ワインテイスター大越基裕氏が解説。ディナーに華を添えた世界最高峰ソムリエのサービス。[DINING OUT WAJIMA with LEXUS/石川県輪島市]

2004年当時最年少にてマスターソムリエとなった米国出身のロバート・スミス氏(左)が、『DINING OUT WAJIMA with LEXUS』のドリンクを担当。体験した日本を代表するソムリエ大越基裕氏(右)がドリンクについて徹底解説。

ダイニングアウト輪島かつてない豪華な布陣。ワイン界のオーソリティ、マスターソムリエの参戦。

石川県輪島市を舞台に2019年10月5日、6日に開催された『DINING OUT WAJIMA with LEXUS』は、17回の歴史を重ねる『DINING OUT』としても過去最高の布陣だと開催前から注目を集めました。

「漆文化の地に根付く、真の豊かさを探る。」というテーマの下、世界が注目するアメリカ人シェフ、ジョシュア・スキーンズシェフと、能登にルーツを持つ『AZUR et MASA UEKI』の植木将仁シェフの2人がコラボレーション。加えて、ドリンク担当として、世界のワインシーンに影響を与えてきたマスターソムリエ、ロバート・スミス氏が参加。更に、並行して進められた『DESIGNING OUT Vol.2』では、世界的建築家の隈 研吾氏がこの日のために輪島塗の器をプロデュースするという前代未聞の構成となりました。

2人のトップシェフの料理に、世界最高峰ソムリエが加わることで、どのような化学反応が起こったのか。ワインテイスター、大越基裕氏の視点を交えお伝えします。

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食事を楽しみながら、ワインと料理とのペアリングについてテイスティングを行う大越氏。

金蔵地区の棚田が会場に。初日は雨模様だったが、2日は見事な月夜となった。

ダイニングアウト輪島また一歩、新境地へ。回を重ねるごとに成熟する『DINING OUT』の現在地。

日本とフランスを拠点に、世界各地のワイン産地や都市に足を運び、世界のワインの今を伝えるワインテイスターの大越基裕氏。レストランサービスから国際市場のワイン動向までを熟知し、日本のワイン界をリードする存在です。2016年佐賀県唐津市で開催された『DINING OUT ARITA& with LEXUS』にはソムリエとして参加をした経験も。今回、マスターソムリエのロバート・スミス氏のドリンクペアリング、ワインサービスをプロの目線で紐解きます。

「初のダブルシェフの競演、著名な建築家の隈研吾氏が関わる『DESIGNING OUT Vol.2』の同時開催と、マスターソムリエの参戦とかつてないコンテンツが揃った今回。野外で行われるハイエンドなレストランイベントというだけで十分にバリューだった『DINING OUT』ですが、ますますラグジュアリーさを増している。ここまで来たかと驚きを感じました」。
まずは今回の『DINING OUT WAJIMA with LEXUS』について、大越氏はそのように話します。

2019年、日本に拠点を移したマスターソムリエのロバート・スミス氏については、かねてからその動向に注目をしていたと話します。
「日本ではいまだ認知度が十分とはいえませんが、イギリスにおけるマスター・オブ・ワイン(MW)、アメリカにおけるマスターソムリエ(MS)は、間違いなく世界最高峰のワイン資格。ロバート氏が日本に移住したことで、日本在住者では初となるマスターソムリエが誕生したわけで、今後、日本のワイン業界をどう刺激していくかに関心があります」。

今回、11皿の料理に合わせて用意されたのは、ワインを中心とした9アイテムのペアリングドリンク。大越氏は一体、そのうちのどんな点に着目したのでしょうか。

笑顔でテーブルを回るロバート氏。訊ねたことすべてに丁寧に答えながら、堅苦しさゼロのサービスも印象的。

『DINING OUT』史上初のダブルシェフの競演となった今回。『AZUR et MASA UEKI』の植木将仁シェフ(左)と、 アメリカ人として熾火料理で唯一三ツ星に輝いたジョシュア・スキーンズ氏(右)。

『DESIGNING OUT Vol.2』では、クリエイティブプロデューサーに世界的建築家の隈研吾を迎え、オリジナルの「輪島塗」の器を披露。その器に2人のシェフの料理が盛り付けられた。

ダイニングアウト輪島世界のガストロノミーの潮流と符合する「軽やかさ」が基調のペアリング。

「世界のガストロノミーのここ数年の動向として、料理が軽やかになっているという傾向があります。2人のシェフによる11皿のコースもやはり、その流れを汲むもの。ペアリングドリンクのセレクトも今の料理シーンをリスペクトしたスタイルであったことが、最初に感じた印象です」
ジョシュア氏の本拠地であるアメリカ西海岸のワインといえば、日照量豊かな恵まれた気候で育まれるぶどうを使ったリッチでボリューム感がある味わいが、まずは頭に浮かびます。が、ロバート氏のセレクトは「より洗練されたものだった」と、大越氏はいいます。

ペアリングの一例は以下の通り。アミューズにシャンパーニュ、仔牛のカルパッチョにナパ・バレーのロゼ、ラディッシュの一皿にはサンタクルーズマウンテンの複雑味のあるシャルドネ、鮑の炭火焼きに奥能登の自然栽培米を使った日本酒という具合です。

「ロゼはナパの中でも冷涼な地域のものですし、シャルドネも同じく涼しいエリアの重すぎないもの、ソノマのジンファンデルもフレッシュさが印象に残りました」と、大越氏。

「アメリカのワインがラインナップの半数を占めるペアリングは、我々、日本人ソムリエにはない発想。シェフとソムリエ、2人がアメリカ人だからこそ生まれた表現が、能登輪島の食材を使った料理と合わさる斬新さ。新たな視界が開けるようなペアリングでした」

ハイクオリティなシャンパーニュ造りを実践するRMの造り手「クラブ・トレゾール・シャンパーニュ」認定のシャンパーニュを、アミューズとともに。

ジョシュアシェフによる鮑の一皿。肝や炊いた際の出汁も余すところなく閉じ込めた凝縮感のある味わいには「自然栽培米の純米酒がぴったり」と、マーク氏。

植木シェフによる「ノドグロと藻屑蟹」にロバート氏が合わせたのは七尾市『布施酒造』の「大古酒5年」にふぐ出汁を加えたもの。

ダイニングアウト輪島テクスチャーの、旨みのトーンの重なりが、想像を超えたハーモニーを生む。

とりわけ印象に残ったペアリングについて大越氏に訊ねると、迷わず「植木シェフの仔牛のカルパッチョとアズール ロゼ」という答えが返ってきました。
「カルパッチョとはいえ、生ではなくガストロパックで加熱調理されたもの。野菜や発酵食品で味わいの層をつくった一皿です。通常のフレッシュなロゼでは負けてしまいますが、カリフォルニアのシラー、グルナッシュからつくるこのロゼは、フレッシュだけれど充実感ある味わいで、テクスチャー含め非常に相性が良かった」

さらにもう一点、ジョシュアシェフの「ラディッシュ」と、『Saison』が所有するワイナリーのシャルドネも味わい深かったと話します。
「味付けは、出汁のジュレとバターのソース。バターにシャルドネは鉄板の組み合わせゆえ、やや面白みに欠けると感じたのですが、このシャルドネ、味わってみるとバターっぽさがない。溌剌(はつらつ)さは残しながらも、口中に広がる酸化熟成のテイストが出汁の風味とが見事なマリアージュでした。ラディッシュ自体はフレッシュなのですが、最終的には凝縮感ある出汁の味が余韻に残る。酸化熟成から生まれる風味と旨みは、出汁と想像を超えるハーモニーでした」。

その精度もさることながら、日本の発酵食品がつくる味の複雑味や出汁の旨みについても研究し、セオリーを超えて考え提案されたペアリングに、大越氏も感銘を受けたようです。

植木シェフによる「仔牛のカルパッチョ」と、ロバート氏セレクトの「アズール・ロゼ」。「フレッシュさとは一線を画す味わいに、程よい厚みのあるロゼが寄り添う」と、大越氏。

ジョシュアシェフの「ラディッシュ」と、マーク氏が共同オーナーを務める『Saison』のワイナリーのシャルドネ。

ダイニングアウト輪島想像の枠外にあるドリンクサービスで、これまでにない体験を。

「我々はプロの集団ですから、料理の完成度やワインなどの提供も含めたサービスで、ゲストを満足させるのは当然です」
開催に先駆けて行われたインタビューで、ロバート氏は、そのように話していました。アジア以外の国からシェフを招いての開催は、初めてのこと。ゆえに、これまでの回とは違った体験を提供したいという気持ちも強かったといいます。

2日間のサービスを終え、今回のドリンクセレクトのプロセスについて、ロバート氏にも話を伺いました。
「今回、ジョシュアの料理に合わせるワインは、『Saison』の共同オーナーでソムリエ、ワインメーカーのマーク・ブライトが担当。春から一緒に仕事をしているマサ(植木シェフ)の料理に合わせるワインを、私が選びました。それぞれの現在のパートナーシップを活かして、よりよいものを、と考えた結果です」

ワイン以外のドリンクも、登場しました。例えばジョシュアシェフの「鮑の熾火焼き」には輪島市『白藤酒造』の「奥能登の白菊」。
「マークは自らワイナリーも所有していてワインづくりも行っています。マーク自身のワインをチョイスに入れたらどうかと提案しましたが、やはりローカリティにこだわりたい、と。元々、マークは年に一度は日本を訪れるほどの親日家で、大の日本酒好き。レストランには200アイテム以上をオンリストしています。その中で、ギリギリまで熟考を重ね、前々日に決まったのが輪島の酒蔵が自然栽培米で醸す純米酒でした」

それを聞いて、大越氏が続けます。
「もし日本人ソムリエが鮑料理のペアリングアイテムを考えたなら、日本酒というチョイスは正攻法過ぎて優先順位が下がる。でも、アメリカ人だからこそ、そこに日本の食文化に対するリスペクトという視点が生まれ、彼らの純粋な表現になる。『白藤酒造』は歴史を守りながら革新も続ける酒蔵で、このチョイスは素晴らしいと感じました」

「漆文化の地に根付く、真の豊かさを探る。」という今回のテーマは、ジョシュア・スキーンズシェフというアメリカ人のトップシェフが参加することにより、多角的な視点と立体的な表現が生まれました。ロバート氏、そしてマーク氏のワインセレクトは、その視点、表現をさらに確かにするものだったといえるでしょう。

「味わいの感想は人それぞれ。一般のお客様とプロの方でも異なる感想を抱かれるでしょう。ひとつの正解がない世界で私たちがお届けしたかったもののひとつは、さまざまな酒づくりに関わる方々の想いや仕事。それを2人のシェフとキッチンスタッフ、サービススタッフ全員から成るチームで、皆さんにお届けできたならば、何よりだと感じています」

ロバート氏は、そう話し2日間の、いや準備開始から約半年以上に渡る『DINING OUT』でのサービスを総括しました。

ゲストへ事前の紹介はなかったが、華のあるサービスで会場を盛り上げたマーク・ブライト氏。

左からロバート氏、大越氏、マーク氏。国境を超えて活躍するワインのプロフェッショナル同士の話は尽きることがなかった。

1971.2.9 生まれ。テキサス州ダラス育ち。家業が食に関わる仕事をしていたことで、幼いころからホスピタリティと料理に触れる。ネヴァダ大学ラスベガス校ホテルホスピタリティ学部卒。いくつかのブティックレストランを経て、1998 年ラスベガスの ホテルベラージオ入社。 ジェームスビアード賞を受賞したジュリアンセラーノ氏がシェフを務める、レストランピカソにてソムリエとして約 18 年間従事。2004 年に当時最年少にてマスターソムリエに合格。史上 149 人目の資格保持者となる。

1976年、北海道生まれ。国際ソムリエ協会  インターナショナルA.S.Iソムリエ・ディプロマ。2013年6月、ワインテイスター/ワインディレクターとして独立。世界各国を回りながら、最新情報をもとにコンサルタント、講師や講演、執筆などもこなしてワインの本質を伝え続けている。ワインだけでなく、日本酒、焼酎にも精通しており、ワインと日本酒を組み合わせた食事とのマリアージュにも定評がある。

ラスベガスのネバダ大学在学中に、Hotel Bellagioで勤務。そこでマスターソムリエの指導の下サーバーとして猛勉強し、サンフランシスコの有名レストランにてソムリエとして活躍。
2009年にジョシュア・スキーンズとパートナーシップを組み、Saisonをオープン。わずか5年でミシュラン三ツ星を獲得。現在はサンフランシスコとロサンゼルスに拠点を置くSaison Hospitalityのシーフードレストラン「Angler」のワインディレクター兼共同オーナーとして、Saison cellar wineのワイン醸造者として、そしてグループのソムリエとして活躍中。

FTW柄フルジップパーカ

アイアンハート定番の極厚裏起毛スウェットパーカ

  • プリントはバイク乗りの定番FTW(Foever Two Wheels)柄
  • 左胸のワンポイントと大振りなバックプリントが入ります
  • ライディングの際にダボつかないようダブルジップ仕様です
  • グローブをしていても開閉しやすいようにジップには革タブを付けています
  • フロントポケット左側にはアイアンハートのネームが付きます
  • 4本針(フラットシーマ)での縫製で、ストレスのない着心地です

IHSW-43:サイズスペック

  着丈 肩巾 バスト 裾回り 袖丈 袖口
L-F 60.5 39.0 96.0 82.0 58.0 8.5
S 62.5 43.0 104.0 90.0 63.0 8.5
M 64.5 46.0 110.0 96.0 64.0 8.5
L 67.5 49.0 116.0 102.0 65.0 9.5
XL 69.5 52.0 120.0 106.0 66.0 9.5
XXL 71.5 55.0 124.0 110.0 67.0 9.5
  • 商品により多少の誤差が生じる場合がございます
  • 商品はワンウォッシュ済みです

素材

  • 綿:100%

見たことのない11の東京の姿。その真実に迫る、島旅の記録。[東京”真”宝島/東京都]

東京"真"宝島OVERVIEW

日本一の都市、東京に島があることをご存知でしょうか。しかも、その数は11島(有人の島)にも及びます。
大島、利島、新島、式根島、神津島、三宅島、御蔵島、八丈島、青ヶ島、父島、母島がそれです。人々は、この 11島を「東京宝島」と呼ぶも、その魅力はおろか、島によっては存在すら知られていないかもしれません。

この11島は、果たして「観光地」なのか? いや、そんなひと言で表現できるほど容易くはないと思います。では同じ「東京」なのか? 理屈ではそうですが、まるで別世界です。我々は、そんな島々の「真実」を探す旅に出たいと思います。「東京宝島」の真実、「東京“真”宝島」の旅へ。
伝統、文化、歴史、はたまた祭りや催事、風習……。島が持つ本来の空気や時間、そして島民の生き方……。姿を持たないこれらにその真実を形成する主が潜むゆえ、なかなか対峙することや体験することが難しいと思います。しかし、幸運にもそれに触れることができた時、ほんの少しかもしれませんが、島が大切にしてきたことと出合うことができるでしょう。

そして、それを一度でも体験すればきっとこう感じるに違いありません。ここには「未来」に残したい「日本の姿」、「地球の姿」が存在していると。ある意味、観光地化されすぎなかったからこそ、その「原型」を留めることができたのではないでしょうか。ゆえに、島自体が「作品」なのかもしれません。それはまるで「宝島」のように。
「島の資産」は「東京の資産」であり、「日本の資産」。更には「地球の資産」。それは進化でも変化でもない、「不変の価値」といっていいでしょう。

「今」を100年後も「今」のままで。
そんな願いを込めて、知られざる東京の旅をご案内したいと思います。


(supported by 東京宝島)

放置竹林という社会問題を、竹スイーツという新たな発想で楽しむ!10月28日(月)より10日間限定で限定発売。[LIFULL Table 地球料理-Earth Cuisine/東京都千代田区]

薬師神陸シェフが紡ぎ出した4つのバンブースイーツ。左より「竹のササート」「竹団子 白餡ショコラとともに」「葛豆腐 竹炭仕立て」「竹香る和ナンシェ」。

ライフルテーブル/アースキュイジーヌ食の新たな可能性を探る意欲的なイベントを開催。

2019年9月某日。江東区にある東京都現代美術館において、とある意欲的な驚きの食のイベントが開催されました。

ずばりテーマは“竹を食べる”!

いま日本全国で問題となっている「放置竹林」の竹を食べて竹害を防ぐことを目的にし、地球のためになる新たな食材を見つけるプロジェクトだというのです。このようなコンセプトを描き、プロジェクトを始動したのは「あらゆるLIFEを、FULLに。」をコーポレートメッセージに掲げる住生活情報サービス運営企業(株)LIFULL。地球上でまだ光の当たっていない素材にフォーカスし、その素材を食べることが地球と人のために、ひいては地球上にある新たな食材を見つけることになる。そんなコンセプトを持つ「地球料理-Earth Cuisine」プロジェクトの第二弾として開催されたのです。

昨年の第一弾では、間伐材を見事なフランス料理のフルコースにアレンジしてみせた、田村浩二氏が料理のクリエイションを担当。
そして今年、放置竹林に挑んだのは、海外からも注目を集める新進気鋭のシェフ・薬師神陸氏と、和菓子作家の坂本紫穗さん。それぞれ4品ずつ合計8品の竹スイーツをフルコース仕立てにし、ゲストを迎えた先行試食会を行ってくれました。
ONESTORYでは、その様子を昨年同様にレポート。食の新たな可能性を探る意欲的な試みに注目しました。

【関連記事】LIFULL Table Earth Cuisine/まず伝えたい「木は食べられる」という事実。杉でつくったケーキに乗せた思いとメッセージ。

屋外の会場には竹林をイメージした装飾を。竹の葉音が涼しさを演出。

ライフルテーブル/アースキュイジーヌフレンチシェフが生み出す注目竹スイーツ。

最初に運ばれてきたのは、深い緑が抹茶を想起させるドリンク「竹のササート」でした。細い竹の枝をストロー代わりに使った遊び心あふれる演出。かと思いきや、ここにも世界的に問題となっているプラスチックストローの代替への意識を忍ばせているのです。そして、口当たり柔らかな竹ストローでひと口味わうと、抹茶とはまったく違う爽やかな苦味が喉を潤します。まだまだ日差しの強い晩夏のこの日にはうってつけ。聞けば、「笹の葉をライムと合わせ、さっぱりとしたモヒート風にアレンジしました」と薬師神氏。まったく新しい風味なのに、どこか味わったことのあるようなニュアンスは、和のエッセンスとして古くから用いられる竹という素材が持つ力なのだと教えてくれます。

さらに笹団子ならぬ竹団子を白餡仕立てにし、竹炭仕立ての葛豆腐を白味噌ソースで提案。〆にはフレンチの世界で活躍してきた薬師神氏ならではの竹香る和風フィナンシェという前半4品の構成に。
「何かを混ぜ合わせると個性が消え、何かを足さないと美味しくない。いきなり先制パンチを食らったような食材が竹でした。でもですね、こんな難問をひとつひとつクリアしていき、見えてきたのは「竹」って素晴らしいってことでした。面白い食材だと思います」と各ゲストを回りながら、竹の魅力を力説する薬師神氏が印象的でした。

ゲストからも次々と質問攻めにあう薬師神シェフ。

竹を使ったモヒート風のノンアルカクテルが「竹のササート」。次々とおかわりする人が続出。

どら焼きとフィナンシェの生地をあわせ、竹の幹そのものを25%使用したという「竹香る和ナンシェ」。

ライフルテーブル/アースキュイジーヌ和菓子作家が魅せた竹の可能性。

続く後半4品は、和菓子作家の坂本紫穂さんが担当。最初に運ばれた「黒羊羹 竹砂糖添え」は、竹炭を用い強い黒を表現した羊羹でした。たっぷりの竹の粉を添えることで「羊羹と似ているようで、何かが違う」という違和感が生まれるような構成に、会場からは次々とどよめきが起こり、ゲストの舌を喜ばせます。

「味覚はもちろんのこと視覚、嗅覚、そして触覚(舌触り)を通して、感覚的に竹や竹害を感じる和菓子を目指しました」とは坂本さん。
青竹の落雁、白きんとんの竹包みと、和菓子作家らしい印象的な竹スイーツは、竹害から生まれた和菓子という今回のテーマそのもの。一緒に添えられた、竹しずくという竹水を和三盆でやさしく味付けした甘露が、ふわりと疲れを癒やしてくれるのです。

坂本紫穂さん創作の4品。左より「黒羊羹 竹砂糖添え」「竹しずく」「青竹の落雁」「白きんとんの竹包み」。

「自然を見つめ直すことは、私たちの生き方を見つめ直すことでもある」と坂本さん。

ほのかに和三盆の甘さが広がる「竹しずく」は、女性に好評。

ライフルテーブル/アースキュイジーヌバンブースイーツが、今秋、期間限定で一般販売開始!

成長が早く、繁殖力が高い竹は、放置すると周りの動植物の生態系への悪影響や、過密になると弱ったり枯死した地下茎が多くなり、浅根になる傾向があるため、土をかかえ留めることができず大雨の際には地滑り等の竹害を引き起こす可能性があります。そんな放置竹林の持つ課題を、見事に食材へと転化し、楽しみへと変えたふたりに、食後、会場からは惜しみない拍手が鳴り止みませんでした。

そんな新たなる食の体験で地球と向き合うことこそが、LIFULLが目指す「地球料理-Earth Cuisine」プロジェクト。食べることが地球のためになる、それは訪れた誰もが深く刻んだ食体験だったように思います。

そしてなんとこの記事を読んでいただいた方にも朗報です。 今回のスイーツの一部を期間限定で、LIFULLが運営する飲食店LIFULL Table(東京都千代田区)にて、10月28日より期間限定で一般発売。上記の竹を使った4品のスイーツが味わえることになりました。
食べておいしく、味わうだけで地球のために。そんな意欲的な挑戦をぜひ自身の舌でご体験あれ。

竹害から生まれた和菓子は、10月28日より期間限定で一般発売が決定。

辻調理師専門学校卒業後、同校のフランス料理講師としてスタート。2014年『SUGALABO』のシェフに就任し国内外で活躍。2017年にRED U-35 ​​​GOLD 受賞ほか、国内外のアワードを多数受賞。今夏独立し〝食のリテラシーを磨く〟をコンセプトにイベント企画、メニュー監修など幅広い料理人の働き方をしている。

和菓子作家。1982年栃木県宇都宮市出身。IT企業を退職後、和菓子作家としてオーダーメードの和菓子を作品とした制作・監修。和菓子教室やワークショップも行い、2016年にはミラノ・サローネにて和菓子のデモンストレーションおよび展示を手掛ける。〝印象を和菓子に〟をコンセプトに日々のあらゆる体験、印象を表現し続けている。

住所:東京都千代田区麹町1-4-4 1F MAP
電話:03-6774-1700
発売日:2019年10月28日(月)〜11月11日(月)平日のみ10日間限定
価格:各800円(税抜)
数量:風セット、凪セットそれぞれ1日10セット(イートインのみ)
LIFULL Table HP: https://table.lifull.com/earthcuisine/bamboosweets/

伝えたのは「食事は楽しむもの」という思い。ファインダイニングを舞台に繰り広げられた『1日だけのトラットリア』。[Courage/東京都港区]

フェデリコ・スィスティ氏と大井健司氏。二人のシェフの感性が、この夜だけの料理を生み出した。

クラージュ二人のシェフの競演による、特別なディナー。

2019年某日。麻布十番のイノベーティブレストラン『Courage』を舞台に、スペシャルな晩餐が繰り広げられました。『サンペレグリノ』のサポートで行われたこの晩餐の名は『1日限りのトラットリア』。ミラノ『アンティカ・オステリア・ディ・ロンケッティーノ』で腕を振るうフェデリコ・スィスティシェフが、『Courage』の大井健司シェフと手を組み、この一夜のためだけのコースを作り上げたのです。

東京を代表するファインダイニングを、あえてトラットリアに変え、大勢で、賑やかで、気さくな食事を楽しむ。そして登場するシェフ自身が、パートナーやゲストと自らの情熱を分かち合う。そんなコンセプトを持ったこの企画には、名店のシェフやフーディ、『Courage』の常連客などが集い、思い思いに楽しんだよう。素晴らしい料理と気さくな雰囲気で盛り上がったその様子をお伝えします。

会話と食事を楽しむカジュアルなトラットリア。東京を代表する名店のシェフたちも、その空気を楽しんだ。

クラージュカジュアルに、リラックス。醸し出されるトラットリアの世界観。

この特別な夜が実現したきっかけは、アジアを拠点に活躍する料理人やフーディのコミュニティ『ガストロノート・アジア』から自然発生的に生まれた声。誰が主催で、誰がスポンサーでという話が中心に進んだのではなく、フェデリコ氏の「ぜひ日本で活躍するイタリア料理人とのコラボをしたい」との熱意を、『Courage』のオーナーである相澤ジーノ氏と、同店の大井シェフが快諾したことが直接的な原動力でした。
「大勢の家族や友人が食卓を囲み、リラックスしながら食事をする。それがトラットリアの伝統的なスタイルです」とフェデリコシェフ。相澤氏、大井氏と揃いで「伝統は死なず」と書かれたキャップを被って、今日の日に臨みました。テーブルには、通常時の無地ではなく、ギンガムチェックのクロス。これもまた、気さくなトラットリアの伝統的なスタイルです。

フェデリコシェフと大井シェフが最初に決めたのは「テーブルを皿で埋め尽くそう!」というテーマ。それぞれが持てる技と知識を出し合い、何度も話し合いを重ねながら、今日の日の料理が完成しました。

前菜は両名のシェフがそれぞれ3品ずつ出し合いました。フェデリコシェフは「高価ではないけれどとても大切な食材」というタマネギのロースト、イタリアでポピュラーなトリッパのサラダ、メジマグロのタタキにテリヤキソースをあわせた料理の3品を用意。一方
大井シェフは「日本の和え物をイメージした」という淡路のサワラのジェノベーゼ和え、串に刺して燻製した北見のエゾシカの肉団子、自家製フォカッチャにアンチョビとモッツァレラを挟んだナポリの伝統料理モッツァレラ ディ カロッツァを仕立てました。
それぞれの個性が垣間見えつつ、全体の統一感もある。二人のシェフの間で交わされた会話が見えてくるような、魅力的な前菜が出揃いました。

ゲストも自分たちも楽しめるトラットリア」を目指したフェデリコシェフ。

日頃は「素材ファースト」のファインダイニングを率いる大井シェフが、カジュアルなトラットリアに挑む。

「伝統は死なず」はフェデリコシェフのキャッチフレーズであり、この日のテーマでもあった。

イタリアの食を知る日本人、日本の食を知るイタリア人。二人のシェフが3品ずつ仕立てた前菜。

クラージュ日本の食材、食文化をイタリアンにアレンジ。

料理はテンポよく、次々に登場します。メイン料理は、ピエモンテの郷土料理ボリート・ミストです。ボリートは「茹でる」、ミストは「いろいろ」、日本で言うおでんのようなこの料理。今回も牛ホホ肉、アキレス腱、仔牛のタン、スネにさまざまな野菜が盛り合わされています。ソースは3種。トラディショナルなサルサベルデは本来イタリアンパセリで作られるものが、今回はシソが使われました。パルミジャーノチーズがきいた白インゲンのピューレ・サルサビアンカ、甘酸っぱいサルサロッサ。さまざまな具材に、3種のソース、その組み合わせ方は自在です。

「伝統は大切ですが、そのまま再現する必要はありません。日本でやる意味を考え、このような形になりました」と大井シェフは振り返りました。
パスタは2皿。ひとつは手打ちタリアテッレ仔牛のラグーソース。骨髄の旨みが染み出したイタリアらしいパスタです。もう一方は、牛もも肉のタルタルとオカヒジキの蕎麦風パスタ。添えられた煮干しの出汁にくぐらせて、つけ麺のように味わいます。来日の度に日本料理を食べ歩き、さまざまなインスピレーションを得たというフェデリコシェフ。「日本の蕎麦をイメージした」と話し、大井シェフは「まんま蕎麦ですよね」と笑う。その明るい雰囲気もまた、料理のおいしさに影響するようでした。

デザートは、ホワイトチョコレートのムース カカオシュトロイゼルとパッションフルーツソース。デザートを得意とする大井シェフの技が随所に込められた逸品で、コースは締めくくられました。しかし料理が終わっても、ほとんどのゲストは会話に華が咲き、がなかなか席を離れようとしません。楽しい会話、心地よい雰囲気を誘発する料理。フェデリコシェフと大井シェフの目論見が見事成功したことは、この光景が物語っていました。

イタリア風おでんともいうべきメインのボリート・ミスト。シンプルかつ広がりのある味わいが魅力。 通常は冷製で提供されるミラノ伝統料理・ネルベッティがグリルされて、添えられた。

つけ麺スタイルの蕎麦風パスタ。柔らかく火を入れた牛もも肉のタルタルとともに出汁にくぐらせて味わう。「ヘルシーに進化させたボロネーゼです」とフェデリコシェフ。

もうひとつのパスタは、超正統派のラグーソース手打ちタリアテッレ。改めて両シェフの実力が垣間見える。

食感のバリエーションと味の多彩さを見事にまとめあげたデザートは、大井シェフの真骨頂。

クラージュゲストにもホストにも、意義のあった晩餐。

当日訪れたゲストの中には、日本のイタリア料理界を牽引するシェフたちの姿もありました。それぞれが今日のトラットリアを堪能し、そして何か得るものがあった様子。
最初に感想を聞かせてくれたのは、10年ほど前、フェデリコシェフとともに働いていた経験があるという『アマン東京』の総料理長・平木正和氏。「みんなで賑やかに食事を楽しむのは、本当に大事なこと。自分は今ホテルにいますが、なるべくホテルの型にはまらないよう努めています。その意味を改めて確認できました」と伝えてくれました。
遅れて参加した『HEINZ BECK』のエグゼクティブシェフ・カルミネ・アマランテ氏も、このディナーから学ぶことがあった様子。「時々忘れてしまいがちですが、郷土料理は本来、貧しい時代にどうおいしく食べ、どう楽しむかから生まれたもの。今日のディナーで改めて食事の楽しむことの大切さを思い出しました」

料理を終えた大井シェフとフェデリコシェフも、やはりリラックスした様子でした。
「純粋に楽しかった。日頃はジャンルレスなフュージョン料理が中心ですから、ここまでしっかりしたイタリア料理を、しかもイタリア人シェフと一緒にやれたことは刺激になりました」と大井シェフは振り返ります。「フェデリコとはとても気が合って、メールや電話でやりとりをしながらメニューを組み立てることも楽しかった。大変でしたけどね」そう爽やかな笑顔を見せる大井シェフ。最後に「イタリア修業から時間が経ち、忘れかけていたイタリア語を思い出せたことも良かった」と笑いました。

もちろんフェデリコシェフにとっても念願かなった素晴らしい体験となった様子。「ゲストが料理について興味を持ち、あれこれ尋ねてくれました。そのやりとり、フィードバックがまさにトラットリアの魅力。僕のキャッチフレーズは“伝統は死なず”。それを表現できた最高の場でした。大井シェフやジーノさんにも感謝です」
訪れたゲスト、迎えたシェフ、それぞれに気づきと出会いがあった今回の『1日限りのトラットリア』。これをひとつのプラットフォームとして、場所を変え、ジャンルを変えて、またどこかでこんな特別な晩餐が催されるかもしれません。

「僕のやりたいことと、方向性は似ています」と『アマン東京』の総料理長・平木正和氏。

「南イタリアを思い出して懐かしくなりました」と『HEINZ BECK』のエグゼクティブシェフ・カルミネ・アマランテ氏。

「リストランテ、トラットリアというくくりは無くなりつつあります。大切なことは作り手の感性です」と『ラパルメント ディ ナオキ』の横江直紀シェフ。

銀座『FARO』の能田耕太郎シェフは「イタリアを経験した日本人シェフと、日本の食にインスピレーションを得たイタリア人シェフ。2人のシェフの顔が出ている料理でした」

同店の加藤峰子パティシエは「料理も訪れた人もボーダーレス。現在の東京を表しているようでした」と振り返った。

フェデリコシェフと大井シェフ、二人の出会いがイタリアンの新たな世界を切り開くことになるかもしれない。

住所:東京都港区麻布十番2-7-14 1F MAP
電話:03-6809-5533
定休日:日曜・祝日(不定休)
Courage HP: https://courage-tokyo.com/

理想は高く、敷居は低く。津軽の「これまで」と「これから」を線で結んで「今」を表現するセレクトショップ。[TSUGARU Le Bon Marche・グリーン/青森県弘前市]

長身でカッコ良い『green』の主人・小林久芳氏。「天然繊維」「国内生産」の2点を条件にして仕入れるウエアを自ら着用している。

津軽ボンマルシェ・グリーン温かい気持ちになれるアイテムを求め、次々と訪れるファンたち。

午前10時30分。秋晴れの柔らかい光が射し込む店内に、早くもお客さんの姿が見受けられます。
「わー、この生地、フワフワで気持ち良いわ。触ってみて」
「本当だね」
開店直後に訪れた、この上品な壮年夫婦が手にしていたのは、オーガニックコットンのタオル。セレクトショップ『green』のある朝の情景です。
扱うアイテムは、テーブルウエアなどの日用品から化粧品、玩具、レディスのファッションアイテムまで多種多様。すべて「人と地球に優しい」をテーマにしています。こうした品々を集める主人が小林久芳氏。
「いらっしゃいませ」
今度は、若い女性がひとりで訪れました。穏やかな笑顔で小林氏が応対します。
「柄違いもお出しできますので、良かったらおっしゃって下さいね」

店はJR弘前駅から歩いて10分ほどの立地。隣接して以前、『ONESTORY』でも紹介した竹森 幹氏の『bambooforest』があり、その数十m先には姉妹店『green furniture』もあって、そちらでは、独自にリペアしたアンティークの家具や器を揃えています。
「弘前市って粗大ゴミは月2回、無料で回収してくれるんですけど、自転車でお店に通勤する途中、出されていたゴミを見かけて『それ、捨てちゃうの? もったいない』と思ったのがきっかけでした」。6年前、『green furniture』を開いた経緯を振り返ります。そして、10年前に遡る本家『green』の誕生にも、こうした小林氏の温かい視点がありました。

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白を基調とした『green』の店内。スペースの半分ほどをファッションアイテムが占め、残りのスペースには雑貨などを見やすくディスプレイ。一角には食料品や文房具も。

暖色系の光が灯る『green furniture』。脱穀機の歯車を転用した壁掛け時計など、小林氏のアイデアが活きたアイテムも。「想像した通りの仕上がりになったときが一番楽しい」

津軽ボンマルシェ・グリーン夢を追い続けた結果、スノボのプロから、ショップのプロに。

「実は、プロのスノーボーダーを目指していたんです」
驚きの過去を話し始めた小林氏。五所川原出身で、「実家が洋品店だった」から、今があると思っていたら、違いました。18歳で旅行添乗員を目指して上京。専門学校に通いましたが、卒業後は縁あって、横浜のホテルに就職します。そこで仕事仲間に誘われ、サーフィンと出合いました。スノーボードは、言ってしまえば、雪上のサーフィン。小林氏がスノーボードに目覚めるのは、きっと自然な流れだったのでしょう。
「ホテルを辞めてからは、プロを目指して世界各地を転戦していました」
日本の夏は南半球に、冬になれば北半球へ。そんな生活を3年ほど、続けたと言います。けれど、ずっと「24歳でプロになれなかったら諦めよう」と思っていたそう。青森に戻ってまず在籍したのは弘前にあるスノーボードウエアのショップでした。独立して自ら立ち上げたショップ『オトハネ』もメンズウエアの専門店。
「ですから、当初は今のように、女性服を扱うようになるとは夢にも思っていませんでした(笑)」

転機が訪れたのは、店を始めて8年ほどが過ぎた2009年。この頃、スノボ関係者の間では「このまま地球温暖化が進むと、いずれスノーボードができなくなるのでは?」という危機感が広まっていて、「地球環境に負荷をかけないライフスタイル」を実践するボーダーも増えていました。かつて、ともに切磋琢磨した仲間たちの意識変革は小林氏にとって、とても刺激的に映ったに違いありません。さらに、小林氏は当時、長女の出産を控えた時期でもありました。次世代のための地球。大袈裟かもしれませんが、そんな感情も沸き起こったことでしょう。

「ならば、いっそのこと、レディスで新しいお店を作っちゃおう」
そうして誕生したのが『green』でした。サスティナビリティなライフスタイルの提案にはファッション以外も必要と、雑貨や生活用品にまで、扱うアイテムの幅を広げ、今に到っています。
「けど……実は、アパレル業界で慣例の春と秋のセールを止めたくて、始めたっていう面もあるんですよ。良いと思って仕入れた洋服を、何で安く売らなきゃいけないのかって、ずっと思っていた。いきなりセールを止める勇気がなかったから、セールが最初からない、新しいお店を作っちゃった(笑)」
小林氏が少し照れたように付け加えました。

『green』は「元々、町の眼医者さんだったよう」と小林氏が言う洋館風の洒落た一軒家の1階にある。この2階が『オトハネ』。こちらのオープンは2001年のことだった。

『オトハネ』は今も基本的にはメンズウエア専門店。インドのサリーで使われていた生地をリユースしたジャケットなど、「環境に優しい」アイテムを全国から集めている。

『オトハネ』にて。ペンダントライトやテーブルなど、店舗を飾る什器にも小林氏の卓越したセンスが光る。

津軽ボンマルシェ・グリーン伝統を広めるだけでなく、実用性も見据えて展開したヒット作。

『green』の大ヒットアイテムのひとつに、「こぎん刺し」シリーズがあります。こぎん刺しとは津軽独特の刺し子技法。歴史は古く、江戸時代より続くとされています。元々は着物のほころびを直すために農家の間で育まれた技術で、藍で染めた麻の布地に、白い木綿糸で刺繍するのが伝統的なスタイル。目の粗い麻に縫い付けるから保温効果もあり、寒い津軽で広く親しまれてきました。
「津軽の人にとって、おばあちゃんのタンスを開けると何かしら必ず入っている、馴染み深いものです」

しかし、馴染みが深い分、古臭いものになっていたのもまた事実でした。そんなこぎん刺しを「地元の若い人にも使って欲しい」。そう思って、小林氏が取り組んだオリジナルこそ、こぎん刺しシリーズ。きっかけは、『弘前こぎん刺し研究所』に所属する刺し子さんが『green』の常連だったからでした。『弘前こぎん刺し研究所』とは、昭和初期から伝統工芸の存続を社会的使命と捉え、今も製品作りを通して魅力を伝える地元の企業です。

「試しに、その方にご相談したら、快く引き受けて下さいました」
最初は個人的な別注という形でスタート。今では、多くのアイテムが揃う『green』と『弘前こぎん刺し研究所』のコラボ作品として定着し、全国に多くのファンがいます。麻の布に木綿糸という仕様、ずっと描かれてきた定番の図柄という、2点の伝統をリスペクトした上で、名刺入れやがま口のほか、ブックカバー、ミニトートまで展開。ラインアップは拡大しています。
「この色、素敵ね」
「オレはこっちかな」
冒頭で紹介した夫婦も、この日、試しに身に付けたりしながらブローチを購入していました。

カラーリングも豊富になり、藍染色以外にも、漆黒色や山吹色、桜と銀鼠色など、現状で全8色を展開しています。色が変わっただけで、こぎん刺しの図柄ひとつひとつがモダンに浮かび上がってくるから不思議。一・三・五・七と奇数目で刺して規則性を生み、美しい幾何学模様を描く独自性も際立ちます。

「しかし」と小林氏。「刺し子さんは好きでなくてはできない仕事なんです」と続けました。こぎん刺しはすべて手刺し。例えば、ブックカバーで総柄にすると、キャリア10年の熟練でも丸2日はかかる。それでも、商品は5000円ぐらいの値付けにしないとなかなか売れません。『弘前こぎん刺し研究所』には現在、70人ほどの縫い子さんがいますが、後継者の問題もあるでしょう。古き佳き伝統を、現代的なセンスで世に広める。言葉にすると簡単ですが、現実にはいろいろとクリアしなければならない課題も多いのです。
「それでも、今は数を売っていきたい。続けることで顧客の裾野をもっともっと広げ、少しでもこぎん刺しの存続に貢献していきたい」決意表明のようにきっぱりと、小林氏は語るのでした。

「こぎん刺し」シリーズの一部。深緑色、山吹色など、どのカラーリングも素敵。アイテムはほかに、印鑑入れやポケットティッシュケースも。全部で十数種を展開する。

店内に設けられた、こぎん刺しコーナー。全国からファンが買いに訪れる。「こぎん」とは津軽で言う「野良着」のこと。元々は農作業で着た麻の服に施されていた。

津軽ボンマルシェ・グリーン埋もれた逸材を心から欲しいと思えるモノに仕立て、津軽から発信。

「これは、黒石の温湯温泉(ぬるゆおんせん)で伝統こけしを作る工人・阿保正文さんとコラボした作品です」
小林氏が指し示す棚には、手のひらサイズで配色もかわいい、こけしが横一列に並んでいました。12月ならサンタクロースと、月毎にテーマを替えて一年間だけ、作られたシリーズです。小林氏は今、津軽に残る様々な伝統工芸の掘り起こしにも積極的に取り組んでいます。「作る人、販売する人を訪ねてお声がけはいろいろしていますが、形にならなかったものもたくさんある(笑)」

それでもアプローチを続ける理由は、こうした活動が『green』の掲げるサスティナビリティの思想と連なっているからでしょう。伝統工芸を、これからもずっと愛される、生活に根付いた日用品へと昇華するため──。

「こぎん刺しは今、本当に人気で、聖地ツアーということで、全国から多くの方がいらっしゃいますが、『弘前こぎん刺し研究所』と『佐藤陽子こぎん展示館』くらいしか、弘前には触れられる場所がないんです。私自身、まだ何ができるかわかりませんが、裾野を広げるだけでなく、いかにして厚みを出していけるか。それが今後の使命だと思っています」
午後7時。辺りはすっかり日も暮れて、『green』も閉店の時間を迎えました。取材の帰りに『green furniture』の前を通ると、暖色系の灯りの中、リペアされて甦った家具たちが美しく輝いて見えました。
「とにかく、日常生活の中で使って欲しいですから、家具の値段はできる限り、安く抑えています」。小林氏の説明が脳裏に甦ります。

環境に優しいライフスタイルと、持続可能な伝統工芸の未来を見据えて。信念は崇高ですが、その理想を、頭でっかちな説諭で押し付けるのではなく、誰もが欲しいと思うモノに翻訳して、心に訴える。この姿勢があるから『green』は人気ショップなのだと実感しました。


(supported by 東日本旅客鉄道株式会社)

阿保正文工人とコラボした「季節のこけし」シリーズ。「造詣は深くありませんでしたが、こんなのがあったらかわいいなと思うものをデザインして頂きました」。残念ながら販売は一年で終了。

2階の作業スペースで「今日はお客様のコートのお直し」。自己流と謙遜するが、和装の直線裁ちで自ら洋服を作ることも。「生地全面をすべて使う知恵が素晴らしいと共感した」。

閉店間際の『green furniture』。暖色系の灯りの中、リペアされた家具がのぞく。

住所:青森県弘前市代官町22 MAP
TEL:0172-32-8199
営業時間:10時半〜19時
定休日:水曜日
green HP:otohane2.blog79.fc2.com

@yiZHI5oeFwE7Rqh あくん

頑張れ我らの無敵の明治大学競走部。仲間を信じて。我らの明治大学なら必ずや箱根駅伝の切符を取れるはず。来年の箱根駅伝が楽しみだね。部員の気持ちが1つなら必ず予選を突破できるはず。頑張れ我らの明治大学競走部。

@M4l4BM6WyQVac42 ひろっぴー

選手の皆さん おちついて、普段通りの走りをしたら大丈夫! 地方は放送ありませんが、速報や現地に行って下さる方の情報拝見しながら、応援📣します。

安藤桃子が体験する「食べるシャンパン」。あるがままの自然を受け入れるものづくりに共感。[NEW PAIRING OF CHAMPAGNE・傳 /東京都渋谷区]

『傳』長谷川氏(左)と安藤さん。会うのはこの日が初めてだが、自然や食に関する価値観を共有。話が大いに盛り上がる。

傳×安藤桃子和食でも「食べるシャンパン」。自然に寄り添う造りが生む味わいを重ねて。

1734年の創業以来、ワインとガストロノミーに力を注いできたシャンパーニュメゾン、テタンジェ。料理や食文化に対する深い理解と情熱は途絶えることなく、今に至るまでそのスタイルを受け継がれています。テタンジェ社の至宝ともいえるトップキュヴェが「コント・ド・シャンパーニュ」。フレッシュで洗練された果実味、熟した果実の香り。滑らかで、生き生きとした躍動感があり、グレープフルーツとスパイスのニュアンスを感じるエレガントな味わいは、料理と合わせることで、ますます味わう楽しみが広がります。

テタンジェを、料理とのペアリングで、ワンランク上の味わいに。「食べるシャンパン」のさらなる可能性を日本料理で検証します。「コント・ド・シャンパーニュ」に合う一品を提案してくれたのは外苑前の日本料理店『傳』の長谷川在佑氏。スペシャルなマリアージュを、映画監督の安藤桃子さんが体験します。いわく「食の英才教育」を受けて育ったという安藤さんは、ロンドン、ニューヨークと海外で生活した経験も豊かで、現在は、高知県に拠点を持つライフスタイルにも注目が集まります。

『傳』はいわずと知れた、東京を、日本を代表する日本料理店。世界中のフーディーが注目するレストランランキング『世界のベストレストラン50』で日本人最高位の11位、アジア部門では2位を獲得し、不動の人気を誇っています。伝統を重んじながら、型に縛られない表現、プレゼンテーションにも定評あり。「食べるシャンパーニュ」では、どんな提案を見せてくれるのでしょうか。

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出汁の旨みはもちろん、きのこが持つ土の香りも「コント・ド・シャンパーニュ」の深い香りと相乗する。

4種類のきのこを合わせることで、旨み、複雑味が格段に増すと同時に「今日の山の味を伝えられる」と、長谷川氏。

きのこの産地の近く、静岡県産富士山麓で栽培されるにこまるという米を使用。

あえて固めに炊いて、きのこと一緒に咀嚼することで味が深まるように仕上げる。

米油で炒めることで、出汁の旨みにコクをプラスする。

シェフ自らが採ったきのこを惜しげもなくたっぷりと使用する。

炒めたときに付く焼き目も、炊きあがったごはんの味に複雑さをもたらしてくれる。

傳×安藤桃子重層的な味わいの中にある「旨み」ときのこの出汁のマリアージュ。

「上質なシャンパーニュは乾杯酒にあらず、コースを通して変化も楽しみたいもの」と、自らのシャンパーニュ観を話す長谷川氏。「コント・ド・シャンパーニュ」の味わいには、シャンパーニュに求めるものすべてが含まれていると話します。
「抜栓直後、キリッと冷やしたものを味わうと、グレープフルーツの香りやフレッシュな酸味が爽快な味わい。時間をかけ、少しずつ温度を上げていくと厚みや複雑さ、リッチなボリューム感が感じられるように。たとえ泡が消えても、上質な白ワインとして楽しめるんです」と、テイスティングの際の印象を話します。

「合わせたい料理はいくつもある」と、前置きしながら、今の季節に合わせて提案してくれたのは、土鍋で炊く「きのこの炊き込みごはん」です。
「コント・ド・シャンパーニュの重層的な味わいの中に、独特の“旨み”があることに気付き、これはきのこの出汁と相性がいいな、と思ったんです」。
毎年秋になると、可能な限り山へ出掛けるという長谷川氏。この日のきのこも、富士山麓の山で自身が採ってきたものだと話します。

「今日は“日本のポルチーニ”といわれるアカヤマドリ、ヤマドリダケモドキ、ヤマドリダケ、トランペットの4種を使っています。和食では松茸が王様のように扱われますが、ほかにも味のいいきのこはたくさんある。組み合わせによって変化する味わいも楽しんで頂きたいですし、複数のきのこを使うことで生まれる複雑さが、コント・ド・シャンパーニュとのマリアージュをより高めてくれるはずです」。

目でみて、香りを確かめて、まさに五感をフル稼働し食事を楽しむ安藤さん。

長谷川氏自らサーブ。安藤さんの期待値も最高潮に。

艶やかな炊き上がり。混ぜる間にも芳しい香りが広がる。

米油のコクをまっとったきのこが、米のひと粒ひと粒を包み込む。

コント・ド・シャンパーニュときのこの炊き込みごはんを文字通り交互に味わう安藤さん。

きのこの種類で異なる食感、香り、味わいを確かめならのテイスティング。

嬉しそうな表情から、味わいの満足度が伝わって来る。

立ち上る繊細な泡が生むスムースな飲み心地も、コント・ド・シャンパーニュの魅力。

長谷川氏。安藤さんの飾らない人柄、嘘のない言葉に触れ、リラックスした表情に。

「味わいはリッチ。厚みのあるボリュームもあり、今回のきのこの炊き込みごはんとも相性抜群!」と安藤。

傳×安藤桃子味わいが響き合い連なる好循環。温度帯の変化も合わせて。

「祖母が柳橋で料亭を営んでいたので、子供の頃から食や酒、宴席が近くにある環境で育ちました。“味を知れ”が家訓で子供の頃から、食体験の幅は広かった。成人してからはお酒も、もちろん。鍛えられましたね」。
芸能一家に育ち、両親そろってのおいしいもの好き。シャンパーニュやワインにも、若い頃から親しんできたという安藤さん。「コント・ド・シャンパーニュ」を味わって、奇しくも長谷川氏と同じ感想を抱いたと話します。

「シャンパーニュですが、味わいの軸はリッチな白ワイン。しっかりとしたボリュームもあり、味わいに充実感がありますよね」。
長谷川氏が用意した「きのこの炊き込みごはん」をひと口味わうなり「んっまい! 生きててよかったー!」と、一気にテンションが上がった様子。「このきのこは何ですか? こっちは食感がシャキシャキ!」と、話しながら、箸を持つ手が止まらなくなります。
「コント・ド・シャンパーニュを口に含むと、複雑なきのこの味がまた変化する。昔からお酒はワインに限らず、“食べながら飲む”派。お酒が料理を呼び、料理がまたお酒を呼ぶ循環が理想ですが、このシャンパーニュと長谷川シェフのきのこの炊き込みごはんは、まさにドンぴしゃな組み合わせです」。

話しながらも、さらに箸を進めます。「あー、生きてて良かった」と、話しながらおかわりまでして味わう安藤さんを見て、長谷川氏の表情も緩みます。
「お米の粒が立っていて、甘みもちゃんとある。米粒の間に、きのこの傘の下に、ときどき、はっとする塩味が隠れている。こんな緩急のある味の炊き込みごはんは初めて! 炊き立ても最高だったけれど、冷めてもおいしい。温度帯ごとの楽しみがあるコント・ド・シャンパーニュと共通しますね」

さまざまな土鍋は、素材やゲストに合わせて使い分ける。

長谷川氏のきのこ愛が伝わるコレクション。

レセプションに飾られた絵やオブジェのモチーフは、きのこだらけだ。

傳×安藤桃子自然の中で、その時あるもの全てを活かして、つくる味、生まれる作品。

「きのこを採る人じゃないと、つくれない味がある。長谷川シェフの炊き込みごはんを頂いて、しみじみそう感じました」。
安藤さんは、最後のひと口を愛おしむように味わいながら、そう話します。
「それは何よりうれしい感想です。僕自身、山に足を運んで気付かされることは、とても多いと感じているので」と、長谷川氏。
「相手は自然ですから、いつも同じものが手に入るわけではない。たくさん採れる日もあれば、そうでない日もあるし、目当てのものに出会えないときもある。でも、その状況の中で、あるものを活かしてどう料理するかが僕らの仕事だと思うんです」。
長谷川氏の言葉に、安藤さんは大きく頷きます。

「それは、シャンパーニュを始めとする、ワイン造りにもいえることですよね。ぶどうも農産物ですから、出来がいい年もそうでない年もある。ワインメーカーの方も、同じようにある状況を受け入れて、最高の仕事をされているはずです。料理もワインも自然ありき。そして自然との付き合い方が味に出る」と、長谷川氏。
「確かに、ごはんもシャンパーニュも大地の恵み。土地と人の手が繋がり、つくられたものを味わうと、素材が育まれた自然の情景が浮かびますよね」と、安藤さん。

東京から高知に拠点を移し、自然の中で暮らすようになって価値観が変わったという安藤氏は、次のように続けます。
「善悪ではなく、自分にとって自然か、そうでないかがすべての物事の判断基準になった。食でいうならオーガニックかそうでないか、などが気にならなくなったというか。情報や理屈ではなく感性が基準になるという。映画監督という仕事は、目にしたもの、触れたものすべてをいったん体の中に取り込んで、ミキサーで回してミックスジュースのような作品をつくる仕事だと思うんです。だから私自身がどんな環境で呼吸し、どんなものに触れているかで、“味が変わる”な、と。今回、長谷川シェフの料理をコント・ド・シャンパーニュと味わって、改めてそんなことを思いました。全部、つながっていますね」。


(supported by TAITTINGER)

安藤氏。身振り手振りを交えた話ぶりから、言葉に込める想いが伝わってくる。

料理やワイン、自然から仕事観まで、あらゆる話題で盛り上がるふたり。

長谷川氏。女性映画監督ときいて抱いていたイメージを完全に覆された様子だ。

ジャンルは違えど、プロフェッショナルとしての想いを共有したひと時に。

最後は、皆で記念に一枚。チームの良さが『傳』の特徴。この瞬間だけは、安藤桃子も「チーム 傳」の仲間入り。

住所:東京都渋谷区神宮前2-3-18 建築家会館JIA館 MAP
電話:03-6455-5433(受付時間12:00~17:00)
営業時間:18:00~23:00(最終入店20:00まで)
定休日:不定休
 HP: https://www.jimbochoden.com/

1982 年、東京生まれ。 高校時代よりイギリスに留学し、ロンドン大学芸術学部を卒業。 その後、ニューヨークで映画作りを学び、助監督を経て2010 年『カケラ』で監督・脚本デビュー。2011 年、初の長編小説『0.5 ミリ』(幻冬舎)を出版。2014年、同作を監督、脚本し、第39回報知映画賞作品賞、第69回毎日映画コンクール脚本賞、第18回上海国際映画祭最優秀監督賞などその他多数の賞を受賞。2018年 ウタモノガタリ CINEMA FIGHTERS project「アエイオウ」監督・脚本。高知県の映画館「ウィークエンドキネマM」代表。「表現集団・桃子塾」、塾長。現在は高知県に移住し、チームと共に映画文化を通し、日本の産業を底上げするプロジェクトにも力を注いでいる。情報番組「news zero」(日本テレビ系)ではゲストコメンテーターとしての出演や、森永乳業『マウントレーニア』のWeb CMにも出演するなど多岐にわたり活動の幅を広げている。

2019年11月2日(土)、3日(日)、4日(月・祝)、高知にて、文化人やクリエイターの感性とアイディアを子供たちへ届ける文化フェス「カーニバル00 in高知」を開催。安藤は大会委員長を務める。https://www.carnival00inkochi.jp/

お問い合わせ:サッポロビール(株)お客様センター 0120-207-800
受付時間:9:00~17:00(土日祝日除く)
※内容を正確に承るため、お客様に電話番号の通知をお願いしております。電話機が非通知設定の場合は、恐れ入りますが電話番号の最初に「186」をつけてお掛けください。
お客様からいただきましたお電話は、内容確認のため録音させていただいております。

TAITTINGER HP:http://www.sapporobeer.jp/wine/taittinger/

異なる視点、アプローチで漆文化の国の真の豊かさと能登輪島の情景を皿に描く。[DINING OUT WAJIMA with LEXUS/石川県輪島市]

『DINING OUT』史上初、2人のシェフのコラボレーションで完成したフルコースは、能登輪島の情景をゲストの眼前に映し出した。

ダイニングアウト輪島予定調和を超えて、11皿のストーリーを完成させたコラボレーション。

石川県輪島市を舞台に2019年10月5日、6日に開催された『DINING OUT WAJIMA with LEXUS』。『DINIG OUT』史上初となるダブルシェフの競演となり、アメリカ人シェフと日本人シェフのコラボレーションであることも含め、開催前から大きな話題を呼びました。2009年サンフランシスコに開いた『Saison』で熾火料理の店として初めてミシュラン三ツ星を獲得した世界が注目するジョシュア・スキーンズシェフと、長きに渡り東京のレストランシーンの最前線を走り続けてきた『AZUR et MASA UEKI』の植木将仁シェフ。

それぞれの想いで準備を進めてきましたが、2人が真の意味でセッションをスタートしたのは、揃って現地入りをした本番開始のわずか1週間前。金沢出身で「大きな意味で能登は我が故郷」と話す植木シェフと、今回、初めて輪島を訪れたジョシュアシェフでは、輪島が誇る食材や食文化の見え方、捉え方も「漆文化の地に根付く、真の豊かさを探る」というテーマへのアプローチもそれぞれに異なります。本番ギリギリまで微調整を重ねて完成させたという11皿のコースは、1品1品も、コース全体の流れも、おおよそ想像の枠内に収まらないもので、時が進むごとにゲストを輪島の深淵なる食文化の世界へと導きました。

説得力と意外性、双方を持ち合わせた見事なコースをいかにして協創したのか。印象的な皿の解説とともに紐解きます。

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藁の中身は出汁で炊いた米。サンフランシスコで2年前から取り組んでいた調理法。良質な金蔵の稲藁をふんだんに使えることに歓喜するジョシュアシェフ。

構成要素の多い料理を、レストランの厨房と同等の完成度で。真剣な表情の植木シェフ。

輪島の豊かさの象徴、金蔵地区に広がる棚田が会場に。ライトアップされた棚田が幻想的。オープンキッチンの左が今回の為だけに制作した特注の熾火台。

ダイニングアウト輪島能登への深い想いで現場をリードし、コースの骨格をつくった植木シェフ。

金沢出身で、自身の店でも北陸の食材を積極的に扱ってきたという植木シェフですが、今回の『DINING OUT』への参加を踏まえた事前取材で、改めて食文化を掘り下げ、気付きも多かったと話します。森、川、海が連なる里山、里海の環境が生む良質な食材はバラエティ豊か。寺社仏閣の行事がいにしえから今の時代まで暮らしの中に溶け込んでいます。浄土真宗の開祖・親鸞聖人の命日に行われる仏事・報恩講でふるまわれる地域色豊かな精進料理・報恩講料理。そこで用いられ、全国へと広がった輪島塗の文化と、北前船貿易がもたらした繁栄。それらが分かちがたく結びついているところに輪島の食の魅力があると植木シェフは話します。

今回のコラボレーションにあたり、北陸能登にルーツを持ち、日本を拠点とする自身が、リード役、サポート役をともに務めなければならないという気持ちは強くあったと話します。メニューを見ても一目瞭然。レセプションの2品に加え、ディナーコース11品のうち植木シェフが担当した5品は、ディナーの幕開けを告げるアミューズ、メインディッシュに加え最後のプティフールと、コース全体の流れ、骨格を形づくるもの。その一品一品に、食材と食文化のストーリーを込めました。

際立って印象的だったのは、魚料理「ノドグロと藻屑蟹」と、メインの肉料理「海を渡ったイノシシ」。どちらも並行して行われた『DESIGNING OUT Vol.2』で隈研吾氏がプロデュースした器の上に、能登の里山、里海の景色を描き出した料理です。

「ノドグロと藻屑蟹」では、「森から川へ、そして海へ」という能登の自然の巡りを表現。昆布だしを効かせて減圧加熱調理をした旬のノドグロに、くるみを加えたエスカルゴバターで森の彩りをプラス。ノドグロが旬を迎える秋は、海で産卵したモクズガニが河川の淡水域へ戻る時期でも。藻屑蟹とカメノテのビスクが、皿の上に川の流れをつくり出します。

「海を渡ったイノシシ」は、能登半島から七尾湾を泳いで渡ったといわれる能登島のイノシシを使用。海からの風が吹き渡るミネラル豊富な土壌で育まれるイノシシを金蔵の藁で藁焼きにし、イノシシが糧とするむかごや栗をあしらい、能登の里山、里海の秋を再現しました。朱一色の漆のプレートに盛り付けられたそれは、月夜を彷彿とさせるよう。輪島の秋が香り立ちます。

輪島で古くから親しまれるボラと海藻を使ったアミューズ2品。右『能登あんがと農園』のサンマルツァーノの中身はボラの卵巣でつくるカラスミ。左、味噌で炊いた蛸とロックフォールチーズで輪島の発酵食文化を表現した植木シェフ。輪島塗の「木地の器」を取り皿に。

アミューズ3品目。總持寺に伝わる精進料理を野草茶で楽しむ文化から、野草茶で蒸した松茸のリゾット。植木シェフはいしるで発酵食文化を掛け合わせた。

ガストロパックで調理したのは、このイベントのために輪島の自然の中で育てられた『タンポポファーム』の仔牛。コンカイワシ、いしるパウダーで発酵の旨みを添えて。山、大地、海を表現。「布着せの器」で提供。

甘エビやササエ、ノドグロの卵を詰めた小松菜のファルシに、ガストロパックで昆布の旨みを浸透させたノドグロを重ねた一皿。ノドグロはくるみ入りのエスカルゴバターでグラチネに。植木シェフが見た海と川、山が連なる輪島の秋の風景がここに。「中塗の器」で提供。

海風の影響を受け、肉質にミネラル感を感じる能登島のイノシシを金蔵の稲藁で香ばしい藁焼きに。同じ土地のむかごや栗のピュレ、高級原木椎茸「のと115」を添え、野趣あふれる里山の景色を皿の上に再現した植木シェフ渾身の皿。イノシシのジュに昆布出汁を合わせたソースで。「上塗の器」で提供。

予想を上回る料理の連続に、驚きと満足の表情で食事を楽しむゲストたち。

ダイニングアウト輪島ジョシュアシェフ。固定概念やルールを超え、点で引き出す素材の味の最高値。

「山、川、海が揃う輪島は、私が考える食の理想郷のひとつ。今回、初めて日本で料理をする機会を得て、その場所が輪島であったことは、運命にさえ感じます」
輪島という土地について、そう話すジョシュアシェフ。熾火料理というジャンルで初のミシュラン三ツ星を獲得し、スターダムを駆け上がった若きシェフは、ホームで愛用するものと同等の機能を備える巨大な熾火台を会場の厨房につくり、ゲストをあっと驚かせました。

ジョシュアシェフは、実証主義で自分だけの味を築き上げてきた世界的に見ても稀有な料理人。ひとつの食材を加熱時間や温度を変えて調理し、あまたの段階を食べくらべ、味わいだけでなく舌に触れる温度の心地よさ、アロマ、テクスチャーなどを細かく分析し、最高点の味、いわく「スイートスポット」を引き出します。今や食材を乾燥させる工程で、熾火を使うことはアメリカ西海岸や欧州各国のイノヴェイティブなレストランでスタンダードになっていますが、その技法を確立した先駆けでも。
「山から川を伝って海に注ぐ水が、魚介の深い味わいを育み、農作物は海風の影響を受けて滋味を帯びる。私がベースとするアメリカ西海岸は日照りが多いので、野菜や果物の味は濃く凝縮したものになりますが、輪島の食材はデリケートで繊細。魚介でも野菜でも普段、使っているものとは異なるアプローチが必要です」
座右の銘は「proof in the pudding(論より証拠)」。理論、技術もさることながら、味覚を中心とした自身の感覚がつくる味が、食べ手の五感にダイレクトに響きます。

植木シェフの料理がコースの骨組みであり輪郭ならば、ジョシュアシェフの料理は肉付けであり色彩。能登輪島の食材を絵の具に、型にハマらない手法で生み出した6皿が、コースに心地よい緩急をもたらします。とりわけゲストの関心をさらったのが、デザート前に供された「ブロス オブ グリルド ボーンズ」。奥能登の七面鳥や能登島のイノシシの骨で取ったブロスに、イノシシの骨の出汁を用いて藁で炊いたごはん、漬物や佃煮を添えたもので、一汁三菜のスタイルから、和の食文化へのリスペクトが伝わってきます。輪島産黒鮑をそのだしやイカスミとともに熾火でスモークした漆黒の一品では、輪島塗の漆を表現。器の上でイカスミの黒と漆の黒、深い黒が響き合います。

食感、みずみずしさ、辛みや甘みが微妙に異なる数種類のラディッシュを、それぞれの持ち味が最大限に引き出される切り方で。伝統製法を守る『谷川醸造』の醤油と海藻のジュレとの組み合わせも新鮮な、ジョシュアシェフの真骨頂ともいえる一皿。

鮑を炊いた出汁、肝と鮑の旨みを余すところなく使い、イカ墨で仕上げることで、漆を表現。「下地の器」で提供。

本番前日に試食会を開催し、料理の構成やシェフの想いをスタッフ間で共有。地元レストランのスタッフによる型にはまらないサービスも『DINING OUT』名物。

ダイニングアウト輪島対照的な料理だからこそ浮き彫りになる輪島の食材のポテンシャル。

輪島の食材と食文化のストーリーを緻密に積み重ね、フランス料理ならではの重層的な味をつくる植木シェフの料理と、初めて出会う素材の声に耳を傾け、その味の最高地点の味を引き出さんとするジョシュアシェフの料理。アプローチは対照的ですが、コースが進むにつれ、不思議な一体感が浮かびあがります。要因のひとつに、輪島産の昆布の存在があります。ジョシュアシェフはスペシャリテ、キャビアの温前菜「スキーンズ リザーブ キャビア」で、自家製の塩気がまろやかなキャビアに昆布の旨みを重ねました。植木シェフもノドグロを減圧加熱調理する際、ミルポワに昆布を加えたり、藁焼きで供するイノシシをあらかじめ昆布締めにしたりと、昆布を味のベースづくりに活用します。

植木シェフがもっとも驚いたと話すのが、ジョシュアシェフが「メイン料理の前に」と、用意した輪島の柑橘を昆布でマリネしたフルーツサラダ「シトラス」。
「柑橘を昆布でマリネするという発想自体目からウロコ。しかも広げた昆布のごく一部の、味の淡い部分だけを使うことで、フレッシュで甘酸っぱい柑橘の味に心地よい抑揚を生み出す。その昆布すらも、輪島中から集めた数種の中から吟味したもの。僕ら日本人の料理人にはない発想づくし。なるほどと、唸りました」
柑橘からイノシシへ。味を裏支えするグルタミン酸の旨みが味覚の橋渡し役に。植木シェフのメインから引き出した、ジョシュアシェフのコースをつなぐ一皿です。

コースの終盤で、熾火台にくべられた大量の稲藁で会場を沸かせたジョシュアシェフの「ブロス オブ グリルドボーンズ」は、植木シェフがレセプションで使ったのと同じ七面鳥と、メインのイノシシの骨を一度熾火で焼いたものを、大量の海藻と一緒に炊いて取ったブロスが主役。ディナーの始まりと終わりを一本の線で結びながら、熾火料理というアイディンティティを示しながら、日本の食への敬意を表現した料理は、深い感動を呼びました。

輪島の昆布に包まれて熾火台で温められた自家製キャビア。旨みの重なりと、絶妙な温度で促される味わいの広がりが楽しめる。

ジョシュアシェフのスペシャリテ「スキーンズ プライベート リザーブ キャビア」。たっぷりのキャビアにほうれん草と海藻すましバターを添えて。

ジョシュアシェフの一皿。昆布でマリネした柑橘で、輪島のミネラル豊かな大地を表現するとともに、植木シェフの昆布締めにしたイノシシを使ったメインディッシュに向けて味覚の橋渡し役に。

レセプション会場で輪島塗の貴重な椀でサーブされた七面鳥のブロス。ディナーのクライマックスの伏線となった。

会場中から歓声が上がったジョシュアシェフの「ブロス オブ グリルドボーンズ」。一汁三菜の主役はブロス。輪島の七面鳥と焼いたイノシシの骨、数種の海藻で取るブロスは、山海の滋味を凝縮したもの。ごはんは海南鶏飯に着想を得て、イノシシの出汁で炊いて藁で香り付けしたもの。

ダイニングアウト輪島重なり合う思想、響き合う「料理」の先にある想い。

2人以上の料理人がコースを担うコラボレーションディナーでは、使用する食材や調理法を綿密に分担し、持ち場を全うする方法が一般的です。しかし今回は、それぞれが使いたい食材、“皿の上で表現したい輪島”ありきで、料理が決められていったといいます。ときに譲り合い、ぶつかり合い、それでも力を出し合いながら最終的に本番の形が完成しました。
「イレギュラーな方法だったけれど、想いが合致して形が出来たときの快感はこの上ない。1+1の力が2に止まらず、10にも100にも膨らみ得るんだ、とワクワクしながらプロセスも楽しみました」植木シェフは「やり切った」という表情でそう話します。

「ディテールを決め込まず、それぞれの表現を優先させたことで、見えてきたものもある。ひとつの食材、例えば昆布に対して、2人がまったく別の方向からアプローチすることで、食材のポテンシャルはより浮き彫りになる。西洋人と東洋人、人種も年齢も、これまで歩んできた道も違う僕ら2人だから、なおさら意味があったと思います」
若くしてミシュランの三ツ星を獲得したジョシュアシェフですが、その栄誉に執着せず2017年には後進に『Saison』を譲り、現在はさらなる革新と経験のラボラトリーとして設立した『Skenes Ranch』をベースに活動をしています。『Skenes Ranch』は、循環型農業を実践しながら、農業に従事する人材を育てたり、自然と農と食を軸にあらゆることを行える場だといいます。奇しくも植木シェフも、約10年前から地方都市と関わりを持ち、料理人として食育や地域創生に尽力する活動を続けています。
「私はレストランでおいしものをつくって店を繁盛させることだけが料理人の仕事だと思っていない。その気持ちはマサ(植木シェフ)も同じと聞きました。山、川、海がある環境で、料理を通じて何ができるか。『DINING OUT』はそのひとつの表現として、かけがえのない経験になりました」

初のWシェフで開催された『DINING OUT WAJIMA with LEXUS』。国境を超えたコラボレーションが示したのは、レストランを超えて、食ができることを実践し続けるシェフの思想と手法の今。それは広く日本全国の地域で、世界の各地で、再発見できるものであるはずです。

輪島産牛乳の雑味のないミルキーな味をダイレクトに楽しませる一皿。キャラメルサレとカカオニブがアクセントに。

輪島で無農薬の柿から干し柿をつくる柳田氏の干し柿に、チーズのような旨みのある能登の川魚・うぐいの熟れずしの飯の部分、フォアグラのアイスクリーム、甘エビのフォンを合わせて。五味を楽しませる植木シェフのスペシャリテを再構築したデザートに、輪島の山、川、海を映し出した。「加飾の器」は皿のふちに沈金の技法で描かれた一本の繊細で、料理の美しさを引き立てる。

隈研吾氏監修の輪島塗の器に合わせ、輪島塗の製造工程と棚田をイメージしてデザインされたメニュー。シェフ2人の直筆サイン入り。

真剣な表情で話すジョシュアシェフと植木シェフ。それぞれのアプローチで料理に向き合う本気さが人種や文化を超えたフルコースを生み出した。

1967年石川県金沢出身。1990年より渡仏し、南フランスの四ツ星ホテル『ホテル ル デュロス』をはじめ、フランスやイタリアで3年間に渡り料理の研鑽を積む。帰国後、1993年『代官山タブローズ』スーシェフを経て、1998年『白金ステラート』オープンと共にシェフに就任。2000年に独立後、青山に『RESTAURANT J』をオープンした。2007年からは軽井沢『MASAA’s』、銀座『RESTAURANT MASA UEKI』を経て、2017年には株式会社マッシュフーズとともに同店をオープン。日本の伝統的な食材や伝統文化を探求しながら自身の料理に落とし込み発信することで、オープンから間もなくして注目を集め、高い評価を得ている。2016年世界料理学会イン有田と函館にてスピーカーとして登壇もしている。
AZUR et MASA UEKI HP:http://www.restaurant-azur.com/

2006年、『Saison』のコンセプトを産み出し、2009年にサンフランシスコにて1号店をオープン。
熾火料理を主とした料理スタイルで食材の自然のあるべき姿を尊重しながら、最高品質の食材への追求とその革新的な調理法で注目を浴び,アメリカ人として熾火料理で唯一ミシュランの3つ星を獲得。「the world’s 50 best restaurant」、「Food & Wine’s 」のベストニューシェフ、「Elite Traveler Magazine’s」の次の世代を担う最も影響力のあるシェフ15名にも選出される。2016年、更なるイノベーションの促進と成長のプラットフォームを提供するために、『Saison Hospitality』 を設立。2017年には想いをLaurent Gras氏に引き継ぎ『Saison』の現場から完全に身を引き、さらなる革新と研究のラボラトリーとして『Skenes Ranch』を設立。同年、サンフランシスコ沿岸に Skenesの海に馳せる想いを込めた『Angler』をオープンさせると、 2018年 Esquire Magazineにて全米のベストニューレストラン、GQにおいても全米ベストニューレストランに選出され、ミシュラン一つ星を獲得。2019年にはビバリーヒルズに『Angler』 の2号店をオープン。今、世界が最も注目する料理人の一人である。

『DESIGNING OUT Vol.2』[DESIGNING OUT Vol.2/石川県輪島市]

デザイニングアウト Vol.2OVERVIEW

『DESIGNING OUT』とは、地場産業や伝統工芸に焦点を当てることで、地域の価値を再発見する新しいモノ作りプロジェクト。『ONESTORY』と、雑誌『Discover Japan』、そして地域に知見のあるクリエイターがチームを組み、地域の文化や自然、歴史などを積極的に取り入れた新しいプロダクトを開発、発信していきます。

『DESIGNING OUT Vol.2』のテーマは、国指定重要無形文化財の「輪島塗」です。クリエイターには、新国立競技場のデザインに携わったことも記憶に新しい、世界的な建築家である隈 研吾氏を迎え、「輪島塗」に新たな風を吹き込みます。

オリジナルの「輪島塗」のコンセプトを隈研吾氏は、「100 以上の工程を経て完成する輪島塗の器は、作業工程ごとに完全な分業体制が出来ている。職人から職人へと渡っていく器を見て、器の出来上がる過程を一連の食器としてデザインすることにした。コースで出される食体験の中に器が完成する時間軸を重ね合わせる事が出来た。」と話しました。

隈氏ならではのアプローチと、これまでにあり得なかった視点から生み出されるデザイン、その意匠を汲んだプロダクトに挑戦する輪島塗職人達がコラボレーションしたうつわは、去る2019年10月5日、6日に開催された『DINING OUT WAJIMA with LEXUS』にてお披露目されました。
その器ひとつひとつに関わった全ての輪島塗職人たちをご紹介します。

写真家・小林紀晴と巡る南会津夏のツアー・レポート[NEW GENERATION HOPPING MINAMI AIZU/福島県南会津郡]

2019年9月7日から9月8日の1泊2日に開催された「夏の南会津ツアー」での1コマ。

ニュージェネレーションホッピング南会津そそる被写体を探しに、緑に縁取られた夏の南会津へ!

四季のある日本のなかでもひと際、季節の輪郭が色濃い南会津。ONESTORYでは、森林が9割を占める自然豊かなこの地を2018年から1年以上に渡り、ご紹介し続けてきました。今年は四季折々の魅力を体感していただくべく、地元を知りつくした料理人など4名をナビゲーターに迎え、少人数で巡る南会津ツアーを実施。2回目のナビゲーターを務めてくださったのは、写真家・作家の小林紀晴氏です。

浅草から特急リバティに乗り、乗り換えなしで到着したのは南会津の玄関口・会津田島。一同バスに乗り込み、昼食会場で小林氏と初顔合わせとなりました。「つゆじ」や「にしんの山椒漬け」など郷土の家庭料理が並ぶバイキングをいただいたのは会津田島祇園祭の資料館「会津田島祇園会館」。食後、小林氏よりオリエンテーションがありました。全国のディープな祭を巡って撮りためてきた写真と共に、祭撮影で実践している手法や心得が語られる貴重な機会です。「大切なのは、どんな写真を撮りたいかイメージを持つこと」といった言葉が繰り出されるたび、参加者が深く頷く場面もありました。

【関連記事】NEW GENERATION HOPPING MINAMI AIZU/写真家・小林紀晴と巡る南会津・夏のツアーを終えて。小林紀晴インタビュー

撮影前に行われたオリエンテーション。特殊環境下の撮影について、さまざまなテクニックが披露された。

まるでバスガイド?な小林氏。移動に使うバスで荷物を預かってもらえるため、撮影に集中することが出来た。

ニュージェネレーションホッピング南会津響き渡る会津田島太鼓に、重要文化財も共鳴。

最初の撮影会場は南会津の西側に位置する「大桃の舞台」。木々の間から覗く茅葺屋根に向かって歩を進めていると、ふいに空気を裂くような太鼓の音が鳴り響きました。事前に知らされていなかったのですが、地元の小学生や中高生、社会人で構成されている「辰巳会」の皆さんが、田島太鼓で我々を迎えてくださったのです。白虎隊を彷彿させる衣裳に身を包んだ打ち手が全身全霊を込めてバチをふるうたび、舞台全体が音響装置になったかのようにぐわんぐわん揺れているように感じました。参加者一同、勇壮な音のサプライズに驚いて一瞬立ちつくすもすぐ撮影モードに入り、思い思いの場所で演者の姿をカメラに収めていきます。

静かな鈴の音から笛の音へと続き、徐々に激しさを増していく創作曲『天狐白狐』は演者ひとりひとりが汗する姿が美しく、ひっきりなしにシャッター音が聞こえました。演奏が終わると、打ち手の皆さんは先ほどの凛々しい表情が嘘のようなあどけない表情です。ここで演者を特別に撮影できる「特撮」タイムが設けられました。参加者それぞれが演者に声をかけ、「バチを構えて、ここに立ってもらえますか?」「舞台に並んで座ってもらえますか?」と演出を施します。小林氏が先に伝えた「イメージを持つこと」を早々に実践した形です。

立派な杉に囲まれた駒獄神社の境内にある「大桃の舞台」は国指定の重要有形民俗文化財。

白虎隊をモチーフにした白と紺の衣裳が凛々しい「龍巳会」の皆さん。中央の打ち手が手にしている太いバチはその名も「バットバチ」。

距離を測り、己がイメージする写真を撮るべくシャッターを切る参加者一同。熱演&熱写。

演奏後の「特撮」タイム。狐面の打ち手にポーズをお願いして、渾身のポートレートを撮影。

光がキレイに入る木立の間に立つ巫女装束の演者。「ポートレートは光と背景でほぼ決まる」と小林氏。

ニュージェネレーションホッピング南会津シャッターチャンスの連続、秘祭「高野三匹獅子」。

18時半頃、本日のメインイベント「高野三匹獅子」の会場となる稲荷神社に到着しました。
辺りを照らすのは、神社から漏れる仄かな光と蝋燭をともした提灯のみ。神社の周囲には月明かりに照らされた水田が広がり、収穫を待つ黄色い稲が頭を垂れています。秋季例大祭の宵宮に舞われるこの「高野三匹獅子」は、日光東照宮建立の地固めに呼ばれた由緒ある舞ですが、それ以前から五穀豊穣や厄払いのために存在していたとされる発祥時期未定の土着的な秘祭。地元の関係者と我々以外の見物客は数えるほどしかおらず、参加者は貴重な一瞬を逃すまいと動線を確認し、暗い場所での撮影に備えました。

お神酒をいただき、神事が終わった19時半過ぎ、静かな笛の音に乗り、拝殿から腰に太鼓をつけた3匹の黒獅子がまろびでてきました。どうやら2匹の獅子が雌を取りあう設定のようです。ヤマと呼ばれる不思議な扮装の誘導役に続き、長い角を持つ雄2匹、雌1匹の黒獅子は境内の隣にある観音堂を参拝し、鳥居の前で「橋ほめ」の舞を披露、境内に設けられた舞殿でも舞を奉納。その間、静まり返った暗闇に笛の音と太鼓のリズムのみが響きます。最終的に選ばれた太夫獅子が弓をくぐる「弓くぐりの舞」は、「高野三匹獅子」のクライマックス。この瞬間を逃すまいという参加者の想いがひとつになり、一瞬、境内がフラッシュで真っ白になりました。

充実した撮影会の後には沁みる乾杯が待っています。会場の『Bar&Dining CAUDALIE』は、小林氏が南会津を旅する中で偶然見つけたワインバー。参加者一同、美味に舌鼓を打ちつつ、めいめいが2枚選んだ本日のベストショットを鑑賞しました。開口一番、「思った以上に皆さん上手で驚きました」と小林氏。その後、1枚1枚の写真に対する講評がありました。巫女の恰好をした少女をドリーミーに切り取った写真あり、三匹獅子の躍動感を影で表現した写真ありと、それぞれ着眼点が違うのも面白く、写真がモニターに映し出されるたびに歓声があがります。飲み放題のグラスが次々に空き、写真談議に花が咲きました。

拝殿のなかの黒獅子。「高野三匹獅子」は福島県指定の重要無形民俗文化財でもある。

3匹の立ち獅子たちを囲むようにカメラを構える参加者たち。記録用に動画を撮る関係者の姿も。

腰に太鼓をぶらさげた3匹の獅子は2時間近く踊り続けた。昨今は踊り手が少なくなり、祭の継承も危ぶまれているのだとか。

拝殿から弓とりが走り出てくるところからクライマックスが始まる。太夫獅子が弓をくぐるのはほんの一瞬の出来事だった。

撮影後はみなでテーブルを囲み、『Bar&Dining CAUDALIE』で乾杯。1日中動きまわったため、最初の一口は格別だった。

講評を行う小林氏。「写真は選択と集中」「写真は俳句に似ている」などメモりたい言葉のオンパレード。

ニュージェネレーションホッピング・南会津山頂の古堂から南会津を臨み、葱で蕎麦をたぐる。

翌朝は鎌倉初期(830年)建立とされる「左下り観音堂」に向かいました。ちょっとした登山?ほどの急坂を上った先にお目見えしたのは、岩を切り拓いて作られた横約9メートル、高さ約14.5メートルの木製三層構造のお堂です。清水の舞台を彷彿させる佇まいで、本尊のなかには頸無観音と呼ばれる顔のない秘仏が安置されていました。回廊を歩くたび、床がミシミシと音をたてるのですが、堂内から眺める田園とうねる阿賀川が絵画のように美しく、恐怖心を忘れてしまうほどです。

その後、大内宿で昼食となりました。会津藩が江戸への最短ルートを設けるため整備した下野街道沿いにある大内宿は、宿場の機能を失ってから養蚕や麻栽培を行う山間の農村集落として栄え、往時の景観が今も残る場所。茅葺屋根の『三澤屋』でお箸の代わりに長葱で蕎麦をたぐる「高遠そば」を楽しみ、1時間ほどのフリータイム。ファインダー越しに、青空に映える茅葺屋根や集落を流れるせせらぎなどを捉えました。

最後に立ち寄ったのは、100万年の歳月をかけて河食と風化を繰り返してきた景勝地「塔のへつり」です。柱状の岩肌は色濃い緑に覆われ、その姿を映し出しているからか川の水もエメラルドグリーンに見えます。吊り橋や対岸の舞台岩からひととおり撮影を行った後は、『塔のへつり こけし工房』を訪れました。ここでは渋くも可愛らしい奥会津こけしの販売や絵付け体験を行っています。木を削りだす職人の手元をズームで撮影した後、小林氏にサインを求める声があり、即席絵付けショーになりました。帰路、バスの中で小林氏より、「後日、僕が気にいった写真をプリントしてサインを入れて送ります」という嬉しいサプライズ発言がありました。南会津に根差したものやことにフォーカスしたディープな1泊2日。参加者のメモリーカードには、一期一会の貴い出会いが詰まっていることでしょう。


(supported by 東武鉄道)

「なぜこの場所に?」と古人に問いかけたくなる「左下り観音堂」。会津三十三観音巡りの二十一番札所として現在に伝えられている。

好天に恵まれた、「大内宿」では茅葺屋根と青空、日向と影のコントラストがくっきり。

集落のすぐ裏手にはこの時期しかみられない可憐な蕎麦の花が咲いていた。目ざとい参加者がその様をパシャリ。

塔のへつりの大舞台から対岸を捉える。ここは断崖の岩肌ひとつひとつに名前が付いている。

無垢の木からこけしの形を削りだす。削りたての木を触らせてもらうと、じんわり熱かった。

こけしに絵を入れる小林氏。レアなシーンを押さえようと参加者が集まり、シャッターを押しまくった。

1968年、長野県生まれ。東京工芸大学短期部写真技術科卒業。新聞社カメラマンを経て、1991年に独立。1995年に『ASIAN JAPANESE』でデビュー。1997年、『DAYS ASIA』で日本写真協会新人賞受賞。2013年、写真展『遠くから来た舟』で第22回林忠彦賞受賞。写真集に『kemonomichi』(冬青社)、『days new york』(平凡社)。著書に『父の感触』(文藝春秋)、『愛のかたち』(河出文庫)、『まばゆい残像 そこに金子光晴がいた』(産業編集センター)などがある。

ジブリの新商品入荷!!

 

 

皆さんこんにちは晴れ

 

10月も後半に入って寒さが増してきましたねもみじ

 

今回はキャラ工房から新商品を紹介しますキラキラ

 

下矢印下矢印下矢印

 

ジブリの人気キャラクタ-の

デニムポーチ(全4種)

 

 

左から

かおなし ¥1,980(税込)

ジジ ¥1,980(税込)

大トトロ¥2,200(税込)

中トトロ¥1,980(税込)

 

とリーズナブルなお値段キラキラ

 

 

後ろもストライプになってて可愛いピンクハート

 

 

キャラへお越しの際は是非ご覧下さいねルンルン

 

 

鉄道遺産に泊まり、土地の味とぬくもりに触れる。新たなスタイルの旅の提案。[Classic Railway Hotel 人吉球磨/熊本県人吉市矢岳町]

熊本・宮崎・鹿児島の3県を繋ぐ「JR九州肥薩線」は開通から110年を迎えた。

クラシックレールウェイホテル 人吉球磨「駅でチェックイン、部屋までは列車でどうぞ」? 1日1組限定の不思議な宿。

チェックインは駅。“部屋”までは列車で移動し、ディナーも宿泊も駅で。そんなユニークなホテルが2019年8月2日、熊本県人吉市に誕生しました。その名も「Classic Railway Hotel 人吉球磨」。JR肥薩線がつなぐ3つの駅施設を一つの「ホテル」、線路を「廊下」と見立てて、レトロな鉄道遺産の中でのステイや宿泊を楽しんでもらおうという宿泊施設です。

切り文字の陰影が美しい照明サインは、ロートアイアン作家の樺山明氏が制作したもの。

ディナーの後は、クラシックな専用車で星岳・月岳まで送迎。

クラシックレールウェイホテル 人吉球磨日本の鉄道技術を集結させた、ファン垂涎の肥薩線。

鉄道ファンにも人気のJR九州肥薩線。明治42年(1909)に全線開通し、2019年に110年を迎えました。最後に開業した人吉駅〜吉松駅間は高低差が大きいため、円を描いて緩やかに前進するループ線やジグザグに前後進を繰り返すスイッチバックなどの鉄道技術が用いられ、明治時代の歴史を伝える貴重な鉄道遺産でもあります。そんな日本の鉄道技術の粋が集められた肥薩線を走る観光列車「いさぶろう・しんぺい」は、大畑駅や真幸駅のスイッチバック、大畑駅〜矢岳駅間のループ線、そして「日本三大車窓」のひとつに数えられる霧島連山の絶景を楽しめることで人気を博しています。

大場駅の裏山にある宮地嶽神社から眺めた人吉球磨。

吉松行きが「いさぶろう」、熊本・人吉行きが「しんぺい」。明治時代の鉄道の偉人にちなんだネーミング。

クラシックレールウェイホテル 人吉球磨土地の人々が大切にしてきたパーツを組み合わせ、新たな観光資源へ。

他にも温泉などの観光資源を数多く持つ人吉市は、「日本で最も豊かな隠れ里」として2015年、日本遺産に認定。しかし、ほとんどが観光列車で素通りするのみで、列車を降りて街に滞在する観光客はわずかでした。宿泊客は全体の1割にも満たず、少子高齢化、人口減少、集落の空き家問題、鉄道の運行本数の減少などから活力を失っていました。そんな現状に危機感を感じた地域住民が「自分たちの街を元気にしたい」と「株式会社NOTE人吉球磨」を設立。鉄道ファンからも人気が高い肥薩線の大畑駅周辺の活用を計画しました。

2017年8月には人吉市とJR九州、肥後銀行、NOTEの4社で協定を締結。「一度列車を降りて駅敷地内に足を踏み入れてもらう」ことを狙いとし、沿線全体を複合宿泊施設として再生させる「Classic Railway Hotel 人吉球磨」プロジェクトを始動。JR九州肥薩線沿線にある木造駅舎や旧駅長宿舎、駅周辺の古民家など、明治末期の歴史的建造物をホテルやレストランに再生する構想をスタートさせました。

大畑駅の駅舎内に名刺を貼り付けると立身出世するというジンクスがある。

クラシックレールウェイホテル 人吉球磨ノスタルジックな秘境駅の建物がキュイジーヌに。

まずは、日本で唯一、ループ線の中にスイッチバックが併設されている「大畑駅」の1909年築の旧国鉄保線区詰所を改装し、レストラン「囲炉裏キュイジーヌLOOP」として2018年9月にオープン。熊本県生まれでフランスや東京レザンジュなどで腕を磨いた後に人吉でレストランを経営していた中務雅章氏をシェフに迎えました。

料理は「人吉球磨の郷土料理とフレンチの融合」をコンセプトに、地元の肉や野菜、そして球磨焼酎など郷土の味をフレンチに仕立てた季節のコース料理を提供。ディナーは宿泊客のみですが、ランチでもくまもと黒毛和牛や地鶏などのメインに野菜パフェが付いた「囲炉裏フレンチBBQミニコース」を用意。また「季節の給水塔パフェ」「水源地珈琲」などカフェ使いできるメニューもあり、旅の途中に立ち寄れるカフェ&レストランとして話題を呼んでいます。

夜は1日1組、宿泊客限定のプライベートディナー。

クラシックレールウェイホテル 人吉球磨旧駅長宿舎をリノベーションし、地元の木材を生かしたホテルに。

そして2019年8月にオープンしたのが1日1組限定、一棟貸し宿泊施設の「星岳・月岳」。「星岳」は明治末期に建てられた国の登録有形文化財登録の「旧国鉄駅長官舎」で、全国的にも現存するものが少ない明治の鉄道官舎建築の一つです。建材に良質の杉を使用した外観は風格があり、館内には和室2室、床張りのベッドルーム、ダイニングキッチン、檜の浴槽を備えたバスルームをしつらえました。

家具は一勝地曲げ職人の淋正司氏が制作。球磨村の山から伐り出されたベニタブの木の端材をベッドボードに使用し、テーブルやキッチンカウンター、風呂桶なども木目が美しく、センスが光る空間です。離れの古民家を改装した「月岳」は今後オープン予定とか。

「星岳」は定員4名(102㎡)。田舎の古民家らしい風情と快適性を兼ね備えた空間に。

アメニティはガーゼのパジャマや、今治タオル、オーガニックソープなど手触りや心地よさを追求。

クラシックレールウェイホテル 人吉球磨その土地を走る鉄道、その土地で採れる食材が紡ぐ旅のストーリー。

実は「Classic Railway Hotel 人吉球磨」は、NOTE人吉球磨が古民家再生までを行い、その後は株式会社クラシックレールウェイホテル(仲島秀豊代表)が運営しています。目指すのは、その土地の暮らしや原風景に触れながら「宿泊」「飲食」「アクティビティ」を楽しむことができる新しい旅のスタイル。中島氏は「新たな滞在拠点となることで、観光列車で通過するだけでは知ることのできないディープな魅力を五感で味わってもらいたい」と話します。第2弾は熊本県の他地域で開業を検討中。また、今後は九州地域の鉄道沿線に同じコンセプトのホテル・レストランを展開する予定で、2025年までには九州7県すべてで拠点開発をし、九州をまるごと楽しめる鉄道一周ツアーを企画する構想もあるのだそう。
 
土地の歴史を伝える建物に泊まり、自然を目と耳で感じ、食を堪能する。そんな滞在こそ、その土地のストーリーを五感で味わう旅と言えるかもしれません。

周辺には同様の古民家が数多くあるという。「通り過ぎる駅」から、「泊まる駅」「楽しむ駅」へ。

【大畑駅レストラン「LOOP」&本部】
住所:熊本県人吉市大野町4301 MAP
電話:0966-23-1003
定休日:水曜日

【矢岳駅 古民家一棟貸し「星岳・月岳」】
住所:熊本県人吉市矢岳町字葭ノ本4762 MAP
電話:080-2131-3663

料金:2名 ¥80,000(ディナー・朝食付き1泊、JR人吉駅〜矢岳駅の電車代を含む、定員4名)
Classic Railway Hotel 人吉球磨 HP:http://www.crh1.jp/index.html
写真提供:Classic Railway Hotel 人吉球磨

移住で芽生えた愛と夢。工夫を重ねて高みを目指し、明日の津軽を思い描く。[TSUGARU Le Bon Marche・岩木山の見えるぶどう畑/青森県弘前市]

たわわに実ったぶどうを収穫する伊東竜太さん。出来の良さに、思わず笑顔。

津軽ボンマルシェ・岩木山の見えるぶどう畑岩木山を望む、美しい畑で大切に育てられるぶどう。

「ズラッと、ぶどうが実る、その向こうに岩木山。この光景が大好きで」。
柔らかい津軽のイントネーションで、朴訥と、伊東竜太氏が語ります。確かに、整然と並んで美しく実を結ぶぶどうと、今日も凛々しい岩木山のコントラストは見事です。

弘前市一町田(いっちょうだ)。
ここが伊東氏の『岩木山の見えるぶどう畑』です。「80アールある」と言いますから、広さはサッカーコートとほぼ同じ。2009年に開設されました。

ぶどうは、青森でおなじみの「スチューベン」という品種が多く、50アールほどの作付面積。そのほかは、皮ごと食べられて昨今、人気の「シャインマスカット」が10アール弱、残りの畑で「藤稔(フジミノリ)」や「サニールージュ」など、いろいろな品種を少しずつ、計20品種を育てています。「農業って、自分で考えて工夫できる楽しさがある」。そう言って、伊東氏が畑を案内してくれました。他県で一般的な「平棚(点在する木が茂って屋根のように上空を覆う)」ではなく、「垣根(等間隔で木が縦列する)」でぶどうの木を仕立てるのは雪の多い、津軽に合わせたスタイル。

「ヨーロッパでワイン用のぶどうを育てる仕立て方に似ています」。
畑には、以前に『ONESTORY』でも紹介した『オステリアエノテカ ダ・サスィーノ』の笹森通彰氏も見学に訪れたことがあるそう。伊東氏は、さらに工夫して、すべての木が同じY字型に伸びるよう、左右で一本ずつの枝を誘引し、余計な脇芽は摘んで整理しています。こうすると、風通しが良くなり、病気に罹りにくくなる。「光合成の効率も上がる」と言います。ほかにも、根をしっかりと張らせて幹を太くするため、植える木の本数を絞っていること、周囲に自生する草はあまり刈らずに残し、紫外線から土の中の微生物を守るためのカバーにして、健全な土壌を作ることなど、この10年で培った、良いぶどうを育てるための知見をあれこれ教えてくれます。
「田んぼだった土地を買って始めましたが、最初の2年は売れるぶどうが全然、できなかった(笑)」

聞けば、伊東氏は新規就農者。イントネーションから、ずっと津軽の人だと思っていたら、何と、出身は横浜でした。
「最近は両親にも『訛っている』と言われちゃいます」。そこまで、伊東氏が津軽に惹かれた訳とは?理由が知りたくて、これまでのこと、これからのことを聞きました。

名の通り、岩木山を背に作業する毎日。すべての枝を整えるのに一週間がかかり、終わる頃には「初日に手を入れた枝はもう伸びている」。畑を美しく維持するのも一苦労。

ぶどうの木は2.7mの間隔で縦列に並ぶが、足元を見れば、自然な状態で草花が生えている。「作業を考えると歩きにくいんですけどね(笑)」。この草花が健全な土壌を育む。

津軽ボンマルシェ・岩木山の見えるぶどう畑「買う」から「作る」へ。津軽で起きた、私的なパラダイムシフト。

「4年間が本当に楽しかったんですよね。あまりにも楽しかったから、卒業した途端、津軽を去ってしまうのはもったいない気がして。離れたくない。そう思ってしまった」。伊東氏は弘前大学の卒業生。環境問題を学びたいと進学を志し、「学費を考えれば国立」「どうせなら一人暮らしがしたい」と志望校を絞っていった結果の選択でした。
「受験で初めて、津軽に来ました。実際に住んでみたら、独特の良さがあると気付きました。雪が降って不便かもしれないけど、その分、ご近所同士で助け合う優しさがある。見返りを求めているわけではないですけど、雪かきを手伝えば、何か、くれる(笑)。雪があるから、津軽は良い」。農業に興味を持ったのは、「友人たちの元に届く、両親が育てた野菜や果物が魅力的に映ったから」。身近に、実家が農家という校友が多く、横浜時代は「ただ買うモノだった」野菜や果物が、急に「人が愛情を込めて作るモノ」に感じられたそう。「カッコよく言えば、食べ物の有り難さを初めて実感しました」。

横浜と津軽。都市で生活した実体験があったからこそ、津軽の素朴な人情も際立って映ったのかもしれません。農産物に愛を感じてから、就農を決意するまで、そう時間はかかりませんでした。学業の傍ら、旧浪岡町でりんごを育てる後輩の実家に毎週末、通うようになります。
「畑をちょっと見て終わりではなく、やるなら、農家の生活サイクルに入り込むべき。そう考えて一年間、通いました」
そのお父様は青森市が設定する青森農業委員。指導やアドバイスも的確だったのでしょう。そして、自分がこれまで続けてきた農作業に尊敬の念を抱き、懸命に手伝う若者の姿を見て、心底、嬉しかったに違いありません。
「いろいろなことを教えてくれました」。

卒業してからは、まず岩木山麓にある『森の中の果樹園』に就職しました。そこで、いろいろな作物を育てながら、自分に相応しい作物を模索。ぶどうに決めたのは「手間がかかってヘタをすればゼロにもなる果物ですが、しっかりと手をかければ、最高のモノができる。それが魅力」と実感したから。

そして、この土地と出合い、今に至るのです。
「この作物が育つ土地にはどんな景色が広がっていて、その作物はどういう風に実を結ぶのか。作物の育つ環境まで伝えたいんです」
『岩木山の見えるぶどう畑』という名は、そんな伊東氏の志の表明。語る横顔には、静かに燃える熱意のようなものが滲んでいました。

主力の「スチューベン」。昔の「デラウエア」と同じく種があり、果肉だけを食べるが、糖度はかなり高く、味は濃密。国内で生産されるスチューベンの約7割が青森県産だ。

ぶどう畑に巣を張る蜘蛛。「ウチの畑にとっては良いヤツ(笑)。虫を全部、食べてくれますから。食料事情がいいんでしょうね、ウチの畑の蜘蛛、太っているらしいです」

津軽ボンマルシェ・岩木山の見えるぶどう畑伝統のセリ栽培で改めて実感した、量より質の基本姿勢。

一町田は、古くからセリの栽培で有名な地区です。伊東氏がぶどうを育て始めて3年ほどが経った頃、近隣の農家から「セリの栽培もやってみないか?」という申し出がありました。
「名産地ですからね、自分も作ってみたいということは、ずっと周囲に伝えていたんですけど、お話を頂いたときは本当に嬉しかった」
申し出た農家は知人の実家。当初は「『ヨソから来たヤツにセリなんて、できるわけない』と思われていたはず」と伊東氏は言いますが、きっと、ぶどうを作る真摯な姿勢が知人を通じて伝わって、「この人ならできる」と確信したのでしょう。無償でセリ田を貸してくれました。今では、さらに自身でも田を購入して作付面積を増やし、所有する田だけで年間の収量「300〜400kgというレベル」のセリを育てています。
農業は工夫。

セリの栽培でも、伊東氏はこの考えを貫きました。「一本一本がしっかりしたセリを作りたい」。
そう決心して、辿り着いたのが根を抜き取って保管し、新芽と新根が出た「種セリ」を作って水のあるセリ田に蒔く方法。一町田では、根は田に残したまま成長を待ち、オフシーズンの夏、何度か、刈り込みを入れて、冬に力強い枝を育てるのが一般的でした。湧水が豊富で、周囲を巡る用水路からだけでなく、「掘った畑の壁からも水が湧く」一町田では「種セリを蒔くと湧水で流されてしまうから不向き」と思われていた栽培法です。宮城県のセリ農家から学んだ新しい知見でした。新しい知見を得たら、まずは試してみる。試行錯誤を繰り返しながら続けていたら、思い通りのセリが育つようになってきたので、今年からすべて、この栽培法に切り替えました。

しかし、それにしても、セリの栽培は重労働。例年、12月ぐらいから収穫が始まりますが、積雪も多く、極寒のその時季に腰まで水に浸かり、作業は屈んだ状態で。収穫だけでなく、成育のお世話も全部、手作業という過酷さです。「割に合わない」と伊東氏も笑いますが、「種を買って育てるのではなく、自分の株で育てる。それがセリ栽培の面白いところ」。

しっかりと育ったセリは収穫した後、一本一本、丁寧に外葉を取り除き、自宅に掘った井戸の水で「最も美味しい」根をキレイに洗って、収穫の何倍もの時間をかけて、出荷の準備をします。この行程は、最初にセリの栽培に誘ってくれた知人の実家から受け継いだ「私の師匠」の教え。「地元で、採ったその日に食べて欲しい」と思っていますが、最近は直に買ってくれる東京のレストランもできました。
「やっぱり量より質なんですよね。その方がお客様の反応も良く、やっていて良かったと本当に思います。これからも『お客様の口に入る食べ物を作っているんだ』という気持ちを大切にして、農業を続けていきたい」。今度は真顔でそう言い切りました。

取材は9月中旬。「種セリ」を蒔いて2週間ほどの頃で、根も定着。青葉も美しい。「成育に合わせて水位を上げていきます」。20cmの泥の上に、最深で30cmまで水を入れる。

新芽と新根が出た「種セリ」。畑から採取した根を乾かないように保管して1週間ほどで、この状態にする。山と積まれた種セリからは、早くも清涼感ある鮮烈な香りが漂う。

田の一角に前所有者から引き継いだ小屋があり、「かつてはセリの洗い場だったはず」。湧水のプールには絶滅危惧種のイバラトミヨも泳ぐそう。「代々、棲みついています」。

津軽ボンマルシェ・岩木山の見えるぶどう畑津軽は素晴らしい。移住者の実体験に基づくから説得力がある。

工夫を重ね、地道に前進を重ねてきた伊東氏は今、自宅の裏庭に、小さなぶどう畑を新たに設けています。ここは、新しい品種、新しい知見を試しに導入する挑戦の場。
「今年は、新しい試みとして、雨除けを設けてみました。あ、これが『竜宝』ですよ。瑞々しくて甘みもしっかり。個人的にも大好きな品種です。そして、これが『雄宝』。皮ごと食べられて人気です。で、こっちが『ピオーネ』。ぶどうの王様ですね。これは『シャイニーレディ』で……」。
ぶどうの話が止まりません。できたぶどうは全体の7割ほどを市場に卸し、あとは弘前の農業生産法人『ANEKKO』が運営する農産物直売所『野市里(のいちご)』と『オヤマ・アグリサービス』が営む直売所に毎朝、届けています。そして、去年より、自宅の脇に自前の直売所も設けました。
「ぶどうを買いたい人だけが来てくれる。これが理想かもしれません。買う気のない人に買わせるセールストークは苦手ですけど、ぶどうが好きな人にはいろいろ説明したくなる」。

週末限定ですが、今年も10月いっぱいまで、営業を続けます。そして、伊東氏には今、挑戦していることがもうひとつありました。それが、後継者の育成。『鶴田町地域おこし協力隊』に参加して、今は来春の津軽移住と就農を目指す埼玉の夫婦に、ぶどう作りを教えています。「人に教えると自分も勉強になります」。弘前実業高校には、年に8回ほど出向いて、ぶどう畑のことや、作業の実際を解説しながら実技も指導しています。

すべては「自分が津軽でしてもらった恩に報いるため」。そう聞いて、『岩木山の見えるぶどう畑』を案内してくれたときの言葉を思い出しました。
「畑を囲うネットは『森の中の果樹園』で一緒に働いていた深浦町の漁師の奥さんが畑を始めるとき、『もう使わないから』と下さった、漁のための網なんです」。
振り返れば、ぶどう畑の有機肥料を作る材料も、近隣の自然牧場や馬術協会などから家畜の排泄物を、津軽半島・蓬田村からは名産のホタテの貝殻を、安く、ときには「不要だから」と無償で提供してもらっていると言っていました。

こうした互助の精神に、津軽で幾度となく触れてきたから、伊東氏は津軽を愛し、津軽で農業に取り組みたい、そう強く思った──。
「10年、農家をやってきて培った技術や知識を、今度は私が広める番。そして、りんごや米だけではない、ぶどう作りの楽しさ、後継者が不足する伝統のセリ栽培の面白さを、津軽という環境も含めて発信していきたいんです」。
伊東氏の真っ直ぐなチャレンジ精神は周囲に伝播して、津軽で生まれた人、津軽に暮らす人、そして、津軽を目指す人、いろいろな人と繋がっていきます。

農産物直売所『野市里』の棚に、自らぶどうを陳列する伊東氏。これが毎朝の日課だ。「今日は4種で、『竜宝』『シャイニーレディ』『黄玉(おうぎょく)』『藤稔』」。

6年ほど前からりんご生産者『せいの農園』の清野耕司氏と作っている『ぐあばだびょん』はスチューベン×りんごのジュース。ラベルは東京の書家・田川悟郎氏が手掛けた三者のコラボだ。「グァバのよう」を意味する名は最初に飲んだ人の感想を津軽弁にしたもの。

自宅裏のぶどう畑で実っていた『雄宝』。「これでひと房900gぐらいですかね。1.2kgまで成長します」。さっぱりとした上品な甘さで、シャリシャリとした食感も心地良い。

住所:青森県弘前市一町田早稲田24-1 MAP
電話:0172-55-8543
岩木山の見えるぶどう畑 HP: www.facebook.com/iwakibudou

11ozウエポン チノショーツ

アイアン初のチノショーツ!

  • 光沢感とハリ感のあるしっかりとしたウエポン生地を使用したアイアン初のチノ型ショーツ
  • アイアンのチノらしく太すぎないシルエットとヒザ丈ほどの長さで子供っぽくならないスタイルです
  • トップボタンはジーンズと同じYKK製オリジナルタックボタン
  • バックポケットはスリットポケットで左側にはYKK製オリジナルパーメックスボタン
  • ワンウォッシュ済み

素材

  • 綿:100%

納期

  • 4月ごろ入荷

21ozセルビッチ左綾デニム ストレート

左綾モデルにストレートが仲間入り!

  • スリムストレートしかなかった21oz左綾モデルにストレートが追加となりました。
  • 左綾特有の生地の硬さとくっきり表れる強いタテ落ちが特徴です
  • 左綾デニムのジーンズは19ozに次ぐ2型目
  • シルエットやサイズ感は通常の21ozモデルと同等です
  • ワンウォッシュ済み

素材

  • 綿:100%

納期

  • 2月下旬ごろ入荷

21oz黒鎧スーパースリムストレート

黒鎧シリーズにスーパースリムのシルエットが仲間入り

  • 糸の段階で染めておいて、織機で織り上げ黒色の質感をアップ
  • 糸の芯までしっかり染める『反応染め』
  • 膝〜裾にかけてがスリムストレートより更に細い、スーパースリムストレート
  • 裾巾もスリムストレートよりも細い為、ブーツの種類によっては裾が外側に出ない場合があります
  • スリムストレートよりも更に細身のシルエットですがバイクでも使えるように股上を浅くしすぎず座った際に腰が出てしまわないようなパターン

素材

  • 綿:100%

半袖レーヨン ボーリングシャツ

ボーリングシャツがリニューアルして再登場!

  • 【IHSH-199】は綿麻の混紡でしたが今回はレーヨン100%のニューモデルとなります
  • レーヨン100%の為、前モデルよりも少し薄くなりましたが、しなやかな質感と着心地がアップしています
  • インディゴカラーはタテ、ヨコ共にインディゴ染めにしたインディゴ×インディゴ仕様です
  • 昔ながらのボーリングシャツ同様、オープンカラーにトップボダンはループ留めとなります
  • レーヨン100%の為、洗濯機を使用すると縮みが発生する可能性があります。クリーニングや手洗いが推奨となります
  • 素材

    • レーヨン:100%

    納期

    • 4月下旬ごろ入荷

    5.5ozインディゴマドラスチェック ウエスタンシャツ

    昨年のマドラスチェックに新色が追加!

    • アイアンハートの春シャツの定番、インディゴチェックシリーズ
    • ネイビー糸はデニムのようにインディゴ染めをした糸を使用した経年変化の楽しめるシャツ
    • マドラスチェックとはインドのマドラス地方が発祥の明るい色合いのチェック柄です
    • 前立て裏、カフス裏は赤耳使いの仕様
    • 釦はグローブを付けたままでも留め外しのし易い、YKK社製グリッパー釦を使用
    • 釦表面にはIRON HEARTの文字が刻印されたオリジナル釦
    • 明るい色味で春や夏にぴったりの1枚です
    • ワンウォッシュ済

    素材

    • 綿:100%

    納期

    • 4月ごろ入荷

    5ozコットンリネンシャンブレー ウエスタンシャツ

    夏の長袖といえば、コットンリネン!

    • 【IHSH-222】と同素材を使用したウエスタンシャツです
    • リネンを混ぜる事により通常のシャンブレーよりも鮮やかでツヤ感のある表情がでます
    • リネンの持つ軽さや柔らかさは残しつつコットンを混ぜてしっかりとした質感も保っています
    • リネンの特性である通気性の良さや速乾性の高さは春夏にピッタリの生地です
    • 各部の縫い合わせは強度のある巻縫い仕様
    • 釦はグローブを付けたままでも留め外しのし易い、YKK社製グリッパー釦を使用
    • 釦表面にはIRON HEARTの文字が刻印されたオリジナル釦

    素材

    • 綿:60% , 麻(リネン):40%

    納期

    • 3月ごろ入荷

    9ozインディゴブロックチェック ウエスタンシャツ

    春シャツの定番、インディゴチェックがグレードアップして再登場!

    • アイアンハートの春シャツの定番、インディゴチェックシリーズ
    • デニムのようにインディゴ染めをした糸を使用した経年変化の楽しめるシャツ
    • 「Indigo×Dark Indigo」は全てインディゴ染めの糸を使用
    • 「Vermilion×Dark Indigo」はDark Indigoの部分がインディゴ染めの糸となります
    • 前立て裏、カフス裏は赤耳使いの仕様
    • 釦はグローブを付けたままでも留め外しのし易い、YKK社製グリッパー釦を使用
    • 釦表面にはIRON HEARTの文字が刻印されたオリジナル釦
    • ワンウォッシュ済み

    素材

    • 綿:100%

    納期

    • 2月ごろ入荷

    12ozナチュラルインディゴ セルビッチウエスタンシャツ

    初のナチュラルインディゴ使用のシャツ!

    • 定番の【IHSH-33】とは違い縦糸をインディゴ染めではなく本藍染めの糸を使用したデニムシャツ
    • 本藍染めの為より一層青みの強い表情となっています
    • 前立て裏、カフス裏、三角マチは耳使いを採用
    • 釦はグローブを付けたままでも留め外しのし易い、YKK社製パーメックス釦を使用
    • 釦表面にはIRON HEARTの文字が刻印されたオリジナル釦
    • ワンウォッシュ済み

    素材

    • 綿:100%

    納期

    • 2月中旬ごろ入荷

    11ozウエポンウエスタンシャツ

    11ozのヘビーなウエポン生地!

    • 本来はパンツ用のT/Cウエポン素材を使用したアイアンらしいヘビーなシャツ
    • 11ozの生地で目がしっかり詰まったハリのある生地感です。
    • 極厚のウェポン生地は高密度で厚手の為、風を受けた際のバタ付きも少なく春夏のライディングにはピッタリです
    • 釦はグローブを付けたままでも留め外しのし易い、YKK社製グリッパー釦を使用
    • 裏のロック目はオレンジ糸を採用し裏から見ても鮮やかな仕上がり
    • 未洗い

    素材

    • ポリエステル:50% , 綿:50%

    納期

    • 2月ごろ入荷

    ヘビーウェイト2インチボーダーショーツ

    2インチボーダーがショーツになりました!

    • IHTB-01,06と同素材を使用
    • 10番単糸天竺を使用し、肌触りや着心地にこだわった11ozのヘビーボーダー
    • バックポケットはなしのシンプルなつくりです
    • ウエスト部分はゴム入りでスピンドル紐の仕様
    • 膝上ほどの丈感でキャンプなどアウトドアは勿論、部屋着にもピッタリ
    • ワンウォッシュ済み

    素材

    • 綿:100%

    納期

    • 3月中旬ごろ入荷

    ループウィールスウェット ジップパーカー

    ループウイールシリーズに新色登場!

    • 昔ながらの機械で織り上げた生地はしなやかな肌触りと柔らかな風合いがあり抜群の着心地です
    • 4本針(フラットシーマ)での縫製で、ストレスのない着心地です
    • プルオーバーではなくジップタイプになります
    • ダブルジップ仕様なのでバイクに跨った時や座った際にダボつかないです

    素材

    • 綿:100%

    納期

    • 2月下旬ごろ入荷

    ループウィールスウェット プルオーバーパーカ

    ループウイールシリーズに新色登場!

    • 吊編み機(LOOPWHEEL)で時間を掛けて編み上げた無地スウェット
    • 昔ながらの機械で織り上げた生地はしなやかな肌触りと柔らかな風合いがあり抜群の着心地です
    • 4本針(フラットシーマ)での縫製で、ストレスのない着心地です
    • ジップではなくプルオーバータイプになります

    素材

    • 綿:100%

    納期

    • 2月下旬ごろ入荷

    ウルトラヘビースウェットショーツ バイクロゴプリント

    お馴染みのヘビースウェットがショーツになりました!

    • パーカなどでお馴染みの極厚裏起毛のヘビースウェット生地をショーツに仕立てました。
    • 目がしっかりと詰まっており肉厚生地の為、ショーツにしてもバッチリです。
    • 左裾にはバイクロゴをラバープリント
    • バックポケットはなしのシンプルなつくりです
    • ウエスト部分はゴム入りでスピンドル紐の仕様
    • 膝上ほどの丈感でキャンプなどアウトドアは勿論、部屋着にもピッタリ
    • ワンウォッシュ済み

    素材

    • 綿:100%

    納期

    • 3月中旬ごろ入荷

    ウルトラヘビースウェットプルオーバーパーカー

    定番のプルオーバースウェットパーカー!

    • 定番のIHSW-23がこちらの品番に変更となりました。仕様は今までと同様です
    • アイアンハート定番の極厚裏起毛スウェット生地
    • 左裾にアイアンハートオリジナルロゴネームのみのプレーンな無地パーカです
    • 4本針(フラットシーマ)での縫製で、ストレスのない着心地です
    • ワンウォッシュ済み

    素材

    • 綿:100%

    納期

    • 2月中旬ごろ入荷

    ウルトラヘビースウェットVネックカーディガン

    アイアン初の肉厚カーディガン!

    • アイアンハート定番の極厚裏起毛スウェット生地
    • 4本針(フラットシーマ)での縫製で、ストレスのない着心地です
    • ボタンはアイアンではお馴染みの強度の高いYKK製パーメックスオリジナルボタンを採用
    • 腰ポケットは一般的なカーディガンと違い物が落ちにくいようパーカ同様の形にしています
    • スウェット生地なのでバイクに乗る際のインナーには勿論、シャツの上から羽織って街着にもバッチリなカジュアルなアイテムです
    • ワンウォッシュ済

    素材

    • 綿:100%

    納期

    • 2月中旬ごろ入荷

    下越地方の職人気質な料理人たちの仕事に、新潟の食の未来を見る。~中村孝則編~[Niigata Gastronomique Journey/新潟県]

    新潟ガストロノミックジャーニーOVERVIEW

    4賢者のトップバッターとして登場するのは中村孝則氏。新潟市、村上市を中心とした下越地方で、フレンチ、割烹2軒、寿司と、40代の料理人・職人が腕を振るう4軒の店を巡ります。さらに初の試みとなる大規模なレストランイベント『NIIGATA プレミアムダイニング』にも参加。歴史的建造物を舞台に繰り広げられる、一夜限りのレストラン。下越地方の食シーンを牽引するシェフたちのコラボレーションを体験します。

    「地産地消」がスタンダードとなった今、地方のレストランにはそれに頼らないアイデンティティが求められる時代。地域に根ざしながら、県外、海外からもゲストを呼ぶ店へと発展する可能性はどこにあるのか。『The World’s 50 Best Restaurants』の日本評議委員長も務める中村氏が、ワールドスタンダードな視点で、新潟の、下越地方の食の今を味わい尽くす、その旅に密着します。

    【関連記事】Niigata Gastronomique Journey/風土に根ざした独自の美食が花開く新潟へ。4名の食の賢者が各地を旅し、その全容を本気で斬る!


    (supported by 新潟県)

    神奈川県葉山生まれ。ファッションやカルチャーやグルメ、旅やホテルなどラグジュアリー・ライフをテーマに、雑誌や新聞、テレビにて活躍中。2007年に、フランス・シャンパーニュ騎士団のシュバリエ(騎士爵位)の称号を受勲。2010年には、スペインよりカヴァ騎士(カヴァはスペインのスパークリングワインの呼称)の称号も受勲。2013年からは、世界のレストランの人気ランキングを決める「世界ベストレストラン50」の日本評議委員長も務める。剣道教士7段。大日本茶道学会茶道教授。主な著書に『名店レシピの巡礼修業』(世界文化社)がある。

    http://www.dandy-nakamura.com/

    風土に根ざした独自の美食が花開く新潟へ。4名の食の賢者が各地を旅し、その全容を本気で斬る![Niigata Gastronomique Journey/新潟県]

    新潟ガストロノミックジャーニーOVERVIEW

    全国屈指の豪雪地帯であり、荒波すさぶる日本海に、
    米どころ・酒どころ、湯量豊富な温泉、花火大会と、
    新潟と聞いて思い浮かぶイメージはたくさんあるでしょう。

    それはもちろんどれも正しく新潟の魅力を表現しているのですが
    実は今、日本各地の美食家たちが密かに注視しているのが
    「新潟ガストロノミー」と呼ばれる新潟ならではの新たな地域資源。

    そもそもガストロノミーとは料理と文化を科学的に考察する
    フランスを起源とした食文化に向き合う考え方。
    美食学や美食術などとも訳されることが多いのですが
    料理を中心にして様々な文化的要素を取り込み
    科学的に土地と料理と文化を考察しようという考え方であるのです。

    であるなら、新潟×ガストロノミーとは
    すなわち新潟の文化的要素を多彩に取り入れながら
    独自に開花させた新潟ならではの美食学となるわけです。

    南北に伸びる多彩かつ肥沃な大地を持つ新潟。
    その地で今、先鋭的な料理や土地由来の美味を紡ぐ
    世界が注目するレストランが次々と生まれているといいます。

    今回、ONESTORYでは新潟×美食をキーワードに旅する
    『新潟ガストロノミックジャーニー』を企画。
    上越・中越・下越・佐渡と4つのエリアを
    食の賢者4名にディープに味わう旅を楽しんでもらいます。

    米どころ・酒どころだからこそ育まれた
    新潟の新たなる美食の物語。
    そんな美しき旅へ、4賢者とともに誘います。


    (supported by 新潟県)