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全国屈指の花火師が競う。[土浦全国花火競技大会/茨城県土浦市]
土浦全国花火競技大会50社を超える全国の煙火業者がその腕を競う。
2018年で87回目の開催となる、歴史のある『土浦全国花火競技大会』は、戦時中の航空隊殉職者の慰霊と関東大震災からの復興を原動力として霞ケ浦湖畔で始まった花火大会が起源となっています。何度か場所を変えながら、現在では桜川河畔で開催されています。秋に開催している理由として、実りの秋を祝い農民の勤労を慰めるという点が挙げられます。『土浦全国花火競技大会』は全国屈指の花火競技大会で、参加する煙火業者は50社強にもなります。至高の技を凝らした各社自慢の花火を次々と惜しげもなく披露してくれるので、一度は観覧して頂きたい見応え十分の花火大会です。
土浦全国花火競技大会格好良さに震える花火師登場。
大会序盤で大いに盛り上がるのが花火師(煙火業者)登場です。競技に参加する煙火業者の皆さんが自社の法被(はっぴ)に身を包み、有料観覧席前に設えられた舞台に登場してスポットライトを浴びます。それは身震いするような格好良さです。私の個人的な考えではありますが、全国各地の花火大会で花火師さんの紹介をしてもらえたら嬉しいです。ライヴであればアーティストさん、舞台や映画であれば監督さんや俳優さんはごく当たり前に紹介されています。絵画であれば画家、音楽であれば作曲家など、芸術の世界ではその作者を紹介することも一般的に行われています。
花火は夜空に打ち上げる芸術作品です。ならば各地の花火大会でも花火師登場とまではいかなくとも、プログラムや会場アナウンスでごくごく普通に煙火業者さんの紹介が行われるようになれば煙火業者さんたちの励みにもなるだろうと感じています。私の思いが通じたのか、近年では煙火業者さんを紹介する花火大会も徐々に増えてきており嬉しく思います。
土浦全国花火競技大会内閣総理大臣賞を目指して。
『土浦全国花火競技大会』の競技は10号玉(尺玉)の部、創造花火の部、スターマインの部に分かれて行われ、これら3部門の優勝者の中から最も優秀と評価された煙火業者には内閣総理大臣賞が授与されます。競技開始前にはレクチャー花火が上がり、花火の種類や良し悪しなど、実際に花火を打ち上げながら解説してくれます。このコーナーで花火の見方を学び、競技花火を各々採点しながら見るのも楽しいでしょう。
更に競技花火の合間に行われる余興花火も見所のひとつです。中でも中盤で打ち上げられる大会提供花火は見逃せません。「土浦花火づくし」と名づけられたワイドスターマインは会場全体を大胆に使った豪華な花火として知られています。
私事ですが約25年前、花火写真家として初めてカメラ雑誌で特集記事を組んで頂いたことがありました。実際の花火大会での撮影風景を取材したいとのご要望で取材を受けたのが『土浦全国花火競技大会』の会場だったのです。非常に緊張しながらもようやくプロフェッショナルとして認められたことへの嬉しさでいっぱいでした。その時の雑誌は今も大切に保管しています。時折眺めることで若き日の自分に立ち返って初心を思い出し、また新たな作品に向けて気持ちを奮い立たせています。私にとって『土浦全国花火競技大会』はいつまでも思い出に残る大切な花火大会なのです。
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日時:2018年10月6日(土)
※雨天時:状況に応じて翌日・10月7日・8日・13日・14日のいずれかに延期(予定)
場所:茨城県土浦市佐野子 桜川河畔 学園大橋付近 MAP
http://www.tsuchiura-hanabi.jp/
1963年神奈川県横浜市生まれ。写真の技術を独学で学び30歳で写真家として独立。打ち上げ花火を独自の手法で撮り続けている。写真展、イベント、雑誌、メディアでの発表を続け、近年では花火の解説や講演会の依頼、写真教室での指導が増えている。
ムック本「超 花火撮影術」 電子書籍でも発売中。
http://www.astroarts.co.jp/kachoufugetsu-fun/products/hanabi/index-j.shtml
DVD「デジタルカメラ 花火撮影術」 Amazonにて発売中。
https://goo.gl/1rNY56
書籍「眺望絶佳の打ち上げ花火」発売中。
http://www.genkosha.co.jp/gmook/?p=13751