商品を追跡できるマップを公開 米「ザ・ノース・フェイス」親会社に聞くトレーサビリティーの取り組み

 サステナビリティ先進企業として知られ、トレーサビリティー(追跡可能性)への取り組みでも注目を集めるのが「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」「ティンバーランド(TIMBERLAND)」「ヴァンズ(VANS)」、そして「シュプリーム(SUPREME)」を傘下に持つ米VFコーポレーション(VF CORPORATION以下、VFC)だ。同社はサプライチェーンの情報を消費者に共有するため、2016年に全製造工程を可視化したトレーサビリティーマップの開発に着手し、18年からホームページで掲載。現在、主要12ブランド計46製品が公開されている。

 アパレル産業のサプライチェーンは複雑で、把握するのが困難といわれている。だが自社の製品に責任を持つには、原材料生産から製品ができるまでの製造工程を把握することは必要不可欠だ。トレーサビリティーを追求することは、自社の労働環境や環境への負荷などの問題を浮き彫りにし、その解決の糸口となる。シャネル・オートン(Shanel Orton)=レスポンシブル・マテリアルズ&トレーサビリティー・シニアマネジャーに同社の取り組みを聞いた。

WWD:トレーサビリティーに着手したきっかけは?

シャネル・オートン=レスポンシブル・マテリアルズ&トレーサビリティー・シニアマネージャー(以下、オートン):2013年にバングラデシュの首都ダッカ近郊で死者1000人以上を出したラナ・プラザ崩落事故です。ラナ・プラザの縫製工場に発注はしていなかったものの、自社のサプライチェーンで働く労働者のために工場の安全性や人権問題を改善する必要があると痛感しました。世界中の工場で100万人以上の人々が当社の製品製造に携わっており、100万人以上の消費者がそれらを購入してくれています。品質はもちろん、労働者や消費者の安全に至るまで、私たちは製品に関わる全ての人々に対して責任があります。

WWD:トレーサビリティーマップは製品の製造背景を知ることができる画期的なシステムだ。

オートン:マップ上でサプライチェーンのデータをビジュアル化したことで、原材料や各パーツがどのような工程を経て製品化されたのかがクリアになりました。ただ、大企業の複雑なサプライチェーンに対応したプログラムを構築することは並大抵ではありませんでした。私たちは年間4億ユニット以上の製品を作っています。調達先は40カ国以上、一つの製品を作るのに50以上の工場が関わることもあり、仕入先は世界中に何千とあります。

WWD:どのように確立していったのか?

オートン:マップの開発を始めた頃は、現在ほどトレーサビリティーや透明性が社会に認知されていませんでした。でも、問題を認識しなければ解決策に取り組むことはできません。開発する過程で提携先のサプライチェーンと協業して信頼関係を築き、このプログラムの重要性や正確なデータが必要であることを理解してもらいました。また常に新たな原料やサプライヤーが加わるので、その都度課題を洗い出し、プログラムに含めていく必要があります。

WWD:現在マップ上でデータ化されている製品は?

オートン:「ティンバーランド」の“イエローブーツ”こと、“6インチ プレミアム ウォータープルーフ ブーツ”や「ヴァンズ」の白黒チェック柄の“チェッカーボード スリッポン”、「ザ・ノース・フェイス」の“サーモボール エコ フーディ”などです。追跡できる製品数は全体に対してまだ低い割合ですが、いずれも主要製品なのでボリュームは大きい。アイコニックな製品のサプライチェーンを完全にできたのは意義のあることだと思います。2021年末までに140製品に増やすことが目標です。

WWD:VFCでは、トレーサビリティーを徹底するために全工場をモニタリングしていると聞く。

モートン:タナリー(皮なめし工場)から織物工場、カッティングや縫製工場、スクリーン印刷会社、刺しゅうアトリエ、製品洗い工場、梱包施設、完成品の生産工場まで全てモニタリングしています。特に注視しているのが皮革で、現在はブラジル産の使用を禁じています。理由はアマゾン地域の大規模な森林火災をめぐり、傘下ブランドに使用される素材が環境の悪化につながっていないという確証が持てないためです。トレーサビリティーを推進することでこれまでモニタリングできなかった分野も可視化でき、“人と地球にポジティブな影響を与える”という目的主導型の経営判断が可能となりました。

そのほか、新規の森林伐採や森林劣化の原因となった土地で放牧された動物の皮革の使用も禁止しています。より信頼性の高いデータを得るために、オンライン調査に加え、原材料サプライヤーの施設へ現地調査も行っています。

WWD:トレーサビリティーへの積極的な投資の先に目指すものは?

オートン:「サステナブルなファッションを発展させるには、プロダクトデザインと開発、調達、生産など、事業全体のテクノロジーに投資する必要がある」という理念のもとに投資しています。私たちの根底にあるのは“人と地球にポジティブな影響を与えたい”という願い。その実現には、製品をエシカルかつサステナブルな方法で生産する事業戦略が不可欠です。トレーサビリティーの範囲を広げ、サプライチェーン全体の透明性を高めることは、よりよい経営判断につながります。

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商品を追跡できるマップを公開 米「ザ・ノース・フェイス」親会社に聞くトレーサビリティーの取り組み

 サステナビリティ先進企業として知られ、トレーサビリティー(追跡可能性)への取り組みでも注目を集めるのが「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」「ティンバーランド(TIMBERLAND)」「ヴァンズ(VANS)」、そして「シュプリーム(SUPREME)」を傘下に持つ米VFコーポレーション(VF CORPORATION以下、VFC)だ。同社はサプライチェーンの情報を消費者に共有するため、2016年に全製造工程を可視化したトレーサビリティーマップの開発に着手し、18年からホームページで掲載。現在、主要12ブランド計46製品が公開されている。

 アパレル産業のサプライチェーンは複雑で、把握するのが困難といわれている。だが自社の製品に責任を持つには、原材料生産から製品ができるまでの製造工程を把握することは必要不可欠だ。トレーサビリティーを追求することは、自社の労働環境や環境への負荷などの問題を浮き彫りにし、その解決の糸口となる。シャネル・オートン(Shanel Orton)=レスポンシブル・マテリアルズ&トレーサビリティー・シニアマネジャーに同社の取り組みを聞いた。

WWD:トレーサビリティーに着手したきっかけは?

シャネル・オートン=レスポンシブル・マテリアルズ&トレーサビリティー・シニアマネージャー(以下、オートン):2013年にバングラデシュの首都ダッカ近郊で死者1000人以上を出したラナ・プラザ崩落事故です。ラナ・プラザの縫製工場に発注はしていなかったものの、自社のサプライチェーンで働く労働者のために工場の安全性や人権問題を改善する必要があると痛感しました。世界中の工場で100万人以上の人々が当社の製品製造に携わっており、100万人以上の消費者がそれらを購入してくれています。品質はもちろん、労働者や消費者の安全に至るまで、私たちは製品に関わる全ての人々に対して責任があります。

WWD:トレーサビリティーマップは製品の製造背景を知ることができる画期的なシステムだ。

オートン:マップ上でサプライチェーンのデータをビジュアル化したことで、原材料や各パーツがどのような工程を経て製品化されたのかがクリアになりました。ただ、大企業の複雑なサプライチェーンに対応したプログラムを構築することは並大抵ではありませんでした。私たちは年間4億ユニット以上の製品を作っています。調達先は40カ国以上、一つの製品を作るのに50以上の工場が関わることもあり、仕入先は世界中に何千とあります。

WWD:どのように確立していったのか?

オートン:マップの開発を始めた頃は、現在ほどトレーサビリティーや透明性が社会に認知されていませんでした。でも、問題を認識しなければ解決策に取り組むことはできません。開発する過程で提携先のサプライチェーンと協業して信頼関係を築き、このプログラムの重要性や正確なデータが必要であることを理解してもらいました。また常に新たな原料やサプライヤーが加わるので、その都度課題を洗い出し、プログラムに含めていく必要があります。

WWD:現在マップ上でデータ化されている製品は?

オートン:「ティンバーランド」の“イエローブーツ”こと、“6インチ プレミアム ウォータープルーフ ブーツ”や「ヴァンズ」の白黒チェック柄の“チェッカーボード スリッポン”、「ザ・ノース・フェイス」の“サーモボール エコ フーディ”などです。追跡できる製品数は全体に対してまだ低い割合ですが、いずれも主要製品なのでボリュームは大きい。アイコニックな製品のサプライチェーンを完全にできたのは意義のあることだと思います。2021年末までに140製品に増やすことが目標です。

WWD:VFCでは、トレーサビリティーを徹底するために全工場をモニタリングしていると聞く。

モートン:タナリー(皮なめし工場)から織物工場、カッティングや縫製工場、スクリーン印刷会社、刺しゅうアトリエ、製品洗い工場、梱包施設、完成品の生産工場まで全てモニタリングしています。特に注視しているのが皮革で、現在はブラジル産の使用を禁じています。理由はアマゾン地域の大規模な森林火災をめぐり、傘下ブランドに使用される素材が環境の悪化につながっていないという確証が持てないためです。トレーサビリティーを推進することでこれまでモニタリングできなかった分野も可視化でき、“人と地球にポジティブな影響を与える”という目的主導型の経営判断が可能となりました。

そのほか、新規の森林伐採や森林劣化の原因となった土地で放牧された動物の皮革の使用も禁止しています。より信頼性の高いデータを得るために、オンライン調査に加え、原材料サプライヤーの施設へ現地調査も行っています。

WWD:トレーサビリティーへの積極的な投資の先に目指すものは?

オートン:「サステナブルなファッションを発展させるには、プロダクトデザインと開発、調達、生産など、事業全体のテクノロジーに投資する必要がある」という理念のもとに投資しています。私たちの根底にあるのは“人と地球にポジティブな影響を与えたい”という願い。その実現には、製品をエシカルかつサステナブルな方法で生産する事業戦略が不可欠です。トレーサビリティーの範囲を広げ、サプライチェーン全体の透明性を高めることは、よりよい経営判断につながります。

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デザイナー夫婦が移住し始めたアトリエ兼ボードゲームカフェ「ふふふ」 いま、ローカルが面白い!桐生編 VOL.3

 群馬・桐生市の注目ショップ3店目は、2019年11月にオープンしたファッションのオープンアトリエ兼ボードゲームスペースの「ふふふ」。こちら、この連載の初回で紹介したセレクトショップ「エスティ―カンパニー(ST COMPANY)」の隣にあります。店のオーナーはデザイナーの和崎拓人(通称、大小=タイショー)さん、門井里緒さんご夫婦。この2人も群馬県や桐生市の出身者ではなく、街にほれ込んで移住したIターン組です。

 和崎さんは渋谷の個性派セレクトショップ「デスペラード(DESPERADO)」を経て自身のモノ作りを開始。門井さんは「アウアー・バイ・キンフォーク(OUUR BY KINFOLK)」「エイトン(ATON)」などの企画チームで働いてきた経歴の持ち主です。2人はデザイナーとしてモノ作りのために各地の産地を回る中で桐生に出合い、織物工場や染工場、刺しゅう工場、プリーツ工場といった、ファッションのモノ作りのための多様な技術が集積されている点にひかれたと語ります。「エスティーカンパニー」や同店を運営する環敏夫社長との出合い/出会いも、移住を決めた大きな要因だったそう。

飲食店なども巻き込んで街のマップを作成

 ガラス越しに商店街からも店の中がよく見える「ふふふ」は、ミシンや大きな作業台があり、共同のワーキングスペースやアトリエとして開放しています。和崎さんの趣味という世界各地の珍しいボードゲームも約550種(!)取りそろえており、時間料金制でそれらを楽しむことも可能。私が訪れた11月8日には、近隣に住んでいるという横振り刺しゅう(桐生が産地として知られる、熟練技がいる刺しゅうの技法)のアーティストの女性がお店に遊びに来ていて、私やほかのお客さんに店のミシンを使って横振り刺しゅうを披露してくれました。

 2人は得意とするイラストやグラフィックなどを生かして、桐生の飲食店や商店を紹介するおしゃれなマップやクーポンなども製作しています。「僕らは桐生の新参者ですが、老舗の飲食店などに『マップやクーポンを作って来街者にもっと街を楽しんでもらい、地域を活性化したい』と相談に行くと、皆さん歓迎してアイデアに乗ってくださる」そう。前回の連載で紹介した「パーヴェイヤーズ」同様、ここでも移住者によって街に新しい活気がプラスされていることを感じました。

■ふふふ
住所:群馬県桐生市本町6-400
営業時間:平日16~23時、休祝日13~22時
定休日:月曜

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脱サラから香水ベンチャーを立ち上げ 映画とのペアリングなどユニークなアイデアを生み出す「セレス」

 香水の総合販売サイト「セレス(CELES)」は香水を「試す」「相談する」「買う」の3つがかなうさまざまなサービスを展開し、注目を集めている。500種類以上の香りの現品サイズはもちろん、気楽に試せるムエット(無料)や0.7mL(15プッシュ分)・2.5mL(50プッシュ分)・5mL(100プッシュ分)を販売するほか、日本フレグランス協会の資格を持ったスタイリストにイメージに合わせた香水を提案してもらえる「セレス セレクト」、ランダムに香水が届く「セレス ガチャ」などさまざまなサービスをそろえる。また10月には好きな映画を選び、その映画をイメージした香りを提案する「セレス シネマ」をスタートし、12月28日まで提供している。

 そんな「セレス」を手掛けるのは、大学院卒業後に大手電力会社を2年で退職し、香水業界のホワイトスペースを見つけ起業した代表のソールズベリー夏生。そもそも香水ビジネスの着想源になったのは、アメリカでも行われている高級腕時計のレンタルサービスだったという。「昔から香水はつけていたが、すごく興味や知識があったわけではないし、絶対に独立して起業したい!と思っていたわけでもない。ただ、腕時計のレンタルビジネスには注目していて、ぼんやりとビジネスチャンスがあるのでは、と思っていた。高価な腕時計は簡単に買えるわけではないし、お店で試着するのも敷居が高い。そんな腕時計を気楽に試せるビジネスは需要があると思った」と話す。

 結局腕時計ビジネスはコスト面など諸々を考慮したときに断念したが、当時香水をネットで販売していた知り合いがビジネスを続けられなかったときに、在庫を買い取ったことが「セレス」のはじまりになった。「買い取った香水を小さな瓶に詰め替え、手ごろな価格で香水を試せるようにした。最初は友人や知り合いが買ってくれていた。注文数も増えていくにつれ、香水を低価格・少量で気楽に試せるサービスが日本にあまりはないことに気づいた」。腕時計同様にビジネスになると思ったソールズベリー代表は、副業でコツコツ続けていたウェブサイトを本格的にビジネスにすると決心し、27歳という若さで2018年に起業。「ちょうど電力会社の仕事でシンガポールへの転勤の話をされたタイミングだった。給料も待遇も上がる機会だったけれど、まだ若いときにいろいろチャレンジしたいという思いがあり、成功する確信や自信はなかったけれど、香水事業にかけることにした」と当時の心境を振り返る。

「香水をつけるハードルを下げたい」

 そこから始めた「セレス」は、ラテン語で「天国」を意味する“セレスト(Celeste)”から名前をつけた。古来エジプトでは香りは天国に捧げるものだったこと、さらにヘビーメタルバンド「セレスティア」のファンだったことから、「セレス」にしたという。最初は少ない人数で四苦八苦しながら始めたビジネスが、現在は香水の注文数がスタートから2万5000件を達成し、来月には3万件を超えると予測する。また、現状単独注文が取引の半数を占め、残りは「セレス セレクト」や「セレス ガチャ」など独自のサービスだという。「日本の香水市場はまだまだ小さい。同じアジアでも韓国の人口は日本の3分の1にもかかわらず、香水市場の規模は同等レベル。でも今は香水に対する意識も変わり、ファッション同様に自己表現として楽しむ手段になりつつある。ただ、まだどんな香水をつけたらいいのか分からないという人も多く、香水をつけるハードルを下げるためにも、気楽に試せるサービスをいろいろ考えている」と話す。

 デジタルで香りを売るのが難しいともされる中で、今までにない切り口で香りに触れられるサービスとして10月にスタートしたのが、映画とのペアリングだ。好きな映画を入力すると、映画と香水に詳しいスタイリストが選んだ、映画に合わせた香りをが、送られるという仕組みだ。一見映画と香水は遠い業界に感じるが、「映画ははっきりしたテーマやストーリーがあり、感じ方は人それぞれ。そこは香水と似ているものだと思った」と説明。「もちろん難しい映画もある。例えば『ホームアローン(英表記?)』。子どもが家に一人で残されていろいろなハプニングが起こるストーリーだが、実は子どもながら大人に憧れてシェービングクリームを塗っているシーンがあったり、泥棒を退治したり、親がいないときに“大人”になりきるシーンがたくさん出てくる。だからあえて幼い香りと言うより、少し背伸びするような、スモーキーで渋めな香りを提案してみた。あとは、ホラー映画も香りと結びつけるのは難しかったりする(笑)」。

香りのプラットフォーム化を目指す

 ユニークなサービス以外に、同社の強みの一つとして挙げるのは、現在1万件を超える消費者のレビューだ。「香水は主観的なものでもあり、いろいろな人の正直なレビューが求められる。ブランド公式ECだといいレビューが目立つが、実はネガティブな意見こそ参考にされる。いずれは一般消費者のレビューに加え、スタイリストのプロのレビューも掲載し、香水の図鑑のような役割を果たせるようになりたい」。なお現在人気なのは、「ジョー マローン ロンドン(JO MALONE LONDON)」「メゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)」「イソップ(AESOP)」だという。

 これまで香水をより身近な存在にするためにさまざまなサービスを展開してきたが、今後も同じ目標の元、オンラインのチャットサービスの導入やリアル店舗の出店も視野に入れる。「消費者のレビューを見られるだけでなく、スタイリストとリアルタイムでコミュニケーションをとったり、さらに香水を買ったり、香りのプラットフォーム化を目指す。また、いずれはリアルな空間で香りを体験できる場も作りたい」。

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SNSの口コミ、どう利用する?「オルビス」のオンライン販売戦略

 オンライン上の口コミが購買に大きな影響を与えることは周知の事実だが、近年はその影響力がより増している。特に今年は新型コロナにより、テスター使用ができない、カウンターで相談できないといった事情もあり、購入にあたって口コミを含むオンラインの情報が重視される傾向にあった。

 その中で一般消費者からの投稿、いわゆるUGC(User Generated Content)は欠かせない存在となっている。企業広告やインフルエンサーマーケティングが発展する中で、よりリアルで消費者に近い存在が発する声は、認知形成から購入の“最後の一押し”までを担っている。しかしUGCは自然発生的なもの。企業はどのようにUGCを活用しているのか。

 「オルビス(ORBIS)」はクレンジングクリーム“オフクリーム”のオンライン販売でランディングページ(LP)を制作しており、その中でUGCを活用している。通常、LPでは企業が発信したい効果や性能、開発ストーリーなどが語られ、スクロールしていくと販売リンクにたどり着く。“オフクリーム”の場合は、LPではそういった企業のメッセージの間に、インスタグラムで一般ユーザーが投稿した画像や動画を差し込んでいる。投稿はSNSを活用したマーケティング支援を行うアライドアーキテクツのUGC活用ツール、レトロ(Letro)を使用して埋め込んでおり、投稿全文を開いて見ることや、横スクロールで多くの投稿を見ることができる。

 オンライン販売戦略を担当するオルビスの松枝奏輔マーケティング戦略部部長は「時代的に広告や一方的な発信を嫌う消費者が多い。そこに課題があり、客観的な第三者の声をお伝えしていきたいとUGCを活用した。能動的にリアリティーのあるコンテンツを見せられるのが魅力的」と語る。使用するUGCは消費者が自発的に投稿したものや、発表会に招いたインフルエンサーの投稿で、自由な感想が綴られている。

 レトロではUGC毎に効果測定が可能で、「オルビス」が表示した投稿の中で一番反応がよかったのは動画だったという。その理由について新規顧客販売戦略を担当する山口直マーケティング戦略部 新規戦略グループマネジャーは、「動画はテクスチャーや肌への浸透具合が可視化でき、反応がいい」と説明する。そのほか、「今までのクレンジングで1番好き」いったシンプルな感想も、リアル感があって反響があったという。形のない化粧品の使用感を伝えるのに動画は効果的だ。

消費者が欲しい情報と企業が発信したい内容

 率直な声こそ消費者が求めたものであり、「オルビス」が提供したかったものだ。一方で、この活用にはクオリティーが高く、商品の良さが伝わる投稿が集まっていることが前提にあった。このような良質な投稿が集まったのはなぜか。

 同社はインフルエンサーには商品の良さを知ってもらうため、ギフティングだけでなく商品説明会に招待している。山口マネジャーによると、「バズったものの多くは説明会に参加した方の投稿」だという。発表会では商品の効果などの説明だけでなく、「ここちを美しく」というブランドメッセージとともに、「日々働いている女性の方にメイクオフの時間を楽しんでもらいたい」という開発ストーリーを伝えた。「投稿を確約してもらっていたわけではないが、メッセージの部分に共感して投稿してもらえた。消費者にもコンセプトがきっちりと届いているのが、UGC発生の大きい要素になっていると思う」と続ける。

 また、企業が発信しにくいことを発信してくれるのもユーザー発信ならではの魅力だ。「“オフクリーム”はボトルデザインに非常にこだわったアイテムだが、企業が広告宣伝で訴求すべきポイントではない。しかしその思いは消費者に伝わり、『見た目もかわいい』と口コミでも好評だった」という。注目してほしいことを必ずしも企業が発信する必要はないのだ。

 さらに公式オンラインショップでは、商品ページに使用したユーザーが評価を記入できるコメント欄「みんなのクチコミ」が設けられ、星評価とコメントが表示される。「サイトの口コミ欄は2014年に導入した。中にはマイナス評価もあるが、そういったところをオープンにしている方が消費者の方にとっては信頼できる、価値が高い情報なのではないか。消費者のリテラシーも上がっているので、評価の平均点ではなく、口コミ内容をしっかり見て判断すると考えている」。

SNSで「エゴサ」 検索数20倍のバズの正体は?

 通信販売からスタートした「オルビス」だが、松枝部長によると、既に1番大きなチャネルはオンラインだという。これまで同社は購入者に紙のカタログを発送し、商品情報だけでない情報発信を行ってきたが、そうしたコンテンツ発信もオンラインで展開している。「カタログのコンテンツは、毎月購入をしなくともブランドの存在を意識してもらえる機会となっている。現在はアプリでもコンテンツを配信し、紙媒体で提供できなかったテック領域のコンテンツのような体験価値も提供している」。

 特に話題となったのが顔の自撮りからAIが解析する「パーソナルカラー診断」と「AIアイブローシュミレーター」だ。これらの機能はローンチ後すぐツイッターなどで大きく取り上げられ、利用者数が急増。見込み以上の結果だったというが、「バズったから良し」ではない。「購入時の一回きりでなく、一連の流れとして『美容における成功体験を得たい』というニーズに応えられるかが重要だ」と松枝部長は語る。

 この機能だけでなく商品も、SNSの拡散、いわゆるバズが大きな購買要因となっている。「例えば10万の“いいね”がついた時には検索数が20倍になった。ツイッターやユーチューブの大きな影響力を感じている」と松枝部長。そのため常日頃、自社の関連ワードで検索する“エゴサーチ”をしていると語る。「当社は自社ECに加えてロハコやアマゾンでも販売しているが、コンテンツを見てそのまま購入する方が多いようで、EC全体の売り上げが伸びることもある」。

 時には予期せぬバズが湧いてくることもある。「あるとき、急にメンズラインのネイルが爆発的に売れた。いろいろと調査したが、某有名人がメンズネイルの話をインスタグラムにアップしていたタイミングで、考えられる原因がそれしかなかった。『オルビス』製品を紹介していたわけではなかったが、メンズネイルとして販売している製品は市場にまだ多くないので、検索などで引っかかって購買につながったのではないか」と語る。直接的な影響がどれほどあったかたどりにくい事象ではあるが、一種の口コミが購買を促した一例だ。

 前述の”オフクリーム”もツイッターなどで話題となった商品だ。ターゲットは20代後半の大人世代だが、多くのUGCが生まれたことで、SNS世代である20代前半の消費者など消費者層は拡大した。山口マネジャーは「LPに限らず、ブランドの新規顧客の開拓としてもUGCは今後必要な要素になってくる」と話す。今後は芸能人やインフルエンサーだけでなく、ますます消費者の発信がブランドの鍵を握るようになるだろう。

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もしも「ワークマン プラス」が違う名前だったら… エディターズレター(2020年10月20日配信分)

※この記事は2020年10月20日に配信した、メールマガジン「エディターズレター(Editors' Letter)」のバックナンバーです。最新のレターを受け取るにはこちらから

もしも「ワークマン プラス」が違う名前だったら…

 米マクドナルドの初期の実話を描いた映画「ザ・ファウンダー」(2016年)は、成功のためなら手段を選ばない強欲なビジネスマンの物語です。業務用ミキサーのセールスマンだった主人公レイ・クロックは、お客を待たせずにハンバーガーを提供する仕組みを作ったマクドナルド兄弟に近づき、ビジネスパートナーになります。同社が巨大チェーンになる前の1950年代のことです。やがて経営路線を巡って兄弟と対立したクロックは、法律のスキを突いて商標権を奪い取ってしまいます。

 自分たちの名前を封じられる屈辱を受けたマクドナルド兄弟は、一方で疑問に思いました。クロックは合理的な調理システムやレシピの詳細など経営の裏側まで熟知しているのだから自分で起業すればいいじゃないか、と。

 これに対し、クロックは答えます。

 「マクドナルドが持つ“特別な何か”に気づかないのか?それは、マクドナルドという輝かしい名前だ。制限もなくオープンで、音の感じがいかにもアメリカらしい。“クロック”って名前の店で食べようと思うか?マクドナルドは美しい響きだ」――。

 この引用だけではピンとこないかもしれませんが、映画全編を見れば、アメリカという移民国家や、その後の大量消費社会を示唆した逸話であることが分かります。

 昨今のワークマンの人気ぶりに、この映画を思い出しました。

 18年秋に始まったカジュアルウエア業態「ワークマンプラス」は、当初は「WMプラス」の屋号で展開する予定でした。ロゴデザインまで完成していたそうです。ワークマンという名前は汗臭くてダサい。一般消費者には受けないし、まして女性は敬遠するだろう。ワークマン側はそう思い込んでいました。

 しかし、1号店の出店先「ららぽーと立川立飛」を運営する三井不動産の担当者が反対します。ワークマンは建築や土木などの現場で長年支持されている。プロが認める機能性、安全性、高品質の服としてアピールすべきだ。大事な看板を外してはいけない。

 ワークマンの仕掛け人として今や時の人になった土屋哲雄専務は、「目からウロコだった」と当時を振り返ります。「ワークマンにそんなブランド価値があるとは想像できなかった。われわれは完全に自社の価値を見誤っていた」。

 「ワークマンプラス」は1号店から人気に火がつきます。作業服のブランド価値が一般消費者からも肯定されたことを知り、社員の士気も上がっていきました。

 ワークマンという名前は単純明快で、老若男女を問わず何の店か知っています。長年放送していた吉幾三のCMソングも多くの人に刷り込まれている。もし「WMプラス」の名前だったら、これほどの社会現象になっていたでしょうか。また、他の作業服メーカーが同じように機能的で安価なカジュアルウエアの店を作っても、これほどの反響を呼んだでしょうか。

 マクドナルドとワークマンの逸話は、マーケティングの妙味を教えてくれます。

MARKET VIEW:ファッション市場で日々発信されるホットなニュースを、「WWDジャパン」のビジネス担当記者がコンパクトに解説するメールマガジン。ニュースを読み解くヒントを提供します。

エディターズレターとは?
「WWDジャパン」と「WWDビューティ」の編集者から、パーソナルなメッセージをあなたのメールボックスにダイレクトにお届けするメールマガジン。ファッションやビューティのみならず、テクノロジーやビジネス、グローバル、ダイバーシティなど、みなさまの興味に合わせて、現在7種類のテーマをお選びいただけます。届いたメールには直接返信をすることもできます。

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もしも「ワークマン プラス」が違う名前だったら… エディターズレター(2020年10月20日配信分)

※この記事は2020年10月20日に配信した、メールマガジン「エディターズレター(Editors' Letter)」のバックナンバーです。最新のレターを受け取るにはこちらから

もしも「ワークマン プラス」が違う名前だったら…

 米マクドナルドの初期の実話を描いた映画「ザ・ファウンダー」(2016年)は、成功のためなら手段を選ばない強欲なビジネスマンの物語です。業務用ミキサーのセールスマンだった主人公レイ・クロックは、お客を待たせずにハンバーガーを提供する仕組みを作ったマクドナルド兄弟に近づき、ビジネスパートナーになります。同社が巨大チェーンになる前の1950年代のことです。やがて経営路線を巡って兄弟と対立したクロックは、法律のスキを突いて商標権を奪い取ってしまいます。

 自分たちの名前を封じられる屈辱を受けたマクドナルド兄弟は、一方で疑問に思いました。クロックは合理的な調理システムやレシピの詳細など経営の裏側まで熟知しているのだから自分で起業すればいいじゃないか、と。

 これに対し、クロックは答えます。

 「マクドナルドが持つ“特別な何か”に気づかないのか?それは、マクドナルドという輝かしい名前だ。制限もなくオープンで、音の感じがいかにもアメリカらしい。“クロック”って名前の店で食べようと思うか?マクドナルドは美しい響きだ」――。

 この引用だけではピンとこないかもしれませんが、映画全編を見れば、アメリカという移民国家や、その後の大量消費社会を示唆した逸話であることが分かります。

 昨今のワークマンの人気ぶりに、この映画を思い出しました。

 18年秋に始まったカジュアルウエア業態「ワークマンプラス」は、当初は「WMプラス」の屋号で展開する予定でした。ロゴデザインまで完成していたそうです。ワークマンという名前は汗臭くてダサい。一般消費者には受けないし、まして女性は敬遠するだろう。ワークマン側はそう思い込んでいました。

 しかし、1号店の出店先「ららぽーと立川立飛」を運営する三井不動産の担当者が反対します。ワークマンは建築や土木などの現場で長年支持されている。プロが認める機能性、安全性、高品質の服としてアピールすべきだ。大事な看板を外してはいけない。

 ワークマンの仕掛け人として今や時の人になった土屋哲雄専務は、「目からウロコだった」と当時を振り返ります。「ワークマンにそんなブランド価値があるとは想像できなかった。われわれは完全に自社の価値を見誤っていた」。

 「ワークマンプラス」は1号店から人気に火がつきます。作業服のブランド価値が一般消費者からも肯定されたことを知り、社員の士気も上がっていきました。

 ワークマンという名前は単純明快で、老若男女を問わず何の店か知っています。長年放送していた吉幾三のCMソングも多くの人に刷り込まれている。もし「WMプラス」の名前だったら、これほどの社会現象になっていたでしょうか。また、他の作業服メーカーが同じように機能的で安価なカジュアルウエアの店を作っても、これほどの反響を呼んだでしょうか。

 マクドナルドとワークマンの逸話は、マーケティングの妙味を教えてくれます。

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「WWDビューティ ベストコスメ2020」ポイントメイク・総合部門

 「WWDビューティ ベストコスメ2020」は、百貨店・セミセルフショップ、バラエティー・ドラッグストアで今年もっとも売れた製品を発表。ポイントメイク・総合部門の百貨店・セミセルフ1位は、「ディオール(DIOR)」の“ディオール アディクト リップ マキシマイザー”。「口コミが良く、根強い人気を誇っている。保湿力が高いのも特徴」と評価された。2位は「アディクション(ADDICTION)」の“ザ アイシャドウ”、3位は「セルヴォーク(CELVOKE)」の“ディグニファイド リップス”がランクインした。バラエティー・ドラッグストア1位は、「エクセル(EXCEL)」の“パウダー&ペンシル アイブロウEX”、2位は「ウズ(UZU)」の“アイオープニングライナー”、3位は「ケイト(KATE)」の“デザイニングアイブロウ3D”となった。

百貨店・セミセルフ部門

1位 “ディオール アディクト リップ マキシマイザー”

「ディオール」

 唇をケアしながら、ふっくらとしたボリューム感を演出するリッププランパー。ヒアルロン酸を配合したフォーミュラで、唇表面を滑らかに整え、重ねるごとにふっくらとしたボリューム感を演出。2020年6月には、日本限定色“019 トーキョー ピンク”が加わった。“ディオール バックステージ フェイス グロウ パレット”と連動した“103 ピュア ゴールド”“104 ローズ ゴールド”“105 コッパー ゴールド”の3色も数量限定で発売。(全10色、各3700円)

2位 “ザ アイシャドウ”

「アディクション」

 インドから着想を得た2020年夏コレクション“カララダズル(KALLARA DAZZLE)”も好調だった「アディクション」“ザ アイシャドウ”。2020年8月には、KANAKOクリエイティブディレクターにより全面リニューアルを果たした。リニューアル後は、パール・スパークル・マットの3つの質感に加えて、ティント・クリームと2つのテクスチャーを新たに追加。5つの質感と新しい99色を展開し、カラーと質感のレイヤードを自由に楽しめるアイシャドウにアップデート。(全99色、各2000円)

3位 “ディグニファイド リップス”

「セルヴォーク」

 2017年の発売以来、人気が衰えない“ディグニファイド リップス 09”が3位にランクイン。天然由来成分98%のナチュラル処方でありながら絶妙な艶感とニュアンスのあるカラーを楽しめる。ベストセラーの“09テラコッタ”は、赤みを帯びたくすんだオレンジで日本人の肌になじみやすい。「ひと塗りでアカぬけた印象に仕上がる」と指名買いする人も多い。再販しても欠品状態が続いていたことから「幻のリップ」とも呼ばれていた。(全39色、各3200円)


バラエティー・ドラッグストア部門

1位 “パウダー&ペンシル アイブロウEX”

「エクセル」

 ペンシル、パウダー、スクリューブラシの3機能が一体になったアイブロウ。繊細なラインを描きやすいペンシル、濃淡がつけやすいパール感のあるふんわりパウダー、描いたラインをぼかすためのスクリューブラシがセットになっていて、眉メイクが苦手な人でもナチュラルで立体的な眉を描きやすい。特に人気が高いのは“PD01ナチュラルブラウン”と“PD02キャメルブラウン”。(全8色、各1450円)

2位 “アイオープニングライナー”

「ウズ」

「フローフシ(FLOWFUSHI)」の新ブランドとして2019年3月に誕生した「ウズ(UZU)」。“アイオープニングライナー”は「大和匠筆」を使用し、コシのある描き心地を実現。水、湿気、皮脂に強いロングラスティング処方で、こすってもにじまず美しいラインを長時間キープする。定番のブラウン、カーキ、バーガンディに加えてネイビーやパープル、オレンジ、イエローなど遊び心あるカラーがそろう。ぬるま湯で簡単にオフできる。(全14色、各1500円)

3位 “デザイニングアイブロウ3D”

「ケイト」

 2001年の発売以来、不動の人気を誇る“デザイニングアイブロウ3D”。立体的なグラデーション眉だけでなく、薄いカラーはノーズシャドウとしても使える。3色の濃淡カラーは、色ごとの仕切りがなく、メイク初心者でもグラデーションを作りやすい。質感は、エアリーで肌になじむマットなテクスチャー。形状の異なるWブラシで、太いブラシは、眉頭、ノーズ、アイホール、シェードに。コシのある細いブラシは眉尻や色ムラ調整に使える。(全4種、各1100円)

PHOTO : HIROKI WATANABE
TEXT : MISA KOTAKE

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珍しくメディアの前に登場した川久保さんはきれいでした エディターズレター(2020年10月20日配信分)

※この記事は2020年10月20日に配信した、メールマガジン「エディターズレター(Editors' Letter)」のバックナンバーです。最新のレターを受け取るにはこちらから

珍しくメディアの前に登場した川久保さんはきれいでした

 「コム デ ギャルソン」は19日、2021年春夏コレクションを南青山のオフィスで発表しました。ソーシャルディスタンシングを保ったショー形式で、客席は50ほどでしょうか。パリコレでのギャルソンのショーはいつも“ギュウギュウ”でその密度の濃さが期待値を高めてもいました(以前、私の隣ではデザイナーのシモーン・ロシャが、誰かの膝の上で見ていました)。だからフェイスカバーを身に着けてソーシャルディスタンシングを保って見る「コム デ ギャルソン」はある意味新鮮で貴重な体験でした。

 ショーが終わって鳴りやまない拍手の中でもデザイナーの川久保玲さんが姿を見せないのはいつものこと。でもその後がいつもとは違いました。来場者がバックステージへ挨拶に向かおうとすると川久保さんの方から姿を見せ、自然と囲み取材になりました。そして穏やかに、質問に対して丁寧に答えました。

 >ショーの内容やコメントは大杉記者の渾身リポートに譲ります。

 話を聞きながら私が目を引かれたのは、川久保さんの肌でした。“おい貴重なインタビューの場面で何見てるんだよ!”と突っ込んでいただいて構いません(笑)。もちろんちゃんと話を聞きながらですが、パッツリ切った前髪とマスクの間からのぞく繊細なまつげがしっかり上がり、目の下に入れた(多分)赤色のアイラインとコントラストが効いていて、肌がきめ細やかだったことを私は見逃しませんでした。着ている服がライダースではなく黒のテーラードジャケットとバルーンスカートだったことや、話す口調が穏やかなことも関係しているかもしれませんが、とても優しく女性らしい印象を受けたのです。

 パリでの川久保さんは率直に言えばもっと近寄りがたく、時々街角を速足で歩く姿を見かけても気軽に声をかけることはできませんでした。そんな強い川久保さんと今日の川久保さんには小さなギャップがあり、私は優しい川久保さんがすごく好きでした。地元東京だから見せた表情なのだとしたらラッキーです。

 私の中に「“今”であり続けるファッションデザイナーは肌が若々しい」という説(?)があります。ブランドが「過去のもの」とならず“今”であり続けるには、デザイナー自身が自分もアップデートし続けることが不可欠だと思うからです。「もういいや、こんなもんでしょ」と投げだしたら終わり。ちなみにこれってお金や技術の話ではありません。もちろん永遠の若さを手に入れよう、という話でもありません。自分自身に関心を持ち、自分をケアし続けることで得られるその時々の健やかな美、という意味です。だから肌がきれいな川久保さんが手掛ける「コム デ ギャルソン」は改めて強し、と思ったのです。

 だからなんだ、というオチがある話ではありません。コロナにより強引に環境が変わったことで見えたひとつのできごととして受け取っていただければ幸いです。そして私も肌の手入れをもっとちゃんとしようっと、と思ったのでした。

IN FASHION:パリコレもストリートも。ジュエリーもインテリアも。今押さえておきたい旬なファッション関連ニュースやコラムを「WWDジャパン」編集長がピックアップし、レターを添えてお届けするメールマガジン。日々の取材を通じて今一番気になる話題を週に一度配信します。

エディターズレターとは?
「WWDジャパン」と「WWDビューティ」の編集者から、パーソナルなメッセージをあなたのメールボックスにダイレクトにお届けするメールマガジン。ファッションやビューティのみならず、テクノロジーやビジネス、グローバル、ダイバーシティなど、みなさまの興味に合わせて、現在9種類のテーマをお選びいただけます。届いたメールには直接返信をすることもできます。

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「WWDビューティ ベストコスメ2020」ポイントメイク・新商品部門



 「WWDビューティ ベストコスメ2020」は、百貨店・セミセルフショップ、バラエティー・ドラッグストアで今年もっとも売れた製品を発表。ポイントメイク・新製品部門には、人気ブランドのリニューアルしたシグネチャーアイテムがランクイン。百貨店・セミセルフの1位に「ディオール(DIOR)」“サンク クルール クチュール”が輝いた。「SNSで話題になり、リピーターの購入も多かった」との声が上がる。2位は「アディクション(ADDICTION)」の“ザ アイシャドウ”、3位は「ディオール(DIOR)」の“アディクト リップ グロウ オイル”となった。バラエティー・ドラッグストア部門1位はNMB48の吉田朱里がプロデュースする「ビーアイドル(B-IDOL)」“ザ アイパレ”、2位は「デジャヴュ(DEJAVU)」の“アイブロウカラー”、3位はユーチューバー・モデルの古川優香がプロデュースする「リカフロッシュ(RICAFROSH)」の“ジューシーリブティント”だ。発信力のあるアイドルや、ユーチューバー・モデルがプロデュースするブランドが2品ランクインするという結果になった。

百貨店・セミセルフ部門

1位 “サンク クルール クチュール”

「ディオール」

 ロングセラー「サンク クルール」が、“サンク クルール クチュール”として2020年8月にリニューアル。アロエベラ、パインオイル配合でケア効果がプラスされ、まぶたにしっかり密着する新処方に。新デザインのケースは6%サイズアップ。カラーはディオール クチュールのアイコニックなドレスにインスパイアされた全13種類がそろう。日本人の肌になじみやすいと、ブラウン、コッパー、ゴールドのグラデーションが楽しめる“689 ミッツァ”が大人気に。(全13種、各7600円)

2位 “ザ アイシャドウ”

「アディクション」

 2020年8月にKANAKOクリエイティブディレクターにより全面リニューアルを果たした「アディクション」“ザ アイシャドウ”がランクイン。肌に滑らかになじんで密着する「スキンメルトテクノロジー」を採用し、自然な立体感を演出。パール・スパークル・マット・クリーム・ティントという異なる5つの質感をそろえることで、質感同士を重ねる質感のレイヤードが可能になった。全99色をラインアップ。(全99色、各2000円)

3位 “アディクト リップ グロウ オイル”

「ディオール」

 チェリーオイル(セイヨウミザクラ種子油)でトリートメントしながら、ナチュラルな発色と艶が楽しめる“アディクト リップ グロウ オイル”。オイルなのにべたつかず、濃密なリップケアとグロスの艶を同時にかなる。「カラー リバイバル テクノロジー」を採用し、一人一人の唇の水分量に反応し、その人だけの血色感で唇を彩る。単品で使えば保湿とグロスに使えるほか、リップ前のベースやリップ後のトップコートなどマルチユースが可能。(全5色、各3800円)


バラエティー・ドラッグストア部門

1位 “ザ アイパレ”

「ビーアイドル」

 NMB48の吉田朱里がプロデュースする「ビーアイドル」。“ザ アイパレ”は、質感が異なるカラー3色と、ハイライト1色がセットになったカラーパレット。「アイドルになって、テレビに映る自分の目の小ささに驚いた。『目を大きくすること』にこだわってメイクを研究した」という彼女のこだわりが詰まったカラーパレット。アイカラーとしても使えるハイライトは、鼻筋、頬の高い位置、目頭から八の字に入れるメイクとして提案している。(全5種、各1800円)

2位 “アイブロウカラー”

「デジャヴュ」

 「発色の良さ」と「眉毛を固めない柔らかな質感」を実現する“アイブロウカラー”。一般的な眉マスカラがパリッとしていたのは「フィルム成分」の影響が。そこで従来のフィルム成分よりも粒子径が小さく、薄膜のフィルムを作る「ミクロフィルム成分」を採用することで、毛が固まることなく眉毛本来のやわらかな質感をかなえる。高発色ながらもナチュラルな仕上がりで、お湯だけで簡単にオフできることも支持につながった。(全3色、各800円)

3位 “ジューシーリブティント”

「リカフロッシュ」

 ユーチューバー・モデル古川優香がプロデュースするコスメブランド「リカフロッシュ」の“ジューシーリブティント”がランクイン。2020年8月には、“オランジェット”“バラタレッド”“ミアローズ”“クランベリー”に加えて、新色“ピーチスキン”“ルーブラウン”が加わった。一度塗りはほんのりとした色づきを、二度塗りではハッキリした色合いが楽しめる。ニュアンスの異なる仕上がりが楽しめるリップティントとして人気を集め、累計販売個数は50万個を超えた。(全6色、各4.5g、各1680円)

PHOTO : HIROKI WATANABE
TEXT : MISA KOTAKE

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エンタメと旅、街をつなぐ「シークエンス水道橋」 都心初の顔認証を導入

 三井不動産による新ホテルブランド「シークエンス(SEQUENCE)」が11月25日、東京・水道橋にオープンした。同ホテルは渋谷のミヤシタパーク、京都・五条に続き3つ目。「シークエンス」は“やさしいつながり”をコンセプトにした次世代型ホテルで、自由に街や人がつながり体験をうながす工夫がされている。「シークエンス」ではチェックインが17時、チェックアウトが14時というユニークな時間帯を採用しており、非対面でセルフチェックイン・アウトができる。「シークエンス水道橋」では、京都・五条のホテルに続き、都心初の顔認証システムを導入し、ゲストに自由な時間と過ごし方を提供。宿泊客が利用できるセルフクロークもあり、館内各施設利用時にはキャッシュレスで対応する。

 「シークエンス水道橋」は地上12階で全119室。同ホテルは、JR水道橋駅から徒歩1分。東京ドームシティ至近なので、東京ドームのスポーツ観戦やライブなどの興奮がそのままホテルで味わえるようになっている。地上12階で全119室。駅近だが2重窓で騒音の心配は無用だ。ツインから4人まで滞在可能なバンクルームがあり、全客室にタブレットを配置し、レジャーからビジネスなどさまざまな需要に対応する。客室のデザインはシンプルかつ実用的で、バンクルームの中には、プロジェクターや65インチのテレビが設置された部屋もあり、ライブの前夜祭や後夜祭でワイワイ過ごせるようになっている。「シークエンス水道橋」では、女子旅やグループ需要の高まりに応じて、パーティープランを用意する予定だ。

スポーツやエンタメの感動や興奮の“瞬間”の共有がコンセプト

 シークエンス水道橋」のコンセプトは“瞬間”。宿泊客が感動や興奮などの“瞬間”を共有できるようになっている。2階には宿泊者専用のシアターラウンジがあり、スポーツ専門動画配信サービス「ダゾーン(DAZN)」やゲストが持参した映像コンテンツを120インチの大型スクリーンで味わうことができる。同ラウンジは、アートギャラリーとしての一面もあり、半蔵門のアートスペース「アナグラ(ANAGRA)」で活躍する新進気鋭のクリエイターによる作品を展示すると同時に、ビジネスラウンジや多目的スペースとしても使用が可能だ。

スポーツバー感覚で街とつながる「カンパイテラス」

 1階には、大型スクリーンやDJブースのあるバー&ダイニング「カンパイテラス」があり、カジュアルなスタイルで正午まで朝食が食べられる“エニタイムブレックファスト”サービスをはじめ昼食、カフェ、バーメニューを提供。朝食のセットメニューはビーガン対応のものもありボリュームたっぷりで、メインに本日のスープ、ヨーグルト、ドリンク付きで1200円と値頃感がある。スポーツバーのような開放的な雰囲気で、宿泊客でなくても気軽にランチや仕事後の一杯を楽しめるようになっている。1階にはボックスシートも用意されており、カジュアルなビジネスミーティングなどにも対応する。また、オリジナルグッズの販売も行う。旅行客も地元の人々がスポーツやライブなどの興奮を共感できて、つながれる自由度の高いホテルだ。

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「WWDビューティ ベストコスメ2020」ベースメイク・総合部門

 「WWDビューティ ベストコスメ2020」は、百貨店・セミセルフショップ、バラエティー・ドラッグストアで今年もっとも売れた製品を発表。ベースメイク・総合の、百貨店・セミセルフ部門は、石けんでオフできるタイプやUVカット効果が高いアイテムがランクイン。1位は、「クレド・ポー ボーテ(CLE DE PEAU BEAUTE)」の“ヴォワールコレクチュール”。「人気の下地がリニューアルして話題になった」との声。2位は「エスティ ローダー(ESTEE LAUDER)」の“ダブル ウェア ステイ イン プレイス メークアップ”。3位は「ポール&ジョー(PAUL & JOE)」の“プロテクティング ファンデーション プライマー”と“モイスチャライジング ファンデーション プライマー S”が同率で並んだ。バラエティー・ドラッグストア部門の1位は、「ラ ロッシュ ポゼ(LA ROCHE-POSAY)」の“UVイデア XL プロテクショントーンアップ ローズ”に決定。「マスク着用が定番化し、敏感肌需要が追い風になった」といった声。2位は「プリマヴィスタ(PRIMAVISTA)」の“皮脂くずれ防止化粧下地”、3位は「ラ ロッシュ ポゼ(LA ROCHE-POSAY)」の“UVイデア XL プロテクショントーンアップ”がランクインした。

百貨店・セミセルフ部門

1位 “ヴォワールコレクチュール”

「クレド・ポー ボーテ」

 クリームのようなテクスチャーで、小ジワ、毛穴、色ムラをカバーし、潤いのある美しい仕上がりを長時間持続させる化粧下地。肌表面の加水分解シルクなどを配合したブランド独自成分「イルミネイティングコンプレックス」(保湿成分)を配合していて、滑らかな素肌へ仕上げる。旧製品の“ヴォワールコレクチュール”の生産は終了しており、現在は“ヴォワールコレクチュールn”として販売している。<SPF20・PA++>(全1色、40g、6000円)

2位 “ダブル ウェア ステイ イン プレイス メークアップ”

「エスティ ローダー」

 1998年の発売以来、ロング&ベストセラーを誇るリキッドファンデーション。毛穴、くすみ、シミ、色ムラをしっかりカバーし、滑らかでセミマットな仕上がり。24時間続くロングラスティング力で、朝から夜までくすみのない美しい色をキープ。“ダブル ウェア”には、「シリコーン中水」処方を採用。肌に塗布すると、持続性ポリマーが肌に密着し、表情の動きに合わせてしなやかに伸びるため時間が経っても崩れにくい。カラーバリエーションは全10色、公式オンラインショップでは23色展開。<SPF10・PA++>(各30mL、各6000円)

3位 “プロテクティング ファンデーション プライマーS”

「ポール&ジョー」

 「ポール&ジョー」史上最高レベルのUVカット効果を備えながら、美容液のように心地良いみずみずしさと透明感のある仕上がりに。紫外線から肌を防御しながら、潤いと透明感のある肌に仕上げる。UV吸収剤をカプセル化して水層に配合することで、高いUVカット効果を実現した。艶のあるスキンフィットオイルを配合することで、みずみずしい使用感をかなえる。旧製品の“プロテクティング ファンデーション プライマーS”は生産を終了しており、現在はリニューアルして“プロテクティング ファンデーション プライマー”として販売している。<SPF50+・PA++++>(全2色、各30mL、各3500円)

3位 “モイスチャライジング ファンデーション プライマー S”

「ポール&ジョー」


バラエティー・ドラッグストア部門

1位 “UVイデア XL プロテクショントーンアップ ローズ”

「ラ ロッシュ ポゼ」

 光を乱反射し肌を美しく見せてくれる“トーンアップUV”の新色。肌なじみのいいピンク色で、艶があり透明感のある肌を演出する。PM2.5を含む大気中微粒子などの外的要因から肌を守るマルチプロテクションテクノロジーを採用し、敏感肌など幅広い肌質に使用できる。肌のバリア機能をサポートする、「ラ ロッシュ ポゼ ターマルウォーター(整肌成分)」を配合し、スキンケア効果も期待できる。メイク落とし不要で洗顔料でオフできる。<SPF50+・PA++++>(30mL、3400円)

2位 “皮脂くずれ防止 化粧下地”

「プリマヴィスタ」

 皮脂崩れしにくい「オイルブロック処方」で皮脂を広げず、テカりのないファンデーションの仕上がりが持続する。また、肌の密着度が高く、表情の動きでヨレやすい目元や口元もしっかりカバー。皮脂くずれが気になる夏場は全顔に、冬場はTゾーンのみにとシーズンによって塗る箇所を分ける愛用者も多い。ヒアルロン酸、カミツレ花エキス(保湿成分)を配合。<SPF20・PA++>(25mL、2800円)

3位 “UVイデア XL プロテクショントーンアップ”

「ラ ロッシュ ポゼ」

 アジア人の敏感肌向けに開発したアイテム。1位の“UVイデア XL プロテクショントーンアップ ローズ”はピンク色だが、こちらは無色。トーンアップ、日焼け止め、化粧下地を1本でかなえる。くすみ、色むらを自然にカバーし、まるで光のヴェールをまとっているかのような自然な艶感を演出。「ラ ロッシュ ポゼ ターマルウォーター(整肌成分)」を配合していてスキンケア効果も期待できる。無香料、パラベンフリー。石けんでオフできる。<SPF50+・PA++++>(30mL、3400円)

PHOTO : HIROKI WATANABE
TEXT : MISA KOTAKE

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「WWDビューティ ベストコスメ2020」ベースメイク・新製品部門

 「WWDビューティ ベストコスメ2020」は、百貨店・セミセルフショップ、バラエティー・ドラッグストアで今年もっとも売れた製品を発表。ベースメイク新製品の、百貨店・セミセルフ部門1位は、「クレ・ド・ポー ボーテ(CLE DE PEAU BEAUTE)」の“ヴォワールコレクチュールn”に決定。「SNSの口コミが良く、特に若年層の新客が多かった。リニューアル前からのファンも多く、リピート率が高いアイテム」と評価。2位は、「ローラ メルシエ(LAURA MERCIER)」“フローレス ルミエール ラディアンス パーフェクティング クッション”、3位は「スック(SUQQU)」の“ザ クリーム ファンデーション”となった。バラエティー・ドラッグストア部門1位はヘアメイクアップアーティストの河北裕介がプロデュースする「アンドビー(&BE)」“ファンシーラー”に決定。2位は「ラ ロッシュ ポゼ(LA ROCHE-POSAY)」“UVイデア XL プロテクショントーンアップ ローズ”、3位は「アンドビー」“グロウハイライター”となった。

百貨店・セミセルフ部門

1位 “ヴォワールコレクチュールn”

「クレ・ド・ポー ボーテ」

 肌表面の乱れを補正し、肌の内側からまるでヴェールをまとったようなワントーン明るい肌に仕上げる化粧下地“ヴォワールコレクチュールn”が1位。落とした後も、潤いのある滑らかな肌が続くと話題に。小ジワ、毛穴、色ムラをカバーし、滑らかでしっとりとした肌に導く。皮脂によるテカリやヨレといった化粧崩れを防ぎ、美しい仕上がりを長時間キープ。肌につけると、白ワインとローズを再現した香りがほのかに感じられる。<SPF25・PA++>(全1色、40g、6500円)

2位 “フローレス ルミエール ラディアンス パーフェクティング クッション”

「ローラ メルシエ」

 ベースメイク“フローレス ルミエール”シリーズのクッションファンデーションが2位に登場。超微粒子のダイヤモンドパウダーを配合し、色ムラを補正して動くたびに光を反射して上品な艶感を与える。一度塗りはもちろん、重ね塗りしてもナチュラルで素肌のような仕上がりに。また、プロテクト成分を配合し、紫外線、花粉といった外的環境のストレスからもガードする。2020年9月30日に、新色“0C1(PEARL IVORY)”が加わった。<SPF50・PA+++>(全6色、各15g、各5800円)

3位 “ザ クリーム ファンデーション”

「スック」

 3位は、時間の経過とともに「移り変わる艶」が楽しめる「スック」のクリームファンデーション。新たに緑茶エキスやシルクプロテインの国産美容保湿エキスを配合することで、スキンケア効果がアップ。また、全てのピグメントにアミノ酸誘導体コーティングを施すことで、粉感の少ないテクスチャーに進化。イエロー系5色、オークル系5色、ピンク系2色と、それぞれ明度の異なる色をそろえることで求める肌色が見つかるカラーバリエーションに。<SPF20~SPF30・PA++~PA+++>(各30g、各1万円)


バラエティー・ドラッグストア部門

1位 “ファンシーラー”

「アンドビー」

 人気ヘアメイクアップアーティストの河北裕介がプロデュースする「アンドビー」のファンデとコンシーラーを兼ねた“ファンシーラー”が1位に。オレンジとベージュの2色からなり、ファンデーションのように軽く伸ばせながらコンシーラーのカバー力を持つ、いいとこ取りアイテム。伸びがよく少量で隠したい箇所をカバーできる。オレンジは、クマのカバーにも使えてひと塗りで表情が明るく。石けんタイプの洗顔料とお湯でオフできる。<SPF20・PA++>(全2種、各4g、各3500円)

2位 “UVイデア XLプロテクショントーンアップ ローズ”

「ラ ロッシュ ポゼ」

 2018年の発売以来、人気の“トーンアップUV”シリーズに新色ピンクが加わった。トーンアップ、日焼け止め、化粧下地を1本でかなえてくれる。スクワラン、グリセリンなどの保湿スキンケア成分を配合し、乾燥によるダメージから肌を守ってくれる。深海微生物由来のヴェニュセアン(サーマスサーモフィルス培養物)、シアバター由来のデトキシル、ビタミンE、ボタンエキスなどを配合し、敏感肌でも使える低刺激設計。<SPF50+・PA++++>(30mL、3400円)

3位 “グロウハイライター”

「アンドビー」

 バーム状ハイライター。シルバー、ブロンズ、ピンクの3色を独自ブレンドしたオリジナルカラーが⻩ぐすみ抑え、透明感を高める。微細なパールが入っていて、小ジワ、シミなどの肌のアラを光で飛ばし、柔らかな質感に。内側から発光しているかのような立体感を与え、奥行きのある小顔メイクがかなう。肌荒れを防ぐ整肌成分を配合しているため、肌に潤いを与え、健やかでキメの整った肌に。石けんタイプの洗顔料でオフできるのも特徴だ。(全1色、3g、3000円)

PHOTO : HIROKI WATANABE
TEXT : MISA KOTAKE

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「WWDビューティ ベストコスメ2020」ベースメイク・新製品部門

 「WWDビューティ ベストコスメ2020」は、百貨店・セミセルフショップ、バラエティー・ドラッグストアで今年もっとも売れた製品を発表。ベースメイク新製品の、百貨店・セミセルフ部門1位は、「クレ・ド・ポー ボーテ(CLE DE PEAU BEAUTE)」の“ヴォワールコレクチュールn”に決定。「SNSの口コミが良く、特に若年層の新客が多かった。リニューアル前からのファンも多く、リピート率が高いアイテム」と評価。2位は、「ローラ メルシエ(LAURA MERCIER)」“フローレス ルミエール ラディアンス パーフェクティング クッション”、3位は「スック(SUQQU)」の“ザ クリーム ファンデーション”となった。バラエティー・ドラッグストア部門1位はヘアメイクアップアーティストの河北裕介がプロデュースする「アンドビー(&BE)」“ファンシーラー”に決定。2位は「ラ ロッシュ ポゼ(LA ROCHE-POSAY)」“UVイデア XL プロテクショントーンアップ ローズ”、3位は「アンドビー」“グロウハイライター”となった。

百貨店・セミセルフ部門

1位 “ヴォワールコレクチュールn”

「クレ・ド・ポー ボーテ」

 肌表面の乱れを補正し、肌の内側からまるでヴェールをまとったようなワントーン明るい肌に仕上げる化粧下地“ヴォワールコレクチュールn”が1位。落とした後も、潤いのある滑らかな肌が続くと話題に。小ジワ、毛穴、色ムラをカバーし、滑らかでしっとりとした肌に導く。皮脂によるテカリやヨレといった化粧崩れを防ぎ、美しい仕上がりを長時間キープ。肌につけると、白ワインとローズを再現した香りがほのかに感じられる。<SPF25・PA++>(全1色、40g、6500円)

2位 “フローレス ルミエール ラディアンス パーフェクティング クッション”

「ローラ メルシエ」

 ベースメイク“フローレス ルミエール”シリーズのクッションファンデーションが2位に登場。超微粒子のダイヤモンドパウダーを配合し、色ムラを補正して動くたびに光を反射して上品な艶感を与える。一度塗りはもちろん、重ね塗りしてもナチュラルで素肌のような仕上がりに。また、プロテクト成分を配合し、紫外線、花粉といった外的環境のストレスからもガードする。2020年9月30日に、新色“0C1(PEARL IVORY)”が加わった。<SPF50・PA+++>(全6色、各15g、各5800円)

3位 “ザ クリーム ファンデーション”

「スック」

 3位は、時間の経過とともに「移り変わる艶」が楽しめる「スック」のクリームファンデーション。新たに緑茶エキスやシルクプロテインの国産美容保湿エキスを配合することで、スキンケア効果がアップ。また、全てのピグメントにアミノ酸誘導体コーティングを施すことで、粉感の少ないテクスチャーに進化。イエロー系5色、オークル系5色、ピンク系2色と、それぞれ明度の異なる色をそろえることで求める肌色が見つかるカラーバリエーションに。<SPF20~SPF30・PA++~PA+++>(各30g、各1万円)


バラエティー・ドラッグストア部門

1位 “ファンシーラー”

「アンドビー」

 人気ヘアメイクアップアーティストの河北裕介がプロデュースする「アンドビー」のファンデとコンシーラーを兼ねた“ファンシーラー”が1位に。オレンジとベージュの2色からなり、ファンデーションのように軽く伸ばせながらコンシーラーのカバー力を持つ、いいとこ取りアイテム。伸びがよく少量で隠したい箇所をカバーできる。オレンジは、クマのカバーにも使えてひと塗りで表情が明るく。石けんタイプの洗顔料とお湯でオフできる。<SPF20・PA++>(全2種、各4g、各3500円)

2位 “UVイデア XLプロテクショントーンアップ ローズ”

「ラ ロッシュ ポゼ」

 2018年の発売以来、人気の“トーンアップUV”シリーズに新色ピンクが加わった。トーンアップ、日焼け止め、化粧下地を1本でかなえてくれる。スクワラン、グリセリンなどの保湿スキンケア成分を配合し、乾燥によるダメージから肌を守ってくれる。深海微生物由来のヴェニュセアン(サーマスサーモフィルス培養物)、シアバター由来のデトキシル、ビタミンE、ボタンエキスなどを配合し、敏感肌でも使える低刺激設計。<SPF50+・PA++++>(30mL、3400円)

3位 “グロウハイライター”

「アンドビー」

 バーム状ハイライター。シルバー、ブロンズ、ピンクの3色を独自ブレンドしたオリジナルカラーが⻩ぐすみ抑え、透明感を高める。微細なパールが入っていて、小ジワ、シミなどの肌のアラを光で飛ばし、柔らかな質感に。内側から発光しているかのような立体感を与え、奥行きのある小顔メイクがかなう。肌荒れを防ぐ整肌成分を配合しているため、肌に潤いを与え、健やかでキメの整った肌に。石けんタイプの洗顔料でオフできるのも特徴だ。(全1色、3g、3000円)

PHOTO : HIROKI WATANABE
TEXT : MISA KOTAKE

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「WWDビューティ ベストコスメ2020」ベースメイク・新製品部門

 「WWDビューティ ベストコスメ2020」は、百貨店・セミセルフショップ、バラエティー・ドラッグストアで今年もっとも売れた製品を発表。ベースメイク新製品の、百貨店・セミセルフ部門1位は、「クレ・ド・ポー ボーテ(CLE DE PEAU BEAUTE)」の“ヴォワールコレクチュールn”に決定。「SNSの口コミが良く、特に若年層の新客が多かった。リニューアル前からのファンも多く、リピート率が高いアイテム」と評価。2位は、「ローラ メルシエ(LAURA MERCIER)」“フローレス ルミエール ラディアンス パーフェクティング クッション”、3位は「スック(SUQQU)」の“ザ クリーム ファンデーション”となった。バラエティー・ドラッグストア部門1位はヘアメイクアップアーティストの河北裕介がプロデュースする「アンドビー(&BE)」“ファンシーラー”に決定。2位は「ラ ロッシュ ポゼ(LA ROCHE-POSAY)」“UVイデア XL プロテクショントーンアップ ローズ”、3位は「アンドビー」“グロウハイライター”となった。

百貨店・セミセルフ部門

1位 “ヴォワールコレクチュールn”

「クレ・ド・ポー ボーテ」

 肌表面の乱れを補正し、肌の内側からまるでヴェールをまとったようなワントーン明るい肌に仕上げる化粧下地“ヴォワールコレクチュールn”が1位。落とした後も、潤いのある滑らかな肌が続くと話題に。小ジワ、毛穴、色ムラをカバーし、滑らかでしっとりとした肌に導く。皮脂によるテカリやヨレといった化粧崩れを防ぎ、美しい仕上がりを長時間キープ。肌につけると、白ワインとローズを再現した香りがほのかに感じられる。<SPF25・PA++>(全1色、40g、6500円)

2位 “フローレス ルミエール ラディアンス パーフェクティング クッション”

「ローラ メルシエ」

 ベースメイク“フローレス ルミエール”シリーズのクッションファンデーションが2位に登場。超微粒子のダイヤモンドパウダーを配合し、色ムラを補正して動くたびに光を反射して上品な艶感を与える。一度塗りはもちろん、重ね塗りしてもナチュラルで素肌のような仕上がりに。また、プロテクト成分を配合し、紫外線、花粉といった外的環境のストレスからもガードする。2020年9月30日に、新色“0C1(PEARL IVORY)”が加わった。<SPF50・PA+++>(全6色、各15g、各5800円)

3位 “ザ クリーム ファンデーション”

「スック」

 3位は、時間の経過とともに「移り変わる艶」が楽しめる「スック」のクリームファンデーション。新たに緑茶エキスやシルクプロテインの国産美容保湿エキスを配合することで、スキンケア効果がアップ。また、全てのピグメントにアミノ酸誘導体コーティングを施すことで、粉感の少ないテクスチャーに進化。イエロー系5色、オークル系5色、ピンク系2色と、それぞれ明度の異なる色をそろえることで求める肌色が見つかるカラーバリエーションに。<SPF20~SPF30・PA++~PA+++>(各30g、各1万円)


バラエティー・ドラッグストア部門

1位 “ファンシーラー”

「アンドビー」

 人気ヘアメイクアップアーティストの河北裕介がプロデュースする「アンドビー」のファンデとコンシーラーを兼ねた“ファンシーラー”が1位に。オレンジとベージュの2色からなり、ファンデーションのように軽く伸ばせながらコンシーラーのカバー力を持つ、いいとこ取りアイテム。伸びがよく少量で隠したい箇所をカバーできる。オレンジは、クマのカバーにも使えてひと塗りで表情が明るく。石けんタイプの洗顔料とお湯でオフできる。<SPF20・PA++>(全2種、各4g、各3500円)

2位 “UVイデア XLプロテクショントーンアップ ローズ”

「ラ ロッシュ ポゼ」

 2018年の発売以来、人気の“トーンアップUV”シリーズに新色ピンクが加わった。トーンアップ、日焼け止め、化粧下地を1本でかなえてくれる。スクワラン、グリセリンなどの保湿スキンケア成分を配合し、乾燥によるダメージから肌を守ってくれる。深海微生物由来のヴェニュセアン(サーマスサーモフィルス培養物)、シアバター由来のデトキシル、ビタミンE、ボタンエキスなどを配合し、敏感肌でも使える低刺激設計。<SPF50+・PA++++>(30mL、3400円)

3位 “グロウハイライター”

「アンドビー」

 バーム状ハイライター。シルバー、ブロンズ、ピンクの3色を独自ブレンドしたオリジナルカラーが⻩ぐすみ抑え、透明感を高める。微細なパールが入っていて、小ジワ、シミなどの肌のアラを光で飛ばし、柔らかな質感に。内側から発光しているかのような立体感を与え、奥行きのある小顔メイクがかなう。肌荒れを防ぐ整肌成分を配合しているため、肌に潤いを与え、健やかでキメの整った肌に。石けんタイプの洗顔料でオフできるのも特徴だ。(全1色、3g、3000円)

PHOTO : HIROKI WATANABE
TEXT : MISA KOTAKE

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「WWDビューティ ベストコスメ2020」ベースメイク・新製品部門

 「WWDビューティ ベストコスメ2020」は、百貨店・セミセルフショップ、バラエティー・ドラッグストアで今年もっとも売れた製品を発表。ベースメイク新製品の、百貨店・セミセルフ部門1位は、「クレ・ド・ポー ボーテ(CLE DE PEAU BEAUTE)」の“ヴォワールコレクチュールn”に決定。「SNSの口コミが良く、特に若年層の新客が多かった。リニューアル前からのファンも多く、リピート率が高いアイテム」と評価。2位は、「ローラ メルシエ(LAURA MERCIER)」“フローレス ルミエール ラディアンス パーフェクティング クッション”、3位は「スック(SUQQU)」の“ザ クリーム ファンデーション”となった。バラエティー・ドラッグストア部門1位はヘアメイクアップアーティストの河北裕介がプロデュースする「アンドビー(&BE)」“ファンシーラー”に決定。2位は「ラ ロッシュ ポゼ(LA ROCHE-POSAY)」“UVイデア XL プロテクショントーンアップ ローズ”、3位は「アンドビー」“グロウハイライター”となった。

百貨店・セミセルフ部門

1位 “ヴォワールコレクチュールn”

「クレ・ド・ポー ボーテ」

 肌表面の乱れを補正し、肌の内側からまるでヴェールをまとったようなワントーン明るい肌に仕上げる化粧下地“ヴォワールコレクチュールn”が1位。落とした後も、潤いのある滑らかな肌が続くと話題に。小ジワ、毛穴、色ムラをカバーし、滑らかでしっとりとした肌に導く。皮脂によるテカリやヨレといった化粧崩れを防ぎ、美しい仕上がりを長時間キープ。肌につけると、白ワインとローズを再現した香りがほのかに感じられる。<SPF25・PA++>(全1色、40g、6500円)

2位 “フローレス ルミエール ラディアンス パーフェクティング クッション”

「ローラ メルシエ」

 ベースメイク“フローレス ルミエール”シリーズのクッションファンデーションが2位に登場。超微粒子のダイヤモンドパウダーを配合し、色ムラを補正して動くたびに光を反射して上品な艶感を与える。一度塗りはもちろん、重ね塗りしてもナチュラルで素肌のような仕上がりに。また、プロテクト成分を配合し、紫外線、花粉といった外的環境のストレスからもガードする。2020年9月30日に、新色“0C1(PEARL IVORY)”が加わった。<SPF50・PA+++>(全6色、各15g、各5800円)

3位 “ザ クリーム ファンデーション”

「スック」

 3位は、時間の経過とともに「移り変わる艶」が楽しめる「スック」のクリームファンデーション。新たに緑茶エキスやシルクプロテインの国産美容保湿エキスを配合することで、スキンケア効果がアップ。また、全てのピグメントにアミノ酸誘導体コーティングを施すことで、粉感の少ないテクスチャーに進化。イエロー系5色、オークル系5色、ピンク系2色と、それぞれ明度の異なる色をそろえることで求める肌色が見つかるカラーバリエーションに。<SPF20~SPF30・PA++~PA+++>(各30g、各1万円)


バラエティー・ドラッグストア部門

1位 “ファンシーラー”

「アンドビー」

 人気ヘアメイクアップアーティストの河北裕介がプロデュースする「アンドビー」のファンデとコンシーラーを兼ねた“ファンシーラー”が1位に。オレンジとベージュの2色からなり、ファンデーションのように軽く伸ばせながらコンシーラーのカバー力を持つ、いいとこ取りアイテム。伸びがよく少量で隠したい箇所をカバーできる。オレンジは、クマのカバーにも使えてひと塗りで表情が明るく。石けんタイプの洗顔料とお湯でオフできる。<SPF20・PA++>(全2種、各4g、各3500円)

2位 “UVイデア XLプロテクショントーンアップ ローズ”

「ラ ロッシュ ポゼ」

 2018年の発売以来、人気の“トーンアップUV”シリーズに新色ピンクが加わった。トーンアップ、日焼け止め、化粧下地を1本でかなえてくれる。スクワラン、グリセリンなどの保湿スキンケア成分を配合し、乾燥によるダメージから肌を守ってくれる。深海微生物由来のヴェニュセアン(サーマスサーモフィルス培養物)、シアバター由来のデトキシル、ビタミンE、ボタンエキスなどを配合し、敏感肌でも使える低刺激設計。<SPF50+・PA++++>(30mL、3400円)

3位 “グロウハイライター”

「アンドビー」

 バーム状ハイライター。シルバー、ブロンズ、ピンクの3色を独自ブレンドしたオリジナルカラーが⻩ぐすみ抑え、透明感を高める。微細なパールが入っていて、小ジワ、シミなどの肌のアラを光で飛ばし、柔らかな質感に。内側から発光しているかのような立体感を与え、奥行きのある小顔メイクがかなう。肌荒れを防ぐ整肌成分を配合しているため、肌に潤いを与え、健やかでキメの整った肌に。石けんタイプの洗顔料でオフできるのも特徴だ。(全1色、3g、3000円)

PHOTO : HIROKI WATANABE
TEXT : MISA KOTAKE

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「先陣は『LV』」に期待しているワタシ エディターズレター(2020年9月7日配信分)

※この記事は2020年9月7日に配信した、メールマガジン「エディターズレター(Editors' Letter)」のバックナンバーです。最新のレターを受け取るにはこちらから

「先陣は『LV』」に期待しているワタシ

 先週行われた「ルイ・ヴィトン」のファッションショー、こんな時のリアルショーについては賛否両論あるのかもしれませんが、「先陣を切るのは、やっぱり『ルイ・ヴィトン』なんだな」と思いました。

 このメゾンについては同じこと、つまり「最初は、やっぱり『ルイ・ヴィトン』なんだ」と思う時が度々訪れ、正直、それを願っているフシさえあります。例えばヴァージル・アブローがアーティスティック・ディレクターに就任した時は、黒人で、建築出身で、ストリートな彼を、「ルイ・ヴィトン」という世界最大のメガ・ラグジュアリー・ブランドが選んだことに意義があると感じました。「いよいよファッション業界が人種や出自、経験にとらわれず、才能やビジョン、そして大義でジャッジする時代が到来する!!」と期待したのです。そのインパクトは、小さなブランドの似たような人事とはワケが違います。「ルイ・ヴィトン」の一挙手一投足はファッション業界を超え、ファッション代表として社会に認知され、ゆえに社会を変え得る力を持っていると考えています。だからこそ、「まずは『ルイ・ヴィトン』から」を期待してしまうのです。そしてヴァージルはデビュー以来、ダイバーシティー&インクルージョンというコアバリューを連打。これも、「ルイ・ヴィトン」が示すこと、「ルイ・ヴィトン」から示すことに意味があるのです。

 その意味で今回のショーは、ファッションがくじけていないこと、新しい形のランウエイショーを模索していること、本国の首脳陣は来日できないからジャパン社のスタッフに相当の権限を委譲して実行を託したローカライズなどの意味において、業界を前進させ得る1つの契機になり得るのでは?と思っています。さまざまな意見が飛び交っていることは承知の上で、私は、ブランド単体はもちろん業界全体の前進の原動力になり得ている動きを応援したいと思っています。そして規模はず~っと小さいけれど、ヴァージル同様に1つの組織を率いる人間として、大いに刺激を受けるのです。

 そう考えると、トップがこれだけ大胆かつ勇敢に、そしてSNSなどで意思を表明しながら道を開拓してくれる組織は強いですね。ヴァージル同様に意思表示に勇敢なのは、Twitterで存在感を増しているテック系企業のトップたちでしょうか?昔ながらの大企業は、そのあたりやっぱり難しいでしょうか?

 「正直に語る」「ウソをつかない」「直接語りかける」は、サステナブルに繋がる透明性においても、D2C的マインドのコミュニケーションにおいても欠かせません。そろそろ決断の時が迫っているように思うのですが、いかがでしょうか?

FROM OUR INDUSTRY:ファッションとビューティ、関連する業界の注目トピックスをお届けする総合・包括的ニュースレターを週3回配信するメールマガジン。「WWD JAPAN.com」が配信する1日平均30本程度の記事から、特にプロが読むべき、最新ニュースや示唆に富むコラムなどをご紹介します。

エディターズレターとは?
「WWDジャパン」と「WWDビューティ」の編集者から、パーソナルなメッセージをあなたのメールボックスにダイレクトにお届けするメールマガジン。ファッションやビューティのみならず、テクノロジーやビジネス、グローバル、ダイバーシティなど、みなさまの興味に合わせて、現在7種類のテーマをお選び頂けます。届いたメールには直接返信をすることもできます。

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コロナ禍でも2ケタ成長を続ける「ラ ロッシュ ポゼ」 “トーンアップUV”が大ヒットした要因は 

 日本ロレアル(NIHON L’OREAL)が展開する、フランス発のダーマコスメブランド「ラ ロッシュ ポゼ(LA ROCHE-POSAY)」はコロナ禍で成長が加速した稀有なブランドのひとつだ。過去2〜3年、毎年2ケタ成長し、新型コロナウイルスにより多くの経済活動にブレーキが掛かる中、時代に合った製品とコミュニケーションで成長をし続けている。同社の中でドクターズコスメブランドを主に扱うアクティブコスメティクス事業部をリードするブランドだ。

 「ラ ロッシュ ポゼ」はフランス中西部に位置するラ ロッシュ ポゼ村の皮膚ケア施設から生まれたブランドで、同地域の湧水、ターマルウォーターを配合している製品を展開している。敏感肌でも使えるアイテムを手掛け、一般消費者だけでなく世界中の皮膚科医からも推奨されている。中でも、肌色を自然に明るく見せる日焼け止め“UVイデア XL プロテクショントーンアップ”がブランドのキーアイテムとして存在感を発揮している。

 2020年1月に事業部長に就いたスティービー・キャメロン(Stevie Cameron)氏は人気の要因について「まずは、われわれが敏感肌のエキスパートとして信頼を得ていることが大きいだろう。肌を紫外線や大気中微粒子から守るプロテクション効果や肌を保湿するスキンケア効果、さらに自然にトーンアップしたり艶を出すメイクアップ効果も備えながら、敏感肌でも使えるというマルチ機能が大きなポイントだ。その信頼と製品力により多くの口コミを生み出し、さらにベストコスメ賞を数多く獲得したことがヒットにつながった」と説明する。
 
 コロナにより人々の意識は大きく変わった。体の内側から免疫力を高めることに加え、外的要因からプロテクトするという考え方が台頭している。化粧品ではスキンケアを重視する傾向が強くなっているが、加えてベースメイクでも守るといったコミュニケーションが人気の引き金になっている。“UVイデア XL プロテクショントーンアップ”はまさに、それをかなえる製品として好評で、さらには守るだけでなく、スキンケアやトーンアップ効果などのプラスαの差別化も人気を高めている。同アイテムで若年層を含む多くの新規顧客の獲得にも奏功し、使用者のリピート率も高くブランド顧客を増やしているという。

 差別化は製品開発の段階から始まっている。フランス発グローバルブランドでありながら、アジア人女性の肌悩みやニーズを研究して開発。「日本、中国、北米、ヨーロッパに研究所があり、ローカライズされた製品を生産している。日本の研究所で開発された製品は、日本と韓国マーケットに向けた製品を手掛けている」とし、「本社はフランスなので基本的に製品はフランス発のものが中心になるが、今後も日本人・韓国人特有の肌ニーズがあれば応えていきたい」と話す。

新型コロナで変化する消費者の意識も影響

 多くの化粧品ブランドはロックダウン中に実店舗の閉店でビジネスに影響を受けたが、ロックダウン中でも営業を続けていたドラッグストアで扱いがあるのは大きなプラスになったのではないかと考えたが、「実際、ドラッグストアも打撃を受けたので、成長し続けているのはそれだけではない。ますます健康に気を遣う人が増える中で、化粧品の中身や安全性に気を遣う人も増えている。創業当時から皮膚科医の協力を得て製品を開発し、世界中の皮膚科医から採用されているわれわれの製品への信頼が改めて厚くなったと考える。何十年もの間、医療従事者と協力して製品を開発し、敏感肌の人や赤ちゃんでも使える製品を作ってきた。今後も、肌の健康を追求し、肌トラブルに対するソリューションを提供する」と語る。混沌とする今の時代に求められる要素が詰まっている。

 さらに、今の時代に避けては通れない環境問題にも積極的だ。本国では、ロレアルがフランスのアルベア(ALBEA)と協業して開発したペーパーチューブの導入を同社のブランドの中で「ラ ロッシュ-ポゼ」が先行してはじめている。具体的な施策は現在計画中だが、日本市場でも同様にサステナビリティの取り組みを企画しているという。

 日本施策として11月12日(“皮膚の日”)から5週間にわたりライブ配信番組「#MySkinStories」も配信した。友利新・皮膚科医兼内科医や吉田貴子・皮膚科医兼美容皮膚科医ら皮膚科医が近藤千尋やクリス・ウェブ佳子など敏感肌のタレントとともにトークショーを行っており、敏感肌ならではの悩みを話し合ったり、視聴者とのコメントに応えたり、敏感肌コミュニティーをサポートする施策にも力を入れる。

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「パナソニック ビューティ」の美容家電がホリデーシーズンに大集合 GENKINGに大プレゼン

 ホリデーシーズンに突入し、大切な人へのプレゼントや自分へのご褒美を考えたい季節がやって来た。そこで美容家電のリーディング・ブランド「パナソニック ビューティ」と「WWDJAPAN.com」は、フェイスやヘア、ボディケアなど、おうちでのセルフビューティを叶える商品を一堂に集めたライブ配信を実施。パナソニックで7つの商品を担当する4人の社員がそれぞれ、同ブランドの大ファンで商品知識もプロ顔負けのビューティ・アイコンGENKINGに、最新美容家電の魅力と機能、使い方などをプレゼンした。

「スチーマー ナノケア」や
「ヘアードライヤー ナノケア」は
2020年に機能&デザインを刷新

 パナソニック ビューティ」と「WWDJAPAN.com」は、東京・銀座にあるパナソニックの最新美容家電を体験できる「パナソニック ビューティサロン 銀座」からライブ配信をお届け。手持ちの化粧水をミスト化して噴霧できる「スチーマー ナノケア」をはじめ、「ドレナージュ※1美顔器 温感かっさ」「導入※2美顔器 イオンエフェクター」「RF美顔器」のフェイスケア商品、髪に驚きのうるおいを与える「ヘアードライヤー ナノケア」と「ストレートアイロン ナノケア」、さらにムダ毛の目立たないスベスベ肌へ導く「光美容器 光エステ」を、各商品3分間でプレゼンした。それぞれの商品は2020年に機能やデザインを刷新したり新色を追加したり、注目ポイントも数多い。

「ヘアードライヤー ナノケア」は、
高浸透「ナノイー」が
18倍※3も大発生

 4人の担当者は、いずれもパネルを用意して3分間のプレゼンに挑戦。「温感かっさ」では、①エステティシャンのタッチを再現した肌に密着する形状②約37、40、42度に設定可能なホッとくつろぐ温感③ボディにも使える汎用性などをプレゼン。日本で最初に発売して以来83年間進化を続ける「ヘアードライヤー」では、昨年から好評の従来「ナノイー」に比べて18倍※3の水分発生量の高浸透「ナノイー」とカラーリングした髪を退色抑制する新機能をプッシュ!「ストレートアイロン」は、担当者自身が巻髪を一発でまっすぐに伸ばしたり、さらに毛先を遊ばせたりの実演に挑戦した。美肌とムダ毛の両方にアプローチする「光エステ」は、2本のランプが連続発光することで1回の刺激を抑えつつ2週間で効果が実感※4できるハイパワーを熱弁。

GENKINGは
愛用品の注目ポイントを
実体験とともに解説
プロ顔負けの説明が続々

 いずれの商品も愛用し、特に「スチーマー ナノケア」は3代目というGENKINGは、愛用者だからこそのお気に入りポイントなど、使い方を負けずに解説!「スチーマー ナノケア」では、撮影など「気合いを入れる日」には必ず使用し、プロのメイクアップアーティストも愛用していることを解説。「イオンエフェクター」は、「普段使っている化粧水やマスクの上から使えて、手で塗布するよりずっと効果的。5000円の化粧水を使っても、8000円の化粧水のように感じられる(笑)」とお気に入りポイントを説明。「RF美顔器」は、「エイジングケアが気になる女子に使って欲しい。時々のエステより、毎日のエイジングケア。若い子は、まだ欲張らなくて良いかも(笑)」と終始ユーモアもいっぱいだった。

※1 ドレナージュとはエステの手技の名称です
※2 角質層まで
※3 「ナノイー」と高浸透「ナノイー」との比較(パナソニック調べ)
※4 出力レベル5で使用後2週間で、ムダ毛の目立ちにくいスベスベ肌になってきたことを実感(パナソニック調べ)
※5 角質層まで。ヒアルロン酸分子量5,000〜10,000、コラーゲン分子量1,000〜5,000を使用した浸透量試験実施
※6 引き上げるように動かすこと
※7 パナソニック2015年発売EH-XU10比(パナソニック調べ)

問い合わせ先
パナソニック ビューティ

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「パナソニック ビューティ」の美容家電がホリデーシーズンに大集合 GENKINGに大プレゼン

 ホリデーシーズンに突入し、大切な人へのプレゼントや自分へのご褒美を考えたい季節がやって来た。そこで美容家電のリーディング・ブランド「パナソニック ビューティ」と「WWDJAPAN.com」は、フェイスやヘア、ボディケアなど、おうちでのセルフビューティを叶える商品を一堂に集めたライブ配信を実施。パナソニックで7つの商品を担当する4人の社員がそれぞれ、同ブランドの大ファンで商品知識もプロ顔負けのビューティ・アイコンGENKINGに、最新美容家電の魅力と機能、使い方などをプレゼンした。

「スチーマー ナノケア」や
「ヘアードライヤー ナノケア」は
2020年に機能&デザインを刷新

 パナソニック ビューティ」と「WWDJAPAN.com」は、東京・銀座にあるパナソニックの最新美容家電を体験できる「パナソニック ビューティサロン 銀座」からライブ配信をお届け。手持ちの化粧水をミスト化して噴霧できる「スチーマー ナノケア」をはじめ、「ドレナージュ※1美顔器 温感かっさ」「導入※2美顔器 イオンエフェクター」「RF美顔器」のフェイスケア商品、髪に驚きのうるおいを与える「ヘアードライヤー ナノケア」と「ストレートアイロン ナノケア」、さらにムダ毛の目立たないスベスベ肌へ導く「光美容器 光エステ」を、各商品3分間でプレゼンした。それぞれの商品は2020年に機能やデザインを刷新したり新色を追加したり、注目ポイントも数多い。

「ヘアードライヤー ナノケア」は、
高浸透「ナノイー」が
18倍※3も大発生

 4人の担当者は、いずれもパネルを用意して3分間のプレゼンに挑戦。「温感かっさ」では、①エステティシャンのタッチを再現した肌に密着する形状②約37、40、42度に設定可能なホッとくつろぐ温感③ボディにも使える汎用性などをプレゼン。日本で最初に発売して以来83年間進化を続ける「ヘアードライヤー」では、昨年から好評の従来「ナノイー」に比べて18倍※3の水分発生量の高浸透「ナノイー」とカラーリングした髪を退色抑制する新機能をプッシュ!「ストレートアイロン」は、担当者自身が巻髪を一発でまっすぐに伸ばしたり、さらに毛先を遊ばせたりの実演に挑戦した。美肌とムダ毛の両方にアプローチする「光エステ」は、2本のランプが連続発光することで1回の刺激を抑えつつ2週間で効果が実感※4できるハイパワーを熱弁。

GENKINGは
愛用品の注目ポイントを
実体験とともに解説
プロ顔負けの説明が続々

 いずれの商品も愛用し、特に「スチーマー ナノケア」は3代目というGENKINGは、愛用者だからこそのお気に入りポイントなど、使い方を負けずに解説!「スチーマー ナノケア」では、撮影など「気合いを入れる日」には必ず使用し、プロのメイクアップアーティストも愛用していることを解説。「イオンエフェクター」は、「普段使っている化粧水やマスクの上から使えて、手で塗布するよりずっと効果的。5000円の化粧水を使っても、8000円の化粧水のように感じられる(笑)」とお気に入りポイントを説明。「RF美顔器」は、「エイジングケアが気になる女子に使って欲しい。時々のエステより、毎日のエイジングケア。若い子は、まだ欲張らなくて良いかも(笑)」と終始ユーモアもいっぱいだった。

※1 ドレナージュとはエステの手技の名称です
※2 角質層まで
※3 「ナノイー」と高浸透「ナノイー」との比較(パナソニック調べ)
※4 出力レベル5で使用後2週間で、ムダ毛の目立ちにくいスベスベ肌になってきたことを実感(パナソニック調べ)
※5 角質層まで。ヒアルロン酸分子量5,000〜10,000、コラーゲン分子量1,000〜5,000を使用した浸透量試験実施
※6 引き上げるように動かすこと
※7 パナソニック2015年発売EH-XU10比(パナソニック調べ)

問い合わせ先
パナソニック ビューティ

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働くママとして活躍するクリエイティブディレクター・中場直の輝く女性になるための“自分らしさと自信”

 仕事にプライベートに、いろんな選択肢があるからこそ、幸せのカタチだって人それぞれ。では本当の意味での“自分らしさ”ってなんだろう。今の自分に自信を持つためには、心身ともに毎日美しくいることが大前提。乾燥しがちな肌の保湿はもちろん、脱毛だって忘れてはいけない重要な課題の一つだ。ここでは自分らしく生きられるための素敵なヒントを探るべく、毎日を豊かに輝く女性たちをフィーチャー。第5回は、ウィメンズ&キッズを展開するアパレルブランド「ミディアム(Mediam)」のクリエイティブディレクター兼デザイナーとして活躍する中場直を迎え、仕事と子育ての両立やビューティ習慣を聞いてみた。育児や仕事の合間に取り入れているという、家庭用光美容脱毛器“スムーズスキン ピュア”の効果も気になるところだ。

“仕事も子育ても、
ありのままの自分でいること”

WWD:ウィメンズ&キッズブランド「ミディアム」のクリエイティブ・ディレクターとして活躍されていますが、子育てと仕事の両立はどのようにされていますか?

中場直(以下、中場):小学1年生と4歳の子どもがいるのですが、以前は子育てを優先しすぎてストレスがたまることもありました。まわりからアドバイスを頂いたり、模索するなかで子どもとの向き合い方が徐々に変わってきましたね。たっぷり甘えさせることも必要ですが、ときには子どもの自己主張に合わせすぎず、自分のことも優先するようになりました。そのときは子どもに「ちょっと待ってね、ママは今仕事をしているの」と、きちんと伝えています。でも、子どもの前では泣いたり笑ったり、素の自分を隠さず見せますね(笑)。母親も一人の人間であるということを、なんとなくでもいいから理解することで自立につながっていくのかなと。親としてこうしなきゃいけないという固定概念に縛られるのではなく、私たちらしい親子の関係性を作っていくことを心掛けています。そう考えるようになってからは、仕事と子育ての両立という緊張感がなくなり、どちらもありのままの自分で過ごせるようになりました。

WWD:とはいえ、毎日いそがしい日々を過ごされていると思いますが、1日の中でいちばんリラックスできる瞬間はどんなときですか?

中場:朝、家族を送りだして、たった一人になった瞬間ですね。静かな部屋で椅子に座ったときが束の間の休憩です。ボーっとしながらインスタグラムを見たり、お香を焚いて香りを楽しんだり……。あと、お気に入りのビンテージショップに行くとリラックスできます。そこで、運命的な一着に出合えた瞬間はうれしいですね。昔から古着が大好きなんです。この服で何パターン着られるかアレコレ想像してみたり、スタイリングを考えているときはクリエイティブになれます。ショップによって、バイヤーさんのセレクトや個性が異なるので、お話をうかがったりするのも楽しい時間です。

WWD:ビンテージショップでの刺激は自身のブランドにも何かインスピレーションを与えていますか?

中場:はい、もちろんです!「ミディアム」の服は、ひとつのブランドだけで作りあげるのではなく、みなさんのクローゼットにあるものと「ミディアム」をプラスすることで、新たな創造性を可能にしてくれます。今まで着てこなかった服も「ミディアム」の服を合わせてみたらおもしろく着られた、とか。クローゼットで眠っていたものが、また新たに着たくなる、というのがブランドのテーマなんです。ルックブックでも古着とミックスしたスタイリングを提案しています。

“「ミディアム」は
私の家族そのもの”

WWD:中場さんにとって、「ミディアム」はどんな存在ですか?

中場:家族そのものですね。というのも、夫と私と子どもでやっているようなものだから。もちろん洋服としての見せ方も大事にしているけれど、その前に家族のライフワークとして楽しんでいます。

WWD:自身のブランドや子育てを通して今後、新たにやりたいことや目標があれば教えてください。

中場:社会・地球環境に配慮したもの作りをブランドとして表現していきたいですね。日常生活では、できるだけプラスチックを選ばないようにしています。例えば、シャンプーを石けんに変えたり、調理器具もステンレス製のものを使用しています。マイボトルやストローも持ち歩くようにしています。日常生活を通して、子どもたちにとってサステナブルな暮らしや知恵が、身近なものになってくれるとうれしいですね。

“ムダ毛のない美しい肌は
自信につながる”

WWD:芯のある凛とした姿勢が魅力の中場さんですが、毎日を自分らしく楽しく生きるために心掛けていることはありますか?また、美しさをキープするための秘けつを教えてください。

中場:よく眠ることですね。睡眠不足で疲れると、余力がなくなり視野も狭くなってしまいますから。そうなると、心が狭くなって大事なことを見逃してしまう。自分の体力や気力を盛り返せるよう、休息をたっぷりとることが、前向きでいられる秘けつです。美容に関しては、とくに大袈裟なことはしていませんが、肌をキレイに保つために“スムーズスキン ピュア”を愛用しています。

WWD: “スムーズスキン ピュア”を使用してから、どのような効果が得られましたか?

中場:照射してから、1週間くらい経つとムダ毛が少しずつ薄くなってきた気がします。まだ使用して1カ月なのですが、継続するうちにさらにムダ毛が細くなって毛穴が目立たなくなってきました。

WWD:集中的にケアした部位にはどのような変化がみられましたか?

中場:腕と脚、あと脇をメインに使用しました。子どもはけっこう肌に触れてくることが多いんです。昔は気にしていなかったけれど、子どもって素直だから思ったことをすぐ口に出します。例えば「チクチクするね」とか(笑)。本当によく見ています。“スムーズスキン ピュア”を使用するようになってからムダ毛が目立たなくなり、肌がつるつるに。子どもたちも喜んでいるし、肌出しにも自信が持てるようになりました。コンパクトで使いやすいので子育てや仕事の合間にササっとできるのがうれしい。働くママの強い味方です。

 よりヘルシーな美肌を手に入れるなら、イギリス発の家庭用光脱毛美容器「スムーズスキン」の新モデル、“スムーズスキン ピュア”をぜひ試してみて。最先端テクノロジーを用いた同製品は、10段階のスキントーンセンサーを搭載しており、使う人の肌に合った最適なパワーで高い脱毛効果を実現してくれる。軽量で持ちやすいコンパクトな形状なので、凹凸のある部位も含めて高速照射で全身のケアがスムーズに行えるのもうれしい。ムダ毛のないキレイな素肌を保つことで、今までのコンプレックスを解消し、指の先まで自信に満ち溢れた新しい自分に出会えるはず。

PHOTOGRAPHS:MAYUMI HOSOKURA
TEXT:MEGUMI OTAKE

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スムーズスキン カスタマーサポート
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「アンリアレイジ」森永邦彦、「信じ抜いたからこそ今がある」 音声座談会「蓉子の部屋」Vol.6

 「蓉子の部屋」は、川島蓉子・伊藤忠ファッションシステム取締役/ifs 未来研究所所長が、毎回ゲストを招き“未来”について考える音声番組です。未曾有の状況の中、業界にはこれからの“未来”について考えなければならない現実に直面しています。そんな中、少しでも業界人に役立つヒントやカケラを音声配信でお届けします。近所のスーパーに行く時や、通勤・通学時に気軽に聞いてください(笑)。

 第6回は、「アンリアレイジ(ANREALAGE)」のデザイナー、森永邦彦氏に迫りました。森永氏は、2005年の東京・コレクションデビューを皮切りに、14年にはパリ・コレクションへ進出。これまで、15年「アンダム ファッション アワード(ANDAM FASHION AWARD)」や、19年「LVMHヤング ファッション デザイナー プライズ(LVMH YOUNG FASHION DESIGNER PRIZE)」のファイナリストに選出されたほか、第37回毎日ファッション大賞を受賞しています。

 今年1月に伊・ミラノで行われた2020-21年秋冬メンズ・コレクションでは、日本人デザイナー初となる「フェンディ(FENDI)」とのコラボコレクションを発表しました。同ブランドについて、森永デザイナーは「繊維を作る現場まで足を運び、もっと新しい工夫ができないかと試行錯誤する姿、惜しみなく投資するところには一番驚かされた」と話す。音声座談会では、先日発表した2021年春夏コレクションや独自の世界観、ファッションを続ける理由について語ります。

川島蓉子:1961年新潟市生まれ。早稲田大学商学部卒業、文化服装学院マーチャンダイジング科修了。伊藤忠ファッションシステム株式会社取締役。ifs未来研究所所長。ジャーナリスト。日経ビジネスオンラインや読売新聞で連載を持つ。著書に『TSUTAYAの謎』『社長、そのデザインでは売れません!』(日経BP社)、『ビームス戦略』(PHP研究所)、『伊勢丹な人々』(日本経済新聞社)、『すいません、ほぼ日の経営。』などがある。1年365日、毎朝、午前3時起床で原稿を書く暮らしを20年来続けている

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“かわいい、値ごろ、サステナ”の三拍子 注目の欧州ブランド「ナヌーシュカ」

 北欧を中心としたヨーロッパのコンテンポラリーブランドに勢いがある。その筆頭がパリでコレクションを発表する「ナヌーシュカ(NANUSHKA)」「トム ウッド(TOM WOOD)」、コペンハーゲン・ファッション・ウイークに参加する「ホルツワイラー(HOLZWEILER)」「ガニー(GANNI)」「リクソ(RIXO)」などだ。これらのブランドの共通点は、独自性のあるデザインと、値ごろ感があるバランスのいい価格帯、そして、環境や社会問題への取り組みを行い、透明性が高い点。それぞれのブランド哲学を持ちながらも、SNSマーケティングを強化し、ポッドキャストや動画などの新たな取り組みに挑戦するなど企業努力が感じられる。

 「ナヌーシュカ」はハンガリー・ブダペスト出身のサンドラ・サンダー(Sandra Sandor)が手がける。“モダン ボヘミアン”をブランドコンセプトに掲げ、自然界から着想を得たデザインに機能性を加えたウエアを提案。ブランドは2005年にスタートしたが、約4年前からサステナビリティに注力し、使用する素材を再生繊維やオーガニックコットンなどに切り替えている。2018年からニューヨークでコレクションを発表し、19年からはパリを発表の場に移し、19-20年秋冬にはメンズをスタートした。

 「ナヌーシュカ」を買い付けるエストネーションの藤井かんなウィメンズディレクターは「サステナブルな姿勢とヘルシーで女性らしいスタイルがとても現代的で、価格とのバランスもいい。アイコンの滑らかな“ヴィーガンレザー”のアイテムや、3シーズン着用できる素材やカラー、デザインが多いのも魅力的。ブランド認知はまだまだだが、素材やカラーから入るお客さまも多いので、今後の伸長が期待できる」と魅力を語る。

 デザイナーのサンドラにサステナビリティへの取り組みや、コロナ禍での変化について話を聞いた。

サステナビリティは環境への配慮だけではなく、
社会的な責任であり、会社を継続するために必要不可欠

WWD:ブダペストでファッション事業を営む家庭に生まれ育ったバックグラウンドはブランドにどのような影響を与えているか?
サンドラ・サンダー(以下、サンドラ):母はハンガリーで子ども服ビジネスを始めた先駆者です。共産主義政権下の時代で女性が商売を営むには、機知に富み、明確な意思や強い決意を持ち合わせていなければならなかった中、母はビジネスを成功させ、私はその背中を見て育ちました。ロンドンでファッションを学ぶ決意を与えてくれたのも、両親の影響からでした。ロンドン・カレッジ・オブ・ファッション(London College of Fashion)での卒業論文のテーマにバウハウスの「形態は機能に従う(Form Follows Function)」を選び、今もこのテーマが「ナヌーシュカ」の基本理念になっています。

WWD:サステナビリティの取り組みを開始した理由は?
サンドラ:私は自然が大好きで、常にデザインのインスピレーションを得てきましたが、ファッション産業の環境負荷をちゃんと知るようになったのは約5年前のこと。ここ数年で、生地メーカーからもサステナブルな素材の選択肢が出始めて、デザインや価格を妥協することなく、選べるようになったと感じています。サステナビリティへの取り組みは環境への配慮だけではなく、社会的な責任であり、会社を継続するために必要不可欠だと思います。

WWD:サステナビリティの取り組みはどのように推進している?
サンドラ:「ナヌーシュカ」ではクラフツマンシップ、実験、進歩主義という3つ柱のもと、人間と地球を尊重するもの商品作りを目指しています。ブランドの長期的な成長には、従業員個人レベルで知識を得ることも不可欠です。従業員がより良い選択ができるようトレーニングプログラムの導入を開始しました。まだ私たちの取り組みは始まったばかりですが、コミットすることでサステナブルブランドとしてシェアを広げていきたいと考えています。

WWD:素材選びで重視していることは?
サンドラ:社内のサステナビリティ担当者とともに美しさと品質に妥協しないモノ作りをするため、毎シーズンに話し合って素材をアップデートしています。ポリエステルは再生繊維を使ったリサイクルポリエステルに、コットンはオーガニックコットンに、木材をもとにしたトリアセテートやビスコースはFSC認証(森林管理における環境、社会、経済的影響を考慮した国際基準)を得たものに切り替えました。将来的には循環型経済(サーキュラーエコノミー)になるようなモノ作りに徹底していきます。

WWD:売れ筋に“ビーガンレザー”を使ったジャケットなどがあるが、素材はビーガンなのか?
サンドラ:この素材は製造過程で動物由来の物質を一切使用していません。本革と人工皮革はどちらを使用するべきか、議題に上がっていますが、ケリングが発表したEP&L(環境損益計算書)では本革と人工皮革の調査結果では、本革のほうが人工皮革よりも30%環境負荷がかかるという結果が出たといいます。人工皮革も完璧であるとはいえませんが、特になめしの加工や、温室効果ガスに通ずる森林伐採の必要がないことから、人工皮革を使用するという選択をしています。

WWD:透明性についてはどのように考えている??
サンドラ:透明性は積極的に取り組んでいる課題の一つ。「ナヌーシュカ」の商品の多くは地元生産されています。該当商品はオンラインサイトで確認できるようにしており、今後は工場や生産地の情報も開示して、全ての商品を追跡可能にする計画です。2021年プレ・スプリングのコレクションでは、85%がハンガリー国内、もしくは国境から数キロメートル以内のセルビアなどの近隣国で製造されています。現在20の工場と取引していますが、工場には頻繁に足を運んでいます。

パンデミックは過剰在庫、
過剰消費について再考するきっかけに

WWD:デザインのインスピレーションはどのように得ている?
サンドラ:バウハウスの「形態は機能に従う」をもとに、着心地がよく着る人に自信を与えられるようなものを作りたいと思っています。普遍的でどんな服ともコーディネートができるかも重要。また、異なる時代や場所のかけ離れた文化の間の架け橋になるようなブランドを目指しています。生まれ故郷のブダペストには豊かな歴史があり、東西の文化が融合する場所。旅行をすることも好きなので、そこから得た異なる文化をデザインに取り入れて、調和を生み出せるかということに挑戦しています。ハンガリー人は 10 世紀に中欧に定住するまで、何千年もの間遊牧生活を送っていたそうで、この“ノマド旅人のライフスタイル(ever-nomad, traveler lifestyle)”は、私のルーツにも根付いていると思います。

WWD:新型コロナウイルスによるブランドへの影響は?
サンドラ:店舗を一時的に閉めたほか、卸先のオーダーのキャンセルに直面し、コレクションの生産も縮小することになりました。ネガティブな問題に目を向けるとファッション業界には膨大な過剰在庫が蓄積されていて、小売りは大幅なディスカウントをせざるを得ない状況にあります。このパンデミックによって、過剰在庫、過剰消費についても再考するきっかけを与えられたようにも感じます。適正価値のない商品は需要がなくなり、心地よさ、機能性、耐久性、品質が重視されるでしょう。そして創造性と優れたデザインがブランドの成功に導くように立ち戻ると思います。

WWD:今後の目標は?
サンドラ:ブダペストとニューヨークの店舗に加え、11月にロンドンのメイフェア地区に店舗を開きました。資材も環境に優しい選択ができるかどうか、考えながら設計し、家具もビンテージのもので選び、上階には1室のみのホテルルームを設けていています。これまで卸売りに重点を置いていましたが、自社のオンラインストアを強化することで、お客さまと直接つながることも大事にしていきたいと考えています。このパンデミックで卸売りの不確実性、オーダーのキャンセルに見舞われ、B2C を成長させることが優先事項になっています。また、新たなラウンジウエアやサングラスなども開始する予定です。

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婚約指輪のトレンドに変化あり 日常に寄り添うデザインにフォーカス

 婚約指輪に対する価値観は、男性が購入してプロポーズするのが当然というものから大きく変わり、給料3カ月分の予算という概念も薄れてきている。今では意思決定の場に女性の意見が大きく反映されるようになり、異性愛カップルのみならずあらゆる恋愛の形や予算に合う選択肢が用意され、購入の際にはサステナビリティが優先されることもある。

 中でも、若手ジュエリーブランドはオンラインサービスや、サステナビリティを重視してラボグロウン(合成)ダイヤモンドの取り入れなどに注力している。キャンペーンの内容もロマンチックなものから、朝刊を読んだり、ランチを食べたりする女性の手元など婚約指輪のある日常生活にフォーカスしたものが増えている。

 D2C(Direct to Consumerの略。オンラインを通じた直接販売)ブランドでエシカルに調達された宝石のみを扱う「フェントン(FENTON & CO.)」は、ブランドのミッションを“次世代に受け継がれる宝物”を作ることと掲げている。同ブランドのローラ・ランバート(Laura Lambert)最高経営責任者(CEO)は、1960年代にダイヤモンド業界によって生み出された婚約指輪に3カ月分の給料を費やす風潮について、婚約時に経済的プレッシャーを与えているようなもので「祝うどころか、重荷になっている」と主張する。

 「私たちはそのような先入観に対して働きかけ、ブライダル業界内で幅広い文化的背景や性的指向を持つ人々やカップルと対話を重ねてきた。愛や誓いといったトピックはまだまだ異性愛の視点のみで語られることが多く、その他の多くの人を排除してしまっている。婚約の主役は、婚約指輪ではなく、婚約する2人であるべきだ。しかしジュエリー業界の中には顧客に対する尊敬の気持ちが欠けているところがあると思う。今ある婚約指輪に対する価値観の多くは、マーケティングの産物であるに過ぎない。婚約当事者の考え方や気持ちが尊重されるべきだ」と述べた。

 ベルギー発のジュエリーブランド「キマイ(KIMAI)」は、コロナ禍における婚約指輪の需要の増加に合わせて、初のエンゲージメントリングコレクションを発表した。同コレクションは6つのタイプからなり、伝統的なダイヤモンドが施されたものもあれば、アシンメトリーなデザインで普段使いができる指輪もそろえてある。同ブランドはカジュアルなイメージの婚約指輪の広告も出しており、ジェシカ・ワーフ(Jessica Warch)共同創設者は「現代を生きる女性を描きたかった。広告に登場する女性は働いていたり、ジーンズやスニーカーを履いている。ドレスを着てパーティーに行くこともない。日常のカジュアルなシーンにあえてフォーカスした」と語る。

 同じくシドニー・ノイハウス(Sidney Neuhaus)共同創設者は、「指輪を身につける女性に焦点を合わせたかったし、婚約指輪に男性の給料の3カ月分を費やすというルールを取り除きたかった。婚約指輪は経済力の賜物ではなく、2人の愛や婚約の瞬間を祝うものだと思う。エゴや経済力を見せびらかすためのものではない」と述べた。

 「キマイ」はD2Cモデルを採用し、ラボグロウンダイヤモンドを使用することで、消費者の手にとりやすい価格設定に挑んでいる。宝石の品質は伝統的なジュエラーが提供するものに劣らないという。ワーフ共同創設者は「ラボグロウンダイヤモンドと、採掘されたダイヤモンドはどちらも同じ方法で鑑定を受け、等級がつけられる。この鑑定書により顧客との信頼関係が築けている」という。

 一方で、消費者の間でもラボグロウンダイヤモンドに対する需要が高まっているという。「キマイ」はそのコミュニティーをさらに活性化させ、パーソナライズされたサービスを提供することを目指している。「古い方法や伝統にとらわれている顧客を教育するつもりはないが、オープンマインドな顧客を啓蒙し、ダイヤモンドの採掘が及ぼす悪影響について認識してほしい」と述べた。

 ラボグロウンダイヤモンドを扱うブランド「ラーク&ベリー(LARK & BERRY)」も、“紛争に関与していないと保証され、地球への負荷が少ないダイヤモンドを求める倫理的な消費者”の増加を感じているという。ローラ・チャベス(Laura Chaves)創設者によると、「こういった消費者は従来の婚約指輪にありがちなものではないデザイン性の高いものを試している。だからブランドは、ブライダルコレクションを発展させるために、デザイン性の高いリングを次々と提案している」という。

 「婚約指輪がダイヤモンドでなければいけないというルールなんてものはない。私たちが今実感しているトレンドの1つは、アシンメトリーなデザインのクラスター(中央の石を中心に周りを一回り小さい石で囲む花のようなデザインの)リング。価格を抑えながらも、華やかさを演出することができる。従来のソリテール(一粒石の)デザインから大きく変わりつつある。オーダーメードの顧客には、指輪に隠された小さなディテールも人気だ」と語った。

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コミュニケーションを向上させるLINE WORKSという選択

 ワークスモバイルジャパンが提供するLINE WORKS(ラインワークス)は、国内で約8400万人が利用するコミュニケーションアプリLINEのビジネス版だ。LINE利用者にメッセージを送るのはもちろん、そのやりとりや顧客情報を一括で管理したり外部システムと連携できるなど、企業での利用を想定したさまざまな機能を備える。EC強化が命題のアパレルブランドでの利用も急増している。2018年9月から同サービスを導入するTOKYO BASEに、LINE WORKSを使うことのメリット、またその成果について聞いた。

LINEとつながることができる
唯一のビジネスチャットサービス

 LINE WORKS最大の特徴は、LINEユーザーとつながることができる唯一のビジネスチャットサービスであることだ。“コミュニケーションならLINEで十分なのでは?”と思われるかもしれないが、販売員が接客で利用するケースなどを考えると、LINEの機能では不十分な場面が存在する。例えば、顧客管理機能だ。LINEの場合ニックネームを使ったり、自身の顔写真以外をアイコンにしていることも多く、それらを頻繁に変更するユーザーもいる。販売員は自分がLINEでやりとりしている相手が、顧客データベース上の誰に当たるのかを常に把握しなくてはならない。

 アパレル企業側も、個々の販売員がLINEで顧客とどんなやりとりをしているのかを把握できない問題がある。LINE上の優れた接客で来店や購入につながったケースがあってもそのノウハウを共有できないし、販売員が退職してしまった場合などは顧客とのつながりが失われてしまう可能性がある。また、メッセージの送信は顧客と直接つながっている販売員しかできないため、キャンペーンなどで全顧客にメッセージを送りたい場合などは、メッセージのコピー・ペーストおよび送信を各販売員に依頼する必要がある。LINE WORKSを使えば、これらの課題を解決できる。

「コロナ禍でも
売り上げ3倍の原動力に」

 セレクトショップのステュディオスやアパレルブランドの「ユナイテッド トウキョウ」などを運営するTOKYO BASEが、LINE WORKSを導入したのは18年9月のことだ。同社はそれ以前から、販売員に社用スマートフォンを配布し、LINEを通じて顧客とコミュニケーションを図るよう促していた。LINEを使ったパーソナライズ接客は年間売り上げ1億円超のスター販売員を生むなど絶大な成果を上げていたが、いくつかの課題もあったという。ステュディオス ウィメンズ事業部の南沙織営業部長兼MDは、「LINE接客は販売力強化に直結していたが、顧客データを一元管理したり、販売員と顧客さまのコミュニケーションをチェックすることはできなかった」と振り返る。

 TOKYO BASEではLINE交換済みのユーザーを“顧客”として管理しており、1人の販売員が持つ顧客は平均で200人、多い人で1000人だという。LINE WORKS導入前は、LINE上のニックネームとTOKYO BASEのデータベースの名前の照合作業に大変な手間がかかっていた。またLINEで顧客から来店予約を受けた場合は、予約時間や内容をエクセルに手入力して共有する必要があり、販売員の負担になっていた。これを“解放”したのがLINE WORKSだ。

 コロナ禍でLINE WORKSの重要性はさらに増した。TOKYO BASEは19年9月にLINE WORKSと自社ECの連携を開始。販売員がECのURLをLINE WORKSを通じて顧客に送り、それが購入につながった場合はその販売員の売り上げとしてカウントできるようになった。「緊急事態宣言が出された4月から5月にかけて実店舗は休業を余儀なくされたが、その分EC売り上げは前年同期比で3倍になった。そのうちLINE WORKS由来の売り上げは20%に達する」という。

コロナ禍の新店オープンも
下支え

 TOKYO BASEは20年6月にステュディオス ウィメンズ 表参道店をオープンした。当初4月を予定していたが、コロナの影響で延期した。この難局を乗り切る際にもLINE WORKSが役立った。「5月のプレオープン時、顧客さま(LINE WORKSでつながっている客)のみをアポイント制で招待・接客して、グランドオープンに備えることができた」という。

 同社は5月に「ユナイテッド トウキョウ」と「パブリック トウキョウ」を、9月にステュディオスを中国・北京にオープンするなど海外進出を加速させている。南部長は、「北京の各店舗はラグジュアリーブランドが立ち並ぶエリアにあり、商品単価も日本に比べて高い。中国では新興セレクトショップであるわれわれが実店舗やECで商品を購入してもらうためには、顧客さまとのコミュニケーションが欠かせない。LINE WORKSで培った日本式スキルを活用したい」と話す。

利用者数8400万人の
LINEが持つ親近感

 ワークスモバイルジャパンの林絵理ビジネスデベロップメントマネジャーは、LINE WORKSを「LINEの使いやすさと便利さはそのままに、企業も安心の管理機能とセキュリティーを備えたクラウド型サービスだ」と説明する。金融や保険を含む幅広い業種で利用されているが、拡大が顕著なのがアパレル。林マネジャーは「販売員が顧客と親しくなって通常版のLINEでつながり、新商品を紹介したり定期的に来店を促すケースが多々ある。そういった土壌があるアパレルにおいて、よりビジネスに適したLINE WORKSを導入いただく機会が増えている」と話す。

 利用料金は、メールサーバーやデータ保存用のストレージを保有する一般的な企業が利用するのに適した「ライト」プランで、1ユーザー当たり月額300円(年額契約時)。LINE WORKSを利用する企業の多くがこの「ライト」プランを選択している。このほか利用人数や会話ログの保存期間に制限のある「フリー」、メールサーバーやストレージを保有しない企業向けの「ベーシック」、ストレージや個人用ドライブが大容量の「プレミアム」を用意する。

PHOTOS : SHUHEI SHINE
TEXT : YOHEI YOSHIDA

問い合わせ先
ワークスモバイルジャパン
dl_bizdev@worksmobile.com

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コミュニケーションを向上させるLINE WORKSという選択

 ワークスモバイルジャパンが提供するLINE WORKS(ラインワークス)は、国内で約8400万人が利用するコミュニケーションアプリLINEのビジネス版だ。LINE利用者にメッセージを送るのはもちろん、そのやりとりや顧客情報を一括で管理したり外部システムと連携できるなど、企業での利用を想定したさまざまな機能を備える。EC強化が命題のアパレルブランドでの利用も急増している。2018年9月から同サービスを導入するTOKYO BASEに、LINE WORKSを使うことのメリット、またその成果について聞いた。

LINEとつながることができる
唯一のビジネスチャットサービス

 LINE WORKS最大の特徴は、LINEユーザーとつながることができる唯一のビジネスチャットサービスであることだ。“コミュニケーションならLINEで十分なのでは?”と思われるかもしれないが、販売員が接客で利用するケースなどを考えると、LINEの機能では不十分な場面が存在する。例えば、顧客管理機能だ。LINEの場合ニックネームを使ったり、自身の顔写真以外をアイコンにしていることも多く、それらを頻繁に変更するユーザーもいる。販売員は自分がLINEでやりとりしている相手が、顧客データベース上の誰に当たるのかを常に把握しなくてはならない。

 アパレル企業側も、個々の販売員がLINEで顧客とどんなやりとりをしているのかを把握できない問題がある。LINE上の優れた接客で来店や購入につながったケースがあってもそのノウハウを共有できないし、販売員が退職してしまった場合などは顧客とのつながりが失われてしまう可能性がある。また、メッセージの送信は顧客と直接つながっている販売員しかできないため、キャンペーンなどで全顧客にメッセージを送りたい場合などは、メッセージのコピー・ペーストおよび送信を各販売員に依頼する必要がある。LINE WORKSを使えば、これらの課題を解決できる。

「コロナ禍でも
売り上げ3倍の原動力に」

 セレクトショップのステュディオスやアパレルブランドの「ユナイテッド トウキョウ」などを運営するTOKYO BASEが、LINE WORKSを導入したのは18年9月のことだ。同社はそれ以前から、販売員に社用スマートフォンを配布し、LINEを通じて顧客とコミュニケーションを図るよう促していた。LINEを使ったパーソナライズ接客は年間売り上げ1億円超のスター販売員を生むなど絶大な成果を上げていたが、いくつかの課題もあったという。ステュディオス ウィメンズ事業部の南沙織営業部長兼MDは、「LINE接客は販売力強化に直結していたが、顧客データを一元管理したり、販売員と顧客さまのコミュニケーションをチェックすることはできなかった」と振り返る。

 TOKYO BASEではLINE交換済みのユーザーを“顧客”として管理しており、1人の販売員が持つ顧客は平均で200人、多い人で1000人だという。LINE WORKS導入前は、LINE上のニックネームとTOKYO BASEのデータベースの名前の照合作業に大変な手間がかかっていた。またLINEで顧客から来店予約を受けた場合は、予約時間や内容をエクセルに手入力して共有する必要があり、販売員の負担になっていた。これを“解放”したのがLINE WORKSだ。

 コロナ禍でLINE WORKSの重要性はさらに増した。TOKYO BASEは19年9月にLINE WORKSと自社ECの連携を開始。販売員がECのURLをLINE WORKSを通じて顧客に送り、それが購入につながった場合はその販売員の売り上げとしてカウントできるようになった。「緊急事態宣言が出された4月から5月にかけて実店舗は休業を余儀なくされたが、その分EC売り上げは前年同期比で3倍になった。そのうちLINE WORKS由来の売り上げは20%に達する」という。

コロナ禍の新店オープンも
下支え

 TOKYO BASEは20年6月にステュディオス ウィメンズ 表参道店をオープンした。当初4月を予定していたが、コロナの影響で延期した。この難局を乗り切る際にもLINE WORKSが役立った。「5月のプレオープン時、顧客さま(LINE WORKSでつながっている客)のみをアポイント制で招待・接客して、グランドオープンに備えることができた」という。

 同社は5月に「ユナイテッド トウキョウ」と「パブリック トウキョウ」を、9月にステュディオスを中国・北京にオープンするなど海外進出を加速させている。南部長は、「北京の各店舗はラグジュアリーブランドが立ち並ぶエリアにあり、商品単価も日本に比べて高い。中国では新興セレクトショップであるわれわれが実店舗やECで商品を購入してもらうためには、顧客さまとのコミュニケーションが欠かせない。LINE WORKSで培った日本式スキルを活用したい」と話す。

利用者数8400万人の
LINEが持つ親近感

 ワークスモバイルジャパンの林絵理ビジネスデベロップメントマネジャーは、LINE WORKSを「LINEの使いやすさと便利さはそのままに、企業も安心の管理機能とセキュリティーを備えたクラウド型サービスだ」と説明する。金融や保険を含む幅広い業種で利用されているが、拡大が顕著なのがアパレル。林マネジャーは「販売員が顧客と親しくなって通常版のLINEでつながり、新商品を紹介したり定期的に来店を促すケースが多々ある。そういった土壌があるアパレルにおいて、よりビジネスに適したLINE WORKSを導入いただく機会が増えている」と話す。

 利用料金は、メールサーバーやデータ保存用のストレージを保有する一般的な企業が利用するのに適した「ライト」プランで、1ユーザー当たり月額300円(年額契約時)。LINE WORKSを利用する企業の多くがこの「ライト」プランを選択している。このほか利用人数や会話ログの保存期間に制限のある「フリー」、メールサーバーやストレージを保有しない企業向けの「ベーシック」、ストレージや個人用ドライブが大容量の「プレミアム」を用意する。

PHOTOS : SHUHEI SHINE
TEXT : YOHEI YOSHIDA

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「ミレポルテ」がラグジュアリーECに刷新

 2010年にフラッシュセールサイトとしてスタートし、430万人の会員を獲得するなど大きく成長してきた「ミレポルテ」が11月20日、サイトのコンセプトを大きく変え、ラグジュアリーECサイトとしてリニューアルした。最先端のUI/UXとともに、ラグジュアリーを軸に、コスメ、ファッション、グルメ、ライフスタイルまで幅広いアイテムをそろえる。もともとクオリティーの高いコンテンツ力とサービスを持ち、国内外の有力ブランドとのネットワークを構築している「ミレポルテ」は、ラグジュアリーとの親和性も高い。刷新の狙いや新サイトの特徴、今後の展望などをカイエール・アルメルB4F社長に聞いた。

コスメからファッション、
グルメ、ライフスタイルまで
幅広いカテゴリーを網羅

WWDジャパン(以下、WWD):「ミレポルテ」をラグジュアリーECサイトに変更した経緯は?

カイエール・アルメル(以下、アルメル):きっかけは3~4年前に、顧客からの「定価でもラグジュアリーブランドのアイテムをもっと扱ってほしい」という声だった。そこから真剣に検討を始め、日本の市場には大きな可能性があることや、われわれの持っているノウハウが生かせるという確信を持つことができたので、サイトの刷新を決めた。

WWD:ラグジュアリーブランドとは以前からつながりが?

アルメル:フラッシュセールサイトの時から、並行輸入品は扱わず、全てブランドから直接仕入れていたため、長い間多くのブランドと取引があった。フラッシュセールはやらないと決めていたブランドとも頻繁に情報交換をしており、以前から「ミレポルテには魅力を感じているので、何か機会があれば一緒にやりたい」とは言ってもらっていた。この1年はその傾向がより強くなっていた。すでに試験的に先行して販売を開始しているが、顧客とブランド、双方から非常にいいリアクションをもらっている。アパレルは来年の春夏に向けて有力なブランドの多くが出店についてかなり前向きに考えてもらっており、今後1~2年でかなりのブランドが出そろいそうだ。

WWD:ラグジュアリーECをやる上で「ミレポルテ」の強みは?

アルメル:ラグジュアリーブランドが求めているのは、マスマーケットの世界とは全く違う。ECサイト上であっても、フラッグシップの店舗のようなクオリティーやエモーションが求められる。だから重要なのは、コンテンツ力とサービスのクオリティーだ。われわれは優れたITエンジニアやスタジオ、自社倉庫、カスタマーサービスを内製化しており、クオリティーの高いコンテンツやサービスを提供できる。われわれはそういったことをこれまでのビジネスでよく理解しているため、ブランド側にとってわれわれは日本市場の頼りになるパートナーだ。基軸として考えているのが「ラグジュアリーモーメント」の提供。だからコスメ・ファッションに限らず、グルメ、ライフスタイルなど幅広いカテゴリーの商品をそろえる。

「ミレポルテ」の
知っておくべきキーワード

問い合わせ先
B4F
PR@milleporte.com

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パーソナルスタイリスト大日方久美子の“美しく楽しく生きる”秘けつとは?

 “貼る、美容注射”をコンセプトに、次世代のスキンケアとして話題のマイクロニードルパッチを展開する「ショットモード(SHOT MODE)」。社会で活躍する多忙な女性が増える中、“貼って寝る”だけで集中ケアができると注目を集めている。そこで、トレンドをリードしパーソナルスタイリストとして活躍する大日方久美子さんに「ショットモード」を体験してもらった。「新しいことに挑戦しつつ、自分が納得したものを使いたい」という、彼女の美容法やポジティブなライフスタイルの秘密に迫る。

自分が納得したものを
使い続けたい

 仕事もプライベートも充実し、オンオフを包み隠さず発信するSNSでは、そのチャーミングな人柄にも支持が集まる大日方久美子さん。現在、スタイリング・アクセサリー・美容をキャリアの3本軸に、美容に関しては「新しいものには挑戦してみたい」とチャレンジ精神が旺盛だ。「まさに、マイクロニードルパッチは新しいものが来たな!という印象で、使ってみたい気持ちが強かったです。今回、目の下をケアする『GF3』を使ってみたのですが、チクチクした痛みもなく、これは継続する価値があるなと感じました。その効果を楽しみながら続けてみたいですね。最近、鼻の毛穴も気になってきているので小鼻ケアに最適な『BT-X』も気になります」と注目する。

 普段のスキンケアでは、保湿を中心に肌のコンディションを見極めて行っているという。「美容で努力することやきれいでいたいという気持ちは持ちつつも、本当の美しさは心の豊かさだと思っています。自分と向き合うことが大切ですね」と、自分の肌と向き合う重要性を打ち出す「ショットモード」のコンセプトに賛同し、「まずは、このアイテムを選択肢の一つとして取り入れたいです」と話す。

 仕事のオファーが絶えない大日方さんは、プライベートでは保護犬活動を精力的に行い「犬に対するエンゲージメントが一番高い」と微笑む。愛犬にも囲まれて充実した日々を送る中、常にポジティブでいられる秘けつは、「自分自身を信じること」と断言する。「他人の声よりも自分の声を一番最初に聞くこと。もし誰かに“右向け右!”と言われてもいったん立ち止まり、理解した上で右なのか、左なのか、それとも真っすぐなのか(笑)、自分を信じて選択したいですね。美容も同じで、自分と向き合いながら効果への理解を深めていくことが大切ではないでしょうか」。

肌悩み別に選べる
3種のパッチをラインアップ

 「ショットモード」は、ヒアルロン酸※1などの美容成分そのものを、0.1ミリレベルの微細な針状に成形したスペシャルケア用のパッチ。肌に貼ると高濃度の美容成分が5時間かけて角層内で溶け出すことで、角層最深部まで行き渡る。ヒアルロン酸※1をベース成分とし、肌悩みに合わせた異なるキー成分とパッチ形状の3種をそろえる。

 目尻や目の下、口元を集中ケアする「GF3」は、美容施術でも採用されている3種の高分子ペプチド※2や、高い保水力を持つプロテオグリカン※3を配合。保湿しながらふっくらとしたハリに満ちた肌へと導く。

 つい力が入りがちな眉間や小鼻の毛穴ケアに最適な「BT-X」は、表情に現れるダメージに着目して開発されたアルジルリン※4などを配合した独創的なパッチ形状。1回分1シート当たりのニードル本数は業界最多の5000ショット。美容成分をたっぷりと隙間なく肌へと届ける。

 日焼け後や乾燥したときのくすみ、部分的な肌荒れにアプローチする「C6」は、コンパクトな円形パッチでピンポイントでのケアが可能だ。高純度の安定化ビタミンC誘導体※5を6%配合し、肌トラブルを防ぎ、健やかな肌へと導く。

 「ショットモード」を手掛けるのは、医療機器やタッチパネルなど精密で機能性に優れた製品をグローバルに供給するNISSHA(ニッシャ)。1929年の創業以来培ってきた精密加工技術が、マイクロニードルの開発に生かされている。

※1 保湿成分
※2 ヒトオリゴペプチド-1、ヒトオリゴペプチド-13、ヒトオリゴペプチド-5(全て保湿成分として)
※3 保湿成分
※4 アセチルヘキサペプチド-8 (保湿成分)
※5 リン酸アスコルビルMg(製品の抗酸化剤)

使い方は“貼って寝る”だけ

 肌に貼ると、高濃度の美容成分が5時間かけて角層内で溶け出し、角層最深部まで行き渡るため、夜のスキンケアに取り入れるのがポイント。普段使用している化粧水の後に気になる箇所に貼るだけで、翌朝、肌の潤い密度が上がったようなハリ感を得ることができる。

 「ショットモード」は、大丸京都店の「アミューズ ボーテ」、京王百貨店新宿店、マロニエゲート銀座店、アトレマルヒロ川越店の「コスメクリニック」、東武百貨店池袋店のメンズコスメコーナー、公式オンラインストアで取り扱う。なお、12月16~22日には、大丸梅田店2階の化粧品フロアでポップアップを開催。イベント限定で、3種のパッチを1回ずつ試せるトライアルセットを用意する。

問い合わせ先
ショットモード
0120-707-822

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“かわいい、値ごろ、サステナ”の三拍子 注目の欧州ブランド「ホルツワイラー」

 北欧を中心としたヨーロッパのコンテンポラリーブランドに勢いがある。その筆頭がコペンハーゲン・ファッション・ウイークに参加する「ホルツワイラー(HOLZWEILER)」「ガニー(GANNI)」「リクソ(RIXO)」、パリでコレクションを発表する「ナヌーシュカ(NANUSHKA)」「トム ウッド(TOM WOOD)」などだ。これらのブランドの共通点は、独自性のあるデザインと、値ごろ感があるバランスのいい価格帯、そして、環境や社会問題への取り組みを行い、透明性が高い点。それぞれのブランド哲学を持ちながらも、SNSマーケティングを強化し、ポッドキャストや動画などの新たな取り組みに挑戦するなど企業努力が感じられる。

 ノルウェー発の「ホルツワイラー」はアンドレアス(Andreas)&スザンヌ・ホルツワイラー(Susanne Holzweiler)兄妹がストールブランドとしてスタートさせた。ストールは全体の70%でラムウールやカシミヤなどのリサイクル素材を用いており、色や柄の豊かなデザインに定評がある。2014年にアンドレアスの妻マリア・スカッペル・ホルツワイラー(Maria Skappel Holzweiler)がヘッドデザイナーとして加入し、ウエアの展開を開始。SNSではジェンダーや人種の多様性にフォーカスしたキャンペーンで、社会問題へメッセージを打ち出している。

 価格は決して“安い”わけではないが、トップスが1万〜3万円、ドレスは2万〜4万円、アウターは5万〜7万円と、高価格帯のデザイナーズブランドが一緒に並ぶセレクトショップやECモールでは手に取りやすい設定になっている。「ホルツワイラー 」を買い付ける高島屋 スタイル&エディットの長尾悦美クリエイティブ・ディレクターは「プリントやファブリックがユニークで、プライスも買いやすい。ここ数年でクリエイティブがぐっと成長してきたのをランウエイやプロモーションから感じる。サステナビリティへの取り組みも先進的で、彼らの生活と、作るものが自然な流れで生み出されているので信頼できる。明るくて優しいチームの人柄も魅力」と語る。

 共同創業者のアンドレアスと、ブランドのデザイン責任者を務めるマリアにサステナビリティへの取り組みについて話を聞いた。

世界には変化が必要であり、
今後もサステナビリティが重要になっていくことは明らか

WWD:家族でブランドを運営している強みは?

アンドレアス・ホルツワイラー(以下、アンドレアス):私と妹のスザンヌは06年に会社を設立した後、両親を社員として雇用し、母はテキスタイル、父は物流部門の構築を担当しています。14年にレディ・トゥ・ウエアのコレクションを始めた際には妻のマリアがチームに加わりました。コミュニティー作りとストーリー性は私たちの大事にしている部分で、ファミリービジネスであることは、私たちのブランドの価値観に大きく影響しています。現在は70人以上の社員が“ホルツワイラー ファミリー”の一員になっています。

WWD:サステナビリティの取り組みを開始した理由は?

アンドレアス:最初のシーズンから取り組みを始めていますが、その頃から世界に変化が必要であり、今後もサステナビリティが重要になっていくことは明らかでした。通常の素材より、再生繊維を使用するほうが費用はかかりますが、私たちはウールとカシミアのリサイクル素材を70%使用することを選択しました。当初は適切なサプライヤーを見つけることは容易ではありませんでしたが、今日ではより適切な持続可能な意思決定ができるようになったと感じます。

WWD:ブランドを代表する商品であるスカーフはどのように誕生したのか?

アンドレアス:スカーフは私たちの最初の商品で、卸先がスカーフをメートル単位で購入できるようにロール状でスカーフを販売することから始めました。また早い段階からデジタルプリントの製作やアーティストとのコラボレーションにも着手。その後、ラムウールとカシミアのスカーフへと拡大していきました。

WWD:サステナビリティの取り組みはどのように推進している?

マリア・スカッペル・ホルツワイラー(以下、マリア):社内の異なる部署の人々を含めた1つのグループを作っています。シーズン毎に小さなことでも改善できるように、メンバーでサステナビリティの目標を一緒に設定しています。

常に洋服の目的を考え、“永遠”に生き続ける服を生み出していきたい

WWD:素材選びで重視していることは何ですか?

マリア:私たちは長く愛される服を作るために、時間を費やして高品質かつ持続可能な素材を選ぶことを心がけています。天然素材をなるべく多く使い、時にはシワになりにくい特性や何度洗濯しても着用しても型崩れしない素材を選ぶことがよりサステナブルということもあります。常に洋服の目的を考え、長年着用しても美しく見え、“永遠”に生き続ける服を生み出していきたいと考えています。個人的には風合いや重さを生かした素材が好きで、厚い・薄い、光沢のある・鈍い、フェミニン・マスキュリンというようなコントラストを加えるのが得意です。

WWD:デザインのインスピレーションはどのように得ている?

マリア:人々、自然、建築、アーティスト、友人、家族など私たちを取り巻く全てのものからインスピレーションを受けています。心地いいだけでなく、着用する人が強く感じられる服を作ることで他社と差別化をしたいと思っています。

WWD:新型コロナウイルスで、ブランドビジネスに影響はあったか?

アンドレアス:3月のパンデミックが始まった頃には、多くのクライアントからキャンセルがあり、3つの直営店を6週間閉店しました。その一方で、ECは急成長しています。卸ではクライアント数を減らし、より強固なパートナーとなることを選択しました。この結果、21年の前年同期比82%増。売り上げは予想より若干下がりましたが 、全体的なコスト削減によりEBITDA(利払い前・税引き前・減価償却前利益)は目標を上回りました。

WWD:来日した際の日本の印象は?

アンドレアス:14年に初めて日本を訪れ、東京の街に魅了されました。お店、行き交う人々、建築などに非常に刺激を受けたことを覚えています。伊勢丹新宿本店は14年の1月にブランドを発表した際に、コレクションとスカーフを買い付けてくれた初めての卸先でした。日本は店舗スペースの運営の方法、また洋服の扱い方において、何歩か先に進んでいるように感じます。日本のファッション市場は他国とは異なり、ディテール、素材、最終の製品をしっかりと見ています。個人的には「サカイ(SACAI)」の阿部千登勢、「ビズビム(VISVIM)」の中村ヒロキの大ファンです。

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“かわいい、値ごろ、サステナ”の三拍子 注目の欧州ブランド「ホルツワイラー」

 北欧を中心としたヨーロッパのコンテンポラリーブランドに勢いがある。その筆頭がコペンハーゲン・ファッション・ウイークに参加する「ホルツワイラー(HOLZWEILER)」「ガニー(GANNI)」「リクソ(RIXO)」、パリでコレクションを発表する「ナヌーシュカ(NANUSHKA)」「トム ウッド(TOM WOOD)」などだ。これらのブランドの共通点は、独自性のあるデザインと、値ごろ感があるバランスのいい価格帯、そして、環境や社会問題への取り組みを行い、透明性が高い点。それぞれのブランド哲学を持ちながらも、SNSマーケティングを強化し、ポッドキャストや動画などの新たな取り組みに挑戦するなど企業努力が感じられる。

 ノルウェー発の「ホルツワイラー」はアンドレアス(Andreas)&スザンヌ・ホルツワイラー(Susanne Holzweiler)兄妹がストールブランドとしてスタートさせた。ストールは全体の70%でラムウールやカシミヤなどのリサイクル素材を用いており、色や柄の豊かなデザインに定評がある。2014年にアンドレアスの妻マリア・スカッペル・ホルツワイラー(Maria Skappel Holzweiler)がヘッドデザイナーとして加入し、ウエアの展開を開始。SNSではジェンダーや人種の多様性にフォーカスしたキャンペーンで、社会問題へメッセージを打ち出している。

 価格は決して“安い”わけではないが、トップスが1万〜3万円、ドレスは2万〜4万円、アウターは5万〜7万円と、高価格帯のデザイナーズブランドが一緒に並ぶセレクトショップやECモールでは手に取りやすい設定になっている。「ホルツワイラー 」を買い付ける高島屋 スタイル&エディットの長尾悦美クリエイティブ・ディレクターは「プリントやファブリックがユニークで、プライスも買いやすい。ここ数年でクリエイティブがぐっと成長してきたのをランウエイやプロモーションから感じる。サステナビリティへの取り組みも先進的で、彼らの生活と、作るものが自然な流れで生み出されているので信頼できる。明るくて優しいチームの人柄も魅力」と語る。

 共同創業者のアンドレアスと、ブランドのデザイン責任者を務めるマリアにサステナビリティへの取り組みについて話を聞いた。

世界には変化が必要であり、
今後もサステナビリティが重要になっていくことは明らか

WWD:家族でブランドを運営している強みは?

アンドレアス・ホルツワイラー(以下、アンドレアス):私と妹のスザンヌは06年に会社を設立した後、両親を社員として雇用し、母はテキスタイル、父は物流部門の構築を担当しています。14年にレディ・トゥ・ウエアのコレクションを始めた際には妻のマリアがチームに加わりました。コミュニティー作りとストーリー性は私たちの大事にしている部分で、ファミリービジネスであることは、私たちのブランドの価値観に大きく影響しています。現在は70人以上の社員が“ホルツワイラー ファミリー”の一員になっています。

WWD:サステナビリティの取り組みを開始した理由は?

アンドレアス:最初のシーズンから取り組みを始めていますが、その頃から世界に変化が必要であり、今後もサステナビリティが重要になっていくことは明らかでした。通常の素材より、再生繊維を使用するほうが費用はかかりますが、私たちはウールとカシミアのリサイクル素材を70%使用することを選択しました。当初は適切なサプライヤーを見つけることは容易ではありませんでしたが、今日ではより適切な持続可能な意思決定ができるようになったと感じます。

WWD:ブランドを代表する商品であるスカーフはどのように誕生したのか?

アンドレアス:スカーフは私たちの最初の商品で、卸先がスカーフをメートル単位で購入できるようにロール状でスカーフを販売することから始めました。また早い段階からデジタルプリントの製作やアーティストとのコラボレーションにも着手。その後、ラムウールとカシミアのスカーフへと拡大していきました。

WWD:サステナビリティの取り組みはどのように推進している?

マリア・スカッペル・ホルツワイラー(以下、マリア):社内の異なる部署の人々を含めた1つのグループを作っています。シーズン毎に小さなことでも改善できるように、メンバーでサステナビリティの目標を一緒に設定しています。

常に洋服の目的を考え、“永遠”に生き続ける服を生み出していきたい

WWD:素材選びで重視していることは何ですか?

マリア:私たちは長く愛される服を作るために、時間を費やして高品質かつ持続可能な素材を選ぶことを心がけています。天然素材をなるべく多く使い、時にはシワになりにくい特性や何度洗濯しても着用しても型崩れしない素材を選ぶことがよりサステナブルということもあります。常に洋服の目的を考え、長年着用しても美しく見え、“永遠”に生き続ける服を生み出していきたいと考えています。個人的には風合いや重さを生かした素材が好きで、厚い・薄い、光沢のある・鈍い、フェミニン・マスキュリンというようなコントラストを加えるのが得意です。

WWD:デザインのインスピレーションはどのように得ている?

マリア:人々、自然、建築、アーティスト、友人、家族など私たちを取り巻く全てのものからインスピレーションを受けています。心地いいだけでなく、着用する人が強く感じられる服を作ることで他社と差別化をしたいと思っています。

WWD:新型コロナウイルスで、ブランドビジネスに影響はあったか?

アンドレアス:3月のパンデミックが始まった頃には、多くのクライアントからキャンセルがあり、3つの直営店を6週間閉店しました。その一方で、ECは急成長しています。卸ではクライアント数を減らし、より強固なパートナーとなることを選択しました。この結果、21年の前年同期比82%増。売り上げは予想より若干下がりましたが 、全体的なコスト削減によりEBITDA(利払い前・税引き前・減価償却前利益)は目標を上回りました。

WWD:来日した際の日本の印象は?

アンドレアス:14年に初めて日本を訪れ、東京の街に魅了されました。お店、行き交う人々、建築などに非常に刺激を受けたことを覚えています。伊勢丹新宿本店は14年の1月にブランドを発表した際に、コレクションとスカーフを買い付けてくれた初めての卸先でした。日本は店舗スペースの運営の方法、また洋服の扱い方において、何歩か先に進んでいるように感じます。日本のファッション市場は他国とは異なり、ディテール、素材、最終の製品をしっかりと見ています。個人的には「サカイ(SACAI)」の阿部千登勢、「ビズビム(VISVIM)」の中村ヒロキの大ファンです。

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よしあきや石田ニコルも参加 「ロクシタン」が「あなたも誰かのサンタクロースに。笑顔につながるハッシュタグキャンペーン」実施中!

 様々な変化や我慢を経験し、みんなが頑張った2020年。だからこそ、クリスマスには自分や大切な人にギフトを贈って笑顔を届けたい。そんな思いからロクシタンは「#今年はみんなサンタクロース」をテーマとする楽しいコンテンツが満載の特設サイト「ロクシタンサンタ村」をオープンした。
 
 用意されたコンテンツは全部で7つ。ロクシタンサンタがギフト選びの手伝いをしてくれる「コンシェルジュカウンター」、サンタになってプレゼントを届ける「ゲーム」、ホリデープロモーションを紹介する「サンタ村マルシェ」、人気俳優がギフト選びにチャレンジする「スペシャルムービー」、ビューティアドバイザーのイチオシが聞ける「美容部員に聞こう!」、そして下記に紹介する「みんなのスマイルツリー」だ。

チャリティキャンペーン
「みんなのスマイルツリー」

 「サンタを待っている子供」と「サンタになる大人・企業」をつなげる活動を行うNPO法人チャリティーサンタの活動に賛同し、同団体を通じて「厳しい環境に置かれている子供たち」にプレゼントを届けるハッシュタグキャンペーンを12月25日まで実施している。インスタグラムで「#今年はみんなサンタクロース」「#ロクシタン」をつけてロクシタン商品やクリスマスにまつわる写真を投稿すると、5投稿で1家庭に親子で使えるロクシタンアイテムを届けるというものだ。また、当キャンペーンへの参加者の中にも、抽選で50名様にサンタ村オリジナルのホリデーギフトがプレゼントされる。特設サイトでは投稿数と準備中のプレゼント数が表示され、その数によって画面上のクリスマスツリーオーナメントが増えていく仕掛けになっている。

よしあきや石田ニコルが
キャンペーンに参加

 「みんなのスマイルツリー」キャンペーンには、インフルエンサーも大切な人にギフトを贈り、参加した。兄弟で活躍し、今引っ張りだこのよしあきは姉のミチに“イモーテル オーバーナイトリセットセラム”をプレゼントし、モデルの石田ニコルは普段から愛用しているというハンドクリームのセットをチョイス。ファッションインフルエンサーの金子麻貴も母親にハンドクリームを贈り、モデルの久間田琳加はロングヘアをケアするために人気ヘアケアシリーズ“ファイブハーブス リペアリング”のシャンプーとコンディショナー、ヘアミルクが1つになったセットをセレクト。また、モデルの野崎萌香とタレントのおのののかは1年頑張った自分へのご褒美として“イモーテル オーバーナイトリセットセラム”を選んだ。それぞれ友人や家族、また自分へのプレゼントとして「ロクシタン」のホリデー製品を贈り、笑顔の連鎖をつなげた。

大切なあの人へ、
そして私へ贈るクリスマスギフト

 「ロクシタン」のホリデーギフトは、スターアイテムをセットにした限定コフレやベストセラーの人気アイテムなど、大切なあの人へ、頑張った自分へのご褒美にぴったりのアイテムが豊富にラインアップ。毎年大人気のハンドクリームギフトは仲間とシェアしたり、ニューノーマル時代の必需品ともいえるアルコール入りのハンドジェルとハンドクリームのヴァーベナの香りのセットはお世話になった方々へ贈ったり。ヘアケアアイテムは友人や男性へのギフトとしてもおすすめ。そして、特別なクリスマスに輝くためのスキンケアアイテムは自分のために……。

 植物の恵みが肌や髪を美しくケアするのはもちろんのこと、「ロクシタン」の故郷プロヴァンスから届けられる豊かな香りが心をハッピーな気持ちで満たし、笑顔を運んでくれる。今年は大切な人にギフトを贈り、笑顔でつなげる特別なホリデーシーズンにするのはいかが?

TEXT:YOSHIE KAWAHARA

問い合わせ先
ロクシタンジャポン カスタマーサービス
0570-66-6940

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クラフトビールも製造するアウトドア店「パーヴェイヤーズ」 いま、ローカルが面白い!桐生編 VOL.2

 群馬・桐生市の注目ショップ2店目は、“旅のコンセプトショップ”を掲げる「パーヴェイヤーズ(PURVEYORS)」。もともと古い鉄工所だったという大きな建物を生かして、テントなどのアウトドアギアを扱うお店として2017年3月にオープンしました。私が初めて同店を訪れたのは19年の春。それ以来の2回目の訪問として11月8日にお店を訪れましたが、今秋のリニューアルで1階がカフェレストランになり、3階はアパレルフロアとして本格オープンするなど、かなり進化していました。さらに、来年2月にはクラフトビールのブルワリーも1階にできるんだとか!

 同店のオーナーは小林宏明Perk社長。もともとアウトドアイベントや飲食業のプロデュース、映像制作などを手掛けていた小林社長は、桐生や群馬県の出身者ではありません。そんな小林社長が桐生に出店することになったきっかけは、前回の記事で紹介した桐生の老舗セレクト店「エスティーカンパニー」の環敏夫社長との出会い。「環さんと知り合わなければ桐生とは一生縁がなかったかもしれない」と笑いながら話します。小林社長が以前経営していた渋谷のカフェに環社長が客として通っていたことで知り合い、そこから桐生の街を知り、魅せられていったそう。「街の全体感が見渡せて、コンパクトな中に山や川や街がある絶妙な規模感が桐生の魅力」と語ります。

サボテンを求めて県外からリピート訪問

 11月7、8日に「パーヴェイヤーズ」「エスティ―カンパニー」、アトリエ兼ボードゲームカフェの「ふふふ」という桐生の3店で行われたグリーン(植栽)のイベント「プランツショー」は、「パーヴェイヤーズ」主導でスタートしたもの。今回で3回目の開催でした。「規格外のサボテンなどを売るイベントとして当初は自店だけで行っていたが、県外からのお客さまを含めて驚くほど集客があった。リピート客にもつながっている」ことを受けて、他2店とも組んで桐生の街全体に客を呼び込むようにしたんだとか。

 来年2月には、1階にクラフトビールのブルワリーも完成予定。桐生の水を使い、クラフトビール界では非常によく知られた醸造士だという阿久澤健志氏をパートナーに迎えて作るビールがどんなものになるのか、非常に楽しみです。

 桐生はもともと絹織物や刺しゅうなどのファッションの一大産地として栄えた街。それゆえ、「シンイチロウアラカワ(SHINICHIRO ARAKAWA)」の荒川眞一郎さん、「アンダーカバー(UNDERCOVER)」の高橋盾さん、「ハイク(HYKE)」の大出由紀子さんなど、数多くの有力デザイナーを輩出し、「エスティーカンパニー」がそうしたファッション文化を絶やさないように耕し続けてきました。そんな桐生に、アウトドアや飲食といった専門分野を持つ小林社長をはじめとする「パーヴェイヤーズ」のチームが新たに加わることで、街のカルチャーがさらに多方面に広がって、魅力が増していっているように感じます。

■PURVEYORS
住所:群馬県桐生市仲町2-11-4
営業時間:2、3階は11~22時(1階カフェは11時30分から営業)
定休日;月曜、火曜

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アバターでハロウィーンフェス! 「バーチャル渋谷」の成果と課題は?

 「バーチャル渋谷」はKDDI、一般社団法人渋谷未来デザイン、一般財団法人渋谷区観光協会を中心とする参画企業で組成する「渋谷5Gエンターテイメントプロジェクト」が運営する渋谷区公認の配信プラットフォームだ。渋谷のスクランブル交差点一帯をバーチャル空間で再現。“第2の渋谷”として24時間世界中どこからでも無料でアクセス可能で、5月19日のオープニングイベントには延べ5万人が参加したという。そんな「バーチャル渋谷」が10月26日から6日間ハロウィーンフェスを開催した。

 初日20時に予定されていたきゃりーぱみゅぱみゅのバーチャルミニライブはアクセス殺到で延期に。28日に開催された。イベントに参加するには30分前から開設される専用ページに入るが、そこで選べるアバターはカボチャかオバケ。交差点ステージ前に集まり、ペンライトを振ったり拍手をしたり飛び跳ねたりができる。アバターを後ろから眺める視点だとオバケ越しにライブを見ることになり、ある意味リアル。2曲を披露した。他にもネットフリックスオリジナルアニメシリーズ「攻殻機動隊 SAC_2045」が特設スクリーンで上映されたり、アイドルグループBiSHのライブやVチューバーミライアカリのトークショー、和牛が視界を務めるお笑いライブなど、毎日さまざまなイベントが用意された。

 最終日、ハロウィーン当日の夜はバーチャルライブ配信アプリ「リアリティ(REALTY)」でアバターを作成し、「クラスター(Cluster)」と連携させて参加。さぞかし盛り上がっているだろうと思ったが、意外とオバケで徘徊する人が多かった。

 しかし、21時からのサージョン(SURGEON、バーミンガム)、エレン・エイリアン(Ellen Allien、ベルリン)、ケン・イシイ(Ken Ishii)、ダーシャ・ラッシュ(Dasha Rush、ベルリン)ら4組の世界的DJによるパフォーマンスは満員で会場に入れず。どうしても観たかったのでドミューンとユーチューブで視聴。バーミンガムにいるサージョンがプレイする動画をバックに、サージョンのアバターが渋谷のスクランブル交差点でオバケたちの前でプレイし、さらにスーパードミューンらしいAR技術も駆使されて、なんとも不思議な空間が広がっていた。

 エンターテインメントはもちろんだが、ファッションの分野でも大きな可能性を秘めていそうな「バーチャル渋谷」の課題と今後について渋谷未来デザインの長田新子理事に聞いた。

WWD:「バーチャル渋谷」でハロウィーンフェスを開催した経緯は?

長田新子渋谷未来デザイン理事(以下、長田):渋谷のハロウィーンは例年多くの人で賑わうが、路上にゴミがたくさん落ちていたり、お酒を飲んで大騒ぎしたりと、街としては警備などの課題があった。特に今年はコロナ禍ということもあり、長谷部健渋谷区長も自粛を呼びかけていたこともあり、「ニューノーマルのハロウィーンができないか」というところから企画が立ち上がった。

WWD:6日間で40万人が参加したというが目標値には達したか?

長田:アクセスは目標値をはるかに上回った。初日のアクセス集中によるダウンは予想以上の集客になったことによるもので、きゃりーぱみゅぱみゅさんは海外からのファンのアクセスも非常に多かった。そこからチームで日々改善を重ね、どうやってバーチャル空間で多くの人を受け入れればいいのか、滞在時間をどう伸ばせるかを研究しました。あの1週間でいろんなことが見えてきて、まさしくいろんな文化の実験の場として、課題と可能性が実感できた。

 一方でこのコロナ下で渋谷に人がたくさん集まらないように“ステイバーチャル”を掲げて取り組んだが、今年の渋谷のハロウィーンは仮装している人が例年に比べて少なかった。自粛を皆が受け入れてくれたことが最大の成果。ニューノーマルでのイベントのは、リアルとバーチャルの両面を持つことになると思うが、それを実現できたのではないか。31日にリアルな渋谷で大パニックが起こらなくて本当にうれしかった。

WWD:参加者からの反響は?

長田:アバターってある意味“自分”。例えばライブを普通に画面で見るよりも、その場に行ってインタラクティブに楽しめたという声が多かった。渋谷に行かなくても楽しい取り組みに参加できるというポジティブな意見をもらった。車が走らない渋谷のスクランブル交差点でライブが楽しめるというのもバーチャルならではの体験だったと思う。

WWD:ライブ会場の参加人数がだいぶ少ないように見えたが?

長田:見えている数が少ないだけ。見える人数を増やすとデータが重くなってしまうという技術的なところで制限をかけた。実際のアクセスは1000人を超えたりしていた。見た目に盛り上がりに欠けるかもしれないが、例えば会場に1万人見えたとしたら、重なりすぎて見えづらくなってしまう。アバターの種類を限定したのも同じ理由で、データを重くしないため。しかし、もう少し人数が見えた方が盛り上がりやすいかもしれないと話し合っている。

WWD:来場者の属性は?

長田:既にバーチャル空間に親しんでいる人がほとんどだったが、今回のハロウィーンフェスは、バーチャル空間が初めてという一般の人がかなり参加していた。Eテレのコンテンツも用意したりしたので親子で楽しんだりもしていたようだ。イベントによって年齢層や男女比、国籍もバラバラだったと思う。ただ、意外と若い人よりも上の年齢の人が多かった印象だ。

WWD:仮装コンテストは盛り上がったか?

長田:ハッシュタグを付けて応募してくれたのは100人以上。優勝者にはミライアカリちゃんが賞を授与したが、そこに皆集まって「おめでとう!」とコメントしたりして盛り上がっているのが見ていて面白かった。ハロウィーンの仮装って変身願望が満たされるという部分もあると思うので、そういう意味でもバーチャルとの親和性があると思う

WWD:「シブヤ・ファミリーセール」への誘導も行なっていたが?

長田:「シブヤ・ファミリーセール」については宣伝効果はあった。実は今回が初めての物販のトライアルで、ラインアップもまだまだ。「バーチャル渋谷」内で全て完結するのにはまだまだ時間がかかる。しかし、ゆくゆくは経済活動ができるようにしていきたいと考えている。来たからには何か買って帰りたいとう人たちにも対応したい。

WWD:ファッションビジネスの可能性は?

長田:渋谷にもともとある店やブランド、渋谷発のファッションと一緒にファッションショーをしたり、ここでしかできないことを世界的に見せていきたい。もう1つはブランド品をアバターが身につけられるようにして、ファッションやコミュニケーションを楽しんだりでできるようにしたい。街の良さって歩いたり、人と出会うの他に、着飾って楽しむということもあると思う。「バーチャル渋谷」はエンタメ、ファッション、デジタル技術、商業施設などいろんな人が一緒に取り組める。さまざまな技術があるし、行動心理学やブランディングやマーケテイングといった多角的な視点が必要だ。アバターの行動を分析して、そこから何が生み出せるかは個人的にも非常に楽しみ。

WWD:中でも力を入れていこうと思う分野は?

長田:バーチャルだけで完結しない仕組みを作りたい。もともと街を回遊させながら渋谷の街を楽しんでもらいたいというのがもともとのコンセプトとしてあるので、リアルとバーチャルの掛け合わせで新しい価値を作ることだった。リアルとの連動性を模索したい。

 もう1つは経済活動なり、街に還元できる仕組みを作りたい。ゴミ拾いなどの支援できる仕組みでもいい。渋谷ってもともと賑やかしの象徴になり、自粛の象徴になってしまったが、こうした街としての発信をし続けることも大事。実は海外メディアの取り上げがすごく多い。新しいバーチャルの都市として取り上げてもらえ、それがブランド価値になる。内閣府が世界に向けて発信してくれたので、そういうアイコニックな街としてどんどん進化させて発信していきたい。

WWD:課題は?

長田:デジタルの技術の発展と共にできることであって、皆さんが妄想するようなことは全部できないので、それをいかに早く実現していくか。5Gもまだごく一部でしか使えないし、多言語化もできていない。海外から来れないタイミングだからこそ、バーチャルの渋谷に行ってみようと思う人を受け入れる街としての土台を作らないと。「リアルでも行きたい」と思ってもらえるきっかけにしたい。皆さんにとって何が一番いいのかを優先順位をつけながらやっていく。

WWD:次の取り組みは?

長田:年末年始に向けてこの試みを受けてどうやるかを検討しているところ。季節に応じたことをどうやっていくかを考えているところだ。

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白タートルニットは名脇役だった! アレンジ自在の冬コーデ術

 寒さから首を守ってくれるタートルネックのニットは冬を象徴するアイテムです。なかでもおすすめは白。顔周りを明るくしてくれるのに加えて、コーディネートをうまい具合に取りまとめてくれる名脇役といえます。見慣れた感の強い白タートルですが、ファッショニスタはさすがのアレンジを加えて、オリジナルな着こなしに生かしています。

 たとえばレザーコートを肩掛けで羽織ったこちらの彼女は、ライトブラウンとホワイトのツートーンで整え小粋なたたずまいに。さらに帽子やパールイヤリングも白で統一することで品格を印象づけています。白タートルを生かした達人コーデのコツを披露します。

パーカやシャツとレイヤード チラ見せ加減でこなれ感を演出

 タートルネックは顔に近いので視線が行きやすく、実は目立ちやすいウエアです。そこで、見え具合をあえて控えめに操ることで、レイヤードのバランスを整える裏技をご紹介します。写真1枚目は、スウエットパーカの内側からタートルネックの首元だけをちらりとのぞかせるレイヤード。カジュアルなコーディネートにゴールドネックレスを合わせて、リュクスな雰囲気を盛り込みました。キュロットとロングブーツのレザーコンビネーションでトレンドコーデに。上下でムードを変えて味わい深く整えました。

 タートルニットの通な着こなしバリエーション2つ目は、シャツの下にタートルニットを着込むアレンジです。白タートルに薄いイエローシャツを重ねて、美しいカラーグラデーションを生み出しました。さらにピンクのアウターとレザーのショートパンツで、フェミニン×カジュアルのバランスが絶妙な着映えに。癖のない白タートルが色の響き合いを下支えする、巧みなレイヤードです。
宮田さま:薄黄色のシャツでくっきりではないと思うので、グラデーションに修正しました。

アウターと色を合わせて上品なカジュアルルックに

 タートルニットとコートを近い色でそろえれば、アンサンブル風にまとまって上品なムードに。特に白主体で整えると、ノーブルな装いを組み立てられます。1枚目は、デコルテにカットオフを施した白タートルの上に流麗なシルエットの白コートをオン。ニュアンスカラーのベージュをコットンパンツで迎えて、白のピュア感を引き立てました。バッグとブーツは穏やかなモカ系を添えて、洗練されたカジュアルコーデにまとめ上げています。

 白は色味のバリエーションが多いので、あえて少しずつずらした“ニアカラー”で束ねるホワイトルックはおすすめです。加えて、質感やボリュームにも“ずらし”を仕掛けると、雰囲気に奥行きが出ます。2枚目のオールホワイトコーデは、素材感や色味が少しずつ違うので、全体にこなれ感が備わりました。クリームがかったムートンジャケットのほっこりした質感と量感に、ピュアホワイトのタートルネック、パンツ、バッグ、ロングブーツと全て白系で合わせて、軽やかなホワイトルックの出来上がりです。
宮田さま:2枚目タートルに関する記載がなかったので追記しました。

レザーや派手パンツとミックスしてコントラスト使い

 白タートルニットは、コーデ次第でカジュアルにも華やかにも着こなせます。効果的なアレンジはレザーパンツとのミックスです。オフネックのタートルニットはカジュアルに見えやすいアイテムですが、レザーパンツならではのクールな表情のおかげで、ぐっとスタイリッシュにシフト。風合いが極端に異なるニットとレザーの異素材コントラストが際立ち、ありきたりに見えない仕掛けです。

 ややデイリー(普段着)感を帯びるタートルニットの持ち味を生かせば、“強め”なアイテムの印象をやわらげてくれます。程よく着地させるためのトーンダウン役として活用するスタイリングです。2枚目のキーピースは、舞台衣装のようにシルバーにきらめく総スパンコール仕立てのパンツ。これだけだと目立ちすぎてしまいそうですが、オフホワイト系タートルニットのおかげで、いくらかトーンを抑えられました。ライトグリーンのロングコートを重ねてパンツの露出をセーブすることで、全体のバランスを保っています。

 白タートルネックは印象がやさしげなので、コーデの“仲立ち役”としていい仕事をしてくれます。重ね着のまとめ役やホワイトルックの立役者、異素材コーデの引き立て役など、さまざまなミッションをそつなくこなしてくれる、冬コーデの頼れる名脇役です。

ファッションジャーナリスト・ファッションディレクター 宮田理江:
多彩なメディアでコレクショントレンド情報、着こなし解説、映画×ファッションまで幅広く発信。バイヤー、プレスなど業界での豊富な経験を生かし、自らのTV通版ブランドもプロデュース。TVやセミナー・イベント出演も多い

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「メゾン キツネ」が賛同するトレーサブルオーガニックコットン糸のチャリティプロジェクトがスタート

 フランスのライフスタイルブランド「メゾン キツネ(MAISON KITSUNE)」は、繊維商社の豊島が手掛けるトレーサブルオーガニックコットン糸〝トゥルーコットン(TRUECOTTON)“から始動した環境保全のチャリティプロジェクト「セーブ・ネイチャー&アニマル・プロジェクト(Save nature and the animals project)」に賛同し、〝トゥルーコットン”を使用したエコバッグとTシャツを限定販売する。

 〝トゥルーコットン“は生産農場と紡績工場を特定できるオーガニックコットン糸で、その代表格であるトルコオーガニックの紡績グループのウチャクテクスティル(UCAK TEKSTIL)社と豊島が日系企業向けの独占販売契約を締結した。

 「セーブ・ネイチャー&アニマル・プロジェクト」の売り上げの一部は、豊島と昨年パートナーシップを結んだ環境保全団体のWWFジャパン(世界自然保護基金ジャパン)に寄付され、希少な野生生物と森や海を守る活動や、自然資源の持続可能な利用と地球温暖化の防止を目指した活動の支援に使用される。

 エコバッグとTシャツのデザインは、「WWF」と書かれたキャップを被るキツネのモチーフが特徴。コンパクトなエコバッグは持ち運びが便利で、付属のボタンは環境に配慮した廃棄魚網のリサイクル素材を使用している。また、Tシャツは心地よい肌触りのトゥルーコットン糸で編んだ生地を「メゾン キツネ」定番の型に仕上げた。エコバッグは12月24日に「メゾン キツネ」の東京・青山店、代官山店、大阪店、京都・新風館店、「カフェ キツネ」青山店とWWFの通販サイト「PANDA SHOP」で発売予定で、価格は3000円。Tシャツは来年1月発売予定で、価格および販売店舗は未定。

 同プロジェクトが実現した経緯について、「メゾン キツネ」の黒木理也ファウンダー、豊島の田中哲平氏、WWFジャパンの金子幸史・淡水グループジャパン テキスタイル リードに話を聞いた。

WWD:「セーブ・ネイチャー&アニマル・プロジェクト」に賛同した理由は?

黒木理也「メゾン キツネ」ファウンダー(以下、黒木):以前からサステナビリティについて大切に考えていたが、余力がなくてなかなか形にできなかった。今回、豊島とWWFジャパンとの協業できちんと取り組めたことをうれしく思う。何か始めないとリアクションがないし、進化しない。

WWD:エコバッグとTシャツに込めた思いは?

黒木:環境保全に対して率直な気持ちを伝えるメッセージだ。新しいスタートをイメージして、色を付けずにシンプルで気軽に使用できるデザインにした。ジェンダーレスでエイジレスなベーシックさは、誰でも愛用することができる。難解な問題なので、特に若者は理解しずらい点があるかもしれないが、このTシャツを着て遊びに出掛けたり、エコバッグを持ってコンビニに買い物に行くことがサステナブルな行動につながる。普段の生活の中で、自分なりにできることは何か。多くの人が環境問題について考えるきっかけになればいい。

田中哲平・豊島二部一課(以下、田中):豊島はオーガニックコットン普及プロジェクト「オーガビッツ(ORGABITS)」や、廃棄食料を再活用する「フードテキスタイル(FOOD TEXTILE)」など30年以上、サステナブルな活動に積極的に取り組んでいる。“トゥルーコットン”の使命は、多くの人にサステナビリティに興味を持ってもらい、環境保全や自然保護につながるちょっとしたいいことを広めていくこと。当社だけの発信では限りがあるが、「メゾン キツネ」とWWFジャパンとの協業は大きな効果を生むと思う。

WWD:WWFの資料によると、繊維産業は石油産業に次いで水の汚染が2番目に大きく、水の使用量が2番目に多い。

金子幸史WWFジャパン淡水グループジャパン テキスタイル リード(以下、金子):服飾・繊維関連分野をサステナブルに変えていくプロジェクトは、WWFの優先活動の1つ。WWFジャパンがパートナーとする初めての日系ファッション企業である豊島と、世界的に影響力のある「メゾン キツネ」との取り組みにより、多くの消費者のリアクションを期待している。

WWD:サステナビリティを重要視するきっかけとなったのは?

黒木:約5年前、ヨーロッパから東京に生活の拠点を移したとき。みんながエコバッグを持つなど環境保護の意識が高いヨーロッパと比較して、日本やアジアの街中であまりのゴミの多さを見て悲しい気持ちになって火が付いた。

WWD:今後、サステナビリティに対してどんな取り組みを進める?

黒木: バリ島に100%サステナブルなヴィラを来年開業する予定だ。他に自然や環境に配慮したリゾート開発も進んでる。(「メゾン キツネ」共同創業者の)ジルダ(・ロアエック/Gildas Loaec)ほどではないが、バリ島は好きだ。日本にサステナブルな旅館があっても面白いと思う。アイデアはたくさんあるので、慎重に考えていろいろと続けてみたい。行動力があり、創造力豊かな日本人は、さまざまなことができると思う。例えば、若者の理解をもっと深めるために、学校の授業にサステナビリティの課題に取り組むコンテンツを取り入れても良いのではないか。

金子:産学連携のサステナビリティの教育は面白いかもしれない。若者の将来が過酷なものにならないように、さまざまな立場の皆さんとの対話を通じて連携を深めながら、環境に高い負荷をかけている繊維産業の課題を克服していきたい。“トゥルーコットン”は、繊維企業の事業をサステナブルに変えていく大きなきっかけになると思う。

田中:これまで、勢いのある取り組みがまだ足りないと感じていた。今回のプロジェクトは、多くの人に強いメッセージとなるに違いない。今後も他社の力を借りながら、日本市場にサステナビリティを落とし込んでいきたい。

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「ポルシェ」と「ヒューゴ ボス」がタッグ サステナビリティをテーマにイベント共同開催

 「ポルシェ(PORSCHE)」と「ヒューゴ ボス(HUGO BOSS)」は先ごろ、東京・有明のポップアップストア「ポルシェ ナウ トウキョウ(PORSCHE NOW TOKYO)」で、両社の顧客を招いたイベント「ヒューゴ ボス×ポルシェ」を共同開催した。テーマは、両社が大切にしている共通のビジョンである“サステナビリティ”だ。

モビリティもファッションも
環境への配慮が使命

 会場ではCO2排出量ゼロの「ポルシェ」初のフル電動スポーツカー「タイカン(TAYCAN)」のプレゼンテーションや、以前からESG(環境、社会、ガバナンスの重視)経営に力を入れている「ボス」が「ポルシェ」とコラボレートしたメンズの新作カプセルコレクションが紹介され、両社が使命としているサステナビリティへの取り組みをアピールした。

「ポルシェ」の未来を象徴する
フル電動スポーツカー
「タイカン」

 “タイカン”は、“CO2を排出しないプラントでCO2を排出しない車を生産する”という「ポルシェ」が目指す持続可能なスポーツカーとして登場した。“タイカン ターボS”の0-100km/h加速は2.8秒という驚異的な加速やポルシェならではの走行性能を持ちながら、走行時にCO2を発生させないだけではなく、軽量でリサイクルが可能なアルミニウムをボディの37%に採用したほか、シート地などにはリサイクル素材を使用し、本拠地であるドイツ・シュツットガルトに設立したカーボンニュートラルの工場で製造されている。また、物流にも鉄道や電気自動車を採用、塗装工場でも排熱利用を行うなど、CO2削減だけでなく資源の節約にも配慮した徹底ぶりだ。日本でも今年9月、ポルシェジャパンが民間企業として初めて渋谷区とコラボレートして、“持続可能(サステナブル)な未来の共創”をテーマとしたポップアップイベントをミヤシタパーク4階の公園スペースで行った。“タイカン”の展示を通して、70年以上の伝統を持つ「ポルシェ」のイノベーションの歴史と、未来を見据えたサステナビリティへの取り組み、持続可能なスポーツカーを次代を担う若い世代にも共有することが狙いだ。このようなサステナブルプロジェクトは今後も継続する。

「Porsche NOW Tokyo」から
サステナブルなメッセージ発信

 「ポルシェ」スピリットの新しい情報発信地が、日本初のポップアップストア「ポルシェ ナウ トウキョウ(Porsche NOW Tokyo)」だ。シュツットガルト、アラブ首長国連邦・ドバイ、ギリシャ・アテネ、台湾・台北に次ぐオープンで、世界市場における日本の重要度を象徴している。店内は車両の展示に加え、各「ポルシェ」モデルを実在するサーキットで走行できるVR(仮想現実)体験スペースが設置されたほか、日本初導入となるコンシェルジュスタッフ“ポルシェプロ”が常駐し、「ポルシェ」に関するあらゆる質問に対応する。また、150kW級を出力する都市型充電ステーション“ポルシェターボチャージングステーション”も設置された。さらに、21年夏にはポルシェが販売する車の魅力をスポーツドライビングなどを通じて体験できる「ポルシェ・エクスペリエンスセンター」を千葉県木更津市にオープンする予定だ。

“電気自動車のF1”
フォーミュラーEで連携

 「ポルシェ」と「ヒューゴ ボス」は昨年、“電気自動車のF1”といわれるフォーミュラーEレーシングにおいてグローバルパートナーシップ契約を締結した。「ヒューゴ ボス」は「ポルシェ」のモータースポーツチームのオフィシャルアウトフィッターとなり、「ポルシェ」とコラボレートしたカプセルコレクションを手掛ける。カプセルコレクションは、両社のコーポレートカラーであるシルバーとブラック、赤を基調としたデザインが特徴で、環境に配慮した素材、製法で生産されている。4シーズン目となる2020-21年秋冬コレクションは、テーラードジャケット(9万4600円)、レザーのブルゾン(5万8300円)、フード付きパーカ(4万8400円)、デニムパンツ(4万4000円)などがあり、「ポルシェ」のアイコニックなシルエットやディテールをデザインに落とし込んだ。イベント中のトークショーに登壇した前田陽一郎クリエイティブ・ディレクターは、30代から「ポルシェ」のオーナーだという。「約5年前、ベルリンの本社を取材で訪れた際、環境に配慮したマシンメードの服の最高峰を目指すと宣言していたほど、『ヒューゴ ボス』はサステナビリティに対して先進的に取り組んでいる会社だ。『ボス』を着用したときに感じるなじみのよさは、“タイカン”でも味わえるはずだ」と話した。

 「ポルシェ」は2025年までにラインアップの半分を電動化する計画で、サステナブルな進化を遂げている。

問い合わせ先
ポルシェ コンタクト
0120-846-911

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天然成分による極上の着心地「サク・レ」がかなえるうるおいに包まれる24時間

 2019年秋冬に誕生した「サク・レ(SACRE)」は、全ての女性に心地よさとうるおい感を提供する極上のウエアだ。その極上な着心地の秘密は素材にある。自然由来のうるおい成分であるサクランを使用したレーヨン素材がソフトでしなやか着心地を約束。素材の良さを引き立てるシンプルなデザインが特徴で、なめらかな肌触りと生地の高い保湿効果で心と体をストレスから解放してくれる。素材はもちろんのこと、インナーウエアの機能性など、創業100年以上の歴史を持つ老舗アパレルメーカーのロイネならではのノウハウが随所に生かされている。価格もインナーが2400〜4800円、Tシャツやパンツ、ワンピース、ローブなどが4500〜8800円と手に取りやすいのも魅力の一つだ。一度手にしたら離せない「サク・レ」。その極上な着心地で多くの女性を魅了している。

ベッドルームから
ワンマイルまで、
あらゆるシーンに対応

 「サク・レ」は、女性のライフスタイルのあらゆるシーンに寄り添うブランドだ。絶妙なフィット感で優しく体を包むインナーウエアの“イン・ユア・シャツ”をはじめ、“ベッドルーム”、“リビングルーム”、“アクティブ”、“ワンマイル”とシーンごとに女性の24時間をサポート。Tシャツやレギンス、パンツなど、カテゴリー別に用途に応じて素材や機能にアレンジを加えている。「サク・レ」のクリエイティブディレクションは新進気鋭のアーティストであるNatsumi Itoを起用。彼女が捉えたスタイリッシュなビジュアルも注目だ。

自身と向き合う“おうち時間”に
ぴったりの商品

 「サク・レ」は8月、伊勢丹新宿本店のマ・ランジェリーでポップアップショップを開催した。三越伊勢丹の吉村恵美クロージング&アクセサリー I グループ マーチャンダイジング部肌着アシスタントマーチャンダイザー(AMD)によると、コロナ禍にもかかわらず店頭、EC共に前年比2ケタ増を売り上げたという。年齢層も20〜60代と幅広い世代から人気でギフト需要も多かった。吉村AMDは、「『サク・レ』の魅力は、インナーには珍しいニュアンスカラーと天然由来成分のサクランを使用した肌触りの良さ。トレンドに左右されないデザインや手に届きやすい価格帯、老舗メーカーだから実現できる品質が支持された」と話す。ポップアップ終了後も多くの問い合わせがあり、目が離せないブランドのようだ。

保水力はヒアルロン酸の
約5倍、驚きのサクラン

 「サク・レ」に使用されているサクランは、熊本県の大地が育む希少な淡水のり“スイゼンジノリ”から抽出された植物由来の天然うるおい成分だ。サクランにはヒアルロン酸の約5倍の保水力があり、化粧品などの材料としても使用されている。サクランをレーヨンの原糸に練り込んだ「サク・レ」を着用することで、肌からの水分蒸発対策になり、今までにないなめらかな触感と極上の着心地を実現することができる。

問い合わせ先
株式会社 ロイネ
info@jp-sacre.com

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店舗から「ダークストア」への転換 ファッション分野にも波及 鈴木敏仁USリポート

 アメリカ在住30年の鈴木敏仁氏が、現地のファッション&ビューティの最新ニュースを詳しく解説する連載。オンライン注文の物流に特化した「ダークストア」が増えている。棚に商品が陳列されているが、客は入ることはできず、EC(ネット通販)で受注された商品を出荷するための施設だ。スーパーマーケットが閉鎖された跡地に食品のダークストアが作られることが多かったが、一部ファッション分野にも広がりを見せている。

 百貨店のメイシーズ(MACY'S)がダークストアの実験を始めている。デラウェア州とコロラド州の2店舗で10月から開始した。名称はオムニサービスセンター。EC(ネット通販)の商品ピックアップと返品のみ可能で、その他の一般的なサービスを提供するカウンターはあるが、店内で買い物はできない。

 目的は急増しているECに対応するためで、ECで注文した商品をこの店からお客に配送するか(またはピックアップに来てもらうか)、他の近隣店舗に送る。同社広報がメディアの取材にそのように答えているが、今のところ情報はここまでだ。不採算店舗を転換したのか、家賃はどうなのかなど疑問は尽きないが、そういったテクニカルな疑問の答えを得るにはいましばらく時間が必要だろう。

 同社はもう一つ10月初頭にドアダッシュ(DOOR DASH)との提携を発表している。ドアダッシュはオンデマンド型の短時間宅配大手。もともと外食業界からスタートした企業だ。小売業界にも徐々に版図を広げはじめているのだが、百貨店との取引開始は私にとっては少々サプライズだった。外食宅配企業が百貨店と組むことと、百貨店がついに短時間宅配を始めることの2つの驚きである。

 料理、チルド、冷食など食品には短時間にお客に届けなければならない商品特性がある。だからそこからビジネスが生まれて市場が大きくなったわけで、これがとうとうファッション業界にも波及し始めたのである。ECで買った服を手数料を払ってまで2時間以内に手にしたい人がいるのかどうかを考えて悩むのではなくて、お客の選択肢を増やすことが正しいということなのだろう。

コロナの店舗休業で明暗が分かれる

 ご存知の通りアメリカの小売業界はコロナによる営業規制でリアル店舗に影響が大きく出る一方、ECの売り上げが急騰する地殻変動のような変化が生じている。ECはピークの5月には前年同月比で80%弱という伸び率を記録した。今も50%前後の増収で推移しているようで、まさにECシフトである。

 この大変化に対する小売業界の対応は、フルフィルメントセンターを急ごしらえで建設することなど不可能なので、店舗を有効活用するしか手がない。そして店舗を最大限に有効活できた企業とできなかった企業とで明暗が分かれた。その差は今まで準備していたかどうか。つまりデジタルにしっかり投資し変革に取り組んできたか否かで勝負が決まった。

 例えばルルレモン(LULU LEMON)がECによるインストアピックアップの実験をしたときに注文の半分以上が店頭欠品していることに気づき、在庫管理の精度を上げるために全商品にRFIDタグ(無線電子タグ)を付ける取り組みを始めたのは2015年のことである。そのためコロナによる営業規制がかかった直後からダークストア化が可能になって被害を最小限に食い止めている。一方のメイシーズはそういった準備ができていなかったので大きな減収に見舞われている。

ダークストアはデジタル小売業への実験場

 EC急増に対する店舗の対応は、おおよそ5つに集約されてきたと考えている。

(1)店内フルフィルメントスペースの設置:
 ネット注文に対する作業スペースは必須で、今は急ごしらえが多いがこれからは店舗計画の線引きの段階でスペースを確保することになるだろう

(2)BOPIS(バイオンライン・ピックアップインストア):
 アメリカには店内ピックアップと、駐車場に止めた車で受け取るカーブサイドピックアップと2つある

(3)オンデマンド型短時間宅配:
 インスタカートやドアダッシュといった専門企業を利用しての短時間宅配

(4)マイクロ・フルフィルメントセンター:
 売り場を大幅に縮小し、オートメーション化された小型のFCを店内に作る手法。ウォルマート(WALMART)、スーパーマーケットのアルバートソンズ(ALBERTSONS)やHEBが実験を始めている

(5)ダークストア:
 ダークストアは既存店を転換する試みでメイシーズに加えて、ウォルマート傘下のサムズクラブ(SAM’S CLUB)、スーパーマーケットのクローガー(KROGER)やレイリーズ(RALEY’S)など複数の企業が実験している。ゼロから作ったのがアマゾン傘下のホールフーズ(WHOLE FOODS )でNY近郊に1店舗、短時間宅配もドアダッシュがコンビニダークストアの実験を始めている。

 クローガーは3月から実験しているのだが、CFO(最高財務責任者)がメディアの取材に対して、「ダークストアはラーニングラボだ、そこから得た知見を適用することでネット注文を店頭で処理するコストが削減できた」と答えており、ECシフトへの対応だけではなくプロセス効率化の実験場としても機能しているようだ。

 モールから抜けた核店舗のあとをダークストア化、つまりフルフィルメントセンター化するというアイディアはかなり前から存在する。専門店が抜けた後を小さなフルフィルメントスペースとして他の複数の専門店に貸すという計画を聞いたこともある。ただ、お客が普通に行き来するモールの中にダークストアがあるという環境がお客のイメージにどう作用するのか、高い家賃を払ってROI(費用対効果)はどうなのか等々の課題もあって、業界では賛否が分かれている。

 メイシーズの実験はこういった諸々の疑問に答えてくれるかもしれない。やらないでゼロのままでいるよりも、とりあえずやってたとえ失敗したとしても少なくともノウハウを得ることができると考える方が重要なのだと私は考えている。

鈴木敏仁(すずき・としひと):東京都北区生まれ、早大法学部卒、西武百貨店を経て渡米、在米年数は30年以上。業界メディアへの執筆、流通企業やメーカーによる米国視察の企画、セミナー講演が主要業務。年間のべ店舗訪問数は600店舗超、製配販にわたる幅広い業界知識と現場の事実に基づいた分析による情報提供がモットー

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アーティスティックスイミング選手からメイクアップアーティストに転身 “スポーツ選手らしい”メイクに奮闘

 「音楽に合わせて水中で演技を行い、技の完成度や同調性、演技構成、芸術性や表現力を競い合う」と聞けば、シンクロナイズドスイミングを思い浮かべるだろう。実は2018年にアーティスティックスイミング(以下AS)と名前を新たに、より感情豊かな演技が求められている。その中には、美しい動きはもちろん、その表情を彩るメイクにも目を引きつけられるが、そのAS用メイクを選手に指導している荒井美帆メイクアップアーティストもまた、元アーティスティックスイミング選手だった。その経歴についてやメイクアップアーティストへの転身についてはもちろん、日常生活にも生かせる汗や水に強いメイク方法、アスリートに向けたメイク活動について話を聞いた。

WWD:AS選手からメイクアップアーティストになった経緯は?

荒井美帆メイクアップアーティスト(以下、荒井):AS選手時代、09年に日本代表チームに入ることができましたが、日本代表になるとアーティスティック日本代表オフィシャルスポンサーであるコーセーのメイクアップアーティストから試合用のメイクアップを教えてもらえる機会があるんです。メイク講習会が1年に2回ほどありましたが、その講習がとても楽しかったですね。それに、ASには必ずメイクアップが必要にもかかわらず、日本代表に選ばれない限りメイクを学ぶ機会がないんです。試合のたびに自身でメイクをしなければいけないため、私も小学生のときから先生にやってもらったり周りの先輩の真似をしたりしていました。ただ、その先輩も自己流なのでそれを真似ていてもひどい出来だったりもしましたね(笑)。そんな経験もあって、「代表以外の人にメイクを教える機会を設けたい」と思いメイクアップアーティストを目指しました。引退後に専門学校に通い、メイクアップアーティストになることができました。

WWD:メイク講習会ではどのようなことを教わりましたか?

荒井:まず色使いが違いました。教わる前までは、赤い水着のときは目元に赤いアイシャドウを入れたり、青い水着だったら青一色のメイクを施したりなどワンパターンなものでしたから。演技のテーマに合わせてアイシャドウの入れ方を変えたりチークの色を変えたり、メイクの使い分けを初めて知ることが多かったです。明るい曲のときは、表情が柔らかく見えるようにライトなカラーやアイラインの入れ方で変化を出しました。一方で、カッコよく見せたいときや怖さを表現したいときはアイラインを強めに入れてキリッとさせたりリップの色も濃い目の赤にしたりしましたね。

WWD:直近の活動は?

荒井:新型コロナウイルスが流行する前までは、アメリカを拠点にメイクアップアーティストとして活動していました。そして直近1年半は、ASのパフォーマーとしてカリブ海を回る世界最大級の豪華客船内で毎日開催される50分間ショーに出演していました。これまでに2回乗船しており、それぞれ9カ月と4カ月半乗船していました。もともと5月までパフォーマーをする予定だったのですが、コロナの影響で今年の3月に帰国し、再びメイクアップアーティストとして活動しています。

WWD:日本ではどのような活動をしているのか?

荒井:例えば、京都のAS選手に向けてなじみのある「よーじや」のメイクアイテムを使用したオンラインのメイク講習を行いました。オンラインでメイクを伝えるのは難しく、最初はライティングや画面に対して鏡をどこに向けて設置したら見えやすいかなど試行錯誤でした。画面越しで色の見え方も違いますし、アイラインがきれいにひけているかどうかの判断もしづらかった。しかし、北海道から沖縄まで離れた場所の人にも講習できるというのはオンラインならでは。これまでは関東のASチームを中心にメイク講習をしていたので新鮮でした。

WWD:AS用メイクで重視するポイントは?

荒井:水に強いのはもちろん、アイシャドウならグラデーションを作るのを大切にしています。AS選手がメイクを濃くするのは、遠くのお客さまにも表情をよく見せるためでもあります。年々ASメイクも多様化し、まつ毛を描いてみたり、アイシャドウもアートのように奇抜に入れてみたりするようになっていきました。しかしそのうち、「競技に相応しくない」「スポーツ選手らしくない」となり、数年前から“派手すぎるメイク”が禁止となりました。テーマに合わせたメイクを考えるのが楽しかったのでやはり寂しさもありましたが、“ショー”ではなく“競技”なので、「選手らしく」というのは仕方のないことだとも感じましたね。そのため、以前は2色を目元に強くいれるメイクを多用していましたが、それでは「濃いメイクでNG」と判断される恐れも。なので、同じ2色でもグラデーションを使って自然にきれいめに見えるようにしています。

WWD:元選手だからこそ分かる、現役選手に伝えられることとは。

荒井:私のメイクはコーセーのメイクアップアーティストに教わったことがベースにはなっていますが、それにプラスして元選手としての目線でも伝えています。例えば、早朝に試合があるときは練習をしてすぐ本番というタイトなスケジュールなので、選手は朝起きてホテルでメイクとヘアをセットします。その場合、「目の下のアイラインはにじみ防止のため練習後(本番前)に引いたほうがいいよ」「リップは試合の直前に塗ったほうがいいよ」などプラスのアドバイスができます。試合前はバタバタして一からメイクを直す時間がないので、ほんの少しのメイク直しで済むように教えていますね。そのほか、選手はまだメイクをしたことがない中学生や高校生が多いので、ファンデーションは簡単に塗れて化粧直しもしやすいパウダータイプをすすめています。スポンジを水に濡らして使えば、汗や水にも強くなる。これは日常生活も使える小技ですね。

WWD:AS用メイクにはもちろん、日常生活でも使える汗や水に強いメイクアイテムを教えてください。

荒井:AS用では、「メイクアップフォーエバー(MAKE UP FOR EVER)」の“アクアシール”がおすすめ。どんなパウダーやペンシルもウオータープルーフにできるリキッドで、例えばアイシャドウに混ぜて使用したり、アイシャドウを塗ってからリキッドを上に塗ったりすると一瞬でウオータープルーフになります。私はリキッドをアイシャドウ下地として塗り、その上にアイシャドウを重ねるという使い方が多いですね。「ファシオ(FASIO)」のアイブロウペンシルとマスカラは選手時代から使用していますが、使いやすく落ちにくいので今も使い続けている一品です。「キャンメイク(CANMAKE)」のジェルタイプアイシャドウ“ジェルスターアイズ”はパールとラメがたっぷりで選手にも使いやすい。手に取りやすい価格も魅力ですね。「エクセル(EXCEL)」の“ロングラスティングアイライナーEX”も汗や皮脂、水に強くおすすめです。また、「よーじや」「チャコット(CHACOTT)」のアイシャドウは発色が良く使っています。

WWD:今後の活動予定は?

荒井:メイクのオンライン講習は今後も続けていきます。普段は、アスリートがメディアに出るときに自分でできるセルフメイクの方法も伝えていますが、いま広げていきたいのは、新体操やフィギュアスケートの選手などメイクが必要な競技の選手に向けた競技用メイクです。そのほか、ウオータプルーフ重視のメイクとして、ランナーやインストラクターなど汗をかきやすい人に向けたメイク、ボディービルダーなどコンテストに出場するステージメイクといった、スポーツ全般に関わる人にメイクを広げていきたいですね。

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#敦子スメ「新月・満月」ノート 未来をより良いものに変えるタイミングのふたご座満月(11月30日)

 この連載では、新月・満月の流れを最大限に引き出すためのサポートをしてくれるコスメやインナーケアアイテムも紹介していきます。最終回の第24回は、11月30日の満月とおすすめコスメについてお伝えします。

今回の満月(11月30日)はふたご座

 今回の満月はふたご座で起こります。拡大、楽観、冒険心を表すいて座の太陽に、好奇心、コミュニケーション、知識を表すふたご座の月という組み合わせ。何か新しいことや“未知のもの”にトライしたくなるような星の配置です。2020年は根本から生活や価値観を変えられるような1年でした。この変化をどう捉えているか、人それぞれかもしれませんが、これを機に未来をより良いものに変えていける希望を持つのにいいタイミング、そんな星の配置です。

 新型コロナウイルス感染拡大という大きな波をきっかけにさまざまなことが変化し、世の中を見ていても新しい世界や暮らしがじわじわ始まっていて、もうその入り口に立っている感じが感覚的にもありますよね。そんなタイミングの今回の満月ですが、これからの新しい時代にマッチした面白いアイテムを今回は紹介します。

今回の満月コスメ

 「コアフィット(COREFIT)」の“ハイミラープロフェッショナル”はAIが搭載された次世代型のビューティミラー。ミラーといってもただの鏡ではありません。顔の筋膜の癒着をリリースする美容ギア、フェイスポインターとセットで使うものですが、顔のコリ・たるみや肌の状態の測定ができる機能に加え、Zoomやユーチューブなどが見られる機能を搭載。画面の半分でメイク動画を見ながら、もう半分をミラー機能にしてメイクの練習をしたり、Zoomを使ってポインターのインストラクションを受けたり、物とも人とも新しいコミュニケーションの取り方で美容に向き合える、そんなアイテムです。


 「フォレオ(FOREO)」 の“UFO”は、スマホアプリと連動して肌のトリートメントが行える新しいスキンケアツール。専用のマスクシートをセットしてスマホのアプリを起動。そのガイダンスに従ってスキンケアを行うと、本体が温冷作用と光の効果で肌を柔らかくし保湿成分を浸透。エイジングケアもできる優れもの。順序やトリートメントの長さはアプリが管理してくれるのでとても楽にスキンケアが楽しめます。

 新しい時代になって変化する私たちの人とのコミュニケーションやあり方、その波は美容アイテムにも現れています。鍵となるのはインターネットやデバイスなどのツールなのかもしれません。


福本敦子(ふくもと・あつこ)/フリーランスPR・美容コラムニスト:コスメキッチンに14年間勤務後、現在はフリーランスPRとして活動するかたわら、ビューティコラムニストとしてイベント、SNSなど多方面で活躍。オーガニックに精通した知識を武器に、ライフスタイルに寄り添った独自のオーガニック美容論が、著名人やエディターをはじめ各方面から大人気。「#敦子スメ」は「読んだ瞬間試したくなる」と多くの反響を呼び、紹介した商品の欠品や完売も多数。2019年秋、初の書籍となる「今より全部良くなりたい 運まで良くするオーガニック美容本 by敦子スメ」を出版。発売前に増刷が決まるなど話題を呼んでいる。旅を愛し、占星術にも精通 instagram:@uoza_26

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#敦子スメ「新月・満月」ノート 未来をより良いものに変えるタイミングのふたご座満月(11月30日)

 この連載では、新月・満月の流れを最大限に引き出すためのサポートをしてくれるコスメやインナーケアアイテムも紹介していきます。最終回の第24回は、11月30日の満月とおすすめコスメについてお伝えします。

今回の満月(11月30日)はふたご座

 今回の満月はふたご座で起こります。拡大、楽観、冒険心を表すいて座の太陽に、好奇心、コミュニケーション、知識を表すふたご座の月という組み合わせ。何か新しいことや“未知のもの”にトライしたくなるような星の配置です。2020年は根本から生活や価値観を変えられるような1年でした。この変化をどう捉えているか、人それぞれかもしれませんが、これを機に未来をより良いものに変えていける希望を持つのにいいタイミング、そんな星の配置です。

 新型コロナウイルス感染拡大という大きな波をきっかけにさまざまなことが変化し、世の中を見ていても新しい世界や暮らしがじわじわ始まっていて、もうその入り口に立っている感じが感覚的にもありますよね。そんなタイミングの今回の満月ですが、これからの新しい時代にマッチした面白いアイテムを今回は紹介します。

今回の満月コスメ

 「コアフィット(COREFIT)」の“ハイミラープロフェッショナル”はAIが搭載された次世代型のビューティミラー。ミラーといってもただの鏡ではありません。顔の筋膜の癒着をリリースする美容ギア、フェイスポインターとセットで使うものですが、顔のコリ・たるみや肌の状態の測定ができる機能に加え、Zoomやユーチューブなどが見られる機能を搭載。画面の半分でメイク動画を見ながら、もう半分をミラー機能にしてメイクの練習をしたり、Zoomを使ってポインターのインストラクションを受けたり、物とも人とも新しいコミュニケーションの取り方で美容に向き合える、そんなアイテムです。


 「フォレオ(FOREO)」 の“UFO”は、スマホアプリと連動して肌のトリートメントが行える新しいスキンケアツール。専用のマスクシートをセットしてスマホのアプリを起動。そのガイダンスに従ってスキンケアを行うと、本体が温冷作用と光の効果で肌を柔らかくし保湿成分を浸透。エイジングケアもできる優れもの。順序やトリートメントの長さはアプリが管理してくれるのでとても楽にスキンケアが楽しめます。

 新しい時代になって変化する私たちの人とのコミュニケーションやあり方、その波は美容アイテムにも現れています。鍵となるのはインターネットやデバイスなどのツールなのかもしれません。


福本敦子(ふくもと・あつこ)/フリーランスPR・美容コラムニスト:コスメキッチンに14年間勤務後、現在はフリーランスPRとして活動するかたわら、ビューティコラムニストとしてイベント、SNSなど多方面で活躍。オーガニックに精通した知識を武器に、ライフスタイルに寄り添った独自のオーガニック美容論が、著名人やエディターをはじめ各方面から大人気。「#敦子スメ」は「読んだ瞬間試したくなる」と多くの反響を呼び、紹介した商品の欠品や完売も多数。2019年秋、初の書籍となる「今より全部良くなりたい 運まで良くするオーガニック美容本 by敦子スメ」を出版。発売前に増刷が決まるなど話題を呼んでいる。旅を愛し、占星術にも精通 instagram:@uoza_26

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「ナナナナ」をヒットさせたデザイナーによる「ラストフレーム」 有力店が注目する“長く愛されるモノ作り”

 コロナ禍を受けて欧米の有力百貨店やスペシャリティストアには元気がなく、それらの店での販売に力を入れてきた日本のデザイナーズブランドにとっても、難しい状況が続いています。そんな中にあって「海外からの引き合いが高まっている」というのが、奥出貴ノ洋(おくで・たかのひろ)さんが手掛けるバッグやスカーフのブランド「ラストフレーム(LASTFRAME)」。奥出さんは、ミニサイズのバッグが大ヒットした「ナナナナ(NANA-NANA)」のデザインも手掛けており、名前は出せませんがそれ以外にも関わってきたブランドをヒットさせています。そんなふうに時代を読むのに長けた奥出さんですが、「今はサステナブルじゃないということがファッションではない時代」と語ります。

 「ラストフレーム」は、2018年秋に奥出さんが個人で立ち上げたブランド。現在、国内ではGR8やリステア(RESTIR)、バーニーズ ニューヨーク(BARNEYS NEW YORK)などで販売しており、21年プレ・スプリングや21年春夏からは、英のEC大手マッチズファッション ドットコム(MATCHESFASHION.COM)、中国・北京の百貨店SKP、英の百貨店ブラウンズ(BROWNS)などでの販売も決まりました。「(コロナ禍もあってバイヤーは保守的になっていると思ったが)だからこそ、比較的買いやすい価格で元気の出るようなカラフルな色合いの商品が支持されているんだと思う」と奥出さん。

 同ブランドがコンセプトとして掲げているのは、「年々職人が減少している日本の伝統技術を未来につなげる」こと。奥出さんがこれまで関わってきたブランドは、「ナナナナ」しかりカジュアルやストリートといったジャンルなので、このコンセプトはやや意外に感じます。「(これまで関わってきたブランドで海外のバイヤーなどと話す中で)『日本人なんだから、もっと日本のいいものを世界に発信すればいいのに』と言われる機会があった。そう言われても何をやればいいのか分からなかったが、偶然地元の石川県のシルクの機屋と知り合う機会があり、そこから日本の素材産地に足を運び、伝統技術について調べるようになった」そう。

 その結果生まれた第1弾商品がシルクスカーフです。石川県で作られる紋織りという技法のシルク織物にプリントを重ねていて、手触りや仕上がりは非常に繊細。でも、プリントではバンダナ風のペイズリーとチェッカーフラッグを組み合わせたりしていて、毒っ気を感じるところがポイント。価格は90センチ×90センチの商品が2万円前後です。奈良県のニッターとの出合いから生まれたというスーパーのビニル袋風ニットバッグ(2万2500円)もアイコン商品。日本に数台しかない特殊な編み機で編んだ生地を使っているといいます。

廃盤にはせず、年間を通して販売

 毎シーズン、少しずつ新商品を増やしていきますが、基本的にどの商品も廃盤にはせず、通年で提案し続けていくそう。そんな考えを象徴するように、21年春夏の展示会では“SSAW”という文字を無数にプリントしたスカーフも企画していました。通常は「2021SS」で2021年春夏シーズンを、「2021AW」で21年秋冬シーズンを表しますが、年を示す数字は組み合わせず、SSAWと4文字全て並べることで、いつのシーズンかを限定しないようにしているんだとか。そういった話をしていた時に奥出さんから出てきた言葉が、冒頭で紹介した「今はサステナブルじゃないということがファッションではない時代」というものでした。半年ごとに新しいトレンドを打ち出して、買い替え(つまり廃棄)を促してきた今までのファッション業界のシステム自体が、もはやファッショナブルではなくなっているという皮肉を表していますね。

 サステナビリティって、近年急速にファッション業界内で意識されるようになりました。でも正直なところ、完全な循環型商品の開発などが自社内でできるのはグローバルSPAやスポーツブランド、ラグジュアリーブランドなどの大資本に限られます。そういった中で、中小のデザイナーズブランドがサステナビリティの問題とどう向き合うべきかの好例の一つが、「ラストフレーム」のように“シーズンを超えて、長く使えて愛される商品を作る”といったことかもしれません。

 さて、これまでいくつもヒットを生んできた奥出さんに、「なぜみんなが欲しがるモノが分かるのか」なんてことも聞いてみました。その答えは、「自分がゼロからデザインしている感覚ではなく、世の中で広がっているものとか、自分の中で気になるもの、好きなものがホワッとある。それらが重なって形になったときに『あ、これだな』と形になる。ヒットするアイテムの時は企画の段階からそれが分かる」というものでした。商品企画に携わる人なら多かれ少なかれみんな同じような思考をしていると思いますが、そう簡単にはいかないもの。それがサラリとできちゃうというのが嗅覚というものなんですね。奥出さんのようにストリートやカジュアルといったリアルなマーケットを主戦場にしてきた人が、技術を次代につなげる、長く愛されるサステナブルなモノ作りを志向しているということが、まさに今の時代だなと感じます。

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「ナナナナ」をヒットさせたデザイナーによる「ラストフレーム」 有力店が注目する“長く愛されるモノ作り”

 コロナ禍を受けて欧米の有力百貨店やスペシャリティストアには元気がなく、それらの店での販売に力を入れてきた日本のデザイナーズブランドにとっても、難しい状況が続いています。そんな中にあって「海外からの引き合いが高まっている」というのが、奥出貴ノ洋(おくで・たかのひろ)さんが手掛けるバッグやスカーフのブランド「ラストフレーム(LASTFRAME)」。奥出さんは、ミニサイズのバッグが大ヒットした「ナナナナ(NANA-NANA)」のデザインも手掛けており、名前は出せませんがそれ以外にも関わってきたブランドをヒットさせています。そんなふうに時代を読むのに長けた奥出さんですが、「今はサステナブルじゃないということがファッションではない時代」と語ります。

 「ラストフレーム」は、2018年秋に奥出さんが個人で立ち上げたブランド。現在、国内ではGR8やリステア(RESTIR)、バーニーズ ニューヨーク(BARNEYS NEW YORK)などで販売しており、21年プレ・スプリングや21年春夏からは、英のEC大手マッチズファッション ドットコム(MATCHESFASHION.COM)、中国・北京の百貨店SKP、英の百貨店ブラウンズ(BROWNS)などでの販売も決まりました。「(コロナ禍もあってバイヤーは保守的になっていると思ったが)だからこそ、比較的買いやすい価格で元気の出るようなカラフルな色合いの商品が支持されているんだと思う」と奥出さん。

 同ブランドがコンセプトとして掲げているのは、「年々職人が減少している日本の伝統技術を未来につなげる」こと。奥出さんがこれまで関わってきたブランドは、「ナナナナ」しかりカジュアルやストリートといったジャンルなので、このコンセプトはやや意外に感じます。「(これまで関わってきたブランドで海外のバイヤーなどと話す中で)『日本人なんだから、もっと日本のいいものを世界に発信すればいいのに』と言われる機会があった。そう言われても何をやればいいのか分からなかったが、偶然地元の石川県のシルクの機屋と知り合う機会があり、そこから日本の素材産地に足を運び、伝統技術について調べるようになった」そう。

 その結果生まれた第1弾商品がシルクスカーフです。石川県で作られる紋織りという技法のシルク織物にプリントを重ねていて、手触りや仕上がりは非常に繊細。でも、プリントではバンダナ風のペイズリーとチェッカーフラッグを組み合わせたりしていて、毒っ気を感じるところがポイント。価格は90センチ×90センチの商品が2万円前後です。奈良県のニッターとの出合いから生まれたというスーパーのビニル袋風ニットバッグ(2万2500円)もアイコン商品。日本に数台しかない特殊な編み機で編んだ生地を使っているといいます。

廃盤にはせず、年間を通して販売

 毎シーズン、少しずつ新商品を増やしていきますが、基本的にどの商品も廃盤にはせず、通年で提案し続けていくそう。そんな考えを象徴するように、21年春夏の展示会では“SSAW”という文字を無数にプリントしたスカーフも企画していました。通常は「2021SS」で2021年春夏シーズンを、「2021AW」で21年秋冬シーズンを表しますが、年を示す数字は組み合わせず、SSAWと4文字全て並べることで、いつのシーズンかを限定しないようにしているんだとか。そういった話をしていた時に奥出さんから出てきた言葉が、冒頭で紹介した「今はサステナブルじゃないということがファッションではない時代」というものでした。半年ごとに新しいトレンドを打ち出して、買い替え(つまり廃棄)を促してきた今までのファッション業界のシステム自体が、もはやファッショナブルではなくなっているという皮肉を表していますね。

 サステナビリティって、近年急速にファッション業界内で意識されるようになりました。でも正直なところ、完全な循環型商品の開発などが自社内でできるのはグローバルSPAやスポーツブランド、ラグジュアリーブランドなどの大資本に限られます。そういった中で、中小のデザイナーズブランドがサステナビリティの問題とどう向き合うべきかの好例の一つが、「ラストフレーム」のように“シーズンを超えて、長く使えて愛される商品を作る”といったことかもしれません。

 さて、これまでいくつもヒットを生んできた奥出さんに、「なぜみんなが欲しがるモノが分かるのか」なんてことも聞いてみました。その答えは、「自分がゼロからデザインしている感覚ではなく、世の中で広がっているものとか、自分の中で気になるもの、好きなものがホワッとある。それらが重なって形になったときに『あ、これだな』と形になる。ヒットするアイテムの時は企画の段階からそれが分かる」というものでした。商品企画に携わる人なら多かれ少なかれみんな同じような思考をしていると思いますが、そう簡単にはいかないもの。それがサラリとできちゃうというのが嗅覚というものなんですね。奥出さんのようにストリートやカジュアルといったリアルなマーケットを主戦場にしてきた人が、技術を次代につなげる、長く愛されるサステナブルなモノ作りを志向しているということが、まさに今の時代だなと感じます。

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“Toxic Positivity(有害なポジティブさ)”とは? 常に前向きじゃなくていい、ファッションも人に寄り添うものに

 “トキシック・ポジティビティ(Toxic Positivity)”という言葉を知っているだろうか。コロナ禍で先が見えない状況を反映して6月ごろから英語メディアを中心に見かけることが多くなった。日本語にすれば“有害なポジティブさ”で、米フロリダ州フォート・ローダーデール拠点のセラピストグループ、ザ・サイコロジー・グループ(THE PSYCHOLOGY GROUP)は「どんな状況下においても幸せで楽観的な状態でいることを過度かつ無益に一般化しすぎること。その結果純粋な感情を否定、矮小化、無効化すること」と定義している。

 同グループは同時に、怒りや悲しみなどネガティブな感情を抑圧し、言葉にしたり表情に出さないことで後に不安やうつ、身体的不調につながる可能性があることを警告している。例えば、落ち込んでいる時に無理やりポジティブに振る舞ったり、元気でないことに罪悪感を覚えてまた落ち込んだりと、元気な状態がデフォルトでなければならないと過度に断定してしまうと逆効果を生むというのである。

 また落ち込んでいる人に対して「元気出して!なんとかなるよ」「そのくらいで済んでよかった」「良いこともあるよ」などと励ますことも純粋な感情から目を逸らせるもので“トキシック・ポジティビティ”になり得るという。ザ・サイコロジー・グループはそのような言葉ではなく落ち込んでいる人を受け入れ、共感し、話を聞くことが大切だと説く。

 なぜ突然この言葉を紹介したかといえば、まず今年は常に元気でいること、そして常に大丈夫な状態であることがいかに難しいかを各々味わった年であるからだ。ファッション業界でいえば、国内の大手アパレル5社だけで3100店舗以上を閉店する見込みだ。そして閉店には人員解雇が伴う。そのような状況で、常に前向きで元気でいることははっきり言って無理だ。

 しかしながら、現実世界では“前向きであること・元気であること”が当然で推奨されるべきこととして扱われる。「頑張って」は元気がない人にとりあえずかける常套句であるし、自粛期間中には外に出られない分、新たなスキルを身につけたり、苦しい状況でも笑顔をたやさず頑張ることがもてはやされた。もちろんポジティブでいられるときにポジティブでいることは悪いことではない。ただ、ポジティブでいられないときの感情も認め、一般化する必要がある。ネガティブな日があるのは当然なこと。自分自身、また他の人に対しても無益にプレッシャーを与えていないか今一度確かめるべきだ。

ファッションができるアプローチとは

 ファッションといえば、人に元気を与えるものと認識されてきた。実際に新しい服やメイクに身を包むことで得られる高揚感は多くの人が経験したことがあるだろう。ただ、元気を与えるアプローチは独りよがりな“元気の押し売り”ではなく人の感情に寄り添い、安らぎや癒しをを与えるアプローチのほうが今は適切かもしれない。コロナ禍により予定より数カ月遅れてオープンしたミヤシタパーク近くのビルボード広告にソフ(SOPH.)が掲げた「まいったな2020」のコピーは多くの反響を呼んだが、これも共感を得たからだろう。

 「ファッションは時代を反映する」とはよく言われたものだが21年春夏シーズンは、華やかさや派手さで元気を与えるというものよりも、圧倒的に安らぎムードが席巻していた。ベージュや白など優しい色使い、ゆったりとしたシルエットや着心地の良い素材が多く登場し、「WWDジャパン」の21年春夏のトレンドブックの副題も“家でも外でも心地よさをまとう”になっている。時代の空気に敏感なデザイナーたちが提案したのは、ネガティブな日も人を優しく包み、無理なく寄り添うファッションだ。

 社会の規範に則れば人々にポジティブでいることを呼びかけるのは企業として当然のようなことのように思われる。もちろんブランドや企業によってはそうしたアプローチを求める顧客もいるかもしれない。しかし今は、いやこれからも、自分たちの顧客は何を求めているのか常に追求し、それに寄り添うアプローチをすべきだ。またファッション業界がもし自らに「常にポジティブなメッセージを発信しなければいけない、そのためには自らも常にポジティブでなければならない」という考えを課しているなら、その考えから自らを解放する必要がある。

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全国のロフトで売れている環境に優しい商品トップ10は?

 突然ですが、皆さんは環境に優しい取り組みを何かしていますか?ーー地球環境のことを考えると壮大で、「自分にできることなんて微力かも・・・」と思ってしまいがちですが、まずは自分が楽しく続けられる、身近な取り組みから始めてみたい!ということで、全国のロフト(LOFT)で9月1日~11月16日までに売れた、コスメ、雑貨のカテゴリーをメインとする環境に優しい商品の売り上げトップ10を集計し、その理由を広報の高橋結衣さんに聞いてみました。皆さんもぜひ参考にしてみては?(一部の店舗では取り扱っていない商品もあります)

10位 「ゾク ポケットストロー」 1200円

 ロフトでは「ストローをプラスチックから紙やステンレスに変更するカフェが増え、メディでも取り上げられるようになった数年前から商品ラインアップを強化しています」と広報の高橋さん。中でも人気なのが外出に便利なポケットタイプで長さが調整できる「ゾク(ZOKU) ポケットストロー」。携帯するケースには、掃除用のブラシまでついている。ストロー部分はステンレスだが、子どもでも飲みやすいように口に触れる部分はシリコンになっているのがポイント。

9位 「ミアー」カップ&タンブラー 3700円、3000円

 真空断熱材ボトルで知られる米シアトル発のミアー(MIIR)社の新色のタンブラーとカップがラインクイン。同社は“製品そのものをプロジェクト化する”をコンセプトに掲げ、「水や教育、移動手段が十分に行き届いていない地域に売り上げの一部を寄付しています」とのこと。高い保温、保冷機能とシンプルかつスタイリッシュなデザインで、「キャンプで使用する人やテレワークの増加で家で長い時間仕事をする人、さらにはギフト需要でも人気です」。

8位 「ハザイ プロジェクト」の天然木カッティングボード 1500円、3800円

 一枚板のテーブルを製作している愛知県の岡崎製材が加工する際に余った木材で製作した天然木のカッティングボード。「ハザイ プロジェクト(HAZAI PROJECT)」とは、その名の通り端材から作られた商品。サイズ展開も豊富だがロフトでは使いやすいミドルとミニサイズが人気。「ケヤキやヒノキ、カバの木などの無垢の木の風合いが良く、パンやチーズをのせて食卓を彩る、お家時間のちょっとした充実に購入される方が多いですね」。

7位 電子メモパッド「ブギー ボード」2700円

 従来のA4サイズ、B5サイズに加え、新たに付箋サイズの電子メモパッド「ブギー ボード(BOOGIE BOARD)」が登場。裏面にマグネットが付いており、冷蔵庫に貼るのみならず、例えば木面でも付属のマグネットを付ければ貼ることができる。付属のペンで書き、中央のボタンを押すと文字が消えるようになっている。コイン電池1つで約3万回消去できる。「紙の節約になると同時にあとに書き込んだ内容が残らないため、個人情報を扱うコールセンターでも重宝されています」。

6位 「ロジカル・ペーパーリング」280~420円

 「もう分別廃棄しなくていいんです!!」と書いてある通り、ノートのリングの部分がプラスチックや金具ではなく紙でできているため、雑紙として廃棄した後にリサイクルすることができる「ロジカル・ペーパーリング」。「中央部分はリングがないため、書く際にも手に当たらないのがポイントです」と高橋さん。サイズもスリムやワイド、紙面も方眼や罫線タイプなど豊富にそろう。

5位 「Gゼロ マグボトル」 1800円

 2年前に爆発的にミニボトルが売れて以降、さまざまなタイプが販売されている中、200ml の「Gゼロ マグボトル」がランクイン。「500mlを一日で飲みきれない女性に支持されています。ちょっとした散歩や、薬を飲む際にも利用できると年配の女性の購入も多いです。断熱、二重構造で保温保冷効果も高く、90gと軽くて持ち運びに便利なのも人気の理由です」。

4位 ベジシャキちゃん 2個組 580円

 商品名の通り、野菜をシャキっと保つためのスティック。キャベツやレタス、白菜などの芯に刺すだけで成長のスピードを抑え、野菜の鮮度を保つという優れもの。「野菜の傷みが激しい夏場に特に売れた商品です。加えてコロナ禍で食材をまとめ買いする消費者が増えたことも後押しました」。食品ロスに貢献するだけでなく、繰り返し使えて経済的なのもうれしい。

3位 「ドクターブロナー マジックソープ」 各1200円

 リピーターも多く、長年愛されている米国発の全身用ソープ「ドクターブロナー マジックソープ(DR.BRONNER'S MAGIC SOAP)」。100%オーガニック成分で容器も100%リサイクルプラスチックを採用している。「素材が全て有機栽培で作られているので、生分解性で人と地球に優しいのが特徴です。この3カ月で一番売れたのはベビー用(敏感肌用)で、その次にシトラス、ティーツリーなどの香りが人気です。夏場はペパーミントのクールタイプもよく動きました。私はシトラスを愛用しています」と高橋さん。

2位 洗たく マグちゃん 1800円

 洗濯機に入れて一緒に洗うだけで、水道水がアルカリイオンの水素水になり、5キロの洗濯量の場合、2個入れると洗剤を使わなくても大丈夫なくらいの洗浄力。「洗剤の量を減らして併用するのをおすすめしています。部屋干しのイヤな臭いを解消し、消臭、洗浄、除菌の3つの効果が期待できます。また使用し続けることで、洗濯槽の汚れ防止にもなり、1個につき約300回使用可能です。洗剤の量を減らせて何度も使えるということで、メディアでも取り上げられ、その後の反響が大きかった商品です」。使用後は、中身のマグネシウムの粒を庭や鉢の植物に与えれば肥料のような役割を果たし、植物を元気にしてくれる。

1位 エコバッグ「クルリト」 700円~

 栄えある第1位はエコバッグの「クルリト」。ロフトでは、レジ袋有料化のタイミングで商品の取り扱いを拡大し、現在200点ほどをそろえる。「当初は、“シュパット(SHUPATTO)"という瞬時にたためるタイプのエコバッグが人気でしたが、じわじわ『クルリト』シリーズが人気に。シャカシャカしている素材のエコバッグが多い中、布に近い素材感でエコバッグに慣れていなかった男性からも支持を得たことが人気の理由です。リュックタイプ、マルシェタイプなどもあり、肩に当たる部分が太めなので、肩が痛くならないのもポイント。また、付属の袋をなくしがちですが、これは袋なしでまとめられ、価格も手ごろなことも後押ししました」。

番外編 ロフト エコバッグ小 300円

 エコバッグを持参するのを忘れて、レジ横にあるロフトのオリジナルエコバッグを購入する人が多数。「ひもがショルダー用と手持ち用の2ウェイになっており、ピンクのカラーリングのかわいらしさから購入する人もいますね。3カ月で3800個売れた人気商品です」。大きいサイズもあり、価格は500円

 最後に広報の高橋さんに売り上げトップ10の商品を総評してもらうと、「売れたものの共通点で全体的に言えることは、エコ視点や環境にいいだけではなく、色合いも明るくポップで、デザインや機能性も優れているということですね。まだまだ消費者の方は環境に良いだけでは手に取らないというのが実感です。加えて何度も使用でき、経済的であることもポイントです。今後も環境に優しい商品を増やしていく予定です」とのことでした。自分の気に入ったデザインで、機能的かつ環境に優しいなら、長く使用したいと思うはず。まずは身近な生活でできることから取り組んでいきたいですね。

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あなたの「MUJI愛」をチェック! 約2000人に「無印良品」に関するアンケート調査を実施

 「WWDジャパン」11月9日号では、「無印良品」特集を実施した。特集にあたり、一般消費者が抱く「無印良品」に対するイメージを調べるため、「WWDJAPAN.com」および公式SNSを通して約2000人の消費者にアンケート調査を実施した。今年の10月に実施し、質問は計6問で、対象は1163~2850人の男女(対象人数は質問により異なる)。アンケート結果からは、今の消費者のリアルな“MUJI愛”が見えてきた。

 Q1は“「無印良品」の店舗に行く頻度は?”。
 ECは含めずリアル店舗に行く頻度を聞いた結果、“月に1~2回”の利用が最も多く46.5%。次が“数カ月に1回かそれ以下”で42.1%、続いて“週1回”が9.6%だった。“毎日”という回答も1.8%あり、“月に1~2回”“週1回”“毎日”の回答数を合わせると、実に過半数が月に1~2回以上利用している実態が明らかになった。

 Q2は“「MUJIパスポート」をダウンロードしている?”
 「MUJIパスポート」とは「無印良品」のアプリで、2020年8月末時点で国内の累計ダウンロード数が2111万、海外を含むダウンロード数は4937万を誇っている。今回のアンケート調査でも、6割超がダウンロードしているという驚きの結果を示した。

 Q3は“あなたにとって「無印良品といえばコレ!」という定番カテゴリーは?”。
 生活に密着したあらゆるジャンルの商品を扱う「無印良品」ならではの質問で、取り扱い商品を全14カテゴリーに分けて回答を求めた。結果、“食品”という回答が20.9%と最も多く、2位が“収納用品”で18.7%、3位が“文房具・ファイル”で12.3%、それに“化粧品・アロマ”(11.6%)、“家具・インテリア”(10.6%)という回答が続いた。“食品”と“収納用品”の割合の高さが目立つものの、全カテゴリーがある程度の回答数を得て、“日々の生活に必要なものがそろっている”という「無印良品」の特徴が表れた。

 Q4は“あなたにとって「無印良品といえばコレ!」という定番商品は?”。
 Q3では“定番カテゴリー”を聞いたが、それよりも具体的な“定番商品”を聞いたもので、回答者の“MUJI愛”の対象が分かる質問だ。結果、さまざまな形状・サイズのラインアップがあることで人気の収納アイテム“ポリプロピレン・ポリエチレン収納ボックス”が1位になった。同様の形状だけでも、幅26、34、37、40、44、55cmから選べるようになっているなど、どのような収納スペースにも合うようサイズ展開が豊富なことも魅力の1つ。基本的に用途は自由だが、“衣装ケース”と記載した回答が多かったため、服を収納している消費者が多いようだ。

 2位は、“食品”カテゴリーの中で圧倒的な回答数を得た“カレー”。中でも無印カレーの代名詞ともいえる“素材を生かしたカレー バターチキン”が1番人気で、続いて“素材を生かしたカレー グリーン”が人気だった。なお“食品”カテゴリーでは、“バウム”や“チョコがけいちご”などの回答も多かった。ちなみに“カレー”“バウム”“チョコがけいちご”の3商品は、各店舗のレジ横に並べられていることが多く、会計前に思わず手に取ってしまうため“レジ横3大誘惑商品”と呼ばれているという。

 3位は、“高保湿タイプ”“しっとりタイプ”“さっぱりタイプ”の3種類がある“化粧水・敏感肌用”。実際、ヘルス&ビューティカテゴリーで最も売れているアイテムで、老若男女使える処方であることから認知度も高い。SNSに投稿する美容家も常にいてロングセラーになっている。また400mL、200mL、50mL(携帯用)の3タイプのサイズ展開があることも人気の秘訣。50mLは旅行にも持って行きやすくて便利で、400mLは化粧水としては珍しいくらいの大容量で、ファミリーで使っているケースも多いという。

「無印良品」を「ユニクロ」と比較する人も多い

 Q5は“「無印良品」の好きなところは?”。
 記述式で回答を求めたところ、“定番商品を長く扱ってくれるので買い足ししやすい”“いくつになっても手にすることができ、どんな生活環境にも合うところ”“商品、ニュースレター、店舗のディスプレーを通し、日々の暮らしのさまざまな点を整理するアイデアに気付ける点”“シンプルなデザインと見やすい店内”“衣料品は素材がよく、着心地がよいためユニクロからシフトした”“商品そのもので勝負しているところ”“ブランドに頼ることなく、適正価格で商品を販売しているところ”などの回答を得た。

 Q6では、Q5とは反対の視点で“「無印良品」に今後望むことや改善してほしいことは?”を聞いた。
 結果、“衣料品に関して、価格が上がってもデザイン性や素材をよくしてほしい”“自給自足キットとか、これからの暮らしに合うアイデア”“「無印良品村」を作ってほしい”“子ども服の種類を増やしてほしい”“以前より価格と敷居が高くなったと思う。お手頃価格を期待したい”“事業を広げ過ぎないでほしい。身近な位置で現状なままくらいがよい”“衣服のデザインや形をもう少し凝ったものにしてほしい”などの回答を得た。「無印良品」の衣料品を「ユニクロ」と比較した意見が複数見られ、衣料品に関しては両者を比較検討して購入を決めている人も少なくないようだ。

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ベルリンの日常に溶け込むサステナブルな取り組み

 先進国の一つと言われているドイツでは、環境のことを考えたシステムや活動が暮らしの中にごく当たり前に溶け込んでいるように感じます。実際、ベルリンに住み始めてからサステナブルな取り組みをより身近に感じるようになり、関心も高まりました。「サステナビリティ」や「SDGs」と言う言葉だけを聞くと、難しく考えてしまったり自分事化しづらかったりしますよね。僕自身もそうでしたし、今でも環境に配慮した暮らしを“完璧”に実践しているわけではありません。でも大事なのは、自分の身の回りでできることをやってみること。そして何よりも継続することではないでしょうか。ドイツや北欧諸国などでは特に目新しいことがあるというわけではないのですが、今日は日常に根付いているサステナブルな取り組みを紹介します。
   

飲み物は購入時にはデポジットが必要

 ドイツではペットボトルや瓶、缶入りの飲み物を購入するときに、 “プファンド(Pfand)”と呼ばれるデポジットを商品代金と一緒に支払う必要があります。これは容器の再利用やリサイクルを促すために始まったシステムなのですが、1本につき瓶は8~15セント、ペットボトルなどのプラスチックボトルは15〜25セント、缶は25セントとなっていて、まとめ買いすると意外と高額になるのです。さすがにもう慣れましたが、ベルリンに住み始めた頃はレジで合計金額を見てびっくりすることもありました。

 そしてスーパーマーケット各店には回収専用の機械が設置されているので、飲んだ後はどこのお店でも返却可能。その都度返すというよりは、家に溜めておいてまとめて持っていく人が多いです。返却すると合計金額とバーコードが記載されたレシートが発行されるので、それをレジで換金してもらうか新たに購入する商品の合計から割り引いてもらうという仕組みになっています。

 ちなみに“プファンド”システムの対象となっているのは、「Mehrweg(再利用可能)」と書かれたボトルと「Einweg(使い捨て)」マークのついた商品のみ。瓶でもワインボトルなどは対象外なので、ゴミ置き場や街中に設置された色別の回収ボックスに入れます(透明、緑、茶色と分ける必要があります)。また輸入品やフルーツジュースの一部なども対象外なので、分別して捨てます。
 

自分がいらなくなっても、捨てずに欲しい人を探す

 日本では断捨離したら、捨てる、もしくはフリーマーケットやメルカリで売ったりするというのが一般的ではないでしょうか?ベルリンでも週末の蚤の市は人気で、家でいらなくなったものを売りに来ている感じの人もいます。ただ、それよりも僕が驚いたのは、普段からアパートのエントランスや家の前に「zu verschenken(差し上げます)」と書いて、家庭でいらなくなったものを置く人が非常に多いこと。10分ほど住宅街を歩いていたら、必ずと言っていいほど目にします。

 置いてあるものは、割と大きな家具や家電から、服や靴、本、食器、植物までさまざま。正直、どう見ても“がらくた”じゃないか!!と思うようなものもありますが、中にはアンティークの素敵なグラスや雑貨なんかが置かれていることもあるので捨てたもんじゃありません。日本だとちょっと人目が気になったりして物色するのは勇気がいるかもしれませんが、こちらでは皆、普通に立ち止まって見ているので気にする必要は一切なし。僕自身もまだまだ使える立派な穴あけパンチを拾ったことがあり、今でも使っています。そして、最近引っ越しのために断捨離をしたので、“ご自由にどうぞ!”ボックスを試してみたのですが、夜遅くに段ボールに10点ほど入れて家の前の通りに出しておいたら、翌朝にはすっからかんに!自分には必要なくなったものでも欲しい人がいるというのは、本当でした。

 最近のリサイクル事情でいうと、8月にベルリン郊外に“捨てる代わりに再利用”をモットーに掲げ、中古品のみを集めたデパート「ノッホ・モール(NOCH MALL)」がオープンしました。母体はベルリンのゴミ収集やリサイクルセンターの運営を行っているBSR(BERLINER STADTREINIGUNG、ベルリン市清掃局)で、2000平方メートルの店内に状態の良い家具や電化製品から洋服、おもちゃ、本、スポーツ用品まで約1万5000点が並んでいます。このお店の特徴は、街中にたくさんあるリサイクルショップやビンテージショップとは違って営利目的ではなく、持続可能な消費を啓蒙するプラットフォームとしての役割を担っているということ。そのため、修理やアップサイクルのワークショップなども企画しています。まだ実際に足を運んだことはないのですが、近所にあるデパートの1フロアで現在ポップアップストアもやっているそうなので、今度行ってみようと思います。

フードロス削減に取り組む“廃棄食品”のスーパーマーケット

 ベルリンはスタートアップ企業が多いことでも知られている街ですが、フードロス削減に取り組むスーパーマーケット「サープラス(SIRPLUS)」もその一つです。2017年に1号店をオープンして以来、着実に成長を続け、現在はベルリン市内に6店舗とオンラインショップ、そして2つの自動販売機を構えています。

 取り扱っているのは、全て廃棄食品。賞味期限が切れたものや近いものが多いですが、それだけではなく過剰生産された商品やイースターなど季節限定商品の売れ残り、規格外の野菜や果物などもあり、生鮮食品やパンから缶詰めや瓶入りの食品、お菓子、調味料、飲料、アルコールまでがそろっています。商品は主に理念に賛同したメーカーや卸業者から仕入れていて、オーガニックやエシカルな商品も多いのも特徴です。行く時期によって品ぞろえは随分変わるのですが、それもまた楽しみの一つ。普段スーパーで普通に買っている商品があったり、ビックリするようなお買い得品を見つけたりすることもあります。

 また「サープラス」のオンラインショップでは、「パッケージにプラスチック不使用もしくは削減」や「ビーガン」「オーガニック」といった項目で商品を絞り込むことが可能。それぞれのライフスタイルに合った商品を見つけやすいというのも好印象です。
 

JUN YABUNO:1986年大阪生まれ。ロンドン・カレッジ・オブ・ファッションを卒業後、「WWDジャパン」の編集記者として、ヨーロッパのファッション・ウィークの取材をはじめ、デザイナーズブランドやバッグ、インポーター、新人発掘などの分野を担当。2017年9月ベルリンに拠点を移し、フリーランスでファッションとライフスタイル関連の記事執筆や翻訳を手掛ける。「Yahoo!ニュース 個人」のオーサーも務める。

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身近なゴミが服に!? 廃棄物から生まれたファッションアイテム【今知りたいサステナビリティQ&A】

 「サステナビリティなしに未来はない」といわれているが、具体的な問題や取り組みについてはまだまだ知らないことは多い。「今知りたいサステナビリティQ&A」は、SNSで読者に募った「サステナビリティに関する気になるトピックス」に対して、「WWDジャパン」の先輩&若手記者の対談と過去記事を引用して回答していくインタラクティブな新連載だ。第1回目は、廃棄物から生まれたファッションアイテムを取り上げる。

【対談参加者】
廣田悠子:サステナビリティ担当記者
皆合友紀子:ファッション担当記者

皆合友紀子(以下、皆合):読者が気になるサステナビリティのトピックスについて話し合う連載が始まりました!インスタの読者アンケートで最も関心が高かったのが、廃棄問題や循環型ファッションでした。今はゴミからいろいろなものが作られていますよね。最近だと、9月に発売されたリサイクルナイロン「エコニール(ECONYL)」を使った「プラダ(PRADA)」のリナイロン(Re-Nylon)コレクションがかわいかった!

廣田悠子(以下、廣田):ミウッチャ・プラダ(Miuccia Prada)とラフ・シモンズ(Raf Simons)による「プラダ」2021年春夏コレクションでも「エコニール」を使ったアイテムがあったよね。サーキュラースカートが欲しい!

皆合:「プラダ」は21年までに全てのナイロンを「エコニール」に切り替えると発表していますよね。ナイロン製品が主力の一つである「プラダ」の決断に、環境への意識の高まりを感じました。廣田さんも取材していましたが、「プラダ」をはじめ「グッチ(GUCCI)」や「バーバリー(BURBERRY)」「H&M」などサステナビリティ推進企業が注目する「エコニール」のすごさって何ですか?

廣田:不純物が混ざった廃棄物から作られているところ。これまでのリサイクルナイロンは、製造工程で出た歯切れなど不純物が比較的混じっていないものから作られていたの。でも回収されたゴミから作るにはさらに高い技術が必要とされる。しかも「エコニール」は製造工程もクリーンで危険な化学物質を使っていない。「危険な化学物質を使わずに作る」「新たな資源を使わずに作る」というテキスタイル業界の2大課題を実現したといえるんじゃないかな。

皆合:「エコニール」は50%が漁網と使い古したカーペットなどの廃棄物から作られているんですよね。漁網は海洋汚染としても問題視されています。

廣田:「科学者は、65万以上の海洋生物が漁網に捕らえられて命を奪われるか、怪我をしていて、生態に重大な悪影響を及ぼしていると推定している」と「パタゴニア(PATAGONIA)」の方が教えてくれましたが改めて「海はゴミ箱じゃないんです!」と言いたいね。

皆合:本当ですね。他に気になるのが食糧廃棄物のリサイクル。過去にパイナップルの葉の繊維やオレンジの皮から作られたスニーカーや服が「H&M」や「シャネル(CHANEL)」「ボス(BOSS)」から商品化されて話題になっていましたよね。もはやゴミは資源になりうるのだなと。

廣田:“パイナップルレザー”を作るロンドンのスタートアップ企業の創業者は、もともとラグジュアリーブランド向けの革製ハンドバッグのデザインやコンサルをしていた方。サプライチェーンの理解のために原料を調達していた南米やフィリピンを訪れたときに、現場の劣悪な環境にショックを受けたそう。「レザーはサステナブルではない。こんな生産方法でいいのか」と自問して大学へ入り直し、一からテキスタイルを学びなんと博士号まで取って、パイナップルの葉から作るレザー風のテキスタイルを開発。パイナップルの葉は硬くて土に埋めても分解に時間がかかるらしいから、再利用するのはいい取り組みだよね。

皆合:他に気になっている食糧廃棄物からのリサイクルはありますか?

廣田:ブドウの搾りかすの皮を原料にしたビーガンレザーかな。ワイン、そしてグラッパのために使われたへとへとなブドウの搾りかすだから、とても有効活用しているよね。12月1日発売の「H&M」コンシャス・エクスクルーシブ・コレクションのブーツにも使用されていましたよ。

「グッチ」「プラダ」も採用するリサイクルナイロン 創業者に開発秘話を直撃

■イタリアのアクアフィルが開発
■原料は使い古しの漁網やカーペット
■「『エコニール』はマジカルな商品」
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「プラダ」の“リナイロン”コレクションから新作発売 再生ナイロンを使用したアパレルからシューズまで

■ラインアップを拡張
■ロゴでタイムレスを表現
■青山店でインスタレーションも
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「シャネル」も注目する“パイナップルから作るレザー”、ロンドンのスタートアップ創業者が語るその意義

■開発者はレザーグッズのデザイナーから転身
■開発に10年
■「日々の選択を全力で行って」
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ヒューゴ ボスがパイナップル由来の人工レザースニーカーを発売

■パイナップルの葉からレザーに似た不織布ができる
■染色も植物を用いる
■ソールはリサイクルTPU
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ブドウの搾りかすから人工皮革 「ベントレー」が注目する伊ベンチャー

■建築家と化学者が設立
■英国の高級車「ベントレー」とコラボ
■2019年9月から量産へ
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小泉環境大臣が業界へ提言「今のままじゃダメだ、世界の土俵で発言を」

 小泉進次郎環境大臣が就任後、環境省とファッション業界の対話が増えている。8月には任意団体ファッション レボリューション ジャパンの提言を受け、伊藤忠商事や豊島、ファーストリテイリング、H&Mジャパン、アダストリア、帝人フロンティアなど9社との意見交換会を行い、日本の企業が国際的な枠組みへ参加することへの期待などを語った。環境大臣はファッション産業をどう見て、どのようなアクションを考えているのか。単独インタビューを行った。(この記事はWWDジャパン2020年11月23日号からの抜粋です)

WWDジャパン(以下WWD):8月にファッション関連企業と意見交換会を実施したが、率直にどのようなことを感じたか?

小泉進次郎環境大臣(以下小泉):意見交換会でも伝えたのは、今のままじゃいけない、変えたいということ。日本のファッションの評価は世界で高いのに、サステナビリティの文脈でいうとその評価が追い付いてこない。出席した企業の皆さんからは、そのギャップを何とか埋めたい、日本のファッションブランドをサステナビリティの観点でもワールドクラスに持っていきたいという熱意を受け取った。課題はたくさんあるだろう。国内生産が激減し、流通している服の9割以上が海外生産であることもその一つだ。だけどこのままじゃいけない。それを何とかしようという前向きな思いを感じることができた。

WWD:ファッション業界のサプライチェーンは細分化されて長く、全体の意思疎通が難しい。

小泉:同じような状況の産業は他にもあるが、ファッションの分野は前向きな方だと思う。実は今回、環境省の音頭で川上から川下までの企業が集まってくれるのか?という懸念があった。結果、繊維メーカーからグローバルSPA、商社などあれだけのプレーヤーがそろったことはまずよかった。いいスタートが切れたと思う。

WWD:印象に残ったやりとりは?

小泉:フランスのブリュヌ・ポワルソン環境連帯移行大臣付副大臣が2019年のG7サミットで提案した「ファッション協定」に日本の企業が賛同していないなど、国際社会へのメッセージが不十分なのでは?と思った。どれだけいい取り組みをしていてもファッション協定に日本企業の参加がゼロの時点で日本のファッション企業はサステナビリティに関心がないと見られても仕方ないだろう。協定の指標が日本と合わないという懸念もあるようだが、国際社会にメッセージを届けるという大局から考えると参加せずに外で発言していても始まらない。まず土俵に上がり、日本の意見や立場を伝え始めないと非常にもったいない。これは実は安倍内閣での第1期の環境大臣時に石炭政策について国際社会から受けた日本に対する強い批判と共通する問題意識だ。

WWD:決定に従うのではなく、枠組みを議論する土俵に上がらねば。

小泉:気候変動の世界では、菅内閣が2050年カーボンニュートラル宣言をし、米国ではバイデン大統領候補(11月11日時点)が積極的だ。EUはすでに宣言しており、クリーンな産業とダーティな産業の2分類でルールを作ろうという動きがある。これに対して日本の産業界には「そんなこと、たまったもんじゃない」という思いがあり、EUに対して外から文句を言ってきたが、日本も2050年カーボンニュートラルを宣言したのでこれからは違う。菅総理の脱炭素宣言はいわば日本固有のコミュニケーションからの脱却だ。減点方式ではなく、まず高い目標を掲げてどこまでできるかやってみよう、という発想の転換だ。「ファッション協定」の話はそれに近い。ファッションというライフスタイルにかかわるサステナビリティについて日本の政治家が国際社会で語るときに「日本の企業はファッション協定にこれだけ入っています」と言えれば、一言で語れる。逆に「参加企業はゼロですが実はこういうことをやっています」では説明にものすごく時間がかかる。

WWD:日本の中でまず枠組みを作る、という考え方もあるが。

小泉:「日本版〇〇を作る」はよくある手法だが、その取り組みはたいていグローバルな取り組みほどは飛躍しない。日本固有のファッションのカルチャーがあるという思いや、サプライチェーンの構造が違うからグローバルスタンダードの指標で評価をされても損をするだけだとの思いは分かるが、併せて考えたいのが世界に対するメッセージだ。高い技術やクリエイティビティを伝えることができるのはどちらなのか?「日本版〇〇」の中での高得点をアピールしてもそれは一つのマーケットの話にすぎない。

WWD: 2013年、バングラデシュで縫製工場が入ったビル、ラナ・プラザの崩落事故などをきっかけにここ数年、「ファッション業界は大量生産・大量廃棄を当然と思っている、環境意識の低い産業」というイメージが世の中に広がっている。率直にこの業界にどんな印象を抱いているか。

小泉:映画「ザ・トゥルー・コスト」を見たが、あれを見ると自分のクローゼットあらためて見直す。罪悪感なく着られるものを当たり前に選べる社会にしなければ。僕も身の回りからライフスタイルを変えており、再エネ100%で作られたネクタイや、オーガニックコットンのマスクのレパートリーなどは持っている。今はまだそれが当たり前の選択肢として世の中にラインアップされてはいない。一方で、私自身も環境大臣になってから初めて知ったことはたくさんある。無知であることで、気付かないうちに世の中に負の影響を与えている。どこで、どういう環境で作られているかを知るだけで消費者の行動は変わると思う。環境省でもファッションチームを立ち上げて具体的な施策に取り組んでいく。

WWD:ファッション業界は中小企業の割合が高い業界。中小企業ではサステナビリティ促進に向けてできることは限られるという嘆きも業界内にはある。

小泉:評価の可視化、評価される指標作りも大切。そしてそこでは大きなプレーヤーだけではなく、小さなプレーヤーも評価されるべき。先日、ファッションの会社を立ち上げたばかりの方に会った。彼は認証Bコーポレーションに申請しようとしており、評価されれば一気に日本の中でトップに躍り出る可能性がある仕事をしている。ビッグプレーヤーでなくても世界の指標の中に躍り出ることができる。それが可能になった世界に希望を見る。こういった人がこれから次々に出てくるのだろう。社会全体が脱炭素に向かう中でその思いに応えられる正当なマーケット、サステナブルな活動をしているところが報われるマーケットを作ることはとても大切だ。例えばアップルは再生可能エネルギー100%(RE100)を宣言した。それはアップルの部品を作っている日本の中小企業を含む全てのプレーヤーに再エネを求めるということ。できなければサプライチェーンから外される。

WWD:認証取得を政府がサポートするという形での支援はあり得るか?

小泉:実はすでに一部補助をしている。例えばTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)やSBT(サイエンス・ベースド・ターゲット)などがそうだ。

WWD:ファッション関係者はインディペンデント気質が強い傾向にあることも関係してか、政治との関わり方、距離の取り方がうまいとは言えない業界。政治と産業が協業するために必要なこととは?また、企業や団体、業界を超えた協業において政治の役割とは?

小泉:ファッション業界の人は誇りを持って責任と使命感を持ってやられている方が多いと思う。ただそれが新しい国際社会の評価に耐えうるのか、時代変化に合っているのかは常に見直す必要がある。日本の中の情報格差もあるだろう。霞が関、永田町で仕事をしているとグローバルな情報も比較的入ってきやすいが、自分の出身地である神奈川県の横須賀、三浦という東京から車で1時間半の場所でさえ、情報格差はある。これを全国規模で考えたら?ファッション関係者は全国にいるわけで、情報をどう共有するかも重要なことだと思う。環境省は集まる場、プラットフォームを提供することが可能だ。2050年カーボンニュートラルはエネルギーだけではなく衣、食、住、移動などあらゆるところを変えないと実現できない。ファッションは政治と同じで無関心でいられても無関係ではいられない産業だからとても重要だ。

WWD:「無駄なものを作らない、捨てない、循環させる」サステナビリティは、新しい物を生み出す産業と時に矛盾するが。

小泉:そこはサーキュラーエコノミーが鍵になる。実は11月10日に環境省は経団連と意見交換をして、史上初の脱炭素社会に向けた合意書を結んだ。次の意見交換会のテーマはサーキュラーエコノミー。日本最大の経済団体がとうとうサーキュラーエコノミーに取り組むのだから日本は変わりつつある。サーキュラーエコノミーとは新たな資源を投入せずに廃棄をできるだけ減らし、経済を回す仕組み作りだ。この循環経済は国際的な潮流として大きくなってきており、オランダは2050年サーキュラーエコノミー化を国家の目標としている。日本でもサーキュラーエコノミーのビジネスモデルは始まりつつある。ブリヂストンはタイヤを売るだけでなく、メンテナンスを含めたサービスを提供し[A1] [向2] 、パナソニックは電球を売るのではなくどれだけ使ったかで課金をする。私も子どもがゼロ歳なので分かるが、服は子どもの成長に追いつかないから成長に合わせてリースするのもよいだろう。環境省としてはそうしたサーキュラーエコノミーのビジネスを支援し経済と環境の好循環を起こし、二つの両立を実現したい。

WWD:再任されて、あらためてどんな目標を抱いているか?理想とする社会像とは。

小泉:安倍内閣での環境大臣1期目から、環境先進国日本の復権をしたいと取り組んできた。1期目に力を入れたのは石炭政策。国内では石炭に対する意識が薄いが、海外では日本=石炭が批判の対象になっている。これを何とかしないと本来評価されるべきことが埋もれてしまう。京都議定書までまとめた国なのに今はリーダーシップをとれていない。石炭政策の見直しにようやく風穴が開いたのが1期目。同時に政府の長期目標を引き上げることに取り組んできた。2期目に入り、2050年カーボンニュートラルは菅総理の発信によってすぐに宣言が実現した。実現した以上今後は具体的な道筋を描き、国民運動につなげていかないといけない。国、行政、企業だけではできない。CO2を出さない社会を作ることで環境と経済が好循環する新たな社会に向かって、一人一人が前向きに参加できる環境を作りたい。ファッションでいえば、サステナブルなファッションが当たり前の選択肢となり意識もしなくなることだ。

WWD:リーダーたるもの、そのファッションはどうあるべきだと考えるか?

小泉:僕にとってファッションは自分に自信を与えてくれるもの。サイズが合っていない服を着ているときは人前に出たくなかったり、ネクタイとスーツがしっくりきていないと力が出なかったり。お気に入りの靴を履いているときは歩く度にエネルギーが湧く気がする。だけど、今のファッションに関する課題を知ってからはサイズ感やコーディネートだけでは誇りが持てなくなっている。このスーツはどこから来ていて、原材料を生産をしている農家はここ、などとまだ言えないことが自分でももどかしい。それを当たり前に言えるような社会を、ファッション業界を変えたいと思っている人たちと作りたい。

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化粧品の売れ残りはどうしてる?透明性は進んでる? 大手化粧品メーカーOGによる覆面座談会

 食品ロスや衣料品の大量廃棄問題への関心が高まり、削減に向けた動きが活発になっている。化粧品業界でも環境問題への取り組みがさまざまな角度から行われているが、具体的な数字とともに廃棄ロスが語られることは少ない。大手化粧品メーカーやアパレルメーカーで化粧品の商品企画や営業として勤めてきた4人に集まってもらい、化粧品の廃棄ロスの裏側について聞いた。

WWD:アパレル業界では大量廃棄が大きな問題になっています。衣料品の国内の年間供給数量約29億点に対して、消費数量は約14億点。約15億点が売れ残り、100万トンを超える衣料品が廃棄されているという推計もあります。化粧品業界ではどうですか?

Aさん:私が勤めていたメーカーの主力スキンケアブランドは、定番品が売り上げの主体になっていたため欠品しないことが何より重視され、常に商品が回転し続けている状態。なので、アパレルのように消化率が指標になることはあまりなく、生産量に対してどのくらいが売れ残っているかを追うのが難しいですね。限定品はヒットしなかった商品が店頭に長く置いておけないため戻ってくることがありますが、使用期限が近いという理由で返品されることはほとんどないです。定番品、限定品を含めてどれくらいの商品が廃棄処分にまわっているかは正直なところ把握できていなかったです。

WWD:限定品は使用期限前に返品されることもあるということですが、商品全体の中で定番品と限定品の割合はどのくらいですか?

Aさん:売り上げでは全体の20%程度が限定品で、SKU数では30%程度でしょうか。

Bさん:ブランドによりますが、スキンケアブランドは定番品がほとんどを占めていて、たまに大容量サイズなど限定品を発売するイメージ。メイクアップブランドだったら毎月限定品を発売しているようなブランドもあります。

Aさん:メイクアップブランドを担当していたときは、限定品や色数も多かったので、人気がなく売れなかった色は社販にまわしていました。全ての商品が9~10割売り切ることを目指して生産数を設定していますが、売れないものは5割程度しかいかないものもあります。限定品に関しては、百貨店で発売から2カ月たっても「まだある」というのはよくないので、使用期限がまだ先でも店頭から下げるということもありました。

WWD:店頭から引いた商品を社販で販売する際、何割引きくらいで販売しますか?

Aさん:3~5割引きくらいが通常で、何回か社販を繰り返して使用期限が近づいてくると、最終的には何百円など、原価を割ったとしてもとにかく価格を下げて売り切ることを目指していました。

Bさん:社販では利益を出すことは考えず、廃棄にかかるコストよりは安く済むという考え方ではけさせます。現場の美容部員さんが優先的に購入できる決まりになっていたと思います。

Cさん:私がいた会社では、社販専用のカタログやウェブサイトがあって、ブランドリニューアルなどで発生する旧品や、得意先から返品された商品を、社員やOB・OGとその家族を対象に販売していました。申し込むと半永久的に、カタログ冊子が定期的に届きます。

Dさん:使用上の問題がない商品ですから、安く買えるのは福利厚生としてもいいですよね。

Aさん:社員はその会社の化粧品のコアな愛用者であることが多いので、社販は非常によく売れます。それでも全ての商品を売り切るのは難しいですが。

WWD:使用期限までどのくらい近くなった商品が店頭から引かれますか?

Aさん:百貨店や専門店など商業施設によってルールが異なりますが、化粧品は一般的に未開封の場合、製造から約3年間が使用期限となっています。2年たったらNGというところが多いと思います。

Cさん:卸売りは3分の2が残っていないとダメですよね。私は営業として専門店を担当していましたが、当時は返品が得意先との商談において重要なカードの一つになっていました。専門店も買取や委託、取引形態はさまざまですが、例えば決算月などに、仕入れてもらいたい商品を仕入れてもらう代わりに、売れていない商品の返品を受けるということです。こちらとしては現金を返すことになるので返品はとりたくないですけど、それを上回る商談を成功させたいときに交渉材料として承ることはありました。

Aさん:売れなくて返品されたり、リニューアで戻ってきたりすることはありますが、需給をコントロールする専門の部署があってなるべく商品が残らないように調整するので、使用期限が近いという理由で商品が戻ってくることはほとんどなかったとように思います。

Bさん:使用期限が来るよりも前に「棚落ち」「売れない商品」の烙印が押されてしまうので、使用期限いっぱいまで店頭に残すというスタンスがないですよね。ロスを減らすにはMD担当の努力が大きいです。生産数のコントロールと消化案をひたすら考えていると思います。以前は“捨て色”だから返品がきてもしょうがないよねという暗黙の了解がありましたが、今は全色売ろうというふうに年々変わってきていると思います。

化粧品の廃棄処分量は年間どのぐらいあるのか

WWD:廃棄処分される製品量を、メーカー社員は把握している?

Aさん:どのぐらいの量が廃棄処分になっているか、具体的な数字や処分法について社内で共有されておらず、不透明だったと思います。社員の中にも廃棄量を減らそうという意識はなかったですね。

Cさん:私がいた会社ではPL(損益計算書)の問題の一つとして、廃棄にコストがこれだけかかるから店頭売り上げを上げようという伝え方でした。今は環境保護の観点から廃棄処分を減らそうという伝え方になっていますよね。

WWD:化粧品の廃棄問題があまり表に出てこない理由は?

Cさん:人をきれいにするという化粧品の特性上、返品や廃棄処分の情報はイメージが悪いので公表したくないのでは?具体的な改善事例と共に出せればいいのですが、そこまで行き着いていないんじゃないでしょうか。現時点では開示するメリットがないですよね。昨今のサステナビリティへの関心の高まりを考えると、今後は負の情報も開示している企業から商品を買おうという流れになっていくかもしれませんが。

Aさん:化粧品は洋服ほど技術面でも仕組み面でまだリサイクルと結びついていないからかもしれないですね。中身は捨てるしかないし、容器も洗浄が必要ですし、ガラスやアルミ、プラスチックなどさまざまな素材のパーツを組み合わせたものが多くリサイクルを難しくしています。ポジティブな話として消費者に伝えるところにまだ来ていないですよね。

Bさん:洋服のようにきれいな繊維にして安全に使えますとはならない難しさがあると思います。外箱にリサイクル再生紙を使うことはできますが、容器は衛生上の問題やコスト面からリサイクル資源を積極的に使うのはまだまだ難しいのが現状です。

Dさん:化粧品は広告に人気女優を起用したりしてきらきらとしたイメージで訴求しているのに、真逆ともいえる廃棄問題や環境負荷を表に出すというのは、あまりにギャップがあり過ぎて社内外を問わず耐えられないんじゃないですかね。せっかく掲げているブランドイメージを揺るがしてしまいかねないですから。

WWD:化粧品業界の環境配慮への取り組みで足りないところは?

Aさん:アウトレットやディスカウント販売はもう少し増えてもいいのかなと思います。外資系の大手メーカーが期間限定で、ときどき公式サイト上でアウトレットコーナーを設けて販売していますよね。国内メーカーではまだあまりないですが、公式サイトであれば信頼感もありますし、リピートしている商品などは使用期限が近いものであっても需要がありますよね。郊外のアウトレットモールなどでは化粧品のアウトレットショップがよく出店していますが、もっと街中でも気軽に買えるようになったらいいと思います。

Bさん:中身にはまったく問題がなくて外箱や容器にちょっとした傷がついている訳あり品などは商品として売るのにまったく問題がないので、アウトレットなどでもっと販売されてもいいのでは。箱がちょっとつぶれているだけで不良品とみなす消費者の感覚も変えていかなければいけないと思います。大手メーカーが一斉に呼び掛けたら一気に変わるような気がしますけどね。

Aさん:あと包装についてはかなり改善の余地があると思います。高級品ならではの過剰包装は、「消費者は夢を一緒に買っているのですてきな包装であるべき」という考え方もありますが、振り返ると必要なのかなという包装は結構あります。バージンの商品である証拠にフィルム状のシュリンク包装を施す慣習がありますが、メーカー側も本当に必要なのか考えてもいいのではないでしょうか。

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教えて!パタゴニアさん 連載第2回 環境にやさしい素材

 サステナビリティ先進企業のパタゴニアの担当者にその取り組みを聞く連載第2回。環境への負荷が高いと指摘されているファッション産業は、どのようにして環境負荷を軽減すればいいのでしょうか。ファッション産業のCO2排出量は世界全体の8~10%、水質汚染は約20%を占めるともいわれています。アパレルやフットウエアの製品ができるまでの水やエネルギーの使用量、CO2排出量や水質汚染といった環境負荷を数値化した場合、約6~8割が原材料生産から素材になるまでの工程に由来します。つまり、素材選びが大切だといえます。では環境にやさしい素材とはどういう素材なのでしょうか。細野雅子マーチャンダイジング部ライフスタイル・スポーツウェア担当に聞きます。

WWD:環境に配慮した素材とはどんな素材だと思いますか?

細野雅子マーチャンダイジング部ライフスタイル・スポーツウェア担当(以下、細野):パタゴニアが取り組む環境に配慮した素材とは、「可能な限り環境への負荷を抑えた素材」と「地球環境を再生することが可能な素材」です。

WWD:「環境への負荷を抑えた素材」とはどんなものですか?

細野:例えば、リサイクル素材やオーガニック栽培された原料を用いることです。私たちは1993年にペットボトルを再生したポリエステルを採用したフリースを発表し、1996年にはオーガニック・コットンへの切り替えを完了しました。

WWD:90年代から行っていたのは早いですよね。リサイクルポリエステルだけではなく、今はほかにもリサイクル繊維の開発・利用を行っていますよね。

細野:はい。海洋に流れ出したプラスチックごみや漁網などを再生して新素材として利用することで、環境への負荷を抑えるだけではなく、地球温暖化の緩和やダメージを受けた「地球環境を再生する」ことが可能だと考えます。

WWD:確かにごみを回収して素材にすることは「地球環境を再生する」といえますね。

細野:ポストコンシューマー(使用した後に回収された材料)からのリサイクルや、すでに地球上にごみとして捨てられた物を回収して再生することは、地球環境の再生に貢献する方法だと考えています。

WWD;具体例を教えてください。

細野:2019年から、使用ができなくなり海中に廃棄された漁網を回収してナイロン素材として再生したブレオ社の“ネットプラス(NetPlus)”という素材を用いています。ほとんどの使い古された漁網はそのまま海に廃棄されていて、科学者は65万以上の海洋生物が漁網に捕らえられて生命を奪われるか、あるいはケガをしており、生態系に重大な悪影響を及ぼしていると推定しています。私たちはこの素材を特に売り上げの大きいカテゴリーや製品に採用することによって多くの漁網を海中から回収し、有害な廃棄物が海に流出することを防ぎます。またこのプロジェクトを通してブレオ社は放棄された漁網が海に捨てられることを防ぎ、地元の漁業従事者に補足的収入を提供しています。

WWD:「地球環境を再生する」という意味では環境再生型農業にも力を入れていますね。パタゴニアは“リジェネラティブ・オーガニック(RO)”農法と呼んでいますが、あらためてRO農法について教えてください。

細野:土壌の健康、動物福祉、社会的公平性の3本の柱を軸にしています。多種多様な作物を同時に生産し、耕さない、あるいは耕す回数を減らす農法によって、土壌微生物の増加やCO2の土壌への吸収に加え、農家の皆さんの持続可能な経営につながります。現在RO農法に移行中のコットンを用いた商品を販売しています。もちろん、従来のオーガニック・コットン栽培でも、大量の農薬を削減することで、限りなく環境負荷を軽減できます。

WWD:健康な土壌は炭素を多く吸収するといわれているので、環境再生型農業の導入が進めば気候変動対策にもなると注目を集めています。

細野:はい、そのとおりです。また私たちは「産業用ヘンプ(大麻)」にも注目しています。日本のような高温多湿な環境でも快適に過ごせ、天然繊維の中でも抜群な強度があるという機能面はもちろん、環境再生要素が大きいからです。ヘンプはかんがいをほとんど必要とせず、他の作物に比べて肥料の使用量も少なくて済みます。栽培に合成肥料を必要とせず、重要な栄養素を供給して浸食を防ぎます。ヘンプもまた地球環境再生のために最も必要な健康な土壌の維持を支えることができます。

WWD:最後に理想とする環境に配慮した素材はどういうものだと思いますか?

細野:今最も理想とする素材は環境再生型プロセスを経て生産された素材で、強度があり出来上がった製品を購入者が捨てることなく長く使用し続けることができる素材だと考えます。天然繊維ならばRO農法のコットンや産業用ヘンプ、化学繊維ならば、使用した後に回収された廃棄物で再生した素材ではないでしょうか。また、それらの素材を育て生産を担ってくれている生産者の生活も、環境を守るフェアトレード認証の取り組みも同じく重要です。

答えてくれた人:細野雅子/マーチャンダイジング部ライフスタイル・スポーツウェア担当:栃木県出身。2016年入社。パタゴニア入社前は米国で約2000店を展開する大手ディスカウントチェーン本社に製品開発担当として約10年勤める。大量生産・大量消費の現場、大量生産品でもちゃんと人の手で作られている製品がすぐに捨てられてしまうビジネスに心を痛め、帰国後ベターなビジネスモデルを探しているときにパタゴニア日本支社に出合う。「入社当初はフェアトレード認証を積極的に進めるところに引かれていましたが、環境面での取り組みが革新的であることに驚きました」。US開発チームと深くかかわり、日本市場のニーズ(デザイン、カラー、素材の良し悪しなど)に合う製品のリクエストやフィードバックを行う。日本のニーズが反映された製品としては、US本国よりも高温多湿な日本のリクエストを受けた“メンズ・シティ・ストーム・レイン・パーカ”や“クラウドリッジ・ジャケット”(2019秋冬まで展開)などがある。好きなアウトドアは山や海で遊ぶこと。日常生活ではゼロウェイスト(廃棄ゼロ)を目標にゴミを減らすことに取り組む

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1400足を収集してきたスニーカーマニアと辿る「スニーカーの過去・現在・未来」

 数年前から巻き起こっているスニーカーブーム。しかし現在は、ブームから定着へと移行しており、少し前までの熱狂は徐々に落ち着き始めているようにも見える。そんな現状を、スニーカーマニアはどのように思っているのか?スニーカーを追い続けて20年以上、累計1400足は買ってきたというスニーカーマニアのKOBA Shunsuke氏に、スニーカーを好きになったきっかけや注目のモデル、そして今後の行く末などを聞いた。

WWD:スニーカー愛に目覚めたきっかけは?

KOBA Shunsuke(以下、KOBA):僕がスニーカーに明確に興味を持ちはじめた理由は2つあります。1つは、僕ら世代のバイブル的ファッション誌である「ブーン(Boon)」(祥伝社)で見た街中スナップです。ピーコートにモヘアのタートルネック、黒のスリムパンツに「アディダス(ADIDAS)」の“コンコルド(CONCORD)”の黒を合わせていた方のスナップがあり、単純にかっこいいなと思ったのと同時に、スポーツシューズをファッションアイテムとして明確に意識するようになりましたね。

もう1つが、マイケル・ジョーダン(Michael Jordan)と“エア ジョーダン(AIR JORDAN)”への憧れです。僕が小学生だった当時、マイケル・ジョーダン本人は全盛期で、彼と彼が履いていたシューズには本当に憧れていました。僕が中学1年生だった1994年に、“エア ジョーダン”のファーストモデルの復刻があったのですが、なんとかして手に入れようと「月刊バスケットボール」(日本文化出版)とかに載っている通販可能なショップに片っ端から電話して購入したのを覚えています。

WWD:一番最初に買った一足は?

KOBA:自分のお小遣いで一番最初に買ったのは、「アディダス」の“ガゼル(GAZELLE)”ですね。当時は“ガッツレー”と呼ばれていました。本当は“フォーミュラー1(FORMEL 1)”や“コンコルド”が欲しかったのですが、小学生のお小遣いには限界があったので(笑)。最終的にはジャミロクワイ(Jamiroquai)のJKが履いていたスウェードアッパーの“ガッツレー”を買いました。

WWD:現在は週にどのくらいのペースでスニーカーを買っているのか?

KOBA:細かくは把握していないのですが、少なくとも週に1足以上、多いと月に15足は買っていると思います。

WWD:二次流通市場で定価以上の“プレ値”となっているスニーカーを買うことはある?

KOBA:あまりないですね。例えば「ナイキ(NIKE)」の特定のモデルしか買わない、という人はプレ値でも購入するのかな、と思います。一方で僕は、特定のブランドに強いこだわりを持っているわけではない。興味があって、足を入れてみたいという動機があればなんでも動いています。逆に範囲が広すぎて制限したいくらいです(笑)。ただ、ずっと探していたモデルだったり、今買わないとさらに値上がりして入手が困難になりそうだったりするものに関しては少しプレ値が付いていても買うことはあります。

WWD:自身がフリマアプリや二次流通サイトを通じて販売することはあるのか?

KOBA:あります。基本的には、欲しいモデルを購入するためにいろいろと手を打った結果、複数購入できた場合、1足を残して売るという形ですね。フリマアプリだと楽天の「ラクマ」などをよく使っています。逆に自分が欲しいモノで、2足手に入れられそうなモデルがあっても、売るのは厳しいかも、と感じた場合は、下手に応募しまくらないようにしています。

WWD:その判断には何か基準があるのか?

KOBA:1つは経験則ですね。特にここ20年くらいは、各ブランドから新しい定番のモデルが出てきていないんですよ。「ナイキ」でも売れるのは“ジョーダン 1”とか、“エア フォース1”なんかで、ほかはコラボモデルか、著名人が履いたモノがメインになっている。見方によってはあまり面白くないとも言えます。あとは、海外の方で先行発売されているものに関しては「ストックX(STOCK X)」などで相場を見る場合もあります。

WWD:スニーカーだけでなく、服にも興味はある?

KOBA:そうですね。僕がスニーカーに興味を持ちはじめた90年代は、ビンテージが人気でありつつ、NIGOさん、高橋盾さんたちによるノーウェア(NOWHERE)や藤原ヒロシさんなどに代表される、裏原ブームも起こっていました。僕もその中で、レプリカントと呼ばれる復刻モノを買っていましたね。デニムだとエヴィス(EVIS)とかフルカウント(FULLCOUNT)とか、関西のダルチザン(D'ARTISAN)といったところのモノを古着屋でよく探していました。

WWD:服は現在もよく買っているのか?

KOBA:今はスニーカーがメインになっています。服も買うことは買いますが、基本的には品質以外は特にこだわらなくなってきているかも。普段は「ユニクロ(UNIQLO)」をよく着ていますね。それ以外だと、自分が今までずっと着ているブランドだったり、個人的にサッカーが好きなので、サッカーシャツだったりを買っています。

WWD:服やスニーカーにおいて、自分が買う基準のようなものはあるのか?

KOBA:前代未聞のコラボとかだとやはり欲しくなってしまいますね(笑)。ただ、自分が買いたいと思ったモノが、多くの人も欲しいと思うようなモノだった場合は、どのくらい購入のハードルが高いのかを知っておくようにはしています。買えそうにない第一候補を追いすぎると、第二候補のアイテムを買い逃すことにもなりかねないので。そのためにもトレンドの情報や、発売時期などは常にチェックしています。

WWD:どういったところから情報は得ているのか?

KOBA:主に2つあります。1つはインスタを中心としたSNSです。最近はリークサイトやアカウントがかなり充実してきている印象を受けます。僕がメインで見ているのは、「Sneaker Bar Detroit」と、サッカー系の情報に強い「Footy Headline」ですね。あとはブランドやショップ、そしてそれらに関わるディレクターやクリエイターの方のアカウントもチェックしています。

情報収集源のもう一つが、友人たちから寄せられる情報です。みんな同じような行動を取っていますが、それぞれ好きな分野などが違うので、お互いに情報を出し合うことで情報を濃密になるし、自分が追いきれていない範囲のことも知ることができます。

WWD:友人たちの間で注目されているモデルは?

KOBA:ここ最近だと、「ホカ オネオネ(HOKA ONEONE)」や「サロモン(SALOMON)」、「オン(ON)」の評判は良く聞きますね。「ホカ」と「サロモン」はアウトドアギアがベースにあるので、スペックがしっかりしているし、ソールのチャンキーな感じが今の雰囲気にも合っている。ファッション業界の方が率先して履いていることもあったり、「サロモン」はビームス(BEAMS)や「パレス スケートボード(PALACE SKATEBOARDS)」と、「ホカ」は「エンジニアド ガーメンツ(ENGINEERED GARMENTS)」やオープニングセレモニー(OPENING CEREMONY)などとコラボしたりして、ファッションアイテムとしての認知も広げている印象を受けています。「オン」は比較的新参ブランドですが、「ナイキ」との契約を終えたロジャー・フェデラーが製品開発のアドバイザーやマーケティングを担当しているのと、8月にドーバー ストリート マーケット ギンザ(DOVER STREET MARKET GINZA)で発売した”クラウドノヴァ(CLOUDNOVA)”というモデルが即完売したことから注目度は高いと思っています。

WWD:KOBAさんが個人的に注目しているモデルはある?

KOBA:僕個人は「ニューバランス(NEW BALANCE)」に注目しています。“M1300”や“992”といったヘリテージナンバーの復刻などもさることながら、昨年ごろから、パリの「ペイパーボーイ(PAPERBOY)」や吉祥寺の「アパートメント(THE APARTMENT)」、「スノーピーク」といった規模の小さな地域密着型のブランド、ショップとのコラボモデルをリリースしているのもポイントです。既存のファンだけでなく、新規のファンにも満遍なく訴求するようなマーケティングとリリースを両立しているのは純粋にすごいことだと思っています。

WWD:現在もスニーカーマーケット自体は、やはり盛り上がっているのか?

KOBA:マーケット自体は盛り上がっているのかもしれませんが、全体としてはスニーカーに対して持っている熱量の維持が難しくなっているなと感じています。特に“ハイプ”なイメージがあるスニーカーやウエアを追いかけている人たちは、転売ヤーやリセール関連の人を除くとモノを買えなくなってきている。あまりに買えなさすぎて情熱が続かないという人も多いんじゃないかなと思っています。僕も周囲の友人に気になっているブランドやモデルがあるのかを聞いたのですが、「そもそもスニーカーに対しての熱量が落ちて来ている」という意見も多かったです。

WWD:KOBAさん自身は今後もスニーカーは買い続けていく?

KOBA:正直、今のようなスタンスは年齢的にも、家庭的にも続かないのかなと思っています。でも、これだけスニーカーが好きで、ずっと動いて来たので、全く買わなくなることはないだろうし、情報を追い続けていくんだろうなとは考えています。ただ、ゆくゆくはスニーカーとの関わり方を変えていきたいですね。現在パーソナルトレーナーとしても活動する中で、お客さんの身体を見て、おすすめのスニーカーを提案することもしているので、そういった活動にも注力していきたいと考えています。

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スタバとコーヒー産業をサステナブルに変えた 企業と共創する環境NGOのキーマン日比保史さんに聞く 後編

 米国バージニア州を拠点にする国際環境NGOのコンサベーション・インターナショナル(CONSERVATION INTERNATIONAL、以下CI)は各国の地域コミュニティーや政府、民間企業とタッグを組み、持続可能な社会の実現を目指した仕組み作りに取り組んできた。後編ではスターバックス(STARBUCKS CORPORATION)との取り組みをきっかけにコーヒー産業の生産および調達に変革をもたらし、産業全体のサステナビリティ向上をもたらしたプロジェクトについて聞いた。

WWD:CIの成り立ちは?

日比保史CIジャパン代表理事兼CIバイスプレジデント(以下、日比):1987年に生物多様性をグローバルに守ろうと、生物博士号を持つような人30人ぐらいが集まって始まりました。発展途上国で生物多様性が豊かで、それが危機に瀕している地域にフォーカスをしています。これまでに77カ国1200の保護地域の創設に貢献してきました。

WWD:その危機とは?

日比:人が住んで農業を営んだり、大資本が入り大規模な伐採を進めたり、鉱山開発をしたりといろいろあります。そうした地域の自然は、地球全体でみると非常に貴重で価値があります。ただし、われわれの活動は保護区を作り単に自然を守ればいいということではないんです。そうすると住んでいる人々は困っちゃいますよね。そこに住む人たちと“ハーモニー”を作ることを大切にしています。

WWD:“ハーモニー”とは?

日比:「自然を守る」ことを第一に自然とのハーモニーを作ることで保護できた地域もありますが、設立から約20年たったころ、活動を総括すると、地球の生態系全体で見たらむしろ状況は悪化していました。そこで2010年ごろにこれではだめだとやり方を変えることにしました。“human well-being”の定義と最終目標を「衣食住が足りて、健やかで、選択の自由があり、社会とのつながりの中で平和に暮らせること」に変えました。今でいえばSDGsですね。人間はさまざまな自然から恵みを得ています。食べ物や水はもちろん、ファッションも繊維の原料は自然の恵みですよね。こうした状態は、健全な自然生態系があって初めて成立します。「人のために自然を守ろう」と考え方を変え「自然を守ることは、人間を守ること」をモットーにしています。

WWD:科学的調査に基づいた方法論を開発してきた。

日比:はい。人間を支えている自然がどういう状態なのかを科学的に押さえないと守れないので、力を入れています。そこがわれわれの活動の一番コアかな。もう一つ大切にしているのは、現場での活動です。現場に拠点を構えて自然を守ることで人々が幸せになるモデルを作ることーー当然そこに住む人々が一番大切なので、地域のコミュニティーや先住住民、現地の政府とのパートナーシップを非常に重視しながら、現地の人に一番貢献できる仕組み作りに取り組んでいます。

WWD:具体的には?

日比:単に絶滅危惧種を守りましょうではなくて、絶滅危惧種を守れば学校に行けなかった子供たちが学校に通えるようになるというような仕組みを作ったり、政府に働きかけて政策を作ったりします。特に力を入れているのは民間企業との連携です。

WWD:今でこそ、NGOと政府や民間企業が協働するのは当たり前になってきたが、設立当初は対立構造で厳しかったのでは?

日比:はい。設立当初、日本にはまだNGOという言葉もないころですが、欧米ではNGOの活動が非常に盛んでした。でもわれわれはそうじゃない。(企業批判をすることを主としたNGOとは異なり)ダメなことはダメということも大事ですが、むしろ企業などと一緒に取り組まないと地球規模の問題解決にはならないので、立ち上げ当初から連携を重視していました。民間企業の支援を得られれば、絶滅危惧種を守れる可能性は高くなり、そこに住む人々の生活も良くなり、さらに言えばそこに関わる民間企業のビジネスも良くなる。そういう枠組みというかシステム、仕掛けを作ることを目指しています。

WWD:民間企業の巻き込み方は?

日比:方法はいろいろあります。コンサルティング的な入り方もしますが多くの場合はごく一部です。われわれとの関係が長期的かつ広範型のパートナーシップに発展したのはスターバックスとのそれですね。

森を切り開かずに森の中でコーヒー栽培をしよう

WWD:そもそもコーヒーに取り組むきっかけは?

日比:あれは確か1990年代半ばのことだったと思います。本部の科学者が、コーヒーの栽培地域とわれわれが事務所を構える地域がほぼ重なっていることに気付き、調べ始めました。コーヒーは熱帯、亜熱帯の植物で非常に豊かな自然の恵みを得て成長する植物なのです。なので、われわれの活動エリアとコーヒーの生産適地が重なるのは当然といえば当然でした。

WWD:90年代といえばコーヒーチェーンのグローバル化が進んだころだ。

日比:マーケットがどんどん拡大していて、コーヒーの生産量が伸びていました。そうすると普通の経営センスでいえば、いかにコストを下げて品質を確保しながら量を増やすか、となる。森林を更地にしてコーヒーの木をダーっと植えると、管理もしやすいし収穫もしやすいとなりますよね。こういうコーヒーを、日なたで育てるという意味でSUN COFFEE(サンコーヒー)と言ったりするんですが、そうすると当然森が失われていきます。需要が増えて生産量を増やすとどんどん森が切り開かれて、森が失われていく――そうした問題がちょうど顕在化していました。

WWD:CIはどうアプローチした?

日比:コーヒーはもともと森の中に生えている木です。だとしたら森の中でコーヒーを栽培しようと考えました。まずは、コスタリカの小さな規模の実験農園の相手を見つけて取り組み始めました。

WWD:スターバックスとパートナーシップを結ぶことになったきっかけは?

日比:99年にWTO(世界貿易機関)の総会がシアトルで開かれることになったことでした。ちょうどそのころ、グローバライゼーションが進み、特に途上国の貧困層の負担を元にしているのではないか、という批判がありました。欧州の人権系NGOは、スターバックスはもちろん、グローバル企業をターゲットにしていましたが、特に発展途上国との関係がじかに見えるスターバックスが総会前から標的にされていました。そうしてスターバックスはわれわれの取り組みを知り何か一緒にできないかという話になりました。

WWD:出発点はNGOからの批判だった。

日比:はい。まずはコーヒー栽培とは直接関係がなかったのですが、コスタリカの保護区への寄付から始まり、われわれが進めていたコーヒープロジェクトも一緒に取り組むことになりました。品質や量の確保も必要なので単に森を守ってコーヒーができました、ではもちろんだめで、技術的な部分でも連携しました。森を切らずに商業ベースで成り立つコーヒーの研究を重ねて、技術的にも確立できたところで、スターバックスと一緒にガイドラインを作りました。ガイドラインは環境面だけではなくてフェアトレードといった社会面も含んでいて、サステナブル調達やエシカル調達のガイドラインの先駆けになりました。

WWD:それはいつから?

日比:2000年から2000年代半ばごろです。栽培エリアはコロンビアやメキシコ、ペルーやパナマにも広がっていきました。一般的にはSHADE GROWN COFFEE(森の日陰で育つコーヒー)と呼ばれていました。

WWD:価格は少し上がるが?

日比:はい、どうしても少し高くなります。スターバックスとしては、自然を守りながら現地の農家のコミュニティーの状況が良くなるコーヒー栽培を目指していると言いたいし、われわれもこうしたプロジェクトがもっと広がれば森を切らずにコーヒーが作れるようになるので、どうやったらこれを推進できるかを考えました。“シェード・グロウン・メキシコ”という商品を新たに作って市場に投入し、サステナブルコーヒーがマーケットでも成立するモデル作りを一緒に行いました。

WWD:その後は?

日比:軌道に乗ってきたころ、気候変動の影響が顕在化してきて、特に品質のいいコーヒーであるアラビカ種に影響が出てきました。この種は熱帯の、標高の高い山岳地帯で栽培されるのですが、気候変動は標高の高いところがその影響を受けやすく、品質の維持が難しくなったり、さび病(植物の病気)のような病気が広がったりします。国の経済を揺るがすくらいに生産量が落ち込みました。こうした気候変動問題にコーヒー産業はどう対処すべきかについてもスターバックスと一緒に取り組むことになりました。

WWD:業界トップシェアだったとしても1社で取り組むには限界がある。

日比:はい。コーヒー業界全体を、産地全体をサステナブルにするにはサプライチェーン全体で取り組むネットワークが必要だと考えました。そこで、コーヒーに関わるさまざまな業者が集まってサステナビリティについて考え、議論して共有する枠組み「サステナブル・コーヒー・チャレンジ(SUSTAINABLE COFFEE CHALLENGE)」を作り、目標を設定しました。現在までに160の企業、政府、組織、機関などが参画していて、運営事務局はCI内にあります。

WWD:今、まさにファッション業界もその段階にある。アパレルやテキスタイルメーカーから小売りまでがサステナブルなファッション産業を目指す枠組み「ファッション協定(FASHION PACT)」などもそうだ。

日比:はい。みんなで共通の目標を作りさらに各社が独自の目標を作る。毎年モニタリングして進捗をチェックしていきましょうというものなので、プラットフォームとしては「ファッション協定」に近いですね。コーヒー版はスターバックスとCIが立ち上げましたが、今ではスターバックス色は薄れて、そこに集まった有志が分科会のような形で研究をしています。

WWD:小さく始めてさまざまな企業を巻き込みながら大きくしていく必要がある。

日比:CIが目指すモデルの代表例ですね。現地のプロジェクト自体もとても重要ですが、それを足掛かりにどう業界全体を変えるのか、消費者のマインドを変えるのか、政策を変えるのか、企業経営の在り方を変えるのか、が最終的に目指すところなので、コーヒーは紆余(うよ)曲折ありながらも、ここまで来たかなというところです。

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1年の締めくくりに“ご褒美コスメ” 「ミラノコレクション フェースアップパウダー 2021」

 毎年テーマを設けたパッケージデザインが特徴の、人気商品“ミラノコレクション フェースアップパウダー”が今年は12月1日に登場する。2021年は“知る幸せ”をテーマに、知識を得て、新たな幸せを見つける守護天使をパッケージとパウダーの表面に施した美術品のような仕上がり。中身の高機能さはもちろん、見た目にも華やかで毎年、年に1度の発売を待ちわびる人が大勢いる。今年一年を締めくくる、そして来年に向けての自分へのご褒美として、また家族や恋人、友人への贈り物にもおすすめの逸品だ。

高城彩香・ヨシタカギ夫婦が語る
大切な人に贈る
「ミラノコレクション 
フェースアップパウダー 2021」

 美容家として互いを高めあっている高城彩香とヨシタカギ夫婦が、これからのギフトシーズンに向けて、大切な人に贈りたい「ミラノコレクション(MILANO COLLECTION)」について語り合った。女性へのプレゼントとして人を選ばない“フェースアップパウダー 2021”がぴったりな理由、もしヨシタカギさんがプレゼントしたら、もし高城彩香さんがプレゼントされたらどんな気持ちを抱くか。また、マスク着用が必須な現代にマッチしているという商品の魅力についても紹介する。

“ずっと憧れているもの
だからこそ喜びも倍増”

 “ミラノコレクション フェースアップパウダー”は毎年凝ったデザインが素敵で、プレミアム感があります。ずっと憧れてはいるけれど、約1万円という価格になかなか手が伸びない人も多いのではないでしょうか。自分で買って使うのもいいですが、だからこそプレゼントされたときは喜びも倍増ですよね。特に男性からいただいたら、「ちゃんと調べてくれたんだろうな」なんて思ってしまいます。最近はマスク着用が常なので、顔は下地とフェイスパウダーで仕上げることも多いですが、“ミラノコレクション フェースアップパウダー 2021”はカバー力があるのに厚塗り感もなく自然な仕上がり。マスクの下でもサラサラ感が続き、色移りしにくく化粧崩れもしにくいので、今の時代にマッチしているなと感じます。見た目の素敵さに使うのがもったいないですが、人気の高い理由がわかった気がします。

“まるで美術品のような
高級感はギフトにぴったり”

 女性に物を贈る際は、「使ってもらえるか」をいつも想像します。そういった意味で、女性にとって化粧品はマストなもの。カラーアイテムはパーソナルカラーや好みがあるため、あらゆる人に使えるフェイスパウダーは贈りやすいし、プレゼントされる側も貰いやすいのではないでしょうか。“流行に左右されない高級感”という印象の“ミラノコレクション フェースアップパウダー”は、長く愛されて歴史のある商品なのでギフトにはぴったり。また、1年のこの時期にしか買えないという限定さや特別感は女性にとってもうれしいもの。そして男性にとっては、足を運ぶのに勇気がいる百貨店カウンターだけではなく、手に取りやすいドラッグストアでも購入できることはポイントが高いです。長く愛される歴史ある商品、また見た目も可愛く持っているだけでテンションが上がる逸品を、気持ちを込めて贈りたいですね。

おしろい市場12年連続売上
No. 1のフェイスパウダー

 1991年に誕生した「ミラノコレクション」を代表するアイテム“ミラノコレクション フェースアップパウダー”は、繊細でベールのようなきめ細かいパウダーがつけたてのような美しさをキープし、まるで名画の中の美しい女神の肌のような仕上がりをかなえる。その品質の良さと彫刻のような美しさから愛用者が年々増加。おしろい市場で12年連続売り上げNo.1を誇る人気商品となっている。12月1日発売の“ミラノコレクション フェースアップパウダー 2021”は、ドラッグストアやスーパー、化粧品専門店、オンラインで販売する“レギュラータイプ”(24g、9000円)と、百貨店や一部の化粧品専門店で展開するワンランク上の“グランデ(GR)タイプ”(30g、1万2000円)の2種をそろえる。それぞれレフィルの付いたセット(レギュラーセットが1万5000円、GRセットが2万円)をラインアップする。価格は全て編集部調べ。

※インテージSRI おしろい市場 2008年1月~2019年12月 販売金額

PHOTOS:YUKIE SUGANO
COOPERATION:PLACE 171

問い合わせ先
カネボウ化粧品
0120-518-520

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ワコールのアバター接客体験リポート 本音トークでより深いカウンセリングが可能に

 ワコールは、アバターを活用した新しい接客システム「アバカウンセリング パルレ(以下、パルレ)」を10月末、東京の「3Dスマート&トライ」東急プラザ表参道原宿店に導入した。2019年に同社がスタートした「3D スマート&トライ」とは、3Dボディースキャナーで約5秒でバストをはじめ全身18カ所を計測し、A Iを用いて最適な下着を提案するサービスで、現在日本国内の12店舗で提供されており年内に数店舗に導入予定だ。「対面接客は苦手」という消費者や体のメンテナンスへの意識が高い20〜30代を中心に、今年の10月末までに約3万人が計測した。「3Dスマート&トライ」の店舗ではカウンセリングルームを設けて予約制でサービスを提供していたが、新型コロナ感染拡大で現在は行っていない。その代わりに登場したのがアバター接客「パルレ」だ。「パルレ」とはどのようなサービスか、ここでリポートする。

 店舗に到着するとカウンセリングルームに案内される。スクリーン上に2人のアバターが登場。ショートヘアの進藤みなみさんか、セミロングヘアの明石舞さん、どちらかを選ぶ。まず、アバターによるカウンセリングがあり、奥の3Dボディスキャナーで計測後、アバターがおすすめのインナーやアドバイスをしてくれるという流れだ。カウンセリングにかかる時間は約1時間。アバターの進藤さんを選び、カウンセリングをスタートした。アバターはお辞儀をしたり、自然な仕草や目線で想像以上にリアルだ。下着に関する悩みや理想のバスト、好みのつけ心地について聞かれた。自分の体に関することなので対面だとどうしても控えめになりがちだが、相手がアバターなのでざっくばらんに話せる。

計測結果やおすすめ商品を丁寧に解説

 3Dボディースキャナーの計測方法の説明があり、セルフで計測が終わるとタブレットに必要情報を入力して登録、そうすると計測データを見ることができる。自分自身の体型を360度客観的に見るのは初めてという人も多いだろう。私自身、想像以上にお尻が下がっていてがっかり。進藤さんは「皆さん、お尻や下腹の話をされます」と言う。このデータをアバターの進藤さんと共有することで、体型の特徴や体型に合う下着選びのポイントを説明してくれる。計測結果のパーソナルシートをはじめ、タブレットでA Iによる商品の提案からお気に入りを選びプリントアウトすることもできる。進藤さんはカウンセリングと計測結果から、「すっきり3/4カップのブラジャーがおすすめです。後ろの棚にサンプルが幾つかあるので、実際商品に触って見てください」と言う。カウンセリングルーム内にある棚からサンプルを取り出して、実際触りながらその商品の特徴について進藤さんが説明してくれる。気に入った商品の在庫が店舗にあれば、購入可能だ。店舗スタッフに頼めば、試着も可能。また、即決しなくてもお気に入りアイテム情報をプリントアウトして、後にワコールウェブストアやショップで購入してもO Kとフレキシブルだ。カウンセリングが終了すると進藤さんは、うやうやしくお辞儀をして、さようならと手を振ってくれた。対面のストレスもなく、可愛らしいアバターとおしゃべりしながら楽しく下着選びができる「パルレ」。しかも、そこで購入しなくてもいいという自由度も魅力だ。カウンセリングルームへの案内以外は、対面接客はなく、全てセルフで完結するコロナ時代にはぴったりのサービスといえる。だが、「パルレ」はコロナ対策ではなく、別の目的から開発されたサービスなのだ。

消費者、販売員どちらにとっても画期的なシステム

 「パルレ」の着想は2019年秋。下着についての相談は抵抗があると人も多い。だが、アバターだったら、相手の顔色を伺うことなくより深いカウンセリングができるのではという理由から。今年に入って、ワコールが持つビューティーアドバイザー(BA)の接客技術とソーシャルデザイン企業のヒーローズのアバターコミュニケーション技術である“アヴァ・トーク(Ava Talk)”を融合させて開発を進めた。ワコールは、システム開発企業のテックファームにシステム開発および運用に関する技術支援を受けている。

 アバターとBAの融合はどのように行われているのだろうか。PCのカメラがBAの動きを感知しアバターに反映。まばたきは連動しているので、とても自然な反応だ。BAがお辞儀をしたり手を振ればアバターも同じ動きをするという仕組みになっている。BAにとっても仕事とはいえ、1時間対面カウンセリングをするのはプレッシャーだという。しかし、アバターを介せばBAも消費者もお互い楽に、悩みや感情の共有ができる。

 また、このシステムは、“接客員は店頭に立たないと仕事ができない”という概念を覆すものでもある。ワコールでは、将来的にこのシステムを活用することで、B Aのリモートワーク環境を実現し、自宅からでも接客できる新しい働き方の創造を目指している。コスト削減や効率化ではなく、消費者もBAも両方ハッピーになれるシステム「パルレ」。これからのアバター接客の大きな布石になりそうだ。

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ワコールのアバター接客体験リポート 本音トークでより深いカウンセリングが可能に

 ワコールは、アバターを活用した新しい接客システム「アバカウンセリング パルレ(以下、パルレ)」を10月末、東京の「3Dスマート&トライ」東急プラザ表参道原宿店に導入した。2019年に同社がスタートした「3D スマート&トライ」とは、3Dボディースキャナーで約5秒でバストをはじめ全身18カ所を計測し、A Iを用いて最適な下着を提案するサービスで、現在日本国内の12店舗で提供されており年内に数店舗に導入予定だ。「対面接客は苦手」という消費者や体のメンテナンスへの意識が高い20〜30代を中心に、今年の10月末までに約3万人が計測した。「3Dスマート&トライ」の店舗ではカウンセリングルームを設けて予約制でサービスを提供していたが、新型コロナ感染拡大で現在は行っていない。その代わりに登場したのがアバター接客「パルレ」だ。「パルレ」とはどのようなサービスか、ここでリポートする。

 店舗に到着するとカウンセリングルームに案内される。スクリーン上に2人のアバターが登場。ショートヘアの進藤みなみさんか、セミロングヘアの明石舞さん、どちらかを選ぶ。まず、アバターによるカウンセリングがあり、奥の3Dボディスキャナーで計測後、アバターがおすすめのインナーやアドバイスをしてくれるという流れだ。カウンセリングにかかる時間は約1時間。アバターの進藤さんを選び、カウンセリングをスタートした。アバターはお辞儀をしたり、自然な仕草や目線で想像以上にリアルだ。下着に関する悩みや理想のバスト、好みのつけ心地について聞かれた。自分の体に関することなので対面だとどうしても控えめになりがちだが、相手がアバターなのでざっくばらんに話せる。

計測結果やおすすめ商品を丁寧に解説

 3Dボディースキャナーの計測方法の説明があり、セルフで計測が終わるとタブレットに必要情報を入力して登録、そうすると計測データを見ることができる。自分自身の体型を360度客観的に見るのは初めてという人も多いだろう。私自身、想像以上にお尻が下がっていてがっかり。進藤さんは「皆さん、お尻や下腹の話をされます」と言う。このデータをアバターの進藤さんと共有することで、体型の特徴や体型に合う下着選びのポイントを説明してくれる。計測結果のパーソナルシートをはじめ、タブレットでA Iによる商品の提案からお気に入りを選びプリントアウトすることもできる。進藤さんはカウンセリングと計測結果から、「すっきり3/4カップのブラジャーがおすすめです。後ろの棚にサンプルが幾つかあるので、実際商品に触って見てください」と言う。カウンセリングルーム内にある棚からサンプルを取り出して、実際触りながらその商品の特徴について進藤さんが説明してくれる。気に入った商品の在庫が店舗にあれば、購入可能だ。店舗スタッフに頼めば、試着も可能。また、即決しなくてもお気に入りアイテム情報をプリントアウトして、後にワコールウェブストアやショップで購入してもO Kとフレキシブルだ。カウンセリングが終了すると進藤さんは、うやうやしくお辞儀をして、さようならと手を振ってくれた。対面のストレスもなく、可愛らしいアバターとおしゃべりしながら楽しく下着選びができる「パルレ」。しかも、そこで購入しなくてもいいという自由度も魅力だ。カウンセリングルームへの案内以外は、対面接客はなく、全てセルフで完結するコロナ時代にはぴったりのサービスといえる。だが、「パルレ」はコロナ対策ではなく、別の目的から開発されたサービスなのだ。

消費者、販売員どちらにとっても画期的なシステム

 「パルレ」の着想は2019年秋。下着についての相談は抵抗があると人も多い。だが、アバターだったら、相手の顔色を伺うことなくより深いカウンセリングができるのではという理由から。今年に入って、ワコールが持つビューティーアドバイザー(BA)の接客技術とソーシャルデザイン企業のヒーローズのアバターコミュニケーション技術である“アヴァ・トーク(Ava Talk)”を融合させて開発を進めた。ワコールは、システム開発企業のテックファームにシステム開発および運用に関する技術支援を受けている。

 アバターとBAの融合はどのように行われているのだろうか。PCのカメラがBAの動きを感知しアバターに反映。まばたきは連動しているので、とても自然な反応だ。BAがお辞儀をしたり手を振ればアバターも同じ動きをするという仕組みになっている。BAにとっても仕事とはいえ、1時間対面カウンセリングをするのはプレッシャーだという。しかし、アバターを介せばBAも消費者もお互い楽に、悩みや感情の共有ができる。

 また、このシステムは、“接客員は店頭に立たないと仕事ができない”という概念を覆すものでもある。ワコールでは、将来的にこのシステムを活用することで、B Aのリモートワーク環境を実現し、自宅からでも接客できる新しい働き方の創造を目指している。コスト削減や効率化ではなく、消費者もBAも両方ハッピーになれるシステム「パルレ」。これからのアバター接客の大きな布石になりそうだ。

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「アグ」がサステナビリティに特化したサイトを開設

 「アグ(UGG)」は10月15日、“環境”“コミュニティー”“革新”の3つの柱に焦点を当てたウェブサイト「フィールグッド(Feel Good)」を立ち上げた。透明性と説明責任を育むことを目的としており、消費者がブランドの活動を知ることで、その影響を理解することができるようになっている。

 1978年創業の「アグ」は、クラシックなシープスキンブーツからアパレル、アクセサリー、ホームウエアへと多角化し、拡大を続けている。同社は2016年にデッカーズ ブランズ(DECKERS BRANDS)傘下ブランドとして国連グローバル・コンパクトに加盟。多様性、ジェンダー平等、女性のエンパワーメント、インクルージョンの重要性を掲げて、3万3000人以上の女性にトレーニングを行い、27年までにその数を10万人とする計画を立てている。

 また、パリ協定に沿って環境への影響を監視し、温室効果ガスの排出量を削減するために専門家のパートナーと協力して活動を開始し、21年までに科学的根拠に基づいた目標を設定することを計画している。さらに27年までにリサイクル、再利用、植物由来素材、バイオ由来素材、認証繊維の使用量を35%増やすことも掲げている。

 アンドレア・オドネル(Andrea O'Donnell)「アグ」ブランドプレジデントに米「WWD」が聞いた。

WWD:新たなイノベーション、そして新たなステップとは何か?

アンドレア・オドネル「アグ」ブランドプレジデント(以下、オドネル):私たちはこれまで、特にウールとリヨセルの混紡“アグプラッシュ(UGGplush)”と、天然ウールの“UGGpure(アグピュア)”を使って、廃棄物を減らし、環境への影響を最小限に抑えることに取り組んできた。さらに、アウトソールの“シュガーソール(SugarSole)”など、革新的なソリューションを含む、エキサイティングな新コレクションも発表する。同コレクションでは、成長が早く、雨水に依存し、灌漑を必要としない再生可能なサトウキビを採用。また、テンセルと植物由来の染料を使用し、化学物質への影響を軽減している。これは、私たちが取り組むイノベーションの一例に過ぎず、今後もシーズンごとに拡大していく。

 パートナーも重要だ。サヴォリー・インスティテュート(THE SAVORY INSTITUTE)とは、非営利団体「ランド・トゥ・マーケット」のプログラムの一環として、再生可能な農業プロジェクトのためのコラボレーションを開始した。同プログラムは、私たちが暮らす土地を保護し、回復させるために農家と協力し、人と地球の両方に良い影響を与えている。また、業界の専門家と協力して、パリ協定の目標に沿った温室効果ガスの計測や排出削減対策支援も行っている。

WWD:なぜサステナビリティに投資するようになったのか?

オドネル:私たちは皆、未来の世代のために地球を守る役割を担っており、このメッセージを伝え、推進していくことが重要だと考えた。それにはまず、自分たちが今どこにいるのかを理解し、環境への影響を最小限に抑えるためにブランドレベルで何ができるのかを正直に評価する必要があった。そこで専門家のパートナーに依頼して、積極的な変化を促進してきた。変化は一朝一夕には起こらないことは分かっているが、私たちは現在地と今後の方向性について、透明性を保ちたいと考えている。

WWD:踏み込んだステップをどのように伝えていくのか?

オドネル:ウェブサイト「フィールグッド」で、私たちの長期的な持続可能性の目標や計画、提携についての情報を提供したいと考えている。“環境”“コミュニティー”“革新”という3つの柱に基づいた活動や情報を閲覧したり、体験することができる。“環境”とは、地球を大切にし、事業が与える影響を最小限に抑えることだ。“コミュニティー”とは、従業員、お客さま、地域社会、そしてその先の人々を第一に考えること。そして最後に、“革新”とは、地域社会と地球のために、より良い製品を生み出すために努力し続けることだ。その3つにどのように取り組んでいるかを発信していく。

WWD:消費者との関係は?

オドネル:「アグ」は、“人々を感じさせる”ことで知られているブランドであり、私たちは消費者と密接で個人的な関係を持っている。サステナビリティと透明性が消費者にとって重要だ。このサイトで私たちの取り組みや計画を共有していく。

WWD:そのような消費者がいるからこそ、持続可能性を高めるための努力が必要か?

オドネル:消費者は私たちの原動力であり、消費者にとっての透明性を保つことが鍵だと思う。ファッションは現実的で、民主的で、同時に野心的なものであり得るというのが、私たちの信念だ。また、美しいだけでなく、革新的で、長持ちし、ポジティブなインパクトを与える商品を作っていきたい。

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「原料といえば伊藤忠」から「環境配慮型素材といえば伊藤忠」へ 循環型経済の実現目指す

 伊藤忠商事はリサイクルポリエステル素材を軸とした「レニュー」プロジェクトを通して、サーキュラーエコノミー(循環型経済)の実現を目指す。核となるリサイクルポリエステル素材「レニュー」の原料は中国の協力工場で回収した端切れや残たんに加えて使用済衣服で、年間約3万トンの衣料品生地を回収する。それらを化学的に分解することで元の原料にまで戻し、機能を落とすことなく新しい繊維に再生するケミカルリサイクル技術で、バージンポリエステル同様の安定した染色性と品質を備える。下田祥郎繊維カンパニーファッションアパレル第三部繊維原料課長に話を聞いた。

WWD:「レニュー」を立ち上げたきっかけは?

下田祥郎繊維カンパニーファッションアパレル第三部繊維原料課長(以下、下田課長):私が所属する繊維原料課では2000年頃からコットン生産者のオーガニック農法への移行をサポートするプレオーガニックコットンの販売を開始し、常に環境に重点を置いたビジネスを行ってきた。さらに海外を含めた繊維業界の大量廃棄と環境の問題にわれわれとして何か貢献できないかと考え、19年度に循環型経済の実現を目指す「レニュー」プロジェクトを立ち上げた。

WWD:サステナビリティにはさまざまなアプローチがあるが、循環型に注目した理由は?

下田課長:これまでのペットボトルを原料としたマテリアルリサイクルでは、一度しかリサイクルができないためペットボトルのゴミを繊維のゴミに変えているだけだった。それではサステナブルとは呼べないだろう。繊維で作ったものを繊維にリサイクルして循環させることこそが、繊維業界の責任だと考えたからだ。

WWD:「レニュー」素材の優位性は?

下田課長:バージンポリエステルと同様の機能性と品質を持つことが最大の強みだ。お客さまは繊維から繊維のリサイクルというストーリーの部分に共感していただいているようだ。

WWD:現在はどのようなブランドと取り組んでいる?

下田課長:最近では「H&M」「GU」、デサントの「リ:デサント(RE:DESCENTE)」、アダストリアが手掛ける「グローバルワーク(GLOBAL WORK)」の一部の商品で採用してもらっている。国内外ともに反応がよく、次の春夏に向けて商品展開を拡大していく。

WWD:トレーサビリティーはどのように担保している?

下田課長:われわれは環境に配慮した繊維素材の普及を進める国際NGOのテキスタイルエクスチェンジ(TEXTILE EXCHANGE)が発行する環境認証GRS(GLOBAL RECYCLE STANDARD)を取得している。これは、毎年の監査でわれわれの部署だけでなく、工場、糸の売り先も同じ基準をクリアすることで、トレーサビリティーのある生産体制を認証する仕組みになっている。

WWD:循環型経済実現に向けた技術で注目しているものは?

下田課長:特に最近増えているのが。イタリアのアクアフィル(AQUAFIL)社が手掛けているようなリサイクルナイロンだ。そのほか、レンチング社のリサイクルレーヨンにも注目している。世界的に繊維業界における温室効果ガス削減への取り組みは加速していくため、これからさらにリサイクル素材は増えるだろう。ケミカルリサイクルはさまざまな技術開発が現在ラボレベルで行われている。それらをどのように商業化していくかが、この5年での課題となるだろう。われわれもそこをサポートしていきたい。

WWD:循環型経済を目指す上での課題は?

下田課長:企業ごとの開発に加えて、消費者の文化レベルで衣料品の回収を定着させる必要がある。以前イタリアに住んでいた時には家の近所に衣料回収ボックスが常設してあり、生活に溶け込んでいた。モノを捨てて焼却するのが当たり前になっている日本では、新しい制度や仕組み作りから取り組むべきだろう。

WWD:「ファッション協定(The Fashion Pact)」のようなグローバルな枠組みに参加する予定はあるか?

下田課長:まずはテキスタイルエクスチェンジの会員として、カンファレンスに参加し意見交換している。ほかにも、エレンマッカーサー財団や環境NPOのキャノピー(Canopy)ともコミュニケーションが取れている。同時に当社が繊維業界の旗振り役となり、日本での枠組み作りにも取り組んでいきたい。9月にはクラボウと業務資本提携を結び、環境を軸にしたコンソーシアム作り目指すことを発表した。ここから消費者も巻き込んだ循環型社会を目指していく。サステナビリティは、業界全体が手を取り合って取り組むべき課題だ。「レニュー」プロジェクトは横のつながりを作るための一つのツールとしても機能するだろう。これまでは「原料といえば伊藤忠」とうたってきたが、今後は「環境素材といえば伊藤忠」というステータスを世界で作っていきたい。

WWD:「レニュー」プロジェクトの今後の目標は?

下田課長:消費者が欲しいと思って買った商品が、実は「レニュー」素材を使っていた、というような世界の実現を目指す。しかし、まだ完全にクローズドループは実現できていない。回収して繊維に戻す工程をわれわれとしてもさらに注力していきたい。究極の目標は、世界各地でこのプロジェクトを地産地消できるまでに拡大していくことだ。

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まだ、あなたが知らないニューヨーク最新トレンド 女性初副大統領の登場で沸くファッション業界 Arrival of New Ladies

 ニューヨークのファッション業界で活躍するクリエイティブ・ディレクター、メイ(May)と、仕事仲間でファッションエディターのスティービー(Stevie)による連載も第15回。“You’d Better Be Handsome”では、トレンドに敏感なレイチェル(Rachel)も加って、ニューヨークのトレンドや新常識について毎回トーク。今回のテーマは、バイデン勝利で終わった大統領選挙から生まれた新世代のアイコン、カマラ・ハリス、そしてトランプのテイラースーツなどなど。

 1週間続いた冷たい雨がやみ、初冬にしては暖かい外の陽気に久しぶりに外でランチをせずにはいられなかった今回は、オフィスからも近くトライベッカの住人から長く愛されている「ペトラーカ カックチーネ ヴィノ(PETRARCA CUCINA E VINO)」をチョイス。シェフのレオナルド・プリト(Leonardo Pulito)と2人の息子、さらにボスと呼ばれる奥さんの家族経営ならではの温かな本場のイタリアン料理を楽しめる。
34 White St, New York, NY 10013

メイ:長い長い大統領選挙がようやく終わったはずなのに、なんだかスッキリしないよね。

スティービー: ドナルド・トランプ(Donald Trump)が負けを認めずゴルフばっかりやっているから?彼の護衛や家族も、彼が大統領じゃなくなると無職になるからか粘っている。こうなることは分かっていたとはいえ醜い。

メイ:実際のところ、引退したトランプを待っているのは、数多くの裁判だろうし。返済しないといけない借金や未払いの税金も山のように抱えていて、それを選挙の不正とかいって時間稼ぎしている。

レイチェル:それにしても今回よく分かったけど、アメリカが広いとはいえ、ウソばかりついて何にもしないトランプをヒーローのように祭り上げる人たちが多くいて、本当に衝撃だった。選挙の後も、トランプのニセ情報に踊らされて、選挙に不正があったと抗議したり。自分たちに有利だと票を数えろと言い、不利になりそうだと票を数えるなと言う。

スティービー:破茶滅茶過ぎてストレスになるから、もうニュースを見ないという人たちがニューヨークにも多くいるけど、それももっとも。いまセラピーに通う人たちは、ストレスの理由の一つに大統領選挙を必ず挙げるらしい。ただ今回の選挙を見ているなかで、ジャーナリズムの重要性というか、作り話をネタ元も確認せずにすぐ信じる人たちがたくさんいて驚かされた。

メイ:いちばんいい例がキューアノン(QAnon)。ジョー・バイデン(Joe Biden)をはじめ、前大統領のバラク・オバマ(Barak Obama)や大統領候補だったヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)といった民主党の数名、セレブリティーらが児童売春の組織を運営しているという陰謀論。

レイチェル:それだけでも不明な発想なのに、その救世主としてトランプが登場するんだから、みんなしっかり目を開いてほしいと思う。トランプが困っている子どもを助けに行くような大統領だったら、アメリカで新型コロナの死者が250万人に達するいま、ワクチンをニューヨーク州にはあげないとか、幼稚園児みたいな発言はしていないはず。

スティービー:ソーシャルメディアも、右寄りの人たちには、右寄りの情報ばかりが入っていくシステムだから、自分で情報源をきちんと選ばないと。当たり前のこととはいえ、一人一人が真実とウソを見分けていく力、メディアリテラシーを身につけていかないと。もちろんアメリカだけの話ではなくて。

初女性副大統領に興奮のファッション界

レイチェル: 先行きが見えない2020年だけど、残すところ1カ月。それにしても、勝利演説のときのカマラ・ハリス(Kamala Harris)新副大統領は白いシルキーなパンツスーツで、まさにハンサムウーマン。久々に希望が見えた!

メイ:あれは「キャロリーナ・ヘレラ(CAROLINA HERRERA)」のパンツスーツだったらしい。18年からは、ウェス・ゴードン(Wes Gordon)がクリエイティブ・ディレクターを務めているけど。キャロリーナ自身はベネズエラ出身。カマラは初の女性副大統領として、女性が創業者のブランドを選んだのかしら。

スティービー: 堂々としているからか、彼女ってミシェル・オバマ(Michelle Obama)ほどではないとしても、身長も高いのかと思っていたら、身長が157cmと知って驚いた。

メイ:それは意外、少なくとも170cmくらいはありそうだったから。ミシェル・オバマも、メラニア・トランプ(Melania Trump)も、身長180cmと大きいからね。ちなみにトランプは190cmあるらしいけど…。

スティービー:ファーストファミリー(大統領一家)ではないけれど、キム・カーダシアン(Kim Kardashian)も大きく見えて、実際は155cmくらいらしい。彼女の場合はあらゆる手を尽くして背が高く見えるようにバランスを研究しているだろうけど、カマラと共通しているのは堂々とした存在感。

メイ:ミシェル・オバマが、アメリカのデザイナーの服を積極的に着てプロモートしたことは記憶に新しい。就任式にはジェイソン・ウー(JASON WU)のドレスを着たことで、彼の知名度が一気にアップしたり。アメリカのデザイナーたちには、振り返ってみるといい時代だった。それを指揮していたのが、シカゴのセレクトショップ、イクラム(IKRAM)。

レイチェル:一方のメラニアは、モデル出身で何でも似合うルックスなのに、アンチトランプばかりが圧倒的に多いニューヨークのファッション業界からは歓迎されていなかった。

スティービー:そういう意味でも4年ぶりにファッション業界も可能性を感じている。ファーストレディーで大学教授のジル・バイデン(Jill Biden)は、勝利宣言のとき「オスカー デ ラ レンタ(OSCAR DE LA RENTA)」を着用していたね。カジュアルだけど華のあるデザインだった。

レイチェル:故オスカー自身はドミニカ共和国出身のデザイナー。16年から韓国出身のローラ・キム(Laura Kim)と、ドミニカ共和国出身のフェルナンド・ガルシア(Fernando Garcia)が共同クリエイティブ・ディレクター。キャロリーナ・ヘレラも、オスカーも、歴代のファーストレディーに愛されてきたブランド。

メイ:カマラみたいに初の女性副大統領として歴史を大きく変えている人には、今後は新しいデザイナーブランドにも挑戦してほしいな。

スティービー:こういう場合、アメリカのデザイナーが中心になるとは思うけど、最近元気のないニューヨークのファッション業界に誰がいる?

レイチェル:そうね、現在CFDA(アメリカファッション協議会)の会長も務めるトム・フォード(Tom Ford)とかはどうかな?似合いそうじゃない?シルキーなパンツスーツに、彼女のシグニチャーであるパールネックレスで。

メイ:あとは、今回もバイデン新大統領を一生懸命応援していたレディー・ガガ(Lady GaGa)のスタイリストもしていたブランドン・マックスウェル(Brandon Maxwell)、シックに「ザ・ロウ(THE ROW)」、または「ガブリエラ ハースト(GABRIELA HEARST)」とかも似合いそう?

スティービー:イメージとしては、「ダナ キャラン(DONNA KARAN)」とかもいいかと思うんだけど、最近はどこで売っているかよく分からないから残念。それか、「カルバン・クライン(CALVIN KLEIN)」、「ダナ キャラン」で経験を持つ、ネリー・パートウ(Nellie Partow)のアメリカンスポーツウェアブランド、「パートウ(PARTOW)」もカマラにとても似合いそう。

レイチェル:ネリー自身も小柄でかつ有色人種の女性デザイナー。カマラにぜひ着てほしい。それと個人的には、「マーク ジェイコブス(MARC JACOBS)」とかも似合いそうと思っている。ディレクションだけでなく、今では数少ない(?)服を作れるデザイナー兼ディレクターであるマークは、店頭で見る派手なものだけでなく、ジャケットなどの少し硬い服も再評価されてもよいころかと。

メイ:どちらにしても、ホワイトハウスに女性がいる方がファッション界的には話題があっていいよね。

スティービー:誰も話題にしないけど、トランプって実はブルックリンにあるカルト的テイラー、マーティン・グリーンフィールド(Martin Greenfield)に仕立ててもらっていたのは知ってた?

レイチェル:え?あのダブダブのシルエットのスーツ?マーティン・グリーンフィールドって、どちらかというと細身のシルエットかと思っていた。「トム ブラウン(THOM BROWNE)」のスーツとかも仕立てていたような記憶が。オバマ前大統領のスーツとか。

スティービー:何着か仕立てただけだと思うけど。ほかにもトランプは「ブリオーニ(BRIONI)」を愛用しているらしいけど、全く気付かなかった。

メイ:前副大統領というか新大統領のバイデンは、すらっとスーツをかっこよく着こなしているけどね。どこのブランドかまでは分からないけど、体にフィットしているという印象。

政界のニューミューズ

レイチェル:大統領レベルではないけれど、AOCの頭文字で知られるニューヨーク出身の若手アレクサンドラ・オカシオ・コルテス(Alexandra Ocasio-Cortez)議員も、最近「ヴァニティ・フェア(Vanity Fair)」誌の表誌を飾ったり、話題の女性政治家よね。

スティービー:19年の当選のときはウエイトレスをしながら選挙活動をしていたという!当時29歳。おしゃれにすごく敏感というわけではなさそうだけど、「ヴァニティ・フェア」誌ではいろんなスーツをクールに着こなしていたという印象。

レイチェル:フォトグラファーは、「ヴォーグ(VOGUE)」史上初めてカバーを撮影した黒人フォトグラファーのタイラー・ミッチェル(Tyler Mitchell)が担当。ワードローブも、クリストファー・ジョン・ロジャーズ(Christopher John Rogers)やウェールズ・ボナー(Wales Bonner)ら注目の若手から、キャロリーナ・ヘレラや「ロエベ(LOEWE)」など大御所からビッグブランドまで、面白い企画だった。

メイ:今年はどんなセレブリティーよりも、政治家が良くも悪くも目立っていたから。AOCは彼女のスタイルというよりも、発言力で目立ってはいるんだけどね。

レイチェル:夏に「VOGUE.COM」の人気ビデオシリーズ、ビューティシークレット(Beauty Secrets)で、彼女自身の毎日のルーティンを披露していた。

スティービー:鏡に向かって自分で語りながら、すっぴんからメイクしていく人気シリーズだね。ナオミ・キャンベル(Naomi Campbell)、ミランダ・カー(Miranda Kerr)、ヴィクトリア・ベッカム(Victoria Beckham)、リアーナ(Rihanna)、ベラ・ハディッド(Bella Hadid)、マーク・ジェイコブス(Marc Jacobs)、渡辺直美、水原希子までゴージャスなラインアップ。

メイ:政治家は見かけたことがないような。AOCいわく、毎日テレビに出たり、さらにニューヨークとワシントンDCを行ったり来たりの生活らしいけれど、コントゥアーもカーダシアン並みにしっかり入れ、ハイライトもきちんと入れ、熱い演説のようなトークをしながらも、レッドリップスティックで仕上げるテクニックは見ていて気持ち良かった。

レイチェル:周りの人々からどう思われるかではなく、自分を愛するという意味でメイクアップが彼女にとっては大切だという。ビューティ哲学の根本を語ってくれた気がする。ミレニアル世代として、メイクアップはユーチューブで学んだらしいけどね。

スティービー:彼女のファンが増えるのも分かるね。米「ヴォーグ」のアナ・ウィンター(Anna Wintour)編集長も彼女のことを褒めていたよね。スタイルではなく、彼女が話していることの本質にもっと目を向けるべきと。

メイ:AOCが仲良くしている若い女性議員が何人かいて、彼女たちの今後の活躍も期待したい。

メイ/クリエイティブディレクター : ファッションやビューティの広告キャンペーンやブランドコンサルティングを手掛ける。トップクリエイティブエージェンシーで経験を積んだ後、独立。自分のエージェンシーを経営する。仕事で海外、特にアジアに頻繁に足を運ぶ。オフィスから徒歩3分、トライベッカのロフトに暮らす

スティービー/ファッションエディター : アメリカを代表する某ファッション誌の有名編集長のもとでキャリアをスタート。ファッションおよびビューティエディトリアルのディレクションを行うほか、広告キャンペーンにも積極的に参加。10年前にチェルシーを引き上げ、現在はブルックリンのフォートグリーン在住

レイチェル/プロデューサー : PR会社およびキャスティングエージェンシーでの経験が買われ、プロデューサーとしてメイの運営するクリエイティブ・エージェンシーで働くようになって早3年。アーティストがこぞってスタジオを構えるヒップなブルックリンのブシュウィックに暮らし、最新のイベントに繰り出し、ファッション、ビューティ、モデル、セレブゴシップなどさまざまなトレンドを収集するのが日課

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エクアドルの小さな村での取り組みが国連へ 企業と共創する環境NGOキーマン日比保史さんに聞く 前編

 今、ますますNGOやNPOの存在感が増している。特に欧米では政府や企業、メディアよりもNGO/NPOの信頼度が高いという調査結果も出ている。実際、私たちが今抱えている環境や人権、社会などの課題解決にはNGO/NPOの力は欠かせなくなっており、企業はもちろん国連や政府もNGO/NPOと組んで持続可能な社会実現に取り組んでいる。

 ファッション産業に目を向けると、例えば「ゴアテックス(GORE-TEX)」で知られるゴア(W. L. GORE & ASSOCIATES)社は、環境NGOのグリーンピース(GREEN PEACE)と協業して環境負荷の軽減に取り組んでいるし、「グッチ(GUCCI)」の親会社のケリング(KERING)は、環境NGOコンサベーション・インターナショナル(CONSERVATION INTERNATIONAL、以下CI)と連携して生物多様性の保全に取り組む。NGO/NPOといえば、企業の不正義を告発する団体として、民間企業とはVS構造で語られることが多かったが、その考えを持っているとしたらさまざまなことを見誤るだろう。

 CIは、30年以上にわたり自然環境の保全に取り組んできた。「自然を守ることは、人間を守ること」というモットーで地域コミュニティや政府、民間企業、研究機関と協働しながら、社会全体をより健全にする仕組みを作ってきた。CIの小さく始めたプロジェクトがコーヒー産業の構造を変え、気候変動対策の仕組みは国連レベルの取り組みに発展するなどその取り組みが解決策への具体的な道筋になっている。どのようにプロジェクトを推進するのか。日比保史CIジャパン代表理事兼CIバイスプレジデントに聞く。

WWD:今、力を入れていることは?

日比保史CIジャパン代表理事兼CIバイスプレジデント(以下、日比):気候変動の分野で、科学的な研究を実証し、そして実装させることに力を入れています。CO2排出量削減に関しては、エネルギーの分野で化石燃料をどこまで減らせるかが王道でもちろん重要なのですが、われわれは森林に注目しています。森林、植物は光合成によって成長します。光合成はCO2を吸収して固定するので大気中のCO2を吸収し固定する装置としては極めて優秀で、しかも効率的なオプションなんです。この仕組み作りは私たちCIジャパンも直接関わりました。

WWD:始めたのはいつ頃から?

日比:2003~04年頃です。森を守り再生することがどれだけCO2を吸収しているのかは目に見えないのでわかりませんよね。それを第三者から見ても明らかにすることに取り組みました。科学的な根拠や測定方法、モニタリング、統計学、衛星画像などを駆使して(今はドローンも利用)、計算の方法論を作りました。測定だけではなく、実装させるためのプロジェクトの仕組みも作り、国連に承認してもらいました。森林を通じてのCO2吸収、固定排出削減プロジェクトの方法論でいうと、国連に認証されたのは世界2番目で、NGOが関わるものとしては初めてでした。

WWD:方法論はどこで?

日比:エクアドルです。現地チームと本部スタッフ、CIジャパンで開発しました。当時、リコー(RICHO)が資金援助をしてくれ、そのカーボンクレジットをリコーが買い取るというスキームを考えていましたが、リーマンショックによってプロジェクトの継続が難しくなりました。しかし、そこで得た方法論や知見から権利関係を明確にするような法律を現地政府と一緒に作りました。さらにそこから国連レベルの取り組みに発展していきました。

WWD:権利関係の法律とは?

日比:エクアドルはじめとした途上国の多くでは、まず土地の所有・利用の権利が明確になっていないことがよくあります。これは、法制度あるいは登記簿の未整備や不適切な管理などもあれば、そもそも先住民族などの伝統的・慣例的な土地の利用の考え方と近代的な法律がうまく調和しない場合などがあります。ただ、国際的に炭素吸収量をクレジットとして取引するとなれば、権利関係が明確にできなければ、クレジットの対価(金銭収入)が誰に帰属するのか、などの問題が発生するので、事業開始前にそれらを明確にする必要があったわけです。また、そもそも森が吸収した「炭素」という物質について、所有権という考え方が成り立つのか、というような法理論の整理なども必要となりました。エクアドルでは、もちろんCIからの働きかけやカーボンプロジェクトだけがきっかけというわけではないですが、これらの課題への対応も視野に、憲法を改正して世界で確か初めて「環境権」を位置付けるという「改憲」もしたりしました。

WWD:それがREDD+(レッドプラス:Reducing Emissions from Deforestation and Forest Degradationの略)につながった。

日比:はい。REDD+は気候変動枠組条約の下で合意された、途上国の森林から温室効果ガスの排出を減らすための仕組みで、森林を保全・回復する途上国は、先進国から資金を受け取ることができるものです。例えば、コミュニティが森林の開発を控えると、その代わりに、REDD+の資金を受け取ったり、既存の農地をより効率的に活用して収量を上げるための研修を受けたりできます。

WWD:ファッション産業ではケリング(KERING)もREDD+と取り組んでいる。

日比:はい。一緒に取り組んでいます。小さなプロジェクトから、国際条約の動きに発展して、REDD+は森林のある国々の持続可能な経済のためのエンジンの役割を果たすところに来ています。例えば南アメリカの北東部、アマゾンの北にあるスリナム共和国では、国土の9割が森林で、結構地中には資源が埋蔵されています。これまでの開発モデルだったら、森を拓いて地中の資源を掘ってそれを売るとなりますが、それをせずに森林を守ることでスリナムが発展するモデルを作ろうとしています。

WWD:大切なのは地域レベルで取り組み、それを大きくしていくこと?

日比:最終的なインパクトをもたらすには、地域でのコミュニティ、政治、行政、民間企業が関わることが大切です。スケールが大きければいいのか、という批判もありますが、地球環境がどんどん悪化している状況でいえば、規模感を持って取り組むことが重要になってきます。小さいけれどきらりと光るいいことやっています、というのももちろん重要なんですが、残念ながら、それだけでは問題解決できないところに来てしまっています。

WWD:アパレル産業が抱える課題とそれに対して企業がとるべきアクションは?

日比:アパレル産業をちゃんと理解していないという前提でお話しますが、ケリングが「ファッションは農業から始まる」と発信しているように、私もそれが本質だなと思っています。自然の恵みをいかにサステナブルに、品質良くサステナブルに作っていくか――環境や地域社会皆がハッピーになる調達を続けていくことが大切なのではないでしょうか。衣料は食べ物と似ていますよね。サステナブルでなくても必要だから産業自体はなくならない。サステナブルにしないと生き残れないコーヒーとは違います。コーヒーはなくても生きていけますから。ただ、20~30年で20~30億人増え、全体的に経済水準が高まり、皆が消費していく世界になると、どうやってその需要に応えていくのか――制約条件としては極めて厳しい条件です。環境や人に配慮して長期的に安定的に品質が確保された原料の調達が求められるので、上流部分のサステナビリティ確保が一番の課題なのではないでしょうか。

WWD:上流=素材メーカーの負担が大きくなるが。

日比:上流ががんばることの意味を下流にいるアパレルメーカーや消費者も理解しないと絶対に成り立ちません。

WWD:「高いから買わない」という考えではいけない、と?

日比:安いものは決してただ安いんじゃないということを消費者が理解しなくちゃいけないし、それを売る側も情報を提供していかなきゃいけないのですが、なかなか難しいかなと思います。

WWD:どのくらい環境への負荷があるか、共通の指標がないと消費者は選べないし、企業が同じ指標を使うなど、グローバルレベルで同じ土俵に立たないと比較もできない。そうしたグローバルの土壌に上がる日本企業は少ない。

日比:いやーそうなんですよ。ESG(環境・社会・ガバナンス)経営や環境経営を頑張っている日本企業があるのも事実。「うちは前からやっているよ」という反応もあります。でも前からやっていたから今OKではないんです。今の世界の現状を見たらOKじゃない。もちろん一社では変えられるものではないとはいえ、今、現在、地球全体でうまくいっていないことの責任はシェアしなければいけないんです。不十分だったという多分認識を持って、「我が社がすべきことは何だろう」という発想を持ってもらいたいなと思います。その時に、国際的にはどういう議論がなされていて、どういう方向に進もうとしているのかを把握して先取りするような動きができたらいいですよね。

WWD:数値的な話でいうとCO2排出量は、気候変動の原因にもなっているのでわかりやすい。まずはCO2排出量の削減を目指すのも一つだと思う一方で、オフセットを免罪符にするのを疑問視する声もある。日本は京都議定書では6%の削減を目標にしていたものの、実際は1.4%増。でも外国でのCO2削減に貢献した分を自国での削減として認める制度を使って最終的に8.4%減にしたというのを本で読み、複雑な気持ちになった。

日比:現実的にも科学的にもCO2はどこで出しても1トンは1トン。日本国内で減らすのも途上国で減らすのも変わんないです。で、日本は1トン削減するのにコストが高い国です。減らしにくい体質になっています。政府や産業界が言うほどではないですが、途上国に比べたら高いです。日本は1トンあたり1万6000円(2020年時点)、途上国で森林吸収源を活用した場合10~20ドル程度です。なので、同じ費用をかけるのであれば、途上国で効率的に使った方が気候変動対策にはなります。削減努力はどうだったかはさておき、で話しています。減らす努力を何もせずに金に任せて買ってくるのがいいのかというと、それはまた別の議論としてありますが、努力で減らせない部分を途上国で、しかもCO2の吸収だけではなく、地域の人や生物多様性なんかにも貢献できるプロジェクトのクレジットであれば、それはむしろやるべきなのではないかなと思いますよ。

WWD:アパレル企業もCIと一緒にプログラムに取り組むとしたら、どういった取り組みができるのでしょうか?

日比:自分たちの努力だけでは減らせないCO2排出というのは必ずあるのでその分はオフセットを使って減らすのがいいのではないでしょうか。今はサプライチェーンまで含めて責任を持つという考えになってきているので、自社のビジネスと間接的ではあるけれど、原料や素材を得ている地域が良くなるのは、自社のビジネスやサプライチェーンをよくすることにつながるので、サステナブルに変えていく方法の一つとしてあり得るのではないでしょうか。

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逆境に立ち向かう東コレ 新事務局長は2021年に飛躍を誓う

 10月に開催された「楽天 ファッション ウィーク東京(RFWT)」は、半数以上がオンラインのみでコレクションを発表するという異例のシーズンだった。パンデミックによって世界の価値観が一変し、各都市のファッション・ウイークも新常態に向けて模索を続ける中、東京が目指すべき方向性とは何なのだろうか。また有力ブランドが続々と海外に発表の場を移したり、韓国や中国などのファッション・ウイークが存在感を徐々に強めたりする影響もあり、「東コレは盛り上がってない」という声が強まる状況に対してどう向き合っていくのか。7月に日本ファッション・ウィーク推進機構に加わった古茂田博事務局長に聞いた。

課題山積も今後に手応え

WWDジャパン(以下、WWD):今シーズンを振り返ってどうだった?

古茂田博JFWO事務局長(以下、古茂田):東コレ期間中の感染対策がひとまずはうまくいってホッとしている。今回からデジタルの施策を強化し、インフルエンサーがSNS投稿で盛り上げる“デジタル ボイス”や「ニューズピックス(NewsPicks)」との共催でオンラインカンファレンスを実施するなど新たな試みを始めた。課題は山積みだが、実行できたことは今後に向けての大きな一歩になるだろう。それに、新しいファッションの表現が生まれそうなポジティブな雰囲気も感じられた。JFWOとしては、まずはブランドの発信力を高めるインフラ作りに努めたい。「ファッションは面白い」というメッセージを届けるサポートをするのはわれわれの使命であるから。

WWD:東コレは以前よりも盛り上がりに欠けると言われているが?

古茂田:私自身もそれはすごく感じている。かつての東コレは大御所デザイナーも参加して熱量が高かった。またほかの都市に先駆けて消費者を巻き込み、会場にできた長い行列がニュースとしてメディアにも取り上げられた。それからインターネットやSNSの普及で価値観が変わり、昨今は生活様式も大きく変化している。これはもう元に戻るものではない。時代を映す鏡であるデザイナーもそれらを感じないとクリエイションで強いメッセージは届けられないだろうし、われわれも時代に合わせて進化していきたい。

WWD:東コレは今後どういった方向性に進むべき?

古茂田:ブランドをいかに認知してもらうかどうかを考え、全く新しいファッション・ウイークを組み立てていく必要がある。今、ファッションは服だけで表現するものではない。東京の強みである音楽やアートを絡めたイベントをさらに強化したり、サステナビリティに関する施策を次回以降は検討したりしている。ライフスタイルを提案するブランドもどんどん巻き込んでいくつもりだ。実は今回のキービジュアルでもモデルの中にバーチャルモデルを混ぜる試みに挑戦している。

2021年には目に見える結果を

WWD:来年に向けての計画は?

古茂田:次回3月は計画通りに進めて、その次は従来の10月から8月開催に切り替えるため場所も含めて未定だ。ホップステップジャンプという言葉があるが、今回はいろいろ挑戦したホップで、次が改善点を実績にするステップ。そして8月は集大成のジャンプとして、目に見える結果を残したい。

WWD:海外で発表していた日本のブランドが東コレに参加する予定は?

古茂田:現段階では未定だが、いくつか話はきている。お互いにとってチャンスなのであれば、発表できる準備を積極的に進めていきたい。そういったブランドが参加できるように、東京だけではなく世界の各都市がしっかり連携して考えていくべきだ。時代は変わっているのだから、もしかするとファッション・ウイークではなくファッション・マンスぐらいの考えがあってもいいのかもしれない。

WWD:自身のキャリアを現職にどう生かしていきたい?

古茂田:東レ時代からデザイナーズブランドに通い詰めて素材を提案し続けてきた。デザイナーを納得させるためには、同じ熱量や感度が必要だった。出る杭は打たれまくってきたけれど、その分ブランドへの思いは強いし、新しい文化を一緒に作っていきたい気持ちもある。それとサプライチェーンを構築し、いかに消費者に届けるかということを考えてきた。ショーに関わる仕事でも同じ。新しいことをやりたいという信念は常に持ち続けているので、「RFWT」でもその姿勢は持ち続けたい。

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創設者の自宅の一室でのブランド立ち上げを経て、新宿に路面店をオープン 世界を目指すビューティブランド「ユブネ」とは?

 “日本初のメディテーションブランド”をうたう新ビューティブランド「ユブネ(YUBUNE)」がデビューし、10月8日に体験型ショップを東京・新宿にオープンした。スキンケアからヘアケア、フレグランスまで約60SKUでスタートした同ブランドは、100%天然の動物性油脂を使った原液美容液“ロー エミュー オイル”や、酸素が溶け込んだ水を主原料とする“オキシジョン スキン ミスト”などユニークなアイテムがそろう。ブランド創設者の渡邊寛氏は10年以上前に通販のヘアケアブランド「クイーンズバスルーム(QUEEN’S BATHROOM)」を立ち上げ現在まで着実に成長させてきた人物だ。新ブランド「ユブネ」は「日本から世界を目指すブランドを」という、渡邊代表の思いを聞いた。

WWD:化粧品業界にはどのように入ったんですか?

渡邊寛YUBUNE代表取締役(以下、渡邊):ビジネス系の専門学校を出た後、香水に興味があり香水の販売会社に就職しました。販売員をしたりメーカーの人と商談をしたりしていたのですが、彼らの話を聞くうちに自分で商品を作ったら楽しそうだなと思い、ブランドを作ることにしたんです。当時はようやくインターネットが普及したぐらいの時代だったんですが、インターネット通販であれば販路を持たない状態でもやっていけるのではと考えました。

WWD:2007年に立ち上げたヘアケアブランド「クイーンズバスルーム」のアイデアはどこから?

渡邊:何か化粧品を作ろうと思っていたんですが、悩みに訴求する商品が最も世の中に求められていると感じ、自分がくせ毛に悩んでいたので、髪の毛のくせを扱いやすくするヘアケア商品は需要があると発想しました。「クイーンズバスルーム」では薬用シャンプーや2剤式のシステムトリートメントなど、しなやかでまとまりのある髪に導くヘアケア商品や、皮脂を再現したオイルクリームをはじめスキンケアアイテムもそろえています。OEM会社を探すところからだったんですが、個人だとなかなか相手にしてくれなくて、資金を用意して会社を作って掛け合っていくうちに一社、サロン専売のヘアケア商材を扱う会社から「そんなに言うんだったら協力しますよ」という返事があったんですね。

WWD:そこからビジネスは順調に進みましたか?

渡邊:最初は倉庫を借りるお金もないですから、自宅の一室に何千本という在庫を置いてそこから発送していました。初月の売り上げは7万円だったのですが、それでも海の物とも山の物とも分からない状態でも売れるんだということで成功体験になり、売り上げを上げていく自信がつきました。少しずつインターネット広告を出したり、商品の訴求方法を変えてみたり試行錯誤を重ねて、7月にオンラインショップをオープンしたのですが、その年の12月には月商100万ぐらいにはなりました。

WWD:現在の販路は?

渡邊:自社ECのほかに楽天などにも直営ショップを出店しています。ほとんどがネットショップを通じてお客さまに直接販売していますが、一部ヘアサロンなどに卸しているものもあります。

海外市場を見据え、香りや日本らしさにこだわり開発

WWD:10月にデビューしたメディテーションブランド「ユブネ」を立ち上げた理由を教えてください。

渡邊:日本は超高齢化社会を迎えて、市場が縮小傾向にあるわけですが、一方で海外に目を向けると人口は増えています。これからは日本村にとどまるのではなく、世界市という思考で販路を広げていかないといけないと考えました。はじめは「クイーンズバスルーム」で海外市場を目指そうと思ったのですが、日本人とは異なる毛質や、言葉の壁により商品の微妙なニュアンスを伝えるのが難しいと感じ、別のブランドを作って、海外の人にも分かりやく、日本人である自分にしか作れない商品をラインアップしようとスタートしました。

WWD:ブランドコンセプトやアイテム構成は?

渡邊:ブランドコンセプトはことわざからお借りした“命の洗濯”を掲げています。ニューヨークなど世界中の人が集まる場所を視察する中で、長野の白骨温泉に日本らしい美しさの真髄を感じ、多くのインスピレーションを得ました。その雰囲気を分かりやすく化粧品に落とし込めないかと考え商品開発にあたりました。商品構成はスキンケア、ボディーケア、ヘアケア、フレグランス、マインドフルネスツール(お香や和ろうそくなど)など5カテゴリーを設け、SKUとしては約60あります。スキンケアが最も多くて約4割、残りはほかのカテゴリーで等分という構成です。ブランドを象徴するアイテムが、髪を洗う“シャワージェル”です。珪酸母岩が主原料の鉱石粉末や、ケラチン由来の低刺激で高価な洗浄成分を高濃度で配合し、髪に潤いとハリ、コシを与えます。ニューヨークやバリ島など、世界の場所から着想した8種の香りを用意しています。

WWD:ユニークなアイテムがそろっていますが商品開発はどのように行っていますか?

渡邊:最新の処方やはやりの成分や色、ということではなく、もう少し感覚的にいいものだなというのが伝わる商品にしようと思いました。世界中の人が分かりやすい香りであったり、シンプルな原料、ブランドアイデンティティーを強く伝えるパッケージなどであったりを重視しています。いい原料と出合ってどんな商品を作れるか考える場合もありますし、作りたい商品があってそれを構築できる原料や処方を追求する場合もあります。原料の展示会に行ったり、原料リストを眺めたり、後は自分の体を観察して汗や皮脂が出るメカニズムを調べたり、肌の不調はどの機能が弱まって起きるのかを調べたり。そうしてできあがります。

ショールームを兼ねた足湯併設のショップをオープン

WWD:ブランド立ち上げと同時に新宿に路面店をオープンした理由は?

渡邊:伝わりやすい商品を作ると言ったのですが、僕の性格上、どうしても難しい商品が多くなってしまう(笑)。ブランドの世界観を伝え、商品についてしっかり説明するには実店舗がないと無理だなと思ったんです。今は実店舗をなくしてオンラインで売るという流れがありますが、実店舗があることで信頼性が増し、海外展開を目指すにあたり有利に働くと考えました。海外からの観光客が多く集まる立地ということで新宿を選びました。日本に視察に来たときに、実際にお客さまの様子も見てもらえると、自国で展開した場合の想像がしやすくなるので、ショールームとしての役割もあります。店舗のデザインは、異世界に入っていくような世界観にしたかったのと、地下に足湯を作ったのは“命の洗濯”というブランドコンセプトもありますし、都会の真ん中でふらっと立ち寄ってリフレッシュしてもらえたらという思いからです。

WWD:卸販売は考えていますか?

渡邊:かなり原価率が高い商品ばかりなので、卸では利益がほとんど出ません。なのでその小売店に置いてあることでブランドイメージがよくなったり、ブランド認知の拡大に寄与したりしそうであれば、利益度外視で置いていただくという考えはあります。ですが、販売としての卸は基本的に考えていません。

WWD:今後の商品展開の構想と初年度の売り上げ目標を教えてください。

渡邊:今企画が進んでいるのがメイクアップカテゴリーです。ファンデーションが先行して進んでいて、顔料を使わず色のついた泥をミックスして色を作る、という商品を開発中です。いろいろなOEMからできないといわれたのですが、ようやく一社で形になりそうです。クレイは鉱石の粉末なので、皮脂を抑えたり遠赤外線を発したりそれぞれに生理活性作用があります。それらの組み合わせによって肌に与える効果が変わるという面白い商品です。とはいえまだブランド認知が低いので、SNSを中心にプロモーションに力を入れ、もう少し認知度が上がったいいタイミングで発売しようと思っています。初年度の売り上げは正直あまり多くを見込んでいなくて、3000万円行けばいいかなと思っています。

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ヒゲ剃りが「マスク荒れ」にいい!? 編集部が勝手にトーク

 ビューティにまつわるニュースを編集部で語り合う「WWDビューティポッドキャスト」。今回のテーマは、「ヒゲ剃りがマスクによる肌荒れに有効か?」です。ビューティ記者歴が社内で一番長い中村慶二郎記者と、サロン担当の米山奈津美記者に、福崎明子デジタルデスクが真相を聞きます。

 中村記者が長年取材を続けるエステサロンからの話や、米山記者が理容師に聞いたことなどから答えを考えます。中村記者の趣味であるバイクの話題から、バイカーとマスクとヒゲの関係にも発展……。思わぬ話にもなり、これまでとちょっと違った?ポッドキャストをお楽しみください。

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【動画】Youth in focus Vol.1 ジェンダーの課題にクリエイションの力で挑戦するエド・オリバー

 「WWDJAPAN.com」はU30の若者たちにフォーカスした新連載「ユース イン フォーカス(Youth in focus)」をスタートする。ミレニアルズやZ世代と呼ばれる若者たちは情報感度が高く、ジェンダー平等やサステナビリティなど社会課題に関心が強いと言われている。彼ら/彼女らは今何を考え、ファッションやビューティーと向き合い、どんな未来を作ろうとしているのだろうか。同企画では業界に新たな価値観を持ち込み、変化を起こそうと挑戦する若者たちを紹介する。

 連載の1回目は、クリエイティブスタジオのリング(REING)でクリエイティブ・ディレクターを務めるエド・オリバー(Edo Oliver)にファーカスする。リングは性別や人種、年齢、体形に対する他者からのラベリングや社会の枠組みから個人を解放することを目的に活動する。企業やブランドのクリエイティブ制作、ジェンダーニュートラルなアンダーウエアや指輪などの商品の製造・販売に加え、ジェンダーを多角的に考察する対話型イベントを通じたコミュニティ運営なども手掛ける。同氏にリングの活動から、社会を変えるために必要だと思うこと、今後の目標などについて語ってもらった。

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【動画】Youth in focus Vol.1 ジェンダーの課題にクリエイションの力で挑戦するエド・オリバー

 「WWDJAPAN.com」はU30の若者たちにフォーカスした新連載「ユース イン フォーカス(Youth in focus)」をスタートする。ミレニアルズやZ世代と呼ばれる若者たちは情報感度が高く、ジェンダー平等やサステナビリティなど社会課題に関心が強いと言われている。彼ら/彼女らは今何を考え、ファッションやビューティーと向き合い、どんな未来を作ろうとしているのだろうか。同企画では業界に新たな価値観を持ち込み、変化を起こそうと挑戦する若者たちを紹介する。

 連載の1回目は、クリエイティブスタジオのリング(REING)でクリエイティブ・ディレクターを務めるエド・オリバー(Edo Oliver)にファーカスする。リングは性別や人種、年齢、体形に対する他者からのラベリングや社会の枠組みから個人を解放することを目的に活動する。企業やブランドのクリエイティブ制作、ジェンダーニュートラルなアンダーウエアや指輪などの商品の製造・販売に加え、ジェンダーを多角的に考察する対話型イベントを通じたコミュニティ運営なども手掛ける。同氏にリングの活動から、社会を変えるために必要だと思うこと、今後の目標などについて語ってもらった。

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中国進出支援のトレンドExpressに聞く、中国マーケティングを成功させる3つのポイント

 新型コロナで、これまでインバウンドやトラベルリテール需要の大きかった企業は痛手を受けた。特に中国客に期待していた企業の中には、越境ECや一般貿易など、中国客へ新たなアプローチを模索するところも少なくない。そのハードルは低くないが、勝ちパターンはあるのだろうか。

 日本企業の中国進出サポートやマーケティングを手掛けるトレンドエクスプレス(トレンドExpress)の濱野智成社長に、今の中国のニーズと消費者動向を取材。その中から見えた3つのポイントを紹介する。

在日中国人から熱意あるUGCを増やす

 中国ではインフルエンサーのことをKOL(Key Opinion Leader)と呼ぶ。これに加えて、フォロワー数百〜1万以下で、より消費者に近いKOC(Key Opinion Consumer)もいる。どちらもプロモーションで起用される欠かせない存在だが、KOLを起用するより先に注力すべきはUGC(User Generated Contents)を増やすことだ。

 「プロモーションの初期は在日中国人や、在日ソーシャルバイヤー(代購)をターゲットとするべきだ。彼らは日本の商品を中国向けに展開するコンシェルジュのような役割を果たしている。彼らの認知を拡大していかないと、いきなり中国SNSで広告を打っても費用対効果が見合わない。中国の方から『進出してほしい』と思われることが第一優先だ」と濱野社長。こうした在日中国人の理解を深め、熱意のある口コミ(UGC)を投稿してもらうことが重要だ。

 これと並行して、公式情報を発信する基地として公式アカウントを設置、発信する。その次に、流通開拓をしてくれる代理店とともに、いつ公式旗艦店を開くか、KOLを起用するかのタイミングを模索していくことになる。

 濱野社長によると、越境ECを開始するタイミングは「おおよその目安は、タオバオで1カ月に1万件ほど検索をされ、またUGCが1000件投稿されている状態(小紅書の場合)」。日本で実績のある商品であれば、中国向けのプロモーションをしていなくてもすでに1000件ほど投稿はあることが多いという。

日本市場におけるブランドステータスより上を狙う

 また、濱野社長は「日本の化粧品ブランドで勝ち筋を見つけるとしたら、プレステージカテゴリーを目指す必要がある。低価格帯は中国のローカルブランドが市場を作り飽和しつつあるため、先行優位性が相当ない限り勝っていくのは難しい。新規で参入するブランドは、日本市場で得ているブランドステータスより少し上を狙わなければいけない」と語る。

 ブランド価値を高めるには、ブランドのストーリーを伝える施策が重要だ。例えば、ブランドマネージャーや研究者、社長といった“ブランドの中の人”が語るコンテンツも大きな力を持つ。「研究者が話すときに、技術や開発力についての話(How)をしがちだが、なぜその商品を作ろうと思ったのかの話(Why)を掘り下げると、消費者がより共感しやすい情報になる」と濱野社長。

 こういった大掛かりなマーケティング手法はプレステージブランドが行うことが多いが、中国では地元の中価格帯ブランド「完美日記(Perfect Diary)」や「花西子(Hua xi zi)」も同様の手法でストーリテリングを行っているという。両ブランドは中国化粧品業界でも注目を集める成功ブランドで、他社よりも高級路線をとっている。

いざ中国進出、旗艦店立ち上げのタイミングは?

 こうしたプロセスを経て、公式旗艦店を開くタイミングになる。多くのブランドが選択するのがTモール国際などの越境ECだ。越境ECであればNMPA(中国国家食品薬品監督管理局)に申請することなく販売できる大きなメリットがある。一方で越境ECは消費者とオフラインでの接点は持つことができない。濱野社長は「越境ECのみではブランド規模が成長しない原因には、オフライン接点を持てないことにあると考えている」と指摘する。

 その欠点を補うのが、トレンドエクスプレスが新たに開始するサービス「意中盒 -SURPRISE BOX-」だ。同社が提携するアプリやカルチャーセンター、ジムなどを利用する中国本土に住む1500万人の中から、企業の狙いに合った人にのみギフティングを行うサービスで、「リアル店舗のように実際に手に取って使うことで商品の良さを体感してもらいたい」という企業側のニーズに応える。

 仕組みとしては越境ECに商品を展示し、ユーザーにそこから商品を購入してもらう。購入費用はサービス側で補てんするため、消費者は無料で商品を試すことができる。また通常の発送とは異なり、ブランドイメージをつくる豪華な箱でラッピングするなどの演出で体験価値を上げるという。

 ギフティング後、企業側はユーザーアンケートを取ることができ、結果から商品の評価されているポイントや消費者像を知ることができ、中国での訴求ポイントの戦略を練る中で活用できる。例えばある男性向け化粧品ブランドは、これまで対象としてこなかった若年の寮生活をしている学生に商品を試してもらい、新たな商機を見つけるとともに「化粧品を使うべき場面がイメージできない」という消費者側の思いを理解するに至ったという。

 同社の中国事業を統括する子会社・数慧光(上海)商務諮詢有限公司(Trend Express China)の渡辺健太COO(最高執行責任者)は「単に市場調査をするだけでなく、消費者には商品を気に入ってもらい、リピートしていただく機会にしたいと考えている。また今後は本サービスからUGCを生み出す施策も考えていく」と語った。

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カラーリング後の髪の変化に着目 4種の専用アイテムで美容師とともに進めるカラーケア

 「ウエラ プロフェッショナル(WELLA PROFESSIONALS)」は9月、美容室専売品のカラーケアアイテム「カラーモーション+ 4ウィーク プログラム」を発売した。これはヘアサロンでのカラーリング後、毎週変わりゆく髪の変化に着目し、週ごとに異なる専用ケアをするという新コンセプトの製品。同ブランドによる研究の結果、カラーリング後には“色が不安定で著しく変化しやすい時期”“手触りや滑らかさが失われやすい時期”“パサつきやすくなる時期”“艶感が失われやすい時期”があり、それにピンポイントで対応することで色・質感・艶の整った理想的な髪の状態を保ち続ける。

 また、4種のアイテムを使う時期、使い方などについて美容師のアドバイスを受けてケアを進め、次回来店まで髪の状態を保つプログラムであるため、美容師と顧客との連携が必要不可欠。二人三脚でケアを行うことで、ワンランク上のヘアカラーの楽しみ方を提供するアイテムでもある。

4週間、週1回のケアで
髪の色・質感・艶を保つ

人気ヘアサロン「ミンクス(MINX)」の顧客が
「カラーモーション+
4ウィーク プログラム」を体験

「カラーモーション+
4ウィーク プログラム」を通じて
お客さまとの絆がより深まる

 一般的なカラーケア製品は、どの週でも使う製品は同じで、仕上がり感も同じ。その点「カラーモーション+ 4ウィーク プログラム」は4種類あり、各アイテムごとに使用する目的がピンポイントで、仕上がりも明確にイメージしやすいという点ですごく新しい。

 また、今はヘアカラーもただ“色がきれい”というだけでは満足してもらえない時代。色がきれいで、質感も良くて、艶も出ていて、その状態が長持ちするなど、複数の要素を求めるお客さまが増えている。そうした多角的な要望に対し、専用のアイテムが分かりやすく対応してくれるので、今のニーズにマッチしていると思う。さらに(一般的なカラーケア製品にありがちなのだが)使用後に髪が固くなるというデメリットがなく、普段使っているヘアケア製品と併用できるのでおすすめしやすい。トレンドのブリーチカラーは色落ちを感じやすいので、こういう商品はなくてはならないものになっている。

 4週にわたって、美容師の指示のもとに自宅で使ってもらうアイテムなので、自宅に居ながら「美容師さんの言っていた通り、使ったら質感が良くなった」などと実感してもらえれば、「カラーモーション+ 4ウィーク プログラム」を通じてお客さまとの絆がより深くなることも期待できる。

ライフスタイルに
組み込むことで、
しっかりとしたケアが可能に

 「カラーモーション+ 4ウィーク プログラム」の最大の特徴は、4週間にわたり、毎週異なったアイテムでケアすること。日々のスケジュールに組み込んで、髪の状態の変化を見ながら楽しみつつケアできるアイテムでもある。また「一般的なホームケア製品だと、使うのを忘れてしまったり、最初はきちんと使っていても次第に使わなくなってしまったりするケースも少なくない。その点『カラーモーション+ 4ウィーク プログラム』は使用目的がはっきりしているため、『髪がパサついてきたから使わなきゃ』といった感じで、髪の状態を見て思い出してもらえるので、しっかりとしたケアにもつながる」(佐藤ディレクター)という。ケアすることをライフスタイルの一環にしてくれるアイテムだ。

問い合わせ先
ウエラお客様相談室
0120-411524

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健康的な笑顔とライフスタイルが人気のモデル・忍舞の輝く女性になるための“自分らしさと自信”

 仕事にプライベートに、いろんな選択肢があるからこそ、幸せのカタチだって人それぞれ。では本当の意味での“自分らしさ”ってなんだろう。今の自分に自信を持つためには、心身ともに毎日美しくいることが大前提。乾燥しがちな肌の保湿はもちろん、脱毛だって忘れてはいけない重要な課題の一つだ。ここでは自分らしく生きられるための素敵なヒントを探るべく、毎日を豊かに輝く女性たちをフィーチャー。第4回は、モデルとして活躍するかたわら自身のブランド「ワム(WoM)」をプロデュースする忍舞さんが登場。モデル業に加えて、日々の子育てなど彼女の充実したライフスタイルをクローズアップする。さらにキメ細かな美肌に欠かせない家庭用光美容脱毛器“スムーズスキン ピュア”を使用し、その効果や感想を聞いた。

”子育ても仕事も、
頑張りすぎないからこそ楽しめる”

WWD:モデルとして母として、さらに自身のブランド「ワム」のディレクターとして、さまざまな顔をお持ちですが、バランスよく両立させるために心掛けていることはありますか?

忍舞:仕事も子育ても、特に切り替えはしていません。すべてが楽しいから。やりたくない!と思うようなことは最初からやらないようにしています。だって、興味のないことを始めてもきっと続かないから。そこは自分の気持ちや直感に従います。しいて言うなら、好きな仕事が息抜きになっているのかも。

WWD:いそがしい毎日を過ごす中で、オンオフの切り替えはどのようにされていますか?

忍舞:すべてを完璧にこなそうとしても、無理がたたります。そこは自分に厳しくしすぎず、自分なりのペースでこなせればいいなと思っています。私の場合は、子育ても仕事もすべて好きでやっていることなので、オンオフという感覚はとくにありません。頑張りすぎないからこそ楽しんで続けられるのかなと思いますね。

WWD:子育て中は「オシャレができない」という声も多いですが、実用性がありつつも自分らしくファッションを楽しむためには?

忍舞:今年の12月で2歳になる息子がいます。もう本当にワンパクで(笑)。なので、子どもと遊ぶときは動きやすいデニムスタイルが多いですね。アクセサリーもつけないしシャツもあまり着ないかも。抱っこしていると子どもに引っ張られちゃうから(笑)。でも、子育て中だからって、オシャレを断念しちゃうのはもったいない。そんな女性に向けて「ワム」をプロデュースしました。働くママはもちろん、カジュアルだけどスタイルが良く見える服、なおかつ上質な素材で、着ていて気持ちのよい服を提案しています。楽なのにオシャレに見える、それは働くママにとってモチベーションを上げるための大事な要素だと思っています。「ワム」には、私の理想をすべて詰め込んでいます。

WWD:母として子育てや家事をこなしながらモデルとしても活躍する忍舞さんですが、日常で行なうプチぜいたくとは?

忍舞:一日の終わりの晩酌かな(笑)。そのときの気分で、ビールや日本酒をセレクトしています。ワインも好きで、息子を寝かせたあとにしっぽりと楽しんでいます。子どもや愛犬と一緒に太陽の下で思い切り遊んでいるときも、ぜいたくな幸せを感じますね。

”発酵の力が与える健康と美の秘けつ”

WWD:インスタグラムでは、ナチュラルなライフスタイルで多くの支持を集めていますが、食へのこだわりを教えてください。

忍舞:心身ともに健康でいるために、外側からだけでなく内側のケアも心掛けています。食は自分自身をつくる源ですから。たとえば季節の野菜を使ったお総菜だったり、子どものおやつにはオートミールのクッキーを作ってあげたり。梅干しも自家製です。あと食事には必ず発酵食品を取り入れるようにしています。お塩の代わりに塩麹を使ったり、お醤油の代わりに醤油麹だったり。私の料理の調味料として最適なんです。柚子胡椒も自家製です。混ぜて放置するだけなので誰でも簡単にできます。お料理だって、頑張りすぎたり気合を入れすぎると面倒になって長く続かなくなる。何事も難しく考えない方がいいんです!

WWD:発酵食品を取り入れるようになってから、体に何か変化を感じるようになりましたか?また、美しく輝き続けるために日ごろ行なっているビューティケアを教えてください。

忍舞:発酵食品を取り入れるようになってから生理痛がぴたっと止まりました。発酵食品は日本人の食生活になじみのあるものばかりなので、腸内環境を整えてくれるだけでなく、肌にもよい影響を与えてくれます。あと、乾燥しがちなこの季節は、お風呂上がりに無添加のオイルを全身に塗ってマッサージをしたり、うぶ毛処理として“スムーズスキン ピュア”も週1のルーティンに取り入れています。

“毛穴知らずの美しい肌は
日ごろの積み重ねが大事”

WWD: “スムーズスキン ピュア”を使用してからどのような効果が見られましたか?

忍舞:コンパクトで使いやすいので、凹凸のある膝にも照射しやすいし、ケアする部位によって3つのモードから選べるのが安心。皮膚の薄い顔まわりは「ジェントルモード」で、脚など範囲が広い部位には「スピードモード」で、くまなくスムーズに処理できました。週1回、4週間の継続使用で、うぶ毛や毛穴が目立たなくなりましたね。サロンに行く手間が省けるので、気になる箇所だけパッと済ませられるのも便利です。

WWD:ムダ毛のない美しい肌を手に入れることで、気持ちや行動にどのような変化を感じましたか?

忍舞:撮影時にスカートをはくことが多いのですが、ためらわずに自信を持って肌を出すことができるのがうれしいですね。脱毛処理はもちろん、美しい肌は日頃の積み重ねが大事なのだとあらためて実感しました。

WWD:モデルとして母として、新たにチャレンジしたいことや目標はありますか?

忍舞:食に関する提案を積極的にやっていきたいです。ビーガンは美意識の高い人が取り入れるもの、という認識がいまだに多いと思いますが、海外のように選択肢の一つとして日本でも気軽に取り入れられるようなきっかけをつくっていきたい。いつか、ビーガンスイーツと「ワム」の服を同時に楽しめるカフェをオープンさせたいですね!

 よりヘルシーな美肌を手に入れるなら、イギリス発の家庭用光脱毛美容器「スムーズスキン」の新モデル、“スムーズスキン ピュア”をぜひ試してみて。最先端テクノロジーを用いた同製品は、10段階のスキントーンセンサーを搭載しており、使う人の肌に合った最適なパワーで高い脱毛効果を実現してくれる。軽量で持ちやすいコンパクトな形状なので、凹凸のある部位も含めて高速照射で全身のケアがスムーズに行えるのもうれしい。ムダ毛のないキレイな素肌を保つことで、今までのコンプレックスを解消し、指の先まで自信に満ち溢れた新しい自分に出会えるはず。

PHOTOGRAPHS:TSUKASA NAKAGAWA
TEXT:MEGUMI OTAKE

問い合わせ先
スムーズスキン カスタマーサポート
0120-791-355

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中国コスメはなぜコラボするのか?人気アイテムから見る拡散戦略

 中国では国産コスメが急成長しており、日本や東南アジアでも話題となっている。それらの製品の中で目につくのが、キャラクター、ブランド、建造物など多様なコラボレーションだ。

 中国市場では2015年ごろから、IP(Intellectual Property、知的財産)が注目されている。IPとは一般に認知度が高く、大規模なファン層が存在し、強力な収益化能力を持つものを指す。具体的にはブランドやコンテンツ、キャラクター、人物などがIPと呼ばれる。

 こういった異業種のIPとブランドがコラボすることで話題を生んだり、新客を獲得したり、ブランド理解を深めたりと多くの効果が期待できる。こうしたブランドやキャラクターと自社の商品を掛け合わせて目新しさや希少性を提供する戦略をクロスボーダーマーケティングという。

 こういったコラボアイテムは、特に1990年代生まれ以降(30歳以下)の若者が主な消費者とされており、ファッションや化粧品のメイン消費者層とも重なる。今回は実際に中国で販売されたコラボ商品の事例から、成功するコラボの秘訣を読み解きたい。

世界的に有名な芸術とのコラボ

 この数年、中国の化粧品企業は多くの芸術関連コラボを販売した。CBNデータによると、19年の国内IPライセンス市場では、芸術、文化、美術館との共同コラボレーションが17%を占めており、若い消費者が文化的に意味のある製品への関心を高めているという。

 日本でも販売される中国コスメ「ズーシー(ZEESEA)」は、特に芸術との結びつきが深い。ブランドは「使用する人に芸術のような美しさを与え、日々をよりカラフルなものにする」という理念があり、その表現方法として芸術関連コラボを選択している。これまでに大英博物館や、画家パブロ・ピカソ(Pablo Picasso)などとコラボし、特に大英博物館コラボの「ミステリーエジプト」シリーズのルースパウダーは18年に美容アワードのひとつ、美粧V賞 でメイクアップ製品の年間トップ10に選ばれた。

 このほか、中国スキンケア「阿芙(AFU)」は画家フィンセント・ファン・ゴッホ(Vincent van Gogh)とのコラボ製品、中国コスメ「ランサー(LANSUR)」は英V&A博物館に所蔵される画家アルフォンス・ミュシャ(Alfons Mucha)の作品とのコラボ製品を販売し、いずれも話題となった。 また最近ではルーブル美術館がTモール(天猫)に旗艦店を出店し、中国のメイクアップアーティストブランド「マリー ダルガー(MARIE DARGAL、瑪麗黛佳)」とコラボ製品を販売している。

中国風“国潮”を取り入れる

 中国では18年ごろから“国潮(グオチャオ)”という、中国伝統文化の要素を取り入れたトレンドが起こった。検索エンジン百度(バイドゥ)のレポート「国潮プライドビッグデータ」によると、特に人気のあるIPには故宮(紫禁城)や敦煌といった歴史的建造物や都市も入った。

 中国コスメでも“国潮”を取り入れるブランドは多く、コスメブランド「毛戈平(MAOGEPING、マオ グァ ピン)」は故宮と、中国コスメ「カズラン(CARSLAN)」は敦煌博物館とコラボして話題に。 また中国コスメ「キャットキン(CATKIN)」は北京・頤和園とコラボし、頤和園の楽寿堂にある屏風「百鳥朝鳳」をモチーフにした3Dパッケージを製作。口紅の一部カラーは売り切れとなる人気だった。  

 中国コスメ「完美日記(パーフェクトダイアリー)」の人気アイシャドウは、中国の自然や地理に関する雑誌「中国国家地理」とコラボしている。中国の美しい景色や自然からインスパイアされたカラーをまぶたにまとうというコンセプトのアイテムで、ウェイボーでは愛国心を持つユーザーたちから「アイラブチャイナ」といったコメントが多数寄せられている。 愛国心という多くの人が持つ要素を持つIPと国産ブランドのコラボは相性が良く、受け入れられやすい反面、“国潮”ブランドの差別化が難しくなっているという声もある。

国民的アイテムとの異業種コラボ

 中国の若者トレンド“国潮”は、コスメとは縁遠い存在をも結びつける。中でも大きな話題になったのは、国民的なキャンディー「大白兔奶糖」の香りを再現した、香水ブランド「気味図書館(SCENT LIBRARY)」のフレグランスだ。“子どものころの思い出”として親しまれるミルキーなフレーバーに、多くの人が懐かしさを感じて買い求めた。

 同じように大衆の懐かしい思い出を喚起させたのは、ロレアル傘下の「羽西(YUESAI)」と「新華字典」のコラボだ。「新華字典」は1953年の初版以来続くロングセラーの国民的字典。このIPを使用することで、2000年に設立したブランドの若返りを図るだけでなく、中国医学と漢方スキンケアというブランドアイデンティティーと、中国文化と伝統の知恵を継承する字典の要素を結びつけイメージ作りを行った。

 また、昨年9月に越境ECのTモール国際への出店で中国進出した「フェンティ ビューティ バイ リアーナ(FENTY BEAUTY BY RIHANNA以下、フェンティ ビューティ)」は今年5月、若者に人気のティースタンド「喜茶(HEYTEA)」とのコラボ製品を発売。「フェンティ ビューティ」は既にハイライトなど人気製品も一部あったが、ブランドとしての人気は同価格帯の海外ブランドに劣る。また価格帯も高く、よりブランド認知を広げる必要があった。そこでこのコラボを発表すると瞬く間に話題となり、ウェイボーのホットリストにも登場した。

アニメ、ゲーム、コミックとのコラボ

 「M・A・C」と中国の人気ゲーム「ストライク オブ キングス(STRIKE OF KINGS、王者荣耀)」のコラボコレクション「M・A・C アーナー オブ キングス」は、そういった若者の心を反映している。元々ネットユーザーの間ではキャラクターのイメージに近い既製品を探すのが人気で、製品はその流れを汲む形で作られた。リップカラーはゲームの登場人物の性格や物語、イメージを反映しており、ゲームファンの評判もよく、大きく拡散された。

 また、今年公開になったディズニー映画「ムーラン」関連の製品も多数発売された。主人公のムーランは中国の伝説の女性をモデルとしており、その勇ましい姿から人気が高い。中国スキンケアブランド「三草両木」はこの国民的IPとコラボすることで全ての自立した女性に敬意を表し、“現代のムーラン”の肌を守るというメッセージを発信している。

 中国コスメ「カラーキー(COLORKEY)」も、ムーランとのコラボ製品を販売した。アイテムにはムーランが持つ国への忠誠心、勇気、誠実さという精神的な象徴をそのままデザインしている。さらにブランドアンバサダーの蔣一僑にムーランのイメージメイクを施したビジュアルを公開。消費者向けには画像加工アプリ「フェイスユー(FaceU、激萌)」で、手軽にムーランのイメージメイクを楽しめるフィルターを配布し、話題と拡散を狙った。

 これらのコラボは話題を生んだ成功例だが、うまくいかなかったコラボ製品との違いは何か。中国ではコラボは「1 + 1 > 2」だといわれている。コラボとは単純に「2」にするために行うものではなく、相互のシナジーを生むことで「2」以上の成果を得るものという意味だ。そのためには、流行りやIPの人気だけでなく、よりブランド価値を消費者に理解してもらうためのコラボ相手を見つけ、またそのコラボ意図を明確化することが重要だ。

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若手スタイリストが惚れる新生「ボッテガ・ヴェネタ」の魅力 濱本愛弓 編

 「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」はこのほど、表参道に新たなフラッグシップをプレオープンした。クリエイティブ・ディレクターのダニエル・リー(Daniel Lee)が監修する同店は、ブランドが築き上げてきたものを受け継ぎながら、新しいコンセプトを取り入れたフレッシュな空間になっている。オープン直後、ダニエルが手掛ける「ボッテガ・ヴェネタ」のファンの1人であり、若手スタイリストとして注目を集める濱本愛弓が来店した。

 濱本は仙波レナに師事し、2018年に独立した。モード誌でのスタイリングに加え、自身がモデルとなって撮影を行ったり、商品をプロデュースしたりと、スタイリストの枠にはまらない活動を見せている。「ダニエルの絶妙な色彩感覚に注目している」と話す濱本に表参道店で自由にコーディネートを組んでもらった。

スタイリスト濱本愛弓が選ぶ
「ボッテガ・ヴェネタ」

 ファーストルックはキャメルのコートと、パープルのブラウスにフリンジのスカートを重ねた。「フリンジのアイテムは個人的にも好きなアイテム。さまざまなファッションブランドで経験を積んだ、ダニエルのバックグラウンドが反映されていると思いました。ストーンをちりばめて上品に仕上げるところがさすがの落とし込みです。コートは計算されたラインで美しく構築的ですてきだったので選びました」。胸元にはゴールドのネックレスを合わせた。「大ぶりのゴールドはチープに見えてしまうこともありますが、ダニエルの出すゴールドはとても上品。アクセサリーだけでなく、小物やバッグの装飾としても大胆にあしらわれているので、毎シーズンチェックしています」。

 セカンドルックは表参道店限定色の“ザ・パドル” ブーツにロングドレスを合わせ、ゴールドのメタルを施したホワイトのバッグをアクセントに加えた。「エレガントなドレープで体のラインを強調するシルエットのドレスに、コロンとした可愛らしいシルエットが特徴のブーツを合わせてみました。普段の私のスタイリングではアクセサリーをたくさんつけるのですが、今回はドレスのきれいなラインを生かしたくてあえてつけませんでした。『ボッテガ・ヴェネタ』を通して新しい自分を発見できた気がします」。

色彩豊かな大理石を敷き詰めた
表参道のフラッグシップ

 店内は自然光が入る開放的な空間で、床には色彩豊かな大理石を敷き詰めた。ブランドのアイコニックな“イントレチャート”のデザインのソファがブランドの世界観を演出する。「入り口のドアノブのデザインから、入店する際から気持ちを高揚させる工夫がされているなと思いました。デザイン性の高い鉢植えやユニークな形の鏡など、店内はモダンとアートの要素が混ざっていてちょっとした美術館のような雰囲気を感じます。私も今後はスタイリストの枠にとらわれず、活動の幅を広げたいと思っています。これまで培ってきた色彩感覚を生かして、将来的には空間の提案なども行っていきたいと考えています」。現在同店は1階のみの営業だが、来春には2階と3階も開かれグランドオープンする。

 同店では“ザ・パドル” ブーツから表参道店限定色の“デューン”を販売する。そのほか限定アイテムとして“キャンピング”カラーのトートバッグ、同じく“キャンピング”カラーのキルティングナッパのサンダルをそろえる。

INFORMATION
BOTTEGA VENETA OMOTESANDO FLAGSHIP

住所:東京都渋谷区神宮前5-1-5
営業時間:11:00~20:00
電話番号:03-5962-7630

PHOTOS(MODEL):MAYUMI HOSOKURA

問い合わせ先
ボッテガ・ヴェネタ ジャパン
0120-60-1966

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ティックトックだけではない 中国でホットな動画アプリ

 何かと話題のティックトック(TikTok)が中国発のアプリであることは広く知られているが、中国にはそのほかにもさまざまな動画アプリがある。

 中国インターネットネットワーク情報センター(CNNIC)の「中国インターネット開発状況に関する統計報告」によると、 今年6月時点で中国のオンラインビデオ(短時間動画を含む)のユーザー数は8億8800万人に達した。これは全体の94.5%を占めており、ネットを利用する大半の人が動画から情報を得ているということになる。

 国民のライフスタイルに密接する動画は、ファッションや化粧品業界にとっても欠かせない。中でも知っておくべき動画アプリやプラットフォームを活用事例とともに紹介する。

抖音(Douyin、ドウイン)

 抖音はティックトックを運営する中国バイトダンスが、中国向けに展開するアプリだ。見た目はティックトックそっくりの短時間動画アプリだが、実際には別アプリで、中国アカウントでなければダウンロードすることもできない。

 中国のインターネットデータ分析を行うクエストモバイル(QuestMobile)によると、新型コロナ禍の今年3月には月間アクティブユーザー数(Monthly Active Users、MAU)が5億を超えた。若年層に加えて30歳以上のユーザーも多く、60歳を超えた中高年世代ユーザーも増えている。芸能人や企業、KOL(Key Opinion Leader、中国のインフルエンサーのこと)が発信する高品質な動画が多いのも特徴だ。またアプリには抖音小店というEC機能があり、商品や外部ECへのリンクを貼ったライブコマースを行うことができる。

 抖音の活用事例として、中国コスメ「完美日記(PERFECT DIARY)」が新作のアイシャドウパレットを販売する際、短時間動画の配信とライブコマースを行った。まず短時間動画では新しいアイパレットを紹介するため、コロナ禍で定番になったマスク着用時のための“マスクメイク”紹介動画を制作し、役立つ情報を得られるコンテンツとしてユーザーの興味を引いた。ライブコマースでは8人のスターを招き、抖音で芸能人コンテンツを視聴するファンを呼び寄せた。短時間動画とライブコマースを組み合わせることで、商品の認知獲得から購買促進までをひとつのアプリで行っている。

快手(Kuaishou、クアイショウ)

 快手は抖音に近い短時間動画アプリだ。抖音と異なるのはユーザー層で、人口の多い内陸部(3〜5線都市、または3~5級都市)のユーザーが多い。特徴としては、ユーザー発信のコンテンツが多く、エンゲージメントが高いことを売りにしている。一般人の口コミやライフスタイルの共有が盛んだ。また抖音と同じく快手小店というEC機能を持ち、外部ECとの連携が可能なライブコマース機能もある。

 中国スキンケアブランドの「韓束(KANS)」が販売する“金剛侠マスク”は、ゴールドと炭を用いたフェイスマスクとして人気が高い。その一因に、“短時間動画映え”する見た目がある。マスクは着けると蜂の巣状のゴールド模様が現れ、誰が動画を撮っても興味深く目を引くコンテンツになる。KOLから一般人まで多くの人が着用動画をアップしており、ブランド認知の向上に役立っている。

ビリビリ(Bilibili)

 ビリビリは2009年にスタートした動画共有サイトで、日本のニコニコ動画に近いサービスだ。視聴者のコメントが動画の上を流れる“弾幕コメント”機能があり、参加型のサイトとなっている。特筆すべきは、ユーザーの8割が11〜30歳と若者が多いこと。そのため、若者にリーチしたい企業から注目されている。

 元々アニメ、コミック、ゲーム(ACG)などのサブカルチャーがコンテンツの大多数を占めていたが、現在は美容やファッションなどライフスタイルコンテンツも徐々に増えている。ほかのプラットフォームと比べて長めの動画(3〜10分程)を投稿するため、より専門的知識を持つ人や、ビューティテクニックのある投稿者が多い。

 企業はKOLとコラボして発信したり、生放送で視聴者とのコミュニケーションを図ったりしている。またドラマ仕立ての動画を配信して娯楽を提供しつつブランド理解を深めてもらうケースも多く、中国スキンケアブランド「自然堂(CHANDO)」はロリータやコスプレイヤーが登場する動画「支流大学」を、「ロレアル パリ(LOREAL PARIS)」は15分弱にもなる芸能人出演の短編ドラマ「時光魔暦」を配信している。

ライブコマース

 新型コロナ禍でライブコマースはさらに人びとの身近な存在になった。中国・iiメディアコンサルティングの調査によると、中国ライブコマースの市場規模は年内に9610億元(約14兆4150億円)に達し、中国の小売総額の約8.7%を占める見通しだ。

 ライブコマースは商品を売るための配信ではあるが、ブランドの認知を拡大し、理解を深めるという効果もある。最近では芸能人をゲスト起用する配信も多く、独身の日(W11)の販売期間にもさまざまな出演者が登場。中国トップのライブ配信者、薇婭(Viya)の放送には人気女優アンジェラベイビー(Angelababy)が出演。また“口紅王子”として知られる人気ライブ配信者、李佳琦(Austin)の配信にはコスメブランド「レッドアース(RED EARTH)」のアンバサダーで女優の舒淇(スー・チー)が出演した。

 さまざまな娯楽要素をライブコマースにプラスすることで、消費者は賢く買う以外の目的で視聴し、より広く拡散されるようになった。

 このほか、短時間動画にはタオバオ(淘宝)の店舗SNS機能、微淘(Weitao、ウェイタオ)やSNSアプリのRED(小紅書、Xiaohongshu、シャオホンシュ―)、ウェイボー(微博)、ウィーチャット(微信)などさまざまなアプリで動画発信が可能だ。

 情報過多な中国では、品質が成熟し娯楽性や情報性に優れた動画コンテンツは、消費者をよりひきつけるために不可欠な存在となっている。

 

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カスタマイズサービスで「ユアジャパン」が選ばれる理由

 英・ロンドン発「ユアライブ」は、ユーザーがタッチパネルディスプレイで自由にカスタマイズしたデザインを、プリントや刺しゅうでTシャツ、トートバッグ、キャップなどにその場でライブプリントし、提供するサービスだ。2013年に英国のユアストア社がサービスを開始し、日本のほか米ニューヨークやロサンゼルス、韓国、香港にも支社を持つ。日本法人のユアジャパンは2017年から「ヴォーグ(VOGUE)」とのコラボレーションを皮切りにファッション、ビューティ、エンタテインメント分野へ裾野を広げている。

「自分だけの1着」を
その場で届ける

 同社のカスタマイズサービスは、専用アプリを搭載するタッチパネル式のモニターで行う。直感的な操作で誰でも簡単にデザインできるのが特徴で、アパレルで最も導入事例が多いTシャツであれば好みのカラー、グラフィックやレタリングを選択・配置し、自分だけの一着を作ることができる。
 
 アーティストのライブやレセプション、ポップアップストアなどにモニターをプリンター機とともに導入する事例も多く、デザイン決定から数分でTシャツにプリントをアウトプットし、その場で手渡しが可能だ。会員や顧客などに向けた特別なサービスとして、差別化している企業もある。「デザインを自分で作れて、しかもそのTシャツがその場で手に入るという、2度の感動を感じていただけるサービスはほかにない」と由羽弘明ユアジャパンCEOは胸を張る。モニターのみを設置しているアパレルの店舗などでも、ユアジャパンは親会社コネクトインターナショナルがオンデマンドプリントの製造工場・配送網を抱えているため、注文から1〜2週間ほどの短納期で客のもとへ届けることができる。 グローバルではすでにユアライブのサービスの活用が大きな成果につながっている事例もあり、「ポロ ラルフローレン(POLO RALPH LAUREN)」は定番のポロシャツのカスタマイズ商品が大きな収益源の一つになっている。

消費者の生の声を元に
ブラッシュアップ

 リアルイベントから事業を始め、消費者と直接接点を持ってきたユアジャパンは、BtoBサービサーでありながらその先を見据えた「顧客体験」に何より重きを置く。「大物アーティストのドームツアーに付いて全国を行脚したこともあれば、ゴルフイベントで大雨の中ライブプリントをしたこともある。お客さまの生の声を第一にブラッシュアップを重ねてきた僕たちのカスタマイズのシステムやプリントの品質は、他に負けないという自負がある」(鈴木由洋ユアジャパンCOO)。サービスは本国のひな形を元に、クライアントに応じて柔軟にアレンジし納品する。そのため、クライアントのブランドイメージ、顧客特性などをコンサルティングした上での最適なサービス設計も重要なポイントだ。たとえば、一年以上をかけて作り上げ、11月に渋谷パルコに導入する「ポケモンデザインラボ」のTシャツのカスタマイズサービスは、151匹という膨大なキャラクターとデザインの組み合わせをストレスなく選べる仕組みづくりに腐心した。「ファンは小さいお子さまから年配のお客さままで幅広い。お客さまがどこまでのカスタマイズ性を求めているか、どこに楽しさのツボがあるかを考え、設計の最適解を導き出していった」。

ECでのカスタマイズサービスを
拡大

 コロナ禍で消費者の価値観や消費行動が急激に変化しているが、「小売業の多くが存在意義が見直しを迫られる中、低リスクかつサステナブルなオンデマンドビジネスに活路がある」(由羽CEO)とみる。今後注力するのが、EC上でのカスタマイズサービスの拡大だ。「カスタマイズサービスはこれまで、あくまで“プラスアルファ”のサービスとして捉えられてきたが、いよいよ既製品と同列で語られる時代がくる。僕らはその先駆者として成果を出し、カスタマイズサービスの存在感を高める役割の一旦を担うとともに、世界を視野に事業を拡大していきたい」。

問い合わせ先
YR Japan
03-5778-9854

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40代ショップオーナーと20代ユーチューバーが語る「古着」の現在地点

 東京・高円寺と吉祥寺に古着店「サファリ」を6店舗経営する村山佳人フォーリーフ社長と、古着系ユーチューバーのゆーみん&きうてぃ。世代も立場も異なる3人に、「古着」を取り巻く環境の変化や未来について聞いた。

WWD:コロナショックを受けて世の中がさまざまに変化した。その中にあって古着は今、逆境にある?それともピンチをチャンスに変えられている?

村山佳人フォーリーフ社長(以下、村山):“古着”とひと口に言っても、現在ではかなり広義な意味を持つと思う。菅田将暉さんやりゅうちぇるさんがけん引した古着スタイルは、ファストファッションの同質化に飽きた10~20代の若年層を引き付け、下北沢を中心に原宿や三軒茶屋などでバブルともいえる状態を生み出した。やはり若者は手軽に、つまり安価に個性を主張したいのだと思う。下北沢では、すでにコロナ以前の売り上げをクリアしていると聞く。僕ら40代が彼らくらいだった時の、つまりファストファッション前夜の“安い服といえば古着しかなかった”時の感覚に戻っているのかもしれない。一方で、ビンテージを頂点とするアメリカ古着は“オジサン化”してしまっている。もちろん、そこにゆるぎない信念を持つ層は一定数いて、日本人が少しずつ研究・開発してグローバルスタンダード化した体系を引き続き礼賛する動きもある。要するに二極化しており、後者にとってはここが正念場だとも思っている。だからサファリはランチェスター経営を目指している。とにかく質にこだわり、一番店でありたい。

WWD:20代のゆーみん&きうてぃの意見は?

きうてぃ:僕の入り口がまさに、菅田将暉さんやりゅうちぇるさん的“なんちゃって古着”だった。それから現行品(ブランド物)を通って、現在は“オーセンティック古着”が楽しい。それをユーチューブを通して視聴者に伝えている。好きだから市場として活性化してほしいし、おこがましいがその啓蒙活動をしているつもりだ。

WWD:視聴者は同世代が多い?

ゆーみん:25~35歳が25%ほどで中心だが、10代もいるし50代もいる。われわれ20代にとってなんちゃって古着も流行であり、SNS等に影響されてその波に乗った人は多い。ただ若年層のサイクルは早く、火の付いたものが廃れるのもあっという間。しかし上っ面を流れていくだけはつまらないし、皆トレンドを追いかけることに疲れていると感じる。だから、ユーチューブでオーセンティック古着の魅力を伝える活動を始めた。オーセンティック古着にはメンズ服の基礎が詰まっているので。

WWD:ユーチューブの視聴者からリクエストが届くことも多い?

きうてぃ:僕らのもとに届くのはミリタリーを求める声。「ナイジェル・ケーボン(NIGEL CABOURN)」や「コモリ(COMOLI)」の影響もあると思うが、決定的なのはなんちゃって古着にはミリタリーがない(少ない)ということかと。

WWD:彼らのような若者の存在は、サファリにとっても応援団なのでは?

村山:その通りで、アメリカンビンテージをモチーフにしたメンズファッション誌「フリーアンドイージー(FREE & EASY)」(イースト・コミュニケーションズ)が休刊した時は、“さぁ、これからどう市場を維持してこう?”と悩んだ。ゆーみん&きうてぃの専門はヨーロッパ古着だが、きうてぃの働く「アンコール」は高円寺におけるUK古着の先駆的ショップで、正直、最初は“高円寺で英国物は無理なのでは?”と思ったが今や行列店に成長している。これからはアメリカではなく、英国をはじめとするヨーロッパなのだろうと感じた。

WWD:ヨーロッパ物の追い風は感じる?

ゆーみん:僕らのチャンネルが跳ねたきっかけはフランス軍のカーゴパンツ“M-47”の解説動画だったのだが、これが今やバブル状態で価格も高騰。4万~5万円が中心で、サイズがよければ7万円で売買されている。

村山:僕ら世代の感覚では8000円なので、ものすごい値上がり率だ!

ゆーみん:ジャンルではなく、アイテム単位で火が付くのが若年層の特徴だと思う。オーセンティック古着の価値が認められることはうれしいが、それは点でしかないから危険だ。一方で、単純に“知らない”ことの裏返しだとも思う。だから僕らがもっともっとがんばらなくては。

きうてぃ:チャンネルを運営していて、視聴者の古着感が変わってきていると感じる。皆がミーハーでいてくれたから盛り上がったことは事実だが、最近は“もっと深い情報を知りたい”というコメントも届くようになり、内心“やった!”と思っている。

WWD:かたや古着の体系化が進み、ビンテージが投資対象となっている一面もある。

村山:残念ながら、指摘の通りだ。「リーバイス(LEVI'S)」「ロレックス(ROLEX)」「ゴローズ(GORO'S)」がサファリの人気トップ3で、古着店としてはやはり好きな人に買ってほしいが、そうも言っていられない状況になっている。もちろん、これもビジネスなのだが……。

WWD:自粛期間中、総じてアパレルECは伸長した。古着は?

村山:サファリでも4月にEC制作サービスのベイス(BASE)を導入した。まさに救世主的活躍で、それまでEC化率はほぼゼロだったが、6~7月の売り上げの6~7割を占めるまでに急成長した。

きうてぃ:僕の働いている「ミリタリア」や「アンコール」でもベイスを始めた。緊急事態宣言を受けて実店舗を約2カ月閉めたが、その間の売り上げを維持することができた。

ゆーみん:僕が運営する古着EC「フロムアンティーク」も、19年の売り上げがまだ小さかったこともあるが、3~6月は前年同期比をクリアできた。当然、ユーチューブの影響が大きい。

村山:古着というジャンルは案外、コロナのダメージを受けていないのだと思う。少なくとも古着店が閉店したという話を現時点で聞いていない。

WWD:それはベイスやユーチューブなどデジタルツールで、実店舗休業中も顧客とつながり続けられたことが一因?

きうてぃ:そうだと思う。それに、これは古着ファンとして意見だが、ひいきのショップが大変な時に応援したいという気持ちもある。続けてほしいから、それが消費行動につながったのでは?

WWD:サファリは今後もデジタル化を進める?

村山:そう考えている。それこそユーチューブを始めようかと(笑)。

ゆーみん&きうてぃ:ぜひ!

村山:古着の持ち込み客はもちろん新客を増やしたくて、そのためには認知拡大が必要。だからこそのユーチューブだ。

 「WWDJAPAN.com」では近日、3人の“今、気になるアイテム”や“プロが教える値上がり必至のアイテム”について紹介する動画もアップ予定なので、そちらも楽しみにしてほしい。

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“色の魔術師”セルジュ・ルタンスに登場の新作2種は「官能的」と「魅惑的」な香り

 フランスの“知性・哲人”と称され、メイクアップやヘア、フレグランス 、写真、映像とさまざまな分野でマルチに活躍するクリエイターのセルジュ・ルタンス(Serge Lutens)。自身の名を冠したブランド「セルジュ・ルタンス(SERGE LUTENS)」のフレグランスコレクションから、待望の新作2種が仲間入りする。11月11日から銀座店で先行販売し、21日に他店舗およびECサイトで発売する。

ナイトジャスミンが放つ
濃厚で官能的な香り

 20種のユニセックスの香りをそろえる「コレクションノワール」の新作“フィスドゥジョワ”(50mL、1万3000円/100mL、2万円)の名は“娼婦”を意味するフランス語「フィーユドゥジョワ」にかけ、意訳すると“喜びの申し子”に値する。

 「美の中には、絶望がある。自らを犠牲に喜びを与える。堰を切ったように溢れ出す高笑い。過去の痛みを孕む狂気こそが、奇妙なことに神秘性を深めてゆく。私は『喜びの申し子だ』!親しみと刺激が尾を引くかぐわしさ。お忘れなきように。美しさの底にあるものを、暴いてはいけない」──

 仏小説家のジャン・ジュネ(Jean Genet)の言葉に自身を重ねながら作り上げたフレグランス は、夜に激しく強い芳香を放つナイトジャスミンを主役に、イランイランやムスクが包み込むような濃厚で官能的な香り。親しみやすく温かみがあるとともに感情を揺さぶられる刺激的な印象を残す。ルビーレッドのジュースはブランド誕生20周年を記念したアラビア模様のボトルに包まれて登場。

儚い美しさと強さをイメージ

 プレミアムライン「グラットシエル」からは、新作“ぺリルーズマンヴォートル”(100mL、3万2000円)が誕生 。“危ういあなたへ”を意味し、儚さの中にある強い意志や壮麗な生き方を賛美する香りだ。沈香(ウード)やダマスクローズオイル、アトラスシダーとセルジュ・ルタンスが愛してやまないノートをブレンドしている。

 「運命のいたずらが、ときにわれわれを過酷な状況に放り込む。大海に削られた断崖、眩暈の縁で。私を形づくる、過去の全てを手放すのか。その先で待ち受けるものに身を委ねるのか。行く手を見失ったとて、薔薇は自分を偽らない。沈香はあらゆるものを打ち砕く」──

 バレエダンサーの儚くも気高い姿と、香りのイメージを重ね合わせたビジュアル。優美な姿の中にある強い意志。このコントラストを描いた香りの主旋律は、気高さの象徴でもある沈香だ。また華やかなローズとウッディーなシダーなどを重ね奥深い香りを表現している。

“色の魔術師”と呼ばれる
セルジュ・ルタンスとは

 フランス文化芸術勲章コマンドゥールを受勲しているセルジュ・ルタンスは、マルチクリエイターとして数々の映画や写真、メゾンのメイクアップやフレグランスなどを手掛けてきた。1942年にフランス北部のリールで生まれたルタンスはもともとヘアスタイリストとして活躍し、そこから化粧品や写真にも興味を持ち始める。その後仏「ヴォーグ(VOGUE)」で手掛けた数々のビジュアル作品が時代をリードし、67年に「ディオール(DIOR)」のメイクアップラインをプロデュース。クリスチャン・ディオール(Christian Dior)本人からの依頼でアートディレクターに就任し、カラーやイメージ全てを手掛け、ブランドの礎を築いた。

 80年には資生堂のアートディレクターに就任した。グローバルイメージを担い、ビジュアルやメイクアップ、フレグランスなどを手掛け、中でも山口小夜子を起用したビジュアルは一世風靡となる。2000年には自身の名を冠したブランドを設立。現在フレグランスとメイクアップをそろえ世界中にファンを持つ。また、1968年に初めて訪れたモロッコに心を奪われ、以降マラケシュに在住。マラケシュの自然やアラビア文化のほか、資生堂の仕事をきっかけに出合った日本、母国のフランスことにパリはクリエイションのインスピレーションの源になっている。

 なお、2018年11月にオープンした銀座店はオープン2周年を迎えた。店内には日本の漆や金箔、折り紙をほうふつとさせるデザインに、アラビア文様などがあしらわれており、ルタンスの世界観を表現している。

INFORMATION
■セルジュ・ルタンス 銀座

住所:東京都中央区銀座5-9-15 B1F
営業時間:11:00〜19:00 不定休
電話番号:03-5537-7813

問い合わせ先
セルジュ・ルタンス 銀座
03-5537-7813

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「イルミナカラー」がイメージキャラにバーチャルヒューマン「Ria」を起用  髪色を変える楽しさを新たな切り口で表現

 ウエラ プロフェッショナル(WELLA PROFESSIONALS)が展開するヘアサロン専用のヘアカラー剤「イルミナカラー(ILLUMINA COLOR)」は、サロン専売ブランド初の試みとして、イメージモデルにバーチャルヒューマン“Ria”を起用。バーチャルインフルエンサーとして、これまでにない斬新な切り口から、髪色を変える楽しさを多くの人に伝えていく。

 ウエラ プロフェッショナル公式ホームページで“Ria×イルミナカラー”のスペシャルコンテンツを公開したほか、Riaのインスタグラムでは美しいロングヘアに「イルミナカラー」をまとった撮り下ろし写真を順次公開していく。Riaだからこそ表現できる、「イルミナカラー」の新たな魅力に注目だ。

Riaは「イルミナカラー」が持つ
“インスパイア体験”を
共有できる存在

 「イルミナカラー」は、髪のダメージ負担軽減に配慮しながらも、透き通ったようなカラーと柔らかな質感を演出できることで人気の革新的なカラー剤。赤みが出やすい日本人の髪でも、シアーで透明感のある色みを表現できる点が最大の特徴で、トレンドをけん引する美容師たちが次々とSNSで“イルミナ使ってみた”動画を投稿。ヘアカラートレンドにおける“寒色ブーム”や、“透明感カラー”“外国人カラー”などのブームをインスパイアした。

 今回Riaをイメージモデルに起用した理由について、ブランド担当者は「ウエラ プロフェッショナルとして一番大事にしていることは、“インスパイア”というキーワードで、常にスタイリストやお客さまに刺激を与え、ワクワクするような体験を届けること。『イルミナカラー』はダメージ負担の軽減、透明感、発色の観点でそうした体験をお客さまに届けられるブランドであり、それを一緒に表現してもらえるパートナーとしてRiaさんに注目した。 彼女の持つキャラクターは、『イルミナカラー』の持つベネフィットを体現でき、世の中に対してトレンドや刺激を与えてくれる存在だと考えている」と話す。

「イルミナカラー」の
透明感を体現する代表的な3ルック

 現在、ウエラ プロフェッショナルの公式ホームページで、イメージモデルに起用されたきっかけをRia本人が語るインタビューを公開中。またRiaのインスタグラムでは、普段は艶やかな黒髪が印象的な彼女の、いつもとは違った姿を順次披露していく。

 ここでは、「イルミナカラー」の持つ透明感を体現する代表的な3色を紹介。冬の凛とした空気感と柔らかい光で、一層の透明感と柔らかな質感を楽しめるビジュアルになっている。単色だからこそよりシンプルに表現できる、色の世界観に注目だ。

今後はテーマに沿って
新たな6色にもチャレンジ

 Riaは、個性的なムードとミステリアスな雰囲気がアジア諸国で支持を得ているバーチャルモデル。2019年にインスタグラムを開設し、現代社会やそこに生きる人々の感情に寄り添ったライフスタイルを発信している。2020年11月現在、フォロワー数は3万を超える
 
 デジタルカラーチャートに代表される、ウエラ プロフェッショナルが持つカラーシミュレーションのテクノロジーと、“共感性デジタルアイコン”である彼女の表現力とを掛け合わせ、今後はテーマに沿って新たな6色にもチャレンジし表現していく予定だ。

問い合わせ先
ウエラお客様相談室
0120-411-524

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「イルミナカラー」がイメージキャラにバーチャルヒューマン「Ria」を起用  髪色を変える楽しさを新たな切り口で表現

 ウエラ プロフェッショナル(WELLA PROFESSIONALS)が展開するヘアサロン専用のヘアカラー剤「イルミナカラー(ILLUMINA COLOR)」は、サロン専売ブランド初の試みとして、イメージモデルにバーチャルヒューマン“Ria”を起用。バーチャルインフルエンサーとして、これまでにない斬新な切り口から、髪色を変える楽しさを多くの人に伝えていく。

 ウエラ プロフェッショナル公式ホームページで“Ria×イルミナカラー”のスペシャルコンテンツを公開したほか、Riaのインスタグラムでは美しいロングヘアに「イルミナカラー」をまとった撮り下ろし写真を順次公開していく。Riaだからこそ表現できる、「イルミナカラー」の新たな魅力に注目だ。

Riaは「イルミナカラー」が持つ
“インスパイア体験”を
共有できる存在

 「イルミナカラー」は、髪のダメージ負担軽減に配慮しながらも、透き通ったようなカラーと柔らかな質感を演出できることで人気の革新的なカラー剤。赤みが出やすい日本人の髪でも、シアーで透明感のある色みを表現できる点が最大の特徴で、トレンドをけん引する美容師たちが次々とSNSで“イルミナ使ってみた”動画を投稿。ヘアカラートレンドにおける“寒色ブーム”や、“透明感カラー”“外国人カラー”などのブームをインスパイアした。

 今回Riaをイメージモデルに起用した理由について、ブランド担当者は「ウエラ プロフェッショナルとして一番大事にしていることは、“インスパイア”というキーワードで、常にスタイリストやお客さまに刺激を与え、ワクワクするような体験を届けること。『イルミナカラー』はダメージ負担の軽減、透明感、発色の観点でそうした体験をお客さまに届けられるブランドであり、それを一緒に表現してもらえるパートナーとしてRiaさんに注目した。 彼女の持つキャラクターは、『イルミナカラー』の持つベネフィットを体現でき、世の中に対してトレンドや刺激を与えてくれる存在だと考えている」と話す。

「イルミナカラー」の
透明感を体現する代表的な3ルック

 現在、ウエラ プロフェッショナルの公式ホームページで、イメージモデルに起用されたきっかけをRia本人が語るインタビューを公開中。またRiaのインスタグラムでは、普段は艶やかな黒髪が印象的な彼女の、いつもとは違った姿を順次披露していく。

 ここでは、「イルミナカラー」の持つ透明感を体現する代表的な3色を紹介。冬の凛とした空気感と柔らかい光で、一層の透明感と柔らかな質感を楽しめるビジュアルになっている。単色だからこそよりシンプルに表現できる、色の世界観に注目だ。

今後はテーマに沿って
新たな6色にもチャレンジ

 Riaは、個性的なムードとミステリアスな雰囲気がアジア諸国で支持を得ているバーチャルモデル。2019年にインスタグラムを開設し、現代社会やそこに生きる人々の感情に寄り添ったライフスタイルを発信している。2020年11月現在、フォロワー数は3万を超える
 
 デジタルカラーチャートに代表される、ウエラ プロフェッショナルが持つカラーシミュレーションのテクノロジーと、“共感性デジタルアイコン”である彼女の表現力とを掛け合わせ、今後はテーマに沿って新たな6色にもチャレンジし表現していく予定だ。

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ウエラお客様相談室
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「グッチ」が7日連続の映画公開で最新コレクション発表 ミケーレの思いは?

 「グッチ(GUCCI)」のクリエイティブ・ディレクターを務めるアレッサンドロ・ミケーレ(Alessandro Michele)は16日、1週間連続で7本のショートフィルムをアップして最新コレクションを紹介するプロジェクト「グッチフェスト(GUCCIFEST)」をスタートした。30年来の憧れという映画監督ガス・ヴァン・サント(Gus Van Sant)を招き、“終わることのない序曲(Ouverture of Something That Never Ended)”と銘打ったムービーとコレクションの発表を続けている。以前のインタビューで、「使い古されたシーズンという業界慣習を捨て去り、私の表現タイミングに近い頻度でショーを開催する。年に2回だけ集うこととし、そこで物語の新たな1章を共有する。それはイレギュラーで喜びにあふれ、完全に自由な1章だ。ルールやジャンルはブレンドされ、新たな空間や言語、コミュニケーションプラットフォームの中で発表する」としていたミケーレの思いとは?日本で唯一招かれた、ガス・ヴァン・サントとのオンライン会見のやりとりは、以下の通り。

今のスタイルの起源は「マイ・プライベート・アイダホ」

Q.なぜ、ガス・ヴァン・サントを選んだのか?

ミケーレ:ガスと働けるなんて、本当に光栄だ。彼の「マイ・プライベート・アイダホ(My Own Private Idaho)」を見たのは、30年以上前。感動した。自分自身が何者なのかをより深く理解できるようにり、以来、Tシャツに茶色のコーデュロイパンツを合わせ、ケープのようにフェイクファーのコートを羽織っている。全ての指に指輪を、両方の手首にバングルをつけるようになったのも、あれ以来だ。

Q.映画で発表する洋服は、どのように映った?

ミケーレ:ランウエイよりずっと自由で、解放されているように思えた。「衣装」とも違う。洋服は映画の中に溶け込み、映画も洋服の中に溶け込んだ。そして、私が思い描くストーリーを余すことなく伝えている。私が重んじている「対話」のツールとして、完璧だ。もしミケランジェロ(イタリアのルネサンス期を代表する彫刻家で画家)が現代に生きていたら、彼は映画監督になっているだろう。映画は、とてもパワフルだ。

ガス:映画に現れる洋服が全て「グッチ」というのは、私には新鮮な経験だった。普段は子役にも3コーディネートを提案し、どれが好きか選んでもらう。だから演者にフィットするんだ。でも「グッチ」の洋服だけでも、それは何も変わらなかった。映画に自然と溶け込んだ。

オンライン会見が開かれたのは、11月13日の昼間(イタリア時間)。ミケーレとガス・ヴァン・サントは、「今日、ようやく作品が完成した」と語った。構想段階は遠隔でのキャッチボールを繰り返したが、撮影はリアル。ローマで、1カ月を費やした。

Q.ファッションショーに比べ、準備は大変だった?

ミケーレ:とても疲れた。でも食事さえ忘れ、夜明けと共に眠りにつく日々は、とっても楽しかった。

ガス:いまだコロナが猛威を振るうローマでの撮影は、決して簡単なものではなかった。(感染の再拡大に伴い)政府の規制は日を追うごとに強くなった。だが状況が厳しくなるにつれ、やり甲斐が増したのも事実。こんな状況下で作品作りを続けることの意味が増したからね。

ミケーレ:これまで洋服は、ファッションショーの直前までに仕上げれば間に合った。でも、今回はそれじゃダメ。(映画の撮影をスタートした)1カ月前には、揃っていなくちゃならない。撮影に1、2年を費やすことさえ珍しくない映画とのコラボレーションは、とっても大変だと痛感した(笑)。でも、挑戦する価値があったと思う。

ガス:ただ振り返れば、大変だったのは皆がPCR検査を受けたことくらいだったかもしれない。撮影期間中、ローマの街は普段よりずっと静かだった。

Q.7つのショートムービーに分けた理由は?

ミケーレ:決して終わることのない「時間」を描いてみたかった。クリエイティビティーは、循環する。決して終わらない。新たなキックオフは、過去の延長戦なのかもしれない。そんな感覚だ。映画では、従来よりもスローな生活を描きたかった。今「ラグジュアリー」なのは、「時間がゆっくり流れること」。急いで飛行機に搭乗するのではなく、自宅でゆっくり一杯の紅茶を楽しむ。そんなイメージだ。
ガス:ありふれた、でも美しい場所での撮影もポイントだね。7つのエピソードは、すべてが美しく繋がっていない。大きな作品の中の、バラバラのエピソードかもしれない。蚤の市みたいな感覚かもしれないね。大きなフェアに、個性的な店が軒を連ねている。

ビョークなら、洋服に「命」を与えられるかも

Q.次のコレクションもムービーを通して発表するとしたら、どんな映画を作りたい?

ミケーレ:難しい質問だ。ハリウッド映画からドキュメンタリーまで、いろんな映画を見ている。母が映画産業に携わっていたからね(編集部注:母親は、イタリアの映画会社でプロデューサーのアシスタントを務めていた)。人生の中で一番泣いたのは、「ダンサー・イン・ザ・ダーク」。ビョーク(Bjork)は、素晴らしいパワーをもたらしてくれるだろう。ファッションにとって必要な力だ。昔は、コスチュームデザイナーになりたかった。今回映画を作って、自分の仕事はデザイナーなのか、コスチューム・デザイナーなのか、曖昧になった。でも、それで良い。私の仕事は、洋服に「命」を与えることだ。

撮影はローマで行われ、俳優兼アーティストのシルヴィア・カルデローニ(Silvia Calderoni)が主役を務めた。ほかにもビリー・アイリッシュ(Billie Eilish)やハリー・スタイルズ(Harry Styles)、スペイン出身の作家であるポール・B・プレシアード(Paul B. Preciado)、美術評論家のアシール・ボニート・オリバ(Achille Bonito Oliva)、アーティストのダリウス・コンサリー(Darius Khonsary)、歌手兼俳優のルハン(鹿晗、Lu Han)、俳優で劇作家のジェレミー・O・ハリス(Jeremy O. Harris)、振付師のサシャ・ヴァルツ(Sasha Waltz)らが出演する。

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「グッチ」が7日連続の映画公開で最新コレクション発表 ミケーレの思いは?

 「グッチ(GUCCI)」のクリエイティブ・ディレクターを務めるアレッサンドロ・ミケーレ(Alessandro Michele)は16日、1週間連続で7本のショートフィルムをアップして最新コレクションを紹介するプロジェクト「グッチフェスト(GUCCIFEST)」をスタートした。30年来の憧れという映画監督ガス・ヴァン・サント(Gus Van Sant)を招き、“終わることのない序曲(Ouverture of Something That Never Ended)”と銘打ったムービーとコレクションの発表を続けている。以前のインタビューで、「使い古されたシーズンという業界慣習を捨て去り、私の表現タイミングに近い頻度でショーを開催する。年に2回だけ集うこととし、そこで物語の新たな1章を共有する。それはイレギュラーで喜びにあふれ、完全に自由な1章だ。ルールやジャンルはブレンドされ、新たな空間や言語、コミュニケーションプラットフォームの中で発表する」としていたミケーレの思いとは?日本で唯一招かれた、ガス・ヴァン・サントとのオンライン会見のやりとりは、以下の通り。

今のスタイルの起源は「マイ・プライベート・アイダホ」

Q.なぜ、ガス・ヴァン・サントを選んだのか?

ミケーレ:ガスと働けるなんて、本当に光栄だ。彼の「マイ・プライベート・アイダホ(My Own Private Idaho)」を見たのは、30年以上前。感動した。自分自身が何者なのかをより深く理解できるようにり、以来、Tシャツに茶色のコーデュロイパンツを合わせ、ケープのようにフェイクファーのコートを羽織っている。全ての指に指輪を、両方の手首にバングルをつけるようになったのも、あれ以来だ。

Q.映画で発表する洋服は、どのように映った?

ミケーレ:ランウエイよりずっと自由で、解放されているように思えた。「衣装」とも違う。洋服は映画の中に溶け込み、映画も洋服の中に溶け込んだ。そして、私が思い描くストーリーを余すことなく伝えている。私が重んじている「対話」のツールとして、完璧だ。もしミケランジェロ(イタリアのルネサンス期を代表する彫刻家で画家)が現代に生きていたら、彼は映画監督になっているだろう。映画は、とてもパワフルだ。

ガス:映画に現れる洋服が全て「グッチ」というのは、私には新鮮な経験だった。普段は子役にも3コーディネートを提案し、どれが好きか選んでもらう。だから演者にフィットするんだ。でも「グッチ」の洋服だけでも、それは何も変わらなかった。映画に自然と溶け込んだ。

オンライン会見が開かれたのは、11月13日の昼間(イタリア時間)。ミケーレとガス・ヴァン・サントは、「今日、ようやく作品が完成した」と語った。構想段階は遠隔でのキャッチボールを繰り返したが、撮影はリアル。ローマで、1カ月を費やした。

Q.ファッションショーに比べ、準備は大変だった?

ミケーレ:とても疲れた。でも食事さえ忘れ、夜明けと共に眠りにつく日々は、とっても楽しかった。

ガス:いまだコロナが猛威を振るうローマでの撮影は、決して簡単なものではなかった。(感染の再拡大に伴い)政府の規制は日を追うごとに強くなった。だが状況が厳しくなるにつれ、やり甲斐が増したのも事実。こんな状況下で作品作りを続けることの意味が増したからね。

ミケーレ:これまで洋服は、ファッションショーの直前までに仕上げれば間に合った。でも、今回はそれじゃダメ。(映画の撮影をスタートした)1カ月前には、揃っていなくちゃならない。撮影に1、2年を費やすことさえ珍しくない映画とのコラボレーションは、とっても大変だと痛感した(笑)。でも、挑戦する価値があったと思う。

ガス:ただ振り返れば、大変だったのは皆がPCR検査を受けたことくらいだったかもしれない。撮影期間中、ローマの街は普段よりずっと静かだった。

Q.7つのショートムービーに分けた理由は?

ミケーレ:決して終わることのない「時間」を描いてみたかった。クリエイティビティーは、循環する。決して終わらない。新たなキックオフは、過去の延長戦なのかもしれない。そんな感覚だ。映画では、従来よりもスローな生活を描きたかった。今「ラグジュアリー」なのは、「時間がゆっくり流れること」。急いで飛行機に搭乗するのではなく、自宅でゆっくり一杯の紅茶を楽しむ。そんなイメージだ。
ガス:ありふれた、でも美しい場所での撮影もポイントだね。7つのエピソードは、すべてが美しく繋がっていない。大きな作品の中の、バラバラのエピソードかもしれない。蚤の市みたいな感覚かもしれないね。大きなフェアに、個性的な店が軒を連ねている。

ビョークなら、洋服に「命」を与えられるかも

Q.次のコレクションもムービーを通して発表するとしたら、どんな映画を作りたい?

ミケーレ:難しい質問だ。ハリウッド映画からドキュメンタリーまで、いろんな映画を見ている。母が映画産業に携わっていたからね(編集部注:母親は、イタリアの映画会社でプロデューサーのアシスタントを務めていた)。人生の中で一番泣いたのは、「ダンサー・イン・ザ・ダーク」。ビョーク(Bjork)は、素晴らしいパワーをもたらしてくれるだろう。ファッションにとって必要な力だ。昔は、コスチュームデザイナーになりたかった。今回映画を作って、自分の仕事はデザイナーなのか、コスチューム・デザイナーなのか、曖昧になった。でも、それで良い。私の仕事は、洋服に「命」を与えることだ。

撮影はローマで行われ、俳優兼アーティストのシルヴィア・カルデローニ(Silvia Calderoni)が主役を務めた。ほかにもビリー・アイリッシュ(Billie Eilish)やハリー・スタイルズ(Harry Styles)、スペイン出身の作家であるポール・B・プレシアード(Paul B. Preciado)、美術評論家のアシール・ボニート・オリバ(Achille Bonito Oliva)、アーティストのダリウス・コンサリー(Darius Khonsary)、歌手兼俳優のルハン(鹿晗、Lu Han)、俳優で劇作家のジェレミー・O・ハリス(Jeremy O. Harris)、振付師のサシャ・ヴァルツ(Sasha Waltz)らが出演する。

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再ロックダウンのパリ、セルフマッサージの人気が高まり日本式「KOBIDO」やフェイスヨガがブームに 海外ビューティ通信パリ編

 世界に目を向けると日本とは異なる美容トレンドが生まれている。そこで、連載「海外ビューティ通信」では、パリやニューヨーク、ソウル、ベルリンの4都市に住む美容通に最新ビューティ事情をリポートしてもらう。(本文中の円換算レート:1ユーロ=122円)

 全土で再びロックダウン(都市封鎖)が実施されているフランスではセルフマッサージに注目が集まっている。特に美容好きのパリジェンヌの間で「KOBIDO」という言葉を頻繁に耳にする。日本人にはあまりなじみのない単語だが、KOBIDOは「古美道」と書き、日本古来より受け継がれてきた美顔道を指す。約540年前から存在し、按摩師の技術を取り入れた48の手技から成るフェイスマッサージのメソッドなのだ。

 そのKOBIDOをフランスで一躍有名にしたのが、フェイシャリストとして活躍するデルフィーヌ・ラングロワーズ(Delphine Langlois)。パラスホテルの高級エステルームで13年働いた後、古美道の26代目家元であり医師でもある望月正吾から数年かけて技術を学び、自身のスタジオを開設。今年、アカデミーを立ち上げた。「KOBIDOのフェイスマッサージは顔筋をつかみ、つまみ、スピーディーに筋肉収縮を働きかけます。リフティングと引き締め効果が高く、エイジングケアの芸術です。アカデミーには日本の技術を学びたいというエステティシャンが既に2000人も登録しているのですよ」とデルフィーヌ。フェイスマッサージに天然石のかっさやフェイスローラーを加えたメニューや、その人の顔の形や悩みに応じてパーソナライズした自宅でできるマッサージ法を伝授する個人レッスンも受けられる。彼女がオリジナルで開発したローズクォーツのフェイスマスクとアイマスクは、肌を鎮静させ目元のクマやくすみを取り除く効果も期待できるという。

 KOBIDOのほかにも、フェイスヨガも注目されている。「フェイスヨガ(YOGA du VISAGE)」の著者シルヴィー・ルフラン(Sylvie Lafranc)は、その名の通りフランスでフェイスヨガを広めるヨガマスターだ。米国のスキンケアブランド「オダシテ(ODACITE)」や、昨年スタイリストのメラニー・ヒューン(Melanie Huynh)が始めたホリスティックビューティブランド「ホリデルミ(HOLIDERMIE)」にも、セミナー講師として度々招待されコラボレーションを行っている。シルヴィーが打ち出すのは約50から構成される顔の筋肉のこりをほぐし、適度なボリュームと硬さを取り戻す、エイジングケアを目的としたフェイスヨガだ。コラーゲンの工場と呼ばれる繊維芽細胞を刺激することで細胞を活性化させ、コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸の消失を防ぐという。シルヴィーは「以前の美容は美しくなるためには苦しみが伴うといわれていましたが、今日のフェイシャルヨガは美しくなるためには幸せである必要があるという逆の発想を提案しています。美と幸福、自己愛は全てつながっています」と言う。

 シルヴィーは最近フランス人がセルフマッサージに興味を持ち始めている現状を、「化粧品が全てではなく、自分でエイジングの予防や癖の改善を行うことは楽しい時間で、既にスキンケアに必要不可欠なステップです。今欧州では再びロックダウンが実施されていますが、エステや美容皮膚科に行くことが困難な時期だからこそ、自分で自分をいたわり自宅でフェイスヨガを行うことは自分の顔と肌を知る良いきっかけとなるでしょう」と語る。

 前出のデルフィーヌも「多くのエイジングケアコスメはもちろん表皮に働きかけますが、ただ化粧品を塗布するだけでは効果が発揮されないことを語っていません。顔の老化は筋肉のたるみ、リンパの滞り、再生力の低下等が原因で、それらは毎日数分のフェイスマッサージによって改善できます」と話す。彼女たちはほぼ毎日インスタライブや個人レッスンを行い、セルフフェイスマッサージやフェイスヨガを伝授している。既に美容業界でも注目の的となり、新しいムーブメントとしてフランス人の心をつかんでいる。

須山佳子(すやま・けいこ)/コンサルタント:2001年に渡仏しMBAを取得。ファッション業界で働き、09年に日本の美容ブランドを欧州市場へ売り込むコンサルティング会社を設立。取引先は欧州の高級百貨店、美容ストア等。パリ市内でポップアップストア「Bijo;」主宰。インスタグラムアカウントは@bijo.paris

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業界最大級のヘア大会「ドリプラ」がオンラインに 「#あつフォト」をキーワードにヘアサロンを盛り上げる

 プロフェッショナルヘアメーカーのナプラは、全国の美容師を対象としたフォトコンテスト“ドリームプラス フォトコンテスト 2020”を開催。10月23日にオンラインで結果発表を行った。これは、同社が毎年日本武道館で開催することで話題となった業界最大級のヘアイベント“ナプラ ドリームプラス”をフォトコンテストに落とし込み、オンラインでの開催としたもの。これまで行っていたヘアショーやコンテストなどのリアルイベントが軒並み中止となる中、今までとは違った手段や考え方を取り入れ、新たな取り組みで業界全体を盛り上げるため“あつまれ みんなのフォトコンテスト”=“#あつフォト”をキーワードにすえて作品の応募を呼び掛けた。

 今回は32歳以下の美容師が参加できるU-32部門と、42歳以下が参加できるU-42部門の2部門を設定し、ともに募集作品のテーマは“攻めナチュラル”。クリエイティブ要素を表現する“攻め”とサロンワークを意味する“ナチュラル”を掛け合わせたテーマで、それを“どのように解釈したか”という視点で作品を見ることもコンテストの楽しみ方の1つだ。業界を代表する著名美容師が名を連ねた豪華な審査員や、グランプリには賞金30万円とネーム入りの記念盾、業界誌への作品掲載と審査員とのコラボ撮影の機会が与えられるなどスペシャルな副賞も話題となり数多くの作品が集まった。以下に審査結果を公開する。

“U-32部門”グランプリは
「シア」の神谷悠太ケアリスト

“U-42部門”グランプリは
「イースタイルコムズヘア」の
西山太介店長

過去最高レベルに
豪華な審査員が集結

 美容師なら誰でも「この人に審査されたい」と思うような著名美容師が、総勢27人も審査に参加したことが今回の“ドリームプラス フォトコンテスト 2020”の大きな魅力の1つ。以下に、いくつかの審査員コメントを紹介する。総評として、U-42部門の審査を担当した宮村浩気「アフロート(AFLOAT)」CEOは「全体的に素晴らしい作品が多かった。ただ私の感覚で“攻めナチュラル”のテーマが“攻め過ぎナチュラル”になっていると感じた作品もあったので、繊細な感性をさらに磨いて、次回もどしどし応募してほしい」とコメント。朝日光輝「サンバレー(SUNVALLEY)」代表は「ヘアーカラーを取り入れた作品が目についた。カラーの力を取り入れることでナチュラルなスタイルの中にも個性が生まれてくるので、個人的に今っぽくて好き」と印象に残った作品について話した。

 U-32部門を担当した河野悌己「ガーデン(GARDEN)」ジェネラルプロデューサーは「作品のクオリティーが全体的に高く、どの審査員も選考に苦労したと思う。その中でも足し算と引き算のバランスが“今っぽく”まとまっている作品や、モデルの個性をうまく表現できていて“ストーリー”を感じさせる作品が受賞作となった」と評価のポイントに関して言及。SAKURA「コクーン(Cocoon)」ディレクターは「色の使い方が巧みな作品や、表現したい女性像や空気感を感じさせる作品が多かった。テーマ性を持ってゴールや見せどころを決めるなど、しっかりと事前準備をしていることが作品から伝わってきた」と作品作りの裏側にまで思いを馳せた。

問い合わせ先
ナプラ
0120-189-720

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機能性×デザイン性でファッション市場へ スノーブーツから始まった「ソレル」

 カナダ発フットウエアブランド「ソレル(SOREL)」は、デザイン性を強化して進化を遂げている。スノーブーツや“シロクマのロゴ”で広く知られてきたが、グローバルではヒール付きのシューズなどが幅広い層の女性たちから人気を得ており、日本市場もその後を追っている。好調の要因と日本の戦略について、ナタリー・ヘイズ=バイスプレジデントに聞いた。

ブランドイメージ刷新で
売り上げ伸長

 「ソレル」は、アイコンのウインターブーツ“カリブー”に代表される、抜群の防寒性や滑りにくいソールのグリップ力で、雪の多い地域やアウトドア好きに支持されてきた。一方で、北米では2000年のコロンビアスポーツウェアによる買収をきっかけに、ブランドイメージを刷新。ウエッジソールのブーツやサンダル、スニーカーなどのカテゴリーを拡充し、10年で約2倍の売り上げ伸長を達成した。

 海外での根強い人気は、スノーブーツ由来の機能性とデザイン性の融合に裏付けされている。長く歩いても疲れにくいクッション性や安定感、防水性などの機能もさることながら、デザイン性も損ねることなくスマートに落とし込んでいるシューズに、「ソレル」の真骨頂が見て取れる。20-21年秋冬は、ブランド史上最軽量270gのスニーカー“キネティック”の新色をはじめ、バリエーション豊かなシューズを展開。タウンユースに昇華した魅力的な商品と共に、感度の高いセレクトショップなどへの販路拡大を目指す。

2020-21 F/W COLLECTION
スノーブーツ由来の“快適さ”を
街中でも!

 波打つシャークソールが特徴的な“キネティック”シリーズから今季、新色スニーカーとスエードブーツが登場した。ボリューミーなソールはクッション性に優れ、美脚効果ももたらしてくれる。さらにヒールとソールの高低差を抑えることで安定感をアップさせたプラットフォームシューズや、中綿効果でダウンジャケットのように暖かなスニーカーなどもラインアップ。「ソレル」の快適さを、日常使いでファッショナブルに実感することができる。

INTERVIEW

“「ソレル」は女性たちに、
どんなときも前進する自信を与えられる”

 「ソレル」の機能性は、全ての商品に組み込まれており、アイコニックな“キネティック”や“ジョアン”シリーズの波打つシャークソールに反映されている。さらに“ケイト”のようなスタイリッシュなブーツも履き心地にこだわり、どんな天候も気にすることなく、会議からパーティーまでの一日を快適に過ごすことが可能だ。

「ソレル」はかつて“ウインターブーツ”と“実用性”の代名詞だったが、今ではファッション性と革新によって、消費者に本当に共感してもらえるコレクションを提供できるようになった。市場でも独自のポジションを確立しており、女性たちが日常生活の中で、どんなときも前進する自信を与えられるような商品をラインアップしている。

ブランドの成長を見守ってくれる卸先は、「ソレル」が年間を通して魅力的な商品を提案できるようになったことを受けて、毎シーズン、新作アイテムを店舗やオンラインで紹介してくれるようになった。2021年に発売予定のスニーカーやブーツ、サンダルなどの新作も、すでにバイヤーやメディアから注目を集めている。今後、音楽や映画業界の著名人の着用が増えていくことで、露出が高まり、より多くの場所で商品を見ていただけるようになるだろう。日本市場にもアメリカの成長に追随する大きなチャンスがある。冬だけではないスタイルの提案や、感度の高いセレクトショップなどへの販路拡大で、多くのお客さまへ商品を訴求できると考えている。日本市場でもポテンシャルを感じてもらえると確信している。

TEXT : ANRI MURAKAMI

問い合わせ先
コロンビアスポーツウェアジャパン
0120-193-803

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ビンテージ古着委託販売の先駆け、高円寺「サファリ」が逆風の中で進んだ19年

 “あそこに行けばなんでもある”――うるさ方のオールドファンにもそう言わしめる古着店が東京・高円寺にある。それが「サファリ」だ。今やその名は海外にも伝わり、世界的ブランドのデザイナーやハリウッドスターが、サファリを目的に来日することもある。にもかかわらず、認知度は局地的だ。理由の最たるものは同店が委託販売店であるから。それゆえ、「WWDジャパン」をはじめ多くのファッション誌がサファリを取り上げることは、なかば“ご法度”とされてきた。しかしここ数年、メルカリなどによる個人間古着売買が日常となり、百貨店が古着店のポップアップイベントを開催、老舗アパレル企業がブランド古着店を傘下に収めるなど環境は激変した。逆風の中で歩んだ19年について、サファリを運営するフォーリーフの村山佳人社長に聞いた。

WWD:簡単にサファリの“自己紹介”をお願いしたい。

村山佳人フォーリーフ社長(以下、村山):2001年、僕が23歳の時に1号店をオープンした。今の1号店とは別の場所で、わずか7坪の店だった。

WWD:サファリといえば委託販売だが、オープン当初からこのスタイルだった?

村山:起業する際に信頼する先輩に相談したところ、「ビンテージを中心とするアメリカ古着は今後、絶対的に玉数(供給量)が減少する。だから安定的に国内で仕入れできる委託販売を選択すべきだ」と言われて決断した。当時の日本が、世界のビンテージ市場の中心地だったことも後ろ盾となった。代々木公園のフリーマーケットには今では博物館級のアイテムが、青空の下でビニールシートの上に並んでいた。

WWD:サファリの売れ筋アイテムは?

村山:「リーバイス(LEVI'S)」をはじめとするビンテージデニムが圧倒的だ。価値がいっそう高まりオーナーが手放さなくなったことで、供給が需要にまったく追い付かなくなった。原宿のベルベルジンなど有名古着店が個人客からの買い取りを始めたこともあり、どう確保するか?が最大の課題となっている。

WWD:古着ディーラーなどプロからの買い付けは現在に至るまで行っていない?

村山:サプライヤーは個人客が100%だ。内訳は委託が6割、買い取りが4割。

WWD:委託販売は想像以上のアレルギー症状を生んだと聞いた。正直、われわれメディアにとっても、サファリは長らくアンタッチャブルな存在だった。

村山:おっしゃる通りで、“ここまで!?”というほどの拒否反応が出た。

WWD:その中で19年間スタイルを貫き、また店舗も増やした。

村山:現在、高円寺にはビンテージ古着の1号店、「ポロ ラルフ ローレン(POLO RALPH LAUREN)」や「ダブル アール エル(DOUBLE RL、RRL)」を扱うアメリカントラッドの2号店、イタリア物なども扱うドレス&革靴の3号店、3号店を増床して少し安価なアイテムを集積した3号店アネックス、アウトドア&ストリートの4号店の5店舗がある。またレギュラー古着を扱う、なない橋店が吉祥寺にある。実は、恵比寿にラグジュアリーブランド専門店を作ったこともあるが、すぐに閉店した。オールジャンルをフォローするのではなく、得意分野の精度を上げるべきと判断したからだ。

WWD:委託販売に対する風向きの変化を感じたのはいつ頃?

村山:3~4年ほど前だろうか。サファリでは委託主に一律、売り上げの85%を還元している。ヤフオク!やメルカリが手数料等を15%ほど取っているので、それを意識した数字でもある。かつてはジャンルやアイテムによって還元率を変えていたが、なるべく委託主に還元したいとの思いから今のシステムに落ち着いた。

WWD:委託主に手厚い理由は?

村山:古着は海外買い付けが主流だが、サファリではそれを一切していない。つまり、売りに来てくれる人がいなければ商売にならない。そのためスマホ用のシステムを開発して、販売状況を逐次分かるようにするなど、委託主の利便性を高めるための投資をしている。“こんなに予算を掛けていいのか?”と開発業者に確認されるほど、町の古着屋としてはがんばっている。

WWD:サファリのモットーを聞きたい。

村山:僕は、スペシャルなヒト・モノ・コトに会いたいからサファリを始めた。良い品を並べれば、良いお客さんが集まる。それは委託主も同じで、皆古着ファンなので、思い入れのある品を預けるなら信頼できる自分のお気に入りの店でとなる。

WWD:委託主を大切にするサファリにとってコロナの影響は?

村山:4~5月は持ち込み客が3割減った。また自粛期間中にデジタルに苦手意識のあった層がスマホでも売買できることに気付き、そちらに流れた。

WWD:サファリのEC化は?

村山:4月にEC制作サービスのベイス(BASE)を導入した。まさに救世主的活躍で、それまでEC化率はほぼゼロだったが、6~7月の売り上げの6~7割を占めるまでに急成長した。

WWD:最後に今後の目標について教えてほしい。

村山:古着の持ち込み客はもちろん、新客を増やしたい。そのためにはいっそうの認知拡大が必要で、そのためにユーチューブなど新たなデジタルツールの活用も考えている。

 ユーチューブへの参入や20代ファンによるバックアップ、ビンテージが投資対象となっていることへの危惧などについては、古着系ユーチューバーのゆーみん&きうてぃとの対談を近日公開予定なので、そちらを楽しみにしてほしい。

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ビンテージ古着委託販売の先駆け、高円寺「サファリ」が逆風の中で進んだ19年

 “あそこに行けばなんでもある”――うるさ方のオールドファンにもそう言わしめる古着店が東京・高円寺にある。それが「サファリ」だ。今やその名は海外にも伝わり、世界的ブランドのデザイナーやハリウッドスターが、サファリを目的に来日することもある。にもかかわらず、認知度は局地的だ。理由の最たるものは同店が委託販売店であるから。それゆえ、「WWDジャパン」をはじめ多くのファッション誌がサファリを取り上げることは、なかば“ご法度”とされてきた。しかしここ数年、メルカリなどによる個人間古着売買が日常となり、百貨店が古着店のポップアップイベントを開催、老舗アパレル企業がブランド古着店を傘下に収めるなど環境は激変した。逆風の中で歩んだ19年について、サファリを運営するフォーリーフの村山佳人社長に聞いた。

WWD:簡単にサファリの“自己紹介”をお願いしたい。

村山佳人フォーリーフ社長(以下、村山):2001年、僕が23歳の時に1号店をオープンした。今の1号店とは別の場所で、わずか7坪の店だった。

WWD:サファリといえば委託販売だが、オープン当初からこのスタイルだった?

村山:起業する際に信頼する先輩に相談したところ、「ビンテージを中心とするアメリカ古着は今後、絶対的に玉数(供給量)が減少する。だから安定的に国内で仕入れできる委託販売を選択すべきだ」と言われて決断した。当時の日本が、世界のビンテージ市場の中心地だったことも後ろ盾となった。代々木公園のフリーマーケットには今では博物館級のアイテムが、青空の下でビニールシートの上に並んでいた。

WWD:サファリの売れ筋アイテムは?

村山:「リーバイス(LEVI'S)」をはじめとするビンテージデニムが圧倒的だ。価値がいっそう高まりオーナーが手放さなくなったことで、供給が需要にまったく追い付かなくなった。原宿のベルベルジンなど有名古着店が個人客からの買い取りを始めたこともあり、どう確保するか?が最大の課題となっている。

WWD:古着ディーラーなどプロからの買い付けは現在に至るまで行っていない?

村山:サプライヤーは個人客が100%だ。内訳は委託が6割、買い取りが4割。

WWD:委託販売は想像以上のアレルギー症状を生んだと聞いた。正直、われわれメディアにとっても、サファリは長らくアンタッチャブルな存在だった。

村山:おっしゃる通りで、“ここまで!?”というほどの拒否反応が出た。

WWD:その中で19年間スタイルを貫き、また店舗も増やした。

村山:現在、高円寺にはビンテージ古着の1号店、「ポロ ラルフ ローレン(POLO RALPH LAUREN)」や「ダブル アール エル(DOUBLE RL、RRL)」を扱うアメリカントラッドの2号店、イタリア物なども扱うドレス&革靴の3号店、3号店を増床して少し安価なアイテムを集積した3号店アネックス、アウトドア&ストリートの4号店の5店舗がある。またレギュラー古着を扱う、なない橋店が吉祥寺にある。実は、恵比寿にラグジュアリーブランド専門店を作ったこともあるが、すぐに閉店した。オールジャンルをフォローするのではなく、得意分野の精度を上げるべきと判断したからだ。

WWD:委託販売に対する風向きの変化を感じたのはいつ頃?

村山:3~4年ほど前だろうか。サファリでは委託主に一律、売り上げの85%を還元している。ヤフオク!やメルカリが手数料等を15%ほど取っているので、それを意識した数字でもある。かつてはジャンルやアイテムによって還元率を変えていたが、なるべく委託主に還元したいとの思いから今のシステムに落ち着いた。

WWD:委託主に手厚い理由は?

村山:古着は海外買い付けが主流だが、サファリではそれを一切していない。つまり、売りに来てくれる人がいなければ商売にならない。そのためスマホ用のシステムを開発して、販売状況を逐次分かるようにするなど、委託主の利便性を高めるための投資をしている。“こんなに予算を掛けていいのか?”と開発業者に確認されるほど、町の古着屋としてはがんばっている。

WWD:サファリのモットーを聞きたい。

村山:僕は、スペシャルなヒト・モノ・コトに会いたいからサファリを始めた。良い品を並べれば、良いお客さんが集まる。それは委託主も同じで、皆古着ファンなので、思い入れのある品を預けるなら信頼できる自分のお気に入りの店でとなる。

WWD:委託主を大切にするサファリにとってコロナの影響は?

村山:4~5月は持ち込み客が3割減った。また自粛期間中にデジタルに苦手意識のあった層がスマホでも売買できることに気付き、そちらに流れた。

WWD:サファリのEC化は?

村山:4月にEC制作サービスのベイス(BASE)を導入した。まさに救世主的活躍で、それまでEC化率はほぼゼロだったが、6~7月の売り上げの6~7割を占めるまでに急成長した。

WWD:最後に今後の目標について教えてほしい。

村山:古着の持ち込み客はもちろん、新客を増やしたい。そのためにはいっそうの認知拡大が必要で、そのためにユーチューブなど新たなデジタルツールの活用も考えている。

 ユーチューブへの参入や20代ファンによるバックアップ、ビンテージが投資対象となっていることへの危惧などについては、古着系ユーチューバーのゆーみん&きうてぃとの対談を近日公開予定なので、そちらを楽しみにしてほしい。

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「今年こそロングブーツが売れる」と言われ続けてはや数年 20-21年秋冬は本当に売れている!

 「今年の冬こそロングブーツが売れる……!」「ロングブーツのトレンドが戻ってくる……!!」。そう言われ続けて(弊紙編集部も言い続けて)はや幾年。毎年、「やっぱり今年もダメだった……」と失意のうちに終わってきたロングブーツが、2020-21年秋冬は本当に復活している。渋谷や原宿などの街を歩いていて、ロングブーツ姿の若い女性を見掛けたという人も少なくないはず。冬が深まるにつれ、街にさらに広がりそうだ。

 原宿で声を掛けた20代の女性は、「H&M」で今年買ったという膝下丈のブーツを、韓国ECで買ったテーラードジャケット、「ザラ(ZARA)」のミニスカートとコーディネート。彼女のように、ミニ丈のスカートやワンピースとロングブーツを合わせるのが王道のスタイルだ。ロングブーツも久々に見るが、ボトムスのトレンドも長いことミディ~ロング丈が続いていたため、ミニスカートやミニワンピースは新鮮。スクエアトウの黒いブーツを履いた20代の女性も、同様にミニ丈のボトムスとブーツを合わせていた。ブーツは 「カスタネ(KASTANE)」で今年購入したという。

 応用編として、スリムパンツをロングブーツにインする着こなしも。美容系の専門学校生だという19歳の女性は、「マウジー(MOUSSY)」のスクエアトウのロングブーツにブラックジーンズの裾をインして、シャープなスタイリングに。彼女たちが履いているような、筒周りの太いゆったりシルエットが主流ではあるものの、ストレッチ素材でぴっちり足に沿うニーハイブーツ姿も街ではちらほら見掛ける。

 店頭からもロングブーツ好調の声は聞こえてくる。シューズとバッグの専門店「ダイアナ(DIANA)」では、「8月からカタログやSNS、店頭でロングブーツを打ち出してきた結果、9月末から少しずつ売れ始め、10月に入り例年を超える売り上げにつながっている。特に35歳以下の若い客層の購入が多い」と広報担当者。1点が爆発的にヒットしているというより、さまざまなデザインが売れているという。「(ミニ丈ボトムスとのコーディネートはもちろん)ロング丈のボトムスと合わせてもさまになるような、ルーズシルエットのブーツ」が売れ筋商品の共通点で、秋口の好調を受けて急遽追加生産を決めた商品もあるという。

 「アプワイザー・リッシェ(APUWEIER-RICHE)」「リランドチュール(RIRANDTURE)」など、20~30代を中心に人気のウィメンズブランドを手掛けるアルページュでも、ロングブーツがヒット中。「ミニ丈のボトムスとブーツという組み合わせだけでなく、ロングスカートとロングブーツのスタイリングも、顧客の間で浸透しつつある」(アプワイザー・リッシェ広報担当者)、「ミニのティアードワンピースとロングブーツの組み合わせが現在店頭で好評。春物でも、まだまだ寒い1月投入分ではミニボトムスとロングブーツのスタイリングを推していく」(リランドチュール広報担当者)という。

 ダイアナによれば、前回ロングブーツが大ヒットしたのは「2000年代前半」までさかのぼる。ここ数年はストリートムードを背景に、冬の足元といえばサイドゴアなどのショートブーツやスニーカーが主流だった。トレンドがストリートからエレガンスに回帰する中で、単価の高いロングブーツ復活への期待は、この1~2年ファッション業界内で特に上昇。19-20年秋冬は「セリーヌ(CELINE)」がロングキュロット×ロングブーツのスタイリングを仕掛けていたこともあって、期待は最高潮レベルにまでに高まっていた。しかし、冒頭でも書いた通りリアルクローズのマーケットでは不発。街では今もショートブーツやスニーカーの着用者の方が多いが、今年、来年とロングブーツが浸透していけば、10年超ぶりのヒットも夢ではないかもしれない。

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#敦子スメ「新月・満月」ノート リフレッシュ&再スタートのタイミングのさそり座新月(11月15日)

 この連載では、新月・満月の流れを最大限に引き出すためのサポートをしてくれるコスメやインナーケアアイテムも紹介していきます。第23回は11月15日の新月とおすすめコスメについてお伝えします。

今回の新月(11月15日)はさそり座

 9、10月は行動の星、火星や連絡・交通・コミュニケーション の星、水星が逆行していた影響もあって、予定が狂ったりなかなかタイミングが合わなかったり、進めようとしていたことにブレーキがかかっていた……なんて人も多いかもしれません。普段が車の流れがスムーズな高速道路だとしたら、この時期は料金所の辺りで渋滞しているような状態。ちょっと立ち止まることで見えてきたものや気がついたこともあるかもしれません。

 世の中でもさまざまな変化や出来事がありましたよね。その逆行が終わって先週からいろんなことが動きはじめてきた、流れを取り戻しスッキリしてきた……なんて人も多いのではないでしょうか。今回はそのモヤモヤゾーンを抜け出してリフレッシュ&再スタートするというタイミングの新月です。2020年はいろいろありましたが、そろそろ1年のまとめの時期でもありますし、来年に向けて気持ちを切り替えたいところ。

 新月の起こるさそり座について少し説明します。さそり座は深い情熱や底力を内に秘めた星座として伝えられています。他者との深い結び付きを好み、相手も自分も変わっていくような“変容”のエネルギーに満ちた星座と言われ、普段表に出す感情は少なく一見静かに見えますが、内面はパワフルで、忍耐力や集中力の高い星座として知られることも。体の部位としては内分泌系やホルモン、生殖器系に関係が深いとされています。そんな今回の新月のテーマは“潤い”。折しも乾燥が気になる時期ですよね。「水の星座」に分類されるさそり座の新月は、体を内側から潤わせるアイテムをご紹介します。

今回の新月コスメ

 「シンプリス(SIMPLISSE)」の“センシュアル ネンマク ケア”は飲むことで口内やデリケートゾーンの潤いをサポートするというサプリメント。栄養豊富なスーパーフードのシーベリーやアグアヘから抽出したオイルなど8種類の成分を厳選し作られているそう。近年エイジングケアやホルモンケアとして「内側の乾燥を補うこと」も注目されています。「なんだか心身の調子がよさそうな人」がヘルシー美人の秘訣。ぜひチェックしてみてください。


 もうひとつは「アムリターラ(AMRITARA)」 の水“オージャス”。水は人間の体をほぼ作り上げている成分といっても過言ではありません。この“オージャス”は名水の郷“大分県日田”の美しい山々に囲まれた地の地下約700mからくみ上げられたミネラル温泉水。みずみずしくすっきりとした味わいが特徴です。普段飲んでいるお水を見直してみることもインナーケアの第一歩かもしれません。


福本敦子(ふくもと・あつこ)/フリーランスPR・美容コラムニスト:コスメキッチンに14年間勤務後、現在はフリーランスPRとして活動するかたわら、ビューティコラムニストとしてイベント、SNSなど多方面で活躍。オーガニックに精通した知識を武器に、ライフスタイルに寄り添った独自のオーガニック美容論が、著名人やエディターをはじめ各方面から大人気。「#敦子スメ」は「読んだ瞬間試したくなる」と多くの反響を呼び、紹介した商品の欠品や完売も多数。2019年秋、初の書籍となる「今より全部良くなりたい 運まで良くするオーガニック美容本 by敦子スメ」を出版。発売前に増刷が決まるなど話題を呼んでいる。旅を愛し、占星術にも精通 instagram:@uoza_26

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買い物難民エリアに出ていく「無印良品」に義侠心を見た MUJI特集担当記者座談会【後編】

 「WWDジャパン」11月9日号は「無印良品」特集です。誕生から今年12月で40周年を迎える「無印良品」を多面的に取材しました。本紙詳細はこちらから。ここでは、担当記者3人による紙面作りの振り返りや取材こぼれ話の後編をお届けします。

【座談会参加者】
林芳樹:デスク、ファッション担当記者
五十君花実:ニュースデスク、ファッション担当記者
中村慶二郎:ビューティ担当記者

林芳樹(以下、林):五十君さんは7月に開店した「無印良品」の直江津店(新潟県上越市)を取材したわけだけど、発見はありましたか。

五十君花実(以下、五十君):直江津店は「無印良品」の世界最大の店というだけでなく、良品計画が掲げる地域貢献のモデル店舗なんです。上越市には自動車がなければ食品や日用品の買い物に困ってしまうエリアがたくさんある。運転できない高齢者も多いし、公共のバスの本数も少ない。だから直江津店が定期的にバスによる移動販売を行なっています。

中村慶二郎(以下、中村):今週号の表紙になっていたワインレッドのバスだね。

五十君:そうです。そのバスの移動販売に密着したのですが、良品計画の金井会長やユニクロ(ファーストリテイリング)の柳井正会長兼社長がよく言っている「小売業はプラットフォーム」という意味を改めて実感しました。

中村:どういうこと?

五十君:モノを売るってことは人の生活にコミットできるんですよ。近隣にスーパーなどがないエリアにバスが到着すると、地元のおばあさんたちがたくさん待ち構えていて、すごく楽しそうに買い物をしたり、お客さん同士やスタッフでおしゃべりしたりしている。中にはボーダー柄のカットソー、肌着、カレーなど数点で4000円、5000円買う方もいました。高齢者はけっこうお金を持っている(笑)。移動販売は買い物の場だけでなく、地域のコミュニティの場も作っているのです。最近、ECの普及で(リアルの)小売業にはネガティブなイメージがあったけど、小売業には私が想像できなかった可能性があるのかもしれないと思いました。

中村:でも移動販売って採算取れているの?

五十君:そこですよね。移動の時間もかかるし、スタッフの人件費もある。今のところは地域社会で認知を広げることを優先しているようです。でも移動販売することで直江津店や「無印良品」自体への相乗効果は小さくないと思います。オープン景気は長く続かないけど、移動販売でファンを増やせば、もっとたくさんの商品を直江津店で見たくなる。

:直江津店は最も進んだ事例だけど、「無印良品」は個店経営を掲げて店舗ごとの取り組みを広げていこうとしているよね。金太郎飴のような画一的なチェーンストア運営ではく、地域の個人商店のように商店会や行政と協力して地域の課題解決に汗を流す。

中村:効率は良くないかもしれないけど、リアル店舗の役割って、そういった手間のかかることなのかもね。ECでは代替できない部分だから。

「ユニクロ」や「ニトリ」への対抗意識は?

:私が取材した団地での取り組みも印象的でした。団地って高度成長期に建てられたものが多く、住民の高齢化が全国的な問題になっている。池袋から近い光が丘団地(練馬区、板橋区)の中に「無印良品」を出店していて、住民同士が交流する起点にしようとしています。店内に3畳くらいの小上がりがあって、年配の住民が持参した弁当を食べていたり、若いお母さんが子供と休憩していたり。店側はたとえ買い物をしなくても、休憩だけでもウエルカムという姿勢です。生活の場の中にある小さな店なので、スタッフと客が自然に顔見知りになる。足腰が弱い高齢者の自宅に商品を届けたりもしていて、団地の人たちにとっては全国チェーンの「無印良品」というよりも気心の知れた○○さんのお店なのかもしれない。勝手口から御用聞きをしてくれる、「サザエさん」の三河屋さんみたいな。

五十君:取材していた不思議に感じたのは、良品計画って理念先行であると同時に売上高4000億円台の大企業でもある。相反するようでいて、けっこううまくっている印象です。

:たくさんのステークホルダーがいる上場企業だし、厳しい販売目標も立てているからね。高い理念を実現するためにも高収益が前提だから。

中村:「ユニクロ(UNIQLO)」は衣料品、「ニトリ」は家具・インテリアに特化しているけど、「無印良品」は総合的な品ぞろえ。ベンチマークしている企業はあるのかな。

五十君:取材すると、直接は言及しなくても「ユニクロ」や「ニトリ」への対抗意識を匂わせるコメントはありました。

:もちろんベンチマークしているでしょう。シンプルなセーターほしいと思ったとき、「無印良品」で買うか、「ユニクロ」で買うか。ベッドを買い換えたいとき、「無印良品」か「ニトリ」か。そんな比較をする消費者は多いはず。価格見直し戦略も競合対策だよね。

五十君:値下げに際しては、衣食住の生活の基本領域でお客さんがまず一番に想起する存在になると宣言しています。

中村:言い換えれば、それは衣料品でもインテリアでも一番のシェアを狙うってことだよね。イメージと違ってけっこう野心的な肉食系企業なのかもしれない(笑)。

:部屋作りや収納などの相談にのる「MUJIサポート」だけでなく、12月3日に開業する関東最大店舗の東京有明店では、家庭の不用品の回収、観葉植物のサブスクなども始めるようだね。国内2111万ダウンロードのアプリ「MUJIパスポート」のユーザー基盤を用いれば、スマホ経由の新しいサービスも広がりそう。

五十君:いろいろ考えているみたいですよ。C(コンシューマー、消費者)とCがつながるメルカリみたいなものとか。

中村:衣食住の守備範囲が広いから色々できそうですね。

:話していて思ったんだけど、「無印良品」がやろうとしていることは、かつての百貨店のポジションに近いかもしれないね。

中村:確かに。百貨とは言わないまでも、生活に必要な商品はほぼカバーしているし、お得意さんには御用聞きしたりする。

五十君:もともと総合スーパー(GMS)の西友のプライベートブランドですからね。

:現に、イオンモール堺北花田店(大阪)、京都山科店、直江津店、シエスタハコダテ店(北海道)など、最近の大型店は百貨店やGMSが撤退した跡地に出ている。

中村:特集で実施した2000人へのアンケートでも、「無印良品」の来店頻度は「月1〜2回」が一番多かった。百貨店以上、スーパー未満ということかもしれませんね。積極的な出店やアプリの活用、アマゾンや楽天への出店、ローソンでの販売開始などを通じて、これからもタッチポイントは増えて、もっと身近な存在になるのでしょう。

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「バレンシアガ」が青山店を拡張リニューアル 世界最大級の旗艦店へ

 「バレンシアガ(BALENCIAGA)」は11月6日、青山店を世界最大級の旗艦店へと拡張リニューアルオープンした。デムナ・ヴァザリア(Demna Gvasalia)=アーティスティック・ディレクターによる、同店だけのオリジナルの建築コンセプトを反映した新店舗は、公共施設やコンテンポラリーな建築現場を想わせるインダストリアルな内外装が特徴だ。青山店では、“高級感”という枠に収まりきらない「バレンシアガ」独自のブランドイメージを存分に味わうことができる。

イメージの異なる3つの空間

 「バレンシアガ 青山」は、売り場面積をリニューアル前の約2.5倍に拡張。地下1階~地上2階の3フロア構成で、1階はバッグとスモールレザーグッズ、シューズを中心としたメンズとウィメンズのコレクション、地下1階はウィメンズとキッズ、2階はメンズアイテムを取り扱う。

 高い天井と広々としたスペースのスケールに圧倒される店内は、ガラス張りのいくつもの壁がファサードから屋内までをダイナミックに仕切り、空間をゆるやかにつなぐ。ガラスには、外の景色や内装が何層にも映り込むように計算されており、さらに店内と外の境界線を曖昧にする。

1階

 この建築コンセプトを最も象徴する1階のグランドフロアには、両端の壁に床から天井まで続く大きな鏡を設置。中央に立つと、まるで通路が無限に続くような感覚を味わうことができ、その視覚効果がフロアを一層広く見せている。床材にも都市景観とストアインテリアを繋ぐ工夫を施し、表参道の通りの外側から内側にかけて、石畳みのようなインターロッキングブロック舗装、ゴムチップ舗装、重厚感のあるカーペットの異なる3つの素材を採用した。これらがアルミニウム製のイスや棚などの什器と相まって、オフィスやコンテンポラリーな建築現場、高級感のあるブティックといった服を取り巻くさまざまな空間のイメージをハイブリッドに表現している。

地下1階

 地下1階に降りると、使い古されたような真紅のベルベットカーテンがガラスの壁に収められた、まるでアートのような装飾が目に飛び込む。開放的な1階と異なり重厚感のあるフロアには、同じくベルベットカーテンが垂れ下がるフィッティングルームが広々と設置され、ゆったりと試着を楽しむことができる。

2階

 2階には、「バレンシアガ」のロゴを施した鮮やかな赤のカーペットが敷かれ、公園に設置されているような工業的なイスを高級感のあるベルベットの布が包み込む。ガラスの壁で不規則に仕切られたフロアは、1階と異なる景色の映り込みと奥行きがあり、たっぷりと入る採光が心地よい。

 加えて、店内奥にはキーカラーのグレーで塗装された特注のエレベーターがあり、ドアが閉まるとコンベアのような“キーン”という音と共に上下し、耳でもインダストリアルな雰囲気を楽しめるのがおもしろい。意図的ではないというが、デムナは身の回りにあるモチーフをコレクションに取り入れ、ファッション業界の慣習に一石を投じるアプローチを行ってきた存在だ。「バレンシアガ」の東京の旗艦店である「バレンシアガ 青山」は、リニューアルでブランドスピリットを色濃く体現できる場所へと生まれ変わり、さらなる発展を目指す。

INFORMATION
「バレンシアガ 青山」

時間:11:00 ~ 20:00
定休日:不定休
住所:東京都港区南青山5 -1-3

PHOTOS : COURTESY OF BALENCIAGA
TEXT : ANRI MURAKAMI

問い合わせ先
バレンシアガ クライアントサービス
0120 -992-136

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出店相次ぐオフプライスストアの差し迫った課題 小島健輔リポート

 ファッション業界の御意見番であるコンサルタントの小島健輔氏が、日々のニュースの裏側を解説する。コロナによる在庫の増加を受けて、オフプライスストア事業への新規参入が目立つようになった。ビジネスとして軌道に乗せるポイントはどこにあるのか。

 昨秋冬の暖冬と消費税増税で持ち越した在庫に今春夏のコロナ禍による過剰在庫が加わってアパレル業界が抱える在庫は危機的に膨れ上がり、店舗やECで値引きしても処分しきれず、2次流通に放出される在庫も急増した。しかるに在庫処分の販路は急には広がらず、販売消化のスキルも欠いて2次流通の在庫が積み上がり、プロパー販売を圧迫するような場所での叩き売りも広がっている。このままでは過剰在庫の処分が進まないばかりか、2次流通がプロパー販売を追い詰めるという最悪の事態が危惧される。

2次流通の在庫処分が進まないわけ

 コロナ禍で2次流通に放出されたアパレル在庫は前年から2倍、3倍に急増したといわれるが、処分業者が買い取った在庫の販路は急には広がらず、処分業者の抱える在庫が限界まで積み上がっている。

 処分業者が買い取った在庫の販路は、ECでの消費者や転売ヤーへの直販、直営処分店での直販もあるが、地方や郊外のディスカウントショップやホームセンター、安売り衣料店や催事業者などへの卸が大半を占める。ブランドのプロパー販路と重なるメジャーなECモールや商業施設は使えないから急激な販路拡大が難しく、個性の強いブランドやベタークラスから上のブランドは大幅値引きしても売れる販路が限られる。副業転売ヤーを組織化したり直営処分店を増やしたりしても思うように売り上げが伸びず、買取在庫の急増に販売が追いついていない。

 処分が進まない要因は2つ考えられる。第一に処分業者には再販を前提としたMDの発想がなく選択的な買い取りをしておらず、持ち込まれる在庫を全量引き取る業者が多い。オフプライスストアチェーンは米国でも日本でもリテールMDを組んで必要な商品を探しており、捨て値で持ち込まれても不要な商品を買い取ることはない。

 ブランドディスカウント型オフプライスストアの「アンドブリッジ(&BRIDGE)」はタイプ別にブランドのクラス構成と8週サイクルのMD展開を組んで適合商品を調達しているし、激安プライスライン型オフプライスストアの「タカハシ」も8週サイクルでMD展開を組み量販ベンダーの過剰在庫から選択調達するだけでなく、足りない商品はベンダーに別注したり工場に発注して確保している。オフプライスストアは「先にMD在りき」で、受け身の処分業者とはスタンスが全く異なる。

 第二は、買い取った商品を仕分けて適切な販路に流し、販売消化するスキルを欠いていることだ。処分業者が全量買い取りした場合でも、まず衣料品として再販できるものとウエスや再生原料にしかならないものを仕分け、再販できるものは名の通ったブランド品(ディスカウント販売)とそうでない量販品(プライスライン販売)に仕分ける。ブランド品はクラスやターゲット別に仕分け、海外処分指定品や持ち越し指定品(今シーズン中に買い取っても販売は来シーズン)を分離する。量販品はターゲット、アイテム別に仕分けする。月度あるいは8週サイクルのシーズンMDを組んでアイテムを仕分けるのは、どちらも同様だ。

 処分業者の多くは引き取ったパッキンを開けることなくサンプル商談で転売する横々商売が基本で、仕分けて付加価値を付けるというリテール発想を欠いている。アパレルとしては処分業者に放出して終わりと思っているかもしれないが、彼らの再販力(実態は転売力)は疑わしく、キャパを超えれば在庫を抱えてしまう。転売主体の処分業者と自らMDを組んで売り切るオフプライスストア事業者は全く別物なのだ。

 適切に仕分けても、計画通りに販売消化できないと店舗は魅力を失い、倉庫は在庫であふれてしまう。ブランド品は最初こそブランド別ラックで訴求するが、消化が進んで欠落してくると類似ブランドをテイスト別にまとめ、売り切りサイクルではアイテム別にまとめ、最終はプライスライン別あるいは値引率別にまとめて売り切ってしまう。カラー展開アイテムは色が欠けてくるとカラー別にまとめ、サイズ展開アイテムはサイズが欠けてくるとサイズ別にまとめて購買プロセスを誘導するなど、通常店舗の売り切りで使われる編集スキルも駆使する。

 そんな編集スキルを駆使するには特有の可動什器体系が必要で、TJXやロス・ストアーズ(ROSS STORES)、ノードストローム・ラック(NORDSTROM RACK)などでは実際に使われているが、わが国のオフプライスストアは彼らのノウハウを全く学んでおらず、什器構成もレイアウトも編集運用も自己流にとどまっている。これでは米国のようにスムーズな在庫消化(TJXの在庫回転は6.32回、ロス・ストアーズは6.09回)は望めない。

オフプライストアの成功パターンは答えが出ている

 ワールドとゴードン・ブラザーズ・ジャパンの合弁事業「アンドブリッジ」、ゲオの「ラック・ラック クリアランスマーケット(LUCK RACK CLEARANCE MARKET)」、PPIH(ドン・キホーテ)の「オフプラ」、ショーイチの「カラーズ(COLORS)」などオフプライススアは次々と多店化しているように報道されているが、それらが全てうまくいっているわけではない。

 「オフプラ」は名古屋郊外の1号店が立地とMDがすれ違って離陸せず、仕切り直しを余儀なくされている。ディスカウントストアの単品量販MDがオフプライスストアの売り切りバラエティーMDと相いれず、若者狙いのストリート感覚も立地の顧客とすれ違ったのではないか。

 「ラック・ラック クリアランスマーケット」は10月30日のミーナ町田店(1320平方メートル)に続いて11月20日には名鉄百貨店名古屋本店のメンズ館(759平方メートル)、12月9日には松坂屋静岡店(催事契約で594平方メートル)にも出店し、2019年4月の1号店(コーナン港北インター店)開設から早くも8店舗に広がるが、大型化が先行して狙いを絞り込めておらず、販売効率や消化回転には課題が残る。

 販売効率が読めて在庫が回り収益を確保しているのはブランドディスカウント型の「アンドブリッジ」と激安プライスライン型の「タカハシ」くらいだと思うが、狙いの絞り込みと「先にMD計画在りき」の選択調達、販売消化運用と低コスト運営が共通している。

 「アンドブリッジ」は19年9月の西大宮店の開業から1年で4店舗(うち浅草ROX店とイオンモールKYOTO店は期間限定)まで増え、来春から出店を加速する。「タカハシ」は19年8月期で東京、神奈川、埼玉の郊外に36店舗を展開して73億円を売り上げ、20年8月期は41店舗まで増えて売上を87億円に伸ばし過去最高益を稼ぎ出している。コロナ禍による衣料消費の生活圏シフトも「タカハシ」の追い風に、ブランド商品の大量放出は「アンドブリッジ」の追い風になったのではないか。

 1月15日掲載の本リポート「日本にオフプライスストアは定着するか」で、わが国で成功するのは生活圏立地で継続的品ぞろえも可能な激安プライスライン型、次いで知名度の高い百貨店・駅ビルブランドのディスカウント型と結論づけたが、その通りの結果になっている。フルプライスからオフプライスへの分岐点はまだ先のことと思われていたが、コロナ禍で背に腹は変えられずブランド在庫の放出が広がり、一気に分岐点を超えた。供給が潤沢になった一方で販路の拡張は追いつかず、さまざまな課題が露呈している。

販路統制を欠いては正価流通を追い詰める

 ワールドは百貨店・駅ビルブランド主体の都心型「アンドブリッジ」を20年8月29日に浅草ROX、9月5日にはイオンモールKYOTOに出店(どちらも半年程度の期間限定店)。9月14日には名古屋郊外に開業した三井不動産の広域大型SC「ららぽーと愛知東郷」に、同じスタイルで自社ブランドに絞ったアウトレットストア「ネクストドア」を出店し、「アンタイトル(UNTITLED)」や「インディヴィ(INDIVI)」など自社百貨店ブランドの持ち越し品を6〜7割引きで売っている。

 オンワード樫山も9月18日、オフプライスストア「オンワード・グリーン・ストア(ONWARD GREEN STORE)」の1号店を千葉県柏市の生活圏型SC「モラージュ柏」に出店。「23区」「自由区」「組曲」「ICB」「J.プレス(J.PRESS)」など自社百貨店ブランドの婦人服や子供服、「シェアパーク(SHARE PARK)」「エニィファム(ANY FAM)」などカジュアルブランドの持ち越し品を6〜8割引きで販売し、他社ブランドの放出品も加えて21年春までに東海地区や関西地区にも出店する。

 サザビーリーグ傘下のセレクトショップ「エストネーション(ESTNATION)」も、銀座店の1階を20年10月2日にオフプライスの「エストネーション セントラル(ESTNATION CENTRAL)」に切り替え、21年の2月には全フロアをオフプライスストアにしてしまう。銀座店は2974平方メートルの六本木ヒルズ店に次ぐ2225平方メートルもある旗艦店で、至近には01年9月創業の有楽町店(1333平方メートル)もある。
サザビーリーグでアウトレット店を持たない「サザビー(SAZABY)」「カンペール(CAMPER)」「ハウス オブ ロータス(HOUSE OF LOTUS)」や「エストネーション」の仕入れ先ブランドの放出在庫も販売するからオフプライスストアであり、顧客から買い取ったハイブランドの中古品も販売するからリサイクルストアでもある。建前としては「エストネーション」の会員顧客に限定するが、その場で入会することもできるから、正面切った大型オフプライスストアに他ならない。

 「オンワード・グリーン・ストア」が出店したモラージュ柏は高島屋がある柏駅から3kmも離れておらずシャトルバスも通っているし、「ネクストドア(NEXTDOOR)」が出店したららぽーと愛知東郷も名古屋都心部から電車で45分かかる郊外とはいえ、「コーチ(COACH)」や「ラルフローレン( RALPH LAUREN)」も出店しているアップスケールな広域大型SCだ。「アンドブリッジ」が出店した浅草ROXやイオンモールKYOTOは期間限定とはいえ都心の百貨店から目と鼻の先、「エストネーション セントラル」は銀座のど真ん中で、もはやアパレルは在庫処分の場所を選んではいられないほど追い詰められている。そんな後先考えない在庫処分が広がれば、もはや「正価」で購入する顧客などいなくなってしまう。そんなありさまを見て、アパレル業界は「正価流通」の崩壊を悟ったに違いない。

 コロナ禍で放出された過剰在庫はアウトレットやオフプライスのストアやサイトに並び、消費者のタンスを経ていずれ中古衣料店やフリマアプリに放出されるから、長く新作品の販売を圧迫することになる。ましてやプロパー販路の至近で売れ残りの新品をたたき売ってはブランドの未来も絶ってしまうから、慎重な配慮が望まれる。

ビンテージMDという第3の可能性

 フランスでは20年2月に衣類、化粧品、家電、書籍などを対象とする「廃棄対策・循環型経済に関する法律」が施行され(食品は16年に施行)、分野によって21年から23年末までに適用される。売れ残り在庫の廃棄(焼却や埋め立て)を禁止するもので、寄付またはリサイクルが義務付けられる。

 これまでブランドイメージを守るべく売れ残り在庫を廃棄してきたフランスの高級ブランドは、おそらく売れ残り在庫を保管して“熟成”させるビンテージ商品を志向するだろう。LVMHやシャネルなど高級ブランド資本はワイン&スピリッツ部門も抱えており、気が遠くなるほどスローなビンテージMDに違和感を持たないからだ。

 完成度の高い商品はビンテージ品(旧作)としてアーカイブ価値が評価され、新作品と並んで長く流通する。コロナ禍を契機にサステナブルでない多産多死の生産と流通に終止符を打ち、アーカイブ価値が評価されるモノ作りとビンテージMDに目覚めてもよいのではないか。三陽商会など咋秋冬商品が暖冬と消費税増税で30%も売れ残り、今秋冬は新作品60%、旧作品40%の構成になると明かしているが、そんなアーカイブミックスを前向きに捉えてもいいはずで、ビンテージMDに特化した通なオフプライスストアが登場してもおかしくない。

 ならば安価な生活衣料としての激安プライスライン型、利口にファッションを楽しむブランドディスカウント型とは次元を画した、趣味性の高い第3のオフプライスストアを見いだせるかもしれない。

小島健輔(こじま・けんすけ):慶應義塾大学卒。大手婦人服専門店チェーンに勤務した後、小島ファッションマーケティングを設立。マーケティング&マーチャンダイジングからサプライチェーン&ロジスティクスまで店舗とネットを一体にC&Cやウェブルーミングストアを提唱。近著は店舗販売とECの明日を検証した「店は生き残れるか」(商業界)

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パリコレで日系モデルが活躍 注目は六本木のスタバでスカウトされた21歳の新星

 2021年春夏のファッション・ウイークでは、前シーズンに紹介した日系ブラジル人のマリーエル・ウチダ(Maryel Uchida)さんがさらなる活躍を見せてくれました。「ディオール(DIOR)」「クロエ(CHLOE)」「パコ ラバンヌ(PACO RABANNE)」「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」などのランウエイに登場したほか、「ディオール」2020-21年秋冬と21年リゾートコレクションの広告に起用されるという躍進ぶり。マリーエルさんは前シーズンとの違いを「にぎやかさに欠けていました。バックステージではみんながマスクを着けてソーシャル・ディスタンスを保つなど異様な光景だったけれど、その分お互いをケアし合う精神が感じられました」と教えてくれました。

 日本とフランスのハーフである美佳さんも各ブランドのショーに相変わらず引っ張りだこでした。パリだけでなくミラノでも「ヴェルサーチェ(VERSACE)」「ポーツ1961(PORTS1961)」「サルヴァトーレ フェラガモ(SALVATORE FERRAGAMO)」で堂々としたウオーキングを披露し、存在感を放っていました。

「バーバリー」に抜擢された新星

 そして今シーズンデビューした新たな注目株を発見!1999年生まれで神奈川県出身の樋口可弥子さんです。今季はリアルとデジタルを含めて7ブランドに起用されました。ロンドンの「バーバリー(BURBERRY)」のショーで無名の彼女がオープニングを飾ったことで、多くのブランドから注目を浴びました。結果、他の都市のキャスティングにも呼ばれてミラノで「マックスマーラ(MAX MARA)」「トッズ(TOD’S)」「ヴェルサーチェ」、パリで「ディオール」「アクネ ストゥディオズ(ACNE STUDIOS)」「ミュウミュウ(MIU MIU)」に登場。「モデルズ ドット コム(Models.com)」にて、最も多くのショーを歩いた新人モデル6人の中で唯一のアジア系モデルとして紹介されています。

 モデルとしてのキャリアを本格的にスタートさせたのは「3年前に六本木のスターバックスでスカウトされたのがきっかけ」と教えてくれました。初めてのパリコレは驚きの連続だったそうで、「『ディオール』の集合時間は朝7時だったのですが、フィッティングは前日の深夜1時30分まで行われていました。でもその時点ではショーに起用されるかはまだ確定しておらず、ファッション・ウイークの仕事は色々なことが直前まで決まらないのだなと驚きました」と振り返ります。憧れのモデルはリトアニア出身で31歳のガードレ・ドゥカウスケート(Giedle Dukauskaite)で「ベーシックでありながら、独特な雰囲気を持っているモデルだと思います。モデルとして10年以上のキャリアがありながら、未だにメインストリームで活躍しているのがかっこよくて憧れています」。樋口さんは過去に過食症を患った経験があり、心身共に健康で仕事を続けていくことが今の目標とのこと。今後の展望については、「年齢や体型、人種など歴史と共に培われてきた美の固定概念がいい意味で壊され、“個の美しさ”が尊重されていくとよいなと心から思います。その流れの一端となれるように、モデルとして表現力を身につけていきたいです」と頼もしく答えてくれました。今後もショーだけでなく、雑誌や広告などでさまざまな表情を見せてくれそうな彼女に期待大です!

ELIE INOUE:パリ在住ジャーナリスト。大学卒業後、ニューヨークに渡りファッションジャーナリスト、コーディネーターとして経験を積む。2016年からパリに拠点を移し、各都市のコレクション取材やデザイナーのインタビュー、ファッションやライフスタイルの取材、執筆を手掛ける

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爆裂!健康美容マニア道 冷え症を根っこから改善!免疫力UPのほかほか生姜灸って?

 1日8食、ジャンクフード漬けの超不健康児から超健康優良児へと大変身を遂げたフリーアナウンサーの名越涼。およそ15年かけて自らの体で人体実験を繰り返してきた結果、“超絶良かったもの”だけをここで余すことなくお伝えする。今回は生姜灸について。

日本で唯一⁉︎うわさの「生姜灸専門」の温灸院に行ってみた

 「冷えは万病のもと」とはよく言ったもので、冷えによって婦人科系に問題が起きたり、胃腸が弱ったり、免疫力が落ちたりと、冷えるって本当に怖いのだ。名越自身、年々改善はしているものの、冬は足裏の携帯用カイロすら冷やしてしまうほどの雪、もとい、氷の女王。もう、こんな冷えとは今年こそおさらばだわ・・!と、降り立ったのはJR鶯谷駅。橋を渡って住宅街を進んでいくと、見えてきた。大正5年開業、生姜灸専門の「中村温灸院」だ。生姜灸専門だなんて、日本で唯一かもしれない。ここは婦人科系に悩みを持つ世の女子たちの駆け込み寺となっているという。扉を開けると、お灸のいい香り。優しい笑顔の先生たちが迎えてくれた。

生姜灸とは?

 生姜灸とは、厚めに切った生姜の上にもぐさ(ヨモギを乾燥させたもの)を置いて中低温でじっくりと体の芯から温めていくお灸のこと。もぐさの熱により生姜の温め成分が体に入っていくことで、終わった後もずっとほかほかが続く。さらには、もぐさに含まれるヨモギの成分が浸透し白血球が増え、血液をアルカリ性に傾ける作用があるのだとか。ツボに熱の刺激を与えることによって自律神経の働きが促され、全身の血液の循環を改善できることが期待できる。自律神経が整えば、必要なホルモンが分泌されるし、自然治癒力も高まる。なにこれ、いいこと尽くしじゃないか。
 

全身、お灸の煙に包まれる未知の世界

 どーん。どや、このインスタ映えしそうな生姜灸。体の大きさにもよるが、全身70〜90カ所のツボにお灸を据え、体調に合わせて45℃前後まで温度を上げていくそう。そうそう、私の体(155センチ)でも1.5キロ分の生姜を使うという。首回りから始まり、背面、前面と進んでいく。治療は基本、一人で完全プライベート空間の中、ゆったり施術してもらえるのがうれしい。「熱いときは我慢しないでくださいね〜」と、先生2人がかりでてきぱきとお灸が据えられ、熱が浸透したら違うツボへ移動。温められた場所はほんのりピンク色になるが、これは2〜3時間くらいで消えるのでご安心を。前面に進むころにはすっかりぽかぽかであまりの心地良さに眠くなってしまうほど。あ〜極楽、極楽。

ぽかぽかの持続力が半端ない。これぞ生姜パワー。

 正直、「え?もしかして今、燻製にされてる?!」と思うレベルで煙に包まれる。これくらい“ガチ生姜灸”ができる環境ってなかなかない。全身1時間かけてじっくりと温められたおかげで、その後一日冷え知らず。いつもなら夕方には酸化して茶褐色になっている顔もほんのりピンクで血色がいい。(これぞ、リアル・蒸気肌!)徹底的に冷えをどうにかしたいなら週に2回ほど通うのがおすすめ。今年の冬こそ冷え知らずでいたいあなた!食べるだけじゃない、生姜の底力を感じてみてほしい。

中村温灸院
〒110‐0003 東京都台東区根岸3丁目12-21
JR山手線/京浜東北線「鶯谷駅」北口から徒歩5分
要予約:090-6243-0837

名越涼/フリーアナウンサー。香港出身。福井と愛知のテレビ局アナウンサーを経て独立。司会やライター、セミナー講師、企画・プロデュースなど幅広く活躍するパラレルワーカー。趣味・特技は手作り発酵食、食文化研究、ヨガ(歴15年)eスポーツと農業にも精通

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マーケティングよりまず理念、「無印良品」の企画の立て方に驚き! MUJI特集担当記者座談会【前編】

 「WWDジャパン」11月9日号は「無印良品」特集です。コロナによる休業明け以降、食品をフックに国内や中国で急回復を見せている「無印良品」を、記者3人で多面的に取材しました。読者2000人以上に聞いた人気商品ランキングや「無印良品」に望む改善点、「無印良品」が地方や郊外で模索する新しい小売業のあり方、「無印良品」の理念の発信者である金井政明・良品計画会長のインタビューなど、盛りだくさんの内容になっています。本紙詳細はこちらから。ここでは、担当記者3人による紙面作りの振り返りや取材こぼれ話を前後編でお届けします。

【座談会参加者】
林芳樹:デスク、ファッション担当記者
五十君花実:ニュースデスク、ファッション担当記者
中村慶二郎:ビューティ担当記者

林芳樹(以下、林):特集お疲れさまでした。まずは最大で計2850人にご協力いただいた(※設問により回答者数が異なる)アンケートから浮かび上がった、「私にとっての『無印良品』の定番といえばコレ!」ランキングを振り返りましょうか。アンケートの取りまとめを担当した中村さんはどんなことが印象に残っていますか。

中村慶二郎(以下、中村):「WWDジャパン」のメールマガジンやホームページ経由で募ったアンケート回答と、インスタグラムやツイッター経由の回答を合算しましたが、メルマガやホームぺージ経由とSNS経由の回答ではランキングに顕著な差がありましたね。メルマガ、ホームぺージ経由では収納用品を推す声が圧倒的だったんですが、若年層が多いSNS経由では収納用品は10位以下。その代わり、化粧水やレトルトカレー、お菓子の3つをあげる声が非常に多かった。年代によって人気商品が違うということですね。また、「『無印良品』に望む改善点」という記述式の設問では、ファッション商品に対する要望が非常に多かったですね。

五十君花実(以下、五十君):「WWDジャパン」はファッション関連職種に就いている読者が多い、ということも多分に関係しているのでしょうが、確かに「ファッションは価格を少し上乗せしてもいいから質を上げてほしい」という声は何件かありましたね。もちろん、「もう少し価格を抑えてほしい」という声もありましたが。

中村:「ユニクロ(UNIQLO)」と比較して、「デザイン性を高めてほしい」「カラー展開をもっと増やしてほしい」といった要望を書いているケースも多かったです。最終的にファッション、ビューティ関連では化粧水がランキング3位で、ファッションアイテムは6位の靴下が最高位。5位とは1票差だったので、惜しかったですね。校了日に、このアンケートページを編集部の他のメンバーが見ながら喋っていた内容が僕はすごく象徴的だなと思ったんですが、「俺は『無印良品』の商品は1つも持っていないよ」みたいに言っている人でも、深く突っ込んでいくと「あれも『無印良品』だ」「これもそうだった」みたいに気付くケースって多いですよね。

:確かに自分も今回改めて自分の生活の中の「無印良品」を数えてみたら、忘れていたけど使っていたということがすごく多かった。バスマットとかバスタオルとか。使っているうちに生活に溶け込んでいくから、これが「無印良品」だと自覚しなくなるのかもね。ベーシックで水とか空気みたいな存在。邪魔をせず、主張し過ぎず、生活に溶け込む。そこが「無印良品」の商品の一番のいいところだなと感じたね。

中村:「『無印良品』のどこが好きですか?」というアンケートに対する回答でも、「シンプル」っていう言葉が500回くらい見た気がします。

「取材がいつものように進まない!」

五十君:ではそういったアイテムを一体どのように作っているのかと、ファッションやビューティの開発担当者に取材しました。ファッションの担当者を取材した際に私が驚いたのは、商品企画も理念から入るところ。一般的なウィメンズのアパレルメーカーを取材していると、やっぱりシーズンのトレンドとか今何が売れているかといった話から入ることが多いですし、私自身もそれに慣れている。でも、それとは全く違う企画の立て方をしていることは新鮮でした。マズローの欲求5段階説(アメリカの心理学者アブラハム・マズローが唱えた人間の欲求に関する理論)の話が出てきたときは、「……御社のチームはアパレルの企画をする際にみんなマズローの説のことを考えているんですか!?」と思わず聞いてしまった。これについては、「マネージャー以上は自問自答していると思いますよ」という回答でした。

:“MUJIイズム”というか、そういう思想は脈々とあるよね。シャツにしろ化粧水にしろ食品にしろ、あらゆるアイテム1点1点がその思想に合致するか考えられて企画されている気がする。

中村:化粧品部門の担当者の取材でも、正直やり辛いというか、通常とは勝手が違うなと感じた部分もありました(笑)。普段、化粧品の取材をする際は「商品開発にあたってどのようにマーケティングしたか」「どうトレンドを取り入れたか」「それをどう宣伝するか」といったことを聞きますが、今回の取材では「本当に生活に必要なものだから化粧水を開発しました」といった話で、取材がいつものようには進まなかったんですよ。

:いわゆるマーケティングではない、理念型の商品開発と言えるのかもね。私が印象的だったのは、アパレルの担当者を取材する中で出たヤク(冬のセーターなどに使われる動物性素材)の話。カシミヤは高級素材として認知されていますが、温かさや肌ざわりでカシミヤに劣らないというヤクにフォーカスし、(カシミヤという)名より実を取るという点は、40年前の創業当初に「われ椎茸」を打ち出していたのと共通するなと思った。干しシイタケも、割れていて見た目が悪くても出汁は美味しくとれる。人気の食品「不揃いバウム」も、「ちょっと見た目が悪くてもおいしさは変わらない」という考え方でこれらと一緒だよね。

五十君:国内累計ダウンロード数2111万、海外も含めると約5000万という店頭送客のためのアプリ「MUJIパスポート」の担当者の取材でも、理念がまず先にあるんだということを強く感じました。普通それだけのユーザーを抱えているアプリなら、データを分析していかに売り上げにつなげるか、いかに買わせるかという話になると思うんです。でも、そうはしていない。「客をデータとして捉え、データに対してデータで商売するようなことはしません」と。そこはITオリジンの会社とは考え方が180度違う。こうやって「無印良品」らしさは作られ、守られているんだなと思いましたが、同時にそこがECがやや弱いということにもつながっているのかも、とは思いました。

:自社ECは今年の1月もメンテナンスが長引いて休業していたしね。基本的な商品の品切れもECでは珍しくない。

中村:ECの品切れについてはアンケート回答でも指摘が多かったですね。「テレビ番組で取り上げられるとあっという間に品切れになるケースが多い」といった声です。ちなみに今は「発酵ぬかどこ」が幻の商品みたいになっていますよ。店頭もECも出たらすぐに売り切れてしまうケースが多く、なかなか売っていないという声をツイッターなどで見かけます。

:そのように自然と話題になるケースは多いのに、「無印良品」自身は広告を仕掛けないという点も特徴だよね。今秋は何年ぶりかにテレビCMを制作していたけど、それもあくまでイメージ広告みたいな雰囲気で、何か1つの商品をアピールするという内容ではない。「無印良品」は取り扱い品目が7500もあって、デジタル機器と薬以外はほとんどある。これだけ品数が多いからこそ、「発酵ぬかどこ」「コオロギせんべい」「バターチキンカレー」「二重ガーゼパジャマ」など、いつも何かしら話題になるネタがある。それが強み。服だけ、化粧品だけの店ではやっぱりこうはいかないから。

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アトモス社長・本明秀文のスニーカーライフ番外編「爆速!シュプリーム買収劇」

 スニーカーにまつわる噂話のあれやこれやを本明社長に聞く「WWDジャパン」本紙連載の番外編。昨晩、「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」や「ヴァンズ(VANS)」「ティンバーランド(TIMBERLAND)」「イーストパック(EASTPAK)」などを傘下に持つ米VFコーポレーション(VF CORPORATION以下、VF)が「シュプリーム(SUPREME)」を買収すると複数メディアが報じた。買収額は21億ドル(約2163億円)。「シュプリーム」は2017年、巨大投資ファンドのカーライル・グループ(CARLYLE GROUP以下、カーライル)に株式の51%を5億ドル(約515億円)で売却しており、3年で企業価値が約2倍に上がったことになる。早速この買収劇について、本明社長に聞いた。

WWD:VFが「シュプリーム」を2000億円以上で買収するようです。

本明秀文社長(以下、本明):今VFの株式時価総額が3兆円以上。“シュプリーム買収”が報道されていきなり株価が11%も上がっているから、時価総額が3000億円以上も上がった。だから2000億円で買収しても、タダで買っているのと同じだし、むしろ1000億円も利益が出た。VFにとってはいい買い物だよね。(シュプリーム創業者の)ジェームス・ジェビア(James Jebbia)も残るみたいだし。

WWD:2000億円の価値については?

本明:どこまで真実か分からないけど、シュプリームの売上高が5億ドル(約515億円)と書いてあった。EBIT(利息及び税金控除前利益)っていうのがあって、これは経常利益と支払利息から受取利息を引いた利益なんだけど、このEBITが200億円ぐらいなんじゃないかなと。つまり単純に年間200億円の利益が出ていて、その10倍で計算して2000億円。この何倍かってのがブランド価値と一緒で、普通のアパレルだと良くて5倍とか、ダメだと1倍とか。「シュプリーム」もセールを始めちゃったし、カーライル的にもこれ以上企業価値が上がることはないという判断じゃないかな?いいタイミングで売ったと思う。

WWD:当初ジェームスはカーライルに株式の半分を売却したわけですけど、最終的には何%保有していたんでしょうか?

本明:契約内容は分からないけど、ジェームスは追加でカーライルに株式を売却していると思う。(初めの売却から)1年後に追加で5%、2年後にまた5%、3年後にさらに5%とか。売り上げが大きくなったらその時のEBITの何倍で買うよとかそういう契約もある。ファンドもバカじゃないから、初めに全ての株式を買いはしなくて、何%かは持っておいてもらった方が、本人(ジェームス)も売り上げを伸ばそうと頑張るからね。だから「シュプリーム」の生産数も増えた。

WWD:確かに生産数は増えましたね。VFは「シュプリーム」が傘下に欲しかったんでしょうか?

本明:「シュプリーム」「ザ・ノース・フェイス」、ハイプなスニーカーがスニーカーヘッズの3種の神器みたいになっているからVFが好調のように思われているけど、僕は逆に悪いんだと思う。

WWD:下馬評だと「VFが好調だから」と言われていますね。

本明:悪いんじゃない?だって、「ティンバーランド」も「ヴァンズ」も売れていないし、「ザ・ノース・フェイス」もゴールドウイン(日本での生産・運営元)は売れているけど、アメリカではそうでもない。だから自分たちでグローバルの市場をコントロールしたいはず。日本の「ヴァンズ」(ABCマートが商標契約をしており、日本での生産・運営元)の売り上げも欲しいはずだよ。だからまことしやかな話で、日本にVFジャパン(仮)やヴァンズジャパン(仮)が出来るんじゃないかと。そうなるとヴァンズジャパンがABCマートに「ヴァンズ」を卸すことになる。スニーカー市場が大きく変わるね。

WWD:そもそもメーカーが複数のブランドを所有するメリットってなんですか?

本明:例えば2ブランドを1カ所にまとめれば、これまで5人ずつ、10人でやっていたことを6~7人でできるようになるとか、人事面での相乗効果はある。だけど、もっとお金がかかるのは、信用調査だよね。例えば新しくアカウント(取引先)を開設しようとしても信用調査が一番難しい。だから帝国データバンクとかがもうかるわけ。情報をブランド間で共有できた方がシナジー効果は大きい。ナイキ(NIKE)だって、ナイキの傘下に「ジョーダンブランド(JORDAN BRAND)」や「ナイキ SB(NIKE SB)」「NSW」とかがいろいろあって、情報共有している。

WWD:なるほど。ちなみに本明さんがアトモスを売却するとしたらいくらですか?

本明:アトモスは(経営者である)僕の自由度が高いからスピード感もあるし、面白いこともできる。経営のシステムが変わると上手くいかないこともあるから、売却を考えるのはなかなか難しいね。まぁ値段は分からないし、言いたくないけど(笑)。

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ミラノ&パリコレで配布されたベストマスク9選 バイオ技術を使った「クロエ」がナンバーワン

 私が今回参加した2021年春夏シーズンのミラノとパリのファッション・ウイークでは、ショー会場入り口でマスクが配布されていました。ブランドによってデザインは多種多様で、ファッション・ウイークの日を追うごとに「今日はどんなマスクがもらえるのかな」と楽しみにしている自分もいて、“マスクコレクター”として可能な限り収集してみました!ただ、私はマスクがとても苦手。日本を離れてからアメリカとフランスで約10年間はマスクを着用したことがなく、日本にいた頃も小学生のときに給食当番で着用していたのが最後の記憶……。風邪をひいてもマスクなしで過ごしてきたし、今だに息苦しくて抵抗感があります。そんな私ですが、ミラノコレとパリコレで収集したマスクを(勝手に)ランキング付けさせていただきました!ジャッジの基準は快適性、デザイン性、エコロジカルの観点です。洋服の好みや肌と髪色、顔の骨格など人それぞれなので、極めて個人的な意見としてご覧ください!

ラング外も魅力的なマスクばかり

 まずトップ3からは外れたブランドのマスクをダイジェストでご紹介します。「パコ ラバンヌ(PACO RABANNE)」からは、ブランドのシグネチャーであるメタルを彷彿とさせる、シルバーに輝くマスクが招待状とともに届きました。ゴムがあまり伸びず、長時間が着けていると耳が痛くなるためランキングからは外れましたが、ショー会場や日付が入っているので記念品として大切に保管しておきたい一品です。

 初のパリコレ参加となった「ガブリエラ ハースト(GABRIELA HEARST)」は、ボルドーの古布を使用。生地が柔らかくて顔にフィットするのはいいのですが、逆にフィットしすぎて鼻息で布がペコペコ動くのが気になってしまいました。私の鼻息が荒いだけなのかな(笑)。

 「コシェ(KOCHE)」は黒色のサージカルマスクの上に黒のレースを貼り付けたデザインです。黒いレースってなんだか魅惑的な雰囲気を醸し出すので素敵。でも洗濯ができず使い捨てなので、エコロジカルの観点からベスト3は逃しました。

 「バルマン(BALMAIN)」は伸縮性のある厚手のニット素材。ブランドのグラフィックが描かれたアイキャッチーなデザインがかわいいんです。ただ、丸みがかっていて私の顔にはちょっとしっくりきませんでした。

 ランク外で最も魅力的だったのは「エトロ(ETRO)」です。ショーの各座席に色違いのペイズリー柄マスクが1枚ずつ置かれており、私はブルーをゲット。もちろん「エトロ」の洋服とは相性がいいですし、全身ワントーンのコーディネートにマスクをポイントにしたり、アクセサリー感覚で着けられたりできそうなのがいいですよね。座席には、マスクと一緒に消毒ジェルもありました。

第3位
ACNE STUDIOS

 デザインで最も好みだったのが「アクネ ストゥディオズ(ACNE STUDIOS)」です。厚手のコットン素材で、アイボリーカラーが柔らかい印象。リボンのようなゴム部分も淡いオレンジ色で肌なじみが良く、服の邪魔もしません。ゴムは頭の後ろで結んで固定するか耳にかけて結ぶかの2通りで、私は耳にかけてリボンを垂らして着用しています。布部分が大きいのでしっかりとカバーされている感じがありますし、小顔効果もあってうれしいですね。

第2位
DIOR & SERAPIAN

 どちらかに選びきれなかったので第2位には「ディオール(DIOR)」と「セラピアン(SERAPIAN)」が両方ともランクイン!「ディオール」はシンプルですが、とにかく快適。鼻の下に少し空間が生まれて息苦しさもなく、マスクに不慣れな私でも長時間着けていられます。ゴム部分も長さ調整可能で、痛くなることがありません。個人的にはロゴが好きではないので、無地な点もプラスのポイント。イタリアの老舗レザーブランド「セラピアン」も同じく快適性に優れています。「ディオール」とは違いナイロン製で通気性が良く、息苦しさがありません。私は黒などのダークカラーの服を着ることが多いので、コーディネートに合う黒色のマスクは自然と出番が多くなります。

第1位
CHLOE

 バイオ技術を使ったマスク製造を行う企業のユーマスク(U-MASK)とのコラボレーションでマスクを制作した「クロエ(CHLOE)」がダントツの1位に輝きました!マスクはサーモンピンクのカバー部分と取り替え式のフィルターの二層構造。フィルターは最大200時間使用可能で、除菌と抗菌作用でウイルスや細菌から保護効果があるだけでなく、それらの増殖や拡散を防ぐ効果もあるとのこと。カバー部分は海洋プラスチックからのリサイクル糸が使用されており、超極薄で快適です。このマスクは公式サイトなどで販売(税込7700円)されており、マスク1枚ごとに11ユーロの収益金が、ユニセフ(国連児童基金)と「クロエ」が男女平等プログラムを支援するソーシャル・チェンジ・ファクトリー(Social Change Factory)に寄付されるようです。快適性やデザイン性、エコロジカルに加え、ソーシャルグッドなポイントも重なって堂々のナンバーワンでした!

ELIE INOUE:パリ在住ジャーナリスト。大学卒業後、ニューヨークに渡りファッションジャーナリスト、コーディネーターとして経験を積む。2016年からパリに拠点を移し、各都市のコレクション取材やデザイナーのインタビュー、ファッションやライフスタイルの取材、執筆を手掛ける

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ミラノ&パリコレで配布されたベストマスク9選 バイオ技術を使った「クロエ」がナンバーワン

 私が今回参加した2021年春夏シーズンのミラノとパリのファッション・ウイークでは、ショー会場入り口でマスクが配布されていました。ブランドによってデザインは多種多様で、ファッション・ウイークの日を追うごとに「今日はどんなマスクがもらえるのかな」と楽しみにしている自分もいて、“マスクコレクター”として可能な限り収集してみました!ただ、私はマスクがとても苦手。日本を離れてからアメリカとフランスで約10年間はマスクを着用したことがなく、日本にいた頃も小学生のときに給食当番で着用していたのが最後の記憶……。風邪をひいてもマスクなしで過ごしてきたし、今だに息苦しくて抵抗感があります。そんな私ですが、ミラノコレとパリコレで収集したマスクを(勝手に)ランキング付けさせていただきました!ジャッジの基準は快適性、デザイン性、エコロジカルの観点です。洋服の好みや肌と髪色、顔の骨格など人それぞれなので、極めて個人的な意見としてご覧ください!

ラング外も魅力的なマスクばかり

 まずトップ3からは外れたブランドのマスクをダイジェストでご紹介します。「パコ ラバンヌ(PACO RABANNE)」からは、ブランドのシグネチャーであるメタルを彷彿とさせる、シルバーに輝くマスクが招待状とともに届きました。ゴムがあまり伸びず、長時間が着けていると耳が痛くなるためランキングからは外れましたが、ショー会場や日付が入っているので記念品として大切に保管しておきたい一品です。

 初のパリコレ参加となった「ガブリエラ ハースト(GABRIELA HEARST)」は、ボルドーの古布を使用。生地が柔らかくて顔にフィットするのはいいのですが、逆にフィットしすぎて鼻息で布がペコペコ動くのが気になってしまいました。私の鼻息が荒いだけなのかな(笑)。

 「コシェ(KOCHE)」は黒色のサージカルマスクの上に黒のレースを貼り付けたデザインです。黒いレースってなんだか魅惑的な雰囲気を醸し出すので素敵。でも洗濯ができず使い捨てなので、エコロジカルの観点からベスト3は逃しました。

 「バルマン(BALMAIN)」は伸縮性のある厚手のニット素材。ブランドのグラフィックが描かれたアイキャッチーなデザインがかわいいんです。ただ、丸みがかっていて私の顔にはちょっとしっくりきませんでした。

 ランク外で最も魅力的だったのは「エトロ(ETRO)」です。ショーの各座席に色違いのペイズリー柄マスクが1枚ずつ置かれており、私はブルーをゲット。もちろん「エトロ」の洋服とは相性がいいですし、全身ワントーンのコーディネートにマスクをポイントにしたり、アクセサリー感覚で着けられたりできそうなのがいいですよね。座席には、マスクと一緒に消毒ジェルもありました。

第3位
ACNE STUDIOS

 デザインで最も好みだったのが「アクネ ストゥディオズ(ACNE STUDIOS)」です。厚手のコットン素材で、アイボリーカラーが柔らかい印象。リボンのようなゴム部分も淡いオレンジ色で肌なじみが良く、服の邪魔もしません。ゴムは頭の後ろで結んで固定するか耳にかけて結ぶかの2通りで、私は耳にかけてリボンを垂らして着用しています。布部分が大きいのでしっかりとカバーされている感じがありますし、小顔効果もあってうれしいですね。

第2位
DIOR & SERAPIAN

 どちらかに選びきれなかったので第2位には「ディオール(DIOR)」と「セラピアン(SERAPIAN)」が両方ともランクイン!「ディオール」はシンプルですが、とにかく快適。鼻の下に少し空間が生まれて息苦しさもなく、マスクに不慣れな私でも長時間着けていられます。ゴム部分も長さ調整可能で、痛くなることがありません。個人的にはロゴが好きではないので、無地な点もプラスのポイント。イタリアの老舗レザーブランド「セラピアン」も同じく快適性に優れています。「ディオール」とは違いナイロン製で通気性が良く、息苦しさがありません。私は黒などのダークカラーの服を着ることが多いので、コーディネートに合う黒色のマスクは自然と出番が多くなります。

第1位
CHLOE

 バイオ技術を使ったマスク製造を行う企業のユーマスク(U-MASK)とのコラボレーションでマスクを制作した「クロエ(CHLOE)」がダントツの1位に輝きました!マスクはサーモンピンクのカバー部分と取り替え式のフィルターの二層構造。フィルターは最大200時間使用可能で、除菌と抗菌作用でウイルスや細菌から保護効果があるだけでなく、それらの増殖や拡散を防ぐ効果もあるとのこと。カバー部分は海洋プラスチックからのリサイクル糸が使用されており、超極薄で快適です。このマスクは公式サイトなどで販売(税込7700円)されており、マスク1枚ごとに11ユーロの収益金が、ユニセフ(国連児童基金)と「クロエ」が男女平等プログラムを支援するソーシャル・チェンジ・ファクトリー(Social Change Factory)に寄付されるようです。快適性やデザイン性、エコロジカルに加え、ソーシャルグッドなポイントも重なって堂々のナンバーワンでした!

ELIE INOUE:パリ在住ジャーナリスト。大学卒業後、ニューヨークに渡りファッションジャーナリスト、コーディネーターとして経験を積む。2016年からパリに拠点を移し、各都市のコレクション取材やデザイナーのインタビュー、ファッションやライフスタイルの取材、執筆を手掛ける

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“スチーマー ナノケア”でおうち美容をアップデート 今こそ、自分史上最高の肌に

 スチーマーといえば、乾燥やキメの乱れなどの肌悩み対策として人気の美容家電の1つ。数あるスチーマーの中でも累計販売台数500万台を達成※1した「パナソニック ビューティ」の“スチーマー ナノケア”は、昨今のおうち美容需要の高まりもあり、ますます注目されている。そんな“スチーマー ナノケア”が6年ぶりに機能とデザインを刷新した。「パナソニック ビューティ」と「WWDJAPAN.com」が行ったライブ配信では、モテクリエーターのゆうこす(菅本裕子)を迎え、新”スチーマー ナノケア”の魅力をあますところなく解説した。

※1 2020年6月時点の“ナノケア”シリーズの累計台数

インスタライブの
スペシャルゲストにゆうこすが登場

 「パナソニック ビューティ」と「WWDJAPAN.com」は10月27日、コラボインスタライブを実施した。ブランド担当者からは“スチーマー ナノケア”新搭載の化粧水ミスト機能や、自動温冷機能などが紹介された。さらに、肌に影響を与える乾燥などの秋冬の外的要因や、在宅勤務の増加とスキンケアの関係性などブランド独自の調査結果を交えたトピックスでも盛り上がりを見せた。スペシャルゲストとして登場したゆうこすは、自宅で過ごす時間が増えたことで、自分でできる肌の手入れをより丁寧に楽しむようになったという。「今年の冬は“スチーマー ナノケア”で、ゆうこす史上最高の肌を目指したい」と締めくくった。

温スチームと新開発の
化粧水ミストによるダブル保湿で
使うたびに潤い肌へ

 スチーマーはこれまで特に乾燥対策として、“冬に使いたい商品”として認知されてきた側面が大きい。「パナソニック ビューティ」が、“スチーマー ナノケア”のリニューアルに際してこだわったのは、“季節を問わず使用したくなること”と“新たな使用シーンの提案”だ。新スチーマーの最大の特長は、手持ちの化粧水を微細化して噴霧できる化粧水ミスト機能。ミストモードは単独での使用が可能なため、メイク前や入浴後はもちろん、帰宅時や暑い季節のリフレッシュにもおすすめだ。連続的に出る微細ミスト化した化粧水が、広くムラなく顔全体に塗布できることも大きな魅力。また、温スチームを浴び肌がふっくらとしたタイミングで化粧水ミストを使用すると、手での塗布時と比べて15%※2多く保湿成分が角質層へ浸透し、肌の潤いをより感じることができる。

 コースの選択も分かりやすくスムーズだ。従来品でも人気だった温スチームと冷ミストが自動で切り替わる自動温冷機能を搭載した“クリア肌コース”と“ハリ・弾力コース”、温スチームをたっぷりと浴びたいときやクレンジング時におすすめの “温スチームコース”に、化粧水ミストと冷ミストの2つのミストモードからなりたい肌や気分に合わせて選ぶことができる。

 また、空間に調和してリビングに出しっぱなしにしていても違和感のないシンプルで洗練されたデザインも印象的だ。パワーアップした新“スチーマー ナノケア”で、おうち美容をさらにアップデートしたい。

※2 温スチームコース使用後に、グリセリン水溶液を化粧水ミストとしてあてた場合の浸透量25.3 μg/cm2、グリセリン水溶液をコットンに含ませて手で塗布した場合の浸透量21.8 μg/cm2前腕での比較(パナソニック調べ)

新“スチーマー ナノケア“に
早くも愛用コメントが続々

※個人の感想です。効果には個人差があります

問い合わせ先
パナソニック

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ヘア&メイクアップアーティスト河嶋希 流 気持ちを上げるマスクメイク

 外出時のマスクがマストとなった日々もおしゃれに過ごしたいもの。心躍るホリデーシーズンにぴったりな“マスクメイク”を人気ヘア&メイクアップアーティストの河嶋希さんが提案。マスクを着けていても外しても印象の高まるような、洗練感のあるメイクにトライしたい。

ホリデーシーズンの
マスクメイクを提案

 マスクを着けることで、視線が自然と集まる目元を印象的に仕上げたルックから紹介。「一見派手に感じるようなトレンドのメタリック質感も、肌なじみのよい赤みブラウンなら品よく主張する目元に。上下でカラーを変えることで華やかさもプラスできます」。
 
 続いて、マットリップを使用したルックを提案。「自然になじむコーラルカラーもマット質感ならモードな印象になれます。目元やチークもコーラルカラーにしてワントーンで仕上げると、マスク着用時も血色感のよい表情に」。

 3つ目のルックは、ベースメイクを主役にしたもの。「下地でベースを整えたらファンデーションを手に取り、額・両頬・鼻・あご先に点置きします。内から外へ薄くのび広げることで自然な立体感もかないます。コンシーラーはブラシから指に取り、眉頭と目頭それぞれのくぼみ、眉尻の下と目尻のくぼみ、両目の間と頬骨の高い位置にオン。骨格が引き立つ“美人”フェイスを演出できます」。

最旬マスクメイクを実践

 スペシャルムービーでは、ヘア&メイクアップアーティスト河嶋希さんが今すぐ実践したくなるマスクメイクを詳しく解説。華やかな気分のクリスマスシーズンに向けて、旬のメイクを楽しみたい。

GINZA SIXでそろう
スペシャルなコフレにも注目

 ギンザ シックス(GINZA SIX)は12月25日までクリスマスの特設ビューティサイトを開設中。クリスマス限定のコフレやボディーケア、パフュームなど今シーズンしか手に入らない23ブランドのスペシャルアイテムなど、心ときめくビューティニュースをチェックしたい。

HAIR & MAKEUP:NOZOMI KAWASHIMA(IO)
PHOTOS:WAKABA NODA(TRON)【MODEL】
TOMOHIRO KUSAMA(TENT)【STILL】
MOVIE:KEIICHIRO TOKUNAGA
STYLING:YOKO IRIE(TRON)
MODEL:AKARI MIMURA

問い合わせ先
ギンザ シックス
03-6891-3390

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デリケートゾーンケアブランド「アイム ラフロリア」を展開するメリア 幼なじみで共同代表の2人に起業への思いを聞いた

 「もっと自由に」「一人一人が自分らしく輝ける毎日を」をビジョンに、2017年、メリア(Mellia)を立ち上げた原由記代表と和田由紀代表。18年9月にはフェミニンケアブランド「アイム ラフロリア(I’m La Floria)」をスタートし、デリケートゾーンケアの習慣化に向けて啓もうする。20年9月には累計約3億円の資金調達を実施し、D2Cの第一人者である佐々木康裕タクラム・ディレクター兼ビジネスデザイナーを社外取締役に迎えた。オウンドメディア「マイミューズ(my muse)」を立ち上げて発信にもさらに力を入れながら、D2Cブランドとして事業を推進する。「ゆき」という同じ名前で幼なじみ。Wゆきさんに起業から約3年、キャリアの異なる2人がタッグを組んだ理由や、デリケートゾーンケアに注目した理由について話を聞いた。

作り手が見えるプロダクトづくりで

女性の背中を後押しする

WWD:一見すると異色のコンビにも見えるお二人ですが、ともに起業した経緯を教えてください。

原由記代表取締役CEO(以下、原):実は和田とは30年来の友人なんです。徳島県出身で、同じ名前で、学校は違っても習い事のバレエを通じてほぼ毎日一緒に過ごした時期もありました。大人になって漠然とですが「いつか一緒に何かやりたいね」と話していましたが、それぞれ別の道に進んだんです。私は化粧品メーカーで商品開発やプロモーションに携わり、ヘアケアやボディーケア、シートマスク、歯磨き粉などさまざまなカテゴリーを手がけてきました。

和田由紀代表取締役CEO(以下、和田):私は外資系の証券会社で営業の仕事をしてきましたが、次のステージに踏み出したいと考えていることを原に話したところ、「そろそろ一緒に立ち上げる?」という話になりました。自分も原も約10年間会社員として仕事をしてきてやり切ったという思いもあり、タイミングも合致しました。会社を立ち上げるときに、どちらかのバックグラウンドを生かしたほうが経験をもとに成功できるはずと考えて、原がヘアケアやボディーケアを手がけてきたことから、プロダクトを通じて女性に寄り添いチャレンジのきっかけになるような会社づくりを目指すことにしました。お互いにやれることが全く違うので非常にバランスがよく、私はプロダクトの販路をはじめとした営業面や、資金調達といったファイナンス面での経験が生きています。

WWD:メリアは女性のエンパワーメントというメッセージ性も非常に強いですよね。

原:化粧品メーカーでは社内も自分が率いているチームも圧倒的に女性が多く、ホルモンバランスの変化による気持ちの浮き沈みや生理による体調不良などが仕事に影響を及ぼすということをよく感じました。そういった心身が不安定になりがちな女性に寄り添えるようなセルフケアプロダクトの開発を女性目線でしたいとかねてより考えていました。

和田:私は前職で管理職の方と仕事をする中で、子育てをしながら働いている私自身の働き方について聞かれることが度々ありました。年齢による制約や子どもがいることで能力を十分に発揮できないというような固定観念に囚われている人が多くてもったいないと思っていました。そういったことから真の意味で働き方改革や女性のエンパワーメントといったきっかけになれるような会社を作りたいという思いもありました。私たちが起業して奮闘している姿をみなさんに見てもらうことも、「私もがんばってみよう」という気づきになるのではないでしょうか。

デリケートゾーンケアを

歯みがきぐらい当たり前の習慣に

WWD:「アイム ラフロリア」をスタートした18年の時点では、デリケートゾーンケアはまだまだ耳慣れないカテゴリーでした。その中で注目したのはなぜですか。

原:ベンチャー企業としてどこのマーケットに注力するべきかを考えたときに、市場が小さく大手が進出していないカテゴリーのほうが、付加価値をつけて広げることができ、勝ち目があると考えました。また10年間ものづくりをしてきましたが、自分が使っている商品をどのような人が作っているのか気になっていました。女性向けの商品を男性が開発していることも多く、女性の気持ちにもっと寄り添って作れたらと。女性ならではの悩みが多いデリケートゾーンケアというカテゴリーでは、私たち女性が作っているというストーリーとともにプロダクトを届けることができれば、もっとこの市場は広がるはずと考えました。

WWD:デリケートゾーンケアを取り入れてもらうためにどのような工夫をしましたか。

原:「アイム ラフロリア」の立ち上げ当初はマーケットが小さく、デリケートゾーンケアという習慣をどう広げていくかを考えました。欧米では当たり前の習慣ですが、デリケートゾーンだけのケアは日本人にはなじみがなく、「効果的なケア方法が分からない」「めんどくさい」「恥ずかしい」という理由から、8割の人がしていないという現状がありました。そこでボディーウオッシュとして、毎日ケアをする中で“デリケートゾーンまでケアができる”という訴求方法で、“デリケートボディウォッシュ”を開発しました。

和田:ボディーに2種類使うのって結構面倒ですよね。せっかく手にとってもらっても、週に1回しか使わないようになってしまうのはもったいない。だからこそ泡立ちが良く1本で全身を洗える仕様にこだわって、毎日使ってもらうことでデリケートゾーンケアを歯磨きぐらい習慣化させたいと思いました。

原:また、若い世代のほうがデリケートゾーンケアに取り組みやすいのではないかとも考え、携帯しやすく外出先でもサッと使用できる“フレッシュクリアシート”を作りました。この2アイテムからスタートし、その後店頭で販売する中でお客さまの悩みを聞いたところ、保湿・乾燥が気になるという声が多数あったので“デリケートボディクリーム”を発売し、ラインアップを拡充していきました。

WWD:百貨店やセレクトショップなどリアル店舗はもちろん、D2CブランドとしてECでの販売にも注力していますね。

和田:私たちは、ブランドはお客さまとともに作り上げるものと考えています。お客さまのことを「ミューズ」と呼び、店頭やアンケートなどで声を拾いながら、黒ずみや乾燥、かゆみといった悩みに寄り添うために商品を増やしていきたいと考えています。百貨店やセレクトショップでの店舗販売からスタートしたのは、世界観を直接感じてもらうことでよりファンになってもらったり、生の声を拾うことでユーザーに寄り添ったもの作りにも繋がります。その次の段階ではD2Cブランドとして、より多くの人の手に届くようにECでの販売や定期便を行い、リアルとデジタルの両輪で進めています。現状はリアルが7割、ECが3割ほどですが、デリケートゾーンケアアイテムを購入することは恥ずかしいと思うことや、そもそも専用のケアが必要だと知らないという人もまだまだいるので、ストーリーやビジョンに共感してもらった上でECでの購入につながったらとも思います。

原:お客さまがどのようなものを求めているのかを直接知るためにも、コミュニケーションを取れる場所をたくさん作っていくという意味でもECは効果的です。買っていただいたあとも並走できるのはD2Cの良さですよね。LINEの公式アカウントや、インスタグラムのDMでコミュニケーションを取ることも、タッチポイントは多ければ多いほど、ブランドとして会社としての成長につながります。

WWD:「アイム ラフロリア」のユーザーの年齢層は?

原:顧客データでは20代、30代が7割を占めていますが、年齢によって悩みも変わりますし、年齢は単なるナンバーなのでターゲットを年齢で区切ることはしていません。悩みを解決して一歩を踏み出したいという人も、単に“パーツケアしているなんておしゃれ”という感覚でも、きっかけはどちらでも良いんです。何かしらわれわれのビジョンやプロダクトに共感してくださる人はみんなお客さまなので、年齢で区切るというような固定観念は持たずに発信しています。

デリケートゾーンケアから

性教育、ウエルネス、SDGsについて考える

WWD:最近ではタレントや芸能人など著名人がデリケートゾーンケアや性教育について発信することも増えてきましたよね。

和田:私の娘が8歳と9歳なのですが、毎日「アイム ラフロリア」のボディーウオッシュを使っているので、性の話も恥ずかしがらずに聞いてくれますし、自分からも話してくれます。顔よりも繊細な部分であることや、なぜ専用のアイテムが必要なのかをプロダクトを通して自然と話すきっかけを作ることができます。ゆくゆくは小学生に向けたエデュケーションプロダクトみたいなスターターキットも構想しています。

WWD:10月にはオウンドメディア「マイ ミューズ」をスタートしましたが、狙いは?

和田:セクシャルウエルネスのプラットフォームにしていきたいです。メリアのミッションでもある「もっと自由に」「一人一人が自分らしく輝ける毎日を」を軸に女性の生き方が一人一人違うということを応援するような一貫性のあるポジティブな発信を心がけています。コンセプトに“マイピンク マイチョイス”を据えていますが、マゼンタやコーラル、ベビーピンクというようにピンクは1色ではありません。セクシャルウエルネスからエンパワーメント、さらにはSDGsまで自分らしい選択をするために知っておきたい情報を届け、意志と知性で自分らしい選択ができるように後押ししたいんです。

原:「メリア」という社名は、フラワーアレンジメントの言葉で1枚1枚の花びらを束ねて1輪の大輪の花にするという手法の一つからとっています。それぞれが輝くことで一人ではできない大きなことが実現できます。「マイミューズ」の理念に共鳴するライターや読者、そして制作スタッフが重層的につながることもねらいの1つです。コンテンツの1つとしてポッドキャストもスタートし、毎回テーマを変えながら女性のエンパワーについても発信します。

和田:プロダクトではサポートできない部分を「マイミューズ」で発信していきます。「アイム ラフロリア」同様、いろいろな人と共に作り上げていきたいですね。そうすることでコミュニティーができてみんなが自分らしい魅力に気づける場所になれば良いと思います。

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マスクによる唇荒れを防ぐトリセツ 冬でも注意すべきは日焼け!?

 マスクを着けることが日常となってから何カ月になるだろうか。暑い夏にも耐え、短い秋が過ぎようとし、乾燥の気になる冬が間もなく訪れようとしている。唇の荒れを訴える声をよく聞くようになったのは、確か、夏が終わろうかというころ。それを裏付けるかのようにリップケアアイテムやリップカラーの売り上げにも影響が見られ、「マスク着用の影響により季節を問わず唇の荒れを感じる人が増えたことから、一層ニーズが高まった」と「シスレー(SISLEY)」の郡司薫コミュニケーション マネージャーは話す。リップケアアイテムだけでなく、リップカラーは高い保湿効果を備えたアイテムは注目されており、「ナーズ(NARS)」でも、「“アフターグローリップバーム”の売り上げは1.5倍の伸長率」と福島まどかPRマネージャーはいう。

 「マスクは唇荒れの原因になると思う」という、皮膚科医の髙木実・新橋トラストクリニック院長に唇荒れを引き起こすメカニズムや良好な状態を保持するための対処法などの教示をもらいながら、たくさんの唇を美しく導いてきたリップケアアイテムの名品を紹介。健やかな唇をキープするためのヒントにしたい。

なぜ、マスクを着けることで唇荒れが生じるのか?

 マスクを着けることで唇荒れが起きてしまうのはなぜか。「口唇トラブルの原因は大きく7つが考えられる」と髙木先生。1使用する口紅などが唇と合わない、2日焼け、3乾燥、4細菌などの感染、5繰り返す刺激、6トラブル発生時に使用する薬剤などの過ち、7ヘルペスなどの疫病の見逃し、を挙げた上で、「この中でマスクが弊害となるのは3、4、5だろう」。ダメージを受けやすいのは夏と思いがちだが、一概に言えないそうだ。髙木先生は諭す、「マスクをすると湿度が高くなることで蒸れる状態と思われがちだが、マスクを外した際に蒸発するために乾燥する。それにより皮膚が乾燥し防御機能が低下。この状態で、マスクの触れる外的刺激によりさらに口唇の荒れが悪化するのは当然だろう。また、マスクについている菌が防御機能の落ちた唇に付いた環境は、菌にとって適度な湿気や温度があれば繁殖するのは容易に想像できる」と。つまり、これからの季節を問わず留意しなければならない。

マスクを頻繁に使用する上で、注意すべきことは?

 マスクを着用することが日常となって半年以上もの時間が経過したが、以前よりもマスクを着用することに慣れてきたとはいえ、不快感を持たなくなったという人は少ないだろう。「口唇を健やかに、美しく保つためにマスクには通気性を求めたいが、コロナなどの感染予防とは矛盾が生じる。朝晩のケア時も保湿することを心掛けてほしい」と髙木先生は言う。また、少しでもトラブルを感じた場合には「自己判断しないこと。医師に正しい対処方法を指導してもらうことも肝要だ」と続ける。さらに、良質で清潔なマスクを使うことと常に保湿するための薬剤などの併用が鍵とした上で、「マスクの着脱を頻繁にすることは、かえって乾燥を進めることになるため注意が必要」と述べた。

 これから迎える冬に注意すべきことは「日焼け。夏ほど紫外線は強くないので油断しがちだが、口唇は最も注意してほしいパーツ」と言い、それは「口唇は他の部位と異なり、色素沈着を改善させることは大変に困難」と説明する。加えて、部屋の湿度を保つように心掛けることも大切。「理想は、50度前後」とし、「口唇を美しく保つことだけでなくインフルエンザの感染予防になる」と教示する。

長く、たくさんの人に愛され続ける保湿に優れたリップケアの名品4選

ザ・リップ バーム「ドゥ・ラ・メール(DE LA MER)」

 2002年9月7日発売し、19年5月にパッケージを一新したヒット作。「マスクが必携必至となり、唇のケアの関心が高まりトレンドになっていることを実感している。お客さまからは圧倒的な効果を感じて頂いており、パンデミック前以上にご愛顧いただいている」(柏木孝之・営業本部長)。独自成分ミラクルブロスを配合。優しくタップするようにつけることで、荒れやすく薄い唇の皮膚も健やかに導き、マスク下のデリケートな唇をふっくらと柔らかく整える。公式オンラインおよび一部店舗で実施中のエングレービングサービスは、大切な人へのプレゼントにも最適。“ザ・リップ バーム”(9g、6500円)

バーム コンフォール「シスレー(SISLEY)」

 05年2月の発売以来、美容業界や著名人にもファンの多いアイテム。「人気の高いロングセラー製品で、年間を通して上位をキープ。ベスト3にも複数回ランクインするほどの売れ行きとなっている」(郡司コミュニケーション マネージャー)皮脂腺のない唇は、他のどのパーツよりも繊細で外的ストレスを受けやすい。水を一滴も入れない濃密な処方で保護、保湿、栄養補給、癒やし、弾力性アップの要素を備えたリップクリームは、こっくりと重いテクスチャーで美しい唇へと育む、攻めの一品。“バーム コンフォール”(9g、7200円)

ルージュ ココ ボーム「シャネル(CHANEL)」

 独自成分のイドゥラ タンドゥル コンプレックスを配合したフォーミュラが、即効性と持続性のある潤いをプラス。とろけるようなテクスチャーはこの上なく心地良く、ケアする時間を豊かにする1本。オイルと補修効果を持つ糖類をベースにする成分がつけた瞬間から滑らかな艶を付与し、使い続けることでふっくらとしなやかな唇へとアプローチ。リップスティックを塗る日常的な所作をも計算したリップケアアイテムが、心地良い唇を生む。「12年1月発売以来、リピーターが多く長年愛され続けているアイテム。マスクによる荒れや乾燥対策として持ち歩いて気軽に保湿ができるため、さらに需要が高まっている」(関菜美子PR)“ルージュ ココ ボーム”(3g、4000円)

ナリッシング リップバーム SQ「スリー(THREE)」

 粘膜に近いため防御作用が弱く、ダメージが受けやすい唇のためのトリートメント。ネロリ 油やオレンジ果皮油などの4種の精油に、アマニ油やイブニングリムローズオイルなどの6種の植物油と4種の植物脂から成る豊かな処方で、みずみずしい美しさを唇に蘇らせる。また、唇が纏った芳しい被膜が嗅覚を刺激して、心地よい睡眠をパワフルにサポートする。「12年2月発売したアイテムだが、マスクによる唇の荒れを気にする人が増え、問い合せが増加。唇だけではなく、気持ちをゆるめリラックスするような芳香は心地よい睡眠のサポートにも」(齋藤未奈PR)。鼻腔に近い唇のケアは、口紅などを落とした状態が最も効果を実感できやすいと考える「スリー」、練り状リップクリームは夜のケアアイテムとして発表された。“ナリッシング リップバーム SQ”(7g 3200円)

唇を潤してくれるリップカラー その人気色2本

「ナーズ(NARS)」“アフターグロー リップバーム”の1356

 唇を滑らかに保つ保湿力で、淡い色づきをもたらす、アフターグローリップバーム。高い保湿力が唇の乾燥によるかさつきを防ぎながら滑らかにし美しく整える。唇に潤いを与える独自のモノイハイドレイティングコンプレックスを配合することで、スムースに伸びる⼼地よいテクスチャーにした。シアーな色付きで、マスクににも付きづらく、極めてナチュラルで輝きの仕上がりをかなえる。今春3月に6シェードを追加し、現在8⾊をラインアップする。“アフターグロー リップバーム”(3500円)

「イヴ・サンローラン(YVES SAINT LAURENT)」“ルージュ ヴォリュプテ シャイン”のN°80 チリ チュニック

 2019年にグローバル ビューティー ディレクターのトム・ペシューの監修により発表された“チリ チュニック”。あらゆる肌トーンにもなじみ、すべての⼥性を魅⼒的にするカラーとして計算された1本。マカデミアナッツ、ウリカガーデンで栽培した美容効果の⾼いザクロエキスなどの美容オイルをたっぷり配合。体温でみずみずしくクリーミィーにとろける質感が贅沢な潤いと艶でやさしく唇を包む。絶妙なレンガ色のブラウンレッドは発売後1年以上経った今も35色を備えるシリーズで人気ナンバー1を保持する。“ルージュ ヴォリュプテ シャイン”(4100円)

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コロナに負けず、「ルブタン」や「リック・オウエンス」には負けた「WWDジャパン」スタッフのベストバイ 

 新型コロナウイルスが猛威を奮い始めて半年以上が経ちました。落ち着きを取り戻しつつある今も、マスク着用や消毒の徹底など置かれている状況は変わりません。今年は東京オリンピックが中止となり、各地でのイベント・ライブ開催も断念せざるをえず、世界中で暗いニュースが続いているのも事実です。またこの状況がいつまで続くかも定かではありません。ですがこんな時こそ、ファッション、ビューティの力を信じる時ではないでしょうか。弊社のスタッフがコロナに負けず、テンション爆上げで自粛期間中に買ったアイテムをご紹介します。

ソールの“赤いマニキュア”にあこがれて

 特別給付金を利用して、「クリスチャン ルブタン(CHRISTIAN LOUBOUTIN)」のシューズを購入しました。以前から女性がはいた細いハイヒールの先にのぞく官能的なレッドソールにあこがれており、今年パリで行われた大型展覧会のニュースを見て、自分もあのアート作品のようなシューズをはいて気分を上げたいと思いました。20年以上前に、デザイナーのクリスチャン・ルブタン(Christian Louboutin)に行ったインタビューは貴重な思い出です。シンプルなデザインなので仕事中のスーツだけでなく、休日にはくジーンズにも合わせたいと思います。
(WWDジャパン編集部 相川克彦)

癒やしの香りでオンオフをコントロール

 家に居る時間が長い上、在宅勤務でオンとオフも曖昧な毎日でインドア派の私もさすがにじわじわとストレスが……。無意識のうちに癒やしを求めていたのか、香りの良いボディーケアアイテムが増えていました。仕事の合間にはさっぱりした香りのものを使って気分転換したり、1日の終わりには甘いバニラが香るボディークリームでゆっくりとマッサージをしたり。香りのパワーを日々実感しています。
(デジタルマーケティング部 浅野ひかる)

数年越しの出合い 黒染めUSレインデッキパーカ

 通称N-2と呼ばれるこのレインデッキパーカは、年代によってフロントのレースがフックになっていたりポケットがなかったりと仕様もさまざま。今回買ったのは、本来オリーブ色のところを黒に後染めした1960年代のもの。はっ水機能が薄っすら残ったゴム引きのコットンに刻まれたシワや退色にロマンを感じます。東京で同様の黒染めしたレインデッキパーカを着用していた人を見かけ、その出で立ちに一目ぼれしたのがきっかけで探し始めました。しかしいくら探しても、黒染めのものが見つからず、ある日ふと学生時代に通っていた名古屋の古着屋のSNSを見ていたところ、たまたまアップされていたのを見てすぐにスタッフさんに連絡!ずっと探していたのでサイズや価格も聞かず購入を決めちゃいました(笑)。
(WWD JAPAN.com編集部 川井康平)

「リック・オウエンス」ファンの争奪戦に見事勝利!

 見た目は無骨で重そうな印象を受けますが、実際に着用すると重さは全く気になりません。デザインはシンプルですが、かなりのインパクトがあり、コーディネートのアクセントとして多用しています。また「リック・オウエンス(RICK OWENS)」がアクセサリーを販売することはほとんど無く、このプライスも激アツ!人と被らないところもポイントです。これは速攻ソールドアウトになると思い、発売日当日にゲットしました(笑)。その後すぐに、ソールドアウトになっていたので、危なかったです。取るか取られるか、誰が手にするか、これもファッションの醍醐味のひとつかもしれません。
(WWD JAPAN.com編集部 大澤錬)

今年の7月に待望の第一子が産まれ、スリーパーを購入

 普段、自宅用や贈答用に選んでいるタオルブランドの「テネリータ(TENERITA)」で、“ベビータオルスリーパー”を購入しました。赤ちゃんは足をバタバタさせてしまうので、こういったものが必要だと分かり、肌触りの良いタオル地のものを買ってあげたいと思い選びました。胸元のロバの刺しゅうも気に入っており愛用しています!もう一枚、買おうか検討中です(笑)。
(ビジネスプランニング部 中野昌宏)

浮腫み体質には嬉しい着圧アイテム

 「メディキュット(MEDIQTTO)」を愛用して8年。超浮腫み体質の私は、旅行にも必ず持参するほどのヘビーユーザーです。そんな「メディキュット」から“パジャマレギンス”が発売されると聞いて、すぐにバラエティーショップに走りました。着圧など連想できない、モコモコで肌触りの良い素材感ですが、はいてみると程よく圧がかかっているのを実感。圧がかかりすぎないので休日には部屋着としても重宝しています。かわいい見た目なので、これなら友人との旅行にも堂々と持っていけそうです。
(販売部 山脇佳那子)

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時代をリードする人気スタイリスト・濱本愛弓の輝く女性になるための“自分らしさと自信”

 仕事にプライベートに、いろんな選択肢があるからこそ、幸せのカタチだって人それぞれ。では本当の意味での“自分らしさ”、ってなんだろう。今の自分に自信を持つためには、心身ともに毎日美しくいることが大前提。乾燥しがちな肌の保湿はもちろん、脱毛だって忘れてはいけない重要な課題の一つだ。 ここでは自分らしく生きられるための素敵なヒントを探るべく、毎日を豊かに輝く女性たちをフィーチャー。第3回は女性誌やファッションメディアで活躍中のスタイリスト・濱本愛弓さんに、家庭用光美容脱毛器“スムーズスキン ピュア”を体験してもらった。そして、彼女が得意とする色や柄を遊び心とともに楽しく取り入れた独自のスタイル哲学や、日常の過ごし方、仕事へのモチベーションまで、ポジティブなライフスタイルをお届け。

“インスピレーション源は花の色彩”

WWD:フラワーモチーフなどを取り入れた色彩豊かなスタイリングが印象的ですが、スタイリストとしてインスピレーション源にしているものとは?

濱本愛弓(以下、濱本):テーマにもよりますが、スタイリングを組むうえで大事にしていることは、プレーフルな色と柄のミックスです。昔から花やグリーンの色彩がとても好きで、「ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)」が打ち出すクリエイティブや「ジルサンダー(JIL SANDER)」のアート作品に感銘を受けてきました。プライベートでも常に花のある生活を心掛けています。なので、スタイリングもその影響であらゆる色彩を使っているのだと思います。

WWD:花やグリーンを日常に取り入れることで、暮らしにどのような変化が生まれますか?お気入りのフラワーショップがあれば教えてください。

濱本:豊かな自然の中で育った花々は私を元気にしてくれます。自宅の玄関に飾るだけで、なにか特別なパワーをもらえる気がするんです。ただ眺めているだけで幸せな気持ちになれるし、花を選んで生けたり、グリーンに水をやったり……。そんなさりげない日常が心にゆとりをもたらしてくれます。お気に入りのフラワーショップは、国内外の花や観葉植物がそろう表参道の「FUGA」。撮影の多い週は、エネルギッシュな花をチョイスしてモチベーションを上げてみたり、少しペースダウンしたいときはシックな花にしてみたり。花を選ぶことで自分自信のコンディションと向き合えるし、ぜいたくな気持ちになれます。

“心と部屋に優しさを添える花器”

WWD:花々の美しさを引き出すために、心掛けていることはありますか?インテリアにセンスよく取り入れるためのコツを教えてください。

濱本:花や植物があるだけで、お部屋が優しい雰囲気になりますよね。私が一日の中でもっとも好きな時間は、花を生けているときかな。美しい花器との組み合わせは、アートさながらの存在感を放ってくれます。外出先でユニークなフォルムの花器を見つけるたびに購入していて、アーティストの作品からビンテージまで、自宅にはたくさんの花器をそろえています。部屋に飾った花の写真をインスタグラムにアップするようになってから、撮影などでプロップとして花のスタイリングなども担当させていただくようになりました。今日はどんな花をチョイスしようかなって考えるだけでなんだかわくわくしてきます。

WWD:スタイリストという職業柄、撮影やリースが立て込み、早朝から夜遅くまで作業される日も多いと思いますが、オンオフの切り替えはどのようにされていますか?

濱本:実は仕事でストレスを感じたことがないんです。やりたいことをやらせていただいているし、なによりこの仕事が大好きだから。ファッションを通じてたくさんの出会いを経験してきたし、それはこれからも大事にしていきたいですね。

WWD:多忙を極めるなか、体力的に過酷なシーンもあると思います。そんなときのリラックス法があれば教えてください。

濱本:月に一度の“ご褒美デー”として頭蓋骨矯正に通っています。フェイスラインや首の長さなどあらゆる骨格が矯正をしてもらうことで、鎖骨がきれいに出るようになりました。体のメンテナンスは日々の緊張をほぐすために必要なことだと思います。

“自信の源は
ムダ毛のないキメ細かな肌”

WWD:艶のある美しい肌が魅力の濱本さんですが、日々行っている美容ケアやルーティンがあれば教えてください。

濱本:スキンケアはもちろん、艶のある肌を保つために保湿は欠かせません。プラスアルファで、今回初めて家庭用光美容脱毛器“スムーズスキン ピュア”を使用しましたが、最初は本当に効果があるのかな?なんて半信半疑でした(笑)。1週間に1度の頻度で使用しているのですが、本当に3回目くらいでムダ毛が薄くなってきました!

WWD:痛みはありましたか?集中的にケアした部位を教えてください。

濱本:脇、腕周りを集中的にケアしました。部位によって照射モードを調整できるので、気になる部分は「パワーモード」、顔などの皮膚が薄い箇所には「ジェントルモード」、腕や脚には「スピードモード」と切り替えて使用しました。脇はほかに比べると少しだけチクっと感じたくらいで、痛いというほどではありませんでしたね。

WWD: “スムーズスキン ピュア”はどんなときに使用していますか?約1カ月間使用してみてどのような効果を感じましたか?

濱本:お風呂でムダ毛を処理してから、寝る前に“スムーズスキン ピュア”を気になる箇所に照射しています。それも全身でだいたい10分程度です。そのあとはお気に入りのボディークリームで丁寧に保湿するだけ。使用するうちに、どんどんムダ毛が目立たなくなっていくのを実感しています。

WWD:濱本さんのように常にポジティブで、自分らしいスタイルを確立するための心得とは?

濱本:ファッションはなりたい自分に近づくための手段です。似合わないかなと思うものでも、チャレンジすることで可能性を広げてくれる。それは私の生き方にも共通しています。興味のあることは恐れず行動する、それが自分らしくいられる理由だし、ポジティブの秘けつです。あとは、ムダ毛のない美しい肌も自信を持つための必須条件ですね!

 よりヘルシーな美肌を手に入れるなら、イギリス発の家庭用光脱毛美容器「スムーズスキン」の新モデル、“スムーズスキン ピュア”をぜひ試してみて。最先端テクノロジーを用いた同製品は、10段階のスキントーンセンサーを搭載しており、使う人の肌に合った最適なパワーで高い脱毛効果を実現してくれる。軽量で持ちやすいコンパクトな形状なので、凹凸のある部位も含めて高速照射で全身のケアがスムーズに行えるのもうれしい。ムダ毛のないキレイな素肌を保つことで、今までのコンプレックスを解消し、指の先まで自信に満ち溢れた新しい自分に出会えるはず。

PHOTOGRAPHS:MAYUMI HOSOKURA
TEXT:MEGUMI OTAKE

問い合わせ先
スムーズスキン カスタマーサポート
0120-791-355

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