壁面は生い茂る緑に、床はレオパードのカーペット。”ジャングルへようこそ(Welcome to the Jungle)”というBGMでスタートした今季は、まさしくアマゾンの熱帯雨林から着想を得たコレクションだ。全124ルックの序盤は、ベージュのサファリルックがずらり。ジャケットとショートパンツのセットアップ、オールインワンをはじめ、大きなポケット付きのサファリジャケットをドレスとしても提案する。そこから、森林柄やフルーツのほか、ヒョウ、ゼブラ、ジラフ、オウムなど野生動物のプリントや刺しゅうを入れたドレスをラインアップ。中盤にはラフィアを編み込んだ立体的なミニドレスも登場させた。
プログラムを担うエマニュエル・ファーヴル(Emmanuelle Fabre)クリスチャン ディオール クチュール ヒューマンリソーシズ ディレクターは趣旨を、「才能ある女性が彼女たち自身、ならびに夢を自覚するためのサポート。特に自信を持ち、仲間と強固なネットワークを築く価値という、学校では教えてくれない学びの機会を提供したい」と話します。重要視するのは、「強固なネットワーク」なのでしょう。彼女は次世代を担う女性を「私生活を犠牲にせず、つながり、ネットワークを深め、正直に、競争を恐れずリーダーシップを磨ける人物」と捉えます。一人のカリスマではなく、個性豊かなコミュニティーで社会をけん引しようというのは、実に今っぽいところ。とは言え率直に言ってプログラムは、日本の女性が置かれている現状よりもずっと先、女性が男性同様に活躍する社会を実現するための過程でもありながら、さらに先の未来でもある印象です。エマニュエル・ディレクターは、「これは、CSR(企業の社会的責任)だけではない。社会的価値を創造し、ポジティブな社会変革を促進するプログラムなの」と壮大な野望、そして夢を語ります。アーティスティック・ディレクターに就任して最初に発表したコレクション「私たちは皆、フェミニストであるべき(We Should All Be Feminists)」以来、絶えず女性のエンパワーメントを考え続けるマリア・グラツィア・キウリ(Maria Grazia Chiuri)同様、ビジョンは壮大です。
プログラムはまず、「シンギュラリティー」を学ぶことから始まりました。デジタルの世界に足を突っ込む僕にとっての「シンギュラリティー」は、2045年までに訪れるとされる“AI(人工知能)が、人間を超えてしまうとき”のことですが、一般的には「特異性」という意味。他の人にはない、自分だけのアイデンティティーに迫ろうという講座でありワークショップです。ここで彼女たちの背中を押したのは、オスカー・ワイルドの(Oscar Wilde)の「Be Yourself, the Others Are Already Taken!(自分らしくあれ!誰かの真似をしても、その人には決して追いつけないから)」という言葉。アイルランド出身の詩人オスカー・ワイルドは、退廃的な19世紀末文学の代表家でしたが、同性愛者だったがゆえに収監されて失意のままに没した人物です。こういう耽美な人物が登場するのは、フランスメゾンならではですね(笑)。
6月のメンズでフランチェスコは、「いよいよ地球がヤバい。今こそ、革命が必要だ」と考え、1960年代の若き革命家エルネスト・チェ・ゲバラ(Ernesto Che Guevara)を現代に蘇らせました。「今回のウィメンズは、革命後の理想郷?」。そう思ってバックステージでフランチェスコに話を聞くと、「メンズのチェは、戦士。今回のウィメンズも、“花の戦士”。内側から力と美をバクハツさせるんだよ」と教えてくれます。なるほど、やはり今は、男女ともに戦わなくてはダメな時代なのですね。まだ30代の若きデザイナーが、これほどまでに真剣に地球に向き合っていること、感銘を受けます。
JUN YABUNO:1986年大阪生まれ。ロンドン・カレッジ・オブ・ファッションを卒業後、「WWDジャパン」の編集記者として、ヨーロッパのファッション・ウィークの取材をはじめ、デザイナーズブランドやバッグ、インポーター、新人発掘などの分野を担当。2017年9月ベルリンに拠点を移し、フリーランスでファッションとライフスタイル関連の記事執筆や翻訳を手掛ける。「Yahoo!ニュース 個人」のオーサーも務める。
ただ今後はさらにブランドの認知拡大、新客獲得のために日本での総販売代理店のプロティア・ジャパンは、BtoCマーケティングに着手し、同時に、契約するサロンやクリニックとユーザーをつなぐ会員制ECサイト「リブアクティブストア(Live Active store)」を今年4月に開設しました。そして今回、「エンビロン」を知らない人はもちろん、知っていたけれど使ったことはないという人に向けて、初のポップアップが開催されました。
テレビや雑誌など世界各国のメディア関係者、業界関係者が入場。一気に会場が人でごった返しました。中には、初回に特別賞を受賞したサイモン・ポート・ジャックムス(Simon Porte Jacquemus)「ジャックムス(JACQUEMUS)」デザイナーや、昨年グランプリに輝いた井野将之「ダブレット(DOUBLET)」デザイナーといったこれまでの受賞者の姿も。また、来年からおそらく審査員に加わるであろうフェリペ・オリヴェイラ・バティスタ(Felipe Oliveira Baptista)「ケンゾー(KENZO)」新クリエイティブ・ディレクターも会場を訪れていました。
JUN YABUNO:1986年大阪生まれ。ロンドン・カレッジ・オブ・ファッションを卒業後、「WWDジャパン」の編集記者として、ヨーロッパのファッション・ウィークの取材をはじめ、デザイナーズブランドやバッグ、インポーター、新人発掘などの分野を担当。2017年9月ベルリンに拠点を移し、フリーランスでファッションとライフスタイル関連の記事執筆や翻訳を手掛ける。「Yahoo!ニュース 個人」のオーサーも務める。
今アマゾンの利益の稼ぎ頭であるAWS(Amazon Web Services)も、初めは自社インフラとして構築したサーバーの空いているリソースを他企業へ貸し出し、使用量に応じて課金した結果、クラウドサービスと呼ばれるようになったものです。「最新テクノロジーを自社で活用し、最適化する。そして他企業へ提供するためにサービス化して新たな市場を生み出す。利用企業からのフィードバックで、さらにサービスを強化する」という流れにあることが分かります。
イタリアの若手コンテスト「Who’s on Next?」で今年グランプリに輝いた「シモーナ マルツィアーリ(SIMONA MARZIALI)」のコレクションは、うれしい発見でした。レトロなテニススタイルを描いたニットの主軸のコレクションは、若手らしいスポーティーとストリートでイタリアのクラフツマンシップを若々しく表現します。
4月の特集「業界基礎知識A to Z」の企画を練るにあたり若者から質問を募ったところ届いた、「モードってどんな意味?」という疑問。簡単には説明できない単語ゆえ、改めてデザイナーやバイヤー、経営者、学者などのファッション関係者35人に「モードって何?」を問いかけた。出てきた答えは35人35色。その答えを統括すると、モードとはファッションの”最先端”であり、時代や社会の価値や空気を写し取ったものと言えそうだ。
① 約3400万件あるソフトバンク移動通信契約数を強みに、スマホユーザー向けポイント10倍特典をフックとして、20〜30代の女性を中心にZOZOへ送客。ヤフーではなく親会社であるソフトバンクとの連携施策でもあり、今回の記者会見での言及は避けたと思われます。
② ZOZOのフルフィルメントを活用し、「良いお店」が売れる仕組みを強化。ヤフーでは「良いお店」の評価指標の一つとして、出荷の速さ(上位500店は、0.9日で出荷)を挙げています。配送代行として新たな手数料率を設定し、迅速なデリバリーを通じた顧客満足向上を狙うと思われます。
③ 数年後、国内ECナンバーワン達成による自社株価上昇への期待。ヤフーのeコマース取扱高は19年3月期に2兆1000億円を超えました。ZOZOの3200億円が加わり、楽天の3兆4000億円へさらに一歩近づきました(ちなみにアマゾンジャパンの国内流通総額は非公開です)。ヤフーは国内ECナンバーワン達成に向け、もう一社、大きな買収などを仕掛けてくるかもしれませんね。
① 約3400万件あるソフトバンク移動通信契約数を強みに、スマホユーザー向けポイント10倍特典をフックとして、20〜30代の女性を中心にZOZOへ送客。ヤフーではなく親会社であるソフトバンクとの連携施策でもあり、今回の記者会見での言及は避けたと思われます。
② ZOZOのフルフィルメントを活用し、「良いお店」が売れる仕組みを強化。ヤフーでは「良いお店」の評価指標の一つとして、出荷の速さ(上位500店は、0.9日で出荷)を挙げています。配送代行として新たな手数料率を設定し、迅速なデリバリーを通じた顧客満足向上を狙うと思われます。
③ 数年後、国内ECナンバーワン達成による自社株価上昇への期待。ヤフーのeコマース取扱高は19年3月期に2兆1000億円を超えました。ZOZOの3200億円が加わり、楽天の3兆4000億円へさらに一歩近づきました(ちなみにアマゾンジャパンの国内流通総額は非公開です)。ヤフーは国内ECナンバーワン達成に向け、もう一社、大きな買収などを仕掛けてくるかもしれませんね。
店内はトスカーナ地方の土を使い、日本の土壁の技術で作られた壁や京都製のランプなどイタリアと日本の伝統工芸を融合した内装になっており、「UT」のグラフィックプリントコレクションの売り場では葛飾北斎の作品をディスプレー表示する。ミラノの窓からインスピレーションを得たミラノ出身アーティスト、オリンピア・ザニョリ(Olimpia Zagnoli)のインスタレーションや、同じくミラノのスニーカーショップ、ワン ブロック ダウン(One Block Down)とのコラボレーションによって「ユニクロ」がデニムの製造過程で水の使用を最大99%削減したことを祝した作品「Water is more precious than gold」も見ることができる。
「イタリアと日本の伝統を完璧なスタイルで融合した建物に完璧なロケーション、品ぞろえも万全だ。理想のロケーション探しが第一だが、今後イタリアでは100店舗を構えたいくらいだ。実店舗がなくなることはないという確信がある」と柳井正ファーストリテイリング会長兼社長は語り、デジタルチャネルはあくまでコミュニケーション手段で、SNSの影響も認識してはいるが「最終目標にはなり得ない」とも付け加えた。ジョン・C・ジェイ(John C. Jay)=ファーストリテイリング・グローバルクリエイティブ統括は「素晴らしいタイミングでの開店だった。ミラノ店では50色のカシミアを特別に選んだように、地元の文化と建築に影響を受けつつ日本の伝統もブレンドするユニクロの店舗が、大量生産型でないことは今や欧州でも明白だ。適切な出店地を見つけ、単に売り上げを創出する以上に特別なものを作り出したいと考えている」とコメントした。
「ヴェルサーチェ(VERSACE)」や「オスカー デ ラ レンタ(OSCAR DE LA RENTA)」で経験を積んだマイケル・ハルパーン(Michael Halpern)による「ハルパーン」は、シャンデリアが輝くボールルームで、イブニングドレスを見せました。アニマルプリントのタイツとドレスのコーディネートなどが目を引きます。このショーも30分押しで始まり、次のショーへと焦りながら移動します。
デザイナーのジャンポール・ゴルチエ(Jean Paul Gaultier)のクリエイションの軌跡をたどる企画展が10月13日まで東京・代官山のカシヤマ ダイカンヤマ(KASHIYAMA DAIKANYAMA)で開催されており、インタビューをしました。プレタのビジネスを止めて今はオートクチュールに専念している67歳のゴルチエ氏ですが、富も名声も得て半隠居生活かと思いきやとんでもない、めちゃめちゃ活動的でした。そして、今のファッション業界の課題や夢、若い世代へのメッセージなどをノンストップで語ってくれました。
コレクションは、ビューティ・ページェントに欠かせないド派手なドレス、バラのモチーフが盛りだくさん。そこにアメリカらしいデニム、混じり合う色がダイバーシティーを表現するタイダイ、そして、打ち上がってから消えるまでの数秒間に色が次々変わる花火のモチーフが加わります。フィナーレは、全員がタスキをかけて登場。ミスコンっぽいですね(笑)。「WHO GETS TO BE AMERICAN?」、直訳すれば「アメリカ人(になれるの)は誰?」、転ずれば「願えば皆、アメリカ人」という意味かな?フィリピン生まれ・ネパール育ち、移民としてやってきたプラバルが考える、理想のアメリカ像が伺えます。国への想いに溢れたコレクションです。
タータンに限らず異国の文化への関心と探求心は、「ディオール」が多面的な魅力を持つひとつの理由である。このメゾンが広く世界で受け入れられる理由も異国・多民族への深い理解にあるのではないだろうか。ムッシュ以降、メゾンを引き継いだ代々のデザイナーたちもその精神を引き継ぎ、タータンをデザインに取り入れてきた。たとえばイヴ・サンローラン(Yves Saint Laurent)はウール製のグリーンとベージュのタータンコートをデザインし、マルク・ボアン(Marc Bohan)はウィンザー公爵夫人から特注を受けた。ジャンフランコ・フェレ(Gianfranco Ferre)はほぼ全てのフォルムとシーズンでタータンを用いている。英国人ジョン・ガリアーノ(John Galliano)はもちろんのこと、ベルギー出身のラフ・シモンズ(Raf Simons)もパステルカラーでタータンを取り入れている。現アーティスティック・ディレクターのマリア・グラツィア・キウリ(Maria Grazia Chiuri)は、2019 -20年秋冬コレクションで英国を大きく取り上げた。マーガレット王女に着想を得たドレスからストリートのテディ・ガールをほうふつとさせるカジュアルなスタイルまでのハイ&ローの英国文化が「ディオール」の上で交差する。
伊勢丹新宿本店での限定アイテム
そして今秋、「ディオール」のチェックが伊勢丹新宿本店をジャックする。同ブランドの伊勢丹新宿本店出店20周年を記念し9月4〜17日まで、同店1〜6階でポップアップストアをオープンしている。ウィメンズ、メンズ、ジュエリーに加えて、コーデリア・ドゥ・カステラーヌ(Cordelia de Castellane)による“ディオール メゾン”も伊勢丹に初登場。パーソナリゼーション刺しゅうが可能な“ブック トート”の限定バージョンも扱っている。(開催期間は売り場によって異なる)
ル・コルビュジェ(Le Corbusier)建築の窓を被写体にしたホンマタカシの写真展「Looking through - Le Corbusier windows」が10月12日まで、東京・六本木のTARO NASUで開催されている。ホンマタカシは「普通に撮ると建築の写真は建築写真になってしまう。どうにかして建築写真ではない建築の写真を撮れないか考えた時に、窓を撮ってみようと思った」と同シリーズについて語る。
■ホンマタカシ「Looking through - Le Corbusier windows」
日程:9月7日~10月12日
時間:11:00~19:00
場所:TARO NASU
住所:東京都港区六本木6-6-9 ピラミデビル4F
休館日:日曜日、月曜日、祝日
入場料:無料
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NY在住の女性アーティスト、ジュリア・チャンの個展
ブルックリン在住の女性アーティスト、ジュリア・チャン(Julia Chiang)の新作個展「Pump And Bump」が10月5日まで、東京・渋谷のNANZUKAで開催されている。同展は機械的な規則性を手作業で行い、花びら型の形状を描いた抽象的なペインティングとセラミック作品を展示する。
■Pump And Bump
日程:9月7日~10月5日
時間:11:00~19:00
場所:NANZUKA
住所:東京都渋谷区渋谷2-17-3 渋谷アイビスビルB2F
休館日:日曜日、月曜日、祝日
入場料:無料
オンワードホールディングスが運営する東京・代官山のカシヤマ ダイカンヤマ(KASHIYAMA DAIKANYAMA)は、仏デザイナーのジャンポール・ゴルチエ(Jean Paul Gaultier)のクリエイションの軌跡をたどる企画展「エクスパンディング ファッション バイ ジャンポール ゴルチエ(EXPANDING FASHION by JEAN PAUL GAULTIER)」を9月14日~10月13日に開催する。
店内には4台のタブレットを設置。昨今、さまざまなノンワイヤーブラが人気を集めているが、「ラクなだけに、自分に合うものが見つからない……」という声も聞かれるため、このタブレットを使い、いくつかの質問に答えると、デジタル診断されてぴったりの「スロギー」が提案される。そのデジタル診断を体験した来店客は「スロギー」商品が当たるガチャガチャにもトライできる。また、累計販売枚数680万枚を突破した人気シリーズ「スロギー ゼロ フィール(SLOGGI ZERO FEEL)」の生地の伸びのやわらかさを全身で体感できるハンモックも設置されている。
メンズでは、ウィメンズでも登場したスニーカー“ウルトラペース”や、ECを中心に販売する“グッチ マニフェスト”のシリーズがイチ押し。“ウルトラペース”は、さまざまな素材やカラー、ロゴを大胆にハイブリッドしたキャッチーなデザイン。ライニングにはパイル地を使用しており、モードと機能性が両立したデザインが魅力だ。“グッチ マニフェスト”で取り上げているマスクのモチーフは、19-20年秋冬コレクションのインスピレーション源にもなったもの。キーメッセージ「THE MASK AS A CUT BETWEEN VISIBLE AND INVISIBLE(仮面―可視と不可視の間の存在)」をプリントしたスウェットシャツやTシャツをそろえる。さらに、ヴィンテージライクなルックスで、バックパック、ダッフルバッグ、ロングトート風と3通りに使える新作バッグも注目だ。
川崎:“ミーム”とはそもそも生物学者のリチャード・ドーキンス(Clinton Richard Dawkins)が提唱した概念です。日本語でいうと模倣子(もほうし)。これは文化にも遺伝子のようなものがあるという考え方で、文化が発展していくときに、それを司るなんらかの要素があるという話です。例えばコラージュ画像がすごい勢いで拡散されたりするインターネットミームなどの現象。あれは結構“モード”に似ているところもあると思います。
コスメを買う時は(それ含めて気分を上げたいから)少なからずパッケージの良さを考慮するのですが、「ウズ」ブランドの製品はどれも見た目がとても良い。その辺にポンと置いても様になってしまう佇まいなんですよね。今回発表された新製品のパッケージは、かつての「LIP38℃ リップトリートメント」をそのまま引き継いだ涙型の美しいボトルと、同じくクリスタルの結晶のようなミニマルなリップスティックケースです。コンセプトに掲げる「UNFRAME THE BEAUTY」の通り、誰もが手に取りたくなる、そして手に取ることができる美しさが表現されています。
「WWD JAPAN.com」編集長の村上さんもEditors’ Letterなどで男子メイクの面白さについて語られていますが、「UNFRAME THE BEAUTY」を提唱する「ウズ」はメンズとかウィメンズとかの決められた枠を越え、誰でもその人自身の美しさを描くことができるユニバーサルコスメなのです。NYを再出発の舞台に選んだのも、それにふさわしい街だったからなのでしょう。もはやメイクは女子だけの特権ではないので、リニューアルを機にぜひメンズの皆さまも唇の色温度をあげてみてください。大げさじゃなく、唇の色が健康的に美しいだけで人間全般から今よりちょっと、モテると思います。
キャンペーンに登場するのは、「グレース コンチネンタル(GRACE CONTINENTAL)」のアイテムをまとうNikiをはじめ 、「ビームス(BEAMS)」の土井地博コミュニケーションディレクター、「ステュディオス(STUDIOUS)」の中根大樹ディレクター・バイヤー、「トゥモローランド(TOMORROWLAND)」の山野邉彩美バイヤー、「ダブルクローゼット(W CLOSET)」の花井千春執行役員販売部部長ら。“5 THINGS ABOUT MY STYLE”をテーマに、それぞれが大切にしているファッションルールに基づいたスタイリングを着用し、自身のファッションにまつわる5つの質問に答えた。
JUN YABUNO:1986年大阪生まれ。ロンドン・カレッジ・オブ・ファッションを卒業後、「WWDジャパン」の編集記者として、ヨーロッパのファッション・ウィークの取材をはじめ、デザイナーズブランドやバッグ、インポーター、新人発掘などの分野を担当。2017年9月ベルリンに拠点を移し、フリーランスでファッションとライフスタイル関連の記事執筆や翻訳を手掛ける。「Yahoo!ニュース 個人」のオーサーも務める。
1990年代前後から、LVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)などが産業の多国籍化、コングロマリット化を進め、現在もグローバルで成長している。対抗するかたちでファストファッションが出てきましたが、現在でもそのトレンドは続いています。
成実:80年代だったら「コム デ ギャルソン(COMME DES GARCONS以下、ギャルソン)」、90年代だったら「メゾン マルタン マルジェラ(MAISON MARTIN MARGIELA、現メゾン マルジェラ)」など、クリエイターが“モード”をつくっていく時代がありましたが、この20年ほどはそういう状況にない。自分で切り開いてやっていく人は極端に少なくなってしまっていて、いたとしても目立たない。どちらかというと既存の“モード”の中で活動していく人が多い。
1990年代前後から、LVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)などが産業の多国籍化、コングロマリット化を進め、現在もグローバルで成長している。対抗するかたちでファストファッションが出てきましたが、現在でもそのトレンドは続いています。
成実:80年代だったら「コム デ ギャルソン(COMME DES GARCONS以下、ギャルソン)」、90年代だったら「メゾン マルタン マルジェラ(MAISON MARTIN MARGIELA、現メゾン マルジェラ)」など、クリエイターが“モード”をつくっていく時代がありましたが、この20年ほどはそういう状況にない。自分で切り開いてやっていく人は極端に少なくなってしまっていて、いたとしても目立たない。どちらかというと既存の“モード”の中で活動していく人が多い。
2017年に発表した楽曲「High Highs to Low Lows」で一躍有名となったシンガーソングライターのロロ・ズーアイ(Lolo Zouai)。現在23歳の彼女は、アルジェリア人の両親のもとにフランスで生まれ、その後サンフランシスコやロサンゼルスで育ち、現在はブルックリンを拠点に活動している。このようなバックグラウンドから多様な音楽やカルチャーに影響を受け、それらを折衷して自身の音楽として昇華し表現。フレンチミュージックとトラップの要素を混ぜ合わせたような物憂げでノスタルジックなサウンドに、ズーアイのミステリアスな声を乗せている。また英語やフランス語を織り交ぜたソングライティングのセンスも高く、女性R&Bシンガーのハー(H.E.R.)が今年のグラミー賞を獲得したアルバム「H.E.R.」には、ソングライターとして「Still Down」を提供している。
4月に楽曲「High Highs to Low Lows」と同名のデビューアルバムをリリースし、8月には「サマーソニック 2019(SUMMER SONIC 2019)」の出演に加え、ファッションアイコンとして「コーチ(COACH)」のグローバルキャンペーンに抜擢されるなど、勢いを見せるズーアイ。彼女がいったいどのように楽曲を制作しているのかルーツとともに迫ったほか、ファッション観や意外な交友関係についてまで話を聞いた。
WWD:活動のきっかけは?
ロロ・ズーアイ:小さい頃からシンガーになることが夢で、自分を信じて歌の練習をずっと続けて、いろんな音楽を聴いて、だんだんうまくなって、形になり始めたのが2014年ごろ。それで「サウンドクラウド(SoundCloud)」に自分の部屋で作ったビートやほかのアーティストのカバーをアップするようになったんだけど、アップしては非公開にしたりしてたの。それからニューヨークに移り住んだタイミングで「本気で音楽をやろう」と思って、まずはじっくりと時間をかけて“私の音作り”をしたのよ。50曲ぐらい録音したけどそれは練習のためだから発表しなくて、17年に「High Highs to Low Lows」ができたときにようやく「最初にアップしたい曲はこれだ」って思って発表したの。
WWD:カバーは誰の何を?
ズーアイ:高校生の頃にT-ペイン(T-Pain、米シンガーソングライターでラッパー)の「Up Down(Do This All Day)」をカバーしたのは覚えてるわ。5万回ぐらい再生されたの。数週間前に「アップルミュージック(Apple Music)」の番組で彼の曲を流したら本人がツイッターで反応してくれて、「人生は素晴らしい!」って思ったばっかり(笑)。
ズーアイ:フランスで6カ月くらい暮らしていた19歳の頃の歌なんだけど、「Je ne suis pas chez moi」という歌詞は「私は(自分の)家にいない」という意味で、常に移動していたり、たくさん旅をしていたり、異常なくらいあちこち飛び回っていたからホーム(家)だと感じられるところがないことを書いているの。そして、私は音楽活動に専念したいからひとところに縛り付けることはできないという内容でもあって、自由でいたいから今は恋愛関係にフォーカスしたくないしできない、って意味もあるわ。
「They think it's all gucci, but it's 99 cents(全部グッチだと思ってるけどこれは99セント)」という歌詞も印象的な「High Highs to Low Lows」
WWD:あなたを代表する「High Highs to Low Lows」で何かエピソードがあれば教えてください。
ズーアイ:「High Highs to Low Lows」は私とステリオス・フィリ(Stelios Phili、ニューヨークを拠点とするプロデューサー)が初めて一緒に完成させた曲で、私が音楽業界で活躍しようとしている頃の苦労を描いたものだからとっても重要な曲。「I can't wait to really get paid not just minimum wage(最低賃金で働くのはもう嫌)」って歌詞があるように、当時はレストランで働いていたの。そこでは4年くらい働いていたんだけど、レストランの仕事は私の思い描く道とは全くの別世界で本当に嫌だった。実際は最低賃金よりほんのちょっと高い時給だったから、歌詞はちょっと大げさなんだけどね(笑)。
アルバムタイトルにもなっている「High Highs to Low Lows」
それでも時々、ロサンゼルスやマイアミやアトランタにいるプロデューサーが呼んでくれて一生に曲を作っていたんだけど、彼らの家に行くと私とはぜんぜん違うセレブの贅沢な暮らし(ハイ)をしていて、私には慣れない環境が彼らにとっては普通。それから狭いアパート(ロウ)に帰ると……って気持ちのアップダウンの対比がすごかった。そうやっていろんな人と曲を作ることでまとまりがなくなって、“私のサウンド”を見失う時期があったの。そんな苦悩の中、ステリオスと出会って「この人なら私のストーリーを伝えて一緒に曲作りができる」って感じたのよ。「High Highs to Low Lows」ってフックはすでにあって、方向性を彼に伝えたら案の定完璧に作ってくれた。その週はずっと2人でヴァースを書いて、「ちょっとフランス語を入れてみようかな」って最初に出てきたのがイントロの「Des hauts et des bas(浮き沈み)」で、それをアラビア風のメロディーをつけて歌ってみた。だからさっきの話に少し戻るけど、最初の曲を作った時点で3つの文化が混じっていたのよね。この曲で私の進むべき方向が決定したし、手応えも感じたわ。
水野:現在、京都工芸繊維大学KYOTO Design Labで海外プロジェクト連携・海外交渉を担当しており、夏の海外出張でセント・マーチン美術大学(Central Saint Martins以下、セント・マーチン)やロンドン・カレッジ・オブ・ファッション(London College of Fashion)があるロンドン芸術大学(University of the Arts London)、オランダのアーネム芸術アカデミー(ArtEZ Academy of Art & Design Arnhem以下、アーネム)、同じくオランダのアイントホーフェン・デザイン専門学校(Design Academy Eindhoven)などの研究者と話をしてきました。