鳥取の誇りを改めて思い出す。地元ゲストを招いた『DINING OUT LOCAL DAY』の意義。[DINING OUT TOTTORI-YAZU with LEXUS/鳥取県八頭町]

雨に煙る清徳寺の境内で、『LOCAL DAY』のディナーが幕を開けた。

ダイニングアウト鳥取・八頭本番前日に行われた、もうひとつの『DINING OUT』。

2018年9月8日、9日に開催された『DINING OUT TOTTORI - YAZU with LEXUS』に先立つ9月7日、もうひとつの『DINING OUT』が開かれました。それは食材生産者、開催地の関係者、地域のゲストを招く『DINING OUT LOCAL DAY』。そもそも今回は、鳥取出身の徳吉洋二シェフが地元・鳥取に戻って行った史上初の“凱旋ダイニングアウト”。そんな縁から地元企業の協賛が集まり、この『LOCAL DAY』の実現に至ったのです。では地元の方々は自ら住み、あるいは自ら育てた鳥取の食材を改めて味わい、何を感じたのでしょうか? 参加したゲストの言葉を紐解きながら、『LOCAL DAY』の模様をお伝えします。

『LOCAL DAY』の厨房内は本番同様の緊張感に包まれていた。

ダイニングアウト鳥取・八頭同郷だからこそ伝わるシェフの思い。

朝から降り続けた雨は夕方になっても止む気配はなく、会場となった清徳寺はしっとりと雨に濡れていました。そんな会場へ『LOCAL DAY』に参加するゲストたちが三々五々到着しました。なかには食材視察でお会いした生産者や協賛社の方々、会場となった清徳寺のご住職、徳吉シェフのご家族の姿もあります。どの顔にも、足元のぬかるみも気にかけぬ期待に満ちた表情が浮かんでいます。

この『LOCAL DAY』は地元で生産された食材を、世界で活躍するシェフが調理して提供する『DINING OUT』本来のディナーを、地元の方々に味わって頂くイベント。「地元の方にこそ“鳥取ってすごい!”と改めて気づいて欲しい」という徳吉シェフの言葉を形にすべく、本番と同様の料理が、同様のサービスで供されます。

アペリティフのハタハタから始まり、前菜、魚、サラダと展開されるコース。鳥取県産の食材をふんだんに使い構成された美麗なる料理。ゲストは一皿ごとに驚きの声を上げ、その味わいをじっくりと堪能していました。
中盤、司会を務めた大橋直誉氏により徳吉シェフが紹介されると、会場はひときわ大きな拍手に包まれました。鳥取が誇るスターシェフ・徳吉洋二。その名を耳にしたことはあっても、その料理を味わったことがないゲストも多かったのでしょう。

「久しぶりに地元に戻ってきて、鳥取の素晴らしい食材の数々を改めて見つめました。今日はその魅力をお伝えできたかな、と思います」そう、今回の料理の根底にあるのは、徳吉シェフが抱く鳥取の食材への敬意。その熱い想いは、同じルーツを持つ地元の方々にこそ、ダイレクトに伝わったことでしょう。

乾杯は徳吉シェフの音頭で。和やかな雰囲気でディナーは進んだ。

さまざまな表情を見せる鳥取の食材がゲストを楽しませた。

シェフの知人も多く駆けつけたこの日。会場内を歩くシェフと会話も弾んだ。

ダイニングアウト鳥取・八頭驚きと感動を伝える生産者や家族の声。

「このトマトは本当にすごい!」と徳吉シェフを驚かせた『井尻農園』。その代表・井尻弘明氏は、自らのトマトを使ったサラダを味わい、少しだけ声を詰まらせました。「こんな料理ははじめて食べました。素晴らしい料理にしてもらって感激です」

対照的に満面の笑みを浮かべていたのは、米農家『田中農場』の田中正保氏。「手前味噌だけど、旨い米でしょう。このリゾットは、本来の甘みを良く引き出してくれています」

卵かけご飯風のリゾットには、平飼い飼育で上質な「天美卵」を生産する『大江ノ郷自然牧場』の小原利一郎氏も「コクがあって風味もある。全体としてまとまっているのに卵の存在感もしっかりと感じられる料理」と称賛を送りました。食材に慣れ親しんだ生産者をも驚かせる徳吉シェフの料理。そこに満ちるアイデアとリスペクトが、生産者たちの心を捉えたのでしょう。

素材感だけではなく、プレゼンテーションの面でも地元ゲストを驚かせました。たとえば宅配ピザを模した一品「Pizza delivery」を前に、三つ子である徳吉シェフの兄・淳一氏は目を細めました。「子供の頃、宅配ピザが大好きで、届くと兄弟で先を争って箱に飛びついていたんです。その頃のことを思い出しました」。弟の雄三氏も、徳吉シェフそっくりの顔を綻ばせて頷いています。

「昔から料理は好きな子だったけれど、まさかここまで立派になるとは」お母様・徳吉由美子氏は感慨深げに呟きました。今回のディナーの根底に、徳吉シェフの記憶にある郷土料理、そして幼き頃に食べた“おふくろの味”があることを思えば、その感慨もひとしおなのでしょう。

「三人には同じもの食べさせて同じように育てたけど、やっぱり違うものなんですね」お父様の徳吉公司氏は言います。聞けば昔から、長男の淳一さんは面倒見が良く、次男の洋二シェフは負けん気が強く、三男の雄三さんはおっとりしたタイプだったとか。「ひとりでイタリアに渡って、逃げ出したくなることだってあったはず。でも持ち前の負けん気でここまでやってきたんでしょうね」息子の晴れ舞台を前に、ひと口ずつ噛みしめるように味わうその姿が印象的でした。

『井尻農園』の井尻弘明氏は、自身が丹精込めたトマトのおいしさを改めて感じていた。

『田中農場』の田中正保氏。弾ける笑顔が、満足を物語っていた。

鳥取市内で地産地消を大切にする『炭火焼ジュジュアン』を営む渡邉建夫氏も料理に舌鼓を打った。

『大江ノ郷自然牧場』の小原利一郎氏は、卵かけご飯を思わせるリゾットに驚いたという。

レセプション会場となった『オズガーデン』の遠藤姉妹も会場に駆けつけた。

徳吉シェフの三つ子の兄弟、淳一氏(右)と雄三氏(左)。

徳吉シェフの“味の記憶”の源流にある母・由美子氏(写真左)。その感慨は想像に難くない。

徳吉シェフの父・公司氏は、知られざる三つ子の思い出話も聞かせてくれた。

ダイニングアウト鳥取・八頭志を同じくする協賛社との地域振興の第一歩。

明確な意義を持って開催され、「いままで以上に鳥取を誇りに思ってもらう」という確かな成果を上げた今回の『LOCAL DAY』。その開催を支えた協賛社の方々も、会場に足を運んでくれました。

鳥取市を拠点に、エネルギー事業で地元を支える『enetopia』(鳥取ガス株式会社)。代表取締役社長であり、徳吉シェフの高校の後輩でもある児嶋太一氏は「インフラ企業として鳥取を盛り上げたいというのが半分、もう半分は個人的にも応援したかった」との思いを明かしてくれました。「どれも本当においしい。鳥取にはこんなに素晴らしい食材があったんですね」と、地元の魅力を再確認していました。

「地方から都心、世界へ飛び出すシェフの姿に共感しました」とは、米子市で美容・健康関連商品の製造、販売を手がける株式会社エミネットの内田泰介氏。鳥取だけではなく日本や世界というマーケットを視野に入れる同社の未来に、世界で活躍する徳吉シェフの姿が重なる部分があったのでしょう。「骨を手で掴んで食べる料理がありましたよね。ああいった常識に囚われない発想に驚かされました」と、ディナーのプレゼンテーションにも深く感じ入る部分があった様子です。

テーブルには山陰合同銀行の取締役・杉原伸治氏の姿もありました。「驚かせるような仕掛けと地元愛が詰まった料理。きっと明日、明後日の都心から来たゲストも満足されますよね」との感想を伝えてくれました。さらに「弊社は金融機関ですから、自主的にイベントをやることはあまりありません。しかし、地元を盛り上げたいという気持ちは同じ。今日のようにお手伝いできることがあれば、積極的にやっていきたいと思います」との声を寄せてくれました。

協賛社はインフラ、メーカー、金融と業種はさまざまですが、鳥取という地域を盛り上げるという目標は皆同じ。“地域に隠された魅力を伝える”という『DINING OUT』の意義にも共感し、史上初となる『LOCAL DAY』の第一歩を共に踏み出しました。

鳥取ガス株式会社代表・児嶋太一氏は協賛企業としてだけでなく、友人としてもディナーを楽しんだ。

徳吉シェフと同様、鳥取からの飛躍を続ける『株式会社エミネット』の内田氏。

「ともに鳥取を盛り上げる手段を探したい」と『山陰合同銀行』の杉原氏。

会場となった清徳寺の住職は「地域は外に開くことが必要」と語った。

ダイニングアウト鳥取・八頭鳥取はすごい。ゲストが共有したひとつの思い。

当日は会場に駆けつけられなかった『岸田牧場』も協賛社のひとつ。大山山麓に田中徳行社長を訪ねると、そこには従来のイメージを覆す牧場の姿がありました。「おいしい牛乳のためには、まず牛が健康であること。それには身体的な健康だけなく、ストレスなくのびのびと過ごすことも大切」と田中氏。牛が自由に動きエサを食べることができる放し飼い式牛舎、365日毎日配合を変える飼料、牛に愛情を持って接するスタッフ。牧場を構成するすべてが、牛の健康を考え抜いて作られているのです。だからこそ『岸田牧場』の牛乳は、本来のコクと甘みを湛えつつ、さっぱりとした飲み口も両立する極上の味わいとなっているのです。

徳吉シェフはこの牛乳を、その場で仕上げるリコッタチーズにしました。さっぱりとしているのにコクがある、できたてのリコッタチーズ。「当牧場でもモッツァレラの製造をはじめたところ。コクのあるウチの牛乳はチーズにするのにも最適です」と田中氏。さらにディナーでは新鮮な雲丹と長期熟成のバルサミコを合わせて供された料理に、会場からは称賛の声が続々と上がりました。きっと田中氏も満足する上質な味わいの一品でした。

終演後、徳吉シェフはマイクを握り、会場に謝意を伝えました。陽気なシェフの言葉の端々に、秘められた本心や地元への思いが垣間見えます。

「今日は家族や友人、知人にも来て頂いて少し緊張しましたが、思った通りの料理ができあがったと思います。やっぱり鳥取はすごい。まずは地元の方々にそう思ってもらうことで、これから鳥取がもっともっと賑わってくれれば。今日の『LOCAL DAY』は、そのきっかけになって欲しい」

そんな徳吉シェフの言葉は、この『LOCAL DAY』の意味を端的に語っていました。そして晴れやかな顔で口々に称賛を寄せるゲストを見るにつけ、シェフの思いは確かに伝わっていると確信できたのです。

『岸田牧場』の田中氏。牛と心を通わすような姿が印象的。

岸田牧場の牛乳をその場でリコッタチーズにして、雲丹と合わせた逸品。味と演出の両面で鳥取の食材の魅力を伝えた徳吉シェフの料理。

適度な緊張感はありつつも、地元らしい和やかさに包まれながらディナーは幕を下ろした。

『Ristorante TOKUYOSHI』オーナーシェフ。鳥取県出身。2005年、イタリアの名店『オステリア・フランチェスカーナ』でスーシェフを務め、同店のミシュラン二ツ星、更には三ツ星獲得に大きく貢献し、NYで開催された『THE WORLD'S 50 BEST RESTAURANTS』では世界第1位を獲得。 2015年に独立し、ミラノで『Ristorante TOKUYOSHI』を開業。オープンからわずか10ヵ月で日本人初のイタリアのミシュラン一ツ星を獲得し、今、最も注目されているシェフのひとりである。

Ristorante TOKUYOSHI 
http://www.ristorantetokuyoshi.com

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