この夏は新潟へ。歴史と文化の歩みが成した大輪の花火と、現代アートがもたらす豊かな旅。[新潟県長岡市・小千谷市・越後妻有]
幸福な未来へ願いを込めて。新潟を代表するふたつの花火大会。
前例がないほど厳しい暑さに辟易する、そんな気分を明るくしてくれるイベントが目白押しの日本列島。中でも豊かな海山に囲まれた新潟県では、伝統や文化に寄り添った、日本の魅力を再発見できる催しが開催されます。
県下第二の人口を有する長岡市にて8月2日・3日に行われ、全国から100万人以上の人が集まる「長岡まつり大花火大会」は、新潟県を代表するお祭りです。73年前に長岡市街を襲った戦火、その犠牲者の慰霊と復興を願い、長岡まつりの前身となる「長岡復興祭」が始まったのは終戦からわずか一年後の1946年。以来、恒久平和への願いを乗せ、打ち上げられ続けてきた花火は美しく、時代を超えて人々の胸に強く残り続けています。
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一方、夏の気配がまだ残る9月9日・10日には、三尺玉の発祥地とされる小千谷市片貝地区で、「片貝まつり」が行われます。その歴史は400年以上といい、一帯の氏神である浅原神社へ奉納する花火、いわゆる奉納煙火が打ち上げられます。花火一発毎にアナウンスされる人々の願いを乗せ、花開く大輪の花火は圧倒的な美しさ。注目は世界最大級の四尺玉で、大きな音と共に打ち上げられると、小さな町は大歓声に包まれます。
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ONESTORYで日本の花火についてのコラムを執筆されている写真家の金武さんも、歴史や文化の影響が色濃く残るふたつの花火を絶賛しています。そこには、ただ美しいだけでない、人の歩みとともに紡いできた物語があり、その物語が、百戦錬磨の写真家をも魅了するのでしょう。
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寝ても冷めてもアートに浸る!光を感じる宿と、三年越しの芸術祭。
花火を見た後は、新潟が誇るもう一つの魅力、アートを感じられるお宿へ。今夏、三年越しに開催される芸術祭「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」、その第一回にあたる2000年に十日町市に誕生した「光の館」は、光のアーティストとして知られるジェームズ・タレル氏が手がけた建築です。谷崎潤一郎の文学作品『陰影礼賛』からインスピレーションを得たという光の世界には、なんと宿泊することが可能。滞在により作品をより深く感じられる、究極の芸術鑑賞が待っています。
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宿泊の後は、もちろん「大地の芸術祭」へ。「人間は自然に内包される」を理念に掲げ、広大な里山を舞台に行われるアートの祭典は、越後妻有(十日町市、津南町)にて7月29日から9月17日の開催です。国内外の芸術家が手がける様々な作品に触れ、人と自然とアートの融合を、全身で感じてみてください。
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