「雨」までも旅の魅力になる、新しい価値観の宿。[雨庵 金沢/石川県金沢市]

雨のひがし茶屋街。濡れた石畳が風情を増す。

雨庵 金沢「弁当忘れても、傘忘れるな」。1年の約半分が雨の街。

金沢は日本でも有数の「雨の街」。年間約 160 日は雨が降るといわれ、2016年の年間降水量は東京の1,779mmに比べ2,390mmと約1.3倍。せっかく金沢を訪れたのに雨だった……という経験をお持ちの方もいるのではないでしょうか。

そんな金沢の天候を逆手に取った、「雨を楽しむ」というコンセプトのホテルが2017年12月に開業しました。それが『雨庵 金沢』です。運営は全国にホテルを展開する『ソラーレ ホテルズ アンド リゾーツ』ですが、ブランディングやデザインは山﨑晴太郎氏率いる「セイタロウデザイン」が担当。新しいホテルブランドを生み出すにあたり、『ソラーレ ホテルズ アンド リゾーツ』は「旅行とは何か?」「ホテルの概念とは何か?」という原点に立ち返り、新しい宿泊体験の提供を目指しました。その想いを汲み取り、「セイタロウデザイン」は金沢を丁寧に深掘り。そこで着目したのは金沢という土地の天候と文化との関係性でした。

「金沢の街には雨だからこそ気付く美しさや発見が溢れています。“今日は、雨で運が良かった”とお客様に思ってもらえること。本当の意味で金沢と深くつながる特別な時間をつくるために、意図的に『雨庵 金沢』という、今までのホテルではあり得なかったネーミングとコンセプトを設計しました」(セイタロウデザイン)。ホテルのデザインは、雨の金沢を最大限に味わえるよう、ハードとソフト双方から工夫を凝らしました。

控えめな玄関の『雨庵 金沢』。壁面は、目の粗い石英によって柔らかな陰影を表現。

雨庵 金沢茶屋をイメージ。一歩も外に出たくなくなるほどの心地よさ。

ホテルがあるのは兼六園、金沢城公園のすぐ近く。カラフルなステンドグラスが美しい尾山神社もそばにあり、情緒溢れる金沢の中心部です。ここにひっそり佇む『雨庵 金沢』は、まるで街に隠れるように、外壁が木の格子で覆われたシックな外観です。壁面には菱川師宣の浮世絵の雨の線表現からインスピレーションを受けた、ランダムな縦ルーバー。雨濡れで知られるひがし茶屋街の石畳をモチーフにした石材タイルも印象的です。

客室はわずか47室。こぢんまりした空間ですが、インテリアは現代の「茶屋」をイメージして1部屋1部屋に趣向を凝らしています。小さな坪庭が配されていたり、茶室を思わせるような丸窓が設けられていたりと、日本古来の美意識をそこかしこにしのばせ、訪れた人にまるで自分の部屋にいるかのような寛ぎを与えてくれます。

洗面台を2台設置した、ゆとりある設計のプレミアテラスツイン。

小さな坪庭など、茶室のように緑が取り入れられている。

雨庵 金沢アートと工芸に触れられるホテル内ギャラリー。

なぜ、『雨庵 金沢』が「雨を楽しむ」ホテルなのでしょうか。その理由は、ラウンジ「ハレの間」にあります。まずはそのギャラリーのような展示空間。ここには金沢で活躍する作家や職人とコラボレーションした現代アートや工芸作品が飾られています。例えば、世界的書道家でアーティストの紫舟(Shisyu)氏による書の彫刻「雨」は、光をあてることで生まれる影も作品を構成する要素として、壁に「雨」の文字を映し出します。また書家が紙に文字を書く時の筆圧や紙の奥行き感を立体化した書のキュビスム「雨上天澄」も、新しい書の表現として独特な存在感を放っています。

伝統と芸術が調和する金沢の街並みを体現するような書体のエレメント。

雨庵 金沢加賀百万石の文化、伝統がそこかしこに。

他にも、金沢を拠点に活動するクリエイターチーム「secca」が「雨の街金沢で、雨のある景色を愉しむ」を6130本の糸によって表現した「雨虹糸」、和紙と漆という伝統的な素材を組み合わせた「金沢和紙アート」、幕能登・加賀・越中の風習「花嫁のれん」を受け継ぐ金沢の伝統工芸品「加賀のれん」、加賀藩独自の紺屋職人の技術や友禅染の繊細な美意識を感じられる「加賀風呂敷」なども展示され、まるで小さな美術館のように目を楽しませてくれます。

「雨虹糸」は 6,130日分の金沢の雨の情報が糸によって表現されている。

雨庵 金沢書斎にも、語らいの場にもなるラウンジ。

ラウンジで自分の自由な時間を過ごすためのサービスも充実。金沢は「天下の書府」と呼ばれたほど学問が盛んな街であり、ライブラリーにはアートブックや小説など様々な書籍が用意されています。読書をしながら、金沢の普段のお茶である番茶「加賀棒茶」をはじめ、コーヒーやジュースと一緒にお茶菓子を楽しめる無料サービスも。夜には食事の後のシメにピッタリな日本蕎麦も振る舞われます。また金沢には美味しい日本酒が数多くありますが、バーカウンターではこれらの日本酒のテイスティングを有料で楽しめます。

ラウンジのランプシェードは雨粒がモチーフ。

加賀の地酒を飲みながら旅の話に花を咲かせてみては。

夜食に、お酒のアテに、軽く蕎麦を楽しむのもいい。

雨庵 金沢旅のお土産、思い出作りもホテル内で。

伝統工芸体験をホテル内で楽しめるのも『雨庵 金沢』の魅力。宿泊者限定で豆皿やぐい呑みの絵付け体験、加賀友禅きもの体験、水引のアクセサリー制作体験など、ここでしかできないワークショップを用意。「たとえ雨で出かけられなかったとしても、旅の想い出づくりを」という粋なはからいです。

自分で絵付けを施した器は、思い入れもひとしお。

雨庵 金沢加賀の風土で育った食材を詰め込んだ朝食。

近くに近江町市場があるので海鮮丼や干物の朝食もお勧めですが、ホテル内でも地元の味覚を頂けるので安心です。朝食は和洋から選べ、和食は、石川県産米「夢ごこち」の炊き立てご飯、ノドグロの焼き物、ご飯によく合う数種類の小鉢とお椀などの内容。洋食は、能登豚のハムやウインナーに、能登野菜を使ったポタージュスープ、地元人気店のパンが数種類つきます。

いずれも加賀野菜のサラダが付く。写真は洋食の一例。

雨庵 金沢今日は雨が降るといいな、と言える旅を。

もちろん雨だからといって部屋に籠もっているのではなく、雨だからこそ出かけたくなる魅力があるのも金沢。雨に濡れる茶屋街の石畳、より緑が濃くなる兼六園の木々、しっとりと風情を醸し出す武家屋敷街……。もしかしたら金沢は、雨の日こそ輝きが増す街なのかもしれません。金沢の街では「置き傘プロジェクト」を実施しており、主要観光地のお店では誰でも無料で借りられる傘を用意しています。『雨庵 金沢』に泊まって、雨の街をあえて楽しむ。そんな旅もたまにはいいかもしれませんね。

ラウンジも客室も、全てが雨の金沢を魅力にするためにデザインされている。

住所:石川県金沢市尾山町6-30 MAP
電話:076 260 0111
雨庵 金沢 HP:https://www.uan-kanazawa.com/

「雨」までも旅の魅力になる、新しい価値観の宿。[雨庵 金沢/石川県金沢市]

雨のひがし茶屋街。濡れた石畳が風情を増す。

雨庵 金沢「弁当忘れても、傘忘れるな」。1年の約半分が雨の街。

金沢は日本でも有数の「雨の街」。年間約 160 日は雨が降るといわれ、2016年の年間降水量は東京の1,779mmに比べ2,390mmと約1.3倍。せっかく金沢を訪れたのに雨だった……という経験をお持ちの方もいるのではないでしょうか。

そんな金沢の天候を逆手に取った、「雨を楽しむ」というコンセプトのホテルが2017年12月に開業しました。それが『雨庵 金沢』です。運営は全国にホテルを展開する『ソラーレ ホテルズ アンド リゾーツ』ですが、ブランディングやデザインは山﨑晴太郎氏率いる「セイタロウデザイン」が担当。新しいホテルブランドを生み出すにあたり、『ソラーレ ホテルズ アンド リゾーツ』は「旅行とは何か?」「ホテルの概念とは何か?」という原点に立ち返り、新しい宿泊体験の提供を目指しました。その想いを汲み取り、「セイタロウデザイン」は金沢を丁寧に深掘り。そこで着目したのは金沢という土地の天候と文化との関係性でした。

「金沢の街には雨だからこそ気付く美しさや発見が溢れています。“今日は、雨で運が良かった”とお客様に思ってもらえること。本当の意味で金沢と深くつながる特別な時間をつくるために、意図的に『雨庵 金沢』という、今までのホテルではあり得なかったネーミングとコンセプトを設計しました」(セイタロウデザイン)。ホテルのデザインは、雨の金沢を最大限に味わえるよう、ハードとソフト双方から工夫を凝らしました。

控えめな玄関の『雨庵 金沢』。壁面は、目の粗い石英によって柔らかな陰影を表現。

雨庵 金沢茶屋をイメージ。一歩も外に出たくなくなるほどの心地よさ。

ホテルがあるのは兼六園、金沢城公園のすぐ近く。カラフルなステンドグラスが美しい尾山神社もそばにあり、情緒溢れる金沢の中心部です。ここにひっそり佇む『雨庵 金沢』は、まるで街に隠れるように、外壁が木の格子で覆われたシックな外観です。壁面には菱川師宣の浮世絵の雨の線表現からインスピレーションを受けた、ランダムな縦ルーバー。雨濡れで知られるひがし茶屋街の石畳をモチーフにした石材タイルも印象的です。

客室はわずか47室。こぢんまりした空間ですが、インテリアは現代の「茶屋」をイメージして1部屋1部屋に趣向を凝らしています。小さな坪庭が配されていたり、茶室を思わせるような丸窓が設けられていたりと、日本古来の美意識をそこかしこにしのばせ、訪れた人にまるで自分の部屋にいるかのような寛ぎを与えてくれます。

洗面台を2台設置した、ゆとりある設計のプレミアテラスツイン。

小さな坪庭など、茶室のように緑が取り入れられている。

雨庵 金沢アートと工芸に触れられるホテル内ギャラリー。

なぜ、『雨庵 金沢』が「雨を楽しむ」ホテルなのでしょうか。その理由は、ラウンジ「ハレの間」にあります。まずはそのギャラリーのような展示空間。ここには金沢で活躍する作家や職人とコラボレーションした現代アートや工芸作品が飾られています。例えば、世界的書道家でアーティストの紫舟(Shisyu)氏による書の彫刻「雨」は、光をあてることで生まれる影も作品を構成する要素として、壁に「雨」の文字を映し出します。また書家が紙に文字を書く時の筆圧や紙の奥行き感を立体化した書のキュビスム「雨上天澄」も、新しい書の表現として独特な存在感を放っています。

伝統と芸術が調和する金沢の街並みを体現するような書体のエレメント。

雨庵 金沢加賀百万石の文化、伝統がそこかしこに。

他にも、金沢を拠点に活動するクリエイターチーム「secca」が「雨の街金沢で、雨のある景色を愉しむ」を6130本の糸によって表現した「雨虹糸」、和紙と漆という伝統的な素材を組み合わせた「金沢和紙アート」、幕能登・加賀・越中の風習「花嫁のれん」を受け継ぐ金沢の伝統工芸品「加賀のれん」、加賀藩独自の紺屋職人の技術や友禅染の繊細な美意識を感じられる「加賀風呂敷」なども展示され、まるで小さな美術館のように目を楽しませてくれます。

「雨虹糸」は 6,130日分の金沢の雨の情報が糸によって表現されている。

雨庵 金沢書斎にも、語らいの場にもなるラウンジ。

ラウンジで自分の自由な時間を過ごすためのサービスも充実。金沢は「天下の書府」と呼ばれたほど学問が盛んな街であり、ライブラリーにはアートブックや小説など様々な書籍が用意されています。読書をしながら、金沢の普段のお茶である番茶「加賀棒茶」をはじめ、コーヒーやジュースと一緒にお茶菓子を楽しめる無料サービスも。夜には食事の後のシメにピッタリな日本蕎麦も振る舞われます。また金沢には美味しい日本酒が数多くありますが、バーカウンターではこれらの日本酒のテイスティングを有料で楽しめます。

ラウンジのランプシェードは雨粒がモチーフ。

加賀の地酒を飲みながら旅の話に花を咲かせてみては。

夜食に、お酒のアテに、軽く蕎麦を楽しむのもいい。

雨庵 金沢旅のお土産、思い出作りもホテル内で。

伝統工芸体験をホテル内で楽しめるのも『雨庵 金沢』の魅力。宿泊者限定で豆皿やぐい呑みの絵付け体験、加賀友禅きもの体験、水引のアクセサリー制作体験など、ここでしかできないワークショップを用意。「たとえ雨で出かけられなかったとしても、旅の想い出づくりを」という粋なはからいです。

自分で絵付けを施した器は、思い入れもひとしお。

雨庵 金沢加賀の風土で育った食材を詰め込んだ朝食。

近くに近江町市場があるので海鮮丼や干物の朝食もお勧めですが、ホテル内でも地元の味覚を頂けるので安心です。朝食は和洋から選べ、和食は、石川県産米「夢ごこち」の炊き立てご飯、ノドグロの焼き物、ご飯によく合う数種類の小鉢とお椀などの内容。洋食は、能登豚のハムやウインナーに、能登野菜を使ったポタージュスープ、地元人気店のパンが数種類つきます。

和洋ともに朝食は2,500円。写真は和食の一例。

いずれも加賀野菜のサラダが付く。写真は洋食の一例。

雨庵 金沢今日は雨が降るといいな、と言える旅を。

もちろん雨だからといって部屋に籠もっているのではなく、雨だからこそ出かけたくなる魅力があるのも金沢。雨に濡れる茶屋街の石畳、より緑が濃くなる兼六園の木々、しっとりと風情を醸し出す武家屋敷街……。もしかしたら金沢は、雨の日こそ輝きが増す街なのかもしれません。金沢の街では「置き傘プロジェクト」を実施しており、主要観光地のお店では誰でも無料で借りられる傘を用意しています。『雨庵 金沢』に泊まって、雨の街をあえて楽しむ。そんな旅もたまにはいいかもしれませんね。

ラウンジも客室も、全てが雨の金沢を魅力にするためにデザインされている。

住所:石川県金沢市尾山町6-30 MAP
電話:076 260 0111
雨庵 金沢 HP:https://www.uan-kanazawa.com/