ティピカが長期固定価格の直接取引でブラジルとコーヒー業界に新市場 ドトールが参画

コーヒー生豆のダイレクトトレードを行うオンラインプラットフォーム「ティピカ ホールディングス(TYPICA HOLDINGS)」は、3月26日に開催された日本・ブラジル経済フォーラムにおいて、長期固定価格によるダイレクトトレードの第一号案件に関する覚書を、両国首脳の立ち会いのもと発表した。ドトールコーヒー、ブラジルでコーヒーの倉庫・品質管理を担うACAUA、同じくブラジルで持続可能な農業向けの土壌ソリューションを提供するFertinutriがパートナーとして参画。ティピカは独自のプライシングモデルと新たなエコシステムの構築を通じ、2030年までに日・ブラジル間で10件、総額1000億円規模の市場創出を目指している。

投機マネーの流入で価格上昇「コーヒー2050年問題」

これまでコーヒー生豆の取引価格は先物市場の国際価格を基準として決定されてきた。しかし、近年は投機マネーの流入が激しく、過去1年間で約112%の価格変動が生じている。こうした価格の不安定さは生産者の収入に直接的な影響を与え、短期的な価格変動への対応が優先される結果、中長期的な視点での品質や生産量の安定が困難となっている。同様に、バイヤーにとっても調達コストの予測が難しくなり、経営の不確実性が増している。これにより、消費者へのコーヒー提供価格の上昇も進行しており、いわゆる「コーヒー2050年問題」を背景に、コーヒー産業全体のサステナビリティが脅かされている。

今回の覚書締結を契機に、ティピカは「世界中の志を同じくする生産者とバイヤーが同社のプラットフォームを通じて、実際のコストおよび付加価値に基づく長期固定価格の新たな枠組みによるダイレクトトレードを推進し、コーヒー取引の品質と経済性を向上させ、持続可能で発展的なコーヒー取引の実現を目指す」としている。

ドトールは年間取扱量の10%、1000トンの取引へ

ドトールはこの取引で年間最大1000トンのコーヒーを最大10年間取り扱う。1000トンは、同社の年間のコーヒー取扱量の10%に相当する。26日に開かれた会見でドトールコーヒーの星野正則社長は、「コーヒー生豆の価格高騰に加え、日本側においては円安による為替の影響もあり、非常に厳しい状況が続いている。今後の見通しも不透明である中、価格の安さだけを追求した品質の低いコーヒーを提供するのではなく、我々の使命はお客様に本当においしいコーヒーを適正な価格で安心して楽しんでいただくこと。その意味で、今回のような取り組みは、有益だ」と話している。

ティピカHDの後藤将CEOは、「ティピカは2019年からコーヒー生産者とロースターをつなぐダイレクトトレードプラットフォームの信頼を地道に築いてきたが、コーヒーの生産と取引は、国や地域によってビジネス習慣や宗教、文化などが大きく異なる非常に複雑な市場。ただオンラインプラットフォームを構築しただけでは機能しない。その中で今回、ドトールコーヒーからの強いコミットメントを得られたことは、大きな前進だ。例えば、『これだけの物量を、これだけの期間で』というような明確な条件があることで、生産者に対しても安定的な需要があることを示すことができた。これは非常に意味のある一歩だ」と話している。

ブラジルで148年続くコーヒー農園Fazenda Amizadeのマルセロ・カイシェタ・バルボサ・パテルノ氏は、「長年コーヒーに携わってきて、自分が知る限り、このような仕組みは世界初だ」とその意義を語っている。

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ティピカが長期固定価格の直接取引でブラジルとコーヒー業界に新市場 ドトールが参画

コーヒー生豆のダイレクトトレードを行うオンラインプラットフォーム「ティピカ ホールディングス(TYPICA HOLDINGS)」は、3月26日に開催された日本・ブラジル経済フォーラムにおいて、長期固定価格によるダイレクトトレードの第一号案件に関する覚書を、両国首脳の立ち会いのもと発表した。ドトールコーヒー、ブラジルでコーヒーの倉庫・品質管理を担うACAUA、同じくブラジルで持続可能な農業向けの土壌ソリューションを提供するFertinutriがパートナーとして参画。ティピカは独自のプライシングモデルと新たなエコシステムの構築を通じ、2030年までに日・ブラジル間で10件、総額1000億円規模の市場創出を目指している。

投機マネーの流入で価格上昇「コーヒー2050年問題」

これまでコーヒー生豆の取引価格は先物市場の国際価格を基準として決定されてきた。しかし、近年は投機マネーの流入が激しく、過去1年間で約112%の価格変動が生じている。こうした価格の不安定さは生産者の収入に直接的な影響を与え、短期的な価格変動への対応が優先される結果、中長期的な視点での品質や生産量の安定が困難となっている。同様に、バイヤーにとっても調達コストの予測が難しくなり、経営の不確実性が増している。これにより、消費者へのコーヒー提供価格の上昇も進行しており、いわゆる「コーヒー2050年問題」を背景に、コーヒー産業全体のサステナビリティが脅かされている。

今回の覚書締結を契機に、ティピカは「世界中の志を同じくする生産者とバイヤーが同社のプラットフォームを通じて、実際のコストおよび付加価値に基づく長期固定価格の新たな枠組みによるダイレクトトレードを推進し、コーヒー取引の品質と経済性を向上させ、持続可能で発展的なコーヒー取引の実現を目指す」としている。

ドトールは年間取扱量の10%、1000トンの取引へ

ドトールはこの取引で年間最大1000トンのコーヒーを最大10年間取り扱う。1000トンは、同社の年間のコーヒー取扱量の10%に相当する。26日に開かれた会見でドトールコーヒーの星野正則社長は、「コーヒー生豆の価格高騰に加え、日本側においては円安による為替の影響もあり、非常に厳しい状況が続いている。今後の見通しも不透明である中、価格の安さだけを追求した品質の低いコーヒーを提供するのではなく、我々の使命はお客様に本当においしいコーヒーを適正な価格で安心して楽しんでいただくこと。その意味で、今回のような取り組みは、有益だ」と話している。

ティピカHDの後藤将CEOは、「ティピカは2019年からコーヒー生産者とロースターをつなぐダイレクトトレードプラットフォームの信頼を地道に築いてきたが、コーヒーの生産と取引は、国や地域によってビジネス習慣や宗教、文化などが大きく異なる非常に複雑な市場。ただオンラインプラットフォームを構築しただけでは機能しない。その中で今回、ドトールコーヒーからの強いコミットメントを得られたことは、大きな前進だ。例えば、『これだけの物量を、これだけの期間で』というような明確な条件があることで、生産者に対しても安定的な需要があることを示すことができた。これは非常に意味のある一歩だ」と話している。

ブラジルで148年続くコーヒー農園Fazenda Amizadeのマルセロ・カイシェタ・バルボサ・パテルノ氏は、「長年コーヒーに携わってきて、自分が知る限り、このような仕組みは世界初だ」とその意義を語っている。

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動物も人も愛護、「セーブ・ザ・ダック」CEOが語る「ビジネス、規制、ESG」

PROFILE: ニコラス・バルジ/セーブ・ザ・ダック最高経営責任者

ニコラス・バルジ/セーブ・ザ・ダック最高経営責任者
PROFILE: 1970年イタリア・フィレンツェ生まれ。バイリンガル教育を受け、経済学の学位を取得後、ミラノで10年間PRマネージャーとして勤務。家業にも携わった後、2012年にセーブ・ザ・ダックを設立。趣味はサーフィン

伊「セーブ・ザ・ダック(SAVE THE DUCK)」は帝人フロンティアと共同出資して5月にセーブ・ザ・ダック・ジャパンを設立した。日本での事業拡大に向け来日したニコラス・バルジ=セーブ・ザ・ダック最高経営責任者(CEO)に日本でのビジネス戦略やブランド設立の経緯、動物・人・環境に配慮したビジネスについて聞いた。

WWD:ジャパン社設立にあたり帝人フロンティアと組んだ理由は?

ニコラス・バルジ=セーブ・ザ・ダックCEO(以下、バルジ):帝人フロンティアは2012年の創業当初から生地や素材の供給を受ける、最も重要な素材サプライヤーの一つだった。帝人フロンティアとはESGの観点から同じコンセプトやアイデアを持っていた。日本市場の開拓の際にも、まずは代理店として2020年秋冬物から協業した。ビジネスが順調に成長したため共同出資によるジャパン社を設立した。出資比率は本国が51%、帝人フロンティアが49%だ。

WWD:日本事業の今後の計画は?

バルジ:これまで日本では伊勢丹や高島屋といった主要百貨店を中心に50~60平方メートルのポップアップストアを開きビジネスを成長させてきた。秋冬期間は42カ所、春夏は20カ所程度、期間は長いところで10カ月、短いところは1週間程度。今後、この規模の店舗を5店舗程度オープンする予定だ。現在注力しているのは来冬に路面店を開けること。銀座エリアを検討しているが、場所が見つからなかった場合は表参道エリアも候補に入れる。

WWD:現在のビジネスの状況を教えてほしい。

バルジ:42カ国に販路を持ち、昨年の売上高は6400万ユーロ(約105億6000万円)。今年は7200万ユーロ(約118億8000万円)を予定している。本来はもう少し高い数字を掲げていたが欧州の状況がかなり厳しい。特にドイツ、オーストリア、スイス、フランス、北欧が厳しく卸売事業は昨年比12%減だった。一方直販事業は同30%増。今年は過去2年に比べて、欧州の冬の始まりが早く天候が味方している。

成長しているのは米国で全売り上げの20%を占めるほどに成長した。現地法人を設立し、ニューヨークのソーホーに直営店を構えた。ブルーミングデールズ(BLOOMINGDALE'S)やサックス・フィフス・アベニュー(SAKS FIFTH AVENUE)、ノードストローム(NORDSTROM)など有力百貨店全てと提携している。

日本は全売り上げの8%だが、1年ごとに50%ずつ成長しておりさらなる成長が期待できる。米国、日本いずれも直販チャネルが成長に貢献している。

「動物と人の扱われ方にショックを受けた」

WWD:そもそもなぜ羽毛の代替品を作ろうと思ったのか。

バルジ:ファミリービジネスに参画し、約3年間で荷物運びから物流部門、出張販売などあらゆることを経験し会社の全行程を学んだ。その後、デザインやモノ作りに興味が芽生え、多くの国々を飛び回り、良い工場も悪い工場もさまざまな工場を見た。私が働き出した1990年代は今とは全く異なりかなりひどい状況。非常にショックを受ける出来事を何度も目にした。

WWD:具体的には?

バルジ:特に動物と人、2つについて話したい。90年代のダウン工場に行ったときのこと。臭いが強く死んだアヒルが床に転がっていて、実際にアヒルを殺しているのも目にした。別の工場ではアヒルの毛を何度も利用するために生きた状態で毛をむしり取り、再び毛が生えるのを待ちまたむしり取っていた。それを3~4回繰り返すとアヒルは病気にかかって死んでしまう。これを目にすると二度とダウン製品を着たくなくなるだろう。

もう一つは児童労働だ。90年代の話だが、父の会社ではある大きな工場に注文していて、その工場は下請けを使い下請けはさらに下請けに注文していた。最終検査に行ったときのこと。全ての商品がひどい出来で「どうしたんだ」と尋ねると、下請け工場では子どもたちを働かせていることがわかった。その工場に赴くと子どもたちがミシンで縫製作業をしていたが、賃金は支払われていなかった。子どもたちは私に「工場に支払いがなければ私は給料がもらえない」と泣きながら訴えてきた。本来だったら品質に問題があったので突き返すこともできたかもしれないが、私は代金を支払い修理をしてその商品を販売した。この一件で私は生産工程の全てを確認することが重要だと学んだ。これは子どもたちだけの話ではなく、労働者が一日に何時間働いているか、快適なベッドはあるか、食べられているか、どんな生活をしているか、その全てを知る必要があるろいうこと。

WWD:今以上に90年代は搾取工場が多かった。

バルジ:その頃すでにアウトドア業界は地球に目を向けていたが、ファッション業界は気にしておらず、イメージに集中していた。どちらも衣類を生産するのになぜこんなに違うのか――私はファッション業界に身を置いていたので、ファッション業界に一ひねり加えてアウトドア業界がすでに着手していたことを応用しようと考えた。つまり、動物、人、自然に敬意を持った方法で、ファッション業界に変化をもたらすためにビジネスをしようと決めた。

WWD:羽毛の代替素材についての優位性や機能性について教えてほしい。

バルジ:倫理的な問題だけでなく、技術についてもメリットしかない。合成繊維は通気性がある。ダウンは着用したときからとても暖かく感じるが、汗をかくと湿気がこもりさらに汗をかく。「プラムテック(PLUMTECH、ペットボトルをリサイクルした微粒子をポリエステル繊維と配合したもの。軽量で通気性、速乾性、保湿性などに優れており、家庭用洗濯機で丸洗いもできる)」は、通気性があるため湿気を放出でき暖かさだけが体を包み込む。最初はダウンに比べて暖かく感じないかもしれないが、数時間着て動き回ると合成繊維の方がずっと快適だと感じられる。

もう一つの利点はメンテナンスだ。ダウンは時間が経つと羽根が抜け落ち劣化する。洗う回数にもよるが、少なくとも「プラムテック」はダウンよりも2倍以上は長持ちするし、10年は着られる。

eBayと連携した再販プログラムを提供

WWD:いわゆる羽毛の代替品の提案だけではなく商品カテゴリーが増えている。カテゴリーを増やしながらビジネスを拡大していくのか。

バルジ:温暖化の影響によりアウターウエアは、シェルとウォーマーのレイヤードが重要になってきており、シェルとウォーマーの組み合わせに注力している。例えば旅行者は軽量のこの2つのアイテムで雨や寒さに対応でき、単独で使用すれば雨や暑い日、寒い日にも対応できる。これが春夏コレクションにおけるアウターウエアの方向性だ。

また新しいレジャーの形として「スマートレジャー」を提案している。機能繊維を用いて軽量で通気性があり、手入れも簡単で速乾性があり汚れが付きにくく型崩れをしないものを提供している。これも旅行者向けで特に若い世代をターゲットにしている。合成繊維を使用すると衣類のメンテナンスが簡単になり、長持ちもするからエコデザインと言える。

WWD:ブランドとして地球環境への敬意を掲げているが、地球環境を思えば商品カテゴリーを増やしてたくさん作ることは反しているのではないか。

バルジ:われわれの広告キャンペーンを見ればわかると思うが、常に環境保護を目的としており公平な視点を盛り込んでいる。例えば、動物、人々、水、CO2、化学物質といった特定の事柄で、その重要性を理解してもらうよう努めている。もちろん洋服も取り上げてはいるが、「購入することは責任を負うということ」であるという説明を加えている。

もう一つはデジタルプロダクトパスポートの活用だ。全製品に付いているQRコードをスキャンすると、衣類がどこでどのように作られたかや、生地やファスナーがどこから来たかもわかるようになっている。工場名は公表していないが地域は公表している。

さらに再販ボタンも用意しており、このシステムを使うことでeBayのプラットフォームとつながり、写真と価格を入力すれば出品できる。これが生産量を減らす最も倫理的な方法だ。洋服を捨てずに済むし洋服に第二の命を与えることができる。リセールによる唯一の影響は輸送だが、その影響は非常に小さい。

WWD:PFASフリーを達成できた理由は?欧州や米国では法規制も進んでいる。

バルジ:当初は完全にPFASフリーと言っていたが、現在は基本的には使用していないが非常に限定的に存在していると表現している。というのも、今後法規制ではPFASの使用をある程度認めることになると思う。なぜならPFASは触れた瞬間に汚染されるから。例えば、PFASを使用した生地と同じ工程でそのままPFASフリーの生地を処理するとたちまちPFASに汚染されてしまう。つまり、PFASの現実は使用しないように管理は必要だがある程度許容されるべきであること。PFASを100%除去することはできない。私の考えではあるが、最終的には10を1に減らす法律ができると考えている。ただし許可される「1」は、誰にも害を与えないものである必要はある。

私はこれまでESGを学んできたが、ESGに関しては極端であってはならないと考えている。ESGに取り組むと必ずプラス面があるが常にマイナス面もある。そのバランスを見つけなければならない。

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ワコールが毎年恒例の無料ブラジャー回収サービスをスタート 不要のブラを最寄り店に持ち込むだけで再生資源に

ワコールは10月、毎年恒例で行っている“ワコール ブラ リサイクル”キャンペーンをスタートした。ブラジャーはさまざまなパーツが使用されているため、ゴミとして捨て難いアイテムだ。その声に応え2008年に始まったのが同キャンペーンで、不要になったブラジャーを、全国のワコールの店舗をはじめ、専門店や「ピーチ・ジョン(PEACH JOHN)」などのグループ店舗、ワコールウェブストアなど約800店舗で回収している。回収したブラジャーは、リサイクル企業のJEPLAN(旧、日本環境設計)によるプロジェクトBRINGの提携工場で再生プラスチックなどの循環原料に生まれ変わる。

費用は無料。ブランドは問わず、ワコール以外のブラジャーも受け付けているので、不要なブラジャーを処分するには、便利なキャンペーンだ。

キャンペーン参加の流れはシンプル。不要なブラジャーを袋に入れて回収実施店舗に持ち込みスタッフに渡すだけだ。持ち込まれた袋は開封されることなくBRING提携工場でリサイクルされる。ワコールウェブストアでの回収は、“ブラリサイクル専用回収袋”(100円、送料別)を注文し、郵送すればOK。

会期は2025年3月末日まで。

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アダストリアがサプライヤー47社を公開、サプライチェーンの公平で倫理的な調達活動を促進

アダストリアは9月13日、サプライヤーリストを初めて公開した。同社の生産地は海外の中国やASEANが中心になっており、複雑化するサプライチェーンの中で、サプライヤーリストの公開により、「公平で倫理的な調達活動のさらなる促進を図る」(担当者)考え。

アダストリアは2016年から、独自の「グループ調達方針」と社会面、環境面に配慮した調達活動を推進するための「グループ調達ガイドライン」を策定。公平で倫理的な調達活動をサステナビリティの重要な重点課題として位置付けてきた。

今回公開したサプライヤーリストは中国や韓国などのアパレルや雑貨を扱う企業47社。商社などを経由せず同社が直接工場と取り引きする、いわゆる直貿の中で、取引量ベースで約8割になる。

同社の担当者は「ファッション産業は中国やASEANのサプライチェーンを通じて、そうした地域の生活にも関わっている。公平で倫理的な調達は、そうした地域の幸福の向上にもつながる」として、今後も継続的にサプライヤーリストの拡充を進め、縫製工場だけでなくテキスタイルや副資材、さらには商社などにも広げていく考え。

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「カナダグース」ダニー・リース会長兼CEOが語る 銀座の旗艦店、ハイダー・アッカーマン、暖冬への心構え

PROFILE: ダニー・リース(Dani Reiss)/カナダグース会長兼CEO

ダニー・リース(Dani Reiss)/カナダグース会長兼CEO
PROFILE: 1973年、トロント生まれ。1997年、祖父のサム・ティックが57年に創業したアウターウエアメーカーに入社。2000年にブランド名を「スノーグース」から「カナダグース」に改めると、01年にCEOに就任。その後、同ブランドを世界的なラグジュアリー・ライフスタイルブランドへと成長させた。19年にはグローブ・アンド・メール紙の「レポート・オン・ビジネス」で「グローバル・ビジョナリー・オブ・ザ・イヤー」を受賞。20年に「カナダで最も称賛されるCEO」に選出。また16年にはカナダ勲章、19年にはオンタリオ勲章を授与された。現在はマウント・サイナイ病院の理事、カナダの学生向け慈善団体「ステューデンツ・オン・アイス(SOI)」の諮問委員も務める。 PHOTO:MIKA HASHIMOTO

ハイダー・アッカーマン(Haider Ackermann)を初のクリエイティブ・ディレクターに迎えた「カナダグース(CANADA GOOSE)」は9月14日、銀座店をリニューアルし、フラッグシップストアとしてオープンする。カナダの大地を感じるような“カナディアン ウォームス(CANADIAN WARMTH)”をテーマに、店内にはラウンジスペースやバーカウンターを備えるほか、マイナス20度の環境でフィッティングが体験できる“コールドルーム”も完備。オープンを記念して写真家・二階堂ふみの写真展も開催する。

来日したダニー・リース(Dani Reiss)会長兼最高経営責任者(CEO)に銀座の新店舗やハイダーの起用、プロダクトの多様化、暖冬化が進む中での心構えなどを語ってもらった。

銀座店のリニューアルとハイダー・アッカーマンの起用

WWD:銀座店を「フラッグシップストア」としてリニューアルオープンする経緯は?

ダニー・リース=カナダグース会長兼CEO(以下、リース):「カナダグース」は、アジア地域で非常に好調だ。日本も同じで、2年前にオープンした銀座店も調子が良い。世界有数のショッピングエリアである銀座の店舗でブランドの力強いメッセージを体現し、発信する場所として生まれ変わらせたい。旗艦店として、あらゆる層のお客さまを迎えるのを楽しみにしている。

WWD: 5月にはクリエイティブディレクターにハイダー・アッカーマンが就任した。彼に白羽の矢を立てた一番の決め手は?

リース:ブランドが大きく成長し、クリエイティブ・ディレクターを見つけるべき時が来たと感じていた。選考に2年をかけ、多くの候補者と面談したが、最終的にハイダーと出会い、起用を決めた。私はハイダーのスタイルを「本物」と感じたし、ハイダーも「カナダグース」を「オーセンティック(=本物)」なブランドとして認識していた。ハイダーは、高い経験値を備え、いかにブランドを構築し、成長させるべきかを心得ている。あらゆる面でブランドを次のレベルへと引き上げてくれる人材だ。

WWD:ハイダーは機能性が魅力の「カナダグース」に、クリエイティブ・ディレクターとしてどう関わっていくのか?

リース:私は、彼をファッションデザイナーというよりは、「強い美学」を持った個人として認識している。彼はブランドの価値を高めるだけでなく、ブランドのカテゴリーを押し広げ、今までにない表現を提示してくれるだろう。

WWD:昨年リリースしたスニーカーなどを見てもわかるように「カナダグース」は製品カテゴリーの幅を拡大している。プロダクトを多様化させる先にあるものは?

リース:第一に、消費者が新しい商品を求めていると感じる。ブランドの成長は、新しいプロダクトをどんどん開発してきたことも大きい。私が入社した頃、「カナダグース」のプロダクトは約20型のみで、すべてダウンジャケットだった。今では軽量ダウンからウインドブレーカー、レインウエア、帽子、靴、アクセサリーまで、数多くのプロダクトを扱う。これらのアイテムにも、主力製品と同様のクラフツマンシップを注ぎ、高い品質を担保している。ブランドの基準に沿い、顧客が求める製品を作れば、私たちは成功できると信じている。ハイダーは、この点にも大きく寄与してくれるだろう。

WWD:「環境問題」の研究者を自認するハイダーとの最初のプロジェクトとして、ホッキョクグマの保護活動を支援するためのプロダクトを発売した。

リース:ハイダーがブランドに合流してすぐ、彼と私はカナダ北部の都市、チャーチルに向かった。多くのホッキョクグマが生息し、「ホッキョクグマの首都」とも呼ばれる街だ。そこでハイダーは、ホッキョクグマの生息地とその周辺の自然環境を体験し、「カナダグース」とホッキョクグマ保護団体「ポーラーベア・インターナショナル(Polar Bear International)」との長年にわたる取り組みを理解し、共感してくれた。その体験をもとに5月に発売したのが、「ポーラーベア・インターナショナル」に売上を寄付するための“PBI フーディー”だ。キャンペーンには、環境活動家としての顔を持つ女優のジェーン・フォンダ(Jane Fonda)を起用した。

サステナビリティへの意識 循環型経済の確立を目指して

WWD:一方でダウンという素材に対して、動物倫理的な視点で批判にさらされることもある。

リース:まず、「カナダグース」にとってダウンが重要な素材であることは間違いない。またダウンは、今でも世界で最も暖かい天然の中綿素材だ。

それを踏まえた上で2つのポイントを伝えたい。第一に、私たちが使用するダウンは、原料となるアヒルやガチョウの生育環境や羽毛の採取方法を細かく規定した国際的な基準「レスポンシブル・ダウン・スタンダード(Responsible Down Standard)」に適った方法で、倫理的に調達されたものであること。第二に、ダウンは食肉産業から生まれた副産物だ。レザーと同様に、人々がアヒルやガチョウを食べる限りダウンは存在し続ける。一方で「カナダグース」には近年、合成繊維や植物性の中綿などを使用している製品もある。こちらも好調だ。

WWD:昨年は自社製品の二次流通プラットフォーム「カナダグース・ジェネレーションズ」をスタートした。今後「カナダグース」が自社でコントロールする二次流通のビジネスはどうなる?

リース:消費者が持続可能性の問題に大きな関心を寄せる今、企業としてこの問題を重視し、循環型経済を確立することは重要だ。

誰かが手放した製品を市場に戻し、他の人にもう一度楽しんでもらう。それは自然なことであり、必要なこと。新品で「カナダグース」を購入したことがなかった消費者が、「カナダグース・ジェネレーションズ」では購入する機会があるかもしれないし、その人はいつか新品に手を伸ばすかもしれない。消費者がブランドに関わる方法が一つ増えたということ。顧客が製品をリユース・リサイクルする機会を大切にしている状況を考慮すれば、この事業はビジネスを成長させるチャンスでもある。始めたばかりだが、5〜10年後には私たちのビジネスに占める割合はかなり大きくなると見込んでいる。

WWD:昨年の10~12月期には卸売が苦戦し、28.5%の売り上げ減を経験した。人員削減にも踏み切り、自社の成長を促すべく組織を再編成した。このような痛みや変化を経て、直近の売り上げ状況は?

リース:まず言いたいのは、「カナダグース」のアジア太平洋地域は非常に好調で、23年の第四半期期(24年1月〜3月)は、全体で約30%プラスに転じている。昨年の卸売りの売上減は、私たちだけではなく、業界全体の現象だった。コロナ禍、金利上昇、インフレ、戦争など、様々なことがある中で、多くの卸売業者が在庫を持ちすぎていた。その機会を利用し、卸売りのネットワークの合理化を図り、消費者への直販を強化した。卸売は依然として非常に重要だが、世界で起きているあらゆる要因によって、自然な形でリセットされたと言える。

WWD:カナダグースジャパンも銀座店をリニューアルするように、今後卸売よりも直販に力を入れていく?

リース:日本には数社、強力な卸売パートナーがある。彼らとの取引には満足しているし、私たちのブランド力を高めてくれる存在だ。一方で、今回銀座店をリニューアルしたように、今後も機会があれば日本でも直営店を拡大していきたい。卸売と直販の両軸を大事にしていく。

暖冬が進む中で 「オーセンティック」なブランドとして

WWD:暖冬が進むなか、東京のような都市部に住む人は、防寒という点においてはヘビーなダウンジャケットを必要としなくなりつつある。それでも人々が「カナダグース」にひかれ、ダウンジャケットを購入する理由をどう分析するか?

リース:先ほど話したことにも繋がるが、20年以上日本でビジネスをしてきて、日本の人々は「オーセンティック(=本物)」であることを重視していると感じる。本物のストーリーを持っているブランドであることが大切だ。

また、大抵の場合、何かを買う動機は、単に必要だからではなく、それを欲しいと感じるから。「必要性」だけを考えれば、多くの人が「ランドローバー」のような四駆車を購入する理由もないし、そもそも、私たちがこんなに多くのモノを購入する理由もない。人はあくまで欲しいと感じるものを買うのだ。

だからこそ常に成長する必要性を感じる。カテゴリーの多様化はブランドとしての成長の一つ。あくまで「オーセンティック」な方法で、進化し続けるからこそ、消費者にとって常に「今」のブランドであり続けられるのではないか。

WWD:プロダクトの幅が広がっていく中でも、共通して存在する「カナダグース」らしさとは?

リース:全プロダクトに共通するのは、「独自の機能性」。マイナス100℃の寒冷地用のプロダクトであれ、街用にデザインしたものであれ、機能性は重要。機能を十分に追求すると、ファッショナブルなものになっていくとも感じている。

クラフトマンシップに重きを置いた、作りの良さも「カナダグース」らしさの一つ。プロダクトごとに最適な場所を選んで製造していて、ほとんどはカナダ製。それ以外はヨーロッパで作っている。

もちろん気候変動という問題には、アクションしなければならない。世界とつながり続け、状況に対応していくことが肝心だ。そのための方法はたくさんある。世の中のためになる製品を作ること、そして人々が望む製品を作ることを大事にしたい。「カナダグース」の価値を大切に守り、適切に成長していけば、成功できると信じている。

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「カナダグース」ダニー・リース会長兼CEOが語る 銀座の旗艦店、ハイダー・アッカーマン、暖冬への心構え

PROFILE: ダニー・リース(Dani Reiss)/カナダグース会長兼CEO

ダニー・リース(Dani Reiss)/カナダグース会長兼CEO
PROFILE: 1973年、トロント生まれ。1997年、祖父のサム・ティックが57年に創業したアウターウエアメーカーに入社。2000年にブランド名を「スノーグース」から「カナダグース」に改めると、01年にCEOに就任。その後、同ブランドを世界的なラグジュアリー・ライフスタイルブランドへと成長させた。19年にはグローブ・アンド・メール紙の「レポート・オン・ビジネス」で「グローバル・ビジョナリー・オブ・ザ・イヤー」を受賞。20年に「カナダで最も称賛されるCEO」に選出。また16年にはカナダ勲章、19年にはオンタリオ勲章を授与された。現在はマウント・サイナイ病院の理事、カナダの学生向け慈善団体「ステューデンツ・オン・アイス(SOI)」の諮問委員も務める。 PHOTO:MIKA HASHIMOTO

ハイダー・アッカーマン(Haider Ackermann)を初のクリエイティブ・ディレクターに迎えた「カナダグース(CANADA GOOSE)」は9月14日、銀座店をリニューアルし、フラッグシップストアとしてオープンする。カナダの大地を感じるような“カナディアン ウォームス(CANADIAN WARMTH)”をテーマに、店内にはラウンジスペースやバーカウンターを備えるほか、マイナス20度の環境でフィッティングが体験できる“コールドルーム”も完備。オープンを記念して写真家・二階堂ふみの写真展も開催する。

来日したダニー・リース(Dani Reiss)会長兼最高経営責任者(CEO)に銀座の新店舗やハイダーの起用、プロダクトの多様化、暖冬化が進む中での心構えなどを語ってもらった。

銀座店のリニューアルとハイダー・アッカーマンの起用

WWD:銀座店を「フラッグシップストア」としてリニューアルオープンする経緯は?

ダニー・リース=カナダグース会長兼CEO(以下、リース):「カナダグース」は、アジア地域で非常に好調だ。日本も同じで、2年前にオープンした銀座店も調子が良い。世界有数のショッピングエリアである銀座の店舗でブランドの力強いメッセージを体現し、発信する場所として生まれ変わらせたい。旗艦店として、あらゆる層のお客さまを迎えるのを楽しみにしている。

WWD: 5月にはクリエイティブディレクターにハイダー・アッカーマンが就任した。彼に白羽の矢を立てた一番の決め手は?

リース:ブランドが大きく成長し、クリエイティブ・ディレクターを見つけるべき時が来たと感じていた。選考に2年をかけ、多くの候補者と面談したが、最終的にハイダーと出会い、起用を決めた。私はハイダーのスタイルを「本物」と感じたし、ハイダーも「カナダグース」を「オーセンティック(=本物)」なブランドとして認識していた。ハイダーは、高い経験値を備え、いかにブランドを構築し、成長させるべきかを心得ている。あらゆる面でブランドを次のレベルへと引き上げてくれる人材だ。

WWD:ハイダーは機能性が魅力の「カナダグース」に、クリエイティブ・ディレクターとしてどう関わっていくのか?

リース:私は、彼をファッションデザイナーというよりは、「強い美学」を持った個人として認識している。彼はブランドの価値を高めるだけでなく、ブランドのカテゴリーを押し広げ、今までにない表現を提示してくれるだろう。

WWD:昨年リリースしたスニーカーなどを見てもわかるように「カナダグース」は製品カテゴリーの幅を拡大している。プロダクトを多様化させる先にあるものは?

リース:第一に、消費者が新しい商品を求めていると感じる。ブランドの成長は、新しいプロダクトをどんどん開発してきたことも大きい。私が入社した頃、「カナダグース」のプロダクトは約20型のみで、すべてダウンジャケットだった。今では軽量ダウンからウインドブレーカー、レインウエア、帽子、靴、アクセサリーまで、数多くのプロダクトを扱う。これらのアイテムにも、主力製品と同様のクラフツマンシップを注ぎ、高い品質を担保している。ブランドの基準に沿い、顧客が求める製品を作れば、私たちは成功できると信じている。ハイダーは、この点にも大きく寄与してくれるだろう。

WWD:「環境問題」の研究者を自認するハイダーとの最初のプロジェクトとして、ホッキョクグマの保護活動を支援するためのプロダクトを発売した。

リース:ハイダーがブランドに合流してすぐ、彼と私はカナダ北部の都市、チャーチルに向かった。多くのホッキョクグマが生息し、「ホッキョクグマの首都」とも呼ばれる街だ。そこでハイダーは、ホッキョクグマの生息地とその周辺の自然環境を体験し、「カナダグース」とホッキョクグマ保護団体「ポーラーベア・インターナショナル(Polar Bear International)」との長年にわたる取り組みを理解し、共感してくれた。その体験をもとに5月に発売したのが、「ポーラーベア・インターナショナル」に売上を寄付するための“PBI フーディー”だ。キャンペーンには、環境活動家としての顔を持つ女優のジェーン・フォンダ(Jane Fonda)を起用した。

サステナビリティへの意識 循環型経済の確立を目指して

WWD:一方でダウンという素材に対して、動物倫理的な視点で批判にさらされることもある。

リース:まず、「カナダグース」にとってダウンが重要な素材であることは間違いない。またダウンは、今でも世界で最も暖かい天然の中綿素材だ。

それを踏まえた上で2つのポイントを伝えたい。第一に、私たちが使用するダウンは、原料となるアヒルやガチョウの生育環境や羽毛の採取方法を細かく規定した国際的な基準「レスポンシブル・ダウン・スタンダード(Responsible Down Standard)」に適った方法で、倫理的に調達されたものであること。第二に、ダウンは食肉産業から生まれた副産物だ。レザーと同様に、人々がアヒルやガチョウを食べる限りダウンは存在し続ける。一方で「カナダグース」には近年、合成繊維や植物性の中綿などを使用している製品もある。こちらも好調だ。

WWD:昨年は自社製品の二次流通プラットフォーム「カナダグース・ジェネレーションズ」をスタートした。今後「カナダグース」が自社でコントロールする二次流通のビジネスはどうなる?

リース:消費者が持続可能性の問題に大きな関心を寄せる今、企業としてこの問題を重視し、循環型経済を確立することは重要だ。

誰かが手放した製品を市場に戻し、他の人にもう一度楽しんでもらう。それは自然なことであり、必要なこと。新品で「カナダグース」を購入したことがなかった消費者が、「カナダグース・ジェネレーションズ」では購入する機会があるかもしれないし、その人はいつか新品に手を伸ばすかもしれない。消費者がブランドに関わる方法が一つ増えたということ。顧客が製品をリユース・リサイクルする機会を大切にしている状況を考慮すれば、この事業はビジネスを成長させるチャンスでもある。始めたばかりだが、5〜10年後には私たちのビジネスに占める割合はかなり大きくなると見込んでいる。

WWD:昨年の10~12月期には卸売が苦戦し、28.5%の売り上げ減を経験した。人員削減にも踏み切り、自社の成長を促すべく組織を再編成した。このような痛みや変化を経て、直近の売り上げ状況は?

リース:まず言いたいのは、「カナダグース」のアジア太平洋地域は非常に好調で、23年の第四半期期(24年1月〜3月)は、全体で約30%プラスに転じている。昨年の卸売りの売上減は、私たちだけではなく、業界全体の現象だった。コロナ禍、金利上昇、インフレ、戦争など、様々なことがある中で、多くの卸売業者が在庫を持ちすぎていた。その機会を利用し、卸売りのネットワークの合理化を図り、消費者への直販を強化した。卸売は依然として非常に重要だが、世界で起きているあらゆる要因によって、自然な形でリセットされたと言える。

WWD:カナダグースジャパンも銀座店をリニューアルするように、今後卸売よりも直販に力を入れていく?

リース:日本には数社、強力な卸売パートナーがある。彼らとの取引には満足しているし、私たちのブランド力を高めてくれる存在だ。一方で、今回銀座店をリニューアルしたように、今後も機会があれば日本でも直営店を拡大していきたい。卸売と直販の両軸を大事にしていく。

暖冬が進む中で 「オーセンティック」なブランドとして

WWD:暖冬が進むなか、東京のような都市部に住む人は、防寒という点においてはヘビーなダウンジャケットを必要としなくなりつつある。それでも人々が「カナダグース」にひかれ、ダウンジャケットを購入する理由をどう分析するか?

リース:先ほど話したことにも繋がるが、20年以上日本でビジネスをしてきて、日本の人々は「オーセンティック(=本物)」であることを重視していると感じる。本物のストーリーを持っているブランドであることが大切だ。

また、大抵の場合、何かを買う動機は、単に必要だからではなく、それを欲しいと感じるから。「必要性」だけを考えれば、多くの人が「ランドローバー」のような四駆車を購入する理由もないし、そもそも、私たちがこんなに多くのモノを購入する理由もない。人はあくまで欲しいと感じるものを買うのだ。

だからこそ常に成長する必要性を感じる。カテゴリーの多様化はブランドとしての成長の一つ。あくまで「オーセンティック」な方法で、進化し続けるからこそ、消費者にとって常に「今」のブランドであり続けられるのではないか。

WWD:プロダクトの幅が広がっていく中でも、共通して存在する「カナダグース」らしさとは?

リース:全プロダクトに共通するのは、「独自の機能性」。マイナス100℃の寒冷地用のプロダクトであれ、街用にデザインしたものであれ、機能性は重要。機能を十分に追求すると、ファッショナブルなものになっていくとも感じている。

クラフトマンシップに重きを置いた、作りの良さも「カナダグース」らしさの一つ。プロダクトごとに最適な場所を選んで製造していて、ほとんどはカナダ製。それ以外はヨーロッパで作っている。

もちろん気候変動という問題には、アクションしなければならない。世界とつながり続け、状況に対応していくことが肝心だ。そのための方法はたくさんある。世の中のためになる製品を作ること、そして人々が望む製品を作ることを大事にしたい。「カナダグース」の価値を大切に守り、適切に成長していけば、成功できると信じている。

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ベネチアの名士による香り「ザ マーチャント オブ ヴェニス」が上陸 香水のルーツを遡るイベントを開催

ベネチア発フレグランス「ザ マーチャント オブ ヴェニス(THE MERCHANT OF VENICE)」(以下、TMOV)が日本に上陸した。同ブランドは、中世から、東洋やアフリカとの交易の中心地として栄えたベネチアの歴史と文化がイメージソース。ベネチアで120年以上にわたり香水を製造しているマヴィーブ社が製造を手掛けており、日本では、ヤマノ アンド アソシエイツが輸入販売する。上陸を記念し5月に、マルコ・ヴィダル=マヴィーブ・マネジング・ディレクターが来日。「TMOV」の紹介をはじめ、ベネチアと香水の歴史について語った。

ベネチアからヨーロッパに広まった香水や化粧品

ヴィダルディレクターは、イタリア香水の歴史を刻んできたファミリー企業の4代目。自社ブランドをはじめ、ファッションブランドなどの香水を90カ国以上で販売している。ヴィダル家は“ベネチアの調香師”として知られ、2013年に、ベネチア市民博物館財団と協業でモチェニーゴ宮殿に香水博物館を設立。約3000の香水コレクションをはじめ、香水やコスメの歴史に関する資料などが展示されている。ヴィダルディレクターは、「ベネチアがヨーロッパで初めて香水が開発された街だ」と話す。中世にコンスタンティノープルから香水や化粧品がベネチアに伝わり、貴族の間で広まり製造されるようになった。中世の香水は軟膏のようなもので、短期間しか香りが持続しなかったが、ベネチアの調香師はアルコールがエッセンシャルオイルの希釈および防腐剤として効果的であることを発見。そして、モダンな香水の原形ができて、香水は交易品の一つなったという。「ベネチアは、交易ルートの中心だったので原材料を入手することができた。16世紀には、香水や石鹸、化粧品を生産する中心地になり、17〜18世紀に調香技術はベネチアからフランスやドイツに広まった」。

ベネチアの歴史や文化を香りで体現

香水博物館の公式フレグランスである「TMOV」。ベネチアの交易ルートや商人たちが輸入したスパイス、樹脂、エッセンスなどからインスパイアされた6種類の“ムラーノ”コレクションは、ローズやサフラン、マンダリンなどを使用したエキゾチックなフレグランスで、美しいムラーノガラスのボトル入り。世界でトップクラスのパフュームホールがあるロンドンの百貨店「ハロッズ(HARRODS)」と共同開発した“ムラーノ エクスクルーシヴ”は、ベネチアンブルーとゴールドのガラスボトルに収められている。メンズ向けのオードパルファム“ノビル オモ”は“高貴な男”という意味で、伝統的なベネチアのテキスタイルの柄や色をイメージさせるボトルが特徴だ。

ベネチアといえば、マルコ・ポーロ(Marco Polo)生誕の地。彼にオマージュを寄せたのが“ヴェネツィア&オリエント”シリーズ。ポーロがベネチアにもたらした東洋のお茶をベースにした香り2種類を陶器のボトルで提案している。また、往年のオペラ歌手マリア・カラス(Maria Callas)生誕100周年を記念しカラスの財団から依頼されて製作したフレグランス“グラン テアトロ ラ フェニーチェ マイ パールズ”を10月に発売する。フェニーチェ歌劇場の舞台に立つことが多くベネチアの滞在が長かったカラスの歌声を想起させるようなパウダリーな香りだ。

持続可能な香りで巡る世界各地

「TMOV」には、ジボダン社の“ソーシング・フォー・グッド”という原料産地のコミュニティーを支援するプログラムと提携した“アコルディ ディ プロフーモ”シリーズもある。ベルガモット イタリア、ネロリ モロッコ、チュベローザ インド、パチュリ インドネシアなど、古代の香水手稿(手書きの書類)に見られるような各国を象徴する原料を使用し、単品でも組み合わせても楽しめるフレグランスだ。このフレグランスの収益は、ジボダン社のプログラムに参加している生産者のコミュニティーの支援に使用される。

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ベネチアの名士による香り「ザ マーチャント オブ ヴェニス」が上陸 香水のルーツを遡るイベントを開催

ベネチア発フレグランス「ザ マーチャント オブ ヴェニス(THE MERCHANT OF VENICE)」(以下、TMOV)が日本に上陸した。同ブランドは、中世から、東洋やアフリカとの交易の中心地として栄えたベネチアの歴史と文化がイメージソース。ベネチアで120年以上にわたり香水を製造しているマヴィーブ社が製造を手掛けており、日本では、ヤマノ アンド アソシエイツが輸入販売する。上陸を記念し5月に、マルコ・ヴィダル=マヴィーブ・マネジング・ディレクターが来日。「TMOV」の紹介をはじめ、ベネチアと香水の歴史について語った。

ベネチアからヨーロッパに広まった香水や化粧品

ヴィダルディレクターは、イタリア香水の歴史を刻んできたファミリー企業の4代目。自社ブランドをはじめ、ファッションブランドなどの香水を90カ国以上で販売している。ヴィダル家は“ベネチアの調香師”として知られ、2013年に、ベネチア市民博物館財団と協業でモチェニーゴ宮殿に香水博物館を設立。約3000の香水コレクションをはじめ、香水やコスメの歴史に関する資料などが展示されている。ヴィダルディレクターは、「ベネチアがヨーロッパで初めて香水が開発された街だ」と話す。中世にコンスタンティノープルから香水や化粧品がベネチアに伝わり、貴族の間で広まり製造されるようになった。中世の香水は軟膏のようなもので、短期間しか香りが持続しなかったが、ベネチアの調香師はアルコールがエッセンシャルオイルの希釈および防腐剤として効果的であることを発見。そして、モダンな香水の原形ができて、香水は交易品の一つなったという。「ベネチアは、交易ルートの中心だったので原材料を入手することができた。16世紀には、香水や石鹸、化粧品を生産する中心地になり、17〜18世紀に調香技術はベネチアからフランスやドイツに広まった」。

ベネチアの歴史や文化を香りで体現

香水博物館の公式フレグランスである「TMOV」。ベネチアの交易ルートや商人たちが輸入したスパイス、樹脂、エッセンスなどからインスパイアされた6種類の“ムラーノ”コレクションは、ローズやサフラン、マンダリンなどを使用したエキゾチックなフレグランスで、美しいムラーノガラスのボトル入り。世界でトップクラスのパフュームホールがあるロンドンの百貨店「ハロッズ(HARRODS)」と共同開発した“ムラーノ エクスクルーシヴ”は、ベネチアンブルーとゴールドのガラスボトルに収められている。メンズ向けのオードパルファム“ノビル オモ”は“高貴な男”という意味で、伝統的なベネチアのテキスタイルの柄や色をイメージさせるボトルが特徴だ。

ベネチアといえば、マルコ・ポーロ(Marco Polo)生誕の地。彼にオマージュを寄せたのが“ヴェネツィア&オリエント”シリーズ。ポーロがベネチアにもたらした東洋のお茶をベースにした香り2種類を陶器のボトルで提案している。また、往年のオペラ歌手マリア・カラス(Maria Callas)生誕100周年を記念しカラスの財団から依頼されて製作したフレグランス“グラン テアトロ ラ フェニーチェ マイ パールズ”を10月に発売する。フェニーチェ歌劇場の舞台に立つことが多くベネチアの滞在が長かったカラスの歌声を想起させるようなパウダリーな香りだ。

持続可能な香りで巡る世界各地

「TMOV」には、ジボダン社の“ソーシング・フォー・グッド”という原料産地のコミュニティーを支援するプログラムと提携した“アコルディ ディ プロフーモ”シリーズもある。ベルガモット イタリア、ネロリ モロッコ、チュベローザ インド、パチュリ インドネシアなど、古代の香水手稿(手書きの書類)に見られるような各国を象徴する原料を使用し、単品でも組み合わせても楽しめるフレグランスだ。このフレグランスの収益は、ジボダン社のプログラムに参加している生産者のコミュニティーの支援に使用される。

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「キャサリン・イー・ハムネット」がはるやまでスーツコレクションを発売 ブランドディレクターに橋本淳氏を迎え

イギリスデザイナーのキャサリン・ハムネット(Katharine Hamnett)がエシカルブランドとして発表した「キャサリン・イー・ハムネット(KATHARINE E HAMNETT)」は3月2日、スーツを基点としたコレクションを全国のはるやま店舗およびはるやまオンラインショップで発売する。

今回、「キャサリン・イー・ハムネット」は時代にそってアップデートしたブリティッシュスタイルで再展開し、新しくブランドディレクターに雑誌「LEON」(主婦と生活社)で敏腕クリエーターと評され実績を積み重ねてきた橋本淳氏を迎えた。

ライフスタイルが多様化する中でパーソナリティーを後押しし、おしゃれさだけではなくサステナブルファッションに対するリアリティーも追求した新生「キャサリン・イー・ハムネット」の“E”には、パーソナリティーを後押しする“Enhance”(高める)、“Empower”(自信を持たせる)、 サステナブルな地球を目指す“Environment”(環境)、“Ethical”(倫理)の4つの単語の意味が込められている。

同スーツコレクションは、英国の伝統を長調するロイヤル・ブルーを基調とし、同時に日本の伝統色藍色を意識し、伝統のアップデートの象徴としてデザインを取り入れた。またスーツはビジネスでもカジュアルでも着用できる仕様だという。サスティナブルな素材も使用することで、環境に配慮した商品になっている。例えば“ウォッシャブル2ピーススーツ(5万8300円)にはウール素材にトレーサビリティーを確保した“オーセンティコ・サスティナブルウール”を使用するなどだ。

スーツコレクションのほかにバッグやニット素材シャツ、靴、ネクタイを取り扱う。また3月中旬からはセットアップ・スーツやパンツ、ポロシャツ、Tシャツ、ベルトを販売する。

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使い捨て不織布製品を考える 「ヴェオセル™」が提唱する環境に配慮した製品選びとは

フェイスパックやウエットティシュ、生理用品やベビー用おしりふき、介護用品など、私たちが日常的に使用する使い捨ての不織布製品が何で作られているかを考えたことがあるだろうか。その多くはプラスチックである。こうしたプラスチック製品はその利便性から生活に深く浸透しているが、ごみの量は増えるし、廃棄方法によってはマイクロプラスチックとして海中を漂うこともある。そもそも現在の地球環境の状態を考えれば、使い捨て製品自体の使用量の削減が急務だが、衛生用品など必要不可欠な使い捨て製品もある。こうした状況を受け、法を整備する国も増えてきた。

規制が始まった欧州、
選択機会が増えた消費者

欧州連合(EU)は2019年、1回または短期間の利用後に廃棄されるプラスチックごみの総量を抑制するために、「特定プラスチック製品の環境負荷低減に関わる指令(SUPD)」を制定し、21年7月から施行している。流通が禁止された製品は、皿、カトラリー(フォーク・ナイフ・スプーン・箸など)、ストロー、マドラー、コップ、風船用の棒、綿棒の軸、発泡ポリスチレン製の食料・飲料用容器、オキソ分解性プラスチック製の全製品。また、特定の使い捨てプラスチック製品(飲料カップ、生理用品、ウエットティシュ、フィルター付きたばこ製品など)に対するプラスチックの含有情報や正しい廃棄方法などに関するラベル表示を義務化した。また、製品メーカーには廃棄物の処理やクリーンアップ、消費者の環境意識向上に関するプロフラムを支援することが求められており、合成繊維を含まないセルロース由来の製品への置き換えを始めるメーカーも出てきている。

SUPDが施行され2年以上が経過した現在、どのような変化があるのか。レンチング(LENZING)のスティーブン・ツアイ(Steven Tsai)=アジア不織布担当・アジア地域シニアコマーシャルディレクターは「今まで不織布に使われている“隠れたプラスチック”が“見える化”され、消費者の購買行動に少なからず影響を及ぼしている。また、この規制により消費者自身が“好ましい選択”ができるようになったことは意味がある」と語る。他方“隠れたプラスチック”を使用していない製品も素材に関する情報を積極的に出してその存在感をアピールしているという。「例えば、原料が森林認証を取得した木質由来の繊維であることを示すPEFCやFSC、有害化学物質に関する分析をクリアした製品に与えられるエコテックス、生分解や堆肥化可能のことです 従って、生分解性や堆肥化可能を示すテュフやビーガンの認証ロゴを表示するようになった」と語る。

こうした状況で、環境配慮に取り組むブランドが採用するのがオーストリアの繊維大手レンチングの「ヴェオセル™(VEOCEL™ )」だ。2018年に誕生した新しいブランドだが、現在のパートナー企業は数十社以上。「用途はさまざまだが、共通点はそれぞれのパートナー企業が当社同様、環境問題に対して真摯に取り組んでいる点だ。『ヴェオセル™』のロゴを製品に付ける企業も増えてきた」とツアイディレクター。

「ヴェオセル™」が支持される理由についてツアイディレクターは「森林認証の取れた木材から作られたセルロース繊維で、クリーンで安全な方法で製造されている点、そして、使用された製品が生分解し、たい肥化可能である点が信頼の柱になっている」と分析する。加えて、「選ばれるためには環境メッセージだけでなく、繊維そのものが持つ優位性がなければならない」という。「例えば『ヴェオセル™ビスコース』繊維は、レーヨン繊維の持つ高い吸水性とソフトな風合いがあり、パーソナルケア製品に広く採用されている。『ヴェオセル™リヨセル』繊維は、なめらかな表面が特徴で肌にやさしく、直接肌に触れるビューティケア、ベビーケア製品の風合いを向上させる。こうしたメリットは、データによって裏付けされており、パートナー企業にも共有している」。データ取得のために世界有数の研究機関や大学と共同研究を進めているという。「例えば生分解性については、米サンディエゴにある世界最大規模にして最古の地球科学と海洋の研究組織であるスクリップス海洋研究所(Scripps Institution of Oceanography)と共同で『ヴェオセル™リヨセル』『ヴェオセル™ビスコース』、モダール、コットン、オーガニックコットン、ポリ乳酸、ポリプロピレン、ポリエステルなど複数の繊維の海洋環境下での生分解性を調査し、情報公開をしている。こうした活動も支持される理由だと考えている」。

しかし、木材由来のセルロース繊維製品はプラスチック製品に比べてプレミアムな素材とみなされ、爆発的な拡がりを期待するのは難しい。「不織布が使用されているコスメ用品や衛生用品は価格訴求型から、肌あたりの良さ、優れたふき取り性能、環境配慮型など多くの製品があり、私たちレンチングが全てを解決できるとは考えていない。けれど、あまたある素材から『ヴェオセル™』を選んでくれたパートナー企業と社会的責任のある製品を送り出し、サプライチェーンを含めて成長していることをうれしく思う」。

「ニュートロジーナ」や
「赤ちゃん本舗」が採用

「ヴェオセル™」を採用したブランドはどのようなストーリーで消費者に訴求しているのだろうか。消費財ブランド「ニュートロジーナ(NEUTROGENA)」は、アメリカ市場で「ヴェオセル™」繊維を使用したクレンジングシートを発売した。「使用後約35日で、家庭でのコンポスト化が可能であることをアピールしている。クレンジングシートはケアを手軽にできる製品だが、ごみとして廃棄されることから『環境に悪いのでは?』と疑問を持つ消費者も多いだろう。そのケア製品の行く先がごみ箱ではなく、生ごみ処理機・コンポストだとすれば、消費者の罪の意識が環境への貢献へと変わる。このようなクリーン・ビューティ製品は世界的に広がっている」。

「赤ちゃん本舗」は、「水99%Superシリーズ」のプレミアム製品として「ヴェオセル™」を用いた製品を企画した。「新生児の敏感な肌にもやさしい点に加えて、植物由来でサステナブルな植林法で管理された森林から得られた繊維であること、生分解性であることなどを訴求し、赤ちゃんと地球を大切に思う気持ちを商品に込めたものだ。『赤ちゃん本舗』の想い“未来へつながる子育て総合支援企業として、持続可能な社会の発展に貢献する”にかなう製品となった」とツアイディレクター。

今後の展望と
日本市場への期待

すでに「ヴェオセル™」ブランドを採用しているパートナー企業が従来の「ヴェオセル™」繊維から、カーボンニュートラルな「ヴェオセル™」繊維にアップグレードしているケースもあるという。「気候変動に直面している現在、CO2削減は企業にとって必ず達成しなければならない課題だ。既に韓国のサニタリーやシートパックなどで知られる『イェジミイン(YEJIMIN)』や台湾スキンケアブランド『ブリッジ24/7(BRIDGE 24/7)』はカーボンニュートラルな『ヴェオセル™』繊維を用いた製品を発売しており、今後はより多くのカーボンニュートラルな『ヴェオセル™』繊維を使用した製品が生まれる予定だ」。

レンチングも温室効果ガス排出削減目標を着実に達成できるようにCO2削減に取り組んでいる。「自社の努力はもちろんサプライヤーとの協働に加え、森林再生プロジェクトなどに積極的にかかわることで2021年、実質カーボンニュートラルを達成した」。

日本市場の展望についてツアイは、「『赤ちゃん本舗』の成功例のように、多くの社会的責任を果たすパートナー企業との取り組みを広げ、生活者が身体的にも精神的にも、そして社会的にも満たされた状態になるような、ウェルビーイングに向けた製品開発やサプライチェーンを通した啓発活動など、ウェルビーイングに向けた製品開発やサプライチェーンを通した啓発活動などを増やしたいと考えている。そのためには、『ヴェオセル™』の優位性を浸透させなければならない。その一環として12月6~8日、東京で開催されたエコ・プロ展に参加した。3年連続で参加しているがその理由は、「パートナー企業だけでなく、多くの消費者および未来の消費者となる子どもたちと直接対話することができるから。いわゆるZ世代やそれに続く子どもたちも数年すれば消費者やパートナーとなる。次の世代へとつながるよう、サステナブルな社会を育てていくことが大切で、それにはより多くの日本のサプライチェーンパートナーズとの協働が不可欠になる。パートナー企業や消費者を巻き込むさまざまなアクティビティーを計画する予定で、多くの人を巻き込みながらサステナブルでウェルビーイングな社会を作っていきたい」とツアイディレクターは語る。

※VEOCEL™およびヴェオセル™はLenzing AGの商標です。

TEXT : YUKO HIROTA
問い合わせ先
レンチングファイバーズ
mailto:office@lenzing.com

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使い捨て不織布製品を考える 「ヴェオセル™」が提唱する環境に配慮した製品選びとは

フェイスパックやウエットティシュ、生理用品やベビー用おしりふき、介護用品など、私たちが日常的に使用する使い捨ての不織布製品が何で作られているかを考えたことがあるだろうか。その多くはプラスチックである。こうしたプラスチック製品はその利便性から生活に深く浸透しているが、ごみの量は増えるし、廃棄方法によってはマイクロプラスチックとして海中を漂うこともある。そもそも現在の地球環境の状態を考えれば、使い捨て製品自体の使用量の削減が急務だが、衛生用品など必要不可欠な使い捨て製品もある。こうした状況を受け、法を整備する国も増えてきた。

規制が始まった欧州、
選択機会が増えた消費者

欧州連合(EU)は2019年、1回または短期間の利用後に廃棄されるプラスチックごみの総量を抑制するために、「特定プラスチック製品の環境負荷低減に関わる指令(SUPD)」を制定し、21年7月から施行している。流通が禁止された製品は、皿、カトラリー(フォーク・ナイフ・スプーン・箸など)、ストロー、マドラー、コップ、風船用の棒、綿棒の軸、発泡ポリスチレン製の食料・飲料用容器、オキソ分解性プラスチック製の全製品。また、特定の使い捨てプラスチック製品(飲料カップ、生理用品、ウエットティシュ、フィルター付きたばこ製品など)に対するプラスチックの含有情報や正しい廃棄方法などに関するラベル表示を義務化した。また、製品メーカーには廃棄物の処理やクリーンアップ、消費者の環境意識向上に関するプロフラムを支援することが求められており、合成繊維を含まないセルロース由来の製品への置き換えを始めるメーカーも出てきている。

SUPDが施行され2年以上が経過した現在、どのような変化があるのか。レンチング(LENZING)のスティーブン・ツアイ(Steven Tsai)=アジア不織布担当・アジア地域シニアコマーシャルディレクターは「今まで不織布に使われている“隠れたプラスチック”が“見える化”され、消費者の購買行動に少なからず影響を及ぼしている。また、この規制により消費者自身が“好ましい選択”ができるようになったことは意味がある」と語る。他方“隠れたプラスチック”を使用していない製品も素材に関する情報を積極的に出してその存在感をアピールしているという。「例えば、原料が森林認証を取得した木質由来の繊維であることを示すPEFCやFSC、有害化学物質に関する分析をクリアした製品に与えられるエコテックス、生分解や堆肥化可能のことです 従って、生分解性や堆肥化可能を示すテュフやビーガンの認証ロゴを表示するようになった」と語る。

こうした状況で、環境配慮に取り組むブランドが採用するのがオーストリアの繊維大手レンチングの「ヴェオセル™(VEOCEL™ )」だ。2018年に誕生した新しいブランドだが、現在のパートナー企業は数十社以上。「用途はさまざまだが、共通点はそれぞれのパートナー企業が当社同様、環境問題に対して真摯に取り組んでいる点だ。『ヴェオセル™』のロゴを製品に付ける企業も増えてきた」とツアイディレクター。

「ヴェオセル™」が支持される理由についてツアイディレクターは「森林認証の取れた木材から作られたセルロース繊維で、クリーンで安全な方法で製造されている点、そして、使用された製品が生分解し、たい肥化可能である点が信頼の柱になっている」と分析する。加えて、「選ばれるためには環境メッセージだけでなく、繊維そのものが持つ優位性がなければならない」という。「例えば『ヴェオセル™ビスコース』繊維は、レーヨン繊維の持つ高い吸水性とソフトな風合いがあり、パーソナルケア製品に広く採用されている。『ヴェオセル™リヨセル』繊維は、なめらかな表面が特徴で肌にやさしく、直接肌に触れるビューティケア、ベビーケア製品の風合いを向上させる。こうしたメリットは、データによって裏付けされており、パートナー企業にも共有している」。データ取得のために世界有数の研究機関や大学と共同研究を進めているという。「例えば生分解性については、米サンディエゴにある世界最大規模にして最古の地球科学と海洋の研究組織であるスクリップス海洋研究所(Scripps Institution of Oceanography)と共同で『ヴェオセル™リヨセル』『ヴェオセル™ビスコース』、モダール、コットン、オーガニックコットン、ポリ乳酸、ポリプロピレン、ポリエステルなど複数の繊維の海洋環境下での生分解性を調査し、情報公開をしている。こうした活動も支持される理由だと考えている」。

しかし、木材由来のセルロース繊維製品はプラスチック製品に比べてプレミアムな素材とみなされ、爆発的な拡がりを期待するのは難しい。「不織布が使用されているコスメ用品や衛生用品は価格訴求型から、肌あたりの良さ、優れたふき取り性能、環境配慮型など多くの製品があり、私たちレンチングが全てを解決できるとは考えていない。けれど、あまたある素材から『ヴェオセル™』を選んでくれたパートナー企業と社会的責任のある製品を送り出し、サプライチェーンを含めて成長していることをうれしく思う」。

「ニュートロジーナ」や
「赤ちゃん本舗」が採用

「ヴェオセル™」を採用したブランドはどのようなストーリーで消費者に訴求しているのだろうか。消費財ブランド「ニュートロジーナ(NEUTROGENA)」は、アメリカ市場で「ヴェオセル™」繊維を使用したクレンジングシートを発売した。「使用後約35日で、家庭でのコンポスト化が可能であることをアピールしている。クレンジングシートはケアを手軽にできる製品だが、ごみとして廃棄されることから『環境に悪いのでは?』と疑問を持つ消費者も多いだろう。そのケア製品の行く先がごみ箱ではなく、生ごみ処理機・コンポストだとすれば、消費者の罪の意識が環境への貢献へと変わる。このようなクリーン・ビューティ製品は世界的に広がっている」。

「赤ちゃん本舗」は、「水99%Superシリーズ」のプレミアム製品として「ヴェオセル™」を用いた製品を企画した。「新生児の敏感な肌にもやさしい点に加えて、植物由来でサステナブルな植林法で管理された森林から得られた繊維であること、生分解性であることなどを訴求し、赤ちゃんと地球を大切に思う気持ちを商品に込めたものだ。『赤ちゃん本舗』の想い“未来へつながる子育て総合支援企業として、持続可能な社会の発展に貢献する”にかなう製品となった」とツアイディレクター。

今後の展望と
日本市場への期待

すでに「ヴェオセル™」ブランドを採用しているパートナー企業が従来の「ヴェオセル™」繊維から、カーボンニュートラルな「ヴェオセル™」繊維にアップグレードしているケースもあるという。「気候変動に直面している現在、CO2削減は企業にとって必ず達成しなければならない課題だ。既に韓国のサニタリーやシートパックなどで知られる『イェジミイン(YEJIMIN)』や台湾スキンケアブランド『ブリッジ24/7(BRIDGE 24/7)』はカーボンニュートラルな『ヴェオセル™』繊維を用いた製品を発売しており、今後はより多くのカーボンニュートラルな『ヴェオセル™』繊維を使用した製品が生まれる予定だ」。

レンチングも温室効果ガス排出削減目標を着実に達成できるようにCO2削減に取り組んでいる。「自社の努力はもちろんサプライヤーとの協働に加え、森林再生プロジェクトなどに積極的にかかわることで2021年、実質カーボンニュートラルを達成した」。

日本市場の展望についてツアイは、「『赤ちゃん本舗』の成功例のように、多くの社会的責任を果たすパートナー企業との取り組みを広げ、生活者が身体的にも精神的にも、そして社会的にも満たされた状態になるような、ウェルビーイングに向けた製品開発やサプライチェーンを通した啓発活動など、ウェルビーイングに向けた製品開発やサプライチェーンを通した啓発活動などを増やしたいと考えている。そのためには、『ヴェオセル™』の優位性を浸透させなければならない。その一環として12月6~8日、東京で開催されたエコ・プロ展に参加した。3年連続で参加しているがその理由は、「パートナー企業だけでなく、多くの消費者および未来の消費者となる子どもたちと直接対話することができるから。いわゆるZ世代やそれに続く子どもたちも数年すれば消費者やパートナーとなる。次の世代へとつながるよう、サステナブルな社会を育てていくことが大切で、それにはより多くの日本のサプライチェーンパートナーズとの協働が不可欠になる。パートナー企業や消費者を巻き込むさまざまなアクティビティーを計画する予定で、多くの人を巻き込みながらサステナブルでウェルビーイングな社会を作っていきたい」とツアイディレクターは語る。

※VEOCEL™およびヴェオセル™はLenzing AGの商標です。

TEXT : YUKO HIROTA
問い合わせ先
レンチングファイバーズ
mailto:office@lenzing.com

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米富繊維がスパイバーの人工タンパク質素材を使用したニットウエアを発売 ポップアップも

ニットメーカーの米富繊維は、スパイバー(SPIBER)の人工タンパク質“ブリュード・プロテイン(Brewed Protein)”繊維を使用したニットウエア発売する。12月22〜24日に代々木上原で開催するポップアップで販売を行い、12月16、17日に米富繊維本社工場内のヨネトミストアで先行販売する。2024年の秋冬から本格的に国内外での販売を開始する予定だ。

ラインアップするのはクルーネックとタートルネックのプルーオーバー。それぞれ全6色を用意し、価格は4万1800円と4万2900円。軽いのに暖かく、優しい肌触りが特徴。ジャケットなどのインナーにも合わせられるすっきりとしたシルエットだ。

“ブリュード・プロテイン”繊維は、植物由来のバイオマスを原材料に使用した微生物の発酵プロセスにより生産される人工タンパク質素材。原料に石油を使わない同素材は、温室効果ガスの排出量の大幅な縮小や土地や水の使用量の削減が見込まれ、次世代の素材として期待が寄せられている。

■ヨネトミストア
販売期間:12月16、17日
住所:山形県東村山郡山辺町大字山辺1136
電話:023-664-8176

■ヨネトミ ポップアップストア
期間:12月22〜24日
場所:tefu yoyogiuehara
住所:東京都渋谷区西原3-1-10

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米富繊維がスパイバーの人工タンパク質素材を使用したニットウエアを発売 ポップアップも

ニットメーカーの米富繊維は、スパイバー(SPIBER)の人工タンパク質“ブリュード・プロテイン(Brewed Protein)”繊維を使用したニットウエア発売する。12月22〜24日に代々木上原で開催するポップアップで販売を行い、12月16、17日に米富繊維本社工場内のヨネトミストアで先行販売する。2024年の秋冬から本格的に国内外での販売を開始する予定だ。

ラインアップするのはクルーネックとタートルネックのプルーオーバー。それぞれ全6色を用意し、価格は4万1800円と4万2900円。軽いのに暖かく、優しい肌触りが特徴。ジャケットなどのインナーにも合わせられるすっきりとしたシルエットだ。

“ブリュード・プロテイン”繊維は、植物由来のバイオマスを原材料に使用した微生物の発酵プロセスにより生産される人工タンパク質素材。原料に石油を使わない同素材は、温室効果ガスの排出量の大幅な縮小や土地や水の使用量の削減が見込まれ、次世代の素材として期待が寄せられている。

■ヨネトミストア
販売期間:12月16、17日
住所:山形県東村山郡山辺町大字山辺1136
電話:023-664-8176

■ヨネトミ ポップアップストア
期間:12月22〜24日
場所:tefu yoyogiuehara
住所:東京都渋谷区西原3-1-10

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ユニチカトレーディングが廃材を使った「フレグランス」 若手社員が考案

素材大手のユニチカの繊維子会社ユニチカトレーディングはこのほど、サーキュラーエコノミーを推進するプロジェクト「モリビト(MORIBITO)」で、ドライフラワーブランド「謳花(おうか)」とコラボレーションを行う。ユニチカトレーディングが廃材などを提供し、ドライフラワーのディフューザー「いちりんフレグランス」(1万2000円)として販売する。同製品は「謳花」を運営するソウアンのECサイトで販売する。

「モリビト」は、ユニチカトレーディングの若手社員を中心に、社外のクリエイターと協働してサーキュラーエコノミーを推進するプロジェクト。今回は、通常の花材に加え、廃棄花材や流通に乗らない剪定ゴミなど、さまざまな種類の花弁や環境の異なる花弁を寄せ集め、紡ぐようにして一輪の花にする「謳花」ブランドのアイテムで、ブーケの包装紙や緩衝材として、ユニチカトレーディングの廃材を提供する。「謳花」オリジナルのハンドメイドフラワーを、アロマオイルの受け口に活用、ディフューザーとして使用できる。「謳花」は、ドライフラワーを用いた空間装飾やインテリア、雑貨などを制作している。

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ユニチカトレーディングが廃材を使った「フレグランス」 若手社員が考案

素材大手のユニチカの繊維子会社ユニチカトレーディングはこのほど、サーキュラーエコノミーを推進するプロジェクト「モリビト(MORIBITO)」で、ドライフラワーブランド「謳花(おうか)」とコラボレーションを行う。ユニチカトレーディングが廃材などを提供し、ドライフラワーのディフューザー「いちりんフレグランス」(1万2000円)として販売する。同製品は「謳花」を運営するソウアンのECサイトで販売する。

「モリビト」は、ユニチカトレーディングの若手社員を中心に、社外のクリエイターと協働してサーキュラーエコノミーを推進するプロジェクト。今回は、通常の花材に加え、廃棄花材や流通に乗らない剪定ゴミなど、さまざまな種類の花弁や環境の異なる花弁を寄せ集め、紡ぐようにして一輪の花にする「謳花」ブランドのアイテムで、ブーケの包装紙や緩衝材として、ユニチカトレーディングの廃材を提供する。「謳花」オリジナルのハンドメイドフラワーを、アロマオイルの受け口に活用、ディフューザーとして使用できる。「謳花」は、ドライフラワーを用いた空間装飾やインテリア、雑貨などを制作している。

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「6397」がNYでファッションショーとファンドレイジングを開催 アウトサイダー・アーティストを支援

「サカイ(SACAI)」や「アレキサンダー ワン(ALEXANDER WANG)」を輩出してきたニューヨークの老舗ショールーム、ザ・ニュース(The NEWS)が手掛けるウィメンズブランド「6397」は11月2日、カリフォルニア州オークランドを拠点とするNPO団体クリエイティブ・グロウス(Creative Growth)への寄付を目的としたブランド初のファッションショーをソーホーのショールームで開催した。

クリエイティブ・グロウスは、知的・身体的障害を持つアーティストの表現活動を支援する米国最古のアートセンターで、以前から親交があったザ・ニュースの石井ステラ創業者が同団体への活動資金調達を目的に今回のファッションショーを企画。前シーズンのジャケットやジーンズ、ジャンプスーツ、Tシャツ、ワンピースなどの在庫を無償で提供し、同団体所属のアーティストらがペイントや刺繍でリメイクを施した全39ルックをランウェー形式で披露した。全ルックはショー終了後に販売し、売り上げをクリエイティブ・グロウスに寄付した。

「ファッションセールスを生業にしている私たちにできることは、洋服を通じて彼らの作品を売ること。私たちの服をキャンバスにしてもらい、彼らに自由に楽しんで創作してもらう。そうやってアウトサイダー・アート(障害を持つ人や美術教育を受けていない人による既存の枠に捉われない表現方法)の認知を広めるためのサポートをしていきたい」と石井創業者。モデルには自社の社員や友人、子供など、多種多様なバックグラウンドを持つ身近な人々をキャスティングし、「多様性に満ちたニューヨークのリアルな空気感を表現した」という。司会進行は作家兼メディアパーソナリティとして活躍するミッキー・ボードマン(Micky Boardman)が務めた。

ランウェー終了後には、ニューヨーク近代美術館(MOMA)にも作品が収蔵されている著名な所属アーティスト、ダン・ミラー(Dan Miller)がリメイクしたブルーのアノラックパーカーが即席のオークションにかけられ、1200ドル(約17万8000円)で落札されると来場者から大きな歓声が上がった。会場には、米「ヴォーグ(VOGUE)」のファッションエディター、リン・イエーガー(Lynn Yaeger)や「ペーパーマガジン(PAPER MAGAZINE)」のキム・ハストライター(Kim Hastreiter)創始者ら多くの業界人やアート関係者の姿もあり、150人以上の来場者で賑わった。

クリエイティブ・グロウスのトム・ディ・マリア(Tom Di Maria)ディレクターは、「アートとファッションを融合させることは現代的かつエキサイティングなアプローチであり、アートをより面白くする。こうした取り組みによって障害を持つアーティストが過小評価されることなく、彼らの創造性を発揮できる場を広げていくことに意義があると思う」とコメント。同団体は来年設立50周年を迎え、現在サンフランシスコ近代美術館(SFMOMA)で大規模な展示会を開催中。また日本の東京、大阪、奈良を含む世界40カ所で、アウトサイダー・アーティストに特化した団体やギャラリーの立ち上げの支援にも携わっている。

同ファッションショーで披露されたアイテムは、「6397」の公式サイトでも期間限定で販売を行う。

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「6397」がNYでファッションショーとファンドレイジングを開催 アウトサイダー・アーティストを支援

「サカイ(SACAI)」や「アレキサンダー ワン(ALEXANDER WANG)」を輩出してきたニューヨークの老舗ショールーム、ザ・ニュース(The NEWS)が手掛けるウィメンズブランド「6397」は11月2日、カリフォルニア州オークランドを拠点とするNPO団体クリエイティブ・グロウス(Creative Growth)への寄付を目的としたブランド初のファッションショーをソーホーのショールームで開催した。

クリエイティブ・グロウスは、知的・身体的障害を持つアーティストの表現活動を支援する米国最古のアートセンターで、以前から親交があったザ・ニュースの石井ステラ創業者が同団体への活動資金調達を目的に今回のファッションショーを企画。前シーズンのジャケットやジーンズ、ジャンプスーツ、Tシャツ、ワンピースなどの在庫を無償で提供し、同団体所属のアーティストらがペイントや刺繍でリメイクを施した全39ルックをランウェー形式で披露した。全ルックはショー終了後に販売し、売り上げをクリエイティブ・グロウスに寄付した。

「ファッションセールスを生業にしている私たちにできることは、洋服を通じて彼らの作品を売ること。私たちの服をキャンバスにしてもらい、彼らに自由に楽しんで創作してもらう。そうやってアウトサイダー・アート(障害を持つ人や美術教育を受けていない人による既存の枠に捉われない表現方法)の認知を広めるためのサポートをしていきたい」と石井創業者。モデルには自社の社員や友人、子供など、多種多様なバックグラウンドを持つ身近な人々をキャスティングし、「多様性に満ちたニューヨークのリアルな空気感を表現した」という。司会進行は作家兼メディアパーソナリティとして活躍するミッキー・ボードマン(Micky Boardman)が務めた。

ランウェー終了後には、ニューヨーク近代美術館(MOMA)にも作品が収蔵されている著名な所属アーティスト、ダン・ミラー(Dan Miller)がリメイクしたブルーのアノラックパーカーが即席のオークションにかけられ、1200ドル(約17万8000円)で落札されると来場者から大きな歓声が上がった。会場には、米「ヴォーグ(VOGUE)」のファッションエディター、リン・イエーガー(Lynn Yaeger)や「ペーパーマガジン(PAPER MAGAZINE)」のキム・ハストライター(Kim Hastreiter)創始者ら多くの業界人やアート関係者の姿もあり、150人以上の来場者で賑わった。

クリエイティブ・グロウスのトム・ディ・マリア(Tom Di Maria)ディレクターは、「アートとファッションを融合させることは現代的かつエキサイティングなアプローチであり、アートをより面白くする。こうした取り組みによって障害を持つアーティストが過小評価されることなく、彼らの創造性を発揮できる場を広げていくことに意義があると思う」とコメント。同団体は来年設立50周年を迎え、現在サンフランシスコ近代美術館(SFMOMA)で大規模な展示会を開催中。また日本の東京、大阪、奈良を含む世界40カ所で、アウトサイダー・アーティストに特化した団体やギャラリーの立ち上げの支援にも携わっている。

同ファッションショーで披露されたアイテムは、「6397」の公式サイトでも期間限定で販売を行う。

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「エシカルはブランドのDNA」 NY発の「ローレン マヌーギアン」が渋谷で企画展

ニューヨーク・ブルックリンを拠点とするニットウエアブランド「ローレン マヌーギアン(LAUREN MANOOGIAN)」は、東京・渋谷のセレクトショップN idで初の企画展を11月12日まで開催中だ。

同ブランドは、デザイナーのローレン・マヌーギアンが旅で訪れたペルーのモノ作りに感銘を受けて2008年に立ち上げた。現在はパートナーのクリス・ファイヤオブド(Chris Fireoved)と共に運営する。ペルーの厳選した工房と連携しトレーサビリティーを担保したモノ作りを徹底する。無染色のアルパカ素材を用いたニットウエアを主力商品とし、アルパカを使用したシューズ(7万2600円)やフェルト生地のフリンジストール(8万1400円)といった小物までをそろえる。特殊な編み方でランダムにホールを配したプルオーバー(19万8000円)や、ダブルフェースのロングコート(15万6200円)など、デザインはミニマルながら手仕事を感じさせる豊かな表情が特徴だ。日本ではN idはじめ、ベイクルーズグループの「アパルトモン(L’APPARTMENT)」やトゥモローランドの「ギャルリー・ヴィー(GALERIE VIE)」などで取り扱う。

企画展開催に合わせ来日したマヌーギアンとファイヤオブドは、「私たちはモノ作りの工程もデザインの一部と考える。今はエシカルやサステナビリティという言葉が使われるが、私たちは自分たちの作りたいものを突き詰めた結果たどり着いたのが今の形であり、ブランドのDNAとしてそういう考え方を持っている。日本の顧客は、クラフトマンシップにすごく敏感で、私たちが大事にしているスタイルを上手に解釈してくれるのでありがたい。この企画展でブランドの世界観をより体感してほしい」とコメントした。

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「エシカルはブランドのDNA」 NY発の「ローレン マヌーギアン」が渋谷で企画展

ニューヨーク・ブルックリンを拠点とするニットウエアブランド「ローレン マヌーギアン(LAUREN MANOOGIAN)」は、東京・渋谷のセレクトショップN idで初の企画展を11月12日まで開催中だ。

同ブランドは、デザイナーのローレン・マヌーギアンが旅で訪れたペルーのモノ作りに感銘を受けて2008年に立ち上げた。現在はパートナーのクリス・ファイヤオブド(Chris Fireoved)と共に運営する。ペルーの厳選した工房と連携しトレーサビリティーを担保したモノ作りを徹底する。無染色のアルパカ素材を用いたニットウエアを主力商品とし、アルパカを使用したシューズ(7万2600円)やフェルト生地のフリンジストール(8万1400円)といった小物までをそろえる。特殊な編み方でランダムにホールを配したプルオーバー(19万8000円)や、ダブルフェースのロングコート(15万6200円)など、デザインはミニマルながら手仕事を感じさせる豊かな表情が特徴だ。日本ではN idはじめ、ベイクルーズグループの「アパルトモン(L’APPARTMENT)」やトゥモローランドの「ギャルリー・ヴィー(GALERIE VIE)」などで取り扱う。

企画展開催に合わせ来日したマヌーギアンとファイヤオブドは、「私たちはモノ作りの工程もデザインの一部と考える。今はエシカルやサステナビリティという言葉が使われるが、私たちは自分たちの作りたいものを突き詰めた結果たどり着いたのが今の形であり、ブランドのDNAとしてそういう考え方を持っている。日本の顧客は、クラフトマンシップにすごく敏感で、私たちが大事にしているスタイルを上手に解釈してくれるのでありがたい。この企画展でブランドの世界観をより体感してほしい」とコメントした。

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セカンドハンドを販売するフィンランド発ジュエリー「カレワラ」 使い捨て文化にノー

フィンランド発ジュエリー「カレワラ(KALEVARA)」は、2022年から本国で“プレラブド”コレクションを展開している。プレラブド”とは、“前に愛された”という意味。消費者から持ち込まれた使用済みの「カレワラ」のジュエリーを自社の工房で修理やメンテナスを行い、再販している。85年の歴史を持つ同ブランドが販売したジュエリーの種類は多く、“プレラブド”コレクションでしか手に入れることのできない貴重なものもある。そのユニークさからギフトとしても喜ばれている。

再販という企画が生まれたきっかけは、「衣服だけでなく、ジュエリーもリサイクルできるということを消費者に働きかけたい」という思いから。サステナビリティは、「カレワラ」のブランドバリューの中核をなすもので、ジュエリーのセカンドハンドビジネスの先駆者的存在を目指している。同ブランドのジュエリーは高品質でタイムレスなデザインなので、世代を超えて長く愛用できるという。

修理やメンテナンスでセカンドハンドに輝きを

“プレラブド”コレクションのアイテムは郵送または、「カレワラ」の店舗に持ち込むと、オンラインショップや直営店で使用できるギフトカードが提供される。ギフトカードの価格は、価格リストで事前に確認が可能。再販価格やギフトカードの価格は、素材やジュエリーのサイズに基づいて変動する。「カレワラ」のジュエリーであれば、壊れていても、オリジナルの箱や保証書がなくても持ち込むことができ、金細工職人により修理やメンテナンスが行われる。どうしても修理できない場合は、リサイクルするそうだ。現在、“プレラブド”コレクションを展開しているのはフィンランドだけで、それ占める売り上げの割合は15%。今後は、国外での展開も視野に入れ、25年までには25%を目指すという。

キルシ・パーッカリ=カレワラ最高経営責任者は、「『カレワラ』は、使い捨て文化に反対し、世代から世代へと受け継がれるジュエリーをつくることを目指している。われわれの成長戦略の一部としてプレラブド“コレクションが大きな役割を担っている」とコメントしている。

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サステナ推進プロジェクト「ヤギシカル」が「オーガニックライフスタイルEXPO」に出展 無料セミナーの開催も

繊維商社のヤギが、エシカルやサステナビリティの取り組みとして注力しているプロジェクト「ヤギシカル(YAGITHICAL)」は、9月14〜16日に開催する国内のオーガニックライフスタイルビジネスの推進を目指したコンベンション「オーガニックライフスタイルEXPO 2023」に出展する。

同社のブースでは、協働しているNPO法人ディア ミーと共に企画したオーガニックコットン100%を使用した日本製の“musubu Tシャツ”、規格外品のタオルを再利用したミニタオル“musubu アップサイクルタオル”などの環境に配慮した商品を販売する。ほか、農場から糸まで一貫したオーガニックコットン生産のトレーサビリティーを管理するヤギ独自のシステム「コットン iD」、一般財団法人PBPコットンと共に取り組むインドの綿農家の人々の支援につながるオーガニックコットンを介したプロジェクトを始め、同社が取り組む繊維の循環型ビジネスについても展示する。

初日の14日には、セミナーも開催。同社が取り組むオーガニックコットンのトレーサビリティーやインドのオーガニックコットン生産者と、その子どもたちへの支援について解説する。参加者にはセミナー関連資料に加えて、有機栽培で育てられたコーヒー豆を使用した“ヤギシカル コーヒー”を贈呈する。

■「オーガニックライフスタイルEXPO 2023」
日時:9月14〜16日
開催時間:10:00〜17:00
場所:東京都立産業貿易センター(浜松町館2〜5階)
「ヤギシカル」のブースは4階 21エリア
住所:東京都港区海岸1-7-1 東京ポートシティ竹芝
入場料:1000円(12日17時までの事前入場登録で無料、招待状持参)

問い合わせ先
株式会社ヤギ
03-3667-4887

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「サボン」日本上陸15周年、ホリスティックビューティブランドへ

多様な文化と自然が息づくイスラエル発祥で知られる「サボン(SABON)」。2022年にはブランド設立25周年、23年は日本上陸15周年を迎える。ブランド誕生以来、死海の塩と貴重なボタニカルオイルを黄金比で融合させた“ボディスクラブ”をロングセラーとする一方で、昨今はフェイスケアやヘアケアのカテゴリーでも存在感を高めながら、進化を遂げている。中でも23年〜4月までのフェイスケア売上高は前年同期比20%増と躍進。その人気をけん引するのが、昨年8月デビューの“ローズ フェイスケアライン”だ。花の女王と呼ばれ、優れた美容効果を持つとされるダマスクローズと死海のミネラル、ボタニカルオイルをたっぷりと使い、化粧水、オイル、クリームはエコサートコスモスオーガニックとコスメビオの認証を取得している。「サボン」の世界観を五感で堪能できる細部へのこだわりに効果を実感できる処方が加わり、「フェイスケアも『サボン』で」とファンが拡大した。

6月1日には同ラインに、スクラブ洗顔料“フェイスポリッシャー コンフォーティング・ローズ”、ミスト状化粧水“ボタニカルウォーター コンフォーティング・ローズ” 、保湿ジェル“ローズウォータージュレ”の3品が登場する。いずれもビーガン処方で、“同 ジュレ”は前述のオーガニック認証を取得。“磨き”“整え”“弾む”。五感に響くステップで、「サボン」が考える“幸福肌”をかなえる。

サステナブルな取り組みもますます広がっている。社会や環境に配慮している企業に与えられる国際的な認証制度B Corp認証の取得を25年までに目指すほか、会員制プログラム「ネイチャーマイレージクラブ」では、商品購入時にマイバッグ使用など自然保護につながるアクションでマイルを付与するサービスも21年5月より展開。店舗も顧客も巻き込みながら、皆で自然を守っていく――。その姿勢がブランドへの共感につながり、ファンを増やし続けている。

22年秋には東京・日比谷公園内にカーボンフリーの花壇「シーズ・オブ・ジョイ ガーデンズ・オブ・ワンダーズ」が誕生。花壇運営は社員のウエルネスプログラムの一環とし、また障がい者雇用機会創出も担う。さらに4月中に販売した“ボディスクラブ”の売り上げの一部を「都立公園サポーター基金」に寄付するほか、本来廃棄されるはずだったロスフラワーをアップサイクルし店舗装飾に使用するなどしている。

問い合わせ先
サボン ジャパン
0120-380-688

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「サボン」日本上陸15周年、ホリスティックビューティブランドへ

多様な文化と自然が息づくイスラエル発祥で知られる「サボン(SABON)」。2022年にはブランド設立25周年、23年は日本上陸15周年を迎える。ブランド誕生以来、死海の塩と貴重なボタニカルオイルを黄金比で融合させた“ボディスクラブ”をロングセラーとする一方で、昨今はフェイスケアやヘアケアのカテゴリーでも存在感を高めながら、進化を遂げている。中でも23年〜4月までのフェイスケア売上高は前年同期比20%増と躍進。その人気をけん引するのが、昨年8月デビューの“ローズ フェイスケアライン”だ。花の女王と呼ばれ、優れた美容効果を持つとされるダマスクローズと死海のミネラル、ボタニカルオイルをたっぷりと使い、化粧水、オイル、クリームはエコサートコスモスオーガニックとコスメビオの認証を取得している。「サボン」の世界観を五感で堪能できる細部へのこだわりに効果を実感できる処方が加わり、「フェイスケアも『サボン』で」とファンが拡大した。

6月1日には同ラインに、スクラブ洗顔料“フェイスポリッシャー コンフォーティング・ローズ”、ミスト状化粧水“ボタニカルウォーター コンフォーティング・ローズ” 、保湿ジェル“ローズウォータージュレ”の3品が登場する。いずれもビーガン処方で、“同 ジュレ”は前述のオーガニック認証を取得。“磨き”“整え”“弾む”。五感に響くステップで、「サボン」が考える“幸福肌”をかなえる。

サステナブルな取り組みもますます広がっている。社会や環境に配慮している企業に与えられる国際的な認証制度B Corp認証の取得を25年までに目指すほか、会員制プログラム「ネイチャーマイレージクラブ」では、商品購入時にマイバッグ使用など自然保護につながるアクションでマイルを付与するサービスも21年5月より展開。店舗も顧客も巻き込みながら、皆で自然を守っていく――。その姿勢がブランドへの共感につながり、ファンを増やし続けている。

22年秋には東京・日比谷公園内にカーボンフリーの花壇「シーズ・オブ・ジョイ ガーデンズ・オブ・ワンダーズ」が誕生。花壇運営は社員のウエルネスプログラムの一環とし、また障がい者雇用機会創出も担う。さらに4月中に販売した“ボディスクラブ”の売り上げの一部を「都立公園サポーター基金」に寄付するほか、本来廃棄されるはずだったロスフラワーをアップサイクルし店舗装飾に使用するなどしている。

問い合わせ先
サボン ジャパン
0120-380-688

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素材や染料にこだわったドイツ発フットウエアブランド「エクン」が日本初上陸

三栄コーポレーションの子会社ベネクシーは、ドイツ・フランクフルト発のエシカルを体現したフットウエアブランド「エクン(EKN)」を、5月下旬から自社が展開するクオリネスト店舗、ベネクシー店舗およびオンラインショップで販売する。

「エクン」は、トルコ語で種を意味するekinに由来し、「エクン」は優れたアイデアの種まきを意味する。サステナビリティをクールに世界に伝えることへの情熱と、エッジの利いた独自のスタイルへのこだわりを背景とし、2015年に創立した、ユニセックスのブランド。

同ブランドのシューズは、職人によるハンドメードで、素材には生体組織に害を及ぼさない材料を調達、染色には植物由来の染料を採用するなど、環境に配慮して作られている。

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素材や染料にこだわったドイツ発フットウエアブランド「エクン」が日本初上陸

三栄コーポレーションの子会社ベネクシーは、ドイツ・フランクフルト発のエシカルを体現したフットウエアブランド「エクン(EKN)」を、5月下旬から自社が展開するクオリネスト店舗、ベネクシー店舗およびオンラインショップで販売する。

「エクン」は、トルコ語で種を意味するekinに由来し、「エクン」は優れたアイデアの種まきを意味する。サステナビリティをクールに世界に伝えることへの情熱と、エッジの利いた独自のスタイルへのこだわりを背景とし、2015年に創立した、ユニセックスのブランド。

同ブランドのシューズは、職人によるハンドメードで、素材には生体組織に害を及ぼさない材料を調達、染色には植物由来の染料を採用するなど、環境に配慮して作られている。

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素材や染料にこだわったドイツ発フットウエアブランド「エクン」が日本初上陸

三栄コーポレーションの子会社ベネクシーは、ドイツ・フランクフルト発のエシカルを体現したフットウエアブランド「エクン(EKN)」を、5月下旬から自社が展開するクオリネスト店舗、ベネクシー店舗およびオンラインショップで販売する。

「エクン」は、トルコ語で種を意味するekinに由来し、「エクン」は優れたアイデアの種まきを意味する。サステナビリティをクールに世界に伝えることへの情熱と、エッジの利いた独自のスタイルへのこだわりを背景とし、2015年に創立した、ユニセックスのブランド。

同ブランドのシューズは、職人によるハンドメードで、素材には生体組織に害を及ぼさない材料を調達、染色には植物由来の染料を採用するなど、環境に配慮して作られている。

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オーストラリア発自然派スキンケア「スノー フォックス スキンケア」からブランド初のフェイスパウダーとエシカルなメイクブラシ登場

オーストラリア発自然派スキンケア「スノー フォックス スキンケア(SNOW FOX SKINCARE)」は7月24日、ブランド初となるフェイスパウダー“スノー メルト モイスチャー マットスキン セッティング パウダー”(5940円)と、“フォックス テール ブラシ”(6688円)を発売する。

“スノー メルト モイスチャー マットスキン セッティング パウダー”は、パウダー状のナイアシンアミドが肌を美しく仕上げてキメを整えると同時に、ココナツウォーターが肌を乾燥から守り、潤いと透明感を与え、ビタミンEが紫外線による酸化ストレスからも肌を守る。超微粒⼦のため軽いつけ⼼地で、くすみや⾚み、肌の凹凸をカバーし、⽪脂によるテカリを抑え、⽑⽳の開きを⽬⽴たなくしてメイクの仕上げからメイク直し、さらには夜のスキンケアの仕上げにも使える。

同商品は、ブランド創業者のフィービー・ソングが、乾燥性の敏感肌と酒さでありながらT ゾーンがオイリーな肌質のため、強い防腐剤や⾹料を含むフェイスパウダーを使⽤できないことから開発に着手。完成までに約3年の年月を費やし、これまでブランドが培ってきたスキンケアの知⾒を生かした。フェイスパウダーは、同時発売の“フォックス テール ブラシ”と共に使うことで透き通るようなマット肌を楽しめる。

“フォックス テール ブラシ”はビーガン⽑を使⽤したエシカルなメイクアップブラシ。ブラシの⽑の形状は職人の手により一つずつハンドメイドで作られており、⼤きく柔らかなヘッドで適量のパウダーを取ることができる。動物の⽑を⼀切使⽤しない⼈⼯⽑でありながら、名前の通りきつねのしっぽのような濃密さを再現し、耐久性に優れ、型崩れしにくく、⽔で簡単に洗えるところも魅⼒だ。

同ブランドは2016年にオーストラリアで誕生。敏感肌向けに⽪膚科医と共同開発し、無添加にこだわり開発された、植物学と⽪膚科学を融合したハイブリッド型スキンケアで、日本には21年に上陸。地球第⼀主義を理念に、ビーガン・エシカル・クルエルティフリー・クリーン・プロフェッショナル・オーシャンセーフの 6つの哲学を商品開発理念に掲げている。

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オーストラリア発自然派スキンケア「スノー フォックス スキンケア」からブランド初のフェイスパウダーとエシカルなメイクブラシ登場

オーストラリア発自然派スキンケア「スノー フォックス スキンケア(SNOW FOX SKINCARE)」は7月24日、ブランド初となるフェイスパウダー“スノー メルト モイスチャー マットスキン セッティング パウダー”(5940円)と、“フォックス テール ブラシ”(6688円)を発売する。

“スノー メルト モイスチャー マットスキン セッティング パウダー”は、パウダー状のナイアシンアミドが肌を美しく仕上げてキメを整えると同時に、ココナツウォーターが肌を乾燥から守り、潤いと透明感を与え、ビタミンEが紫外線による酸化ストレスからも肌を守る。超微粒⼦のため軽いつけ⼼地で、くすみや⾚み、肌の凹凸をカバーし、⽪脂によるテカリを抑え、⽑⽳の開きを⽬⽴たなくしてメイクの仕上げからメイク直し、さらには夜のスキンケアの仕上げにも使える。

同商品は、ブランド創業者のフィービー・ソングが、乾燥性の敏感肌と酒さでありながらT ゾーンがオイリーな肌質のため、強い防腐剤や⾹料を含むフェイスパウダーを使⽤できないことから開発に着手。完成までに約3年の年月を費やし、これまでブランドが培ってきたスキンケアの知⾒を生かした。フェイスパウダーは、同時発売の“フォックス テール ブラシ”と共に使うことで透き通るようなマット肌を楽しめる。

“フォックス テール ブラシ”はビーガン⽑を使⽤したエシカルなメイクアップブラシ。ブラシの⽑の形状は職人の手により一つずつハンドメイドで作られており、⼤きく柔らかなヘッドで適量のパウダーを取ることができる。動物の⽑を⼀切使⽤しない⼈⼯⽑でありながら、名前の通りきつねのしっぽのような濃密さを再現し、耐久性に優れ、型崩れしにくく、⽔で簡単に洗えるところも魅⼒だ。

同ブランドは2016年にオーストラリアで誕生。敏感肌向けに⽪膚科医と共同開発し、無添加にこだわり開発された、植物学と⽪膚科学を融合したハイブリッド型スキンケアで、日本には21年に上陸。地球第⼀主義を理念に、ビーガン・エシカル・クルエルティフリー・クリーン・プロフェッショナル・オーシャンセーフの 6つの哲学を商品開発理念に掲げている。

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「レブロン」のヴィーガンネイルが定番化 高発色&速乾の全24色

「レブロン(REVLON)」は6月22日から、2022年夏に数量限定で発売した動物由来の成分や原材料を使用せず、製造過程でも動物実験を行わずに作られたヴィーガンネイル“レブロン ウルトラ HD スナップ!”(全24色、1100円)を定番商品として販売する。同シリーズは2022年6月に数量限定で発売。好評につき8月には秋冬カラーの限定色を展開していた。ラインアップは店頭でも販売する全9色と、オンライン先行カラーの6色、オンラインのみでの取り扱いとなる8色、限定カラーの1色となる。

78%が自然由来成分で作られた同シリーズは、高い発色と速乾性が特徴。持ちやすい大きめのキャップや塗りやすい平らなブラシ、丸みのあるビビッドなデザインもSNSなどで話題となった。

6月から店頭で取り扱われる定番カラーは、ライムグリーンの“003 ブライト サイド”、スカイブルーの“004 ブルー マイ マインド”、ブライトオレンジの“007 ホット スタッフ”、マリーゴールドイエローの“010 マリーゴールド メイヴン”、 ショコラローズの“013 ベーシック”、スモーキーレッドの“014 レッド アンド リアル”、 オリーブグリーンの“022 コマンダー イン チーフ”、スモーキーローズの“032 バースデー スーツ”、グレイッシュパープルの“033 グラウンデッド”。また、ソフトバイオレットカラーの“016 ゲット リアル”を限定色として発売する。

オンライン限定色はピュアホワイトの“001 アーリー バード”やカフェオレベージュの“012 ドリヴン”、ピュアブラックの“026 アンダー マイ スペル”などで、オンライン限定色のうち6色は、7月中旬から店頭でも発売を行う予定だ。

そのほか、速乾性の高さが支持を集めたベースコート“クイック ドライ ベース コート N”とトップコート“クイック ドライ トップ コート N”(ともに990円)も数量限定で復刻販売を行う。

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タイ発のアクセサリーブランド「ピパチャラ」が伊勢丹新宿でポップアップ 地元コミュニティーと作るマクラメ編みのアイコンバッグなど販売

 タイ発のアクセサリーブランド「ピパチャラ(PIPATCHARA)」は伊勢丹新宿本店本館1階で初のポップアップを開催中だ。会期は4月25日まで。ポップアップ開催に合わせ、デザイナーのピパチャラ・ケオジンダ(Pipatchara Kaeojinda)が来日した。

 ベストセラー商品のイタリアンレザーにマクラメ編を施したハンドバッグ“ジェイド”(税込8万5800円)のほか、全面にクリスタルを施した“ミニ アム クリスタル”(同8万5800円)、リサイクルプラスチックのパーツで装飾した“インフィニチュード”(同11万8800円)、新作の月をイメージした“ムーンバッグ”(同12万9800円)などを販売する。

“ファッション・フォー・コミュニティー”を掲げ、地元の雇用を創出

 ケオジンダはタイ・バンコク生まれ。「シーバイクロエ(SEE BY CHLOE)」でアシスタントデザイナー、「ジバンシィ(GIVENCHY)」でジュニアプリントデザイナーなどを経験したのち、2018年に姉のジットゥリーニ(Jittrinee)と同ブランドを立ち上げた。地元タイで編まれたマクラメ編みがアイコンで、伝統工芸を尊重した「アートピースとしてのバッグ」を提案する。

 アイテムは、タイのコミュニティーと連携して全てハンドメイドで制作し、地元の雇用創出につなげている。22年には米「フォーブス(Forbes)」の「女性が設立したエシカルブランド 5選」にも選出された。「私たちは、“ファッション・フォー・コミュニティー”を掲げている。大切にしているのは、一緒に働く人達やそのコミュニティーのために尽くすことだ。私と姉はタイ北部にある5つのコミュニティーに定期的に訪れマクラメ編みの技術を教えている。そうした活動の甲斐もあり、ブランドを立ち上げた当初から今に至るまで現地の人々との信頼関係が築けた」とケオジンダデザイナー。

 商品軸でも環境に配慮に取り組む。例えば“インフィニチュード”コレクションで使用する装飾パーツは、タイのリサイクル工場と開発した独自の再生技術で製造する。コーラルピンクのパーツは100%ヤクルトボトルで、パールブルーのパーツは100%ペットボトルのキャップ部分をリサイクルし柔らかなカラーを再現した。「形は海の有機的な形をイメージしている。なぜなら、タイには多くのゴミが海から漂着するから。(原料が)ゴミであることをダイレクトに伝えるのではなく、手に取った人が海との関係性を感じられるようなデザインを意識した」。

 ECとポップアップを主販路に、タイ、アメリカ、フランス、アラブ首長国連邦、日本などで展開する。日本ではアイゼンが販売代理店となり、ポップアップのほかセレクトショップに販路を広げる。現在はレイビームス六本木ヒルズ店や「カーサ フライン(CASA FLINE)」などで取り扱う。ケオジンダデザイナーは、「明確なターゲット層は定めていないが、バッグの背景ストーリーを楽しみ広めてくれる人たちに届けていきたい」という。

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ヤギがディアミーとサステナイベント “好き”を通してファッションのより良い未来を目指す

 繊維商社のヤギ(YAGI)は、同社が協賛・協働するNPO法人ディアミー(DEAR ME)主催のイベント“BETTER FASHION, BETTER FUTURE”に出展し、同社が持続可能な社会の発展を目指して発足したエシカル・サステナビリティ活動プロジェクト「ヤギシカル(YAGIthical)」のポップアップストアを3月14〜18日の期間、大阪・梅田のNU茶屋町に開いた。最終日は、ヤギのメンバーと西側愛弓ディアミー代表兼「ココ(CO×CO)」代表取締役(以下、西側)によるトークイベントも実施。“「好き」を通して社会課題にアクションしよう”をテーマに、ファッション産業が抱える社会課題解決にどう取り組むかについてを考え、語り合った。

 60分間のトークイベントは3つのテーマで構成。1つ目のテーマ「ぶっちゃけZ世代・ミレニアル世代の本音トーク」では、社会課題への関心が高いとされるZ世代だが、興味を持ちつつも実際にアクションを起こせているのは9%という現状について語り合った。ヤギ・マテリアル部門営業の曽和亮太(以下、曽和)は、「手に取りやすいアイテムや自分が気付かないところで実は社会貢献できている、でもいいと思う。小さなアクションから始めていければ」と述べた。さらに、10年前に古着店で購入したセーターを着て登壇した曽和は、「長年愛用しているが、全然毛羽立たない。いい買い物ができた。これも1つのアクション」と続けた。西側も、「自分の“好き”が入り口となり、それが愛着に変わり、結果社会課題やエシカルに結びついているのがすてき」と賛同した。また、Z世代である西側は、「サステナビリティやSDGsをトレンドとして終わらせてはだめ。言葉に惑わされず、好きを通して自分がどう長く向き合っていけるか。自分は何が好きで、社会とどう関わるのが心地いいかをベースに考えられたらいいのでは」と思いを伝えた。

 2つ目のテーマは「『好き』を通してできるアクション」。「『好き』なものの“もと(素材や背景)”を知る」という話題では、ヤギの藤井豊アパレル部門営業課長は、同イベントにも出展していたエコバッグを活用した新たなパッキングプラットフォーム「ルーパック(LOOPACH)」について説明。「どうアクションをしたらいいか分からない人もいると思う。普段の何気ない買い物の中で、『ルーパック』の機能がついたエコバッグを使うことで公益ポイントが貯まり、そのポイントを自分が支援したい団体などに寄付すれば世の中に還元できる。『ルーパック』が社会との関わりを築く1つのきっかけになれば」と語った。

 さらに、登壇者自身のアクションについても紹介。ヤギ人事部の宮川沙良は、「ツバメタオル」の工場見学に行った際に、「少しのほつれや、近くで見ても気付かないぐらいの欠陥で規格外商品になるタオルが多数倉庫に眠っていることを知った」と振り返り、それらのタオルを有効活用すべく、ディアミーと協働し、アップサイクルタオル「ムスブ(MUSUBU)」を作ったと誕生の背景を明かした。

 3つ目のテーマ「共により良い未来につなげよう」では、企業やNPO法人、団体の枠を超え、規模の大小を問わず連携する大切さや意義について話し合った。ときに参加者に話題を投げかけながら、60分のトークイベントは終わりを迎えた。

 展示スペースでは、オーガニックコットンを介したインドの綿農家とその子どもたちの就学支援を行う「ピースバイピース コットンプロジェクト(PEACE BY PEACE COTTON PROJECT)」をはじめ、ヤギが繊維を通して行っている社会や環境に配慮した取り組みを紹介。「ルーパック」や「エイトワール(EITORE)」の吸水サニタリーショーツ、「ムスブ」のアップサイクルタオル、ミャンマーで有機栽培したコーヒー豆を使用した「ヤギシカルコーヒー(YAGITHICAL COFFEE)」なども販売した。他にも、ディアミーによるシルクスクリーン体験や裁断くずを使ったポストカード作り、Z世代のインフルエンサー3組(Arisa、Kaede、Nozomi)によるフリーマーケットなども実施した。

※SHIBUYA 109 lab.調べ

PHOTOS:CHIE FUKAMI
問い合わせ先
ヤギ
03-3667-4887

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「ザボディショップ」がロングセラーの“Eシリーズ”を45年ぶりにリニューアル 環境に配慮したビーガン仕様に

 英国発の自然派化粧品ブランド「ザボディショップ(THE BODY SHOP)」は4月13日、ロングセラーのスキンケアシリーズ“Eシリーズ”(全4品、税込2420〜3740円)を刷新する。1977年の発売から45年にわたって親しまれてきた同シリーズが、エシカルなコンセプトになって生まれ変わる。

 今回のリニューアルでは、ラズベリーの種を乾燥させコールドプレス製法で抽出した油分と天然のビタミンEを多く含んだ保湿成分のラズベリーシードオイルをシリーズ共通で配合。潤いを与えることで乾燥や空気中のちりやほこりなどの外的ダメージから肌を保護し、みずみずしくふっくらした肌に導く。配合成分はラズベリージュースの製造過程で残った種を再利用することで、環境にも配慮した。また、世界最古のビーガン協会である英ビーガンソサエティ(THE VEGAN SOCIETY)を取得し、ビーガン仕様となった。

 ラインアップは、ラズベリーシードオイルに加えソヤオイルなどの保湿成分を配合したクリーミーなテクスチャーの洗顔料“E フェイスウォッシュ”(125mL、税込2420円)、肌の角質層のすみずみまで潤いで満たす化粧水“E トナー”(250mL、税込2750円)、小麦とトウモロコシから抽出した天然由来のヒアルロン酸を配合する保湿クリーム“E デイクリーム”(50mL、税込3410円)、コミュニティフェアトレードで調達したシアバターとオリーブオイルを配合した“E インテンスクリーム”(50mL、税込3740円)の全4品。

 同ブランドは、89年に化粧品業界で初めて化粧品の動物実験反対のキャンペーンを実施するなど、いち早く環境に配慮した取り組みを行ってきた。2023年末までに全商品でビーガンソサエティ認証を取得することを目指している。

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ビームスのディレクターが語る「ジャパンレザーの可能性」【革製品のサステナビリティを考える Vol.2】

 メード・イン・ジャパンのレザーは、各地に高品質のなめし革を作る産地が残る。その一つが兵庫だ。ビームスの佐藤幸子ディレクターが手がける“コーリング ビームス クラフツ イン ザ メーキング(以下、コーリング)”は、日本の伝統技術を後世に残すためのプロジェクト。今回はジャパンレザーの持つポテンシャルをセレクトショップならではの経験や発想で引き出し、次代へつなぐビームスの取り組みを紹介する。

伝統技術を後世に残すため
商品作りを“お手伝い”

WWDJAPAN(以下、WWD):“コーリング"のプロジェクトについて教えてください。

佐藤幸子ビームスディレクター(以下、佐藤):2018年の秋に福岡の工芸展で、久留米絣(がすり)という織物に出合いました。そのとき、ご年配の方や若い職人さんに聞いた久留米絣の成り立ちやストーリーがとにかく不思議で面白くて。それがきっかけで20年春に久留米絣を使った「カスリ」というブランドを立ち上げ、その頃から日本の伝統技術を後世に残すために何ができるのかを意識し始めました。その後、佐賀からは「有田焼や伊万里焼など肥前地区を代表する焼き物を後世に残したい」という依頼を受け、“宝石のように焼き物を纏う”をコンセプトに「ヒゼンジュエリー」というジュエリープランドを、兵皮連さん(兵庫県皮革産業協同組合連合会)からの依頼では兵庫エリアにあるタンナー(革をなめす業者)の革を使った“ひょうごレザー”の商品開発をしました。これらのプロジェクトをまとめてコーリング"と名付け、21年12月にスタートしました。

WWD:"コーリングの由来は?

佐藤:“天職”と“呼ばれる”のダブルミーニングです。売るための自発的な商品作りや買い付けではなく、呼ばれてお手伝いしたり、素材と向き合って何かを生み出したり、地域や産業に呼ばれて商品を作ったり。ファッションの中から生まれたアイデアで、日本の素晴らしいモノ作りを形にしたいと思っています。

ファッションならではのフィルターで
新しいクリエイティブを生み出す

WWD:ブランドや製品を作る上で大切にしていることは?

佐藤:まずは、その文化の中心にいる人たちがどうしたいのかをとことん本音で話して、聞くことです。例えば、元々素材としての革はものすごく好きだけど、今はサステナビリティやSDGsを背景に革がネガティブに捉えられることも増えています。これからの時代、どうなっていくんだろう?と思うこともあったけど、実際にお話を聞いたら、革は畜産副産物(畜産動物を食肉とする過程で出る皮を利用する素材)ですし、なめしも1400年の歴史があるといいます。私が出会った人を幸せにすることが、私ができる一番サステナブルなアクション。職人さんが代々受け継いで営んできたものを、間違った知識で絶やすことはしたくない。とにかく、産地の人たちはプライドを持って革を作っている。私はそこにすごく感銘を受けたので、自分の経験でできることを形にしたいと思っています。

WWD:"ひょうごレザー”はどのような特長を生かして、どんなプロダクトに落とし込んだ?

佐藤:まず、“ひょうごレザー”を作る方々にも同じように「何が特長ですか?」と質問をしました。すると「なんでも作れるんだよね」とおっしゃられて。兵庫エリアには、本当に多くのタンナーがあり、本当に“なんでも作れるんです。その強みを素直に生かして、ファーストコレクションは財布と洋服、靴、バッグをラインアップ。それぞれの商品に合う革を作り分けて、ユニセックスでエイジレスな、はやり廃りのないものを作りました。ビジュアルも“地場産”感をできるだけ出さず、当社のフィルターを通して、「パリの古びた街で失「恋した女の子」をイメージして撮影しました。

志は高く「世界へ」
まずは地元からこつこつと

WWD:プロジェクトを通しての学びは?

佐藤:私も20年以上、革小物の商品企画に携わってきましたが、タンナーの方々と顔を合わせることすらありませんでした。会ってみると職人さんたちは目の前の皮をなめすだけで、完成品を知ることがない方ばかり。「ファッション」の世界を知らないんです。だからこそ、一緒にモノを作りましょうと歩み寄って、「こういう革は靴のリボンに使いましょう」とか「SNSはこうやるんですよ」とか、自分の経験を基に役立つことを伝えています。

WWD:今後の展望は?

佐藤:ポップアップストアを地元で開きたいですね。職人さんとはお酒を酌み交わしながら「海外のラグジュアリーブランドに革を卸しましょうよ」みたいな夢を語り合うこともあります。しかしそもそも兵庫の人ですら、兵庫が革の産地であることを知らない人が多いんです。まずは国内、まずは地元での認知度を高めていくことから、こつこつとやらないといけないと思っています。透明性の観点からしても、革はどこで、誰がなめしているのか、縫っているのかまで消費者に伝えるべき。これまでは私たち売り手がそこを疎かにしていた部分もあるでしょう。地元の人はやはり東京開催を希望されます。ただ地元で開くことでこそ、なじみのタンナーさんがお店にいらしてくれたり、自分が作ったモノが売れていく様子が見えたりと、収穫は多いはずなんです。私たちにとっても職人と対話しながら、その人たちが作ったモノを売る経験はとても貴重です。売り手として、産地のストーリーや、革のもつ魅力を消費者にきちんと伝えていきたいと思っています。

革にまつわる4つの“誤解”
解消へ向け取り組みを加速

 革のタンナーや革製品の製造、卸業などでつくる日本皮革産業連合会は、皮革や革製品のサステナビリティを発信するステートメント「Thinking Leather Action」を策定した。事業の座長を務める川善商店社長の川北芳弘氏は、皮革と革製商品に関しては近年、4つの“誤解”が生まれているとする。「皮革/革製品のために動物を殺しているという誤解」「革製品を作るのをやめれば、畜産でのCO2が減るという誤解」「天然皮革は石油素材に比べて環境負荷が高いという誤解」「革の代替素材は天然皮革よりサステナブルであるという誤解」を挙げる。「革製品に使われる皮は食肉副産物。たとえ革製品を作らなくなっても皮は出続け、廃棄する皮が増えることになる」と川北氏。正しい理解促進のため、企業や学生向けの出張講演などに取り組む。

TEXT:YUKI KOIKE
問い合わせ先
日本皮革産業連合会
03 -3847-1451

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レリアンからアップサイクルのD2Cブランド「ループール」がデビュー 自社ブランドの残反を活用

 レリアンから今春、D2Cの新ブランド「ループール(LOOPOOL)」がデビューした。ファーストシーズンは、幾何学レースのトップス(1万1000円)や異素材を組み合わせたタイトスカート(1万8700円)、2ウェイドレス(2万5300円)、レイヤードしたフレアスカート(2万5300円)、キャミソールドレス(1万5400円)、インポート生地を使ったトレンチコート(3万800円)など全13型がそろう。

 「ループール」は新原料の調達を減らし、CO2の削減など環境負荷を軽減することを掲げたアップサイクルブランド。今年55周年を迎える主力ブランドの「レリアン(LELIAN)」や「ネミカ(NEMIKA)」、ライセンス事業の「ランバン(LANVIN)」といった同社7つのブランドや業態などで残った原料や資材など廃棄予定の素材を生地メーカーから調達し、活用する。

 「春夏や秋冬といったシーズンも区切らず、生地が調達できたタイミングで、原料の特徴や分量に合わせてデザインを考え、新作を発表。分量の少ないものは、生地を使い合わせたり、アクセサリーのパーツにしたり、使用面積を抑える工夫をしている。これにより、型数を限りながらも質の良い商品を安価で提供することができる」と同社。またターゲットとしては当初、SDGsの教育を受けてきたミレニアル世代の女性を考えていたが、購入者は年齢層も幅広く、コートについては男性の購入者もいたため、今後はエイジレス、ジェンダーレスといった層も視野に入れるという。公式ECサイトでは、すでに売り切れの商品も多いが、トレンチコートとキャミソールドレスは継続品番として検討。幾何学レースのトップスと異素材のタイトスカートも別の廃棄予定の原料を用いて販売する予定だ。

 同社は2021年、世界のアパレル産業が地球環境への問題に直面する中、社内でサステナビリティ活動を推進する委員会を立ち上げるなど、SDGsに対する関心を高めた。「ループール」はその一環として設立。「設立時に“ファッションを楽しみながら、SDGsの活動に参加する”というコンセプトを掲げたが、『誰かのためになっても、別の誰かが困ってしまうのであれば、SDGsの観点から外れてしまう』という考えに向き合った」。この課題をクリアするために約2年を費やし、ローンチに至ったという。今後は、ポップアップショップなどでの販売なども検討している。

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百貨店からもポップアップのラブコール ダイヤモンドと耐久性が同じモアサナイトの可能性

 ダイヤモンドの代わりにラボグロウンダイヤモンド(以下、ラボグロウン)を使用したジュエリーブランドが増えつつある。ラボグロウンとはダイヤモンドと同じ組成を持つ工業製品。ダイヤモンドよりエシカルかつ安価ということで、手に取りやすくファッション感覚で日常使いできるジュエリーを中心に存在感が高くなっている。ダイヤモンドの代替品はラボグロウンだけではない。組成は違うが、ダイヤモンドより光の屈折率が高く、耐熱性も高い。そして、1カラット10万円程度と、ラボグロウンよりさらに安価だ。モアサナイト専門ジュエリーのパイオニアである「ブリジャール(BRILLAR)」の小原亦聡社長に商況について聞いた。

WWD:ブランド立ち上げ以降の売上高の推移は?

小原亦聡ブリジャール社長(以下、小原):2017年1月に創業して、売上高は毎年前年比2割増だった。ブランド設立5周年だった昨年の売上高は同10%増で、伸長率が落ち着いた。伊勢丹新宿本店(以下、伊勢丹)のバイヤーから声がかかり昨年9月、伊勢丹2階で5周年記念のポップアップショップを開催した所、過去最高の単月売上高を記録。半分以上が新規顧客で、初めて見るモアサナイトを即日オーダーする人もいた。地方の百貨店でもポップアップを開催し、認知度アップを図りたい。モアサナイトを見てみたいという消費者には、オフラインアプローチが大切だ。

WWD:ブランドのコンセプトは?

小原:耐久性はダイヤモンドと変わらない、後世に引き継げるジュエリー。多彩なデザインがあるので、実際に使って楽しめる。

WWD:現在の型数や売れ筋は?

小原:デザインは900以上で、在庫があるのは100型。他は受注生産だ。全てのデザインを公式ECで見ることができる。売れ筋は、リング、ネックレス、ピアス、ブレスレットの順。モアサナイトの認知度がアップして、高額品の動きが良い。ダイヤモンドに憧れはあるが、買えない層に響いている。ブライダルでは、エンゲージとマリッジを同じ所で購入したいという要望が多く、マリッジとして、鍛造(金属を叩いて強度を高め目的の形状に成形すること)とモアサナイトを組み合わせた商材を導入したところヒット。中心価格帯はエンゲージが10万〜20万円台前半、マリッジは、10万円程度だ。日常使い用にエンゲージ風リングを購入するキャリア層もいる。ネックレスは11万程度、ピアスはペアで14万円程度、ブレスレットはステーションタイプが9万円程度、テニスブレスレットで22万程度のものが好評だ。

WWD:顧客の年齢層は?

小原:ブライダルは20〜30代のカップルで、自家需要は30〜40代の女性が中心。親子で購入するケースもある。

原材料の製造特許も取得し、環境に優しく低コストで

WWD:他のモアサナイトのブランドとの差別化は?

小原:モアサナイトを取り扱うブランドが増えるのは、認知度がアップするので嬉しい。パイオニアのブランドとして、品質やデザイン、サービス、提案力の高さで差別化を図る。一生使えるジュエリーとしてアフターサービスにも力を入れていく。

 また、原材料のモアサナイトの製造方法について、国内および中国で特許を取得した。モアサナイトは炭化ケイ素の結晶で化学式ではSiCと表記される。通常琥珀色をしている結晶体を無色透明化する方法だ。それにより、低コスト、環境負荷が少なくモアサナイトを製造できる。現在、米国でも、日本貿易振興機構(JETRO)の助成をうけ、取得手続き中だ。

WWD:ブランドとモアサナイトの認知度アップに行っていることは?

小原:SNS発信の強化はもちろんだが、今後は「インスタグラム」に頼りすぎず、LINEなどさまざまな方法で情報発信する。オフラインでは、百貨店のポップアップを行う。また、チャリティー活動がブランドに共感を持ってもらえる場になればと思う。

WWD:今後のモアサナイト市場の見通しと、戦略は?

小原:天然ダイヤモンドにこだわらない層が増えるはずだ。コスパ、耐久性、エシカルという点でモアサナイトを“ハレの日”のジュエリーとしてアピールしたい。長く使えるジュエリーとしてのメンテナンス強化を図るとともに、チャリティーなど、ワクワクすることをしていきたい。

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ベテラン職人の技術を若手に伝承 テーラーバンクが新木場にスーツのお直し拠点

 服のお直し、補修、クリーニング、保管などのアフターケアを一括で提供するテーラーバンク(岐阜市、永井正継社長)が事業を拡大している。19年の設立時から稼働する岐阜市内の専用工場に加えて、3月には東京・新木場に新しい拠点を設けた。ここで活躍するのは、マイスターと呼ばれるベテラン職人である。

 物流倉庫が並ぶ新木場。アパレル物流大手のアクロストランスポートの東京本社の一角にお直しの拠点「テーラーバンク・テクニカルラボ」がある。平均年齢70歳のベテラン職人4人が手縫い、ミシン、アイロンなどを駆使したリノベーションを行う。いずれもテーラーや縫製工場で活躍していた熟練スタッフである。

 彼らのそばでは服飾学校を出たばかりの20代前半の若者4人も一緒にミシンを動かす。永井社長は「ベテランのマイスターの技を若い世代の職人に伝える場にもしたい」を話す。服飾学校では既製品のパーツをバラして作り直すことはあまりない。服の構造を理解した上で、着る人のニーズを知る機会にもなるという。

 ここに集まるのは主に関東のパターンオーダー(PO)のスーツ店から集まるジャケットやパンツだ。POは体形を採寸するものの、ゲージサンプルを土台にして完成品を作るため、必ずしも客にフィットするとは限らない。またタイトなシルエットを好んだり、ゆとりのある着心地を好んだり、客の求めるフィット感が異なったりもする。微修正に対する潜在的なニーズがある。しばらく着用した後、サイズの修正や裏地やボタンの変更を求められるケースもある。最大の消費地である関東の拠点を、アパレル物流のアクロストランスポートの導線上に設けることで輸送の合理化を図った。

 取引先である「カシヤマ」のオンワードパーソナルスタイル、「グローバルスタイル」のタンゴヤ、ファブックトウキョウ、コナカなどのPOの店舗から多い日には50着もの服が届く。POのスーツを販売して顧客との関係が終わるのではなく、渡したスーツのお直しや補修、クリーニング、保管などを通じて関係性を維持する。アパレル側はテーラーバンクのシステムを活用することで、顧客とのエンゲージメントを深めることができる。取引先は拡大しており、1年前に比べて約3割増のペースで成長を遂げる。評価が高まり、有名セレクトショップなどからも問い合わせが増えた。

 11月からは、YOBOSHI(東京都八王子市、神谷哲治社長)と提携し、オンラインで裾上げや丈詰めを行える新サービス「fitu(フィッツ)」を導入した。消費者が会員登録をすれば、EC(ネット通販)で購入した商品の配送先をテーラーバンクにし、お直しした上で自宅に送ることができる。EC事業者がサイト内のサービスとして活用することもできる。

 サステナビリティの高まりを受けて、服を長く大切に着たいというニーズが増えている。永井社長は「アパレル企業は、お客さまに服を売ってから関係作りが始まる。ITを駆使して、シームレスな体験価値を作っていきたい」と話す。

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ベテラン職人の技術を若手に伝承 テーラーバンクが新木場にスーツのお直し拠点

 服のお直し、補修、クリーニング、保管などのアフターケアを一括で提供するテーラーバンク(岐阜市、永井正継社長)が事業を拡大している。19年の設立時から稼働する岐阜市内の専用工場に加えて、3月には東京・新木場に新しい拠点を設けた。ここで活躍するのは、マイスターと呼ばれるベテラン職人である。

 物流倉庫が並ぶ新木場。アパレル物流大手のアクロストランスポートの東京本社の一角にお直しの拠点「テーラーバンク・テクニカルラボ」がある。平均年齢70歳のベテラン職人4人が手縫い、ミシン、アイロンなどを駆使したリノベーションを行う。いずれもテーラーや縫製工場で活躍していた熟練スタッフである。

 彼らのそばでは服飾学校を出たばかりの20代前半の若者4人も一緒にミシンを動かす。永井社長は「ベテランのマイスターの技を若い世代の職人に伝える場にもしたい」を話す。服飾学校では既製品のパーツをバラして作り直すことはあまりない。服の構造を理解した上で、着る人のニーズを知る機会にもなるという。

 ここに集まるのは主に関東のパターンオーダー(PO)のスーツ店から集まるジャケットやパンツだ。POは体形を採寸するものの、ゲージサンプルを土台にして完成品を作るため、必ずしも客にフィットするとは限らない。またタイトなシルエットを好んだり、ゆとりのある着心地を好んだり、客の求めるフィット感が異なったりもする。微修正に対する潜在的なニーズがある。しばらく着用した後、サイズの修正や裏地やボタンの変更を求められるケースもある。最大の消費地である関東の拠点を、アパレル物流のアクロストランスポートの導線上に設けることで輸送の合理化を図った。

 取引先である「カシヤマ」のオンワードパーソナルスタイル、「グローバルスタイル」のタンゴヤ、ファブックトウキョウ、コナカなどのPOの店舗から多い日には50着もの服が届く。POのスーツを販売して顧客との関係が終わるのではなく、渡したスーツのお直しや補修、クリーニング、保管などを通じて関係性を維持する。アパレル側はテーラーバンクのシステムを活用することで、顧客とのエンゲージメントを深めることができる。取引先は拡大しており、1年前に比べて約3割増のペースで成長を遂げる。評価が高まり、有名セレクトショップなどからも問い合わせが増えた。

 11月からは、YOBOSHI(東京都八王子市、神谷哲治社長)と提携し、オンラインで裾上げや丈詰めを行える新サービス「fitu(フィッツ)」を導入した。消費者が会員登録をすれば、EC(ネット通販)で購入した商品の配送先をテーラーバンクにし、お直しした上で自宅に送ることができる。EC事業者がサイト内のサービスとして活用することもできる。

 サステナビリティの高まりを受けて、服を長く大切に着たいというニーズが増えている。永井社長は「アパレル企業は、お客さまに服を売ってから関係作りが始まる。ITを駆使して、シームレスな体験価値を作っていきたい」と話す。

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三井物産が原料調達から支援の先までを見える化する新ツール開発 ロンハーマンが導入

 三井物産はこのほど、サプライチェーンを可視化する新たなプラットホーム「ファーマーズ 360°リンク(farmers 360° link)」を始動した。ザンビアの小規模零細農家の支援を目的に、アプリを通じて綿花の生産者と消費者をつなげ現地の状況を見える化することで新たなエシカル消費体験を提供する。パートナー企業としてロンハーマンが2023年春夏シーズンの一部商品において初導入した。

 同社が出資するアフリカの農業商社ETGと連携して進める。ETGが持つ8万件の綿花農家とのネットワークを活かし、必要なデバイスを供給して綿花の買取り工程をデジタル化した。これにより、農家一軒一軒の生産契約や種子の農薬使用率、農法、収穫量、その後の加工経路などの情報をブロックチェーン上で管理でき、購入者の手元に最終製品が届くまでを追跡できる。

 商品金額の一部は、現地の生活者やコミュニティーの発展につながるインフラ設備などに活用する。購入者は、商品のタグについているQRから支援の内容を選択でき、その後ライン(LINE)またはメールを通じて、現地から支援項目の進捗レポートを受け取ることができる。

 同プロジェクトの指揮を執る池田竜一担当は、「現地に通うなかで農家に適切な資材や肥料を購入してもらうよりも、彼らが手をかけて生産したものがまず適正な価格で売られ、生活水準の底上げにつなげていくことの方が重要だと考えた。しかし、サプライチェーンの複雑なコスト構造の壁もある。そこで生産者から消費者に直接ストーリーを伝えるアプローチが有効だと考えた」と開発背景を語り、「地球に良いことをしなければならないという義務感ではなく、生産者とつながるプロセス自体を楽しめる仕組みづくりを通して、エシカル消費への参加者を増やしたい」と意気込む。ロンハーマンを皮切りに、国内外のさまざまなアパレル企業に参加を呼びかける。

 昨年約1000件の農家を対象にオペレーションのデジタル化およびデータの蓄積を開始し、今年は約3000件に対象農家を広げた。ETGが取り扱うザンビア綿は、すべてCmiA(コットンメイドインアフリカ)認証を取得しているが、池田担当によると多くの農家が綿花栽培に関する体系だったトレーニングを受けていないという。渡したデバイスを活用して、綿花を効率よく生産するための教育コンテンツなどの配信も始めた。今後は、綿花以外にもETGが取り扱うカカオやコーヒーなど他の作物にも応用させていく計画だ。

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土屋鞄のグループ会社、京都・祇園にジュエリーショップ開業

 皮革製品の土屋鞄製造所の親会社、ハリズリー(東京、土屋成範社長)は、京都・祇園にジュエリーブランド「ビズー(BIZOUX)」と「ブリリアンス・プラス(BRILLIANCE +)」の複合店を11月19日に開業した。祇園の中でも趣ある街並みが残る祇園新橋地区。重要伝統的建造物群保存地区に建つ町家造りの木造建築の外観はそのままに、店内に入ると「地層」をテーマに層を積み重ねたようなモダンなデザインの内装が印象的だ。

地元の京セラが作った人工宝石も

 1階は子会社ドリームフィールズが展開する天然カラーストーンブランド「ビズー」の店舗。自社バイヤーが世界約20カ国から買い付けた常時100種以上のカラーストーンを使った900種以上のジュエリーに加え、セミオーダー商品も取り扱う。価格は1万円台~30万円台、セミオーダーは10万~200万円台。

 注目は、京都で作られた人工宝石「ラボグロウン・カラーストーン」を使ったサステナブルなシリーズ。高度な科学技術を駆使して作られる人工宝石は、限りある資源を有効活用し、環境破壊や労働問題を解決できる。特に人工ダイヤは海外セレブの間で話題だ。「ビズー」では、アレキサンドライトやパパラチアサファイアの端材を回収して再生成する京セラの人工宝石を使ったジュエリーを販売する。

 セミオーダー専用ショーケースには、サンタマリアカラーアクアマリンやマラヤガーネットなど100種以上が並び、世界に一つだけのリングとネックレス、ペンダントトップが作れる。リングは約1800パターン、ネックレスは約1700パターンのカスタマイズが可能。他には高さ、サイズ、硬度が異なる32粒の宝石を職人技ですき間なく留めたマルチカラーリング「ブーケ」シリーズや、50種から選べるミニマルなデザインのセミオーダー「カラーカクテル」シリーズ、ジェンダーフリーの新ライン、入手困難な希少石などラインナップは多彩だ。

 ハリズリーの土屋社長は「ブライダルといえば、ダイヤモンドが主流だが、最近はカラーストーンの需要が増えている。『ビズー』では120種のカラーストーンを展開している強みを生かし、二人の思い出の色を選べるカラーブライダルも大々的に打ち出していきたい」と話す。

環境破壊が少ない海底ダイヤモンド

 2階は同じく子会社キューが展開するダイヤモンドジュエリーのブランド「ブリリアンス・プラス」のショールームを設けた。ECサイトからスタートした同ブランドは、国内外のサプライヤーの在庫データと連携することで、約3万個ものダイヤモンドをサイト上で一括検索できるのが特徴。サプライヤーから直接買い付けることで適正価格を実現している。ダイヤの種類と枠のデザインを組み合わせてオーダーする完全受注生産制で、主にブライダルジュエリーに対応する。京都店では160種以上のリングやネックレスを取り扱う。

 注目アイテムは、海底から採取する「海底ダイヤモンド」を使ったオリジナルデザインのリング。海底ダイヤモンドとは、地層ごと川に流されたダイヤモンドが、長い年月をかけて海底にたどりついたものだ。海底で採取するため、採掘による環境破壊が少なく、サステナブルな第三のダイヤモンドとして注目されている。同社は、南アフリカで海底ダイヤを採取、加工、販売する英オーシャン・ダイヤモンド社と契約し、成人の専門ダイバーを雇うなど労働環境にも配慮している。

 海底ダイヤモンドについて、同社の三木芳夫社長はこう話す。「多様な価値観が生まれているいま、よりエシカルなものを購入したいというお客さまはもっと増えると思う。私自身、土屋鞄製作所ではリユース事業も手がけていて循環型のブランド作りに興味がある。トレーサビリティがはっきりしない天然ダイヤの世界で、オーシャン・ダイヤモンド社はトレーサビリティがはっきりしていて、採掘にもかなり手間をかけている。その取り組みに共感した」。

 現在「ビズー」の実店舗は京都店を含めると11店舗、「ブリリアンス・プラス」の店舗は京都ショールームを含めて6店舗を展開。京都でひときわ風情のある祇園新橋地区を選んだのは、結婚するカップルの思い出づくりにふさわしい場所だから。「(土屋鞄製造所の)ランドセルのビジネスでは家族の思い出づくりをお手伝いすると言い続けてきた。その成功体験をジュエリービジネスにも生かしていきたい」(土屋社長)という。

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「サステナブル」と「サステナビリティ」の違いとは? 本質的な理解を阻む曖昧な用法 【翻訳日記:今を読み解くキーワード 第4回】

 「WWDJAPAN」の翻訳担当による連載「翻訳日記:イマを読み解くキーワード」では、翻訳した米国版「WWD」のニュースを引用し、その言葉が日本語や英語でどのように使われているかなどを考察。注目のニュースから英語的な感覚を養い、物事を新たな角度から見るきっかけを提供する。連載を担当するのは、「WWDJAPAN」で翻訳を主に手掛ける先輩Kと後輩M。気づけば翻訳の道に入ってはや四半世紀の先輩Kと、入社3年目でミレニアルとZ世代の狭間を生きる日英バイリンガルの後輩Mが交換日記を交わすように話を深めていく。

 4回目は、国内セレクトショップなどのほか、サステナビリティにアンテナを張った記事コンテンツを多く手掛け、翻訳記事の執筆もする入社4年目の記者Aを招いて雑談。「サステナブル」「サステナビリティ」の文法的違いなどを起点に、サステナビリティにまつわるニュースの翻訳で気をつけていることなどの裏話を語る。

後輩M:自分自身もサステナビリティについてはまだまだ勉強中なので、ぜひ3人で同トピックの翻訳事情について考えていけたらと思います。私は「サステナブル」と「サステナビリティ」という言葉が混在している現状に違和感があります。曖昧な言葉の使用によってサステナビリティに対する理解が遠ざかってしまっている気がして……。

先輩K:「サステナブル(Sustainable)」は形容詞。直訳すると「持続可能な」という意味ですね。「サステナビリティ(Sustainability)」は名詞形なので、一般に「持続可能性」と訳します。日本では主に地球環境を保護する行動や取り組みに対して使いますが、本来はそれぞれ単に「持ちこたえられる」「持ちこたえる力」という広い意味を持つ言葉です。

後輩M:文法的には、「サステナブルに取り組む」は誤用で、正しくは「サステナビリティに取り組む」もしくは「サステナブルな取り組みをする」となりますよね。

先輩K:そうですね。日本語では「ラグジュアリー」も似たような感じで、本来は形容詞である「ラグジュアリアス」を使うべき場合でも名詞形の「ラグジュアリー」を使うという用法が定着してしまっていて、個人的には引っかかります……。

 話をサステナビリティに戻しますと、環境に関する話題も「サステナブル」の一言で片付けるのではなく、使っている素材や製造工程などを具体的に示し、「だからサステナブルなんだ、持続可能なんだ」と読者が分かるようにすることも大切ですね。

記者A:「WWDJAPAN」でも、「サステナブルと言わずにサステナビリティを語ること」を心がけています。「サステナブルな新製品」というと聞こえはいいですが、素材や働き方、売り方など、どういった要因で「サステナブルなのか」を明記しないといけないですよね。

後輩M:ビューティ雑誌の「アルーア(ALLURE)」は2021年4月以降、「地球に優しい」「エコフレンドリー」といった、定義が曖昧な言葉の使用をやめるという方針を固めています。同じメディアとして、刺激を受けました。

後輩M:サステナビリティは環境問題に加えて、持続可能な労働環境かどうかといったフィルターを通して、ジェンダーや人権の問題にも延長して考えることができます。確かに「サステナブルなパーカを発売」と聞いたり、見出しを書いたりしたときに、それがジェンダーに包括的なパーカーであると想像することは難しいし、英語圏でもそういう使い方はしません。ただ、自分で考えていけるような深い理解のためには環境の話に限定したものではないと認識は必須ですよね。

 南アフリカ出身でケープタウンを拠点とするデザイナー、シンディソ・クマロ(Sindiso Khumalo)は、「サステナビリティについて話すとき、私は貧困問題を解消するという側面から見るようにしている」と語っていて、実際2020年に発表したコレクションにはブルキナファソ(西アフリカの国)にあるブランドの工房で手織りしたダファニコットンを使用し、搾取的な性産業から逃れることを支援するケープタウンのNGOを通して女性を雇用して、手編みのポケットや刺しゅうを作品に施しています。クマロは「セックスワーカーにトレーニングを提供しながら共に仕事し、性産業に戻らないようにすることは私にとってサステナビリティの一部。オーガニックコットンをたくさん使用するだけでサステナブルなデザイナーになれるとは思わない。それ以上のことをしなければならないような気がする。素材に限ったことでなく、価値観や人に関連したものでなければならないと理解する必要がある」と言っていたことにすごく共感しました。

記者A:「WWDJAPAN」のウェブサイトにサステナビリティのタグを新設するときも、サステナビリティが何を含む言葉なのかについてたくさん議論しました。22年現在は個人のアイデンティティーや人権に関する問題などの一環として、LGBTQ+の話題もサステナビリティタグの中に含んでいます。

後輩M:環境に関する用語も、サステナビリティ、エコ、エコフレンドリー、エシカルなど多様なのでジャンル分けは難しいですよね。

記者A:「サステナビリティを担当しています」と言うと、「エシカル系ね」と言われることもあるんです。日本では今でいう“サステナブランド”はこれまではエシカルブランドと呼ばれていたように思います。エシカルとサステナビリティのニュアンスの違いも気になります。

先輩K:エシカルとサステナビリティの違いは、エシカルは環境や社会への配慮という意味の中でも、より倫理的かつ道義的な配慮が含まれていることです。似た文脈で使われることもありますが、サステナビリティが出てくる前からある言葉ですし、精神的な部分や語義的な意味で異なると思います。国や宗教、世代によってエシカルの概念も違うので一言では表しづらいですが、より人権問題を強く意識している感覚です。Aさんは他にも気をつけていることや、悩んでいることはありますか?

記者A:やっぱりサステナビリティに関する話題では、日本にない概念や新しい言葉が多いので言葉選びには苦労します。カタカナの方が伝わりやすいこともありますし、日本語に直すとしてもどう表すのが適切かとても悩みます。例えば、航空燃料を化石燃料ではなく、代替素材の燃料にするというニュースがありました。この代替素材の燃料は、サステナブル・アビエーション・フューアル(Sustainable aviation fuel)と呼ばれ、航空業界ではSAFという名称で浸透してます。しかし「WWDJAPAN」でこれをSAFと書いてもピンとくる人は少ないだろうし、カタカナで書いても伝わりづらい。結局、記事内では固有名詞は使わずに「化石燃料の代替を進める……」という風に言い換えました。

後輩M:概念が浸透してその言葉に慣れてきたらカタカナの方がわかりやすい時もありますし、読む人の知識量やバックグラウンドにも左右されますよね。

先輩K:私は概念が浸透する前のカタカナ語は使わないようにして、固定訳がないものでもなるべく漢字で説明して、カッコ書きをつけるようにしています。文章として見ると鬱陶しいんですが、文章の美しさよりは内容が伝わることを重視した方がいい。言葉の定義やイメージが曖昧になりがちなカタカナ語は、それが一般化するまでは日本人がイメージしやすい日本語に直して、正しい理解を促すことにしています。

記者A:本来のメッセージ性も併せて翻訳できれば良いのですが……。国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が最新の報告書を発表した際、同団体は地球温暖化に関する危機感を“Now or Never”という強い言葉で表していたんです。Z世代の環境アクティビストの子たちは、「日本のメディアは訳が柔らかすぎる。全然危機感が伝わらない」と言っていました。私自身が翻訳をする際は「迅速な対応が必要だ」とコメントしているという形で記事を書いていたのですが、“Now or Never”を訳すのに最適な言葉はなんだったのだろうとモヤモヤしています。

先輩K:記事を書く側としては、仮にピッタリの和訳があっても、ニュース記事らしい言い回しやコンテクストを考慮すると使えないこともあります。“Now or Never”だったら、Aさんのような訳や、「今取り組まないと間に合わない」という感じになるでしょうね。訳として間違っていなくても元のメッセージが持つ言葉の力強さやキャッチーさが失われてしまうのは悩ましいところです。

後輩M:サステナビリティというトピックスは、そもそも難しい数字やデータだけでなく、NPO団体や新素材の固有名詞もたくさん登場しますし、アクティビストの多い分野なので一個人の思いも多く取り扱いますよね。「サステナブルな〜」と使いたくなったら「それは何を持ってサステナブルなのだろう」と待ったをかけていくことが大事なのだと思います。

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タイ発のサステナブルブランド「ピパチャラ」が阪急うめだ本店でポップアップショップをオープン 

 バッグや靴などの革製品を取り扱うタイ発のサステナブルブランド「ピパチャラ(PIPATCHARA)」は11月23〜29日の期間、阪急うめだ本店1Fで日本上陸3周年を記念したポップアップショップをオープンする。最新作のバッグ“ジェイド(JADE)”を中心にポップアップ限定製品などをラインアップする。

 同ブランドは、タイ・バンコク出身のデザイナーの妹、ピパチャラ・ケオジンダ(Pipatchara Kaeojinda)と、サステナビリティに関する専門知識を持つ姉のジットゥリーニ(Jittrinee)が2018年に立ち上げたブランドで、伝統的なマクラメ編みをモチーフにしたハンドメードのバッグや靴などの革製品を展開する。使用する革はイタリア・トスカーナ地方で製造された上質な素材にこだわり、地元産業の副産物を活用している。また、タイ北部のローカルコミュニティーで製作しており、地元地域の雇用の創出など地域社会に焦点をあてた取り組みも行なう。現在、日本、フランス、 アメリカ、タイ、アラブ首長国連邦の5カ国で展開しており、今年米フォーブス誌が行った「女性が設立したエシカルブランド5選」に選出されるなど注目を集めている。

 新作の“ジェイド”は、ブランドのアイコンであるマクラメ編みを本体全面にあしらったハンドバッグで、編み込みが交差する部分にリングを加えることで華やかな印象をプラス。豊富なカラーラインアップも魅力だ。

■「ピパチャラ」ポップアップショップ
期間:11月23〜29日
場所:阪急うめだ本店1Fプロモーションスペース 12
営業時間:10〜20時

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サステナ隊長!向は秋冬に何買った? ポイ捨てタバコを使ったピアスや「ダブレット」の皮肉たっぷりのTシャツなど【「WWDJAPAN」スタッフのベストバイ】

 朝晩は肌寒さを感じることも増え、いよいよ秋冬のおしゃれが楽しくなってきました。向千鶴「WWDJAPAN」編集統括兼サステナビリティ・ディレクターは、この秋冬もサステナブルとデザインを両立させたアイテムを購入したようです。今回はその中でも特にお気に入りのアイテム5つを紹介します。

「ニアーニッポン」の京都の手捺染の柄ワンピース

 「『ニアーニッポン(NEAR.NIPPON)』のデザイナーの深山拓也さんが手描きした柄はよく見るとトロピカル。このワンピースは綿100%のヘリンボーンに京都の職人による手捺染で再現してあります。4月25日号の表紙にも掲載しました。同じ柄でもリサイクルポリエステルの生地に昇華転写プリントしたアイテムもあります。同じ柄を異なる生地に載せたのは『それぞれのアイテムにベストな生地を選んだから』と聞いて納得。サステナブルに丁寧に取り組んでいるブランドですが、最後の判断・選択はデザイナーが“届けたいデザインであるか”という点がほんといいな、と思います。トレーサビリティーが取れているイタリアのマンテコ社の生地を使ったボレロを合わせます」(向千鶴「WWDJAPAN」編集統括兼サステナビリティ・ディレクター、以下同)

「カナコ サカイ」のセットアップ

 「『カナコ サカイ(KANAKO SAKAI)』のデザイナー、サカイカナコさんはガッツとユーモアを併せ持つ女性。話していると元気になります。日本の産地の技術継承を大切に考えている彼女は、生地や技術の話になると止まらない。このセットアップも桐生の最新技術を使ったジャカード織りで、アーティストのユリカ シロヤマの作品を生地に落とし込んでいます。光の反射で表情を変える波打ち際をイメージしたそう。着用している時にサカイさんに会ったら至近距離で生地の仕上がりチェックをしてくるものだから、なんだかドキドキしました」

「ダブレット」の“オーガニックコットン50%です”Tシャツ

 「アイロニーとはこのことですよね。『オーガニックコットンを使用していると言いながら、その割合は半分』という“グリーンウォッシュか否か”論議を呼びそうな素材使いをあえて選び、堂々と語っちゃっている『ダブレット(DOUBLET)』のTシャツです。ならばここで選ぶ色はグリーンだろうと、この色を選びました。ダボダボで着たいからサイズはXL。サステナ系イベントで着たいと思います。なお、残りの50%の素材はリサイクルポリエステルであるという、完璧なオチが用意されています」

「境ジュエル」の“バレエシューズ タバコ”ピアス

 「このピアスの素材はポイ捨てタバコとお人形の靴です。セレクトショップのエシカルコンビニで一目ぼれしました。アーティストのカナコネヅ(Kanako Nezzz)さんが手掛けるブランド『境ジュエル(SAKAI JEWEL)』は、彼女の地元でもある神奈川県を流れる境川で拾い集めたゴミを素材にしています。これはバレエシューズだけど、カラフルなピンヒールのバージョンもあり、その名も“ハイヒールタバ子”。ネーミングセンスも好きです。どんな場でもこのピアスの話で10分は盛り上がれます。“2050年リング”は『2050年には海中のプラスチックの量が魚の量を超えるかもしれない』危機感をユーモラスに表現。水着を着た同性カップルがキスをしていてかわいいです」

「リット」のカーディガン
廃棄予定の糸使いだからこその予定不調和

 「ワンピース派のため、秋の始まりにはカーディガンが欠かせません。廃棄予定の素材を生かした服は多いですが、肝心なのはその生かし方ですよね。こちらはスタイリストの酒井美方子さんと松本香織さんがディレクションする今秋冬デビューのニットブランド『リット(RITTO)』です。使える素材に制限があるからこそ、スタイリストのセンスが生かされていて、異なるテクスチャーや編み方、ゲージを組み合わせること自体を2人が楽しんだな、ということが伝わってきます」

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サステナ隊長!向は秋冬に何買った? ポイ捨てタバコを使ったピアスや「ダブレット」の皮肉たっぷりのTシャツなど【「WWDJAPAN」スタッフのベストバイ】

 朝晩は肌寒さを感じることも増え、いよいよ秋冬のおしゃれが楽しくなってきました。向千鶴「WWDJAPAN」編集統括兼サステナビリティ・ディレクターは、この秋冬もサステナブルとデザインを両立させたアイテムを購入したようです。今回はその中でも特にお気に入りのアイテム5つを紹介します。

「ニアーニッポン」の京都の手捺染の柄ワンピース

 「『ニアーニッポン(NEAR.NIPPON)』のデザイナーの深山拓也さんが手描きした柄はよく見るとトロピカル。このワンピースは綿100%のヘリンボーンに京都の職人による手捺染で再現してあります。4月25日号の表紙にも掲載しました。同じ柄でもリサイクルポリエステルの生地に昇華転写プリントしたアイテムもあります。同じ柄を異なる生地に載せたのは『それぞれのアイテムにベストな生地を選んだから』と聞いて納得。サステナブルに丁寧に取り組んでいるブランドですが、最後の判断・選択はデザイナーが“届けたいデザインであるか”という点がほんといいな、と思います。トレーサビリティーが取れているイタリアのマンテコ社の生地を使ったボレロを合わせます」(向千鶴「WWDJAPAN」編集統括兼サステナビリティ・ディレクター、以下同)

「カナコ サカイ」のセットアップ

 「『カナコ サカイ(KANAKO SAKAI)』のデザイナー、サカイカナコさんはガッツとユーモアを併せ持つ女性。話していると元気になります。日本の産地の技術継承を大切に考えている彼女は、生地や技術の話になると止まらない。このセットアップも桐生の最新技術を使ったジャカード織りで、アーティストのユリカ シロヤマの作品を生地に落とし込んでいます。光の反射で表情を変える波打ち際をイメージしたそう。着用している時にサカイさんに会ったら至近距離で生地の仕上がりチェックをしてくるものだから、なんだかドキドキしました」

「ダブレット」の“オーガニックコットン50%です”Tシャツ

 「アイロニーとはこのことですよね。『オーガニックコットンを使用していると言いながら、その割合は半分』という“グリーンウォッシュか否か”論議を呼びそうな素材使いをあえて選び、堂々と語っちゃっている『ダブレット(DOUBLET)』のTシャツです。ならばここで選ぶ色はグリーンだろうと、この色を選びました。ダボダボで着たいからサイズはXL。サステナ系イベントで着たいと思います。なお、残りの50%の素材はリサイクルポリエステルであるという、完璧なオチが用意されています」

「境ジュエル」の“バレエシューズ タバコ”ピアス

 「このピアスの素材はポイ捨てタバコとお人形の靴です。セレクトショップのエシカルコンビニで一目ぼれしました。アーティストのカナコネヅ(Kanako Nezzz)さんが手掛けるブランド『境ジュエル(SAKAI JEWEL)』は、彼女の地元でもある神奈川県を流れる境川で拾い集めたゴミを素材にしています。これはバレエシューズだけど、カラフルなピンヒールのバージョンもあり、その名も“ハイヒールタバ子”。ネーミングセンスも好きです。どんな場でもこのピアスの話で10分は盛り上がれます。“2050年リング”は『2050年には海中のプラスチックの量が魚の量を超えるかもしれない』危機感をユーモラスに表現。水着を着た同性カップルがキスをしていてかわいいです」

「リット」のカーディガン
廃棄予定の糸使いだからこその予定不調和

 「ワンピース派のため、秋の始まりにはカーディガンが欠かせません。廃棄予定の素材を生かした服は多いですが、肝心なのはその生かし方ですよね。こちらはスタイリストの酒井美方子さんと松本香織さんがディレクションする今秋冬デビューのニットブランド『リット(RITTO)』です。使える素材に制限があるからこそ、スタイリストのセンスが生かされていて、異なるテクスチャーや編み方、ゲージを組み合わせること自体を2人が楽しんだな、ということが伝わってきます」

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二階堂ふみがアウターブランド「カポックノット」とコラボ 「大切にしているメッセージを発信したい」

 東南アジアに自生するカポックの実から採れるわたを用いたアウターウエアを主軸に販売する「カポックノット(KAPOK KNOT)」はこのほど、女優の二階堂ふみとコラボしアウター3型を制作した。25日から公式ECサイトと東京・渋谷のミヤシタパーク店、11月1日まで阪急うめだ本店8階で開催中のポップアップ会場で数量限定で受注販売する。

 アイテムは二階堂の「ドレッシーな雰囲気でデザイン性の高いアウターが欲しい」というアイデアをベースに、トレンチコートとフレアスカートをミックスさせたドレスコートのほか、チャイナドレスをイメージしたキルティングコート、ユニセックスで着られるオーバーサイズの変形コートの3型を企画した。価格は各8万8000円(税込)。

 中綿に使用しいているカポック繊維は、「木になるダウン」と呼ばれ、軽量で高い吸湿発熱性が特徴。従来のダウンアウターに使用される羽毛の代替素材として注目を集めている。今回のコラボは、アニマルライツやサステナビリティに関心の高い二階堂が、同ブランドのアウターを着用していたことがきっかけで始まった。

 二階堂は「『カポックノット』を知った時は、軽くて暖かくてこんなに良いものが出たんだと驚いた。今回の取り組みは、洋服を作ることが目的というよりも洋服を通して自分が普段から大切にしているメッセージを発信したかった。ファッションは人の心を豊かにするもの。生産背景がクリーンで、何かの搾取の上に成り立っていない服を選択することで自分の心をより軽やかにしてくれると思う。動物製品を一切買わないことが正しいわけではなく、生産者の思いや環境面、人権面などさまざまな要素を考慮した上で、生活者が消費行動の一つ一つを考える作業が大切だと伝えたい」と話した。

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話題のパッケージフリーの雑貨店も NYで見つけたサステナブルを実践するショップ4選 AMIAYAと学ぶサステナビリティvol6.

 私たちAMIAYAがリアルな目線でサステナビリティを学ぶ本連載。今回は、2年ぶりのニューヨークで見つけたSDGsに取り組むお店を紹介します。日本でもさまざまなエシカルブランドやサステナブルなお店が増えていますが、まだまだ限られているのが現状です。ニューヨークには、今までの常識を変えるような革新的なアイデアや強い信念を持つブランドやお店がたくさんありました。

遊び心溢れるコスメが豊富な「ザ・デトックス・マーケット」

 まず訪れたのは、マンハッタンにある「ザ・デトックス・マーケット(THE DETOX MARKET)」。人や動物、環境に配慮したコスメやビューティアイテムを取り扱うお店です。さまざまなカテゴリーの商品やブランドが豊富で、日本では見たことがない商品がたくさんありました。オーガニックコスメと聞くとシンプルでナチュラルなイメージですが、遊び心のあるパッケージや発色の良いビビットなカラー、バリエーションも多くて驚きました。パッケージには環境配慮マークのほか、“woman owned”というマークを初めて目にしました。“woman owned”は女性が経営するブランドであることを示すものだそうです。ジェンダーの平等や女性のエンパワーメント、SDGsの観点からも、そういったブランドのサポートが出来るのがとても良いなと感じました。

ゼロウエイストを実践する「パッケージフリー」

 次に訪れたのは、ブルックリンにある「パッケージフリー(PACKAGE FREE)」。その名の通り、商品の包装を減らすことがコンセプトで、ゼロウエイストを実践するお店です。店内には計り売りの洗剤や、天然素材のブラシ、布ナプキン、歯磨きタブレットなど、さまざまな雑貨が並んでいました。現代のゴミ問題はとても深刻です。日本人1人が1日当たり出すゴミの量は900g前後と言われています。なかでも、プラスチックゴミにおいては1人あたり(年間)32kg。世界では2番目に多いという結果です。どうすれば日々の生活の中で極力ゴミを出さずに生活出来るのでしょうか。全くゼロにするのはリアリティが無いようにも感じてしまうけど、1つでも2つでもパッケージフリーに変わると、大きなインパクトにつながっていくと思います。日本にもこういったお店がどんどん増えたらいいな。

環境配慮素材で長く履けるのがうれしい「オールバーズ」

 次はサンフランシスコ発祥のスニーカーブランド「オールバーズ(ALLBIRDS)」のソーホー店に行きました。地球環境への配慮をブランド理念に掲げ、商品には化学繊維を使わず、サトウキビなど植物由来の素材や再生ポリエステル、ウールやユーカリなどを使用しています。素材選択の徹底ぶりにも驚きますが、洗濯機で丸洗い出来る点も魅力。汚れやすいスニーカーがすぐ洗えて、きれいに長く使えるのはとってもうれしいですね。履き心地も快適です。

透明性を追求する「リフォメーション」

 最後に訪れたのは、私たちもよく着用しているLA発祥のサステナブルブランド「リフォメーション(REFORMATION)」。“BEING NAKED IS THE #1 MOST SUSTAINABLE OPTION. WE’RE #2(1番サステナブルな選択は裸でいること。2番目は「リフォーメーション」を着ること)”というキャッチフレーズを掲げて、サステナブルファッションを発信しています。スタイリッシュでレディーライクなアイテムや、エッジの効いたアイテムもたくさんあって私達もすごく好きなブランドです。驚くのは高い透明性です。生産工程や原材料の詳細、輸送や梱包などの流通の情報を細かく開示し、商品に対しどれくらい二酸化炭素排出や水使用量、廃棄物を削減できたかといったことまで詳細に明記しています。私たち消費者がファッションを楽しみながら、環境に配慮した選択ができるのはとってもうれしいですよね。

 今回訪れたお店では、SDGsを実践する強い信念にパワーをもらいました。私達もひとつひとつ出来ることを実践していきたいと思わせてくれた時間でした。日本にももっと持続可能なファッションやライフスタイルの選択肢が増えていくことを願っています。

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「ベアミネラル」と「トリンプ」が夏休み中に小学生向けにSDGsオンラインセミナーを開催

 “天使のブラ”や「アモスタイル(AMOSTYLE)」で知られる下着メーカーのトリンプ・インーナショナル・ジャパン(以下、トリンプ)と、ミネラルファンデーションのパイオニアである「ベアミネラル(BAREMINERALS)」を輸入販売するベアエッセンシャルは、オンラインで夏休み中の8月に、小学3〜6年生を対象にしたSDGsを考える合同オンラインセミナーを開催した。

 セミナーのテーマは“コスメ、ランジェリーから考えるSDGs”。両社は、共に“女性達の幸せな生活をサポートする”というミッションを掲げており、グローバルでSDGsに取り組んでいるなどの共通点がある。また、社員同士のつながりもきっかけになり、合同でセミナー開催を決定した。「夏休み中に、将来を担う子ども達に向けて催すことに意義あると考え、対象を小学生に絞った」と坂田修子トリンプPRマネジャー。既に学校の授業でSDGsやサステナビリティについて学んでいる小学生に対して、「それらに取り組んでいる姿を見せることが、将来、ファーストブラ、ファーストコスメに選ばれるためには必要だ」という思いも込められている。また、単独で開催するより、コスメとランジェリーと異なるアイテムを扱う会社が合同で開催することにより、シナジー効果があるだろうと期待もあっての開催だった。

環境保全に対する取り組みやエシカル消費について解説

 セミナーに関しては両社がブランドSNSで告知・宣伝し、「ベアミネラル」のホームページで1カ月間参加者を募集。当日は3回に分けてオンラインで開催し、講師は武者涼子ベアミネラルPRマネジャーと坂田トリンプPRマネジャーが務めた。セミナーは2部構成で、前半は「ベアミネラル」。人気アイテムの“オリジナル ファンデーション”が5つのミネラル(鉱石)だけで作られていることや、肌や自然に有害な添加物を使用していないこと、紙製パッケージを使用し、プラスチックごみの削減に取り組んでいることなどが語られた。後半は「トリンプ」では、エシカル消費についてや同ブランドの一部の商品にオ―ガニックコットンや廃棄されるはずの素材を使用していることを紹介。また、日本では年間50トンものアパレル製品が廃棄されていることなどが話された。

小学生からは購入する際に「どんな会社か調べる」という声も

 参加した小学生は、両社の発表から考えた今日からできるサステナビリティアクションを発表。その中には、「ごみを正しく分別する」「エコバッグを持つ」「お姉ちゃんのおさがりを使う」などの回答のほか、「使い捨てのものは買わない」「必要以上にものを買わない」「買ったものを長く使う」など自らの消費に関する意見が多く出た。中には「(購入する際は)どんな会社か調べる」といった、大人がドキリとするような声も聞かれた。

 セミナーを終えて、武者ベアミネラルPRマネジャーは「参加してくれた小学生は、メモをとりながら受講してくれた。セミナー後に意見を聞くと、積極的に挙手して発言してくれたのが印象的だった。ディスカッションしたいという意見もあったので、次回は参加者のレベルを考えつつ検討したい」と語った。また、坂田トリンプPRマネジャーも「(子供達の意見を聞いて)SDGsやサステナビリティに取り組む重要性にあらためて気づき、背筋が伸びる思いがした」と話すなど、大きな学びがあったようだ。

サステナビリティの部活動で課題を解決

 トリンプの本社であるトリンプ・インターナショナルは、今年6月、GOTS(オーガニックテキスタイル世界基準)及びGRS(グローバル・リサイクル・スタンダード)認証のもと製造された商品の展開を2023年の春夏コレクションから開始し、25年までに全商品の60~80%を、基準を満たした製造過程による商品にすると発表した。日本のトリンプでも、本社同様、GOTS及びGRS認証基準を満たす製造加工工程への切り替えを目指す。

 また、トリンプは21年8月から社内で「サステナビリティコミッティ」という、約20人の有志からなる部活動をスタート。就業時間以外に自主的に集まって話し合いを重ね、今後取り組むべきことをリストアップし、その中から幾つかは年内に実現して課題解決する運びだ。今回のセミナーの様子も社内スタッフと全国の販売スタッフが共有し、次のアクションへとつなげる大切な資料となる。

 ベアエッセンシャルとトリンプの取り組みは今後も継続する予定で、今後は大人を対象にしたセミナーなども予定している。

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“デザイナー不在”の異色ブランド「カルネボレンテ」 セックスポジティブな世の中を目指して

 パリ発の「カルネボレンテ(CARNE BOLLENTE)」は、セックスをモチーフにした刺しゅうTシャツがソーシャルメディアを中心に話題になっているブランドだ。「アンダーカバー(UNDERCOVER)」「アニエスベー(AGNES B.)」とのコラボレーションも行い、東京の街で見かけることも増えた。

 同ブランドは、セックスやセクシュアリティーは恥ずかしいものではなく、健康で楽しいものだというマインド“セックスポジティブ”を体現している。ブランドにはデザイナーがおらず、パリを拠点にした多国籍の3人で構成する。創業から廃棄ゼロを継続するなど、異色ブランドの全貌を、チームの1人である日本人の遠藤聖に聞いた。

WWD:チーム3人の出会いとバックグラウンドは?

遠藤聖(以下、遠藤):ハンガリー出身フランス国籍のイラストレーターのアゴストン・パリンコ(Agoston Palinko)と、フランス出身のアートディレクターのテオドール・ファメリ(Theodore Famery)の2人はフランスの国立の美術大学に一緒に通っていた友人でした。そして、アゴストンは日本に交換留学していて、僕はグラインダー(Grindr、デートアプリ)で彼と知り合い、友達になったんです(笑)。自分は財閥系商社のサラリーマンを辞めた後、セレクトショップのバイヤーを経て、もっとファッションをやりたいと思い、フランスに飛んでブランドをローンチしたんです。

WWD:それぞれの役割は?コレクション発表まで3人でどうこなしているのか?

遠藤:役割を明確に決めてはいませんが、コンセプト作りや、ビジネス面、PRは自分が主に担当しています。商社マンとバイヤーの経験が生きているのかもしれませんね。ただ、コレクションのテーマは3人で決めます。イラストはアゴストンが担当し、自分がファッションのディレクションをします。それらをテオドールが取りまとめるといった流れで進めています。

WWD:なぜデザイナーがいないのか?

遠藤:いわゆるファッションデザイナーと呼べる人はこの中にいません。自分以外の2人もイラストやグラフィックデザインを学んでいましたし、誰もパターンを引けません。服作りにはもちろん真剣に向き合ってはいますが、これでデザイナーを名乗るのはファッションデザイナーさんに申し訳ないというか(笑)。

 「カルネボレンテ」がデザインしているのは、コンセプトだと考えています。たまたま表現のアウトプットがファッションなだけで、日本の文化祭のクラスTシャツを作るカルチャーに近いかもしれません。

WWD:なぜ“セックスポジティブ”を刺しゅうで表現しているのか?

遠藤:タブーとされているからこそ、性にオープンなことが当たり前になる社会にしたい。その考えにメンバー全員が一致しました。まずはそういった会話のきっかけになるアイテムを作りたかったんです。

 そこで、セックスをモチーフにし、ワンポイント刺しゅうのTシャツが最初に作ったアイテムでした。イラストではなく、刺しゅうを使うことで、他ブランドとの差別化ができるかなと考えたので。ブランドをローンチした2015年当時は、セルフィーブーム最盛期。インスタグラムで自撮りをアップした際に、胸元のワンポイントに見えるという効果を狙ったんです。自分たちの周りの人に着てもらうことからスタートし、今もPRはギフティングが中心です。

WWD:現在の販路や展開している国と地域は?

遠藤:卸売りがメインで、25~30カ国のショップに卸しています。卸先の約6割はヨーロッパで、最近は日本でも取り扱いがどんどんと増えています。オンラインでは、「エッセンス(SSENSE)」などでも取り扱っています。ヨーロッパと北米での知名度は高くなる一方で、日本を含むアジア地域ではまだ“フランスのセックスの刺しゅうのブランド”と知られているかどうかで、これからもっと頑張りたいです。

WWD:セクシュアルなデザインで販路に困ることは?

遠藤:ありますね。ヨーロッパと比べ、日本はセクシュアルすぎるかどうかを基準ににアイテムを選別するショップも多いです。一昔前に、女性蔑視的なセクシュアルなモチーフのアイテムを販売して批判されたセレクトショップもあるので、セクシュアルなもの全てをNGにしているケースもあります。

 日本と比べてもっと厳しいのはアメリカです。中絶禁止の議論など保守的な考えがまた強まっているのもあるんでしょうね。特に全国展開しているようなストアだと、ニューヨークやロサンゼルスなどに加え、さらに保守的な地域も考慮しなければいけないので。また中東など、国によっては通関もできないので、輸出が難しい場合もあります。

WWD:工場への発注の際にトラブルはなかった?

遠藤:アイテムは主にポルトガルで製造しているのですが、保守的なカトリックが多い国なので、最初に発注するときは緊張しました。嫌な思いさせたくないなと。でも実際に刺しゅうの工場を訪れてみると、みんなちょっとニコニコ、クスクスしながらこっちを見ていたんです。工場長に聞いたら、「次はどんな変なのが来るかな」とみんな楽しそうに仕事をしているって言われました。半分茶化されてるのかもしれないけど、うれしそうで良かったです(笑)。

WWD:サステナビリティにも取り組んでいる?

遠藤:2015年の創業から廃棄はゼロで、1枚も捨てたことがありません。自分が意外とデータが得意で、販売計画や在庫の持ち方などはすごく気にしています。チャリティーイベントで安く販売や寄付するなどして、無駄にならないようにしています。デザインから販売へのリードタイムが長いため、追加で発注などはせず、基本は1回のみ。

 また、サプライチェーンもほとんどヨーロッパに集約していて、ポルトガルのテキスタイル産業が盛んな地域ギマランイスで主に製造しています。現地のサプライヤーから素材を調達し、工場で生産した後に直接輸送しています。

WWD:ブランドとしてこれから挑戦したいことは?

遠藤:ファッションという枠組みから飛び出してみたい。例えば、オフラインでリアルなコミュニケーションが取れるイベントやスペースとか。クィアコミュニティーやセックスポジティビティーに関連するセーフスペースを作りたいです。

 それと、フェムテックブランドとのコラボにも興味がすごくあるし、次世代の若いアーティストを支援したいという気持ちもあります。自分たちも、ブランドとのコラボなど周りの人に支援してもらったので、それを還元したいんです。

 この先、世界にセックスポジティビティが広がれば「カルネボレンテ」の“特別感”もなくなり、アイテムが売れなくなるかもしれません。でも、それがブランドのゴールでもあるんです。

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三越伊勢丹 店頭販促などで“サステナブルな服”や“地球に優しい化粧品”などの表現見直し その意図とは

 今年の春頃から、三越伊勢丹に出店するブランドの関係者から「店頭ポップなどで“サステナブルな服”や“地球に優しい化粧品”などの表現を使用できず、言葉の使い方を見直している」という話を聞くようになった。同社にその理由を聞けば、エビデンスを示さないまま“サステナブル”“地球に優しい”といった言葉だけが先行すると、顧客に誤解を与える可能性があるから、だという。言わずもがな、同社の方針は業界に大きな影響を与える。田口裕基三越伊勢丹ホールディングス執行役常務CAO兼CRO兼CHROにその意図や背景、サステナビリティの方針を聞いた。

WWDJAPAN(以下、WWD):三越伊勢丹ではサステナビリティをどう定義しているか?

田口裕基三越伊勢丹ホールディングス執行役常務CAO兼CRO兼CHRO(以下、田口):商品を仕入れて販売するのが我々の商売の基本的な形態であり、その中で社会にちゃんと還元できるか、豊かで平和な社会が続くことに貢献できるかの企業責任が問われる。そして企業責任はボランティアではなく経済活動として成立すること。1万7000人の社員にしっかり給料を支払い、お客さまとお取組先さま、地域の方々、株主のすべてが豊かになることが大前提だ。

WWD:それはこれまでも行ってきたことでもある。

田口:来年は三越創業350周年で、百貨店事業そのものも100年超える。戦中、戦後も百貨店をやめず長い歴史がある。今言われるところのサステナビリティは企業の理念として当たり前のようにやってきたことではある。

WWD:同時にファッションビジネス全体がこれまで社会や地球に与えてきたネガティブなインパクトがあると思う。その視点では改善してゆく点はあるか。

田口:あると思う。弊社としては「人・地域をつなぐ」「持続可能な社会・時代をつなぐ」「従業員満足度の向上」の3つを重点にこれまでの商売を見返しており、時代の変化に応じて見直す必要があると考えている。

顧客は「商品の品質・安全の確保・正確な表示」を求めている

WWD:消費者にはサステナビリティの価値観は浸透していると思うか?

田口:2月に三越伊勢丹ウエブ・アプリ会員の方を対象に10回目となるサステナビリティに関するアンケートを実施し5900名から回答を得た。「さまざまな社会課題のうち、今後、三越伊勢丹グループが特に重点的に取り組むべき活動」の問いに対する回答の第1位は突出して、「商品の品質・安全の確保・正確な表示」だった。続くのが「食品廃棄物・食品ロスの削減」、「プラスチック、紙容器などのすべての包装材の削減」となり、お客さまがサステナブルに対して強く考えを持っていることがうかがえた。これは毎年高まる傾向にある。

WWD:以下は主にファッション業界関係者に向けて話してほしい。環境と社会の両面に関して、取引先とは現在のサステナビリティ方針をどう共有しているのか。

田口:三越伊勢丹には12項目の調達方針がある。それは取引先と私たちの約束とも言えるもので、2018年にはホームページに掲出し2021年に見直した。内容は、法令順守・公正取式、品質管理、生物多様性対応、環境負荷軽減と汚染防止などであり、実は8項目は今で言うところのサステナビリティに関連することである。取り引きを始める前には必ず共有し、年に一度は説明会を開催。常にここを順守しましょう、と約束しながら進めている。

WWD:方針を決めるにあたって2018年に「サステナビリティ調達に関する」アンケートを対取引先に実施し、51%の292社が回答したと聞く。

田口:環境や人権に関しても、まずまずは我々が現状を知ることが大切だから実施した。センシティブな内容であり、丁寧に進めた。お取組先に「間違ったことを書いたらペナルティーがある」などと受け取られてはいけない。進んでいる企業では、サプライチェーンマネジメントの観点から、お取組先に足を延ばし、事件事故がなくても普段から現地調査をしているところもあると聞いているが、弊社はまだそには達していない。方針を配り、アンケートを回収し、これからその次のステップへ進んでいく段階だ。

WWD:アンケート結果は「品質管理への対応が積極的に取り組まれている一方で、環境や人権のサプライチェーン全体のマネージメントは難易度高い」とある。

田口:後者の、環境・人権問題については業界全体での取り組みが必要。官公庁や業界団体への提案・働きかけを進めていくとともに人権デューデリジェンスについても検討を進めたい。

“サステナブル”を商品の形容詞としては使わない

WWD:消費者はサステナビリティという言葉の使われ方、同時にグリーンウォッシュという言葉に対しても敏感だ。店頭ポップや販促物での言葉の使いに取り決めはあるか。

田口:表示マニュアルを作り、バイヤー、お取組先と共有している。元からある、景品表示法ガイドライに乗っ取った適正な販売表現マニュアルの中に、サステナビリティの項目を加えたもの。最新は昨年末に改正した。

 内容は、「根拠が不明確なことは言わない」が基本。たとえば“サステナブルな〇〇”のように商品に対して、サステナブルを形容詞としては使わない。考え方の前提として、お客さまにわかりやすく伝える訴求表現を目指している。「サステナビリティ」や「サステナブル」は一般的に、持続可能な繁栄をめざすための取り組み全体を指す表現であるため、 個々の商品の特徴を説明する場合の使用には適さないと考える。優良誤認を招く可能性もあるため、商品やサービスなど訴求物には形容詞としてこれらの表現を使用しないことを原則としている。

WWD:同じ理由から「地球に優しい〇〇」といった商品説明も控えるとしている。これは独自のルール?

田口:環境省による「環境表示ガイドライン」の内容であり、当社独自ルールではない。たとえば、環境保全効果を示す表示を行う場合、対象が商品の一部なのか全体なのかその範囲を表示すること。また、「環境保全に配慮した素材の使用 」と表示する場合は「リサイクルポリエステル〇%使用」など、その使用割合を表示する。

WWD:確かにサステナビリティを語る際には具体的に、エビデンスをもって、が重要になっている。

田口:商品の成分が環境保全に何らかの効果を持っていることを表示する場合は、効果があることを示す専門機関等による公正な方法による調査・検査結果の証拠を用意する。また、リサイクル、リユース、アップサイクルなどの表現は、表示内容と事実に相違がないことを示す根拠資料を用意すること、などを原則としている。

WWD:なぜここまで定義・言葉の整理をしているのか。

田口:サステナビリティに関連する言葉との出会いを通じて、理解ある方を一人でも多く増やし、よりよい社会づくりに貢献したい。お客さまは、われわれに高い「信頼」をお持ちいただいており、さらに信頼されるよう、しっかりと裏付けがあることはもちろん、理解・共感を得られるよう、誰もがわかりやすい表現が大切だ。

WWD: 言葉が、商売にこれほど重きを置いたことは過去にないのでは。サステナビリティ推進担当だけではなく、仕入れに関わるすべての社員がそれをすると。

田口:心配だとこちらに相談が来る。なんでも聞いてくれ、と言っている。お取組先は大切なパートナー。そしてサステナビリティは1社で取り組むものではなく、地球全体で取り組んでこそ効果のある取り組みだから、ともに推進していく観点も含まれている。また、従業員も言葉の意味をきちんと把握しておく必要がある。

まだ“正”を模索している段階。輪の拡大を目指す

WWD:接客を仕事にする人にとって、今まで知らなかった、接客で使ってこなかったサステナビリティ関連の言葉がたくさんある。業界全体でブラッシュアップするときだ。

田口:私たちもパーフェクトではなく、極めて謙虚にありたい。物事、すべて、100%が“正”なのかと言えばそうじゃない。まだ当社も“正”を模索している段階。“正”と言えない部分も、まずはそれを認識して、その上で持続可能な社会の寄与するものなのか、を考えてゆきたい。

 例えば9月から始まる“think good”キャンペーンは、企画段階で担当者が「これは本当に“think good”なのか自主チェックをしてきた。4回目の開催となる同キャンペーンでは、昨年までの新宿、日本橋、銀座に立川、浦和も加えて5店舗で展開し、企画の数は数百にのぼる。そのひとつひとつを確認するから大変だし、バイヤーもお取組先も苦労していると思うがここは切磋琢磨し進めたい。お客さまにサステナビリティを考えていただく機会をご提供するだけでなく、そのために、お取組先と当社グループが互いに考え方を伝え合うことで、ともに改善を図り、理解を深める機会になっている。今後も継続していくことで、サステナビリティを推進する人の輪の拡大を目指す。


【WWDJAPAN Educations】

【第2期】サステナビリティ・ディレクター養成講座
2022年9月30日(金)開講

 昨年初めて開催し好評を得た「サステナビリティ・ディレクター養成講座」を今年も開講。サステナビリティはこれからの企業経営の支柱や根底となるものであり、実践が急がれる事業の課題である。この課題についてのビジョンを描くリーダーの育成を目的に、必要な思考力・牽引力を身につける全7回のワークショップとなる。前半は各回テーマに沿った第一線で活躍する講師を迎え、講義後にはディスカッションやワークショップを通して課題を明確化し、実践に向けたアクションプランに繋げていく。

 また、受講者だけが参加できるオンライン・コミュニティーでは、「WWDJAPAN」が取り上げるサステナビリティに関する最新ニュースや知っておくべき注目記事をチェックでき、更に講義内容をより深く理解するための情報を「WWDJAPAN」編集部が届ける、まさに“サステナ漬け”の3カ月となる。
講義のみが受講できるオンラインコースも同時に受け付けています。


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売れっ子テキスタイルデザイナーがアパレル始動 「閉塞感ある今、“考えすぎずに表現”を実践したかった」

 テキスタイルデザイナー梶原加奈子がディレクターを務める札幌のエシカルライフスタイルショップ「コキュウ(COQ)」は、アパレルブランドを2022年秋冬からスタートする。

 アパレルブランド「コキュウ カナコ カジハラ(COQ KANAKO KAJIHARA)」は、“カラーヒーリング&サーキュラーライフ”をコンセプトに、環境負荷が低い素材選びやホールガーメントニットを採用。梶原は長年、日本の産地と海外ブランドをつなぐ仕事に携わっており、その経験を生かし、日本の物づくりにこだわり、工場と開発を取り組むことで「産地技術の継承や日本の魅力のグローバルに発信することを目指す」という。

 デビューコレクションは梶原の出身地でもある北海道の森の暮らしを着想源に、色やモチーフを選びデザイン。上質なウィメンズとメンズのニットウエア、靴下、バッグをそろえ、愛犬とのリンクコーディネートも提案する。価格は3万円前後を中心に5万円台まで。

 また、残布や残糸を活用したライン「コキュウ ヒビ(COQ HIBI)」もデビュー。梶原が産地を訪れるときに出会う残布をパッチワークし、シャツとして販売する。

 梶原ディレクターは、自身のテキスタイルブランド「カナ コレクション(KANA COLLECTION)」のほか、国内ブランドのディレクションなどを手がける売れっ子テキスタイルデザイナーだ。その梶原がなぜ今アパレルなのか。

 「日本のテキスタイル業界では今 “何をやっても売れない”といった閉塞感があり、結果的に冒険が少ない表現が多くなっている。かたや世界からは、杢調ひとつとってもカラフルなもの、個性的なものが求められている。日本のこの閉塞感を何とかするには、行動を起こすしかない。だからまずは自分自身が“私はこれです”と言えるものを、あまり考えすぎずに表現することにした」と梶原。 結果、何色・何種類も糸を使ったカラフルなニットや彼女自身が好きなリラックスしたシルエットの服、清潔感のあるシャツアイテムが並んだ。

 販売は先行受注を基本とし、同ショップの店頭とオンライン、ECサイト、「オンワード・クローゼット(ONWARD CROSSET)」内の日本の産地にフォーカスした「クラハグ(CRAHUG)」などで販売する。


【WWDJAPAN Educations】

【第2期】サステナビリティ・ディレクター養成講座
2022年9月30日(金)開講

 昨年初めて開催し好評を得た「サステナビリティ・ディレクター養成講座」を今年も開講。サステナビリティはこれからの企業経営の支柱や根底となるものであり、実践が急がれる事業の課題である。この課題についてのビジョンを描くリーダーの育成を目的に、必要な思考力・牽引力を身につける全7回のワークショップとなる。前半は各回テーマに沿った第一線で活躍する講師を迎え、講義後にはディスカッションやワークショップを通して課題を明確化し、実践に向けたアクションプランに繋げていく。

 また、受講者だけが参加できるオンライン・コミュニティーでは、「WWDJAPAN」が取り上げるサステナビリティに関する最新ニュースや知っておくべき注目記事をチェックでき、更に講義内容をより深く理解するための情報を「WWDJAPAN」編集部が届ける、まさに“サステナ漬け”の3カ月となる。
講義のみが受講できるオンラインコースも同時に受け付けています。


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売れっ子テキスタイルデザイナーがアパレル始動 「閉塞感ある今、“考えすぎずに表現”を実践したかった」

 テキスタイルデザイナー梶原加奈子がディレクターを務める札幌のエシカルライフスタイルショップ「コキュウ(COQ)」は、アパレルブランドを2022年秋冬からスタートする。

 アパレルブランド「コキュウ カナコ カジハラ(COQ KANAKO KAJIHARA)」は、“カラーヒーリング&サーキュラーライフ”をコンセプトに、環境負荷が低い素材選びやホールガーメントニットを採用。梶原は長年、日本の産地と海外ブランドをつなぐ仕事に携わっており、その経験を生かし、日本の物づくりにこだわり、工場と開発を取り組むことで「産地技術の継承や日本の魅力のグローバルに発信することを目指す」という。

 デビューコレクションは梶原の出身地でもある北海道の森の暮らしを着想源に、色やモチーフを選びデザイン。上質なウィメンズとメンズのニットウエア、靴下、バッグをそろえ、愛犬とのリンクコーディネートも提案する。価格は3万円前後を中心に5万円台まで。

 また、残布や残糸を活用したライン「コキュウ ヒビ(COQ HIBI)」もデビュー。梶原が産地を訪れるときに出会う残布をパッチワークし、シャツとして販売する。

 梶原ディレクターは、自身のテキスタイルブランド「カナ コレクション(KANA COLLECTION)」のほか、国内ブランドのディレクションなどを手がける売れっ子テキスタイルデザイナーだ。その梶原がなぜ今アパレルなのか。

 「日本のテキスタイル業界では今 “何をやっても売れない”といった閉塞感があり、結果的に冒険が少ない表現が多くなっている。かたや世界からは、杢調ひとつとってもカラフルなもの、個性的なものが求められている。日本のこの閉塞感を何とかするには、行動を起こすしかない。だからまずは自分自身が“私はこれです”と言えるものを、あまり考えすぎずに表現することにした」と梶原。 結果、何色・何種類も糸を使ったカラフルなニットや彼女自身が好きなリラックスしたシルエットの服、清潔感のあるシャツアイテムが並んだ。

 販売は先行受注を基本とし、同ショップの店頭とオンライン、ECサイト、「オンワード・クローゼット(ONWARD CROSSET)」内の日本の産地にフォーカスした「クラハグ(CRAHUG)」などで販売する。


【WWDJAPAN Educations】

【第2期】サステナビリティ・ディレクター養成講座
2022年9月30日(金)開講

 昨年初めて開催し好評を得た「サステナビリティ・ディレクター養成講座」を今年も開講。サステナビリティはこれからの企業経営の支柱や根底となるものであり、実践が急がれる事業の課題である。この課題についてのビジョンを描くリーダーの育成を目的に、必要な思考力・牽引力を身につける全7回のワークショップとなる。前半は各回テーマに沿った第一線で活躍する講師を迎え、講義後にはディスカッションやワークショップを通して課題を明確化し、実践に向けたアクションプランに繋げていく。

 また、受講者だけが参加できるオンライン・コミュニティーでは、「WWDJAPAN」が取り上げるサステナビリティに関する最新ニュースや知っておくべき注目記事をチェックでき、更に講義内容をより深く理解するための情報を「WWDJAPAN」編集部が届ける、まさに“サステナ漬け”の3カ月となる。
講義のみが受講できるオンラインコースも同時に受け付けています。


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担当21年目のファストリ社員に聞く社会貢献の現場と現実 「被災地でユニクロはインフラなんだと震えた」

 サステナビリティは地球環境問題だけでなく、「社会」もまた重要な要素である。企業は世界の社会課題とどう向き合い、貢献するかが問われる時代だ。とは言え「社会」という漠然として言葉が何を指すのか理解は難しい。そこで、ファーストリテイリングで社会貢献分野に長年携わるシェルバ英子コーポレート広報部部長に、これまでの歩みと同社が社会貢献を行う意味について聞いた。世界進出をしたことで見えた「社会」とは?そして社会貢献とビジネスの関係とは?

WWDJAPAN(以下、WWD):ファーストリテイリングは、地域社会やNGO・NPOと連携して各国や地域における社会的課題を解決するための支援を行っている。シェルバさん自身のこれまでの歩み、今の仕事を選び続けている理由は?

シェルバ英子ファーストリテイリング コーポレート広報部部長(以下、シェルバ):自然の流れであり、あまりたいそうなことは言えないが、入社は2001年。それ以前は「ギャップ(GAP)」の当時の原宿旗艦店でアシスタント・ストアマネジャーとして働いていた。あるとき「ギャップ」の2900円のフリースが売れなくなり、競合調査をしたら原宿にオープンした「ユニクロ(UNIQLO)」では1900円で売っていた。何度か視察をする中で、“この会社、勢いがあって面白いな”と思ったのが出会いになる。ちょうど人材募集をしていたので入社をし、最初は社員研修のプランニングなどの担当部署にいたが、社長直轄の社会貢献室を立ち上げるタイミングで“新しいこと好きそうだから”と声がかかった。

 柳井(正ファーストリテイリング会長兼社長)は当時から「世の中、もうけっぱなしではダメ。社会に還元する企業でなきゃいけない」と明確に言っており強く印象に残っている。人事や総務、広報なども細分化されていない、まだベンチャー気質があった頃のこと。「ウチにしかできないことをやろう」と思った。地域と結びついて、従業員が参加できること、服を通じてできる取り組みを探そうとした。この軸は今も変わらない。

WWD:社会貢献室は2004年にCSR部となる。

シェルバ:会社がどんどん大きくなっていった時期で、同時に一部のグローバルSPA企業が“スエットショップ”と批判されるなど、アパレルの労働環境が問題視されていた頃でもある。グローバルを意識する中、労働集約型の産業の課題に着手せねばと、CSR部では04年の設立当時から労働環境のモニタリングを始めている。日本企業の中でも早い方だったと思う。2017年からはサステナビリティ部が設立され、自然環境の取り組みが進んでいるが、私は引き続き社会貢献活動を担当している。

WWD:今の所属が広報部である理由は?

シェルバ:「情報発信は取り組みと同じくらい大切」という考えから、2年前にサステナビリティ部のマーケティングチームを広報部に移管。これまでは定期刊行物を作るような活動しかしてこなかったものを、「ユニクロ」のブランディングの根幹のひとつを担う役割としてサステナビリティの位置づけが変わってきた。

WWD:「ユニクロ」の根幹と言えば、地域、小売店、服だと思うが、社会貢献活動もそれらがベースにあるのか。

シェルバ:社長の柳井はよく「平和な社会でないとビジネスが成り立たない。だから地域社会が持続可能な状況を作ることに目を向けるべきだ」と言っているが、その考え方がベースにある。

従業員間の合意形成を測ることは簡単ではない

WWD:シェルバさんのキャリアはファーストリテイリングの変遷と重なりとてもユニークだ。モチベーションはどこにあるのか?

シェルバ:さかのぼると、“人”となる。最初に担当した仕事が瀬戸内オリーブ基金だった。瀬戸内オリーブ基金は、当時日本最大と言われた有害産業廃棄物の不法投棄事件「豊島(てしま)事件」をきっかけに建築家の安藤忠雄氏と豊島事件弁護団長の中坊公平氏が呼びかけ設立されたNPO法人。当時は知名度がなく、2000年に調整が成立していたものの跡地や緑化の問題は深刻で、企業が入り込むにはディープな世界だったが、社長は現場を視察してこの状況を変えることが市民社会として必要だと思ったという。事業との関連性はなかったが、全国展開している店舗でできること、として募金と寄付の活動を始めた。

 募金を寄付するだけではなく、従業員がボランティアに参加し、それがどのように使われているかを知る仕組みが必要なんじゃないか?となり、2003年に仕組みを作ったものの、従業員からの関心が低く。どうしたら関心を持ってくれるかな、と考えることは自分のモチベーションになった。

WWD:日々売り上げに追われている一人一人の意識を変える、まさにサステナビリティの肝で難所だ。ほかにこれまでの仕事で印象的だったものは?

シェルバ:難民支援はずっと関わらせていただいている。もうひとつ、06年に服の店頭回収を開始した。そしてこれまた従業員がその気にならないと進まないプロジェクトだ。お客様の服を店でお預かりして役立てる取り組みだから、丁寧な対応が大切。同時に全従業員が納得する取り組みでないと意味がない。当初はアンケートをとったところ半数くらいの従業員しかやりたがらなかった。

WWD:店頭としては成績にもつながる“売る”ことに集中したいと思うのが自然だ。

シェルバ:そこでまずは北海道でトライアルを行い、「毎月これくらい回収があった」といった情報や具体的なオペレーション方法をシェアすることで、「それなら店舗のオペレーションの中でやっていける」といった納得感を得られるようにした。従業員が自分ごと化し、合意形成を測ることはとても大切。簡単ではない。

WWD:衣料の寄贈は2021年8月末までの累計で79カ国、4619万点と膨大だ。難民支援も服の回収と同じく2006年スタートである。つながりはあるのか?

シェルバ:「回収した服をどういう使い方をするのか、誰が着るのか。中古市場に流すことが多いようだが、うちは最後までどうなったのか追いたい」そんな声が社員からあがるなか、服は服として活用したいという思いもあり、実際に服が必要なところはどこなのかを探して、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)に引き継ぐことに決めた。

 そこで初めて地球上の難民の課題を知った。UNHCRの予算は医療などが優先で衣料にはまわりづらい。ならば「これは私たちがやる意味ある」と思った。店頭回収から支援までの一連のスキームを作ったことは意義ある経験となった。社内でよく使われる好きな言葉が「現場、現実、現物」。現場に行って現実を見て、課題を知って何ができるかを見つけるという意味で、店舗運営や商売を語るときに使われるが、サステナビリティも同じだと思う。現場で課題を発見して課題を解決する。

WWD:2025年度までに、100億円規模で社会貢献活動に投資することを発表している。その中身はあくまで「服屋として何ができるのか」という視点だと。

シェルバ:アパレル企業としては筋が通っていると思う。それとやはり、平和な社会なくしてビジネスは成り立たない。世の中の不均衡といった問題の解決策を服を通じて探っている。

記憶に残る東日本大震災でのできごと

WWD:多くの人と接する中で記憶に残ることは?

シェルバ:東日本大震災のとき。3月11日の金曜日から24時間以内に「ユニクロ」への支援要請がカスタマーセンターや店舗スタッフに届き、その多くが「早く!」と怒りにも近いテンションだった。私たちはもう社会インフラなっているのだ、頼られているのだと震え上がった。社長個人が10億円を出すことを決めて、現場も週末中に声を集めて数百万枚レベルの衣料支援が必要であると決定。以降、半年間は木曜日の夜から月曜日の朝まで毎週服を届けに行ったが、今でもあの時のことを思い出すと、社会からの期待に背筋が伸びる。

WWD:まさに「現場、現実、現物」だ。

シェルバ:当初は自治体も被災者であり機能をしていなかった。そこで仙台で倉庫を借りて、そこに備蓄されていた日用品もまとめて、借りた車で被災地へワーっと届ける。そういったことを繰り返ししていた。あれから10年が経ち、ヨーロッパのスタッフがウクライナで同じことをしている。ロシアによるウクライナ侵攻が始まって5日目くらいには、ヨーロッパにある衣料をポーランドなどに届けるなど同じスキームで支援を行っていて、そういう教育があったわけではないけど同じことを実践していることは印象的だ。

WWD:地球上のさまざまな課題と接する中、ファッションにはどんな力があると思うか?

シェルバ:「ユニクロ」にはライフウエアというコンセプトがあり、あらゆる人のための普段着を作っている。私たちは「救援物資」という言葉を使ってしまうが、もらった人たちに取っては1枚の服。人間としての尊厳を表すものが服。受け取った服を「あなたにはこれが似合う」と交換するなど、自己表現にもなっている。有事の際には、もちろん生命を維持する水や食べ物の方が必要だが、着替えることでリフレッシュしたり気持ちを高揚させたりするパワーが服にはあると、現場を見てきて強く思う。

 「UT」の平和を願うチャリティーTシャツプロジェクト「ピース・フォー・オール(PEACE FOR ALL)」もそうだが、お客さまとサステナビリティのタッチポイントのような存在、社会課題に結びつく商品の伝え方は小売業ならではと思う。

グローバルビジネスで企業姿勢を表すCSRを推進は不可欠

WWD:「支援」は企業にとってどんなメリットがあるのか?もしくは「支援」はメリットを求めることではないのか?

シェルバ:海外進出を進めた頃、社長の柳井は各国の要人と会う際に「あなたの会社はうちの国にどう貢献しますか?」と問われることが多く、「良い服を手ごろな価格で提供します」というだけでは話にならないと感じたと聞いている。それもありグローバルビジネスで企業姿勢を表す際にCSRを推進することが不可欠であるという考えから05年に社会貢献室をCSR部に改組するとともに、CSR委員会を立ち上げた。「支援」、「難民問題」という表現は上から目線に聞こえるかもしれないが、やはりそこは地球市民の責務であり、社会課題を解決することが企業の役割のひとつだと思う。

WWD:世界でさまざまな立場の人と接する仕事だが、コミュニケーションをする際に意識していることは?

シェルバ:話す以上に、聞く方が大事だとは思う。相手が国連の人でも難民の人でも従業員でもそう。何を考え、何を必要としているかを聞く。そして全部聞いた上で「これはできるけど、これはできない」とロジカルに伝える。人間だから、つい当たり障りのない返答をしそうになるが、中途半端な期待を残さないことも大事で相手がどんな立場でもそこはぶらさない。

WWD:依頼を受けることは多いだろう。

シェルバ:難民キャンプで「しかるべき人に届けてほしい」と嘆願書を渡されたことがあったが、私たちにはできないことだからお断りをした。本当に悲しいこと。難民の方たちは自分の意志とは関係なく難民という立場に置かれている。「自分にはパスポートがない、帰る家がない」と聞いて、何も答えられなかったこともある。

 東日本大震災のときの経験も胸をえぐられた。津波の被害があったエリアとなかったエリアの境に避難所があったため、被災していない人も服を持っていったため、大ごとに。間に入ってくれる機関もなかったから、自分たちで即座に優先順位を決めて「波をかぶった人から配ります」と伝えたのだが、公平の中にも優先順位が必要なわけで、学びが大きかった。

WWD:みんなに、は難しい。

シェルバ:平等でないから、全員に渡せないからやらない、ではなく、必要な人にはやはり渡したいのが私たちの思いだ。

WWD:これから関わりたいことは?

シェルバ:リサイクル素材などの採用、責任ある調達など商品に紐づいた情報発信をより積極的に実施していくことで、透明性の向上やお客様によりわかりやすく伝えることを心掛けていきたい。その際に、自社がやっていることを一方的に伝えるのではなく、お客様にも参加いただける機会を増やしながら、活動の輪を広げていきたいと思う。 ユニクロは現在、25の国と地域で店舗を展開しており、商品、店舗、従業員がサステナビリティのタッチポイントとなって、サステナビリティがお客様にとって身近なものとなるよう取り組んでいきたい。

WWD:多彩な情報に触れる仕事だが、日々の情報収集方法は?

シェルバ:歴史が好きで、司馬遼太郎が好き。組織論や普遍的な人間の立ち振る舞い、愚かさは彼が先生だ。時事ニュースは流しっぱなし。ソーシャルはあまり見ない。一喜一憂したくないから。


【WWDJAPAN Educations】

【第2期】サステナビリティ・ディレクター養成講座
2022年9月30日(金)開講

 昨年初めて開催し好評を得た「サステナビリティ・ディレクター養成講座」を今年も開講。サステナビリティはこれからの企業経営の支柱や根底となるものであり、実践が急がれる事業の課題である。この課題についてのビジョンを描くリーダーの育成を目的に、必要な思考力・牽引力を身につける全7回のワークショップとなる。前半は各回テーマに沿った第一線で活躍する講師を迎え、講義後にはディスカッションやワークショップを通して課題を明確化し、実践に向けたアクションプランに繋げていく。

 また、受講者だけが参加できるオンライン・コミュニティーでは、「WWDJAPAN」が取り上げるサステナビリティに関する最新ニュースや知っておくべき注目記事をチェックでき、更に講義内容をより深く理解するための情報を「WWDJAPAN」編集部が届ける、まさに“サステナ漬け”の3カ月となる。
講義のみが受講できるオンラインコースも同時に受け付けています。


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池袋パルコでファッション×サステナブルの訴求キャンペーン 広告モデルにkemioを起用

 池袋パルコは9月1日〜10月16日、秋のファッションを楽しみながらサステナブルについて考えるきっかけを提案するキャンペーン“池袋パルコ オータム セレクション(IKEBUKURO PARCO AUTUMN SELECTION)”を開催する。

 キャンペーンは、ファッションやサステナブルを恐れずに楽しむ意味を込めて、“Don’t be afraid, Just enjoy. ”をテーマにした。動画クリエイター・モデルのkemioをモデルに起用、アートディレクターの村田実莉が手掛けた。期間中は、サステナブルに関連して古着回収イベントや容器回収を行うポップアップなどを実施する。

 古着回収イベントは、エシカルファッションプランナーの鎌田安里紗が監修。古着を持参して分別することで、池袋パルコの優待券500円分を先着1000人にプレゼントする。会期は9月16〜25日。

 また、ファッションのマーケットイベント「天王洲コレクション(TENNOZ COLLECTION)」を10月15、16日に初開催する。ビンテージアパレル・ジュエリー、古書、プロダクトなど、約70店が一堂に会する。

 さらに、昨秋から継続して“ジェンダーレス・エイジレスに楽しめるパルコ”をテーマに改装を行い、「アグ(UGG)」 「ドクターマーチン(DR.MARTENS)」「レッドウイング(RED WING)」が今秋オープンし、メンズ・ウィメンズシューズの取り扱いを拡大する。

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「シロ」が人気のルームフレグランスをリニューアル 詰め替え用リキッドとスティック、容器を別売りのエシカル消費

 コスメブランド「シロ(SHIRO)」はこのほど、“ルームフレグランス”を“フレグランスディフューザー”に名称変更し、詰め替え用リキッドとスティック、容器を別々に販売していく。すでに全国の直営店舗では試用期間としてスタートしており、9月1日からブランドのオンラインストアと全国の直営店舗で発売を開始する。また、このタイミングに合わせてブランド初のアーティストコラボも実施。第1弾は草木染めを用いたアート作家の山本愛子氏とコラボして、手提げ袋を作成した。

 創業当初から、エシカルな信念に基づくもの作りを続けている「シロ」。人気の“ルームフレグランス”も、より長く使い続けられる仕様にしたいと今回のリニューアルを実施した。“フレグランスディフューザー”の詰め替え用リキッド“フレグランスディフューザーリキッド”(300mL、スティック10本付きで税込5720円)は、リサイクルプラスチック100%からなる廃プラスチック容器を使用。1本で約3カ月分使用できる。“フレグランスディフューザー”用のスティック“フレグランスディフューザースティック”(10本、同770円)は、以前よりも香が広がるよう改良した。専用容器の“フレグランスディフューザーグラスベース”(同4180円)は以前に比べて大きく仕様変更し、ブランドのフレグランスを楽しむのはもちろん、小物入れや花瓶など個々のライフスタイルに合わせて活用できる。

 また、「シロ」では地球環境の負荷軽減を図るため4月1日から手提げ袋を有料化している。しかし「有料であっても手に取り、大切にしたいと思える手提げ袋を作ることが必要」だと考え、アート作家の山本氏とコラボして手提げ袋を作成。リニューアルする“サボン”“ホワイトリリー”の香りから着想を得て、ブランドの製品に使用しているカレンデュラやヨモギなども染料に用いて2点の作品を制作した。“コラボレーションショッパー”(各サイズ同110円)は9月1日からオンラインストア、全国の直営店舗で提供を開始する。

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Beとフジシンが事業提携 サロン業界全体をサステナブルシフトへ

 国産オーガニックブランド「ビー(BE)」をはじめ、化粧品や美容用品の企画・製造及び販売を行うBeと美容総合ディーラーのフジシンはこのほど事業提携を締結した。サステナブルなオーガニック製品をサロン業界全体に展開することで、国内のオーガニック市場拡大を目指していく。

 近年のサロン業界は、取り扱う製品の環境負荷に対する課題意識が高まっていた。そこでフジシンとの事業提携によりオーガニックマーケットの拡大やサロン業界全体のサステナブルシフトに寄与していく。今後はサロンの実店舗を中心にサステナブルコスメブランド「アースセンス(EARTH SENSE)」の販売促進を強化。サロンで扱うことにより、来店客がサロンスタッフとのコミュニケーションの中でオーガニックの良さやエシカルな発想を共有することができ、オーガニックに触れる機会を増やしていくことを目指す。また、水仕事や薬品によって悩まされるスタッフの肌荒れ改善にもつなげていく。

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LAでビーガン・ファッション・ウイーク開催 コロナの解散危機を乗り越え

 アメリカ・ロサンゼルスでは6月、エシカル&サステナブルなファッションの国際的発展を目指し、ビーガン・ファッション・ウィーク(以下、VFW)によるビーガン・ファッション展示会が開かれた。VFWの創設者で動物愛護運動家のエマニュエル・リエンダ(Emmanuelle Rienda)が選び集めた、世界中のビーガンデザイナーのコレクションが展示され、未来のビーガン・ファッションを提唱した。ロサンゼルスに拠点を移し、日本と米国で活躍するファッション・スタイリストの水嶋和恵が展示会を訪れ、エマニュエルをインタビューした。

 「ハイファッションも優しく、気高く、思いやりを持てるはず」と語るエマニュエルは、エシカル・ファッションとサステナブル・ファッションのギャップを埋めるべく、2018年にVFWを創立。当時からファッション業界でもサステナブルなムーブメントは存在していたが、動物保護はそこまで深掘りされておらず、レザーやウール、そしてシルクについては特に何も考えず多用するブランドも多かった。だがエマニュエルは生産背景をよく知ると、到底エシカルとは思えない一面も多かったという。そこで19年2月、「ヴィーガン・ファッション・ウイーク」をロサンゼルスにて初開催。「2年のリサーチを経て創立したの。パイナップルレザーをはじめとする画期的なビーガンマテリアルを見つけ、それをランウエイで発表することができたわ」と振り返る。

 VFWは、環境配慮はもちろん、動物保護や雇用にも目を向け、そのユニークなメッセージと国際的なインパクトで、各国政府や多くの企業から注目され始めている。壮大なプロジェクトを一人で始めたエマニュエルは、自身の挑戦を「Life Mission(人生をかけたミッション)」と語る。金銭的な準備や、関わってくれる人々を探していると、アクションはどんどん遅れてしまう。だから自分一人でも行動したのだ。その挑戦は、「簡単ではなかった」と言う。「当時“ビーガン”という言葉には、暴力的な描写で人々を糾弾するイメージもあったけれど、私は当初から『インクルーシブでポジティブ、そしてクリエイティブ』なプラットフォームにすることにこだわった。今ではチームにも恵まれ、ここロサンゼルスにビーガン・ファッション専門のショールームも構えるまでに成長したのよ。地球環境と動物保護に目を向けつつ、同時にファッションはアーティスティックな表現ツールである事も忘れない。アートとエクスプレッション、インクルーシビティ、これらの集合体がファッションなの。このプラットフォームに興味を持ち関わりたいと思う人々が、ビーガンであろうがなかろうが構わないわ。どんな人も迎え入れたいと思うし、教育がとても大事」。

 やっと成果が見えてきた中で新型コロナウィルスが世界中に蔓延し、VFWはイベントを行うことができなくなった。デザイナーも生産から販売まで、さまざまな過程で苦悩に堪え、疑問と闘っていたという。一時はVFWの解散さえ考えたが前に進んできた。

 そんな中で開いた今回の展示会では、“ウーマンエンパワーメント”をテーマに女性デザイナーによるブランドが数多く揃った。

 例えば(NOUS ETUDIONS)」は、テキスタイルの質感を大事にしたミニマムでオーバーサイズなシルエットが特徴、新しい世代と時代を打ち出すジェンダーレスでサステナブルなアルゼンチン発のブランドだ。「ヴィーガンオロジー(VEGANOLOGIE)」は「Fashion should be caring(ファッションには思いやりがあるべき)」をコンセプトに100%リサイクルの素材で生産した商品を展開するドバイ発のビーガン・アクセサリー・ブランド。「ヴィーガン・タイガー(VEGAN TIGER)」は、トレンディなコレクションで注目される、韓国でのビーガンなファッションシーンを先導する存在だ。カナダの「マインドフル・ピッグス(MINDFUL PIGS)」はモダンな思想を現代に落とし込み、ウィットに富んだファッション性の高いアイテムが揃える。「センティエント(SENTIENT)」は、サボテンレザーを使用するメキシコの発ビーガン・レザー。ブランドだ。「シューズ・ゴーサンゼロヨンゴー(SHOES 53045)」は、生産や輸送の過程で発生する二酸化炭素排出量の多さに気づき、それらを見直すフランス発のハイテクスニーカーブランド。そしてアメリカからは、「ダーク・ソウル」をコンセプトにエッジの効いたコレクションを展開する「ファン・オール・フレームズ(FAN ALL FLAMES)」や、生産と消費が環境に与えるインパクトの大きさを念頭に置いた上で洗練されたシューズを提示する「シルバン・ニューヨーク(SYLVEN NEW YORK)」、そしてオールプラントベースで作られたルームシューズブランドの「ドゥーリーズ(DOOLEYS)」が参加した。

 「今計画しているのは、ウクライナのファッション業界及びデザイナーをサポートするイベント。現在コンセプトをまとめている最中で、10月のビーガン・ファッション・ウイークで開催予定なの。思いやり、人権、平和、それらのメッセージを世界中に発信する事ができたら。さまざまな人種が存在し、サステナブルファッションへの理解と繋がりが深いロサンゼルスは、そのようなイベントを開催するのに、ピッタリな場所だと思うわ」。意味あるプロジェクトを精力的に実現していくエマニュエルの姿に、スタイリストの水嶋は、「こういったグローバルでサステナブルなイベントに、日本国内のブランドも参加出来るよう、私が日本と世界を繋げる役割を担うことが出来れば」。

 「VFWは壮大で大変なプロジェクトだけれど、とてもやりがいがある。『We never quit!(私たちは、決して諦めないわ!)』」。そう強く語るエマニュエルの表情は明るかった。

INTERVIEW:KAZUE MIZUSHIMA
TEXT:ERI BEVERLY

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大量生産とサステナビリティ 矛盾と向き合うOEM会社が出した一つの答えがセレクト店に

 アパレル製品・服飾雑貨のOEM/ODMを手がけるインターセクション(Intersection)はこのほど、東京・新宿ミロードにコンセプトショップ「サステナブルシンク(Sustainable Think.)」をオープンした。「OEMの仕事は一点でも多く受注を取り、物を作ることで成り立っており、サステナビリティについて自分たちは何ができるのか矛盾の中で自問自答してきた」と語る高田寛人社長が出した一つの答えが同店だ。物作りのネットワークの中で知り得た「サステナビリティやSDGsにつながる」と同社が考えるブランドや商品を集めて紹介。ファッションデザイナーのササキハルキとデザイン会社のペーパーパレードとタッグを組み、ポップな内装の中で「サステナビリティに関心がない人が目を留めるきっかけ、特に若い世代が手に取るきっかけを作りたい」と語る。

 セレクトを主に担当したのは同社のZ世代だ。「可愛くて自分が惹かれるもの。買いやすい値段。そしてものづくりのストーリーに共感できるもの」をセレクトした。価格は1万円以下を基本とする。

 オープン後2週間の売れ筋は、サッカースタジアムの芝生用養生シートを再利用したカラフルなバッグ「マテモノ(MATE-MONO)」や、アフリカ・ウガンダの工房でエシカルなものづくりを行う「リッチ・エブリデイ(RICCI EVERYDAY)」のバッグなど。いずれも大小のバッグをカラフルに店頭に並べたことで目を引いた。

 他に、1900年代初期製のヴィンテージ編み機を使うことで裁断生地ゴミを減らしたインナーブランド「パーム(PALM)」、サトウキビ由来のポリ乳酸繊維を使ったタオル「ビオタオル(BIO TOWEL)」なども好調だという。

 今後は、OEMの仕組みを生かしてアイデアがある新進企業がそれを具現化し発表する場に発展させたいと高田社長。「今は多くの新進企業や素材メーカーがサステナビリティに取り組んでいるものの、その開発商品を発表する場は多くない。僕らはハイテクな最新素材の開発は難しいが、この場を素材を開発する工場やメーカーなどがクリエイティブから商品ローンチ、店頭販売までを一括で行えるラボショップの機能を備える場として育てたい」。

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ごみに対する“意識を変える”「530 ACTION」 参画する学生サークルのイマドキ“ごみ拾いファッション“に注目

 アイクリエイトが運営するコミュニティー「PLANNERS(プランナーズ)」は、2030年までに、ごみという概念がない社会の実現を目指す新プロジェクト「530ACTION(ごみゼロアクション)」を始動した。プロジェクト第一弾として、ハッシュタグチャリティー企画を5月31日まで実施中だ。ごみ拾いやマイボトル利用など“ごみゼロなアクション”の様子を、SNS(instagram、Twitter、Facebook、TikTok)にハッシュタグ #530ACTION”を付けて投稿をすると、1投稿あたり530円が自然保護団体・WWFジャパンに寄付される仕組みだ。

 このキャンペーンには、Z世代を中心とした環境保護団体や学生団体を含む20以上の団体が参画し、環境問題や気候変動に対する具体的なアクションを発信している。そのうちの一つ、明治学院大学のボランティア団体MGClosetの学生を取材し、ファッションスナップを実施。「ごみ拾いこそ、気持ちのアガるファッションで楽しみたい」という、ポジティブで等身大な姿が見えてきた。

ドレスコードは動きやすくてアガる服

 2年生の西山智陽さんのトップスは、お気に入りブランドの一つである「カラー(KOLOR)」。「スエットにデニムという、“どカジュアル”なアイテムにパールネックレスを合わせて全体を引き締めました」。ホワイトで爽やかにまとめた3年生の西村香野さん。スマイリーがキュートな「ガニー(GANNI)」のベストをポイントに。「『ガニー』の、ものづくりからビジネスまで一貫してエシカルな姿勢に共感しています」。

 2年生のウィリアムス・アミーナさんは、ビンテージのミリタリーパンツを主役にコーディネート。軍手を着けた上にリングをはめて、ごみ拾いでも自分らしいオシャレを楽しんでいた。「ごみ拾いのファッション=“作業着”にはしたくないから、自分なりの工夫をしたいんです」。同じく2年生の志賀愛美さんのハッピー感溢れるトップスは、シンガポールブランド「オー・マイティー(OMAIGHTY)」のもの。「ショートカーディガンでヘルシーな肌見せをしつつも肩が動かしやすいから、ごみ拾いにもぴったり」。と笑顔を見せた。MGCloset代表の中村真希さんにも話を聞いた。

実際にアクションをすることの大切さ

 エシカルファンションショーなど、洋服を通して現代に取り巻く社会問題について考え発信するMGClosetが、ごみ拾い活動を始めたきっかけについては、「これまで、ファッションと環境問題にまつわる情報発信や啓発活動はしてきたが、実際に具体的なアクションに移すきっかけがなかった。『530 ACTION』を知り、メンバーの賛同もあり、行動する良い機会だ!と、参加を決めた」という。「先日メンバーでビーチクリーンをしたところ、砂浜のごみの多さに驚いた。ほんの小さなことかもしれないが、目に見えて海辺が綺麗になっていくことや大勢でごみ拾いをすること自体も楽しかった」と話す。

 また、「私たちの世代は特に、ファストファストファッションとは切り離せられないと思う。だからこそ、“どう付き合うか”が課題だと感じている。上の世代に比べると、SDGsなど環境への危機感は教育で学んではいる。その分、頭でっかちにならないように。直面している問題に向けてどう解決の方向に持っていくか、どのように行動していくかを考えていきたい」と意気込みを述べた。一方、大人世代に感じていることについて聞くと、「エシカルをテーマとした映画の試写会イベントでお会いしたある企業の方の言葉が印象的だった。その方は50〜60代の男性で、『僕らの世代は自分で知ろうとしないと、SDGsについて学ぶ機会がない』と。意識の高い一部の人が向き合う問題ではなく、全ての世代で前向きに考えられる発信の仕方を私たちも模索していきたいと感じている」と語った。

「530 ACTION」のクラウドファンディングもスタート

 「530 ACTION」を運営する、粟田あやアイクリエイト代表は、「個人の力を巻き込んで大きな渦にしたい、というのが出発点。正直なところ、外国と比べて日本は寄付の習慣がさほど根付いていないかもしれない。だからこそ、老若男女問わず気軽にできるごみ拾いとSNSを掛け合わせることで、新たなムーブメントにしていきたい」と語った。1投稿につき530円の寄付という金額設定については、「こうした寄付の取り組みでは、10円から高くても100円ほどが多い印象。一過性のアクションではなく、意識を変えていくことがゴールだと考えている。だからこそ、“それだけ価値のある活動だ”ということを発信すべく、インパクトのある金額に設定をした。ビジネスの中心で動いている世代にも、Z世代の感性をつなげたい」。

 個人や団体含めて、ハッシュタグ投稿のペースも数も順調に推移していることから、5月16日からクラウドファンディングによる寄附金追加の取り組みもスタートした。今後もさまざまな企画を通じ、長期的な活動として広げていく。

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ノインがグリーンコスメの専用ページを開設 「2年後に全体の売り上げの50%を目指す」

 化粧品ECプラットフォームのノイン(NOIN)はこのほど、地球や社会に優しい化粧品ブランドを集めた「グリーンコスメ(greencosme)」ページをローンチした。また、3月下旬には渋谷ヒカリエでリアルイベントを開催し、ユーザーが各社の取り組みや製品について学べる場を提供した。

 「greencosme」ページには現在、「ドゥーナチュラル(DO NATURAL)」「エコストア(ECOSTORE)」「ファンケル(FANCL)」「プロダクト(PRODUCT)」「ザ パブリック オーガニック(THE PUBLIC ORGANIC)」「ウカ(UKA)」「ナチュラグラッセ(NATURAGLACE)」といった自然派ブランドやサステナビリティに注力しているブランドを集積し、製品を販売している。ローンチの経緯について後藤麻希子アライアンス部部長は「昨今、メディアでよくSDGsが取り上げられているが、日本は欧米諸国と比較するとまだまだ製品の選択の際に考えられてないことが多いと感じる。一方でノインのコアユーザーであるZ世代は、SDGsや社会課題にとても敏感。発信力がある彼らにこそ、これからの化粧品業界をサステナブルな方へ引っ張っていってもらいたい。メディアとしての機能もあるノインで、ユーザーと共に地球問題を学びながら、その解決法のために活動しているブランドを紹介し、『地球も、私も、キレイになる。』を体現するための機会を提供しようと思った」と話す。

 同ページに掲載するブランドの選定には「Natural(ナチュラル)」「Environmental(環境)」「Ethical(エシカル)」と3の軸を用い、天然由来成分の使用比率を開示したり、リデュース・リユース・リサイクルを提唱したり、マイクロプラスチックフリーで海にやさしい処方を用いたり、さまざまなアプローチで環境問題に取り組むブランドをセレクトしている。今後も順次取り扱いブランドを増やし、2年後には全体の売り上げの50%を占めることを目指す。

 ページの開設に伴い、リアルなイベントも開催。そこでは「greencosme」ページのブランドがブースを出展し、自社の取り組みや製品について直接ユーザーにアピールした。「ノインではユーザーとのコミュニケーションを重視しており、2021年からはコロナ禍で減ってしまったユーザーとブランドのタッチポイントを提供するため、さまざまなテーマのオフラインイベントを開催してきた。SDGsやサステナビリティは難しく、やや固い印象を持たれがちなテーマでもあるので、クリーンビューティのエントリー層にも楽しんでもらうよう、楽しみながら学んでもらう仕掛けづくりを意識した」。

 ブランドの出展に加え、当日は榮倉奈々とメイクアップ・アーティストの村松朋広、渡邊弘幸ウカ代表とクリエイティブディレクターやライフスタイリストとして活躍する大田由香梨の対談も開催。さらに各ブランドの説明を聞き回った後に最も印象に残ったブランドを投票するスペースや、化粧品廃棄を減らすためにオフシーズンの製品を特価で販売するブースなども設置した。イベントの反響について「ノインのユーザーは熱量の高い方が多いため、各ブースは大盛況だった。『SDGsについては全く詳しくなかったが、普段自分が使うコスメから始められるのだと実感し、これからはそういう視点で選んでみようと思った』といった肯定的なコメントを多くいただいた」という。一方の出展ブランドからも「製品の完成度を高め、さらにその背景まで知ってもらえれば、今まで普通の化粧品を購入していた人にも広く受け入れられることが分かり貴重な経験だった」といった声が集まり、好評だった。

 ノインはECやメディアとしての機能に加え、最近はPBの開発にも力を入れ、ファミリーマートと共同開発している「ソポ(SOPO)」も人気を博している。リアルイベントでは、新たにローンチするヘアケアブランド「アブール(ABUR)」を披露した。後藤部長は「コア事業はECだが、ECを運営していく中で得たノウハウをもとに、ブランド事業、広告事業などを今後も展開していく。ECを運営する中で『これからの化粧品業界の在り方』の可能性をいち早くキャッチ・実証し、そのノウハウをブランドに伝えていく。代表の渡部賢が『自分が綺麗になることで、どこかにいるだれかが悲しんだり、何かを破壊してはならない』と毎回話しているが、今回の『greencosme』を通じてもそのような価値観が当たり前になればと思う」と意気込む。

経営体制強化に向けた新役員就任

 同社は4月1日付で、経営体制強化を図るため長田恭治氏が執行役員最高個人情報責任者(CPO)兼CTO(最高技術責任者)に就任した。複数社の社外CPO、CTO、最高マーケティング責任者(CMO)、顧問を歴任した長田氏は、今後プロダクトのさらなる磨き上げや、各パートナーとより強固なアライアンスの構築、世界を目指せる会社へと成長するために力を発揮する。

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ノインがグリーンコスメの専用ページを開設 「2年後に全体の売り上げの50%を目指す」

 化粧品ECプラットフォームのノイン(NOIN)はこのほど、地球や社会に優しい化粧品ブランドを集めた「グリーンコスメ(greencosme)」ページをローンチした。また、3月下旬には渋谷ヒカリエでリアルイベントを開催し、ユーザーが各社の取り組みや製品について学べる場を提供した。

 「greencosme」ページには現在、「ドゥーナチュラル(DO NATURAL)」「エコストア(ECOSTORE)」「ファンケル(FANCL)」「プロダクト(PRODUCT)」「ザ パブリック オーガニック(THE PUBLIC ORGANIC)」「ウカ(UKA)」「ナチュラグラッセ(NATURAGLACE)」といった自然派ブランドやサステナビリティに注力しているブランドを集積し、製品を販売している。ローンチの経緯について後藤麻希子アライアンス部部長は「昨今、メディアでよくSDGsが取り上げられているが、日本は欧米諸国と比較するとまだまだ製品の選択の際に考えられてないことが多いと感じる。一方でノインのコアユーザーであるZ世代は、SDGsや社会課題にとても敏感。発信力がある彼らにこそ、これからの化粧品業界をサステナブルな方へ引っ張っていってもらいたい。メディアとしての機能もあるノインで、ユーザーと共に地球問題を学びながら、その解決法のために活動しているブランドを紹介し、『地球も、私も、キレイになる。』を体現するための機会を提供しようと思った」と話す。

 同ページに掲載するブランドの選定には「Natural(ナチュラル)」「Environmental(環境)」「Ethical(エシカル)」と3の軸を用い、天然由来成分の使用比率を開示したり、リデュース・リユース・リサイクルを提唱したり、マイクロプラスチックフリーで海にやさしい処方を用いたり、さまざまなアプローチで環境問題に取り組むブランドをセレクトしている。今後も順次取り扱いブランドを増やし、2年後には全体の売り上げの50%を占めることを目指す。

 ページの開設に伴い、リアルなイベントも開催。そこでは「greencosme」ページのブランドがブースを出展し、自社の取り組みや製品について直接ユーザーにアピールした。「ノインではユーザーとのコミュニケーションを重視しており、2021年からはコロナ禍で減ってしまったユーザーとブランドのタッチポイントを提供するため、さまざまなテーマのオフラインイベントを開催してきた。SDGsやサステナビリティは難しく、やや固い印象を持たれがちなテーマでもあるので、クリーンビューティのエントリー層にも楽しんでもらうよう、楽しみながら学んでもらう仕掛けづくりを意識した」。

 ブランドの出展に加え、当日は榮倉奈々とメイクアップ・アーティストの村松朋広、渡邊弘幸ウカ代表とクリエイティブディレクターやライフスタイリストとして活躍する大田由香梨の対談も開催。さらに各ブランドの説明を聞き回った後に最も印象に残ったブランドを投票するスペースや、化粧品廃棄を減らすためにオフシーズンの製品を特価で販売するブースなども設置した。イベントの反響について「ノインのユーザーは熱量の高い方が多いため、各ブースは大盛況だった。『SDGsについては全く詳しくなかったが、普段自分が使うコスメから始められるのだと実感し、これからはそういう視点で選んでみようと思った』といった肯定的なコメントを多くいただいた」という。一方の出展ブランドからも「製品の完成度を高め、さらにその背景まで知ってもらえれば、今まで普通の化粧品を購入していた人にも広く受け入れられることが分かり貴重な経験だった」といった声が集まり、好評だった。

 ノインはECやメディアとしての機能に加え、最近はPBの開発にも力を入れ、ファミリーマートと共同開発している「ソポ(SOPO)」も人気を博している。リアルイベントでは、新たにローンチするヘアケアブランド「アブール(ABUR)」を披露した。後藤部長は「コア事業はECだが、ECを運営していく中で得たノウハウをもとに、ブランド事業、広告事業などを今後も展開していく。ECを運営する中で『これからの化粧品業界の在り方』の可能性をいち早くキャッチ・実証し、そのノウハウをブランドに伝えていく。代表の渡部賢が『自分が綺麗になることで、どこかにいるだれかが悲しんだり、何かを破壊してはならない』と毎回話しているが、今回の『greencosme』を通じてもそのような価値観が当たり前になればと思う」と意気込む。

経営体制強化に向けた新役員就任

 同社は4月1日付で、経営体制強化を図るため長田恭治氏が執行役員最高個人情報責任者(CPO)兼CTO(最高技術責任者)に就任した。複数社の社外CPO、CTO、最高マーケティング責任者(CMO)、顧問を歴任した長田氏は、今後プロダクトのさらなる磨き上げや、各パートナーとより強固なアライアンスの構築、世界を目指せる会社へと成長するために力を発揮する。

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アカデミー賞のレッドカーペットに「エコクチュール」という選択肢 マリエの「私の34年目のサステナブル」Vol.54

 何かと話題をさらった、第94回アカデミー賞の授賞式がロサンゼルスのドルビー・シアターで開催された。「WWDJAPAN」でもセレブリティたちのレッドカーペットでの着こなしがいち早く紹介されている。そんな中注目したいのは、「エコクチュール」を身に纏ったセレブたちだ。名だたるブランドのドレスと着用者に負けない存在感を持ち、生まれてくる工程までも美しいエコクチュールドレスを紹介したい。

 タティ・ガブリエル(Tati Gabrielle)は、「テンセル」リヨセル生地で作った「ヘレシー(HELLESSY)」のオフショルダーのケープガウンドレス。アイボリーのドレスのボディには、霜のように滴るフリンジをあしらった。「テンセル」ブランドのリヨセル繊維とは、完全に生分解し、堆肥となる素材だ。

 ビリー・アイリッシュ(Billie Eilish)の母親のマギー・ベアード(Maggie Baird)も、「テンセル」リュクスフィラメント糸で作ったブラックの高級生地に、ブルーの生地を組み合わせた。サステナブルブランド「ベネデッティ・ライフ(BENEDETTI LIFE)」のオーダーメードドレスだ。この素材は、ヴィーガンで持続可能。シルクの代替品となる滑らかさと贅沢なドレープ感を持ち合わせている。フィラメント糸は、厳しいガイドラインに従い管理された森林で育った木材原料由来。処理水もリサイクルし、溶媒を回収率99%以上再利用する環境的に健全なクローズドループプロセスで製造している。

 ブロードウェイのベテラン俳優パロマ・ガーシア・リー(Paloma Garcia Lee)は、「テンセル」リヨセル繊維の高級生地とリネンで作った、ボトルグリーンの「パトリック・マクダウェル(PATRICK McDOWELL)」のオーダーメードドレスを着用した。”マリエのエコファッションチェック!”では、土の再生に長期間必要なリネンよりも、同じ麻科でもっと持続可能な繊維を選んで欲しかったから、ちょっぴり”辛口”というところだ。

 それでも、どれも美しく、レッドカーペットにふさわしい輝きを放っている。

 エシカルファッションやエコファッションと聞くと、従来は生成り色にゴミのような黒っぽい点々が混じるザラザラの生地感をイメージしがちだった。選択肢も少なかったと思う。そんな過去のイメージがあるからこそ、「レッドカーペットに『エコドレス⁈』」と耳を疑ってしまう人も多いのではないだろうか?

 アメリカでは若い世代が、高校生活を締めくくるプロムドレスなどにレッドカーペットの着こなしを参考にする。日本ではドレスアップの機会は少ないけれど、着物は文化の持続を謳う意味でも最高のチョイスだ。引き継いだ着物やドレスが、「テンセル」リヨセル生地だったなんて日も来るかもしれない⁉︎

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アカデミー賞のレッドカーペットに「エコクチュール」という選択肢 マリエの「私の34年目のサステナブル」Vol.54

 何かと話題をさらった、第94回アカデミー賞の授賞式がロサンゼルスのドルビー・シアターで開催された。「WWDJAPAN」でもセレブリティたちのレッドカーペットでの着こなしがいち早く紹介されている。そんな中注目したいのは、「エコクチュール」を身に纏ったセレブたちだ。名だたるブランドのドレスと着用者に負けない存在感を持ち、生まれてくる工程までも美しいエコクチュールドレスを紹介したい。

 タティ・ガブリエル(Tati Gabrielle)は、「テンセル」リヨセル生地で作った「ヘレシー(HELLESSY)」のオフショルダーのケープガウンドレス。アイボリーのドレスのボディには、霜のように滴るフリンジをあしらった。「テンセル」ブランドのリヨセル繊維とは、完全に生分解し、堆肥となる素材だ。

 ビリー・アイリッシュ(Billie Eilish)の母親のマギー・ベアード(Maggie Baird)も、「テンセル」リュクスフィラメント糸で作ったブラックの高級生地に、ブルーの生地を組み合わせた。サステナブルブランド「ベネデッティ・ライフ(BENEDETTI LIFE)」のオーダーメードドレスだ。この素材は、ヴィーガンで持続可能。シルクの代替品となる滑らかさと贅沢なドレープ感を持ち合わせている。フィラメント糸は、厳しいガイドラインに従い管理された森林で育った木材原料由来。処理水もリサイクルし、溶媒を回収率99%以上再利用する環境的に健全なクローズドループプロセスで製造している。

 ブロードウェイのベテラン俳優パロマ・ガーシア・リー(Paloma Garcia Lee)は、「テンセル」リヨセル繊維の高級生地とリネンで作った、ボトルグリーンの「パトリック・マクダウェル(PATRICK McDOWELL)」のオーダーメードドレスを着用した。”マリエのエコファッションチェック!”では、土の再生に長期間必要なリネンよりも、同じ麻科でもっと持続可能な繊維を選んで欲しかったから、ちょっぴり”辛口”というところだ。

 それでも、どれも美しく、レッドカーペットにふさわしい輝きを放っている。

 エシカルファッションやエコファッションと聞くと、従来は生成り色にゴミのような黒っぽい点々が混じるザラザラの生地感をイメージしがちだった。選択肢も少なかったと思う。そんな過去のイメージがあるからこそ、「レッドカーペットに『エコドレス⁈』」と耳を疑ってしまう人も多いのではないだろうか?

 アメリカでは若い世代が、高校生活を締めくくるプロムドレスなどにレッドカーペットの着こなしを参考にする。日本ではドレスアップの機会は少ないけれど、着物は文化の持続を謳う意味でも最高のチョイスだ。引き継いだ着物やドレスが、「テンセル」リヨセル生地だったなんて日も来るかもしれない⁉︎

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アダストリア子会社からD2Cジュエリー「ヘレディタス」が登場 エシカル&ジェンダーレスな美を表現

 アダストリアの子会社であるエレメントルールが運営するジュエリーブランド「パティエラ(PAS TIERRA)」から3月、D2Cジュエリーライン「ヘレディタス(HERE DITAS)」が登場した。「ヘレディタス」とは、ラテン語で、“ここにある富を継承(ヒア=ここ、ディタス=富)”を意味する。ブランド名には、さまざまなフィルターを外して後世に残る真の美しさを提供したいという思いが込められている。

 職人が一つ一つ手彫りで仕上げる“リバイバル リング”やタロットカードに着想を得たコインネックレス“ガイディング タロット”などを手に届きやすい価格で提案。樋口継依エレメントルール パティエラ事業部ディレクターは、「“リバイバル リング”はその名の通り、30~40年前に倉庫に眠っていた原型を元に再現したもので、アート作品のようだ」とコメント。同ブランドでは、毎月新作の発売を予定している。

 4月には、カラフルな合成石を使用した“ベリード シークエンス”や廃棄されるはずのアコヤ真珠を使用した“ブレッシング オブ ザ シー / アート オブ アコヤ(以下、アコヤ)”、5月には魚や竜の落とし子などをモチーフにした”ブレッシング フロム ザ シー“が登場。 “ベリード シークエンス”に使用されている合成石は天然石とほぼ同じ組成でポップな色合いを表現。“アコヤ”シリーズは受注生産で、傷や歪みのあるアコヤ真珠の個性を生かしたジュエリーを提案する。“ブレッシング フロム ザ シー”には、海の恩恵が続くようにという思いが込められており、利益の一部を海の環境保全団体に寄付する。6月には、一部再生地金を使用した“イン ア ロウ”を発売。ジェンダーレスなネックレスやブレスレット、リング、イヤーカフなどを手に取りやすい価格帯でそろえる。原摂子エレメントルール パティエラ営業部デザイナーは、「ターコイズやサンゴなどを使用したものや、海辺で拾ったシーグラスの本来の色を生かしたジュエリーもある。性別や年齢関係なしに、美しいと共感してもらえる人と思いを共有しながらブランドを成長させたい」と述べた。

 素材は真ちゅうやシルバーにコーティングしたものや10金など。オーダーでは18金の使用も可能だ。価格は、約8000~8万円と幅広く、中心価格帯は2万〜4万円程度と手に取りやすいのが魅力だ。

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アダストリア子会社からD2Cジュエリー「ヘレディタス」が登場 エシカル&ジェンダーレスな美を表現

 アダストリアの子会社であるエレメントルールが運営するジュエリーブランド「パティエラ(PAS TIERRA)」から3月、D2Cジュエリーライン「ヘレディタス(HERE DITAS)」が登場した。「ヘレディタス」とは、ラテン語で、“ここにある富を継承(ヒア=ここ、ディタス=富)”を意味する。ブランド名には、さまざまなフィルターを外して後世に残る真の美しさを提供したいという思いが込められている。

 職人が一つ一つ手彫りで仕上げる“リバイバル リング”やタロットカードに着想を得たコインネックレス“ガイディング タロット”などを手に届きやすい価格で提案。樋口継依エレメントルール パティエラ事業部ディレクターは、「“リバイバル リング”はその名の通り、30~40年前に倉庫に眠っていた原型を元に再現したもので、アート作品のようだ」とコメント。同ブランドでは、毎月新作の発売を予定している。

 4月には、カラフルな合成石を使用した“ベリード シークエンス”や廃棄されるはずのアコヤ真珠を使用した“ブレッシング オブ ザ シー / アート オブ アコヤ(以下、アコヤ)”、5月には魚や竜の落とし子などをモチーフにした”ブレッシング フロム ザ シー“が登場。 “ベリード シークエンス”に使用されている合成石は天然石とほぼ同じ組成でポップな色合いを表現。“アコヤ”シリーズは受注生産で、傷や歪みのあるアコヤ真珠の個性を生かしたジュエリーを提案する。“ブレッシング フロム ザ シー”には、海の恩恵が続くようにという思いが込められており、利益の一部を海の環境保全団体に寄付する。6月には、一部再生地金を使用した“イン ア ロウ”を発売。ジェンダーレスなネックレスやブレスレット、リング、イヤーカフなどを手に取りやすい価格帯でそろえる。原摂子エレメントルール パティエラ営業部デザイナーは、「ターコイズやサンゴなどを使用したものや、海辺で拾ったシーグラスの本来の色を生かしたジュエリーもある。性別や年齢関係なしに、美しいと共感してもらえる人と思いを共有しながらブランドを成長させたい」と述べた。

 素材は真ちゅうやシルバーにコーティングしたものや10金など。オーダーでは18金の使用も可能だ。価格は、約8000~8万円と幅広く、中心価格帯は2万〜4万円程度と手に取りやすいのが魅力だ。

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【サステナ隊長!向は3月前半何した】 NFTが身近になり、冨永愛と女性デー、「アンダーカバー」で反戦

 卒業シーズンですね。マスクで2年間を過ごした若者たちが、この状況下だからこそかけがえない何かを得たに違いないと信じてエールを送ります。そしてウクライナのことが頭を離れませんが、だからと言って私たちが下を向いても何も生まれないし、解決もしない。やるせないけどせめてもの抵抗として笑顔で行きましょう!

3月2日(水)
10年後の業界を牽引するリーダーたちを讃える

 ルミネとともにイベント「MOVE ON」を開催し、10年後の業界を牽引しているだろうネクストリーダーたちを讃えました。この写真は、サステナビリティを切り口にしたトークイベント終了後の一枚です。ロックバンドのバックステージ風でお気に入り!私がインタビューを担当したのは「カナコ サカイ」のサカイさん。写真4・5枚目は後日開かれた同ブランドの展示会です。生地を作る職人たちの仕事について目を輝かせながら話す彼女を見て、こうやって人が人を惹きつけ物語が綴られてゆくのだと思いました。

3月3日(木)
ウクライナを思う

 ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が始まってから、心の中がずっとざわついている方が多いのではないでしょうか。私もそうです。昨年末の「WWDJAPANサステナビリティ・サミット」にLAから参加してくれたデジタルファッションの新進企業、ドレスXの創業者がウクライナ出身なこともあり、彼女のインスタグラムを通じてウクライナの今や文化を知るようになりました。美しいキエフの街や若者たちの情熱が理不尽に壊され、奪われている現状、そしてダリアのように海外へ進出し、夢を成長させようとしている若い起業家たちの足下をすくうような現状にもまた怒りとやるせなさを募らせることしかできません。

3月4日(金)
デジタルファッションは大人にこそ

 サステナビリティとデジタルファッションは表裏一体、一心同体だと思います。実際関連情報は日に日に上昇中。この日はファッションブランドとブロックチェーン、NFTを結ぶ合同展示会「サイズレス・ツイン(SIZELESS TWIN)」へ。デジタルファッションやメタバース空間は若い人だけではなく、大人とも、いや、大人ならではの相性の良さがあると思います。なぜなら私自身、できればありのままでありたいと思いながら鏡の中の自分に幻滅することはしばしば。そんなとき、インスタの中でアバターの自分が元気よく飛び跳ねているとちょっと元気になります。なんてことも考えながら見て回りました。

3月7日(月)
「エルメス」が描く次世代パリジェンヌ

 物流事情が混迷を極める中、「エルメス(HERMES)」はパリで開かれた2022-23年秋冬コレクションの翌朝に東京でも同コレクションの展示会を開催しました。あっぱれ!今季のイメージは、パリジェンヌと馬術競技を掛け合わせた”ニュー・カヴァリエ(新たな騎士)”だそう。エルメスと馬術競技の奥深さに関しては3時間くらい語りたいことがあります。が、長くなるのでよろしければこの記事の下にある関連記事をご欄ください。

3月8日(火)
国際女性デーに冨永愛アンバサダーと語る

 国際女性デーにジョイセフのアンバサダーである冨永愛さんとトーク。ジョイセフは、世界の妊産婦と女性の命と健康を守るために活動している日本生まれの国際協力NGOです。命は神秘であり、私はお母さんがその体に赤ちゃんを授かるずっと前から命は始まっていると思います。だから若い女性が自分の体を知り、大切にする。そのきっかけになる一日であってほしい!そんな願いを込めて参加しています。

3月9日(水)
3Dボディースキャナーで自分を知る

 三菱商事ファッションの「ザ ミ―(THE ME)」の展示会へ。同ブランドは「量産を前提とした作り方はしない。一人一人に合わせる」がコンセプト。そのために3つの試着室(ほぼ会議室サイズ)には3Dボディースキャナーが設置されており、購入前に採寸し、“ナビゲーター”と呼ばれる店頭スタッフから最長90分のパーソナル接客を受けます。なんて贅沢な。噂ではワコールが売り場に導入した3Dボディースキャナーには“美魔女”が列を作ったそうですが、美魔女でなくともその気持ちはわかります。自分を客観的に知ることができるのは嬉しいことです。肝心なことは “ぴったりサイズ”を最後に導くのは販売スタッフであるという点です。その一線の存在こそがファッション!

3月9日(水)
ヤギシカルのポップアップでほっこりタオルを購入

 新宿マルイ本館で開催中の繊維商社ヤギのプロジェクト 「ヤギシカル(YAGITHICAL)」のポップアップへ。同社がツバメタオルとNPO法人DEARMEと取り組む規格外品タオルのアップサイクルなどが並びます。迎えてくれた杵淵さんは昨年開催した「WWDJAPANサステナビリティ・ディレクター養成講座」の参加メンバーなので、同級生の仕事現場を訪ねる気分でちょっとくすぐったい。3⽉27⽇にはオーガニックコットンの認証団体GOTSの松本フィオナ⽒とトークイベントを開催するそうです。濃い話が聞けそう。頑張れ~。

3月9日(水)
「アンダーカバー」が手に入れたエレガンス表現

 日本からパリコレへ進出するデザイナーズブランドにとって、「セクシー」や「エレガンス」の扱いは永遠の課題と言っても過言ではありません。今どきセクシーやエレガンスなんて言葉は古い、という解釈は短絡すぎ。日本人の「奥ゆかし」がそう簡単に変わらないのと同じで欧米の文化に根付くセクシーやエレガンスは奥深く、手強いのです。原宿生まれ・ストリート育ちの「アンダーカバー(UNDERCOVER)」にとっては一層のことでしょう。だから今回、パンクイメージを重ねつつ自分なりのエレガンス表現を手に入れた様を見て「やるな」と思ったのでした。

 ブルーとイエローのカラーリングからウクライナを連想しましたがそれは「関係なし」とのこと。ただし高橋さんは反戦に対する確固たる姿勢を持っている方です。ふと思い出し、家で2001-02年秋冬の「ファッションニュース」を引っ張り出しました。同シーズンのテーマは「宝飾武装義勇軍」。スワロフスキーのトップスにフューチャラ2000のグラフィティ。のドレスを強烈に覚えています。時は2001.9.11の直前。「(戦争は)常にそこにある問題。戦争と相反するものを組み合わせることで反戦のメッセージを伝えたかった」と当時のジョニオさんは語っています。

3月10日(木)
「プラダ」のアート展で翻弄される

 「プラダ(PRADA)」青山店で開催中の「ロール プレイ(ROLE PLAY)」展へ。説明には「アーティストは役割を演じることや分身の創造、自己の拡散などを切り口として、個人の本質や表向きの人格の追求とその理解に迫る」とあります。わかったような、わからないような、わかった気がする、などと思いながらアートに触れる時間は大切です。世の中は割り切れないことだらけですから。

3月11日(金)
「チャコット」の新店はバレエのお城だった

 今年初めに事故で顔をケガしてかなり落ち込んだのですが、そのときに助けてもらったのが「チャコット(CHACOTT)」のメイク用品でした。ダンサーが汗をかくことを前提としたコンシーラーなどは崩れにくくて優秀。スポーツ&アウトドアブランドのアパレルが、その機能性故信頼を得ていることと通じるものがあります。その「チャコット」が2500平方メートルの旗艦店を代官山にオープン。まさにバレエの殿堂!

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国内初の女性専用個室サウナが開業 アメニティーで「SHIRO」とエシカルな取り組みも

 レバノン発のコスメブランド「サンチュール・ドリアン(SENTEURS D’ORIENT )」などを展開するオリエンタルバスビューティーは3月10日、「サウナテラピー(SAUNA THERAPY)」を表参道にオープンした。開業時点においては日本初となる※サブスクリプション型の完全女性専用、かつ個室のサウナ施設で、着替え、サウナ、水風呂までプライベートな空間で楽しめる。

 サウナ室は、1〜3人での利用が可能。サウナヒーターには、山積みのストーンとパワフルな熱が特徴的なフィンランドのイキ(IKI)社製を採用した。その日の気分に合わせて選べるエッセンシャルオイルと共に、セルフロウリュを体感できる。水風呂は、80年もの間この場所で守れてきた井戸から汲み上げられた天然水を使用。天然成分が溶け込んだ柔らかな水質を体感できる。アメニティーには、パッケージについた小さな傷や印字ずれで店頭に並べることのできない「シロ(SHIRO)」の製品と「サンチュール・ドリアン」のビーガン石鹸を導入した。

 伊藤慶和・オリエンタルバスビューティ コー・ファウンダー/取締役は、「サウナが好きで、子連れ可能な施設で子どもと楽しむこともあった。しかし俗にいう“ヌシ(主)”と呼ばれる常連客から冷たい視線が向けられることも少なくなかった。とことんリラックスできる自分だけの空間が欲しい、という気持ちを落とし込んだ」と話す。クリエイティブディレクターには、サウナ好きであり、アナウンサー・モデルとして活躍する笹川友里を迎えた。「サウナテラピー」に隣接する「パンとエスプレッソと」表参道店では、オープンを記念したコラボドリンク“サウナとパンとエスプレッソと”(650円)を発売する。笹川のアイデアから無農薬のみかんジュースとみかん酢を炭酸で割った、爽やかなドリンクだ。

 会員制のサブスクリプション価格は、月8回コースの「スタンダード会員」が月額税込5万5000円、月4回コースの「ライト会員」は同3万3000円、都度支払いの「スポット会員」は1回同1万1000円。3月10〜31日はオープニングキャンペーンにつき、会員登録なしで1回同5500円で何度でも利用可能となっている。

※ サウナ検索サイト「サウナイキタイ」において(2022年2月現在、オリエンタルバスビューティー調べ)

■サウナテラピー
時間:10:00〜22:00(1回80分)
住所:東京都渋谷区神宮前3-4-7 エルム青山2階

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【サステナ隊長!向は先月何した?】新進ブランドとの出会い続々、「ダブレット」では“グリーンウォッシュ”Tシャツを注文

 こんにちは、WWDJAPAN編集統括サステナビリティ・ディレクターの向千鶴です。業界のサステナビリティ・シフトを推し進めるべく取材活動をする中、出会った魅力的な人や物をお届けする新連載をスタートします。2月の東京はまん防発令中かつ連日極寒。でもファッションを扱う人たちのハートは相変わらず熱かったです!

2月9日(水)
“グリーンウォッシュ”Tシャツを「ダブレット」でオーダー

 「ダブレット(DOUBLET)」はとにかく粋です。展示会にじっくり滞在して写真を撮りまくり、ユニークなアイデアに笑い転げ、個人オーダーをしました。尖ったナイフみたいな井野将之デザイナーは、こちらがサステナ観点から褒めると困惑した表情を浮かべるのでなるべく触れないようにしたいのですが言わずにいられない。素晴らしい!!新しいことに果敢でその過程も披露し価値に変えちゃうところ、そしてユーモアで包んだ鋭い風刺に脱帽です。

2月9日(水)
新しい出会いを探して展示会。「タナカ」へ

 NY在住のタナカサヨリさんが手がける「タナカ(TANAKA)」。「ヨウジヤマモト(YOHJI YAMAMOTO)」を経て「ユニクロ(UNIQLO)」のウィメンズデザインのチームリーダーも経験という、モードとリアルの両極端を知る経歴を聞くだけで期待値が高まります。カイハラと組んだ落ち綿を生かしたデニムなどサステナ視点の素材使いもポイントですが、何よりいいな、と思ったのはパターンへのこだわりです。5ポケットではなくスラックスのパターンを入れたデニムが面白い。ミリタリーなど古着の知識も豊富。過去に誰かが残した仕事へのリスペクトの上に未来を描く姿勢がすがすがしいわー。

2月9日(水)
通りすがりにTikTokスターと写真に収まる

 表参道を移動中、前方に漂う元気なオーラーに惹かれて近づいたらこのお3方でした。再会を祝して取りあえず記念撮影。この時に撮る側にいた凄腕マネージャーさんの事を私は信頼しており、彼が言うことは何であれまず立ち止まって聞きます。ので、去り際に「YAMATO(写真右)がSDGsを勉強したいから質問させて」の言葉も社交辞令でなくそのまま受け取りました。YAMATOさん、連絡待っています!

2月10日(木)
「CFCL」に見る勢いあるブランドの展示会の共通点

 勢いがあるブランドの展示会の共通点は2つ。①来場者が個人オーダーに忙しい、②会いたい人に会える、です。「CFCL」はまさにそう。試着室は常に使用中で、皆さん再生ポリエステルを使ったホールガーメントのワンピースなどを試着していました。仕事で来場した人が買い物をしたくなる。その熱量はそのまま、市場につながりますよね。そういう場では不思議と会いたい人に偶然会え、仕事の話も進んだりします。私は今回このお2人に会えて嬉しかった!「CFCL」は今月頭にパリコレに参加しました。お疲れ様でした!

2月10日(木)
コロネットの新オフィスの内装は森田恭通氏

 うわ!コロネットの「ランバン(LANVIN)」の展示会で最初に出た言葉これです。青山一丁目に移転したオフィスの扉を開けるとドカンと抜けた広いフロア。シルバーの壁、モザイク調の床で気分がアガります。デットストックアイテムのアップサイクルなどで知られるコペンハーゲン発「デザイナーズ リミックス(DESIGNERS REMIX )」もここに並びます。内装を手がけたのは森田恭通さんだそう。ファッションブランドをテーマにしたドラマや映画の撮影をするならこちらをオススメしたい。ファッション撮影も要相談だそうです。

2月10日(木)
伊藤忠本社隣で「着る」サステナを体験

 サステナブルな情報は新素材など新しいことが多いこともあり頭で理解しがち。だけど結局着てみないとね、ですよね。だからITOCHU SDGs STUDIOで開かれていた体験型展示「未来の試着室」の着眼点がおもしろいと思いました。たとえば「針葉樹由来のセルロース繊維」と言われてもピントこないけど、袖を通すと少なくとも「なるほど」と実感がわく。この日は空いていたので「黒で染め変える」「循環を着る」など全ブース体験しました。

2月16日(水)
ハイセンス×日本の産地の手仕事=「プリーク」

 一クセあって可愛いピアスやネックレスの展示会へ。名前は「プリーク(PREEK)」。淡水パールや天然石の個体差を生かしたデザインは一言で言うなら有機的。優しく、お守りのような存在感です。ここのがっこう出身のデザイナー、芦沢佳澄さんのセンスと日本の産地や職人の技術の掛け算がそれを可能にしています。芦沢さんはユナイテッドアローズの社員ですが、ブランドは不思議とインディペンデントな匂い。「プリーク」に限らず、コロナ下でデザイナーと日本産地の取り組みが増えていますが、それが力に変わりつつあることを実感しました。

2月16日(水)
マッシュHD×阪急うめだが大胆な仕掛け

 阪急うめだ本店4階の一等地にマッシュホールディングスがサステナビリティに配慮した売り場をどどんと260平方メートルオープンするとのことで取材へ。その詳細はこの記事の下にある関連記事からどうぞ!近藤社長はいつだってアツい方ですが環境問題に関する知識や危機感もものすごく高くアツい。本気度が伝わってきました。

2月17日(木)
カッコよすぎて溜息。俳優・松山ケンイチさんのもうひとつの顔

 新しくスタートした合同展示会「ニューエナジー(NEW ENERGY)」はエシカルやオーガニックを切り口にしたブランドが多く、盛り上がっていました。その中に、さらっと普通に出展したいのがなんと俳優の松山ケンイチさんのブランド「モミジ(MOMIJI)」。ハンターでもある松山さんは、害獣駆除で仕留められた動物の革を使ったライダースなどを展開しています。なぜここに至ったのか。命をどう考えるのか。その言葉は一つ一つがとても誠実で現実的で、重く。惚れます。

2月23日(水)
1反の紬を余すことなく使って洋服へ

 「アルルナータ(ARLNATA)」は、「エルメス(HERMES)」のウィメンズデザインチームで経験を積んだ寺西俊輔さんが立ち上げたブランドで、石川の牛首紬の反物を使ったアウターやニットアイテムなどをオーダーで作っています。客はまず紬を一反選び、それをジャケットに仕立てたり、余った反物をニットとつないでカーディガンにしたりします。「1反をどうやって使い切るか」を寺西さんのアドバスを受けながら考えるそう。面白いですね。お客さんの多くは周囲の人に「どうやって作ったか」を饒舌に語るそうです。わかります、その気持ち。産地の技術継承の一端を担えたようで嬉しくもなりますから。

2月25日(金)
かわいい「パトゥ」!の初の基幹店オープン

 フランスの「パトゥ(PATOU)」が初の旗艦店を表参道ヒルズにオープンしました。私はデザイナーのギョーム・アンリ(Guillaume Henry)が大好き。彼の考え方、生み出すデザイン、笑顔はファッション業界の宝です。建築家の小野寺匠吾さんが手がけた内装は「友達の家に来たみたいな気楽さで」との言葉通り、シンプルで居心地よし。リサイクルファブリックを使った什器が使われています。

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【サステナ隊長!向は先月何した?】新進ブランドとの出会い続々、「ダブレット」では“グリーンウォッシュ”Tシャツを注文

 こんにちは、WWDJAPAN編集統括サステナビリティ・ディレクターの向千鶴です。業界のサステナビリティ・シフトを推し進めるべく取材活動をする中、出会った魅力的な人や物をお届けする新連載をスタートします。2月の東京はまん防発令中かつ連日極寒。でもファッションを扱う人たちのハートは相変わらず熱かったです!

2月9日(水)
“グリーンウォッシュ”Tシャツを「ダブレット」でオーダー

 「ダブレット(DOUBLET)」はとにかく粋です。展示会にじっくり滞在して写真を撮りまくり、ユニークなアイデアに笑い転げ、個人オーダーをしました。尖ったナイフみたいな井野将之デザイナーは、こちらがサステナ観点から褒めると困惑した表情を浮かべるのでなるべく触れないようにしたいのですが言わずにいられない。素晴らしい!!新しいことに果敢でその過程も披露し価値に変えちゃうところ、そしてユーモアで包んだ鋭い風刺に脱帽です。

2月9日(水)
新しい出会いを探して展示会。「タナカ」へ

 NY在住のタナカサヨリさんが手がける「タナカ(TANAKA)」。「ヨウジヤマモト(YOHJI YAMAMOTO)」を経て「ユニクロ(UNIQLO)」のウィメンズデザインのチームリーダーも経験という、モードとリアルの両極端を知る経歴を聞くだけで期待値が高まります。カイハラと組んだ落ち綿を生かしたデニムなどサステナ視点の素材使いもポイントですが、何よりいいな、と思ったのはパターンへのこだわりです。5ポケットではなくスラックスのパターンを入れたデニムが面白い。ミリタリーなど古着の知識も豊富。過去に誰かが残した仕事へのリスペクトの上に未来を描く姿勢がすがすがしいわー。

2月9日(水)
通りすがりにTikTokスターと写真に収まる

 表参道を移動中、前方に漂う元気なオーラーに惹かれて近づいたらこのお3方でした。再会を祝して取りあえず記念撮影。この時に撮る側にいた凄腕マネージャーさんの事を私は信頼しており、彼が言うことは何であれまず立ち止まって聞きます。ので、去り際に「YAMATO(写真右)がSDGsを勉強したいから質問させて」の言葉も社交辞令でなくそのまま受け取りました。YAMATOさん、連絡待っています!

2月10日(木)
「CFCL」に見る勢いあるブランドの展示会の共通点

 勢いがあるブランドの展示会の共通点は2つ。①来場者が個人オーダーに忙しい、②会いたい人に会える、です。「CFCL」はまさにそう。試着室は常に使用中で、皆さん再生ポリエステルを使ったホールガーメントのワンピースなどを試着していました。仕事で来場した人が買い物をしたくなる。その熱量はそのまま、市場につながりますよね。そういう場では不思議と会いたい人に偶然会え、仕事の話も進んだりします。私は今回このお2人に会えて嬉しかった!「CFCL」は今月頭にパリコレに参加しました。お疲れ様でした!

2月10日(木)
コロネットの新オフィスの内装は森田恭通氏

 うわ!コロネットの「ランバン(LANVIN)」の展示会で最初に出た言葉これです。青山一丁目に移転したオフィスの扉を開けるとドカンと抜けた広いフロア。シルバーの壁、モザイク調の床で気分がアガります。デットストックアイテムのアップサイクルなどで知られるコペンハーゲン発「デザイナーズ リミックス(DESIGNERS REMIX )」もここに並びます。内装を手がけたのは森田恭通さんだそう。ファッションブランドをテーマにしたドラマや映画の撮影をするならこちらをオススメしたい。ファッション撮影も要相談だそうです。

2月10日(木)
伊藤忠本社隣で「着る」サステナを体験

 サステナブルな情報は新素材など新しいことが多いこともあり頭で理解しがち。だけど結局着てみないとね、ですよね。だからITOCHU SDGs STUDIOで開かれていた体験型展示「未来の試着室」の着眼点がおもしろいと思いました。たとえば「針葉樹由来のセルロース繊維」と言われてもピントこないけど、袖を通すと少なくとも「なるほど」と実感がわく。この日は空いていたので「黒で染め変える」「循環を着る」など全ブース体験しました。

2月16日(水)
ハイセンス×日本の産地の手仕事=「プリーク」

 一クセあって可愛いピアスやネックレスの展示会へ。名前は「プリーク(PREEK)」。淡水パールや天然石の個体差を生かしたデザインは一言で言うなら有機的。優しく、お守りのような存在感です。ここのがっこう出身のデザイナー、芦沢佳澄さんのセンスと日本の産地や職人の技術の掛け算がそれを可能にしています。芦沢さんはユナイテッドアローズの社員ですが、ブランドは不思議とインディペンデントな匂い。「プリーク」に限らず、コロナ下でデザイナーと日本産地の取り組みが増えていますが、それが力に変わりつつあることを実感しました。

2月16日(水)
マッシュHD×阪急うめだが大胆な仕掛け

 阪急うめだ本店4階の一等地にマッシュホールディングスがサステナビリティに配慮した売り場をどどんと260平方メートルオープンするとのことで取材へ。その詳細はこの記事の下にある関連記事からどうぞ!近藤社長はいつだってアツい方ですが環境問題に関する知識や危機感もものすごく高くアツい。本気度が伝わってきました。

2月17日(木)
カッコよすぎて溜息。俳優・松山ケンイチさんのもうひとつの顔

 新しくスタートした合同展示会「ニューエナジー(NEW ENERGY)」はエシカルやオーガニックを切り口にしたブランドが多く、盛り上がっていました。その中に、さらっと普通に出展したいのがなんと俳優の松山ケンイチさんのブランド「モミジ(MOMIJI)」。ハンターでもある松山さんは、害獣駆除で仕留められた動物の革を使ったライダースなどを展開しています。なぜここに至ったのか。命をどう考えるのか。その言葉は一つ一つがとても誠実で現実的で、重く。惚れます。

2月23日(水)
1反の紬を余すことなく使って洋服へ

 「アルルナータ(ARLNATA)」は、「エルメス(HERMES)」のウィメンズデザインチームで経験を積んだ寺西俊輔さんが立ち上げたブランドで、石川の牛首紬の反物を使ったアウターやニットアイテムなどをオーダーで作っています。客はまず紬を一反選び、それをジャケットに仕立てたり、余った反物をニットとつないでカーディガンにしたりします。「1反をどうやって使い切るか」を寺西さんのアドバスを受けながら考えるそう。面白いですね。お客さんの多くは周囲の人に「どうやって作ったか」を饒舌に語るそうです。わかります、その気持ち。産地の技術継承の一端を担えたようで嬉しくもなりますから。

2月25日(金)
かわいい「パトゥ」!の初の基幹店オープン

 フランスの「パトゥ(PATOU)」が初の旗艦店を表参道ヒルズにオープンしました。私はデザイナーのギョーム・アンリ(Guillaume Henry)が大好き。彼の考え方、生み出すデザイン、笑顔はファッション業界の宝です。建築家の小野寺匠吾さんが手がけた内装は「友達の家に来たみたいな気楽さで」との言葉通り、シンプルで居心地よし。リサイクルファブリックを使った什器が使われています。

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祝“プラスティックモンスター”連載50回!! マリエの「私の34年目のサステナブル」Vol.51

 ”プラスティックモンスター”は、サステナブルアートコミックとしてスタートした4コマ漫画だ。「WWDJAPAN」で連載を始めて先日、50回目の小さな節目を迎えた。2つのキャラクターで織りなす4コマは、毎回ファッションをベースとしながら、生活の中で気づくサステナブルな未来型社会や、我々が掲げるサステナブル社会という大きな目標に対する小さな矛盾をテーマにしている。

 登場キャラクターは、その名も「プラスチック・モンスター」。太平洋を漂うプラスチックゴミから生まれ、ビニール袋を被り、両耳は波と葉っぱでできている。ゴミから生まれながら社会や環境への愛を持ち、自分が生まれた意味を常に考えながら過ごしている。

 一方の「アイツ」は、全身マント姿だ。いたずら好きで、プラスチック・モンスターがやることを邪魔してばかり。周囲を困らせるが、本当はプラモンが大好きだ。そんな「アイツ」の正体とは?!そんなキャラで構成されている。連載一年を迎え、巷では通称「プラモン」と称して愛されるようになった。

 プラスチック・モンスターというキャラクターは、私のブランド「パスカル マリエ デマレ(PASCAL MARIE DESMARAIS.以下、PMD)」でのサステナブルなモノ作りや信念を、より多くのジェンダーや年齢層にもっとわかりやすく、さらに歳を取らない方法で伝えられないかを仲間と模索して生まれた。アイデアをまとめながら頭の中で出来上がったイメージを、ファンであり友人の新進気鋭のアーティストDUNKWELLに描いてもらった。数日後に「この子です」と紹介されて、初見で即決。私は今もなんとも愛らしく、哀愁の漂う、語りかけるような可愛らしい表情に吸い込まれている。

 現代アートのかけらから生まれているサステナブルアートコミックが取り上げるのは、ファッションアイテムの性質や、季節とファッション、動物とファッションなど。ノージェンダーを掲げたり、傘やエコバッグという日常的なアイテムにもフォーカスしたりする。ストーリーは、アーティスト@hangover_plateと制作している。

 記念すべき50回目は、”プラスティックモンスター”でも数回取り上げている“過剰包装”にまつわる4コマだ。届いた小さい荷物にアイツが「ちっちゃいな、つまらん」と中身も見ずに捨ててしまう構成だ。実はこれ、49回目の4コマから密かに繋がっている。コロナ禍でオンラインの買い物を楽しむ機会が増えているが、箱が大きいだけでなんだか「多幸感」が生じることはないだろうか?箱の大小で変わるワクワク感を題材に「本当に大切なこと」「本当に価値のある物」という疑問を投げかける。この”プラスティックモンスター”の成長を堪能しながら、少しでも日常の気づきが増えてくれればと切に願っている。

 4コマ漫画を50回送り出して感じたのは、季節は儚いということ。小さいなりにもファッションデザイナーを営んでいるが、四季どころか一年50週の「納品」に季節の流れを感じないわけがない。美しい季節の中で生活できる日本という環境にまた一つ感謝するきっかけとなった。

 4コマコミックでオシャレにシニカルにサステナブルを伝えていきたいんだ!そんなプラモンの挑戦はまだまだ続く。

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祝“プラスティックモンスター”連載50回!! マリエの「私の34年目のサステナブル」Vol.51

 ”プラスティックモンスター”は、サステナブルアートコミックとしてスタートした4コマ漫画だ。「WWDJAPAN」で連載を始めて先日、50回目の小さな節目を迎えた。2つのキャラクターで織りなす4コマは、毎回ファッションをベースとしながら、生活の中で気づくサステナブルな未来型社会や、我々が掲げるサステナブル社会という大きな目標に対する小さな矛盾をテーマにしている。

 登場キャラクターは、その名も「プラスチック・モンスター」。太平洋を漂うプラスチックゴミから生まれ、ビニール袋を被り、両耳は波と葉っぱでできている。ゴミから生まれながら社会や環境への愛を持ち、自分が生まれた意味を常に考えながら過ごしている。

 一方の「アイツ」は、全身マント姿だ。いたずら好きで、プラスチック・モンスターがやることを邪魔してばかり。周囲を困らせるが、本当はプラモンが大好きだ。そんな「アイツ」の正体とは?!そんなキャラで構成されている。連載一年を迎え、巷では通称「プラモン」と称して愛されるようになった。

 プラスチック・モンスターというキャラクターは、私のブランド「パスカル マリエ デマレ(PASCAL MARIE DESMARAIS.以下、PMD)」でのサステナブルなモノ作りや信念を、より多くのジェンダーや年齢層にもっとわかりやすく、さらに歳を取らない方法で伝えられないかを仲間と模索して生まれた。アイデアをまとめながら頭の中で出来上がったイメージを、ファンであり友人の新進気鋭のアーティストDUNKWELLに描いてもらった。数日後に「この子です」と紹介されて、初見で即決。私は今もなんとも愛らしく、哀愁の漂う、語りかけるような可愛らしい表情に吸い込まれている。

 現代アートのかけらから生まれているサステナブルアートコミックが取り上げるのは、ファッションアイテムの性質や、季節とファッション、動物とファッションなど。ノージェンダーを掲げたり、傘やエコバッグという日常的なアイテムにもフォーカスしたりする。ストーリーは、アーティスト@hangover_plateと制作している。

 記念すべき50回目は、”プラスティックモンスター”でも数回取り上げている“過剰包装”にまつわる4コマだ。届いた小さい荷物にアイツが「ちっちゃいな、つまらん」と中身も見ずに捨ててしまう構成だ。実はこれ、49回目の4コマから密かに繋がっている。コロナ禍でオンラインの買い物を楽しむ機会が増えているが、箱が大きいだけでなんだか「多幸感」が生じることはないだろうか?箱の大小で変わるワクワク感を題材に「本当に大切なこと」「本当に価値のある物」という疑問を投げかける。この”プラスティックモンスター”の成長を堪能しながら、少しでも日常の気づきが増えてくれればと切に願っている。

 4コマ漫画を50回送り出して感じたのは、季節は儚いということ。小さいなりにもファッションデザイナーを営んでいるが、四季どころか一年50週の「納品」に季節の流れを感じないわけがない。美しい季節の中で生活できる日本という環境にまた一つ感謝するきっかけとなった。

 4コマコミックでオシャレにシニカルにサステナブルを伝えていきたいんだ!そんなプラモンの挑戦はまだまだ続く。

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「ニューバランス」の定番“990”シリーズからエシカルな“990v5”が登場

 「ニューバランス(NEW BALANCE)」は、ブランドを象徴する“990”シリーズの最新作“990v5”から、環境に配慮した最新モデルを2月25日に数量限定で発売する。価格は3万5200円で、カラーはグレーのみ。直営店と公式オンラインストアで取り扱う。

 スニーカーは、環境に配慮したエシカルな素材をボディに採用。アッパーはエンボス加工したメッシュとビーガンレザーを重ねて構成した。ミッドソールには衝撃吸収性に優れている“アブゾーブ(ABZORB)”と“エンキャップ(ENCAP)”を使用。サイドには足首のホールド性を高めるTPUパーツを施し、快適な履き心地にこだわっている。

 発売に先駆けて2月22日からは、同ブランドの“マイエヌビー(myNB)”のシルバー会員以上に向けて、先行予約受付を公式オンラインストアで開始する。

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「シロ」外箱なし製品を直営全店舗で導入 本体価格3%値下げ

 「SHIRO」を展開するシロは4月1日、公式サイトと一部店舗で導入していた外箱なしの製品販売を全国の直営店に拡大する。それに伴い本体価格を改定し、現在の外箱入り製品から3%を値下げする。さらにショッピングバッグや簡易ラッピング、雨よけカバーは有料化し、環境や社会に配慮した取り組みを推進する。

 同社は、外箱なしで購入すると販売価格を3%オフにする「エシカル割」や、オンラインストアで購入することで削減できるCO2排出量の表示など、エシカルな発想に基づく取り組み「シロ エコシステム(SHIRO ECOSYSTEM)」などに取り組んできた。20年から始めたエシカル割は、導入から1年で約8割の顧客が外箱なしを選択するまでになったため全国に拡大する。

 そのほか直営店舗で無償で提供していたショッピングバッグは有料化。ショッピングバッグを「受け取らない」選択をすると排出せずに済むCO2量は(シロ調べ)、特小サイズ51.13g、小サイズ125.04g、中サイズ185.54g、大サイズ331.29gが想定できるという。簡易ラッピングと雨よけカバーはプラスチック素材が地球環境に与える影響を鑑みて無料での提供を終了する。雨よけカバーはリサイクル素材を使用したものに変更する。

 また、2月24日に発売するカラーメイク製品リニューアル第2弾ではアイブロウパウダー“がごめ昆布アイブロウパレット”(全3色、税込4588円)とハイライター“シアハイライターカラー”(全4色、各税込4481円)は製品に使用するプラスチック使用量を削減。アイブロウパウダーは付属のブラシも廃止した。

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「ベジタリアン」「ビーガン」の違いとは? “めんどくさい”新米2人によるポッドキャスト連載:考えたい言葉 vol.14

 「WWDJAPAN」ポッドキャストシリーズの連載「考えたい言葉」は、2週間に1回、同期の若手2人がファッション&ビューティ業界で当たり前に使われている言葉について対話します。担当する2人は普段から“当たり前”について疑問を持ち、深く考え、先輩たちからはきっと「めんどうくさい」と思われているだろうな……とビビりつつも、それでも「メディアでは、より良い社会のための言葉を使っていきたい」と思考を続けます。第10弾は、【ベジタリアン/ビーガン】をテーマに語り合いました。「WWDJAPAN.com」では、2人が対話して見出した言葉の意味を、あくまで1つの考えとして紹介します。

ポッドキャスト配信者

ソーンマヤ:She/Her。入社2年目の翻訳担当。日本の高校を卒業後、オランダのライデン大学に進学して考古学を主専攻に、アムステルダム大学でジェンダー学を副専攻する。今ある社会のあり方を探求すべく勉強を開始したものの、「そもそもこれまで習ってきた歴史観は、どの視点から語られているものなのだろう?」と疑問を持ち、ジェンダー考古学をテーマに研究を進めた。「WWDJAPAN」では翻訳をメインに、メディアの力を通して物事を見る視点を増やせるような記事づくりに励む

佐立武士(さだち・たけし):He/Him。入社2年目、ソーシャルエディター。幼少期をアメリカ・コネチカット州で過ごし、その後は日本とアメリカの高校に通う。早稲田大学国際教養学部を卒業し、新卒でINFASパブリケーションズに入社。在学中はジェンダーとポストコロニアリズムに焦点を置き、ロンドン大学・東洋アフリカ研究学院に留学。学業の傍ら、当事者としてLGBTQ+ウエブメディアでライターをしていた。現在は「WWDJAPAN」のソーシャルメディアとユース向けのコンテンツに注力する。ニックネームはディラン

若手2人が考える【ベジタリアン/ビーガン】

 牛豚鳥や魚類の肉などの動物性食品を避けた食生活をおくるのが「ベジタリアン(Vegetarian)」で、それに加えて「ビーガン(Vegan)」は、卵や乳製品、はちみつといった動物から得られる食材を避け、レザーやファーなどといった動物性の素材も身につけない生き方を指す。できる限り動物性の食事をしない、アイテムを持たない、動物に害のある生産過程を経たものを搾取しないことを目標としている。

 「ベジタリアン」や「ビーガン」になる主な理由は3つある。1つ目は、環境保全・サステナビリティのため。畜産農業によるメタンガスの排出量や森林伐採の環境的問題や飢餓問題に対するアプローチ、あまりにも“効率的に”動物性の食物や素材を得ることのみが優先され、仕組み化された畜産農業の現状を「持続可能ではない」と受け止めた考えだ。2つ目は、動物の福祉のため。動物を犠牲にした素材や食品の採取に抗議する、エシカルなもの。3つ目は美容や健康のため。栄養学に関する研究は食習慣以外にも個人の生活環境などその他の要因が影響し合っていることは念頭に置かれるべきだが、食生活の一種の選択として取り入れる人もいる。

 ファッションでは、「ビーガンレザー」や「エコファー」といった、動物から得られる素材を使用しない新素材が注目を集めている。動物性でないものには安価で多く生産できる石油由来の合皮もあるが、これらは環境問題へのアプローチとしては疑問視されることも多い。その点も踏まえ、完全に植物由来にしたり耐久性を高めたりして、よりサステナブルなものを生み出そうと挑戦する、パイナップルの葉やサボテン、キノコの菌などを使った人口レザーの開発が進んでいる。ビューティ製品における「ビーガン」は、はちみつやコラーゲンといった動物性成分を使用しないことや、動物実験を行っていないことが鍵となる。

【ポッドキャスト】

「WWDJAPAN」ポッドキャストシリーズはSpotifyやApple Podcastsでもお聞きいただけます。

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廃棄素材から作ったエシカルなジン バレンタイン向けの4本セットを発売

 廃棄素材を使用したクラフトジンの生産や、再生型蒸留所を運営する蒸留ベンチャーのエシカル・スピリッツは、カカオが香るクラフトジン“カカオ エシーク バレンタインセット”(100mLボトル4本入り、税込5500円※数量限定)の予約販売を公式通販サイトで開始した。

 同セットには、ブランドで人気のエシカル・ジン“カカオ エシーク”に加えて、バニラやトンカ豆、ミントの風味を味わえる3つの新製品が付く。いずれも原酒には、秋田県・飛良泉本舗の吟醸“粕取り焼酎”を使用している。ボタニカル(香り付けに使用される植物の種や皮などの素材)には、風味と香りに優れた高品質カカオのカカオハスクを採用した。カカオハスクとは、通常のチョコレート作りにおいて、カカオをローストする加工過程で分離し、廃棄される皮部分を指す。しかし、蒸留との相性が良く、リッチでバランスの取れたカカオの風味が楽しめる。

 エシカル・スピリッツは、「循環経済を実現する蒸留プラットフォーム」を掲げ、従来は廃棄されたり見過ごされていた素材に着目し、新たな価値を生み出す蒸留ベンチャーだ。2020年3月に、日本酒生産工程の最後に生成される酒粕を再蒸留してクラフトジンを生産及び販売をスタート。その利益から酒米を酒粕提供元の蔵元に提供し、再度そこから日本酒を生産するという世界初の循環型「エシカル・ジン・プロジェクト」を行っている。

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2025年の、ファッションが共存するサステナブルな未来 マリエが本音で語る「私の33年目のサステナブル」Vol.42

 ついに2021年も最終週。ファッション界のサステナブル思考や抱える問題は、巷でもよく目に、耳にするようになった1年だった。来たる22年もサステナブルなアクションはさらに加速して欲しいと願っているが、作り手として業界を見つめていると正直「もう少しかかりそうだな」とも感じている。

 19~20年には、さまざまなサステナブル素材をベンチャー企業や繊維会社が発表した。夢のある繊維や色素、テクノロジーに心躍る素材の数々。蜘蛛の糸から繊維が!?「エルメス(HERMES)」がキノコレザーを!?ペットボトルからTシャツが!?リサイクルフェルトに土に還る生分解性素材?!

 だが21年は、それらを巧みに操りデザインとコストパフォーマンスに落とし込むことへの難しさに直面している。例えばせっかく生分解性の土に還る素材で洋服を使っているのに、そこに普通のファスナーが縫い付けられているのだ。つまるところ組み立てる側に未だ「why(なぜ、サステナブルに取り組むのか?)」という概念が育っていない。

 サステナブルな未来を目指す時代、我々が社会人として忘れてはいけない最初の一歩は、この「why」だ。そしてこれは、サステナブルな社会にとって大切なだけでなく、全てにおいて小さな存在が大きく成長するとき、必ず大切なマインドではないだろうか?

 「ゴールデンサークル」というビジネス構図・理論はご存知だろうか?簡単に説明すると、「商品を売るためにどうする?」ではなく、アイデンティティを持ち「なぜその商品が、世に出回る価値があるのか?」を売りにすることが長く持続的に愛され、ファンを増やし続けるコツという理論だ。今サステナブルな社会を組み立てる際に最も必要な考えが抜けているから、上述の事態がおこり、コストを理由に諦めてしまう人や企業が多いように感じている。ほとんどのデザイナーは、素材を作ることができない。そこで紡績会社がサステナブルではない農家や工場に赴いて気づき新しい開発をしたり、若いベンチャー企業が「このままではやばい!」と考え作り上げたりして新しい素材が生まれている。こうした素材は、「ゴールデンサークル」でいうところの「why」の部分を担っている。だから洋服を組み立てる側も「why」の精神を持たないと、前段階で作られた新しい未来への切符をゴミ同様にしてしまうのだ。

 私を含めデザイナーは組み立てる側として、トライ・アンド・エラーを繰り返して前にすすむしかない。ただそのスピードは、情報をどんどんシェアして加速できればと思う。食の世界では、すでに“共存”の世界が広がっている。ファストフードからオーガニック食材までの選択肢が共存している。ファッションはどうか?まさしく15年ほど前に世界的大ブームとなったファストファッションは、誰でも安くていいものが買える・着られる時代を作ったが、環境負荷や雇用問題を浮き彫りした。そこからエシカルファッションが生まれたが、まだ食のような”共存”には至っていない。果たして25年の大阪万博という大舞台が開かれるまでに世界の、日本のサステナブル・ファッションはどこまで進化できるだろうか?その頃には少なくとも”共存”という形が取られていることを切に願いながら、22年も地道な努力を続けようと思っている。

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百貨店×町工場のジーンズ再生プロジェクト 「3.1フィリップ・リム」「ダブレット」など参加

 三越伊勢丹、阪急阪神百貨店など6社は、ファッションブランドやクリエーターと協業し、廃棄された「リーバイス(LEVI’S)」の“501”ジーンズをリメイク販売する「デニム de ミライ」プロジェクトを来年3月23日にスタートする。

 プロジェクトは、東京・足立区で小さなプレス工場(アパレル製品の仕上げや検品などを行う)を営むヤマサワプレスの山澤亮治社長が2019年夏、米ロサンゼルスの市場に捨てられた約20トンの“501”ジーンズを、「後先顧みず」(山澤社長)引き取ったことに端を発する。この取り組みに三越伊勢丹と阪急阪神百貨店が共鳴し、輪を広げてきた。

 プロジェクトには、井野将之の「ダブレット(DOUBLET)」、落合宏理の「ファセッタズム(FACETASM)」森永邦彦の「アンリアレイジ(ANREALAGE)」など国内有力ブランドだけでなく、「3.1 フィリップ リム(3.1 PHILLIP LIM)」「セルジオ ロッシ(SERGIO ROSSI」)「ゴールデングース(GOLDEN GOOSE)」など海外ブランドも含めて約50ブランド・クリエーターが参画。このほど開かれた展示会で、リメイク商品第1弾として150型以上におよぶ商品サンプルが披露された。

 ジーンズはヤマサワプレスの工場での検品補修・洗浄を経てクリエイターの下へ送られ、新たな命を吹き込まれる。リメイク商品は三越伊勢丹、阪急阪神百貨店が運営する店舗のほか、岩田屋三越の岩田屋本店、エスティーカンパニー(群馬・桐生市)やミッドウエスト(名古屋市)、佐藤繊維(山形・寒河江市)が運営するセレクトショップでも販売する。

 山澤氏社長とともにプロジェクトを主導してきてきた三越伊勢丹の神谷将太・伊勢丹新宿本店「リ・スタイル」バイヤーは、「工場で見た廃棄ジーンズの塊がデザイナーの手で生まれ変わるのを目の当たりにし、このプロジェクトが『ビジネス』として成り立つという実感が湧いてきた」と話す。「サステナビリティという大義が根底にはあるものの、それを押し付けがましい形ではなく、お客さまの気持ちが高揚するようなファッションアイテムとして届けていけたらいい」と話す。

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デニムが環境に負荷をかけてるってホントなの? マリエが本音で語る「私の33年目のサステナブル」Vol.39

 答えは、”本当”です。

 でも、肌で感じ取るのはやっぱり難しい。生産の過程で環境に負荷をかけているのはなんとなく理解できるけれど、デニムアイテムを楽しむ日々の中でも環境に負荷をかけてしまうことがあることに気づいている方は少ないんじゃないかと思う。

 デニムの歴史は、150年以上にも及ぶ。丈夫で耐久性に優れた素材で、ジーンズは作業着として愛され始めた。長く使えて、お直しもしやすいから、本来ならまさにサステナブルなのだ。

 でも、この150年の間にファッション性が求められ、大量生産型の社会に移り変わり、そのあり方は大きく変化した。さまざまなダメージ加工が普及した。元来自然にできるエイジングを堪能していたのに、人工的なフェイクダメージを加えるようになった。“ケミカルウオッシュ”なんていうデニムが一世を風靡した時代は、環境負荷なんて「なんの話?」だったのかもしれない。

 そもそも1本のジーンズを例に挙げると、繊維から商品になり、販売され、着用されて捨てられるまで、実に3781リットルもの水が使われるという。これは、シャワーを50回以上浴びたのと同じ。繊維業界への監視が甘い地域では、染色と洗浄に使用される有毒化学物質(カドミウム、クロム、水銀、鉛、銅などの重金属)が、川に直接排出され続けているという。年間6兆円とされる世界のデニム産業からはこれまで、「オーガニックコットンを使用しています」と謳うアイテムが少なかった。デニムは長らく、コットン農家における児童労働にも加担してきたのだろう。

 そしてデニムは、色を生地に定着させるため大量の薬品を使ってきた。だから洗濯にも気をつけたい。その回数を減らすことも、我々が日常的に取り組める大きなアクションだ。

 私のブランド「パスカルマリエデマレ(PASCAL MARIE DESMARAIS.以下、PMD)」は、デビューとほぼ同時にリバーシブルデニムを発表。追加生産するほどの人気アイテムになった。裏表両方で着用可能なデザインが人気を呼んだのだ。最初は、ノンウオッシュ。その次はレーザー加工で、有害な薬品は使わなかった。生地のトレーサビリティも重視して、サステナブルな未来に投資したいという思いからトルコの生地メーカー、イスコ(ISKO)の生地を導入。縦伸びストレッチという特殊な生地を選び、気になる部分の美脚を可能ながら動きやすさにも配慮した。こうしてデニムは飛ぶように売れたが、現在は環境負荷の観点から生産を中止している。加速するデニムのサステナビリティを固唾を呑んで待っている。実際各社は、環境負荷の少ない加工マシンを導入したり、オーガニックコットンを使用したり、良い方法を日々模索している。

 現在世界で評価の高いサステナブルなデニムブランドは、リユース・リサイクル・リメイクという手法に取り組んでいる。それが、大量に生産し続けたデニムの一番サステナブルな活用方法だからだ。そして昔、愛好家の間で囁かれていた「デニムは洗わないものだ」という合言葉は、サステナブルなアクションでもあるのだ。丈夫で長く着用でき、必要以上の洗濯も不要なデニムが、生産過程の技術革新でさらにサステナブル&エシカルになることを信じている。

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英国クイーンズガードの帽子の毛皮が「エコペル」の人工ファーに 動物愛護と税金使用の観点から

 「エコペル(ECOPEL)」とPETA(国際動物愛護団体)はこのほど、バッキンガム宮殿の大きな帽子の衛兵でおなじみ、クイーンズガードのキャップに用いる素材が「エコペル」製に代わることを発表した。これまでキャップにはリアルなベアファーが用いられていたが、今後全てのキャップが「エコペル」の人工ファーに代わる。「エコペル」は2030年までイギリス防衛省(MOD)に素材を無償で提供する予定だ。

 「エコペル」はリアルベアファーに近い風合いで100%防水する人工ファーの開発に成功し、MODの認定テストでもその素材の性能は立証されたという。

 国際動物愛護団体のPETAのイングリッド・ニューカーク(Ingrid Newkirk)創設者は、「この21世紀のキャップを見るのを楽しみにしている。これは2年前にファーフリーを宣言された女王陛下と動物を愛する英国人の価値観を反映しているものだ」とコメントを発表している。

 英国で毛皮の採取が禁止されてから約20年が経ち、かねてから毛皮の輸入販売に関して議論が巻き起こっていた。さらにEU離脱後に毛皮の輸入禁止を想定し、高品質の人工ファーを探していたいう。そこでエコペル社の技術と出合ったという。また、PETAは動物愛護という倫理的な見地以外に、過去7年間だけでも891個のベアスキンキャップに100万ポンド(約1億5100万円)を超える税金が費やされたことを明示していた。

 「エコペル」はラグジュアリーブランドからグローバルSPAまで多くの有力ブランドを顧客に持つ高級人工ファーブランドで日本では八木通商がエコペルジャパン(ECOPEL JAPAN CORPORATION)を運営する。

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英国クイーンズガードの帽子の毛皮が「エコペル」の人工ファーに 動物愛護と税金使用の観点から

 「エコペル(ECOPEL)」とPETA(国際動物愛護団体)はこのほど、バッキンガム宮殿の大きな帽子の衛兵でおなじみ、クイーンズガードのキャップに用いる素材が「エコペル」製に代わることを発表した。これまでキャップにはリアルなベアファーが用いられていたが、今後全てのキャップが「エコペル」の人工ファーに代わる。「エコペル」は2030年までイギリス防衛省(MOD)に素材を無償で提供する予定だ。

 「エコペル」はリアルベアファーに近い風合いで100%防水する人工ファーの開発に成功し、MODの認定テストでもその素材の性能は立証されたという。

 国際動物愛護団体のPETAのイングリッド・ニューカーク(Ingrid Newkirk)創設者は、「この21世紀のキャップを見るのを楽しみにしている。これは2年前にファーフリーを宣言された女王陛下と動物を愛する英国人の価値観を反映しているものだ」とコメントを発表している。

 英国で毛皮の採取が禁止されてから約20年が経ち、かねてから毛皮の輸入販売に関して議論が巻き起こっていた。さらにEU離脱後に毛皮の輸入禁止を想定し、高品質の人工ファーを探していたいう。そこでエコペル社の技術と出合ったという。また、PETAは動物愛護という倫理的な見地以外に、過去7年間だけでも891個のベアスキンキャップに100万ポンド(約1億5100万円)を超える税金が費やされたことを明示していた。

 「エコペル」はラグジュアリーブランドからグローバルSPAまで多くの有力ブランドを顧客に持つ高級人工ファーブランドで日本では八木通商がエコペルジャパン(ECOPEL JAPAN CORPORATION)を運営する。

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オフプライス市場に活気 コーセーやコスメキッチン、「スリー」「シロ」も続々と参入するわけ

 コーセーやマッシュビューティーラボ、「シロ(SHIRO)」「THREE(スリー)」などがオフプライス品の販売に乗り出している。化粧品業界はセールをしないのが通例で、オフプライスでの販売は行ってこなかった。しかし近年、サステナビリティの観点から化粧品業界でも化粧品の廃棄問題が課題となっており、オフプライス品の販売は廃棄軽減に貢献する取り組みとして各社が取り組み始めている。

 昨今の環境問題への意識の高まりから衣料品や食品などの廃棄量は具体的な数値で示されている。一方で化粧品の年間廃棄量はつまびらかになっていない。化粧品は基本的に製造から3年間の使用期間があり、定番品が多いことから廃棄が少ないとされてきた。しかし、メイクアイテムなどはシーズンコレクションや限定品も多くあり、販売期間を終えた製品量は少なくない。こうした現状を踏まえ、オフプライス販売を選択しているようだ。

コーセーは直営店でシーズンを終えた製品を20〜40%オフで販売

 コーセーは、4月から直営店のメゾンコーセー銀座店と表参道店、メゾンコーセー公式サイトでシーズン中に売り切れなかった製品の販売「コーセー グリーンバザール(KOSE GREEN BAZAAR)」をトライアルスタートした。「お客さまからは、買い物を楽しみながらも、それがエコな活動に自然とつながっているという点に共感してもらい、店頭やSNSなどで賛同の声を多く頂いた。グリーンバザールを知らずに店舗に立ち寄った人もクイズPOPなどをきっかけに、立ち止まり関心を持ち年代問わず幅広い世代のお客さまが、購入してくれている」(同社広報担当者)と好評のため10月から定常的に実施している。

 取り扱いブランドは「雪肌精(SEKKISEI)」や「エスプリーク(ESPRIQUE)」「ヴィセ(VISEE)」「ジュレーム(JEL’AIME)」など約30ブランド。ドラッグストアなどで展開するブランドが中心だが一部百貨店ブランドを扱う。販売価格は正規価格から20〜40%オフが中心だ。使用期間については「当社のルールに沿って品質に問題ないものを販売している」という。また「一人一人の購買や消費の行動が、人と地球の明日を思う新しい形になることを願っている」と語る。

コスメキッチンは5〜70%オフでオーガニックアイテムを手頃な価格で提供

 マッシュビューティーラボは、御殿場プレミアム・アウトレットに新業態セレクトショップ「コスメキッチン ヴィレッジ(COSME KITCHEN VILLAGE)」を2020年11月にオープンした。初進出となるアウトレット店は「よくあるアウトレットストアではなく、オーガニックアイテムを手頃な値段で提供するトライアルストアにしたかった」(同社PR担当者)という思いからだ。オープンから1年が経過するが、静岡や山梨から来る人やもともとコスメキッチンやビープル バイ コスメキッチンを愛用している人など、遠方からの来店者が多いという。

 好調なブランドは「エコストア(ECOSTORE)」で食器用洗剤や衣料用洗剤など、日常に寄り添ったアイテムを購入する人が目立つ。量り売りも行い、レフィルを持って来店する人も増えている。同社のオリジナルブランド「エッフェ オーガニック(F ORGANICS)」も人気で「『エッフェ オーガニック』スキンケアをオーガニックのものに切り替える人が増えているという声も聞く」。また店内にはイートインスペースを設けていることもあり、家族や友人、パートナーなどがコーヒーを飲みながらくつろいでいることも多いためコーヒーの売り上げ個数も毎月上位を占めている。「コーヒーが目的の来店者もおり、オーガニックコーヒーは当店の看板メニューでもある」。

 店内の製品カテゴリー構成比はスキンケア が21%、フード・飲料が21%、メイクが14.7%、ヘアケアが12.9%、ボディーケアが10.3%。製品は正規価格の5〜70%オフで販売。「製品を最後まで無駄にせず、お客さまに届けたい」との思いから、製品の使用期限・賞味期限はアイテムにより異なるが、コスメ系は期限まで1年未満、食品は期限まで8カ月未満のものを対象とする。同店が通常の店舗に影響を及ぼすことはなく、「トライアル価格で購入できるお得なストアとして、ブランドを知っている人、知らない人にも好評を得ている」。

「スリー」は店舗販売を終了した製品を一律30%オフで販売

 ACROは昨年11月に「スリー(THREE)」の期間限定アウトレット店を御殿場プレミアム・アウトレットに出店した。「スリー」がアウトレットに出店するのは初めてだが、「これまでの化粧品は大量生産・大量消費が前提だったが、世の中のモノに対する考え方も変わり、サステナブルな考えも浸透してきた。オフプライスに対する考え方も変化してきている」(PR担当者)とのことから出店した。また、「スリー」のモノ作りの根幹にあるサステナブルな考えにも合致しているという。

 販売するのは、店舗で取り扱いが終了した製品や品質に問題はなくてもプロパーでははじかれてしまう製品。一律30%オフの価格で提供する。「オフプライスであっても、購入してもらうだけはなく最初のブランドとの接点として実際に試してもらい、世界観を伝えられるタッチポイントと捉えている」こともあり顧客を含め多く人が訪れ、売り上げは予算並に推移している。店舗は21年1月11日で終了するが、現在のところ常設の予定はないという。

「SHIRO」は23年春メドにオフプライスも扱うショップ開設

 「SHIRO」は23年春をメドに創業地である北海道・砂川市に新工場や「シロ」のショップを建設する。「製造工程上、製品への傷や外箱のつぶれなどはゼロにすることを目指しているものの一定数発生する。製品として品質に問題なく使用できるものの価格を見直して提供する予定」(PR担当者)。製品不良をゼロにする取り組みを進めながらも発生した製品を廃棄するのではなく循環させ地球環境に貢献していくという。

 その前段階として20年12月に公式ECサイトで“アーカイブ販売”をスタートした。限定フレグランスアイテムや、処方変更を行う前のスキンケアアイテムなど、店頭やオンラインサイトで販売が終了した製品を中心に販売。これらはほかの全ての製品と同様に品質管理を徹底し、安全に使用できる製品だ。「店頭で人気の限定フレグランスシリーズ (さくら219やピオニーなど)は、すぐに完売になるケースもある」という。アーカイブ販売の製品価格は定価となるが、ECサイト全体で箱なし(エシカル割)対象の製品を優先表示し、エシカルな取り組みを推進している。

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“エシカルウォッシュ”を排除する「JEIエシカル基準」策定

 地球環境・社会を危機から守る取り組みを行う日本エシカル推進協議会(以下、JEI)はこのほど、曖昧なエシカルの定義を明確にする「JEIエシカル基準」を策定した。これにより真のエシカルな取り組みを実施する企業が容易に理解でき、“エシカルウォッシュ”を排除することにつなげる。

 JEIは同基準を策定することで、企業が何をしたらよいか分かる(教育・啓発)、段階的に取り組みが進化する(成長)、その企業や製品の協力力が増しさらにエシカルに注力することを目的に策定した。主なターゲットは国際基準認定を取得する前段階にある中小企業や地域企業や各種団体となる。

 同基準は自然環境を守っている、製品・サービスの情報開示をしているなど8つの分野でそれぞれ4〜7つの課題を掲げ、達成レベル(A〜Dなど)で評価する。

 ただし認証制度ではなく自己診断のためのガイドラインとなるため、企業がそれぞれ判断し公表するのが基本となる。将来的には自己診断結果をJEIの公式サイトで開示する計画もある。

 中原秀樹JEI会長は「『JEIエシカル基準』が浸透すれば、消費者がエシカル製品を購入する際の判断基準になるだろう」と期待を寄せる。まずは企業に向けた認知拡大を図るため、10月26日から同基準を軸に真のエシカルやエシカルの全体像を講義する全6回の連続講座「JEIエシカルアカデミー」(受講料1100円〜1万6500円)を開催する。

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“エシカルウォッシュ”を排除する「JEIエシカル基準」策定

 地球環境・社会を危機から守る取り組みを行う日本エシカル推進協議会(以下、JEI)はこのほど、曖昧なエシカルの定義を明確にする「JEIエシカル基準」を策定した。これにより真のエシカルな取り組みを実施する企業が容易に理解でき、“エシカルウォッシュ”を排除することにつなげる。

 JEIは同基準を策定することで、企業が何をしたらよいか分かる(教育・啓発)、段階的に取り組みが進化する(成長)、その企業や製品の協力力が増しさらにエシカルに注力することを目的に策定した。主なターゲットは国際基準認定を取得する前段階にある中小企業や地域企業や各種団体となる。

 同基準は自然環境を守っている、製品・サービスの情報開示をしているなど8つの分野でそれぞれ4〜7つの課題を掲げ、達成レベル(A〜Dなど)で評価する。

 ただし認証制度ではなく自己診断のためのガイドラインとなるため、企業がそれぞれ判断し公表するのが基本となる。将来的には自己診断結果をJEIの公式サイトで開示する計画もある。

 中原秀樹JEI会長は「『JEIエシカル基準』が浸透すれば、消費者がエシカル製品を購入する際の判断基準になるだろう」と期待を寄せる。まずは企業に向けた認知拡大を図るため、10月26日から同基準を軸に真のエシカルやエシカルの全体像を講義する全6回の連続講座「JEIエシカルアカデミー」(受講料1100円〜1万6500円)を開催する。

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「文化の盗用」って何を盗んでいるの? “めんどくさい”新米2人によるポッドキャスト連載:考えたい言葉 vol.7

 「WWDJAPAN」ポッドキャストシリーズの新連載「考えたい言葉」は、2週間に1回、同期の若手2人がファッション&ビューティ業界で当たり前に使われている言葉について対話します。担当する2人は普段から“当たり前”について疑問を持ち、深く考え、先輩たちからはきっと「めんどうくさい」と思われているだろうな……とビビりつつも、それでも「メディアでは、より良い社会のための言葉を使っていきたい」と思考を続けます。第7弾は、【文化の盗用】をテーマに語り合いました。「WWDJAPAN.com」では、2人が対話して見出した言葉の意味を、あくまで1つの考えとして紹介します。

ポッドキャスト配信者

ソーンマヤ:She/Her。入社2年目の翻訳担当。日本の高校を卒業後、オランダのライデン大学に進学して考古学を主専攻に、アムステルダム大学でジェンダー学を副専攻する。今ある社会のあり方を探求すべく勉強を開始したものの、「そもそもこれまで習ってきた歴史観は、どの視点から語られているものなのだろう?」と疑問を持ち、ジェンダー考古学をテーマに研究を進めた。「WWDJAPAN」では翻訳をメインに、メディアの力を通して物事を見る視点を増やせるような記事づくりに励む

佐立武士(さだち・たけし):He/Him。入社2年目、ソーシャルエディター。幼少期をアメリカ・コネチカット州で過ごし、その後は日本とアメリカの高校に通う。早稲田大学国際教養学部を卒業し、新卒でINFASパブリケーションズに入社。在学中はジェンダーとポストコロニアリズムに焦点を置き、ロンドン大学・東洋アフリカ研究学院に留学。学業の傍ら、当事者としてLGBTQ+ウエブメディアでライターをしていた。現在は「WWDJAPAN」のソーシャルメディアとユース向けのコンテンツに注力する。ニックネームはディラン

若手2人が考える【文化の盗用】

 欧米を始めとする支配的な立場にある文化が、マイノリティーの文化を使用し、“わが物化”してしまうこと。まず、欧米の先進国出身のデザイナーに比べて、アフリカやアジアのデザイナーは活躍の機会が少ない。だからこそ特定の文化を扱ったデザインは当事者がまず使用できる環境にあるべき、という考えが前提にある。文化の盗用になる原因が、1.文化の使用者と当事者の経済的・文化的パワーバランスが不均等であること、2.使用者のみに金銭的利益が生まれ、当事者が除外されていること、3.その文化を持つ人々や文化そのものを間違って表現していること、ステレオタイプを助長していること、など。つまり、さまざまな要因が重なり合って起こる社会課題である。

 英語では「カルチュラル・アプロプリエーション(Cultural Appropriation)」と呼ばれ、「アプロプリエート」は、時、場所、シチュエーションなどにふさわしい、すなわち「適応させる」という意味から派生し、公共物を“わが物化”することも指す。文化は国や地域から生まれるというイメージだが、特定のジェンダーやセクシュアリティー、障害のある人々の間など、さまざまなコミュニティーで存在する。

クリエイティビティーとの両立

 ファッション業界では、 インスピレーション源にあらゆる文化を使うことがたびたびあり、それが文化の盗用に当たると指摘される事例が増えている。そして文化の盗用に慎重になりすぎることで、クリエイティビティーが抑圧されてしまうと考える人も多い。新しいことや、唯一無二を常に求めるデザイナーやアーティストは、絵画の「オリエンタリズム(orientalism)」などの文化を引用してきた。これまでは、それらは異国的で真新しく見える「エキゾチシズム(exoticism)」があった。しかしデジタル・グローバル化が進んだ今、その“錯覚”は通用しなくなり、違和感を持つ人が増えた。ただ、つながる手段が増えたことでその文化の当事者への依頼や、協業が可能になった。

【ポッドキャスト】

下記にて、ポッドキャストで取り上げた事例を紹介します:

事例1 キム・カーダシアンの「キモノ」

 アメリカを拠点にするセレブリティ、キム・カーダシアン(Kim Kardashian)が2019年に立ち上げた矯正下着ブランド名を「キモノ(KIMONO)」にしようとした。結果「スキムス ソリューションウエア(SKIMS SOLUTIONWEAR)」に決まったものの、「キモノ」という言葉を使うことが文化の盗用だという声が多く集まった。ここでの問題点は影響力のあるセレブリティーが、和服の着物とは明らかに異なる下着に「キモノ」という名前を使うことで、文化が上書きされてしまうことである。「下着に『キモノ』という名称を使うのは無礼」という批判もあったが、下着の呼称として問題なのではなく、商標登録によって英語圏で着物という言葉の意味が変わってしまうことが懸念された。

事例2 ハロウィンのコスチューム
 「名誉を傷つける・ステレオタイプを助長する」文化の盗用は、ハロウィンのコスプレに見られる。必ずしも明るい歴史だけではない伝統衣装や文化的装いを、“かわいい”“面白い”部分だけを抽出してコスプレし、さらにそれを“セクシー”にアレンジして着る行為は、当事者が性的対象と見られることを助長したり、文化の歴史を修正したりしてしまうことにつながりかねない。またハロウィンはお化けやキャラクターなど、“架空のもの”に仮装することを楽しむ行事でもあるので、リアルに生活をしている人物に“仮装”することはその人々を非人間化してしまうのではないだろうか。

事例3 「ザラ」のバッグがメキシコで炎上

 大手ファッションブランドの「ザラ(ZARA)」は、メキシコで日常的に使われているショッピングバッグ「メルカドバッグ」と類似した商品を発売し、文化の盗用と指摘された。ここでの問題点は、「ザラ」親会社のインディテックス(INDITEX)はスペインの会社であり、メキシコはスペインの植民地だった歴史があるため、経済的パワーバランスが大きく異なること。現地では40ペソ(約200円)で売られているのに対し、「ザラ」のバッグはその20倍以上の価格で売られている。しかし発祥地であるメキシコや、現地で暮らす人々には利益が一切発生していない。これに対して、メキシコのファッション史について詳しいダニエル・エランツ(Daniel Herranz)は「(オリジナルとされるバッグのデザインは)どこにも登録されていないし、保護も受けていない。ラテンアメリカだったらどこにでもあるバッグだ」と「ザラ」を擁護。しかし人々の思いや尊厳が関わるため、「法律的に間違っていないから大丈夫」で済む問題ではないと理解するのも大事だ。

事例4 バティック技法の発祥地

 原色の幾何学模様「アフリカンワックスプリント」は、多くの人がアフリカ風の柄としてイメージするはず。主に西アフリカの伝統衣装として普及しているが、実はインドネシアの伝統的なろうけつ染めのバティック(batik)に由来する。1800年代にインドネシアを統治していたオランダが大量生産し、インドネシアに輸出するも現地では受け入れられず、それをオランダ領のギニア海岸に再輸出したことが始まりだ。そのため、オランダの会社ブリスコ(VLISCO)がアフリカンワックスプリントを“所有”している背景がある。近年は、中国企業が生産したアフリカンワックスプリントがアフリカ市場で需要が増し、世界から批判の声が上がった。歴史的背景を考慮すると、アフリカンワックスプリントの文化をブリスコが所有できるのか明らかではなく、この問題は“文化の所有者”を考える難しさがある。

その他:事例のその後・社会ができる一例
 文化の盗用による炎上が、SNSで留まることなく、行政や企業を動かす事例もある。「キモノ」のケースでは、京都市の門川大作市長が公式に名称変更を訴える公式文書を発表した。メキシコのアレハンドラ・フラウスト・ゲレロ(Alejandra Frausto Guerrero)文化相も、ファッション業界が先住民の文化を尊重する重要性について、「『私たち抜きに、私たちのものを使うな(Nothing from us without us)』ということを推進したいと考えている」と明言。女性たちが育てた「フェムテック」も、男性中心の企業や体制を持つ業界が「今話題となっているから」と安易に利益につなげることも問題視されており、「当事者性」を考えなくてはいけない。

 文化の盗用の問題は、自分のマジョリティー性(どれだけ社会的に力を持っているか)を、またはマイノリティー性を自覚し、さまざまなコミュニティーへの考慮が必要となる。炎上を避けることがゴールではなく、よりインクルーシブ(包括的)な社会のために何ができるかを考える過程に過ぎない。ここまではOKでこれ以上はダメ、と形式的に理解して境界線を探るのではなく、社会にどのような影響があるのかを考える想像力と対話が求められる。

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「グッチ」「バレンシアガ」の親会社が100%ファーフリー宣言

 「グッチ(GUCCI)」「バレンシアガ(BALENCIAGA)」「サンローラン(SAINT LAURENT)」「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」などを擁するラグジュアリーブランドの複合企業ケリング(KERING)はこのほど、2022年フォールコレクションからグループ全体で動物の毛皮使用を廃止する。

 フランソワ・アンリ・ピノー(Francois Henri Pinault)会長兼最高経営責任者は「ケリングは長年にわたり、最高レベルの環境・社会的価値や基準と切り離すことのできないラグジュアリーのビジョンに基づき、サステナビリティの分野で主導的な役割を果たすことを目指してきた。動物福祉に関して当グループは、自社のサプライチェーンおよびラグジュアリー業界全体の慣行を改善する意欲を常に示してきた。この度、私たちの全てのコレクションで毛皮の使用を中止し、さらなる一歩を踏み出す時が来た。世界はお客さまとともに変化しており、ラグジュアリーも当然それに適応させていく必要がある」 とコメントを発表した。
 
 ケリングは17年の「グッチ」を皮切りに、「バレンシアガ」「ボッテガ・ヴェネタ」「アレキサンダー・マックイーン(ALEXANDER McQUEEN)」「ブリオーニ(BLIONI)」「サンローラン」など、グループ全てのメゾンが順次このステップを踏むことを決定。19年には、他の動物の繊維や素材に関して、今後も適用される動物福祉スタンダードを正式に策定・発表している。

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「ファストファッション」は何が“速い”の? “めんどくさい”新米2人によるポッドキャスト連載:考えたい言葉 vol.6

 「WWDJAPAN」ポッドキャストシリーズの新連載「考えたい言葉」は、2週間に1回、同期の若手2人がファッション&ビューティ業界で当たり前に使われている言葉について対話します。担当する2人は普段から“当たり前”について疑問を持ち、深く考え、先輩たちからはきっと「めんどうくさい」と思われているだろうな……とビビりつつも、それでも「メディアでは、より良い社会のための言葉を使っていきたい」と思考を続けます。第6弾は、【ファストファッション(fast fashion)】をテーマに語り合いました。「WWDJAPAN.com」では、2人が対話して見出した言葉の意味を、あくまで1つの考えとして紹介します。

ポッドキャスト配信者

佐立武士(さだち・たけし):He/Him。入社2年目、ソーシャルエディター。幼少期をアメリカ・コネチカット州で過ごし、その後は日本とアメリカの高校に通う。早稲田大学国際教養学部を卒業し、新卒でINFASパブリケーションズに入社。在学中はジェンダーとポストコロニアリズムに焦点を置き、ロンドン大学・東洋アフリカ研究学院に留学。学業の傍ら、当事者としてLGBTQ+ウエブメディアでライターをしていた。現在は「WWDJAPAN」のソーシャルメディアとユース向けのコンテンツに注力する。ニックネームはディラン

ソーンマヤ:She/Her。入社2年目の翻訳担当。日本の高校を卒業後、オランダのライデン大学に進学して考古学を主専攻に、アムステルダム大学でジェンダー学を副専攻する。今ある社会のあり方を探求すべく勉強を開始したものの、「そもそもこれまで習ってきた歴史観は、どの視点から語られているものなのだろう?」と疑問を持ち、ジェンダー考古学をテーマに研究を進めた。「WWDJAPAN」では翻訳をメインに、メディアの力を通して物事を見る視点を増やせるような記事づくりに励む

若手2人が考える【ファストファッション】

 一般的に低価格なファッションを「ファストファッション」と捉えがちだが、実際はデザイン、制作から販売までをスピーディーに行う企業やブランド、そしてそのスタイルを指す。短いサイクルでハイファッションが生んだ流行に迅速に反応し、より手ごろな価格で提供することを目的とすることが多く、安価なイメージが先行していると言える。価格帯からファストファッションに分類されることが多い「ユニクロ(UNIQLO)」は改善を重ねつつも生活に寄り添うベーシックなアイテムを常に販売していること、そもそも1型あたりの生産枚数が多く生産に要する時間はどこよりも長いことから、サイクルの速いファストファッションと異なる。

 同じ服がソーシャルメディアに並ぶことを避けたり、パーティーやフェスなどのイベントで普段着ないような"映える"服を着たり、テーマをそろえた服をグループやペアで着たりする若年層中心の文化では、ファストファッションが重宝される一面もある。特に「ブーフー(BOOHOO)」や「シーイン(SHEIN)」「ファッション・ノバ(FASHION NOVA)」といったECのファストファッションがその需要に応えている。

 今や最も身近になったファッションの形と言えるが、そのスピードと低価格を武器に競走するあまり、搾取的な労働環境や環境負荷の高い生産体制になりかねないのではないかと危惧されている。しかし、英国のNPO団体ファッションレボリューション(Fashion Revolution)が220の指標をもとに、対象のファッションブランドの透明性を評価する「ファッション トランスペアレンシー インデックス(Fashion Transparency Index)」では2020年、スコア73%で「H&M」が1位の座についた。ラグジュアリーやスポーツウエアを含めた全250のブランドの半数以上は20%以下のスコアであったことから、スピードと価格のためにサステナビリティや倫理を蔑ろにしない姿勢を見せる企業やブランドも増えていることがわかる。

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ヤギとパルが共同でオーガニックコットンを通じたインドの農家支援プロジェクト

 繊維商社のヤギ(YAGI)とカジュアルチェーン大手のパルグループホールディングス(PAL GROUP HOLDINGS)、財団法人ピース バイ ピース コットンプロジェクト(PEACE BY PEACE COTTON PROJECT以下、PBP)は3社共同で、オーガニックコットンを介したインドの農村支援をスタートする。6月14日から、主力の「スリーコインズ(3COINS)」「ミスティック(MYSTIC)」など10ブランドで、インドで調達したオーガニックコットンを使ったTシャツ2型の販売をスタートする。パルはブランドを横断してアイテムを販売するとともに、収益の一部を現地のNGOを通じて贈り、直接現地の農家の子どもたちへ奨学支援を行う。

 6月14日から販売するアイテムはTシャツ(1650円)とフレンチスリーブTシャツ(同)の2型で、同アイテムを取り扱うブランドはほかに「チャオパニックティピー(CIAOPANIC TYPY)」「ナイスクラップ(NICE CLAUP)」など。パルは2019年に社内に社長直轄組織としてサステナブル委員会を設置しており、このプロジェクトは同委員会のプロジェクトとしてブランドを横断して取り組む。

 PBPはオーガニックコットンを栽培する農家への直接支援を掲げており、その中でPBPの会員であり理事でもあるヤギの独自の取り組みとして、オーガニック綿花の購入代金に金額を上乗せして基金を積み立て、インドのNGOを通じて、農家の就労支援や有機農法への転換支援などに充ててきた。今回の3社共同プロジェクトでは、収益の一部をインドのオリッサ州パーナパニー村のオーガニックコットンの栽培農家の子どもたちへ、高校以降のカレッジや専門学校など高等教育の就学支援に充てる。

問い合わせ先
ヤギ アパレル第二事業本部 第二事業部 426課
03-3667-4151

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「ヴァレンティノ」がファーフリー宣言 「レッド ヴァレンティノ」はブランド終了へ

 「ヴァレンティノ(VALENTINO)」は2022年以降、リアルファーの使用を廃止する。18年以来同ブランドが所有するファー専門の工場、ヴァレンティノ ポーラーは、21年末に生産を終了。ファーを含むコレクションは2021-22年秋冬シーズンを最後とする。

 ヤコポ・ヴェントゥリーニ(Jacopo Venturini)最高経営責任者(CEO)は、「われわれにとってブランドを持つということは、クリエイティビティーやユニーク性、思いやりをもち、インクルーシブ(包括的)であることを意味する。“ファーフリー”のスタンスをとることは、われわれらしい選択だ。今後のコレクションに向けて、環境に最大限配慮した代わりの素材の研究を進めている」と語った。

 さらに「レッド ヴァレンティノ(RED VALENTINO)」は2023-24年秋冬コレクション発表を最後に、24年に活動を終了する。同ラインは03年設立。カジュアル路線を強みとしてデビューし、日本では11年に青山に旗艦店をオープンした。21年5月にはももいろクローバーZのメンバーであり、女優としても活動する百田夏菜子を起用した新ビジュアルを公開するなど、さまざまな取り組みを行ってきたが今後はメゾンの主要ブランドに焦点を当ててビジネスを展開する。

 ヴェントゥリーニCEOはブランドを手掛けるピエールパオロ・ピッチョーリ(Pierpaolo Piccioli)=クリエィティブ・ディレクターについて「職人魂と卓越した技術を持つ彼の美学は、新しいテクノロジーやこれからのビジョンに必要不可欠だ」とし、「われわれの顧客やパートナーたちは日々多くの情報を受け取っている。その中で一つのブランドにフォーカスを当てることは長期的なメゾンの成長につながるだろう」と語った。

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「オニツカタイガー」が手織りのスニーカーを発売 タイの社会事業とコラボ

 「オニツカタイガー(ONITSUKA TIGER)」は、サステナビリティに取り組むタイの社会事業「ドイトン(Doi Tung)」とコラボレーションしたスニーカーを5月24日に発売する。同ブランドの表参道店、大阪心斎橋店、神戸店と公式オンラインストアで取り扱う。

 タイの伝統的な手作業で生産されたテキスタイルを使用した“メキシコ 66(MEXICO 66)”(税込1万3200円)や“メキシコ 66 パラティ(MEXICO 66 PARATY)”(同1万1000円)、“セラーノ(SERRANO)”(同1万1000円)の3モデルを用意する。

 手織りのため、糸を紡ぎ始めて柄が出るまで1週間を要するが、機械織りよりも質感が柔らかく、柄も繊細に仕上がるという。“メキシコ 66”のタイ限定カラーには再生ペットボトル100%の糸を使用した。

 「ドイトン」は、1972年に故シーナカリン王太后によって設立されたNPOメーファールアン財団(Mae Fah Luang Foundation)の主要プロジェクト。自然や文化の保存を目指し、少数民族が手作りした製品などを世界中に届けている。

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死者1000人以上の事故「ラナ・プラザの悲劇」から8年 労働環境の改善はまだ遠く

 2013年4月24日、バングラデシュの首都ダッカ近郊で複数の縫製工場が入った複合ビルが崩落し、死者1000人以上、負傷者2500人以上を出す大惨事が起きた。ビルの名称から「ラナ・プラザ(RANA PLAZA)の悲劇」と呼ばれるこの事故は国際的にも注目を集め、15年にはアパレル業界のサプライチェーンにおける労働環境および人権問題を追ったドキュメンタリー映画「ザ・トゥルー・コスト ~ファストファッション 真の代償~(原題:The True Cost)」が公開された。

 その後、縫製業に従事する人々の労働環境は改善されたのだろうか。「ラナ・プラザの悲劇」から8年経った21年4月24日、短編ドキュメンタリーシリーズ「ファッションスケープス:ア・リビング・ウェージ(原題:Fashionscapes: A Living Wage)」がユーチューブ(YouTube)などで公開された。「ザ・トゥルー・コスト」を手掛けたアンドリュー・モーガン(Andrew Morgan)監督と、環境や人権問題に関するコンサルティング会社エコ・エイジ(ECO-AGE)のリヴィア・ファース(Livia Firth)共同創立者兼クリエイティブ・ディレクターが再びタッグを組んだ今作は、最低賃金以下で働かざるを得ない発展途上国の女性たちと、コロナ禍でさらに悪化した労働環境や搾取システムを改善しようと尽力する人権活動家らにフォーカスしている。

 モーガン監督は、前作を公開した当時から労働者の環境はあまり改善されておらず、もはや「事態を広く認知させる」段階ではなく「行動に移す」べき段階に来ているという。「しかし、実際に何をどうするべきなのか。これには複雑な問題がいろいろと絡みあっており、誰が対話を主導するのかを慎重に考えなければならない。これまでも、現状を維持したいアパレルブランドなどがその莫大な資金力によって対話を“ハイジャック”するのを何度も目にして来た」と語った。

 事業における人権侵害の根絶に取り組む非営利団体ビジネスと人権リソースセンター(Business & Human Rights Resource Centre)のタルシ・ナラヤナサミー(Thulsi Narayanasamy)=シニア・レイバー・リサーチャーは、「労働者が貧困状態にあるのは偶然ではなく、そうなるように制度が作られているからだ。生活できないほどの低賃金で働かざるを得ない女性は6000万から8000万人いる。こうした労働者らはコロナ禍以前から極貧状態にあり、その17%は飢餓に直面している。新型コロナウイルスよりも飢餓を恐れる労働者のほうが多いぐらいだ」と作中で話している。

 ファッション業界は世界全体で2兆5000億ドル(約270兆円)程度の市場規模を持つ巨大な産業だが、近年は人権を含めた環境問題で批判されることも増えている。国連の専門機関で、労働者の労働条件と生活水準の改善を目的とする国際労働機関(International Labour Organization)などが定める指針やイニシアチブに署名しているアパレル企業も多いとはいえ、縫製産業従事者の労働環境の改善を訴える非政府組織「クリーン・クローズ・キャンペーン(Clean Clothes Campaign以下、CCC)」が19年に発表したリポートによれば、発展途上国の労働者に生活賃金以上の賃金を支払っていると証明できるブランドはないという。

 ファース共同創立者兼クリエイティブ・ディレクターは、「ファストファッションブランドは生活賃金もしくはそれ以下しか支払っていないという人権活動家らの批判をはぐらかしてきたが、パワフルな女性たちが連帯してそれに立ち向かったことによって変化が起きている。ファッション業界は(労働環境を改善するという)約束を幾度となく破ってきたが、法整備が進めば、今後は人権を守る法的義務を怠ったということで異議申し立てなどを行うことができる」と述べた。

 女性の地位や権利の平等を目指す非政府組織ザ・サークル(The Circle)のジェシカ・シーモア(Jessica Simor)弁護士は、生活賃金や人権に関する課題は欧州連合(European Union以下、EU)など政策の実施機関が主体になるべきだという。これまではアパレル企業が主体となっていたが、彼らは既存のシステムを維持したいため、生活賃金について言葉を濁して対話を引き伸ばしてきたからだとその理由を説明する。なお、ザ・サークルはEUに対して、ファッションブランドや小売店が縫製業の労働者に生活賃金の支払いを保証する法案を提出することを4月に提案している。

 問題は、こうした法整備には時間がかかることだ。また労働者の安全に関する協定などが締結されても、期限が切れてしまうことがある。

 「ラナ・プラザの悲劇」から1カ月後の13年5月に、安全監視機関として「バングラデシュにおける火災予防および建設物の安全に関わる協定(The Accord on Fire and Building Safety in Bangladesh以下、アコード)」が設置され、「H&M」や、「ザラ(ZARA)」の親会社であるインディテックス(INDITEX)など欧州を中心とする200社以上のアパレル企業が署名した。「ユニクロ(UNIQLO)」などを擁するファーストリテイリングも13年8月に署名している。

 アコードには法的拘束力があり、参加企業はバングラデシュにある縫製工場などの安全検査を実施し、問題があると判明した場合にはその改修費用を負担する仕組みとなっている。しかし5年間の期限付きだったため、活動停止を命じる判決をバングラデシュの下級裁判所が出していたが、その後も縫製工場などで火災が頻発している状況に危機感を覚えたアコード側が19年5月に上訴し、281日間の活動継続および後継組織への活動引き継ぎが承認された。その継続されたアコードの期限が21年5月31日までであるため、人権活動家や非政府組織は、これをアパレル企業への強制力を持った形で再継続させるべく奔走している。

 では、私たち消費者にできることは何だろうか。モーガン監督は、「ファッションは個人のアイデンティティーを示すものであり、自分の価値観に従って何かを選ぶ機会だと思う。ファッションを楽しむことに罪や恥の意識を感じてほしいわけではない。服の生産工程について疑問を持ったり、メーカーの取り組みについて調べて質問したりすることも、既存の非人道的なシステムに対抗する手段の一つだと知ってほしい」と話した。

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「ステラ マッカートニー」「シャネル」「アディダス」も続々導入 ビーガン素材のレザーってどんなもの?

 動物の権利や環境問題への関心の高まりに合わせて、動物に由来する成分を使用しないビーガン素材の人工レザーが増えている。

 一般的にビーガンとは動物性のものや、動物に害のある生産過程を経たものを可能な限り搾取せずに暮らすライフスタイルを指す。肉から魚、卵、乳製品、はちみつまで、動物由来のものを一切口にしないことに加えて、食だけに限定するのではなく、身の回りの製品から動物由来のものをできるだけ避ける考えとして浸透している。そんな考えをもとにしたビーガンレザーは、パイナップルの葉やサボテン、キノコなどを使用する。

 中には動物由来の成分への代わりとして、石油に由来する合成繊維が使用されるケースも多い。これらは生分解(微生物の働きによって無機物まで分解されること)もできないので環境問題へのアプローチとして疑問視されることもある。植物由来のビーガンレザーはその点、動物に害を及ぼさないだけでなく、プラスチックの使用量も抑えられる。これら次世代の皮革は、より人道的で、資源を大量消費せず、環境汚染に加担しない新たな素材として急成長している。

 アメリカに住む成人を対象としたマテリアル・イノベーション・イニシアチブ(Material Innovation Initiative)とノースマウンテン・コンサルティンググループ(North Mountain Consulting Group)による調査では、回答者の55%が動物性レザーより“ビーガンレザー”を好むと述べ、興味のある事柄には動物福祉(アニマルウェルフェア)やサステナビリティをあげた。動物性のレザーを好む人の80%も植物ベースの代替品を購入することに抵抗はなく、25%は前向きと答えている。

より良い植物由来のレザー開発に励む企業の取り組み

 21年2月には、100%植物由来の“プラントレザー”の開発に成功した注目のスタートアップ企業ナチュラル・ファイバー・ウェールディング(NATURAL FIBER WELDING、以下NFW)とサンフランシスコ発のスニーカーブランド「オールバーズ(ALLBIRDS)」が提携を結んだ。同ブランドはサステナブルなレザー開発のために、NFWが持つ技術「Mirumテクノロジー」に200万ドル(約2億1000万円)を投資すると発表した。「Mirum」はコルクパウダーやもみ殻、ココナッツの繊維など、植物ベースの廃棄物を活用する新素材だ。見た目や手触り感にこだわり、さまざまなアレンジが可能だという。

 ほかにもサンフランシスコのスタートアップ企業ボルトスレッズ(BOLT THREADS)は、キノコの菌から作った人工レザー「マイロ(MYLO)」を開発。牛皮では数年かかる皮の成長が、「マイロ」は2週間で完成する。生産時の温室効果ガスや、工程にかかる水とエネルギーを削減した。同社は実際の商品開発に向けて、「アディダス(ADIDAS)」やケリング(KERING)、「ステラ マッカートニー(STELLA McCARTNEY)」、ルルレモン(LULULEMON)とパートナーシップを結んでいる。

 スー・レビン(Sue Levin)=ボルトスレッズ チーフマーケティング・オフィサーは、「牛皮は食肉産業の副産物であり、本来なら廃棄するものを使っているという見方もあるが、ファッション業界の抱える問題の一つであることは間違いない。工業的な畜産は倫理及び環境的観点から衰退傾向にある。明らかに大きな変革の流れが起こっている」と述べた。牛皮メーカーはよりクリーンな生産環境に改善を試みているが、依然として有害ななめし工程や動物虐待の可能性、労働者の健康と安全への懸念があり、アマゾンの森林破壊に影響を与えていると指摘する。

 「ブランドが植物由来のレザーを長期的に定着させるためにできることは、毎年一定量の材料の買い付けを約束することだ」と、英国ロンドン発のアナナス・アナム(ANANAS ANAM)、メラニー・ブロワイエ・エンゲルケ(Melanie Broye-Engelkes)最高経営責任者(CEO)。買い付けを確約することで、材料メーカーはより正確に需要を把握でき、コストの削減につながる“好循環”を生むと説明する。アナナス・アナムは環境負荷が極めて低い天然由来素材“ピニャテックス(Pinatex)”の開発で脚光を浴び、以来「H&M」「ヒューゴ ボス(HUGO BOSS)」「シャネル(CHANEL)」といったブランドが同素材を採用している。

 価格設定は、材料や調達を語る上で重要だ。牛皮とは異なり、“ピニャテックス”や他のビーガンレザーは単一のシートで販売されている。従来のレザーに多い穴や断片的な部分が少ないので廃棄物が削減でき、その結果コストの削減につながるという。エンゲルケCEOは「安価な合成レザーのポリウレタンやポリ塩化ビニル(Polyvinyl Chloride、PVC)と価格で競うことは難しい。しかしこれらビニール製の素材は、環境負担を考慮していないということに注意を払うべきだ。これらの材料はエンドユーザーやブランド、もしくは気候変動に対して規制を実施できる立場にある政府などの意識の変化に伴い段階的に衰退していくだろうから、われわれの使命は価格帯で争うことではない。より少なく、より賢い消費を訴えている」と語った。

“本当”のビーガンレザーの定着に向けて

 一方でアシュリー・ホールディング(Ashley Holding)循環イノベーション・コンサルタントは、“ビーガン”素材の多くは宣伝されるほどクリーンではなく、石油化学製品の使用量も高いのではないかと考えている。例えばブランドは特定の素材の使用をプロモートしても、実際の製品にはごく一部しか使用されていないケースや、強度と耐久性のために植物由来の成分をプラスチックポリマーと結合する場合もあると言う。これらはプラスチックとしてリサイクルも、自然成分として堆肥化もできないという最悪のケースで、“フランケンシュタイン”な物質になってしまっている。

 「“本当”の植物由来のレザーを見分けるには、成分を細かく調べることが大切だ。素材の一部か全体が生分解性かどうかで環境への影響は大きく変わる。一般的に、皮をなめす際に動物のレザーほど化学物質を使った処理はしないが、植物由来のレザーでもさまざまな結合剤や添加剤を使うことがあるため、注意が必要だ」という。柔らかさで評判の高い人工レザーの「マイロ」は、それでも仕上げにある程度の石油化学製品を使用しているため、ドイツのDIN-ゲプリューフト(DIN-Gepruft)規格に基づいて60〜85%がバイオベースと認定されている。

 完全に植物ベースでありながら、製品のクオリティーを維持することは非常に難しい。レビン=ボルトスレッズ チーフマーケティング・オフィサーは、「100%がバイオベースになることが目標であるべきだと信じている。しかしこれらの素材がどれほど進化できるかは、新素材を取り入れるブランドや消費者の数による。消費者の多くは、サステナビリティのために品質に妥協しないこともわかっている。柔らかさや耐久性、しなやかさでブランドや消費者が満足するバイオベースのレザーはまだ出会ったことがない。しかし努力は続けていく」と言う。

 アナナス・アナムは、欧州連合(EU)による化学物質を管理する規則「リーチ(REACH)」に準拠した水性ポリウレタンコーティングを使用しており、“ピニャテックス“の成分の10%を占める。同社は21年、ポリウレタンの使用量を半分にするバイオベースの樹脂の使用を開始。これにより、製品の95%がバイオベースになる。エンゲルケCEOは「今後100%植物由来となる見通しはついている。近いうちに、より正しい“レシピ”で作られた製品が出るだろう」と述べた。

 素材の成分の表記や宣伝方法は時に混乱を招くケースも多いが、それでも動物性のものの代わりとして発展するビーガン素材への関心は高まり続けている。レビン=ボルトスレッズ チーフマーケティング・オフィサーは、生物学に目を向けて政府を巻き込んだ規模の施策などが必要となると言う。NFWのルーク・ハヴェラール(Luke Haverhals)創業者兼CEOも「技術的な解決策を講じるには、まず問題を定義・認識することが大事」とし、業界全体でバイオテクノロジーの分野の透明性と、誇張表現を注視すべきだと語った。

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「ヴェトモン」がベジタリアンバーガー ロシアのコンセプトストアで限定発売

 「ヴェトモン(VETEMENTS)」は15日、モスクワのコンセプトストア「KM20(ケーエムトウェンティ)」内のカフェでベジタリアンバーガーを発売した。バーガーはフライドポテトとレモネードのセットで、包み紙には「ヴェトモン」ロゴを使用。2000食限定で販売する。

 「KM20」は2009年にオルガ・カープット(Olga Karput)創業者が設立。「ヴェトモン」とは2014年のブランドデビュー以来、セレクトショップ内で商品を多く扱ってきたつながりを持つ。またカフェメニューのハンバーガーは消費者からも厚い人気を集めるが、グラム・ヴァザリア(Guram Gvasalia)=ヴェトモン最高経営責任者(CEO)のお気に入り。今回、新たにポルトベッロマッシュルームやチーズを加えて、インスタグラム映えもする“ファッション ミール”に仕上げた。トレンドセッターとしても注目を集めるカープット創業者は、「ヴェトモン」2021-22年秋冬コレクションを着て同バーガーの広告キャンペーンに登場している。

 「ヴェトモン」は、2020年春夏コレクションをパリのシャンゼリゼ通りにあるマクドナルドの店内でショーを開催した。今回なぜファッションからファストフードに進出を決めたのか尋ねられたグラムは、「いいと思ったから。わたしたちはいつも何か新しいことができないか考えているし、そのためにはとにかく始めてみないと。今年はもっと胸が躍る仕掛けを各国で展開する予定だ。食べ物に限らずね」と語った。

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伊藤忠が東京・青山の本社敷地内にSDGsの情報発信拠点

 伊藤忠商事は16日、東京・青山の東京本社敷地内の伊藤忠ガーデン(ITOCHU GARDEN、旧シーアイプラザ)内に、SDGs発信拠点となる「ITOCHU SDGs STUDIO」をオープンする。同スペースは物販や撮影・収録などのできるスペースで、SDGsに取り組む企業やNGO/NPOなどに無償で貸与する。16日からはアッシュ・ペー・フランスが運営し、エシカルに配慮したグッズを販売する「エシカルコンビニ」が期間限定で出店する。エバンジェリストに任命された冨永愛は「SDGsに関してはまだ、自分から行動しないと知りえない情報も多い。情報発信拠点が行動のきっかけになる」と語った。

 「SDGs STUDIO」は伊藤忠アートスクエアの跡地で、面積は約410平方メートル(撮影・録音スタジオを除く)で、内装設計はブルーボトルコーヒーの店舗などを手がける建築家の長坂常。撮影・録音スタジオは、伊藤忠が冠スポンサーを務めるJ−WAVEのラジオ番組もここで収録するが、それ以外の日時は無償で貸与する。石井敬太社長COOは、「生活者一人ひとりがSDGsを意識できる企画を積極的に行っていく」という。

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「トミー ヒルフィガー」の障害者のニーズに寄り添う“アダプティブ”ラインから新コレクション

 「トミー ヒルフィガー(TOMMY HILFIGER)」は、見た目は変えず、障害のある人のために着脱しやすい機能を加えた“トミー ヒルフィガー アダプティブ(TOMMY HILFIGER ADAPTIVE以下、アダプティブ)”の2021年春コレクションを発売した。アメリカと日本、オーストラリア、ヨーロッパの限られた小売店とECで扱っている。

 新コレクションでは、正統派なスポーツスタイルとプレッピースタイルを融合し、チノパンやポロシャツ、ルームウエアセット、ジーンズなど定番のアイテムをそろえた。トップスやパンツの留め具にはマグネットやベルクロなどを取り入れ、座ったままの着脱や片手でのコントロールがしやすいよう設計した。スエットパンツのウエスト部分には、ひもを引くことでシルエットや締まり具合を調整できるドローコードを採用。アウターにはファスナーの開け閉めがしやすい機能を、パンツの裾にはマグネットでの開閉機能を付けるなど、体ごとに異なる悩みを考慮しつつ、ほかの「トミー ヒルフィガー」のアイテムと変わらないデザインに仕上げた。またアイテムは、開封や返却もしやすいパッケージで送られる。アメリカでは、音声サービス「アレクサ(Alexa)」を利用して購入も可能だ。

 自身も自閉症の子どもの子育てをした経験のあるデザイナーのトミー・ヒルフィガーは、「“アダプティブ”では、いろいろな人が身近に感じられるようなアイテムを作っている。新しい洋服を着たり、出かける際に支度するという行為は、自己肯定心をあげたりワクワクする体験とつながっている。みんなにとって楽しいことであるべきだ。コレクションを通して障害のある人のファッションに変化をもたらして、個性を表現するための自立心と自信を届けたい」と語った。

 “アダプティブ”ラインは、子ども向けアイテムを中心に2016年に開始。ブランドのスタイルと着心地を保ちながら、毎日の着替えを楽にするアパレルをそろえる。日本でも20年からしている。「トミー ヒルフィガー」は、2025年までに全てのカテゴリーに“アダプティブ”版をそろえることを目標に掲げている。

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ハラール認証取得の新スキンケアシリーズ“ハピネスボーテ“誕生

 桃谷順天館グループは4月5日、グローバルで展開するブランド「MOMOTANI」からスキンケアの新シリーズ “ハピネスボーテ(HAPPINESS BEAUTE)”を発売した。「サステナブルビューティ私のために、地球とすべてのために。for me, for all」をコンセプトに、ハラール認証・動物由来成分不使用・動物実験不実施・FSC認証など安心安全にこだわったクリーン設計。アマゾン(AMAZON)公式ショップで先行販売し、5月以降に世界各地で順次展開する。

 “ハピネスボーテ“は、化粧水“リフレッシングローション”、乳液“バランシングエマルジョン”、クリーム“スージングクリーム”(いずれも税込1540円)をラインアップ。桃谷順天館が独自開発した、肌の基礎力を上げる成分“HBP コンプレックス“を配合し、肌荒れを防いで潤いが満ちた肌に導く。

 桃谷順天館岡山工場は2020年にハラール認証を取得し、原材料の受け入れから製造、出荷に至るまで厳しい検査を行い、徹底した品質管理体制を確立。また商品開発にあたり、ムスリムの消費行動や意識を知るため、在日ムスリムにアンケートやグループインタビューを実施。ライフスタイルや化粧品の嗜好、購買行動、商品パッケージデザイン、香りの好みなどを事前調査した。そこから香りは、深みのあるフローラルを主体に、ベルガモットとスパイシーさのあるグリーン系、カシスを配合。ラストにはムスクやアンバーの余韻が残る、透明感のある香りに仕上げた。

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「アルマーニ / リストランテ」が廃棄予定の食材を使ったコースメニューを開始

 ジョルジオ・アルマーニ(Giorgio Armani)がプロデュースする東京・銀座のファインダイニングイタリアン「アルマーニ / リストランテ(ARMANI / RISTORANTE)」は、フードロス食材を使ったコースメニューをランチとディナーで3月23日から開始する。全7皿で、価格は1万円(税込、サービス料別)。

 同コースメニューは、フードロス問題を解決すべく2020年に設立されたフードロスバンク(FOOD LOSS BANK)の協力で実現。味に問題はないが、形が不ぞろい、傷、規格外のサイズといった理由や、新型コロナウイルスの影響で出荷先を失い廃棄予定だった食材を、神奈川県や愛媛県など各地から調達してメニューに取り入れた。柑橘類のアミューズやカンパチを使ったパスタ、カカオのデザートなど、フードロス食材の個性を生かしたイタリアンが堪能できる。

 なお、農林水産省および環境省が公表した食品ロスの「平成29年度推計」によると、日本は年間612万トンを廃棄しており、これは飢餓に苦しむ人々への世界の食糧援助量の約1.6倍に相当する。

■アルマーニ / リストランテ
時間:ランチ 11:30〜15:00(LO 14:00)、ディナー 18:00〜23:00(LO 20:30)
住所:東京都中央区銀座5-5-4 アルマーニ 銀座タワー 10・11階

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「ステラ マッカートニー」もキノコの菌から作った人工レザーの服、「エルメス」も先日発表 

 ステラ マッカートニー(STELLA McCARTNEY)は3月18日、キノコ由来の人工レザー「マイロ(MYLO)」を用いた衣服を2型発表した。今回発表したアイテムは販売予定はないが、今後発表するコレクションに「マイロ」を取り入れていく予定だ。

 「マイロ」は無限に再生可能なキノコ類の地下根系である菌糸体(マイセリウム)から作られており、バイオテックベンチャーのボルトスレッズ(BOLT THTRADS)が開発し、かねてから注目を集めていた素材。ステラ マッカートニーは2017年7月にボルトスレッズとパートナーシップを締結し、18年には「マイロ」を用いたアイコンバッグ“ファラベラ”のプロトタイプを発表。同年ロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館で開催された「ファッションド フロム ネイチャー」展で展示していた。20年10月には、アディダス(ADIDAS)とケリング(KERING)、ルルレモン(LULULEMON)とともにボストスレッズと戦略的パートナーシップを結び、21年中の商品化を目指している。

 ステラ・マッカートニーは「私は『ステラ マッカートニー』のコミュニティーが、サステナビリティのためにラグジュアリーな魅力を妥協する必要は決してないと信じている。『マイロ』を採用することでその両立が実現する。今回発表する稀少でエクスクルーシブなアイテムには、ファッション業界を革新し、より思いやりのあるものにするというステラ マッカートニーとボルトスレッズ共通のコミットメントが具現化されている。これは、私たちの仲間である生き物や地球を犠牲にすることとは対照的なものとして、美しいラグジュアリー素材の誕生を見据えた取り組みだ」とコメントを発表。

 ボルトスレッズのダン・ウィドマイヤー(Dan Widmaier)共同創業者兼CEOは「新たな高品質のバイオマテリアル(生体材料)の開発は、重要な技術的課題であると同時に、人々と地球にとって非常に大きなチャンスでもある。ステラ、そして彼女のチームには、『マイロ』の存在を世界に発信するための長期的なパートナーシップとサポートをいただき、非常に感謝しており光栄だ。今回発表した2つのアイテムに『マイロ』が採用されたということは、バイオマテリアルの持つ美しい魅力と性能の両方における大きな前進であるばかりか、これらを衣料品の素材として採用する準備が整い、いよいよ市場への投入が始まりつつあることを意味するものでもある。これは、大規模な生産に向けた具体的な進歩であり、『マイロ』が地球にとって大きなプラスの影響を与えるチャンスなのだ」とコメントを発表した。

 今回発表した「マイロ」素材のアイテムは、ブラックのビスチェトップとパンツで、どちらも、リサイクルナイロンの上に菌糸体ベースの素材を重ねた素材でどちらもロンドンのスタジオで手作業で作られた。

 ボルトスレッズによると「マイロ」は、柔らかく、しっかりとした質感が特徴。バイオベース素材として認定された、自然界に存在する再生可能な成分を主に作られている。ボルトスレッズは、菌糸体が最もよく成長する林床の下で起こる仕組みを研究室で再現し、木くずやおがくず、空気、水を用いて「マイロ」を作成する方法を開発した。

 環境への影響を最小限に抑えるようにデザインされたプロセスで、「マイロ」は14日以内に製造できるという。通常、皮革1キログラムを生産するのに要する水の量は1万7000リットルにのぼり、また、畜産は、世界の温室効果ガス排出量の約18%を占めており、生態系の破壊の要因のひとつとなっている。現在、アマゾンの森林伐採地域の70〜80%が家畜の牧草地として使用されている。

 ボルトスレッズは、09年創業。カリフォルニア州エメリービル拠点。ベンチャー企業専門メディアのクランチベースによると、これまで累計2億1300万ドル(約230億円)を調達している。

 キノコの菌糸体から作られる人工レザーの課題の一つは強度と耐久性で、先日「エルメス」がマイコワークス(MYCOWORKS)と開発した菌糸体から作られた人工レザーは、エルメスのなめし工房で仕上げることで、強度と耐久性を高めている。「エルメス」が発表した商品は発売予定だ。なお、マイコワークスはボルトスレッズと同じくカリフォルニア州メリービル拠点。

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首都圏ベイエイリアにエシカルショップオープン ビーガン仕様のUVや植物性のフードラップなどがそろう

 環境を配慮した商品提供などを行うフラッグは3月上旬から、エシカルセレクトショップ「エシカルシー(ETHICAL&SEA)」を続々とオープンする。第1号店舗を横浜駅直結の相鉄ジョイナス2階に、その後川崎駅直結のアトレ川崎3階に開業。31日には都内1号店として大井町駅直結のアトレ大井町にオープンする予定だ。

 エシカルシーは“エシカル”“サスティナブル”“テック”をコンセプトに、海や地球環境、SDGsに配慮したコスメやフード、雑貨などを扱う。横浜店はCBDシリーズが人気のブランド「カミュ(CAMYU)」、ビーガン仕様のサンプロテクトを扱うサーフィンオーストラリア協会公認ブランド「ツー・エックス・ピー(2XP)」、静岡産有機JAS認定のハーブを使用したスキンケア&ヘアケアブランド「オーガニックストア(ORGANIC STORE)」、繰り返し使える100%植物性フードラップの「アースラップ(EARTH WRAP)」、ソイワックスキャンドルをはじめフレグランスを扱う「ピーエフ・キャンドル(P.F.CANDLE CO.)」など600アイテムがそろう。全ての商品のポップには、どんなエシカル消費につながっているかが一目でわかるように7つのアイコンで表記されている(OR=オーガニック成分配合、OF=水質汚染防止、PF=プラチックフリー、GR=森林保護、FT=フェアトレード、VG=ビーガン、NT=自然由来配合)。

 フラッグ販促部の加藤剛史氏は、「『エシカルシー』はアメリカ西海岸のカルチャーからインスピレーションを受けている。そのため、ブランドイメージにぴったりな首都圏のベイエリアを選択して出店。横浜店はコスメを中心、川崎店はファミリー向け、大井町店は一人暮らしの女性を意識した品ぞろえにしており、どの店舗も乗り換えの駅直結で人の往来も多く、コンビニ使いしやすい。店舗は“オーガニック”“オーシャンフレンドリー”をキーワードにしているが、これらを啓もうするのではなく、価値観を共有するというスタンス。買い物をするというアクションから地球環境やSDGsの気付きを与えるのが狙いだ。だからこそまずは手に取りたくなるような見た目のかわいいパッケージのアイテム拡充も意識した」とアピールした。秋には関西1号店として大阪店もオープンする予定だ。

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子どもの頃からの夢「社会貢献」を店頭で マザーハウス足立志織

 東京・立川駅の北地区に2020年4月開業した「立川グリーンスプリングス」は、物販や飲食店のほか、宿泊施設、オフィス、多機能ホールなどが連なるオープンエアーの複合施設だ。昭和記念公園に隣接して自然を感じる、いわば「市民の憩いの場」という場所に、マザーハウス立川グリーンスプリングス店はある。店舗面積は「マザーハウス」としては最大の80坪(約264平方メートル)で、全カテゴリーのアイテムを展開している。足立志織店長は、こどもの頃のホームステイ体験をきっかけに社会貢献に関心を持ち、「マザーハウス」で販売の仕事をしている。販売職と社会貢献について話を聞いた。

―マザーハウスと言えば『途上国から世界に通用するブランドをつくる』の理念を掲げ、バッグを通して社会貢献できるブランドと認識しています。やはりそこに惹かれて入社したのですか?

足立志織さん(以下、足立):マザーハウスのことは大学在学中に知りました。インターン先のスリランカで、服飾製品を途上国で作り途上国に貢献するビジネスをしたいと話をしていたら「それならマザーハウスという会社があるよ」と教えてもらったのがきっかけでした。当時はまだ、スリランカで事業展開をしていなかったのですが、ちょうど入社した頃にスリランカでモノづくりが始まりました。

―そもそも、途上国と関わる仕事がしたいというのは?どういうきっかけで、いつから考えるように?

足立:ずっと誰かの役に立ちたい、社会に貢献したいという思いが強くありました。小学6年生の時に、母の薦めでスリランカに国際交流でホームステイした経験が大きいです。当時は海外に行くのも初めてですし、ましてやスリランカがどんな国かもよく分からず行ったのですが、ホームステイ先の家族ともとても仲良くなることができました。この時には国境や国の経済規模の違いなどに関係なく、人は仲良くできると感じたのです。でも、その後ホストシスターから「通学のためにお金を送ってほしい」と連絡があり、それがとてもショックで……。それから途上国のことや貧困について、より身近に感じるようになりました。

―国境を越えて友達ができたと思っていたのが、お金をきっかけに考えさせられる出来事があったんですね……。お金は送金したのですか?

足立:いえ、送りませんでした。送金を断ったら、その後連絡が取れなくなってしまって…。その理由を聞きたくて何度か手紙を送っていたのですが、返事はもらえず。大学のインターンでスリランカに行ったときにも会おうとしたのですが、結局それも叶わず、今に至ります。SNSでつながっていますが、うまくコミュニケーションは取れていません。私の実家はそこまで裕福ではありませんし、ホームステイしていた時には自分の家庭環境と大きな違いを感じていなかったのに、そう言われた時はショックでした。国が違うので多少は生活レベルが違うとは思うのですが、その差も越えて本当に仲良くなれたと思ったので、小学生ながら当時は色々考えさせられました。

―それはとてもショックでもあり、考えさせられますね。でも、それから社会貢献について考えるように?

足立:そうです。将来はアパレル関係で途上国とビジネスすることを目指していたので、ビジネスやモノづくりの勉強のために服飾系の商社を希望しました。モノづくりについて調べ、商社でもモノづくりに携わっていった先に社会に対して良いインパクトがあるのだろうかと考えるようになったのですが、結局はそれに納得できない自分がいて、一旦就活をリセットして、マザーハウスに卒業ギリギリで内定をいただいたのです。

―今でこそSDGsや持続可能なモノづくりをしていこうという動きにはなっていますが、5~6年前は今よりもまだそういった考えを持っている人は少なかったと思います。

足立:正直言うと今でもモノを作るということについての疑問はあります。

―それはどんな?

足立:モノはそんなに必要なのか?ということです。

―モノによって精神的に満たされる量は人それぞれ違うので、永遠の課題ですよね。

足立: 大学で学んだ結論として、途上国とビジネスすることで社会問題を解決できる可能性はあると感じました。衣食住やサービスなど色んな業種の中でもファッションなら、社会問題などを知らない人にアプローチできるのではないかと思ったのです。食でもファッションでも、わざわざフェアトレードの商品だからといって手に取る人はまだ少ないと思いますし、食品よりファッションの方がデザインが気に入れば、多少価格が高くても「これが欲しい」という気持ちで価格の壁を越えることができる。たまたま、手に取った商品が社会や環境に配慮した商品だったというストーリーがファッションならば作りやすいのではないか、と。商社では、自分の中でどうしても会社の利益を大きくすることがゴールに見えてしまい…。マザーハウスの入社の決め手になったのは、理念や思いがあるところで働けると思ったからです。

―入社して、今は店頭に立つようになりましたが、この仕事はどうですか?

足立:接客を通じて、お客さまの物語の一部になれるのが面白いです。一番嬉しかったのは、マザーハウスでバッグをお買い上げくださったことをきっかけに、その後の買い物の仕方が変わったと報告しに来てくれたお客さまがいたことです。

―どんな接客だったんでしょう?

足立:京都店に配属された時にことですが、いつも通りに接客をしていて、マザーハウスの事や先ほど話した社会貢献に関心を持ったきっかけなどを流れでお話ししました。もちろんバッグの良さもお伝えして、お客さまも気に入ってお買い上げくださったのですが、その後、そのお客さまからお買い物するときに「どこで、どうやって作っているんですか?」と質問してから買い物されるようになったと言いに来てくださって。それがとても嬉しかったですね。

―思いが伝わりましたね。でも一方で、接客だけでブランドのストーリーは伝わらないし、お客さまも聞いてくれないこともあるのではないかと思ったんですが、接客トークはどうされていますか?

足立:そういう時はお客さまの物語を想像するようにしています。観察して、どんなことに興味や関心がありそうか考えます。なぜこの施設に来たのか、立川に来たのか?なぜこの時間なのか?ここには仕事で?それとも休日だから?など、一言で言えば、その方のライフスタイルを想像して、この店にいる時間を少しでも有意義な時間にできるような会話を心がけています。

―なるほど。では、接客全般で心がけていることは?

足立:お客さまを想像することももちろんなのですが、一番はお客さまが主語であることかもしれません。「マザーハウス」や「自分」が主語になって話すのではなく、「お客さまは…」と考えることです。究極はブランドストーリーを知ってもらわなくても良くて思っています。知らない方が良いという方もいると思うので、いつも生産地の話をしなくてもいいとも意識しています。

―たまたま買ったものがフェアトレードの商品だったということですね。良いものを買ったと家に帰ってから調べてみたらフェアトレードのモノだったと。

足立:そうです!

―マザーハウスで働いたことで、子どもの頃の経験を払拭できたというか、自分が思い描いた社会貢献ができていると感じていますか?

足立:ファクトリービジットというマザーハウスの生産地に行く研修で、インドネシアで働く全ての職人の家を訪問しました。そこで職人さん全員に「マザーハウスと働いて変わったことはありますか?」と聞いたのですが、全員が全員「生活が変わった」と答えてくれて、その言葉を聞いて販売をしている意味があるなと思いました。例えば「キッチンがこんなにきれいになった」「子どもが大学に行けた」とか、工房まで長距離移動をしている職人さんは「バイクを買えた」とか。一人ひとりが生活がより豊かになったことと話してくれました。

―生産者さんの喜んでいる姿を目の当たりにし、一方で店頭でもお客さまが「良いものが買えた」と喜んで暮れているのを見ると「つながっている」と感じたのですね?

足立:そうです。

―マザーハウスでの経験を生かした将来のビジョンは?

足立:将来自分がどうするのか、ということに対してのハングリーさは今はなくて、ファッションと途上国をつなげるモノづくりの仕組みはマザーハウスでできているので、一緒に働く人が増え、生産地が増え、マザーハウスが拡大していくことで、自分の思いが実現できていると納得しています。立川店はこの広さを生かして、大人も子どもも楽しみながら学べるワークショップを開催しているのですが、最近はそこに集まる子どもたちと対話をして、何か気づきになるような仕事ができればと思っています。

苫米地香織:服が作れて、グラフィックデザインができて、写真が撮れるファッションビジネスライター。高校でインテリア、専門学校で服飾を学び、販売員として働き始める。その後、アパレル企画会社へ転職し、商品企画、デザイン、マーケティング、業界誌への執筆などに携わる。自他ともに認める“日本で一番アパレル販売員を取材しているライター”

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アイヌの伝統工芸支援を目的としたモノづくりプロジェクト 藍染ストールやオブジェなど販売

 一般社団法人阿寒アイヌコンサルンは、アイヌ文化の伝承と工芸作家の支援を目的としたモノづくりプロジェクト「アカン アイヌ アート&クラフト→ネクスト(AKAN AINU ARTS & CRAFTS → NEXT)」から、さまざまなコラボレーターを招いた新作商品を開発した。2021年初夏の発売をめざす。

 札幌の印刷会社zabo.incと作家の郷右近富貴子による藍染ストールや、彫金作家のAgueとブランドディレクター鶴本晶子によるガラスのショープレート、札幌のセレクトショップ、ファビュラス(FAbULOUS)と木彫り作家の瀧口健吾によるキツネのオブジェなどがそろう。

 同プロジェクトは昨年、北海道阿寒湖温泉を拠点とするアイヌ工芸作家の活動支援とブランド化を目的に始まった。さまざまなコラボレーションを通じて、伝統を重んじながら現代的な感覚を商品に取り入れている。

 加えて、伝統工芸品の技術を生かしたサステナブルな取り組みとしてアップサイクルプロジェクト「チカㇻイタ」をスタートした。第1弾として、阿寒湖アイヌコタンの木彫り作家たちが、廃棄予定だった北海道産白樺の間伐材を原料とする木の皿に文様を一つ一つ彫り上げ新たな作品を生み出した。

 阿寒アイヌコンサルンはアイヌ民族の自主的な経済活動を促進し、人種や民族に基づくあらゆる障壁を克服した共生社会の実現と多様な文化の発展を目指す。

問い合わせ先
AKAN AINU ARTS & CRAFTS → NEXT(一般社団法人阿寒アイヌコンサルン)
0154-65-8973

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ケンダル・ジェンナーのテキーラビジネスがSNSで炎上 「文化の盗用」の声多数

 モデルのケンダル・ジェンナー(Kendall Jenner)が立ち上げたテキーラブランド「818」が文化の盗用問題で批判を浴びている。

 ブランド名の「818」は、ケンダルが住むロサンゼルスにある町、カラバサスの市外局番に由来する。ケンダルは2月16日にインスタグラムで「818」の立ち上げを明らかにし、「約4年間、私は最高のテキーラ作りの旅に出ていました蒸留所へ足を運び、何十回にもおよぶテイスティングを繰り返し」たと投稿している。

 この投稿には660万以上の「イイネ」が押され、4万5000件以上のコメントがついている。姉のキム・カーダシアン(Kim Kardashian)やサイモン・ポート・ジャックムス(Simon Porte Jacquemus)「ジャックムス」デザイナー、元「ラブ(LOVE)マガジン編集長でスタイリストのケイティ・グランド(Katie Grand)など、親族や業界関係者からは肯定的なコメントが投稿される一方で、ツイッターでは「ケンダル・ジェンナーはテキーラ生産に関するメキシコの文化背景を一切理解していなくて不快だ」といった否定的なコメントが多数散見され、文化の盗用だと批判されている。

 「818」のテキーラは、発売日や価格は明らかになっていないが、すでにワールド・テキーラ・アワードをはじめとする複数の賞レースで受賞を果たしているという。

YU HIRAKAWA:幼少期を米国で過ごし、大学卒業後に日本の大手法律事務所に7年半勤務。2017年から「WWDジャパン」の編集記者としてパリ・ファッション・ウイークや国内外のCEO・デザイナーへの取材を担当。同紙におけるファッションローの分野を開拓し、法分野の執筆も行う。19年6月からはフリーランスとしてファッション関連記事の執筆と法律事務所のPRマネージャーを兼務する。「WWDジャパン」で連載「ファッションロー相談所」を担当中

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