アートを通じ土地の魅力を再発見する「大地の芸術祭」の里 越後妻有2019夏 開催。[「大地の芸術祭」の里 越後妻有2019年夏/新潟県十日町市]
「大地の芸術祭」の里 越後妻有2019年夏越後妻有発世界へ。世界的アートイベントに成長した地域芸術祭の企画展。
8月10日から9日間、「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」の通年プログラム、『「大地の芸術祭」の里 越後妻有2019年夏』が開催されます。「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」は、2000年より3年に一度開催されている地域芸術祭の先駆けにして、世界最大級の国際芸術祭。舞台となるのは新潟県十日町市、津南町にまたがる広大な地域で、里山に200点もの作品が点在しています。トリエンナーレの合間の年に開催されてきた通年プログラム。今夏は、空き家や廃校作品を含む15作品を会期中限定で公開。常設の野外作品と併せて楽しめるほか、さまざまなイベント、オフィシャルガイド付きのツアーなども開催されます。
日本有数の豪雪地帯で、過疎高齢化が進む地域をアートで再生しようとスタートした「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」。今や世界最大級の国際芸術祭として国内外から来場者を集め、7回目にあたる2018年は約54万人を動員しました。この成功例は、全国の自治体やアート関係者を刺激し、2010年に第1回が開催された「瀬戸内国際芸術祭」をはじめ、全国各地に地域芸術祭の文化を根付かせてきました。総合ディレクターの北川フラム氏は、次のように語ります。
「大地の芸術祭」の里 越後妻有2019年夏アートを通じ、土地の自然、歴史、文化に触れる。
「ここでのアートは大地をキャンバスに創られる、越後妻有という土地の表現。作品を見ることを通じ、土地の背景や自然環境、文化や歴史が見えてくる。アートという仕掛けを通じ、都市にはない面白さが田舎にあることに多くの人が気付いたんですよね。作家も、来場者も、そして地元の人たちも。現在、飛び抜けたコンテンツのない日本のアート業界を、芸術祭が牽引している状況。現代美術のファンは増え続け、シーンを活性化している。インバウンドの唯一の成功例ともいわれています。現在、中国をはじめとしたアジア諸国も本格的な取り組みを始めているところです」
「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」のもうひとつ大きな特徴に、第1回目の開始時から、地域の食にフォーカスしてきたことにあります。豊かな自然が大地の恵みをふんだんにもたらしてくれる一方で、雪に覆われた長い冬を過ごすことを余儀なくされた土地。地域で親しまれてきた料理には、自然が色濃く映し出され、暮らす人々の知恵が詰まっています。
「食はものすごく重要なコンテンツのひとつ。なぜならば食文化は土地と分かちがたく結びついているから。来場者アンケートを見ても、満足した点として“地元の食事が食べられた”と答えている人はとても多い」
棚田米の新米でつくるおにぎりのおいしさ。水がいい場所で食べるへぎそばの本物の味。春の山菜に、さまざまな野菜でつくられる漬物。「郷土の味」「家庭の味」を地域の資産として価値化する試みにおいても先駆的で、その流れは地域芸術祭とセットで、あるいは単独で各地方へ広がりつつあります。『越後まつだい里山食堂』や『うぶすなの家』、『Hachi Café』など6軒のカフェ&レストランで提供される食事も、今や、アート作品同様に「大地の芸術祭」の里の重要なコンテンツになっていて、もちろん『「大地の芸術祭」の里 越後妻有2019年夏』期間中も味わうことができます。
「大地の芸術祭」の里 越後妻有2019年夏企画展、会期中限定公開作品で、現代美術の世界の今を体感。
『「大地の芸術祭」の里 越後妻有2019年夏』の目玉のひとつが、磯部行久記念 越後妻有清津倉庫美術館[SoKo]で開催される企画展『河口龍夫 - 時の羅針盤』です。日本を代表する現代美術作家として50年来、第一線で活躍する河口は、北川フラム氏とも親交が深く、「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」には第1回目から参加している越後妻有の里を代表するアーティストの一人。物質と人間や時間との「関係」をテーマにした作品は絵画からインスタレーションまで多岐に渡り、今回の企画展では60年代の作品から代表作まで約60作品を見ることができます。
会期中限定の作品として注目したいのがクリスチャン・ボルタンスキー+ジャン・カルマンの『最後の教室』。廃校となった旧東川小学校を利用し、2006年に完成したこの作品は、世界的アーティストの日本における代表作として知られています。床に稲藁が敷き詰められたほの暗い体育館、心臓音が響く教室、かつての生徒たちの持ち物が展示されたロッカーなど、場の「記憶」を空間の中に閉じ込めた作品。2018年に新たなインスタレーション『影の劇場~愉快なゆうれい達~』も加わり、アートファンの関心を集め続けています。
もうひとつが、塩田千春の『家の記憶』。2階建ての古民家を一軒使ったインスタレーションで、天井から屋根裏まで黒い毛糸を張り巡らせ、その中に地域の人々から集めた衣類や家財道具などを閉じ込めました。
現在、六本木の森美術館で、塩田の過去最大の個展「魂がふるえる」が開催中ですが、2009年に完成した『家の記憶』は、ベルリンを拠点に活動する塩田の日本国内での知名度を飛躍的高めたという意味で注目すべき作品です。奇しくも、新国立美術館ではクリスチャン・ボルタンスキーの大回顧展「Lifetime」が開催中。併せて楽しむ、またとないチャンスです。
ほかにも絵本作家・田島征三が集落の人々とともにつくった恒久作品『鉢&田島征三 絵本と木の実の美術館』では、創立10周年記念企画展が、越後妻有里山現代美術館[キナーレ]のレアンドロ・エルリッヒ作品の周りでは「水あそび博覧会」が開催されるなど、重要な作品を会場にした企画展、体験型イベントなども目白押し。
訪れる季節ごとに、あるいはその日の気候や時間帯でも見え方が変わり、都度、発見があるのがサイトスペシフィックアートの魅力。棚田も山の緑も濃い緑に輝く夏の越後妻有を舞台にしたアートを巡る特別な9日間が、間もなく幕を開けます。
会期:2019年8月10日~18日
会場:新潟県十日町市、津南町
問い合わせ:025-761-7767 (「大地の芸術祭の里」総合案内所)
「大地の芸術祭」の里 越後妻有2019年夏 HP:http://www.echigo-tsumari.jp/
@1218718 瑞恵
うるちぃー誕生日おめでとう御座います身体が締まったね!暑さに負けるな!明治大学体育会競走部様ありがとうございます