まりこふん (@1224MARI )

古墳楽しいね〜!みんなが古墳で笑顔になれたらいいね〜!今日スタッフしてくれて今日山梨支部長になったみどりさんのアクセサリーは私が惚れた古墳アクセ。これを作ってる人を探して探してやっと見つけて、山梨にいる事がわかって、今日やっとお会い出来た!古墳が人を繋げるよ! オブサン、宝物!

そうだ埼玉.com@埼玉ポーズ公式 (@soudasaitama )

埼玉発のクラフトチューハイ「埼玉 越生ゆず」。 ゆずの酸味と香りが爽やかで、暑い日にグイっといきたくなる味です。グラスに氷をたっぷり入れて飲むのがおすすめ。夏に一押しの1本です! @川越市場内のお食事処「花いち」 【ライター:富築】

豊かな漁場と深い山を擁する食材の宝庫。国東半島を巡って出合った逸品たち。[DINING OUT KUNISAKI with LEXUS/大分県国東市]

メモを取りながら熱心に生産者の話を聞く川田シェフ。その姿勢は地元の人々の心も動かした。

大分県国東市

2018年5月26日(土)、27日(日)に開催される『DINING OUT KUNISAKI with LEXUS』。開催に先立ったある春の日、川田智也シェフが国東の地に降り立ちました。目的のひとつは、本番に使用する食材探し。「直接生産者の元を訪れて話を聞き、その思いを汲み取ることで、はじめてその食材を本当に活かしきることができる」――そんな思いが滞在中の川田シェフから溢れていました。

しかし今回の訪問の目的は食材探しだけではありません。その土地の空気に触れ、歴史を学び、そこに生きる人を知る。それこそが川田シェフのクリエーションの原動力なのです。大分県を初めて訪れたという川田シェフ。そこでどんな人に出会い、どんな思いを感じ取ったのでしょうか。

海と山の距離が近く、山海の幸に恵まれる国東半島。

大分県国東市国内に名を轟かせる漁場・伊予灘の魚が市場に集まる。

「本当に素晴らしい食材です。来てよかった」滞在中の川田シェフからは、度々そんな言葉が聞こえました。
もともと川田シェフは中華料理の道を志す過程において「日本の食材を使うからには、日本料理の技法を知らなくてはいけない」との思いで日本料理を学んだ人物。食材ひとつひとつと語り合い、その魅力を持てる技術を使って引き出す。そんな「和魂漢才」の精神の元、日本的な精神と中華の技術を融合した料理を信条としています。つまり食材探求への熱意は並々ならぬものがあるのです。そんな川田シェフが言う「素晴らしい食材」という言葉には、ずっしりと重みが感じられます。

たとえば早朝に訪れた日出町と安岐町の魚市場。ここでアテンドを引き受けてくれたのは、地元国東の人気店『国東食彩ZECCO』の中園彰三氏。自身も毎日通う勝手知ったる市場へ、川田シェフを案内します。

漁場から戻った船から下ろされたばかりの、まだセリにかけられる前の魚を、真剣な目で吟味する川田シェフ。盛んにメモを取りながら、中園氏や市場関係者にも積極的に質問を飛ばします。「気になったのはこの“ミシマフグ”という魚。フグという名前ですが、オコゼの仲間のようですね。オコゼ自体は頻繁に使用する魚ですので、これをどう料理できるか挑戦してみたい」そう決意を見せる川田シェフ。日頃物静かなシェフですが、このときばかりは「未知の魚も色々ありますね」と、子供のように目を輝かせていました。

漁船から揚がったばかりの魚を品定め。ケースごとに仲買人が競り落とし、その場で販売される。

地元の魚に詳しい料理人・中園氏からレクチャーを受ける川田シェフ。

川田シェフを驚かせたのは、この地の魚種の豊富さ。豊かな海であることを物語っている。

大分県国東市自然の恵みと人の営み。両者が融合することで、食材の幅はより厚く、深く。

名だたる漁場に囲まれた国東半島。川田シェフがふと「うらやましい」と呟くほど上質な海の幸に恵まれています。そんな自然の恵みが豊富なエリアですが、人間の努力と執念が生んだ極上の海産物にも出会いました。それが『ヤンマーマリンファーム』が手がける“くにさきOYSTER”です。

訪れた一団を、所長の加藤元一氏はウェットスーツ姿で出迎えてくれました。ダイバーやサーファーのようなその出で立ちですが、話すごとに加藤氏の“牡蠣愛”が伝わります。加藤氏は牡蠣養殖に携わって30年。自らを「牡蠣バカ」と称するほどの人物。そんな氏の経験と勘に、農業機械などで知られるヤンマーの技術の結晶である海水ろ過システムが加わり、生食のための牡蠣・くにさきOYSTERが誕生したのです。

小ぶりな身のなかに旨み、甘みが凝縮され、しかし独特の臭みはない。そして徹底した水質浄化により安心して生で食べられる。「これ以上の牡蠣は、どこ探したってないと思いますよ」と加藤氏が胸を張る極上の逸品に、川田シェフもかなり心惹かれた様子。生の牡蠣を試食すると即「いろいろとインスピレーションが湧いてきます」と不敵な笑みを浮かべます。生食用の牡蠣を、どんな形で楽しませてくれるのか。本番への期待は高まります。

『ヤンマーマリンファーム』所長の加藤氏の牡蠣講義に耳を傾ける川田シェフ。

形が整っていることがおいしさの証というくにさきoyster。

大分県国東市採れたて野菜の香りからインスピレーションが広がる。

海に近く、山にも距離が近い。それが国東半島の地理的特徴です。つまりこの地は、海の幸ばかりでなく、山にも無数の恵みが隠されているのです。ならば続いての食材探しは、畑に向かってみましょう。

国東で唯一の自然栽培を実践する『まるか三代目』の上平将義氏は東京からの移住組。4年前にこの地に移り、植物性の堆肥だけを使う完全自然栽培に乗り出しました。開始当初は試行錯誤の連続だったという仕事も少しずつ軌道に乗り、現在では60品目ほどの野菜を栽培しているのだとか。「土壌が良く、気候が良い。自然に助けられています」という畑の脇で、摘んだばかりの青菜を齧る川田シェフは、「味が濃いですね。そして何より香りが良いです」との感想。

食材探しの旅の途中で何度も目にしたのは、川田シェフがまず食材の香りを嗅ぐ姿。「僕の料理で、香りはとても大切な要素です。そこからイメージを膨らませてメニューになることも多いんです」

メモを取りながら生産者の話を真剣に聞き、香りを嗅ぎ、しっかりと噛みしめるように試食をする。そんな姿を見ているだけでも、川田シェフがどれほど食材を大切にしているかが伝わってきます。そしてその思いは生産者にも届くのでしょう。気づけば国東で出会った生産者の多くが、少々の無理を聞き入れ、本番には最高の食材を届けることを約束してくれたのです。

『まるか三代目』では採ったばかりの野菜を試食。その味と香りを確かめた。

新規就農から手探りで自然栽培に取り組んだ上平氏。『まるか』の屋号は奥様の実家である青果店に由来。

大分県国東市国内生産量の約50%を占める、日本一の椎茸産地。

国東半島で忘れてはならないのが椎茸。実はこの地は国内の乾し椎茸生産量の約50%を占める日本一の椎茸生産地なのです。

そんな国東で昔ながらのクヌギ原木栽培に取り組む『山や』。その自慢の逸品は、大ぶりかつ肉厚でありながら、ズームで見るとシルクのようにきめ細かい椎茸を見せてもらいました。ホダ場を案内する代表・山口勝治氏の言葉にも、原木椎茸への熱い想いが見え隠れします。「もちろん乾物は中華料理の重要な食材。全体の味を左右するものです」と、川田シェフの目線も真剣です。

ホダ場の見学後は、山口氏の奥様のしのぶさんが乾し椎茸料理を振る舞ってくれました。椎茸のみで取ったのに複雑で奥深い味の出汁、シンプルに焼いただけで味わえる弾力と甘み。「椎茸が品種によりこれほどの違いがあることも知りませんでした。勉強になることばかりです」勉強熱心な川田シェフは、ここでも何かの糸口を掴んだ様子です。

続いて訪れた国東の地で145年続く老舗酒蔵『萱島酒造』でも、熱心に話を聞き、酒を試飲する川田シェフ。料理の香りを大切にするからこそ、ペアリングのドリンクも細心の注意を払ってセレクトするのでしょう。とくに本醸造や古酒の味わい豊かな酒が印象に残ったようです。

「東京の『茶禅華』ではお茶とのペアリングも提供しています。これは DINING OUTでも、何らかの形で試したいと思っていること。香り豊かなドリンクは、料理をより引き立てる重要な存在。本番でどのようなものをお出しするか、楽しみにしていてください」そう笑う川田シェフの頭には、すでにいくつかのプランができあがっているのでしょう。

まず香りを確かめるのが、川田シェフの食材探しのスタイル。

原木椎茸について熱く語る『山や』の山口氏。その妥協なき職人気質が極上の椎茸を生む。

『萱島酒造』の酒蔵を巡り、その酒造りへの思いまでを汲み取る川田シェフ。

『萱島酒造』での試飲風景。酒造りの背後に潜む歴史や物語まで聞き出す川田シェフ。

大分県国東市食材だけでなく、土地の歴史や精神性も料理構築の足がかりに。

駆け足で食材巡りをした国東の旅。しかしそれだけではありません。生産者を訪ねる傍ら、国東の寺社を訪れ、歴史に触れ、土地の精神性までを深く感じ取った川田シェフ。そしてそれらもまた、シェフのインスピレーションの源となったのです。

両子寺で飲んだ岩肌から滲み出る清冽な水。文殊仙寺で受けた護摩焚き祈願。自らの足で岩山に登頂し、長い石段を踏みしめる。それらの経験のひとつひとつが、川田シェフの心に確かな印象を刻みます。
「すごい場所であることは想像していました。でもその想像を軽々と越えてきました」国東の旅を終えた川田シェフは、そう話しました。
「中国と日本を行き来してきた中で生まれた疑問や葛藤。この土地を訪れてクリアになったこともあります。古来から大切に守られた日本独自の価値観と、大陸伝来の仏教との融合というこの土地の精神性は、日本の食材を中華料理の技術で調理する僕の料理と一致する部分が多い。とにかく縁を感じる場所です」川田シェフは国東の視察をそう振り返りました。

そして頭の中で漠然と考えていた料理構成は、国東を訪れたことで若干の軌道修正に入るといいます。「たとえば火と水、あるいは岩。この土地を訪れて感動したことを、料理に落とし込みたい」
土地の食材を使い、その精神性までを踏まえた料理。それがどんな姿で卓に並ぶのか、今から期待は尽きません。

自ら山に登り体験したことで、この土地の精神性を体感したという。

心静かに祈り、その静寂に身を置くことで、新たな料理のアイデアに繋げる。

1982年栃木県生まれ。東京調理師専門学校卒。物心ついた頃から麻婆豆腐等の四川料理が好きで、幼稚園を卒園する頃には既に料理人になる夢を抱く。2000年~2010年麻布長江にて基礎となる技術を身につけ、2008年には副料理長を務める。その後日本食材を活かす技術を学ぶべく「日本料理龍吟」に入社。2011年~2013年の間研鑚を積んだ後、台湾の「祥雲龍吟」の立ち上げに参加、副料理長に就任し2016年に帰国。中国料理の大胆さに、日本料理の滋味や繊細さの表現が加わった独自の技術を習得する。2017年2月「茶禅華」オープン。わずか9カ月でミシュランガイド2つ星を獲得すると言う快挙を成し遂げる。和魂漢才という思想の元、日本の食材を活かした料理の本質を追求し続けている。

http://sazenka.com/

豊かな漁場と深い山を擁する食材の宝庫。国東半島を巡って出合った逸品たち。[DINING OUT KUNISAKI with LEXUS/大分県国東市]

メモを取りながら熱心に生産者の話を聞く川田シェフ。その姿勢は地元の人々の心も動かした。

大分県国東市

2018年5月26日(土)、27日(日)に開催される『DINING OUT KUNISAKI with LEXUS』。開催に先立ったある春の日、川田智也シェフが国東の地に降り立ちました。目的のひとつは、本番に使用する食材探し。「直接生産者の元を訪れて話を聞き、その思いを汲み取ることで、はじめてその食材を本当に活かしきることができる」――そんな思いが滞在中の川田シェフから溢れていました。

しかし今回の訪問の目的は食材探しだけではありません。その土地の空気に触れ、歴史を学び、そこに生きる人を知る。それこそが川田シェフのクリエーションの原動力なのです。大分県を初めて訪れたという川田シェフ。そこでどんな人に出会い、どんな思いを感じ取ったのでしょうか。

海と山の距離が近く、山海の幸に恵まれる国東半島。

大分県国東市国内に名を轟かせる漁場・伊予灘の魚が市場に集まる。

「本当に素晴らしい食材です。来てよかった」滞在中の川田シェフからは、度々そんな言葉が聞こえました。
もともと川田シェフは中華料理の道を志す過程において「日本の食材を使うからには、日本料理の技法を知らなくてはいけない」との思いで日本料理を学んだ人物。食材ひとつひとつと語り合い、その魅力を持てる技術を使って引き出す。そんな「和魂漢才」の精神の元、日本的な精神と中華の技術を融合した料理を信条としています。つまり食材探求への熱意は並々ならぬものがあるのです。そんな川田シェフが言う「素晴らしい食材」という言葉には、ずっしりと重みが感じられます。

たとえば早朝に訪れた日出町と安岐町の魚市場。ここでアテンドを引き受けてくれたのは、地元国東の人気店『国東食彩ZECCO』の中園彰三氏。自身も毎日通う勝手知ったる市場へ、川田シェフを案内します。

漁場から戻った船から下ろされたばかりの、まだセリにかけられる前の魚を、真剣な目で吟味する川田シェフ。盛んにメモを取りながら、中園氏や市場関係者にも積極的に質問を飛ばします。「気になったのはこの“ミシマフグ”という魚。フグという名前ですが、オコゼの仲間のようですね。オコゼ自体は頻繁に使用する魚ですので、これをどう料理できるか挑戦してみたい」そう決意を見せる川田シェフ。日頃物静かなシェフですが、このときばかりは「未知の魚も色々ありますね」と、子供のように目を輝かせていました。

漁船から揚がったばかりの魚を品定め。ケースごとに仲買人が競り落とし、その場で販売される。

地元の魚に詳しい料理人・中園氏からレクチャーを受ける川田シェフ。

川田シェフを驚かせたのは、この地の魚種の豊富さ。豊かな海であることを物語っている。

大分県国東市自然の恵みと人の営み。両者が融合することで、食材の幅はより厚く、深く。

名だたる漁場に囲まれた国東半島。川田シェフがふと「うらやましい」と呟くほど上質な海の幸に恵まれています。そんな自然の恵みが豊富なエリアですが、人間の努力と執念が生んだ極上の海産物にも出会いました。それが『ヤンマーマリンファーム』が手がける“くにさきOYSTER”です。

訪れた一団を、所長の加藤元一氏はウェットスーツ姿で出迎えてくれました。ダイバーやサーファーのようなその出で立ちですが、話すごとに加藤氏の“牡蠣愛”が伝わります。加藤氏は牡蠣養殖に携わって30年。自らを「牡蠣バカ」と称するほどの人物。そんな氏の経験と勘に、農業機械などで知られるヤンマーの技術の結晶である海水ろ過システムが加わり、生食のための牡蠣・くにさきOYSTERが誕生したのです。

小ぶりな身のなかに旨み、甘みが凝縮され、しかし独特の臭みはない。そして徹底した水質浄化により安心して生で食べられる。「これ以上の牡蠣は、どこ探したってないと思いますよ」と加藤氏が胸を張る極上の逸品に、川田シェフもかなり心惹かれた様子。生の牡蠣を試食すると即「いろいろとインスピレーションが湧いてきます」と不敵な笑みを浮かべます。生食用の牡蠣を、どんな形で楽しませてくれるのか。本番への期待は高まります。

『ヤンマーマリンファーム』所長の加藤氏の牡蠣講義に耳を傾ける川田シェフ。

形が整っていることがおいしさの証というくにさきoyster。

大分県国東市採れたて野菜の香りからインスピレーションが広がる。

海に近く、山にも距離が近い。それが国東半島の地理的特徴です。つまりこの地は、海の幸ばかりでなく、山にも無数の恵みが隠されているのです。ならば続いての食材探しは、畑に向かってみましょう。

国東で唯一の自然栽培を実践する『まるか三代目』の上平将義氏は東京からの移住組。4年前にこの地に移り、植物性の堆肥だけを使う完全自然栽培に乗り出しました。開始当初は試行錯誤の連続だったという仕事も少しずつ軌道に乗り、現在では60品目ほどの野菜を栽培しているのだとか。「土壌が良く、気候が良い。自然に助けられています」という畑の脇で、摘んだばかりの青菜を齧る川田シェフは、「味が濃いですね。そして何より香りが良いです」との感想。

食材探しの旅の途中で何度も目にしたのは、川田シェフがまず食材の香りを嗅ぐ姿。「僕の料理で、香りはとても大切な要素です。そこからイメージを膨らませてメニューになることも多いんです」

メモを取りながら生産者の話を真剣に聞き、香りを嗅ぎ、しっかりと噛みしめるように試食をする。そんな姿を見ているだけでも、川田シェフがどれほど食材を大切にしているかが伝わってきます。そしてその思いは生産者にも届くのでしょう。気づけば国東で出会った生産者の多くが、少々の無理を聞き入れ、本番には最高の食材を届けることを約束してくれたのです。

『まるか三代目』では採ったばかりの野菜を試食。その味と香りを確かめた。

新規就農から手探りで自然栽培に取り組んだ上平氏。『まるか』の屋号は奥様の実家である青果店に由来。

大分県国東市国内生産量の約50%を占める、日本一の椎茸産地。

国東半島で忘れてはならないのが椎茸。実はこの地は国内の乾し椎茸生産量の約50%を占める日本一の椎茸生産地なのです。

そんな国東で昔ながらのクヌギ原木栽培に取り組む『山や』。その自慢の逸品は、大ぶりかつ肉厚でありながら、ズームで見るとシルクのようにきめ細かい椎茸を見せてもらいました。ホダ場を案内する代表・山口勝治氏の言葉にも、原木椎茸への熱い想いが見え隠れします。「もちろん乾物は中華料理の重要な食材。全体の味を左右するものです」と、川田シェフの目線も真剣です。

ホダ場の見学後は、山口氏の奥様のしのぶさんが乾し椎茸料理を振る舞ってくれました。椎茸のみで取ったのに複雑で奥深い味の出汁、シンプルに焼いただけで味わえる弾力と甘み。「椎茸が品種によりこれほどの違いがあることも知りませんでした。勉強になることばかりです」勉強熱心な川田シェフは、ここでも何かの糸口を掴んだ様子です。

続いて訪れた国東の地で145年続く老舗酒蔵『萱島酒造』でも、熱心に話を聞き、酒を試飲する川田シェフ。料理の香りを大切にするからこそ、ペアリングのドリンクも細心の注意を払ってセレクトするのでしょう。とくに本醸造や古酒の味わい豊かな酒が印象に残ったようです。

「東京の『茶禅華』ではお茶とのペアリングも提供しています。これは DINING OUTでも、何らかの形で試したいと思っていること。香り豊かなドリンクは、料理をより引き立てる重要な存在。本番でどのようなものをお出しするか、楽しみにしていてください」そう笑う川田シェフの頭には、すでにいくつかのプランができあがっているのでしょう。

まず香りを確かめるのが、川田シェフの食材探しのスタイル。

原木椎茸について熱く語る『山や』の山口氏。その妥協なき職人気質が極上の椎茸を生む。

『萱島酒造』の酒蔵を巡り、その酒造りへの思いまでを汲み取る川田シェフ。

『萱島酒造』での試飲風景。酒造りの背後に潜む歴史や物語まで聞き出す川田シェフ。

大分県国東市食材だけでなく、土地の歴史や精神性も料理構築の足がかりに。

駆け足で食材巡りをした国東の旅。しかしそれだけではありません。生産者を訪ねる傍ら、国東の寺社を訪れ、歴史に触れ、土地の精神性までを深く感じ取った川田シェフ。そしてそれらもまた、シェフのインスピレーションの源となったのです。

両子寺で飲んだ岩肌から滲み出る清冽な水。文殊仙寺で受けた護摩焚き祈願。自らの足で岩山に登頂し、長い石段を踏みしめる。それらの経験のひとつひとつが、川田シェフの心に確かな印象を刻みます。
「すごい場所であることは想像していました。でもその想像を軽々と越えてきました」国東の旅を終えた川田シェフは、そう話しました。
「中国と日本を行き来してきた中で生まれた疑問や葛藤。この土地を訪れてクリアになったこともあります。古来から大切に守られた日本独自の価値観と、大陸伝来の仏教との融合というこの土地の精神性は、日本の食材を中華料理の技術で調理する僕の料理と一致する部分が多い。とにかく縁を感じる場所です」川田シェフは国東の視察をそう振り返りました。

そして頭の中で漠然と考えていた料理構成は、国東を訪れたことで若干の軌道修正に入るといいます。「たとえば火と水、あるいは岩。この土地を訪れて感動したことを、料理に落とし込みたい」
土地の食材を使い、その精神性までを踏まえた料理。それがどんな姿で卓に並ぶのか、今から期待は尽きません。

自ら山に登り体験したことで、この土地の精神性を体感したという。

心静かに祈り、その静寂に身を置くことで、新たな料理のアイデアに繋げる。

1982年栃木県生まれ。東京調理師専門学校卒。物心ついた頃から麻婆豆腐等の四川料理が好きで、幼稚園を卒園する頃には既に料理人になる夢を抱く。2000年~2010年麻布長江にて基礎となる技術を身につけ、2008年には副料理長を務める。その後日本食材を活かす技術を学ぶべく「日本料理龍吟」に入社。2011年~2013年の間研鑚を積んだ後、台湾の「祥雲龍吟」の立ち上げに参加、副料理長に就任し2016年に帰国。中国料理の大胆さに、日本料理の滋味や繊細さの表現が加わった独自の技術を習得する。2017年2月「茶禅華」オープン。わずか9カ月でミシュランガイド2つ星を獲得すると言う快挙を成し遂げる。和魂漢才という思想の元、日本の食材を活かした料理の本質を追求し続けている。

http://sazenka.com/