カウンターでレモンを1杯、が尾道の旅のスタンダードになる?[HOK STAND/広島県尾道市]

商店街の端に突如現れるスタイリッシュな空間。

ホック スタンドレトロな商店街に登場したのは、カフェ? バー?

尾道駅から国宝浄土寺に向かって1.2kmほど続く尾道本通り商店街。尾道市街を東西に貫く、ゆったりとした空気が流れるレトロな雰囲気の街並みです。銭湯や喫茶店、呉服店などが軒を連ねる通り沿いに、黒いファサードが目を引くスタイリッシュな店舗が現れます。ここは、6月30日にオープンした「HOK STAND」。瀬戸内レモンを使ったレモネードが楽しめるレモネードスタンドという、この界隈では珍しいお店です。

店内は、120年前の素材を生かしつつもインダストリアルな空間に。

ホック スタンド地元が誇る食材+デザインの力で街を元気に。

オーナーは尾道出身のグラフィックデザイナー櫻武千彰氏。高校卒業後は専門学校の進学とともに上京し、アパレルブランド「TAKAHIROMIYASHITATheSoloist.」でデザインを担当するなど幅広く活躍していました。2013年の独立後、東京や横浜を拠点としながら「大好きな尾道で、地元食材とデザインで地元を活性化したい」という思いとともに、尾道にも事務所を構えました。商品ブランディングの相談に乗るなど、東京で見てきたものや経験したことを生かして、街をクリエイティブ面から元気にしようと活動。東京ではレモネードのブームが来ていましたが、「せっかくレモンの産地なのだから、その美味しさを伝える専門店を作ろう」とこのお店をオープン。観光客が尾道のレモンの魅力を知り、街の人も新しい文化を感じられる空間を目指しました。

櫻武氏がパッケージデザインを手がけた商品。他にもロゴデザインなど多数。

ホック スタンド古民家をリノベーション。新旧が交差する温かな空間。

建物は1894年(明治27年)築の古い商店をリノベーション。内装は「ユナイテッドアローズ」などの店舗デザインを手がけるSMALL CLONEの佐々木一也氏が担当しました。柱や梁などもともとの建材を生かしながらも、カウンターにはベルギーの旧邸館で使われていたアンティークパネルを用いるなど和と洋の素材を調和させ、木のぬくもりがありつつ現代的な店舗に仕上げました。

アンティークパネルの裏側を使ったカウンター。明治期の古民家にしっくりくる。

ホック スタンド農家のレモンに込めた想いも余すところなく、大事に搾って。

メニューは実にシンプルで、レモネードの他、コーヒーとビールのみ。ですが、このレモネードこそ櫻武氏が渾身の力を注いだ看板メニューなのです。使っているのは尾道市の向島(むかいしま)や瀬戸田の農家から直接仕入れるノンワックスの瀬戸内レモン。温暖な気候とたっぷりの太陽で育つ瀬戸内レモンは、他の産地のレモンに比べて香りが良く味に丸みがあるのが特徴です。何より、Non-wax (ノンワックス)、Non-GMO(遺伝子組み換えではない)が最大のポイント。その果汁に、複数の砂糖を配合した特製シロップとスパイスを加え、甘みを抑えてレモンの風味を最大限に生かしたオリジナルの味わいに。農家の丁寧な手仕事を大事にし、地場産品に誇りを持ち、その価値を地元の人や全国から訪れる観光客に伝える1杯です。

カップのデザインは櫻武氏が担当。テイクアウトもイートインも可。

ホック スタンドレモンの味とともに、こんなお土産もいかが?

ベーシックな「尾道レモネード」の他、ピリッと生姜が利いた「ジンジャーレモネード」、キウイの角切りが入った「キウイレモネード」など、レモネードにはバリエーションがあります。いずれも炭酸、水、お湯など割り方を選ぶことが可能です。またコーヒーは櫻武氏が東京で実際に飲んで吟味した「ONIBUS COFFEE」の豆を丁寧にハンドドリップで淹れます。

また、カップやショップカードの洗練されたデザインにも櫻武氏のセンスが表れています。スタッフが着用しているエプロンは「DRESSSEN」に特別注文したもの。店内でお土産として販売されています。

レモンの産地で味わう本格的なレモネード。尾道散策のおともや休憩の際に、ぜひ一度味わってみてください。

オーナーが好きな「When life gives you lemons, make lemonade」(災い転じて福となす)の言葉が入ったエプロン。販売も行っている。

住所:広島県尾道市久保1-2-24 MAP
電話:0848-29-9527
営業時間:11:00–17:00 
休日:木曜
料金:尾道レモネード450円、ジンジャーレモネード550円、キウイレモネード550円他
HOK STAND  HP:https://www.hokstand.com/
写真提供:HOK STAND

アートを通じ土地の魅力を再発見する「大地の芸術祭」の里 越後妻有2019夏 開催。[「大地の芸術祭」の里 越後妻有2019年夏/新潟県十日町市]

マ・ヤンソン/MADアーキテクツ『Tunnel of Light』は、2018年に開催された第7回展を代表する作品。

「大地の芸術祭」の里 越後妻有2019年夏越後妻有発世界へ。世界的アートイベントに成長した地域芸術祭の企画展。

8月10日から9日間、「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」の通年プログラム、『「大地の芸術祭」の里 越後妻有2019年夏』が開催されます。「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」は、2000年より3年に一度開催されている地域芸術祭の先駆けにして、世界最大級の国際芸術祭。舞台となるのは新潟県十日町市、津南町にまたがる広大な地域で、里山に200点もの作品が点在しています。トリエンナーレの合間の年に開催されてきた通年プログラム。今夏は、空き家や廃校作品を含む15作品を会期中限定で公開。常設の野外作品と併せて楽しめるほか、さまざまなイベント、オフィシャルガイド付きのツアーなども開催されます。

日本有数の豪雪地帯で、過疎高齢化が進む地域をアートで再生しようとスタートした「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」。今や世界最大級の国際芸術祭として国内外から来場者を集め、7回目にあたる2018年は約54万人を動員しました。この成功例は、全国の自治体やアート関係者を刺激し、2010年に第1回が開催された「瀬戸内国際芸術祭」をはじめ、全国各地に地域芸術祭の文化を根付かせてきました。総合ディレクターの北川フラム氏は、次のように語ります。

内海昭子『たくさんの失われた窓のために』。屋外の大きな窓枠を通じ、越後妻有の里山の風景の美しさを再発見できる。

イリヤ&エミリア・カバコフ『棚田』。稲作の情景を読んだ詩を、棚田の風景に重ねた彫刻作品。

日本のアートシーンと地方創生のあり方を変えてきた総合ディレクターの北川フラム氏。

「大地の芸術祭」の里 越後妻有2019年夏アートを通じ、土地の自然、歴史、文化に触れる。

「ここでのアートは大地をキャンバスに創られる、越後妻有という土地の表現。作品を見ることを通じ、土地の背景や自然環境、文化や歴史が見えてくる。アートという仕掛けを通じ、都市にはない面白さが田舎にあることに多くの人が気付いたんですよね。作家も、来場者も、そして地元の人たちも。現在、飛び抜けたコンテンツのない日本のアート業界を、芸術祭が牽引している状況。現代美術のファンは増え続け、シーンを活性化している。インバウンドの唯一の成功例ともいわれています。現在、中国をはじめとしたアジア諸国も本格的な取り組みを始めているところです」

「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」のもうひとつ大きな特徴に、第1回目の開始時から、地域の食にフォーカスしてきたことにあります。豊かな自然が大地の恵みをふんだんにもたらしてくれる一方で、雪に覆われた長い冬を過ごすことを余儀なくされた土地。地域で親しまれてきた料理には、自然が色濃く映し出され、暮らす人々の知恵が詰まっています。

「食はものすごく重要なコンテンツのひとつ。なぜならば食文化は土地と分かちがたく結びついているから。来場者アンケートを見ても、満足した点として“地元の食事が食べられた”と答えている人はとても多い」

棚田米の新米でつくるおにぎりのおいしさ。水がいい場所で食べるへぎそばの本物の味。春の山菜に、さまざまな野菜でつくられる漬物。「郷土の味」「家庭の味」を地域の資産として価値化する試みにおいても先駆的で、その流れは地域芸術祭とセットで、あるいは単独で各地方へ広がりつつあります。『越後まつだい里山食堂』や『うぶすなの家』、『Hachi Café』など6軒のカフェ&レストランで提供される食事も、今や、アート作品同様に「大地の芸術祭」の里の重要なコンテンツになっていて、もちろん『「大地の芸術祭」の里 越後妻有2019年夏』期間中も味わうことができます。

『農舞台』2階にある『越後まつだい里山食堂』では地産の野菜を使ったランチをブッフェスタイルで楽しめる。

『越後まつだい里山食堂』のランチの一例。野菜の煮びたし、ひじきや山菜の煮物、漬物、ライスコロッケなど。ランチブッフェは11:00~14:00。(水休、8/14は営業)

種子を包み込んだ薄い鉛の板で描かれた「種子の周囲に」。河口龍夫の1990年から1993年にかけての作品。

体育館棟に展示された河口のインスタレーション作品。水をたたえた黄色い蜜蝋が塗られたボウルが北極星、北斗七星の位置に配置された「関係-地上の星座・北斗七星」などダイナミックな作品が多い。

「大地の芸術祭」の里 越後妻有2019年夏企画展、会期中限定公開作品で、現代美術の世界の今を体感。

『「大地の芸術祭」の里 越後妻有2019年夏』の目玉のひとつが、磯部行久記念 越後妻有清津倉庫美術館[SoKo]で開催される企画展『河口龍夫 - 時の羅針盤』です。日本を代表する現代美術作家として50年来、第一線で活躍する河口は、北川フラム氏とも親交が深く、「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」には第1回目から参加している越後妻有の里を代表するアーティストの一人。物質と人間や時間との「関係」をテーマにした作品は絵画からインスタレーションまで多岐に渡り、今回の企画展では60年代の作品から代表作まで約60作品を見ることができます。

会期中限定の作品として注目したいのがクリスチャン・ボルタンスキー+ジャン・カルマンの『最後の教室』。廃校となった旧東川小学校を利用し、2006年に完成したこの作品は、世界的アーティストの日本における代表作として知られています。床に稲藁が敷き詰められたほの暗い体育館、心臓音が響く教室、かつての生徒たちの持ち物が展示されたロッカーなど、場の「記憶」を空間の中に閉じ込めた作品。2018年に新たなインスタレーション『影の劇場~愉快なゆうれい達~』も加わり、アートファンの関心を集め続けています。

もうひとつが、塩田千春の『家の記憶』。2階建ての古民家を一軒使ったインスタレーションで、天井から屋根裏まで黒い毛糸を張り巡らせ、その中に地域の人々から集めた衣類や家財道具などを閉じ込めました。
現在、六本木の森美術館で、塩田の過去最大の個展「魂がふるえる」が開催中ですが、2009年に完成した『家の記憶』は、ベルリンを拠点に活動する塩田の日本国内での知名度を飛躍的高めたという意味で注目すべき作品です。奇しくも、新国立美術館ではクリスチャン・ボルタンスキーの大回顧展「Lifetime」が開催中。併せて楽しむ、またとないチャンスです。

ほかにも絵本作家・田島征三が集落の人々とともにつくった恒久作品『鉢&田島征三 絵本と木の実の美術館』では、創立10周年記念企画展が、越後妻有里山現代美術館[キナーレ]のレアンドロ・エルリッヒ作品の周りでは「水あそび博覧会」が開催されるなど、重要な作品を会場にした企画展、体験型イベントなども目白押し。

訪れる季節ごとに、あるいはその日の気候や時間帯でも見え方が変わり、都度、発見があるのがサイトスペシフィックアートの魅力。棚田も山の緑も濃い緑に輝く夏の越後妻有を舞台にしたアートを巡る特別な9日間が、間もなく幕を開けます。

床に干した稲藁が敷き詰めてあり、多数の電球と扇風機が配された『最後の教室』の体育館。

『影の劇場~愉快なゆうれい達~』。コウモリや骸骨、天使など、生死の間にあるものたちが浮かび上がる。

塩田千春『家の記憶』。過疎化する集落で空き家や廃校を使った作品は、「大地の芸術祭」の里ならではの作品。

『家の記憶』。地域の人々から要らなくなったものを集め、モノに染みこんだ記憶を空き家空間に編み込んだ。

水面に映る景色をプールの床に描いたレアンドロ・エルリッヒの『Palimpsest:空の池』。

会期:2019年8月10日~18日
会場:新潟県十日町市、津南町
問い合わせ:025-761-7767 (「大地の芸術祭の里」総合案内所)
「大地の芸術祭」の里 越後妻有2019年夏 HP:http://www.echigo-tsumari.jp/

@1218718 瑞恵

うるちぃー誕生日おめでとう🎉🎈🎉御座います身体が締まったね!暑さに負けるな!明治大学体育会競走部様ありがとうございます😊

2019年夏季休業のお知らせ

平素は格別のお引き立てをいただき、厚く御礼申し上げます。
誠に勝手ながら、下記期間を夏季休業とさせていただきます。

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2019年8月11日(日)~15日(木)まで
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※ 2019年8月16日(金)より、通常業務を開始します。
※ 休暇中のお問い合わせにつきましては、2019年8月16日(金)以降に対応させていただきます。

大変ご迷惑をお掛けいたしますが、何卒ご了承くださいますようお願い申し上げます。

母なる山に導かれて。津軽の人気ハンバーガー店が紡ぐ、奇跡のストーリー。[TSUGARU Le Bon Marché・ユイットデュボワ 八幡崎店/青森県平川市]

『ユイットデュボワ 八幡崎店』店内、自身が描いた作品の前に座る井上信平氏。絵の持つ力強さが、空間に明るさをもたらす。

津軽ボンマルシェ・ユイットデュボワ材料はほぼ青森県産。毎日でも食べたい「田舎のハンバーガー」。

「『デュボワ』のハンバーガー食べた? めちゃくちゃ旨いよ」。私たち取材班にそう教えてくれたのは、2018年取材した『弘前シードル工房 kimori』の代表・高橋哲史氏。その後、私たちは津軽のあちこちでその店の名前を聞くことになりました。「他にはない味わいにハマった」、「オーナーのこだわりがすごい」。多くの人がそう絶賛するハンバーガーとはいったいどんなものなのでしょうか? 対面すべく向かった先は、弘前市中心部から車で15分ほどの平川市。田んぼが広がるのどかな景色の中、突然こじゃれたカフェが姿を現したのです。

ここ『ユイットデュボワ 八幡崎店』は、弘前市にある『カフェデュボワ 上白銀店』の姉妹店として、2019年2月にオープンしたばかり。青森県産牛100%のパティや青森県産の野菜、弘前市内のパン店に特別に注文したバンズを使用するなど、とことん「青森」にこだわったグルメバーガーの美味しさで、既に根強いファンを持っています。「グルメバーガーといっても、東京の人気店で出すようなリッチなタイプとは違うんです」と話すのは、オーナーの井上信平氏。曰く「目指すのは、僕がアメリカの地方都市に住んでいた頃毎日のように食べていた“田舎のハンバーガー”。シンプルであっさりしているから、もの足りないという人もいます。でもひとつ食べたら『しばらくいいや』と思うようなハンバーガーより、健康的だしホッとできる。食が細い人も、うちのハンバーガーはぺろっと食べてしまいますよ」。

津軽エリア内に2店舗を経営し、地元産食材にこだわる井上氏ですが、生まれも育ちも兵庫県の関西人。実はデザイン事務所の代表を務め、画家という顔も持っています。井上氏がなぜ津軽へ移り住み、活動を続けているのか。その話こそが、今回の記事のドラマチックな主題です。

【関連記事】TSUGARU Le Bon Marché/100年先の地域を創造するために。多彩で奥深い「つながる津軽」発掘プロジェクト!

平川市は「気の流れがいい」と話す井上氏。店舗の2階は自身が運営するデザイン会社に。社名の『0172』は一帯の市外局番から拝借したそう。

青森県産牛の赤身肉の風味を生かすため、味付けは潔く塩・こしょうのみ。平川市の店では炭火でパティを焼くが、炭も香りがよく長持ちする近隣の大鰐町(おおわにまち)産を使う。

「濃厚プレミアムチーズバーガー」1,280円。それぞれの食材の味がしっかりと伝わってくる、記憶に残る美味しさだ。特別注文のバンズはイーストフード不使用。

店内で飲める他、ボトル販売も行う「自家製ジンジャーエール」(右)と青森県産カシス使用の「自家製カシスジンジャーエール」(左)。井上氏の奥様がレシピを開発。

津軽ボンマルシェ・ユイットデュボワきっかけは、津軽の情熱的な色彩。夢をかなえるため北国へ。

井上氏が津軽と出合ったきっかけは、意外にも海外での出来事でした。高校卒業後、デザインを学ぶためアメリカに留学した井上氏。当時のアメリカはインターネット黎明期、とにかく色々なものをインターネットで検索するうちに、たまたま見つけた青森ねぶた祭の写真に衝撃を受けたといいます。「こんなにカラフルで独特な色合いが生まれる場所には、いったいどんな文化があるんだろう、いつか住みたいと青森に憧れを持ちました」と井上氏。しかし帰国後は地元企業に就職、結婚し子供にも恵まれ、いつしか年齢は20代後半に。「中学生の頃の夢は人間国宝(笑)。それはまだしも、20歳になってから決めた『青森に住む』という夢さえかなえていない。ふと、それまで何も成し遂げていない自分が嫌になったんです」と井上氏は話します。

そうして井上氏は一念発起し、津軽移住を決意。印刷会社のデザイン部門に就職が決まり、家族で弘前市へやってきた27歳の時、井上氏の人生に影響を及ぼすもうひとつの出合いがありました。「道の駅の駐車場に車を停めて視線を上げたら、大きな岩木山がドーン!と見えて。不思議と『ようこそ』と言われた気がしたんです。その瞬間、自分はずっとこの山に会いたかったんだと確信しました」と井上氏。

苦節8年、ようやく独立しデザイン会社を設立。そんなある日、井上氏は岩木山の絵を描き始めます。時に激しいエネルギーを感じさせる原色で、時に優しげな淡い色調で、自分の中の岩木山を無心に描く……。まるでミューズを見つけたアーティストのように創作意欲を爆発させた井上氏は、やがて岩木山だけを描く画家としても知られるようになります。

平川市某所にある井上氏のアトリエには、大小様々な岩木山の絵が。先入観を持たずありのままに絵を感じてほしいと、全てタイトルはつけていない。

「店ではニコニコしているけど、普段は眉間にしわが寄ってます(笑)。仕事でも店のメニューでも『次はどうやってみんなを驚かせよう』って考えちゃって」と井上氏。

「自分はこの山に呼ばれて津軽に来た」。井上氏が直感的にそう直感したという岩木山は、津軽の人々の心の拠り所。今も山岳信仰の対象として知られる霊峰だ。

津軽ボンマルシェ・ユイットデュボワハンバーガーも絵も自己表現。表現の仕方を津軽が教えてくれた。

「それまではいくら絵を勉強したところで、絵が楽しいとも、自分から描きたいとも思えなかった。でも岩木山を描き始めたら気持ちががらりと変わって、とにかく描きたい時に描きたいだけ、作品を作るようになりました」。そう語る井上氏が、初めてのハンバーガー店『カフェデュボワ』をオープンしたのは2015年、移住から13年目のこと。長年広告デザインの仕事に携わる中、自分が店を経営すれば、より依頼者の気持ちに寄り添うことができると考えたのがその理由です。「例えば八百屋の店主が『旨い野菜を作っても売れない』と悩んでいたら、解決方法を一緒に考えるのがデザインの仕事。だったら自分が毎日食べ歩くほど好きだったハンバーガーでそれをやろうと思って」と井上氏。

デザインの仕事を生かす場として始めたハンバーガー店ですが、店作りの方向性や提供するハンバーガーについては「絵と同じ、自己表現」なのだと井上氏。「おかげさまで今は、絵を買いたいと言ってくださる方がたくさんいます。それって、『僕の捉える岩木山はこうですよ』という表現が、受け入れてもらえているということ。ハンバーガーも、4年も店が続いているのは、『僕はこういう食べものが好きなんです。あなたはどう?』という投げかけに、賛同してくれる人がいるからだと思っています」と続けます。

「津軽に来てわかったのは、感じたことをそのまま表現するのが大切だということ。住みたい所に住めばいいし、絵が描きたいなら描けばいい。なんだか、津軽に来てからすっかりスピリチュアルな感じになっちゃって(笑)。今、僕のライフワーク自体が自己表現なんです」。そう言い切る井上氏。津軽の地と岩木山に導かれ感性を開花させた井上氏には、少しの迷いも見えません。

最近は『ユイットデュボワ 八幡崎店』の横の空き地で、自然農法の畑もスタート。自家栽培の野菜を使ったメニューの提供も視野に入れ、目下農業を勉強中とか。

弘前市にある1号店の『カフェデュボワ』は、2017年、同じ弘前市内に移転。市役所や弘前公園に近いビルの2階で『カフェデュボワ上白銀店』として営業している。

『カフェデュボワ 上白銀店』店内。店の入り口脇では、近所の福祉施設から届く朝採れ野菜やジャムなどの加工品の販売スペースも。

津軽ボンマルシェ・ユイットデュボワ津軽に暮らし続けたい。その想いが地域貢献につながる。

ライフワーク=自己表現と語る井上氏ですが、その裏には常にひとつのテーマがあります。それが「青森の発展に寄与する」こと。青森県産食材を使うこともそのひとつですが、例えば『デュボワ』の2店舗では、働き口を見つけづらい子育て中の母親を積極的に採用。子持ちスタッフが多いことを考慮して夜営業は予約のみで受けつけるなど、働きやすい環境を整えています。また代表を務めるデザイン会社は、若手クリエイターの受け皿に。「働く場所があれば他県への人口流出も防げますし、県外からの移住者を助けることもできる。経営規模を大きくすることが、自分ができる地域貢献だと思います」と井上氏。

2019年『ユイットデュボワ 八幡崎店』を郊外の平川市に作ったのは、自身が弘前市から平川市に引っ越したことがきっかけ。もともと近所同士のつながりが非常に強い地域のため、「若い人を含め、もっと人が行き交える場所を」と2号店の出店を決意したそうです。オープン時には地元の人たちを招待し、今ではハンバーガーを楽しみに通う70代の常連客を持つなど、地域に愛される店となってきました。
地域に根差した理由を聞くと、「津軽の人口が減少して街がなくなるようなことになったら、岩木山のそばに住めなくなるじゃないですか」と笑う井上氏。しかし、その根底には、自身の生き方を変えてしまうほど強いエネルギーを持った、津軽への並々ならぬ愛情が感じられます。1枚の青森ねぶた祭の写真から動き出した、井上氏と津軽を巡る物語。画家活動、ハンバーガー店経営、そしてその次は? 岩木山に導かれ、勢いが止まりそうもない井上氏のこと、今後ますます肩書を増やしながら活躍を続けるに違いありません。


(supported by 東日本旅客鉄道株式会社

チラシやポスター、ウェブデザインなどの制作を請け負う会社『0172』のオフィスで、若手スタッフと談笑。畑の作業も、スタッフみんなで行っているそう。

地元の小学校などで絵の講師も務め、「いつか津軽に美術学校を開きたい」と語る井上氏。「感じたまま描こう」と教える教室では、子どもたちの自由な感性が羽ばたく。

住所:青森県平川市八幡崎松枝42-1 MAP
電話:0172-40-2838
ユイットデュボワ 八幡崎店 HP:https://8dubois.com/

住所:青森県弘前市上白銀町1-10 MAP
電話:0172-88-6812
カフェデュボワ 上白銀店 HP:http://dubois-cafe.com/

『DINING OUT WAJIMA with LEXUS』販売開始! [DINING OUT WAJIMA with LEXUS/石川県輪島市]

ダイニングアウト輪島

来る2019年10月5日(土)、6日(日)に「DINING OUT WAJIMA with LEXUS」を石川県輪島市にて開催します。

輪島市内中心部から車で約20分の場所に広がる棚田「白米千枚田」は、エリア屈指の景勝地。

ダイニングアウト輪島自然と共に生き、漆文化を大成させた地・輪島とは。

今回の『DINING OUT』の舞台は、日本海に突き出した能登半島北部に位置する、石川県輪島市です。門前町から続くのは、実り豊かに育まれた美しい棚田や海岸線に、のどかな里山や里海の景色。ここには、誰もが懐かしさを感じずにはいられない、人と自然が共生する日本の原風景が大切に残されているのです。また、曹洞宗大本山總持寺祖院をはじめ、多くの神社仏閣が点在。今なお、人々の暮らしに密接して存在しています。

そして、この地を代表する伝統工芸といえば、言わずと知れた「輪島塗」。漆器のことを英語では「japan」とも訳されます。陶磁器を「china」と呼ぶのと同様に、国名と同じ名をもつ漆器は、まさに日本を代表する伝統工芸品です。16世紀後半、日本に渡来したヨーロッパ人は、神社仏閣の建築装飾から日常生活の調度品に至るまで、日々の暮らしの中に漆芸品が溢れている様を見て、「この国は漆を精神の拠り所としている漆文化の国(japan)」と認識したそう。そんな日本の中でも輪島は、最も高度かつ広汎に漆文化が花開いた舞台なのです。

では、つい最近まで、日本人の生活文化に根づいていた、日本人が愛していた漆文化とは、一体何なのか? なぜ、輪島に最大の漆文化が花開いたのか? その答えを辿った先には、輪島スタイルともいえる、自然とアートと生活を融合させる感性がありました。

今回の『DINING OUT』は、そんな輪島という土地で、「漆文化の国(japan)の精神の源流を紐解き、真の豊かさを探る」というテーマをかかげ、開催します。

トータルで124にも及ぶ細かい工程を経て作られる「輪島塗」の漆器。

ダイニングアウト輪島史上初のダブルシェフ&ダブルホスト! 豪華メンバーが共演

今回の料理では、『DINING OUT』史上初の試み、ふたりのシェフのコラボレーションが実現します。
ひとり目は、東京・西麻布「AZUR et MASA UEKI」の植木将仁シェフ。日本の優れた食材をフランス料理の技法で調理する「和魂洋才」をコンセプトにした、オリジナリティ溢れる料理で定評があります。石川県の出身であり、能登半島の食材の知識も豊富です。

ふたり目は、ジョシュア・スキーンズ氏。2009年に熾火料理を主としたスタイルの「Saison」をオープン。最高品質の食材への追求とその革新的な調理法で注目を浴び、熾火料理では唯一ミシュランの3つ星を獲得。現在は、ローレント・グラス氏に「Saison」を引き継ぎ、更なる革新の為 「Saison Hospitality」を設立。さらなる革新の為のラボ「Skenes Ranch」、シーフードコンセプトの「Angler」などをオープン。今、世界が最も注目するシェフの一人です。

一方、ホスト役も2名がスタンバイ。ディナーホストを務めるのは、『DINING OUT』ではおなじみ、7回目の登場となるコラムニストの中村孝則氏。ツアーホストには、東洋文化研究家のアレックス・カー氏を迎えます。

東京・西麻布「AZUR et MASA UEKI」の植木将仁シェフと、ジョシュア・スキーンズシェフ。

ディナーホストは『DINING OUT』ではおなじみ、コラムニストの中村孝則氏。ツアーホストは東洋文化研究家のアレックス・カー氏が務める。

ダイニングアウト輪島「輪島塗」の歴史を塗り替えるプロジェクト『DESIGNING OUT Vol.2』も共に。

そして、今回は更なるサプライズをご用意。「輪島塗」に新たな息吹をもたらすプロジェクト『DESIGNING OUT Vol.2』も同時開催します。

『DESIGNING OUT』とは、『ONESTORY』と雑誌『Discover Japan』、そして地域に知見のあるクリエイターがチームを組み、地場産業や伝統工芸に焦点を当てたモノ作りを行うことで、地域の価値を再発見するプロジェクト。その土地の文化や自然、歴史などを積極的に取り入れた、新しいプロダクトを開発、発信します。
DESIGNING OUT Vol.1』では、創業400年という有田焼の歴史とその起源を回顧。有田、伊万里、唐津の3地域より、13名の窯元・作家が集い、12のスペシャルな器を作り上げました。

そして今回、『DESIGNING OUT Vol.2』が始動。クリエイティブプロデューサーとして、新国立競技場のデザインを手がけたことも記憶に新しい、世界的な建築家である隈研吾氏を迎えてお送りします。
隈氏と輪島塗職人が共に開発する、新しい輪島漆器とは? 植木シェフとジョシュアシェフのコラボレーション料理が盛り付けられることで完成するその全貌を、ぜひ究極のダイニングで確かめてください。

また、『DINING OUT』をサポートし続ける『LEXUS』は、その日その時しか経験できない唯一無二の体験に共感し、『LEXUS』車による送迎とドライビングプログラムを提供。美しい棚田や海岸線、門前町や里山など、日本の原風景が残る輪島を、『LEXUS』とともにご体験ください。

今だかつてない豪華メンバーを結集させた『DINING OUT WAJIMA with LEXUS』。どうぞご期待ください。

『DESIGNING OUT WAJIMA』のクリエイティブプロデューサーを務める隈研吾氏。

今回もフラッグシップモデルLSをはじめとしたLEXUSがゲストの送迎に登場する。

開催日程:2019年10月5日(土)、6日(日) ※2日程限定
募集人数: 各日程40名、計80名限定
開催地:石川県輪島市
出演 : 料理人 植木 将仁 (AZUR et MASA UEKI) × ジョシュア・スキーンズ (Chef/Founder)
        ホスト 中村 孝則(コラムニスト) × アレックス・カー(東洋文化研究家)
オフィシャルパートナー:LEXUS (https://lexus.jp/brand/dining_out/
オフィシャルサポーター:輪島市、わじまFUNCS、輪島漆器商工業協同組合(DESIGNING OUT)

1967年石川県金沢出身。1990年より渡仏し、南フランスの四ツ星ホテル『ホテル ル デュロス』をはじめ、フランスやイタリアで3年間に渡り料理の研鑽を積む。帰国後、1993年『代官山タブローズ』スーシェフを経て、1998年『白金ステラート』オープンと共にシェフに就任。2000年に独立後、青山に『RESTAURANT J』をオープンした。2007年からは軽井沢『MASAA’s』『RESTAURANT & BAR J』を経て、2017年には株式会社マッシュフーズとともに同店をオープン。日本の伝統的な食材や伝統文化を探求しながら自身の料理に落とし込み発信することで、オープンから間もなくして注目を集め、高い評価を得ている。
http://www.restaurant-azur.com/

2006年、『Saison』のコンセプトを産み出し、2009年にサンフランシスコにて1号店をオープン。
熾火料理を主とした料理スタイルで食材の自然のあるべき姿を尊重しながら、最高品質の食材への追求とその革新的な調理法で注目を浴び,アメリカ人として熾火料理で唯一ミシュランの3つ星を獲得。「the world’s 50 best restaurant」、「Food & Wine’s 」のベストニューシェフ、「Elite Traveler Magazine’s」の次の世代を担う最も影響力のあるシェフ15名にも選出される。2016年、更なるイノベーションの促進と成長のプラットフォームを提供するために、『Saison Hospitality』 を設立。2017年には想いをLaurent Gras氏に引き継ぎ『Saison』の現場から完全に身を引き、さらなる革新と研究のラボラトリーとして『Skenes Ranch』を設立。同年、サンフランシスコ沿岸に Skenesの海に馳せる想いを込めた『Angler』をオープンさせると、 2018年 Esquire Magazineにて全米のベストニューレストラン、GQにおいても全米ベストニューレストランに選出され、ミシュラン一つ星を獲得。2019年にはビバリーヒルズに『Angler』 の2号店をオープン。今、世界が最も注目する料理人の一人である。

神奈川県葉山生まれ。ファッションやカルチャー、グルメ、旅やホテルなど、ラグジュアリー・ライフをテーマに、雑誌や新聞、TVにて活躍中。2007年に、フランス・シャンパーニュ騎士団のシュバリエ(騎士爵位)の称号を授勲。2010年には、スペインよりカヴァ騎士の称号も授勲した。(カヴァはスペインのスパークリングワインの呼称) 2013年からは、世界のレストランの人気ランキングを決める「世界ベストレストラン50」の日本評議委員長も務める。剣道教士7段。大日本茶道学会茶道教授。主な著書に『名店レシピの巡礼修業』(世界文化社)がある。
http://www.dandy-nakamura.com/

1952年アメリカで生まれ、1964年に初来日。イエール、オックスフォード両大学で日本学と中国学を専攻。1973年に徳島県東祖谷で茅葺き屋根の民家(屋号=ちいおり)を購入し、その後茅の吹き替え等を通して、地域の活性化に取り組む。1977年から京都府亀岡市に在住し、ちいおり有限会社設立。執筆、講演、コンサルティング等を開始した。1993年、著書『美しき日本の残像』(新潮社刊)が、外国人初の新潮学芸賞を受賞。2005年には徳島県三好市祖谷にて、NPO法人ちいおりトラストを共同で設立。2014年『ニッポン景観論』(集英社)を執筆。現在は、全国各地で地域活性化のコンサルティングを行っている。

爽やかモニュメント



こんにちはハイビスカス

8月に入りムワッっとした暑い日が
続いてますね(´×ω×`)💦


こんな季節だからこそ、
目に入る景色は
涼しげなものがいいですよねキラキラ


と、いうわけで!
デニムストリート通路の
インスタ映えスポットに新たに
爽やかな水玉が加わりましたブルーハーツ



チラ見せっ!


デニムカラーの可愛い水玉の前で
思い出の1枚撮って帰ってくださいねキラキラ



最近本当に暑いので、

美観地区にお越しの際には
熱中症対策などしっかりして
ご旅行を楽しんでくださいねウインク晴れ




打ち上げ花火で終わらないために。祭りのあとの浅虫に、遺されたもの、変わったこと。[DINIG OUT AOMORI-ASAMUSHI with LEXUS/青森県青森市]

陸奥湾に浮かぶ湯の島を中心に、さまざまな魅力を持つ浅虫温泉。その価値の再発見こそが、この『DINING OUT』の使命。

ダイニングアウト青森浅虫課題も抱える北の温泉街、その変化と今後の目標とは。

2019年7月に開催された『DINING OUT AOMORI-ASAMUSHI with LEXUS』。青森の豊かな海の幸を、魚介フレンチのスペシャリト・目黒浩太郎シェフが類まれなセンスで伝えた2夜限りの晩餐は、いつまでも鳴り止まぬ拍手とともに幕を下ろしました。

もちろんこの成功は、目黒シェフの料理だけではなく、青森の食材や浅虫温泉という土地の魅力、地元スタッフの連携などさまざまな要素の結果。そして終演後、誇りに満ちた晴れやかな顔の地元スタッフを見るにつけ、この『DINING OUT』がひとときの盛り上がりではなく、地元を変える第一歩となるであろうことを確信するのです。

そう、『DINING OUT』の理念は、地域に眠る魅力を掘り起こし、そこに新たな価値を創出すること。晩餐の終盤に陸奥湾に上がった打ち上げ花火のようにただ消えていくのではなく、今後も継続的に地元が発展する、そのきっかけとなることを目指しているのです。

地元住民の熱意はあるものの、全国の多くの温泉地と同様に、数々の課題も抱える浅虫温泉。では今回の『DINING OUT』は浅虫に何を残し、浅虫はどう変わっていくのでしょうか? 

【関連記事】DINING OUT AOMORI-ASAMUSHI with LEXUS 

イベント当日だけではなく、その後の変化もあっての『DINING OUT』。目黒シェフもその思いを地元に伝えた。

ダイニングアウト青森浅虫地域に根付いた見えざる絆。それこそが最大の収穫。

浅虫温泉は、陸奥湾に沿って弓状に伸びる海岸線に10軒ほどの温泉旅館が連なる小さな温泉街。しかし娯楽施設や土産物売り場を併設した大型の旅館が多く、別の旅館で働くスタッフ同士の繋がりは生まれにくい状況でした。

しかし、『DINING OUT』に参加し、同じ目標に向けて邁進したスタッフ同士は、もはや仲間。サービススタッフとして参加したある旅館の番頭さんは「顔は知っているけど話したことがない方々と知り合うことができました。これは街の活気に繋がる財産だと思います」と話しました。キッチンスタッフとして腕を振るった板前さんも「料理人同士で意見交換できるようになったことが、想像以上の収穫です」と言います。

過去の『DINING OUT』においても、この“参加した地元スタッフの交流”が大きな効果を生んでいます。なかには知り合ったスタッフ同士が声を上げ、地元だけの力で行う野外レストランイベントが開催されることも。数夜限りの『DINING OUT』ですが、そこで生まれた絆は、変わることなく地元に残されるものなのでしょう。

時間とともに表情に自信が見えたサービススタッフ。シェフもその姿を見守った。

ひとつの目標に邁進したこれほどの仲間がいることが、浅虫の今後の力になる。

各旅館の料理人たちも厨房スタッフとして参加し、互いに認めあった。

ダイニングアウト青森浅虫晩餐の会場を、今後も続く新たな観光名所に。

今回の『DINING OUT』が残したものは、目に見えないスタッフの絆ばかりではありませんでした。形として浅虫に残り、これからも続くもの。そのひとつが、今回の晩餐に使用された会場です。

過去15回開催された『DINING OUT』ですが、その多くの舞台は史跡や名勝が使用されました。本来食事をする場所ではなく、しかしその土地を象徴するような会場。そこで楽しむディナーだからこそ、特別な時間を演出し、その地の魅力を改めて伝えるのです。

そして今回の会場に選ばれたのは浅虫温泉の高台に建つ陸奥護国寺でした。起源をたどれば鎌倉時代中期にまで遡る歴史ある密教寺院の境内が、晩餐の会場です。しかも今回は、ただ機材を運び込むだけではありません。生い茂る木々が視界を遮り、凹凸のある地面は足を取る。そこで、ご住職の理解を得たうえで、この地を手入れし、今後も地元の名所となるような展望を蘇らせたのです。

会場を作り出すために現場に手を入れることは、『DINING OUT』で初めての試みです。イベントのために土地に手を入れることに、賛否はあるかもしれません。しかし手入れをして今後も継続的に使用される場所を生み出すことに、未来への希望を託しました。同時に「あじさい募金」を発足し、この会場への道に咲く美しいあじさいを守り、さらに増やす試みも始められています。現在はまだ小さな活動ですが、やがてこのあじさいの小径が浅虫を代表する名所となり、またこの会場が浅虫の消えない情熱の象徴となることを目指して。

手を入れる前の陸奥護国寺境内の様子。木々に遮られ、眺望は望めない状況だった。

護国寺の住職や地元の方々と何度も話し合い、景観を整える事で、遮るものなく湯の島を一望できるようになった境内は、今後は浅虫名所として活用される予定。

石段の脇や境内までの通路脇に咲く紫陽花。今後、紫陽花名所として知られることになるかもしれない。

ディナー終了後に「あじさい募金」を募り、今後も継続的に使用できる名所づくりの協力を仰ぎました。

ダイニングアウト青森浅虫浅虫の財産を活かすために、シェフから手渡された朝食のレシピ。

「浅虫は、なまじ素材が良いものだから、手間をかけた料理が少ないのかもしれません。そのまま刺身にすれば十分おいしいわけですからね」とある老舗旅館の旦那は、そう話しました。たしかに目の前に広がる陸奥湾の恵みは四季折々。鮮度抜群で豊富な魚があれば、凝った料理は不要なのかもしれません。しかし温泉という非日常に踏み入れたゲストにとって、「食」が印象を左右する重大な要素であることも事実。そんな浅虫温泉に、目黒シェフから贈り物がありました。それは陸奥湾の魚介をシェフのアイデアでアレンジする朝食のレシピです。

その料理は、青森でよく食べられる山菜であるミズを細かく刻み、同じく刻んだアジの刺身や薬味とともに貝のスープと合わせる冷たい魚介スープ。魚や野菜を入れ替えれば通年作ることが可能で、さっぱりとした中に魚介の旨味がしっかりと詰まった浅虫の朝食にふさわしい一品です。見えないところに手間暇をかけることで、さらに輝く陸奥湾の魚介。あまりに近くにあり過ぎて、地元の人は気づかなかった財産に改めて気づいてほしい。そんなメッセージを込めた、シェフからの贈り物でした。

このレシピを伝える場には、各旅館の大女将や社長も参加。もちろん旅館ごとに置かれる状況は異なり、そのままのレシピで提供し続けることは難しいかもしれません。しかし、目黒シェフの思いはしっかりと伝わった様子。「素晴らしいシェフが、浅虫のために考えてくれた料理。これをこれから変わっていくきっかけにしないとね」とある女将のそんな言葉が印象的でした。

シェフが遺した山菜と魚介のスープ。これからも「浅虫の朝食」として受け継がれる予定。

旅館によりアレンジや盛り付けは異なるが、そこに込められた思いは同じ。

目黒シェフの話に聞き入る旅館の社長や大女将。その真剣な眼差しは、浅虫の未来を思えばこそ。

1985 年、神奈川県生まれ。祖父は和食の料理人、母は栄養士とい う環境で育つ中で自然と料理人を志す。服部栄養専門学校を卒業後、 都内複数の店で修業後、渡仏。フランス最大の港町マルセイユのミシ ュラン三ツ星店「Le Petit Nice」へ入店し、魚介に特化した素材の 扱いやフランス料理の技術を習得。帰国後には日本を代表する名店 「カンテサンス」にて、ガストロノミーの基礎ともなる、食材の最適 調理や火入れなどさらに研鑽を積んだ。2015 年、「abysse」をオープ ン。日本で獲れる世界トップクラスの魚介類を使用し、魚介に特化し たフランス料理を提供し、ミシュラン東京では一つ星を獲得している。
abysse HP:https://abysse.jp/

ひとりの少女が日常と非日常を交錯する、南会津のトリップムービー。[南会津ショートフィルム/福島県南会津郡]

南会津ショートフィルム/高橋健人木村カエラから南会津まで、独自の映像を創造する高橋健人の世界。

感性も手法も異なる4人の映像作家の作品を通じて、様々な角度から南会津の魅力をお伝えする「南会津ショートフィルム」。1作目として、ミュージックビデオや舞台映像演出、CMなど多方面で活躍する映像ディレクター、高橋健人氏による「escape/regain南会津」が公開されました。東京で暮らす女の子が着の身着のまま南会津へと逃避行し、自然や人の営みに触れてゆく中で明日への活力を取り戻すーーそんな小さな物語を、「雑然として騒々しい見慣れた東京」と「雄大な自然に囲まれた閑静で美しい南会津」という、相対するシーンを重ねながら表現しています。

「自分も含めて都会に暮らす人にとっては、南会津の雄大な景色だけを見ても非日常に感じられてしまうと思いました。でも実際は東武鉄道で3時間半、乗り換えなしでふらっと行けてしまうという事実があって。意外と近い南会津をどう表現したら身近に感じてもらえるだろう、そこを考えることから始まりました」。

そうして高橋氏が出したキーワードは「リアリティ」。非日常的な場所(=南会津)が身近にあるという「リアル」に気づいて欲しいと高橋氏が選んだのは、多くの人が身近に感じるであろう東京の景色からストーリーを始めるということでした。「見慣れた東京の日常があることで、非日常の南会津の風景も自然なものとして入ってくるのではないかと。理屈ではなく、感覚的に『身近さ』を感じられる作品になっていると思います」。

作品づくりにおいては、「予想と真逆のことを必ず盛り込む」ことを大切にしているという高橋氏。例えばミュージックビデオなら、激しい曲調にあえて止まった画をあてるなど、一見相反する要素を入れることで対象の魅力を強調させたり、盛り上げることができる、と語ります。今回の作品もまさにこういった表現方法が全編通して使われているのですが、さらに印象的なのは、全く異なる東京と南会津の風景に共通点を見出し、対比させていること。独自の視点で切り取られた風景の対比をテンポよく表現することで、視聴者はより強くその世界に引き込まれていきます。

【関連記事】NEW GENERATION HOPPING MINAMI AIZU/南会津の一年を密着取材! 春夏秋冬を作家と巡り、若き力を発掘する旅へ。

あるひとりの少女が旅をする南会津のショートムービー。この「観音沼森林公園」を始め、様々なスポットが映像の舞台になっている

南会津の風景の特徴は、連なる低山と雲との交錯。この街だからこそ形成できる自然の描写も、高橋監督のこだわったところ。

南会津ショートフィルム/高橋健人秘めたる自然と人の営みが示す、実直に生きる尊さ。

「南会津のメジャーなスポットももちろん素晴らしくどれも画になるのですが、それより心惹かれたのは、そこへ向かう道中で見た田んぼ道や、地元の人しか訪れないであろう奥まった場所にある神社など、ありのままに守られてきた風景でした」と語る高橋氏は、南会津の人々による、質素で、丁寧で、真面目な営みに心打たれ、それもまた南会津の魅力のひとつだと思えたそうです。作品にはこうして偶然出会った美しい風景たちが、随所にちりばめられています。

地域の人々が丁寧に管理し守ってきたものに触れていく中で、自身も丁寧に真面目に毎日を過ごそうと思えるような、「心がしゃんとする」気持ちを感じたという高橋氏。それは「癒し」とは少し異なる「回復する」感覚であり、作品には「escape/regain南会津」というタイトルが付けられました。物語の中でとりわけ印象的なのが、主人公が水中に飛び込むシーン。南会津の清らかな水が体を包み込み、流れに身をまかせるようなアクションに、回復していく気持ちの切り替えを表現したといいます。

「何気ない風景に感じる南会津の魅力を盛り込んだ作品になったのは、少しひねくれた自分らしい視点だと思っています。しかし南会津はどこを撮ってもいい景色で、『リアリティーのある身近な』というさじ加減がすごく難しかった。ものすごく贅沢な悩みでした」。

思考を超えた、感覚的な視点から見る南会津の風景は、心にどう映るのか。感性を解放した先にたどり着くのは、この物語のように清らかで、慈愛に満ちた世界かもしれません。


(supported by 東武鉄道

宮城県仙台市出身。 音楽と密接にリンクしたグルーヴ感のある映像表現を得意とし、 andropや木村カエラのミュージックビデオや、TVCM、ステージ演出、VJなど 幅広いジャンルでの演出を行い、2012年には「映像作家100人」に選出されている。

監督 高橋健人
編集 磯部今日平
編集協力 平澤里奈
撮影監督 武田浩明
撮影助手 土井陽
音楽 宮﨑雨水男
マネージャー 吉田彩乃

プロデューサー 植田 城維、北代 武士
制作 原田 大誠、川嶋紀貴、政岡 祐子
スチール nasatam
車両 佐藤 学
南会津コーディネーター 瀬田恒夫

出演 ウハラ

撮影協力
クライミング ホンダタツ、さいとうゆき、金田 英俊

大内宿
只浦 豊次、佐藤 顕、安倍ユミ子

ひとりの少女が日常と非日常を交錯する、南会津のトリップムービー。[南会津ショートフィルム/福島県南会津郡]

南会津ショートフィルム/高橋健人木村カエラから南会津まで、独自の映像を創造する高橋健人の世界。

感性も手法も異なる4人の映像作家の作品を通じて、様々な角度から南会津の魅力をお伝えする「南会津ショートフィルム」。1作目として、ミュージックビデオや舞台映像演出、CMなど多方面で活躍する映像ディレクター、高橋健人氏による「escape/regain南会津」が公開されました。東京で暮らす女の子が着の身着のまま南会津へと逃避行し、自然や人の営みに触れてゆく中で明日への活力を取り戻すーーそんな小さな物語を、「雑然として騒々しい見慣れた東京」と「雄大な自然に囲まれた閑静で美しい南会津」という、相対するシーンを重ねながら表現しています。

「自分も含めて都会に暮らす人にとっては、南会津の雄大な景色だけを見ても非日常に感じられてしまうと思いました。でも実際は東武鉄道で3時間半、乗り換えなしでふらっと行けてしまうという事実があって。意外と近い南会津をどう表現したら身近に感じてもらえるだろう、そこを考えることから始まりました」。

そうして高橋氏が出したキーワードは「リアリティ」。非日常的な場所(=南会津)が身近にあるという「リアル」に気づいて欲しいと高橋氏が選んだのは、多くの人が身近に感じるであろう東京の景色からストーリーを始めるということでした。「見慣れた東京の日常があることで、非日常の南会津の風景も自然なものとして入ってくるのではないかと。理屈ではなく、感覚的に『身近さ』を感じられる作品になっていると思います」。

作品づくりにおいては、「予想と真逆のことを必ず盛り込む」ことを大切にしているという高橋氏。例えばミュージックビデオなら、激しい曲調にあえて止まった画をあてるなど、一見相反する要素を入れることで対象の魅力を強調させたり、盛り上げることができる、と語ります。今回の作品もまさにこういった表現方法が全編通して使われているのですが、さらに印象的なのは、全く異なる東京と南会津の風景に共通点を見出し、対比させていること。独自の視点で切り取られた風景の対比をテンポよく表現することで、視聴者はより強くその世界に引き込まれていきます。

【関連記事】NEW GENERATION HOPPING MINAMI AIZU/南会津の一年を密着取材! 春夏秋冬を作家と巡り、若き力を発掘する旅へ。

あるひとりの少女が旅をする南会津のショートムービー。この「観音沼森林公園」を始め、様々なスポットが映像の舞台になっている

南会津の風景の特徴は、連なる低山と雲との交錯。この街だからこそ形成できる自然の描写も、高橋監督のこだわったところ。

南会津ショートフィルム/高橋健人秘めたる自然と人の営みが示す、実直に生きる尊さ。

「南会津のメジャーなスポットももちろん素晴らしくどれも画になるのですが、それより心惹かれたのは、そこへ向かう道中で見た田んぼ道や、地元の人しか訪れないであろう奥まった場所にある神社など、ありのままに守られてきた風景でした」と語る高橋氏は、南会津の人々による、質素で、丁寧で、真面目な営みに心打たれ、それもまた南会津の魅力のひとつだと思えたそうです。作品にはこうして偶然出会った美しい風景たちが、随所にちりばめられています。

地域の人々が丁寧に管理し守ってきたものに触れていく中で、自身も丁寧に真面目に毎日を過ごそうと思えるような、「心がしゃんとする」気持ちを感じたという高橋氏。それは「癒し」とは少し異なる「回復する」感覚であり、作品には「escape/regain南会津」というタイトルが付けられました。物語の中でとりわけ印象的なのが、主人公が水中に飛び込むシーン。南会津の清らかな水が体を包み込み、流れに身をまかせるようなアクションに、回復していく気持ちの切り替えを表現したといいます。

「何気ない風景に感じる南会津の魅力を盛り込んだ作品になったのは、少しひねくれた自分らしい視点だと思っています。しかし南会津はどこを撮ってもいい景色で、『リアリティーのある身近な』というさじ加減がすごく難しかった。ものすごく贅沢な悩みでした」。

思考を超えた、感覚的な視点から見る南会津の風景は、心にどう映るのか。感性を解放した先にたどり着くのは、この物語のように清らかで、慈愛に満ちた世界かもしれません。


(supported by 東武鉄道

宮城県仙台市出身。 音楽と密接にリンクしたグルーヴ感のある映像表現を得意とし、 andropや木村カエラのミュージックビデオや、TVCM、ステージ演出、VJなど 幅広いジャンルでの演出を行い、2012年には「映像作家100人」に選出されている。

監督 高橋健人
編集 磯部今日平
編集協力 平澤里奈
撮影監督 武田浩明
撮影助手 土井陽
音楽 宮﨑雨水男
マネージャー 吉田彩乃

プロデューサー 植田 城維、北代 武士
制作 原田 大誠、川嶋紀貴、政岡 祐子
スチール nasatam
車両 佐藤 学
南会津コーディネーター 瀬田恒夫

出演 ウハラ

撮影協力
クライミング ホンダタツ、さいとうゆき、金田 英俊

大内宿
只浦 豊次、佐藤 顕、安倍ユミ子

標高1,200mの絶景の中に拓かれた、日本初の山岳リゾート。[Snow Peak FIELD SUITE HAKUBA KITAONE KOGEN/長野県北安曇郡白馬村]

世界有数の絶景スポット・白馬の八方尾根の中でも最もダイナミックな景観を誇る北尾根高原に、snow peakが総合監修したグランピング施設が誕生。

スノーピーク フィールドスイート 白馬・北尾根高原北アルプスの絶景と大自然を独り占め!

夏のリゾートといえば高原! 暑さが増すにつれて山に惹かれる「山派」には、心浮き立つ季節の到来です。
そんな山を愛する人々垂涎(すいぜん)の、爽快なグランピング施設が白馬に誕生しました。
 
その名は『Snow Peak FIELD SUITE HAKUBA KITAONE KOGEN(スノーピーク フィールドスイート 白馬・北尾根高原)』(以下『FIELD SUITE』)。
標高3000m超の北アルプスの頂上から、標高800mの山麓までを一望できる、日本初の「山岳リゾート」。標高差2000m以上にも及ぶ、白馬のダイナミックな絶景を独り占めできます。

アウトドアのトップブランド・snow peakのプロデュースによる至れり尽くせりのグランピング体験。

白馬の大自然を貸し切り感覚で満喫できる!夜の星空から明け方まで、何もかもが美しい。

スノーピーク フィールドスイート 白馬・北尾根高原全てのコンテンツがゴージャスな「特別」。

『FIELD SUITE』の自慢は3つの「日本初」。下記の「他にはない」特別で、訪れたゲストを魅了してくれます。
 
まずは何度強調しても足りない白馬の絶景。海外からの観光客も目を見張る、日本離れした眺望が楽しめます。
 
次に専任のコンシェルジュが常駐していること。
国内最高単価(1泊あたり7~11万円)のグランピング施設にふさわしく、最大16名(8室×2名)のゲストに対して、それを超える20名以上のスタッフがおもてなし。リゾートホテル並みのホスピタリティーで、準備がいっさい不要な極上のアウトドア・リゾートを演出してくれます。
 
最後は、料理の質も重んじるオーベルジュ・スタイルであること。
食事はテントルーム内で供しつつ、クロス敷きのテーブルにカトラリーやワイングラスを並べた、高級リゾート並みのコースディナーとなっています。イタリアの星つきレストランで約6年間修業したシェフのハイレベルな料理は、長野の豊かな食材と相まって、極上の充足感をもたらすでしょう。

大自然の中でラグジュアリーな晩餐を堪能(写真はディナーテーブルのセッティング)。

約50㎡の空間と、同じく約50㎡のデッキを備えた「テントルーム」の内部。写真はテストイベント時の撮影のため、オープン後は更にゆったりしたしつらえとなる。

全天候型で快適さを追求した「住箱スイート」。約100㎡のウッドデッキをリビングルームにすることができ、「フィールドスイートルーム」と呼ぶにふさわしい佇まい。

スノーピーク フィールドスイート 白馬・北尾根高原2タイプの客室で優雅な休日を過ごす。

『FIELD SUITE』の客室は、特別に開発された7室の「テントルーム」と、1室の「住箱スイート」で成り立っています。
 
グリーンシーズン(5月~11月)は、テントルームで白馬ならではの大自然とアウトドアを満喫。そしてスノーシーズン(12月~4月)は、日本屈指の建築家・隈 研吾氏の設計によるモバイルハウス「住箱-JYUBAKO-」をアレンジした「住箱スイート」で、静寂に満ちた白銀の世界に佇むことができます。
 
優れた断熱性能を備え、エアコンも完備したこの「住箱スイート」は、「ゲストに白馬の醍醐味であるパウダースノーを暖かく快適にお楽しみ頂きたい」というスタッフの心遣い。更にスキー場内に設置されているので、朝一番にバージンスノーを滑降することもできます。
 
人里離れた高山の懐(ふところ)は、日常を忘れられる異空間。夕方からは一般客も去り、物音ひとつしない静寂の世界が広がります。

刻々と暮れなずむ空から、満天の星、ご来光まで、ここに滞在しないと見られない絶景がたっぷり!

パーティスタイルのディナー。白馬の魅力を知り尽くしたスタッフや、他のゲストたちとの語らいも楽しめる。 

空が燃えているのような白馬のご来光。雄大な北アルプスを染めるモルゲンロートは、白馬が最も美しく輝く瞬間(鑑賞期間:4月下旬~11月上旬)。

「住箱スイート」は現在1室のみだが、将来的には8室まで増やす予定。

スノーピーク フィールドスイート 白馬・北尾根高原気の向くままに、フリーダムに。白馬の自然を遊び尽くす! 

これだけ贅沢な空間ゆえに、「何もしない贅沢」もお勧めですが、白馬・北尾根高原の大自然を満喫できるエクスペリエンス(体験)も見逃せません。
 
爽やかなブナ林を散策できる、片道約30分の『森のトレイル』(5月下旬~11月上旬)。白馬三山を眺めながら入れる『高原の露天温泉』。200種類を超える山野草が広大な原野にさざめく『ネイチャーフラワーパーク』など、白馬を満喫できる体験が目白押し!
懇切丁寧なコンシェルジュのサポートで、やはり準備不要の快適なアウトドア体験ができます。

身も心も解きほぐされる、客室デッキでの『高原マッサージ』。

オプションの『カヌーランチ』。期待以上の忘れられない休日が待つ。

常駐の専属シェフによる大満足のディナー。

スノーピーク フィールドスイート 白馬・北尾根高原降るような星空のもとで、ゴージャスなディナーとドリンクに酔う。

一日のフィナーレを飾るディナーは、常駐の専属シェフによる贅沢なコースメニューです。
 
長野県内の牧場から仕入れた牛肉や乳製品、寒暖差で甘さと旨味を蓄えた野菜やエディブルフラワーなど、高品質な地元産にこだわった料理と、やはり長野県産の希少なワインとのマリアージュが楽しめます。
 
更に朝食は、のんびりゆったり味わえるルームサービス・スタイル。白馬の絶景を望める客室内で、やはり手間ひま不要のグルメを堪能できます。加えて、チェックアウト後のアクティビティに持参できるランチボックスもサービス。滞在中のドリンクは全てインクルーシブ(宿泊料金に込み)で、ソフトドリンクからアルコールまで好きなだけ飲むことができます。

オールフリーのドリンクカウンター『カモシカラウンジ』には、信州特産の希少なワインや地ビールなどが盛りだくさん(14:00~16:30 / 7:00~10:00)。

ディナー後から22:00までオープンの『焚き火バー』では、こだわりのおつまみも提供。

雪上の『焚き火バー』。冬には冬の楽しみが待つ。

スノーピーク フィールドスイート 白馬・北尾根高原静寂漂う大人のリゾートと、あらゆる層へのホスピタリティを両立。

「グラマラス(魅惑的な)」+「キャンピング」を組み合わせた造語であり、ホテル並の快適なサービスを旨とする「グランピング」。その中でも『FIELD SUITE』は、ご紹介したとおりの数ランク上のサービスを味あわせてくれます。

白馬という唯一無二のフィールドを舞台に、手ぶらでホテル並みの快適なアウトドア体験を。そんな“オールインクルーシブ”な大人向けのスポットですが、今後はさらにサービスを充実させていくそうです。
 
「基本的にはお子様をお断りし、大人がゆったり過ごせる空間を提供してまいりますが、今後はテーマを設けてファミリーウィーク・スパイベント・ワインイベント・デジタルデトックスなど、お客様に合わせた付加価値を提供していきたいと考えております」とのこと。
 
オープン直後から進化を続ける、ラグジュアリーな新スポット。
ここにしかない「特別」を求めて、多くの人々が訪れそうです。

アフリカのサファリパークやカナダの国立公園内のグランピングにも負けないレベルを目指す(写真はシェフズテーブルによる朝食)。

全てを表現する大自然の中で、心も高みに導かれていく。

住所:長野県北安曇郡白馬村 白馬・北尾根高原内 MAP
電話:090-2524-4555
休日:なし
料金:7万円~(おひとり様あたり・1泊3食/ドリンク・送迎等オールインクルーシブ)
FIELD SUITE HAKUBA KITAONE KOGEN HP:fieldsuite-hakuba.com