7.5ozプリントTシャツ(モタード柄)

着やすさと丈夫さを兼ね備えたオリジナルボディTシャツ

  • 着やすさと丈夫さを兼ね備えた7.5ozオリジナル(丸胴)ボディ
  • ボディ:14番単糸度詰め天竺(7.5oz)
  • ネック:30/2度詰めフライス
  • バックプリント&フロントワンポイントプリント
  • プリントはラバープリント
  • ワンウォッシュ済み

IHT-1906:サイズスペック

  着丈 肩巾 バスト 裾巾 袖丈 袖口
XS 59.0 39.0 90.0 91.0 18.5 18.0
S 62.0 41.0 96.0 97.0 19.5 19.0
M 64.0 43.0 102.0 103.0 20.5 20.0
L 68.0 46.0 108.0 109.0 21.5 21.0
XL 70.0 49.0 114.0 115.0 22.5 22.0

素材

  • 綿:100%

7.5ozプリントTシャツ(クラッシュロゴ柄)

着やすさと丈夫さを兼ね備えたオリジナルボディTシャツ

  • 着やすさと丈夫さを兼ね備えた7.5ozオリジナル(丸胴)ボディ
  • ボディ:14番単糸度詰め天竺(7.5oz)
  • ネック:30/2度詰めフライス
  • バックプリント&フロントワンポイントプリント
  • プリントはラバープリント
  • ワンウォッシュ済み

IHT-1906:サイズスペック

  着丈 肩巾 バスト 裾巾 袖丈 袖口
XS 59.0 39.0 90.0 91.0 18.5 18.0
S 62.0 41.0 96.0 97.0 19.5 19.0
M 64.0 43.0 102.0 103.0 20.5 20.0
L 68.0 46.0 108.0 109.0 21.5 21.0
XL 70.0 49.0 114.0 115.0 22.5 22.0

素材

  • 綿:100%

探るのは、農家の無限の可能性。津軽のからきじとっちゃ、今日も行く。[TSUGARU Le Bon Marché・白神アグリサービス/青森県西津軽郡]

自社のりんご畑で。いかにも農家のおっちゃん的な飾らない風貌ながら、話す言葉の端々に聡明さがにじむ木村才樹(さいき)氏。

津軽ボンマルシェ・白神アグリサービス農家のようで農家でない? 幅広く活躍する「鯵ヶ沢の木村さん」。

「からきじとっちゃ」とは何ぞや。これは津軽弁で、「わがまま父さん」といった意味です。今回はるばるとっちゃに会いに行ったのは、青森県鯵ヶ沢町。ブサかわ犬「わさお」で一躍有名になったこの町は、西に日本海、南に世界遺産の白神山地と津軽の霊峰・岩木山を有する恵まれた土地でもあります。津軽のちょっとした有名人でもあるとっちゃの名は木村才樹(さいき)。ある人にとっては「日本一大きなりんご農家の木村さん」、またある人にとっては「干しりんごの木村さん」、更には「バイオマスに取り組む木村さん」「学生の受け入れをしている木村さん」……。とにかく色々な顔を持つのが木村氏です。

多岐にわたるその活動をまとめてみましょう。まずはりんごをはじめとして、米、小麦、大豆、玉ねぎ、じゃがいも、洋梨、柿、ブルーベリーなどありとあらゆる農作物を栽培する『風丸農場』の事業。『風丸農場』では、津軽各地の道の駅や土産店で販売される大ヒット商品「農家が干したリンゴ」やジャム、ジュースなどの加工品も製造・販売しています。冬になると本格化するのが、りんごの剪定枝などを薪や細かいチップにして販売するバイオマス事業。そして『みんたば!』なるプロジェクトでは、外部団体の田畑のオーナー制度を導入。定期的に企業や学生グループを受け入れ、土に触れ収穫を楽しみながら環境問題を考えるきっかけをつくってもらう取り組みです。

鯵ヶ沢で代々続く農家の長男として生まれた木村氏。今でこそ界隈のトップランナーとして知られるものの、「昔は農業なんて大嫌いでさ(笑)」と話します。若者が家業を嫌うのはよくある話ですが、現在の多彩な活躍にいたるまでに、いったい何があったのでしょうか? 気になる経緯を聞けば聞くほど、木村氏のセンスと才覚、そしてお茶目な人柄にノックアウトされる取材となりました。


【関連記事】TSUGARU Le Bon Marché/100年先の地域を創造するために。多彩で奥深い「つながる津軽」発掘プロジェクト!

日本最大級の広さのりんご畑を有する『風丸農場』。りんご畑は全て国のGAP認証を取得するなど、先進的な取り組みでも知られる。写真は早生品種「ジェネバ」。

中まで赤いことがわかる「ジェネバ」の断面。そのまま食べると渋みがあるが、ポリフェノールが豊富で加工用として人気。料理人にも卸している。

ジュースやジャムなどの加工品も豊富に製造。津軽ではおなじみの商品が多く、特産品として親しまれているのがわかる。弘前市『ひろさきマーケット』でも購入可能。

津軽ボンマルシェ・白神アグリサービスここにもあった! やってまれ精神。行動に移すことが実績につながる。

学生時代からりんごの木の剪定などを担っていた木村氏が、父から事業を任されるようになったのは37歳の時。課題となったのが、厚い雪に覆われる冬場の農家の暮らし方でした。「利益を出すために法人化して人を雇ったけど、結局冬は彼らのやることがなくてまずいなと思って。冬になると大量に廃棄されるりんごの剪定枝を燃やすの、もったいなくない?って気付いたんだよね」と木村氏。近隣の農家からも剪定枝を買い入れ、薪やチップに加工し販売すると、燃料として好評に。「仕事もできるし、循環型農業につながって環境にもいいし。でも結局販売を始めてから2年後に国が間伐材のペレットに力を入れ出して、そっちの方が売れちゃったんだけど(笑)」と言う木村氏ですが、以前紹介した『木村木品製作所』が製造するりんごの木工品の加工原材になるなど、今では活用の幅も広がりつつあります。

現在津軽でよく見かけるようになった干しりんごの加工品も、木村氏がパイオニア。地域一帯に降った雹(ひょう)によって傷がつき売れなくなったりんごを、農家が昔から食べていたおやつに加工したのが始まりです。予想外のヒットを受け、洋梨や柿、プルーンなどのドライフルーツも製品化。更に中まで赤いりんごとして有名になった「ジェネバ」という早生品種は、20年前から栽培に取り組んでいます。「日本一早かったんじゃない? 最初は誰も興味を持ってくれなくて、10年間全く売れなかった」と木村氏。一方、いち早くグリーンツーリズム事業にも参画。「天候が悪くて野菜が育たず価格が高くなれば、農家が文句をいわれる。商品価値の低さが農業の一番の問題点でしょ。食べる人に本当の価値を知ってもらいたくて」というのがその理由です。

「他にも思いついた商品をどんどん作ったり、つながりのある学生に加工品のパッケージデザインを頼んだり、とりあえず何でもやった。時期尚早で失敗することも多かったよ(笑)」と木村氏。……これはもしや、津軽の「やってまれ」精神? 木村氏の話からは、以前取材した建築設計事務所の蟻塚 学氏からも感じた「とりあえずやっちゃえ!」な津軽人気質がむんむん漂います。ちなみに、息子さんは蟻塚氏の建築設計事務所に勤務しているそうです。

バイオマス燃料のりんごの木のチップ。事務所にほど近い加工場に、近隣から出た剪定枝が集められる。昨今は廃業する農家から丸太を買い取ることも増えた。

砂糖などを加えず自然な風味が楽しめる「農家が干したリンゴ」。りんご品種別に10種ほどのラインナップを用意する。「煎り毛豆」は表示どおりの素朴な味わい。

グリーンツーリズムの一環である『みんたば!』プロジェクトで作業を行う学生たち。『みんたば!』の名称は「みんなの田畑」を略したものだ。

津軽ボンマルシェ・白神アグリサービス農業体験を通じ、津軽が都会の若者の「ふるさと」に。

「やってまれ!」な勢いで広げた取り組みで、津軽を代表する農家となった木村氏。中でも『みんたば!』のプロジェクトは、津軽と県外をつなぐパイプとして機能してきました。当初は東京の広告代理店などと年間契約、年数回の農業体験で栽培した米を提供するオーナー制度としてスタートしたこのプロジェクトでしたが、そこに興味を持ったのが東京大学や日本女子大学、法政大学といった首都圏の大学に通う学生たち。今や彼ら自身が自主的に農業体験を企画し、毎月誰かしらが滞在するほどのつながりができています。

青森の伝承料理を守る『津軽あかつきの会』の取材時に若手として活躍していた吉田涼香さんは、この『みんたば!』がきっかけで青森県に移住。木村氏は、現在つがる市で暮らす彼女の新規事業計画にも関わります。他にも青森県庁に就職した学生がいたり、今度木村氏のもとへ就職する学生がいたり。農家の高齢化が進む中、次世代を担う若者が自ら津軽へやってくる、そんないい流れがここでは自然と生まれていることに驚きます。

ただ学生と農作業をともにするだけでなく、加工品を考案させる、地元小学校のレクリエーション企画や祭りに参加させるといった幅広い活動が『みんたば!』の特徴です。「畑は生産物を作るためだけの場所じゃない。畑の空気感に癒されることもあると思うんだよね。都会の生活に悩みを抱えている子も多いけど、『大人とうまくいかない』と言っていた子が、通ううちに『大人を見直した』って言ってくれるようになる。俺がすぐ学生にちょっかい出すから、それも楽しいみたい(笑)」。そう話す木村氏は、学生たちにとって津軽のとっちゃです。

行政や学校を通さず、学生たちが自主的にやってくるのが『みんたば!』のすごさ。長い時は1週間ほど滞在していくそう。彼らの存在がまた木村氏に刺激を与える。

空き家を改装し宿泊施設『古民家風丸』に。吉田さんによる津軽伝承料理も提供する。「レジャー事業として成り立てば、若い奴らの仕事ができるから」と木村氏。

木村家の鎮守の森の中には、オーナー制度で運営する手作りのピザ窯も登場。企業の福利厚生に活用してもらう他、学生たちには無料で開放する。

『古民家風丸』で吉田さんたちが作った料理を囲みながら、家族やスタッフに突っ込まれて苦笑する木村氏。いっとき仕事を離れると、終始笑いの絶えないチームだ。

津軽ボンマルシェ・白神アグリサービス直面するのは厳しい現実。それでも向き合うのは好きだから。

アイデアを次々と具現化する木村氏ですが、もちろんそれには相当の労力と負担が発生します。最近では、日本に1台しかないというオランダ製のりんご収穫用マシンを個人輸入で導入。「日本では“手をかける”ことがよしとされるから、りんご栽培はいまだに手作業中心。でも農家はどんどん廃業するし、高齢の働き手は後5年もすれば仕事ができなくなる。10年くらい前から、収穫も機械化しないと農家が持たないと考えてたわけ。高額だし小規模の農家が買えるものではないから、いずれは地域の他の農家の収穫もこれでやることになるだろうね」と木村氏は話します。

これまでも耕作放棄地を買い取り畑にするなど、積極的に地域に貢献してきた半面、「それもこれも、環境に配慮した農業を考えたらうちだけでやれることじゃないから、周りを巻き込んでいるだけ。『みんたば!』も収益のために始めたし、学生の受け入れだって『うちに入社してくれるかな』という下心もあったしね(笑)」と木村氏。その話からは、綺麗事では済まされない、地方の農家の現実が見えてきます。

それでもなお、毎日農業と正面から向き合い、新しいアイデアを形にする理由をたずねると、「農家って、何やってもいい職業だと思ってて。りんご作っても米作っても、エネルギー作ってもいいし、人助けだってできる。無限の可能性を感じるというか。自分は他人のことは気にしないし、他人の意見も聞かない。すっげーわがままなの(笑)。だから自分が新しいことしたい、面白いことしたいって考えてるだけなんだよね」。そう語った木村氏は、取材の最後にこうつけ加えました。「農業が嫌い嫌いといってるけど、本当は好きなんだと思うね」。いつもエネルギッシュで真剣、そのわがまま=「からきじ」ぶりと本気度で周囲を巻き込んでいく木村氏。その勢いはまだ止まりそうもありません。


(supported by 東日本旅客鉄道株式会社

映画やバイクなど多趣味。「バイタリティー溢れる」という表現がしっくりくる御年58歳の木村氏。現在は代表を務める弟の農也(あつや)氏とともに会社を切り盛りする。

住所:青森県西津軽郡鰺ヶ沢町大字建石町字大曲1-1 MAP
電話:0173-82-5421
風丸農場 by白神アグリサービス HP:http://www.kazemaru-nojo.com/