タペストリーが「スチュアート・ワイツマン」の売却を検討か 複数の情報筋がコメント

複数の情報筋によれば、タペストリー(TAPESTRY)は傘下に持つ「スチュアート・ワイツマン(STUART WEITZMAN)」の売却を検討しており、同ブランドのジョルジオ・サルネ(Giorgio Sarne)最高経営責任者はすでに退任したという。同社の広報担当者は、本件についてコメントを差し控えるとした。

同社は、2015年に5億7400万ドル(約815億円)で「スチュアート・ワイツマン」を買収。ほかには「コーチ(COACH)」と「ケイト・スペード ニューヨーク(KATE SPADE NEW YORK)」を保有している。23年8月には、「マイケル・コース(MICHAEL KORS)」「ヴェルサーチェ(VERSACE)」「ジミー チュウ(JIMMY CHOO)」を擁するカプリ ホールディングス(CAPRI HOLDINGS以下、カプリ)を85億ドル(約1兆2070億円)で買収することに合意しており、24年末までに取引が完了する予定だった。しかし、米連邦取引委員会(FTC)は24年4月、本件を停止する仮処分を求めて訴訟。主にバッグカテゴリーにおける“アクセシブル ラグジュアリー(Accessible luxury)”市場の独占に関する懸念が一つの争点となっている同裁判は現在も進行中のため、取引は保留となっている。

「スチュアート・ワイツマン」はシューズブランドのため、仮に売却してもこうした“市場の独占”に関する懸念の解消には寄与せず、同裁判に影響はないと推測される。しかし、専門家らによれば、業績が芳しくない同ブランドを売却して手元資金に余裕を持たせつつ、カプリ買収の成立に向けて傘下ブランドを手放す用意があることをFTC側に示すことができるという利点があるという。

タペストリーと「スチュアート・ワイツマン」の業績

タペストリーの24年6月期決算は、売上高が前期比0.1%増の66億7120万ドル(約9473億円)、営業利益は同2.7%減の11億4010万ドル(約1618億円)、純利益は同12.8%減の8億1600万ドル(約1158億円)だった。

ブランド別の売上高では、主力の「コーチ」が同2.7%増の50億9530万ドル(約7235億円)と微増を維持したが、「ケイト・スペード ニューヨーク」は同5.9%減の13億3440万ドル(約1894億円)、「スチュアート・ワイツマン」は同14.2%減の2億4150万ドル(約342億円)と減収だった。

なお、タペストリーはカプリ買収の資金調達のため、75億ドル(約1兆650億円)のデットファイナンス(借り入れもしくは社債発行による資金調達)を行っている。この返済のため、買収の完了後にカプリ傘下の「ヴェルサーチェ」と「ジミー チュウ」を売却するのではないかとの臆測が、今年2月頃に一部の市場関係者の間で広まっていた。

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アイスタイルが小売業を強化 店舗テコ入れで攻勢かける

アイスタイルは、「アットコスメ(@COSME)」店舗の再構築に着手している。7月4日に埼玉のイオンモール浦和美園店、8月20日に福岡のアミュエスト博多店、9月12日に東京の「シドニー バイ アットコスメ」アトレ亀戸店をリニューアルオープンし、10月4日に北海道の札幌ステラプレイス店に新規出店する予定だ。そのほか、2店の新規出店と4店の既存店改装を計画する。

約1.6倍に増床リニューアルしたイオンモール浦和美園店は、初日から開店待ちの行列ができるほどの盛況ぶりだった。改装前の約3倍の売り上げを計画しており、初月は順調に達成。改装前と比較すると1日の購入者数は約6倍に伸長した。若年層の来店が増えて客層の幅が広がり、友人同士や親子連れといった複数人の来店客も増加している。

8月20日にリニューアルオープンしたばかりの博多店は、オープンから7日目までの売り上げが23年8月の月商をすでに上回った。館全体でのイベントやリニューアルオープン施策の実施も後押しし、初月は期待値を上回る売り上げに推移する見込みだ。ブランドと体験型コンテンツを拡充したことで滞留時間が伸長している。

店舗だけでなくECとの兼用で相乗効果を狙う

「店舗とECの両方を利用してもらい、アイスタイルのプラットフォーム内でユーザーがさまざまなアクションをすることを重視する」と同社は2024年の事業計画発表でコメントした。

24年8月時点の店舗とECサイトの併用率は22.3%。ECサイトで使用できるクーポンを印字したレシートを店頭で渡したり、店舗とECサイトの併用で特典がつく施策やイベントを実施することで、併用率のさらなる向上を図る。

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ギャラリーなどを手掛けるKIGENZENがデンマーク発寝具「ノルディック スリープ」の輸入代理店に

ギャラリーなどを運営するKIGENZENは10月1日、デンマーク発寝具「ノルディック スリープ(NORDIC SLEEP)」の日本における事業展開をスタートする。同ブランドは、2017年から海洋事業などを展開するJRCSのライフスタイル事業部が輸入販売している。

「ノルディック スリープ」の寝具は、従来のダウン素材に比べ、優れた通気性と復元力がある特許製法のフォスフレイクス素材を使用しており、丸洗いや乾燥機の使用が可能。ダニの侵入を防ぎ、埃が立ちにくく、アレルゲンフリーのため安心して使用できる。

KIGENZENの相澤真諭子代表は、フリッツ・ハンセンの日本法人を率いた経歴の持ち主。北欧ライフスタイルに関する豊富な知見を活かし、日本における「ノルディック スリープ」のさらなる市場拡大を図る。

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ギャラリーなどを運営するKIGENZENは10月1日、デンマーク発寝具「ノルディック スリープ(NORDIC SLEEP)」の日本における事業展開をスタートする。同ブランドは、2017年から海洋事業などを展開するJRCSのライフスタイル事業部が輸入販売している。

「ノルディック スリープ」の寝具は、従来のダウン素材に比べ、優れた通気性と復元力がある特許製法のフォスフレイクス素材を使用しており、丸洗いや乾燥機の使用が可能。ダニの侵入を防ぎ、埃が立ちにくく、アレルゲンフリーのため安心して使用できる。

KIGENZENの相澤真諭子代表は、フリッツ・ハンセンの日本法人を率いた経歴の持ち主。北欧ライフスタイルに関する豊富な知見を活かし、日本における「ノルディック スリープ」のさらなる市場拡大を図る。

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「ナミビアの砂漠」山中瑶子監督の映画作り 「自分の気持ちを素直に話すようになったら、いいことしかない」

PROFILE: 山中瑶子

山中瑶子
PROFILE: (やまなか・ようこ)1997年生まれ。長野県出身。日本大学芸術学部中退。独学で制作した初監督作品「あみこ」がPFFアワード2017に入選。翌年、20歳で第68回ベルリン国際映画祭に史上最年少で招待され、同映画祭の長編映画監督の最年少記録を更新。本格的長編第1作となる「ナミビアの砂漠」は第77回カンヌ国際映画祭 監督週間に出品され、女性監督として史上最年少となる国際映画批評家連盟賞を受賞した。監督作に山戸結希プロデュースによるオムニバス映画「21世紀の女の子」(2018)の「回転てん子とどりーむ母ちゃん」など。

映画「ナミビアの砂漠」で第77回カンヌ国際映画祭、国際批評家連盟賞を若干27歳で受賞した山中瑶子監督。2017年、19歳のときに自主制作した映画「あみこ」が世界各国の映画祭で評価され、故・坂本龍一からも「自由さの中から生まれたパワーで老若男女を問わず惹きつけるパワーがある」と絶賛された。本作は初めての経験も多かったという山中監督の映画づくり、映画監督という仕事について話を聞いた。

——共感できるかどうかは置いておいて、強烈に主人公・カナ(河合優実)に惹かれました。何に対しても情熱を持てず、鬱屈としたやり場のない感情を抱えながら、退屈する世の中と自分に追い詰められていく。怒りを全身で表現する姿に、こんなふうでありたい、とも思いました。

山中瑶子(以下、山中):ありがとうございます。

——どのような思いで主人公を考えたのでしょうか?

山中:自分が「好きだな」と思える主人公にしたいと思っていました。どんなに駄目な人間だとしても、気高い部分があって、そういうところが見えてくるような人物に。あとは、まず最初に河合さんが主演であることから企画がスタートしていたので、今まで見たことのない彼女を撮りたい、という思いもありました。これまでの河合さんは、周囲の人に何かを背負わされている役が多い印象があって。なので今回は反対に、すごく無責任で自分勝手なキャラクターを見てみたい、というところから考えていきました。

——特に「愛おしいな」と思う、カナのシーンはありますか?

山中:いっぱいありますが……あの、脱毛サロンで働いているところですかね。声色からやる気のなさは感じるけど、先輩との掛け合いは意外と楽しそうなのが良いです。

——カナの職業設定がなぜ脱毛サロンなのか、気になっていました。

山中:脱毛サロンは資本主義とルッキズムが強く結びついた悪しき面が強いと今は感じているんですが、私がそれこそ大学1年生の頃に契約して通っていたことがあって。場所によるのかもしれないですが、施術してくれる人が毎回違うんです。明るいところで何人もの他人に裸を見せてひっくり返っているシュールな状況に、こちらは滑稽だなと思うけれど、働いている人からすればもはや何でもない流れ作業で、入れ代わり立ち代わり他人の無数の毛根に対峙する不思議な職場だと思っていて。彼女たちはどんな生活を送っているんだろう、と当時脱毛されながら考えていたことを思い出したんです。カナはたぶん恋人に家賃を払わせていたりしていてそこまでちゃんと稼がなくてもいいんですが、時間を持て余すより働いている方が余計なことを考えずに済んで楽だったりするので、そういう意味でも淡々とした仕事がいいと思いました。

——「河合さんとディスカッションをしながら役を積み上げた」とプレス資料にありましたが、河合さんから得た気づきとは?

山中:もともと原作モノの映画化で河合さんを主演に撮る予定だったのが、私がそれを降りたいと申し出て、急遽オリジナルに企画変更したのが2023年5月で、撮影は当初のとおり9月、なのにこれから1から脚本を書くというあまりに時間がない状況だったので、私1人の脳では到底間に合わない、何かヒントを得るためにみんなに助けてもらわなきゃ無理だと思っていろんな人に話を聞きました。河合さんとも、脚本を書く前に3、4回お会いして。ざっくばらんに話をした中でそのまま脚本に活かしているのは、「あまり人の話を聞いてない時がある」と河合さんが教えてくれたご自身のこと。しっかりしているように見えるけれど、実はそんな部分があると聞いて安心して、そのエピソードは冒頭のカフェのシーンに活かされています。

——冒頭の、友達と話しているのに、次第に隣の席の話が気になってきて話を聞いていない感じを音のボリュームで表現するところ、素晴らしかったです。

山中:脚本では「カナ、別のテーブルの大学生の会話が耳に入ってきて気になってしまう」としか書いてなくて、具体的な表現方法まで突き詰められていなかったんですけど、編集や音の仕上げの時に試行錯誤しました。きっと、同じ経験をしている人はたくさんいますよね。どうしたらあの状態を映画で再現できるのだろうと、一番時間をかけたところです。

——河合さんの演技も、ちょっとコミカルで。

山中:本人は「やりすぎてなかったですか?」と気にしていましたけど、画として面白すぎたのと、音のゆがみを足したらバランスがちょうど良くなるだろうと思っていたのでOKを出しました。撮影の米倉さんが、あの表情を撮った後にこちらを見て「山中さん、これは傑作になりますよ」と言ってきて笑ってしまいました(笑)。

——感覚的だとは思いますが、山中監督がOKを出す基準は?

山中:そのときどきによりますけど、自分の中ではっきり「違う」っていうのは分かります。今回、俳優には決めた動線とセリフさえ守ってくれたら後は好きにやってもらいたかったので、いろいろ言わずに最低限必要なことを伝えて。テイク数も2、3テイクとか、そんなに多くないです。

——金子大地さんが演じるハヤシとの喧嘩のシーンも、非常に迫力があるというか、気持ちよく見てしまいました。

山中:今回、けがのないようにアクション指導の方に入っていただいて、事前に何回かリハーサルをしました。河合さんも金子さんも身体の使い方がうまくて、こうしたらプロレスみたいに見えていいんじゃない?とかいろいろアイデアを出し合って試して、あらかじめきちんと型を作って組み手のような形で喧嘩のシーンを構成しました。

編集について

——編集期間は約3週間とのことですが、どのように進めていったのでしょうか?

山中:最初は編集の長瀬万里さんが全カットをただつなげてくれた「棒つなぎ」状態のものを見たのですが、それが3時間くらいあって。そこから、適切な尺と必要なカットを探っていく、映画の形にしていく作業は一緒にやりました。毎日違うランチを食べに行って編集以外の話をしたり、煮詰まったら休日を作って映画館で他の映画を見ることで一度離れようとしたり。編集作業って波があるんですけど、毎日コツコツいじっていくと、どこかで「突破した」と感じられるときがあって。1コマいじるだけで、印象がガラッと変わるんですね。その調整がうまくいって、映画がパッと華やいだ瞬間はすごく気持ちいいです。

——本作では、どのタイミングで「突破した」と感じましたか?

山中:これは初めての経験だったんですけど、最初の棒つなぎからだいぶ面白かったんです。それが逆に困ってしまって、すでに面白いものをそれ以上どう持ち上げればいいのか分からなくて。今回はアクションや疾走感のある動きが多かったので、細かい話ですけど、1秒24フレームのうち2コマだけ削るとか、数フレーム単位の調整を丁寧にやることを繰り返して、尺は変わっていないのに、数コマで印象が全く違うものになるという編集体験をしました。

——無性に好きなシーンが、浮気相手に走って会いに行くところと、タバコを吸いながら坂を自転車で下っていくところ。物語に直接的に関係のないシーンも割とあったように思ったのですが、いかがですか。

山中:最初3時間もあったので、いくつかのシーンは落とす選択をしなければならず頭を悩ませましたが、ストーリーラインに関係のないシーンは、むしろ残そうと決めていました。そもそもこれは物語を展開させていく映画ではなくて、カナが今どういう状態にいるのかという、カナの在り方を見つめていく映画なので。他の監督だったら捨ててしまうかもしれないし、私も絶対的な理由があって書いたわけではなかったりするのですが、そういう無意識から出てきたものこそ大切にしたいと思って。自転車で下っていくシーンは、カメラワークも相まって気持ちがいいですよね。

——カナの、無表情な感じも好きです。

山中:無表情だけど体力ありそうな顔をしてますよね(笑)。

——逆に編集でシーンを削る際は、どういう判断基準があったんですか?

山中:何人かの発言が混ざっている受け売りですが、「映画になるべき素材というのは決まっていて、撮影の思い出を抱えているとカットする判断ができないから容赦なく捨てるべし」みたいなことを意識しました。カナを見つめるという大きな軸を基準に、不必要なものを見極めようとしましたけど、容赦なく捨てるのは難しかった。採用しなかったシーンも気に入っているものばかりです。2年後くらいに見たら「あと10分削れた」とか思いそうですが、今の私にとってのベストが137分でした。

映画作りで大切にしていること

——企画から映画を1本完成させるまで、対自分、対チームそれぞれで大切にされていることは?

山中:今までたくさんの人に迷惑をかけてきたので、こんなことを言うと怒る人もいると思うのですが……自分の心に嘘をつかないってことは大事なのかなと思います。企画の依頼を受けた時は、本当に頑張りたいと思うし、努力するんです。だけど、進めていくうちに最初の段階では分からなかったことが出てくるじゃないですか。それが、自分のせいだったり別の経緯だったり、理由はいろいろあれど、違和感を覚えたり、他の人が作った方がいいと思ったりしたら、勇気を振り絞って辞めてきました。逃げただけなんじゃないか?とか思って、自分は本当に駄目だなあと落ち込むことも多いですけど……でも、実際に自分が降りた後に他の監督によって手がけられた作品を見ると、「これが良かった」と思うんです。迷惑がかかるのは申し訳ないですが、作品のためにも違和感をそのままにしないで、辞める勇気を持っていようと思います。

——対チームとの映画作りで大事にしていることは? 

山中:自分に嘘をつかないということと似ていますが、まずこちらが素直になるっていうのは最近意識するようになりました。以前は、分からないと言うと「これだから若い監督は」と思われるような気がして、ものすごく構えていました。でも、どう思われてもいいというか、1人であくせくするのはムダな時間だと思って、分からないことは「分からない」と素直に言えるようになったら周りも助けてくれるようになって。若くて経験もないので知らないことばかりで当然ですしね。自分の気持ちを素直に打ち明けるようになったらいいことしかないって、今回は特に感じました。

——現場でも皆さんで活発にアイデアを出し合ったと伺いましたが、それはこれまでと違ったのでしょうか?

山中:ほぼ初めてのやり方でした。映画を志した当初は、例えばですけれどウェス・アンダーソン監督みたいに、衣装も美術も何もかもこだわって決めるのが映画監督たるものと思い込んでいたんです。でも、それだと考えることや、やることが多すぎて、寝られないし演出に集中できないと痛感して。それで、あまり詳しくないことは素直に委ねてアイデアをもらって、最終判断だけをするようにしていました。それで全然思ってもみなかったような提案が来ても楽しいし良いアイデアならば映画は豊かになるし、それは違うというようなことがあっても、こちらの伝え方の問題だなと思ってコミュニケーションを重ねるようになりました。

「昔は四六時中映画のことを考えていました」

——山中監督の作品は、小さなエピソード一つひとつにも心惹かれます。例えばハヤシが過去に中絶させた経験があることを知ったカナが、激しくハヤシと衝突。「お前には関係ない」という喧嘩のくだりで、まさに自分の怒りの根源はここにあったと気付かされたのですが、あのエピソードが生まれたきっかけは?

山中:脚本を書く最初の段階ではあまり難しいことは考えずに、バーッと思いのままに書くんですけど……後で整理していて考えたのは、もう変えることのできないどうしようもないことって世の中にはあるじゃないですか。自分がされたわけじゃないのに、ものすごく嫌で、腹立たしくて、だけど既に終わっていることで。そういうことにぶつかると、やるせなくて無力に感じるんですが、その感情を、どうしようもないからといってなかったことにしてしまいたくないという気持ちがあって。

——過去のインタビューで、山中監督は日々メモを取っていて、それらをヒントに脚本を書くと答えられていたのですが、今でもそうですか?

山中:最近は変わってしまって、なんかもう、一日中映画のことを考えていると辛いというか、生活がおろそかになってしまったんです。

——昔は、寝ても覚めても映画のことを考えていたんですか。

山中:四六時中考えていました。と言うとかっこいい感じがしますが、なんか強迫的な感じで……移動中も常にアンテナを張っていて、映画になりそうだと思ったらメモをして。でも、映画以外のことは全ておざなりでした。0:100くらいの、極端な身の振り方をしてしまっていて、そんな生き方に違和感を持ち始めたんです。何でも映画にしようとする思考は、身も心もかなり危険なのではないかと。それで、自分の中のバランスが少しずつ変わっていきました。今はメモも最小限で、移動中は頭を空っぽにしたくてスイカゲームとかしてます(笑)。

——山中監督は大学を中退後、SNSでキャストやスタッフを集めて初監督作「あみこ」を完成させるなど、独自の方法で映画監督という道を切り拓いています。映画監督になりたい、と思っている方に、今の山中監督ならどんな言葉をかけますか?

山中:自分がやってきて良かったと思うのは、ジャンルを選ばずに、とにかくたくさんの映画を見て、活字を読んできたことです。私は映画を作る時、毎回とにかく好きな映画をたくさん見て、気持ちを高めてから作ります。今回はモーリス・ピアラ、ロウ・イエ、ジョン・カサヴェテス作品を中心に見ました。小中学生の時、娯楽が禁止の家だったので本ばかり読んでいたんですが、その頃のおかげで今でもセリフを書くのはあまり大変ではないかもしれません。学校など映画を作ることについていろんな学び場がありますけど、映画作りって人に教わることでもないし、私は映画と活字にたくさん触れるだけでも、自分の言語を見つけることができるのではないかと思っています。

PHOTOS:YOHEI KICHIRAKU

■「ナミビアの砂漠」
9月6日TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー
出演:河合優実
金子大地 寛一郎
新谷ゆづみ 中島 歩 唐田えりか
渋谷采郁 澁谷麻美 倉田萌衣 伊島 空
堀部圭亮 渡辺真起子
脚本・監督:山中瑶子
制作プロダクション:ブリッジヘッド コギトワークス
企画製作・配給:ハピネットファントム・スタジオ
©2024「ナミビアの砂漠」製作委員会
https://happinet-phantom.com/namibia-movie/

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「ナミビアの砂漠」山中瑶子監督の映画作り 「自分の気持ちを素直に話すようになったら、いいことしかない」

PROFILE: 山中瑶子

山中瑶子
PROFILE: (やまなか・ようこ)1997年生まれ。長野県出身。日本大学芸術学部中退。独学で制作した初監督作品「あみこ」がPFFアワード2017に入選。翌年、20歳で第68回ベルリン国際映画祭に史上最年少で招待され、同映画祭の長編映画監督の最年少記録を更新。本格的長編第1作となる「ナミビアの砂漠」は第77回カンヌ国際映画祭 監督週間に出品され、女性監督として史上最年少となる国際映画批評家連盟賞を受賞した。監督作に山戸結希プロデュースによるオムニバス映画「21世紀の女の子」(2018)の「回転てん子とどりーむ母ちゃん」など。

映画「ナミビアの砂漠」で第77回カンヌ国際映画祭、国際批評家連盟賞を若干27歳で受賞した山中瑶子監督。2017年、19歳のときに自主制作した映画「あみこ」が世界各国の映画祭で評価され、故・坂本龍一からも「自由さの中から生まれたパワーで老若男女を問わず惹きつけるパワーがある」と絶賛された。本作は初めての経験も多かったという山中監督の映画づくり、映画監督という仕事について話を聞いた。

——共感できるかどうかは置いておいて、強烈に主人公・カナ(河合優実)に惹かれました。何に対しても情熱を持てず、鬱屈としたやり場のない感情を抱えながら、退屈する世の中と自分に追い詰められていく。怒りを全身で表現する姿に、こんなふうでありたい、とも思いました。

山中瑶子(以下、山中):ありがとうございます。

——どのような思いで主人公を考えたのでしょうか?

山中:自分が「好きだな」と思える主人公にしたいと思っていました。どんなに駄目な人間だとしても、気高い部分があって、そういうところが見えてくるような人物に。あとは、まず最初に河合さんが主演であることから企画がスタートしていたので、今まで見たことのない彼女を撮りたい、という思いもありました。これまでの河合さんは、周囲の人に何かを背負わされている役が多い印象があって。なので今回は反対に、すごく無責任で自分勝手なキャラクターを見てみたい、というところから考えていきました。

——特に「愛おしいな」と思う、カナのシーンはありますか?

山中:いっぱいありますが……あの、脱毛サロンで働いているところですかね。声色からやる気のなさは感じるけど、先輩との掛け合いは意外と楽しそうなのが良いです。

——カナの職業設定がなぜ脱毛サロンなのか、気になっていました。

山中:脱毛サロンは資本主義とルッキズムが強く結びついた悪しき面が強いと今は感じているんですが、私がそれこそ大学1年生の頃に契約して通っていたことがあって。場所によるのかもしれないですが、施術してくれる人が毎回違うんです。明るいところで何人もの他人に裸を見せてひっくり返っているシュールな状況に、こちらは滑稽だなと思うけれど、働いている人からすればもはや何でもない流れ作業で、入れ代わり立ち代わり他人の無数の毛根に対峙する不思議な職場だと思っていて。彼女たちはどんな生活を送っているんだろう、と当時脱毛されながら考えていたことを思い出したんです。カナはたぶん恋人に家賃を払わせていたりしていてそこまでちゃんと稼がなくてもいいんですが、時間を持て余すより働いている方が余計なことを考えずに済んで楽だったりするので、そういう意味でも淡々とした仕事がいいと思いました。

——「河合さんとディスカッションをしながら役を積み上げた」とプレス資料にありましたが、河合さんから得た気づきとは?

山中:もともと原作モノの映画化で河合さんを主演に撮る予定だったのが、私がそれを降りたいと申し出て、急遽オリジナルに企画変更したのが2023年5月で、撮影は当初のとおり9月、なのにこれから1から脚本を書くというあまりに時間がない状況だったので、私1人の脳では到底間に合わない、何かヒントを得るためにみんなに助けてもらわなきゃ無理だと思っていろんな人に話を聞きました。河合さんとも、脚本を書く前に3、4回お会いして。ざっくばらんに話をした中でそのまま脚本に活かしているのは、「あまり人の話を聞いてない時がある」と河合さんが教えてくれたご自身のこと。しっかりしているように見えるけれど、実はそんな部分があると聞いて安心して、そのエピソードは冒頭のカフェのシーンに活かされています。

——冒頭の、友達と話しているのに、次第に隣の席の話が気になってきて話を聞いていない感じを音のボリュームで表現するところ、素晴らしかったです。

山中:脚本では「カナ、別のテーブルの大学生の会話が耳に入ってきて気になってしまう」としか書いてなくて、具体的な表現方法まで突き詰められていなかったんですけど、編集や音の仕上げの時に試行錯誤しました。きっと、同じ経験をしている人はたくさんいますよね。どうしたらあの状態を映画で再現できるのだろうと、一番時間をかけたところです。

——河合さんの演技も、ちょっとコミカルで。

山中:本人は「やりすぎてなかったですか?」と気にしていましたけど、画として面白すぎたのと、音のゆがみを足したらバランスがちょうど良くなるだろうと思っていたのでOKを出しました。撮影の米倉さんが、あの表情を撮った後にこちらを見て「山中さん、これは傑作になりますよ」と言ってきて笑ってしまいました(笑)。

——感覚的だとは思いますが、山中監督がOKを出す基準は?

山中:そのときどきによりますけど、自分の中ではっきり「違う」っていうのは分かります。今回、俳優には決めた動線とセリフさえ守ってくれたら後は好きにやってもらいたかったので、いろいろ言わずに最低限必要なことを伝えて。テイク数も2、3テイクとか、そんなに多くないです。

——金子大地さんが演じるハヤシとの喧嘩のシーンも、非常に迫力があるというか、気持ちよく見てしまいました。

山中:今回、けがのないようにアクション指導の方に入っていただいて、事前に何回かリハーサルをしました。河合さんも金子さんも身体の使い方がうまくて、こうしたらプロレスみたいに見えていいんじゃない?とかいろいろアイデアを出し合って試して、あらかじめきちんと型を作って組み手のような形で喧嘩のシーンを構成しました。

編集について

——編集期間は約3週間とのことですが、どのように進めていったのでしょうか?

山中:最初は編集の長瀬万里さんが全カットをただつなげてくれた「棒つなぎ」状態のものを見たのですが、それが3時間くらいあって。そこから、適切な尺と必要なカットを探っていく、映画の形にしていく作業は一緒にやりました。毎日違うランチを食べに行って編集以外の話をしたり、煮詰まったら休日を作って映画館で他の映画を見ることで一度離れようとしたり。編集作業って波があるんですけど、毎日コツコツいじっていくと、どこかで「突破した」と感じられるときがあって。1コマいじるだけで、印象がガラッと変わるんですね。その調整がうまくいって、映画がパッと華やいだ瞬間はすごく気持ちいいです。

——本作では、どのタイミングで「突破した」と感じましたか?

山中:これは初めての経験だったんですけど、最初の棒つなぎからだいぶ面白かったんです。それが逆に困ってしまって、すでに面白いものをそれ以上どう持ち上げればいいのか分からなくて。今回はアクションや疾走感のある動きが多かったので、細かい話ですけど、1秒24フレームのうち2コマだけ削るとか、数フレーム単位の調整を丁寧にやることを繰り返して、尺は変わっていないのに、数コマで印象が全く違うものになるという編集体験をしました。

——無性に好きなシーンが、浮気相手に走って会いに行くところと、タバコを吸いながら坂を自転車で下っていくところ。物語に直接的に関係のないシーンも割とあったように思ったのですが、いかがですか。

山中:最初3時間もあったので、いくつかのシーンは落とす選択をしなければならず頭を悩ませましたが、ストーリーラインに関係のないシーンは、むしろ残そうと決めていました。そもそもこれは物語を展開させていく映画ではなくて、カナが今どういう状態にいるのかという、カナの在り方を見つめていく映画なので。他の監督だったら捨ててしまうかもしれないし、私も絶対的な理由があって書いたわけではなかったりするのですが、そういう無意識から出てきたものこそ大切にしたいと思って。自転車で下っていくシーンは、カメラワークも相まって気持ちがいいですよね。

——カナの、無表情な感じも好きです。

山中:無表情だけど体力ありそうな顔をしてますよね(笑)。

——逆に編集でシーンを削る際は、どういう判断基準があったんですか?

山中:何人かの発言が混ざっている受け売りですが、「映画になるべき素材というのは決まっていて、撮影の思い出を抱えているとカットする判断ができないから容赦なく捨てるべし」みたいなことを意識しました。カナを見つめるという大きな軸を基準に、不必要なものを見極めようとしましたけど、容赦なく捨てるのは難しかった。採用しなかったシーンも気に入っているものばかりです。2年後くらいに見たら「あと10分削れた」とか思いそうですが、今の私にとってのベストが137分でした。

映画作りで大切にしていること

——企画から映画を1本完成させるまで、対自分、対チームそれぞれで大切にされていることは?

山中:今までたくさんの人に迷惑をかけてきたので、こんなことを言うと怒る人もいると思うのですが……自分の心に嘘をつかないってことは大事なのかなと思います。企画の依頼を受けた時は、本当に頑張りたいと思うし、努力するんです。だけど、進めていくうちに最初の段階では分からなかったことが出てくるじゃないですか。それが、自分のせいだったり別の経緯だったり、理由はいろいろあれど、違和感を覚えたり、他の人が作った方がいいと思ったりしたら、勇気を振り絞って辞めてきました。逃げただけなんじゃないか?とか思って、自分は本当に駄目だなあと落ち込むことも多いですけど……でも、実際に自分が降りた後に他の監督によって手がけられた作品を見ると、「これが良かった」と思うんです。迷惑がかかるのは申し訳ないですが、作品のためにも違和感をそのままにしないで、辞める勇気を持っていようと思います。

——対チームとの映画作りで大事にしていることは? 

山中:自分に嘘をつかないということと似ていますが、まずこちらが素直になるっていうのは最近意識するようになりました。以前は、分からないと言うと「これだから若い監督は」と思われるような気がして、ものすごく構えていました。でも、どう思われてもいいというか、1人であくせくするのはムダな時間だと思って、分からないことは「分からない」と素直に言えるようになったら周りも助けてくれるようになって。若くて経験もないので知らないことばかりで当然ですしね。自分の気持ちを素直に打ち明けるようになったらいいことしかないって、今回は特に感じました。

——現場でも皆さんで活発にアイデアを出し合ったと伺いましたが、それはこれまでと違ったのでしょうか?

山中:ほぼ初めてのやり方でした。映画を志した当初は、例えばですけれどウェス・アンダーソン監督みたいに、衣装も美術も何もかもこだわって決めるのが映画監督たるものと思い込んでいたんです。でも、それだと考えることや、やることが多すぎて、寝られないし演出に集中できないと痛感して。それで、あまり詳しくないことは素直に委ねてアイデアをもらって、最終判断だけをするようにしていました。それで全然思ってもみなかったような提案が来ても楽しいし良いアイデアならば映画は豊かになるし、それは違うというようなことがあっても、こちらの伝え方の問題だなと思ってコミュニケーションを重ねるようになりました。

「昔は四六時中映画のことを考えていました」

——山中監督の作品は、小さなエピソード一つひとつにも心惹かれます。例えばハヤシが過去に中絶させた経験があることを知ったカナが、激しくハヤシと衝突。「お前には関係ない」という喧嘩のくだりで、まさに自分の怒りの根源はここにあったと気付かされたのですが、あのエピソードが生まれたきっかけは?

山中:脚本を書く最初の段階ではあまり難しいことは考えずに、バーッと思いのままに書くんですけど……後で整理していて考えたのは、もう変えることのできないどうしようもないことって世の中にはあるじゃないですか。自分がされたわけじゃないのに、ものすごく嫌で、腹立たしくて、だけど既に終わっていることで。そういうことにぶつかると、やるせなくて無力に感じるんですが、その感情を、どうしようもないからといってなかったことにしてしまいたくないという気持ちがあって。

——過去のインタビューで、山中監督は日々メモを取っていて、それらをヒントに脚本を書くと答えられていたのですが、今でもそうですか?

山中:最近は変わってしまって、なんかもう、一日中映画のことを考えていると辛いというか、生活がおろそかになってしまったんです。

——昔は、寝ても覚めても映画のことを考えていたんですか。

山中:四六時中考えていました。と言うとかっこいい感じがしますが、なんか強迫的な感じで……移動中も常にアンテナを張っていて、映画になりそうだと思ったらメモをして。でも、映画以外のことは全ておざなりでした。0:100くらいの、極端な身の振り方をしてしまっていて、そんな生き方に違和感を持ち始めたんです。何でも映画にしようとする思考は、身も心もかなり危険なのではないかと。それで、自分の中のバランスが少しずつ変わっていきました。今はメモも最小限で、移動中は頭を空っぽにしたくてスイカゲームとかしてます(笑)。

——山中監督は大学を中退後、SNSでキャストやスタッフを集めて初監督作「あみこ」を完成させるなど、独自の方法で映画監督という道を切り拓いています。映画監督になりたい、と思っている方に、今の山中監督ならどんな言葉をかけますか?

山中:自分がやってきて良かったと思うのは、ジャンルを選ばずに、とにかくたくさんの映画を見て、活字を読んできたことです。私は映画を作る時、毎回とにかく好きな映画をたくさん見て、気持ちを高めてから作ります。今回はモーリス・ピアラ、ロウ・イエ、ジョン・カサヴェテス作品を中心に見ました。小中学生の時、娯楽が禁止の家だったので本ばかり読んでいたんですが、その頃のおかげで今でもセリフを書くのはあまり大変ではないかもしれません。学校など映画を作ることについていろんな学び場がありますけど、映画作りって人に教わることでもないし、私は映画と活字にたくさん触れるだけでも、自分の言語を見つけることができるのではないかと思っています。

PHOTOS:YOHEI KICHIRAKU

■「ナミビアの砂漠」
9月6日TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー
出演:河合優実
金子大地 寛一郎
新谷ゆづみ 中島 歩 唐田えりか
渋谷采郁 澁谷麻美 倉田萌衣 伊島 空
堀部圭亮 渡辺真起子
脚本・監督:山中瑶子
制作プロダクション:ブリッジヘッド コギトワークス
企画製作・配給:ハピネットファントム・スタジオ
©2024「ナミビアの砂漠」製作委員会
https://happinet-phantom.com/namibia-movie/

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資生堂「エフェクティム」からエイジングサインに着目した3シリーズ目の美顔器が登場 日本市場を強化

資生堂の先端皮膚科学研究に基づき開発されたエイジングケアブランド「エフェクティム(EFFECTIM)」は10月1日、ブランド内最高峰のビューティリフトをかなえる美顔器“スムース ビューティー リフティング アクティベーター”(11万円※編集部調べ)と同美顔器との併用を推奨する美容液“スムース リフティング セラム”(30mL、1万6500円※同)を発売する。全国の化粧品専門店で取り扱う。

これまでは、加齢による顔の形状の変化やたるみなどに悩む生活者をターゲットにしてきたが、肌のエイジングサインが気になるという悩みの声も多く寄せられた。中町都ブランド・マーケティング部長は、「エイジングサインの顕在化に対し、化粧品に加わる新たなケアを提供ができないかと開発を進めた」と同商品の発売経緯を説明する。

“スムース ビューティー リフティング アクティベーター”は、同ブランド初となる超音波エネルギーを採用。イオンと電気パルスをかけ合わせることで独自の波形を実現した。肌に最適な周波数や出力を設計し、エネルギーと美容成分を肌のすみずみまでいきわたらせる。加えて、表情筋にアプローチする中周波・低周波の6種類16パターンの特殊EMS機能も搭載する。

併用を推奨する美容液は、日本産酵母エキスなど全28種の美容成分を配合する。両アイテムの使用で、乾燥、ハリや透明感の低下にアプローチし、ビューティリフトと潤いに満ちたハリのある印象に導く。1日1回、顔全体で6分行う。

日本市場で基盤を固める

「エフェクティム」は、資生堂とヤーマンの合弁会社エフェクティムから2021年にデビューした。現在、化粧品専門店を中心に232店舗で取り扱う。「美容機器は正しい使い方を紹介できる場が重要。家電量販店では体感するのが難しいが、専門店での展開は大きな強みとなっている」と着実に取り扱い店舗を増やしている。

同ブランドは、化粧品との相乗効果を狙ったアプローチが特徴で、美容機器の各モデルに合った専用の美容液を展開する。美容機器の購入者のうち、専用美容液のリピートは最低でも2本以上の継続使用者が8割に達している。「1度の使用で効果実感があり、好評な声が多い。誕生から3年経ち、ビジネスも安定しはじめている」。

ブランド誕生当初は中国での展開を中心に事業展開を進めていたが、ここ最近の景気の減速や幾度と変わるRF規制の影響を鑑みて、「中国から撤退はしないものの、今後は日本市場での基盤をしっかり固めていく」と方針を示した。

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「フィアー オブ ゴッド」が新CEOを任命 「ジャックムス」の前社長兼CEO

「フィアー オブ ゴッド(FEAR OF GOD)」は9月5日、新たな最高経営責任者(CEO)として、バスティアン・ダグザン(Bastien Daguzan)=ジャックムス(JACQUEMUS)前社長兼CEOを任命した。アルフレッド・チャン(Alfred Chang)CEOの後任となる。

「フィアー オブ ゴッド」は、13年にジェリー・ロレンゾ(Jerry Lorenzo)がロサンゼルスで立ち上げたラグジュアリー・ストリートブランド。これまでカニエ・ウェスト(Kanye West、現イェ)やジャスティン・ビーバー(Justin Bieber)と共にツアーグッズを手掛けたり、「ヴァンズ(VANS)」「レディメイド(READYMADE)」「ナイキ(NIKE)」「エルメネジルド ゼニア(ERMENEGILDO ZEGNA)」(現「ゼニア」)と協業したりしてきた。

ロレンゾ創業者は、「新章を迎えた『フィアー オブ ゴッド』を、バスティアンが率いてくれることをうれしく思う。私はブランドの未来像について常に強い確信を抱いていたが、これでそこへの道筋が明確になった」と語った。

また、同ブランドは、「ダグザン新CEOのリーダーシップの下、ブランドは新時代を迎える。特にブランドの認知度の向上や、ECおよびグローバルな販売網の強化にフォーカスし、世界中の顧客にシームレスなアクセシビリティーを提供していきたい」と声明を発表した。

ダグザン新CEOの経歴について

ダグザン新CEOは、1984年フランス生まれ。2009年から13年までクリス ヴァン アッシュ(KRIS VAN ASSCHE)でデベロップメント・ディレクターを務めた後、13年にルメール(LEMAIRE)のCEOに就任。17年3月にプーチ(PUIG)が擁するパコ ラバンヌ(PACO RABANNE、現ラバンヌ)のジェネラル・ディレクターに就任してからは、同ブランドのリブランディングを指揮し、2年間で売り上げを3倍に伸ばしている。その当時からジャックムスのコンサルティングを引き受けていたこともあり、22年5月にCEOに就任。23年12月に退任した。

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「フィアー オブ ゴッド」が新CEOを任命 「ジャックムス」の前社長兼CEO

「フィアー オブ ゴッド(FEAR OF GOD)」は9月5日、新たな最高経営責任者(CEO)として、バスティアン・ダグザン(Bastien Daguzan)=ジャックムス(JACQUEMUS)前社長兼CEOを任命した。アルフレッド・チャン(Alfred Chang)CEOの後任となる。

「フィアー オブ ゴッド」は、13年にジェリー・ロレンゾ(Jerry Lorenzo)がロサンゼルスで立ち上げたラグジュアリー・ストリートブランド。これまでカニエ・ウェスト(Kanye West、現イェ)やジャスティン・ビーバー(Justin Bieber)と共にツアーグッズを手掛けたり、「ヴァンズ(VANS)」「レディメイド(READYMADE)」「ナイキ(NIKE)」「エルメネジルド ゼニア(ERMENEGILDO ZEGNA)」(現「ゼニア」)と協業したりしてきた。

ロレンゾ創業者は、「新章を迎えた『フィアー オブ ゴッド』を、バスティアンが率いてくれることをうれしく思う。私はブランドの未来像について常に強い確信を抱いていたが、これでそこへの道筋が明確になった」と語った。

また、同ブランドは、「ダグザン新CEOのリーダーシップの下、ブランドは新時代を迎える。特にブランドの認知度の向上や、ECおよびグローバルな販売網の強化にフォーカスし、世界中の顧客にシームレスなアクセシビリティーを提供していきたい」と声明を発表した。

ダグザン新CEOの経歴について

ダグザン新CEOは、1984年フランス生まれ。2009年から13年までクリス ヴァン アッシュ(KRIS VAN ASSCHE)でデベロップメント・ディレクターを務めた後、13年にルメール(LEMAIRE)のCEOに就任。17年3月にプーチ(PUIG)が擁するパコ ラバンヌ(PACO RABANNE、現ラバンヌ)のジェネラル・ディレクターに就任してからは、同ブランドのリブランディングを指揮し、2年間で売り上げを3倍に伸ばしている。その当時からジャックムスのコンサルティングを引き受けていたこともあり、22年5月にCEOに就任。23年12月に退任した。

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「ワコール」がリブランディング 機能、ベーシック、プレミアムの3ライン構成で多様化するニーズに応える

ワコールは、基軸ブランドである「ワコール(WACOAL)」を2024年秋冬にリブランディングする。創業以来、時代に合わせて提案してきた下着が持つ力を“美しさ”から“新しい自分への出合い”に再定義。ブランドメッセージを“愛するわたしへ。Love your moment.”とし、日々の下着を選ぶ時間が、自分を見つめ、愛せる瞬間になるようなブランドを目指す。ブランドキービジュアルには、映画「PERFECT DAYS」でデビューした女優の中野有沙を起用。幅広い年代の女性をエンパワーメントしたいという思いを表現している。

機能、ベーシック、プレミアムとニーズ別に構成

商品構成は、年齢別ではなく、ニーズ別に新たに3つのラインで構成。「パルファージュ(PARFAGE)」「ラゼ(LASEE)」「ルジェ(Lge))」はブランドを終了し、テイストや機能を受け継ぐラインアップは新商品群に再編成する。“ワコール コレクション(以下、コレクション)”は、「ワコール」を代表する商品で構成。“重力ケアブラ”“ハグするブラ”“リボンブラ”“小さく見せるブラ”など時代のトレンドを反映した機能とデザインをそろえる。“ワコール ベーシック(以下、ベーシック)”は、普遍的でエイジレスな“ナチュラルメイクブラ”“コンフォートフィットブラ”“ボディシェイプガードル”などで構成。“ワコール プレミアム(以下、プレミアム)”は、“パーソナルフィットプラスブラ”“ボリューマライズブラ”“着やせすっきりブラ”などのファッション感覚で楽しむ商品をそろえる。ブラジャーの中心価格帯は“コレクション”が6000円台、“ベーシック”が7000円台、“プレミアム”が1万円台。販路はラインによって異なるが、全国の百貨店、チェーンストア、一部専門店、ワコールウェブストアで販売する。

ワコールは業績不振が続き、昨年から抜本的な構造改革をスタート。主軸ブランドである「ワコール」のリブランディングもその一環で、今までフォーカスしてきた画一的な“美しさ”から多様化する消費者のニーズへ応えられるようブランドを再編成し、消費者の内面に働きかけることで下着の価値向上を図る。

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「ワコール」がリブランディング 機能、ベーシック、プレミアムの3ライン構成で多様化するニーズに応える

ワコールは、基軸ブランドである「ワコール(WACOAL)」を2024年秋冬にリブランディングする。創業以来、時代に合わせて提案してきた下着が持つ力を“美しさ”から“新しい自分への出合い”に再定義。ブランドメッセージを“愛するわたしへ。Love your moment.”とし、日々の下着を選ぶ時間が、自分を見つめ、愛せる瞬間になるようなブランドを目指す。ブランドキービジュアルには、映画「PERFECT DAYS」でデビューした女優の中野有沙を起用。幅広い年代の女性をエンパワーメントしたいという思いを表現している。

機能、ベーシック、プレミアムとニーズ別に構成

商品構成は、年齢別ではなく、ニーズ別に新たに3つのラインで構成。「パルファージュ(PARFAGE)」「ラゼ(LASEE)」「ルジェ(Lge))」はブランドを終了し、テイストや機能を受け継ぐラインアップは新商品群に再編成する。“ワコール コレクション(以下、コレクション)”は、「ワコール」を代表する商品で構成。“重力ケアブラ”“ハグするブラ”“リボンブラ”“小さく見せるブラ”など時代のトレンドを反映した機能とデザインをそろえる。“ワコール ベーシック(以下、ベーシック)”は、普遍的でエイジレスな“ナチュラルメイクブラ”“コンフォートフィットブラ”“ボディシェイプガードル”などで構成。“ワコール プレミアム(以下、プレミアム)”は、“パーソナルフィットプラスブラ”“ボリューマライズブラ”“着やせすっきりブラ”などのファッション感覚で楽しむ商品をそろえる。ブラジャーの中心価格帯は“コレクション”が6000円台、“ベーシック”が7000円台、“プレミアム”が1万円台。販路はラインによって異なるが、全国の百貨店、チェーンストア、一部専門店、ワコールウェブストアで販売する。

ワコールは業績不振が続き、昨年から抜本的な構造改革をスタート。主軸ブランドである「ワコール」のリブランディングもその一環で、今までフォーカスしてきた画一的な“美しさ”から多様化する消費者のニーズへ応えられるようブランドを再編成し、消費者の内面に働きかけることで下着の価値向上を図る。

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バーバリー、株価下落でFTSE100指数銘柄から除外 時価総額減少で中型株扱いに

バーバリー(BURBERRY)は9月4日、英国の代表的な株価指数であるFTSE100種総合株価指数(以下、FTSE100指数)の構成銘柄から外れることが明らかになった。同指数は、ロンドン証券取引所に上場する企業のうち時価総額上位100銘柄で構成されており、企業価値が一定の水準を下回ると外れることとなる。バーバリーは20日の取引終了後に正式に除外され、23日からFTSE100指数に次ぐ中型株250銘柄で構成されるFTSE250種総合株価指数に組み込まれる。

業績不振で7月にCEO交代

バーバリーは2002年に同証券取引所に上場し、09年にFTSE100指数の銘柄に選ばれた。ここ数年、同社はワンランク上のラグジュアリーブランドへの転身を図りつつも、マクロ経済の悪化や社会情勢の変化などもあり苦戦。24年3月期決算は、売上高が前期比4.1%減の29億6800万ポンド(約5698億円)、営業利益は同36.4%減の4億1800万ポンド(約802億円)、純利益は同44.9%減の2億7100万ポンド(約520億円)の減収減益だった。過去5年の業績と比べると、営業利益はコロナ禍だった21年3月期の3億9600万ポンド(約760億円)と同水準まで落ち込んでいる。

こうした状況を受け、同社は7月15日、ジョナサン・エイクロイド(Jonathan Akeroyd)最高経営責任者(CEO)の退任を発表。後任として、マイケル・コース(MICHAEL KORS)のCEOを務めていたジョシュア・シュルマン(Joshua Schulman)が17日付で就任した。

株価はここ一年で70%下落

同じく15日に発表した24年4~6月期(第1四半期)決算の売上高は、前年同期比22.2%減(現地通貨ベースでは同20%減)の4億5800万ポンド(約879億円)と大幅な減収。同社はこれを踏まえ、24年4~9月期(上半期)は営業損失に転じることや、通期では営業利益が現在のアナリスト予想を下回る見込みであることを明らかにした。こうした決算内容やCEO交代のニュースを嫌気し、同日のバーバリーの株価は前日比16.0%安の7.44ポンド(約1428円)と急落した。

なお、過去一年で同社の株価はおよそ70%下落しており、9月4日の終値は前日比4.5%安の6.23ポンド(約1196円)。時価総額は22億6800万ポンド(約4354億円)と、FTSE100指数の構成銘柄に求められる水準を大幅に下回っている。

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日本随一の購買力の街「港区」が面白い!

毎週発行している「WWDJAPAN」は、ファッション&ビューティの潮流やムーブメントの分析、ニュースの深堀りなどを通じて、業界の面白さ・奥深さを提供しています。巻頭特集では特に注目のキーワードやカテゴリー、市場をテーマに、業界活性化を図るべく熱いメッセージを発信。ここでは、そんな特集を担当記者がざっくばらんに振り返ります。(この記事は「WWDJAPAN」2024年9月2日号からの抜粋です)

林:最近、いろいろな取材先で「港区の購買力がすごい」と聞くようになりました。六本木ヒルズや麻布台ヒルズにラグジュアリーブランドが集まるだけでなく、銀座や新宿の商業施設でも上位顧客の港区民比率が高いと聞きます。実際どうなっているのか。そこに向けて小売企業がどんなことをしているのかを特集しました。

佐藤:六本木ヒルズができて、街のイメージも変わりましたよね。

林:夜の盛り場だった街が、昼夜関係なく老若男女が集まるようになりました。われわれは商業的な視点で街づくりを見てしまいがちですが、森ビルはまず働く場所、住む場所、文化を楽しむ場所、いずれもクオリティーの高い施設を作って、そこに商業施設を作り、その結果、金銭的に余裕のある人が集まる街ができています。統計によると港区の成人住人の6.6人に1人は社長だそうです。自営業もいればフリーランスもいるとは思いますが、平均年間所得も1人約1400万円とダントツです。ここだけまるでドバイの様相です。

「区」で語れるのは「港区」くらい

佐藤:アートシーンでいえば、森ビル前社長の森稔さんが「経済は文化のパトロンであり、文化は都市の魅力や磁力を測るバロメーター」という考えのもと、六本木ヒルズの中心に森美術館を設けたことが大きな転換点になりました。国立新美術館の存在も大きいです。今や大小さまざまな美術館やギャラリーが六本木に集まり、街としてアートを盛り上げています。

林:美術館といえば、かつては上野だった。

佐藤:そうですね。森美術館は学校に無料でツアーを提供するスクールプログラムを実施していて、参加率が高いのはやはり港区の小学校だそうです。小学校で6年間本物のアートに触れ続けたら、間違いなく文化資本が高くなるでしょう。そういう子どもたちが港区で育ち、事業を行い、富と文化が再生産される構図が見えました。「東京カレンダー」の編集長の取材も面白かったですね。

林:「東京カレンダー」が果たした役割は大きいね。六本木とか渋谷とかのくくりでなく、「区」で語れるのは「港区」くらい。彼らの発信によって「港区」が記号的な意味合いを持つようになってきた。作家の麻布競馬場が描くような、格差社会のマウントの取り合いや憧れ、ルサンチマンも含め、ギラギラキラキラの象徴になったよね。興味深いエリアだなと改めて思いました。

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日本随一の購買力の街「港区」が面白い!

毎週発行している「WWDJAPAN」は、ファッション&ビューティの潮流やムーブメントの分析、ニュースの深堀りなどを通じて、業界の面白さ・奥深さを提供しています。巻頭特集では特に注目のキーワードやカテゴリー、市場をテーマに、業界活性化を図るべく熱いメッセージを発信。ここでは、そんな特集を担当記者がざっくばらんに振り返ります。(この記事は「WWDJAPAN」2024年9月2日号からの抜粋です)

林:最近、いろいろな取材先で「港区の購買力がすごい」と聞くようになりました。六本木ヒルズや麻布台ヒルズにラグジュアリーブランドが集まるだけでなく、銀座や新宿の商業施設でも上位顧客の港区民比率が高いと聞きます。実際どうなっているのか。そこに向けて小売企業がどんなことをしているのかを特集しました。

佐藤:六本木ヒルズができて、街のイメージも変わりましたよね。

林:夜の盛り場だった街が、昼夜関係なく老若男女が集まるようになりました。われわれは商業的な視点で街づくりを見てしまいがちですが、森ビルはまず働く場所、住む場所、文化を楽しむ場所、いずれもクオリティーの高い施設を作って、そこに商業施設を作り、その結果、金銭的に余裕のある人が集まる街ができています。統計によると港区の成人住人の6.6人に1人は社長だそうです。自営業もいればフリーランスもいるとは思いますが、平均年間所得も1人約1400万円とダントツです。ここだけまるでドバイの様相です。

「区」で語れるのは「港区」くらい

佐藤:アートシーンでいえば、森ビル前社長の森稔さんが「経済は文化のパトロンであり、文化は都市の魅力や磁力を測るバロメーター」という考えのもと、六本木ヒルズの中心に森美術館を設けたことが大きな転換点になりました。国立新美術館の存在も大きいです。今や大小さまざまな美術館やギャラリーが六本木に集まり、街としてアートを盛り上げています。

林:美術館といえば、かつては上野だった。

佐藤:そうですね。森美術館は学校に無料でツアーを提供するスクールプログラムを実施していて、参加率が高いのはやはり港区の小学校だそうです。小学校で6年間本物のアートに触れ続けたら、間違いなく文化資本が高くなるでしょう。そういう子どもたちが港区で育ち、事業を行い、富と文化が再生産される構図が見えました。「東京カレンダー」の編集長の取材も面白かったですね。

林:「東京カレンダー」が果たした役割は大きいね。六本木とか渋谷とかのくくりでなく、「区」で語れるのは「港区」くらい。彼らの発信によって「港区」が記号的な意味合いを持つようになってきた。作家の麻布競馬場が描くような、格差社会のマウントの取り合いや憧れ、ルサンチマンも含め、ギラギラキラキラの象徴になったよね。興味深いエリアだなと改めて思いました。

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「ロリエ」が低反発枕並のフィット感を目指した生理用ナプキンを発売 10年の開発期間を経て

花王は9月28日、「ロリエ」から、大型商品としては2年ぶりとなる生理用ナプキンの新シリーズ“しあわせ素肌 もちふわfit”を発売する。価格帯は460〜820円前後(編集部調べ)。10年の開発期間をかけて、“低反発の枕”のような動きに合わせたフィット感と、夜用ナプキンレベル(“朝までブロック300“との比較)の吸収力を実現した。

近年、女性の社会的な活躍機会が増加したことでナプキンの悩みも多様化している。生理中でも仕事や子育てなどの事情で動く必要があったり自分のタイミングでナプキンを取り替えたりすることができず、漏れや肌負担につながっている。

そのような悩みに応えるべく、“しあわせ素肌 もちふわfit”を開発した。“特に多い昼用 羽つき”(14コ、460円前後※編集部調べ/26コ、820円前後※編集部調べ)、“特別心配な昼用 羽つき”(9コ、460円前後※編集部調べ)をラインアップする。

動きに応じて柔軟に変形しながらも元の形に戻る低反発枕のような処方を目指し、不織布をピース状にして使用した。体の動きに合わせて自在に変形するフィット感を実現する。お尻の隙間にフィットするV字の形状もポイントだ。お尻を覆う面積が減ったことで、体の動きに伴う違和感や擦れといった肌への負担を減らす。夜用ナプキンレベルの吸水力で安心感をもたらす。

売上目標は「ロリエ」の生理用ナプキン全体で前年比5%増を掲げる。今後は同シリーズのサイズ拡充を図る予定だ。

生理現象を取り巻く環境にも着目

「ロリエ」は「生理をもっと過ごしやすく」をブランドパーパスに掲げ、生理現象を取り巻く環境をより良くすることを目指している。これを体現する取り組みの1つが、ナプキンの備品化プロジェクト「職場のロリエ」だ。突然生理がきても安心して働けるように職場のトイレに生理用品を備品化してもらう取り組みで、24年8月時点で200社以上の導入につながっている。

5日に行われた会見には、ブランドアンバサダーを務める俳優の二階堂ふみが登壇した。二階堂は「海外では日常的に生理用品を買うことが困難な『生理の貧困』がある。自信を持って外で活躍できるように、“生理用品のドネーション”を相談できたら嬉しい」と提案を持ちかけた。花王の坂田美穂子ブランドマネジャーは、「ブランドのパーパスに基づき検討したい」と前向きな姿勢を示した。

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「ロリエ」が低反発枕並のフィット感を目指した生理用ナプキンを発売 10年の開発期間を経て

花王は9月28日、「ロリエ」から、大型商品としては2年ぶりとなる生理用ナプキンの新シリーズ“しあわせ素肌 もちふわfit”を発売する。価格帯は460〜820円前後(編集部調べ)。10年の開発期間をかけて、“低反発の枕”のような動きに合わせたフィット感と、夜用ナプキンレベル(“朝までブロック300“との比較)の吸収力を実現した。

近年、女性の社会的な活躍機会が増加したことでナプキンの悩みも多様化している。生理中でも仕事や子育てなどの事情で動く必要があったり自分のタイミングでナプキンを取り替えたりすることができず、漏れや肌負担につながっている。

そのような悩みに応えるべく、“しあわせ素肌 もちふわfit”を開発した。“特に多い昼用 羽つき”(14コ、460円前後※編集部調べ/26コ、820円前後※編集部調べ)、“特別心配な昼用 羽つき”(9コ、460円前後※編集部調べ)をラインアップする。

動きに応じて柔軟に変形しながらも元の形に戻る低反発枕のような処方を目指し、不織布をピース状にして使用した。体の動きに合わせて自在に変形するフィット感を実現する。お尻の隙間にフィットするV字の形状もポイントだ。お尻を覆う面積が減ったことで、体の動きに伴う違和感や擦れといった肌への負担を減らす。夜用ナプキンレベルの吸水力で安心感をもたらす。

売上目標は「ロリエ」の生理用ナプキン全体で前年比5%増を掲げる。今後は同シリーズのサイズ拡充を図る予定だ。

生理現象を取り巻く環境にも着目

「ロリエ」は「生理をもっと過ごしやすく」をブランドパーパスに掲げ、生理現象を取り巻く環境をより良くすることを目指している。これを体現する取り組みの1つが、ナプキンの備品化プロジェクト「職場のロリエ」だ。突然生理がきても安心して働けるように職場のトイレに生理用品を備品化してもらう取り組みで、24年8月時点で200社以上の導入につながっている。

5日に行われた会見には、ブランドアンバサダーを務める俳優の二階堂ふみが登壇した。二階堂は「海外では日常的に生理用品を買うことが困難な『生理の貧困』がある。自信を持って外で活躍できるように、“生理用品のドネーション”を相談できたら嬉しい」と提案を持ちかけた。花王の坂田美穂子ブランドマネジャーは、「ブランドのパーパスに基づき検討したい」と前向きな姿勢を示した。

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CO2からポリエステルを作る日本発世界唯一の技術、その革新性と今後の課題

パリ五輪のスポーツクライミング競技で、日本、アメリカ、オーストリア、韓国代表が着用したユニホームは各国の代表する山のグラフィックが印象的だったが、採用された素材も革新的だった。世界初のCO2由来のポリエステルを使用したユニホームで「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」が提供した。

 気候変動対策のひとつとして注目されるカーボンリサイクル技術。このユニホームにはその革新的な技術、CO2を原料とするパラキシレン(高純度テレフタル酸を経由してポリエステル繊維やペットボトル用樹脂原料となる化合物)が用いられた。この技術はNEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の委託事業で、2020年から三菱商事が富山大学、千代田化工建設、日鉄エンジニアリング、日本製鉄、ハイケムが開発を進め、23年にCO2を原料としたパラキシレンの試験製造に成功した。

 どのような経緯でこの技術が生まれたのか。三菱商事で同プロジェクトの中心的存在を果たす地球環境エネルギーグループ 次世代エネルギー本部の岡本麻代課長は、「脱炭素が実現した世界でもCO2排出がゼロになるわけではないので、『CO2を原料として使えないか』という起点で事業を検討した。そして、石油化学製品と比べて製造コストが高いため、グリーンプレミアムを市場に転嫁するために付加価値の高い最終製品にすることが事業成立の鍵と考え、アパレル事業、ポリエステル生地、その原料となるパラキシレンの製造技術に行きついた。CO2からパラキシレンを製造する技術は日本には世界唯一の技術シーズがあったため、この案に結び付けて構想を練りNEDOの支援を得た」と振り返る。補足すると、NEDO事業で開発する技術はパラキシレンの製造までで、その後CO2由来のパラキシレンを酸化させる既存プロセスを経てテレフタル酸を生成する。

 ポリエステルは、エチレングリコールとテレフタル酸のエステル結合で重合されるもので、その原料となるエチレングリコールは植物由来原料での量産化が世界的に進んでいる。一方、テレフタル酸はパイロットプラントでの製造は可能になってはいるが量産化は難易度が高く進んでいない。「理由はテレフタル酸の原料であるパラキシレンの分子構造の複雑さにある。CO2からパラキシレンを作る技術は非常に難易度が高いが、これを解決する世界唯一の技術シーズを富山大学などが開発していた」。

この技術を高付加価値の最終製品にすることを目指したのがゴールドウインだ。ゴールドウインは23年、プロジェクトオーナーになり、CO2由来のポリエステルの製造に着手。フィンランドの再生可能燃料メーカーのネステ(NESTE)、三菱商事、韓国の化学メーカーのSKジオセントリック(SK GEOCENTRIC)、タイの石油化学メーカーのインドラマ・ベンチャーズ(INDORAMA VENTURES)、インドの化学メーカーのインド・グリコール(INDIA GLYCOLS)、総合エンジニアリング企業の千代田化工建設とコンソーシアムを組んだ。

ゴールドウインは長期ビジョン“PLAY EARTH”を掲げ、「グリーンデザインの推進」「脱炭素社会の実現」「循環型社会の実現」の3つを柱に環境配慮型素材の積極的活用、修理やリセールなどに取り組んできた。西野美加ザ・ノース・フェイス事業部ザ・ノース・フェイス アパレル事業部長は「次のステップはサプライチェーンを持続可能な構造に変えていくこと」だという。スパイバーと人工タンパク質繊維“ブリュードプロテイン”開発もその一環だ。「TNFはアウトドア製品を提供していて自然が身近にあり、製品を提供する側もされる側も自然を遊び場にしている。そのため、自然環境に配慮した素材を積極的に活用することで、ニュートラルにしていきたい。そのために新素材開発に力を入れており、CO2排出量削減はもちろん、サプライチェーンの変革や循環型社会に向けて取り組んでいる。また、製品を介してお客さまとも環境保全に向けて取り組んでいきたいと考えている。そして、常に取り組む全てのプロジェクトに関してそれが本当に環境にいいのか、アパレル産業の課題解決に向かっているのかを疑いながら、よりよい方法を模索している。その結果、業界をリードする存在でありたいと考えている」と西野部長は語る。

今回、テレフタル酸は一部の製造にCO2由来を、その他はリニューアブル原料とバイオ原料由来のテレフタル酸を用いた。「TNF」の西野部長は「今回の製品化で用いたCO2由来の原料は微量ではあるが、初めの1歩として大きな役割を果たしたと考えている。CO2由来の原料の使用量を増やすには時間がかかるかもしれないが、挑戦したい」と話す。機能性や品質に関してはバージンポリエステルと同じだという。「今後は定番のカットソーなどでリサイクルポリエステルやオーガニックコットンと並ぶ環境配慮素材として活用していきたい」。

量産化のハードルは低くない。「技術の核となる触媒のさらなる性能向上と、次のステージである量産機への資金調達、原料となる水素としてクリーン水素の大量調達など課題はいろいろある。消費者のグリーンプレミアムの許容度向上も重要になる」と三菱商事の岡本課長は語る。

日本発の画期的技術の進展を注視したい。

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欧州の合同展「トラノイ」 「東京を再びアジアのファッション・ハブに」と意気込む

欧州の歴史ある合同展示会「トラノイ(TRANOI)」が日本に初上陸した。日本ファッション・ウィーク推進機構(以下、JFWO)のパートナーシップのもと、「楽天 ファッション ウィーク東京(Rakuten Fashion Week TOKYO以下、RFWT)」期間中の9月4・5日に、東京・渋谷で「トラノイ・トーキョー」を開催している。日本では合同展が減少する中、なぜこのタイミングで東京を舞台に選んだのか。「トラノイ」のボリス・プロヴォスト(Boris Provost)最高経営責任者(CEO)に聞いた。

WWD:「トラノイ」について、改めて教えてほしい。

ボリス・プロヴォスト「トラノイ」CEO(以下、プロヴォストCEO):「トラノイ」は1998年の開始以来、あらゆるブランドが世界のバイヤーやプレス、インフルエンサーにコレクションを発表する場を、パリを拠点に提供してきた。ファッションの創造性や品質、革新性を重視する合同展であることから、業界における重要なイベントと認知されている。

「トラノイ」の強みはキュレーションとサービスだ。バイヤーらに“本物”を見せ、「トラノイ」が考えるファッションのビジョンを発信するために、品質と独自性の観点から選び抜いたコレクションを展示している。また、出展ブランドが販売のイロハや国際市場の特性を学ぶ機会を設けたり、コレクションの見せ方を助言したりもするほか、バイヤーの来場もサポートしている。事前にミーティングを実施して、彼らのニーズに合ったブランドを提案することもある。

WWD:今回、東京で「トラノイ」を初開催することになった経緯は。

プロヴォストCEO:パリ開催の「トラノイ 」では、日本からの来場者数がフランス、イタリアに次いで3番目に多い。コロナ明け直後は、それまで大口顧客だったタイや台湾といったアジアのバイヤーが減ったのに対し、日本は大手百貨店を中心に多くの来場があった。日本の「トラノイ」に対する強い関心と、アジアのバイヤーに再度アプローチする必要性を踏まえて、「トラノイ」を初めて東京で開催することにした。

WWD:開催時期を「楽天 ファッション ウィーク東京」に合わせたのはなぜ?

プロヴォストCEO:「トラノイ・トーキョー」の目的は、トラノイを日本に紹介し、東京をアジアのファッション・ハブとして復活させること。そのため日本のファッション・ウイークを巻き込むことが重要だった。パリ開催の「トラノイ」はパリ・ファッション・ウイークと独占的に提携している唯一のファッション合同展であるため、東京でも同様に連携している。2回目、3回目の「トラノイ・トーキョー」も、「RFWT」のある3月と9月に開催予定だ。

WWD:「トラノイ・トーキョー」を成功させるための戦略は。

プロヴォストCEO:鍵を握るのは、いかに日本やアジアのファッション業界と深く関わり、巻き込んでいけるかだ。東京のファッションシーンに連帯意識を育み、業界全体を結束させたい。実は、「RFWT」が関連イベントも含めて、2カ月ほどにわたってさまざまな場所で開かれることに驚いた。パリやニューヨークのファッション・ウイークは、1週間で集中的に開催されるのに。東京にはショー会場が少ないため、短期間に凝縮するのが難しいのは理解できるが、問題の根幹はもっと深いところにある。例えば東京の関係者は、アジアのバイヤーから「RFWT」を訪れるのに最適な時期を尋ねられても、「いつ来るべきかは悩ましい」と答えることが多い。自主展示会を開催するブランドの多くも、戦略的な計画ではなく、漠然としたトレンドに基づいて日程を選んでいるようだ。

こうした課題を克服するには、ブランド、バイヤー、イベント主催者、業界リーダーなど、すべてのステークホルダーが開かれたコミュニケーションをとり、連携することが不可欠だ。協力し合うことで、誰にとってもメリットがあるファッション・カレンダーを作れる。これは、「トラノイ・トーキョー」の知名度と名声を高めるだけでなく、東京が“ファッションの都”として成長する上でも重要だ。

東京ならではの試みも
あらゆるブランドに挑戦の場を

WWD:東京独自の試みがあれば教えてほしい。

プロヴォストCEO:「トラノイ」は開催前の企画段階で、様々なシーンを想定したブランドを集めるためにムードボードを作る。東京用のムードボードは、日本市場に密着しており、ウィメンズだけでなくメンズやライフスタイルブランドを扱う。今シーズンのムードボードは “90年代のミニマリズム”や“自分へのご褒美”など8つのテーマで構成した。“90年代のミニマリズム”ではクリーンなライン、控えめな色使い、ミニマルなエレガンスなどを特徴とするブランドが登場するし、“自分へのご褒美”では主にジュエリーブランドが並ぶ。

日本の消費者はデザインよりも素材や機能性を優先し、鮮やかな色よりもモノトーンやスポーティーなスタイルを好むので、その嗜好性に合わせてブランドのラインアップを調整した。パリの「トラノイ」にはペット用の商品の展示がない一方で、東京にはある。高級ブランドのデッドストックの生地を使ってドッグウエアを作るパリ発のブランドや、犬の首輪やリード、ソファをアウトドア商品としてアプローチ挑戦する東京発のブランドなど。日本ではファッショナブルな犬用のグッズに需要があるため驚いた。

WWD:「トラノイ・トーキョー」は、日本のブランドと海外ブランドの出展比率が 5:5だ。どちらかに偏ることなくブランドをそろえた狙いは。

プロヴォストCEO:日本だけでなく、他のアジア地域のバイヤーも対象にしているからだ。今回はプロモーションの一環として、韓国、タイ、台湾、中国からゲストバイヤーを招いている。出展比率を同等にすることで、あらゆる来場者に対してバランスの取れたアピールが可能になるし、ローカルブランドとインターナショナルブランドの双方が存在感を強められる。

WWD:日本では消滅した合同展も多い上に、一般的に合同店は出展ブランド数やバイヤーなどの来場者数も減少している。そのような中で「トラノイ・トーキョー」は、なぜ150もののブランド数を集められたのか。

プロヴォストCEO:合同展示会は、PR、マーケティング、セールスなどを含めて、特定の企業が単独で運営しているケースが多い。単一のチームで全てを済ませてしまうと、時としてアイデアの多様性がなくなり、退屈になってしまうことがある。それが日本の合同展が集約した原因の一つだろう。「トラノイ・トーキョー」は、全く反対のアプローチをとる。東京のチームには「トラノイ」の社員が数人しかおらず、専門外のことはプロに任せている。社内チームはオーガナイザーの役目に専念し、出展者により良いサービスを提供するために何をすべきか考える。社外チームは新たな視点を持ち寄って、展示会に新鮮味を加える。

WWD:出展ブランドの中には、まだ名前が広く知られていないものもかなり多い。

プロヴォストCEO:「トラノイ・トーキョー」は、有名・新興を問わない、すべての参加ブランドにとって挑戦の場だ。われわれは日本のみならず、より広いアジアのバイヤーとつながり、アジア市場でのリーチを広げるためのプラットフォームを提供している。

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欧州の合同展「トラノイ」 「東京を再びアジアのファッション・ハブに」と意気込む

欧州の歴史ある合同展示会「トラノイ(TRANOI)」が日本に初上陸した。日本ファッション・ウィーク推進機構(以下、JFWO)のパートナーシップのもと、「楽天 ファッション ウィーク東京(Rakuten Fashion Week TOKYO以下、RFWT)」期間中の9月4・5日に、東京・渋谷で「トラノイ・トーキョー」を開催している。日本では合同展が減少する中、なぜこのタイミングで東京を舞台に選んだのか。「トラノイ」のボリス・プロヴォスト(Boris Provost)最高経営責任者(CEO)に聞いた。

WWD:「トラノイ」について、改めて教えてほしい。

ボリス・プロヴォスト「トラノイ」CEO(以下、プロヴォストCEO):「トラノイ」は1998年の開始以来、あらゆるブランドが世界のバイヤーやプレス、インフルエンサーにコレクションを発表する場を、パリを拠点に提供してきた。ファッションの創造性や品質、革新性を重視する合同展であることから、業界における重要なイベントと認知されている。

「トラノイ」の強みはキュレーションとサービスだ。バイヤーらに“本物”を見せ、「トラノイ」が考えるファッションのビジョンを発信するために、品質と独自性の観点から選び抜いたコレクションを展示している。また、出展ブランドが販売のイロハや国際市場の特性を学ぶ機会を設けたり、コレクションの見せ方を助言したりもするほか、バイヤーの来場もサポートしている。事前にミーティングを実施して、彼らのニーズに合ったブランドを提案することもある。

WWD:今回、東京で「トラノイ」を初開催することになった経緯は。

プロヴォストCEO:パリ開催の「トラノイ 」では、日本からの来場者数がフランス、イタリアに次いで3番目に多い。コロナ明け直後は、それまで大口顧客だったタイや台湾といったアジアのバイヤーが減ったのに対し、日本は大手百貨店を中心に多くの来場があった。日本の「トラノイ」に対する強い関心と、アジアのバイヤーに再度アプローチする必要性を踏まえて、「トラノイ」を初めて東京で開催することにした。

WWD:開催時期を「楽天 ファッション ウィーク東京」に合わせたのはなぜ?

プロヴォストCEO:「トラノイ・トーキョー」の目的は、トラノイを日本に紹介し、東京をアジアのファッション・ハブとして復活させること。そのため日本のファッション・ウイークを巻き込むことが重要だった。パリ開催の「トラノイ」はパリ・ファッション・ウイークと独占的に提携している唯一のファッション合同展であるため、東京でも同様に連携している。2回目、3回目の「トラノイ・トーキョー」も、「RFWT」のある3月と9月に開催予定だ。

WWD:「トラノイ・トーキョー」を成功させるための戦略は。

プロヴォストCEO:鍵を握るのは、いかに日本やアジアのファッション業界と深く関わり、巻き込んでいけるかだ。東京のファッションシーンに連帯意識を育み、業界全体を結束させたい。実は、「RFWT」が関連イベントも含めて、2カ月ほどにわたってさまざまな場所で開かれることに驚いた。パリやニューヨークのファッション・ウイークは、1週間で集中的に開催されるのに。東京にはショー会場が少ないため、短期間に凝縮するのが難しいのは理解できるが、問題の根幹はもっと深いところにある。例えば東京の関係者は、アジアのバイヤーから「RFWT」を訪れるのに最適な時期を尋ねられても、「いつ来るべきかは悩ましい」と答えることが多い。自主展示会を開催するブランドの多くも、戦略的な計画ではなく、漠然としたトレンドに基づいて日程を選んでいるようだ。

こうした課題を克服するには、ブランド、バイヤー、イベント主催者、業界リーダーなど、すべてのステークホルダーが開かれたコミュニケーションをとり、連携することが不可欠だ。協力し合うことで、誰にとってもメリットがあるファッション・カレンダーを作れる。これは、「トラノイ・トーキョー」の知名度と名声を高めるだけでなく、東京が“ファッションの都”として成長する上でも重要だ。

東京ならではの試みも
あらゆるブランドに挑戦の場を

WWD:東京独自の試みがあれば教えてほしい。

プロヴォストCEO:「トラノイ」は開催前の企画段階で、様々なシーンを想定したブランドを集めるためにムードボードを作る。東京用のムードボードは、日本市場に密着しており、ウィメンズだけでなくメンズやライフスタイルブランドを扱う。今シーズンのムードボードは “90年代のミニマリズム”や“自分へのご褒美”など8つのテーマで構成した。“90年代のミニマリズム”ではクリーンなライン、控えめな色使い、ミニマルなエレガンスなどを特徴とするブランドが登場するし、“自分へのご褒美”では主にジュエリーブランドが並ぶ。

日本の消費者はデザインよりも素材や機能性を優先し、鮮やかな色よりもモノトーンやスポーティーなスタイルを好むので、その嗜好性に合わせてブランドのラインアップを調整した。パリの「トラノイ」にはペット用の商品の展示がない一方で、東京にはある。高級ブランドのデッドストックの生地を使ってドッグウエアを作るパリ発のブランドや、犬の首輪やリード、ソファをアウトドア商品としてアプローチ挑戦する東京発のブランドなど。日本ではファッショナブルな犬用のグッズに需要があるため驚いた。

WWD:「トラノイ・トーキョー」は、日本のブランドと海外ブランドの出展比率が 5:5だ。どちらかに偏ることなくブランドをそろえた狙いは。

プロヴォストCEO:日本だけでなく、他のアジア地域のバイヤーも対象にしているからだ。今回はプロモーションの一環として、韓国、タイ、台湾、中国からゲストバイヤーを招いている。出展比率を同等にすることで、あらゆる来場者に対してバランスの取れたアピールが可能になるし、ローカルブランドとインターナショナルブランドの双方が存在感を強められる。

WWD:日本では消滅した合同展も多い上に、一般的に合同店は出展ブランド数やバイヤーなどの来場者数も減少している。そのような中で「トラノイ・トーキョー」は、なぜ150もののブランド数を集められたのか。

プロヴォストCEO:合同展示会は、PR、マーケティング、セールスなどを含めて、特定の企業が単独で運営しているケースが多い。単一のチームで全てを済ませてしまうと、時としてアイデアの多様性がなくなり、退屈になってしまうことがある。それが日本の合同展が集約した原因の一つだろう。「トラノイ・トーキョー」は、全く反対のアプローチをとる。東京のチームには「トラノイ」の社員が数人しかおらず、専門外のことはプロに任せている。社内チームはオーガナイザーの役目に専念し、出展者により良いサービスを提供するために何をすべきか考える。社外チームは新たな視点を持ち寄って、展示会に新鮮味を加える。

WWD:出展ブランドの中には、まだ名前が広く知られていないものもかなり多い。

プロヴォストCEO:「トラノイ・トーキョー」は、有名・新興を問わない、すべての参加ブランドにとって挑戦の場だ。われわれは日本のみならず、より広いアジアのバイヤーとつながり、アジア市場でのリーチを広げるためのプラットフォームを提供している。

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「パタゴニア」が大阪・梅田店に日本初の中古品販売コーナーを常設する理由

パタゴニア日本支社は9月6日にグラングリーン大阪に開く西日本最大規模の店舗に中古品販売コーナーを設ける。再販品の常設は米国シカゴ店に次いで二店舗目、日本では初の店舗になる。

中古品の販売は2021年8月の渋谷店を皮切りに京都店(23年6月)や渋谷店(24年5月)でポップアップイベントを行ってきた。「満を持しての常設だ。この3年でポップアップやリペアイベントを開催する中でいろいろと見えてきたし、実績もできた。世界各国の『パタゴニア』の中でも日本は“ウォーンウエア(WORN WEAR、中古品プラットフォーム)”の取り組みがお客さまに響きやすい傾向がある。大阪・梅田店はコンセプトに“伝統と革新”を据え、『パタゴニア』創業時から続くアウトドアブランドとしての機能性と品質を追求したモノ作りを表現することに加えて、これからのアパレルメーカーや企業の在り方を体現することを目指した。一石を投じたいと考えた」と生山朋志DTCディレクターは語る。

大阪・梅田店の売り場面積は国内3番目となる121坪で、1フロアでは日本最大級だ。ほぼ全製品をラインアップしており(サーフとマウンテンバイクを除く)、製品バリエーションが多い。梅田駅直結で新規客とインバウンド客が期待でき、これまでの出店で大切にしていた“地域の人々とコミュニティを醸造する店”とは毛色が違う。「通常なら解放感を大切にして壁を設けないところにあえて売り場を遮るように壁を設置して、“ウォーンウエア”のブースを設け、反対側にはわれわれが訴求したいメッセージ、今であれば“ファッションとは関係ない”を掲示した。新規のお客さまはもちろん、『パタゴニア』のロゴや製品を知っていても活動を知らないお客さまに対してもわれわれの活動を知っていただくきっかけを作りたいと考えた。うめきたの開発エリアは直結とはいえ駅から少し距離がある。近所には住宅街があり、さまざまな人々が行き交う場所でもある。消費も食もエネルギッシュな街大阪で、新製品だけではなく“ウォーンウエア”をはじめとする『パタゴニア』の活動を知ってもらいたい」。

買い取りサービスの委託先は「ラグタグ」を運営するティンバンアレイ

再販のための買い取りサービスは「ラグタグ」を運営するティンバンアレイに委託した。再販価格は定価の4割ほどだ。二次流通市場でも人気が高い「パタゴニア」製品をCtoCのプラットフォームが整備されている日本で、ブランド側に“戻す”選択をしてもらうのは簡単ではないだろう。「CtoCのサービスがたくさんある中で、お客さまへのインセンティブをどうするのか。正規の直営店の魅力を感じてもらえるかは課題の一つ。買い取りを始めて3~4カ月が経ったが、出だしは悪くない。6月は約2000着を買い取るなど、まずまずの滑り出しだった。月によってばらつきがあるし、このペースが保てるかも挑戦になる。もともと流通量はメンズ製品が多いため、これまでの実績を合わせても買い取りはメンズ製品が多く、販売もメンズ製品がよく動く」。買い取りのスキームに関しては、「僕自身、試しに買い取りを行ってみた。自宅から発送ができ、査定の連絡も早くてスムーズだった」と評価する。CtoCでは出品者は写真撮影などの手間がかかるし、買い手は真贋判定を経ない製品を購入するリスクもあるため、出品の手間と真贋判定は直営店ならではのメリットといえるだろう。

修繕したアイテム“リクラフテッド”は「京都店と渋谷店で反応が良かったが、手間がかかりデザインの一貫性がない。一貫性がないのは良い点でもあるが、まずは“ウォーンウエア”の本流である純粋なリセールを行う」という。「重要なのは中古品を単体で見せるのではなく、新製品と中古品の両方を見て選択できる環境を作ること。今後は、東京でも”ウォーンウエア“の常設店を検討しており、Eコマースでも同様に新品と中古品両方の選択肢を提案できないかと思案している」。

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「パタゴニア」が大阪・梅田店に日本初の中古品販売コーナーを常設する理由

パタゴニア日本支社は9月6日にグラングリーン大阪に開く西日本最大規模の店舗に中古品販売コーナーを設ける。再販品の常設は米国シカゴ店に次いで二店舗目、日本では初の店舗になる。

中古品の販売は2021年8月の渋谷店を皮切りに京都店(23年6月)や渋谷店(24年5月)でポップアップイベントを行ってきた。「満を持しての常設だ。この3年でポップアップやリペアイベントを開催する中でいろいろと見えてきたし、実績もできた。世界各国の『パタゴニア』の中でも日本は“ウォーンウエア(WORN WEAR、中古品プラットフォーム)”の取り組みがお客さまに響きやすい傾向がある。大阪・梅田店はコンセプトに“伝統と革新”を据え、『パタゴニア』創業時から続くアウトドアブランドとしての機能性と品質を追求したモノ作りを表現することに加えて、これからのアパレルメーカーや企業の在り方を体現することを目指した。一石を投じたいと考えた」と生山朋志DTCディレクターは語る。

大阪・梅田店の売り場面積は国内3番目となる121坪で、1フロアでは日本最大級だ。ほぼ全製品をラインアップしており(サーフとマウンテンバイクを除く)、製品バリエーションが多い。梅田駅直結で新規客とインバウンド客が期待でき、これまでの出店で大切にしていた“地域の人々とコミュニティを醸造する店”とは毛色が違う。「通常なら解放感を大切にして壁を設けないところにあえて売り場を遮るように壁を設置して、“ウォーンウエア”のブースを設け、反対側にはわれわれが訴求したいメッセージ、今であれば“ファッションとは関係ない”を掲示した。新規のお客さまはもちろん、『パタゴニア』のロゴや製品を知っていても活動を知らないお客さまに対してもわれわれの活動を知っていただくきっかけを作りたいと考えた。うめきたの開発エリアは直結とはいえ駅から少し距離がある。近所には住宅街があり、さまざまな人々が行き交う場所でもある。消費も食もエネルギッシュな街大阪で、新製品だけではなく“ウォーンウエア”をはじめとする『パタゴニア』の活動を知ってもらいたい」。

買い取りサービスの委託先は「ラグタグ」を運営するティンバンアレイ

再販のための買い取りサービスは「ラグタグ」を運営するティンバンアレイに委託した。再販価格は定価の4割ほどだ。二次流通市場でも人気が高い「パタゴニア」製品をCtoCのプラットフォームが整備されている日本で、ブランド側に“戻す”選択をしてもらうのは簡単ではないだろう。「CtoCのサービスがたくさんある中で、お客さまへのインセンティブをどうするのか。正規の直営店の魅力を感じてもらえるかは課題の一つ。買い取りを始めて3~4カ月が経ったが、出だしは悪くない。6月は約2000着を買い取るなど、まずまずの滑り出しだった。月によってばらつきがあるし、このペースが保てるかも挑戦になる。もともと流通量はメンズ製品が多いため、これまでの実績を合わせても買い取りはメンズ製品が多く、販売もメンズ製品がよく動く」。買い取りのスキームに関しては、「僕自身、試しに買い取りを行ってみた。自宅から発送ができ、査定の連絡も早くてスムーズだった」と評価する。CtoCでは出品者は写真撮影などの手間がかかるし、買い手は真贋判定を経ない製品を購入するリスクもあるため、出品の手間と真贋判定は直営店ならではのメリットといえるだろう。

修繕したアイテム“リクラフテッド”は「京都店と渋谷店で反応が良かったが、手間がかかりデザインの一貫性がない。一貫性がないのは良い点でもあるが、まずは“ウォーンウエア”の本流である純粋なリセールを行う」という。「重要なのは中古品を単体で見せるのではなく、新製品と中古品の両方を見て選択できる環境を作ること。今後は、東京でも”ウォーンウエア“の常設店を検討しており、Eコマースでも同様に新品と中古品両方の選択肢を提案できないかと思案している」。

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UA新ブランド「コンテ」、青山に路面店オープン EC開設1カ月で計画値7倍売り上げ

ユナイテッドアローズは、辺見えみりをディレクターに起用した新ブランド「コンテ(CONTE)」の旗艦店を東京・青山の骨董通り沿いに9月6日オープンする。同社としては、路面店の出店は約5年ぶり。「コンテ」のターゲットは40代の大人の女性だ。辺見は「私自身、新しいことに挑戦することが難しくなってきたからこそ、ここではお客さまが積極的に新しい自分と出会いたくなるような体験を提供したい」と思いを語った。

高揚感を掻き立てる店内に

ワンフロアの店内は、昭和から続く写真館をリノベーションした。壁は左官材を手塗りで仕上げ落ち着いた空間を演出する。そこに辺見自身が買い付けたビンテージの家具を並べ、「高級感と品、親しみやすさのちょうどいいバランスを目指した」という。取り扱い商品はオリジナル8割、仕入れ2割で構成する。同店限定で辺見が手掛けるスキンケアブランド「ミズカ(MIZUKA)」のフレグランスや陶芸家伊藤館の器なども取り扱い、ブランドが提案する女性像を包括的に表現する。

奥行きのある縦長の設計を意識し、エントランスから店内奥までが見渡せるように工夫した。入り口には一枚板の長テーブルに、「ジル サンダー(JIL SANDER)」などの雑貨を配置し、奥には外から優しく差し込む自然光をイメージしたライティングの下に「コンテ」の服が並ぶ。辺見は「準備期間には店前を何度も通り店内がどう見えるかチェックした。外から見た時にほかにどんなものがあるんだろう、と高揚感を掻き立てたい」とこだわりを語る。入り口正面に配置した大きな丸い鏡は、店で生まれる縁を大切にしたいという思いを込めた。ブロックガラスで囲った試着室は「自分の世界に没入してもらえるよう」広々とした空間にした。

販売スタッフはユナイテッドアローズの各レーベルから立候補性で募集した。その中から、「コンテ」のコンセプトに共感度の高いスタッフ5人を採用。辺見は「スタッフも自分のスタイルの変化を楽しむ意思がある人ばかり。みんなにはその気持ちを大事にしてお客さまと一緒に年齢を重ねていけるようなブランドにしていこうと話した」という。

順調な滑り出し、9月12日には新宿ルミネ1に2号店出店

「コンテ」は8月にECサイトをオープンしたところ、計画値の約7倍を売り上げた。また「ユナイテッドアローズ」麻布台店など3店舗で開催したポップアップでも計画比値倍の売り上げだった。うちターゲット層の40代女性が約8割を占め、ユナイテッドアローズとしての新規顧客は3割と順調な滑り出しだ。特に人気だったのは、ブランドの顔として打ち出した梳毛を平織りしたメンズライクなトレンチコート。辺見自身のファッションへの悩みを起点とした商品企画がターゲット層に響いた。

神永和洋ブランドビジネス本部SBU部コンテ課課長は「想定以上の反響だ。今後もある程度の規模感を持って成長することを期待しており、都内や地方の都市部での出店を積極的に検討していきたい」と話す。9月12日には、新宿ルミネ1に2号店の出店が決まっている。

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UA新ブランド「コンテ」、青山に路面店オープン EC開設1カ月で計画値7倍売り上げ

ユナイテッドアローズは、辺見えみりをディレクターに起用した新ブランド「コンテ(CONTE)」の旗艦店を東京・青山の骨董通り沿いに9月6日オープンする。同社としては、路面店の出店は約5年ぶり。「コンテ」のターゲットは40代の大人の女性だ。辺見は「私自身、新しいことに挑戦することが難しくなってきたからこそ、ここではお客さまが積極的に新しい自分と出会いたくなるような体験を提供したい」と思いを語った。

高揚感を掻き立てる店内に

ワンフロアの店内は、昭和から続く写真館をリノベーションした。壁は左官材を手塗りで仕上げ落ち着いた空間を演出する。そこに辺見自身が買い付けたビンテージの家具を並べ、「高級感と品、親しみやすさのちょうどいいバランスを目指した」という。取り扱い商品はオリジナル8割、仕入れ2割で構成する。同店限定で辺見が手掛けるスキンケアブランド「ミズカ(MIZUKA)」のフレグランスや陶芸家伊藤館の器なども取り扱い、ブランドが提案する女性像を包括的に表現する。

奥行きのある縦長の設計を意識し、エントランスから店内奥までが見渡せるように工夫した。入り口には一枚板の長テーブルに、「ジル サンダー(JIL SANDER)」などの雑貨を配置し、奥には外から優しく差し込む自然光をイメージしたライティングの下に「コンテ」の服が並ぶ。辺見は「準備期間には店前を何度も通り店内がどう見えるかチェックした。外から見た時にほかにどんなものがあるんだろう、と高揚感を掻き立てたい」とこだわりを語る。入り口正面に配置した大きな丸い鏡は、店で生まれる縁を大切にしたいという思いを込めた。ブロックガラスで囲った試着室は「自分の世界に没入してもらえるよう」広々とした空間にした。

販売スタッフはユナイテッドアローズの各レーベルから立候補性で募集した。その中から、「コンテ」のコンセプトに共感度の高いスタッフ5人を採用。辺見は「スタッフも自分のスタイルの変化を楽しむ意思がある人ばかり。みんなにはその気持ちを大事にしてお客さまと一緒に年齢を重ねていけるようなブランドにしていこうと話した」という。

順調な滑り出し、9月12日には新宿ルミネ1に2号店出店

「コンテ」は8月にECサイトをオープンしたところ、計画値の約7倍を売り上げた。また「ユナイテッドアローズ」麻布台店など3店舗で開催したポップアップでも計画比値倍の売り上げだった。うちターゲット層の40代女性が約8割を占め、ユナイテッドアローズとしての新規顧客は3割と順調な滑り出しだ。特に人気だったのは、ブランドの顔として打ち出した梳毛を平織りしたメンズライクなトレンチコート。辺見自身のファッションへの悩みを起点とした商品企画がターゲット層に響いた。

神永和洋ブランドビジネス本部SBU部コンテ課課長は「想定以上の反響だ。今後もある程度の規模感を持って成長することを期待しており、都内や地方の都市部での出店を積極的に検討していきたい」と話す。9月12日には、新宿ルミネ1に2号店の出店が決まっている。

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「ケイト・スペード ニューヨーク」に新CEO ビューティブランドの要職を歴任

タペストリー(TAPESTRY)は、傘下に持つケイト・スペード ニューヨーク(KATE SPADE NEW YORK)のリズ・フレイザー(Liz Fraser)最高経営責任者(CEO)兼ブランドプレジデントの退任を発表した。これに伴い、後任としてロレアル(L'OREAL)が擁するアーバン ディケイ(URBAN DECAY)のグローバルプレジデントを務めていたエヴァ・アードマン(Eva Erdmann)を任命。同氏は10月に就任する。

新CEOの経歴は?

アードマン新CEO兼ブランドプレジデントは、フランスのグノーブル理工科大学およびHEC経営大学院で修士号を取得。ディオール(DIOR)のビューティ部門でマーケティング分野の経験を積んだ後、ロレアルが擁するランコム(LANCOME)のフランス事業や、イヴ・サンローラン・ボーテ(YVES SAINT LAURENT BEAUTE)の要職を歴任。2018年に、アーバン ディケイのグローバルプレジデントに就任した。

タペストリーのジョアン・クレヴォイセラ(Joanne Crevoiserat)CEOは、「エヴァをケイト・スペード ニューヨークに迎えることができ、とてもうれしく思う。彼女は絶え間なく変化する消費者動向をよく理解しており、グローバルなブランドやコミュニティーの構築に優れているため、アイコニックな同ブランドをさらに成長させてくれるだろう。また、ブランドのDNAに再フォーカスした事業戦略を推進し、将来に向けた基盤作りにリーダーシップを発揮してくれたリズに、心から感謝している」と語った。

アードマン新CEO兼ブランドプレジデントは、「ケイト・スペード ニューヨークに加わることができ、とても光栄に思う。ユニークなポジションにあるこのブランドには、さまざまな成長の機会がある。チームと共に、自己表現の喜びを世界中の消費者にもたらすという当社のミッションを推し進め、収益性のある持続的な成長を促していく」と述べた。

フレイザー前CEO兼ブランドプレジデントは、20年3月に就任。それ以前には、マーク バイ マーク ジェイコブス(MARC BY MARC JACOBS)の社長、アン・クライン(ANNE KLEIN)のCEO、ラファイエット 148 ニューヨーク(LAFAYETTE 148 NEW YORK)の社長を務めていた。

「ケイト・スペード ニューヨーク」と親会社の業績

タペストリー(TAPESTRY)の24年6月期決算は、売上高が前期比0.1%増の66億7120万ドル(約9739億円)、営業利益は同2.7%減の11億4010万ドル(約1664億円)、純利益は同12.8%減の8億1600万ドル(約1191億円)だった。

ブランド別の売上高では、主力の「コーチ(COACH)」が同2.7%増の50億9530万ドル(約7439億円)と微増を維持したが、「ケイト・スペード ニューヨーク」は同5.9%減の13億3440万ドル(約1948億円)だった。

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ユニクロ8月度、25.3%増収 猛暑で夏物の実需旺盛

専門店チェーン、セレクトショップの2024年8月度業績(速報値)は、軒並み数%〜2ケタ%の増収だった。台風による休業などのマイナス要因はあったものの、猛暑により夏物衣料の実需が高まり、業績をけん引した。

国内のユニクロ(既存店ベース)は前年同月比25.3%増。夏物商品に加えて「ニュース性のある新商品の販売が好調だった」(同社発表資料)。「無印良品」の良品計画も既存店+ECが同12.8%増と好調だった。生活雑貨が2ケタ伸長とけん引し、既存店は7ヶ月連続で前年実績を上回った。足を引っ張っていた衣類・雑貨も前年並みまで回復した。ユナイテッドアローズは既存店+ECが前年同期比14.7%増。夏物衣料、秋物の新作ともに定価販売が前年から大きく伸びた。

しまむらは前年同月比5.5%増(既存店ベース)。Tシャツやブラウスなどの売れ筋商品の追加仕入が奏功した。行楽需要によりサンダルや帽子、アームカバーが好調だった。アダストリアは前年同月比5.7%(同)だった。月後半になるにつれ、徐々に秋物商品の売り上げ比率が上がった。ブランド別では、「グローバルワーク」「ニコアンド」「レプシィム」「ラコレ」が好調。アイテム別では、定番の機能性素材を使用したボトムスが引き続き好調で、ジーンズや秋色・柄を使った長袖シャツも人気という。

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ユニクロ8月度、25.3%増収 猛暑で夏物の実需旺盛

専門店チェーン、セレクトショップの2024年8月度業績(速報値)は、軒並み数%〜2ケタ%の増収だった。台風による休業などのマイナス要因はあったものの、猛暑により夏物衣料の実需が高まり、業績をけん引した。

国内のユニクロ(既存店ベース)は前年同月比25.3%増。夏物商品に加えて「ニュース性のある新商品の販売が好調だった」(同社発表資料)。「無印良品」の良品計画も既存店+ECが同12.8%増と好調だった。生活雑貨が2ケタ伸長とけん引し、既存店は7ヶ月連続で前年実績を上回った。足を引っ張っていた衣類・雑貨も前年並みまで回復した。ユナイテッドアローズは既存店+ECが前年同期比14.7%増。夏物衣料、秋物の新作ともに定価販売が前年から大きく伸びた。

しまむらは前年同月比5.5%増(既存店ベース)。Tシャツやブラウスなどの売れ筋商品の追加仕入が奏功した。行楽需要によりサンダルや帽子、アームカバーが好調だった。アダストリアは前年同月比5.7%(同)だった。月後半になるにつれ、徐々に秋物商品の売り上げ比率が上がった。ブランド別では、「グローバルワーク」「ニコアンド」「レプシィム」「ラコレ」が好調。アイテム別では、定番の機能性素材を使用したボトムスが引き続き好調で、ジーンズや秋色・柄を使った長袖シャツも人気という。

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パリ発ジュエラー「ショーメ」が表参道ヒルズに出店 

パリ発ジュエラー「ショーメ(CHAUMET)」は9月1日、東京・表参道ヒルズに新店舗をオープンした。店舗のロケーションは、同商業施設内で移転した「ブシュロン(BOUCHERON)」が以前あった場所。同店舗は都内6店舗目で、ブランドカラーであるブルーに彩られた店舗にはアイコンであるティアラの模型やモダンアートが展示され、アートギャラリーのような空間が広がる。約71平方メートルの同店舗では、“ビー マイ ラブ”や“ジョゼフィーヌ”コレクションをはじめとする新作ジュエリーやブライダルアイテムを販売する。

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スニーカー戦線、大いに異状あり!:記者談話室vol.142

「WWDJAPAN」ポッドキャストの「記者談話室」は、ファッション業界のその時々のニュースや話題について、3人の記者が分かりやすく解説したり、時には脱線したりしながら、掘り下げていきます。

142回目となる今回は、大激変中のスポーツシューズ&スニーカーのマーケットについて語りました。王者「ナイキ(NIKE)」が不調な中、「サロモン(SALOMON)」「オン(ON)」「ホカ(HOKA)」などの新興勢力が拡大中。さて、これら好調ブランドに共通する要素とは?こちらの記事を合わせて読むとさらに理解が深まります!

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百貨店8月度、台風にも負ケズ1割増収

百貨店主要4社の2024年8月度業績は、おしなべて1割前後の増収だった。ラグジュアリーブランドなどの高額品、婦人服など衣料品が好調に推移した。月末に台風10号が西日本を縦断して当該エリアの店舗が1〜2日程度の休業に見舞われ、マイナス要因となった。

各社の業績は、三越伊勢丹が前年同月比16.7%増、高島屋が同7.3%増、大丸松坂屋百貨店が同6.8%増、阪急阪神百貨店が同11.1%増。

東日本の都心店は軒並み好調。三越伊勢丹の一番店である伊勢丹新宿本店は前年同月比28.4%増と引き続き大幅増収し、そのうち訪日客向け売り上げが同42.3%増とけん引した。高島屋も新宿店が同11.8%増、日本橋店が9.3%増と好調だった。

台風が襲来した西日本も、月全体の業績でみれば影響は限定的だ。都心店を中心に、来店客数は順調に推移した。阪急阪神百貨店の阪急本店は、8月として過去最高売り上げを更新。婦人ファッション全体で前年同月比約20%増、バッグが同約40%増と引っ張った。博多阪急は台風影響で29、30日を休んだ。大丸松坂屋百貨店は大丸心斎橋店が前年同月比6.3%増、京都店が同8.1%増だった。同社とは別会社になるが、台風影響で2日間休業した博多大丸は7.0%増、1日休業した高知大丸は同6.8%増だった。

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百貨店8月度、台風にも負ケズ1割増収

百貨店主要4社の2024年8月度業績は、おしなべて1割前後の増収だった。ラグジュアリーブランドなどの高額品、婦人服など衣料品が好調に推移した。月末に台風10号が西日本を縦断して当該エリアの店舗が1〜2日程度の休業に見舞われ、マイナス要因となった。

各社の業績は、三越伊勢丹が前年同月比16.7%増、高島屋が同7.3%増、大丸松坂屋百貨店が同6.8%増、阪急阪神百貨店が同11.1%増。

東日本の都心店は軒並み好調。三越伊勢丹の一番店である伊勢丹新宿本店は前年同月比28.4%増と引き続き大幅増収し、そのうち訪日客向け売り上げが同42.3%増とけん引した。高島屋も新宿店が同11.8%増、日本橋店が9.3%増と好調だった。

台風が襲来した西日本も、月全体の業績でみれば影響は限定的だ。都心店を中心に、来店客数は順調に推移した。阪急阪神百貨店の阪急本店は、8月として過去最高売り上げを更新。婦人ファッション全体で前年同月比約20%増、バッグが同約40%増と引っ張った。博多阪急は台風影響で29、30日を休んだ。大丸松坂屋百貨店は大丸心斎橋店が前年同月比6.3%増、京都店が同8.1%増だった。同社とは別会社になるが、台風影響で2日間休業した博多大丸は7.0%増、1日休業した高知大丸は同6.8%増だった。

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「バルマン」もプレミアムフレグランスに参入 オリヴィエ・ルスタンがエスティ ローダーと開発

「バルマン(BALMAIN)」は8月27日(現地時間)、クリエイティブ・ディレクターのオリヴィエ・ルスタン(Olivier Rousteing)が手掛けるフレグランスコレクション“レ・エテルネル・ドゥ・バルマン”を発売した。エスティ ローダー カンパニーズ(ESTEE LAUDER COMPANIES以下、ELC)のライセンスの元、公式オンラインショップと一部のブティックで販売する。

ラインアップは、ジェンダーレスな全8種類で各300ドル(約4万3800円)。2010年に発売した“カルボンヌ”など過去の商品を再解釈した複雑な香りから、シダーウッドとパチョリの絶妙なバランスを持つ“ブロンズ”などの新作まで幅広くそろえる。ボトルは「バルマン」のシンボルである黒と金、アイコニックなストライプはそのままにひし形へと変更し、リサイクル可能な素材となった。

ルスタンは長年、フレグランスの開発に関心があった。10代の頃から「ジャンポール・ゴルチエ(JEAN PAUL GAULTIER)」の“ル マル”を愛用し、祖母の使うスキンクリームが香水のようで好きだったと語っている。祖母は「バルマン」が1979年に発売した“イヴォワール ドゥ バルマン”を身につけていたという。また、創業者のピエール・バルマン(Pierre Balmain)はブランドを立ち上げた45年の翌年、最初の香水“エリゼ64-83”を発売し、続々と象徴的なフレグランスを生み出した。ビューティ領域は、まだルスタンが触れていないブランドのレガシーの最後の一つである。

「バルマン」のビューティビジネスは2017年以降停滞していたが、22年9月にELCとグローバルビューティライセンスを締結したことをきっかけに新たなスタートを切った。ELCのギヨーム・ジェセル(Guillaume Jesel)=ブランドプレジデント兼CEOは「オリヴィエ(・ルスタン)は10年以上の経歴を持ち、最年少のクリエイティブディレクターかつ、最も長く在任している人物」と評価する。売り上げには言及しなかったが、業界関係者は“レ・エテルネル・ドゥ・バルマン”が発売から1年で5000万ドル(73億円)に達すると見積もる。

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「無印良品」が代官山に出店 服は「MUJIラボ」に特化

良品計画は「無印良品」の新店舗を東京・代官山に10月11日開く。衣料品で先進的な商品ライン「MUJIラボ(MUJI LABO)」に特化した初の店舗となる。「MUJIラボ」は2024-25年秋冬からリニューアルしており、新しい世界観を表現する場となる。

新店舗「無印良品 代官山」は駅からほど近い八幡通り沿いの代官山プラザの1階に入る。売り場面積は390平方メートルで、「無印良品」としては小ぶりな店舗になる。10月11日に衣料品の売り場(238平方メートル)、11月15日に生活雑貨の売り場(152平方メートル)がオープンする予定だ。

「MUJIラボ」は実験的な取り組みを行う商品ラインとして05年にスタート。国内外の大型店で展開されている。「Nハリウッド(N.HOOLYWOOD)」デザイナーの尾花大輔氏がデザインディレクターを務めてきたが、リニューアルを機に社内デザインチームが手掛ける体制に切り替わった。地球環境に配慮し、伝統文化を反映したものづくりをより鮮明にする。

秋冬の代表的なアイテムとして、“再生カシミヤ混・再生ウール混”のジャケットやパンツ、コート(9900〜2万9900円)、“自然のまんまの色 カシミヤ”のセーター(1万7900円、2万4900円)を打ち出す。

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「無印良品」が代官山に出店 服は「MUJIラボ」に特化

良品計画は「無印良品」の新店舗を東京・代官山に10月11日開く。衣料品で先進的な商品ライン「MUJIラボ(MUJI LABO)」に特化した初の店舗となる。「MUJIラボ」は2024-25年秋冬からリニューアルしており、新しい世界観を表現する場となる。

新店舗「無印良品 代官山」は駅からほど近い八幡通り沿いの代官山プラザの1階に入る。売り場面積は390平方メートルで、「無印良品」としては小ぶりな店舗になる。10月11日に衣料品の売り場(238平方メートル)、11月15日に生活雑貨の売り場(152平方メートル)がオープンする予定だ。

「MUJIラボ」は実験的な取り組みを行う商品ラインとして05年にスタート。国内外の大型店で展開されている。「Nハリウッド(N.HOOLYWOOD)」デザイナーの尾花大輔氏がデザインディレクターを務めてきたが、リニューアルを機に社内デザインチームが手掛ける体制に切り替わった。地球環境に配慮し、伝統文化を反映したものづくりをより鮮明にする。

秋冬の代表的なアイテムとして、“再生カシミヤ混・再生ウール混”のジャケットやパンツ、コート(9900〜2万9900円)、“自然のまんまの色 カシミヤ”のセーター(1万7900円、2万4900円)を打ち出す。

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鎌倉シャツがNYに再出店 4年ぶり

メーカーズシャツ鎌倉(以下、鎌倉シャツ)は、ニューヨークに再出店する。同社はマディソンアベニューに2012年から店舗を構えていたが、コロナ禍の打撃で20年末に閉店していた。店舗がなくなっても定期的にトランクショーを開催し、顧客から受注を取ってきた。再出店によって現地の顧客の期待に応えるとともに、グローバル市場での存在感を示す。

グランドセントラル駅に隣接するグレイバービルに完全予約制のオーダーサロンを9月19日に開く。ゆっくり接客しながらオーダーシャツを提供する。スラックス、ジャケット、ニットもそろえる。ショールームとしての役割を持たせ、グローバルオンラインストアに送客する。米国事業で今年度5億円の売上高を見込む。国内生産を売りにする同社にとっては円安も追い風になる。

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鎌倉シャツがNYに再出店 4年ぶり

メーカーズシャツ鎌倉(以下、鎌倉シャツ)は、ニューヨークに再出店する。同社はマディソンアベニューに2012年から店舗を構えていたが、コロナ禍の打撃で20年末に閉店していた。店舗がなくなっても定期的にトランクショーを開催し、顧客から受注を取ってきた。再出店によって現地の顧客の期待に応えるとともに、グローバル市場での存在感を示す。

グランドセントラル駅に隣接するグレイバービルに完全予約制のオーダーサロンを9月19日に開く。ゆっくり接客しながらオーダーシャツを提供する。スラックス、ジャケット、ニットもそろえる。ショールームとしての役割を持たせ、グローバルオンラインストアに送客する。米国事業で今年度5億円の売上高を見込む。国内生産を売りにする同社にとっては円安も追い風になる。

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「ユニクロ」インナーMDが語る、肌着からファッションピースへ進化する“ヒートテック”

「ユニクロ(UNIQLO)」は2024-25年秋冬、ヒートテックの新商品となる“極暖ヒートテックカシミヤクルーネック”を、9月6日に「ユニクロ:シー(UNIQLO:C)」から発売する。先日開催された展示会では、現在ファーストリテイリング イノベーション センター パリ(Fast Retailing Innovation Center Paris、以下FRICP)を拠点にグローバルのMDを統括するウィメンズインナー部門の炬口佳乃子(たけのくち・かのこ)商品企画担当部長が一時帰国し、新商品について説明した。

新商品“極暖ヒートテックカシミヤクルーネック”はカシミヤを9%混合し、締め付け感が少なくふんわり柔らかい着心地を実現した。暖かさは通常のヒートテックの1.5倍*1の“極暖”タイプとなるが、ループ内の空間が広くなるようふんわりと編むことで、従来の“極暖ヒートテックインナー”よりも約30%*2軽くなっている。
*1衣類の熱抵抗を表すCLO値を元に算出
*2極暖ヒートテック生地目付を比較

価格・耐久性・風合いのバランスを熟考

炬口MDは、「快適性、心地良さ、心が躍る感じ」を目指したという同商品の開発を振り返り、「道のりは難しく、軽やかで柔らかい素材を実現するのに苦労した。素材をゆるく柔らかくすると、どうしても毛玉やピリング・スナッグが起きてしまう。生地段階で50回以上、何度も試作と着用テストを繰り返した」と語った。さらに早く編むほど生産量は上がるが「スピードを上げると生地に負荷がかかり、たちまち締まったような感じになってしまう。通常の編み方よりも、ゆったりとしたスピードにコントロールした」。また、「価格と耐久性と風合い、商品自体の完成度のバランス」を熟考し、9%というカシミヤ混合率に着地した。

「天然のカシミアの風合いが生きる色展開」や重ね着した時の調和を重視したディティールは、「ユニクロ:シー」を手掛けるクレア・ワイト・ケラー(Clare Waight Keller)が監修。カシミア混でありながら、量の確保と生産の前準備を行うことで従来の“極暖ヒートテックインナー”と同じ1990円という価格設定となった。XSから3XLの広いサイズ展開は、男性の着用も期待する。新しいヒートテックの提案となる同商品に対し「肌着というより、おしゃれなファッションピースとして売りたいという思いが強い」と抱負を述べた。

“ヒートテック”でもブラトップ発売

ウイメンズの新商品には“極暖ヒートテックリブブラタンクトップ”も登場する。海外では昨年から今年にかけ、SNSの影響もあってブラトップの人気が上昇しており「国によっては前期比2〜3倍に伸長しているところもある」。中でもヒットしたのがアメリカンスリーブタイプで、新商品もそれを進化させたデザインになっている。海外でブラトップは下着として隠すものではなく「見せて着るアイテム」として認知されており、その海外需要を見込んで24年春夏はトップスとして着用するデザインを強化したが、日本でも「見せて着る」ブラトップの需要は高まり「もはや日本と海外の差はない」。そういったブラトップは夏向け商品だと思われがちだが「アメリカでは1月からアメリカンスリープのブラトップが動き出した。シアー素材の流行も後押しとなり、ブラトップはレイヤーアイテムとして1年中求められる商品となった。我々は従来のシーズンの考え方を変える必要がある」と分析する。

炬口MDは23年4月にパリのFRICPに異動し、海外店舗で客やスタッフの声を集め、グローバルに通用するインナーを目指しアップデートを行なっている。その成果の一つが6月に発売された“ワイヤレスブラ(リラックス Uネック)”だ。肩紐の長さが調整できるアジャスター仕様にし、ネックラインもVからUネックに変更。ソフトな樹脂パーツを内蔵し、ホールド感も上げている。これは国内外のボイス・オブ・カスタマー(ユニクロのコールセンターやECサイトに寄せられる消費者からのコメントのこと)はもちろんのこと、炬口MD自身が海外のショップスタッフから聞いた「快適なのは分かっているが、デザインに満足できず着用に至っていない」などの意見も反映されている。渡仏してから1年半が経ち、グローバルな視点で改善した数々のアップデートが形になり始めている。

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「ユニクロ」インナーMDが語る、肌着からファッションピースへ進化する“ヒートテック”

「ユニクロ(UNIQLO)」は2024-25年秋冬、ヒートテックの新商品となる“極暖ヒートテックカシミヤクルーネック”を、9月6日に「ユニクロ:シー(UNIQLO:C)」から発売する。先日開催された展示会では、現在ファーストリテイリング イノベーション センター パリ(Fast Retailing Innovation Center Paris、以下FRICP)を拠点にグローバルのMDを統括するウィメンズインナー部門の炬口佳乃子(たけのくち・かのこ)商品企画担当部長が一時帰国し、新商品について説明した。

新商品“極暖ヒートテックカシミヤクルーネック”はカシミヤを9%混合し、締め付け感が少なくふんわり柔らかい着心地を実現した。暖かさは通常のヒートテックの1.5倍*1の“極暖”タイプとなるが、ループ内の空間が広くなるようふんわりと編むことで、従来の“極暖ヒートテックインナー”よりも約30%*2軽くなっている。
*1衣類の熱抵抗を表すCLO値を元に算出
*2極暖ヒートテック生地目付を比較

価格・耐久性・風合いのバランスを熟考

炬口MDは、「快適性、心地良さ、心が躍る感じ」を目指したという同商品の開発を振り返り、「道のりは難しく、軽やかで柔らかい素材を実現するのに苦労した。素材をゆるく柔らかくすると、どうしても毛玉やピリング・スナッグが起きてしまう。生地段階で50回以上、何度も試作と着用テストを繰り返した」と語った。さらに早く編むほど生産量は上がるが「スピードを上げると生地に負荷がかかり、たちまち締まったような感じになってしまう。通常の編み方よりも、ゆったりとしたスピードにコントロールした」。また、「価格と耐久性と風合い、商品自体の完成度のバランス」を熟考し、9%というカシミヤ混合率に着地した。

「天然のカシミアの風合いが生きる色展開」や重ね着した時の調和を重視したディティールは、「ユニクロ:シー」を手掛けるクレア・ワイト・ケラー(Clare Waight Keller)が監修。カシミア混でありながら、量の確保と生産の前準備を行うことで従来の“極暖ヒートテックインナー”と同じ1990円という価格設定となった。XSから3XLの広いサイズ展開は、男性の着用も期待する。新しいヒートテックの提案となる同商品に対し「肌着というより、おしゃれなファッションピースとして売りたいという思いが強い」と抱負を述べた。

“ヒートテック”でもブラトップ発売

ウイメンズの新商品には“極暖ヒートテックリブブラタンクトップ”も登場する。海外では昨年から今年にかけ、SNSの影響もあってブラトップの人気が上昇しており「国によっては前期比2〜3倍に伸長しているところもある」。中でもヒットしたのがアメリカンスリーブタイプで、新商品もそれを進化させたデザインになっている。海外でブラトップは下着として隠すものではなく「見せて着るアイテム」として認知されており、その海外需要を見込んで24年春夏はトップスとして着用するデザインを強化したが、日本でも「見せて着る」ブラトップの需要は高まり「もはや日本と海外の差はない」。そういったブラトップは夏向け商品だと思われがちだが「アメリカでは1月からアメリカンスリープのブラトップが動き出した。シアー素材の流行も後押しとなり、ブラトップはレイヤーアイテムとして1年中求められる商品となった。我々は従来のシーズンの考え方を変える必要がある」と分析する。

炬口MDは23年4月にパリのFRICPに異動し、海外店舗で客やスタッフの声を集め、グローバルに通用するインナーを目指しアップデートを行なっている。その成果の一つが6月に発売された“ワイヤレスブラ(リラックス Uネック)”だ。肩紐の長さが調整できるアジャスター仕様にし、ネックラインもVからUネックに変更。ソフトな樹脂パーツを内蔵し、ホールド感も上げている。これは国内外のボイス・オブ・カスタマー(ユニクロのコールセンターやECサイトに寄せられる消費者からのコメントのこと)はもちろんのこと、炬口MD自身が海外のショップスタッフから聞いた「快適なのは分かっているが、デザインに満足できず着用に至っていない」などの意見も反映されている。渡仏してから1年半が経ち、グローバルな視点で改善した数々のアップデートが形になり始めている。

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海外メディア絶賛の「オーラリー」「ダブレット」「ターク」 日本人デザイナーの評価が急速に高まるなぜ

2025年春夏シーズンのパリ・メンズ・ファッション・ウイークは、日本ブランドなくして語れない。潤沢な予算を持つビッグメゾンと、スポンサー企業のバックアップがある国際的ブランドが公式スケジュールに並ぶ中、インディペンデントな日本人デザイナーによるブランドが、海外のメディア関係者と小売店のバイヤーの両方から高く評価されている。

少し前は“ハイプ(熱狂を誘う一時的な流行り)”という言葉が台頭し、今は“クワイエット・ラグジュアリー”がトレンドを超えて一つの美学として定着しつつある。この潮流に、日本ブランドの上質な生地と仕立て、ディテールにまで配慮された繊細な美意識がうまく合致しているのだろう。円安も後押しして、海外バイヤーにとって日本製品を買い付ける絶好のタイミングでもある。これまでは、ディテールにこだわりすぎて、その良さを伝えきれずに海外で苦戦した日本ブランドも少なくなかった。しかし、ここ数シーズンの日本ブランドのパリメンズでの評価は、トレンドに迎合するのではなく、自身の美学を貫き、真摯にモノづくりと向き合い続けた、過去の積み重ねによる一つの成果である。

また、規模の大小にかかわらず、ビジネスは結局のところ人と人との信頼関係で成り立っていることを考えると、綿密な正確さ、丁寧さ、きめ細やかさが、製品だけなく人間同士のコミュニケーションにも反映され、日本全体への信頼につながっているのだと想像できる。海外在住12年目を迎える筆者は、日常生活でもそれを感じるからだ。プレスやセールス、世界トップクラスの高い技術力を誇る生産者といった、ブランドを携わるすべての人を称えたい。そういった表には見えない人々の支えがあって、日本ブランドがパリという世界の舞台で存在感を示している。特に次世代を担う、中堅ブランドの躍進が目覚ましい。辛口ジャーナリストも褒めちぎる、海外メディアの日本の中堅ブランドへの講評を紹介する。

「オーラリー」
「執念のようなこだわり」

海外の主要な小売店のバイヤーと影響力のあるジャーナリストは、パリメンズ初日にショーを開催した「オーラリー(AURALEE)」に集結した。昨シーズンからプレゼンテーションの枠からショーへと変更し、知名度を飛躍的に向上させ、海外での日本ブランドの評価を一手に担っている印象だ。同ブランドを今季のベストブランドと評した仏新聞紙「ル・フィガロ(LE FIGARO)」ジャーナリストのマチュー・モルゲ・ズッコーニ(Matthieu Morge Zucconi)は、記事でその魅力について語っている。「ここにはファンタジーや壮大なスペクタクルはなく、ただ服があり、美しく、シンプルで、それゆえに非常に魅力的なのだ。服を着るのが好きな全ての男性の、執念のようなこだわりが詰まっている。パンツの前面にあるフラップ付きのチケットポケット、襟の堅さ、ジャケットの肩の配置、レザーボンバーのパッチポケット、必要以上に伸びたギンガムチェックの袖の端、堅苦しく見えないように少し結び目を解いたネクタイ。同じトーンのカラーやフレッシュバターのイエロー、パッと目を引くカーディナルレッド、地味じゃないスカイブルー、極上のインディゴ。これはファッションではなく、スタイルである。『オーラリー』ほど個性豊かにスタイルを作れる人はいない」。

「ヴォーグ・ランウエイ(VOGUE RUNWAY)」のホセ・クリアレス・ウンズエタ(Jose Criales-Uzueta)は、同ブランド最大の武器である生地に着目した。「岩井デザイナーがすべての生地を自社で生産しているのは有名だ。それが、このブランドがパリで繰り返し話題になる理由の一つである。今季は、最も予想外の繊維を夏用の生地に仕立てるのが挑戦だったという。そして彼は、柔らかくて洗えるカシミアでセーターを作り、薄手の軽量ウールのシャツを作ることに成功した。『オーラリー』を単なるスタイルの良さだけで片付けるのは安易すぎる。服のスタイリングと、ランウエイで披露される絶妙なニュアンスは、間違いなく魅力の一部だが、それを並外れたものにしているのは、服が作られる際の配慮にある」。

米「WWD」のアレックス・ウイン(Alex Wynn)は、「“クワイエット・ラグジュアリー”という形容詞が、岩井デザイナーが手掛ける『オーラリー』以上にふさわしいものはいない」と定義した。辛口ジャーナリストとして有名な「ファッション・ネットワーク(FASHION NETWORK)」のゴッドフリー・ディーニー(Godfrey Deeny)=国際編集長も、「パリでの2回目のショーは、岩井デザイナーの才能を証明するものであり、パリで最もクールなブランドの一つになろうとしている」と賞賛。「エレガント、またはリラックス、実用的またはフォーマル、本質的であると同時に洗練された『オーラリー』の服は、常に適切な場所に適切なタイミングで存在し、シンプルさにおいては完璧なように見える。ランウエイで私たちが見出したのは、日常生活とその美しさへの賛美である」と続けた。「オーラリー」の服は、素朴さの中に趣を感じさせ、風情のある情緒的な美しさが宿る。ファッション業界のトップに君臨し続けるメジャー級の日本ブランドとは異なる、一言では形容しがたい日本人らしい繊細な美意識が海外でも評価されている。注目度が上がればハードルは高くなるが、実績と経験のあるブランドだけに、次シーズンのショーにも期待できそうだ。

「ダブレット」
「スリル満点のブランド」

個人的に、海外メディアがどのようにリポートしたのか最も気になっていたのが「ダブレット(DOUBLET)」である。“推し活”というサブカルチャーに着想を得たコレクションだが、“推し”の翻訳だけでも難しい。“痛T”の意味、応援団長の変形学ラン、ゲストに配られた「指さして」などと書かれた応援ウチワまで、日本独特の“推し活”アイテムをどのように理解したのか、もしくはされなかったのか、興味があった。結論からいうと、ほとんどは理解されているようだ。ディテールはさておき、重要なのはユーモアとウィットに富んだクリエイションを通して、笑いを生み、幸せな気持ちを共有するという、井野将之デザイナーの意図が伝わっていることだ。

米「WWD」のマイルズ・ソーシャ(Miles Sacha)は、「井野デザイナーは皮肉的なスローガンを巧みに表現する才能がある」と評し、ショー会場周辺に集まるセレブリティーのファンを例に、時代の空気をコレクションに投影させたことを説明した。「レザーパンツとミリタリー風のハンサムなオーバーコートでショーが幕を開け、鋭い観察眼を持つ人々はそれが日本の男性応援団が着ているようなものだと見抜いた」と、長ランの応援団長ルックは理解されているようだ。

一方で、「ハイプビースト(HYPEBEAST)」のアンドレア・サカル(Andrea Sacal)は、「数ルックは謎に満ちている」と綴り、メタリックなポンポンをあしらったウールコートや、刺しゅう入りのチアリーダーのルックには首を傾げた。とはいえ、「遊び心を基本にしたスリル満点のブランド」と表現し、「今季の最終日をアニメにインスパイアされた楽しさ満載のファッション・フェスティバルで締めくくり、私たちを笑顔にしてくれた」と記した。ディーニーは「井野デザイナーは間違いなく独自の視点を持っている。大きなファッションステートメントではないかもしれないが、日本が今やメンズウエアを独占していることを示すグラフィカルなコレクションだった」と綴った。

海外メディアの中で最も正確に、細かくリポートしたのが「ヴォーグ・ランウエイ」のアシュリー・オガワ・クラーク(Ashley Ogawa Clarke)である。同氏は日本拠点なだけに、“推し活”を日本視点で理解しているようだ。痛車を例に挙げつつ“痛バッグ”や“痛ジャケット”を正しく説明し、そしてユーモアの陰に隠れがちな上質なカットやスパイバー(SPIBER)との協業による革新的な生地といった、ものづくりの側面についても触れている。「2018年に日本人デザイナーとして初めて『LVMHプライズ』グランプリを獲得したことから、“ファッション界最高のお笑いタレント”の地位を得た現在に至るまで、彼のサポーターチームとその歩みを支えてくれた人々への、デザイナーからの感謝の気持ちを表したものだった。バックステージでは、業界全体から集まった熱狂的な『ダブレット』のファンがデザイナーを祝福するために集まったほか、彼のショーを初めて見た数人もお祝いした。『ダブレット』のファン層の拡大は急速に続いている」と締めくくった。洋服を通して笑いを届ける井野デザイナーの進化は、まだまだ続きそうだ。

「ターク」
「全く予想外の要素を結びつけた」

辛口なディーニーが絶賛していたのが森川拓野デザイナーの「ターク(TAAKK)」である。記事は「西洋のテーラリングと日本の威厳、そしてレースやギピュールなど、全く予想外の要素を結びつけた素晴らしいコレクション」という言葉から始まり、多彩な生地と緻密な装飾について賞賛した。続けて今季全体を振り返り、日本デザイナーの影響力について力説する。「『19世紀後半、日本は西洋の影響を強く受けて近代化に向かい、西洋の文化やライフスタイル、価値観を日常生活に取り入れました』と森川デザイナーは主張する。今日のヨーロッパの日本に対する評価は、中国との競争関係に比べてどれほど違うのか。そして、国際的にファッションに与える影響はどれほど違うのか。パリメンズがこれほどまでに異質だったことはめったにないが、最大の影響力を持つのは今や日本人デザイナーたちだ。山本耀司デザイナーや川久保玲デザイナー、渡辺淳弥デザイナー、そして新世代の阿部千登勢デザイナー、高橋盾デザイナー、そして何よりも森川デザイナー」と記した。

今回は紹介しきれなかった「キディル(KIDILL)」「M A S U」「ベッドフォード(BED J.W. FORD)」「サルバム(SULVAM)」といった中堅ブランドも、パリメンズの公式スケジュールに名を連ね、世界を相手に堂々と戦っている。ショーの合間に、前シーズンの「楽天 ファッション ウィーク東京(Rakuten Fashion Week TOKYO)」に参加したベテランジャーナリストのユージーン・ラブキン(Eugene Rabkin)に遭遇し、東コレの感想について聞くと「日本のデザイナーのレベルの高さに感動した」と話してくれた。パリメンズでの日本ブランドの躍進もあり、海外の業界関係者も間違いなく日本人デザイナーに注目している。今回紹介したデザイナーらを好例に、ひたむきにものづくりに取り組むブランドは、発表地がどこであれ、必ず実を結ぶ日が来るはずだ。感性を磨き、視野を広げ、チームと共に切磋琢磨し、デザイナーとして前進できるようエールを送りたい。

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【早割受付中】絶好調企業のデジタル担当役員とスーパー販売員が明かす 「販売員DX」極意と経済効果

アダストリア「ドットエスティ」&パル「スリコ」の
最重要キーパーソンが集結!

多くのアパレル・小売り企業にとって、全国の販売員をSNSと結びつけ、機動的かつ効果的な販促&エンゲージメント施策を実施することは非常に重要度の高い経営課題になっています。今回は、そうした「販売員のDX」を実現し、高い成果を上げているアダストリアとパルのデジタル担当役員と、多数のフォロワーを抱える「スーパー販売員」という最重要キーマン5人が集結します。自社のECプラットフォーム「ドットエスティ(.st)」を会員数1820万人まで成長させて2024年3月期に売上高・利益ともに過去最高を更新したアダストリア、快進撃を続ける「スリーコインズ(3COINS)」を擁するパル、注目の両企業はいかにして業績全体を左右する「販売員DX」をどう実現したのか。

アダストリアからは自社のECプラットフォーム「ドットエスティ(.st)」のキーマンの一人である田中順一・執行役員兼マーケティング本部長とインスタグラムのフォロワー数25万超のインフルエンサーとして活動するバヤコ(@byk_gw)さんの2人が登場。パルからもデジタル施策のキーパーソンである堀田覚パル取締役専務執行役員と、快進撃を続け「スリーコインズ(スリコ)」のスーパー販売員でインスタのフォロワー数26万のjunkoさん(@3coins_junko)とサトウさん(@3coins_sato)が登壇します。戦略や育成術、施策だけでなく、根幹となる考え方も含めて、キーマンたちが自ら解説します。

このような人におすすめ

・販売員のこれからを考えているマネジメント層、ブランド責任者
・OMOの責任者、ECディレクター、SNSやマーケティング・宣伝の責任者
・販売員を束ねる部長・マネージャー、SV、店長
・DXの責任者&担当者

 

クーポンコードをご利用の方は、申し込み画面で入力してください。
早割クーポンコード【M8N6YULK】/有料会員の方はこちらからクーポンコードを取得してください。

 


プログラム

【Session#1】19:00〜19:10(10分)

企業全体の業績をも左右する
「販売員のDX」はいかにして実現できるのか

ECやSNSといった新しいツールや仕組みが登場し、リアル店舗の役割や位置づけは大きく変わりました。ただ、多くのアパレル小売り企業にとって、販売員が顧客との「最強かつ最大」の接点であることは変わりません。全国の販売員を、ECやSNSとうまく連動・連携させ、「販売員のDX」を実現することが業績全体を左右することにもなるのです。絶好調のアダストリアとパルは、いかにこうしたことを実現できたのか。全国に店舗網を持つファッション&ビューティ分野の「シン・王道」の勝ちパターンについて解説します。

 

スピーカー:横山 泰明/「WWDJAPAN」記者

スピーカー:五十君 花実/「WWDJAPAN」副編集長

【Session#2】19:10〜19:55(45分)

アダストリア流「次世代販売員育成術」
フォロワー25万超のバヤコを生んだ「仕組み&考え方&DX施策」

アルバイト販売員から、フォロワー数25万人超のインフルエンサーへ。自称アダストリア所属ファッション芸人こと「バヤコ」さんのキャリアの軌跡とは?「ドットエスティ」を会員数1820万人に引き上げたアダストリアのDX施策のキーマンである田中順一・執行役員兼マーケティング本部長が、バヤコさんを誕生させたアダストリア流の人材育成術&SNS支援策を語ります。加えてアパレル販売員のネクストキャリア、バヤコさん本人によるインスタグラム運用術まで、アパレル小売業がアップデートさせたい「販売員の育成術」に迫ります。

ゲストスピーカー:田中 順一/アダストリア執行役員 マーケティング本部長 兼 ドットエスティ事業本部長

PROFILE:(たなか・じゅんいち)カタログ通販、インターネット広告代理店を経て、2011年にアダストリアに入社。WEB事業を中心に従事し、自社ECサイト「ドットエスティ」の成長を牽引。21年3月に執行役員 マーケティング本部長に就任し、EC、データ、デジタル戦略などを統括する。24年3月から現職

ゲストスピーカー:バヤコ/ドットエスティメディア部

PROFILE:(ばやこ)「グローバルワーク」新潟南店でいちスタッフとして勤務する傍らSNSでの活動が評価され2024年からアダストリア 本部ドットエスティメディア部スタッフ育成に従事。飾らないキャラクターと親近感から「アダストリア所属ファッション芸人」として人気を集める。SNS総フォロワー数36万

モデレーター:横山 泰明/「WWDJAPAN」記者

【Session#3】19:55〜20:40(45分)

パルのデジタル担当役員とスーパー販売員「スリコのjunko&sato」が語る SNS運用術と育成術

快進撃を続け、パルグループ全体の成長を牽引するまでになった「スリーコインズ」。その原動力の一つが、インスタグラムのフォロワー数26万人超のjunkoさんを筆頭にした、数万〜10万超えのフォロワー数を持つ現場のスーパー販売員たちの存在です。販売員の着こなしやキャラクターでファンをつけやすいファッションとは異なる「雑貨」で、いかにファン層を増やし、「スリコ」の成長につなげてきたのか。こうした販売員のデジタル戦略から、AI接客やメタバースなど新しいテクノロジーを貪欲に取り入れてきたパルのデジタル施策のキーマンである堀田覚・取締役専務執行役員をモデレーターに、junkoさんとスリコのSNS責任者であるサトウさんに、デジタルを巧みに取り入れた「スーパー販売員2.0」の育成術と戦略に迫ります。

ゲストスピーカー:堀田 覚/パル取締役 専務執行役員プロモーション推進部部長

PROFILE:(ほった・さとし)大学卒業後、大手アパレル企業に入社。婦人服の営業やVMD、MD、ブランド責任者を経験。 2009年 ハースト婦人画報社に入社。メディアコマースサイト「ELLE SHOP」の立ち上げとMD、マーケティング責任者として事業の成長に注力。14年パルに入社。現在は、EC、WEB/アプリシステム、プロモーション、SNS、CRM、Data analysisなどを管掌・推進

ゲストスピーカー:Junko/「スリーコインズ」スタッフインフルエンサー

PROFILE:(じゅんこ)2007年10月にパル入社。千葉県内の「スリーコインズ」店舗に配属後、店長に就任。18年「スリーコインズ」公式スタッフインフルエンサーとしてSNS投稿を開始。店舗業務と並行してライブ配信や動画で商品を紹介し、同年代から多くの支持を集め、またたく間にフォロワー数10万以上を獲得。23年スリーコインズ本部・PRチームに配属。現在はSNSの発信を専門業務とし、現在インスタグラムのフォロワー数約26万

ゲストスピーカー:サトウ/ 「スリーコインズ」デジタルSV・スタッフインフルエンサー

PROFILE:2015年に「スリーコインズ」にアルバイトで入社。社員登用後、21年に店長に就任。22年に入社時からの夢だった「スリーコインズ」公式インフルエンサーとしてSNS投稿を開始。白の背景バッグと言葉の独自性が特徴的な商品紹介をし、注目されるアカウントに。23年スリーコインズ本部・PRチームに配属。現在は自らSNSの発信を行いながら、インフルエンサー指導・管理を行うデジタルSV業務に従事。現在インスタグラムのフォロワー数約10万人

モデレーター:横山 泰明/「WWDJAPAN」記者

 

※講義内容は予告なく変更となる場合があります。あらかじめご了承ください。
【Extra】20:45 ~21:30 (45分)

ミートアップ

会場受講の方はセミナー終了後、登壇記者も参加するミートアップにご参加いただけます。ドリンクを用意しておりますので、さらなるコミュニケーションの場としてご活用ください。

 


インフォメーション

日時

9月30日(月)19:00〜21:30
※開始30分前から会場受付開始

実施方法

会場 または オンライン受講
※会場とオンラインの同時開催となります。
※セミナー終了後、会場&オンライン受講者へのアーカイブ配信の案内はありませんのでご了承ください。後日アーカイブ動画は、単体で購入することが可能です。
※オンライン受講の視聴用URLは、受講前日と当日に、お申し込み時に入力いただいたメールアドレスにお送りします。入力にお間違いがないようご注意ください。メールが届かない場合は迷惑メールフォルダなどもご確認ください。
※オンライン受講はOneStreamでの配信を予定しています。視聴環境をご確認ください。

会場

WOVN Studio Tokyo
東京都港区南青山2-26-1D-LIFEPLACE南青山9F

募集人数

会場:50名
オンライン:100名

募集期間

9/6(金)〜9/27(金)12:00まで
【早割10%OFFキャンペーン】
9/13(金)12:00までのお申し込みで、一般価格から10%OFFで受講いただけます。
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受講料金

一般価格:16,500円14,850円 早割10%OFF
スタンダードプラン:
11,550円 30%OFF
ライトプラン:14,850円 10%OFF
※表示価格は全て1名様分、税込です。
※他のクーポンとの併用はできません。
※早割期間内であっても、募集人数に達し次第受け付けを締め切らせていただく場合がございます。

 

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講座終了後、アーカイブ受講の販売を予定しております。

 

注意事項

・受講料は会場とオンライン同額です。
・割引価格はクーポンをご利用時に適用となります。スタンダードとライトのクーポンコードはマイページをご確認の上、申し込み画面で入力してください。
・申し込みの受け付けは先着順です。募集人数に達し次第締め切らせていただきます。
・申し込み完了後のキャンセルは受け付けておりません。
・定期購読者で会員登録がお済みでない方はこちら
・本ページでのお支払いはクレジットカードのみとなります。コンビニ支払いをご希望の方はこちら
・適格請求書(領収書)の発行は、こちらから。記載のお宛名をご入力の上ご連絡ください。
弊社登録番号:T5-0110-0104-4278
・当日は会場内に撮影用のカメラが入ります。撮影した動画や写真は、「WWDJAPAN」Weeklyやウェブサイト、公式SNSなどで掲載する場合があります。ご了承いただける方のみお申し込みください。

 

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問い合わせ先
INFASパブリケーションズ カスタマーサポート
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「ダイアン フォン ファステンバーグ」がグローバル事業を再び内製化

「ダイアン フォン ファステンバーグ(DIANE VON FURSTENBERG)」は、2024年末までに、ブランドのグローバル事業を再び内製化することを発表した。

同ブランドのデザイン、生産、マーケティング、流通を含むグローバルなオペレーションは、20年末から香港のグラメル・トレーディング(GLAMEL TRADING)が手掛けているが、デザインを承認する権利は創業デザイナーのダイアン・フォン・ファステンバーグが保有している。なお、手続きの完了後、グラメル・トレーディングは中国における商品流通のみを担うという。

フォン・ファステンバーグ創業デザイナーのコメント

23年10月に現職としてDVFに加わったグラツィアーノ・デ・ボニ(Graziano de Boni)最高経営責任者は、就任直後から事業再編に着手。「『ダイアン フォン ファステンバーグ』は、アイコニックなラップドレスだけでなく、ファブリックやプリントの豊かなアーカイブがあり、幅広い年齢層の顧客と誠実でパーソナルな関係性を築いている。ブランドの未来に向けてビジネスモデルを再構築するにあたり、デザインのコントロールを取り戻すことは重要な第一歩だ」と語った。

フォン・ファステンバーグ創業デザイナーは、「過去の豊かなレガシーに敬意を表し、現代の美的感覚を深く理解しているグラツィアーノによる新たなブランド戦略を推進するにあたり、オペレーションを再び自社で行う必要があった。20年末からグローバル事業を担ってくれたグラメルに心から感謝している」と述べた。

「ダイアン フォン ファステンバーグ」は、1972年にニューヨークで設立。70年代に発表したカシュクールデザインのラップドレスが一世を風靡した。現在はドレスに加えて、カジュアルウエア、スポーツウエア、スイムウエアなどを手掛けている。

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ブルガリ ジャパン社長が退任 同じくLVMHグループ内のフレッド本国のCEOに就任


ブルガリ ジャパンのヴィンセント・ライネス(Vincent Reynes)社長が8月31日に退任し、9月1日、フランス発ジュエラーであるフレッド本国の最高経営責任者(CEO)に就任する。ライネス氏は、20年以上ブルガリの英国や中東、アフリカ地域のトップを務めた経歴がある。

「ブルガリ(BVLGARI)」と「フレッド(FRED)」は、LVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON)傘下。「フレッド」は今年1月にチャールズ・レオン(Charles Leung)前フレッドCEOが同グループ傘下の「ショーメ(CHAUMET)」のCEOに就任した後も、暫定的に任務を兼任していた。

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「メゾン コーセー ハラカド」を一挙公開 新しい“利用動機”を生む化粧品売り場が誕生

コーセー傘下のコーセープロビジョンは30日、商業施設「東急プラザ原宿『ハラカド』」地下2階に「メゾン コーセー ハラカド」をオープンする。20代の若手社員15人が中心となって企画した従来の化粧品売り場にはない「コト消費」のコンテンツをそろえ、若年層客の取り込みを狙う。

店舗のコンセプトは「アーバンカフェ」を掲げ、カフェのように多様な目的による来店の誘引を図る。売り場面積は300平方メートルで、4つのコーナーを用意する。象徴的なコーナーは、店内中央に配置した「ギフト ファクトリー」だ。カウンターに立つギフトスペシャリストが顧客の目の前でラッピングをする。作業の1つとして捉えられてきたギフトラッピングを臨場感のあるシーンとして演出する。ギフトを贈る相手の名前から連想されるイラストをAIが描くメッセージカード作成サービス(330円)や、一部商品の刻印サービス(無料)などで、体験価値向上を図る。

「コスメ ブヴェット」では、テスターとドレッサーを時間貸しするサービスを提供する。全て50分制で、メニューは“ベーシックプラン”(1650円)“スタンダードプラン”(2200円)“プレミアムプラン”(2750円)を用意する。プランによって使用できるコスメの個数、選べるブランドのラインアップなどが変わる。半個室のスペースを7つ配置し、華やかな色味のクッションや外壁のディスプレーで装飾した。ヘアアイロンや充電コードなどアニメティーも豊富に用意する。「メイク直しはもちろんのこと、配信者による撮影や勉強、リモートワークの場など、多様な利用動機を想定した」と広報担当者は話す。将来的にはサブスクリプションの導入も検討している。

「ブロー バー」はプロのスタイリストがシャンプー&ブローサービスを施すサロンコーナーだ。コーセーのヘアケア商品を活用し、顧客の髪質に合ったアイテムでサービスを提案する。セット台を2席設け1日8枠で運用し、メニューは“シャンプー&ブロードライ”(3300円)“スカルプケア”(4400円)“4STEPトリートメント”(6600円)をそろえる。同様のサービスを提供する「メゾン コーセー」銀座店では1カ月先まで予約が埋まるほどの盛況ぶりだ。

「セレクト スタンド」はさまざまなクリエイターの作品を陳列、紹介、委託販売をするコーナーだ。1〜2カ月の頻度で更新する予定で、ハラカド館内のクリエイターとも積極的にコラボしていく意向だ。

DX化に注力して他店にも生かす

快適な顧客体験を追求し、デジタルツールの活用にも注力した。商品の予約や注文、決済のほか、カウンセリングの事前予約や当日のウェイティング予約もモバイル上で可能にした。店舗の営業時間外も利用できる「コスメ ロッカー」では、ラッピングを依頼したギフトやモバイルオーダーで注文、決済した商品を、時間を気にせず受け取ることができる。

「最新技術を採用した当店は、コーセーが持つ売り場の中でも実験的なチャレンジができる場所。ここで培われたデータは日本の販社だけでなく海外の事業部にも落とし込んでいきたい」と命尾泰造コーセープロビジョン社長は話す。

間口を広げて幅広い客層を獲得

化粧品への関心度に関わらず入店しやすい店舗を志向し、グレーとダークブラウンを基調とした内外装デザインに仕上げた。店内には、老若男女問わずシェアできるコスメを展開するコーナーも設置。現在は「コスメデコルテ(DECORTE)」の“薬用 マイクロバーム ローション”を陳列している。今後は、テーマに沿ったさまざまなアイテムやブランドを展開する予定だ。

「バリアフリー」も店舗設計の一つの方針とした。車椅子やベビーカーを使用する顧客もスムーズに移動できるゆとりを持った内装になっている。

同店では、マルチタスクな美容部員の業務をシングルタスクにすべく、ギフトラッピングやレジなどに専任のスタッフを置いて専業化を図る。身体的な負荷も軽減すべく、タッチアップに使用するアイテムは全て各ドレッサーに配置するなど構造を工夫した。体格に差がある顧客にもタッチアップがスムーズにできるように、高さ調節が可能なチェアを採用する。なお、7〜8人のビューティコンサルタント(美容部員)が常駐し、ギフトラッピング専任は1〜2人、レジなどの業務は2〜3人で行う。

同フロアの隣には銭湯「小杉湯」があるが、「『コスメ ブヴェット』を小杉湯に入った後のメイク直しといった利用してくれるのでは」と命尾社長は期待を寄せる。30日のオープンと同時に、館内の5〜7階の飲食フロアとコラボレーションキャンペーンも開催。同店で6000円以上購入した顧客に飲食フロアで使えるお食事券をプレゼントし、該当店舗で飲食した顧客にコーセーの商品のサンプルをプレゼントする。今後も、館内での相乗効果を図っていきたい意向だ。

■メゾン コーセー ハラカド
オープン日:2024年8月30日
住所:東京都渋谷区神宮前6-31-21
営業時間:11時〜20時
店休日:施設営業日に準じる
取り扱いブランド:「コスメデコルテ(DECORTE)」「アディクション(ADDICTION)」「ジルスチュアート ビューティ(JILL STUART BEAUTY)」「フローラ ノーティス ジルスチュアート(FLORA NOTIS JILL STUART)」「プレディア(PREDIA)」「雪肌精(SEKKISEI)」「スティーブンノル(STEPHEN KNOLL)」

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「メゾン コーセー ハラカド」を一挙公開 新しい“利用動機”を生む化粧品売り場が誕生

コーセー傘下のコーセープロビジョンは30日、商業施設「東急プラザ原宿『ハラカド』」地下2階に「メゾン コーセー ハラカド」をオープンする。20代の若手社員15人が中心となって企画した従来の化粧品売り場にはない「コト消費」のコンテンツをそろえ、若年層客の取り込みを狙う。

店舗のコンセプトは「アーバンカフェ」を掲げ、カフェのように多様な目的による来店の誘引を図る。売り場面積は300平方メートルで、4つのコーナーを用意する。象徴的なコーナーは、店内中央に配置した「ギフト ファクトリー」だ。カウンターに立つギフトスペシャリストが顧客の目の前でラッピングをする。作業の1つとして捉えられてきたギフトラッピングを臨場感のあるシーンとして演出する。ギフトを贈る相手の名前から連想されるイラストをAIが描くメッセージカード作成サービス(330円)や、一部商品の刻印サービス(無料)などで、体験価値向上を図る。

「コスメ ブヴェット」では、テスターとドレッサーを時間貸しするサービスを提供する。全て50分制で、メニューは“ベーシックプラン”(1650円)“スタンダードプラン”(2200円)“プレミアムプラン”(2750円)を用意する。プランによって使用できるコスメの個数、選べるブランドのラインアップなどが変わる。半個室のスペースを7つ配置し、華やかな色味のクッションや外壁のディスプレーで装飾した。ヘアアイロンや充電コードなどアニメティーも豊富に用意する。「メイク直しはもちろんのこと、配信者による撮影や勉強、リモートワークの場など、多様な利用動機を想定した」と広報担当者は話す。将来的にはサブスクリプションの導入も検討している。

「ブロー バー」はプロのスタイリストがシャンプー&ブローサービスを施すサロンコーナーだ。コーセーのヘアケア商品を活用し、顧客の髪質に合ったアイテムでサービスを提案する。セット台を2席設け1日8枠で運用し、メニューは“シャンプー&ブロードライ”(3300円)“スカルプケア”(4400円)“4STEPトリートメント”(6600円)をそろえる。同様のサービスを提供する「メゾン コーセー」銀座店では1カ月先まで予約が埋まるほどの盛況ぶりだ。

「セレクト スタンド」はさまざまなクリエイターの作品を陳列、紹介、委託販売をするコーナーだ。1〜2カ月の頻度で更新する予定で、ハラカド館内のクリエイターとも積極的にコラボしていく意向だ。

DX化に注力して他店にも生かす

快適な顧客体験を追求し、デジタルツールの活用にも注力した。商品の予約や注文、決済のほか、カウンセリングの事前予約や当日のウェイティング予約もモバイル上で可能にした。店舗の営業時間外も利用できる「コスメ ロッカー」では、ラッピングを依頼したギフトやモバイルオーダーで注文、決済した商品を、時間を気にせず受け取ることができる。

「最新技術を採用した当店は、コーセーが持つ売り場の中でも実験的なチャレンジができる場所。ここで培われたデータは日本の販社だけでなく海外の事業部にも落とし込んでいきたい」と命尾泰造コーセープロビジョン社長は話す。

間口を広げて幅広い客層を獲得

化粧品への関心度に関わらず入店しやすい店舗を志向し、グレーとダークブラウンを基調とした内外装デザインに仕上げた。店内には、老若男女問わずシェアできるコスメを展開するコーナーも設置。現在は「コスメデコルテ(DECORTE)」の“薬用 マイクロバーム ローション”を陳列している。今後は、テーマに沿ったさまざまなアイテムやブランドを展開する予定だ。

「バリアフリー」も店舗設計の一つの方針とした。車椅子やベビーカーを使用する顧客もスムーズに移動できるゆとりを持った内装になっている。

同店では、マルチタスクな美容部員の業務をシングルタスクにすべく、ギフトラッピングやレジなどに専任のスタッフを置いて専業化を図る。身体的な負荷も軽減すべく、タッチアップに使用するアイテムは全て各ドレッサーに配置するなど構造を工夫した。体格に差がある顧客にもタッチアップがスムーズにできるように、高さ調節が可能なチェアを採用する。なお、7〜8人のビューティコンサルタント(美容部員)が常駐し、ギフトラッピング専任は1〜2人、レジなどの業務は2〜3人で行う。

同フロアの隣には銭湯「小杉湯」があるが、「『コスメ ブヴェット』を小杉湯に入った後のメイク直しといった利用してくれるのでは」と命尾社長は期待を寄せる。30日のオープンと同時に、館内の5〜7階の飲食フロアとコラボレーションキャンペーンも開催。同店で6000円以上購入した顧客に飲食フロアで使えるお食事券をプレゼントし、該当店舗で飲食した顧客にコーセーの商品のサンプルをプレゼントする。今後も、館内での相乗効果を図っていきたい意向だ。

■メゾン コーセー ハラカド
オープン日:2024年8月30日
住所:東京都渋谷区神宮前6-31-21
営業時間:11時〜20時
店休日:施設営業日に準じる
取り扱いブランド:「コスメデコルテ(DECORTE)」「アディクション(ADDICTION)」「ジルスチュアート ビューティ(JILL STUART BEAUTY)」「フローラ ノーティス ジルスチュアート(FLORA NOTIS JILL STUART)」「プレディア(PREDIA)」「雪肌精(SEKKISEI)」「スティーブンノル(STEPHEN KNOLL)」

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吉野家が化粧品事業に参入 飲食事業で使用するダチョウのオイルから商品開発

吉野家ホールディングスが化粧品事業を本格始動する。子会社のSPEEDIAを通じてスキンケアブランド「スピーディア(SPEEDIA)」を立ち上げ、第1弾として“グラマラス ブースター オイル”(17mL、5720円/50mL、1万5400円)、“グラマラス エイジング クリーム”(40g、1万6500円)、“モイスチャーマスク”(1枚、550円)を28日に発売した。公式サイト、日本調剤オンラインストア、ヨドバシドットコムで取り扱う。

飲食事業を主軸とする同社は世界の人口増加や気候変動、食糧問題などを危惧し、畜種分散を進めていた。近年は牛丼に次ぐ第2のメニューの柱として鶏の唐揚げを据えていたが、この度新たな柱としてオーストリッチ(ダチョウ)を提案する。

飲食業での使用を前提とした研究の過程で、オーストリッチのオイルが高い美容効果を持つことを判明した。この研究結果を生かすべく、化粧品事業への参入を決意した。

“グラマラス ブースター オイル”は、洗顔後のスキンケア前に使用するブースターだ。次に使用する化粧水や美容液の成分が肌へ美容成分が浸透する効果を促進する。顔や体に加え、髪にも使用できる。“グラマラス エイジング クリーム”はパルミチン酸レチノール、パンチノール、スクワランを配合し、肌のバリア機能を高める。

吉野家ホールディングスは2009年に、ダチョウの飼育、研究、商品開発、販売を担うSPEEDIAを設立した。SPEEDIAの辻智子社長はファンケル出身と美容業界に造詣が深い。「化粧品業界はターゲットを明確にする傾向にあるが、今回ターゲットを特に設けていない。老若男女、誰にでも使って欲しいし、使えるアイテムだ。ブランドと『オーストリッチ』の認知を拡げるために、あえて吉野家の屋号は使用しなかった。ただ、サンプルを一部店舗で配るなど吉野家が持つプラットフォームは活用してシナジーを生んでいきたい」とコメントした。

オーストリッチの認知が低いが故に購入ハードルが高いと考え、まずはポップアップなどで商品を体験できる場づくりに取り組む。将来的にオーストリッチの原料の卸にも着手したい意向だ。「今は吉野家がスキンケアを手掛けることへの驚きが大きいと思う。しかし、ゆくゆくは吉野家とは離れた文脈で当社の商品が日常で使用される世界を目指したい」と意気込む。

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吉野家が化粧品事業に参入 飲食事業で使用するダチョウのオイルから商品開発

吉野家ホールディングスが化粧品事業を本格始動する。子会社のSPEEDIAを通じてスキンケアブランド「スピーディア(SPEEDIA)」を立ち上げ、第1弾として“グラマラス ブースター オイル”(17mL、5720円/50mL、1万5400円)、“グラマラス エイジング クリーム”(40g、1万6500円)、“モイスチャーマスク”(1枚、550円)を28日に発売した。公式サイト、日本調剤オンラインストア、ヨドバシドットコムで取り扱う。

飲食事業を主軸とする同社は世界の人口増加や気候変動、食糧問題などを危惧し、畜種分散を進めていた。近年は牛丼に次ぐ第2のメニューの柱として鶏の唐揚げを据えていたが、この度新たな柱としてオーストリッチ(ダチョウ)を提案する。

飲食業での使用を前提とした研究の過程で、オーストリッチのオイルが高い美容効果を持つことを判明した。この研究結果を生かすべく、化粧品事業への参入を決意した。

“グラマラス ブースター オイル”は、洗顔後のスキンケア前に使用するブースターだ。次に使用する化粧水や美容液の成分が肌へ美容成分が浸透する効果を促進する。顔や体に加え、髪にも使用できる。“グラマラス エイジング クリーム”はパルミチン酸レチノール、パンチノール、スクワランを配合し、肌のバリア機能を高める。

吉野家ホールディングスは2009年に、ダチョウの飼育、研究、商品開発、販売を担うSPEEDIAを設立した。SPEEDIAの辻智子社長はファンケル出身と美容業界に造詣が深い。「化粧品業界はターゲットを明確にする傾向にあるが、今回ターゲットを特に設けていない。老若男女、誰にでも使って欲しいし、使えるアイテムだ。ブランドと『オーストリッチ』の認知を拡げるために、あえて吉野家の屋号は使用しなかった。ただ、サンプルを一部店舗で配るなど吉野家が持つプラットフォームは活用してシナジーを生んでいきたい」とコメントした。

オーストリッチの認知が低いが故に購入ハードルが高いと考え、まずはポップアップなどで商品を体験できる場づくりに取り組む。将来的にオーストリッチの原料の卸にも着手したい意向だ。「今は吉野家がスキンケアを手掛けることへの驚きが大きいと思う。しかし、ゆくゆくは吉野家とは離れた文脈で当社の商品が日常で使用される世界を目指したい」と意気込む。

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オムニチャネル協会の鈴木会長も登壇 セントリックが小売DXカンファレンス

PLM(=Product Lifecycle Management、製品ライフサイクル管理システム)大手のセントリックソフトウエア(CENTRIC SOFTWARE)は9月19日、ファッションやスポーツ、ビューティなどの小売業界のDXに特化したカンファレンス「セントリック・コネクト・トウキョウ」を実施する。基調講演には、日本オムニチャネル協会の会長の鈴木康弘デジタルソフトウエーブ社長が登壇する。

セントリックソフトウエアは米国発のPLMソフトウエアの大手で、ファッションやスポーツ、化粧品に特に強く、すでに1万8000ブランドが導入している。同カンファレンスには基調講演の鈴木氏のほか、オンワードホールディングスのDX推進室のプロジェクトマネージャーや、急成長を続けるyutoriの佐藤祐介・執行役員らが登場する。セッション終了後には懇親会も行う。参加費は無料だが、事前登録制になる。

■Centric Connect Tokyo 2024
日程:9月19日
時間:10:00〜18:30
場所:九段会館テラス
住所:東京都千代田区九段南1-6-5 九段会館テラス2階・3階
参加費:無料(要事前登録)

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オムニチャネル協会の鈴木会長も登壇 セントリックが小売DXカンファレンス

PLM(=Product Lifecycle Management、製品ライフサイクル管理システム)大手のセントリックソフトウエア(CENTRIC SOFTWARE)は9月19日、ファッションやスポーツ、ビューティなどの小売業界のDXに特化したカンファレンス「セントリック・コネクト・トウキョウ」を実施する。基調講演には、日本オムニチャネル協会の会長の鈴木康弘デジタルソフトウエーブ社長が登壇する。

セントリックソフトウエアは米国発のPLMソフトウエアの大手で、ファッションやスポーツ、化粧品に特に強く、すでに1万8000ブランドが導入している。同カンファレンスには基調講演の鈴木氏のほか、オンワードホールディングスのDX推進室のプロジェクトマネージャーや、急成長を続けるyutoriの佐藤祐介・執行役員らが登場する。セッション終了後には懇親会も行う。参加費は無料だが、事前登録制になる。

■Centric Connect Tokyo 2024
日程:9月19日
時間:10:00〜18:30
場所:九段会館テラス
住所:東京都千代田区九段南1-6-5 九段会館テラス2階・3階
参加費:無料(要事前登録)

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アシックスが神戸の本社を移転 東京のアシックスジャパン本社は丸の内JPタワーに

アシックスが、神戸のアシックス本社、東京のアシックスジャパン本社、兵庫・尼崎のアシックスジャパン関西オフィスの3つを全て移転する。「新たなオフィス戦略のもとさらなる飛躍を求め、“コミュニケーション”を介したイノベーション創出“を掲げてオープンでインクルーシブな企業を目指す」と発表資料から。

2025年5月に、現在江東区の新砂にあるアシックスジャパン本社を、丸の内のJPタワー24階に移転。同じく25年5月に、アシックスジャパン関西オフィスを神戸の旧居留地に移転、同年4月に竣工するビルの6、7階に移る。

アシックス本社は、「発祥の地である神戸で企業活動をさらに深化させていくため」、再開発が進められている三宮雲井通5丁目地区の施設の11〜14階に入る。移転時期は28年1月を予定。尼崎から移転するアシックスジャパン関西オフィスとあわせ、「関西地域は神戸を中心に活動していく」。

それぞれの移転先住所は以下。

■アシックス本社
兵庫県神戸市中央区雲井通5丁目地内

■アシックスジャパン本社
東京都千代田区丸の内2-7-2 JPタワー24階

■アシックスジャパン関西オフィス
兵庫県神戸市中央区江戸町91番地 神戸旧居留地91番館6、7階

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アシックスが神戸の本社を移転 東京のアシックスジャパン本社は丸の内JPタワーに

アシックスが、神戸のアシックス本社、東京のアシックスジャパン本社、兵庫・尼崎のアシックスジャパン関西オフィスの3つを全て移転する。「新たなオフィス戦略のもとさらなる飛躍を求め、“コミュニケーション”を介したイノベーション創出“を掲げてオープンでインクルーシブな企業を目指す」と発表資料から。

2025年5月に、現在江東区の新砂にあるアシックスジャパン本社を、丸の内のJPタワー24階に移転。同じく25年5月に、アシックスジャパン関西オフィスを神戸の旧居留地に移転、同年4月に竣工するビルの6、7階に移る。

アシックス本社は、「発祥の地である神戸で企業活動をさらに深化させていくため」、再開発が進められている三宮雲井通5丁目地区の施設の11〜14階に入る。移転時期は28年1月を予定。尼崎から移転するアシックスジャパン関西オフィスとあわせ、「関西地域は神戸を中心に活動していく」。

それぞれの移転先住所は以下。

■アシックス本社
兵庫県神戸市中央区雲井通5丁目地内

■アシックスジャパン本社
東京都千代田区丸の内2-7-2 JPタワー24階

■アシックスジャパン関西オフィス
兵庫県神戸市中央区江戸町91番地 神戸旧居留地91番館6、7階

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オンワードがウィゴーを完全子会社化

オンワードホールディングス(HD)は、ウィゴーの全株式を取得し完全子会社化する。オンワードHDは昨年5月にウィゴーと資本業務提携を結び、同社の株式の20.27%を保有する株主となっていた。今回の残りの株式取得価額は5億円。株式譲渡の実行は9月27日を予定する。

ウィゴーは従業員数約2000人、全国に約170店舗を展開する(いずれも2024年2月末時点)。近年の業績は低迷が続いており、2024年2月期は売上高283億円、営業損益が4400万円の赤字、純損益が15億円の赤字。オンワードHDとの提携を通じてMDや価格設定、サプライチェーンなどの見直しが進み、ウィゴーの25年2月期業績は5期ぶりに営業黒字に転換する見通し。

大阪・梅田の「ウィゴー」ヘップファイブ店[/caption]

オンワードの顧客基盤が30〜60代に重心がある一方、ウィゴーは10〜20代のZ世代が中心顧客で、相互に補完関係が見込める。またウィゴーの主要店では、訪日客の売上高比率が原宿本店で46%、心斎橋店で56%、心斎橋3号店で68%と、インバウンドに強い点も魅力。今後はオンワードの営業ネットワークを活用して、アジアマーケットへの展開を加速する。オンワードはウィゴーを100%子会社とすることで、「DX投資や人的資本投資を加速させ、ウィゴーの企業価値をさらに向上していく」(オンワードHDの発表資料より)としている。

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「イセタン羽田ストア」でゴルフ3ブランドのポップアップを開催 「WWDJAPAN」ゴルフ特集と連動

「WWDJAPAN」は8月26日号のゴルフ特集と連動し、三越伊勢丹ホールディングスが羽田空港内で運営する「イセタン羽田ストア」で、ゴルフブランドを集めたポップアップイベントを開催中だ。期間は8月28日〜9月16日。ゴルフ特集でも紹介している「ダックス ゴルフ(DAKS GOLF)」「トラヴィスマシュー(TRAVISMATHEW)」「ハーレー(HURLEY)」が参加している。

旅先でのゴルフニーズに

羽田空港は出張のビジネスパーソンはもちろん、国内外からの観光客も多数訪れる場所であり、旅先でゴルフを楽しむというニーズも少なくない。「イセタン羽田ストア」ではドレスシャツやネクタイ、革靴といったビジネス衣料に加え、ゴルフを始めとしたレジャーシーンやリゾート向けアイテムの品ぞろえにも普段から注力している。

3ブランドが、それぞれゴルフウエアやキャディーバッグ、キャップなどをラインアップ。ゴルフ場だけでなく、街やリゾートで着てもなじむデザインが豊富なので、旅先でゴルフの予定がある人もない人も、羽田空港を訪れた際には是非足を運んでみてはいかが。開催場所はイセタン羽田ストア(メンズ)ターミナル1で、搭乗客のみが入場可能なエリアとなる。

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【ユニクロ24-25年秋冬展示会から:前編】 推しはカシミヤ混“ヒートテック”や32色カシミヤセーター

「ユニクロ(UNIQLO)」は2024-25年秋冬、機能性インナーの“ヒートテック”で、カシミヤを9%ブレンドした“極暖ヒートテックカシミヤブレンド”を注力商品の1つとして打ち出す。ウィメンズのみの展開で、タートルネック(全6色)とクルーネック(全5色)の2型をそろえる。価格はコットン混の“極暖ヒートテック”と同じ1990円を維持する。

薄い生地でほどよい透け感があり、ふんわりとした滑らかな肌触りが特徴。「もともと、“ヒートテック”は肌着とアウターの中間アイテムとして始まった経緯があり、今回のカシミヤ混でもそれを意図している。着ていて心地のよいものを身につけたいというニーズが近年より高まっている中で、薄手ニット感覚の新しい着こなしと着心地を提案し、初秋から春先までレイヤードが楽しめるようにする」と、ウィメンズインナー部門の炬口佳乃子商品企画担当部長。早期の仕掛かりなどで、カシミヤ混でも価格は他の“極暖”シリーズとそろえた。

試作は「50回以上」

なめらかさと毛玉になりにくさ、ひっかかりにくさなどを両立するために、50回以上試作を繰り返したという。カシミヤのほか、アクリルやレーヨン、ポリウレタンなどをミックスしていることから、染色で理想の色味を出すことにも苦労した。時間をかけてふんわり編み上げることで、従来の“極暖ヒートテック”より30%軽い仕上がり。“極暖ヒートテック”は、通常の“ヒートテック”の「1.5倍の暖かさ」をうたっている。

ベーシックな黒や白に加え、オリーブやブラウン、深いエメラルドブルーなどの色合いもラインアップ。「ユニクロ:シー(UNIQLO:C)」を手掛けるクレア・ワイト・ケラー(Clare Waight Keller)が、色や袖・首元の丈感などのディテールを監修しており、「ユニクロ:シー」の中で展開する。「今秋冬のお客さまの反応を見て改善を重ね、来秋冬以降も継続して売っていく」考え。

カシミヤセーターは9900円に値下げ

「ユニクロ」の秋冬物では、セーターでもカシミヤにフォーカスしている。昨秋冬の1万2900円から9900円に戦略的に値下げし、32色展開で訴求する。グローバルで出店を強化している中で、特に欧米で「ユニクロ」を象徴するアイテムとして定着しているカラフルなカシミヤセーターを改めて打ち出す狙い。これまで、カシミヤセーターは公式には「手洗い可能」としていなかったが、「特殊なトリートメント技術」により、今秋冬から手洗い可能となった。クルーネック、Vネック、タートルネックの3型をそろえる。

暖冬が予想される中、アウターではライトなアイテムを強化。ニットジャケットやCPOジャケットなどもそろえるが、軽量中綿の“パフテック”シリーズに特に注力している。新モデルとしては、ウィメンズでダイヤ柄キルティングのノーカラージャケット、フードパーカジャケット、メンズで襟付きのダイヤ柄キルティングジャケットを企画した(3型とも6990円)。

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名古屋パルコが24年秋のリニューアル、3000㎡を刷新 ポケモンセンターを導入

名古屋パルコは今秋、27店舗・3000㎡の大幅リニューアルを実施する。東館2階の全面960㎡に「ポケモンセンター」を導入するほか、「スナイデル ホーム」「ダズリン」「アマイル(AMAIL)」といった人気ブランドに加え、yutoriが3ブランドを新たに出店する。

今年で開業35周年を迎える名古屋パルコは、名古屋最大の商業エリアである栄地区に位置し、4万㎡というパルコ最大の営業面積を持つ。長らく旗艦店としてパルコ最大の売上高を誇ってきたが、23年度にはインバウンド需要を取り込んだ渋谷パルコに抜かれていた。大幅な店舗の入れ替えでテコ入れを図る。

名古屋パルコの24年3〜5月期の売上高は前年同期比20.3%造の83億8300万円。大幅に伸びているものの、インバウンド需要を取り込んだ渋谷パルコが同41.7%増の109億1600万円、心斎橋パルコが同47.6%増の83億9200万円とさらに伸びていた。

「アマイル」「アシーム(ACYM)」は、いずれもCONFODが運営するD2Cブランド。「アマイル」は23年秋にルミネ新宿に初のリアル店舗をオープンしていた。

yutoriは「ブレスユー(BLESSU)」「ヤンガーソング」「センチメーター」を新たに出店。すでにオープンしている「パム(PAMM)」「エイチティーエイチ(HTH)」を含めると5店舗体制になる。

「ポケモンセンターナゴヤ」は隣接する松坂屋名古屋店本館5階からの移転オープン。同店舗は9月8日で営業終了し、名古屋パルコのオープン日は未定(今秋中)となっている。

今回のリニューアルで東海エリア最大のエンタテインメント空間を目指し、特設サイト「PARCOエンタPARK」もオープンする。

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「革ってサステナブル」を広メンディー! 日本皮革産業連がキャンペーン

国内の皮革素材や皮革製品にまつわる業者で組織する日本皮革産業連合会(以下JLIA、藤原仁会長)は、「お肉を食べて革製品を使おう!」と題したキャンペーンを9月1日〜10月31日に実施する。期間中に特設サイトで皮革や革製品にまつわるクイズに正解すると、総額1000万円以上の高級牛肉や革製品が総計826人に当たる。

冷凍の黒毛和牛ロースステーキ200g×2枚(1万円相当)、黒毛和牛すき焼き用500g(同)が各250人に当たる。そのほか、靴、バッグ、小物など109種の国産革製品を326人にプレゼントする。「マドラス(MADRAS)」「土屋鞄」「ゲンテン(GENTEN)」など有名国産ブランドも賞品にラインアップする。

キャンペーンは、同連合会が昨年革製品のサステナビリティを発信するプロジェクト「シンキング レザー アクション(TLA)」の一環として、JA全農ミートフーズの協力の下実施する。趣旨は、食肉を通じて皮が「副産物」であること、またそれを使った皮革製品を買うことが「サステナブルな選択である」という同連合の考えを広く認知してもらうことにある。キャンペーンキャラクターにはタレントの関口メンディーを起用した。

「革は副産物」6割が非認知
キャンペーンで広く発信

27日、都内で発表会が行われ、TLAの座長を務める川北芳弘氏が登壇した。川北座長は近年、「革のために動物の命を奪っている」「革製品の使用をやめると、アニマルウェルフェアやアニマルライツなどの活動に貢献できる」といった“誤解”が生まれているとし、皮革はあくまで畜産・食肉産業の副産物であることを強調。「皮革製品は、お肉を食べるときに余る皮をすみずみまで使用している、アップサイクルな素材だ。お肉を食べるのをやめてしまえば皮を大量に廃棄することになり、結果的に焼却などによるCO2排出につながってしまう」と語った。

また、同連合会が実施した消費者約1000人対象のアンケートでは、約62%が「皮が副産物であることを認知していない」と回答したという。「お肉を食べたら皮が出るし、その皮(革製品)を大切に使うことはサステナブルである。そのことを知ってもらいたい」と繰り返し強調した。

発表会にはゲストとして関口、タレントの岡田結実と雪平莉左も登場。革製品にまつわるエピソードや素朴な疑問を川北座長らと掛け合い、最後は関口が「(革のサステナビリティを)広メンディー!」と絶叫して締めくくった。

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「革ってサステナブル」を広メンディー! 日本皮革産業連がキャンペーン

国内の皮革素材や皮革製品にまつわる業者で組織する日本皮革産業連合会(以下JLIA、藤原仁会長)は、「お肉を食べて革製品を使おう!」と題したキャンペーンを9月1日〜10月31日に実施する。期間中に特設サイトで皮革や革製品にまつわるクイズに正解すると、総額1000万円以上の高級牛肉や革製品が総計826人に当たる。

冷凍の黒毛和牛ロースステーキ200g×2枚(1万円相当)、黒毛和牛すき焼き用500g(同)が各250人に当たる。そのほか、靴、バッグ、小物など109種の国産革製品を326人にプレゼントする。「マドラス(MADRAS)」「土屋鞄」「ゲンテン(GENTEN)」など有名国産ブランドも賞品にラインアップする。

キャンペーンは、同連合会が昨年革製品のサステナビリティを発信するプロジェクト「シンキング レザー アクション(TLA)」の一環として、JA全農ミートフーズの協力の下実施する。趣旨は、食肉を通じて皮が「副産物」であること、またそれを使った皮革製品を買うことが「サステナブルな選択である」という同連合の考えを広く認知してもらうことにある。キャンペーンキャラクターにはタレントの関口メンディーを起用した。

「革は副産物」6割が非認知
キャンペーンで広く発信

27日、都内で発表会が行われ、TLAの座長を務める川北芳弘氏が登壇した。川北座長は近年、「革のために動物の命を奪っている」「革製品の使用をやめると、アニマルウェルフェアやアニマルライツなどの活動に貢献できる」といった“誤解”が生まれているとし、皮革はあくまで畜産・食肉産業の副産物であることを強調。「皮革製品は、お肉を食べるときに余る皮をすみずみまで使用している、アップサイクルな素材だ。お肉を食べるのをやめてしまえば皮を大量に廃棄することになり、結果的に焼却などによるCO2排出につながってしまう」と語った。

また、同連合会が実施した消費者約1000人対象のアンケートでは、約62%が「皮が副産物であることを認知していない」と回答したという。「お肉を食べたら皮が出るし、その皮(革製品)を大切に使うことはサステナブルである。そのことを知ってもらいたい」と繰り返し強調した。

発表会にはゲストとして関口、タレントの岡田結実と雪平莉左も登場。革製品にまつわるエピソードや素朴な疑問を川北座長らと掛け合い、最後は関口が「(革のサステナビリティを)広メンディー!」と絶叫して締めくくった。

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ワコールHDが国内の生産拠点を5つから2つへ集約 旧福岡事業所は譲渡

ワコールHDは、連結子会社であるワコールマニュファクチャリング ジャパン(以下、WMJ)の生産拠点を集約・再編する。WMJは、国内に5つの工場を構え、主に国内市場向けのブラジャーや高価格帯インナーウエアなどを製造している。今後は、長崎と福井の2工場に集約するほか、福岡工場を下着の縫製工場を運営するリライエンスに譲渡する。熊本工場と新潟工場については、2025年1月末日を目処に操業停止する。両工場の従業員には、存続工場への異動及び希望退職者を募る予定だ。

ワコールHDは23年3月期に創業以来初の赤字決算となり、サプライチェーンやコスト構造改革などを行っている。将来的な市場の需要予測やブランド戦略により品質やコストの観点から競争優位性の高い海外工場の生産比率を高め、国内工場の再編が不可欠という決定に至った。

また、同社では保有不動産の整理も進めており、旧福岡事業所跡地を国内事業法人へ譲渡する。譲渡額は非公表だが、76億円の譲渡益を得る予定だ。

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インフルエンサー村岡美里さんが語る「販売員のお仕事」:記者談話室vol.141

「WWDJAPAN」ポッドキャストの「記者談話室」は、ファッション業界のその時々のニュースや話題について、3人の記者が分かりやすく解説したり、時には脱線したりしながら、掘り下げていきます。

141回目は、インフルエンサーとして活動する村岡美里さんをゲストに迎え「販売員のお仕事とセカンドキャリア」について話しました。日本最大級の販売員コンテスト「スタッフ・オブ・ザ・イヤー」の初代グランプリの村岡美里さんをゲストにお招きし、村岡さんの福岡時代、上京後、そして今の活動について余すことなく語っていただきました。今とこれからのキャリアを考えている現役販売員の皆様には必聴の内容です。

「記者談話室」ではみなさまからのお便りをお待ちしております。ご感想ご意見を聞かせてください。メールアドレスは、danwashitu@infaspub.co.jp です。

この配信は以下のアプリでもご利用いただけます。
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インフルエンサー村岡美里さんが語る「販売員のお仕事」:記者談話室vol.141

「WWDJAPAN」ポッドキャストの「記者談話室」は、ファッション業界のその時々のニュースや話題について、3人の記者が分かりやすく解説したり、時には脱線したりしながら、掘り下げていきます。

141回目は、インフルエンサーとして活動する村岡美里さんをゲストに迎え「販売員のお仕事とセカンドキャリア」について話しました。日本最大級の販売員コンテスト「スタッフ・オブ・ザ・イヤー」の初代グランプリの村岡美里さんをゲストにお招きし、村岡さんの福岡時代、上京後、そして今の活動について余すことなく語っていただきました。今とこれからのキャリアを考えている現役販売員の皆様には必聴の内容です。

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米化粧品小売大手セフォラが中国事業で人員削減 120人が対象

LVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON)傘下の化粧品小売店セフォラ(SEPHORA)は、中国事業において人員削減を行う。全従業員の3%にあたる120人が対象となる。同社は2005年から中国に出店しており、「厳しい市場環境に対応しながら中国で成長するために、本社の組織構造を簡素化する」と声明で述べた。

米「WWD」の「BEAUTY INC」が主催した5月のイベントで、アジアセフォラのアリア・ゴギ(Alia Gogi)プレジデントは「昨年中国での売り上げは増加したが、国の回復は予想以上に時間がかかっている。セフォラを含め全てのブランドは、戦略に鋭く集中することが求められている」と話し、「ポートフォリオ差別化戦略」を強化している。

過去2年セフォラは中国で、メイクアップブランド「アナスタシア ビバリー ヒルズ(ANASTASIA BEVERLY HILLS)」「アワーグラス(HOURGLASS)」、スキンケアブランド「タッチャ(TATCHA)」などのローンチを成功させた。5月には「ドランク エレファント(DRUNK ELEPHANT)」や「フェンティ ビューティ バイ リアーナ(FENTY BEAUTY BY RIHANNA)」を導入した。ゴギ=プレジデントは「中国の消費者はローカライズを心から喜んでいる」といい、カンファレンスではビューティブランドのコミュニティに「忍耐強くいよう。中国は回復が始まると非常に迅速に進むことが特徴。さらに機敏に対応していくことが重要だ」と呼びかている。

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「ユンス」運営会社が東証グロース上場へ 1年で売上高70億円に倍増

スキンケアブランド「ユンス(YUNTH)」を運営するAiロボティクスが9月27日に東証グロース市場に新規上場する。

Aiロボティクスは2016年創業。AI広告マーケティングの知見を生かしてD2Cブランドビジネスにピボットし、「ユンス」を急成長させた。大ヒット商品の“生ビタミンC美白美容液”は24年7月までで累計300万個以上を販売している。 24年3月期の全社売上高は70億円と、前期(36億円)からほぼ倍増。純利益も8億2500万円と黒字化を達成した(前期は2億6400万円の赤字)。そのうち「ユンス」を中心とするD2Cブランド事業の24年3月期売上高は前期比3.8倍の69億円と、業績全体をけん引している。

「ユンス」は自社ECやECモール、バラエティショップなどの販売チャネルを通じて販売しており、自社ECサイトにおいては定期購入サービスで安定した収益を得るストック型ビジネスモデルが特徴。得意のAIマーケティングをSNS広告に生かし、ECへの集客につなげている。

Aiロボティクスの従業員は現在26人で、龍川誠社長は1985年生まれの38歳。大学在学中からさまざまな領域のビジネスの立ち上げやバイアウトを経験し、16年に女性向けライフスタイル情報の動画配信サービスや広告配信を主な事業とするHowTwo(Aiロボティクスの前身)を創業。その後、AIを活用した広告運用業務の自動化システムの開発・外販にビジネスの比重を移し、20年に商号を現名称に変更した。21年には、「ユンス」を展開するYunthおよび17skinを買収。現在は、toBビジネスとしてのAIマーケティング事業を縮小・休止し、「ユンス」を中心としたD2Cブランドビジネスにリソースを集中させている。

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「シャネル」、スイスの高級腕時計ブランドMB&Fの株式25%を取得 金額は非公開

シャネル(CHANEL)はこのほど、スイスの独立系高級腕時計ブランド、MB&Fの株式の25%を取得した。取引金額は非公開。

MB&F(Maximilian Busser & Friendsの略)は、2005年にスイスで創業。社名は、マキシミリアン・ブッサー(Maximilian Busser)創業者に由来する。伝統的なウオッチメーカーの枠を超え、キネティックアート(動きを取り入れた、もしくは動くように見える芸術作品)を創作するというビジョンを掲げており、革新的なコンセプトウオッチの設計と製作を専門としている。スイス・ジュネーブとドバイに“M.A.D.ギャラリー”と呼ばれる店舗を構えるほか、ショップインショップの“M.A.D.ラボ”をフランス・パリ、米国・ラスベガス、台湾・台北、シンガポールに出店。また、時計の専門店でも販売している。価格帯は、ハイエンドな商品が6万~50万スイスフラン(約1000万〜8400万円)、21年に発表したより手頃なラインはおよそ3000スイスフラン(約50万円)。23年の売上高は4540万スイスフラン(約76億円)だった。

MB&Fの今後の経営体制は?

ブッサー創業者は株式の60%を、同氏のビジネスパートナーであるセルジュ・クリクノフ(Serge Kriknoff)R&Dおよび生産部門責任者は15%を保有している。両氏は今後も経営全般と創作を指揮するほか、シャリス・ヤディガログルー(Charris Yadigaroglou)=マーケティングおよび広報部門責任者とティボー・ヴェルドンク(Thibault Verdonckt)販売部門責任者も続投する。

シャネルのフレデリック・グランジェ(Frederic Grangie)時計・宝飾部門社長は、「独立性、創造性、卓越性という同じ価値観を持つMB&Fとの戦略的パートナーシップの締結をうれしく思う。専門的なノウハウと知識を維持、開発、投資し続ける長期的な戦略の一環であり、高級腕時計の製造における当社のポジションをさらに強化するものだ」と語った。

ブッサー創業者は、「現在の非常に恵まれた状況と最高の経営陣の下、長期的な未来を確固たるものにするための大きな一歩を踏み出すことは私たちに課された責任であり、来年創業20年を迎える当社にとって自然な進化だ。シャネルの投資により、当社は成長に関する圧力を受けることなく今後も独立した道を歩みつつ、必要に応じてシャネルのウオッチ製造エコシステムにアクセスできるため、事業をいっそう強化することが可能だ」と述べた。

シャネルは、1987年にアイコニックなウオッチ“プルミエール(PREMIERE)”を発表し、時計分野に進出。これまでも高級時計メーカーに投資しており、98年にべル&ロス(BELL & ROSS)、2011年にローマン ゴーティエ(ROMAIN GAUTHIER)、18年9月にモントル ジュルヌ(MONTRES JOURNE)の株式を取得しているが、取得額や持株数などは明らかにしていない。

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「シャネル」、スイスの高級腕時計ブランドMB&Fの株式25%を取得 金額は非公開

シャネル(CHANEL)はこのほど、スイスの独立系高級腕時計ブランド、MB&Fの株式の25%を取得した。取引金額は非公開。

MB&F(Maximilian Busser & Friendsの略)は、2005年にスイスで創業。社名は、マキシミリアン・ブッサー(Maximilian Busser)創業者に由来する。伝統的なウオッチメーカーの枠を超え、キネティックアート(動きを取り入れた、もしくは動くように見える芸術作品)を創作するというビジョンを掲げており、革新的なコンセプトウオッチの設計と製作を専門としている。スイス・ジュネーブとドバイに“M.A.D.ギャラリー”と呼ばれる店舗を構えるほか、ショップインショップの“M.A.D.ラボ”をフランス・パリ、米国・ラスベガス、台湾・台北、シンガポールに出店。また、時計の専門店でも販売している。価格帯は、ハイエンドな商品が6万~50万スイスフラン(約1000万〜8400万円)、21年に発表したより手頃なラインはおよそ3000スイスフラン(約50万円)。23年の売上高は4540万スイスフラン(約76億円)だった。

MB&Fの今後の経営体制は?

ブッサー創業者は株式の60%を、同氏のビジネスパートナーであるセルジュ・クリクノフ(Serge Kriknoff)R&Dおよび生産部門責任者は15%を保有している。両氏は今後も経営全般と創作を指揮するほか、シャリス・ヤディガログルー(Charris Yadigaroglou)=マーケティングおよび広報部門責任者とティボー・ヴェルドンク(Thibault Verdonckt)販売部門責任者も続投する。

シャネルのフレデリック・グランジェ(Frederic Grangie)時計・宝飾部門社長は、「独立性、創造性、卓越性という同じ価値観を持つMB&Fとの戦略的パートナーシップの締結をうれしく思う。専門的なノウハウと知識を維持、開発、投資し続ける長期的な戦略の一環であり、高級腕時計の製造における当社のポジションをさらに強化するものだ」と語った。

ブッサー創業者は、「現在の非常に恵まれた状況と最高の経営陣の下、長期的な未来を確固たるものにするための大きな一歩を踏み出すことは私たちに課された責任であり、来年創業20年を迎える当社にとって自然な進化だ。シャネルの投資により、当社は成長に関する圧力を受けることなく今後も独立した道を歩みつつ、必要に応じてシャネルのウオッチ製造エコシステムにアクセスできるため、事業をいっそう強化することが可能だ」と述べた。

シャネルは、1987年にアイコニックなウオッチ“プルミエール(PREMIERE)”を発表し、時計分野に進出。これまでも高級時計メーカーに投資しており、98年にべル&ロス(BELL & ROSS)、2011年にローマン ゴーティエ(ROMAIN GAUTHIER)、18年9月にモントル ジュルヌ(MONTRES JOURNE)の株式を取得しているが、取得額や持株数などは明らかにしていない。

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ササビーリーグが小柄女性向けD2Cアパレル「コヒナ」を事業買収 連続起業家・中川綾太郎のnewnから

newn(東京都、中川綾太郎社長)は、小柄女性向けアパレルブランド「コヒナ(COHINA)」の事業をサザビーリーグに9月2日付で譲渡する。取引金額は非公開。

「コヒナ」は、自身も148cmと小柄な田中絢子ディレクターが、身長150cm前後の女性に向けて2018年に立ち上げたブランド。運営元のnewnの中川社長は連続起業家として知られ、過去には女性向けキュレーションメディア「メリー(MERY)」を運営していたペロリを創業、2017年4月に設立したnewnでも「コヒナ」のほかコスメブランド「リーカ(RIHKA)」や「ミスターチーズケーキ(MR.CHEESE CAKE)」などをヒットさせた。

「コヒナ」はD2Cブランドならではの小回りを生かし、体型などの「悩み解決型」ブランドの先駆けとしてSNSやECを中心に認知度を高めた。21年時点で月商は1億円超に到達。22年にはモード志向の派生ブランド「エストラータ(ŚTRATA)」を立ち上げた。 24年8月時点でブランドのインスタフォロワーは22万人を超えた。

D2Cアパレルブームは一服
さらなる成長に必要な変化

newnは直近の「コヒナ」の業績について「非公開」としているが、コロナ前後の一時期に比べれば、D2Cブランド市場のバブル的活況は一服した感がある。さらなるステップアップには、ブランドビジネスやリアル店舗運営のノウハウが必要であり、まさにそれらを得意分野とするサザビーリーグへの譲渡がタイミング的にもベストと判断したようだ。中川社長は、「よりお客さまに愛され、社会にインパクトを生み出せる価値あるブランドに成長していくため、ベストオーナーに譲渡することを決めた」とコメントを出した。

「コヒナ」は今後、サザビーリーグの新会社EGBA(イー・ジー・ビー・エー)が運営する。トップには、サザビーリーグの取締役営業統括兼エストネーション会長の帰山元成氏が就く。これまで「メゾンスペシャル(MAISON SPECIAL)をはじめとした重要プロジェクトに携わってきたキーマンだ。同氏は「『コヒナ』が培ってきたファンマーケティングやデジタルマーケティングのノウハウと、サザビーリーグが持つブランディング力により、更なる事業成長が期待できる」とみる。

田中ディレクターもサザビーリーグに転籍し、引き続きブランド運営の手綱を握る。「これまでファンの皆さんと一緒に培ってきた『コヒナ』らしさをより強固なものにしながら、 新しい価値を創造し、世界全体に拡大していきたい」(田中ディレクター)と意気込む。

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伸長率1位はまたも「ミュウミュウ」 百貨店高額品フロアリポート・前編【特別無料公開2024年上半期ビジネスリポート】

「WWDJAPAN」は、全国の百貨店に2024年上半期(1〜6月)の高額品の商況をアンケート形式で調査した。また、都心部および地方の主要店には、特選フロア担当者に売れ筋商品の動向などを詳細にヒアリングした。この半年は円安が加速度的に進行し、百貨店における訪日客の高額品消費はますます盛り上がっている。ラグジュアリーブランドは、定番デザインのハンドバッグに人気が集中。特選フロアのブティックに訪日客が列をなす姿は、もはや日常の光景だ。(この記事はWWDJAPAN8月26日号別冊「2024年上半期ビジネスリポート」からの抜粋です)

訪日客が爆増
旗艦店に恵みの雨

日本政府観光局が7月に発表した統計によると、1〜6月の訪日客は累計1777万人となり、消費額3.9兆円(観光庁発表)とともに同期間の過去最高を更新した。円安が急激に進行した4月末〜5月頭の大型連休後あたりから、訪日客が押し寄せた。売り場からは、「5月は訪日客売り上げが前年同月比40%以上伸長し、大きなかさ上げ要因になった」(松坂屋名古屋店)との声が聞かれる。

エリア別に見ても、訪日客が集中する東京・大阪をはじめ、都市型店舗の特選フロアの伸長率が際立つ。伊勢丹新宿本店の売上高が前年同期比130%増、松屋銀座本店が同70%増、大丸心斎橋店が同52.2%増、阪急うめだ本店が同54%、高島屋大阪店が同65%増。阪急うめだ本店5階インターナショナルブティックの売上高に占める訪日客比率は15%から37%となった。

勢いづく「ミュウミュウ」
定番バッグ売れで上位ブランド盤石

ブランド別の伸長率1位は、前回に引き続き「ミュウミュウ(MIU MIU)」。伸長率ランキングでは前回調査(23年6〜12月)でもトップ(46ポイント)だったが、今回はそれをさらに上回る59ポイントを得票し、2位以下にダブルスコアをつけた(調査売り場は1減)。館別では、そごう千葉店で前年同期比約800%増、松屋銀座本店で同約600%増、阪急うめだ本店で同323%増など爆発的な伸び。ビッグメゾンと比較すれば元々の売り上げのパイが小さいことを勘案しても、勢いはすさまじい。「ウエアを中心に売れ始め、直近はレザーバッグも好調」(大丸心斎橋店)。

特選ブランド共通の課題として、ブランドバッグ以外の売れ筋を作りづらいことがあるが、「ミュウミュウ」はウエアもよく売れている。 ブランドアンバサダーのTWICEのモモを筆頭に、感度の高いインフルエンサーがクロップドトップス×ミニ丈ボトムのブランドを象徴するスタイルを体現し、若者の支持を集めている。伊勢丹新宿本店で2月7〜20日に1階のザ・ステージで実施した催事は、同区画で過去最高規模の売り上げを記録。カード会員以外の購入も多かった。(後編へ続く)


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今伸びているブランドはコレ! コスメやバッグ、ウエアのヒットアイテム完全網羅

「ビジネスリポート」は定期購読者限定の特別付録で、年2回発行しています。8月26日に発行した2024年上半期版では、今回紹介した百貨店の特選や宝飾の好・不調ブランドのほかに、百貨店ごとの高伸長率ブランドを詳報しています。ほか、ルミネ新宿、ラゾーナ川崎プラザ、渋谷109、「ゾゾタウン」、古着などリアルクローズマーケットの好調ブランドやヒットアイテム、全国百貨店の化粧品フロアの商況など、半年分の情報を詰め込んだデータブックとしてお届け。この半年の小売りの動向と今後の展望が一覧できます。
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百貨店の免税売上高、1〜7月で23年年間を抜く

日本百貨店協会は、2024年1〜7月の免税売上高の累計が前年同期間に比べて約2.5倍の3978億円になったと23日に発表した。過去最高だった23年の年間実績3484億円を7カ月間で上回った。引き続き円安を背景にラグジュアリーブランドや時計・宝飾品など高額品がよく売れた。

7月単月の全体の売上高は5.5%増で、29カ月連続のプラスだった。免税売上高は633億円で調査開始以来3番目に高い額。全体に占める免税売上高のシェアは12.6%になった。一方の国内の消費者による売上高(シェア87.4%)は、前年同月比1.3%減に終わった。インバウンド(訪日客)に支えられる構図が鮮明になっている。

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百貨店の免税売上高、1〜7月で23年年間を抜く

日本百貨店協会は、2024年1〜7月の免税売上高の累計が前年同期間に比べて約2.5倍の3978億円になったと23日に発表した。過去最高だった23年の年間実績3484億円を7カ月間で上回った。引き続き円安を背景にラグジュアリーブランドや時計・宝飾品など高額品がよく売れた。

7月単月の全体の売上高は5.5%増で、29カ月連続のプラスだった。免税売上高は633億円で調査開始以来3番目に高い額。全体に占める免税売上高のシェアは12.6%になった。一方の国内の消費者による売上高(シェア87.4%)は、前年同月比1.3%減に終わった。インバウンド(訪日客)に支えられる構図が鮮明になっている。

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韓国EC大手のクーパン、買収したファーフェッチのプラットフォーム事業を終了

韓国の大手EC企業クーパン(COUPANG)は、2023年12月に買収した高級ECファーフェッチ(FARFETCH)の企業向けECプラットフォーム事業、ファーフェッチ・プラットフォーム・ソリューション(Farfetch Platform Solutions)を終了することを明らかにした。スティーブン・エグルストン(Stephen Eggleston)最高商務責任者が取引先などに送付したメールによれば、事業の優先順位を検討した結果、今後は主軸のマーケットプレイス事業に注力するという。

ファーフェッチ・プラットフォーム・ソリューションは、ブランドや小売り向けのEC支援サービスとして2015年にスタート。「マノロ ブラニク(MANOLO BLAHNIK)」「バレンシアガ(BALENCIAGA)」「サンローラン(SAINT LAURENT)」「ポール・スミス(PAUL SMITH)」「バルマン(BALMAIN)」などのブランドや、英百貨店ハロッズ(HARROD'S)などと提携した。しかし、ここ数年、データの安全性や商品の希少性を維持し、値下げやセールによるブランド価値の毀損を避けるため、ブランド側がECの内製化を進めたことから契約数が減少していた。

また、ファーフェッチは23年8月、「カルティエ(CARTIER)」「ヴァン クリーフ&アーペル(VAN CLEEF & ARPELS)」「クロエ(CHLOE)」などを擁するコンパニー フィナンシエール リシュモン(COMPAGNIE FINANCIERE RICHEMONT以下、リシュモン)が擁するラグジュアリーEC大手のユークス ネッタポルテ グループ(YOOX NET-A-PORTER GROUP以下、YNAP)の株式の47.5%を取得することに合意した。この取引には、ファーフェッチ・プラットフォーム・ソリューションをリシュモンとYNAPが導入する契約なども含まれていたが、クーパンによるファーフェッチ買収を受け、リシュモンは「合意を破棄する」との声明を発表した。

それに加えて、24年2月には、「グッチ(GUCCI)」「サンローラン」「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」などを擁するケリング(KERING)と、ニーマン マーカス グループ(NEIMAN MARCUS GROUP以下、NMG)が擁する米百貨店バーグドルフ・グッドマン(BERGDORF GOODMAN)が、ファーフェッチとの提携解消を発表している。

ファーフェッチ買収がクーパンの重荷に?

クーパンは、“韓国のアマゾン”とも呼ばれるeコマース企業。本社は米シアトルにあるが、韓国やアジア各地にもオフィスを構えており、韓国語サイトで家電や生活雑貨、消費財、衣類、食品などを扱っている。

同社の2024年1~3月期(第1四半期)決算の売上高は前年同期比22.6%増の71億1400万ドル(約1兆386億円)、営業利益は同62.6%減の4000万ドル(約58億円)、純損益は前年同期の9100万ドル(約132億円)の黒字から2400万ドル(約35億円)の赤字となった。同社によれば、ファーフェッチの買収は第1四半期中に完了。売上高に2億8800万ドル(約420億円)貢献したものの、9300万ドル(約135億円)の損失を与えたという。

なお、直近の4~6月期(第2四半期)決算は、売上高が同25.4%増の73億2300万ドル(約1兆691億円)、営業損益は前年同期の1億4800万ドル(約216億円)の黒字から2500万ドル(約36億円)の赤字に、純損益は1億4500万ドル(約211億円)の黒字から1億500万ドル(約153億円)の赤字となった。純損失には、ファーフェッチによる損失のほか、クーパンがEC上で自社のプライベートブランド商品が目立つようアルゴリズムを不正に操作したとして韓国の公正取引委員会から科された罰金1400億ウォン(約140億円)が含まれている。

ファーフェッチは、傘下に英セレクトショップ、ブラウンズ(BROWNS)のほか、故ヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)の「オフ-ホワイト c/o ヴァージル アブロー(OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH)」などを擁するニューガーズグループ(NEW GUARDS GROUP)、スニーカーのリセールサイト「スタジアム・グッズ(STADIUM GOODS)」などを持っている。これらの資産の今後については明らかになっていないが、クーパンが赤字に陥っていることを考えると、売却の可能性もあるだろう。

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韓国EC大手のクーパン、買収したファーフェッチのプラットフォーム事業を終了

韓国の大手EC企業クーパン(COUPANG)は、2023年12月に買収した高級ECファーフェッチ(FARFETCH)の企業向けECプラットフォーム事業、ファーフェッチ・プラットフォーム・ソリューション(Farfetch Platform Solutions)を終了することを明らかにした。スティーブン・エグルストン(Stephen Eggleston)最高商務責任者が取引先などに送付したメールによれば、事業の優先順位を検討した結果、今後は主軸のマーケットプレイス事業に注力するという。

ファーフェッチ・プラットフォーム・ソリューションは、ブランドや小売り向けのEC支援サービスとして2015年にスタート。「マノロ ブラニク(MANOLO BLAHNIK)」「バレンシアガ(BALENCIAGA)」「サンローラン(SAINT LAURENT)」「ポール・スミス(PAUL SMITH)」「バルマン(BALMAIN)」などのブランドや、英百貨店ハロッズ(HARROD'S)などと提携した。しかし、ここ数年、データの安全性や商品の希少性を維持し、値下げやセールによるブランド価値の毀損を避けるため、ブランド側がECの内製化を進めたことから契約数が減少していた。

また、ファーフェッチは23年8月、「カルティエ(CARTIER)」「ヴァン クリーフ&アーペル(VAN CLEEF & ARPELS)」「クロエ(CHLOE)」などを擁するコンパニー フィナンシエール リシュモン(COMPAGNIE FINANCIERE RICHEMONT以下、リシュモン)が擁するラグジュアリーEC大手のユークス ネッタポルテ グループ(YOOX NET-A-PORTER GROUP以下、YNAP)の株式の47.5%を取得することに合意した。この取引には、ファーフェッチ・プラットフォーム・ソリューションをリシュモンとYNAPが導入する契約なども含まれていたが、クーパンによるファーフェッチ買収を受け、リシュモンは「合意を破棄する」との声明を発表した。

それに加えて、24年2月には、「グッチ(GUCCI)」「サンローラン」「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」などを擁するケリング(KERING)と、ニーマン マーカス グループ(NEIMAN MARCUS GROUP以下、NMG)が擁する米百貨店バーグドルフ・グッドマン(BERGDORF GOODMAN)が、ファーフェッチとの提携解消を発表している。

ファーフェッチ買収がクーパンの重荷に?

クーパンは、“韓国のアマゾン”とも呼ばれるeコマース企業。本社は米シアトルにあるが、韓国やアジア各地にもオフィスを構えており、韓国語サイトで家電や生活雑貨、消費財、衣類、食品などを扱っている。

同社の2024年1~3月期(第1四半期)決算の売上高は前年同期比22.6%増の71億1400万ドル(約1兆386億円)、営業利益は同62.6%減の4000万ドル(約58億円)、純損益は前年同期の9100万ドル(約132億円)の黒字から2400万ドル(約35億円)の赤字となった。同社によれば、ファーフェッチの買収は第1四半期中に完了。売上高に2億8800万ドル(約420億円)貢献したものの、9300万ドル(約135億円)の損失を与えたという。

なお、直近の4~6月期(第2四半期)決算は、売上高が同25.4%増の73億2300万ドル(約1兆691億円)、営業損益は前年同期の1億4800万ドル(約216億円)の黒字から2500万ドル(約36億円)の赤字に、純損益は1億4500万ドル(約211億円)の黒字から1億500万ドル(約153億円)の赤字となった。純損失には、ファーフェッチによる損失のほか、クーパンがEC上で自社のプライベートブランド商品が目立つようアルゴリズムを不正に操作したとして韓国の公正取引委員会から科された罰金1400億ウォン(約140億円)が含まれている。

ファーフェッチは、傘下に英セレクトショップ、ブラウンズ(BROWNS)のほか、故ヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)の「オフ-ホワイト c/o ヴァージル アブロー(OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH)」などを擁するニューガーズグループ(NEW GUARDS GROUP)、スニーカーのリセールサイト「スタジアム・グッズ(STADIUM GOODS)」などを持っている。これらの資産の今後については明らかになっていないが、クーパンが赤字に陥っていることを考えると、売却の可能性もあるだろう。

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テレビプロデューサー佐久間宣行が語る「メンタルケア」と「仕事論」——中年を救うのは「教養と人柄」

PROFILE: 佐久間宣行/テレビプロデューサー、ディレクター、演出家、ラジオパーソナリティー、作家

佐久間宣行/テレビプロデューサー、ディレクター、演出家、ラジオパーソナリティー、作家
PROFILE: (さくま・のぶゆき) /「ゴッドタン」「トークサバイバー! 1・2・3」「インシデンツ 1・2」「LIGHTHOUSE」などのテレビ番組、配信作品を手掛ける。2019年から「オールナイトニッポン0 (ZERO)」の最年長パーソナリティの他、バラエティ番組のMCとしても活躍。YouTube チャンネル「佐久間宣行のNOBROCK TV」は登録者数200万人を突破。24年6月からサブチャンネル「BSノブロック~新橋ヘロヘロ団~」もスタートした。

テレビプロデューサー佐久間宣行の新刊「ごきげんになる技術 キャリアも人間関係も好転する、ブレないメンタルの整え方」(集英社)には、仕事や人間関係の悩みにどう向き合えばよいのか、その対処法がロジカルかつ親身に書かれている。前職テレビ東京の社員時代には「毎日のように相談を受けていた」という佐久間は、多忙を極めるテレビ業界に身を置きながら、いかにして心身の健康を保つことができたのか。また、佐久間自身の仕事論についても掘り下げる。

——本書では数々の具体的な悩み相談に応えていますね。

佐久間宣行(以下、佐久間):この10年くらい、本当にメンタルと人間関係の相談を受けることが多くて。それに応え続けていくうちに、自分の中である程度、分類や傾向も含め、回答が言語化できるようになり、かつ実際に役に立ったと言われるものがわかってきたので、それを広く共有できたら助かる人が多いだろうなと思い、本という形でまとめました。

——悩み相談の相手として選ばれるのは、ご自身のどういった面に適性があると思いますか。

佐久間:何に対してもまず言語化して考えるタイプだからでしょうね。僕は最初から感性で動いたりしないので。ロジカルに考えるだけ考えたあと、最後に感性に従うタイプ。あとは僕自身が48歳になって、加齢に伴う悩みにも実感を持つようになってきたし、それなりに仕事のキャリアや人間関係を築いてきたことで、いろんな人も見てきたし、経験値も増えたってことだと思います。

——悩みを相談されることが多くなったのは、会社を辞めてフリーになってから?

佐久間:いや、むしろ会社員時代なんて毎日ですよ。30代は特に、メンタルを壊したディレクターがみんな僕のところに悩み相談に来ていました。

——相談に応えるときに、心がけていることはありますか。

佐久間:根底にあるのは、相手のことを分かった気にならない、ってことですね。悩み相談と一口に言っても、当然いろんなパターンがあるわけで。ものすごく深刻な場合もあれば、それほど悩んでいるわけじゃなく、ただ愚痴を聞いてほしいだけの場合もある。それを見極めるのも大事かなと思います。そのうえで、愚痴の場合は解決方法があるわけではないので、ひたすら聞くだけ。深刻な場合は、なるべくロジカルに、感情的にならないように言語化して、具体的な解決方法を探る。

——悩みの種類としては、どんなものが多いなどの傾向はありますか。

佐久間:結局のところ、人間関係が多いですね。嫌なやつがいる、みたいなレベルのものから、自分の能力が発揮できない、努力を認めてもらえない、といったものまで。僕がテレビ局のADだった頃の定番、寝れない、帰れない、殴られる、キツすぎる、といった時代からは大きく変わりました。むしろ今の時代は、ADは働き方改革で守られているけど、ディレクターは自分の裁量でどうにかしないといけないので、ディレクターの方が徹夜したり、キツい働き方をしてますよ。だから悩み相談もADよりディレクターの方が多いくらい。

——中間管理職ならではの悩みですね。

佐久間:リアルでしょ。一方の若いADからの悩みは、同世代の20代がYouTubeとかTikTokで活躍しているのに、自分はまだ雑用みたいな仕事しかやらせてもらえない、みたいなタイプの相談が多い。これはテレビ業界に限らず、どの業界でもある、今の時代っぽい悩みですよね。若い人ほど、早く結果を欲しがるし、自分がみじめな気持ちになると心が折れがち。SNSで加工されたきらびやかな情報がどんどん入ってくるので、そこと比べちゃって、自分のみっともないところを認められない傾向があるのかなと思います。

SNSでのジャッジは人生の限られた大事なリソースを失っている

——今の時代っぽいということでは、本書の中で印象的だったのが「世間も友人のこともつい批判的に見て、結果自己嫌悪する自分がいます」というお悩み。

佐久間:批判グセのある人からの相談ですね。人間が1日に何かをジャッジするには限界があるんだから、そのエネルギーを自分のことに使いましょうって答えました。SNS でニュースや投稿にコメントをつけたり、コメントはつけずとも、いちいちジャッジするクセがついてる人は多いと思いますけど、あれは人生の限られた大事なリソースをだいぶ失ってますよ。

——佐久間さんは、自分の名前や番組名でのエゴサーチはしない?

佐久間:番組名はします。でもそれで一喜一憂することはなくて、反響や手応えを確かめるため、というか。番組を観てわざわざSNSに感想を書くって、だいぶ限られた人たちの行動ですよね。一言「おもしろかった」とか「つまんなかった」ならまだしも、長文の感想ってなると、かなり一部の意見ですから。

そもそも、不特定多数の人たちに届けるということは、誤解されることが前提なので、そこに振りまわされるよりは、原点に立ち返って、半径数メートルの人たちに親切に接することの方が今は大事かなと思っています。

——裏方の制作者ではなく、出演者としてメディアに出たときも、SNSの反響は気にしない?

佐久間:そこまで気にしないですね。自分が出演する場合は、基本的に職能を求められて呼ばれた場合に引き受けていたんです。テレビについて解説したり、おすすめのエンタメを紹介したり。

ただ、ここ何年かは、直接的には職能じゃない役割でオファーが来ることもあって、分かりやすいところだと「オールナイトフジコ」(フジテレビ)のMCですよね。でもそれだって、当たり前ですが、芸人のように場をおもしろく盛り上げることなんて自分にはできないので、MCという立場ではありながら、目線はディレクターだったりプロデューサーのつもりで、出演するフジコーズたちのいいところや伸びしろを見つける役割、というふうに考えるようにしています。そう考えると腑に落ちるから。自分の中で腑に落ちないと仕事は進まないですよ。

——一方で、演出やプロデューサーなど制作者としてのオファーが来た場合、受ける受けないの基準はあるのでしょうか。

佐久間:自分のタイプとして、ユーザーとしての体験がないと、芯をくったものは作れないと思っているので、あまりにも自分が接していないメディアや分野の仕事は、積極的にはやらないようにしています。マーケティングとかで理論武装することはできるけれど、プラスで愛着なり思い入れがないと、ちゃんとしたものは作れないかな。

めっちゃ機嫌がいいときと、めっちゃ機嫌が悪いときは、人と会わない

——佐久間さんが誰かに悩みを相談することは?

佐久間:一切ないですね。誰にも相談しません。会社を辞めるときでさえ、自分で決めてから「辞めようと思います」って、周りに言いましたから。あ、でも強いて言えば、解決のために相談のフリをすることはあります。上司なり決定権を持っている上の人に、ここをこうしたいんですけど、どうにかならないですかね……みたいな。その時点でもう答えは見えていて、解決のために、悩み相談という形で話を持ちかけることがベストだな、という判断です。

——本書には、体調やメンタルが不調になりそうなタイミングを客観視できるように、「スケジュール帳に簡単なメモ程度の日記をつける」と書かれています。

佐久間:メモ程度の日記をつけ始めたきっかけは、新卒でテレビ局に入社して激務をこなす中で、「これはメンタル折れる」って実感したときに、自分自身の傾向を知らないと対策も打てないな、と思ったんです。そのために、起きたことや感情が動いた出来事くらいはメモしておこうと。

メモがあると、だいたいの傾向が分かるし、もし何かあった時の証拠にもなる。特に20代は、そのメモがすごく役に立ちました。それで自分の傾向がある程度分かったあと、30代の中盤くらいからは、企画とかのアイデアをメモするときに、軽く日記的なものを書くぐらいになって。「LIGHTHOUSE」(Netflix)で若林(正恭)君と星野(源)さんが書いていた「1行日記」の企画は、ここが元ネタです。

——対人関係において、ご自身で気をつけているところはありますか。

佐久間:めっちゃ機嫌がいいときと、めっちゃ機嫌が悪いときは、人と会わないようにしています。そこは徹底して。あまりに機嫌いいときに人と会うと、調子に乗って自慢話とかしちゃいそうなので。それって機嫌が悪くて八つ当たりしちゃうのと同じくらい害悪でしょう。

あと僕の場合、何でもロジカルに考えるので、注意したりするときも、感情的に怒ったりはしないのですが、そのせいでズバッと言ってしまうことがある。そこは常に気をつけてます。いくらロジカルといっても、人に説教をするときの快楽っていうのはどうしてもある気がするので、注意するときはなるべく短い時間で的確に、大勢の前では避ける、笑いになりそうな伝え方にする、もし長くなりそうだったらメールなどの文面で伝える。文面で伝えるっていうのは、相手にとってわかりやすく、ということだけじゃなく、自分へのリスクヘッジでもあるんですよ。コピペされて拡散されても大丈夫な伝え方にするっていう。

——管理職、向いてますよ。

佐久間:正直、向いてると思います。ただ、さっき話題に上がった、ジャッジには限界があるという話にも通じますが、会社員で管理職をやっていると、管理業務のジャッジだけで限界がきちゃうので、自分が担当する制作の方まで頭が回らない。自分の希望として、クリエイティブなものづくりは続けたかったので、管理職に就く前に会社を辞めたんです。

ハラスメントをしないことを“我慢”だと思っている人は危ない

——40歳を過ぎた“中年”が抱える諸問題についても、本書には対策が書かれています。

佐久間:中年の問題は切実ですよ。実際に僕の周りでも、職を失っている人、いますからね。誰しも中年ゆえの悩みや問題は発生するんだけど、それに対処できる人とできない人の差が激しいんだと思います。対処以前に、中年だからこその有害性、自分のハラスメント気質とかに気づいてない人も多いですし。

——問題に気づいていない、というのはかなり厄介ですね。

佐久間:自らの有害性に気づいていない中年の特徴の一つに、「なんで自分がこんなに我慢しなきゃいけないんだ」と感じている、というのがあります。セクハラにしてもパワハラにしても、ハラスメントをしないことを“我慢”だと思っている。部下や後輩を怒鳴らないことも“我慢”だし、人に気を遣ったり丁寧に接することも“我慢”だと。

そう思っちゃっている人は、目上の人やクライアントとかの前では“我慢”しているけど、目の届かないところでは普通にハラスメントをしがち。でもそういう情報って結局は伝わってくるので、まぁ雇えないですよね。

——本書では「中年を救うのは『教養と人柄』」と書かれていました。

佐久間:センスだけで勝負して、ひたすらヒットを飛ばし続けられるのは、天才だけですから。僕が「教養と人柄」が備わっていると感じるのは、伊集院(光)さんと東野(幸治)さんかな。

あと、具体例で分かりやすいのはバカリズム。いまや脚本家として立派な功績を残しているけど、あの手法はベテランの経験値や技術があってこそ。笑いの筋力はどうしたって加齢とともに衰えていくんだけど、それまでに培った経験値や技術を別のジャンルで発揮すると、すごく新鮮に映る、という。お笑いの最前線ではなく、ドラマという別ジャンルだからこそ光る笑いの技術を、バカリズムは見せてくれました。男性と女性のセリフをわざとらしく書き分けたりしない、というのも発明ですよね。

世の中に面白いものが増えてほしいだけ

——今振り返って、これほど長く仕事を続けられた要因はどこにあると思いますか。

佐久間:一つあるのは、自分が若かった頃に、まだそれほど売れていなかったバナナマンや劇団ひとり、おぎやはぎやバカリズムといった人たちの企画を出し続けていたから、というのがすごく大きいです。オードリーや千鳥の冠番組を企画したのもそうだし。

もしあの頃、すでに人気もあって、第一線で活躍している人の企画ばっかり出していたら、こうはなってない。旬な人に憧れたり、一緒に仕事をしたいと思う人が多いのは分かるんだけど、よっぽど特異点がないと、そこに継続性はあんまりないんじゃないかな。

——若い頃と比べて、モチベーションも失われていないですか?

佐久間:40代も半ばを過ぎて、この先も仕事を続けていくことのモチベーションがどこにあるか、っていうのを改めて考えたときに、もう業界で有名になりたいとか活躍したいとか、なんなら、面白いものをつくりたいですらなく、自分が面白いと思うものが世の中に増えれば楽しいじゃん、っていうところに行き着いたんですよ。そのくらいのモチベーションじゃないと頑張れない。

だから、自分が関わるどの番組でも、根っこにあるテーマは、世の中にある面白いものや人を紹介すること。それは自分が楽しく人生を送るためでもある。なので、紹介された方は恩義を感じたりしないでほしいんです。紹介することで、世の中に面白いものが増えてほしいだけなので。恩を感じられると、かえって仕事を頼みづらくなっちゃうし。

——この超情報化社会、あらゆるジャンルにおいて、コアなファンはどんどんマニアックになっていき、よりハイコンテクストなコンテンツを求める傾向があると思うのですが、そのあたりはどう向き合っていますか。

佐久間:お笑いやバラエティー番組の場合、何かをフリにしても、そのフリ自体が笑いになってしまうんですよね。お笑いをフリにしてお笑いをつくるって、すごく狭い世界に閉じこもるというか、どんどん自家中毒っぽくなっていくんですよ。自家中毒のまま、いい番組をたくさんつくるのは、よっぽどのカリスマ性がないと続けられないでしょうね。

それに、自分の年齢を考えたときに、今でもお笑いは大好きですが、その最前線で常にフレッシュなものをつくり続けるのはかなり厳しい。それだったら、知見や経験を生かした50代にしかできないやり方を模索した方が、自分としても楽しい、というのはあります。

分断が進み、マルチユースが通用しない時代に

——佐久間さんが手掛ける数々のコンテンツにおける、ファンや視聴者の重なり、あるいは分散については、どう見ていますか。

佐久間:一部重なる部分もありますが、全体としては、それぞれでまったく違う、と言った方がいいでしょうね。YouTubeだけを見ても、「佐久間宣行のNOBROCK TV」とサブチャンネルでは視聴者層がまるで違う。サブチャンネルは僕自身がメインで出演しているので、そこが「佐久間宣行のオールナイトニッポン0」と一部重なる部分です。

あとは、例えば「ゴッドタン」のファンが「NOBROCK TV」も観ていると、よく勘違いされるのですが、実態はそうではない。YouTubeのアナリティクスを見ると、この90日間で「NOBROCK TV」が観られた地域の1位が大阪で、2位が北海道でした。

もちろん、出演者や企画によって変動はしますが、「ゴッドタン」の視聴者が東京を中心とした関東圏であることを考えると、「ゴッドタン」と「NOBROCK TV」の視聴者層は違うんですよ。

とはいえ、YouTubeは人気や傾向のタームがどんどん変わっていくので、そこに追いつくのはかなり大変ですけどね。

——直近でいうと、どういった傾向があるのでしょうか。

佐久間:一つ前のタームでは、毎日更新するくらいの頻度が求められ、習慣化とファンダムを形成することが大事でしたが、ここ最近は、質の低いコンテンツを次々にアップするくらいなら、頻度を下げて質の高さを求めた方がいい、という傾向になっています。2回連続でつまらないと思われたら、視聴数が7割減とかになってしまうので。あとは、毎日更新を課したゆえの事故や事件も多くなり、そのリスクとダメージがあまりにも大きい。

——一定の知名度さえ獲得すれば、複数のメディアやプロジェクトにまたがっても、ある程度の人気は確保できる、ということが難しい時代になりましたよね。

佐久間:一昔前なら成功していたマルチユースみたいなことは、もう通じなくなりましたね。どのメディア間でも分断が進んでいる。なので、今はそれぞれのメディアやプラットフォームにあわせて、一つひとつロジックや戦略を組み立てる必要があり、その手間はだいぶ増えました。

“人気”ということについても、企画や内容の面白さが支持されているのか、それとも、出演者の人間に魅力を感じているのか、それによって数字の出方も変わってきますから。要は、企画で勝負しているコンテンツは、企画ごとに数字のばらつきがあるけれど、その人自身にファンがついている場合は、あまり内容に左右されず、一定の数字を得やすい、とか。

——この先、一緒に仕事をしたいのは、どういう人でしょう。

佐久間:まだ見せてない武器を持ってる人、ですかね。本当はいいものを持っているのに、ちゃんと出せていないような人に、一緒に仕事をすることで発揮してもらいたい。その武器を見つけて、うまく生かしてあげるのが僕の仕事ですから。別の角度でいうと、常に変わり続けている人。キャリアを重ねていく中で、最初に出てきた時のキャラクターや作品とは違うところへどんどん変わっていく人とは仕事したいですね。

POTOS:TAMEKI OSHIRO

「ごきげんになる技術 キャリアも人間関係も好転する、ブレないメンタルの整え方」
著者:佐久間宣行
2024年7月26日発売
価格:1540円
装丁:四六判/192ページ
出版社:集英社
https://www.shueisha.co.jp/books/items/contents.html?isbn=978-4-08-788099-1

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ブルーボトルコーヒーが豊洲公園内に新店 日本法人のトップに出店戦略を聞く

ブルーボトルコーヒーは8月23日、豊洲ぐるりパーク内にある豊洲公園に「ブルーボトルコーヒー 豊洲パークカフェ」をオープンする。建物からオリジナルでデザインした初の店舗だ。

ブルーボトルコーヒーは現在、日本国内に27店を展開している。同社の出店戦略はユニークだ。「この場所でコーヒーを飲んだらどんな気持ちになるか」「そこで生活する人がブルーボトルをどのように利用するか」という想像からスタートする。「そこにブルーボトルコーヒーがあることが、そのエリアで生活を送る人への貢献につながる」と確信を持つことができたら、店前交通量といった出店条件チェックのステップに進む。

2021年4月、渋谷区立北谷公園にオープンした渋谷店は初の公園内店舗だった。このオープンを皮切りに、公園内での出店依頼が集まるようになる。公園内では2店舗目の出店場所として豊洲公園を選んだ理由を「海が近くにあり、開けた空間が広がっていて、空が広く夕陽がきれいに落ちる。そこに店があったら素敵な空間になると確信した。サッカーをする少年や犬を連れて散歩する人、お子さん連れの家族、オフィスワーカーなど、さまざまな目的でさまざまな人がこの公園に訪れる。彼らが集える場所として、個々人が好きなタイミングで好きなように時間を過ごしてくれたらうれしい」とBlue Bottle Coffee Japanの伊藤諒社長は話す。

今回は建築家の長坂常が内外装デザインを手掛けた。豊洲パークカフェが掲げる「ボーダレス」のテーマに沿って、公園と店の境を曖昧にした。ファサードは全てガラス張りとし、レンガが敷かれた店内の床を室外にも引き伸ばし、店と公園の空間をつなげている。天井や壁面の上部、テラス席のテーブルには障子のような素材の繊維強化プラスチック(FRP)を採用。外から入る光を柔らかく室内に届け、居心地の良い店内で外の様子の変化を感じられるようにした。

業界は関係なく哲学の共鳴を重視

ブルーボトルコーヒーは24年6月、フィンランドのデザインハウス「マリメッコ(MARIMEKKO)」とのコラボアイテムを発売。24年8月にはエコミットが掲げるコンセプト「REUSE SHIFT」に参画し、コスメティックブランド「シロ(SHIRO)」とリユースプロジェクトを実施することを発表した。

02年にアメリカ・ロサンゼルスで創業した時から、同社はサステナビリティを重要視している。他業界とのコラボについて「掲げる哲学への共鳴が最も重要だ。今後も業界の括りにとらわれず、ファッションやビューティの企業やブランドとも積極的にコラボしたい」と話す。

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ナイキとレゴグループがグローバルパートナーシップを発表 25年から本格的に開始

ナイキ(NIKE)は「スポーツと創造的な遊びを推進すること」を目的に、レゴグループと複数年にわたるパートナーシップを発表した。2ブランドの取り組みは、2025年から本格的に開始し、レゴブロックが生み出す創造力とナイキの“Just Do It”スピリットを融合させ、共同でプロダクツやコンテンツの体験を世界中の子どもたちやその家族に向けて展開。ナイキとレゴグループが協力することで、子どもたちに新しい運動や遊びの機会を生み出していく。

ナイキ グローバル キッズ VPのカル・ダワーズは、「ナイキは、スポーツの力が世界を前進させると信じており、それは子どもから始まると考えています。私たちはさまざまな年齢や能力の子どもたちがよりアクティブになることを促し、より包括的な未来を作ることに努めています。レゴグループと一緒に、多くの子どもたちに新しい視点で捉えたスポーツと創造的な遊びを提供していきます」とコメント。

一方のレゴグループ ブランド開発担当 VPのアレロ・アクヤは「レゴグループでは、未来の担い手である子どもたちを鼓舞し育成する遊びの力を信じています。レゴブロックが持つ遊びのクリエイティビティーとスポーツが持つエネルギー、情熱を組み合わせることで、私たちは子どもたちに新しい遊び方や創造力を与えたいと考えています。ナイキと提携し、遊びとスポーツがどのように融合できるかを再考するお手伝いができることを嬉しく思います。私たちはともに、世界中の子どもたちを夢中にさせ、興奮させるようなユニークな体験を提供していきます」と話す。

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八芳園が半年の休館を経て来年10月に再オープン 業界御用達のイベント会場はどうなる?

ファッション&ビューティ業界のイベントやファッションショー、ガラディナーでもお馴染みの八芳園は22日、2025年2〜9月に全館休館して、同年10月1日にグランドオープンすると発表した。リニューアルテーマを「既存建物を次世代へとつなげる改修」、リニューアルコンセプトを「日本の、美意識の凝縮」とし、リニューアル後はブライダルとイベント、そしてフードの3事業を主力とする。

ファッション&ビューティ業界人に関係が深そうなイベント事業では、現在15ある会場を11に減らす代わりに数百人が収容できる空間を設ける。現在は150人以上で利用できる会場の空きが少ないことから、改修によりコロナ禍以降活性化&巨大化、中には長期化している各種イベントに対応したい考えだ。例えば5階は、黒を基調としたデザインで統一したフロア「スタジオ コク」に改装。ラウンジで153平方メートル、会場で371平方メートル、ロビーで125平方メートルの空間は、ラウンジだけで50人、会場を含めると420人以上を収容できるキャパシティで、20×7mの大型LEDビジョンモニターを備えることで様々なイベントに対応する。6階のバンケットホールは、バーと会場、ロビーで合計721平方メートル以上。5、6階を同時に利用すれば、数百人規模の着席ディナーも開催できそうだ。5、6階は挙式したカップルから法人まで、会員限定のクラブフロアとする予定で、プライベート感やエクスクルーシブ感を醸成する。

上層階には、大勢のゲストが移動しやすいようにエントランスから直通のエスカレーターを設置。フロアに入る前は、八芳園随一の眺めを誇るデッキスペースを新設し、上層階でも日本庭園を楽しむことができるという。八芳園は大人数を収容できる会場を増やすことで、挙式が多い週末を跨ぐ長期的なイベントも請け負いたい考え。ファッションやビューティ業界では、例えばハイジュエリーブランドは高額商品を特別感ある場所に1週間ほど展示して全国から顧客を招いて商談を開催しながら、毎夜プレスやゲストを招いてガラディナーを開催するようになっているが、こうしたニーズにも対応したい考えだ。既存の建物の利活用、日本文化の精神に基づいた環境配慮型の建築で、年間の一次エネルギー消費量が正味ゼロまたはマイナスの状態を目指すZEB Oriented認証の取得を目指すことで、海外ラグジュアリーブランドがイベント会場にも課すサステナブルな姿勢に応える予定だ。

また、フード事業ではグランドオープンのタイミングで館内のメニューを全て刷新。ムスリム専用キッチンを設け、ムスリムフードの提供も可能にする。同じ白金・品川・高輪エリアの高輪ゲートウェイシティには、割烹と洋菓子店を設け、八芳園のフードを館外からも発信する。

設計などのデザインは、山崎健太郎デザインワークショップが手掛ける。

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エスティ ローダー24年6月期は減収減益 25年度の売り上げの見通しも「期待外れ」と予測

エスティ ローダー カンパニーズ(ESTEE LAUDER COMPANIES以下、ELC)の2024年6月期の決算は、売上高が前期比1.8%減の156億800万ドル(約2兆2787億円)、営業利益は同35.7%減の9億7000万ドル(約1416億円)、純利益は同61.2%減の3億9000万ドル(約569億円)の減収減益だった。

カテゴリー別ではスキンケアが同3%減と、中国本土のプレステージ市場が軟調なことが響いた。「エスティ ローダー(ESTEE LAUDER)」「クリニーク(CLINIQUE)」「ドクタージャルト(DR.JART+)」は売り上げを落とし、「ラ・メール(LA MER)」と「オーディナリー(THE ORDINARY)」は成長している。メイクアップは同1%減、フレグランスは同2%増、ヘアケアは同4%減だった。

同社は中国での不調は続くとみており、25年度の売上高は前年比1~2%減少すると予測している。25年末に退任すると発表したファブリツィオ・フリーダ(Fabrizio Freda)最高経営責任者(CEO)は、中国の消費者の購買意欲が弱いことを踏まえ、「25年度の売り上げと利益の見通しは期待外れかもしれないが、24年は戦略を見直し、地域ごとのバランスを取り収益性を改善し、市場参入とイノベーション能力を強化して、競争の激化する市場でも前進を遂げるだろう」と述べた。

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サックス親会社によるニーマン買収にゴーサイン? FTCが事実上の承認と情報筋

情報筋によれば、米百貨店サックス・フィフス・アベニュー(SAKS FITH AVENUE)などを擁するカナダの小売り大手ハドソンズ・ベイ・カンパニー(HUDSON'S BAY COMPANY以下、HBC)による、ニーマン マーカス グループ(NEIMAN MARCUS GROUP以下、NMG)の買収が、米連邦取引委員会(Federal Trade Commission以下、FTC)および米司法省(Department of Justice)により承認されたようだ。

HBCは7月4日、米百貨店ニーマン・マーカス(NEIMAN MARCUS)やバーグドルフ・グッドマン(BERGDORF GOODMAN)を運営するNMGを26億5000万ドル(約3869億円)で買収することに合意した。取引が成立すれば、年商100億ドル(約1兆4600億円)規模の“ラグジュアリー百貨店グループ”が誕生するが、FTCや司法省により反トラスト法(日本の独占禁止法にあたる)に違反していると見なされ、買収が承認されない可能性もあると懸念されていた。

HBCは7月19日に、買収に関する説明会をFTCに対して行っている。一般的な手続きとして、FTCおよび司法省はHBCが提出した資料などを精査し、必要に応じて30日以内に2回目の説明会の実施を求めることができる。しかし、前述の情報筋によれば、HBCは期限である8月20日の時点で2回目の説明会を求められていないため、事実上の承認と見なしているという。

なお、FTCや司法省がHBCに承認に関する何らかの通知をしたのか、連絡がないまま期限が過ぎたのかについては明らかになっていない。本件に関し、HBCはコメントを差し控えるとした。

タペストリーによるカプリ買収は保留状態

最近では、「コーチ(COACH)」「ケイト・スペード ニューヨーク(KATE SPADE NEW YORK)」「スチュアート・ワイツマン(STUART WEITZMAN)」を擁するタペストリー(TAPESTRY)による、「マイケル・コース(MICHAEL KORS)」「ヴェルサーチェ(VERSACE)」「ジミー チュウ(JIMMY CHOO)」を擁するカプリ ホールディングス(CAPRI HOLDINGS以下、カプリ)の買収が、FTCによって保留となっている。タペストリーが“手の届くラグジュアリー”バッグ市場を独占し、ブランド間の競争がなくなることは、米国の消費者にとってマイナスだとして取引を停止する仮処分を求めてFTCが提訴したためだ。

今回の取引も同様の懸念があったが、ECの台頭や、ラグジュアリーブランドが卸を縮小していることより全体として百貨店への依存度が低下していることから、買収による市場独占の危険性は低いとFTCは判断するのではないかと見る専門家も多かったという。また、買収を承認する条件として、店舗の統廃合や人員整理などに関する制限が設けられている可能性もあるが、詳細は明らかにされていない。

日程などは未定だが、取引の成立後、HBCは百貨店の運営と店舗の土地開発などの不動産業を行う新会社サックス・グローバル(SAKS GLOBAL)を設立し、サックス・フィフス・アベニュー、そのオフプライスストアであるサックス・オフ・フィフス(SAKS OFF 5TH)、ニーマン・マーカス、バーグドルフ・グッドマンを運営する。

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インフルエンサーの“出店したい”を刺激するフリマサービス「ピックユー」 25歳の2人の創業者に聞く

PROFILE: 左:河合航大/ピックユー取締役 右:冨田理央/ピックユー社長

左:河合航大/ピックユー取締役 右:冨田理央/ピックユー社長
PROFILE: 左:(かわい・こうた)1998年6月9日生まれ、大阪府出身。2020年3月に文化服装学院を卒業。在学時からサステナビリティをテーマに椅子を制作するなどアーティスト活動を開始。22年2月から共同でピックユーを立ち上げ、現職。主にクリエイティビティ面を担う 右:(とみた・りお)1998年11月18日生まれ、神奈川県出身。2022年3月に大学を卒業。卒業直前の22月2月にピックユーを立ち上げ、現職。主に経営面を担う
芸能人よりもインフルエンサーが着ている服の方が気になるし着たい。そんなSNSと共に成長してきた世代ならではの感覚を落とし込み、注目を集めるフリマサービスが「ピックユー」だ。出品者は全員インフルエンサーで、ユーザーは彼らの古着を購入できる。2022年11月にサービスを本格始動してからわずか2年弱だが、インスタグラムのフォロワー数は13.7万人まで増加している。急速にサービスの認知とユーザーを拡大する「ピックユー」を立ち上げたのは現在25歳と26歳で高校の同級生でもある2人。彼らがサービスを始めた狙いやユーザー獲得の秘訣を聞いた。

WWD:インフルエンサーを対象としたフリマサービスはありそうでなかった。どのように着想した?

冨田理央社長(以下、冨田):僕は大学時代に洋服をたくさん購入していました。でも、結局長く愛用していた服は憧れの人からもらったお下がりや、河合が作ったアイテムなどでした。「この人が着ていた」といった付加価値を含めて洋服を着るのが好きだったのです。

当時、インフルエンサーが個人開催する対面フリマを利用したこともありました。しかし、梱包が雑だったり正直あまりいい体験ではありませんでした。それでも、周囲にインフルエンサーの友人がいたので、開催準備や梱包といった全ての作業を個人が担う難しさも理解できた。出品者の苦労と購入者の不満足感の両方を解消するサービスを提供すれば、ユーザーを獲得できるのではと思いました。

WWD:「ピックユー」はどういうサービスか?

冨田:インフルエンサーが着ていた服を購入できるC2Cマーケットプレイスです。いわゆるフリマサービスは、インターネット上に取引のプラットフォームを作り、出品者が出品作業や配送などを担っていますが、「ピックユー」では僕らが全ての取引に関与しています。まず、出品者であるインフルエンサーは僕らの物流センターに古着を送ります。それらの商品の情報確認、採寸、画像の撮影、コンディションチェックを僕らが請け負います。出品者は商品の説明文、スタイリング写真、着用写真を登録して、出品完了。購入が成立し次第、僕らが手数料を頂き、出品者に売上金を支払うモデルを採っています。購入者は商品写真を統一規格で閲覧できるし、一括してカゴに入れて購入できるため出品者ごとに決済をする必要がありません。

裏側を全て引き受けているため、インフルエンサー側の出品体験も購入者側の購入体験も良い。だから両方のユーザーの獲得につながっています。

WWD:なぜ、商品の説明文といった工程は出品者に任せる形を採用したのか?

冨田:出品者個人の個性や魅力が出るところであり、僕らに委ねたくないこだわりの部分でもあるからです。インフルエンサーの服を買うというサービスの仕組み上、出品者である彼らが表に立つことは必須。そこは購入のフックとして残す必要があると考えました。

WWD:どういった商品が売れる傾向にあるか。

冨田:フォロワー500人の人でも売り上げを立てている事例もあり、フォロワー数と売り上げが相関しないのが僕らのサービスの面白い点だと思っています。売れる商品は商品自体にバリューがある場合もありますが、「ピックユー」のプラットフォーム上にあるから売れるという側面もあります。出品者に関係なく全ての商品を一括で決済できる仕組みによる満足感や、全アイテムを統一規格で採寸して商品画像を掲載していることの信頼感により、場としての魅力が高まっていることで商品が売れやすくなっています。

フリマをかっこいいと思っていなかった

WWD:そもそも、2人が共同で会社を立ち上げるに至った経緯は?

冨田:大学在学中にこのビジネスモデルを思い付き、大学3年の終わり頃には1人で実験的にサービスを始めていました。ビジネスモデル自体には自信がありましたが、僕らはファッションのサービスなのでビジネスの側面と同じくらいユーザーからどれだけイケてると思われるかが重要です。そこが河合とならできると思いました。

河合航大取締役(以下、河合):僕は文化服装学院出身で、周囲にファッション業界の人が多い環境にいました。僕を含めて彼らはフリマをかっこいいとは捉えていませんでした。特に、インフルエンサーがフリマをやることに対してネガティブなイメージを持っている人が多いと感じていました。そこの価値観を逆転できたらうまくいくのではと思いました。

WWD:確かにインフルエンサーが鍵垢や別アカウントで自分の古着を売る動きは一時期頻繁に見られた。

冨田:いろいろ事情や考えがあるんだと思います。ですが、フォロワーを使っていらなくなったものをお金に変えるという行為自体がイケているものではないので、ダサいと思われたくないという面もあったと思うんです。出品者側も洋服を売りたいし、ファンである消費者としても買いたいという需要があるのに、オープンに運営しづらい状況がありました。今は、「ピックユー」でインフルエンサーが実名で堂々とフリマをやっています。これは「ピックユー」のイノベーションだと自負しています。

WWD:インフルエンサーはなぜ「ピックユー」であれば出店したいという気持ちになるのか。

河合:ファッションを理解している僕らだからこそ、「ピックユー」で出店することが“イケている”というムードをつくることができたと思います。「ピックユー」で出品、購入することがイケているというムードを醸成するためには、そもそも「ピックユー」のプラットフォーム自体がイケているという認知を広める必要がある。その役割をSNSが担うという道筋を最初から設計していました。

動画「今日なに着てる?」でファッションの熱量を上げる

WWD:すでにフォロワー数はインスタグラムが13.7万人、tiktokが8.8万人に達している。

河合:基本的に僕らのサービスはSNSからユーザーが入ってきています。SNS運用で広告宣伝費を使わずにサービスの認知を拡大できました。また、商品を買い取っているわけではないので出品者がインスタグラムのストーリーズなどで自発的に宣伝をしてくれることも経営上のメリットです。

WWD:インスタグラムのリール動画「今日なに着てる?」インタビューの総再生回数は1.2億回を超えている。このコンテンツを始めようと思ったきっかけは?

河合:ファッションに対するみんなの熱量を上げないと服が売れていかないと思ったからです。僕自身も服が好きで、学生時代は当時のストリートスナップに影響を受けていました。スナップがあるからみんなファッションを頑張るし、オシャレして外出しようと思う。近年はその文化が衰退していって、アルゴリズム的にもフィードのトップにストリートスナップが上がらなくなってきていました。そんな中で再燃できたら、みんなのファッションの熱量が上がって業界にもプラスだと考えて始めました。

最初がバズれば、他の媒体も続いてどんどんはやる。多くの人がファッションを目にする機会が増えて、服をおしゃれにしてみようかなという気持ちが湧く。このサイクルをつくりたいと考えたんです。

WWD:「今日なに着てる?」の出演者は全員出品者?

河合:出品者もいますし、これから出品する人もいます。アポイントを取って撮影することもあれば、歩いているときにハントすることもあります。そこは特に決めていません。ですが、ファッションの系統はオールジャンルを扱うことを意識しています。フォロワー数も気にせずにオファーをしています。狙っているのは、誰でも出られるわけではないが、全員が自分も頑張ったら出られるかもしれないと思えるライン。そこを見せることが、みんなが楽しみたいというファッション欲につながると思います。
メディアならばニッチな狭い層に刺さるものを選ぶという手段もあると思いますが、僕らはあくまでフリマサービス。利用者は多ければ多いほどいいんです。そうなると、全員に共通して可能性を見せる必要があります。

WWD:ジャンルを問わずに取り上げるとイケているムードとは離れて、大衆に寄りすぎてしまう気がする。そこはどうコントロールしている?

冨田:リールは可能性を絞らずに出演してもらっています。ですが、フィード投稿は河合がディレクションして「ピックユー」の世界観をダイレクトに作っています。リールはさまざまな人が出演する、フィードは自分たちのサービスの世界観を魅せる、ストーリーズはアイテムの情報を出すなど、SNSツールの機能で使い分けています。

WWD:利用者の幅は広げつつも、インフルエンサーが出店したくなるようなイケてるツールという絶妙なバランスを保っている。

河合:文化服装学院に通っているときに思ったんです。みんな好きなものを作るしやりたいブランドがある。でもやっぱりうまくいかないし、そもそも見てもらえないということも多かった。どうしてだろうと考えたときに、何をやるかだけでなく、それをどう見せていくかが重要だと思いました。だから、ファッションに興味のない人にも届けるために、「今日、何着ていますか?」などの文脈に載せたアプローチをしています。

WWD:再生回数や閲覧数の増加など、アカウントの影響力も高まっている。PRとしての仕事依頼も来そうだ。

河合:リール動画に出演したインフルエンサーのフォロワーが3000人増えるという事例もありましたし、すでにいくつかのブランドからPR依頼を頂きました。2次流通のサービスが1次流通の会社やブランドから案件を頂くことはまれなケースだと捉えています。

WWD:今後どう成長していきたいか。

冨田:SNSを中心としたマーケティングなので結果として20代を獲得していますが、このスキームは年代問わずに需要があると考えています。直近は、双方のユーザー体験の向上に注力していきたいです。現状では、こちらが担う作業の部分にコストがかかっているので、倉庫の自動化、オペレーションのデジタル化を進めていきたいです。

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エスティ ローダーのファブリツィオ・フリーダCEOが2025年末に退任 後任は選定中

エスティ ローダー カンパニーズ(ESTEE LAUDER COMPANIES以下、ELC)は8月19日(現地時間)、ファブリツィオ・フリーダ(Fabrizio Freda)最高経営責任者(CEO)が来年末に退任することを明らかにした。同社は傘下に「M・A・C」や「ジョー マローン ロンドン(JO MALONE LONDON)」「クリニーク(CLINIQUE)」「トム フォード(TOM FORD)」「ラ・メール(LA MER)」を擁する。

米「WWD」が確認したウィリアム・P・ローダー(William P. Lauder)=エグゼクティブ・チェアマンによる社内メモによると、後任は複数の候補者の中から検討中で、選定は「かなり進んでいる」という。同氏は「取締役会とローダー一族を代表して、ファブリツィオの16年以上にわたる会社への貢献に心から感謝の意を表したい。正式な退任日まで、取締役会とファブリツィオ、経営陣全体で現在の課題を解決することに集中して取り組んでいく」とコメントした。なお、後任が決定するまで、フリーダCEOが引き続き同社を率いる。

フリーダCEOは今月67歳を迎える。同社での16年間を「真に名誉で光栄なこと」だったと語り、「当社の素晴らしい業績と、業界で最も才能があり、献身的で情熱的なチームを構築できたことを誇りに思う。私たちは長期的な目線で経営しており、この素晴らしい会社の次世代のリーダーシップに目を向ける時期だ」と述べた。

ELCはフリーダCEOの下、中国の美容ブームの波に乗り、ヒーローアイテムに注力することで長年成功を収めてきた。また、フリーダCEOは「オーディナリー(THE ORDINARY)」を手掛けるカナダ発の化粧品メーカー、デシエム(DECIEM)や 「トム フォード」など数多くの買収を統括した。同氏がCEOに就任した2009年当時、ELCの株価は16.75ドル(約2445円)前後で推移していたが、22年1月には370ドル(約5万4020円)以上をつけるなどピークを迎え、時価総額は1330億ドル(約19兆4180億円)以上に。しかし、コロナ禍の収束後にアジアのトラベルリテール市場と中国事業が回復せず、苦戦を強いられた。アナリストらはイノベーションの欠如と本拠地である米国市場が軟調であることを指摘しており、8月16日の株価の終値は94.97ドル(約1万3865円)だった。

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資生堂のグローバル広報部を直川紀夫常務が兼任 田上智子グローバル広報部長は退任・退社

資生堂は8月31日付けで、田上智子エグゼクティブオフィサー チーフコーポレートコミュニケーションオフィサー グローバル広報部長の退任・退社に伴い、直川紀夫執行役 エグゼクティブオフィサー 常務 チーフストラテジックビジネスディベロップメントオフィサーが兼任してグローバル広報部を管掌する。

田上氏はP&G日本法人(現P&Gジャパン)でキャリアをスタートし、25年にわたりマーケティング・広報に従事してきた。2020年8月にマーケティング企業の刀でエグゼクティブディレクター ストラテジックコミュニケーションを務め、23年1月に資生堂へ入社し、現職に就いた。

直川常務は1989年に資生堂に入社。財務本部長 最高財務責任者CFOやチーフサプライネットワークオフィサーなどの要職を歴任。20年10月に資生堂ジャパン社長兼COO(最高執行責任者)、21年7月に常務兼資生堂ジャパン社長兼CEOに就任。24年1月から現職。

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資生堂のグローバル広報部を直川紀夫常務が兼任 田上智子グローバル広報部長は退任・退社

資生堂は8月31日付けで、田上智子エグゼクティブオフィサー チーフコーポレートコミュニケーションオフィサー グローバル広報部長の退任・退社に伴い、直川紀夫執行役 エグゼクティブオフィサー 常務 チーフストラテジックビジネスディベロップメントオフィサーが兼任してグローバル広報部を管掌する。

田上氏はP&G日本法人(現P&Gジャパン)でキャリアをスタートし、25年にわたりマーケティング・広報に従事してきた。2020年8月にマーケティング企業の刀でエグゼクティブディレクター ストラテジックコミュニケーションを務め、23年1月に資生堂へ入社し、現職に就いた。

直川常務は1989年に資生堂に入社。財務本部長 最高財務責任者CFOやチーフサプライネットワークオフィサーなどの要職を歴任。20年10月に資生堂ジャパン社長兼COO(最高執行責任者)、21年7月に常務兼資生堂ジャパン社長兼CEOに就任。24年1月から現職。

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パリ五輪とLVMH、yutori と小嶋陽菜:記者談話室vol.140

「WWDJAPAN」ポッドキャストの「記者談話室」は、ファッション業界のその時々のニュースや話題について、3人の記者が分かりやすく解説したり、時には脱線したりしながら、掘り下げていきます。

140回目のテーマは「パリ五輪とLVMH、yutori と小嶋陽菜」です。8月も後半に入りました。今月のファッション業界の話題といえば、海外ではパリ五輪での熾烈なマーケティング合戦、国内では新興アパレルのyutoriによる小嶋陽菜の「ハー リップ トゥ」運営会社の買収でしょう。この2つのニュースについて、ざっくばらんに話し合いました。

「記者談話室」ではみなさまからのお便りをお待ちしております。ご感想ご意見を聞かせてください。メールアドレスは、danwashitu@infaspub.co.jp です。

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パリオリンピック、SNSバリュー創出トップはLVMH 「ディオール」など多数の傘下ブランドが大会に関連

スポーツマーケティングの効果測定およびデータ分析を専門とするレロメトリクス(RELO METRICS)の調査によれば、パリオリンピックで最も高いソーシャルメディアバリューと認知度を獲得したのは、LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)だった。

パリオリンピックは、7月26日から8月11日まで開催。今回の調査では、7月1日から8月13日までの期間、選手団のユニホームや公式ウエアをブランドが手掛けている国の選手やチームのほか、各ブランドが行ったSNSへの投稿を分析した。

首位はプレミアムパートナーのLVMH、2位と3位は?

首位となったLVMHは、プレミアムパートナーとしてパリオリンピック・パラリンピックに携わっており、大会の開幕前から大きな存在感を発揮した。傘下ブランドの「ショーメ(CHAUMET)」は、ジュエリーメゾンとして初めてオリンピックのメダルをデザイン。同じく傘下に持つ「ベルルッティ(BERLUTI)」はフランス代表選手団の公式服を、「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」はメダルを乗せるトレーや、メダルの授与に関わるボランティアが着用するユニホームのデザインを手掛けた。また、「ディオール(DIOR)」は開会式に登場したレディー・ガガ(Lady Gaga)やセリーヌ・ディオン(Celine Dion)の衣装を提供している。なお、情報筋によれば、LVMHによるスポンサー費用は1億5000万ユーロ(約240億円)程度だという。

2位には、「ラルフ ローレン(RALPH LAUREN)」がランクイン。米国チームの公式ウエアを手掛けたほか、閉会式でパフォーマンスを披露したH.E.R.やビリー・アイリッシュ(Billie Eilish)の衣装を担当している。

3位は、カナダ・バンクーバーを拠点とし、カナダチームの公式ウエアを手掛けた「ルルレモン(LULULEMON)」だった。

“ブランドコンテンツ ✕ アスリート”でバリューアップ!

レロメトリクスのジェイ・プラサド(Jay Prasad)最高経営責任者は、「パリ五輪では、これまで以上にアスリートらがブランドものを着用しており、各ブランドはSNSをフル活用してそれを発信した」と述べた。

なお、同社によれば、ブランドコンテンツのみの投稿と比べ、ブランドコンテンツと選手を結びつけた内容の投稿は平均で約21倍のソーシャルメディアバリューを獲得。また、LVMHは通常の投稿における平均的なソーシャルメディアバリューと比べ、パリ五輪に関連した投稿はおよそ17倍のバリューを創出したという。

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パリオリンピック、SNSバリュー創出トップはLVMH 「ディオール」など多数の傘下ブランドが大会に関連

スポーツマーケティングの効果測定およびデータ分析を専門とするレロメトリクス(RELO METRICS)の調査によれば、パリオリンピックで最も高いソーシャルメディアバリューと認知度を獲得したのは、LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)だった。

パリオリンピックは、7月26日から8月11日まで開催。今回の調査では、7月1日から8月13日までの期間、選手団のユニホームや公式ウエアをブランドが手掛けている国の選手やチームのほか、各ブランドが行ったSNSへの投稿を分析した。

首位はプレミアムパートナーのLVMH、2位と3位は?

首位となったLVMHは、プレミアムパートナーとしてパリオリンピック・パラリンピックに携わっており、大会の開幕前から大きな存在感を発揮した。傘下ブランドの「ショーメ(CHAUMET)」は、ジュエリーメゾンとして初めてオリンピックのメダルをデザイン。同じく傘下に持つ「ベルルッティ(BERLUTI)」はフランス代表選手団の公式服を、「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」はメダルを乗せるトレーや、メダルの授与に関わるボランティアが着用するユニホームのデザインを手掛けた。また、「ディオール(DIOR)」は開会式に登場したレディー・ガガ(Lady Gaga)やセリーヌ・ディオン(Celine Dion)の衣装を提供している。なお、情報筋によれば、LVMHによるスポンサー費用は1億5000万ユーロ(約240億円)程度だという。

2位には、「ラルフ ローレン(RALPH LAUREN)」がランクイン。米国チームの公式ウエアを手掛けたほか、閉会式でパフォーマンスを披露したH.E.R.やビリー・アイリッシュ(Billie Eilish)の衣装を担当している。

3位は、カナダ・バンクーバーを拠点とし、カナダチームの公式ウエアを手掛けた「ルルレモン(LULULEMON)」だった。

“ブランドコンテンツ ✕ アスリート”でバリューアップ!

レロメトリクスのジェイ・プラサド(Jay Prasad)最高経営責任者は、「パリ五輪では、これまで以上にアスリートらがブランドものを着用しており、各ブランドはSNSをフル活用してそれを発信した」と述べた。

なお、同社によれば、ブランドコンテンツのみの投稿と比べ、ブランドコンテンツと選手を結びつけた内容の投稿は平均で約21倍のソーシャルメディアバリューを獲得。また、LVMHは通常の投稿における平均的なソーシャルメディアバリューと比べ、パリ五輪に関連した投稿はおよそ17倍のバリューを創出したという。

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アイスタイルが化粧品以外のビューティ領域に本腰 アットコスメ初のサプリを計画

「アットコスメ(@COSME)」を運営するアイスタイルは16日、サプリメントや医療美容などの事業領域への参入を発表した。健康寿命の伸長やジェンダーニュートラルな価値観の浸透を背景にビューティ市場はさらに拡大する可能性を加味し、サプリ、健康食品、美容医療、フェムケアといった領域への参入を決めた。

この方針を踏まえた第一歩として、「アットコスメ」発の美容に特化したサプリの発売を計画する。「何を買ったらいいかわからない」という悩みに答えてきた同社が培ってきたブランド力を生かし、初心者が手に取りやすいベーシックな商品を展開する予定だ。サプリの継続利用を軸とするECのサブスクリプションといった施策にも取り組む。

データのマネタイズで収益性改善を目指す

収益基盤が安定した国内事業を軸に、今後は連続的な増収増益に加えて連結営業利益率の底上げを目指す。その1つとして、データのマネタイズを強化する。他社商品と比較できる口コミ分析サービスのPoC(サービスのアイデアや技術が実現可能か検証するプロセス)を実施する。今は実験段階でサービスリリース時期は未定だ。

既存の事業においては、ECと店舗のリテール事業でユーザーとブランドの接点を増やし、「販売力を有する小売事業者」としてさらなる成長を目指す。これらの取り組みにより、4〜5カ年の中期事業目標において売上高1000億円を掲げる。

韓国子会社Glowdayzとトレンダーズの協業事業を本格始動

アイスタイルの子会社であるGlowdayz (グローデイズ)はこのほど、トレンダーズとの協業事業を本格始動した。韓国国内でコスメと美容の総合サイト「GlowPick」を運営するGlowdayzと、美容商材のデジタル、SNS マーケティング支援を展開するトレンダーズが、両者の知見を生かして韓国化粧品ブランドの日本市場への進出、拡大支援事業を実施している。

すでに複数のブランドにおいて実施が決定している。8月8日には、韓国・ソウルで韓国のコスメブランドに向けた共同セミナーを開催した。

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アイスタイルが化粧品以外のビューティ領域に本腰 アットコスメ初のサプリを計画

「アットコスメ(@COSME)」を運営するアイスタイルは16日、サプリメントや医療美容などの事業領域への参入を発表した。健康寿命の伸長やジェンダーニュートラルな価値観の浸透を背景にビューティ市場はさらに拡大する可能性を加味し、サプリ、健康食品、美容医療、フェムケアといった領域への参入を決めた。

この方針を踏まえた第一歩として、「アットコスメ」発の美容に特化したサプリの発売を計画する。「何を買ったらいいかわからない」という悩みに答えてきた同社が培ってきたブランド力を生かし、初心者が手に取りやすいベーシックな商品を展開する予定だ。サプリの継続利用を軸とするECのサブスクリプションといった施策にも取り組む。

データのマネタイズで収益性改善を目指す

収益基盤が安定した国内事業を軸に、今後は連続的な増収増益に加えて連結営業利益率の底上げを目指す。その1つとして、データのマネタイズを強化する。他社商品と比較できる口コミ分析サービスのPoC(サービスのアイデアや技術が実現可能か検証するプロセス)を実施する。今は実験段階でサービスリリース時期は未定だ。

既存の事業においては、ECと店舗のリテール事業でユーザーとブランドの接点を増やし、「販売力を有する小売事業者」としてさらなる成長を目指す。これらの取り組みにより、4〜5カ年の中期事業目標において売上高1000億円を掲げる。

韓国子会社Glowdayzとトレンダーズの協業事業を本格始動

アイスタイルの子会社であるGlowdayz (グローデイズ)はこのほど、トレンダーズとの協業事業を本格始動した。韓国国内でコスメと美容の総合サイト「GlowPick」を運営するGlowdayzと、美容商材のデジタル、SNS マーケティング支援を展開するトレンダーズが、両者の知見を生かして韓国化粧品ブランドの日本市場への進出、拡大支援事業を実施している。

すでに複数のブランドにおいて実施が決定している。8月8日には、韓国・ソウルで韓国のコスメブランドに向けた共同セミナーを開催した。

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タペストリー、24年6月期は12%減益 第4四半期は減収減益なるも予想を上回り株価上昇

「コーチ(COACH)」「ケイト・スペード ニューヨーク(KATE SPADE NEW YORK)」「スチュアート・ワイツマン(STUART WEITZMAN)」を傘下に持つタペストリー(TAPESTRY)の2024年6月期決算は、売上高が前期比0.1%増の66億7120万ドル(約9739億円)、営業利益は同2.7%減の11億4010万ドル(約1664億円)、純利益は同12.8%減の8億1600万ドル(約1191億円)だった。

なお、輸送費がやや低下したことや業務改善などにより、粗利益率は250ベーシスポイント(0.025%)上昇して73.3%だった。

ブランド別の売上高では、主力の「コーチ」が同2.7%増の50億9530万ドル(約7439億円)と微増を維持したが、「ケイト・スペード ニューヨーク」は同5.9%減の13億3440万ドル(約1948億円)、「スチュアート・ワイツマン」は同14.2%減の2億4150万ドル(約352億円)と減収だった。なお、いずれのブランドも引き続き北米市場への依存度が高く、売り上げに占める割合は「コーチ」が60%、「ケイト・スペード ニューヨーク」は81%、「スチュアート・ワイツマン」は67%となっており、米国の景気減速やそれに伴う国内需要の低下が業績に響いた。

地域別の売上高では、欧州が同14%増(現地通貨ベース、以下同)、アジア太平洋地域(日本と中国を除く)は同9%増、日本は同5%増、中国は同3%増だったものの、主要市場である北米は同1%減だった。

なお、四半期ベースで見ると、24年4~6月(第4四半期)の売上高は前年同期比1.7%減の15億9110万ドル(約2323億円)、営業利益は同14.1%減の2億3500万ドル(約343億円)、純利益は同28.9%減の1億5930万ドル(約232億円)と減収減益だった。しかし、いずれもアナリスト予想をやや上回ったことを好感し、決算を発表した8月15日の株価は前日比3.2%高の39.20ドル(約5723円)となった。

ジョアン・クレヴォイセラ(Joanne Crevoiserat)最高経営責任者(CEO)は、「イノベーションの推進や消費者とのつながりの強化といった事業戦略を揺るぐことなく進めたことにより、変化の激しい小売環境の中でも、第4四半期は予想を上回る結果となった。大胆なビジョンの下、今後も成長を続け、株主価値を拡大していく」と語った。

停滞中のカプリ買収について質問が相次ぐ

タペストリーは23年8月、「マイケル・コース(MICHAEL KORS)」「ヴェルサーチェ(VERSACE)」「ジミー チュウ(JIMMY CHOO)」を擁するカプリ ホールディングス(CAPRI HOLDINGS以下、カプリ)の買収に合意しており、24年末までに取引が完了する予定だった。しかし、米連邦取引委員会(FTC)は24年4月、本件を停止する仮処分を求めて訴訟。“アクセシブル ラグジュアリー(Accessible luxury)”市場の独占に関する懸念が一つの争点となっている同裁判は現在も進行中のため、取引は保留となっている。

今回の決算発表でも、アナリスト向けの説明会では本件に関する質問が相次いだ。金融大手ウェルズ ファーゴ(WELLS FARGO)のアイク・ボルーチョウ(Ike Boruchow)=アナリストは、「当初の買収案である“プランA”が成立しなかった場合、代案となる“プランB”はあるのか」と質問。これに対し、クレヴォイセラCEOは「そうした二択の状況と捉えるべきかは疑問が残る」と前置きした上で、「取引の利点に自信を持っており、引き続きその完了に向けて尽力していく。しかし、当社は本業においても力強く成長しているし、付加価値の創出には複数の方法がある」と回答した。

カプリは24年第1四半期も苦戦

なお、カプリの24年3月期決算は、売上高が前期比8.0%減の51億7000万ドル(約7548億円)、営業損益は前年の6億7900万ドル(約991億円)の黒字から2億4100万ドル(約351億円)の赤字に、純損益も6億1900万ドル(約903億円)の黒字から2億2900万ドル(約334億円)の赤字となった。

直近の24年4〜6月期(第1四半期)では、売上高が前年同期比13.1%減の10億6700万ドル(約1557億円)、営業損益は前年同期の8000万ドル(約116億円)の黒字から800万ドル(約11億円)の赤字に、純損益も4800万ドル(約70億円)の黒字から1400万ドル(約20億円)の赤字となり、引き続き苦戦している。

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「バリー」を米投資会社が買収 取引額は非公開

米投資会社リージェント(REGENT)は8月15日、同社の関連会社が、「バリー(BALLY)」をその親会社であるJABホールディング(JAB HOLDING)から買収したことを発表した。金額は非公開。

「バリー」は1851年、カール・フランツ・バリー(Carl Franz Bally)がスイス・シェーネンヴェルトで創業した。当初はサスペンダーなどを製造するリボン工場だったが、シューズの生産を始め、急激に事業が拡大。1951年には、カールの孫であるマックス・バリー(Max Bally)が、ブランドの代名詞となるメンズのドレスシューズ“スクリーブ(SCRIBE)”を発表した。マックスの死後、同社は一族以外の起業家に売却されたものの、事業は存続。2018年には、中国最大の繊維メーカーである山東如意がバリーを買収する取引で合意に至ったが成立せず、その後はルクセンブルクの持株会社JABホールディングの傘下となった。

「バリー」の最近の動向

現在、「バリー」はメンズ、ウィメンズ、シューズ、アクセサリーを展開。世界60カ国で約320の店舗を構えるほか、500以上の卸先や売り場があり、ECは61カ国で運営している。JABは傘下ブランドの業績を開示していないが、19年に就任したニコラ・ジロット(Nicolas Girotto)=バリー最高経営責任者(CEO)によれば、同ブランドの23年5月時点での売上高は前年比20%増だったという。

クリエイティブ面では、22年1月に「ルード(RHUDE)」のルイージ・ビラセノール(Rhuigi Villasenor)創業デザイナーをクリエイティブ・ディレクターに迎えたものの、23年5月に退任。これに伴い、22年10月に「バリー」に加わったシモーネ・ベロッティ(Simone Bellotti)がデザイン・ディレクターに就任した。なお、情報筋によれば、買収後もジロットCEOとベロッティ=デザイン・ディレクターは続投するという。

新たな親会社のリージェントについて

リージェントのマイケル・ラインシュタイン(Michael Reinstein)創業者兼会長は、「比類のない品質とタイムレスなデザインを礎とし、170年以上の歴史を持つ『バリー』は、洗練されたスイスのエレガンスと優れたクラフツマンシップを体現するブランドだ。この素晴らしいストーリーの次章を託されたことを、とても光栄に思う」と語った。

リージェントは、ほかに「クラブ モナコ(CLUB MONACO)」や「エスカーダ(ESCADA)」などのファッションブランドに加えて、自転車やメディア関連企業に投資している。

JABは、米化粧品大手のコティ(COTY)の支配株主であるほか、キューリグ・ドクター・ペッパー(KEURIG DR. PEPPER)やクリスピー・クリーム(KRISPY KREME)の大株主。過去には、「ジミー チュウ(JIMMY CHOO)」と「ベルスタッフ(BELSTAFF)」を保有していた。

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「バリー」を米投資会社が買収 取引額は非公開

米投資会社リージェント(REGENT)は8月15日、同社の関連会社が、「バリー(BALLY)」をその親会社であるJABホールディング(JAB HOLDING)から買収したことを発表した。金額は非公開。

「バリー」は1851年、カール・フランツ・バリー(Carl Franz Bally)がスイス・シェーネンヴェルトで創業した。当初はサスペンダーなどを製造するリボン工場だったが、シューズの生産を始め、急激に事業が拡大。1951年には、カールの孫であるマックス・バリー(Max Bally)が、ブランドの代名詞となるメンズのドレスシューズ“スクリーブ(SCRIBE)”を発表した。マックスの死後、同社は一族以外の起業家に売却されたものの、事業は存続。2018年には、中国最大の繊維メーカーである山東如意がバリーを買収する取引で合意に至ったが成立せず、その後はルクセンブルクの持株会社JABホールディングの傘下となった。

「バリー」の最近の動向

現在、「バリー」はメンズ、ウィメンズ、シューズ、アクセサリーを展開。世界60カ国で約320の店舗を構えるほか、500以上の卸先や売り場があり、ECは61カ国で運営している。JABは傘下ブランドの業績を開示していないが、19年に就任したニコラ・ジロット(Nicolas Girotto)=バリー最高経営責任者(CEO)によれば、同ブランドの23年5月時点での売上高は前年比20%増だったという。

クリエイティブ面では、22年1月に「ルード(RHUDE)」のルイージ・ビラセノール(Rhuigi Villasenor)創業デザイナーをクリエイティブ・ディレクターに迎えたものの、23年5月に退任。これに伴い、22年10月に「バリー」に加わったシモーネ・ベロッティ(Simone Bellotti)がデザイン・ディレクターに就任した。なお、情報筋によれば、買収後もジロットCEOとベロッティ=デザイン・ディレクターは続投するという。

新たな親会社のリージェントについて

リージェントのマイケル・ラインシュタイン(Michael Reinstein)創業者兼会長は、「比類のない品質とタイムレスなデザインを礎とし、170年以上の歴史を持つ『バリー』は、洗練されたスイスのエレガンスと優れたクラフツマンシップを体現するブランドだ。この素晴らしいストーリーの次章を託されたことを、とても光栄に思う」と語った。

リージェントは、ほかに「クラブ モナコ(CLUB MONACO)」や「エスカーダ(ESCADA)」などのファッションブランドに加えて、自転車やメディア関連企業に投資している。

JABは、米化粧品大手のコティ(COTY)の支配株主であるほか、キューリグ・ドクター・ペッパー(KEURIG DR. PEPPER)やクリスピー・クリーム(KRISPY KREME)の大株主。過去には、「ジミー チュウ(JIMMY CHOO)」と「ベルスタッフ(BELSTAFF)」を保有していた。

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矢野未希子の暮らしを彩るボタニカル 「Tanqueray No.TEN」×「THANN」の心地よい掛け合わせ

モデルとして数々の雑誌や広告などで活躍する矢野未希子。プライベートでは2012年に結婚し、ライフスタイルの一コマを自身のSNSやYouTubeで発信している。理想の暮らしをカタチにするために大事にしている日々の記憶、そして新たな変化とは──。日常に溶け込むボタニカルと“香り”をテーマに、イギリス産のプレミアムジン“タンカレー ナンバーテン(Tanqueray No.TEN)”とナチュラルスキンケアブランド「タン(THANN)」を繋ぐ、夏にぴったりな楽しみ方について聞いてみた。去る8月7日~9日には、“タンカレー ナンバーテン”と「タン」のお酒と香りのペアリングやそれぞれの世界観を体感できるイベント“BOTANICAL SCENTED JOURNEY”を、今回の撮影場所でもある表参道のバー・イベントスペースWALL&mosaicで開催したばかりだ。

自然に囲まれた理想の暮らしを求めて

夫と2匹の猫とともに穏やかな日常を送る矢野未希子さん。10代でモデルデビューしてからずっと走り続けてきたからこそ、心安らぐ時間の大切さを考えるようになったという。結婚10年という節目には、理想の暮らしを手に入れるため豊かな自然に囲まれた庭付きの土地を購入。完成に向けたこだわりの家づくりは現在進行中だ。「ここ数年、家で過ごす時間がとても増えました。自炊も増えて、最近は旬の野菜を取り入れた土鍋ご飯にハマっています。夏はトウモロコシやトマト、あとシラスを混ぜて炊くとほのかに酸味があって食欲のない暑い日もさっぱりと頂くことができます」。もうひとつ、矢野さんの生活空間に欠かせないのが暮らしを彩るお酒と香りだ。

お酒と香りを楽しむ優雅な大人時間

「食後にゆっくりと香りを楽しみながらお酒をいただくってすてきな大人の時間だと思うんです。自宅に友人を招いて、食事とお酒を囲むひとときも好きです。特に蒸し暑いこの時期は、炭酸水やトニックウォーターを使ったカクテルも爽やかで飲みやすいですね。軽やかな口あたりで心と身体を癒してくれます」。イギリス産のプレミアムジン“タンカレー ナンバーテン”は新鮮な原料を用い、少量ずつ丁寧に製造されている。ジュニパーベリー、リコリス、コリアンダー、アンジェリカルートに加えて、オレンジやライム、グレープフルーツの生の皮が作り出すフレッシュな味わいが特徴。爽やかな香りとエレガントな味わいを楽しむことができる。今回手にしたのは、“タンカレー ナンバーテン”にトニックウォーター、レモングラスとライムを添えたオリジナルカクテル。「グラスを口に運ぶたびに、グレープフルーツやシトラスの香りがほのかに広がりました。レモングラスとライムのすっきりとしたアクセントも好みです。食後のデザートとペアリングしてもおしゃれ。ジンの個性をより堪能するならロックもいいですね。香りや味の変化をじっくり味わえそう」。

心を揺さぶる香りの記憶

生活に豊かさを与える香りの空間演出も大事な要素だ。タイ生まれのナチュラルスキンケアブランド「タン」の“エッセンシャルオイル AW” は、精油100% で柑橘系の甘さにナツメグとサンダルウッドのアクセントを忍ばせ、シナモンのほのかなスパイスによってセンシュアルな香りを引き出す。「家では空間の一部として香りが調和するよう配置することを心掛けています。1日のリセットは部屋着に着替え、照明を落とした寝室で心地よい香りに包まれること。五感を研ぎ澄ませるとシナモンにサンダルウッドが爽やかに溶け合うのを感じさせてくれます。香りによって懐かしい記憶や当時の感情が蘇ることも。香りは癒しをもたらしてくれると同時に、人の印象とも密接に繋がっているように思います」。

日常にすてきな変化をもたらして

「家族や友人を自宅に招いて食事をもてなすことが最近の楽しみ」と話す矢野さん。「フレッシュなプレミアムジンは夏のお料理とも合いそうですね。白魚のカルパッチョやフルーツのチーズサラダとか。スパイスを効かせたエスニック料理にも!空間を演出する『タン』の“エッセンシャルオイル AW” は玄関や洗面所に置いておくだけでも、ほのかな癒しを与えてくれそう。香りは生活の身近な存在で、意識することで日常にすてきな変化をもたらしてくれるような気がします」。自然に寄り添いながら、年齢を重ねるごとに内面から輝きを増す矢野さん。将来の夢について聞いてみた。「食事に対する意識がここ10年ですごく変わりました。心身ともに美しくあるためには生活環境が大事。それを踏まえた上で、自分たちにとってベストな環境に家を建てたかった。今まさに奮闘中ですが、自宅の完成が楽しみです。また、これから40代に向かっていく中で自分の『好き』を共有できる場所を作っていけたらなと思っています」。
矢野未希子
PROFILE:(やの・みきこ)1986年12月4日生まれ、大阪府出身。16歳でモデルデビューし、女性ファッション誌で紙面を飾るほか、カバーモデルとしても活躍し多くの女性から支持を集めている。昨年は自費出版写真集「as is」を発売。自身のYouTube公式チャンネル「MIKKO CHANNEL」はチャンネル登録者17万人超(2024年8月現在)。彼女の日々の生活やビューティのほか、「家づくりの道のり」を更新中
ドレス9万9000円/ヘンネ(ヘンネカスタマーサポート customer@haengnae.com)、その他スタイリスト私物

About Tanqueray No.TEN

厳選されたボタニカルと生のフルーツが醸し出す、エレガントで繊細な味わいの“タンカレー ナンバーテン”。「タンカレー(TANQUERAY)」は1830年、チャールズ・タンカレー(Charles Tanqueray)が、ロンドン・ブルームズバリーに蒸溜所を設立したのが始まりだ。「今までにない高品質のジンを作る」という強い信念は、弱冠20歳の時に実現。以来、変わらない製法で芸術的な味を守っている。“タンカレー ナンバーテン”には、1960年代に誕生した手作りのオリジナル蒸留器「TINY TEN(タイニーテン)」を使用。蒸留器は400Lしか入らないスワンネックの小型単式タイプで、この蒸留器を使用した蒸留こそが“タンカレー ナンバーテン”のハートとなっている。香りは、フローラルでフレッシュ。透明感がありながらその深い味わいはさまざまな料理やシーンを彩る。

About THANN

2002 年、タイのバンコクで誕生した「タン」。ウエルネスをテーマに、フェイシャルケア、ヘアケア、ボディーケア、アロマフレグランスなどナチュラルスキンケアを提案する。現在ではタイや日本含むアジア圏から北米、ヨーロッパまで店舗を拡大。プロダクトの有用成分には選りすぐった“植物の恵み”を採用し、精油には数百種類以上もの芳香成分を絶妙にブレンドしている。また、アロマ雑貨を含む全てのプロダクトには、パラベン・MIT(メチルイソチアゾリノン)を使用せず、肌だけではなく身体への安心を追求。動物実験は行わず環境面にも配慮する。

Collaboration campaign

“タンカレー ナンバーテン”と「タン」のコラボレーションキャンペーンとして、オリジナルカクテルが誕生。オレンジとタンジェリンの柑橘にナツメグ、サンダルウッドが香る“アロマティックウッド”、レモングラス、カフィルライムが香る“オリエンタルエッセンス”、そして、ユズとネロリのフレッシュビターな芳香が心地よい落ち着きを与える“イースタンオーチャード”。「タン」で人気の3種のアロマコレクションから想起した、今だけの“タンカレー ナンバーテン”オリジナルカクテル(有料)が楽しめるレストラン・バーを紹介する。

ADRIFT by David Myers 東京

プロモーション期間:8月10日〜9月30日
営業時間:月~土/11:00~15:00 ,17:00~23:00 (料理L.O. 21:30 ドリンクL.O. 22:00) 日・祝日/11:00~15:00, 17:00~22:00 (料理・ドリンクL.O. 21:00) 祝前日/11:00~15:00, 17:00~23:00 (料理L.O. 21:00 ドリンクL.O. 21:00)
住所:東京都千代田区丸の内3-2-3 二重橋スクエア1F
電話:03-6256-0966

WALL Aoyama

プロモーション期間:8月10日〜9月9日
営業時間:月~金/12:00~24:00(L.O.23:30)ランチ12:00~14:00
土・日・祝日/13:00~24:00(L.O.23:30)
住所:東京都港区南青山5丁目4-30 emergence aoyama complex 1F
電話:03-5774-1311

WALL Fukuoka

プロモーション期間:8月10日〜9月9日
営業時間:月〜日・祝/14:00〜24:00
住所:福岡県福岡市中央区大名1-3-33 emergence fukuoka 3F
電話番号:092-286-1679

伊勢丹新宿店本館地下1階
グランドカーヴ(洋酒ワイン)内バーカウンター

プロモーション期間:9月25日〜10月1日
営業時間:14:00~19:00(L.O.18:30)
住所:東京都新宿区新宿3-14-1
電話番号:03-3352-1111(大代表)
MODEL:MIKIKO YANO
PHOTOS:MASASHI IKUTA(HANNAH)
STYLING:REMI KAWASAKI(TRON)
HAIR & MAKEUP:KYOHEI SASAMOTO(ILUMINI) 
TEXT:MEGUMI OTAKE
・お酒は20 歳になってから。飲酒運転は法律で禁止されています。妊娠中・授乳期の飲酒はやめましょう。
問い合わせ先
ディアジオ ジャパン
03-3470-8287

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アシックス廣田会長「頂上作戦」に手応え パリ五輪・マラソンで16年ぶりメダル奪還

「メダルを取る目標は達成できた」と胸を張るのは、アシックスの廣田康人会長CEOだ。パリ五輪の男子マラソンで同社のシューズを履いたバジル・アブディ選手(ベルギー)が2時間6分47秒の好記録で銀メダルに輝いた。着用選手が五輪のマラソンでメダルを獲得するのは16年ぶり。箱根駅伝でのシェア回復に続き、世界最高の舞台でランニングシューズの復活を印象づけた。

同社にとってトップランナーのシェア獲得は至上命題だった。2021年1月の箱根駅伝ではナイキの厚底シューズ旋風に遅れをとり、アシックスの着用選手がゼロになる屈辱を味わった。社長だった廣田氏は社長直轄の「Cプロジェクト」を発足。開発、生産、マーケティングなどの部門から有望な若手社員を集め、シェア奪還に動く。CプロジェクトのCは「頂上」のこと。創業者・鬼塚喜八郎がベンチャー時代に「頂上作戦」と名づけたマーケティング戦略にならった。トップランナー(頂上)を押さえれば、その下に広がる膨大なマスマーケットの支持を集めることができる。

Cプロジェクトから生まれた“メタスピード”シリーズはじわじわとトップランナーから人気を集め、世界の主要レースの表彰台にたびたび上るようになっていった。銀メダルのアブディ選手は21年の東京五輪と22年世界陸上で銅メダルを獲得し、パリ五輪に向けてアシックスと契約していた。

廣田氏はパリ五輪の男子マラソンをゴール会場で観戦し、アブディ選手ら契約アスリートに声援を送った。「走るのは選手。われわれが無責任にメダルの色を言うべきではない」と断りつつも、「男子・女子のマラソンで6個あるメダルの1個を取れたに過ぎない。これで満足してはいけない。もっと高みを目指す。来年に向けて、さらに改良したシューズを開発する。頂上作戦はまだ続く」と話す。

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2023年版世界のビューティ企業CEO報酬ランキング 1位独走は218億円でコティCEO

米「WWD」が世界のビューティ業界の最高経営責任者(CEO)を対象とした2023年度高額所得者トップ30を発表した。1位は、報酬約1億4942万ドル(約218億円)を受け取ったコティ(COTY)のスー・ナビ(Sue Nabi)最高経営責任者(CEO)。前年比4100%増と、2位に大きく差をつけてトップに返り咲いた。2位はエスティ ローダー カンパニーズ(ESTEE LAUDER COMPANIES)のファブリツィオ・フリーダ(Fabrizio Freda)CEO。報酬額は2181万ドル(約31億)で、業績連動型インセンティブ報酬の減少により、2年連続での減給となった。

一方、最も報酬が減少したのは、同43.3%減の魚谷雅彦・資生堂代表執行役会長CEOだった。米国企業の幹部らが上位を占め、9位のニコラ・イエロニムス(Nicolas Hieronimus)ロレアル(L'OREAL)CEOを除く上位10人は、アメリカのビューティ企業や大手消費財、ヘルスケア企業のCEOらだった。

【2023年度ビューティ企業CEO高額所得者トップ30】

1位
スー・ナビ
コティ最高経営責任者

総額: 1億4942万9486ドル(約218億1670万円)
前年比:+4100%


2位
ファブリツィオ・フリーダ
エスティ ローダー カンパニーズ社長兼CEO

総額: 2181万1244ドル(約31億8444万円)
前年比: -14.3%


3位
ジョン R. モーラー(Jon R. Moeller)/
プロクター アンド ギャンブル社長兼CEO

総額: 2171万5625ドル(約31億8444万円)
前年比: +22.6%


4位
ティボー・モンゴン(Thibaut Mongon)/
ケンビューCEO

総額: 1972万2593ドル(約28億7949万円)
前年比: N/A


5位
ノエル・ウォレス(Noel Wallace)/
コルゲート パーモリーブ会長兼社長兼CEO

総額: 1712万1584ドル(約24億9975万円)
前年比: +18.4%


6位
ロザリンド・ブリューワー(Rosalind Brewer)/
ウォルグリーン ブーツ アライアンス 前CEO

総額: 1413万4190ドル(約20億6359万円)
前年比: -18.2%


7位
リンダ・レンドル(Linda Rendle)/
クロロックスCEO

総額: 1164万9650ドル(約17億84万円)
前年比: +36.5%


8位
マシュー・T・ファレル(Matthew T. Farrell)/
チャーチ アンド ドワイト会長兼社長兼CEO

総額: 1118万2166ドル(約16億3259万円)
前年比: +33.5%


9位
ニコラ・イエロニムス
ロレアルCEO

総額: 1032万6000ユーロ(約16億5216万円)
前年比: +1.8%


10位
マーティン・ウォーターズ(Martin Waters)/
ビクトリアズ シークレット アンド カンパニーCEO

総額: 1092万5251ドル(約15億9508万円)
前年比: -12.7%


11位
ロッド・リトル(Rod Little)/
エッジウェル パーソナル ケア社長兼CEO

総額: 1015万7128ドル(約14億8294万円)
前年比: +12.8%


12位
ジェローム・ランバート(Jerome Lambert)/
コンパニー フィナンシエール リシュモン CEO

総額: 797万9917スイスフラン(約13億4860万円)
前年比: +7.4%


13位
ベルナール・アルノー(Bernard Arnault)/
LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン会長兼CEO

総額: 793万7090ユーロ(約12億6993万円)
前年比: 横ばい


14位
カーステン・クノーベル(Carsten Knobel)/
ヘンケル会長

総額: 674万9320ユーロ(約12億6993万円)
前年比: -1.6%


15位
アクセル・デュマ(Axel Dumas)/
エルメス・インターナショナルCEO

総額: 585万2276ユーロ(約9億3636万円)
前年比: +30.4%


16位
ライアン・ナピアスキー(Ryan Napierski)/
ニュースキン エンタープライズ社長兼CEO

総額: 583万8579ドル(約8億5243万円)
前年比: +22.5%


17位
タラン・アミン(Tarang Amin)/
E.L.F. ビューティ会長兼社長兼CEO

総額: 563万4119ドル(約8億2258万円)
前年比: +7.6%


18位
サウガタ・グプタ
マリコ マネージング・ディレクター兼CEO

総額: 2億5107万5800ルピー(約4億2682万円)
前年比: -30.5%


19位
ヴィンセント・ワーナリー (Vincent Warnery)/
バイヤスドルフ会長

総額: 251万2000ユーロ(約4億192万円)
前年比: -3.9%


20位
小林一俊
コーセー社長兼CEO

総額: 3億4300万円
前年比: +32.4%


21位
魚谷雅彦
資生堂会長兼CEO

総額:3億100万円
前年比:-43.3%


22位
ジャン・マダー(Jean Madar)/
インターパルファム会長兼CEO

総額: 200万ドル(約2億9200万円)
前年比: +62.6%


23位
ジョナサン・マイヤーズ(Jonathan Myers)/
PZカソンズCEO

総額: 157万1539ポンド(約2億9387万円)
前年比: +36.5%


24位
スディール・シタパティ(Sudhir Sitapati)/
ゴドレジ コンシューマー プロダクツ マネージング・ディレクター兼CEO

総額: 1億4430万ルピー(約2億4531万円)
前年比: N/A


25位
モヒット・マルホトラ(Mohit Malhotra)/
ダバールCEO

総額: 1億3354万2420ルピー(約2億2702万円)
前年比: -8.6%


26位
アレックス・パン(Alex Pan)/
上海 ジャファ ユナイテッド会長兼CEO

総額: 771万5000人民元(約1億5430万円)
前年比: -15%


27位
アンドレ・ホフマン(Andre Hoffmann)/
ロクシタングループ前CEO

総額: 93万9000ユーロ(約1億5024万円)
前年比: N/A


28位
長谷部佳宏
花王社長

総額: 1億4100万円
前年比: -4.1%


29位
ハーシャ・アガーワル(Harsha Agarwal)/
エマミ副会長兼マネージング・ディレクター

総額: 6180万8000ルピー(約1億507万円)
前年比: N/A


29位
モハン・ゴエンカ(Mohan Goenka)/
エマミ副会長兼常勤取締役

総額: 6180万8000ルピー (約1億507万円)
前年比: N/A

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2023年版世界のビューティ企業CEO報酬ランキング 1位独走は218億円でコティCEO

米「WWD」が世界のビューティ業界の最高経営責任者(CEO)を対象とした2023年度高額所得者トップ30を発表した。1位は、報酬約1億4942万ドル(約218億円)を受け取ったコティ(COTY)のスー・ナビ(Sue Nabi)最高経営責任者(CEO)。前年比4100%増と、2位に大きく差をつけてトップに返り咲いた。2位はエスティ ローダー カンパニーズ(ESTEE LAUDER COMPANIES)のファブリツィオ・フリーダ(Fabrizio Freda)CEO。報酬額は2181万ドル(約31億)で、業績連動型インセンティブ報酬の減少により、2年連続での減給となった。

一方、最も報酬が減少したのは、同43.3%減の魚谷雅彦・資生堂代表執行役会長CEOだった。米国企業の幹部らが上位を占め、9位のニコラ・イエロニムス(Nicolas Hieronimus)ロレアル(L'OREAL)CEOを除く上位10人は、アメリカのビューティ企業や大手消費財、ヘルスケア企業のCEOらだった。

【2023年度ビューティ企業CEO高額所得者トップ30】

1位
スー・ナビ
コティ最高経営責任者

総額: 1億4942万9486ドル(約218億1670万円)
前年比:+4100%


2位
ファブリツィオ・フリーダ
エスティ ローダー カンパニーズ社長兼CEO

総額: 2181万1244ドル(約31億8444万円)
前年比: -14.3%


3位
ジョン R. モーラー(Jon R. Moeller)/
プロクター アンド ギャンブル社長兼CEO

総額: 2171万5625ドル(約31億8444万円)
前年比: +22.6%


4位
ティボー・モンゴン(Thibaut Mongon)/
ケンビューCEO

総額: 1972万2593ドル(約28億7949万円)
前年比: N/A


5位
ノエル・ウォレス(Noel Wallace)/
コルゲート パーモリーブ会長兼社長兼CEO

総額: 1712万1584ドル(約24億9975万円)
前年比: +18.4%


6位
ロザリンド・ブリューワー(Rosalind Brewer)/
ウォルグリーン ブーツ アライアンス 前CEO

総額: 1413万4190ドル(約20億6359万円)
前年比: -18.2%


7位
リンダ・レンドル(Linda Rendle)/
クロロックスCEO

総額: 1164万9650ドル(約17億84万円)
前年比: +36.5%


8位
マシュー・T・ファレル(Matthew T. Farrell)/
チャーチ アンド ドワイト会長兼社長兼CEO

総額: 1118万2166ドル(約16億3259万円)
前年比: +33.5%


9位
ニコラ・イエロニムス
ロレアルCEO

総額: 1032万6000ユーロ(約16億5216万円)
前年比: +1.8%


10位
マーティン・ウォーターズ(Martin Waters)/
ビクトリアズ シークレット アンド カンパニーCEO

総額: 1092万5251ドル(約15億9508万円)
前年比: -12.7%


11位
ロッド・リトル(Rod Little)/
エッジウェル パーソナル ケア社長兼CEO

総額: 1015万7128ドル(約14億8294万円)
前年比: +12.8%


12位
ジェローム・ランバート(Jerome Lambert)/
コンパニー フィナンシエール リシュモン CEO

総額: 797万9917スイスフラン(約13億4860万円)
前年比: +7.4%


13位
ベルナール・アルノー(Bernard Arnault)/
LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン会長兼CEO

総額: 793万7090ユーロ(約12億6993万円)
前年比: 横ばい


14位
カーステン・クノーベル(Carsten Knobel)/
ヘンケル会長

総額: 674万9320ユーロ(約12億6993万円)
前年比: -1.6%


15位
アクセル・デュマ(Axel Dumas)/
エルメス・インターナショナルCEO

総額: 585万2276ユーロ(約9億3636万円)
前年比: +30.4%


16位
ライアン・ナピアスキー(Ryan Napierski)/
ニュースキン エンタープライズ社長兼CEO

総額: 583万8579ドル(約8億5243万円)
前年比: +22.5%


17位
タラン・アミン(Tarang Amin)/
E.L.F. ビューティ会長兼社長兼CEO

総額: 563万4119ドル(約8億2258万円)
前年比: +7.6%


18位
サウガタ・グプタ
マリコ マネージング・ディレクター兼CEO

総額: 2億5107万5800ルピー(約4億2682万円)
前年比: -30.5%


19位
ヴィンセント・ワーナリー (Vincent Warnery)/
バイヤスドルフ会長

総額: 251万2000ユーロ(約4億192万円)
前年比: -3.9%


20位
小林一俊
コーセー社長兼CEO

総額: 3億4300万円
前年比: +32.4%


21位
魚谷雅彦
資生堂会長兼CEO

総額:3億100万円
前年比:-43.3%


22位
ジャン・マダー(Jean Madar)/
インターパルファム会長兼CEO

総額: 200万ドル(約2億9200万円)
前年比: +62.6%


23位
ジョナサン・マイヤーズ(Jonathan Myers)/
PZカソンズCEO

総額: 157万1539ポンド(約2億9387万円)
前年比: +36.5%


24位
スディール・シタパティ(Sudhir Sitapati)/
ゴドレジ コンシューマー プロダクツ マネージング・ディレクター兼CEO

総額: 1億4430万ルピー(約2億4531万円)
前年比: N/A


25位
モヒット・マルホトラ(Mohit Malhotra)/
ダバールCEO

総額: 1億3354万2420ルピー(約2億2702万円)
前年比: -8.6%


26位
アレックス・パン(Alex Pan)/
上海 ジャファ ユナイテッド会長兼CEO

総額: 771万5000人民元(約1億5430万円)
前年比: -15%


27位
アンドレ・ホフマン(Andre Hoffmann)/
ロクシタングループ前CEO

総額: 93万9000ユーロ(約1億5024万円)
前年比: N/A


28位
長谷部佳宏
花王社長

総額: 1億4100万円
前年比: -4.1%


29位
ハーシャ・アガーワル(Harsha Agarwal)/
エマミ副会長兼マネージング・ディレクター

総額: 6180万8000ルピー(約1億507万円)
前年比: N/A


29位
モハン・ゴエンカ(Mohan Goenka)/
エマミ副会長兼常勤取締役

総額: 6180万8000ルピー (約1億507万円)
前年比: N/A

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アイスタイルの24年6月期は増収増益 ECと店舗が絶好調

「アットコスメ(@COSME)」を運営するアイスタイルの2024年6月期連結決算は、売上高が前期比30.8%増の560億円、営業利益が2.3倍の19億円、経常利益が4.1倍の17億円、純利益が4.4倍の12億円だった。BtoBのマーケティング支援事業、ECと店舗のリテール事業がけん引し、前年期に続いて過去最高の売上高を更新した。増収した2つの事業の増益により、営業利益と経常利益が大きく伸長した。

今期から事業別の名称と区分けを変更した。マーケティング支援事業はBtoBサービス、リテール事業はECと店舗、グローバル事業は国外の事業、その他は人材派遣、投資育成、BtoC課金サービスを指す。

リテール事業の売上高は同44.2%増の421億円、営業利益は同88.7%増の26億円だった。23年9月にオープンした大型旗艦店「アットコスメ オーサカ(@COSME OSAKA)」や既存店が好調に推移し、買収した老舗化粧品専門店のシドニーも寄与。ECは、イベント「アットコスメ ビューティデー(@COSME BEAUTY DAY)」「アットコスメ スペシャルウイーク(@COSME SPECIAL WEEK)」が過去最高の流通総額を達成したこと、アマゾンジャパンのAmazon.co.jp上にオープンした「アットコスメ ショッピング(@COSME SHOPPING)」が寄与し、大きく増収した。ECと店舗での増収により人件費の増加やプロモーション費を吸収し、大幅な増益となった。

マーケティング支援事業は、同11.9%増の83億円、営業利益は同42.3%増の16億円だった。ポップアップイベントなどの販促の需要増加、オンライン広告やソリューションサービスの受注増加により、増収となった。第3四半期に発生した一過性のソフトウエア償却費や人材関連費などが増加したが、増収により吸収して大きく増益した。

グローバル事業は、売上高が同10.5%減の39億円、営業利益が2億900万円の赤字(前期は8600万円の赤字)だった。香港店舗などが健闘したものの、中国越境ECや韓国事業の不調により減収となった。加えて、中国越境ECにおける在庫評価損もあり赤字となった。

25年6月期は、リテール事業においては国内出店を加速。これまで培ってきた販売力やデータの活用、資本業務提携したトレンダーズとのプラットフォーム連携を強化することで、マーケティング支援事業のさらなる増収増益を図る。これらの取り組みを踏まえた連結業績予想は、売上高が同14.1%増の640億円、営業利益が同23.7%増の24億円、経常利益が同39.4%増の24億円、純利益が同31.8%増の16億円を見込む。

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米エイボン・プロダクツが破産法適用申請 タルク関連訴訟に伴う負債解消を目指して

ブラジルの化粧品会社ナチュラ&コー(NATURA & CO.以下、ナチュラ)は8月12日、同社が擁する「エイボン(AVON)」の非営業持株会社エイボン・プロダクツ(AVON PRODUCTS INC.)が米デラウェア州の裁判所に連邦破産法11条の適用を申請したことを発表した。同社の商品ががんを引き起こしたと主張する、タルク関連訴訟の債務の山積によるもの。

エイボン・プロダクツは2016年に北米事業を売却して以来、米国では商品を販売していないが、米国以外の事業体の持株会社であり続けている。現在「エイボン」の米国事業は韓国のLG生活健康(LG H&H)が手掛けており、今回の破産適用の対象には入っていない。またナチュラが販売権を持つ中南米事業を含む、米国以外の「エイボン」事業も今回の適用対象外だ。今回の適用申請は、タルク含有商品をめぐる数百件の人身傷害訴訟の弁護費用と和解金2億5000万ドル(約365億円)を含む、約13億ドル(約1898億円)の累積負債額の解消に向けたものとみられている。 

ナチュラは投資家への通知の中で、裁判所の監督下にある競売手続きを通じて「エイボン」の米国外の事業を買収するために1億2500万ドル(約182億5000万円)の入札を行う予定だと述べた。ジョン・デュベル(John Dubel)=エイボン・プロダクツ会長は、「本日の措置と『エイボン』の米国外事業の売却案は、当社の資産価値を最大化し、秩序ある方法で債務に対処することを可能にする」と述べた。

アメリカでは「エイボン」のほか、ジョンソン・エンド・ジョンソン(JOHNSON & JOHNSON)などがこれまでタルクを配合した商品を販売し、多くの訴訟が起きている。訴訟の多くはがん患者によるもので、使用しているタルクにアスベストが含まれ、それが卵巣がんの原因になっているなどと訴えている。

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平均年齢25.7歳のyutoriが給与アップ、年収490万円に

yutoriは、7月分から社員と契約社員の給与ベースアップを実施する。同社の有価証券報告書によると社員70人(契約社員やバイトを除く)、平均年齢25.7歳に対し、平均年間給与は469万円だったが、4.5%増の490万円に引き上げる。物価高や景気の上昇により、大手企業ではベースアップが続いている。連合によると今年の春闘ではベアと定期昇給を含め、平均で5.1%増だった。片石貴展(たかのり)社長は「平均年収でみると低く見えるかもしれないが当社は上場企業では最年少クラスの若い会社。人材が最大の競争力の源泉だと考えており、給与アップで競争力をさらに高めたい」という。

2024年4〜6月期決算は売上高が前年同期比47.0%増の11億1400万円、営業利益が同3.5%増の3900万円、純利益が同1.0%増の1000万円だった。リアル店舗を3店舗を出店するなど、リアル店舗の販売が増加し、大幅な増収となった。売上総利益率は1.7ポイント改善の58.9%だった。

同社が昨日ユーチューブで公開した決算発表には8月5日に買収を発表したハートリレーション(heart relation)の小嶋陽菜・代表取締役CCOが登場し、「yutoriとともに成長していく」と意気込みを語った。ハートリレーションは23年12月期は売上高が前年比2.3%増の29億3100万円、営業利益が45.9%減の3億700万円だった。ただ、24年1〜6月は前年同期比26.8%増、7月は同70%増で推移しているという。なお株式譲渡の実施は9月30日。

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LVMHのアルノー会長、競合リシュモンの少数株主に 一族の投資会社を通じて

LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)のベルナール・アルノー(Bernard Arnault)会長兼最高経営責任者(CEO)は、一族の投資会社が、競合であるコンパニー フィナンシエール リシュモン(COMPAGNIE FINANCIERE RICHEMONT以下、リシュモン)の少数株式を取得したことを認めた。投資額などの詳細は明らかにしていない。

本件について、米「ブルームバーグ(BLOOMBERG)」が6月に報じた際、アルノー会長兼CEOの代理人はコメントを差し控えるとしていた。しかし、米国の経済ニュース専門局CNBCのトーク番組に出演したアルノー会長兼CEOは、本件について聞かれ、「リシュモンのヨハン・ルパート(Johann Rupert)会長のことはよく知っており、良好な関係を築いている。彼に不利なことをするつもりはないと伝えてある」とし、「(一族の投資会社の)幅広いポートフォリオの一部として、ごく少数の株式を取得したに過ぎない。それで満足している」と語った。

LVMHは「カルティエ」を狙っている?

LVMHが、リシュモンやその傘下ブランドである「カルティエ(CARTIER)」の買収に関心があるのではないかという臆測は、これまでに何度も流れている。2020年12月に、LVMHが「ティファニー(TIFFANY & CO.)」を総額158億ドル(約2兆3068億円)で買収したことも、こうしたうわさに拍車をかけている要因の一つだろう。

しかし、ルパート会長は23年5月に行ったリシュモンの決算説明会で、「リシュモンや『カルティエ』を売るつもりはない」と一蹴し、アルノー会長兼CEOからアプローチを受けたこともないと明言。また、アルノー会長兼CEOも、24年1月に開催したLVMHの決算説明会で、「ルパート会長は比類のないリーダーであり、その戦略に干渉しようとは思わない。彼は、今後も独立性を維持したいと考えているものと理解している」と述べており、今回のトーク番組でも同様の発言をしている。

なお、リシュモンは22年9月の時点でクラスA株式とB株式をそれぞれ5億2200万株発行しており、A株はスイス証券取引所に上場しているが、B株は上場しておらず、全てルパート会長の持ち株会社コンパニー・フィナンシエール・ルパート(COMPAGNIE FINANCIERE RUPERT)が保有。これによってルパート会長が議決権の51%を保有していることを考えると、いかに“ラグジュアリー帝国”LVMHを率いるアルノー会長兼CEOでも、リシュモンを傘下に収めるのは難しいかもしれない。

「ルイ・ヴィトン」とスペースXが将来的にコラボ!?

LVMHはパリオリンピック・パラリンピックのプレミアムスポンサーを務めているため、今回の番組ではそれに関する話題も多かった。中でも注目を集めたのは、エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)仏大統領によるパリ五輪の昼食会で、自身の隣に、米電気自動車大手テスラ(TESLA)のイーロン・マスク(Elon Musk)共同創業者兼CEOが座る予定だと明かしたことだろう。

「ブルームバーグ」や「フォーブス(FORBES)」による世界長者番付で首位争いをしている両者は以前から交流があり、23年6月にはLVMHが手掛ける高級ホテル、シュヴァル・ブラン(Cheval Blanc)のプライベートテラスで会食をしている。

マスク共同創業者兼CEOが航空宇宙企業スペース・エクスプロレーション・テクノロジーズ(SPACE EXPLORATION TECHNOLOGIES以下、スペースX)のCEOも務めていることから、アルノー会長兼CEOは、「いつか『ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)』がロケットの内装を手掛ける日が来るかもしれない」とスペースXと協業する可能性について言及。しかし、「ロケットへの同乗に誘われても承諾するかは分からない」とジョークでこの話題を締めくくった。

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アシックス24年1〜6月期、営業利益が過去最高 「全カテゴリー・地域・販路で好調」

アシックスの2024年1〜6月期連結業績は、売上高が前年同期比18.0%増の3421億円、営業利益が同75.5%増の589億円、純利益が同70.3%増の422億円だった。「全カテゴリー、全リージョン、全チャネルで粗利率が改善した」(発表資料から)ことが貢献し、半期での営業利益額、営業利益率(17.2%)で過去最高を更新した。

主力のパフォーマンスランニングの売上高は、「エントリーモデルの絞り込みを行いつつ、全地域で増収」となり、同15.6%増、カテゴリー利益率は24.0%(前年同期から+4.2ポイント)だった。スポーツスタイルは「全地域で大幅増収、中でも北米は2倍超、中華圏は約2倍」となり、売上高が同63.8%増、カテゴリー利益率は27.9%(+8.6ポイント)。「訪日客売り上げが過去最高となり、中華圏や東南・南アジアでも大きく成長した」というオニツカタイガーの売上高は同55.1%増、カテゴリー利益率は38.0%(+10.3ポイント)だった。

同社は7月に、好調を受けて24年12月期の業績予想の大幅な上方修正を発表済み。修正後の売上高として、前期比15.7%増の6600億円、営業利益は同75.2%増の950億円、純利益は同64.4%増の580億円を見込む。

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アシックス24年1〜6月期、営業利益が過去最高 「全カテゴリー・地域・販路で好調」

アシックスの2024年1〜6月期連結業績は、売上高が前年同期比18.0%増の3421億円、営業利益が同75.5%増の589億円、純利益が同70.3%増の422億円だった。「全カテゴリー、全リージョン、全チャネルで粗利率が改善した」(発表資料から)ことが貢献し、半期での営業利益額、営業利益率(17.2%)で過去最高を更新した。

主力のパフォーマンスランニングの売上高は、「エントリーモデルの絞り込みを行いつつ、全地域で増収」となり、同15.6%増、カテゴリー利益率は24.0%(前年同期から+4.2ポイント)だった。スポーツスタイルは「全地域で大幅増収、中でも北米は2倍超、中華圏は約2倍」となり、売上高が同63.8%増、カテゴリー利益率は27.9%(+8.6ポイント)。「訪日客売り上げが過去最高となり、中華圏や東南・南アジアでも大きく成長した」というオニツカタイガーの売上高は同55.1%増、カテゴリー利益率は38.0%(+10.3ポイント)だった。

同社は7月に、好調を受けて24年12月期の業績予想の大幅な上方修正を発表済み。修正後の売上高として、前期比15.7%増の6600億円、営業利益は同75.2%増の950億円、純利益は同64.4%増の580億円を見込む。

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エスティ ローダーが新エグゼクティブ・バイスプレジデントを任命 ハインツ出身者

エスティ ローダー カンパニーズ(ESTEE LAUDER COMPANIES以下、ELC)は新エグゼクティブ・バイスプレジデント兼ジェネラル・カウンセルにラシダ・ラ・ランデ(Rashida La Lande)氏を任命した。同氏は4月に退任したディアドリ・スタンリー(Deirdre Stanley)の後を継ぐ。

ランデ新エグゼクティブ・バイスプレジデントは食品メーカーのクラフト・ハインツ・カンパニー(THE KRAFT HEINZ COMPANY)で6年以上法務顧問を務め、以前は法律事務所ギブソン・ダン&クラッチャー(GIBSON, DUNN & CRUTCHER)の共同経営者だった。今後はグローバルで法務戦略と方針を指揮し、ファブリツィオ・フリーダ(Fabrizio Freda)最高経営責任者(CEO)とウィリアム・P・ローダー(William P. Lauder)=エグゼクティブ・チェアマンの監督下となる。

ファブリツィオ・フリーダ(Fabrizio Freda)最高経営責任者(CEO)は声明で、「ラシダは世界最大級の食料品企業で、象徴的なブランドから新ブランドまでさまざまなブランドの法的問題を対処した豊富な経験があり、この職務にふさわしい人物だ」と述べた。

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三越伊勢丹HD4〜6月期、営業利益3.1倍 通期予想を上方修正

三越伊勢丹ホールディングス(HD)の4〜6月期連結業績は、総額売上高が前年同期比14.5%増の3179億円、営業利益が同3.1倍の188億円、純利益が同3.0倍の137億円だった。営業利益は、4〜6月期で三越・伊勢丹統合後最高となった。

伊勢丹新宿本店の4〜6月期売上高は、前年同期比21.2%増の1020億円だった。円安による訪日客のラグジュアリーブランドなど高額品消費が引き続きけん引し、免税売上高は前年同期比2.3倍の214億円と大きく伸びた。三越伊勢丹グループ全体で推進する「個客戦略」でCRM(顧客関係管理)を一層強化し、日本人の上顧客の買い上げも押し上げ要因となった。三越日本橋本店が同14.3%増の397億円、三越銀座店が34.9%増の304億円と、他の基幹2店舗も売上高を伸ばした。

三越伊勢丹HDは足下業績の好調を受け、通期連結計画を上方修正する。修正後の計画は、総額売上高が前期比7.8%増の1兆3200億円(修正前は1兆2800万円)、営業利益が同32.4%増の720億円(修正前は640億円)、純利益が同4.4%増の580億円(同530億円)。

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三越伊勢丹HD4〜6月期、営業利益3.1倍 通期予想を上方修正

三越伊勢丹ホールディングス(HD)の4〜6月期連結業績は、総額売上高が前年同期比14.5%増の3179億円、営業利益が同3.1倍の188億円、純利益が同3.0倍の137億円だった。営業利益は、4〜6月期で三越・伊勢丹統合後最高となった。

伊勢丹新宿本店の4〜6月期売上高は、前年同期比21.2%増の1020億円だった。円安による訪日客のラグジュアリーブランドなど高額品消費が引き続きけん引し、免税売上高は前年同期比2.3倍の214億円と大きく伸びた。三越伊勢丹グループ全体で推進する「個客戦略」でCRM(顧客関係管理)を一層強化し、日本人の上顧客の買い上げも押し上げ要因となった。三越日本橋本店が同14.3%増の397億円、三越銀座店が34.9%増の304億円と、他の基幹2店舗も売上高を伸ばした。

三越伊勢丹HDは足下業績の好調を受け、通期連結計画を上方修正する。修正後の計画は、総額売上高が前期比7.8%増の1兆3200億円(修正前は1兆2800万円)、営業利益が同32.4%増の720億円(修正前は640億円)、純利益が同4.4%増の580億円(同530億円)。

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循環商社のエコミットがリユースに本腰 第1弾は「シロ」と協業、使用済み容器と衣類を回収

資源の循環サービスなどを運営する鹿児島のエコミット(ECOMMIT)が、業界の垣根を超えてリユースの取り組みを拡大する“リユースシフト”を立ち上げた。第1弾は、コスメティックブランドの「シロ(SHIRO)」と協業。実証実験として8月8日〜10月31日の期間、同ブランドの使用済みガラス容器1万本と衣類3万着を回収する。リユースしたアイテムは年内に、都内で開催するポップアップストアで販売する予定だ。

エコミットは「捨てない社会をかなえる」ことを目指し、モノが循環するインフラをビジネスで実現する“循環商社”として2008年に創業した。23年4月からは、全国7カ所にある自社の循環センターを活用した不要品の回収・選別、再流通を一気通貫で担うサービス「パスト」を展開。京王電鉄や郵便局、イオンモールなどが協業パートナーとして参画する。全国3000カ所に衣類や不用品の回収拠点を持ち、年間1万2000トンの回収が射程内に入ってきた。

「パスト」の取り組みが広がり、不要なものを気軽に手放しやすくなったが、「回収の容易さが逆に大量生産・大量消費を助長する可能性があると考えた。回収して単純に循環させるだけでは、廃棄の根本的な問題は解決できない。作るところ変えていかなければ」(川野輝之エコミットCEO)と奮い立ち、「パスト」のインフラを利用しながら、回収したものを再び商品や原材料として循環させる“リユースシフト”を始動した。「あらゆるものが循環できる仕組みを提供することで、モノ作り自体を変えていく役目を担える」と意気込む。

「シロ」との取り組みでは、ガラス容器を採用する8つのアイテム(フレグランスのオードパルファン、ボディーオイル、ヘアオイル、アロマオイル、フレグランスディフューザー、パフュームのディフューザーリキッド、ビネガーバスエッセンス、亜麻ネイルリムーバー)の使用済み容器を対象に、「シロ」の25店舗と参画企業が持つ全国約50〜100カ所の拠点、協力するブルーボトルコーヒー カフェ7店舗で回収する。衣類の回収は「シロ」の表参道本店やルクアイーレ店など全国7店舗で実施し、ブルーボトルコーヒーのコットン素材トートバッグも対象14店舗で回収する。利用者には「シロ」とブルーボトルコーヒーで使用できる共通クーポン・特典を用意する。

化粧品容器のリユースに挑む

化粧品容器のリユースは、香りや油分が含まれる容器の洗浄や回収拠点、コストといった課題が多く、難しいとされてきた。今回の“リユースシフト”では、高度な洗びん技術を持つ企業とタッグを組むほか、循環の専門チームがコストメリットを出すことを検証する。「シロ」ではこれら実証実験の後に、プラスチック容器のリユースも目指しながら、将来的には“リユースショップ”の実現を計画する。

「シロ」では、発注などの関係で資材を余儀なく廃棄してきたが、「今年は捨てない」(今井浩恵シロ会長)と強く表明。全ての資源の価値を見つめ直し、本質的な循環のために廃棄物ゼロを目指している。「社会には多くのゴミ問題が存在しており、化粧品の回収だけでは解決することはできない。地球上のゴミの半分が衣類関連であると言われている中、私たちはこの課題にもコミットする。本気で挑みたい」と意欲を燃やす。

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