2018年9月29日(土)営業時間変更のお知らせ

お客様各位

平素格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。

誠に勝手ではございますが、2018年9月29日(土)は社内研修の為、12時までの営業とさせて頂きます。お客様にはご不便をお掛け致しますが、何卒ご容赦頂けます様宜しくお願い申し上げます。

尚、その間でもWeb経由並びにメールでのご連絡はお受付致しておりますのでご活用下さい。
また、2018年10月1日(月曜日)からは平常通り営業を致します。

今後とも宜しくお願い致します

最先端の技術を使って、次世代につなぐトマト作り。[エコファーム 21/大分県竹田市]

中身がぎゅっと詰まった『エコファーム21』産のトマト。冬季には糖度が高くなり、更に甘いトマトが出荷される。

エコファーム21西日本有数のトマトの産地で変革を起こす。

西日本でも有数の夏秋トマトの産地として知られる、大分県竹田市荻町。標高500mの高原地帯であるこの地域は昼夜の温度差が大きく、中身の詰まった甘くジューシーなトマトが育ちます。

トマトの一大産地である荻町で、農業にITを取り入れ、働き方においても大きなイノベーションを起こしている農家がありました。それは太田修道氏が経営する『エコファーム 21』です。のどかな田園風景が広がる荻町で、ひときわ目立つハウスが太田氏のフィールドです。

社員11名を抱える『エコファーム 21』の代表・太田氏。最新技術を取り入れた農業の経営革新で、新たな農家の道を創り上げている。

荻町では太田氏の所にしかないオランダ式の大きなハウス。

エコファーム21オランダ式の最先端ハウスが地域農業を救う。

高さ5.75m、一般的なビニールハウスの約3倍となる高さを持つガラス張りのハウスは、太田氏がオランダから取り寄せたものです。九州でも数少ないオランダ式のハウスを、なぜこの小さな町で取り入れようと思ったのでしょうか。太田氏が考えていたのは、次世代へと続く農業でした。

農業高校卒業後、実家でトマト栽培を始めた太田氏。約20年間家族で農業を続けてきましたが、ある時農家の未来に危機を感じるようになったといいます。

「30代の頃に農業協同組合の理事を務めて、経営にも携わっていて。その時にこれから生産者が高齢化でどんどん減っていく現状ではまずいっち気付いてな。最近は地震とか台風も多いやんか。これからは自然災害にも強い農業形態を持たないとダメなんよ。しっかりしたハウスを作って、ひとり当たりの栽培面積を増やして。地域が潤うために、1年間確実に収穫できるような農業形態をつくらんといけん」と太田氏は話します。

そこで向かったのが、ハウス栽培の先進国・オランダ。風速55mまで耐え得るガラス張りのハウスには、最先端のシステムや設備が整えられていました。自然災害への対応がしっかりできていること、そして最先端の技術が生んだ農家の働き方にも感銘を受けた太田氏は、オランダ式を取り入れることを決意。『エコファーム21』という法人を立ち上げました。この結果、荻町で地域農業のイノベーションが起きたのです。

三角屋根の部分は天窓になっており、空気の流れを良くする効果があるという。

ビニールハウス特有の蒸した空気がこもらず、明るく快適な空間でトマトがのびのびと育っている。

エコファーム21若い世代とともに歩むための働き方改革。

ハウスの中は温度・湿度の調整はもちろん、水やりも全自動。更に週に1度業者がトマトの生育状況を確認し、水分や肥料の過不足を数値化。トマトが育ちやすい環境をデータでコントロールすることで、味に差がないトマトを安定的に供給できるようになりました。

それにより大きく変わったのが働き方。『エコファーム21』では6月~9月の繁忙期を除き、完全週休2日制、勤務時間は7時半~17時半までという、まるでサラリーマンのようなスタイルを実現したのです。

「高齢化が進む中で僕たちは、先人が作り上げてくれた農業をしっかりと次世代にバトンタッチしていかんといけん。でも働く環境が良くないと続かんやろ? だからお金をかけて最新鋭の機器とハウスを持ってきた。普通のサラリーマンと同じ感覚で働ける、そんな若者が憧れるような農業形態を先陣切ってやれたらいいかな」と太田氏。

10年後、20年後の地域農業の未来を考えての投資は、決して安くはありません。数億円という初期費用に加え、膨大なランニングコストもかかります。しかし、それも地域の農業を次世代へとつないでいくため。その思いに呼応するように若い社員が集まり、収穫量と収入は格段に増加。10年間で初期投資を回収することができたのです。

夏場ではカーテンを閉めることができ、半日陰状態で作業ができるので、社員の負担も少ない。

20代、30代の若手社員に1ハウスを丸ごと任せて、若手の育成も行っている。

エコファーム21一種入魂の販売戦略。

手に持った瞬間、ずっしりとした重みを感じる『エコファーム21』のトマト。ホルモン剤を使わず蜂の受粉によってトマトを成長させることによって、果肉がぎっしり詰まり、甘みのある仕上がりになると言います。『エコファーム21』で作っているトマトは、この大玉トマト1種類のみ。品種はあえて増やさない、ここにも太田さんのこだわりがありました。

「『エコファーム21』のトマトとして出荷して、お店や時期によって品種を変えると“この前と味が違う”ということで顧客が離れていってしまうかもしれない。だからうちの商品はこれですよと自信を持って言える商品を1種類だけ作り続けるんよ」。

現在は直接販売せず、九州内のスーパーマーケットに卸しているが、今後は自社で育てた安心・安全なトマトを消費者の元へ届けたいと、生産から販売までを自社で行おうと画策している太田氏。100アールからスタートした農場も、今や年間550tものトマトを収穫する3.4haの大規模農場へと急成長を遂げました。

自社で選果場も完備しており、パートも含めて40名近いスタッフが栽培から卸の業務まで携わっている。

12月〜2月の時期を除いて年間を通して収穫できる『エコファーム 21』のトマト。

2週間に1度、ハウスの責任者を集めて勉強会を行い、質の高いトマトを供給できるようにしている。

エコファーム21地域のための投資で、未来へ続くトマト作りを。

地域の未来のために投資を続ける太田氏。そんな彼の次なる挑戦は6次産業への進出です。トマトを使った特産品や竹と魚粉を配合した肥料の開発など、オリジナル地域ブランドを作りたいという野望を教えてくれました。
「後に続くような農業をやってかんと面白くないやんか」。
地元の特産品を世代を超えて残していきたいという思いに突き動かされた、太田氏のトマト作り。最先端の技術を取り入れた農業が今、新たな地域の未来を描き始めました。

20代、30代の社員のほか、福祉施設とも連携し、現在は40名近いスタッフが働いている。

住所:大分県竹田市荻町恵良原2108番地1 MAP
電話:0974-68-3156