「フェンディ(FENDI)」は7月4日、ローマ・パラティーノの丘で2019-20秋冬オートクチュール・コレクションの発表イベントを行った。同ブランドは年1回、パリでオートクチュールを発表しているが、今年は、長年同ブランドのクリエイティブ・ディレクションを手掛けた故カール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)に捧げるショーを本拠地であるローマで開催。 “ザ・ドーン・オブ・ローマニティー(THE DAWN OF ROMANITY)”と名付けられた同コレクションでは、カールがメゾンと共に歩んだ54年間にちなむ54体を発表した。ショー後には盛大なガラディナーを開催し、54年間にわたるカールとの協業と「フェンディ」の未来を祝福した。また、同ブランドはこれを機に、ウエヌスとローマ神殿(TEMPLE OF VENUS AND ROME)の修復に250万ユーロ(約3億250万円)を拠出すると発表。15年に完成したトレビの泉の修復に続くローマの遺跡修復への資金提供になる。
「ベルルッティ(BERLUTI)」は、今季も冴えています。クリス・ヴァン・アッシュ(Kris Van Assche)には、時代を切り開くモードな「ディオール(DIOR)」より、現代をモダンに進化させる「ベルルッティ」の方が合っています。靴の手染め“パティーヌ”で名を馳せるメゾンならではの、色鮮やかなセットアップがエネルギッシュ。ウィメンズほどではありませんが、オーストリッチの羽根を多用しました。リアルファーから距離を置くブランドが増える今、羽根は新たな“ドラマティック素材”として注目を集めています。
後輩O:そうですね。素直に感動できます。今回の演出もとても響きました。一瞬、旅行にでも来たような気分にさせてくれましたし。コレクションは、またまたボリューミーなシェイプでしたね。一点一点のサイズが大きいし、オーガンジーを3重にレイヤードしたシャツや、プリーツが入って裾に向かって広がるアウターなんかはさらに巨大。スーツもストリートウエアの感覚で作っているから、自由で面白い。反面、顧客幅はかなり絞られそうな気はしました。この春からメンズのプレを強化したり、ベーシックな定番アイテムを“ステープルズ エディション バイ ルイ・ヴィトン(STAPLES EDITION BY LOUIS VUITTON)”としてブランド化したりと、着やすいアイテムを増やした分、コレクションは自由な感覚で作っているということなんでしょうか?
さぁ、セーヌ川の左岸、サン=ジェルマンから4番線に長いこと揺られ、「ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)」にやってきました。現代の男らしさを考えるスーツ、そして花柄とレオパード。肩にパッドをしっかり入れた、ウエストマークのスーツが主流です。かっちりしたスーツで男らしく、そこに光沢素材の花柄シャツを堂々合わせる。それが一番男らしい。そんなメッセージを受け取りました。
記者O:確かに!いつもは屋内のライティングで見ていたので、今回は余計に見え方が違ったのかもしれませんね。フィナーレに登場したアルマーニさんはもいつもより長い時間来場者からの歓声に応えていたのも感動的でした。僕たちはすぐパリに移動しないといけなかったのでそそくさと会場を出発しましたけど、アフターパーティーではアルマーニさんや俳優のサミュエル・L・ジャクソン(Samuel L. Jackson)と記念撮影できたみたいですよ。なんて贅沢な。
ここでふと朝から何も食べてないことに気づきました。そして気づいた瞬間、空腹感が倍増。次の会場までは徒歩で移動だったので、たまらず道中のブランジェリー「ル・ムーラン・デ・ローザ(LE MOULIN DE ROSA)」でクロワッサンを購入。空腹と激ウマで、丸呑みする勢いでガッつきました。やっぱりコレクション取材中は体力勝負なので、朝食は無理してでも食べないとダメだ……。
北京を拠点に活動する「ザンダー ゾウ(XANDER ZHOU)」の視線は常に未来へと向いている。彼は中国でインダスリアルデザインを学んだ後、オランダでファッションデザインの修士号を修め、帰国後の2007年に自身の名を冠したブランドを立ち上げた。国外でコレクションを発表する初の中国人デザイナーとして、18-19年秋冬シーズンからロンドン・メンズ・コレクションでショーを行っている。現在の卸先はロンドンの「マシーンA(MACHINE-A)」やミラノの「ディエチコルソコモ(10 CORSO COMO)」、日本の「グレイト(GR8)」など有力店を含む20以上のアカウントを有する。