「秋の訪れを告げる秋季例祭」。[長野県の秋まつり/長野県]

上空に舞った火の粉が降り注ぎます。

長野県の秋まつり数百年の歴史を紡ぐ奉納煙火。

まだまだ残暑厳しい近年の9月ではありますが、この頃になると長野県内のあちらこちらでは秋祭りが行われます。旅の途中に号砲雷(昼間に上がるお知らせの花火)が聞こえたら夜には花火が観られるかも知れません。小さな神社で行われることが多いので、もし行ってみたいと思われたら地元の方に声をかけてみてください。そして、お祭りの状況を聞き、飛び入りでも観覧が出来るか確かめてから足を運んでいただきたいと思います。神社の境内いっぱいに花火が仕掛けられていることもあります。火祭りと言っても過言ではないと感じるお祭りも多数あります。中には地元の氏子さんのみが参加出来るお祭りもありますので、その場合はご配慮いただけますと幸いです。何百年もの歴史を紡いできた地元の方々にとってはかけがえのない大切なお祭りです。神様に捧げる奉納煙火です。これから先も末永く歴史を刻んでいけるよう各お祭りのルールを守ってご観覧いただけたらと思います。お祭りは時に深夜にまで及ぶこともあります。

小さな神社で秋季祭が行われます。

氏子さん達が長年伝承してきました。

長野県の秋まつり口伝を受け継ぐ伝承花火。

県内各地の秋季例祭は、神楽のお囃子や獅子舞、巫女舞、細工も見事な神輿など見どころも満載です。神社によって内容は様々ですが、どこも大切に守り継がれたお祭りということに変わりはありません。煙火業者さんの監督の下、住民の方々の手で行われる伝承花火も多く存在しています。昔から口伝で受け継がれてきた手づくり花火の製造が今もなお残っています。花火の原点とも言える伝承花火がそこにはあります。神社内での杜花火には大三国、車火、手筒、吹筒、立火、仕掛け、綱火、銀滝、清滝など、日本の花火の歴史を継承していく上でも貴重で重要な花火ばかりです。決して色鮮やかで華やかな近代的な花火ではないかも知れませんが、その雅な美しさは心にいつまでも残るものです。

子供たちが伝承されている神楽を舞います。

長野県の秋まつり秋の夜長に遠花火。

秋季例祭での撮影は三脚も一脚もご使用になれないことが殆どです。狭い境内では危険が伴うからです。私自身は出来る限り小さなカメラを用意し手持ちで撮影するようにしています。もしくは少し離れた安全な場所での撮影を心掛けています。また、撮影場所が特定される様な地名の入った写真などの公表はしないよう気を付けています。多くの方に伝統花火を知っていただきたいと思う反面、地元に根付いた素晴らしい歴史をいつまでも守り続けていただきたい思いがあります。

秋季例祭では伝統的な花火とともに打ち上げ花火が行われることもあります。例え神社に辿り着けなくとも音の聞こえる方角の空を見上げれば優美な花火に出会えるかも知れません。秋の夜長に美しく夜空を染める大輪の華をゆっくりと愛でるのも風情があって良いのではないでしょうか。

回転する仕掛け花火。

境内のあちこちに様々な仕掛け花火が設置されています。

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1963年神奈川県横浜市生まれ。写真の技術を独学で学び30歳で写真家として独立。打ち上げ花火を独自の手法で撮り続けている。写真展、イベント、雑誌、メディアでの発表を続け、近年では花火の解説や講演会の依頼、写真教室での指導が増えている。
ムック本「超 花火撮影術」 電子書籍でも発売中。
http://www.astroarts.co.jp/kachoufugetsu-fun/products/hanabi/index-j.shtml
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