日本初の上場企業の女性役員 高島屋の元常務・石原一子さんが100歳で死去 

高島屋の元常務取締役の石原一子(いしはら・いちこ)さんが虚血性心不全のため12月1日に死去した。100歳だった。石原さんは1979年に日本で初めて上場企業の女性役員に就任した(同族経営は除く)。当時は女性活躍の先進事例として大きな話題となり、小説「女重役」(清水一行著)のモデルにもなった。

石原さんは1924年、中国・大連生まれ。東京女子大学卒業後に、一橋大学に初の女子学生として入学した。卒業後は高島屋に就職。2人の子供を育てながら仕事を続け、婦人服やベビー用品などの担当を経て、75年東京店(現日本橋店)の次長(現副店長)に就いた。79年には取締役本社広報室長に抜擢され、上場企業初の女性役員になった。常務取締役などを経て87年に退社した。その手腕を買われて経済同友会にも初の女性会員として迎えられた。大蔵省、経済企画庁、建設省の諮問委員など公職も歴任した。

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LVMH系の投資会社、保有する「エトロ」の株式売却を検討か 情報筋の話

情報筋によれば、LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON)系の投資会社Lキャタルトン(L CATTERTON)は、保有するエトロ(ETRO)の株式の一部もしくは全てを売却することを検討しているようだ。

エトロは1968年にジェローラモ・エトロ(Gerolamo Etro)がテキスタイル会社として創業。80年代にはウエアやライフスタイル分野に手を広げ、香水やスーツケースも手掛けるようになった。長らく一族経営を続けていたが、2021年7月に株式の60%をLキャタルトンに売却。取引額は5億ユーロ(約790億円)程度だったといわれている。同年12月には、ドルチェ&ガッバーナ(DOLCE&GABBANA)やダンヒル(DUNHILL)などで要職を務めたファブリッツィオ・カルディナリ(Fabrizio Cardinali)が最高経営責任者(CEO)に就任。クリエイティブ面でも、それまで率いてきた創業一族に代わり、22年6月にマルコ・デ・ヴィンチェンツォ(Marco De Vincenzo)がクリエイティブ・ディレクターに就任している。

「エトロ」は現在、世界でおよそ130店を運営。非上場のため決算は発表していないが、カルディナリCEOによれば、「24年の売上高は(前年と比べて)やや下回っているものの、利益は大幅に改善しており、黒字に転換できる見込みだ」という。

CEOは10月にうわさを否定

Lキャタルトンがエトロの持ち分の売却を検討しているのではないかという臆測は、以前から流れている。しかし、「エトロ」がトルコ・インスタブールにある高級マンションの内装を手掛けることを10月に発表した際、臆測について質問された同氏は、これを否定。また、今回の情報筋の話に関してはコメントを差し控えるとした。なお、カルディナリCEOはエトロの少数株主の一人。

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LVMHのアルノー会長、フランス人文院の正会員に 1795年設立の伝統ある学術機関

LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON)を率いるベルナール・アルノー(Bernard Arnault)会長兼最高経営責任者(CEO)は12月2日、フランス学士院(Institut de France)を構成するアカデミーの一つ、フランス人文院(Academy of Moral and Political Sciences)の正会員に選出された。

フランス学士院は、芸術、科学、人文学などの発展のため1795年に設立された国立の学術団体。その前身となる王立アカデミーは、1635年に設立されたアカデミー・フランセーズ(Academie Francaise)などから構成されていたが、フランス革命中の1793年に解体された。フランス学士院と同じく95年に設立されたフランス人文院は、革命後の1803年に一度解体されたものの、32年に復活。現在、フランス学士院はフランス人文院に加えて、アカデミー・フランセーズ、フランス文学院(Academie des Inscriptions et Belles-lettres)、フランス科学院(Academie des Sciences)、フランス芸術院(Academie des Beaux-arts)の5つのアカデミーを擁している。

フランス人文院のほかのメンバーは?

これらのアカデミーのメンバーに選出されるのは非常に名誉なこととされている。社会科学と人間科学を対象とするフランス人文院には、ノーベル経済学賞を受賞したエコノミストのジャン・ティロール(Jean Tirole)、米コロンビア大学(Colimbia University)の教授を務める経済学者のピエール・アンドレ・キアッポリ(Pierre-Andre Chiappori)、エルヴェ・ゲマール(Herve Gaymard)元フランス経済・財政・産業大臣、ジャン・クロード・トリシェ(Jean-Claude Trichet)元欧州中央銀行総裁らが所属している。

各アカデミーは、メンバーの引退や死去などにより空席が生じた場合にのみ新たなメンバーを選ぶ方式を取っている。アルノー会長兼CEOは、2023年6月に死去したフランスの実業家、デニス・ケスラー(Denis Kessler)=スコール(SCOR SE)前会長兼CEOの席に座ることとなり、フランス人文院の政治経済・統計・財務部門のチェアマンを務めるという。なお、スコールはパリに本社を置く、再保険を中心とする多国籍の金融サービスグループ。

フランス人文院の目的とは?

フランス人文院によれば、同アカデミーの目的は「書籍やリポートの出版、会議の組織運営などを通じて幅広く深い知識を伝達し、フランスの知的遺産の保護と継承を確かにすることや、官民の意思決定者や政策立案者に厳密かつ独立性の高い情報や分析を提供すること」だという。また、「当アカデミーは慎重に選ばれた知的エリートが所属するものであり、メンバーはその専門分野における貢献度や個人の業績によって選出される」としている。

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サッポロビールが「エビスビール」の年末年始限定缶“福エビス”を発売  持ち帰れるアート展開催も

サッポロビールは12月3日、「エビスビール」の年末年始限定デザインの缶ビール“福エビス”を、全国で数量限定発売した。

今回の“福エビス”のために、サッポロビールはブランドテーマの「たのしんでるから、世界は変えられる。」を体現する北陸3県の若手アーティストによる合同アートプロジェクト「HART project produced by aQ-studio」と共創している。

缶のデザインは「HART project produced by aQ-studio」メンバーのアーティスト、秋山雅貴(Masaki Akiyama)が手がけ、350mL缶と500mL缶の2種類を用意した。秋山は「耳馴染みの深い『エビスビール』の年末年始仕様である“福エビス”に自分の描いた作品が起用されたことを非常にうれしく思います。年始を祝う縁起の良いモチーフとして、荘厳な富士山と可憐な梅の花を、自分らしい表現で描かせていただきました」とコメント。

“福エビス”の発売記念展覧会「福エビス ART GALLERY」を渋谷のレイヤード ミヤシタパーク(RAYARD MIYASHITA PARK)で12月7日、8日に、恵比寿のエビス ブルワリー トーキョー(YEBISU BREWERY TOKYO)で12月9日〜12月26日に開催する。

展覧会では、秋山をはじめ「HART project produced by aQ-studio」メンバーである10名の若手アーティストが“福エビス”を題材に制作したアート作品を展示するほか、レイヤード ミヤシタパーク会場限定で、「持ち帰れるアート展」として、“福エビス”のサンプリングのほか、“福エビス”の写真をSNS(X、インスタグラム、フェイスブック)投稿する特典として、10名のアーティストが制作したミニポスターをプレゼントする。

■「福エビス ART GALLERY」開催概要

・RAYARD MIYASHITA PARK
住所:東京都渋谷区神宮前6 丁目 20−10 MIYASHITA PARK SOUTH 2F 吹き抜け広場
期間:12月7日~12月8日
時間:11:00~21:00
特典:①“福エビス” サンプリング(20歳以上で車の運転をしない来場者に、一人につき1本)
   ②ミニポスター(“福エビス”の写真をSNSに投稿した来場者限定)

・YEBISU BREWERY TOKYO
住所:東京都渋谷区恵比寿4 丁目 20-1
期間:12月9日~12月26 日
時間:平日:12:00~20:00 土日祝:11:00~19:00
定休日:火曜日(祝日の場合は翌日)および 年末年始

「メゾンスペシャル」仕掛け人の頭の中 「3つの新ブランド」「売上高200億円」

近年の国内ウィメンズリアルクローズ市場において、台風の目になってきたブランドが「メゾンスペシャル(MAISON SPECIAL)」だ。後発の姉妹ブランド「プランク プロジェクト(PRANK PROJECT)」も順調に成長している中、運営会社であるサザビーリーグ子会社・プレイプロダクトスタジオは攻勢を緩める気配を見せない。菅井隆行社長は新たに3ブランドの立ち上げと、中期的な会社の売上高目標として200億円を構想している。

既存2ブランドは、業績を順調に拡大してきた。「メゾンスペシャル」は2019年春の立ち上げから5年で売上高45億円(2024年2月期)に成長。ブランディングを鑑みると「現在の規模(国内7店舗)が最適」とみて、今後はアジアを中心とした海外での卸売りを成長ドライブにする。22年春に立ち上げた「プランクプロジェクト」も前期比40%増と順調に伸ばし、売上高10億円で着地した。ポテンシャルは「メゾンスペシャル」と同等と考えているといい、今後は商品のプライスレンジを引き上げて勝負する。

両ブランドの合計で、現在のプレイプロダクトスタジオの売上高は55億円。今後のさらなる伸び代として、3ブランドの立ち上げを計画している。近い将来に5ブランド合計で「売上高200億円」を目指す。これが実現できれば、グループ内では「ロンハーマン(RON HERMAN)」を展開するリトルリーグや、「アフタヌーンティー ティールーム(AFTERNOON TEA TEAROOM)」を運営するアイビーカンパニーといった主力子会社に「比肩する規模になる」。

ファッションと掛け算した
“フレグランスブランド”

3つの新ブランドの立ち上げ時期はそれぞれ未定だが、すでに動き出しているのが新ジャンルとなるフレグランスブランド。「純粋な香りなブランドというよりも、当社が得意なファッションのイメージを前面に打ち出していく。たとえば、店舗が商業施設のファッションフロアのど真ん中にあってもいいと思っている」。残りの2ブランドはアパレルで、来春から具体化へ向け動き出す。一方は既存ブランドよりもストリートテイストを強め、もう一方は比較的ベーシックなテイストで、メンズ・ウィメンズを両展開する。

「メゾンスペシャル」「プランク プロジェクト」は同質化傾向のあるリアルクローズ市場において、エッジィかつユニークなデザイン、それによる固定ファンの獲得が成長要因になってきた。新ブランドにおいても、「デザインは突き抜けつつ、着てくださるお客さまの姿をしっかり想像すること」「売れ筋の縦売りに固執せず、かつ捨て品番を作らないこと」といった商品企画やMDの考えを共通させる。いずれも常設出店を前提とせず、「まずはポップアップストアなどの形で感触を確かめたい」と話す。

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クリスチャン ディオール クチュール、インダストリアル部門を新設 自社内での生産力を強化

LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)が擁するクリスチャン ディオール クチュール(CHRISTIAN DIOR COUTURE)は、自社内での長期的な生産力の強化やノウハウの継承を主な目的とするインダストリアル部門を新設した。

これに伴い、新部門を率いるチーフ・インダストリアル・オフィサー(CIO)として、世界最大のアイウエア企業、伊エシロールルックスオティカ(ESSILORLUXOTTICA)で最高執行責任者を務めていたジョルジオ・ストリアーノ(Giorgio Striano)を任命。同氏は1月2日付で就任する。

また、パトリス・ギルマン(Patrice Guillemin)=レザーグッズ・シューズ・ファッションジュエリー担当インダストリアル・ディレクターは、インダストリアル・プロジェクト・ディレクターに就任。このため、後任としてやはりLVMHが擁するルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)のインダストリアル部門で20年以上の経験を持つニコラ・カレ(Nicolas Carre)=レザーグッズおよびアクセサリー担当インダストリアル・ディレクターを任命した。いずれも、ストリアーノ新CIOの直属となる。

サプライヤーで起きた問題の対応策という側面も

今年6月、クリスチャン ディオール クチュールのイタリアの子会社で、「ディオール(DIOR)」のバッグなどの生産を行うマニュファクチャラーズ ディオール(MANUFACTURERS DIOR)のサプライヤーである中国系の下請け企業が、イタリアの生産工場で不法滞在の移民などを最低賃金以下で雇用し、「倫理的に認められない衛生状況下」で過負荷状態の機械を稼働させていたことなどが明らかに。当該の工場は人権侵害により1年間、行政の指導下に置かれることとなった。これを受け、クリスチャン ディオール クチュールは再発防止策として監査をより頻繁かつ厳密に行い、生産工程の垂直統合を急ぐとしていた。

クリスチャン ディオール クチュール会長兼CEOのコメント

デルフィーヌ・アルノー(Delphine Arnault)=クリスチャン ディオール クチュール会長兼最高経営責任者(CEO)は、「倫理に関する規制を順守しつつ、『ディオール』のクリエイティビティー、クラフツマンシップ、比類のないサヴォアフェール(受け継がれる職人技や美意識)を維持および促進し、製造の各段階におけるさまざまな生産工程を持続的にサポートすることは非常に重要だ」と語った。

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クリスチャン ディオール クチュール、インダストリアル部門を新設 自社内での生産力を強化

LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)が擁するクリスチャン ディオール クチュール(CHRISTIAN DIOR COUTURE)は、自社内での長期的な生産力の強化やノウハウの継承を主な目的とするインダストリアル部門を新設した。

これに伴い、新部門を率いるチーフ・インダストリアル・オフィサー(CIO)として、世界最大のアイウエア企業、伊エシロールルックスオティカ(ESSILORLUXOTTICA)で最高執行責任者を務めていたジョルジオ・ストリアーノ(Giorgio Striano)を任命。同氏は1月2日付で就任する。

また、パトリス・ギルマン(Patrice Guillemin)=レザーグッズ・シューズ・ファッションジュエリー担当インダストリアル・ディレクターは、インダストリアル・プロジェクト・ディレクターに就任。このため、後任としてやはりLVMHが擁するルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)のインダストリアル部門で20年以上の経験を持つニコラ・カレ(Nicolas Carre)=レザーグッズおよびアクセサリー担当インダストリアル・ディレクターを任命した。いずれも、ストリアーノ新CIOの直属となる。

サプライヤーで起きた問題の対応策という側面も

今年6月、クリスチャン ディオール クチュールのイタリアの子会社で、「ディオール(DIOR)」のバッグなどの生産を行うマニュファクチャラーズ ディオール(MANUFACTURERS DIOR)のサプライヤーである中国系の下請け企業が、イタリアの生産工場で不法滞在の移民などを最低賃金以下で雇用し、「倫理的に認められない衛生状況下」で過負荷状態の機械を稼働させていたことなどが明らかに。当該の工場は人権侵害により1年間、行政の指導下に置かれることとなった。これを受け、クリスチャン ディオール クチュールは再発防止策として監査をより頻繁かつ厳密に行い、生産工程の垂直統合を急ぐとしていた。

クリスチャン ディオール クチュール会長兼CEOのコメント

デルフィーヌ・アルノー(Delphine Arnault)=クリスチャン ディオール クチュール会長兼最高経営責任者(CEO)は、「倫理に関する規制を順守しつつ、『ディオール』のクリエイティビティー、クラフツマンシップ、比類のないサヴォアフェール(受け継がれる職人技や美意識)を維持および促進し、製造の各段階におけるさまざまな生産工程を持続的にサポートすることは非常に重要だ」と語った。

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ジュンが「モントーク」跡地に新店舗を12月15日オープン 藤原ヒロシ・山本宇一と協業

ジュンは、2022年3月に閉店した東京・表参道のカフェ「モントーク(MONTOAK)」の跡地に新しいコンセプトストア「V.A.(ヴイエー)」を12月15日オープンする。店内は物販、カフェ、ベーカリーで構成。ディレクターとして藤原ヒロシ氏、カフェ監修として山本宇一氏が参画し、ストアデザインは荒木信雄氏が手がける。

店名の「V.A.」は“Various Artists”の略で、さまざまなモノやコトが交差する場所と位置づけて新しいカルチャーを発信する。アパレルや雑貨などを扱う物販エリアでは、話題性のあるクリエイターやブランドと協業したポップアップを企画する。詳細は13日に発表する予定。

多くの人が殺到することが予想されるため、15日から22日までの期間の事前入店抽選を6日正午からウェブ上で行う。

これまでもジュンと藤原ヒロシ氏は、一緒にコンセプトストアを作り上げてきた。14年から15年にかけて南青山のビンテージマンションの住民用プールの跡地に「ザ・プール青山(THE POOL AOYAMA)」を開くと、人気ブランドやデザイナーと組んだオリジナル商品を求める客が殺到した。16年から17年には銀座のソニービルの地下の駐車場跡地に「ザ・パーキング銀座(THE PARKING GINZA)」、18年から20年には同じく銀座のソニービルの地下に「ザ・コンビニ(THE CONVENI)」を営業し、大きな話題を集めた。「V.A.」はそれらに続くコンセプトストアとなる。

表参道の「モントーク」の場所は、ジュンにとって半世紀以上の歴史がある。1972年にオープンカフェ「カフェ ド ロペ」をこの場所に開いた。ペリエやカフェオレを日本で初めて提供した店と言われ、各界のクリエイターたちの溜まり場になった。その後2002年に「モントーク」を開業。駒沢公園の「バワリーキッチン(BOWERY KITCHEN)」をはじめ、東京カフェブームの立役者である山本宇一氏がプロデュースした同店は、重厚感のあるガラスファサードと開放的な4層構造の店内が特徴で、看板のない隠れ家カフェとして一時代を築いた。

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ユニチカが祖業の繊維から撤退、その背景と今後:記者談話室vol.155

「WWDJAPAN」ポッドキャストの「記者談話室」は、ファッション業界のその時々のニュースや話題について、3人の記者が分かりやすく解説したり、時には脱線したりしながら、掘り下げていきます。

155回目となる今回は、「ユニチカが祖業の繊維から撤退」です。かつて「東洋の魔女」を輩出した名門企業が祖業の事業から撤退する背景を語るとともに、「宝の山」とも言える繊維をどう後世につないでいくのか、などについて話しました。

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「ユニクロ」「無印良品」「ユナイテッドアローズ」11月度2ケタ増 気温低下で冬物動く

専門店チェーン、セレクトショップの2024年11月度業績(既存店ベース)は、気温低下と共に冬物の動きが活発になったという声が目立つ。高気温で苦戦した10月の反動や、11月は販促キャンペーンを仕掛けた企業も多かったことで数字を押し上げた。

国内ユニクロの売上高は、昨年11月も前年同月比10.0%増と伸ばしていた中で、同12.2%増と2ケタの伸び。10月は同7.5%減と7カ月ぶりの前年割れに沈んだが、「月初と月末に気温が下がり、22〜28日の“感謝祭”とも重なって、“ヒートテック”インナーやカシミヤやメリノウールのニット、“パフテック”アウターなど、冬のコア商品が売れた」と広報担当者。「アニヤ・ハインドマーチ(ANYA HINDMARCH)」「マリメッコ(MARIMEKKO)」などとのコラボレーション商品も好調だったという。

しまむらの「ファッションセンターしまむら」は同4.7%増。10月21日〜11月20日集計のため、気温が再び下がった月末は含んでいない。「気温に左右されにくい、インフルエンサーコラボ企画商品やキャラクター商品、通季の肌着やシューズ、バッグなどの実用商品が売り上げを押し上げた」(発表資料から)。

良品計画の「無印良品」は同19.2%増と大きな伸び。衣服・雑貨カテゴリーに限れば同21.3%増とさらに伸ばしている。「“無印良品週間”(10月25日〜11月4日)のセール期間は、11月の開催日数は前年に比べ減ったが、売り上げは前年を超過した」「気温低下とともに、衣服・雑貨カテゴリーが伸長した」(発表資料から)。

アダストリアは同8.9%増だった。「気温低下に伴い、冬物衣料の販売が好調に推移」「会員向け20%ポイント還元キャンペーンを前年より後ろ倒ししたことで、11月のキャンペーン日数が長かったこともあり前年を上回った」(発表資料から)。

ユナイテッドアローズは同13.7%増と、11カ月連続で前年実績超え。「シャツ、カットソー、ジャケット、パンツ、ワンピースなどが継続して好調だったことに加え、気温低下で冬物アウターの動きが目立った」(発表資料から)。

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高島屋堺店が26年1月に閉店 地方百貨店の苦戦続く

高島屋は3日、堺店の営業を2026年1月7日で終了すると発表した。堺店は南海高野線の堺東駅に1964年に開業。売場面積は2万5000平方メートル(百貨店区画1万6000平方メートル、専門店区画9000平方メートル)。同じく堺市にある泉北店(74年開業)との2店舗体制で大阪南部の地域ニーズに対応してきた。

売上高は1991年度の約300億円がピークで、直近の23年度は103億円(百貨店区画のみ)に縮小していた。20年度から営業赤字が続いていたことから、同店の建物賃貸借契約の満了を見据えて営業終了を決めた。従業員156人は配置転換などで対応し、雇用は維持する。

百貨店は大都市にある旗艦店が訪日客や富裕層の旺盛な消費で好業績なのに対し、地方都市や郊外の中型店舗では苦戦が続く。高島屋は今年7月に岐阜高島屋を閉鎖するなど、採算の見込めない地方店の整理を進めている。

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高島屋堺店が26年1月に閉店 地方百貨店の苦戦続く

高島屋は3日、堺店の営業を2026年1月7日で終了すると発表した。堺店は南海高野線の堺東駅に1964年に開業。売場面積は2万5000平方メートル(百貨店区画1万6000平方メートル、専門店区画9000平方メートル)。同じく堺市にある泉北店(74年開業)との2店舗体制で大阪南部の地域ニーズに対応してきた。

売上高は1991年度の約300億円がピークで、直近の23年度は103億円(百貨店区画のみ)に縮小していた。20年度から営業赤字が続いていたことから、同店の建物賃貸借契約の満了を見据えて営業終了を決めた。従業員156人は配置転換などで対応し、雇用は維持する。

百貨店は大都市にある旗艦店が訪日客や富裕層の旺盛な消費で好業績なのに対し、地方都市や郊外の中型店舗では苦戦が続く。高島屋は今年7月に岐阜高島屋を閉鎖するなど、採算の見込めない地方店の整理を進めている。

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リシュモンで続く人事シャッフル 「ヴァシュロン・コンスタンタン」「ジャガー・ルクルト」に新CEO

コンパニー フィナンシエール リシュモン(COMPAGNIE FINANCIERE RICHEMONT以下、リシュモン)は、傘下に持つヴァシュロン・コンスタンタン(VACHERON CONSTANTIN)の新たな最高経営責任者(CEO)として、同ブランドのローラン・ペルヴェ(Laurent Perves)最高商務責任者を任命した。また、やはり傘下に持つジャガー・ルクルト(JAEGER LECOULTRE)の新CEOとして、ジェローム・ランバート(Jerome Lambert)=リシュモン最高執行責任者(COO)を任命した。いずれも1月1日付で就任する。

今年、リシュモンでは人事異動が続いている。6月には、ニコラ・ボス(Nicolas Bos)=ヴァン クリーフ&アーペル(VAN CLEEF & ARPELS)CEO(当時)がリシュモンのCEOに就任。これに伴い、同職を務めていたランバートCEOは以前の役職だったCOOに戻り、ボス新CEOの直属に。7月には、やはりリシュモンが擁するカルティエ(CARTIER)のシリル・ヴィニュロン(Cyrille Vigneron)=プレジデント兼最高CEOの退任を発表。これに伴い、新たなCEOとして、ヴァシュロン・コンスタンタンのルイ・フェルラ(Louis Ferla)CEOが9月1日付で就任している。

2人の新CEOの経歴について

ペルヴェ新CEOは、LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON)の香水&コスメティクス部門でキャリアをスタート。その後、プロクター・アンド・ギャンブル(PROCTER & GAMBLE)のマーケティングや事業開発部門で10年過ごした。2014年にはオーデマ ピゲ(AUDEMARS PIGUET)に加わり、ブランド・コミュニケーション部門ヘッドを2年務めた。16年には、最高マーケティング責任者としてヴァシュロン・コンスタンタンに入社。21年に現職に就任した。

ランバート新CEOは、スイスの国営企業である郵便事業会社スイスポスト(SWISS POST)の財務部門で経験を積み、1996年にファイナンシャル・コントローラーとしてジャガー・ルクルトに入社。99年に同社の最高財務責任者に就任し、2002年から13年までCEOを務めた。また、09年から11年まで、同じくリシュモンが擁するドイツの高級時計ブランド、A.ランゲ&ゾーネ(A. LANGE & SOHNE)のCEOを兼任している。13年には、やはりリシュモンが保有するモンブラン(MONTBLANC)のCEOに就任。17年からリシュモンのCOOを、18年からはCEOを務め、24年6月から現職。

リシュモンの業績は?

リシュモンの24年4〜9月期(上半期)決算は、売上高が前年同期比1.4%減の100億7700万ユーロ(約1兆5921億円)、営業利益は同16.9%減の22億600万ユーロ(約3485億円)、純利益は同69.6%減の4億5700万ユーロ(約722億円)だった。なお、継続事業での純利益はおよそ17億ユーロ(約2686億円)だったものの、傘下のラグジュアリーEC大手ユークス ネッタポルテ グループ(YOOX NET-A-PORTER GROUP)の売却に伴う非継続事業の損失が13億ユーロ(約2054億円)程度だったことから、差し引きで大幅減となった。

部門別に売上高を見ると、「カルティエ」や「ヴァン クリーフ&アーペル」を擁するジュエリー部門は同2%増、「クロエ(CHLOE)」や「ダンヒル(DUNHILL)」などを擁するファッション&アクセサリー&その他部門は同4%増と微増だった。しかし、「ヴァシュロン・コンスタンタン」「ジャガー・ルクルト」「ピアジェ(PIAGET)」などを擁するウオッチ部門は、高級腕時計の一大市場である中国の景気後退やスイスフランの高値などを背景に同17%減と、厳しい結果となっている。

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百貨店4社、11月度は1割増収 気温低下で秋冬衣料動く

主要百貨店4社(三越伊勢丹、高島屋、大丸松坂屋百貨店、阪急阪神百貨店)の11月度売上高は、おしなべて1割程度の増収だった。中旬以降、気温が低下したことで秋冬衣料が活発に動いた。百貨店別売上高は、三越伊勢丹が前年同月比10.4%増、高島屋が同8.0%増、大丸松坂屋百貨店が同7.6%増、阪急阪神百貨店が同5.8%増。

三越伊勢丹の伊勢丹新宿本店の売上高は、前年同月比15.8%増。婦人服が29.3%増と大きく伸ばした。「11月に入り寒さが増すと、婦人服・紳士共にコートやセーターなどの需要の高まりが見られた」(三越伊勢丹)。阪急阪神百貨店の阪急本店は同13.8%増。婦人・紳士服は共に2ケタ増で、「コートやロングブーツはまだ動きが鈍かったが、セーターやジャケット、ネックウエア(マフラーなど)、素材感のあるバッグなどが動いた」(阪急阪神百貨店)という。阪神梅田本店は、昨年日本一となった阪神タイガースの祝賀セールの反動で、同21%の減収だった。

富裕層や訪日客によるラグジュアリーブランドや宝飾品などの高額品購買は引き続き堅調。高島屋は免税売上高が前年同月比29.9%増で、訪日客比率の高い大阪店(前年同月比9.3%増)、日本橋店(同12.1%増)などが高伸長。大丸松坂屋百貨店の松坂屋名古屋店(前年同月比6.8%増)は、11月20日に本館4階と北館地下1階を改装オープンし、ファッション、ジュエリー、フレグランスなどを集積したフロア、品ぞろえを2.7倍に拡張した酒類売り場が集客に貢献。計画を上回って進捗した。

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百貨店4社、11月度は1割増収 気温低下で秋冬衣料動く

主要百貨店4社(三越伊勢丹、高島屋、大丸松坂屋百貨店、阪急阪神百貨店)の11月度売上高は、おしなべて1割程度の増収だった。中旬以降、気温が低下したことで秋冬衣料が活発に動いた。百貨店別売上高は、三越伊勢丹が前年同月比10.4%増、高島屋が同8.0%増、大丸松坂屋百貨店が同7.6%増、阪急阪神百貨店が同5.8%増。

三越伊勢丹の伊勢丹新宿本店の売上高は、前年同月比15.8%増。婦人服が29.3%増と大きく伸ばした。「11月に入り寒さが増すと、婦人服・紳士共にコートやセーターなどの需要の高まりが見られた」(三越伊勢丹)。阪急阪神百貨店の阪急本店は同13.8%増。婦人・紳士服は共に2ケタ増で、「コートやロングブーツはまだ動きが鈍かったが、セーターやジャケット、ネックウエア(マフラーなど)、素材感のあるバッグなどが動いた」(阪急阪神百貨店)という。阪神梅田本店は、昨年日本一となった阪神タイガースの祝賀セールの反動で、同21%の減収だった。

富裕層や訪日客によるラグジュアリーブランドや宝飾品などの高額品購買は引き続き堅調。高島屋は免税売上高が前年同月比29.9%増で、訪日客比率の高い大阪店(前年同月比9.3%増)、日本橋店(同12.1%増)などが高伸長。大丸松坂屋百貨店の松坂屋名古屋店(前年同月比6.8%増)は、11月20日に本館4階と北館地下1階を改装オープンし、ファッション、ジュエリー、フレグランスなどを集積したフロア、品ぞろえを2.7倍に拡張した酒類売り場が集客に貢献。計画を上回って進捗した。

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TASAKIを投資ファンド2社が1000億円で買収 

日本発ジュエラーTASAKIをアジアが拠点の投資企業ファウンテンベスト・パートナーズと日本の投資企業ユニゾン・キャピタルが買収した。買収価格は1000億円と見られている。TASAKIは2017年、アジア系投資ファンドのMBKパートナーズに315 億円で買収され、上場を廃止。パリのホテル「リッツ パリ」内の直営店に続き、19年にはロンドンのボンドストリートに出店した。17年には日本発ジュエリー「アーカー(AHKAH)」を買収して連結子会社化し、中国やシンガポールに出店してグローバル化を進めてきた。TASAKIの23年10月期決算は売上高が330億円、最終利益は5億円の赤字だった。

今年創業70周年を迎えたTASAKIは、パールとダイヤモンドを中心としたジュエリーを展開。タクーン・パニクガル(Thakoon Panichugul)やプラバル・グルン(Pragbal Gurung)といったファッションデザイナーを起用した斬新なデザインのパールジュエリーで人気が高い。TASAKIは、今回の買収による経営陣や戦略の変更はないとコメントしている。

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TASAKIを投資ファンド2社が1000億円で買収 

日本発ジュエラーTASAKIをアジアが拠点の投資企業ファウンテンベスト・パートナーズと日本の投資企業ユニゾン・キャピタルが買収した。買収価格は1000億円と見られている。TASAKIは2017年、アジア系投資ファンドのMBKパートナーズに315 億円で買収され、上場を廃止。パリのホテル「リッツ パリ」内の直営店に続き、19年にはロンドンのボンドストリートに出店した。17年には日本発ジュエリー「アーカー(AHKAH)」を買収して連結子会社化し、中国やシンガポールに出店してグローバル化を進めてきた。TASAKIの23年10月期決算は売上高が330億円、最終利益は5億円の赤字だった。

今年創業70周年を迎えたTASAKIは、パールとダイヤモンドを中心としたジュエリーを展開。タクーン・パニクガル(Thakoon Panichugul)やプラバル・グルン(Pragbal Gurung)といったファッションデザイナーを起用した斬新なデザインのパールジュエリーで人気が高い。TASAKIは、今回の買収による経営陣や戦略の変更はないとコメントしている。

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ファイントゥデイが上場延期 再開は未定

ヘアケアブランド「ツバキ(TSUBAKI)」やメンズブランド「ウーノ(UNO)」などを手掛けるファイントゥデイホールディングスは2日、17日に予定していた東京証券取引所プライム市場への上場を延期すると発表した。昨今の株式市場の動向などを総合的に勘案し、株式売り出しを中止する。

今後の上場手続きの再開に関しては「今後の株式市場の動向などを見極めた上で、総合的に判断する予定」と、明らかにしていない。

ファイントゥデイHDは当初、売り出し株総数3571万7500株で売り出し、価格は1株2150円を想定。証券会社や投資家の需要を踏まえて12月9日に売り出し価格を決定する予定だった。なお、時価総額は2194億円になる見通しだった。

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ドクターマーチン、新CEOは内部昇格 24年上半期は赤字転落

英投資会社ペルミラ(PERMIRA)が擁するシューズブランドのドクターマーチン(DR.MARTENS)は、次期最高経営責任者(CEO)として4月に任命したイジェ・ンワーコリー(Ije Nwokorie)最高ブランド責任者が、1月6日付で就任することを発表した。現職のケニー・ウィルソン(Kenny Wilson)CEOは同日付で退任し、取締役会からも離れるが、引き継ぎ期間は3月31日まで設けられている。

ウィルソンCEOは、18年7月に就任。それ以前は、米アクセサリーブランドのクレアーズ(CLAIRE’S)、キャス キッドソン(CATH KIDSTON)、リーバイ・ストラウス(LEVI STRAUSS)などで要職を務めた。同氏は、「就任から6年が経ち、次へとバトンを渡すべき時期が来たと感じていた。ブランドの幅広い知識と情熱を持つイジェが後任でうれしく思う」と語った。

ドクターマーチンは、1960年に英ノーサンプトンシャーで創業。シンプルなシルエットと高い耐久性を持つワークブーツとして人気を博し、ロックバンド、ザ・フー(The Who)のピート・タウンゼント(Pete Townshend)らが愛用したことからカルチャー分野でもアイコン的な存在に。2014年、ペルミラが3億ポンド(約573億円)で買収。21年2月にロンドン証券取引所に上場した。

24年上半期は全地域が減収で赤字転落

ドクターマーチンの24年4〜9月期(上半期)決算は、売上高が前年同期比18.0%減の3億2460万ポンド(約619億円)、調整後EBIT(利払前・税引前損益)は前年同期の3970万ポンド(約75億円)の黒字から430万ポンド(約8億円)の赤字に、PBT(税引前純損益)は同じく2580万ポンド(約49億円)の黒字から2870万ポンド(約54億円)の赤字に転落した。なお、これには主に経費削減策の費用として計上した特別損失の920万ポンド(約17億円)が含まれている。

地域別の売上高では、EMEA(欧州・中東・アフリカ)が同16%減、アジア太平洋地域は同12%減だった。南北アメリカは、同社にとって最大の市場である米国でサプライチェーンや物流センターでの混乱が続いたことが響き、同22%減に。販売チャネル別では、小売(ECを含む)が同7%減、卸は同29%減だった。

ウィルソンCEOは、「24年は過渡期であり、上半期の結果は想定内。プロダクトを中心としたマーケティングへの転換、米国市場における小売りの強化、営業費用の削減、財務の改善という4つの主要目標の達成に向けて順調に進んでいる。下半期には、米国の小売りが成長軌道に戻る見込みだ」と語った。

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トリンプ日本法人の社長が交代 「ティファール」のグループセブからアンドリュー・ブバラ氏

トリンプ・インターナショナル・ジャパン(以下、トリンプ)の社長が12月1日、交代した。新社長には「ティファール(T-FAL)」などを展開するグループ セブ ジャパン前社長のアンドリュー・ブバラ氏が就任。2018年から同社を率いたヴァンサン・ネリアス前社長を引き継ぐ。

ブバラ新社長は、1973年アメリカ・インディアナ州出身。イエール大学在学中に日本に留学し、1年半学んだ。1995年に日本のソニーでキャリアをスタート。一時期MBA取得のため帰国したが、長年にわたり日本の企業で経験を積んだ。同社長は、「日本でも長い歴史を持つグローバルメーカーのトリンプを、よりブランド力を持った企業に成長させたい」とコメントしている。

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トリンプ日本法人の社長が交代 「ティファール」のグループセブからアンドリュー・ブバラ氏

トリンプ・インターナショナル・ジャパン(以下、トリンプ)の社長が12月1日、交代した。新社長には「ティファール(T-FAL)」などを展開するグループ セブ ジャパン前社長のアンドリュー・ブバラ氏が就任。2018年から同社を率いたヴァンサン・ネリアス前社長を引き継ぐ。

ブバラ新社長は、1973年アメリカ・インディアナ州出身。イエール大学在学中に日本に留学し、1年半学んだ。1995年に日本のソニーでキャリアをスタート。一時期MBA取得のため帰国したが、長年にわたり日本の企業で経験を積んだ。同社長は、「日本でも長い歴史を持つグローバルメーカーのトリンプを、よりブランド力を持った企業に成長させたい」とコメントしている。

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ミズノから3Dプリンターで作る究極のフィッティングシューズ 30年に年間販売1万足へ

ミズノは、個人の足のデータに基づいてオリジナルのソールを設計し、3Dプリンターを使って製造するパーソナルフィッティングシューズ「スリーディーユーフィット(3D U-Fit)」を2025年4月1日から発売する。技術の中身と開発の狙い、実際の製造の様子を、本社に隣接する研究開発施設「ミズノ エンジン」で発表した。開発プロジェクトは6年前に着手。2年前からは、新設された「ミズノ エンジン」が開発現場となり、累計500回の試作を経て完成にこぎつけた。

同社アスレティック事業部ライフ&ヘルスマーケティング部の藤原誠部長は「“パワードライフ”をスローガンに掲げて事業展開している。スポーツテクノロジーを活用し、一人でも多くの消費者の困り事を解決していきたい」と意気込みを語る。左右で足のサイズが異なるなどの悩みを解決すると同時に、デジタル技術を活用した業界初という製造方法に取り組むことで、シューズ製造の常識を変えることに挑戦する。

一番の特徴は、アウトソールとミッドソールと中敷きが一体となった独自構造のソールにある。通常は別々にソールパーツを作って接着させるが、3Dプリンターを使うことで実現した。大手化学メーカーと開発した特殊な合成樹脂を使い、片方が出来上がるまでに約20時間。一体化したソールの上にニットで編んだアッパーを貼り合わせるだけのため、シームレスなフィット感を実現し、ソールの感触を足裏にダイレクトに感じることができるという。

ソール製法は日米で特許取得

日米で特許取得済みのこのソールは、数ミリの厚さの壁で足周りを囲み、その内部を3次元の格子構造にしたもの。壁で体重を支えながら、内部が変形することで足底の荷重が分散されて負荷が軽減でき、ハンモックのような独特のクッション性につながる。さらに、格子構造の密度を変えることで、部分的に硬さをコントロールすることも可能だ。サッカースパイクのようなラウンド形状のラスト(足型)を採用し、ヒールのカウンターまでソールと一体化することでかかとのホールド感も実現した。

「シューズの機能で最も重視されるのがフィット感で、最適なフィット感を得るためには全体重を受け止めるソール部分が足にきちんとあっていることが非常に重要になる。ところが、従来の製造工程では、千差万別の個人の足に合わせてソールを簡単に変えられないという技術的な制約があった」と、「スリーディーユーフィット」を開発したグローバル研究開発部の佐藤夏樹部長は説明する。

通常、ソール部分の製造には平均的な足のデータを元に作った金型が使われる。同じ品質のものを大量に効率よく生産するために金型の技術が発明されたが、100年以上経ったいまでも、大量生産に金型技術は欠かせない。ただ、金型生産は手間もコストもかかり、一人一人に合うソールの生産には向いていない。

「金型から3Dプリンターへ。ソールから足に合わせていくという新しい発想で開発した。ミズノは、カーボンやチタンをゴルフクラブに採用したり、シューズのソールの中にプレートを挟み込んだり、非常識といわれたことにチャレンジして業界の常識に変えてきた歴史がある。このシューズも常識を打ち破ろうというチャレンジと位置付けている」(佐藤部長)。3Dプリンターを用いて一体ソールを作る技術の完成と、計測データに基づいて個人専用シューズを作る設計フローの完成というふたつの技術的なブレイクスルーが、商品化に向けての課題を解決したという。

オーダーから2週間で完成

「スリーディーユーフィット」の販売は、東京・小川町の「ミズノ トウキョウ」で完全予約制で行われる。足型測定と専門家による診断を行い、個人の悩みや癖、好みなども加味したうえでソールを設計。その設計データをミズノテクニクス山崎ランバード工場(兵庫)に転送し、シューズが作られる。オーダーから約2週間で完成する。アッパーカラーはホワイト、ブラックの2色でソールはデザインが異なる2種類。価格は税込5万5000円。

当初は2台の3Dプリンターで対応し、初年度は月産10〜20足からスタート。徐々に生産能力を拡大し、2030年には年間販売足数1万足をめざす。「個人向けのウォーキングシューズとしてデビューするが、今後はランニングシューズなどカテゴリーの壁を越えて展開していきたい」(藤原部長)としている。

未来を見据えた展開も構想中だ。自分の足に合わせた専用のシューズ作りを第1ステップとし、第2ステップでは個人の使用状況のデータに基づいて2足目を再設計することで、よりシューズが自分に合わせて進化する未来を展望。第3ステップでは、使用済みシューズを回収し、化学分解してリサイクルする技術と組み合わせることで半永久的に循環できる仕組みを構築する。「その取り組みが実装できる段階になれば、使う人が増えるほど廃棄物が減り、地球環境が良くなる未来も作れると信じている」と佐藤部長。さらに、機材が小型で省スペースでの生産が可能となるため、「将来的には店舗や移動車を使い、“シューズの地産地消“という新たな常識づくりにもチャレンジしていきたい」と話している。
 

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オンワードが毛布4000枚をタジキスタンの貧困世帯に寄贈 回収した服から製造

オンワードホールディングスは、回収した自社製品の服から作ったリサイクル毛布4000枚を中央アジアのタジキスタンの貧困世帯に寄贈した。日本赤十字社の協力のもと、洪水など自然災害の被害を受けた家庭、女性が唯一の稼ぎ手である家庭、多くの子供や高齢者を抱える家庭などに配布した。

11月27日に山岳地帯にあるラシュト地区で、オンワードの担当社員が現地の人たちに毛布を直接手渡す寄贈式を行った。毛布を受け取ったイスカンダロワさんは「私たち家族は5枚の毛布をいただきました。これからとても寒くなるので、2枚は床に敷き、3枚は寝具として厳しい冬に役立てます」と話した。

タジキスタンは貧困率が高く、社会インフラの整備も遅れている。国土の9割以上が山岳地帯のため冬の寒さは厳しい。しかも地震や洪水、雪崩などの自然災害も多く、苦しい生活を余儀なくされている家庭が少なくない。

オンワードホールディングスは回収した服を社会に役立てる「オンワード・グリーン・キャンペーン」に2009年から取り組んでいる。これまでに累計で約160万人の消費者から約830万点の衣料品を回収した。状態の良い服は直営のリユースショップで販売し、それ以外のものは固形燃料、軍手、毛布などにリサイクルする。毛布はこれまでバングラデシュ、カザフスタン、モンゴル、ネパールなどの生活困窮者や難民キャンプ、被災地などに寄贈してきた。今回のタジキスタンを含めて寄贈した毛布は累計4万5500枚に上る。

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「マイケル・コース」のCEOが退任 親会社の会長が再び兼任へ

「マイケル・コース(MICHAEL KORS)」「ヴェルサーチェ(VERSACE)」「ジミー チュウ(JIMMY CHOO)」を擁するカプリ ホールディングス(CAPRI HOLDINGS以下、カプリ)は11月26日、セドリック・ウィルモット(Cedric Wilmotte)=マイケル・コース最高経営責任者(CEO)の退任を発表した。これに伴い、ジョン・アイドル(John Idol)=カプリ会長兼CEOが同ブランドのCEOを兼任する。

ウィルモット前CEOは、1998年から2004年までダナ キャラン ニューヨーク(DONNA KARAN NEW YORK)の、04年から08年までマーク ジェイコブス(MARC JACOBS)の要職を歴任。08年に、EMEA(欧州、中東、アフリカ)地域社長としてマイケル・コースに入社した。22年3月にヴェルサーチェのジョナサン・エイクロイド(Jonathan Akeroyd)CEO(当時)が退任したことを受け、同年1月に同ブランドの暫定CEOに就任。その後、23年4月にマイケル・コースのCEOに就任した。

なお、カプリは21年8月に、現在はバーバリー(BURBERRY)のCEOを務めているジョシュア・シュルマン(Joshua Schulman)をマイケル・コースのCEOに任命している。同氏はいずれカプリのCEOに昇格する予定だったが、22年3月に退任。このため、ウィルモット前CEOが就任するまで、アイドル会長兼CEOがマイケル・コースのCEO職を兼任していた。なお、同氏はこれ以前にも同職を兼任していたことがある。

新たな最高製品責任者を任命

また、マイケル・コースのフィリッパ・ニューマン(Philippa Newman)=アクセサリー&フットウエア部門社長が、12月2日付でブランドの最高製品責任者(CPO)に昇格する。アイドル=カプリ会長兼CEO兼マイケル・コースCEOの直属となり、創業デザイナーであるマイケル・コース=チーフ・クリエイティブ・オフィサーと緊密に連携しつつ、マーチャンダイジング、ライセンス、生産、デザインなどを統括するという。

タペストリーによるカプリ買収は白紙に

カプリは23年8月、「コーチ(COACH)」「ケイト・スペード ニューヨーク(KATE SPADE NEW YORK)」「スチュアート・ワイツマン(STUART WEITZMAN)」を傘下に持つタペストリー(TAPESTRY)に85億ドル(約1兆3000億円)で事業を売却することに合意した。しかし、両社が保有するブランド間の競争がなくなることで独占状態になるとし、米連邦取引委員会(FTC)は本件を停止する仮処分を求めて4月に提訴。10月に米連邦地方裁判所がFTCの申し立てを認める判決を下したことから、11月に両社は買収契約を双方の合意の上で正式に解消した。

なお、この裁判ではアイドル会長兼CEOのほか、ジョアン・クレヴォイセラ(Joanne Crevoiserat)=タペストリーCEOに加えて、ウィルモット前CEOも出廷。マイケル・コースの苦境に関するその赤裸々な証言が業界の耳目を集めた。

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「マイケル・コース」のCEOが退任 親会社の会長が再び兼任へ

「マイケル・コース(MICHAEL KORS)」「ヴェルサーチェ(VERSACE)」「ジミー チュウ(JIMMY CHOO)」を擁するカプリ ホールディングス(CAPRI HOLDINGS以下、カプリ)は11月26日、セドリック・ウィルモット(Cedric Wilmotte)=マイケル・コース最高経営責任者(CEO)の退任を発表した。これに伴い、ジョン・アイドル(John Idol)=カプリ会長兼CEOが同ブランドのCEOを兼任する。

ウィルモット前CEOは、1998年から2004年までダナ キャラン ニューヨーク(DONNA KARAN NEW YORK)の、04年から08年までマーク ジェイコブス(MARC JACOBS)の要職を歴任。08年に、EMEA(欧州、中東、アフリカ)地域社長としてマイケル・コースに入社した。22年3月にヴェルサーチェのジョナサン・エイクロイド(Jonathan Akeroyd)CEO(当時)が退任したことを受け、同年1月に同ブランドの暫定CEOに就任。その後、23年4月にマイケル・コースのCEOに就任した。

なお、カプリは21年8月に、現在はバーバリー(BURBERRY)のCEOを務めているジョシュア・シュルマン(Joshua Schulman)をマイケル・コースのCEOに任命している。同氏はいずれカプリのCEOに昇格する予定だったが、22年3月に退任。このため、ウィルモット前CEOが就任するまで、アイドル会長兼CEOがマイケル・コースのCEO職を兼任していた。なお、同氏はこれ以前にも同職を兼任していたことがある。

新たな最高製品責任者を任命

また、マイケル・コースのフィリッパ・ニューマン(Philippa Newman)=アクセサリー&フットウエア部門社長が、12月2日付でブランドの最高製品責任者(CPO)に昇格する。アイドル=カプリ会長兼CEO兼マイケル・コースCEOの直属となり、創業デザイナーであるマイケル・コース=チーフ・クリエイティブ・オフィサーと緊密に連携しつつ、マーチャンダイジング、ライセンス、生産、デザインなどを統括するという。

タペストリーによるカプリ買収は白紙に

カプリは23年8月、「コーチ(COACH)」「ケイト・スペード ニューヨーク(KATE SPADE NEW YORK)」「スチュアート・ワイツマン(STUART WEITZMAN)」を傘下に持つタペストリー(TAPESTRY)に85億ドル(約1兆3000億円)で事業を売却することに合意した。しかし、両社が保有するブランド間の競争がなくなることで独占状態になるとし、米連邦取引委員会(FTC)は本件を停止する仮処分を求めて4月に提訴。10月に米連邦地方裁判所がFTCの申し立てを認める判決を下したことから、11月に両社は買収契約を双方の合意の上で正式に解消した。

なお、この裁判ではアイドル会長兼CEOのほか、ジョアン・クレヴォイセラ(Joanne Crevoiserat)=タペストリーCEOに加えて、ウィルモット前CEOも出廷。マイケル・コースの苦境に関するその赤裸々な証言が業界の耳目を集めた。

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「マイケル・コース」のCEOが退任 親会社の会長が再び兼任へ

「マイケル・コース(MICHAEL KORS)」「ヴェルサーチェ(VERSACE)」「ジミー チュウ(JIMMY CHOO)」を擁するカプリ ホールディングス(CAPRI HOLDINGS以下、カプリ)は11月26日、セドリック・ウィルモット(Cedric Wilmotte)=マイケル・コース最高経営責任者(CEO)の退任を発表した。これに伴い、ジョン・アイドル(John Idol)=カプリ会長兼CEOが同ブランドのCEOを兼任する。

ウィルモット前CEOは、1998年から2004年までダナ キャラン ニューヨーク(DONNA KARAN NEW YORK)の、04年から08年までマーク ジェイコブス(MARC JACOBS)の要職を歴任。08年に、EMEA(欧州、中東、アフリカ)地域社長としてマイケル・コースに入社した。22年3月にヴェルサーチェのジョナサン・エイクロイド(Jonathan Akeroyd)CEO(当時)が退任したことを受け、同年1月に同ブランドの暫定CEOに就任。その後、23年4月にマイケル・コースのCEOに就任した。

なお、カプリは21年8月に、現在はバーバリー(BURBERRY)のCEOを務めているジョシュア・シュルマン(Joshua Schulman)をマイケル・コースのCEOに任命している。同氏はいずれカプリのCEOに昇格する予定だったが、22年3月に退任。このため、ウィルモット前CEOが就任するまで、アイドル会長兼CEOがマイケル・コースのCEO職を兼任していた。なお、同氏はこれ以前にも同職を兼任していたことがある。

新たな最高製品責任者を任命

また、マイケル・コースのフィリッパ・ニューマン(Philippa Newman)=アクセサリー&フットウエア部門社長が、12月2日付でブランドの最高製品責任者(CPO)に昇格する。アイドル=カプリ会長兼CEO兼マイケル・コースCEOの直属となり、創業デザイナーであるマイケル・コース=チーフ・クリエイティブ・オフィサーと緊密に連携しつつ、マーチャンダイジング、ライセンス、生産、デザインなどを統括するという。

タペストリーによるカプリ買収は白紙に

カプリは23年8月、「コーチ(COACH)」「ケイト・スペード ニューヨーク(KATE SPADE NEW YORK)」「スチュアート・ワイツマン(STUART WEITZMAN)」を傘下に持つタペストリー(TAPESTRY)に85億ドル(約1兆3000億円)で事業を売却することに合意した。しかし、両社が保有するブランド間の競争がなくなることで独占状態になるとし、米連邦取引委員会(FTC)は本件を停止する仮処分を求めて4月に提訴。10月に米連邦地方裁判所がFTCの申し立てを認める判決を下したことから、11月に両社は買収契約を双方の合意の上で正式に解消した。

なお、この裁判ではアイドル会長兼CEOのほか、ジョアン・クレヴォイセラ(Joanne Crevoiserat)=タペストリーCEOに加えて、ウィルモット前CEOも出廷。マイケル・コースの苦境に関するその赤裸々な証言が業界の耳目を集めた。

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コメ兵、表参道にビンテージ業態1号店 希少品を集めて訪日客シェア8割に

ブランド品リユース大手のコメ兵(名古屋市、石原卓児社長)は、20年以上前に製造された商品を主に販売する新業態「コメヒョウ ビンテージ トウキョウ(KOMEHYO VINTAGE TOKYO)」を東京・表参道に30日に開く。売上高に占める訪日客の割合を8割と想定し、ラグジュアリーブランドの希少性のある中古品を集める。売り場面積167平方メートルとコンパクトながら売上高7億円を計画する。

表参道から一本入った場所に地上1階・地下1階の2フロアで運営する。店内には「シャネル」「エルメス」「ルイ・ヴィトン」などのバッグが棚いっぱいに並ぶ。既存のコメ兵の店舗が百貨店のように間隔を空けて商品を陳列しているのに対し、同店はあえて所狭しと詰め込む陳列にすることで、宝探しのようなショッピング体験を演出する。

扱う商品は1980年代から2000年代前半に販売されたものが多い。中心価格は「シャネル」のチェーンバッグ(ハンドバッグ)で60万〜80万円、「エルメス」の“バーキン”や“ケリー”で200万円前後となる。バッグを中心にアパレル、ジュエリー、アクセサリーなどを扱い、店頭に並ぶ商品の総額は約3億円に達する。

通常のコメ兵では消費者から買い取った商品を販売しているが、同店は主に法人オークションから仕入れる。客の好みを知る店舗スタッフが、狙いを定めた商品を法人オークションから仕入れることでMDの精度を高める。同店は販売に特化し、買い取りコーナーは設けない。

8割を見込む訪日客の中でも「特に米国のお客さまを中心になると考えている」(小野瀬健祐店長)。一般的に訪日客の消費額は中国人客が圧倒的なシェアになるが、コメ兵の旗艦店の渋谷店で一部ビンテージ品を扱ったところ、「米国人客のシェアが一番になる月も多かった」(同)からだ。西海岸のセレブやインフルエンサーが発端となって、1980〜90年年代のブランドバッグの人気が高まっており、SNSを通じて日本に良品が多いことが広まっているという。

近年、表参道にはブランド品のリユース店舗の出店が相次ぎ、銀座と並ぶ激戦区になっている。東日本エリア営業部の田島靖啓氏は「希少な商品を求めるお客さまが国内外からたくさん集まる。コメ兵のビンテージを訴求するのに最適の立地」と出店の狙いを説明する。

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ユニチカの繊維は「失ってはならない宝」

ユニチカは11月28日、祖業の繊維事業から撤退すると発表した。金融機関への債権放棄などを含む870億円の金融支援に加え、官民ファンドの地域経済活性化支援機構(REVIC)から第三者割当増資と融資枠で約350億円を調達。繊維事業の撤退費用などの経営再建に充てる。ユニチカは、2014年にも金融支援などを受け、リストラを進めてきたが、経営再建には至らず、2025年3月期は売上高1200億円、純損失103億円と2期連続の大幅赤字となる見通しだった。抜本的な経営再建のためには、低収益でこの数年は赤字の続いた繊維事業からの撤退は不可避だったとも言える。不振の繊維事業から撤退し、高収益のフィルム事業に経営資源を集中させ、28年3月期に黒字化、30年3月期に売上高700億円、営業利益65億円を目指す。

ただ、撤退するとはいえ、ユニチカの繊維事業に価値がないわけではない。むしろ宝の山とさえ思う。

ユニチカはかつて、祖業である繊維事業を軸に多くの輝かしい実績を誇ってきた。ピーク時には日本だけでなく、ASEANや中国、遠いブラジルなどの南米にも多数の拠点を構える名門企業で、1960年代に世界の女子バレーボール界を席巻し、「東洋の魔女」とも言われた女子バレーの日本代表の大半はユニチカの女子バレー部所属だった。

昭和初期から中期まで全盛期を誇った日本の繊維産業はアジアを始めとした新興国から追い上げられ、次第に勢いを失った。ポリエステルやナイロンなどの合成繊維を主軸とする東レや旭化成などの合繊メーカーが、原料である高分子の研究開発技術をベースに、フィルムや樹脂、医療・医薬品、炭素繊維複合材料など事業の多角化を進めた一方、綿紡績などをルーツとするユニチカや東洋紡は天然繊維事業のリストラに経営資源を費やすことになり、多角化に遅れた。ユニチカの社史によると、1974〜82年のわずか8年間で、赤字や構造改革のために1000億円以上の固定資産や有価証券の売却に追われた。

天然繊維と合繊を融合した名品も

天然繊維事業のリストラに苦しんだユニチカだが、その一方で、天然繊維と合成繊維を融合した画期的な新素材も数多く生んできた。来年で50周年を迎えるポリエステルをコットンで包みこんだ複合繊維「パルパー」はその代表選手だ。イージーケアや耐久性といったポリエステルの特徴を持ちながら、風合いやタッチはコットンという両者の長所を最大限に生かせる「パルパー」は、今なお業界関係者から高い支持を得ている。

また、ユニチカの研究開発力は素材メーカの中でも高い。ユニチカはサステナブル素材の先駆けとして、1998年にとうもろこしなどの穀物を原料にした合成繊維であるポリ乳酸(PLA)繊維「テラマック」の商業生産をスタートし、PLA繊維を世界で最も早く商業化した企業だ。また、英リバティの定番素材にもなっている「タナローン」、現在でも世界最高クラスの細番手の300番単糸を誇るスビンゴールド綿糸「舞鳳凰」など、今でも同社の技術力は世界レベルにある。

繊維事業の今後は?

今後の焦点は、切り離されるユニチカの繊維事業の今後だろう。

大手素材メーカーの繊維事業の継承としては、繊維事業を中心とした粉飾決算が表面化し、経営破綻したカネボウだ。化粧品は花王が買収する一方で、繊維事業はセーレンが買収した。当時のセーレンは勢いがあったとはいえ、大手素材メーカーの繊維事業を買い取るのはある種の博打とも見られていた。だが、セーレンは買い取った繊維事業をKBセーレンとして見事に再建。カネボウ時代から蓄積してきた紡糸技術の高さが生きており、産業資材向けの研磨布や特殊なスパンデックス不織布を用いた湿布基布などを展開し、直近の2024年3月期決算では売上高155億円に対し、純利益15億円。純利益率が10%に達する高収益企業に生まれ変わっている。

製造業、特に繊維の素材メーカーの場合、事業環境が悪化すると、市場を開拓する営業やマーケティング部門の人員が削られていく。効率的な事業運営のために定期的に売り上げの見込める用途や取引先に絞り込む一方、営業やマーケティングは一人で複数の業種を受け持ち、数十トンの取引を営業が一人で担当する、ということも珍しくない。ただ、そうなると絞り込んだ用途や市場が悪化すると一気に採算も悪化する。特に現在のように市場や技術の移り変わりが激しいと、数年単位、あるいは1年で事業環境が激変することも珍しくない。

こうした状況は、必ずしも技術が弱い、あるいは競争力が低いということとイコールではない。むしろ市場を開拓する機能がないために埋もれてしまっている、ということの方が多い。ユニチカの場合、先に上げた「パルパー」「舞鳳凰」「テラマック」はいずれも業界関係者の評価は高く、惜しむ声は多い。セーレンが思い切った絞り込みと市場開拓によって、KBセーレンを高収益企業に生まれ変わらせたように、ユニチカの繊維事業にも多くの可能性が残っている。

以前、岡山県総社市の常磐工場に行ったことがある。「パルパー」や「舞鳳凰」の生産工場だ。1951年(昭和26年)設立の古き良き昭和の名残を留める同工場の入口はきれいに刈り取られた芝生のロータリーがあり、古い小学校のようなオフィスの正面入口を通って中に入ると、ピカピカに磨き上げられた木の床はギシギシと音を立てた。敷地内の建物や設備は一見、古びてはいても、どこもきれいに磨き上げられ、繊維の技術と同様に、大切に継承されてきたことが一目でわかる。国内外で数多くの繊維工場を見てきたが、文化遺産クラスの最も美しい工場の一つだった。

特に現在は大手アパレルのワールドが繊維商社のOEM事業を買収する、業界・業際の垣根を超えた合従連衡の時代だ。また、事業の譲渡先は必ずしも国内だけに限定する必要もない。ユニチカが130年もの間培ってきた繊維の技術を残すことこそが最も重要だ。国内外の企業により、ユニチカの繊維事業が新たに再生することに期待したい。

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ユニチカ、祖業の繊維撤退へ

ユニチカは、祖業の繊維事業から撤退する。リストラなどのため、主力の三菱UFJ銀行などに430億円の債権放棄をもとめるほか、官民ファンドの地域経済活性化支援機構(REVIC)から第三者割当増資と融資で350億円を調達する。増資後、REVICが議決権で66.76%を所有する筆頭株主になるが、上場は維持する考え。

不振の繊維事業から撤退し、高収益のフィルム事業に経営資源を集中させ、直近の2024年3月期の売上高は1183億円、営業損失は24億円、純損失は54億円を、28年3月期に黒字化、30年3月期に売上高700億円、営業利益65億円を目指す。

ユニチカは、1960年代に「東洋の魔女」と言われた女子バレー部を擁し、ポリエステル・綿の複合繊維「パルパー」、シルキー調ポリエステル「シルミー5」、世界最高クラスの細番手コットン「舞鳳凰」、先駆けて事業化に成功したPLA繊維「テラマック」などを生み出し、かつては日本を代表する紡績メーカーの一つだった。

大手素材メーカーでは三菱ケミカル(旧三菱レイヨン)が、トリアセテート繊維「ソアロン」を売却し、同じく祖業の繊維事業から撤退するなど、名門企業の繊維事業の撤退が相次いでいる。

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オンワード樫山「23区」、女性アスリート4人によるファッションショー

オンワード樫山は28日、婦人服ブランド「23区」で女性アスリートを起用した新キャンペーンのファッションショーを東京・原宿で開いた。柔道家の角田夏実さん、元バレーボール選手の古賀紗理那さん、元新体操選手の畠山愛理さん、元スピードスケート選手の高木菜那さんの4人がモデルとしてランウェイを歩いた。

「23区」の冬の定番商品である“シレータフタダウン”と“カシミヤニットブレンドニット”の2つを軸にコーディネートして紹介した。着ぶくれやマンネリ化に陥りがちな冬の通勤服を、美しいシルエットと軽やかなカラーリングで遊び心のある「遊勤(ゆうきん)コーデ」として提案する。

鮮やかな青いニットを着た高木さんは「(スピードスケートの選手は)競技の特性上、お尻が大きく見えがちだけど、このニットは美しいシルエットに見せてくれる」と話した。ダウンブルゾンを着た畠山さんは「子育て中なので動きやすいところが気に入っています。それにかわいい」とコメントした。

アスリートの起用は単に活躍する女性の代表という理由だけでなく、高身長や筋肉質などさまざまな体形の女性から共感を集める狙いもある。「23区」を担当する佐野康博部長は「Sサイズで4種類、レギュラーサイズで4種類、Lサイズで4種類の計12種類のサイズを用意するブランドはあまりない。多くの女性に遊勤コーデを楽しんでほしい」と話す。

4人を起用したビジュアルは11月25日から12月1日までJR新宿駅構内の中央通路の複数の場所に大きく掲示される。

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ワールド、三菱商事ファッションを完全子会社化

大手アパレルのワールドは28日、三菱商事の子会社でアパレルOEM事業を運営する三菱商事ファッションの全株式を取得し、完全子会社化すると発表した。取得価額は93億円。株式譲渡日は25年2月中を予定する。

ワールドは三菱商事ファッションについて「三菱商事グループのアパレル・雑貨・靴の素材・製品のグローバルな調達力や生産・物流のシステム、生産背景や顧客基盤、グローバルな人材を有している」とし、子会社化により「サプライチェーンの川上の企画・開発・生産・物流のリソースやノウハウの拡充」や「B2Bのプラットフォーム事業の拡大」を狙う。

想定する具体的なシナジーの一つが、三菱商事ファッションの企画・調達能力を生かした、OEM事業の拡充だ。これまでワールドは、ブランド事業で培ったブランディング、MDノウハウを生かしてOEM事業運営してきたが、三菱商事ファッションの企画提案力や生産背景を活用することで、さらなる既存顧客の売上拡大や新規案件の獲得を見込めるとする。

2つ目が、アパレル事業とデジタル事業に並ぶ柱である、BtoBの「プラットフォーム事業」の強化。ワールドのプラットフォーム事業は、サプライチェーンの川下までカバーし、デジタル事業のB2Bソリューションとも連携した幅広いサービスを展開している。三菱商事ファッションの、「他のOEM企業には見られない」課題解決型事業のサービスをここに組み込み、さらなる付加価値を提供する。

3つ目が、ブランド投資事業の拡大。ワールドは、日本政策投資銀行と合弁で投資会社W&Dインベストメントデザインを設立するなど、M&Aを成長戦略の中核に据えている。三菱商事ファッションの案件開拓能力、投資判断のノウハウを吸収し、投資先の開拓やバリューアップ、投資先ブランドの経営力につなげる。

三菱商事ファッションの24年3月期連結業績は、売上高が919億円、営業利益が35億円、純利益が22億円。ワールドは、今回の株式取得が25年2月期連結業績に与える影響については「精査中」とし、業績予想値の修正・公表の必要性が生じた場合は速やかに開示するとしている。

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ワールド、三菱商事ファッションを完全子会社化

大手アパレルのワールドは28日、三菱商事の子会社でアパレルOEM事業を運営する三菱商事ファッションの全株式を取得し、完全子会社化すると発表した。取得価額は93億円。株式譲渡日は25年2月中を予定する。

ワールドは三菱商事ファッションについて「三菱商事グループのアパレル・雑貨・靴の素材・製品のグローバルな調達力や生産・物流のシステム、生産背景や顧客基盤、グローバルな人材を有している」とし、子会社化により「サプライチェーンの川上の企画・開発・生産・物流のリソースやノウハウの拡充」や「B2Bのプラットフォーム事業の拡大」を狙う。

想定する具体的なシナジーの一つが、三菱商事ファッションの企画・調達能力を生かした、OEM事業の拡充だ。これまでワールドは、ブランド事業で培ったブランディング、MDノウハウを生かしてOEM事業運営してきたが、三菱商事ファッションの企画提案力や生産背景を活用することで、さらなる既存顧客の売上拡大や新規案件の獲得を見込めるとする。

2つ目が、アパレル事業とデジタル事業に並ぶ柱である、BtoBの「プラットフォーム事業」の強化。ワールドのプラットフォーム事業は、サプライチェーンの川下までカバーし、デジタル事業のB2Bソリューションとも連携した幅広いサービスを展開している。三菱商事ファッションの、「他のOEM企業には見られない」課題解決型事業のサービスをここに組み込み、さらなる付加価値を提供する。

3つ目が、ブランド投資事業の拡大。ワールドは、日本政策投資銀行と合弁で投資会社W&Dインベストメントデザインを設立するなど、M&Aを成長戦略の中核に据えている。三菱商事ファッションの案件開拓能力、投資判断のノウハウを吸収し、投資先の開拓やバリューアップ、投資先ブランドの経営力につなげる。

三菱商事ファッションの24年3月期連結業績は、売上高が919億円、営業利益が35億円、純利益が22億円。ワールドは、今回の株式取得が25年2月期連結業績に与える影響については「精査中」とし、業績予想値の修正・公表の必要性が生じた場合は速やかに開示するとしている。

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「アディダス」、ランニング旗艦モデル“アディゼロ”最新作を発売 箱根駅伝シェア1位奪取へ

「アディダス(ADIDAS)」を運営するアディダス ジャパンは11月27日、2024-25年の駅伝、マラソンシーズンに向けたシューズやアパレルのランニングコレクション“アディゼロ エキデン コレクション(ADIZERO EKIDEN COLLECTION)”を発売した。メインとなるレーシングシューズ“アディゼロ アディオス プロ 4(ADIZERO ADIOS PRO 4、2万8600円)”は世界に先駆けて日本で販売。“エキデン コレクション”の発表会見には、今シーズンの大学3大駅伝のうち既に2冠を手にしている國學院大学チームも登壇した。

“アディゼロ”はもともと、「日本人を速くする」を合言葉に、05年に日本で開発を始めたパフォーマンスランニングシューズのシリーズ。日本人向け足型開発などを行い、実績につなげてきた。初代モデル開発から約20年が経ち、現在では世界の有力選手が着用し、さまざまな記録を打ち立てている。「アディダス ジャパンとして、ランニングカテゴリーの根幹が“アディゼロ”」(冨田和征アディダスマーケティング事業本部シニアディレクター)と位置付けている。

“エキデン コレクション”は、レーシングシューズとして“アディゼロ アディオス プロ 4”と、軽量レーシングモデルの“アディゼロ タクミ セン テン(ADIZERO TAKUMI SEN 10、2万2000円)”、薄底ながら高反発のオールラウンドモデル“アディゼロ ジャパン 9(ADIZERO JAPAN 9、1万7600円)”の3型をラインアップ。他、トレーニングシューズ4型(9900〜3万9600円)をそろえ、一般ランナーや中高の陸上部学生など、幅広い層のニーズに応える。全7モデル共通で、「集中と情熱」を表すというシルバーと赤のデザインを採用した。

試着練習会も全国8都市で開催

24年年初の箱根駅伝では、「アディダス」が12年からパートナーシップを結ぶ青山学院大学が優勝した。しかし、同大会での「アディダス」の選手着用率は18.3%(出典:アルペングループマガジン)と、「ナイキ(NIKE)」の42.6%(同)、「アシックス(ASICS)」の24.8%(同)に次ぐ3位。「非常に悔しい思いをした。箱根シェアナンバーワンはわれわれの目標の一つ」と冨田ディレクター。25年の箱根は青山学院大に加え、22年からパートナーシップを結んでおり今季勢いに乗っている國學院大、サポートしている創価大、大東文化大をはじめとした選手が「アディダス」着用予定で、シェアナンバーワン獲得に期待がかかる。

駅伝出場選手のようなトップアスリートだけでなく、一般ランナーへの訴求にも注力する。発売に合わせて、東京・渋谷のミヤシタパークの「アディダス」店舗では、入口すぐに“エキデン コレクション”を展示。1月末にかけては、全国8都市でフルマラソンでサブ4以上を目指すランナーを対象に“アディゼロ”シューズを貸し出すランニング練習会を実施する。東京・表参道のランニングジム「ランニングサイエンスラボ」でも、“アディゼロ”を試着して低酸素ランニングができるメニューを用意した(12月27日まで)。

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ポーラ・オルビスHDの「ポーラ」「オルビス」「ディセンシア」がトップ交代

ポーラ・オルビスホールディングスは、25年1月1日付で子会社のポーラ、オルビス、ディセンシアのトップ交代を実施すると発表した。ポーラの社長に小林琢磨オルビス社長が就き、オルビスの社長に山口裕絵ディセンシア社長が就任する。ディセンシア社長には、西野英美オルビス取締役執行役員 ブランドデザイン担当 サステナビリティ推進室長が昇格する。なお、及川美紀・上席執行役員グループダイバーシティ担当兼ポーラ社長(55)は退任する。

小林・現オルビス社長は1977年9月1日生まれの47歳。2002年にポーラに入社した後、10年にディセンシアの社長に就任し、同社を急成長させた。18年にオルビスの社長に就任し、事業構造を改革し成果を創出。今回の人事は、国内ポーラの事業基盤の再構築と新たな成長戦略の策定・実行に「構造改革を推進する経営が不可欠と判断」し、ポーラの社長に起用した。

山口・現ディセンシア社長は、1976年7月26日生まれの48歳。99年にポーラ化粧品本舗(現ポーラ)に入社。2017年に商品企画部長、18年に執行役員 商品・宣伝・デザイン担当 商品企画部長を経て、21年にディセンシアの社長に就任した。オルビス社長の起用理由は、「今後の『オルビス』の
持続的なブランド価値向上と事業成長を図るため」としている。なお、同日付でポーラ・オルビスホールディングス上席執行役員にも就く。

西野サステナビリティ推進室長は、1979年12月31日生まれの44歳。2002年にオルビスに入社し、商品企画部長、ブランドデザイン部長、サステナビリティ推進室長を経て、ディセンシア社長に昇格となる。

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仏「ルコックスポルティフ」が財政難で法的再生手続き 裁判所の観察下で事業再建を目指す

スイスの投資持株会社エアレシス(AIRESIS)は、保有するフランス発のスポーツブランド「ルコックスポルティフ(LE COQ SPORTIF)」が破産管財人の管理下に置かれたことを明らかにした。

同社は「ルコックスポルティフ」の株式の75%を保有している。10月30日には、同ブランドが財政難に陥っており、キャッシュフローが悪化していることを発表。パリ商業裁判所に法的再生手続きをを申請し、11月22日に承認されたため、同ブランドは裁判所による6カ月間の観察期間を受けつつ新たな投資家や戦略的パートナーを探し、事業再建を目指すという。

「ルコックスポルティフ」の業績は?

エアレシスによれば、「ルコックスポルティフ」の2024年1〜6月期の売上高は前年同期比 %増の8204万ユーロ(約132億円)と増収だったものの、純損失は前年同期の1049万ユーロ(約16億円)から1823万ユーロ(約29億円)と赤字が大幅に拡大している。

パリ五輪では仏選手団のユニホームを担当

同ブランドは24年パリオリンピック・パラリンピックのパートナー企業として、「ピガール(PIGALLE)」創設者兼デザイナーのステファン・アシュプール(Stephane Ashpool)と協業し、フランス選手団のユニホームや公式ウエアなどを手掛けている。しかし、財政上の問題による作業の遅れが危ぶまれ、パリ五輪組織委員会から290万ユーロ(約4億6000万円)の緊急融資を受けた。

また、17年から23-24年シーズンまでフランスラグビー連盟(French Rugby Federation)の公式サプライヤーを務めていたが、スポンサー契約料やロイヤルティーなどでおよそ530万ユーロ(約8億5000万円)の未払いがあるとして、9月に同連盟から提訴されている。

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ユニクロの「アニヤ・ハインドマーチ」コラボバッグ、色移りの指摘受けお詫び&販売停止

「ユニクロ(UNIQLO)」は、11月22日に発売した「アニヤ・ハインドマーチ(ANYA HIDMARCH)」とのコラボレーション商品のうち、“パッカブルバッグ”の“69 NAVY”カラー(1990円)の販売を停止した。購入者の一部から、色移りを指摘する声が上がっているのを受けたもの。

公式ECサイトでお詫びを掲出すると共に、購入者に対して返品を呼びかけている。実店舗購入者は購入店舗や近隣店舗への持ち込み、ECサイト購入者には、登録アドレスに対し11月24日に対応方法についての案内をメール済みという。公式アプリ上でも返品方法を告知している。レシートやタグがない場合や、使用済みの場合でも返品を受け付ける。

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ユニクロの「アニヤ・ハインドマーチ」コラボバッグ、色移りの指摘受けお詫び&販売停止

「ユニクロ(UNIQLO)」は、11月22日に発売した「アニヤ・ハインドマーチ(ANYA HIDMARCH)」とのコラボレーション商品のうち、“パッカブルバッグ”の“69 NAVY”カラー(1990円)の販売を停止した。購入者の一部から、色移りを指摘する声が上がっているのを受けたもの。

公式ECサイトでお詫びを掲出すると共に、購入者に対して返品を呼びかけている。実店舗購入者は購入店舗や近隣店舗への持ち込み、ECサイト購入者には、登録アドレスに対し11月24日に対応方法についての案内をメール済みという。公式アプリ上でも返品方法を告知している。レシートやタグがない場合や、使用済みの場合でも返品を受け付ける。

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「マリンピア神戸」11日26日オープン リゾート型アウトレットの見どころ

神戸・垂水の海沿いで23年間営業してきた「三井アウトレットパーク マリンピア神戸」が全面建替工事を経て、あす11月26日グランドオープンする。新生・マリンピア神戸のコンセプトは「マリンピアリゾート」。ショッピングだけでなく、アクティビティーや食体験も存分に楽しめ、非日常感を味わえる時間消費型のリゾートアウトレットモールへと生まれ変わる。敷地面積は約9万9400平方メートルと、建て替え前の約1.3倍に拡大。明石海峡大橋や淡路島を望む西側の神戸市所有地を活用し、商業施設では珍しい形態の親水公園空間「ラグーンコミュニティパーク」を新設したのが大きな特徴だ。

SC内でカヤックやビーチバレーが楽しめる

ラグーンとは海水を引き込んだ池のことで、約1万平方メートルのラグーンを囲む5つのエリアで構成される。一番の見どころは「KOBEフードリゾートゾーン」。もともとあった砂浜を新たに整備した約3600平方メートルのビーチには、約200席の都市型リゾートBBQ空間「ラグーン BBQ クラブ」が関西初登場。ヤシの木がずらりと並び、リゾート感あふれる絶景のロケーションのなかで、思い思いのBBQを楽しむことができる。その奥には、神戸を代表する飲食店ブランド「トゥーストゥース」の新たな旗艦店がオープンする。ケーキなどを販売するパティスリーとベーカリーレストランの複合業態で同ブランドでは関西初となる。

マリンピア神戸土地活用事業の共同事業者としてラグーンエリアの環境をトータルで担当したのが、トゥーストゥースを運営するポトマック(神戸市、浜崎和弘社長)だ。同社は1999年のマリンピア神戸開業時から出店していた。今回は新ブランドの喫茶カフェ「太陽コンパス」もエリア内にオープンさせる。ラグーンエリア全体に一体感を持たせるため、リゾート感あふれるデザインを意識したという。「カリフォルニアのホテルライフをイメージ。アウトレットだけど、リゾート気分を味わえるよう、レストランでは“ハレノニチジョウ”をテーマに店づくりしている。もともと垂水エリアのお客さまが多いので、昼間だけでなく夜のニーズにも対応している」と浜崎社長は説明する。

ラグーンコミュニテイパークの「アクティビティレジャーゾーン」には、傾斜を使った滑り台やロープ登り、ボルダリングなど子供が遊べるアスレチック空間のほか、「ボーネルンド」が運営する大型の遊び場「キドキド」、「ペットパラダイス」が運営するドッグランも整備した。

ラグーンは波がない穏やかな環境のため、子供から大人まで安心して体験できるさまざまな水上アクティビティーも企画する。例えば、アウトレットモールに出店するモンベルが運営するカヤック体験イベントや、カヌーホーム監修によるカヌー教室を実施する予定。ビーチバレーやビーチヨガなどの参加できるスポーツも予定している。水難事故を防止するための安全講習など親子と子供向けの教育コンテンツも用意する。非日常の感動体験を味わえるよう、景観を生かした季節のイベントも計画する。

フードコートから絶景を眺めながら食事

アウトレットモールでは、ショッピングだけでなく、食テナントが充実している点にも注目したい。1階フードマルシェには13店舗が出店し、約200席を用意。飲茶レストラン「ゴールデンタイガー」と、北海道の寿司屋のコラボ店「札幌魚河岸57番 いきいき寿司」が関西初出店となる。イートインだけでなくテイクアウトできる店舗もあるので、屋外の大屋根広場などでイベントに参加しながら食事することも可能だ。2階フードコートには、ハンバーグや和牛肉重、うどん、シンガポールチキンラインの店など11店舗が並ぶ。小上がり席とテラス席を含む約850席があり、明石海峡大橋や瀬戸内海の絶景を眺めながら食事を楽しめる。

マリンピア神戸は国道2号線に接するほか、第二神明道路高丸IC、名谷ICが至近に位置している上、JR神戸線「垂水駅」からも徒歩9分と交通アクセスに優れている。ただ、姫路や大阪など広域からの車利用客が増えれば、施設周辺の渋滞は免れない。そこで公共交通機関の利用促進策として、対象者全員に買い物券を進呈するほか、山陽バスと連携し、垂水駅からシャトルバスを運行する。また、チケットレス駐車場システムを導入し、スムーズな車の誘導を図ることで利便性を高めることにも取り組んでいる。

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10月の百貨店売上高、32カ月ぶりマイナス 「夏日」続きで衣料品が動かず

日本百貨店協会は、2024年10月の全国百貨店売上高が前年同月比0.7%減の4447億円だったと25日に発表した。前年同月の実績を下回るのは32カ月ぶり。引き続きインバウンド(訪日客)や富裕層がけん引する高級ブランド品は好調だったものの、全国的に夏日が続く記録的な高温のため秋冬物の衣料品が動かなかった。前年同月に比べて日曜日も1日少なかった。

訪日客による免税売上高は、中国の国慶節による客数増もあって同32.3%増の508億円だった。31カ月連続の増収だった。

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「プーマ」24-25年向け“駅伝パック”で箱根のシェア拡大へ 勢いに乗る立教大陸上部も登壇 

「プーマ(PUMA)」を運営するプーマ ジャパンは11月29日、2024-25年の駅伝やマラソン大会の本格シーズンに向けて、 “エキデン グロー パック(EKIDEN GLOW PACK)”のシューズ5型を一般発売する。プーマ ジャパンは21年からパフォーマンスランニングカテゴリーに注力しており、25年1月2、3日に開催される箱根駅伝では、パートナー契約する城西大学、立教大学をはじめとした選手が「プーマ」のシューズで出走する予定。選手の走りと共に、各社のシューズ開発競争にも注目が集まる。

“エキデン グロー パック”は、「全レベルのランナーの『速くなりたい』をかなえる」(今井健司プーマ ジャパン ランニング・カテゴリーリーダー兼ヘッド・オブ・セールス)として、レーシングシューズ2型、中高の陸上部生向けを含めたトレーニングシューズ3型で構成。5型中4型で、ミッドソールに「プーマ」独自の反発力、推進力を生むフォームテクノロジー「ニトロフォーム」を採用している。

メインとなるレーシング2型は、分離したミッドソール構造とむき出しのカーボンプレートが特徴の“ファストアール ニトロ エリート2”(3万6300円)と、軽さが特徴で多くのトップランナーから支持を集めているという“ディヴィエイト ニトロ エリート3”(3万800円、片足194グラム)。また、5モデル共通で、「日々早朝からトレーニングを重ねるランナーが栄光をつかむ瞬間を描いた」というパープルとイエローの爽やかなグラデーションカラーをソールに採用した。

24年から一般ランナー向けも強化開始

「日本では21年のパフォーマンスランニング強化開始以来、まずは箱根を中心にトップアスリートに支持されるシューズにフォーカスしてきた」と今井リーダー。24年の箱根では「選手20人が着用(注:シェア率8.7%。アルペングループマガジンより)するなど、徐々にトップ選手に選ばれるブランドになってきた」と自信を見せる。選手支援の一環として、24年は23年の妙高高原(新潟)に代えて、学生スポーツの夏の合宿地として知られる菅平高原(長野)に無料で利用できるリカバリー施設もオープンし、選手との接点も増やしてきた。「10月の出雲駅伝では10人着用でシェア17%、11月の全日本大学駅伝では22人着用でシェア18%」(今井リーダー)と、箱根に向けて勢いづいている。

製品発表会には、10月に行われた箱根駅伝の予選会で優勝し、本選出場を決めた立教大学陸上部男子駅伝チームの高林祐介監督と、林虎太朗選手、稲塚大祐選手、山口史朗選手も登壇。「自分が現役選手だったころに比べて、今は(各社の開発が進み)シューズの選択肢が広がっている。それは選手にとっていいこと。カーボンプレート入りシューズはメーカーやモデルにより、かなり強い前進力を生み出すタイプや、より自然に走りをアシストするタイプなど性格はさまざまだが、特に“ディヴィエイト ニトロ エリート3”は選手自身の自然な感覚の中で速く走れるシューズ」と高林監督はコメントした。

「プーマ」がパフォーマンスランニングの強化を始めた21年は、年初の箱根駅伝で「ナイキ(NIKE)」がシェア95%以上を記録し、「プーマ」の着用者は「アシックス」などと共にゼロだった年。屈辱を胸に進めてきた、トップアスリートに支持されるパフォーマンスランニング製品の強化が3年間で一定の成果が出たとして、24年からは一般ランナー向けを含めたランニング製品強化を進めている。10月には、「プーマ」として横浜マラソンにも初めて協賛した。なお、“エキデン グロー パック”5型は、11月29日の一般発売に先駆け、25日に一部店舗で予約を開始する。

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バロック「エンフォルド」が新ライン「アーキタイプ」 風吹ジュンや坂井真紀らを起用

バロックジャパンリミテッドの「エンフォルド(ENFOLD)」から新ライン「アーキタイプ(ARCHETYPE)」が2025年1月にデビューする。英語で「原型」を意味する「アーキタイプ」は、「エンフォルド」の基や軸と位置付けるコレクションとして、シンプルでミニマルなデザインながらも上質な素材、美しいシルエットにこだわる。

商品は、仕立てを追求したメンズライクなテーラードジャケット(14万3000円)やノーカラージャケット(16万5000円)に加え、「エンフォルド」がデビュー時に発表したテーパードシルエットのドレスをイメージした構築的なドレス(9万1300円)、イギリスやイタリアの名門シャツ生地ブランドを採用したスタンダードシャツ(5万2800円)、縫製の美しさが際立つストレートのワイドパンツ(6万500円)など。22型あるファーストコレクションは、「エンフォルド」のオンラインで25年1月13日正午から、国内直営店で15日から順次販売する。9型の25年春夏コレクションは3月に発売予定。

ブランド像は“品格や才知に優れた強く美しく生きる人”

「アーキタイプ」の人物像は、さまざまなキャリアを積み重ね、品格や才知に優れた強く美しく生きる人たち。キービジュアルには、モデルに俳優の風吹ジュン、坂井真紀、モデルで歌手、俳優の甲田益也子、映画監督の安藤桃子を起用した。

同社は先日、03年スタートの「ブラックバイマウジー(BLACK BY MOUSSY)」の休止を発表したばかり。24年3〜8月期連結業績は、売上高が前年同期比2.6%減の277億円となり、3億9000万円の最終赤字を計上。国内事業の売上高は前年同期比2.3%減の253億円。同社の最大ブランド「アズール バイ マウジー(AZUL BY MOUSSY)」や「ブラックバイマウジー」などを含む、売上高の4割を占めるSCブランド群は同5.9%減、主力の「マウジー(MOUSSY)」や「スライ(SLY)」などのファッションビル・駅ビルブランドは前年並みで推移となった。一方「エンフォルド」などの百貨店ブランドは同2.8%増も、売り上げのパイは小さくSCブランドの不振をカバーするには至らなかった。価格やクオリティーの競争化にある主力のアパレルを再編する中、高価格の「エンフォルド」率いる「ナゴンスタンス(NAGONSTANS)」と「アーキタイプ」で新たなポートフォリオ作成を急ぐ。

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バロック「エンフォルド」が新ライン「アーキタイプ」 風吹ジュンや坂井真紀らを起用

バロックジャパンリミテッドの「エンフォルド(ENFOLD)」から新ライン「アーキタイプ(ARCHETYPE)」が2025年1月にデビューする。英語で「原型」を意味する「アーキタイプ」は、「エンフォルド」の基や軸と位置付けるコレクションとして、シンプルでミニマルなデザインながらも上質な素材、美しいシルエットにこだわる。

商品は、仕立てを追求したメンズライクなテーラードジャケット(14万3000円)やノーカラージャケット(16万5000円)に加え、「エンフォルド」がデビュー時に発表したテーパードシルエットのドレスをイメージした構築的なドレス(9万1300円)、イギリスやイタリアの名門シャツ生地ブランドを採用したスタンダードシャツ(5万2800円)、縫製の美しさが際立つストレートのワイドパンツ(6万500円)など。22型あるファーストコレクションは、「エンフォルド」のオンラインで25年1月13日正午から、国内直営店で15日から順次販売する。9型の25年春夏コレクションは3月に発売予定。

ブランド像は“品格や才知に優れた強く美しく生きる人”

「アーキタイプ」の人物像は、さまざまなキャリアを積み重ね、品格や才知に優れた強く美しく生きる人たち。キービジュアルには、モデルに俳優の風吹ジュン、坂井真紀、モデルで歌手、俳優の甲田益也子、映画監督の安藤桃子を起用した。

同社は先日、03年スタートの「ブラックバイマウジー(BLACK BY MOUSSY)」の休止を発表したばかり。24年3〜8月期連結業績は、売上高が前年同期比2.6%減の277億円となり、3億9000万円の最終赤字を計上。国内事業の売上高は前年同期比2.3%減の253億円。同社の最大ブランド「アズール バイ マウジー(AZUL BY MOUSSY)」や「ブラックバイマウジー」などを含む、売上高の4割を占めるSCブランド群は同5.9%減、主力の「マウジー(MOUSSY)」や「スライ(SLY)」などのファッションビル・駅ビルブランドは前年並みで推移となった。一方「エンフォルド」などの百貨店ブランドは同2.8%増も、売り上げのパイは小さくSCブランドの不振をカバーするには至らなかった。価格やクオリティーの競争化にある主力のアパレルを再編する中、高価格の「エンフォルド」率いる「ナゴンスタンス(NAGONSTANS)」と「アーキタイプ」で新たなポートフォリオ作成を急ぐ。

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新生「マリンピア神戸」売上高の中期目標300億円 景勝地の優位性を生かす

三井不動産は22日、建て替え開業を26日に控える「三井アウトレットパーク マリンピア神戸」を関係者に公開した。2023年1月に閉館し、全面的な建て替え工事を進めていた。店舗面積や店舗数などをスケールアップするとともに、瀬戸内海の海辺の立地を生かしたラグーン(人工海水池)を整備し、カヤックなどの水上アクティビティー、ビーチでのバーベキューが楽しめるようにした。リゾートアウトレットとして広域から集客を狙う。

瀬戸内海と淡路島、明石海峡大橋を間近に臨む海辺に立地する。幹線道路や駅からも近く、観光ルートの動線上にあるため、旅行のついでの集客も見込める。店舗面積は約3万2000平方メートル(建て替え前は約2万3000平方メートル)、店舗数は145店舗(同130店舗)に拡大した。

ユナイテッドアローズ、ビームス、ベイクルーズ、アーバンリサーチなどのセレクトショップ、ナイキ、アディダス、アシックス、プーマなどのスポーツブランドが充実している。2層の大型店のモンベルは、ラグーンでカヤックのイベントを定期的に催す。

22日に記者会見した三井不動産の常務執行役員の若林瑞穂氏は「アウトレットモールは店舗の顔ぶれだけでなく、買い物以外の体験価値が求められている」と話した。景勝地の優位性を生かしたアクティビティーを充実させることで、ファミリーで長く滞在できる施設を目指す。

もう一つ、建て替え前との大きな違いは、建物の屋内に店舗を入れたことだ。建て替え前は屋外の店舗が多かった。アウトレットモールで主流の屋外の店舗は開放感があるが、天候に左右されやすい側面がある。若林氏は「(建て替え前は)海辺のため、雨だけでなく強風や強い日差しに悩まされていた」と説明する。海辺の借景を生かしたラグーンや広場、テラスなど屋外施設を充実しつつ、ショッピングに関しては快適な屋内の環境を提供する。

テナントからの期待も高い。「ドットエスティ」を出店したアダストリアの新井和路部長は「リゾート型のアウトレットモールはニュース性がある。関西広域からの集客が期待できる」、「ロペピクニック/ビス」のジュンの藤原旬児副部長も「淡路島など観光で盛り上がっているエリアであり、幅広い層が集まる」と予想する。

売上高は当面270億円、長期的には300億円を見込む。建て替え前は約170億円だったため、大幅な増収計画となる。年間の入館者目標は買い物客の700万人をベースにしながら、レジャー目的の人も含めて1000万人を見込む。

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LVMHの財務トップがワイン&スピリッツ部門のCEOに アルノー会長の次男は同部門の副CEO

LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)は、ワイン&スピリッツ部門の新たな社長兼最高経営責任者(CEO)として、ジャン・ジャック・ギヨニー(Jean-Jacques Guiony)LVMH最高財務責任者(CFO)を任命した。また、同部門の副CEOには、ベルナール・アルノー(Bernard Arnault)LVMH会長兼CEOの次男であるアレクサンドル・アルノー(Alexandre Arnault)=ティファニー プロダクトおよびコミュニケーション部門 エグゼクティブ・バイス・プレジデントを任命。いずれも、2025年2月1日付で就任する。

ギヨニーCFOの後任には、セシル・カバニス(Cecile Cabanis)財務部長代理が同日付で昇格する。社外から6月10日付で現職に就任した同氏は、いずれギヨニーCFOの役職を引き継ぐことが当初より明らかにされていた。

ワイン&スピリッツ部門は、「ヘネシー(HENNESSY)」「モエ・エ・シャンドン(MOET & CHANDON)」「ドン ペリニヨン(DOM PERIGNON)」などを含む27のブランドを擁する。21年にわたってLVMHのさまざまな要職を歴任し、2017年から同部門を率いてきたフィリップ・シャウス(Philippe Schaus)会長兼CEOは、「経営幹部ではない、新たな役割にフォーカスすることを決断した」という。25年上半期は業務の引き継ぎなどを行い、新体制をサポートする。

傘下の「ヘネシー」でも人事異動

また、18年から24年10月までクリスチャン ディオール クチュール(CHRISTIAN DIOR COUTURE)に在籍していたシャルル・ドゥラパルム(Charles Delapalme)前マネージング・ディレクターは、ヘネシーの社長兼CEOに就任する。同氏の後任には、プラダ グループ(PRADA GROUP)が擁するミュウミュウ(MIU MIU)で以前CEOを務めていたベネデッタ・ペトルッツォ(Benedetta Petruzzo)新マネージング・ディレクターが10月15日付で着任している。

現在ヘネシーを率いているローラン・ボワロ(Laurent Boillot)CEOは、業務の引き継ぎ後、グループ内で新たな役職に就くという。

ワイン&スピリッツ部門の業績について

大幅な人事刷新となったワイン&スピリッツ部門だが、業績は芳しくない。主に中国市場における高級酒の需要が減速していることから、24年1~6月期(上半期)決算の売上高は、前年同期比同11.7%減の28億700万ユーロ(約4547億円)だった。また、来年1月半ばにはドナルド・トランプ(Donald Trump)米次期大統領が就任するため、米国に輸出する際の関税の引き上げも懸念事項の一つとしてあるなど、厳しい船出となりそうだ。

人事部門でも異動

LVMHでは最近、人事部門でも動きがあった。07年に人事部門ディレクターとしてLVMHに入社し、その後昇格したシャンタル・ガンペルレ(Chantal Gaemperle)人事・シナジー部門エグゼクティブ・バイス・プレジデントは、11月13日に退任を発表。後任として、LVMHのさまざまな人事部門で働いてきたモード・アルバレス・ペレール(Maud Alvarez-Pereyre)=チーフ・ピープル&トランスフォーメーション・オフィサーが12月1日付で就任する。

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LVMHの財務トップがワイン&スピリッツ部門のCEOに アルノー会長の次男は同部門の副CEO

LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)は、ワイン&スピリッツ部門の新たな社長兼最高経営責任者(CEO)として、ジャン・ジャック・ギヨニー(Jean-Jacques Guiony)LVMH最高財務責任者(CFO)を任命した。また、同部門の副CEOには、ベルナール・アルノー(Bernard Arnault)LVMH会長兼CEOの次男であるアレクサンドル・アルノー(Alexandre Arnault)=ティファニー プロダクトおよびコミュニケーション部門 エグゼクティブ・バイス・プレジデントを任命。いずれも、2025年2月1日付で就任する。

ギヨニーCFOの後任には、セシル・カバニス(Cecile Cabanis)財務部長代理が同日付で昇格する。社外から6月10日付で現職に就任した同氏は、いずれギヨニーCFOの役職を引き継ぐことが当初より明らかにされていた。

ワイン&スピリッツ部門は、「ヘネシー(HENNESSY)」「モエ・エ・シャンドン(MOET & CHANDON)」「ドン ペリニヨン(DOM PERIGNON)」などを含む27のブランドを擁する。21年にわたってLVMHのさまざまな要職を歴任し、2017年から同部門を率いてきたフィリップ・シャウス(Philippe Schaus)会長兼CEOは、「経営幹部ではない、新たな役割にフォーカスすることを決断した」という。25年上半期は業務の引き継ぎなどを行い、新体制をサポートする。

傘下の「ヘネシー」でも人事異動

また、18年から24年10月までクリスチャン ディオール クチュール(CHRISTIAN DIOR COUTURE)に在籍していたシャルル・ドゥラパルム(Charles Delapalme)前マネージング・ディレクターは、ヘネシーの社長兼CEOに就任する。同氏の後任には、プラダ グループ(PRADA GROUP)が擁するミュウミュウ(MIU MIU)で以前CEOを務めていたベネデッタ・ペトルッツォ(Benedetta Petruzzo)新マネージング・ディレクターが10月15日付で着任している。

現在ヘネシーを率いているローラン・ボワロ(Laurent Boillot)CEOは、業務の引き継ぎ後、グループ内で新たな役職に就くという。

ワイン&スピリッツ部門の業績について

大幅な人事刷新となったワイン&スピリッツ部門だが、業績は芳しくない。主に中国市場における高級酒の需要が減速していることから、24年1~6月期(上半期)決算の売上高は、前年同期比同11.7%減の28億700万ユーロ(約4547億円)だった。また、来年1月半ばにはドナルド・トランプ(Donald Trump)米次期大統領が就任するため、米国に輸出する際の関税の引き上げも懸念事項の一つとしてあるなど、厳しい船出となりそうだ。

人事部門でも異動

LVMHでは最近、人事部門でも動きがあった。07年に人事部門ディレクターとしてLVMHに入社し、その後昇格したシャンタル・ガンペルレ(Chantal Gaemperle)人事・シナジー部門エグゼクティブ・バイス・プレジデントは、11月13日に退任を発表。後任として、LVMHのさまざまな人事部門で働いてきたモード・アルバレス・ペレール(Maud Alvarez-Pereyre)=チーフ・ピープル&トランスフォーメーション・オフィサーが12月1日付で就任する。

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「マイトレックス」から“深さ”が調整可能なハンディガン2種が発売 ECが7割でも“リアル”を強化

創通メディカルの美容健康ブランド「マイトレックス(MYTREX)」は21日、ハンディガンシリーズ“リバイブ”から“リバイブ2”(2万5960円)と“リバイブ ミニ XS2”(2色、1万4960円)を発売した。公式ECサイト、楽天市場、アマゾンなどで取り扱う。

今回の商品は、振動スピードの調整に加えて深さの調整も可能になった。「人の施術とは異なり、個体差に合わせることができない」という従来品の課題を解決し、使用者や使用部位に合わせたケアをかなえる。今年8月から先行発売をしたところ想定の2.25倍のベースで販売が進み、初回生産分が完売するほど反響があった。

“リバイブ2”は、速さがレベル1〜5までの5段階、深さが2〜8mmまでの7段階で合計35通りの設定が可能。“リバイブ ミニ XS2”は、速さがレベル1〜5までの5段階。深さが2〜7mmまでの6段階で合計30通りの設定が可能になっている。付属する5種のアタッチメントを使い分けることで、頭皮、肩、首、背中などから足裏までケアができる。

ハンディガンシリーズの新商品2種の発売を記念し、11月21〜25日まで東急プラザ原宿「ハラカド」2階・「COVER」でポップアップを開催中。新商品に加えて美容カテゴリーのフルラインアップをそろえ、すべてのアイテムを体験できる。期間限定のセット販売や特典なども用意する。

新商品の発売に合わせ、“リバイブ”シリーズのイメージキャラクターにモデル・俳優の小松菜奈を起用。小松が日常生活の中で商品を使いこなす様子を表現したCMを22日から全国で放映している。

累計販売台数250万台を突破

「マイトレックス」は2017年に誕生。「習慣を変えるのではなく、習慣に溶け込むセルフケア」をコンセプトに掲げ、リアルな悩みを起点にオールインワン性とポータビリティ性を両立した商品を開発する。コロナ禍に増えた“自宅ケア”需要をきっかけにハンディーガンシリーズの売り上げが伸長。シャワーヘッドや美顔器などの美容カテゴリーにも商品ラインアップを拡充し、24年1月にはブランド累計出荷台数250万個を突破した。

主客層は30〜40代で、男女比は3対7。男性客の取り込みにも注力しており、特にリフトケア美顔器、ヘッドスパ、美容シャワーヘッドの男性比率は前年から伸長している。

ECと卸の売り上げ構成比は7対3。数値で見ると卸が高いが、「家電量販店やポップアップで実物を見た人がオンラインで買うというケースも多い」(事業戦略部の岩橋葉月氏)と、今後はリアルなタッチポイントの増加に注力する。まずは全国でポップアップを積極的に開催し、ゆくゆくは実店舗のオープンも視野に入れる。25年春には、光美容シリーズ“ミライ”から“マルチヘッド多機能美顔器”と“高出力フラッシュミラー”を発売する予定だ。

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「バンテリン」の興和が昆虫界の最強ファイバー「ミノムシ糸」の商業生産に超本気

興和は11月20日、かねてから研究を行ってきたミノムシの糸を使った商業生産に世界で初めて成功したと発表した。同社はすでに数百万頭クラスの飼育に成功しており、ミノムシ糸を使ったシートやショートカットファイバーを使った炭素繊維複合材料(CFRP)の開発に成功。C数ヵ月以内に有力スポーツブランドが素材に使ったスポーツ用品を販売する予定だという。今後は「ミノロン(MINOLON)」ブランドで、スポーツ用品や自動車のボディ、防弾チョッキ、電子機器の筐体などの用途での製品化を目指す。

同日に行われた会見には、三輪芳弘社長を筆頭に奥村睦男・取締役専務執行役員、野村保夫・取締役常務執行役員ら最高幹部が出席した。三輪社長は「環境に優しくサステナブルで、かつ超強力なミノムシ繊維には、次世代の繊維素材としてすごく大きな可能性を感じている。トン単位での量産には数百億円規模の投資も必要になるが、パートナー探しや補助金などの活用も含めて検討したい」と意気込む。

先行して商品化が進むCFRP製のスポーツ用品には、ミノムシの行動を制御してミノムシに自ら不織布のような形状で生産させる「ミノロン」シートを複合して製品化した。ミノムシの糸は、弾性率や破断強度、タフネスまで、これまで昆虫界最強と言われたクモの糸よりも強い。そのため「ミノロン」シートをCFRPと複合すると、衝撃吸収製やタフネス性を付与できるという。

また、ミノムシ繊維をショートカットファイバーにして複合した「ミノムシ繊維強化プラスチック(FRP)」でも、破断伸度を維持しながら強度も上昇する、従来にはない特徴を実現できたという。生分解性のプラスチック素材に複合すれば、リサイクル性などで環境配慮型でかつ物性を高めた、新しいタイプのFRPの開発にも生かせる。

ミノムシ糸の研究開発を担当する浅沼章宗・興和上級研究職ミライ事業企画室長は「農研機構の力を借りて、この数年で数百万頭レベルの人工飼育に成功した。スペースも大きめの会議室くらいのスペースで行っており、生産性もカイコレベルで高い」という。現在の生産能力は、「ミノロン」シート換算で年間1000㎡という。

また、糸をそのまま使うだけでなく、スパイバーのように「これまで培ってきたバイオやメディカルの知見を生かし、人工構造タンパク質素材としての商業生産の検討も進めている」(奥村睦男・取締役専務執行役員)という。

CFRPやFRPなどの産業資材分野での研究開発が先行しているものの、「アパレル分野でも(ブランドや企業から)要望があればぜひ一緒に商業化したい」(三輪社長)という。

次世代の繊維素材は、スパイバーを筆頭に海外でも菌糸やスパイダーシルク(クモとシルクを融合したような化学繊維)などの研究開発が進んでおり、一部の企業はベンチャーキャピタルや投資ファンドから大量の資金調達に成功している。興和は、ここに「ミノムシ」で参入する。

ミノムシ対クモ。「昆虫最強ファイバー」を巡る新たな戦いの火蓋が切って落とされた。

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東レ最後のキャンペーンガール、間瀬遥花さんが語る「私と東レ」

東レは11月6日、1981年以来43年にわたって続いてきた「東レ水着キャンペーンガール」を終了すると発表した。当初は水着素材のプロモーションを目的にスタート、2015年から水着を外し、「東レキャンペーンガール」という名称で続けてきた。最後の「東レキャンペーンガール」になる間瀬遥花さんに直撃した。

東レの国内全拠点の社員と交流

WWD:一番の思い出は?

間瀬遥花(以下、間瀬):うーん。たくさんあって選べないです。いろいろなお仕事に挑戦させてもらいました。東レの全国の事業拠点を回ったり、ときには「1日署長」をやらせていただいたり。3年間(2022〜24)もやらせていただいたので、全国にある東レの全事業所の社員の方々と交流できました。これはとてもいい経験になりましたし、歴代のキャンペーンガールとしても希少だったと思います。

WWD:東レのキャンペーンガールになって、何が変わった?

間瀬:モデルとして活動していた名古屋から上京して、初めて受けたオーディションが「東レキャンペーンガール」でした。それまでは大勢の人の前に出て話したり、取材を受けたり、といったこともほとんどなく、モデル以外のお仕事としても、上京して初めてのお仕事としても、とても貴重な経験でした。いま振り返ってみても、東レを通して、日本の企業がどういったことをしているのかを知ったり、そこで働く人たちとの交流を通して、いろいろなことを吸収できたことはとても貴重な経験でした。

WWD:今日の会見でもカンペを見ず、質問に相手をしっかりと見ながら答える姿が印象的でした。今後は?

間瀬:キャンペーンモデルの先輩方のように、もっと活動の幅を広げるべく、いまは演技のお勉強もしています。そういった部分でも「東レキャンペーンモデル」での経験が生きてくる。そう思っています。まだ少し続きますが、これまでありがとうございました。

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「アー・ペー・セー」に新社長が就任 「バッシュ」の売り上げを7倍にしたCEO

LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)系の投資会社Lキャタルトン(L CATTERTON)は、保有する仏ライフスタイルブランド、アー・ペー・セー(A.P.C.)の新たな社長として、仏アパレルブランドのバッシュ(BA&SH)で最高経営責任者(CEO)を務めていたピエール・アルノー・グレネード(Pierre-Arnaud Grenade)を任命した。

「アー・ペー・セー」は、1987年にジャン・トゥイトゥ(Jean Touitou)=デザイナーがパリで創業。質の高い、シンプルかつフレンチシックなカジュアルウエアで人気を博し、「ラコステ(LACOSTE)」「カーハート(CARHARTT)」「ア ベイシング エイプ®(A BATHING APE®︎)」「サカイ(SACAI)」などのブランドと協業している。しかし、コロナ禍の影響で財政難に陥り、2023年3月に過半数株式をLキャタルトンに売却。その際、トゥイトゥ創業デザイナーは「肩の荷が下りてほっとした」と語り、今後もクリエイティブ面での変化はないものの、ビジネス面や成長戦略はLキャタルトンに委ねたいと述べている。なお、Lキャタルトンによれば、当時の「アー・ペー・セー」の売り上げは1億ユーロ(約162億円)をやや上回る程度で、将来的にはおよそ5倍に成長する見込みがあるという。

グレネード新社長の経歴について

グレネード新社長は、現在56歳。モルガン(MORGAN)、オックスボー(OXBOW)、プリンセス タム・タム(PRINCESS TAM TAM)で最高執行責任者などの要職を歴任したほか、仏ウィメンズウエア連盟(FRENCH FEDERATION OF WOMEN’S READY-TO-WEAR)のアドミニストレーター務めている。

「バッシュ」は2003年の創業。15年にLキャタルトンが過半数株式を取得した際、CEOとしてグレネード新社長を任命した。同氏の指揮の下で成長軌道に乗り、欧州だけでなく北米やアジアでも販売網を拡大。22年にLキャタルトンが英投資会社HLDグループ(HLD GROUP)に持ち分を売却した際の業績は、15年当時と比べて売上高は約7倍の3億2000万ユーロ(約518億円)だった。

「アー・ペー・セー」は声明の中で、「グレネード新社長には、ブランドのクリエイティブ面をさらに拡充しつつ、財務構成を強化し、精選した成長機会をもたらしてくれることを期待している」とコメントした。

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アシックス、ライフスタイルスニーカーで26年に売上高1550億円へ 新イノベーション施設に投資も 

アシックスは足元の好調を受けて、2026年12月期を最終年度とする中期経営計画を上方修正した。23年に発表していた当初計画は、既に24年12月期で超過見込み。新中計では、営業利益1300億円以上(修正前は800億円以上)、営業利益率17%以上(同12%以上)、売上高年平均成長率10%前後(同7〜10%)、ROA15%前後(同10%前後)を掲げる。「当社にはまだまだ成長余地がある。ここ数年のような急激な伸びが続くとは思わないが、この中計はわれわれの自信の表れ」と廣田康人会長CEO。

24年12月期業績は、2回の上方修正をへて売上高が前期比19.2%増の6800億円、営業利益が同84.4%増の1000億円、営業利益率14.7%で着地する見込み。スポーツスタイルとオニツカタイガーの躍進が営業利益の大幅拡大をけん引した。パフォーマンスランニングは引き続き堅調で、高価格帯製品への注力で単価が上昇、在庫管理徹底によるセール抑制、ECを中心とした直販拡大で粗利が大幅に改善した。地域別では日米欧が成長。今後は中華圏やインド・東南アジアなど新興国にもさらに注力する。

主に投資家に向けた11月19日の説明会では、「イノベーションがない企業は成長できない」(富永満之社長COO)として、もうけをさらなるイノベーションやR&Dネットワーク構築のために投資すると発表。1990年に竣工したアシックススポーツ工学研究所は設備も古くなってきているとして、それに代わる研究ハブ“アシックス イノベーション キャンパス”を神戸に設置する構想を明かした。

ライフスタイルスニーカーの
ライバルは「ニューバランス」?

説明会では、「アシックスの成長ドライバーに仲間入りしつつある」(廣田会長)、ライフスタイルカテゴリーのスポーツスタイルの戦略も発表した。顧客ターゲットを明確に定め、中高級品にフォーカスして適切な需給コントロールで成長してきた過去5年間を振り返ると共に、カテゴリー売上高として、26年12月期に1550億円(24年12月期は前期比約63.5%増の970億円で着地見込み)という目標を公表した。

スポーツスタイルが主戦場とする90ドル(約1万3770円)以上のライフスタイルスニーカー市場において、「恐らくナイキ(NIKE)は当社の8〜9倍、企業規模や製品構成も当社と近いニューバランス(NEW BALANCE)は3〜4倍のシェアがあるが、われわれも24年には2兆9000億円の市場の4.3%ほどを獲っている」と鈴木豪執行役員スポーツスタイル統括部長。今は他社を含めランニングシューズ自体がファッションとしてトレンド化しており、それがスポーツスタイルの成長に貢献したという指摘もあるが、「濃淡はありつつもランニングシューズはいつの時代も支持され続けている。また、当社にはテニスやレスリングなど参照すべき他競技のヘリテージもある」などと話した。

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松坂屋名古屋店の新ファッションフロア “百貨店婦人服”から脱却

松坂屋名古屋店は19日、改装した本館4階のファッションフロアをあす20日の開店に先駆けて関係者に公開した。同店は今年秋から来年秋にかけて売り場面積の3割にあたる約2万7000平方メートルを順次リニューアルする予定で、その第1弾となる。最大の面積を占めていた婦人服売り場を6割減らした上で、グレードの高いアパレル、バッグ、ジュエリー、フレングランス、雑貨、アートなどの複合フロアに再構成した。

アパレル、ジュエリー、アート

本館4階のフロアの中央には松坂屋が企画・運営するテーマゾーン「セントラルステージ」(231平方メートル)を置いた。「マディソンブルー」「ハルノブムラタ」「CFCL」などのアパレル、「ヒロタカ」「ヒーミー」などのジュエリーを集積する。また東京・表参道のスパイラルアートギャラリーが運営するギャラリーが常設され、約1カ月ごとにテーマ展を開く。
ショップインショップは32店舗。そのうち14店舗が新規導入で、アパレルでは「コラム」「コルコバード」「シクラス」が東海地区初出店となる。バッグではイタリアの「ボナベンチュラ」、馬具作りの技術を生かした「シゼンドウ」などを誘致した。
同店の改装プロジェクトを担当する建築家・永山祐子氏によるフロアデザインは、導線を広く取り、フロア全体の見通しを良くすることで回遊性を高める。共有スペースの壁、柱、床には真鍮と銅を象徴的に用いる。松坂屋のシンボルであるカトレヤのつぼみを美濃和紙で作った装飾がいたるところで使われている。レストルームのひのきのベンチは、春日井市の工房が3D技術によって曲線的な造形に仕上げた。

若い女性客の買い回りを促す

改装にあたっては長年の課題解決が求められた。従来の婦人服フロアは、約20年にわたって顔ぶれがあまり変わっていなかった。識別顧客(外商、カード、アプリ)の消費行動を分析すると、近年増えている若い世代の顧客はラグジュアリーブランド、化粧品、食品などを買い回っているにもかかわらず、婦人服フロアの利用が少ない実情が明らかになった。
大丸松坂屋百貨店の江原忠志マネジャーは「中層階の婦人服で買い回りが分断されていた。この若い世代のお客さまを呼べれば、一気に活性化する」と話す。29日に増床オープンする本館3階の特選フロアとの買い回りを念頭に、目の肥えた女性客を回遊させたい考えだ。

ブランドは大胆に入れ替えた。取締役兼常務執行役員の加藤俊樹・営業本部長は「バッグから服まで全てをハイブランドでそろえるお客さまは少ない。顧客データを精緻に分析したうえで継続するもの、新しく入れるものを決めた。(消費の二極化が叫ばれているが、著しく値上がりした)ハイブランドよりも少し値頃で上質な商品を求めるニーズは確実に存在する」と説明する。

取引先からも期待も大きい。東海地区初出店の「コラム」(エストネーション)の担当者は「これまでのポップアップイベントの実績から商圏に良いお客さまがたくさんいることを実感している。(松坂屋名古屋店は)外商が強いことも魅力だ」と話す。
松坂屋名古屋店は本館、北館、南館の3館体制で売り場面積は約8万6000平方メートル。25年2月期の売上高は1346億円の見通しで、大丸松坂屋の中では不動の一番店(売上高が全国最大)である。

19日の内覧会を訪れた親会社J.フロントリテイリングの小野圭一社長は「名古屋はグループの中でも最重要エリア。改装を進める松坂屋、隣接するパルコ、それに開発中のザ・ランドマーク名古屋栄(三菱地所などとの共同事業)で最大のシナジーを作り出していきたい」と述べた。

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「ア コールド ウォール」を親会社が売却 創業デザイナーはブランドを離れ新プロジェクトを立ち上げ

アパレルブランドの運営およびディストリビューションを行う英トゥモロー(TOMORROW)は、保有するストリートブランド「ア コールド ウォール(A-COLD-WALL)」を、英ディストリビューターのフォーマーケティング(FOUR MARKETING)に売却した。取引金額などの詳細は非公開。

「ア コールド ウォール」は、2015年にデザイナーのサミュエル・ロス(Samuel Ross)がロンドンで設立。インダストリアルなストリートウエアを得意としつつ、ミラノ・ファッション・ウイークに発表の場を移してからはクリーンなテーラリングも披露している。トゥモローは18年に同ブランドの少数株主となり、23年にロス創業デザイナーから残りの株式を取得して傘下に収めた。なお、同氏はすでにブランドを離れており、9月にはスローファッションを軸とした新たなプロジェクト「SR_A(SAMUEL ROSS_ATELIER、サミュエル ロス_アトリエ)」を立ち上げている。

トゥモローとフォーマーケティングについて

トゥモローは、アパレルブランドのディストリビューションやショールームの運営などを手掛けている。「ア コールド ウォール」のほかには、「マーティン ローズ(MARTINE ROSE)」「コペルニ(COPERNI)」「チャールズ ジェフリー ラバーボーイ(CHARLES JEFFREY LOVERBOY)」などのブランドや、ロンドンのセレクトショップ、マシン-A(Machine-A)などに投資。なお、「ア コールド ウォール」の英国外でのディストリビューションは、今後もトゥモローが取り扱う。

フォーマーケティングは、1997年にロンドンで設立。「ストーンアイランド(STONE ISLAND)」「ウールリッチ(WOOLRICH)」「カッパ(KAPPA)」などのディストリビューションを行っており、2017年にはデジタルクリエイティブ事業のプレゼント(PRESENT)をスタートした。なお、15年には英小売のフレイザーズ・グループ(FRASERS GROUP)がフォーマーケティングの株式の25%を取得し、19年にはそれを49%に引き上げている。

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伊藤忠・繊維、純利益730億円に大幅上方修正 25年3月期見通し

伊藤忠商事は、2025年3月期の純利益を730億円と大幅に上積みする。約1826億円を投じ成立したTOBにより完全子会社化したデサント株の再評価益が中心。期初には330億円を計画していた。

伊藤忠の4〜9月期決算は純利益が前年同期比11億円増の127億円だった。主力子会社では、ジョイックスコーポレーションと「アンダーアーマー」を展開するドームが収益トントン、レリアンが2億円の赤字、エドウインが1億円、副資材卸大手の三景が10億円、中国子会社の伊藤忠繊維貿易(中国)が19億円だった。下期に向けてはスポーツやブランド事業、OEM事業などで伸ばす考え。

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ニューガーズ、イタリア倒産法の適用を申請か 事業を継続しつつ再建を目指すと海外メディアの報道

伊アパレル企業ニューガーズグループ(NEW GUARDS GROUP以下、NGG)は11月18日、日本の民事再生法にあたるイタリア倒産法(Composizione Negoziata della Crisi、CNC)の適用を申請したと海外メディアが報じた。CNCは破産の手続きをするものではなく、NGGは同法の下で債務を整理しつつ事業を継続し、再建を目指すという。

NGGは2015年にミラノで設立。マルセロ・ブロン(Marcelo Burlon)と、人気セレクトショップのアントニオーリ(ANTONIOLI)を運営するクラウディオ・アントニオーリ(Claudio Antonioli)、ミラノ発のカジュアルブランド「ヴィンテージ55(VINTAGE 55)」の創業者ダヴィデ・ドゥ・ジーリオ(Davide De Giglio)の3人が共同出資した。「マルセロ・ブロン カウンティ・オブ・ミラン(MARCELO BURLON COUNTY OF MILAN)」「パーム エンジェルス(PALM ANGELS)」「アンブッシュ(AMBUSH)」「ヘロン・プレストン(HERON PRESTON)」などのブランドを擁するほか、「オフ-ホワイト c/o ヴァージル アブロー(OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH)」(以下、オフ-ホワイト)をライセンス生産している。

19年8月、高級ECのファーフェッチ(FARFETCH)がNGGを6億7500万ドル(約1039億円)で買収。しかし、ファーフェッチは23年12月15日に経営破綻に陥っていることが明らかになり、同18日に韓国の大手EC企業クーパン(COUPANG)によって買収された。

「リーボック」の販売代理店契約の終了が痛手に?

NGGは「リーボック(REEBOK)」を保有する米ブランドマネジメント会社オーセンティック・ブランズ・グループ(AUTHENTIC BRANDS GROUP以下、ABG)と22年3月に提携し、23年5月には同ブランドの欧州における販売代理店業務などを手掛けるNGG++部門を立ち上げている。しかし、新たな契約条件で合意に至らなかったことから、ABGは24年11月初旬に同契約を終了。情報筋によれば、これに伴い、NGGはABGに対しておよそ3億ドル(約462億円)のロイヤルティーを支払う義務があるという。

なお、24年1月には、伊ファンドのスタイル キャピタル(STYLE CAPITAL)がNGGの買収を検討していると報じられたが、現時点では実現していない。

今回のイタリア倒産法の適用申請に関し、NGG、ファーフェッチ、クーパンからのコメントは得られなかった。

クーパンについて

クーパンは、“韓国のアマゾン”とも呼ばれるeコマース企業。24年4~6月期(第2四半期)決算は、売上高が前年同期比25.4%増の73億2300万ドル(約1兆1277億円)、営業損益は前年同期の1億4800万ドル(約227億円)の黒字から2500万ドル(約38億円)の赤字に、純損益は1億4500万ドル(約223億円)の黒字から1億500万ドル(約161億円)の赤字となった。純損失にはファーフェッチによる損失などが含まれている。なお、8月には、ファーフェッチの企業向けECプラットフォーム事業、ファーフェッチ・プラットフォーム・ソリューション(Farfetch Platform Solutions)を終了することを発表している。

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「ミズノ」24-25年のエリートランナー向けシューズ発売 「爆発的な反発」生む新ソール素材

「ミズノ(MIZUNO)」は11月29日、2024-25年の駅伝やマラソンシーズンに向けたエリートランナー向けのシューズ2型を発売する。「反発こそ、勝利への一歩。」と銘打ち、技術を結集して「爆発的な反発でスピードをアシストする」シューズを開発。話題性の高い1月2、3日の箱根駅伝でも、選手着用率をどこまで高められるか注目が集まる。

新型2モデルは、前足部(フォアフット)着地の走法の選手に向けた“ウエーブ リベリオン プロ スリー(WAVE REBELLION PRO 3)”(片足約225グラム)と、中足部接地の選手に向けた“ウエーブ リベリオン プロ ロー(WAVE REBELLION PRO LOW)”(片足約215グラム)。価格はどちらも2万9700円だ。

両シューズの最大のポイントは、高い反発性を生むために、「ミズノ」独自のソール素材“ミズノ エナジー”よりも柔らかく反発性があるという次世代ミッドソール素材、“ミズノ エナジーXP”を採用した点。「ソールの原材料として何を使うかはもちろん、熱や圧力、温度などの成形条件によっても柔らかさや反発性が変わってくる。開発には非常に苦労した」と開発担当者。

ふくらはぎの筋肉の負荷を減らすために、両モデルとも(特に“ウエーブ リベリオン プロ スリー”で)ソールのかかと部分が切れ上がる形状を採用。また、「市場全般として、柔らかいソールが増えて不安定感が増している」という分析から、接地するエリアがより広く、フラットになるソール構造とした。ソールには引き続きカーボン繊維強化ナイロンプレートの“ミズノ ウェーブ(MIZUNO WAVE)”を内蔵。「(カーボンプレート内蔵シューズがもはや当たり前になったが)一口にカーボンと言っても製法によって反応は全く異なる。当社のプレートは樹脂によってしなって戻る力がある点が差別化ポイント」という。

「ミズノ」は21年に、「スムーズに速く走る」ことを純粋に探求する、“スムーススピードプロジェクト”を部門横断で立ち上げた。「以来、過去の売れ行きや実績、開発期間などに囚われることなく、ゼロベースで開発を進めている」と開発担当者。21年といえば、箱根駅伝で「ナイキ(NIKE)」が選手着用率95%超を叩き出した年。以来、各社の開発競争が激化しており、25年の箱根でも「ミズノ」を含めた各社がどこまで「ナイキ」からシェアを奪えるかが、選手の走りと共に大きなトピックスとなっている。

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地方百貨店は生き残れるか:記者談話室vol.153

「WWDJAPAN」ポッドキャストの「記者談話室」は、ファッション業界のその時々のニュースや話題について、3人の記者が分かりやすく解説したり、時には脱線したりしながら、掘り下げていきます。

第153回のテーマは「地方百貨店は生き残れるか」。東京や大阪など大都市の有力百貨店は、富裕層やインバウンドの旺盛な消費で過去最高の売り上げを記録しています。対照的に、地方都市の百貨店では閉店が相次ぎ、県内に百貨店が全くなくなる「百貨店ゼロ県」も増加中です。逆風の中、地方百貨店は何をすべきか。大規模改装など変革を進める岩手県盛岡市の「川徳」の事例をもとに考えます。

この配信は以下のアプリでもご利用いただけます。
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Spotify

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【無料キャリアセミナー】マッシュスタイルラボの企画室で働く醍醐味を知ろう

 \学生・第二新卒者向けセミナー/
国内アパレルのリーディングカンパニー、マッシュスタイルラボの企画室は
生き生きと働く社員が多いのはナゼ?

WWDJAPANは12月13日、マッシュグループの採用活動の一環として、同社ファッション事業の企画職にフィーチャーした就活生向けのセミナーを実施します。
マッシュグループは年商1200億円を突破(2024年8月期)するなどアパレル業界のリーディング企業として成長を続けており、「ジェラート ピケ」「スナイデル」「フレイ アイディー」など女性を中心に支持を集める人気ブランドを数多く展開しています。

今回のセミナーでは、そんなマッシュスタイルラボの服作りの源泉とも言える企画職をはじめ、PRやMDなど「デザイン」に深く関わる職種で働く魅力を掘り下げます。旬なトレンドを常に一歩先にキャッチし市場をリードし続ける感度や、それを形にしてファッションとして届けるモノ作りのこだわり。今回のセミナーはマッシュグループを取材し続けてきた記者や、世界のランウエイをウオッチし続けてきた村上要「WWDJAPAN」編集長が水先案内人となり、マッシュグループのモノ作りの深層にある情熱を感じられます。「服作りに本気で打ち込みたい」「今の時代に価値のあるクリエイションを形にしたい」ーーそんな思いを抱く学生にこそ聞いて頂きたいセミナーです。

「WWDJAPAN」企業研究とは

「WWDJAPAN」企業研究ではファッションやビューティ業界の未来を担う若い世代の活躍を願い、業界の魅力を深く掘り下げ、多角的に企業理解を深めることができるU25向けのオフラインイベントを開催します。本イベントでは、国内外の経営層から現場まで、さまざまな職種の業界人・企業人を取材している「WWDJAPAN」が、ファッション業界と企業、人々の魅力を伝え、まだ見ぬ「自分に合う会社」を見つけるきっかけを提供します。

 


プログラム

【Session#1】17:30-18:00 (30分)

「デザイン企業」マッシュグループの今までとこれから

飛ぶ鳥を落とす勢いで突き進むマッシュグループ。このパートでは、同社をけん引する近藤広幸社長が登壇し、クリエイションの源泉とも言える企画職について詳しく語っていただきます。鼎談相手となるのは村上要「WWDJAPAN」編集長と本橋涼介シニアエディター。モノ作りの会社としての成り立ちに加え、「スナイデル」「フレイ アイディー」といった多くの女性に支持されるブランドの人気の要因、それらが生まれたマッシュグループの組織力や人材などの土壌までを深掘り。近年は社員発案ブランドの「ミースロエ」が生まれるなど、常に新しいアイデア、クリエイションを後押しする環境もあります。国内にとどまらず、デザインの力で世界を目指すグループの展望までを聞きます。

ゲストスピーカー:近藤 広幸/マッシュホールディングス 代表取締役社長
PROFILE:(こんどう・ひろゆき)1975年8月6日生まれ、茨城県出身。1998年にグラフィックデザインを手掛けるスタジオ・マッシュを設立、1999年にマッシュスタイルラボに社名変更。2005年にファッション事業部を立ち上げ、ビューティ、フード、スポーツ&ウェルネスなどに事業を拡大。12年にマッシュホールディングスを設立し、現職
スピーカー:村上 要/WWDJAPAN編集長
モデレーター:本橋 涼介/WWDJAPANシニアエディター
【Session#2】18:00-18:45 (45分)

クリエイションを担うのはデザイナーだけじゃない!
それぞれのスタッフが生み出す価値とは

マッシュのクリエイションを支えるのは、デザイナーだけではありません。第2部では、マッシュスタイルラボの企画部門を統括する楠神あさみ副社長、商品の企画から市場投入までを担うMD部門を統括する前田知佐取締役、さらにブランドの魅力を外部に発信するPRスタッフが登壇し、それぞれの役割と価値について語ります。その商品が顧客の心を掴むためには、「どのように届けるか?」という戦略や「どのタイミングで市場に投入するか?」といったマーケティング視点が不可欠です。そこで、MDが市場のニーズを的確に捉え、企画部が顧客に刺さるストーリーを紡ぐことで、商品の魅力が最大限に引き出されるのです。また、PRがブランドの価値を効果的に伝えることで、商品がより多くの顧客に届く環境が整います。当日は本橋涼介シニアエディターがコーディネーターを務め、デザイナー・MD・企画・PRが一体となって生み出す、マッシュならではのクリエイションの全貌を解き明かします。

ゲストスピーカー:楠神あさみ/マッシュスタイルラボ取締役副社長 企画本部 本部長
PROFILE:(くすがみ・あさみ)建築デザイナーを経て、2005年にマッシュスタイルラボのファッション事業部創業メンバーとして入社。入社後にファッションデザイナーとしての勉強と経験を重ね、立ち上げ当初の「snidel(現:SNIDEL)」からコンセプトの具現化に貢献。企画本部全体の統括およびクリエイターを束ねる本部長として多角的にデザイナーの管理・指導に携わり、2023年4月1日より現職
ゲストスピーカー:前田知佐/マッシュスタイルラボ取締役 MD部長
PROFILE:(まえだ・ちさ)金融やレジャー、アパレル等幅広い業界での接客業を経て、2005年にマッシュスタイルラボに入社。「スナイデル」1号店の店長 を務めた後、ECを担当。2011年には新規立ち上げブランド「リリー ブラウン」のMDを担当し、2022年より現職。「スナイデル」、「スナイデル ホーム」のMDを担当する他、マッシュスタイルラボの全ファッションブランドMDの包括的管理に従事
ゲストスピーカー:「スナイデル」PR
モデレーター:本橋 涼介/WWDJAPANシニアエディター
【Extra】18:55-19:25 (30分)

座談会 「企業デザイナー」として働く醍醐味。
第一線の社員に疑問をぶつけよう!

第3部はマッシュスタイルラボの企画職として第一線で活躍する社員たちが登壇。マッシュだから感じられる仕事の醍醐味や、働いているからこそ分かるリアルな悩み。独立系のデザイナーズブランドとも進路を迷う学生のために、企業デザイナーとして、中でもマッシュのデザイナーとして働く意味を深く感じてほしいと考えています。先輩社員にアレコレぶつけて、マッシュの企業デザイナーとして働くビジョンの解像度を高めよう。

※講義内容は予告なく変更となる場合があります。あらかじめご了承ください。

 


インフォメーション

日時

12月13日(金)17:30〜19:25
※開始30分前から会場受付開始

会場

株式会社マッシュホールディングス
東京都千代田区麹町5-7-1 麹町ダイビル 2階

募集人数

100名

募集対象

ファッション業界でのキャリアに興味のある学生・第二新卒の方

募集期間

11月13日(水)〜12月6日(金)12:00

 

注意事項

・応募者数が多い場合は抽選とさせていただきます。ご来場いただける方のみにご登録のメールアドレスへお知らせいたします。
・申し込み完了後のキャンセルは原則受け付けておりません。
・メールアドレスに誤りがある場合、メールが届かない可能性がございます。
・当日は会場内に撮影用のカメラが入ります。撮影した動画や写真は、「WWDJAPAN」Weeklyやウェブサイト、公式SNSなどで掲載する場合があります。ご了承いただける方のみお申し込みください。
・個人情報の取扱いについて以下をご確認ください。ご不明な点がございましたら、プライバシーポリシーをご確認いただくか、直接お問い合わせください。本セミナーにお申し込みいただく際にご提供いただく個人情報は、株式会社INFASパブリケーションズおよび株式会社マッシュホールディングスの両社で共同して利用させていただきます。これにより、両社のマーケティング活動および採用活動を目的として情報を共有いたします。お申し込みをもって、以下のプライバシーポリシーに同意いただいたものとみなします。
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「アークテリクス」、新宿の国内最大店は11月30日開業 予約制ラウンジや店頭イベントに注力

アメアスポーツジャパンが運営するカナダ発アウトドアブランド「アークテリクス(ARC’TERYX)」は、東京・新宿に開業する国内最大店舗の開業日が11月30日になると発表した。「“アウトドアへのゲートウェー”となる新たなフォーマット店舗」として、ケア&リペア専門窓口を設置すると共に、店内でワークショップやレクチャー、トークイベントなども積極的に実施。物販だけでなく、コミュニケーションの場としての店舗のあり方に注力する。

完全予約のコンシェルジュサービス

新宿店は新宿アルタ横のビルの1〜4階で、売り場面積は計684平方メートル。1〜3階は「アークテリクス」と、アーバンラインと位置付ける「ヴェイランス(VEILANCE)」をフルランアップでそろえる。1階には、2023年にスタートしたさまざまなジャンルのクリエイターやアーティストと組むプロジェクト「アークテリクス アンコモン」の一環として、アートを展示していくウォールも設ける。

4階は、コミュニティースペースの「ベータラウンジ」と、ケア&リペア専門窓口「リバード サービスセンター」で構成する。「ベータラウンジ」では、ブランドとして国内初の試みとなる完全予約制のコンシェルジュサービスを展開。アクティビティーに合ったギアの選び方や使用方法のアドバイス、訪れるべきアウトドアフィールドの相談など、専門スタッフによるよりパーソナルなコンサルテーションを提供する。

「リバード サービスセンター」も国内では初導入となる。現在、東京・丸の内、心斎橋の直営店には「リバード サービスカウンター」を導入し、ケアやリペアの相談に乗っている。新宿の「リバード サービスセンター」はそれに加えて、洗濯・乾燥機も設置し、客から製品を預かって洗濯をすることも可能だ。

山の天気や救助方法などのイベントも

「ベータラウンジ」では、イベントも精力的に企画していく。ブランド契約ガイドらによる、アウトドアの装備のレクチャーや、万が一の際救助方法、気象予報士による山の天候の読み方などのワークショップを実施。現時点で、11月30日の開業からの1週間だけでも、7コンテンツを企画し、イベント詳細を公表している。

開業に先駆けて11月19日から、新宿店にほど近いクロス新宿ビルで、「アークテリクス」ウエアの機能性を体感できるイベントを実施する。ハードシェルとインサレーションを着用し、ブランドの発祥地バンクーバーの霧や冷気、風などを思わせる空間を体験できるという。予約不要で、12月1日まで。

◼️「アークテリクス 新宿ブランドストア」
住所:東京都新宿区新宿3-24-2 新宿アオキビル1~4階
営業時間:11〜19時
電話:03-5944-0372

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良品計画、清水新体制で27年8月期に売上高8800億円へ 「30年に3兆円」目標は撤回

「無印良品」を運営する良品計画は、11月23日にスタートする清水智 新社長(現在は副社長)体制での経営戦略を発表した。3年後の27年8月期に、売上高に相当する営業収益で8800億円(24年8月期実績は6616億円)、営業利益790億円(同561億円)を目指す。堂前宣夫社長(23日に代表権のない会長に就任)による3年間の方向性を踏襲するが、堂前氏が21年の社長就任時に掲げた「30年8月期に営業収益3兆円、営業利益4500億円」という目標に関しては「将来的なポテンシャルはあるが、まずは営業収益1兆円、営業利益率10%を目指す」(清水氏)とした。

「堂前(現社長)は戦略立案に長けており、今後の経営においてもそこを担う。一方で私は実行力が強みであり、計画を着地させることが得意」と清水氏。堂前体制で成長スピードが増し、24年8月期は営業収益、利益の各段階で過去最高を達成している。「この3年間で一通りの仕組みや人材は整った。ここからは、戦略を誰よりも早く実行し成果を出していく。そのために、実行が得意な私が次期社長に指名されたと理解しているし、それができるという自信がある」と続ける。

27年8月期に向けて、「出店拡大」「商品開発体制強化」「重点カテゴリー強化」「OMO強化」などを継続する。出店では、国内は引き続き1980平方メートル規模の大型店を、地方の食品スーパー隣接地など生活圏に積極出店。海外は既存店の下げ止まりが見えた中国本土では不採算店の閉店と新規出店を同時に進め、東アジア、東南アジアで出店を継続する。コロナ禍中に大胆な事業整理を進めた欧米は旗艦店出店を模索するも、本格化するのは28年以降とする。27年8月期末の店舗数目標は1650店(24年8月期実績は1305店)。そこに向け、年間で国内60店、海外60店(うち30店は中国本土)の純増ペースを目指す。

商品開発体制強化では、日本だけでなく中国、東南アジアにも開発拠点を設けて、現地ニーズに即した商品開発を進める。現地の規制やサイズなどの問題で、海外では日本と同様の規模での品ぞろえができておらず、課題となっている。現時点で日本の品ぞろえに対する海外店の充足率は58%、これを26年に80%にまで高め、残りの20%は現地開発商品とする。

「“第二創業”を進化させる」

重点カテゴリーの強化では、衣料品・生活雑貨・食品で3000品目以上を取り扱い、さらには住宅や生鮮食品まで扱うといった「全方位型が無印らしさとして浸透している」としつつも、スキンケア商品などが好調なヘルスケア&ビューティ部門、衣料品では天然素材の機能性インナーなど、ポテンシャルの高いカテゴリーの開発を強化する。全方位型ではあり続けるが、注力カテゴリーでは「単品の力でも戦っていけるようにする」。

商品開発強化、重点カテゴリー強化を裏打ちするために、生産面も過去3年で改革を進めてきた。23年に三菱商事ファッションの一部を会社分割で承継し、衣料品生産を内製化、原価低減につなげている。現在、ベトナム、インド、インドネシア、カンボジア、上海、深圳で海外生産拠点が稼働しており、グローバルで商品を開発・生産していく体制構築を引き続き強める。OMO強化においては、ECと店頭など複数チャネルの在庫を一元化して機会損失を減らす。

新社長に就く清水氏は1974年生まれの50歳。96年に良品計画に入社し、以来店長、商品部、中国を中心とした海外事業管掌など、社内で複数の部門を経験してきた。「自分の業務スタンスとして一番のベースになっているのは店頭という現場。過去3年間で進めてきた“第二創業”を進化させ、世界でさらなる成長を目指す」と語った。

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ベイクルーズとミッドウエストの最高幹部が語る「リアル店舗DX」

「WWDJAPAN」は10月16日、「リアル店舗の価値向上」をテーマにしたセミナーを開催した。コロナ禍以降、リアル店舗の価値や定義を見直す動きが活発になる中、多くの有力企業が注目しているのが、「DX(デジタル・トランスフォーメーション)から、CX(カスタマー・エクスペリエンス)へ」という考え方だ。

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※視聴期限:11/24(日)まで

ベイクルーズが相次いで話題の大型店を仕掛け続けるワケ

第1部では大きな話題となった虎ノ門ヒルズの大型店舗「セレクト バイ ベイクルーズ(SELECT BY BAYCREW’S)」に加え、名古屋と福岡、仙台に1200〜3000㎡クラスの大型店を相次いで出店したベイクルーズの古峯正佳ベイクルーズ上席取締役副社長が登場。デジタル全盛の時代に、あえて大型店を仕掛け続ける狙いや、練り上げられた戦略、セレクトショップを革新し続けるベイクルーズの中心にある熱い魂を語った。

名古屋の雄、ミッドウエストのデザイナーの「言葉」を伝えるシン・SNS戦略

第2部には、名古屋を本拠地に、大阪と東京でも大型セレクトショップ「ミッドウエスト」を展開する中京地区セレクトの雄である大澤武徳ファッションコア ミッドウエスト社長が登場。国内外の有力ブランドのデザイナーを扱う同社ならではのSNS戦略に加え、リアル店舗をアップデートするための仕掛けを語った。

世界最大のフィンテックが語る「最先端のグローバル決済潮流」

後半の第3部では世界最大のフィンテック企業の一つであるアディエン(ADYEN)のキーマンたちが登場。決済を巡るグローバル規模での新潮流に加え、途中からはミッドウエストの大澤社長も参加し、ECや店頭でのクレカの不正利用などへの課題感に触れつつ、セレクトショップの新しいツールの導入に対する考え方などをディスカッションした。

業界のキーパーソンに直接会える&話せるミートアップも白熱

セミナー終了後は恒例のミートアップも実施。業界の最重要キーパーソンに会えるとあって、ドリンクを楽しみながらの情報交換を行った。

 

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視聴期限:11月24日(日)まで

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・申し込み時のメールアドレスは個人メールアドレスではなく、勤務先ドメインのメールアドレスをご入力ください。
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タペストリーによるカプリ買収が白紙に 当局による承認の見通しが立たず

「コーチ(COACH)」「ケイト・スペード ニューヨーク(KATE SPADE NEW YORK)」「スチュアート・ワイツマン(STUART WEITZMAN)」を傘下に持つタペストリー(TAPESTRY)は11月14日、「マイケル・コース(MICHAEL KORS)」「ヴェルサーチェ(VERSACE)」「ジミー チュウ(JIMMY CHOO)」を擁するカプリ ホールディングス(CAPRI HOLDINGS以下、カプリ)の買収契約を、双方の合意の上で正式に解除したことを発表した。

タペストリーは2023年8月、カプリを85億ドル(約1兆3000億円)で買収することに合意。24年末までに取引が完了する予定だったが、両社が保有するブランド間の競争がなくなることで独占状態になるとし、米連邦取引委員会(FTC)は本件を停止する仮処分を求めて4月に提訴した。9月9日に開廷した裁判では、“アクセシブル・ラグジュアリー(Accessible luxury)”市場の定義やその独占に関する懸念が大きな争点となり、ジョアン・クレヴォイセラ(Joanne Crevoiserat)=タペストリー最高経営責任者(CEO)やジョン・アイドル(John Idol)=カプリ会長兼CEOらをはじめとする多くの関係者が出廷。しかし、10月24日に米連邦地方裁判所がFTCの申し立てを認める判決を下したため、2社の合併は事実上の暗礁に乗り上げていた。

判決を受け、タペストリーは「買収の合意に基づく義務に則り、判決に対して上告する予定だ」との声明を発表していた。しかし、今回こうして正式に契約を解除したのは、「今後の法的手続きの結果が不確実であり、契約解除が可能となる最終期限の25年2月10日までに問題が解消される可能性が低いため」としている。

契約解除のニュースを受け、タペストリーの株価は14日、前日比12.8%高の57.82ドル(約8846円)を、カプリは同4.4%高の20.52ドル(約3139円)をつけた。

両社のCEOのコメント

クレヴォイセラCEOは、「当社は成長への道筋を常に複数持っており、今回の決定は今後の戦略を明確にしたものだ。好調だった第1四半期の業績を土台に迅速かつ大胆に行動し、本業での成長をさらに加速させていく。特徴的な傘下ブランド、機敏かつ適応力の高いプラットフォーム、情熱的なチーム、安定したキャッシュフローを有する当社は、引き続き強固な立場にある。素晴らしい未来に向けて、まずは追加の株主還元プログラムを実施する」と語った。その一環として、同社は20億ドル(約3060億円)相当の自社株買いを行うことや、配当金の維持および増配の可能性について明らかにした。

アイドル会長兼CEOは、「買収契約の解除に伴い、今後は当社および豊かなヘリテージを持つ傘下ブランドの将来にフォーカスする。過去18カ月の業績を踏まえ、成長軌道に戻るための複数の戦略を導入した。エキサイティングなコミュニケーション、消費者を引き付ける商品、オムニチャネルでの買い物体験を通じ、ブランドの魅力をいっそう高めていく」と述べた。

なお、同氏はアナリスト向けの説明会で、「株主価値をさらに高める機会があれば、慎重に検討したい」と発言。条件によっては、また事業売却の可能性があることを示唆した。

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タペストリーによるカプリ買収が白紙に 当局による承認の見通しが立たず

「コーチ(COACH)」「ケイト・スペード ニューヨーク(KATE SPADE NEW YORK)」「スチュアート・ワイツマン(STUART WEITZMAN)」を傘下に持つタペストリー(TAPESTRY)は11月14日、「マイケル・コース(MICHAEL KORS)」「ヴェルサーチェ(VERSACE)」「ジミー チュウ(JIMMY CHOO)」を擁するカプリ ホールディングス(CAPRI HOLDINGS以下、カプリ)の買収契約を、双方の合意の上で正式に解除したことを発表した。

タペストリーは2023年8月、カプリを85億ドル(約1兆3000億円)で買収することに合意。24年末までに取引が完了する予定だったが、両社が保有するブランド間の競争がなくなることで独占状態になるとし、米連邦取引委員会(FTC)は本件を停止する仮処分を求めて4月に提訴した。9月9日に開廷した裁判では、“アクセシブル・ラグジュアリー(Accessible luxury)”市場の定義やその独占に関する懸念が大きな争点となり、ジョアン・クレヴォイセラ(Joanne Crevoiserat)=タペストリー最高経営責任者(CEO)やジョン・アイドル(John Idol)=カプリ会長兼CEOらをはじめとする多くの関係者が出廷。しかし、10月24日に米連邦地方裁判所がFTCの申し立てを認める判決を下したため、2社の合併は事実上の暗礁に乗り上げていた。

判決を受け、タペストリーは「買収の合意に基づく義務に則り、判決に対して上告する予定だ」との声明を発表していた。しかし、今回こうして正式に契約を解除したのは、「今後の法的手続きの結果が不確実であり、契約解除が可能となる最終期限の25年2月10日までに問題が解消される可能性が低いため」としている。

契約解除のニュースを受け、タペストリーの株価は14日、前日比12.8%高の57.82ドル(約8846円)を、カプリは同4.4%高の20.52ドル(約3139円)をつけた。

両社のCEOのコメント

クレヴォイセラCEOは、「当社は成長への道筋を常に複数持っており、今回の決定は今後の戦略を明確にしたものだ。好調だった第1四半期の業績を土台に迅速かつ大胆に行動し、本業での成長をさらに加速させていく。特徴的な傘下ブランド、機敏かつ適応力の高いプラットフォーム、情熱的なチーム、安定したキャッシュフローを有する当社は、引き続き強固な立場にある。素晴らしい未来に向けて、まずは追加の株主還元プログラムを実施する」と語った。その一環として、同社は20億ドル(約3060億円)相当の自社株買いを行うことや、配当金の維持および増配の可能性について明らかにした。

アイドル会長兼CEOは、「買収契約の解除に伴い、今後は当社および豊かなヘリテージを持つ傘下ブランドの将来にフォーカスする。過去18カ月の業績を踏まえ、成長軌道に戻るための複数の戦略を導入した。エキサイティングなコミュニケーション、消費者を引き付ける商品、オムニチャネルでの買い物体験を通じ、ブランドの魅力をいっそう高めていく」と述べた。

なお、同氏はアナリスト向けの説明会で、「株主価値をさらに高める機会があれば、慎重に検討したい」と発言。条件によっては、また事業売却の可能性があることを示唆した。

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24年9月期のMTGは過去最高売上高 「リファ」のヘアケアが前年比40%超えの躍進

美容機器メーカーのMTGの24年9月期連結決算は、売上高が前年比19.5%増の718億円と過去最高を更新した。営業利益は同10.2%増の39億円、経常利益が同4.7%増の43億円、純利益が同45.6%増の28億円の増収増益だった。

好調の主要因は、同社の売り上げの70%以上を占める「リファ(REFA)」の大幅増収で、売上高は同22%増の514億円だった。ヘアケアアイテムの“リファハートコーム アイラ”や“リファビューテック ドライヤースマート ダブル”、 ヘアケアライン“ミルクプロテイン”シリーズが大きく寄与し、ヘアケアカテゴリーが同40%超増の増収となった。国内の美容サロンや百貨店での店舗販売が引き続き好調だった。

「シックスパッド(SIXPAD)」の売上高は前年並の132億円だった。敬老の日プロモーションが効果的に働き、23年11月に発売した“シックスパッド フットフィット3 ヒート”の販売が好調に推移。TVCMなどのプロモーションも奏功し、“パワースーツ コアベルト”の販売も増加するなど、復調の兆しを見せた。

今期は24年の133を上回る150の新商品リリースを予定し、新商品の売り上げ比率は50%を目指す。「リファ」「シックスパッド」ともにカテゴリーの拡充を進め、ドラッグストアといった販路の拡大も予定する。25年9月期の連結業績予想は、売上高が同11%増の800億円、営業利益が同26%増の50億円、経常利益が同15%増の50億円、純利益が14%増の33億円を見込む。「リファ」の成長と「シックスパッド」の復調などにより、売り上げ2桁成長の継続と増収増益を予測する。

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24年9月期のMTGは過去最高売上高 「リファ」のヘアケアが前年比40%超えの躍進

美容機器メーカーのMTGの24年9月期連結決算は、売上高が前年比19.5%増の718億円と過去最高を更新した。営業利益は同10.2%増の39億円、経常利益が同4.7%増の43億円、純利益が同45.6%増の28億円の増収増益だった。

好調の主要因は、同社の売り上げの70%以上を占める「リファ(REFA)」の大幅増収で、売上高は同22%増の514億円だった。ヘアケアアイテムの“リファハートコーム アイラ”や“リファビューテック ドライヤースマート ダブル”、 ヘアケアライン“ミルクプロテイン”シリーズが大きく寄与し、ヘアケアカテゴリーが同40%超増の増収となった。国内の美容サロンや百貨店での店舗販売が引き続き好調だった。

「シックスパッド(SIXPAD)」の売上高は前年並の132億円だった。敬老の日プロモーションが効果的に働き、23年11月に発売した“シックスパッド フットフィット3 ヒート”の販売が好調に推移。TVCMなどのプロモーションも奏功し、“パワースーツ コアベルト”の販売も増加するなど、復調の兆しを見せた。

今期は24年の133を上回る150の新商品リリースを予定し、新商品の売り上げ比率は50%を目指す。「リファ」「シックスパッド」ともにカテゴリーの拡充を進め、ドラッグストアといった販路の拡大も予定する。25年9月期の連結業績予想は、売上高が同11%増の800億円、営業利益が同26%増の50億円、経常利益が同15%増の50億円、純利益が14%増の33億円を見込む。「リファ」の成長と「シックスパッド」の復調などにより、売り上げ2桁成長の継続と増収増益を予測する。

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テレビ東京・大森時生 × 漫画家・魚豊 「陰謀論」から「エンタメの未来」まで、大いに語る

PROFILE: 左:魚豊/漫画家 右:大森時生/プロデューサー、ディレクター

PROFILE: 右:(おおもり・ときお)1995年生まれ、東京都出身。2019年にテレビ東京へ入社。「Aマッソのがんばれ奥様ッソ!」「このテープもってないですか?」「SIX HACK」「祓除」「イシナガキクエを探しています」を担当。Aマッソの単独公演「滑稽」でも企画・演出を務めた。昨年「世界を変える30歳未満 Forbes JAPAN 30 UNDER 30」に選出。今夏「行方不明展」も手掛けた。 左(うおと)1997年生まれ、東京都出身。2018年「ひゃくえむ。」で連載デビュー。20年から連載した「チ。―地球の運動について―」にてマンガ大賞2年連続ランクイン、手塚治虫文化賞マンガ大賞受賞など数々の漫画賞を受賞。23年から「ようこそ!FACT(東京S区第二支部)へ」を連載し、現在は完結。25年上旬から「週刊少年チャンピオン」で原案とネーム協力を担当する「Dr.マッスルビートル」(画:古町)が連載予定。

フェイクドキュメンタリー番組「イシナガキクエを探しています」のほか、約7万人の来場者を記録した「行方不明展」の企画・プロデュースを手掛けたテレビ東京の大森時生。そして、漫画「チ。―地球の運動について―」で手塚治虫文化賞をはじめ数々の賞を受賞し、現在はテレビアニメ版も放送中の漫画家・魚豊(うおと)。今回は大森の最新作となるBLドラマ「フィクショナル」と、最終4巻が発売されたばかりの魚豊の最新作「ようこそ!FACT(東京S区第二支部)へ」を中心に、それぞれが考える作品の特性と、情報があふれる現代において、作品およびエンターテインメントはどうあるべきか、話を聞いた。

「フィクショナル」
黒沢清監督が注目の若手監督として名前を挙げた酒井善三が脚本・演出、大森時生がプロデュースを務めるBLドラマ。9月に1話1〜3分のショートドラマとして動画プラットフォーム「BUMP」で配信され、11月15日から「シモキタエキマエシネマ K2」他で劇場公開が決定。うだつの上がらない映像制作業者・神保(清水尚弥)のもとに、ある日、大学時代の先輩・及川(木村文)から連絡が来る。憧れの先輩との共同業務に、気分が湧き立つ神保だったが、その仕事は怪しいディープフェイク映像制作の下請けであった。やがて迫りくる自身の「仕事」の影響と責任……神保は徐々にリアルとフェイクの境目に堕ちていくのだった……。

「シモキタ-エキマエ-シネマ『K2』」の上映チケットは11月12日朝10時からK2のオフィシャルサイトで販売開始。
魚豊・大森時生・酒井善三監督のアフタートークつき上映チケットもオフィシャルサイトで販売中。
https://k2-cinema.com/

「ようこそ!FACT(東京S区第二支部)へ」
「チ。」「ひゃくえむ。」の魚豊が描く、恋と陰謀。圧倒的新機軸、前代未聞のラブコメストーリー。小さな不信感から始まり、傾倒した“陰謀論”。しかし、嘘に裏切られ、手元に残ったのはいくつかの疑問だった。“陰謀論”を信じた青年の恋路はどこに着地するのか……。全4巻。

「『FACT』は媚びを排除して描いたつもり」(魚豊)

大森時生(以下、大森):「ようこそ!FACT(東京S区第二支部)へ」(以下「FACT」)すごくおもしろかったです。先日直接お伝えしましたが、ここ10年でも数本の指に入るくらい好きでした。

魚豊:ありがとうございます。いやぁ、でも自分としては、趣味に走りすぎちゃったな、と思うところはあるんです(笑)。「チ。」に比べると、売り上げも厳しかったので。

大森:そうなんですか? 僕の趣味も一般的にはズレてるとは思いますけど……「陰謀論」というテーマは現代においては多くの人が興味あるものだと思ってました。それこそ、趣味性だけでいえば「チ。」で描いた地動説の方が高いような。

魚豊:あとは、主人公のキャラクターが応援しづらい、というのも大きかった。「チ。」における地動説も、別の「ひゃくえむ。」という漫画で描いた陸上競技も、基本は読者が応援できるものじゃないですか。それに比べると「FACT」の陰謀論って、まぁ応援できない。でも読者が応援できないことに夢中になっている主人公を描きたかったんですよね。

大森:主人公の「渡辺」ですね。「FACT」は恋愛もテーマになっていましたけど、陰謀論にハマる渡辺くんの恋路は応援できない人が多かったんですかね。好きな女性を相手に陰謀論を熱心に説くような。

魚豊:やっぱり読者の方はああいったキャラクターにヘイトがたまる人が一定数いるんじゃないのかなって。あと「FACT」は「マンガワン」という漫画アプリで配信されたんですけど、作品の内容と掲載媒体との相性もめちゃくちゃ良かったわけではないのかなと。もちろん、作品に力があれば突破できるので、そこは自分の至らなさなんですけど。

大森:漫画をアプリで読む層に届けないといけない、っていうのは、週刊誌を読む層に届けるのとはまた違った闘いな感じもありますもんね。

魚豊:ですね。「FACT」は響かせられなかった。世の中には、連載を例え無料で読めても好きなら必ず単行本も買う層と、無料で読むだけで一切単行本は買わない層と、2つに分かれているといわれがちなんですけど、第三の層として、無料で読めるなら無料で読むけど、無料で読めないならお金を出すっていう層がいると思うんです。で、もしかしたら自分や今回の作品はこの第三の層に入ってしまったのかも、と言い訳気味に勘繰っております。

自分が消費者の立場になってみると、僕はクエンティン・タランティーノもクリストファー・ノーランも好きなのに、作品のDVDは1つも持ってないんですよ。配信で観ているから。ただ、配信が有料のレンタルだった場合は躊躇なくお金を払える。まぁ当然僕はそんな偉大なクリエイターではないし、映画と漫画で翻訳不可な要素はいろいろとある訳ですが、とはいえ、そういう消費行動はあり得るし、その層に買っていただくにはどうすればいいのか、新たな視点というか、挑戦すべき疑問ができたのを、今回の怪我の功名としてます(笑)。

——そういった消費行動の差は、作品の質とも相関関係があると思いますか?

魚豊:あると思います。まず、キャラが刺さってる場合はお金を出して漫画を買いやすいと思います。あとは、サブカル的に、本棚に並べたいから買う、というパターンもあると思っていて。「チ。」は「週刊ビッグコミックスピリッツ」に載ったっていうのもありますし、マンガ大賞の2位になってメディアが取り上げてくれたり、いろんな複合的な要素はあると思うんですけど、そういう層に刺さったのでは?と思っています。でも「FACT」は刺さらなかった。日々反省ですね。

大森:正直なことを言うと、僕としては「FACT」の方がより刺さりはしたんですが……一般的には「チ。」なんですね。

魚豊:抑圧されている主人公は応援しやすい、みたいな王道の要素も当然あるんですけど。それと比べると「FACT」は買う動機が少なかった。自分としては「FACT」も肝いりですし、サブカルに絶対媚びない、みたいな制作意識もあった。挑戦作ではあったんですけど、しかしコレも反省ですね。

「近しい人がうっすら陰謀論にハマるリアルは、
フィクションやエンタメでは語られない」(大森)

大森:先ほどおっしゃった「サブカルに絶対媚びない」っていうのは、具体的にはどういう部分ですか?

魚豊:絶対に露悪的にしないようにする、しょうもなさを描く、という点です。

大森:あぁ、それは読んでいて思いました。陰謀論というテーマを考えた時に、もっとダウナーで絶望的な取り返しがつかないところに到達する話になっていきそうなところを、「FACT」はそうならなかった。主人公は陰謀論の奥の奥にはいかず、かなり浅瀬のところで戻ってきましたよね。

魚豊:それをやりたかったんですよ。陰謀論だけど、めっちゃしょうもないっていう。ひいては、それが日本の政治環境を反映しているから。主人公をはじめとした作中の陰謀論に染まっている人たちは、歴史に接続できていなくて、要は日本の対米従属的な関係性の中で、逆輸入的に陰謀論に接しているんですけど、そういう重みに接続できていないことを登場人物たちに象徴させたかった。

——重さの話でいうと、恋愛が絡むことも含めて、2000年代初頭における古谷実のダークさにいかなかったことが、非常に現代的だなと思いました。

魚豊:あー、まさに。今こういうテーマをやるなら、古谷実先生らしい重さにならないように、っていうのはめっちゃ意識しました。あるいは、鬼頭莫宏先生もそう。そういう、いわゆる世紀末/新世紀っぽい感じ、その“カッコ良さ”は目指せないし、目指すべきではないと設定していました。ひたすらしょうもない、登場人物全員ダサい、その上で「無敵の人」にもならない、そういう漫画を描きたかったんです

——「しょうもないことが現代の象徴」っていうのは、分かりやすく露悪にいくことに比べて、文脈が複雑になるので、そこが売り上げにつながらないのかもしれないですね。

魚豊:ですよね。その方がリアリティーはあると思ったんですけど……反省です(笑)。

大森:魚豊さんの言うことはめっちゃ分かります。そのお話を聞いて、黒沢清さんを想起しました。黒沢清監督は、ジャンル映画・エンターテインメント作品を志向しますが、実際は日本の監督の中でトップクラスにアートハウス系の文脈で評価されています。ある種のねじれのようなものがありますよね。魚豊さんはそこに通ずる部分もあるのかなと。

魚豊:いやいや、黒沢清監督は巨匠ですけど、僕は全然まだまだ新人なので。

大森:でも僕は、浅瀬の陰謀論にハマりながら、そこに恋愛も絡んでくるっていう物語は、エンタメとしても、シンプルにリズムとしても、すごくおもしろいと思いました。そもそも陰謀論をテーマにする時って、Qアノンが議事堂に突撃した事件とかが象徴になりがちですけど、実際に一番リアルで不気味に感じるのは、親だったり近しい人がうっすら陰謀論にハマってるくらいのことじゃないですか。なのに、フィクションやエンタメではそこが語られない。そういう機微をフィクションで語るには、あまりに微妙で複雑ゆえに難しいからだと思うんですけど、「FACT」はそこをど真ん中に描き切った時点で、僕の中では一線を画す漫画なんですよね。

魚豊:あぁ……大森さんにそう言っていただけて、もう十分、ようやく浮かばれました。

大森:少し前に「ここはすべての夜明けまえ」(著:間宮改衣、早川書房)という小説を読んだんですけど、SFにしてもホラーにしても、大きな主題を扱うよりも、今はもっと小さな物語を読みたい感覚が僕にはあって。「FACT」は大きな主題を扱っていながら、ちゃんと自分ごとの小さな物語に落とし込めているところが素晴らしいと思ったんですよ。

魚豊:マジでうれしいです……。僕が思う作家の使命って、どんな人にでも伝わる強度のあるセリフを描くことだと思っていて、と同時に、そんなものは絶対にないとも思っている。どんな言葉であろうと、何かしらの反論がある。例えば「空が青いだけで幸せだ」といった場合でも、じゃあ空が見えない人はどうなのっていう。それと同じジレンマで、何かに夢中になっている人を描いた場合、それが地動説ならいいの? 陸上競技なら? 「FACT」における陰謀論はどうなの? カルトに夢中になっている人は? そうやってどんどん考えていくと、もはや対象に良いも悪いもないんじゃないかなって思うんです。どんな対象であれ、夢中になることは肯定的な面はあるはずだ、という前提で描くしかない。僕は漫画を描くことに夢中になっていて、奇跡的にそれを仕事にもできて、毎日を夢見心地で過ごしているけど、別の誰かが夢中になるものが、いわゆる世の中的に悪しきことだとしたら、それを理由に否定していいのだろうか。たまたま夢中になったものが、今の社会にそぐわないというだけで否定され、欲望の達成に向かって努力することさえ許されないのだとしたら、あまりに残酷だと思うんですよね。そういう意味では、「FACT」で陰謀論にハマった主人公も、「チ。」や「ひゃくえむ。」の主人公と同等に、何かに夢中になっている人間なわけで、構造としては同じなんです。

「漫画業界は、『作品さえ良ければ必ず売れるはず』という思想が強すぎる」(魚豊)

大森:魚豊さんは読者層の分析とか、作品をどうやって世に広めていくかとか、もっと言うと媒体の収益化の仕組みとか、そういう話をよくされる印象がありますけど、漫画家なら誰もが考えていることなんですか?

魚豊:いや、あまりないと思います。僕も全然考えられてるタイプじゃないですし、大森さんや他ジャンルの人とお話しするとお恥ずかしい限りです。漫画家も編集者も内容のことだけを考えてる人がほとんどです。作画についてとか、キャラの造形、展開や見せ場をどうする、基本的にそういうことだけ。媒体の運用システムの話などは、もちろんそれのプロフェッショナルではないですし、話すべきではないかもという意識はあります。

大森:テレビ局員も、制作の部署は特に、番組内容の話ばっかりしてますよ。でも僕は、どういう文脈を踏まえて、どこでどう出すとか、そういう話も好きなんです。

魚豊:ですよね。だから大森さんとか、共通の知人であるDos Monosのタイタンさんと話すと、いつも刺激的なんです。だって「行方不明展」とか、本来的にはテレビ局員が仕掛けることじゃないですよね? 扱うジャンル的に、一部の層に留まりそうな表現を、広く届ける設計までちゃんと考えてる。媒体によって出力が違うのは当たり前だし、そこを考えることはめっちゃ重要なはすですが「作品さえ良ければ必ず売れるはず」という思想が強すぎるんですよね。もちろんそれは一面の真理ですが、それだけじゃないはずです。

実際細かいデータを持ってないので、孫引きの情報ですが、一説によると漫画業界自体の売り上げは上がっているけれど、雑誌などの売り上げは落ちている。それが何を意味するのかが、今の漫画業界の主要なテーマだと思います。今後人口が減っていって、さらに雑誌が弱くなっていくとすれば、雑誌が担っていたキュレーターの役割も弱くなっていくということ。雑誌さえ載ってれば宣伝は完了、という時代はもうとっくの前に終わってると思いますが、今後はより加速すると思います。その時、作品単体を「どの様に売るか」という要素は大事になっていくはずです。

スティーブ・ジョブズ以降、もっと前のディズニーもそうですけど、世界を生きていくためには、中身だけじゃなく、側(がわ)のことも考えられるのが、僕にとっては真のアーティストです。僕は、売ることまで考えている人を心から尊敬しています

大森:「行方不明展」に来ていただいた時も、展示の内容というより、イベントとしての構造についてめっちゃ褒めてくれましたよね(笑)。

魚豊:だってあんな不気味なジャンルのコンテンツを、誰もが盛り上がる夏イベントに仕上げるなんて、同世代の夢ですよ。一人で来るサラリーマンも、デートの学生も、友達連れも家族連れもいて、仕事ではすれ違わない人たちが大挙してた。そういう「ひと夏の思い出」を作れるのって、めっちゃヤバい。

大森:コンセプトとしては、ああいう不気味なものをもとから好きな人以外にも来てもらうために、「ここではないどこか」っていうのを狙ったんです。ホラーという入り口は広いようで狭いんです。もっと広いのは「いなくなりたい」くらいのささやかな現実逃避への甘い誘いなんだと思います。それが夏の思い出につながったのかも。

魚豊:そのコンセプトがもう素晴らしくて。じゃあ実際「ここではないどこか」ってどこなんだっていうのは明示しないまま、「ここではないどこか」というコンセプトだけがある。部屋から出て「ここではないどこか」に行きたい人たちが、「ここではないどこか」というコンセプトの展覧会に行くって、もはや自分に会いに行っているのと同じで、その意味では別に部屋から出ていない。ただ気持ちが循環してるだけ。気持ちだけが大事って、底が抜けた現代社会を端的に表しているし、そんな奇妙な構図を作って大盛況にするって、とんでもないですよ。みんな疲れてるし、消えたすぎる。部屋にいる元気もないから外に出たいだけですもんね。

大森:そこまで分析してくださるのは魚豊さんだけですけど(笑)、めっちゃうれしいです。

魚豊:しかも、それをテレビ局員が設計しているっていうのが現代の最前線ですよ。僕はまだ漫画を描くことしかできていないので、とても憧れます。

「ジャンルの拡大に尽力しているBADHOPのYZERRと
ダウ90000の蓮見翔は超ヒーロー」(魚豊)

大森:テレビ局はだいぶ変わってきましたけど、漫画の世界では仕掛けから考えるっていうことが、漫画家の領分ではないって思われているんでしょうね、今はまだ。

魚豊:領分もありますけど、美学の問題もあると思います。漫画家って、職人気質な方が多い。何度も同じような線を引きながら、「この線じゃない」と悩むみたいな。そのストイックさは尊敬していますが、僕にはとても無理です。

大森:魚豊さんとは真逆で、ひたすら漫画のことだけを考えたいタイプの漫画家さんもいるでしょうし。いるというか、その方が主流なのかな。

魚豊:そうですね。売ることを考えて実践したいなら、漫画家じゃなく、出版社の社員になればいいじゃん、っていう話になっちゃう。僕は単に「自分の漫画」の、しかも「内容の」専門家なだけですし、他にも口出しすべきじゃないと思うことはよくあります。とはいえ、売ることを考える筋トレもしていかなければならないとは思っています。

大森:それぞれに役割があるから。

魚豊:ただ、それとは別で、作品が売れないよりは、単純に作品をたくさん売ったほうが、いろいろと嬉しいじゃないですか。第一にはお財布にとってですが、文化にとってもそうだと言えると思います。

大森:売れた方が文化にとっていい、っていうのは本当にそう思いますね。お金の話だけじゃなく、ジャンルのマンネリ化問題というのがあって……。

魚豊:うわぁ。

大森:既存のファンに向けて、その人たちだけが熱狂することをずっと続けていたら、絶対にマンネリ化するんですよね。ジャンルの外にまで届けることは、ジャンルや業界を存続させるためでもある。それって儲かるとかのお金の話よりも、実はもっと深刻で。

魚豊:あー、マジでそうですね。なので、自分と世代が近いところでいうと、BADHOPのYZERRとダウ90000の蓮見翔は、ジャンルの拡大と存続のために本気で活動している超ヒーローなんですよ。その文化を根付かせて、次の世代につなげるって、コンテンツを作るだけより壮大で、めっちゃかっこいいじゃないですか。

——それでいうと、漫画というジャンルはもうだいぶ根付いてますよね?

魚豊:そうですね、そこがぜいたくな悩みです。ヒップホップや演劇はこの国において使命があるけど、漫画はもう、歴史の後というか。ヒップホップのライブに行ったことがない人、演劇やコントを劇場で観たことがない人と比べて、漫画を読んだことがないっていう人は圧倒的に少ない。手塚治虫といわず、1980年代の鳥山明とかの時代はまだ、漫画は大人が読むものじゃないっていう認識もあったと思うので、やるべきことがあったと推測しますけど、今の漫画は市民権も得まくって、もはや完成した後の世界を生きているくらいの感覚。でも僕は、それでもまだやれることを見つけたくて、35歳くらいになったらそっちの方に力を入れたいとボヤッと思っています。

——それと、売る話をすることへの忌避感については、マーケティングだけを説く胡散臭い人の存在感が大きくなり過ぎた、っていうのもある気がします。

大森:僕もそれはあると思います。売る才能があり過ぎて、全然おもしろくないものまで売っちゃう人っていますからね。それでも、愛情があればまだいい方で、そうではなく、売りたいものに対する愛情とかは一切関係ないまま、マーケティングだけが好きな人がたくさんいて、存在感もある。自己弁護のためにいうと、魚豊さんや僕がもっと広く届けたい、ちゃんと売ることも考えたいと思っているのは、まず愛情ありきだと思ってます(笑)。

魚豊:そうですね。

「ポスト・トゥルース時代の最後のファクトは淡い恋心かもしれない」(大森)

——大森さんにはフェイクドキュメンタリーのイメージがありましたが、だんだんとフィクション味が強くなり、最新作「フィクショナル」ではいよいよドラマにたどり着きました。

大森:フェイクドキュメンタリーについては、僕なりに可能性を広げたなという感覚もあって、その上で自分の好きな「不気味」なものを、日本だけではなく世界に届けてみたい。それには、やっぱりフィクションの力が必要だと思っているんです。純然たるフィクションであるということが、より広い世界に接続するためには必要だと感じています。

魚豊:僕が「フィクショナル」を観て思ったのは、大森さんはテレビというものをどう思っているんだろうなって。ドラマの中にもテレビ報道は出てきましたけど、大森さんはテレビの公共性とか将来性について、どう思っているのか、気になりました。

大森:「フィクショナル」の中では、フェイク動画がSNSで一気に拡散する様子を描いていますが、テレビは主人公の神野が現実と接続するシーンで象徴的に出てきます。しかも、それはある種「偶然」目にして、自分が犯したことの大きさを知るわけです。その偶然という要素が、ある種現実を気づくためのツールとなりうると思います。自分で選択して、もしくはアルゴリズムにいざなわれて見たいものを見る時代に、数少ない見たくないものを見てしまう機器、テレビ。その不便さがこれからの時代、逆におもしろく意義深くなっていく可能性は感じます。

魚豊:「フィクショナル」で描かれていたような、あれも嘘でこれも嘘で、もう全部が嘘なんじゃないかっていう世界線は、アメリカの大統領選を見るだけでも、普通に現実に起こってますよね。

大森:SNSで出回る動画を見て、どれがフェイクでどれがリアルなのかを判断するのって、もうほとんど不可能ですよね。一つひとつのファクトチェックに時間をかけている間にも、どんどん次のフェイクが出てくるし、コミュニティノート自体がフェイクの可能性だってある。そういう情報の不確かさと、自分と他者との境界が曖昧になることは、ほぼイコールだと思います。もはや何が真実かというよりも、現実はフェイクだらけであるってことだけが真実、みたいな。

魚豊:だからこそ「フィクショナル」は、最後までフィクションであることを押し通したのが良かったです。それで僕が思ったのは、フェイクドキュメンタリーとか不気味なものって、根底に“あるある”が存在しているからこそ成立しますよね。多くの人が理解できる“あるある”があって、そこからはずれるから不気味になる。でもそういう“あるある”って、今後どんどん成立しなくなるんじゃないのかなって。

大森:僕が「イシナガキクエを探しています」以降、完全にフィクションと銘打って、ちゃんと物語を描こうと思ったのは、まさにそういうことです。現実の“あるある”からはずれることで感じる恐怖みたいなことは、そろそろ限界を迎える可能性がある。だからこそ、今は物語を通じて不穏な感情を起こしたいです。

——そもそも「フィクショナル」でフェイク動画や陰謀論をモチーフにしようと思ったのは、どういう経緯で?

大森:僕と、監督の酒井さんが共通して好んでいる要素としてあるのが「現実と虚構の境目がぶれてくる」ということ、そして「一人の妄想かと思われていたものが伝染していく」ということです。それが現代社会で一番近いところにあるのは、フェイクニュースや陰謀論だと感じました。フェイクニュースは、内容が右派でも左派でも、フェイク動画を制作しているのは実は同じ人だったりするという話を聞いたことがあります。動画を制作している業者なり個人は、その内容については何とも思ってなくて、仕事として請け負ったからやっているだけ。なので、フェイク動画を作っている人を突き止めたところで、まったく思想犯とかじゃないんです。そういう現実をドラマとして戯画的に描きたいっていうのは出発点としてありました。それこそポスト・トゥルースだなって。

魚豊:いやぁ、めっちゃこわいですね。

大森:それと「フィクショナル」は「BLドラマ」を謳っているんですけど、それを踏まえた酒井さんの脚本で興味深いと思ったのは、主人公が目の前で起こることに対して感情的になり、妄想的な思考にどんどん振り回されていくのに、こと恋愛に関してだけは、感情的にもならず、まったく振り回されないんです。その脚本を読んで、人ってどんなに過激な思想に陥っても、意外と恋心だけは淡いままキープできるのかもなって。だからポスト・トゥルースの時代における最後のファクトは、そういう恋心みたいな、淡い気持ちなんじゃないかなって思いました。まぁだいぶ入り組んではいますけど(笑)。

魚豊:僕も「FACT」では陰謀論と恋愛を描いたんですけど、それは根底が一緒だと思ったからです。それらを分け隔てるのは、陰謀論は情報で、恋愛は心っていうこと。心は情報の束になれない。そこがめっちゃ重要で。最終的に陰謀論に夢中になれないのは、それが情報に過ぎなくて、心がないからだと僕は思うんですよね。

大森:その辺の意識はやっぱり「フィクショナル」とも通じますね。ただ、心というか、ヒューマニズム的なものが最後には残るとして、それが救いにはならないっていうのが現実のつらいところではあるんですけど。

「圧倒的な『力』は思想も政治も全てを超越する」(魚豊)

魚豊:結局エンターテインメントって、もちろん楽しさを提供するものではあるんだけど、最後は「力」だけでいいと思っているんです。圧倒的な力を感じさせることができれば、思想とか立場とか、全てを超越できる、と信じてる。例えば映画の「オッペンハイマー」って、ずっと政治の話をしているように見せて、実は力の話をしている。超巨大な爆発という力に人間が圧倒されているだけというか。ここ何年か、政治の話ばっかりしている様に見えて、本当は力の話をしている人もいて。最近だと、Dos Monosの「Dos Atomos」っていうアルバムは、政治的なリリックが頻出するのにまったく政治的じゃなく、完全に力の作品。僕は漫画家としてそっちを目指したい。

大森:僕が面白いと思うのも、魚豊さんと同じで、単純に迫力があるもの。「迫力あるものを描いたら、そこに政治的なメッセージが付随してきた、でもそれが何か問題でも?」というスタンスが好きです。空音央の映画「HAPPYEND」はまさにそれを感じました。政治的なものを避けるあまり、結果的に何よりも政治的になっているものは、ある種それが中心的になってしまっているように見えます。それは逆にコンテンツ自体の力も損なう。

魚豊:クリストファー・ノーランは最終的には力を描きたい人だと思います。

大森:誤解を恐れずにいうと、今回「フィクショナル」では、陰謀論やフェイク動画を扱いましたけど、僕もそのことによって政治的なメッセージを届けたいとか啓蒙をしたいとかではなくて、フィクションの題材としておもしろいから扱っただけなんです。そのおもしろさこそが力だし、魚豊さんの言うように、それは政治性を超えるのかもしれない。

魚豊:人間はありがたいことに、結局はおもしろくないと反応してくれないし、何か伝えたいものがあったとしても、つまらないと見向きもしない。その市場の無慈悲さというか、弱肉強食さはとてもいいことだと思います。

大森:こんなにショート動画があふれる世界で、おもしろくないものが届くわけないというか。

魚豊:本当にそうで、その世界の中で真に届くおもしろいを目指すのは、難しいですけど、それだけやる価値があると思います。

——そんな魚豊さんが漫画家であり続けているのは、なぜですか?

魚豊:一つ言えるのは、自分がめっちゃ好きなものが、めっちゃ売れているからですね。そのことで自分に自信を持てるし、読者をパーフェクトに信頼できる。もし自分がめっちゃ好きなものが、世間で1ミリも相手にされていなかったら、創作はできていないと思います。でも、ノーランにしてもタランティーノにしても、福本伸行先生も「闇金ウシジマくん」も、テーマは全然違うけど、全部めっちゃ売れている。しかも「闇金ウシジマくん」なんて、ものすごいコアな題材なのにめっちゃ売れてるって、漫画の可能性すごいなって思いますね。だからもし売れなかったら、それは読者のせいではなくて、僕の出力ミスのせい。読者はすさまじい審美眼を持ってると思います。

——最後に。あえて漠然とした質問をしますが、この先の未来については、どう考えていますか? 短期的でも、長期的でも、答えやすい方で。

魚豊:長期的に見れば、僕は絶対に良くなると思います。というか、おもしろくはなるだろうなって。それはやっぱり技術が進歩するので。今の時代に生まれたことはすごい残念に思ってます。もっと未来に生まれたかった。ちょっと話は飛びますが、例えば理論物理屋は、強い力、弱い力、電磁気力、重力、自然界にあるこの4つの力を統合することが大きな仕事としてあると思いますが、今のところ3つはなんとなくわかってる。だけど、重力だけはいまだにめっちゃ謎で、あると言われている未知の粒子が解明できれば、世界は一気に加速します。電磁気力の謎がわかってきたのが、ざっと200年くらい前で、その電磁気力を使ったiPhoneとかの商品化には200年くらい時間かかっている。蒸気で機械を動かしていた時代と、iPhoneがある世界と、どっちがおもしろいかって言ったら、僕はiPhoneがある世界の方がおもしろいと思う。そう考えると、この先、重力の謎が解明されて、そこから商品化までは300年くらいかかるでしょうけど、そこまでいって、重力を操作できるようになれば、空飛ぶ車も余裕だし、いろんなことができるでしょう。あらゆる問題は時間が解決するともいえる。核融合ができたりしていろいろと解決したり。新しい技術を使った商品やサービスもどんどん増えると思うので、未来は絶対おもしろいなって思うんです。

大森:僕はそこまで長期的ではないですが、この先良くはならないだろうなと思っちゃいますね。悲観主義ってわけではないし、魚豊さんのような理屈があるわけでもないので、信じられるのは自分の体感だけだとすると、良くなる感覚が全然ないです。でも、それがおもしろいし、逆にワクワクするとも思っています。魚豊さんとは全く異なる目線かもしれないですが(笑)。僕と同じように、どうにもならない虚無感を抱えた人たちが増え続け、臨界点を迎えた時、何が起こるのかとても興味深いです。ある意味での破壊衝動が自分にはあるので。厨二病的な「世界が終わってしまえばいいのに」ともまた違って、虚無の臨界超えを見てみたいです。

PHOTOS:TAMEKI OSHIRO

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伊勢丹新宿本店、通期売上高計画を「4240億円」へ上方修正

三越伊勢丹ホールディングスの4〜9月期連結業績は、小売り売上高に相当する総額売上高が前年同期比10.3%増の6191億円、営業利益が同72.8%増の348億円、純利益が同70.8%増の253億円だった。

首都圏5店を運営する三越伊勢丹の総額売上高は前年同期比14.0%増の3651億円。都心の基幹3店がいずれも業績を大きく伸ばした。伊勢丹新宿本店が前年同期比16.4%増の1981億円、三越日本橋本店が同9.0%増の762億円、三越銀座店が25.8%増の593億円。

2025年3月期通期の連結計画は、売上高1兆3200億円、営業利益720億円、純利益580億円から変更はない。基幹3店はいずれの店舗も足元の好調を受けて、期初計画を上方修正する。修正後の計画値は、伊勢丹新宿本店が前期比12.8%増の4240億円(修正前は4110億円)、三越日本橋本店が同8.6%増の1660億円(同1580億円)、三越銀座店が同24.1%増の1300億円(同1140億円)。

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伊勢丹新宿本店、通期売上高計画を「4240億円」へ上方修正

三越伊勢丹ホールディングスの4〜9月期連結業績は、小売り売上高に相当する総額売上高が前年同期比10.3%増の6191億円、営業利益が同72.8%増の348億円、純利益が同70.8%増の253億円だった。

首都圏5店を運営する三越伊勢丹の総額売上高は前年同期比14.0%増の3651億円。都心の基幹3店がいずれも業績を大きく伸ばした。伊勢丹新宿本店が前年同期比16.4%増の1981億円、三越日本橋本店が同9.0%増の762億円、三越銀座店が25.8%増の593億円。

2025年3月期通期の連結計画は、売上高1兆3200億円、営業利益720億円、純利益580億円から変更はない。基幹3店はいずれの店舗も足元の好調を受けて、期初計画を上方修正する。修正後の計画値は、伊勢丹新宿本店が前期比12.8%増の4240億円(修正前は4110億円)、三越日本橋本店が同8.6%増の1660億円(同1580億円)、三越銀座店が同24.1%増の1300億円(同1140億円)。

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J.フロントがコメ兵と合弁会社 ブランド品買い取りに参入

大丸松坂屋百貨店やパルコを運営するJ.フロントリテイリング(JFR)がリユース事業に本格参入する。JFRは13日、ブランド品リユース最大手のコメ兵と合弁会社を設立すると発表した。合弁会社が買取専門店を大丸、松坂屋、パルコに出店し、顧客からリユース商品を買い取り、コメ兵に売却する。2025年夏に1号店を出店する。

合弁会社の名称は未定。資本金および資本準備金は6億円の予定で、JFRが51%、コメ兵が49%を出資する。

百貨店の顧客はラグジュアリーブランドや時計・宝飾品をたくさん保有していても、フリマアプリや既存の買取専門店とは縁がない場合が多い。百貨店の信用力で、買い取り経験のない顧客に機会を提供する。循環型社会が進む中、百貨店は売って終わりではなく、回収の部分も担っていく。コメ兵は良質な商品を集められるメリットが大きい。

JFRは22年からリユース事業参入の検討を始め、23年からコメ兵と協議していた。検証のため、24年3月から大丸神戸店で試験的に買取店を営業したり、外商客に対して訪問買い取りを実施したりした。想定を上回る買い取り品が寄せられ、事業収益性を確認できたという。

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J.フロントがコメ兵と合弁会社 ブランド品買い取りに参入

大丸松坂屋百貨店やパルコを運営するJ.フロントリテイリング(JFR)がリユース事業に本格参入する。JFRは13日、ブランド品リユース最大手のコメ兵と合弁会社を設立すると発表した。合弁会社が買取専門店を大丸、松坂屋、パルコに出店し、顧客からリユース商品を買い取り、コメ兵に売却する。2025年夏に1号店を出店する。

合弁会社の名称は未定。資本金および資本準備金は6億円の予定で、JFRが51%、コメ兵が49%を出資する。

百貨店の顧客はラグジュアリーブランドや時計・宝飾品をたくさん保有していても、フリマアプリや既存の買取専門店とは縁がない場合が多い。百貨店の信用力で、買い取り経験のない顧客に機会を提供する。循環型社会が進む中、百貨店は売って終わりではなく、回収の部分も担っていく。コメ兵は良質な商品を集められるメリットが大きい。

JFRは22年からリユース事業参入の検討を始め、23年からコメ兵と協議していた。検証のため、24年3月から大丸神戸店で試験的に買取店を営業したり、外商客に対して訪問買い取りを実施したりした。想定を上回る買い取り品が寄せられ、事業収益性を確認できたという。

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「たまごっち」「sejuメイク」「バレエコア」 渋谷109がZ世代トレンド大賞を発表

SHIBUYA109エンタテイメントの若者マーケティング研究機関、シブヤ109ラボ(SHIBUYA109lab.)は11月12日、恒例の「トレンド大賞2024」を発表した。動画や音楽の配信サービス、SNSの影響などもあり、時代を超え平成1990〜2000年代のリバイバルも多かった24年は各部門にリバイバルや平成レトロブームの影響が見られ、コンテンツ部門の1位には「たまごっち」が選ばれている。

2024年は9部門&番外編「ビューティ部門」から選出

同企画はシブヤ109ラボの独自ネットワークである「シブヤ109ラボ メイト」に所属する15〜24歳の519人の女性を対象に実施。アンケート項目については選考委員として10人の高校生、大学生が会議に参加して決定している。

今年はカフェ・グルメ部門、アーティスト部門、ヒト部門、コンテンツ部門、SNSミーム部門、コトバ部門、ビューティー部門、ファッション部門、体験部門の9部門を設置し、今年流行した人や物、コトを選出。ほか、番外編としてプラザ(PLAZA)で販売されているビューティアイテムからZ世代で話題となったアイテムを選定した「シブヤ109ラボ×プラザ ビューティ部門」も発表している。

SNSなくしてトレンドなし!?
カフェ・グルメ部門、アーティスト部門、ヒト部門の1位は

カフェ・グルメ部門の1位はブラジル発祥のデザート「アサイーボール」。鮮やかな見た目とヘルシーさ特徴で、写真映えと健康志向の両方が満たされると人気を獲得した。2位に選ばれたミスタードーナツの“ポン・デ・リング”を焼くアレンジフード「焼きポン・デ・リング」は、アレンジの簡単さに加えパリもち食感によるASMR体験が指示を集めた。

アーティスト部門は昨年に続き、TikTokなどのSNSショート動画で楽曲が使用されたアーティストがランクイン。1位は楽曲「Magnetic』」の踊ってみた動画や、メンバーが着用するバレエコアの衣装を真似たファッションが支持を集めた「ILLIT」、2位はオーディション番組でデビューを勝ち取った「ME:I」で、番組の切り抜き動画やオーディション結果予測などがSNSで話題になった。

ヒト部門の1位は美しすぎる上智大生として話題となったインフルエンサー「かとゆり」、2位は映画「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」などの話題作に出演している「出口夏希」が選出されている

コンテンツ部門、ファッション部門、体験部門は
平成レトロブームの影響も

コンテンツ部門の1位は誕20周年を記念したリバイバル商品やコラボ商品が発売されている「たまごっち」、2位は韓国発のキャラクター「エスターバニー」が選ばれた。共に、本体やぬいぐるみをバッグに付けるなど、ファッションに取り入れやすいデザインも人気を集めた。

ファッション部門の1位は「バレエコア」で、今年は好きな世界観に合わせた「○○コアファッション」に注目が集まった。2位は三日月型の肩かけバッグ「Y2K ホーボーバッグ」。22年頃から続くY2Kスタイルに平成中期のサブカルチャーがミックスされ、小さいバッグやスマホにキーホルダーやぬいぐるみなどのチャームをつけて楽しむ様子も多かった。体験部門の1位もY2Kの影響を受けた「デジタルカメラ」がランクイン。レトロな質感の写真や動画が撮れるほか、ファッションの一部にもなるオシャレさが支持されている。

ビューティ部門の1位はなえなのや森香澄が所属する芸能事務所、sejuのタレントの顔立ちに近づけるメイクを指す「sejuメイク」がランクイン。2位はうさぎの舌のように薄いピンク色とみずみずしい艶感が特徴の「うさぎ舌リップ」で、幼くピュアな印象を与えることができると韓国で話題になり、日本でも広がった。

ほか、SNSミーム部門はユーモアあふれる猫動画を使って日常を面白おかしく表現した「猫ミーム」、コトバ部門は5人組HIPHOPユニット、KOMOREBIの楽曲「Giri Giri」に出てくるフレーズで公式TikTokでのネタ動画で人気となった「ギリハッピー」が1位に輝いている。

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銀座に全長2キロの「空中公園」 25年廃止の高架道路跡地に

東京・銀座を通る高架の自動車専用道路「東京高速道路(KK線)」が、2025年4月上旬に廃止されることが発表された。東京都の方針に基づき、跡地は歩行者中心の公共的空間に刷新される。全区間の整備完了は30〜40年代の見通し。銀座の一等地に巨大な空中公園が生まれることになり、街の姿は多く変わりそうだ。

運営する東京高速道路が12日に発表した。KK線は銀座を囲むように走る全長2キロの自動車専用道路。外堀、汐留川、京橋川を埋め立てて1966年に開通した。高架下には西銀座デパート、銀座インズ、銀座ファイブ、銀座コリドー街、銀座ナインなどの商業施設が営業している。

跡地の具体的な計画は現時点では発表されていないが、ニューヨークのハイラインを参考にした都市公園になるという見方が多い。ハイラインは廃線になった鉄道の高架の上に造られた全長2.3kmの空中公園で、人々の憩いの場になっている。

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アメアスポーツジャパン、「サロモン」渋谷店を移転増床 今後も国内外で積極出店

アメアスポーツジャパンが運営するフランス発スポーツブランド「サロモン(SALOMON)」は、2020年に開業した東京・渋谷の直営路面店を、このほど移転拡大オープンした。開業に合わせて、アメアスポーツ本国で「サロモン」のグローバル・チーフ・ブランド・オフィサーを務めるスコット・メリン(Scott Mellin)氏も来日。今後も国内外で積極出店すると明かした。

新店は渋谷寄りの明治通り沿いにあり、地上1階(売り場面積約113平方メートル)、2階(同126平方メートル)の2フロア。旧店舗と路地を挟んで向かい合った立地で、旧店との比較で面積は約2倍に広がった。店外に向けて大型のLEDビジョンも設置。ビジョンに映し出したブランドのキャンペーンムービーなどが、遠くからでも目を引く。

石を積み上げた内装がポイント

1階はトレッキングやトレイルランニング用といった、パフォーマンスカテゴリーのシューズと、バックパック、ランニングベストなどを陳列している。壁面には石を積み上げて世界観を作り込んだ。また、レジ横には、1947年にスキーエッジの研磨工場から始まったブランドの歴史を伝えるコーナーもある。

2階は近年成長著しい、ファッションカテゴリーに相当するスポーツスタイルの売り場。開業時は「エムエム6 メゾン マルジェラ(MM6 MAISON MARGIELA)」とのコラボレーションシューズや、初のコラボレーションアパレルも目玉アイテムとして陳列。試着用のベンチやチェアに、祖業であるウィンタースポーツカテゴリーのスキーブーツやスノーボードを活用しているのもポイント。

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ワコールHD4〜9月期、不動産売却で黒字確保 米国・中国の販売は苦戦

ワコールホールディングス(HD)の2024年4〜9月期連結業績(国際会計基準)は、売上高に相当する売上収益が前年同期比5.2%減の901億円、営業損益が115億円の黒字(前年同期は33億円の赤字)、純損益が87億円の黒字(同44億円の赤字)だった。営業損益の黒字化は浅草橋ビルと旧福岡事業所跡地の売却益の計上による。

国内ワコール事業の売上収益は同4.8%減の450億円、営業利益は約6倍の85億円だった。旧福岡事業所跡地の固定資産売却益(76億円)の計上で大幅な増益になった。実店舗は来店客数減少により苦戦したが、EC事業が成長。商品別では、 “シンクロブラトップ”や“重力ケアブラ ノンワイヤー”、“ハグするブラ”などが堅調に推移した。

海外ワコール事業は、売上収益が同1.4%減の345億円、営業損益が27億円の黒字(前年同期は50億円の赤字)だった。米国ワコールは、実店舗は得意先の仕入れ抑制や広告配信の規制で自社ECが苦戦したが、他社ECは好調だった。欧州はドイツやフランスの販売が伸長した。中国は、店舗、EC共に苦戦している。

ピーチ・ジョン事業は、売上収益が同6.1%減の51億円、営業損益は仕入れ単価の高騰などにより4400万円の赤字(前年同期は3700万円の赤字)だった。他社ECは、新規出店により堅調に推移したものの、自社ECや直営店はタレントを起用した販促や30周年のキャンペーン施策にも関わらず、期待以下の結果になった。

ワコールHDの矢島昌明社長は、「海外におけるEC事業を拡大する。中国事業を見直して、不採算店舗は閉店し、米国では大手他社ECに注力する。欧州は、ブラビッシモの買収により、ECと直営店のクロスセル効果が期待できる」と述べた。国内ワコールは、サプライチェーン改革の一環としてリブランディングや品番の絞り込みを行っている。19年秋冬に47ブランドあったブランドを今年11ブランドにし、品番も約2割絞り込んだ。中核会社ワコールの川西啓介社長は、「ブランドごとではなく、ニーズに合わせたリブランディングを行った。コミュニケーションに関しても、商品別の単発的なものではなく、一貫性のある蓄積型のものに切り替える」とコメントしている。

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ワコールHD4〜9月期、不動産売却で黒字確保 米国・中国の販売は苦戦

ワコールホールディングス(HD)の2024年4〜9月期連結業績(国際会計基準)は、売上高に相当する売上収益が前年同期比5.2%減の901億円、営業損益が115億円の黒字(前年同期は33億円の赤字)、純損益が87億円の黒字(同44億円の赤字)だった。営業損益の黒字化は浅草橋ビルと旧福岡事業所跡地の売却益の計上による。

国内ワコール事業の売上収益は同4.8%減の450億円、営業利益は約6倍の85億円だった。旧福岡事業所跡地の固定資産売却益(76億円)の計上で大幅な増益になった。実店舗は来店客数減少により苦戦したが、EC事業が成長。商品別では、 “シンクロブラトップ”や“重力ケアブラ ノンワイヤー”、“ハグするブラ”などが堅調に推移した。

海外ワコール事業は、売上収益が同1.4%減の345億円、営業損益が27億円の黒字(前年同期は50億円の赤字)だった。米国ワコールは、実店舗は得意先の仕入れ抑制や広告配信の規制で自社ECが苦戦したが、他社ECは好調だった。欧州はドイツやフランスの販売が伸長した。中国は、店舗、EC共に苦戦している。

ピーチ・ジョン事業は、売上収益が同6.1%減の51億円、営業損益は仕入れ単価の高騰などにより4400万円の赤字(前年同期は3700万円の赤字)だった。他社ECは、新規出店により堅調に推移したものの、自社ECや直営店はタレントを起用した販促や30周年のキャンペーン施策にも関わらず、期待以下の結果になった。

ワコールHDの矢島昌明社長は、「海外におけるEC事業を拡大する。中国事業を見直して、不採算店舗は閉店し、米国では大手他社ECに注力する。欧州は、ブラビッシモの買収により、ECと直営店のクロスセル効果が期待できる」と述べた。国内ワコールは、サプライチェーン改革の一環としてリブランディングや品番の絞り込みを行っている。19年秋冬に47ブランドあったブランドを今年11ブランドにし、品番も約2割絞り込んだ。中核会社ワコールの川西啓介社長は、「ブランドごとではなく、ニーズに合わせたリブランディングを行った。コミュニケーションに関しても、商品別の単発的なものではなく、一貫性のある蓄積型のものに切り替える」とコメントしている。

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カナダ発ダウンブランド「マッカージュ」、国内2号店を銀座に出店 ジオン商事が運営

ジオン商事の100%子会社、ジェイプラスインターナショナルは11月8日、東京・銀座2丁目に「マッカージュ(MACKAGE)」の国内2号店をオープンした。同ブランドはカナダ・モントリオール発で、ダウンアウターが主軸。国内はジェイプラスインターナショナルが20年秋冬から販売開始し、23年10月には東京・青山に国内1号店をオープンした。「売り上げの分母が小さいというのはもちろんあるが、徐々にブランド認知が高まってきたことで、青山店の売れ行きはこの暖冬下でも非常に好調」と、川端康資ジオン商事社長は話す。

銀座の新店は1、2階の2フロアで、総面積約235平方メートル。1階はウィメンズ、2階はメンズ、キッズ、スキーウエアコレクションを展開する。ダウンアウター(ウィメンズ20万円前後中心、メンズ20万円台中心)のほか、ウールコートをはじめとした布帛アウターや、スエットトップスやパンツなどのリラックス感のあるウエアもそろえる。

シンガポールでポップアップ実施

スキーウエアコレクションは国内では今秋冬から販売しており、銀座店では特に品ぞろえに力を入れている。「アジアの富裕層はウィンタースポーツを楽しむために来日するケースも多い。10月にシンガポールの高島屋でポップアップイベントを行った際も、赤道直下の国にも関わらずダウンアウターへの引き合いが高かった」という。

直営店での販売のほか、引き続き百貨店を中心に今秋冬は24のポップアップストアを開く。一部は既にオープン済み。「ダウンアウターはもちろんだが、徐々にキャップなどのアクセサリー類や布帛商品も売れるようになってきており、ブランド認知が広がっている」と手応えを語る。

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ミズノ、サッカーシューズが部活生に強い支持 24年4〜9月期業績も過去最高更新 

ミズノの2024年4〜9月期連結業績は、売上高が前年同期比4.5%増の1196億円、営業利益が同20.0%増の111億円、純利益が同4.1%増の80億円だった。売上高、利益の各段階で同期間として過去最高を更新し、営業利益率9.5%も過去最高と引き続き好調を保っている。成長をけん引しているのは、フットボール(サッカー)カテゴリーだ。

フットボールカテゴリーの全売上高に占める割合は8.4%ほど。野球(18.3%)、ゴルフ(15.4%)、ランニング(9.6%)に比べれば小さいが、「特別な販促や有力選手との契約などはない中、草の根活動や製品力が支持され、国内中高の部活生や大学サッカーの選手権でシェア1位になっている」と水野明人社長。フットボール成熟市場である欧州、市場成長中の東南アジアを中心に、「海外でも2ケタ伸長している」という。主力の野球カテゴリーは昨年のWBC特需の反動で減収だった。

ほか、バレーボールやラケットスポーツなどのインドアスポーツや、ファッション用途のライフスタイルシューズ、ワーキングシューズといったカテゴリーが好調だった。ライフスタイルシューズはランニングシューズ由来のデザインがファッションの潮流として全般的にトレンドとなる中で、外部ブランドとのコラボレーションなどを積極的に仕掛けており、直販が主軸ながらセレクトショップへの卸などでも支持を集めた。

25年3月期の連結業績は売上高が前期比8.8%増の2500億円、営業利益が同10.0%増の190億円、純利益が同4.8%増の150億円で着地する見込み。

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ミズノ、サッカーシューズが部活生に強い支持 24年4〜9月期業績も過去最高更新 

ミズノの2024年4〜9月期連結業績は、売上高が前年同期比4.5%増の1196億円、営業利益が同20.0%増の111億円、純利益が同4.1%増の80億円だった。売上高、利益の各段階で同期間として過去最高を更新し、営業利益率9.5%も過去最高と引き続き好調を保っている。成長をけん引しているのは、フットボール(サッカー)カテゴリーだ。

フットボールカテゴリーの全売上高に占める割合は8.4%ほど。野球(18.3%)、ゴルフ(15.4%)、ランニング(9.6%)に比べれば小さいが、「特別な販促や有力選手との契約などはない中、草の根活動や製品力が支持され、国内中高の部活生や大学サッカーの選手権でシェア1位になっている」と水野明人社長。フットボール成熟市場である欧州、市場成長中の東南アジアを中心に、「海外でも2ケタ伸長している」という。主力の野球カテゴリーは昨年のWBC特需の反動で減収だった。

ほか、バレーボールやラケットスポーツなどのインドアスポーツや、ファッション用途のライフスタイルシューズ、ワーキングシューズといったカテゴリーが好調だった。ライフスタイルシューズはランニングシューズ由来のデザインがファッションの潮流として全般的にトレンドとなる中で、外部ブランドとのコラボレーションなどを積極的に仕掛けており、直販が主軸ながらセレクトショップへの卸などでも支持を集めた。

25年3月期の連結業績は売上高が前期比8.8%増の2500億円、営業利益が同10.0%増の190億円、純利益が同4.8%増の150億円で着地する見込み。

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ケリング、24年7~9月期は15%減収 主力「グッチ」は26%減収と引き続き不調

ケリング(KERING)の2024年7~9月期(第3四半期)決算は、売上高が前年同期比15.2%減の37億8600万ユーロ(約6246億円)だった。

ブランド別に見ると、主力の「グッチ(GUCCI)」は同26.0%減の16億4100万ユーロ(約2707億円)、「サンローラン(SAINT LAURENT)」は同12.8%減の6億7000万ユーロ(約1105億円)と大幅に減収。「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」は、米国、欧州、中東市場で好調で、同4.2%増の3億9700万ユーロ(約655億円)と堅調だった。「バレンシアガ(BALENCIAGA)」が属するその他のメゾン部門は、同14.8%減の6億8600万ユーロ(約1131億円)だった。

地域別の売上高では、西欧が同11%減、北米は同15%減だった。日本は円安によるインバウンドの増加で第2四半期には同27%増を記録したものの、第3四半期は同3%増と急激に減少した。日本を除くアジア太平洋地域は、客足が大幅に減少したことが響いて同30%減に。なお、中国市場の景気減速などにより、中国人客の売り上げは同35%減となっている。これを受け、ケリングは大中華圏における直営店の統廃合を含む販売網の最適化に着手するほか、アジア太平洋地域を中心にアウトレットをさらに減らしつつ、全体としては引き続き卸を縮小して小売りへのシフトを加速するという。

なお、販売チャネル別で見ると、売り上げの約75%を占める直営店(ECを含む)の売上高は同17%減、卸は同12%減といずれも減収となっている。

24年度の営業利益は前年度の半分の見込み

フランソワ・アンリ・ピノー(Francois-Henri Pinault)=ケリング会長兼CEOは、「ラグジュアリーセクター全体が減速する中、当社は断固たる決意をもって大幅な変革に取り組んでいる。これは短期的な業績に大きく影響するが、私たちの絶対的な優先事項は、設備投資先の厳選やいっそうのコスト削減などを行いつつ、安定的かつ持続的な成長軌道に戻るための条件を整えることだ。私たちには、この目標を達成するための正しい戦略、組織、人材がそろっていると確信している」と語った。

アルメル・プールー(Armelle Poulou)最高財務責任者(CFO)はアナリスト向けの決算説明会で、9~10月には業績がやや上向きになったものの、10~12月期(第4四半期)に大幅な改善は期待できないと説明。このため、24年度の営業利益はおよそ25億ユーロ(約4125億円)と、前年度の約47億ユーロ(約7755億円)の半分程度になる見込みだと述べた。

なお、同社は効率性と生産性の改善のため、人員削減、サプライヤーとの契約条件の再交渉、物流の見直し、設備投資や企業支出の抑制などのコスト削減策を実施。また、投資家にニューヨークやパリの一等地にある店舗に投資してもらい、主要オーナーとする契約を年末までに締結する予定で、これによりおよそ14億ユーロ(約2310億円)のキャッシュを獲得する見込みだという。

急務である「グッチ」復活はまだ遠く

ケリングが成長軌道に戻るためには、売り上げの半分程度を占める「グッチ」の復活が急務だ。ちなみに、同社の上半期における営業利益の64%近くを「グッチ」が担っている。

しかし、回復の道のりは簡単なものではない。「グッチ」はもともと中国市場への依存度が高いブランドで、9月30日の時点で西欧における直営店数が103店なのに対し、日本を除くアジア太平洋地域では183店を構えている。なお、第3四半期における地域別での売上高は、西欧が同19%減、北米は同20%減、日本は同5%減、日本を除くアジア太平洋地域は38%減だった。

23年1月に就任したサバト・デ・サルノ(Sabato De Sarno)=クリエイティブ・ディレクターによるコレクションは、24年2月後半から販売を開始。同氏による新作が売り上げに占める割合は、第1四半期には7%以下、第2四半期には25%程度だったが、第3四半期はおよそ35%となっている。

なお、かねてより明らかにしていた通り、9月には新作バッグとして2490ドル(約37万円)の“GGエンブレム(GG Emblem)”、4100ドル(約67万円)の“グッチ B(GUCCI B)”、4200ドル(約69万円)の“グッチ ブロンディ(GUCCI Blondie)”などを発売。売り上げへの貢献に期待がかかるが、プールーCFOによれば、いずれも「既存の顧客から非常に好評」ではあるものの、やはり客足の減少が響いているという。

同ブランドは人事面でも再編に取り組んでいる。ジャン・フランソワ・パリュ(Jean-Francois Palus)社長兼CEOは、今年1月にチーフ・インダストリアル兼サプライチェーン・オフィサーを、8月に最高商務責任者を、9月にグローバル・コミュニケーション・ディレクターを任命。10月には、自身の後任となる新たなCEOとして、ステファノ・カンティーノ(Stefano Cantino)=グッチ副CEOを任命した。同氏は25年1月1日付で就任する。

ケリングの株価は今年のピーク時の半分に

プールーCFOはこうした取り組みについて、「コストの最適化や、健全かつ持続的な成長を実現するための努力は、一朝一夕に実を結ぶものではない。しかし、当社および傘下ブランドは正しい方向に向かって進んでおり、いずれよい結果となるものと確信している」と述べた。

しかし、ケリングの24年における株価は2月22日の434.50ユーロ(約7万1692円)をピークに下落し続けており、11月6日の終値230.60ユーロ(約3万8049円)はそれと比較して46.9%安とおよそ半分に。これを受け、米シティ・グループの証券部門は最近、ケリング株を「買い」から「中立」に格下げしている。

なお、ラグジュアリーセクターをけん引する競合のLVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON)も、中国市場の景気減速が響き、24年7~9月期(第3四半期)決算の売上高は同4.4%減の190億7600万ユーロ(約3兆1475億円)だった。

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ケリング、24年7~9月期は15%減収 主力「グッチ」は26%減収と引き続き不調

ケリング(KERING)の2024年7~9月期(第3四半期)決算は、売上高が前年同期比15.2%減の37億8600万ユーロ(約6246億円)だった。

ブランド別に見ると、主力の「グッチ(GUCCI)」は同26.0%減の16億4100万ユーロ(約2707億円)、「サンローラン(SAINT LAURENT)」は同12.8%減の6億7000万ユーロ(約1105億円)と大幅に減収。「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」は、米国、欧州、中東市場で好調で、同4.2%増の3億9700万ユーロ(約655億円)と堅調だった。「バレンシアガ(BALENCIAGA)」が属するその他のメゾン部門は、同14.8%減の6億8600万ユーロ(約1131億円)だった。

地域別の売上高では、西欧が同11%減、北米は同15%減だった。日本は円安によるインバウンドの増加で第2四半期には同27%増を記録したものの、第3四半期は同3%増と急激に減少した。日本を除くアジア太平洋地域は、客足が大幅に減少したことが響いて同30%減に。なお、中国市場の景気減速などにより、中国人客の売り上げは同35%減となっている。これを受け、ケリングは大中華圏における直営店の統廃合を含む販売網の最適化に着手するほか、アジア太平洋地域を中心にアウトレットをさらに減らしつつ、全体としては引き続き卸を縮小して小売りへのシフトを加速するという。

なお、販売チャネル別で見ると、売り上げの約75%を占める直営店(ECを含む)の売上高は同17%減、卸は同12%減といずれも減収となっている。

24年度の営業利益は前年度の半分の見込み

フランソワ・アンリ・ピノー(Francois-Henri Pinault)=ケリング会長兼CEOは、「ラグジュアリーセクター全体が減速する中、当社は断固たる決意をもって大幅な変革に取り組んでいる。これは短期的な業績に大きく影響するが、私たちの絶対的な優先事項は、設備投資先の厳選やいっそうのコスト削減などを行いつつ、安定的かつ持続的な成長軌道に戻るための条件を整えることだ。私たちには、この目標を達成するための正しい戦略、組織、人材がそろっていると確信している」と語った。

アルメル・プールー(Armelle Poulou)最高財務責任者(CFO)はアナリスト向けの決算説明会で、9~10月には業績がやや上向きになったものの、10~12月期(第4四半期)に大幅な改善は期待できないと説明。このため、24年度の営業利益はおよそ25億ユーロ(約4125億円)と、前年度の約47億ユーロ(約7755億円)の半分程度になる見込みだと述べた。

なお、同社は効率性と生産性の改善のため、人員削減、サプライヤーとの契約条件の再交渉、物流の見直し、設備投資や企業支出の抑制などのコスト削減策を実施。また、投資家にニューヨークやパリの一等地にある店舗に投資してもらい、主要オーナーとする契約を年末までに締結する予定で、これによりおよそ14億ユーロ(約2310億円)のキャッシュを獲得する見込みだという。

急務である「グッチ」復活はまだ遠く

ケリングが成長軌道に戻るためには、売り上げの半分程度を占める「グッチ」の復活が急務だ。ちなみに、同社の上半期における営業利益の64%近くを「グッチ」が担っている。

しかし、回復の道のりは簡単なものではない。「グッチ」はもともと中国市場への依存度が高いブランドで、9月30日の時点で西欧における直営店数が103店なのに対し、日本を除くアジア太平洋地域では183店を構えている。なお、第3四半期における地域別での売上高は、西欧が同19%減、北米は同20%減、日本は同5%減、日本を除くアジア太平洋地域は38%減だった。

23年1月に就任したサバト・デ・サルノ(Sabato De Sarno)=クリエイティブ・ディレクターによるコレクションは、24年2月後半から販売を開始。同氏による新作が売り上げに占める割合は、第1四半期には7%以下、第2四半期には25%程度だったが、第3四半期はおよそ35%となっている。

なお、かねてより明らかにしていた通り、9月には新作バッグとして2490ドル(約37万円)の“GGエンブレム(GG Emblem)”、4100ドル(約67万円)の“グッチ B(GUCCI B)”、4200ドル(約69万円)の“グッチ ブロンディ(GUCCI Blondie)”などを発売。売り上げへの貢献に期待がかかるが、プールーCFOによれば、いずれも「既存の顧客から非常に好評」ではあるものの、やはり客足の減少が響いているという。

同ブランドは人事面でも再編に取り組んでいる。ジャン・フランソワ・パリュ(Jean-Francois Palus)社長兼CEOは、今年1月にチーフ・インダストリアル兼サプライチェーン・オフィサーを、8月に最高商務責任者を、9月にグローバル・コミュニケーション・ディレクターを任命。10月には、自身の後任となる新たなCEOとして、ステファノ・カンティーノ(Stefano Cantino)=グッチ副CEOを任命した。同氏は25年1月1日付で就任する。

ケリングの株価は今年のピーク時の半分に

プールーCFOはこうした取り組みについて、「コストの最適化や、健全かつ持続的な成長を実現するための努力は、一朝一夕に実を結ぶものではない。しかし、当社および傘下ブランドは正しい方向に向かって進んでおり、いずれよい結果となるものと確信している」と述べた。

しかし、ケリングの24年における株価は2月22日の434.50ユーロ(約7万1692円)をピークに下落し続けており、11月6日の終値230.60ユーロ(約3万8049円)はそれと比較して46.9%安とおよそ半分に。これを受け、米シティ・グループの証券部門は最近、ケリング株を「買い」から「中立」に格下げしている。

なお、ラグジュアリーセクターをけん引する競合のLVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON)も、中国市場の景気減速が響き、24年7~9月期(第3四半期)決算の売上高は同4.4%減の190億7600万ユーロ(約3兆1475億円)だった。

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ケリング、24年7~9月期は15%減収 主力「グッチ」は26%減収と引き続き不調

ケリング(KERING)の2024年7~9月期(第3四半期)決算は、売上高が前年同期比15.2%減の37億8600万ユーロ(約6246億円)だった。

ブランド別に見ると、主力の「グッチ(GUCCI)」は同26.0%減の16億4100万ユーロ(約2707億円)、「サンローラン(SAINT LAURENT)」は同12.8%減の6億7000万ユーロ(約1105億円)と大幅に減収。「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」は、米国、欧州、中東市場で好調で、同4.2%増の3億9700万ユーロ(約655億円)と堅調だった。「バレンシアガ(BALENCIAGA)」が属するその他のメゾン部門は、同14.8%減の6億8600万ユーロ(約1131億円)だった。

地域別の売上高では、西欧が同11%減、北米は同15%減だった。日本は円安によるインバウンドの増加で第2四半期には同27%増を記録したものの、第3四半期は同3%増と急激に減少した。日本を除くアジア太平洋地域は、客足が大幅に減少したことが響いて同30%減に。なお、中国市場の景気減速などにより、中国人客の売り上げは同35%減となっている。これを受け、ケリングは大中華圏における直営店の統廃合を含む販売網の最適化に着手するほか、アジア太平洋地域を中心にアウトレットをさらに減らしつつ、全体としては引き続き卸を縮小して小売りへのシフトを加速するという。

なお、販売チャネル別で見ると、売り上げの約75%を占める直営店(ECを含む)の売上高は同17%減、卸は同12%減といずれも減収となっている。

24年度の営業利益は前年度の半分の見込み

フランソワ・アンリ・ピノー(Francois-Henri Pinault)=ケリング会長兼CEOは、「ラグジュアリーセクター全体が減速する中、当社は断固たる決意をもって大幅な変革に取り組んでいる。これは短期的な業績に大きく影響するが、私たちの絶対的な優先事項は、設備投資先の厳選やいっそうのコスト削減などを行いつつ、安定的かつ持続的な成長軌道に戻るための条件を整えることだ。私たちには、この目標を達成するための正しい戦略、組織、人材がそろっていると確信している」と語った。

アルメル・プールー(Armelle Poulou)最高財務責任者(CFO)はアナリスト向けの決算説明会で、9~10月には業績がやや上向きになったものの、10~12月期(第4四半期)に大幅な改善は期待できないと説明。このため、24年度の営業利益はおよそ25億ユーロ(約4125億円)と、前年度の約47億ユーロ(約7755億円)の半分程度になる見込みだと述べた。

なお、同社は効率性と生産性の改善のため、人員削減、サプライヤーとの契約条件の再交渉、物流の見直し、設備投資や企業支出の抑制などのコスト削減策を実施。また、投資家にニューヨークやパリの一等地にある店舗に投資してもらい、主要オーナーとする契約を年末までに締結する予定で、これによりおよそ14億ユーロ(約2310億円)のキャッシュを獲得する見込みだという。

急務である「グッチ」復活はまだ遠く

ケリングが成長軌道に戻るためには、売り上げの半分程度を占める「グッチ」の復活が急務だ。ちなみに、同社の上半期における営業利益の64%近くを「グッチ」が担っている。

しかし、回復の道のりは簡単なものではない。「グッチ」はもともと中国市場への依存度が高いブランドで、9月30日の時点で西欧における直営店数が103店なのに対し、日本を除くアジア太平洋地域では183店を構えている。なお、第3四半期における地域別での売上高は、西欧が同19%減、北米は同20%減、日本は同5%減、日本を除くアジア太平洋地域は38%減だった。

23年1月に就任したサバト・デ・サルノ(Sabato De Sarno)=クリエイティブ・ディレクターによるコレクションは、24年2月後半から販売を開始。同氏による新作が売り上げに占める割合は、第1四半期には7%以下、第2四半期には25%程度だったが、第3四半期はおよそ35%となっている。

なお、かねてより明らかにしていた通り、9月には新作バッグとして2490ドル(約37万円)の“GGエンブレム(GG Emblem)”、4100ドル(約67万円)の“グッチ B(GUCCI B)”、4200ドル(約69万円)の“グッチ ブロンディ(GUCCI Blondie)”などを発売。売り上げへの貢献に期待がかかるが、プールーCFOによれば、いずれも「既存の顧客から非常に好評」ではあるものの、やはり客足の減少が響いているという。

同ブランドは人事面でも再編に取り組んでいる。ジャン・フランソワ・パリュ(Jean-Francois Palus)社長兼CEOは、今年1月にチーフ・インダストリアル兼サプライチェーン・オフィサーを、8月に最高商務責任者を、9月にグローバル・コミュニケーション・ディレクターを任命。10月には、自身の後任となる新たなCEOとして、ステファノ・カンティーノ(Stefano Cantino)=グッチ副CEOを任命した。同氏は25年1月1日付で就任する。

ケリングの株価は今年のピーク時の半分に

プールーCFOはこうした取り組みについて、「コストの最適化や、健全かつ持続的な成長を実現するための努力は、一朝一夕に実を結ぶものではない。しかし、当社および傘下ブランドは正しい方向に向かって進んでおり、いずれよい結果となるものと確信している」と述べた。

しかし、ケリングの24年における株価は2月22日の434.50ユーロ(約7万1692円)をピークに下落し続けており、11月6日の終値230.60ユーロ(約3万8049円)はそれと比較して46.9%安とおよそ半分に。これを受け、米シティ・グループの証券部門は最近、ケリング株を「買い」から「中立」に格下げしている。

なお、ラグジュアリーセクターをけん引する競合のLVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON)も、中国市場の景気減速が響き、24年7~9月期(第3四半期)決算の売上高は同4.4%減の190億7600万ユーロ(約3兆1475億円)だった。

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好調アシックス、24年12月期営業利益1000億円へ 今期2度目の業績上方修正

アシックスは足元業績の好調を踏まえ、2024年12月期連結業績予想を上方修正した。今期の上方修正は7月12日に続き2回目。修正後の業績予想は、売上高が前期比19.2%増の6800億円(修正前は6600億円)、営業利益が同84.4%増の1000億円(同950億円)、純利益が同78.6%増の630億円(同580億円)となり、いずれも過去最高を更新する予定。

11月8日に発表した24年1〜9月期連結決算は、売上高が前年同期比17.3%増の5254億円、営業利益が同64.0%増の915億円、純利益が同61.2%増の649億円と、第2四半期に続き同期間で過去最高となった。続く10月も、売上高が前年同月比で35.4%増と、「きわめて好調」(富永満之社長COO)。これを受け、上方修正に至った。

パフォーマンスランニング、ファッション&ライフスタイルのスポーツスタイル、アジアで強い人気を誇る「オニツカタイガー(ONITSUKA TIGER)」の3カテゴリーが引き続き成長ドライバーとなっている。エリア別では日本、北米、欧州が特に順調だったが、全エリアで継続成長した。

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TSI「ローズバッド」手放す 「エクストララージ」を展開するビーズインターナショナルへ

TSIホールディングスの中核会社であるTSIは、ウィメンズブランド「ローズバッド(ROSE BUD)」の事業をビーズインターナショナル(東京都、西方雄作社長)に来年2月1日付で譲渡する。譲渡価格は非公開。

「ローズバッド」は1993年に渋谷の明治通りに1号店をオープン。当時としては珍しい、個性的な買い付け商品を武器にするセレクトショップとして名を馳せた。ただ競合激化による集客力の低下により、仕入れ主体のビジネスモデルが構造的に利益を生み出しづらくなったことに加え、コロナ禍が打撃となった。店舗数はコロナ前の30から12(24年2月期末)まで縮小。19年にはシンボルだった渋谷本店を閉店した。15年2月に108億円に達した売上高は、22年2月期には34億円まで落ち込んでいた。

近年はTSIグループにおける「デジタルジェネレーション領域」に事業を移管し、SNSマーケティングやトレンド・需要予測などのノウハウを取り込んで再生を図り、「ブランドの中身自体は良化傾向だった」(同社広報)という。ただTSIホールディングスの24年3〜8月期連結業績が7億9100万円の最終赤字となるなど浮上が急がれる中、「投資の選択と集中を念頭に置いた上で(『ローズバッド』の)事業譲渡を決めた」としている。

譲渡先のビーズインターナショナルは「エクストララージ(XLARGE®︎)」「エックスガール(XGIRL)」「ミルクフェド(MILKFED.)」などストリート・カジュアルブランドを主力に、アートやライフスタイルグッズなども広く手掛ける。同社の企業風土が「ローズバッド」との親和性が高く、シナジーも見込めることから合意に至った。

なお、今回の事業譲渡によるTSIホールディングスの25年2月期通期決算に与える影響は「軽微」であり、すでに発表している業績予想には織り込み済みであるとしている。

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デサント最終利益で過去最高 直販が伸びる

デサントの2024年4〜9月期連結業績は、最終利益が前期比10.0%増の62億円だった。同期間として過去最高を更新した。増収に加えて、中国の持分法適用会社の好業績によって投資利益が増加した。

売上高は同4.7%増の628億円。日本は同1.4%減の236億円だったものの、韓国が同12.1%増の311億円だった。日本はプレミアムスポーツブランドとして直販中心に展開する「デサント(DESCENTE)」が伸長した一方で、卸流通の「ルコックスポルティフ」「ムーブスポーツ」が減収だった。韓国では「デサント」「アンブロ」の成長が継続し、為替要因もプラスに働いた。

営業利益は同24.5%減の31億円だった。日本での直販の増加や値引きの抑制によって粗利益率は1.3ポイント低下したが、グローバルでの広告販促費の増加に伴って販管費率が3.2ポイント上昇した。

25年3月期の通期業績予想は、売上高が前期比2.4%増の1300億円、営業利益が同3.0%増の90億円、純利益が同4.0%増の125億円。同社の親会社である伊藤忠商事は10月29日にデサントの公開買い付け(TOB)を終了した。デサントは所定の手続きを経て、上場廃止となる見通し。

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「SHISEIDO」銀座・旗艦店が閉店 「体験価値を十分に提供できなかった」

資生堂は、グローバルブランド「シセイドウ(SHISEIDO)」の旗艦店「SHISEIDO GLOBAL FLAGSHIP STORE」(東京・銀座)を10月31日で閉店した。テクノロジーを融合した体験型店舗と位置付けていたが、コロナ禍の影響で「国内外のお客さまに体験価値を十分に提供できなかった。当初の計画よりも時間がかかってしまった」(広報担当)ことから、閉店を決めた。

同店は2020年7月にオープン。「シセイドウ」の最大規模の店舗として3フロア構成の店舗面積621平方メートルで展開していた。五感に訴求する日本初導入のメディテーションカプセルをはじめ、非接触型で実施する美容カウンセリングや、商品を自動で試せるオートテスターなどを用意。ブランドの世界観と“ジャパニーズビューティ”が体験できる空間を提供していた。

今後、移転の予定はない。「別の形で、新しい価値提供を模索する」としており、さらなる発展に向けた取り組みが注目される。

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マッシュの通期営業利益が100億円突破 24年8月期は「ジェラピケ」けん引「バブアー」飛躍


マッシュホールディングス(HD)が束ねるマッシュグループの2024年8月期連結売上高は、前期比6%増の1202億円だった。営業利益については上場準備の観点から実数は非公開としたが、同社としては初めて100億円を突破した。

景況感が悪化する中国事業などが足を引っ張り、期初目標に掲げた売上高1230億円には届かなかった。国内事業が前期比6%増の1087億円で、内訳はファッションが同8%増の866億円、ビューティが同2%増の176億円。海外事業は同5%増の115億円だった。

コラボだけで売り上げ60億円超

ファッションブランドでけん引したのは「ジェラート ピケ(GELATO PIQUE)」。売上高は前期比9%増の331億円だった 。大きな話題を呼んだ「ポケモンスリープ」コラボなど大型企画がヒットし、コラボ商品だけで60億円以上の売り上げを作った。同12%増と伸長したメンズライン“ジェラート ピケ オム”も伸び代になった。海外でも同15%増と伸ばした。

「スナイデル(SNIDEL)」は横ばいで昨年に続き200億超。国内は前年並みも、中国事業が不振だった。 派生ブランドの「スナイデル ホーム」は同35%増と健闘した。「リリー ブラウン(LILY BROWN)」は同5%増、「ミラ オーウェン(MILA OWEN)」は同1%減。中〜小規模ブランドの中では「エミ(EMMI)」が好調だった。仕入れを除くオリジナル商品の売上高が同20%増とよく売れ、スニーカー業態の「スニーカーズ バイ エミ」との合算で53億円まで成長した。

西武池袋本店からの撤退は傷深し

「フレイアイディー(FRAY I.D)」(同2%減)「セルフォード(CELFORD)」(4%減)など、西武池袋本店の改装撤退が大きく影を落としたブランドもある。同店の改装前、地下1階にはマッシュがトータルプロデュースする区画「セイブ ビーワン(SEIBU BEONE)」があった。マッシュはこのゾーンを含めて西武池袋本店に11ブランドを出店しており、合計売上高は約14億に達していたが、すべて 撤退を余儀なくされた。「トップクラスの優良店舗も多くあっただけに、すぐに補填できるレベルのダメージではない」と近藤広幸マッシュHD社長。

ビューティ事業は“中身”の良化に手応え

ビューティ領域では、「スナイデル ビューティ(SNIDEL BEAUTY)」が同57%増と絶好調だったが、主力業態の「コスメキッチン(COSME KITCHEN)」は同1%増、「ビープル(BIOPLE)」が2%増と足踏みが続く。昨年4月にビューティ事業会社マッシュビューティラボのトップに就いた豊山YAMU陽子社長の下、原価構造の見直しなどの改革が進んでおり、「中身は確実によくなっている。お客さまを楽しませるさまざまなアイデアを形にできるかが今期の勝負どころ」と近藤社長は前を向く。両ブランドとも、足下の7〜9月については前年の2ケタ増ペースで推移している。「コスメキッチン」はEC催事「ザ オーガニック デイズ(THE ORGANIC DAYS) 」が集客につながり、「ビープル」はインナーケア強化が響いている。「トーン(TO/ONE)」「セルヴォーク(CELVOKE)」も業績が上向きつつあるという。

新規3領域の拡大を成長ドライブに

成長領域に据える「メンズ」「キッズ&ベビー」「ライセンス」の3事業は、売上高合計が前期比36%増の155億円となり、強化方針を打ち出した22年8月期末の時点(76億円)から約2倍の規模に成長した。中でも「バブアー(BARBOUR)」はアウター以外のMD拡充やコーディネート提案により女性客の取り込みが進み、同72%増の42億円と飛躍した。「現在は女性比率が3割まで高まってきたが、さらに伸ばせる余地がある」(近藤社長)と手応えをつかむ。昨年11月に池袋サンシャインシティにオープンした「セサミストリートマーケット」1号店の売上高は5億円とすべり出しは順調で、今期の新規出店もすでに決まっている。

グループ連結での25年8月期売上高は1300億円を計画する。期中の大きなトピックスは基幹ブランド「スナイデル」の20周年。直近でもニュージーランド発のキッズ&ベビー服「ジェイミーケイ(JAMIE KAY)」 (10月〜)、サロン向けヘアケアの「インナーセンス(INNERSENSE)」(11月〜)、を始動し、米国発バッグブランド「レスポートサック(LESPORTSAC)」の国内販売会社の全株式を伊藤忠商事と共同取得(10月)するなど、積極的な新規事業開拓で攻勢をかける。

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マッシュの通期営業利益が100億円突破 24年8月期は「ジェラピケ」けん引「バブアー」飛躍


マッシュホールディングス(HD)が束ねるマッシュグループの2024年8月期連結売上高は、前期比6%増の1202億円だった。営業利益については上場準備の観点から実数は非公開としたが、同社としては初めて100億円を突破した。

景況感が悪化する中国事業などが足を引っ張り、期初目標に掲げた売上高1230億円には届かなかった。国内事業が前期比6%増の1087億円で、内訳はファッションが同8%増の866億円、ビューティが同2%増の176億円。海外事業は同5%増の115億円だった。

コラボだけで売り上げ60億円超

ファッションブランドでけん引したのは「ジェラート ピケ(GELATO PIQUE)」。売上高は前期比9%増の331億円だった 。大きな話題を呼んだ「ポケモンスリープ」コラボなど大型企画がヒットし、コラボ商品だけで60億円以上の売り上げを作った。同12%増と伸長したメンズライン“ジェラート ピケ オム”も伸び代になった。海外でも同15%増と伸ばした。

「スナイデル(SNIDEL)」は横ばいで昨年に続き200億超。国内は前年並みも、中国事業が不振だった。 派生ブランドの「スナイデル ホーム」は同35%増と健闘した。「リリー ブラウン(LILY BROWN)」は同5%増、「ミラ オーウェン(MILA OWEN)」は同1%減。中〜小規模ブランドの中では「エミ(EMMI)」が好調だった。仕入れを除くオリジナル商品の売上高が同20%増とよく売れ、スニーカー業態の「スニーカーズ バイ エミ」との合算で53億円まで成長した。

西武池袋本店からの撤退は傷深し

「フレイアイディー(FRAY I.D)」(同2%減)「セルフォード(CELFORD)」(4%減)など、西武池袋本店の改装撤退が大きく影を落としたブランドもある。同店の改装前、地下1階にはマッシュがトータルプロデュースする区画「セイブ ビーワン(SEIBU BEONE)」があった。マッシュはこのゾーンを含めて西武池袋本店に11ブランドを出店しており、合計売上高は約14億に達していたが、すべて 撤退を余儀なくされた。「トップクラスの優良店舗も多くあっただけに、すぐに補填できるレベルのダメージではない」と近藤広幸マッシュHD社長。

ビューティ事業は“中身”の良化に手応え

ビューティ領域では、「スナイデル ビューティ(SNIDEL BEAUTY)」が同57%増と絶好調だったが、主力業態の「コスメキッチン(COSME KITCHEN)」は同1%増、「ビープル(BIOPLE)」が2%増と足踏みが続く。昨年4月にビューティ事業会社マッシュビューティラボのトップに就いた豊山YAMU陽子社長の下、原価構造の見直しなどの改革が進んでおり、「中身は確実によくなっている。お客さまを楽しませるさまざまなアイデアを形にできるかが今期の勝負どころ」と近藤社長は前を向く。両ブランドとも、足下の7〜9月については前年の2ケタ増ペースで推移している。「コスメキッチン」はEC催事「ザ オーガニック デイズ(THE ORGANIC DAYS) 」が集客につながり、「ビープル」はインナーケア強化が響いている。「トーン(TO/ONE)」「セルヴォーク(CELVOKE)」も業績が上向きつつあるという。

新規3領域の拡大を成長ドライブに

成長領域に据える「メンズ」「キッズ&ベビー」「ライセンス」の3事業は、売上高合計が前期比36%増の155億円となり、強化方針を打ち出した22年8月期末の時点(76億円)から約2倍の規模に成長した。中でも「バブアー(BARBOUR)」はアウター以外のMD拡充やコーディネート提案により女性客の取り込みが進み、同72%増の42億円と飛躍した。「現在は女性比率が3割まで高まってきたが、さらに伸ばせる余地がある」(近藤社長)と手応えをつかむ。昨年11月に池袋サンシャインシティにオープンした「セサミストリートマーケット」1号店の売上高は5億円とすべり出しは順調で、今期の新規出店もすでに決まっている。

グループ連結での25年8月期売上高は1300億円を計画する。期中の大きなトピックスは基幹ブランド「スナイデル」の20周年。直近でもニュージーランド発のキッズ&ベビー服「ジェイミーケイ(JAMIE KAY)」 (10月〜)、サロン向けヘアケアの「インナーセンス(INNERSENSE)」(11月〜)、を始動し、米国発バッグブランド「レスポートサック(LESPORTSAC)」の国内販売会社の全株式を伊藤忠商事と共同取得(10月)するなど、積極的な新規事業開拓で攻勢をかける。

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コロネットが「カラー」買収で変わること 阿部潤一デザイナーは継続

伊藤忠商事の100%子会社コロネット(東京、七宮信幸社長)による、「カラー(KOLOR)」を手掛ける有限会社カラーの事業継承は、伊藤忠商事が「カラー」ブランドの国内外における商標を取得し、コロネットが有限会社及び国内の小売9店舗や国内外の卸80件などの組織と事業、スタッフを継承する。伊藤忠商事による商標、コロネットによる事業や店舗、スタッフなどの取得額は非公表。これに伴い、コロネットは「カラー」の阿部潤一デザイナーと業務委託契約を締結。阿部デザイナーは今後も、従来通り「カラー」のクリエイションを手掛ける。

コロネットは、社内でカラー部門を新設。コロネットで新規事業を手掛けていた松原玄太郎氏がカラーの部門長に就任した。同部門は、コロネットと、有限会社カラーのスタッフで構成。海外を中心に「カラー」のビジネスを強化する。

コロネットの七宮社長と「カラー」の阿部デザイナーは、伊藤忠商事と「カラー」が2011年に共催したチャリーティーイベントを機に交流を深めた。カラーは事業譲渡に至った理由について「ブランドとして今後さらにいろいろな取り組みを行い、事業拡大を目指すため」としている。25年1月のパリ・メンズ・ファッション・ウイークにも継続して参加する予定だ。

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「カラー」を伊藤忠傘下のコロネットが事業承継

伊藤忠商事の100%子会社のコロネット(東京、七宮信幸社長)は、デザイナー阿部潤一氏が手掛ける「カラー(KOLOR)」の運営会社である有限会社カラーの事業を承継する。コロネットのウェブサイトでは「今後は従来のスタッフも合わせた新体制で、ブランド価値を継承し、さらに力強く進化させていけるよう尽力する」と述べている。

「カラー」は阿部氏が2004年にスタート。パリのコレクションにも参加し、海外でも高い評価を受けてきた。南青山や丸の内などの直営店のほか、有力セレクトショップでの扱いも多い。

コロネットは、「ランバン」「ペラフィネ」「ヤコブ コーエン」「ムーレー」「ミラ・ショーン」「ハンティング・ワールド」「イザベル マラン」などの海外ブランドからデザイナーズまで幅広いブランドを取り扱う。

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ユナイテッドアローズ営業利益66%増 4〜9月期、盛夏にプロパー品売れる

ユナイテッドアローズの2024年4〜9月期連結業績は、本業のもうけを示す営業利益が前年同期比66.4%増の29億円だった。増収に加えて、盛夏商品の充実によって7月以降の定価販売が改善。販管費率も同1.2ポイント抑えたため、大幅な増益になった。

売上高は同11.9%増の682億円だった。単体の既存店売上高(小売り・ネット通販)の同12.8%増は、客数を同10.0%伸ばせたことが大きい。既存店売上高の内訳は、トレンドマーケットと呼ぶ「ユナイテッドアローズ」「ビューティー&ユース」などが同11.3%増、ミッド・トレンドマーケットと呼ぶ「グリーンレーベル リラクシング」などが同15.9%増だった。トレンドマーケットは、付加価値の高い商品を拡充したため客数2.4%増、客単価5.0%増。一方ミッド・トレンドマーケットは、お得感のある商品を強化したことで客単価1.7%増、客数10.6%増とした。

7日にオンラインで行われた決算説明会に登壇した松崎善則社長は「今期から事業本部制に変えたことで、事業(業態)ごとの店舗の声を的確に反映しやすくなった」と話した。例えば、従来は端境期で売れ行きが鈍る7〜9月に残暑に対応した羽織りアイテムなどの適品をきちんと提案できたと説明する。

好業績を受けて、25年3月期連結業績予想を上方修正する。修正後は売上高1509億円(修正前は1500億円)、営業利益77億円(同73億円)、純利益45億円(同41億円)とした。

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ユナイテッドアローズ営業利益66%増 4〜9月期、盛夏にプロパー品売れる

ユナイテッドアローズの2024年4〜9月期連結業績は、本業のもうけを示す営業利益が前年同期比66.4%増の29億円だった。増収に加えて、盛夏商品の充実によって7月以降の定価販売が改善。販管費率も同1.2ポイント抑えたため、大幅な増益になった。

売上高は同11.9%増の682億円だった。単体の既存店売上高(小売り・ネット通販)の同12.8%増は、客数を同10.0%伸ばせたことが大きい。既存店売上高の内訳は、トレンドマーケットと呼ぶ「ユナイテッドアローズ」「ビューティー&ユース」などが同11.3%増、ミッド・トレンドマーケットと呼ぶ「グリーンレーベル リラクシング」などが同15.9%増だった。トレンドマーケットは、付加価値の高い商品を拡充したため客数2.4%増、客単価5.0%増。一方ミッド・トレンドマーケットは、お得感のある商品を強化したことで客単価1.7%増、客数10.6%増とした。

7日にオンラインで行われた決算説明会に登壇した松崎善則社長は「今期から事業本部制に変えたことで、事業(業態)ごとの店舗の声を的確に反映しやすくなった」と話した。例えば、従来は端境期で売れ行きが鈍る7〜9月に残暑に対応した羽織りアイテムなどの適品をきちんと提案できたと説明する。

好業績を受けて、25年3月期連結業績予想を上方修正する。修正後は売上高1509億円(修正前は1500億円)、営業利益77億円(同73億円)、純利益45億円(同41億円)とした。

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資生堂が24年12月通期予想を下方修正 純利益は220億円から60億円へ

資生堂は、2024年12月期の連結業績予想を下方修正した。修正後は、売上高が9900億円(修正前は1兆円)、コア営業利益が350億円(同550億円)、純利益が60億円(同220億円)。不振が続く中国事業とトラベルリテール事業の想定以上の減収が響き、従来予想を引き下げた。

24年1〜9月期連結決算(国際会計基準)は、売上高が前年同期比横ばいの7227億円、コア営業利益が同25.6%減の274億円、営業利益が同91.5%減の21億円、純利益が96.3%減の7億円だった。日本事業での大幅な増益や、全社を挙げた構造改革効果とコスト削減で一部相殺したが、トラベルリテール・中国・米州事業の低迷が響いた。

日本事業では、高価格帯の「シセイドウ(SHISEIDO)」「クレ・ド・ポー ボーテ(CLE DE PEAU BEAUTE)」と、中価格帯の「エリクシール(ELIXIR)」が力強く成長。「シセイドウ」のファンデーション美容液“エッセンス スキングロウ ファンデーション”や、「エリクシール」の倍速美容液“ザ セラム aa”が大ヒットを記録し、成長をけん引した。

中国事業は「上半期よりも厳しい」(廣藤綾子・執行役 チーフファイナンシャルオフィサー チーフ DE&I オフィサー)状況で、減収増益だった。景況感の悪化に伴う貯蓄の増加や節約嗜好など消費低下を背景に停滞が続いた。トラベルリテール事業では、中国海南島・韓国で、中国人旅行者を中心とした消費の大幅な減少の影響を受け、低い出荷レベルとなった。

藤原憲太郎・代表執行役社長COOは、日本事業の収益力強化を掲げる一方で、「楽観視できない中国市場は戦略の見直しが必要だ」と述べ、地域ごとの収益性を最大化するための適正なポートフォリオへの転換を進める方針を示した。不透明で変化の激しい市場環境にも柔軟に対応できる経営基盤の構築を進めるべく、11月末に新たな構造改革の具体策を発表する。

「この2年は構造改革を加速するフェーズに入り、正念場を迎えるだろう。厳しい覚悟であるが、私のモットーは次の世代に課題を残さないことだ。初志貫徹し、有言実行を果たす」と決意を表明した。

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ゴールドウイン24年4〜9月期、「ザ・ノース・フェイス」訪日客けん引 韓国事業も利益押し上げ

ゴールドウインの2024年4〜9月期連結業績は、売上高が前年同期比4.4%増の533億円、純利益が同7.4%増の78億円だった。主力の「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」で、訪日客による売り上げが好調。子会社による韓国での「ザ・ノース・フェイス」販売も引き続き好調で利益を押し上げた。

売上高、経常利益、純利益で同期間として過去最高を更新した。円安・原料高、気候変動による春物の値引きなどで、売上総利益率は前年同期から0.9ポイント下落、販管費上昇もあり営業利益段階では同14.1%減の52億円だったが、韓国子会社の好調が経常利益、純利益の増益に寄与した。

訪日客の客単価は「国内客の1.6〜1.7倍」(渡辺貴生社長)といい、「『ザ・ノース・フェイス』の原宿の店舗では売上高に占める訪日客のシェアが50%を超える」。ほか、福岡、大阪などの店舗も訪日客からの引き合いが高く、国内の同社の直営全店にならすと訪日客売上比率は23.3%と、前年同期に比べ6.1ポイント高まった。特にファッションアイテムへの支持が厚い訪日客に向けて、下期も「ファッションブランドとのコラボレーションなどを強化していく」。

厳しい残暑もあり、9月末時点の在庫は前年同期に対し12%増と直近3年間で最も高い水準となっているが、「訪日客の多様なニーズに対応するために戦略的に在庫を厚くしている」と強気。「ザ・ノース・フェイス」では“ヌプシジャケット”を中心に、「ダウン衣料が過去2〜3年、販促せずともブーム的に売れたが、今季はそうした定番品のよさを伝える新たな販促・コミュニケーションに注力し、消化促進に努める」(森光取締役専務執行役員)。同時に、ダウンに代わって薄い中綿アウターや重ね着によって季節を通して着られるアイテムなども増やしており、防寒衣料に依存しすぎないブランド運営を進める。

中期計画で最重要課題と位置付けるオリジナルブランド「ゴールドウイン(GOLDWIN)」では、8月に中国・成都、9月に上海に出店。特に上海店は、開業以来「計画を大きく上回る売り上げ」(渡辺社長)といい、グローバル一番店の北京店(21年出店)を単月売り上げで既に抜いたという。25年3月期末までに杭州、南京にも出店する。アウトドアスポーツ市場振興を中国政府が打ち出していることを追い風に、「今後も年間4〜5店ペースでの出店を続ける」。

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「ナイキ」24-25年向け“駅伝パック”は心を燃やす炎をデザイン 箱根のシェアは各社混戦の予感

「ナイキ(NIKE)」は11月22日から、2024-25年の駅伝シーズンに向けたランニングシューズとアパレルのコレクション“駅伝パック(EKIDEN PACK)”を、公式アプリ、公式EC、一部卸先で販売する。シューズは本番用のレーシングシューズやトレーニングシューズ計4型で構成し、幅広いレベルのランナーに対応。毎年、機能に加えてデザイン面も話題になるが、今年は白地に赤が主張するファイヤーパターンがポイント。1月2、3日の箱根駅伝においても、選手の走りと共にその足元にも引き続き注目が集まりそうだ。

“駅伝パック”のシューズは、カーボンプレート入り厚底シューズのパイオニアとしてさまざまなレースで記録を更新してきたシューズのアップデートである“ナイキ アルファフライ 3”(3万9655円)、“ナイキ ヴェイパーフライ 3”(3万7730円)に加え、カーボンプレートは搭載しつつも硬さを変えて、軽さも前作より追求したレーシング&トレーニングシューズの“ナイキ ズーム フライ6”(1万9800円)、中高などの陸上部学生を意識したエントリーモデル的位置付けの“ナイキ ライバル フライ4”(1万1550円)の4型。“駅伝パック”のアパレル類も順次発売予定。

ファイヤーパターンは、駅伝競争が始まって間もない時代に、夜道を走るランナーのために道を照らした松明(たいまつ)がインスピレーション源という。“アルファフライ 3”はタンに“戦”の文字、“ヴェイパーフライ 3”は左右のかかと部分に“駅”“伝”の文字が入り、“ライバル フライ4”はアッパーにタスキ風のデザインを取り入れるなど、日本の駅伝カルチャーにフォーカスしたデザイン。

箱根駅伝でのシェアにおいて、「ナイキ」は厚底シューズ旋風以降、躍進を見せてきた。しかし、21年に出場選手の95.7%が「ナイキ」を着用していた(出典『ALPEN GROUP MAGAZINE』)のをピークに、22年以降は他社の厳しい追い上げの中、各社の技術や機能が拮抗。結果、24年は「ナイキ」は着用率1位は保ちつつも、シェアを42.6%(同)まで落とした。10月に開催された出雲駅伝、11月の全日本大学駅伝での選手の着用率をもとに、25年の箱根での「ナイキ」シェアを厳しめに予想する声もある。

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「ナイキ」24-25年向け“駅伝パック”は心を燃やす炎をデザイン 箱根のシェアは各社混戦の予感

「ナイキ(NIKE)」は11月22日から、2024-25年の駅伝シーズンに向けたランニングシューズとアパレルのコレクション“駅伝パック(EKIDEN PACK)”を、公式アプリ、公式EC、一部卸先で販売する。シューズは本番用のレーシングシューズやトレーニングシューズ計4型で構成し、幅広いレベルのランナーに対応。毎年、機能に加えてデザイン面も話題になるが、今年は白地に赤が主張するファイヤーパターンがポイント。1月2、3日の箱根駅伝においても、選手の走りと共にその足元にも引き続き注目が集まりそうだ。

“駅伝パック”のシューズは、カーボンプレート入り厚底シューズのパイオニアとしてさまざまなレースで記録を更新してきたシューズのアップデートである“ナイキ アルファフライ 3”(3万9655円)、“ナイキ ヴェイパーフライ 3”(3万7730円)に加え、カーボンプレートは搭載しつつも硬さを変えて、軽さも前作より追求したレーシング&トレーニングシューズの“ナイキ ズーム フライ6”(1万9800円)、中高などの陸上部学生を意識したエントリーモデル的位置付けの“ナイキ ライバル フライ4”(1万1550円)の4型。“駅伝パック”のアパレル類も順次発売予定。

ファイヤーパターンは、駅伝競争が始まって間もない時代に、夜道を走るランナーのために道を照らした松明(たいまつ)がインスピレーション源という。“アルファフライ 3”はタンに“戦”の文字、“ヴェイパーフライ 3”は左右のかかと部分に“駅”“伝”の文字が入り、“ライバル フライ4”はアッパーにタスキ風のデザインを取り入れるなど、日本の駅伝カルチャーにフォーカスしたデザイン。

箱根駅伝でのシェアにおいて、「ナイキ」は厚底シューズ旋風以降、躍進を見せてきた。しかし、21年に出場選手の95.7%が「ナイキ」を着用していた(出典『ALPEN GROUP MAGAZINE』)のをピークに、22年以降は他社の厳しい追い上げの中、各社の技術や機能が拮抗。結果、24年は「ナイキ」は着用率1位は保ちつつも、シェアを42.6%(同)まで落とした。10月に開催された出雲駅伝、11月の全日本大学駅伝での選手の着用率をもとに、25年の箱根での「ナイキ」シェアを厳しめに予想する声もある。

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阪急阪神百貨店の免税売上高1260億円に 24年度予想を上方修正

阪急阪神百貨店は、インバウンド(訪日客)による2025年3月期の免税売上高の予想を1260億円に上方修正した。期初予想は1000億円だった。中国からの訪日客が急回復しており、上期(4〜9月期)で既に693億円に達した。夏以降はやや円高に振れたため落ち着きを見せているものの、「大きな外的要因がなければ、1260億円の予想はクリアできる」(山口俊比古社長)と読む。

6日に開催した親会社エイチ・ツー・オー リテイリング(H2O)の24年4〜9月期(上期)決算説明会で発表した。百貨店事業の総額売上高は、前年同期比17.7%増の3050億円だった。国内客による売上高が3.2%増であるのに対して、訪日客による免税売上高は約400億円も上乗せされた。免税売上高693億円のうち阪急本店(阪急うめだ本店、阪急メンズ大阪)が559億円を占める。

H2Oの荒木直也社長は「海外のお客さまを(一見客としてではなく)国内のお客さまと同じように識別化し、リピーターになっていただく。特に海外の富裕層に注力する」と話した。すでに海外の顧客(カード会員など)は3万人弱に達しており、阪急阪神百貨店では約50人の専属チームで対応にあたっている。

上期の好業績を受けて、百貨店事業の通期予想を上方修正した。修正後は総額売上高6285億円(修正前は6267億円)、営業利益261億円(同255億円)を見込む。阪急本店の売上高予想も上方修正して3588億円(同3447億円)とした。

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西武池袋本店や渋谷店が「元日営業」取り止め そごう・西武、13年ぶりに見直し

そごう・西武は、西武池袋本店や西武渋谷店など4店舗について2025年1月1日を休業とし、2日から初売りを開始すると発表した。同社は2013年から元日営業を実施してきたため、13年ぶりの元日休業となる。消費者ニーズの変化や従業員満足を総合的に鑑み、見直した。

元日を休業にするのは、西武池袋本店、西武渋谷店、西武秋田店、そごう広島店の4店舗。そごう横浜店、そごう千葉店、そごう大宮店、西武所沢S.C.、西武福井店、西武東戸塚S.C.は元日営業を継続する。旗艦店の西武池袋本店は現在、大規模改装のため大半の売り場が工事中という事情がある。それ以外の店舗については「地域の特性に応じて元日に営業するか、しないかを柔軟に判断した」(同社広報)という。

多くの百貨店が元日を休みにし、2日から営業する中、そごう・西武は2013年から元日営業に踏み切った。親会社セブン&アイ・ホールディングスの意向もあって、消費者の利便性に応えることを優先させた。23年に親会社が米投資ファンドのフォートレス・インベストメント・グループに変わる新体制で、正月営業が見直された格好だ。

百貨店の正月営業をめぐっては、松屋の銀座本店が初売りを3日に後ろ倒しし、25年に関しては高島屋、大丸松坂屋百貨店、阪急阪神百貨店が一部店舗をのぞき、これに続いた。小売業は人手不足が常態化しており、店頭に立つ取引先のスタッフの確保を考慮し、営業体制の見直しを迫られた。かつてほど初売りや福袋商戦が盛り上がらなくなったことも背景にある。

競合他社に比べると、そごう・西武は4店舗で初売りを2日にズラしたにとどまる。今後、初売りを3日に遅らせる可能性について、同社は「今回の結果を踏まえて考える」(同社広報)としている。

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ユニクロ10月度7.5%減、異例の暑さで秋物低調 “ヒートテック”のヒの字も出ず 

専門店チェーン、セレクトショップの2024年10月度業績(既存店ベース)は、異例の暑さにより苦戦したとの声が目立つ。昨年10月も残暑で低調だった企業は多く、今後は「10月は夏本番」といった認識でのブランド運営が業界内にいよいよ定着していきそうだ。

国内ユニクロ売上高は前年同月比7.5%減と7カ月ぶりの前年割れ。昨年10月も同8.5%減だった。「残暑はある程度予想し商品構成を組んでいたが、それを上回る暑さだった」と広報担当者。売れ筋はメンズが“エアリズムコットン”のロングスリーブTシャツ、スーパーノンアイロンシャツ、「UT」、ウルトラストレッチボトムス、“エアリズム”インナーなど。ウィメンズはスエット、ブラトップ、チノパン、“エアリズム”インナー、ブラッシュドジャージーパンツなどといったように、秋冬向けの“ヒートテック”ではなく“エアリズム”が売れ続けている。25日に開業した「ユニクロ 新宿本店」は、「エリア内の既存店のパイを奪うこともなく、非常に好調」という。

しまむらの「ファッションセンターしまむら」(9月21日〜10月20日集計)は同3.7%減。「残暑により冬物のアウター衣料や実用品が低調。一方(中略)通季の肌着やスニーカー、パンプスは売り上げを伸ばした」(発表資料から)。昨年10月も1.4%減だった。

良品計画の「無印良品」は同18.6%増と大幅伸長した。スキンケアアイテムなどが引き続き好調な生活雑貨や食品がけん引しており、衣服・雑貨に限ると同1.7%増。10月25日〜11月4日に開催した会員セールの“無印良品週間”(昨年は10月27日〜11月6日の開催)による押し上げ効果も大きい。昨年10月は同12.9%増だった。

アダストリアは同6.3%減だった。暑さに加え、会員向けポイント還元キャンペーン(10月30日〜11月11日)の開催期間が、昨年の期間(10月25日〜11月6日)と数日ずれたことも押し下げ要因となった。一方で、「気温に左右されない生活雑貨は堅調に推移した」(発表資料から)。昨年10月は同5.0%増だった。

ユナイテッドアローズは同9.1%増と気を吐いている。「高気温が続いたものの、シャツ、カットソー、ジャケット、パンツ、ワンピースなどの秋物衣料やシューズ、バッグなどの動きが強」(発表資料から)く、年初来10カ月連続での前年超えとなった。昨年10月は同0.1%減だった。

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ユニクロ10月度7.5%減、異例の暑さで秋物低調 “ヒートテック”のヒの字も出ず 

専門店チェーン、セレクトショップの2024年10月度業績(既存店ベース)は、異例の暑さにより苦戦したとの声が目立つ。昨年10月も残暑で低調だった企業は多く、今後は「10月は夏本番」といった認識でのブランド運営が業界内にいよいよ定着していきそうだ。

国内ユニクロ売上高は前年同月比7.5%減と7カ月ぶりの前年割れ。昨年10月も同8.5%減だった。「残暑はある程度予想し商品構成を組んでいたが、それを上回る暑さだった」と広報担当者。売れ筋はメンズが“エアリズムコットン”のロングスリーブTシャツ、スーパーノンアイロンシャツ、「UT」、ウルトラストレッチボトムス、“エアリズム”インナーなど。ウィメンズはスエット、ブラトップ、チノパン、“エアリズム”インナー、ブラッシュドジャージーパンツなどといったように、秋冬向けの“ヒートテック”ではなく“エアリズム”が売れ続けている。25日に開業した「ユニクロ 新宿本店」は、「エリア内の既存店のパイを奪うこともなく、非常に好調」という。

しまむらの「ファッションセンターしまむら」(9月21日〜10月20日集計)は同3.7%減。「残暑により冬物のアウター衣料や実用品が低調。一方(中略)通季の肌着やスニーカー、パンプスは売り上げを伸ばした」(発表資料から)。昨年10月も1.4%減だった。

良品計画の「無印良品」は同18.6%増と大幅伸長した。スキンケアアイテムなどが引き続き好調な生活雑貨や食品がけん引しており、衣服・雑貨に限ると同1.7%増。10月25日〜11月4日に開催した会員セールの“無印良品週間”(昨年は10月27日〜11月6日の開催)による押し上げ効果も大きい。昨年10月は同12.9%増だった。

アダストリアは同6.3%減だった。暑さに加え、会員向けポイント還元キャンペーン(10月30日〜11月11日)の開催期間が、昨年の期間(10月25日〜11月6日)と数日ずれたことも押し下げ要因となった。一方で、「気温に左右されない生活雑貨は堅調に推移した」(発表資料から)。昨年10月は同5.0%増だった。

ユナイテッドアローズは同9.1%増と気を吐いている。「高気温が続いたものの、シャツ、カットソー、ジャケット、パンツ、ワンピースなどの秋物衣料やシューズ、バッグなどの動きが強」(発表資料から)く、年初来10カ月連続での前年超えとなった。昨年10月は同0.1%減だった。

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セレクトショップ販売員、百貨店外商、ヘアサロンオーナー 一流たちに学ぶ“稼ぐ接客”の極意

「WWDJAPAN」は2024年度、月に1回の頻度で計12のセミナーを実施している。これまで「Z世代の消費行動」や、「売れるスタイリング術」などをテーマに開催し、10月はファッションやビューティ業界の最前線で働く「販売員」に焦点を当てた。十数年にわたり「販売員特集」を組んできた「WWDJAPAN」にとって、彼らは時代を映す鏡。今をときめく販売員たちは対面接客とオンライン接客をどう使い分けているのか。10月15日に開いたセミナーでは、セレクトショップ、百貨店、ヘアサロンから3人のプロフェッショナルをゲストに呼び、“稼ぐ接客”の極意を聞いた。

3児の母&時短勤務にしてトップ販売員!?

セミナー第1幕の主題は、ブランドECサイトを通して、どう顧客との接点を広げるのか。登壇者は、接客コンテスト「スタッフオブザイヤー2023」でグランプリに輝いた「ユナイテッドアローズ」新宿店スタッフの仲希望さんと、DX接客サービス「スタッフスタート」の運営元であるバニッシュ・スタンダードの小野里寧晃最高経営責任者(CEO)だ。同コンテストで優勝するためには、対面接客だけでなく、オンライン接客の観点からも圧倒的な成績を収めなければならないが、仲さんは後者のスキルをバニッシュ・スタンダードが提供するDXサービス「スタッフスタート」を通して磨いてきたという。

仲さんは3児の母であり、時短勤務で店舗に立ってきた。「限られた時間の中で店に利益をもたらすには?」を考え、「スタッフスタート」のコンテンツ投稿機能を用いて大量のコーディネート案をブランドサイトにアップしている。仲さんのルーティンは、他の社員よりも早く出勤し、1日に最大10投稿できるよう、ひたすらコーディネートの写真を撮影すること。店舗がオープンしたら顧客対応や日々のタスクをこなしながら、合間を縫って投稿する。そのストイックぶりは「まるでアスリート社員」と小野里CEOも感嘆するほど。

また、「仲さんがすごいのは、あくまでもお客さまが必要とするアイテムを起点にコーディネートを考えるところ」と小野里CEOは紹介する。一般的な販売員は、自分に似合うアイテムでコーデを組みがちだが、仲さんは顧客データに基づいて投稿内容を決める。顧客のEC上における回遊動線をたどり、どの投稿を見て購入に至ったかを分析。考察結果をもとに、新たな投稿を制作し、日々PDCAを回していく。だからこそ、「顧客の『欲しい!」を誘発するコンテンツを作ることができている」のだとした。

外商員は“お客さまのプロ”

続くセミナー第2幕では、顧客ロイヤリティーの向上をテーマに、阪急阪神百貨店で外商員を務める後藤大祐さんが登場。顧客の懐に入り込む術と共に、同社の外商員史上最高の個人売り上げを叩き出すに至るまでを語った。
そもそも外商とは、1人のVIP顧客の要望を叶えるために、マンツーマンの接客を行う仕事。商品を紹介するだけでなく、百貨店の枠組みを超えたおもてなしとして、高級ホテルや海外での催事を企画することもある。

「外商は、接客のプロである以上にお客さまのプロ」。後藤さんは何よりも第一に、顧客との信頼獲得に励んできた。現在、外商員歴約9年になるが、駆け出しの頃は「見ず知らずの外商員に会いに店舗に足を運んでくれる人などいないため、ひたすら自宅訪問して顔を覚えてもらうようにしていた」と振り返る。そして、どれだけ夜遅い時間に連絡が届いたとしても迅速な返信を心がけ、顧客が深層心理で抱いている要望に寄り添う。例えば、コロナ禍で友人との交流が思うように取りづらくなっていた顧客には、友人とのコミュニケーションの場として話題の高級ホテルを手配し、さらにはホテルの担当者と連携してオリジナルの食事メニューを振る舞った。6歳の娘を持つ顧客から「とある大人気ブランドのハンカチがどうしても欲しい」という声が届けば、ECサイトでの発売日に何人もの自社スタッフを総動員して要望を叶えた。「商品以外でも顧客の“喜び”を模索すると、将来売り上げとして返ってくる」と後藤さん。外商の世界においては「何を買うか」よりも「誰から買うか」が大事であり、底なしのおもてなし精神こそが顧客の心をつかむための秘けつであると語った。

親子3代が顧客に 人気ヘアサロンの接客

ラストの第3幕ではビューティ市場にフォーカス。登壇するのは渋谷と新宿に店舗を構える人気のヘアサロン 「ヴァイス(VAICE)」で代表を務める浅野宏明さんだ。同サロンはハイトーンから白髪染めまで、幅広い世代のオーダーに対応することで評判を博しており、美容機器の売り上げでも全国トップクラスを誇っている。ファシリテーターを務めた中村慶二郎「WWDJAPAN 」編集部シニアエディターによれば、ヘアサロンは、顧客の滞在時間が少なくとも2〜3時間という「特殊な業態」であり、いかに負担や違和感を抱かせない接客に徹するかが肝になる。浅野さんは「だからこそ、僕は余計な商品の説明は絶対にしない」とと断言する。

一般のヘアサロンでは、仕上げにヘアミルクやヘアオイルを塗布したり、ヘアセットをしたりすることが多いが、「それは美容師のエゴではないか」と問いかける。「お客さまはその匂いが実は苦手かもしれないし、すぐに帰宅して就寝したいかもしれない」。そんな中で、サロン専売品や、ドライヤーやヘアアイロンなどの美容機器をどう売っているのか。「売ろうとする接客はせず、始めから終わりまでカウンセリングをする意識でいる」といい、例えば、「リファ(RIFA)」の新しいドライヤーであれば、折りたたみ式であることと海外の電圧にも対応していることをメリットとして挙げ、それを海外旅行好きの顧客に紹介する。「トリートメントの提案も、価格がネックになっているお客さまには『ドンキで買った方がいいよ』と提案することもあります」と笑う。

こうして地道に積み上げた安心感は、顧客層の中心が30〜40代女性である「ヴァイス」の間口を広げている。浅野さんはインスタグラムに、子どもやお年寄りを接客する様子を投稿しているが、「お客さまが自然に連れてきてくれるようになっただけ」と話す。自身が信頼する美容師に、子どもや親のヘアスタイリングも任せたいと思う人が多いようで、今や親子3代を同時に施術することも少なくないという。「あくまでも目の前のお客さまが何を1番求めているかを考えて、それに合わせた提案をするのみ」。至極シンプルに思えるアドバイスには、浅野さんの経験値による裏付けがあり、さらなる金言を求めてセミナー視聴者からはさまざまな質問が寄せられた。

続きはアーカイブ動画をチェック!

全3セッションから構成するプログラムの全容を知りたい人は、後日販売するアーカイブ動画をチェックしてほしい。

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セレクトショップ販売員、百貨店外商、ヘアサロンオーナー 一流たちに学ぶ“稼ぐ接客”の極意

「WWDJAPAN」は2024年度、月に1回の頻度で計12のセミナーを実施している。これまで「Z世代の消費行動」や、「売れるスタイリング術」などをテーマに開催し、10月はファッションやビューティ業界の最前線で働く「販売員」に焦点を当てた。十数年にわたり「販売員特集」を組んできた「WWDJAPAN」にとって、彼らは時代を映す鏡。今をときめく販売員たちは対面接客とオンライン接客をどう使い分けているのか。10月15日に開いたセミナーでは、セレクトショップ、百貨店、ヘアサロンから3人のプロフェッショナルをゲストに呼び、“稼ぐ接客”の極意を聞いた。

3児の母&時短勤務にしてトップ販売員!?

セミナー第1幕の主題は、ブランドECサイトを通して、どう顧客との接点を広げるのか。登壇者は、接客コンテスト「スタッフオブザイヤー2023」でグランプリに輝いた「ユナイテッドアローズ」新宿店スタッフの仲希望さんと、DX接客サービス「スタッフスタート」の運営元であるバニッシュ・スタンダードの小野里寧晃最高経営責任者(CEO)だ。同コンテストで優勝するためには、対面接客だけでなく、オンライン接客の観点からも圧倒的な成績を収めなければならないが、仲さんは後者のスキルをバニッシュ・スタンダードが提供するDXサービス「スタッフスタート」を通して磨いてきたという。

仲さんは3児の母であり、時短勤務で店舗に立ってきた。「限られた時間の中で店に利益をもたらすには?」を考え、「スタッフスタート」のコンテンツ投稿機能を用いて大量のコーディネート案をブランドサイトにアップしている。仲さんのルーティンは、他の社員よりも早く出勤し、1日に最大10投稿できるよう、ひたすらコーディネートの写真を撮影すること。店舗がオープンしたら顧客対応や日々のタスクをこなしながら、合間を縫って投稿する。そのストイックぶりは「まるでアスリート社員」と小野里CEOも感嘆するほど。

また、「仲さんがすごいのは、あくまでもお客さまが必要とするアイテムを起点にコーディネートを考えるところ」と小野里CEOは紹介する。一般的な販売員は、自分に似合うアイテムでコーデを組みがちだが、仲さんは顧客データに基づいて投稿内容を決める。顧客のEC上における回遊動線をたどり、どの投稿を見て購入に至ったかを分析。考察結果をもとに、新たな投稿を制作し、日々PDCAを回していく。だからこそ、「顧客の『欲しい!」を誘発するコンテンツを作ることができている」のだとした。

外商員は“お客さまのプロ”

続くセミナー第2幕では、顧客ロイヤリティーの向上をテーマに、阪急阪神百貨店で外商員を務める後藤大祐さんが登場。顧客の懐に入り込む術と共に、同社の外商員史上最高の個人売り上げを叩き出すに至るまでを語った。
そもそも外商とは、1人のVIP顧客の要望を叶えるために、マンツーマンの接客を行う仕事。商品を紹介するだけでなく、百貨店の枠組みを超えたおもてなしとして、高級ホテルや海外での催事を企画することもある。

「外商は、接客のプロである以上にお客さまのプロ」。後藤さんは何よりも第一に、顧客との信頼獲得に励んできた。現在、外商員歴約9年になるが、駆け出しの頃は「見ず知らずの外商員に会いに店舗に足を運んでくれる人などいないため、ひたすら自宅訪問して顔を覚えてもらうようにしていた」と振り返る。そして、どれだけ夜遅い時間に連絡が届いたとしても迅速な返信を心がけ、顧客が深層心理で抱いている要望に寄り添う。例えば、コロナ禍で友人との交流が思うように取りづらくなっていた顧客には、友人とのコミュニケーションの場として話題の高級ホテルを手配し、さらにはホテルの担当者と連携してオリジナルの食事メニューを振る舞った。6歳の娘を持つ顧客から「とある大人気ブランドのハンカチがどうしても欲しい」という声が届けば、ECサイトでの発売日に何人もの自社スタッフを総動員して要望を叶えた。「商品以外でも顧客の“喜び”を模索すると、将来売り上げとして返ってくる」と後藤さん。外商の世界においては「何を買うか」よりも「誰から買うか」が大事であり、底なしのおもてなし精神こそが顧客の心をつかむための秘けつであると語った。

親子3代が顧客に 人気ヘアサロンの接客

ラストの第3幕ではビューティ市場にフォーカス。登壇するのは渋谷と新宿に店舗を構える人気のヘアサロン 「ヴァイス(VAICE)」で代表を務める浅野宏明さんだ。同サロンはハイトーンから白髪染めまで、幅広い世代のオーダーに対応することで評判を博しており、美容機器の売り上げでも全国トップクラスを誇っている。ファシリテーターを務めた中村慶二郎「WWDJAPAN 」編集部シニアエディターによれば、ヘアサロンは、顧客の滞在時間が少なくとも2〜3時間という「特殊な業態」であり、いかに負担や違和感を抱かせない接客に徹するかが肝になる。浅野さんは「だからこそ、僕は余計な商品の説明は絶対にしない」とと断言する。

一般のヘアサロンでは、仕上げにヘアミルクやヘアオイルを塗布したり、ヘアセットをしたりすることが多いが、「それは美容師のエゴではないか」と問いかける。「お客さまはその匂いが実は苦手かもしれないし、すぐに帰宅して就寝したいかもしれない」。そんな中で、サロン専売品や、ドライヤーやヘアアイロンなどの美容機器をどう売っているのか。「売ろうとする接客はせず、始めから終わりまでカウンセリングをする意識でいる」といい、例えば、「リファ(RIFA)」の新しいドライヤーであれば、折りたたみ式であることと海外の電圧にも対応していることをメリットとして挙げ、それを海外旅行好きの顧客に紹介する。「トリートメントの提案も、価格がネックになっているお客さまには『ドンキで買った方がいいよ』と提案することもあります」と笑う。

こうして地道に積み上げた安心感は、顧客層の中心が30〜40代女性である「ヴァイス」の間口を広げている。浅野さんはインスタグラムに、子どもやお年寄りを接客する様子を投稿しているが、「お客さまが自然に連れてきてくれるようになっただけ」と話す。自身が信頼する美容師に、子どもや親のヘアスタイリングも任せたいと思う人が多いようで、今や親子3代を同時に施術することも少なくないという。「あくまでも目の前のお客さまが何を1番求めているかを考えて、それに合わせた提案をするのみ」。至極シンプルに思えるアドバイスには、浅野さんの経験値による裏付けがあり、さらなる金言を求めてセミナー視聴者からはさまざまな質問が寄せられた。

続きはアーカイブ動画をチェック!

全3セッションから構成するプログラムの全容を知りたい人は、後日販売するアーカイブ動画をチェックしてほしい。

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