真鍮ヘビープレートバックル
アイアンスペックの真鍮ヘビーバックル!
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- 真鍮無垢なので使い込むほどに経年変化を楽しめます
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- 【ご注意】こちらはバックルのみの販売です。ベルトは付属しません。
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「聖域のような島」と共に歩む。[今治市伊東豊雄建築ミュージアム/愛媛県今治市]
今治市伊東豊雄建築ミュージアム古き良き自然と人情が息づく「神の島」に座す、日本初の「建築ミュージアム」。
陽光がさんさんと降りそそぐ瀬戸内海。愛媛県今治市と広島県尾道市を結ぶ「しまなみ海道」の途上に、その島はあります。
大三島(おおみしま)。「日本総鎮守」と呼ばれ、全国に1万社あまりの分社を持つ大山祇神社(おおやまづみじんじゃ)を戴く「神の島」と呼ばれる地です。愛媛県に属する島々の中では最大の面積を持ちますが、古来から神聖視されてきたその歴史ゆえに、豊かな自然と美しい風景、そして、人と人との温かな関わりを今に残しています。
そんな大三島の魅力に惚れ込んだ世界的な建築家の伊東豊雄氏が、篤志家の所敦夫氏らの協力を得て、この地に日本初の「建築ミュージアム」を設立したのが2011年。そして7周年を迎えた今、その『今治市伊東豊雄建築ミュージアム』と大三島を舞台として、地域の未来を見据えた様々な取り組みが進んでいます。
今治市伊東豊雄建築ミュージアム世界的な建築家と「聖域のように美しい島」との出会い。
さかのぼること2004年。東京大学や多摩美術大学などの教授を歴任し、日本建築学会賞・UIAゴールドメダル・プリツカー建築賞などの多くの建築賞を受賞した伊東豊雄氏は、篤志家の所敦夫氏から「大三島に寄贈した『ところミュージアム大三島』の隣にアネックスを設計してもらいたい」という依頼を受けました。
そして大三島を訪れた伊東氏は、島に降り立った瞬間、その美しい風景と、地霊の存在が伝わってくるかのような土地の潜在力に圧倒されたそうです。当初の計画は斜面の多い島の地形や、大三島町と今治市の合併などによって二転三転してしまいましたが、その過程で「若い建築家を育てるための塾をつくりたい」という伊東氏の願いも取り入れられ、今の形となりました。
『今治市伊東豊雄建築ミュージアム』は、伊東氏の作品を展示する『スティールハット』と、東京の中野にあった伊東氏の私邸を再現した『シルバーハット』の2棟で構成されています。
『シルバーハット』には“伊東豊雄建築アーカイヴ”として、氏が手がけたプロジェクトのうち約100件あまりの図面やコンペティションへの応募案などが収蔵されています。さらに、それらを自由に閲覧できる図書閲覧スペースや、ワークショップのスペースも設けられています。「若い建築家を育てたい」という伊東氏の理念が体現された場所と言えるでしょう。
『スティールハット』『シルバーハット』のいずれも、建物自体が展示物となっています。瀬戸内の美しい海を背景に並び立つ、意義深い“建築ミュージアム”。ですが、このミュージアムはそれだけに留まらず、大三島という土地とそこに住まう人々との連携も深めています。
今治市伊東豊雄建築ミュージアム「建築」には人が集い、暮らす。それをテーマとするミュージアムが、地域の人々の問題にも向き合い始めた。
ミュージアムの設立を機に、伊東氏は、東京で主宰している『伊東建築塾』の塾生達と共に大三島に通うようになりました。塾生達も大三島の美しさと、そこに生きる人々の暮らしに非常に感銘を受けたそう。そして、伊東氏と塾生達と、島の人々との交流が始まりました。しかし、昔ながらの温かな情の通う交流に癒されながらも、それをおびやかす過疎の問題も次第に知ることとなりました。
とりわけ由緒ある大山祇神社の参道の衰退は、伊東氏にとっても『伊東建築塾』の塾生達にとっても見過ごせないものでした。そこで伊東氏は、塾生達と共に参道に面した空き家を借り、人々が集える拠点とすべく改修を始めたのです。
そうして完成したのが、『大三島みんなの家』。大三島の食材を使った料理や、「もの」と「もの」の気を区を交換する物々交換、多世代が気兼ねなく集えるイベント、生活の知恵をシェアできる教室などを楽しめる場です。さらに、ここを中心とした“参道マーケット”を主催するなど、大山祇神社の参道に人を呼び戻す催しも行なっています。
今治市伊東豊雄建築ミュージアム聖域のような島で、明日のライフスタイルを考える。
こうしてミュージアムの枠を超えて大三島の人々と連携し始めた伊東氏は、その過程で様々な気づきを得たといいます。
「私は東日本大震災までは、都市を中心に建築を考えてきました。しかし、三陸の人々と接することによって地域の人々の魅力に気付き、大三島でもそれを確認したいと考えるようになりました。このような人々は、都会の人には無い豊かな表情をもち、自然と接した暮らしをしています。そうした人々に触れて感動を覚え、自分自身の明日の暮らしについても考え始めています」。
世界の桧舞台で活躍してきた建築家が、「建築に集い、住まう人々」に改めて着目。その原点とも言える意義に回帰したのは、ある意味当然だったのかもしれません。さらに、大三島という特別な地を護り、その存在を未来に繋ぐ活動に打ち込み始めたのも、ごく自然な流れだったのでしょう。伊東氏は、さらにこう語ります。
「大三島は由緒ある大山祇神社に護られて、瀬戸内の島々の中でも極めて美しい風景を継承してきました。特に島の西側から見られる夕日の風景はかけがえのない美しさです。観光地でもなく、何も無い島の良さを十分に感じ取っていただきたいと思います」。
そして伊東氏は、「私は大三島を観光地にしたいのではなく、あくまで明日のライフスタイルを考える場所にしたいと思っています」とも強調。「神の島」と呼ばれて開発を免れてきたからこそ息づく、この地にしかない美しさや魅力。「聖域」としての大三島そのものを大切に、地域の存続に取り組んでいます。
今治市伊東豊雄建築ミュージアム大三島と共にミュージアムは歩む。
伊東氏と伊東氏に賛同する人々の想いをさらに広めるべく、『今治市伊東豊雄建築ミュージアム』と『大三島みんなの家』では、様々なイベントや展示会を催しています。
その大きな柱となっているのが、『伊東建築塾』を中心に神奈川大学の『曽我部・吉岡研究室』も協力して推し進めるプロジェクトです。
例えば、耕作放棄されたミカン畑を借りて葡萄畑に変え、小さなワイナリーづくりを行なっている『大三島みんなのワイナリー』。古い小学校を利用した民宿を改装して若者の力で魅力的な宿泊施設に生まれ変わらせた『大三島 憩の家』など、新たなライフスタイルを発信しています。
ミュージアムの展示も、これらのプロジェクトに取り組む若い人々を紹介する方向にシフト。2018年7月に全面的にリニューアルし、『大三島 憩の家』のリノベーションをはじめとする、多彩なプロジェクトを紹介しています。
「今後も『大三島みんなのワイナリー』の発展に合わせて、“オーベルジュ(ワイナリーのワインと島の食材を味わえるレストラン兼小規模宿泊施設)”を作るなど、島の魅力をさらに高めていきたいと考えています」と伊東氏。経済に勝る豊かさのビジョンを描く取り組みは、多方面に広がっています。
今治市伊東豊雄建築ミュージアム大三島と人々の未来を見据えて。
「大三島には、古くからお住まいの方々と、UターンやIターンで新たに農業を始めたり、地域おこし協力隊としてパン作りや地ビール作りなどの活動を行っている人々がいます。前者は現在の生活に満足されているようですが、このままでは限界集落に近づいていってしまうでしょう。私達は新たな活動を始めた人々と協力して、明日のライフスタイルのモデルをつくりたいと考えています」と伊東氏は語ります。
人と人との繋がりと、人間らしいライフスタイルを再構築する試み。それは、島に住まう人々と島の未来を広く見据えています。
「移住してくる若い人々が年々増えつつありますが、これらの人々とどのような“明日の日本の暮らし”があるのかを考えていきたいと思います」と伊東氏。
ミュージアムの域を超えて、大三島とそこに生きる人々と連携し続ける伊東氏。暮らしと人生の価値観を問い直すその試みは、堅実に続いていきます。
住所 : 愛媛県今治市大三島町浦戸2418 MAP
電話 : 0897-74-7220
営業時間 : 9:00~17:00
休館日:月曜日(祝日の場合は原則翌日振替)、年末(12/27-12/31)
観覧料:
一般 800円、学生 400円
※団体(20名以上)、65歳以上は2割引
※高校生以下または18歳未満無料
※障がい者とその介助者1名無料
HP : www.tima-imabari.jp
写真提供 : 伊東豊雄建築設計事務所