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ロマン漂う廊下を巡らせた、極楽浄土へと続く名刹。[長谷寺/奈良県桜井市]
長谷寺日本の建築構造の最高峰であり、傑作。
真言宗豊山派の総本山である、奈良県桜井市の「長谷寺」。古くから多くの文化人が訪れる名所であり、有名な観光地として広く知られています。しかし、違った観点に立つと新たな魅力が見えてくる。その観点とは「登廊(のぼりろう)」です。日本は雨が多い気候から、壁や看板など何にでも屋根をつける特徴があります。柱を立てて屋根をつければ、東屋が出来る。中国から伝来した木造建築で、石造りの建築には見られない構造です。日本の建築構造の歴史には、廊下を巡らすというひとつの伝統があります。建物Aから建物Bを繋ぐ構造もあり、場合によってはジグザグしていることも。廊下は雨をしのぐことができ、周囲の景色も眺められ優雅。何よりロマンがあります。京都なら「大覚寺」の村雨の廊下、奈良「東大寺 二月堂」、岡山の「吉備津神社」の全長360mにも及ぶ廻廊も素晴らしい。しかし、傑作と言えるのがこの「長谷寺」。重要文化財にも指定されています。
長谷寺極楽浄土へ導く、美しき「登廊」。
重厚な「仁王門」をくぐると、「登廊」は百八間、三九九段、上中下の三廊に分かれています。この「登廊」は長さ、大きさ、規模といい、造りといい、丁寧で実に美しいのです。階段を登りきると、そこには柱が見事な国宝の本堂が控えている。小初瀬山中腹の断崖絶壁に建つ、清水寺の舞台のような懸造りされた大殿堂で、遥か遠くの山の峰が見渡せます。本堂には高さ10mを超える国内最大級の本尊十一面観世音菩薩立像が安置されおり、威厳やパワーを感じさせます。例えば、「浄瑠璃寺」や「平等院」は「浄土」。「高野山」なら「須弥山」。「比叡山延暦寺」は「宇宙の中心」というように、寺や神社には色々な意味合いがあります。僕なりの解釈ですが、この「長谷寺」は古代の自然と深い信仰心とがひとつになった場所。登廊の長い階段を登り、本堂に立つと、観音様が待つ極楽浄土にたどり着いたように思える。外舞台から下界を見下ろすと、そこには完璧で純粋な世界が広がる。そう感じてならないのです。
住所:奈良県桜井市初瀬731-1 MAP
電話:0744-47-7001
入山時間:8:30〜17:00(4月〜9月)、9:00〜17:00(10月〜11月、3月)、9:00〜16:30(12月〜2月)
http://www.hasedera.or.jp
1952 年生まれ。イエール大学で日本学を専攻。東洋文化研究家、作家。現在は京都府亀岡市の矢田天満宮境内に移築された400 年前の尼寺を改修して住居とし、そこを拠点に国内を回り、昔の美しさが残る景観を観光に役立てるためのプロデュースを行っている。著書に『美しき日本の残像』(新潮社)、『犬と鬼』(講談社)など。