PROFILE: 1979年生まれ、滋賀県出身。2004年に文化服装学院を主席で卒業後、イタリアでアンダーウエアデザイナーとして自身のブランドを運営。帰国後にミュージカル「ボーイ・フロム・オズ」でヘッドピースや装身具のデザインを手掛けたことから、帽子デザイナーの道を歩み始めた。これまで数多くのオートクチュールメゾンの帽子制作を担当し、2019年5月、日本人として初めて帽子職人部門で「MEILLEUR OUVRIER DE FRANC(フランス国家最優秀職人章)を受賞した。22年春夏シーズンに「ヒヅメ」をスタート
日爪の技を求めるラブコールは後を絶たない。これまでに「ロエベ」など数々のラグジュアリーブランドのプロトタイプを手がけ、「コム・デ・ギャルソン・オム プリュス(COMME DES GARÇONS HOMME PLUS)」「キディル(KIDILL)」といったブランドとのコラボレーションも実現してきた。「M.O.F.」を獲得して以降、名声はさらに広がり、オーダーメードの依頼もひっきりなしに舞い込む。
そんな折に、ミュージカル「ボーイ・フロム・オズ(原題:THE BOY FROM OZ)」のプロデューサーからヘッドピースをはじめとする装身具の制作を依頼された。日爪は「文化服装学院1年生の時に、モダンコンテンポラリーダンスカンパニーの衣装を制作していたし、色んなデザインコンテストで入賞してきたから、僕の変遷を追いかけていてくれたんじゃないか」と推測する。これまでウエア以外のアイテムを手掛けたことはなかったが、何の気なしに快諾したところ、日爪の作品は関係者らから絶賛されることになった。「なぜだか分からないけど、学んだこともないのに帽子の作り方が自然に頭に浮かんできて、作ってみたら周囲が喜んでくれた。ファッションデザイナーを目指していた頃とは異なり、自分が作りたいものと予算の関係で悩むことも少なく、帽子なら“三方よし”を叶えられると思った」。これが日爪の帽子デザイナーとしての道を切り開く転機となった。
NY発のバッグブランド「ヴァジック(VASIC)」が10周年を迎えた。カノコ・ミズオ=クリエイティブ・ディレクターは10年間、「ヴァジック」ほか、プライベートヘアサロン、キャンドルブランド「ランド バイ ランド(LAND BY LAND)」の運営と活動の幅を広く保ちながらも、歩みを止めることはなかった。メディアから初めてインタビューを受けるというミズオ=クリエイティブ・ディレクターに、「ヴァジック」のこれまでを振り返ってもらった。
カノコ・ミズオ「ヴァジック」クリエイティブ・ディレクター PHOTO:DAISUKE TAKEDA
WWD:ヘアスタイリストからキャリアをスタートさせたと聞いた。
カノコ・ミズオ「ヴァジック」クリエイティブ・ディレクター(以下、ミズオ):
私はもともと、パリでジュリアン・ディス(Julien D’ys)に師事していた。彼は、「ディオール(DIOR)」や「サンローラン(SAINT LAURENT)」、「コム デ ギャルソン(COMME DES GARCONS)」など、名だたるブランドに関わってきた世界的なヘアアーティストだ。私の妥協を許さないモノ作りは、彼からの譲り受けだと言って良い。ニューヨークに移住した後も、しばらくはヘアスタイリスト1本で活動していた。
韓国発のバッグ&シューズブランド「オソイ(OSOI)」が、昨年同ブランドの国内独占販売権を取得したユナイテッドアローズとともに、日本での事業を拡大している。ブランド名は、日本語の「遅い」に由来。「自分たちのペースでモノ作りをしたい」というヒージン・カン(Hee Jin Kang)創業者兼CEO兼クリエイティブ・ディレクターの思いが込もるが、それとは裏腹に、ブランドの人気は急速な高まりを見せている。このほど来日したヒージン=クリエイティブ・ディレクターに、「オソイ」のブランド作りについて聞いた。
PROFILE: 英ブリストルで結成。メンバーはジョー・タルボット(vocals)、ダム・デヴォンシャー(bass)、マーク・ボーウェン(guitars)、リー・キアナン(guitars)、ジョン・ビーヴィス(drums)の5人で、2017年にデビュー・アルバム「Brutalism」をリリース。18年にはセカンド・アルバム「Joy As An Act Of Resistance」を、20年にはサード・アルバム「Ultra Mono」をリリース。サードアルバムはUKチャートの1位を獲得した。21年には、ケニー・ビーツとギタリスト、マーク・ボーウェンの共同プロデュースによる4枚目のアルバム「Crawler」を、24年2月に5枚目のアルバム「Tangk」をリリースした。
昨年2月にリリースした最新アルバム「Tangk」が、先日のグラミー賞で「Best Rock Album」にノミネートされたアイドルズ(IDLES)。かれらのアルバムが同賞の候補に選ばれるのは前作「Crawler」(2021年)に続いて2作連続で、英国出身でこれほど世界的な評価を獲得しているバンドは、近年では稀有な存在と言えるだろう。2000年代の終わりにブリストルで結成され、硬質なパンク・サウンドでインパクトを残したデビュー・アルバム「Brutalism」(17年)から8年。フロントマンのジョー・タルボット(Joe Talbot)が率いるこの5人組は、聴く者の感情に深く訴えかける音楽をつくり続けることで支持を広げ、フー・ファイターズやメタリカからも一目置かれるワールド・クラスのバンドへと飛躍を遂げた。そして、レディオヘッドやベックを手がけるナイジェル・ゴドリッチを共同プロデューサーに迎えた5作目の「Tangk」は、これまで以上に多様な音楽的要素が交錯する、アイドルズの新たな局面を示した作品だった。
——コラボレーションといえば、昨年末にリリースされた「Pop Pop Pop」のリミックスでダニー・ブラウンがフィーチャーされていたのもサプライズでした。
ジョー:ラッパーとコラボしたいと思っていて、それでグラストンベリーのステージで「Pop Pop Pop」をやるときにラッパーをフィーチャーするアイデアが浮かんだんだ。ダニー・ブラウンは僕が大好きなラッパーの一人で、彼はすでにグラストンベリーでパフォーマンスした経験もあったからさ。それで彼と知り合いのケニー・ビーツを通じてお願いしたら、すごく乗り気でね。本当に最高だったよ。そこからダニーと意気投合して、ボーエンと僕でケニーや他のラッパーたちと一緒に何か新しい音楽をつくろうって動き出したんだ。
それでダニーと話してたら、グラストンベリーの後で「Pop Pop Pop」に彼がヴァースを入れてくれることになった。本当に嬉しかったよ。これからもダニーと一緒に仕事ができるのが楽しみで仕方ないね。
ジョー:僕がヒップホップと出会ったのは10歳くらいの時で、ファーサイドの「Bizarre Ride II the Pharcyde」ってアルバムを聴いたんだ。いい曲がたくさん入っていて、次の「Labcabincalifornia」ってアルバムも最高だった。ミュージック・ビデオもすごくて、特にスパイク・ジョーンズが監督した「Drop」は逆再生とか斬新な演出で本当にヤバかった。とにかく、それまで聴いたことのない斬新なサウンドで、ヒップホップは僕にある種の“目標”を与えてくれたんだ。夢中だったよ。もっとも、イギリスの白人中流階級のガキにとっては完全に異質な文化だったけど、そこには真の“目的意識”があった。僕は昔から、そういう本物の目的意識を持った人や物事に惹かれるタイプでさ。で、それまで長い間ギター・ミュージックばかり聴いてたんだけど、ヒップホップと出会って、再びギター・ミュージックとの繋がりを発見した――そんな感じだね。
ジョー:コートを買ったばかりなんだ。ブランドは……「スティル・バイ・ハンド(STILL BY HAND」だね。僕はビンテージの服を集めるのが好きで、靴は「ジャック・ソロヴィエール(Jacques Solovière)」がお気に入り。履き心地がいいし、美しいからね。僕の理想のスタイルは、折衷的(eclectic)で、いかにも「分かってる」感じに見せつつ、普通のスタイルの枠を壊すこと。でも、クラシックなセンスは絶対に忘れない。だから、クレイジーに見せるんじゃなくて、例えば「ラングラー(WRANGLER)」のジーンズに「ラコステ(LACOSTE)」のベストを合わせるみたいな感じで、普通に快適に見えるようしてる。
PROFILE: 英ブリストルで結成。メンバーはジョー・タルボット(vocals)、ダム・デヴォンシャー(bass)、マーク・ボーウェン(guitars)、リー・キアナン(guitars)、ジョン・ビーヴィス(drums)の5人で、2017年にデビュー・アルバム「Brutalism」をリリース。18年にはセカンド・アルバム「Joy As An Act Of Resistance」を、20年にはサード・アルバム「Ultra Mono」をリリース。サードアルバムはUKチャートの1位を獲得した。21年には、ケニー・ビーツとギタリスト、マーク・ボーウェンの共同プロデュースによる4枚目のアルバム「Crawler」を、24年2月に5枚目のアルバム「Tangk」をリリースした。
昨年2月にリリースした最新アルバム「Tangk」が、先日のグラミー賞で「Best Rock Album」にノミネートされたアイドルズ(IDLES)。かれらのアルバムが同賞の候補に選ばれるのは前作「Crawler」(2021年)に続いて2作連続で、英国出身でこれほど世界的な評価を獲得しているバンドは、近年では稀有な存在と言えるだろう。2000年代の終わりにブリストルで結成され、硬質なパンク・サウンドでインパクトを残したデビュー・アルバム「Brutalism」(17年)から8年。フロントマンのジョー・タルボット(Joe Talbot)が率いるこの5人組は、聴く者の感情に深く訴えかける音楽をつくり続けることで支持を広げ、フー・ファイターズやメタリカからも一目置かれるワールド・クラスのバンドへと飛躍を遂げた。そして、レディオヘッドやベックを手がけるナイジェル・ゴドリッチを共同プロデューサーに迎えた5作目の「Tangk」は、これまで以上に多様な音楽的要素が交錯する、アイドルズの新たな局面を示した作品だった。
——コラボレーションといえば、昨年末にリリースされた「Pop Pop Pop」のリミックスでダニー・ブラウンがフィーチャーされていたのもサプライズでした。
ジョー:ラッパーとコラボしたいと思っていて、それでグラストンベリーのステージで「Pop Pop Pop」をやるときにラッパーをフィーチャーするアイデアが浮かんだんだ。ダニー・ブラウンは僕が大好きなラッパーの一人で、彼はすでにグラストンベリーでパフォーマンスした経験もあったからさ。それで彼と知り合いのケニー・ビーツを通じてお願いしたら、すごく乗り気でね。本当に最高だったよ。そこからダニーと意気投合して、ボーエンと僕でケニーや他のラッパーたちと一緒に何か新しい音楽をつくろうって動き出したんだ。
それでダニーと話してたら、グラストンベリーの後で「Pop Pop Pop」に彼がヴァースを入れてくれることになった。本当に嬉しかったよ。これからもダニーと一緒に仕事ができるのが楽しみで仕方ないね。
ジョー:僕がヒップホップと出会ったのは10歳くらいの時で、ファーサイドの「Bizarre Ride II the Pharcyde」ってアルバムを聴いたんだ。いい曲がたくさん入っていて、次の「Labcabincalifornia」ってアルバムも最高だった。ミュージック・ビデオもすごくて、特にスパイク・ジョーンズが監督した「Drop」は逆再生とか斬新な演出で本当にヤバかった。とにかく、それまで聴いたことのない斬新なサウンドで、ヒップホップは僕にある種の“目標”を与えてくれたんだ。夢中だったよ。もっとも、イギリスの白人中流階級のガキにとっては完全に異質な文化だったけど、そこには真の“目的意識”があった。僕は昔から、そういう本物の目的意識を持った人や物事に惹かれるタイプでさ。で、それまで長い間ギター・ミュージックばかり聴いてたんだけど、ヒップホップと出会って、再びギター・ミュージックとの繋がりを発見した――そんな感じだね。
ジョー:コートを買ったばかりなんだ。ブランドは……「スティル・バイ・ハンド(STILL BY HAND」だね。僕はビンテージの服を集めるのが好きで、靴は「ジャック・ソロヴィエール(Jacques Solovière)」がお気に入り。履き心地がいいし、美しいからね。僕の理想のスタイルは、折衷的(eclectic)で、いかにも「分かってる」感じに見せつつ、普通のスタイルの枠を壊すこと。でも、クラシックなセンスは絶対に忘れない。だから、クレイジーに見せるんじゃなくて、例えば「ラングラー(WRANGLER)」のジーンズに「ラコステ(LACOSTE)」のベストを合わせるみたいな感じで、普通に快適に見えるようしてる。
日本発フレグランス「エディット(EDIT(H))」初の旗艦店が東京・神楽坂にオープンした。「エディット」は2018年に誕生。1905年創業の煉朱肉「日光印」6代目である葛和健太郎モリヤマ社長が、朱肉をルーツにした香水ブランドとしてスタートした。フランスのインテリア見本市「メゾン エ オブジェ(MAISON ET OBJET)」でデビューした当時は、日本発香水は少なかったが、ヨーロッパで認められ、現在10カ国で展開。日本国内では伊勢丹新宿本店や阪急メンズ東京など約20店舗で販売している。4月に初の旗艦店をバー併設で神楽坂に出店。葛和社長に、バー併設および神楽坂を選んだ理由を聞いた。
草彅:本当だよ!それで監督に「僕のところに全然話がこないじゃん」って文句を言ったらようやく仕事が来たんだけど、ふたを開けたら「進撃の巨人 ATTACK ON TITAN エンド・オブ・ザ・ワールド」(15年)の数分間のカメオ出演だったし。だから今回もやるやる詐欺だと思ってたんです。そしたら台本も送られてきて「本当なの⁉︎」って(笑)。
細尾:思いの他でかくなった(笑)。「ホイポイカプセル」みたいに即座にドーンと展開できないけれど、ギネス世界記録に登録されるほど大きな建築物になった。われわれはコンセプトに「More than Textile(織物の領域を広げていきたい)」を掲げて取り組んできており、今回の外壁も(西陣織本来の)着物とはかけ離れているように感じられるかもしれない。けれど、僕にとっては結局“着物”。着物は人が着るものだけど、部屋が着れば内装になるし、これまで車にも着せてきた。今回構造物に着せたことで、最大級の着物ができたという思いだ。人が着るのか、構造物が着るのかの違いで、いずれも人を感動させる美がそこにあることが重要だ。
細尾:思いの他でかくなった(笑)。「ホイポイカプセル」みたいに即座にドーンと展開できないけれど、ギネス世界記録に登録されるほど大きな建築物になった。われわれはコンセプトに「More than Textile(織物の領域を広げていきたい)」を掲げて取り組んできており、今回の外壁も(西陣織本来の)着物とはかけ離れているように感じられるかもしれない。けれど、僕にとっては結局“着物”。着物は人が着るものだけど、部屋が着れば内装になるし、これまで車にも着せてきた。今回構造物に着せたことで、最大級の着物ができたという思いだ。人が着るのか、構造物が着るのかの違いで、いずれも人を感動させる美がそこにあることが重要だ。
ボナストレ:卸先は現在、世界15カ国に約30アカウント。実は最初のクライアントは日本のトゥモローランド(TOMORROWLAND)で、それ以来ずっと日本が最大の市場だ。日本ではトゥモローランドやヒビヤ セントラル マーケット(HIBIYA CENTRAL MARKET)、ジャーナルスタンダード レサージュ(JOURNAL STANDARD L’ESSAGE)、ビュートリアム(BEAUTRIUM)などで扱われている。現在のベストセラーは2つあり、昨冬にローンチした“ライダー(RIDER)”と昔ながらのキャンディーの包み紙からヒントを得た“ボンボン(BON-BON)”。2月には、“ボンボン”に特化したポップアップストアもデ・プレ(DES PRES)丸の内店で開催した。
ボナストレ:卸先は現在、世界15カ国に約30アカウント。実は最初のクライアントは日本のトゥモローランド(TOMORROWLAND)で、それ以来ずっと日本が最大の市場だ。日本ではトゥモローランドやヒビヤ セントラル マーケット(HIBIYA CENTRAL MARKET)、ジャーナルスタンダード レサージュ(JOURNAL STANDARD L’ESSAGE)、ビュートリアム(BEAUTRIUM)などで扱われている。現在のベストセラーは2つあり、昨冬にローンチした“ライダー(RIDER)”と昔ながらのキャンディーの包み紙からヒントを得た“ボンボン(BON-BON)”。2月には、“ボンボン”に特化したポップアップストアもデ・プレ(DES PRES)丸の内店で開催した。
武内:クリエイターの身の回り品をサポートするラインとして「ゴヱモンジェネラルガジェット(GOYEMON GENERAL GADGET)」と名付けています。僕らが仕事をするために使う道具なので、例えばスウェットでは、デスクワークで最も消耗するであろう手首まわりにナイロン製の補強布を取付けました。エルボーパッチではなく、“リストパッチ”仕様です。シャツは、クイックに袖をまくれるように、カフスをリブにしました。
武内:クリエイターの身の回り品をサポートするラインとして「ゴヱモンジェネラルガジェット(GOYEMON GENERAL GADGET)」と名付けています。僕らが仕事をするために使う道具なので、例えばスウェットでは、デスクワークで最も消耗するであろう手首まわりにナイロン製の補強布を取付けました。エルボーパッチではなく、“リストパッチ”仕様です。シャツは、クイックに袖をまくれるように、カフスをリブにしました。
「レイジースタイルズ(LAZY STYLES)は、「OFF DAYS ON」をコンセプトにした、「プラザ」初のプライベートウエアブランド。シーンやジェンダーに捉われず、曖昧さを楽しむ“FUZZ-ISH”ウエアを展開する。シーンを選ばないデザイン、男女問わず着用できるサイズ展開で、何気ない日常のレイジーな時間も自分らしくポジティブでいられる、最旬のストリートスタイルを提案している。
サラはコレットを閉店した後、自身の会社「ジャスト アン アイデア(Just an Idea)」を設立。アートブックの出版やブランドのコンサルティング、キュレーションを通じて、アートとファッション、カルチャーを横断的につなぐ活動を続けている。オープンに合わせ来日したサラに、ポップアップの見どころや最近の活動まで、話を聞いた。
2024年夏に無期限の活動休止を発表したUKのバンド、ブラック・ミディ(black midi)。その突然のニュースから間髪入れずにソロ転向を宣言し、24年10月に電光石火の速さで届けられたジョーディー・グリープ(Geordie Greep)のデビュー作「The New Sound」は賞賛をもって迎えられ、多くのメディアで昨年を代表するアルバムに選ばれるなど高い評価を受けた。ロンドンとブラジルのサンパウロで現地のミュージシャンとレコーデイングされ、ジャズやラテン・ミュージック、プログレッシブ・ロックからイージー・リスニングまでが高度な演奏によって組み合わされたようなサウンドは、博覧強記の音楽体験を誇るグリープにしかつくりえない代物。それはブラック・ミディの記憶を押しやるに十分な、まさに「新しい音」と自ら謳うとおりのインパクトだった。
で、ブラジルの音楽とか見てると面白いんだよね。なぜかって言うと、その音楽のほとんどが禁止されたり、認められなかったり、極めて“政治的”な背景を持ってるから。例えば、ミルトン・ナシメントの「Milagre dos Peixes」――僕の中では史上最高のアルバムの一つなんだけど、録音中に「歌詞はダメだ」って言われてさ。10曲中7曲、つまりアルバムの70%に歌詞がなくて、「ラ、ラ、ラ、ラ」って歌ってるだけなんだよ。全部禁止されちゃったから。ただ、それでもメロディとコードだけで最高に素晴らしいアルバムなんだよね。でも、考えてみればクレイジーだよね。ジルベルト・ジルとかもそうだけど、軍事政権がひどすぎてブラジルから逃げてロンドンに住んでたんだから。彼らにとっては、政治ってただのアイデアとか理論的な意見じゃなくて、現実そのものだったんだよ。リアルで、とても恐ろしい現実だったんだ。
「フレンチ・ブルーム」は2019年に「ミシュランガイド」出身のマギー・フレールジャン・テタンジェ創始者とシャンパン「テタンジェ(TAITTINGER)」の創設者のひ孫であるロドルフ・フレールジャン・テタンジェ最高責任者(CEO)が創業。創業のきっかけは、マギーの妊娠。市場に出回っているノンアルコールワインは糖度が高く食事には不向きだった。そこで、食事とペアリングできる「フレンチ・ブルーム」を考案し、シャンパン造りのノウハウと革新により試行錯誤を重ねて完成させた。その複雑な香りと味わいにより、一流ホテルやレストランが選ぶノンアルコールワイン。「フレンチ・ブルーム」は、昨年10月には、LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)が出資する初のノンアルコールのブランドになった。イベントのために来日した、テタンジェ夫妻に今後の戦略について聞いた。
「フレンチ・ブルーム」は2019年に「ミシュランガイド」出身のマギー・フレールジャン・テタンジェ創始者とシャンパン「テタンジェ(TAITTINGER)」の創設者のひ孫であるロドルフ・フレールジャン・テタンジェ最高責任者(CEO)が創業。創業のきっかけは、マギーの妊娠。市場に出回っているノンアルコールワインは糖度が高く食事には不向きだった。そこで、食事とペアリングできる「フレンチ・ブルーム」を考案し、シャンパン造りのノウハウと革新により試行錯誤を重ねて完成させた。その複雑な香りと味わいにより、一流ホテルやレストランが選ぶノンアルコールワイン。「フレンチ・ブルーム」は、昨年10月には、LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)が出資する初のノンアルコールのブランドになった。イベントのために来日した、テタンジェ夫妻に今後の戦略について聞いた。
フォトアーティスト・ARISAKがファッション&ビューティ業界の多彩なクリエイターと共鳴し、新たなビジュアル表現を追求する連載【ARISAK Labo】。Vol.4となる今回は、2023年8月にデビューした注目の若手グループKID PHENOMENON(キッド フェノメノン)から、夫松健介(以下、KENSUKE)、遠藤翼空(以下、TSUBASA)、山本光汰(以下、KOTA)の3人が登場。1月にファーストアルバムをリリースし、夏にはLIVE & FAN MEETING TOUR 2025 ~D7SCOVER~を控える彼らの前進し続ける姿を、ARISAKが自身のフィルターを通じて表現した。
PROFILE: 7人組ボーカル&ダンスグループとして2023年8月に結成。楽曲"Party Over There""Unstoppable"は共にYouTube再生回数400万回を突破。1月にファーストアルバム「PHENOMENON」をリリースし、今夏国内10都市を巡るLIVE & FAN MEETING TOUR 2025 ~D7SCOVER~を実施。左からKOTA、TSUBASA、KENSUKE
KENSUKE:昔はイベントに出演するにも、自分達が持っている曲が少なすぎて頭を悩ませることが多かったんですが、今ではアルバムを出せるほどに曲数が増えていることに感動しています。特に"Party Over There"と"Unstoppable"は、MVの世界観も含めて「やっとKID PHENOMENONが出来上がってきた」と思える大切な2曲なので、アルバムのどこにこの曲を置くかが一番悩みましたね。メンバーとたくさん考える中で、「曲の流れよりもメッセージを大事にしよう」と決めて曲順を決めました。自分達がオーディションを受けてきた中のストーリーを表現していて、それが今何かに向かって頑張ってる方が夢を叶えるまでのストーリーになったらいいなって思います。そして僕達のグループ名にある“PHENOMENON”には、世の中に現象を起こしたいという意味が込められています。時代の流行を作っていくようなグループになりたいです。
WWD:最後に、今夏控えるLIVE & FAN MEETING TOUR 2025 ~D7SCOVER~についてコメントを!
フォトアーティスト・ARISAKがファッション&ビューティ業界の多彩なクリエイターと共鳴し、新たなビジュアル表現を追求する連載【ARISAK Labo】。Vol.4となる今回は、2023年8月にデビューした注目の若手グループKID PHENOMENON(キッド フェノメノン)から、夫松健介(以下、KENSUKE)、遠藤翼空(以下、TSUBASA)、山本光汰(以下、KOTA)の3人が登場。1月にファーストアルバムをリリースし、夏にはLIVE & FAN MEETING TOUR 2025 ~D7SCOVER~を控える彼らの前進し続ける姿を、ARISAKが自身のフィルターを通じて表現した。
PROFILE: 7人組ボーカル&ダンスグループとして2023年8月に結成。楽曲"Party Over There""Unstoppable"は共にYouTube再生回数400万回を突破。1月にファーストアルバム「PHENOMENON」をリリースし、今夏国内10都市を巡るLIVE & FAN MEETING TOUR 2025 ~D7SCOVER~を実施。左からKOTA、TSUBASA、KENSUKE
KENSUKE:昔はイベントに出演するにも、自分達が持っている曲が少なすぎて頭を悩ませることが多かったんですが、今ではアルバムを出せるほどに曲数が増えていることに感動しています。特に"Party Over There"と"Unstoppable"は、MVの世界観も含めて「やっとKID PHENOMENONが出来上がってきた」と思える大切な2曲なので、アルバムのどこにこの曲を置くかが一番悩みましたね。メンバーとたくさん考える中で、「曲の流れよりもメッセージを大事にしよう」と決めて曲順を決めました。自分達がオーディションを受けてきた中のストーリーを表現していて、それが今何かに向かって頑張ってる方が夢を叶えるまでのストーリーになったらいいなって思います。そして僕達のグループ名にある“PHENOMENON”には、世の中に現象を起こしたいという意味が込められています。時代の流行を作っていくようなグループになりたいです。
WWD:最後に、今夏控えるLIVE & FAN MEETING TOUR 2025 ~D7SCOVER~についてコメントを!
今回の撮影では“Pant it Blue”をテーマに、CYBER RUIが長い間夢見ていた“全身をブルーでペイントする”撮影を実行。顔の中心から少しずつ全身に青が広がっていく様を撮り下ろした。「ずっと全身青で撮影してみたいと思っていて、撮ってもらうなら絶対ARISAKさんだなって。イメージ画像をお互いシェアしたりして、今回のビジュアルへと辿り着きました」。
CREDIT
LOOK1:TOPS & SKIRT / GYOEM, CAP / GNASTY
LOOK2:TOPS / GNASTY, HEAD PIECE / JINKI NAOMATSU, OTHERS / MODEL OWN
LOOK3:TOPS / GYOEM , OTHERS / MODEL OWN
例えばSBTRKTはその一人です。前(2014年)に彼のバンド・メンバーとして「フジロック」に出演したことがあるのですが、その経験を通じて、エレクトロニック・ミュージックへのアプローチの仕方や、ソングライティングと融合させる方法を学びました。さらに、サンファのようなアーティストをフィーチャリングする現場——特にアルバム「Wonder Where We Land」(14年)の制作過程――を間近で見ることで、多くのインスピレーションをもらいました。なので、SBTRKTからは間違いなく大きな影響を受けていますね。
■ Fabiana Palladino
release: 2024年4月5日
TRACKLISTING:
01. Closer
02. Can You Look In The Mirror?
03. I Can’t Dream Anymore
04. Give Me A Sign
05. I Care
06. Stay With Me Through The Night
07. Shoulda
08. Deeper
09. In The Fire
10. Forever https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=13882
PROFILE: 韓国で2018年に結成されたオルタナティブK-POPバンド。11人のメンバーで楽曲制作、MV撮影、パフォーマンス、PRなど、全てのプロセスを自分たちで行なっている。デビューシングル「I’m Sick」で注目を集め、19年にリリースされた「Armadillo」では韓国ヒップホップアワードにてMusic Video Of The Yearを受賞し着実に韓国国内の音楽シーンに影響を与えた。そして22年にはBTSのリーダーRMを迎えた「Sexy NUKIM」をリリースし、世界中に新たなK-POP現象の風を吹き込んだ。23年に1stスタジオアルバム「January Never Dies」を、24年11月にEP「Greatest Hits」をリリースした。
ロク・ファン「ロク」デザイナー(以下、ファン):ファーストシーズンに続き“Play in Style”をコンセプトに、いろんな要素やアイテムを組み合わせていくミックスマッチの考え方でコラボレーションに臨みました。「ジーユー」と「ロク」それぞれが得意とする要素と、今シーズンは“ブリティッシュガーデン”の要素も加えて、それらをミックスして面白いものを作りたい、というのが出発点です。“ブリティッシュガーデン”の要素としては、例えばワンピースに取り入れた小花柄です。リボン付きのハットもまさにガーデニングをするときに被るようなスタイルですよね。また、ショート丈のコートは、庭いじりをするときに日差しから守るといったイメージで、ケープのようなシルエットになりました。
ファン:「ジーユー」チームから、お客さまの着こなし写真や商品に対するコメントをフィードバックしてもらっています。“Play in Style”として、お客さまが自由に楽しめる余白のある提案をしているので、実際に皆さんが自分なりに着こなしてくださっているスタイリング写真を見るのはすごく楽しかったですね。前回はウィメンズのみのコレクションでしたが、それを男性が着こなしてくださっていたり、年齢によって、同じアイテムでもかなり違うイメージで着こなしてくださっていたり。皆さんハッピーに反応してくれて、とてもうれしかったです。今回メンズアイテムを出したことは、男性のお客さまが前回のコレクションを着こなしてくださった点にインスパイアされた部分ももちろんあります。
小倉:日本では、1995年に起こった阪神淡路大震災で被災した子どもたちを2001年に兵庫の六甲山のスキー場に招待して、スノーボードを楽しんでもらったのが始まりでした。NPO法人としてチル ジャパンができたのは03年、これまでに活動に招待してきた子どもたちは2000〜3000人です。日本に限らず、チルの活動は“LTR(Learn To Ride)”という板ができたことで進んだ部分は大きかった。初心者でもターンのきっかけがつかみやすく、逆エッジで転ぶことが少ない板です。自分も“LTR”で滑ってみて、「これなら子どもたちが履いても大丈夫」と思ったのをよく覚えています。
小倉:日本では、1995年に起こった阪神淡路大震災で被災した子どもたちを2001年に兵庫の六甲山のスキー場に招待して、スノーボードを楽しんでもらったのが始まりでした。NPO法人としてチル ジャパンができたのは03年、これまでに活動に招待してきた子どもたちは2000〜3000人です。日本に限らず、チルの活動は“LTR(Learn To Ride)”という板ができたことで進んだ部分は大きかった。初心者でもターンのきっかけがつかみやすく、逆エッジで転ぶことが少ない板です。自分も“LTR”で滑ってみて、「これなら子どもたちが履いても大丈夫」と思ったのをよく覚えています。
PROFILE: (しらみず・たかひろ)1985年佐賀県小城市生まれ。大分大学工学部福祉環境工学科建築コース卒業。2009年8月厚生労働省の雇用創出事業「九州ちくご元気計画」に関わり2年半プロジェクトの主任推進員として動く。同事業は11年グッドデザイン賞商工会議所会頭賞を受賞。12年7月にアンテナショップうなぎの寝床を立ち上げる。24年、テイクオーバーと資本提携し代表職から外れ顧問に。現在はさまざまな企業のコンサルティングを行う他、2023年テキスタイルデザイナーの光井花と新会社hana material design laboratoryを立ち上げる
バレル:2006年に創業者のデニス・パフィティス(Dennis Paphitis)と出会った。文学やアートが好きのデニスとは共通点が多く馬が合った。私は調香の学校を出たばかりで経験がなかったが、ずっと連絡を取り続けて12年に初めて“タシット”を調香した。私が経験を積むのを待ってくれたのだと思う。“タシット”は特別で大切な作品。デニスからのブリーフィングは、イタリア人画家ジョルジョ・デ・キリコ(Giorgio de Chirico)の絵。キリコの絵はシュールだが、「イソップ」にも常に奇妙な要素があると思った。それで、バジルを大量に使ってエッセンスを作り、ベチバーハートを使用し、奇妙な要素を表現した。
バレル:2006年に創業者のデニス・パフィティス(Dennis Paphitis)と出会った。文学やアートが好きのデニスとは共通点が多く馬が合った。私は調香の学校を出たばかりで経験がなかったが、ずっと連絡を取り続けて12年に初めて“タシット”を調香した。私が経験を積むのを待ってくれたのだと思う。“タシット”は特別で大切な作品。デニスからのブリーフィングは、イタリア人画家ジョルジョ・デ・キリコ(Giorgio de Chirico)の絵。キリコの絵はシュールだが、「イソップ」にも常に奇妙な要素があると思った。それで、バジルを大量に使ってエッセンスを作り、ベチバーハートを使用し、奇妙な要素を表現した。
ロニー:「キス オオサカ」でしか購入することができない限定アイテムを数多くそろえている。例えば、背面に大阪を象徴するアートワークと虎の刺しゅうを施したリバーシブルジャケットなどのアパレルコレクションや、「ニューエラ(NEW ERA)」とコラボレーションした阪神タイガースとオリックス・バファローズのキャップ、日本の皇室御用達ブランドとしても知られる茶筒の老舗「開化堂」とのキャニスター(フタ付きの円筒形の保存容器)などだ。また、「ニューバランス(NEW BALANCE)」を象徴するスニーカー“1300”のアイコニックなカラーリングを私なりに再解釈し、“メイド イン USA 992(MADE IN USA 992)”に落とし込んだ1足も用意した。これは「キス」の公式オンラインでも販売するが、実店舗で取り扱うのは「キス オオサカ」だけだ。
ロニー:「キス オオサカ」でしか購入することができない限定アイテムを数多くそろえている。例えば、背面に大阪を象徴するアートワークと虎の刺しゅうを施したリバーシブルジャケットなどのアパレルコレクションや、「ニューエラ(NEW ERA)」とコラボレーションした阪神タイガースとオリックス・バファローズのキャップ、日本の皇室御用達ブランドとしても知られる茶筒の老舗「開化堂」とのキャニスター(フタ付きの円筒形の保存容器)などだ。また、「ニューバランス(NEW BALANCE)」を象徴するスニーカー“1300”のアイコニックなカラーリングを私なりに再解釈し、“メイド イン USA 992(MADE IN USA 992)”に落とし込んだ1足も用意した。これは「キス」の公式オンラインでも販売するが、実店舗で取り扱うのは「キス オオサカ」だけだ。
チャートランド:個人的には「ゴハー・ワールド」のデザインアプローチも好きですし、「テクラ(TEKLA)」と「オーラリー(AURALEE)」のコラボが大好きだったのですが、すぐに売り切れてしまいました。メルボルン発の「ゾウゾウ ラグス(ZOUZOU RUGS)」は美しいラグを作っていて、「フェラガモ(FERRAGAMO)」のブティックとも密接な関わりを持っているので、ファッションブランドとの親和性もあります。日本の家庭にも馴染むパターンなので、日本のお客さんにもおすすめしたいですね。ロサンゼルス拠点の韓国系アメリカ人アーティストのラミ・キム(RAMI KIM STUDIO)の花瓶やタンブラーも大好きです。
兄のブライアン・ダダリオ(Brian D'Addario)と弟のマイケル・ダダリオ(Michael D'Addario)による兄弟デュオとしてニューヨークで活動し、“バロック・ポップの金字塔”とも謳われた2016年のデビュー・アルバム「Do Hollywood」以来、音楽ファンの間で高い評価を受け続けているザ・レモン・ツイッグス(The Lemon Twigs)。バイオリンやチェロ、トランペット、マンドリンも含む多彩な楽器を操り彼らがこれまで披露してきたサウンドは、ソフト・ロックやパワー・ポップ、グラム・ロック、そしてドゥーワップからロック・オペラ、ミュージカル風まで実にバラエティー豊か。その根底には、とりわけ1960〜70年代のロックやポップ・ミュージックへの深い愛情と造詣があり、卓越したメロディー・センスと複雑に構築されたアレンジによって彼らは、華やかでファンタジックで独創的な音楽世界をつくり上げてきた。昨年リリースされた5枚目の最新アルバム「A Dream Is All We Know」は、“Mersey Beach”と彼らが呼ぶ架空の空間(※リヴァプールとローレル・キャニオンの間の音の橋)をコンセプトに、ビートルズやビーチ・ボーイズ、60年代のスウェディッシュ・ポップにインスピレーションを得たダイナミックな曲調と美しいハーモニーが魅力的な作品だった。
——今回のアルバムでは、「How Can I Love Her More」と「A Dream Is All I Know」の2曲で2人がMVの監督を務めています。それぞれテイストが異なりますが、どんなコンセプトで制作されたのでしょうか。
ブライアン:面白いことに、どちらもほとんど同じ場所で撮影したものなんだ。学校にある講堂みたいな無料で使えるスペースを借りて、そこにはスポットライトもあってね。その場所の制約に合わせて、できることをやったって感じだった。それでジョージ・ハリソンの「Blow Away」のMVを参考に、グリーンバックを使った演出を取り入れようってことになってね。それでできたのが「A Dream Is All I Know」のMVだった。
マイケル:僕たちの考えとしては、2曲とも曲の雰囲気にマッチさせることが重要だった。「A Dream Is All We Know」って、ウィングス(※ポール・マッカートニーが70年代に妻のリンダらと結成したバンド)みたいな感じの曲なんだよね。シンセサイザーとギターの音がそう感じさせるのかな。それに、ブライアンの衣装は70年代のパイロットのようなレトロなスタイルというか(笑)。で、もう1曲(「How Can I Love Her More」)の方は、明らかに60年代っぽい、サンシャイン・ポップみたいな感じで。
ブライアン:エジソン・ライトハウスとラヴィン・スプーンフルみたいな感じというかね。その2つはまったく違うものだけど、マッシュアップされて、より親密で温かみのあるサウンドになっている。少し控えめで、リラックスしている感じ。だからMVもそんな雰囲気に仕上がっていると思うよ。逆に、「How Can I Love Her More」はスケールが大きくて、開放的なサウンドだった。だからセントラルパークで、あの大きなバンドシェル(※音を反響させる半円形の壁)があるところで撮影することにしたんだ。そこで曲を聴いてみて、どんな映像が合うか想像してね。
兄のブライアン・ダダリオ(Brian D'Addario)と弟のマイケル・ダダリオ(Michael D'Addario)による兄弟デュオとしてニューヨークで活動し、“バロック・ポップの金字塔”とも謳われた2016年のデビュー・アルバム「Do Hollywood」以来、音楽ファンの間で高い評価を受け続けているザ・レモン・ツイッグス(The Lemon Twigs)。バイオリンやチェロ、トランペット、マンドリンも含む多彩な楽器を操り彼らがこれまで披露してきたサウンドは、ソフト・ロックやパワー・ポップ、グラム・ロック、そしてドゥーワップからロック・オペラ、ミュージカル風まで実にバラエティー豊か。その根底には、とりわけ1960〜70年代のロックやポップ・ミュージックへの深い愛情と造詣があり、卓越したメロディー・センスと複雑に構築されたアレンジによって彼らは、華やかでファンタジックで独創的な音楽世界をつくり上げてきた。昨年リリースされた5枚目の最新アルバム「A Dream Is All We Know」は、“Mersey Beach”と彼らが呼ぶ架空の空間(※リヴァプールとローレル・キャニオンの間の音の橋)をコンセプトに、ビートルズやビーチ・ボーイズ、60年代のスウェディッシュ・ポップにインスピレーションを得たダイナミックな曲調と美しいハーモニーが魅力的な作品だった。
——今回のアルバムでは、「How Can I Love Her More」と「A Dream Is All I Know」の2曲で2人がMVの監督を務めています。それぞれテイストが異なりますが、どんなコンセプトで制作されたのでしょうか。
ブライアン:面白いことに、どちらもほとんど同じ場所で撮影したものなんだ。学校にある講堂みたいな無料で使えるスペースを借りて、そこにはスポットライトもあってね。その場所の制約に合わせて、できることをやったって感じだった。それでジョージ・ハリソンの「Blow Away」のMVを参考に、グリーンバックを使った演出を取り入れようってことになってね。それでできたのが「A Dream Is All I Know」のMVだった。
マイケル:僕たちの考えとしては、2曲とも曲の雰囲気にマッチさせることが重要だった。「A Dream Is All We Know」って、ウィングス(※ポール・マッカートニーが70年代に妻のリンダらと結成したバンド)みたいな感じの曲なんだよね。シンセサイザーとギターの音がそう感じさせるのかな。それに、ブライアンの衣装は70年代のパイロットのようなレトロなスタイルというか(笑)。で、もう1曲(「How Can I Love Her More」)の方は、明らかに60年代っぽい、サンシャイン・ポップみたいな感じで。
ブライアン:エジソン・ライトハウスとラヴィン・スプーンフルみたいな感じというかね。その2つはまったく違うものだけど、マッシュアップされて、より親密で温かみのあるサウンドになっている。少し控えめで、リラックスしている感じ。だからMVもそんな雰囲気に仕上がっていると思うよ。逆に、「How Can I Love Her More」はスケールが大きくて、開放的なサウンドだった。だからセントラルパークで、あの大きなバンドシェル(※音を反響させる半円形の壁)があるところで撮影することにしたんだ。そこで曲を聴いてみて、どんな映像が合うか想像してね。