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世界最大級の水上花火「三尺玉海上自爆」。[熊野大花火大会/三重県熊野市]
三重県熊野市客船から観るも良し、メイン会場で観るも良し。
2017年のコラムでは客船から観る熊野大花火大会をテーマに紹介いたしました。今回はメイン会場で観る熊野大花火大会について2017年のコラム「花火と客船クルーズ」を捕捉する形で書き進めていきたいと思います。このコラムと2017年のコラムを合わせてお読みいただければ幸いです。
熊野大花火大会の最寄り駅である熊野駅は、日ごろは電車が一日に数本という静かでのどかな町です。交通の便が良いとは決して言えません。花火大会当日は電車の増便がありますが、念のため交通手段や宿泊については十分にお調べの上お出かけいただく事をお勧めします。メイン観覧席となる七里御浜は砂浜ではなく玉砂利です。一つ一つの石は波に削られ丸く、座っても痛くはありませんが、真夏の焼けつくような日差しで日中はかなり熱くなります。夜になっても温かいままですので多少厚めのシートをお持ちになるとよろしいかと思います。
三重県熊野市夜空いっぱいに広がる計算し尽くされた花火。
熊野大花火大会の特徴として立地を生かした打上筒の設置があります。上空に打ち上げるものだけでなく、斜めや横に向かって打ち上げられるように打上筒が設置してあります。様々な角度をつけて花火を打ち上げることにより夜空いっぱいに花火が広がるように計算されています。フィナーレを飾る鬼ヶ城大仕掛け「巌頭のとどろき」の一幕に彩色千輪という一際華やかな花火を夜空いっぱいに開花させる場面があります。このシーンが私は大好きです。この場面だけは毎年必ず撮影したいので緊張する瞬間でもあります。
熊野大花火大会一番の目玉でもあり客船からも大迫力の「三尺玉海上自爆」ですが、メイン会場での観覧はまた格別です。「いよいよ三尺玉海上自爆です」というアナウンスに会場全体がどよめく様に盛り上がってまいります。そして始めに小さなスターマインが上がります。「この場所に三尺玉が開きますよ」というお知らせの花火です。その後、観客全員でカウントダウン。そしてついにその時は訪れます。心の準備は出来ていても、その遥か上をいく迫力に思わず後ずさりする程です。海上から押し寄せてくる花火の迫力は会場全体の浜に響き渡り空気を震わせお腹にずしりと響きます。メイン会場ならではの感動と興奮を体感できます。三尺玉は鉄製の筏に乗せられ海上に浮かべられた状態で開きます。三尺玉開発(花火が開くことを開発といいます)の威力で鉄製の筏はぐにゃりと曲がります。
三重県熊野市翌日は打ち上げ現場でもある世界遺産「鬼ヶ城」へ。
時間に余裕があれば花火大会の翌日に「鬼ヶ城」を訪ねても楽しいでしょう。国の天然記念物であり世界遺産でもある「鬼ヶ城」は熊野大花火大会の打ち上げ現場でもあります。どんなところから花火が打ち上っていたのか一見の価値ありです。時間によっては花火師さん達が片付け作業を行っているかも知れませんし、一部はまだ立ち入り禁止になっている場合もありますのでその点は十分ご注意ください。鬼ヶ城センターでは熊野特産の柑橘類新姫(にいひめ)のドリンクやポン酢など名産品を販売しています。レストランでは熊野地鶏などもいただけます。更に熊野の歴史紹介や熊野大花火大会の映像上映、また三尺玉のレプリカも展示されていますので三尺玉がどれほどの大きさかご覧いただけます。
日時:2018年8月17日(金)
場所:三重県熊野市 七里御浜海岸 MAP
煙火業者(50音順):伊藤煙火工業、伊那火工堀内煙火店、紀州煙火、和田煙火店
熊野市観光協会HP:https://www.kumano-kankou.info/kumano-fireworks/
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1963年神奈川県横浜市生まれ。写真の技術を独学で学び30歳で写真家として独立。打ち上げ花火を独自の手法で撮り続けている。写真展、イベント、雑誌、メディアでの発表を続け、近年では花火の解説や講演会の依頼、写真教室での指導が増えている。
ムック本「超 花火撮影術」 電子書籍でも発売中。
http://www.astroarts.co.jp/kachoufugetsu-fun/products/hanabi/index-j.shtml
DVD「デジタルカメラ 花火撮影術」 Amazonにて発売中。
https://goo.gl/1rNY56
書籍「眺望絶佳の打ち上げ花火」発売中。
http://www.genkosha.co.jp/gmook/?p=13751