@adidasfun

自陣の第2ペナルティマークより前方でのファウルの場合は、相手は第2ペナルティマークからフリーキックを行なう事ができる。これを「第2PK」と呼ぶ。 #フットサル #サッカー #ユニフォーム

美術館に飾るような器で食事を楽しむ、“予約の取れないレストラン”が復活。[USEUM SAGA/佐賀県佐賀市]

人間国宝の青磁作家・中島宏氏の器に盛られた和魂洋才五膳のメイン。

佐賀県佐賀市名品が食卓に並ぶ、型破りな企画が実現。

明治維新150年を記念して、佐賀県内各地で開催されている「肥前さが幕末維新博覧会」。そのなかでも、「美術館(MUSEUM)」に飾るような器を使って(USE)佐賀の食材をふんだんに使った料理を楽しむ維新(これあたら)なるレストラン」をコンセプトとした「USEUM SAGA」は、佐賀の文化や食を余すところなく体験できる企画として人気を集めています。

その企画の象徴ともいえるのが、「CUISINE SAGA」。国内外のトップシェフを招き一夜限りで開催するクリエイティブなディナーは、その希少性も相まって毎回プレミアムチケットと化しています。

そのプレミアムなディナーと同じく、実は「USEUM SAGA」 のデイリーメニューも、〝陶磁器王国・佐賀〟の名に違わぬ注目すべき存在です。

もともと、「USEUM SAGA」のルーツは、2016年、有田焼創業400年事業として、期間限定で開催されたポップアップレストランにあります。
発案者は佐賀県立九州陶磁文化館の鈴田由紀夫館長。
鈴田氏の「普段はガラス越しでしか見られないような名品で食事ができたら面白いよね」という一言から生まれた企画。鈴田氏はそのレストランで、県内で活躍する人間国宝の作家や、「三右衛門」と呼ばれる名門窯の器を使い、料理を提供しようと発案します。

これは普段、伝統工芸品を保存・管理している立場の人間が発案したとは思えない型破りなアイデア。学芸員時代からユニークな企画展を数多く発案してきた鈴田氏ならではの名陶を五感で味わう企画は大きな話題となり、〝予約の取れないレストラン〟とまで呼ばれたのでした。

そのレストランが今回、「CUISINE SAGA」の舞台でもある「さがレトロ館」にて復活。この場所でしか出会えない名品とともに、佐賀の食材をふんだんに使った料理が、2019年1月14日まで楽しめます。

さがレトロ館のエントランスに設置されたサイン。ロゴマークは美術館と器をモチーフとしている。

アーチ型の大きな窓や高い天井など、モダンな様式が当時を偲ばせる。

4月、「アジアのベストレストラン50」にて4連覇を達成したガガン・アナンド氏、同リストにランキングの福山剛氏を招き開催された「CUISINE SAGA VOL.02」。フードプロデューサーの大塚瞳氏、ファッションデザイナーの森永邦彦氏を交え、料理、空間、ファッションで〝桜〟を表現した。

普段はウェディング式場やレストランとしても利用されている、さがレトロ館。給仕もクラシックスタイルで。

佐賀県佐賀市人間国宝から三右衛門まで、佐賀の器を味わい尽くす。

「USEUM SAGA」では、器と料理それぞれで趣向の異なる4つのメニューを用意しています。なかでも、佐賀県立九州陶磁文化館で行われたレストランのコンセプトをそのまま受け継ぐフラッグシップといえるのが「和魂洋才五膳」です。5つの膳に使われる器は、人間国宝の井上萬二氏、中島宏氏、そして人間国宝で佐賀の歴史ある名窯で「三右衛門」と呼ばれる今右衛門窯の十四代今泉今右衛門氏の作品に加え、「三右衛門」の有田の柿右衛門窯、唐津の中里太郎衛門陶房とまさに名品揃い。

そしてその器に盛る料理を監修するのは、佐賀県白石町で「農家の厨 野々香」を営む小野智史氏です。小野氏の実家は代々農業を営む家系。日本を代表する料亭での修行を経て〝野菜の香りを感じる料理〟をコンセプトとした料理屋を開きました。店があるのは、家族らが野菜や米を栽培する田園地帯の真ん中。まさに料理界の潮流である〝farm to table〟そのもの。4月に行われた「世界料理学会in HAKODATE」でも登壇するなどいま注目の気鋭の料理人です。

普段から野菜本来の美味しさを引き出すために心を砕いている小野氏。「和魂洋才五膳」でも、「味が濃厚でこれを食べたらほかのトマトが食べられない」と惚れ込む佐賀市川副町の「光樹トマト」を三杯酢のジュレとともに提供したり、さがレトロ館の館長の藤瀬仁郎氏の畑で栽培した採れたての野菜に、白石町産玉ねぎをたっぷりと使ったフレンチドレッシングをかけたりと、野菜の滋味がしっかり楽しめます。

「和魂洋才」には洋のコース「和魂洋才コース」も設けられ、こちらの料理はさがレトロ館の人気のコースを「USEUM SAGA」仕様にアレンジ。そして器は五膳とは一転、統一感のある洋皿となっています。これは明治期の社交の華ともいえる「鹿鳴館」の饗宴を彩った「精磁会社」の器を完全復刻したものです。「精磁会社」は、わずか10数年の活動期間のなかで、卓越した伝統技術と欧米の最先端技術を融合させた器を作り出し国内外で人気を博しました。その驚くほど精緻な線描きを蘇られるのは至難の技で、「アリタポーセリンラボ」の腕利きの職人たちが何年もの歳月をかけてようやく形にすることができた逸品です。

「農家の厨 野々香」の小野智史氏。世界料理学会へ参加したことで、佐賀の食材や生産者への興味がいっそう高まったという。

和魂洋才五膳(3,500円)。「佐賀の食材の美味しさを出来るだけダイレクトに楽しめるように心がけました」(小野氏)

佐賀産のパプリカやナスを敷き野菜にしたサーモンのアーモンド揚げ。器は人間国宝・井上萬二氏の白磁青海波文。

佐賀牛を出汁とともに低温で2時間かけて調理したローストビーフ。佐賀鍋島藩の武士道〝葉隠〟をほうれん草のチップで表現した。器は人間国宝・中島宏氏のやわらかな色味の青磁。

和魂洋才コース(3,500円)。器はすべて「精磁会社」復刻の色絵竹文シリーズで統一。

色絵竹文豆型皿に盛られた呼子イカのムースと旬の野菜添え。

佐賀牛を真空調理し、その柔らかく豊かな旨みを閉じ込めた。

佐賀県佐賀市明治期の食の光景を器で追体験する。

「USEUM SAGA」では有田の窯元に特注した、明治を感じるオリジナルの器を使ったメニューも用意されています。

まず、鍋島家のお膝元、佐賀らしさを感じるのが「はがくれコース」の杏葉紋の器。〝杏葉紋(ぎょうようもん)〟は佐賀を治めていた鍋島家の家紋のこと。明治から大正にかけて香蘭社にその家紋を図案化した器を作らせていた歴史があり、その図案を鍋島家15代当主の承諾を得て、今回新たに誂えたのでした。

また、志士リアンライス、そして偉人カレーには赤濃金彩唐草紋の洋食器を使用。この赤濃金彩唐草紋は明治期に流行した、文化の移行期ならではの絵柄。それまでの有田焼では呉須と呼ばれる青い顔料で線を描くのが主流だったのが、維新以降は西洋への憧憬もあいまって、呉須の替わりに赤絵を使いその上に金彩を施した豪華で気品のある絵柄がもてはやされたのでした。その絵柄を現代風にアレンジし、この特別なコースのために用意したのです。

その器に盛られるのは佐賀らしさを感じる2つの軽食メニュー。

そのひとつが佐賀のご当地グルメ、シシリアンライス。約40年ほど前に佐賀のイタリアンのシェフがまかない用として作り出したといわれ、ご飯の上に肉とサラダをのせマヨネーズをかけたワンプレートスタイル。さがレトロ館の通常のメニューでも1、2位を争う人気があり、今回のイベントにあわせ食材やアレンジを見直し〝志士リアンライス〟として提供しています。

そして実は、玉ねぎの産地として有名な佐賀はカレールウ消費量日本一にもなったことのある〝カレー県〟。デイリーメニューでは「CUISINE SAGA」で訪れたトップシェフなどが監修する〝偉人カレー〟もメニューに加えています。

内容は月替りで、現在は佐賀出身で「CUISINE SAGA VOL.01」に登場した吉武広樹氏監修の「ありた鶏と赤パプリカのココナツカレー」を提供中。カレーのキモとなる赤パプリカやトマト、前菜で使う根菜までほとんどを佐賀県産でまかなうなど、佐賀出身の吉武氏ならではの郷土愛溢れる一皿となっています。

また、各コースや料理にプラス500円で付けられるデザートと嬉野茶のセットも見逃せない内容。お茶は人間国宝や三右衛門窯のいずれかの湯呑に注がれ食後のひとときをいっそう優雅なものに。お茶自体も国内外から注目される嬉野の茶師・松尾俊一氏が手がける5つの茶葉から選べるのも嬉しいところです。

はがくれコース(3,000円)。メニューは食材によっても変動。この日のメインはさくらポークのヒレ肉のカツとサーモンのムース。パンは自家製の米粉パン。

志士リアンライス(1500円)。〝サラダボール〟と称されるほど栄養豊富で種類豊富な野菜の産地・佐賀を感じる一品。

吉武広樹氏監修の「ありた鶏と赤パプリカのココナツカレー」(2,000円)。水を一滴も使わず、赤パプリカとトマトの水分のみで甘く、まろやかなカレーに仕上げた。佐賀県武雄の江口農園のパクチーをお好みで。

パリの「Restaurant Sola」でのミシュラン1つ星獲得をはじめ、若き才能を発掘する日本最大級料理人コンペティション「RED U-35」グランプリ獲得など、世界から注目される吉武広樹氏が〝佐賀らしいカレー〟を考案。

「偉人カレー」の第一弾として提供されていた、「シェ・イノ」の古賀純二氏監修の金星佐賀豚のカツカレー。

和のデザートは約5種類の国産豆をほんのりとした甘さに煮込み、寒天を散らしたもの。

洋のデザートは、黒米の古代米を粉末状にし、生地とクリームに練りこんだ風味豊かなロールケーキ。

佐賀県佐賀市佐賀の陶磁器の歴史を凝縮したようなダイニング。

和魂洋才五膳をはじめ、「USEUM SAGA」のデイリーメニューで感じるのは、陶磁器の郷・佐賀の底力。長い歴史に育まれ技術を磨かれてきたからこそ、時代ごとに食まわりのシーンで必要とされ、名品を生み出すことできたんだなと思います。

「肥前さが幕末維新博覧会」を訪れた際はぜひさがレトロ館にも立ち寄って、佐賀の器、そして食の豊かさを体験してみてください。

さがレトロ館を舞台とした「USEUM SAGA」は2019年1月14日まで開催される。

Data
さがレトロ館

住所:佐賀県佐賀市城内2丁目8−8 MAP
電話:0952-97-9300
https://useumsaga.jp/