✨✨ 2019.happy new year ✨✨

新年明けましておめでとうございます。
 
旧年中はたくさんのご愛顧を賜り厚く御礼申し上げます。

本年も倉敷デニムストリートスタッフ一同接客・サービス・商品知識の向上に励みにお客様にご満足いただける様に楽しんでいただけるように進化していく所存です。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。


倉敷デニムストリートスタッフ一同

日本一の産地で、世界へ届けるしいたけ作り。[加藤椎茸/大分県竹田市]

みずみずしく、ぷっくらとした肉厚のしいたけ。香り高く深い味わいが特徴だ。

加藤椎茸美しく、美味しい。自然のしいたけ。

国内生産量の約半分を占め、日本一の乾しいたけ産地である大分県。県内でも質・量ともにトップクラスの産地として知られるのが、竹田市です。椎茸の栽培方法には、おがくずなどを固めた人工の培地で育てる菌床栽培と、山からクヌギやナラなどの木を切り出し、椎茸菌を打ち込む昔ながらの栽培方法、原木栽培の2種類があります。菌床栽培は短期間、低コストで大量生産が可能なため現在椎茸栽培の主流となっている一方、原木栽培は重労働で手間暇がかかり、さらに自然の影響も受けやすい。安定した供給が難しく、生産者も減少してきている中、高冷地の山中で自然に近い無農薬の原木栽培にこだわり続ける農家がいます。

竹田市久住町で「加藤椎茸」を営む加藤至誠氏。品評会で日本一を受賞するなど数々の賞を受賞し、日本食がブームを巻き起こしている今、食にこだわるヨーロッパへの輸出も行い、世界から注目を集める加藤氏の椎茸作りを伺いました。

▶詳細は、TAKETA TIMES/高原野菜に名湯、秘湯。知られざる魅力が満載の、名水の里。

加藤氏の農園では、3種類のしいたけを栽培。秋と春の2回収穫できる。

至誠氏の跡を継ぎ、共に原木のしいたけ栽培を続ける息子の誠氏。

映画の撮影にも使われたというホダ場。

加藤椎茸陽光が差し込む明るい環境。

標高530m、久住町の都野地区にある加藤氏のホダ場。一歩足を踏み入れると、柔らかな木漏れ日に包まれる静かな森の中に、クヌギの原木がずらりと並んでいました。

加藤氏がしいたけの栽培を始めたのは約60年前のこと。父とともに市場価格が高かった椎茸の栽培を本格的に始めました。原木しいたけの栽培には、まずホダ木となる原木の確保が重要です。当時、椎茸の原木となるクヌギは1本4000円。これではいくらしいたけに値が張っても利益にならないと、山を購入。どんぐりを拾って育てては植林し、地道にホダ木を増やし続けました。現在は17ヘクタールものクヌギ山を所有。田んぼを整地し、さらに杉の植林をしたホダ場でしいたけの生産を行なっています。

加藤氏のホダ場で特徴的なのは、明るさ。鬱蒼とした森の中で栽培される一般的な栽培方法とは異なります。
「20年くらい前の台風で立派な杉が全部倒れて。台風に強いホダ場にするにはどうしたら良いかって考えてね、雑木を植えたんです。杉や檜は根が下に張るけど、雑木は横に張るから倒れにくい。そして雑木は冬になると葉が落ちるから、光が差し込んで明るいんです」。

植えた雑木は冬になると葉が落ちる。そのため木々の合間から光が差し込み、適度に日光浴をさせることができるのです。さらに落ちた葉は自然の絨毯となって敷き詰められており、雨の日にホダ木への土の跳ね返りを抑制。それにより雑菌から守る役割も果たすなど、自然の力を利用した栽培方法を行っています。

今から約400年前、江戸時代から始まったとされる歴史の長い原木栽培。

夏には木々が青々と生い茂り、強い日差しを防ぐが、冬には落葉し柔らかな木漏れ日が注ぐ。

加藤椎茸“一年”のこだわり。

加藤氏の栽培方法でもう一つ特徴的なものが、「一年起こし」です。原木となるクヌギを山から切り出し、ホダ木にして水分が抜けるまで乾燥。その後菌を打ち込み、栽培地に移し替える(起こす)までの期間は、通常は2年と言われていますが、加藤氏は1年で起こす栽培方法を取り入れています。

「1年で起こすとホダ木が固くて、しいたけが発生しにくいと言われるんです。でもそんなことはない。うちのホダ場は元々水田で湿気もある。それにスプリンクラーを設置して散水もしているから1年でも充分生えてくるんです。それに2年待っていたら、ホダ木にしいたけの芽が生えてくる。そしたらそれを傷つけないように作業しないといけないでしょ? 1年だと生えないから効率的なんです」。

原木栽培はとにかく時間と手間がかかると言われますが、立地の良さや、長年の経験を生かしてカットできる部分はカット。年間30万本近い菌を売って、今では春に2トン、秋に1トンものしいたけの収穫を可能にしました。

収穫したしいたけは乾燥機に入れ、乾しいたけにして出荷する。

毎年1ヘクタールのクヌギを伐採し、ホダ木にしている。

加藤椎茸自然のままが一番。だから選んだ“何もしない”という選択。

大分県の品評会では7年連続で農林水産大臣賞を受賞し、全国でも10回以上の農林水産大臣賞を受賞、さらに平成19年には黄綬褒章を授与されるなど、しいたけ農家の中でも一目置かれる存在の加藤氏。賞を取れるほどの美しいしいたけを育てるには、集中して管理することが必要なのだと言います。

「品評会には品評会用のしいたけ作りをするんですよね。そのためにはどういうものが評価を受けるものなのか勉強しなければいけないし、集中して取り組めるような経営体制が必要。それらが揃って、品評会用のしいたけ作りができるんです」。

安定した経営ができているからこそ取り組むことができる、品評会用のしいたけ作り。しいたけの一個一個に袋をかけてカバーで覆い、手間をかけて綺麗なしいたけを仕上げていきます。丁寧で繊細な作業により生まれたしいたけは全国でも評判を呼びましたが、あるお客さんからの言葉が加藤氏のしいたけ作りに転機を与えました。
「“大分県の一級品というのでしいたけをお土産にもらい期待して食べたら、見た目ほど美味しくなかった”っていう話を聞いたんです。消費者は味が重視なんですよね。それからは食べて美味しいしいたけを届けようと、自然のままに育てることにしたんです」。

安全で安心、そして味にこだわったしいたけを作ろうと、JAS規格の認定を取得。無農薬で作られる品質の良いしいたけは、国内の料理研究家から指名買いされるのみならず、有機食品の輸出を手がけているオランダの会社や、日本食がトレンドになっているヨーロッパなどからわざわざ加藤氏のホダ場に視察が訪れるほど、海外においても注目を集めています。
「自然のままのしいたけが一番美味しい。だからこだわって何もしないんです」。

綺麗な水、清らかな空気、柔らかな光。奥豊後の自然が育んだしいたけは、噛めば噛むほどに口の中に旨味が広がり、余韻も長い。一食の価値がある、世界へ誇れるしいたけです。

実習生を受け入れて後継者の育成も行っている。

傘が大きくて立派なしいたけは料理研究家の方からも評判。

肉厚で歯ごたえがある加藤氏のしいたけ。シンプルな食べ方こそ美味しい。

電話またはFAXでの問い合わせで、10種類以上ある乾しいたけの購入が可能。

住所:大分県竹田市久住町大字栢木 MAP
電話:0974-77-2458 (FAX 0974-77-2461)
営業:11:00〜17:00 (17時以降は要予約)
休:不定休