手筒花火の翌日は盛大な打ち上げ花火大会。[豊橋祇園祭/愛知県豊橋市]
愛知県豊橋市地元の男衆によって打ち上げられる華やかな花火たち。
2017年にこのコラムで愛知県豊橋市吉田神社にて開催される手筒花火を紹介しましたが、今回はその手筒花火の翌日に開催される打ち上げ花火大会を紹介したいと思います。
手筒花火が奉納される吉田神社の脇を流れる豊川河畔を会場として行われるこの花火大会は、手筒花火同様に吉田神社の氏子の男衆の手によって打ち上げられます。これは全国的にも類を見ないケースだと思います。打ち上げに従事する男衆は事前に講習を受け、火薬を扱い、花火を打ち上げるための資格を取得します。
愛知県豊橋市日ごろの職業はまちまち、でもこの日だけは花火師になる。
打ち上げ場所は幅広く、ワイドスターマインは時に音楽とともに楽しく盛大に繰り広げられます。花火の打ち上げプログラムは町内ごとに進められます。吉田神社の氏子である八ヶ町と呼ばれる八つの町の男衆が、それぞれ自分たちの町内のプログラムにある花火を、自らの手で打ち上げ進行していきます。日ごろは会社員や商店の店主、あるいは役所の職員など様々な職業の男衆が一致団結し見事な花火を打ち上げます。少し離れた吉田城の方角からも単発花火がゆっくりゆっくりと常に打ち上げられています。地元豊橋市の豊橋煙火さんが大型プログラムの打ち上げと監督を務めます。
愛知県豊橋市なかなか見ることができない金魚花火。
もうひとつの大きな特徴は、川舞台と呼ばれ豊川に浮かべられる花火打上台船です。小型の台船が町内ごとに浮かべられており、時には町内ごとに、時には八ヶ町全体が力を合わせて一緒に打ち上げます。台船上では手筒花火の放揚(ほうよう)も行われ、前日の吉田神社境内での放揚とはまたひと味違った風情を感じさせてくれます。川舞台では、近年なかなか見ることができなくなった金魚花火も打ち上げられます。男衆が川舞台で点火した金魚花火を一つひとつ川に投げ入れると、花火は川面をチカチカと輝きながらあたかも金魚が泳いでいるかのように可愛らしくスイスイと動き回り、観客たちを楽しませます。最後は明るい火花を散らしながらパチンとはじけます。
豊橋市には「稲荷寿し」で有名な『壺屋』というお弁当屋さんがありますが、花火大会の日には手筒花火弁当もお勧めです。パッケージには手筒花火をあしらい、2段重ねのお弁当箱にはおかずの段と打ち上げ花火をイメージした海苔巻きの段があり、見た目も楽しいお弁当です。もちろん味も美味しいですよ。
Data
豊橋祇園祭
日時:2018年7月21日(土)、7月22日(日)18:00〜
場所:吉田神社境内/豊川河畔 MAP
豊橋祇園祭HP:https://www.toyohashigion.org/%E8%B1%8A%E6%A9%8B%E7%A5%87%E5%9C%92%E7%A5%AD/%E8%8A%B1%E7%81%AB%E5%A4%A7%E4%BC%9A-%E8%B1%8A%E5%B7%9D%E6%B2%B3%E7%95%94/
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1963年神奈川県横浜市生まれ。写真の技術を独学で学び30歳で写真家として独立。打ち上げ花火を独自の手法で撮り続けている。写真展、イベント、雑誌、メディアでの発表を続け、近年では花火の解説や講演会の依頼、写真教室での指導が増えている。
ムック本「超 花火撮影術」 電子書籍でも発売中。
http://www.astroarts.co.jp/kachoufugetsu-fun/products/hanabi/index-j.shtml
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書籍「眺望絶佳の打ち上げ花火」発売中。
http://www.genkosha.co.jp/gmook/?p=13751