
気仙沼にてフカヒレを空にかざす黒森氏。こちらは皮や骨を取り除かずに干された原ビレ。
楽・食・健・美-KUROMORI-OVERVIEW
仙台駅から車で15分ほど。広瀬川を見下ろす崖の上に中華料理店『楽・食・健・美-KUROMORI-』はあります。地方都市の、駅から離れた場所にありながら、遠方から訪れるゲストで2ヶ月先の予約まで埋まるこの店。手がけるのはオーナーシェフ・黒森洋司氏です。
黒森氏は、東京都内の正統派広東料理の店で腕を磨いた人物。その腕前に疑いはありませんが、正統派とはつまり尖った個性もないということ。ではなぜ多くのグルマンたちは、新幹線や飛行機に乗ってまでこの店を目指すのでしょうか?
その答えが、黒森氏が試行錯誤の末にたどり着いた地産地消にあります。
「宮城県は中華の五大乾物のうちフカヒレ、鮑、ナマコの3つが揃います。さらに魚介も肉も野菜も豊富。いわば日本中でもっとも中華に適した場所というわけです。東京の後追いではなく、宮城でしかできないことをしたい」
そう語る言葉の通り、この店で味わえるのは、宮城という場所の魅力を凝縮したような、素材感際立つ料理の数々。お金ではなく“足を運ぶ”という手間を支払って味わうべき、唯一無二の味なのです。
しかし黒森氏は、地産地消という答えを簡単に見つけたわけではありません。見知らぬ土地で悩み、迷い、やがて大きな決断に至る。そんな黒森氏のストーリーをお届けします。
住所:〒982-0841宮城県仙台市太白区向山2-2-1 MAP
電話: 022-211-0306