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『傳』長谷川在佑氏が、ドイツの最新器具ブランドとコラボした夢のイベントが実現。[WMF Special Moments produced by DINING OUT / 東京都渋谷区]
東京都渋谷区いま最注目の料理人の手で繰り広げられた饗宴。
もしも最高のシェフと最新の調理器具が出合ったら、どんな料理が生まれるのか――。そんな夢を思い描いたことはありませんか? 去る5月某日、代々木『code kurkku』で、その夢が実現しました。
厨房に立つのは外苑前『傳』の長谷川在佑氏。ミシュランの2つ星獲得、2018年度のアジアのベストレストラン50では2位にランクインなど、その勢いはとどまるところを知りません。2015年には「DINING OUT NIHONDAIRA」を大成功に導いたことも記憶に新しいところ。いま世界がもっとも注目する日本料理の料理人といっても過言ではないでしょう。
対して調理器具は、ドイツNo.1のキッチン&テーブルウェアブランド『WMF(ヴェーエムエフ)』。165年の歴史を持ち、世界中で愛されるWMFからの新シリーズ「Function 4(ファンクション フォー)」が今回の主役です。これは蓋を回すことで「水切り」「湯切り」「注ぎ口」「密閉」という4つの機能を持つ鍋として使える新発想のシリーズ。高品質ステンレスによる熱伝導性と保温性に優れた底面三層構造の採用など、WMFの技術が惜しみなく詰め込まれています。
この「Function 4」を使い、長谷川氏がデモンストレーションを交えて料理を提供するというのが今回の企画。つまり世界を魅了する料理人と、世界で愛される調理器具の、夢のコラボレーションが実現したのです。
『WMF Special Moments produced by DINING OUT』と題されたイベントが、いよいよ幕を開けます。
東京都渋谷区外苑前『傅』おなじみの一品から料理がスタート
ホストを務めたコラムニスト・中村孝則氏の挨拶により始まったイベント。長谷川氏が最初に出してくれたのは、『傅』ではおなじみの「傅 モナカ」でした。「Function 4」のソースパンで仕立てたプラムのコンフィチュールを、フォアグラ、柴漬けとともに最中に挟んだ逸品。サクッと香ばしい最中、ねっとりと濃厚なフォアグラ、柴漬けの軽快な食感、そして保温性に優れた底面三層構造のパンが引き出したコンフィチュールの爽やかな酸味が一体となった味に、会場からは早くも驚きの声が上がります。
しかし驚くのはまだこれから。2品目に登場した「蛤のスープ」を、まずは味わってみましょう。口に広がるのは凝縮された貝の旨みと、ほどよい塩味。クリアでありながら濃厚な味わい、どれほど高度なテクニックによりこの繊細な味が引き出されたのでしょうか? その秘密を聞いて驚いてください。実はこのスープのレシピは、蛤と水を「Function 4」の鍋に入れて火にかけただけ。熱の伝わりが良く保温性の高い鍋が蛤の旨みを引き出し、蓋の密閉機能がその旨みを逃さず、スープのなかに閉じ込めたのです。
「鍋のサンプルが届いたとき、新しいおもちゃをもらった子供のようにずっといじり続けていました」と笑う長谷川氏ですが、器具のポテンシャルを見極め、シンプルな工程で素材感を引き出すこの技こそが、氏の真骨頂といえるでしょう。
また「注ぎ口があるので、卓上でサーブすることもできます。料理の幅が広がりますね」とも語る長谷川氏。「準備する」「調理する」「味わう」「語らう」という4つのモーメントを提案するWMFの考えとピタリと一致する一品でした。
東京都渋谷区スチーマーに圧力鍋。最新機器で仕立てる日本料理。
続いての料理は「蒸し魚と野菜のフリット」。『DINING OUT NIHONDAIRA』以来縁の深い静岡県駿河湾産の鰆を「Function 4」のハイキャセロール(両手鍋)に専用スチーマーをセットして蒸し上げ、静岡県産コシアブラの素揚げを添えます。保温性の高いハイキャセロールとスチーマーのコンビネーションで魚の旨みを逃さずに留め、油の温度を均一に保つソースパンは野菜をカラッと香ばしく仕上げます。味自体はあっさりとしていつつ、噛むごとに広がるふくよかな味わいは、まさに素材本来の味です。
「店では雪平鍋でやっているので、この使い勝手は感動です」という長谷川氏。そもそも現代的な器具を導入することについても前向きな人物だけに、新たなアイデアも次々と浮かぶのでしょう。「当たり前ですが、便利であることは良いことですから」との言葉も、本心からの声でしょう。
続いての料理は、WMFのパーフェクトプロという圧力鍋を使った「和牛頬肉の煮物」。箸でほぐれるその柔らかさに、試食したゲストたちからも「おいしい!」の声が上がります。そもそもWMFは世界で初めて圧力鍋の生産を開始した会社。高温調理を可能にする熱伝導はもちろん、使いやすさの面でも世界をリードするクオリティです。「いつもは丸一日煮込むものが、この鍋では1時間程度で仕上がりました」と長谷川氏。ちなみにいつもはペーパーで濾す鰹出汁も、湯切り口がついている「Function 4」で手軽に仕上げられたといいます。
東京都渋谷区ゲストの心を掴んだドリンクとデザート。
手際の良い長谷川氏の調理に目を奪われてしまいましたが、イベントにはドリンクも登場。料理との相性を考えて準備された「山廃純米 石橋ヲ叩イテ渡ル」と「ディープブルー ピノ」の白ワイン、『傅』オリジナルのブレンド茶が料理を引き立てました。また、ウェルカムドリンクに登場した「ナイアガラ スパークリング」は、2017年の『DINING OUT NISEKO』で中村孝則氏が惚れ込んだワイン。料理に使われた静岡県産の食材とともに、かつての『DINING OUT』を彩った名品たちが会場を盛り上げたのです。
さて、イベントはそろそろ大詰め。最後に登場したメニューは、「Function 4」の鍋と専用スチーマーで作った「柑橘プリン」でした。きめ細かく滑らかな舌触りは「蒸気がしっかり循環するWMFならでは」と長谷川氏。「Function 4」のソースパンで仕上げたほろ苦いカラメルは、グレープフルーツジュースの酸味をまとわせることで、軽やかな後味を実現。こうして実演の料理とは思えぬハイクオリティメニューが5品、ゲストの舌を楽しませてくれました。
東京都渋谷区
良い調理器具はアイデアの源となり、作る楽しみを演出する。
すべての料理に共通していたのは、家庭でも真似できそうなシンプルな工程だったこと。素材を知り、その本質を引き出す長谷川氏ならではのアイデアはもちろんおいしさの源泉。しかし特別な技術を必要としない調理でこれだけの味が実現できることにこそ、訪れたゲストは驚かされていました。
WMFというブランドが打ち出す、最新機器を料理に取り入れることに関しても、長谷川氏は積極的です。「日本料理はただ伝統を守るだけのものではありません。数々の革新があり、現在の形になっているのですから。千利休がいま生きていたら、液体窒素を使ったかもしれませんよ」とユーモラスな言葉で語りますが、この言葉にこそ日本料理の魅力が凝縮されているのかもしれません。
「野菜の水切り、米とぎだけでなく、密閉性が高いので燻製などもできるでしょうね。いろいろと考える楽しみがある鍋です」イベントを振り返りつつ、今回の調理の相棒である「Function 4」をそう評した長谷川氏。こうして最高のシェフと最新器具の夢のコラボレーションは、想像以上の驚きと感動を残して幕を閉じました。
(supported by WMF)
Data
code kurkku
住所:東京都渋谷区代々木1-28-9 MAP
電話:03-6300-5231
http://www.kurkku.jp/codekurkku/