VIEWS ON WWD U.S.:米「WWD」の翻訳記事から、注目すべきニュースの紹介や記事の面白さを解説するメールマガジン。「WWDジャパン」のライセンス元である米「WWD」は1910年から続くファッション業界専門紙。世界中のデザイナーや企業のトップと強く繋がっており、彼らの動向や考え、市場の動きをいち早く、詳しく業界で働く人々に届けています。
2020年春は、各社から日焼け止めが多く発売される。製品は「WWDビューティ」1月30日号の「2020年春夏スキンケア特集」で詳しく紹介しているが、今季は“(一部の)光を通す”「B.A」の日焼け止めだったり、既存の日焼け止めの8分の1の薄さをかなえた「イヴ・サンローラン(YVES SAINT LAURENT)」の日焼け止め、多様化するニーズに合わせ4種の日焼け止めを発売する「コスメデコルテ(DECORTE)」など、進化したUVケアアイテムが登場する。近年の日焼け止めは紫外線のみならず、環境汚染物質やブルーライトもカットするような多機能タイプが当たり前になりつつあるが、そういった“多機能UVケア”が多く登場するのは、消費者のUVケアに対する意識の向上およびニーズの多様化が背景にある。
スポーツアパレルのゴールドウインは、19年3月期の連結業績が売上高で前期比20.6%増の849億円、経常利益で同65.7%増の129億円だった。9期連続の増収、5期連続の経常増益と右肩上がりだ。「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」を主力にしたアウトドア事業が安定的に成長している。20年3月期は業績予想を3度も上方修正した。
2020年「グラミー賞」で「シャネル」を着用したマギー・ロジャース DAVID FISHER / SHUTTERSTOCK (c) FAIRCHILD PUBLISHING, LLC
最優秀新人賞(Best New Artist)にノミネートされたマギー・ロジャース(Maggie Rogers)は、この日の衣装に「シャネル(CHANEL)」の2014年プレ・フォール・コレクションから星があしらわれたドレスをチョイスし、同ブランドのウオーターボトルというレッドカーペッド・ファッションとしてはすこし意外なアクセサリーを用いてコーディネートを完成させた。
タイラー・ザ・クリエイター(Tyler, the Creator)は、「ゴルフ ル フルール(GOLF LE FLEUR)」のピンクと赤のベルボーイ風スーツを着用し、レッドカーペット上で多くの注目を集めていた。衣装に合わせたピンクのスーツケースの中身はピンクと赤のストライプシャツとブラウンのパンツで、授賞式ではこの服を着用して最優秀ラップ・アルバム賞(Best Rap Album)を受け取った。
香水の輸入販売大手のブルーベル・ジャパンにより昨秋日本に初上陸した仏ライフスタイル・フレグランス「パルファム ドゥ ラ バスティード(PARFUMS DE LA BASTIDE)」。同社が新しいチャネル開拓を模索する中で、日本人のライフスタイル空間に香りを提案する場として郊外型モールに出店が進むコスメティックチェーンに注目し、そこにマッチするライフスタイル・フレグランスをという戦略のもと導入に至った。同ブランドは「アニック・グタール(ANNICK GOUTAL)」をはじめ多くの有名香水ブランドにマーケティングトップとして携わり、ラグジュアリービジネスと国際ビジネスでキャリアを築いた2人によって2014年に南仏プロヴァンスで誕生した。ナチュラルな素材を使ったオードパルファムのほか、キャンドルやホームスプレーを展開。2月19日にはランドリーソープのほか小さいサイズのオードパルファムやキャンドルなどの新商品を発売する。共同設立者2人が多忙な生活を経て行き着いた、“スローライフ・フレグランス”の真髄を聞いた。
「エスト」の「バイオメシスヴェール」は12月にリニューアルした花王の情報発信基地ショップ「ビューティ ベース バイ 花王(BEAUTY BASE BY KAO)」で発売し、体験イベントなどを行ってきた。同ショップの入店客増加にも貢献し、12月の来店者数は前年同月比80%増と好調な滑り出しだという。花王の広報担当者は「花王では現在、ESG(環境・社会・ガバナンス)を根幹に据えた経営戦略のもと、『ファインファイバーテクノロジー』を社会課題解決のためのソーシャルイノベーションのひとつとして位置づけている。同技術は化粧品のみならず、医療領域への展開も視野に入れて研究を進め、将来的にさまざまな商品や顧客サービスなどに応用できればと考えている」と、「ファインファイバーテクノロジー」の今後の可能性に期待を寄せた。
ニューヨークを拠点に活動するデザイナー、エミリー・アダムス・ボーディ(Emily Adams Bode)の「ボーディ(BODE)」が、2020-21年秋冬コレクションを1月18日パリで発表した。パリ・メンズ・ファッション・ウイークに参加するのは前シーズンに続いて2回目。アトランタ出身のボーディは、パーソンズ美術大学(Parsons School of Design)でメンズファッションデザインと哲学を専攻し、「マーク ジェイコブス(MARC JACOBS」と「ラルフ ローレン(RALPH LAUREN)」で経験を積んだ後、16年に同ブランドを始動した。翌年には、メンズウエアの女性デザイナーとしては初めてニューヨーク・ファッション・ウィークに参加。昨年、アメリカファッション協議会(CFDA)による「CFDAアワード」のエマージング・デザイナー賞を受賞するなど、業界が注目するアップカミングなデザイナーである。
今季のテーマは“The Education of Benjamin Bloomstein”と銘打った。彼女の友人であり、コラボレーション相手であるベンジャミン・ブルームステインの学生時代が着想源となっている。プレスリリースには、ブルームステインが小学校から高校までに何度も転校を重ねる度に、それぞれの土地で熱中した趣味などが綴られていた。結局、彼は高校を中退して樹木管理士の下で修行を積み、現在は樹木の家具やオブジェを作るデザインスタジオを主宰している。彼女は、過去のコレクションで幼少期の休暇や祖父母の家の屋根裏部屋での思い出を着想源にするなど、個人的な経験や感情から生まれる服作りを大切するデザイナーである。
ほかにも「シャネル(CHANEL)」や「スック(SUQQU)」「トムフォード ビューティ(TOM FORD BEAUTY)」「ポール & ジョー ボーテ(PAUL & JOE BEAUTE)」などからもマットリップが続々と登場しました。塗り心地も、マットながら乾燥やパサつき、ムラを解決しようと取り組んで処方を工夫しており、使いやすいものが多い印象です。冬のダークカラーのマットリップに抵抗感のある人は、春夏にふんわり感をつくるために取り入れてみてはいかがでしょうか。
ほかにも「シャネル(CHANEL)」や「スック(SUQQU)」「トムフォード ビューティ(TOM FORD BEAUTY)」「ポール & ジョー ボーテ(PAUL & JOE BEAUTE)」などからもマットリップが続々と登場しました。塗り心地も、マットながら乾燥やパサつき、ムラを解決しようと取り組んで処方を工夫しており、使いやすいものが多い印象です。冬のダークカラーのマットリップに抵抗感のある人は、春夏にふんわり感をつくるために取り入れてみてはいかがでしょうか。
「ジャンポール・ゴルチエ」2020年春夏オートクチュール・コレクション GIOVANNI GIANNONI / WWD (c) FAIRCHILD PUBLISHING, LLC
1月22日に仏パリのシャトレ座(Theatre du Chatelet)で、ジャンポール・ゴルチエ(Jean Paul Gaultier)による最後のオートクチュール・ショーが開催された。ゴルチエのショーはファッションとゲストパフォーマーたちが融合したエンターテインメント性溢れるものとして知られているが、現在67歳のゴルチエはこれを最後にランウエイから退く意向で、今回のショーは彼の50年間の歴史を振り返るような内容となった。
ベドロシアンツを筆頭に、ボーイ・ジョージ(Boy George)、ディタ・フォン・ティース(Dita Von Teese)、パリス・ジャクソン(Paris Jackson)、女優のベアトリス・ダル(Beatrice Dalle)、ロッシ・デ・パルマ(Rossy de Palma)、ファニー・アルダン(Fanny Ardant)、シンガー・ソングライターのカトリーヌ・ランジェ(Catherine Ringer)、歌手のミレーヌ・ファルメール(Mylene Farmer)、元祖ディスコクイーンのアマンダ・リア(Amanda Lear)、そして90年代にゴルチエと共にテレビ番組「ユーロトラッシュ(Eurotrash)」を手掛けた司会者のアントワーヌ・ドゥ・コーヌ(Antoine de Caunes)らもステージに登場した。
オーディエンスにはピエール・カルダン(Pierre Cardin)、ニコラ・ジェスキエール(Nicolas Ghesquiere)、クリスチャン・ラクロワ(Christian Lacroix)、クリスチャン・ルブタン(Christian Louboutin)、ドリス・ヴァン・ノッテン(Dries Van Noten)、クレア・ワイト・ケラー(Clare Waight Keller)、イザベル・マラン(Isabel Marant)、ジュリー・ドゥ・リブラン(Julie de Libran)などの有名デザイナーたちの姿もあり、ゴルチエの最後のショーを客席から見守っていた。
ショーはウィリアム・クライン(William Klein)による1966年のフランス映画「ポリー・マグーお前は誰だ?(Who Are You, Polly Maggoo?)」に登場する葬儀のシーンから始まり、ボーイ・ジョージがエイミー・ワインハウス(Amy Winehouse)の楽曲「Back to Black」を熱唱した。80年代初頭に発表され、マドンナ(Madonna)が90年に行った「ブロンド・アンビション・ツアー(Blonde Ambition Tour)」で着用して有名になった円すい形のブラをほうふつとさせる棺が登場するなど、葬儀シーンといえどもゴルチエらしくおふざけのある演出に会場は沸いた。
「ジャンポール・ゴルチエ」2020年春夏オートクチュール・コレクション GIOVANNI GIANNONI / WWD (c) FAIRCHILD PUBLISHING, LLC「ジャンポール・ゴルチエ」2020年春夏オートクチュール・コレクション GIOVANNI GIANNONI / WWD (c) FAIRCHILD PUBLISHING, LLC「ジャンポール・ゴルチエ」2020年春夏オートクチュール・コレクション GIOVANNI GIANNONI / WWD (c) FAIRCHILD PUBLISHING, LLC「ジャンポール・ゴルチエ」2020年春夏オートクチュール・コレクション GIOVANNI GIANNONI / WWD (c) FAIRCHILD PUBLISHING, LLC
チョン:2018年くらいからそういう流れが高まっているのは感じていて、関心もある。とてもサステナブルな考え方だと思うし、今後もいろいろな形を検討していく。すでに取り組んでいるのは、レンタルサービスの「レント・ザ・ランウエイ(RENT THE RUNWAY)」。ドレスはオケージョンニーズが高いし、特に都市部に住んでいる人に比べて地方に住む人はドレスを着る機会が少ないと思うので、レンタルサービスのポテンシャルは高いと感じている。
JUN YABUNO:1986年大阪生まれ。ロンドン・カレッジ・オブ・ファッションを卒業後、「WWDジャパン」の編集記者として、ヨーロッパのファッション・ウィークの取材をはじめ、デザイナーズブランドやバッグ、インポーター、新人発掘などの分野を担当。2017年9月ベルリンに拠点を移し、フリーランスでファッションとライフスタイル関連の記事執筆や翻訳を手掛ける。「Yahoo!ニュース 個人」のオーサーも務める。
筆者が彼らに取材をするのは今回が2度目だ。前回は「第33回イエール国際フェスティバル(33e Festival International de Mode, d'Accessoires et de Photographie à Hyères)」でグランプリを受賞した約2年前。ショー開始1時間前に筆者がバックステージへ入ると、「前にも取材してくれたよね?」と笑顔で挨拶を交わしてくれた。グランプリ受賞からの2年で心情に変化があったかたずねると、「自身のブランドのデザイナー、さらには『ニナ リッチ』を率いる立場として責任感は増したけど、心の内は変わらない。きっと僕らの関係性が何も変わらないからさ」と、少し離れた所に立っていたヘレブラーに目を向けながら答えた。彼らはビジネスパートナーであり、長年の恋人同士でもある。この2年でアントワープからパリへと拠点を移し、現在住居も共にしているという。
ショーが終わり会場の外に出ると路面にも“タビ(TABI)”と「リーボック(REEBOK)」のコラボシューズのピンクの足跡が続いています。たどっていくと近くの「ドーバー ストリート パフューム マーケット(DOVER STREET PAFUME MARKET)」に到着。マルジェラの香水「ミューティニー(MUTINY)」のイベントが開かれていました。と、いった足取りを約1分の動画に収めました。よろしければ臨場感をお楽しみください。
14:00
男性につけてほしい パールのネックレス
「ミキモト(MIKIMOTO)」と「コム デ ギャルソン(COMME DES GARCONS」がコラボレーションして誕生したパールのネックレス7型がお披露目になりました。パールは女性のイメージが強いけれど、これは“男性こそ楽しんで”、というコンセプトのパールです。黒真珠を使ったりスタッズを合わせたりではなく、クラシックなパールのネックレスの印象を残しているところがイイですよね。
ジャンポール・ゴルチエ(Jean Paul Gaultier)の最後のオートクチュールショーは、フランスのテレビ局が事前にニュースで取り上げるなど国民級の注目を集めていました。そしてシャトレ座の幕が上がると舞台にはボーイ・ジョージ(Boy George)を筆頭に有名人が次々登場し、歌あり踊りありで大盛り上がり。さながら紅白歌合戦です。
アマンダ:母からメイクは“Less is more(控えめこそ美しい)”と教わりました。10代の頃マスカラを学校に持って行ったり、バスルームに置いたままにしたら叱られたことを覚えています。母は、マスカラをつけると老けたりませてみえたりするからと言っていました。子ども頃に読んだ本の中で主人公が「リップスティックを手に取ると唇に塗り、家を出た」とあり、その一節はいまでも鮮明に覚えています。つまりそれだけで美しいと感じられるということです。
ヴィクトワール・ドゥ・カステラーヌ(Victoire de Castellane)がデザインする「ディオール(DIOR)」のハイジュエリーは、石や色の組み合わせが独創的でファンタジック。女子のハートをギュッとつかみます。今季は2つの石を対向して配置する「トワ エ モワ(あなたと私)」というセッティングを採用しています。石の並べ方にこんなセンチメンタルな名前をつけるあたりがフランス!
「フィロソフィ ディ ロレンツォ セラフィニ(PHILOSOPHY DI LORENZO SERAFINI)」はブルーのブラウスに、肩ラッフルをあしらったピンクトップスを重ねて、フリルの競演に。デコラティブな上半身とは逆に、レザーのショートパンツでボトムスはフェティッシュ感を強調。甘さを出し過ぎず、スパイスを効かせました。
色味をまとめると、ガーリーでも幼く見えにくくなります。写真2枚目の「ケイト・スペード ニューヨーク(KATE SPADE NEW YORK)」は淡いパープル系で全体を統一するワントーンの装い。ニットトップスの首回りから、ヴィクトリアンブラウスの襟だけをのぞかせ、まるでネックレスのような印象に。ブラウスを目立たせすぎないレイヤードは、着こなしのレパートリーを広げてくれます。
昨年の12月初旬、ヒップホップメディア「HIP HOP DNA」が主催するライブイベントのために、アメリカを代表する若手ラッパーのヴィンス・ステイプルズ(Vince Staples)が来日した。
ヴィンスは、2017年6月に発表した2ndアルバム「Big Fish Theory」が各所で“2017年のラップのベストアルバム”と高い評価を受け、一躍トップアーティストの仲間入りを果たした1993年生まれの若手ラッパーだ。しかし、その実力の一方で大御所ラッパーに対する歯に衣着せぬ発言や、アルコールもドラッグも摂取しないストレートエッジな生活、自身のアンチに対して引退を掛けたクラウドファウンディングの実施、とあるインタビューで「音楽を聴くのが嫌い」と応えるなど、癖の強いアーティストが多いヒップホップシーンの中でも随一の“ひねくれ者”としても知られている。
UAの11月度は増税後の落ち込みから持ち直し
UA’s sales are picking up after slump from tax hike
大手SPA、セレクトショップ、専門店の2019年11月の売上高(既存店ベース)は、気温が下がりきらなかったことで冬物衣料の動きが鈍く、前年実績を割り込んだという企業が目立った。
Among major SPAs, boutiques, and specialist stores, the same-store sales for November 2019 saw a sharp decline compared to the previous year's results. A delay in cooler temperatures this season caused a slump in the sales of winter apparel.
ユナイテッドアローズ(UA)の小売りとECの既存店売上高は前年同月比1.6%増。
The same-store sales of United Arrows (UA), both in-store and online, increased 1.6% compared to last November.
引き続き「オン、オフ兼用できるキレイめカジュアルがウィメンズ、メンズともに売れている」(広報担当者)という。
“Fashionable and casual clothes that can be worn for both business and leisure are still popular among both women and men,” a spokesman said.
高額のダウンアウターなどは増税前の購入が多かったが、ウィメンズは「マウンテンパーカやウールのラップコートが売れており、アウターの動きは悪くはない」。
Much of the expensive outerwear, such as down coats, were purchased well before the tax increase, but women's “mountain parkas and wool wrap coats are still selling well, so the outerwear sales are not looking too bad.”
寒い寒いと身構えていたパリは天候にも恵まれて、自分が滞在した約3日間ほぼ雨が降らず、毎日青空を見る事ができました。雨の予報だった日まで晴れてくれて、それは、まるでパリが歓迎してくれているかのよう。こんなことがあると、余計パリが好きになりますね。パリは今回が3度目。雰囲気や食事など、好きなものも沢山あります。基本ファッション以外では「食べること&飲むこと」が趣味。特にワインがとても好きなので、パリではワインを頂くのも楽しみでした。滞在中は運良くスタッフの方に予約していただき、「アレノ・パリ・オ・パヴィヨン・ルドワイヤン(Alleno Paris au Pavillon Ledoyen)」というミシュラン3つ星のフレンチのお店にも伺うことができました。前菜のトリュフに包まれたサラダから、メインのお肉まで、言葉に表せないほどの美味しさ。ペアリングしたワインも、泡のキメがすごく細かいキリッと冷えたシャンパンからお食事にきちんとマリアージュ。最後のエスプレッソまで全て完璧で、自分にとって最高のご褒美のようなディナーでした。
異分野とファッションをつなげて独特の世界観を切り開いているのが「イリス ヴァン ヘルペン(IRIS VAN HERPEN)」です。今回の着想源はスペインの神経解剖学者サンティアゴ・ラモン・イ・カハル(Santiago Ramón y Cajal)とヒドロ虫。「ってそれ誰で何!?」ですよね。短く説明するのは困難なので興味が沸いた方はぜひ調べてください。そして、もう一度写真や下記の動画を見てください。きっと“なるほど”と思うはず。自然の摂理に則ったものは美しいのです。
「ディオール(DIOR)」のマリア・グラツィア・キウリ(Maria Grazia Chiuli)=アーティスティック・ディレクターはこれまでもショーを通じて、フェミニズムに関係する文学者や芸術家に光を当ててきましたが、今季はアメリカ人アーティスト、 ジュディ・シカゴ(Judy Chicago)にフォーカス。シカゴの言葉“What if Women Ruled the World ?” (もし女性が世界を支配したなら?)をテーマにし、主に会場装飾に取り入れました。ロダン美術館の庭園に立てたまあるいテントは、シカゴの巨大な作品でありインスタレーションという位置づけです。オートクチュールを買いにきた世界の富裕層はきっとシカゴの思想に影響を受けるでしょうし、考えさせられるはず。美と智を伴う壮大なアクションです。
フィナーレで笑顔の観客に迎えれられる井野将之「ダブレット」デザイナー PHOTO : KO TSUCHIYA
井野将之デザイナーの「ダブレット(DOUBLET)」が、2020-21年秋冬コレクションを1月16日パリで発表した。パリ・メンズ・ファッション・ウイークに参加するのは今回が初めて。井野デザイナーはLVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)が若手を支援するために創設した「LVMHヤング ファッション デザイナー プライズ(以下、LVMHプライズ)」のグランプリに18年に輝き、以降LVMHのエキスパートからのサポートを受けてきた。グランプリ受賞から約2年、満を持してのパリコレ参加である。
有名な某ファミレスを再現?
PHOTO : KO TSUCHIYAPHOTO : KO TSUCHIYAPHOTO : KO TSUCHIYAPHOTO : KO TSUCHIYA
「ダブレット」2020-21年秋冬パリ・メンズ・コレクションより PHOTO : KO TSUCHIYA「ダブレット」2020-21年秋冬パリ・メンズ・コレクションより PHOTO : KO TSUCHIYA「ダブレット」2020-21年秋冬パリ・メンズ・コレクションより PHOTO : KO TSUCHIYA「ダブレット」2020-21年秋冬パリ・メンズ・コレクションより PHOTO : KO TSUCHIYA「ダブレット」2020-21年秋冬パリ・メンズ・コレクションより PHOTO : KO TSUCHIYA「ダブレット」2020-21年秋冬パリ・メンズ・コレクションより PHOTO : KO TSUCHIYA
入り口付近の会計スペースを通るとドリンクバーが設置されており、来場者は自由にソフトドリンクやフローズンドリンクをカップに注いで中へと入っていく。ファッションショーの会場というよりファミレスをほぼ完全に再現した空間で、「ウィ・アー・ザ・ワールド(We Are The World)」のBGMとともにランウエイショーが始まった。テーラードジャケットとチャイナシャツをハイブリッドさせたアウターや、ロックシンガー風のコートにバビューシュカが描かれた靴下、フランスマダムが着ていそうなボーダーのニットウエアにエッフェルタワーの刺繍を装飾し、トップスや小物にはアメリカンインディアンの装飾品であるドリームキャッチャーを用いた。とにかく多国籍の要素をミックスさせた風変わりなムードが、ブランドの世界観を凝縮させたようなコレクションである。
あらゆる仕掛けに会場の反応は
「ダブレット」2020-21年秋冬パリ・メンズ・コレクションより PHOTO : KO TSUCHIYA「ダブレット」2020-21年秋冬パリ・メンズ・コレクションより PHOTO : KO TSUCHIYA「ダブレット」2020-21年秋冬パリ・メンズ・コレクションより PHOTO : KO TSUCHIYA「ダブレット」2020-21年秋冬パリ・メンズ・コレクションより PHOTO : KO TSUCHIYA「ダブレット」2020-21年秋冬パリ・メンズ・コレクションより PHOTO : KO TSUCHIYA「ダブレット」2020-21年秋冬パリ・メンズ・コレクションより PHOTO : KO TSUCHIYA「ダブレット」2020-21年秋冬パリ・メンズ・コレクションより PHOTO : KO TSUCHIYA「ダブレット」2020-21年秋冬パリ・メンズ・コレクションより PHOTO : KO TSUCHIYA「ダブレット」2020-21年秋冬パリ・メンズ・コレクションより PHOTO : KO TSUCHIYA「ダブレット」2020-21年秋冬パリ・メンズ・コレクションより PHOTO : KO TSUCHIYA
この後は、仲良しPRに案内していただき、正直、僕が不得意な世界、音楽やカルチャーと密接に関わるストリートの世界を覗いてみました。まずは、「アルケミスト(ALCHEMIST)」。「フィアー オブ ゴッド(FEAR OF GOD)」などのポップアップを開いてきたマイアミのセレクトショップによるブランドは、音楽や建築とリンクしています。2020-21年秋冬コレクションは、世界の悪そうなカンジが大集合。スカルなんて当たり前、刺青風、南米「死者のお祭り」風、どこかのギャング風(笑)など、全身コーディネイトはなかなかコワく仕上がっています(笑)。でもフーディは、肉厚の生地にプリントを重ねたのちにブリーチ。それに1着ずつダメージ加工など、こだわっています。刺しゅうも、えげつないのです。
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「ターク」2020-21年秋冬パリ・メンズ・コレクションより PHOTO : KO TSUCHIYA「ターク」2020-21年秋冬パリ・メンズ・コレクションより PHOTO : KO TSUCHIYA「ターク」2020-21年秋冬パリ・メンズ・コレクションより PHOTO : KO TSUCHIYA「ターク」2020-21年秋冬パリ・メンズ・コレクションより PHOTO : KO TSUCHIYA「ターク」2020-21年秋冬パリ・メンズ・コレクションより PHOTO : KO TSUCHIYA「ターク」2020-21年秋冬パリ・メンズ・コレクションより PHOTO : KO TSUCHIYA「ターク」2020-21年秋冬パリ・メンズ・コレクションより PHOTO : KO TSUCHIYA「ターク」2020-21年秋冬パリ・メンズ・コレクションより PHOTO : KO TSUCHIYA「ターク」2020-21年秋冬パリ・メンズ・コレクションより PHOTO : KO TSUCHIYA「ターク」2020-21年秋冬パリ・メンズ・コレクションより PHOTO : KO TSUCHIYA「ターク」2020-21年秋冬パリ・メンズ・コレクションより PHOTO : KO TSUCHIYA
芦澤:もちろん店長が指導はするが、それよりも自主性に重きを置いている。私たちは「裁量権がある」という言い方をするが、もともと谷の考え方も“ワンショップ・ワンオーナー”。店長がその店舗を経営するオーナーで、スタッフは当然オーナーを支えていく形で自律的に裁量権を持って行動している。若手社員と話していると、自分の力で何かしたいと思っている人が多く、「将来独立したい」「インセンティブである程度の報酬をもらいたい」「最速で店長になりたい」などみんな野望があり、上向きの矢印を感じる。自社の採用ページに「理念を実現する為に数値的な結果に徹底的にこだわる」と明言しているので、“実力主義”もしくは“from JAPAN to the WORLD”という会社の企業理念に魅力を感じて入社してくる人がほとんどだ。社員が最低限これぐらいの金額を取っていきたいという“基準”を掲げているので、必然的にそこを目指す形になっていく。
芦澤:よい意味では競い合いもあるとは思うが、みんなTOKYO BASEを好きなスタッフばかりだ。なので、店のために自分の力を発揮できたという達成感のほうが強く働くスピリッツがある。その企業文化はやはり谷の考え方によるところが大きい。“from JAPAN to the WORLD”というミッションと、あまりオープンにされてないが、“5 VISION”。この2つの会社のコンセプトへの共感と個人の実力主義が両立しているからこそ成り立つ。
2019年8月にオープンした「ステュディオス トウキョウ」上海1号店
WWD:具体的に“5 VISION”とは?
芦澤:「全世界顧客感動」「ファッションプロフェッショナル集団」「NEXT MADE IN JAPAN」「世界10大都市展開」「最速1000億円 EC売り上げ500億円」の5つだ。全世界の顧客に感動を与え、企画、MD、販売など各分野のプロでありたいという意識。そして、ただ日本製というのではなく、どこの生地を使っているなど、よりこだわった商品を次のステージに進化させていきたいと考えている。いずれは日本をはじめ上海、香港、北京、パリ、ロンドン、ニューヨークなど全10大都市に、“NEXT MADE IN JAPAN”の商品を掲げて出店していく。今年も日本はもちろん、海外にも積極的に出店していく予定だ。そして売り上げ最速1000億円、そのうちEC売り上げ500億円が目標だ。
Tohji: 確かにヒップホップはずっと聴いていたけど、「ヒップホップをやろう」って意気込む感じではなかったです。ギターの弾き方やバンドの組み方も分からなかったから、それに比べるとラップは始めるのが簡単だったので自然とこの形になっていました。でも、音作りだけ生真面目にやっていくのは自分的にしっくりこなくて。USでエイサップ・ロッキー(A$AP Rocky)やタイラー・ザ・クリエイター(Tyler, The Creator)が音楽だけじゃなくてファッションとかビジュアルを取り入れる動きをしていて、いろいろな表現をごちゃ混ぜにするのが当たり前になってきてしっくりきました。
そんな強気のイントロダクションで始まる小説「落ちない男」は、2019年12月に「東カレ」のWEB版で連載していたコンテンツ。 シチュエーション別に区切ったストーリー仕立てで旬のレストランを紹介する手法は「東カレ」の十八番と言えるが、「落ちない男」の中でも、恋が始まる舞台として「KEISUKE MATSUSHIMA y Oliva(ケイスケ・マツシマ・イェ・オリーバ)」が象徴的に登場する。通常は「KEISUKE MATSUSHIMA」として営業している人気店だが、連載に合わせて3日間限定で、小説に登場する「KEISUKE MATSUSHIMA y Oliva」としてオープンし、読者イベントが開催された。
「ダブレット」2020-21年秋冬パリ・メンズ・コレクションより PHOTO : KO TSUCHIYA
奇しくも「ターク」とほぼ同時間帯での開催となったのは、2018年の「LVMHプライズ」でグランプリを獲得した「ダブレット」です。会場に着くと、早くも異様なムードが漂っています。入り口横にはなんと、日本のレトロな定食屋のようにラーメンやステーキなどの料理サンプルがウインドウに並んでいます。その時点ですでにワクワクするのですが、会場内に入ってさらに度肝を抜かれました。外観は定食屋なのに、中身は完全にファミリーレストラン仕様だったからです。本物そっくりなメニューが置かれていたり、お菓子コーナーやおもちゃコーナーがあったり、フローズンの機械を設置していたりと、もう爆笑の連続。すでに「ダブレット」ワールドに引き込まれてしまいました。いよいよショーが始まると、BGMの「We Are the World」のしっとりしたイントロの違和感にじわじわきて、笑いすぎて頬が痛くなるほど。とはいえ、演出に服が付いてこなければショーをやる意味はありません。われに返って取材モードに切り替え、真顔でモデルの登場を待ちます。そして10秒後、再び爆笑していました。だってリアルな寿司のプリントや立体になったパンダのウエアやシューズ、くり抜く前のプラモデルを模したバッグやニットなど、これでもかというほどのユーモアが連続したから。でもただ面白いだけではなく、段ボール風の素材はピッグスキンに特殊な加工を施していたり、プラモデルのアイテムは一つ一つのパーツが精巧に計算されて作られていたりとものすごいテクニックで作られているからこそ、なおさら引き込まれます。「ダブレット」チームにしかできない特殊技術をこれ見よがしに主張するのではなく、“笑い”という全世界共通のフィルターを通して表現することで、より共感されて愛される服になる。涙した「ターク」とは一転、多幸感に溢れたショーとなりました——フィナーレを終えるまでは。
J-WAVE(ジェイウェイブ)が毎週土曜日21時からオンエアする「トゥルーム タイム アンド タイド(TRUME TIME AND TIDE)」は、「トゥルーム」がスポンサーを務めるラジオ番組だ。スタートは17年10月で、ナビゲーターはモデルだけでなく雑誌でコラム連載なども行い、鉄道や相撲などのカルチャーにも造詣が深い市川紗椰。毎回、各界をけん引するゲストを招き、“どのような時を歩んできたのか”“この先、どのようなビジョンに向かっていくのか”、過去・現在・未来に迫る。ゲストならではの価値観が明らかになるトークは必聴だ。
<企業データ> 設立年:1988年 従業員数:3538人(2019年8月現在) 年商:618億9300万円(2019年8月期実績) 店舗数:610(グローバル店舗含む/2019年12月) 企業理念:いつもと世界が違って見える。JINSは、そんなきっかけを人々に提供したいと願う。人々の生き方そのものを豊かに広げ、これまでにない体験へと導きたい。だからこそ、私たちはメガネのその先について考え抜き、「あたらしい、あたりまえ」を創り、まだ見ぬ世界を拓いていく。― to Magnify Life
小林真吾(こばやし・しんご)/人事戦略本部 事業統括リーダー:1982年生まれ。Hult International Business Schoolを2015年に卒業後、大手人材会社に入社し、グローバル事業統括部門・事業企画に配属。グループのホールディングスの経営企画に従事した後、ジンズに転職。経営企画室でグループの全体戦略策定に携わり、2019年から現職
PHOTO : KIM WESTON ARNOLDPHOTO : KIM WESTON ARNOLDPHOTO : KIM WESTON ARNOLDPHOTO : KIM WESTON ARNOLDPHOTO : KIM WESTON ARNOLDPHOTO : KIM WESTON ARNOLDPHOTO : KIM WESTON ARNOLDPHOTO : KIM WESTON ARNOLDPHOTO : KIM WESTON ARNOLDPHOTO : KIM WESTON ARNOLD
PHOTO : IKU KAGEYAMAPHOTO : IKU KAGEYAMAPHOTO : IKU KAGEYAMAPHOTO : IKU KAGEYAMAPHOTO : IKU KAGEYAMAPHOTO : IKU KAGEYAMAPHOTO : IKU KAGEYAMAPHOTO : IKU KAGEYAMAPHOTO : IKU KAGEYAMAPHOTO : IKU KAGEYAMAPHOTO : IKU KAGEYAMAPHOTO : IKU KAGEYAMA
JUN YABUNO:1986年大阪生まれ。ロンドン・カレッジ・オブ・ファッションを卒業後、「WWDジャパン」の編集記者として、ヨーロッパのファッション・ウィークの取材をはじめ、デザイナーズブランドやバッグ、インポーター、新人発掘などの分野を担当。2017年9月ベルリンに拠点を移し、フリーランスでファッションとライフスタイル関連の記事執筆や翻訳を手掛ける。「Yahoo!ニュース 個人」のオーサーも務める。
水戸芸術館現代美術センターのキュレーター時代に「拡張するファッション」(2013)などの展覧会を手掛け、現在は香港のCHAT (Centre for Heritage, Arts and Textile)で共同ディレクターを務める高橋瑞木氏が、“アジアのアートハブ”香港発のアートやテキスタイルの新潮流をリポートする。2回目は日本を代表するテキスタイルデザイナー須藤玲子氏の展覧会と香港の抗議活動、そして展覧会の現地での評判について。
日本はお正月休みムードもすっかり抜けて、人々があわただしい日常に戻っているころだろう。しかし、香港は1月末から始まる旧正月を本格的に祝うため、今が師走の時期にあたる。しかし、香港は元英国領だったこともあり、クリスマスの時期も連休になるため、CHATにも多くのファミリーやカップルが訪れ、開催中の日本を代表するテキスタイルデザイナー須藤玲子氏の展覧会「Sudo Reiko: Making NUNO Textiles(邦題:須藤玲子の仕事-NUNOのテキスタイルができるまで)」や、須藤氏のテキスタイルによる鯉のぼりのインスタレーションを満喫した。
迎えた展覧会オープニング当日の11月23日。100匹の鯉のぼりが雄大に空中を泳ぐ下で「Sudo Reiko: Making NUNO Textiles」の幕が開いた。レインボカラーの鯉のぼりが、CHATの会場をめがけて泳いでいく展示構成を手掛けたのは、須藤とフランス、アメリカ、東京など各地でタッグを組んでいるフランス人デザイナー、アドリアン・ガルデール。香港人たちは、早速スマホで記念写真やセルフィーを撮っていた。単に布を展示するだけでなく、その“布ができるまで”にもフォーカスし、デジタル映像やサウンドを駆使した展示は、これまでにない新しいテキスタイルデザインの展覧会だと関係者一同満足している。普段見ることのないテキスタイルデザインと製造の過程を感覚的に学ぶことができ、 NUNOの美しいテキスタイルを間近で見て触れるため、本展は香港の観客に大好評だった。何よりも鯉のぼりのインスタレーションは、日々テレビやパソコンで香港の殺伐とした様子を見てばかりいた香港人にとって、 久しぶりに見る色とりどりの美しい光景だったのだと思う。展示に加えて、CHATのテキスタイルチームは“ワークショップマラソン“と銘打ったイベントを開催。NUNOのテキスタイルを使った手芸のワークショップは大人気で、連日たくさんの人が参加していた。
展覧会が開いて間もなく、恒例のCHAT主催「国際フォーラム」の時期がやってきた。これは香港で毎年12月1週目に開催されるビジネス・オブ・デザイン・ウイーク(Business of Design Week)と同時期に開催されていて、今年で4回目となる。このフォーラムは毎年特定のテーマのもとに10人以上のキュレーター、アーティスト、デザイナーや学者を世界各地から招聘し、それぞれがリサーチやプロジェクトについて発表し、意見を交換するもの。ちなみに2016年に開催された第1回目のテーマは「テキスタイルと女性とテクノロジー」、第2回目は「テキスタイルとコミュニティ、パブリックスペース」、第3回目は「テキスタイルのヘリテージ」、そして19年は「Staging Textiles」。テキスタイルやファッションの展示、プレゼンテーションの方法がテーマだった。20年は「テキスタイルとコンピューター、デジタルテクノロジー」がテーマになる予定だ。
フォーラムにはロサンゼルス・カウンティ美術館(Los Angeles County Museum of Art、通称LACMA)で長年テキスタイルとファッション部門のキュレーターを務めているシャロン・タケダ(Sharon Takeda)氏をはじめ、パリでオートクチュールコレクションを発表している中国人ファッションデザイナー、グオ・ペイ(Guo Pei)の個展をシンガポールのアジア文明美術館で企画したキュレーター、ジャッキー・ユン(Jackie Yoong)氏、日本人若手デザイナーの富永航氏、前回のドクメンタ(DOCUMENTA)の参加アーティストでインディゴの栽培から染め、ファッションデザインまでおこなっているアフリカ・マリのアーティスト、アブバカール・フォファナ(Aboubakar Fofana)氏など、普段は絶対に一堂に会することはない多彩な顔ぶれが集まった(このフォーラムの様子はCHATのYouTube channel から見ることができる)。もちろん、須藤玲子、齋藤精一の両氏はフォーラムの最初のセッションに登壇していただき、須藤氏の展覧会の軌跡とともに、CHATの個展の制作の裏側を話していただいた。
そんなわけで怒濤のように過ぎていった11月と12月。そして気がつけば1月もすでに半ば!「Sudo Reiko: Making NUNO Textiles」の会期は2月23日まで。今の香港は観光客も少なく、通常は宿泊代が高いホテルも格安のパックを売り出している。いつも数時間待ちのピークトラムもほぼ待ち時間なしで乗れる。私は普段は予約がいっぱいのレストランに当日の電話で入ることができた。そして今のところ「Sudo Reiko: Making NUNO Textiles」は日本巡回の予定なし、ということだけはお伝えしておこう。
高橋瑞木(たかはし・みずき)/CHAT(Centre for Heritage, Arts and Textile)共同ディレクター:ロンドン大学東洋アフリカ学学院MAを修了後、森美術館開設準備室、水戸芸術館現代美術センターで学芸員を務め、2016年4月CHAT開設のため香港に移住。17年3月末から現職。主な国内外の企画として「Beuys in Japan:ボイスがいた8日間」(2009)「新次元:マンガ表現の現在」(2010)「クワイエット・アテンションズ 彼女からの出発」(2011)「高嶺格のクールジャパン」(2012)、「拡張するファッション」(2013、以上は水戸芸術館)「Ariadne`s Thread」(2016)「(In)tangible Reminiscence」(2017、以上はCHAT)など
フランス生まれの「ルイ・ヴィトン」は80年代以降、ベルナール・アルノー(Bernard Arnault)LVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)会長兼最高経営責任者(CEO)の指揮下でレザーグッズを中心に世界中へビジネスを広げてきました。1997年にはマーク・ジェイコブス(Marc Jacobs)を起用してプレタポルテを本格スタートしアイテムの幅を拡大。キム・ジョーンズ(Kim Jones)がメンズのアーティスティック・ディレクターに就任(2011年)以降はメンズのビジネスの成長も著しく、現在同職に就くヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)の活躍はご承知の通りです。
そして次は飲食。LVMHのさらなるビジネス拡大の胎動をこのニュースに見ました。LVMHはグループ傘下にワイン&スピリッツのグループを持ち、「モエ・エ・シャンドン(MOET ET CHANDON)」や「ドン ペリニヨン(DOM PERIGNON)」などを有していますが、レストランビジネスはそれとは角度が違う話です。なぜなら、食材という鮮度命の材料が使われ、料理という人の手による仕事が入るから。輸出ビジネスとは異なり、土地土地のシェフや飲食関連企業との協業が重要になります。
お次はオペラ座ガルニエ宮で、「ベルルッティ(BERLUTI)」。パリ一番の観光名所に入ると、鮮やかな花々がズラリ。就任以来、「パティーヌ」と呼ぶメゾン独自の染色技巧をコアバリューにコレクションを組み立てようと、鮮やかな色を連発し続けるクリス・ヴァン・アッシュ(Kris Van Assche)らしいおもてなしです。
パールのような光沢とボリュームのある長袖のスカートドレスにオーバーサイズのファーベストを重ねたスタイルは、テレビドラマ「大草原の小さな家(Little House on the Prairie)」と「宇宙空母ギャラクティカ(Battlestar Galactica)」を足して二で割ったかのようだ。コンセプトは面白いが、アイテム同士が喧嘩してしまっている。ジェニファーはいつもすごく素敵だが、ボリュームを抑えたシルエットに大胆なファー使いをすれば、もっと彼女らしいスタイルに仕上がるだろう。
ルイージ・マーク・ビラセノール(Rhuigi Mark Villasenor)「ルード」ファウンダー兼デザイナーは彼を起用した理由について「髪を切ってもらった時、直感的に『彼だ』と思った。スタイルや目指すものにシンパシーを感じる」と話す。サロンワーカーとして働いてきた森田は、ほかのショーのキーヘアスタイリストに比べると、アーティスティックな作品を手掛ける機会は少なかったものの、確かな技術と高いコミュニケーション力によって、いくつもの仕事を勝ち取ってきた。キーヘアスタイリストとして活躍する彼に、現在に至るまでの道のりや今後についてを聞いた。
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JUN YABUNO:1986年大阪生まれ。ロンドン・カレッジ・オブ・ファッションを卒業後、「WWDジャパン」の編集記者として、ヨーロッパのファッション・ウィークの取材をはじめ、デザイナーズブランドやバッグ、インポーター、新人発掘などの分野を担当。2017年9月ベルリンに拠点を移し、フリーランスでファッションとライフスタイル関連の記事執筆や翻訳を手掛ける。「Yahoo!ニュース 個人」のオーサーも務める。
ショーのBGMは、「We Are the World」。モデルは奥まで行くと、ラーメンとか納豆ごはん、デラックスなお子様ランチ的セットを持ってテーブルまで戻ってきます。フェミレスでは、店員さんが持ってきてくれるケドね(笑)。で、みんなでおしゃべりして大爆笑。おいしいご飯は国境を越える。だから「We Are the World」なのですね(笑)。
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JUN YABUNO:1986年大阪生まれ。ロンドン・カレッジ・オブ・ファッションを卒業後、「WWDジャパン」の編集記者として、ヨーロッパのファッション・ウィークの取材をはじめ、デザイナーズブランドやバッグ、インポーター、新人発掘などの分野を担当。2017年9月ベルリンに拠点を移し、フリーランスでファッションとライフスタイル関連の記事執筆や翻訳を手掛ける。「Yahoo!ニュース 個人」のオーサーも務める。
エマ:以前は違う事務所にいたんですが、海外でアーティストとして活躍するためにはどうしたらいいか悩んでいたら現在のマネージャーと出会う機会があり、13歳から所属することになったんです。それで「1回レコーディングをしてみよう」という話になり、13歳のときに初めてレコーディングしたのが2ndシングルの「Make A Move」でした。3rdシングルの「Who I am」と未発表曲の全3曲を3日でレコーディングしたんですが、当時は自分の音楽が世界に発信されるなんて思ってもいなかったので、今の状況にびっくりしています。デビュー曲の「Can’t Have」はそれからしばらくしてレコーディングしたんですが、「Can’t Have」でデビューしたかったのでわがままを聞いてもらいました(笑)。
英国の世界的ロックバンド、クイーン(QUEEN)の軌跡をたどる展覧会「QUEEN EXHIBITION JAPAN ~Bohemian Rhapsody~Supported」が、1月27日まで日本橋高島屋で開催されている。年代別に展示された衣装は全て本物で、全11着のうち6着は日本初展示。本イベントのために制作された等身大フィギュアのフレディ・マーキュリー像は、最後のツアー“マジック・ツアー”のシーンを再現した。会場奥の1番大きいエリアでは、クイーンを代表する楽曲が躍動感あふれるサウンドと映像で楽しめるライブコーナーを用意する。日本橋高島屋を皮切りに、神奈川・横浜のアソビルで1月30日~3月22日、大阪高島屋で3月25日~4月6日に開催される。
■「QUEEN EXHIBITION JAPAN ~Bohemian Rhapsody~Supported」
入場料:1800円 / 学生1400円
東京を拠点に活動するアーティストDIEGOの個展「I'm looking at you.」が2月5日まで、渋谷パルコにオープンした「OIL by 美術手帖」のギャラリースペースで開催されている。DIEGOは街に落ちていたペットボトルや紙くず、路上で見かけたネズミなど人々が街で普段何気なく目にするモノを、ユーモラスに擬人化、文字化させた抽象絵画を手掛ける。同展は平面作品や木パネルをベースに写真、本、立体などを使ったインスタレーション、映像などを展示している。
■DIEGO 「I'm looking at you.」
日程:1月17日~2月5日
時間:10:00~20:00(9月25日、9月26日、10月21日は17:00閉館)入場は30分前
場所: OIL by 美術手帖
住所:東京都渋谷区宇田川町15-1 渋谷パルコ 2階
休館日:9月24日
入場料:無料
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「江戸東京あかり展 produced by 日本あかり博」
体験型展覧会「江戸東京あかり展 produced by 日本あかり博」が2月9日まで、神田明神文化交流館で開催されている。同展は、「アート」「祭り」「デザイン」「職人」「テクノロジー」といった5つのジャンルが“あかり”を通じて1つになった空間を用意する。アート作品を鑑賞するだけでなく、案内役の演者やゲストによるアート作品への投げかけによって展開するストーリーを進めていくことができ、選択次第で結末が変化する。
■「江戸東京あかり展 produced by 日本あかり博」
日程:2019年12月7日~2020年2月9日
場所:神田明神文化交流館 地下1階 EDOCCO STUDIO
時間:月~木10:00~19:00(最終入場18:30)、金~日10:00~20:00(最終入場19:30)
住所:東京都千代田区外神田2-16-2
休館日:月曜日
入場料:一般 1500円、前売り 1300円、小中高校生 1000円、未就学児無料
ラフォーレ原宿は、着物と振袖のポップアップイベント「着物 IN LAFORET 2020」を2020年1月4日から22日まで開く。同イベントは、16年からスタートして今年で5回目の開催となる。またメインビジュアルには、女優の田中シェンを起用し、着物と洋服を合わせたカラフルで個性的なコーディネートに仕上げた。さらに、メインビジュアルのスタイリングを担当したスタイリストのMarie Higuchiによる着物初心者から着物好きまで楽しめる着物コーディネートのワンポイントアドバイスも紹介する。
■着物 IN LAFORET 2020
日程:1月4日~22日
時間:10:00~20:00
場所:ラフォーレ原宿
住所:東京都渋谷区神宮前1-11-6
入場料:無料
そんな姿勢は、BGMにも現れていました。大半は打ち込み、もしくはノイズのような重低音でしたが、フィナーレはデヴィッド・ボウイ(David Bowie)の“Life on Mars”。未来を志向しているものの、なじみあるボウイの声は郷愁さえ誘います。でも“Life on Mars”って、何かを批判しているような歌のハズ。「地球を出て、宇宙へ」「今を捨て、未来へ」なんてメッセージでもあるのだろうか?そんなことを考えながら、帰りのUberに揺られたのでした。
For the fall and winter of 2019-20, a more sophisticated and elegant look is trending again, replacing the street-inspired styles that have been in fashion for the past several years. The tie-neck blouse seems to be making a comeback as the iconic piece for this more refined style.
This look can lend a very refined and polished air to any outfit, but it’s trickier than it looks. In order to create the right effect, it is important to mix and match pieces to achieve a well-balanced look that doesn’t come across as overly girly or feminine.
For example, in the fall/winter 2019-20 collection for Japanese fashion brand Iena, a tie-neck blouse is paired with a camel coat and matching skirt. One-tone dressing can be accented with a patterned bow to add a sense of playfulness.
In this way, by skillfully reworking the feminine components of the look, you can break away from the conventional.
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※1.VMI(Vendor Managed Inventory)…予め定めた棚割に基づいて納入業者に補給と在庫管理を委託するサプライ手法
※2. C2M(Consumer to Manufactory)…ネットやショールームで受注してデジタル生産や3Dプリンタ出力で素早く顧客に届けるパーソナル対応の無在庫販売手法。F2C(Factory to Consumer)とも言う