柳井社長が語るファストリの現在と未来 2人の息子の役割や対「シーイン」にも言及

「ユニクロ(UNIQLO)」「ジーユー(GU)」を手掛けるファーストリテイリングは2024年8月期、売上高3兆円達成を果たした。柳井正 会長兼社長は10月10日開催の決算説明会に登壇し、現状認識と成長に向けた考え方、企業の存続意義、後継者や2人の息子の関わり方、さらには、「ジーユー」の成長スピードへの期待や、「シーイン(SHEIN)」や「TEMU」への警鐘などを語った。質疑応答の柳井会長発言パートを含め、会見のほぼ全文をレポートする。

柳井正ファーストリテイリング会長兼社長(以下、柳井):ファーストリテイリングが今後どのような考え方で経営していくのかをお話したいと思います。

世界中の個人がスマートフォンを手に、自らダイレクトに情報を発信・受信する時代になりました。あらゆる情報が公開され、いつでも誰でもアクセスできる。世界のすべての場所でそのような変化が起こっています。

そこでは、誰が信頼できる情報を発信しているのか。誰が信頼できる商品やサービスを提供しているのか。個人も企業も社会性が問われます。売り手の都合、企業の都合、国家の都合といった、自分の理屈を押し付けようとしてももはや通じません。社会の役に立つ企業であることがますます重要になってきます。いまや世界の市場は一つになり、企業間、人材間の競争は世界が舞台です。かつて一国の枠組みの中で考えていた経営が、完全に世界市場が前提になります。このことは、私たちファーストリテイリングにとって大きなチャンスです。

私たちは2001年のロンドン進出以来、数々の失敗を繰り返しつつも、その経験に一つひとつ学び、ようやくグローバルプレーヤーとしての基本を身につけつつあります。現時点では真のグローバルブランドを目指す競争にやっと出場資格を得た段階に過ぎませんが、今からもっと力をつけ、世界に出ていきます。世界が大きく変化し、会社も人も出来上がりつつある今こそ、次の成長への絶好のタイミングであると考えています。

「公開企業とファミリー企業の
良さを併せ持つ」

今年6月、「ユニクロ」は創業40周年を迎えました。先週、パリで「ユニクロ」40 周年を記念し、「The Art & Science of LifeWear(ジ・アート&サイエンス・オブ・ライフウエア)」というイベントを開催しました。世界中から多くのお客様やメディア、ファッション関係の皆さまが訪れ、世界中から私たちファーストリテイリングの“LifeWear”の考え方を体感いただきました。創業以来40年間、多くのお客さまや株主、取引先の皆さまに支えられ、成長を継続してきました。

今後もさらに急成長していきます。毎年5000億円ずつ売り上げを伸ばしていくと、数年のうちに売上高5兆円に届きます。世界市場の環境や会社の潜在力はそれが可能なステージに来ています。その先、さらに10兆円を目指し、将来に向けての具体的な計画と準備を進めています。

今後の成長において最も重要なことは、人材の投資です。グループ全体の経営者、各国・各機能の経営者の発掘と成長、そして一番大切なのは、世界各地の店舗を支える店長と販売員の育成です。世界中で良い人を採用し、各人の志と会社の志、理念が一致し、店主・経営者として精一杯日々の仕事に向き合う。そして、会社と社外に役に立つ人材へと成長していく。そのような人の集団にすべく、今後も人材育成に惜しみなく投資していきます。

自社の理念を共有し、実現するための経営人材の育成を考えれば、全ての人材が長期的視野で企業理念や価値観を深く学び、継続的に成長していく教育体制が必要です。そういう考え方でこれまでもやってきており、土台ができています。

大切なのは上司が部下に会社の理念と考え方を明確に伝えること。そして部下が上司を超えるレベルに成長することだと考えています。ここに同席している塚越(大介ユニクロ社長兼COO)をはじめ、会社の理念に深く共感し、長く会社の成長に貢献してきた経営者が育っています。

現在、私の時間の大部分は継承者の育成に費やしています。経営の継承とは、私自身が実践してきたことを各人が自分の力で実践できるようにすることです。物事の本質、最も大切なポイントがずれることがないように、座学でなく、現場の仕事、実務を通じて経営の原理原則と判断基準を教え、間違っている場合には、ここがこのように違うと具体的に伝えて、その仕事が成功するように持っていく。そのようなことを日々現場で実行しています。

また、柳井一海と柳井康治には、単に柳井ファミリーの継承者でなく、企業のガバナンスの部分をしっかりと担ってもらいたいと思います。企業経営全般において、売上収益の達成にとどまらず、常に真に正しい経営を行い、良い企業として社会に役立つ存在になるために様々なことを発言してほしいと考えています。公開企業でありつつもしっかりした創業家が存在し、ファミリー企業の良さを併せ持ち、双方の良いところを発揮できるようなバランスの取れた経営を行いたいと考えています。

さらに、次の世代として能力、知見ともに優れた人材が各国、各部門に多くいます。今期からはそうした経営者人材の具体的な発掘と雇用をさらに加速します。現在、執行役員、各国の経営陣が責任を持って育成に関わる体制を構築しているところです。

世界各地でそれぞれの経営執行チームを作る一方、GHQ(グローバルヘッドクオーター)の経営執行チームは本部から遠隔で関与するものではなく、直接現地に行って現場・現物・現実に基づき、自ら課題を発見し、現地の経営陣と社員を巻き込んで、ともに解決する。そういう体制に全社を作り変えていきます。そのためには長時間労働、人海戦術は通用しません。もっと仕事の基準を上げ、少数精鋭を徹底します。すべてをお客さまの基準で判断し、自分の頭で考えて行動する、自立した判断力を持つ個人が最先端のデジタル技術を駆使し、あらゆるソフトやハード、デバイスを活用して、少数精鋭で国を超えたチームで連携する。このような体制に変えていきます。

冒頭お話したように、グローバルな市場では国の垣根や業界の際が消え、企業の真の力が問われる時代になりました。商売とは当たり前のことの繰り返しです。目先の利益に惑わされることなく、お客さまにとって最高の商品、最高のサービスを実現する。そのために必要な、当たり前のことをひたすら真面目に実行する。日々の仕事をきちっと振り返る。足りないところは即座に改めて再挑戦する。常に高い成果を出し、会社の収益も社員の報酬も着実に上げていく。最終的にお客さまに選ばれ、生き続けることができるのは、そういう企業だけです。

「目先の利益追求とは一線を画す」

私たちは決して特殊な才能を持つ人間の集団ではありません。しかし、過去 40 年当たり前のことを愚直にやってきたので成長できました。大切なことは常に自分自身が高い基準を維持することです。お客さまの視点には立てば、仕事には100点と0点しかありません。

自分の求める基準が低ければ、お客さまや社会の視点を忘れ、自分都合の仕事に陥ってしまいます。常にこの仕事は何のためにあるのか?お客さまの役に立っているのか?そのような視点を忘れずに、常に完璧を目指します。そのような企業姿勢を今後も継続していきます。

近年、デジタル技術の進化で、その傾向が加速されています。多くの企業がさまざまな領域で目先の利益のみを追い求める投機的な行為に走っています。

私たちファーストリテイリングは、そうした動きと一線を画し、これまで長期間にわたり、事業そのものの価値を高める経営に専念してきました。そのためにパートナー企業と力を合わせ、事業を全てをエンド・トゥー・エンドで自らが責任を持ってやり通す。そのような経緯をより徹底します。

近年の急速な技術革新によって、企業同士がグローバルな規模で綿密なパートナーシップを結び、一緒に成長し、お互いに利益を得られる関係がより強力に実現できるようになりました。これは私たちには大きな追い風です。企業として利益追求は当然のことですが、そのために社会のあらゆる方面で共存共栄の関係を作り出し、事業拡大と社会に対する貢献がイコールになる。そういう会社にする。常に高い志を忘れず、同時に事業経営で高い利益を上げて、サステナビリティ活動を継続する。そのような考え方が非常に重要です。加えて、私たちは個々の店舗が主体となる経営なので、地域への貢献が不可欠です。地域の人と協業して共に栄える。これまでもそういう姿勢を重視して、地域の企業や個人と共存共栄を掲げ一緒にやってきました。今後も引き続き、より社員の士気を高め、地域の皆さんとともに成長していきます。

私たちは日本で生まれた企業です。グローバル企業でありつつも、日本文化に根差したユニークさを大切にしています。常に品質を追求し、無駄を省いてものを大切にする心。個性を尊重しつつもチームや組織全体の利益を追求する姿勢。日本の文化や仕事のやり方の良い点を企業経営に生かし、世界に広く発信してより多くの人に理解してほしいと考えています。

以前の決算説明会でもお話したことがありますが、日々の株価に一喜一憂するのではなく、常に業績に対して責任を持って経営する。そういう考え方でこれまで経営してきました。今年は当社にとって株式上場30周年であります。これまで常に長期的な視野に立ち、継続的にその責任を果たしてきたので現在の株価があるものと考えています。今後も変わることなく、自社の長期的な価値を高める企業活動を行ってまいります。

企業は長期にわたって事業を継続し、社会の利益に貢献し続ける、Going Concern(ゴーイングコンサーン)が最も重要です。40周年を超えて、50周年、60 周年、100周年と同じように成長を続けられる企業にするべく努力を続けます。

【メディア&アナリストからの質疑応答】

ーー欧州と北米について、ブランド力もブランド認知も上がってきて、売れる商材もブラトップに代表されるように広がりが見える中で、2年後の目標の欧州で5000億円、北米で3000億円などがかなり射程に入っていると思う。それぞれの国で例えば1兆円を達成するには、今の人材投資などをしながら、もう見えている感触があるのか、それとも野望はもっと高いぞとか、そこに持っていくために今何が必要なのか?

柳井:私個人としては、欧州はかなり確証があるんじゃないか、北米はかなり民族性も違い価値観も違う中でいかがなものかなと思っている。できたらやっぱり欧州でナンバーワン、北米のナンバーワンになりたいっていう風に思います。やっぱり真のグローバルブランドになるというのは、主だった市場でナンバーワンにならない限り、真のグローバルブランドになり得ないと思ってます。それと、見えているかどうかはわかりませんが、感触はあります。それが本物かどうか。今いる人材とこれから先入ってくる人材、とくにニューヨークやパリ、ロンドン、こういうところは人材の宝庫なんで、素晴らしい人材を、我々と一緒の考え方で一緒に成長していける、そういう企業を作ることが大事なんじゃないかなっていう風に考えてます。

ーー感触はあるということだが、ナンバーワンになるという方はどうか?

柳井:両方ともですよね。私は行けるところまで行こうということを考えているんで。行けるとこまで行くっていうのは、多分10兆円超えても行けるとこまで行こうっていう風に考えていて、それをやろうっていう風に考えています。

ーー毎年5000億円ずつ積み上げていけばという話があったが、一方で現実的な目線として、例えば今回の計画では3000億円ぐらいずつ積み増すことを目指している。大きく売り上げを増やしていく部分と、まだそこまで達してない部分があるとすると、どういうところを埋めていけばさらに大きな拡大が目指せると見ているのか?

柳井:やっぱり人材。当然なんですけど、グローバルだけでは経営できない。ローカルだけでも経営なんてできない。世界はつながっているわけですよ。ですから、グローバルのことも理解しながら、ローカルの市場に合わせて、もっと言ったら、1店舗ずつの個店経営(をする)。服の場合は、色とサイズが全部違いますから、SKU経営。そういったことが必要なんじゃないか。それが充足できれば。そういった技術というのはもうすでに開発されているが、でも、それを全部つなげないといけないんですね、当然のことながら。だから、そういう風なエンド・トゥー・エンドでできる人。これ、デジタルの世界でもそうですけど、感性の世界でもそうですよ。結局、数学の世界と感性の世界は、到達点は、いかにお客様の生活にプラスになるか、 社会にとってプラスになるか。そういうところに尽きるんじゃないかなと思うので、そういうことができる人材、および、そういうチーム、 それを各地で作っていかないといけないんじゃないかなという風に思います。

ーーこれからのファーストリテイリングとユニクロの経営の体制について。人材投資の重要性や、経営の継承が進んでいること、一海さん、康治さんの発言の重要性についても触れ、今後5兆円、あるいは10兆円、さらにその先に行けるところまで行くという。今、ファーストリテイリングで柳井会長が担っている部分を一海さんと康治さんが担い、現場のユニクロの事業の運営、成長、あるいは「ジーユー」「プラステ(PLST)」といったブランドの部分に関しては、塚越さんのように現場でその仕事を学び成長してきた人材が経営する。そういった体制をお考えなのか?

柳井:(一海氏、康治氏、塚越氏)および、そのチーム、ですね。継承に関しては、世界で最近成長しているところを見れば、やっぱり情報産業ですよね。デジタルですよね。ただし、これは時代の先駆けですよ。本来は全作業がそういう風になる。我々は偶然なのか必然なのか、繊維産業、あるいは小売業。小売業であるし、製造業であるしで、工場とか物流まで全部やらないといけないと思います。だからそれをエンド・トゥー・エンドで(やらなければならない)。でね、2人の息子に言っていることは、経営者にしないよと言っています。ガバナンスをやってもらえればもう十分だと思う。で、ファーストリテイリングにしてもユニクロにしても、やっぱり一般社員が最終的に社長になれるっていうことが必要だっていう風に思うし、これは持ち株会社じゃなくても、なんであってもそういうことなんじゃないかなと考えています。ですから、普通のように、持ち株会社は創業家で、他の会社、事業会社は一般社員からっていうことは考えていません。その辺、誤解しないようにお願いしたい。

ーーグループの売上げが初めて3兆円を突破したが、ジーユーも3000億円を突破し、一つの画期的なポイントになった。今後のポテンシャルと成長スピードについてどう考えるか。また、「ジーユー」のニューヨーク店の感想もお願いしたい。

柳井:僕もニューヨークの店、見てないんですけど。いや、もう3000億円どころじゃない。僕はね、常々(柚木治ジーユー)社長に言ってるんですよ。ユニクロの半分をプレゼントした、ということなんで、少なくとも3兆円ぐらいはできるんじゃないかなと思ってるんで。なんか本人(柚木社長)は1兆円って言ってますけど、ちょっと1兆円と3兆円と間違えているんじゃないかなっていうのが、僕のね、本心と言いますか、お願いしたいことですよね。

ーー業界を見ると、「シーイン」や「TEMU」のような、超ウルトラファストファッションと言うようなデジタルを軸にした新しいビジネスモデルの急成長企業が出てきている。そこに対する脅威や影響、逆に学ぶことは?

柳井:スピードという点では、作ることはできるんですよ。あんなものは誰でもできますよね。誰でもできることで、国際的な基準とか水準とか倫理からいけば、言ってはなんですけど、ちょっとやっぱり、法にもとるんじゃないかなって私は考えています。ですので、長続きしない(と思う)。やっぱり1点ずつ個人で届ければ税金がかからない。そういうことはある意味ではグレーですよね、これ。ですから、私はあまり気にしていませんし、あんな簡単に商品を作っていいのかどうか。資源の無駄遣いじゃないかなっていう風に考えてますけど。

ーー塚越さんがユニクロ社長兼COOに就任してからここまでの通信簿というか、評価は?

柳井:まあ、評価は自分で決めた方がいいんじゃないかなと思いますし(笑)。まあまあ、なんじゃないかなっていう。点とか、そんなんつけてもしょうがないですよね、これ。できるかどうかの問題。それだけです。

ーー今のところはもちろん、合格ということ?

柳井:いや、まあ、(なかなか良く)やってるんじゃないかなっていう、そういう風に思います。

ーー人材に投資が必要で、少数精鋭で報酬で成果に報いていくというが、 全体に対する賃上げの考え方は?

柳井:これは他の会社と違うんじゃないかなと思うんですけどね。ベースアップみたいなことは考えてません。 やっぱり1人ずつが正当に評価されて、公正に評価されることが必要なんじゃないかなと思いますし。それよりも、日本がこの30年間、報酬がアップしていない、しかも円安になってる。こういう現実をもっと自覚して危機感持って仕事をしないと日本人はいけないんじゃないかと思います。各国に比べると圧倒的に低いですからね。だから、昨年40%アップみたいなこと言ったんですけど、あれは一律40%アップじゃなしに、倍とか3倍ぐらいになる人もいれば、そのまま据え置きの人もいる。個人個人、やっぱり評価して適正に公平に判断するっていうことが必要なんじゃないかなと思いますし、その人がチームプレイヤーとしてできるかどうかっていうことと、個人の才能とか能力とか、その辺りをやっぱり的確に判断する。だから評価がすごく大事だと思いますし、評価せずに一律何%アップということ自体、ちょっとおかしいんじゃないかなっていう風に思いますけど。

ーー中国について。不動産危機もあり、消費がスローダウンしている。長期的な影響は?

柳井:まず思い出してもらいたいのは、中国は(人口が)14億人にいるってことですよね。14億人。それともう1つ思い出してもらいたいのは、アジアと中国は地続きで、しかもアジアで活躍してるのは、オーバーシーズ・チャイニーズ(越境中国人)ですよね。そういうことを思い出してもらえれば、確かに不動産のスローダウンというかクライシスがあると思うんですけど、でも14億人の人が何か問題が起きて路頭に迷う(ことになれば)、世界にとって大変なことになる。これ、今の米中対立どころじゃないじゃないっていうことですよね。しかも、隣国がロシア、北朝鮮ということから考えれば、それこそ中国が安定してないとまずいんじゃないかなっていう風に思いますし、やっぱり世界平和(が大切だ)。われわれ、「PEACE FOR ALL(ピース・フォー・オール)」という取り組みをしている。世界平和が一番大事。っていうことなんじゃないかなっていう風に僕は考えてますけど。

ーー情報製造小売業について、さらにその進化を掲げているが、できた点、足りなかった点はどこで、今後さらにどのような取り組みが必要か?どの産業でもますます情報化が浸透していく中で、どういう形を目指していくのか。

柳井:まずこれ、よく聞かれる質問なんですけどね。自分の姿は自分で見えないでしょ。あなたが判断したことの方が正確なんじゃないかなっていう風に思います。それと、これは捉え方によると思うんですよ。われわれの会社だけじゃないし、あらゆる産業にとって、世界が開かれて、しかも日本っていう立地にあるわけですよ。日本のパスポートほどいいパスポートはないですよ。どの国でも事業ができる。それと、日本の歴史、日本の文化がありますよね。その一番大事なものをなんで利用しないのか。それが僕は一番大事なことなんじゃないかなと思いますし、日本の強み、弱い点もあると思うんですよ。それを現実的に把握して、自分は何者か、あるいは自社は何者かっていうことを もっと把握して努力したらもっといい結果が出ると思う。その中でこれはどうかなって思うんですけど、 同調圧力がすごい強いでしょ。だから、そういう風なものがないように。まあ、僕みたいにちょっと言いたいことばっかり言っているというのもちょっと困りもんですけどね(笑)。「あなた何考えているの?」っていうことをもっと表明しないと、日本人は個人として認識されないんじゃないかなっていう風に思う。それと、チームプレーじゃなしに同調圧力なんでね。やっぱり日本人同士、慣れ合いみたいなことを廃止しないと、外国人と一緒に仕事できないんじゃないかなと思うんで。その辺りのことをよく考えてやっていけばいいんじゃないかなっていう風に思いますけど。

The post 柳井社長が語るファストリの現在と未来 2人の息子の役割や対「シーイン」にも言及 appeared first on WWDJAPAN.

良品計画、清水副社長が社長昇格 堂前社長は代表権のない会長、金井会長は顧問に

「無印良品」を運営する良品計画の社長に、11月23日付で清水智副社長が就任する。堂前宣夫現社長は代表権の無い会長に就き、金井政明代表取締役会長は顧問に退く。異動理由は「経営体制変更のため」(発表資料から)。

新社長となる清水氏は1974年生まれの50歳。96年に良品計画に入社し、2011年に有楽町店長。13年に販売部長、15年に取締役東アジア事業部長、18年常務商品本部長、生活雑貨部長、イデー事業部長兼生産部管掌、19年常務中国大陸事業部長、21年専務中国大陸事業部長兼中国大陸、台湾事業、香港事業管掌を経て、22年11月に副社長就任。

会長となる堂前社長は21年7月に現職就任。以来、“第二創業”と位置付けて30年8月期に売上高3兆円、営業利益4500億円、国内・海外合わせて2500店体制を掲げている。

The post 良品計画、清水副社長が社長昇格 堂前社長は代表権のない会長、金井会長は顧問に appeared first on WWDJAPAN.

マッシュと伊藤忠が「レスポートサック」の国内事業を共同運営 販売会社の全株式を取得

マッシュホールディングス(以下、マッシュ)と伊藤忠商事はこのほど、米バッグブランド「レスポートサック(LESPORTSAC)」の国内販売会社であるレスポートサックジャパン(LSJ)の全株式を共同取得した。マッシュHDが株式の過半(51%)を保有し、LSJは同社の連結子会社となる。株式取得は9月27日付で完了し、同日付でマッシュHD執行役員経営企画部 改革推進室長の川島辰吾氏がLSJ新社長に就いた。

「レスポートサック」は、伊藤忠商事が2006年から全世界における商標権を保有している。日本では現在百貨店を中心に70店舗を展開し、主力商品はバッグやポーチで、顧客層は40代以上が中心。これまではサプライチェーンの川上(素材調達や生産管理など)を伊藤忠が、同社と資本関係を持たないLSJが川下(店舗展開や販売)を担ってきた。

マッシュの店舗運営力と企画力を活用

MDや店舗運営に長けたマッシュと組み、かつ生産から流通まで一気通貫の事業運営によるシナジーを狙う。マッシュの主販路であるファッションビルやSCへの展開、アパレルを含めたライセンス商品によるMD増強、会員へのクロスセルにより、同社の主要顧客である20〜30代女性の裾野拡大を目指す。川島新社長は「レスポートサック」について、「さまざまなコラボレーションを通じて可能性を広げてきたブランド。当社が得意とするモノ作りを生かして、クリエイティビティーをさらに加速させたい」と意気込む。

「バブアー」に続く成功事例に

マッシュは近年、他社との提携やライセンス契約などを通じて、海外ブランドを国内展開するビジネスにチャンスを見出している。自社でゼロからブランドを立ち上げるよりも資金や時間などが少なく済むメリットがあり、軌道に乗りさえすればスピーディーな事業成長が可能となる。その好例が2022年から展開する「バブアー(BARBOUR)」だ。

同ブランドは伊藤忠商事がブランドの独占輸入販売権を保有し、マッシュの100%子会社バブアー パートナーズ ジャパンが国内で店舗展開・販売するという座組で国内ビジネスをスタートした。百貨店だけでなくルミネ横浜やルクア大阪などのファッションビル、代官山に旗艦店を出店。同ブランドのシグニチャーであるオイルドジャケットを使ったジェンダーレスなコーディネート提案やブランド間協業のほか、レインウエア、Tシャツなどの軽衣料品、雑貨などの拡充により、女性客の取り込みに成功している。

「レスポートサック」の商標権と国内独占販売権を有する伊藤忠グループ会社LeSportsac,Inc.のチーフストラテジーオフィサーを務める有岡良樹氏は、事業パートナーにマッシュを選んだ理由に、まさに「バブアー」の好調を挙げた。「レスポートサック」でも「バブアー」を成功事例として、マッシュに新たなブランド像の構築を期待する。「40代以上には旅行バッグというステレオタイプがあるかもしれないが、若い人たちの間では“いい意味”でイメージがない。新しいブランド像を提示できれば可能性が広がっていくはずだ」と有岡氏。

マッシュとしては初のバッグブランド運営

中長期的な売上・利益目標は「非開示」(川島LSJ社長)としているが、コロナ禍以降(21年〜)の日本事業の業績は右肩上がりで推移しているという。近年は通勤にも使いやすいシンプルなデザインの商品投入、高感度セレクトショップやインフルエンサーとの協業企画により、若年層からの支持が拡大している。マッシュとしては初のバッグブランドの事業運営になるものの、強みの企画力で日本の顧客ニーズに刺さる商品提案をさらに強化し、将来的には「日本で企画した商品を海外市場向けに販売する可能性もあるだろう」と展望を描く。

The post マッシュと伊藤忠が「レスポートサック」の国内事業を共同運営 販売会社の全株式を取得 appeared first on WWDJAPAN.

松屋銀座「免税売上高シェア5割」に 課題も浮上

松屋銀座本店の上期(2024年3〜8月期)の総額売上高は、前年同期比32.3%増の631億円だった。インバウンド(訪日客)による免税売上高が同2.2倍の314億円に拡大し、全体に占めるシェアは約49.6%(前年同期は約29.2%)に上昇した。一方、国内客の売上高は同6%減で終わった。過去最高の業績を更新しながらも、新たな課題も浮上している。

免税売上高の倍増は、コロナ明けの回復が遅れていた中国人客が寄与した。コロナ前の19年上期に81億円だった中国人による免税売上高は、23年上期の67億円を経て、24年上期は210億円に跳ね上がった。対ドルレートだけでなく、対人民元レートでも円安が進んでおり、19年に1人民元=14円だったのが現在は21円前後。為替差を背景にラグジュアリーブランドや時計・宝飾品などの高額品が活発に動いた。中国人の客単価は前年同期に比べて35%増の約32.8万円だった。

銀座本店は7月の売上高が121億円に達し、1992年12月以来32年ぶりに月間売上高の最高値を更新した。これも訪日客がけん引したもので、当月の免税売上高のシェアは6割に達した。

銀座本店はコロナ前の免税売上高のシェアが25%前後だった。訪日客が半分を占める新しい領域に入ったともいえるが、「手放しでは喜べない」(森田一則・取締役常務執行役員)状況でもある。

同店は高額品の品ぞろえに強みを持つ。だが、そのラグジュアリーブランドの国内客の売上高が同18%減とふるわない。ラグジュアリーブランドの相次ぐ大幅値上げに、富裕層以外の国内客が離反してしまったからだ。店頭では訪日客への対応に追われ、国内客の接客機会が減る課題も浮上している。

対策の一つとしてOMO(オンラインとオフラインの融合)サービス「MATSUYA.com」を11月に本格始動する。ECとしての機能だけでなく、購入品が決まっている訪日客のために商品を事前予約できるピックアップカウンターを新設して混雑緩和につなげる。また化粧品では国内客をじっくり接客できるスペースを稼働させた。MDにおいても高価になりすぎたラグジュアリーブランドとの間をつなぐ価格帯の服飾雑貨やアパレルの品ぞろえを厚くする。

10日に発表した松屋の2024年3〜8月期連結業績は、総額売上高が前年同期比30.7%増の704億円、営業利益が約3倍の27億円、純利益が63.3%増の17億円だった。25年2月期の予想は総額売上高が前期比23.5%増の1420億円、営業利益が同68.1%増の50億円、純利益が同14.0%増の30億円。銀座本店の総額売上高は同23.3%増の1255億円の見通しで、免税売上高のシェアも5割を想定する。

The post 松屋銀座「免税売上高シェア5割」に 課題も浮上 appeared first on WWDJAPAN.

ファストリ、初の売上高3兆円突破 「毎年5000億円増収」「10兆円体制を準備」

「ユニクロ(UNIQLO)」「ジーユー(GU)」を擁するファーストリテイリングは2024年8月期、売上高に相当する売上収益が初めて3兆円を突破した。営業利益も5000 億円を超えた。伸長率は売り上げで前年比2ケタ増、営業利益が同3割増、営業利益率は16.1%と、「ユニクロ」創業40周年でなお高収益・高成長を続けている。決算会見に登壇した柳井正 会長兼社長は、「今後もさらに急成長していく。毎年5000億円ずつ売り上げを伸ばしていくと数年のうちに売上高5兆円に届く。将来の10兆円に向け、具体的な計画と準備を進めていく」と意気軒高だ。

24年8月期の連結業績は、売上収益は3兆1038億円(前期比12.2%増)、営業利益は5009億円(同31.4%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は3719億円(同25.6%増)と大幅な増収増益で過去最高業績だった。海外の多くの国・地域やジーユーなど収益の柱の多様化多様化が加速し、グローバル全体で稼げる体制が強固になった。「ユニクロ」の知名度がグローバルで高まり、各国各地域で現地の顧客層が拡大するとともに、観光客の需要も取り込んだ。これまでの上期(9~2月、秋冬)の利益が大きく、下期(3~8月、春夏)は少ないという利益構造から、通年を通して稼げる体質に変革した。春夏シーズンの商売の柱となる商品の拡充によるもので、シーズン末まで戦略的に売れ筋商品の在庫を持ち、ニュースを継続的に発信して話題性を創出し続けたことで、下期の商売を拡大できた。国内だけでなく欧米ユニクロ事業でも下期に2ケタの営業利益率を継続的に出せる収益構造になった。

海外ユニクロ事業は売上収益が1兆7118億円(同19.1%増)、営業利益が2834億円(同16.6%増)で、とくに欧州、北米、東南アジア・インド・豪州地区は大幅な増収増益だった。グレーターチャイナ(中国・台湾・香港)は売上収益6770億円(同9.2%増)、営業利益1048億円(同0.5%増)、韓国、東南アジア・インド・欧州が売上収益5405億円(同20.2%増)、営業利益976億円(同24.8%増)、北米が売上収益2177億円(同32.8%増)、営業利益348億円(同65.1%増)、欧州が売上収益2765億円(同44.5%増)、営業利益465億円(同70.1%増)だった。

国内ユニクロ事業は売上収益9322億円(同4.7%増)、営業利益1558億円(同32.2%増)だった。業績予想を大幅に上回り、過去最高業績を更新した。既存店は客数が0.8%減だったものの、客単価が4.1%増となり、既存店売上高は3.2%増だった。EC売上高は1369億円(同2.3%増)で、EC化率は14.7%となった。

ジーユー、売上高3000億円突破

粗利率は通期で50.8%で、前期に比べて2.9ポイント改善した。とくに上期に粗利益率が3.6ポイント改善したのは、売上げ動向に応じた発注のストップ&ゴーを徹底し、追加生産に使用するスポット為替レートの影響を低減することができたため。販管費率は34.2%で0.5ポイント改善した。増収したことで人件費比率や広告宣伝費比率が低下。とくに人件費は、報酬引き上げ施策により、一人当たりの報酬は継続的に上昇したものの、店舗運営の効率化で一人当たり売上高も大幅に改善し、人件費比率が改善した。

ジーユー事業は増収大幅増益で、06年のブランド設立以来、18年で売上げが3000億円を突破。売上収益は3191億円(同8.1%増)、営業利益337億円(同10.6%増)だった。EC売上高は約8%の増収で、EC化率は約12%となった。“ヘビーウェイトスウェット”や“スウェT”、米ニューヨークを拠点に開発した“バレルレッグジーンズ”など、グローバルのマストレンドを捉えた商品の販売が好調だった。期首の23年9月にニューヨークに商品本部を開設し、海外のトレンドを取り込んだ商品開発を強化してきた成果であり、今期はグローバル本部に昇格させるとともに、マーケティング部門も新設し、さらにグローバルトレンドのリサーチ&商品化に力を入れる。9月19日にはニューヨーク・マンハッタンのソーホー地区に米国1号店とオンラインストアも出店している。

「セオリー(THEORY)」「プラステ(PLST)」「コントワー・デ・コトニエ(COMPTOIR DES COTONNIERS)」などを擁するグローバルブランド事業は、「プラステ」と「コントワー・デ・コトニエ」の事業構造改革で店舗数が減少したこともあり、売上収益は1388億円(同2.0%減)とマイナスだったが、営業利益は6億円(前期は30億円の赤字)と黒字化した。

25年8月期は
連結売上高3兆4000億円予想

期末店舗数はユニクロが国内797店舗(出店37店舗、退店40店舗、前期に比べて3店舗減少)、海外1698店舗(出店144店舗、退店80店舗、前期に比べて64店舗増加)、世界で2495店舗となった。

25年8月期は重点施策として、「人材への投資の強化」「情報製造小売業の進化」「グローバル化の加速」「グループブランドの拡大」「事業拡大がサステナビリティにつながるビジネスモデルの構築」の5つを軸に取り組む。業績予想は連結売上収益が3兆4000億円(同9.5%増)、営業利益5300億円(同5.8%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は3850億円(同3.5%増)を見込む。出店180店舗(うち、海外150店舗)、退店100店舗(うち、海外70店舗)、期末店舗数は2575店舗を予定する。

The post ファストリ、初の売上高3兆円突破 「毎年5000億円増収」「10兆円体制を準備」 appeared first on WWDJAPAN.

LVMHがF1と10年間のパートナーシップを締結 スポーツシーンとの結び付きを強固に

LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)は、F1で知られる世界最高峰の自動車レース、フォーミュラ1(Formula 1)とのグローバル・ラグジュアリー・パートナーシップ契約を発表した。契約期間は10年間で、F1が75周年を迎える2025年から開始となる。なお、取引額は明らかになっていないが、情報筋によると年間1億ドル(約148億円)相当だという。

今回の契約は、13年からパートナーシップ契約を締結していた「ロレックス(ROLEX)」と入れ替わる形で、ファッションをはじめとしたエンターテインメントとスポーツの架け橋として、それぞれのカルチャー間の関連性を強化していくことを目的としたものだという。具体的な施策は25年初頭に発表されるが、同年2月に開催されるF1の創設75周年記念イベントを皮切りに、「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」や「タグ・ホイヤー(TAG HEUER)」など、LVMHを代表するブランドとのコラボレーションが控えているそうだ。

ベルナール・アルノー(Bernard Arnault)LVMH会長兼最高経営責任者(CEO)は、「F1と当社は、人材重視、卓越性の追求、革新への情熱という点で共通している。モータースポーツにおいても、ファッションや時計、ワイン、スピリッツと同様に、成功への道筋は細部へのこだわりだ。当社が擁するブランドの工房でも、世界中のサーキットでも、限界を打ち破ろうとする絶え間ない探究心が、未来のビジョンを創造する。これこそが、パートナーシップを締結した最大の理由だ」とコメント。フレデリック・アルノー(Frederic Arnault)LVMHウオッチ部門CEOも、「F1は世界で最も魅力的なスポーツのひとつであり、イノベーション、チームスピリット、パフォーマンスなど、我々にとって非常に重要な価値観を反映する活気に満ちたものだ」と語る。

F1が若年層を中心に人気を拡大

近年、F1はネットフリックス(NETFLIX)のドキュメンタリーシリーズ「フォーミュラ1:栄光のグランプリ(Formula 1: Drive to Survive)」のヒットなどを受け、若い世代を中心に視聴者数が世界的に増加。昨シーズンは、1レースあたりの平均視聴者数は7000万人を超え、累計視聴者数は15億人を突破した。そして、F1の運営を担うフォーミュラワン・グループ(FORMULA ONE GROUP)を傘下に持つリバティ・メディア(LIBERTY MEDIA)のグレッグ・マフェイ(Greg Maffei)社長兼CEOは、今回のパートナーシップがF1のさらなる人気拡大を継続するための鍵になると睨んでいる。

「F1が世界的に成長を続け、より新しく多様な観客を引き付けているなか、LVMHは完璧なパートナーとなるだろう。LVMHとF1は、創造性と革新性の限界を常に押し広げる、2つの世界的ブランドだ。商業的な取り決めを拡大する機会は、ビジネスがそのプラットフォームを成長させ続ける中で、私たちがF1に対して抱いているビジョンを象徴するものである。今後のベルナールとフレデリックとの協力が楽しみだ」。

スポーツとの結び付きを強めるLVMH

なお、「タグ・ホイヤー」は1992年から2003年までF1の公式タイムキーパーを務め、2011年以降はモナコGPやビンテージカーをスポンサードしているほか、シャンパーニュ・メゾン「モエ・エ・シャンドン(MOET & CHANDON)」はF1の初年度である1950年から表彰台での“シャンパン・ファイト”に使用されてきた。さらに今年、「ディオール(DIOR)」は世界的人気を誇るF1ドライバーのルイス・ハミルトン(Lewis Hamilton)を、「ルイ・ヴィトン」はNBA選手のビクター・ウェンバンヤマ(Victor Wembanyama)とテニスプレーヤーのカルロス・アルカラス(Carlos Alcaraz)をアンバサダーに起用し、他ブランドもコレクションのフロントローに大勢のアスリートを招へいするなど、LVMHはスポーツシーンとの結び付きを、ここ数年でより強固なものとしている。

The post LVMHがF1と10年間のパートナーシップを締結 スポーツシーンとの結び付きを強固に appeared first on WWDJAPAN.

デヴィ夫人とひょうろくが初対面 カシオのAIペット“モフリン”新製品発表会で

カシオ計算機は11月7日、手のひらサイズのAIペットロボット“モフリン(Moflin)”(全2色、各5万9400円)を公式ECサイトや一般家電量販店で発売する。これを記念し、10日には新製品発表会を開催。愛犬家としても知られているデヴィ夫人ことデヴィ・スカルノと、お笑い芸人のひょうろくが登場した。

デヴィ夫人は「ロボットとは思えない」と高評価

デヴィ夫人は“モフリン”を抱きながら登場。「鳴き声や動き、ロボットとは思えないですね。『もっと撫でて』と言われているような気がして、まるで生きているようです」と評価した。ひょうろくは「得体の知れないというか、生々しいというか……かわいいです」と述べ、不思議なコメントで笑いを誘った。

今回の会見が初対面だったという2人だが、デビィ夫人はひょうろくに対し「癒し系ですね。ハゲに弱い(苦手な)ので、耳のカチューシャが付いていて良かったです」とコメント。会場に笑いが巻き起こった。

後半は“モフリン”とひょうろくが、デビィ夫人の癒やしのパートナーの座を巡り、3番勝負を実施。鳴き声、癒しのポーズ、癒しのエピソードをそれぞれが披露し、判定は“モフリン”の勝利。「これは小さなお子さんも夢中になると思うし、見せびらかしたくなってしまう」とデビィ夫人はアピールした。

“モフリン”の特徴

“モフリン”の特徴は3つで、ひとつは日々の接し方で「甘えん坊」「シャイ」などの性格が形成すること。2つ目は良く話しかける人の声を覚えて認識すること。3つ目はその人の好みの仕草や表現を習得すること。触り続けたくなるモフモフな毛並みも特徴で、カラーはシルバーとゴールドの2色。

なぜ今AIペットなのか

“モフリン”誕生の背景は、メンタルウェルネスの重要性が社会課題として注目されている点と、コロナ以降、世界中でペットのニーズが急速に高まっているためだという。河村義裕 NBセンター モフリン担当部長は「昨今、多様化やパーソナライゼーションが広まってきていることから、今後は個を大切にする傾向がより一層高まると予想する。学校や職場などで蓄積していく日常のモヤモヤに対して、その都度自分自身で乗り越えるメンタルレジリエンスを鍛えるため“モフリン”を開発した。今後は、社会的にも注目を集めているメンタルレジリエンス領域の事業展開を促進する」と語った。

The post デヴィ夫人とひょうろくが初対面 カシオのAIペット“モフリン”新製品発表会で appeared first on WWDJAPAN.

デヴィ夫人とひょうろくが初対面 カシオのAIペット“モフリン”新製品発表会で

カシオ計算機は11月7日、手のひらサイズのAIペットロボット“モフリン(Moflin)”(全2色、各5万9400円)を公式ECサイトや一般家電量販店で発売する。これを記念し、10日には新製品発表会を開催。愛犬家としても知られているデヴィ夫人ことデヴィ・スカルノと、お笑い芸人のひょうろくが登場した。

デヴィ夫人は「ロボットとは思えない」と高評価

デヴィ夫人は“モフリン”を抱きながら登場。「鳴き声や動き、ロボットとは思えないですね。『もっと撫でて』と言われているような気がして、まるで生きているようです」と評価した。ひょうろくは「得体の知れないというか、生々しいというか……かわいいです」と述べ、不思議なコメントで笑いを誘った。

今回の会見が初対面だったという2人だが、デビィ夫人はひょうろくに対し「癒し系ですね。ハゲに弱い(苦手な)ので、耳のカチューシャが付いていて良かったです」とコメント。会場に笑いが巻き起こった。

後半は“モフリン”とひょうろくが、デビィ夫人の癒やしのパートナーの座を巡り、3番勝負を実施。鳴き声、癒しのポーズ、癒しのエピソードをそれぞれが披露し、判定は“モフリン”の勝利。「これは小さなお子さんも夢中になると思うし、見せびらかしたくなってしまう」とデビィ夫人はアピールした。

“モフリン”の特徴

“モフリン”の特徴は3つで、ひとつは日々の接し方で「甘えん坊」「シャイ」などの性格が形成すること。2つ目は良く話しかける人の声を覚えて認識すること。3つ目はその人の好みの仕草や表現を習得すること。触り続けたくなるモフモフな毛並みも特徴で、カラーはシルバーとゴールドの2色。

なぜ今AIペットなのか

“モフリン”誕生の背景は、メンタルウェルネスの重要性が社会課題として注目されている点と、コロナ以降、世界中でペットのニーズが急速に高まっているためだという。河村義裕 NBセンター モフリン担当部長は「昨今、多様化やパーソナライゼーションが広まってきていることから、今後は個を大切にする傾向がより一層高まると予想する。学校や職場などで蓄積していく日常のモヤモヤに対して、その都度自分自身で乗り越えるメンタルレジリエンスを鍛えるため“モフリン”を開発した。今後は、社会的にも注目を集めているメンタルレジリエンス領域の事業展開を促進する」と語った。

The post デヴィ夫人とひょうろくが初対面 カシオのAIペット“モフリン”新製品発表会で appeared first on WWDJAPAN.

大丸梅田店、売り場面積4割減 計6フロアから退く

大丸松坂屋百貨店は、JR大阪駅直結の大丸梅田店の売り場面積を4割縮小する。入居するサウスゲートビルディングの大規模改装に伴うもの。現在、地下2階から地上15階までの6万4000平方メートルで営業しているが、地上10〜15階から退く。2025年秋から段階的に工事に着手し、29年のグランドオープンを予定する。

JR西日本ステーションシティ、大丸松坂屋、JR西日本SC開発の3社で、JR大阪駅の南側のサウスゲートビルディングの全面刷新を行う。大丸が退く地上10〜15階は、JR西日本SC開発が新しい商業フロアを作る。JR西日本SC開発はJR大阪駅の北側のノースゲートビルディングでルクア大阪を運営する会社だ。

1983年に開業した大丸梅田店は、2011年に売り場面積を1.6倍に増床して現在の姿になった。しかし梅田地区は阪急本店(阪急うめだ本店、阪急メンズ大阪)や阪神梅田本店に加えて、11年開業のルクア大阪、13年開業のグランフロント大阪、今年開業したイノゲート大阪、JPタワー大阪(キッテ大阪)など複合施設が増え続け、集客競争が激化していた。大丸松坂屋の主要店舗の売上高がコロナ前の20年2月期を上回る中、大丸梅田店の25年2月期の予想は590億円(20年2月期は643億円)とふるわない。11年の増床前に近い面積に戻し、再出発することを決めた。

大丸松坂屋の親会社であるJ.フロント リテイリングの小野圭一社長は、8日の24年3〜8月期決算説明会で「商業施設が乱立する梅田は明らかにオーバーストア。店のサイズ感よりも存在感で勝負していきたい」と話した。

The post 大丸梅田店、売り場面積4割減 計6フロアから退く appeared first on WWDJAPAN.

大丸梅田店、売り場面積4割減 計6フロアから退く

大丸松坂屋百貨店は、JR大阪駅直結の大丸梅田店の売り場面積を4割縮小する。入居するサウスゲートビルディングの大規模改装に伴うもの。現在、地下2階から地上15階までの6万4000平方メートルで営業しているが、地上10〜15階から退く。2025年秋から段階的に工事に着手し、29年のグランドオープンを予定する。

JR西日本ステーションシティ、大丸松坂屋、JR西日本SC開発の3社で、JR大阪駅の南側のサウスゲートビルディングの全面刷新を行う。大丸が退く地上10〜15階は、JR西日本SC開発が新しい商業フロアを作る。JR西日本SC開発はJR大阪駅の北側のノースゲートビルディングでルクア大阪を運営する会社だ。

1983年に開業した大丸梅田店は、2011年に売り場面積を1.6倍に増床して現在の姿になった。しかし梅田地区は阪急本店(阪急うめだ本店、阪急メンズ大阪)や阪神梅田本店に加えて、11年開業のルクア大阪、13年開業のグランフロント大阪、今年開業したイノゲート大阪、JPタワー大阪(キッテ大阪)など複合施設が増え続け、集客競争が激化していた。大丸松坂屋の主要店舗の売上高がコロナ前の20年2月期を上回る中、大丸梅田店の25年2月期の予想は590億円(20年2月期は643億円)とふるわない。11年の増床前に近い面積に戻し、再出発することを決めた。

大丸松坂屋の親会社であるJ.フロント リテイリングの小野圭一社長は、8日の24年3〜8月期決算説明会で「商業施設が乱立する梅田は明らかにオーバーストア。店のサイズ感よりも存在感で勝負していきたい」と話した。

The post 大丸梅田店、売り場面積4割減 計6フロアから退く appeared first on WWDJAPAN.

「グッチ」に新たなCEO、副CEOが来年1月に昇格

ケリング(KERING)は10月8日、傘下に持つグッチ(GUCCI)の新たな最高経営責任者(CEO)として、ステファノ・カンティーノ(Stefano Cantino)=グッチ副CEOを任命した。2025年1月1日付で就任し、やはりケリングが擁するサンローラン(SAINT LAURENT)の社長兼CEOを兼任するフランチェスカ・ベレッティーニ(Francesca Bellettini)=ケリング副CEOの直属となる。

カンティーノ新CEOは、事業開発やマーケティング、マーチャンダイジングの豊富な経験を持ち、22年にわたるキャリアの大半をプラダ(PRADA)で過ごした。18年に、コミュニケーション担当シニア・バイス・プレジデントとしてルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)に入社した。24年5月から現職。今回の人事により、ケリングの執行委員会に加わるという。

ジャン・フランソワ・パリュ(Jean-Francois Palus)CEOは、ケリングのマネージング・ディレクターを務めていたが、23年9月にマルコ・ビッザーリ(Marco Bizzarri)=グッチ前社長兼CEOが退任したことから、暫定CEOに就任。ブランドの方向性を固める意味もあり、当面は社長兼CEOを務めることが24年2月に明らかになった。同氏の大きな役割の一つとして、グッチの経営陣や組織の再構築があり、1月にはチーフ・インダストリアル兼サプライチェーン・オフィサーを、8月には最高商務責任者を、9月にはグローバル・コミュニケーション・ディレクターを任命している。なお、今回の人事に伴う同氏の去就について、現時点では明らかにされていない。

ケリングのCEOのコメント

フランソワ・アンリ・ピノー(Francois-Henri Pinault)=ケリング会長兼CEOは、「23年の夏以降、グッチを率いてくれたジャン・フランソワに心から感謝する。非常に難しい状況の中、いくつもの決断を勇気を持って行い、今後ステファノの指揮の下で同メゾンが再び花開くための土台作りをしてくれた。また、およそ30年にわたり、私と常に緊密に連携しながら業務にあたってくれたことを大変ありがたく思う」と語った。

ベレッティーニ=ケリング副CEOは、「移行期にあるグッチのため、忠実に尽力してくれたジャン・フランソワに深く感謝する。彼がこの15カ月間で築いてくれた土台を生かし、ステファノとチームが、『グッチ』をそのブランドに相応しいポジションによみがえらせるという使命を成功させてくれるものと確信している」と述べた。

ケリングと「グッチ」の業績は?

ケリングの24年1~6月期(上半期)決算は、売上高が前年同期比11.0%減の90億1800万ユーロ(約1兆4699億円)、営業利益は同42.2%減の15億8200万ユーロ(約2578億円)、純利益は同49.1%減の9億4000万ユーロ(約1532億円)と大幅な減収減益だった。ブランド別での売上高は、売り上げの半分程度を占める「グッチ」が同20.3%減の40億8500万ユーロ(約6658億円)と減収。ケリングが成長軌道に戻るためには、主軸である同ブランドの復活が急務となっている。

The post 「グッチ」に新たなCEO、副CEOが来年1月に昇格 appeared first on WWDJAPAN.

ライトオン、赤字店の大規模退店へ ワールド傘下入りで大ナタ

ジーンズカジュアル専門店のライトオンは8日、ワールド系の投資会社によるTOB(株式公開買い付け)を受け、新体制下での5カ年の中期経営計画を発表した。「聖域なき構造改革」を旗印に、不採算店の大規模退店や人員削減を断行した後、ワールドの生産やITのリソースを活用し、事業を軌道に乗せる。24年8月期実績の売上高380億円、営業損失50億円に対し、最終年度の29年8月期目標として売上高254億円、営業利益15億円を掲げる。事業規模を縮小させつつ確実に利益を生み出せる体質を作る。

「単独での事業継続は困難」

8日夜のライトオンの24年8月期決算説明会で発表した。ライトオンの藤原祐介社長、大友博雄・取締役管理本部長と一緒に、次期社長に内定したワールドのグループ常務執行役員の大峯伊索氏、TOBを発表したW&Dインベストメントデザインの共同代表である廣橋清司氏と栗本興治氏が登壇した。

ライトオンは07年8月期の売上高1066億円、営業利益58億円をピークに落ち込みに歯止めがかからず、24年8月期の最終損益も6期連続の赤字で終わった。MDなどのテコ入れを図ったものの効果は出ない。他社がコロナ禍から回復する中、24年8月期は既存店売上高が13.0%減、客数に至っては17.1%減だった。客離れで在庫が膨らみ、値引きが増える悪循環に陥り、荒利益率は8.3ポイントも低下した。創業者・藤原政博氏の長男で20年に就任した藤原社長は「当社単独での事業継続は困難」と苦しい胸の内を明かした。

経緯としては23年2月に金融機関から他社とのアライアンス(提携)を要請され、同業を含めた複数社に打診を始めた。ワールドとは24年2月から協議に乗り出し、業績悪化がさらに深刻になった6月中旬に事業再生支援を前提としたアライアンスを正式に依頼したという。

利益を出せる事業規模に縮小

5カ年の中計のうち最初の2年間は販管費の削減を徹底する。全国340店舗のうち具体的な数は明かさないものの「不採算店舗の大規模な退店」(同社)を断行する。早期退職は募らないが、人員削減も実施する。ワールドグループへの異動も検討する。茨城県のつくば本部を閉鎖し、東京に新オフィスに人員を集約する。

25年8月期予想は売上高が前期比27.6%減の281億円、営業損益が15億円の赤字(前期は13億円)。事業規模を大幅に縮小させ、早期に利益が出せる事業構造に転換する。「希望的観測や努力目標は排除」(大友氏)した上で既存店売上高も13.7%減と低く見積り、採算に合わない値引き販売を抑制する。

2年間で構造改革にめどをつけ、PB(プライベートブランド)の充実に本腰を入れる。現在、PBとNB(ナショナルブランド)の商品構成は35:65だが、これを逆転させる。ワールドの生産工場や原材料調達先を利用し、スケールメリットによって仕入れコストを下げる。

ただジーンズカジュアル専門店という業態自体がダウントレンドになる中、再建は容易でない。中計の最終年度も売上高は254億円であり、前期に比べて35%減。売上規模を追わず、着実に利益を出す方向性を鮮明にする。11月に社長に就任する予定の大峯氏は「ライトオンのデニム文化は尊重しつつ、一本足打法は時代にあった形に見直す必要がある」と述べた。

The post ライトオン、赤字店の大規模退店へ ワールド傘下入りで大ナタ appeared first on WWDJAPAN.

ライトオン、赤字店の大規模退店へ ワールド傘下入りで大ナタ

ジーンズカジュアル専門店のライトオンは8日、ワールド系の投資会社によるTOB(株式公開買い付け)を受け、新体制下での5カ年の中期経営計画を発表した。「聖域なき構造改革」を旗印に、不採算店の大規模退店や人員削減を断行した後、ワールドの生産やITのリソースを活用し、事業を軌道に乗せる。24年8月期実績の売上高380億円、営業損失50億円に対し、最終年度の29年8月期目標として売上高254億円、営業利益15億円を掲げる。事業規模を縮小させつつ確実に利益を生み出せる体質を作る。

「単独での事業継続は困難」

8日夜のライトオンの24年8月期決算説明会で発表した。ライトオンの藤原祐介社長、大友博雄・取締役管理本部長と一緒に、次期社長に内定したワールドのグループ常務執行役員の大峯伊索氏、TOBを発表したW&Dインベストメントデザインの共同代表である廣橋清司氏と栗本興治氏が登壇した。

ライトオンは07年8月期の売上高1066億円、営業利益58億円をピークに落ち込みに歯止めがかからず、24年8月期の最終損益も6期連続の赤字で終わった。MDなどのテコ入れを図ったものの効果は出ない。他社がコロナ禍から回復する中、24年8月期は既存店売上高が13.0%減、客数に至っては17.1%減だった。客離れで在庫が膨らみ、値引きが増える悪循環に陥り、荒利益率は8.3ポイントも低下した。創業者・藤原政博氏の長男で20年に就任した藤原社長は「当社単独での事業継続は困難」と苦しい胸の内を明かした。

経緯としては23年2月に金融機関から他社とのアライアンス(提携)を要請され、同業を含めた複数社に打診を始めた。ワールドとは24年2月から協議に乗り出し、業績悪化がさらに深刻になった6月中旬に事業再生支援を前提としたアライアンスを正式に依頼したという。

利益を出せる事業規模に縮小

5カ年の中計のうち最初の2年間は販管費の削減を徹底する。全国340店舗のうち具体的な数は明かさないものの「不採算店舗の大規模な退店」(同社)を断行する。早期退職は募らないが、人員削減も実施する。ワールドグループへの異動も検討する。茨城県のつくば本部を閉鎖し、東京に新オフィスに人員を集約する。

25年8月期予想は売上高が前期比27.6%減の281億円、営業損益が15億円の赤字(前期は13億円)。事業規模を大幅に縮小させ、早期に利益が出せる事業構造に転換する。「希望的観測や努力目標は排除」(大友氏)した上で既存店売上高も13.7%減と低く見積り、採算に合わない値引き販売を抑制する。

2年間で構造改革にめどをつけ、PB(プライベートブランド)の充実に本腰を入れる。現在、PBとNB(ナショナルブランド)の商品構成は35:65だが、これを逆転させる。ワールドの生産工場や原材料調達先を利用し、スケールメリットによって仕入れコストを下げる。

ただジーンズカジュアル専門店という業態自体がダウントレンドになる中、再建は容易でない。中計の最終年度も売上高は254億円であり、前期に比べて35%減。売上規模を追わず、着実に利益を出す方向性を鮮明にする。11月に社長に就任する予定の大峯氏は「ライトオンのデニム文化は尊重しつつ、一本足打法は時代にあった形に見直す必要がある」と述べた。

The post ライトオン、赤字店の大規模退店へ ワールド傘下入りで大ナタ appeared first on WWDJAPAN.

ワールド傘下の再生ファンドがライトオンにTOB

ワールドは子会社の投資会社W&Dインベストメントデザイン(以下、W&D)を通じて、ライトオンへの公開買付(TOB)を実施する。買い付けは一株あたり110円、最大で約20億円になる。

TOBは創業家の資産管理会社である藤原興産への第三者割当増資と組み合わせて実施。ライトオンの創業者である藤原政博・前会長ら創業家の持ち分は51.93%になり、TOBに同意している。TOBが成立後にライトオンはW&Dの子会社になり、ワールドの持分法適用会社になる。

ライトオンはコロナ禍以降、苦戦が続いており、2024年8月期は売上高が前期比17.3%減の388億円、営業損益は50億円の赤字、純損益は121億円の赤字で、6期連続の最終赤字に沈んでいた。ワールドのMDや店舗開発のノウハウを注入し、再建を図る。

W&Dはワールドと日本政策投資銀行が共同で設立した投資ファンドで、これまでバッグの「ヒロフ」、セレクトショップの「ストラスブルゴ」などの買収を行っている。

The post ワールド傘下の再生ファンドがライトオンにTOB appeared first on WWDJAPAN.

J.フロント3〜8月期は営業利益2倍 小野社長「“神風“の見極め必要」

J.フロント リテイリング(JFR)の2024年3〜8月期連結業績(国際会計基準)は、小売売上高に相当する総額売上高が前年同期比13.0%増の6104億円、売上収益が同9.3%増の2093億円、営業利益が同2倍の393億円、純利益も同2倍の382億円だった。引き続きインバウンド(訪日客)や富裕層のよる旺盛な消費がけん引した。

大丸松坂屋百貨店による百貨店事業は、総額売上高が同14.2%増の3987億円、営業利益が同92.4%増の194億円だった。主要店舗の売上高は免税売上高のシェアが45.2%の大丸心斎橋店が同30.9%増の568億円、富裕層の基盤が強い大丸神戸店が同9.4%増の474億円だった。改装工事中のエリアが多かった松坂屋名古屋店も同6.9%増の636億円を記録した。

パルコによるSC事業は、総額売上高が同15.3%増の1628億円、営業利益が同23.1%増の71億円だった。店舗別の売上高は渋谷パルコが同38.7%増の220億円、心斎橋パルコが同50.9%増の179億円と貢献度が高かった。

JFRは9月24日付で2025年2月期連結業績予想を上方修正している。修正後の予想は総額売上高1兆2500億円、営業利益520億円、純利益365億円。富裕層と訪日客の好調はしばらく続くと見ており、百貨店事業においては外商売上高2130億円(前期は2016億円)、免税売上高1330億円(同721億円)を予想する。

8日の決算説明会で小野圭一社長は、好業績を「固定費圧縮やコストコントロールもあるけれど、やはり外部要因(円安による訪日客の急増など)が大きい」と認めた上で、「神風がいつまで続くのか見極めが必要。風速を調整できるようにしなければならず、訪日客のCRM(顧客関係管理)を磨くなどして、今後の成長を確実なものにしたい」と述べた。

The post J.フロント3〜8月期は営業利益2倍 小野社長「“神風“の見極め必要」 appeared first on WWDJAPAN.

J.フロント3〜8月期は営業利益2倍 小野社長「“神風“の見極め必要」

J.フロント リテイリング(JFR)の2024年3〜8月期連結業績(国際会計基準)は、小売売上高に相当する総額売上高が前年同期比13.0%増の6104億円、売上収益が同9.3%増の2093億円、営業利益が同2倍の393億円、純利益も同2倍の382億円だった。引き続きインバウンド(訪日客)や富裕層のよる旺盛な消費がけん引した。

大丸松坂屋百貨店による百貨店事業は、総額売上高が同14.2%増の3987億円、営業利益が同92.4%増の194億円だった。主要店舗の売上高は免税売上高のシェアが45.2%の大丸心斎橋店が同30.9%増の568億円、富裕層の基盤が強い大丸神戸店が同9.4%増の474億円だった。改装工事中のエリアが多かった松坂屋名古屋店も同6.9%増の636億円を記録した。

パルコによるSC事業は、総額売上高が同15.3%増の1628億円、営業利益が同23.1%増の71億円だった。店舗別の売上高は渋谷パルコが同38.7%増の220億円、心斎橋パルコが同50.9%増の179億円と貢献度が高かった。

JFRは9月24日付で2025年2月期連結業績予想を上方修正している。修正後の予想は総額売上高1兆2500億円、営業利益520億円、純利益365億円。富裕層と訪日客の好調はしばらく続くと見ており、百貨店事業においては外商売上高2130億円(前期は2016億円)、免税売上高1330億円(同721億円)を予想する。

8日の決算説明会で小野圭一社長は、好業績を「固定費圧縮やコストコントロールもあるけれど、やはり外部要因(円安による訪日客の急増など)が大きい」と認めた上で、「神風がいつまで続くのか見極めが必要。風速を調整できるようにしなければならず、訪日客のCRM(顧客関係管理)を磨くなどして、今後の成長を確実なものにしたい」と述べた。

The post J.フロント3〜8月期は営業利益2倍 小野社長「“神風“の見極め必要」 appeared first on WWDJAPAN.

ドイツの高級ファッションEC「マイテレサ」がYNAPを買収 取引は2025年上半期に完了の予定

ドイツの高級ファッションEC「マイテレサ(MYTHERESA)」を運営するMYTネザーランズ ペアレント B.V.(MYT NETHERLANDS PARENT B.V.以下、マイテレサ)は10月7日、コンパニー フィナンシエール リシュモン(COMPAGNIE FINANCIERE RICHEMONT以下、リシュモン)が擁するラグジュアリーEC大手ユークス ネッタポルテ グループ(YOOX NET-A-PORTER GROUP以下、YNAP)の株式を100%取得することを発表した。本件については、4日に情報筋の話として「買収の合意も近い」と複数の海外メディアが報じていた。

今回の取引で、リシュモンは5億5500万ユーロ(約904億円)のキャッシュポジションを持ち、金融負債のないYNAPを、マイテレサが発行する新株と引き換えに譲渡する。この新株は、マイテレサの完全希薄化後の株式資本の33%にあたる。また、リシュモンは、運転資金を含めた一般的な企業ニーズのため、YNAPに期間6年・1億ユーロ(約163億円)のリボルビング・クレジット・ファシリティー(一定の借入可能期間中において限度額内で何度でも融資を受けられるローン)を設定する。

取引は25年上半期に完了する見込みで、リシュモンはマイテレサの監査委員会のメンバーとオブザーバーを1人ずつ任命する権利を獲得するが、経営には携わらない。

YNAPのオフプライス部門は切り離して効率化

YNAPは、ウィメンズを中心とした高級EC「ネッタポルテ(NET-A-PORTER)」、メンズの「ミスターポーター(MR. PORTER)」、リーズナブルな価格の「ユークス(YOOX)」に加えて、ディスカウントECの「アウトネット(THE OUTNET)」を運営している。しかし、今回の取引後は、「ネッタポルテ」と「ミスターポーター」を「マイテレサ」のインフラ上で運営する一方で、「ユークス」と「アウトレット」が属するオフプライス部門を「マイテレサ」のラグジュアリー部門から切り離し、「いっそう高い成長率と収益性を可能にする、よりシンプルで効率的なオペレーションモデル」を実現するという。また、YNAPのホワイトレーベル部門は終了する。

マイテレサとリシュモンのトップによるコメントは?

マイテレサのマイケル・クリガー(Michael Kliger)最高経営責任者(CEO)は、「今回の取引により、当社はマルチブランドの、世界的かつ卓越したラグジュアリーECの構築を目指す。『マイテレサ』『ネッタポルテ』『ミスターポーター』は、互いに補完しあうラグジュアリーECとして、シナジー効果を生み出すものと確信している」と語った。

リシュモンのヨハン・ルパート(Johann Rupert)会長は、「YNAPにとって最良のホームを見つけられて、大変うれしく思う。多くの世界的なラグジュアリーブランドの信頼できるパートナーであるYNAPは、その先駆的な一流のカスタマーサービスと、インスピレーションを与える特徴的なキュレーションで知られている。マイテレサであれば、それぞれの強みを生かしつつ、YNAPをさらに成長させ、世界中の顧客や取引先を喜ばせることができるものと確信している」と述べた。

The post ドイツの高級ファッションEC「マイテレサ」がYNAPを買収 取引は2025年上半期に完了の予定 appeared first on WWDJAPAN.

「バリ山行」読書会:記者談話室vol.147

「WWDJAPAN」ポッドキャストの「記者談話室」は、ファッション業界のその時々のニュースや話題について、3人の記者が分かりやすく解説したり、時には脱線したりしながら、掘り下げていきます。

147回目は「『バリ山行』読書会」です。7月に第171回芥川賞が発表され、松永K三蔵さんの「バリ山行」が選ばれました。タイトルの「バリ」とは登山のバリエーションルートのこと。圧倒的な生の実感を求め、山と人生を重ねて瞑走する純文山岳小説は各所で話題になっています。読書の秋ということで、同作を読んだ3人がそれぞれの感想を述べ合いました。

この配信は以下のアプリでもご利用いただけます。
Apple Podcast
Spotify

The post 「バリ山行」読書会:記者談話室vol.147 appeared first on WWDJAPAN.

阪急阪神百貨店も1月2日を休業日に 高島屋、大丸松坂屋に続く 

阪急阪神百貨店は7日、阪急本店(阪急うめだ本店、阪急メンズ大阪)や阪神梅田本店などの主要店舗で2025年1月1日・2日の2日間を休業日にすると発表した。長らく元日の1日間だけを休業日にしてきたが、取引先を含めた従業員の就労環境の改善ため見直した。

対象店舗は阪急本店、阪神梅田本店のほか、千里阪急、高槻阪急スクエア、川西阪急、宝塚阪急、神戸阪急、阪急メンズ東京、阪急百貨店大井食品館、阪神・にしのみや。ショッピングセンター内立地や食品専門の西宮阪急、博多阪急、都築阪急、阪神・御影、あまがさき阪神は例年通り元日の1日間のみの休業になる。

大手百貨店は長らく元日のみを休業日にし、2日から初売りセールを始めていた。初売りはセールや福袋もあって年間で最大の稼ぎ時だったが、近年、消費者はセールに以前ほど反応しなくなった。それ以上に、小売業の人手不足が深刻化しており、見直す企業が増えている。今年1月には松屋の銀座本店が24年ぶりに1日・2日の2日間の休業を復活させた。高島屋と大丸松坂屋百貨店も来年の1日・2日の2日間を休みにすると発表している。

The post 阪急阪神百貨店も1月2日を休業日に 高島屋、大丸松坂屋に続く  appeared first on WWDJAPAN.

「Y/プロジェクト」が破産管財人の管理下に グレン・マーティンス退任の直後

「Y/プロジェクト(Y/PROJECT)」は、9月26日にパリ商業裁判所により破産管財人の管理下に置かれたことが明らかになった。

同ブランドは、2010年にデザイナーのヨハン・セルファティ(Yohan Serfaty)が起業家のジャイルズ・エレイルフ(Gilles Elalouf)と共に設立。13年にセルファティ=デザイナーががんで死去した後、当時ファーストアシスタントを務めていたグレン・マーティンス(Glenn Martens)がクリエイティブ・ディレクターに就任した。その後、24年6月にエレイルフ共同設立者が死去。マーティンス=クリエイティブ・ディレクターは9月6日に退任を発表し、9月のパリ・ファッション・ウイーク期間中に予定していた25年春夏コレクションのショーも中止となった。

なお、故エレイルフ共同設立者の死後、同氏の兄弟であるダニエル・エレイルフ(Daniel Elalouf)が「Y/プロジェクト」の過半数株式を相続した。また、23年12月に就任したパスカル・コンテ・ジョドラ(Pascal Conte-Jodra)最高経営責任者(CEO)は、24年7月に退任。9月にフランスの高級スキーウエアブランド、フザルプ(FUSALP)のCEOに就任している。

「Y/プロジェクト」の今後は?

同裁判所によれば、「Y/プロジェクト」の従業員は24人で、23年度の売上高はおよそ1100万ユーロ(約17億円)。以前から資金難に陥っていた同社は9月4日に債権者への支払いを停止しており、買い手を探しているが、買い手候補は10月16日までに買収案を提示する必要がある。

The post 「Y/プロジェクト」が破産管財人の管理下に グレン・マーティンス退任の直後 appeared first on WWDJAPAN.

「Y/プロジェクト」が破産管財人の管理下に グレン・マーティンス退任の直後

「Y/プロジェクト(Y/PROJECT)」は、9月26日にパリ商業裁判所により破産管財人の管理下に置かれたことが明らかになった。

同ブランドは、2010年にデザイナーのヨハン・セルファティ(Yohan Serfaty)が起業家のジャイルズ・エレイルフ(Gilles Elalouf)と共に設立。13年にセルファティ=デザイナーががんで死去した後、当時ファーストアシスタントを務めていたグレン・マーティンス(Glenn Martens)がクリエイティブ・ディレクターに就任した。その後、24年6月にエレイルフ共同設立者が死去。マーティンス=クリエイティブ・ディレクターは9月6日に退任を発表し、9月のパリ・ファッション・ウイーク期間中に予定していた25年春夏コレクションのショーも中止となった。

なお、故エレイルフ共同設立者の死後、同氏の兄弟であるダニエル・エレイルフ(Daniel Elalouf)が「Y/プロジェクト」の過半数株式を相続した。また、23年12月に就任したパスカル・コンテ・ジョドラ(Pascal Conte-Jodra)最高経営責任者(CEO)は、24年7月に退任。9月にフランスの高級スキーウエアブランド、フザルプ(FUSALP)のCEOに就任している。

「Y/プロジェクト」の今後は?

同裁判所によれば、「Y/プロジェクト」の従業員は24人で、23年度の売上高はおよそ1100万ユーロ(約17億円)。以前から資金難に陥っていた同社は9月4日に債権者への支払いを停止しており、買い手を探しているが、買い手候補は10月16日までに買収案を提示する必要がある。

The post 「Y/プロジェクト」が破産管財人の管理下に グレン・マーティンス退任の直後 appeared first on WWDJAPAN.

模倣品を販売した72歳と40歳の親子が逮捕 マイアミ警察が約9億円相当のハンドバッグやジュエリーを押収

米マイアミでハンドバッグやジュエリーなどの模倣品を販売していた72歳と40歳の親子が逮捕された。マイアミ警察によると、押収した模倣品は、販売価格に換算すると600万ドル~700万ドル(約8億5200万~9億9400万円)相当になるという。

模倣品を販売していた店舗には、「シャネル(CHANEL)」や「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」「ディオール(DIOR)」「グッチ(GUCCI)」「フェンディ(FENDI)」「サンローラン(SAINT LAURENT)」「ティファニー(TIFFANY & CO.)」などの模倣品が並んでおり、いずれもいわゆる“スーパーフェイク”と呼ばれる、消費者が真贋に気付かないほどに精巧に似せた模倣品だったという。

マイアミ警察によると、捜査は「グループの一員」とされる人物からの情報提供によって開始されたという。その後、捜査官がおとり捜査の一環として同店で1150ドル(約16万円)相当の偽物の「ヴァン クリーフ&アーペル(VAN CLEEF & ARPELS)」の宝飾品を購入し、専門家が鑑定した結果、模倣品であることが確認された。

The post 模倣品を販売した72歳と40歳の親子が逮捕 マイアミ警察が約9億円相当のハンドバッグやジュエリーを押収 appeared first on WWDJAPAN.

ドイツの高級ファッションEC「マイテレサ」がYNAP買収か 情報筋の話

情報筋によれば、ドイツの高級ファッションEC「マイテレサ(MYTHERESA)」による、競合のラグジュアリーEC大手ユークス ネッタポルテ グループ(YOOX NET-A-PORTER GROUP以下、YNAP)の買収が進行しており、合意も近いという。

YNAPは、「カルティエ(CARTIER)」「ヴァン クリーフ&アーペル(VAN CLEEF & ARPELS)」「クロエ(CHLOE)」などを擁するコンパニー フィナンシエール リシュモン(COMPAGNIE FINANCIERE RICHEMONT以下、リシュモン)が保有しており、ウィメンズを中心とした高級EC「ネッタポルテ(NET-A-PORTER)」、メンズの「ミスターポーター(MR. PORTER)」、リーズナブルな価格の「ユークス(YOOX)」に加えて、ディスカウントECの「アウトネット(THE OUTNET)」を運営している。

リシュモンは23年8月、YNAPの株式の47.5%を高級ECのファーフェッチ(FARFETCH)に売却することに合意。しかし、取引が成立する前にファーフェッチが経営破綻の瀬戸際にあることが明らかになり、同年12月に韓国の大手EC企業クーパン(COUPANG)が買収。これを受け、リシュモンは取引を中止した。その後、24年5月に発表した24年3月期決算の説明会で、ブルクハルト・グランド(Burkhart Grund)=リシュモン最高財務責任者は、「(売却の)プロセスは進行しており、複数の当事者が関わっている」と発言。24年12月末までに取引が成立する予定だとしていた。また、5月には、「マイテレサ」が「ネッタポルテ」の買収に関心を示していると「フィナンシャル・タイムズ(THE FINANCIAL TIMES)」紙が情報筋の話として報じている。

なお、今回の件について、リシュモンおよび「マイテレサ」からのコメントは得られなかった。

「マイテレサ」の業績は?

「マイテレサ」の24年6月期決算は、流通取引総額(GMV)が前期比7.0%増の9億1360万ユーロ(約1452億円)、売上高は同9.7%増の8億4090万ユーロ(約1337億円)、営業損失は前年の870万ユーロ(約13億円)から2200万ユーロ(約34億円)に、純損失は同じく1700万ユーロ(約27億円)から2490万ユーロ(約39億円)に拡大している。なお、一部の費用を除いた調整後営業利益は同60.4%減の1060万ユーロ(約16億円)、調整後純利益は同58.1%減の770万ユーロ(約12億円)だった。

同社のマイケル・クリガー(Michael Kliger)最高経営責任者によれば、「競合が減ってきている」こともあり、24年4〜6月期(第4四半期)およびそれ以降に業績が力強く成長しているため、25年6月期の売上高は7〜13%の成長率を見込んでいるという。

なお、リシュモンはYNAPの売上高を開示していないが、ファッション業界のビジネスや法律関連のニュースを扱うウェブメディア「ザ・ファッション・ロー(THE FASHION LAW)」によれば、20億ユーロ(約3180億円)近いのではないかという。「マイテレサ」の売上高はその半分以下であることを考えると、仮に買収の合意に至ったとしても、資金調達などを含めて手続きは複雑なものになりそうだ。

The post ドイツの高級ファッションEC「マイテレサ」がYNAP買収か 情報筋の話 appeared first on WWDJAPAN.

【今秋のゴルフニュース2選】「メゾン ミハラヤスヒロ」がトリプルコラボで参入、老舗「アダバット」が新ブランド立ち上げ

コロナ禍に急拡大し、2021〜22年には新ブランドが200前後も生まれたと言われるゴルフ市場。23年以降の勢いは落ち着いているものの、コロナ前と比較すれば、値上げも後押しする形でゴルフ市場は拡大しており、引き続き注目が集まるマーケットだ。今秋のゴルフの注目ニュース2つを紹介する。

「ミハラ」の人気スニーカーが
トリプルコラボのきっかけ

三原康裕が手掛ける「メゾン ミハラヤスヒロ(MAISON MIHARA YASUHIRO以下、MMY)」とトランジットホールディングス(旧トランジットジェネラルオフィス)のゴルフブランド「パシフィック ゴルフ クラブ(PACIFIC GOLF CLUB以下、PGC)」、韓国のショップ「ケーススタディ(CASESTUDY)」は、トリプルコラボレーションでゴルフアイテムを企画した。「ケーススタディ」で先行販売し、国内では「PGC」の公式ECで販売。「MMY」が運営する原宿の直営店「マイフットプロダクツ(MY FOOT PRODUCTS)」では、9月21、22日にポップアップを実施した。今後、さらに国内でポップアップを行う可能性もあるという。

「ケーススタディ」は韓国の有力モードセレクトショップ「ブーン ザ ショップ(BOON THE SHOP)」から派生したコンセプトショップ。旧知の仲という同店のバイヤーから、三原のもとに「ゴルフシューズを作ってほしい」と依頼があったのが今回のコラボのきっかけという。「MMY」で人気のスニーカー“ピーターソン(PETERSON)”をベースにゴルフシューズを作り、それは「ケーススタディー」独占で販売することになったものの、「ラインアップが靴だけでは寂しい。自分はゴルフはしないが、友人の中村(貞裕トランジットホールディングス社長)さんや姉川(輝天PGCクリエイティブディレクター)さんがゴルフブランドをやっている。だったら一緒に服も作ろうとなり、トリプルコラボとなった」と三原。

11歳からサーフィンをしているという三原は、「PGC」が提案しているような“サーフ&ターフ”(ゴルフとサーフィンを共に楽しむ)のムードに共感したという。シューズ開発にかけた期間は2年半。ソフトなスパイクを使用してゴルフ場だけでなく街でも履けるようにしつつ、芝や土の汚れがつきづらいように配慮した。「ゴルフはしないが、ゴルフシューズにはかなり詳しくなった」と三原。

アパレルも、ゴルフシーンだけでなく街でも着られるデザイン。バックプリントのモックネックシャツ(1万7000円)やポロシャツ(1万6000)円の胸元や、ショーツ(1万6000円)の裾などに、「MMY」で人気のダックのモチーフを刺しゅうしているのもポイント。

立ち上げ35年超、
若年層に向けて派生ブランド

老舗ゴルフブランドにも新しい動きが出ている。ワールドグループのエクスプローラーズトーキョーが手掛ける「アダバット(ADABAT)」は25年春に、新ブランド「アダバット ストリーム(ADABAT STREM)」を立ち上げる。1987年にスタートし35年以上の歴史がある「アダバット」は、中心顧客層が60代となっており、コロナ禍のゴルフバブルの恩恵もあまりなかったという。新ブランドは20〜40代に向けて、モノトーンやベージュといった落ち着いた色合いの、よりカジュアルなデザインやシルエットをそろえる。まずは自社ECで展開し、商業施設でのポップアップなども目指す。価格帯は、既存の「アダバット」(ポロシャツ1万円台後半〜2万円台前半、パンツ1万円台後半〜2万円台中盤)の8掛け前後で検討中だ。

24年3月からアダバット ブランドディレクターも務める靏博幸(かく・ひろゆき)ワールドグループ執行役員は、「グループの力を生かして、例えば富裕層顧客も多い『ドレステリア(DRESSTERIOR)』でポップアップを行うといったことも考えたい」と話す。ディレクター就任にあたり、展示会日程を従来に比べ約2カ月前倒しした。「ゴルフウエアは機能素材の作り込みも非常に重要なのに、慣例で販売時期に引きつけた展示会日程になっていた」。2カ月の前倒しはかなりの荒療治だったが、これにより、ありもの生地を使ったり、納期遅れを起こしたりといったことを防ぐ。

25年春には、既存「アダバット」の新ラインとして“アダバット ネイビー”も立ち上げる。価格帯、サイズ感は「アダバット」と同じにして既存顧客も取りつつ、トリコロールカラーのボーダー柄やロゴ使い、スポーティーな素材感などで変化をつける。下げ札をネイビーカラーにし、百貨店ゴルフフロアなどで展開する既存の「アダバット」売り場で販売する。

新ブランドと、既存「アダバット」、新ラインの3つ合わせて、「売り上げは従来の1.5倍前後を目指す」と靏 執行役員。「新ゴルフブランドはたくさん生まれているが、定番的なブランドが時流に沿った商品を出してくれると、商業施設としても(ブランドが立ち上げから数年で休止してしまうといったリスクなく)安心して扱えて助かる、と話すバイヤーも少なくない。そうしたニーズに応えていく」と話す。

The post 【今秋のゴルフニュース2選】「メゾン ミハラヤスヒロ」がトリプルコラボで参入、老舗「アダバット」が新ブランド立ち上げ appeared first on WWDJAPAN.

ワールド鈴木社長、「打倒残暑」へ静かな炎燃やす 24年3〜8月期は営業利益4割増も満足せず

ワールドの2024年3〜8月期連結業績(国際会計基準)は、売上高に相当する売上収益が前年同期比6.8%増の1101億円、本業のもうけを示すコア営業利益が同39.2%増の80億円、純利益に相当する中間利益が同41.9%増の46億円だった。全ての利益段階で計画値を達成しながらも、鈴木信輝社長は基幹のブランド事業におけるコア営業利益の計画未達を反省。特に7〜8月の猛暑・残暑対応に苦慮し、「やるべきことができなかった」と課題感をにじませた。

ブランド事業の売上収益は前期比7%増の965億円、コア営業利益が28%増の50億円。数字面は悪くなく映るものの、コア営業利益は期初計画に対しては16%の未達であり、また「通期の過去最高益(132億円)にもビハインドしている」と冷静だ。

夏MDの練り込みがまだ足りなかった

課題を残したのは、百貨店ブランドを中心とするミドルアッパーブランド。夏から秋にかけての越境期(7〜9月)に、長引く猛暑に対応できる商品のバリエーションと在庫量が足りず、販売機会ロスを招いた。「もちろん今春夏も、猛暑に対しての準備はしていた。これまでのMDカレンダーでは『春夏』と一緒くたにしていたが、これを『春』と『夏』に明確に分け、特に夏は強化したはずだった。ただ、練り込みがまだまだ甘かった」と振り返る。「来夏は、特に対策が足りていなかった7月と8月を独立したシーズンと考え、さらに細分化したMD計画を立てる。すでに準備に動き出しているし、1つ1つ(強化項目を)指差し確認してMDをチェックするくらいの意識でなくてはならない。私もそこに加わりながら準備を詰めていく」。語り口はいつものように淡々とロジカルだったが、内に秘めた悔しさと「打倒残暑」への決意をうかがわせた。

そのほかの事業セグメントのコア営業利益については、デジタル事業が前年同期比2.6倍の12億円、販売などの仕組みを外販するプラットフォーム事業が1.8倍の8億2300万円と、いずれも計画を大幅に上回った。デジタル事業においては、ブランド古着「ラグタグ(RAGTAG)」は店舗出店・改装に積極投資し、高級バッグレンタルの「ラクサス(LAXUS)」はサービスの値上げにもかかわらず順調に進捗した。

通期の連結業績予想は、売上高2300億円、営業利益155億円、当期利益85億円の期初計画を据え置いた。

The post ワールド鈴木社長、「打倒残暑」へ静かな炎燃やす 24年3〜8月期は営業利益4割増も満足せず appeared first on WWDJAPAN.

オンワード「苦手な夏」を克服 6〜8月期、17年ぶり黒字

オンワードホールディングス(HD)の2024年3〜8月期連結業績は、売上高が前年同期比5.2%増の951億円、営業利益が同4.6%増の52億円、純利益が同43.5%増の41億円だった。純利益の大幅増は、持分法投資利益の増加や為替損益の解消によるもの。

既存店ベースの売上高は前年同期比5.4%増。事業の売上高は主力の婦人服「23区」が同4.3%増、比較的新しい「アンフィーロ」が同92.1%増、オーダースーツの「カシヤマ」が同38.5%増だった。同社が力を入れるOMOサービスの「クリック&トライ」を国内で導入する店舗の割合は63%(前年同期は51%)まで上昇した。

課題だった夏シーズンの収益改善が進んだ。第2四半期(6〜8月期)の営業利益は2億円となり、同期間としては17期ぶりに黒字転換した。7月以降のセール時期以降もプロパーで売れる夏物衣料を強化したり、猛暑に対応した機能性商品を充実したりしたことが実を結んだ。3日の決算説明会に登壇した保元道宣社長は、手応えを強調しつつ「まずはスタートラインに立てた」とし、さらなる改善に取り組む。

同社はカジュアル専門店のウィゴーを9月に完全子会社化したことに伴い、25年2月期連結業績予想を上方修正する。修正後の予想は、売上高2100億円(前期比10.7%増)、営業利益125億円(同11.0%増)、純利益82億円(同24.8%増)。売上高ではウィゴーの10月以降の売上高予想の100億円を上乗せする。

The post オンワード「苦手な夏」を克服 6〜8月期、17年ぶり黒字 appeared first on WWDJAPAN.

「シビル・ウォー アメリカ最後の日」アレックス・ガーランド監督が語る「撮影の裏側」

「ムーンライト」「ミッドサマー」「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」ほか、設立10年ほどで革新的な映画を次々に送り出し、日本でもファンが急増しているNYの映画会社A24。同社が最大規模の予算を投じて製作した「シビル・ウォー アメリカ最後の日」が、10月4日に劇場公開を迎える。

本作は、アメリカで内戦が勃発し、国内が二分化された「もし」を描いた物語。混乱が日常化した中、4人の戦場カメラマンとジャーナリストは大統領に直撃インタビューをしようとNYから首都ワシントンD.C.にあるホワイトハウスを目指すが――。

AIロボットとの心理戦を描きアカデミー賞に輝いた「エクス・マキナ」や、ワーケーション先での恐怖を強烈な映像表現で魅せた「MEN 同じ顔の男たち」ほか、A24の信頼も厚いアレックス・ガーランド(Alex Garland)監督によるオリジナル作品だ。来日を果たした彼に、舞台裏を聞いた。

映画化に向けて

——ガーランド監督が脚本に着手されたのが2020年と伺っています。本作を拝見した際に「よく映像化できたな」と衝撃を受けましたが、まずは書いてみようという心持ちだったのか、ある程度ゴールが見えた状態で書き始めたのか、どちらでしょう?

アレックス・ガーランド(以下、ガーランド):自分でもよく作れたなと思います。25年ほどこの仕事をしているため、プロセスに関しては今後どう展開していくかは割と読めるようにはなりました。長年組んでいる人々といつも一緒に仕事をしますし、何が可能で何が不可能かは一応把握した上で作っているつもりではあります。「シビル・ウォー」は確かに予算がかかりそうな物語ではあるし、テーマ的にも問題作になるであろうリスクはあったのですが、ある程度予算レベルを押さえておけばA24あたりが手を挙げてくれるだろうと予想しながら書いていきました。もしこれが大手スタジオだったら、絶対にそんなチャンスはなかったと思います。

A24に的を絞りながら、コストをある程度抑えつつもエッジの効いた部分は妥協せずに初稿を書き上げました。そしてA24に声をかけたら、予算も聞かずに即答で「YES」と言ってくれたんです。その後、プリプロダクション(撮影に向けた準備)に入ると予算がどんどんと増えていってしまったのですが、A24は質問も文句もなく「大丈夫」と100%サポートしてくれました。本作のテーマ性を考えると、それは非常に勇気がいることだったと思います。

——本作はロードムービー仕立てになっていて、アメリカ国内の現在の情勢や政治・地理について予備知識がなくてもスッと入り込めます。このアプローチは発明だと感じました。

ガーランド:ありがとうございます。私が意識していたことは「こういうテーマだからさまざまな怒りを買うに違いない、それを防ぎつつ、多くの人々が本質に対峙してくれるためにはどうしたらいいか」でした。そのために、裏口から入ってきてテーマを語るような手法を取っています。それが「ジャーナリストたちのロードムービー」でした。タイトルこそ「内戦」と直球ではありますが、物語の主軸をジャーナリストたちの旅にして、画面の隅っこで「こういうことを描いているのか」という本題を描けば、皆さん諍(いさか)いを起こすことなく観てくれて対話の種になると考えたのです。

——まんまとその狙いにハマってしまいました。ガーランド監督は、「エクス・マキナ」「アナイアレイション -全滅領域-」「MEN 同じ顔の男たち」と、ある種の異空間に新参者が入り込み、困惑するさまを描いてきたのではないかと思いますが、お好きな作劇なのでしょうか。

ガーランド:私が作る作品には、確かにそうした共通項があるかもしれませんね。ただ、英語で「between a rock and a hard place(八方ふさがり)」というように、にっちもさっちもいかない状況にキャラクターを置くのはドラマそのものの性質のようにも思います。極端な状況にキャラクターを放り込んで「さてどういった行動をとるでしょう」と提示し、観客は「自分ならどうするか」と自身を重ねながら物語を追っていく――この基本に則って、繰り返しやっているような気もします。

大変だったガソリンスタンドの撮影

——なるほど。ちなみに、実際に撮影していく中で実現が大変だった部分などはありましたか?

ガーランド:毎日がロジ的(ロジスティックス。一連の手続きや準備)な悩みばかりでした。皆さん監督業に対して、「俳優の繊細な演技を引き出す」演出が仕事だろうと考えているかと思いますが、それは1%程度でしかありません。全体の85%はロジ的なものに支配されています。例えば会社の経営者が「国内の端から端へ金属のボックスを輸送しなければならない。さてどうしようか」と考えているのと同じです。「シビル・ウォー」でいうと、実は序盤のガソリンスタンドのシーンはかなり難しい部類に入ります。

時間的に半日で撮りきらなければならないのに、スタッフの人手が足りていなくて車止め要員が確保できなくて、撮影中に一般の方がガソリンを入れに来てカメラのフレームに入ってきてしまう――というような事態が発生していました。もちろんテーマがテーマですからそれなりに予算のかかる映画ではありましたが、A24製作映画ですからインディーズのやり方になります。私は日々そうした問題処理に奔走していて、ガソリンスタンドのシーンではスタッフを一人つかまえて「今から10分間カメラを回すからとにかく車を止めてほしい」と指示して急いで現場に戻る――といったことをやっていました。

——そんな手作り感あふれる現場だったとは! 本作は日本でもIMAXを含めたラージフォーマットで上映されますが、撮影段階から想定されていたのでしょうか。

ガーランド:いえ、IMAX上映はサプライズでした。そのような映画だと思わずに撮っていたので、まさかOKになるとは思わずびっくりしました。カメラもIMAX用のものではなく、DJI Roninという小さなカメラを使っています。そこに、「ライカ(LEICA)」の35ミリのスチール用レンズをつけて撮っていました。このレンズを使っている映画はあまりないように思います。

DJI Roninはとても使いやすいカメラでした。スタビライザー(手ブレ防止機能)がついているため自由に動き回ってもスムーズに撮ってくれますし、普通の映画用のカメラだったらドリー用のレールを敷いてそれに合わせて撮るところを、手持ちで走り回ることができました。そういう撮影形式だったのでIMAXのような大画面に耐えうる作品になるとは思っていませんでしたが、どうやらOKだったようです。

そして、安い。私が監督を始めたころのカメラといったら、5万~6万ドルが当たり前でした。でも今回使ったカメラは、そのあたりのお店で6000ドルくらいで買えるものです。今回は照明も使っておらず、映画学校の学生のようにカメラ1台で撮った作品です。

PHOTOS:TAMEKI OSHIRO

■映画「シビル・ウォー アメリカ最後の日」
10月4日からTOHO シネマズ 日比谷ほか全国公開
キャスト:キルステン・ダンスト、ワグネル・モウラ、スティーヴン・マッキンリー・ヘンダーソン、ケイリー・スピーニ―
監督/脚本:アレックス・ガーランド
配給:ハピネットファントム・スタジオ
原題:CIVIL WAR|2024年|アメリカ・イギリス映画|109分|PG12 公式
https://happinet-phantom.com/a24/civilwar/
©︎2023 Miller Avenue Rights LLC; IPR.VC Fund II KY. All Rights Reserved.
IMAX® is a registered trademark of IMAX Corporation.

The post 「シビル・ウォー アメリカ最後の日」アレックス・ガーランド監督が語る「撮影の裏側」 appeared first on WWDJAPAN.

アダストリア、「グローバルワーク」で25年春に銀座出店 30年にブランド売り上げ1000億円へ

今秋、設立30周年を迎えたアダストリアの基幹ブランド「グローバルワーク(GLOBAL WORK)」は2025年春、東京・銀座に990平方メートル超の路面旗艦店をオープンする。「アダストリアとしてグループ連結売上高5000億円を目指す中、基幹の『グローバルワーク』の規模拡大は必須」と木村治社長。「グローバルワーク」単独では30年2月期に、現在の規模(24年2月期516億円)から約2倍の1000億円を掲げており、そこに向け国内外で積極出店を進める。

「グローバルワーク」の店舗数は、24年2月末時点で国内203店、海外は台湾、香港に18店(どちらもEC出店含む)。これを、30年2月期には国内で270〜300店規模にする。海外は25年をめどに、「ニコアンド(NIKO AND…)」で先行するフィリピンやタイに進出し、市場の成長が著しい東南アジアで拡大を目指す。

手薄だった都心ターミナル立地に進出

国内では、従来から店を構えてきた郊外SCへの出店も加速するが、一方でこれまで手薄だった都心ターミナル立地にも進出する。銀座の旗艦店出店はその象徴だ。現在、郊外SCでは330平方メートル前後の店舗を中心としているが、「都心だからといって、それ以下の規模での出店はしない。品ぞろえも、都心用に新しい商品を企画することはせず、既存で展開するラインを編集することでさまざまな立地に対応する」と、太田訓 執行役員グローバルワーク営業本部長。既存の330平方メートル以下の店舗は、500〜660平方メートルを目指し、移転増床を進めていく。

30年2月期に掲げた1000億円のブランド売り上げのうち、海外店舗で100億円を目指し、国内は売り上げの20%強をECで取るという青写真を描く。ECの商品レビューや、店頭で客から吸い上げる声を生かして、“ウツクシルエットパンツ”(累計販売枚数400万枚超)や“アーバンスラックス”(同110万枚超)などに続くパワーのある主力アイテムを開発。そうしたレビュー分析などの仕組みは、今後海外でも行っていく。

アダストリアの24年2月期連結業績は売上高が前期比13.6%増の2755億円、営業利益は同56.4%増の180億円だった。中期経営計画では、26年2月期に売上高3100億円、営業利益224億円を掲げている。原料費や物流費が高騰する中でも、基幹の「グローバルワーク」は、客の声を生かし修正を重ねた主力アイテムの打ち出しや、価値に見合った値上げなどが奏功し、この間のアダストリアの成長のけん引役になっている。23年春に「グローバルワーク」からの派生として、地域密着型SCやGMSへの出店を意図して立ち上げたより値頃な「グローバルワーク・スマイルシードストア(GLOBAL WORK SMILE SEE STORE)」の進捗は、「ECは好調だが実店舗は計画未達」(太田本部長)という。

The post アダストリア、「グローバルワーク」で25年春に銀座出店 30年にブランド売り上げ1000億円へ appeared first on WWDJAPAN.

「セリーヌ」、エディ・スリマンの後任を早くも発表 フィービー時代のディレクターがカムバック

エディ・スリマン(Hedi Slimane)の退任発表から数時間後、「セリーヌ(CELINE)」は新たなアーティスティック・ディレクターにマイケル・ライダー(Michael Rider)前「ポロ ラルフ ローレン(POLO RALPH LAUREN)」クリエイティブ・ディレクターを起用することを発表した。2025年初頭に就任する予定だ。

ライダーは08年から18年までの10年間、「セリーヌ」の当時のクリエイティブ・ディレクターだったフィービー・ファイロ(Phoebe Philo)の下で、プレタポルテ部門のデザイン・ディレクターとして働いており、古巣に復帰することになる。ビジネス特化型SNS「リンクトイン」によると、ライダーは米ロードアイランド州のブラウン大学卒。04年から08年まで「バレンシアガ(BALENCIAGA)」のシニアデザイナーとしても働いていた。

親会社のLVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON)は、「セリーヌ」の現在の勢いをベースに、スリマンが築き上げたグランジをはじめとするオルタナティブ・ミュージックシーンの要素を織り交ぜたフレンチ・ブルジョワ的コードのアレンジという成功のテンプレートから大きく逸脱しないことを望んでいるようだ。情報筋によると、「セリーヌ」は「ロエベ(LOEWE)」と並んでLVMHファッション・グループで最も急成長しているブランドの一つであり、売上高は25億ユーロ(約3975億円)に到達。その規模は、「フェンディ(FENDI)」よりも大きいという。

今回の起用により、デザインチームの中にいた才能あふれる人材がまた一人、注目を集める大役に就いたことになる。これまでLVMHは、スリマンやファイロのような、時代をけん引するスターデザイナーを重用する傾向があった。ライダーはすでにパリに生活拠点を移しているようだが、すぐにコメントは得られなかった。

The post 「セリーヌ」、エディ・スリマンの後任を早くも発表 フィービー時代のディレクターがカムバック appeared first on WWDJAPAN.

「ユニクロ」、40周年記念展をパリで開催 柳井会長やクレア・ワイト・ケラーが登壇

今年で40周年を迎える「ユニクロ(UNIQLO)」が、フランス・パリで特別展「The Art and Science of LifeWear: What Makes Life Better? 」を開催中だ。会期は10月1〜5日で、開幕前日には柳井正ファーストリテイリング会長兼社長や大矢光雄 東レ社長、9月に「ユニクロ」クリエイティブディレクターに就任したクレア・ワイト・ケラー(Clare Waight Keller)らが登壇する記者会見も実施。パリ・ファッション・ウイークに合わせて現地を訪れている各国のメディア関係者に、「ユニクロ」の40年の道のりと、その背景にあるアートとサイエンスの世界を伝えた。

展覧会は「ユニクロ」の服作りの根幹にある“LifeWear”というコンセプトを、ユニークな展示やインタラクティブなインスタレーションを通じて紹介する大規模な没入体験型イベントとなっている。ヴァンドーム広場に構えるイベントスペースの地上階で、“LifeWear”を象徴するアイテムをインスタレーションとプロジェクションマッピングとともに展示する。地下スペースでは、長年の戦略的パートナーであり、世界有数の素材メーカーである東レとの協業で独自に開発されたテクノロジーの秘密を、視覚と感覚に訴えるフォトジェニックな展示方法で解き明かす。同展は、誰でも無料で入場可能なイベントとして開放されている。

「服は個性を作る部品」

会見に登壇した柳井会長は、「個性とは服にあるのではなく、人にあるものだと考えております。ファッションは人の魅力を引き出すために存在しています。いわば服とは、自らが選んだ個性を組み立てる部品です」と、パリ・ファッション・ウイークに集まるメディア関係者に「ユニクロ」のファッションに対する考えを示した。さらに、「使い捨ての服ではなく、長く着られる究極の普段着。それが“LifeWear”の哲学です。シンプルかつ高い機能性と耐久性、しかも毎年そのパフォーマンスを向上できるよう努力してまいりました。そんな“LifeWear”の価値を実現する基盤を支えているのが、まもなく創業200周年を迎える東レとのパートナーシップです」と続けた。

「ユニクロ」は東レと1999年に取引を開始し、2006年に戦略的パートナーシップを締結。それ以来、世界で爆発的ヒット商品となった“ヒートテック”“エアリズム”“ウルトラライトダウン”、直近では、共同開発した高性能な中綿を詰め込んだ軽くて暖かい“パフテック”アウターを生み出し、同展覧会でその革新的な技術を展示している。

06年時点で約2500億円だったファーストリテイリングの売上高は、24年8月期には3兆円を超えて着地する予定。柳井会長は、「規模の拡大ではなく、社会貢献を念頭に置いているからこそ、持続的な経営ができたのだと考えます。社会全体に貢献するため、服を作る会社ができることを見直し続けてきました。そんな私たちの努力の結晶が“LifeWear”です。『ユニクロ』の服は国籍、年齢、性別を超えたあらゆる人々のために作られています。世界中の人々が気軽に買える、ライフスタイルを作る道具です」と、国内外の記者に“LifeWear”のコンセプトを再提示した。

続いて登壇した東レの大矢社長は、水処理膜や炭素繊維の技術など、幅広い自社の技術開発を紹介したうえで、「世界が直面する課題に対して、革新技術先端材料によって本質的なソリューションを提供していく」と説明。「これからも“LifeWear”の進化を支えていきたいと考え、合成繊維だからこそ素晴らしい洋服の未来が描けると信じております」と締めくくった。

「ユニクロの“入念さ”にインスパイアされる」

説明会の最後に行われたパネルディスカッションでは、クレア・ワイト・ケラーと、「ユニクロ」のグローバルブランドアンバサダーであるテニスプレーヤー、ロジャー・フェデラー(Roger Federer)選手が登壇し、同展のテーマである“人々の暮らしをより良くするものは何か?(What Makes Life Better)”について各々の意見を述べた。司会者から、「ユニクロ」での新たな任務について問われたケラーは、「『ユニクロ』の服作りの姿勢に感銘を受けている」とコメント。「隅々まで行き届いた“入念さ”に私自身がインスパイアされるとともに、そのような服には人生をも変える力があると感じています。人々がどのように『ユニクロ』の洋服を着て、人生を送るのかを考えながら、クリエイションに向き合っています」と続けた。特別展を通して創業40周年をパリで祝うとともに、ケラーを迎えて新体制となった「ユニクロ」の未来に、さらなる成長発展を感じさせる内容で締めくくられた。

長らく「ユニクロ」と協業を続けるジョナサン・アンダーソン(Jonathan Anderson)や、「ユニクロ ユー(UNIQLO U)」を手掛けるクリストフ・ルメール(Christophe Lemaire)とサラ・リン・トラン(Sarah-Lihn Tran)、アナ・ウィンター(Anna Wintour)米国版「ヴォーグ」編集長らも会場を訪れた。

The post 「ユニクロ」、40周年記念展をパリで開催 柳井会長やクレア・ワイト・ケラーが登壇 appeared first on WWDJAPAN.

「ユニクロ」、40周年記念展をパリで開催 柳井会長やクレア・ワイト・ケラーが登壇

今年で40周年を迎える「ユニクロ(UNIQLO)」が、フランス・パリで特別展「The Art and Science of LifeWear: What Makes Life Better? 」を開催中だ。会期は10月1〜5日で、開幕前日には柳井正ファーストリテイリング会長兼社長や大矢光雄 東レ社長、9月に「ユニクロ」クリエイティブディレクターに就任したクレア・ワイト・ケラー(Clare Waight Keller)らが登壇する記者会見も実施。パリ・ファッション・ウイークに合わせて現地を訪れている各国のメディア関係者に、「ユニクロ」の40年の道のりと、その背景にあるアートとサイエンスの世界を伝えた。

展覧会は「ユニクロ」の服作りの根幹にある“LifeWear”というコンセプトを、ユニークな展示やインタラクティブなインスタレーションを通じて紹介する大規模な没入体験型イベントとなっている。ヴァンドーム広場に構えるイベントスペースの地上階で、“LifeWear”を象徴するアイテムをインスタレーションとプロジェクションマッピングとともに展示する。地下スペースでは、長年の戦略的パートナーであり、世界有数の素材メーカーである東レとの協業で独自に開発されたテクノロジーの秘密を、視覚と感覚に訴えるフォトジェニックな展示方法で解き明かす。同展は、誰でも無料で入場可能なイベントとして開放されている。

「服は個性を作る部品」

会見に登壇した柳井会長は、「個性とは服にあるのではなく、人にあるものだと考えております。ファッションは人の魅力を引き出すために存在しています。いわば服とは、自らが選んだ個性を組み立てる部品です」と、パリ・ファッション・ウイークに集まるメディア関係者に「ユニクロ」のファッションに対する考えを示した。さらに、「使い捨ての服ではなく、長く着られる究極の普段着。それが“LifeWear”の哲学です。シンプルかつ高い機能性と耐久性、しかも毎年そのパフォーマンスを向上できるよう努力してまいりました。そんな“LifeWear”の価値を実現する基盤を支えているのが、まもなく創業200周年を迎える東レとのパートナーシップです」と続けた。

「ユニクロ」は東レと1999年に取引を開始し、2006年に戦略的パートナーシップを締結。それ以来、世界で爆発的ヒット商品となった“ヒートテック”“エアリズム”“ウルトラライトダウン”、直近では、共同開発した高性能な中綿を詰め込んだ軽くて暖かい“パフテック”アウターを生み出し、同展覧会でその革新的な技術を展示している。

06年時点で約2500億円だったファーストリテイリングの売上高は、24年8月期には3兆円を超えて着地する予定。柳井会長は、「規模の拡大ではなく、社会貢献を念頭に置いているからこそ、持続的な経営ができたのだと考えます。社会全体に貢献するため、服を作る会社ができることを見直し続けてきました。そんな私たちの努力の結晶が“LifeWear”です。『ユニクロ』の服は国籍、年齢、性別を超えたあらゆる人々のために作られています。世界中の人々が気軽に買える、ライフスタイルを作る道具です」と、国内外の記者に“LifeWear”のコンセプトを再提示した。

続いて登壇した東レの大矢社長は、水処理膜や炭素繊維の技術など、幅広い自社の技術開発を紹介したうえで、「世界が直面する課題に対して、革新技術先端材料によって本質的なソリューションを提供していく」と説明。「これからも“LifeWear”の進化を支えていきたいと考え、合成繊維だからこそ素晴らしい洋服の未来が描けると信じております」と締めくくった。

「ユニクロの“入念さ”にインスパイアされる」

説明会の最後に行われたパネルディスカッションでは、クレア・ワイト・ケラーと、「ユニクロ」のグローバルブランドアンバサダーであるテニスプレーヤー、ロジャー・フェデラー(Roger Federer)選手が登壇し、同展のテーマである“人々の暮らしをより良くするものは何か?(What Makes Life Better)”について各々の意見を述べた。司会者から、「ユニクロ」での新たな任務について問われたケラーは、「『ユニクロ』の服作りの姿勢に感銘を受けている」とコメント。「隅々まで行き届いた“入念さ”に私自身がインスパイアされるとともに、そのような服には人生をも変える力があると感じています。人々がどのように『ユニクロ』の洋服を着て、人生を送るのかを考えながら、クリエイションに向き合っています」と続けた。特別展を通して創業40周年をパリで祝うとともに、ケラーを迎えて新体制となった「ユニクロ」の未来に、さらなる成長発展を感じさせる内容で締めくくられた。

長らく「ユニクロ」と協業を続けるジョナサン・アンダーソン(Jonathan Anderson)や、「ユニクロ ユー(UNIQLO U)」を手掛けるクリストフ・ルメール(Christophe Lemaire)とサラ・リン・トラン(Sarah-Lihn Tran)、アナ・ウィンター(Anna Wintour)米国版「ヴォーグ」編集長らも会場を訪れた。

The post 「ユニクロ」、40周年記念展をパリで開催 柳井会長やクレア・ワイト・ケラーが登壇 appeared first on WWDJAPAN.

ユニクロ9月度、8月に続き20%超増 ケーブル編みの半袖ニットなど秋物動く 

専門店チェーン、セレクトショップの2024年9月度業績(既存店ベース)は、月前半の高気温で夏物が売れたほか、月半ばから気温が下がったことで秋物が動き出したという声が出ている。各社好調だが、中でもユニクロの好調が目立つ。

国内ユニクロは前年同月比22.1%増と、8月に続く20%超増となった。高気温でブラトップや“エアリズム”インナーが好調だったことに加え、「秋仕様のデザインで夏素材を使ったアイテムなど、端境期向け商品が売れている」と広報担当者。具体的には、“エアリズムコットン”の長袖Tシャツやケーブルニットの半袖セーターなど。「『ユニクロ:C(UNIQLO:C)』『UT』×米津玄師、『ユニクロ ユー(UNIQLO U)』発売と毎週話題があった」ことで、客数も同18.1%増と伸ばした。

しまむらの「ファッションセンターしまむら」(8月21日〜9月20日)は同4.3%増。「残暑が続き、アウター衣料、実用品共に夏物が好調だった。秋冬物では、ウィメンズのニットベストが高気温の中でも売り上げを伸ばした」(発表資料から)。

良品計画の「無印良品」国内売り上げは、同13.4%増。「好調が続くスキンケア商品がけん引」(発表資料から)する形で、生活雑貨が同21.5%増と大幅増。衣服・雑貨も同5.7%増と伸ばした。

アダストリアは同8.8%増。「長引く残暑を想定した商品構成が奏功したことに加え、秋物販売も好調」(発表資料から)といい、秋冬物ではパンツやジーンズ、チェック柄シャツ、ライトアウターなどが売れ筋となった。

ユナイテッドアローズは同13.7%増だった。「気温低下に伴いシャツ、カットソー、ニットなどで秋物が動いた」(発表資料から)ことに加え、強みの「ジャケット、パンツ、ワンピースなどのきれいめアイテムも好調に推移した」。

The post ユニクロ9月度、8月に続き20%超増 ケーブル編みの半袖ニットなど秋物動く  appeared first on WWDJAPAN.

韓国コスメ「3CE」が日本再上陸を記念したポップアップを表参道で開催

日本ロレアルは9月に日本再上陸を果たした韓国コスメ「3CE」のポップアップイベント「3CE ピンク スペース ホテル(3CE PINK SPACE HOTEL)」を10月4〜7日に表参道で開催する。会場限定のビューティコンテンツやフォトスポット、商品のカスタマイズサービスを用意する。

近未来的な世界観を楽しめるポップアップイベント

同イベントでは、4月に韓国・明洞にリニューアルオープンしたフラッグシップストア「3CE ピンク スペース ホテル」の近未来的なファッションやメイクの世界観を楽しめる。ブランドを代表する12色のアイシャドウパレット“ニューテイク アイシャドウパレット”(全4色、各4490円※編集部調べ)やとろみジェルでぷるんとした質感が特徴のリップグロス“ドロップグロウジェル”(全10色、各1990円※編集部調べ)などの商品が試せるほか、同商品を購入するとオリジナルカスタマイズを無料で体験できる。また、来場者には全員にカラーステッカーをプレゼントし、地下1階で「#3CEJAPAN」「#3CEピンクスペースホテル」のハッシュタグを付けてInstagramまたはX(旧ツイッター)に投稿すると、スペシャルガチャに挑戦できる。

再上陸について

「3CE」は、韓国のD2Cブランド「スタイルナンダ(STYLENANDA)」から2009年に生まれたクリエイティブメイクアップブランド。17年に東京・原宿に帰還店をオープンし、韓国コスメブームの火付け役となった。18年にロレアルグループ傘下となり、リブランディングのために23年8月末に原宿店をクローズ。24年9月にブランドイメージを刷新し、日本に再上陸した。“より洗練されたプレミアムブランド”として、繊細な色彩と未体験の質感で、まとう人の魅力を最大限に引き出すアイテムの追求を目指す。

野村聡美=日本ロレアル コンシューマー プロダクツ事業本部 3CE スタイルナンダ事業部は、「ファッションブランド発のメイクアップブランドとして、そのDNAをどのように生かしていくかという課題を抱えていた。また、韓国コスメが世界中で浸透していく中で、ターゲットの修正を考えていた」と話す。従来は10代後半〜20代前半をメインターゲットにしていたが、リブランディング後は20代後半〜30代中盤を狙う。現在、韓国と日本、中国、東南アジアで展開しており、売り上げシェアは中国が1位で、それに次ぐ韓国と日本は同程度だという。「今後はより一層、韓国ファッションのトレンドを取り入れたメイクを提案し、ほかのブランドと差別化を図る。新商品の発売やファッションのコレクションシーズンに合わせて、四半期に1回ほどポップアップを開催することで、リブランディングした『3CE』の認知拡大に努めたい」と続け、日本でも旗艦店のオープンを視野に入れている。

■3CE PINK SPACE HOTEL
日程:10月4〜7日
時間:11:00〜19:00
※最終日のみ11:00〜18:30(18:00最終入場)
場所:seeen
住所:東京都渋谷区神宮前4-13-12
入場料:無料(「3CE」公式Instagramのフォローが必要)

The post 韓国コスメ「3CE」が日本再上陸を記念したポップアップを表参道で開催 appeared first on WWDJAPAN.

絶好調の伊勢丹新宿本店、9月は売り上げ横ばいのなぜ? 「丹青会」のスゴさ物語る

主要百貨店4社の2024年9月度売上高は、おしなべて1割弱の増収だった。厳しい残暑の影響により秋物衣料の販売が苦戦したが、月後半に徐々に気温が低下したことで盛り返した。ラグジュアリーブランドのハンドバッグや宝飾など高額品の勢いは衰えておらず、免税売り上げは各社とも前年水準を超過している。

各社の9月度売上高は、三越伊勢丹が前年同月比2.4%増、高島屋が同9.5%増、大丸松坂屋百貨店が同5.4%増、阪急阪神百貨店が同5.8%増。

破竹の勢いで売上高を伸ばしてきた三越伊勢丹の伊勢丹新宿本店が、前年同月比0.7%増と横ばいとなった。ただしこれは、同店の上顧客向け催事「丹青会」の実施日程の影響が大きい。昨年は、秋の丹青会の全日程を9月に実施したが、今年は3日間のうち2日が8月末(30〜31日)だった。「丹青会」は、同店の優良顧客の囲い込み強化とセール縮小により、すでに新年の初売りを上回るほどの書き入れ時となっている。この9月は「丹青会」の2日間分のマイナスが大きく影響し、日本人売上高は前年同月比4%減となった。一方で免税売上高は同31%増と引き続き大きく伸びた。

阪急阪神百貨店の阪急本店は同13.1%増で、2カ月連続で単月売上高の最高記録を更新。婦人ファッションは前半の秋物の動き出しは鈍かったが後半は挽回し、月間では同1割増で着地した。「寒暖差に対応しやすい薄手のセーターやカーディガン、バッグなどの雑貨が先行して動き、下旬になるとジャケットやコートが伸びた」(阪急阪神百貨店)。

高島屋は京都店が前年同月比18.4%増、日本橋店が同14.8%増、横浜店が同9.1%増、大阪店が同8.7%増。大丸松坂屋は心斎橋店が微減も、札幌店が14.5%増、梅田店が同12.5%増と、都心店舗が引き続き好調だ。

The post 絶好調の伊勢丹新宿本店、9月は売り上げ横ばいのなぜ? 「丹青会」のスゴさ物語る appeared first on WWDJAPAN.

タペストリーのカプリ買収はどうなる? 米連邦取引委員会が提訴した裁判で各社トップが証言台に

米連邦取引委員会(FTC)が「コーチ(COACH)」「ケイト・スペード ニューヨーク(KATE SPADE NEW YORK以下、ケイト・スペード)」「スチュアート・ワイツマン(STUART WEITZMAN)」を傘下に持つタペストリー(TAPESTRY)による「マイケル・コース(MICHAEL KORS)」「ヴェルサーチェ(VERSACE)」「ジミー チュウ(JIMMY CHOO)」を擁するカプリ・ホールディングス(CAPRI HOLDINGS以下、カプリ)の買収案件を停止する仮処分を求めた裁判が進行中だ。9月には、約1週間半にわたってさまざまな人物が出廷し、証言を行った。

最初に証言台に立ったのは、カプリのジョン・アイドル(John Idol)会長兼最高経営責任者(CEO)だ。

アイドル会長兼CEOは、「マイケル・コース」がまだ年商1700万ドル(約24億1400万円)と小規模だった2003年に同ブランドのCEOに就任した。同氏の指揮の下、16年には売上が47億ドル(約6674億円)に急成長し、証言の中で、ニューヨークのオフィスを出ると、通りを歩く女性の7人に1人は「マイケル・コース」のバッグを持っていたと述べた。23年には売上が35億ドル(約4970億円)に減少し、今では同ブランドのバッグを持つ女性を見かける確率は「運が良ければ200人に1人」になったと述べた。

アイドル会長兼CEOは、ハンドバッグ市場は競争が激しく、「コーチ」も「マイケル・コース」も厳しい戦いを強いられていると主張。「われわれは上からも下からも圧迫されている」と述べ、「マイケル・コース」が過去に市場シェアを奪ったラグジュアリーブランドが、逆にそれを取り戻そうとしていると述べ、「われわれはハンドバッグ市場全体で競争していると考える」と主張した。

他方、FTCはこれに対して異なる見解を述べている。

FTCが“アクセシブル ラグジュアリー(Accessible luxury)”と呼ぶハンドバッグ市場において、タペストリーが過度な影響力を持つことで消費者に悪影響を与える可能性があると強調。「コーチ」「ケイト・スペード」「マイケル・コース」が米国における同ハンドバッグ市場の半分以上を占めており、「トリー バーチ(TORY BURCH)」や「ポロ ラルフ ローレン(POLO RALPH LAUREN)」といった競合は、これらの巨大ブランドに比べると影響力が小さいと指摘した。

FTCの代理人弁護士は、「本件は、働くアメリカの女性たち、中流階級の女性たちの裁判だ。彼女たちはアウトレットやメイシーズ(MACY’S)に行き、好きなアメリカンブランドを探す。彼女たちは手頃な価格で手に入れたいと考えている」と主張。「コーチ」や「マイケル・コース」のバッグを購入する消費者の半数は、年収7万ドル未満(約994万円未満)の家庭で、「最大の競合同士が合併するのは、アメリカの消費者にとって良くないことだ」と述べた。

アイドル会長兼CEOが証言した翌日には、タペストリーのジョアン・クレヴォイセラ(Joanne Crevoiserat)CEOが証言台に立った。

FTCが定義しようとしている“アクセシブル ラグジュアリー”ハンドバッグ市場についてクレヴォイセラCEOは、「“アクセシブル ラグジュアリー”というのは、当社の競争戦略を投資家に対して説明するために使っている言葉であり、消費者を引き付けるための表現ではない」と指摘。この言葉はあいまいであり、タペストリーが内部文書で使用していたものの、“アクセシブル ラグジュアリー”という視点から競争を見ておらず、「誰もこの言葉の意味をすり合わせることができないため、競合他社を表すには不適切だ」と主張した。

また、クレヴォイセラCEOは、どの価格帯のブランドも競合に当たると述べ、「ラルフ ローレン」がハンドバッグ市場に本格的に参入していることを例に挙げた。また、「ヴェロニカ ビアード(VERONICA BEARD)」「クルト・ガイガー(KURT GEIGER)」「テルファー(TELFAR)」、そしてアクティブウエアの大手である「ルルレモン(LULULEMON)」についても競合だと述べた。

The post タペストリーのカプリ買収はどうなる? 米連邦取引委員会が提訴した裁判で各社トップが証言台に appeared first on WWDJAPAN.

資生堂EMEAのフレグランス事業トップが語る他社との差別化 メリハリのあるポートフォリオと年に1度のローンチ

PROFILE: トゥイル・ヤエル/資生堂EMEAグローバルフレグランスブランドバイスプレジデント

トゥイル・ヤエル/資生堂EMEAグローバルフレグランスブランドバイスプレジデント
PROFILE: イスラエル・テルアビブ生まれ。財務とマーケティングの修士を修了後、ロレアルの「ランコム」の欧州免税店部門でキャリアをスタート。1999年プーチでシニア・ブランドマネジャーとして活躍後、コティでフレグランス・ライフスタイルのマーケティング部門でバイスプレジデントを務める。2020年資生堂EMEAへ入社し、グローバルフレグランスブランドバイスプレジデントに就任 PHOTO:SHUHEI SHINE

資生堂EMEAは、「イッセイ ミヤケ パルファム(ISSEY MIYAKE PARFUMS)以下、イッセイ ミヤケ」や「ナルシソ ロドリゲス(NARCISO RODRIGUEZ)」などのフレグランスブランド事業をはじめ、「クレ・ド・ポー ボーテ(CLE DE PEAU BEAUTE)」や「ナーズ(NARS)」「ドランクンエレファント(DRUNKEN ELEPHANT)」などの販売を行っている。社名のEMEAは、欧州、中東、アフリカを表すもので、パリに本社を構え、88の国と地域に10社、4500人の社員を擁する。また、フレグランスセンター・オブ・エクセレンス(CoE)の拠点を持ち、ほぼ全てのフレグランスの生産をフランス国内で手掛けている。8月末に東京で行われた「イッセイ ミヤケ」の新作フレグランス“ル セルドゥ イッセイ”の発表イベントのために来日したヤエル・トゥイル資生堂EMEAグローバルフレグランスブランドバイスプレジデント(VP)に話を聞いた。

ブランドとの信頼関係と革新性が強み

ーー「イッセイ ミヤケ」新作フレグランスの発表イベントに参加した感想は?

ヤエル・トゥイル資生堂EMEAグローバルフレグランスブランドVP(以下、トゥイル)
三宅一生さんがつくった東京の「21_21 デザインサイト ギャラリー3(21_21 DESIGN SIGHTギャラリー3)」で発表できて嬉しい。エモーショナルなイベントになったと思う。

ーー資生堂EMEA組織とオペレーションは?

トゥイル:パリに拠点があり、ヨーロッパ、中東、アフリカなどをカバーしている。また、フレグランスのCoE、コスメティックヴァレーに2つの工場がある。

ーーフレグランス事業部の一番の強みは何か?

トゥイル:ブランドやデザイナーが本来持つ、DNAや価値を大切にしている点。協業する上で、核となる価値を変更することは一切しない。それを表現するための専門知識があるし、投資もしている。だから、協業するデザイナーやブランドとは信頼関係で結ばれている。また、消費者の声を吸い上げて具現化する革新性を持っている。何よりも、情熱を持って働くチームがあり、人材が宝だと思っている。

ーーここ数年のフレグランス事業部の年商の推移は?

トゥイル:グローバルの2022年度の売上高は前年比12%増、23年度は同22%増。

ーーフレグランス事業部のトップ3市場は?今後強化したい市場は?

トゥイル:ビジネス全体の6割を占めるのがEMEA(ヨーロッパ、中東、アフリカ)。中でも、フランス、イギリス、イタリア、ドイツが大きな市場だ。北米も主要市場で、トラベルリテールも各国の市場を補完する市場として重要だ。欧米や中東は長年ビジネスをしている成熟した市場。中南米やアジアパシフィック、中国の市場は2ケタ成長しているので、さらに、浸透させていきたい。日本におけるビジネスの割合は、1位がスキンケア、2位がメイクアップ、3位がフレグランス。フレグランスに関しては、前年上期と比べると2ケタ伸長しているので、まだまだ伸びると思う。

ブランドに絞った打ち出しでメッセージを届ける

ーー競合企業は?それらとどのように戦うか?

トゥイル:「シャネル(CHANEL)」「ディオール(DIOR)」などファッションとつながりのあるラグジュアリー・ブランドをはじめ、ニッチブランド全てが競合。我々は、他社とアプローチが異なり、パーソナリティーの訴求に注力している。表現の仕方も異なるし、消費者との対話を重視している。だから、全てのブランドで新作を毎年出すわけではなく、ブランドを絞って新作を発表。各ブランドが伝えたいメッセージにフォーカスして、アイコニックなブランドに育てている。例えば、「イッセイ ミヤケ」では、1994年に“ロードゥ イッセイ”を発売し、今年新作の“ル セルドゥ イッセイ”を出したが、時代のニーズに合わせてブランドを育ててきた。また、セレブリティーを広告に使用しない点も差別化のポイントだ。それよりも、クリエイティビティーや革新性といった面でブランドのメッセージを伝えている。「ナルシソ ロドリゲス」は、フェミニニティーを追求し、女性が持つ内なる強さを香りで表現。ムスクがシグニチャーで、女性をエンパワーメントするような香りだ。「ザディグ&ヴォルテール(ZADIG & VOLTAIRE)」はヨーロピアンテイストで、ロックンロールなイメージだ。

ーー展開しているフレグランスのビジネスシェアは?

トゥイル:「イッセイ ミヤケ」と「ナルシソ ロドリゲス」の構成比が大きく同じ程度。その次が「ザディグ&ヴォルテール」。今はヨーロッパ中心の販売だが、オーストラリアやニュージーランド、韓国、中南米など販路を広げ、来年にはグローバルローンチを予定している。

フレグランスは記憶に残るエキサイティングな商材

ーー日本におけるビジネス戦略は?課題と強化点は?

トゥイル:日本の消費者の行動様式は他国と異なる。フレグランス部門は2ケタ成長しており、消費者のマインドが変化していると感じる。消費者との対話を通してエモーショナルな最高の製品を提供することで、消費者のフレグランスに対する感覚を変えていきたい。若い世代はいろいろな香を楽しむ傾向にあるのでターゲットを絞って訴求していきたい。また、日本市場に合う商品のカスタマイズなどにもチャレンジする。

ーー今後、どのようにポートフォリオを強化していくか?

トゥイル:現在展開しているブランドを補完するような新しいブランドを追加していく。新たに契約を結んだ「マックスマーラ(MAX MARA)」は日本市場における歴史が長く、資生堂の価値観とも親和性がある。

ーーここ数年のフレグランス市場の動向をどのように分析するか?

トゥイル:コロナ禍で伸びたカテゴリーは、唯一フレグランス。スキンケアはシワ改善など効果が感じられる処方を期待されるし、メイクは色味や発色などが重要視される。一方で、フレグランスは、感情に訴えかける商材だ。香りは、場所や人を思い出させる。形のないものだが心に直結しており、記憶に残るエキサイティングなものだ。女性は、アイデンティティーの表現にフレグランスを使うことが多いが、男性は、魅力を伝えるためのものとして選ぶケースが多い。今後、フレグランス市場は、デジタライゼーションによりワクワクした状況になるはずだ。AIなどを活用したテーラーメード、パーソナライズドといったサービスも増えるだろう。

The post 資生堂EMEAのフレグランス事業トップが語る他社との差別化 メリハリのあるポートフォリオと年に1度のローンチ appeared first on WWDJAPAN.

資生堂EMEAのフレグランス事業トップが語る他社との差別化 メリハリのあるポートフォリオと年に1度のローンチ

PROFILE: トゥイル・ヤエル/資生堂EMEAグローバルフレグランスブランドバイスプレジデント

トゥイル・ヤエル/資生堂EMEAグローバルフレグランスブランドバイスプレジデント
PROFILE: イスラエル・テルアビブ生まれ。財務とマーケティングの修士を修了後、ロレアルの「ランコム」の欧州免税店部門でキャリアをスタート。1999年プーチでシニア・ブランドマネジャーとして活躍後、コティでフレグランス・ライフスタイルのマーケティング部門でバイスプレジデントを務める。2020年資生堂EMEAへ入社し、グローバルフレグランスブランドバイスプレジデントに就任 PHOTO:SHUHEI SHINE

資生堂EMEAは、「イッセイ ミヤケ パルファム(ISSEY MIYAKE PARFUMS)以下、イッセイ ミヤケ」や「ナルシソ ロドリゲス(NARCISO RODRIGUEZ)」などのフレグランスブランド事業をはじめ、「クレ・ド・ポー ボーテ(CLE DE PEAU BEAUTE)」や「ナーズ(NARS)」「ドランクンエレファント(DRUNKEN ELEPHANT)」などの販売を行っている。社名のEMEAは、欧州、中東、アフリカを表すもので、パリに本社を構え、88の国と地域に10社、4500人の社員を擁する。また、フレグランスセンター・オブ・エクセレンス(CoE)の拠点を持ち、ほぼ全てのフレグランスの生産をフランス国内で手掛けている。8月末に東京で行われた「イッセイ ミヤケ」の新作フレグランス“ル セルドゥ イッセイ”の発表イベントのために来日したヤエル・トゥイル資生堂EMEAグローバルフレグランスブランドバイスプレジデント(VP)に話を聞いた。

ブランドとの信頼関係と革新性が強み

ーー「イッセイ ミヤケ」新作フレグランスの発表イベントに参加した感想は?

ヤエル・トゥイル資生堂EMEAグローバルフレグランスブランドVP(以下、トゥイル)
三宅一生さんがつくった東京の「21_21 デザインサイト ギャラリー3(21_21 DESIGN SIGHTギャラリー3)」で発表できて嬉しい。エモーショナルなイベントになったと思う。

ーー資生堂EMEA組織とオペレーションは?

トゥイル:パリに拠点があり、ヨーロッパ、中東、アフリカなどをカバーしている。また、フレグランスのCoE、コスメティックヴァレーに2つの工場がある。

ーーフレグランス事業部の一番の強みは何か?

トゥイル:ブランドやデザイナーが本来持つ、DNAや価値を大切にしている点。協業する上で、核となる価値を変更することは一切しない。それを表現するための専門知識があるし、投資もしている。だから、協業するデザイナーやブランドとは信頼関係で結ばれている。また、消費者の声を吸い上げて具現化する革新性を持っている。何よりも、情熱を持って働くチームがあり、人材が宝だと思っている。

ーーここ数年のフレグランス事業部の年商の推移は?

トゥイル:グローバルの2022年度の売上高は前年比12%増、23年度は同22%増。

ーーフレグランス事業部のトップ3市場は?今後強化したい市場は?

トゥイル:ビジネス全体の6割を占めるのがEMEA(ヨーロッパ、中東、アフリカ)。中でも、フランス、イギリス、イタリア、ドイツが大きな市場だ。北米も主要市場で、トラベルリテールも各国の市場を補完する市場として重要だ。欧米や中東は長年ビジネスをしている成熟した市場。中南米やアジアパシフィック、中国の市場は2ケタ成長しているので、さらに、浸透させていきたい。日本におけるビジネスの割合は、1位がスキンケア、2位がメイクアップ、3位がフレグランス。フレグランスに関しては、前年上期と比べると2ケタ伸長しているので、まだまだ伸びると思う。

ブランドに絞った打ち出しでメッセージを届ける

ーー競合企業は?それらとどのように戦うか?

トゥイル:「シャネル(CHANEL)」「ディオール(DIOR)」などファッションとつながりのあるラグジュアリー・ブランドをはじめ、ニッチブランド全てが競合。我々は、他社とアプローチが異なり、パーソナリティーの訴求に注力している。表現の仕方も異なるし、消費者との対話を重視している。だから、全てのブランドで新作を毎年出すわけではなく、ブランドを絞って新作を発表。各ブランドが伝えたいメッセージにフォーカスして、アイコニックなブランドに育てている。例えば、「イッセイ ミヤケ」では、1994年に“ロードゥ イッセイ”を発売し、今年新作の“ル セルドゥ イッセイ”を出したが、時代のニーズに合わせてブランドを育ててきた。また、セレブリティーを広告に使用しない点も差別化のポイントだ。それよりも、クリエイティビティーや革新性といった面でブランドのメッセージを伝えている。「ナルシソ ロドリゲス」は、フェミニニティーを追求し、女性が持つ内なる強さを香りで表現。ムスクがシグニチャーで、女性をエンパワーメントするような香りだ。「ザディグ&ヴォルテール(ZADIG & VOLTAIRE)」はヨーロピアンテイストで、ロックンロールなイメージだ。

ーー展開しているフレグランスのビジネスシェアは?

トゥイル:「イッセイ ミヤケ」と「ナルシソ ロドリゲス」の構成比が大きく同じ程度。その次が「ザディグ&ヴォルテール」。今はヨーロッパ中心の販売だが、オーストラリアやニュージーランド、韓国、中南米など販路を広げ、来年にはグローバルローンチを予定している。

フレグランスは記憶に残るエキサイティングな商材

ーー日本におけるビジネス戦略は?課題と強化点は?

トゥイル:日本の消費者の行動様式は他国と異なる。フレグランス部門は2ケタ成長しており、消費者のマインドが変化していると感じる。消費者との対話を通してエモーショナルな最高の製品を提供することで、消費者のフレグランスに対する感覚を変えていきたい。若い世代はいろいろな香を楽しむ傾向にあるのでターゲットを絞って訴求していきたい。また、日本市場に合う商品のカスタマイズなどにもチャレンジする。

ーー今後、どのようにポートフォリオを強化していくか?

トゥイル:現在展開しているブランドを補完するような新しいブランドを追加していく。新たに契約を結んだ「マックスマーラ(MAX MARA)」は日本市場における歴史が長く、資生堂の価値観とも親和性がある。

ーーここ数年のフレグランス市場の動向をどのように分析するか?

トゥイル:コロナ禍で伸びたカテゴリーは、唯一フレグランス。スキンケアはシワ改善など効果が感じられる処方を期待されるし、メイクは色味や発色などが重要視される。一方で、フレグランスは、感情に訴えかける商材だ。香りは、場所や人を思い出させる。形のないものだが心に直結しており、記憶に残るエキサイティングなものだ。女性は、アイデンティティーの表現にフレグランスを使うことが多いが、男性は、魅力を伝えるためのものとして選ぶケースが多い。今後、フレグランス市場は、デジタライゼーションによりワクワクした状況になるはずだ。AIなどを活用したテーラーメード、パーソナライズドといったサービスも増えるだろう。

The post 資生堂EMEAのフレグランス事業トップが語る他社との差別化 メリハリのあるポートフォリオと年に1度のローンチ appeared first on WWDJAPAN.

LVMHが「オフ-ホワイト」を米ブランド管理会社に売却、金額は非公開

LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)は9月30日、故ヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)が設立した「オフ-ホワイト ヴァージル アブロー(OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH以下、オフ-ホワイト)」の商標を所有するオフ-ホワイト合同会社(OFF-WHITE LLC)を、米ブランド管理会社ブルースター・アライアンス(BLUESTAR ALLIANCE)に売却した。取引金額などの詳細は非公開。

ヴァージルは、2013年に「オフ-ホワイト」を設立。18年3月には、「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」のメンズ アーティスティック・ディレクターに就任した。21年7月に、LVMHがオフ-ホワイト合同会社の株式60%を取得。株式の残り40%は引き続きヴァージルが保有していたが、同氏は同年11月にがんのため急逝した。現在、「オフ-ホワイト」のクリエイティブ面はイブラヒム・カマラ(Ibrahim Kamara)=アート&イメージディレクターが手掛けているが、今回の取引後も続投するのかなどは明らかになっていない。

なお、同ブランドを擁するニューガーズグループ(NEW GUARDS GROUP以下、NGG)は、オフ-ホワイト合同会社とのライセンス契約に基づき、その後も運営パートナーとして携わっている。NGGは19年にラグジュアリーECのファーフェッチ(FARFETCH)に6億7500万ドル(約958億円)で買収されたものの、23年12月にファーフェッチが経営破綻の危機に陥り、韓国の大手EC企業クーパン(COUPANG)が買収。しかし、そのクーパンも業績が低迷しているため、ファーフェッチが保有するNGGをはじめ、英セレクトショップのブラウンズ(BROWNS)、スニーカーのリセールサイト「スタジアム・グッズ(STADIUM GOODS)」などの資産を売却する可能性もあるだろう。

LVMHとブルースター・アライアンスのコメント

ブルースター・アライアンスは06年の設立。主に「べべ(BEBE)」「タハリ(TAHARI)」「ケンジー(KENSIE)」「ハーレー(HURLEY)」などのカジュアルブランドや、ブルックストーン(BROOKSTONE)などの小売チェーンを保有している。

同社のジョーイ・ギャベイ(Joey Gabbay)最高経営責任者は、「ヴァージルは、世界のファッション業界およびクリエイティブ・コミュニティーに大きな影響を与えたパイオニアだった。その先見性のあるファッションへのアプローチは、当社のコアバリューと深く共鳴する。『オフ-ホワイト』を当社の傘下とすることで、ヴァージルの永続的なレガシーを称え、さらに成長させていきたい」と語った。

LVMHは、「ヴァージルの先見性のあるリーダーシップの下、大きく成長した『オフ-ホワイト』のレガシーを誇らしく思う。ブルースター・アライアンスは、同ブランドのスピリットと価値観を守りつつ、そのレガシーをさらに発展させる完璧なパートナーだ」とコメントした。

The post LVMHが「オフ-ホワイト」を米ブランド管理会社に売却、金額は非公開 appeared first on WWDJAPAN.

売り上げは1240億円、日本SCでトップ 御殿場アウトレットが好調なワケ

三菱地所・サイモンの運営する「御殿場プレミアム・アウトレット(以下、御殿場PO)」が好調だ。2024年3期の売上高は1240億円と、過去最高を更新した。店舗数約290店舗、店舗面積約6.1万㎡の御殿場POの売上高は、アウトレットモールとして最大規模であるだけでなく、大型ショッピングモールやファッションビルを含めた日本のショッピングセンターとしてもトップになる(コロナ禍以降、非公表の成田空港のリテール事業を除く)。円安に伴う訪日客の増加を受け、24年4〜9月も前年以上のペースで推移している。好調の理由を加藤健太・御殿場プレミアム・アウトレット支配人に聞いた。

好調要因は、「インバウンドより国内」

WWD:好調の理由は?

加藤健太・御殿場プレミアム・アウトレット支配人(以下、加藤):24年3月期は前期比27.0%増で、客数は9.4増の1118万人だった。いずれも過去最高だった。昨年下期から猛烈に伸びた。訪日外国人客による免税売り上げはそれなりに好調だが、客数はコロナ禍前にピークだった2018年の数字には戻ってはいない。むしろ国内客の客足と売り上げがしっかりと伸ばせているのが要因だ。

WWD:好調なブランドは?

加藤:外資のラグジュアリーブランドと「ナイキ」「アディダス」といったスポーツブランドに加え、「メゾン キツネ(MAISON KITSUNE)」「アミ パリス(AMI PARIS)」といったデザイナーブランドが伸びている。

WWD:25年3月期の見通しは?

加藤:上期は、前年下期の勢いそのままに絶好調だった。下期もやや不透明感はあるものの、トータルでは前年をクリアできそうだ。

WWD:円安は落ち着きつつあり、「インバウンドバブル」は落ち着きを見せている。影響は?

加藤:免税売り上げの数字は公表していないものの、「御殿場プレミアム・アウトレット」はコロナ禍前から、割合はかなり高く、都心の大型百貨店並みと、かなり高かった。都心ではいわゆる「インバウンドバブル」の様相は落ち着きつつあると思うが、御殿場に関しては、まだ伸び代は大きい。コロナ禍前は、中国からの訪日客を中心に連日200台以上の大型バスに乗り込んだ客が押し寄せていたが、今はそれほどでもない。ピークの18年と比べると客数でいうと半分程度だ。「インバウンド」自体の質が大きく変わったこともあるが、中国からの客足自体が戻っていない。だが客単価がかなり伸びていることと、下期は「国慶節」「紅葉シーズン」「春節」と大型イベントが目白押しで、御殿場に関しては免税売り上げはまだ伸びる可能性が高い。

人手不足解消のため、「ES」施策を強化

WWD:課題は?

加藤:人手不足だ。御殿場は、周囲に有力企業の工場が多く、以前から慢性的な人手不足に悩まされてきた。テナントからは「規模に(販売スタッフの数が)追いついていない」という悩みもよく寄せられる。運営側の我々としては、保育園を併設するなどの販売スタッフの方々のES(従業員満足度)を高め施策を行ってきた。

WWD:成果は?

加藤:テナントの多くが時給や給与の引き上げを行っているが、そもそも就業可能人口が少なく、必ずしも給与の高さのみがネックになっているわけではなく、特効薬はない。御殿場POでは約4000人のスタッフが働いているが、基本的には地道にESを高める施策を行い、一度就労したスタッフにできるだけ長く働いてもらうというのが王道の考え方になる。やりがいを高めるべく、独自のロープレ大会の実施や、閉館後のイベントとして従業員を対象にした露店や大型花火を打ち上げるナイトイベント「おつかれNight!!」を実施しているほか、スタッフにフォーカスし、接客技術とホスピタリティをフォーカスした新制度「プレミアムアウトレット スタッフアワード」を新設し,オウンドメディアで紹介している。

The post 売り上げは1240億円、日本SCでトップ 御殿場アウトレットが好調なワケ appeared first on WWDJAPAN.

しまむら3〜8月期、最終利益5.5%増 PBの夏服が売れる

しまむらの2024年3〜8月期連結業績は、売上高が前年同期比4.3%増の3305億円、営業利益が同4.1%増の314億円、純利益が同5.5%増の221億円だった。上半期としてはいずれも過去最高を更新した。引き続きPB(プライベートブランド)およびJB(ジョイント・プライベートブランド)が好調で、特に夏物の下着やカジュアルウエア、インフルエンサーとの協業企画がよく売れた。

店舗数は純増7の2236店舗。主力の「ファッションセンターしまむら」の既存店売上高は同3.9%増だった。PBおよびJBで話題性のある比較的高めの価格帯が活発に動いた。PBの「クロッシープレミアム」では接触冷感素材のキャミソールやTシャツの下着がヒット商品になった。またインフルエンサーと組んだ商品も人気で、田中里奈さんによるデニム、MUMUさんと開発したブラジャーやショーツも好調だった。

人手不足対策として店舗スタッフの賃上げを実施したため人件費が同7.9%増えたが、「店舗の作業の遅れが解消され、その分、売り上げが上向いた」(鈴木誠社長)。チラシ配布を抑制し、デジタル販促への切り替えを進めたため広告宣伝費は同0.8%減らした。販管費率は25.2%で前年同期並に抑えた。

上期の好決算を受けても25年2月期の予想は据え置く。売上高6596億円(前期比3.9%増)、営業利益563億円(同1.9%増)、純利益401億円(同0.3%増)を見込む。

The post しまむら3〜8月期、最終利益5.5%増 PBの夏服が売れる appeared first on WWDJAPAN.

大根仁が語る「地面師たち」と「演出家の仕事」 「50代以降は誰かのためになるような仕事をしたい」

PROFILE: 大根仁/映像ディレクター

大根仁/映像ディレクター
PROFILE: (おおね・ひとし)1968年生まれ、東京都出身。「アキハバラ@DEEP」(2006)、「湯けむりスナイパー」(09)、「モテキ」(10)など、ドラマや舞台、CM、MVを数々手掛けたのち、映画「モテキ」(11)で映画監督デビュー。主な演出作に、「まほろ駅前番外地」(13)、「リバースエッジ 大川端探偵社」(14)、大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺~」(19)、「エルピス —希望、あるいは災い—」(22)などのドラマ作品。監督作に、「恋の渦」(13)、「バクマン。」(15)、「DENKI GROOVE THE MOVIE? ~石野卓球とピエール瀧~」(15)、「SCOOP!」(16)、「SUNNY 強い気持ち・強い愛」(18)などがある。Netflixシリーズ「地面師たち」が初の世界同時配信作となる。Netflixと5年独占契約を結び、新作のシリーズ・映画を複数制作することが9月30日に発表された。

「湯けむりスナイパー」や「まほろ駅前番外地」といった深夜ドラマから、映画「モテキ」や「バクマン。」などの脚本・監督、そして、大河ドラマ「いだてん〜東京オリムピック噺〜」やドラマ「エルピス —希望、あるいは災い—」では演出を務めた大根仁の最新作、Netflixの配信ドラマ「地面師たち」が大ヒットしている。本作は2017年に起きた実際の地面師詐欺事件をもとにした小説「地面師たち」(著:新庄耕)を原作に、大根自らが映像化を企画、キャスティング案から脚本・監督までを手がけた意欲作。これまでのキャリアの総決算ともいえる本作の制作過程を中心に、ここに至るまでのディレクター人生についても話を聞いた。

Netflixが広く普及した今だからこそのヒット

——7月25日に配信されたNetflixシリーズ「地面師たち」が、日本におけるNetflix週間TOP10で長らく首位をキープするなど、反響の大きさについてはどう受け止めていますか。

大根仁(以下、大根):これまで自分が関わってきた作品とはまったく感触が違いますね。例えば、2022年に放送された「エルピス」とか、もっと前だと深夜ドラマから映画になった「モテキ」とか、業界内だったり一部の層の間ではある程度の話題になった感覚はありますけど、「地面師たち」はそういう規模じゃないんですよ。大げさじゃなく、飲み屋とかいろんな店で客が話題にしているのを耳にするし、飛行機に乗ったらタブレットで観ている人も見かけるし。

つい先日も、ヒットしたお祝いでリリー(・フランキー)さんに銀座の高級クラブに連れていってもらったら、入れ替わるお姉さんたち10人くらいが全員観てるって。店に来るお客さんたちも全員観てるって言ってました。そういう店ではお客さんとの話題づくりのためっていうのもあるとは思うけど、全員が観てるっていうのはすごいなと。今日なんかは五反田のサウナに入ってたら、若者とかではなく、人生の先輩たち……まぁ言っちゃえばそこらへんのじいさんたちが「あの『地面師たち』ってのはヤバいな」とか話してましたから。

ただこれは、作品に力があるのは前提としても、いまやNetflixが多くの人にとって手軽に観られるメディアになっている、というのが関係しているんだと思います。誰かにすすめられた時に、テレビドラマや映画を観るにはそれなりのステップが必要だけど、Netflixならスマホで帰りの電車の中でも観られるわけで。そういう視聴環境の要因は強く感じています。

——Netflixの普及がヒットの下地になっていると。

大根:「地面師たち」をきっかけに加入した人もけっこうな数いるでしょうから、そのへんはギャラとは別にボーナスという形でもらえるのかなって期待してますけど(笑)。あとは数字の話だと、映画だったら興行収入、テレビだったら今はもうだいぶあやしいとはいえ視聴率という明確な数字が出ますが、Netflixはよく分からないんですよ。日本のNetflix週間TOP10で何週間連続1位とか言われても、それがどういう数字なのか。

——メディアからの取材についても、映画なら公開前、ドラマなら放送前が定石ですが、配信ドラマだとタイミングに関係なく受けられますし。

大根:テレビドラマは放送が終わったらそれまでですし、映画でも公開後に話題になったから取材が増えるっていうのもほとんどないですからね。今回の場合、配信前よりも、配信後の方が3倍くらい多く取材を受けてますよ。「地面師たち」が数字を持っているのか、俺がペラペラ何でもしゃべると思われているのか分かりませんが(笑)。

あらゆる面で非常に人道的な制作現場

——Netflix作品ということでの最大の特異点は?

大根:表現の自由度が高い、というのは言わずもがなですが、制作の現場目線でいうと、一番は労働環境の真っ当さですかね。余裕のある制作期間が設けられた中で、1日の撮影時間もきっちり決まっていて、間に休みが必ずあって、あらゆる面で非常に人道的でした。僕自身、かつてはそういう時代だったとはいえ、鉄火場みたいな現場を散々渡り歩いてきて、タイトなスケジュールは当たり前、低予算こそ正義くらいに思っていた時期もありましたし、だからこそ生まれたような作品にも立ち会ってきましたけど、時間も予算もあるに越したことはないですからね。

——制作体制の規模が大きくなることで、意思の疎通に時間と手間がかかったりなどの不都合もなく?

大根:不都合はとくに感じませんでした。この例えが適切かどうか分からないけど、山下達郎さんが、ライブハウスの観客をちゃんと盛り上げることができたら、どんなに会場が大きくなっても大丈夫、でもその逆はない、というようなことを言っていて。そういう感じなのかな。これまでと変わらず現場で判断することは当然あるし、感覚を曲げることもなかったし、予算やスタッフの人数が増えたからといって柔軟性がなくなった、とかもなかったですね。それはこの「地面師たち」が自分の立ち上げた企画で、脚本と監督の両方をやれている、という出発点が大きいのかもしれませんが。

——「表現の自由度」ということでいえば、本作には暴力シーンやセックスシーンもありました。

大根:一部の人たちから「セックスシーンでなぜ服を着てるんだ」「リアルじゃない」みたいな反応がありましたけど、正直そこはもっと想像力を働かせてほしいなと思いましたね。別にあえて演出の意図を話す必要はないんだけど、もう言ってもいいかなと思って言うようにしているので言いますが、まず住職の川井菜摘がホストたちと複数プレイをしているシーンは、お目当てのホストの楓という男がその場にいて、自分以外のホストとのセックスでは脱がせない、裸になるのは俺とセックスする時だけだ的な、ある種の焦らしプレイという意図があっての着衣です。もう一つ、デベロッパーの青柳が服も脱がずに行為に及んでいるのは、彼のキャラクターを考えれば、そういうのが好きな男に決まってるでしょ。こんな野暮なこと言いたくないですが、とりあえず「Netflixから規制がかかってる」とか「コンプライアンスを意識してひよってる」とかの憶測は筋違いです。まあネットのそういう反応は想定内だし、観た人が何を言おうが自由ですけど、少なくとも作り手はその何千倍も考えて作ってますよと、そのくらいは想像してねって感じですかね。

そもそも演出家としての自分は、総合格闘家みたいなものだと思っていて、キックがダメとか寝技がダメというルールならそれに従いますし、何でもありならそれに相応しい試合をするだけ。そういう意味でNetflixは、限りなく何でもありに近い環境でしたよ。

フィクションの中で悪行を魅力的に描くことの倫理観

——本作は犯罪ものであり、企業ものでもあり、刑事ものでもあるという、ジャンルのミックスが感じられました。

大根:これまで自分はストレートな犯罪ものや企業もの、刑事ものをやったことがなくて、いつかそういうジャンルもののミクスチャーはやりたいと思っていたので、「地面師たち」の原作小説を読んだ時に、この作品ならできると思ったんですよね。

——ジャンルのミクスチャー感だけではなく、それぞれのシーンや描写ごとに、ここはリアルに忠実に、一方で、ここはファンタジックに、というような加減もミックスされているように見えました。

大根:おそらく原作小説の段階でもそういったイメージを持って書かれていたと思います。著者である新庄耕先生は、事件のことを散々調べた結果、実際の事件や現実がどうだったのか、例えば、詐欺師たちがどんな服装で、どんな場所に集まっていたかとかは、ある程度分かってはいたはずで。ただ、エンターテインメントである以上、Netflix作品であるということも含めて、そのへんのリアルを追求することだけが正解なのか。もちろん、シーンによってはリアリティーを重視した部分もありますが、ケイパー(犯罪映画のサブジャンル。泥棒、詐欺などを犯人側の視点で描くのが特徴)ものならではのケレン味だったりの見せ方の方を意識した部分も多くあります。

ただ、青柳のキャラクターは原作からもだいぶデフォルメしたのですが、実際に不動産会社で働いている知り合いが観たあとに連絡をくれて、「ああいうやついました」って(笑)。なので、いくらデフォルメしてファンタジーに寄せたとしても、ちゃんと刺さるものはあるんだろうなと思いますね。それは「半沢直樹」とかの、僕が勝手に「サラリーマン時代劇」と呼んでいる作品も同じで。

——登場人物たちを魅力的に描く、という点で意識したことは?

大根:今回のキャスティングが成功した時点で、もう十分に魅力的な作品になるだろうとは分かっていたので、そこからさらに演出なりでキャラクターをどうこう、というのはあんまり考えなかったですね。物語の性質上、観た人に憧れを抱かせたり、「こういう人になりたい」とか思われても困りますし(笑)。

——その点でいうと、物語の根幹である詐欺はもちろん、作中の暴力や殺人といった悪行の数々を魅力的に描くことの倫理観については、どう捉えていますか。
 
大根:基本的に自分の考えとしては、こう言うと語弊があるかもしれないけど、犯罪や悪事を扱うエンターテインメント作品においては、表現は自由でいい、と思っています。犯罪行為も暴力もファンタジーの一要素として存在させる以上、そこはとことん追求するべきだっていう考えです。中途半端な嘘で嫌な気分にさせるよりは、振り切ってファンタジーとして魅力的に描いた方がいい。今回の暴力や殺人のシーンなんて、リアリティーという意味では全然リアルじゃないでしょう。

そもそも、現実の地面師たちは殺人までは犯してないわけで、そこを突いて、本物の地面師は殺人を犯してないのにおかしい、サイコパスな人間は詐欺師にはならない、みたいな批評を見かけましたけど、この作品はフィクションでありエンターテインメントですよ、っていう。地面師詐欺事件のリアルを追求した作品ではないですからね。まあこれもまた観た人の自由ですけど、それなりに批評性がある識者とされている人がその程度のことを言ってるとガッカリはしますよね。

「瀧さんは詐欺師役です」「じゃあやる」

——本作ではインティマシーコーディネーターとして浅田智穂さんが入っていますが、大根さんは以前にドラマ「エルピス」でもご一緒されています。

大根:「エルピス」の時はそこまでセクシャルなシーンはなかったのですが、プロデューサーの佐野亜裕美さんがインティマシーコーディネーターを入れたいというので、参加してもらいました。個人的にはその「エルピス」の現場が初めてで、非常にやりやすかったですね。

それで、今回の現場でも改めて感じたのですが、インティマシーコーディネーターというと、役者の側に立つ人というイメージを持っている人が多いかもしれませんけど、実際は基本的に監督の側にも立ってくれる人です。どういったシーンを撮りたいかの意図を汲みながら、役者とコミュニケーションをとる、という役割。もし役者が演出意図に対して「それはちょっと……」ということがあれば、間に入って緩衝材になりつつ、撮影を進めてくれる。なので、もし“現場の敵”みたいなネガティブなイメージを持たれている方がいるのであれば、それはまったく違います。

——現場における演出家の仕事については、どういう役割だと捉えていますか。

大根:演出の仕事って、究極は2つしかないと思っていて。一つは脚本よりおもしろく撮ること。もう一つは、役者を魅力的に撮ること。テクニカルなことも最終的にはそのどちらかに内包されていくんですよね。

——今回は原作の小説を読みながらキャスティングを考えて、脚本もご自身で書いたということで、ほぼ当て書きだったと。

大根:そうですね。キャスティングについては、これまでに何回か一緒にやったことがある役者は当然として、初めての人だとしても、過去の作品を観たりすると、その役者のポテンシャルも分かるし、リミッターがどこにあるのかもなんとなく分かります。その上で、どういうタイプの芝居だったらリミッターをはずせるのか、感覚として掴めるんですよね。その勘を利かせることも演出家としては大事だと思うので、それが今回はうまくいったのかな。この先もしその勘が鈍くなったら、演出家としては潮時なのかもしれません。

——そして本作では、大根さんが監督を務めた「DENKI GROOVE THE MOVIE?〜石野卓球とピエール瀧〜」に限らず、公私ともに関係の深い電気グルーヴが2人そろって参加しています。ピエール瀧さんは詐欺師役、石野卓球さんが音楽(劇伴)と。

大根:瀧さんの芝居が話題として大きく取り上げられているのも誇らしいですけど、卓球さんの音楽もかなり重要な要素を占めています。もともと世界的なDJとして、聴衆を飽きさせることなく6時間とかの長いセットを組める人ですから、その感じで全7話の音楽をやってもらいました。

瀧さんが役者として出演する作品に卓球さんが参加するっていうパターンは今までなかったので、最初どうかなと思ったんですけど、話をしに行った時に「悪い奴ばっかり出てくるひどい話で、これなら卓球さんの音楽がばっちりハマります」「瀧さんは詐欺師役です」って伝えたら、「じゃあやる」って。そこから楽曲のイメージを伝えて、脚本を読んでもらい、デモ曲を何曲か作ってもらったのですが、もう最初から素晴らしかったですよ。

自分が一番喜ぶ仕事は40代で終わった

——大根さんのこれまでのキャリアを振り返ると、数々の深夜ドラマを手がけていた時期をへて、企画から参加するような映画の脚本・監督の仕事が中心となり、そのあとは演出家として依頼を受ける形で参加するタイプの仕事が続き……という変遷がありますが、ターニングポイントはありましたか。

大根:「モテキ」の映画化が2011年で、それ以降テレビから映画の方へ比重が移って、18年の「SUNNY 強い気持ち・強い愛」で脚本と監督をやったあとくらいかな、この先、同じ方向性で仕事を続けていっても、縮小再生産になるような危機感があったんですよね。作品単体の出来や良し悪しではなく、自分の中で「この手法は前にも使ったよな」みたいなことが気になる感じ。それが50になる年だったので、このまま50代を乗り切るのはきついぞって思ってました。

それで、自分発信の企画や得意ジャンルの仕事はいったん休んで、別の角度からアイデアだったり手法や技術を学べるような仕事をしたいと思っていたところに、「いだてん〜東京オリムピック噺〜」のオファーが来たんです。大河ドラマはこれまでとはまったく違う方向性だし、でも脚本は宮藤官九郎さんだったので自分なりにできることもあるし、これはちょうどいいっていう。

あとは、17年からキリン一番搾りのCMの演出をやっていて、それが意外と自分の中では大きいです。CMの仕事は、ドラマや映画とは目的からしてまったく違うものなので、演出家としての自由度は少ないのですが、スタッフィングはそれなりに自由にできるんですよ。なので、これまで頼みたかったけど機会がなかった撮影監督や照明技師の人たちとCMの現場で初めて仕事をすることができて、だいぶいい経験になってますね。

——「地面師たち」で再び企画から脚本・監督までを務めたのは、依頼仕事をしていく中で、もう一度企画から最後まで自分が関わる仕事をしたい、という思いがあったからでしょうか。

大根:いや、正直なところ、きれいごとに聞こえるかもしれませんが、自分が一番喜べる仕事はもう40代で終わっていて、50代以降は誰かのためになるような仕事をしたいと思ってやっているんです。「地面師たち」は自分から企画を持ち込んだので、結果的に自分も喜ぶ形にはなりましたけど、それよりも、日本発のNetflix作品が国内だけではなくグローバルレベルでヒットしているという祭りに乗っかっている意識の方が強いんですよね。今のヒットしている状況は大変うれしいですが、それもNetflixのためというか、配信メディアがもっと盛り上がった方が、映像業界全体が活気づくんじゃないかという、どこか冷静に見ている感じではあるんです。

——ドラマや映画に限らず、ミュージックビデオやライブ映像の演出、若い頃にはバラエティー番組まで、幅広く雑食的に仕事をしてきたことは、どう今につながっているでしょうか。それこそ、大根さんのディレクターデビューは宮沢りえのデビュー曲「ドリームラッシュ」のカラオケビデオという。

大根:そうそう、小室哲哉プロデュースの曲。しかもミュージックビデオじゃなく、カラオケで流れるビデオの方っていうね。若い頃はそういうカラオケビデオだけじゃなく、クイズ番組から健康番組まで、人がやりたがらない仕事もたくさんやってましたよ。そこからドラマや映画の監督になるっていうのはなかなか考えづらい道のりだけど、当時そういう仕事を下積みだったと感じていたかといえば、そうでもないんですよね。誰からも見向きもされないような仕事だったとしても、一つくらいは得るものがあったと今では思えるんです。いいスタッフと出会ったとか、いいロケ地が見つかったとか、些細なことでいいので、得たものがあればのちのち仕事に生かすことができる。

あとは、ドブ板仕事をやりながらも、好きなものを追いかけることはやめなかったというのがよかったのかもしれません。どうしても抜けないサブカル気質があるせいで、どんなに忙しくてもライブに行ったり、新作をチェックしたり、それだけは続けていました。当時は「いつかこの人たちと仕事するぞ」とかも思ってないし、ただ好きだから追いかけていただけですけど、結果的にそのことが今になってつながっているのは確かですね。

PHOTOS:MAYUMI HOSOKURA

■Netflixシリーズ「地面師たち」
Netflixにて独占配信中
全7話
出演:綾野剛、豊川悦司
北村一輝、小池栄子、ピエール瀧、染谷将太
松岡依都美、吉村界人、アントニー、松尾諭、駿河太郎、マキタスポーーツ
池田エライザ、リリー・フランキー、山本耕史
監督・脚本:大根仁
原作:新庄耕「地面師たち」(集英社文庫刊)
音楽:石野卓球
製作:Netflix
制作プロダクション:日活 ブースタープロジェクト
©新庄耕/集英社
「地面師たち」作品ページ

The post 大根仁が語る「地面師たち」と「演出家の仕事」 「50代以降は誰かのためになるような仕事をしたい」 appeared first on WWDJAPAN.

大根仁が語る「地面師たち」と「演出家の仕事」 「50代以降は誰かのためになるような仕事をしたい」

PROFILE: 大根仁/映像ディレクター

大根仁/映像ディレクター
PROFILE: (おおね・ひとし)1968年生まれ、東京都出身。「アキハバラ@DEEP」(2006)、「湯けむりスナイパー」(09)、「モテキ」(10)など、ドラマや舞台、CM、MVを数々手掛けたのち、映画「モテキ」(11)で映画監督デビュー。主な演出作に、「まほろ駅前番外地」(13)、「リバースエッジ 大川端探偵社」(14)、大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺~」(19)、「エルピス —希望、あるいは災い—」(22)などのドラマ作品。監督作に、「恋の渦」(13)、「バクマン。」(15)、「DENKI GROOVE THE MOVIE? ~石野卓球とピエール瀧~」(15)、「SCOOP!」(16)、「SUNNY 強い気持ち・強い愛」(18)などがある。Netflixシリーズ「地面師たち」が初の世界同時配信作となる。Netflixと5年独占契約を結び、新作のシリーズ・映画を複数制作することが9月30日に発表された。

「湯けむりスナイパー」や「まほろ駅前番外地」といった深夜ドラマから、映画「モテキ」や「バクマン。」などの脚本・監督、そして、大河ドラマ「いだてん〜東京オリムピック噺〜」やドラマ「エルピス —希望、あるいは災い—」では演出を務めた大根仁の最新作、Netflixの配信ドラマ「地面師たち」が大ヒットしている。本作は2017年に起きた実際の地面師詐欺事件をもとにした小説「地面師たち」(著:新庄耕)を原作に、大根自らが映像化を企画、キャスティング案から脚本・監督までを手がけた意欲作。これまでのキャリアの総決算ともいえる本作の制作過程を中心に、ここに至るまでのディレクター人生についても話を聞いた。

Netflixが広く普及した今だからこそのヒット

——7月25日に配信されたNetflixシリーズ「地面師たち」が、日本におけるNetflix週間TOP10で長らく首位をキープするなど、反響の大きさについてはどう受け止めていますか。

大根仁(以下、大根):これまで自分が関わってきた作品とはまったく感触が違いますね。例えば、2022年に放送された「エルピス」とか、もっと前だと深夜ドラマから映画になった「モテキ」とか、業界内だったり一部の層の間ではある程度の話題になった感覚はありますけど、「地面師たち」はそういう規模じゃないんですよ。大げさじゃなく、飲み屋とかいろんな店で客が話題にしているのを耳にするし、飛行機に乗ったらタブレットで観ている人も見かけるし。

つい先日も、ヒットしたお祝いでリリー(・フランキー)さんに銀座の高級クラブに連れていってもらったら、入れ替わるお姉さんたち10人くらいが全員観てるって。店に来るお客さんたちも全員観てるって言ってました。そういう店ではお客さんとの話題づくりのためっていうのもあるとは思うけど、全員が観てるっていうのはすごいなと。今日なんかは五反田のサウナに入ってたら、若者とかではなく、人生の先輩たち……まぁ言っちゃえばそこらへんのじいさんたちが「あの『地面師たち』ってのはヤバいな」とか話してましたから。

ただこれは、作品に力があるのは前提としても、いまやNetflixが多くの人にとって手軽に観られるメディアになっている、というのが関係しているんだと思います。誰かにすすめられた時に、テレビドラマや映画を観るにはそれなりのステップが必要だけど、Netflixならスマホで帰りの電車の中でも観られるわけで。そういう視聴環境の要因は強く感じています。

——Netflixの普及がヒットの下地になっていると。

大根:「地面師たち」をきっかけに加入した人もけっこうな数いるでしょうから、そのへんはギャラとは別にボーナスという形でもらえるのかなって期待してますけど(笑)。あとは数字の話だと、映画だったら興行収入、テレビだったら今はもうだいぶあやしいとはいえ視聴率という明確な数字が出ますが、Netflixはよく分からないんですよ。日本のNetflix週間TOP10で何週間連続1位とか言われても、それがどういう数字なのか。

——メディアからの取材についても、映画なら公開前、ドラマなら放送前が定石ですが、配信ドラマだとタイミングに関係なく受けられますし。

大根:テレビドラマは放送が終わったらそれまでですし、映画でも公開後に話題になったから取材が増えるっていうのもほとんどないですからね。今回の場合、配信前よりも、配信後の方が3倍くらい多く取材を受けてますよ。「地面師たち」が数字を持っているのか、俺がペラペラ何でもしゃべると思われているのか分かりませんが(笑)。

あらゆる面で非常に人道的な制作現場

——Netflix作品ということでの最大の特異点は?

大根:表現の自由度が高い、というのは言わずもがなですが、制作の現場目線でいうと、一番は労働環境の真っ当さですかね。余裕のある制作期間が設けられた中で、1日の撮影時間もきっちり決まっていて、間に休みが必ずあって、あらゆる面で非常に人道的でした。僕自身、かつてはそういう時代だったとはいえ、鉄火場みたいな現場を散々渡り歩いてきて、タイトなスケジュールは当たり前、低予算こそ正義くらいに思っていた時期もありましたし、だからこそ生まれたような作品にも立ち会ってきましたけど、時間も予算もあるに越したことはないですからね。

——制作体制の規模が大きくなることで、意思の疎通に時間と手間がかかったりなどの不都合もなく?

大根:不都合はとくに感じませんでした。この例えが適切かどうか分からないけど、山下達郎さんが、ライブハウスの観客をちゃんと盛り上げることができたら、どんなに会場が大きくなっても大丈夫、でもその逆はない、というようなことを言っていて。そういう感じなのかな。これまでと変わらず現場で判断することは当然あるし、感覚を曲げることもなかったし、予算やスタッフの人数が増えたからといって柔軟性がなくなった、とかもなかったですね。それはこの「地面師たち」が自分の立ち上げた企画で、脚本と監督の両方をやれている、という出発点が大きいのかもしれませんが。

——「表現の自由度」ということでいえば、本作には暴力シーンやセックスシーンもありました。

大根:一部の人たちから「セックスシーンでなぜ服を着てるんだ」「リアルじゃない」みたいな反応がありましたけど、正直そこはもっと想像力を働かせてほしいなと思いましたね。別にあえて演出の意図を話す必要はないんだけど、もう言ってもいいかなと思って言うようにしているので言いますが、まず住職の川井菜摘がホストたちと複数プレイをしているシーンは、お目当てのホストの楓という男がその場にいて、自分以外のホストとのセックスでは脱がせない、裸になるのは俺とセックスする時だけだ的な、ある種の焦らしプレイという意図があっての着衣です。もう一つ、デベロッパーの青柳が服も脱がずに行為に及んでいるのは、彼のキャラクターを考えれば、そういうのが好きな男に決まってるでしょ。こんな野暮なこと言いたくないですが、とりあえず「Netflixから規制がかかってる」とか「コンプライアンスを意識してひよってる」とかの憶測は筋違いです。まあネットのそういう反応は想定内だし、観た人が何を言おうが自由ですけど、少なくとも作り手はその何千倍も考えて作ってますよと、そのくらいは想像してねって感じですかね。

そもそも演出家としての自分は、総合格闘家みたいなものだと思っていて、キックがダメとか寝技がダメというルールならそれに従いますし、何でもありならそれに相応しい試合をするだけ。そういう意味でNetflixは、限りなく何でもありに近い環境でしたよ。

フィクションの中で悪行を魅力的に描くことの倫理観

——本作は犯罪ものであり、企業ものでもあり、刑事ものでもあるという、ジャンルのミックスが感じられました。

大根:これまで自分はストレートな犯罪ものや企業もの、刑事ものをやったことがなくて、いつかそういうジャンルもののミクスチャーはやりたいと思っていたので、「地面師たち」の原作小説を読んだ時に、この作品ならできると思ったんですよね。

——ジャンルのミクスチャー感だけではなく、それぞれのシーンや描写ごとに、ここはリアルに忠実に、一方で、ここはファンタジックに、というような加減もミックスされているように見えました。

大根:おそらく原作小説の段階でもそういったイメージを持って書かれていたと思います。著者である新庄耕先生は、事件のことを散々調べた結果、実際の事件や現実がどうだったのか、例えば、詐欺師たちがどんな服装で、どんな場所に集まっていたかとかは、ある程度分かってはいたはずで。ただ、エンターテインメントである以上、Netflix作品であるということも含めて、そのへんのリアルを追求することだけが正解なのか。もちろん、シーンによってはリアリティーを重視した部分もありますが、ケイパー(犯罪映画のサブジャンル。泥棒、詐欺などを犯人側の視点で描くのが特徴)ものならではのケレン味だったりの見せ方の方を意識した部分も多くあります。

ただ、青柳のキャラクターは原作からもだいぶデフォルメしたのですが、実際に不動産会社で働いている知り合いが観たあとに連絡をくれて、「ああいうやついました」って(笑)。なので、いくらデフォルメしてファンタジーに寄せたとしても、ちゃんと刺さるものはあるんだろうなと思いますね。それは「半沢直樹」とかの、僕が勝手に「サラリーマン時代劇」と呼んでいる作品も同じで。

——登場人物たちを魅力的に描く、という点で意識したことは?

大根:今回のキャスティングが成功した時点で、もう十分に魅力的な作品になるだろうとは分かっていたので、そこからさらに演出なりでキャラクターをどうこう、というのはあんまり考えなかったですね。物語の性質上、観た人に憧れを抱かせたり、「こういう人になりたい」とか思われても困りますし(笑)。

——その点でいうと、物語の根幹である詐欺はもちろん、作中の暴力や殺人といった悪行の数々を魅力的に描くことの倫理観については、どう捉えていますか。
 
大根:基本的に自分の考えとしては、こう言うと語弊があるかもしれないけど、犯罪や悪事を扱うエンターテインメント作品においては、表現は自由でいい、と思っています。犯罪行為も暴力もファンタジーの一要素として存在させる以上、そこはとことん追求するべきだっていう考えです。中途半端な嘘で嫌な気分にさせるよりは、振り切ってファンタジーとして魅力的に描いた方がいい。今回の暴力や殺人のシーンなんて、リアリティーという意味では全然リアルじゃないでしょう。

そもそも、現実の地面師たちは殺人までは犯してないわけで、そこを突いて、本物の地面師は殺人を犯してないのにおかしい、サイコパスな人間は詐欺師にはならない、みたいな批評を見かけましたけど、この作品はフィクションでありエンターテインメントですよ、っていう。地面師詐欺事件のリアルを追求した作品ではないですからね。まあこれもまた観た人の自由ですけど、それなりに批評性がある識者とされている人がその程度のことを言ってるとガッカリはしますよね。

「瀧さんは詐欺師役です」「じゃあやる」

——本作ではインティマシーコーディネーターとして浅田智穂さんが入っていますが、大根さんは以前にドラマ「エルピス」でもご一緒されています。

大根:「エルピス」の時はそこまでセクシャルなシーンはなかったのですが、プロデューサーの佐野亜裕美さんがインティマシーコーディネーターを入れたいというので、参加してもらいました。個人的にはその「エルピス」の現場が初めてで、非常にやりやすかったですね。

それで、今回の現場でも改めて感じたのですが、インティマシーコーディネーターというと、役者の側に立つ人というイメージを持っている人が多いかもしれませんけど、実際は基本的に監督の側にも立ってくれる人です。どういったシーンを撮りたいかの意図を汲みながら、役者とコミュニケーションをとる、という役割。もし役者が演出意図に対して「それはちょっと……」ということがあれば、間に入って緩衝材になりつつ、撮影を進めてくれる。なので、もし“現場の敵”みたいなネガティブなイメージを持たれている方がいるのであれば、それはまったく違います。

——現場における演出家の仕事については、どういう役割だと捉えていますか。

大根:演出の仕事って、究極は2つしかないと思っていて。一つは脚本よりおもしろく撮ること。もう一つは、役者を魅力的に撮ること。テクニカルなことも最終的にはそのどちらかに内包されていくんですよね。

——今回は原作の小説を読みながらキャスティングを考えて、脚本もご自身で書いたということで、ほぼ当て書きだったと。

大根:そうですね。キャスティングについては、これまでに何回か一緒にやったことがある役者は当然として、初めての人だとしても、過去の作品を観たりすると、その役者のポテンシャルも分かるし、リミッターがどこにあるのかもなんとなく分かります。その上で、どういうタイプの芝居だったらリミッターをはずせるのか、感覚として掴めるんですよね。その勘を利かせることも演出家としては大事だと思うので、それが今回はうまくいったのかな。この先もしその勘が鈍くなったら、演出家としては潮時なのかもしれません。

——そして本作では、大根さんが監督を務めた「DENKI GROOVE THE MOVIE?〜石野卓球とピエール瀧〜」に限らず、公私ともに関係の深い電気グルーヴが2人そろって参加しています。ピエール瀧さんは詐欺師役、石野卓球さんが音楽(劇伴)と。

大根:瀧さんの芝居が話題として大きく取り上げられているのも誇らしいですけど、卓球さんの音楽もかなり重要な要素を占めています。もともと世界的なDJとして、聴衆を飽きさせることなく6時間とかの長いセットを組める人ですから、その感じで全7話の音楽をやってもらいました。

瀧さんが役者として出演する作品に卓球さんが参加するっていうパターンは今までなかったので、最初どうかなと思ったんですけど、話をしに行った時に「悪い奴ばっかり出てくるひどい話で、これなら卓球さんの音楽がばっちりハマります」「瀧さんは詐欺師役です」って伝えたら、「じゃあやる」って。そこから楽曲のイメージを伝えて、脚本を読んでもらい、デモ曲を何曲か作ってもらったのですが、もう最初から素晴らしかったですよ。

自分が一番喜ぶ仕事は40代で終わった

——大根さんのこれまでのキャリアを振り返ると、数々の深夜ドラマを手がけていた時期をへて、企画から参加するような映画の脚本・監督の仕事が中心となり、そのあとは演出家として依頼を受ける形で参加するタイプの仕事が続き……という変遷がありますが、ターニングポイントはありましたか。

大根:「モテキ」の映画化が2011年で、それ以降テレビから映画の方へ比重が移って、18年の「SUNNY 強い気持ち・強い愛」で脚本と監督をやったあとくらいかな、この先、同じ方向性で仕事を続けていっても、縮小再生産になるような危機感があったんですよね。作品単体の出来や良し悪しではなく、自分の中で「この手法は前にも使ったよな」みたいなことが気になる感じ。それが50になる年だったので、このまま50代を乗り切るのはきついぞって思ってました。

それで、自分発信の企画や得意ジャンルの仕事はいったん休んで、別の角度からアイデアだったり手法や技術を学べるような仕事をしたいと思っていたところに、「いだてん〜東京オリムピック噺〜」のオファーが来たんです。大河ドラマはこれまでとはまったく違う方向性だし、でも脚本は宮藤官九郎さんだったので自分なりにできることもあるし、これはちょうどいいっていう。

あとは、17年からキリン一番搾りのCMの演出をやっていて、それが意外と自分の中では大きいです。CMの仕事は、ドラマや映画とは目的からしてまったく違うものなので、演出家としての自由度は少ないのですが、スタッフィングはそれなりに自由にできるんですよ。なので、これまで頼みたかったけど機会がなかった撮影監督や照明技師の人たちとCMの現場で初めて仕事をすることができて、だいぶいい経験になってますね。

——「地面師たち」で再び企画から脚本・監督までを務めたのは、依頼仕事をしていく中で、もう一度企画から最後まで自分が関わる仕事をしたい、という思いがあったからでしょうか。

大根:いや、正直なところ、きれいごとに聞こえるかもしれませんが、自分が一番喜べる仕事はもう40代で終わっていて、50代以降は誰かのためになるような仕事をしたいと思ってやっているんです。「地面師たち」は自分から企画を持ち込んだので、結果的に自分も喜ぶ形にはなりましたけど、それよりも、日本発のNetflix作品が国内だけではなくグローバルレベルでヒットしているという祭りに乗っかっている意識の方が強いんですよね。今のヒットしている状況は大変うれしいですが、それもNetflixのためというか、配信メディアがもっと盛り上がった方が、映像業界全体が活気づくんじゃないかという、どこか冷静に見ている感じではあるんです。

——ドラマや映画に限らず、ミュージックビデオやライブ映像の演出、若い頃にはバラエティー番組まで、幅広く雑食的に仕事をしてきたことは、どう今につながっているでしょうか。それこそ、大根さんのディレクターデビューは宮沢りえのデビュー曲「ドリームラッシュ」のカラオケビデオという。

大根:そうそう、小室哲哉プロデュースの曲。しかもミュージックビデオじゃなく、カラオケで流れるビデオの方っていうね。若い頃はそういうカラオケビデオだけじゃなく、クイズ番組から健康番組まで、人がやりたがらない仕事もたくさんやってましたよ。そこからドラマや映画の監督になるっていうのはなかなか考えづらい道のりだけど、当時そういう仕事を下積みだったと感じていたかといえば、そうでもないんですよね。誰からも見向きもされないような仕事だったとしても、一つくらいは得るものがあったと今では思えるんです。いいスタッフと出会ったとか、いいロケ地が見つかったとか、些細なことでいいので、得たものがあればのちのち仕事に生かすことができる。

あとは、ドブ板仕事をやりながらも、好きなものを追いかけることはやめなかったというのがよかったのかもしれません。どうしても抜けないサブカル気質があるせいで、どんなに忙しくてもライブに行ったり、新作をチェックしたり、それだけは続けていました。当時は「いつかこの人たちと仕事するぞ」とかも思ってないし、ただ好きだから追いかけていただけですけど、結果的にそのことが今になってつながっているのは確かですね。

PHOTOS:MAYUMI HOSOKURA

■Netflixシリーズ「地面師たち」
Netflixにて独占配信中
全7話
出演:綾野剛、豊川悦司
北村一輝、小池栄子、ピエール瀧、染谷将太
松岡依都美、吉村界人、アントニー、松尾諭、駿河太郎、マキタスポーーツ
池田エライザ、リリー・フランキー、山本耕史
監督・脚本:大根仁
原作:新庄耕「地面師たち」(集英社文庫刊)
音楽:石野卓球
製作:Netflix
制作プロダクション:日活 ブースタープロジェクト
©新庄耕/集英社
「地面師たち」作品ページ

The post 大根仁が語る「地面師たち」と「演出家の仕事」 「50代以降は誰かのためになるような仕事をしたい」 appeared first on WWDJAPAN.

アダストリア、自社ECを「アンドエスティ」に改称 「外部ブランドも使いやすいプラットフォームへ」

アダストリアが、会員数約1860万人(8月末時点)に育った自社ECモールのプラットフォーム化を加速する。10月23日付で、自社ECのサービス名称を「ドットエスティ(.st)」から「アンドエスティ(and ST)」に変更。それに先駆けて9月末から、「ワコール(WACOAL)」「ファンケル(FANCL)」など15ブランドが、順次同ECに乗り入れを開始する。

「アダストリアの『ドットエスティ』としては既に一定の知名度があるが、(自社だけでなく)外部の企業やブランドがもっと使いやすいサービスにしていきたい」と、木村治社長は改称の理由を説明。また、「“ドット”という言葉はデジタルのイメージが強いが、OMOとしてリアル店舗の力もさらに生かした、モノを売る場というだけではないサービスにしていく」と続ける。

「ドットエスティ」は2022年から、他社ブランドの乗り入れ=オープン化を進めてきた。現時点では、ソックスの「靴下屋」、シューズの「オリエンタルトラフィック(ORIENTAL TRAFFIC)」、美容機器の「ヤーマン(YA-MAN)」など、外部8〜9ブランドが参画しているが、ここに24年年末にかけて15ブランドが新たに加わることになる。

「ドットエスティ」の最大の強みは、アダストリアの販売員らが参加するスタイリング投稿コンテンツ“スタッフボード”だ。社内で教育制度を整えるなどし、同コンテンツに参加する販売員は24年2月末時点で約4100人にまで育った。彼らが「ドットエスティ」に乗り入れる外部ブランドの商品についても投稿し、フォロワーを多数抱える人気スタッフは協業で外部ブランドの商品デザインなどにも取り組むことによって、他社にとっても魅力的と感じられるECのあり方を追求している。

「ファウンドグッド」は
「すべてがうまくいっているとは言わない」

アダストリアは9月30日に、3〜8月期業績も発表した。売上高が前年同期比8.5%増の1442億円、営業利益が同3.8%減の99億円、純利益が同2.0%減の69億円だった。減益ながら計画は上回っているとして、通期目標は据え置く。

基幹の「グローバルワーク(GLOBAL WORK)」「ニコアンド(NIKO AND…)」「ラコレ(LAKOLE)」などがけん引し、アダストリア単体は堅調だったものの、100%子会社の飲食のzetton、EC専業のBUZZWITなどが利益を押し下げた。「シーイン(SHEIN)」が猛威を振るうヤングマーケットで気を吐いてきたBUZZWITについては、「ビジネスモデルの転換が必要。今までは(子会社として)任せてきたが、アダストリアから営業責任者も着任し、てこ入れを進める」。

イトーヨーカドーと取り組む「ファウンドグッド(FOUND GOOD)」など、BtoB事業のシェアが増えていることも粗利を押し下げることになった。2月にスタートした「ファウンドグッド」は「すべてがうまくいっているとは言わない」と木村社長。「展開するイトーヨーカドーの店舗によって求められる価格帯も違い、(もともとは食品フロアの30〜40代客との買い周りを目指していたが)実際の売り場には60〜80代客も多く、そうしたお客さまをどう取り込むかなどが課題になっている」。修正を重ね、25年2月期に掲げている売上高60億円を目指す。

The post アダストリア、自社ECを「アンドエスティ」に改称 「外部ブランドも使いやすいプラットフォームへ」 appeared first on WWDJAPAN.

アダストリア、自社ECを「アンドエスティ」に改称 「外部ブランドも使いやすいプラットフォームへ」

アダストリアが、会員数約1860万人(8月末時点)に育った自社ECモールのプラットフォーム化を加速する。10月23日付で、自社ECのサービス名称を「ドットエスティ(.st)」から「アンドエスティ(and ST)」に変更。それに先駆けて9月末から、「ワコール(WACOAL)」「ファンケル(FANCL)」など15ブランドが、順次同ECに乗り入れを開始する。

「アダストリアの『ドットエスティ』としては既に一定の知名度があるが、(自社だけでなく)外部の企業やブランドがもっと使いやすいサービスにしていきたい」と、木村治社長は改称の理由を説明。また、「“ドット”という言葉はデジタルのイメージが強いが、OMOとしてリアル店舗の力もさらに生かした、モノを売る場というだけではないサービスにしていく」と続ける。

「ドットエスティ」は2022年から、他社ブランドの乗り入れ=オープン化を進めてきた。現時点では、ソックスの「靴下屋」、シューズの「オリエンタルトラフィック(ORIENTAL TRAFFIC)」、美容機器の「ヤーマン(YA-MAN)」など、外部8〜9ブランドが参画しているが、ここに24年年末にかけて15ブランドが新たに加わることになる。

「ドットエスティ」の最大の強みは、アダストリアの販売員らが参加するスタイリング投稿コンテンツ“スタッフボード”だ。社内で教育制度を整えるなどし、同コンテンツに参加する販売員は24年2月末時点で約4100人にまで育った。彼らが「ドットエスティ」に乗り入れる外部ブランドの商品についても投稿し、フォロワーを多数抱える人気スタッフは協業で外部ブランドの商品デザインなどにも取り組むことによって、他社にとっても魅力的と感じられるECのあり方を追求している。

「ファウンドグッド」は
「すべてがうまくいっているとは言わない」

アダストリアは9月30日に、3〜8月期業績も発表した。売上高が前年同期比8.5%増の1442億円、営業利益が同3.8%減の99億円、純利益が同2.0%減の69億円だった。減益ながら計画は上回っているとして、通期目標は据え置く。

基幹の「グローバルワーク(GLOBAL WORK)」「ニコアンド(NIKO AND…)」「ラコレ(LAKOLE)」などがけん引し、アダストリア単体は堅調だったものの、100%子会社の飲食のzetton、EC専業のBUZZWITなどが利益を押し下げた。「シーイン(SHEIN)」が猛威を振るうヤングマーケットで気を吐いてきたBUZZWITについては、「ビジネスモデルの転換が必要。今までは(子会社として)任せてきたが、アダストリアから営業責任者も着任し、てこ入れを進める」。

イトーヨーカドーと取り組む「ファウンドグッド(FOUND GOOD)」など、BtoB事業のシェアが増えていることも粗利を押し下げることになった。2月にスタートした「ファウンドグッド」は「すべてがうまくいっているとは言わない」と木村社長。「展開するイトーヨーカドーの店舗によって求められる価格帯も違い、(もともとは食品フロアの30〜40代客との買い周りを目指していたが)実際の売り場には60〜80代客も多く、そうしたお客さまをどう取り込むかなどが課題になっている」。修正を重ね、25年2月期に掲げている売上高60億円を目指す。

The post アダストリア、自社ECを「アンドエスティ」に改称 「外部ブランドも使いやすいプラットフォームへ」 appeared first on WWDJAPAN.

マイケル・コースのCEO、親会社の買収に関する裁判で“正直すぎる”発言を連発

現在、「コーチ(COACH)」「ケイト・スペード ニューヨーク(KATE SPADE NEW YORK)」「スチュアート・ワイツマン(STUART WEITZMAN)」を傘下に持つタペストリー(TAPESTRY)による、「マイケル・コース(MICHAEL KORS)」「ヴェルサーチェ(VERSACE)」「ジミー チュウ(JIMMY CHOO)」の親会社カプリ ホールディングス(CAPRI HOLDINGS以下、カプリ)の買収に関する裁判が進行中だ。結論が出るのはまだ先のことと思われるが、裁判の過程で詳らかになったカプリや「マイケル・コース」の実情が、業界関係者の間で話題となっている。

タペストリーは2023年8月、カプリを85億ドル(約1兆2155億円)で買収することに合意。24年末までに取引が完了する予定だったが、両社が保有するブランド間の競争がなくなることで独占状態になるとし、米連邦取引委員会(FTC)は本件を停止する仮処分を求めて4月に提訴した。9月9日に開廷した同裁判では、“アクセシブル ラグジュアリー(Accessible luxury)”市場の独占に関する懸念が大きな争点となっており、これまでにジョン・アイドル(John Idol)=カプリ会長兼最高経営責任者(CEO)や、ジョアン・クレヴォイセラ(Joanne Crevoiserat)=タペストリーCEOらが出廷している。

マイケル・コースのCEOによる赤裸々な証言

しかし、業界や市場関係者の耳目を最も集めたのは、12日に出廷したセドリック・ウィルモット(Cedric Wilmotte)=マイケル・コースCEOの証言だろう。

22年3月に退任したジョシュア・シュルマン(Joshua Schulman)前CEO(現バーバリーCEO)の後任として、23年4月にヴェルサーチェの最高執行責任者から現職に就いたウィルモットCEOは、「『マイケル・コース』は、当時から苦境に陥っていた」とコメント。法廷には、同氏が妻に送付したメールが提出されたが、そこには「(カプリと『マイケル・コース』の)米国市場は悲惨な状態だが、これは全て“JI”が売り上げを伸ばそうとして値引きばかりして、ブランド強化に力を入れないせいだ」と歯に衣を着せぬ文言が並ぶ。この“JI”は、アイドル会長兼CEOを指しているという。

なお、カプリの24年3月期決算は、売上高が前期比8.0%減の51億7000万ドル(約7393億円)、営業損益は前年の6億7900万ドル(約970億円)の黒字から2億4100万ドル(約344億円)の赤字に、純損益も6億1900万ドル(約885億円)の黒字から2億2900万ドル(約327億円)の赤字となっている。ブランド別に見ると、特にアジア太平洋地域や南北アメリカで不調だった「マイケル・コース」の売上高は同9.2%減の35億2200万ドル(約5036億円)だった。

マイケル・コースの業績悪化の要因とは?

法廷には、さまざまな内部資料も提出された。それには、マイケル・コースの業績悪化の要因として、値引きによるブランド毀損、希少性の低さ、類似した価格帯のブランドとの熾烈な競争、二次流通市場の隆盛に加えて、店舗のリニューアルを怠ったことによる“時代遅れ感”、「マイケル・コース コレクション(MICHAEL KORS COLLECTION)」と「マイケル マイケル・コース(MICHAEL MICHAEL KORS)」の差別化不足、社員やスタッフの間に徒労感が蔓延している恐れがあることなど、数多くの問題点が挙げられている。

こうした事態を受け、ウィルモットCEOは、「マイケル・コース」のリブランディング、デザインや商品開発の強化、店舗のリニューアル、“手が届く価格帯”の中での高級化、“どこでも売っている”状況を脱するための販売網の見直しなどの戦略を打ち出したが、「実行できているとは言い難い」と説明。「設備投資やマーケティングの予算が大幅にカットされたこともあり、多くの施策が停滞している。当社の変革は、タペストリーに委ねたほうがいいように思う。消費者のデータ分析など、さまざまな面で彼らは私たちの何光年も先を行っている」と心情を吐露した。

今回の証言が裁判の行方に与える影響は未知数だが、9月30日(現地時間)に本セクションの最終弁論が行われる予定だ。

The post マイケル・コースのCEO、親会社の買収に関する裁判で“正直すぎる”発言を連発 appeared first on WWDJAPAN.

クリスチャン ディオール クチュール、「ミュウミュウ」のCEOをマネージング・ディレクターに任命

LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)が擁するクリスチャン ディオール クチュール(CHRISTIAN DIOR COUTURE)は、新たなマネージング・ディレクターとして、プラダ グループ(PRADA GROUP)が擁するミュウミュウ(MIU MIU)のベネデッタ・ペトルッツォ(Benedetta Petruzzo)前最高経営責任者(CEO)を任命した。

ペトルッツォ新マネージング・ディレクターは、LVMH内で別の役職に就くシャルル・ドゥラパルム(Charles Delapalme)=マネージング・ディレクターの後任として、10月15日に就任する。

クリスチャン ディオール クチュールのデルフィーヌ・アルノー(Delphine Arnault)会長兼CEOは、「ベネデッタの才能やリーダーシップ、またラグジュアリー市場に関する専門的な知識は、当社の事業や国際的な影響力を引き続き開発し、ブランドの魅力と成功を拡大するために大いに役立つものと確信している。また、18年にクリスチャン ディオール クチュールに加わって以来、揺るぐことなくコミットし、大いに貢献してくれたシャルルに深く感謝する」と語った。

ペトルッツォ新マネージング・ディレクターの経歴

ペトルッツォ新マネージング・ディレクターは、イタリア・ミラノのボッコーニ大学(Bocconi University)を卒業。金融業界でキャリアをスタートし、米コンサルティング会社ベイン&カンパニー(BAIN & COMPANY)で小売とラグジュアリーセクターを担当した。その後、ケリング アイウエア(KERING EYEWEAR)に加わり、北米事業のエグゼクティブ・バイス・プレジデントを務めた。2020年2月にジェネラル・マネージャーとしてミュウミュウに入社し、23年3月にCEOに昇格した。なお、ミュウミュウにおける同氏の後任は、現時点では未定のようだ。

ドゥラパルム=マネージング・ディレクターは、グランゼコールであるパリ国立高等鉱業学校(Ecole des Mines de Paris)とパリ政治学院(Institut d'etudes politiques de Paris)、そしてINSEAD(欧州経営大学院)を卒業後、米コンサルティング会社マッキンゼー・アンド・カンパニー(McKINSEY & CO.)でキャリアをスタートした。05年にルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)に入社。12年にはやはりLVMHが擁するフェンディ(FENDI)に移り、要職を歴任した。18年から現職。引き継ぎ後に退任し、新たな役職は近日中に発表する。

The post クリスチャン ディオール クチュール、「ミュウミュウ」のCEOをマネージング・ディレクターに任命 appeared first on WWDJAPAN.

クリスチャン ディオール クチュール、「ミュウミュウ」のCEOをマネージング・ディレクターに任命

LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)が擁するクリスチャン ディオール クチュール(CHRISTIAN DIOR COUTURE)は、新たなマネージング・ディレクターとして、プラダ グループ(PRADA GROUP)が擁するミュウミュウ(MIU MIU)のベネデッタ・ペトルッツォ(Benedetta Petruzzo)前最高経営責任者(CEO)を任命した。

ペトルッツォ新マネージング・ディレクターは、LVMH内で別の役職に就くシャルル・ドゥラパルム(Charles Delapalme)=マネージング・ディレクターの後任として、10月15日に就任する。

クリスチャン ディオール クチュールのデルフィーヌ・アルノー(Delphine Arnault)会長兼CEOは、「ベネデッタの才能やリーダーシップ、またラグジュアリー市場に関する専門的な知識は、当社の事業や国際的な影響力を引き続き開発し、ブランドの魅力と成功を拡大するために大いに役立つものと確信している。また、18年にクリスチャン ディオール クチュールに加わって以来、揺るぐことなくコミットし、大いに貢献してくれたシャルルに深く感謝する」と語った。

ペトルッツォ新マネージング・ディレクターの経歴

ペトルッツォ新マネージング・ディレクターは、イタリア・ミラノのボッコーニ大学(Bocconi University)を卒業。金融業界でキャリアをスタートし、米コンサルティング会社ベイン&カンパニー(BAIN & COMPANY)で小売とラグジュアリーセクターを担当した。その後、ケリング アイウエア(KERING EYEWEAR)に加わり、北米事業のエグゼクティブ・バイス・プレジデントを務めた。2020年2月にジェネラル・マネージャーとしてミュウミュウに入社し、23年3月にCEOに昇格した。なお、ミュウミュウにおける同氏の後任は、現時点では未定のようだ。

ドゥラパルム=マネージング・ディレクターは、グランゼコールであるパリ国立高等鉱業学校(Ecole des Mines de Paris)とパリ政治学院(Institut d'etudes politiques de Paris)、そしてINSEAD(欧州経営大学院)を卒業後、米コンサルティング会社マッキンゼー・アンド・カンパニー(McKINSEY & CO.)でキャリアをスタートした。05年にルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)に入社。12年にはやはりLVMHが擁するフェンディ(FENDI)に移り、要職を歴任した。18年から現職。引き継ぎ後に退任し、新たな役職は近日中に発表する。

The post クリスチャン ディオール クチュール、「ミュウミュウ」のCEOをマネージング・ディレクターに任命 appeared first on WWDJAPAN.

アッシュ・ペー・フランスが企業再生プラットフォームBrighten Japanの完全子会社に

企業再生企業のBrighten Japan(以下、BRTNJ)は8月、アッシュ・ペー・フランス(以下、HPF)の全株式を取得し、完全子会社化した。HPFは1985年に村松考尚氏が創業。フランスを中心に、ファッションやジュエリー、小物類などを販売するセレクトショップの運営をはじめ、合同展示会「rooms」の主催などを通して多岐にわたりライフスタイルやカルチャーを発信する事業を展開してきた。しかし経営が悪化し、2023年2月に東京地裁へ会社更生法の適用を申請。業績回復と財務改善が進行中で、BRTNJが支援サポーターとして選出された。

BRTNJは2023年に三井住友銀行の元専務執行役員の澤田渉氏が設立。国内の中小企業を対象に事業改善の支援を行っており、HPFはその第一号案件として選ばれた。

The post アッシュ・ペー・フランスが企業再生プラットフォームBrighten Japanの完全子会社に appeared first on WWDJAPAN.

嘘をつくぐらいだったら「嫌われてもいい」 漫画編集者・林士平がポッドキャスト番組でこぼす本音とヒット作の舞台裏

PROFILE: 林士平/漫画編集者

林士平/漫画編集者
PROFILE: 2006年に集英社に入社。「月刊少年ジャンプ」「ジャンプ SQ.」の編集者を歴任し、現在は株式会社ミックスグリーン代表取締役・「少年ジャンプ+」編集部員。現在の担当作品は「SPY×FAMILY」「チェンソーマン」「HEART GEAR」「ダンダダン」「幼稚園WARS」「BEAT&MOTION」「ケントゥリア」「おぼろとまち」「さらしもの」「クニゲイ〜大國大学藝術学部映画学科〜」。過去の立ち上げ作品は「ファイアパンチ」「左ききのエレン」「地獄楽」「カッコカワイイ宣言!」「ルックバック」「さよなら絵梨」など。アニメ・舞台・イベントの監修やプロデュース、アプリ「World Maker」企画なども手掛けている。

「少年シャンプ+」の編集者・林士平。これまで自身が担当してきた作品は「チェンソーマン」「SPY×FAMILY」「ダンダダン」などヒット作ばかりだ。ネット上では度々「有能」と形容される林が、7月から「Amazon Music」独占配信ポッドキャスト番組「イナズマフラッシュ」を開始した。各界のトップランナーをゲストに呼び、作品の舞台裏や仕事の悩みなどを赤裸々に展開しているが、なぜ「ポッドキャスト」を始めたのだろうか。番組で吐露されてきた漫画編集者としての葛藤や、音声メディアならではの「こぼれ話」についても聞いた。

目、疲れてませんか? 音声メディアの活路

——どういうきっかけでポッドキャスト番組を始めることになったのでしょうか?

林士平(以下、林):以前、この番組のプロデューサーの石井玄さんとイベントでご一緒させてもらった時に、楽屋で「ポッドキャストの番組をやりませんか」と声をかけていただきました。それで流されるように始まったというか、音声メディアに興味があったので、良い機会なので挑戦しよう、と思った次第です。1人しゃべりが苦手なのでもう少しトークの腕を磨きたいなと、課題感を持って挑んでいます。あと、ゲストを呼べるので、自分が会ってみたい人に会える機会だと捉えています。

個人的に音声メディアに期待している点は、「ながら」でインプットできることです。仕事でもプライベートでもディスプレイを使う時間が長いので目が疲れている。まず、聴く側として可能性を感じていました。

僕は動画配信のサブスクリプションはほぼ全部入ってるものの、見る時間が取れてないんです。ダウンロードして細切れになんとか……みたいな。大好きな読書も集中力を要するので積ん読が増えていくばかり。Kindleの本棚にある冊数を数えてみたら2万冊買ってることが判明して(笑)、最近は「Audible」を聴くことも多いです。

——「イナズマフラッシュ」のメインビジュアルは「SPY×FAMILY」の遠藤達哉さん、サウンドは牛尾憲輔さんが担当していますが、これは林さんからのオファーですか?

林:プロデューサーの石井さんからの提案でした。遠藤達哉先生には私から打診させていただき、ご快諾いただけました。サウンドの牛尾さんは、石井さんからソニーミュージックさんに依頼していただいた、と伺っております。素晴らしい絵と、キャッチーで耳に残る音楽で彩っていただいて、メチャうれしいです。

——「イナズマフラッシュ」では「これ話しちゃっていいの⁉︎」という所まで語ってますよね。

林:まだ手探りなところが大きいですけど、初回ゲストとして出ていただいた津田健次郎さんがすごかったですね(笑)。声のカッコよさだけでなく、トーク力の高さにも感服しました。ゲストに話を引き出していただいてしまいました。

——実際に番組を始めてみて、手応えは?

林:パーソナリティー側として感じるのは、リスナーとの近さ。顔が見えないからかな? 肩肘を張らないでいい空気を感じてます。独特のコミュニティーを感じることがあって、ついとりとめもない話をしてしまいます。今後の課題ですね。テンポ良く、リスナーの皆さまに面白い、役立つと思ってもらえるトークの濃度を上げていきたいです!あと、リスナーの皆さまからのメールもすごくありがたいので、どしどし待ってます。

素晴らしい声優さんや、コンテンツを作っている社長さん、脚本家さん、歌手の方や俳優さん、芸人さん、実写・アニメの監督など、第一線のさまざまな職種の方とお話ししていこうと企画中なので、全てのトークが、編集者としての糧になっている、いくであろうと実感しております!

——第2回では、アップル(Apple)から電話がかかってきたという話もされてました。

林:アメリカから電話があった話もしてましたね。内容は、マンガの表現についてでした。この手の表現の規制がこれからも広がっていくと厳しいことになるやも、と少し危惧しております。それでも「ジャンプ+」のアプリケーション自体が海外のプラットフォームに乗ってる限りは彼らのルールに従わなくてはいけないので複雑ですね。

——番組では、バナーの画像で胸の谷間の線を描くのも厳しいと苦言を呈されていて……。

林:ありましたね。「ジャンプ+」の場合は、7〜8カ国言語ぐらいで同時翻訳されているのですが、国によってもNGラインは全然違う。多少のローカライズは仕方がないと思っています。各国に適した表現に微調整しながらも、可能な限り全世界に作品をお届けするのも大事だと思います。

ただ、ローカライズで各国のルールに従うことは許容だとしても、日本において「日本人向け」に展開する表現のラインを他国に手渡すのは違うと思います。もっと議論していければいいんですけれど。

——難しさに直面する一方で、海外市場の可能性は大きそうです。番組ではロンドンの図書館に「ルックバック」が置いてあったと話されていて驚きました。

林:僕も驚いて、思わず写真を撮りました(笑)。売り上げで言うとフランスが大きいので、今度渡仏した際は書店さんだけでなく、図書館にも行ってみようかと思います。

「ダンダダン」は巻数が浅い時にフランスの一等地に広告を打っていただきました。フランスは日本のマンガをたくさん売ろうという意気込みが強くてありがたいです。フランス一カ国だけで、日本国内よりも売り上げている作品もありますよ。印税も日本より高いので、海外からの印税で暮らしている作家さんも増えています。

毎年、漫画の読者が世界中で増えている実感があるので、夢を見られる産業だと思います。いろいろな作品が売れて、お客さんと一緒に育っている。一方で日本の読者にまず受け入れてもらわないと意味がないので、現段階では最初から世界を狙って企画を始めることはありません。

常務にLINEで人事異動?

——林さんは「ジャンプ+」の編集者としてのイメージが強いのですが、この部署への異動は、ご自身で希望されたそうですね。

林:僕はもともと「月刊少年ジャンプ」「ジャンプSQ.」にいたんですけれど、なんだろうなぁ……面白いと思う作品がなかなか会議で通らなくて、自分に限界を感じていたんです。

自分の力不足が大きいですが、当時の編集方針下では「ファイアパンチ」は複数回会議に落ちましたし、「地獄楽」もなかなか通りませんでした。だんだんと、これまでとは違う場所でボールを投げてみたいと思うようになり、当時の常務にLINEをしました。

——人事ではなく?

林:常務とはお酒を一緒に飲むことが多かったので距離が近かったんです。常務に「お話があるんですけど、お時間ください」と送ったら、顔を合わせた途端「辞めるのか?」と聞かれました(笑)。「辞めたいのではなく、別の媒体でチャレンジしたい」と伝え、異動の希望を伝えました。

「ジャンプ+」に僕が入った時は、人手も作品も足りていなかったので、楽しく全力全方位で仕事をさせていただきました。あれもこれもやらないと回らない。そういう忙しさが自分には合っていたんだと思います。

——デジタルの部署になって作家さんの働き方も変わったそうですね。

林:そうですね。「ジャンプ+」の場合は、クオリティーが落ちたり健康を害したりするんだったら休む提案ができます。もちろん、休載すると読者はがっかりする。その点も踏まえて作家さんと相談しながら判断をしています。あと、作家さんや作品ごとに、週刊や月刊など連載ペースを選べますし、読み切りを365日掲載できる点も好きですね。

嘘をつくぐらいだったら「嫌われてもいい」

——漫画家さんへのフィードバックで気をつけていることは何でしょう?

林:思ったことは全部伝えちゃってます。ロジックで説明できることはみなさん納得してくれますし、分かりにくかった場合は「どうしてこの流れに?」と質問して議論すればいい。

「面白い」「つまらない」は感性によるので、「こうした方が面白いと思う」と提案はしつつ、相手に委ねます。ただ、描いたものが「つまらない」と言われたら大抵の人は傷つくので、言い方に気をつけつつも、ある程度は、敬意を持ってお伝えしているのであれば、作家さんも受け止めてくれると思っております。

逆に「面白い」と思っていないのに、お世辞を言う方がひどい気がします。お世辞は自分が作家さんに嫌われないためにつく嘘とも言えるじゃないですか。1回嘘をついたら永遠に続けないといけないのでコミュニケーションのカロリーも高い。僕は作品を良くするのが仕事なので、最悪……真摯に向き合った結果なのであれば、作家さんから嫌われてもいいんです。

あ、でも締め切りの嘘はあります(笑)。新年会などで先生たちが集合する時はヒヤヒヤしています。「ジャンプ+」では毎月5000ページを刷ってるので、入稿校了をズラさないと運営が厳しい事情もあるのですが。

——健康面やメンタル面はどうやってサポートされてますか?

林:「食べてます? 寝てます?」は打ち合わせでよく聞きます。漫画稼業は、スポーツ選手と似ているので身体のメンテナンスは大事。不健康だとメンタルにも支障が出てしまいます。

作家さんたちのスケジュールを見て、整体や鍼の予約案内をすることもありますし、この前は連載作家さんと2人でピラティスに行きました。プロだからこそ身体のケアも大事な仕事だと思ってます。

——編集者の仕事として、アニメ、舞台、映画などの監修もカロリーが高くなっていると伺いました。

林:作家さんによって関わり方はそれぞれです。「SPY×FAMILY」の遠藤先生は、隔週連載しながらアニメの脚本・美術設定・絵コンテなどを全部確認していましたし、全面的に託してくださる方もいます。

メディア展開する際は、原作の中で守らなくてはいけないことと、各メディアの約束事の落とし所をいつも探してます。昔からアフレコの現場には全話行ってましたし、最近はミュージカル脚本の調整もやりました。

——「SPY×FAMILY」ですね。

林:はい。スケジュール的に遠藤先生の監修が厳しかったこともあり、企画書を見せた上でオーディションなどは見ていただきましたが、「ここからの監修はお預けします」となりました。僕らもミュージカルの監修は初めてだったので、正直言ってかなり不安でした。ミュージカルは歌が多いし、短い時間の中で物語全てを追うのも難しい。歌が随所にあるので、自然な盛り上がりも必要です。とはいえ、物語の核となる部分が伝わらないのであれば「SPY×FAMILY」でやる意味がないし、登場人物が絶対しない言動があると、そのキャラクターが死んでしまう。脚本家や演出家の方々とは丁寧に議論を重ねました。遠藤先生には初日公演に来ていただいたのですが、緊張しながら観た記憶があります。結果的に皆さんにご満足いただけたので安心しました。

漫画における表現

——ポッドキャストで、「昔は若い時はよく怒っていた」と話されていて驚きました。林さんは順風満帆に見えるので。

林:あはは。怒りの感情は決して悪いものだけではないですからね。良い仕事を生み出すエネルギーに転換できるか、が大事だと、個人的には捉えております。

——先ほどの「アップル」の話に通じますが、表現を妥協すると物語の強度が落ちますね。表現のNGラインは曖昧な部分も多そうです。

林:そうですね。90年代によく見られた表現とか一部のギャグは、もう描けなくなってきていますよね。「今は大丈夫」でも未来はどうなるのか分からない。だからこそ「今の感性」で作ろうと思ってます。

誰も傷つかない表現は……多分、無理なんじゃないでしょうか。いたずらに誰かを傷つけるつもりはなくても、絵とストーリーがある時点で、どうしたって誰かを傷つけてしまう可能性がある。でも、傷つく範囲はどれくらいで、どういう傷なのかを自覚すること、そこの折り合いを探すのも編集者の仕事なのかなと思っています。自分ができることは「気をつけ続ける努力」しかないと思っています。

逆に「今までの普通」で傷ついてきた側の物語が出やすいのが漫画でもあるような気もしています。恋愛感情を抱かないセクシュアリティの「アロマンティック」を題材にした作品を担当させてもらったこともありますが、名前がついているだけで解決していない問題はたくさんある。こういう作品も世に出していきたいとも思っています。

——今後やりたいことは?

林:目先の話だと、あまたあるポッドキャスト番組の中で「イナズマフラッシュ」の存在感をしっかり出して、リスナーに届く番組にしていきたいです。また、ゲストの皆さまと、この場だけでなく、番組から生まれる何か、をお届けしていけたらうれしいなと願っています。

編集者としては、あと5年……10年は走り続けたいですね。あとは「イナズマフラッシュ」もそうですが、いろんな仕事ができるようになったので、毎日刺激で溢れてます。全部、漫画に生かせていければと思います。

PHOTOS:MIKAKO KOZAI(L MANAGEMENT)

■林士平のイナズマフラッシュ
毎週月曜日午前6時に最新エピソードを配信
メインビジュアル:遠藤達哉
サウンド:牛尾憲輔(agraph)
プロデューサー:石井玄(玄石)
制作:ニッポン放送
https://www.amazon.co.jp/inazumaflash

The post 嘘をつくぐらいだったら「嫌われてもいい」 漫画編集者・林士平がポッドキャスト番組でこぼす本音とヒット作の舞台裏 appeared first on WWDJAPAN.

かつての売上高日本一、イトーヨーカドー津田沼店が9月29日で閉店 46年の歴史に幕

イトーヨーカドー津田沼店(千葉・習志野)が、9月29日で閉店した。1977年に開業してから46年にわたって営業。80〜90年代にかけては、10年以上にわたって全国のイトーヨーカドーで売上高1位を誇った有力店だ。1970年代にはイトーヨーカドーを含め、JR津田沼駅近隣にパルコ、ダイエー、高島屋、丸井などが相次いで出店し、“津田沼戦争”などと言われたが、イトーヨーカドーの閉店によって、当時からのプレーヤーは全ていなくなった。

メッセージコーナーやフォトスポットも

19時の閉店を前に18時過ぎに店舗を訪れると、地下1階の生鮮売り場は青果や鮮魚はほぼ売り切れ。精肉は最後の割引に長い行列ができていた。上階の衣料品や寝具などの売り場には「売りつくし」のビラが多数。6階の電気店「ノジマ」の売り場には、「移転閉店」の札。新京成電鉄の新津田沼駅を挟んで向かい合うイオンモール津田沼の2階に移転するという。

7階には、客からのメッセージや開業当時の写真コーナー、フォトスポットなどが設けられ、客でごった返していた。友人と3人で訪れていた60代の女性は、「津田沼に住んでいて、ヨーカドーには結婚前からずっと通っている。他にも近くにスーパーはいくつかあるが、品ぞろえや鮮度は違う。鮮魚や精肉、惣菜はヨーカドーが一番いいと感じていた」とコメント。じっくりと客のメッセージを読み込んでいた50代の男性は、千葉・柏からわざわざ来たのだという。「柏のヨーカドーも来月(10月27日)で閉まってしまう。どんな感じなのかなと思って来てみた」と話す、熱心なヨーカドーファンだ。

向かいのイオンモールに客が流出

一方で、「今日は最終日だから来てみた。普段は、お寿司を買うときを除いてほぼイオンモールに行っている」(40代女性)という声も。「イオンモールの方が売り場が新しい感じがして、食料雑貨店の『カルディ(KALDI)』なども入っていて便利」。このコメントが象徴するように、ライバルのイオンモール津田沼(03年開業)に、若年層やファミリー層が流れていた。

19時の閉店間際になると、店の最後を見届けようと、2階の正面入り口前を客が何重にも囲んだ。新津田沼駅と直結していることもあり、安全上の理由から閉店セレモニーや挨拶はなく、さっぱりとした閉店だったが、客からは何度か拍手も起こって46年を締め括った。

イトーヨーカドーは29日に、津田沼店のほか上板橋店(東京・板橋)などを閉店。23年3月時点で、26年2月期までに計33店を閉店すると発表している。

The post かつての売上高日本一、イトーヨーカドー津田沼店が9月29日で閉店 46年の歴史に幕 appeared first on WWDJAPAN.

LVMH、モンクレールに間接的に出資 「安定した少数株主」として成長を支援

LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)は9月26日、モンクレール(MONCLER)を率いるレモ・ルッフィーニ(Remo Ruffini)会長兼最高経営責任者(CEO)の持株会社であるルッフィーニ パルテチパツィオーネ ホールディング(RUFFINI PARTECIPAZIONI HOLDING以下、RPH)と提携し、RPHが保有する投資会社ダブルR(DOUBLE R)の株式の10%を取得したことを明らかにした。金額などの詳細は開示していない。なお、ダブルRはモンクレールの株式の約15.8%を保有している。

今回のパートナーシップ契約に基づき、ダブルRは今後18カ月をかけてモンクレールの株式を買い増し、保有比率を最大18.5%まで増やす。その資金は、LVMHがダブルRの株式の保有比率を最大22%まで引き上げることで賄う。一連の取引は、モンクレールの筆頭株主であるルッフィーニ会長兼CEOの立場をさらに強化するもので、LVMHはダブルRの「安定した長期的な少数株主」として同氏を支えていくという。なお、今回の取引に伴い、LVMHはダブルRの取締役会のメンバー2人と、モンクレールの取締役会のメンバー1人を任命する権利を獲得する。

LVMHのベルナール・アルノー(Bernard Arnault)会長兼CEOは、「モンクレールは、ここ20年のファッション業界において、最も素晴らしいサクセスストーリーを持つ起業ブランドの一つだ。レモのビジョンとリーダーシップは比類がなく、当社による投資が、モンクレールの筆頭株主としての彼の立場をさらに強化し、同社の独立性を支援することができて大変うれしく思う」と語った。

ルッフィーニ会長兼CEOは、「このパートナーシップは、モンクレールにおけるダブルRのポジションをいっそう強化し、未来に向けた私のビジョンを実行するための安定性をもたらすものだ。ベルナールの起業家精神や、ラグジュアリー分野に関する深い造詣に対して以前から敬意を抱いており、彼が当社のブランドに関する私の長期的な展望を明確に支援してくれることを非常にうれしく思っている」と述べた。

モンクレールの業績は?

モンクレールは、2013年12月にミラノ証券取引所に上場。21年2月には、「ストーンアイランド(STONE ISLAND)」の全株式を取得した。業績は好調で、24年1〜6月期(上半期)の売上高は前年同期比8.2%増の12億3016万ユーロ(約1955億円)、EBIT(利払前・税引前利益)は同18.7%増の2億5865万ユーロ(約411億円)、純利益は同24.3%増の1億8074万ユーロ(約287億円)の増収増益だった。

なお、今回の発表より以前の26日、同社の株価は前日比6.5%高の52.06ユーロ(約8277円)を付けたものの、3月には68ユーロ(約1万812円)前後で推移していた。

The post LVMH、モンクレールに間接的に出資 「安定した少数株主」として成長を支援 appeared first on WWDJAPAN.

LVMH、モンクレールに間接的に出資 「安定した少数株主」として成長を支援

LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)は9月26日、モンクレール(MONCLER)を率いるレモ・ルッフィーニ(Remo Ruffini)会長兼最高経営責任者(CEO)の持株会社であるルッフィーニ パルテチパツィオーネ ホールディング(RUFFINI PARTECIPAZIONI HOLDING以下、RPH)と提携し、RPHが保有する投資会社ダブルR(DOUBLE R)の株式の10%を取得したことを明らかにした。金額などの詳細は開示していない。なお、ダブルRはモンクレールの株式の約15.8%を保有している。

今回のパートナーシップ契約に基づき、ダブルRは今後18カ月をかけてモンクレールの株式を買い増し、保有比率を最大18.5%まで増やす。その資金は、LVMHがダブルRの株式の保有比率を最大22%まで引き上げることで賄う。一連の取引は、モンクレールの筆頭株主であるルッフィーニ会長兼CEOの立場をさらに強化するもので、LVMHはダブルRの「安定した長期的な少数株主」として同氏を支えていくという。なお、今回の取引に伴い、LVMHはダブルRの取締役会のメンバー2人と、モンクレールの取締役会のメンバー1人を任命する権利を獲得する。

LVMHのベルナール・アルノー(Bernard Arnault)会長兼CEOは、「モンクレールは、ここ20年のファッション業界において、最も素晴らしいサクセスストーリーを持つ起業ブランドの一つだ。レモのビジョンとリーダーシップは比類がなく、当社による投資が、モンクレールの筆頭株主としての彼の立場をさらに強化し、同社の独立性を支援することができて大変うれしく思う」と語った。

ルッフィーニ会長兼CEOは、「このパートナーシップは、モンクレールにおけるダブルRのポジションをいっそう強化し、未来に向けた私のビジョンを実行するための安定性をもたらすものだ。ベルナールの起業家精神や、ラグジュアリー分野に関する深い造詣に対して以前から敬意を抱いており、彼が当社のブランドに関する私の長期的な展望を明確に支援してくれることを非常にうれしく思っている」と述べた。

モンクレールの業績は?

モンクレールは、2013年12月にミラノ証券取引所に上場。21年2月には、「ストーンアイランド(STONE ISLAND)」の全株式を取得した。業績は好調で、24年1〜6月期(上半期)の売上高は前年同期比8.2%増の12億3016万ユーロ(約1955億円)、EBIT(利払前・税引前利益)は同18.7%増の2億5865万ユーロ(約411億円)、純利益は同24.3%増の1億8074万ユーロ(約287億円)の増収増益だった。

なお、今回の発表より以前の26日、同社の株価は前日比6.5%高の52.06ユーロ(約8277円)を付けたものの、3月には68ユーロ(約1万812円)前後で推移していた。

The post LVMH、モンクレールに間接的に出資 「安定した少数株主」として成長を支援 appeared first on WWDJAPAN.

「ジーユー」が台湾出店から10周年 新北市の三井アウトレットパーク内に新店舗オープン

「ジーユー(GU)」は10月23日、台湾・新北市に「ジーユー」三井アウトレットパーク台湾林口店をオープンする。「ジーユー」は9月で台湾に1号店のオープンから10周年を迎えた。

新北市に新店舗オープン
売り場面積は約950㎡

「ジーユー」三井アウトレットパーク台湾林口店は、売り場面積約950㎡。商品は、ウィメンズとメンズ、シューズやバッグなどを取りそろえる。また「ユニクロ(UNIQLO)」三井アウトレットパーク台湾林口店と併設、両ブランドを同時に楽しめる。

「ジーユー」は、2014年9月に台湾1号店である、ATT 4 FUN店の開店以降、22店舗とオンラインストアをオープンしている。「ジーユー」台湾では、10周年を迎えるにあたり、今後イベントやキャンペーンの実施を予定する。「ジーユー」は9月末時点で、日本国内440店舗、台湾22店舗、香港10店舗、中国大陸5店舗、アメリカに1店舗を構える。

「ジーユー」の柚木治代表取締役社長は、「昨年から“GO GLOBAL”を方針に掲げ、グローバル化を加速させている。『ジーユー』台湾は、日本に次いで店舗数が多く、『ジーユー』がグローバルファッションブランドとなる上で非常に重要な事業だ。今後も『ジーユー』は、世界中のあらゆるお客さまにファッションを気軽に自由にお楽しみいただけるよう、商品とサービスを提案していく」と語った。

◾︎「ジーユー」三井アウトレットパーク台湾林口店
オープン予定日:10月23日
住所:新北市林口区文化二路一段123号1階

The post 「ジーユー」が台湾出店から10周年 新北市の三井アウトレットパーク内に新店舗オープン appeared first on WWDJAPAN.

AOKIが “100万円超え”のオーダースーツってホンキ? その意図を聞いた

紳士服量販店のAOKIは27日、銀座本店のパーソナルオーダースーツコーナーをリニューアルする。急増する銀座エリアの訪日客と富裕層の取り込みを狙い、オーダースーツの価格の天井を従来の30万円から100万円以上へと引き上げる。

今回、銀座本店限定の最高価格帯の生地として用意したのが、仏「ドーメル(DORMEUIL)」の最高級ウール地“プレジデント(PRESIDENT)”。パターンオーダーのシングルスーツで仕立てると110万円、ダブルスーツでは121万円に達する。生地から受注生産となるため、納品まで1カ月程度を要する。そのほかにも、「スキャバル(SCABAL)」の“イートン(ETON)”(シングルスーツで33万円)、「ドラゴ(DRAGO)」の“スカイフォール(SKYFALL)”(同)など、高級スーツ生地のラインアップを拡充。オーダーシャツやポケットチーフ、ベルトやシューズなど周辺商品においても高額品のラインアップを強化する。銀座本店の店舗最奥にあるオーダースーツゾーンは、ソファーとレコードプレーヤーを設置して、くつろぎながらサービスを受けられるようにした。

実際のニーズとは途方もない乖離
何が目的で「100万円」なのか

ただスーツ量販店のイメージが根強いAOKIで、果たして100万円のスーツが売れるのか。これまでのオーダースーツの平均単価は「8万円程度」といい、実際の購買ニーズとは途方もない乖離がある。

AOKIの小出大二朗・副社長執行役員は次のように話す。

「“100万円のスーツ”というのは、あくまでわれわれの姿勢を象徴するものであり、もちろんこれを主力として売っていくわけではない。ただこの100万円のスーツも、買う場所によっては1.5倍くらいになるだろうから、十分に“お値打ち”だと誇れるもの。私たちは『高い』『安い』に関わらず、スーツを価格以上の価値で提案することができることが強み。富裕層のお客さまとはいえ、百貨店などで数十万円もするオーダースーツを買うには少し敷居が高いと感じる人もいる。そんなお客さまの受け皿になれば、十分に商機はある」。コロナ禍以降は銀座における訪日客のトラフィック急増とともに、銀座本店でも中国や台湾、香港などアジア圏からの来店が増えており、彼らへの訴求も念頭にある。

オーダーサロンで接客力を伝え
“AOKI”へのエンゲージメントを強化

オーダースーツのハイエンド軸の強化には、富裕層と訪日客ニーズの刈り取りに加え、もう1つの狙いがある。それは「接客の価値」を伝えることだ。銀座本店のサロンにはオーダースーツのフィッティング技術に長けたスタイリストが常駐し、「百貨店にも負けないホスピタリティーと技術で接客できる」と誇る。

同社は既製品においても高価格帯の商品を強化し、「安くてそれなり」の量販店のイメージから脱却を進めている。昨年に発売した“金のスーツ”は1着8万円以上と高額ながら、計画比35%増と好調に推移している。「顧客が納得する高品質とそれを伝える接客があれば、高額商品でも売れる」(小出副社長)と自信を深める。「これまでスーツ量販店の接客というのは期待されない部分でもあったかもしれない。だが、オーダーサロンでの購入を通じて当店の接客技術やおもてなしを体験していただけば、“AOKI”に対して抱くお客さまのイメージがいい方向に変わっていくはずだ」。

The post AOKIが “100万円超え”のオーダースーツってホンキ? その意図を聞いた appeared first on WWDJAPAN.

ワコールHDが英国インナー企業ブラビッシモ・グループを買収 伸長するプラスサイズとECを強化


ワコールホールディングス(HD)は、英国子会社であるワコール・ヨーロッパを通じて、英国の女性用インナーウエアや水着の企画開発・販売を行うブラビッシモ・グループ(以下、ブラビッシモ)の株式100%を取得する。取得価格は4570万ポンド(約85億円)。

同グループは、1995年に創業。「ブラビッシモ(BRAVISSIMO)」ブランドとしてDカップ以上のプラスサイズを中心に商品展開しており、英国内に25の直営店を構えるほか、自社ECを運営している。2023年10月期の売上高は5803万ポンド(約107億円)、純利益は246万ポンド(約4億円)だった。

ワコールHDはこの買収を通して、欧州でのEC事業の強化を図ると共に、伸長する大きいカップサイズ市場の強化を図る。また、卸が中心だったワコール・ヨーロッパは、ブラビッシモの直営店が加わることで消費者へ直接アプローチができるようになる。一方で、ブラビッシモは今回の買収により、英国外への市場拡大を視野に入れている。

ワコール・ヨーロッパでは、「ファンタジー(FANTASIE)」「フレヤ(REYA)」「エロミ(ELOMI)」といったプラスサイズのブランドを展開しており、「ブラビッシモ」が加わることで、プラスサイズ市場における主要企業として存在感アップを図る。

The post ワコールHDが英国インナー企業ブラビッシモ・グループを買収 伸長するプラスサイズとECを強化 appeared first on WWDJAPAN.

ワコールHDが英国インナー企業ブラビッシモ・グループを買収 伸長するプラスサイズとECを強化


ワコールホールディングス(HD)は、英国子会社であるワコール・ヨーロッパを通じて、英国の女性用インナーウエアや水着の企画開発・販売を行うブラビッシモ・グループ(以下、ブラビッシモ)の株式100%を取得する。取得価格は4570万ポンド(約85億円)。

同グループは、1995年に創業。「ブラビッシモ(BRAVISSIMO)」ブランドとしてDカップ以上のプラスサイズを中心に商品展開しており、英国内に25の直営店を構えるほか、自社ECを運営している。2023年10月期の売上高は5803万ポンド(約107億円)、純利益は246万ポンド(約4億円)だった。

ワコールHDはこの買収を通して、欧州でのEC事業の強化を図ると共に、伸長する大きいカップサイズ市場の強化を図る。また、卸が中心だったワコール・ヨーロッパは、ブラビッシモの直営店が加わることで消費者へ直接アプローチができるようになる。一方で、ブラビッシモは今回の買収により、英国外への市場拡大を視野に入れている。

ワコール・ヨーロッパでは、「ファンタジー(FANTASIE)」「フレヤ(REYA)」「エロミ(ELOMI)」といったプラスサイズのブランドを展開しており、「ブラビッシモ」が加わることで、プラスサイズ市場における主要企業として存在感アップを図る。

The post ワコールHDが英国インナー企業ブラビッシモ・グループを買収 伸長するプラスサイズとECを強化 appeared first on WWDJAPAN.

豊島は経常益116億円、過去最高を更新 24年6月期

豊島の2024年6月期決算(未上場)は、売上高が前期比2.1%減の22021億円、営業利益が同23.1%増の88億円、経常利益が同28.5%増の116億円、純利益が同43.6%増の80億9800万円だった。配当は1株55円。

純利益は、子会社の統廃合に伴う特別利益により164億円となった20年6月期に達しなかったものの、営業利益と経常利益は過去最高を更新した。減収の要因は、戦略的に取り扱いを縮小している綿花貿易によるもので、綿花を含む素材部門は108億円の減収となった。物流費の改善や生産地の集約、高付加価値商材の提案などが奏功した。

部門別では、綿花などの繊維原料が75億円減の390億円、原糸が14億円減の201億円、織物が17億円減の134億円。対してOEM・ODMを行う製品部門は55億円増の1439億円だった。

粗利率(売上高総利益率)は14.0%で、前期に比べ1.6ポイントの改善。対して販管費率は10.0%で0.8ポイント増加した。

25年6月期は売上高2000億円、経常利益90億円を計画する。

「今年は新しいビジネスへの種まき」 豊島社長との一問一答

名古屋市内で行われた決算会見でのメディアとの主な一問一答は以下の通り。

ーー減収の要因は?

豊島半七社長(以下、豊島):綿花相場の下落と取り扱い数量の減少によるもの。綿花は相場で数字が激しく上下するため、数年前からルールを設定している。素材部門は綿花以外にも、原糸や織物の取り扱いも減少した。素材部門は主に国内の紡績メーカーや織物工場をターゲットにしているが、産地の縮小に歯止めがかからず、かなり厳しい状況だ。現場の危機意識はかなり強い。

ーー全社的には経常利益は100億円を超え、過去最高だった。

豊島:正直、出来過ぎだ。配当増といった一時的な営業外収益の増加もあったものの、円安による仕入れコストの上昇を製品価格に転嫁できたことや、この数年、生産工場の集約や高付加価値製品の提案、物流効率の改善など、地道に収益改善を進めてきた成果が出た。加えて、主要な取引先も好調で、それに引っ張られた形だ。

ーー足元を含めた景況感は?

豊島:前年(24年6月期)に続き、全体的な衣料品市況は悪くない。引き続き主力販売先との取り組みを深耕ほか、雑貨や食品、家電などの繊維製品以外の取り扱いを強化する。

ーーだが、25年6月期は売上高2000億円、経常利益90億円と減収減益の計画だ。

豊島:当社は未上場で、上場企業のように常に右肩上がりで増益を掲げる必要がないし、そのつもりもない。一方で24年6月期で達成した経常利益100億円という数字にはこだわりたい気持ちはある。ただ、高い数字を設定して現場に無理を強いるより、今は中長期的な種まきをする方が重要だ。

ーー種まきとは?

豊島:従来の延長線にはない、新規分野や新規商材の開拓だ。この数年、CVC(コーポレートベンチャーキャピタル)などを通じて、国内外のスタートアップとの連携を進めてきた。従来の取引先や繊維・アパレル業界にはない新しい企業、新しい分野、異なる業界の空気を、肌で感じる会社にしたいという思いがあった。当社は営業力が強い分、どこかなんとかなってしまう部分があった。そうではなく将来から逆算して、新しい商材やビジネスを生み出す取り組みがほしいと、現場には発破をかけている。

素材部門を例に取れば、新素材の開発には時間がかかる。例えばスパイバーへの出資はCVCではなく、本体から出しており、短期でリターンを求めるのではなく、長い目で見た取り組みだ。ただ、従来線上にはないからこそ新しく得られることも多く、そうしたことが会社全体を強くする。

ーーDXについては?

豊島:「費用はいくらかかってもいい」と号令をかけて取り組んできた。その考え方は変わらないが、今年からはある程度の期限と目標を決めて取り組むように変えていく。また、現場だけで話し合うのではなく、お互いの経営陣を巻き込んで会社対会社の取り組みにするよう指示している。

DXこそ、従来の延長線上にはない取り組みを視野にいれるべきだ。これまではOEM/ODMなどの「モノの取引」が中心だったが、DXにより、「サービスの提供」といった新しいビジネスをスタートしてもいい。今年は、経営幹部から現場の若いメンバーまで、新しいことに挑戦する年になる。

The post 豊島は経常益116億円、過去最高を更新 24年6月期 appeared first on WWDJAPAN.

止血急ぐTSI 本社人員2割削減、不採算ブランドの撤退視野

TSIホールディングスは、2025年2月期通期の連結業績予想を上方修正する。修正後の予想値は売上高752億円(前回予想は745億円)、営業損益が1億7000万円の赤字(同9億円の赤字)、純損益が9億円の赤字(同9億円の赤字)。足下で進める広告宣伝費、物流費の抑制などの構造改革により、当初予想よりも営業赤字幅は縮小する見込み。

同社は27年2月期を最終年度とする中期経営計画において、同期末までに約100億円の収益改善を達成するとともに、連結の通期売上高1650億円(24年2月期実績は1554億円)、営業利益100億円(同17億円)、純利益77億円(同28億円)を目標に掲げている。

同計画内に盛り込んだ収益構造改革について、今後の具体策を発表した。販管費抑制へ事業構造や組織体制にメスを入れ、収益化が見込めないと判断した一部ブランドからの撤退のほか、25年2月期末をメドに本社人員の20%を削減する。そのほかにも25年春夏シーズン以降の仕入れ先工場の集約や生産地移転、社内外データの分析に基づく販売価格適正化、シフトや配置見直しによる店舗人件費の効率化、グループ内ECサイトと会員サービスの統合などを実施することで、余剰コストの低減に取り組む。

The post 止血急ぐTSI 本社人員2割削減、不採算ブランドの撤退視野 appeared first on WWDJAPAN.

中国政府、「カルバン・クライン」親会社PVHを調査 “新疆綿を不当にボイコット”の疑いで

中国政府は9月24日、「カルバン・クライン(CALVIN KLEIN)」と「トミー ヒルフィガー(TOMMY HILFIGER)」を擁するPVHコープ(PVH CORP以下、PVH)が新疆ウイグル自治区で生産されたコットンを“不当にボイコット”している疑いがあるとして、調査を開始すると発表した。

中国商務省は、調査の一環として、PVHは新疆綿に関して“通常の市場原理の法則”を侵害していないことを証明するべく、30日以内に資料と書面での回答を提出する必要があると声明を発表。PVHに落ち度があると判断された場合、同社は2019年に定められた“信頼できない事業体のリスト”に追加され、中国との取引が禁止となる恐れがある。

PVHの広報担当者は本件に関し、「会社の方針として、当社は事業を展開している全ての国や地域における全ての規制や法律を厳格に順守している。すでに中国商務省と連絡を取っており、関連する規制に則って対応する」とコメントした。

新疆綿を巡っての騒動や混乱

20年6月、中国による少数民族ウイグル人への強制労働問題などが報じられたことから、同年8〜9月にはH&Mヘネス・アンド・マウリッツ(H&M HENNES & MAURITZ以下、H&M)をはじめ、「ナイキ(NIKE)」「アディダス(ADIDAS)」「パタゴニア(PATAGONIA)」など多くの企業やブランドが、新疆ウイグル自治区に工場を持つ中国企業との取引停止や、同自治区で生産された綿花の調達の中止を発表した。

しかし、21年3月24日に中国共産党の青年組織である中国共産主義青年団が、中国版ツイッターのウェイボー(Weibo)に「新疆綿について虚偽のうわさを流してボイコットしておきながら、中国で儲けようだって?それは甘い考えだ」とH&Mの声明とともに投稿したことがきっかけとなり、中国側からの批判が激化。中国の大手ECサイトなどから「H&M」の商品が消え、モバイルアプリも中国の大手アプリストアから削除された。こうした動きを受け、同社は同31日に「中国での信頼回復に尽力する」との声明を発表したものの、中国でのECが復活したのは22年8月とおよそ16カ月後のことだった。

なお、米国は22年6月に、ウイグル自治区が関与する製品の輸入を原則禁止する「ウイグル強制労働防止法(Uyghur Forced Labor Prevention Act以下、UFLPA)」を施行しているが、PVHはそれ以前の21年に同自治区からの調達を中止している。

中国政府の「直接的かつ強制的」な関与に懸念

デラウェア大学(University of Delaware)でファッションやアパレルに関する研究をしているシェン・ルー(Sheng Lu)教授によれば、H&Mが巻き込まれた騒動は背後で中国政府が糸を引いていたことは明白だとしても、表向きは中国共産主義青年団の投稿がきっかけとなっていたのに対し、今回は中国政府が「直接的かつ強制的」に関与していることが懸念点だという。「新疆綿を巡り、中国がアパレル企業に対して規制を持ち出し直接的なアクションを起こしたのは今回が初めてであり、明らかにエスカレートしている」。

同氏はまた、「ザラ(ZARA)」などを擁するインディテックス(INDITEX)やH&M、ナイキ、リーバイ・ストラウス(LEVI STRAUSS)など、中国市場でより高い業績を上げている外資系企業も多い中、PVHを対象とした理由は「恣意的で不透明だ」と話す。「UFLPAが施行されている以上、米国企業が新疆綿に対する姿勢を変えることは難しい。それを踏まえると、今回の件により、中国市場での調達やオペレーションに関してさらなる“リスク回避”へと動く可能性も否めない」と分析した。

The post 中国政府、「カルバン・クライン」親会社PVHを調査 “新疆綿を不当にボイコット”の疑いで appeared first on WWDJAPAN.

ユニクロ、新宿の「ビックロ」跡地に再出店でビックリ! モール間競争激化の中国は転換期

ユニクロは10月25日、東京・新宿にグローバル旗艦店の「ユニクロ 新宿本店」をオープンする。新宿エリアは、営業中の新宿西口店、新宿高島屋店、新宿東南口フラッグス店、新宿三丁目店と合わせて、計5店舗体制になるということは以前からアナウンスされていたが、耳目を引いたのは新宿本店の出店先が2022年6月に閉店していた「ビックロ」(12年開業)の跡地ということ。22年の閉店当時はまだコロナ禍の影響もあり、「新宿駅周辺の再開発により今後新宿エリアのお客さまの動線に変化が予想される」と見ていたが、23年10月以降訪日客が再激増したことで、改めて出店を決めたようだ。(この記事は「WWDJAPAN」9月23日付からの抜粋です)

米欧、東南アジア、日本で
「業績拡大の良い循環」

ユニクロは9月13日付で、グローバルの店舗数が初めて2500店を突破したことも発表した。今秋はさらにここから、「“LifeWear”のショーケースとなるような主要店舗20店」を含む新店の開業を予定しているという。7月に行われた23年9月〜24年5月期決算会見で、岡﨑健ファーストリテイリング取締役CFOは、「北米、欧州、東南アジア、日本のユニクロ事業が大幅な増収増益と業績をけん引した。グローバルで“LifeWear”を体現できる店舗を続々と出店してきたことで、各国でのユニクロの知名度が向上し、業績拡大の良い循環が生まれている」と説明。好調を受け、24年8月期通期の業績予想も上方修正していた。今秋の出店政策も、まさにそうした「良い循環」に沿ったものになる。

北米では、新規都市への出店を進める。10月にテキサス州に初出店し、今秋だけで同州にはヒューストン、ダラスなど計5店をオープンする。カリフォルニア州にも新たに6店を開く。

中国はスクラップ&ビルド進める

欧州では引き続き新規都市や主要都市一等地への出店を進め、今秋は計6店を新規出店する。22年秋から長期ポップアップで出店していたポーランド・ワルシャワに常設店をオープンし、オランダの第2都市ロッテルダムには初出店。ほか、伊ローマには鉄道主要駅であるローマ・テルミニ駅構内に欧州事業初の駅ナカ店舗を開く。また、デンマーク・コペンハーゲンやオランダ・アムステルダムには、同都市内での2号店をオープンする。

一方で気になるのは、長らくユニクロの成長をけん引してきた中国の状況だ。コロナ禍以降、景気後退やモール間競争の激化などで市場状況も変わっている。ユニクロの中国本土事業の24年3〜5月期は、前年同期がコロナ禍明けのリバウンド消費で盛り上がったことからの反動減もあって「減収、大幅減益」となっていた。7月の決算会見に登壇したファーストリテイリング グループ上席執行役員でユニクログレーターチャイナの潘寧(パン・ニン)CEOは「これまで中国ではチェーンストア展開で高効率・高成長を実現してきたが、転換期に差し掛かっている。個店経営への改革を推進し、新たな成長ステージに押し上げる」とコメント。モールの優劣に合わせて、移設・増床などを含めた店舗のスクラップ&ビルドを進め、質を追求する。

2024年2月末時点の「ユニクロ」地域別店舗数

The post ユニクロ、新宿の「ビックロ」跡地に再出店でビックリ! モール間競争激化の中国は転換期 appeared first on WWDJAPAN.

J.フロントが通期業績予想を上方修正 営業利益105億円積み増し

J.フロント リテイリングは、足下業績の好調を受けて2025年2月期通期の連結業績予想を上方修正する。

修正後の予想値は、総額売上高が前回予想比2.9%増の1兆2500億円(前回予想は1兆2
150億円)、営業利益が同25.3%増の520億円(同415億円)、純利益に相当する当期利益が同37.7%増の365億円(同265億円)。

3〜8月期は大丸松坂屋百貨店を中核とする百貨店事業、パルコを中核とするSC事業において、いずれも訪日客売り上げが伸長。また、心斎橋共同センタービルディングの株式取得(7月)に伴う株式段階取得差益85億円を営業収益として計上する。

The post J.フロントが通期業績予想を上方修正 営業利益105億円積み増し appeared first on WWDJAPAN.

LVMHイノベーションアワード受賞のヘラルボニー、パリにヨーロッパ法人を設立

LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)主催の「LVMHイノベーションアワード 2024 (LVMH INNOVATION AWARD 2024)」の「従業員体験とダイバーシティ&インクルージョン」部門で、日本企業としては初の受賞を掴み取ったヘラルボニーはこのほど、パリを拠点とするヨーロッパ法人を設立。9月23日(現地時間)に現地法人の設立を報告する記者会見を開催した。

現地法人のヘラルボニー ヨーロッパは、忍岡真理恵・最高経営責任者(CEO)と、小林恵・最高事業成長責任者(CGO)の2人体制。忍岡CEOは来年3月をメドに、小林CGOは今月すでに拠点をパリに移し、世界最大級のスタートアップキャンパスのステーションFで事業を開始する。

ヘラルボニー ヨーロッパはまず、B to B事業を早々に軌道に乗せることを目指す。日本では、ホテルやショップ、「スターバックス(STARBUCKS)」の内装などに、同社が保有する3000点以上の障がい者アートが用いられるほか、日本航空のファースト・ビジネスクラスで配られるポーチや日本酒のラベルなど、さまざまな場所でIP(知的財産)としてのアートを活用し、収益をクリエイターである障がい者に還元している。忍岡CEOは、「将来的な目標は、草間彌生さんの作品のように、トップブランドのスタンダードな商品に障がい者アートが活用されること。“ネクスト・草間彌生”を生み出したい。そのためにもまずは、電車のラッピングやボストなど、アートが街の中に溶け込み、パリ市民の目に留まることを目指したい」と話す。

ヨーロッパ進出に際しては、愛媛県にあるユナイテッドシルクと協業し、10の作品をシルクスクリーンでプリントしたスカーフを発売する。アートのタッチや質感をそのままプロダクトに落とし込めると同時に、ヨーロッパに住む人たちの生活に溶け込みやすい商材としてスカーフを選んだ。ユナイテッドシルクは、愛媛で障がい者と共に蚕を育てている。価格は500ユーロ(約8万円)だ。

このほか、積極的に海外の福祉施設に赴き、さらなる障がい者アーティストの発掘を進める。すでにドイル・ハンブルクとベルギーの施設とパートナーシップ契約を締結したほか、まもなくフランスやイタリアの福祉施設とも提携予定だ。

ヘラルボニーは「LVMHイノベーションアワード 2024 」の受賞特典として、LVMHのイノベーション・インキュベーターによる企業支援プログラムへの参加と、同社および傘下にある75メゾンと連携しながら進める個別メンター制度への参加をスタートしている。先日も「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」のメンズ・クリエイティブ・ディレクターを務めるファレル・ウィリアムス(Pharrell Williams)に同社の事業を説明するチャンスを得たという。

The post LVMHイノベーションアワード受賞のヘラルボニー、パリにヨーロッパ法人を設立 appeared first on WWDJAPAN.

LVMHイノベーションアワード受賞のヘラルボニー、パリにヨーロッパ法人を設立

LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)主催の「LVMHイノベーションアワード 2024 (LVMH INNOVATION AWARD 2024)」の「従業員体験とダイバーシティ&インクルージョン」部門で、日本企業としては初の受賞を掴み取ったヘラルボニーはこのほど、パリを拠点とするヨーロッパ法人を設立。9月23日(現地時間)に現地法人の設立を報告する記者会見を開催した。

現地法人のヘラルボニー ヨーロッパは、忍岡真理恵・最高経営責任者(CEO)と、小林恵・最高事業成長責任者(CGO)の2人体制。忍岡CEOは来年3月をメドに、小林CGOは今月すでに拠点をパリに移し、世界最大級のスタートアップキャンパスのステーションFで事業を開始する。

ヘラルボニー ヨーロッパはまず、B to B事業を早々に軌道に乗せることを目指す。日本では、ホテルやショップ、「スターバックス(STARBUCKS)」の内装などに、同社が保有する3000点以上の障がい者アートが用いられるほか、日本航空のファースト・ビジネスクラスで配られるポーチや日本酒のラベルなど、さまざまな場所でIP(知的財産)としてのアートを活用し、収益をクリエイターである障がい者に還元している。忍岡CEOは、「将来的な目標は、草間彌生さんの作品のように、トップブランドのスタンダードな商品に障がい者アートが活用されること。“ネクスト・草間彌生”を生み出したい。そのためにもまずは、電車のラッピングやボストなど、アートが街の中に溶け込み、パリ市民の目に留まることを目指したい」と話す。

ヨーロッパ進出に際しては、愛媛県にあるユナイテッドシルクと協業し、10の作品をシルクスクリーンでプリントしたスカーフを発売する。アートのタッチや質感をそのままプロダクトに落とし込めると同時に、ヨーロッパに住む人たちの生活に溶け込みやすい商材としてスカーフを選んだ。ユナイテッドシルクは、愛媛で障がい者と共に蚕を育てている。価格は500ユーロ(約8万円)だ。

このほか、積極的に海外の福祉施設に赴き、さらなる障がい者アーティストの発掘を進める。すでにドイル・ハンブルクとベルギーの施設とパートナーシップ契約を締結したほか、まもなくフランスやイタリアの福祉施設とも提携予定だ。

ヘラルボニーは「LVMHイノベーションアワード 2024 」の受賞特典として、LVMHのイノベーション・インキュベーターによる企業支援プログラムへの参加と、同社および傘下にある75メゾンと連携しながら進める個別メンター制度への参加をスタートしている。先日も「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」のメンズ・クリエイティブ・ディレクターを務めるファレル・ウィリアムス(Pharrell Williams)に同社の事業を説明するチャンスを得たという。

The post LVMHイノベーションアワード受賞のヘラルボニー、パリにヨーロッパ法人を設立 appeared first on WWDJAPAN.

アダストリアのOMO業態「ドットエスティストア」 時間貸しラウンジ備えた大型店を所沢に開業

アダストリアはOMO型ストア「ドットエスティストア」の最大店舗(約1650平方メートル)を、埼玉・所沢に新規開業した商業施設、エミテラス所沢の2階にオープンした。「ドットエスティストア」としてはアウトレット業態も含めこれで22店舗目の出店。所沢店は広さを生かし、アダストリアの30以上のブランドの商品をそろえるほか、時間単位で利用できるラウンジスペースを初導入している。

ソフトドリンクやお菓子も食べ放題

約130平方メートルを占めるラウンジスペースは、大人は1人1時間1000円、ドットエスティ会員なら1時間500ポイント(500円相当)で利用できる。コーヒー、紅茶やソフトドリンク、ナッツ、ソフトクリーム、ミニパンケーキなどを自由に楽しめ、リモート会議などに適したブースも設置。有料でアルコール飲料も販売する。「モノを売るだけでなく、コト消費として新しい価値を提供する」(新井和路アダストリア ドットエスティストア部長) のがラウンジスペース設置の狙い。

都心のベッドタウンであり、コロナ禍以降は足元商圏での消費も一定定着した所沢という街の環境を生かし、リモートワークやファミリー客の休憩スペース、イベント会場など、さまざまな利用の形を探っていくという。簡易ながらキッチンスペースも備えており、「将来的に多少拡大することも可能」だ。広島のゆめモール西条の「ドットエスティストア」(約1320平方メートル)もカフェスペースを設けているが、時間利用のラウンジスペースを設けるのは今回が初めて。

好調な「ラコレ」は最大級の品ぞろえ

物販では、ウィメンズ、メンズ、キッズのウエアや雑貨をラインアップ。近年好調な雑貨・アパレル業態「ラコレ(LAKOLE)」コーナーを、通路に面した位置で大きく展開している点もポイント。「ラコレ」スペースは雑貨だけでも約230平方メートルあり、「『ラコレ』店舗の中でも最大級の品ぞろえ」(広報担当者)。国産の食器、皿といった定番人気商品に加え、注力している食品類も充実している。

他の「ドットエスティストア」と同様、デジタルサイネージも多用して、自社ECモール「ドットエスティ」上の販売員によるスタイリング投稿コンテンツ“スタッフボード”とも連動。他「ドットエスティストア」も「各店で平均月1回ほどイベントを行なっている」(新井部長)というが、所沢店は「認知向上も目指し、2025年1月ごろまでは月2回ほどイベントを予定している」という。9月28日(土)には“スタッフボード”で人気となっている販売員ら“殿堂入りスタッフ”の来店・接客イベントを実施。10月6日(日)には、“体操のお兄さん”として活躍する福尾誠氏を招いてのトークショー&親子体操教室を予定している。

全ブランドの取り寄せ&試着も好調

「ドットエスティストア」は「個別ブランドでは出店しきれないエリアにブランド複合で出店することが期待されている」といい、24年は青森・五所川原のエルム、鳥取のイオンモール鳥取北、山口のおのだサンパークなどを含め、所沢を除き6店を出店済み。毎期10店前後の出店を進めており、所沢以降も出店が続く。通常のクリック&コレクトはアダストリアの他業態のショップでも実施しているが、アダストリアの全ブランドの商品を取り寄せ、購入前に試着可能とするサービスも「ドットエスティストア」では実施しており、それも好評という。

The post アダストリアのOMO業態「ドットエスティストア」 時間貸しラウンジ備えた大型店を所沢に開業 appeared first on WWDJAPAN.

アダストリアのOMO業態「ドットエスティストア」 時間貸しラウンジ備えた大型店を所沢に開業

アダストリアはOMO型ストア「ドットエスティストア」の最大店舗(約1650平方メートル)を、埼玉・所沢に新規開業した商業施設、エミテラス所沢の2階にオープンした。「ドットエスティストア」としてはアウトレット業態も含めこれで22店舗目の出店。所沢店は広さを生かし、アダストリアの30以上のブランドの商品をそろえるほか、時間単位で利用できるラウンジスペースを初導入している。

ソフトドリンクやお菓子も食べ放題

約130平方メートルを占めるラウンジスペースは、大人は1人1時間1000円、ドットエスティ会員なら1時間500ポイント(500円相当)で利用できる。コーヒー、紅茶やソフトドリンク、ナッツ、ソフトクリーム、ミニパンケーキなどを自由に楽しめ、リモート会議などに適したブースも設置。有料でアルコール飲料も販売する。「モノを売るだけでなく、コト消費として新しい価値を提供する」(新井和路アダストリア ドットエスティストア部長) のがラウンジスペース設置の狙い。

都心のベッドタウンであり、コロナ禍以降は足元商圏での消費も一定定着した所沢という街の環境を生かし、リモートワークやファミリー客の休憩スペース、イベント会場など、さまざまな利用の形を探っていくという。簡易ながらキッチンスペースも備えており、「将来的に多少拡大することも可能」だ。広島のゆめモール西条の「ドットエスティストア」(約1320平方メートル)もカフェスペースを設けているが、時間利用のラウンジスペースを設けるのは今回が初めて。

好調な「ラコレ」は最大級の品ぞろえ

物販では、ウィメンズ、メンズ、キッズのウエアや雑貨をラインアップ。近年好調な雑貨・アパレル業態「ラコレ(LAKOLE)」コーナーを、通路に面した位置で大きく展開している点もポイント。「ラコレ」スペースは雑貨だけでも約230平方メートルあり、「『ラコレ』店舗の中でも最大級の品ぞろえ」(広報担当者)。国産の食器、皿といった定番人気商品に加え、注力している食品類も充実している。

他の「ドットエスティストア」と同様、デジタルサイネージも多用して、自社ECモール「ドットエスティ」上の販売員によるスタイリング投稿コンテンツ“スタッフボード”とも連動。他「ドットエスティストア」も「各店で平均月1回ほどイベントを行なっている」(新井部長)というが、所沢店は「認知向上も目指し、2025年1月ごろまでは月2回ほどイベントを予定している」という。9月28日(土)には“スタッフボード”で人気となっている販売員ら“殿堂入りスタッフ”の来店・接客イベントを実施。10月6日(日)には、“体操のお兄さん”として活躍する福尾誠氏を招いてのトークショー&親子体操教室を予定している。

全ブランドの取り寄せ&試着も好調

「ドットエスティストア」は「個別ブランドでは出店しきれないエリアにブランド複合で出店することが期待されている」といい、24年は青森・五所川原のエルム、鳥取のイオンモール鳥取北、山口のおのだサンパークなどを含め、所沢を除き6店を出店済み。毎期10店前後の出店を進めており、所沢以降も出店が続く。通常のクリック&コレクトはアダストリアの他業態のショップでも実施しているが、アダストリアの全ブランドの商品を取り寄せ、購入前に試着可能とするサービスも「ドットエスティストア」では実施しており、それも好評という。

The post アダストリアのOMO業態「ドットエスティストア」 時間貸しラウンジ備えた大型店を所沢に開業 appeared first on WWDJAPAN.

トヨタ自動車、アーバンリサーチ、豊島がアップサイクルで連携 他産業も巻き込んだ仕組みへ

トヨタ自動車、アーバンリサーチ、豊島は、廃棄する自動車部品やアパレルの廃棄的スタイルや衣料などのテキスタイルやレザーなどのアップサイクルにおいて、3社連携を開始した。第1弾として10月11日まで、東京・虎ノ門の「アーバン・ファミマ!!」虎ノ門ヒルズビジネスタワー店で、アップサイクル製品のトートバッグやステーショナリーグッズなどを販売している。

トヨタ自動車は約3年半前に、循環型の仕組みを目指す“トヨタ アップサイクル(TOYOTA UPCYCLE)”プロジェクトを始動した。「自動車には何万点もの部品が使われている。(端材などで)リユース・リサイクルできるものは再利用するが、廃棄せざるを得なかったものもある」(中村慶至トヨタ自動車 新事業企画部 事業開発室 トヨタアップサイクルプロジェクトオーナー)。それらをアップサイクルし、雑貨類を作ることを目指してきたが、「3年半プロジェクトを行ってきて、アップサイクルは生産効率とデザインの2点において本当に難しいと実感した」のだという。

「変容に驚いてほしい」

生産効率でいえば、「元々は廃棄していたテキスタイルやレザーを使用するため、量や色が読めない」。そして、「それらに柔軟に対応する圧倒的なデザインの力の不足」を感じていた。「アーバンリサーチ、豊島と組むことで、この2点が乗り越えられる」と考え、3社連携に至った。アーバンリサーチはデザイン、豊島は生産背景の面で強みを生かす。アーバンリサーチは従前から、廃棄衣料を色で分別し、雑貨用資材として再利用するプロジェクト「コンポスト(COMMPOST)」も手掛けている。

「アーバン・ファミマ!!」では、エアバッグやシートベルトの端材を使ったキャンプシーン向けのトートバッグ(2万3100円)や自動車のシートにも取り付けられるウォールポケット(1万7600円)、「レクサス(LEXUS)」のシートレザーの端材を使ったペンケース(3500円)やカードケース(2000円)などを、自動車部品と共に展示・販売。これらは、3社連携前から企画していた商品といい、「今後企画する商品はさらにデザイン力も高まっていく。アップサイクルによって、ゴミとなっていたものがこんなすてきなものに変わるという、変容への驚きをお客さまに感じてほしい」と中村オーナー。

リニューアルする京都店でも展開

「アーバン・ファミマ!!」での今回のポップアップに続き、11月に「グローバルフラッグシップストア」を目指しリニューアル予定という「アーバンリサーチ」の京都店にも、“トヨタ アップサイクル”のコーナーを設ける。他の「アーバンリサーチ」店舗でも順次展開予定だ。

今後は、トヨタ自動車とアーバンリサーチの端材・廃材を合わせてアップサイクルを進め、アップサイクルを体験してもらえるようなコト提案も進めていくという。また、自動車やアパレル業界に限らず、他産業も組み込んだアップサイクルの仕組み作りに取り組んでいく考え。

The post トヨタ自動車、アーバンリサーチ、豊島がアップサイクルで連携 他産業も巻き込んだ仕組みへ appeared first on WWDJAPAN.

ナイキ、ジョン・ドナホーCEOが10月13日付で退任 後任には退職したベテランが復帰

ナイキ(NIKE)は9月19日、ジョン・ドナホー(John Donahoe)社長兼最高経営責任者(CEO)が10月13日付で退任することを発表した。後任には、かつて同社でさまざまな要職を務め、2020年に退職したエリオット・ヒル(Elliott Hill)が就任する。なお、ドナホー社長兼CEOは、取締役会のアドバイザーとして25年1月末まで同社に在籍する。

マーク・パーカー(Mark Parker)=エグゼクティブ・チェアマンは、「取締役会はナイキの未来に向けて必要なことや過去の業績を踏まえ、後任について思慮深く検討した。その結果、エリオットはグローバルな専門知識やリーダーシップ、業界やパートナーに関する深い理解に加えて、スポーツ、ブランド、商品、消費者、アスリート、そして従業員に対する情熱を持っており、当社における次の段階の成長を導くにふさわしい人物だという結論に至った。個人的にも、私は彼と30年以上にわたって仕事をしており、彼と経営陣が成長機会を捉えられるようサポートすることを楽しみにしている」と語った。

ヒル次期CEOは、現在60歳。ナイキで長年にわたってさまざまな要職を歴任し、コンシューマーおよびマーケットプレイス担当社長を最後に、20年に同社を離れている。

ドナホー社長兼CEOは、ダートマス大学(Dartmouth College)を卒業後、スタンフォード大学経営大学院(Stanford Graduate School of Business)でMBAを取得した。およそ20年にわたって米大手コンサルティング会社、ベイン・アンド・カンパニー(BAIN & CO.)に勤務し、1999年に社長兼CEOに就任。2005年に米大手リセールEC企業イーベイ(EBAY)に加わり、08年から15年までCEOを務めた。17年に米IT企業サービスナウ(SERVICENOW)の社長兼CEOに就任。20年1月に、06年からナイキを率いていたパーカー前会長兼社長兼CEO(当時。現エグゼクティブ・チェアマン)の後任として同社に入社した。なお、ドナホー社長兼CEOは、14年からナイキの社外取締役も務めていた。

業績鈍化に苦しむ王者ナイキ

スポーツ分野で圧倒的な売上高を誇る王者ナイキだが、最近は業績が鈍化している。24年5月期決算は、売上高が前期比0.3%増の513億6200万ドル(約7兆1906億円)、EBIT(利払前・税引前利益)は同5.6%増の65億3900万ドル(約9154億円)、純利益は同12.4%増の57億ドル(約7980億円)だった。

なお、四半期ベースで見ると、24年3~5月期(第4四半期)の売上高は前年同期比1.7%減の126億600万ドル(約1兆7648億円)、EBITは同37.4%増の16億7300万ドル(約2342億円)、純利益は同45.5%増の15億ドル(約2100億円)とアナリスト予想を下回る結果に。これを受け、同社は25年5月期の見通しを下方修正した。

市場はこうした決算内容を嫌気し、ナイキの株価は決算発表の翌日、前日比20.0%安の75.37ドル(約1万551円)に下落。しかし、今回の人事を受け、19日の時間外取引では一時同10.2%高の89.25ドル(約1万2495円)を付けた。

The post ナイキ、ジョン・ドナホーCEOが10月13日付で退任 後任には退職したベテランが復帰 appeared first on WWDJAPAN.

ユナイテッドアローズの企業研究セミナーを開催 ファッション業界やUAで働く魅力を学生と探る

「WWDJAPAN」はこのほど、ユナイテッドアローズと、学生・25歳以下の社会人を対象とした企業研究セミナーを開催した。ユナイテッドアローズという社名に込めたのは、ひとつの目標に向かって直進する矢(ARROW)を束ねた(UNITED)もののようでありたいという、団結への思い。同社は「お客さま第一主義」を貫きながら、ファッションへの情熱を燃やして直進する社員たちが束のようにまとまり、大きな組織の中でそれぞれらしく活躍している。企業研究では、創業メンバーの一人、栗野宏文ユナイテッドアローズ上級顧問がファッション業界とユナイテッドアローズの魅力を伝授。若手社員は、束ねた矢の一本でありながら自身もチームを束ね活躍する仕事のやりがいを教えてくれた。企業研究セミナーをダイジェストで振り返る。

栗野宏文上級顧問が語るUA上場の理由と
日本のファッション業界の多様な魅力

第一部は、ユナイテッドアローズ創業メンバーの1人、栗野宏文上級顧問を招き、創業時から変わらないユナイテッドアローズやファッション業界への愛を伺った。栗野上級顧問が同社を創業したのは、1989年。当時のメンバーはわずか9人だったが、日本屈指のセレクトショップとして成長したユナイテッドアローズでは現在、約4000人が働き、1300億円以上の年商を誇っている。

栗野上級顧問はビートルズや映画「007」などの1960年代のカルチャーシーンに影響を受けて以降、ファッション業界に人生をささげ、その魅力を「ファッションを真似すれば、憧れの人物に1mmでも近づけるんじゃないか?と考えた」と自己実現や自己表現、自己高揚にあると振り返る。創業から35年が経過したユナイテッドアローズについては、「セレクトショップという業態の中では、他に先駆けて上場した企業。昔の販売員は“たかが売り子”で、例えば交際相手の親御さんに結婚を許してもらえない時代もあった。だが上場して以降、社員は自宅を購入する際にローンが借りやすくなるなど、さまざまな恩恵を受けている。キープレイヤーが上場することで、業界全体の信頼性にもつながったのではないか?」と、創業当時から今に至るまで、業界や社会においても大きな役割を担っていることを魅力の1つに挙げた。

会社のみならず業界全体に貢献しようという姿勢は、今なおユナイテッドアローズの魅力だ。例えば同社は、1991年ビームスなど専門小売業と共に、SSA(スペシャリティ・ストアーズ・アソシエーション)を結成。販売スタッフを対象とした各種研修やイベントを共同開催している。栗野上級顧問は「いいことを共有すると、業界はもっと良くなる。全体が底上げされた先には、人間性や個性が発揮できる環境があるはず」と切磋琢磨の必要性から販売員という仕事の魅力までを説いた。現在も時間があれば店頭に立つという栗野上級顧問は、「『現場がお好きですね』と言われることもあるが、これが私の仕事。お客さまを見て、接客するのは、ファッション好きの僕にとって当たり前。店頭に立つと、いろんなことが見えてくる」と、販売の経験はファッション業界のいかなるキャリアにおいても重要だと訴える。

日本のファッション業界の魅力については、「日本は生地を縫製して洋服を作り、売るまでができる国。目に見えるところで洋服ができているのは、トレーサビリティー(透明性)の観点からも良いことだが、何よりさまざまな洋服が生まれ、日本のファッション業界を世界で一番多様で面白いものにしてくれている」と分析した。そして、そんな国のファッション産業を担うユナイテッドアローズ自体も、顧客のライフスタイルの変化に合わせて進化を続けていると締めくくった。

ディレクターとPR、販売スタッフが
UAでの3者3様の活躍を語る

第二部には、新たなカルチャーを創出する原動力となっている3人の若手社員、四谷奈々可「アティセッション」ブランドディレクターと栁谷百香「ビューティー&ユース ユナイテッドアローズ」丸の内店 スタッフ、高橋怜奈「ユナイテッドアローズ グリーンレーベル リラクシング」PRが登壇し、ユナイテッドアローズにおける多岐にわたる活躍を紹介した。「アティセッション」ブランドディレクターの四谷は、「ユナイテッドアローズで働いていた知人が楽しそうで、働きやすいのでは?と思った。就職活動は、ユナイテッドアローズだけ。入社後は、『ビューティー&ユース』の販売をしながら、EC限定商品の企画を2年担当。店頭での行動や実績が評価につながったのかな?と感じている」と、20代のブランドディレクターに抜擢されるまでの背景を説明。「販売は、大好きなファッションを共有できる場所。洋服以外のプライベートまで共有できる仕事はとても楽しく、当時の経験は数字以外からも今の仕事を振り返る貴重なヒントとして役立っている」と話した。今後については、「まずは『アティセッション』の知名度をますます高めたい。国内のみならずグローバルな視野を持って成長し、いろんなことに挑戦したい。複数ブランドのクリエイティブ・ディレクターを務めるなど、先陣を切っていきたい」と目標を語る。

「ビューティー&ユース ユナイテッドアローズ」丸の内店 スタッフの栁谷は、「色々な会社を調べる中で、毎日働くなら好きなものに携わりたいと考えた。インターンシップを経て、社員の雰囲気が良くて、『こんな大人になりたい』と思える人が多かったのがユナイテッドアローズだった」という。販売の魅力は、「顧客ができて、特別な関係を築いていけること。洋服を選ぶ中で、自分の意見を聞いてくれるだけでもありがたいのに、『あなたから買いたい。いついますか?』と私を目掛けて来店してくれるのは、本当に嬉しいこと。自分もまた成長できる」と日々の業務にやりがいを見出している。他の2人とは異なり今なお入社当時と変わらない仕事を続けているが、「日々検証、実験して、結果を振り返りながら反省している。やっていることは変わらないが、そのレベルがどんどん上がってきている」。今はプレスになるのが夢だが、「札幌から東京に異動しても働いてこれたのは、同僚のバックアップがあってこそ。ユナイテッドアローズならではのコミュニケーション、人と人とのつながりのおかげで今がある。これからも大切にしたいし、私も後輩を後押ししたい」と夢を描く。

「ユナイテッドアローズ グリーンレーベル リラクシング」PRの高橋は、「私はいろんなセレクトショップを受けたが、どこよりも人事が寄り添ってくれたのがユナイテッドアローズだった。店舗のスタッフにも仕事について話を聞いたが、先輩たちは皆楽しそうだった。やりがいを持って働いている人が多く、風通しも良い。長く続けられると思った」と説明。店長らの面談の機会でPRを目指したいと将来の目標を語り、以降、スタイリングなどをSNSなどで発信する中で「さらに広くPR業務に関わるプレスとして働きたい」という欲が出たと語る。実は1度は社内選考で落選したが、以降「『本当にやりたかったのか?』『適性はあるのか?』を考えるようになって、それでも『やりたい』と思えたから、積極的になれた」と振り返る。今は、「PRの仕事でも、接客からヒントを得ている。店舗にはファン、ユナイテッドアローズに関心を持ってくれる人がいる。そのようなお客様からいただけるヒントこそリアル。ファンであるお客様の意見を販売で得たからこそ、プレスとしても発信できている。絶対に大事な経験だった」という。

同業他社との違いは?専攻は役立つ?
学生から質問が相次いだ座談会

第三部は、参加者と登壇者が3つのグループに分かれて、質疑応答やさらなる交流を兼ねた座談会の時間だ。学生からは、同業他社との違いや、学校で学んでいる専攻を生かすことができるのか?などを尋ねる質問があった。これに対して登壇者やユナイテッドアローズの人事担当は、「本当にヒトに恵まれた会社で、人対人のコミュニケーションでストレスを感じることは少ない」や「さまざまなキャリアパスを用意している。学生時代の専攻や課外活動を活かすチャンスもあるし、得意分野を発揮できるような存在になって欲しい。応援する」などの回答があった。

学生からは「気になる存在を学べた」
「接客や販売の重要性を知った」のコメント

参加者からは、「就職活動をしていて、ユナイテッドアローズは気になる存在だった。私も(アルバイトで)接客業に携わっているから、店頭での心構えは参考になった。明日から、お客さまに積極的に声を掛け、将来ファッション業界で働くときの参考にしたい」や「ファッションの仕事に携わりたいと思っていたが、接客や販売は考えていなかった。でもデザインやPRにおいても、接客や販売の経験が生きると知って驚いた」などの声があった。

一方ユナイテッドアローズの人事担当は、「学生にはもしかしたら身近な存在ではなかったかもしれないので、素直に私たちの魅力を紹介したいと思った。魅力を伝えることができたら、嬉しく思う。私さえ新たな発見があって楽しかった」と話した。

「WWDJAPAN」はファッションやビューティ業界の未来を担う若い世代の活躍を願い、業界の魅力を深く掘り下げ、多角的に企業理解を深めることができるオフラインイベントを開催している。イベントでは、国内外の経営層から現場まで、さまざまな職種の業界人・企業人を取材している「WWDJAPAN」が、ファッション業界と企業、人々の魅力を伝え、まだ見ぬ「自分に合う会社」を見つけるきっかけを提供する。

「WWDJAPAN」企業研究 ユナイテッドアローズ編
アーカイブ動画はこちら

 

問い合わせ先
WWDJAPAN EDUCATIONS
お問い合わせフォームはこちら

The post ユナイテッドアローズの企業研究セミナーを開催 ファッション業界やUAで働く魅力を学生と探る appeared first on WWDJAPAN.

「ジーユー」、初の海外旗艦店をNYソーホーにオープン ローカライズ戦略で世界市場へ

「ジーユー(GU)」は9月19日、米ニューヨークのソーホー地区に海外初の旗艦店を開業し、同時に米国公式オンラインストアをオープンした。同ブランドは日本以外では中国本土、香港、台湾に出店しているが、海外での旗艦店出店は今回が初となる。ニューヨークの新店は「フォーエバー21(FOREVER21)」の跡地にオープン。ソーホー地区の中心にあるブロードウェイ通りに位置し、「ユニクロ(UNIQLO)」のソーホー店からわずか1ブロックという立地だ。地上1階、地下1階の2層で、約950平方メートルの広さを誇る。

「ジーユー」はニューヨークでは2022年10月以降、テストマーケティングとして長期ポップアップストアを出店していた。今回常設出店となり、サイズも米国対応に切り替え。23年秋にニューヨークに新設した商品本部を生かして、商品開発の面でも米国市場にローカライズした商品が店頭に並ぶ。コーディネートでも現地のスタイルを見せていく。

NYも“バレルレッグ”推し

縦に長い店内に足を踏み入れると、新たに米国市場に進出するブランドとして世界観をしっかりと見せるべく、モニターにはキャンペーン動画が流れ、キューブ状になったロゴが奥まで続いている。入店時のインパクトだけでなく、奥までキューブ状のロゴを配置することで、奥にも何かあるかもしれないというゲストの探究心を煽り、さまざまな商品を見せていく。

1階はウィメンズを中心に、主力商品やコラボ商品が並び、地下にはメンズを中心に一部ウィメンズ、シューズ&バッグのコーナーが設けられている。1階入り口すぐは秋冬のメイン商品を展示。日本でもヒットしている“バレルレッグボトムス”をマネキンコーディネートで見せ、「ジーユー」の強みと言えるトレンド感を打ち出している。さまざまな人種が入り乱れるニューヨークという街の特徴も踏まえ、自由なスタイリングを表現するためにウィメンズメインの1階にもメンズのマネキンを配置し、メンズメインの地下にもウィメンズのマネキンを配置、ジェンダーレスな提案をしている。

オープンに合わせて推しているのは、“バレルレッグボトムス”のほか“パフィータッチニット”や定番的な人気を誇る“ヘビーウェイトスウェット”シリーズなど。“ヘビーウェイトスウェット”はニューヨーク店限定カラーもそろえ、オープニング限定価格の商品も登場した。また、第4弾となる「アンダーカバー(UNDERCOVER)」とのコラボ商品もニューヨーク限定商品を携え、日本に先駆けて販売されている。

NY商品本部設立に手応え

競合である欧米のグローバルSPAに対し、型数を絞り込んで価格に対する価値の高い商品を打ち出すのがもともと「ジーユー」の戦い方。ニューヨークの新店でも、競合に比べて型数を10分の1に絞り込み、品質の高い商品のみ販売していく。開業に合わせて来米した柚木治社長は「"MINI edit MAX”をコンセプトに、マックス(最高)のスタイルとクオリティーをミニマム(最小)な価格と絞り込んだコレクションで提供していく。トレンド、品質、価格の3拍子を兼ね備えた商品が強み」とコメント。

昨秋、ニューヨークに商品本部を設けた効果も既に出ているという。「“バレルレッグボトムス”のように、ニューヨークでつかんだトレンドを商品化することで、世界中で売れることが分かった。世界で売れているものを販売するのではなく、先導してトレンドを発信していきたい」と柚木社長。ソーホー店を皮切りに、アメリカ市場での今後の展開ももちろん視野に入れている。

The post 「ジーユー」、初の海外旗艦店をNYソーホーにオープン ローカライズ戦略で世界市場へ appeared first on WWDJAPAN.

「アマゾン ファッション」イベントゲストに内田理央 1800万点以上の中から選んだお気に入りTシャツは?

アマゾン ファッション,AMAZON FASHION,アマゾン マーチ オン デマンド,Amazon Merch on Demand,内田理央

「アマゾン ファッション(AMAZON FASHION)」のサービス“アマゾン マーチ オン デマンド(Amazon Merch on Demand)”は8月29日〜9月1日、原宿のクレインズ6142でポップアップイベントを開催した。9月1日には俳優・内田理央をゲストに招き、村上要「WWDJAPAN」編集長とのトークショーを実施。“アマゾン マーチ オン デマンド”が販売するキャラクターTシャツの着こなしを披露した。

作り手にも買い手にもなれる
“アマゾン マーチ オン デマンド”

アマゾン ファッション,AMAZON FASHION,アマゾン マーチ オン デマンド,Amazon Merch on Demand

「アマゾン ファッション」の“アマゾン マーチ オン デマンド”は、クリエイターとユーザーをつなぐオンデマンド・プリントサービス。クリエイターは先行費用や投資なしでアパレルや雑貨をデザインし、世界7カ国のアマゾン(Amazon)ユーザーに販売することが可能だ。

アニメキャラクターやセレブリティー、映画や漫画などとのコラボレーションデザインも多く展開し、現在「キャラクター」「アニメ&シネマ」「ゲーム」「ミュージック」「アート」「スポーツ」の6カテゴリーから、1800万点以上のアパレルやスマホアクセサリーを購入できる。

700枚以上のTシャツが勢ぞろい
“アマゾン マーチ オン デマンド”
ポップアップストア

4日間にわたり開催したポップアップストアでは、“アマゾン マーチ オン デマンド”が展開する500種類700枚以上のプリントTシャツを展示。豪華ゲストらによるトークショーのほか、抽選でオリジナルTシャツやステッカーが当たるSNSキャンペーン、Tシャツデザインを体験できるワークショップを実施した。

初日に開催したオープニングパーティーにはモデルやインフルエンサーが来場し、お気に入りTシャツをそれぞれの着こなしで披露した。パーティーの様子は、アマゾンファッションの公式インスタグラム(@amazonfashionjp)で公開中だ。

内田理央がセルフコーデで登場!
止まらない“キャラT愛”を語る

今回のイベントに合わせて“アマゾン マーチ オン デマンド”の展開商品からお気に入りTシャツをセレクトし、セルフスタイリングで登場した内田は「パンツやシルバーアクセサリーを合わせて、シンプルだけどハイファッションっぽくコーディネートした。今日はTシャツのハローキティに合わせて、黒縁眼鏡をアクセントとして取り入れた」と紹介し、「Y2Kファッションが気になっているから、あえて小さめのサイズを購入して“ピチT”風にも着こなしてみたい」と続けた。トレンドの着こなしについて問われた村上は「夏が長くなったこともあり、Tシャツは通年着られるアイテムになっている。これからの季節は“オリーブグリーン”“バーガンディ”など秋らしい色合いとのミックスや、異素材とのミスマッチを楽しむコーディネートもおすすめだ」とコメント。

ハローキティのほか、ゲーム「鉄拳」のニーナと、映画「スター・ウォーズ」シリーズのアナキン・スカイウォーカーのTシャツを選んだ内田は「2日間くらいずっとサイトを見ていたけれど、展開商品がたくさんあるから、好きなデザインが次々出てくるので選ぶのが大変だった。大好きなニーナはいつも紫の服を着ているから、Tシャツも紫に。ミニスカートと合わせたい。アナキン・スカイウォーカーがダース・ベーダーになる過程をプリントした珍しいデザインは、男性にもおすすめ。ロックなテイストで着こなしたい。昔はキャラクターTシャツを外で着ることに少し抵抗があったけど、最近は『意外とかわいいかも!』と思えるようになった」と紹介。これに対し村上も「海外に行くと、自分が知らない日本のアニメがブームになっていて驚くことがある。日本のアニメや漫画はワールドワイドに支持されているし、今後はもっとファッションにも取り入れやすくなると思う」とうなずいた。

最後に“アマゾン マーチ オン デマンド”のサービスについて尋ねると「猫を飼っているので、猫を証明写真風にデザインしたり、昔みたいにイラストを描いたりしてオリジナルのTシャツを作ってみたい」と内田。村上も「在庫を持たなくて良いから、環境への負荷や作り手の負担も少なくて済む。マスに受けなくても一部の人の心をつかむかもしれないし、海外で人気の商品になり得るのもサービスの魅力だ。既存商品のラインアップも豊富だから作り手も買い手も楽しめるだろう」と締めくくった。

業界の問題やリスクを軽減
「ファッション購入の選択肢に
『アマゾン ファッション』を」

アマゾン ファッション,AMAZON FASHION,アマゾン マーチ オン デマンド,Amazon Merch on Demand

ポップアップ前日の8月28日に開催されたローンチイベントには、山田恭子アマゾンジャパン ファッション事業本部長が登壇。ポップアップ開催の背景やサービスについてコメントした。「顧客がよりサービスを身近に感じるために、提供している商品を実際に手に取る機会を模索し続け、今回のポップアップ開催に至った。『アマゾン ファッション』は弊社の展開商品の中でも成長しているカテゴリーであり、特に“アマゾン マーチ オン デマンド”は、ファッション業界が抱えがちな在庫管理や発送問題を軽減する一翼となると考えている」。

「アマゾン ファッション」は今後も、ファッション購入時の選択肢の1つとなるよう事業拡大を図るという。また、秋冬向けにスエットや長袖Tシャツ、プルオーバーパーカー、ジップパーカーなどの商品を強化。プルオーバーパーカーには、レッド、パープル、グリーン、ダークグリーン、ブライトピンク5色が追加になり、クリエイターはデザイン作成時の使用の他、既存のデザインのボディーとして選択できる。

MODEL : RIO UCHIDA
PHOTOS : KAZUSHI TOYOTA
HAIR & MAKEUP : WAKANA GOTO(ROI)

The post 「アマゾン ファッション」イベントゲストに内田理央 1800万点以上の中から選んだお気に入りTシャツは? appeared first on WWDJAPAN.

「アマゾン ファッション」イベントゲストに内田理央 1800万点以上の中から選んだお気に入りTシャツは?

アマゾン ファッション,AMAZON FASHION,アマゾン マーチ オン デマンド,Amazon Merch on Demand,内田理央

「アマゾン ファッション(AMAZON FASHION)」のサービス“アマゾン マーチ オン デマンド(Amazon Merch on Demand)”は8月29日〜9月1日、原宿のクレインズ6142でポップアップイベントを開催した。9月1日には俳優・内田理央をゲストに招き、村上要「WWDJAPAN」編集長とのトークショーを実施。“アマゾン マーチ オン デマンド”が販売するキャラクターTシャツの着こなしを披露した。

作り手にも買い手にもなれる
“アマゾン マーチ オン デマンド”

アマゾン ファッション,AMAZON FASHION,アマゾン マーチ オン デマンド,Amazon Merch on Demand

「アマゾン ファッション」の“アマゾン マーチ オン デマンド”は、クリエイターとユーザーをつなぐオンデマンド・プリントサービス。クリエイターは先行費用や投資なしでアパレルや雑貨をデザインし、世界7カ国のアマゾン(Amazon)ユーザーに販売することが可能だ。

アニメキャラクターやセレブリティー、映画や漫画などとのコラボレーションデザインも多く展開し、現在「キャラクター」「アニメ&シネマ」「ゲーム」「ミュージック」「アート」「スポーツ」の6カテゴリーから、1800万点以上のアパレルやスマホアクセサリーを購入できる。

700枚以上のTシャツが勢ぞろい
“アマゾン マーチ オン デマンド”
ポップアップストア

4日間にわたり開催したポップアップストアでは、“アマゾン マーチ オン デマンド”が展開する500種類700枚以上のプリントTシャツを展示。豪華ゲストらによるトークショーのほか、抽選でオリジナルTシャツやステッカーが当たるSNSキャンペーン、Tシャツデザインを体験できるワークショップを実施した。

初日に開催したオープニングパーティーにはモデルやインフルエンサーが来場し、お気に入りTシャツをそれぞれの着こなしで披露した。パーティーの様子は、アマゾンファッションの公式インスタグラム(@amazonfashionjp)で公開中だ。

内田理央がセルフコーデで登場!
止まらない“キャラT愛”を語る

今回のイベントに合わせて“アマゾン マーチ オン デマンド”の展開商品からお気に入りTシャツをセレクトし、セルフスタイリングで登場した内田は「パンツやシルバーアクセサリーを合わせて、シンプルだけどハイファッションっぽくコーディネートした。今日はTシャツのハローキティに合わせて、黒縁眼鏡をアクセントとして取り入れた」と紹介し、「Y2Kファッションが気になっているから、あえて小さめのサイズを購入して“ピチT”風にも着こなしてみたい」と続けた。トレンドの着こなしについて問われた村上は「夏が長くなったこともあり、Tシャツは通年着られるアイテムになっている。これからの季節は“オリーブグリーン”“バーガンディ”など秋らしい色合いとのミックスや、異素材とのミスマッチを楽しむコーディネートもおすすめだ」とコメント。

ハローキティのほか、ゲーム「鉄拳」のニーナと、映画「スター・ウォーズ」シリーズのアナキン・スカイウォーカーのTシャツを選んだ内田は「2日間くらいずっとサイトを見ていたけれど、展開商品がたくさんあるから、好きなデザインが次々出てくるので選ぶのが大変だった。大好きなニーナはいつも紫の服を着ているから、Tシャツも紫に。ミニスカートと合わせたい。アナキン・スカイウォーカーがダース・ベーダーになる過程をプリントした珍しいデザインは、男性にもおすすめ。ロックなテイストで着こなしたい。昔はキャラクターTシャツを外で着ることに少し抵抗があったけど、最近は『意外とかわいいかも!』と思えるようになった」と紹介。これに対し村上も「海外に行くと、自分が知らない日本のアニメがブームになっていて驚くことがある。日本のアニメや漫画はワールドワイドに支持されているし、今後はもっとファッションにも取り入れやすくなると思う」とうなずいた。

最後に“アマゾン マーチ オン デマンド”のサービスについて尋ねると「猫を飼っているので、猫を証明写真風にデザインしたり、昔みたいにイラストを描いたりしてオリジナルのTシャツを作ってみたい」と内田。村上も「在庫を持たなくて良いから、環境への負荷や作り手の負担も少なくて済む。マスに受けなくても一部の人の心をつかむかもしれないし、海外で人気の商品になり得るのもサービスの魅力だ。既存商品のラインアップも豊富だから作り手も買い手も楽しめるだろう」と締めくくった。

業界の問題やリスクを軽減
「ファッション購入の選択肢に
『アマゾン ファッション』を」

アマゾン ファッション,AMAZON FASHION,アマゾン マーチ オン デマンド,Amazon Merch on Demand

ポップアップ前日の8月28日に開催されたローンチイベントには、山田恭子アマゾンジャパン ファッション事業本部長が登壇。ポップアップ開催の背景やサービスについてコメントした。「顧客がよりサービスを身近に感じるために、提供している商品を実際に手に取る機会を模索し続け、今回のポップアップ開催に至った。『アマゾン ファッション』は弊社の展開商品の中でも成長しているカテゴリーであり、特に“アマゾン マーチ オン デマンド”は、ファッション業界が抱えがちな在庫管理や発送問題を軽減する一翼となると考えている」。

「アマゾン ファッション」は今後も、ファッション購入時の選択肢の1つとなるよう事業拡大を図るという。また、秋冬向けにスエットや長袖Tシャツ、プルオーバーパーカー、ジップパーカーなどの商品を強化。プルオーバーパーカーには、レッド、パープル、グリーン、ダークグリーン、ブライトピンク5色が追加になり、クリエイターはデザイン作成時の使用の他、既存のデザインのボディーとして選択できる。

MODEL : RIO UCHIDA
PHOTOS : KAZUSHI TOYOTA
HAIR & MAKEUP : WAKANA GOTO(ROI)

The post 「アマゾン ファッション」イベントゲストに内田理央 1800万点以上の中から選んだお気に入りTシャツは? appeared first on WWDJAPAN.

【早割募集中】稼ぐ「販売員」はどこが違うのか 最先端を走るパイオニアたちに学ぶ

「販売職」が握るビジネスの成否
現場のポテンシャルを最大化する方法とは

販売員の力が改めて注目されています。店頭での接客術はもちろん、SNSなどを活用して顧客とのエンゲージメントを高め、売り上げを飛躍的に伸ばす事例が相次いでいるからです。販売員のポテンシャルを生かす仕組みの構築は、現場のモチベーションに直結します。小売業の人手不足が深刻化する現在、販売員が生き生きと働き、成果を実感できる環境づくりは、企業の成否を握る重要テーマです。先行企業はどのような改革を実行し、成果を出しているのか。

本セミナーでは、販売職のDX化を推進するバニッシュ・スタンダードの小野里寧晃社長と、同社が主催する“令和のカリスマ店員“を決める大会「スタッフオブザイヤー2023」の優勝者であるユナイテッドアローズの仲希望さんとの対談を通じて、販売員のポテンシャルを考えます。LTV(ライフタイムバリュー)という概念によって改めて脚光を浴びる百貨店の外商の仕事術について、阪急本店のエース外商員である後藤大祐さんがさまざまな事例を交えてロイヤリティーを深める仕事術について話します。さらに、人気ヘアサロン「VAICE」の浅野宏明さんには、顧客との距離が近い美容師という立場からロイヤルカスタマーの心をつかむ秘訣を明かしてもらいます。

「WWDJAPAN」らしい豪華な顔ぶれを講師陣に迎えて、販売やサービスという仕事が持つ可能性について掘り下げます。あらゆる顧客ビジネスのヒントが満ちたセミナーです。

このような人におすすめ

・販売員のこれからを考えているマネジメント層、ブランド責任者
・販売員を束ねる部長・マネージャー、SV、店長
・さらに飛躍したいとと考える現役販売員
・広くリテールに関わるマーケター

 

クーポンコードをご利用の方は、申し込み画面で入力してください。
早割クーポンコード【T35R4FG6】/有料会員の方はこちらからクーポンコードを取得してください。

 


プログラム

【session#1】12:30~12:40(10分)

販売員は時代を映す鏡 役割はどう変わったか

EC(ネット通販)であらゆる商品が購入できる今、店頭の販売員はそのホスピタリティーを通じて「この人から買いたい!」と思わせる存在でなければなりません。「WWDJAPAN」で2010年から続く販売員特集では、そんな販売員たちをたくさん紹介してきました。販売員の仕事は時代を移す鏡です。SNSの普及やコロナ禍を経て、販売員の仕事や役割はどう変わったのか、変わらなかったのか。最新の9月23日号を題材にしながら、ファッション業界やビューティ業界で活躍する販売員の事例を解説します。

 

スピーカー:林 芳樹/WWDJAPANビジネスデスク

PROFILE:(はやし・よしき)1972年、千葉県生まれ。大学卒業後、出版社勤務を経て、98年に業界紙の日本繊維新聞社に入社。広告営業を経て編集記者になり、メンズウエア、スポーツウエア、SPAなどを取材する。2009年2月にINFASパブリケーションズに入社。「WWDジャパン」編集部に配属され、主にビジネスニュースを担当する
【Session#2】12:40~13:30(50分)

スタッフスタート小野里社長&ユナイテッドアローズ仲氏
販売職のポテンシャルの生かし方

DXツール「スタッフスタート」は、今やファッション業界には欠かせないプラットフォームです。販売員のコーディネート画像を通して、消費者との接点を広げる仕組みを構築。オンライン接客を通じたEC売り上げは可視化され、人事評価にも活用され、モチベーション向上に貢献しています。仕掛け人であるバニッシュ・スタンダードの小野里寧晃社長は、販売職のポテンシャルを強く信じる経営者です。9月13日、同社が主催する販売員コンテスト「スタッフオブザイヤー2024」が開催されました。今回は約8万5000人の中から“令和のカリスマ店員“が選ばれ、大きな話題になりました。ユナイテッドアローズの仲希望さんは23年大会のチャンピオンとして時の人になったスペシャリストです。リアルとデジタルの融合が進む今、販売員の役割はどう拡張したのか。小野里社長に販売員DXの仕組みをロジカルに解説してもらうとともに、仲さんには販売の現場で何が起きているのか当事者の立場で語ってもらいます。2人の対話を通じて、目指すべき販売職の姿を掘り下げます。

ゲストスピーカー:小野里 寧晃/バニッシュ・スタンダード代表取締役CEO

PROFILE:(おのざと・やすあき)1982年群馬県前橋市生まれ。大手Web制作会社でEC事業部長として従事後、2011年に株式会社バニッシュ・スタンダードを設立。働く人の熱量を引き出したい思いから、2016年に店舗スタッフDXツール「STAFF START」を立ち上げる

ゲストスピーカー:仲 希望/ユナイテッドアローズ 新宿店 兼 OMO本部 デジタルマーケティング部 デジタルプロモーション課

PROFILE:(なか・のぞみ)2003年入社。関西、関東エリアの複数の店舗勤務を経験、今年で販売員歴21年目。コロナ禍で当時の店長の薦めを機にスタイリング投稿を開始。以降、投稿数、フォロワー数や経由売上は常に社内トップクラスを維持。「スタッフオブザイヤー2023」グランプリ受賞。UA社独自の人材認定制度「DXセールスマスター」最上位にして唯一の「プラチナ」認定者
【Session#3】13:40~14:20(40分)

顧客とつながり続けるチームプレー 阪急阪神百貨店のエース外商員の仕事

百貨店の外商は、百貨店が扱う幅広い商品やサービスを生かし、顧客のあらゆる要望に応える究極のワン・トゥ・ワン・マーケティングと言えます。デジタルを活用したり、さまざまな取引先との連携を強めたり、百貨店が総力を上げて1人の顧客に感動的なおもてなしをする。コロナ以降、特に30〜40代の次世代富裕層の支持を得て、外商は急拡大を遂げています。中でも阪急本店(阪急うめだ本店、阪急メンズ大阪)は、関西圏はもちろん、海外のVIP顧客の支持が厚いことで知られています。23年度に同店の外商員の中で過去最高の個人売り上げを達成した後藤大祐さんをスピーカーに迎え、ロイヤルティを高める外商員の仕事術について語っていただきます。

ゲストスピーカー:後藤 大祐/阪急阪神百貨店 お得意様外商部 クライアンテリングサービス部 セールスエキスパート

PROFILE:(ごとう・だいすけ)2015年、株式会社阪急阪神百貨店にキャリア採用で入社。前職の同業他社では趣味雑貨・家庭用品カテゴリーの売場開発や店頭現場を経験。外商員として社内やお取引先様との人間関係構築に注力し、「お客様に素晴らしいスタッフをつなげる」ベストマッチングを常に模索する。2023年度には、ベテランが揃う同社外商員の中で、過去最高の個人売上を達成

モデレーター:林 芳樹/WWDJAPANビジネスデスク

【Session#4】14:20~15:00(40分)

居心地の良い空間作りの一方、高価格帯美容機器まで提案できる美容室接客のノウハウ

顧客1人の平均滞在時間が2〜3時間という、長時間に渡る接客が普通に行われている美容室。さらにここ数年は高価格帯のドライヤーやヘアアイロン、美顔器などを販売する店舗も多く、サロンが“モノが売れる場所”としても進化しています。そこで今回は、人気サロンの総店長として活躍した後、自らのサロンを立ち上げ、プレイングマネージャーとして繁盛店へと導いた美容室業界のトップランナーが登壇。顧客を長時間飽きさせず、快適に過ごしてもらう接客のノウハウや、美を求める顧客のニーズの変化、さらには接客しながら高額美容機器を提案するコツまで解説します。

ゲストスピーカー:浅野 宏明/ヴァイス代表

PROFILE:(あさの・ひろあき)1981年、神奈川県出身。関東美容専門学校卒業後、神奈川の美容室に6年間勤務し東京に上京。都内有名店立ち上げから総合店長として13年間勤務。サロンワークの他、TV、雑誌、メーカーPR、ヘアショー、講師活動などを行う。2020年8月に「VAICE」を渋谷に立ち上げる。22年10月に2店舗目となる新宿店をオープン。日本だけでなく海外でのセミナー活動も積極的に行っている。インスタグラム(@hiro_vaice)のフォロワー数2万人

スピーカー:中村 慶二郎/WWDJAPAN 編集部シニアエディター

PROFILE:(なかむら・けいじろす)美容系出版社などを経て現職。ヘアサロンやエステサロンなどサロン系を主に担当し、通販、メンズ、オーガニック、プチプラなど幅広くアンテナを張る。“情報は現場に落ちている”をモットーに、暇さえあれば百貨店やセレクトショップ、バラエティーショップなどのコスメ売り場を観察して情報収集に努めている。ヘアケアに関する企画を担当する機会が多いため、ヘア関連の新製品が出ると可能な限り自分で試すことを心掛けており、自宅のバスルームには常に5本以上のシャンプーが並んでいる

 

※講義内容は予告なく変更となる場合があります。あらかじめご了承ください。
【Extra】15:10~16:00(45分)

ミートアップ

会場受講の方はセミナー終了後、登壇記者も参加するミートアップにご参加いただけます。ドリンクを用意しておりますので、さらなるコミュニケーションの場としてご活用ください。

 


インフォメーション

日時

2024年10月15日(火)12:00〜16:00
※開始30分前から会場受付開始

実施方法

会場 または オンライン受講
※会場とオンラインの同時開催となります。
※セミナー終了後、会場&オンライン受講者へのアーカイブ配信の案内はありませんのでご了承ください。後日アーカイブ動画は、単体で購入することが可能です。
※オンライン受講の視聴用URLは、受講前日と当日に、お申し込み時に入力いただいたメールアドレスにお送りします。入力にお間違いがないようご注意ください。メールが届かない場合は迷惑メールフォルダなどもご確認ください。
※オンライン受講はOneStreamでの配信を予定しています。視聴環境をご確認ください。

会場

LIFORK Harajuku
東京都渋谷区神宮前1-14-30 WITH HARAJUKU 3F

募集人数

会場:50名
オンライン:100名

募集期間

9月18日(水)〜 10月11日(金)12時まで

受講料金

【早割10%OFFキャンペーン】
9/25(水)12:00までのお申し込みで、一般価格から10%OFFで受講いただけます。
申し込み画面でクーポンコードを入力してください。
クーポンコード:T35R4FG6
一般価格:16,500円14,850円 早割10%OFF
スタンダードプラン:
11,550円 30%OFF
ライトプラン:14,850円 10%OFF
※表示価格は全て1名様分、税込です。
※他のクーポンとの併用はできません。
※早割期間内であっても、募集人数に達し次第受け付けを締め切らせていただく場合がございます。

 

クーポンコードをご利用の方は、申し込み画面で入力してください。
早割クーポンコード【T35R4FG6】/有料会員の方はこちらからクーポンコードを取得してください。

 

講座終了後、アーカイブ受講の販売を予定しております。

 

注意事項

・受講料は会場とオンライン同額です。
・割引価格はクーポンをご利用時に適用となります。スタンダードとライトのクーポンコードはマイページをご確認の上、申し込み画面で入力してください。
・申し込みの受け付けは先着順です。募集人数に達し次第締め切らせていただきます。
・申し込み完了後のキャンセルは受け付けておりません。
・定期購読者で会員登録がお済みでない方はこちら
・本ページでのお支払いはクレジットカードのみとなります。コンビニ支払いをご希望の方はこちら
・適格請求書(領収書)の発行は、こちらから。記載のお宛名をご入力の上ご連絡ください。
弊社登録番号:T5-0110-0104-4278
・当日は会場内に撮影用のカメラが入ります。撮影した動画や写真は、「WWDJAPAN」Weeklyやウェブサイト、公式SNSなどで掲載する場合があります。ご了承いただける方のみお申し込みください。

 

>「セミナーがいつでもどこでも受け放題」法人プランはこちら

問い合わせ先
INFASパブリケーションズ カスタマーサポート
お問い合わせフォームはこちら

The post 【早割募集中】稼ぐ「販売員」はどこが違うのか 最先端を走るパイオニアたちに学ぶ appeared first on WWDJAPAN.

大丸東京店の“売らない店”が4倍に増床 ブームから数年、見えてきた本質と価値

大丸松坂屋百貨店は18日、大丸東京店4階のD2Cブランドのショールーミングスペース「明日見世(あすみせ)」を9階に移設・増床する。展開するのはかつて子供服ブランドの売り場だった区画で、面積は従来の4倍となる約430平方メートルとなる。

ショールーム機能に特化した、いわゆる“売らない店”である「明日見世」は2021年10月にオープン。ファッションやビューティ、雑貨などジャンルレスに小規模ブランドをキュレーションして見本を展示し、大丸松坂屋側はブランドから出店料を徴収する形で運営してきた。優れた商品がありながら商品SKU数が少ない、店舗運営のための資金・人材に乏しいといった理由でリアル出店ができない企業やブランドへのソリューションとして、百貨店が抱える優良顧客とのタッチポイントを提供してきた。

数週間〜数カ月のタームで出品ブランドを入れ替えて、鮮度のある売り場を保つ点も特徴。基本的にはその場で販売はせず、QRコードで出品ブランドのECサイトに誘導するほか、NTTドコモとの協業でAI顔認証カメラによる顧客分析を導入するなど、同社のOMO(オンラインとオフラインの融合)における実験的売り場としても機能してきた。約3年の運営期間で200以上のブランドからの出品実績を重ね、取引先と顧客からの一定の好反応を得て移設増床を決めた。

「売る」「売らない」は重要ではない

「明日見世」が運営を開始した2021年は、“売らない店”が小売業界でバズワード化していた。そのころと比べればブームは落ち着いた印象があるが、「明日見世」の仕掛け人である大丸松坂屋百貨店DX推進部の岡﨑路易部長と和田房枝「明日見世」プロジェクトマネージャーの両人は、これまでの3年の運営で“売らない店”という形態の本質や目指すべき価値が見えてきたと話す。

「“売らない店”が盛んに謳われたころに『明日見世』を作ったため、メディアにもそういった文脈で取り上げられたりもしたが、今となっては『売る』『売らない』はそこまで重要ではなく、お客さまの選択の結果にすぎないと感じている」と和田プロジェクトマネージャー。コロナ禍を経て消費がデジタルシフトする一方、「デジタルでは伝えきれないものを伝える、リアルの場としての必要性」がくっきりしてきた。「そこでショールーミング型ストアならではの、単に商品を買うだけでなく、さまざまな体験を通じた『出合い』ができることがますます重要性を帯びてきたし、まさにそれが本質なのだと思う。今回の改装もそういった方向性をさらに強めるものになる」(岡﨑部長)。

ブランドを深掘るキュレーションエリア
商品だけでなく歴史や製造背景を知る

移設後は、一部商品をその場で購入できる物販コーナーを設ける。ウールTシャツなどを取り扱う「C-ONE」やコスメブランドの「ジブンサロン(JIBUN SALON)」、インテリア雑貨の「スフェラーパワー(SPHELAR POWER)」など20ブランドの展開からスタートする。売り場全体で取り扱うブランドの数はほぼ増やさず、カフェの飲食ゾーンや特定のブランドに光を当てるキュレーションエリアに大きくスペースを割いた。

移設拡大での強化ポイントは「知る、試す、考えるという顧客体験を深める」こと。その考えを象徴するキュレーションスペースは、移設オープンから6カ月間、「デルメッド」「イロイク」などのビューティブランドを展開する三省製薬にフォーカスする。同社ブランドの商品テスターのほか、製薬会社としての出自や歴史、製造背景などに関するコンテンツも展示することで、来店客とブランドの接点をこれまで以上に立体的にする。

出展者のリアルな声
「販路拡大のチャンスにつながった」

三省製薬の陣内宏行社長は、「明日見世」の移設前にすでに複数回出展しており、その価値を実感したという。「これまで当社はEC販売を中心に事業展開してきたが、ネット上の情報が溢れる中で自分たちのブランドや商品の価値を届けることが難しくなったと実感する。そんな中、『明日見世』に出展したことで、一般のお客さまはもとより他の百貨店や専門店のバイヤーともリアルでつながり、販路拡大などのチャンスにつなげることができた」と話す。

改装によって出展の付加価値を高めるとともに、出展料は従来の12週間あたり45万円から90万円へ引き上げる。出店料収入は移設前の2.5倍とする計画だ。

The post 大丸東京店の“売らない店”が4倍に増床 ブームから数年、見えてきた本質と価値 appeared first on WWDJAPAN.

アディダス ジャパン新社長に萩尾孝平氏が就任 元プーマ ジャパン社長

アディダス ジャパンは9月15日付で、新社長に萩尾孝平氏が就任したと発表した。萩尾新社長は2021年からプーマ ジャパン社長を務めていた。

萩尾新社長は1973年生まれ。同志社大学商学部を卒業後、96年にさくら銀行(現 三井住友銀行)に入行。2003年にアディダス ジャパンに入社して以降は、20年以上にわたって、スポーツ用品業界やリテールビジネスにおいてキャリアを築いてきた。

アディダス ジャパンでは“日本人のランナーを速くする”というコンセプトのもと、ランニングシューズ“アディゼロ”の開発を担当。その後、独アディダス本社でブランドマネジメントに携わった後、12年にプーマグループに入社。グローバル本社でランニング・トレーニングカテゴリーのシューズビジネスを統括、18年11月にプーマ ジャパンの取締役営業本部長に就任、ホールセールマーチャンダイジング本部長兼任を経て、21年10月にプーマ ジャパン社長に就いていた。

The post アディダス ジャパン新社長に萩尾孝平氏が就任 元プーマ ジャパン社長 appeared first on WWDJAPAN.

アディダス ジャパン新社長に萩尾孝平氏が就任 元プーマ ジャパン社長

アディダス ジャパンは9月15日付で、新社長に萩尾孝平氏が就任したと発表した。萩尾新社長は2021年からプーマ ジャパン社長を務めていた。

萩尾新社長は1973年生まれ。同志社大学商学部を卒業後、96年にさくら銀行(現 三井住友銀行)に入行。2003年にアディダス ジャパンに入社して以降は、20年以上にわたって、スポーツ用品業界やリテールビジネスにおいてキャリアを築いてきた。

アディダス ジャパンでは“日本人のランナーを速くする”というコンセプトのもと、ランニングシューズ“アディゼロ”の開発を担当。その後、独アディダス本社でブランドマネジメントに携わった後、12年にプーマグループに入社。グローバル本社でランニング・トレーニングカテゴリーのシューズビジネスを統括、18年11月にプーマ ジャパンの取締役営業本部長に就任、ホールセールマーチャンダイジング本部長兼任を経て、21年10月にプーマ ジャパン社長に就いていた。

The post アディダス ジャパン新社長に萩尾孝平氏が就任 元プーマ ジャパン社長 appeared first on WWDJAPAN.

シーインの模倣疑惑とクリエイター そしてメイカーズムーブメントの誤謬:記者談話室vol.144

「WWDJAPAN」ポッドキャストの「記者談話室」は、ファッション業界のその時々のニュースや話題について、3人の記者が分かりやすく解説したり、時には脱線したりしながら、掘り下げていきます。

144回目となる今回は、「シーイン」の模倣疑惑について語り合いました。ファンタジー作家の星野夜さんは9月1日、X(旧ツイッター)に「シーイン」で販売されている指輪が、自分の制作した指輪と酷似していると「告発」したのです。「シーイン」で販売していた指輪は、「本物」の100分の1以下でした。個人や中小規模のクリエイターは、どう立ち向かえばいいのか。また、その背景のビジネスモデルを突き詰めて見えてきた、2010年に米国西海岸発の「メイカーズムーブメント」との類似性とは?

この配信は以下のアプリでもご利用いただけます。
Apple Podcast
Spotify

The post シーインの模倣疑惑とクリエイター そしてメイカーズムーブメントの誤謬:記者談話室vol.144 appeared first on WWDJAPAN.

シーインの模倣疑惑とクリエイター そしてメイカーズムーブメントの誤謬:記者談話室vol.144

「WWDJAPAN」ポッドキャストの「記者談話室」は、ファッション業界のその時々のニュースや話題について、3人の記者が分かりやすく解説したり、時には脱線したりしながら、掘り下げていきます。

144回目となる今回は、「シーイン」の模倣疑惑について語り合いました。ファンタジー作家の星野夜さんは9月1日、X(旧ツイッター)に「シーイン」で販売されている指輪が、自分の制作した指輪と酷似していると「告発」したのです。「シーイン」で販売していた指輪は、「本物」の100分の1以下でした。個人や中小規模のクリエイターは、どう立ち向かえばいいのか。また、その背景のビジネスモデルを突き詰めて見えてきた、2010年に米国西海岸発の「メイカーズムーブメント」との類似性とは?

この配信は以下のアプリでもご利用いただけます。
Apple Podcast
Spotify

The post シーインの模倣疑惑とクリエイター そしてメイカーズムーブメントの誤謬:記者談話室vol.144 appeared first on WWDJAPAN.

【無料セミナー 】デジタルと融合・差別化して目指す、リアル店舗の価値向上(オンライン・会場同時開催)

「DXからCXへ」デジタルを踏まえ、
リアル店舗の価値向上に取り組む店作りを学ぶ

コロナ禍を経てリアルの価値が再度注目されるようになって以降、「DX(デジタル・トランスフォーメーション)から、CX(カスタマー・エクスペリエンス)へ」という認識が広がっています。圧倒的な規模感で没入型の体験さえ提供する旗艦店から、人気のスタッフが登場するYouTubeまで、ファッション&ビューティ業界では顧客体験を設計しながら、時にはDXに引き込みつつ、消費者に楽しくショッピングしてもらうことを目指した動きが顕著です。

そこで「WWDJAPAN」は10月16日、改めてリアル店舗の価値を考え、デジタルと融合したり反対に差別化したりに挑戦する小売店が登壇するセミナーを開催します。登壇するのは、虎ノ門ヒルズ ステーションタワーの2階と3階の2フロア(2600平方メートル)に総本山とも言える新業態「セレクト バイ ベイクルーズ」をオープンしたベイクルーズの古峯正佳副社長と、全国3都市のショップからリアルイベントと様々なSNSコンテンツを発信して地方出身のセレクトショップながらインバウンド顧客も惹きつけるミッドウエストの大澤武徳社長。古峯副社長には、ECが得意なベイクルーズがわざわざ訪れるに値する店舗を構えるに至った背景から、実際の店づくり、そして街づくりまで見据えた壮大な構想を伺います。一方ミッドウエストの大澤社長は、コロナ禍に始めたSNSが軌道に乗るまでの苦労やインバウンド顧客に人気のコンテンツから、頻繁に開催するイベントの意図や成功例など、明日から実践できそうな取り組みも紹介。最後は、国際決済ソリューションを提供する多国籍企業アディエンが、オン・オフの双方で顧客体験を向上する決済サービスについて解説します。

このような人におすすめ

・リアル店舗を統括するリーテルのご担当者様
・自分達らしいOMOの理想形を想像するデジタル担当の皆様
・リアル店舗と共存・共栄したいEC担当の皆様
・もっとデジタルをうまく活用したい店長らショップスタッフの皆様

>> 参加費無料でご受講いただけます <<

 


プログラム

【Session#1】17:30〜18:00 (30分)

ECが得意なベイクルーズが挑む、街づくりも見据えた店づくり

多くのファッション業界人が「ECに強い」と実感していますが、同時にベイクルーズは実店舗第一主義。その思いは、複数ブランドを集積する名古屋や福岡、仙台などの大型店「ベイクルーズストア」で形にしてきましたが、同社は今春、東京・虎ノ門ヒルズ ステーションタワーに、セレクトショップ本来の目利きを前面に押し出し、社内外のキュレーターの審美眼によって幅広い商品を集めた超大型店「セレクト バイ ベイクルーズ」をオープンしました。最初のパートでは、第一線で活躍するバイヤーと、全国から集まった販売員の力を集積した「セレクト バイ ベイクルーズ」を紐解きます。なぜ、「ECに強い」ベイクルーズは近年、大型店をオープンするのか?大型店は、どんな顧客体験を目指して設計し、どんな商品を販売しているのか?商品を仕入れるバイヤーや販売するスタッフは、どう進化しているのか?そして、なぜベイクルーズは店づくりのみならず、街づくりまで目指すのか?を語っていただきます。

ゲストスピーカー:古峯 正佳/ベイクルーズ 上席取締役副社長

PROFILE:(こみね・まさよし)2001年ÉDIFICE 銀座店、2002年ÉDIFICE 渋谷店店長を経験したのち本社勤務。Deuxième Classeデイレクター、LA CLASSE初代CEO、LE DOMEのCEOを歴任し、2016年9月より現職
【Session#2】18:00〜18:30(30分)

地方セレクトの雄ミッドウエストが苦手のSNSでインバウンドを掴むまで

SESSION 2には、名古屋発祥で東京と大阪にも店舗を構えるセレクトショップ、ミッドウエストが登壇します。顧客とのつながりが強い地方発のセレクトショップは、ともすればDXやSNSの活用が遅れがち。ミッドウエストも長年リアル店舗に力を注いできましたが、コロナで事態は急変しました。しかし、これまで頻繁に開催していたイベント同様にSNSやYouTube、最近ではTikTokに挑戦すると、国内外のファッション愛好家が「面白そうなことをやっている」と情報をキャッチして、続々来店。現在は、インバウンド顧客が全体の4割程度と言います。ミッドウエストを経営する大澤武徳社長には、成功や失敗談を交えながら、デジタルに積極的になれたムードの醸成法、そして復活したリアルイベントでファンのエンゲージメントをさらに高めていく顧客体験の深め方を伝授していただきます。また、地方出張や旅行のついで、もしくは旅の目的に来店する顧客が増えているという地方店の現状も伺います。

ゲストスピーカー:大澤 武徳/ファッションコア ミッドウエスト 代表取締役社長

PROFILE:(おおさわ・武法)1968年5月10日生まれ。創業48年を迎えるセレクトショップMIDWESTの2代目。東京、名古屋、大阪に店舗を構え国内外のバイイングやデザイナーとの交流による独自の別注やイベントを行なってきた
PROFILE:

スピーカー:村上 要/WWDJAPAN編集長

【Session#3】18:30〜19:10(40分)

売り上げを伸ばす原動力、CXにも不正対策にも効く決済サービス

最後のセッションには、国際決済ソリューションを提供する多国籍企業アディエンが登壇し、売り上げの原動力になるハズなのに見落とされがちな決済サービスについて語ります。リアル店舗での体験価値の向上には、例えばオンラインで購入してリアル店舗で受け取ったり、同じくリアル店舗で返品したり、ECでは売り切れた商品をリアル店舗から配送してもらったりの仕組みを整えることが欠かせません。まずは、こうしたOMO決済で可能になる、店舗での顧客体験の最新版を紹介。後半では、決済の承認率を上げながら不正を抑える方法を学びながら、日本における不正の現状と、こうした事態に対応すべく導入の義務化が迫った3Dセキュアについて、最新情報をお届けします。

協賛:Adyen Japan株式会社

スピーカー:横山 悠子/シニアセールスマネージャー

PROFILE:(よこやま・ゆうこ)茨城県出身。Cyber Agent、Teads、Googleなどオンラインマーケティング歴14年。広告・メディアからフィンテックエンタープライズ営業を経験。 趣味は、犬、野外音楽、多様性の理解

スピーカー:浪久 敦/シニアセールスマネージャー

PROFILE:(なみひさ・あつし)1974年東京生まれ。1997年にキーエンス入社、製造業のファクトリーオートメーション向けの法人営業を経験。2003年サイバーエージェント入社。アメブロなどの自社媒体を広告代理店向けに販売。大阪営業所の立上げを実施。2009年Amazonジャパン入社。アドバタイジング事業において5番目の社員。SMB事業の立上げ、マネジャーを経て、2023年5月よりAdyen Japanに入社、現職

モデレーター:村上 要/WWDJAPAN編集長

モデレーター:大澤 武徳/ファッションコア ミッドウエスト 代表取締役社長

※講義内容は予告なく変更となる場合があります。あらかじめご了承ください。
【Extra】19:15~20:00 (45分)

ミートアップ

会場受講の方はセミナー終了後、登壇記者も参加するミートアップにご参加いただけます。ドリンクを用意しておりますので、さらなるコミュニケーションの場としてご活用ください。

 


インフォメーション

日時

10月16日(水)17:30〜20:00
※開始30分前から会場受付開始

実施方法

会場 または オンライン受講
※会場とオンラインの同時開催となります。
※セミナー終了後、会場&オンライン受講者へのアーカイブ配信の案内はありませんのでご了承ください。後日アーカイブ動画は、単体で購入することが可能です。
※オンライン受講の視聴用URLは、受講前日と当日に、お申し込み時に入力いただいたメールアドレスにお送りします。入力にお間違いがないようご注意ください。メールが届かない場合は迷惑メールフォルダなどもご確認ください。
※オンライン受講はOneStreamでの配信を予定しています。視聴環境をご確認ください。

会場

LIFORK Harajuku
東京都渋谷区神宮前1-14-30 WITH HARAJUKU 3F

受講料

無料

募集人数

会場:50名
オンライン:100名

募集期間

9/13(金)〜10/15(火)12:00まで

 

>> 参加費無料でご受講いただけます <<

 

注意事項

・Adyen Japan 株式会社に、お名前・メールアドレス・所属企業・部門・役職の情報提供にご同意いただける方のみご参加ください。
・同業者/競合企業の参加はお断りする場合があります。
・会場出席の方は、名刺を2枚お持ちください
・申し込みの受け付けは先着順です。募集人数に達し次第締め切らせていただきます。
・申し込み完了後のキャンセルは原則受け付けておりません。
・メールアドレスに誤りがある場合、メールが届かない可能性がございます。
・当日は会場内に撮影用のカメラが入ります。撮影した動画や写真は、「WWDJAPAN」Weeklyやウェブサイト、公式SNSなどで掲載する場合があります。ご了承いただける方のみお申し込みください。
・個人情報の取扱いについて以下をご確認ください。ご不明な点がございましたら、プライバシーポリシーをご確認いただくか、直接お問い合わせください。本セミナーにお申し込みいただく際にご提供いただく個人情報は、株式会社INFASパブリケーションズおよびAdyen Japan株式会社の両社で共同して利用させていただきます。これにより、両社のマーケティング活動および採用活動を目的として情報を共有いたします。お申し込みをもって、以下のプライバシーポリシーに同意いただいたものとみなします。
>株式会社INFASパブリケーションズのプライバシーポリシーはこちら
>Adyen Japan株式会社のプライバシーポリシーはこちら

 

問い合わせ先
WWDJAPAN EDUCATIONS
お問い合わせフォームはこちら

The post 【無料セミナー 】デジタルと融合・差別化して目指す、リアル店舗の価値向上(オンライン・会場同時開催) appeared first on WWDJAPAN.

【無料セミナー 】デジタルと融合・差別化して目指す、リアル店舗の価値向上(オンライン・会場同時開催)

「DXからCXへ」デジタルを踏まえ、
リアル店舗の価値向上に取り組む店作りを学ぶ

コロナ禍を経てリアルの価値が再度注目されるようになって以降、「DX(デジタル・トランスフォーメーション)から、CX(カスタマー・エクスペリエンス)へ」という認識が広がっています。圧倒的な規模感で没入型の体験さえ提供する旗艦店から、人気のスタッフが登場するYouTubeまで、ファッション&ビューティ業界では顧客体験を設計しながら、時にはDXに引き込みつつ、消費者に楽しくショッピングしてもらうことを目指した動きが顕著です。

そこで「WWDJAPAN」は10月16日、改めてリアル店舗の価値を考え、デジタルと融合したり反対に差別化したりに挑戦する小売店が登壇するセミナーを開催します。登壇するのは、虎ノ門ヒルズ ステーションタワーの2階と3階の2フロア(2600平方メートル)に総本山とも言える新業態「セレクト バイ ベイクルーズ」をオープンしたベイクルーズの古峯正佳副社長と、全国3都市のショップからリアルイベントと様々なSNSコンテンツを発信して地方出身のセレクトショップながらインバウンド顧客も惹きつけるミッドウエストの大澤武徳社長。古峯副社長には、ECが得意なベイクルーズがわざわざ訪れるに値する店舗を構えるに至った背景から、実際の店づくり、そして街づくりまで見据えた壮大な構想を伺います。一方ミッドウエストの大澤社長は、コロナ禍に始めたSNSが軌道に乗るまでの苦労やインバウンド顧客に人気のコンテンツから、頻繁に開催するイベントの意図や成功例など、明日から実践できそうな取り組みも紹介。最後は、国際決済ソリューションを提供する多国籍企業アディエンが、オン・オフの双方で顧客体験を向上する決済サービスについて解説します。

このような人におすすめ

・リアル店舗を統括するリーテルのご担当者様
・自分達らしいOMOの理想形を想像するデジタル担当の皆様
・リアル店舗と共存・共栄したいEC担当の皆様
・もっとデジタルをうまく活用したい店長らショップスタッフの皆様

>> 参加費無料でご受講いただけます <<

 


プログラム

【Session#1】17:30〜18:00 (30分)

ECが得意なベイクルーズが挑む、街づくりも見据えた店づくり

多くのファッション業界人が「ECに強い」と実感していますが、同時にベイクルーズは実店舗第一主義。その思いは、複数ブランドを集積する名古屋や福岡、仙台などの大型店「ベイクルーズストア」で形にしてきましたが、同社は今春、東京・虎ノ門ヒルズ ステーションタワーに、セレクトショップ本来の目利きを前面に押し出し、社内外のキュレーターの審美眼によって幅広い商品を集めた超大型店「セレクト バイ ベイクルーズ」をオープンしました。最初のパートでは、第一線で活躍するバイヤーと、全国から集まった販売員の力を集積した「セレクト バイ ベイクルーズ」を紐解きます。なぜ、「ECに強い」ベイクルーズは近年、大型店をオープンするのか?大型店は、どんな顧客体験を目指して設計し、どんな商品を販売しているのか?商品を仕入れるバイヤーや販売するスタッフは、どう進化しているのか?そして、なぜベイクルーズは店づくりのみならず、街づくりまで目指すのか?を語っていただきます。

ゲストスピーカー:古峯 正佳/ベイクルーズ 上席取締役副社長

PROFILE:(こみね・まさよし)2001年ÉDIFICE 銀座店、2002年ÉDIFICE 渋谷店店長を経験したのち本社勤務。Deuxième Classeデイレクター、LA CLASSE初代CEO、LE DOMEのCEOを歴任し、2016年9月より現職
【Session#2】18:00〜18:30(30分)

地方セレクトの雄ミッドウエストが苦手のSNSでインバウンドを掴むまで

SESSION 2には、名古屋発祥で東京と大阪にも店舗を構えるセレクトショップ、ミッドウエストが登壇します。顧客とのつながりが強い地方発のセレクトショップは、ともすればDXやSNSの活用が遅れがち。ミッドウエストも長年リアル店舗に力を注いできましたが、コロナで事態は急変しました。しかし、これまで頻繁に開催していたイベント同様にSNSやYouTube、最近ではTikTokに挑戦すると、国内外のファッション愛好家が「面白そうなことをやっている」と情報をキャッチして、続々来店。現在は、インバウンド顧客が全体の4割程度と言います。ミッドウエストを経営する大澤武徳社長には、成功や失敗談を交えながら、デジタルに積極的になれたムードの醸成法、そして復活したリアルイベントでファンのエンゲージメントをさらに高めていく顧客体験の深め方を伝授していただきます。また、地方出張や旅行のついで、もしくは旅の目的に来店する顧客が増えているという地方店の現状も伺います。

ゲストスピーカー:大澤 武徳/ファッションコア ミッドウエスト 代表取締役社長

PROFILE:(おおさわ・武法)1968年5月10日生まれ。創業48年を迎えるセレクトショップMIDWESTの2代目。東京、名古屋、大阪に店舗を構え国内外のバイイングやデザイナーとの交流による独自の別注やイベントを行なってきた
PROFILE:

スピーカー:村上 要/WWDJAPAN編集長

【Session#3】18:30〜19:10(40分)

売り上げを伸ばす原動力、CXにも不正対策にも効く決済サービス

最後のセッションには、国際決済ソリューションを提供する多国籍企業アディエンが登壇し、売り上げの原動力になるハズなのに見落とされがちな決済サービスについて語ります。リアル店舗での体験価値の向上には、例えばオンラインで購入してリアル店舗で受け取ったり、同じくリアル店舗で返品したり、ECでは売り切れた商品をリアル店舗から配送してもらったりの仕組みを整えることが欠かせません。まずは、こうしたOMO決済で可能になる、店舗での顧客体験の最新版を紹介。後半では、決済の承認率を上げながら不正を抑える方法を学びながら、日本における不正の現状と、こうした事態に対応すべく導入の義務化が迫った3Dセキュアについて、最新情報をお届けします。

協賛:Adyen Japan株式会社

スピーカー:横山 悠子/シニアセールスマネージャー

PROFILE:(よこやま・ゆうこ)茨城県出身。Cyber Agent、Teads、Googleなどオンラインマーケティング歴14年。広告・メディアからフィンテックエンタープライズ営業を経験。 趣味は、犬、野外音楽、多様性の理解

スピーカー:浪久 敦/シニアセールスマネージャー

PROFILE:(なみひさ・あつし)1974年東京生まれ。1997年にキーエンス入社、製造業のファクトリーオートメーション向けの法人営業を経験。2003年サイバーエージェント入社。アメブロなどの自社媒体を広告代理店向けに販売。大阪営業所の立上げを実施。2009年Amazonジャパン入社。アドバタイジング事業において5番目の社員。SMB事業の立上げ、マネジャーを経て、2023年5月よりAdyen Japanに入社、現職

モデレーター:村上 要/WWDJAPAN編集長

モデレーター:大澤 武徳/ファッションコア ミッドウエスト 代表取締役社長

※講義内容は予告なく変更となる場合があります。あらかじめご了承ください。
【Extra】19:15~20:00 (45分)

ミートアップ

会場受講の方はセミナー終了後、登壇記者も参加するミートアップにご参加いただけます。ドリンクを用意しておりますので、さらなるコミュニケーションの場としてご活用ください。

 


インフォメーション

日時

10月16日(水)17:30〜20:00
※開始30分前から会場受付開始

実施方法

会場 または オンライン受講
※会場とオンラインの同時開催となります。
※セミナー終了後、会場&オンライン受講者へのアーカイブ配信の案内はありませんのでご了承ください。後日アーカイブ動画は、単体で購入することが可能です。
※オンライン受講の視聴用URLは、受講前日と当日に、お申し込み時に入力いただいたメールアドレスにお送りします。入力にお間違いがないようご注意ください。メールが届かない場合は迷惑メールフォルダなどもご確認ください。
※オンライン受講はOneStreamでの配信を予定しています。視聴環境をご確認ください。

会場

LIFORK Harajuku
東京都渋谷区神宮前1-14-30 WITH HARAJUKU 3F

受講料

無料

募集人数

会場:50名
オンライン:100名

募集期間

9/13(金)〜10/15(火)12:00まで

 

>> 参加費無料でご受講いただけます <<

 

注意事項

・Adyen Japan 株式会社に、お名前・メールアドレス・所属企業・部門・役職の情報提供にご同意いただける方のみご参加ください。
・同業者/競合企業の参加はお断りする場合があります。
・会場出席の方は、名刺を2枚お持ちください
・申し込みの受け付けは先着順です。募集人数に達し次第締め切らせていただきます。
・申し込み完了後のキャンセルは原則受け付けておりません。
・メールアドレスに誤りがある場合、メールが届かない可能性がございます。
・当日は会場内に撮影用のカメラが入ります。撮影した動画や写真は、「WWDJAPAN」Weeklyやウェブサイト、公式SNSなどで掲載する場合があります。ご了承いただける方のみお申し込みください。
・個人情報の取扱いについて以下をご確認ください。ご不明な点がございましたら、プライバシーポリシーをご確認いただくか、直接お問い合わせください。本セミナーにお申し込みいただく際にご提供いただく個人情報は、株式会社INFASパブリケーションズおよびAdyen Japan株式会社の両社で共同して利用させていただきます。これにより、両社のマーケティング活動および採用活動を目的として情報を共有いたします。お申し込みをもって、以下のプライバシーポリシーに同意いただいたものとみなします。
>株式会社INFASパブリケーションズのプライバシーポリシーはこちら
>Adyen Japan株式会社のプライバシーポリシーはこちら

 

問い合わせ先
WWDJAPAN EDUCATIONS
お問い合わせフォームはこちら

The post 【無料セミナー 】デジタルと融合・差別化して目指す、リアル店舗の価値向上(オンライン・会場同時開催) appeared first on WWDJAPAN.

「ユニクロ」、24年秋も欧米で積極出店 グローバルで2500店を突破

コロナ禍収束以降、海外出店を再加速していファーストリテイリングの「ユニクロ(UNIQLO)」店舗数が、9月13日で2500店を突破した。さらに今秋も、「“LifeWear”のショーケースとなる主要店舗20店」を含む新店の開業をグローバルで予定。長らく成長ドライバーであった中国事業に代えて、コロナ禍以降ブランド認知が向上しつつもまだ出店余地の多い欧州、北米での出店に力を入れている。

欧州では引き続き新規都市や主要都市一等地への出店を進め、今秋は計6店を新規出店する。22年秋から長期ポップアップで出店していたポーランド・ワルシャワに常設店をオープンし、オランダの第2都市ロッテルダムには初出店。ほか、伊ローマには鉄道主要駅であるローマ・テルミニ駅構内に欧州事業初の駅ナカ店舗を開く。また、デンマーク・コペンハーゲンやオランダ・アムステルダムには、同都市での2号店をオープンする。

北米でも新規都市への出店を進める。10月にテキサス州に初出展し、今秋だけで同州にはヒューストン、ダラスなど計5店をオープンする。カリフォルニア州にも新たに6店を開く。

日本では新宿中心部に新店

“ラウンドミニショルダーバッグ”が英国人女性のTikTok投稿をきっかけに大ヒットするといったことが追い風となり、この1〜2年、欧米、特に欧州でブランド認知が拡大、新客獲得が進んでいる。今秋には「ユニクロ:シー(UNIQLO:C)」を23年秋から手掛けてきたクレア・ワイト・ケラー(Clare Waight Keller)が「ユニクロ」全体のクリエイティブ・ディレクターにも就任。「ユニクロ」元来の強みである機能性や単品力に加え、クレアが得意とするスタイリング提案で、ファッションの本丸である欧州の消費者にさらにアピールを強める。

アジアでは今秋、韓国・ソウルのロッテワールドモールに同国でブランド最大となる店舗を開くほか、タイ・バンコクでは、群馬・前橋の「ユニクロ 前橋南インター店」を原形とする、“新しいロードサイド店”を出店する。日本では新宿中心部への出店に加え、主要5店の開業を予定する。

The post 「ユニクロ」、24年秋も欧米で積極出店 グローバルで2500店を突破 appeared first on WWDJAPAN.

「ユニクロ」、24年秋も欧米で積極出店 グローバルで2500店を突破

コロナ禍収束以降、海外出店を再加速していファーストリテイリングの「ユニクロ(UNIQLO)」店舗数が、9月13日で2500店を突破した。さらに今秋も、「“LifeWear”のショーケースとなる主要店舗20店」を含む新店の開業をグローバルで予定。長らく成長ドライバーであった中国事業に代えて、コロナ禍以降ブランド認知が向上しつつもまだ出店余地の多い欧州、北米での出店に力を入れている。

欧州では引き続き新規都市や主要都市一等地への出店を進め、今秋は計6店を新規出店する。22年秋から長期ポップアップで出店していたポーランド・ワルシャワに常設店をオープンし、オランダの第2都市ロッテルダムには初出店。ほか、伊ローマには鉄道主要駅であるローマ・テルミニ駅構内に欧州事業初の駅ナカ店舗を開く。また、デンマーク・コペンハーゲンやオランダ・アムステルダムには、同都市での2号店をオープンする。

北米でも新規都市への出店を進める。10月にテキサス州に初出展し、今秋だけで同州にはヒューストン、ダラスなど計5店をオープンする。カリフォルニア州にも新たに6店を開く。

日本では新宿中心部に新店

“ラウンドミニショルダーバッグ”が英国人女性のTikTok投稿をきっかけに大ヒットするといったことが追い風となり、この1〜2年、欧米、特に欧州でブランド認知が拡大、新客獲得が進んでいる。今秋には「ユニクロ:シー(UNIQLO:C)」を23年秋から手掛けてきたクレア・ワイト・ケラー(Clare Waight Keller)が「ユニクロ」全体のクリエイティブ・ディレクターにも就任。「ユニクロ」元来の強みである機能性や単品力に加え、クレアが得意とするスタイリング提案で、ファッションの本丸である欧州の消費者にさらにアピールを強める。

アジアでは今秋、韓国・ソウルのロッテワールドモールに同国でブランド最大となる店舗を開くほか、タイ・バンコクでは、群馬・前橋の「ユニクロ 前橋南インター店」を原形とする、“新しいロードサイド店”を出店する。日本では新宿中心部への出店に加え、主要5店の開業を予定する。

The post 「ユニクロ」、24年秋も欧米で積極出店 グローバルで2500店を突破 appeared first on WWDJAPAN.

高級EC「ネッタポルテ」がビューティ事業閉鎖へ アフィリエイトモデルに移行

高級ファッションEC「ネッタポルテ(NET-A-PORTER)」がビューティ事業を閉鎖する。
自社のウェブサイト上でビューティカテゴリのページは維持するが、2025年にアフィリエイトの販売モデルを導入する計画だ。自社では商品の在庫を管理せず、ブランドのD2Cチャネルに誘導して購入を促す。

同社は再編の一環として、2月にビューティ商材の品揃えを縮小した。また、不振のビューティ事業を超高級価格帯に転換するなどしたが、今後はさらに品揃えを縮小する。編集プラットフォームの「ポルテ」は継続し、美容コンテンツは引き続き公開する。

米「WWD」に送った声明で同社は、「グローバルなビューティブランドのために新たなアフィリエイトプログラムを立ち上げる。来年始動し、消費者はブランドのeコマースに直接アクセスして購入を完了する。新たなプログラムでは『ポルテ』とコミュニティを活用して高品質なトラフィックを誘導する」と述べている。

同社は参加ブランドを明らかにしていない。現在は「ラ・メール(LA MER)」や「ル ラボ(LE LABO)」「ディプティック(DIPTYQUE)」「シスレー(SISLEY)」「アワーグラス(HOURGLASS)」「アウグスティヌス バーダー(AUGUSTINUS BADER)」「オリベ(ORIBE)」などを取り扱う。初めてビューティラインを開始したのは2013年で、同年下期には「シャーロット・ティルブリー(CHARLOTTE TILBURY)」のメイクアップラインを小売業者として初めて取り扱った。また、米小売大手のセフォラ(SEPHORA)に進出前の「グロシエ(GLOSSIER)」や「イリア(ILIA)」を扱うなどの功績を残した。しかし競争が激化し、ニッチブランドがセフォラやアルタビューティ(ULTA BEAUTY)などの大手専門店に参入する事例が増え、高級ECがビューティ事業で利益を上げ続けることが困難になってきた。

22年、競合のファーフェッチ(FARFETCH)はビューティECのヴァイオレット グレー(VIOLET GREY)を買収し、100以上のブランドの取り扱いを開始したが、1年後にビューティ事業を閉鎖した。その後、韓国の大手EC企業クーパン(COUPANG)が5億ドルで買収した。また、マッチズ(MATCHES、旧マッチズファッション)は、英小売のフレイザーズ・グループ(FRASERS GROUP)が英投資会社アパックス・パートナーズ(APAX PARTNERS)から5200万ポンドで買収したわずか2カ月後に事業を終了している。

The post 高級EC「ネッタポルテ」がビューティ事業閉鎖へ アフィリエイトモデルに移行 appeared first on WWDJAPAN.

マッシュ、ジュンなど出資 “ECのデパート”目指した「スタイルヴォイス」が10月末でクローズ

マッシュホールディングスやジュンなどが出資し、2019年秋にスタートしたECサイトの「スタイルヴォイス ドットコム」が、10月31日正午でサイトをクローズすると発表した。ポイントサービスも同日に終了する。11月末をもって、マイページ閲覧やカスタマーセンター問い合わせ受付を終了する。

同サイトは、マッシュホールディングス、ジュンに加え、立ち上げ当初はデイトナ・インターナショナルも参加。それ以外にも、他社商品が乗り入れるモール形式を採り、“ECのデパート”を目指してメディアのような情報発信も掲げてきた。21年には、サイバーエージェントも出資してオリジナルのD2Cブランドを主軸としたECサイトに刷新するなどしてきた。

直近では、「スナイデル(SNIDEL)」「フレイアイディー(FRAY I.D)」「セルヴォーク(CELVOKE)」など、マッシュホールディングスのファッション、ビューティブランドを中心に扱うようになっていた。「スタイルヴォイス ドットコム」サイトクローズの告知画面では、今後はマッシュホールディングスのEC「ウサギオンライン(USAGI ONLINE)」を利用するよう促している。

The post マッシュ、ジュンなど出資 “ECのデパート”目指した「スタイルヴォイス」が10月末でクローズ appeared first on WWDJAPAN.

マッシュ、ジュンなど出資 “ECのデパート”目指した「スタイルヴォイス」が10月末でクローズ

マッシュホールディングスやジュンなどが出資し、2019年秋にスタートしたECサイトの「スタイルヴォイス ドットコム」が、10月31日正午でサイトをクローズすると発表した。ポイントサービスも同日に終了する。11月末をもって、マイページ閲覧やカスタマーセンター問い合わせ受付を終了する。

同サイトは、マッシュホールディングス、ジュンに加え、立ち上げ当初はデイトナ・インターナショナルも参加。それ以外にも、他社商品が乗り入れるモール形式を採り、“ECのデパート”を目指してメディアのような情報発信も掲げてきた。21年には、サイバーエージェントも出資してオリジナルのD2Cブランドを主軸としたECサイトに刷新するなどしてきた。

直近では、「スナイデル(SNIDEL)」「フレイアイディー(FRAY I.D)」「セルヴォーク(CELVOKE)」など、マッシュホールディングスのファッション、ビューティブランドを中心に扱うようになっていた。「スタイルヴォイス ドットコム」サイトクローズの告知画面では、今後はマッシュホールディングスのEC「ウサギオンライン(USAGI ONLINE)」を利用するよう促している。

The post マッシュ、ジュンなど出資 “ECのデパート”目指した「スタイルヴォイス」が10月末でクローズ appeared first on WWDJAPAN.

【早割受付中 | WWDJAPAN短期集中講座 Vol.3】トレンドの見つけ方セミナー 編集長の情報整理&紐付け術に挑戦

全4回WWDJAPAN『コンテンツマーケティング講座』
ネクストトレンドはどう見つける?
ファッションショーから店舗視察まで、インプットと整理術を伝授

「次なるトレンドって、なんだろう?」ーー。ファッション&ビューティ業界人なら、誰もが一度は考える疑問に「WWDJAPAN」は紙面やウェブ、SNS、セミナーなどで応えてきました。でも、そろそろ自分でもトレンドを見つけられるよう、インプットや情報整理、思考法などを学んでみませんか?そんなアナタを「WWDJAPAN」編集長の村上要が応援します。全4コマの「トレンドの見つけ方」講座では、「WWDJAPAN」が「ネクストトレンドの宝庫」と捉えるファッションショーの読み解き方を解説。編集長の村上は、普段ファッションショーの何を見て、どうメモして、どんな情報と紐付けながら、何をトレンドとして提案しているのか?実際の取材メモと共に、その頭の中を披露します。またビューティでは、無数の新製品から、色や質感のみならず、マーケットトレンドや生活者のニーズ、ファッションとの関連性までをどう見出しているのか?を伝授。いずれも共にファッションショーを読み解いたり、人気の製品を実際手に取ってマーケットトレンドを考察したりのワークショップにも挑戦していただきます。トレンドを暗記するのではなく、思考し、見出すことができれば、今まで以上に時流とシンクロしたビジネスができるはずです。

このような人におすすめ

・いち早くトレンドを見出して仕掛けたいマーケターの皆さん
・ネクストトレンドについて学び、自社商品に反映したい企画の皆さん
・店舗から学校まで、社会や業界の将来を見据えた教育に携わっている皆さん
・ファッション&ビューティ業界が得意とする時流の捉え方を学びたい異業種の皆さん

クーポンコードをご利用の方は、申し込み画面で入力してください。
早割クーポンコード【X2KQYAUD】/有料会員の方はこちらからクーポンコードを取得してください。


プログラム

<DAY1>10月15日(火)18:30~21:45

1限目:18:30~19:30(60分)

ネクストトレンドの宝庫、ファッションショーの読み解き方
デザイナーの「問いかけ」を受け止めよう

「WWDJAPAN」編集長の村上は、ファッションショーとはトップデザイナーによる、「今をこう捉え」「そんな時代を生きる人が洋服に望むものを」「ブランドらしく表現したら、こうなりました。どうでしょう?」という“問いかけ”と捉え、洋服はもちろん、空間やモデル、音楽、演出、そして招くゲストにさえ、こうした思いを詰め込んでいると信じています。このセッションでは、そんなファッションショーの読み解き方を伝授。「奇想天外な洋服だな」や「モデル、カワイイな」「お金、かかっているな」以上の感想を抱けるようになれば、日々のインプットは大幅に増えるハズです。

スピーカー:村上 要/WWDJAPAN編集長

2限目:19:40~20:40(60分)

注目ブランドのファッションショーを一緒にチェック
アナタは「問いかけ」を受け止められる?

2時間目は、1時間目の授業の実践編。終わったばかりの2025年春夏のパリやミラノ、ニューヨーク、ロンドン、そして東京コレクションを一緒に振り返りながら、デザイナーの「問いかけ」をしっかり受け止める練習をしてみましょう。合わせて村上はクワイエット・ラグジュアリーを筆頭に、今世の中に広がっているトレンドの社会的背景を解説。先行して25年春夏コレクションを発表しているメンズや市場動向も踏まえながら、皆さんと一緒に25年春夏シーズンを予測します。

スピーカー:村上 要/WWDJAPAN編集長

Extra:21:00~21:45(45分)

「アットコスメトーキョー」の店舗視察

講座終了後、「アットコスメトーキョー」の店舗視察にご参加いただき、4限の発表に向けて店舗の見どころや注目のビューティトレンドを伺います。

ガイド:西原 羽衣子/アイスタイル 「アットコスメ」リサーチプランナー
ガイド:原田 彩子/アイスタイル 「アットコスメ」リサーチプランナー
モデレーター:村上 要/WWDJAPAN編集長

 

<DAY2>10月28日(月)13:00~16:30

3限目:13:00~14:00(60分)

次々現れる新製品から、「WWDJAPAN」はどんなビューティトレンドを見出しているの?

DAY2は、ビューティ会です。3限目は、日々招かれるビューティの新製品発表会と、そこで出合う新製品から、「WWDJAPAN」はどんなビューティトレンドを見つけているのか?にフォーカス。昨今のビューティトレンドを振り返りながら、発表会ではどんな点に注目して、ファッションやヘア業界のどんなムーブメントを念頭に置きながらネクストトレンドを想像・妄想しているのか?についてお話します。ビューティ中心の話とはいえ、新製品が叶えようとする生活者のニーズはファッションも変わりません。ファッションやヘア業界で働く皆さんにとっても、知っておくべき情報との向き合い方が満載です。

スピーカー:村上 要/WWDJAPAN編集長
スピーカー:牧田 英子/WWDJAPAN副編集長

4限目:14:10~15:40(90分)

アナタはビューティトレンドをキャッチできる?
「アットコスメトーキョー」の店舗視察発表会

プレステージブランドからプチプラまで、スキンケアからカラーアイテムまでの様々なコスメをクチコミやランキングと共に紹介・販売する「アットコスメストア」は、トレンドをどのように考え、発信しているのか?このパートでは、日々集まる膨大なクチコミから次なるトレンドを発掘している「アットコスメ」が、“次なるトレンドの芽”を解説。ビューティ業界の時流を探ります。後半は、店舗視察の発表会。「アットコスメトーキョー」の店舗を視察して、人気製品を試してみて、打ち出し方の理由を考えて、どんな気づきを得たのか共有します。そしてビューティトレンドがファッション、そして社会とどう関わり、交わっているのかについて考察しましょう。

ゲストスピーカー:西原 羽衣子/アイスタイル 「アットコスメ」リサーチプランナー
PROFILE:(にしはら・ういこ)美容市場における生活者の深い理解を目指し、@cosme会員組織を活用したマーケティングリサーチの実施、および@cosmeに蓄積されたクチコミをもとにユーザー特性や商品特性の調査分析を行う。日経MJ、日経TRENDY、読売新聞、女性・美容誌等、新聞・雑誌媒体への協力・出演や、化粧品メーカーのPRイベント登壇や講演、ラジオ出演等、多岐にわたって生活者の消費傾向・トレンド情報の発信に携わる
ゲストスピーカー:原田 彩子/アイスタイル 「アットコスメ」リサーチプランナー
PROFILE:(はらだ・さいこ)美容市場における生活者の深い理解を目指し、@cosme会員組織を活用したマーケティングリサーチの実施、および@cosmeに蓄積されたクチコミをもとにユーザー特性や商品特性の調査分析を行う。日経MJ、日経TRENDY、読売新聞、女性・美容誌等、新聞・雑誌媒体への協力・出演や、化粧品メーカーのPRイベント登壇や講演、ラジオ出演等、多岐にわたって生活者の消費傾向・トレンド情報の発信に携わる
スピーカー:村上 要/WWDJAPAN編集長

Extra:15:45~16:30(45分)

ミートアップ

講座終了後、登壇者も参加するミートアップにご参加いただけます。ドリンクを用意しておりますので、さらなるコミュニケーションの場としてご活用ください。

 

※講義内容は予告なく変更となる場合があります。あらかじめご了承ください。

 


インフォメーション

日時

・DAY1:2024年10月15日(火)18:30~21:45〈1限目、2限目〉
・DAY2:2024年10月28日(月)13:00~16:30〈3限目、4限目〉

※講座開始30分前より会場受付開始

募集人数

【実践コース】先着40名
※会場ご参加のみとなります。オンライン配信(視聴コース)はございません。
※早割期間内であっても、定員に達し次第受け付けを締め切らせていただく場合がございます。
※講義終了後、本講座のアーカイブ販売を予定しております。

会場

LIFORK Harajuku
東京都渋谷区神宮前1-14-30 WITH HARAJUKU 3階

募集期間

9/13(金)〜10/11(金)12:00まで
【早割10%OFFキャンペーン】
9/20(金)12:00までのお申し込みで、一般価格から10%OFFで受講いただけます。
申し込み画面でクーポンコードを入力してください。
クーポンコード:X2KQYAUD

受講料

一般価格:55,000円 →49,500円 早割10%OFF
スタンダードプラン:
38,500円 30%OFF
ライトプラン:49,500円 10%OFF
※表示価格は全て1名様分、税込です。
※他のクーポンとの併用はできません。

 

クーポンコードをご利用の方は、申し込み画面で入力してください。
早割クーポンコード【X2KQYAUD】/有料会員の方はこちらからクーポンコードを取得してください。

 

講座終了後、アーカイブ受講の販売を予定しております。

 

注意事項

・割引価格はクーポンをご利用時に適用となります。スタンダードとライトのクーポンコードはマイページをご確認の上、申し込み画面で入力してください。
・申し込みの受け付けは先着順です。募集人数に達し次第締め切らせていただきます。
・定期購読者で会員登録がお済みでない方はこちら
・本ページでのお支払いはクレジットカードのみとなります。コンビニ支払いをご希望の方はこちら
・適格請求書(領収書)の発行は、こちらから。記載のお宛名をご入力の上ご連絡ください。
弊社登録番号:T5-0110-0104-4278
・当日は会場内に撮影用のカメラが入ります。撮影した動画や写真は、「WWDJAPAN」Weeklyやウェブサイト、公式SNSなどで掲載する場合があります。ご了承いただける方のみお申し込みください。

 


>「セミナーがいつでもどこでも受け放題」法人プランはこちら

問い合わせ先
INFASパブリケーションズ カスタマーサポート
お問い合わせフォームはこちら

The post 【早割受付中 | WWDJAPAN短期集中講座 Vol.3】トレンドの見つけ方セミナー 編集長の情報整理&紐付け術に挑戦 appeared first on WWDJAPAN.

「ママバター」が全面リニューアル ママだけでなく全ての人に寄り添うブランドへ

ビーバイ・イーは13日、ナチュラルコスメ「ママバター(MAMA BUTTER)」のブランドリニューアルを発表した。1年かけて約50種の全アイテムを順次刷新する予定。香りは全て無香料とし、フリー成分として新たに遺伝子組み換え原料と合成ポリマーを追加する。商品構成やパッケージデザインを見直し、手に取りやすさや選びやすさを追求する。

「ママバター」は2007年に誕生した。「母と子が共通して安心して使用できるブランドにしたいという思いからスタートしたが、17年を経た現在、様々なパートナーや関係性の形がある。多様化する社会の中で『ママだけではなくどんな人にも寄り添いたい』という思いでリニューアルに至った」とビー・バイ・イーの杉谷惠美社長は話す。

今回のリニューアルに合わせ、ボトルやパッケージに環境負荷の低いバイオ素材を採用し、パッケージを包むシュリンクを廃止した。創業当初からの「環境を大切にして正直なもの作りをする」という姿勢は変えず、時代に合わせてアップデートしていきたい意向だ。

第1弾として、主力のベーシックラインを10月25日にリニューアル発売する。ライン名を“WITH”と設定し、「今まで以上に手に取りやすく選びやすいラインアップへと見直した」。“フェイス&ボディバター”(25g、1760円)、“フェイス&ボディオイル”(80mL、2178円)、“リップスティック”(4g、1518円)、“ハンドクリーム”(40g、1298円)“リッチボディクリーム”(150g、2178円)、“ボディミルクローション”(150g、2068円)の6商品をそろえる。

The post 「ママバター」が全面リニューアル ママだけでなく全ての人に寄り添うブランドへ appeared first on WWDJAPAN.

西武池袋本店の改装に向けたパーティーに700人 新生そごう・西武をアピール

そごう・西武は12日夜、2025年夏に全館リニューアルオープンする西武池袋本店について取引先などを集めた「IKEBUKURO SEIBU INCLUSIVE PARTY」を東京・港区の綱町三井倶楽部で開いた。昨年9月に米投資ファンド、フォートレス・インベストメント・グループ傘下になって以来、そごう・西武首脳が公の場で初めて顔をそろえるイベントで、代表取締役の劉勁氏、社長の田口広人氏、副社長のダヴィデ・セシア氏、同じく副社長の久保田俊樹氏らが出席した。

パーティーには約700人が参加した。壇上ではフォートレス日本法人代表の山下明男氏、西武ホールディングス会長兼CEOの後藤高志氏、慶應大学名誉教授の竹中平蔵氏、豊島区区長の高際みゆき氏らがあいさつに立った。取引先を代表して、LVMHモエ ヘネシー・ルイヴィトン・ジャパン社長のノルベール・ルレ氏もスピーチした。東京都知事の小池百合子氏からもビデオメッセージも紹介された。

パーティーの前には記者会見が行われた。西武池袋本店はヨドバシカメラの大型店の出店に伴い、売り場面積を55%に縮小し、ラグジュアリー、ビューティ、フード、アートの4領域に注力した店舗へと刷新する。それでも劉氏は「隣接するヨドバシの人流もうまく生かし、改装後も将来的には(改装前と)同じレベルの売り上げを目指したい」と話した。劉氏はこれまでの西武池袋本店は「全てのお客さまをハッピーにしようと全領域の売り場を構えて、膨大なコストをかけて百貨店を維持してきた」「今後はデータドリブンで営業投資を決める」と述べた。

社長の田口氏は「百貨店のあるべき論」ではなく、現実の顧客ニーズに応える方向に切り替える。「百貨店のフルターゲット、インキュベーションの理念は通用しないのに、そこにこだわり続けてしまった」「二度も失敗はしたくない」と反省の弁を述べた。改装後はブランドの世界観を表現できる旗艦店に力を入れる。改装前は消化仕入れとテナント契約の割合が3対7だったが、改装後は7対3へと逆転する。元プラダジャパン社長で出店交渉を担った副社長のセシア氏は「一流ブランドが大事にしているのは世界観。改装後の新しいコンセプトにほとんどのブランドが賛同してくれた」と話した。

The post 西武池袋本店の改装に向けたパーティーに700人 新生そごう・西武をアピール appeared first on WWDJAPAN.

西武池袋本店の改装に向けたパーティーに700人 新生そごう・西武をアピール

そごう・西武は12日夜、2025年夏に全館リニューアルオープンする西武池袋本店について取引先などを集めた「IKEBUKURO SEIBU INCLUSIVE PARTY」を東京・港区の綱町三井倶楽部で開いた。昨年9月に米投資ファンド、フォートレス・インベストメント・グループ傘下になって以来、そごう・西武首脳が公の場で初めて顔をそろえるイベントで、代表取締役の劉勁氏、社長の田口広人氏、副社長のダヴィデ・セシア氏、同じく副社長の久保田俊樹氏らが出席した。

パーティーには約700人が参加した。壇上ではフォートレス日本法人代表の山下明男氏、西武ホールディングス会長兼CEOの後藤高志氏、慶應大学名誉教授の竹中平蔵氏、豊島区区長の高際みゆき氏らがあいさつに立った。取引先を代表して、LVMHモエ ヘネシー・ルイヴィトン・ジャパン社長のノルベール・ルレ氏もスピーチした。東京都知事の小池百合子氏からもビデオメッセージも紹介された。

パーティーの前には記者会見が行われた。西武池袋本店はヨドバシカメラの大型店の出店に伴い、売り場面積を55%に縮小し、ラグジュアリー、ビューティ、フード、アートの4領域に注力した店舗へと刷新する。それでも劉氏は「隣接するヨドバシの人流もうまく生かし、改装後も将来的には(改装前と)同じレベルの売り上げを目指したい」と話した。劉氏はこれまでの西武池袋本店は「全てのお客さまをハッピーにしようと全領域の売り場を構えて、膨大なコストをかけて百貨店を維持してきた」「今後はデータドリブンで営業投資を決める」と述べた。

社長の田口氏は「百貨店のあるべき論」ではなく、現実の顧客ニーズに応える方向に切り替える。「百貨店のフルターゲット、インキュベーションの理念は通用しないのに、そこにこだわり続けてしまった」「二度も失敗はしたくない」と反省の弁を述べた。改装後はブランドの世界観を表現できる旗艦店に力を入れる。改装前は消化仕入れとテナント契約の割合が3対7だったが、改装後は7対3へと逆転する。元プラダジャパン社長で出店交渉を担った副社長のセシア氏は「一流ブランドが大事にしているのは世界観。改装後の新しいコンセプトにほとんどのブランドが賛同してくれた」と話した。

The post 西武池袋本店の改装に向けたパーティーに700人 新生そごう・西武をアピール appeared first on WWDJAPAN.

SNSからイベントまで、あらゆるコンテンツの考え方を学ぶ 「WWDJAPAN」のワークショップ2024年第二弾

「WWDJAPAN」は8月、「コンテンツマーケティング講座」を開催した。これは、SNSの投稿やオウンドメディアの記事から、ポップアップやイベントまで、全てを「コンテンツ」と捉え、これらを企画、実行、そして検証する思考法を学ぶもの。会場にはSNSから広報・PR、そしてマーケティングの担当者が集まり、2日間・全4コマでワークショップ形式の講座に臨んだ。

 

購入には事前にOneStreamの会員登録が必要です。
視聴期限:2025年9月9日(火)23:59まで
「アカウント作成はこちら」から作成してください。
※10分間のお試し視聴ののち、「購入する」ボタンが表示されます。

1限目
“読んでもらえない“時代の振り向きたいコンテンツとは?

1限目は、「WWDJAPAN」の八木由希乃・編集制作マネジャーが登壇。ラグジュアリーからマスブランドまで数々のクライアントとのタイアップを企画・制作してきた経験から、媒体らしさとクライアントの意向を両立、つまりブランドらしさと売り上げなどのビジネス的な効果を兼ね備えたコンテンツの企画法や生み出し方を伝授した。

八木は、LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON)のエンターテインメント事業への進出や、「ユニクロ(UNIQLO)のフリーマガジン「LifeWear マガジン」に代表されるよう、「企業やブランド自体がコンテンツ制作を担う流れが加速している」と、コンテンツマーケティングの重要性を説明。一方YouTubeの有料会員数が1億人を突破するなど、メディアを取り巻く状況は厳しくなっていることを踏まえ、「読者には“読んでもらえない“と肝に叩き込む」ものの、「それでも振り向いてもらうには、求められる“らしさ“の追求が重要」と訴えた。その代表例として挙げたのは、「WWDJAPAN.com」における「ティファニー(TIFFANY)」とのタイアップ。このタイアップは、スタイリストが訴求する商材をスタイリングしたいと思うモデルを指名するという企画。結果コンテンツに滲み出たスタイリングの多様さと、ファッション性が“「WWDJAPAN」らしさ“であり、ユーザーからもクライアントからも反響が大きかったことを伝えた。また、こうした発想を近年はイベントや、その中のコンテンツにも応用しており、そのノウハウについても説明した。

2限目
社会性を備えつつ、リアルイベントを育むには?

2限目は、「ニナ リッチ(NINA RICCI)」や「ヌメロ ヴェントゥーノ(N21)」などを輸入・販売するIZAの田中タキ社長が登壇し、リアルイベントの企画について話した。

IZAの名物コンテンツは、これまで16回開催している「イザ ピンク クリスマス」。ピンクリボンや動物愛護などの社会的コンテンツも加えながら、規模を拡大し続けている。田中社長は、ドレスなどを扱うセレクトショップとして、販売したアイテムを楽しんでいただく機会を提供すべくスタートしたイベントの歴史を説明。踏まえて「イベントは、本当にそれをやりたいのか?」「なぜ、開催したいのか?」という強い思いを持つことが重要と指摘した。その「なぜ」から独自性の高いコンテンツが生まれるし、「本当にやりたい」から多くの人が共感、参画し、結果SNSなどを通じて輪が広がり、イベントは段階的かつ継続的に発展していくためだ。加えて重要なのは、ファッションらしく「楽しい」の要素を持ち込むこと。例えば「イザ ピンク クリスマス」の乳がんを考えるパートでは、当初医師との真面目なディスカッションなども計画したが、「楽しい」を追求した結果、乳がんサバイバーのファッションショーにたどり着いたという。ファッションショーは、参加者はもちろん、来場者の心にも響く。「楽しい」×「社会性」が人々の共感を誘うことを解説した。

3限目
企業の中の人のSNS投稿は、「ブランドの毀損」にならない?

3時間目は、情報過多な時代におけるインスタグラム用のコンテンツ作りを考えた。

最初に登壇したのは、「WWDJAPAN」の浅野ひかるソーシャルデスク。フォロワー数が40万を超えたインスタグラムの運用責任者は、「ユーザーはさまざまなチャネル、SNSを使い分けているので、“全部盛り“をやめた」という話からスタート。消費者は、「知る・興味を持つ→詳しく調べる→購入を検討する→購入する」というカスタマージャーニーを辿ることを踏まえ、企業のSNSも「購入動線も大事だが、SNSの外にばかり気を取られると運用やコンテンツがブレ、結果望む効果が得られない」として、「KPIとその理由を明確にする」「何を伝えたいのか?整理する」「コンテンツの目的を明確にする」の3つが必要と訴えた。
後半は、資生堂グループのデジタルマーケティング業務などを手掛ける資生堂インタラクティブビューティーの河原由香理グループマネージャーと、河原さんがまとめる40人ほどのパーソナルビューティーパートナー(PBP)の1人、エリーさんが登場。ブランド公式とは異なるPBPによるSNSの役割を解説した。河原マネージャーは、ブランドや商品の紹介が中心のブランドアカウント、店舗が主語になる店舗アカウントに対して、PBPのアカウントは、「新製品を個人がどう思っているのか?など、人というフィルターを通して情報を発信している。ブランドアカウントは価格や発売日などを伝えるが、PBPアカウントは、『私にも合うのか?どう使えば似合うのか?』を発信する」と解説。発信を個人に委ねるとき頭によぎる「ブランド毀損はないのか?」という不安については、「PBPは、ブランドを理解している、ブランド最大のファン。だから心配ない」と背中を押した。

4限目
エントリーアイテムのプロモーションはどうする? 「WWDJAPAN」がフィードバック

講座の最後は、グループに分かれたワークショップ。

今多くのファッションブランドが取り組む、若い世代に向けたエントリーアイテムのプロモーションを考えた。「WWDJAPAN」が制作した課題は、「セリーヌ(CELINE)」初のリップスティックのプロモーションプランやコミュニケーション。受講者からは、「パリジェンヌが赤いリップを塗るよう、日本人の女性は婚礼の際に紅を引く。唇を紅に染めるという、共通の価値観を発信したら?」などの斬新なアイデアが飛び出し、「WWDJAPAN」編集長の村上要や浅野ソーシャルデスクがフィードバックした。

 

購入には事前にOneStreamの会員登録が必要です。
視聴期限:2025年9月9日(火)23:59まで
「アカウント作成はこちら」から作成してください。
※10分間のお試し視聴ののち、「購入する」ボタンが表示されます。

 

>「セミナーがいつでもどこでも受け放題」法人プランはこちら

問い合わせ先
INFASパブリケーションズ カスタマーサポート
お問い合わせフォームはこちら

The post SNSからイベントまで、あらゆるコンテンツの考え方を学ぶ 「WWDJAPAN」のワークショップ2024年第二弾 appeared first on WWDJAPAN.

SNSからイベントまで、あらゆるコンテンツの考え方を学ぶ 「WWDJAPAN」のワークショップ2024年第二弾

「WWDJAPAN」は8月、「コンテンツマーケティング講座」を開催した。これは、SNSの投稿やオウンドメディアの記事から、ポップアップやイベントまで、全てを「コンテンツ」と捉え、これらを企画、実行、そして検証する思考法を学ぶもの。会場にはSNSから広報・PR、そしてマーケティングの担当者が集まり、2日間・全4コマでワークショップ形式の講座に臨んだ。

 

購入には事前にOneStreamの会員登録が必要です。
視聴期限:2025年9月9日(火)23:59まで
「アカウント作成はこちら」から作成してください。
※10分間のお試し視聴ののち、「購入する」ボタンが表示されます。

1限目
“読んでもらえない“時代の振り向きたいコンテンツとは?

1限目は、「WWDJAPAN」の八木由希乃・編集制作マネジャーが登壇。ラグジュアリーからマスブランドまで数々のクライアントとのタイアップを企画・制作してきた経験から、媒体らしさとクライアントの意向を両立、つまりブランドらしさと売り上げなどのビジネス的な効果を兼ね備えたコンテンツの企画法や生み出し方を伝授した。

八木は、LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON)のエンターテインメント事業への進出や、「ユニクロ(UNIQLO)のフリーマガジン「LifeWear マガジン」に代表されるよう、「企業やブランド自体がコンテンツ制作を担う流れが加速している」と、コンテンツマーケティングの重要性を説明。一方YouTubeの有料会員数が1億人を突破するなど、メディアを取り巻く状況は厳しくなっていることを踏まえ、「読者には“読んでもらえない“と肝に叩き込む」ものの、「それでも振り向いてもらうには、求められる“らしさ“の追求が重要」と訴えた。その代表例として挙げたのは、「WWDJAPAN.com」における「ティファニー(TIFFANY)」とのタイアップ。このタイアップは、スタイリストが訴求する商材をスタイリングしたいと思うモデルを指名するという企画。結果コンテンツに滲み出たスタイリングの多様さと、ファッション性が“「WWDJAPAN」らしさ“であり、ユーザーからもクライアントからも反響が大きかったことを伝えた。また、こうした発想を近年はイベントや、その中のコンテンツにも応用しており、そのノウハウについても説明した。

2限目
社会性を備えつつ、リアルイベントを育むには?

2限目は、「ニナ リッチ(NINA RICCI)」や「ヌメロ ヴェントゥーノ(N21)」などを輸入・販売するIZAの田中タキ社長が登壇し、リアルイベントの企画について話した。

IZAの名物コンテンツは、これまで16回開催している「イザ ピンク クリスマス」。ピンクリボンや動物愛護などの社会的コンテンツも加えながら、規模を拡大し続けている。田中社長は、ドレスなどを扱うセレクトショップとして、販売したアイテムを楽しんでいただく機会を提供すべくスタートしたイベントの歴史を説明。踏まえて「イベントは、本当にそれをやりたいのか?」「なぜ、開催したいのか?」という強い思いを持つことが重要と指摘した。その「なぜ」から独自性の高いコンテンツが生まれるし、「本当にやりたい」から多くの人が共感、参画し、結果SNSなどを通じて輪が広がり、イベントは段階的かつ継続的に発展していくためだ。加えて重要なのは、ファッションらしく「楽しい」の要素を持ち込むこと。例えば「イザ ピンク クリスマス」の乳がんを考えるパートでは、当初医師との真面目なディスカッションなども計画したが、「楽しい」を追求した結果、乳がんサバイバーのファッションショーにたどり着いたという。ファッションショーは、参加者はもちろん、来場者の心にも響く。「楽しい」×「社会性」が人々の共感を誘うことを解説した。

3限目
企業の中の人のSNS投稿は、「ブランドの毀損」にならない?

3時間目は、情報過多な時代におけるインスタグラム用のコンテンツ作りを考えた。

最初に登壇したのは、「WWDJAPAN」の浅野ひかるソーシャルデスク。フォロワー数が40万を超えたインスタグラムの運用責任者は、「ユーザーはさまざまなチャネル、SNSを使い分けているので、“全部盛り“をやめた」という話からスタート。消費者は、「知る・興味を持つ→詳しく調べる→購入を検討する→購入する」というカスタマージャーニーを辿ることを踏まえ、企業のSNSも「購入動線も大事だが、SNSの外にばかり気を取られると運用やコンテンツがブレ、結果望む効果が得られない」として、「KPIとその理由を明確にする」「何を伝えたいのか?整理する」「コンテンツの目的を明確にする」の3つが必要と訴えた。
後半は、資生堂グループのデジタルマーケティング業務などを手掛ける資生堂インタラクティブビューティーの河原由香理グループマネージャーと、河原さんがまとめる40人ほどのパーソナルビューティーパートナー(PBP)の1人、エリーさんが登場。ブランド公式とは異なるPBPによるSNSの役割を解説した。河原マネージャーは、ブランドや商品の紹介が中心のブランドアカウント、店舗が主語になる店舗アカウントに対して、PBPのアカウントは、「新製品を個人がどう思っているのか?など、人というフィルターを通して情報を発信している。ブランドアカウントは価格や発売日などを伝えるが、PBPアカウントは、『私にも合うのか?どう使えば似合うのか?』を発信する」と解説。発信を個人に委ねるとき頭によぎる「ブランド毀損はないのか?」という不安については、「PBPは、ブランドを理解している、ブランド最大のファン。だから心配ない。ブランド毀損になっていないと信じている」と背中を押した。

4限目
エントリーアイテムのプロモーションはどうする? 「WWDJAPAN」がフィードバック

講座の最後は、グループに分かれたワークショップ。

今多くのファッションブランドが取り組む、若い世代に向けたエントリーアイテムのプロモーションを考えた。「WWDJAPAN」が制作した課題は、「セリーヌ(CELINE)」初のリップスティックのプロモーションプランやコミュニケーション。受講者からは、「パリジェンヌが赤いリップを塗るよう、日本人の女性は婚礼の際に紅を引く。唇を紅に染めるという、共通の価値観を発信したら?」などの斬新なアイデアが飛び出し、「WWDJAPAN」編集長の村上要や浅野ソーシャルデスクがフィードバックした。

 

購入には事前にOneStreamの会員登録が必要です。
視聴期限:2025年9月9日(火)23:59まで
「アカウント作成はこちら」から作成してください。
※10分間のお試し視聴ののち、「購入する」ボタンが表示されます。

 

>「セミナーがいつでもどこでも受け放題」法人プランはこちら

問い合わせ先
INFASパブリケーションズ カスタマーサポート
お問い合わせフォームはこちら

The post SNSからイベントまで、あらゆるコンテンツの考え方を学ぶ 「WWDJAPAN」のワークショップ2024年第二弾 appeared first on WWDJAPAN.

「カナダグース」ダニー・リース会長兼CEOが語る 銀座の旗艦店、ハイダー・アッカーマン、暖冬への心構え

PROFILE: ダニー・リース(Dani Reiss)/カナダグース会長兼CEO

ダニー・リース(Dani Reiss)/カナダグース会長兼CEO
PROFILE: 1973年、トロント生まれ。1997年、祖父のサム・ティックが57年に創業したアウターウエアメーカーに入社。2000年にブランド名を「スノーグース」から「カナダグース」に改めると、01年にCEOに就任。その後、同ブランドを世界的なラグジュアリー・ライフスタイルブランドへと成長させた。19年にはグローブ・アンド・メール紙の「レポート・オン・ビジネス」で「グローバル・ビジョナリー・オブ・ザ・イヤー」を受賞。20年に「カナダで最も称賛されるCEO」に選出。また16年にはカナダ勲章、19年にはオンタリオ勲章を授与された。現在はマウント・サイナイ病院の理事、カナダの学生向け慈善団体「ステューデンツ・オン・アイス(SOI)」の諮問委員も務める。 PHOTO:MIKA HASHIMOTO

ハイダー・アッカーマン(Haider Ackermann)を初のクリエイティブ・ディレクターに迎えた「カナダグース(CANADA GOOSE)」は9月14日、銀座店をリニューアルし、フラッグシップストアとしてオープンする。カナダの大地を感じるような“カナディアン ウォームス(CANADIAN WARMTH)”をテーマに、店内にはラウンジスペースやバーカウンターを備えるほか、マイナス20度の環境でフィッティングが体験できる“コールドルーム”も完備。オープンを記念して写真家・二階堂ふみの写真展も開催する。

来日したダニー・リース(Dani Reiss)会長兼最高経営責任者(CEO)に銀座の新店舗やハイダーの起用、プロダクトの多様化、暖冬化が進む中での心構えなどを語ってもらった。

銀座店のリニューアルとハイダー・アッカーマンの起用

WWD:銀座店を「フラッグシップストア」としてリニューアルオープンする経緯は?

ダニー・リース=カナダグース会長兼CEO(以下、リース):「カナダグース」は、アジア地域で非常に好調だ。日本も同じで、2年前にオープンした銀座店も調子が良い。世界有数のショッピングエリアである銀座の店舗でブランドの力強いメッセージを体現し、発信する場所として生まれ変わらせたい。旗艦店として、あらゆる層のお客さまを迎えるのを楽しみにしている。

WWD: 5月にはクリエイティブディレクターにハイダー・アッカーマンが就任した。彼に白羽の矢を立てた一番の決め手は?

リース:ブランドが大きく成長し、クリエイティブ・ディレクターを見つけるべき時が来たと感じていた。選考に2年をかけ、多くの候補者と面談したが、最終的にハイダーと出会い、起用を決めた。私はハイダーのスタイルを「本物」と感じたし、ハイダーも「カナダグース」を「オーセンティック(=本物)」なブランドとして認識していた。ハイダーは、高い経験値を備え、いかにブランドを構築し、成長させるべきかを心得ている。あらゆる面でブランドを次のレベルへと引き上げてくれる人材だ。

WWD:ハイダーは機能性が魅力の「カナダグース」に、クリエイティブ・ディレクターとしてどう関わっていくのか?

リース:私は、彼をファッションデザイナーというよりは、「強い美学」を持った個人として認識している。彼はブランドの価値を高めるだけでなく、ブランドのカテゴリーを押し広げ、今までにない表現を提示してくれるだろう。

WWD:昨年リリースしたスニーカーなどを見てもわかるように「カナダグース」は製品カテゴリーの幅を拡大している。プロダクトを多様化させる先にあるものは?

リース:第一に、消費者が新しい商品を求めていると感じる。ブランドの成長は、新しいプロダクトをどんどん開発してきたことも大きい。私が入社した頃、「カナダグース」のプロダクトは約20型のみで、すべてダウンジャケットだった。今では軽量ダウンからウインドブレーカー、レインウエア、帽子、靴、アクセサリーまで、数多くのプロダクトを扱う。これらのアイテムにも、主力製品と同様のクラフツマンシップを注ぎ、高い品質を担保している。ブランドの基準に沿い、顧客が求める製品を作れば、私たちは成功できると信じている。ハイダーは、この点にも大きく寄与してくれるだろう。

WWD:「環境問題」の研究者を自認するハイダーとの最初のプロジェクトとして、ホッキョクグマの保護活動を支援するためのプロダクトを発売した。

リース:ハイダーがブランドに合流してすぐ、彼と私はカナダ北部の都市、チャーチルに向かった。多くのホッキョクグマが生息し、「ホッキョクグマの首都」とも呼ばれる街だ。そこでハイダーは、ホッキョクグマの生息地とその周辺の自然環境を体験し、「カナダグース」とホッキョクグマ保護団体「ポーラーベア・インターナショナル(Polar Bear International)」との長年にわたる取り組みを理解し、共感してくれた。その体験をもとに5月に発売したのが、「ポーラーベア・インターナショナル」に売上を寄付するための“PBI フーディー”だ。キャンペーンには、環境活動家としての顔を持つ女優のジェーン・フォンダ(Jane Fonda)を起用した。

サステナビリティへの意識 循環型経済の確立を目指して

WWD:一方でダウンという素材に対して、動物倫理的な視点で批判にさらされることもある。

リース:まず、「カナダグース」にとってダウンが重要な素材であることは間違いない。またダウンは、今でも世界で最も暖かい天然の中綿素材だ。

それを踏まえた上で2つのポイントを伝えたい。第一に、私たちが使用するダウンは、原料となるアヒルやガチョウの生育環境や羽毛の採取方法を細かく規定した国際的な基準「レスポンシブル・ダウン・スタンダード(Responsible Down Standard)」に適った方法で、倫理的に調達されたものであること。第二に、ダウンは食肉産業から生まれた副産物だ。レザーと同様に、人々がアヒルやガチョウを食べる限りダウンは存在し続ける。一方で「カナダグース」には近年、合成繊維や植物性の中綿などを使用している製品もある。こちらも好調だ。

WWD:昨年は自社製品の二次流通プラットフォーム「カナダグース・ジェネレーションズ」をスタートした。今後「カナダグース」が自社でコントロールする二次流通のビジネスはどうなる?

リース:消費者が持続可能性の問題に大きな関心を寄せる今、企業としてこの問題を重視し、循環型経済を確立することは重要だ。

誰かが手放した製品を市場に戻し、他の人にもう一度楽しんでもらう。それは自然なことであり、必要なこと。新品で「カナダグース」を購入したことがなかった消費者が、「カナダグース・ジェネレーションズ」では購入する機会があるかもしれないし、その人はいつか新品に手を伸ばすかもしれない。消費者がブランドに関わる方法が一つ増えたということ。顧客が製品をリユース・リサイクルする機会を大切にしている状況を考慮すれば、この事業はビジネスを成長させるチャンスでもある。始めたばかりだが、5〜10年後には私たちのビジネスに占める割合はかなり大きくなると見込んでいる。

WWD:昨年の10~12月期には卸売が苦戦し、28.5%の売り上げ減を経験した。人員削減にも踏み切り、自社の成長を促すべく組織を再編成した。このような痛みや変化を経て、直近の売り上げ状況は?

リース:まず言いたいのは、「カナダグース」のアジア太平洋地域は非常に好調で、23年の第四半期期(24年1月〜3月)は、全体で約30%プラスに転じている。昨年の卸売りの売上減は、私たちだけではなく、業界全体の現象だった。コロナ禍、金利上昇、インフレ、戦争など、様々なことがある中で、多くの卸売業者が在庫を持ちすぎていた。その機会を利用し、卸売りのネットワークの合理化を図り、消費者への直販を強化した。卸売は依然として非常に重要だが、世界で起きているあらゆる要因によって、自然な形でリセットされたと言える。

WWD:カナダグースジャパンも銀座店をリニューアルするように、今後卸売よりも直販に力を入れていく?

リース:日本には数社、強力な卸売パートナーがある。彼らとの取引には満足しているし、私たちのブランド力を高めてくれる存在だ。一方で、今回銀座店をリニューアルしたように、今後も機会があれば日本でも直営店を拡大していきたい。卸売と直販の両軸を大事にしていく。

暖冬が進む中で 「オーセンティック」なブランドとして

WWD:暖冬が進むなか、東京のような都市部に住む人は、防寒という点においてはヘビーなダウンジャケットを必要としなくなりつつある。それでも人々が「カナダグース」にひかれ、ダウンジャケットを購入する理由をどう分析するか?

リース:先ほど話したことにも繋がるが、20年以上日本でビジネスをしてきて、日本の人々は「オーセンティック(=本物)」であることを重視していると感じる。本物のストーリーを持っているブランドであることが大切だ。

また、大抵の場合、何かを買う動機は、単に必要だからではなく、それを欲しいと感じるから。「必要性」だけを考えれば、多くの人が「ランドローバー」のような四駆車を購入する理由もないし、そもそも、私たちがこんなに多くのモノを購入する理由もない。人はあくまで欲しいと感じるものを買うのだ。

だからこそ常に成長する必要性を感じる。カテゴリーの多様化はブランドとしての成長の一つ。あくまで「オーセンティック」な方法で、進化し続けるからこそ、消費者にとって常に「今」のブランドであり続けられるのではないか。

WWD:プロダクトの幅が広がっていく中でも、共通して存在する「カナダグース」らしさとは?

リース:全プロダクトに共通するのは、「独自の機能性」。マイナス100℃の寒冷地用のプロダクトであれ、街用にデザインしたものであれ、機能性は重要。機能を十分に追求すると、ファッショナブルなものになっていくとも感じている。

クラフトマンシップに重きを置いた、作りの良さも「カナダグース」らしさの一つ。プロダクトごとに最適な場所を選んで製造していて、ほとんどはカナダ製。それ以外はヨーロッパで作っている。

もちろん気候変動という問題には、アクションしなければならない。世界とつながり続け、状況に対応していくことが肝心だ。そのための方法はたくさんある。世の中のためになる製品を作ること、そして人々が望む製品を作ることを大事にしたい。「カナダグース」の価値を大切に守り、適切に成長していけば、成功できると信じている。

The post 「カナダグース」ダニー・リース会長兼CEOが語る 銀座の旗艦店、ハイダー・アッカーマン、暖冬への心構え appeared first on WWDJAPAN.

「カナダグース」ダニー・リース会長兼CEOが語る 銀座の旗艦店、ハイダー・アッカーマン、暖冬への心構え

PROFILE: ダニー・リース(Dani Reiss)/カナダグース会長兼CEO

ダニー・リース(Dani Reiss)/カナダグース会長兼CEO
PROFILE: 1973年、トロント生まれ。1997年、祖父のサム・ティックが57年に創業したアウターウエアメーカーに入社。2000年にブランド名を「スノーグース」から「カナダグース」に改めると、01年にCEOに就任。その後、同ブランドを世界的なラグジュアリー・ライフスタイルブランドへと成長させた。19年にはグローブ・アンド・メール紙の「レポート・オン・ビジネス」で「グローバル・ビジョナリー・オブ・ザ・イヤー」を受賞。20年に「カナダで最も称賛されるCEO」に選出。また16年にはカナダ勲章、19年にはオンタリオ勲章を授与された。現在はマウント・サイナイ病院の理事、カナダの学生向け慈善団体「ステューデンツ・オン・アイス(SOI)」の諮問委員も務める。 PHOTO:MIKA HASHIMOTO

ハイダー・アッカーマン(Haider Ackermann)を初のクリエイティブ・ディレクターに迎えた「カナダグース(CANADA GOOSE)」は9月14日、銀座店をリニューアルし、フラッグシップストアとしてオープンする。カナダの大地を感じるような“カナディアン ウォームス(CANADIAN WARMTH)”をテーマに、店内にはラウンジスペースやバーカウンターを備えるほか、マイナス20度の環境でフィッティングが体験できる“コールドルーム”も完備。オープンを記念して写真家・二階堂ふみの写真展も開催する。

来日したダニー・リース(Dani Reiss)会長兼最高経営責任者(CEO)に銀座の新店舗やハイダーの起用、プロダクトの多様化、暖冬化が進む中での心構えなどを語ってもらった。

銀座店のリニューアルとハイダー・アッカーマンの起用

WWD:銀座店を「フラッグシップストア」としてリニューアルオープンする経緯は?

ダニー・リース=カナダグース会長兼CEO(以下、リース):「カナダグース」は、アジア地域で非常に好調だ。日本も同じで、2年前にオープンした銀座店も調子が良い。世界有数のショッピングエリアである銀座の店舗でブランドの力強いメッセージを体現し、発信する場所として生まれ変わらせたい。旗艦店として、あらゆる層のお客さまを迎えるのを楽しみにしている。

WWD: 5月にはクリエイティブディレクターにハイダー・アッカーマンが就任した。彼に白羽の矢を立てた一番の決め手は?

リース:ブランドが大きく成長し、クリエイティブ・ディレクターを見つけるべき時が来たと感じていた。選考に2年をかけ、多くの候補者と面談したが、最終的にハイダーと出会い、起用を決めた。私はハイダーのスタイルを「本物」と感じたし、ハイダーも「カナダグース」を「オーセンティック(=本物)」なブランドとして認識していた。ハイダーは、高い経験値を備え、いかにブランドを構築し、成長させるべきかを心得ている。あらゆる面でブランドを次のレベルへと引き上げてくれる人材だ。

WWD:ハイダーは機能性が魅力の「カナダグース」に、クリエイティブ・ディレクターとしてどう関わっていくのか?

リース:私は、彼をファッションデザイナーというよりは、「強い美学」を持った個人として認識している。彼はブランドの価値を高めるだけでなく、ブランドのカテゴリーを押し広げ、今までにない表現を提示してくれるだろう。

WWD:昨年リリースしたスニーカーなどを見てもわかるように「カナダグース」は製品カテゴリーの幅を拡大している。プロダクトを多様化させる先にあるものは?

リース:第一に、消費者が新しい商品を求めていると感じる。ブランドの成長は、新しいプロダクトをどんどん開発してきたことも大きい。私が入社した頃、「カナダグース」のプロダクトは約20型のみで、すべてダウンジャケットだった。今では軽量ダウンからウインドブレーカー、レインウエア、帽子、靴、アクセサリーまで、数多くのプロダクトを扱う。これらのアイテムにも、主力製品と同様のクラフツマンシップを注ぎ、高い品質を担保している。ブランドの基準に沿い、顧客が求める製品を作れば、私たちは成功できると信じている。ハイダーは、この点にも大きく寄与してくれるだろう。

WWD:「環境問題」の研究者を自認するハイダーとの最初のプロジェクトとして、ホッキョクグマの保護活動を支援するためのプロダクトを発売した。

リース:ハイダーがブランドに合流してすぐ、彼と私はカナダ北部の都市、チャーチルに向かった。多くのホッキョクグマが生息し、「ホッキョクグマの首都」とも呼ばれる街だ。そこでハイダーは、ホッキョクグマの生息地とその周辺の自然環境を体験し、「カナダグース」とホッキョクグマ保護団体「ポーラーベア・インターナショナル(Polar Bear International)」との長年にわたる取り組みを理解し、共感してくれた。その体験をもとに5月に発売したのが、「ポーラーベア・インターナショナル」に売上を寄付するための“PBI フーディー”だ。キャンペーンには、環境活動家としての顔を持つ女優のジェーン・フォンダ(Jane Fonda)を起用した。

サステナビリティへの意識 循環型経済の確立を目指して

WWD:一方でダウンという素材に対して、動物倫理的な視点で批判にさらされることもある。

リース:まず、「カナダグース」にとってダウンが重要な素材であることは間違いない。またダウンは、今でも世界で最も暖かい天然の中綿素材だ。

それを踏まえた上で2つのポイントを伝えたい。第一に、私たちが使用するダウンは、原料となるアヒルやガチョウの生育環境や羽毛の採取方法を細かく規定した国際的な基準「レスポンシブル・ダウン・スタンダード(Responsible Down Standard)」に適った方法で、倫理的に調達されたものであること。第二に、ダウンは食肉産業から生まれた副産物だ。レザーと同様に、人々がアヒルやガチョウを食べる限りダウンは存在し続ける。一方で「カナダグース」には近年、合成繊維や植物性の中綿などを使用している製品もある。こちらも好調だ。

WWD:昨年は自社製品の二次流通プラットフォーム「カナダグース・ジェネレーションズ」をスタートした。今後「カナダグース」が自社でコントロールする二次流通のビジネスはどうなる?

リース:消費者が持続可能性の問題に大きな関心を寄せる今、企業としてこの問題を重視し、循環型経済を確立することは重要だ。

誰かが手放した製品を市場に戻し、他の人にもう一度楽しんでもらう。それは自然なことであり、必要なこと。新品で「カナダグース」を購入したことがなかった消費者が、「カナダグース・ジェネレーションズ」では購入する機会があるかもしれないし、その人はいつか新品に手を伸ばすかもしれない。消費者がブランドに関わる方法が一つ増えたということ。顧客が製品をリユース・リサイクルする機会を大切にしている状況を考慮すれば、この事業はビジネスを成長させるチャンスでもある。始めたばかりだが、5〜10年後には私たちのビジネスに占める割合はかなり大きくなると見込んでいる。

WWD:昨年の10~12月期には卸売が苦戦し、28.5%の売り上げ減を経験した。人員削減にも踏み切り、自社の成長を促すべく組織を再編成した。このような痛みや変化を経て、直近の売り上げ状況は?

リース:まず言いたいのは、「カナダグース」のアジア太平洋地域は非常に好調で、23年の第四半期期(24年1月〜3月)は、全体で約30%プラスに転じている。昨年の卸売りの売上減は、私たちだけではなく、業界全体の現象だった。コロナ禍、金利上昇、インフレ、戦争など、様々なことがある中で、多くの卸売業者が在庫を持ちすぎていた。その機会を利用し、卸売りのネットワークの合理化を図り、消費者への直販を強化した。卸売は依然として非常に重要だが、世界で起きているあらゆる要因によって、自然な形でリセットされたと言える。

WWD:カナダグースジャパンも銀座店をリニューアルするように、今後卸売よりも直販に力を入れていく?

リース:日本には数社、強力な卸売パートナーがある。彼らとの取引には満足しているし、私たちのブランド力を高めてくれる存在だ。一方で、今回銀座店をリニューアルしたように、今後も機会があれば日本でも直営店を拡大していきたい。卸売と直販の両軸を大事にしていく。

暖冬が進む中で 「オーセンティック」なブランドとして

WWD:暖冬が進むなか、東京のような都市部に住む人は、防寒という点においてはヘビーなダウンジャケットを必要としなくなりつつある。それでも人々が「カナダグース」にひかれ、ダウンジャケットを購入する理由をどう分析するか?

リース:先ほど話したことにも繋がるが、20年以上日本でビジネスをしてきて、日本の人々は「オーセンティック(=本物)」であることを重視していると感じる。本物のストーリーを持っているブランドであることが大切だ。

また、大抵の場合、何かを買う動機は、単に必要だからではなく、それを欲しいと感じるから。「必要性」だけを考えれば、多くの人が「ランドローバー」のような四駆車を購入する理由もないし、そもそも、私たちがこんなに多くのモノを購入する理由もない。人はあくまで欲しいと感じるものを買うのだ。

だからこそ常に成長する必要性を感じる。カテゴリーの多様化はブランドとしての成長の一つ。あくまで「オーセンティック」な方法で、進化し続けるからこそ、消費者にとって常に「今」のブランドであり続けられるのではないか。

WWD:プロダクトの幅が広がっていく中でも、共通して存在する「カナダグース」らしさとは?

リース:全プロダクトに共通するのは、「独自の機能性」。マイナス100℃の寒冷地用のプロダクトであれ、街用にデザインしたものであれ、機能性は重要。機能を十分に追求すると、ファッショナブルなものになっていくとも感じている。

クラフトマンシップに重きを置いた、作りの良さも「カナダグース」らしさの一つ。プロダクトごとに最適な場所を選んで製造していて、ほとんどはカナダ製。それ以外はヨーロッパで作っている。

もちろん気候変動という問題には、アクションしなければならない。世界とつながり続け、状況に対応していくことが肝心だ。そのための方法はたくさんある。世の中のためになる製品を作ること、そして人々が望む製品を作ることを大事にしたい。「カナダグース」の価値を大切に守り、適切に成長していけば、成功できると信じている。

The post 「カナダグース」ダニー・リース会長兼CEOが語る 銀座の旗艦店、ハイダー・アッカーマン、暖冬への心構え appeared first on WWDJAPAN.

松坂屋名古屋店の大改装 ラグジュアリー4割増床、婦人服6割減床

大丸松坂屋百貨店は11日、松坂屋名古屋店の大規模改装の内容を発表した。売り場面積の3割に相当する約2万7000平方メートルが対象で、今年秋から来年秋にかけて段階的に改装オープンする。引き続きラグジュアリーブランドを拡充するともに、美術や酒類などカテゴリーを強化する。一方で長らく最大の面積を占めてきた婦人服の売り場は大胆に減らす。改装フロアで26年度に42%の増収を見込む。

「栄エリアの価値を高める」

名古屋店にとって約20年ぶりの大規模改装となる。現在の場所に店舗を構えてから来年で100年を迎えるのに合わせ、新しさを強く打ち出し、潜在的な顧客を呼び込む。同店は売上高に占める外商の割合が約5割と大きい。目の肥えた富裕層の満足度を高めるため、改装と並行して外商部門と営業部門の連携を強める組織改変にも今月着手した。

改装には約63億円を投じる。大丸松坂屋で進行中の3カ年計画で全国15店舗に割り当てる改装予算のうち、4割を充てる。11日に名古屋店で行われた会見に登壇した宗森耕二社長は「名古屋エリアに重点的に取り組む。松坂屋だけでなく、隣接する(同じJ.フロント リテイリング傘下の)パルコ、錦3丁目で建設中の『ザ・ランドマーク名古屋栄』(26年開業予定)をつなげて、栄エリアの価値を高める」と話した。

改装のポイントはカテゴリーバランス(商品構成)の変更だ。改装前に比べて、売り場面積でラグジュアリーブランドは40%増えるのに対し、婦人服は61%減る。営業本部長である加藤俊樹・取締役兼常務執行役員は「以前から顕在化していた課題を解決する」と説明する。加藤取締役によると、大丸松坂屋の全店の19年度と23年度の比較では、国内ブランドを主力とした婦人服の売り上げは面積の縮小もあって25%減少。一方、主力店舗で増床したラグジュアリーブランドは2倍の規模になった。高級時計も6割増と成長している。「インターナショナルに通用するものをお客さまは支持するようになっている」「所得の二極化というよりも、MZ世代(ミレニアル世代とZ世代)の消費の二極化に対応する」と話す。

外商比率5割の強みを生かす

11月中旬に本館4階にファッション、ライフスタイル、カフェ、下旬に同3階のラグジュアリーブランドをオープンする。4階のフロア中央には松坂屋が独自に国内のデザイナーズブランドやジュエリーブランドを集めた新ゾーンを設ける。12月中旬には本館8階に800平方メートルの美術売り場を作る。「東海エリアのアートマーケットのハブ」をコンセプトに2倍に増床し、カフェを併設し、作品に気軽に触れられる環境にする。25年秋には北館6階をラグジュアリービューティサロンとしてオープンする。

空間設計は建築家の永山祐子氏が担当する。松坂屋の歴史と未来像を踏まえて、落ち着いた雰囲気の銅と真鍮をメイン素材として採用する。永山氏は「訪れるお客さまはもちろん、働く人が輝けるステージのような空間にしたい。生き生きとした交流が生まれる場になってほしい」と語った。

松坂屋名古屋店は本館、北館、南館の3館体制で売り場面積は約8万6000平方メートル。24年2月期の売上高は1268億円で、大丸松坂屋の中では一番店(売上高が全国最大)だ。けん引するのは外商で、コロナ前に比べて2割成長した。売上高に占める外商比率5割は、百貨店業界の中でも際立って高い。近年は20〜40代の比較的若い外商顧客が増えており、世代交代に伴う新しいニーズに応えるのが課題だった。コロナ禍の改装でもラグジュアリーブランドや高級時計の売り場を増床してきたが、今回の改装でさらに攻勢をかける。

齊藤毅店長は「名古屋にはよいお客さまがたくさんいるのに、われわれの変化へのスピードが追いついていなかった。(改装を機に)上質な消費のニーズに応える売り場とサービス体制を整える」と話す。外商員も増員し、外商員の属人的な能力に頼るだけでなく、組織として顧客の要望に応えられるようなチーム体制に改めた。

名古屋では、JR名古屋高島屋がある名古屋駅(名駅)エリアと松坂屋名古屋店がある栄エリアが二大商業地として集客を競い合う。ターミナル直結の利便性を生かして幅広い層を集めるJR名古屋高島屋に対し、松坂屋名古屋店は伝統的に強い外商に磨きをかける。

The post 松坂屋名古屋店の大改装 ラグジュアリー4割増床、婦人服6割減床 appeared first on WWDJAPAN.

松坂屋名古屋店の大改装 ラグジュアリー4割増床、婦人服6割減床

大丸松坂屋百貨店は11日、松坂屋名古屋店の大規模改装の内容を発表した。売り場面積の3割に相当する約2万7000平方メートルが対象で、今年秋から来年秋にかけて段階的に改装オープンする。引き続きラグジュアリーブランドを拡充するともに、美術や酒類などカテゴリーを強化する。一方で長らく最大の面積を占めてきた婦人服の売り場は大胆に減らす。改装フロアで26年度に42%の増収を見込む。

「栄エリアの価値を高める」

名古屋店にとって約20年ぶりの大規模改装となる。現在の場所に店舗を構えてから来年で100年を迎えるのに合わせ、新しさを強く打ち出し、潜在的な顧客を呼び込む。同店は売上高に占める外商の割合が約5割と大きい。目の肥えた富裕層の満足度を高めるため、改装と並行して外商部門と営業部門の連携を強める組織改変にも今月着手した。

改装には約63億円を投じる。大丸松坂屋で進行中の3カ年計画で全国15店舗に割り当てる改装予算のうち、4割を充てる。11日に名古屋店で行われた会見に登壇した宗森耕二社長は「名古屋エリアに重点的に取り組む。松坂屋だけでなく、隣接する(同じJ.フロント リテイリング傘下の)パルコ、錦3丁目で建設中の『ザ・ランドマーク名古屋栄』(26年開業予定)をつなげて、栄エリアの価値を高める」と話した。

改装のポイントはカテゴリーバランス(商品構成)の変更だ。改装前に比べて、売り場面積でラグジュアリーブランドは40%増えるのに対し、婦人服は61%減る。営業本部長である加藤俊樹・取締役兼常務執行役員は「以前から顕在化していた課題を解決する」と説明する。加藤取締役によると、大丸松坂屋の全店の19年度と23年度の比較では、国内ブランドを主力とした婦人服の売り上げは面積の縮小もあって25%減少。一方、主力店舗で増床したラグジュアリーブランドは2倍の規模になった。高級時計も6割増と成長している。「インターナショナルに通用するものをお客さまは支持するようになっている」「所得の二極化というよりも、MZ世代(ミレニアル世代とZ世代)の消費の二極化に対応する」と話す。

外商比率5割の強みを生かす

11月中旬に本館4階にファッション、ライフスタイル、カフェ、下旬に同3階のラグジュアリーブランドをオープンする。4階のフロア中央には松坂屋が独自に国内のデザイナーズブランドやジュエリーブランドを集めた新ゾーンを設ける。12月中旬には本館8階に800平方メートルの美術売り場を作る。「東海エリアのアートマーケットのハブ」をコンセプトに2倍に増床し、カフェを併設し、作品に気軽に触れられる環境にする。25年秋には北館6階をラグジュアリービューティサロンとしてオープンする。

空間設計は建築家の永山祐子氏が担当する。松坂屋の歴史と未来像を踏まえて、落ち着いた雰囲気の銅と真鍮をメイン素材として採用する。永山氏は「訪れるお客さまはもちろん、働く人が輝けるステージのような空間にしたい。生き生きとした交流が生まれる場になってほしい」と語った。

松坂屋名古屋店は本館、北館、南館の3館体制で売り場面積は約8万6000平方メートル。24年2月期の売上高は1268億円で、大丸松坂屋の中では一番店(売上高が全国最大)だ。けん引するのは外商で、コロナ前に比べて2割成長した。売上高に占める外商比率5割は、百貨店業界の中でも際立って高い。近年は20〜40代の比較的若い外商顧客が増えており、世代交代に伴う新しいニーズに応えるのが課題だった。コロナ禍の改装でもラグジュアリーブランドや高級時計の売り場を増床してきたが、今回の改装でさらに攻勢をかける。

齊藤毅店長は「名古屋にはよいお客さまがたくさんいるのに、われわれの変化へのスピードが追いついていなかった。(改装を機に)上質な消費のニーズに応える売り場とサービス体制を整える」と話す。外商員も増員し、外商員の属人的な能力に頼るだけでなく、組織として顧客の要望に応えられるようなチーム体制に改めた。

名古屋では、JR名古屋高島屋がある名古屋駅(名駅)エリアと松坂屋名古屋店がある栄エリアが二大商業地として集客を競い合う。ターミナル直結の利便性を生かして幅広い層を集めるJR名古屋高島屋に対し、松坂屋名古屋店は伝統的に強い外商に磨きをかける。

The post 松坂屋名古屋店の大改装 ラグジュアリー4割増床、婦人服6割減床 appeared first on WWDJAPAN.

インドネシア発アウトドアブランド「アイガー」をバリ島でパトロール 東南アジアのアウトドア市場展望

9月上旬、夏休みをいただきインドネシア・バリ島に行ってきました。同地を訪れるのは30年前に続き2度目でしたが、その発展ぶりには舌を巻くばかり。繁華街の商業施設には「ユニクロ(UNIQLO)」「ザラ(ZARA)」「オニツカタイガー(ONITSUKA TIGER)」や人気コスメブランドが並び、食べ物の価格は円安もあってか日本とさほど変わらず、交通量が増えて渋滞はより激しさを増し、30年間でのバリの経済成長を実感した次第です。

旅行中、スミニャックという近年特に盛り上がっているというビーチエリアにも滞在しました。同地でウィンドーショッピングをしていた際に、「こ、これは!」と思う店を見つけたので、是非ご紹介させてください。インドネシア発のアウトドアブランド、「アイガー(EIGER)」のショップがそれです。アイガーと言えば、スイスアルプスを代表する山の名前。常夏のバリ島に雪と氷の殿堂アイガー。う〜ん、ミスマッチが過ぎる。

初めに断っておきますが、「アイガー」の店はスミニャックにあったとは言っても、観光客がショッピングで行き交う繁華街からは1本離れた、大きな幹線通り沿いに立地していました。周りにあったのは、卸用の事務所も兼ねたインテリアショップなど。観光客向けというよりも、バリ島住民向けといった立地だと思います。幹線道路は猛烈な交通量で、さらに信号はあってないようなもの。ローカルの交通ルールに慣れていない観光客は、あの道路を渡るだけでも一苦労だと思います。私も大変苦労しましたが、遠くに違和感たっぷりな「アイガー」の看板とログハウス風外装を認め、あの建物は一体なんなんだという気持ちが抑えられず、なんとか幹線道路を渡ったわけです。

人呼んで、
“インドネシア版「モンベル」”

たどり着いた「アイガー」は、駐車場横に巨大なボルダリングウォールがあり、その奥にはルーフトップテントを設置したおしゃれなSUV車を展示。日本でもルーフトップテントでの車中泊は流行っていますよね。ログハウス風の柱に白黒ギンガムチェックの布が巻いてあるのが印象的でしたが、このギンガムチェック、バリの男性が正装する時のサロン(腰巻き)をイメージしたものなのではと推察します。

店内に足を踏み入れるとそこは、キャンプ用のテントやコンテナ、アウトドア衣料などをマネキンを使って大変おしゃれに陳列していました。吹き抜けになった天井からは、バリで古くから漁業などに使われてきたのであろうトラディショナルな木製カヌーと共に、最近日本でも人気なコンパクトカヤックのパックラフトなどを展示。バイクに荷物を積み込んでアウトドアを楽しもう!的な展示が多かったのは、バイクが大多数の市民の足となっているバリ(というか東南&南アジア)市場ならではと感じました。

2フロア構成で、1階はシューズやテント、寝袋などの雑貨やギアも含めて、「アイガー」オリジナル商品がほとんど。自社オリジナルのアウトドア用品がウエアからギアまでそろい、そしてこの規模感。率直に言って、非常に「モンベル(MONT-BELL)」っぽい店だなと感じました。ネット検索すると、「アイガー」について“インドネシアの「モンベル」”と言及している日本の方も散見されます。

ボルダリングジムも併設、
体験型の店作り

さて、肝心の製品はというとペラペラなどということは全くなく、大変しっかりとした作り。例えば、ダウン70%、化繊綿30%の中綿入りインシュレーションジャケットは日本円で約3万2000円、透湿防水素材「パーテックス」を使ったシェルジャケットは約2万8000円。そう、決してお手頃なわけではないのです。日本で買う「モンベル」はシェルで2万5000円前後が中心なので、「モンベル」の方が買いやすいと言ってもいいのかも。現地の人にとっては「アイガー」は結構なぜいたく品なのではと思いましたが、日本の税制では想像できないような累代の資産がうなっているインドネシアの若い富豪にとっては、痛くもかゆくもない価格なのかもしれません。

また、富裕層だけでなく一般消費者にとっても、国の人口がここからどんどん増え(2030年に3億人予想)、経済成長がさらに進んでいくことを考えれば、数年後にはそれこそ日本の山好きが「モンベル」を買うときの金銭感覚に近いものになるのかもしれません。買いやすい価格ですばらしい品質を実現している「モンベル」に比べると、例えば軽量性やかさばらないといった要素ではまだまだ改良余地が多分にあるなと感じる製品が多かったですが、「アイガー」もここから改良を重ねて発展していくんでしょう。軽量性追求のスポーツウエアというよりも、タクティカル(=軍モノ)寄りの骨太なアウトドアウエアが多かった点は日本のアウトドア市場とちょっと異なる点でした。それは好まれるテーストの違いなのかもしれません。

フロア中央の階段を登ると、2階のメインとなっていたのはボルダリングの室内ジムコーナー。ちょうど、ローカルと思しき小学校低学年くらいの男の子がガイドさんに導かれながら壁登りの練習中でした。ボルダリングコーナーの対面には、ちょっとしたトークイベントなどに適した階段状のスペースもあり。こうした体験型の店作りは、日本の大手アウトドア量販店よりも進んでいる部分もあるのかも。店の作り方は各国のアウトドア店をかなり研究しているように感じました。2階には一部、「オスプレイ(OSPREY)」や「シートゥーサミット(SEA TO SUMMIT)」の買い付けザックなども陳列していました。

2023年、スイスにも出店

さて、アウトドアウエアの市場があるということは、野外で遊ぶフィールドもあるということ。バリ島では、ウブドという内陸地域でリバーラフティングなどが近年流行っているようですが、正直それは海外観光客向け。地元の人たちがどこでどんなアウトドアアクティビティーを楽しんでいるかと言うと、やはり海に囲まれたバリローカルに一番身近なアクティビティーは水遊びやサーフィンのようでした。バリは世界的にも有名なサーフスポットです。しかし海だけでなく、あの小さな島の中に結構な高山もあるんですよ。ウブドのさらに奥にあるキンタマーニ高原(日本人にはちょっとビックリする名前)付近にある、アグン山という活火山がバリで最も高い山ですが、その標高なんと3143メートル。これって、富士山に次ぐ日本2位の山、北岳(3193メートル)とほぼ同じです。

アグン山以外にも、キンタマーニ高原は熊本の阿蘇のようにカルデラ地形になっていていくつか山があり、カルデラ湖もあり、温泉もありました。見晴らしのいいカフェでそんな美しい景色を見ながら昼ごはんを食べていると、周りにはわれわれのような海外観光客だけでなく、インドネシア国内からと思われる若い観光客がいっぱい。皆さんとっても楽しそうに写真や動画の撮影をしていました。現状では山には登らず遠くから眺め、映え写真を撮るのが主流のようですが、恐らく数年後には、ハイキングやトレッキングがレジャーとしてかの国でも広がるのでは。YouTubeで検索すると、ローカルによるアグン山の登山動画も少ないながらアップされているので、険しすぎて登れない山といったわけでもなさそうです。

中国のアウトドア市場の成長性は近年よく指摘されますが、東南アジアも経済成長が進んでいくと、日本や欧米と同様に自然を求める意識も強まり、アウトドア市場がさらに拡大してく−−。そんなことを感じさせるバリ島での「アイガー」との出合いでした。インドネシア全体に視野を広げると、最高峰は4884メートルで、活火山中心に2000〜3000メートル峰は非常に沢山ある模様。また、開発が進んではいますがボルネオ島には世界有数の熱帯雨林もある。「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」や「パタゴニア(PATAGONIA)」は米ヨセミテや南米フィッツロイ、「アークテリクス(ARC’TERYX)」はカナディアンロッキー、「ミレー(MILLET)」「サロモン(SALOMON)」はフレンチアルプスと、世界各地の山を背景にそれぞれの地に適したアウトドアブランドが育ったように、「アイガー」もインドネシアの広大な自然を背景に、きっとここからさらに成長していくんでしょう(インドネシア発なのに名前がアイガーでいいのかは置いておく)。

ちなみに公式サイトによると、「アイガー」は1989年にインドネシアの青年(当時19歳)がミシン片手に工場で立ち上げ、現在世界に250のショップがあるようです(直営店のみなのか専門店への卸も含むのかは分からず)。インドネシア生産だけでなく、中国やベトナム、台湾、香港、韓国などのサプライヤーや工場とも取引がある模様。23年には、アイガー登山の拠点都市であるスイス・インターラーケンにも出店を果たしており、インドネシア発のグローバルアウトドアブランドとして売っていきたい!という気概を感じました。

The post インドネシア発アウトドアブランド「アイガー」をバリ島でパトロール 東南アジアのアウトドア市場展望 appeared first on WWDJAPAN.

大阪駅前に巨大な公園 緑とイノベーションの融合「グラングリーン大阪」好発進

JR大阪駅のうめきたエリアに9月6日先行開業した「グラングリーン大阪」が話題だ。梅田地区にはなかった広い公園や芝生広場が人気で、計3日間で延べ50万人以上が訪れた。イベントも充実しており、家族連れの姿が目立つ。

三菱地所、オリックス不動産、積水ハウス、阪急電鉄など9事業者が参画し、官民連携で進められてきたプロジェクトで、緑とイノベーションの融合拠点をまち作りの目標として掲げる。9事業者からなるうめきたMMOが、街の中心に位置する「うめきた公園」の指定管理者として今後50年の長きにわたり、公園とエリア全体を一体的に管理する。緑豊かな公共空間を柔軟に活用することで、2013年に開業したグランフロント大阪を含むうめきた全体の価値向上をめざす考えだ。

総事業費はグラングリーン大阪単体で約6000億円。グランフロント大阪と合わせると1兆円超で、東京・丸ノ内や渋谷の再開発と同等規模になる。グラングリーン大阪の年間来場者目標は1億人を見込む。

敷地面積は約9万平方メートル。そのうちうめきた公園は半分の約4.5万平方メートルを占め、大規模ターミナル駅直結としては世界最大級の規模を誇る。建物の緑化部分も含めると、大阪駅前に約8万平方メートルもの緑の空間が誕生したことになる。都市型公園誕生の背景には、大阪市内の一人当たり公園面積が47都道府県の中で最下位であり、緑地不足を解決したい思いもあったという。

開発にあたっては、「公園の中にまちをつくる」という発想で公園と建物を一体的にデザインしたランドスケープファーストの考え方を重視した。南北の公園を取り囲むように、オフィスとホテル、商業施設、中核機能施設、分譲住宅の5つの機能を配したビルが建つユニークな構成が特徴だ。関西の新たなランドマークを目指し、GGNやSANAA、安藤忠雄氏など世界的なデザイナーと建築家を起用した。

オープンセレモニーで吉村洋文・大阪府知事は「都市のど真ん中に本物の緑が誕生した。緑とイノベーションの融合拠点として、ここから新しい経済と産業と価値が生まれる。この新しい梅田の顔をもとに大阪関西を成長させて、100年200年愛される街作りをしていきたい」とあいさつした。

1万人規模のイベントも可能

先行まちびらきでは、全敷地の約4割が完成した。南公園と北公園の一部をはじめ、北館の商業ゾーンとホテル「キャノピーbyヒルトン大阪梅田」、中核機能施設の「ジャムベース」、公園内施設が開業した。関西最大級の都市型スパやオフィスなどが入る南館は25年春頃、全面開業は27年春の予定だ。

うめきた公園のシンボルとなる南公園の大屋根は、南北120mに渡って緩やかに起伏するデザインが印象的。その下のイベントスペースは、水盤のある芝生広場との一体利用により、1万人規模のイベント開催が可能だ。オープニングイベントには、近隣に住む家族連れや梅田で働くワーカー、観光客など老若男女が集まり、終日賑わいを見せた。

北館1・2階の商業ゾーンには、関西初や新業態を含む15店舗が出店した。アウトドアブランド「パタゴニア」は、売場面積382㎡とワンフロアでは国内最大規模となる西日本の旗艦店を開業。国内初となる中古衣料の常設コーナーでは、修理して長く着続けることのストーリーの展示やリペアイベントを開催する。地球を再生する農業や調達方法を支援する「パタゴニア プロビジョンズ」の食品も取りそろえる。

ホームセンター「コーナン」は、植物とアクアリウムに特化した同社初の都市型店舗「ガーデンズ」を展開する。「水と緑をもっと身近に」をコンセプトに、植物売り場では切り花や観葉植物など常時約600種類をラインナップ。アクアリウム売り場では、八尾に本店を構える「トールマン」が市内最大級の水草のレイアウト水槽やテラリウム、パルダリウムを展示し、約100種類の水草と約250種類の熱帯魚を販売する。他にも、書店の「有隣堂」と「タリーズコーヒー」の協業店、関西を中心にグリーンを広げる活動を行う「イロドリミドリ」が手がける植物専門店「キープグリーン」など、プロジェクトのコンセプトに合致したテナントが集結。公園内には、景色を楽しみながら食事やスイーツを楽しめる飲食店も4店舗オープンした。

新産業創出や産官学交流の拠点として同事業の中核を担う「ジャムベース」には、企業や大学、研究機関、スタートアップ、ベンチャーキャピタル、学生などが集い、新たなアイデアの社会実装や事業化への挑戦を推進、支援する。北館の1~9階に、会員制の交流スペースや家具付きのスモールオフィス、コワークスペースを設けたほか、公園内には安藤忠雄氏が設計監修した新しい文化施設「ヴイエス」が開業した。

関西経済のけん引役として期待

グラングリーン大阪には3つのホテルが入る。南館にはヒルトンホテルチェーンの最上位クラス「ウォルドーフ・アストリア大阪」と、通常のビジネスホテルとは一線を画した「ホテル阪急グランレスパイア大阪」が来春開業する。北館の高層階には日本初進出となるライフスタイルホテル「キャノピーbyヒルトン大阪梅田」が6日開業した。キャノピーは53のスイートルームと19のコネクティングルームを含む全308の客室を有し、大阪らしさを各所に表現した。地域密着型のイベントやアクティビティが行われる予定だ。

旧梅田貨物駅の全面移転から40年。うめきたエリアは2002年の国際コンペから20年をかけて開発されてきた。18年に2期エリアの開発事業者が決定し、20年に着工。グランフロント大阪は開業から11年が経ち、入居企業500社以上、就労者2万人の大規模オフィス街に発展した。グラングリーン大阪は、梅田の新たなランドマークとなり、関西経済をけん引する拠点となることが期待されている。

三菱地所の中島篤社長はオープニングセレモニーで事業者を代表してあいさつした。「ターミナル駅直結という地の利、緑豊かな都市公園を抱える恵まれた環境を生かし、関西経済にとって重要なイノベーションエコシステムのハブとしての機能を担っていく」と意気込みを語った。

The post 大阪駅前に巨大な公園 緑とイノベーションの融合「グラングリーン大阪」好発進 appeared first on WWDJAPAN.

大阪駅前に巨大な公園 緑とイノベーションの融合「グラングリーン大阪」好発進

JR大阪駅のうめきたエリアに9月6日先行開業した「グラングリーン大阪」が話題だ。梅田地区にはなかった広い公園や芝生広場が人気で、計3日間で延べ50万人以上が訪れた。イベントも充実しており、家族連れの姿が目立つ。

三菱地所、オリックス不動産、積水ハウス、阪急電鉄など9事業者が参画し、官民連携で進められてきたプロジェクトで、緑とイノベーションの融合拠点をまち作りの目標として掲げる。9事業者からなるうめきたMMOが、街の中心に位置する「うめきた公園」の指定管理者として今後50年の長きにわたり、公園とエリア全体を一体的に管理する。緑豊かな公共空間を柔軟に活用することで、2013年に開業したグランフロント大阪を含むうめきた全体の価値向上をめざす考えだ。

総事業費はグラングリーン大阪単体で約6000億円。グランフロント大阪と合わせると1兆円超で、東京・丸ノ内や渋谷の再開発と同等規模になる。グラングリーン大阪の年間来場者目標は1億人を見込む。

敷地面積は約9万平方メートル。そのうちうめきた公園は半分の約4.5万平方メートルを占め、大規模ターミナル駅直結としては世界最大級の規模を誇る。建物の緑化部分も含めると、大阪駅前に約8万平方メートルもの緑の空間が誕生したことになる。都市型公園誕生の背景には、大阪市内の一人当たり公園面積が47都道府県の中で最下位であり、緑地不足を解決したい思いもあったという。

開発にあたっては、「公園の中にまちをつくる」という発想で公園と建物を一体的にデザインしたランドスケープファーストの考え方を重視した。南北の公園を取り囲むように、オフィスとホテル、商業施設、中核機能施設、分譲住宅の5つの機能を配したビルが建つユニークな構成が特徴だ。関西の新たなランドマークを目指し、GGNやSANAA、安藤忠雄氏など世界的なデザイナーと建築家を起用した。

オープンセレモニーで吉村洋文・大阪府知事は「都市のど真ん中に本物の緑が誕生した。緑とイノベーションの融合拠点として、ここから新しい経済と産業と価値が生まれる。この新しい梅田の顔をもとに大阪関西を成長させて、100年200年愛される街作りをしていきたい」とあいさつした。

1万人規模のイベントも可能

先行まちびらきでは、全敷地の約4割が完成した。南公園と北公園の一部をはじめ、北館の商業ゾーンとホテル「キャノピーbyヒルトン大阪梅田」、中核機能施設の「ジャムベース」、公園内施設が開業した。関西最大級の都市型スパやオフィスなどが入る南館は25年春頃、全面開業は27年春の予定だ。

うめきた公園のシンボルとなる南公園の大屋根は、南北120mに渡って緩やかに起伏するデザインが印象的。その下のイベントスペースは、水盤のある芝生広場との一体利用により、1万人規模のイベント開催が可能だ。オープニングイベントには、近隣に住む家族連れや梅田で働くワーカー、観光客など老若男女が集まり、終日賑わいを見せた。

北館1・2階の商業ゾーンには、関西初や新業態を含む15店舗が出店した。アウトドアブランド「パタゴニア」は、売場面積382㎡とワンフロアでは国内最大規模となる西日本の旗艦店を開業。国内初となる中古衣料の常設コーナーでは、修理して長く着続けることのストーリーの展示やリペアイベントを開催する。地球を再生する農業や調達方法を支援する「パタゴニア プロビジョンズ」の食品も取りそろえる。

ホームセンター「コーナン」は、植物とアクアリウムに特化した同社初の都市型店舗「ガーデンズ」を展開する。「水と緑をもっと身近に」をコンセプトに、植物売り場では切り花や観葉植物など常時約600種類をラインナップ。アクアリウム売り場では、八尾に本店を構える「トールマン」が市内最大級の水草のレイアウト水槽やテラリウム、パルダリウムを展示し、約100種類の水草と約250種類の熱帯魚を販売する。他にも、書店の「有隣堂」と「タリーズコーヒー」の協業店、関西を中心にグリーンを広げる活動を行う「イロドリミドリ」が手がける植物専門店「キープグリーン」など、プロジェクトのコンセプトに合致したテナントが集結。公園内には、景色を楽しみながら食事やスイーツを楽しめる飲食店も4店舗オープンした。

新産業創出や産官学交流の拠点として同事業の中核を担う「ジャムベース」には、企業や大学、研究機関、スタートアップ、ベンチャーキャピタル、学生などが集い、新たなアイデアの社会実装や事業化への挑戦を推進、支援する。北館の1~9階に、会員制の交流スペースや家具付きのスモールオフィス、コワークスペースを設けたほか、公園内には安藤忠雄氏が設計監修した新しい文化施設「ヴイエス」が開業した。

関西経済のけん引役として期待

グラングリーン大阪には3つのホテルが入る。南館にはヒルトンホテルチェーンの最上位クラス「ウォルドーフ・アストリア大阪」と、通常のビジネスホテルとは一線を画した「ホテル阪急グランレスパイア大阪」が来春開業する。北館の高層階には日本初進出となるライフスタイルホテル「キャノピーbyヒルトン大阪梅田」が6日開業した。キャノピーは53のスイートルームと19のコネクティングルームを含む全308の客室を有し、大阪らしさを各所に表現した。地域密着型のイベントやアクティビティが行われる予定だ。

旧梅田貨物駅の全面移転から40年。うめきたエリアは2002年の国際コンペから20年をかけて開発されてきた。18年に2期エリアの開発事業者が決定し、20年に着工。グランフロント大阪は開業から11年が経ち、入居企業500社以上、就労者2万人の大規模オフィス街に発展した。グラングリーン大阪は、梅田の新たなランドマークとなり、関西経済をけん引する拠点となることが期待されている。

三菱地所の中島篤社長はオープニングセレモニーで事業者を代表してあいさつした。「ターミナル駅直結という地の利、緑豊かな都市公園を抱える恵まれた環境を生かし、関西経済にとって重要なイノベーションエコシステムのハブとしての機能を担っていく」と意気込みを語った。

The post 大阪駅前に巨大な公園 緑とイノベーションの融合「グラングリーン大阪」好発進 appeared first on WWDJAPAN.

「オルビス」が激戦区のドラコスに参入  低価格帯スキンケアに新風を吹き込む

PROFILE: 小林琢磨/オルビス社長

小林琢磨/オルビス社長
PROFILE: (こばやし・たくま)2002年ポーラ入社。10年にグループの社内ベンチャーから誕生した敏感肌専門ブランド「ディセンシア」の社長に就任し50億円規模のビジネスに導く。18年オルビス社長に就任。リブランディングによる構造改革をはじめ、物流センターの自動化、アプリを用いたCX戦略などをけん引し、数々のヒット商品を生み出す。ポーラ・オルビスホールディングスの取締役を兼務する

大手化粧品メーカーが軒並み高価格帯にシフトする中、「オルビス(ORBIS)」は990円~1210円という価格帯で“ショットプラス”を今秋発売する。オルビスの2024年1〜6月期は、売上高が前年同期比14.8%増、営業利益が同44.5%増と好調な業績を記録する中で同社が、低価格帯かつ激戦区のドラッグストア市場に「なぜ」「今」「あえて」参入するのか。小林琢磨社長に聞いた。

「ビューティーを諦めない」「生活者を取り残さない」

―――“ショットプラス”発売の経緯を教えてください。

小林琢磨オルビス代表取締役社長(以下、小林):まず根本的な背景として、オルビスは一人一人が誰かと比べることなく、自分らしく年齢を重ねていける、「スマートエイジング」を掲げています。オルビスの創業は1987年。化粧品は百貨店や専門店での販売が主流の時代ですが、まだ比較的珍しかった通信販売という新しい買い物体験をスタートしている。「百貨店のカウンターが苦手な人もいるよね」「シンプルな化粧品が好きなお客さまもいるよね」と、お客さま一人一人のニーズに寄り添うことを基軸にしています。

そのうえで現在の化粧品市場を見渡すと、好調なのは1万円以上の高価格帯か、1500円以下の低価格帯。大手は軒並み高価格帯にシフトしています。自社研究所を有する開発力のある会社が「先端技術を高級化粧品に搭載する」、それ自体は素晴らしいことです。一方で、取り残されている人はいないだろうか、“生活者全体のビューティ”に寄与していないのではないかという思いがありました。

―――「生活者を取り残さない」ための意志決定とは?

小林:ブランドの根幹にそういう思いがあった上で、市場分析上でも取り組む価値のある分野だと思いました。きっかけはコロナ禍です。生活者の価値観や購買行動が変化した面と、逆に変わらない面が如実に示された。まず、変わらなかった面でいうと緊急事態宣言の発出にも関わらず、思ったほど化粧品のEC比率が上がらなかったことがあります。

―――:化粧品のEC比率は、具体的にはどのくらい?

小林:経済産業省が公表しているデータによると、「化粧品、医薬品」のEC化率は22年度で8.24%。化粧品だけ抜き出して試算すると20%に満たないくらいで、約8割の生活者は実店舗で購入していることになります。

さらに、22年のインテージSLI調査を元に独自で分析したデータでは、化粧品購入チャネルの上位86%がドラッグストア・ECプラットフォームでした。リアルの世界では、ドラッグストアがインフラとして機能している。そのうちの77%が1000円前後のプチプラスキンケアユーザーであることも分かりました。

―――ドラッグストアとプチプラコスメの存在感が分かるデータですね。ただ、EC比率に関しては、今後伸びる可能性もあるのでは?

小林:おっしゃる通り、ECは今後も伸長していくはずです。一方で、今度は「変化したこと」に目を向けると、1人の生活者がデジタルとリアルを行き来するのが当たり前になった。そうなると、デパコスもドラコスも関係なく、あらゆるブランドが店舗販売とECを「総合格闘技」的に取り組まなくてはなりません。

何が起こるかというと「EC広告単価の劇的な上昇」です。われわれのような直販ブランドは、トータルで考えると将来的に利益率の低下が予想される。だとしたら、リアルとECを融合して、最も付加価値の出せるポイントはどこかを考える必要があります。

まだ「オルビス」を知らない潜在的な顧客と出会うために

―――そこで、ドラッグストアに進出する選択をした。

小林:現在オルビスは、年商450億円規模のビジネスを展開しています。この規模のシェアがあると、人口減少が進む国内において、新規顧客の獲得はなかなか難しい。私たちがまだ出会えていないお客さまはどこかといったら、ドラッグストアのチャネルだった。

総合的に考えて、1000円前後でこれくらい高い技術が詰まったコストパフォーマンスのよい商品はなかなかない。昨今の生活者の格差が広がっていること、そして「オルビス」のブランドフィロソフィーとしてはやるべきと判断しました。

――商品力の高さに自信があるわけですね。

小林:そうですね。まず、自信を持っている点として、“ショットプラス”には、グループ会社のポーラ化成工業が誇るスキンケア技術が搭載されています。1番の特長は、浸透技術が優れていること。ここは長年ナノ化技術を研究してきた化粧品会社だからこそ、成し得たクオリティーだと自負しています。

1000円前後という価格帯でこの浸透感や保湿感を体験して頂いて、お客さまに「オルビスっていいよね」と思って頂けたらうれ嬉しいですね。その方のライフステージが変わって、例えばエイジングが気になりはじめた時に、直販のオルビスを選ぶきっかけになればありがたい。長い目で見て、潜在顧客を増やしていくことは本当に重要だと考えています。

新たな挑戦に対して社内では反対意見も

―――“ショットプラス”に搭載した技術は、ポーラ化成工業の財産だと思います。ドラッグストアコスメに用いることに反対意見はなかった?

小林:経営陣の中でも、正直意見は割れました。ただ、自分たちが培ってきた技術を「安売り」するのではなく「この価格帯でどんな価値を提供するのか」という話しなので、そこは議論を重ねました。

―――価値の中にはデザインや世界観も含まれると思いますが、そのあたりの戦略は?

小林:あえてドラッグストアコスメの世界観に準じることはしませんでした。ボトルはシンプルだけど上質感が漂うスタイルに。広告ビジュアルも、百貨店で販売するスキンケアと同じ世界観にしています。

―――お話しを聞いていると「クオリティーの追求」が伺えますが、収支的には見合うのでしょうか。

小林:ドラッグストアコスメのすごいところは、一定の「規模感」があると利益が見込める点です。店舗でいうなら、数千店とか1万店とかに配荷されるスケール感があると、ロット数が増えて原価が下がる分、利益が期待できる。ここは、今後頑張っていかないといけない部分です。

表層的なマーケティングではなく
重視するのはあくまで「生活者の声」

―――店舗の拡大には営業活動も重要では?

小林:実は“エッセンスインヘアミルク(以下、ヘアミルク)”のヒットをきっかけに、小売店とのパートナーシップが拡大した経緯があります。

―――SNSを中心にバズったアイテムですね。13年も前に発売して、1度もリニューアルしていないと聞きました。

小林:その通りです。しかも、広告も一切していないんです。11年の発売時から右肩上がりでジワジワと伸びて、21年の販売個数が28万個。22年にSNSでバズったことをきっかけに、23年には250万個と2年で約9倍に跳ね上がりました。

―――ものすごい急成長ですね。

小林:そうなると、商品企画部から「ひと昔前のデザインだから、ボトルを刷新したい」とか、「インフルエンサーマーケティングで、さらにドライブさせよう」みたいな話が出るんですよ。僕は、全部却下しました。

―――全部却下ですか。

小林:そう、全部却下(笑)。なぜなら、マーケティングでは「認知」と「想起」を取る時点が一番大変なんです。まずはヘアミルクを知って頂いて、髪に悩みがあった時に「あのピンクのボトルの……」と思い浮かべていただくことですね。

確かにボトルは、ひと昔前のど派手なピンクですが、今変えたらどれだか分からなくなってしまう。そして、せっかく自然発生的にバズったのに、インフルエンサーがハッシュタグつけたSNSを目にしたら、一気に冷めませんか?じゃあ何をしたかというと「生活者との接点」を増やす、つまり売り場を拡張すべく、バラエティーショップやドラッグストアなどのリテールに営業をかけました。

―――そこで小売店とのネットワークが構築できたんですね

小林:そうです。配荷でいうと“ヘアミルク”は現在、バラエティーショップを含め全国2万を超える店舗に置いていただいています。背景にこのような店舗とのパートナーシップがあったことも、“ショットプラス”ローンチの後押しになりました。

―――“ショットプラス“の配荷予定は?

小林:ドラッグストアは、最初から全店に配荷するわけではなく、一部店舗に置いて動きを見るテスト期間があります。初回配荷数は具体的に明かせませんが、通常のテスト店舗数の約2倍の店舗で展開していただく予定です。

―――“ショットプラス“の今後の展望を教えてください。

小林:ローンチが9月なので、初年度の売り上げはそこまでのインパクトは出ないと予想しています。それよりまずは、皆さんに知っていただいて、ぜひこのクオリティーをご体験いただけたらと。

“ヘアミルク”のヒット時に、僕が非常に面白いと感じたのは、22年にバズったコメントと、11年の誕生時に愛用者が評価してくださったコメントが「ほぼ同じ」だったことです。プロダクトが評価されるポイントは、時代が変わっても不変であり、表層的なマーケティングではかなわない「本質」です。“ショットプラス“も「やっぱりいいね」と思っていただけるようなブランドに育てたい。将来的には、商品や店舗数の拡大を目指しています。

The post 「オルビス」が激戦区のドラコスに参入  低価格帯スキンケアに新風を吹き込む appeared first on WWDJAPAN.

「シャネル」フレグランス&ビューティ部門の新社長 ロレアルやコティ、トッズなどで30年以上のキャリア

シャネル(CHANEL)はこのほど、フレグランス&ビューティ部門の社長にシモーナ・カッタネオ(Simona Cattaneo)を任命した。カッタネオは10月にシャネルに入社し、年末に退任するアンヌ・キルビー(Anne Kirby)の後任となる予定だ。

カッタネオはロレアル(L’OREAL)でキャリアをスタートし、2008年から12年には「バーバリー ビューティ(BURBERRY BEAUTY)」のシニア・ヴァイス・プレジデントとパルファン・クリスチャン・ディオール(PARFUMS CHRISTIAN DIOR)のメイクアップ責任者を務めた。16年、チーフ・マーケティング・オフィサーとしてコティに入社し、その後ラグジュアリー部門の社長に就任。20以上のブランドを管理していた。21年からトッズ・グループのジェネラル・マネージャーを務めている。

シャネルは声明の中で、「シモーナは経験豊富なグローバルビジネスリーダーとして、ラグジュアリービューティ業界での30年以上のキャリアを生かしてくれるだろう」と述べた。「彼女はプレステージブランドを管理し、商品カテゴリーにまたがる新規事業を立ち上げ、世界中に拠点を置く複雑なグローバル組織の中で大きな変革を導いてきた」と続ける。好業績のチームを一貫して育成してきたことも評価した。シャネルによると同氏は、ダイバーシティー&インクルージョンや男女平等、女性のエンパワーメントの推進にも積極的だという。

キルビー社長はラグジュアリー業界に35年間身を置き、18年9月から現職。近年では、新世代のアーティストコミュニティー「コメット コレクティヴ(COMETES COLLECTIVE)」を始動し、シャネル メークアップ クリエイティブ ストゥディオに異なる視点を融合させることで、創造性の可能性をけん引した。

The post 「シャネル」フレグランス&ビューティ部門の新社長 ロレアルやコティ、トッズなどで30年以上のキャリア appeared first on WWDJAPAN.

「シャネル」フレグランス&ビューティ部門の新社長 ロレアルやコティ、トッズなどで30年以上のキャリア

シャネル(CHANEL)はこのほど、フレグランス&ビューティ部門の社長にシモーナ・カッタネオ(Simona Cattaneo)を任命した。カッタネオは10月にシャネルに入社し、年末に退任するアンヌ・キルビー(Anne Kirby)の後任となる予定だ。

カッタネオはロレアル(L’OREAL)でキャリアをスタートし、2008年から12年には「バーバリー ビューティ(BURBERRY BEAUTY)」のシニア・ヴァイス・プレジデントとパルファン・クリスチャン・ディオール(PARFUMS CHRISTIAN DIOR)のメイクアップ責任者を務めた。16年、チーフ・マーケティング・オフィサーとしてコティに入社し、その後ラグジュアリー部門の社長に就任。20以上のブランドを管理していた。21年からトッズ・グループのジェネラル・マネージャーを務めている。

シャネルは声明の中で、「シモーナは経験豊富なグローバルビジネスリーダーとして、ラグジュアリービューティ業界での30年以上のキャリアを生かしてくれるだろう」と述べた。「彼女はプレステージブランドを管理し、商品カテゴリーにまたがる新規事業を立ち上げ、世界中に拠点を置く複雑なグローバル組織の中で大きな変革を導いてきた」と続ける。好業績のチームを一貫して育成してきたことも評価した。シャネルによると同氏は、ダイバーシティー&インクルージョンや男女平等、女性のエンパワーメントの推進にも積極的だという。

キルビー社長はラグジュアリー業界に35年間身を置き、18年9月から現職。近年では、新世代のアーティストコミュニティー「コメット コレクティヴ(COMETES COLLECTIVE)」を始動し、シャネル メークアップ クリエイティブ ストゥディオに異なる視点を融合させることで、創造性の可能性をけん引した。

The post 「シャネル」フレグランス&ビューティ部門の新社長 ロレアルやコティ、トッズなどで30年以上のキャリア appeared first on WWDJAPAN.