土壌と気候と技術が生んだ、最上級の香り。お茶の概念を覆す国産有機栽培釜炒り茶。[宮﨑茶房/宮崎県西臼杵郡]

農産物の最高栄誉である天皇杯も受賞した『宮﨑茶房』のお茶3種セット。

異なる茶葉の特徴を最大限に引き出した烏龍茶、紅茶、釜炒り茶のセット。

宮﨑茶房

地域に眠る食材を、国内外のトップシェフが調理する野外レストラン『DINING OUT』。その準備の過程で出合った素晴らしい食材の数々を、『ONESTORY』読者の皆様に数量限定でご紹介する準備が整いました。ご紹介するのは生産量や流通の関係で市場に出回らない、けれども超一級の名品たち。その知られざる魅力を、日々食材探しに勤しむ『ONESTORY』のフードキュレーター・宮内隼人とともに辿ります。
▶︎詳細は、地方に眠る食材を発掘し、その物語とともに届ける。フードキュレーター・宮内隼人の挑戦。

「日本のお茶の魅力」といえば、まずどんな要素を思い浮かべるでしょうか。玉露に代表される蒸し茶の出汁のような旨味。あるいは口中を洗い流すような上品な苦味。そして何よりも、脳の中枢に届くような芳しい香り。

今回ご紹介するのは、その「香り」に特化した逸品『宮﨑茶房』の釜炒り茶です。お茶の香りが増幅される高地で栽培され、無農薬栽培でより透明感ある香りを育て、伝統の釜炒り製法でさらに豊かな香りを引き出す。その驚くべきクオリティは農産物の最高栄誉である天皇杯も受賞し、日本各地を飛び回り、日々食材を探し回る『ONESTORY』のフードキュレーター・宮内隼人をして「文句なしに国内最高峰の香りと飲みやすさ」と惚れ込ませた逸品。口中を満たし鼻孔から抜ける、瑞々しく華やかな香り、どんな食事にも合い、また単体でもゴクゴク飲めるすっきりとした味わいは、体験すれば誰しもを虜にすることでしょう。

さらに今回は特別に用意して頂いた生産量の少ない手摘み“たかちほ”烏龍茶と、3年熟成の“みなみさやか”紅茶、手摘み“つゆひかり”釜炒り茶の3種セットでお届け。いずれも香りが命の『宮﨑茶房』を象徴する逸品で、このタイミングでしか手に入らないプレミアムなセットです。お茶の概念を覆す圧倒的な香りを、ぜひご自身でお確かめください。


▽手摘み五ヶ瀬烏龍茶/釜炒り茶/熟成紅茶 3種セット(宮崎茶房)
価格:7,560円(税込) 容量:各25g

※販売業務は「株式会社 果実工房」に委託しております。

極上の香りの根源は何よりも、お茶にかける生産者の熱意。

宮﨑茶房悠久の歴史を持つ五ヶ瀬。その底力をお茶作りに活かす。

「ここ宮崎県五ヶ瀬町は九州発祥の地。この地から順に地表が隆起して、九州が生まれたのです。周辺からは4億年前の化石が出土することもあるんですよ」取材に訪れた『宮崎茶房』の工房で、代表・宮﨑亮氏はそんな話を聞かせてくれました。もちろんそれは歴史講義ではなく、お茶の話。ここに悠久の歴史を刻む特別な土があること、そして隆起により標高が高くなったことが、宮﨑氏のお茶づくりの肝になっているのです。

まず肥沃な土壌は、有機農法を可能にしました。『宮﨑茶房』では先代の頃、昭和58年から農薬を一切使わず、有機肥料のみでお茶を育てる有機農法に切り替えました。これは当時としては異例で、周囲から「変わり者」と笑われることもあったといいます。しかし「毎日飲むお茶ですから、安心して楽しみたい」と有機農法を貫く宮﨑氏。さらに地質を活かし、施肥を最低限に絞ることで、すっきりとした味わいのお茶が育つのだといいます。

そして500m~800mという標高。一般的に旨味ある茶を育てるには、温暖な土地が適しているといわれています。しかし標高が高く寒暖の差が大きいと、旨味成分が増加しない代わりに、香り高くすっきりとしたお茶が育つのです。つまり、「すっきり感」と「香り」に振り切ったお茶を目指すなら、ここほど適している土地はないのです。

さて、ここまでが『宮崎茶房』を取り巻く環境の話。しかし「日本最高峰の香り」のお茶はまだ生まれません。キーとなるのはもちろん、宮﨑亮氏の存在です。

宮﨑市内から3時間ほど。高千穂の山が、香り高いお茶作りの舞台。

現在ではこの地のお茶作りを学びに、多くの研修生が『宮﨑茶房』を訪れる。

宮﨑茶房運命のいたずらにより、偶然生まれた最高の烏龍茶。

昭和初期から続くお茶農家に生まれた宮﨑氏。しかしかつては家業を継ぐ気もなく、普通科高校から宮崎大学に進学しました。ところが農学を専攻し、ある時、菊の花の開花の実験をしていた宮﨑氏に、徐々に「農業っておもしろい!」との思いが芽生えたのです。そして卒業後に研修を経て、家業を継いだ宮﨑氏。もちろん、農学と実際の農業は似て非なるもの。それでも「植物と真摯に向き合い、論理的思考で最適解を探す」という姿勢は、今も変わらずに貫かれています。

そんな宮﨑氏にひとつの転機が訪れます。あるテレビ番組で台湾茶の特集を見た際、ほんの思いつきで烏龍茶を作ってみることにしたのです。早速、手探りでの烏龍茶作りに着手した宮﨑氏。そもそも『宮﨑茶房』のお茶の最大の特徴は、お茶を蒸さずに釜で煎って、茶葉から出る水分によって酵素を失活させ、発酵を止める手法。そしてこの手法が、香りが命の烏龍茶作りにマッチしたのでしょう。翌年完成した烏龍茶は、すっきりした味わいとクチナシの花のような香りを持つ、最高の出来栄えだったのです。

「なんだ、簡単じゃないか」当時の宮﨑氏はそう考えました。そして翌年、その考えが間違いだったことに気づくのです。どう頑張ってみても、最初の年のあの味ができない。そこから宮﨑氏の試行錯誤の時代が始まります。

「今だからわかりますが、あれはさまざまな偶然が重なった結果でした」宮﨑氏はそう振り返ります。日照時間、気温、雨の降るタイミング、湿度、選んだ品種、茶摘みの時期、熟成期間などがすべて揃い、最初の烏龍茶は素晴らしい品質になっていたのだといいます。まるで神様のいたずらのような偶然。そして偶然できた烏龍茶の記憶が、宮﨑氏を烏龍茶作りに駆り立てたのです。

『宮﨑茶房』の宮﨑亮氏。農業を論理的に検証し、日々時代に合ったお茶作りに取り組む。

取材に訪れた宮内隼人とともに。会話は品種特性など、深い部分にまで及んだ。

宮﨑茶房トライ&エラーを繰り返しながら、手探りで挑む烏龍茶作り。

宮﨑氏は記憶の中の烏龍茶を再現するために、さまざまな試みを続けました。あるときは文献を紐解き、またあるときは農業試験場に足を運び、烏龍茶の本場・台湾に赴くこともしばしば。そうして少しずつ調整を重ね、あのときの烏龍茶は徐々に形になりはじめます。そればかりか、試行錯誤の日々は烏龍茶以外のお茶の香りの向上にも繋がりました。やがて『宮﨑茶房』のお茶は、農林水産大臣賞、そして農産物の最高栄誉である天皇杯を受賞。おそらく、現在ではあのとき偶然にできた烏龍茶の品質は、とっくに越えていることでしょう。それでも宮﨑氏は言います。「自然が相手の農業にゴールはありません」

早くから有機農法に切り替えていたことも、ここで良い結果をもたらします。無農薬であるから、ここのお茶は病気や虫に弱い。そのため、ひとつの事態で全滅とならぬよう、さまざまな品種を育てていました。その数、実に20種以上。そこに烏龍茶や紅茶といった発酵茶の技術が加わったことで、無数の味のバリエーションが生まれました。さらにそれぞれの品種特性をもっとも活かす発酵で、その魅力を引き出すことにも成功。こうして『宮﨑茶房』の香り高いお茶は、その名を全国に轟かせるのです。

乾燥や熟成、発酵もすべて手探り。味の記憶を頼りに、最高の烏龍茶作りに挑む。

蒸さずに釜炒りすることで、透明感、すっきり感を生み出すのがこの地域のお茶の特徴。

宮﨑茶房烏龍茶を起点に改めて考える、お茶のおいしさ。

家庭でのお茶の消費量が減少傾向にある現状も、宮﨑氏にとっては大きな問題ではありません。「時代に敏感に感じ取りながら、今の時代に合うお茶を作ればいい」その熱意と絶え間ない研究により、『宮﨑茶房』は実にさまざまなお茶を世に送り出しています。共通するのは、上質な香りとすっきり感。どれを飲んでも、かつて経験したことのない透明感ある香りを堪能できることでしょう。

そのなかでフードキュレーター・宮内隼人は今回のご紹介のメインにこの地域の在来種である“たかちほ”という品種の茶葉を用いた烏龍茶を据えました。「『宮﨑茶房』を最も象徴するお茶です。ハーバルな青さのある香りは、茶畑のある高千穂の山を思わせるよう。お茶だけでなく宮﨑さんという人物の凄みを伝えるために、この烏龍茶を選びました」と宮内。おいしさが大前提にありつつ「お茶の概念を覆す驚きと感動があった」ことが選定の理由だといいます。

そしてセットにしたのはより深い香りのある紅茶と、フレッシュ感のある釜炒り茶。烏龍茶を基準にそれぞれを味わってみれば、お茶の魅力とポテンシャルをいっそう深く楽しめることでしょう。今回ご紹介するのは、生産量の少ない手摘み“たかちほ”烏龍茶と、3年熟成の紅茶、手摘み釜炒り茶の限定セット。気温や天候の影響を受けやすい繊細なお茶の世界で、宮﨑氏が「素晴らしい出来栄え」と胸を張るセットは、今だけ、ここだけでしか手に入らない希少品です!日本が誇る最高のお茶の香りを、ぜひご自宅でお楽しみください。

▽手摘み五ヶ瀬烏龍茶/釜炒り茶/熟成紅茶 3種セット(宮崎茶房)
価格:7,560円(税込) 容量:各25g

※販売業務は「株式会社 果実工房」に委託しております。

試飲させてもらった数々のお茶。それぞれに明確な個性がある。

異なる魅力を放つ多彩なお茶のなかで、やはり宮内の心を捉えた“たかちほ”の烏龍茶。

「いつでも、何度でも飲めるお茶」と自身のお茶を評する宮﨑氏。


▶その他の商品は、
▽スペシャルティコーヒー2016年(アダファーム)
詳しくは、<年間収穫量はわずか50kg。沖縄の自然と向き合い、大切に育てられる国産唯一のスペシャルティコーヒー。

吟選台湾高山青茶(茶禅華)
詳しくは、<透明感ある味わいと、ふくよかな乳香。名店『茶禅華』川田智也シェフが惚れ込んだ、幻の台湾茶。

住所:〒882-1202 宮崎県西臼杵郡五ヶ瀬町大字桑野内4966 MAP
電話:0982-82-0211 FAX.0982-82-0316
株式会社 宮﨑茶房 HP:http://www.miyazaki-sabou.com/

透明感ある味わいと、ふくよかな乳香。名店『茶禅華』川田智也シェフが惚れ込んだ、幻の台湾茶。[茶禅華/東京都港区]

味と香りの絶妙な調和が楽しめる台湾茶は、食中でも単体でも存分に楽しめる。

茶禅華

地域に眠る食材を、国内外のトップシェフが調理する野外レストラン『ダイニング アウト』。その準備の過程で出合った素晴らしい食材の数々を、『ONESTORY』読者の皆様に数量限定でご紹介する準備が整いました。ご紹介するのは生産量や流通の関係で市場に出回らない、けれども超一級の名品たち。その知られざる魅力を、日々食材探しに勤しむ『ONESTORY』のフードキュレーター・宮内隼人とともに辿ります。
▶︎詳細は、地方に眠る食材を発掘し、その物語とともに届ける。フードキュレーター・宮内隼人の挑戦。

2017年2月、麻布に開店した中華料理店『茶禅華』は、近年話題に上らぬ日のない注目店。開店からわずか9ヶ月でミシュラン2ツ星を獲得、店を率いる川田智也シェフの深く、真摯で、誠実な人柄、そして日本の心を中国の技法を重ねる「和魂漢才」の哲学のもと、日々食通たちの舌を魅了し続けています。2018年5月には大分県国東市を舞台にした『DINING OUT KUNISAKI』を担当。土地と食材への深い理解と、凄みさえ感じさせるクリエーションで、訪れたゲストを魅了しました。

そう、ご紹介するのは、そんな名店『茶禅華』から。けれども料理ではありません。川田シェフが、料理と同様の情熱を傾ける台湾茶。それも川田シェフが台湾修業時代に出合って惚れ込み、以来『茶禅華』でも提供し続ける『吟選台湾高山青茶』のご紹介です。フードキュレーター・宮内隼人もが「お茶ときいて思い浮かべるイメージを、確実に覆します」と語る未知なるお茶。日本では『茶禅華』のみで楽しむことが可能な、この至高の味と香りを今回特別にご案内します。

▽吟選台湾高山青茶(茶禅華)
価格:12,960円(税込) 容量:100g

※販売業務は「株式会社 果実工房」に委託しております。

2018年に開催された『DINING OUT KUNISAKI』でも腕を振るった川田シェフ。

『DINING OUT KUNISAKI』の舞台でも、お茶が重要なファクターとなった。

茶禅華料理人として捉える、食材としてのお茶。

日々国内を飛び回り、さまざまな生産者の元を訪れるフードキュレーター・宮内隼人。しかし国内の食材に精通するものの「台湾茶はほぼ知らなかった」と振り返ります。そんな宮内がある日、『茶禅華』を訪れて料理と台湾茶のペアリングを体験し、胸を撃つような衝撃を受けました。日々さまざまな食材と触れ合う宮内を驚かせ、そして台湾茶の奥深く、果てしない道へと誘ったお茶。それが今回ご紹介する『吟選台湾高山青茶』です。その知られざる魅力を、川田シェフの言葉から紐解いてみましょう。

料理専門学校在学中に、「料理を学ぶならここしか考えられない」と思い定めた名門中華料理店『麻布 長江』で料理人としての第一歩を踏み出した川田智也シェフ。師からの最初の教えで「まずはお茶を煎れなさい」とあったことが、川田シェフとお茶の出合いでした。さらに「そもそもお酒があまり強くないので、その興味がお茶に向かったのかもしれません」と、少しずつお茶に傾倒しはじめた川田シェフ。しかし、学んでも学んでも、奥深く、先の見えない世界。川田シェフのお茶探求はやがてライフワークになります。

その後、日本の食材を学ぶために、川田シェフは日本最高峰の名店『日本料理 龍吟』の門を叩きます。さらに数年後、台湾に開かれる『祥雲龍吟』立ち上げへの参加したことが、ひとつの転機になりました。台湾茶の本場で川田シェフは、時間を見つけてはお茶の生産者を訪ね歩いたのです。「料理人として、お茶を食材のひとつとして考えました。どのような土壌で、どのような育て方をされているのか。どう育てられ、どう摘まれ、どう運ばれているのか。料理と同様に、学ぶことは数多くありました」

『茶禅華』ではアルコールペアリングのほか、お茶とのペアリングコースも用意される。

店内に並ぶ素晴らしい茶器からも、川田シェフのお茶にかける思いが伝わる。

料理人として、料理との相性も見極めながらお茶を考える川田シェフ。

茶禅華台中の高山で偶然出合った、至高の一杯。

「人間の叡智で、調味料を足さずに味の円を作るのがお茶の魅力。塩分、糖分が介在せずに、ひとつの料理として完成しているのです」川田シェフはお茶の魅力をそう語ります。さらに川田シェフの話は、お茶の文化そのものにまで広がります。

「日本の水は世界的に見ても上質です。しかし水が良いだけに、お茶の文化はシンプルになりました。中国や台湾では水の質を補うように多彩な発酵の技術が生まれたのではないでしょうか」そして技術として発展した発酵茶を、日本の水で楽しめる現在は、これまで以上に素晴らしいお茶が楽しめるようになっているのだといいます。

さらに産地を巡ると同時に、煎れ方も学び続けた川田シェフ。試行錯誤を繰り返しながら理想に近づけるのは、料理人としての川田シェフの職人気質の賜物。「水は1度から100度までしかありません。ならば全部試してみればいい」と本人は笑いますが、それが気の遠くなるような道のりだったことは想像に難くありません。そうして本場台湾で生産者を訪ね、自身の技術も磨いた川田シェフ。そんななか、川田シェフはついにあるお茶と出合います。

「台中のとある生産者のもとで出合い、とにかく驚きました。“ふくよか”と“清らか”という相反する要素を併せ持ったお茶。口にした瞬間は透明感ある清らかな味わい、そこからふくよかに味わいが広がります。こんなお茶はそれまで知りませんでした」

聞けば標高1200m~2000mの高地で栽培され、収穫後は真空にして温かい場所で寝かせる工程があるのだとか。台湾茶の中でもかなり珍しいこの工程により、アーモンドのような優しい乳香と透明感ある飲み口を実現しているのです。

川田シェフが台湾で出合った高山茶。日本では『茶禅華』でのみ楽しめる。

おすすめは浄水にかけた水道水。日本の水質の良さが、お茶のおいしさにも作用する。

茶禅華1杯ごとに趣が異なる、奥深き台湾茶の世界。

川田シェフは以降もその生産者と連絡を取り合い、『茶禅華』の開店後は店の目玉としてこのお茶を提供。今では川田シェフの料理に欠かせない存在となっているのだといいます。「甘い物やフカヒレのようなまろやかな料理など、どんな料理にもよく合います。また白米との相性も良く、たとえばご飯と海苔の佃煮のようにシンプルな食事に、深みと広がりを加えてくれます」と川田シェフ。もちろんお茶単体でも、存分にその魅力が楽しめるといいます。

家庭で楽しむ場合は温めた急須に沸騰した湯を注ぎ、1分ほど。さらに1回で何度も楽しめるのもこのお茶の魅力。「1回目は香り、2回目は味、3回目は香りと味のバランス、4回目は余韻。それぞれに異なる良さが楽しめるはずです」

水出しの場合は800ccの水に10gの茶葉を入れて、冷蔵庫で1日待てば完成。これもまた、異なる香りと味わいが堪能できます。
まろやかな乳香がありながら、透明感と清らかさもある。まさに奇跡のような台湾茶。フードキュレーター・宮内は「後から香りを足す着香だと、口にした際に味と香りが分離してしまいます。その点、このお茶は、ほのかな余韻を残して消えるまで味と香りの最適なバランスが続きます。日本のお茶しか知らない方は、絶対に驚くと思います」と胸を張りました。川田シェフも「温かくても、冷たくても、どんなタイミングでもおいしいお茶。ご家庭でお気軽に楽しんで頂けると思います」と自信を見せます。

予約の取れない名店『茶禅華』で、訪れたゲストにだけ振る舞われている『吟選台湾高山青茶』。ご家庭で楽めるこのチャンスを、ぜひお見逃しなく!

▽吟選台湾高山青茶(茶禅華)
価格:12,960円(税込) 容量:100g

※販売業務は「株式会社 果実工房」に委託しております。

アーモンドような香りから、杏仁豆腐やココナッツ団子とも絶妙な相性。

お茶に造詣が深い川田シェフが自信を持って推薦する今回の逸品。

『DINING OUT KUNISAKI』の準備期間も行動を共にし、さまざまな意見を交換した川田シェフと宮内。

徐々に茶葉が開いていくごとに、異なる趣の味わいが楽しめる。


▶その他の商品は、
▽スペシャルティコーヒー2016年(アダファーム)
詳しくは、<年間収穫量はわずか50kg。沖縄の自然と向き合い、大切に育てられる国産唯一のスペシャルティコーヒー。

▽手摘み五ヶ瀬烏龍茶/釜炒り茶/熟成紅茶 3種セット(宮崎茶房)
詳しくは、<土壌と気候と技術が生んだ、最上級の香り。お茶の概念を覆す国産有機栽培釜炒り茶。

住所:〒106-0047 東京都港区南麻布4丁目7−5 MAP
電話: 050-3188-8819
茶禅華 HP:https://sazenka.com/

1982年栃木県生まれ。東京調理師専門学校卒。物心ついた頃から麻婆豆腐等の四川料理が好きで、幼稚園を卒園する頃には既に料理人になる夢を抱く。2000年~2010年麻布長江にて基礎となる技術を身につけ、2008年には副料理長を務める。その後日本食材を活かす技術を学ぶべく「日本料理龍吟」に入社。2011年~2013年の間研鑚を積んだ後、台湾の「祥雲龍吟」の立ち上げに参加、副料理長に就任し2016年に帰国。中国料理の大胆さに、日本料理の滋味や繊細さの表現が加わった独自の技術を習得する。2017年2月「茶禅華」オープン。わずか9カ月でミシュランガイド2つ星を獲得すると言う快挙を成し遂げる。和魂漢才という思想の元、日本の食材を活かした料理の本質を追求し続けている。

年間収穫量はわずか50kg。沖縄の自然と向き合い、大切に育てられる国産唯一のスペシャルティコーヒー。[アダ・ファーム/沖縄県国頭郡]

ほぼ市場に出回ることがない希少なコーヒーを今回特別に用意。

果実由来の適度な酸味と豊かな香りが特徴。

アダ・ファーム

地域に眠る食材を、国内外のトップシェフが調理する野外レストラン『DINING OUT』。その準備の過程で出合った素晴らしい食材の数々を、『ONESTORY』読者の皆様に数量限定でご紹介する準備が整いました。ご紹介するのは生産量や流通の関係で市場に出回らない、けれども超一級の名品たち。その知られざる魅力を、日々食材探しに勤しむ『ONESTORY』のフードキュレーター・宮内隼人とともに辿ります。
▶︎詳細は、地方に眠る食材を発掘し、その物語とともに届ける。フードキュレーター・宮内隼人の挑戦。

今回ご紹介するのは、沖縄・やんばるの森で育てられた至高のコーヒー。国産で唯一スペシャルティコーヒーに認定されるものの、その生産量の少なさから本州ではほぼ口にすることができない幻の一杯です。それも日本初のスペシャルティコーヒー認定記念ロットである「2016年ヴィンテージ」というコーヒーファン垂涎の逸品です。

▽スペシャルティコーヒー2016年(アダファーム)
価格:16,200円(税込) 容量:40g

※販売業務は「株式会社 果実工房」に委託しております。

『DINING OUT RYUKYU-NANJO』のコースの締めに登場した安田珈琲。その芳醇な香りでゲストを驚かせた。

「アダ・ファーム」代表・徳田氏自らが、当日のドリンク担当としてコーヒーを抽出した。

アダ・ファーム沖縄本来の自然に近づける環境作り。

2018年11月に開催された『DINING OUT RYUKYU-NANJO』。沖縄県南城市を舞台に、日本を代表する女性料理人である志摩観光ホテル・樋口宏江シェフが腕を振るった晩餐は大盛況で幕を下ろしました。沖縄の食材を使ったフルコースは圧巻の一言。そしてその締めに登場し、ゲストを恍惚へと導いたのは、琥珀色をした一杯のコーヒーでした。それが今回ご紹介する「アダ・ファーム」の安田珈琲です。

沖縄の風土、気候を凝縮したような独自の味わいから、国産唯一のスペシャルティコーヒー認定を受ける安田珈琲。しかし丁寧な作業を要するがゆえに、年間の生産量はわずか50kg程度。毎年の販売を心待ちにする熱心なファンも多く、一般にはほぼ流通することはありません。そんな希少なコーヒーにはいったいどんな思いが込められ、どんなおいしさが秘められているのでしょうか。幻のコーヒーの秘密を探りに、沖縄を訪ねました。

「遠いところへようこそ」代表の徳田泰二郎氏と優子氏は、笑顔で取材班を出迎えてくれました。「アダ・ファーム」があるのは沖縄本島最北端に近い国頭村安田地区。観光農場ではなく見学者を受け入れるわけではありませんが、防風林に囲まれた農場は沖縄の原風景を思わせる心地よい雰囲気に包まれています。

二人に案内されて農園を歩くと、その印象はいっそう強まります。直射日光を避けるシェードツリーは沖縄の在来種であるウラジロエノキ。足元がフカフカなのは刈り取った枝や落ち葉を堆肥と混ぜ、有機質にしているため。ときに甚大な被害をもたらす台風でさえ、ミネラルを運ぶ大切な栄養源です。

「土を本来の山に近づける作業です」徳田氏はそう言います。海外のコーヒー産地のやり方を真似るのではなく、その土地ならではの方法を探る。「沖縄には沖縄にしかできない方法があるはず」徳田氏は試行錯誤を繰り返しながら、ここでしか作れないコーヒーを模索し続けているのです。

「アダ・ファーム」の徳田泰二郎氏と優子氏。絵に描いたような沖縄の風景が印象的。

土が本来持っている力を引き出す森林農法。相手が自然だけに決まった答えがなく、挑戦の連続。

アダ・ファーム海外を真似るのではなく、この土地を活かすこと。

ここで少し、徳田氏のコーヒー作りの背景を紐解いてみましょう。徳田氏は東京出身。成人してすぐに沖縄に渡った理由を「環境問題へ取り組みたいという思いが半分、世の中への不満や怒りが半分」と振り返ります。その後、知人の伝手でパパイヤ栽培を開始。しかしそれがハウスでの鉢植え栽培だったことから「もっと自然の中で、答えのない農業に取り組みたい」との思いが募り、2008年にこの地にコーヒー農園を開きました。

当時は沖縄にコーヒー農園も少なく、また自身にも経験がない手探りの状況。徳田氏は文献をあさり、論文を読み、コーヒー栽培の基本を学びます。しかし実践してみると、それらが役に立たないことに気づきます。失敗しては修正し、また挑戦する。そんなことを繰り返すうちに、徳田氏はひとつの結論に思い至りました。それは「答えは全部、目の前の農園にある」ということ。

日々さまざまな研究がなされ、進化し続けるコーヒー作り。しかしそれらをもっとシンプルに農業として捉えるならば、木々と正面から向き合い、必要な手入れを丁寧に続ける以外に方法はないことに気づいたのです。「健康な木から、良い果実を収穫すること。それがすべてです」

「自分が作りたいコーヒーではなく、この土地が作りたがっているコーヒー」を目指す徳田氏。

品種はスタンダードなブラジル系。12月から2月にかけて収穫期を迎える。

日照時間、気温、雨のサイクル。自然に挑むかのような挑戦が続く。

アダ・ファーム果実の香りを豆に移す、世界で唯一の製法。

現在、8000坪の農園にあるコーヒーの木は、「責任を持って、気持ちを込めて育てられる限界」という800本。これは「アダ・ファーム」が手作業での収穫方法を採っているため。一粒ずつ指先で摘んで熟し具合を確認しながら、丁寧に手で撚りもいでいくのです。

また収穫後の工程にも、大きな特徴があります。コーヒー豆とはそもそも果実に包まれた種の部分。通常は収穫してすぐに豆と果実を分別します。しかし安田珈琲はこの果実部分と豆を、出荷する直前まで一緒にし、全行程を分別せずに行うのです。

まずは水分をたっぷり溜め込んだ最盛期に果実を収穫し、機械で皮むき、そして3日間の乾燥。そこから短くとも2~3ヶ月熟成させる間も、豆は常に果実とともにあります。「収穫した果実が持っているものを、どれだけ豆に入れ込めるか」そんな徳田氏の狙い通り、ドライフルーツのような、あるいはバラのような果実の香りが豆に移り、コーヒーに華やかさを加えるのです。

話を聞くとメリットしかないように思えますが、実はこの方法、機械脱穀しながら分別するのではなく、乾燥後に手作業で分別するため、膨大な手間がかかるのです。ゆえに徳田氏が知る限り、世界中で「アダ・ファーム」だけのやり方だといいます。

熟成期間中も果実と豆を一緒にする独自の方法により、豊かな香りが生まれる。

「ミツバチとコーヒーが会話して、良い方向に向かうかもしれない」と新たに養蜂も開始。手探りの挑戦が続く。

アダ・ファーム希少な記念ヴィンテージを限定販売。

徳田氏の視線が向くのはいつも、カップに入った液体のコーヒーではなく、農産物としてのコーヒー。ゆえに「アダ・ファーム」では基本的に焙煎はせず、生豆のみを販売します。「焙煎も抽出も、専門の職人が一生をかけて追求する仕事。僕がやるべきことは生産者として堂々と渡せる豆を作ること」そのために農業としてできることは、まだまだあるといいます。

スペシャルティコーヒーの認定についても「沖縄という土地の良さを証明できた。素直に嬉しいです」と喜びながらも「もっと大切なことは、毎年楽しみにしてくれる人がいること」と徳田氏。そんな頑固で真摯で実直な人柄を知るにつけ、一杯の安田珈琲の味わいは、いっそう深く感じられることでしょう。

安田珈琲に惚れ込んだフードキュレーター・宮内は「苦味、酸味、コクの絶妙なバランスで成り立つ想像以上の味。抽出物でありながら、飲み物として完成されている印象です」と太鼓判。また安田珈琲の大きな特徴として「通常のコーヒーでは考えられませんが、これは冷めていくなかで、ワインのように経時変化も楽しめます。きっと驚かれると思います」と語ります。そして産品としてのコーヒーだけではなく、これほどのコーヒーを生み出す沖縄という土地のポテンシャルも含めてお伝えしたい、との思いも強く、今回のご紹介に至ったのです。

さらに今回、限定販売されるのは、希少な安田珈琲のなかでも日本初のスペシャルティコーヒー認定を受けた「2016年ヴィンテージ」。もう二度と飲むことができない最後のロットです。果実の香りと沖縄の土の力、そして生産者の思いが詰まった幻のコーヒーを家庭で楽しめるまたとないチャンス。どうぞこの機会をお見逃しなく!

▽スペシャルティコーヒー2016年(アダファーム)
価格:16,200円(税込) 容量:40g

※販売業務は「株式会社 果実工房」に委託しております。

「衝撃的な味と香り」と安田珈琲を振り返る『ONESTORY』宮内と徳田氏。

有機農法を追求し、2016年にはJASオーガニックの認定も受けた。

生産者の熱意と物語が、一杯のコーヒーに深みを添える。

徳田氏のこだわりを凝縮した安田珈琲。深いコクと華やかに広がる香りに圧倒される。


▶その他の商品は、
吟選台湾高山青茶(茶禅華)
詳しくは、<透明感ある味わいと、ふくよかな乳香。名店『茶禅華』川田智也シェフが惚れ込んだ、幻の台湾茶。

▽手摘み五ヶ瀬烏龍茶/釜炒り茶/熟成紅茶 3種セット(宮崎茶房)
詳しくは、<土壌と気候と技術が生んだ、最上級の香り。お茶の概念を覆す国産有機栽培釜炒り茶。

住所:非公開
電話:非公開
営業時間:非公開
アダ・ファーム HP:http://farmthefuture.jp/

吉野と高野山を結び、次の時代の交差点となる城下町。[五條新町/奈良県五條市]

JR五條駅と二見駅の間、吉野川沿いに広がる五條新町。時代を感じさせる歴史的な街並みで、おみやげ処や食事処もあり。

五條新町美しく保たれた伝統的建造物群保存地区。

伊勢街道の要所にあり、奈良県・吉野と高野山のちょうど間に位置する奈良県五條新町。江戸幕府が成立してすぐ、1608年(慶長13年)に城下町として建設されました。奈良県(大和)内には伝統的な町屋や歴史的な街並みを有する地区が数多く存在しますが、多くは開発によって姿を変えてしまった。その点、この五條新町は150軒ほどの家々があり規模が大きく、美しい状態が保たれている。様々な年代の建築様式が残されており、歴史的景観は国内でも有数で、重要伝統的建造物群保存地区の指定も受けています。

この町には保存に力を入れる団体があり、指定も受けて整備がされていますが、当初は観光客も多くはありませんでした。町並みは美しいかもしれないけれど、人歩きが見られなければ、このままでは少しずつ死んでいく。買い物するところやカフェなどの飲食店がないと人は呼べません。

建築年代の判る民家では日本最古を誇る、重要文化財の栗山家住宅など、見所も数多く点在する。

元禄の大火以降に建てられ、防火策が厳重に施された特徴的な建築も目にすることができる。

五條新町京都に変わる観光と散策に適した城下町。

人を呼び込もうと築250年の商家を改築し、日本料理レストラン『五條 源兵衛』を立ち上げました。修理やデザインを手がけたこともあり、この町には思い入れが強いのです。かなり老朽化が進んでいて、構造上大変な作業となり、チャレンジングな物件でした。部屋も広々としていて、現在はいい料理人が腕を振るっている。遠方からもツアーでお客が足を運ぶほど成功していると聞いています。最近ではこのレストランがオープンしたのを機に、新しいお店も次々とオープンしているよう。携わったものとしては嬉しい限りです。

五條新町は伊勢、大和、紀伊を結ぶ交差点であり、マーケットタウン。五條市は金剛山と吉野山地に囲まれ、近くには吉野川も流れて景色も美しい。近隣の京都は観光ブームに沸き、人が多すぎる。嵐山なども観光どころではなくなってしまいました。街並みを眺めながらの散策を楽しむなら、五條新町をお勧めします。とはいえ、五條もまだまだ課題を抱えていて、素晴らしい酒蔵もまだまだ残されています。さらなる可能性があり、望みもある。また奈良にはこうした歴史ある街並みが点在し、可能性を十分に感じさせます。かつて奈良と高野山を結ぶ交差点だった五條新町。また次の時代の交差点になることを願うばかりです。

向かいにある一棟貸しの宿「やなせ屋」に宿泊も可能。オーベルジュとして滞在できる、レストラン『五條 源兵衛』。

住所:奈良県​​​​​​奈良県五條市本町2-5-20 MAP
五條新町 HP:http://gojo-sin.info/index.html

1952 年生まれ。イエール大学で日本学を専攻。東洋文化研究家、作家。現在は京都府亀岡市の矢田天満宮境内に移築された400 年前の尼寺を改修して住居とし、そこを拠点に国内を回り、昔の美しさが残る景観を観光に役立てるためのプロデュースを行っている。著書に『美しき日本の残像』(新潮社)、『犬と鬼』(講談社)など。