A. ゆっくりとした日々を過ごすうちに、学生時代、1つの課題を1カ月かけてじっくり取り組んでいた日々を思い出した。これまでを振り返りながら「ミントデザインズ」の在り方を再考するいい機会になるだろう。ただし、デザインすることが“より良い日常を描き出す事”だと信じる姿勢は変わらない。今、そしてこれから先も日常を楽しめるような提案を続けていく。
「ジバンシィ」を着用したキム・カーダシアン(2013年) DAVID FISHER / SHUTTERSTOCK (c) FAIRCHILD PUBLISHING, LLC5/8
Katy Perry
素敵なシャンデリアはどんな場所にもちょっとした魅力をプラスしてくれて、みんなに好まれるアイテムだ。でもレッドカーペット上のシャンデリアは、華やかなイベント向きのドレスというより、ディズニー映画「美女と野獣(Beauty and the Beast)」に登場するルミエール(ろうそく付きの燭台のキャラクター)みたいと言った方がしっくりくる。これはファッションというよりコスチュームだ。
2019年12月9日にニューヨークで開催された「ステラ マッカートニー」“ステラブレーション”パーティーAURORA ROSE / WWD / SHUTTERSTOCK (c) FAIRCHILD PUBLISHING,LLCStella McCartney Stellabration party, New York, USA - 09 Dec 2019
もちろん、新型コロナウイルスによって多くの命が失われていることも、人びとが大変な思いをしていることも心から悲しく思う。英国の国民保険サービス(National Health Service)の最前線で働く人や、緊急事態の分野に従事するすべての人に敬意を抱いている。他者に対する思いやりがあれば、みんなが同じ気持ちでつながることができる。この現実は本当に重くて、簡単に片づけられる問題ではないわ。この状況をとても危惧している。一方で、私には世界中にたくさんの従業員を抱えているビジネスウーマンとしての一面もある。もちろんほかと同様に、私のビジネスにも影響は出ているわ。私たちが大切にしていることのためにビジネスを成功させたいと常々思っている。でも今、「全員が初めて、いろいろな意味で一つにつながった」と思うでしょう?重要なことだわ。
ステラ:“ウィー アー ザ ウエザー(We Are The Weather)”と書いてあるわ。小説家のジョナサン・サフラン・フォア(Jonathan Safran Foer)とコラボレーションしたカプセルコレクションなの。サステナブルな生地を使用して製作したもので、コレクション名はジョナサンの気候変動危機をテーマにした小説に由来している。私がやってきたことは今の状況にぴったりな気がするわ。私のキャリアで積み上げてきたもの全てが今にふさわしいと感じる。
もちろん、見た目だけが評価されているわけではない。若い世代はより環境問題や動物愛護にシビアだといわれている16歳の女優ミリー・ボビー・ブラウン(Millie Bobby Brown)が立ち上げたティーン向けコスメブランド「フローレンス バイ ミルズ(FLORENCE BY MILLS)」は、消費者からのよくある質問として、動物実験やサステナビリティに関して事細かに回答している。環境や社会に配所していながらデザインや性能・効能を我慢しなくていいことが、若者の間で広がっている要因なのだ。
HIYADAM:過去にメンズのイヤーカフが欲しいと思ったときに見つからず、ウィメンズのものを着けていたことがあったんです。そもそもイヤーカフを着けている男性があまりいないのは、単純に手に入らず選択肢にないからだと考え、新しいスタイルとして提案していきたかったんです。今回のデザインを「ナイキ(NIKE)」の“エア フォース 1(AIR FORCE 1)”のようにブランドの定番にしつつ、別のイヤーカフも作っていきたいと思っています。
A. 気軽に外出し、装うことができなくなり、ファッションを楽しむことが精神の豊かさに直結していたことをあらためて実感した。今のファッション業界はクリエイションの発表サイクルがとても短かい。インプットとアウトプットのバランスが悪いことにずっと違和感を覚えていた。自由に動けない今こそ発表サイクルを見直し、アウトプットの質を上げていきたい。次のコレクションはパリと東京で9月に発表を予定しているので、その方法も含めてセールスとコミュニケーションを取っていく。
企業もこのような課題に対し、続々と対策を打ち出している。資生堂はこれまで多くの環境配慮型パッケージを生み出しており、「ハク(HAKU)」は2011年から美白美容液「HAKUメラノフォーカス」でレフィル販売を行っている。これにより本体容器と比べてプラスチック量を60%(発売後1年間で約19トン)削減できるという。また「クレ・ド・ポー ボーテ(CLE DE PEAU BEAUTE)」は美容液「コンサントレイリュミナトゥール」の容器を14年にガラスからプラスチックに変更したことで重さを90%減らし、1商品あたりの二酸化炭素を60%削減した。さらに15年から飲料用ペットボトルのリサイクルペット樹脂を「シーブリーズ(SEABREEZE)」のボディーシャンプー容器に使用。昨年4月にはカネカと共同開発の生分解性パッケージを導入。そして20年初夏には木材の再利用パッケージやレフィル商品を投入するなどして、環境保護を掲げる新ブランド「バウム(BAUM)」をローンチする。
そんなポスト・アポカリプス世界に共通するのが、文明の遺産を修理して再生したり部品をつなぎ合わせて細々と生きていく遺民の姿だ。宮崎駿の描く世界はビクトリア朝スチームパンクが色濃いし、ウィリアム・ギブソン(William Ford Gibson)の名作「ニューロマンサー」に発するサイバーパンクは「ブレードランナー」や「マトリックス」などデジタル文明崩壊後の世界を描いている。はやりの異世界転生ものアニメ、コミックやネトゲも大概がスチームパンクだし、コスプレの多くやゴスロリもその産物だ。
それはSFの世界だけではない。1959年の社会主義革命以降のキューバでは50年代米国文明の遺物を修理して使い続けているし、経済が破綻した中南米のいくつかの社会主義国もキューバ化しつつある。
「コム デ ギャルソン」は“アーカイヴ・コラボ・シンプル”を謳う「CDG」やドーバーストリートマーケット(DOVER STREET MARKET)でのさまざまな試みでポスト・アポカリプスを先取りしてきたし、自社のデッドストックをコーディネイト編集してセット販売するバロックジャパンのECサイト「アウネ(AUNE)」など、アーカイブMDは身近なブランドにも広がりつつある。
南後:新書を書いた後、「ひとり空間」は、大きくは4つの型に分類できると考えるようになりました。1つ目は占有型です。住宅やホテルの個室など、ひとりで占有できるものです。病院の個室のような隔離の対象となる空間も含まれます。2つ目は半占有型です。これは漫画喫茶やカプセルホテルのような、「ひとり空間」ではあるけれども完全には仕切られていないものです。3つ目は共有型です。「ブックアンドベッドトウキョウ(BOOK AND BED TOKYO)」のような、趣味や好みを共有する人同士が同じ時間と空間に身を置き、みんなでひとりでいる状態を楽しむものです。新型コロナウイルスをめぐっては、半占有型と共有型が、密集・密閉・密接の「3密」というキーワードから連想されやすい空間になっています。
A.この1カ月で世界が一変してしまい、今後はこれまでとは全く違う状況になってくる。自粛ムードが強くなるにつれて活動ができない人が増え、生きるか死ぬかのギリギリの状況になり始めている。現状は政府からの十分な補助金も期待できず、「キディル」も来年に終了している可能性だって十分に考えられる。でも僕はファッションや音楽や映画や飲食など、あらゆる文化に影響を受け、救われながら生きてこられた。だから絶対にここで終わるわけにはいかない。“PUNK'S NOT DEAD”ではないけれど、同じ意志を持って活動している友人や仲間と共にできることは多くあるはずだ。このパンデミックであらためて気づかされたのだが、有名人が着ているとか、何億円売り上げているとか、そういうことでなく、僕は純粋に服を作って生きていくことが楽しいし、それが自分の全てだということ。その場所を守るために、自分たちから発信しなければならない。
【自社での動き】
「ヴァイタルマテリアル(VITAL MATERIAL)」が立ち上げたプロジェクト「#CONNECT TO THE FUTURE」に参加し、品薄状態が続いているアルコールハンドジェルと口腔ケア用歯ブラシを製作。「ヴァイタルマテリアル」は販売収益でアルコールハンドジェルを増産し、保育施設など各施設に寄付する。5月17日まで「ヴァイタルマテリアル」の公式サイトで販売・受注を行っている。
米百貨店ニーマン・マーカス(NEIMAN MARCUS)やバーグドルフ・グッドマン(BERGDORF GOODMAN)を運営するニーマン マーカス グループ(NEIMAN MARCUS GROUP以下、NMG)が経営破綻した。同社は日本の民事再生法に当たる米連邦破産法第11条の適用を5月7日に申請したばかりだが、2018年2月から同社を率いているジェフロイ・ヴァン・ラムドンク(Geoffroy van Raemdonck)最高経営責任者(CEO)が米「WWD」の取材に応じた。
NMGは13年に、投資会社アレス・マネジメント(ARES MANAGEMENT)とカナダの公的年金運用機関であるカナダ・ペンション・プラン・インベストメント・ボード(CANADA PENSION PLAN INVESTMENT BOARD)によって60億ドル(約6360億円)で買収されたが、この際に約45億ドル(約4770億円)の長期負債を背負うこととなり、年におよそ3億ドル(約318億円)の利息を支払わざるを得ないことが経営に重くのしかかっていた。同社の売上高は年間50億ドル(約5300億円)程度のため、17年には身売りを検討するほど業績が悪化。新型コロナウイルスの影響による休業措置が追い打ちをかけたことは間違いないが、それがなくともいずれ経営は行き詰まっていたと見る専門家は多い。
ニューヨークのファッション業界で活躍するクリエイティブ・ディレクター、メイ(May)と、仕事仲間でファッションエディターのスティービー(Stevie)による連載第8回。“You’d Better Be Handsome”は、2人プラス、トレンドに敏感なレイチェル(Rachel)をときに交えて、ニューヨークのトレンドや新常識について雑談する。引き続き、新型コロナイルスの影響で街が閉鎖されているニューヨークからリポート。自宅勤務大勢となってすでに1カ月、さらに4月16日にはこの態勢が5月15日まで延期になり、前回同様ズーム(ZOOM)を使っての近況報告会。ポストコロナのライフスタイル、また打撃を受けているシェアビジネスについてトークする。
スティービー:病院への寄付など、ファッション業界の中でもいくつか動きがある。例えば、クイーンズにあるエルムハースト(ELMHURST)病院への寄付金を募るために、著名フォトグラファー187人が「ピクチャーズ フォー エルムハースト(PICTURES FOR ELMHURST)」というプロジェクトを立ち上げた。これはオークション形式ではなく、150ドル(約1万6000円)均一で、プリントを発送するというチャリティー。サインは入っていないらしいけど、イーサン・ジェイムス・グリーン(Ethan James Green)、ジャック・ダヴィソン(Jack Davison)ら、アート系のファッションフォトグラファーなど気になる人がたくさん。
メイ:私たちの“普段”が戻ってくるのはまだまだ先のことになりそうだし、前とまったく同じ生活が戻ってくるわけではなさそう。ポストコロナライフに向けて、みんな準備をし始めている。ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ(Andrew Mark Cuomo)知事は2段階に分けて再開に着手することを発表した。人との接触が少ない業種から。様子を見ながら、その2週間後に次の業種というふうに。
メイ:エンタープライズカーシェア(ENTERPRISE CAR SHARE)やジップカー(ZIP CAR)は、ニューヨーク市がストリートパーキングにも場所を確保していて、メンバーになると年会費および時間単位で8ドル(約870円)前後、または1日単位70~80ドル(約7600~8700円)を払うというシステム。この金額には、車のレンタル料金のほか、保険料も入っている。ときどき使うならそれで十分よね。
福田:当然、消費者もオンラインシフトが進むので、それによりデジタルチャネルをめぐる企業間の競争が激しくなるだろう。デジタルマーケティングに投資した費用に対してどのくらいの顧客を獲得できたのか、一人あたりのCPA(Cost Per Acquisition=一顧客あたりを獲得するコスト)は今後デジタル広告にシフトすることにより上がるため、企業はそれを見据えた踏み込んだ投資が必要になる。これまでのネット投資と同じ延長線上でやっていても思った以上の効果が得られない。
米調査会社ハリス・インサイツ・アンド・アナリティクス(HARRIS INSIGHTS AND ANALYTICS)のリポートによれば、消費者の5人に1人が「新型コロナウイルスの影響によって以前よりもアルコール摂取量が増加した」と回答している。18〜35歳の若者に限定すると、それがおよそ3人に1人になるという。
外出自粛でリモートワークが1カ月以上続いている人も少なくないだろう。時間的余裕が生まれる人も多いらしく、その時間を使って自宅でできる美容や運動に初めて挑戦しているといった声を聞くことが増えた。かくいう私もその一人。そこで今回、カスタマイズサプリ「フジミ(FUJIMI)」が話題のトリコが3月中旬に発売したカスタマイズフェイスマスク「ビューティ フェイスマスク(BEAUTY FACE MASK)」を約1カ月試してみた。
リム:「ワン x ワン(One x One)」プロジェクトといって、私は科学者やエンジニアとタッグを組んで、洋服やアクセサリーに用いられるプラスチックに替わる素材を共同開発・試作している。100%海藻から作られる新しい素材で、太陽光によって光合成を行うので燃料などを使う必要がなく、余計な二酸化炭素も出さない。また2020年春夏から「3.1 フィリップリム」で使うプラスチックやプラスチック袋をリサイクルかつ生分解性のものにしている。包装ボックスも必ずリサイクルし、配送もなるべくコンパクトにして輸送に関わるエネルギーを削減しようとしている。
コロナパンデミックによる売り上げ激減で日銭が止まり世界中の小売業者が資金繰りに窮しているが、早々と破綻に瀕しているのはコロナ以前から財務状況が逼迫していた企業だ。ニーマン マーカス グループ(NEIMAN MARCUS GROUP)とJ.クルー(J.CREW)の場合はマネーゲームの果ての自滅と言ったら厳しすぎるだろうか。
価格重視なら、送料込みがデフォルト化している「メルカリ」に軍配が上がりますが、僕が欲しいのは“MADE IN USA”など男好きする希少価値の高いものなので、「ヤフオク!」の方が充実している傾向があります。それに、ものによっては“えっ、こんな価格設定でいいの!?”と心配してしまうような超お買い得品が出品されています。じっくり時間をかけられるのも、リモートワークの恩恵です。
お次は、オックスフォード地のボタンダウンシャツ。1986年にニューヨークで創業した「B.D.バギーズ(B.D.BAGGIES)」の“MADE IN USA”です。美品を「ヤフオク!」で450円で落札しました。送料が250円かかったものの、“チリ積も”でたまったTポイントや「ペイペイ(PayPay)」が使えたので実質200円ほどの買い物でした。やや肉厚な生地使いやボクシーなシルエット、決して上手とは言えない縫製など、とてもアメリカらしくて気に入っています。
安藤大春(あんどう・おおはる)/「ミドラ」デザイナー:東京都生まれ、早稲田大学卒業。1997年にファッションブランド「ドッペルゲンガー」をスタートさせ、東京コレクションでファッションショーを行う。その後、「レスザン」を発表。大手アパレル会社でのデザイナーを経て、2015年春夏に「ミドラ」をスタートさせる PHOTO : KAZUSHI TOYOTA
エリザベス女王とティアラの歴史 LIDIA MOORE / WWD & REX / SHUTTERSTOCK (c) FAIRCHILD PUBLISHING, LLC
イギリスのエリザベス女王(Queen Elizabeth II)は4月21日、94歳の誕生日を迎えた。女王を象徴するのは、膨大なティアラのコレクション。その多くは100年以上前から英国王室にあり、最もよく着用しているものは祖母から受け継いだ。そして、コレクションの中には、ユージェニー・オブ・ヨーク王女(Princess Eugenie of York)やケンブリッジ公爵婦人キャサリン妃(Duchess of Cambridge, Kate Middleton)といった孫や義孫の結婚式の際に貸し出したものもある。67年に渡る在位の中で着用したティアラの数々を振り返る。
ガールズ・オブ・グレート・ブリテン&アイルランド・ティアラ(Girls of Great Britain and Ireland Tiara)
また、希少価値の非常に高いそのルビーは、2008年からジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)元米大統領によるミャンマーへの制裁の一環として米国への輸入が禁止されていたが、16年にバラク・オバマ(Barack Obama)前米国大統領によって解除されたという歴史がある。こうした背景の中、エリザベス女王が昨年、バッキンガム宮殿で開かれたドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領との晩餐会の際に着用したことは、話題を集めた。
JY:あと、SNSから火が付いたハンガリー・ブダペスト発のブランド「ナヌーシュカ(NANUSHKA)」も今後に期待したいブランドです。価格帯は他のコンテンポラリーブランドと同じくらいですが、どこかノスタルジックな雰囲気とサステナブルな考えを取り入れているのが魅力的。2020-21年秋冬は、エコール・デ・ボザール(Ecole des Beaux-Arts)という美術学校でミニショー形式のプレゼンテーションを行いました。会場内にはクラフト感のあるアートピースやヴィンテージライクの調度品を並べるという見せ方も上手ですし、ウエア、バッグ、シューズと幅広いアイテムを手掛けているので世界観もしっかり確立されている。最近では、その世界観を共有するメンズもスタートさせました。聞くところによるとベンチャーキャピタルから投資を受けているらしく、ここまでできているのは資金的な裏付けもあるからかと納得。