丸山:さて、いよいよパリコレがスタート!の前に、「ジェイ ダブリュー アンダーソン(JW ANDERSON)」がオフスケジュールで発表しました。前日には豪華なキットが編集部に到着。前回のメンズコレクション同様、“show in a box(箱の中のショー)”というアイデアで、箱の中から大きなバインダーが現れました。バインダーには、リリースのほか、さまざまな色の紙やルックや写真などが詰まっており、ルックを切り取ってみたり、展示したりと受け手が好きに「各々のインスタレーション」を作りコレクションと関わることができます。
丸山:「キムへキム(KIMHEKIM)」が公開した映像は、モデル同士がふざけあったりライトで遊んだりとルック撮影の現場の裏側のようでほっこり。コレクションテーマは“Dreams in the City”。眩い都市の中で自分自身を探す人に捧げたコレクションだそうです。ブランドはパリ拠点で生産はデザイナーのキミンテ・キムへキム(Kiminte Kimhekim)の出身の韓国で行っているのですが、キミンテはソウルでロックダウンを過ごし、自分を信じることや情熱を持つことの大切さを再確認したそう。そう考えるとテーマが“Dreams in the City”となったのも納得です。
丸山:スターリング・ルビー(Sterling Ruby)による「S.R. STUDIO. LA. CA.」が配信したのは、“VEIL FLAG”と題し、米50州を表す星がない星条旗をまとったモデルが跪いた状態からゆっくりと立ち上がるという映像でした。音声は教えを叩き込むように男性一人が言った言葉をもう一人の男性が繰り返すというものでしたが、最後の“President of Grand Dragon”はドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領のことを揶揄しているのでしょう。“Grand Dragon”はKKK幹部の呼び名。プレジデントはこの場合は総統ではなく大統領ととらえられます。さらに“marching against leaderless leadership(リーダーなきリーダーシップに行進する)”という文言は、ホワイトハウスに向かって行進したBLM運動を想起させますね。白人至上主義と往々にして指摘されている現大統領を批判し、11月の選挙で退陣させることを呼びかけているのだと捉えました。
大塚:ちなみに彼はラフ・シモンズ(Raf Simons)とあらゆる形で協業しているもの有名だよね。ラフの「プラダ(PRADA)」デビューは、盟友のピーター・デ・ポッター(Peter de Potter)のグラフィックを採用していたけれど、今後はスターリング・ルビーも絡んできたりして。ああ、妄想が勝手に膨らんでいく!ちょっと、今日面白くない?知名度でいうとまだまだこれからなブランドばかりで、個々で見るとクオリティーや方向性はバラバラなのに、続けて見るとアイデンティティーを強く打ち出そうとする姿勢が共通してる。しかも自分たちのルーツを発展させて表現しているから、ファッションを通じて異文化が競演する様が映像を通してでもわかるぐらい面白い。
大杉:映像は、映画「Call Me By Your Name(君の名前で僕を呼んで)」などでファンの多い、ルカ・グァダニーノ(Luca Guadagnino)監督によるもので、ロケーションや構図にも強いこだわりを感じました。遠くから人を眺めたり、怪しい行動を追いかけたりと、ミステリアスで魅力的な人に惹かれる心理をうまく表現していましたね。このサスペンス調にしたのは、不透明な時代に生きる人々をヒロインにして、エールを送るというメッセージが込められているそう。明るい色使いからもエネルギーをもらえますね。
今城:2ブランドが東京で発表するのはひさしぶりだし、支援する背景も明確だ。ほかのスポンサーと組んで実施する取り組みもあるが、「バイアール」を10月の目玉企画としてアピールしていきたい。ファッション・ウイークの主役は参加ブランドであるべきだ。「バイアール」や8月に「楽天ファッション」内に開いた東コレ参加ブランドの商品を中心に扱う「E-POP UP STORE」など、ブランドを発信するコンテンツを徐々に充実させて強いファッション・ウイークにしていきたい。
「新しいステップに進むべき時期」
今城薫JFWOディレクター PHOTO:YOSHIAKI HIKINUMA
WWD:「E-POP UP STORE」の成果は?「バイアール」とともに今後も継続する予定?
松村:想定していた以上にページは見られているが、今後はさらにキュレートしていきたい。コアなファンだけでなく、まずは多くの人にブランドのことを知ってもらうことが次のチャレンジだ。そのためには作り手の思いや背景を伝えることが必要なので、メディア的な役割も担わないといけない。今のようにポップアップを継続するのか常設にするのかは要検討だが、続けるべきことだとは思っている。マスの消費者と「E-POP UP STORE」に出店しているブランドをつなぐことはわれわれのミッションだから。
「ジーユー(GU)」は9月4日に新コスメブランド「フォーミーバイジーユー(#4me by GU)」をスタートさせ、コスメ市場に本格参入した。製品はリップ、リップグロス、クリームアイシャドウ、マルチパレットの4種をラインアップする。価格は590~1490円。“コスメはもっと自由になれる”をコンセプトに、服だけではなくメイクでもトレンド感を簡単に取り入れられるアイテムをそろえる。肌になじむ発色とテクスチャーが特徴で、ベーシックなカラーとトレンドカラーの両方を取り入れたラインアップでさまざまなメイクを楽しめる提案だ。「ジーユー」は2015年にリップグロスなどを発表していたが、今回は成分を含め全てを日本製にこだわり制作した。
「ジーユー」が新コスメブランド「フォーミーバイジーユー(#4me by GU)」をスタートさせたが、最近はニトリやヤクルトなどの異業種がコスメ市場へ参入するケースが相次いでいる。特にサザビーリーグやユナイテッドアローズなどファッション関連からの参入が目立っているが、それにはいくつかの理由があるようだ。
はっきり言ってここにいるだけでアウトドア欲求はすべてかなえられてしまうのでは?というほど充実した施設だったのが「スノーピーク ランドステーション白馬(SNOW PEAK LAND STATION HAKUBA)」。白馬駅から歩いて約10分のここは今年7月にグランドオープンしたばかりの、まさに山の駅。アウトドアをより身近に感じるための体験型複合施設だ。隈研吾設計の建物にはアウトドアブランド「スノーピーク」のショップ、地元の食材を堪能できる「レストラン 雪峰」、野遊び×コーヒーを楽しめる「スターバックス コーヒー(STARBUCKS COFFE)」や白馬観光局インフォメーションなどが入っている。広々としたイベントエリアにはテントやアウトドアチェアが並び、毎週末には地元の人と交流できるマルシェも開催。隈研吾氏と「スノーピーク」が共同開発したモバイルハウス「住箱―JYUBAKO」や、キャンプサイトでテントに宿泊できる野遊びエリアも奥にある。しかも敷地内には温泉「みみずくの湯」も!
施設内のショップにはウエアやギア(食材からテントまで!)が全てそろう。「スノーピーク GO」という体験サービスではスノーピーク製品のレンタルに加えて、「レストラン 雪峰」の特製ランチや電動アシスト自転車、温泉入浴、リフト券等をパッケージにしたプランも。白馬の絶景を巡るポタリングなどもあり、自然と一体になる心地よさを全力でサポートしてくれる。ちなみに山岳リゾートとして世界的に人気を博してきた地だけに、駅前には「パタゴニア(PATAGONIA)」「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」「好日山荘」などのショップもあり、なんでも現地調達できるので心強い。まさに身一つで行ける山なのだ。
また非日常を体験するグランピングを体験するなら、2019年にできた白馬北尾根高原の「スノーピークフィールドスイート 白馬北尾根高原(SNOW PEAK FIELD SUITE HAKUBA KITAONE KOGEN)」へ。ここはなんと1泊一人7万円~の滞在費を想定して造られたというオーベルジュスタイルの全8室だけのリゾート。標高3000m級の北アルプスの前にテーブルを出し、星空を見上げながらのアウトドアレストランなど、この地ならではのグランピングは格別だ。
山形県寒河江(さがえ)市を拠点にする紡績・ニットメーカーで、地元でセレクトショップの「ギア(GEA)」を運営する佐藤繊維が新ブランド「コーン(KONE)」をスタートさせた。コラボプロジェクト第1弾として、佐藤正樹社長と同じ中学校出身のメイクアップアーティスト、早坂香須子氏とコラボレーションした。紡績とニット工場であることを生かし、中間業者を通さないことでコストを抑えながらクオリティーの高い国産ニットを目指した。9月23~30日に同社の自社EC「ギア」と「クロスイットオフ」のみで予約を受け付ける完全オーダー制で、業界の課題である余剰在庫をつくらない“factory to closet”を実現する。
谷内侑希子(たにうち・ゆきこ)/レイ代表:早稲田大学商学部卒。2007年ゴールドマン・サックス証券に入社し、市場金融部で金利商品の法人営業を担当。11年メリルリンチ日本証券に入社し、金融法人営業に従事。12年から2年間の海外在住を経て、帰国後YCPホールディングスに参画。スキンケアブランドのマーケティング・商品開発を担当し売り上げ・販路拡大に貢献した後、傘下のN&Oライフ取締役就任。17年、主にファッションブランドのPR・マーケティングを受託する。ステディ スタディにて経営企画室室長に就任。プライベートでは二児の母。20年に起業し、レイを立ち上げる。PHOTO:Kazushi Toyota
ビスポークは10万円~と決して安くはないが、“自分で作ったもの”には既製品以上に愛着が湧くし、“自分専用フィッティング”でかぶり心地も申し分ないため長く愛用することができる。つまりサステナブルとも言える。「ザ エイチダブリュードッグアンドコー」のビスポーク品は、東京・原宿の店舗近くのアトリエで作られる。つまり“Made in HARAJUKU”だ。これも付加価値だと思う。弦巻デザイナー自ら製作に当たる。コンフォメーターで測定したデータをもとに木型を削るところから始め、納期は約2カ月。贅沢の極み……。
クリステル:OTBグループと、初めてのデジタルショールーム「ハイパー リアル ルーム(HYPER REAL ROOM)」を開発した。これはバイヤーと私たちにとって全く新しい体験だった。重視したのは、デジタルツールに私のインスピレーションとコレクションの雰囲気を投影すること。これがかなり大変だった。デジタルショールは2つのフェーズに分かれている。ひとつは映像や音楽、芸術性に重きを置いた“感情面”。もうひとつは、価格やラインシートなどの必要事項を表示するもので、ビジネス的な使いやすさを重視している。生地に触れてサンプルの試着ができるリアルなショールームと同じとは言えないものの、結果にはとても満足している。
また3線都市以下では美容の需要も急増しており、ロレアル中国は昨年2月のコミュニケーションミーティングで、下沈都市の若者の存在を今後のトレンドとし、2018年の「イヴ・サンローラン(YVES SAINT LAURENT)」の中国売り上げの48%は店舗のない都市、つまり田舎の消費者によるものだったと発表している。
大塚:「スピード」とのコラボは意外性がありました。日本で「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」を手掛けるゴールドウインが手掛けていますが、「スピード」はライフスタイル向けの提案をここ2、3年で強化していて、「トーガ」とのタッグでそのイメージをさらに訴求していきたいのでしょうね。にしてもロゴをドンと使っていたり、機能素材だったり、インラインというよりはカプセルコレクションのような提案になるんでしょうか。ちょっと欲しい。
大杉:ペーパークリップイヤリングはブランドのアイコン的なジュエリーの一つです。タイトルが“Keep it together”でしたが、クリップで紙を「まとめる」という意味と、「落ち着いて」という意味のダブルミーニングになっていましたね。このご時世にぴったりなメッセージですし、シュールな笑いを提供してくれて後味がよかったです。
大塚:「カシミ(QASIMI)」は創業デザイナーのハリド・アル・カシミ(Khalid Al Qasimi)が昨年7月に急逝後、双子のフール・アル・カシミ(Hoor Al Qasimi)がクリエイティブ・ディレクターに就いて指揮する初のコレクションです。アートやデザインに造詣が深いキャリアですが、ファッションのデザインは未経験のはずなので、その手腕に注目して見ました。結果、その浅い経験が今回はプラスに作用したのではないでしょうか。ウィメンズもデビューしましたね。
「プラダ」は何十年にもわたってショーを行ってきたが、今回発表したムービーの最後に残した“The Show That Never Happened”という字幕が強烈だった。ミウッチャ・プラダがいつものショーのように挨拶に出てきたとき、彼女にまた会いたいと強く思わされた。5人のアーティストがそれぞれの解釈で異なる「プラダ」を表現したのも興味深かった。ほかにも「ジェイ ダブリュー アンダーソン」から届けられたキットにはデザイナー自身の誠意を感じたし、「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」もよかった。
「プラダ」は何十年にもわたってショーを行ってきたが、今回発表したムービーの最後に残した“The Show That Never Happened”という字幕が強烈だった。ミウッチャ・プラダがいつものショーのように挨拶に出てきたとき、彼女にまた会いたいと強く思わされた。5人のアーティストがそれぞれの解釈で異なる「プラダ」を表現したのも興味深かった。ほかにも「ジェイ ダブリュー アンダーソン」から届けられたキットにはデザイナー自身の誠意を感じたし、「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」もよかった。
VIEWS ON WWD U.S.:米「WWD」の翻訳記事から、注目すべきニュースの紹介や記事の面白さを解説するメールマガジン。「WWDジャパン」のライセンス元である米「WWD」は1910年から続くファッション業界専門紙。世界中のデザイナーや企業のトップと強く繋がっており、彼らの動向や考え、市場の動きをいち早く、詳しく業界で働く人々に届けています。
JUN YABUNO:1986年大阪生まれ。ロンドン・カレッジ・オブ・ファッションを卒業後、「WWDジャパン」の編集記者として、ヨーロッパのファッション・ウィークの取材をはじめ、デザイナーズブランドやバッグ、インポーター、新人発掘などの分野を担当。2017年9月ベルリンに拠点を移し、フリーランスでファッションとライフスタイル関連の記事執筆や翻訳を手掛ける。「Yahoo!ニュース 個人」のオーサーも務める。20年2月からWWDジャパン欧州通信員
大杉:私リカルドの色使いがとてもタイプなんですが、今季はブルーの補色のオレンジがメンズのルックで多用されていました。救助用の浮き輪の色ですよね。“SWIM WITH THE GREAT BURBERRY AT YOUR OWN RISK(バーバリーと泳ぎましょう、自己責任で)”のメッセージがクスッと笑えます。リカルドがデザイナーに就いてから刷新したロゴも随所でウエアやバッグにあしらわれています。
「京大卒モデル一ノ瀬のモード飯~Cuisine à la mode~」は、モデル兼俳優の一ノ瀬遼による料理番組です。「オシャレな料理を作りたい!!」「たまにはお家でご飯を食べたい!!」という、多忙な業界人でも簡単に作れる料理を学びます。また京都大学薬学部出身の知識を生かした、料理にまつわるさまざまなウンチクや雑学もプラス。一ノ瀬についてもっと詳しく知りたい人は、下記の関連記事をチェック!!
理解を深めるために2009年、全ての商品に対してLCA(ライフサイクルアセスメント:製品やサービスのライフサイクル全体〈資源採取―原料生産―製品生産―流通・消費―廃棄・リサイクル〉、またはその特定段階における環境負荷を定量的に評価する手法)を開始しました。LCAを実施することによって、全体のバリューチェーンに沿った環境への影響を数値化することが可能になりました。できるだけ正確にわれわれの足跡をたどり理解するために、膨大なデータに取り組む必要がありました。また、さまざまな負荷を比較可能にするために、私たちは自然資本プロトコル(Natural Capital Protocol)を導入しました。これは二酸化炭素の排出や水消費量等の異なる影響を金銭的価値に変換するという標準化された枠組みで、私たちはこれを早い段階で導入したブランドの一つです。これにより局地的に何かの数値が高い部門や地域の割り出しや、その削減のために最適な、そして最も効果的な方法を決定するのに役立っています。結果はコーポレートウェブサイトにて公開しています。
自然資本プロトコルの結果を公開した公式サイトページ
WWD:環境負荷を知ったことによる変化や成果は?
ストルービッグ:私たちが割り出したホットスポットは主にサプライチェーンにあったので、ベター・コットン・イニシアチブ(Better Cotton Initiative)やレザーワーキンググループ(Leather Working Group)等の組織と連携して、より多くのサステナブルな原料を調達することを重視するようになりました。25年までに100%持続可能なコットンに切り替えるという目標も立てました。この目標は、例えば水消費量や生物学的多様性への負荷を減らすのに役立ちます。さらに、化学物質の管理過程についても、有害物質ゼロを目指すZDHC(Zero Discharge of Hazardous Chemicals)の「ロードマップ・トゥ・ゼロプログラム(Roadmap to Zero Program)」の枠組みのもとに、サプライヤーと共に危険有害化学物質の除去に努めています。この対策によって何よりも、サプライチェーンにおいて従業員の健康に与える負荷を最小限にします。私たちはまた、サプライヤーによるエネルギー利用などの改善を目指し、グローバル・ソーシャル・コンプライアンス・プログラム(Global Social Compliance Program:GSCP)に基づいた環境プログラムを導入しています。
WWD:他の取り組みは?
ストルービッグ:より環境負荷を減らすために、全ての領域で長期的な目標を設定しています。特に、サプライヤーと一緒に、有害危険物質の除去への取り組みに注力しています。また私たちは18年に、国連主導の「ファッション業界気候アクション憲章(Fashion Industry Charter for Climate Action)」に加入しました。これは50年までの気候中立(二酸化炭素排出の実質的なゼロ)を実現するべく、サプライチェーンを中心に気候変動への負荷を減らすことを目的としています。強固なネットワークで互いに協力し合わなくては達成できないことです。
さらに、私たちが直面する最大の挑戦として特に気候変動に焦点を当てています。この目的に向けて、私たちは温室効果ガス削減のためにScience Based Targets(SBT:科学的根拠に基づく目標)を策定し、SBTイニシアチブの認証を得ました。私たち独自のプロセスでの排出削減のための対策以外にも、現在、気候変動枠組条約(UNFCCC)と共に、私たちのサプライチェーンのための戦略や対策について取り組んでいます。ここでの焦点は、環境負荷や進歩を測れるように目標を策定することです。これらをサプライヤーが実行に移せるように支援するために、私たちは現在研修プログラムを開発中です。私たちはこれらの対策がサプライチェーンにおける二酸化炭素排出の削減に大きな影響を与えると確信しています。
関崎:SBT(SCIENCE BASED TARGETS:環境省の定義は「パリ協定の基準が求める水準と整合した5~15年先を目標年として企業が設定する、温室効果ガス排出削減目標」)やTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース:G20の要請を受け、金融安定理事会が気候関連の情報開示および金融機関の対応をどのように行うかを検討するため、マイケル・ブルームバーグ氏を委員長として設立。企業などに対して気候変動関連リスクの項目を開示することを推奨)といったイニシアチブにも積極的に参加しています。自社の環境負荷について現状を把握することによって課題が明確になり、環境負荷低減の取り組みの必要性と具体的目標が明確になります。
H&Mヘネス・アンド・マウリッツ(H&M HENNES & MAURITZ)はESG(環境、社会、ガバナンスの重視)経営で高い評価を得ている。「ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・インデックス(Dow Jones Sustainability index)」(スコア97)や「世界で最も持続可能な100社(Global 100 Most Sustainable Corporations in the World)」(27位)などESG格付けランキングでも上位に常連の企業だ。英国のNPO団体ファッションレボリューション(Fashion Revolution)の「ファッション トランスペアレンシー インデックス(Fashion Transparency Index)」では、2020年度版で初めて1位となった。
山浦誉史サステナビリティ・コーディネーター(以下、山浦):1990年代に私たちは初めて行動規範を定め、そして化学物質に関する規制を始めました。変化を導くにあたってまず理解しなければならないのは、全ての段階でどの程度環境への負荷があるのか、そしてどの程度影響があるのかということです。デザインからお客さまによる消費に至るまで私たちのバリューチェーンの各段階において、私たちが行うすべての決断がポジティブな影響をもたらすポテンシャルがあるのです。特にファッション産業が直面する複雑かつ困難な問題において、ポジティブな変化をもたらすには、外部の専門機関との協業がとても重要であると私たちは考えます。例えば、水の使用に対する責任はWWF(世界自然保護基金)と協業したり、テキスタイルのリサイクル技術の開発に取り組む企業への投資や、循環型経済を推進するエレン・マッカーサー財団(Ellen MacArthur Foundation )とも密に連携しています。さらに繊維産業が抱える大きな問題や賃金についても、国連や衣料品従事者の国際労働組合と取り組んでいます。
だからこそ、今季のテーマとして選んだザ・ブルーハーツ(THE BLUE HEARTS)はストレートで意外だった。1985年から95年にかけて活動した日本の伝説的バンドである。会場で渡されたプレスリリースには「彼らの音楽は純粋で攻撃的だが優しさに溢れている。彼らの説明不要なかっこよさと強いメッセージを感じてください」とピュアなメッセージが綴られている。どうした、「アズマ」。さらにランウエイに目を向けると、白いカッターシャツをまとった純真無垢な学生12人が並んでいる。本当にどうした、「アズマ」。いよいよ丸くなったのだろうかと予感していると、定刻から12分遅れでショーが始まった。気がつけば、降り続けていた雨は奇跡的に上がっていた。
PHOTO : KIM WESTON ARNOLDPHOTO : KIM WESTON ARNOLDPHOTO : KIM WESTON ARNOLDPHOTO : KIM WESTON ARNOLDPHOTO : KIM WESTON ARNOLDPHOTO : KIM WESTON ARNOLDPHOTO : KIM WESTON ARNOLDPHOTO : KIM WESTON ARNOLD
世界で注目を集めているウエルビーングのトレンドだが、韓国も例外ではなくウエルネスブームが吹き始めている。今年の夏、ソウル駅近くにある人気の複合文化施設ピクニック(PIKNIC)にウエルネスライフスタイルショップ「レディ・トゥ・ウェルネス(Ready to Wellness)」がオープンした。健康的なライフスタイルを追求するトレンドセッターでもあるリリー・ベック(Lily Baek)=レディ・トゥ・ウェルネス代表が企画した新ショップは、環境への社会的な影響を意識し、“倫理的でサステナブルな暮らし”のコンセプトのもとウエルネス商品やクリーンビューティ、ファッション、ホームケア用品、セルフケアグッズなど、心と体を磨くアイテムを販売している。国内外のブランドとオリジナル商品が並ぶ店内は、ピンク色の内装がエキゾチックな雰囲気を醸し出している。
最近はコロナウイルスの影響もあって、以前より家で料理をすることが増えてきました。朝食はグラノーラなど簡単で栄養が取れるものをパパッと作る日も。そして、料理するのに欠かせないのは素敵な器。もともと器好きなこともあり、今回「菅原ガラス」さんとのコラボグッズとしてガラスの器を作っている最中なのでぜひお楽しみに。煮込み料理も大好きで、鍋は無水調理もできる「ストウブ(STAUB)」を愛用しています。また、先日取り寄せた「ハブ ア グッド スライス(HAVE A GOOD SLICE)」のピザは冷凍とは思えないおいしさで感動!実店舗は山形にあるのですが、味だけでなくNYをほうふつとさせるスタイリッシュな店内も素敵そうです。
VIEWS ON WWD U.S.:米「WWD」の翻訳記事から、注目すべきニュースの紹介や記事の面白さを解説するメールマガジン。「WWDジャパン」のライセンス元である米「WWD」は1910年から続くファッション業界専門紙。世界中のデザイナーや企業のトップと強く繋がっており、彼らの動向や考え、市場の動きをいち早く、詳しく業界で働く人々に届けています。
また今年5月に黒人男性が白人警察に押さえつけられて窒息死した事件を受け、デザイナーのオーロラ・ジェームズ(Aurora James)が掲げる「15パーセント プレッジ(15 Percent Pledge)」イニシアチブに参加することを表明した。これは小売り店に対して黒人が手掛けるブランドを15%扱うように求めたもので、15%の数字は全米におけるおおよその黒人の割合に相当する。また21年には、新しいビューティブランドがビジネスのコツを学んで投資コミュニティーとの結び付きを得ることにもつながる「セフォラ・アクセレレート・プログラム」に、20〜25のBIPOC(black, indigenous and people of colorの略で、黒人、先住民および有色人種の総称)のブランド創設者を招き入れる予定だ。
デザイナーとしても活動を始めたリアーナは、13年にイギリスのファッションブランド「リバーアイランド(RIVER ISLAND)」と限定コレクションを発表し、ロンドン・ファッション・ウイークでデビュー。その活躍はスポーツブランド「プーマ(PUMA)」の目に留まり、クリエイティブ・ディレクター兼グローバルアンバサダーに就任することに。アメリカファッション協議会(Council of Fashion Designers of America、CFDA)が主催してファッション業界のデザイナー、ブランド、メディアを表彰するアワードである「CFDAファッションアワード」で同年、ファッション・アイコン賞を受賞した。
さらに16年2月に「プーマ(PUMA)」とコラボレートした「フェンティ プーマ バイ リアーナ(FENTY PUMA BY RIHANNA)」のデビューコレクションを発表。ここではメンズとウィメンズウエア、アクセサリーを披露し、各メディアから絶賛されている。また、シューズ界のレジェント「マノロ ブラニク(MANOLO BLAHNIK)」との3度にわたるコラボレーションや、「ディオール(DIOR)」とのコラボレーションサングラスも同年に発表している。
自身のブランドについては、17年に多様性と包括性の追求をミッションに据えたビューティブランド「フェンティ ビューティ バイ リアーナ(FENTY BEAUTY BY RIHANNA)」を設立。異例の色展開であらゆる肌の色に対応し、白人主義とされる業界に一石を投じた。続けて翌年ランジェリーブランド「サヴェージ×フェンティ(SAVAGE X FENTY)」を立ち上げた。19年9月にニューヨークで行ったショーではさまざまな人種や国籍、性自認のモデルや、妊婦モデルを起用して多様性を表現し、称賛を浴びた。
19年5月には有色人種の女性として初めて、LVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON)とパートナーシップを結んで「フェンティ」を立ち上げた。同グループがブランドを立ち上げるのは1987年の「クリスチャン ラクロワ(CHRISTIAN LACROIX)」以来2度目で、リアーナの名をファッションの歴史に刻むこととなった。その後12月には「ザ ファッション アワード 2019(The Fashion Awards 2019)」でアーバン・ルクス(Urban Luxe)賞を受賞。名実ともにファッション界での地位も不動のものとしている。今年7月には、高級EC「ファーフェッチ(FARFETCH)」で取り扱いを開始し、ブラジルや中東といったこれまで進出していなかった地域へのアプローチにも乗り出した。