シャネルの新グローバルCEOにユニリーバの人事部トップが就任

 シャネル(CHANEL)は2022年1月末付で、リーナ・ネアー(Leena Nair)=ユニリーバ(UNILEVER)チーフ・ヒューマン・リソース・オフィサー(CHRO)を新たなグローバル最高経営責任者(CEO)に任命した。これに伴い、現在同職を務めるアラン・ヴェルタイマー(Alain Wertheimer)共同オーナーはグローバル・エグゼクティブ・チェアに就任する。

 ネアーCHROはユニリーバで30年以上のキャリアを持ち、16年に同社初の女性CHROに抜擢された。1992年に同社のインド法人に入社し、2006年にはインド法人の人事部を統括するマネジャーに就任。ユニリーバではダイバーシティ&インクルージョン(D&I)をけん引し、シャネルでも同様の功績を残すことが期待される。アラン・ジョープ(Alan Jope)=ユニリーバCEOは彼女について「CHROとしてイクオリティー(平等性)やダイバーシティ(多様性)、インクルージョン(包括性)を推し進め、社内のリーダーを育ててきた。パーパスドリブンなわれわれのビジネスに大きく貢献した」と評価する。

 調査会社のバーンスタイン(BERSTEIN)のルカ・ソルカ(Luca Solca)=シニア リサーチ アナリストは「シャネルは長年、日用消費財企業のトップを迎え入れてきた。ユニリーバやプロクター・アンド・ギャンブル(PROCTER & GAMBLE 以下、P&G)は優秀なマネジメント人材が在籍し、ラグジュアリー企業に転身するケースが多い。P&G出身で現在LVMHモエヘネシー・ルイヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON)のグループ・マネジング・ディレクターを務めるアントニオ・ベローニ(Antonio Belloni)や同じくP&G出身で現在エスティ ローダー カンパニーズ(ESTEE LAUDER COMPANIES)のファブリツィオ・フリーダ(Fabrizio Freda)社長兼CEOらがその例だ」とコメント。

 一方、ヴェルタイマーCEOは16年から、モーリーン・シケ(Maureen Chiquet)前グローバルCEOの後任としてシャネルのトップを率いてきた。なお、ユニリーバではネアーCHROの後任は発表されていない。

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“エア ジョーダン13”や「エルメス」の“バーキン・ヒマラヤ”などが競売に 合計落札額は3億円超

 競売会社クリスティーズ(CHRISTIE’S)は11月24日〜12月8日、“ハンドバッグxハイプ:ザ・ラグジュアリー・リミックス(Handbags x Hype: The Luxury Remix)”と題したオークションを開催した。「エルメス(HERMES)」「シャネル(CHANEL)」「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」「グッチ(GUCCI)」など、ラグジュアリーブランドの希少なアイテムがそろい、落札額の合計は290万ドル(約3億2900万円)となった。

 ほかにも「シュプリーム(SUPREME)」や「オフ-ホワイトc/o ヴァージル アブロー(OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH)」「リモワ(RIMOWA)」などのコラボアイテムや、カニエ・ウェスト(Kanye West)が主宰のクリエイティブ・エージェンシー、ドンダ(DONDA)が手掛け、同氏が2021年8月のイベントで着用したサイン入り防弾チョッキも出品された。同アイテムにはNFT版も含まれており、合わせて7万5000ドル(約850万円)で落札された。

 今回の最高落札額は、“バスケの神様”と称されるマイケル・ジョーダン(Michael Jordan)がシカゴ・ブルズ(CHICAGO BULLS)時代における最後のシーズンでニューヨーク・ニックス(NEW YORK KNICKS)との試合に着用した“エアジョーダン13(AIR JORDAN XIII)”で、37万5000ドル(約4200万円)だった。ほかには、オレンジとブルー、ホワイトを使った「エルメス」の“バーキン・セリエ・フォーブル 20(Birkin Sellier Faubourg 20)”が17万5000ドル(約1900万円)、“バーキン・ニロティカスクロコダイル・ヒマラヤ 35(Birkin Matte White Himalaya Niloticus Crocodile 35)”が13万7500ドル(約1500万円)、そして“バーキン・ブレイズ・ポロサスクロコダイル25(Birkin Braise Porosus Crocodile 25)”が6万2500ドル(約700万円)と続いた。

 また、11月29日に急逝したデザイナーのヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)による「ナイキ(NIKE)」x「オフホワイト」の全スニーカーコレクションも出品され、6万2500ドル(約700万円)で落札された。

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パントンが2022年のカラーを発表 淡いパープル系で未来への期待感を表現

 パントン・カラー・インスティテュート(PANTONE COLOR INSTITUTE以下、パントン)は、2022年の「カラー・オブ・ザ・イヤー(Color of the Year)」として“ベリーペリ(Very Peri: Pantone17-3938)”を発表した。例年は既存の色から選定されるが、今年は2000年にスタートして以来、初めて新たな色が作られた。

 パントンによれば、この新たな色はコロナ禍の影響によって従来とは異なる生き方や働き方への移行期にあることを表しており、デジタルと現実世界の融合や、クリエイティビティ、新しさ、そして未来に対する期待の高まりを表現しているという。

 “ベリーペリ”は、淡いブルー系を基調に赤紫系統の色味を加え、ツルニチニチソウの花のような色に仕上げられている。パントンのリアトリス・アイズマン(Leatrice Eiseman)=エグゼクティブ・ディレクターは、青色が持つ親しみやすさや心地よさ、安心感をベースに、新鮮さや未来への期待感、デジタル化された世界の動きを表現するために赤紫を混ぜたと語る。紫色は(米共和党と民主党をそれぞれ象徴する)赤と青を混ぜた色だが、「政治的な意図は全くない」と同氏は付け加えた。

 ファッションへの取り入れ方としては、「“ベリーペリ”はニュートラルな色から、よりビビットで明るい色まで、多くの色と合わせることができる。メタリックな素材を使ってゴージャスなドレスに仕上げたり、カジュアルウエアとしてフリースに使ったりすることもできる万能なカラー。使いづらそうな色に見えるかもしれないが、実は可能性を無限に秘めている」と述べた。

 「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」が、メンズ・アーティスティック・デザイナーとして同ブランドを率いていたヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)の急逝後に発表した2022年春夏メンズ・スピンオフ・コレクションでも、“ベリーペリ”を使ったルックが登場。米オーディション番組「ザ・ヴォイス(The Voice)」に出演した歌手のアリアナ・グランデ(Ariana Grande)は、同カラーで仕上げた「グッチ(GUCCI)」のビンテージドレスを着用した。映画「ハウス・オブ・グッチ(House Of Gucci)」で主演を務めるレディー・ガガ(Lady Gaga)も、同カラーを取り入れたルックを披露している。

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ベラ・ハディッドが「ヴィクトリアズ・シークレット」との仕事に復帰 かつて決別したブランドと再び関わる理由は?

 モデルのベラ・ハディッド(Bella Hadid)は、「ヴィクトリアズ・シークレット(VICTORIA’S SECRET、以下VS)」による「VS コレクティブ(VS COLLECTIVE)」イニシアチブに参加する。同取り組みは、キャンペーンを通してバックグラウンドの異なる女性たちにスポットライトを当て、それぞれのストーリーを伝えるもの。11月にはプロテニスの大坂なおみ選手が選出されたほか、米国サッカーチームのキャプテン、ミーガン・ラピノー(Megan Rapinoe)やインド出身の女優プリヤンカー・チョプラ(Priyanka Chopra)、サイズ14モデルのパロマ・エルセッサー(Paloma Elsesser)らがメンバーに名を連ねる。

 かつて「VS」の“エンジェル”として活躍していたベラは、同ブランドの変化や新たなミッションについて、責任者らと約一年半にわたって議論を重ね、再び一緒に活動していくことを決めたという。雑誌「マリ・クレール(MARIE CLAIRE)」でのインタビューでは、今回の決断について「『VS』との仕事は数年ぶりになるけれど、復帰の決め手は『VS』が舞台裏で大きく変化していることが分かったから。『VS』でモデルを務めた女性の多くは、ブランドのやり方・あり方に思うことがあったと思う。今は役員の7人中6人が女性になり、モデル撮影のルールも刷新された。以前とは、本当に多くのことが変わった。『VS』のようなブランドが世界には必要だし、その存在によって自分らしくいられると感じる人もいるはず」と語った。

 「VS コレクティブ」については、「キャンペーンへの参加することは、本当の意味で自信を取り戻し、私の体を支配する力を再び自分のものにすることだった。このキャンペーンの素晴らしさは、みんなが集まり、対話を生み出していくことにあると思う。今回の撮影時には、以前のような男性が男性のために経営していたランジェリー企業であった頃に抱いた感情とは違って、すごく支えられていると感じられて、ただただうれしかった。パロマやアドゥ(・アケチ)といった他の参加者をはじめ、セットで周りを見渡すだけで、あらためてみなぎる自信を実感した。自分の体がお金儲けのためだけにあるように感じるのではなくて、ランジェリーが力をもたらしてくれた」という。

 「VS」は、かつて名物イベントである豪華なファッションショーや広告を中心に人気を集めていたが、2016年をピークに売り上げが減少している。“エンジェル”と呼ばれる痩身でセクシーなモデルばかりが登場するプロモーションは、人種から体型、LGBTQ+コミュニティーの包括性(インクルージョン)など多様性(ダイバーシティ)が欠けていると批判を浴びてきた。18年には、当時同ブランドの擁していたLブランズ(L BRANDS)のエド・ラゼック(Ed Razek)元チーフ・マーケティング・オフィサーが、「プラスサイズやトランスジェンダーのモデルには全く興味がない」と発言したことが物議を醸したほか、性犯罪者と関わりがあったという疑惑が浮上。19年にはモデルのサラ・ジフ(Sara Ziff)が立ち上げたモデルの人権を守る団体、ザ・モデル・アライアンス(THE MODEL ALLIANCE)が、「VS」のジョン・ミハス(John Mehas)元最高経営責任者(CEO)宛に性的違法行為からモデルを守るよう求める公開書簡を発表するなど、企業のあり方が問われていた。「VS コレクティブ」は、ブランドの路線変更と、多様性&包括性の向上に取り組むための一環。21年6月の開始以来、異なるバックグランドを持つ女性らを集め、ブランドイメージの刷新を進めている。

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ベラ・ハディッドが「ヴィクトリアズ・シークレット」との仕事に復帰 かつて決別したブランドと再び関わる理由は?

 モデルのベラ・ハディッド(Bella Hadid)は、「ヴィクトリアズ・シークレット(VICTORIA’S SECRET、以下VS)」による「VS コレクティブ(VS COLLECTIVE)」イニシアチブに参加する。同取り組みは、キャンペーンを通してバックグラウンドの異なる女性たちにスポットライトを当て、それぞれのストーリーを伝えるもの。11月にはプロテニスの大坂なおみ選手が選出されたほか、米国サッカーチームのキャプテン、ミーガン・ラピノー(Megan Rapinoe)やインド出身の女優プリヤンカー・チョプラ(Priyanka Chopra)、サイズ14モデルのパロマ・エルセッサー(Paloma Elsesser)らがメンバーに名を連ねる。

 かつて「VS」の“エンジェル”として活躍していたベラは、同ブランドの変化や新たなミッションについて、責任者らと約一年半にわたって議論を重ね、再び一緒に活動していくことを決めたという。雑誌「マリ・クレール(MARIE CLAIRE)」でのインタビューでは、今回の決断について「『VS』との仕事は数年ぶりになるけれど、復帰の決め手は『VS』が舞台裏で大きく変化していることが分かったから。『VS』でモデルを務めた女性の多くは、ブランドのやり方・あり方に思うことがあったと思う。今は役員の7人中6人が女性になり、モデル撮影のルールも刷新された。以前とは、本当に多くのことが変わった。『VS』のようなブランドが世界には必要だし、その存在によって自分らしくいられると感じる人もいるはず」と語った。

 「VS コレクティブ」については、「キャンペーンへの参加することは、本当の意味で自信を取り戻し、私の体を支配する力を再び自分のものにすることだった。このキャンペーンの素晴らしさは、みんなが集まり、対話を生み出していくことにあると思う。今回の撮影時には、以前のような男性が男性のために経営していたランジェリー企業であった頃に抱いた感情とは違って、すごく支えられていると感じられて、ただただうれしかった。パロマやアドゥ(・アケチ)といった他の参加者をはじめ、セットで周りを見渡すだけで、あらためてみなぎる自信を実感した。自分の体がお金儲けのためだけにあるように感じるのではなくて、ランジェリーが力をもたらしてくれた」という。

 「VS」は、かつて名物イベントである豪華なファッションショーや広告を中心に人気を集めていたが、2016年をピークに売り上げが減少している。“エンジェル”と呼ばれる痩身でセクシーなモデルばかりが登場するプロモーションは、人種から体型、LGBTQ+コミュニティーの包括性(インクルージョン)など多様性(ダイバーシティ)が欠けていると批判を浴びてきた。18年には、当時同ブランドの擁していたLブランズ(L BRANDS)のエド・ラゼック(Ed Razek)元チーフ・マーケティング・オフィサーが、「プラスサイズやトランスジェンダーのモデルには全く興味がない」と発言したことが物議を醸したほか、性犯罪者と関わりがあったという疑惑が浮上。19年にはモデルのサラ・ジフ(Sara Ziff)が立ち上げたモデルの人権を守る団体、ザ・モデル・アライアンス(THE MODEL ALLIANCE)が、「VS」のジョン・ミハス(John Mehas)元最高経営責任者(CEO)宛に性的違法行為からモデルを守るよう求める公開書簡を発表するなど、企業のあり方が問われていた。「VS コレクティブ」は、ブランドの路線変更と、多様性&包括性の向上に取り組むための一環。21年6月の開始以来、異なるバックグランドを持つ女性らを集め、ブランドイメージの刷新を進めている。

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ロレアルが若年層に人気のLA発ナチュラルスキンケア「ユース トゥ ザ ピープル」を買収

 ロレアル(L'OREAL)は米ロサンゼルス発のナチュラル系スキンケアブランド「ユース トゥ ザ ピープル(YOUTH TO THE PEOPLE)」を買収する。取引額は非公表。スーパーフードやコールドプレスした原料、自然由来成分を配合したスキンケアブランドで、若年層に人気だ。なお、同ブランドは今後ロレアルのリュクス事業本部の傘下になる。

 「ユース トゥ ザ ピープル」は2015年に従兄弟のグレッグ・ゴンザレス(Greg Gonzalez)とジョー・クロイエス(Joe Cloyes)が祖母のスキンケアブランドにインスパイアされて立ち上げた。現在アメリカ、カナダ、オーストラリア、ヨーロッパでビジネスを展開し、今年の売り上げは5000万ドル(約56億円)を超えるとされる。人気製品は、ケールと緑茶、ほうれん草などを用いたクレンザーやクリーム、マキベリーなどのベリーを配合したマスクなどだ。

 シリル・シャピュイ(Cyril Chapuy)=ロレアル リュクス事業本部プレジデントは「『ユース トゥ ザ ピープル』は素晴らしい品質と高い評判でジェンダーに関係なく人気だ。ヘルシーでビーガンでありながら効果効能に優れた製品を持つ同ブランドは、本事業部のポートフォリオに良い相乗効果を与える。公平な世界とコンシャスなビューティをうたうブランド理念は、ロレアルとマッチする」と評価する。

 近年大手企業によるナチュラル系のスキンケア・ボディーケアブランドの買収が相次いでおり、プロクター・アンド・ギャンブル(PROCTER & GAMBLE)は米スキンケアブランド「ファーマシー(FARMACY)」を、ロクシタン(L'OCCITANE)はブラジルの美容習慣から着想したボディーケアブランド「ソル デ ジャネイロ(SOL DE JANEIRO)」を、LVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON)はパリ発「オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリー(OFFICINE UNIVERSELLE BULY)」を傘下に収めた。
 

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「ティファニー」と「パテック フィリップ」が提携170周年記念の限定モデルを発売 文字盤が“ティファニーブルー”のノーチラス

 スイスの高級時計ブランド「パテック フィリップ(PATEK PHILIPPE)」と、「ティファニー(TIFFANY & CO.)」は、170年続くパートナーシップを記念した限定モデルを発売する。1851年に「ティファニー」が「パテック フィリップ」の米国市場における初の公認リテーラーとなって以来、両社は長きにわたって提携してきた。

 今回販売するのは、ステンレススチール製で文字盤が“ティファニーブルー”のノーチラス「Ref.5711/1A-018」。6時の位置には「ティファニー」の、12時には「パテック フィリップ」のロゴが記されている。自動巻き式で、耐水深度は120メートル。裏蓋にはサファイアクリスタルを使い、“170th Anniversary 1851-2021 Tiffany & Co. — Patek Philippe”の文字が刻印されている。

 販売数は限定170本となっており、ニューヨーク、ビバリーヒルズ、サンフランシスコにある「ティファニー」の店舗でのみで取り扱う。また「ティファニー」はそのうちの一本を12月11日、オークションハウスのフィリップス(PHULLIPS)に出品し、利益を全て自然保護団体の「ザ・ネイチャー・コンサーヴァンシー(THE NATURE CONSERVANCY)」に寄付する。

 アレクサンドル・アルノー(Alexandre Arnault)「ティファニー」プロダクトおよびコミュニケーション部門エグゼクティブ・バイス・プレジデントは、「『パテック フィリップ』との提携170周年を記念し、こうして協業できることを光栄に思う。ノーチラスは同ブランドの扱うモデルの中でも、最もアイコニックなデザインの1つ。“ティファニーブルー”の文字盤を備えた限定モデルを発表することを誇りに感じる」と語った。

 「ティファニー」と「パテック フィリップ」は2001年から、これまで4回コラボレーションを実施。「パテック フィリップ」の時計の文字盤にブランド名が入っているリテーラーは現在のところ「ティファニー」のみとなっている。

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「ボッテガ・ヴェネタ」がダニエル・リー時代のアイテムの在庫処分報道に反論

 「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」は、11月に突如退任したダニエル・リー(Daniel Lee)前クリエイティブ・ディレクター時代のアイテムをオフプライスストアに卸すなどして在庫の処分を行っているのではないかという報道を否定する声明を発表した。

 米「WWD」は12月1日、リーが手掛けた「ボッテガ・ヴェネタ」のアイテム125点以上がオフプライスストアのTKマックス(TK MAXX)のウェブサイトで販売されていると報じた。アイテムはウエアやシューズ、アクセサリーなど幅広く、最大で79%オフで販売されているという。

 これに対して「ボッテガ・ヴェネタ」は、「TKマックスのようなリセラーに卸すことはしていない。同サイトで販売されている製品の出所や真贋を積極的に調査中だ」とコメントしている。

 投資会社のアライアンス・バーンスタイン(ALLIANCEBERNSTEIN)が12月2日に発表した「2021年10月付ラグジュアリーブランド“価格規律”指数調査」の中でルカ・ソルカ(Luca Solca)シニア・リサーチャーは「ケリング(KERING)傘下の『ボッテガ・ヴェネタ』『グッチ(GUCCI)』『サンローラン(SAINT LAURENT)』はいずれも完璧に近い価格規律を継続している。この調査を開始以来、『ボッテガ・ヴェネタ』で初めて割引価格で販売された商品が1つもないという結果が出た」とコメントしている。さらに、同調査報告書は「ボッテガ・ヴェネタ」について、「オフプライスチャネルで1位を獲得しており、値引きをしないという方針がそのほかの販売チャネルにも良い影響をもたらしている」と分析している。

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BLACKPINKのLISAがランウエイデビュー アンバサダーを務める「セリーヌ」のコレクションに登場

 韓国アイドルグループ、BLACKPINK(ブラックピンク)のLISA(リサ)が「セリーヌ(CELINE)」2022年春夏コレクションのランウエイに登場した。同イベントはフランスのニースで開催。ブランド公式サイトでの配信に加えて、インスタグラム、ツイッター、ユーチューブで動画を公開している。

 ショーでLISAは、背中に“Celine Paris”の文字があしらわれた緑のスカジャンにグレーのフーディーを着用。白いクロップトップとダークウオッシュのデニムジーンズ、ブランドロゴが輝くネオンイエローのバッグに合わせた。髪型はLISAを象徴する前髪のあるボブヘアーでまとめた。動画内では歩くシーンだけでなく、アップで数カット、モノクロで登場する。

 今回のショーでは、モデルの多くがLISAと同じショートで前髪のあるボブヘアーで登場したシーンもあったことから、エディ・スリマン(Hedi Slimane)=アーティスティック、クリエイティブ&イメージディレクターのミューズなのではないかとLISAのファンの間で囁かれているという。

 LISAは2019年からスリマン=アーティスティック、クリエイティブ&イメージディレクターと協業を始め、20年9月に正式にブランドのグローバルアンバサダーに就任した。3日にはパフュームコレクション、セリーヌ オート パフューマリー(CELINE HAUTE PARFUMERIE)のグローバルブランドアンバサダーに任命された。

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P&Gが「ウェイ」の買収でプレステージヘアケア市場に進出 カーダシアン一家のヘアスタイリストが設立

 プロクター・アンド・ギャンブル(PROCTER & GAMBLE 以下、P&G)はセレブリティヘアスタイリストのジェン・アトキン(Jen Atkin)が手掛けるヘアケアブランド「ウェイ(OUAI)」を買収する。取引額は非公表。業界筋は同ブランドの2021年の売り上げは5000万ドル(約56億円)、22年は8000万ドル(約90億円)を上回ると予測している。今回の買収により、P&Gは近年拡大し続けるプレステージヘアケア市場に進出することになる。

 アトキンは2016年に「ウェイ」を立ち上げ、製品はミニマリスティックなデザインと上品な香りで人気を集め、現在はヘアケアに加えキャンドルやフレグランスも展開している。インスタグラムで420万のフォロワーを抱える彼女は、SNSでのコミュニケーションを軸にブランドを成長させてきた。カーダシアン・ジェンナー(Kardashian-Jenners)一家やベラ・ハディッド(Bella Hadid)、ヘイリー・ビーバー(Hailey Bieber)をはじめとする数多くのセレブリティーのヘアスタイリストとしても知られている。

 同ブランドはP&G傘下になり、今後は新製品をローンチしつつ、新しい地域への進出も狙う。一方のP&Gにとっても、米国で急伸するプレステージヘアケア市場への進出を可能にする。調査会社のNPDグループ(NPD GROUP)によると、同市場の7〜9月の売り上げは前年同期比36%増の6億2000万ドル(約700億円)を記録したという。

 P&Gは近年プレステージビューティに注力しており、先日はプレステージスキンケアブランド「ファーマシー(FARMACY)」の買収を発表したばかりだ。同社のアレックス・キース(Alex Keith)=ビューティ部門最高経営責任者は「ブランドポートフォリオを見直す中で、プレステージスキンケア・ヘアケアは大きな成長のポテンシャルを持っている。消費者はプレステージビューティへの関心が高まっており、われわれはこれまでプレステージヘアケアのブランドを擁していなかった」と買収の経緯について語る。

 近年買収している他ブランド同様に、「ウェイ」は独立して経営する予定で、アトキンは引き続き創業者兼チーフ・クリエイティブ・オフィサーを、コリン・ウォルシュ(Colin Walsh)はCEO職を継続する。

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「ルイ・ヴィトン」、ヴァージルが手掛けた最後のコレクションを発表 「ヴァージルがここにいた」

 11月30日(現地時間)、米フロリダ州マイアミで「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」2022年春夏メンズ・コレクションのスピンオフショーが開催された。28日には、メンズ・アーティスティック・デザイナーとして同ブランドを率いてきたヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)が急逝したばかりだが、「ヴァージルの遺志を尊重して想いを引き継ぐ」として、同ブランドはショーを予定通りに行った。

 マイアミ・マリン・スタジアム付近の埠頭に停泊したはしけ(平底の船舶)上で行われたショーには、ヴァージルが師と仰いだカニエ・ウェスト(Kanye West)と、キム・カーダシアン・ウェスト(Kim Kardashian West)のほか、リアーナ(Rihanna)、エイサップ・ロッキー(A$AP Rocky)、ベラ・ハディッド(Bella Hadid)、ファレル・ウィリアムス(Pharrell Williams)などのセレブレティーも数多く来場。ストリートウエアブランド「フィアー オブ ゴッド(FEAR OF GOD)」を手掛けるジェリー・ロレンゾ(Jerry Lorenzo)は、ニューヨークで開催されるフットウエア・ニュース・アチーブメント・アワード(Footwear News Achievement Awards)に出席する予定だったが、急遽マイアミに飛んで来たという。

 また、「ルイ・ヴィトン」を擁するLVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON)のベルナール・アルノー(Bernard Arnault)会長兼最高経営責任者(CEO)を筆頭に、アルノー家のメンバーも出席した。

 マイケル・バーク(Michael Burke)=ルイ・ヴィトン会長兼CEOは、「これほどつらいスピーチは今までしたことがない」と、東京でヴァージルと初めて会った時の思い出などを1500人ほどの来場者に語りかけた。当時、訪日していたカニエとヴァージルにはNIGO®「ア ベイシング エイプ®(A BATHING APE®)」創業者を通じて知り合い、以来ずっと友情を育んできたという。「そうした経緯があったので、彼が『ルイ・ヴィトン』に加わった際にはもう息子のように思っていた。彼の素晴らしい作品やビジョン、思慮深い人間性などにより、彼のレガシーはずっと生き続けるだろう」。

 マイアミらしい青空が美しい夕暮れとなった17時半に、ショーがスタート。ヴァージルが手掛けた最後のシーズンとなった22年春夏メンズ・コレクションをメインに、10の新たなルックが披露された。登場したアイテムは、ニット製のフットボールジャージー、プリーツやフレアのスカート、ベルト付きのジャケット、スタジャン、ロングコート、スニーカー、ブーツなど。ヴァージルと親交の深かったラッパーのオフセット(Offset)、キッド・カディ(Kid Cudi)、クエイヴォ(Quavo)がモデルとしてランウエイを歩いた。

 ショーの開始前とフィナーレには、ヴァージルがショーの着想源などについて語る音声が流された。それによれば、「子どもには頭ではなくイマジネーションを使い始める瞬間がある」ことから、“子ども時代を取り戻す”ことをインスピレーションの一つにしたという。

 音声が終わると夜空がマルチカラーの華やかなライトに照らされ、いくつもの花火が打ち上げられる中、「ルイ・ヴィトン」のロゴをあしらった赤い気球が飛び立っていった。アフターパーティーが行われたエリアの中心には、レインボーカラーに彩られたヴァージルの巨大な像が立っている。最後はドローンを用いたショーが行われ、空に「ヴァージルがここにいた(Virgil was here)」の文字が描かれた。

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ヴァージル・アブロー氏の功績を讃えるデザイナーらの言葉 同氏がファッションに与えたもの

 ヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)氏の早すぎる死を受けてファッション界が悲しみに包まれる中、業界人やデザイナーらは彼がどのように道を切り開き、若い才能を育て、次世代のデザイナーの新たな手本となったかなどについてコメントを寄せている。ヴァージル氏は29日、闘病の末にシカゴで亡くなった。自身のブランド「オフ-ホワイト c/o ヴァージル アブロー(OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH)」の創業者であり、「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」のメンズ・アーティスティック・デザイナーだった。

 ここでは米「WWD」に寄せられた、ヴァージル氏の功績を称え追悼する言葉を紹介する。

ラルフ・ローレン(Ralph Lauren)

 「ヴァージル・アブローの好奇心と情熱は、彼の人生やクリエイティビティー、夢に大きな影響を与えた。こんなに若く才能あふれる人物が突然亡くなってしまって本当にショックを受けている。彼が愛した妻、子どもたち、そしてご家族に心からお悔やみを申し上げる。アートが持つ、人々の人生を変えたり、次世代にインスピレーションを与えたりする力を信じていたヴァージル氏の思いを胸に、私たちみんながその遺志を引き継いでいければと思う」

マイケル・コース(Michael Kors)

 「ヴァージルは、ファッションと文化の融合を現代的な文脈で行った、真の意味での“ルネサンス的教養人”だった。2009年に初めて彼のセレクトショップ、RSVPギャラリー(RSVP GALLERY)を訪れた時のことは今でも覚えている。その頃はまだヴァージルのことを知らなかったが、一瞬でその場のエネルギーや空間に心を掴まれた。彼のクリエイティビティーには境界線というものがなかった。ストリートウエアを新たな高みへと押し上げ、伝統的なラグジュアリーファッションを現代的に再解釈した。彼の才能は、ファッションデザイナーという枠に収まらないものだった」

オーロラ・ジェームズ(Aurora James)
「ブラザー ベリーズ(BROTHER VELLIES)」創業者兼「15パーセントプレッジ(15 Percent Pledge)」設立者

 「ヴァージル・アブローは、クリエイティブの世界への贈り物のような存在だった。彼は私たちを引き込む明るい光であったと同時に、多くがその後ろに続いていけるよう道を照らしてくれた。彼が見せてくれた黒人として活躍する姿は業界を超越して、ブラックコミュニティーの若者たちのインスピレーションとして永遠に生き続けるだろう」

トミー・ヒルフィガー(Tommy Hilfiger)

 「ヴァージルは、手掛けるもの全てに前例のないビジョンをもたらした、クリエイティブの天才だった。ストリートウエアからラグジュアリーファッション、アート、音楽などをつないで新しい時代をけん引するイノベーターであり、壁を壊していく“破壊者”であった。中でも、彼がカルチャーに与えた影響は大きい。業界を跨いで自身のプラットフォームをコミュニティーのために生かし、次世代のクリエイターを育て、よりインクルーシブ(包括的)な環境を築いた。先駆者としてのレガシーや功績はこれからもずっと次世代のインスピレーションとなり、引き継がれていくだろう」

スティーブン・コルブ(Steven Kolb)
アメリカファッション協議会最高経営責任者(CEO)

 「ヴァージルは前例のないインパクトをファッション業界に与えた。今後も彼のような人物はなかなか現れないだろう。革命的という言葉は使われすぎているが、彼は新たなアプローチでクリエイティビティーに挑戦した、本当の“革命児”だった。人生や仕事を意義深いものにするためには物事に情熱的に取り組み、伝統に縛られるべきではないと教えてくれた。彼はクリエイターであると同時に、多くのコラボレーションを行った。その関心はファッションにとどまることなく、デザインを多角的に捉えて文化をより豊かなものにしてくれた。ヴァージルは、アメリカ発祥のストリートウエアを自身の発信によって広め、初めてグローバルなファッション業界に浸透させた。彼はベテランたちも虜にしたが、その真の功績は次世代の若者たちを勇気づけ、後に続こうというモチベーションを与えたことだろう」

フィリップ・リム(Phillip Lim)

 「私たちはカルチャー、ファッション、人類のいわば“守護神”を失ってしまった。彼が立ち上がって声を上げたことで、私たちには物事を変える力があるということを示した。自分の個性を大切にしつつ社会に貢献することは、彼を失ったわれわれが今一度学ぶべきこと。ヴァージルは多くの人々のために勇敢に道を切り開いてくれた。その想いを忘れない。友よ、安らかにお眠りください」

マシュー・ウィリアムズ(Matthew M. Williams)
「ジバンシィ(GIVENCHY)」クリエイティブ・ディレクター

 「ヴァージルは私にインスピレーションを与えてくれたし、多くの人にとってそうだったと思う。仕事へのコミットぶりは比類のないものだった。彼はこの業界の常識に果敢に挑み、これからのクリエイティブたちのために道を開いた。彼と出会ってたくさんの思い出を一緒に作れたことは本当に幸運だと思うし、もう会えないと思うと本当に寂しい。ヴァージルはこれからも、人々に与えた影響とその想いの中に生き続けるだろう」

ガブリエラ・ハースト(Gabriela Hearst)

 「敬愛する天才が亡くなったと聞いて衝撃を受けたし、とても悲しい。ご家族や彼と親しかった方々にお悔やみ申し上げます。アーティストとして多才かつ革命的な存在で、自分の道を自ら切り開いていった。ヴァージルの思いや作品は多くの人にインスピレーションを与えた。彼はこれからもずっとレジェンドであり続けるだろう」

ロニー・ファイグ(Ronnie Fieg)
「キス(KITH)」クリエイティブ・ディレクター兼CEO

 「みんながより大きな夢を描けるよう、たくさんの扉を開いてくれた人。私が知っている中で最も聡明で優しい、ピュアな魂を持っている人物だった」

トレイシー・リース(Tracey Reese)

 「ヴァージル・アブローは、才能と先見の明に恵まれていた。彼は(有色人種など多くの人々に)閉ざされていた扉を開き、ラグジュアリーファッションをもっとモダンで、身近なものにしてくれた。先駆者であることは苦労を伴うが、ヴァージルはそうした中でもみんなを一緒に引き上げ、誰もが“テーブル”につけるようにしてくれた。ひどく惜しまれることだろう」

トリー・バーチ(Tory Burch)

 「ヴァージルは稀に見るクリエイティブの天才で、多くのことを成し遂げた。アメリカのストリートウエアを、グローバルレベルで通用するエキサイティングなものに発展させた。彼の優しく誠実な心、そしてこれから続く人のために道を切り開いていこうとする勇敢さは多くの人のインスピレーションとなったことだろう」

ダイアン・フォン・ファンステンバーグ(Diane von Furstenberg)

 「本当に悲しいことだ。彼はまだ若かったが、大きな成功を収め、誠実でインスピレーションを与えてくれる人物だった。彼は本当に多くの人々のため、多くの事柄に立ち向かっていた。大きな影響を及ぼしていたし、これからさらにそうしていくはずだった。短すぎる人生の中でもこれほどのものをわれわれに残したのだから、レガシーを築いていくに違いなかった。責任感あふれる人物だった。病気を患っていたと知ってから振り返ってみると、彼の瞳はどこか悲しげに見える。ファッションは常に時代を反映するものだが、彼はまさに時代の寵児だった」

ロイヤル・カレッジ・オブ・アート(ROYAL COLLEGE OF ART、RCA)

 「われわれ一同、彼の訃報を聞いて大きな悲しみに包まれている。ヴァージル・アブローはRCAの大切な、素晴らしいアンバサダーだった。客員教授として同氏を迎えられたことを光栄に思う。クリエイティブにおける教育と機会の平等を実現するためにかけがえのない存在だった」

ベサン・ハーディソン(Bethann Hardison)

 「ヴァージルは、18年に私が黒人デザイナーらと一丸になって活動を始めたときのインスピレーションの源だった。それが今では『デザイナーズハブ』(若手デザイナーを支援するオンラインサロン)に成長している。黒人として活動する中で、『黒人のデザイナーは何をしているの?』と何回も聞かれることに疲れていたので、私はいつも『誰もがヴァージル・アブローにはなれないけど、確かに存在している』と答えていた。ヴァージルはエンジニアリングとファッションを融合させて、新しい基準を作った。お悔やみ申し上げます」

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ヴァージル氏を悼む声 ファレル・ウィリアムスやヘイリー・ビーバーらがSNSに思いの丈を綴る

 11月28日、デザイナーのヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)氏が死去した。41歳だった。同氏の公式インスタグラムによると、2019年に心臓血管肉腫というがんを診断され、以来闘病生活を送っていたという。

 ヴァージル氏は米イリノイ州シカゴ生まれ。大学では建築関係を学んだ。12年に音楽プロデューサーのカニエ・ウエストと出会い、同氏が設立したクリエイティブエージェンシー、ドンダ(DONDA)のクリエイティブディレクターに就任。グラフィックデザインにも精通していたほか、DJや建築家など多方面で才能を発揮した。13年に自身のブランド、「オフ-ホワイト c/o ヴァージル アブロー(OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH以下、オフホワイト)」を設立。18年3月には、「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」のメンズ・アーティスティック・ディレクターに抜擢され、ストリートとラグジュアリーファッションを融合するようなデザインを生んだ。

 同メゾン初の黒人デザイナーとして「ルイ・ヴィトン」や業界の歴史に名前を刻んだほか、社会的問題にも積極的に声を上げてきたヴァージル氏。音楽プロデューサーのファレル・ウィリアムス(Pharrell Williams)やモデルのヘイリー・ビーバー(Hailey Bieber)、女優のシンシア・エリボ(Cynthia Erivo)、ラッパーのドレイク(Drake)らによる哀悼の声を紹介する。

 ウィリアムスはヴァージル氏の写真を載せ、「胸が痛い。ヴァージル、あなたは優しくて寛大で思慮深い、クリエイティブの天才だった。業界に残した功績と、あなたの思いは永遠に生きるだろう。あなたの妻や子ども、家族、そして周りのみんなに愛と光を贈る。主とともにあらんことを。ずっと輝いて」とキャプションで添えた。

 ジャスティン・ビーバー(Justin Bieber)と19年に挙式した際、ヴァージル氏がデザインを手掛けた「オフホワイト」のオーダーメイドドレスを着用したヘイリーもSNSで自身の思いを投稿。そのドレスを着たツーショットとともに、「ヴァージルは、私のストリートスタイルやファッション全般に対する見方を完全に変えた人物。彼の物事の捉え方は私に深い影響を与えた。ランウエイに起用してくれたり、ウエディングドレスをデザインしてくれたりして、彼と出会えて一緒に仕事をできたことが本当にうれしい。いつも私のことを支えてくれた」とコメント。「彼は存在するだけで、どんな状況でも人生の素晴らしさやカリスマ性、愛と楽しさをもたらしてくれた。これほどのクリエイティビティを持つ人物は、一世代に1人しかいない。愛を込めて」。

 詩人のアマンダ・ゴーマン(Amanda Gorman)は、ヴァージル氏が自身の祖母にインスピレーションを受けて、ゴーマンのために手掛けたルックについて振り返る。「私たちは大きなものを失ってしまった。あなたの才能と魂は惜しまれることだろう。あなたに出会い、あなたの祖母への敬愛を込めてデザインされた美しい一着を身につけられたことを光栄に思う。あの時、私は過去や現在を超越するデザインを生み出すようなデザイナーの作品を着るという名誉な経験をさせてもらった。同氏のかつての言葉を引用すると、古い絵が消されたところにこれからも新しい絵を描いていこう」と語った。

 セレブリティーや著名人からはほかにも突然の死を受けて、ヴァージル氏への追悼の投稿が寄せられている。

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BTSが韓国コスメ「ラネージュ」とコラボ LAツアーを記念した限定アイテムを発売

 BTSと韓国のビューティ系コングロマリットのアモーレパシフィック(AMOREPACIFIC)は11月26日、BTSの“Permission to Dance On Stage”ツアーのロサンゼルス公演に合わせて、アモーレパシフィック傘下ブランドの「ラネージュ(LANEIGE)」の人気アイテム“ラネージュ リップ スリーピング マスク”の限定バージョンを発売する。

 限定バージョンは、パッケージにツアーのアートワークをあしらい、容器にもBTSのロゴをあしらっている。価格は24ドル(約2700円)で、アモーレパシフィックのオンラインショッピングモール「アモーレモール」は11月26日から、「ラネージュ」の公式サイトやセフォラ(SEPHORA)のオンラインストアで11月27日から、さらにセフォラの店頭では11月29日から販売する。

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BTSが韓国コスメ「ラネージュ」とコラボ LAツアーを記念した限定アイテムを発売

 BTSと韓国のビューティ系コングロマリットのアモーレパシフィック(AMOREPACIFIC)は11月26日、BTSの“Permission to Dance On Stage”ツアーのロサンゼルス公演に合わせて、アモーレパシフィック傘下ブランドの「ラネージュ(LANEIGE)」の人気アイテム“ラネージュ リップ スリーピング マスク”の限定バージョンを発売する。

 限定バージョンは、パッケージにツアーのアートワークをあしらい、容器にもBTSのロゴをあしらっている。価格は24ドル(約2700円)で、アモーレパシフィックのオンラインショッピングモール「アモーレモール」は11月26日から、「ラネージュ」の公式サイトやセフォラ(SEPHORA)のオンラインストアで11月27日から、さらにセフォラの店頭では11月29日から販売する。

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「マルジェラ」や「ジル サンダー」の親会社、業績はコロナ禍前に回復 2024年にIPOか

 「ディーゼル(DIESEL)」「メゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)」「マルニ(MARNI)」「ジル サンダー(JIL SANDER)」などを擁するOTBは、2021年9月の売り上げは前年同月比21%増となっており、21年12月通期決算での売上高は前期比15%増の15億ユーロ(約1950億円)程度を見込んでいると発表した。

 同社によれば業績は全体に好調で、コロナ禍前の19年と同水準にまで回復している。中でも21年3月に傘下に収めた「ジル サンダー」は、22年春夏コレクションのメンズウエアの売り上げが前年同期比80%増、ウィメンズは同32%増となっており、既存店ベースでの売上高は同51%増だった。現在、同ブランドは世界で34店を構えているが、22年1月には上海の高級ショッピングモール、プラザ66(PLAZA 66)に出店するほか、近日中にニューヨークにも新たに店舗をオープンする予定。また、ミラノの旗艦店を新たなコンセプトに基づいてリニューアルする計画もあるという。

 レンツォ・ロッソ(Renzo Rosso)OTBプレジデントは、「ジル サンダー」を買収した際、「クリエイティブ面を変更するつもりはない」としつつも、同ブランドをさらに発展させるべく経営体制の見直しを視野に入れ、マーチャンダイジングを改善すると発言していた。その言葉通り、21年9月には、18年から「ジル サンダー」を率いてきたアクセル・ケラー(Axel Keller)前最高経営責任者(CEO)に代わり、OTBのウバルド・ミネッリ(Ubaldo Minelli)CEOが同ブランドの新CEOに就任した。なお、ミネッリ新CEOは引き続きOTBのCEOも務めている。

 OTBは以前から新規上場(IPO)に関心を示していたが、ロッソ=プレジデントはこのほど、24年にIPOを行う予定であることを明らかにした。

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「ダヴ」と「ザボディショップ」が動物実験の禁止に賛同 EUで取り締まり呼びかけ

 「ダヴ(DOVE)」と「ザボディショップ(THE BODY SHOP)」は、動物実験の禁止を公式に打ち出し、動物保護政策の進展を支援する意を表明している。動物の倫理的扱いを求める人々の会(People for the Ethical Treatment of Animals以下、PETA)」や「クリエイトリー フリー ヨーロッパ(CRUELTY FREE EUROPE)」、「ユーログループ フォー アニマルズ(EUROGROUP FOR ANIMALS)」などと協力して、欧州連合(EU)およびイギリスににおける動物実験の禁止などを訴えた。

 8月には、パリやベルリン、マドリッドなど、ヨーロッパの主要都市に壁面広告を設置し、欧州委員会に新しい法律の提案を求めるイニシアチブに署名するようEU市民に呼びかけた。EU加盟国でなくなったイギリスでも同様に「クルエルティー フリー インターナショナル(CRUELTY FREE INTERNATIONAL)」に署名を募り、EUとイギリスの政府にビューティ製品における動物実験の禁止を取り組めるよう求めた。

 「ダヴ」ではこれまでも40年以上にわたって、動物実験を使用せずに製品の安全性を確保し、世界で70以上のパートナーとコラボレーションを実施している。エル・ホンサリ(El Honsali)=グローバル・コミュニケーションズ&サステナビリティ・シニア・ディレクターは、「動物実験以外の方法で安全性を証明するのは難しいことではない。われわれもパートナーらと専門知識やアプローチの方法を共有しているし、それでもっと関心を持つ人を巻き込んで発展するきっかけになっている」と語る。

 続けて「われわれが目指しているのは、消費者から労働者、環境までビューティ製品と成分の安全性を動物以外のものでテストが行われるようになること。イニシアチブをきっかけにEUで動物に頼らない研究やテスト体制に以降し、毎年何百もの不要な動物実験の廃止が実現するかもしれない。最新の科学知識や安全性への意識の高まりに基づいて、環境の保護だけでなく人体への負担も見直されるだろう」と言う。

 「ザボディショップ」のクリス・デイビス(Chris Davis)=サステナビリティ・アクティビズム・コーポレートコミュニケーション・グローバルディレクターは、「製品の安全性を保証するための動物実験は必ずしも必須ではないと考えている。ほかのブランドが取り組みに加わって、EU市民もイニシアチブに署名して、今後一緒に動き出していくのが楽しみだ。動物実験が廃止になるまで主張は続けていく」とコメント。

 同議題をめぐって欧州では13年3月、動物実験の代わりに実験室で生成された人工皮膚でテストを施工するよう決定になった。一方で欧州化学機関(European Chemicals Agency、ECA)は20年8月、生産工場の労働者にリスクのある一部の物質は依然として動物で事前にテストが行われる必要があると主張。これにより日焼け止めに使用されるホモサラートとサリチル酸 2-エチルヘキシルの2つの化学物質が動物実験の義務付けの対象となった。同団体は他にも数百もの成分の実験の対象となるべきだと発表した。これに対して、今回イニシアチブを立ち上げた団体らはこれまで何年間も安全に使用されてきた物質が新たに動物実験を必要とされてしまうのではないかと懸念する。欧州議会は23年までに全ての動物実験を世界的に禁止するよう掲げる。

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「ロエベ」「ディオール」を絶賛も「ジバンシィ」には辛辣 海外メディアのパリコレ賛否両論

 この1年半のコレクション発表は、パンデミックの影響によってデジタルが中心となった。多くのブランドがデジタルの発信力を信じて、ショーに一般視聴者を包括的に取り込むことに躍起になっていた。しかし、結果的にブランドからは「デジタル式の発表ではバズらない」という声の方が多かった印象だ。各国ジャーナリストのデジタル発表のリポートを読んでも、熱量が明らかに下がっている。しかし2022年春夏シーズンのパリ・ファッション・ウイークは多くのブランドがリアルなショーを復活させ、デジタルとリアルの両方でアプローチを試みた。各ブランドはデジタルを活用し、ショー会場と一般視聴者との壁をどのように破壊するか、というのが隠れたテーマの一つになっているようだった。

 加えて、多くのデザイナーが今季を「新しい時代」と表し、「パンデミック前の生活に戻るのではなく、ニューノーマルを迎える」と強調していた。ニューノーマルとは?ソーシャルディスタンスを守り、マスクを着用し続け、挨拶のハグがなくなること?ーーその答えは「ノー」である。デザイナーが願う“ニューノーマル”とは、個々の精神性や社会の道徳といった意味合いが強いようだ。スピリチュアル(占星術や開運術など)や政治への関心の高まりは、目視できない“思想”が個人の人生で重要性が増していることを示しており、“ニューノーマル”の一つである。こういった社会変化を汲み取り、各デザイナーは自身のフィルターを通して“ニューノーマル”時代の装いを打ち出した。そして現地取材を行ったジャーナリストは熱量高く、各ブランドの歴史と社会潮流を踏まえてコレクションを読み解いた。ここでは、各紙に掲載された欧米のジャーナリストの講評を紹介する。

BALENCIAGA
エンタメ性は評価も服への言及は少なめ

 “ショーと画面の向こうの一般視聴者の壁を破壊する”という点では、「バレンシアガ(BALENCIAGA)」は成功したブランドの一つである。パリ・シャトレ座のスクリーンで上映されたのは、ルックをまとったモデルだけでなく、来場したゲストがフォトコールに応える様子だった。最初はどれがルックで、どれがゲストなのか分からないほどリアルだ。その後に上映したアニメ「ザ・シンプソンズ」とのコラボレーション映像「Simpsons I Balenciaga」は、“観客が主人公”をテーマにした。つまり、リアルのパフォーマンスではゲストやカメラマン、観衆全てを演出の一部として取り込むことでインクルージョンを表現したのだ。多くのジャーナリストは現場の盛り上がりを「素晴らしいパフォーマンスだった」と評価した。批評家のサラ・モーア(Sarah Mower)は「ヴォーグ ランウェイ(Vogue Runway)」で、「『バレンシアガ』は非常に多くのデジタルフォロワーを持ち、ブランド全体がエンターテインメントに移行している」と記した。ほかにも、デムナ・ヴァザリア(Demna Gvasalia)を「才あるエンタテイナー」と表するジャーナリストもいた。だが、コレクションよりもエンターテインメント性が際立ったため、肝心のルックについて詳しく触れた記事は少なかった。

 なおフリードマンは「今季の『バレンシアガ』に匹敵するのは『アンリアレイジ(ANREALAGE)』」とも述べている。「森永邦彦デザイナーは映画製作者の細田守と協力して、想像と現実の魅惑的な対話を通して、アニメと多彩なドレスを組み合わせたサイケデリックなコレクションを制作した」と評価した。

VALENTINO
「メゾンは正しい方向に向かっている」

 「ヴァレンティノ(VALENTINO)」は、カフェという日常シーンを融合させてラグジュアリーをデイリーに見せる試みだ。会場内をパリのカフェのようにし、周辺の通りも貸し切って近隣のカフェのテラス席からも一般の人々がショーを鑑賞した。今季の注目ポイントは、5つのアーカイブを忠実に蘇らせたことだろう。クチュールというメゾンの価値を日常に持ち込むという新たな指針であり、「メゾンの遺産が生き生きとコンテンポラリーに見える」と称賛するジャーナリストもいた。「ル・フィガロ(Le Figaro)」のヴァレリー・ゲドン(Valerie Guedon)は、ストリートキャスティングで一般人もモデルに起用したことに触れ「着る人の個性により、現代性が生まれることを示した。(中略)昔からプローポーションも生地も変えていないのに、現在のために作られたルックのように見えた」と評した。「ファッション・ネットワーク(Fashion Network)」の批評家ゴドフリー・ディーニー(Godfrey Deeny)も「新しいエネルギーを持っていた」と述べ、「マーチャンダイジングの天才として知られる新CEO(最高責任者)のヤコポ・ヴェントゥリーニ(Jacopo Venturini)が就任以来、初めてのショーだった。『ヴァレンティノ』の売り上げは数シーズンにわたって振るわなかったものの、外の世界への扉を開くというアイデアはとてもいい。新しいCEO、新しい社員、新しいランウエイのコンセプトとアーカイブのライン――メゾンは正しい方向に向かっているようだ」と綴った。サラ・モーアは、ピエールパオロ・ピッチョーリ(Pierpaolo Piccioli)の手腕を特に評価した。「民主化させて、新世代の消費者を引きつけるブランド作りは、今日のほぼ全てのクリエイティブ・ディレクターの仕事と責任である。しかし、ビッグメゾンの製品や遺産を守り、滑稽に見せず、品位を落とさずに任務を果たすことができる人物はまれであり、ピッチョーリは全てを成し遂げている。今季のショーは彼が信じる未来が現実的だと感じさせ、社交的でリラックスしたお祝いの瞬間のようだった」。

DIOR
「“バー”ジャケットのループから解放された」

 マリア・グラツィア・キウリ(Maria Grazia Chiuri)による「ディオール(DIOR)」も、新たな方向へと舵を切った。今季は、メゾンの3代目デザイナーとして活躍したマルク・ボアン(Marc Bohan)が手掛けた1961年の“スリムルック”コレクションに焦点を当て、カラフルでミニマルに仕上げた。ショー会場はイタリア人アーティスト、アンナ・パパラッチ(Anna Paparatti)が64年に発表した作品「ナンセンスのゲーム(Il Gioco del Nonsense)」をベースに、ボードゲームのような円型ステージを設置。これまでにキウリが手掛けた、創設者のアーカイブを使った”バー”ジャケットとミドル丈レングスのスカートを軸にしたコレクションよりも、快活で若々しさがみなぎっていた。これまで、フェミニズムをテーマにし続けるキウリのメッセージ性は評価される一方、コレクション自体は賛否両論だった。しかし今季は、「時代のムードをくみ取っている」と高評価だったようだ。

 ヴァネッサ・フリードマンは、「キウリは“バー”ジャケットのループにはまっていたが、解放されたようだ」と述べた。「シアーなタキシードシャツ、グラフィックが描かれたビニール素材のミニスカート、オートクチュールのイブニングドレスの下には肌と同じ色のボディースーツを着用させることで、下着や胸を見せないようにした。これは、真のフェミニストの意思表示の一つのようであった。『ナンセンスのゲーム』と掲げられたスローガンは、ファッションに対しての見解をこっそり揶揄しており、メゾンが前進していることを表していた」。「ル・フィガロ」のエレーヌ・ギヨーム(Helene Guillaume)も同じく“前進”という言葉で評価した。「キウリは、私たちが前進するために、過去は養われた貯水池であることを再び思い出させてくれた」。サラ・モーアも「ビンテージ・リバイバル主義ではなく、現代性を宿している」と賞賛する。「スニーカーやフラットのクロスレースのサンダル、モダンなメリージェーンに至るまで、キウリは実用的なデザイナーであり、この瞬間のムードを読み取ることに目を向けている。60年代のユースクエイク(若者たちの行動が巻き起こした社会の地殻変動)について聞いたことがない若い女性にとって、ここには関連することがたくさんあるのだ」と締めくくった。

 60年代と現在の社会背景を重ね合わせて読み解くジャーナリストは多く、なかでもスージー・メンケス(Suzy Menkes)は自身のインスタグラムに書いた講評で、避妊薬について触れた。「2022年の夏、脚を露出することに驚きはないが、1960年代にスカート丈の上昇は、アティチュードの変化とピル(避妊薬)の登場の両方を伴って女性の自由を象徴していた。歴史上初めて、女性は選択する権利を持ったのだ。(中略)出産に関する問題が起こっている現在のアメリカでは、このショーは表面的には明るい一方、いくつかの深い意味合いも感じた」と記した。避妊薬は60年にアメリカで初めて認可された。アメリカのドナルド・トランプ(Donald Trump)前大統領は人工妊娠中絶禁止を政治公約の一つに掲げて当選を果たし、アメリカでは避妊・中絶に関する問題が再浮上。ジョー・バイデン(Joe Biden)大統領になった現在も、中絶を禁止する州法の施行と反対派の間で衝突が起こっている。欧州では、ポーランドで同様の問題が発生しており、昨年に中絶厳格化の法が制定された。

 男性であるゴドフリー・ディーニーは、スポーティーなルックに着目し、キウリに取材を行ったようだ。「非常にグラフィックなショーは、大胆で鋭いスポーツの感覚を持ち合わせていた。キウリは『スポーツは女性の解放に重要な役割を果たしてきた。女性は好きなスポーツを行うためや、オリンピックなど国際大会に出場するために戦わなければならなかったことを覚えておく必要がある。そして、それは今でも続いている。女性がスポーツをすることを許されていない国はまだたくさんある』とため息をついた」。ショーに登場したランニングシューズやバミューダパンツ、ボウリングバッグなどは“ディオール バイブ(DIOR VIBE)”という新ラインとして、2022年春にスタートする。

 今季の「ディオール」には、女性の権利や命に関する問題など、さまざまな議題が込められているようだ。掘り下げていくと重いテーマが潜んでいるものの、表面的には“深刻なマインドから自分を解放したい”という、アフターコロナ時代の入り口にいる私たちの気持ちを後押しする極めてポジティブな内容である。筆者は、“ファッションをゲームのように楽しむ”という提案には賛同するし、勝敗の結果ではなく、こんな時代にファッションで自分自身を解放する“過程”を楽しみたいと思った。

LOEWE
“ボディシェイプの衝撃”、再び

 レッドカーペットもカフェもゲームボードもない、無機質な空間で行われた「ロエベ(LOEWE)」のショーが、結果的には今シーズンで最も印象に残っている。おそらく、リアルのショーとデジタルの映像から感じ取れる感覚に、最も差が生まれるショーだったからだ。なぜなら、彫刻的で不自然なプロポーションや、ランウエイの入り口から出てきて奇妙なシルエットが浮かび上がる瞬間、正面の緊張感と後ろ姿の遊び心といった、三次元での表現が際立っていた。ジョナサン・アンダーソン(Jonathan Anderson)は今季、ルネサンス期の画家ヤコポ・ダ・ポントルモ(Jacopo da Pontormo)の作品から着想を得て、美術様式“マニエリスム”をファッションで表現した。それは、世界が再始動するこの瞬間の複雑さと混乱の表現でもあったようだ。アンダーソンは「神経症的な精神を持ったポントルモの絵に触発されて、コレクションをヒステリックに見せたかった。なぜなら、今この瞬間が奇妙だから」と語っていた。

 複数のデニムジャケットのドッギングや、ドレスの穴から足を出す変形デザインは過去にもあったものの、全体として実験的で斬新なスタイルだ。スージー・メンケスは「『コム デ ギャルソン(COMME DES GARCONS)』が25年前にファッションの歴史を作って以来見られなかった、“ボディシェイプの衝撃”を生み出した」と表現。「パワフルなショーは、ファッションの感覚と緊張感を強調しているように見えた。並外れたショーとして見られるだろう」と7枚の写真のキャプションに記した。サラ・モーアもアンダーソンをたたえた。「バースデーケーキのロウソクやマニキュアのボトル、せっけんの形をしたヒールのシューズ。硬いテディベア生地のラベンダーのバッグ。“意味”をなすものは何もなかったが、それがこのコレクションの大胆さと魅力だ。私たちは非現実的な時代を生きている。アンダーソンはそれを理解し、反映させている。このようなファッションの実験は、最近では非常に珍しいこと」。ゴドフリー・ディーニーは、今季の主要4都市の中で「AZファクトリー(AZ FACTORY)」をのぞいて「最も魅力的で、ほかよりもはるかに優れていた」と絶賛。エレーヌ・ギヨームは、スペイン生まれのブランドである「ロエベ」の芸術的感性に言及した。「最後の1秒までゲストを魅了し続けた。スペインの超現実主義、サルバドール・ダリ(Salvador Dali)、ルイス・ブニュエル(Luis Bunuel)、なかにはクリストバル・バレンシアガ(Christbal Balenciaga)の要素もつかんでいた。(中略)胸の形のシリコンを取り付けたドレスは、イヴ・サン・ローラン(Yves Saint Laurent)が1969年に彫刻家クロード・ラランヌ(Claude Lalanne)と共同制作した作品にも匹敵する出来栄えだ」と絶賛した。一方で、ヴァネッサ・フリードマンはやや冷めた反応で「活気に溢れ、不快だった。“神経質、サイケデリック、ヒステリック”とアンダーソンはショーノートに書いた。あぁ、そうだろう。Welcome to now」という感想だけ記した。

 知的で不気味で奇妙なコレクションは、消費者にとっては好みが分かれるだろうし、コマーシャルピースにどのように落とし込まれるのか現時点で明確ではない。ただ、「ロエベ」が新しいステージへ駒を進めことと、アンダーソンは派手な会場装飾に頼らず、ルックのみで見る者に訴えかけることができる、優れたデザイナーであることは確かだった。

GIVENCHY
マシューの手腕に賛否

 「ロエベ」でアンダーソンが高い評価を得られるのは、メゾンの歴史が皮革職人によるレザーグッズで始まった点にもある。オートクチュールで始まった「ジバンシィ(GIVENCHY)」や、上記に挙げたブランドでは、批評家による判断基準は少し異なる。それは主にサラ・モーアが述べた通り、遺残を守り、滑稽に見せず、品位を落としていないかを見ているようだ。最近では親会社のコングロマリットが遺産を守ることを重視していないように見えるケースもあるが、本来は創業者の精神や美意識を受け継いでいることが重要なはず。そのためにクリエイティブ・ディレクターは、メゾンの歴史と創業者のデザインを深く理解していなければならない。今季の「ジバンシィ」は、その点でジャーナリストから批評を受けた。

 ヴァネッサ・フリードマンは「昨今のファッション業界はサイクルが速く、“ビンテージ”は昨シーズンを含み、10年前の作品を遺産の一部としてみなされる」と明記したうえで、「これによりメゾンの王冠を相続したデザイナーに、遺産を継承しないといけないという重圧を軽減することができた。しかしそれはまた、何らかの断絶を生み出した」と、自身の見解を続ける。「鮮やかな色と絵のシンボルで知られるアメリカ人アーティストのジョシュ・スミス(Josh Smith)とのコラボレーションはクールだった。しかし、かつてオードリー・ヘプバーン(Audrey Hepburn)のエレガンスに根ざしたオートクチュールブランドの『ジバンシィ』と、スミスに何の関係があるのかと尋ねられたとき、マシュー・ウィリアムズ(Matthew Williams)は驚いた様子でこう答えた。『この協業は私にとって本当に個人的なことです』。今の彼には十分な理由なのだろう。問題は、ウィリアムズが就任してから1年経った今でも、彼の『ジバンシィ』が何であるかがほとんど不明であるということ。(中略)多くの材料をミックスしたコレクションは興味深いが、思慮が足りず無分別で、全てを融合させるには不十分だ」。エレーヌ・ギヨームも同じようなことを述べている。「現代はSNSで個性を主張し、その中のみで生きている人もいる時代で、ファッションは目立つための道具にすぎないのが現実である。その意味で、ヘプバーンが着用したブラックドレスは、今日のデザイナーの評価を上げたり下げたりするポップスターや、インフルエンサーにとってほとんど魅力がない。(中略)ウィリアムズの演劇的でインスタ映えするスタイルは、創設者の紳士なアティチュードと、後に引き継いだクリエイティブ・ディレクターらの何にも関連性が見られない」と批評。しかし、アトリエで制作された職人技を感じるディテールや仕立てについては評価した。スージー・メンケスは、その他のブランドに比べて圧倒的に少ない1枚だけの投稿でコメントした。「ウィリアムズによる『ジバンシィ』初のリアルショーで私が最初に行ったのは、優雅な紳士だった創設者のことを頭から一切取り除くことだった。来シーズンにオートクチュールを発表予定のデザイナーは、歴史が予期していたものとは異なる道を歩んでいる。(中略)だから私は歴史を無視して、服そのものを見ることにした。すると、それらは非常に素晴らしかった」と評価した。「ヴォーグ・ランウエイ」でもアンダース・クリスチャン・マドセン(Anders Christian Madsen)が肯定的な見解だ。「ウィリアムズが描いた死神を含むスミスの作品では、2人の間の創造的な対話が最も雄弁に表現され、複雑なニットウエアと革のトップスと結合し、透明な生地のフィルターを重ねて一種の幻想を生み出していた。ルックは“ただの”ストリートウエアだったが、テクスチャーに対するウィリアムズの情熱を表していた。ストリートウエアのデザイナーがクチュリエになりつつある昨今、ウィリアムズはこのような実験のためにアトリエを上手く利用するだろう」。

 ユベール・ド・ジバンシィは、クリストバル・バレンシアガに憧れてデザイナーを目指し、その後も師の教えを聞き続けて成長したのはよく知られていること。現在もその構図は引き継がれており、ストリートウエアのデザイナーがクチュリエになり、「バレンシアガ」の後を追って「ジバンシィ」がクチュールを再開させる。LVMHとケリング(Kering)のパワーゲームも含めて、来年1月に発表が噂されている『ジバンシィ』のクチュールには、いろいろ意味で注目が集まりそうだ。

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ロクシタンがブラジルのボディーケアブランド「ソル デ ジャネイロ」を買収 “お尻クリーム”で有名

 ロクシタン(L'OCCITANE)はブラジルのボディーケアメーカー、ソル デ ジャネイロ(SOL DE JANEIRO)の株式83%を取得する。今回の取引により、ソル デ ジャネイロの企業価値評価は4億5000万ドル(約508億円)となった。残りの株式はソル デ ジャネイロ創業者兼最高経営責任者(CEO)のヒーラ・ヤン(Heela Yang)が所有し、彼女は現職を続ける。

 ソル デ ジャネイロは同名のボディーケアブランドを手掛け、“ブラジリアン バムバム クリーム(通称お尻クリーム)”が世界的なベストセラーだ。同ボディークリームはブラジルを代表する植物のガラナをはじめ、アサイーやココナツオイルなどブラジルの植物のパワーを込めた処方を採用している。ピスタチオと塩キャラメルをイメージした甘い香りも人気の要因の一つだ。近年はヘアやフレグランスミストも発売し、特に香り系のアイテムが好調だ。

 ブランドは6年前にヤンCEOがブラジルを訪れた際、現地の女性のスキンケア・ボディーケアにヒントを得てスタートした。「悩みや気になるところを改善しつつも、自分自身が生まれ持つ美しさを強調するポジティブなビューティをうたっている」と話すヤンCEOは、ブラジル人女性の美に対するポジティブなマインドにインスパイアされたという。

 2020年の売り上げは前年比53.8%増の6000万ドル(約67億円)を記録。ロクシタン傘下となる今後は、同社のディストリビューションチャネルを通じてさらなる成長を目指すほか、サステナビリティや製品開発の面でもロクシタンのノウハウを生かす狙いだ。

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「シュプリーム」が「ミッソーニ」とコラボコレクション ボンバージャケットやフーディーなどを発売

 「シュプリーム(SUPREME)」は、イタリアのラグジュアリーブランド「ミッソーニ(MISSONI)」と協業したコレクションを発表した。両ブランドが手を組むのはこれが初めて。グローバルでは11月18日に、日本では11月20日に発売する。

 このコラボレーションでは、「ミッソーニ」のシグネチャーであるカラフルなニットウエアを生かしたボンバージャケット、フーディー、セーター、ハーフジップポロ、バケットハットなどを展開。いずれのアイテムにも両ブランドのロゴがあしらわれている。

 「シュプリーム」は、これまでにも「ナイキ(NIKE)」「ヴァンズ(VANS)」「LEVI'S(リーバイス)」「ストーンアイランド(STONE ISLAND)」「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」「エミリオ・プッチ(EMILIO PUCCI)」など多くのブランドと協業している。今月13日には、「ティファニー(TIFFANY & CO.)」とのコラボコレクションを発売して大きな話題を呼んだ。

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P&Gがナチュラル系D2Cスキンケアブランド「ファーマシー」を買収

 プロクター・アンド・ギャンブル(PROCTER & GAMBLE以下、P&G)は、米ファーマシー ビューティ(FARMACY BEAUTY)の買収を発表した。取引額は非公表。

 ファーマシー ビューティは起業家のデヴィッド・チャン(David Chung)氏が6年前に創業。同社が運営するブランド「ファーマシー(FARMACY)」は “農場から顔へ直送するスキンケア(farm-to-face skincare)”を標榜し、自然原料を用いた製品を手掛ける。クレンジングバームの“グリーン・クリーン(Green Clean)”や美容液の“ハニームーン・グロウ・セラム(Honeymoon Glow Serum)”、ヒアルロン酸美容液の“フィリング・グッド(Filling Good)”などがベストセラー製品として知られている。

 「ファーマシー」はD2C形態を基本とし、北米地域ではセフォラ(SEPHORA)が独占販売している。P&Gは同ブランドを手に入れることで若い消費者の取り込みと、スキンケア分野の強化、さらに同社が運営するサステナブルプラットフォーム“レスポンシブル・ビューティ(Responsible Beauty)”の理念を反映させたポートフォリオ作りを目指す。

 買収後、P&Gは「ファーマシー」の運営はブランドの自主性を尊重する方針で、これがチャン氏にとっても魅力的だったという。これはP&Gが過去5年間で実施してきた買収案件から学んだことだ。具体的な案は決まっていないが、世界的に販売網を拡大していくことを直近で最大の目標に掲げる。マーカス・ストローベル(Marcus Strobel)P&Gビューティ スキン&パーソナルケア プレジデントは、「戦略はノーと言えること。拡大計画については非常に慎重に進め、ブランドとブランドが持つポテンシャルに気を付けて育てていきたい」とコメントする。

 本件買収は規制当局の承認待ちの状態だという。買収条件は明らかにされていないが、業界関係者はファーマシー・ビューティ社の2021年12月期の売上高を8000万ドル(約90億4000万円)目前と予想する。この数字についてP&G社もチャン氏もコメントを控えている。

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エスティ ローダー、社会的な影響やサステナビリティに関するリポートを発表

 エスティ ローダー カンパニーズ(ESTEE LAUDER COMPANIES以下、ELC)は、2021年度の“社会的な影響とサステナビリティに関するリポート(Social Impact and Sustainability Report)”を発表した。エネルギー調達やパッケージングなどの環境保護に関連する課題のほか、多様性や包括性などにおける目標の達成度や新たな目標値についてまとめられている。

 同リポートによれば、同社の従業員の82%が女性であるほか、グローバルでのバイス・プレジデント以上の役職の55%を、取締役会の44%を女性が占めている。また、米国内の従業員の46%が有色人種となっている。同社は新たな目標として、23年までに男女の賃金平等を実現することなどを設定した。

 環境問題の分野では、オクラホマ州の風力発電所と電力購入契約を締結。北米の全事業で使用するエネルギーをこれでまかなえるという。パッケージングに関しては、消費者が製品を使用した後に回収された材料を使うという当初の目標は達成し、25年末までにこれを25%以上にする。また、30年までに未使用プラスチック(再生素材ではないプラスチック)の使用を50%以下にすることを目標に掲げた。

 調達面では、シア油脂(シアバターやシアオイルなど)に関するサステナビリティや倫理的利用を推進する非営利団体、グローバル・シア・アライアンス(Global Shea Alliance)に加盟した。慈善活動としては、女性の権利向上を支援する複数の団体に寄付をしたことがリポートに記されている。

 ファブリツィオ・フリーダ(Fabrizio Freda)ELC社長兼最高経営責任者は、「社会的に影響のある事柄やサステナビリティ戦略に注力することは、当社の長期的な価値をさらに高め、プレステージビューティ業界のグローバルリーダーであり続けるために重要なことだ」と語った。

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「ボッテガ・ヴェネタ」の新クリエイティブ・ディレクターは内部昇格 ラフやフィービーの下で経験を積んだデザイナーが就任

 「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」は、同ブランドでプレタポルテのデザイン・ディレクターを務めるマチュー・ブレイジー(Matthieu Blazy)を新たなクリエイティブ・ディレクターに指名した。先日、突然の退任が発表されたダニエル・リー(Daniel Lee)の後任。2022年2月にデビュー・コレクションを披露する予定だ。

 ブレイジーは、1984年パリ生まれ。ベルギー・ブリュッセルにあるファッションスクール、ラ・カンブル(La Cambre)を卒業後、「ラフ シモンズ(RAF SIMONS)」のメンズデザイナーとしてキャリアをスタートさせた。その後、「メゾンマルジェラ(MAISON MARGIELA)」を経て、フィービー・ファイロ(Phoebe Philo)時代の「セリーヌ(CELINE)」のデザインチームに。14年にはシニアデザイナーに昇格した。16年からは、当時ラフ・シモンズがチーフ・クリエイティブ・オフィサーに就任した「カルバン・クライン(CALVIN KLEIN)」でデザイン・ディレクターを務め、昨年「ボッテガ・ヴェネタ」に加わった。

 今回の人事について、レオ・ロンゴネ(Leo Rongone)最高経営責任者は「マチュー・ブレイジーは才能あふれる人物。私たちのラグジュアリーブランドにおけるクリエイションの舵取りを任せることを誇りに思うとともに、ワクワクしている。『ボッテガ・ヴェネタ』は、常にシグネチャーのクラフツマンシップと独特なクリエイティビティーを兼ね備えてきたブランドだ。マチューの就任により、ブランドの核となる価値観を維持しつつ、今の時代との関連性をさらに高め、成長を加速させることができるだろう」と述べた。

 ブレイジーには、バッグやシューズで数々のヒットアイテムを生み出し、ブランドの人気復活に貢献してきたリーの仕事をベースにしつつ、さらなる飛躍が求められる。共にフィービー・ファイロの下で経験を積んだ2人はスタイルの感覚が似ているとも言われているが、関係者によると、ブレイジーは「とても親切で礼儀正しいことで知られている」という。

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バーバリー、2021年上半期は38%増収 南北アメリカや中国がけん引

 バーバリー(BURBERRY)の2021年4〜9月期決算は、売上高が前年同期比38.1%増の12億1260万ポンド(約1855億円)、営業利益は2倍以上(同135.5%増)の2億750万ポンド(約317億円)、純利益は3倍(同200.6%増)の1億4520万ポンド(約222億円)と大幅な増収増益だった。

 地域別の売上高では、アジア太平洋地域が同18.7%増の5億2180万ポンド(約798億円)、欧州・中東・インド・アフリカは同43.9%増の3億6090万ポンド(約552億円)、南北アメリカは同82.8%増の3億990万ポンド(約474億円)だった。南北アメリカ、中国、韓国はコロナ禍前の19年同期との比較で2桁成長となるなど非常に好調だったが、その他の地域は観光客の大幅な減少によって苦戦を強いられた。

 部門別に見ると、バッグなどアクセサリー類の売上高が前年同期比44.3%増の4億3490万ポンド(約665億円)、メンズは同34.8%増の3億4700万ポンド(約530億円)、ウィメンズは同36.3%増の3億2960万ポンド(約504億円)だった。

 既存店ベースでの売り上げは同37%増となったものの、19年同期比では1%増と微増にとどまった。一方で、既存店ベースかつ定価での売り上げは19年同期比で18%増となっており、ラグジュアリーブランドとしての価値を高める戦略の一環として値下げを減らしたことが奏功している。ECも好調で、定価での売上高は19年同期の2倍近くとなった。

 ジェラルド・マーフィー(Gerard Murphy)=バーバリー会長は、「渡航制限の影響をあまり受けていない国での業績が加速度的に伸びており、中期目標を達成できるものと確信している」と語った。また、12月末でバーバリーを離れるマルコ・ゴベッティ(Marco Gobbetti)最高経営責任者(CEO)と、22年4月1日付でその後任に就くジョナサン・アクロイド(Jonathan Akeroyd)新CEOについて、「その優れたビジョンとリーダーシップによって、バーバリーの変革を導いてくれたマルコに心から感謝している。4月に新CEOとなるジョナサンは、強固な基盤の上でさらに事業を成長させ、株主にいっそうの価値をもたらしてくれるだろう」と述べた。

 決算発表後、その内容が好調だったにもかかわらず、バーバリーの株価は一時前日比10.1%安を付けた。その後やや持ち直したものの、記事の執筆時点では発表前の水準に戻っていない。業界アナリストらによれば、これは“新生バーバリー”を成功に導いたゴベッティCEOの戦略をアクロイド新CEOが受け継ぐと言明されなかったことが理由の一つではないかという。

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2021年トレンドカラーの“ボッテガグリーン”が生まれるまで 退任を発表したダニエル・リーの功績

 ティファニーブルーからエルメスオレンジ、ルブタンレッドまで、多くの伝統的なファッションブランドはブランドを表すカラーを築いてきた。10日に急遽退任した、「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」のダニエル・リー(Daniel Lee)=元クリエイティブ・ディレクターもまた、“ボッテガグリーン”を確立させた。

 “ボッテガグリーン”は、パキッとした明るいグリーンで、青々とした芝生をイメージする「グラスグリーン」とも呼ばれる。定番のグリーンでありながら、一気にコーデが華やかになるカラーだ。ストリートスナップやファッションインフルエンサーの間でもよく見られるようになり、2021年の一番ホットなトレンドカラーとして注目を浴びる。

 “ボッテガグリーン”の立役者のリーは、2019年に「ボッテガ・ヴェネタ」のデザイナーに就任し、ランウエイデビュー。この3年間の間に「ボッテガ・ヴェネタ」に新鮮さを吹き込んで多くのヒットアイテムを生み出してきた。中でも、“ボッテガグリーン”は同氏がブランドにもたらした最も印象的なスタイルの1つだ。

 このカラーが業界に“ボッテガグリーン”として知られるようになったきっかけは20年12月に発表した2021年春夏コレクション。その際リーは、会場を“ボッテガグリーン”で照らし、ツイードのスカートスーツやミュール、ハンドバックなどを同色でまとめたルックを披露した。

 ほかにもビビットで大胆な色使いは取り入れているが、パンデミックの中、活気と遊び心あふれる“ボッテガグリーン”が多くの業界人やファッショニスタの心を掴んだという。21年のトレンドカラーにはさまざまなグリーンカラーが入っているが、これらもまた、多くの人が楽しいこと・心が気持ちよくなるものを求めていると分析されている。

 10月25日に発表した“サロン03(SALON 03)”コレクション(22年春夏コレクションに相当)でも、”ボッテガグリーン“をふんだんに使った。アパレルアイテムやアクセサリーに部分的に取り入れたものから、全身を同色で飾ったもの、他のグリーンの色調と合わせたルックなどを発表した。靴箱や包装にも同色が使われるようになり、ブランドを象徴する色として定着した。

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「ボッテガ・ヴェネタ」ダニエル・リーが生み出した7つのヒットアイテム&スタイルをおさらい

 11月10日に発表されたダニエル・リー(Daniel Lee)「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」クリエイティブ・ディレクター退任のニュースは、業界に大きな驚きと衝撃を与えている。

 リーは18年7月、「ボッテガ・ヴェネタ」を17年間率いてきたトーマス・マイヤー(Tomas Maier)の後任として、現職に就任。ブランドのヘリテージをモダンに再解釈することで数々のヒットアイテムを生み出し、瞬く間にブランドをトレンドセッターの地位に押し上げた。

 ここではリーが「ボッテガ・ヴェネタ」での3年間で生み出したヒットアイテムやスタイルを振り返る。

“ザ・ポーチ”

 アイコンバッグ “ザ・ポーチ(The Pouch)”は、リーがデビューした2019年春夏コレクションで発表したクラッチバッグだ。ロゴブームだった当時において、ロゴを一切あしらわないミニマルなデザインのクラッチバッグは即時にヒットしたわけではないが、シーズンを重ねるごとに愛用者が増加。ファッションウイーク期間中にはさまざまな色・素材・サイズの“ザ・ポーチ”を抱えたファッショニスタが多数見られた。

“ザ・カセット”

 19年プレ・フォールコレクションで発表した“ザ・カセット(The Cassette)”バッグ。カセットテープのように四角いフォルムをしたショルダーバッグで、ブランドを象徴する編み込みの技法“イントレチャート”のサイズを巨大化させることでモダンに仕上げた。同シリーズは、その後も素材や色のバリエーションを増やしたり、パッドを入れることで丸みを持たせた“パデッド カセット”を発表するなど、“ザ・ポーチ”に次ぐ同ブランドのアイコンバッグの地位を築いた。

“ボッテガ・グリーン”

 植物を連想させる力強く明るいグリーンは、リーがクリエイションを担うようになってからウエアやバッグ、シューズなどさまざまなアイテムで見られるようになったキーカラー。現在はショッパーなどにもこのグリーンが使用されている。

“ストレッチ”

 リーがヒットさせたのはバッグだけではない。19年プレ・フォールで初登場した“ストレッチ(Stretch)”シリーズのサンダルもヒットアイテムの1つだ。メッシュ素材をアッパーに使用し、足首にチェーンや細いストラップをあしらった同シリーズはSNSなどでも頻繁に見かけるトレンドアイテムに。

“リド”

 “ストレッチ”シリーズと人気を二分すると言っても過言ではないサンダルが“リド(Lido)”シリーズだ。バッグの“カセット”シリーズ同様、イントレチャートのサイズを大きくすることでモダンに再解釈したデザインを採用している。

“ザ・ジョディ”

 女優のジョディ・フォスター(Jodie Foster)にちなんで名付けられた“ザ・ジョディ(The Jodie)”バッグは、ホーボーバッグをリーがモダンに再解釈したアイテムだ。ハンドル部分にあしらった大きなノット(結び目)が特徴で、身体が隠れるほどのビッグサイズから手持ちできるミニサイズまで種類も豊富に展開。

“パドル”

 20-21年秋冬シーズンに発表した“パドル(Puddle)”ブーツもファンを熱狂させたアイテムだ。丸みを帯びたフォルムにチャンキーソールを採用したラバー製のレインブーツは、ジャスティン・ビーバー(Justin Bieber)やラッパーのリル・ヨッティ(Lil Yatchy)、エイサップ・ファーグ(A$AP Ferg)など、セレブがこぞって愛用している。

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アリアナ・グランデがビューティブランドを立ち上げ アイライナーなど11月12日発売

 歌手のアリアナ・グランデ(Ariana Grande)は11月12日、自身のビューティブランド「R.E.M. ビューティ(R.E.M. BEAUTY)」を立ち上げる。製品は段階的に発表する予定で、その第一弾となる“チャプター1(CHAPTER 1)”はアイライナーやリップなど11のアイテムで構成されており、同ブランドのECサイトで同日に発売する。日本での発売は未定。

 アイメイク製品は、アリアナのトレードマークであるアイライナーをしっかりと引いた“キャットアイ”にインスパイアされたという黒のリキッドアイライナー、アイラインペンシル(3色)、マスカラ(ボリュームタイプと長さを出すタイプ)、アイシャドウパレット(6色で3種類)、つけまつげ(2種類)のほか、アイシャドウとしても使えるハイライターなどを発売。リップはプランプタイプのリップグロス(9色と無色透明)、マットな質感のリップスティック(6色)、リップマーカー(4色)を展開する。価格は15〜24ドル(約1600〜2700円)。

 アリアナが2年ほど前から準備を進めていたという「R.E.M. ビューティ」は、ビューティブランドをサポートするインキュベーター企業、フォーマ ブランズ(FORMA BRANDS)との提携で実現した。同社はほかにも、「モルフィー(MORPHE)」や「バッド ハビット(BAD HABIT)」などのブランドを擁している。なお、アリアナがコスメを手掛けるのはこれが初めてだが、2015年に発表した「アリ・バイ・アリアナ・グランデ(ARI BY ARIANA GRANDE)」など、これまでに数種類の香水を発売している。

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米ファッション界のオスカー、2021年「CFDAアワード」受賞者を一挙公開 ゼンデイヤが今年のファッションアイコンに輝く

 アメリカファッション協議会(COUNCIL OF FASHION DESIGNERS OF AMERICA、CFDA)は10日、2021年「CFDAアワード(CFDA Awards)」の受賞者を発表した。20年には新型コロナウイルスの影響でオンライン開催となったが、今年はニューヨークのシーグラム・ビルディングで開かれた。

 アメリカ人デザイナーを表彰する賞は全部で4部門。ウィメンズウエア・デザイナー部門には、自身の名を冠したブランドを持つクリストファー・ジョン・ロジャーズ(Christopher John Rogers)が栄光に輝いた。「ケイト(KHAITE)」のデザイナー、キャサリン・ホルスタイン(Catherine Holstein)やガブリエラ・ハースト(Gabriela Hearst)、マーク・ジェイコブス(Marc Jacobs)、ピーター・ドゥ(Peter Do)らの中から選出された。ロジャーズはアメリカ・ルイジアナ州生まれのデザイナーで、19年にはCFDA/ヴォーグ ファッション基金アワード(CFDA/Vogue Fashion Fund Award)を受賞している。

 メンズウエア・デザイナー部門は、「フィアー オブ ゴッド(FEAR OF GOD)」のジェリー・ロレンゾ(Jerry Lorenzo)や「アミリ(AMIRI)」のマイク・アミリ(Mike Amiri)、「テルファー(TELFAR)」や「トム ブラウン(THOM BROWNE)」のデザインを手掛けるテルファー・クレメンス(Telfar Clemens)らの中から、「ボーディ(BODE)」デザイナーのエミリー・アダムス・ボーディ(Emily Adams Bode)が受賞。同氏は過去に新鋭デザイナー部門でも受賞している。

  バッグがアメリカの若者を中心にカルト的人気を集めるブランド「テルファー」のテルファー・クレメンスは、昨年に続いてアクセサリー・デザイナー部門に選ばれた。「ザ・ロウ(THE ROW)」を手掛けるアシュリー&メアリー・ケイト・オルセン(Ashley and Mary-Kate Olsen)姉妹や、「ブラザー ベリーズ(BROTHER VELLIES)」のデザイナーであり「15パーセントプレッジ」創設者のオーロラ・ジェームス(Aurora James)、ガブリエラ・ハースト、「コーチ(COACH)」のスチュアート・ヴィヴァース(Stuart Vevers)らを抑えての受賞となった。

 新鋭デザイナー部門は、ブルックリンを拠点とするコンテンポラリーブランド「シオフィリロ(THEOPHILIO)」のエドヴィン・トンプソン(Edvin Thompson)に贈られた。カリフォルニア発の気鋭ブランド「ERL」を手掛け、カニエ・ウェスト(Kanye West)のMVを監督するなどの経歴があるデザイナー、イーライ・ラッセル・リネッツ(Eli Russell Linnetz)やジュエリーブランド「カイリー(KHIRY)」のジャミール・モハメッド(Jameel Mohammed)、「イージー(YEEZY)」のウィメンズウエアを担当した経歴も持つ「メイジー ウィレン(MAISIE WILEN)」のデザイナー、メイジー・シュロス(Maisie Schloss)もノミネートされていた。

 20年に続き、CFDAは今年も世界で活躍するデザイナーに贈る2つの賞を設けた。インターナショナル・ウィメンズ・デザイナー部門は「バレンシアガ(BALENCIAGA)」のデムナ・ヴァザリア(Demna Gvasalia)=アーティスティック・ディレクターが選ばれた。「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」のダニエル・リー(Daniel Lee)や「プラダ(PRADA)」のミウッチャ・プラダ(Miuccia Prada)とラフ・シモンズ(Raf Simons)、20年に受賞している「ヴァレンティノ(VALENTINO)」のピエールパオロ・ピッチョーリ(Pierpaolo Piccioli)、「ジャックムス(JACQUEMUS)」のサイモン・ポート・ジャックムス(Simon Porte Jacquemus)らの中から選ばれた。

 インターナショナル・メンズ・デザイナー部門は、ロンドンのブランド「ウェールズ ボナー(WALES BONNER)」を手掛ける注目のデザイナー、グレース・ウェールズ・ボナー(Grace Wales Bonner)が受賞。ジャマイカ出身の父親を持ち、自身のルーツであるブラック・カルチャーをテーラリングに織り込んだデザインを展開する同氏が、ダニエル・リーやドリス・ヴァン・ノッテン(Dries Van Noten)、リック・オウエンス(Rick Owens)、「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」のヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)らの中から栄冠に輝いた。

 さらに特別賞として、俳優のゼンデイヤ(Zendaya)がファッションアイコン部門を受賞。アニャ・テイラー・ジョイ(Anya Taylor-Joy)は2021年の顔に輝いた。アナ・ウィンター(Anna Wintour)米「ヴォーグ(VOGUE)」編集長兼コンデナスト アーティスティック・ディレクターは、「15パーセントプレッジ」の立ち上げと黒人デザイナー・ブランド支援におけるオーロラ・ジェームスの功績を讃え、創設者部門を贈った。

 ほかにも、メディア部門は「エル(ELLE)」のニーナ・ガルシア(Nina Garcia)編集長が、環境問題のサステナビリティ部門はスポーツウエアの「パタゴニア(PATAGONIA)」が受賞し、フェフリー・ビーン賞が伝説的テーターのダッパー・ダン(Dapper Dan)に贈られた。ボード・オブ・ディレクターズ・トリビュート賞として、マレーシアにルーツを持ち、中国の伝統を受け継いだデザインを手掛けるヨーリー・テン(Yeohlee Teng)には、審査員のマイケル・コース(Michael Kors)から激励賞が贈られた。社会的にポジティブなインパクトを残しているとして、モデルの労働環境の改善に取り組む団体を立ち上げたサラ・ジフ(Sara Ziff)は、ポジティブ・ソーシャル・インフルエンス部門に輝いた。

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2022年、ウエディングドレスのトレンドは? エレガントで個性的なドレスが勢ぞろい

 コロナ禍の影響で延期もしくは中止となったイベントは数え切れないが、結婚式もその一つ。事態が落ち着きつつある中、来年の挙式に向けて準備を始めている人もいるだろう。米「WWD」によれば、ウエディングドレスは裾がたっぷりと広がるエレガントなものや、袖に特徴のあるタイプが2022年のトレンドだという。人気の高いデザインをピックアップした。

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中国の投資会社、伊シューズブランド「アメデオ テストーニ」の親会社を買収

 中国発のスポーツウエアおよびシューズブランド「リーニン(LI-NING)」を運営する投資会社、ビバ・チャイナ・ホールディングス(VIVA CHINA HOLDINGS)は、イタリアのシューズブランド「アメデオ テストーニ(AMEDEO TESTONI、旧ア・テストーニ(A.TESTONI)」の親会社である香港のシトイ・ATホールディングス(SITOY AT HOLDINGS)を8157万香港ドル(約11億円)で買収する。

 「ア・テストーニ」は1929年にイタリア・ボローニャで創業。2018年に、中国語圏における「コール ハーン(COLE HAAN)」などの代理店を務めるシトイ・インターナショナル(SITOY INTERNATIONAL)に買収された。21年にはブランドロゴを「アメデオ テストーニ」に変更。同ブランドはイタリア、中国、日本、韓国で36の店舗を運営しているが業績は思わしくなく、21年6月通期決算では580万ユーロ(約7億5000万円)の損失を計上している。

 「リーニン」は中国で“体操王子”と親しまれてきた国民的体操選手、李寧(リー・ニン)が1990年に創業し、中国ではトップクラスのスポーツブランドとして地位を確立している。同氏が率いるビバ・チャイナ・ホールディングスは、これまでに香港のアパレルブランド「ボッシーニ(BOSSINI)」や英国のシューズブランド「クラークス(CLARKS)」などを傘下に収めている。

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ステラ・マッカートニーがCOP26に参加 動物由来のファーやレザー廃止を呼びかけ

 スコットランドのグラスゴーで10月31日〜11月12日、環境問題についてさまざまな切り口から語り合うCOP26(国連気候変動枠組条約第26回締約国会議)が開催されている。デザイナーのステラ・マッカートニー(Stella McCartney)も出席し、英国でのファーの取り扱いの禁止を呼びかけ、合わせてファーに代わるサステナブルな新素材を提案した。

 マッカートニーは、ケルビングローブ美術館とグラスゴーの美術館で「ファッションの未来」と題した展示会を開催。自身のブランド「ステラ マッカートニー」で使用するキノコ由来の人工レザーなど、これからの新素材を複数展示。新素材開発の鍵を握るキノコなどを生で併設し、自然由来であることをアピールした。

 ほかにも、バイオテックベンチャーのボルトスレッズ(BOLT THREADS)が開発した人工レザー「マイロ(MYLO)」や、サッカー選手のポール・ポグバ(Paul Pogba)と契約を結んだアディダス(ADIDAS)と「ステラ マッカートニー」による世界初のビーガンサッカーシューズ、ソクタス(SOKTAS)による再生コットンなどを展示。イタリアのアクアフィル(AQUAFIL)が開発したリサイクルナイロン「エコニール(ECONYL)」など、多数の環境配慮型素材を紹介した。

 展示会には、サステナブルなファッションやこれからの新素材を学ぶために、俳優のレオナルド・ディカプリオ(Leonardo DiCaprio)やサディク・カーン(Sadiq Khan)=ロンドン市長も訪れた。またチャールズ皇太子が展開するサステナブル・マーケット・イニシアチブの一部として開催されていることから、3日にはマッカートニーと共にチャールズ皇太子も展示会を案内した。

 COP26は国連の気候変動枠組条約に参加している国が集まる会議で、今回で26回目を迎えた。世界のリーダーが集まるので、ファッション業界にとってはサステナブルなビジネスのための支援を政府に促したり、普段の取り組みを消費者にアピールしたりする機会となる。マッカートニーは展示会と合わせて、ファッション業界における動物由来のファーやレザーの使用に反対するキャンペーンへの署名を、世界のリーダー及び一般の参加者に呼びかけている。そしてイスラエルやアメリカのカリフォルニア州同様に、イギリスでもファーの販売を業界全体で禁止し、ファーとレザーの使用の禁止も訴える。

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オールバーズが新規上場 調達額は340億円以上

 サンフランシスコ発のフットウエアメーカー、オールバーズ(ALLBIRDS)は11月3日、米ナスダック(NASDAQ)に新規上場(IPO)した。

 公開価格は1株15ドル(約1710円)に設定され、調達額は3億ドル(約342億円)以上。初値は21.21ドル(約2417円)と公開価格の41.4%高を付け、終値も28.89ドル(約3293円)となるなど好調な滑り出しを見せた。時価総額はおよそ40億ドル(約4560億円)。

 オールバーズは、元プロサッカー選手のティム・ブラウン(Tim Brown)共同最高経営責任者(CEO)と、再生可能エネルギーの専門家であるジョーイ・ズウィリンガー(Joey Zwillinger)共同CEOが2015年に創業。自然由来の素材を使用したミニマルなデザインが世界中で人気を博し、現在はシューズだけでなくアパレルやアンダーウエアも手掛けている。同社は現時点で世界に35の直営店を構えているが、20年の売り上げの89%はECによるものだという。日本では20年1月に東京・原宿に初出店し、21年6月には同じく丸の内に2号店をオープンした。

 ブラウン共同CEOとズウィリンガー共同CEOは、同社のクラスB株式を合計2830万株保有しており、議決権の22.3%を握っている。同社の場合、クラスB株式はクラスA株式の10倍の議決権を持っている。

 オールバーズが米国証券取引委員会(Securities and Exchange Commission)に提出した届出書によれば、20年12月通期の売上高は前期比13.2%増の2億1929万ドル(約249億円)だったものの、純損失は前年の1452万ドル(約16億円)から2586万ドル(約29億円)へと赤字が拡大している。また、21年1〜6月期の売上高は前年同期比26.6%増の1億1754万ドル(約133億円)と増収だったが、純損失は前年同期の950万ドル(約10億円)から2112万ドル(約24億円)へとやはり赤字が大幅に拡大している。同社によれば、これは主にマーケティングおよび営業費用が増加したことによるという。

 同社はBコープ認証を取得しているため、利益と社会的意義を両立させ、社会や地球環境保全のためにどのような成果をもたらすかに関するリポートを発表する義務がある。同認証は米国の非営利団体Bラボ(B LAB)が制定したもので、社会や環境に配慮した事業を行っている営利企業に対して付与されるが、基準が極めて厳しいことで知られている。

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チャールズ皇太子の「ファッションタスクフォース」がデジタルID導入を発表 業界全体で循環型社会の実現を目指す

 チャールズ皇太子が立ち上げた「持続可能な市場のためのイニシアチブ ファッションタスクフォース(Sustainable Markets Initiative Fashion Taskforce、以下タスクフォース)」は、製品をデジタルで識別し、サーキュラー・データ・プロトコルを直ちに採択することをローマで開催された主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)で発表した。データを利用して、購入した商品の持続可能性を顧客に知らせ、大規模な循環型社会の実現を促進することが狙いだ。デジタルIDはチャールズ皇太子のG20訪問の一環として、ローマの英国大使公邸で発表された。

 同タスクフォースには、フェデリコ・マルケッティ(Federico Marchetti)=ユークス ネッタポルテ グループ(YOOX NET-A-PORTER GROUP、以下YNAP)創業者兼会長やティエリー・アンドレータ(Thierry Andretta)=マルベリー(MULBERRY)最高経営責任者(CEO)、リカルド・ベッリーニ(Riccardo Bellini)=クロエ(CHLOE)CEO、マルコ・ゴベッティ(Marco Gobbetti)=バーバリー(BURBERRY)CEO、ガブリエラ・ハースト(Gabriela Hearst)、ガブリエル・マッジオ(Gabriele Maggio)=ステラ マッカートニー(STELLA MCCARTNEY)CEOなどが参加する。

 タスクフォースの議長を務めるマルケッティYNAP会長は、「話をするだけの時代は終わった。競争の激しいファッション業界において、世界中のブランドやプラットフォームが1つの革新的なソリューションに向けて協働することは前例がないこと。これは、業界をより透明で持続可能な基盤に移行させるのに一刻の猶予もないと認識しているすばらしい企業とそのリーダーたちによってもたらされた結果であると言えることをうれしく思う」とコメントする。

 各ブランドは、QRコードを起点にブロックチェーンやNFTなど、どの技術を使用するかを選択することができる。デジタルIDの導入によって、メーカーから小売り、リセール業者、リサイクル業者まで、ファッション業界全体で、販売する商品に対してこれまでにない完全な透明性とトレーサビリティーの提供が可能となる。また、修理や再販、リサイクルといった循環型サービスを顧客に提供できるようになり、これによって製品の寿命を延ばし、循環型ビジネスの拡大を目指す。

 チャールズ皇太子が「有志連合」と表現するこのタスクフォースでは、常設の運営委員会を置き、共同で課題解決にあたり、デジタルID導入に関するノウハウを共有していくという。

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「キートン」創業者が88歳で死去

 イタリアの高級テーラーブランド「キートン(KITON)」創業者、チロ・パオーネ(Ciro Paone)氏が伊ナプレの自宅で死去した。88歳だった。死因は明らかにされていないが、パオーネ氏は長い間闘病していた。

 パオーネ氏はイタリアファッション界において最も優れた起業家の1人として知られ、ナポリの伝統的な仕立て技術とノウハウを世界に広め、その技術と文化的価値を長年にわたって保護してきた人物だ。

 7代にわたってイタリアの服地卸を営む家系に生まれたパオーネ氏は、1956年に小規模なテーラーブランド「チパ(CIPA)」を立ち上げた。68年にブランド名を「キートン」に改め、以来、アウターやスーツ、シャツ、ニット、ネクタイ、フットウエアなどジャンルを拡大。2005年にはウィメンズも開始した。

 1999年には当時のイタリア大統領だった故カルロ・アゼリオ・チャンピ(Carlo Azeglio Ciampi)氏からイタリアにおける最高位の1つである労働騎士勲章(Cavaliere del Lavoro)を授与されるなど、パオーネ氏の品質へのこだわりとビジネスセンスは高く評価されている。

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ブルネロ・クチネリがローマのG20サミットに出席 「人類のために」スピーチ

 自身の名を冠したブランドを持つ創業者兼デザイナーのブルネロ・クチネリ(Brunello Cucinelli)は31日、ローマの主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)に出席した。同会議では、世界の環境・気候問題、新型コロナウイルスのパンデミック、世界の回復支援措置をテーマに各国家政府が語り合った。

 クチネリは、G20サミット議長国であるイタリアのマリオ・ドラギ(Mario Draghi)首相に招待され、参加。「環境保護・気候変動との戦いにおける公共と民間の協働」をテーマにしたイベントの冒頭を飾るスピーカーとして、“人間らしいサステナビリティと人道的な資本主義”について語った。ほかにも、ウェールズ公チャールズ皇太子(His Royal Highness The Prince of Wales)が当日はスピーチした。

 クチネリはスピーチで「サステナビリティやこれからの資本主義の形について、情熱を込めて仕事や人生で取り組んできたし、今も関心を持っているテーマ。調和の取れた世界を取り戻すことがなぜ大事であるかを世界各国の首脳に呼びかけることができて光栄だ」と述べた。締めの挨拶では「世の中を構築する力と影響力を持つ各国の首相の皆さま。世界が良いところで、美しく在るべきための責任を担うからこそ、どうか歩むべき正しい道を提示してほしい。クリエイティビティーが私たちを守り、新しい普遍的なヒューマニズムに導きますように」と訴えた。

 同氏はほかにも、ブランドのゆかりの地であるイタリアのソロメオに哲学や建築、文学・詩、クラフトマンシップの5つを主に扱う図書館の解説を計画中。教養とともに文化を育む場所作りに乗り出した。20年には、新レーベル“ブルネロ クチネリ フォー ヒューマニティ(Brunello Cucinelli for Humanity)”を設立した。レーベルでは店頭で売れ残ったアイテムをギフトにする取り組みを提案。そういった商品はセールして売り切るのが一般的だが、クチネリは「人類を支援するプロジェクト」として新たな試みを続ける。

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英ウィリアム王子創設の「アースショットプライズ」授賞式、エマ・ワトソンがアップサイクルしたウエディングドレスで登場

 英国のウィリアム王子(Prince William, Duke of Cambridge)と動植物学者で作家のデイビッド・アッテンボロー(David Attenborough)が設立した、環境問題の解決に取り組む個人や団体を表彰する「アースショットプライズ(THE EARTH SHOT PRIZE)」の授賞式が、10月17日にロンドンのアレクサンドラ・パレス(Alexandra Palace)で行われた。

 2019年12月に創設が発表されたこの賞は、「自然を保護し回復する(Protect and Restore Nature)」「大切な大気を浄化する(Clean Our Air)」「海をよみがえらせる(Revive Our Oceans)」「ゴミの出ない世界を作る(Build a Waste-Free World)」「気候変動を修復する(Fix Our Climate)」という5つのカテゴリーから構成されており、それぞれの受賞者に100万ポンド(約1億5600万円)の賞金が贈られた。

 第1回目である今回の授賞式には、ウィリアム王子とケンブリッジ公爵夫人ケイト・ミドルトン(Duchess of Cambridge, Kate Middleton)に加えて、エマ・ワトソン(Emma Watson)などのセレブリティーも参加した。俳優として活躍するかたわら、女性の地位向上や気候変動などの社会問題に取り組む活動家としても知られるエマは、新進ブランド「ハリス リード(HARRIS REED)」による中古のウエディングドレスをアップサイクルしたドレスと黒のフレアパンツを着用。プレゼンターとして登壇し、「過去には不可能だと思われていたことも、よりよい世界にしたいと考えた人々の努力によって実現されてきました。同様に、気候変動も私たちの努力によって改善できると確信しています」とスピーチした。
 
 また、エド・シーラン(Ed Sheeran)、ショーン・メンデス(Shawn Mendes)、コールドプレイ(Coldplay)などのアーティストもパフォーマンスを披露した。コールドプレイの演奏には、60人のサイクリストによって作られたエネルギーが使用されたという。

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米ファッションサブスク企業のレント・ザ・ランウェイが新規上場

 ファッションレンタル事業の先駆けであるレント・ザ・ランウェイ(RENT THE RUNWAY)は10月27日、米ナスダック(NASDAQ)に新規上場(IPO)した。

 公開価格は1株21ドル(約2373円)に設定され、調達額は3億2730万ドル(約369億円)。初値は公開価格を上回る23ドル(約2599円)を付けたものの、終値は19.29ドル(約2179円)と公開価格の8.1%安だった。時価総額はおよそ13億ドル(約1469億円)。

 レント・ザ・ランウェイは、2009年にニューヨークで創業。オケージョン用のドレスやアクセサリー類のレンタルからスタートした同社は、ラグジュアリーブランドを中心としたハイエンド商品の品ぞろえが豊富なことが特徴だ。しかし、コロナ禍によって華やかなイベントが激減したことや、衛生面での懸念から苦戦を強いられ、20年8月にはニューヨーク旗艦店を含めた全店を閉店した。

 同社は会員のサブスクリプション料が売り上げの80%を占めている。21年1月通期決算では、売上高が前期比 38.6%減の1億5750万ドル(約177億円)、純損失は前年の1億5390万ドル(約173億円)から1億7110万ドル(約193億円)へと赤字が拡大している。21年7月31日時点での累積赤字は6億7410万ドル(約761億円)。今回調達した資金は、負債の返済と将来的な事業の成長のために使用するという。

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米ファッションサブスク企業のレント・ザ・ランウェイが新規上場

 ファッションレンタル事業の先駆けであるレント・ザ・ランウェイ(RENT THE RUNWAY)は10月27日、米ナスダック(NASDAQ)に新規上場(IPO)した。

 公開価格は1株21ドル(約2373円)に設定され、調達額は3億2730万ドル(約369億円)。初値は公開価格を上回る23ドル(約2599円)を付けたものの、終値は19.29ドル(約2179円)と公開価格の8.1%安だった。時価総額はおよそ13億ドル(約1469億円)。

 レント・ザ・ランウェイは、2009年にニューヨークで創業。オケージョン用のドレスやアクセサリー類のレンタルからスタートした同社は、ラグジュアリーブランドを中心としたハイエンド商品の品ぞろえが豊富なことが特徴だ。しかし、コロナ禍によって華やかなイベントが激減したことや、衛生面での懸念から苦戦を強いられ、20年8月にはニューヨーク旗艦店を含めた全店を閉店した。

 同社は会員のサブスクリプション料が売り上げの80%を占めている。21年1月通期決算では、売上高が前期比 38.6%減の1億5750万ドル(約177億円)、純損失は前年の1億5390万ドル(約173億円)から1億7110万ドル(約193億円)へと赤字が拡大している。21年7月31日時点での累積赤字は6億7410万ドル(約761億円)。今回調達した資金は、負債の返済と将来的な事業の成長のために使用するという。

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米ファッションサブスク企業のレント・ザ・ランウェイが新規上場

 ファッションレンタル事業の先駆けであるレント・ザ・ランウェイ(RENT THE RUNWAY)は10月27日、米ナスダック(NASDAQ)に新規上場(IPO)した。

 公開価格は1株21ドル(約2373円)に設定され、調達額は3億2730万ドル(約369億円)。初値は公開価格を上回る23ドル(約2599円)を付けたものの、終値は19.29ドル(約2179円)と公開価格の8.1%安だった。時価総額はおよそ13億ドル(約1469億円)。

 レント・ザ・ランウェイは、2009年にニューヨークで創業。オケージョン用のドレスやアクセサリー類のレンタルからスタートした同社は、ラグジュアリーブランドを中心としたハイエンド商品の品ぞろえが豊富なことが特徴だ。しかし、コロナ禍によって華やかなイベントが激減したことや、衛生面での懸念から苦戦を強いられ、20年8月にはニューヨーク旗艦店を含めた全店を閉店した。

 同社は会員のサブスクリプション料が売り上げの80%を占めている。21年1月通期決算では、売上高が前期比 38.6%減の1億5750万ドル(約177億円)、純損失は前年の1億5390万ドル(約173億円)から1億7110万ドル(約193億円)へと赤字が拡大している。21年7月31日時点での累積赤字は6億7410万ドル(約761億円)。今回調達した資金は、負債の返済と将来的な事業の成長のために使用するという。

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「フェンディ」とキム・カーダシアンの「スキムス」がコラボ カプセルコレクションを発売

 「フェンディ(FENDI)」は、キム・カーダシアン(Kim Kardashian)が手掛ける補正下着ブランド「スキムス ソリューションウエア(SKIMS SOLUTIONWEAR以下、スキムス)」と協業し、カプセルコレクションを発売する。

 このコラボコレクションは、ボディーコンシャスなトップスやタンクドレス、シースルー素材で作られたブラ、ストッキング、ワンピース型のスイムスーツ、パファージャケットなどのほか、「フェンディ」のアイコニックなバッグ“バゲット(BAGUETTE)”や“ピーカブー(PEEKABOO)”の新作などで構成されており、「フェンディ」と「スキムス」のロゴがあしらわれている。色はブラック、ミリタリーグリーン、フューシャピンク、ベージュなど。11月9日(太平洋標準時)発売で、専用のECサイトのほか、「フェンディ」の一部店舗や小売店などでも販売する。価格は現時点では明らかにされていない。

 2019年6月に立ち上げられた「スキムス」は、豊富な色味やサイズ展開を特徴としており、広告にはさまざまな人種や体型の女性が起用されている。キムを中心とした今回のキャンペーンイメージは、写真家のスティーヴン・マイゼル(Steven Meisel)が撮影した。

 「フェンディ」のキム・ジョーンズ(Kim Jones)=ウィメンズ・アーティスティック・ディレクターは、これまでにも多くのコラボレーションを行っている。「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」のメンズ・アーティスティック・ディレクターだった時代には「シュプリーム(SUPREME)」などのブランドと、現在もメンズ アーティスティック・ディレクターを務める「ディオール(DIOR)」ではカウズ(Kaws)やトラヴィス・スコット(Travis Scott)などのアーティストとも協業している。今年9月には、「フェンディ」と「ヴェルサーチェ(VERSACE)」が手を組んだ「フェンダーチェ(FENDACE)」を発表した。

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EUが大規模なエコラベルの制作に着手 H&Mや「ザラ」親会社も詳細や内容決定に参加予定

 アパレル業界のサステナビリティの向上に取り組むチェンジング マーケット ファウンデーション(Changing Markets foundation)やオーストリア ウール イノベーション(Australia Wool Innovation)など複数の団体は欧州連合(EU)に対し、衣類に対するエコラベルの義務付け・刷新を要請した。2023年までに、EU諸国のアパレル・シューズ製品はエコラベルを付けることが義務化されることになる。キャンペーンは「メイク ザ ラベル カウント(Make the Label Count)」と題し、ラベルの詳細や規定内容はこれから決定するという。

 「メイク ザ ラベル カウント」の製作に乗り出したのは、欧州を拠点とする複数の環境団体。循環型経済の促進と環境負荷の削減に取り組む「欧州グリーンディール(European Green Deal)」アジェンダに沿って、よりサステナブルな社会を目指す一歩として製品ラベルに着目。13年から使われている指標であるEUの製品向け環境フットプリント(PEF)は「不完全」だとし、今回消費者により伝わりやすく情報を提示するために刷新を呼びかけた。

 PEFでは衣服がリサイクルできるものであるかどうか、製品の生分解性・社会的影響及び化石燃料を使っているかどうかなどが考慮しきれていないものだという。現段階の測定方法では、自然由来の素材を使用した製品より、化学製品の方が環境に良いと判断されてしまい、消費者に誤った情報が届くと主張する。

 新しいラベルの指標を決める投票権を持つのは、H&M(ヘネス・アンド・マウリッツ)やシーアンドエー(C&A)、「ザラ(ZARA)」の親会社であるインディテックス(INDITEX)、デカトロン(DECATHLON)、VFコーポレーション(VF CORPORATION)、ナイキ(NIKE)、ラコステ(LACOSTE)といったファッション企業や環境問題に取り組む団体など。既存のPEFの測定方法やエコデザイン、EUのエコラベルなどのツールをもとに生かせる部分かあるかどうかなど、欧州委員会とも議論を重ねていく。

 スイス・ジュネーブの研究機関は「ザ・グレート・グリーンウオッシング・マシーン(The Great Greenwashing Machine)」と題したレポートを公開して、業界が一丸となってサステナビリティに取り組めていないと指摘する。アナリストのベロニカ・ベイツ・カサトリー(Veronica Bates Kassatly)やドロテ・バウマン・ポーリー(Dorothee Baumann-Pauly)研究ディレクターもまた、「ファッション企業やブランドはサステナビリティについて誤った定義、非科学的な方法や選択肢を使用しているため、努力は見えるが失敗してしるのではないか」と主張する。「メイク ザ ラベル カウント」製作陣は欧州委員会に、ラベルにマイクロプラスチックの有無といった指標を加えることを要請しており、2022年初頭には委員会から進捗が報告されるという。

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EUが大規模なエコラベルの制作に着手 H&Mや「ザラ」親会社も詳細や内容決定に参加予定

 アパレル業界のサステナビリティの向上に取り組むチェンジング マーケット ファウンデーション(Changing Markets foundation)やオーストリア ウール イノベーション(Australia Wool Innovation)など複数の団体は欧州連合(EU)に対し、衣類に対するエコラベルの義務付け・刷新を要請した。2023年までに、EU諸国のアパレル・シューズ製品はエコラベルを付けることが義務化されることになる。キャンペーンは「メイク ザ ラベル カウント(Make the Label Count)」と題し、ラベルの詳細や規定内容はこれから決定するという。

 「メイク ザ ラベル カウント」の製作に乗り出したのは、欧州を拠点とする複数の環境団体。循環型経済の促進と環境負荷の削減に取り組む「欧州グリーンディール(European Green Deal)」アジェンダに沿って、よりサステナブルな社会を目指す一歩として製品ラベルに着目。13年から使われている指標であるEUの製品向け環境フットプリント(PEF)は「不完全」だとし、今回消費者により伝わりやすく情報を提示するために刷新を呼びかけた。

 PEFでは衣服がリサイクルできるものであるかどうか、製品の生分解性・社会的影響及び化石燃料を使っているかどうかなどが考慮しきれていないものだという。現段階の測定方法では、自然由来の素材を使用した製品より、化学製品の方が環境に良いと判断されてしまい、消費者に誤った情報が届くと主張する。

 新しいラベルの指標を決める投票権を持つのは、H&M(ヘネス・アンド・マウリッツ)やシーアンドエー(C&A)、「ザラ(ZARA)」の親会社であるインディテックス(INDITEX)、デカトロン(DECATHLON)、VFコーポレーション(VF CORPORATION)、ナイキ(NIKE)、ラコステ(LACOSTE)といったファッション企業や環境問題に取り組む団体など。既存のPEFの測定方法やエコデザイン、EUのエコラベルなどのツールをもとに生かせる部分かあるかどうかなど、欧州委員会とも議論を重ねていく。

 スイス・ジュネーブの研究機関は「ザ・グレート・グリーンウオッシング・マシーン(The Great Greenwashing Machine)」と題したレポートを公開して、業界が一丸となってサステナビリティに取り組めていないと指摘する。アナリストのベロニカ・ベイツ・カサトリー(Veronica Bates Kassatly)やドロテ・バウマン・ポーリー(Dorothee Baumann-Pauly)研究ディレクターもまた、「ファッション企業やブランドはサステナビリティについて誤った定義、非科学的な方法や選択肢を使用しているため、努力は見えるが失敗してしるのではないか」と主張する。「メイク ザ ラベル カウント」製作陣は欧州委員会に、ラベルにマイクロプラスチックの有無といった指標を加えることを要請しており、2022年初頭には委員会から進捗が報告されるという。

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ビリー・アイリッシュが香水を発売 自身の“共感覚”から着想

 歌手のビリー・アイリッシュ(Billie Eilish)はフレグランスメーカーのパーラックス(PARLUX)と共に、初のフレグランス“アイリッシュ”を発売する。米国で11月にD2Cで販売し、価格は68ドル(約7700円)。処方はビーガンかつクルエルティーフリーだ。

 “アイリッシュ”は、ビリー自身のシナスタジア(共感覚。1つの刺激に対して、通常の感覚に加え異なる種類の感覚も生じる知覚現象)から着想した。嗅覚が特に敏感というビリーは「ファッションであれ、髪の毛であれ、音楽に関しても、全て香りにこだわっている。私の人生のあらゆることに関して、香りは特別なもの」と説明する。

 香りはトップノートにシュガーペタルやマンダリン、レッドベリーを、ハートノートにはソフトなスパイスやココア、バニラを、ベースノートにはムスクやトンカビーンズなどを組み合わせた。

 ロリ・シンガー(Lori Singer)=パーラックス社長は「初めて香水をズーム上で作ったのだが、ビリーとは画面上でインスピレーション源などについて話し合った。数多くあるセレブリティフレグランスの中で、(ビリーのように)セレブ自身がクリエイティブプロセスに密に関わっているものが成功する」と明かした。「ビリーは香水を100種類以上持っており、フレグランス愛用者だ。フレグランスに対する熱意は新作も伝わると思う」と期待を込める。

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バーバリーの新CEOはヴェルサーチェから 2022年4月に就任

 バーバリー(BURBERRY)は、新たな最高経営責任者(CEO)として、「ヴェルサーチェ(VERSACE)」を運営するジャンニ・ヴェルサーチェ(GIANNI VERSACE)のジョナサン・アクロイド(Jonathan Akeroyd)CEOを任命した。2022年4月1日付で就任する。同氏は21年12月末でバーバリーを離れるマルコ・ゴベッティ(Marco Gobbetti)CEOの後任となる。今回の人事に伴い、ジャンニ・ヴェルサーチェでは新たなCEOの選定をこれから行うという。

 アクロイド新CEOは、英老舗百貨店ハロッズ(HARRODS)でファッション部門の要職を経験した後、04年から16年までアレキサンダー・マックイーン(ALEXANDER McQUEEN)のCEOを務めた。16年5月にジャンニ・ヴェルサーチェのCEOに就任し、現在に至る。同氏は、「以前から『バーバリー』の豊かなヘリテージに深い愛情を感じていた。才能あふれるチームと共に、同ブランドのさらなる成長に向けて尽力できることを楽しみにしている」と語った。

 ジェラルド・マーフィー(Gerard Murphy)=バーバリー会長は、「ジョナサンは経験豊富なリーダーであり、グローバルなラグジュアリーブランドの収益性を高めてさらに成長させる手腕に長けている。彼は当社と価値観が一致しており、英国のクリエイティビティー豊かなブランドである『バーバリー』をさらに進化させてくれるだろう」と述べた。なお、ゴベッティCEOの退任からアクロイド新CEOが就任するまでの期間、バーバリーの経営会議の議長はマーフィー会長が務めるという。

 バーバリーを4年以上にわたって率いてきたゴベッティCEOは、1993年から2004年までモスキーノ(MOSCHINO)のCEOを、その後はジバンシィ(GIVENCHY)の会長兼CEOを務めた。08年から16年までセリーヌ(CELINE)の会長兼CEOとして指揮を執った後、17年7月から現職。業績が芳しくなかった「バーバリー」を成功に導いた立役者であり、その経営手腕は高く評価されている。21年6月に、バーバリーを離れてサルヴァトーレ フェラガモ(SALVATORE FERRAGAMO)のCEO兼ジェネラル・ディレクターに就任することを発表した。

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スワロフスキーのCEOが退任 初めて創業家外から後任の可能性も

 オーストリアを拠点とするクリスタルメーカーのスワロフスキー(SWAROVSKI)は、ロバート・ブッフバウアー(Robert Buchbauer)最高経営責任者(CEO)と、マティアス・マーグリーター(Mathias Margreiter)最高財務責任者(CFO)が10月末までに退任することを発表した。いずれも後任は未定。

 同社は、1895年にダニエル・スワロフスキー(Daniel Swarovski)が創業。これまで一族経営が続き、2020年4月に現職に就任したブッフバウアーCEOと、マーグリーターCFOも一族の出身だ。しかし同社はここ数年、新たな成長戦略に沿った事業再編に取り組んでおり、オーナーと会社の経営を切り分けることもその中に含まれているという。このため、新たなCEOとCFOは創業以来初めて一族以外から選ばれる可能性があると同社は示唆した。

 なお、ブッフバウアーCEOとマーグリーターCFOは退任後も取締役会の一員として同社に残る。両氏の後任が決まるまでは、現経営陣が暫定的にその役職を務める。創業家が保有する株式は、新たに設立する一族の持ち株会社が管理するという。

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「第36回イエール賞」グランプリはアフリカにルーツを持つ27歳 平和活動が着想源

 「第36回イエール国際フェスティバル(Hyeres International Festival以下、イエール賞)」が10月17日に開催され、イギリスのメンズデザイナー、イフェアニ・オクワディー(Ifeanyi Okwuadi)がグランプリを受賞した。
 
 グランプリには2万ユーロ(約260万円)の賞金と、パリで行われる素材見本市「プルミエール・ヴィジョン(PREMIERE VISION)」への参加権が贈られる。また、シャネル(CHANEL)の子会社パラフェクション(PARAFFECTION)が管理する専用アトリエとのプロジェクトに参加する機会も与えられる。

 オクワディーはナイジェリア出身の父とシエラレオネ出身の母を持ち、現在27歳。ロンドンのサヴィルローで3年ほど見習いをした後、英レイベンズボーン大学(Ravensbourne University)でファッションデザインを学んだ。その後、ロンドンを拠点するブランド「ウェールズ ボナー(WALES BONNER)」や、デザイナーのアイター・スロープ(Aitor Throup)の下でインターンを経験。今回のコレクションは、「マーガレット・ハウエル(MARGARET HOWELL)」でロジスティクス関連の仕事をしながら制作したという。
 
 “男の子たちから玩具を取り上げろ(Take the Toys From the Boys)”と題された同コレクションは、英空軍基地に核兵器が配備されたことに抗議するために1981年から2000年まで運営されていたグリーナム・コモン・ウィメンズ・ピースキャンプ(Greenham Common Women’s Peace Camp)を着想源としている。作品には抗議行動のさまざまな要素が反映されており、警察官の制服にインスパイアされたトレンチコートや、抗議活動の参加者が暴力的に排除される様子を表現した襟ぐりの広いスウェットシャツなどが登場した。

 オクワディーは、「世界の酷い出来事について、誰もが行動を起こすべきだ。イギリスにはあまり知られていない歴史的な事実があり、スティーブ・マックイーン(Steve McQueen)監督などはそれを映画で表現している。私はそれをファッションやデザインを通じて表現したい」と語った。

 審査員長を務めた「ラコステ(LACOSTE)」のルイーズ・トロッター(Louise Trotter)=クリエイティブ・ディレクターは、「オリジナリティーのあるアイデアを、いかに現実的な作品として落とし込めているかを重視した。豊かなクリエイティビティーと同時に、高い目的意識を持ち、業界に新たな何かをもたらしてくれる人材であることが受賞の要件の一つだった」と述べた。

 ほかにも、「クロエ(CHLOE)」によるクロエ賞(Chloe Prize)はラトビアのニットデザイナー、エリナ・シリナ(Elina Silina)が、「シャネル(CHANEL)」が協賛するメティエダール賞(Metiers d’Arts Prize)はタイのラクポン・ライマチュラポン(Rukpong Raimaturapong)が受賞した。

 イエール賞は“若手デザイナーの登竜門”として知られており、これまでに「パコ ラバンヌ(PACO RABANNE)」のジュリアン・ドッセーナ(Julien Dossena)=クリエイティブ・ディレクター、「ヴィクター&ロルフ(VIKTOR & ROLF)」のデザイナーであるヴィクター・ホルスティング(Viktor Horsting)とロルフ・スノーレン(Rolf Snoeren)、「サンローラン(SAINT LAURENT)」のアンソニー・ヴァカレロ(Anthony Vaccarello)=クリエイティブ・ディレクターなどが受賞している。

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「コーチ」がカバンの大量廃棄疑惑でTikTokで炎上 ことの真相は?

 10月9日、破損した状態で廃棄された「コーチ(COACH)」のアイテムを写した動画がティックトック(TikTok)に投稿され、サステナビリティの観点から同ブランドに説明を求める声が集まっている。

 発端となった動画は、ニューヨークを拠点とする自称“ゴミ収集”インフルエンサーで廃棄問題コンサルタントのアナ・サックス(Anna Sacks)が投稿したもの。サックスはテキサス州のダンプスターダイバー(ごみを漁る人)から破棄された「コーチ」のバッグなどを買い取り、動画の中で「同ブランドが運営する「“サステナブルな修理サービス”に持っていってみようと思う」と話す。商品の破損部分を見せながら、「大きなナイフで切ったような、この傷が見えますか?これは『コーチ』の方針で、わざと使えないようにするために売れなかったアイテムにダメージを加えています。そうすることで、偶然壊れてしまった商品のように扱い、税金同様に損金処理ができるんです」と説明する。

 「コーチ」は以前から提供している修理サービスや、4月に開始した「リラブドプログラム((Re)Loved Program)」を通して、商品を長く使えるようなサービスの提供に力を入れている。同プログラムでは、使用済みの「コーチ」のバッグを持ち込むと、修理やリメイク加工をし、店頭で再販売することで製品の循環性を高めている。このように製品に“第二の人生”を与えることに力を入れているブランドが、動画で見られるように廃棄しているとしたら、それは矛盾した行為なのではないかという批判のコメントが寄せられている。

 米「WWD」の電話インタビューに応えたジュン・シルバースタイン(Joon Silverstein)サステナブリティ・デジタル部門グローバルヘッドは、「当社は廃棄物の削減をとても重要な取り組みと捉えている。商品の破損や欠陥については、さまざまな方面に気を配りながら取り組んでいたので、今こういった投稿が表に出たことはとても残念だ。『リラブド プログラム』はお客さまからもいい反応がある。発売するたびには数日のうちに完売するほどだ。われわれはどんな状態のアイテムであっても、リサイクルや修理に真剣に取り組んでいる」とコメント。

 コロンビア大学のサステナビリティ学部の調査によると、売れ残った衣服やバッグの85%以上は最終的に埋立地で処分されているという。「コーチ」も顧客とともに「この現状を変えていきたい」という。ブランドはレザーアイテムの保証制度や顧客向けの循環型経済促進プロフラムなどはあるが、現状は埋め立てを伴う廃棄問題は依然として残っている。

 「コーチ」を含む多くのブランドは埋め立てへのゼロ・トレランス(小さな問題も見逃さない)方針は掲げていない。一方で、サックスが言うような「大規模で“意図的”な破損は行っていない」と主張する。シルバースタイン=グローバルヘッドは「店舗で破損された製品の量は、グローバルな売り上げの1%未満に相当する。すでに実店舗の40%以上では、このような破損行為は廃止している」と話す。

 ティックトックで今回の動画が拡散されたことから分かるのは、リサイクルや修理のニーズの高さや、より良い企業体制を望む生活者の声だ。意識が高まっている消費者の間では、廃棄物の量ではなく、そもそも廃棄物が存在するという事実が懸念されており、より良いアプローチが求められている。「スワロフスキー(SWAROVSKI)」や「バーバリー(BURBERRY)」などの在庫問題の解消に取り組むことで知られるデザイナーのパトリック・マクダウェル(Patrick McDowell)は、「この問題はファッション業界の過剰生産問題を広く考え直すきっかけになるだろう」と観察。

 ブルックリンを拠点とし“ゼロ廃棄”を掲げるブランドを運営するダニエル・シルバースタイン(Daniel Silverstein)もまた「大手上場企業の多くにとって、利益の追求は必須だ。アパレル商品やアクセサリーで利益を立てているので、モノを出さないのは難しい。それでも、廃棄の削減に取り組み、消費者との関係性を再構築することは重要だ」と語った。

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「イカゲーム」セビョク役のチョン・ホヨンとは何者か

 ネットフリックス(NETFLIX)が配信するオリジナルドラマ「イカゲーム(Squid Game)」に出演するモデル兼俳優のチョン・ホヨン(HoYeon Jung)に注目が集まっている。カン・セビョク役(067番)として初めて演技に挑戦した同作品への出演でインスタグラムのフォロワー数は、約40万から約190万に急増。韓国を拠点とする俳優では女性で最も多いフォロワー数を記録している。21年10月には、「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」のアンバサダーに就任した。

 「イカゲーム」は、デスゲームを通して社会の貧富の差などに迫る韓国ドラマ。それぞれ借金を抱えた人物が集まり、だるまさんがころんだ、カルメ焼き、綱引きなどといった幼少期のころの遊びをテーマに、賞金をかけてサバイバルを繰り広げる。9月の配信開始以来人気をさらい、ネットフリックスが配信されている全83カ国で視聴ランキング1位を記録した。中でもホヨン演じるカン・セビョクは、家族のために淡々とゲームに挑んでいる姿が多くの視聴者の心を掴んだ。

 同ドラマはピンクのジャンプスーツと緑のジャージの衣装や子供部屋のようなポップな空間、コロシアムをイメージしたというベッドのセットなども特徴的で、出演者の多くは現場での写真をSNSに投稿している。ホヨンはガールズグループBLACKPINKのジェニー(JENNIE)と親交があることから、撮影現場にかけつけたジェニーとの2ショット写真を公開している。

 そんな今をときめくチョン・ホヨンはソウルに生まれ、同徳女子大学校でモデル業を学んだ後、キャリアをスタート。韓国で次世代トップモデルの称号を競うリアリティー番組「韓国のネクストトップモデル(Korea’s Next Top Model)」のシーズン2と4に出演。シーズン4では20歳の時、2位に輝いた。

 その後2016年に国際的にモデルデビューを果たす。「ルイ・ヴィトン」17年春夏コレクションでオープニングを飾って初登場。同シーズン中には、「マーク ジェイコブス(MARC JACOBS)」「マックスマーラ(MAX MARA)」「フェンディ(FENDI)」といったブランドのモデルを務めた。

 これまでモデルを務めたブランドは、「シャネル(CHANEL)」「ミュウミュウ(MIU MIU)」「スキャパレリ(SCHIAPARELLI)「エミリオ・プッチ(EMILIO PUCCI)」「ランバン(LANVIN)」など。ほかにも「ルイ・ヴィトン」17年プレ・フォール・コレクションのキャンペーンや「シャネル」「エルメス(HERMES)」「セフォラ(SEPHORA)」などの広告キャンペーンに登場している。

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「ランバン」親会社が社名変更 伊藤忠との戦略的提携も発表

 「ランバン(LANVIN)」の親会社である中国のフォースン ファッション グループ(FOSUN FASHION GROUP)は、社名をランバン グループ(LANVIN GROUP)に変更した。

 同社はほかにも、オーストリア発のレッグウエアブランド「ウォルフォード(WOLFORD)」、イタリアのメンズウエア「カルーゾ(CARUSO)」、アメリカのウィメンズウエア「セント ジョン(ST. JOHN)」などを擁しており、2021年6月にはイタリアのラグジュアリーシューズブランド「セルジオ ロッシ(SERGIO ROSSI)」を運営するセルジオ ロッシを買収している。

 また、ランバン グループは伊藤忠商事と中国のシューズメーカー、ステラ インターナショナル(STELLA INTERNATIONAL)などと戦略的な提携関係を締結し、1億5000万ドル(約168億円)の資金を調達。取引の詳細は明らかにされていないが、中国の投資会社フォースン インターナショナル(FOSUN INTERNATIONAL)が主要株主であることに変わりはないという。資金調達後の企業価値は10億ドル(約1120億円)以上。

 ジョアン・チェン(Joann Cheng)=ランバン グループ会長は、「当社が擁するブランドの生産は主にヨーロッパで行われているが、今後は最適な生産パートナーをグローバルに探していきたい。また、当社の投資部門は、強いDNAや豊かなヘリテージを持つブランドなどの良い投資先を常に探している」と語った。調達した資金は、アジアやアメリカ市場での事業拡大や、ラグジュアリーブランドの買収などに充てられるという。同氏はまた、将来的には「ランバン」がビューティ市場に参入する可能性があることも示唆した。

 今回、ランバン グループが伊藤忠と提携した目的の一つとして、傘下のブランドを日本市場でさらに成長させたいことが挙げられる。伊藤忠は日本における「ランバン」のライセンス事業を04年から手掛けているほか、日本市場向けのカジュアルブランド「ランバン オン ブルー(LANVIN EN BLEU)」を立ち上げている。一方で、東京・銀座の「ランバン」旗艦店は19年に閉店しており、現在日本に同ブランドの店舗はない状態だ。

 なお、「セルジオ ロッシ」は日本に旗艦店を2店構えているほか、アウトレットやインショップなどを展開。「カルーゾ」と「ウォルフォード」は卸のみとなっている。

 香港を拠点とするステラ インターナショナルは、スポーティーなフットウエアを得意とするメーカーで、取引先には「オフ-ホワイト ヴァージル アブロー(OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH)」「プラダ(PRADA)」「バレンシアガ(BALENCIAGA)」などがある。今後は、ランバン グループが擁するブランドのスニーカーなどを手掛けると見られている。

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ケリングと「カルティエ」がタッグ ウォッチ&ジュエリー業界の新たなサステナ指標を設立

 コンパニー フィナンシエール リシュモン(COMPAGNIE FINANCIERE RICHEMONT以下、リシュモン)傘下の「カルティエ(CARTIER)」と、大手ラグジュアリーコングロマリットのケリング(KERING)は6日、サステナビリティの共同イニシアチブを設立した。「責任ある宝飾品業のための協議会(以下、RJC)」と協力し、「ウォッチ&ジュエリー イニシアティブ 2030」を立ち上げた。

 同イニシアチブは、サステナブルな未来のために手を取り合い、より良い行動を開始することを目的とする。「気候レジリエンスの構築」、「資源の保護」、「インクルージョンの促進」という3つの分野を設けてアプローチ。RJCのほか「科学的根拠に基づく目標(Science Based Targets)」などを基にしており、業界全体を巻き込んだ変化を促す。国内外で展開するブランドからディストリビューター、サプライヤーなど、ウォッチ&ジュエリーに関わる全業態を対象に、賛同する企業らを募る。署名した企業やメゾンは、科学的根拠に基づく炭素排出量の削減目標の設定や、定期的に3つの分野での達成状況などを報告する。

 「気候変動レジリエンスの構築」の分野では、世界的な平均気温上昇を1.5度に抑える努力を追求する「1.5度目標」をもとに、二酸化炭素排出量の削減や、30年までに「ネットゼロ」の実現を掲げる。ネットゼロは温室効果ガス等の排出量から、吸収量と除去量を差し引いた合計を実質ゼロにすることを目指すこと。「資源の保護」は、自然や生態系への影響を視野に入れてビジネスを営む目標。署名企業は原材料の調達から生物多様性や水源に負担のかからない行動計画を策定することが求められる。最低限のコミットメントとして同イニシアチブが掲げるのが、「インクルージョンの促進」。バリューチェーン全体で包括的であることを念頭に、人権や労働者の権利、採掘慣行などを監査する倫理規範(Code of Practices、COP)認証の取得を2年以内と期限付きで設けた。

 シリル・ヴィニュロン(Cyrille Vigneron)「カルティエ」プレジデント兼最高経営責任者(CEO)は、「ケリングとともにより持続可能な業界を目指した取り組みを開始すること、そして同業他社と手を取り合っていけることを期待している。全てのメゾンとサプライヤー、ビジネスパートナーが、地球と人々にポジティブな影響をもたらすプロジェクトに協力して取り組むビジョンをこれまで以上に共有したい」と述べた。

 ケリングのフランソワ・アンリ・ピノー(Francois Henri Pinault)会長兼CEOの右腕を長年務めるジャン・フランソワ・パル(Jean-Francois Palus)=マネジング・ディレクターも、「ケリングでは、ラグジュアリーは環境や社会の基盤を作る存在であると考えている。地球を守るために必要な変化を起こすことが、業界をけん引する一企業としての責任だと信じている。ウオッチ&ジュエリーの分野でも、テーマを設けて持続可能なゴールを設定し、行動を起こすことが変化を起こす確かな方法であるはずだ」と語った。

 リシュモンは2017年に、ケリングのアイウエアの株式30%を購入することで、パートナー関係を築いた。ケリングとリシュモンは以前にもカラージェムストーンのトレーサビリティ(追跡可能性)の向上に努めるイニシアチブに参加している。19年にはケリングが「ファッション協定」を設立。自ら旗振り役となり、企業の枠を超えて気候変動、生物多様性、海洋保護の3分野で実践的目標を達成する同協定を主導する。21年現在、傘下ブランドの「グッチ(GUCCI)」「バレンシアガ(BALENCIAGA)」はもちろん、シャネル(CHANEL)、ナイキ(NIKE)、H&Mヘネス・アンド・マウリッツグループなど主要企業70社が署名する。

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「モンクレール」から初の香水が誕生 キーワードは“イノベーション”

 「モンクレール(MONCLER)」が初のフレグランスとなる “モンクレール プール ファム(Moncler Pour Femme)”と“モンクレール プール オム(Moncler Pour Homme)”を10月12日、米国で発売する。価格は150mLで180ユーロ(約2万3000円)、100mLで120ユーロ(約1万5000円)、60mLで80ユーロ(約1万円)を予定。

 リフィル可能なボトルにはダウンジャケットのキルティングを模したシルバーの装飾が施され、LEDスクリーンが埋め込まれている。ブルートゥース搭載のスマートフォンを使えば好きな文字列をスクリーンに表示させることができる。

 自然や冒険心、発見などからヒントを得て調合された香りは、ウッディかつアウトドア感を演出するためにシダーウッドを使用。また、サンダルウッドを加えることで落ち着きや温かみをプラスした。これらをベースに“プール ファム”はウッディーでムスキーな香りに、“プール オム”は高山の森の美しさを表現したウッディでアロマティックな香りとなっている。

 発売当初はオンラインのほか、直営店約50店舗で展開する。また、卸は各国3~4店舗(全世界で約200店舗)で展開し、米国ではブルーミングデールズ(BLOOMINGDALE'S)、英国ではセルフリッジ(SELFRIDGES)で取り扱いが決定している。その後、2022年の早い時期から販売網を広げ、最終的には2000~3000カ所で展開する予定だ。

 製造販売を担う、仏フレグランス大手のインターパルファム(INTER PARFUMS)のフィリップ・ベナサン(Philippe Benacin)会長兼最高経営責任者(CEO)は、イノベーションがキーワードだったと説明する。「『モンクレール』の店舗に入ると、イノベーションを感じる。あらゆることの最先端にいるような気持になる」。

 「モンクレール」は20年6月にインターパルファムとフレグランスやその関連製品の製造・販売に関するライセンス契約を締結。インターパルファムからはコメントを得られなかったが、業界の情報筋は初年度だけで1億ユーロ(約128億円)は売り上げると予想する。

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「モンクレール」から初の香水が誕生 キーワードは“イノベーション”

 「モンクレール(MONCLER)」が初のフレグランスとなる “モンクレール プール ファム(Moncler Pour Femme)”と“モンクレール プール オム(Moncler Pour Homme)”を10月12日、米国で発売する。価格は150mLで180ユーロ(約2万3000円)、100mLで120ユーロ(約1万5000円)、60mLで80ユーロ(約1万円)を予定。

 リフィル可能なボトルにはダウンジャケットのキルティングを模したシルバーの装飾が施され、LEDスクリーンが埋め込まれている。ブルートゥース搭載のスマートフォンを使えば好きな文字列をスクリーンに表示させることができる。

 自然や冒険心、発見などからヒントを得て調合された香りは、ウッディかつアウトドア感を演出するためにシダーウッドを使用。また、サンダルウッドを加えることで落ち着きや温かみをプラスした。これらをベースに“プール ファム”はウッディーでムスキーな香りに、“プール オム”は高山の森の美しさを表現したウッディでアロマティックな香りとなっている。

 発売当初はオンラインのほか、直営店約50店舗で展開する。また、卸は各国3~4店舗(全世界で約200店舗)で展開し、米国ではブルーミングデールズ(BLOOMINGDALE'S)、英国ではセルフリッジ(SELFRIDGES)で取り扱いが決定している。その後、2022年の早い時期から販売網を広げ、最終的には2000~3000カ所で展開する予定だ。

 製造販売を担う、仏フレグランス大手のインターパルファム(INTER PARFUMS)のフィリップ・ベナサン(Philippe Benacin)会長兼最高経営責任者(CEO)は、イノベーションがキーワードだったと説明する。「『モンクレール』の店舗に入ると、イノベーションを感じる。あらゆることの最先端にいるような気持になる」。

 「モンクレール」は20年6月にインターパルファムとフレグランスやその関連製品の製造・販売に関するライセンス契約を締結。インターパルファムからはコメントを得られなかったが、業界の情報筋は初年度だけで1億ユーロ(約128億円)は売り上げると予想する。

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「ギャップ」がスタートアップのAI企業を買収 テクノロジーへの投資を強化

 ギャップ(GAP)は米ニューヨークとイスラエルのテルアビブを拠点とするスタートアップ企業、コンテクスト・ベースド 4 キャスティング(CONTEXT-BASED 4 CASTING、以下CB4)を買収した。

 CB4はAIと機械学習を利用して、予測分析と需要感知によって売上促進と顧客体験向上に貢献する。投資会社のセコイア キャピタル(SEQUOIA CAPITAL)が出資し、リーバイ・ストラウス(LEVI STRAUSS & CO.)やアーバンアウトフィッターズ(URBAN OUTFITTERS)といった小売企業とも協業した実績を持つ。今後はCB4の社員がギャップに移籍する形で業務を行う。

 ギャップのサリー・ギリガン(Sally Gilligan)=チーフ・グロウス・トランスフォーメーション・オフィサーは、「AIや機械学習が業界の未来を形作ると信じている」と話す。「当社はCB4に所属する世界クラスのデータサイエンティストと協業した経験があるため、彼らの技術が与える衝撃と、販売、在庫、消費者需要といった幅広い分野に応用できることを理解している。また、価値を引き出して顧客体験を向上させるポテンシャルを秘めている」。

 ギャップは1年前から技術をクラウドに移行し、今年8月にはヴァーチャル試着技術を提供するDRAPR社を買収するなど、テクノロジーへの投資を強化している。

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故スティーブ・ジョブズ氏の娘がランウエイデビュー

 アップル(APPLE)創業者の故スティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)氏の娘、イブ・ジョブス(Eve Jobs)がパリ・ファッション・ウイークでランウエイデビューを果たした。「コペルニ(COPERNI)」の2022年春夏コレクションに登場した。

 イブはネオングリーンの半袖タートルネックにネイビーのミニスカートを合わせた格好で登場。アクセサリーはサングラスとプラットフォームのビーチサンダル、アイフォンのカメラロールアプリのアイコンから着想を得た“折り紙”バッグを身につけた。ジジ・ハディット(Gigi Hadid)やパロマ・エルセッサー(Paloma Elsesser)、アドゥート・アケチ(Adu Akech)といったベテランモデルたちとともにランウエイを歩いた。ランウエイ後に自身のインスタグラムには、「言葉では言い表せないくらい素晴らしいコレクションでした。『コペルニ』のショーに参加できてとても光栄です」とコメントした。

 ジョブズ氏は1991年、アメリカの実業家で自身の会社を持つローレン・パウエル(Laurene Powell)氏と結婚。2011年に膵臓癌による合併症で亡くなるまで生活を共にした。末っ子のイブのほかにも、リード(Reed)とエリン(Erin)と、3人の子どもを持つ。

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元米「WWD」の名物記者が語る、故リチャード・バックリー氏と過ごした出版社での多忙な毎日

 9月19日に亡くなったファッションジャーナリストのリチャード・バックリー(Richard Buckley)氏は、米国版「WWD」とも深い関係を持ち、ファッションジャーナリストとして大きな影響力を持つ存在だった。

 同氏は1948年にニューヨーク州ビンガムトンで生まれた。アメリカ、フランス、ドイツで育ち、ミュンヘンのメリーランド大学卒業後、79年にニューヨーク・マガジン(New York Magazine)でジャーナリストとしてのキャリアを開始。82年から「WWD」の元親会社、フェアチャイルド(FAIRCHILD)のメンズウエアを広く扱うメディアにて、次世代のデザイナーを次々と発掘した。その後フェアチャイルドを離れ、「ヴォーグ(VOGUE)」などを擁する米コンデナスト(CONDENAST)の元で働く。パリやロンドンでの生活を経て、晩年はロサンゼルス、ニューヨーク、サンタフェで時間を過ごした。米国版「WWD」の元名物記者、ブリジット・フォーレイ(Bridget Foley)がともに働いた日々を回想しながら、思い出を振り返る。

 シャーロット(Charlotte)から連絡があった時、「ああ、リチャードが亡くなったんだ」とすぐに分かりました。シャーロットはリチャードと彼の夫、トム・フォード(Tom Ford)の親しい友人で、ブランドのマーケティングを管轄する人。メッセージには、「電話ください。とても大事なことだから」とだけありました。

 最後にリチャードに“会った”のは今年5月、画面上でのこと。その時もいつものように、まるで興味や関心を見せないように、ぶっきらぼうでした。「WWD」を去った後の人生や娘のライターへの興味について、彼らしいキツめのジョークを混ぜて話していた。低く囁くような声で話す様子に、彼が「WWD」にいたころにすでに発覚していた病気の影を感じながらも、楽しく話していました。

 リチャードは、本当にエレガントな人でした。洞察力に長け、落ち着きもあり、独特なユーモアの持ち主でシルバーのヘアーがよく似合っていた。彼とトムの出会いは有名なことに、「WWD」の親会社だったフェアチャイルドのオフィス屋上で行われた撮影だった。当時トムはデザイナーのキャシー・ハードウィック(Cathy Hardwick)のアシスタントで、リチャードは担当の編集者だった。

 私はその時現場にはいませんでしたが、私とリチャードの友情はそれよりも前に始まった。私たちは「シーン(SCENE)」という若者向けの雑誌の立ち上げの際に出会いました。そのころリチャードは、フェアチャイルドのパリ発信のメンズマガジン「DNR」誌のヨーロッパ管轄の編集長として業界で有名でした。リチャードが去った直後に編集長を引き継いだエド・ナルドザ(Ed Nardoza)によると、「リチャードは圧倒的な才能の持ち主だった。彼の特集や撮影は洗練されていて、唯一無二のものだった。DNRマガジンの品質を一気にあげた」と言います。

 リチャードはフェアチャイルドと強いつながりを持っていたし、同社は彼をニューヨークに呼び戻しました。彼は「シーン」の編集長になる予定でしたが、同誌は複数の理由でたたむことになりました。私も彼もこのプロジェクトが機能していなかったことは気づいてたんですが、どうしようもできず……。それから日常は一転して充実した忙しいものから、ストレスフルなものに変わりました。その中で私たちはお互いを励まし合いながら、特有の深い絆が生まれました。これまでのシンパシー(共感すること)が、エンパシー(他人と感情を共有すること)に変わったのかもしれません。同じ階で働いていた人はみんな私たちと同じように感情を共有しながら働いていました。

 ある時、ちょっとしたことで仕事を一日休んだ時がありました。翌日出社すると、リチャードは代わりにまだ経験の浅い若い編集者と仕事をしていました。その編集者が私の休みの理由を探り「ああ、精神的に疲れてしまったんですね」と言った時に、私は唐突すぎて思わず吹き出してしまいました。するとリチャードは眉を片方あげて、「今更私たちのどちらかがが、精神的に疲れて一杯一杯になっても誰も驚かないだろうよ」と言ったんです。

 常に仕事に詰まっていて、週末もオフィスにいることが多々ありました。ある時、私たちは撮影のために洋服を探すことになりました。土曜日だったので娘のグレイン(Grainne)を連れて行ったのですが、2歳の好奇心旺盛な娘は洋服や靴をめちゃくちゃにしてしまいました。リチャードの性格を考えると、娘に対してでなくとも、少なくとも私にはイライラするんじゃないかとヒヤヒヤ。ところが彼はオフィスの中で子どもが安全に遊べるスペースを探し始めたのです。編集者同士で写真を確認し合うために使われていたフォトプロジェクターに目をつけ、娘を遊ばせました。当時フォトプロジェクターは写真のカセットを挿入して、流れるように見られる仕組みでした。すでに翌日のためにカセットで埋まっていたプロジェクターで娘は何百ものカセットを出しては遊んですっかり夢中に。リチャードはその後一人残ってまたカセットを補充してくれたんです。

 バックリー・フォード家のことを思う時、このシーンをいつも思い出します。リチャードは息子のジャック(Jack)にとって素晴らしい父親だったに違いありません。彼は寛容でクリエイティブで、ありふれた日常を面白くて楽しいものにします。トムが言うには、ジャックが生まれた時からリチャードはバラやユリ、フリージアなど、花を嗅がせるようにしていたそうです。ジャックはフレグランスや香りへの興味が芽生えているとのこと。ほかにも、日常のなんてことない疑問や考えに楽しさを見つけるような教育をしていました。

 リチャードの鋭い審美眼は、彼の大きな強みでした。彼は注目されていなかった芸術品や、誰も知らない新鋭デザイナーのドレスなどに目をつけていました。「シーン」の担当から外れてマガジンも廃刊になった後、リチャードは「WWD」の中で業界のイベントやパーティを取り上げる「ザ・アイ(The EYE)」ページを担当することになりました。初めて担当した大きなイベントは、若かりしころのクリスチャン・ラクロワ(Christian Lacroix)が衣装を手掛けたバレエシアターのガラでした。「ザ・アイ」の連載は「WWD」の一つの大きなコンテンツで、WWD創業者のジョン・フェアチャイルド(John Fairchild)も注目していました。

 彼の文化的洞察力や独特のユーモアは「ザ・アイ」連載にピッタリ合っていました。ニューヨークの社交界を切り開き、大御所らと付き合いながらカウンターカルチャーから生まれる新たな流れを掴み取っていきました。これまで培ってきたジャーナリズムのスキルを大切にしながら、エンタメの世界に飛び込んだのです。

 彼がトムとヨーロッパに戻り、「ヴォーグ オム インターナショナル(Vogue Hommes International)」の編集長に就任した後、ばったりショーで会いました。私のレビューを読んだと報告をしてくれましたが、キュロットとスカートを間違えていると指摘。「とても素晴らしいレビューだったけれど、完璧ではないね」と一言。5月に画面上で会った時、彼は相変わらずエレガントでありながらズバズバとモノを言うので、とても楽しかった。話をしていると2人きりでオフィスに篭っていた日々を思い出します。私たちは若くて、タフでした。タフすぎるくらいに。お互いを支え合って過ごしていました。その時から彼はすっかり私のハートを掴んでしまい、今も離してくれません。

 ご冥福をお祈りします。

 ブリジット・フォーレイ

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アイウエアD2Cの「ワービー パーカー」が上場

 米アイウエアブランド「ワービー パーカー(WARBY PARKER)」は9月29日、ニューヨーク証券取引所に直接上場した。初値は54.05ドル(約5945円)、終値は54.49ドル(約5993円)と同証券取引所が前日に設定した参考価格の1株40ドル(約4400円)を大きく上回った。時価総額はおよそ68億ドル(約7480億円)。

 直接上場とは、新株を発行せずに既存の株式を上場することを指す。一般的な新規上場(IPO)と異なり、新株を発行しないため、新株を引き受ける金融機関に支払う手数料などのコストを削減できる。既存株主が持ち分をすぐに売却できるメリットがあるが、新株を発行しないので新たな資金調達はできないというデメリットがある。なお、同社は2021年8月の時点ではIPOの準備を行っていた。

 「ワービー パーカー」は10年に創業されたD2Cの眼鏡ブランド。自宅で眼鏡を5本まで無料で試すことができ、気に入ったものがあればECで購入するというシステムと、豊富な種類や買いやすい値段で人気となった。21年6月末日時点で145店を運営し、従業員数は約3000人。

 同社が米国証券取引委員会(Securities and Exchange Commission)に提出した資料によれば、18年12月期の売上高が2億7300万ドル(約300億円)、19年は3億7000万ドル(約407億円)、20年は3億9400万ドル(約433億円)と順調に推移している。一方で、純損失は18年が2300万ドル(約25億円)、19年は前年から横ばいに推移し、20年は5600万ドル(約61億円)と赤字が拡大している。21年1〜6月期で見ると、売上高は前年同期比53.0%増の2億7053万ドル(約297億円)、純損失は前年同期の1000万ドル(約11億円)から729万ドル(約8億円)へと赤字が縮小している。

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アイウエアD2Cの「ワービー パーカー」が上場

 米アイウエアブランド「ワービー パーカー(WARBY PARKER)」は9月29日、ニューヨーク証券取引所に直接上場した。初値は54.05ドル(約5945円)、終値は54.49ドル(約5993円)と同証券取引所が前日に設定した参考価格の1株40ドル(約4400円)を大きく上回った。時価総額はおよそ68億ドル(約7480億円)。

 直接上場とは、新株を発行せずに既存の株式を上場することを指す。一般的な新規上場(IPO)と異なり、新株を発行しないため、新株を引き受ける金融機関に支払う手数料などのコストを削減できる。既存株主が持ち分をすぐに売却できるメリットがあるが、新株を発行しないので新たな資金調達はできないというデメリットがある。なお、同社は2021年8月の時点ではIPOの準備を行っていた。

 「ワービー パーカー」は10年に創業されたD2Cの眼鏡ブランド。自宅で眼鏡を5本まで無料で試すことができ、気に入ったものがあればECで購入するというシステムと、豊富な種類や買いやすい値段で人気となった。21年6月末日時点で145店を運営し、従業員数は約3000人。

 同社が米国証券取引委員会(Securities and Exchange Commission)に提出した資料によれば、18年12月期の売上高が2億7300万ドル(約300億円)、19年は3億7000万ドル(約407億円)、20年は3億9400万ドル(約433億円)と順調に推移している。一方で、純損失は18年が2300万ドル(約25億円)、19年は前年から横ばいに推移し、20年は5600万ドル(約61億円)と赤字が拡大している。21年1〜6月期で見ると、売上高は前年同期比53.0%増の2億7053万ドル(約297億円)、純損失は前年同期の1000万ドル(約11億円)から729万ドル(約8億円)へと赤字が縮小している。

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「エスティ ローダー」から初のラグジュアリーフレグランスが登場 新技術を採用

 「エスティ ローダー(ESTEE LAUDER)」は11月5日、新作フレグランスシリーズ“ラグジュアリー フラグランス コレクション”(全8種、各40mL、各税込1万1550円/各100mL、各税込2万3100円)を発売する。ブランドにとって初となるラグジュアリー価格のフレグランスだ。取扱店舗を厳選し、日本では伊勢丹新宿本店、三越伊勢丹グループの化粧品EC「ミーコ(MEECO)」、阪急うめだ本店、HANKYU BEAUTY ONLINE、「エスティ ローダー」公式オンラインショップ限定で取り扱う。 

 同コレクションは自然の情景や官能性から着想を得た8種の香りをそろえる。香りを長く持続させるために、新たに「エスティ ローダー」独自の「セント キャプチャ フラグランス エクステンダーTMテクノロジー」を採用。1回のスプレーで、香りが最大12時間持続するよう開発した。また、知覚神経試験を実施し、香りによって特定の感情を呼び起こすことも実証。心と五感を満たす新たなフレグランスが誕生した。

 ステファン・ドゥ・ラ・ファヴリ(Stephane de La Faverie)=エスティ ローダー カンパニーズ グループ プレジデントは今回のローンチの理由に「ラグジュアリー・ファインフレグランス市場の拡大」を挙げる。「『エスティ ローダー』にとってフレグランスは以前から重要な事業で、ラグジュアリーやニッチフレグランスが急成長する中、ラグジュアリーラインを出すことは自然な選択だった」。また今回新しく導入した技術に期待をかける。「香りはもちろん、今回持続力を高めた新しいテクノロジーに加え、香りと感情の関係性を研究したことが他のフレグランスとの差別化ポイント。今回エモーション(感情)の領域に進出することができ、ラグジュアリーブランドにとって、お客さまとエモーションでつながることは欠かせない」とコメント。

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「エスティ ローダー」から初のラグジュアリーフレグランスが登場 新技術を採用

 「エスティ ローダー(ESTEE LAUDER)」は11月5日、新作フレグランスシリーズ“ラグジュアリー フラグランス コレクション”(全8種、各40mL、各税込1万1550円/各100mL、各税込2万3100円)を発売する。ブランドにとって初となるラグジュアリー価格のフレグランスだ。取扱店舗を厳選し、日本では伊勢丹新宿本店、三越伊勢丹グループの化粧品EC「ミーコ(MEECO)」、阪急うめだ本店、HANKYU BEAUTY ONLINE、「エスティ ローダー」公式オンラインショップ限定で取り扱う。 

 同コレクションは自然の情景や官能性から着想を得た8種の香りをそろえる。香りを長く持続させるために、新たに「エスティ ローダー」独自の「セント キャプチャ フラグランス エクステンダーTMテクノロジー」を採用。1回のスプレーで、香りが最大12時間持続するよう開発した。また、知覚神経試験を実施し、香りによって特定の感情を呼び起こすことも実証。心と五感を満たす新たなフレグランスが誕生した。

 ステファン・ドゥ・ラ・ファヴリ(Stephane de La Faverie)=エスティ ローダー カンパニーズ グループ プレジデントは今回のローンチの理由に「ラグジュアリー・ファインフレグランス市場の拡大」を挙げる。「『エスティ ローダー』にとってフレグランスは以前から重要な事業で、ラグジュアリーやニッチフレグランスが急成長する中、ラグジュアリーラインを出すことは自然な選択だった」。また今回新しく導入した技術に期待をかける。「香りはもちろん、今回持続力を高めた新しいテクノロジーに加え、香りと感情の関係性を研究したことが他のフレグランスとの差別化ポイント。今回エモーション(感情)の領域に進出することができ、ラグジュアリーブランドにとって、お客さまとエモーションでつながることは欠かせない」とコメント。

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「エスティ ローダー」から初のラグジュアリーフレグランスが登場 新技術を採用

 「エスティ ローダー(ESTEE LAUDER)」は11月5日、新作フレグランスシリーズ“ラグジュアリー フラグランス コレクション”(全8種、各40mL、各税込1万1550円/各100mL、各税込2万3100円)を発売する。ブランドにとって初となるラグジュアリー価格のフレグランスだ。取扱店舗を厳選し、日本では伊勢丹新宿本店、三越伊勢丹グループの化粧品EC「ミーコ(MEECO)」、阪急うめだ本店、HANKYU BEAUTY ONLINE、「エスティ ローダー」公式オンラインショップ限定で取り扱う。 

 同コレクションは自然の情景や官能性から着想を得た8種の香りをそろえる。香りを長く持続させるために、新たに「エスティ ローダー」独自の「セント キャプチャ フラグランス エクステンダーTMテクノロジー」を採用。1回のスプレーで、香りが最大12時間持続するよう開発した。また、知覚神経試験を実施し、香りによって特定の感情を呼び起こすことも実証。心と五感を満たす新たなフレグランスが誕生した。

 ステファン・ドゥ・ラ・ファヴリ(Stephane de La Faverie)=エスティ ローダー カンパニーズ グループ プレジデントは今回のローンチの理由に「ラグジュアリー・ファインフレグランス市場の拡大」を挙げる。「『エスティ ローダー』にとってフレグランスは以前から重要な事業で、ラグジュアリーやニッチフレグランスが急成長する中、ラグジュアリーラインを出すことは自然な選択だった」。また今回新しく導入した技術に期待をかける。「香りはもちろん、今回持続力を高めた新しいテクノロジーに加え、香りと感情の関係性を研究したことが他のフレグランスとの差別化ポイント。今回エモーション(感情)の領域に進出することができ、ラグジュアリーブランドにとって、お客さまとエモーションでつながることは欠かせない」とコメント。

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ヘアケアブランド「オラプレックス」が上場

 米ヘアケアブランド「オラプレックス(OLAPLEX)」は9月30日、米ナスダック(NASDAQ)に上場した。公開価格は1株21ドル(約2310円)の見込みだったが、初値は約25ドル(約2750円)になり、終値は24.50ドル(約2695円)だった。約18億ドル(約1980億円)を調達し、時価総額は160億ドル(約1兆7600億円)。

 2014年に米国カリフォルニア州で創設したオラプレックスは、髪内部の結合を修復する「ボンド技術」を開発。髪に負担となるヘアカラーや施術のダメージを抑え、プロフェッショナルヘア業界で人気を集めてきた。同社は特許技術を複数所有し、ボンド技術を業界内に広めた存在だ。米国ではサロン流通に加え、セフォラ(SEPHORA)にリテール専用のシリーズを販売。日本には18年2月に上陸し、プロジエが取り扱っている。また19年に投資会社のアドベント インターナショナル(ADVENT INTERNATIONAL)が買収している。

 同社の2020年度の売り上げは前年比90%増の2億8230万ドル(約310億円)とコロナ禍でも好調で、21年1〜6月期も前年同期比171%増を記録した。

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故アルベール・エルバスに捧ぐオマージュ 豪華デザイナー陣が手掛ける「AZファクトリー」がパリコレのトリを飾る

 4月に死去したデザイナーのアルベール・エルバス(Alber Elbaz)へのトリビュートとして、デザイナー44人が「AZファクトリー(AZ FACTORY)」のコレクションを手掛ける。

 各デザイナーは、エルバスの功績を着想源としたルックか、アイコニックなシルエットをアレンジしたルックを制作する権限が与えられ、パリ・ファッション・ウイーク最終日となる10月5日、“ラブ・ブリングス・ラブ(Love Brings Love)”と題したショーで披露し、パリコレのトリを飾る。このショーは、公式ウェブサイトやユーチューブ、インスタグラムアカウントを通じて同時配信を予定している。

 注目すべきは参加するデザイナー陣の顔ぶれだ。参加デザイナーの一部を紹介する。

・ラルフ・ローレン(Ralph Lauren)
・ジョルジオ・アルマーニ(Giorgio Armani)
・川久保玲「コム デ ギャルソン(COMME DES GARCONS)」デザイナー
・ジャンポール・ゴルチエ(Jean Paul Gaultier)
・ドナテラ・ヴェルサーチェ(Donatella Versace)
・マリア・グラツィア・キウリ(Maria Grazia Chiuri)「ディオール(DIOR)」アーティスティック・ディレクター
・キム・ジョーンズ(Kim Jones)「フェンディ(FENDI)」ウィメンズ・アーティスティック・ディレクター
・リカルド・ティッシ(Riccardo Tisci)「バーバリー(BURBERRY)」チーフ・クリエイティブ・オフィサー
・ニコラ・ジェスキエール(Nicolas Ghesquiere)「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」ウィメンズ・アーティスティック・ディレクター
・アレッサンドロ・ミケーレ(Alessandro Michele)「グッチ」クリエイティブ・ディレクター
・ドリス・ヴァン・ノッテン(Dries Van Noten)
・ナデージュ・ヴァンヘ・シビュルスキー(Nadege Vanhee-Cybulski)「エルメス(HERMES)」アーティスティック・ディレクター
・サラ・バートン(Sarah Burton)「アレキサンダー・マックイーン(ALEXANDER McQUEEN)」クリエイティブ・ディレクター
・ピエールパオロ・ピッチョーリ(Pierpaolo Piccioli)「ヴァレンティノ」クリエイティブディレクター
・ラフ・シモンズ(Raf Simons)
・トム・ブラウン(Thom Browne)
・リック・オウエンス(Rick Owens)
・阿部千登勢「サカイ」デザイナー
・アンソニー・ヴァカレロ(Anthony Vaccarello)「サンローラン(SAINT LAURENT)」クリエイティブ・ディレクター
・ジョナサン・アンダーソン(Jonathan Anderson)「ロエベ(LOEWE)」クリエイティブ・ディレクター
・ステラ・マッカートニー(Stella McCartney)
・ヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)
・デムナ・ヴァザリア(Demna Gvasalia)「バレンシアガ(BALENCIAGA)」アーティスティック・ディレクター
・ダニエル・リー(Daniel Lee)「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」クリエイティブ・ディレクター
・オリヴィエ・ルスタン(Olivier Rousteing)「バルマン(BALMAIN)」クリエイティブ・ディレクター
・ジャンバティスタ・バリ(Giambattista Valli)
・マシュー・M・ウィリアムズ(Matthew M. Williams)「ジバンシィ(GIVENCHY)」クリエイティブ・ディレクター
・ガブリエラ・ハースト(Gabriela Hearst)「クロエ(CHLOE)」クリエイティブ・ディレクター
・シモーネ・ロシャ(Simone Rocha)
・小泉智貴「トモ コイズミ(TOMO KOIZUMI)」デザイナー
・ピーター・ミュリエ (Pieter Mulier)「アライア(ALAIA)」クリエイティブ・ディレクター
・テベ・マググ(Thebe Magugu)

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“モード界の帝王”アルマーニが語る「エンポリオ アルマーニ」40年の軌跡 展覧会も開催

 デザイナーのジョルジオ・アルマーニ(Giorgio Armani)による「エンポリオ アルマーニ(EMPORIO ARMANI)」が創立40周年を迎えた。初めての店舗は1981年、ミラノに開き、その後「ジョルジオ・アルマーニ」などファッションラインを充実させた。21年のオリンピックでは、イタリア代表が表彰台で着用する公式ウエアは、「エンポリオ アルマーニ」のスポーツライン「エンポリオ アルマーニ EA7(EMPORIO ARMANI EA7)」がイタリア選手の公式ウエアを手掛けた。

 アルマーニは「エンポリオ アルマーニ」の2022年春夏コレクションをミラノで発表し、「The Way We Are(ザ・ウェイ・ウィー・アー)」と題した展覧会を開催。「エンポリオ アルマーニ」マガジンの特別号を発行するなどして40周年を祝っている。ここでは、ブランドのこれまでの軌跡やこれからの展望、現在地などを語る。

WWD:「ザ・ウェイ・ウィー・アー」はどんなイベント?

ジョルジオ・アルマーニ(以下、アルマーニ):メゾンの方針や意図を伝えるためのマニフェストのような役割を担う企画です。オープンであることの大切さや包括性、文化・ジェンダーの多様性といった価値観をブランドが設立当初から掲げてきた価値を再確認するものだ。基本的に、懐かしさに思いを馳せるノスタルジックなものは好んでいない。それはずっと変わっていないので、このイベントでも現在や未来に目を向けている。

WWD:40年前に「エンポリオ アルマーニ」を立ち上げた経緯は?

アルマーニ:1981年を思い返すと、雑踏とした世の中に気ままなムードがあり、「何かしたい」という衝動があった。多くの若者が自立して社会進出していたが、その気持ちを後押しするファッションはなかった。こういった市場のギャップは明らかにあったので、チャンスだと思った。(ブランドを立ち上げ後)すぐに大きな反響があり、一気に人気が広がった。イタリア語でデパートや百貨店、市場といった意味を持つ“エンポリオ”という名前は、誰もが簡単に入ることができ、何かに出合える場所ということが一目で分かるもの。ロゴの鷲は、国境の壁を超えて高く飛べることや地平線の続きを表す象徴として取り入れた。

WWD:2017年に「アルマーニ コレツィオーニ(ARMANI COLLEZIONI)」と「アルマーニ ジーンズ(ARMANI JEANS)」を「エンポリオ アルマーニ」に統合したが、その理由は?

アルマーニ:ブランドがこれからも発展していくだろうという自信はもちろんあった。加えて保有するブランド同士のバランスを取るために、「エンポリオ アルマーニ」にはもっと自由が必要だと考えた。設立当初から慎重に多様性を捉えており、「エンポリオ アルマーニ」では自分のスタイルを維持しながら、より多くの人にアピールできる製品を提供する。言うなれば、「エンポリオ」は(デザインの)本能で「ジョルジオ・アルマーニ」は(デザインをする)理由そのもの。どちらも欠けてはならない存在だ。

WWD:「エンポリオ アルマーニ」はここ数年でどう進化したと思う?

アルマーニ:デザインの幅も広がったし、より多くの人に向けた商品が増えている。今日の「エンポリオ アルマーニ」は、時代の変化に応じて、とても多様だ。“若さ”は今や年齢や生まれた年によって決まるものではなく、感覚やあり方を指している。だからこそ誰しもがブランドとつながりを感じられるような器でありたい。ブランドの精神は自由でメトロポリタンで、ダイナミックだ。

WWD:どのような人が「エンポリオ アルマーニ」らしいと思う?

アルマーニ:ファッションで自分を表現する人。そういう人が“ファッショニスタ”というわけではないけれど、確かな個性を持っていることは間違いない。そして年齢に縛られない人。

WWD:エキシビジョンの見所は?展示するアイテムや照明など、こだわった部分は?

アルマーニ:インスタレーションを中心に、テーマ別に部屋を設けている。それぞれがブランドの大切な要素を構成する。例えばメンズウエアとウィメンズウエアや、ミラノと世界の大都市、雑誌間で生まれる対話などを表現。部屋ごとのコンセプトに合わせて、配置するファッションアイテムなどを選んだ。活気あふれるビジュアルで、大きなムードボードのような部屋をミラーで覆い、万華鏡のようにそれぞれの要素を集めたんだ。

WWD:開催の準備をしながらどんなことを感じていた?

アルマーニ:これまでのデザインや取り組みを整理しながら、私のスタイルの本質やアイデア、アイテムを再考するきっかけとなった。たくさんの記憶が蘇ったよ。ミラノのブロレット通りの壁面広告の影響力は特にすごかった。思い出の多くには、レオ(Leo)や姪のシルヴァーナ(Silvana)がいる。長年私のそばにいてくれて、頭が上がらない2人だ。シルヴァーナとは一緒にウィメンズのコレクションを作ったりして、常にオープンに意見交換をしてきた。レオは私の片腕として一緒に働いてきた。忠誠であることに加えて、しんどい時もそれを軽くしてくれるような性格に本当に感謝している。

WWD:雑誌の発行や壁面広告を通して伝えたいメッセージは?

アルマーニ:一般的に広く語られるようになった「包括性(インクルージョン)」について、私は40年前から伝えようとしている。雑誌や広告でコミュニケーションに重きを置いているのは、“エンポリオ”という名の通り、ブランドが大切にしている価値観を自然に広げていくことを願ってのこと。雑誌を出版していた頃から妹のロザンナ(Rosanna)とは一緒に働いてきたが、広告のアイデアを提案してくれたのは彼女。この展覧会でも一緒に動いてくれた。

WWD:デジタルを使った仕掛けはある?

アルマーニ:もちろん!インスタグラムは要チェックだ。

WWD:「エンポリオ アルマーニ」の現在地は?顧客層や店舗数、これから新店舗オープンの予定は?

アルマーニ:メインの顧客層はヨーロッパとアジア。でもアメリカもコロナからの復帰を大きく支える市場だ。店舗は、250店以上ある。直近でイタリアのリナーテ、スペインのバルセロナに新店舗をオープンしたので、今後北米や中国にもっと店舗を増やしたいと思っている。

WWD:独立企業として迎えた40年だが、そこにこだわりは?

アルマーニ:1人の男として、そして起業家として独立しているということは大きな意味を持つ。特に今の時代は強く感じることだ。スピーディーかつ柔軟に動くためにも、大事な選択だ。これまでも自分の道を切り開いてきたし、これからもそうしていくだろう。

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BTSが国連総会に選んだスーツは韓国のサステナブランド 若者に贈るエール

 ユニセフのグローバル・サポーターを務めるアイドルグループのBTSが9月24日、ニューヨークで開催された国連総会でスピーチを行った。2030年までに若者への安定した教育水準や技能研修、雇用の確保を掲げるパートナーシップが発足した本イベントでBTSは、サステナブルなモノづくりを行う韓国ブランド「リコード(RE;CODE)」のカスタムスーツを着用した。胸元には国連の持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals、SDGs)を表すレインボーのスワロフスキーピンをつけた。

 「リコード」は、韓国のアップサイクルブランド。在庫衣類やエコ生地を使用して、アイテムを再構築するコレクションを手掛ける。2020年秋冬コレクションでは、「ナイキ(NIKE)」とコラボレートして話題を集めた。国連総会での着用に際して、「このスーツは、持続可能なファッションの支援・後押しを目指してデザインした。国連でスピーチをするBTSのために、特別に制作した」と語った。

 BTSは7分にわたるスピーチの中で、「新型コロナウイルスの蔓延によって、さまざまな機会から遠ざけられた10代・20代の若者たちは、“ロスト(失われた)”世代と見られているかもしれない。しかし、われわれは変化を恐れず前に進む世代、“ウェルカム”世代だ」と若者にメッセージを贈った。ほかにも、国連本部で撮影した「Permission to Dance」のパフォーマンス動画をユーチューブで公開した。

 リーダーのRMは、メトロポリタン美術館で韓国の職人技を称えるイベントに参加し、スピーチをした。ほかにもヒットソング「Butter」のリミックスを手掛けるラッパーのミーガン・ジー・スタリオン(Megan Thee Stallion)とも合流するなど、ニューヨークで思い思いの時間を過ごした。

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「DKNY」親会社が「ソニア リキエル」を買収

 米G-IIIアパレル グループ(G-II APPAREL GROUP)は9月23日、仏ファッションブランド「ソニア リキエル(SONIA RYKIEL)」をエリック(Eric)とマイケル・ダイヨン(Michael Dayan)共同オーナーから買収すると発表した。買収額は公表していない。

 「ソニア リキエル」は経営不振が続き、買い手や提携先を探したものの見つからず、2019年7月に清算。その後20年からエリックとマイケル・ダイヨン兄弟が買い取ったが、ブランドの再建に苦戦していた。

 G-IIIアパレル グループは今後、ヨーロッパを中心に2022年秋シーズンに「ソニア リキエル」を再始動する。また、同社傘下のスイムウエアブランド、ヴィルブレクイン(VILEBREQUIN)のローランド・エロリー(Roland Herlory)CEOをソニア リキエルの新CEOに任命した。

 モリス・ゴールドファーブ(Morris Goldfarb)=G-IIIアパレル グループ会長兼最高経営責任者(CEO)は「『ソニア リキエル』の買収でラグジュアリービジネスを強化できることをうれしく思う。同ブランドは大きなポテンシャルを持ち、今後はアパレルやアクセサリーに加え、さまざまなライフスタイルカテゴリーもローンチする予定だ」とコメント。エロリー新CEOは「ブランドの歴史を守りつつ、モダンにアップデートする。15年前ブランドの売り上げ規模は1億ユーロ(約128億円)だったが、今後3〜5年で同様の水準に戻すことを目指す」と意気込む。なお、ブランドは“アフォーダブルラグジュアリー”のポジションで打ち出し、数年以内に世界中に12〜15店舗をオープンする計画だ。また、デザイナーはこれから起用するという。

 創業デザイナーのソニア・リキエル(Sonia Rykiel)は“ニットの女王”と称えられ、ストライプやスパンコールを施したニットが人気を博した。フランスのファッション史を代表する存在で、女性のためのフェミニンな洋服を多く手掛けた。16年にはパーキンソン病との闘病の末86歳で死去した。

 一方のG-IIIアパレル グループは「DKNY」「ダナ キャラン(DONNA KARAN)」「ヴィルブレクイン」「G.H.バス(G.H. BASS)」「アンドリュー マーク(ANDREW MARC)」を擁する。さらにライセンス事業では「カルバン・クライン(CALVIN KLEIN)」「トミー ヒルフィガー(TOMMY HILFIGER)」「カール ラガーフェルド パリ(KARL LAGERFELD PARIS)」「ゲス(GUESS)」「コール ハーン(COLE HAAN)」などを手掛ける。2021年度決算は21億ドル(約3990億円)を売り上げた。

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ファッションジャーナリストのリチャード・バックリー氏が72歳で死去 

 ファッションジャーナリストのリチャード・バックリー(Richard Buckley)氏が9月19日、闘病の末、死去した。35年をともに過ごした夫のトム・フォード(Tom Ford)と息子に看取られた。72歳だった。フォードは声明の中で、「リチャードはロサンゼルスの自宅で、私と息子のジャックのそばで健やかに眠った。自然死だった」と述べた。

 バックリー氏は1948年にニューヨーク州ビンガムトンで生まれた。アメリカ、フランス、ドイツで育ち、ミュンヘンのメリーランド大学卒業後、79年にニューヨーク・マガジン(New York Magazine)でジャーナリズムのキャリアを開始。82年から米出版社フェアチャイルド(FAIRCHILD)による「デイリーニュース・レコード(Daily News Records)」のヨーロッパエリア編集記者を務めた。メンズウエアを広く扱うメディアにて、次世代のデザイナーを次々と発掘し、メンズファッションのトレンドに大きな影響力を持つ存在だった。

 86年にニューヨークに拠点を移して「シーン(SCENE)」の編集長、米国版「WWD」のシニアファッションエディターに就任。その後フェアチャイルドを離れ、米コンデナスト(CONDENAST)のファッション誌「ヴァニティ・フェア(VANITY FAIR)」でソーシャルエディターとして、パーティーページを中心に世の動きを発信した。90年にミラノに移り、「ミラベラ(MIRABELLA)」誌のヨーロッパ管轄編集者およびイタリア版「ヴォーグ(VOGUE)」のコントリビューティングエディターに。一緒に暮らしていたパートナーのフォードが「グッチ(GUCCI)」のデザインスタッフに加わった頃だった。パリやロンドンでの生活を経て、近年はロサンゼルス、ニューヨーク、サンタフェで時間を過ごした。

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ナイキ「ジョーダン ブランド」がビリー・アイリッシュとコラボ サステナブルなスニーカー2型を発売

 ナイキ(NIKE)の「ジョーダン ブランド(JORDAN BRAND)」は、ビリー・アイリッシュ(Billie Eilish)とコラボレーションしたスニーカーを2モデル発売する。

 “AJKO 1”はビリーのシグネチャーカラーであるライムグリーン、“エア ジョーダン 15(AIR JORDAN 15)”は同じくベージュのワントーン。いずれもビリーのオフィシャルロゴである「ブローシュ」があしらわれている。両モデルともアッパーに100%ビーガンレザーを使用しているほか、重量の20%以上をリサイクル素材で製作した。価格は“AJKO 1”が税込1万9250円、“エア ジョーダン 15”は同2万5300円。9月27日にビリーの公式オンラインストアで先行発売し、9月30日からはナイキのスニーカー専用EC「SNKRS」でも販売する。

 ビリーは自身の公式インスタグラムに、「私が手掛けた“エア ジョーダン”2モデルをようやく公開できて、とてもうれしい。サステナブルな形でこれらを作ることができたなんて、本当に素晴らしくて非現実的な体験だった」というコメントと共に、両モデルを履いた画像を投稿している。

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メンズスキンケアブランド「ラボ シリーズ」がリニューアル サステナブルなパッケージに

 エスティ ローダー カンパニーズ(ESTEE LAUDER COMPANIES以下、ELC)は、メンズスキンケアブランド「ラボ シリーズ(LAB SERIES)」のリニューアルを発表した。グルーミングやサステナビリティへの関心の高まりを受けて、パッケージやブランディング、キャンペーンなどを一新する。

 今回のリニューアルでは、パッケージのデザインと共に原材料の見直しも行った。パッケージ重量の半分以上を再生素材もしくは再生可能な素材とし、2025年までにこれを75%まで引き上げることを掲げている。カートンは全て森林管理協議会(Forest Stewardship Council)認定の紙素材で作られており、リサイクルできるようになっている。また、エイジングケアシリーズの化粧水「マックス LS V ローション(Max LS Power V Lifting Lotion)」と、美容液「マックス LS V セラム(Max LS Power V Lifting Serum)」をレフィル可能とした。

 同社は売り上げ目標については明らかにしてないが、情報筋によれば、リニューアル後の初年で1億ドル(約109億円)程度の小売り売り上げを目指すという。

 パトリス・ベリアール(Patrice Beliard)=ELC ラボ シリーズ・グローバル・ブランド・プレジデントは、「グルーミングは男性消費者の間で大きなブームになっているので、リニューアルに良いタイミングだと考えた。『ラボ シリーズ』はメンズ向け高級スキンケアブランドのパイオニアであり、リピーターも多い。今後は、若年層にも訴求していきたい」と語った。

 スキンケアに興味を抱きつつも、選び方や使用方法に不安を覚えている男性も多いことから、同ブランドではAI(人工知能)を活用した肌診断ツールアプリを提供し、肌質や目的に合った適切な商品を購入できるようにする。また、商品の正しい使用法に関するチュートリアル動画などのデジタルコンテンツも拡充する。

 ELCは21年5月にメンズ向けビューティのスタートアップ、ファカルティー(FACULTY)に出資するなど、メンズのメイクアップ市場に関心を示している。「ラボ シリーズ」でも、将来的には本格的に参入する可能性があるという。

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メンズスキンケアブランド「ラボ シリーズ」がリニューアル サステナブルなパッケージに

 エスティ ローダー カンパニーズ(ESTEE LAUDER COMPANIES以下、ELC)は、メンズスキンケアブランド「ラボ シリーズ(LAB SERIES)」のリニューアルを発表した。グルーミングやサステナビリティへの関心の高まりを受けて、パッケージやブランディング、キャンペーンなどを一新する。

 今回のリニューアルでは、パッケージのデザインと共に原材料の見直しも行った。パッケージ重量の半分以上を再生素材もしくは再生可能な素材とし、2025年までにこれを75%まで引き上げることを掲げている。カートンは全て森林管理協議会(Forest Stewardship Council)認定の紙素材で作られており、リサイクルできるようになっている。また、エイジングケアシリーズの化粧水「マックス LS V ローション(Max LS Power V Lifting Lotion)」と、美容液「マックス LS V セラム(Max LS Power V Lifting Serum)」をレフィル可能とした。

 同社は売り上げ目標については明らかにしてないが、情報筋によれば、リニューアル後の初年で1億ドル(約109億円)程度の小売り売り上げを目指すという。

 パトリス・ベリアール(Patrice Beliard)=ELC ラボ シリーズ・グローバル・ブランド・プレジデントは、「グルーミングは男性消費者の間で大きなブームになっているので、リニューアルに良いタイミングだと考えた。『ラボ シリーズ』はメンズ向け高級スキンケアブランドのパイオニアであり、リピーターも多い。今後は、若年層にも訴求していきたい」と語った。

 スキンケアに興味を抱きつつも、選び方や使用方法に不安を覚えている男性も多いことから、同ブランドではAI(人工知能)を活用した肌診断ツールアプリを提供し、肌質や目的に合った適切な商品を購入できるようにする。また、商品の正しい使用法に関するチュートリアル動画などのデジタルコンテンツも拡充する。

 ELCは21年5月にメンズ向けビューティのスタートアップ、ファカルティー(FACULTY)に出資するなど、メンズのメイクアップ市場に関心を示している。「ラボ シリーズ」でも、将来的には本格的に参入する可能性があるという。

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スイス発ランニングブランド「オン」が新規上場 800億円を調達

 スイス発のランニングシューズブランド「オン(ON)」を運営するオン・ホールディングAG(ON HOLDING AG)は、9月15日にニューヨーク証券取引所に新規上場(IPO)した。当日は同社の経営陣と共に大勢のアンバサダーらがウォール街を走り、同証券取引所のオープニングベルを鳴らした。

 公開価格は1株20〜22ドル(約2180〜2398円)の見込みだったが、公開前日に24ドル(約2616円)に決定された。IPOでの売り出し株数は3110万株で、資金調達額は7億4640万ドル(約813億円)。公開直後から投資家の旺盛な買いが入り、初値は35.40ドル(約3858円)と公開価格を大幅に上回った。16日の終値は公開価格と比べて56.2%高の37.49ドル(約4086円)となるなど、好調な滑り出しとなっている。時価総額は23億1200万ドル(約2520億円)。

 同社が米国証券取引委員会(Securities and Exchange Commission)に提出した届出書によれば、2020年12月通期の売上高は前期比59.2%増の4億2529万スイスフラン(約501億円)、純損失は前年の147万スイスフラン(約1億7340万円)から2752万スイスフラン(約32億円)へと赤字が拡大している。しかし、21年1〜6月期で見ると、売上高は前年同期比84.5%増の3億1545万スイスフラン(約372億円)、純損益は前年同期の3305万スイスフラン(約38億円)の赤字から375万スイスフラン(約4億4250万円)の黒字となっている。

 現在、「オン」の商品は世界50カ国以上にある約8100の売り場で取り扱われており、20年12月にはニューヨークにグローバル旗艦店をオープンした。売り上げを地域別に見ると、49%が北米、44%が欧州となっている。チャネル別では、売り上げの38%がECによるものだという。

 「オン」は“ランニングの世界を変える”をコンセプトに、トライアスロンのトップアスリートだったオリヴィエ・ベルンハルド(Olivier Bernhard)が、デビッド・アレマン(David Allemann)とキャスパー・コペッティ(Caspar Coppetti)と共に10年に創業。独自の技術開発力により、高いクッション性を持つ世界最軽量のランニングシシューズ“クラウド(CLOUD)”を生み出すなどして早くから注目を集め、ロードやトレイルのランナーを中心にファンを増やしてきた。16年からはアパレルも提供。19年には、スイス出身の男子プロテニス選手ロジャー・フェデラー(Roger Federer)がシニアチームメンバーに加わり、投資家およびアドバイザーとして同社に参画している。

 アレマン共同創業者は、「調達した資金は、販売地域や販売網の拡大に加えて、サステナビリティ分野のさらなる強化に使用する。ランニングだけではなく、次世代のニーズに応えられる、アクティブなライフスタイル向けのプレミアムな機能性スポーツブランドとなることが目標だ」と語った。

 同社はサステナビリティにも力を入れており、二酸化炭素排出量の削減に取り組んでいるほか、24年までに全製品に再生ポリエステルおよびポリアミド、オーガニックコットンを使用することを掲げている。また21年1月には、100%リサイクル可能な機能性シューズ“サイクロン(CYCLON)”を発表した。これはサブスクリプションサービスでのみ提供されるモデルで、月額料金3380円で年2回程度シューズの交換ができるというもの。返却した古いシューズは素材別に分解され、新たなシューズの原料になるという。

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「バレンシアガ」と「フォートナイト」がコラボを発表 リアルとゲームの両世界で楽しむコレクション

 「バレンシアガ(BALENCIAGA)」と人気オンラインゲーム「フォートナイト(Fortnite)」が21日、コラボレーションを発表した。ゲーム用のデジタルファッションを制作し、それらをリアルでも販売する。「フォートナイト」のロゴが入ったデニムジャケットやフーディー、キャップなど全6アイテムをそろえ、「バレンシアガ」の一部店舗やオンラインで扱う。価格は4万7300円〜16万9400円。

 ゲーム内では、「バレンシアガ」が2021年秋コレクション(2021-22年秋冬に相当)発表のために制作したオンラインゲーム「アフターワールド:ザ・エージ・オブ・トゥモロー(Afterworld: The Age of Tomorrow」に着想を得たエリアを特設する。「ストレンジ タイムス(Strange Times)」と題した同エリアに「バレンシアガ」の仮想店舗を設立し、ウエアやスキンをそろえる。ゲーム内アイテムは、「バレンシアガ」の2021年〜20年のコレクションを基にデザインしており、実際のアパレルを3Dスキャンしてゲーム内に落とし込んでいる。

 デムナ・ヴァザリア(Demna Gvasalia)=「バレンシアガ」アーティスティック・ディレクターはコラボに際して、「フォートナイトの制作会社、エピック(EPIC)とのパートナーシップが誕生したきっかけは、『アフターワールド』だった。コレクション発表のために制作して以来、『フォートナイト』コミュニティーやオンラインゲーム、仮想世界の持つ“新しい”創造力に触発され続けている。デジタルとリアルの世界を交差しながらタッグを組んでいけることが光栄だ」と語った。

 エピックはこれまで、トラヴィス・スコット(Travis Scott)やアリアナ・グランデ(Ariana Grande)を招待してゲーム内でコンサートを開催した。デジタルとリアルの融合や、音楽やエンタメ業界とのつながりの構築に積極的だが、ラグジュアリーブラントとコラボするのは今回が初めて。アダム・サスマン(Adam Sussman)エピック・ゲームズ プレジデントは、「『フォートナイト』は自己表現の場であり、ゲームだけをするものではない。そういう意味では、1つの“ファッション”だ」とコラボに期待を寄せる。

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第73回エミー賞のレッドカーペットから全99ルックをお届け!

 第73回「エミー賞(Emmy Awards)」授賞式が9月19日、ロサンゼルスで開催された。「エミー賞」は、アメリカで放送されたテレビドラマや番組の中から、優れた作品やプロデューサー、俳優らを称える賞。2020年は新型コロナウイルスの感染拡大を受けてオンライン開催したが、21年はイギリスとロサンゼルスの会場で行った。

 ドラマ部門ではネットフリックスから「ザ・クラウン(The Crown)」が作品賞に加えて、出演俳優陣らが主要賞を全て受賞。同じくネットフリックス作品の「クイーンズ・ギャンビット(The Queen’s Gambit)」はリミテッド・シリーズ部門を受賞した。70〜80年代にかけて一世を風靡したホルストン・フローイック(Halston Frowick)氏のデザイナー人生を描いたドラマ「ホルストン(HALSTON)」からは、ユアン・マクレガー(Ewan McGregor)が主演男優賞に輝いた。また受賞は逃したものの、アメリカの民放ドラマ「ポーズ(POSE)」に出演したMJ・ロドリゲス(Mj Rodriguez)はトランスジェンダー女性として、史上初めて主演女優賞にノミネートされた。ここでは、2年ぶりにスターたちが集結して華やいだレッドカーペットの99ルックを全てお届けする。

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「ジル サンダー」新CEOに、親会社OTBのCEOが就任

 「ディーゼル(DIESEL)」「メゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)」「マルニ(MARNI)」などを擁するOTBは9月15日、ウバルド・ミネッリ(Ubaldo Minelli)OTB最高経営責任者(CEO)を「ジル サンダー(JIL SANDER)」の新たなCEOに任命した。2018年から「ジル サンダー」を率いてきたアクセル・ケラー(Axel Keller)CEOの後任となる。なお、ミネッリ新CEOは引き続きOTBのCEOも務める。

 「ジル サンダー」はデザイナーのジル・サンダーによって1968年にドイツで創業。99年にプラダ グループ(PRADA GROUP以下、プラダ)に買収されたものの、同社のパトリツィオ・ベルテッリ(Patrizio Bertelli)CEOと意見が合わず、サンダーは半年後に「ジル サンダー」を離れている。その後、プラダは2006年に英投資会社チェンジ・キャピタル・パートナーズ(CHANGE CAPITAL PARTNERS)に同ブランドを売却。08年にオンワードホールディングス(ONWARD HOLDINGS以下、オンワードHD)の傘下となった後、21年3月にOTBが同ブランドを買収した。

 「ジル サンダー」のクリエイティブ・ディレクターとしては、現在「プラダ」の共同クリエイティブ・ディレクターであるラフ・シモンズ(Raf Simons)が05年から12年まで、17年からはルーシー・メイヤー(Lucie Meier)とルーク・メイヤー(Luke Meier)夫妻が務めている。

 レンツォ・ロッソ(Renzo Rosso)OTB会長は、「ジル サンダー」を買収した際、「クリエイティブ面を変更するつもりはない」としつつも、同ブランドをさらに発展させるべく経営体制の見直しを視野に入れ、マーチャンダイジングの改善とデジタル強化を推し進めていくと発言していた。年内には、ニューヨークに店舗をオープンする計画だという。

 オンワードHDが21年3月に発表した適時開示情報によれば、ジル サンダー事業の20年2月通期の売上高は4860万ユーロ(約62億円)、営業損失は1782万ユーロ(約22億円)、純損失は2274万ユーロ(約29億円)の赤字だった。

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エトロ、新CEOを任命 ドルチェ&ガッバーナの経営陣から

 エトロ(ETRO)は9月9日、新たな最高経営責任者(CEO)にファブリッツォ・カルディナリ(Fabrizio Cardinali)前ドルチェ&ガッバーナ(DOLCE&GABBANA)最高執行責任者(COO)を任命した。年内にはエトロに加わり、正式にCEOに就任する予定。2015年からエトロを率いてきたフランチェスコ・フレスキ(Francesco Freschi)=ジェネラル・マネージャーの後任という形になる。

 イタリア出身のカルディナリ新CEOは、ディーゼル(DIESEL)やリーバイ・ストラウス(LEVI STRAUSS & CO.)で経験を積んだ後、ドルチェ&ガッバーナでマーケティング・ディレクターなどの要職を務めた。12年には、当時コンパニー フィナンシエール リシュモン(COMPAGNIE FINANCIERE RICHEMONT以下、リシュモン)の傘下だったランセル(LANCEL)のCEOに就任。13年には、同じくリシュモンが擁するダンヒル(DUNHILL)のCEOに就任した。その後、17年にドルチェ&ガッバーナに戻り、COOを務めている。

 エトロは、1968年にジェローラモ・エトロ(Gerolamo Etro)がテキスタイル会社として創業。80年代にはウエアやライフスタイル分野にも手を広げ、香水やスーツケースも手掛けるようになった。長らく一族経営の企業として知られ、身売りはしないと公言していたが、2021年7月にLVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON)系の投資会社、Lキャタルトン(L CATTERTON)に株式の60%を5億ユーロ(約645億円)で売却した。今回の人事に伴い、エトロ創業者は会長に就任する。

 カルディナリ新CEOは、「アイコニックなファッションブランド『エトロ』の節目というエキサイティングな時期に、同社に加わることができて大変うれしく思っている。『エトロ』ならではのスタイルや高いクラフツマンシップ、その豊かなヘリテージに以前から憧れを抱いてきた。エトロ一族や経営陣、そしてLキャタルトンと協力して顧客層や商品カテゴリーを拡充し、事業をさらに成長させていきたい」と語った。

 「エトロ」は世界の約60カ国におよそ140の直営店を抱えているほか、自社ECを展開。18年の売上高は2億8500万ユーロ(約367億円)で、情報筋によると5000万ユーロ(約64億円)程度の負債があるという。

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BLACKPINKのLISA、初ソロ曲「ラリサ」着想の限定アパレルを発売

 ガールズグループBLACKPINKのLISA(リサ)は9月10日、初のソロシングル「ラリサ(LALISA)」と、これを着想源とした限定カプセルコレクションを発表した。

 コレクションは、フーディー、ジョガーパンツ、Tシャツ、バケットハット、トートバッグなどの10アイテムで構成されており、価格は30〜65ドル(約3200〜7000円)。BLACKPINKの公式オンラインショップで販売している。

 BLACKPINKのメンバーでソロ曲を発表したのは、JENNIE(ジェニー)、ROSE(ロゼ)に続き、リサで3人目。リサは2020年7月に「ブルガリ(BVLGARI)」のアンバサダーに就任しているほか、20年9月には「セリーヌ(CELINE)」の、20年10月には「M・A・C」のグローバルアンバサダーに就任。また、フランス国立モード芸術開発協会が主催する「ANDAMファッション・アワード(ANDAM Fashion Award)」の21年度の審査員を務めた。

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フェイスブックが「レイバン」とスマートアイウエアを開発

 フェイスブック(FACEBOOK)は9月9日(現地時間)、世界最大のアイウエア企業エシロールルックスオティカ(ESSILORLUXOTTICA以下、ルックスオティカ)と共同開発したスマートアイウエア、“レイバン ストーリーズ(RAY-BAN STORIES)”を発売した。

 このアイウエアのフレームには500万画素の小型カメラが2つ組み込まれているほか、マイク、スピーカー、操作用のタッチセンサー、バッテリーなどが内蔵されており、写真や動画の撮影、音楽再生、通話などが可能となっている。撮影はアーム部分にあるボタンを押すか、フェイスブック アシスタント(FACEBOOK ASSISTANT)の音声コマンドによって行うことができ、動画は30秒まで撮影できる。

 “レイバン ストーリーズ”は、ルックスオティカが擁する人気ブランド「レイバン」の定番モデル、“ウェイファーラー(WAYFARER)”“メテオ(METEOR)”“ラウンド(ROUND)”をベースにしており、スマートアイウエアの悩みの一つである“見た目の違和感”を軽減。フレームの色やレンズの種類などの組み合わせによって20型を展開し、いずれもハードシェル型の充電ケースが付属している。価格は299ドル(約3万2500円)からとなっており、9日から米国、英国、アイルランド、イタリア、オーストラリア、カナダにある「レイバン」の店舗とECで販売しているほか、13日からはルックスオティカが提携する小売店の一部でも発売する。

 ジアイア・レナー(Giaia Rener)=エシロールルックスオティカ・グローバル「レイバン」ブランド・ディレクターは、「日常生活に自然になじむスマートアイウエアを作りたかった。このため、まず『レイバン』のアイコニックなデザインを生かすことを考え、その中にテクノロジーを詰め込んでいくという方向で開発した。非常に難しかったが、通常の『レイバン』モデルと比べても5グラム程度しか重さが変わらない製品を作ることができた」と語った。

 スマートアイウエアなど眼鏡型のウエアラブル機器は、スマートフォンの次を担う次世代の情報端末として注目を集めたものの、普及には至っていない。グーグル(GOOGLE)が2014年に一般発売した“グーグル・グラス(GOOGLE GLASS)”はプライバシー侵害の危険性があるとの指摘を受け、15年に販売を終了。以降は業務用モデルのみを提供している。

 こうしたことを踏まえ、“レイバン ストーリーズ”では、カメラ使用時にはフレームに埋め込まれたLEDライトが点灯し、周囲に撮影中であることが分かるようになっている。また、撮影した写真や動画がフェイスブックやインスタグラム(Instagram)などに自動的に投稿されるようには設定できず、手動で共有する必要があるという。

 フェイスブックは、以前より仮想現実(VR)や拡張現実(AR)関連技術の開発に注力している。同社のマーク・ザッカーバーグ(Mark Zuckerberg)最高経営責任者は、20年9月にオンラインで行った会見の際、ルックスオティカとの協業によって21年にスマートアイウエアを発売する予定だと明かし、これを「本格的なARアイウエア開発に向けた次のステップ」だと説明している。

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米ファッションサブスク企業がトリップアドバイザーと提携 レンタル品をホテルに直接お届け

 ファッションレンタル事業の先駆けであるレント・ザ・ランウェイ(RENT THE RUNWAY)は、宿泊施設などの価格比較サービスを運営する旅行プラットフォーム、トリップアドバイザー(TRIPADVISOR)と提携し、特別プログラムの提供を開始した。

 このプログラムでは、トリップアドバイザーの有料会員が同サイトから米国内のホテルを予約すると、専用のランディングページのアドレスがメールで送付される。そこを経由すれば、レント・ザ・ランウェイでレンタルしたアイテムが滞在先のホテルに直接届けられるという仕組みだ。対象となるホテルは約30万軒。返却は通常通り、宅配便を利用もしくは回収スポットに持参となっており、ホテルのフロントに預けることはできないという。

 レント・ザ・ランウェイでは、月に4アイテムを月額89ドル(約9700円)、8アイテムを同135ドル(約1万4000円)、16アイテムを同199ドル(約2万1000円)で提供しているが、今回のプログラムでは全アイテムの中から何点でもレンタルできるほか、割引価格でサービスを利用できる。なお、トリップアドバイザーの有料会員は年会費が99ドル(約1万700円)かかるが、新規に入会する場合、レント・ザ・ランウェイのプロモーションコードにより初年度の会費が20%オフとなる。

 レント・ザ・ランウェイは、2009年にニューヨークで創業。オケージョン用のドレスやアクセサリー類のレンタルからスタートした同社は、ラグジュアリーブランドを中心としたハイエンド商品の品ぞろえが豊富なことが特徴。19年には、大手ホテルチェーンの米マリオット・インターナショナル(MARRIOTT INTERNATIONAL)が手掛ける「Wホテル」と提携し、今回のプログラムと同様のサービスを米国内の一部で提供している。しかし、コロナ禍によって華やかなイベントが激減したことや、衛生面での懸念から苦戦を強いられ、20年8月にはニューヨーク旗艦店を含めた全店を閉店した。一方で、同社は21年7月に新規上場(IPO)の申請を米国証券取引委員会(Securities and Exchange Commission)に行っているが、IPOの規模などは明らかにされていない。

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米ファッションサブスク企業がトリップアドバイザーと提携 レンタル品をホテルに直接お届け

 ファッションレンタル事業の先駆けであるレント・ザ・ランウェイ(RENT THE RUNWAY)は、宿泊施設などの価格比較サービスを運営する旅行プラットフォーム、トリップアドバイザー(TRIPADVISOR)と提携し、特別プログラムの提供を開始した。

 このプログラムでは、トリップアドバイザーの有料会員が同サイトから米国内のホテルを予約すると、専用のランディングページのアドレスがメールで送付される。そこを経由すれば、レント・ザ・ランウェイでレンタルしたアイテムが滞在先のホテルに直接届けられるという仕組みだ。対象となるホテルは約30万軒。返却は通常通り、宅配便を利用もしくは回収スポットに持参となっており、ホテルのフロントに預けることはできないという。

 レント・ザ・ランウェイでは、月に4アイテムを月額89ドル(約9700円)、8アイテムを同135ドル(約1万4000円)、16アイテムを同199ドル(約2万1000円)で提供しているが、今回のプログラムでは全アイテムの中から何点でもレンタルできるほか、割引価格でサービスを利用できる。なお、トリップアドバイザーの有料会員は年会費が99ドル(約1万700円)かかるが、新規に入会する場合、レント・ザ・ランウェイのプロモーションコードにより初年度の会費が20%オフとなる。

 レント・ザ・ランウェイは、2009年にニューヨークで創業。オケージョン用のドレスやアクセサリー類のレンタルからスタートした同社は、ラグジュアリーブランドを中心としたハイエンド商品の品ぞろえが豊富なことが特徴。19年には、大手ホテルチェーンの米マリオット・インターナショナル(MARRIOTT INTERNATIONAL)が手掛ける「Wホテル」と提携し、今回のプログラムと同様のサービスを米国内の一部で提供している。しかし、コロナ禍によって華やかなイベントが激減したことや、衛生面での懸念から苦戦を強いられ、20年8月にはニューヨーク旗艦店を含めた全店を閉店した。一方で、同社は21年7月に新規上場(IPO)の申請を米国証券取引委員会(Securities and Exchange Commission)に行っているが、IPOの規模などは明らかにされていない。

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マリー・アントワネット所有のブレスレットが競売に ダイヤモンドを112個使用

 競売会社クリスティーズ(CHRISTIE'S)が11月9日にスイス・ジュネーブで開催するオークションに、ルイ16世(Louis XVI)の王妃だったマリー・アントワネット(Marie Antoinette)が所有していたダイヤモンドのブレスレット2点が出品される。

 ブレスレットはいずれも3連で、およそ1〜4.5カラットのダイヤモンドが計112個あしらわれている。カットはオールドカットで、地金はゴールドとシルバー。ボックスはオリジナルのものが残っており、内側にマリー・アントワネットの子孫による手書きのラベルが付いている。

 1776年にパリの高級ジュエラー、ベーマー・エ・バッセンジュ(BOEHMER ET BASSENGE)で購入されたこのブレスレットは、マリー・アントワネットが93年に処刑された後、その長女であるマリー・テレーズ・シャルロット・ド・フランス(Marie-Therese Charlotte de France)が受け継いだ。1816年のマリー・テレーズのポートレートには、両腕にこれを着けた姿が描かれている。母親よりも大柄だったことから、マリー・テレーズはブレスレットにそれぞれ6個のダイヤモンドを追加してサイズを調整しているほか、留め具にもダイヤモンドを1個ずつ追加しているという。

 クリスティーズのマリー・セシル・シサモロ(Marie-Cecile Cisamolo)=ジュエリー・スペシャリストは、「このブレスレットは、フランス革命中にマリー・アントワネットがフランスから脱出しようとした際、(甥であるオーストリア皇帝に預けた)木製のチェストに入れられていた宝飾品の目録にまで来歴をさかのぼることができるという点で、大変希少な品物だ」と語った。

 落札予想価格は200万〜400万ドル(約2億6000万〜5億2000万円)となっているが、マリー・アントワネットに関するアイテムは熱心なコレクターがいるため、これを上回る可能性がある。2020年11月に仏競売会社オズナ(OSENAT)が開催したオークションに出品されたマリー・アントワネットの右靴は、落札予想価格8000~1万ユーロ(約104万~130万円)のところ、4万3750ユーロ(約568万円)で落札された。

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若手の登竜門「LVMHプライズ」 優勝は全会一致でロンドン発「ネンシ ドジョカ」に決定

 LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)は9月7日、2021年「LVMHヤング ファッション デザイナー プライズ(LVMH YOUNG FASHION DESIGNER PRIZE以下、LVMHプライズ)」の優勝者を発表した。優勝したのはアルバニア出身のネンシ・ドジョカ(Nensi Dojaka)。ドジョカが手掛けるのは、自身の名前を冠したロンドン発のウィメンズブランドだ。

 「ネンシ ドジョカ」はランジェリーからインスパイアされたスリップドレスが有名で、グラフィカルなカッティングやストラップのディテールが特徴。モデルのベラ・ハディド(Bella Hadid)などをファンに持つ。ドジョカには、30万ユーロ(約3900万円)の賞金とLVMHグループのエキスパートによる1年にわたるコーチングを受けられる機会を獲得する。

 14年から「LVMHプライズ」の審査員を務めているデザイナーのマーク・ジェイコブス(Marc Jacobs)は全会一致でドジョカが選ばれたと明かした。「覚えている限りでこんなことは初めてだ」とコメントしている。「LVMHプライズ」の立役者であるデルフィーヌ・アルノー(Delphine Arnault)=ルイ・ヴィトン エグゼクティブ・バイス・プレジデントも「プレゼンテーションが素晴らしかった。彼女のデザインはユニークな視点を備え、オリジナリティーにあふれている。品質も非常に高く、同時にとても謙虚だ」と称賛した。

 他方、今年の“カール・ラガーフェルド審査員特別賞”は票が割れた結果、コルム・ディレイン(Colm Dillane)「キッドスーパー(KIDSUPER)」デザイナー、ルイ・チョウ(Rui Zhou)「ルイ(RUI)」デザイナー、そしてルクハンヨ・ンディンギ(Lukhanyo Mdingi)=デザイナーが受賞した。特別賞を受賞した3人は、それぞれ15万ユーロ(約1950万円)とLVMHグループからのメンターシップ・プログラムの参加資格を獲得する。

 今年の「LVMHプライズ」には110カ国から1900通の応募があった。参加資格は40歳以下で、最低でも2回のコレクションを披露・販売していることが条件だ。

YU HIRAKAWA:幼少期を米国で過ごし、大学卒業後に日本の大手法律事務所に7年半勤務。2017年から「WWDジャパン」の編集記者としてパリ・ファッション・ウイークや国内外のCEO・デザイナーへの取材を担当。同紙におけるファッションローの分野を開拓し、法分野の執筆も行う。19年6月からはフリーランスとしてファッション関連記事の執筆と法律事務所のPRマネージャーを兼務する。「WWDジャパン」で連載「ファッションロー相談所」を担当中

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「エミリオ・プッチ」新ディレクターに元「LV」のアクセサリー部門トップが就任

 「エミリオ・プッチ(EMILIO PUCCI)」はアーティスティック・ディレクターにカミーユ・ミチェリ(Camille Miceli)元「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」アクセサリー部門クリエイティブ・ディレクターを指名した。

 ミラノ・ファッション・ウイーク期間中の9月26日に「エミリオ・プッチ」が発表するのは、ミチェリではなく社内のデザインチームが手掛けたコレクションとなるため、ミチェリのコレクションはそれ以降に発表される見込みだ。

 フランス出身のミチェリ=アーティスティック・ディレクターは、15歳から「シャネル(CHANEL)」と「アライア(ALAIA)」にインターンとして入社。1990年から7年間、「シャネル」の広報を務めた。その後、マーク・ジェイコブス(Marc Jacobs)が「ルイ・ヴィトン」のアーティスティック・ディレクターとして初めてレディ・トゥ・ウエアをスタートした97年に同ブランドの広報担当に着任した。マークに才能を評価されたミチェリは、同ブランドのコスチュームジュエリーのデザインを手掛けた。2009年には「ディオール(DIOR)」に移り、ファッションジュエリー部門の強化に貢献。また、レザーグッズのクリエイティブ・コンサルタントも務めた。14年には古巣「ルイ・ヴィトン」に戻り、アクセサリー部門全般を統括した。

 シドニー・トレダノ(Sidney Toledano)LVMHファッショングループ(LVMH FASHION GROUP)会長兼最高経営責任者(CEO)は、自身のディオールCEO時代を振り返り、「彼女は商品開発にとても優れていて、ビジョンを持っている」とミチェリを評価する。「彼女は『プッチ』というブランド、ブランドのストーリー、そしてその世界を愛している。彼女はブランドのコードや歴史を尊重しつつ、新しさも見せてくれるだろう。ファッションには新しさが必要であり、これこそが使命だ」とコメントした。

 「エミリオ・プッチ」は00年にLVMHの傘下に入る。これまでクリスチャン・ラクロワ(Christian Lacroix)やピーター・デュンダス(Peter Dundas)、「MSGM」のマッシモ・ジョルジェッティ(Massimo Giorgetti)らさまざまなデザイナーをクリエイティブ・ディレクターに起用していたが、ジョルジェッティが退任した17年からは、ブランドを前進させる最善策として社内のデザインチームがコレクションを手掛けてきた。20-21年秋冬シーズンからは、「コシェ(KOCHE)」のクリステル・コシェール(Christelle Kocher)=デザイナーや「トモ コイズミ(TOMO KOIZUMI)」の小泉智貴デザイナーをゲストデザイナーとして招聘し、ブランドの歴史やDNAを再解釈するコレクションを披露。21年3月には、ブランドのルーツに立ち返り、リゾートに特化したブランドとしてリブランディングを実施すると発表していた。

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オールバーズが上場申請 21年上半期は26%増収

 サンフランシスコ発のフットウエアメーカー、オールバーズ(ALLBIRDS)は8月31日、米ナスダック(NASDAQ)への新規上場(IPO)を申請した。IPOの規模は暫定的に1億ドル(約109億円)に設定されているが、今後決定する公開条件などによって変わる可能性がある。

 オールバーズは、元プロサッカー選手のティム・ブラウン(Tim Brown)と、再生可能エネルギーの専門家であるジョーイ・ズウィリンガー(Joey Zwillinger)が2016年に創業。自然由来の素材を使用したミニマルなデザインが世界中で人気を博し、現在はシューズだけでなくアパレルやアンダーウエアも手掛けている。同社は21年6月末の時点で世界に27の直営店を構えているが、20年の売り上げの89%はECによるものだという。日本では20年1月に東京・原宿に初出店し、21年6月には同じく丸の内に2号店をオープンした。

 同社がIPOを実施するのではないかとの憶測は、兼ねてより市場関係者の間で流れていたが、同社は21年2月の段階では「創業から5年しか経っていないことを考えると時期尚早」だとして、これを否定。しかし、4月には主幹事会社を選定していることを明かし、いずれIPOを行う計画であることを認めた。なお、同社はこれまでに累計1億4000万ドル(約152億円)以上の資金を調達している。

 オールバーズが米国証券取引委員会(Securities and Exchange Commission)に提出した届出書によれば、20年12月通期の売上高は前期比13.2%増の2億1929万ドル(約239億円)だったものの、純損失は前年の1452万ドル(約15億円)から2586万ドル(約28億円)へと赤字が拡大している。また、21年1〜6月期の売上高は前年同期比26.6%増の1億1754万ドル(約128億円)と増収だったが、純損失は前年同期の950万ドル(約10億円)から2112万ドル(約23億円)へとやはり赤字が大幅に拡大している。同社によれば、これは主にマーケティングおよび営業費用が増加したことによるという。

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「マイケル・コース」トップに元「コーチ」CEOが就任

 「ヴェルサーチェ(VERSACE)」「ジミー チュウ(JIMMY CHOO)」「マイケル・コース(MICHAEL KORS)」を擁するカプリ・ホールディングス(CAPRI HOLDINGS)は8月24日、ジョシュア・シュルマン(Joshua Schulman)前コーチ(COACH)社長兼CEOをマイケル・コースCEOに指名した。ジョン・アイドル(John Idol)前マイケル・コースCEOで現カプリ・ホールディングス会長兼CEOの後任だ。なお、22年9月にはシュルマン氏はカプリ・ホールディングスのCEOに、アイドル氏はカプリ・ホールディングスの会長にも就任する。

 シュルマンCEOは「サンローラン(SAINT LAURENT)」や「グッチ(GUCCI)」などでキャリアを積み、12~17 年にはニーマン・マーカス・グループ(NEIMAN MARCUS GROUP)傘下の百貨店、バーグドルフ・グッドマン(BERGDORF GOODMAN)の社長を務めた。14 年には同グループによるマイテレサドットコム(MyTheresa.com)買収に伴い、NMG インターナショナルの社長も兼任。17年6月にコーチの社長兼CEOに就任し、20年3月には引き継ぎ期間を経て同職を退任すると発表されていた。

 アイドル=カプリ・ホールディングス会長兼CEOは、22年9月にグループのCEO職をシュルマン=マイケル・コースCEOに譲った後、会長に就任する。アイドル会長兼CEOは、「シュルマン氏の就任は、熟慮の末に企画されたリーダーシップ継承計画の一環だ。今後1年間、彼は『マイケル コース』というブランドに没頭してもらう」とコメントしている。

 この人事の一方を受けてカプリ・ホールディングスの24日の株価は上昇。終値は6.13%増の60.56ドル(約6601円)だった。アイドル会長兼CEOからシュルマン=マイケル コースCEOへ承継するスキームはアナリストからも一定の評価を得ている。

YU HIRAKAWA:幼少期を米国で過ごし、大学卒業後に日本の大手法律事務所に7年半勤務。2017年から「WWDジャパン」の編集記者としてパリ・ファッション・ウイークや国内外のCEO・デザイナーへの取材を担当。同紙におけるファッションローの分野を開拓し、法分野の執筆も行う。19年6月からはフリーランスとしてファッション関連記事の執筆と法律事務所のPRマネージャーを兼務する。「WWDジャパン」で連載「ファッションロー相談所」を担当中

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アイウエアの「ワービー パーカー」がIPO準備 財務資料を初公開

 2010年創業のアイウエアブランド「ワービー パーカー(WARBY PARKER)」がIPO(新規上場)に向けて米国証券取引委員会に財務諸表などの資料を提出した。同資料によると、18年の売上高は2億7300万ドル(約297億円)、19年が3億7000万ドル(約403億円)、20年が3億9400万ドル(約429億円)と推移している。他方、18年の純損失は2300万ドル(約25億円)、19年は前年から横ばいに推移し、20年は5600万ドル(約61億円)の損失を計上している。21年1~6月期は730万ドル(約7億9500万円)の損失を計上している。

 同社は今回の株式公開で、190万株以上のクラスA普通株式(1株あたり6.11ドル、約665円)と280万株以上のクラスB普通株式(1株あたり2.27ドル、約247円)を発行する予定だという。

 創業以来、同社は5億ドル(約545億円)に上る資金調達を実施してきた。そのうち20年にシリーズGラウンドで資金調達を行った際には、企業価値が30億ドル(約3270億円)と算定されたという。

 「ワービー パーカー」は21年6月末日時点で145店舗を運営し、従業員数は3000人を擁するD2Cの眼鏡ブランド。自宅で眼鏡を5本まで無料で試すことができ、気に入ったものがあればECで購入するというシステムと、豊富な種類、買いやすい値段で人気となった。

YU HIRAKAWA:幼少期を米国で過ごし、大学卒業後に日本の大手法律事務所に7年半勤務。2017年から「WWDジャパン」の編集記者としてパリ・ファッション・ウイークや国内外のCEO・デザイナーへの取材を担当。同紙におけるファッションローの分野を開拓し、法分野の執筆も行う。19年6月からはフリーランスとしてファッション関連記事の執筆と法律事務所のPRマネージャーを兼務する。「WWDジャパン」で連載「ファッションロー相談所」を担当中

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英ジュエリーブランドがアフガニスタンの女性支援を開始

 イギリス・ブライトンを拠点とするオンライン専門ジュエラー「トップル&バーン(TOPPLE & BURN)」が、アフガニスタンの女性のための支援キャンペーンを開始した。「Refugees Welcome(難民を歓迎します)」をテーマとしたコレクションによる収益の100%を、女性の生活と権利に光を当てるルクサナ・メディア(Rukshana Media)に寄付する。キャンペーンの対象となるネックレスは、21ポンド(約3000円)でイギリスやアメリカで販売。デザインは社会的メッセージを込めたものから皮肉を交えた文言など、30種類以上をそろえる。素材はステンレススチールを主に使用し、ゴールドやローズゴールドのものは18金メッキを用いた。

 「トップル&バーン」は2017年創業。フランスのカレー地区をはじめとするヨーロッパにおける難民支援を行うカレー・アクション(Calais Action)への資金調達を目的に立ち上げた。21年現在はほかのチャリティー団体や社会派団体も支援する。リビー・フリーマン(Libby Freeman)創業者は、「アフガニスタンの人々や亡命を図ろうとする人々が危険にさらされている現状はとてもつらい。私たちのプラットフォームを使って、女性の権利を保護し、女性の声を世に届けるルクサナ・メディアにより多くの資金を送りたい。世の関心や意識を高めることができれば幸いだ」とコメントする。

 ルクサナ・メディアは、20年11月にジャーナリストのザハラ・ジョヤ(Zahra Joya)が設立。アフガニスタンで生活を送る女性目線の記事を発信し、政治や社会、宗教問題に焦点を当てている。「ルクサナ」は15年にタリバン政権によって残虐死した女性にちなんでつけたと言う。ジョヤはほかにもオンラインで基金を募るキャンペーンを開始した。「アフガニスタンの女性の声がかき消されてしまわないようなプラットフォームが必要だ。タリバン政権の復活は、アフガニスタンとアフガニスタンの全“姉妹”たちを苦しめている」と語る。

 イギリス政府は17日に「アフガン国民の再定住計画」を発表し、21年中に5000人のアフガニスタン市民に定住先を提供する目標を掲げた。中でも女性や子ども、宗教的マイノリティーといった支援を早急に必要とする層を対象とする。また長期的な計画として、「上限はないものだ」としつつ、今後数年間で2万人を受け入れると公約した。

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シャネルがアウターに強いニットウエア会社を買収

 シャネル(CHANEL)は、アウターの開発に力を入れているニットウエアのスペシャリスト、イタリアのパイマ(PAIMA)社の過半数株式を取得した。取引詳細は開示されていない。

 シャネルは「シャネルはパイマ社の長年の顧客の1つであり、今回の決定は利害の一致によるものだ。パイマ社は近年成長を加速させているが、その成長と投資を強固に支えるパートナーが必要だと考えた。シャネルにとって、この提携は『シャネル』にとって必要不可欠なセクターの強化にある。すでに構築済みの関係を継続することでより一層サステナブルな枠組みでコラボレーションを実施していく」とコメントしている。

 パルマ社は1968年にマラビーニ(Marabini)家が、靴の産地として知られるマルケ州の小さな町、オシモに小さなニットウエアのアトリエを設立したことからスタート。創業以来、ラグジュアリー業界の協力企業としての役割を担い、天然繊維からテクニカルファイバーを使用したアウターウエアの開発へと専門性を広げている。

YU HIRAKAWA:幼少期を米国で過ごし、大学卒業後に日本の大手法律事務所に7年半勤務。2017年から「WWDジャパン」の編集記者としてパリ・ファッション・ウイークや国内外のCEO・デザイナーへの取材を担当。同紙におけるファッションローの分野を開拓し、法分野の執筆も行う。19年6月からはフリーランスとしてファッション関連記事の執筆と法律事務所のPRマネージャーを兼務する。「WWDジャパン」で連載「ファッションロー相談所」を担当中

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エスティ ローダー、21年通期は過去最大の売り上げ コロナ禍前を上回る

 エスティ ローダー カンパニーズ(ESTEE LAUDER COMPANIES以下、ELC)の2021年6月通期決算は、売上高が前期比13.4%増の162億1500万ドル(約1兆7674億円)、営業利益は約4倍(同332.0%増)の26億1800万ドル(約2853億円)、純利益も約4倍(同313.0%増)の28億7500万ドル(約3133億円)の増収増益だった。

 19年との比較でも、売上高が9.1%増、営業利益は同13.1%増、純利益は60.2%増とコロナ禍前を上回る結果となった。

 地域別の売上高では、南北アメリカが前年と比べてほぼ横ばい(同0.08%増)の37億9700万ドル(約4138億円)、欧州・中東・アフリカが同10.9%増の69億4600万ドル(約7571億円)、アジア太平洋地域が同29.4%増の54億8600万ドル(約5979億円)だった。中でも中国本土は、引き続きスキンケアが好調なこととメイクアップが回復基調にあることから2ケタ成長となり、業績に大きく貢献した。

 カテゴリー別では、「エスティ ローダー」「ドゥ・ラ・メール(DE LA MER)」「クリニーク(CLINIQUE)」が2ケタ成長を見せたスキンケアが同28.4%増の94億8400万ドル(約1兆337億円)だった。21年2月に株式の持ち分を76%まで増やしたカナダ発の化粧品メーカー、デシエム(DECIEM)と、19年に傘下に収めた「ドクタージャルト(DR. JART+)」を擁するハブ&ビー(HAVE & BE)は、スキンケア事業部の成長率に約4%ポイント貢献した。

 マスクを着用する機会が増えたことで需要が減少したメイクアップは、「クリニーク(CLINIQUE)」や「M・A・C」が人気だったものの、同12.3%減の42億300万ドル(約4581億円)と減収だった。一方で、ワクチン接種が進んだ下半期には、ファンデーションや口紅の売り上げに伸びが見えたという。

 フレグランスは「ジョー マローン ロンドン(JO MALONE LONDON)」と「トム フォード(TOM FORD)」がけん引し、同23.2%増の19億2600万ドル(約2099億円)だった。ヘアケアは「アヴェダ(AVEDA)」が引き続き人気を博し、同10.8%増の5億7100万ドル(約622億円)だった。

 ファブリツィオ・フリーダ(Fabrizio Freda)ELC社長兼最高経営責任者は、「売上高が初めて160億ドル(約1兆7440億円)を突破するなど、素晴らしい業績を上げることができて大変うれしく思っている。また、売上高と純利益のいずれも19年の実績を上回った。成長のエンジンは、スキンケア、高級フレグランス、アジア太平洋地域、そしてECだ」と語った。同氏によれば、ECは19年と比べて約2倍の売り上げとなっており、北米では売上高の40%をECが占めているという。

 同氏はまた、22年度の展望として、コロナ禍が落ち着くにつれてメイクアップとヘアケアがグローバルに回復すると予想。21年7~9月期(第1四半期)には、全体で17~19%の成長率を見込んでいると述べた。

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「コーチ」親会社、21年通期は黒字で着地 中国と北米市場がけん引

 「コーチ(COACH)」「ケイト・スペード ニューヨーク(KATE SPADE NEW YORK)」「スチュアート・ワイツマン(STUART WEITZMAN)」などを傘下に持つタペストリー(TAPESTRY)の2021年6月通期決算は、売上高が前期比15.8%増の57億4630万ドル(約6263億円)、営業損益は前年の5億5080万ドル(約600億円)の赤字から9億6800万ドル(約1055億円)の黒字に、純損益も同じく6億5210万ドル(約710億円)の赤字から8億3420万ドル(約909億円)の黒字となった。

 19年との比較では、売上高が4.6%減、営業損益は同18.9%増、純損益は同29.6%増となっている。

 ブランド別の売上高では、「コーチ」が前期比20.6%増の42億5310万ドル(約4635億円)、「ケイト・スペード ニューヨーク」は同5.2%増の12億1000万ドル(約1318億円)と増収だったものの、「スチュアート・ワイツマン」は同1.0%減の2億8320万ドル(約308億円)だった。ECの売り上げは、前年と比べて3ケタ増の16億ドル(約1744億円)と非常に好調だった。

 21年4〜6月期(第4四半期)で見ると、売上高は前年同期の2倍以上(同125.9%増)の16億1540万ドル(約1760億円)だった。地域別では中国本土が同60%増、北米は2.5倍以上(同165%増)と好調で、業績に大きく貢献したという。19年同期と比べても6.7%増とコロナ禍前を上回った。

 ジョアン・クレヴォイセラ(Joanne Crevoiserat)最高経営責任者(CEO)は、「素晴らしい業績を上げることができ、とてもうれしく思っている。21年度は当社にとって転機の年となった。環境が急激に変化する中でも、ブランドパワーと情熱的なチームのおかげで新たな顧客を獲得することに成功した。第4四半期においては、ECと中国市場というビジネスチャンスが大いにある2つの分野がけん引し、コロナ禍前の実績を上回った」と語った。同氏によれば、北米だけで約400万人の新規顧客を獲得しており、ミレニアル世代やZ世代などの若年層も多く含まれているという。

 同氏はまた、主力ブランドである「コーチ」について、ハンドバッグやレザーグッズの市場シェアを拡大するとともに、ライフスタイル的なアプローチをすることでメンズウエアを拡充したいと述べた。

 トッド・カーン(Todd Kahn)「コーチ」ブランドプレジデント兼CEOは、同ブランド単体で約250万人の新規顧客を獲得しており、そのおよそ半数がミレニアル世代とZ世代だと説明。「新規および既存顧客のいずれもが、以前よりも高価格帯の商品を、高頻度で購入している」と話した。

 スコット・ロー(Scott Roe)最高財務責任者は、22年度の展望について、売上高は16%前後の成長率で64億ドル(約6976億円)程度と過去最高を更新する見込みだと述べた。また、営業利益も15〜17%の成長を予想しているという。

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「ティファニー」の広告にビヨンセとジェイ・Zが登場 バスキアの初公開作品も

 「ティファニー(TIFFANY & CO.)」は23日、ビヨンセ(BEYONCE)とジェイ・Z(Jay-Z)を起用した最新キャンペーン広告を公開した。夫婦そろってキャンペーンに登場するのはこれが初めて。「アバウト ラブ(About Love)」と題したキャンペーンとして、9月2日に英国版「ハーパーズ バザー (Harper's BAZAAR)」でデビューする。キャンペーン動画も15日からニューヨークのタイムズスクエアの巨大スクリーンや「ティファニー」公式サイトなどに登場する予定だ。

 キャンペーンでは、ビヨンセは1877年に南アフリカで発掘された128.54カラット82ファセットに輝く「ティファニー」ダイヤモンドを着用。活動家のメアリー・ホワイトハウス(Mary Whitehouse)とオードリー・ヘップパーン(Audery Hepburn)、レディー・ガガ(Lady Gaga)に次いで、世界で4人目となる。

 「ティファニー」ブルーで描かれた画家のジャン・ミシェル・バスキア(Jean-Michel Basquiat)の作品も、同キャンペーンで初めて披露目された。「イコールズ・パイ(Equals Pi)」と題したバスキアの作品は、1982年に制作したもの。コレクターの手元にあった同氏の作品を「ティファニー」が買い取り、今回広告への登場が実現した。

 アレクサンドル・アルノー(Alexandre Arnault)=「ティファニー」プロダクツ&コミュニケーションエグゼクティブ バイスプレジデントは、「バスキアがこの作品を『ティファニー』のために製作したという文献が残っているわけではないが、彼がニューヨークやラグジュアリー、ジュエリーに愛を持っていたことはよく知っている。この絵は偶然ではないと思っている。このブルーはとても特徴的な色だし、(ブランドへの)オマージュだと感じる」とコメントする。

 同広告の公開後も「ティファニー」は、1年にわたって短編映画や動画も公開する。中には映画「ティファニーで朝食を」の主題歌「ムーン・リバー(Moon River)」をビヨンセが歌う動画も収録。ミュージックビデオのようにジェイ・Zがフィルムカメラでビヨンセを撮り下ろし、ビヨンセのビジュアルアルバム「ブラック・イズ・キング(Black is King)」を撮影・編集したエマニュエル・アジェイ(Emmanuel Adjei)監督も制作に携わった。またビヨンセとジェイ・Zとパートナーシップを結び、ヒストリカリー・ブラック・カレッジズ・アンド・ユニバーシティズ(Historically Black Colleges and Universities)の奨学金およびインターンシッププログラムに200万ドル(約2億1000万円)を贈る。

 20年末にLVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)傘下となった「ティファニー」では、ブランドイメージの刷新を進めている。1月に新体制を迎えて以来アルノー=エグゼクティブ・バイス・プレジデントは、これまでのブランドの歴史を現代的にアップデートしつつ、ブランドのさらなる進化を図る。母の日やバレンタインデーだけにとらわれない発信を強化するほか、若い消費者へのアピールとして“脱・ママのためのティファニー(Not Your Mother’s TIffany)”をスローガンに掲げる。

 ビヨンセとジェイ・Zの起用理由については、「ビヨンセは世界最高の歌手で、ジェイ・Zは世界最高のラッパー。そしてわれわれも世界最高のジュエリー会社。このキャンペーンは、何か1つでも欠けたら実現しないものだった。2人とも『ティファニー』に希望を寄せており、一緒になってストーリーを伝えたいと思った。キャンペーンを通してファミリーの一員として迎えることができて光栄だ」と語った。

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「ティファニー」の広告にビヨンセとジェイ・Zが登場 バスキアの初公開作品も

 「ティファニー(TIFFANY & CO.)」は23日、ビヨンセ(BEYONCE)とジェイ・Z(Jay-Z)を起用した最新キャンペーン広告を公開した。夫婦そろってキャンペーンに登場するのはこれが初めて。「アバウト ラブ(About Love)」と題したキャンペーンとして、9月2日に英国版「ハーパーズ バザー (Harper's BAZAAR)」でデビューする。キャンペーン動画も15日からニューヨークのタイムズスクエアの巨大スクリーンや「ティファニー」公式サイトなどに登場する予定だ。

 キャンペーンでは、ビヨンセは1877年に南アフリカで発掘された128.54カラット82ファセットに輝く「ティファニー」ダイヤモンドを着用。活動家のメアリー・ホワイトハウス(Mary Whitehouse)とオードリー・ヘップパーン(Audery Hepburn)、レディー・ガガ(Lady Gaga)に次いで、世界で4人目となる。

 「ティファニー」ブルーで描かれた画家のジャン・ミシェル・バスキア(Jean-Michel Basquiat)の作品も、同キャンペーンで初めて披露目された。「イコールズ・パイ(Equals Pi)」と題したバスキアの作品は、1982年に制作したもの。コレクターの手元にあった同氏の作品を「ティファニー」が買い取り、今回広告への登場が実現した。

 アレクサンドル・アルノー(Alexandre Arnault)=「ティファニー」プロダクツ&コミュニケーションエグゼクティブ バイスプレジデントは、「バスキアがこの作品を『ティファニー』のために製作したという文献が残っているわけではないが、彼がニューヨークやラグジュアリー、ジュエリーに愛を持っていたことはよく知っている。この絵は偶然ではないと思っている。このブルーはとても特徴的な色だし、(ブランドへの)オマージュだと感じる」とコメントする。

 同広告の公開後も「ティファニー」は、1年にわたって短編映画や動画も公開する。中には映画「ティファニーで朝食を」の主題歌「ムーン・リバー(Moon River)」をビヨンセが歌う動画も収録。ミュージックビデオのようにジェイ・Zがフィルムカメラでビヨンセを撮り下ろし、ビヨンセのビジュアルアルバム「ブラック・イズ・キング(Black is King)」を撮影・編集したエマニュエル・アジェイ(Emmanuel Adjei)監督も制作に携わった。またビヨンセとジェイ・Zとパートナーシップを結び、ヒストリカリー・ブラック・カレッジズ・アンド・ユニバーシティズ(Historically Black Colleges and Universities)の奨学金およびインターンシッププログラムに200万ドル(約2億1000万円)を贈る。

 20年末にLVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)傘下となった「ティファニー」では、ブランドイメージの刷新を進めている。1月に新体制を迎えて以来アルノー=エグゼクティブ・バイス・プレジデントは、これまでのブランドの歴史を現代的にアップデートしつつ、ブランドのさらなる進化を図る。母の日やバレンタインデーだけにとらわれない発信を強化するほか、若い消費者へのアピールとして“脱・ママのためのティファニー(Not Your Mother’s TIffany)”をスローガンに掲げる。

 ビヨンセとジェイ・Zの起用理由については、「ビヨンセは世界最高の歌手で、ジェイ・Zは世界最高のラッパー。そしてわれわれも世界最高のジュエリー会社。このキャンペーンは、何か1つでも欠けたら実現しないものだった。2人とも『ティファニー』に希望を寄せており、一緒になってストーリーを伝えたいと思った。キャンペーンを通してファミリーの一員として迎えることができて光栄だ」と語った。

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プラダ、21年上半期は黒字に コロナ禍前を上回ることはできず

 プラダ グループ(PRADA GROUP)の2021年1~6月期決算は、売上高が前年同期比60%増の15億100万ユーロ(約1936億円)、EBITDA(利払い前・税引き前・減価償却前利益)は約3倍(同208.3%増)の4億7800万ユーロ(約616億円)、純損益は前年同期の1億8000万ユーロ(約232億円)の赤字から9700万ユーロ(約125億円)の黒字となった。

 19年同期比で見ると、売上高が4.4%減、EBITDAは同2.6%減、純利益は同37.4%減となっており、競合他社のようにコロナ禍前を上回ることはできなかったものの、業績は回復基調にあると言えるだろう。

 地域別での21年上半期の売上高は、ヨーロッパが現地通貨ベースで前年同期比19%増の2億6300万ユーロ(約339億円)、南北アメリカが2.5倍以上(同163%増)の2億3200万ユーロ(約299億円)、日本以外のアジア太平洋地域が同65%増の5億9900万ユーロ(約772億円)、日本が同25%増の1億2900万ユーロ(約166億円)だった。ECも3ケタの成長率となるなど好調で、小売りの売上高全体の7%を占めている。

 なお、19年同期比での売上高は、店舗の36%が休業していたヨーロッパが現地通貨ベースで29%減、緊急事態宣言が続く日本では同24%減となった。一方で、中国や韓国市場が好調なアジア太平洋地域は同35%増、米国市場が急激に回復した南北アメリカは同53%増だった。

 カテゴリー別で見ると、21年上半期はフットウエアが現地通貨ベースで前年同期比77%増の2億2400万ユーロ(約288億円)、ウエアが同71%増の3億3400万ユーロ(約430億円)と非常に好調だったほか、レザーグッズも51%増の7億300万ユーロ(約906億円)だった。ブランド別では、主力の「プラダ」が同64%増の11億ユーロ(約1419億円)、「ミュウミュウ(MIU MIU)」は同43%増の1億6600万ユーロ(約214億円)だった。

 パトリツィオ・ベルテッリ(Patrizio Bertelli)最高経営責任者は、「ブランドを大切にし、顧客とのつながりを強化することで、全地域で堅調な業績を上げられた。不透明な情勢が続く中、粗利や利益率を改善できたことをうれしく思うし、下半期もこの勢いが続くものと考えている。当社の傘下ブランドには大きな可能性があり、中期的にそれをさらに開発していく」と語った。

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「ファストファッション」を改めて考える 国連の気候変動に関する報告書を受けて検索増加

 国際連合(United Nation以下、国連)が8月9日に発表した気候変動に関する最新の報告書や、それに続く環境活動家のグレタ・トゥーンベリ(Greta Thunberg)によるツイッター(Twitter)での訴えを受けて、ファッション業界の環境負荷に改めて注目が集まっている。グーグル(Google)では同日以降、「『イエススタイル「(YESSTYLE)」はファストファッションなのか」に加えて、「ザラ(ZARA)」や「H&M」がファストファッションなのかどうかを問う検索内容が急増している。

 ファッションの環境負荷を考える上でファストファッションは、大量生産の仕組みを助長して、長く着られず廃棄物を産んでしまうとして「購買をなるべく避けたほうが良いもの」と捉える風潮は高まっている。しかしそんな考えがある一方で、ファストファッションへの理解や知識が足りていないというのも現状だ。

 コンサルタント会社のチェンジ・キャピタル(CHANGE CAPITAL)のジョン・ソーベック(John Thorbeck)会長は、「『ファストファッション』には複数の定義が存在するので、同じカテゴリーでも『ザラ』と『H&M』には大きな違いがある。ファストファッションが全て同じではないが、『ブーフー(BOOHOO)』や『シーイン(SHEIN)』、『ファッション・ノバ(FASHION NOVA)』といったブランドはイメージを下げる要因になっているだろう。価格の安さや品ぞろえの多さを強みにビジネスを展開しているところが非難の対象になっている」と分析する。

 ファストファッションの特徴は、最先端の流行を取り入れて低価格に抑えたアパレル製品を、短いサイクルで販売すること。トレンドのアイテムは多くの場合、ランウエイで生まれる流行を元にしている。出版社のメリアム・ウェブスター(Merriam-Webster)は、ファストファッションの定義の1つとして、「生活者にファッショントレンドを迅速かつ安価に届けるファッションのデザイン、制作、マーケティングのアプローチ」を挙げる。生活者は予算やトレンドへの関心に応じて、手頃に新製品を購入でき、ブランド側は早い回転で製品を展開する。その裏には搾取的な生産体制や、販売が不可能と判断された製品を埋め立てて処分するブランドも一部存在する。

「ファストファッション」とカテゴリー分けして消費習慣を考えることは有効か?

 ファッション産業の環境負荷の要因にまずファストファッションが挙げられるようになっているが、中には大規模なアパレル小売(商品の企画や製品はせず、販売のみする業種)でファストファッションより安価で大量販売することもあり、場合によってはファストファッション同様に搾取的なサプライチェーンや環境への負担を持つこともある。トゥーンベリ氏の報告書に関するツイートでは、「ファッション業界内の取り組みは不十分。仕組み全体の変革が必要」とし、「どちらのマーケティングアプローチもサステナビリティに貢献しているとは考えにくい」との意見を投稿した。

 ロンドンを拠点に置くイギリスの学会、ロイヤル・ソサエティ・オブ・アーツ(The Royal Society of Arts)の製造・コマース部門が出した6月のレポートでは、「私たちが着る洋服の多くは大量のプラスチックを含んでいる。ファッション企業やブランドの多くはウェブサイトで“環境に優しい”アパレルの販売をうたうが、サイトにあるアイテムの大半は新たに作られたプラスチックが入っている。ポリエステルやアクリル、ポリエステル、ナイロンなど石油原料由来の繊維を使用する」と述べる。その問題点に「これらは生産の際に大量のエネルギーを使用して環境に大きな負担となる、また廃棄された後も、分解に至るまで数千年かかるとされている」と注意する。

 循環型経済を推進するイギリスのエレン・マッカーサー財団(ELLEN MACARTHUR FOUNDATION)では、消費習慣の再考を目的に、ファッションの環境負荷に関する認知向上に働きかける。消費者の中で、環境問題を意識して“買わない”選択がなされることも多いが、「それだけでは業界の環境負荷の大きさそのものに影響を与えることは少ない」と指摘する。

 同財団が立ち上げた「メイク・ファッション・サーキュラー(Make Fashion Circular)」イニシアチブのジュリエット・レノン(Juliet Lennon)プログラムマネージャーは、「環境問題に関する業界の課題解決のためは、根本的原因にアプローチするべき。長く使えて再利用も可能な、リサイクル素材で作られた製品がもっと必要だ。1.5度指標(地球の気温の上昇を1.5度に抑える目標値)の実現には、サーキュラーエコノミーが欠かせない。アパレルを作るのに使用される材料の1%はリサイクルに回るが、多くは埋め立て処分や焼灼処分されている」と話す。

 ソーベック会長は、「大きな変化のカギは2つ。金融業界と生活者の購買習慣だ。今や資金調達をするにあたり、ESG(Environment=環境問題、Social=社会問題、Governance=企業統治)スコアを50%以上満たしていることが必須条件となった。生活者の間では、ブランドに対してサステナビリティや環境問題への言及および行動の実行を求める動きが高まっている」と話す。中でも、Z世代はサステナブルな企業やブランドの動きに注意を払って、意思のある購買を心掛けていると言われる。

 今回の報告書で改めて明確になったことは、ファッション業界には2030年までにネットゼロ(二酸化炭素や温室効果ガスの排出量を吸収量などと合わせてゼロにすること)の達成のために多くの時間は残されていないと言うこと。人間が地球の気候を温暖化させてきたことに「疑う余地がない」としている。ソーベック会長は、「国連は今回、1万4000件におよぶ研究をまとめ、報告書を作成している。パンデミックの最中である21年に行ったことや、その本気度は企業の動向にも大きな影響を与えるだろう」とコメントした。

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エルメス、21年上半期は70%増収 売上高の半分以上は日本を含むアジア太平洋地域

 エルメス・インターナショナル(HERMES INTERNATIONAL以下、エルメス)の2021年1〜6月期決算は、売上高が前年同期比70.2%増の42億3500万ユーロ(約5463億円)、営業利益は3倍以上(同221.8%増)の17億2200万ユーロ(約2221億円)、純利益は約3.5倍(同250.4%増)の11億7400万ユーロ(約1514億円)だった。

 19年同期比でも、売上高は28.9%増、営業利益は同50.5%増、純利益は同55.7%増で、コロナ禍前を大幅に上回る結果となった。

 なお、競合他社のLVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON)も、19年同期比で売上高が14.2%増、営業利益は同44.7%増、純利益は同61.8%増だった。「グッチ(GUCCI)」や「サンローラン(SAINT LAURENT)」を擁するケリング(KERING)も、同じく売上高が5.3%増、EBITDAは同5.0%増、純利益は2.5倍以上(同155.1%増)となっている。

 エルメスの21年上半期のカテゴリー別での売上高は、主力のレザーグッズが前年同期比56.1%増の19億9930万ユーロ(約2579億円)、衣料・アクセサリーは同90.8%増の10億2510万ユーロ(約1322億円)、シルク・テキスタイルは同65.8%増の2億7390万ユーロ(約353億円)、香水・ビューティは同63.0%増の1億8410万ユーロ(約237億円)、ウオッチは約2倍(同114.0%増)の1億5880万ユーロ(約204億円)だった。

 同じく地域別での売上高は、フランスが同35.2%増の3億4120万ユーロ(約440億円)、フランス以外のヨーロッパは同49.5%増の5億2190万ユーロ(約673億円)、南北アメリカは同98.3%増の6億6790万ユーロ(約861億円)、日本以外のアジア太平洋地域は同81.8%増の21億5300万ユーロ(約2777億円)、日本は同45.5%増の4億6900万ユーロ(約605億円)だった。上半期の売上高全体の半分以上を、日本を含むアジア太平洋地域が占める計算となる。

 19年同期と比較すると、現地通貨ベースでの売上高はフランスが16%減、フランス以外のヨーロッパは2.8%減と観光客不在の影響を大きく受けたものの、南北アメリカは同25.3%増、日本は同22.2%増、日本以外のアジア太平洋地域は同69.7%増と好調だった。

 アクセル・デュマ(Axel Dumas)最高経営責任者(CEO)は、「上半期の業績が非常に好調で、とてもうれしく思っている。これは(コロナ禍が落ち着いてきたという)状況によるところが大きいが、クリエイティビティーとイノベーションの源泉である従業員、そして絶対的な品質を重視する当社のビジネスモデルの強みが反映された結果でもある。引き続き当社の価値観を守りつつ、先行きが不透明な状況に対応していく」と語った。

 コロナ禍が収束するにつれて商品の需要がさらに高まることを予測し、同社では20年12月末から21年6月末にかけて、従業員を新たに約370人雇用している。デュマCEOは、アナリスト向けの会見で、「20年は外出規制や休業措置などの影響で全地域に在庫があったが、それらは21年上半期にあっという間に売れていった。生産面でのボトルネックを解消するべく投資を続けているものの、下半期の成長率はやや緩やかになると予想している」と述べた。

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LVMH会長兼CEO、サマリテーヌ再開業の舞台裏を語る 「当社以外では成し遂げられなかった」

 16年間に及ぶ大規模なリノベーションを経て、2021年6月23日に営業を再開したパリの老舗百貨店サマリテーヌ(LA SAMARITAINE)。同百貨店が「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」や「ディオール(DIOR)」などを擁するLVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)の完全子会社であることから、オープン前日の落成式にはベルナール・アルノー(Bernard Arnault)LVMH会長兼最高経営責任者(CEO)が出席した。また、来賓としてアンヌ・イダルゴ(Anne Hidalgo)パリ市長に加えて、エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)仏大統領が出席したことからも、サマリテーヌに対する注目度の高さと、フランスにおけるLVMHの存在感の大きさがうかがえる。コロナ禍の影響で観光客が不在の中オープンした同百貨店に賭ける思いなどについて、アルノー会長兼CEOに米「WWD」が聞いた。

WWD:サマリテーヌの落成式には、マクロン仏大統領が出席した。同百貨店が仏政府にとって重要であることを示しているのでは?

アルノーLVMH会長兼CEO(以下、アルノー):サマリテーヌの営業再開は、3つの点で象徴的だ。まず、サマリテーヌがパリの中心地にある歴史的建造物であること。かつてサマリテーヌの一部だった隣接する建物には、当社が擁する高級ホテルのシュバル ブラン(CHEVAL BLANC)が入っているが、このアールデコ様式の建築も注目に値する。また、リヴォリ通りに面する建物は、日本の建築事務所SANAAが設計した。こうしたことから、サマリテーヌは建築的な観点で象徴的だといえるだろう。

次に、美術的な観点での重要性が挙げられる。店内にある孔雀のフレスコ画は、建物を設計したフランツ・ジュルダン(Frantz Jourdain)の息子である画家のフランシス・ジュルダン(Francis Jourdain)によるもので、現存するアールヌーボー様式の壁画としては世界最大級だ。

最後に、サマリテーヌ、シュバル ブラン、そして関連オフィスなどを含め、パリの中心地におよそ3000人分の雇用を創出したことを挙げておきたい。マクロン大統領がこのプロジェクトに関心を持ったのは、それが大きいのではないか。また、フランスおよび世界中がコロナ禍による危機的な状況に苦しめられてきた中で、事態が落ち着きつつあるこのタイミングで営業を再開したということもあるだろう。同大統領が落成式に参加したのは、人々を応援して力づける意味もあったと受け止めている。事実、同大統領が店内を回った際には各フロアで大きな喝采が起きた。これまでにも当社の施設を訪れた大統領は何人かいるが、あれほど熱狂的に迎えられるところを見たのはこれが初めてだ。

WWD:現在、パリの中でもこのエリアは急激に進化しているが、サマリテーヌは経済的、文化的にどのように貢献すると思うか。

アルノー:さまざまな商品やブランドを取りそろえた、百貨店の手本のような場所であると同時に、喜びや楽しみを象徴する存在にしたい。この比類のない環境が整えられた店舗では、(セーヌ川が眼下に広がる)素晴らしい景色を堪能しながらランチを楽しむことも可能だ。サマリテーヌは、単なる商業施設を超えた“デスティネーション(わざわざ行きたくなる)”ストアだと考えている。

ホテルのシュバル ブランも同様だ。各客室にはセーヌ川を臨むバルコニーがあり、そこで朝食を取ることができる。素晴らしいインテリアの中、騒音に邪魔されることなく、静かに景色と食事を楽しめる。

WWD:改装には16年かかったが、途中で投げ出したくならなかったか?

アルノー:一回もない。私自身にも、LVMHのDNAにも、諦めるという選択肢はない。当社は物事を長期的に計画して実行することに長けているし、困難に直面して周囲が弱気になっても、私は最後までやり遂げるつもりでいた。ルーブル美術館(Musee du Louvre)やジョルジュ・ポンピドゥー国立芸術文化センター (Centre national d'art et de culture Georges Pompidou)に囲まれた、この美しいロケーションに建つ歴史的建築物をリノベーションして再びオープンすることについて、フランスという国、パリという都市が反対するわけはないと信じていたので、常に自信を持ってプロジェクトを進めた。

一方で、これはLVMH以外には成し遂げられなかったのではないかと思う。一族経営で、事業を長期的な目線で考え、15年以上も収益のないプロジェクトに投資し続けられる企業となると、フランスでは当社しかないと自負している。

WWD:観光客不在の中、免税店のDFSなどを運営するセレクティブ・リテール部門の展望は?また、観光客はいつ頃戻ると思うか。

アルノー:短期的には、コロナ禍の影響によって観光客はパリだけでなく世界中でほぼいない状態が続くが、いずれは間違いなく元に戻る。それが6カ月後なのか18カ月後なのかは、各国の対策や医療技術の進化などによるので、予想することは不可能だ。しかし、当社は(サマリテーヌのオープンまで)15年待ったので、あと1年ほど待つことはさほど大きな問題ではない。

WWD:事態が落ち着いた際には、どの程度の客足を見込んでいるか。

アルノー:ぱっと数字は浮かばないが、パリにあるほかの百貨店と同程度、もしくはそれを超えるのではと期待している。観光客の多くはルーブル美術館を訪れるが、そこから徒歩圏内という素晴らしい立地が寄与するだろう。

WWD:サマリテーヌはギャラリー・ラファイエット(GALERIES LAFAYETTE)などより小規模だが、勝算は?

アルノー:小規模であることが有利に働くと思う。売り場が広すぎると、スペースを埋めるのが大変だ。サマリテーヌでは、必要な物をちょうどよくそろえられる。

WWD:イダルゴ=パリ市長は、セーヌ川沿いの道路やリヴォリ通りでの車両通行を禁止したほか、パリ中心部での通行規制を計画している。サマリテーヌなどの売り上げに影響すると思うか。

アルノー:パリ市およびイダルゴ市長は、この開発プロジェクトがパリの中心部に3000人分の雇用を創出したことをよく理解しているし、(その雇用を守るには)競争力が重要であることも理解している。イダルゴ市長は、サマリテーヌがパリのほかの百貨店と比べて経済的に不利になることはないと約束してくれたし、私はその言葉を信じている。

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高まる香りの効用への期待 アメリカの最新香水トレンド

 香りを通じて人々のライフシーンに寄り添ってきたフレグランスは今、そのにおいが持つ体への効用に対する期待が高まっている。パンデミック前から、心を落ち着かせたり、気分を盛り上げたりというエモーショナルなアプローチは取り入れられていたが、この一年でその流れは加速。セルフケアの一環として心身共に健やかに過ごすためのアイテムとしての人気が高まっている。また、香水だけでなく、柔軟剤を含む多くの生活用品に良い香りを求める消費者も増加。オンラインでの買い物が広がる中、ブランドは香りの種類や香調だけでなく、科学的な側面や香りが脳にもたらす作用、エモーショナルな効果について触れることで、店頭で香りを比べなくても魅力が伝えやすくなる。

独自性の高い効用の分析がカギ

 スイスの大手香料メーカー、フィルメニッヒ(FIRMENICH)ではエモーションに焦点を置いたプログラムを通して、香りや成分がどのように気持ちに作用するかを研究している。同社は、世界中での定性・定量的テストを通して、香りが感情にもたらす影響を示すマップを作成。その際、脳波を使った香りの効果測定なども実施し、神経科学的な方法で結果を証明した。例えば、中国ではバラやジャスミン、杉の香りを使った柔軟剤からリラックスのイメージが受け取れたが、インドで同じ効果を生み出すには、より温かみのあるムスク調の香りが必要だったという。

 同社のマテオ・マニャーニ(Matteo Magnani)=チーフ・コンシューマー&グローバル パーフューマリー イノベーション オフィサーは、「心身の健康への関心の高まりは、フレグランス業界に大きな方向性変化をもたらした。われわれのデータでは、消費者の80%がウエルネス体験の向上を求めている」とコメント。香りと衛生の関係性への関心も高く、「46%の消費者がフレグランスに抗菌作用を期待している。機能的なフレグランスとは異なるコンセプトだが、これからの時代に注目すべき考えだ」と続ける。

 アメリカの大手香料メーカーであるインターナショナル・フレーバー・アンド・フレグランス(International Flavors & Fragrances以下、IFF)のアルノー・モンテ(Arnaud Montet)=ヒューマン&コンシューマーインサイト担当バイスプレジデントも、次のように語る。「香水は18世紀まで心の癒しのために主に使用されていたが、近年の香水トレンドはそんなルーツへ戻っている。必要なのは、(従来のフレグランスとウエルネスの)カテゴリー間の壁を取り払ったアプローチ。そうすることで、人工知能(AI)などのデジタルツールを活用したビッグデータを生成し、人の気持ちや感情の働きを神経科学的に読み取ることができた」。ほかにも、4年前に立ち上げたプラットフォーム「サイエンス・オブ・ウエルネス(Science of Wellness)」では、独自のAIと特定の成分を使って、人の意識にもアプローチ。「私たちは新しいステージに向かっている。“マインドフルネス”や“自分を高める”フレグランスへと進化している」と話す。

 IFFの調香師、アン・フリッポ(Anne Flipo)が手掛けた「ロシャス(ROCHAS)」の“ロシャス・ガール(Rochas Girl)”はビーガン処方で、成分の90%は天然由来。ネロリの香りを配合し、リラックス効果を期待できるという。また睡眠を科学的に分析する「スリープ・スコア・ラブ(Sleep Score Labs)」と提携して、睡眠の質を向上する製品開発にも取り組んでいる。

ストレス・睡眠不足解消の効果へ期待も

 日本で香水や化粧品、シャンプーなどの製品に合わせて新しい香りの開発を行う高砂香料工業は、30年以上にわたって神経科学を駆使した香りの脳への効果を研究している。例えば、脳の機能活動を部位ごとに画像化するFMRIを使って、愛や喜びにつながるにおいを嗅いだ際に働く脳の部位を計測。結果、一般的に落ち着く効果があると考えられているラベンダーの香りも種類によっては刺激的で、逆にフレッシュな香りとされる柑橘系についても同じことが言えるという。加えて、同社では、副腎皮質で分泌するホルモンの一つであるコルチゾール値でストレス解消効果の測定も行っている。

 香りの効用への関心の高まりを受けて、ナタリー・エロイン・キャメル(Nathalie Helloin Kamel)=グローバルファインフレグランス責任者は、「この一年で、私たちが受け取る依頼の80%には感情面に関連する内容が含まれるようになった」と言う。さらに「睡眠不足および睡眠の質の低下は、世界レベルで直面している問題だ」とし、睡眠時に機能するフレグランスの開発にも着手している。スイスの香料メーカー、ジボダン(GIVAUDAN)も30年以上神経科学を使った製品開発に取り組んでおり、2018年には質の高い睡眠をサポートするフレグランス設計技術“ドリーム・セント(DreamScentz)”を発表した。その後、20年6月にはフレグランスを通じて幸福感にアプローチする技術“ビバ センツ(VivaScentz)”をローンチ。以来、ビューティやパーソナルケアアイテムに採用されている。

 英国発のフレグランスブランド「ネオム(NEOM)」もまた、ウエルビーイングを意識した製品開発に取り組んでいる。特に人気があるのは、ストレスや睡眠不足の解消、気分のゆらぎへの効果が期待されるマグネシウム配合のボディーバターだという。20年の売り上げは前年比2倍で、21年もさら倍増する見込みだ。ニコラ・エリオット(Nicola Elliott)創業者兼クリエイティブ・ディレクターは、「ウエルネスの分野に関する人々の知識レベルは高まっていて、われわれもそれに応えられるよう開発に取り組んでいる。エッセンシャルオイルのディフューザーなども好調だ。間違いなく多くの人がウエルビーイングを意識した生活様式を取り入れ始めている」と述べた。

自然の心地よさで自分のための香水を追求

 香料などを取り扱うフランスの化学品メーカーであるシムライズ(SYMRISE)は植物由来の有効成分に着目し、カンナビス(大麻)を使った製品開発に乗り出した。合法大麻の使用には賛否両論あるが、同成分はストレスや不安、鬱症状への効果が期待されている。同社は、「香水や化粧品原料、フレグランスの開発における専門知識を融合することで、同分野の高まる人気に応える。カンナビス配合の“ヘンプ・ヴィッテセンス(Hemp Vitessence)”を開発し、お客さまに全面的に満足いただけるソリューションを提供している」としている。

 ティモシー・エヴァンス・ローラ(Timothy Evans-Lora)=シムライズ応用研究科学者は、「消費者はヘンプ(大麻の一種)を健康と結びつけ、リラックス効果や感情的なウエルビーイングをもたらす、今ドキな成分としても注目している」と述べる。同社の調査では、回答者の30%がヘンプに健康全般に対する効果があると考えているという。

 また、19年に自身の名を冠したフレグランス・ライフスタイルブランドを立ち上げたヴェロニク・ガバイ・ピンスキー(Veronique Gabai-Pinsky)も、「天然成分の濃度が高いほど、自然とのつながりを生まれ、人々はウエルビーイングを体感する。それは、誰かのために香水をつけるというアプローチとは対照的で、現実逃避的でもあり、自分のための香水と言える。そして、まるで心地よくて良い香りのする“キラキラしたバブル”に包まれるような感覚をもたらしてくれる」とコメントした。

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アディダスが「リーボック」を「バーニーズ」や「フォーエバー21」の親会社に売却 最大21億ユーロで

 アディダス(ADIDAS)は、傘下の「リーボック(REEBOK)」をブランドマネジメント企業のオーセンティック・ブランズ・グループ(AUTHENTIC BRANDS GROUP以下、ABG)に最大21億ユーロ(約2719億8549万円)で売却する。取引は、2022年第1四半期に完了する予定。完了時に総額の大部分が現金で支払われるが、そのほとんどを株主に分配する計画だという。

 同社は21年2月にすでに「リーボック」の売却計画を発表しており、基幹ビジネスに集中する。カスパー・ローステッド(Kasper Rorsted)最高経営責任者(CEO)は、「『リーボック』はアディダスにとって大切な存在であり、ブランドとそれを支えるチームが当社にもたらしてくれた貢献に感謝している。今回のオーナーの入れ替わりにより、『リーボック』ブランドは長期的な成功を収めることができると確信している」と述べる。アディダスについては、引き続き25年までの事業戦略「オウン・ザ・ゲーム(Own the Game)」の遂行に力を注ぐ。

 一方、新規株式公開(IPO)を直前に控えるABGのジェイミー・ソルター(Jamie Salter)創業者兼会長兼CEOは、「私たちは何年も前から『リーボック』に注目しており、この象徴的なブランドをついに傘下に収められたことを嬉しく思う」とコメント。「『リーボック』は、世界中の消費者にとって特別な存在であるだけでなく、グローバルな幅広い販売網を持っている。『リーボック』チームの素晴らしい仕事を継続するために協力し、世界有数のコンシューマーブランドとしての地位をさらに高めていくことを楽しみにしている」と続ける。

 ABGは現在、「バーニーズ ニューヨーク(BARNEYS NEWYORK)」や「ブルックス ブラザーズ(BROOKS BROTHERS)」「フォーエバー21(FOREVER 21)」などを擁し、アクティブウエア分野では「スパイダー(SPYDER)」「グレッグ ノーマン(GREG NORMAN)」「ボルコム(VOLCOM)」などを保有。そのほか、以前から「リーボック」の獲得に興味を示し、90年代には同ブランドのアンバサダーも務めていた元NBA選手のシャキール・オニール(Shaquille O’Neal)をはじめ、モハメド・アリ(Muhammad Ali)、マリリン・モンロー(Marilyn Monroe)といった著名人の知的財産権も所有・管理している。

 アディダスは06年に「リーボック」を38億ドル(約4195億円)で買収したが、当時は「ロックポート(ROCKPORT)」や「CCM ホッケー(CCM HOCKEY)」「グレッグ ノーマン」などのブランドも含まれていた。すでに、これらのブランドを売却済みだ。世界80カ国で展開されている「リーボック」は長年、業績が低迷。ここ2、3年は改善していたものの、コロナ禍では親会社のアディダス以上に苦戦していた。「リーボック」の21年第2四半期の売上高は前年同期比94%増で、19年の水準を13%上回っている。

JUN YABUNO:1986年大阪生まれ。ロンドン・カレッジ・オブ・ファッションを卒業後、「WWDジャパン」の編集記者として、ヨーロッパのファッション・ウィークの取材をはじめ、デザイナーズブランドやバッグ、インポーター、新人発掘などの分野を担当。2017年9月ベルリンに拠点を移し、フリーランスでファッションとライフスタイル関連の記事執筆や翻訳を手掛ける。「Yahoo!ニュース 個人」のオーサーも務める。20年2月からWWDジャパン欧州通信員

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NYコレ、参加にはワクチン接種証明が必須に 約90ブランドがリアル発表を予定

 9月8〜12日に開催予定の2022年春夏ニューヨーク・ファッション・ウイーク(以下、NYコレ)では、観客を招いたショーやプレゼンテーションが本格的に再開する。期間中には、「トム フォード(TOM FORD)」や「マイケル・コース コレクション(MICHAEL KORS COLLECTION)」「コーチ(COACH)」「オスカー デ ラ レンタ(OSCAR DE LA RENTA)」「トム ブラウン(THOM BROWNE)」など、約90ブランドがリアルイベントでコレクションを発表する予定だ。

 開催に先駆けてNYコレを主催するIMGは8月2日、メイン会場となるスプリング・スタジオに入場するすべての人にワクチン接種証明を求めることを参加ブランド関係者に通達。「デザイナーやプロデューサー、PRは、全ての従業員やスタッフ、招待客がこのポリシーを認識し遵守することに対する責任がある」とし、ポリシーにはモデルやメイクアップアーティスト、ヘアスタイリスト、フォトグラファーなども含まれるという。また、16歳未満の未成年については、会場到着6時間以内に実施した抗原検査もしくは同72時間以内のPCR検査の陰性証明を提示する必要がある。

 さらに3日午後(現地時間)には、アメリカファッション協議会(COUNCIL OF FASHION DESIGNERS OF AMERICA)もワクチン接種に関する声明を発表。ニューヨーク市の屋内施設利用時におけるワクチン接種証明提示の義務化に伴い、NYコレの全イベントで観客やスタッフなど会場内にいる全員にワクチン接種証明を求めることを明らかにした。マスク着用などのより詳しいガイドラインは、8月中旬に発表する。この声明に関する同団体のインスタグラムの投稿には、拍手の絵文字などで支持を示すコメントがある一方で、「人々の分断をさらに広げることになる」や「ワクチンを接種しても新型コロナウイルスに感染している人はたくさんいる。入場時に検査しないと意味がない」といった否定的な意見も多く書き込まれている。

JUN YABUNO:1986年大阪生まれ。ロンドン・カレッジ・オブ・ファッションを卒業後、「WWDジャパン」の編集記者として、ヨーロッパのファッション・ウィークの取材をはじめ、デザイナーズブランドやバッグ、インポーター、新人発掘などの分野を担当。2017年9月ベルリンに拠点を移し、フリーランスでファッションとライフスタイル関連の記事執筆や翻訳を手掛ける。「Yahoo!ニュース 個人」のオーサーも務める。20年2月からWWDジャパン欧州通信員

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NYコレ、参加にはワクチン接種証明が必須に 約90ブランドがリアル発表を予定

 9月8〜12日に開催予定の2022年春夏ニューヨーク・ファッション・ウイーク(以下、NYコレ)では、観客を招いたショーやプレゼンテーションが本格的に再開する。期間中には、「トム フォード(TOM FORD)」や「マイケル・コース コレクション(MICHAEL KORS COLLECTION)」「コーチ(COACH)」「オスカー デ ラ レンタ(OSCAR DE LA RENTA)」「トム ブラウン(THOM BROWNE)」など、約90ブランドがリアルイベントでコレクションを発表する予定だ。

 開催に先駆けてNYコレを主催するIMGは8月2日、メイン会場となるスプリング・スタジオに入場するすべての人にワクチン接種証明を求めることを参加ブランド関係者に通達。「デザイナーやプロデューサー、PRは、全ての従業員やスタッフ、招待客がこのポリシーを認識し遵守することに対する責任がある」とし、ポリシーにはモデルやメイクアップアーティスト、ヘアスタイリスト、フォトグラファーなども含まれるという。また、16歳未満の未成年については、会場到着6時間以内に実施した抗原検査もしくは同72時間以内のPCR検査の陰性証明を提示する必要がある。

 さらに3日午後(現地時間)には、アメリカファッション協議会(COUNCIL OF FASHION DESIGNERS OF AMERICA)もワクチン接種に関する声明を発表。ニューヨーク市の屋内施設利用時におけるワクチン接種証明提示の義務化に伴い、NYコレの全イベントで観客やスタッフなど会場内にいる全員にワクチン接種証明を求めることを明らかにした。マスク着用などのより詳しいガイドラインは、8月中旬に発表する。この声明に関する同団体のインスタグラムの投稿には、拍手の絵文字などで支持を示すコメントがある一方で、「人々の分断をさらに広げることになる」や「ワクチンを接種しても新型コロナウイルスに感染している人はたくさんいる。入場時に検査しないと意味がない」といった否定的な意見も多く書き込まれている。

JUN YABUNO:1986年大阪生まれ。ロンドン・カレッジ・オブ・ファッションを卒業後、「WWDジャパン」の編集記者として、ヨーロッパのファッション・ウィークの取材をはじめ、デザイナーズブランドやバッグ、インポーター、新人発掘などの分野を担当。2017年9月ベルリンに拠点を移し、フリーランスでファッションとライフスタイル関連の記事執筆や翻訳を手掛ける。「Yahoo!ニュース 個人」のオーサーも務める。20年2月からWWDジャパン欧州通信員

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時代を築いた人気ドラマ「SATC」が帰ってくる! 最新情報やファッションを公開

 人気ドラマシリーズ「セックス・アンド・ザ・シティ(SEX AND THE CITY以下、SATC)」のリブート版「アンド・ジャスト・ライク・ザット(And Just Like That)」の撮影がスタートした。1998年に放送を開始して以来絶大な人気を誇るドラマの新作から、最新情報や注目の集まるファッションなどを公開する。

 新作の公開日はまだ明らかでないが、全部で10エピソードを制作中。キャリー役のサラ・ジェシカ・パーカー(Sarah Jessica Parker)やミランダ役のシンシア・ニクソン(Cynthia Nixon)、シャーロット役のクリスティン・デイヴィス(Kristin Davis)の続投が決定する中、キム・キャトラル(Kim Cattrall)演じるサマンサは物語に登場しないと発表した。新たにメキシコ出身の俳優サラ・ラミレス(Sara Ramirez)が演じる、ノンバイナリー(性自認や性表現を、女か男かの2択で分類しない人)でクィア(性的少数者)なコメディアンキャラクターなどが登場する。

 ほかにも3人のキャストの参入が決定した。マンハッタンの不動産ブローカーのシーマ・パテル(Seema Patel)役を演じるサリタ・チョウドリー(Sarita Choudhury)と3児の母でドキュメンタリー作家のリサ・トッド(Lisa Tod)役を演じるニコル・アリ・パーカー(Nicole Ari Parker)に加えて、カレン・ピット(Karen Pittman)は優秀で野心的なコロンビア大学の教授、ニャ・ウォレス博士(Dr. Nya Wallace)を演じる。

 登場キャラクターのファッションにも人気が集まるSATC。原作の衣装を担当したパトリシア・フィールド(Patricia Field)は、新作は担当しないというが、前作同様、アイコニックなファッションスタイルへの期待がかかる。「アンド・ジャスト・ライク・ザット」の公式インスタグラムアカウントでは、カラフルな洋服のラックやパステルカラーの「JW アンダーソン(JW ANDERSON)」のキャップバッグなどの写真を公開している。

 あるシーンのルックでは、キャリー役のサラが「フェンディ(FENDI)」のスパンコールが輝くバゲットバッグを持っている。これは前作で同キャラクターが日常的に愛用していたアイテムで、放送以来人気が急上昇したもの。その1990〜2000年代の“イット・バッグ”(ラグジュアリーブランドのバッグで最も旬かつベストセラーになっているものを指す)となった。ほかにも、「シャネル(CHANEL)」や「バレンシアガ(BALENCIAGA)」、「ステラ マッカートニー(STELLA McCARTNEY)」などのバッグも新作で登場する。

 ワーナーメディア(WARNER MEDIA)は20年1月に、同社の手掛けるストリーミングサービス「HBO Max」での「SATC」のリブート版の制作及び放送を発表。リブートとはもともとのストーリーとは別に、新たに仕切り直して作品を作ること。新作では30代頃よりもさらに複雑になった50代の友情模様や人生を描く。

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「グッチ」の親会社、21年上半期は49%増収 北米とアジア市場が好調

 ケリング(KERING)の2021年1~6月期決算は、売上高が前年同期比49.6%増の80億4720万ユーロ(約1兆380億円)、EBITDA(利払い前・税引き前・減価償却前利益)は同76.1%増の29億5090万ユーロ(約3806億円)、純利益は5倍以上(同442.5%増)の14億7900万ユーロ(約1907億円)の増収増益だった。

 19年同期比でも、売上高は5.3%増、EBITDAは同5.0%増、純利益は2.5倍以上(同155.1%増)となっており、コロナ禍以前の業績を上回る結果となった。なお、競合他社のLVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON)も、同じく19年同期比で売上高が14.2%増、営業利益は同44.7%増、純利益は同61.8%増となっている。

 ケリングの売上高を地域別で見ると、西欧が前年同期比1.7%増の16億9910万ユーロ(約2191億円)、北米は約2倍(同107.1%増)の19億7970万ユーロ(約2553億円)、日本を除くアジア太平洋地域は同64.8%増の33億7690万ユーロ(約4356億円)、日本は同14.9%増の4億5880万ユーロ(約591億円)だった。その他の地域は同74.5%増の5億3270万ユーロ(約687億円)だった。西欧で足踏みが続く一方で、北米とアジア太平洋地域の好調ぶりが業績に大きく寄与したことがうかがえる。なお、既存店かつ現地通貨ベースで見ると、北米は同124.8%増、日本は同25.2%増だった。

 ブランド別の売上高では、主力の「グッチ(GUCCI)」が同45.8%増の44億7930万ユーロ(約5778億円)だった。同ブランドは20年から販売網の見直しを行っており、直営店の売り上げが売上高全体のおよそ90%を占めている。こうしたことから、卸の売り上げは同9.6%減、19年同期比で40.8%減となった。「サンローラン(SAINT LAURENT)」は前年同期比53.5%増の10億4550万ユーロ(約1348億円)、「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」は同40.6%増の7億760万ユーロ(約912億円)だった。ECも引き続き好調で、同78.5%増だった。

 フランソワ・アンリ・ピノー(Francois Henri Pinault)会長兼最高経営責任者は、「21年4~6月期(第2四半期)の売り上げが急激に伸びたこともあり、上半期の業績は非常に好調で、19年同期を上回る結果となった。これには全てのブランドが寄与している。収益性も十分に回復していることから、各ブランドや戦略的なイニシアチブへの投資ペースを速めていきたい」と語った。

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