伝統は、心地よい。技の美に包まれる京都の粋な隠れ宿。[SOWAKA/京都府京都市]

京都の老舗料亭が、古今の職人の意匠を結集した空間に生まれ変わった。

そわか京都の伝統を次の世代に。老舗料亭が生まれ変わった。

そわか――薩婆訶。インドのサンスクリット語で「幸あれ」「祝福あれ」といった意を込めて、仏教の経典の最後にもしばしば唱えられる語です。京都・八坂で100年の歴史を刻んだ元老舗料亭が2018年11月、次の時代へ新たなバトンをつなぐラグジュアリーホテルに生まれ変わりました。それが『そわか(SOWAKA)』です。

祇園・八坂神社から徒歩3分という立地にある『SOWAKA』。

ロビースペースは伝統とモダンが融合されたシックな空間。

そわか数寄屋建築の息吹が感じられる本館と、現代的な和風意匠の新館。

数寄屋建築の息吹が感じられる本館と、現代的な和風意匠の新館。
祇園・八坂神社の南に位置し、街中でありながら京情緒溢れる静寂に包まれたエリア。ここで100 年続いた元老舗料亭の数寄屋建築を大規模にリノベーションして誕生した『SOWAKA』は、本館11室と新たに建てられた現代的な和風意匠の新館12室の計23室からなるスモールラグジュアリーホテルです。

2018年11月23 日より本館は週末限定で営業を開始し、新館と合わせて2019年3月25日にグランドオープン予定です。このホテルの最大の魅力は、客室全ての趣がそれぞれ異なること。「SOWAKAを通じて職人さんとの出会いを」という想いのもと、魚谷繁礼氏が設計を手がけました。魚谷氏は、京都の歴史的文脈を踏まえつつ創造性の高い建築作品を表彰する「京都建築賞(藤井厚二賞)」など数々の受賞歴があり、京都の伝統的な町家の改修実績も豊富。今最も注目される建築家のひとりです。

数寄屋建築は茶の湯に端を発する。館内には茶道の美意識がそこかしこに。

「数寄」の語源は「好き」。数寄屋建築は「好みに応じて作った家」という意味もある。

そわかひとつとして同じ部屋はない、「好きずき」に造られた空間。

本館は、大正後期から昭和初期にかけて建てられた数寄屋建築。「ほら貝の間」や「ひょうたんの間」など、もともと部屋ごとに欄間や小窓などの意匠、素材が異なり、職人の高い技術と遊び心を感じられる造りです。その基本構造やディテールを生かしつつ、快適性を追求してリノベーションした客室は、専用の庭園を備えた部屋、茶室つき、離れ町家スタイルなどバリエーションに富んだ構成。現代に合わせた京都の伝統美を取り入れ、襖は唐紙を用いた独自のデザインや色彩で襖や壁紙を制作する「野田版画工房」、漆塗りは建築やプロダクトデザインなど様々な分野で新しい漆の可能性を探るアーティスト・東端 唯氏が担当。伝統美を留めながらもアート感覚を取り入れた、これまでにないスタイルで寛げる空間に仕上げました。

新館は、杉目模様が美しい3階建ての建物。部屋と部屋が接することのないようゆとりを持ったレイアウトで、プライバシーを守るための配慮がなされています。こちらも、吹き抜けでバルコニーを備えた部屋や、畳敷きの小部屋を備えた部屋、半露天風呂つきの部屋などそれぞれにユニークな特徴があり、本館とはまた違った「現代の数寄」を体感することができます。

かつて「ほら貝の間」と呼ばれたスイートルーム。『SOWAKA』自慢の主庭を上から眺めることができる。

東山を望むかつての大広間は、デラックスツインの客室として生まれ変わった。

そわか旅の記憶をより艶やかに彩る、ミシュランの名店。

部屋の他に、『SOWAKA』の魅力は食にもあります。新館に併設されたレストラン『ラ・ボンバンス』は、2008年から10年連続でミシュランガイドで星を獲得した東京・西麻布の名店。確たる日本料理店でありながら、時にはジャンルを奔放にまたいだ新感覚の日本料理で美食家を魅了してきました。京都の食材をふんだんに使い、『SOWAKA』の世界観を表現した創作料理をモーニングからランチ、ディナーまで味わうことができます。ランチとディナーは宿泊者以外も利用できるのが嬉しいですね。

クリエイティブな日本料理を楽しめる『ラ・ボンバンス』。

館内には小さなバーも。数寄屋建築の佇まいを感じながらカクテルを味わえる。

そわか1日限定、高台寺貸し切り付きプラン。

そして、『SOWAKA』には驚くような宿泊プランが用意されています。なんと、宿から徒歩6分ほどの場所にある高台寺を3月30日の1日のみ貸し切りにして春の夜間特別拝観を楽しめるプランがあるのです。2018年の本館オープン時も貸し切りで秋の特別拝観付きプランを実施したところ大好評だったとか。桜の名所である高台寺を貸し切りでゆっくり堪能し、ホテルに帰って余韻に浸る……そんな贅沢をかなえてみてはいかがでしょうか。

桜と紅葉が有名な高台寺。ライトアップ時には幻想的な光に包まれる。(写真提供:高台寺)

住所:京都市東山区下河原通八坂鳥居前下ル清井町480 MAP
電話:075-541-5323
料金:本館(一泊一室料金)スタンダード:27㎡ 30,000円~/新館(一泊一室料金)スタンダード:35㎡ 35,000円~ ※新館は2019年3月25日(月)オープン
『SOWAKA限定 夜の高台寺「貸切」拝観付宿泊プラン』
 2019年3月30日(土) 68,000円~(2名1室利用 / 税サ・宿泊税別)
SOWAKA HP:https://sowaka.com/
写真提供:SOWAKA