人と週末にスナップ取材をやりましたが、特に英語が得意ではない2人が、普通にインバウンド客に突撃取材して、断られてもくじけることなく、ハードな仕事を見事にやり遂げたことに感心しました。

益成:バイアスがなく、物おじせずにフラットに人と接することができる世代で、頼もしいですよね。ところで、このインバウンド景気はいつまで続くと思いますか?

横山:為替次第ですよね。この円安の“買い物天国”がいつまで続くか。こればかりは誰も分からないと思います。

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2024-25年秋冬のトレンドキーワードをおさらい 「WWDJAPAN」セミナー事後レポート

 
「WWDJAPAN」はこのほど、2024-25年秋冬シーズンに向けたトレンドセミナーを開催した。第1部と第2部では海外コレクションの動向を出発点に、国内マーケットの消費傾向なども交えてウィメンズとメンズそれぞれの市場の動きを考察した。第3部では中国企業サンチの代表をゲストスピーカーに迎え、巨大市場の中国から学ぶ新ビジネスの可能性などについて議論した。

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「遍的なアイテムをいかに新鮮に見せるかが問われるシーズン」

ラグジュアリーストリートのトレンドが終焉し、1年ほど前から影響力を持っているキーワードが「クワイエット・ラグジュアリー」だ。戦争や生活費の高騰、SNS疲れなど、ストレスフルな消費者のマインドを背景に、「普遍性」や「心地よさ」を追求したファッションに需要が集まっている。

ウィメンズトレンドがテーマの第1部で村上要編集長は、「2024-25年秋冬シーズンは普遍的なアイテムをいかに新鮮に見せるかが問われるシーズンになる」と総括。パリとミラノのコレクションブランドから代表的な例を紹介した。

パリを現地取材した向千鶴編集統括は、「シャネル(CHANEL)」や「ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)」「アンダーカバー(UNDERCOVER)」などを例に挙げてひねりのバリエーションを解説した。例えば、「アンダーカバー」のショーは一人の女性の日常生活を描写する演出でストーリーを組み立てた。カーディガンやスーツ、シャツなどにシースルー素材やビニールなどの異素材を圧着する手法で、特別な一着に仕上げている。向編集統括は「ルーツであるストリートカジュアルと非日常性を上手に掛け合わせている。ジュエリーブランド『ノグチ ビジュー』と協業した大ぶりなアクセサリーがとても効果的にスタイリングされている」とコメントを添えた。

また「シャネル」は、ドーヴィルの海辺を歩く散歩時間を演出した。「店頭では『長く着られるシンプルなアイテムです』ではお客さまは物足りないと感じてしまうはず。『シャネル』のようにいかに豊かなストーリーを載せられるかがポイントになる」と話した。

ミラノで発表したサバト・デ・サルノの「グッチ(GUCCI)」は、ファーストシーズンの方向性を素材使いやスタイリングで発展させた。「ミラノでは『グッチ』のように、お客さまのワードローブをシーズンを重ねて徐々に豊かにしていく“買い足し型”の提案が増えている」と村上編集長。

第1部のゲストスピーカーとして登壇した阪急うめだ本店 Dラボの源野里沙子バイヤーは、「店頭でも前シーズンのアイテムと合わせられたり、毎シーズン安心感のある商品を提案したりするブランドに長く顧客が付いている」と加えた。店頭では「オーラリー(AURALEE)」が売れているという。Dラボでは今季、「サルトリアスタイル」や「バレエコア」などをキーワードに提案する計画だ。

ウィメンズトレンドと
シンクロするメンズ市場

第2部は、國友崇裕・前伊勢丹新宿店 メンズ館6階 メンズコンテンポラリー バイヤーをゲストに交え、メンズトレンドについて分析した。メンズコレクションを現地取材した大塚千践記者は、今シーズンを象徴するキーワードとして「グランパコア」「ニューオフィスウエア」「マリンボーイズ」「ハイパーコントラスト」を挙げた。中でも「グランパコア」を最重要トレンドとして推す。「おじいちゃんのクローゼットから借りてきたようなケーブル編みのカーディガンや、タックの入ったワイドパンツ、ツイードジャケットなどビンテージライクなアイテムを上品な着こなしで提案するのがポイントだ」。大塚記者は「オーラリー」のファーストルックで登場した、ビンテージ加工を施したラムレザーのブルゾンを象徴的な「グランパコア」スタイルとして紹介した。

また、テーラードはこの5年でストリートミックスから日常着として取り入れるカジュアルエレガンスへと変化しているという。「オーラリー」はテーラードスタイルの提案も、今のムード感をうまく取り入れていると評価した。

シアーな素材使いやボディーコンシャスなシルエットなど、ウィメンズトレンドとの共通点も増えている。丸首のカーディガンやアンサンブルニット、ハイゲージのニットポロシャツなどは「グランパコア」スタイルにも通ずる注目アイテムだ。

國友バイヤーもウィメンズトレンドの影響力は注視していると話した。「若い世代を中心に、メンズやウィメンズのカテゴリーに縛られない消費動向が顕在化している。メンズフロアでも約4割を女性客が占める時もある」と話す。特にシアーアイテムは、強化中のテーラードスタイルとも好相性と見る。加えてメンズファッションは従前、モードやクラシコなどテイスト別に顧客層が明確だったが、最近では一人の人がさまざまなテイストを楽しむ消費スタイルに変わってきていると話した。

その他伊勢丹メンズ館では異素材を組み合わせるハイブリッドスタイルやワーク&ミリタリースタイルなどに注目する。足元はスニーカーブームが落ち着き、厚めソールのクラシックシューズが主流だ。アウターは暖冬の影響で、重衣料の提案が減っている。代わりに異素材ミックスや、フーディーなどをレイヤードできるアウターが売れ筋になると見込む。一方でジャケットの上から羽織れるロング丈のチェスターコートなども需要が高まるだろうと話した。

新たなビジネスモデル
「ファッションIP」とは

第3部では中国でファッションブランドのマネジメントを担うサンチを交えて、新たなビジネスチャンスを生むであろう「ファッションIP」の考え方について議論した。サンチが2001年から提唱する「ファッションIP」とは、独創的なデザイン能力と高い影響力を持つデザイナーやブランドなどに帰属する知的財産のこと。登壇したサンチ創業者のポール・ファンCEOは、「ファッション企業が建築や飲食など、服以外の領域にビジネスを広げる中で、デザイナーや業界のオピニオンリーダーなどを『ファッションIP』化できないかと考えた」と起業背景を語った。

従来海外マーケットへの進出は、店舗のオープンや合弁事業の設立などが主流だったが、「ファッションIP」を活用するケースが増えているという。中国における「ファッションIP」の活用事例として、中国で人気の飲料ブランド「ヘイティー」と「フェンディ(FENDI)」のコラボレーションを説明。「フェンディ」のロゴをカップに配した「ヘイティー」の特別ドリンクは、発売後1カ月で1億杯売れた。「『フェンディ』は中国で圧倒的な知名度を誇る『ヘイティー』と協業することで、多くの中国メディアに露出することができた。インフルエンサーに投資するよりも結果的に、効率的に知名度を獲得できたわけだ。また『ヘイティー』の顧客は20〜30代が中心。『フェンディ』の商品は買えないという潜在ターゲットにもリーチできた」とファンCEOは手応えを語る。

サンチが世界のファッションブランドを対象に独自に算出する「ファッションIPランキング」で上位に入っている日本ブランドの1つがビームスだ。ファンCEO によると、ビームスは中国で人気のある「エル・エル・ビーン(L.L.BEAN)」や「リーバイス(LEVI’S)」とのコラボレーションをきっかけに広がり、日本を代表するブランドとして中国で認知を得ているという。「中国のSNSでも、消費者が自発的にビームスを紹介するUGCのコンテンツが非常に多い」と報告した。

セミナー後半には、ビームスクリエイティブ代表取締役兼ビームス取締役の池内光がゲスト登壇し、さまざまな事例を用いながらビームスらしさの作り方について語った。ファンCEOは「ビームスは社員全員が影響力を持つことで、総合的に文化を醸成する発信力につながっている点が素晴らしい」と感想を述べた。

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2024-25年秋冬のトレンドキーワードをおさらい 「WWDJAPAN」セミナー事後レポート

 
「WWDJAPAN」はこのほど、2024-25年秋冬シーズンに向けたトレンドセミナーを開催した。第1部と第2部では海外コレクションの動向を出発点に、国内マーケットの消費傾向なども交えてウィメンズとメンズそれぞれの市場の動きを考察した。第3部では中国企業サンチの代表をゲストスピーカーに迎え、巨大市場の中国から学ぶ新ビジネスの可能性などについて議論した。

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「遍的なアイテムをいかに新鮮に見せるかが問われるシーズン」

ラグジュアリーストリートのトレンドが終焉し、1年ほど前から影響力を持っているキーワードが「クワイエット・ラグジュアリー」だ。戦争や生活費の高騰、SNS疲れなど、ストレスフルな消費者のマインドを背景に、「普遍性」や「心地よさ」を追求したファッションに需要が集まっている。

ウィメンズトレンドがテーマの第1部で村上要編集長は、「2024-25年秋冬シーズンは普遍的なアイテムをいかに新鮮に見せるかが問われるシーズンになる」と総括。パリとミラノのコレクションブランドから代表的な例を紹介した。

パリを現地取材した向千鶴編集統括は、「シャネル(CHANEL)」や「ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)」「アンダーカバー(UNDERCOVER)」などを例に挙げてひねりのバリエーションを解説した。例えば、「アンダーカバー」のショーは一人の女性の日常生活を描写する演出でストーリーを組み立てた。カーディガンやスーツ、シャツなどにシースルー素材やビニールなどの異素材を圧着する手法で、特別な一着に仕上げている。向編集統括は「ルーツであるストリートカジュアルと非日常性を上手に掛け合わせている。ジュエリーブランド『ノグチ ビジュー』と協業した大ぶりなアクセサリーがとても効果的にスタイリングされている」とコメントを添えた。

また「シャネル」は、ドーヴィルの海辺を歩く散歩時間を演出した。「店頭では『長く着られるシンプルなアイテムです』ではお客さまは物足りないと感じてしまうはず。『シャネル』のようにいかに豊かなストーリーを載せられるかがポイントになる」と話した。

ミラノで発表したサバト・デ・サルノの「グッチ(GUCCI)」は、ファーストシーズンの方向性を素材使いやスタイリングで発展させた。「ミラノでは『グッチ』のように、お客さまのワードローブをシーズンを重ねて徐々に豊かにしていく“買い足し型”の提案が増えている」と村上編集長。

第1部のゲストスピーカーとして登壇した阪急うめだ本店 Dラボの源野里沙子バイヤーは、「店頭でも前シーズンのアイテムと合わせられたり、毎シーズン安心感のある商品を提案したりするブランドに長く顧客が付いている」と加えた。店頭では「オーラリー(AURALEE)」が売れているという。Dラボでは今季、「サルトリアスタイル」や「バレエコア」などをキーワードに提案する計画だ。

ウィメンズトレンドと
シンクロするメンズ市場

第2部は、國友崇裕・前伊勢丹新宿店 メンズ館6階 メンズコンテンポラリー バイヤーをゲストに交え、メンズトレンドについて分析した。メンズコレクションを現地取材した大塚千践記者は、今シーズンを象徴するキーワードとして「グランパコア」「ニューオフィスウエア」「マリンボーイズ」「ハイパーコントラスト」を挙げた。中でも「グランパコア」を最重要トレンドとして推す。「おじいちゃんのクローゼットから借りてきたようなケーブル編みのカーディガンや、タックの入ったワイドパンツ、ツイードジャケットなどビンテージライクなアイテムを上品な着こなしで提案するのがポイントだ」。大塚記者は「オーラリー」のファーストルックで登場した、ビンテージ加工を施したラムレザーのブルゾンを象徴的な「グランパコア」スタイルとして紹介した。

また、テーラードはこの5年でストリートミックスから日常着として取り入れるカジュアルエレガンスへと変化しているという。「オーラリー」はテーラードスタイルの提案も、今のムード感をうまく取り入れていると評価した。

シアーな素材使いやボディーコンシャスなシルエットなど、ウィメンズトレンドとの共通点も増えている。丸首のカーディガンやアンサンブルニット、ハイゲージのニットポロシャツなどは「グランパコア」スタイルにも通ずる注目アイテムだ。

國友バイヤーもウィメンズトレンドの影響力は注視していると話した。「若い世代を中心に、メンズやウィメンズのカテゴリーに縛られない消費動向が顕在化している。メンズフロアでも約4割を女性客が占める時もある」と話す。特にシアーアイテムは、強化中のテーラードスタイルとも好相性と見る。加えてメンズファッションは従前、モードやクラシコなどテイスト別に顧客層が明確だったが、最近では一人の人がさまざまなテイストを楽しむ消費スタイルに変わってきていると話した。

その他伊勢丹メンズ館では異素材を組み合わせるハイブリッドスタイルやワーク&ミリタリースタイルなどに注目する。足元はスニーカーブームが落ち着き、厚めソールのクラシックシューズが主流だ。アウターは暖冬の影響で、重衣料の提案が減っている。代わりに異素材ミックスや、フーディーなどをレイヤードできるアウターが売れ筋になると見込む。一方でジャケットの上から羽織れるロング丈のチェスターコートなども需要が高まるだろうと話した。

新たなビジネスモデル
「ファッションIP」とは

第3部では中国でファッションブランドのマネジメントを担うサンチを交えて、新たなビジネスチャンスを生むであろう「ファッションIP」の考え方について議論した。サンチが2001年から提唱する「ファッションIP」とは、独創的なデザイン能力と高い影響力を持つデザイナーやブランドなどに帰属する知的財産のこと。登壇したサンチ創業者のポール・ファンCEOは、「ファッション企業が建築や飲食など、服以外の領域にビジネスを広げる中で、デザイナーや業界のオピニオンリーダーなどを『ファッションIP』化できないかと考えた」と起業背景を語った。

従来海外マーケットへの進出は、店舗のオープンや合弁事業の設立などが主流だったが、「ファッションIP」を活用するケースが増えているという。中国における「ファッションIP」の活用事例として、中国で人気の飲料ブランド「ヘイティー」と「フェンディ(FENDI)」のコラボレーションを説明。「フェンディ」のロゴをカップに配した「ヘイティー」の特別ドリンクは、発売後1カ月で1億杯売れた。「『フェンディ』は中国で圧倒的な知名度を誇る『ヘイティー』と協業することで、多くの中国メディアに露出することができた。インフルエンサーに投資するよりも結果的に、効率的に知名度を獲得できたわけだ。また『ヘイティー』の顧客は20〜30代が中心。『フェンディ』の商品は買えないという潜在ターゲットにもリーチできた」とファンCEOは手応えを語る。

サンチが世界のファッションブランドを対象に独自に算出する「ファッションIPランキング」で上位に入っている日本ブランドの1つがビームスだ。ファンCEO によると、ビームスは中国で人気のある「エル・エル・ビーン(L.L.BEAN)」や「リーバイス(LEVI’S)」とのコラボレーションをきっかけに広がり、日本を代表するブランドとして中国で認知を得ているという。「中国のSNSでも、消費者が自発的にビームスを紹介するUGCのコンテンツが非常に多い」と報告した。

セミナー後半には、ビームスクリエイティブ代表取締役兼ビームス取締役の池内光がゲスト登壇し、さまざまな事例を用いながらビームスらしさの作り方について語った。ファンCEOは「ビームスは社員全員が影響力を持つことで、総合的に文化を醸成する発信力につながっている点が素晴らしい」と感想を述べた。

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「シュプリーム」や「ヴァンズ」の親会社、23年は赤字転落 株価もさらに下落

「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」「ヴァンズ(VANS)」「ティンバーランド(TIMBERLAND)」「シュプリーム(SUPREME)」などを擁するVFコーポレーション(VF CORPORATION)の2024年3月期決算は、売上高が前期比10.0%減の104億5460万ドル(約1兆6204億円)、営業損益は前年の3億2760万ドル(約507億円)の黒字から3400万ドル(約52億円)の赤字となった。純損益は、支払利息が増加したこともあり、同じく1億1850万ドル(約183億円)の黒字から9億6880万ドル(約1501億円)の赤字に転落した。

ブランド別での売上高では、「ザ・ノース・フェイス」が同1.7%増の36億7330万ドル(約5693億円)と微増だったものの、「ヴァンズ」は同24.4%減の27億8570万ドル(約4317億円)、「ティンバーランド」は同12.8%減の15億5690万ドル(約2413億円)といずれも2ケタ減収。「シュプリーム」が属するその他のブランド部門は、同0.7%増の18億2030万ドル(約2821億円)だった。

米国市場と卸が不調、株価も下落

地域別に見ると、北米市場と卸の不調が響いた南北アメリカの売上高は、同18.2%減の54億6490万ドル(約8470億円)だった。EMEA(ヨーロッパ、中東、アフリカ)は同0.5%減の34億2860万ドル(約5314億円)、アジア太平洋地域は同2.8%増の15億6120万ドル(約2419億円)だった。

業績不振が続く同社の株価は、23年8月には20ドル(約3100円)前後で推移していたものの、年末には18ドル(約2790円)前後となり、24年4月には12ドル(約1860円)前後に下落。決算を発表した5月22日の終値は12.33ドル(約1911円)だったが、その後の時間外取引で11.3%安の10.94ドル(約1695円)となった。

「シュプリーム」売却に関する言及は?

VFCは、2月に23年10〜12月期(第3四半期)決算を発表した際、傘下ブランドの見直しを開始したことを公表。5月には、情報筋の話として、同社がアドバイザリーに米投資銀行ゴールドマン・サックス(GOLDMAN SACHS)を選定してブランドポートフォリオ戦略の見直しを行っていると報じられたことから、「シュプリーム」の売却を検討しているのではないかとの臆測が広まった。しかし、今回の決算発表会では、本件に関する言及はなかった。

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ウエルシアHDが新社長を発表 前社長は不貞行為で辞任

ドラッグストア最大手のウエルシアホールディングスは5月21日、28日付で桐澤英明執行役員が社長に就任すると発表した。前社長の松本忠久は、一部報道によると不貞行為があり、辞任した。同社は、「グループの持続的な成長に向けて安定した経営継承を行い、新しいリーダーシップのもとで変革を推し進め、更なる企業価値向上を目指す」と述べている。

桐澤英明は1974年生まれ。2005年4月、ウエルシア関東(現ウエルシア薬局)に入社。15年3月に同社執行役員商品部長、20年3月に取締役中日本支社長、23年3月に代表取締役副社長兼商品本部長、24年3月ウエルシア薬局代表取締役副社長商品・物流担当などを歴任。5月28日付で代表取締役兼社長執行役員最高業務執行責任者を務める。

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ウエルシアHDが新社長を発表 前社長は不貞行為で辞任

ドラッグストア最大手のウエルシアホールディングスは5月21日、28日付で桐澤英明執行役員が社長に就任すると発表した。前社長の松本忠久は、一部報道によると不貞行為があり、辞任した。同社は、「グループの持続的な成長に向けて安定した経営継承を行い、新しいリーダーシップのもとで変革を推し進め、更なる企業価値向上を目指す」と述べている。

桐澤英明は1974年生まれ。2005年4月、ウエルシア関東(現ウエルシア薬局)に入社。15年3月に同社執行役員商品部長、20年3月に取締役中日本支社長、23年3月に代表取締役副社長兼商品本部長、24年3月ウエルシア薬局代表取締役副社長商品・物流担当などを歴任。5月28日付で代表取締役兼社長執行役員最高業務執行責任者を務める。

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パリ発ジュエラー「ブシュロン」の表参道店が移転オープン サロン併設の宝石箱のような店舗

パリ発ジュエラー「ブシュロン(BOUCHERON)」の表参道店が5月24日、移転オープンする。表参道ヒルズ本館1階のイーストエントランス脇から、西館の「ワイズ(Y’S)」と「マルニ(MARNI)」の間に移転した。昨年秋に移転した銀座本店同様、自然の美しさから着想源を得た緑あふれるデザインが特徴。ファサードには、明治神宮の杜から着想を得た自然がLEDスクリーンに投影され、メゾンのマスコット的存在であるネコのウラジミールが気ままに遊ぶアニメーションが流れる。

店舗のエントランスホールは、メゾンの代表的モチーフの一つであるアイビーを施した藁のマルケトリー(象嵌細工)で彩られた開放的で華やかな空間が広がっている。美しい色彩で彩られたブライダルエリアやVIPサロンを設置した同店舗はまるで、宝石箱のよう。同店舗では、アイコンの“キャトル”“セルパンボエム”からハイジュエリーまでそろえる。

表参道におけるジュエリー市場を牽引

 多くのジュエラーが本店を構えるのは銀座だが、表参道もジュエラーにとって重要なエリアになりつつある。ラグジュアリー・ブランドの旗艦店が軒を連ねる表参道は、国内外の感度の高い消費者に人気のショッピングエリアだ。今まではファッションが中心だったが、ここ数年、「ティファニー(TIFFANY & CO.)」や「ブルガリ(BVLGARI)」などのジュエラーが続々と路面店を出店。「ブシュロン」は2016年3月に表参道ヒルズに出店。同じくヒルズにブティックを構える「ハリー・ウィンストン(HARRY WINSTON)」と共に、表参道におけるジュエリー市場を牽引してきた存在だ。「ブシュロン」では、銀座本店や表参道店の拡大移転オープンに続き、百貨店内の店舗でも最新の店舗コンセプトを反映するなど投資を継続するようだ。

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【追悼 上田稔夫】 超高効率経営で紡いだ「コムサ神話」

「コムサ」や「コムサイズム」で知られるファイブフォックス創業者の上田稔夫(うえだ・としお)代表取締役会長が5月2日に死去した。80歳だった。90年代から2000年代前半にかけて急成長し、SPAによる高収益な事業モデルや旺盛な出店や業態開発意欲でも話題だった。数々の「コムサ神話」が生まれたが、当の上田氏本人は取材を受けるのは基本的には年に1回の決算発表時のみ(それも2000年代半ばまでのこと)で、新業態・新ブランドの開発時や重要店舗のオープン時などに話が聞ければラッキーという希少性も、強力なリーダーシップと相まって、彼のカリスマ性を際立たせた。

DCブランドからいち早くSPAへ変貌、1994年に「SPA宣言」

上田氏は1944年生まれで、四国・愛媛の出身。60年代から70年代にかけて、婦人服専門店トップ3だった3S(鈴屋、鈴丹、三愛)のうち、三愛と鈴屋で小売業を学んだ。当時、三愛は銀座交差点の角地の和光と三越の並びに「三愛ドリームセンター」を構えた。鈴屋は川久保玲氏が立ち上げたばかりの「コム デ ギャルソン」を扱い、後に青山ベルコモンズを開発するなどファッション感度の高さを誇り、カルチュア・コンビニエンス・ストア(CCC)の創業者(現取締役会長)である増田宗昭氏や小島ファッションマーケティングの小島健輔氏、ユナイテッドアローズの栗野宏文・上級顧問ら多くの人材を輩出した企業としても知られた。

上田氏がファイブフォックスを創業したのは76年、世の中がDCブランドブームに向かう黎明期のことだ。卸売りからスタートし、78年に札幌で直営店1号店を開始。日本の美意識や様式美を重視しながら西洋のスタイルと融合。陰影礼賛を意識したモノトーンな世界観を訴求した。とくに「コムサデモード(COMME CA DU MODE)」(CAのCはセディーユ)はフランス語で「こんな様式はいかが」という意味で、世界のトレンドを意識しつつ、日本人の黒髪に合う凛としたモード服を提供することに努めた。

「コムサイズム」など多彩な業態&店舗フォーマットを開発、
平成ニューファミリー層を開拓

ファイブフォックスが自らをSPA(製造小売業)と宣言したのは94年のこと。前年の93年にウィメンズ、メンズ、キッズ、雑貨の複合型大型新業態「イズム・コムサデモード(後の「コムサイズム」)」を始動し、後に「モノコムサ」を開発するなど、短期間で「平成ニューファミリー」と呼ばれる市場を席捲していった。

郊外型ショッピングセンター(SC)や都心再開発などによる大型商業施設の開発ラッシュの波に乗り、出店を加速。業界内でもいち早く店舗の大型化を進め、スーパーストア(100~200坪/330~660㎡)、メガストア(200坪~/660㎡~)、都心好立地でのストロングショップ(30~50坪/99~165㎡)という店舗フォーマットを開発したり、赤字店舗・赤字ブランドの撤退基準を2年と定めて年間100店舗近い出退店・スクラップ&ビルドを行うなど、商業リーシングのキーテナントとして存在感を発揮した。2000年からは自社のコンテンツを複合した「コムサストア」も展開。一時は全国に東京ドーム5個分を超える総売り場面積を有したほどだ。

2001年に大阪・梅田に約1万㎡の超大型店舗「コムサストア」梅田店をオープン

振り返って、ファイブフォックスのハイライトの一つは、「コムサ流百貨店」とも呼べる、ヨドバシ梅田に2001年11月21日にオープンしたコムサストア梅田店だった。1~7階までの計3020坪(約9966㎡)には、「コムサイズム」、生活雑貨の「モノコムサ」、新感覚コンビニエンスストアを標榜し100円、300円、500円、700円、1000円といったカラフルな低価格な服と雑貨を集めた「スリーミニッツハピネス」、ファストファッションブランドを意識した低価格ファッションの「コムサコムサコムサ」、富山の置き薬をイメージしたサプリメント「コムサ本舗」や福助との協業ソックス「コムサフクスケ」、老舗バッグ・レザー企業の味岡と組んだ「味平」など和雑貨を集積した「ものこむさ」。さらには、アイウェア「コムサオプティカル」や、オープンキッチンも有する「カフェコムサ」などを展開。オリジナルマネキンによる群像ディスプレーや大パネルによるエモーショナルなビジュアル訴求、独自のライティングなどによって、ドラマチックな店舗を創り上げ、売り場が埋めきれないのではないかとの心配をよそに、充実のコンテンツと、初年度売上高目標80億円を上回る爆発的なスタートを切った。

もう一つは翌年の02年11月8日に札幌の丸井今井本店南館の地下1~地上3階までの4層に出店した「シアターコムサ」(同1130坪、3720㎡)だ。「コムサイズム」を軸としたメガストアの「コムサストア」とは異なり、「コムサデモード」や「アルチザン」を軸とした高感度な都市型メガストアで、まさに日本の美意識を感じさせるVMDは圧巻だった。

SPA化で高収益、1998年に売上高1135億円・経常利益率13%を達成

業績面では、1998年10月期が最高のパフォーマンスだったと記憶している。のちにグループ売上高2000億円を達成することになるが、98年10月期の売上高は1135億円(前期比11.4%増)で経常利益が147億円(同32.8%増)、経常利益率はなんと13.0%。粗利益率は64.8%、プロパー消化率が75%、商品回転数が年間24回と驚異的な数字を叩き出した。

上田社長は当時、ファッション小売業のビジネスで大切なのは、第一に「商品」、第二に「店舗」、第三が「在庫コントロール」だと語っていた。素材、デザイン、価格などトータルで競争力のある商品を創り上げるために、高いクオリティでハイスピードできるように国内生産、とくに国内縫製にこだわっていた(当時の海外生産比率は2割程度に抑制していた)。また、デザインに関しては、イタリアのデザイン事務所と契約していた他、優秀なデザイナーからのデザイン提供なども受けており、中にはラグジュアリーブランドやデザイナーズブランドでクリエイティブディレクターやアシスタントなどを務めるようなバリバリの現役もいたと聞く。

日本の美意識を服と店舗、VMD、おもってなしで表現

店舗では基本ショップマニュアル「店憲法」を制定し、笑顔、挨拶、おたたみを徹底。ディスプレーだけでなく、本格的なVMD(ビジュアルマーチャンダイジング)で劇場型の店舗を開発。おもてなし力と商品力と店舗の魅力を融合し、「感動企業」を目指していた。さらに在庫コントロールを徹底し、高プロパー消化率と、一点も残さない完全消化率100%を追求。在庫コントロールの精度が狂うと、アウトレットはかたくなに拒んだ。

また、POSデータの活用や、カテゴリーごとのSCM(サプライチェーンマネジメント)構築など在庫や調達分野でのIT活用には積極的だったものの、長く自社のウェブサイトすらを持たず、ECの参入も大手アパレルとしては最遅だった。SPAの弊害で、店頭消化率が落ちると在庫が滞留し、利益率が落ち、顧客が離れ、売上げが落ち、資金繰りも悪化するという、負のスパイラルにも陥った。店舗面積が大きかっただけに、上田社長が進めた改革(ルネッサンスと呼んだ)は難航を極め、2000年代半ばごろから苦労が続いたと聞く。病に倒れたこともあった。晩年は、「としおちゃん」名義での作詞活動や、芸能事務所のアミューズと組んで開発した「おしりかじり虫」のデザイナーうるまでるびがデザインした昭和女子的なキャラクター「スミ子」の展開など、謎の動きもあった。いつの間にか、「コムサ・デ・モード」の名称は消え、「コムサ」に統一されていたことにもしばらく気付かれない時期があった。

東京商工リサーチの調べによると、2023年8月期の売上高は215億円。コロナ前の19年8月期の450億円からさらに大きく落ち込んでいるのは、オンラインストアやデジタル施策の遅れも要因だろう。

実は契約目前だった「ZARA」との合弁会社設立

それでも、上田稔夫氏は一代でファイブフォックス帝国を創り、数々のコムサ神話を紡いだ希代のカリスマだったことに変わりはない。個人的に筆者が一番印象的だったのは、「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」や「グッチ(GUCCI)」をはじめとしたラグジュアリーブランドやコングロマリット、「H&M」や「ZARA」などのファストファッションなど、海外の企業研究や店舗研究の知見の深さだ。スペインの「ザラ(ZARA)」は1998年、「H&M」は2008年に日本に上陸したが、日本のファッションビジネスマンの中でもいち早く注目。しかも、「ZARA」のインディテックスとは日本上陸時のパートナーの大本命として合弁会社設立に向けて話し合いを重ねたこともあった。結局、出資比率のマジョリティがとれないという理由で決裂してしまったという。しかも、ビギグループがインディテックス社とザラジャパンを97年に設立した際には、ビギが51%、インディテックスが49%で設立されたため、上田社長の憤りは大きかった。ファイブフォックスが「ZARA」を日本で展開していたら、「ZARA」は、そしてファイブフォックスや「コムサ」はどうなっていたのか、見てみたかった気もする。

最後に、ファイブフォックスの主なブランド(今はなきものも含めて)を載せておきたい。きっと多くの人がどこかで目にしたり、愛用したりしていたはずだ。合掌。

「コムサデモード」(現コムサ)、「コムサデモードメン」(現コムサメン)、「コムサデモードフィユ」(子ども服)、「ペイトンプレイス」「PPFM」(ペイトンプレイスフォーメン)、「バジーレ28」「コムサイズム」「K.Tキヨコタカセ」「ギャバジンK.T」「コムサコレクション」「コムサボーイズ」「コムサイズム」「モノコムサ」「コムサコムサコムサ」「ボナ・ジョルナータ」「スリーミニッツハピネス」「コムサコミューン」「コムサモデルズ」「プラチナコムサ」「パトリックコックス ワナビー」「アンフォンテーヌ」(独占輸入販売)、「イーストボーイ」(子会社イーストポイント)

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「ヴァン クリーフ&アーペル」のCEOが、親会社リシュモンの新CEOに就任 6月1日付

コンパニー フィナンシエール リシュモン(COMPAGNIE FINANCIERE RICHEMONT以下、リシュモン)は、新たな最高経営責任者(CEO)として、傘下に持つヴァン クリーフ&アーペル(VAN CLEEF & ARPELS)のニコラ・ボス(Nicolas Bos)CEOを任命した。6月1日付で就任する。これに伴い、現職のジェローム・ランバート(Jerome Lambert)CEOは、以前の役職だった最高執行責任者(COO)に戻り、ボス新CEOの直属となる。

新CEOはより幅広い役割に

リシュモンは2017年3月にCEO職を廃止したが、18年9月にこれを復活し、ランバートCOO(当時)がCEOに就任した。なお、ボス新CEOは、全ての傘下ブランドおよび地域を直接的・間接的に統括するほか、財務や人事部門も統括するなど、より幅広い役割を担うという。

ボス新CEOは、フランスのESSECビジネススクールを卒業。1992年にリシュモンに入社し、2000年にヴァン クリーフ&アーペルに加わった。同ブランドでさまざまな要職を務め、13年にグローバル・プレジデント兼CEOに就任。19年からはブチェラッティ(BUCCELLATI)も統括している。

ヨハン・ルパート(Johann Rupert)会長は、「『ヴァン クリーフ&アーペル』の成長に多大な貢献をしたニコラが、グループの新たなCEOに就任することを大変うれしく思っている。彼は、ジュエリーと小売りにさらにフォーカスしていくリシュモンを、次の段階へと導いてくれるだろう。また、ジェロームが再びCOOを務めてくれることも非常にありがたく思う。リシュモンの支柱をさらに強化し、今後のかじ取りに大いに貢献してくれるに違いない」と述べた。

24年3月期決算はジュエリー部門がけん引、ウオッチ部門は不調

リシュモンは、「ヴァン クリーフ&アーペル」のほかに、「カルティエ(CARTIER)」「ピアジェ(PIAGET)」「ヴァシュロン・コンスタンタン(VACHERON CONSTANTIN)」「クロエ(CHLOE)」「ダンヒル(DUNHILL)」などのブランドを擁している。

同社の24年3月期決算は、売上高が前期比3.3%増の206億1600万ユーロ(約3兆4841億円)、営業利益は同4.7%減の47億9400万ユーロ(約8101億円)だった。部門別の売上高では、ジュエリー部門が同6.0%増の142億4200万ユーロ(約2兆4068億円)と業績をけん引。一方、ウオッチ部門は、中国の景気後退を背景とした世界的な高級腕時計の需要減やスイスフランの高値により、同2.7%減の37億6700万ユーロ(約6366億円)と不調だった。

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タペストリーによるカプリ買収に「待った」 市場の番人に誤謬はないのか【鈴木敏仁USリポート】

アメリカ在住30年の鈴木敏仁氏が、現地のファッション&ビューティの最新ニュースを詳しく解説する連載。「コーチ」などを傘下に持つタペストリーは、「マイケル・コース」などを展開するカプリ・ホールディングスを買収しようとしたものの、米国連邦取引委員会から「待った」がかかった。この件は、フェアなマーケットとは何か、国がどこまで介入できるのか、といった根本的な部分で議論を呼んでいる。問題を整理してみよう。

タペストリー(TAPESTRY)によるカプリ・ホールディングス(CAPRI HOLDINGS以下、カプリ)の買収計画に米国連邦取引委員会(FTC)が待ったをかけた。両社が所有するブランド間の競合がなくなることで独占状態になるとして、買収取引の中止を求めて訴訟を起こしたのである。両社が合意し正式発表されたのが昨年の8月だったので、半年強をかけて準備して訴訟に踏み切ったことになる。

タペストリーは「コーチ(COACH)」「ケイト・スペード ニューヨーク(KATE SPADE NEW YORK)」「スチュアート・ワイツマン(STUART WEITZMAN)」、カプリは「マイケル・コース(MICHAEL KORS)」「ヴェルサーチェ(VERSACE)」「ジミー チュウ(JIMMY CHOO)」を所有する。両社ともに複数のブランドを運営するコングロマリット型企業だ。買収総額は85億ドル(150円換算で1兆2750億円)、統合後には年商120億ドル(同1兆8000億円)企業が誕生する計画だった。

昨年の計画発表の時点で、タペストリーの年商は67億ドルで、対前年比で成長率はほぼフラット、カプリは56億ドルでこちらも成長率はフラットだった。ブランドの成長に天井が見えてきたときに取るべき手段は、別ブランドの新規開発、または買収だが、手っ取り早いので後者を選ぶケースが多いことはご存知のことだろう。

そういう状況での統合に対する当局による否定的な動きに対して、意外だとする見解が業界には少なくない。

“アフォータブルハンドバッグ”を法的に定義できるのか

FTCはこういうコメントをしている。

「消費者による『手頃な価格のハンドバッグ(Affordable Handbags)』を求める競争を奪う恐れがある」

一方のタペストリーは異議を唱えており、ステートメントの中で“手が届くラグジュアリー(Accessible Luxury)”という表現を使っている。この手頃な価格で手が届く高級品市場の定義が争点で、FTCは2社統合で独占になるような狭い市場だとみなしていて、一方の当事者や業界の専門家の多くはもっと広い市場だとみているのである。

このFTCの姿勢はバイデン政権の考え方を反映しており、委員長のリナ・カーンが政権によって責任者に据えられてから一貫しているものだ。

小売業界では現在2つの案件が係争中である。1つめがアマゾン(AMAZON)、2つめがスーパーマーケットのクローガー(KROGER)による同業のアルバートソンズ(ALBERTSONS)買収計画だ。

アマゾンに対しては、サードパーティーセラー(3Pセラー)への独占的な地位を利用し、アマゾン以外の競合他社で安く売らせないようコントロールしていて消費者が不利益を被っているとするのがFTCの論旨。クローガとアルバートソンズは、タペストリーと同じで市場が寡占化するという論旨である。

アマゾン案件については、アマゾンによる3Pセラーに課す取引条件はほぼ業界標準であることや、アマゾンがEC市場で大きなシェアを持ちつつも、越境ECのシーイン(SHEIN)やティームー(TEMU)が一気に成長しはじめるなど競合状態はいまだ苛烈なのと、リアル小売市場との競合も当然のことながら存在し、アマゾンが独占的地位を利用して3Pセラーをコントールしているという論旨に懐疑的な見方が多い。

一方のクローガーは簡単だ。食品リテール市場のトップはウォルマートで25%弱を握っており、以下クローガー、コストコ、アルバートソンズと続き、クローガーとアルバートソンズが統合してもウォルマートには届かず、両社が統合しても独占にはほど遠いのである。アメリカの食品リテール市場は細分化されており、単独企業が価格をコントロールするのは難しく、可能性があるとするならウォルマートだが、まだ先のことになるだろう。

この点については、FTCによる食品リテールに対する見方は1980年代から変わっていないという専門家による指摘がある。伝統的なスーパーマーケットに対して、ウォルマート、コストコ、アルディ、トレーダージョーズ、アマゾンを筆頭としたECなど、米業界用語で言うところのオルタナティブ(代替)フォーマットが視野に存在しないという見方である。

大統領選の結果にも左右される

この2件と今回のタペストリー案件は市場の定義の食い違いという観点で相似している。FTCの見解を裁判所が認めるのかどうか、実に興味深いのである。

また万が一、今年の大統領選で共和党のトランプが勝つと、カーン委員長は更迭される可能性があり、訴訟が取り下げられることもあり得る。政治に左右される案件なのである。

ちなみに食品リテール市場がほぼ寡占化して問題化しはじめている国もある。

インフレが収束しつつある中でスーパーマーケットの価格がなかなか下がらない状況に業を煮やしたカナダ政府が、海外企業を誘致して新たな競争環境を作ろうと計画していることが報じられた。ロブロウ、ソビーズ、メトロの3社でシェアが半分を超えており、3社が市場をコントロールしていると主張している。

実は某大手食品メーカーの営業責任者から、カナダの市場は寡占していると聞いたのは10年以上前のことである。業界では知られた事実で、それ以降も3社による競合企業の買収は続き、カナダ政府がなぜ傍観してきたのか理由は分からない。

FTCが買収計画に反対して反古にし、買収対象だった企業が別の会社に買収され、その後に衰退し縮小に向かっている例もある。オリジナルの計画通りに強い企業が買収していればてこ入れに成功し、社員が解雇されることはなかったかもしれない。

政府介入による市場のコントロールは容易ではない。何が正しいのかは神のみぞ知るといったところか。M&Aが消費者に与える影響は判断の非常に難しい分野だと思っている。

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「カルティエ」の親会社リシュモン、23年は3%増収 YNAP売却は年内に成立か

コンパニー フィナンシエール リシュモン(COMPAGNIE FINANCIERE RICHEMONT以下、リシュモン)の2024年3月通期決算は、売上高が前期比3.3%増の206億1600万ユーロ(約3兆4841億円)、営業利益は同4.7%減の47億9400万ユーロ(約8101億円)、純利益はおよそ8倍(同682.3%増)の23億5500万ユーロ(約3979億円)だった。

純利益については、傘下に持つラグジュアリーEC大手のユークス ネッタポルテ グループ(YOOX NET-A-PORTER GROUP以下、YNAP)の株式の47.5%を高級ECのファーフェッチ(FARFETCH)に売却することに関連した非現金費用34億ユーロ(約5746億円)などを22年度に計上し、純利益が激減していたことが影響した。なお、後述のように、その後この取引は中止となっている。

日本は円安とインバウンド需要で8%増収

地域別での売上高は、欧州が同1.6%増の44億4200万ユーロ(約7506億円)、南北アメリカが同1.4%増の45億3000万ユーロ(約7655億円)、中東およびアフリカが同7.1%増の16億7300万ユーロ(約2827億円)だった。日本を除くアジア太平洋地域は同3.6%増の82億2000万ユーロ(約1兆3891億円)と、中国の景気後退がやや響いた。日本は、中国人観光客を中心とした力強いインバウンド需要と円安の恩恵を受け、同8.4%増(現地通貨ベースでは20%増)の17億5100万ユーロ(約2959億円)と好調だった。

ジュエリーとウオッチ部門で明暗分かれる

部門別では、「カルティエ(CARTIER)」「ヴァン クリーフ&アーペル(VAN CLEEF & ARPELS)」「ブチェラッティ(BUCCELLATI)」を擁するジュエリー部門が同6.0%増の142億4200万ユーロ(約2兆4068億円)と業績をけん引。

「ピアジェ(PIAGET)」や「ヴァシュロン・コンスタンタン(VACHERON CONSTANTIN)」などを擁するウオッチ部門は、やはり中国の景気後退を背景とした世界的な高級腕時計の需要減や、スイスフランの高値により同2.7%減の37億6700万ユーロ(約6366億円)と不調だった。

「クロエ(CHLOE)」や「ダンヒル(DUNHILL)」などを擁するファッション&アクセサリー&その他部門も、同1.6%減の26億700万ユーロ(約4405億円)と減収だった。

ヨハン・ルパート(Johann Rupert)会長は、「23年度はマクロ経済および地政学上の不透明感が続き、不利な為替レートに直面する中でも、堅実な業績を上げることができてうれしく思う。第4四半期は、アジア太平洋地域の業績が芳しくなかったものの、他地域の力強い成長で相殺できた。予想通り、中国市場の本格的な回復には時間がかかることが見込まれるが、成長の著しい地域もある。当社の事業戦略、ユニークなブランド資産、健全なバランスシートにより、長期的な目標を達成できるものと確信している」と語った。

YNAP売却の進捗やデビアス買収のうわさについて

前述のように、リシュモンはYNAPの株式の47.5%をファーフェッチに売却する予定だった。しかし、取引が成立する前にファーフェッチが経営破綻の瀬戸際にあることが明らかになり、23年12月に韓国の大手EC企業クーパン(COUPANG)が買収。これを受けてリシュモンは取引を中止し、23年10~12月期(第3四半期)決算を24年1月に発表した際に、YNAPの株式を100%売却することも検討していることを明らかにした。

今回の決算発表の説明会で、ブルクハルト・グランド(Burkhart Grund)=リシュモン最高財務責任者は、「(売却の)プロセスは進行しており、複数の当事者がかかわっている」と発言。24年12月末までに取引が成立する予定だという。

また、リシュモンは5月にイタリア・ミラノのジュエラー、ヴェルニエ(VHERNIER)の株式の100%を取得。1984年に金細工の工房としてスタートした同ブランドは、人体や現代彫刻の曲線美を着想源とした大胆なデザインが特徴だ。

ルパート会長は、適切な機会があればさらなる買収も前向きに検討するとしつつも、かねてより臆測が広まっている「デビアス(DE BEERS)」の買収については「全く関心がない」と一蹴。「デビアス」は2011年にグローバルな鉱業資源会社アングロ・アメリカン(ANGLO AMERICAN)の完全子会社となったが、それ以前の段階で買収を断っているという。同氏はその理由について、「当社は(ダイヤモンド原石の)採掘事業は行っておらず、『デビアス』の価値を高められないと判断した」と説明した。

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中国コスメ「フローラシス」が海外進出に本腰 パリの百貨店サマリテーヌに出店 日本では今年後半にギンザ シックスに進出

中国コスメ「フローラシス(FLORASIS)」は9月1日、仏パリの百貨店サマリテーヌ(SAMARITANE)にヨーロッパ初のカウンターを開設する。LVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON)のセレクティブ・リテール部門に属するDFSとの提携によるもので、1年間はフランス国内で同店が独占販売する。カウンターはビューティフロアの中央に位置し、世界的なプレミアム・ビューティブランドの数々と隣接する。内モンゴルの地域文化に着想を得た“ノマディック・グラム”シリーズは、この機会にヨーロッパでデビューする。

米「WWD」が発行する「ビューティ インク(BEAUTY INC)」の推定によると、「フローラシス」の2023年売上高は前年比14.1%減の28億4000万人民元(約596億4000万円)だった。一方で、中国国外での売上高は同180%増と伸長しており、海外進出を加速する。世界展開と国際的な商品開発のために2000万人民元(約4億2000万円)以上を投資し、日本とアメリカ、ヨーロッパで事業を拡大している。大阪に配送センターを持ち、29年までに日本に約25店舗、アジアと北米、ヨーロッパに計25店舗ほどオープンする目標だ。中国では手頃な価格帯のブランドとして知られており、世界でも同様の価格戦略を目指す。

「フローラシス」とDFSの関係

ギャビー・チェン(Gaby Chen)=「フローラシス」グローバル展開担当プレジデントは、「DFSとのパートナーシップ、特にサマリテーヌでの販売は、ラグジュアリーでスタイリッシュな販路の獲得に貢献するだろう」と述べる。セーヌ川に面したポン・ヌフ通りに位置するサマリテーヌは、パリ市民と海外からの旅行客の両方にアピールできる場所だ。

一方アマエル・ブレイン(Amael Blain)=DFSビューティ部門シニア・バイス・プレジデントは、サマリテーヌの会員制ラウンジ、ラパルトマンでVIP顧客向けに「フローラシス」の歴史や商品、ブランドにインスピレーションを与えた中国文化を学ぶマスタークラスを開講する予定という。「DFSは、『フローラシス』の商品から洗練されたデザインまで、同ブランドが掲げる美を理解している。『フローラシス』も同様に、DFSがグローバルなネットワークを持つラグジュアリー・トラベル・リテールのリーダーであることを高く評価している。今後も中国コスメのトレンドを注視し、新しいブランドを発掘し、顧客のニーズに応えたい」と述べる。

日本は、「フローラシス」が最初に進出した国際市場だ。アマゾンで取り扱い、23年9月には伊勢丹新宿本店でポップアップを開いた。日本市場の売上高は前年比132%増と好調で、24年第4四半期にはギンザ シックスにカウンターをオープンする予定だ。チェン=プレジデントは、「日本の消費者は、『フローラシス』の商品開発の中核である伝統と革新を重視している。日本市場での知見は商品の処方だけでなく、信頼性や伝統、技術的進歩に焦点を当てたマーケティング戦略にも生かせるだろう」と話す。ブランドの認知度が十分に高まった後は、独立した店舗の展開も視野に入れているという。

「フローラシス」は、中国の伝統文化にインスパイアされた華美な商品とパッケージで知られる。同国の伝統的な美学と現代の化粧品の革新性を取り入れた“百鳥朝鳳 アイシャドウパレット”(6700円)が世界的なベストセラーだ。“百花同心錠 彫刻リップ”(5600円)も発色と成分の処方から、中国国内外で人気を博している。

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三越伊勢丹、バンコク最大規模の複合開発に参画 オフィスと小売事業で

三越伊勢丹ホールディングス(HD)は、タイ・バンコク中心部で最大の複合開発プロジェクトである「ワン・バンコク(ONE BANGKOK)」の参画を決定した。タイの大手不動産開発企業TCCアセッツと多国籍企業フレイザーズ プロパティの子会社との共同事業だ。

ワン・バンコクはバンコク中心部最大の複合開発エリア。バンコク中心部の物流・交通網と直結しており、オフィス、商業施設、高級住宅、5つ星ホテル、ライブ・エンターテイメント・アリーナなどの要素で構成される。

三越伊勢丹HDは、オフィス事業と小売事業で参画する。建設されるプレミアムグレードAオフィスタワーのうちの1棟「タワー4」に出資する。また、商業施設のうちの1つ「パレード」の地下1階に、食品と飲食のカテゴリーに特化した「三越」屋号を冠した店の出店を計画している。

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ファイブフォックスの上田稔夫会長が死去、SPAの先駆け「コムサ・デ・モード」で一時代を築く

「コムサ・デ・モード」を展開するファイブフォックスの上田稔夫(うえだ・としお)代表取締役会長が5月2日に死去した。81歳だった。葬儀・告別式は近親者で執り行った。

上田会長は1944年3月20日生まれ、愛媛県出身。三愛、鈴屋を経て、76年にファイブフォックスを創業し、「コムサ・デ・モード」をスタートした。メンズラインの「コムサ・デ・モード・メン」、ウイメンズブランド「ペイトンプレイス」「バジーレ28」を次々と立ち上げ、DCブランドで一時代を築く一方で、早くも90年代に直営店舗を拡大し、日本ではいち早くSPA化を達成。93年には低価格ライン「コムサイズム」をスタートし、全国での多店舗化に成功するなど、一時代を築いた。2023年2月に社長を退任し、代表取締役会長に就いていた。

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ウエルシアがプレミアアムヘアケアブランド「イッツ」を立ち上げ PB拡大戦略の一環

ウエルシア薬局は6月1日、新オリジナルヘアケアブランド「イッツ ワッツ インサイド ザット マターズ(ITʼS WHATʼS INSIDE THAT MATTERS. )」(以下、イッツ)を発売する。同社のプライベートブランド(以下、PB)の強化戦略の一環として、プレミアム価格帯の薬用スカルプシャンプー(400mL、1680円)やダメージリペアトリートメント(400mL、1680円)を展開する。

「イッツ」のブランド名は「大切なものは中身」を意味し、髪の悩みの顕在化と根本解決を目指して開発した。ウエルシア薬局がコンセプトから企画し、ネイチャーラボの研究開発部門であるセルラボと共同開発した。頭皮をケアする“薬用スカルプ”とカラーやパーマで痛んだ髪を補修する“ダメージリペア”の2シリーズを用意する。“薬用スカルプ”は肌の変化を感じる30~40歳の女性をターゲットに、炎症やふけへの効果が期待できる処方を採用。ヘアカラーやパーマを楽しむ20代前半から30代前半に向けた“ダメージリペア”は、髪内部の空洞化に着目し、オイル性のケラチンなど髪の修復を手助けする成分を配合した。

ウエルシアホールディングスは、ロート製薬と共同開発するスキンケアブランド「リスタ(RESTA)」をはじめ、食品や日用品、ヘルスケアを展開する「からだウエルシア」「くらしウエルシア」「トップバリュ(TOPVALU)」などのPB を抱える。2024年2月期の売上高1兆2173億3900万円のうち、PBの売り上げは810億円と8.4%を占める。桐澤英明・ウエルシア薬局代表取締役副社長兼商品物流担当は「26年度にはPBの売上高を1100億円、売上構成比を10%まで拡大する。『イッツ』の発売によりポートフォリオを拡張しPBカテゴリーを強化する狙いだ。今の時代とお客さまのニーズに応える商品開発をし、ウエルシアの考えるヘルス&ビューティの価値を海外に広げる」と話す。

商品企画部の岡本貴部長は、シャンプー市場について「本体1000円以上のプレミアム価格帯の商品が半分を占め、差別化が困難になっている。買い替えが激しいカテゴリー」と分析する。パッケージや香りなどのトレンド感を求める顧客や、スキンケア機能や薬用効果を重視する層など分かれる中、それらの中間として独自の薬用成分とトレンドに合わせたパッケージデザインで、新たなポジションを狙う。「イッツ」は今後、スキンケアやメイクなどを拡充しトータルビューティケアブランドとして発展させていく。

ブランドアンバサダーにはモデルとして活躍する在原みゆきを起用した。「本物の美しさに、トレンドはない」をキャッチコピーに掲げ、キャンペーンを展開する。

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ウエルシアがプレミアアムヘアケアブランド「イッツ」を立ち上げ PB拡大戦略の一環

ウエルシア薬局は6月1日、新オリジナルヘアケアブランド「イッツ ワッツ インサイド ザット マターズ(ITʼS WHATʼS INSIDE THAT MATTERS. )」(以下、イッツ)を発売する。同社のプライベートブランド(以下、PB)の強化戦略の一環として、プレミアム価格帯の薬用スカルプシャンプー(400mL、1680円)やダメージリペアトリートメント(400mL、1680円)を展開する。

「イッツ」のブランド名は「大切なものは中身」を意味し、髪の悩みの顕在化と根本解決を目指して開発した。ウエルシア薬局がコンセプトから企画し、ネイチャーラボの研究開発部門であるセルラボと共同開発した。頭皮をケアする“薬用スカルプ”とカラーやパーマで痛んだ髪を補修する“ダメージリペア”の2シリーズを用意する。“薬用スカルプ”は肌の変化を感じる30~40歳の女性をターゲットに、炎症やふけへの効果が期待できる処方を採用。ヘアカラーやパーマを楽しむ20代前半から30代前半に向けた“ダメージリペア”は、髪内部の空洞化に着目し、オイル性のケラチンなど髪の修復を手助けする成分を配合した。

ウエルシアホールディングスは、ロート製薬と共同開発するスキンケアブランド「リスタ(RESTA)」をはじめ、食品や日用品、ヘルスケアを展開する「からだウエルシア」「くらしウエルシア」「トップバリュ(TOPVALU)」などのPB を抱える。2024年2月期の売上高1兆2173億3900万円のうち、PBの売り上げは810億円と8.4%を占める。桐澤英明・ウエルシア薬局代表取締役副社長兼商品物流担当は「26年度にはPBの売上高を1100億円、売上構成比を10%まで拡大する。『イッツ』の発売によりポートフォリオを拡張しPBカテゴリーを強化する狙いだ。今の時代とお客さまのニーズに応える商品開発をし、ウエルシアの考えるヘルス&ビューティの価値を海外に広げる」と話す。

商品企画部の岡本貴部長は、シャンプー市場について「本体1000円以上のプレミアム価格帯の商品が半分を占め、差別化が困難になっている。買い替えが激しいカテゴリー」と分析する。パッケージや香りなどのトレンド感を求める顧客や、スキンケア機能や薬用効果を重視する層など分かれる中、それらの中間として独自の薬用成分とトレンドに合わせたパッケージデザインで、新たなポジションを狙う。「イッツ」は今後、スキンケアやメイクなどを拡充しトータルビューティケアブランドとして発展させていく。

ブランドアンバサダーにはモデルとして活躍する在原みゆきを起用した。「本物の美しさに、トレンドはない」をキャッチコピーに掲げ、キャンペーンを展開する。

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百貨店売上高トップ10 2023年度版:記者談話室vol.128

「WWDJAPAN」ポッドキャストの「記者談話室」は、ファッション業界のその時々のニュースや話題について、3人の記者が分かりやすく解説したり、時には脱線したりしながら、掘り下げていきます。

128回目のテーマは「百貨店売上高トップ10 2023年度版」です。2023年度の主要百貨店の店舗売上高が明らかになりました。コロナが終息したことで、消費は急回復しています。特に記録的な円安を背景にインバウンド(訪日客)の売り上げが絶好調。都市部の旗艦店は、過去最高の売上高の更新も相次ぎます。一方で、地方・郊外の百貨店は低迷から抜け出せず、明暗がはっきりしています。トップ10ランキングを見ながら、ざっくばらんに語り合いました。

「記者談話室」ではみなさまからのお便りをお待ちしております。ご感想ご意見を聞かせてください。メールアドレスは、danwashitu@infaspub.co.jp です。

この配信は以下のアプリでもご利用いただけます。
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「ユニクロ」×「アニヤ・ハインドマーチ」のコラボアイテムをめぐる商標権侵害訴訟 NYのライフスタイルブランドが提訴

ライフスタイルブランド「グーグリー アイ クルー(GOOGLY EYE CRU)」(以下、GEC)は、「ユニクロ(UNIQLO)と「アニヤ・ハインドマーチ(ANYA HINDMARCH)」(以下、アニヤ)のコラボアイテムで使用した目玉モチーフが「GEC」の権利を侵害したとして、ファーストリテイリングとユニクロの米国部門、「アニヤ」の親会社を相手取り、損害賠償と「目玉モチーフを使用したスキンケア製品またはサービスの広告、マーケティング、宣伝、供給、配布、販売の申し出または販売」の差し止めなどを求めてニューヨークの連邦裁判所に提訴した。

「GEC」が提出した訴状によると、「GEC」は2003年から目玉モチーフを使って商品を販売しており、「目玉のマークは、Tシャツや帽子、その他アクセサリーなど当ブランドの高品質なライフスタイルおよびアパレル製品の代名詞であり、消費者および業界は、目玉モチーフの商標を付したアイテムの供給元は『GEC』だと瞬時に認識する」と主張する。また、「ユニクロ」と「アニヤ」のコラボアイテムがニューヨークで流通、展示、販売され、ニューヨークの消費者を直接ターゲットにしていると主張する。「ユニクロ」と「アニヤ」からのコメントは得られていない。

「アニヤ」の創業者であるアニヤ・ハイドマーチはロンドンを拠点とするデザイナーで、1987年に自身の名を冠したブランドを設立した。

「GEC」の代理人によると、損害賠償額はこれから決定されるという。

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「ユニクロ」×「アニヤ・ハインドマーチ」のコラボアイテムをめぐる商標権侵害訴訟 NYのライフスタイルブランドが提訴

ライフスタイルブランド「グーグリー アイ クルー(GOOGLY EYE CRU)」(以下、GEC)は、「ユニクロ(UNIQLO)と「アニヤ・ハインドマーチ(ANYA HINDMARCH)」(以下、アニヤ)のコラボアイテムで使用した目玉モチーフが「GEC」の権利を侵害したとして、ファーストリテイリングとユニクロの米国部門、「アニヤ」の親会社を相手取り、損害賠償と「目玉モチーフを使用したスキンケア製品またはサービスの広告、マーケティング、宣伝、供給、配布、販売の申し出または販売」の差し止めなどを求めてニューヨークの連邦裁判所に提訴した。

「GEC」が提出した訴状によると、「GEC」は2003年から目玉モチーフを使って商品を販売しており、「目玉のマークは、Tシャツや帽子、その他アクセサリーなど当ブランドの高品質なライフスタイルおよびアパレル製品の代名詞であり、消費者および業界は、目玉モチーフの商標を付したアイテムの供給元は『GEC』だと瞬時に認識する」と主張する。また、「ユニクロ」と「アニヤ」のコラボアイテムがニューヨークで流通、展示、販売され、ニューヨークの消費者を直接ターゲットにしていると主張する。「ユニクロ」と「アニヤ」からのコメントは得られていない。

「アニヤ」の創業者であるアニヤ・ハイドマーチはロンドンを拠点とするデザイナーで、1987年に自身の名を冠したブランドを設立した。

「GEC」の代理人によると、損害賠償額はこれから決定されるという。

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渋谷パルコの「マリテ」ポップアップ、一週間で3000万円を計画 「パルコ✕ヒュンダイ」コラボ好発進

渋谷パルコが韓国の現代百貨店と組み、5月10日から3階でポップアップスペースで9ブランドが週替りに登場するポップアッププロジェクト「ヒュンダイ✕パルコ」が好発進だ。5月10〜16日に第一弾として登場した「ノイス(NOICE)」は初日に600万円を売り上げたほか、今日5月17日にスタートした「マリテ フランソワ ジルボー(MARITHÉ FRANÇOIS GIRBAUD)」は一週間で3000万円の販売を見込む。

渋谷パルコ3階のポップアッププロジェクト「THE HYUNDAI x PARCO Limited Store with NUGU」は、5月10日〜7月15日にかけて韓国の人気ブランドが週替りで登場するプロジェクトで、「マリテ」の後には、「マリテ」と並ぶ人気ブランド「マーティン キム」(5月24〜30日)、「ミスチーフ(MSCHF)」(6月7〜13日)」などが控えている。

「マリテ」の初日となった本日は渋谷パルコの開店と同時に店舗の前に行列ができる人気ぶりで、アイコニックなアイテムであるクロップトのプリントTシャツやキャップ(いずれも6000〜7000円)、エコバッグ(3750円)などが飛ぶように売れていた。

今回の「パルコ✕ヒュンダイ」コラボは、店舗運営を韓国発のオンラインプラットフォーム「ヌグ(NUGU)」が担っており、店舗運営のほか、集客や情報発信などを行っている。

【今後のポップアップショップ日程】
MATIN KIM/5月24日~30日
ORR/5月31日~6月6日
MSCHF/6月7~13日
FOTTSFOTTS/6月14~20日
THE BARNNET/6月21~27日
SIENNE/6月28日~7月4日
SMITH&LEATHER/7月5~15日
EMIS/7月12〜28日
*「EMIS」は1階のポップアップスペース「ザ・ウィンドー」

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