1992年に創業し、90〜00年代にコギャルやギャルをターゲットに元祖ファストファッションとも言える“安カワ(安くてカワイイ)服”旋風を巻き起こしたANAPだが、現在は“ネット通販先進企業”として知られる。全社の売上高に占めるネット通販売り上げの割合(EC化率)は6割に達しているためだ。家髙利康社長の掛け声の下、不採算店舗を閉鎖する一方、ネット通販を徹底強化してきた。だがそのANAPが今年から針路を少し変更し、再びリアル店舗の出店に舵を切る。ネット通販発ブランドがリアル店舗を出店し、OMO(=Online Merges with Offline、ネットとリアルの融合型業態)化するブランドは少なくないが、リアル店舗からスタートし、それと同等の売り上げを稼ぎ、ネットとリアルを有機的に結合する、逆パターンのアパレルはほとんどない。アパレル業界では非常にユニークな“逆OMO”のANAPは、一つの答えを見出しつつあるようだ。ネット通販の担当役員である門倉清隆・取締役兼デジタル営業部長に話を聞いた。
そうしたANAPにとって、ブランドの世界観を伝えるのは公式通販サイト「ANAPオンラインストア」とリアル店舗。両者の売り上げと顧客情報を統合したことで、重要なポイントに気づいたという。「情報を分析すると、公式通販サイトの売り上げの8割はリピーターだが、リアル店舗だと7割が新規のお客だった。CPA(Cost Per Action=一人あたりの顧客獲得単価)的に考えると、実はリアル店舗は非常に効率がいい。リアル店舗はリピーターが3割しかないこともむしろチャンスで、6月末からアプリやメルマガを通じて、リアル店舗やECに誘導する新しい仕組みをスタートしている」という。
石原海/アーティスト・映像作家。初の長編映画「ガーデンアパート」と東京藝術大学の卒業制作「忘却の先駆者」が「ロッテルダム国際映画祭」で上映(2019)。また英BBCテレビ放映作品「狂気の管理人」(19)を監督。「現代芸術振興財団CAF賞」岩渕貞哉(美術手帖編集長)賞受賞 (16)。イメージフォーラムフェスティバル ヤングパースペクティブ入選(16)、「ポンピドゥーセンター公式映像フェスティバル」オールピスト東京入選(14)など PHOTO : KAZUO YOSHIDA
これまで「UMMMI.」名義で多くの映像作品を手掛けてきた映像作家の石原海。彼女にとって初の長編映画となる「ガーデンアパート」が6月に全国で劇場公開され、「ロッテルダム国際映画祭2019」にも出品された。7月21日の参議院選挙の同日には、投票を宣言する若手クリエイターたちが多数登場した動画「I AM A VOTER」を公開。また、7月に公開された「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」のメンズ・サングラスの新作コレクション“LVレインボー”の映像も手掛けた。フェミニズムや政治などを題材にエクスペリメンタルな作品を発表し続ける26歳の若き映画監督に、作品やインスピレーション源、思想などについて話を聞いた。
石原:友達のイギリス人の映画の現場にスタッフとして入ったとき、プロの役者を起用することに興味が湧きました。出演していた役者がラムダ(London Academy of Music & Dramatic Art)っていう世界有数の俳優養成所の生徒で、演技のメソッドとかをとうとうと話すんです。撮影後の食事で交わす演劇論を聞いて、こういうアプローチも楽しそうだなって。
私は正直ごちゃごちゃして見にくいのでこの手の投稿はスルーなのですが(笑)、「そういえばこの現象って日本だけかも?」と思い、わかりやすいのでコスメアカウントに絞ってさらっと海外アカウントも見てみました。やはり「POP化」は日本特有なのかもしれません。日本の「キャンメイク(CANMAKE)」、アメリカの「ウェット アンド ワイルド(WET N WILD)」という同じプチプラコスメの人気投稿で比べてみた写真が以下です。
田村浩二 : 料理人として13年レストラン業界で働く。シェフとして働いた2年間で、World's 50 Best Restaurants の「Discovery series アジア部門」選出、「ゴーエミヨジャポン2018期待の若手シェフ賞」を受賞。香りをテーマにさまざまなプロダクトを開発。現在は 「ミスターチーズケーキ」の他、複数の事業を手掛ける事業家、経営者としても多方面に活躍
気軽な気持ちでインスタグラムに投稿し、法人化するまでに至った「ミスターチーズケーキ」で田村氏は何を目指すのか?「“時間を作る”ことと“シェアをする”ことの2つを大切にしたい。ケーキは冷凍保存の状態でお届けしているため、食べるまでに1時間~1時間半と時間がかかる。待っている間の誰と食べるのか、どこで食べるのか、どんな食器で、どんな飲み物と共に食べるのかを考えることから『ミスターチーズケーキ』は始まる。忙しい世の中において、食卓は大切な人と過ごす貴重な時間。その時間を見つめなおし、考えなおしてもらうことができればと思っている」。また、世界進出も目的の一つだ。EC構築のプラットフォームを越境ECに対応した「ショッピファイ」に変更したのも世界進出を視野に入れてだという。「かつて働いていた南フランスのレストラン『ミラズール(MIRAZUR)』がWorld's 50 Best Restaurants 2019の1位に選ばれたこともあり、タイミングとしては年内にパリに進出したい。今では仲間も増え、できることも増えてきた。サイトも新たにオープンし、世界観をより強く打ち出せるようになった。『ミスターチーズケーキ』“東京発のチーズケーキ”としてを世界に発信していきたい」。
早川和彦・同ブランドディレクター(以下、早川):ブランド名の「ONFAdd」はOf No Fixed Address(住所不定)を意味します。私たちは、移動が新しいクリエーションを生み出すと考え、その移動を後押しするようなプロダクトを作っているんですが、実際に各地を飛び回って作品を生み出し続けているのは誰だろうとイメージした時にフォトグラファーが思い浮んで依頼しました。
パリ・マレ地区にあるアズディン・アライア(Azzdine Alaia)財団で、アライアの回顧展「別の視点から見たファッション タチ コレクション(ANOTHER WAY TO LOOK AT FASHION TACHI COLLECTION)」が開催されている。6月30日から始まったパリ・オートクチュール前日に内覧会が行われた。同展は、アライアの1991年春夏コレクションにフォーカス。パリのディスカウントショップ「タチ(TATI)」のシンボルともいえるヴィシーチェックを採用したこのコレクションはまさに、ハイファッションとストリートの融合を象徴するものだ。今では「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」と「シュプリーム(SUPREME)」を筆頭に、「H&M」と「コム デ ギャルソン(COMME DES GARCONS)」、「ユニクロ(UNIQLO)」と「ジェイ ダブリュー アンダーソン(JW ANDERSON)」などハイブランドとストリート、ファストファッション、量販店のコラボレーションは当たり前だが、アライアは今から約30年前にそれを試みている。アライアがこのコレクションを製作するきっかけとなったのが、アメリカの画家ジュリアン・シュナーベル(Julian Schnabel)との交友だ。シュナーベルが「タチ」のヴィシーチェックを使って絵を描きたいと言ったのがそもそもの始まりだった。
■AZZDINE ALAIA ANOTHER WAY TO LOOK AT FASHION THE TATI COLLECTION
日程 :7月1日~2020年1月5日
時間:11:00~19:00
場所:ASSOCIATION AZZEDINE ALAIA
住所:18, rue de la Verrerie, 75004 Paris
色とりどりの宝石を使用したネックレス COUTESY OF GUCCI古典的なモチーフを用いたリング COUTESY OF GUCCI
「グッチ」らしいライオンモチーフのイヤリング COUTESY OF GUCCI
ピーコックブルーに彩られたヴァンドーム広場の店舗 COUTESY OF GUCCIブティックの奥にはサロンも。インテリアはもちろん「グッチ」 COUTESY OF GUCCIガラディナーの様子。左から、フランソワ・アンリ・ピノー=ケリング会長兼最高経営責任者(CEO)、アレッサンドロ・ミケーレ=「グッチ」クリエイティブ・ディレクター、マルコ・ピッザーリ=グッチCEO COURTESY OF GETTY FOR GUCCI 神秘的な演出のガラディナー COURTESY OF GETTY FOR GUCCIフローレンス・ウェルチによるパフォーマンス COURTESY OF GETTY FOR GUCCI「グッチ」のハイジュエリーを着用したフローレンス・ウェルチ COURTESY OF GETTY FOR GUCCI
さらに「ディオール」の親会社であるLVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)は社内誌でアフリカに関する特集を組んだ。その中でコンサルタントのコラリー・オンバ(Coralie Omgba)は「17年に59億ドル(約6254億円)ほどだったアフリカ大陸のラグジュアリー市場は今後5年間で30%成長する」と予測している。
「コム デ ギャルソン(COMME DES GARCONS)」のショーには独特の張り詰めた空気があります。そして誤解を恐れつつお伝えすると、ショーが始まる直前の緊張感がピークに達する静寂の中で会場を見渡すと、微笑ましい気持ちになります。なぜなら、「大の大人が世界中から集まり、“フツウ”じゃない服を極めて真剣に見ようと居住まいを正している」から。とかくビジネス視点になりがちな最近のパリコレですが、この場では大人たちが自分の仕事の原点に立ち返り、川久保さんからのメッセージを受け取ろうと神経を研ぎ澄ませている……。大御所と呼ばれる客席の大人たちの表情に少年・少女の面影を見るから微笑ましく、うれしくなります。それはパリコレの中でも異質な時間なのです。
第27回は、ロサンゼルスで行われた2019年BETアワード授賞式からメアリー・J・ブライジ(Mary J. Blige)、リック・ロス(Rick Ross)、ブラック・チャイナ(Blac Chyna)、リル・ナズ・X(Lil Nas X)、オフセット(Offset)、アンダーソン・パーク(Anderson .Paak)、シアラ(Ciara)、ヤラ・シャヒディ(Yara Shahidi)の8人が登場。ブラックミュージックの祭典でのベスト評価は誰の手に?!
デザイナーの新井茂晃がファッションの言語化を目指してオンライン上で連載している「AFFECTUS(アフェクトゥス)」の書籍版最新号。書き下ろしの1編をあわせて再編した全9編からなるファッションエッセイ集で、2000年代の「コム デ ギャルソン(COMME DES GARGONS)」などについて独自の視点からエモーショナルにつづっていく。「モード」を「世界を前進させるための装置」(P.46)と論じた最終編など、ファッションへの考察は興味深い内容になっている。全49ページと文章量も多くはないの読み進めやすい。興味を持った人はぜひオンライン連載版も読んでみてほしい。
ファッションテックを利用したパーソナルスタイリングサービスの注目度が高まっている。スタイリストがコーディネートした服を借りられるファッションレンタルサービスの「エアークローゼット」は会員数が22万を突破した。大手ECサイトの「アマゾン(AMAZON)」もこのほど、新たな会員向けサービスとして「パーソナルショッパー バイ プライムワードローブ(Personal Shopper by Prime Wardrobe」を開始。一部のセレブたちが利用するものといったこれまでのパーソナルスタイリングのイメージは今、一般消費者が手の届くサービスとして変わり始めている。
今年も猛暑が続き、寝苦しい夜を過ごしている人も多いのではないだろうか。そもそも日本人は、先進国の中で睡眠時間が少ないことで知られている。OECD(経済協力開発機構)の「2019 Gender Data Portal」によると、日本人(15~64歳)の平均睡眠時間は、7時間22分で世界ワースト1位。イギリスの8時間28分、フランスの8時間32分、アメリカの8時間47分に比べて1時間以上も短い結果に。厚生労働省の「2017年国民健康・栄養調査」によると、睡眠時間が6時間未満の割合は、男性36.1%、女性42.1%。元来生真面目で多忙な日本人が、睡眠時間を削って仕事や日常生活を送る姿が容易に想像され、「美容の世界において『睡眠美容』が流行するのも当然かな」と深く頷いてしまう。
SDGsのデザインとコミュニケーションを設計したヤーコブ・トロールベック(Jakob Tollback)=ザ・ニュー・ディヴィジョン(THE NEW DIVISION)代表の基調講演を6月に聞いた。彼が語った言葉の中でも特に印象的だったのは「インフォメーションとコミュニケーションは違う」ということ。当たり前のことのようだが、実はドキっとする人も多いのではないだろうか。
「難解な言葉を、人々が行動に移せるようなものにすること。よりポジティブに目標に向かえるような言葉に変換することが必要だった」――そのために彼がまず行ったのは、箇条書きをシンプルにすること。例えばゴール2の「End hunger, achieve food security and improved nutrition and promote sustainable agriculture(飢餓を終わらせ、食料安全保障および栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進する)」は、「NO HUNGER(飢餓をゼロに)」とした。ゴール15の「Protect, restore and promote sustainable use of terrestrial ecosystems, sustainably manage forests, combat desertification, and half and reverse land degradation and halt biodiversity loss(陸上の生態系の保護と回復、持続可能な利用の促進、持続可能な森林の管理、砂漠化への対処、ならびに土地の劣化の阻止・回復および生物多様性の損失を阻止する)」は「LIFE ON LAND(陸の豊かさも守ろう)」とした。
世界の都市や場所の名を冠し、「香りの世界旅行」をテーマに作られる「アスティエ・ド・ヴィラット(ASTIER DE VILLATTE)」のインセンス。洗練のボックス(W152×D63×H19mm)に美しく収まったインセンスは、1本でおよそ15分から20分ほど持続。ブランド初の女性調香師の一人であるフランソワーズ·キャロンとの協働でクリエイトした香りだ。このイノセンスは、香りの生地を長時間かけて圧縮して加工。その中に香りを浸透させて作られる、一連の工程は日本の技術が支えている。最新作の「ポルト·デ·リラ」は、薄紫色のリラの花を主題に、薔薇とジャスミンが咲き乱れ、大胆で華やかなハーモニーを奏でる。その、静かに立ち上る香りと煙に包まれる夜があってもいい。
“ジャディオール”パンプスの2019年秋の新作。“J’ADIOR”と刺しゅうを施したリボンをトリミングのようにトップラインにあしらい、ブラックのボディ部分は総エンブロイダリー仕上げ。2万3000以上のステッチが施され一足を完成するのに9時間以上を費やす。10万6000円 PHOTO : POL BARIL
職人の手仕事である“ジャディオール”パンプスの製作過程。“J’ADIOR”のリボンは文字を1文字ごとに糸を切断し縫い合わせるなどオートクチュールのドレスと同じ丁寧な手仕事が施されている PHOTO : POL BARIL職人の手仕事である“ジャディオール”パンプスの製作過程。“J’ADIOR”のリボンは文字を1文字ごとに糸を切断し縫い合わせるなどオートクチュールのドレスと同じ丁寧な手仕事が施されている PHOTO : POL BARIL職人の手仕事である“ジャディオール”パンプスの製作過程。“J’ADIOR”のリボンは文字を1文字ごとに糸を切断し縫い合わせるなどオートクチュールのドレスと同じ丁寧な手仕事が施されている PHOTO : POL BARIL職人の手仕事である“ジャディオール”パンプスの製作過程。“J’ADIOR”のリボンは文字を1文字ごとに糸を切断し縫い合わせるなどオートクチュールのドレスと同じ丁寧な手仕事が施されている PHOTO : POL BARIL
ラッセル・ウェストブルック:1988年生まれ、アメリカ・カルフォルニア出身のNBA選手。高校生の頃に親友を亡くしたことでバスケットボールに本気で打ち込むようになり、名門カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)へ進学。その後、2008年にオクラホマシティ・サンダーへ入団し、今年7月にヒューストン・ロケッツへ移籍。アメリカ代表として、10年に世界選手権と12年にロンドンオリンピックで金メダルを獲得している。ポジションはポイントガードで、大のファッション好きとしても知られる PHOTO : KAZUSHI TOYOTA
2008年にオクラホマシティ・サンダー(Oklahoma City Thunder)でデビューすると、これまでにNBAオールスターゲームに8度選出され、MVP、得点王、アシスト王を受賞するなど、NBAを代表する1人として10年以上活躍しているスター選手がラッセル・ウェストブルック(Russell Westbrook)だ。ここ数シーズンはオールラウンダー選手としてさらに勢いを増し、2シーズン連続で平均トリプル・ダブル(1試合で得点、リバウンド、アシスト、スティール、ブロックショットの5項目のうち3項目で2ケタを記録すること)を史上初めて達成するなど、長きにわたるNBAの歴史にその名を刻み続けている。
そんな彼が8月、自身のシグネチャーモデル“ワイノット ゼロ2 SE(WHY NOT ZER0.2 SE)”(1万5500円)の発売に合わせて2度目となる来日を果たした。シグネチャーのモデル名にも使用されている座右の銘“Why not?(なぜやらない?)”や、同じく“ジョーダン ファミリー”となった八村塁選手についてなど、短い時間ではあったが話を聞いた。
ウェストブルック:“Own the Chaos(カオスを支配する)”と言われる俺のプレースタイルをテーマに、さまざまな色を使って奇抜なデザインにすることで自分らしさを表現しているんだ。本来内側にあるタグをシューズの底につけてみたり、世界中を旅するからロゴをタグ風に変えたりね。インスピレーションはいろいろあるけど、特に韓国・ソウルからが大きいよ。
建築家の隈研吾、サカナクションの山口一郎、「アンリアレイジ(ANREALAGE)」の森永邦彦デザイナーの3者による「more than Reason 隈研吾+山口一郎(NF/サカナクション)+森永邦彦(ANREALAGE)展」が9月24日まで、東京・京橋のLIXILギャラリーで開催されている。入場は無料。
同展はLIXILギャラリーが、隈やアートディレクターの清水敏男、金工作家の宮田亮平、建築家の伊東豊雄の4人を監修者に迎え、3カ月ごとの会期で開催する「クリエイションの未来展」の第19回目として隈が企画したもの。タイトルにある「more than Reason」が示すように、“意味や解釈、理屈を超えた体験を作ること”を目指して制作を進めた。
ギリシャ人ジュエリーデザイナーのイレアナ・マクリ(Ileana Makri)が東京・ギンザ シックス内のブティック改装を機に来日した。「イレアナ・マクリ」は最近トレンドのお守りジュエリーの代表格である目やヘビのモチーフのジュエリーの元祖ともいえるブランド。繊細で遊び心のあるデザインは日本でも人気が高い。来日したマクリにインタビューするために、ギンザ シックスのブティックを訪ねた。約束の時間を少し過ぎて姿を現したマクリは、「ランチが終わらず遅れてごめんなさい。でも、本当にラッキーだったのよ」と話し始めた。親日家で美食家でもある彼女は、その日ミシュラン2つ星のフレンチレストラン「ナリサワ(NARISAWA)」でランチをしていたそうだ。マクリは「ランチは予約を取らないっていうから、オープン時間ちょうどに行ったのだけど満席だった。仕方ないから姉妹店『ビーズ バー バイ ナリサワ(BEES BAR BY NARISAWA)』でいきさつを話したら成澤(由浩)シェフの息子さんがすぐレストランに連絡してくれたの」と続ける。幸運なことにキャンセルが出てマクリは「ナリサワ」でランチすることになった。「彼の料理はまるで芸術のよう。10コース以上もあって、どれも素晴らしかったわ。約束の時間があるからデザートはあきらめたけれど」という。そんな彼女がジュエリーデザイナーになったのは偶然のこと。彼女自身が運を引き付ける人なのだ。
渡米に先駆けて、調光レンズ入りの跳ね上げ式眼鏡を手に入れたことはお伝えしました。次はウエアです。「アメリカに負けてたまるか!」「でもキャッキャ言われたい」という二律背反的な鼻息の荒さで選んだのは、浪速(なにわ)ブランドの「ブルーナボイン(BRU NA BOINNE)」です。インパクト十分なビジュアルと、辻マサヒロさんと德田直子さんの2人のデザイナーが恥ずかしがり屋でアマノジャクなため一切表に出てこない(!)うんちくが魅力です。
「The LIVE -MADE BY EDWIN-」と題されたこのイベントは、「MADE BY EDWIN(エドウイン製)」という自信とヘリテージを伝えることがコンセプト。エドウインのジーンズを生産している秋田ホーセ第2工場の一部を都内の会場に移設、実際に現場で働いている職人が、現場で使用しているミシンを使い、実際に目の前で縫製を行うのだ。普段は目にすることのできない職人たちの技術と、 “MADE IN TOKYO”のジーンズか出来上がっていく様子を間近で見ることができる。
武田双雲、SASUKE、 chelmicoらの ライブやトークも企画
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武田双雲SASUKEchelmico
「The LIVE -MADE BY EDWIN-」では、他にもさまざまなコンテンツを企画している。綿からジーンズになるまでの工程の展示や、「Discover Japan」とのコラボレーションで実現した日本の職人が作るプロダクトとジーンズによるインスタレーション、裁断クズを活用した環境配慮型新商品「CO:RE(コア)」の提案など、ジーンズをさまざまな角度から体感できる内容となっている。イベント会期中には、若手トラックメーカーのSASUKEや、tofubeats、chelmicoによるライブ、武田双雲のパフォーマンス、マリエのトークショーなどが予定されている。出演者はエドウイン公式サイトで追加発表される。
Josh Sperling Lazy Susan, 2019 Photo by Guillaume Ziccarelli. Courtesy of the artist and PerrotinJosh Sperling Debbie Downer, 2019 Photo by Guillaume Ziccarelli. Courtesy of the artist and PerrotinJosh Sperling Peeping Tom, 2019 Photo by Guillaume Ziccarelli. Courtesy of the artist and Perrotin
村上:服は大好きだけど、新聞記者だった自分がこのままファッションメディアの編集者になるのは難しいだろうと自覚していました。そこで、事件記者時代に少なからず意識していたジャーナリズムをファッションの世界で学び直すことができたら、それは自分の武器になるのかもしれない。そう思ったんです。そこでアメリカへ行き、ニューヨーク州立のF.I.T(ファッション工科大学/Fashion Institute Technology)※で、ジャーナリズムを含むファッション界のコミュニケーション論を学びました。
価格帯別で見ると、1万円を超える製品を展開するのは「ポーラ」「SHISEIDO」「コスメデコルテ(DECORTE)」「クレ・ド・ポー ボーテ(CLE DE PEAU BEAUTE)」「KANEBO」の4つで、すべて百貨店系のプレステージブランドだ。そのほかは5000円から1万円の間が多く、資生堂「エリクシール(ELIXIR)」とコーセーの「ワンバイ コーセー(ONE BY KOSE)」はドラッグストアで存在感を放っているほか、化粧品専門店や通信販売などの販路も拡大しており利便性が増している。
NHK BSの「ヨウジヤマモト~時空を超える黒~」を制作した酒井章行ディレクターから取材を受けました。5月2日に放送した同番組に新しい要素を加えて再編し海外へ配信するそうです。お題は「『ヨウジヤマモト(YOHJI YAMAMOTO)』が80年代にパリに与えた黒の衝撃とは?」&「なぜ『ヨウジヤマモト』は今再び若者に支持されているのか?」。難しいけれど改めて質問をもらうと脳が覚醒されるようで楽しい。うまく答えられたかな?
エスパス ルイ・ヴィトンのトークショーでは、ボルタンスキーとドイツ人の美術評論家のハインツ・ぺーター・シュヴェルフェル(Heinz Peter Schwerfel)が登壇し、2つの展示作品「アニミタス(ささやきの森)」「アニミタス(死せる母たち)」をはじめ、アートやクリエイションについて語り合いました。