
ワイドスターマインは割物花火と噴出花火を組み合わせ夜空のスクリーンにバランスよく開花していました。
京都芸術花火指定席で心ゆくまで堪能する花火エンターテインメント。
文化庁京都移転決定記念事業として昨年初めて開催された京都芸術花火は、東西に宇治川と桂川が流れる淀駅近くの京都競馬場を舞台に行われます。特徴の一つとして全席有料でそのほとんどが指定席という点が挙げられます。従来の花火大会というより劇場でのお芝居、野外ステージでのライブを観るという感覚です。京都競馬場という巨大な劇場の舞台で花火たちが時に激しく時に可憐にパフォーマンスを繰り広げます。サブタイトルとして謳っているように「選び抜かれた音楽、磨き抜かれた花火」を目や耳だけでなく体全体で感じられる、心に響く花火エンターテインメントです。

競馬場内に花火打ち上げ場所と観覧席が設置されています。
京都芸術花火夜空のスクリーンを鮮やかに彩る世界に誇れる日本の芸術作品。
芸術花火と銘打っているだけに数多くの芸術玉も観ることができます。世界的に最も美しいと称される日本の割物花火(球型に開く花火)はどこから見てもまん丸です。同心円状に幾重にも円が重なる割物花火はまるでコンパスで描いたかのように美しく広がってゆきます。また近年格段の進化を遂げている独創的な割物花火はイルミネーションのように次々と色を変えたり、時間差で開いたり、あたかも回転しているかのように見えたり、色のバリエーションも豊かで観覧席からは必ずや感嘆の声が上がるでしょう。
割物花火以外も虎の尾と呼ばれる噴出型の花火などを競馬場の地形を活かした配置で打ち上げるため奥行きのある演出を楽しむことができます。夜空のスクリーンにバランスよく開くように設置されています。一番手前に設置される花火は観覧席に飛び込まんばかりの迫力で光り輝くオーロラのように降り注ぎます。京都芸術花火は全編音楽と共に打ち上がります。音楽をBGMとして曲調のイメージに合わせて打ち上げたり、音楽と花火を寸分違わずシンクロさせ見事な調和と圧巻の演出で楽しませてくれます。花火は打ち上げてから開くまでにタイムラグがあります。そのタイムラグを加味した上で音楽に合わせて開くように計算し尽くされプログラミングされているのです。しかもタイムラグは花火の大きさ(打ち上がる高さ)によって違ってくるのです。

エンディングで美しい割物花火(尺玉)を一発づつ丁寧に打ち上げていました。
京都芸術花火最後の一発まで目が離せない。
今年初の試みとして事前チケット購入にて参加可能な日本酒飲み比べイベントや花火弁当を楽しむこともできるようです。お弁当は地元京都の老舗の味を堪能できる品揃えです。美味しいお酒を嗜みながらお弁当を味わい、贅沢な花火を堪能する。和食文化京都を感じさせる心憎い演出です。
プログラムの最後は各煙火業者選りすぐりの割物花火を一発一発丁寧に打ち上げます。それはエンドロールのように感じられ先程までの激しい花火に興奮していた気持ちを少し落ち着かせてくれ心地良い余韻を楽しませてくれます。花火大会に行くと混雑を嫌って途中で帰る人を見かけますがここは競馬場です。常日頃から大勢のお客様を誘導する事に慣れています。どうぞ安心して最後の一発まで見逃さず堪能してほしいと感じます。
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場所:京都市伏見区葭島渡場島町32 MAP
日時:5月29日(水) 花火打上スタート19:50〜 荒天時、翌日30日(木)に順延
※事前にチケット購入が必要です。
参加煙火業者(予定):アルプス煙火工業(長野県)、安藤煙火店(山形県)、伊那火工堀内煙火店(長野県)、柿園花火(宮崎県)、國友銃砲火薬店(京都府)、野村花火工業(茨城県)、ハナビランド(静岡県)、響屋大曲煙火(秋田県)、ワキノアートファクトリー(福岡県)
京都芸術花火 HP:https://www.kyoto-hanabi.com/
1963年神奈川県横浜市生まれ。写真の技術を独学で学び30歳で写真家として独立。打ち上げ花火を独自の手法で撮り続けている。写真展、イベント、雑誌、メディアでの発表を続け、近年では花火の解説や講演会の依頼、写真教室での指導が増えている。
ムック本「超 花火撮影術」 電子書籍でも発売中。
http://www.astroarts.co.jp/kachoufugetsu-fun/products/hanabi/index-j.shtml
DVD「デジタルカメラ 花火撮影術」 Amazonにて発売中。
https://goo.gl/1rNY56
書籍「眺望絶佳の打ち上げ花火」発売中。
http://www.genkosha.co.jp/gmook/?p=13751