こうした中で私たちのような団体は、情報や知識をシェアするだけではなく、ポジティブな変化やよいニュースを発信する重要な役割もある。「アースデー(Earth Day)」の4月22日、私たちはインスティチュート・オブ・ポジティブファッション(Institute of Positive Fashion)の新しいウェブサイトを立ち上げた。狙いは、内側からポジティブな変化を起こすためのツールや解決方法を企業に身につけてもらうこと。環境、コミュニティー、クラフツマンシップという3つの分野にまたがるビジネスのツールとリソースとして、すべての人に無料で開放している。
今回のプロジェクトに賛同してくれた人気ヘアサロン「シャチュー(SHACHU)」、「ゴールド(GOALD)」、「ラフ フロム ガーデン(Laf from GARDEN)」「アース(EARTH)」、「レコ(LECO)」の5サロンにはプロジェクトスタートを前に、「#部屋WeGo」プロジェクトへの想いを語ってもらうとともに、それぞれのサロンの個性を生かした「#部屋WeGo」なヘアを提案してもらった。身近なものを使用してすぐにできるヘアアレンジ&スタイリングなのでぜひ参考にして、プロジェクトに参加してほしい。
またアプリケーターの多くがプラスチックで出来ており、そのリサイクルも課題のひとつだ。デオドラントのD2C(Direct to Consumer)ブランド「マイロ(MYRO)」は詰め替え式で販売している。従来よりもプラスチックを約50%削減し、100%天然香料。またビーガン処方でグルテンや鉱物油を含まず、臭いの原因となるバクテリアをプロバイオティクスで中和するという。
このような流れから、サンゴ礁に優しい“リーフフレンドリー”を押し出すブランドや製品が登場している。オーストラリアの「エブリデー フォー エブリバディ(EVERYDAY FOR EVERYBODY)」は、海に囲まれた国で生まれた背景からも、サンゴ礁保護に積極的だ。日焼け止めにはオキシベンゾン、オクチノキサート、PABAを使用せず、そのほかパラベンや香料などの成分も不使用だ。国外ではアメリカや香港、シンガポールに配送しており、日本での販売にも期待したい。
オランダ人クチュールデザイナーのイリス・ヴァン・ヘルペン(Iris Van Herpen)は、3Dプリントや3Dデザインテクノロジーを活用したウエアで知られる。毎シーズン、オートクチュール・ファッション・ウイークでショーを行なっているが、2年前からはサイバースペース(コンピューターやネットワーク上の仮想空間)活用の準備を開始。7月に向けて2020-21年秋冬コレクションの制作と同時に、より多くの人がその異世界的なクリエイションに浸れる“没入型バーチャルリアリティー(VR)体験”を手掛けているという。ファッションの感動をデジタルの世界にもたらすことはできるだろうか?彼女が考えるファッションの未来とは?
米「WWD」(以下、WWD):「イリス ヴァン ヘルペン(IRIS VAN HERPEN)」はハイテクなインスピレーションと最先端のテクニックで知られているが、物理的なショーが主なコミュニケーションツールであり続けている。それはなぜか?
コレクションの制作過程 COURTESY OF IRIS VAN HERPEN (c) FAIRCHILD PUBLISHING, LLCコレクションの制作過程 COURTESY OF IRIS VAN HERPEN (c) FAIRCHILD PUBLISHING, LLCコレクションの制作過程 COURTESY OF IRIS VAN HERPEN (c) FAIRCHILD PUBLISHING, LLC
JUN YABUNO:1986年大阪生まれ。ロンドン・カレッジ・オブ・ファッションを卒業後、「WWDジャパン」の編集記者として、ヨーロッパのファッション・ウィークの取材をはじめ、デザイナーズブランドやバッグ、インポーター、新人発掘などの分野を担当。2017年9月ベルリンに拠点を移し、フリーランスでファッションとライフスタイル関連の記事執筆や翻訳を手掛ける。「Yahoo!ニュース 個人」のオーサーも務める。20年2月からWWDジャパン欧州通信員
※1.OMO(Online Merges with Offline):ネットと店舗の垣根を超えた融合を意味し、モバイルフォンをキーツールとしてウェブルーミングとショールーミングを駆使するニューリテール戦略
※2.C2M(Customer to Manufactory):ネットやショールームで受注してからデジタル生産や3Dプリンタで素早く生産して“個客”に届けるパーソナル対応の無在庫販売手法。F2C(Factory to Consumer)ともいうが、個客から生産へという方向に意味があるゆえC2Mと捉えたい
その基準となるのはEUの成分規制とそのデータベース「コーシング(CosIng)」、アメリカのEWG(環境ワーキンググループ、Environmental Working Group)だ。EWGは健康的な環境生活を保護するため、食料や化粧品などの分野で研究、啓発活動を行う非営利団体で、最近では「レブロン(REVLON)」などがEWG認定マークをつけた化粧下地「フォトレディ プライム プラス」を発売した(日本でも発売予定)。多くのクリーンビューティブランドがEWGの基準を参考としている。
ベレッティーニCEO:パリにはベルシャス通りに立派な本社がある。それに、ブランド初のアートプロジェクトでもある「サンローラン リヴ ドロワ(SAINT LAUREN RIVE DROITE)」のブティックや、イヴ・サンローラン美術館(YVES SAINT LAURENT MUSEUM)ではヴァカレロが厳選したベティ・カトルー(Betty Catroux)の展覧会も初めて開催されるなど、ブランドの世界観をパリから海外に向けて強力に発信してきた。
WWD:ベレッティーニCEOはフランスオートクチュール・プレタポルテ連合会(Federation de la Haute Couture et de la Mode以下、サンディカ)の婦人服プレタポルテ組合(Chambre Syndicale de la Mode Feminine)の会長でもある。「サンローラン」がパリ・ファッション・ウイークに不参加となることで、パリの街が持つ世界のファッション業界のリーダー的存在としての魅力に影響が出るかもしれないという懸念はあるか?今回の決定において、連合会との話し合いがあったなら教えてほしい。また、ほかのブランドにとってはどうだろうか?
ウイルスという、目に見えぬ敵と人類が戦い早数カ月。感染拡大を防ぐために不要不急の外出が制限され、1日のほとんどを自宅で過ごすようになり退屈な時間も増えたはずだ。そこで「WWDジャパン」では、ファッションを中心とした業界関係者にご協力いただき、ゆっくり過ごす際や仕事中、自宅で踊るときにおすすめしたい“STAY HOME PLAYLIST(おうち時間用プレイリスト)”の短期集中連載をスタート。いつもの音楽に飽きてしまった耳に絶えず新鮮な音楽を与えるべく、6日連続でお届けする。最終日となる6日目は、3人組HIP HOPグループDos MonosのラッパーTaiTanと、ラップユニットMIRRRORとしても活躍するモデルのMeiのプレイリストをご紹介。
これだけ地球規模の外圧にさらされると、未知の刺激には正直おなかいっぱい。だから最近は、肌に無理なくなじむ曲を聴いてます。今回はその中でも、美しい日本語を味わえる曲に絞って選んでみました(MONG HANGの「Sap Alan On The Tellial」だけ何語か不明ですが、美しいことには変わりありません)。ネットで正論と大喜利ばかり目にしていると身がもたないので、せめて音楽の世界くらいは言葉にほれてみるのはどうでしょう。部屋で、風呂で、寝室で、頭からゆっくり聴いてみてください。
ウイルスという、目に見えぬ敵と人類が戦い早数カ月。感染拡大を防ぐために不要不急の外出が制限され、1日のほとんどを自宅で過ごすようになり退屈な時間も増えたはずだ。そこで「WWDジャパン」では、ファッションを中心とした業界関係者にご協力いただき、ゆっくり過ごす際や仕事中、自宅で踊るときにおすすめしたい“STAY HOME PLAYLIST(おうち時間用プレイリスト)”の短期集中連載をスタート。いつもの音楽に飽きてしまった耳に絶えず新鮮な音楽を与えるべく、6日連続でお届けする。5日目は、フォトグラファーでギャラリーのキュレーターも務める嶌村吉祥丸と、DJでプロデューサーのSEKITOVAのプレイリストをご紹介。
2012年に17歳で自主リリースしたデビューアルバム「premature moon and the shootingstar」をきっかけに、「ウルトラ ジャパン」や「サマーソニック」「フジロック フェスティバル」など日本を代表するフェスに数多く出演。シーンにおいて欠かせないパーツの1人として注目を集めるDJ・プロデューサーである
――好きなジャンルと、最近よく聴いているアーティストおよび楽曲は?
ふざけた顔して真面目な音楽と、真面目な顔してふざけた音楽、あと踊れる曲が好きです。最近は、キング・クルール(King Krule)の「Man Alive!」、デイビッド・オーガスト(David August)の「Reminiscence Of A Jewel」、YAMAANの「幻想区域」です。
JUN YABUNO:1986年大阪生まれ。ロンドン・カレッジ・オブ・ファッションを卒業後、「WWDジャパン」の編集記者として、ヨーロッパのファッション・ウィークの取材をはじめ、デザイナーズブランドやバッグ、インポーター、新人発掘などの分野を担当。2017年9月ベルリンに拠点を移し、フリーランスでファッションとライフスタイル関連の記事執筆や翻訳を手掛ける。「Yahoo!ニュース 個人」のオーサーも務める。20年2月からWWDジャパン欧州通信員
PHOTO : KIM WESTON ARNOLDPHOTO : KIM WESTON ARNOLDPHOTO : KIM WESTON ARNOLDPHOTO : KIM WESTON ARNOLDPHOTO : KIM WESTON ARNOLDPHOTO : KIM WESTON ARNOLDPHOTO : ACIELLE / STYLE DU MONDE
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そして、今や世界の有名ショップ御用達の「ヴァイタルマテリアル(VITAL MATERIAL)」。マスクと同様に困っている消毒用のハンドジェルを使って、プロジェクト開始です。その名も「#CONNECT TO THE FUTURE」。以前から販売する消毒用ハンドジェルと口腔ケア用歯ブラシで、かねてより縁のある人気ブランドやメディア、著名人とコラボ。不足しているアルコール類を多くの方にお届けします。更に販売収益で増産し、保育施設など各施設に寄付するそう。この苦境を共に乗り越えるべく、少しでも社会の役に立ちたいと支援活動を続けるそう。私も、少し参加させていただきました。商品は、各コラボブランドのオンラインと「ヴァイタルマテリアル」のオフィシャルECで、4月28日の正午から5月17日まで受注販売予定です。
ウイルスという、目に見えぬ敵と人類が戦い早数カ月。感染拡大を防ぐために不要不急の外出が制限され、1日のほとんどを自宅で過ごすようになり退屈な時間も増えたはずだ。そこで「WWDジャパン」では、ファッションを中心とした業界関係者にご協力いただき、ゆっくり過ごす際や仕事中、自宅で踊るときにおすすめしたい“STAY HOME PLAYLIST(おうち時間用プレイリスト)”の短期集中連載をスタート。いつもの音楽に飽きてしまった耳に絶えず新鮮な音楽を与えるべく、6日連続でお届けする。4日目は、セレクトショップ「オフショア(OFFSHORE)」のマネージングディレクターで、ビンテージショップ「ラボラトリー/ベルベルジン アール(LABORATORY/BERBERJIN R)」のゼネラルマネージャーも務める的場良平と、DJでPRの須田恒平のプレイリストをご紹介。
ファッション・ウイークの私の密かな楽しみといえば、バックステージでのつまみ食い調査です。2020-21年秋冬シーズンのロンドン・ファッション・ウイーク(以下、LFW)では、3ブランドのケータリングを勝手に取材してきました。前回は、調査を行なった4ブランド全てがイギリスのチェーン店「プレタ マンジェ(PRET A MANGER)」のケータリングという結果に拍子抜けし、「今季も同じ結果だったら記事化はできない……」なんて不安もありましたが、こうして記事を書いているということは……そうです、ケータリングに変化がありました(パチパチ)。前シーズンと同じブランドもありましたが、クオリティーが格段に上がっているブランドを評価しました。
3位(最下位):JW ANDERSON
前回は最高位も、変化が見られず……
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カラーズのライフスタイルブランド「ザ パブリック オーガニック(THE PUBLIC ORGANIC)」の「ホリスティック精油ディフューザー」は、精油の働きを科学的に検証したシリーズだ。「スーパーポジティブ」は、イランイランやゼラニウムの優美な甘さと、フランキンセンスのウッディーな香りがバランス良く調和した一品。この香りを嗅ぐと、幸福感をもたらすオキシトシンとβエンドルフィンの分泌量が増加するという。室内を満たす樹木のような深みと、華やかな甘みを両立した香りは、名前の通り前向きな気分へと誘ってくれるはず。
ウイルスという、目に見えぬ敵と人類が戦い早数カ月。感染拡大を防ぐために不要不急の外出が制限され、1日のほとんどを自宅で過ごすようになり退屈な時間も増えたはずだ。そこで「WWDジャパン」では、ファッションを中心とした業界関係者にご協力いただき、ゆっくり過ごす際や仕事中、自宅で踊るときにおすすめしたい“STAY HOME PLAYLIST(おうち時間用プレイリスト)”の短期集中連載をスタート。いつもの音楽に飽きてしまった耳に絶えず新鮮な音楽を与えるべく、6日連続でお届けする。3日目は、東京を拠点に活動するモデルのきなりとシャラ ラジマの2人のプレイリストをご紹介。
ウイルスという、目に見えぬ敵と人類が戦い早数カ月。感染拡大を防ぐために不要不急の外出が制限され、1日のほとんどを自宅で過ごすようになり退屈な時間も増えたはずだ。そこで「WWDジャパン」では、ファッションを中心とした業界関係者にご協力いただき、ゆっくり過ごす際や仕事中、自宅で踊るときにおすすめしたい“STAY HOME PLAYLIST(おうち時間用プレイリスト)”の短期集中連載をスタート。いつもの音楽に飽きてしまった耳に絶えず新鮮な音楽を与えるべく、6日連続でお届けする。2日目は、不定期に合同の音楽イベントを開催している「ダイリク(DAIRIKU)」の岡本大陸デザイナーと、「シュガーヒル(SUGARHILL)」の林陸也デザイナーのプレイリストをご紹介。
国や地域や年代を問わず、主にロックバンドの音楽を聴きます。それと友人の音楽ですね。最近は、アレックス・ターナー(Alex Turner)によるテーム・インパラ(Tame Impala)の「Feels Like We Only Go Backwards」のカバー、マック・デマルコ(Mac DeMarco)のKEXPでの「Still Together」、踊ってばかりの国の「全感覚祭 2018」でのライブをユーチューブでよく観ています。
第53回は、レディー・ガガ(Lady Gaga)が登場。ガガは世界保健機関(WORLD HEALTH ORGANIZATION、WHO)や「グローバル・シチズン(Global Citizen)」と連携して「ワン・ワールド:トゥギャザー・アット・ホーム(One World: Together At Home)」と題したバーチャルコンサートを企画した。現地時間の4月18日に行われた同コンサートにはガガ以外にも多数の有名アーティストが出演し、テレビや各種SNSでもライブストリーミング配信された。新型コロナウイルスと闘う世界中の人びとをエンターテインメントで勇気づけたガガだが、今回はそんな彼女の印象的なファッションの数々を米「WWD」がジャッジする。
向千鶴(以下、向):「トム ブラウン(THOM BROWNE)」のBGMがすごくポジティブで、今季のキーワードである“ラブ”を象徴していたよね。サミー・デイヴィスJr. (Sammy Davis Jr.)の「Beautiful Things」やニナ・シモーン(Nina Simone)の「Here Come the Sun」、そしてフィナーレはビートルズ(The Beatles)バージョンの「Here Comes the Sun」ととてもロマンチックだった。前回の「ディオール(DIOR)」もフィナーレがビートルズの「Across the Universe」で、苦難屈強の中で戦って勝ち取る平和の象徴としてビートルズの曲が使われることが増えているのかも。
藪野:デザイナーの青春時代の曲といえば、「ジュンヤ ワタナベ・コム デ ギャルソン(JUNYA WATANABE COMME DES GARCONS)」は説明不要なくらいブロンディ(Blondie)でしたね。ショーの冒頭は無音の演出でしたが、その後は「Heart Of Glass」や「Call Me」などブロンディのヒットナンバーが続きました。ヘアメイクのブロンドヘアと赤リップもまさにボーカルのデボラ・ハリー(Deborah Harry)で、アクセサリー感覚でつけるハーネスなど、服もロックなイメージ。ブロンディということは70年代末〜80年代初めですが、まさに渡辺淳弥さんが若い頃に聴いていた曲なのでしょうね。
そして、僕のベストは、「ヴァレンティノ(VALENTINO)」のビリー・アイリッシュ(Billie Eilish)。実は全部通して聴いたのは初めてかもというくらいちゃんと聴いたことがなかったのですが、気になるダークな雰囲気の曲をシャザムでチェックすると大体出てくるのはビリーの曲。「ヴァレンティノ」は弦楽器の生演奏とビリーの「all the good girls go to hell」などの音源を融合させていてすごくエモーショナルでした。
前回に続き終末後の世界を描いた「マリーン セル(MARINE SERRE)」もダークでしたね。BGMは、コレクションの着想源になったフランク・ハーバート(Frank Herbert)による小説「デューン/砂の惑星」の一説の朗読。曲ではないのでプレイリストには入れられませんが、その中には「月が友人となり、太陽は敵になる(The moons will be your friends, the suns your enemy)」という一説もあり、「トム ブラウン」の「Here Comes the Sun」とは真逆ですね。
丸山:BGMはソフィア・ボルト(Sofia Bolt)の「Get Out of my Head」。70年代の曲かと思ったら、なんと18年リリースなんですね。パリ出身でロサンゼルスを拠点にするインディーロックミュージシャンで、彼女が家のガレージで行ったイベントに「セリーヌ」のチームメンバーが来て、エディに紹介したのだとか。ショーのわずか3週間前に連絡が来て、2分30秒の曲を22分に伸ばしたそうです。当日会場にも若いミュージシャンの姿が多かったですよね。彼らに話を聞けばエディやチームのメンバーがバンドの“ギグ”に来たそうで。
向:エディが選ぶインディーズの曲って同じフレーズと音を繰り返すものが多いよね。ずっと聴いていると呪術的というか、洗脳されやすくなる気がする(笑)。ずっと同じものを繰り返して染めていくみたいなところは、エディのクリエイションにもあるよね。「セリーヌ」はショーを通じて1曲だけを使っていたけれど、ルックごとに曲が変わった「コム デ ギャルソン(COMME DES GARCONS)」はどう思った?
JUN YABUNO:1986年大阪生まれ。ロンドン・カレッジ・オブ・ファッションを卒業後、「WWDジャパン」の編集記者として、ヨーロッパのファッション・ウィークの取材をはじめ、デザイナーズブランドやバッグ、インポーター、新人発掘などの分野を担当。2017年9月ベルリンに拠点を移し、フリーランスでファッションとライフスタイル関連の記事執筆や翻訳を手掛ける。「Yahoo!ニュース 個人」のオーサーも務める。
ただし暗い側面ばかりではない。「いまこうして世界中の人々が一つの同じ課題を共に乗り超えようとしているという経験は、共感する気持ちを強めている」という。ロックダウンによってソーシャルメディアへのアクセス数が増え、SNSを通した意見交換の機会が増えているということは、「ファッションレボリューションがこれまで進めてきた#WhoMadeMyClothes (#私の服は誰が作ったの?)“” or 『』で括るという運動の声をさらに高め、 ファッションサプライヤーとその労働者たちを保護するよう強く求める絶好の機会」と考えているという。
新型コロナウイルスの世界的感染拡大の影響により、6〜7月に開催予定だった2021年春夏メンズと20-21年秋冬オートクチュール・ファッション・ウイークの中止(ミラノメンズは延期)が発表された。今後2カ月以内に外出制限や渡航制限が緩和されたとしてもソーシャル・ディスタンシング(社会的距離の確保)は長期化するであろうヨーロッパの現状を考えると、物理的なイベントでコレクションを発表するのはまず不可能だろう。また、9〜10月に予定されている21年春夏ウィメンズ・ファッション・ウイークに影響を与える可能性も高い。そんな中、ショーやプレゼンテーションを手掛けるイベント会社は、現状にどう立ち向かうのか?「ディオール(DIOR)」「サンローラン(SAINT LAURENT)」「ジャックムス(JACQUEMUS)」など数多くのブランドをクライアントに抱え、年間100近くのショーやイベントを手掛けるビュロー・ベタック(BUREAU BETAK)の創業者、アレクサンドル・ドゥ・べタック(Alexandre de Betak)に電話インタビューを行った。
JUN YABUNO:1986年大阪生まれ。ロンドン・カレッジ・オブ・ファッションを卒業後、「WWDジャパン」の編集記者として、ヨーロッパのファッション・ウィークの取材をはじめ、デザイナーズブランドやバッグ、インポーター、新人発掘などの分野を担当。2017年9月ベルリンに拠点を移し、フリーランスでファッションとライフスタイル関連の記事執筆や翻訳を手掛ける。「Yahoo!ニュース 個人」のオーサーも務める。20年2月からWWDジャパン欧州通信員
アメリカのウェアウール(WEREWOOL)は、ニューヨーク州立ファッション工科大学(Fashion Institute of Technology、以下FIT)発のバイオベンチャーだ。タンパク質のDNAから色や伸縮性、はっ水性を備えた生分解性の繊維を製造する技術で、スタートアップ企業の登竜門的アワード、H&Mファウンデーション(H&M FOUNDATION)が主催するイノベーションコンペ「グローバルチェンジアワード(GLOBAL CHANGE AWARD以下、GCA)」をこの4月に受賞した。
ウイルスという、目に見えぬ敵と人類が戦い早数カ月。感染拡大を防ぐために不要不急の外出が制限され、1日のほとんどを自宅で過ごすようになり退屈な時間も増えたはずだ。そこで「WWDジャパン」では、ファッションを中心とした業界関係者にご協力いただき、ゆっくり過ごす際や仕事中、自宅で踊るときにおすすめしたい“STAY HOME PLAYLIST(おうち時間用プレイリスト)”の短期集中連載をスタート。いつもの音楽に飽きてしまった耳に絶えず新鮮な音楽を与えるべく、今日から6日連続でお届けする。記念すべき1日目は、「マジックスティック(MAGIC STICK)」の今野直隆ディレクターと、「バル(BAL)」の蒲谷健太郎デザイナーのプレイリストをご紹介。
ヒップホップもテクノも、娘がよく聴いている「アナと雪の女王2」の「Into the Unknown」にテイクオーバーされ、その反動でゴリゴリしたのを聴いています。今回のプレイリストは、仕事に集中するときにヘッドフォンを着けてよく聴く楽曲をまとめました。ヒップホップくらいしか詳しくないですが、詳しくない人が作るプレイリストもおもしろいんじゃないでしょうか?「全然わかってないな」ってたたきはやめてください(笑)。
また、積極的に従業員の話を聞くことは意味のある強固な関係性の構築につながるという。SAPノースアメリカ(SAP NORTH AMERICA)のマット・ローカイティス(Matt Laukaitis)シニア・バイス・プレジデント兼消費産業担当ジェネラルマネジャーは、「聞く力が最も重要」と言い、「経験したことのない状況の中、従業員は不安を抱えながら新しいワーキングスタイルに取り組んでいる。今までのように職場でのコミュニケーションを図れず、自宅に一人で勤務している者も多い。従業員のメンタル面や健康面の状態を見守る必要があるだろう」と述べた。
一方で、昨年1月にパリに新店をオープンしたネクスト・ドア(THE NEXT DOOR)や、若年層とLGBTQIA+に支持されるランセイン(L’INSANE)はターゲットを絞り、オフラインでのコミュニケーションを密にすることで独自路線を見出し、生き残りをかける。開店5周年を迎えたトム・グレイハウンド・パリ(TOM GREYHOUND PARIS)は、ロックダウンを予期して急遽ECサイトを制作し、店舗営業停止日に運営を開始した。今後コンセプトを定期的に変えて編集型のECサイトを展開する予定だ。
コロナショックを機にさまざまな物事が淘汰されていく中で、小売りが生き残っていくために今後求められるのはコミュニティー力とO2O(Online to Offline)だろう。消費者がお金を費やす対象が時間・人・信頼へと変化し、誰が働いているか、誰にお金を落とすか、誰とつながれるかという“人”検索で店を選び、そこで費やす時間が重要視される傾向になると思う。ここでいう“人”とはスタッフだけでなく顧客も含まれ、顧客同士の交流を増やすこともコミュニティー強化に繋がる。つまり小売りは、資本主義ではなく顧客第一主義で消費者と有機的な信頼関係を築くことが、結果的に売り上げへと影響するのではないだろうか。そのヒントを探るためパリの小売各店に調査を行なったが、5月11日までのロックダウン延長が4月13日に決まり、対応に追われる多くの百貨店やセレクトショップから回答は得られなかった。そんな中でも回答してくれたセレクトショップ2店は、新たな可能性を信じて好機へと変えるために挑戦を続けていた。
A.現状を受け入れ、まずは前を向くこと。前例のないさまざまな方法で働き続けることが重要だと思う。先を見据えて、今は世界中の消費者の興味を引くビジュアル作りに注力し、ECサイトがより活発になるようにしたい。ビジュアルのコンセプトは、社会状況や潮流によって変えていく。現在発信しているキーワードは“私たちはパリにいます”“素晴らしい春夏の服を用意しています”“でも自宅に閉じ込められています”といった事実。そこで、パリのアパルトマンのシックで素敵なインテリアをビジュアルに使用して、“Quarantine in Paris(パリの検疫期間)”をテーマにしたコンテンツ作りに成功した。このコンテンツに注目を集まれば、ロックダウン解除後には20年春夏コレクションについてもっと知りたいと、多くの人が実店舗とECサイトに訪れてくれることだろう。
ケインは着想源について「生意気でセクシーな三角ビキニや下着を見かけたところから始まった。三角形は自然界において最も強力な形状であり、“神の目”という意味もある」と語る。三角形はキリスト教絵画において、三位一体を表す一つのシンボルである。ケインは宗教的な内容については言及しないが、BGMで「エデンの園(The Garden of Eden)」のフレーズが繰り返し流れ、プレスリリースにアダムとイブの名称が出てきたことから、三角形はキリスト教の思想とリンクしていると考えられる。
ケリング(KERING)から独立した後のケインは明らかに自信をつけ、独自の世界観を表現できている。アダムとイブが楽園を追放された後のように、ケインは自我を持ち、考え、創造しているのだ。ショーの最後は、女性の官能的な声で「夢こそ地球上で最後の楽園(Dreams are the last paradise on earth)」というフレーズが流れた。ブランドの行く末が楽園か失楽園かを決めるのは、彼の夢にどれくらいのエンドユーザーが追随するかにかかっている。
A.2月末のミラノコレクションでロックダウン寸前のイタリアに滞在していたため、パリコレ中に予定していた撮影が数件キャンセル(帰仏後、2週間隔離を求めるクライアントの分のみ)。日本やアジアからのクライアントも全てキャンセルになった。新型コロナウィルス収束までの撮影の見通しがなく、5〜6月に予定されていた「カンヌ国際映画祭(Cannes Film Festival)」や全仏オープンの仕事は延期となり、6月のパリメンズもキャンセルになった。
同氏は2015年に名門セント・マーチン美術大学(Central Saint Martins)を卒業後、自身が学生時代に主催していたクラブイベント「ラバーボーイ」を冠したブランド名で16年春夏シーズンにコレクションデビューを飾った。17年には英国ファッション協議会(British Fashion Council)による若手デザイナー支援プログラム「ニュージェン(NEWGEN)」にグレース・ウェールズ・ボナー(Grace Wales Bonner)やリチャード・マローン(Richard Malone)、ニコラス・デイリー(Nicholas Daley)らとともに選出されると、ロンドンメンズの中でも存在感を徐々に増していく。祖国であるスコットランドの民族衣装からロンドンのパンク、ユースカルチャーまでを縦横無尽に取り込んで自らのストーリーに落とし込んだコレクションは、ほかにはない振り切った強さがある。「ニュージェン」の同期に比べると、プロダクションやビジネス面では正直なところまだ発展途上ではあるものの、天衣無縫な人柄と破天荒なクリエイションは、同質化が危惧される昨今のファッション界において唯一無二の個性であることは間違いない。少し大げさかもしれないが、ファッションを通じて混沌とした世界を明るい未来へと導く力を秘めていると思う。1月のロンドンメンズで20-21年秋冬コレクションを披露した直後に、ブランド立ち上げから将来についてまでを聞いた。
ジェフリー:今回は、故郷スコットランドのオークニー諸島とグラスゴーへのリサーチの旅から着想を得たんだ。オークニー諸島の一つであるサウス・ロナルドジー島の小さな町を訪れた際に馬の祭りをやっていて、小さな子どもたちが馬に扮して砂浜を掘り起こしながら、人間と自然の関係を祝っていたのが興味深くてね。その後、グラスゴー美術学校(Glasgow School of Art)で見た、芸術家のメアリー・マクドナルド・マッキントッシュ(Mary McDonald Macintosh)の衣装や、スコットランド人画家のジョン・バーン(John Byrne)がリーゼントヘアのテディ・ボーイ(1950~60年代の不良少年の呼称)を描いた作品にも影響を受けたかな。これらをミックスした世界観を見てもらいたかったんだ。
労働者の人権問題に取り組む米国の非政府組織(NGO)「ワーカーズ・ライツ・コンソーシアム(The Worker Rights Consortium以下、WRC)」は、縫製産業の労働環境を調査する「センター・フォー・グローバル・ワーカーズ・ライツ(Center for Global Workers’ Rights)」と提携し、サプライヤーに対するアパレル企業などの支払い状況を追跡した。WRCは、「危機的な状況が続く中で、ブランドや小売店が苦境に陥っていることは理解している。しかし、だからといってサプライヤーや労働者に対する義務を放棄していいことにはならない」とコメントした。
調査の結果は以下の通り。
【支払いをすると約束している企業】
アディダス(ADIDAS)、ナイキ(NIKE)、H&Mヘネス・アンド・マウリッツ(H&M HENNES & MAURITZ)、「ザラ(ZARA)」を展開するインディテックス(INDITEX)、「カルバン・クライン(CALVIN KLEIN)」や「トミー ヒルフィガー(TOMMY HILFIGER)」を擁するPVHコープ(PVH CORP)、キアビ(KIABI)、「ユニクロ(UNIQLO)」などを擁するファーストリテイリング、マークス&スペンサー(MARKS & SPENCER)、ターゲット(TARGET)
なお「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」「ティンバーランド(TIMBERLAND)」「ヴァンズ(VANS)」などを擁するVFコーポレーション(VF CORPORATION)もこのリストに掲載されているが、本当に支払いがされるのかについてサプライヤーから疑念の声が上がっているとの注釈が付けられている。
アソシエイテッド・ブリティッシュ・フーズ(ASSOCIATED BRITISH FOODS)が展開する激安店のプライマーク(PRIMARK)も、当初は契約の不可抗力条項を適用して支払いを拒否しようとした。しかし多方面から厳しく批判されたことを受け、15億ポンド(約2010億円)相当の納品済みの商品と、3億7000万ポンド(約495億円)相当の生産中の商品に対する支払いをすると発表した。同社はバングラデシュやカンボジアなどの縫製工場の労働者に対する賃金支払いを支援する基金を設立することも発表したが、各国の支援策を考慮して補償額を調整するとしたため、「分かりにくい」と新たな批判を招いている。
「パトゥ」2020-21年秋冬コレクションのルックブック PHOTO : KIRA BUNSE「パトゥ」2020-21年秋冬コレクションのルックブック PHOTO : KIRA BUNSE「パトゥ」2020-21年秋冬コレクションのルックブック PHOTO : KIRA BUNSE「パトゥ」2020-21年秋冬コレクションのルックブック PHOTO : KIRA BUNSE「パトゥ」2020-21年秋冬コレクションのルックブック PHOTO : KIRA BUNSE「パトゥ」2020-21年秋冬コレクションのルックブック PHOTO : KIRA BUNSE「パトゥ」2020-21年秋冬コレクションのルックブック PHOTO : KIRA BUNSE「パトゥ」2020-21年秋冬コレクションのルックブック PHOTO : KIRA BUNSE
そんな時代に即したさまざまな取り組みを行う「パトゥ」は、数々のラグジュアリーメゾンを擁するLVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON)の傘下にある。しかし、そのブランディングは他のメゾンとは大きく異なる印象だ。コレクションの発表方法にしても、大きなランウエイショーではなく、シテ島にあるメゾンのオフィス兼アトリエでのプレゼンテーションを選んでいる。その理由は「ブランドのバックステージを見せるため」とアンリ=アーティスティック・ディレクター。「裏側を見せるのは刺激的だし、大掛かりなセットは必要不可欠ではない。言ってみれば、自分の家に皆を招待して食事をするような感覚だ」と続ける。その言葉通り、「パトゥ」にはアットホームな心地よさがある。今後についても「大きなブームを起こす必要はない。ステップ・バイ・ステップでブランドの魅力を広げ、成長させていきたい」と、業界のスピードに踊らされることなく慎重に歩みを進めていくようだ。
JUN YABUNO:1986年大阪生まれ。ロンドン・カレッジ・オブ・ファッションを卒業後、「WWDジャパン」の編集記者として、ヨーロッパのファッション・ウィークの取材をはじめ、デザイナーズブランドやバッグ、インポーター、新人発掘などの分野を担当。2017年9月ベルリンに拠点を移し、フリーランスでファッションとライフスタイル関連の記事執筆や翻訳を手掛ける。「Yahoo!ニュース 個人」のオーサーも務める。20年2月からWWDジャパン欧州通信員
今回は、昨年までロンドン芸術大学(University of the Arts London)のロンドン・カレッジ・オブ・ファッション(London College of Fashion)で学長を務め、昨年秋にゴールドスミス大学(Goldsmiths)の副学長に就いたフランシス・コーナー(Frances Corner)教授に聞く。
※1.OMO(Online Merges with Offline):ネットと店舗の垣根を超えた融合を意味し、モバイルフォンをキーツールとしてウェブルーミングとショールーミングを駆使するニューリテール戦略
※2.C2M(Customer to Manufactory):ネットやショールームで受注してからデジタル生産や3Dプリンタで素早く生産して“個客”に届けるパーソナル対応の無在庫販売手法。F2C(Factory to Consumer)ともいうが、個客から生産へという方向に意味があるゆえC2Mと捉えたい
古田泰子による「トーガ(TOGA)」は2月に開催されたロンドン・ファッション・ウィークで、2020年-21年秋冬コレクションを発表した。会場として選んだのは、かつてビール醸造所だった施設オールド・トルーマン・ブルーワリー(The Old Truman Brewery)内にある倉庫のような広々とした空間。筆者がバックステージに到着したショー開始1時間前にはリハーサルもすでに終えていた。メイクアップとヘアスタイリングを済ませたモデルたちは楽しそうに踊っており、時間にも心にも余裕のある和やかな雰囲気だった。メイクを手掛けた伊藤貞文「NARS」グローバルアーティストリーディレクターは、最後のリタッチを加えている。ヘアを担当した高橋詩織はコーンロウのヘアスタイルに時間がかかっていたようで、本番ギリギリまでほぼ付きっきりであった。そこに古田デザイナーの姿は見当たらない。彼女はランウエイで、最終的な会場内の調整を行っていたようだ。
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たとえば、国内では「サカイ(SACAI)」「レリアン(LEILIAN)」「メディコム・トイ(MEDICOM TOY)」などが「ジョア」を導入。海外はラグジュアリーブランドがズラリと並ぶ。「ロエベ(LOEWE)」「ベルルッティ(BERLUTI)」といったLVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON )傘下のブランドに加え、ケリング(KERING)、リシュモン(RICHEMONT)といったコングロマリットも導入済みだ。ラグジュアリーのイメージが強いが、一方で国内では大手バッグメーカーが導入するなど、ジャンルも裾野も広げている。
新型コロナウイルスの影響で多くのアパレル企業が店舗を休業せざるを得ず、苦境に陥っている。大手コンサルティング会社のマッキンゼー・アンド・カンパニー(McKINSEY & CO.)が発表したリポート「危機的な状況下における北米アパレル業界の見通し(Perspectives for North America's Fashion Industry in a Time of Crisis)」によれば、この危機を乗り切るためには従業員を守り、手元資金を確保し、在庫を確認してサプライチェーンを見直し、デジタル化を推進し、消費者とのつながりを維持することが重要だという。以下にその詳細と、中長期的な展望を紹介する。
オンラインコースプラットフォーム「フューチャー ラーン(Future Learn)」には、この記事でも紹介されたフランスの服飾学校、IFM(Institut Francais de la Mode)による、サイモン・ポート・ジャックムス(Simon Porte Jacquemus)やシドニー・トレダノ(Sidney Toledano)LVMHファッショングループ(LVMH FASHION GROUP)会長兼CEOらも登壇するコース「Understanding Fashion: From Business to Culture」のほか、ロンドン・カレッジ・オブ・ファッション(London College of Fashion)とケリング(KERING)が共同で制作したサステナブルファッションに特化したコース「Fashion and Sustainability: Understanding Luxury Fashion in a Changing World」が公開されている。この2つのコースは受講開始から数日間(コースによって異なる)は無料で動画を見ることができる。
世界中の大学や機関と協力してオンラインコースを提供している「コーセラ(Coursera)」では、ニューヨーク近代美術館(The Museum of Modern Art, New York、MoMA)が「Fashion as Design」というコースを提供している。世界中から収集した70以上の生地やアクセサリーを通して、人々が何をなぜ着て、どう作られているのか、服は何を意味するのかなどをデザイナーや歴史学者から学ぶことができる。また、イタリアのボッコーニ大学(Universita Bocconi)は、「Management of Fashion and Luxury Companies」というコースを提供している。このコースはファッションは何か?という基礎をはじめ、ラグジュアリーファッション企業からファストファッション企業のビジネスモデルやマネジメントなどをケーススタディ形式で学べる。「コーセラ」は最初の1カ月間が無料で、購読解除はいつでも可能だ。
「コンバース トウキョウ × ミュベール(CONVERSE TOKYO x MUVEIL)」のスカートは、レース仕立てでエアリーなたたずまい。透け感のおかげで、グリーンの爽やかさがさらにアップ。ジャケットとパーカでプレッピー風にアレンジしました。カーキの「コンバース」で軽快な足元に整えています。フェミニンなスカートと、ストリート寄りのパーカがずれ感を引き出しています。
ファッションやテキスタイルにおけるサステナブルデザインを定義づけ、その方面の研究の第一人者として知られるケイト・フレッチャー(Kate Fletcher)=ロンドン芸術大学(University of the Arts London)のサステナブルファッションセンター(Centre for Sustainable Fashion)教授にメールインタビューを行った。
また、同社が19年5月に導入した、3Dボディースキャナーを使って自分で計測できるサービス「ワコール 3D スマート アンド トライ(WACOAL 3D SMART&TRY)」は、現在8店舗に拡大している。4月1日には東京・伊勢丹新宿本店と三越銀座店、25日には鹿児島の山形屋、29日には伊勢丹新潟店に導入予定だ。今年3月末までの計測者は約1万5000人で、最初に導入した東急プラザ表参道原宿では20〜30代前半の客が65%以上を占めている。対面して採寸する恥ずかしさや試着の煩わしさを軽減することを目指したサービスだったが、「計測後は『ブロの意見やアドバイスが欲しい』という声が多く、予想以上に対面接客が求められている」という。それは、フィットネスにおけるパーソナルトレーナーの人気やナイトブラ(就寝時用ブラ)のヒットからも分かるように、幅広い年齢層でボディメイクやバストメイクへの関心が高まったためで、それらに対してよりパーソナルなアドバイスが求められていることが分かる。
「トリンプ・インターナショナル・ジャパン(TRIUMPH INTERNATIONAL JAPAN以下、トリンプ)」は3月4日から「メジャーフォーミ―(#measure4me)たかが下着が、わたしを変える」というキャンペーンを開始している。“正しいブラジャーをつけることは、ボディーの快適さをもたらし、前向きな気持ちにもつながる”とうたい、かねてから推奨していた年4回のフィッティングをあらためて打ち出して、その大切さをアピールするというものだ。それに伴い、3月12日から東京・六本木ヒルズのヒルズカフェ/スペースで、同社のフィッティングエキスパートが無料採寸するサービスなどを含む体験型ポップアップカフェ「メジャーフォーミ― ポップアップ カフェ(#measure4me POP UP CAFE)」をオープン予定だったが、新型コロナウイルス感染予防のために開催は中止になった。
1998年からLVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)の傘下にある「ジバンシィ」だが、さまざまなタイプのデザイナーらがこの数カ月間にLVMHからアプローチを受けたことを明かしており、水面下での動きがあったようだ。同ブランドはこの件について一切コメントしていないが、情報筋によると新デザイナーとの契約はまだ締結されていないという。
英国人デザイナーのクレアは、2018年にメーガン・マークル(Meghan Markle)=サセックス公爵夫人(メーガン妃)のウエディングドレスをデザインし、18年にロンドンで開催された「ザ ファッション アワード(The Fashion Awards)」では「ブリティッシュ・デザイナー・オブ・ザ・イヤー・ウィメンズウエア(British Designer of the Year Womenswear)」を受賞した。また、米雑誌「タイム(TIME)」が19年に選出した“世界で最も影響力のある100人”にも名を連ね、ブランドと共に彼女自身も大きな注目を集めた。
クレアは「ジバンシィ」のアーティスティック・ディレクターへの就任直後に、それまで在籍していた「クロエ(CHLOE)」での6年間について、「本当にやりたいことができたわけではなかった」と明かしている。クレアは「クロエ」で手掛けたコレクションでも大きな支持を獲得しており、ブランドの勢いを回復させるなど確かな実績を残している。なお、11年に「クロエ」に入る以前は、「プリングル オブ スコットランド(PRINGLE OF SCOTLAND)」でデザイナーを6年間務めていた。
ジャスティン:もちろん、自信満々ではないですよ(笑)。日本語はまだまだですし。「シェルター」で「アズール バイ マウジー(AZUL BY MOUSSY)」のメンズ服を売っていたときは、うまくいかなくて不安な日々が続きました。でもある日対応したお客さまが、わざわざSNSで僕を見つけてお礼のメッセージをしてくれて、折れかけた心を立ち直らせてくれました。今はウイルスのせいでこんな状況だけれど、店舗研修をしているときは中国、米国、などからの外国人客はすごく増えていることを肌で感じ、バロックがグローバルに戦える企業だと確信しました。休みの日には、大学のプログラミングマーケティングを学び直すために教科書を広げています。早く活躍できるよう、新しい知識も取り入れながら、自分をどんどんアップデートさせていきたいですね。
ドイツ発ラグジュアリーライフスタイルブランド「MCM」の2020年春夏コレクションは、“From Munich Disco To Berlin Techno”がテーマだ。これは、1976年のブランド誕生から現在までの音楽史の重要な瞬間を称えながら、ブランドの軌跡をたどるというもの。「MCM」のダーク・ショーンベルガー(Dirk Schonberger)グローバル・クリエイティブ・オフィサーは、ミュンヘンのディスコ全盛期のスタイルやルックス、テクスチャー、ムード、アティチュードなどを、現在のベルリンで見られるコンテンポラリーなアートシーンやクラブカルチャーのスタイルに落とし込んだ。そんな「MCM」の最新コレクションから今回ピックアップするのは、ヘリテージやクラフツマンシップに根付いたシックなコレクションだ。若者に好まれる従来のパブリックイメージとは一線を画し、バランスと繊細さを兼ね備えたデザインには、モダンな雰囲気さえ漂う。大人のための新しいバッグコレクションを紹介する。
「MCM」は昨年9月に伊勢丹新宿本店本館1階にウィメンズコーナーを、今年2月に同店メンズ館1階にメンズコーナーをオープンした。“ヴィセトス”を落ち着いたカラーリングに落とし込んだ上品なアイテムをセレクトするほか、「フェノメノン」とのコラボレーションライン“MCM バイ フェノメノン(MCM BY PHENOMENON)”の限定トートバッグを販売するなど、ココでしか買えない商品もそろう。ゆくゆくはレディ・トゥ・ウエアのコーナーも出店し、ブランドの世界観を見せていきたい考えだ。
カレラ・クルニク(Carrera Kurnik)=同カルチャー部門エディターは、「スキンケアブランドの『キールズ(KIEHL'S SINCE 1851)』はアンバサダーがメッセージングアプリを使ってフェイシャルケアなどのアドバイスを行い、顧客とのつながりを維持している。インスタグラムでのライブ配信や、ソーシャルメディア上で消費者に参加を呼びかける“○○チャレンジ”などを行うブランドも多いが、いずれも顧客とつながることを目的としている。小さなことでもいいので、消費者の不安や孤独をやわらげるための工夫をすることが重要だ」と説明した。